2010年も、半分が過ぎました。これまでどんな映画に出会いましたか。その中で、お気に入りのファッションは、見つかりましたか?映画とファッションは切っても切り離せないもの。映画の印象と、そこに登場するファッションは強く繋がっているものです。例えば、『ローマの休日』とオードリー・ヘップバーンのファッションのように。今年、そんな素敵な関係は見つけられたでしょうか。個人的に、2010年はクラシカルなファッションの映画が気になった年。特に『17歳の肖像』、『(500日)のサマー』、『抱擁のかけら』、『ココ・アヴァン・シャネル』、『シャネル&ストアヴィンスキー』が醸し出していたテイストが好き。ファッションデザイナーのココ・シャネルを題材にした2作は当然のラインナップと言えるでしょう。そして、スペインのペドロ・アルモドバルが見せる、ファッションとインテリアの粋な関係からも目が離せませんでした。『抱擁のかけら』は多くの意味で、彼自身の『オール・アバウト・マイ・マザー』と対を成す作品。あの作品、そしてあのヴィジュアルが大好きな人には、こちらも大切な作品になったことでしょう。そんな中で、ベストルックを決めるのは難しいけれど、最も真似できそうな“リアルクローズ”という意味では、『(500日)のサマー』の多彩なワードローブは簡単に盗めるものばかり。DVDを購入して、再度しっかりチェックするというのもアリかなと思っています。そして下半期、特にこの夏のファッションを占うなら、やはりその指標となるのは、『セックス・アンド・ザ・シティ2』でしょう。アラブ首長国連邦のアブダビ・ロケで見せた、4人のファッションのエキゾティックで華やかなこと。ロングスカーフやターバン、たっぷりとしたドレープ使いの服や帽子、陽の光を受けてキラキラと輝く色合わせなどが魅力です。ただ、日本人にはちょっと大胆すぎるかな…という方には、エスニックテイストだけをちょっと真似してみるのもいいですね。最近は、チュニックにスパッツやパンツを合わせるのが定番スタイルのひとつになっていますが、蒸し暑い日でも風をはらんで涼しく過ごせるので、この夏も大活躍しそう。特に、エスニックテイストのものは、ここ数年の人気アイテムですが、最近では刺繍やビーズ、スパンコールなども施されていたり、カラーバリエーションも鮮やかで豊かだったりと、より洗練されたものも登場しているので、ちょっとしたパーティにも活躍しそう。シンプルなデザインのものが多いので、いつもとは違ったちょっと大胆な色を選んでみれば、“SATC”気分でわくわくできるのではないでしょうか。エスニックなテイストをもっと味わうなら、7月3日(土)から公開される『アデルファラオと復活の秘薬』も参考になりそう。これは、エジプトが舞台のクラシカルなアクション映画です。ヒロインの優雅なドレス姿が、アクションとミスマッチでとってもユニーク。でも、この映画については次回じっくりお話しするので、ちょっとお預けとしましょう。秋以降は、また、クラシカルなファッションが気になり出しそうな予感。ファッションデザイナーのトム・フォード初監督作品の『シングルマン』、ジャン=ピエール・ジュネ監督の最新作『ミックマック』など、ファションだけでなく、作品そのものがスタイリッシュというツワモノも。とにかく、下半期も華やかなファッションの話題には事欠かない映画界。ぜひ、自分モードの映画をみつけて、楽しんでみてくださいね。(text:June Makiguchi)■関連作品:(500)日のサマー 2010年1月9日よりTOHOシネマズシャンテ、シネクイントほか全国にて公開© 2009 TWENTIETH CENTURY FOXココ・アヴァン・シャネル 2009年9月18日より全国にて公開© Haut et Court - Cine@ - Warnerbros. Ent. France et France 2 Cinemaシャネル&ストラヴィンスキー 2010年1月16日よりシネスイッチ銀座、Bunkamura ル・シネマ、新宿武蔵野館ほか全国にて公開© EUROWIDE FILM PRODUCTION抱擁のかけら 2010年2月6日より新宿ピカデリー、TOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国にて公開© Juan GattiEl Deseoセックス・アンド・ザ・シティ2 2010年6月4日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2010 New Line Productions, Inc. and Home Box Office, Inc. シングルマン 2010年秋、新宿バルト9ほか全国にて公開© 2009 Fade to Black Productions, Inc. All Rights Reserved.アデル/ファラオと復活の秘薬 2010年7月3日より全国にて公開© EUROPACORP - APIPOULAIPROD - TF1 FILMS PRODUCTIONミックマック 2010年9月4日より恵比寿ガーデンシネマにて先行、9月18日より全国にて公開2009 © EPITHETE FILMS –TAPIOCA FILMS –WARNER BROS. PICTURES –FRANCE 2 CINEMA -FRANCE 3 CINEMA■関連記事:愛と才能に生きた2人『シャネル&ストラヴィンスキー』ブルーレイを3名様プレゼントシネマLIVE!にて来日レポート&メイキング映像もご紹介!『アデル』鑑賞券を5組10名様にプレゼントシャーロット&ミランダがぶっちゃけ子育てトーク!『SATC2』本編映像が到着『セックス・アンド・ザ・シティ2』、アブダビでは上映禁止かサラ・ジェシカ、亡き友人デザイナーの衣裳まといCFDA特別賞プレゼンター務める
2010年06月25日「フランス映画祭2010」が3月18日(木)、東京・六本木ヒルズで開幕し、同所で行われたオープニング・セレモニーで来日代表団の団長、ジェーン・バーキンら15人が華やかにレッドカーペットを歩き、舞台挨拶を行った。先立って行われた記者会見に出席したジェーンは、「桜の時期だと聞いていたので、凄く楽しみにして来ました。日本には10〜15回も訪れているのに、いまだに桜を見ることが出来ていません。今回も難しそうなので、お花見にまた日本に戻ってきたい」と親日ぶりをアピール。日本の映画の印象について「『東京物語』など昔の作品でも女性が大切に描かれていると思います。フランス、特にパリでは海外の映画の上映も多いです。北野武はとても人気があってペドロ・アルモドバルやウディ・アレンと同じくらい有名よ」と話した。英国・ロンドン出身で1968年にフランスに移り、作曲家の故セルジュ・ゲンズブールと2度目の結婚をして、デュエット曲「ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ」がヨーロッパで大ヒットするなど話題を呼んだ。流暢に話すフランス語について「イギリス出身の私は、フランス語で歌や演技をするのに苦労した。きちんと学習していなくてセルジュの腕の中で覚えたの。だから最初はスラングばっかり。イギリスではなかなか言わない“R”の発音は、40年経ってやっとキレイな発音ができるようになったわ」とふり返った。オープニング作品の『ミックマック』(原題/ジャン=ピエール・ジュネ監督)の上映前に、代表団15人が舞台挨拶。ジェーンは「日本のみなさまは、世界一素晴らしい観客。日本での人気があったからこそ、こうして団長に選ばれて来ることができました。とても光栄です」と笑顔。同作のジュネ監督は「“ミックマック”と“ビックマック”を混同しないように」と表情を変えずにフレンチジョーク(?)。同作は、悪徳企業に挑む男たちの戦いを描くハートウォーミング・コメディ。「自由に作ってあるから楽しんで」と語りかけた。代表団の1人、ギャスパー・ノエ監督だけがこの日は欠席。ジェーンは「ノエは明日来ます」と説明した。同映画祭は、ユニフランス主催で1993年から始まり、今年で18回目。2005年までは横浜、2006年からは東京や大阪などで、昨年からは東京で開催。今年はジェーンが出演した『テルマ、ルイーズとシャンタル』を含む長編14作と短編9作を上映する。『ミックマック』は夏、恵比寿ガーデンシネマほか全国にて公開。「フランス映画祭2010」は3月22日(月・祝)まで開催中。(text:Yoko Saito)フランス映画祭2010開催期間:3月22日(月・祝)まで開催中会場:TOHOシネマズ 六本木ヒルズ公式サイト:■関連作品:ミックマック (原題) 2010年夏、恵比寿ガーデンシネマほか全国にて公開2009 © EPITHETE FILMS –TAPIOCA FILMS –WARNER BROS. PICTURES –FRANCE 2 CINEMA -FRANCE 3 CINEMAシスター・スマイルドミニクの歌 2010年初夏、シネスイッチ銀座ほか全国にて順次公開クリスマス・ストーリー (原題) 2010年秋、恵比寿ガーデンシネマほか全国にて順次公開パリ20区、僕たちのクラス 2010年6月12日より岩波ホールにて公開© Haut et Court - France 2 Cinemaエンター・ザ・ボイド 2010年5月15日よりシネマスクエアとうきゅうほかにて公開オーケストラ! 2010年4月17日よりBunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座ほか全国順次公開© 2009 Focus Features LLC. All Rights Reservedあの夏の子供たち 2010年初夏、恵比寿ガーデンシネマにて公開■関連記事:さあ、人生を奏でよう!『オーケストラ!』試写会に10組20名様ご招待ギャスパー・ノエのTOKYOを舞台にした衝撃作『エンター・ザ・ボイド』予告編初公開フランスのオスカー、セザール賞が発表。ヴァンサン・カッセル亡父に捧げる主演男優賞
2010年03月19日衝撃的な物語と独特の映像美で、新作を発表するごとに論議を巻き起こすフランスの鬼才ギャスパー・ノエ。問題作『アレックス』に続き、昨年のカンヌ国際映画祭を沸かせた最新作で、“TOKYO”を舞台にした『エンター・ザ・ボイド』の予告編がどこよりも早くシネマカフェに到着した。物語の着想の元となったのは“輪廻転生”の思想。あてどなく日本を訪れ、魔都“TOKYO”でドラッグのディーラーとして暮らす主人公・オスカーは、最愛の妹・リンダをこの街へ呼び寄せる。ほどなく彼女はナイトクラブでストリッパーをするようになるが、そんなある日、オスカーは警察の取締りを受け、銃で撃たれてしまう。意識が薄れ、彼の魂は陶酔に包まれて肉体から離脱するが、愛する妹を思う気持ちから魂は死を受け入れず、妹を追って夜のTOKYOを彷徨する――。『アバター』のSFXを担当したクリエイター、ピエール・ブファン率いるビジュアル・エフェクトチーム「BUF」が創造した映像の中で描かれるセックスとドラッグと死、そして輪廻転生。刺激的な映像世界をさらに際立たせるべく、音楽にはダフト・パンクのトーマ・バンガルテルが参戦!さまよえる魂が向かう先は?今回も論議を呼ぶこと必至。ギャスパー・ノエが作り出したTOKYOに注目せよ!『エンター・ザ・ボイド』は5月15日(土)よりシネマスクエアとうきゅうほか全国にて公開。※こちらの予告編はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:エンター・ザ・ボイド 2010年5月15日よりシネマスクエアとうきゅうほかにて公開
2010年03月11日『トランスポーター』に『ダニー・ザ・ドッグ』、『96時間』などで製作×撮影、もしくは製作×監督という関係でタッグを組んできたリュック・ベッソンとピエール・モレルが、ジョン・トラヴォルタとジョナサン・リス=マイヤーズを主演に迎えて贈るアクション大作『パリより愛をこめて』(仮題)。本作のパリ・プレミアが2月11日(現地時間)に開催され、シャンゼリゼ通りに敷かれたレッドカーペットに、トラヴォルタ&マイヤーズ、そしてヒロインのカシア・スムトゥニアクらが登場した。氷点下の極寒の中、トラヴォルタは妻のケリー・プレストンと共に登場。「今日はとても素晴らしいパリでの一日を過ごしているよ」と笑顔で語った。本作での挑戦について聞かれ「全てのスタントをこの年齢で自分でやるというのがチャレンジだった。でも、僕はそれをやり遂げた。リュックとピエールが、僕にはそれが出来ると確信してくれたからね。僕はとてもエキサイティングに思ったし、嬉しかったよ」と充実した表情を見せ、日本からの報道陣に向けて「近いうちに日本でお会いしましょう」との発言も飛び出した。トラヴォルタの役柄は“規格外”のCIA諜報員。彼に振り回される若き駐仏アメリカ大使館員を演じたマイヤーズは、そのトラヴォルタとの共演について「“生ける伝説”とも言える偉大な役者との共演なんだ。どんな分野であれ、若いアーティストなら、その道のベストと一緒に仕事したいものだよ」と興奮気味に語り「パリでオープニングを迎えるなんて、世界中で最もエキサイティングなことのひとつだよ」と満足そうな表情を見せた。さらに、日本のファンに向けては「東京、そして日本のみなさんは、本作をスシみたいに堪能できると思いますよ!」とユーモアたっぷりにメッセージを寄せてくれた。モデルとしてキャリアを重ね、本作で女優として世界へと羽ばたくカシアは自らがモデルを務めるアルマーニのドレスで登場。「(トラヴォルタ&マイヤーズの)2人のような素晴らしい俳優と共演できるなんて夢にも思わなかったわ。彼らはとても寛容で、私を助けてくれたの。愛あり、死あり、良い音楽ありの作品なので楽しんでください」と語った。異色のコンビがパリを舞台に大暴れする『パリより愛をこめて』(仮題)は5月15日(土)より丸の内ピカデリーほか全国にて公開。© Photo by Chiaki Nozu■関連作品:パリより愛をこめて(仮題) 2010年5月15日よろ丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2009 EUROPACORP - M6 FILMS – GRIVE PRODUCTIONS – APIPOULAÏ PROD
2010年02月12日今年は、エンタメ界に素敵なシンクロニシティが起こりました。ファッションデザイナー、ガブリエル・シャネルの生涯を描いた作品が、2009年だけで3本も誕生。大地真央主演に舞台も上演されるなど、今年はまさにシャネル・イヤーなのです。シネマカフェ読者にも、シャネルのファンは多いはず。女性なら一度はシャネル・スーツに身を包んでみたいという想いがあるのではないでしょうか。数々の功績と伝説に彩られた、ココ(シャネルの愛称)の人生については、ある程度は知られています。でも、まだまだ知らないことはいっぱい。そんなココの生涯を、違った視点で辿ることができるのですから、ファッションに関心のある人にとってはこの上ない喜び。もちろん、ファッションにはそれほど興味がないという人にも、時代を築いた女性の一代記として十分に見応えを感じられるはずです。そんな作品たちの中で、成功するまでのガブリエル・シャネルの軌跡を辿っているのが、『ココ・アヴァン・シャネル』。直訳すると、シャネル以前のココ。つまり、“シャネル”としての名声を得る前の無名時代を中心に描いています。シャネル初心者にとっては、最も親しみやすい作品かもしれませんね。シャネルという魅力的な人物が形成されていった時代性、彼女の成功を後押しした数々の出来事、成功の影で犠牲になった平凡な幸せなど、背景もきちんと描かれているので、シャネルというブランドの精神や、その魅力の必然性などを感じられると思います。もちろん、「シャネルについてはいろいろ知っている」という大ファンが痺れるような仕掛けもいっぱい。ココが実際に所有していたアクセサリーが登場したり、コンセルヴァトワール・シャネルの協力により貸し出されたドレスとジュエリーが登場したり。特にファッションショーのシーンは注目。モデルたちが着用しているのは、衣裳ではなく全てが本物のシャネル。大変な眩さでした。ところで、オドレイがシャネルを演じるのでは「キュート過ぎるのでは?」と思うかもしれませんが、なかなかどうして。ボーイッシュ=中性的な魅力で、女性の社会進出の基礎を築いた芯の強さや、“デコラティブ”の対極にある“シンプル”を体現。意志の強そうな大きな瞳が、ココが秘めていたであろう情熱を、エレガントに魅せてくれました。しかも、彼女はシャネルNo.5の現役ミューズ。広告用フィルムの監督は『アメリ』のジャン=ピエール・ジュネ。以前、ニコール・キッドマンと『ムーラン・ルージュ』のバス・ラーマン監督が組んだ映像も話題となりましたが、今回も映画界のゴールデンコンビならではの、ドラマティックな映像が楽しめます。「CHANEL No.5 THE FILM」はシャネルの公式サイトで鑑賞可能。9月の『ココ・アヴァン・シャネル』公開までちょっと時間がありますから、それまではNo.5の映像を味わってみてください。次回は、シャネルを描いたほか2作をご紹介します!(text:June Makiguchi)『ココ・アヴァン・シャネル』公式サイトシャネル公式サイト■関連作品:ココ・アヴァン・シャネル 2009年9月、全国にて公開© Haut et Court - Cine@ - Warnerbros. Ent. France et France 2 Cinema■関連記事:世紀のデザイナーを熱演オドレイ「知られざるシャネルの喜びや悲しみを伝えたい」オドレイ・トトゥ&シャーリー・マクレーンそれぞれのシャネルが映す女の生きざま
2009年06月12日