「お父さんからも言ってやってよ!」と、妻からお願いされたことはありませんか?子どもの叱りかたにも方法があり、誤った方法では子どもにとってよくないこともあります。父としての威厳を保つためにも、子どもにとって良い方法で叱りましょう。むやみやたらに叱ることは避けようまず前提として、父がむやみやたらと叱ることは避けたほうがいいかもしれません。基本的に子どもを叱るのは母の役目。家庭によって異なりますが、これは母のほうが子どもと接している時間が長いことが多いために子どもの日常的な間違いに気づきやすいからです。また、父と母の家庭内での役割がはっきりと分かれているほうが、子どものメンタルヘルスに良好であるともいわれています。では、父親がしつけの面でどういった役割を果たせるのかというと、子どもに「事前に」してはいけないことを伝えておくこと。例えば、家族で電車に乗る用事があるとき、乗車する前に「電車の中は人がたくさんいるから、騒いだらいけないよ」と注意しておくのです。すると、車内で子どもが騒いでしまった際に、母は「さっきお父さんもダメって言ったでしょう?」という風に言うことができ、叱ることによる効果が上がります。どうしても叱らなければならない場合は?しかし、ときには父としてどうしても子どもを叱らなければいけない場面も出てくるでしょう。例えば、他人を傷つけてしまったときや自分を傷つけてしまったときは必ず叱らなければなりませんよね。実は幼児期にきちんと叱られなかった子どもは攻撃的になる傾向がある、という実験もある(『「学力」と「社会力」を伸ばす脳教育』澤口俊之著より)ので、適切な場面で叱ることは大切なことです。叱る際には“怒る”と“叱る”をしっかりと区別することを意識しましょう。感情を剥き出しにして怒っても、子どもには響きません。まず1~3語ほどで一喝してから、何がダメなのかという理由をはっきりと説明することで、子どもは怒られた理由をきちんと理解することができます。また、暴力に訴えない、できるだけ簡潔に叱る、言ったことが矛盾しないようにする、人格否定をしない、叱った後のコミュニケーションを疎かにしない…などの点にも注意し、子どもが叱られただけでなく、改善する努力ができるような環境を作りましょう。子育てをする上で、子どもを叱ることは決して避けられません。適切な叱りかたはそのまま適切な子育てに繋がりますから、叱ることは子どもとのコミュニケーションの一環だと捉え、効果的な方法で行うことを心がけましょう。ライター:メオトーク編集部
2016年09月16日「そういえば、今日何か褒めたかな?」と、叱ってばかりの子どもを褒めていないことに気付いたことはありませんか? 叱る機会が多いと、ママは「言いすぎたかな」と後悔したり、子どもは「また叱られるかも」とかまえてしまったり。でも、大人も子どもも基本はみんな「褒められて伸びるタイプ」と私は思っています。叱るべきところは叱りつつ、1日1回以上子どもを褒めてみてはいかがでしょう。褒めること自体が苦手という人や、褒めるところが見つからないという人に、褒めポイントの見つけ方と上手な褒め方を紹介します。やって当たり前でも褒めるたとえば、子どもが毎日1人で起きられるようになっていても「ママが起こさなくても起きれたね!」と褒めてみましょう。あるいは「もう準備できたの!? 早いね! さすが!」と、いつもより時間がかからずにできたことや、いわなくてもできたことを褒める。普段であれば「褒め対象」ではないことも、積極的に褒めポイントとしてとらえてみましょう。何でもないことでも褒めるなかなか褒める理由がないと困っている人は「何でもないこと」でも褒めるようにしましょう。たとえば、わが家では月に1回子どもが散髪した後に「やっぱり○○(子ども)の坊主頭は最高だね!」と褒めるようにしています。ほかにも「その色の洋服、やっぱり似合う!」「本を読んでるときの顔がシブくてかっこいい!」など、主に子どもの外見や表情を見て感じたことを「褒め」にして伝えています。自分が「いいな」と感じた瞬間に褒めるようにすると、何通りもの褒めポイントが見つかるかもしれません。結果じゃなく、やってきたことを褒める運動会のリレーで子どもが3位になってしまったとき、1位を目指していた息子に「毎日ちょっとずつ、かけっこの練習がんばったもんね!」と声をかけました。結果がでないことはたくさんあります。だから結果がだせなかったときは「どうがんばってきたか」を褒めるようにしてみてはいかがでしょうか。あるいは泣かなかった、あきらめなかった、気持ちの切り替えが早かったなど「できなかったけれど、したこと(しなかったこと)」を褒めるのもいいですね。ささいなできごとも、声にだして褒める。これだけで家の中の雰囲気がとても明るくなります。こうした親子関係のベースがあれば、叱られてしまったときも子どもは必要以上に落ち込んだり、すねることが少なくなるのではないでしょうか。できれば1日1回、子どもを褒めるようにしましょう。そうすれば子どもを育てる親にも、気持ちの余裕が生まれると思います。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
2016年08月04日怒鳴らない子育て練習講座「そだれん」。テレビなどで話題にもなり、耳にしたことがある人も多いのではないでしょうか。怒鳴らない子育てと聞くと、抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、「怒鳴らない=叱らない」ではありません。今回は「そだれん」の提唱する「叱るときのコツ」を4つ紹介します。普段の子育てに取り入れることで、ほんの少し楽になるかもしれません。■「そだれん」とは?「そだれん(怒鳴らない子育て練習講座の略)」は、アメリカで開発された児童虐待防止プログラムCSP(コモンセンス・ペアレンティング)を応用した講座。平成17年に神戸でCPSの日本版が作成され、児童相談所を中心に普及が進んでいます。CPSは、暴力や暴言を使わずに子育てをする技術を両親が身につけることで、虐待の予防や回復を目指すプログラムです。暴力や暴言による子育ては、一時的な効果(子どもが驚いて黙る、怖がって静かになる)はあるかもしれません。しかし、子どもは怒られたことは理解できても、「なぜ、怒られたのか」を理解できず、同じ問題行動を繰り返してしまいます。そうすると、「何度言ったらわかるの!」と、親は繰り返し叱らなければならなくなり、イライラも増幅。暴力や暴言が徐々に激しくなってしまう可能性もあるのです。「そだれん」は、保護者が子どもに「伝える」ための練習することで、怒鳴る頻度を減らし、子育ての負担感を軽減することを目的にしています。受講後のアンケートでは、毎日10回怒鳴っていたのが受講後は平均6回程度に減ったという結果もでているようです。■叱るコツ1:「行動を具体的に表現する」「何度言ったらわかるの!」「いいかげんにしなさい!」など、感情的になると言ってしまう人もいるかもしれませんが、この言い方では肝心の「どうして欲しい」ということが伝わりません。伝わらないので、子どもは同じ行動を繰り返してしまいます。「お出かけするから、オモチャをお片づけしようね」など、して欲しい行動を具体的にわかりやすく伝えることが重要です。■叱るコツ2:「肯定的な表現を使う」ひとつめのコツをさらにわかりやすくするのが、「肯定的な表現」です。「◯◯しないで」という否定的な表現では、「やめて欲しい」ということは伝わりますが「代わりにどうすれば良いのか」が伝わりません。例えば、旗揚げゲームでも「赤あげて、青あげて」は伝わりますが、「赤あげないで」と言われると大人でも一瞬考えてしまい行動が遅れてしまいます。子どもにも「◯◯しないで」という言い回しは、とても難しいのです。肯定的な表現で「◯◯して欲しいな」と伝えると、意味もわかりやすく、指示に従いやすくなります。「テーブルに乗らないで」と伝えていたのを、「テーブルから降りて、こっちで遊ぼう」と言い換えると、代替行動を提案できます。子どもは、「こうしたら良い」という理解がしやすくなるのです。■叱るコツ3:「共感表現を使う」「もっと遊びたいのはわかるけど、お片づけしようね」など、共感表現を使って子どもの気持ちに理解を示します。親が一方的に叱る形を避けることができ、子どもも「認めてもらえた」ことで、素直に話が聞けるようになるのです。また、共感表現を使うことで、親は「気持ち」と「行動」を切り離して扱うことができます。子どもの「気持ち」を大切にしながら、「行動」のみを指摘することで、「人格を否定する」ような言い回しや叱り方を避けることができます。■叱るコツ4:「環境を整える」普段、家で子どもを注意するときに、家事をしながら叱ってしまう人も多いのではないかと思います。親がキッチンで料理をしながら「テレビを消しなさい」と声だけで注意しても、なかなか子どもには伝わりません。しつけをするには、「伝える」ことが重要です。家事の手を止めて子どもと目線を合わせ、「もうすぐご飯の時間だから、テレビを消そうね」と言う方がずっと伝わりやすくなります。また、友達やきょうだいと遊んでいる最中は、廊下などに連れて行き2人で向き合って話をするのが効果的です。そして、いい行動ができたときには、しっかり褒めてあげることも大切。褒められることで子どもは「◯◯すると褒めてもらえる」と、良い行動を覚えることができ、良い行動を繰り返すようになります。家でも「そだれん」の4つのコツを取り入れて子どもと接することで、子育てはずっと楽になるのではないでしょうか。
2016年07月15日小さい子どものいる家庭って、毎日が戦争ですよね。とくに、朝や夕方の時間帯などはバタバタするあまり、子どもについ「早くしなさい!」と叱ってしまう方も多いのではないでしょうか?2015年の『保育科学研究』によると、全国の保育園・幼稚園などで保護者3,669名に社会福祉法人 日本保育協会 保育科学研究所がアンケートを実施したところ、子どもに「早くしなさい!」と言うことが「よくある」「時々ある」と回答した人が83%にものぼっています。でも、実は「早くしなさい!」と親が子どもに言うのは逆効果なんです。そこで今回は、7万部のベストセラーを記録した『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』(講談社)の著者shizuさんに、叱らなくても未就学児の子どもが自分から動いてくれる声かけのコツについてお伺いしました。■子どもも心地がいいと恩返しをしたくなるたとえば朝、子どもがなかなか起きないとしますね。その寝ぼけ眼なところで「じゃあ、絵本を読もうか」と親が声をかけて、その子が好きな絵本を読んであげる。目が覚めてきたところで、「お着替えができたら、もう1冊読もうね」と声をかけると、叱らなくても朝の準備がスムーズにいくのだとか。「子どもといえども、心地いい気分にさせてもらったら恩返しをしたくなるもの。モチベーションが上がれば、行動にもうつしやすくなるんです」とshizuさん。しかし、「もう1冊読んであげるから、着替えなさいよ」のような声のかけ方だと逆効果になってしまうので、言い方には注意が必要です。また、ホワイトボードを利用したお仕度表で視覚的に自分から取り組みやすくする方法もあります。■子どもが心の準備できるような声かけを!たとえば公園で遊んでいるときに、帰る時間になっていきなり「帰るよ」と言っても、子どもの心はついていきません。「子どもにも心の準備というものが必要なんです。『ママ、ご飯作らないといけないから、30数えたら帰ろうね』などと、事前に話をしてあげてください」とshizuさんは言います。ただしこのとき、子どもが聞き流していたら意味がありません。そのため、目線をしっかり合わせて言うのがコツなのだそうです。「わかった?」と子どもに質問して、しっかり「うん」という返事をもらいましょう。子どものほうも、「自分が言ったことには責任を持たなきゃ」と思うようになるので、ちゃんと約束を守ってくれるようになるのだとか。■非言語でほめることでも子どもは落ち着くshizuさんは著書の中で、「1日30回ほめる」ことを推奨されています。この数字だけ見ると、「1日30回もどうほめたらいいの?」と思われるかもしれませんね。しかし意外にも、回数は重要ではないとshizuさんは言います。「これはあくまでも目安。特に発達障害の子どもを抱えるママはどうしても子どもの『できない』部分に目が行きがち。だからその意識を変えたかった。30回は無理でも、『10回はできた!』なんて思ってもらえたらうれしいですね」(shizuさん)たとえば『宿題、がんばっているね』『○○ちゃんの笑った顔かわいいね』などの具体的な言葉はもちろんですが、子どもと目線が合ったときにニコッとしてあげるということも『ほめる』ことになるそうです。「そういった『非言語でほめる』ことも、子どもを認めてあげることにつながります。すると、子どもの絶対安心感が高まり、子どもは落ち着いて行きます」(shizuさん)言葉で表さなくても、「あなたを見ているよ」というメッセージを発することによって、「できる・できないに関係なく、あなたの存在自体が大事だよ」と伝えることができるんですね。■子どもの心に届きやすい声かけのコツとは子どもというのは、大きくなるにつれてだんだんと自我が目覚め、親の思い通りにはならなくなってくるもの。子どもに自ら行動してもらうようにするには、子どもも一人の人格として尊重した上で、声かけをしていくことが大切だとshizuさんは言います。「例えば、『早く着替えなさい!』という命令形の言葉は、『早く着替えようね♪』『お着替えできたかな~?』という丁寧語や疑問形に変えていくこともポイントです。そうすれば子どもも『責められている感』がなくなり、動作が早まります」(shizuさん)あとは、きちんとママの気持ちを説明することもいいそうです。「『ママね、◯◯ちゃんが××してくれないと、会社に遅れちゃうかもしれなくてドキドキしてるの』と話してあげると、子どものほうも『しょうがないなぁ。じゃ、やろうか』という気になるんですよ」(shizuさん)「キレイなママ」より、周りに何を言われても動じない「肝っ玉母ちゃん」になりたいというshizuさん。そんなshizuさんが本の中で紹介している声かけの方法は、どれもすぐに実践できるものばかり。全国のパパ・ママのみなさん、ぜひ今日から実践してみてくださいね。(取材・文/あさき みえ) 【取材協力】※shizu・・・自閉症療育アドバイザー、『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』(講談社)の著者。2児の母。講演会などで、子どものことで悩んでいる保護者に、日常生活のなかでできる楽しいかかわりや言葉かけを紹介している。 【参考】※shizu・平岩幹男(2013)『発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ』講談社※発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉:ABAで自閉っ子と楽しく生活※叱らなくても子どもがサクサクやることをしていく仕掛け(やること表)-発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉:ABAで自閉っ子と楽しく生活※ABAで発達障害の子どもと楽しく生活する7つのコツ-発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉:ABAで自閉っ子と楽しく生活
2016年06月17日こんにちは、ライターの齋藤惠です。「昭和の頑固オヤジ」なんて言葉はどこ吹く風。近年は児童虐待やしつけに関するイメージの変化により、“子どもを叱らない親”が増えているようです。これは果たして良いことなのでしょうか?『広辞苑』によると、“叱る”とは、「声をあらだてて欠点をとがめる。とがめ戒める」ことだそうです。確かにイメージとしては、大きな声を出したり、必要とあらば手をあげることもあったりと、親が子を思うゆえの厳しい態度を思わせます。それを今では古風な考え方のように言われがちですが、昔はそれが愛情であり子育てにとって大切なことだとされてきました。しかし、今や児童虐待や体罰に対するイメージの悪化により、厳しい親は子育て方法に問題があると思われてしまう ような世の中になりました。一方で、現代ではわが子が明らかにルール違反をしていたり、人に迷惑をかけているにも関わらず、その行動をいっさい注意しない親もいます。この“叱らない”行為は決して子どものためにはならないものです。親は子育て方針としてあえて子どもを“叱らない”のか、それとも子どもとの接し方がわからず“叱れない”のか。その違いを考える必要がありそうですね。●“叱る”より“ほめる”方が効果的?教育評論家の尾木ママこと尾木直樹氏は、自身の教育論として“叱る”より“ほめる”ことを推奨しています。尾木ママは教育を“共育”と言い換えているように、子どもを育てるにはまず親がなにごともお手本になってあげないと!という考え方のようです。“叱る”ことについても、著書の中では『ママの心の奥に根づいた集団生活における効率主義的な考え方、競争主義的な価値観がそうさせている』と述べています。また、ほめて子どもを伸ばすことについては『成功体験がひとつでもあれば、子どもは自分でしっかり頑張れるし、その頑張りが次の成功につながる』とも述べています。尾木ママは、親が目先のルールにとらわれて子どもを“叱る”ことによって、子どもを親の言いなりにさせてしまうよりも、あらゆることに関心を持ち想像をふくらませることによって、子どもの可能性を“ほめて”伸ばしてあげるべき だと主張しています。●今どきは“叱る”ではなく“諭す”!?とはいえ、子どもがなにをしても叱らずに“ほめて”ばかりいることはできません。子どもが間違ったことをしてしまったら、きちんとそのことを教えてあげなくては!そこで筆者が考えたのは、“叱る”に代わって“諭す”という考え方。ポイントは、・基本的に子どもを全肯定&ほめてあげる・間違ったことをしたら、大きな声を出さず、手もあげず、どうしていけないのか理由を説明する・そっせんして親がお手本になってみせ、身ぶり手ぶりで正しい方法を教える・最後に「いけないことをしたから“諭した”けど、あなたのことは大好きだよ」とフォローしてあげる----------最後に、子どもにはそれぞれ個性があります。一番身近にいる親が子どもの個性を理解し、その子に合わせた抑揚とペースで“諭して”あげることが大切です。ぜひ取り入れてみてくださいね!【参考文献】・『尾木ママの「叱らない」子育て論』尾木直樹・著●ライター/齋藤惠(金融コンシェルジュ)
2016年05月16日上司や同僚、取引先の相手など、仕事で「嫌だな」と思う人がいても、上手にお付き合いしていますよね。それは “仕事モード” の自分がいるので、気持ちのコントロールができているのではないでしょうか。実は、その手法が育児にも役に立つのです。疲れていたりうまく事がすすまないと、ついイライラしてしまう育児ですが、“ママモード”を作ることでストレスが減るかもしれません。■子どもは “お客さま” と一緒!?言うことをきかない子どもにはすぐ怒ってしまったり、ついキツい言い方をしてしまいませんか? 怒鳴ってしまい自己嫌悪になることもあると思いますが、「お客さま対応」のように接すると、気持ちのバランスがとりやすくなります。たとえば、電話にでるときに少し高めの声を使いませんか? また、取引先から納期を早めて欲しいとか、理不尽なクレームを言われても、その場では怒らず、最後まで丁寧な話し方を心がけますよね。それは普段の自分と話し方が違うので、自然とお客さま対応モードに入っているからです。同じように、子どもがワガママを言ったり、言うことをきかずにぐずったときは、少し声色を高くしながら優しく「どうしたの?」「それはダメだよ」と話してみましょう。そうすると、自分でも「今はママモードになった」と自覚できるようになります。 ■子どもは “小さなボス” !声色を高くして、優しく子どもに接しても、すぐには要求がおさまりません。それは時々、無茶ぶりをしてくる職場の上司に似ているかも…。そんなときは上司を相手にしているかのように、子どもにも丁寧な口調で話しましょう。「◯○しましょう」「それはできません」と、時折、「です・ます調」をいれること。丁寧語を使うことで、ママの気持ちを抑える合図になりますし、子どもに言葉使いを教えるきっかけにもなります。■ママモードの「ON/OFF」で、気持ちを切り替えるこのように声色を高くして、丁寧語を使うようにすることで、子どもへの接し方を変えていきましょう。いわゆる外向けの自分がいるように、子ども向けの自分を作ればいいのです。ママモードのON/OFFのスイッチがあれば、気持ちを切り替えるきっかけになるでしょう。ママモードでは優しい言い方をするので、子どもにはいつも“優しいママ”の姿を見せられそうですね。
2016年05月11日「怒る」ことと「叱る」ことは、まったく違います。子どもは怒られても、何について怒られているのか、実はわかっていません。どうしたら子どもにわかってもらえるでしょうか? 感情に任せることのない、上手な叱り方について考えていきましょう。■子どもを怒っていますか? 叱っていますか?(A)「うちの子ったら、何度言っても同じことを繰り返すし、言うことをぜんぜん聞いてくれない」。そんなママはもう、イライラは頂点に達して、大声で怒鳴りつけるばかり。スーパーでも、公園でも。そういった光景を昔から見かけることがあります。(B)いつも元気な子がしょんぼりしてうなだれていたり、はしゃいでいた子が急に何かを思い出したように神妙な態度をしてみたり。よくよく事情を聞いてみると、お母さんに叱られた…と。この違いは大きいですよね。(A)のお母さんは怒っています。(B)の子どもは叱られました。では、(A)の子どもはどうでしょうか?小さな子なら泣き叫んでしまいますし、ある程度成長し、怒られることに慣れている子なら、嵐が通り過ぎるのを待つように、黙って下を向いていたり。(B)のお母さんはどうでしょう?恐らく、けっして大声を上げることなく子どもに反省を促し、二度と間違ったことを繰り返さないようにしっかりと言い聞かせたのではないでしょうか。■怒っても子どもの心には響かない子どもは親の感情にとても敏感です。特に接触する時間、一緒に過ごす時間が長い母親に対して、その傾向が強くなります。小さな子ほど母親への依存が強いですし、その顔色をうかがって、感情を推し量る知恵も備わってきます。母親が感情をむき出しにして怒った場合、子どもは「自分が怒られている」ことよりも「母親が怒っている」ことを認識します。そうなると、なぜ怒られているのかがわからなくなってしまうのです。人は、強い怒りの感情を向けられると、パニック状態に陥ってしまいます。耳には届いていても、その言葉をなかなか理解することできません。子どもが怒られて泣くのは、怒られることが不快か、大きな声に驚いたか、怒りの矛先から逃避するかのどれかです。「怒り」を「暴力」に置き換えてみれば明らかです。しつけと称して子どもに手をあげる人がいますが、論外です。子どもは殴られたことで理解するのではありません。理解はしていないけれども、殴られたくないから言うことに従っているだけなのです。■叱っていることを理解させる叱る場合は、子どもに「どこが間違っているのか」をきちんと理解させましょう。そのとき、母も子もお互いに冷静でなければなりません。真っ直ぐに向き合って、きちんと話をするという場を設定しましょう。できれば声を低めにして、なるべくゆっくり話してみてください。そのほうが、いつもと違う状況であることを子どもが察しやすくなります。そして、しっかり話を聞こうとします。そのような状態になってから、何がいけないのか、何が間違っているのかをわかりやすく、かみ砕いた平易な言葉を使い、ゆっくりと説明していきます。ときどき質問を交え、確実に理解をしているかどうかを確認してみてください。しっかり理解してくれたと判断すれば、くどくならないように、そこで打ち切ります。ただし、十分な理解をしていないうちに途中で止めるべきではありません。わかるまで粘り強く話していくしかないのです。世の中に完ぺきな親などいません。その子が最初の子(第一子)であれば、あなたは初めて親になったのです。初心者なのですから、間違うことがあって当たり前です。思い通りにならないことなどいくらでもありますが、これから親子ともども学んでいけばよいのです。けっして子どもを怒ってはいけないのではありません。叱ることと混同しないということです。むしろ感情をぶつけ合うからこそ、親子関係が深く築かれていくものでもあるのです。(DENT.たいろう<フォークラス>)
2016年04月09日こんにちは。ママライターのamuです。突然ですが、お子さんを叱るとき、どのように叱っていますか?(1)「何やってるの!」と責める。(2)「そんなことしたら、ママ悲しい……」と伝える。正直に言います!私は(1)でした。ついでに「同じことを何度言わすのー!」のおまけ付きです。意識の外のことというか、条件反射のように口から出るようになってしまっていたほど……。でも、それは逆効果だったと知りました。ガツンと責める言い方は、子どもの耳を閉じて、心を固くするだけなのかもしれないと思いました。心に届くアイメッセージと、相手をやっつけるユーメッセージについて、以下にまとめてみたいと思います。●『アイメッセージ』と『ユーメッセージ』とは●アイメッセージ(相手の心に届く話し方)臨床心理学博士で、親としての役割を効果的に果たす訓練『親業』を開発したトマスゴードンが提唱したコミュニケーションの方法で、「私」を主語にして、自分自身がどう感じているか という思いを語ること。●ユーメッセージ(相手をやっつける話し方)「あなた」で始まるか、「あなた」がどこかに入っている話し方のこと。非難、評価、説教、指示 などはユーメッセージ。相手の考え方を破壊するような影響を与えやすい。●主語を「私は〜」にすると批判的でなくなる2つのメッセージの違いの例として、疲れて一休みしながら新聞を読んでいる父親のところに、子どもが「パパ遊ぼうよ」と近づいてきたときのことが書かれていました。【アイメッセージによる対応】……「(私は)疲れているんだよ」「(私は)今休みたいんだよ」【ユーメッセージによる対応】……「(おまえは)うるさいな」アイメッセージの場合、「そうか、パパは今疲れているんだな」という事実のみを受け止めるのに対して、ユーメッセージの場合、父親の「うるさいな」の一言を「私のことを嫌っている」「私は悪い子だ」 と感じやすいそうです。自分の意見を伝える際、主語を「私は~」にすることで、批判的ではなくなる のがわかります。・「何度言ったらわかってくれるの?」→「これは大事なことだから、あなたが覚えてくれると私は助かるよ」・「あなたはいつも支度が遅いのね」→「私は早くあなたと一緒にでかけたいよ」・「お兄ちゃんでしょ!弟に優しくしなさい」→「弟に意地悪すると、見ていて悲しいよ」イライラしているなか、そのように言うのはかなり難しいけれど、自分が言われるとしたら断然アイメッセージでお願いしたいですよね。そのほうが、ハッと気づいて反省するし、「よし!頑張ろう」という気持ちになります。●アイメッセージは褒めるときにも応用できるまた、このアイメッセージは、褒めるときにも応用できそうです。例えば、子どもがテストで良い点を取ってうれしければ「エラいね」ではなく「うれしい」と言ったり、「あなたが頑張っているから、私もお仕事頑張るね!」と言ったりして、“自分が頑張ることで良いことが連鎖していく” という感覚を持ってもらうことができたらいいなと思います。●アイメッセージを使う際の注意点3つただ、アイメッセージを使うときに気をつけなければいけないのが、・「私は、あなたはいつも支度が遅いと思っている」と「私」をつけていながら、批判的な偽のアイメッセージになってしまうこと。・「支度がいつも遅いから嫌!」と感情をぶつけるだけのアイメッセージになってしまうこと。・「私は早くあなたと一緒にでかけたいよ」のあとに、「だから急ぎなさい」と指示を付け加えてしまう アイメッセージ になってしまうことなどです。子どもが自分で考え、客観的に判断する余地を奪わないようできたら、アイメッセージはきっと心に届くことと思います。【参考文献】・『「叱らない」「ほめない」「教えない」から成績は大きくあがる 伸びる子どもに変える「たったひとつの約束」』河原利彦・著●ライター/amu(ママライター)
2016年04月05日小さな子どものイタズラは「ただ、やりたかっただけ」の悪気がないものがほとんど。なので、子どもの好奇心を育てるためにも、あまり叱りたくないものですね。しかし、イタズラの中には命の危険があるものや他人に危害を及ぼすものなど、絶対にやめさせなくてはいけないものもあります。そんなとき、子どもに対してどのように叱れば、子どもの心に伝わりやすいのでしょうか。まずは深呼吸をしてから叱る子どもを叱るときは親も感情が高ぶっていることが多いので、つい大声で怒鳴ってしまいがちです。しかし、これは子どもを叱るときにやってはいけないことのひとつ。子どもを叩くといった体への暴力がいけないことはもちろんですが、大声で怒鳴ることもまた「心への暴力」になるのです。親が大声を出して怒鳴ると、子どもの頭の中は「怖い!」という感情でいっぱいになってしまい、肝心の「してはいけないこと」について考える余裕がなくなってしまいます。子どもを叱るときは、どうしていけなかったのかという理由を、子どもが聞き取りやすいようにゆっくりと、できるだけ簡単な言葉で話して聞かせたほうが、子どもの頭に入りやすいです。そのとき大切なのは、親はしゃがむなどして子どもと目線を合わせ、子どもの目をしっかりと見て話すこと。言葉だけでなく目からも「やってはいけない」と訴えるのです。そうすれば小さな子どもの心にも「どうやら大変なことをしてしまったらしい」ということが伝わります。そのためには、まずは親のカッカとした怒りの感情を静めることが必要です。1回ゆっくり深呼吸する、またはいったん部屋の外へでる、心の中で1から10まで数えるなど、とにかくワンクッション置いて気持ちを落ち着けましょう。イタズラをしたらすぐに叱る子どもに「今のは悪いこと」と理解してもらいやすくなるコツは、イタズラをしたらできるだけ間を空けずにすぐ叱ることです。子どもはそのときの気が向くまま、自分の心に素直に行動しているだけなので、イタズラをしている間も悪いことをしているという意識はありません。それなので、してから時間が経ってしまったイタズラのことは、子どもはもう忘れています。本人が覚えていない事柄に対して「こんなことしちゃダメじゃない」と叱ったところで効果はありません。ただ子どもはに「よくわからないけど怒られた」という嫌な気持ちが残るだけになってしまいます。そして、そうしたわけのわからない恐怖は、積み重なると親への反抗心へと繋がるおそれがあります。できるだけ誰もいないところで叱る子どもを叱るときは、店の外にでる、別の部屋に移るなど、なるべく人のいないところに移動してから叱りましょう。やはり子どもにも大人と同じく、怒られている情けない自分の姿を他人にみられたくない気持ちがあるからです。それも特に兄弟に見られてしまうと、後からからかわれたり、面目が丸つぶれになったりしてしまいます。子どもだってどんなに小さくても、1人の人間として尊重することが大切なのです。それによって子どもには「親は自分を大切にしてくれている」ということが伝わり、叱っても「自分のために注意してくれているのだ」と、素直に受け入れてくれるようになるのです。また、子どものイタズラを目にしたときに、怒りの裏に感じた気持ちを正直に子どもに伝えることも効果があります。たとえば子どもが勝手に危ない場所にいったときは「あなたがケガをしてイタイイタイになっちゃったら、かわいそうで私も泣いちゃうよ」など、子どもの身を案じて不安になった気持ちも一緒に伝えましょう。そうすると子どもも「親を悲しませたくない」と、気をつけてくれるようになりますよ。(あとりゆうか<フォークラス>)
2016年02月25日子どもをきちんとしつけようとして、きびしく叱る親御さんもいます。しかし、叱り方を間違えると、一生、心に傷が残ってしまいます。実際、3歳から5歳くらいのお子さんを持つお母さんから「私、叱り始めると、つい、止まらなくなってしまうんです。『もしかしたら、虐待では?』と思うこともあって。どうしたらいいですか?」と相談を受けることも少なくありません。では、子どもの心に「一生心の傷になって残る」リスクのある、「これは、絶対ダメ!」という叱り方には、どのようなものがあるでしょうか?クセになった暴力は、絶対ダメ!まず、最悪はこれ。愛のムチ、という言葉をよく耳にします。「子どものため」を思って行った平手打ちなら、それは教育上意味がある、という考え方です。けれど、多くの子どもにとって、暴力は、ただイヤな思い出でしかないようです。とくに・説明もなく、いきなり殴られた時・たいした理由もなく、親が自分を殴るのがクセになっているのが、子どもから見てもわかる時 こんな時、子どもの心の中には、親に対する不信感が育まれます。自分は親にとって「単に面倒くさい存在」であるかのように感じてしまうのです。こうやって身につけた不信感はかなり根深いものがあり、その後、どんなに良いことを親が言ったとしても、子どもは素直に聞く気持ちになれません。とにかく、子どもにとって納得のいかない暴力は、百害あって一利なし。よーく心得ておきましょう。自分の気分次第で叱ったりほめたりするのははダメ2番目に良くないのがこれです。仕事がうまくいっているなど、何らかの理由で機嫌がいい時には、子どもにめっぽうやさしい。逆に、仕事で滅入っていたり、何かつらいことがあったりしてストレスが溜まっている時には、子どもにも厳しくあたってしまう。そんな親がいます。もちろん、人生いろんなことがありますから、そうなってしまう気持ちもわからないではありません。いつも同じ、一貫した態度で子どもに接することなど、普通の親には、なかなかできるものではありません。 しかし、あまり喜怒哀楽が激しく、自分の気分次第で、子どもにやたら優しくしたり、冷たくしたりを繰り返していては、子どもはいったい、何をどうすれば、親に喜んでもらえるかわかりません。親を喜ばせるつもりで何かをしたのに叱られた。あるいは逆に、何もしていないのにやたらとほめられた。そうなると、子どもとしてはどうしていいかわからず混乱します。ほかに、心を傷つけてしまうダメな叱り方には、次のようなものがあります。・「お姉ちゃんなのに」「お兄ちゃんなのに」と叱る・「マサル君はもう~なのに、サトシはまだそれしかできないの」とほかの子どもと比較して叱る・「せっかく、~教室に通っているのに、そんなんじゃ、お金の無駄ね」とお金のことを出して叱る・努力したにもかかわらず、「何だ、~点か」と、結果のみ見て叱る これらを頭に入れて、お子さんの叱り方に気を配ってみてはいかがでしょうか。(諸富祥彦)
2015年12月04日「勉強しなさい」「どうしてこんな問題が解けないの」と子どもを叱っていませんか。叱られると、子どもは勉強嫌いになるだけでなく、脳のパフォーマンスまで落ちてしまいます。子どもが本来持っている脳のパワーを最大限に引き出すためには、どうしたらいいのでしょうか。子どもの発達心理学が専門の内田伸子先生にお話を伺いました。学んだことがすぐ身につく子どもと、なかなか覚えることができない子どもの違いそれは、脳のしくみに秘密があると内田先生は言います。「脳の中に海馬(かいば)という部分があります。海馬は、体験の記憶を記憶貯蔵庫に転送する宅配便屋です」海馬が働くと、たくさんのものが記憶されるようになります。「海馬のとなりに、扁桃体(へんとうたい)という部分があります。扁桃体は、好き嫌いや快不快感情を判断します」扁桃体が快適な状態だと、海馬がよく働くので、そのときの記憶はどんどん記憶貯蔵庫に入っていきます。「楽しさや心地よさを感じているときは、お子さんが自分の世界についての認識をつくり上げたり、知識を覚えたりしやすい状態です。反対に、叱られながら勉強をしていると、扁桃体が不快感でいっぱいになってしまいます。すると、海馬は働きが鈍くなり、記憶力が低下します」脳をフルに動かすためには、扁桃体が勉強を快感だと思ってくれるよう、楽しみながら取り組む必要があるのですね。どうしたら勉強を楽しいと思えるようになるのか「自分から知りたい、学びたいと思う意欲や好奇心を育てることが大切です。どんなことでも、自分からやろうとしないと、なかなか身につきません。自分からやりたいと思ったことは、習得が速いのです」自分で興味を持ってやってみようとしたり、考えて何かをつくったりする能力は、大人から教えられて身につくものではありません。子ども自身の好奇心を、大人が邪魔せず、見守ってあげることが大切なようです。また、子どもにたくさんの体験をさせ、それが学校の勉強とつながる、だから勉強って楽しいよね、という気づきを促してあげられるといいですね。そして、子どもが勉強に取り組んでいる姿勢そのものを褒めてあげましょう。夜型生活は、脳の働きを悪くする!脳がしっかり働くためには、睡眠も大切です。睡眠時間が短いと脳や発育に悪影響があることはもちろんですが、もう1つ気をつけなければいけないのが「眠りと目覚めのリズム」です。「生後4ヵ月までに眠りと目覚めのリズムがきちんと作られないと、その習慣が小学校の高学年になっても直らず、昼間はボーっとしている子どもになってしまいます」と内田先生は言います。それでは、学校の勉強が頭に入ってきませんよね。「また、眠りと目覚めのリズムがバラバラだと、脳がうまく働かず、発達が遅くなるおそれがあります。その上、情緒的にとても不安定になりやすくなります」赤ちゃんの頃から早寝早起き、離乳食が始まったら朝ごはんを食べる習慣を身につけさせ、子どもの生活パターンとリズムを守ってあげてください。(佐々木月子)今回取材に協力してくださったのは内田 伸子先生十文字学園女子大学特任教授・お茶の水女子大学名誉教授・学術博士。専門は発達心理学、認知心理学、保育学。国立教育政策研究所「幼児の論理的思考の発達調査プロジェクト会議」(主査)、最高裁「裁判員制度の有識者会議」(委員)、文化庁国語審議会委員なども務めるほか、NHK Eテレの「おかあさんといっしょ」の番組開発やコメンテーター、ベネッセの子どもチャレンジの監修、しまじろうパペットの開発、創造力知育玩具「エポンテ」(シャチハタ)の開発なども担当。著書は、『発達心理学―ことばの獲得と教育』(岩波書店)、『よくわかる乳幼児心理学』(ミネルヴァ書房)、『 子育てに「もう遅い」はありません 』(冨山房インターナショナル)など多数。
2015年12月02日叱ることには意味がある(子どもを叱ったら実行するまで見届けよう・前編) の続きです。有効性の低い叱り方を続けていると、子どもは親の注意や言うことを聞かなくなってしまう、ということを前編でお話ししました。では、子どもに聞き流されない叱り方とは、一体どんなものなのでしょうか。実行させないと叱った意味がない大事なのは、子どもを叱った時には「その場で」まちがいなくやらせることです。状況をきちんと見て取った上で必要なことを注意したのであれば、子どもの口答えに筋が通っていようがいまいが、後回しにすることを許してはいけません。ところが、注意を口にするだけではなく実際に実行までさせる、という親は意外に少ないのが現実のようです。特に、子どもが勉強を理由に持ち出して口答えをした時には、その傾向が高くなるようです。また、子どもが男の子の場合には部屋の片付けなどについてはあきらめてしまっている親も多いようで、たびたび部屋を片付けるよう注意はするものの、片付けを放っておいても特に対処しない親は多くいます。このようなかたちで、注意だけしてそのままにするということを続けていると、子どもはだんだんと親の注意を聞き流すようになっていきます。つまり、親はいちいち小うるさいことを言うけれども、適当な言い訳をして流しておけばそのうち忘れる、などと考えるようになるのです。そうならないようにするには、常日頃から「親に注意されたらその場でしっかりやらないと許されない」というかたちで叱る必要があります。親は「今すぐやる必要のあることだけ」を注意するよう気をつけるそんな叱り方をすると、子どもをガチガチに縛ってしまいそうで嫌だ、と感じる人もいるかもしれません。仮にそう感じるのであれば、常日頃、今すぐやらなくても大丈夫なことまでいろいろ叱りつけすぎていないかを自問してみてください。子どもに何かを注意する際には、言ったことは必ず実行させるという意識をきちんと持つことも大事ですが、もう一方で今すぐやる必要のないことまでくどくど言わないようにするという自制も大事になってきます。付け加えれば、子どもが混乱するほどたくさんのことを一気に注意することもよくありません。「手洗いとうがいはしたの? あ、靴はきちんと揃えたかしら? 手を洗う前にカバンをちゃんと片付けなさい。それから連絡のプリントがあるなら出すのよ。宿題もちゃんとやりなさい」などと、次から次へとお小言をぶつけていないでしょうか。そんなことをされても、子どもはてんてこ舞いしてしまうだけです。言うべきことに優先順位を付け、今この瞬間には何を言うべきなのかを判断するのは、親の側の仕事です。その上で、親が口にした注意は必ずその場でやらせること。そうすれば、子どもは親の言葉をちゃんと実行するように育ってくれます。(子育ての達人)
2015年11月24日おそらく、ほとんどの母親は「なるべくならば子どもを叱らずに優しく接していたい」と考えていると思います。しかし実際にはそうはいかず、ふと気がつくと一日中子どもに小言を言っていた、というような経験のある人も多いのではないでしょうか。子どもを上手に叱り、注意にしっかりと耳を傾けてもらうために大事なポイントについて見ていきましょう。なぜ叱る? 叱ることは親心子どもがなかなかベッドから出ないと言っては「早く起きなさい」と叱り、やっと起きてくると「朝ご飯を食べなさい」「顔を洗いなさい」「遅刻するから早く支度しなさい」…といった感じでずっと叱り続け、子どもが学校に出かける頃にはすっかり疲れ切って、しばらくぐったりして何も手につかない、という人もいるかもしれません。そして、子どもが学校から帰ってくると、「遊んでばかりいないで宿題しなさい」「予習復習をちゃんとやりなさい」「塾や習い事に行きなさい」「夕食を早く食べてしまいなさい」「お風呂に入りなさい」「夜更かしはやめてさっさと寝なさい」……。毎日こんな感じで叱ってばかり、などという声が聞こえてきそうです。さて、ではどうして親は子どもに小言を言うのでしょうか。それは、子どもがちゃんと育ち、しっかりした大人になって欲しいからではないでしょうか。間違ったことをした時に、ちゃんとそれを理解した上できちんと反省し、同じことをもうしないようにしてほしいと思うからこそ、叱るのだと思います。逆に言えば、たとえばフラストレーションがたまっているだとか、人目が悪いだとか、親個人の都合と合わないだとかいったような理由で子どもを叱りつけるのは、良くない叱り方ということになります。こんな叱り方は有効性が低い親の側は子どもがきちんとした大人になるようにと思って叱っていたとしても、それが子どもに伝わらないのでは無意味になってしまいますし、またそうした叱り方は有効性が低くなります。有効性の低い叱り方とは、どんなやり方かというと、「口先だけ」の叱り方です。具体的な例で見てみましょう。子どもが学校から帰宅しました。この時に「ちゃんと手を洗ってうがいもしなさい」と、子どもに注意したとしましょう。それに対して子どもが、「友だちのところに遊びに行きたいから、急いで宿題終わらせなきゃ」と返したとします。それに対して、それなら仕方ないかなと注意をやめてしまってはいないでしょうか。または、子どもの部屋が散らかっているのを見て、「部屋はきれいにしときなさいって言っているでしょ!」と叱ったとします。それに対して子どもが「今時間がないから後でやっとくよ」と言ったとして、そのまま「じゃあ、ちゃんとやっときなさい!」と言って、その場を終わりにはしていないでしょうか。なるべくなら叱ってばかりいたくない、と思いがちな親としては、こういう事例のように子どもが一見筋の通った口答えをした時に注意を引っ込めたり、宙ぶらりんなままにしてしまったりすることがよくあります。言うべきことはきちんと言ったから、という意識もあるからでしょう。しかしながら、こういうことを続けていると、子どもは親の注意や言うことを聞かなくなってしまいます。では、子どもの心に届くように叱るには、どうすればよいのでしょう? それは 後編 でお話しします。(子育ての達人)
2015年11月23日平日の夕方から子どもが寝るまでの時間って、本当にバタバタしますよね。夕食の準備や後片付け、お風呂や歯みがきの仕上げなど、やることがいっぱい。疲れていると、ついイライラしたり、ちょっとしたことで子どもを叱ったりしてしまいませんか? 私自身、本当によくやってしまって後で自己嫌悪に陥ることも多いのですが、そういうママって思っていた以上に多いみたいです。子どもを叱りすぎているママは81%も!先ごろ花王メリットでは、第一子が5~6歳の未就学児で、毎日の暮らしが忙しいと感じているママ600名を対象に意識調査を実施しました。それによると、忙しいママの81%が「子どもを叱りすぎている」と回答。ママたちが理想とする「ほめる/叱る」のバランスは「ほめる:叱る=7:3」なのですが、現実は「ほめる:叱る=4:6」で、叱る割合のほうがやや高いという結果に。やっぱり理想と現実には差がありますね。よくほめたり、叱ったりするのはどんなとき?ママたちは、どんなときにほめたり、叱ったりしているのでしょうか。「ほめる/叱る」が多い場/少ない場を調査したところ、以下のような結果となりました。「ほめる」ことが多いのは、就寝前と支度や着替えのシーン。逆に「叱る」ことが多いのも、着替えや食事のシーンでした。これは思い当たる人も多いのでは? 一方、「ほめる/叱る」が少ない場は、共通してお風呂! こちらはちょっと意外かもしれません。子どもの成長につれ、お風呂に入れる大変さは減り、親子で会話を楽しんだり、リラックスできるようになります。5~6歳児のママを対象にした今回の調査でも、71.2%のママが子どもとお風呂に入ることを楽しいと感じ、94%のママがお風呂の時間を親子の絆を深める貴重な時間だと感じていることがわかりました。それにも関わらず、ほめたり叱ったりすることが少ないということは、いわば親子のコミュニケーションの穴場! お風呂タイムは子どもをほめながらコミュニケーションがとれる“ホメニケーション”の絶好の機会といえそうです。お風呂タイムに実践したい! 子どもを伸ばすほめ方子育て支援士の田宮由美さんも、「子どもをほめることは、子どもに自信をつけさせることになり、それはワンステップ上へのことにチャレンジする意欲へと繋がります」と話し、お風呂タイムを有効に使うことを勧めています。「お風呂での親子の関わりは、短時間で濃いものとなります。なぜなら、お部屋より狭い空間で、気を散らすものもありませんので、必然的に相手への注目度は高まり、ひとつの言葉もより深く響くことが多いからです」と田宮さん。今回の調査では、お風呂で一番大変なことは? という質問に半数近くのママが、“シャンプーをすること”と答えました。子どもにとって、ひとりでシャンプーをするのは、かなり難易度が高いもの。だからこそ、“ひとり洗い”に挑戦しているときや“ひとり洗い”ができたときには、たっぷりほめてあげたいですね。子どもをほめるときは、以下の3つのポイントを意識するとよいそうです。1.結果ではなく、努力した過程をほめる。2.具体的なことを指してほめる。 3.兄弟やお友達と比べるのではなく、過去の本人と比較してほめる。 具体的にお風呂タイムに当てはめると、次のようになります。1.「一人でシャンプーよく、頑張ったね!」 2.「シャンプーを使って、髪の毛をキレイに洗えたね!」3.「今までは、お母さんが手伝っていたのに一人で洗えるようになったね!」子どもを伸ばすほめ方のすべてが自然な形で伝えられますね。 “ひとり洗い”が楽しくなるシャンプーが登場そうはいっても“髪のひとり洗い”は、なかなか上手にできない子も多いはず。私も5歳の娘を見ていると、表面をなでるようにしているだけで、きちんと洗えていません。そんな子どもの“ひとり洗い”を応援してくれるシャンプーが登場しました。子どもでも上手に洗える泡タイプのシャンプー「メリット 泡で出てくるシャンプー キッズ」です。ポンプは子どもの力でもラクに押すことができ、泡で出てくるので泡立てる手間いらず。頭全体に泡が広がり、子どもの指でもすいすい洗えます。細かい泡が汚れを浮かせて落としてくれるので、汗のニオイや汚れもすっきり。それでいて泡切れがよいので、すすぎも簡単。これならすぐに“ひとり洗い”ができるようになってくれそう!忙しいママにとって、日々のお風呂タイムは親子の絆を深める大切な時間。上手にホメニケーションをしながら、楽しい時間を過ごしたいですね! メリット 泡で出てくるシャンプー キッズ 公式HP
2015年10月20日最近「叱らない育児」という言葉をよく聞きます。今回は「叱る」ということはどういうことか、根本的な意味合いも含めて正しい叱り方についてお話したいと思います。「脅し」と「叱る」の境界線「ごはんを食べないと目が潰れる」とか「早く寝ないと鬼がくる」という台詞、昔からありますよね。最近では「鬼から電話」というアプリが使われていて、よく子どもたち同士で「先生の話を聞かないと“鬼電”来るよ」なんて言い合う姿を見ます。鬼やおばけ、そして、目が潰れると言った言葉は、大人が勝手に「わかりやすく伝えないと子どもはわからない」と思い込んだ結果、出てくる言葉のように思います。もちろん、わかりやすく伝えることは子どもと関わることにおいて必須条件です。でも「鬼」「おばけ」を使うことで実はとても大切なことをうやむやにしてしまっていることに気づいてください。「ちゃんと」「しっかり」の使い方に注意して 例えば、よく「ちゃんとして」とか「ちゃんと歩いて」など、「ちゃんと」という言葉を使って子どもに語りかけるお母さんやお父さんの姿を見ます。でも、「ちゃんと」とはいったいどういう状態なのか子どもはわかりません。「ちゃんと歩く」の「ちゃんと」はまっすぐ歩く、手を繋いで歩くなどという具体的で明確な状態を「ちゃんと」という一言でうやむやにします。基本的に、保育では「ちゃんと」という言葉は使いません。「まっすぐ壁にそって歩いてね」と具体的なお願いをします。「早く寝ないと鬼が来る」も同じで、「鬼が来る」と言われた子どもは「早く寝ないと怖い思いをする」「よくわからない鬼というモノが私に会いにやってくる」と考えます。でも、大切なのはそこですか?「早く寝ないと明日いっぱい遊べないよ? 早く寝たら早起きできるからいっぱい遊ぼうよ」というように具体的に明確に、「これをしなかった場合、何がおこるのか」を伝えたあげるほうが、「鬼」であしらうよりもぐっと理解力も語彙力も増えます。そして、「ご飯を食べないと目が潰れる」→「ママ、一生懸命ご飯作ったから食べてほしいな」と言い換えることで、親も人間であり感情があることを理解します。そして、自分のために誰かがしてくれたことの喜びを感じることができます。叱ることの本質もちろん、「早く寝ないと明日いっぱい遊べないよ」「早く寝たら早起きできるからいっぱい遊ぼうよ」と言ったところで、子どもが素直に寝てくれるわけありません。育児に対して抱いてはいけない希望は「即効性」といっても過言ではないくらい、子どもを育てるのには時間がかかるのです。「言ってみてと言われたからやってみたけどダメでした」なんてアドバイスした翌日に私のところにいらっしゃるお母さんがいますが、そんな簡単に終わるわけありません。言っても寝なかったらそれでいいのです。「昨日寝付いたのが遅かったから今日はゆっくり寝かせておこう」という気持ちはまっさきに捨て、いつも通り起こしてください。遊んでいる最中や食事中に眠そうにしている子どもに「ママ、昨日の早く寝ないと困っちゃうよって言ったじゃん」と軽く伝えましょう。ただ、その繰り返しです。「遅く寝る→朝起きるのが辛い→たっぷり遊びたいけど疲れちゃう→ママの言うとおり」、という流れを頭の中で作ってあげることが大切。子どもは脳みそがスポンジのようなので繰り返せば繰り返すだけ覚え、学習していきます。「鬼」や「おばけ」を使うのは簡単です。すぐ思い通りに子どもは動くはずです。でも、それは叱るということではなく「脅し」だと考えてください。恐怖を感じる故すぐ動くのです。自分が後悔しないしかり方子どもの行動・言動にたいしてついカッときて、その勢いで叱りつけてしまうことありませんか?時間が経って気持ちが落ち着いたときに「あぁ叱ることじゃなかったな」とか「勢いで叱ってしまったな」なんて後悔するときありませんか?そんな後悔をしない方法をお伝えします。・人に迷惑をかける・命の危険があるこの2つのこと以外は叱る必要はありません。それ以外のことでついカッなってしまったときは、子どもとの距離を一旦置きましょう。トイレやキッチンなどすこし冷静になる時間を作ります。そこから、「なぜ」「その行為を続けるとどうなるか」「(自分)がどんな気持ちになった」を整理してください。整理がついたら、「○○の理由でママは悲しかったかったよ。もしそのまま続けていたらこう(想定される出来事)になってしまうから、やめようね」と具体的に端的に伝えてあげましょう。叱るより諭す、子どもが自分で気づくことがなによりも子どもの成長に繋がるのです。大人になった時に、なぜ危ない場所に行かない方がよいのか、どうして悪いことはしてはいけないのかが判断できる子どもになるためには、小さい時から具体的な理由をちゃんと伝えて叱り続けるしかないのです。もしカッとなって叱ってしまったら、「さっきはママ強く怒ってごめんね。でも、ママはとっても悲しかったんだ」といったように、後悔を感じた気持ちをそのまま子どもに伝えましょう。感情を可能な限り伝えることで、行為→感情の流れが頭に組み込まれるので、人の気持ちを理解できる子に育ちます。「叱らない」ということと「放任」は違います。正しい叱り方をマスターすることで、母子の関係が一層楽しくなりますよ。(ポセイドン・ヨーコ)
2015年08月17日部下を叱るのは大切なことですが、とても難しいことでもあります。でも、『部下がついてくる人、離れていく人の叱り方』(齋藤直美著、あさ出版)は、部下を叱ることについて悩んでいる人を救ってくれるかもしれません。著者は、外食チェーン本部の人材育成部署で約8,000人の教育・研修を担当した実績を持つ人物。現在もさまざまな業界のリーダー教育に携わっているといいますが、そうして培われたノウハウが、ここでは明らかにされているのです。第3章「伝え方・言葉編すぐに実践できる“差”がつく叱り方とは」から、叱り方についてのポイントをひとつ引き出してみましょう。■ 「Iメッセージ」と「YOUメッセージ」まず意識すべきは、メッセージには「Iメッセージ」と「YOUメッセージ」があり、部下が離れていく人は「YOUメッセージ」のクセを出しがちだということ。つまり、話の主題が「YOU(あなた)」になっており、知らずのうちに相手を責めているということ。例を見てみましょう。(1)「こんなふうになるなんて、いったいなにをしていたんだ!!」(2)「何度いったらわかるんだ!?」(3)「そんなこともわからないのか!」相手を責めている印象があるとは思わないでしょうか?(1)は、「あなたが悪い・あなたのせいだ」「なんとかしろよ!」(2)は、「あなたはダメな人・理解できない人」「何度もいわせるな」(3)は、「あなたはわからない人・できない人」「自分で考えろ!」というニュアンスが伝わってくるはず。相手を責めたいと思うと、主語がYOUメッセージになりやすいのだそうです。■YOUからIに変えると責める印象がなくなるでは同じ内容を、YOUからI(私)に変えてみましょう。(1)「この状況を見て、(私は)とてもびっくりしたんだ」(2)「大切なことだから、しっかり理解してほしいと(私は)思っているんだ」(3)「(私は)とても期待しているんだ。だからこそ自分で考えてほしいと(私は)思っている。このように主語をIにするだけで、責めている印象はなくなります。■要注意な相手を責めるようなIメッセージただし、「相手を責めるIメッセージ」もあるのでご用心。相手を責めないように努めても、心のなかに相手を責めたい気持ちがあると、そうなってしまいがちだということ。(1)「ちゃんとやってくれないと(私が)大変になるじゃないか」(2)「遅刻するなんて、社会人失格だと私は思うよ」(3)「こんなミスをして……、私がなんとかしなきゃいけないな」どれもIメッセージですが、なんとなく相手を責めている印象があります。「あなたに~されると(あなたが~してくれないと)、私は~と思う(~になる)といういい方なので、「相手に問題がある」というメッセージになってしまうわけです。この点は注意したいところです。*このように実例が豊富なので、とてもわかりやすい内容。読んでみれば、部下との接し方がきっと変わります。(文/印南敦史)【参考】※齋藤直美(2015)『部下がついてくる人、離れていく人の叱り方』あさ出版
2015年08月02日子どもが何か悪いことをした時、つい怒鳴ってしまうことってありませんか? 息子がイヤイヤ期のころ、主人の仕事の関係でアメリカに住むことになり、驚いたことがあります。それは、アメリカでは外で声を荒げて叱るママの姿をほとんど見かけないのです。そこで教わったのが、欧米流の叱り方「タイムアウト」でした。「タイムアウト」とは、スポーツの試合などで、監督がとる「タイム」からきています。子どもが何か悪いことをした時に、その場で叱らず静かな所で一人にして反省させる。その後、教えるというやり方です。それでは、その「タイムアウト」はどうやって行えばいいのでしょうか。子どもを叱らない「タイムアウト」のやり方とは「タイムアウト」をする時、まずは場所を決めておきます。部屋の隅に立たせたり、静かなところに椅子を用意してそこに座らせたりするのが一般的です。親の目の届く、静かな所を選びましょう。そして、「今からタイムアウトしますよ」と言い、どうしてタイムアウトしなくてはいけないのかを子どもに伝えます。この時大切なのが、冷静に落ち着いた声で伝えることです。タイムアウトの時間は「子どもの年齢×1分」。静かに一人で反省させます。時間がたったらなぜタイムアウトをしなくてはならなかったかの確認をします。それで子どもが納得したら、タイムアウトは終了です。ぎゅっと抱きしめてあげましょう。実際に「タイムアウト」をやってみると、まず静かにさせることに苦労します。癇癪(かんしゃく)を起しているので、「タイムアウトしなさい」と言ってもなかなか聞いてくれません。しかも家の外でトラブルが起こることが多く、決まった場所でのタイムアウトが難しいことも。そこで、私流の簡単タイムアウトを考えて実践していたので、お教えしましょう。例えば、レストランでぐずり、泣きだしました。さあ、タイムアウトの始まりです。迷惑がかからないトイレ前に移動し「まずは泣き止もうね」と言い聞かせます。泣き止むまで何も聞きません。そしてその間にイライラする自分もクールダウン。泣き止んだら言い分を聞いてあげ、また気持ちが高ぶり、泣き出したら「泣いたら聞かない」という繰り返し。すると、子どもはだんだん冷静になってきます。そして落ち着いた時にルールを教えてあげると、すっと納得がいきやすくなるようです。最後はハグで、お互い笑顔に戻ります。これを繰り返していると、不思議と癇癪(かんしゃく)の時間が短くなっていき、大人のストレスがずいぶん軽くなりました。親も子も、心が軽くなる叱り方かもしれません。「最近子どもを叱ってばかり…」と悩んでいるママたちは、一度試してみてはいかがでしょうか。
2015年07月18日あなたは、叱られたい願望ありますか?アラサー世代なら、若い頃に叱られた経験もたくさんあるはず。理不尽に怒鳴られたことだってあるかもしれません。私も新人時代、50歳を超える上司にフロアじゅうに聞こえる大声で怒鳴りつけられた経験があります。それも一度や二度ではありません。驚くことに、イマドキの若い人たちは、どうも「叱られる」ことを求めているようです。アラサー世代の私にはもう関係ない?いえいえ、そんなことはありません。これから入ってくる新入社員や部下のマネージメントに必要なことなのです。若者たちが求めている「叱り」は、「怒り」ではない「叱る」と「怒る」ことは似ているようで、まったく別物です。「叱る」には、感情が入っていませんが、「怒る」には感情が入っています。「叱る」とは、どこがいけないのかを指摘することに近いのかもしれません。いま、「上手な叱られ方研修」という研修を行う企業もあるそうです!受講者の声をご紹介しましょう。「どこまでが正しくて、どこまでが間違っているかというのが自分で判断がつかなくて。本当は、どこかでここは違うよとかと言ってほしい」「叱ってくれないと、自分のことを本当に考えてくれているか不安になる」 とのこと。甘えているなとも思いますが、納得できるところもあると思います。叱り上手には「場所」と「内容」のコツを掴んで!「叱る」のにも、タイミングがあるようです。「叱る」ことは「怒る」ことではありませんから、「叱る」場所を選ぶと良いそうです。会議室に呼び出すとか、誰もいない廊下にそっと呼び出すとか、周りに人がいないところで行うのがベターでしょう。伝える内容にもポイントがあります。具体的にどこがいけなかったのか、どう修正しないといけないのかをきちんと明確にすること。「おい、●●、ちゃんとできてないじゃないか」は、「怒り」になっています。「もっとこれを加えると良くなるよ」これが「叱り」です。叱られる=自己確認のひとつ!専門家によると、「叱ってもらうことも、自己確認のひとつの手段」なのだそう。若者たちの声も似たようなものが並んでいます。「叱ってもらわないと、間違った認識で生きていくことになる」25歳男性。「叱られることで、愛情を感じたり、信頼関係を築けたりする」34歳女性。SNSで「いいね!」をされることには慣れている世代。でも、バーチャルな世界は、いまいちリアリティがないというのが本音のようです。「叱る」ことは、「怒る」ことより簡単ではありませんが、実はテクニックさえ押さえてしまえば習得することもできます。ポイントは、タイミングと場所と叱る内容。この3つを押されば、あなたも明日から叱り上手です。後輩や部下が叱ることで伸びれば、あなたの仕事はもっと楽しく捗るかもしれませんよ!
2015年03月05日