職場の人間関係が原因で離職や転職を決意する人は多く、厚生労働省がまとめた「個別労働の紛争に関わる相談件数」の内容のトップは、いじめや嫌がらせでした。2010年度に約32,000件だった相談件数は、2015年度には約59,000件にまで増加しています。せっかく手に入れたポジションを、人間関係のために離れなければならなくなったら大変です。アメリカのビジネスサイト『Entrepreneur』の紹介する、職場の人間関係を良好にしたければしてはいけない9つのことを知り、いじめや嫌がらせから距離を置きましょう。■1:噂話をする噂話は風邪のウイルスのように職場を駆け巡り、あっという間に会社じゅうに広まります。人々の仕事の質を下げ、下手すると会社の利益に関わってくることさえあります。職場の噂話を止めさせるのはたやすいことではありませんが、まず噂を聞いた自分自身が、それを広めるのを防ぐことです。もしかしたら、噂を流した張本人に止めさせることもできるかもしれません。いずれにせよ、早いうちに手を打つことが肝心です。■2:信頼を失うことをするどんな職場にも必ずひとりは、遅刻の常習犯や会議の出席をドタキャンしたりする人がいるもの。こういう人がいるだけで、仕事を最後までやり抜く上での障害になります。チームワークを崩さないためには、自分の能力以上の仕事を引き受けるときや、締切前に間に合わないと思ったときにはきちんと同僚に伝え、アドバイスを受けるなどコミュニケーションを怠らない努力をすることが大事。これができれば、同僚の信頼を得られるだけでなく、自分の仕事を広げるチャンスにもなります。■3:仕事を先延ばしする会社はひとつのチームです。ひとりが仕事を先延ばしするだけで、多くの人を慌てさせ急がせることになります。同僚は不必要なストレスだけでなく、あなたに対する大きな失望も感じるはず。そうならないために、仕事に優先順位をつけましょう。そして、大変な仕事を1日の早いうちに済ませてしまう習慣をつけるのです。そうすれば、やり残しはなくなります。■4:パワハラをするパワハラとは、職場で優位に立つ人が、下位の人に身体的・精神的苦痛を負わせること。子ども時代でいう「いじめっ子」と「いじめられっ子」の関係です。子どものいじめと一緒で、パワハラははじまってしまうと、それを止めさせるのは簡単ではありません。日ごろからのコミュニケーションも大事ですが、もしパワハラがはじまってしまったら、企業のパワハラ相談に行くなど、誰かに相談しながら解決していくのが効果的です。■5:嘘をつく私たちはときどき他愛ない嘘をつくことがあります。しかし嘘をつくと、重大な問題になることもあります。職場では、地位争いで相手に痛手を負わせるために嘘をつく人もいて、これは深刻な影響を与えます。企業の最高幹部に、病的に虚言癖のある人がいたら、企業全体の統一感を揺るがせることになるでしょう。■6:口でいうことと、実行することが違う同僚のなかには自分の仕事をちゃんとやらない人もいて、まわりを苛立たせます。たとえば、ウェブサイトの立ち上げが完了していつでも稼働できるのに、ひとりの同僚の書類作成が間に合わずに待たされているときなどは特にそうです。職場の平和を守るためには、約束を果たすことでチームの信用を維持することが大切です。■7:人の功績を横取りするこういうことをする人は、相当に自己中心的な人です。結果的には信用を失い、敵対する同僚を増やしてしまうことでしょう。ですから、いい仕事をした人がいれば、その人にはちゃんとした功績が与えられるように見守るべきです。■8:1日に4回以上SNSを見るみなさんは1日に何回ぐらいSNSを見ていますか?1回だけと答えた人でも、おそらくその4倍の4回は見ているもの。SNSにハマってしまうと、メールの返信を後回しにする人が多いそうです。メールは仕事上の大切な要件が多いので、見る優先順位は必ずメールからにしましょう。■9:チームの和を乱す1匹狼になる大勢の職場で働く時は、「1匹狼」になってはいけません。チームで働くということ自体が、いろんな意味で人を成長させます。また個人の目標よりも、チームの目標を達成できたときのほうが、企業にとっても、個人にとっても大きな利益をもたらします。チームプレーは、個人の信用を築くだけでなく、互いをサポートし合うことで、やる気も起きて、プロジェクトをまとめやすくします。*どれも、当然だと思えることばかりですが、実行するのは難しいもの。長年の慣れから周囲に対してルーズになってしまったり、最初は小さかった問題が気づかないうちに大きくなったりしがちです。職場の同僚への感謝や尊敬の気持ちを忘れずに、チームの一員としての自分という立場を常に意識して行動しましょう。(文/スケルトンワークス) 【参考】※10 Habits That Destroy Workplace Relationships-Entrepreneur※平成25年度個別労働紛争解決制度施行状況-厚生労働省
2016年02月28日育休の間に法律が改正! どうなる、派遣の働き方子育てとのバランスを考えて、働く日や時間を選びやすい派遣社員として働くママはたくさんいます。また、子育てが落ち着いたので、派遣で働き始めようかと考えているママたちもいるのではないでしょうか。一方で、去年の2015年9月に「労働者派遣法(通称:派遣法)」が改正されたことで、どのような影響が出るのかよくわからず、不安に感じている人も多いのでは。そこで、3月2日(水)に銀座で、10日(木)には新宿で、派遣法の改正についての解説や、派遣でのキャリアの棚卸の仕方のカウンセリングを行う無料セミナー「派遣社員のおしゃべりCafe」が行われるとのこと。主催する連合総合労働局 労働法制対策局の渡辺温子さんにお話を聞いてみました。「昨年、派遣法が改正されましたが、企業の人事や派遣会社向けのセミナーがある一方で、派遣で働く方々の認知度は低く、多くの方が今後の働き方に不安を抱いていらっしゃると思います。派遣期間の上限の変更や、派遣で働く方々のキャリアアップのために派遣会社に教育訓練/キャリアコンサルティングが義務化されたこと、雇用安定処置の実施、労働契約申込みみなし制度など、派遣で働く方に影響が大きく、登録会社や派遣先選び方の参考になる視点ですので、ご自分のためにも理解をしておいたほうがいいかと思います。ただ、専門的な用語なども多く、難しく感じてしまう部分もあるかもしれません。また、私たち連合が行う労働相談でも、派遣の方々は職場で相談相手がいなかったり、孤立感を感じたりしてしまうことも多いと耳にしてきました。そこで、今回は派遣会社や派遣先企業とは異なる中立的な立場の私たち連合から派遣法のことを説明したり、注意点などをお伝えしたりするだけでなく、派遣の方同士が気軽に話をしていただける場を作りたいとの思いから、『おしゃべりCafe』を開催することにしました。『日頃の疑問や悩みを誰かと話したい』『同じ派遣で働く方と情報交換したい』という方にぜひお越しいただきたいと思います。」当日は、連合から法律の改正などに関してのポイントを聞けるほか、キャリアカウンセラーの錦戸かおりさんから「自分の未来を幸せにするヒント」と題して、普段自分ではなかなか整理しづらい働き方との向き合い方など、実践的な話が聞けるとのことです。会社帰りに立ち寄ってもらえるよう、駅近くの会場で軽食が用意されているそうなので、気になる方は立ち寄ってみては?●無料セミナー「派遣社員のおしゃべりカフェ」 特設ページ よりお申込みが必要です。【第1回】1.日 時:2016年3月2日(水)18:30~20:30 ※17:30受付開始2.場 所:ZX Panorama Lounge(最寄駅:JR有楽町駅、東京メトロ有楽町線銀座駅など)3.参加費:参加費無料(軽食付き)【第2回】1.日 時:2016年3月10日(木)18:30~20:30 ※17:30受付開始2.場 所:シャンクレール新宿(「ヒルトン東京」ビル地下1階)(最寄駅:JR新宿駅)3.参加費:参加費無料(軽食付き)
2016年02月28日厚生労働省は2月23日、2015年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の結果を発表した。それによると、対象の5,031事業所のうち73.9%に当たる3,718事業場で労働基準関係法令違反が確認された。○約半数の事業所で違法な時間外労働今回の重点監督は、若者の「使い捨て」が疑われる事業場など、労働基準関係法令の違反が疑われる事業場に対して集中的に実施したもの。主な違反内容をみると、2,311事業場(構成比45.9%)で違法な時間外労働を確認。この中で、時間外労働の実績が最も長い労働者の時間数が「月100時間を超えるもの」は799事業所(同34.6%)で、うち「月150時間を超えるもの」は153事業所(同6.6%)、「月200時間を超えるもの」は38事業所(同1.6%)となった。「賃金不払残業があった」は509事業場(同10.1%)、 「過重労働による健康障害防止措置が未実施」は675事業所(13.4%)となった。主な事例として、あるコンビニエンスストアでは、最長月200時間以上の違法な時間外労働を強要し、正社員に全く割増賃金を支払っていなかった。また、アルバイトについては、毎月一律に10時間差し引いた時間を労働時間として取り扱い、割増賃金を適正に支払っていなかったという。同省は「法律違反の疑いがあるような事業所を対象に監督指導を行ったため、違反比率が高くなった」と説明。「法律違反が認められている事案に対しては、引き続きしっかりと対応していく」と話している。
2016年02月24日BearTailは2月10日、クラウド経費精算サービス「Dr.経費精算」にスキャン代行オプションをリリースし、全国郵送スキャンと都内23区派遣スキャンに対応すると発表した。Dr.経費精算スキャン代行オプションは、Dr.経費精算に登録する領収書の撮影・スキャンの手間を削減したいユーザー向けに、ユーザーの代わりに郵送または派遣の2つの方法にてスキャン代行するというもの。Dr.経費精算のサイト上で申し込みを行うことにより利用できるオプションプランとなる。同プランにより、領収書のスキャンから、データ化まで一気通貫で丸投げすることが可能となる。なお、料金の支払いは、Dr.経費精算へ登録されているクレジットカードへ、スキャンされた枚数に応じた金額が請求される。同オプションの詳細は次のとおり。
2016年02月12日消費者庁はこのほど、「高齢者の入浴中の事故」に関する実態を明らかにした。入浴中の事故を防ぐための注意事項もあわせて公開している。厚生労働省の人口動態統計によると、平成26年の家庭での浴槽での溺死者数は4,866人であった。平成16年と比較すると、10年間で約1.7倍に増加している。このうち約9割が65歳以上の高齢者で、特に75歳以上の年齢層で増加していることがわかった。厚生労働省の研究班の調査では、救急車で運ばれた患者数から推計した入浴中の事故死の数は、年間約1万9,000人(死因が溺水以外の疾病等と判断されたものを含む)にのぼるという。入浴中の事故死は特に冬季に多く、12月から2月にかけて全体の約5割が発生しており、入浴中の事故死の数と気温に相関性があるという報告もある。また、日本の高齢者の溺死者数は欧米に比べ多くなっている(※)。これは、入浴中の事故がほとんどが浴槽内で起きていることから、熱い湯に肩まで漬かるという日本固有の入浴スタイルが影響していると考えられる。そのほか、既往症のない人の事故や、原因がはっきりしない事例も見られるという。消費者庁が55歳以上の消費者を対象に実施したアンケート調査では、入浴事故のリスクが十分に周知されていないことにあわせ、消費者の安全対策が不十分であることも明らかとなった。「持病がない普段元気な人でも入浴事故が起こることがある」を知っている人は34%。安全な入浴方法の目安である「41度以下で10分未満に上がる」を守っている人は42%にとどまり、浴室等を暖める対策を全く実施していない人も36%みられた。こうした中で約1割が、入浴中にのぼせたり、意識を失ったりした経験があると回答している。同庁では、安全に入浴するために数々の注意点を挙げている。温度の急激な変化による血圧の変動で、失神・溺れてしまうことを避けるためには「入浴前に脱衣所や浴室を暖める」ことが有効とのこと。「湯温は41度以下、湯に漬かる時間は10分までを目安に」も気をつけるポイントだという。また、浴槽から急に立ち上がると、脳が貧血状態になり一過性の意識障害を起こすことがある。手すりや浴槽のへりを使ってゆっくり立ち上がるのがよいという。入浴中の事故死の検体から、アルコールが検出された例もあることから、「アルコールが抜けるまで、また、食後すぐの入浴は控える」も挙げている。入浴中に体調の悪化等の異変があった場合は、早期に対応することが重要なため、「入浴する前に同居者に一声掛けて、見回ってもらう」ことも重要としている。※(出典)Lin C-Y, et al.Unintentional drowning mortality, by age and body of water: an analysis of60countries. Inj Prev2015;21: e43-50.Fig7
2016年01月21日アイルは1月12日、スタッフ情報・派遣先情報やスタッフ向けマイページを、低価格なクラウドシステムで一元管理できる人材派遣会社向けスタッフ管理クラウドシステム「CROSS STAFF(クロススタッフ)」の提供を開始した。同システムは、中小企業にも導入しやすい、低価格(基本料金は3万円/月、初期設定費用は無料)なクラウドシステムで提供される。「スタッフ向けマイページ」では、スマートフォン・タブレットに最適化された、Web給与明細、資料ダウンロード、スタッフへの情報発信などの機能が搭載されている。また、スタッフ情報管理(スタッフの基本情報・対応履歴などの登録、スタッフ検索)、派遣先情報管理(派遣先の基本情報・対応履歴などの登録、派遣先ごとの稼働スタッフ検索)も可能。さらに、オプション機能により、法改正に伴い義務化されたストレスチェックやスキルチェック、マイナンバー収集・管理も可能となり、今後はセキュリティ保管にも対応する予定。
2016年01月13日イオン銀行はこのたび、2016年1月より全国の労働金庫と信用組合とのATM提携において、相互に入金取引の取り扱いを開始すると発表した。○労働金庫ATMとは365日いつでも無料で預入れが可能このたびの対応により、イオン銀行ATMで各労働金庫のキャッシュカードを利用の場合、または労働金庫ATMでイオン銀行キャッシュカードを利用の場合のいずれも、相互に預入れが可能となり、365日いつでも無料で取扱いができる。同様に、イオン銀行ATMで各信用組合のキャッシュカードを利用の場合、または信用組合ATMでイオン銀行キャッシュカードを利用の場合のいずれも、相互に預入れが可能となり、365日いつでも平日・土日祝日を含め8:00~21:00で取扱いができるようになる。イオン銀行によると、「2007年より全国のイオンやマックスバリュ、ミニストップなどのイオングループ各店舗を中心にイオン銀行ATMの設置(全国4,965カ所・5,696台、2015年11月末日現在)を進めている。イオン銀行ATMでは、同行発行カードで24時間365日いつでも利用できることに加え、電子マネー『WAON』のチャージやポイント交換や、提携金融機関のカードでの取引にも広く利用できる」としている。イオン銀行は今後も、顧客の更なる利便性向上に努めていくとしている。
2015年12月28日前編では、マタニティー・ハラスメント(マタハラ)に関する国の調査結果を受けて、労働問題を専門とする旬報法律事務所の新村響子弁護士から現状と対策を伺った。後編となる今回は、違法とされるマタハラの具体的な事例やマタハラを受けたと感じた際にできることをご紹介する。○職場復帰後のトラブルが増えているマタハラが違法と認められた事案として記憶に新しいのが、妊娠を理由に降格されたとして、理学療法士の女性が勤務先の病院を訴えた裁判だ。2014年10月、最高裁は「妊娠や出産を理由とした降格は、自由な意思に基づく明確な同意か業務上必要な特別な事情がなければ違法」との初めての判断を示した。さらに11月17日には、差し戻し審となる広島高裁で降格が違法と認められ、病院側に賠償命令が出されている。これらの裁判の影響について新村弁護士は、「マタハラに対する関心が高まり、弁護士などへの相談や裁判の数が増えたと感じる」と述べた。さらに最高裁判決のあと、国は「妊娠や出産、育児休業等から1年以内に事業主が行った不利益な取り扱いは原則違法となる」という内容の通達を全国の労働局に出している。「裁判所に加えて行政の意識も高まっている」と、その影響の大きさを語った。一方で、最近増えていると感じているのが「職場復帰後」のトラブルだという。新村弁護士によれば、退職や契約社員への切り替えを勧められたり、本人にとって不利益な配置転換を迫られたりしたという内容の相談が多いとのこと。このうち配置転換に関しては「職場復帰後、必ず元の配置に戻さなければいけないという明確な法律はないため、違法かどうかが争いになりやすい」と課題を述べた。○マタハラにあっていると感じたら「録音」を厚生労働省は法律で禁止されている行為として、「解雇」や「雇い止め」のほかにも、「人事考課で不利益な評価を行う」「仕事をさせない」などをあげている。しかし、自分が受けたものがマタハラにあたるのか、あたるとしてもどう解決したらいいのか分からないケースが多いのではないだろうか。これについては、労働局の雇用均等室に相談することを勧めた上で、「雇用均等室で解決が得られなかった場合にも諦めずに、弁護士を頼ってほしい」と語った。さらに、紛争解決の場で大事になってくるのが「証拠」だという。「マタハラとわかるような言葉の内容が、証拠として具体的にわかる"録音"が有効」として、「マタハラは繰り返し行われることが多いので、様子がおかしいと思ったらボイスレコーダーや録音アプリを起動したスマホをポケットにしのばせて」とアドバイスしてくれた。マタハラへの関心は高まっているものの、国の調査結果からもわかるようにトラブルはなくなっていないのが現状だ。妊娠・出産・育児を迎える女性たちが知識を持つことに加え、職場を中心とした周囲の理解が広がっていくことを期待したい。※写真と本文は関係ありません
2015年12月18日厚生労働省はこのほど、妊娠や出産を理由にした職場での嫌がらせ、「マタニティー・ハラスメント」(マタハラ)に関する実態調査の結果を発表した。調査の中では、派遣労働者のうち約半数がマタハラを受けたことがあると回答。マタハラの種類も、解雇や不利益な配置転換など多岐にわたった。この結果について、どう考えるべきか。そして、法律上の対策としてどのようなことができるのか。労働問題を専門としている旬報法律事務所の新村響子弁護士に聞いた。○派遣労働者も産休・育休は取れる同調査は9月14日~10月4日にインターネット上で行われ、25~44歳の女性雇用労働者(雇用された経験がある人も含む)5,000人から回答を得たもの。調査の中では、回答者のうちそれぞれ約2割の人が「解雇」や「雇い止め」にあっていると回答。マタハラの行為者としては男性の上司に限らず、女性の直属上司(11.1%)や「女性の同僚・部下」(9.5%)も上位にあがった。中でも注目すべきは、派遣労働者の48.7%がマタハラの経験があると回答したことだ。これについて新村弁護士は、「同じ仕事をしていても正社員に比べて低待遇で、"よそもの"として扱われがちな職場環境に根本的な原因がある」と指摘。その上で、「派遣社員であっても妊娠・出産を理由とする不利益取り扱いは禁止されているし、育休・産休も取ることができる」とアドバイスした。ただし育児休業を取得するためには、「(1)一の事業主に引き続き1年以上雇用されていること」「(2)子の1歳の誕生日以降も引き続き雇用されることが見込まれること」「(3)子の2歳の誕生日の前々日までに、労働契約の期間が満了しており、かつ、契約が更新されないことが明らかでないこと」の3つの条件を満たすことが必要だという。このうち問題となりやすいのは(2)の条件とのこと。「3カ月など短期の契約の場合、契約書に『更新の可能性あり』(引き続き雇用されることが見込まれる)と書かれていても、(2)の条件を満たすかどうかが不確定」と指摘。契約期間によって、育休の取得可否が変わってきてしまうという。しかし、この3条件を満たすかはっきりしなくても、取得できたケースもある。「事業主と交渉することによって、休みを取得できたという人も多いので諦めないでほしい」として、労働局の雇用均等室や労働組合、弁護士への相談を呼びかけた。○働き続けることを諦めないでさらにマタハラの内容を調査したデータでは、「『迷惑』『辞めたら? 』等、権利を主張しづらくする発言」(47.3%)という回答が最も多くなっている。「解雇」や「雇い止め」とは異なり明確な対処がしづらいケースのように思えるが、新村弁護士は「繰り返し言われた場合や職場いじめのような場合には、不法行為として損害賠償請求ができることもある」と指摘した。「『辞めたら? 』などの提案型の発言は、『迷惑をかけて悪い』と思って受け入れがちだ」としながらも、「働きながら子どもを育てるのは権利。泣き寝入りして自ら辞職を申し出るというのはやめて、働き続けることを諦めないでほしい」と訴えた。これらの現状を踏まえたうえで、マタハラを受けたと感じたときに私たちができることはなんなのだろうか。後編では、増加傾向にあるマタハラの事例や対策についてお伝えする。※写真と本文は関係ありません
2015年12月17日ソフトバンク傘下のcocoro SBは12月11日、ロボット「Pepper」の貸出サービス「短期アルバイト派遣」でサービス提供エリアを18日より拡大すると発表した。「短期アルバイト派遣」は、cocoro SBが企業などにPepperを有料で貸し出すサービスで、7月より東京23区内でスタートした。貸し出しは、「Pepperをアルバイトで派遣する」という形をとり、1時間1500円の時給が発生する。スタート当初から好評で毎月20件ほどの申し込みがあったという。23区外以外への貸し出しについても多くの企業から要望が寄せられたことから、cocoro SBは提供エリアの拡大を決定した。今後、拡大する提供エリアは、埼玉県や千葉県、神奈川県、愛知県、広島県、福岡県、熊本県、鹿児島県、沖縄県。エリア拡大に先立ち、仮予約受付サイトで受け付けを開始する。エリア拡大するにあたっては、パンプレップスホールディングスとパートナー契約を締結。今後は、パートナーを増やす方針で、より広いエリアで提供するための体制を強化する。2016年夏には全国でサービスを提供するとしている。
2015年12月14日塩崎恭久厚生労働大臣は7日、経済財政諮問会議において、いわゆる「130万円の壁」について、就業調整を防ぎ、被用者保険の適用拡大を円滑に進める観点から、短時間労働者の賃金の引上げや、本人の希望を踏まえて働く時間を延ばすことを通じ、人材確保を図る意欲的な事業主に対し、取組への一時的な支援を行う案を示した。いわゆる「130万円の壁」は、年収が被扶養認定基準(130万円)を超えると、年金・医療の保険料負担が発生するが、この負担を回避するため、労働者や企業において、就業調整する傾向が見られる問題を指す。塩崎厚労相の提出資料では、この問題について、労働力需給が逼迫するなかで、こうした就業調整を克服し、「短時間労働者の労働参加の促進」「短時間労働者の所得・年金(将来の所得)の確保」を同時に達成することが必要とした。その上で、就業調整を防ぎ、被用者保険の適用拡大を円滑に進める観点から、短時間労働者の賃金の引上げや、本人の希望を踏まえて働く時間を延ばすことを通じ、人材確保を図る意欲的な事業主に対し、取組への一時的な支援を行う案を提示。具体的には、キャリアアップ助成金を活用し、対策を実施(平成28年10月~平成31年度)(※一部平成28年4月からの措置)する。被用者保険の適用に際して、短時間労働者の賃金引上げや、本人の希望を踏まえて労働時間延長を行った事業主に対して、賃金引上げ幅や労働時間延長幅に応じて、段階的に助成。このことで、短時間労働者の収入が確実に上昇し、将来の年金の増額につながるとした。賃金引上げと労働時間延長の双方を行った事業主には、1事業所あたり最大600万円を助成。例えば、毎日1時間(週5時間)労働時間延長を行った場合や、賃金3%引上げ+週4時間労働時間延長を行った場合には、短時間労働者の手取りは被用者保険加入後も増加するとしている。対象人数は、20万人程度(のべ)(※対象人数については、対策期間の総計)。対策の内容の詳細は以下の通り((1)と(2)は併用可能)(※いずれの措置も1事業所当たり最大300万円まで)。○(1)賃金の引上げ(最低賃金引上げ分を含まず)を行う事業主への支援賃金テーブルを改定し、短時間労働者の賃金を2%以上増額させた事業主(平成28年4月からの措置) : (助成額)1事業所当たり人数と対象範囲に応じて5万円~300万円(大企業3/4程度)積極的に適用拡大を行う中小企業(※中小企業が適用拡大できるよう、法改正することが前提)において、被用者保険適用となる短時間労働者等について、賃金を増額した事業主(平成28年10月から平成31年度までの措置) : (助成額)賃上げ3%以上:1人当たり2万円(大企業1.5万円)~賃上げ14%以上:1人当たり10万円(大企業7.5万円)○労働時間延長を行う事業主への支援週労働時間を5時間以上延長し被用者保険適用した事業主(平成28年4月から平成31年度までの措置) : (助成額)1人当たり20万円(大企業15万円)上記賃金の引上げとあわせ処遇改善に積極的に取り組んだ事業主(平成28年10月から平成31年度までの措置) : (助成額)1時間以上延長:1人当たり4万円(大企業3万円)~4時間以上延長:1人当たり16万円(大企業12万円)
2015年12月08日●社員の給料を下げることができない年間30日の有給休暇をとるペルー。労働法が手厚すぎて正社員を増やすことが難しいと言われているが、解雇についてももちろん労働者に手厚い状況が用意されている。○給料は下がらず、70歳までクビにならない!?意外に思われるかもしれないが、ペルーの企業は終身雇用が基本だ。試用期間は3か月。この期間の解雇は自由で、問題がなければ4か月目から本採用となる。懲戒解雇や自主退職がない限り、法定定年の70歳まで働き続けることができる。企業が安定成長を続けているならともかく、企業側にとって相当な負担であることは否めない。加えて、ペルーでは社員の給料を下げることができない。賞与は本人の能力に関わらず年間2か月分の支給が義務付けられているし、有給休暇も確実に消化させる必要がある。また、20人以上の社員を抱える企業では、決算毎に税引前利益を従業員に配分する義務もある。配分率は業種ごとに決められており、製造業や漁業、電気通信業は10%、鉱業、商業、飲食業は8%、その他の業種は5%。「年収と同じくらいの配当金をもらったことがある」という人もいるから、羨ましさを通り越して開いた口がふさがらない。もちろん、企業ごとに定年を設定することもできる。しかしその場合、解雇は会社都合扱いとなり、企業は勤続1年につき給与1.5カ月分、最大で12カ月分の解雇手当を退職金とは別に支払わなければならない。定年を法定より早くし、社員の平均年齢を若く保つことで社内の活力を高めている企業もあるが、この場合定年を迎えた社員全員が解雇手当の支給対象となってしまう。その分人件費が利益を圧迫するため、利益率の低い企業では対応が難しい。●会社にコカインでもクビにならない○魔法の言葉「不当解雇!」日本では残念ながらお馴染みとなってしまったリストラも、ペルーではそれほど簡単ではない。会社側に「業績が思わしくないので」と退職を勧められても、その申し出を受け入れるかどうかの判断は労働者の手に委ねられているのだ。会社から解雇を告げられた社員には、「1. 解雇手当を受け取って辞める」「2. 不当解雇として労働雇用促進省に訴える」のどちらかを選ぶ権利がある。ただし、2を選択すればほとんどの場合労働者側が勝訴すると言われているため、事実上解雇は不可能と嘆く人事担当者は多い。もちろん、労働者側が1を選択すれば解雇は可能となるが、会社都合のため前述の解雇手当を支払う必要が生じる。「経営が厳しいから解雇手当はなし」などという会社側のエゴは許されず、不当解雇として訴えられ、賠償額を上乗せするハメになる。懲戒解雇はどうだろう。オフィスのトイレに私物を忘れた顧客がいて、すぐ探しに戻ったが忘れ物が無くなっていたという例。防犯カメラには、顧客が去った後トイレに入った社員Bがはっきりと映っており、顧客が戻るまでの間はB以外に誰も出入りしていなかった。それでもBは犯行を否定。このケースでは、現行犯ではないため、もしくは状況証拠しかなく犯人と断定できないために、懲戒解雇はできない。社員Cのコカイン所持が発覚した。しかし、ペルーでは成人であればコカインやマリファナの個人使用目的による所持が合法とされ、1度や2度では解雇することができない。「もちろん何度注意しても会社に持ってくるような常習犯は、さすがに懲戒解雇できますよ。正気を失って周囲に危害を加えたり、機密情報を外部に流してしまう可能性もありますからね」今回取材に応じてくれた現地企業の人事担当者は、ため息交じりにこう答えた。○転職は当たり前、流動的な労働市場一方、ペルーでも正社員を有期契約で採用することはできる。有期契約が適用可能な職種は限定されているが、試用期間は終身雇用の場合と同じく3か月で、1年契約のケースが多い。しかし、有期契約を毎年更新していくと、勤続6年目以降は自動的に生涯雇用に移行する。これを防ぐため、5年目までに雇用契約を打ち切る企業は少なくない。また、契約期間満了以前に解雇した場合、企業は残りの期間の給与を補償しなければならない。こうしてみると、有期契約社員は終身雇用の社員より損だと思うかもしれない。しかし、たとえ有期契約でも有給や病欠を始め、ほとんどの待遇は終身雇用と変わらない。労働者にとって転職に対するマイナスイメージはなく、好条件やスキルアップの機会があれば誰もがすぐに転職を考える。ペルーの労働市場は日本より遥かに流動的で、転職の数を見て人柄を疑われることはないのだ。労働者寄りといっても、ペルーの労働法だけが突出している訳ではない。フランスやスペインでも有給休暇は30日ある。とはいえ、懲戒解雇はさておき、労働者が不当解雇の声を上げればほぼ勝訴する現状では、厚遇の謗りを免れないだろう。現行法は投資や雇用促進を妨げるとして、外資系企業を中心にさまざまな意見や改善要請が出されているものの、今後も労働者の権利を守るという労働雇用促進省の姿勢は変わっていない。2015年4月、社員10人以上の企業における正社員増加率は、前年同月比でわずか1.1%だった。ペルーの正社員数はこれからもなかなか増えそうにない。
2015年12月07日ジェーシービー(JCB)は19日、同社及び同社役職員4名が、労働基準法32条(労使協定)違反の容疑で三田労働基準監督署より同日書類送検されたと発表した。産経新聞の報道によると、同社の本社勤務の社員に違法な時間外労働をさせた疑いがあるという。ジェーシービーでは、「このような事態に至ったことについては、当社として誠に遺憾であり、関係者の皆様に多大なるご心配をおかけしたことを深くお詫び申し上げます」としている。ジェーシービーによると、今回の件は、2013年度に「労使協定」への違反者が発生し、2014年5月、三田労働基準監督署による立入り検査が行われ、任意捜査を経て書類送検に至ったもの。同社では、2014年7月1日付で、総労働時間削減を目的とした全社横断的な組織として、社長を委員長とする「時間外削減対策委員会」を組成し、全社業務量の削減など時間外勤務の削減に留まらず、「働き方」にまで踏み込んだ労働時間短縮策に取り組んでいるとしている。委員会の組成から1年半近く経過しているが、「組成以来、労使協定違反は発生していない」(同社)。同社では、「今回の事態を重く受け止め、今後も適切な労働時間管理態勢の強化ならびにコンプライアンス意識の更なる徹底に、全役職員一丸となって取り組んでいく」としている。
2015年11月19日厚生労働省は4日、「就業形態の多様化に関する総合実態調査」の結果を発表した。対象は、5名以上の常用労働者を雇用する約1万7,000カ所の事業所と約5万3,000名の労働者。調査時期は平成26年10月1日。○正社員以外の労働者の活用理由、「賃金の節約のため」がトップに正社員以外の労働者がいる事業所に対し、「正社員以外の労働者を活用する理由」を聞いたところ、1位は「賃金の節約のため」(38.6%)だった。2位は「1日、週の中の仕事の繁閑に対応するため」(32.9%)、3位は「即戦力・能力のある人材を確保するため」(30.7%)と続いた。民営事業所では、「賃金の節約のため」(38.8%)が最多となった。次いで、「1日、週の中の仕事の繁閑に対応するため」(33.4%)、「正社員を確保できないため」(31.1%)と続いた。前回調査と比較すると、「賃金節約のため」が5.0pt、「1日、週の中の仕事の繁閑に対応するため」0.5ptが減少したのに対し、「即戦力・能力のある人材を確保するため」が6.7pt増加した。正社員以外の労働者(出向社員を除く)に対して、現在の就業形態を選んだ理由を聞くと、「自分の都合のよい時間に働けるから」が1位だった。次いで、「家計の補助、学費等を得たいから」(30.6%)、「家庭の事情(家事・育児・介護等)と両立しやすいから」(25.4%)という結果となった。
2015年11月09日最新の調査によると、修士号の学位を持つ人はそうでない人よりも労働時間が長い傾向があるのだそう。このニュースを受けて、大学や学生生活にまつわるトピックを紹介するサイト『TOPUNIVERSITIES.com』では、修士号を持ち、母国以外の国に留学した経験のある若者たちに、各国の労働時間についてアンケートを実施しました。母国との比較で語られる各国の労働時間事情は、なるほどと納得できます。さっそく見ていきましょう。■アメリカ:長時間労働が進行中!経済協力開発機構(OECD)が発表したフルタイム労働者の平均労働時間データ(2014年)によれば、アメリカは1,789時間/年でほぼOECD平均です。アメリカ出身のケイシーとニコルによれば、「アメリカはまだまだ伝統的な午前9時-午後5時の勤務スタイルが定番」。しかし一方で、「多くの業界や地域で、1日12時間勤務までは一般的になりつつあります」(ケイシー)。特に専門性の高い法曹業界や航空業界、医療現場では長時間労働が珍しくなく、クレイジー・アワーと揶揄されることも。アメリカ国内で働くクレメント(フランス出身)とマルタ(イギリス出身)は、母国よりもアメリカのほうが長時間労働を一般的だと感じています。クレメントにとって驚きだったのが、「アメリカの企業には労働時間制限がない」ということ。フランスでは、労働法典で時間外労働も含めて週48時間を超えてはいけないと決められているのです。「アメリカでは、週24時間だろうが70時間だろうが、問題なく働くことができるのです」■ヨーロッパ:東は長時間が主流・西では質重視年間の平均労働時間はロシア(1,985時間/年)、ポーランド(1,923時間/年)、ハンガリー(1,858時間/年)など東ヨーロッパの方が多め。一方、西ヨーロッパのイギリス(1,677時間/年)、ドイツ(1,371時間/年)、フランス(1,473時間/年)、スペイン(1,689時間/年)はOECD平均を下回っています。ここでは、平均労働時間が短めのフランス、ドイツについて見てみましょう。[フランス]:制限の範囲で長時間化もフランスでは、労働法典で週35時間労働を基本と定められていますが、それほど尊重されていないのが実態。フランスで働くケイティ(アメリカ出身)によると「わたしの知るところでは、ほとんどの人が週35時間よりも多く働いています」とのこと。また、アメリカで働くクレメント(フランス出身)は「顧客志向の旅行、レジャー、ケータリングや宿泊といったサービス業には独自のルールがあり、休日出勤や残業もあります」、ケイティも「医療の現場など長いシフトが求められる仕事には、通常長時間労働のかわりに休暇もあります」と証言。48時間/週という制限はありつつも、特定の業界では労働の長時間化も進んでいるようです。[ドイツ]:週4日勤務が一般的ドイツの平均労働時間はアメリカを下回っていますが、ドイツの大学に通うフェリックス(アメリカ出身)は、「それはドイツ人が仕事をしていないということではありません」と主張します。「ドイツでは、効率がとても重視されます。アメリカでは一般的に週5日働きますが、ドイツでは多くの人々が週に4日しか働かず、金曜も休みです」。そのぶん集中して仕事をし、結果を出すことが求められている、といえます。■日本:週60時間以上が一般的日本の平均労働時間(2014年)は1,729時間/年で、OECD平均以下。しかし、日本で働くケイシー(アメリカ出身)は、日本ではいまでも長時間労働が一般的だと見ています。「終身雇用制度がまだ根強く残っています。労働者は終身雇用と引きかえに、驚くほどの長時間勤務をこなしています。1993年に生まれた過労死(karo-shi)という言葉は、平均週60時間以上働くことで起こる過剰なストレスを原因としています。このことは、当時週60時間以上働くことがいかに一般的だったかを示しています」。また、業界によっても、労働時間数は大きく違っているのが実情です。日本のIT関連業界で働くアルカナ(インド出身)は、「日本では、IT業界は特に労働時間が長くなりがち。10~12時間か、プロジェクトによってはもっとです」と証言。ちなみにインドでは……。「8時間勤務が一般的ですが、各国の業務を請け負って仕事をするケースが多く、タイムスケジュールは取引先の国に合わせて午後4時-深夜12時だったり、朝2時-午前11時だったり」。長時間勤務とは違った大変さがあるようです。*今回、アンケートに回答した修士号を持つ若者たちの多くが週40時間以上働きたいと考えているのだとか。一日の最も長い時間を費やす労働に対する考え方は、そのままその国の価値観や個人の生き方にも通じます。生活の質は確保しつつ、しっかり働いて成果を出したいものです。(文/よりみちこ)【参考】※Differences in Average Working Hours Around the World―topuniversities.com※Average annual hours actually worked per worker―OECD
2015年11月05日厚生労働省は11月5日、平成27年度「テレワーク推進企業等厚生労働大臣表彰(輝くテレワーク賞)」の受賞者を発表した。今年度から始まった本表彰は、テレワークの活用によって、労働者のワークライフバランスの実現に顕著な成果をあげた企業・団体や個人が表彰されるものとなっている。初年度となる今年度は、「優秀賞」にシスコシステムズと日本マイクロソフトの2社、「特別奨励賞」に8社、「個人賞」に2名が決定した。「優秀賞」受賞企業シスコシステムズ日本マイクロソフト「特別奨励賞」受賞企業カルビーキャリア・マムコンピューターシステムハウスサントリーホールディングスジョブサポートパワーテレワークマネジメントネットワンシステムズ明治安田生命保険「個人賞」受賞者北村有紀氏(NTTデータ)横澤昌典氏(向洋電機土木)
2015年11月05日厚生労働省は10月27日、同日の閣議で「平成27年版厚生労働白書」(平成26年度厚生労働行政年次報告)を報告し、公表した。同白書では「結婚をめぐる状況と意識」として、年々上昇する生涯未婚率を紹介。2010年は男性20.1%、女性10.6%だった生涯未婚率が、将来的に2015年は男性24.2%、女性14.9%、2035年は男性29.0%、女性19.2%にのぼると推計している。また、18歳~34歳の未婚者のうち「いずれ結婚するつもり」と答えた人は男性は86.3%、女性は89.4%という。20代、30代の男女に今まで結婚していない理由を聞いた調査では、「適当な相手にめぐり合わないから」「異性とうまくつきあえないから」「自由や気楽さを失いたくないから」などが多く選ばれた。結婚していない理由には、「結婚後の生活資金が足りないと思うから」「結婚資金が足りないから」というものも上位に。男性の雇用形態別に見ると、正規雇用労働者と非正規雇用労働者で配偶者がいる割合に差が見られた。
2015年10月27日厚生労働省は9月16日、過重労働などをなくすための取組を推進する「過重労働解消キャンペーン」を11月に実施することを明らかにした。同キャンペーンは、「過労死等防止啓発月間」の一環として2014年から開始したもので、実施期間は11月1~30日。主な取り組み内容は、「著しい過重労働および悪質な賃金不払い残業などの撲滅に向けた監督指導」「全国一斉の電話相談」「リーフレット、広報誌、ホームページなどによる周知・啓発」など。電話相談では、無料の「過重労働解消相談ダイヤル」を全国で実施。相談内容は過重労働をはじめとした労働条件全般にわたり、都道府県労働局の担当官が指導・助言を行うという。対応日時は11月7日の9~17時。「過重労働解消相談ダイヤル」以外にも、最寄りの都道府県労働局または労働基準監督署などで情報提供や相談を受け付ける。2014年11月に施行された「過労死等防止対策推進法」に基づき、7月に「過労死等の防止のための対策に関する大綱」が閣議決定されるなど、長時間労働対策の強化は喫緊の課題となっている。
2015年09月16日長時間働いている人は仕事に追われ、疲れきっているもの。あまり幸せそうには見えないですよね。そのため、「労働時間が長いほど幸福度は下がるのでは?」と思われがち。しかし実際には、そうともいいきれないようです。今回は労働時間と幸福度についての研究結果を、『CNBC』の記事からご紹介しましょう。■男性は長時間働いている方が幸福?マーストリクト大学の研究によると、「男性労働者の場合、“友人や同僚よりも長時間働いている”と思っている方が、より幸福感を抱いている」傾向があるそうです。これは、教育・労働市場のための研究センターによって、3,042人のオランダ人男性労働者を対象に調査されたもの。尋ねたのは以下の3点です。・現在の自分の状態について・何時間働いているか・同僚が平均何時間働いていると思うか調査の結果、収入や実働時間にかかわらず、同僚よりも短時間しか働いていないと思っている人は、同僚よりも長時間働いていると思っている人にくらべ、幸福度が低下していることがわかりました。こういった現象は、“活躍感”と呼ばれるそうです。この研究によると、活躍感は「男性が同僚よりも多く働くことから地位を得て、彼の有用性を増大させる際に生じる」とのこと。また研究では、多くの社会的グループに対して、実際に「とても忙しいのだ」と伝えることで、個人が自分の地位を上昇させることが可能。対照的に、他者よりも忙しさを伝えないことで、地位を失ってしまう可能性もある、と述べられています。日本の社会では、「自分は忙しいアピール」で一目置かれることは少なく、むしろ反感を買います。しかし、研究者のひとりであるマリオン・コルウェット氏は「我々の研究では、この活躍感の傾向は、男性の同僚に対してのみ認められ、女性の同僚の対しては認められなかった」と述べています。■男性と女性で活躍感に差が出た理由男女差が生じた理由のひとつとして、研究者は、伝統的性役割による見方を示しています。そもそも、「男性はフルタイムで働くもの」という社会的規範がありますよね。そのため、他者よりも長時間の労働をすることで満足度が高くなり、女性がフルタイムで働くことは社会的には否定的に捉えられるのではないか、というのです。つまり、「男性は働くべきであり、その量や質で男性の社会的地位が築かれていく」と認識していると考えられるのです。よって、男性は他の同性の同僚より働くことによって、自分の地位が築かれていると感じ、働くことで幸福感を得ているわけです。■長時間働くと幸せでも生産性は低下一方で、ダラム経済大学のリチャード・ハリス教授は「単純に労働時間の増加が生産性向上にはつながらない。労働時間が増えても成果が少なければ、生産性は下がる」と指摘しています。生産性が下がる理由として考えられるのは、睡眠時間の少なさ。スタンフォード大学のジョン・ペンキャベル氏は「1週間で50時間以上働くことで、生産性が著しく低下する」と指摘しています。また、ペンシルベニア・ペレルマン大学医学部の研究では、「6時間未満の睡眠をとっている人は、6時間以上睡眠をとっている人にくらべ、1.5時間以上多く仕事をしていることが明らかになっている。また、労働時間が増えれば増えるほど睡眠不足になり、生産性が落ちる」ということを示唆しています。他の同僚よりも長時間労働している、と思うことで幸福感は高まる。けれども生産性の問題とは別の話のようです。「残業を長時間したからといって仕事がはかどるわけではない」というのは、日本人の感覚でも納得できること。みなさんは、同僚よりも長時間働いていると思ったときにどう感じますか?(文/和洲太郎)【参考】※Why men (at least pretend to) work longer hours-CNBC
2015年07月03日全研本社は6月8日に、同社が運営する働き方と天職を考えるウェブマガジン「瓦版」で、ブラック企業に対するユーザーからの意見をまとめて発表した。厚生労働省は2015年5月18日から、悪質なブラック企業に対し、是正勧告の段階で社名を公表することを決定した。これまでは、労働基準法違反容疑などの書類送検が公表の基準だったが、より厳しく対処することで、従業員に違法な労働を続ける企業を取り締まり、労働環境の改善を図るとしている。対象は大企業となっている。今回の調査では瓦版ユーザーを対象に、男性170人、女性164人の計334人が回答。年代は、20代が209人、30代が73人、40代が31人、その他が21人。ブラック企業の定義については、「長時間労働」と回答した人が44%。次いで「パワハラの横行」が33%となった。「低賃金」と回答した人は14%と少ない結果に。同社は、低賃金の会社はその分仕事量が少なく、裏を返せば、ブラックな長時間労働の会社は、給与こそ並みでも、労働時間が異常に長いのではと考察している。「その他」の自由回答では、「サービス残業100時間超」、「人が定着しない」、「利益のみの追求で人を大切にしない」、「業務以外の打ち合わせが多い」などが挙げられた。
2015年06月08日ビースタイルが運営する主婦に特化した人材サービス「しゅふJOB」は、働く意欲のある主婦を中心とした296名を対象に、日雇い派遣の原則禁止についてアンケートを実施した。調査期間は4月22日~5月8日。国会では、5月12日より改正派遣法案についての審議を行っている。しかし、今改正法案には平成24年改正時の内容に関する見直しが含まれていない。平成24年改正において特に疑問の声が多いのは、30日以内の短期・単発派遣は原則禁止する「日雇い派遣禁止」で、500万円以上の世帯年収がある人などは例外として、日雇い派遣で働くことが可能だという。今回の法改正で、日雇い派遣の原則禁止について見直すべきだと思うか尋ねたところ、43.2%が「見直すべき」と回答した。理由を見てみると「500万以上の世帯収入がなく、働けない。この制度はおかしい」「500万以下の世代こそ日雇い派遣を優遇してあげるべき」「規定の根拠が理解できない」など、500万円の世帯収入に関する疑問が多く寄せられた。また、「母子家庭でフルタイムで働いているが、日雇いでも働いて収入を増やしたい」「家庭の都合などで単発の仕事の方がしやすい」など、家庭の状況や環境を理由に挙げる人も多かった。「日雇い派遣は原則禁止のままで良い」と回答した人は19.6%。長期労働や雇用の安定を図りたいという理由のほか、「労働者に対する企業側の責任が希薄になる」「職場環境の改善につながる」などの意見も寄せられた。「わからない」の回答は37.2%。「システム自体がわかりづらい」「なぜ禁止になったのかがわからない」など制度のわかりづらさを挙げる人が多かった。「人によりいろいろな事情があるので一概には言えない」「制度をうまく使っていた人とそうではない人では見解が異なる」といった、どちらがよいのかわからないという理由もあった。
2015年05月20日パソナは5月11日、日本マイクロソフトの協力により、企業で就業する派遣社員や契約社員の指揮命令や勤怠管理ツールにICTを活用することで、テレワーク等の柔軟な働き方の導入を推進していくと発表した。実際の取り組みは5月18日から開始する。パソナは、テレワークに最適な業務環境を導入することで、さまざまな人材が個々の能力を最大限発揮し、働く場所を問わず、ワーカー同士が繋がって高い業務成果を生み出す働き方という「リンクワークスタイル」を提唱し、多様な人材が活躍できる環境整備と労働生産性の向上をサポートしていくとしている。日本マイクロソフトは2011年から実施している、自社におけるテレワークを含むフレキシブルなワークスタイルへのさまざまな取り組みの経験や活動を通じた実績を活かし、Office 365やSkype for Business(旧称: Microsoft Lync)などクラウド・サービスの活用による、法人における多様な働き方の実現やテレワークの推進を展開しているという。これらの製品・サービスや各種取り組みをもとに、パソナが推進する派遣社員や契約社員など企業内で働く時間管理労働者のテレワークおよびリンクワークスタイルの推進を、IT/クラウド・ベンダーとして支援、協力するという。具体的には、パソナが派遣社員や契約社員など企業内で働く時間管理労働者のテレワークの労務管理を可能にする「労務管理ツール」を提供し、導入のための環境構築や運営に関わる各種課題を加味したコンサルティング・サービスを提供する。パソナは、テレワーク及び在宅勤務制度の導入支援として、就業規則の見直しと人事評価制度の構築、就業ルールやセキュリティ等に関する研修といった社員教育、勤務状況・導入効果の分析を実施する。また、「テレワーク労務管理ツール with Skype for Business」の提供やテレワーク推進・啓蒙のための共同セミナーを開催する。さらに、MS主催の「テレワーク週間 2015」における連携を実施する。日本マイクロソフトは、テレワーク労務管理ツール with Skype for Businessツール・イメージ及びプロトタイプを作成し、パソナに提供する。また、パソナによる導入企業における効果や利用状況の分析への支援、テレワーク推進・啓蒙のための共同セミナーの開催、テレワーク週間 2015における連携を実施する。さらに、テレワークの推進において、Office 365と共にテレワークに必要なモバイル環境管理実現のため、同社の「Enterprise Mobility Suite」をIT基盤としたショーケースを紹介する。両社はこの取り組みにより、これまで育児や介護など、家庭環境によって働くことが困難だった人々にテレワーク型派遣を拡大することで、個人のライフスタイルに合った働き方の実現と、さらなる雇用機会の拡大を目指すとのこと。また、企業の中で個々の能力を活かして、多用な場所で働く社員を繋ぐ「リンク(link)」の考えから生まれたリンクワークスタイルの働き方を提唱し、多様な人材が活躍できる環境の整備と労働生産性の向上をサポートしていくとしている。
2015年05月11日全研は27日、Webマガジン『瓦版』にて実施した貯金に関する調査結果を発表した。同調査は、「正社員」「契約社員」「派遣社員」「パートタイマー」の4つの契約形態別に実施。まず、正社員について見ると、「100万円未満」が34%で最も多く、以下、「500万円以上」が21%、「100万円~200万円」が16%と続いた。また、「宵越しの金は持たぬ」、つまり貯金はせずに全部使うという人も6%いた。契約社員は、「100万円未満」が32%、「100万円~200万円」が16%、「500万円以上」と「宵越しの金は持たぬ」が同率の13%。正社員と比べて待遇面でやや劣る部分が反映されたと考えられる。派遣社員は、「100万円未満」が58%で最多。以下、「500万円以上」が21%、「宵越しの金は持たぬ」が16%と続いた。同調査は「より多様な人材が揃う派遣だけに、これまでに蓄財した人も含まれているから、ということも考えられる」と分析している。パートタイマーは、「100万円未満」が53%、「100万円~200万円」が17%、「宵越しの金は持たぬ」が9%、「200万~300万円」が6%、「300万円~500万円」と「500万円以上」が同率の5%と、幅広い分布となった。調査期間は2015年3月17~4月6日、有効回答は879人。
2015年04月27日MS&ADインシュアランスグループの三井住友海上火災保険はこのたび、4月にコロンビア(首都ボゴタ)に日本人駐在員を新たに派遣したと発表した。同社は中南米地域6カ国に拠点を有し、メキシコ・ブラジル・パナマに日本人駐在員が常駐しているが、経済成長が進むコロンビアにも新たに日本人駐在員を派遣した。中南米地域では、今後も日系企業の投資拡大が見込まれているという。同社は、主要提携先である中南米最大手の保険会社「マフレ社」と連携して、進出日系企業向けの保険関連サービスの提供を積極的に展開し、サービス体制を強化するとしている。○新たに駐在員を派遣する事務所の概要名称:Mitsui Sumitomo Insurance Company,Limited ボゴタ事務所派遣日:4月主な業務:各種保険サービスの提供、市場調査・情報収集業務同社はブラジルに現地法人を有するほか、メキシコ、パナマ、ぺルー、コロンビア、アルゼンチンに事務所を開設しており、メキシコ・ブラジル以外の中南米地域に事務所を有する唯一の日系損害保険会社だという。また、中南米最大手の保険会社「マフレ社」との提携を通じて、中南米16カ国で安定的にサービスを提供しているとしている。中南米地域には、経済成長が順調で投資環境も整っている国が多いことから、今後も日系企業の投資拡大が見込まれるという。同社は、域内でもとりわけ経済成長が進んでおり、治安が改善しているコロンビア(首都ボゴタ)へ常駐の日本人駐在員を新たに派遣することとした。三井住友海上は、ボゴタ事務所を戦略的拠点の一つと位置付け、中南米のネットワークを一層強化することで、日系企業向けのサービス向上を目指すとしている。
2015年04月08日神戸医療事務センターは4月1日、医療事務を学んだ"実在する猫"の派遣事業「ネコの手」を開始した。競合他社には真似できない技術で、急増する医療事務求人に対応する、としている。同社では、医療事務員派遣だけではなく、レセプトコンピュータ導入など、これまでに様々な医療ソリューションを医療機関に提案してきた。プロフェッショナルな医療事務員の育成にも積極的に取り組んでいるが、このほど、競合他社にはない「人間以外の動物に指導する」という技術を開発した。その技術を用いて、まず最初に同社が指導を行った動物は「猫」。教育期間を経て、同社独自の試験に合格した優秀な猫を、医療機関に派遣する。なお、派遣する猫は、性格や毛並み、相性などを考慮の上、同社が決定するという。実際に「ネコの手」を利用した医療機関からは、「当医院に三毛猫が派遣されてから、現場の士気が上がったような気がする」「歯科助手や事務員が大喜び」といった喜びの声も寄せられている。しかし「報酬が高級キャットフードのみしか受け付けないのは納得いかない」や「派遣された茶トラは目を離すとゴロンと横になってしまう。もう少し業務マナーの指導を」などのリクエストもあるという。同社は新規事業立ち上げに伴い、特設サイトも立ち上げた。詳細は、同サイトでも公開している。※同記事は、4月1日に同社が配信した「エイプリルフール企画」のリリースに基づいて作成した。実際の事業では展開していない。
2015年04月01日仕事中に眠気がきたとき、通常は、前の晩の睡眠不足が原因だと思いますよね。ただ、労働者の中には過重労働によって睡眠時間が十分にとれない日が長く続いている人がいるといわれています。これによって心身に異常をきたす可能性も大いに考えられます。厚生労働省による資料を元に、長時間労働と睡眠不足の関係について探ってみます。その仕事中の眠気、過重労働による睡眠不足が原因では?毎日の生活の中で、睡眠不足に陥っていませんか?ここ一週間で、どれくらいの睡眠時間が確保できているか、ちょっと振り返ってみてください。昼間、仕事中であっても眠気が襲ってきて、思わずデスクワークをしながら居眠りしてしまうという人もいるのでは?そんなあなたに知っていてほしいのが、長時間労働などで睡眠不足になった場合、精神疾患が発症する可能性が高いといわれていることです。もし心あたりがあれば、注意しなくてはなりません。うつ病発症の準備状態が形成される厚生労働省が出している「職場における自殺の予防と対応」では、一日の睡眠時間が4~5時間の日が一週間以上続き、自分でも睡眠不足を感じている場合には、特にうつ病発症の準備状態が形成されると考えられるとしています。今、過重労働によるうつ病発症で自殺に追い込まれたというできごとが起きていますが、これを予防するためにも、この4~5時間睡眠や、時間外労働を月に100時間以上行った労働者に対する配慮が必要とされています。早く目が覚めてしまう人は要注意!今、食事がのどを通らない、食べられない、体重が減っている、倦怠感や頭痛があるという方は、早朝に目が覚める睡眠障害に陥っていないかチェックしてみましょう。自分でも気づかないうちに、精神的な不調が起きているかもしれません。特に、最近業務量が増えた、業務が遅れている、能力低下等を指摘されたり、ミスが多くなったりという労働面での支障が出ている場合も注意が必要です。まさか自分がと思っていても、人は知らないうちに精神が追い込まれてしまうもの。まだ睡眠障害が比較的軽度という方も、軽視せずに早急にお医者さんに相談しましょう。Photo by Fran López
2015年03月15日内閣府は19日、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)レポート 2014」を発表した。○今後の課題は「意識改革」同レポートは、企業と労働者、国民、国、地方公共団体等の取り組みの紹介、実情把握、課題の洗い出しと今後取り組むべき事項を提示したもの。作成は労使・地方公共団体・有識者から成る「仕事と生活の調和連携推進・評価部会」と「仕事と生活の調和関係省庁連携推進会議」による。「長時間労働」について、「週間労働時間が60時間以上」の雇用者の割合は2010年より4年連続で低下。業種別では「運輸業、郵便業」「建設業」が高く、「電気・ガス・熱供給・水道業」「医療・福祉」が低かった。「年次有給休暇取得率」は2000年以降、50%を下回る水準。事業規模別取得率を見ると、「1,000人以上」の企業の取得率は55.6%、「30人~99人」の企業では42.2%であった。「今後に向けた課題」では、「長時間労働の抑制や年次有給休暇取得の促進に向けた労使の意識改革や職場の雰囲気づくり」「短時間で質の高い仕事を評価する仕組みの構築や仕事を代替できる体制づくり」「非正規雇用の労働者を含む男女がともに仕事と子育てを両立できる環境の整備」などが上げられた。(※画像は本文とは関係ありません)
2015年02月24日厚生労働省は27日、2014年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の実施結果を公表した。○サービス残業があった事業部は2割にこのたびの重点監督は、長時間労働削減推進本部の指示の下、長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や、若者の「使い捨て」が疑われる事業場など、労働基準関係法令の違反が疑われる4,561事業場に対して集中的に実施したもの。重点監督の結果、全体の83.6%に当たる3,811事業場で労働基準関連法令違反が明らかになった。うち、「賃金不払い残業(サービス残業)」があったのは955事業場(20.9%)であった。また、「違法な時間外労働」があった事業所は2,304事業場(50.5%)。時間外労働の実績が最も長い労働者の時間数が月150時間を超えたのは153事業場(6.6%)、月200時間を超えたのは35事業場(1.5%)であった。厚生労働省は、上記のような違法な時間外労働などの労働基準関係法令違反を確認した事業場に対して、是正・改善に向けた指導を実施。「今後も、是正をしていない事業場に対する確認を行い、応じない場合は送検も視野に入れて対応するなど、引き続き監督指導を行っていく」とコメントしている。※画像は本文とは関係ありません。
2015年01月29日連合(日本労働組合総連合会)は20歳~59歳の男女雇用労働者(正規労働者・非正規労働者)を対象に、「労働時間に関する調査」を実施した。調査は2014年10月31日~11月5日にかけて行い、3,000名から有効回答を得た。現在、日本では「1日8時間以内、1週間40時間以内」といった労働時間に関するルールが法律で定められている。しかし、政府は一定以上の年収を得ている労働者には残業代を一切支払わなくてよいとする仕組み(=ホワイトカラー・エグゼンプション)を導入しようとしている。まず、このような形で労働時間に関するルールが緩和されようとしていることを知っていたか聞いたところ、「内容まで詳しく知っている」は15.0%と1割半にとどまった。「見聞きしたことはあるが、内容までは知らない」が51.3%、「見聞きしたこともなく、全く知らない」が33.7%で、雇用労働者大多数が内容を知らないことがわかった。ホワイトカラー・エグゼンプションが導入された場合の利用意向を尋ねたところ、「(自分で労働時間を決定できる自由度の高い制度だと思うので)積極的に利用したい」は19.8%、「(長時間労働が増え、過労死などが増えると思うので)利用は避けたい」が37.5%となり、利用を避けたい派が利用したい派を上回った。年収別にみても、「年収200万円未満」から「年収600万円~800万円」まで、いずれの層でも利用を避けたい派が利用したい派より多くなっている。労働時間に関するルールについて、どのように考えるか聞くと、「労働者の命と健康を守るために、労働時間に関するルールを強化すべき(緩和すべきではない)」が49.9%で約半数を占めた。「国の経済成長のために、労働時間に関するルールを緩和すべき」は11.2%にとどまっている。
2015年01月22日エン・ジャパンは21日、女性の「紹介予定派遣」に対する意識調査の結果を発表した。同調査は2014年10月23日~11月26日の期間、同社サイトを利用する女性706名を対象に実施したもの。「紹介予定派遣」とは、派遣社員として最長6か月間勤務した後、本人と就業先企業との合意があれば、正社員などで直接雇用されるというもの。2012年に厚生労働省が実施した「派遣労働者実態調査」では、女性派遣社員の「紹介予定派遣」に対する認知度は60.8%、「利用したい」という回答は51.5%であった。そこで、正社員の転職を希望する女性に「紹介予定派遣を知っているか」を質問をしたところ、「名前も意味も知っている」が71%、「名前は知っているが、意味は知らない」が20%、「名前も意味も知らない」は9%であった。「紹介予定派遣で働いてみたいか」という質問には、81%が「はい」と回答した。年代別に見ると、20代の認知度が低く「名前は知っているが、意味は知らない」(24%)、「名前も意味も知らない」(14%)という回答が4割に上った。「紹介予定派遣で働いてみたい理由」については「正社員になれる可能性が高そう」が49%で1位、2位以下は「失敗の少ない転職方法だと思う」「派遣会社が間に入ってくれそう」「事務の求人が多そう」「大手や有名企業の求人が多そう」となった。具体的には「派遣から正社員への転職は、求人で応募すると書類の段階で落とされることが多いので。派遣からの方が、最初の突破口が広い気がする」(30歳)、「年齢が上がるほど、正社員になれなくなる。紹介予定派遣は、いきなり正社員の求人より、まだ可能性がある」(35歳)、「正社員の求人が少ないから正社員になれる可能性があるなら紹介予定派遣で働いても良い」(32歳)、「社員になりたくてもなかなか正社員直雇用の面接では雇われないため、実際の仕事ぶりを確認していただけるいい機会だから」(42歳)などの意見が寄せられた。「紹介予定派遣で働きたくない理由」の1位は、「正社員になれるとは限らない」(47%)。2位以下は「希望の条件に合う求人が少なそう」「はじめに派遣期間がある」「普通の派遣より選考が厳しそう」「応募するまで企業名がわからない」であった。20代は58%、30代は46%、40代は38%と、若い世代ほど紹介予定派遣から正社員に確実になれるのか不安視していることが明らかになった。具体的なコメントでは「はじめから正社員として採用されたい」(23歳)、「はじめから正社員でないと不安」(29歳)などが寄せられた。
2015年01月22日