国内有数の東洋・日本美術コレクションを所蔵する大阪の藤田美術館。そのなかからセレクトされた美術館の名品が、はじめて東京に集結。8月5日から、サントリー美術館で『藤田美術館の至宝国宝 曜変天目茶碗と日本の美』展が開催中です。本展で見られるのは、仏教美術や書、絵巻、水墨画、茶道具など、幅広いジャンルの美術品です。なかでも見逃せないのは、展覧会のチラシにも大きく掲載されている国宝《曜変天目茶碗》。中国の福建省で作られたもので、現存する同種の碗は世界に3つしかないという大変貴重な作品です。この作品の特徴は、茶碗の内側に広がる瑠璃色の斑文です。まるで漆黒の宇宙にきらめく銀河のようで、神秘的な美しさに心奪われること間違いなし。藤田美術館でも数年に一度しか公開されないという至宝で、今回は東京で見られるまたとないチャンスです。質・量とも充実した美術品を所蔵する藤田美術館は、明治時代に活躍した実業家の藤田傳三郎とその子息たちが集めた作品をもとに、1954年、大阪で開館しました。藤田美術館の至宝が東京で一堂に公開されるこの機会に、ぜひ足を運んでみてはいかが?イベントデータ:『藤田美術館の至宝国宝 曜変天目茶碗と日本の美』展会期:2015年8月5日(水)~9月27日(日)(会期中、展示替えを行います)※休館日は火曜日。9月22日(火)は開館時間:10:00 ~ 18:00(金・土および9月20日(日)~22日(火・休)は20時まで開館)※入館は閉館の30分前まで会場:サントリー美術館料金:一般 1,300円/大学・高校生 1,000円/中学生以下無料作品クレジット:国宝《曜変天目茶碗》一口中国・南宋時代12~13世紀藤田美術館蔵撮影:三好和義※画像無断転載禁止
2015年08月12日6月29日まで東京・六本木の国立新美術館で開催され、実に34万人を動員した「マグリット展」が、7月11日、京都市美術館(左京区)で開幕した。本展は、ベルギー出身の20世紀を代表する芸術家ルネ・マグリット(1898~1967年)を紹介する大回顧展で、日本では13年ぶりの開催となる。世界10ヵ国以上の美術館や個人が所蔵する初期から晩年の約130点の作品が集められ、頂上に城のある巨岩が宙に浮く「ピレネーの城」は京都展のみ。他には馬に乗って林の中を進む女性が奇妙に見え隠れする「白紙委任状」などが展示される。開館前から並んだファンもおり、今も世界中から高い人気を誇るマグリット独特の世界観を楽しんでいた。また、4月にBS-TBSで放送された「20世紀美術の巨匠 ルネ・マグリットの摩訶不思議な世界」がMBSテレビ(※関西ローカル)で7月19日(日)深夜2:55~3:55に放送される。音声ガイドナビゲーターの石丸幹二さんが謎の山高帽の男に扮して、皆さんを不思議なマグリット空間へいざなう。本展は10月12日(月・祝)まで開催。当日券は一般 1,600円、高大生 1,100円、小中生 600円で販売中。
2015年07月17日今、美術館が丸裸になっています。’10年「陰影礼讃」展に続く第2回となる、国立美術館5館による合同展「No Museum,No Life?-これからの美術館事典国立美術館コレクションによる展覧会」。約170点の名作が集結していますが、ラインナップはもちろん、その展示方法も要注目なのです!今回のテーマは“美術館事典”。百科事典のようなアルファベットごとのテーマ分けで、それに沿って作品を展示します。面白いのが、普段表舞台に出ない、美術館の裏側もテーマになっているところ。例えば「Wrap(梱包)」では布で包まれて中身の見えないクリスト作のオブジェなど“梱包”にまつわる作品とともに、運搬に用いる梱包材も並び、「Money(お金)」では美術館の収益データまで公開!貴重なアートと、それを支える道具などが一緒に並ぶのは、見たことない光景です。遊園地の裏側を見ちゃうようにがっかりするんじゃ…と思う方、心配ご無用。アートをアートたらしめる美術館という空間そのものについて深く知ることで、作品への見方も変わり、新たな鑑賞体験を得られるはず。36項目の中から、注目テーマをピックアップしてご紹介します!■Artist【アーティスト】権威的な美術界を嫌い、自由な芸術活動を行 おうと画家らに呼び掛けたルソーの絵画。これが今、美術館に展示されるのも皮肉的?アンリ・ルソー ≪第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神≫ 1905-06年、東京国立近代美術館■Beholder【観者】美術館そのものがテーマとなる本展を象徴する“ルーヴル美術館でアートを観る人々”を写した写真作品。他にもミレーの『落ち穂拾い』を鑑賞するタイの農民たちを映した映像作品など。トーマス・シュトゥルート≪ルーヴル美術館4、パリ 1989≫1989年、京都国立近代美術館(C)Thomas Struth■Light【光、照明】上の現代アートをはじめ、“光”にフォーカスするこの項目。美術館で用いられる照明の紹介もあり、絵画の見え方への理解が深まる。ダン・フレイヴィン≪無題(親愛なるマーゴ)≫1986年、国立国際美術館(C)Stephen Flavin/ARS, New York/JASPAR, Tokyo E1582■Earthquake【地震】地震を表現した絵画や写真と並んで、なんと建物の土台に用いられる免震台が。貴重な作品を展示する美術館においても、地震は脅威的な存在。その対策とともに紹介します。■Guard【保護、警備】自身の絵画を展示する際に、柵を設けるなどして作品と鑑賞者の間に距離を設けるよう求めたフランシス・ベーコンの作品を展示。意図して(?)この項目のそばにも監視員さんが。■Storage【収蔵庫】展示されていない作品を保管する“収蔵庫”。この項目では、画家・藤田嗣治の作品を所蔵している4館の収蔵庫内の写真を背景に、本物の4作品を展示します。◇information 東京国立近代美術館東京都千代田区北の丸公園3-1開催中~9月13日(日)10:00~17:00(金曜は~20:00、入館は閉館の30分前まで)月曜休(7月20日は開館、7月21日休)TEL:03・5777・8600一般1000円◇権威的な美術界を嫌い、自由な芸術活動を行 おうと画家らに呼び掛けたルソーの絵画。これが今、美術館に展示されるのも皮肉的?アンリ・ルソー ≪第22回アンデパンダン展に参加するよう芸術家達を導く自由の女神≫ 1905‐06年、東京国立近代美術館◇美術館そのものがテーマとなる本展を象徴する“ルーヴル美術館でアートを観る人々”を写した写真作品。他にもミレーの『落ち穂拾い』を鑑賞するタイの農民たちを映した映像作品など。トーマス・シュトゥルート≪ルーヴル美術館4、パリ 1989≫1989年、京都国立近代美術館(C)Thomas Struth◇上の現代アートをはじめ、“光”にフォーカスするこの項目。美術館で用いられる照明の紹介もあり、絵画の見え方への理解が深まる。ダン・フレイヴィン≪無題(親愛なるマーゴ)≫1986年、国立国際美術館(C)Stephen Flavin/ARS, New York/JASPAR, Tokyo E1582※『anan』2015年7月15日号より
2015年07月14日古代ギリシャで制作され、現在はパリ・ルーヴル美術館で展示されている彫刻の女性像「ミロのヴィーナス」が、アクションフィギュアシリーズ「figma」で立体化され(FREEing)、2016年1月に発売されることが決定した。現在「GOOD SMILE ONLINESHOP」にて予約受付中で、価格は4,444円(税別)。今年5月には、近代彫刻の父オーギュスト・ロダン作「考える人」が「figma」で立体化され大きな話題となったが、『figma ミロのヴィーナス』は、「だれもが知っているあの芸術作品が、figmaになって動き出す」とコンセプトとしたテーブル美術館シリーズの第2弾として登場。ミロス島で発見され、その優美さと失われた両腕のミステリアスな要素で人々を魅了する、彫刻作品の傑作のひとつが、まさかのアクションフィギュアとなって立体化される。『figma ミロのヴィーナス』のフィギュア間接部には、スムーズかつさまざまなポーズが決まるfigmaオリジナル関節パーツが使われており、「ミロのヴィーナス」のポーズはもちろん、世界的な芸術作品にさまざまなアクションポーズをとらせることが可能。要所に軟質素材を使うことでプロポーションを崩さず、可動域を確保しているという。「figma」サイズになっても腰布の表現の緻密さは表現されており、現物の造形美も再現。付属パーツは「ミロのヴィーナス」ポーズ用の専用台座のほか、片手には林檎を持っているのではないかとする有力な説のもと、実在しない「失われた両腕」と「林檎」といった手首パーツや胸&頭部パーツ、可動支柱付きのfigma専用台座が同梱される。商品価格は4,800円(税込)で、「GOOD SMILE ONLINESHOP」の受注締切は2015年7月29日21:00。商品の発売および発送は、2016年1月を予定している。
2015年07月03日東京都・上野の東京国立博物館は、ルーヴル美術館や大英博物館など世界の名だたる美術館・博物館の貴重な所蔵品の数々が一堂に会す「クレオパトラとエジプトの王妃展」を開催する。7月11日~9月23日(月曜・7月21日は休館、7月21日・8月10日・9月21日は開館)。開館時間は9:30~17:00(金曜は20:00まで、土・日・祝・休日は18:00まで)。観覧料は当日一般1,600円、大学生1,200円、高校生900円。同展は、ルーヴル美術館、大英博物館、ボストン美術館、ベルリン・エジプト博物館、ウィーン美術史美術館など世界の名だたる美術館・博物館の所蔵品を中心に、14カ国の所蔵先から貴重な名品約180件が一堂に会す、古代エジプトの粋を集めた展覧会。古代エジプトの王妃や女王たちをメインテーマに、王であるファラオを支え、時に政治的・宗教的に大きな役割を果たした女性たちに焦点をあてる。なかでも「絶世の美女」として語り継がれ、古代エジプト史上、最も著名な女王であるクレオパトラ(クレオパトラ7世)にまつわる名品の数々が来日し、最後の女王・クレオパトラの実像に迫る展示となっている。また、クレオパトラのほかにも、女王として君臨したハトシェプスト、王の寵愛をもとに王朝の絶頂期を支えたティイ、アマルナ時代を代表するアメンヘテプ4世の王妃ネフェルトイティ(ネフェルティティ)など、現代においても魅力にあふれる女性たちが紹介されるということだ。同展は、全5章で構成され、第1章は「王をとりまく女性たち」と題し、王を支えた妻や母そして娘たちが紹介される。第2章は、「華やかな王宮の日々」として、きらびやかな王宮の生活を伝える品々や王に仕えた人々紹介。第3章は「美しき王妃と女神」として、女神にも例えられた美しき王妃やその理想とされた女神を紹介。第4章は「権力をもった王妃たち」と題し、政治や宗教へ対する強い影響力をもった王妃たちの歴史を紹介する。そして第5章は「最後の女王クレオパトラ」と題し、古代エジプト最後の女王クレオパトラ(クレオパトラ7世)とともに、「絶世の美女」、「悲劇の女王」として語りつがれるその姿もあわせて紹介されるということだ。
2015年06月22日近年、東南アジアのアートシーンの拠点となりつつあるシンガポールでは、2015年に2つの美術館が誕生する。パリを代表する美術館の初の分館として、2015年5月に開館した「シンガポール ピナコテーク・ド・パリ」と、10月にオープン予定の「ナショナルギャラリー シンガポール」だ。©Darren Soh and National Gallery Singapore「シンガポール ピナコテーク・ド・パリ」の見どころは「ピナコテーク・ド・パリ」は、2007年にパリのマドレーヌ広場に開館した私立美術館。美術館としての歴史はまだ浅いものの、立地と敷地面積の広さ、展示作品のバラエティと質の高さに定評がある、フランスを代表する美術館の一つである。ギリシア語に由来する「絵の収蔵庫」という意味を持つ「ピナコテーク」。その言葉通り、美術収集家のコレクションルームを思わせるような、年代や作風にとらわれない多様なコレクションを特徴とする。この「ピナコテーク・ド・パリ」の初めての分館に、シンガポールの「フォートカンニングパーク」が選ばれた。実はこの美術館、かつてイギリス軍施設であった「フォートカンニングセンター」を改装して造られている。その重厚な歴史的建造物も見どころの一つ。©Singapore Tourism Board館内は3つのギャラリー(The Collections Gallery、The Features Gallery、Heritage Gallery)から成り、The Collections Galleryではピカソやモネなどの有名画家たちの作品を、The Features Galleryでは期間限定のコレクションを、Heritage Galleryでは、東南アジアの歴史や宗教をテーマに展示がされる。ミュージアムショップ(La Boutique Pinacothèque)では、カタログ、絵葉書、マグネット等、定番のお土産の他に、ローカルアーティストによるユニークなアクセサリー等も販売されている。2015年10月オープン予定の「ナショナルギャラリー シンガポール」©National Gallery Singapore64,000平方メートルのシンガポール最大面積を誇る「ナショナルギャラリー シンガポール」は、シティーホール駅付近に2015年10月オープン予定。8,000点を超える東南アジアのアーティストによる作品を保有する。2015年に開館するこれら2つの美術館周辺には、「シンガポールアートミュージアム」や「ナショナルミュージアム」、美術学校「SOTA(School of the Arts)」などの美術関連施設が集まり、アジア、シンガポールアートを感じるのにもってこいの地区となっている。独立50周年の歓喜に沸くシンガポールでは、アート界からもますます目が離せなくなりそうだ。
2015年06月10日美術館に足を運んでみたいけれど、何となく敷居が高くて…と感じている人はいるかもしれません。けれど、ちょっとした予備知識を入れておくだけで、美術館の楽しみ方が格段に変わってきます。そこで、オススメなのがテレビ東京で放送されている『KIRIN ART GALLERY 美の巨人たち』。この番組では、毎回ひとつの作品にスポットを当て、そこに秘められたドラマや謎を探ります。美術の歴史や画家の名前など知らなくても大丈夫。どんな有名な絵も、画家というひとりの人間が描いたもの。そこには興味深いドラマが潜んでいるのです。それを知っていれば、どんな絵も全く違って見えると思いませんか。じつはいま、東京では有名な画家や美術館による展覧会がめじろ押しです。なかでも注目なのが、新国立新美術館で開催中の「ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」。5月16日(土)22時から放送の『KIRIN ART GALLERY 美の巨人たち』で紹介するのは、この「ルーヴル美術館展」で見られる目玉作品のひとつ、フェルメールの『天文学者』です。ヨハネス・フェルメールは、日本でも人気のある画家で、光の魔術師と言われています。光を巧みに扱って女性を美しく描いたことで有名ですが、彼が残した作品は、わずか30数点。そのなかで、この『天文学者』という作品と、対とされる『地理学者』だけは、男性ひとりを描いているのだとか。『天文学者』と『地理学者』は同じ人物のよう。しかも、17世紀当時の人ではあり得ない描き方をしています。そこには、フェルメールが仕掛けた、ある秘密が隠されているそう。そして、背景の壁にある画中画にも注目です。果たしてこれの意味するところとは…? 43年の生涯を生きたフェルメールですが、わかっているのは生まれたときと世を去ったときだけ。そんな謎の多い画家の謎の多い作品の秘密について、知れば知るほど実物を見たくなります。美術館に足を運ぶ前に、『KIRIN ART GALLERY 美の巨人たち』は要チェックです。楽しみが何倍にも膨らみますよ!『KIRIN ART GALLERY 美の巨人たち』はこの春に放送開始15周年を迎え、俳優の小林薫さんに加え、新たに女優の蒼井優さんをナレーターに迎えました。じつは蒼井さん、この番組が好きで、ナレーターの依頼も快諾したのだとか。また、音楽もバージョンアップし、オープニングとエンディングのテーマ曲を、ピアニストの辻井伸行さんが担当。辻井さんもお父さまが番組の大ファンとのことで、番組内で紹介される「美の巨人たち」から自分なりのイメージを膨らませ、作曲したとのこと。連日たくさんの人が詰めかけている「ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」。彼と美術館デートに出かける前に、5月16日放送の『KIRIN ART GALLERY 美の巨人たち』を見て、フェルメールの『天文学者』の前でその知識を披露すれば、彼のあなたを見る目が少しだけ変わるかもしれませんよ。・KIRIN Art Gallery美の巨人たち 公式サイト
2015年05月14日国立新美術館で開かれている「ルーヴル美術館展 日常を描く-風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」が大盛況です。世界有数のコレクションを誇るルーヴル美術館の展覧会は、今回で3回目。毎回大変な人気で、約6年ぶりとなる今回の開催を待ちわびていた人も多いと思います。まずはルーヴル美術館の説明から。フランスの国立美術館であるパリのルーヴル美術館は、アメリカのメトロポリタン美術館、ロシアのエルミタージュ美術館とともに世界三大美術館の一つに数えられています。年間800万人の来館者数を超える、世界で最も入館者の多い美術館です。その入館者の70%が観光客で、日本人も毎年約20万人が訪れているそう。そんな多くの人が、花の都パリへ旅行に行っているなんて羨ましいかぎりです。地下1階から地上3階まで4フロアからなり、展示面積はナント6万平米以上! 世界中から集められた30万点を超える多様なコレクションを所蔵し、常設展示数は約2万6000点。全ての作品を鑑賞するのは1週間以上かかるといわれています。今年12月に、アラブ首長国連邦のアブダビにルーヴル美術館の別館が誕生するということでも話題を集めています。今回の展覧会は、ルーヴル美術館のコレクションから厳選された83点を通して、16世紀初頭から19世紀半ばまでのヨーロッパ風俗画の展開をたどることができます。風俗画とは、その時代を生きる人々の日常生活の情景を描いた絵画のこと。物乞いの少年や庭園に集う貴族の男女など、その時代の人々の暮らしぶりを知ることができます。さらに日常の装いの中に複雑な道徳的・教訓的などの意味が込められていることもあり、これらを読み解くことも風俗画ならではの醍醐味です。ここで今回展示される作品で、絶対に見ておきたい3作品をご紹介します。目玉は初来日となる17世紀オランダを代表する画家、ヨハネス・フェルメールの傑作『天文学者』。この油絵は、ユダヤ系の銀行家一族、ロートシルド家に旧蔵され、第二次世界大戦中にヒトラー率いるナチス・ドイツに略奪されたそう! そんな数奇な運命を経た後、1983年にルーヴル美術館に収められたものです。同館に所蔵されるフェルメール作品は、2009年に来日を果たした『レースを編む女』と『天文学者』の2点のみ。そのためルーヴルを離れることは極めて稀! 日本で鑑賞できるのはまたとない機会なのです。室内に拡散する窓からの光、天球儀や布の上にきらめく白い粒のような反射光など、フェルメールならではの繊細な描写が素晴らしいです。次は天秤に金貨をのせ、重さを量る男性とその夫の手元に視線を注ぐ妻が描かれた、クエンティン・マセイスの『両替商とその妻』。ベルギーのアントワープで活動していたマセイスが本作を描いた1514年頃は、同市がヨーロッパ経済の中心として非常に繁栄していたそう。両替商や銀行業を営む人々は、貪欲を罪とする信仰生活と貨幣経済に基づく商業活動の両立に迫られていました。妻のまなざしは、信心に根差した正しい商いをするように見守っているようにみえます。そして最後はこちら。16世紀イタリア・ヴェネツィア派を主導した画家、ティツィアーノの『鏡の前の女』。鏡に向かって身づくろいする美しい女性が描かれた作品です。16世紀当時、ヴェネツィアでは麗しくも官能的な女性を描いた美人画が流行していました。美人画の流行は、絵画や詩、彫刻など異なる芸術分野の優劣を競う比較論争とも結びついており、この女性の金色に輝く豊かな髪や大理石のように白い肌といった色彩の豊かさを描くことで、詩や彫刻にはない絵画の優位を主張する工夫と考えられます。どれも絵画の奥に込められたメッセージを読み解くと、とてもおもしろいですね。そのほかミレーやレンブランドなど、各国・各時代を代表する巨匠たちの名画が一堂に会します。史上空前の風俗画展は、6月1日まで国立新美術館で開催されます。その後6月16日~9月27日まで京都市美術館で行われるので、お見逃しなく! ・ルーヴル美術館展 日常を描く-風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄 公式サイト
2015年03月15日東京・六本木の国立新美術館で開催中の「ルーヴル美術館展 日常を描く―風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」とコラボした料理やスイーツが、6月1日まで六本木ヒルズ内のレストランで提供される。期間中には会場に展示される絵画などにインスピレーションを得たメニューが登場。そのうちの1つが、グリル&レストランバー「エーダブリュ エレメンツ」で用意される、「鹿児島県黒毛和牛ネックとまるごと彩誉人参の赤ワイン煮込み」(税込2,041円)だ。霧島連山の天然水で育った和牛を赤ワインで煮込むという手法は、「煮込み肉用銀製壺」「農民の食事」からインスピレーションを受けたもの。更に、“衝撃の人参”と言われる甘さを備えた彩誉(あやほまれ)のローストを丸ごと1本使用した。イタリアンレストラン「アンディアーモ」で用意される「アンティパスト・ルーヴル」(税込1,728円)は「カナの婚礼」をイメージした一皿。ロックフォールチーズのマリネ、白ワインで煮込んだレーズン、生ハムといちじくのクロスティーニ、バニラ風味のはちみつの盛り合わせで、水をワインに変えたイエスの奇跡を再現した。ワインバー&カフェ「シャポー マルゴ」で提供する「仔羊のロースト 赤ワイン季節の フルーツのソース」(税込1,800円)は、ピーテル・デ・ホーホ作の「酒を飲む女」をイメージ。鮮やかなロゼ色の仔羊のローストは、羊と相性の良い赤ワインをベースに、季節のフルーツを加えた甘酸っぱいソースを添えた。カフェバー&レストラン「ブラッセリー ル デュック」にて1日15食限定で提供される「モンド」(税込800円)は、ヨハネス・フェルメールの「天文文学」に登場するアンティークな天球儀をイメージしたデザート。キャラメルムースの中にはバナナのガルニ、胡桃入りのブラウニーが潜み、香ばしい匂いで食欲をそそる。カフェレストラン「エッグセレント」では、リュバン・ボージャンの「チェスのある静物」をモチーフにした「チェスボードパンケーキ」(税込1,620円)を用意。黒ごまの隠し味を添えたオリジナルチョコレートソースで、濃厚かつ甘過ぎない、ワインにも合う大人の味わいに仕上げた。その他、ルーヴル美術館のピラミッドをモチーフにしたメニューも提供される。シュークリーム専門店「クレーム デ ラ クレーム」にて1日10食限定で販売されるレアチーズケーキ「ルーヴル ルージュ」(税込540円)は、プチシューを忍ばせたレアチーズムースを、真っ赤なラズベリーのグラサージュでコーティング。イタリアン「ヒルズ ダルマット」では、ピラミッドと葡萄にちなんだ「ピラミッドのレアチーズケーキ & 葡萄のスパークリングワイン or 葡萄ジュース」(税込1,296円)を用意。モザイク模様のピラミッド型ケーキの中には、レアチーズムースと葡萄が詰められた。その他、フランスをイメージしたメニューとして、カフェ「イー・エー・グラン」では「フロマージュ・マカロンタルト」(税込700円)を提供。フロマージュクリームを乗せたカスタードタルトを、カラフルなマカロンとベリー系のフルーツで飾りつけた。一方、ブラッセリーカフェ&パティスリー「ブラッセリーカフェ ユイット」では、17世紀頃のフランス民衆の素朴で家庭的な料理を再現。パテ・ド・カンパーニュ、サーモンマリネ、ラタトゥイユの前菜に加え、鶏モモ肉のコンフィを1日30食限定で提供する。また、パリの高級チョコレート専門店「ラ・メゾン・デュ・ショコラ」では、本場パリのチョコレート専門店のショコラティエが、生チョコのアントルメとドリンクのセットメニュー(税込1,458円)を特別に用意する。これらのメニューは基本的に営業時間内で提供。ただし、「仔羊のロースト 赤ワイン季節の フルーツのソース」はカフェ、ディナータイムのみ、「鹿児島県黒毛和牛ネックとまるごと彩誉人参の赤ワイン煮込み」はディナータイムのみの提供となる。
2015年03月10日日本のみならず世界中から訪れる来場者で賑わい、いまや日本を代表する美術館のひとつとなった「三鷹の森ジブリ美術館」。このほど同美術館が、2015年の夏休みシーズン(7月、8月分)の入場チケットに関して、一般販売に先行して抽選販売を実施することを発表した。スタジオジブリ作品の世界を堪能できる展示や、美術館のオリジナルアニメの上映、アニメ制作の変遷が分かりやすく体感できるスペースなど、ジブリファンのみならず多くの子どもたちや大人を魅了してきた同美術館。2001年の開館以来、安全で快適な空間を来場者に提供するため、入場チケットはすべて日時指定の事前予約制となっていた。従来の一般販売は、毎月10日に翌月分のチケットをローソンにて日にち&入場時間別に選択して購入するというもの。今年7月、8月分のチケット販売に関して導入される先行抽選販売は、申し込み受付期間内にチケットを申し込み、当落発表後に発券する形となっており、7月分入場チケットは5月25日(月)から31日(日)まで、8月分入場チケットは6月25日(木)~30日(火)までの期間で申し込みを受け付ける。この先行抽選販売の導入について同美術館は「チケット購入希望が集中する夏休みシーズンには、希望するチケットがなかなか購入できないという声を多々お聞きしています。さらに昨今は、ネットオークション等での転売目的で、チケットが購入される事例も、より多く目にするようになりました。そこで、できるだけ多くの来館を希望される方々に、より公平に購入の機会をご提供するべく、今年の夏休みシーズンに限り、初めて先行抽選販売を実施することといたしました」と、その理由を語っている。先行抽選販売は 今年の夏休みシーズン(7月、8月分)のみ実施予定で、9月分以降の入場チケット販売は、従来通り、前月10日(10日が土日祝の場合は翌平日)からの一般販売のみとなる。また、7月、8月分の一般販売についても従来通り行われるとのことなので、申込期間を過ぎてしまった場合はそちらを利用してほしい。<2015年夏休みチケット/販売概要>【チケットの種類】日時指定の予約チケット(入場引換券)※入場時間は1日4回(入場時間 10:00/12:00/14:00/16:00)【発売価格(税込)】大人・大学生 1000円高校・中学生 700円小学生 400円幼児(4歳以上) 100円【スケジュール】・受付期間7月分:5月25日(月)12時~5月31日(日)23時59分まで8月分:6月25日(木)12時~6月30日(火)23時59分まで・当落発表7月分:<インターネット申込>6月9日(火)15時~ メールにて通知<電話申込>6月9日(火)15時~6月12日(金)23時59分まで上記電話にて確認8月分:<インターネット申込>7月9日(木)15時~ メールにて通知<電話申込>7月9日(木)15 時~7月12日(日)23時59分まで上記電話にて確認・発券期間7月分:6月9日(火)15時~6月13日(土)23時まで8月分:7月9日(木)15時~7月13日(月)23時まで【一般販売】7月分は6月10日(水)10時より、8月分は7月10日(金)10時より、従来通りの方法で発売(店頭での直接購入、インターネット/電話で予約のうえ、店舗にて発券・購入)【注意事項】◆営利目的のチケットの転売はいかなる場合も固くお断りいたします◆オークション等で転売されたチケットであると判明した場合、入場をお断りする場合があります(text:cinemacafe.net)
2015年03月02日東京都港区六本木の国立新美術館で2月21日~6月1日、人々の日常生活の情景を描いた「風俗画」の歴史を一望する展覧会「ルーヴル美術館展 日常を描く-風俗画にみるヨーロッパ絵画の真髄」が行われる。○巨匠たちの名画約80点を展示同展では、巨匠たちが人々の日常生活の情景を描き、社会の状況や世相を反映させた風俗画約80点を展示。16世紀初頭から19世紀半ばまで、約3世紀半にわたる様々なヨーロッパの風俗画が一堂に会する。展示作品は、初来日となるヨハネス・フェルメール「天文学者」や、リュバン・ボージャンの「チェス盤のある静物」、クエンティン・マセイス「両替商とその妻」、ジャン=アントワーヌ・ヴァトー「二人の従姉妹」、ジャン・シメオン・シャルダン「猿の画家」など。そのほか、フランソワ・ブーシェ「オダリスク」、ル・ナン兄弟「農民の食事」、アンニーバレ・カラッチ「狩り」、ニコラ・レニエ「女占い師」、ティツィアーノ「鏡の中の女」、ジャン=バティスト・グルーズ「割れた水瓶」などを見ることができる。なお、開催期間中、同館内の4つのカフェ・レストランおよび、同館から徒歩5分の立地にある「オーベルジュ・ド・リル トーキョー」で「展覧会 特別メニュー」用意。フェルメールの故郷オランダの食卓からイメージした「オランダ風ミートボールとバターライス」(1,200円)や「ルーヴル展特別ランチコース」(4,800円/6,700円の2種類)、「マスカルポーネのムースチョコレートソースドリンク付きケーキセット」(1,400円)などを味わうことができる(価格は税別)。開館時間は10時~18時。金曜および5月23日~24日・30日~31日は20時まで(入場はいずれも閉館の30分前まで)。料金は一般1,600円、大学生1,200円、高校生800円(全て税込)、中学生以下無料。
2015年02月20日緑にあふれた庭園の中にある、現代アートの美術館をご紹介します。ピント美術館Pinto Art Museumアート好きのオーナーさんが集めたという、フィリピン人アーティストによる現代アートを中心とした作品が広々と、空間を贅沢に使ったギャラリーに展示されています。作品をゆったりと楽しむことができます。ギャラリーの外はフィリピンの自然を満喫できる庭園があります。ベンチやベッドまであるので、庭でゆったりくつろぐこともできますよ。庭を眺められるミュージアムカフェも併設しているので、アート鑑賞の合間にお茶や食事も楽しめます。初めて訪ねた時はマニラの中心部マカティから車で一時間ほどと手軽に行ける距離に、こんな贅沢な時間を過ごすことができる場所があるのかと驚きました!アート展示に庭園、カフェと丸一日楽しめる美術館です。
2015年01月23日徳川美術館と三井情報(MKI)は1月9日、愛知県・名古屋市の徳川美術館で、無料Wi-Fiを使用した情報配信サービスの実証実験を2月以降に開始すると発表した。三井情報は、アマゾン ウェブ サービス(AWS)のクラウドを活用した独自開発のロケーションデータベースサーバーやコンテンツサーバーなどを提供している。実験は、来館者のスマートフォンやタブレット端末にインストールしたロケーションアプリを通じて、展示物にまつわるガイド、トリビア情報、お勧め情報などを表示するというもの。来館者が展示物の近くを通りかかると、自動的に端末を感知して情報を表示する。利用するには、スマートフォン/タブレット端末に館内用の無料Wi-Fiにサインインし、専用のロケーションアプリをインストールする。無料Wi-Fiの利用には、Facebookアカウントの連携を利用しており、入力にかかる手間を大幅に軽減した。Facebookのアカウントを持っていない場合でも、来館時にコードとパスワードを入力すれば接続し、同様の機能を利用できる。なお、来場者向けの無料Wi-Fiのみ、1月9日より提供を開始している。
2015年01月13日東京都美術館で「メトロポリタン美術館 古代エジプト展 女王と女神」が開催されるのに合わせ、「ヴィヴィアン タム(VIVIENNE TAM)」が同展とコラボレーションした限定アイテムを発売する。商品ラインアップは、扇子、マグカップ、グラス、アクセサリー、Tシャツ、トートバッグを予定。それぞれ展示作品よりインスパイアされてデザインされている。7月19日より展覧会特設ショップ等で購入出来る。同展では、ニューヨーク・メトロポリタン美術館のエジプト・コレクションから“女性”をテーマに選び出された約200点が日本初公開となる。ヴィヴィアン タムの作品が同館に多く所蔵されていることが今回のコラボのきっかけになったという。【イベント情報】メトロポリタン美術館 古代エジプト展 女王と女神会場:東京都美術館 企画展示室住所:東京都台東区上野公園8-36会期:7月19日から9月23日まで時間:9:30から17:30(金曜・8月12日から17日は21:00まで。入室は閉館の各30分前まで)休室日:月曜日(7月21日、9月15・22日は開室。7月22日、9月16日は閉室)入場料:一般1,600円、学生1,300円、高校生800円、65歳以上1,000円
2014年07月04日累計400万部を突破している超人気ミステリー「万能鑑定士Qの事件簿」シリーズを原作に、綾瀬はるか&松坂桃李をメインキャストに迎えて映画化した『万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-』。5月5日(現地時間)、映画の舞台・ロケ地となったルーヴル美術館にてパリプレミア凱旋上映を行い、主演の綾瀬さんと佐藤信介監督が登壇し、流暢なフランス語を披露した。驚異的な鑑定眼とロジカルシンキング(論理的思考)をもつヒロイン・凜田莉子(綾瀬さん)と、彼女と共に事件の謎を追う雑誌編集者・小笠原(松坂さん)が難事件を解決していくさまを描く本作。舞台挨拶の冒頭で、綾瀬さんはフランス語で長い挨拶を披露。「(仏語)こんばんわ、私は綾瀬はるかです。今日は来てくれてありがとうございます。パリの街は冬のアンニュイな感じ、そしていまはキラキラしてて、色んな表情をした街並みは四季を楽しむ日本人の私の心にも響きます。モナリザの力も借りて、パリのみなさんの心にも響く映画になっていることを願っています。撮影にご協力頂きましたルーブル美術館、パリのみなさんに感謝します。本当にありがとうございました。楽しんで観て下さい」と語ると、場内は拍手と笑顔で暖かい雰囲気に。ルーヴル美術館のオーディトリアムで行われた上映会では、約300名が鑑賞。エンドクレジットが流れると、場内の観客から拍手が沸き起こり、上映が終わるまで鳴り響いた。鑑賞後の観客に、映画の感想を聞いてみると「綾瀬はるかと初音映莉子、2人の女優のライバル関係が素晴らしかった」「綾瀬はるかさんはフランスでもなかなかいない逸材の女優です」「魅力的な女優で、世界でも活躍するでしょう」と大絶賛!フランスでも好感触のようだ。綾瀬さんはこれを受け「ルーヴル美術館で上映をして、フランスのみなさんに喜んでもらえたのはとても嬉しい。みなさんが良い映画、印象に残る映画と観終わった方々の感想が良かったのは自信になった。こんなに受けいれられるとは思ってなかったので本当に嬉しいです。改めてルーヴル美術館の外観みて撮影は貴重な経験だったんだと思ったし、また来たいなと思いました」と語った。佐藤監督も「ルーヴル美術館で撮影して、ルーヴルの方にルーヴルで観てもらうのは、よく考えたらかなり緊張する状況だった。しかし、映画を観て『凄いドキドキして面白かった』と凄く喜んでらっしゃった。色々撮影に協力いただいて出来上がった作品を楽しんでもらえたのは最高の試写会だった」と感無量の様子だった。『万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-』は5月31日(土)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳- 2014年5月31日より全国東宝系にて公開(C) 2014映画「万能鑑定士Q」製作委員会
2014年05月08日松岡圭祐の人気小説「万能鑑定士Qの事件簿」を、初共演となる綾瀬はるか&松坂桃李を迎えて映画化した『万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-』。パリで撮影を行っていた本作が、ついにクランクアップ!日本映画史上初となるルーヴル美術館でのロケの感想を語ってくれた。驚異的な鑑定眼とロジカルシンキング(論理的思考)をもつヒロイン・凜田莉子(綾瀬さん)と、彼女と共に事件の謎を追う雑誌編集者・小笠原(松坂さん)が難事件を解決していくさまを描く本作。ストーリーは、ルーヴル美術館の臨時学芸員に選ばれた主人公・莉子と彼女を取材する小笠原のコンビが、日本とフランスを舞台に、歴史的傑作絵画「モナ・リザ」の盗難をめぐる陰謀に隠された謎と真贋に迫っていくのだが…。パリの象徴である凱旋門やオペラ座前、芸術橋、ポンヌフ橋、ホテルロウゾン、そして日本映画史上初となるルーヴル美術館でのロケなどパリでの大規模な海外ロケを敢行していた本作。本作の題材となる「モナ・リザ」が所蔵されていることで知られるルーヴル美術館だが、映画の撮影許可が下りることはごく稀。これまで本格的に撮影された外国映画では、『ダ・ヴィンチ・コード』(’06)以来となる。ルーヴル美術館での撮影は、かなり厳重な監視体制で行われたそうで、トイレに行く際にも、美術館の係員が誘導する徹底ぶりだったそう。さらに、美術品の展示物への影響を避けるため、照明機材は使えず地明かりでの撮影、「メドゥーサ号の間」では絵画を保護するための空調を止めることが許されず、録音に苦労しながらの撮影、とルーヴル美術館ならではの苦労もあったようだ。パリ全体でのロケは、11月26日~11月29日まで行われ、ロケ最終日にはルーヴル美術館の象徴であるガラス張りのピラミッドの前で、全編撮影オールアップを迎えたが、クランクアップを迎えた2人からはこんなコメントが。「あっという間の撮影期間でした。終わったんですよね?いつの間に?というくらい。そして、終わってしまって寂しいです。本物の『モナ・リザ』は少しトーンが落ちているように見えました。飾られている場所は別格で、やはり特別な絵なんだと感じられました」(綾瀬さん)。「今日がアップという実感がなく、終わった感じがしないです。パリでクランクアップなど中々ないことですし、日本映画初というルーヴル美術館での撮影は感動的でした。これだけの芸術品に囲まれての撮影はほぼ初めてでとても貴重な体験でした。色々館内を周りたくなりました。本物の『モナ・リザ』は、表情がシュッとしてシャープな感じがしました」(松坂さん)。と、2人共に本作を通して審美眼(?)が備わったのか、本物の「モナリザ」にそれぞれに独自の感想を語っていた。映画『万能鑑定士Q -モナ・リザの瞳-』は2014年5月31日(土)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)
2013年12月12日リサーチバンクは全国の10代~60代の男女を対象に、「美術館・美術展に関する調査」を実施した。調査は11月1日~6日にかけて行われ、1,200名から有効回答を得た。○行きたくなる理由、男性は「気分転換」まず、美術館・美術展にどのくらいの頻度で行くか尋ねたところ、54.1%と半数以上が「(ほとんど)行かない」と回答した。1年に1回以上行く(月に1回以上、2~3カ月に1回、半年に1回程度、1年に1回程度の合計)と回答した人は32%程度だった。3年に1回以上美術館に行くと回答した人に対し、「美術館に行きたくなる理由」を聞いたところ、男性は「気分転換がしたくなったとき」、女性は「好きな作品が展示されているとき」という回答が最も多かった。○女性はひとりで行く人が多い?続いて、美術館に一緒に行く人について尋ねると、「ひとり」(38.3%)と「配偶者」(37.6%)がほぼ同率で1位だった。男女別で見ると、男性は「配偶者」(44.0%)、女性は「ひとり」(38.2%)という回答が多い。どのような展示を見に行くか聞くと、91.3%が「絵画」と回答し、他の作品より圧倒的に多くなっている。○美術館情報はテレビ・ラジオで入手「美術館に行かない」と答えた人(649人)にその理由を聞いたところ、「近くに美術館がない(35.4%)」が最も多い回答だった。「きっかけがない(35.1%)」、「絵画や美術品に興味がない(34.5%)」という回答も多い。次に、美術館情報のチェック方法について聞いた。1位は「テレビ・ラジオ(43.%)」だった。2位は「新聞・雑誌(39.6%)」、3位は「街中・駅や車内のポスター(34.3%)」となっている。
2013年11月15日東京都美術館は7月20日~9月23日、「ルーヴル美術館展 -地中海 四千年のものがたり-」を開催する。同展は、ルーヴル美術館の「古代ギリシャ・エトルリア・ローマ美術」古代エジプト美術」など、全8美術部門が総力を挙げ、「地中海」をテーマに企画した展覧会。西洋と東洋を結ぶ地中海世界の四千年におよぶ歴史的・空間的な広がりを、ルーヴルが誇る200点を超えるコレクションで展観する。西洋と東洋の出会いの地で誕生した作品群は、多彩かつ個性的であると同時に、地中海を舞台に生み出された諸文化の影響関係を生き生きと伝える、魅力あふれるものとなっている。注目すべきは、清楚な容貌と自然なたたずまいが美しい古代彫刻の傑作「アルテミス、通称ギャビーのディアナ」。この彫像はギリシア風の短い衣装などから、狩りの女神アルテミスとされている。1808年にルーヴルに収蔵されて以来、初めて館外に出品され、日本初公開となるルーヴルの傑作のひとつ。また、ロココ美術の華麗な作品やフランスの画家シャセリオーによるオリエンタリズムあふれる絵画など、多くの貴重な文化財が特別出品され、地中海の魅力に迫るという。会期は、7月20日~9月23日。会場は、東京都美術館 企画展示室(東京都台東区上野公園8-36)。開室時間は、9時30分~17時30分(金曜日は20時まで)。入室は閉室の30分前まで。休室日は月曜日、9月17日(ただし9月16日、23日は開室)。前売券は、一般1,300円、学生1,100円、高校生600円、65歳以上800円。その他、詳細は同展Webページで確認できる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2013年06月14日旅行クチコミサイト「フォートラベル」を運営するフォートラベルは、同サイト会員のクチコミの評価をもとに「人気の美術館ランキング(国内・10月版)」を決定。1位に「金沢21世紀美術館」、2位に「大塚国際美術館」、3位に「三鷹の森ジブリ美術館」が選ばれた。1位の石川県「金沢21世紀美術館」は2004年にオープン。以来、金沢の人気スポットとして毎年たくさんの人が訪れているという。実際に訪れたユーザーのクチコミからは、「周りの雰囲気、建物の特徴、中身の充実度、どれをとっても日本の誇る美術館。アクセスもいいので観光にはもってこい」、「今までの美術館にはない楽しみがある。作家の自由な発想で作られた斬新な作品を楽しむことができる。空間そのものがアート」といった、ユニークな展示を楽しむ声が寄せられた。2位の徳島県「大塚国際美術館」に対するコメントとしては、「世界の名画などが陶板(陶磁器製の薄い板)を使って色・サイズ共に忠実に再現されている。陶板なので自由に作品に触れたり、写真を撮ったりすることができる」、「本物そっくり。でも本物以上に楽しめる。名画が修復後・修復前と並べて展示されているのが楽しい」など、絵画を再現した陶板や、館内の大きさに感嘆するクチコミがよせられている。3位の東京都「三鷹の森ジブリ美術館」には、「ジブリ好きにはたまらない癒やしの場所」、「ジブリファンはもちろんのこと、映画を見たことのある人ならきっと一日中楽しめる場所」、「何度行っても必ず新たな発見がある」など、工夫の凝らされた館内に、大人も子どもも楽しんでいる様子がうかがえるコメントが寄せられた。以下、4位には東京都「国立西洋美術館」、5位には神奈川県「箱根ガラスの森美術館」。6位以降は「ミシュラン・グリーンガイド・ジャポン」で三ツ星を獲得した庭園が有名な「足立美術館(島根県)」をはじめ「国立新美術館(東京都)」、「大原美術館(本館)(岡山県)」、「地中美術館(香川県)」、「彫刻の森美術館(神奈川県)」の順に、新旧問わずさまざまなジャンルの美術館がランクインする結果となった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年10月16日第34回目のコンクール住友生命保険相互会社は、第34回こども絵画コンクールの入賞者を発表した。同コンクールは優秀な作品がフランス国立ルーヴル美術館に展示される、意欲的なものとなっている。応募総数は236,734点にものぼり、全国の支社審査を通過した中から、特に認められた638点が特別賞・金賞・銀賞・銅賞・秀作賞を受賞。さらに特別賞・金賞・銀賞の102点が、明年ルーヴル美術館に展示されることが決定した。はしかワクチン14万回分に同社はこのコンクールにおいて、渡した画用紙1枚につき1円、受け付けた応募作品1点につき10円をユニセフに寄付することを決めており、今回の寄付金額は312万810円となった。これは「はしか」の予防接種ワクチンに換算すると、約14万7千回分に相当するという。今回のコンクールの入賞作品は、まず12月23日~27日まで、池袋サンシャインシティの文化会館2階展示ホールDで展示され、その後明年3月11日~4月11日まで晴れてフランスへと旅立つ予定。
2010年12月02日