東京・赤坂の米国大使公邸で、8月28日、ニューヨークを拠点に活動する音楽家の坂本龍一が、10月6日(土)から東京都美術館で開催される「メトロポリタン美術館展大地、海、空―4000年の美への旅」のために書き下ろした楽曲「wind, cypresses & absinthe」を、ルース駐日大使や報道関係者らに初披露した。本楽曲のオリジナルCDは、展覧会場で、図録購入者に数量限定で贈呈される。詳細は同展HPまで。メトロポリタン美術館展 開催情報同展覧会では、ニューヨークのメトロポリタン美術館のコレクションの中から133点を出展。古代メソポタミア文明の工芸品から20世紀の写真作品まで、4000年にわたる歴史から各時代を代表する珠玉の作品を一堂に集める。レンブラント、セザンヌ、モネなど、西洋美術を代表する巨匠たちの油彩画も多数出品され、中でも日本初公開となるゴッホの傑作「糸杉」は早くも話題となっている。■メトロポリタン美術館展大地、海、空―4000年の美への旅2012年10月6日(土)~2013年1月4日(金)会場:東京都美術館 企画展示室開室時間:9:30~17:30、(金)9:30~20:00、(土)9:30~18:00
2012年08月29日「“映画音楽”で語り合う」をコンセプトに、作曲家・坂本龍一が主催する「坂本龍一 Selections スコラ映画祭」が8月6日(月)よりスタートし、『リリー・シュシュのすべて』や『花とアリス』などで知られる岩井俊二監督が初日を飾るスペシャルゲストとして登壇。映画音楽の魅力について、予定されていた時間を超えるディープなトークを繰り広げた。坂本龍一の総合監修で、TV放送、公開講座、各種イベントなどへ展開している音楽全集「commmons:schola」(コモンズ・スコラ)のうち、第10巻「映画音楽“FilmMusic”」で選曲された楽曲が使われている名画が特集上映される本映画祭。「YMO」での音楽活動のほか、『戦場のメリークリスマス』を始め、村上春樹の短編小説を映画化した『トニー滝谷』や三池崇史監督作『一命』など、数多くの映画に楽曲を提供していることで知られる坂本さんだが、「もちろん僕も子供の頃から映画が好きでしたが、まさか自分が携わることになるとは思ってもいませんでした(笑)」との語る。そんな坂本さんの音楽から、岩井監督は多大な影響を受けているようで、「坂本さんの『戦場のメリークリスマス』のインパクトはすごかったです。革命的でした。当時、20歳くらいで学生映画を作っていましたが、将来のことは何も考えてなかったです」と若かりし日の思い出を明かした。さらに、「当時は、自分たちで作った映画に好きな曲を(無許可で)どんどん勝手に入れていってましたが、そういう意味では坂本さんの曲にも相当お世話になりました(笑)」とのカミングアウトもあり、会場を沸かせた。そして、話題はそれぞれのライフワークへ。「音楽には音楽のテンポと文法があるので、なるべく映画と一致させようとは思うんですけど、音楽が勝手に盛り上がってしまうこともあります。でも、音楽としては正解でも、映画音楽としてはダメなものもあるんですよね」と映画音楽の奥深さと難しさを坂本さんが語れば、岩井監督は「僕の場合は、音楽の癖に映像の癖を合わせてみようかなと思ったりします。以前、プロデュースした作品で音楽が良かったのでそれに合わせて、最初は5秒だったシーンを40秒にしたこともあります」と知られざるこだわりを明かした。すると、胸に秘めた不満を思い出した坂本さんは「こんな優しい映画監督は世の中にいないですよ!大概の監督は、映像と同じで音楽も“切ればいい”と思ってるからね(笑)」と漏らし、「これからは、岩井監督と仕事したいです」と監督に熱烈なラブコールを贈っていた。その後も、岩井監督がプロデュースを手がける中山美穂&向井理主演の『新しい靴を買わなくちゃ』(10月6日公開)の音楽制作に坂本さんが携わった話なども飛び出し、最後まで熱いトークを交わしていた。「坂本龍一 Selections スコラ映画祭」開催期間:8月10日(金)まで会場:アカデミーヒルズ六本木(東京・六本木)公式サイト:特集「シネカフェくんのふらっと映画祭」■関連作品:新しい靴を買わなくちゃ 2012年10月6日より全国にて公開© 2012「新しい靴を買わなくちゃ」製作委員会ヴァンパイア 2012年9月15日よりシネマライズほか全国にて公開© 2011 Rockwell Eyes, Inc. All Rights Reserved.
2012年08月07日7月21日(土)に公開されるディズニー/ピクサーの最新作『メリダとおそろしの森』のエンディングソングを坂本美雨が歌うことが発表された。その他の写真『メリダとおそろしの森』は、弓と乗馬が得意で自由を求めるあまり、王家の伝統をうとましく思っている赤毛の王女メリダが、太古から続く森の呪いを目覚めさせてしまったことを機に、王国にかけられた呪いを解くために壮大な冒険を繰り広げるアドベンチャー大作だ。坂本美雨は、1998年にメジャーデビューした人気ミュージシャン。自身の“声”を活かした音づくりが高い評価を集めており、舞台出演やCMナレーション、ラジオパーソナリティとしても活躍している。本作で、坂本が歌う日本語版エンディングソング『いにしえの子守歌』は、主人公メリダと母の王妃エリノアがふたりで歌う子守歌で、劇中で挿入歌としても使用され、物語上、重要な役割を果たすという。エンディングソングは、大きな愛で娘を包み込む母親の気持ちを表現した楽曲だが、坂本はこの曲を、母親と娘の両方を演じながら歌い分けて“セルフデュエット曲”として歌唱。「大好きなディズニー/ピクサー映画にこういった形でかかわれることが何よりもうれしいし、歌手になってから、子守歌を歌いたいとずっと思っていた。無邪気な子供に戻った気持ちと見守る母の気持ちの歌い分けは、子供になった自分とのデュエットという不思議な体験でした」とよろこびのコメントを寄せている。彼女の澄んだ歌声は、アメリカのディズニー/ピクサーの音楽担当者も絶賛しているそうで、今夏、坂本の美しい歌声が映画館に響き、観客の心をふるわせることになりそうだ。『メリダとおそろしの森』※同時上映『ニセものバズがやって来た』『月と少年』7月21日(土) TOHOシネマズ日劇ほか全国公開
2012年06月01日坂本昌行が主演するブロードウェイミュージカル『MY ONE AND ONLY』。この公開稽古と会見が3月10日(土)の開幕に先駆け、9日、東京・青山劇場にて行われた。会見には坂本のほか、共演の大和田美帆、大和悠河、鈴木綜馬、川平慈英も登壇した。本作は『ラプソディ・イン・ブルー』や『パリのアメリカ人』などで知られる作曲家、ジョージ・ガーシュインと、彼と数々の作品でコンビを組んだ作詞家の実兄アイラ・ガーシュインが兄弟名義で手がけた最後の作品。1983年のトニー賞3部門を受賞したこの作品は、1920~30年代の古き良きミュージカルの雰囲気を醸しながら、親しみやすいメロディラインに加え、タップダンスなどで登場人物の気持ちを表現するなど、見どころに満ちている。日本版は今回が本邦初演。1927年、航空機による世界初の大西洋無着陸横断飛行を目指すパイロットのビリー(坂本)と、ロシアの水中レビューショーのスター、イーディス(大和田)の恋模様を綴る。会見では初日を明日に控えながらも、キャスト陣は実にリラックスムード。主演の坂本は、イーディスに恋焦がれる純粋な青年を甘い歌声とダンスを駆使して演じる役どころ。座組の雰囲気も非常に良いことから「初日が迫っても変な緊張感がない」と語るが、ガーシュインの楽曲についてはどうも手ごわいらしい。「ガーシュインの曲はメロディラインがなだらかで綺麗なのですが、ちょっと間違えるとすごく変な曲になってしまう。メロディが素直な分、間違えると曲として成立しなくなってしまうんです」と気を引き締める。一方、坂本の恋人役を演じた大和田は、舞台上で意思も強いが愛嬌もある女性を伸びやかに演じていたが、舞台裏では川平とともに、座組のムードーメーカーだ。「すごく仲良しの楽しいカンパニーなので、みんなでいれば何とかなる!という感じ」と、前日の緊張もどこへやら。また、川平は、見せ場となる坂本との長いタップシーンで、ふたりで気持ちを込めて難しい技を次々決めていくのが印象的。「前からマサ(=坂本)とは舞台をやりたかった。マサは、この人の前ではいい演者でありたいなと思わせてくれる人」と、共演者へのリスペクトも忘れない。笑いの絶えない会見でキャストの仲の良さが垣間見られた、ブロードウェイミュージカル『MY ONE AND ONLY』。東京公演は3月24日(土)まで同劇場にて。その後、3月29日(木)から4月1日(日)まで大阪・シアターBRAVA!にて上演される。チケットはいずれも発売中。
2012年03月09日1983年にブロードウェイで初演され、大ヒットを飛ばしたミュージカル『MY ONE AND ONLY』。その日本版がこの3月、坂本昌行の主演で青山劇場に登場する。作曲家ジョージ・ガーシュインと実兄アイラ・ガーシュインの兄弟が手がけた最後の作品である本作は、音楽の魅力もさることながら軽妙な会話の応酬、水を蹴ってステップを踏むタップダンスなど見どころが満載。飛行機乗りの主人公ビリー(坂本)と水中レビュー団のスター、イーディス(大和田美帆)の恋模様を綴った王道のラブコメディだ。2月某日、本作の稽古場を見学した。ブロードウェイミュージカル「MYONEANDONLY」 チケット情報稽古場では、坂本をはじめとして大和田、大和悠河、鈴木綜馬、川平慈英、そしてアンサンブルのキャスト陣が、集中して個々の課題の自主稽古に取り組んでいた。過去に日本で『プロデューサーズ』や『カーテンズ』を手がけた経験を持つ演出・振付のビル・バーンズが、俳優たちの間を精力的に動き回り、ほがらかに指示を与えていく。ビルの演出・振付は次から次へとアップテンポで行われ、彼の高い要求を素早く吸収して体現しようとする、キャスト陣の前傾の勢いがひしひしと感じられた。全体でのシーン稽古が始まると、動きや歌、タップダンスまで全員が早くも息の合った演技を見せて、止まることのないスムーズな進行に驚かされた。このままシーンの最後までいってしまうのか……と思ったところで坂本がお茶目なNGを出し、「あっ、ごめんなさい」と照れ笑い。全員の緊張がドッとほぐれて笑い声があがる。続く坂本と川平のふたりのシーンは、稽古場全員の期待の視線が集中した。とくに大和田は嬉しそうにみつめている。坂本ビリーに恋の駆け引きをアドバイスするミステリアスな男マジックスとして登場する川平は、リアクションのひとつひとつに絶妙な可笑しさを差し込んでくる。そしてふたりによるタップダンスのデュエットは圧巻の一言。坂本と川平が作り出す粋でコミカルな空気が、軽やかなタップ音に乗ってどんどん増幅。ビルも納得の様子で頷きながらふたりを見ている。稽古場中に笑顔が充満し、最後には大きな拍手が沸き起こっていた。ボーイッシュな魅力を放つ大和とギャグセンスが光るムードメーカー鈴木によるキュートな大人のやりとり、坂本と大和田のロマンチックなラブシーンなど、思わず見入って微笑んでしまう。滑らかに進んだ立ち稽古はフィナーレのシーンへ突入。総勢での迫力十分のタップダンス、ガーシュインの美しいメロディに包まれてのハッピーエンドは、稽古場にしてすでに大満足の完成された華やかさ。演出のビルを筆頭に、その場にいた誰もが幸せそうな笑顔を浮かべ、このシーンに拍手を送っていた。今後、気になる“水の上でのタップダンス”シーンも加わり、本番ではさらに磨きのかかった豪華なステージで魅了してくれるに違いない。ブロードウェイミュージカル『MY ONE AND ONLY』は3月10日(土)から24日(土)まで東京・青山劇場にて、3月29日(木)から4月1日(日)まで大阪・シアターBRAVA!にて上演。取材・文上野紀子
2012年02月22日作曲家ジョージ・ガーシュインと実兄アイラ・ガーシュインの兄弟コンビが最後に共作したブロードウェイミュージカル『MY ONE AND ONLY』。その初となる日本版上演の製作発表が都内にて行われ、主演の坂本昌行をはじめ大和田美帆、大和悠河、鈴木綜馬、川平慈英といった実力派俳優が揃って登場した。ブロードウェイミュージカル『MY ONE AND ONLY』チケット情報1983年のトニー賞で3部門を受賞した本作は、軽快なタップダンスを中心に繰り広げられるロマンチック・ラブコメディ。世界初の大西洋無着陸横断飛行を夢見るパイロット、ビリー(坂本)が水中レビューショーのスター、イーディス(大和田)に一目惚れするところから物語は動き出す。ビリー役について「最初はちょっとイケてない男なんですが、(川平)慈英さん扮するマジックスに恋愛の手ほどきを受けながら素敵な男に変わっていきます」と語った坂本は、川平の出演舞台『雨に唄えば』を観て以来、共演することを夢見ていたと告白。「慈英さんとシーンを作りながら、ビリー同様に僕自身も成長していきたい」という坂本の熱いコールを、川平はひざまずくパフォーマンスで受けとめて会場を沸かしていた。「坂本くんは作品に対してとても真摯な人。僕も共演できて嬉しいです。大変なことの多い今のご時世、この舞台で多くの人にハッピーエナジーを届けたい」と川平。ビリーとの熱烈なラブシーンもあるというイーディス役の大和田は「いつもオッチョコチョイな三枚目の役が多くて、スターの役は初めて。ラブストーリーも久しぶりなので頑張りたい」と期待の表情。また、ビリーに恋心を抱く女性整備士ミッキーに扮する大和は「ビリーの夢を支えながらも実は……、という影の部分を持つ役柄。今回は“やんちゃ”にやりたいですね。(元宝塚トップの)本来の持ち味を生かせるんじゃないかと」と自信の笑みを見せる。ビリーとイーディスの恋を妨害するニコライ皇子役の鈴木は、「坂本くんをいじめる役で台本を読んでニヤニヤしました。どう彼をいたぶるか僕のテクニックを楽しみにしてください」と語り、会場の笑いを誘った。坂本が「稽古場は絶対に楽しくなる」と断言するほどに出演陣のムードは上々。ミュージカルスターとしてトップを走り続ける彼が、ガーシュインの名曲に乗せて魅せる華麗なステップに期待したい。「水を蹴りながらのタップシーンは大きな見せ場。肩の力を抜いてラブコメディを楽しんでいただければと思います」(坂本)。公演は3月10日(土)から24日(土)まで東京・青山劇場、3月29日(木)から4月1日(日)まで大阪・シアターBRAVA!にて上演。チケットは1月21日(土)10:00より発売開始。取材・文:上野紀子
2012年01月20日歌手の坂本美雨が9月10日(金)、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで映画『ネコを探して』(ミリアム・トネロット監督)の続映決定記念トークショーに出席した。フランス、日本など世界各国に住むネコの姿を追いつつ、ネコと人間の関係を映し出したフランス発のドキュメンタリー。テーマに共鳴した、動物と人間の関係を考える団体「FreePets」が公開前から同作を応援。先月14日(土)から公開され、好評を得ての続映決定の“朗報”に、愛猫家で知られ、同団体のメンバーでもある坂本さんが、同じメンバーで動物愛護団体「Rencontrer Mignon」を主宰しペットサロン&カフェ「pet salon Mignon」を経営する友森玲子さんとこの日、来場した。トークショー開催のきっかけについて、坂本さんは「フリペ(FreePets)のTwitter上でいろいろ書いていたら、すごい勢いで監督がリツイートしてきてくださった。本当は監督が来日できればよかったんですが叶わないので、フリペとしてはひとりでも多くの人に観てもらいたいと思いまして」と説明。続けて、年間30万匹と伝えられる犬猫の殺傷処分の問題に触れ「とても深刻で大きな大きな問題ですが、友森さんはそのことを大きく訴えるのではなく、明るくパワフルに向かっている。ちゃんと生と向き合っている人なので、何かお手伝いができたらと思い、手伝わせていただいていますが、そんなシンプルでいいんだなと思う」と呼びかけ。友森さんが「深刻に考えるのは嫌いで、ウチでできることは世話できるコを連れて帰って面倒を見る。例えば週2匹助けられれば月8匹。50年続ければ凄いことだなぁと。続けるしかない。楽しみながら続けることが大事」と前向きな姿勢で訴えた。同団体は今年3月からTwitter上で活動をスタートさせ、同5月に公式ホームページを立ち上げ、8月26日(木)に社団法人化された。メンバーは坂本さんのほか、父親の音楽家・坂本龍一、作家の渡辺眞子ら各界文化人を中心にした22人。坂本さんは「それぞれの職種で忙しい人が集まっていますが、できる範囲で何かできることがまだまだたくさんある」と話した。『ネコを探して』はシアター・イメージフォーラムほか全国にて公開中。FreePets公式サイト(photo/text:Yoko Saito)■関連作品:ネコを探して 2010年8月14日よりシアター・イメージフォーラムほか全国順次公開© La bascule and Ana films
2010年09月10日