三菱電機は3月4日、省エネ志向の強いエアコンの通年エネルギー消費効率の改善に貢献するインバーター駆動用パワー半導体モジュール「SJ-MOSFET搭載超小型DIPIPM」の新製品として、10A/600V品「PSM10S94F6」、15A/600V品「PSM15S94H6」、20A/600V品「PSM20S94H6」の3品種を5月22日から順次発売すると発表した。2.2kW~8.0kWまでのエアコンの容量帯に対応。微細プロセスの採用により、オン電圧の低減化を実現し、従来品に比べて電力損失を約14%低減し、インバーターシステムの低消費電力化に貢献する。24.0mm×38.0mm×3.5mmの外形サイズ、ピン配置などは同社の超小型パッケージ品との互換性を確保したほか、電流制限抵抗付きBSD(Boot-Strap Diode)内蔵により、外付け部品数を削減。これにより、インバーターシステムの設計を簡素化する。サンプル価格はPSM10S94F6が2500円(税別)、PSM15S94H6が3000円(税別)、PSM20S94H6が3500円(税別)。発売日はPSM15S94H6とPSM20S94H6が5月22日、PSM10S94F6が6月19日を予定。
2015年03月05日三菱電機は2月17日、研究開発成果披露会を開催し、17件の成果展示を行った、新規の開発案件として、「レーダーによる津波監視支援技術」が発表された。同技術は、海表面の流速から津波成分を抽出して津波流速を可視化することで、監視員による津波検知時間の短縮を実現するとともに、津波の早期検出により避難時間を確保し、沿岸地域の防災・減災に貢献する。加えて、レーダー向けに拡張した津波の方程式(浅水長波理論)により津波の波高をリアルタイムに推定することで、津波の規模把握を支援し、避難時間の確保に貢献する。同社は2015年度以降に、同技術を製品化する予定。
2015年02月18日三菱電機は2月17日、車内音声通話の「雑音除去技術」を開発したと発表した。同技術によって、雑音のなかでも目的の音声信号のみを抽出できる。車内でハンズフリー通話を行う際に邪魔になる、様々なノイズを除去するために開発された。このたび開発された技術は、音声とその他の雑音ではパターンが異なることを利用し、目的となる人の音声のみを抽出して雑音を除去する機械学習技術(ニューラルネットワーク)。声帯の振動や口腔の形状からくる人間の音声の特徴を、音声モデルとして構築したことで実現した。車内には、走行音などの定常雑音、ウインカー音やワイパー音などの非定常雑音が混在している。これまで非定常雑音を除去するのは難しいとされていた。このたびの技術は非定常雑音にも対応し、車内雑音の約96%を除去できるとする。同社では、2018年をめどに車載機器への搭載を目指す。また、雑音の多い工場やエレベーター内での音声通話への応用も検討している。
2015年02月17日三菱電機は2月13日、次世代の住環境を提案する「三菱電機スマートホーム」コンセプトを発表した。家電や住宅設備を最適に制御するだけでなく、家族全員の"ココロとカラダ"の状態を把握して生活をサポートする。具体的な製品化については未定だが、家電製品群への展開を目指して今後も研究開発を進めていく。○家族の体調を考えて献立を提案してくれる冷蔵庫今回発表されたのは、家電・IT業界で昨今のトレンドになっている"IoT"(Internet of Things、モノのインターネット化)の概念を、住宅を基盤に展開していく指針だ。住宅メーカーが中心となって進めているスマートハウスの概念は、家電や住宅設備をネットワークで接続し、"HEMS(Home Energey Management System)"と呼ばれる機器をハブにして、「エネルギーの見える化」を目指したものが主流となる。しかし、三菱電機の提案するコンセプトはエネルギーの見える化を実現するだけではない。発表会でコンセプトを説明した三菱電機 デザイン研究所 ホームシステムデザイン部の河村玲永子氏は「三菱電機では"心理的なストレスを感じない、快適で気持ちのいい生活"をキーワードにした新たな価値を提供していきたい」と話し、新コンセプトの立案に至る経緯を解説。家族の"ココロとカラダ"の状態変化に着目した家電製品の開発を目指すという。今回の説明会では3つの事例が参考展示とともに紹介された。1つめが玄関ドア。人が玄関のドアに近づくと、カメラが家族を認証して解錠を行う。その後、ドアのハンドルから体温や脈拍などの生体情報を取得し、体調のセンシングを実行する。さらにその結果や家族の予定などを玄関内部の壁面に表示する、というものだ。2つめが冷蔵庫。冷蔵庫に入っている食材の情報と、他の機器を通じて集積された家族の体調などの生体情報を参照し、オススメの献立メニューを冷蔵庫の扉に表示する。そして3つめがシステムキッチン。先述の冷蔵庫が選んだメニューの調理手順やポイント、進行に合わせた時間の調整などを調理台に投影して、最適な調理フローをアシストする。また、キッチンカウンターの一部に設けた非接触給電エリアでは、フードプロセッサーや炊飯器など調理家電をケーブルレスで使える。そのほか、調味料用のミニ冷蔵庫を備えるなど、これまでにはない新しい発想のシステムキッチンを提案した。○気になる製品化について記者説明会には、三菱電機 デザイン研究所長の杉浦博明氏も出席。社内における同研究所の立ち位置や理念、製品開発のプロセス、取り組みなどを紹介した。記者からの質疑応答において、杉浦氏は今回の発表はあくまで"コンセプト"であることを強調。具体的な実用化のめどやロードマップについては「例えば無線給電についても、技術仕様の標準化や電波法などの法整備の問題があって、これからクリアしていかなければならない課題が多い」とし、現段階では製品化について明言できないと説明。しかしその一方で「今後は住宅メーカーやキッチンメーカーなどとの提携も視野に入れている」と、他業界と協力して横軸で展開していく考えも明らかにした。
2015年02月13日三菱電機は2月10日、充電台に空気清浄機能を搭載したコードレススティッククリーナー「iNSTICK HC-VXE20P」を発表した。価格はオープンで、推定市場価格は70,000円(税別)。発売は3月1日を予定している。本稿では製品発表会の様子をレポートする。○充電台には"空気清浄機"の役割もiNSTICKの大きな特徴は、充電台に搭載されたPM2.5にも対応する空気清浄機能。HEPAフィルターによって、花粉もしっかりキャッチする。8畳の部屋を約51分でキレイにする空気清浄能力を持つ。掃除性能では、風速毎秒60mの高速旋回流でゴミと空気を遠心分離する三菱電機独自のサイクロン技術により、コードレスながら吸引力が約99%持続する。たまったゴミが風でかく拌されるのを抑制し、掃除中に気になる排気のにおいも約73%低減している。スティック型として床の掃除ができるほか、ハンディ型の掃除機としてテーブルの上なども掃除できる。専用アタッチメントの毛ブラシも装備しており、サッシなど狭い隙間のゴミもかき取る。また、掃除動作に応じてパワーを自動でコントロールし、節電する「スマートSTOP」機能を搭載。ダストボックスは凹凸がないシンプルな構造で、分解も簡単だ。丸洗いが可能なので、手入れもしやすい。○"目立ちすぎない"スティッククリーナーiNSTICKは、部屋のインテリアに調和するデザインとカラーで、コンセプトは"お部屋に出しておく"新しい掃除スタイル。クリーナー本体と充電台を一体化させた円柱状のフォルムが特徴だ。リビングや玄関など生活の場に、積極的に置けるデザインを目指して設計されたという。いつでも手に取れる場所に置くことで、ゴミが気になったらすぐ掃除に取り掛かれるのもメリットの一つだ。○ユニークな"空気清浄機付き"スティッククリーナー三菱電機が行ったアンケートによると、掃除機を使いたくない理由の1位が「掃除機を出し入れするのが面倒」という結果だった。そこで、部屋に出しておけるデザインにこだわり、充電している間も空気をきれいにできる「空気清浄機能付きスティッククリーナー」を企画したという。三菱電機ホーム機器 代表取締役社長 田代正登氏は「曜日や回数を決めて掃除をする人が多かったが、最近は散らかったり汚れたりした時に掃除をするスタイルが広まってきた。使いたい時にいつでも使える空気清浄機付きのスティッククリーナーは、他社にはない新しいジャンルの製品だ」と自信を見せた。
2015年02月10日三菱電機は2月10日、スティック型のコードレスサイクロン式掃除機「iNSTICK HC-VXE20P」(インスティック)を発表した。発売は3月1日。価格はオープンで、推定市場価格は税別70,000円前後だ。iNSTICKは、インテリアに調和するデザインを採用したスティック型掃除機。掃除機本体と充電台が一体となるような円柱状のフォルムでデザイン性が高いため、リビングなどに出したままにしておけるとする。充電台にはHEPAフィルターが設けられており、空気清浄機能も持つ。充電台の空気清浄機能は、掃除中に舞い上がったゴミを吸引するため掃除中は強運転で稼働し、掃除終了後は自動で弱運転に切り替える。風速毎秒60mでゴミと空気を分ける独自のサイクロン技術によって、吸引力が99%以上持続する。パイプを付け替えることで、スティック型とハンディ型の2通りで使用可能だ。3軸加速度センサーにより、掃除動作を検知して自動でパワーをコントロールする「スマートSTOP」機能を搭載する。サイズと重量は、掃除機本体がW226×D195×H1,053mm/2.1kg、充電台セット時がW250×D252×H1,087mm/4.7kg。ダスト容量は0.4L。約2時間でフル充電され、標準モードで約20分、強モードで約10分の連続運転が可能だ。カラーはシャンパンゴールド。
2015年02月10日三菱電機と立命館大学は2月5日、あらゆる機器がつながるIoT時代に向け、製造段階で生じるLSIの個体差を利用して、機器の秘匿と認証を行うセキュリティ技術を開発したと発表した。ネットワークに接続される組み込み機器が増加する一方で、プログラムの解析・改ざんやデータの奪取、機器のなりすましなどの不正行為に対する対策がますます重要になっている。特に、安全性が重要視される組み込み機器において、プログラムやデータの保護について抜けのない対策が必要とされている。一般的な対策として、機器に内蔵するメモリに暗号処理を行ったID情報を格納しているが、機器の電源を切ってもID情報がメモリ上に残留するため、チップを開封して内部を調べることで、IDの解析が可能になるという課題があった。そこで今回、同じ機能を持つLSIの個体差を活用して指紋のような固有IDを作り、復号時に鍵として用いる新たなセキュリティ技術を開発した。一般的に、LSIは内部の回路で定められた計算を行うため、同じ回路が入ったLSIに同じ入力の計算をさせると同じ計算結果を出力する。しかし、計算結果に至る過程が個体ごとに異なるため、今回、この個体差をLSIの指紋に見立て、同じ回路を実装したLSIごとに固有IDを作り出すことに成功した。この固有IDは、回路を動かした時にしか現れないため、チップを開封して内部を調べても解析することができない。また、指定のLSIの固有ID情報でしか復号できないように暗号化されたプログラムやデータは、そのLSIを持つ機器でしか使えなくなるため、機器の安全性を確保できる。加えて、特定の固有IDを持つ機器同士をつなげるように設定することも可能になるとしている。さらに、固有IDの生成、秘匿と認証に必要な回路を一部共有化することで、それぞれを個別に実装したときと比べ、回路の大きさを約1/3に削減した。この他、立命館大学と共同で、複数の製造プロセスで同技術を適用したLSIを試作し、安定して固有IDの生成が可能であることを確認した。また、同方式はモジュール化することで、組み込むことが容易になり、一般的なLSIの設計フローに適用可能となっている。なお、同技術は2015年度以降を目標に、三菱電機の製品に適用される予定。
2015年02月05日三菱電機は2月4日、欧州などのAC400V系電源のインバーターシステムでIGBTなどのパワー半導体を駆動するHVICの新製品として、1200Vの高耐圧を実現し、不飽和電圧(デサット)検出機能を搭載した「M81748FP」を発表した。同製品は、1200V高耐圧のPチャネルMOSFETの搭載により、ハイ/ローサイド側の双方にデサット検出機能を内蔵し、パワー半導体の熱破壊を防止する。具体的には、ハイサイド側のパワー半導体の短絡・地絡を直接検知し、ローサイド側へ信号を伝達し、システムを遮断する。さらに、シャント抵抗方式による短絡保護に比べて150Aクラス以上の定格に適し、パワー半導体の電力損失低減に貢献する。また、1200V耐圧分割RESURF構造により、リーク電流を10μA以下に抑制しているのに加え、チップ表面に新たにPolyRFPを採用し、安定した高耐圧特性を実現している。この他、スイッチング時のラッチアップ誤動作を抑制する埋め込み層の採用で高ノイズ耐性を実現し、システムの信頼性向上に寄与するとしている。なお、サンプル価格は260円(税抜き)。3月31日より発売する。
2015年02月04日三菱電機は28日、特定家庭用機器再商品化法(以下、家電リサイクル法)に基づく特定家庭用機器廃棄物の再商品化などに必要な行為に関する料金(以下、リサイクル料金)のうち、家庭用ルームエアコン、冷蔵庫・冷凍庫および洗濯機・衣類乾燥機のリサイクル料金を2015年4月1日から引き下げると発表した。家庭用ルームエアコンのリサイクル料金(1台当たり・税抜、以下同)は、現行の1,500円を1,300円に、冷蔵庫・冷凍庫については、内容積170リットル以下の場合は3,600円を3,400円に、同171リットル以上の場合は4,600円を4,300円に、洗濯機・衣類乾燥機は2,400円を2,300円にそれぞれ引き下げる。同社は、家電リサイクル法が施行された2001年4月より、使用済み家電製品に含まれる資源の有効な利用拡大に取り組んでいる。中でも同社製の家庭用ルームエアコン、冷蔵庫・冷凍庫および洗濯機・衣類乾燥機は、処理工程の改善などが進み、再商品化率は家庭用ルームエアコンで95%、冷蔵庫・冷凍庫で82%、洗濯機・衣類乾燥機で94%を達成。今回は将来のさらなるコスト削減の可能性も考慮し、家電リサイクル法の第20条に基づき、リサイクル料金を改定したとしている。
2015年01月28日三菱電機は1月28日、同社製「家庭用ルームエアコン」「冷蔵庫・冷凍庫」「洗濯機・衣類乾燥機」の3品目において、特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)にもとづくリサイクル料金を引き下げると発表した。リサイクル料金の改定が実施されるのは4月1日から。家庭用エアコンは旧価格の1,500円から1,300円に、内容積170L以下の冷凍庫・冷蔵庫は旧価格の3,600円から3,400円に、内容積171L以上の冷蔵庫・冷凍庫は旧価格の4,600円から4,300円に、洗濯機・衣類乾燥機は旧価格の2,400円から2,300円に引き下げられる(価格はいずれも税別)。このたびのリサイクル料金引き下げは、処理工程の改善が進んだため決定した。三菱電機製品の再商品化率は、家庭用ルームエアコンで95%、冷蔵庫・冷凍庫で82%、洗濯機・衣類乾燥機で94%まで達している。
2015年01月28日三菱電機は1月26日、シーケンサー・表示器および関連製品の開発・製造拠点を2015年4月に統合すると発表した。具体的には、姫路製作所の小型シーケンサー(プログラマブルコントローラー)・表示器の開発・製造を中・大型シーケンサーの開発・製造を行う名古屋製作所に統合し、事業運営を一元化する。この統合により、シーケンサーMELSECシリーズ・表示器GOTシリーズの製品仕様共通化による統一プラットフォームでの開発と、機械や装置を接続するCC-Link IEフィールドネットワークなどのネットワーク製品の開発を推進することで、小型から大型まで製品競争力およびソリューション構築力の強化を図る。また、上位情報系システムと生産現場の情報連携による生産とエネルギーの「見える化」を実現するe-F@ctory導入工場である名古屋製作所での一貫生産により、生産性の向上と高品質・省エネを実現する生産体制を構築するとしている。
2015年01月26日三菱電機は1月19日、ルームエアコン「霧ヶ峰」の新シリーズとしてコンパクトな「Lシリーズ」を発表した。発売は3月中旬。価格はオープンで、推定市場価格は定格冷房能力によって異なり、128,000円から208,000円(税別)。Lシリーズは窓上などの狭いスペースにも室内機を設置可能なルームエアコン。省エネ性能を保ちつつ、室内機の高さは250mmとコンパクトで、高さ300mm以内の空間に設置可能だ。また、新開発の2段構造プラズマ空気清浄ユニットによって、空気中のPM2.5や花粉などをプラズマ放電で帯電させて捕集する。三菱電機独自の赤外線センサー「ムーブアイ」も搭載。体感温度を考慮し、快適かつ効率的な運転を行う。左右に分かれたWフラップによって、直接風が当たることを防いだり、離れた2カ所へ同時に風を送ったり、と気流のコントロールが可能だ。推定市場価格は、定格冷房能力2.2kWの「MSZ-L225-W」が128,000円、2.5kWの「MSZ-L255-W」が148,000円、2.8kWの「MSZ-L285-W」が168,000円、3.6kWの「MSZ-L365-W」が178,000円、4.0kWの「MSZ-L405S-W」が188,000円、5.6kWの「MSZ-L566S-W」が208,000円となっている(いずれも税別)。
2015年01月19日三菱電機は1月15日、兵庫県尼崎市の先端技術総合研究所敷地内に「新実験棟」を建設すると発表した。同研究所は、三菱電機グループ全体の事業に関わる最先端技術の開発拠点で、基礎基盤研究から新製品開発、さらには将来の新事業に向けた技術まで、幅広い分野の研究開発が行われている。今回、新たに「新実験棟」を建設し、老朽化した実験設備の更新に合わせて点在している実験施設を統合することで、研究開発力の強化を図る。2015年2月に着工し、2016年2月から順次稼動する予定で、投資総額は約18億円になるという。
2015年01月15日三菱電機は12月25日、太陽光発電用パワーコンディショナや無停電電源装置(UPS)など、125/500kW超クラスの産業用機器の低消費電力化、小型化を実現する3レベルインバータ対応パワー半導体モジュール5機種を発表した。同製品は、大容量の産業用機器の低消費電力化に有効な3レベルインバータに対応し、現在主流の2レベルインバータに比べて、消費電力を約30%低減できる。さらに、CSTBT構造を採用したIGBTの仕様を3レベルインバータ向けに最適化している他、端子位置や形状を工夫した小型パッケージを新たに開発し、単体もしくは並列配置での使用の場合でもシンプルなインバータの回路構成となり、インダクタンスを低減する。そして、125kW以上の中容量帯には4in1製品で対応し、低損失に加え狭幅外形によってインバータの小型化に貢献する。また、多様なインバータの回路構成が求められる500kW以上の大容量帯には、回路・レイアウト自由度の高い1in1および2in1製品で対応するという。なお、サンプル価格はIGBTモジュールで400A/1200V 4in1の「CM400ST-24S1」が2万1000円(税抜き)。2015年6月から順次発売する。
2014年12月25日●顔周りを集中保湿三菱電機とオムロン ヘルスケアは、「保湿と快眠セミナー~睡眠環境へのアプローチ 隠れ不眠と乾燥対策~」を開催した。睡眠の専門家である杏林大学の古賀良彦教授、快眠セラピストの三橋美穂先生、アナウンサーの本田朋子氏が登壇し、睡眠と湿度の関係について対談を行った。同時に、快適な眠りを得るために必要となる湿度のコントロールを行ってくれるものとして、2014年10月発表の「パーソナル保湿機」を紹介。セミナー会場には、実際に寝そべってパーソナル保湿器を体験できるコーナーも設けられていた。○加湿器ではなくパーソナル保湿機パーソナル保湿機とは、顔周りにスチームを噴霧し、睡眠中に乾燥しがちなのどや鼻、肌をうるおすというものだ。従来の加湿器が部屋全体の湿度を上げることを目的としているのに対し、パーソナル保湿機では顔周りの湿度を保つことに主眼を置いている。展示されていたのは、三菱電機の「SH-JX1」と、オムロン ヘルスケアの「HSH-100」だ。通常、温かいスチームは上昇してしまい、水平方向に届けるのは難しい。それを解決するために、三菱電機はスチームを水平方向に移動させ、寝ている人の顔周りまで搬送する独自の技術を開発した。三菱電機は、保湿で得られる効果の一つとして"快眠"を挙げていた。しかし同社には睡眠についてのデータが不足していたため、「ねむりを科学する」オムロン ヘルスケアと協業するに至ったとのことだ。眠りに注力しているオムロン ヘルスケアも、快眠に影響する要素として湿度を重視していた。●あなたは"かくれ不眠"?このたびのセミナーは、保湿と快眠の関係について啓蒙するために企画したという。杏林大学 医学部 精神神経科 古賀良彦教授、快眠セラピスト 三橋美穂氏、本セミナーの司会を務めたフリーアナウンサー 本田朋子氏らによって「かくれ不眠と乾燥対策」をテーマにしたパネルディスカッションが行われた。○睡眠は生きていくうえでの基本古賀教授によると、かくれ不眠とは睡眠を大事だと認識していない人たちを指す言葉だという。都市部に住む人に多い傾向があり、「睡眠=もったいない」と思っている。かくれ不眠かどうかをチェックするために、セミナー参加者には以下のチェックリストが配布された。古賀教授いわく「10個以上チェックが付いた人はすぐに病院に行くことを勧める」とのこと。10個未満でもチェックが付いたら注意が必要だそうだ。80%以上の人が少なくとも1個にチェックを付けるそうだが、ほとんどが報道関係者であるセミナー参加者は、80%どころか100%が1個以上チェックを付けた。また、古賀教授によれば、チェックが付く人はだいたい3つに分けられるそうだ。1つ目は「自分は大丈夫」タイプ。このタイプは、眠っていないことをむしろ肯定的にとらえているというもの。眠っていないことをステータスのように思っているタイプだ。2つ目は「生活が不規則」タイプ。このタイプは、仕事などが忙しくて結果的に睡眠時間が削られてしまっているというもの。3つ目は「高ストレス」タイプ。このタイプは、眠れないことがストレスとなって眠れず、睡眠不足のせいで昼間にミスばかり重ねてストレスがたまり、また眠れなくなり……という悪循環に陥ってしまっているというものだ。古賀教授によれば「日付が変わる前に寝るのが理想的。7時間寝ている人が最も死亡率が低いというデータもある」とのこと。生きていく基本となる睡眠をもっと大事にしてほしい、と結んだ。○不眠が美容にもたらす悪影響三橋氏は、不眠が肌に与える悪影響について説明した。日本は世界で1、2を争う「睡眠時間が短い国」。三橋氏によれば、睡眠時間が短い人は肌のターンオーバー(表皮の新陳代謝)が十分に行われないせいで、肌の水分蒸発量が多いという実験データがある。水分蒸発量が多くなった結果、乾燥肌になりがちだ。また、ターンオーバーが十分に行われず、古い角質が残ってしまうと肌がくすんで見える原因にもなり、不眠は肌にも悪影響を及ぼしているといえる。●寝ている間は無防備、だからこそ対策が必要古賀教授、三橋氏はともに、入眠のための環境づくりも大切だが、無意識状態になる睡眠中の対策はもっと大切だと語る。鼻やのど、口の乾燥は睡眠の質を悪くする原因ともなり、快眠を阻害する。快適な湿度は50%から60%といわれているが、その湿度をキープするのは一般的な加湿器では難しい。睡眠中に加湿器を稼働させて、朝起きてみると窓に結露が発生しているのはよくあることだが、三橋氏によれば結露が発生するほどの「加湿しすぎはNG」だという。というのも、寝具が湿気てしまい、熱を逃してしまうからだそうだ。では、快適な湿度をキープするにはどうしたらよいか? というところで登場するのが、冒頭で述べたパーソナル保湿機だ。パーソナル保湿機には湿度計が内蔵されており、顔周りの湿度が70%以上になるとスチームの噴霧を停止、湿度が低くなってきたら再び運転を開始する、というように寝ている間の湿度をコントロールしてくれる。もちろん加湿しすぎることもなく、快適な状態をキープするのだ。光や音、香り、温度などさまざまな条件が入眠に関係してくる。しかし、いざ眠りについてしまうと視覚、聴覚、嗅覚が遮断されてしまい、最後まで残るのは触覚だと三橋氏は語る。寝ている間も肌に触れている寝具やパジャマはもちろんのこと、湿度も触覚に大きな影響を与えているそうで、朝まで快適な湿度環境を維持するのはかなり重要度が高いことだと三橋氏は強調した。最後にアドバイスとして、古賀教授は「睡眠は昼の作業に大きな影響を与えるので、いかに心地よい眠りを得るかがとても大事。快眠を得るためにも、"保湿"というのは重視すべきポイント」と述べた。三橋氏は「寝ている間は無意識だからどうしても無防備になりがち。睡眠が明日の自分を作っている、と心得てもっと気を配ってほしい」と語った。
2014年11月27日三菱電機は、米Vornado Realty Trustから受注を受け、ニューヨークのタイムズスクエア地区に建つMarriott Marquis Hotel(マリオットマーキーズホテル)の外壁に設置する広告用大型映像装置(オーロラビジョン)を納入、11月18日より運営を開始すると発表した。納入したオーロラビジョン(高輝度LED10mmピクセルピッチ)は高さ23.68mで、面積はシングルテニスコートの12面分に相当する。同社によると、ブロードウェーに面した1区画すべてに加え、ブロードウェーに交わる45th Streetと46th Streetにも及ぶ総幅延長100mを超える4Kフルハイビジョン対応ビデオスクリーンとして、世界最大の商業施設用大型表示装置だという。4K解像度(フルハイビジョンの4倍の解像度)表示が可能で、同社独自の黒パッケージLED採用により、高コントラスト化を図り、企業広告用映像などを屋外でもより鮮明に表示できる。
2014年11月21日三菱電機は、太陽光発電(PV)システム用パワーコンディショナー向けのパワー半導体モジュールの新製品として、ダイオード部にSiC(炭化ケイ素)を用いた「PV用大型ハイブリッドSiC DIPIPM」を11月28日より発売すると発表した。同製品はダイオード部に半導体と金属の接合部に生じるショットキー障壁を利用したダイオード「SiC-SBD」、トランジスタ部にCSTBT構造の第7世代IGBTを搭載したハイブリッド構造を採用。従来製品に比べ、電力損失を約25%低減し、インバーターシステムの低消費電力化を実現した。これらによりパワーコンディショナーの電力変換効率の向上が期待できる。また、IGBTからコレクタ電流の数千分の1程度の電流を取り出し、その微小な電流を検出する方式を短絡保護機能に採用。定格電力が大きなシャント抵抗の外付けが不要となり、パワーコンディショナーのインバーターシステムの小型化を実現した。サンプル価格は2万円(税抜)。
2014年11月20日三菱電機は11月11日、TFT-LCDモジュール「DIAFINE」の産業用途向けの新製品として、12.1型WXGA(1280×800画素)対応の「AA121TH01/11」、および15.0型SXGA+(1400×1050画素)対応の「AA150PD03/13」2機種を発表した。同製品は、上下左右視野角が170度と広く、設置場所の多様化に対応する。また、高輝度な他、1000:1の高コントラストを有しており、明るい場所での視認性を確保している。さらに、-30℃~+80℃の広い動作保証温度範囲で、屋外などの厳しい温度環境に対応する。そして、「AA121TH01/AA150PD03」はLEDドライバ回路を内蔵しており、最終製品のコスト削減と小型化に貢献する。この他、バックライトに白色LEDを採用し、10万時間(25℃の常温における標準値)の長寿命を実現している。なお、サンプル価格は12.1型で500cd/m2の「AA121TH01」が9万円(税抜き)、12.1型で1000cd/m2の「AA121TH/11」が10万円(税抜き)、15.0型で500cd/m2の「AA150PD03」が11万円(税抜き)、15.0型で1000cd/m2の「AA150PD13」が12万円(税抜き)。12月1日から順次発売する。
2014年11月12日三菱電機は10月27日、工作機械などの生産性、精度、操作性の向上を実現する数値制御装置(CNC)「M800Wシリーズ」を発表した。12月1日より発売する。同製品は、専用のCPUを搭載することにより、高速処理性能が飛躍的に高まり、CNCの基本性能である微小線分能力とPLCの演算処理能力を従来比で60%向上させている。また、CNCと駆動系ドライブユニット間の光通信ネットワークを高速化することで、サーボ指令・制御周期が従来比2倍となり、CNCシステム全体の応答性が改善し、工作機械の生産性を向上している。そして、マシニングセンタ向けに、加工形状に合わせて最適な加減速制御を行うSSS制御(Super Smooth Surface制御)機能を向上させ、高精度な加工を実現した。加えて、旋盤向けに、最大8系統32軸8主軸の制御ができ、多軸多系統機にも対応する。さらに、工具計測操作や3次元ワークシミュレーションなどの機能を拡充し、複雑な形状にも加工できる。この他、操作画面にユニバーサルデザインを採用し、ユーザーごとの操作画面の作成も容易なのに加え、マルチタッチジェスチャ操作など、スマートフォン感覚で操作できる19型ディスプレイを搭載したモデルを新たにラインアップした。そして、画面には、縦置き2分割のマルチ画面への表示切り替えや、画面の下部にソフトウェアキーボードマニュアルなどが表示でき、操作性を向上させている。
2014年10月28日三菱電機は10月23日、ワイヤ放電加工機の新製品「MP4800」を10月30日に発売すると発表した。「MP4800」は、高剛性ベッド構造や、直動ガイドの搭載、上下ノズルの相対変位の抑制などによって、航空機・自動車・精密電子部品など向けの長尺化・高精密化した大型金型の加工に対応。加えて、三面昇降加工機を搭載し作業効率の向上が望めるほか、高精度位置決め機能によるテーパ加工精度の向上も期待できる。価格は4千万円(税抜き)で、今年度は30台の販売を目標としている。なお、同製品は10月30日から11月4日まで東京ビッグサイトにて開催される「JIMTOF2014(第 27 回日本国際工作機械見本市)」に出展される予定。
2014年10月23日島津製作所は10月22日、三菱電機株式会社と共同で開発した「リサイクルプラスチック高精度素材識別技術」を用いて、プラスチックの種類を99%以上の高精度で瞬時に識別することが可能な「樹脂識別装置IRPF-100」を、同日より発売すると発表した。使用済み製品からプラスチックを回収して再利用する際、製品を粉砕して得られる混合プラスチック破砕片(プラスチックフレーク)から高純度な単一素材プラスチックを選別回収することが重要となる。そこでプラスチックフレークの品質管理のために、リサイクルの後工程で純度検査が行われているが、従来の純度検査は手作業に頼っており、効率性や検査精度に課題があった。「IRPF-100」では、フーリエ変換赤外分光光度計(FT-IR)を用いて中赤外光をプラスチックフレークに照射してその反射光を解析することで、ポリプロピレン、ポリスチレン、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレンの3つのプラスチックを99%以上の高精度で識別・選別できる。また、従来方法では難しかった黒色などの濃色プラスチックの識別も可能。さらに、プラスチックフレークを識別位置に搬送するところから、識別したプラスチックフレークを種類別に高速に仕分けするまでの一連の作業をすべて自動で行うという。価格は1850万円(税抜)で、発売から1年間で5台の販売を目指す。同社は、同製品をまずは家電リサイクル法により、過去に生産したエアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機を引き取り、定められたリサイクル基準を達成することが義務付けられている家電業界向けに投入する。さらに、「IRPF-100」の樹脂識別技術を応用して、自動車リサイクル法により同じくリサイクル義務を負う自動車業界をはじめ、その他の業界での様々な用途に向けての展開を視野に入れているとのこと。
2014年10月22日アイ・オー・データ機器は15日、三菱電機との技術協力によって生まれた液晶ディスプレイ「LCD-RDT」シリーズとして、AH-IPSパネルを採用した23.8型フルHDの「LCD-RDT241XPB」と27型フルHDの「LCD-RDT271XPB」を発表した。11月中旬より発売し、価格はオープン、店頭予想価格は前者が39,800円前後、後者が54,800円前後。LCD-RDT241XPBとLCD-RDT271XPBは、2014年9月に開催された東京ゲームショウで参考展示されていたもの。2013年12月に、惜しまれつつ個人向け液晶ディスプレイを終息させた三菱電機の技術を、随所に採り入れている。型番の「LCD」に続く「RDT」は、かつて人気を集めた三菱電機の液晶ディスプレイ「RDT」シリーズそのままだ。最大のポイントといえるのが、超解像技術「ギガクリア・エンジンII」の搭載。低解像度の映像を処理して解像感を高めたり、肌色部分は処理ぜずに滑らかに再現したり、白飛びや黒つぶれを画面内のエリアごとに改善したりと、さまざまな高画質機能を持つ。23.8型のLCD-RDT241XPBは、画面周囲のフレームと表示領域がフラットになった「フレームレス」パネルを採用。フレームの最小幅は約6.4mmと短く、マルチモニタにも向く。27型のLCD-RDT271XPBはフレームレスパネルではないが、主な仕様と機能は、23.8型のLCD-RDT241XPBと27型のLCD-RDT271XPBでほぼ同等だ。豊富な映像入力を備えるのも、最近の液晶ディスプレイとしては珍しくなりつつある。HDCP対応DVI-D、HDMI、HDMI(MHL)、D-Subに加え、D端子を搭載。今となっては少ないだろうが、D端子の映像出力を持つ古めの映像機器やゲーム機を接続できる。これは貴重だろう。また、主にポータブルゲーム機の映像を想定したスケーリング機能「ポータブル」もあり、720×480ドットの映像を自動で画面一杯に拡大表示する(D端子接続のみ)。HML接続でスマートフォンをつないだときは、PoutP(Picture out Picture)というユニークな2画面表示が使える。親画面と子画面(スマートフォン)を、画面内で重ならないように表示する機能だ。もちろん、一般的な親子画面のPinP(Picture in Picture)も利用できる。ただし、HDMIとHDMI(MHL)、およびD-SubとD端子のPinPには対応しない。ゲーム向けの機能として、内部フレーム遅延を0.1フレームまで改善するスルーモードを備える。PinPやPoutP、3次元ノイズリダクションが無効になるといった制限もあるが、応答性が求められるゲームをプレイするときに役立つ機能だ。また、色温度を下げることによって、画面から発するブルーライトを5段階で低減する「ブルーリダクション」機能も時流に乗っている。ケルビンでの色温度プリセットは、5,000K、6,500K、9,300Kだ。そのほか主な仕様は、画面がノングレア(非光沢)、解像度が1,920×1,080ドット(フルHD)、最大表示色が約1,677万色(10億6,433万色中)、視野角が上下左右とも178度、輝度が250cd/平方メートル、コントラスト比が1,000:1、応答速度(GTG)が14ms、オーバードライブ最大時の応答速度(GTG)が3.2ms。本体内蔵のスピーカーは、23.8型のLCD-RDT241XPBが2W+2W、27型のLCD-RDT271XPBが2.5W+2.5W。スタンド機能はチルト(上20度/下5度)のみだが、23.8型のLCD-RDT241XPBは3段階の高さ調節が可能だ(100mmピッチ)。VESAマウントは100mmに対応している。本体サイズ/重量は、23.8型のLCD-RDT241XPBがW540×D170×H361~391mm/4.8kg、27型のLCD-RDT271XPBがW643×D230×H445mm/6.8kg。両者とも、映像入力の切り替えやOSD操作を行えるリモコンが付属する。
2014年10月15日(画像はプレスリリースより)睡眠時の肌の乾燥や起床時ののど・鼻の違和感解消に役立つ三菱電機は、スチームが、部屋全体ではなく、顔の周りだけをやさしく包み込む独自の技術で、肌・のど・鼻を潤すパーソナル保湿機「SH-JX1」を、11月14日に新発売する。睡眠時の肌の乾燥や起床時ののど・鼻の違和感解消に役立ち、快適な眠りをサポートする湿度環境を実現する「新保湿スタイル」を提案する。独自のスチーム搬送技術で、潤いと心地よい眠りをサポート「SH-JX1」は、上下2段の吹き出し構造を採用し、上部吹出口からの常温風で下部吹出口からの低温スチームの上昇を抑えることにより、スチームを水平方向に届けることを可能にした、独自のスチーム搬送技術により、潤いと心地よい眠りをサポートする新しいコンセプトの製品。顔の周りをスチームでやさしく包み、寝ている間に逃げていく潤いを一晩中キープし、肌をしっかり保湿。また、保湿しているエリアの浮遊ウイルスを抑制する効果もあるという。寝室全体ではなく寝ている人の顔周りを集中的に保湿することで、水の使用量を抑え、窓や壁の結露を抑制。眠りを妨げない静音設計と寝室に置けるコンパクトなデザイン(高さ277mm、幅150mm、奥行き328mm)となっている。カラーは、ホワイトとピンクの2色。【参考】・三菱電機プレスリリース
2014年10月11日三菱電機は9日、新製品となる「パーソナル保湿機 SH-JX1」を発表した。同日、報道関係者向けに発表会を開催。快適な睡眠をサポートするパーソナル保湿機で「新保湿スタイル」を提案する。同製品は、就寝中に人の顔周りにスチームを噴射し、睡眠中の肌やのど・鼻の乾燥を防ぐことを主な目的とした製品。いわゆる"加湿機"が部屋全体を加湿することを目的としているのに対して、パーソナル保湿機は顔周りを集中して加湿する。顔周りを保湿するというと、美容系のスチーム・ミスト家電を思い浮かべるが、そういった製品が10~20分程度の短時間で集中ケアを行う専用機であるのに対して、パーソナル保湿機は連続8時間の運転が可能。パーソナル保湿機は、加湿機とも美容系のスチーム・ミスト家電とも異なる位置付けの新カテゴリーとなる。技術面での最大の特徴は、スチームを水平方向に75cm先まで吹き出せる点。高温のスチームは真上に向かう性質があり、そのままだと水平方向に送ることができない。それをスチーム吹き出し口の上に設けたもう1つの吹き出し口によって解消。ノズルのように伸びるもう1つの吹き出し口から常温風を吹き出して、スチームと混合させることにより、水平方向にスチームを届けることができる。また、約90度のスチームが常温風と混ざることで約45度まで温度が下がり、安全な低温スチームとして噴出できるというメリットもある。スチーム式の加湿機で、よく問題とされるいくつかのポイントがある。一例が消費電力だ。本製品の定格消費電力は210Wと一般的なスチーム式加湿機の半分程度。さらに、湿度が70%以上になると自動で運転を止めるセンサーを搭載しており、間欠運転を行う。これらによって、電気代は8時間で21円と従来機種の1/5に抑えられる。本製品の1時間あたりのスチーム発生量は210ml。他の製品に比べると数値が小さいものの、これは用途を顔周りに限定しているためだ。そのため1晩を8時間とした場合、必要な給水量も少なくて済むことから、給水タンク量は970mlと従来の1/4の体積に小型化。そのほか、一般的なスチーム式加湿機に比べて結露が発生しにくいこと、運転音が27dB(ささやき声が30dB程度)と気化式加湿機に比べて静かであることなどもメリットだ。三菱電機ホーム機器 代表取締役社長の田代正登氏は「従来の加湿機に満足をしている人は多くない。そこで新しいジャンルを開拓したい、と"睡眠中の保湿"をテーマに女性が中心になり、2010年から開発を開始した」と新製品の発売に至る経緯を説明。製品化にあたっては、独自のスチーム搬送技術を含め、採用されている12の技術が特許出願中だと明かした。
2014年10月09日三菱電機は10月9日、パーソナル保湿機「SH-JX1」を発表した。発売は11月14日で、価格はオープンとなっている。推定市場価格は30,000円前後(税別)。上下2段の吹き出し構造を持つ独自のスチーム搬送技術を搭載し、寝室全体ではなく人の顔の周りを保湿する製品。約75cm先(推奨距離)まで水平方向のスチーム搬送が可能で、寝ている間の肌やのど、鼻を効果的に潤すことができる。顔の周りを集中的に保湿可能となったことで、顔の肌水分量を運転前と比べて約1.5倍に保つことが可能。また、寝室全体を保湿するわけではないため、部屋の窓や壁の結露を抑えられる。最大運転時間は8時間で、運転音は27dBと人のささやき声(30dB)より静かだ。サイズ面でも、水タンク容量を970mLと小型化したことや、操作スイッチを簡易化したことで、本体幅15cmとコンパクトサイズを実現。寝室に置いてジャマにならないようにデザインされている。運転モードは「切タイマー」時が2~8時間、「連続」時が最大約4時間、スチーム発生量は210mL/h、消費電力は210W。マグネットプラグ付電源ケーブルによる転倒防止機能、点灯時湯漏れ防止キャップ、空焚き防止機能を備える。サイズはW150×D328×H277mm、質量は2.9kgだ。なお、三菱電機では本製品を用いた新保湿スタイルを、オムロンヘルスケアと共同で行っており、本製品はオムロンブランドでも発売される予定だ。
2014年10月09日三菱電機と東北大学は10月3日、長距離通信が可能なマイクロ波帯(5GHz)と超高速通信が可能なミリ波帯(60GHz)の受信回路を、低コストなSi-CMOSで1チップ化した5GHz/60GHz帯デュアルバンド対応Si-CMOS受信RFICを開発したと発表した。詳細は、10月5日よりイタリアで開催される国際会議「EuMW 2014(European Microwave Week 2014)」にて発表される。無線通信ネットワークには、大規模災害時を含め、どんな状況下においても安定した通信環境を提供できる高い信頼性と、通信の高速化が求められている。東北大学は、1つの端末で複数の無線規格に対応(ヘテロジニアス)し、最適なシステム回線を選択することで、長距離通信と超高速通信のシームレスな切り替えを可能にする構想を"ディペンダブル・エア"として提唱してきた。今回、この構想に沿って三菱電機と東北大学は、5GHzのマイクロ波帯と60GHzのミリ波帯を、低コストなSi-CMOSで1チップ化した5GHz/60GHz帯デュアルバンド対応Si-CMOS受信RFICを開発した。同試作品は、5GHz帯と60GHz帯に対応した回路を一部共有することで、周波数帯ごとに分けた場合と比べ、回路面積を約30%削減している。また、基板にICを実装した時の電波経路を電磁界シミュレーションで予測することで、ICの試作回数を減らし、開発コストを削減できるという。今後は、同成果を用いて、IEEE 802.11系の無線LAN規格などの標準化に貢献していく。また、三菱電機の高周波デバイス事業、特にミリ波帯の通信製品の開発にも同成果を順次応用していく予定としている。
2014年10月03日三菱電機は10月2日、オーディオナビシステム「DIATONE SOUND. NAVI(ダイヤトーン サウンド ナビ) NR-MZ90」シリーズ2機種「NR-MZ90」「NR-MZ90PREMI」を発表した。NR-MZ90は10月9日発売で、NR-MZ90PREMIは10月21日発売。価格はオープンで、推定市場価格はNR-MZ90が160,000円前後、NR-MZ90PREMIが240,000円前後(いずれも税別)。従来モデルに比べて、聴感上のS/N感が向上した新モデル。DACマスタークロックの精度を高めたことでジッターを排除。また、回路パターンと部品の選定を最適化することで、アナログ領域の音質を改善している。さらにNR-MZ90PREMIでは、電源やスピーカーハーネスに高純度銅7Nケーブルを採用。音質劣化を抑え、ダイナミックで立体感の高いサウンドを実現している。また、残響音を付加せずに音楽信号のみで音場を拡大する「Pure Extend Wide Surround(ピュア・エクステンド・ワイド・サラウンド)」を採用。高音質なままで、臨場感の高いサラウンド再生が可能だ。64bit演算コアDSPの採用で、「フロント左右独立31バンド・アジャスタブルFIRイコライザー」「マルチウェイ・タイムアライメント」「アジャスタブルFIRクロスオーバーネットワーク」機能を実現。車内の音質特性を大幅に向上させることができる。また、NR-MZ90PREMIは、マルチウェイタイムアライメントの「マルチ+パッシブ設定」に「3Way/Low」を搭載。ハイエンドスピーカーの能力をフルに発揮させることが可能だ。アンプの最大出力は45W×4で、スピーカーの適合インピーダンスは4~8Ω。ナビ機能では、操作ボタンや時計などを画面の左と下に集中させたL字レイアウト操作ボタンを採用。右ハンドルの運転席からの地図の視認性を高めている。また、次に曲がる交差点までの距離を常時表示する「残距離バー」が新規採用された。
2014年10月02日米Intelの日本法人であるインテルは9月29日、都内で会見を開き、同社のIoTに向けた取り組みの現況の説明を行った。既報の通り、同日付で同社は三菱電機と次世代FAシステムの開発で協業を進めていること、ならびにぷらっとホームがAtomベースの「Edison」を採用した超小型マイクロサーバの提供をアナウンスしているが、同会見はこうした動きを補完するものとなる。IoTの活用の土台に「セキュリティ」が存在するというのは、これまでも同社がIoT分野への考え方として提示してきた話で、そこから発展し、OSや仮想化、WebAPIの提供といった分野までカバー範囲を広げることで、「それらをシリコン(CPU)とパッケージ化することでライセンス管理を簡略化できる」(米Intelのセールス&マーケティング事業部 副社長 兼 エンベデッドセールスグループ ゼネラルマネージャーのリック・ドワイヤー氏)ようになり、顧客は容易に新デザインの開発をさまざまな市場向けにできるようになるというのが同社の主張するところだ。具体的には、それらを統合したIoTゲートウェイとしてリファレンスが提供されていることから、そうした検証済みのソリューション上でソフトウェアの開発を行うことで、適用分野に最適なデータを選択して、効率よく開発を行っていくことが可能になるとしている。また、そうしたIoTのエッジデバイス向けに22nmプロセスのAtomベース(Silvermontアーキテクチャベースのデュアルコア、500MHz)のSoC「Edison」を10月より国内でも提供していくことを発表。従来のIoT向けSoCやマイコンに比べてハイパフォーマンスを実現できるため、さまざまな機能を統合することが可能であり、「ワークロードのコンソリデーションが可能となり、1つのプラットフォームでさまざまなことを実現することが可能になる」(インテルの常務執行役員 事業開発本部長の平野浩介氏)とする。すでに上述した三菱電機では、Intelと協力して次世代FAシステム向けPLCの開発を進めており、Intelの後工程工場にて予測メンテナンスとして展開。2013年からの1年間で約900万ドルのコスト削減と歩留まりの改善を実現できることを確認したとしており、今後、2015年の「予防保全ソリューション」のビジネス化を図っていくほか、今後、さらなる連携を行っていくことで、製造業への付加価値の提供を強化していくとしている。
2014年09月30日三菱電機は9月30日、最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2014」での同社の展示内容を発表した。CEATECは、10月7~11日に千葉県・幕張メッセで開催される最先端IT・エレクトロニクス総合展。三菱電機ブースでは「もっと身近に三菱電機 -4Kから宇宙まで、明日を創る三菱電機の技術力-」をテーマに展開する。8月に発表した4K(3,840×2,160ドット)表示対応のレーザー液晶テレビ「REAL(リアル) LS1」や、通信・測位・観測分野の人工衛星などの最先端技術が展示される。会期最終日の10月11日には、AV評論家の麻倉怜士氏などを招いたトークセッションが行われる。詳細は三菱電機のWebサイトを参照のこと。
2014年09月30日Intelと三菱電機は9月29日、次世代ファクトリーオートメーション(FA)システムの開発、ならびにIoT技術を活用した予防保全ソリューションで協業すると発表した。両社が協業する新システムは、IntelのIoT技術と三菱電機の「e-F@ctory」ソリューションが組み合わさることで、障害予測などの革新的な機能を提供し、工場の生産性を高めることを目指すというもの。すでに最初の取り組みとして、マレーシアにあるIntelの製造施設のバックエンド工程に共同ソリューションを導入したとのことで、ビッグデータ分析用のサーバーにデータを安全に取り込むソリューションにより、製造装置の収益性・生産性の向上に加えて、障害予測に基づく事前の保守管理と部品故障の低減を実現し、900万ドルのコスト削減に成功したという。両社は2015年までに共同ソリューションの商用化を目指すとしており、2014年10月15日~17日に東京ビッグサイトで開催される「IoTジャパン 2014」のIntelのブースで、共同ソリューションのデモを披露する予定。
2014年09月29日