「私と奥さんどっち取る?」不倫相手の詰問に黙り込む夫…妻子持ち不倫の結末は?
宗太はぐっと顔を下に下げると、力なく言葉を伝えた。
宗太「…ほんとうに、すまないことをしたと思ってる」
さらさ「で、ここにいたいの?」
宗太「もう二度としないから、ここにいさせてください」
宗太は考えるように間を開けると、ぽつり、ぽつりと話はじめた。
宗太「ひなたが生まれて、本当に嬉しかったけど」
宗太「さらさはどんどん母親らしくなってくのに、オムツ替えひとつにしても気を利かせてるつもりでも、さらさに小言いわれるようになって、少し自暴自棄になってた」
宗太「そのとき、沙彩に会って褒められて…そのことが自分の存在を認められたみたいで嬉しかった」
宗太の言葉に、さらさの胸が少し痛む。
(育児で余裕なかったとはいえ、当たりすぎてたかな)
思い当たることもあり、さらさも少し反省する。
宗太「だからって、家族を傷つけるようなことしてごめん。もう二度としない」
さらさは、頭を下げ続ける宗太を見るとふっと息をついた。
さらさ「…私もごめん」
宗太が顔をあげる。
宗太「いや、俺が全部悪い。ほんとにごめん」
すると、その時。
ピンポーン。
(こんな時間に?)
宗太が何かに気づいたように、慌てて立ち上がる。