こんにちは、保育士の中田馨です。将来「自立した心」を持つ子どもに育ってもらうためには「甘えさせる」ことが大切です。「甘えさせる」ことで、親に依存的にならないようになるのですが、具体的にどのようにすればいいのかを考えていきます。 「甘えさせる」と「甘やかす」の違い「甘えさせる」という言葉を出すと、よく比較されるのが「甘やかす」です。「甘えさせる」と「甘やかす」は一見同じような言葉に感じてしまいますが、実は大きく違います。 「甘やかす」とは甘やかすというのは、子どもがしようとしていることを、失敗しないように親が先回りをしてやってしまうこと。例えば、自分で靴下を履こうとしている子どもがいるとします。そんなときに、自分で履くと時間がかかるからと言って、先回りしてママが履かせるのは「甘やかす」です。甘やかすことを続けていると、自分でできるという達成感や、なかなかできないという悔しさなどを味わうことができません。 「甘えさせる」とは甘えさせるというのは、何か問題にぶち当たったときに「大丈夫だよ」と受け入れることです。前例で説明すると、自分で靴下を履こうとしている子どもがいます。なかなかうまく履くことができずイライラし始めました。そこで、「ママが少しお手伝いしようか」と声かけをする。これが「甘えさせる」です。少し手伝ってあげたあと自分で履けたら、子どもは「自分でできた」という自信がつきます。 「甘えさせる」が足りない子とは?「甘えさせる」というスキンシップを赤ちゃんのときからしている子どもは、十分に甘えてきたので、安心して一日を過ごすことができます。 実際に、保育現場で子どもたちを見ていると、お家で「甘えさせる」が少ない子は、保育士によく「抱っこをしてほしい」と訴えます。また、自分から進んで遊ぶことにも消極的です。自分が「甘えたい」という欲求を満たされている子とそうでない子は、心の成長に違いが出ることがあります。 自立した心に育てるためにママができることは?「赤ちゃんを甘えさせてあげましょう」といわれても、ざっくり過ぎて分かりづらいですね。そこで、ママが赤ちゃんにできることをお伝えします。 1. 赤ちゃんをほめる赤ちゃんに「イヤイヤ」という心が芽生えてくる時期になると、どうしても親がしてほしいことを押しつけてしまうことがあります。でもそこはグッとこらえて「そうか、イヤなんだね。イヤってよく言えたね」とほめます。イヤという気持ちを表現できることも成長のひとつです。そして、できることからチャレンジします。 例えば、おもちゃをかごの中に1個でも片付けられたらほめます。ほめられると赤ちゃんはできたことに自信を持つことができます。 2. 赤ちゃんを抱きしめるママとのスキンシップを十分に取ることが、やはり一番大切。スキンシップの取り方はいろいろありますが、まずは「抱きしめる」ことから始めてみましょう。赤ちゃんが甘えたいときはもちろんですが、そうでないときも抱きしめるというスキンシップを心がけてみてください。 ただ、1日中抱っこしているのではなく、一人遊びを上手にしているときはそっと見守るなど、メリハリをつけることも必要です。抱きしめられ、甘えるという欲求を満たされると安心し、自立していきます。赤ちゃんに「安心」の気持ちを積み重ねてあげましょう。 一人でできた経験を積み重ねるまずは、遊びの中から「一人でできた」経験を積み重ねていきましょう。「寝返りができた」「型はめを一人で入れられた!」「積み木を一人で1段積み重ねた!」このように分かりやすいこともそうですが、もっと小さいときから考えると「体の前で両手を組むことができた」「仰向けで足をつかむことができた」「うつ伏せで頭をグインとあげられた」というのも同じことです。赤ちゃんが一人でできたことをママが見つけてほめるのです。そうすると「一人でできた」という達成感を味わうことができます。日々の積み重ねが自立した心に育つことにつながります。 達成感を味あわせること、甘えさせ安心させること、ときには赤ちゃんの様子をじっくり見守り、できないことへの悔しさに共感すること、ママのこういった姿勢で赤ちゃんの心は「一人でチャレンジするぞ!」と育っていきますよ。 著者:保育士 一般社団法人 離乳食インストラクター協会 代表理事 中田家庭保育所施設長 中田馨0~2歳対象の家庭保育所で低年齢児を20年以上保育する。息子が食べないことがきっかけで離乳食に興味を持ち、離乳食インストラクター協会を設立。現在は、保育士のやわらかい目線での離乳食の進め方、和の離乳食の作り方の講座で、ママから保育士、栄養士まで幅広く指導。離乳食インストラクターの養成をしている。「中田馨 和の離乳食レシピ blog」では3000以上の離乳食レシピを掲載中。
2019年10月03日物事に興味を持ち、「もっと深く知りたい!」と思う気持ちを「知的好奇心」といいます。知的好奇心は、大人になるにつれ失われがちなもののひとつです。「子どもの頃は知的好奇心旺盛だったけど、大人になって変わった」という方も少なくないはず。しかし、そんな自分の状態が、子どもに悪影響を及ぼしているかもしれないのです。なぜならば、親の知的好奇心の有無は、子どもの知的好奇心のみならず学力にまで関係してくるから。今回は、親子にとって知的好奇心がいかに大切かを知り、知的好奇心を育むためにできることは何かを考えてみます。知的好奇心旺盛な子は学力が高い!勉強ができる子や、成績のよい子には、知的好奇心旺盛な子が多いと言われています。教育関連著書を多く世に送り出している脳医学者の瀧靖之さんは、「賢い子」の条件を問われた際、「自分から『知りたい』と思える、知的好奇心が旺盛な子ども」と答えています。動物や植物、運動、どんなことでも良いのですが、興味を持った対象に自分からおもしろがって調べたり取り組んだりすることができる子だと思います。勉強にしても、テストの点数を取るのが目的ではなく、そもそもおもしろいからやっている。だから努力とも思わず夢中になることができる、そんな子どもですね。学ぶことが楽しくて仕方ないから、自然と学力が伸びていく。その土台となるものが、「もっと知りたい!」という学びへの意欲、すなわち知的好奇心なのです。(引用元:ベネッセ教育情報サイト|世界最先端の脳研究が解き明かした!「賢い子」の育て方とは?)例えば、ある外国の歌手の音楽に興味を持ったとしましょう。その音楽についてもっとよく知りたいという思いから、曲の歌詞に出てくる英単語を調べるようになることが考えられます。好きな曲の歌詞が理解できると、その喜びから、英単語を調べること自体が楽しく感じられるようにもなるかもしれません。そうすれば、自然と英語を勉強するようになるでしょう。知的好奇心は、こうして学びの土台を築いていくのです。実際、学力の高い人たちの多くが、知的好奇心を育むことの大切さを実感しています。東京大学新聞社の調査によると、東大生の95%が、小学生時代の学習姿勢として「知的好奇心を育むこと」が「大切」(とても大切だと思う・まあ大切だと思う)と答えたそうです。これは、「柔軟に考える力をつけること」(92%)や「塾や学習教室に通うこと」(23%)より多い回答でした。親の知的好奇心が子どもに影響するでは、子どもの知的好奇心を育てるには、どうすればいいのでしょうか。文部科学省が実施している全国学力・学習状況調査から、親が子どもを図書館や劇場、科学館などの文化施設によく連れていく家庭で育った子どもは、そうでない子どもより学力が高いことがわかっています。このことにより、親に頻繁に文化施設に連れていってもらった子どもは、それぞれの場所で知的好奇心を刺激され、その経験がのちの学習習慣につながったと考えられます。また、同調査では、家にある本の数が多い家庭で育った子どもの学力が高いことも明らかになっています。しかし、だからといって、急に子どもに大量の本を買い与えたり、「本をたくさん読みなさい」と言い聞かせたりしても、効果がないことは誰でも予測できるでしょう。MP人間科学研究所代表であり、心理学者の榎本博明さんは、親自身の知的好奇心が子どもの知的好奇心、ひいては学力の高さにつながっていると指摘します。つまり、蔵書数の多い家庭は、親自身が知的好奇心が強く本をよく読むため、その結果として家庭の蔵書数が多くなる。さらに、子どもと一緒に美術館・劇場や博物館・科学館、図書館といった文化施設に行こうと思う。そのような親の心理傾向が子どもにとって知的刺激に満ちた環境を生み出すのである。(引用元:Business Journal|学力の高い子ども、親の習慣や家庭環境に「共通の傾向」…文科省調査で判明)また、一般社団法人教育デザインラボ代表理事であり、教育専門家の石田勝紀さんも、同様の意見を持つひとりです。石田さんは、「親の持つ “好奇心” そのものが子どもに伝播する」と明言しています。親が物事に興味を持ち、それについて楽しそうに学ぶ姿を日常的に見せていれば、それが子どもにも伝わっていくというのです。「親が、日々ワクワクした気持ちで『もっと知りたい!』と自ら学習していくような人間であればいい」(引用元:東洋経済オンライン|伸びる子の親は日々「好奇心」で生きている)つまり、子どもの知的好奇心を育てるには、まずは親自身が知的好奇心を育まなくてはならないのです。子どもと一緒に大人が無理なく知的好奇心を育むには……しかしながら、大人が日々仕事や家事、育児で忙しいなか、新しいことを始めたり、物事を深く探究したりすることは簡単なことではありません。「重い腰が上がらない」という方も多いでしょう。そんななかでも、子どもと一緒ならできることがあるはずです。好奇心を育むために、親子で無理なく始められることをご紹介します。声に出して言い聞かせる第一歩として、物事に興味を持つことが大切です。とはいえ、実際には日常生活のなかに心惹かれる物事が見当たらない、という方がほとんどでしょう。しかし、本当に心惹かれる物事は存在しないのでしょうか?そう感じるのは、自分自身が物事に対する興味の “アンテナ” を張っていないからかもしれません。先ほどご紹介した石田さんは、自らの「好奇心」という原動力を動かすために、日常的に「日々、楽しんでしまおう」「一見つまらなくみえるものを、おもしろくしてしまおう」と、口癖のように声に出しているそうです。声に出すと、意識が高まります。つまり、物事に対する興味の “アンテナ” を張っているのです。そうすると、小さな変化に気づいたり、ワクワクすることに出会えたりと、物事に興味を持ちやすくなります。まずは、毎朝1回、あるいは思いついたときにでも、「何かおもしろいことはないかな?」「今日も楽しく1日を過ごそう」と、子どもに語りかけてみましょう。子どもに言いながら、自分に言い聞かせるのです。そうして、子どもと一緒に、物事に対する興味の “アンテナ” を張ってみてください。 同じ習い事をしてみる子どもの習い事について「練習しなさい」と一方的に言っていませんか?親がお尻を叩くだけでは、子どもの好奇心はそこで止まってしまいます。前出の脳医学者・瀧先生は、息子さんと “一緒に楽しみながら” ピアノを習っているそうで、「子どもに何かをさせるなら、まず親がやること」がとにかく大事だと力説しています。「子どもの好奇心を思いっきり育てるためには、親自身も子どもと一緒に楽しむ経験が大切」なのです。幼少期に親子一緒に本気で知的好奇心を高めることで、子どもは親を模倣し、中学生・高校生になってからもその知的好奇心で生きていけるのだそう。親子で同じ習い事――うまくいけば、親子共通の趣味ができるかもしれませんよ!***親が知的好奇心を育むことで、子どもの知的好奇心や学力にもよい影響を及ぼすという好循環が生まれます。また、その過程で、親自身が幅広い知識を身につけたり、自分の新たな一面を発見したりと、これまでにない経験ができるはずです。このコラムを読んで、「よし、何か見つけてみるか!」――そう感じた方ならば、すでに一歩、いや十歩以上、知的好奇心の世界に向かって歩き出しているのではないでしょうか。子どもは親の姿を見て育ちます。いつまでも新しいことに挑戦する精神を忘れず、生き生きと輝く姿を見せていけたらよいですね!(参考)ベネッセ教育情報サイト|世界最先端の脳研究が解き明かした!「賢い子」の育て方とは?Business Journal|学力の高い子ども、親の習慣や家庭環境に「共通の傾向」…文科省調査で判明東洋経済オンライン|伸びる子の親は日々「好奇心」で生きている東大新聞オンライン|東大生の4割超が利用した、小学生時代の通信教育とは?「達成感を求めて楽しく勉強できる」生活百科|好奇心を失わないための10個の方法ベネッセ教育情報サイト|脳医学者も実践!子どもの「知的好奇心」を伸ばす“たった1つの秘訣”
2019年08月07日夏休みシーズンへと本格的に突入し、思い出すことのひとつといえば、すべてに好奇心旺盛だった子ども時代。それに比べて、大人になるといろいろなことについブレーキをかけてしまいがち。そこで、そんな大人女子にオススメの映画をご紹介します。それは……。感動の実話を描いた『風をつかまえた少年』!【映画、ときどき私】 vol. 2492001年、アフリカ最貧国のマラウイ。ひどい干ばつに襲われたことによる貧困が原因で、学費が払えなくなった14歳の少年ウィリアムは通学を断念せざるを得なかった。それでも、勉強したいと願うウィリアムは、こっそり通っていた図書館で1冊の本と出会う。そこで、ウィリアムは風車の存在を知り、独学で風力発電を作ることを思いつく。電気で家族を助けたいという思いを抱くウィリアムだったが、周りからの理解を得ることができずにいた。はたして、自らの手で未来を切り開くことはできるのか……。「TEDグローバル」への招待をきっかけに世界的に知られることとなり、タイム誌の「世界を変える30人」にも選ばれたこともあるウィリアム・カムクワンバさん。本作はベストセラーの自伝を映画化したものですが、女優のアンジェリーナ・ジョリーさんも「非の打ち所のない作品」と絶賛しています。そこで、さらなる見どころをこちらの方にお話いただきました。監督・出演を務めたキウェテル・イジョフォーさん!『それでも夜は明ける』や、まもなく公開の映画『ライオン・キング』で悪役スカーの声を担当するなど、俳優としてさらなる活躍をみせているキウェテルさん。本作では、ウィリアムの父親役として出演するだけでなく、長編監督デビューをはたしています。今回は、完成までの思いや撮影での苦労などについて語っていただきました。―先日、ウィリアムさんが来日された際に、直接お話をさせていただく機会に恵まれましたが、非常に聡明な印象を受けました。キウェテルさんもウィリアムさんと接するなかで、印象に残っているやりとりや言葉はありましたか?キウェテルさん僕が感じたのは、彼はすごく正直で誠実な人であるということ。というのも、この作品が完成して初めて観てもらったとき、彼は感じたことをまっすぐに伝えてくれたからなんだ。映画を観ることで、人生の辛かったときのことを思い出すとも話していたけれど、それはいかに彼が誠実で、エモーショナルな知性を持っていて、洗練された人間なのかということの表れでもあると思うんだ。彼は僕にとって素晴らしいインスピレーションを与えてくれる存在。そんなふうに自分の気持ちを受け止めながら真実を掘り下げていくことができる人といることは、僕にとっても最高のレッスンとなったよ。―実際に撮影現場にもいらっしゃったんですか?キウェテルさんもちろん現場にも来てくれたよ。そのときは会話の内容よりも彼の人としての姿勢みたいなもののほうが印象に残ったかな。それは、物事に対して希望や好奇心を持つ気持ちであったりもするんだけど、決して軽い意味ではなくて、すごく良いエネルギーを持っていたから僕も助けられたよ。マラウイで気づかされたこととは?―この物語では、いくつもの感動的な要素が含まれていますが、キウェテルさんが一番惹かれたのはどういった部分ですか?キウェテルさん実は原作を読んだときと、実際にマラウイに着いたときの自分のリアクションというのは違っていたんだ。なぜなら、本を読んでいたときに深く心を打たれたのは、彼の言葉でいう“perseverance(やり抜く不屈の力)”。そして、人の役に立つために物を作ったり、行動したりといった具合に、いろいろなものを集めて形にしていく彼の姿に感動したんだ。でも、彼に会うためにマラウイへ行ってみると、物語と僕の間の“力学”に違うニュアンスが加わっていることに気が付いた。なかでも、ハッとしたのは、ウィリアムが作った風車が目に入ってきた瞬間。スピリチュアルな感覚に近いかもしれないけれど、彼が経験してきたものと深くつながっているように感じたんだ。それに彼の風車は、信じる気持ちや希望、知性、教育といったもののシンボルでもあったから、見たときはすごく心動かされたよ。―そういった思いを作品に反映した部分はありますか?キウェテルさん今回僕が受け取った気持ちは、グレワムクルというスピリチュアルなダンサーたちに表現してもらうことにしたんだ。そして、文化に深く影響を与えるということはどういうことなのか、どうやってそこに希望やインスピレーションをもたらすことができるのか、といった考えにつなげていったんだよ。―実際に現地に行ったからこそ感じることも多かったんですね。とはいえ、劇中に描かれているようにマラウイの厳しい現状も目の当たりにされた部分はあったと思いますが、撮影中に苦労したことはなかったでしょうか?キウェテルさん一番大変だったのは、インフラがなかったことくらい。あとは、マラウイでこの規模の撮影は初めてだったこともあり、今回はケニアや南アフリカ、ブラジル、イギリスといった国外から機材を持ち込んだり、スタッフを連れていかなければならなかったというのもあったかな。とはいえ、マラウイの人にもたくさん参加してもらうことができたから、マラウイに根差した空気感はあったし、そのうえでインターナショナルな現場になったのはよかったことだと思うよ。だからこそ、参加してくれた全員が「この少年の物語をみんなに届けたい!」というワクワクした気持ちを持つことができたんだ。現地の人たちがリアルな空間を作ってくれた―では、マラウイでなければ撮れなかったものもありましたか?キウェテルさんもちろん、マラウイでなければ不可能だったシーンもたくさんあったよ。例えば、大統領が村にやってくるシーンでは、エキストラが1000人くらいいたけれど、マラウイの方たちが参加してくれなければ生まれなかった場面と言えるよね。実際にあの当時の経験をしている人も大勢参加してくれただけに、群衆のリアクションだけでなく、歌や踊りもすごくリアルなものになったよ。もし、ほかの国で撮影していたとしたら、そういった部分はなくなっていたんじゃないかな。だからこそ、マラウイで撮ることが必要だったんだ。―ウィリアムさんは風車を作る過程でつらいこともあったそうですが、そのとき心の支えになっていたのは、「自分の問題は誰かの助けを待つのではなく、自分で解決するもの」という考えのおばあさまの存在だとうかがいました。キウェテルさんも初長編作品を完成させるまでに10年間かかっています。その間、支えになっていたものは何ですか?キウェテルさん面白い質問だなぁ、どうだろう。いま考えてみると、ウィリアム本人と彼が達成したことから受けたインスピレーション。そして、こういった物語をこういう形で綴った映画を自分がいままで観たことがなかったという思いかもしれないね。というのも、若いアフリカの少年の物語をユニークな形で描いた映画というのは、もっとあるべきだと感じているからなんだ。そういった現状を変えるべきだと思っていたし、僕はニュアンスの効いた物語としてたくさんの観客に響く作品を届ける自信もあったからね。あとは、作り始めたら参加してくれたみんなが楽しんでくれて、映画自体が自然と動力を持ち始めたんだけど、そういうことも支えになっていたんじゃないかな。人生で最も豊かでマジカルな瞬間を味わえた―とはいえ、厳しい出来事もあったのではないですか?キウェテルさん「製作費がちゃんと集まるだろうか」とか「マラウイで実際に撮影ができるのだろうか」といった不安も当然あったし、それはチャレンジでもあったよね。あとは、さっき話に出たダンサーのグレワムクルも秘密の団体だし、会うのもなかなか難しいほどの人たちだから出演は無理だと思っていたんだ。実際、ロケハンに行くたびに「いま村にはいません」と言われて何年も会えない状態が続いていたから。それでもある日、僕と数人だけが村に招待されたことがあって、そのときに彼らが僕たちのためだけにパフォーマンスを披露してくれたことがあったんだ。そんなふうに、自分たちが描きたいものを撮れないんじゃないかと思っていても、パッと扉が開いて、想像していた以上に素晴らしい体験をすることができる瞬間というのがあるものなんだよね。そのときは何世代にも渡って受け継がれてきたさまざまな文化的な踊りを全部見せてくれたのだけど、僕の人生の中でも最も豊かでマジカルな瞬間のひとつだったと言えるよ。だから、人生ってそういうものなんじゃないかな。―それはウィリアムさんも同じかもしれませんね。キウェテルさん彼も自分の目の前の問題を解決しようと始めたことが、村全体を救うことにまでつながっていくんだけど、確かにそれが人生の摂理なのかもしれないね。―本作からは大人になっても新しいことを学ぶこと、そして挑戦することの大切さを教えられると思うので、ぜひananweb読者へ向けて伝えたい思いをメッセージとしてお願いします。キウェテルさんまさにその通りだけど、付け加えるなら教育や不屈の努力、家族の絆、ルーツ、歴史といったものについても考えてもらえたらいいなと思っているよ。そういったところから、人間は進化をする能力をいかに持っているのかというのを感じられるものだから。つまり「僕たちは前に進むために過去を切り捨てる必要はない」とも言えるし、「自分の愛する伝統的な過去を損なうことなく、新しい道を見つけられるはずだ」という意味でもあるよね。だから、そのバランスをいかに見つけられるかが大切だと思うよ。僕は文化的な自分のルーツを断絶せずに、新しい時代に進んでいけると思っているし、僕たちの過去というのはこれからの未来の一部になっていいと信じているんだ。そんなふうに僕が感じたテーマというのを観客のみなさんにも感じてもらえたうれしいね。自分を信じて進めば道は開けるもの!困難に見舞われたとき、「自分ひとりの力では何も変えることはできない」と感じてしまうことはあるけれど、14歳の少年がたったひとりで世界を変える瞬間を目撃すれば、逃げていただけの自分に気づかされるはず。この夏は、自分にしかできないことに挑戦してみては?風を感じる予告編はこちら!作品情報『風をつかまえた少年』8月2日(金)ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館他全国順次公開配給:ロングライド© 2018 BOY WHO LTD / BRITISH BROADCASTING CORPORATION / THE BRITISH FILM INSTITUTE / PARTICIPANT MEDIA, LLC
2019年08月01日今、じわじわと科学人気が高まっています。その背景として、物理学、科学、医学の分野で日本人のノーベル賞受賞者が相次いだことや、アクティグラーニングの導入によって「ロジカルシンキング(論理的思考)」が求められるようになったことが考えられます。わたしたち親世代では苦手意識を持つ人が圧倒的に多かった理系分野ですが、今ではそのイメージをがらりと変えて、子どもたちにとって科学はより身近で日常の中に溶け込んでいるようにも感じられます。体験できる場所やきっかけがたくさんあるということは、子どもの「なぜ?」にとことん付き合えるチャンスです。ぜひ親子で一緒に、身近なところから科学の面白さや奥深さに触れてみませんか?すぐに答えが出ないことがおもしろい!?最近では幼児を対象にしたサイエンス教室や実験系のワークショップなど、以前に比べて格段に「科学に触れられる機会」が増えたように感じませんか?2000年ごろに子どもの「理科離れ」が浮き彫りになってからというもの、全国各地の自治体や科学館などの施設で積極的に理科系のイベントが開催されるようになったことも一因ですが、AIの進化によって「子どもを理系に強い人間に育てたい」と願う保護者が増えたことも大きな要因だと指摘されています。とはいっても、まだまだ理科・科学に対して「難しい」「苦手だな」と思い込んでいる人が多いのも事実です。筑波大学生物学類サイエンスコミュニケーターで次世代科学者育成プログラムに携わる尾嶋好美先生によると、その原因のひとつとして現代の「すぐに結論を求めてしまう風潮」が関係しているそう。今は、インターネットで検索すれば「何でも答えが出てくる」時代になっています。子どももわたしたち保護者も、すぐに結論を求めてしまう風潮があると思います。そうした社会においては、自ら考え、答えを導き出す過程が少し面倒に感じられてしまうのではないでしょうか。その過程を楽しむことができれば、きっと理科の面白さに気付いてもらえるはずです。(引用元:ベネッセ教育情報サイト|理科好きの子どもを育てるには【前編】理科好きの共通点とは)正確な知識や情報に基づき、仮説を立て、検証するといった地道な努力を経てはじめて“科学的思考力”は身につきます。それはすぐに手に入るものではなく、むしろじっくりと時間をかけて育んでいくもの。現代のスピード重視な世の中では、その過程を見守ることも難しいのかもしれません。科学が好きだとメリットがたくさん!科学好きになるとさまざまなメリットがもたらされます。そのひとつは、好奇心が高まりチャレンジ精神が育まれること。サイエンスプロデューサーの米村でんじろう先生は「実験を楽しみながら理科に親しむことで、好奇心に加えて新たなことにチャレンジしていける力を養うことができる」と述べています。さらに脳医学者の瀧靖之氏は「好奇心がある子どもは、知ることに対し純粋な喜びを感じるので、楽しみながら新しい知識を学ぶことができる」と解説しています。つまり、知的好奇心があると自発的に考えて自ら調べる癖がつき、学びへの意欲がぐんと高まるのです。ほかにも、合理的な考え方や実用的な知識も身につきます。食品パッケージの栄養表示から機械の取扱説明書まで、私たちの身の回りには科学的な情報があふれています。理科や科学を学びはじめると、日常生活の大部分は科学技術によって支えられていることに気づくのではないでしょうか。非科学的な情報に流されず、しっかりとした根拠に基づいた思考力を育てるためにも、科学に興味をもつことが大切です。最後に、精神科医の和田秀樹氏は「算数や理科が得意な子は、きちんと答えを求めようとするので我慢強い子になる」と述べています。ノーベル医学・生理学賞を受賞した京都大学の本庶佑教授は、「自分で知りたいという好奇心と、簡単に信じないということ」を心がけているそう。自分の目で見て確かめたうえで、納得できるまで諦めない姿勢も身につくのですね。理科好きな子に見られるある特徴前出の尾嶋先生は、理科好きの子どもには「ある共通点」があるといいます。それは『センス・オブ・ワンダー』、つまり身近な出来事に「不思議だな」と思える感性を持っていること。小さな子どもはみんな、「どうして空は青いのか」「どうして蟻は連なって歩くのか」など小さな疑問を抱きながら毎日を過ごしています。しかし成長するにつれて、いつしか日常の小さな不思議を見過ごすようになっていきます。この「なぜ」を中高生になっても持ち続け、追求し続ける意欲を失わないことが、理科好きの子どもに共通している点だそうです。また、学研教育総合研究所が保護者を対象に「理科好きな子どもの性格・行動特性」を調査したところ、次のような結果が導き出されました。理科を「とても好き」と答えた子の8割以上が、「やり始めたら集中して取り組む」「好奇心旺盛」「思いついたら自分で試してみる」「ものごとの仕組みを知りたがる」といった性格や行動特性を持っているというのです。つまり理科が好きな子どもは、なにかに集中して取り組んだり、ものごとを追求することに興味・関心をもち、行動を起こしたりする傾向が見られるというわけです。「理科が苦手」は親の思いこみ!?「生まれながらに『理科が嫌いだ』という子どもはいません」とは、山梨大学の松森靖夫教授の言葉です。いつもぼーっとしていて何も考えていないように見えるお子さんでも、動植物や天体、目の前の自然科学に対して「どうして?」と疑問をもち、しっかりと自分の頭で考えているそうです。だからこそ「大人の常識を押し付けたり、先回りして答えを教えたりするべきではない」と松森教授は指摘します。大切なのは、子どもに「思考を温める時間」を与えること。それにより、“仮説を立てて検証する”という思考のステップの構築につながるので、口を出したくてもぐっと我慢するようにしてください。中学受験教育を専門に手がける小川大介氏によれば、8~10歳くらいになると「自分はこうだ」と強く思い込み始める傾向があるといいます。親から「私に似てあなたも理科が苦手ね」と言われるなどして理科や科学に対する苦手意識を一度持ってしまうと、その意識を変えるのは難しいでしょう。ですから、より早い段階で理科に対して関心を抱かせることが重要なのです。そのきっかけとして、家庭の中で行われていることを、きちんと定義づけてあげるようにするといいでしょう。おすすめは、お手伝いをしてもらいながら科学的思考を伸ばしてあげること。お手伝いには、子どもを理科好きにするヒントがたくさん隠されています。“おうちサイエンス”で子どもの科学的好奇心を刺激しようお手伝いを通じて“科学の芽”が育つ「お手伝いサイエンス」を提唱している『ママとサイエンス』主宰の理科教師・田中幸先生と、理科の教科書執筆にも携わる結城千代子先生は、「料理や洗濯、さまざまな暮らしの知恵は科学の原理の応用」だと説明します。とくに料理にまつわる一連の作業には、サイエンスの要素がもりだくさん!おすすめのお手伝いサイエンス□野菜を洗う大きめのタライに水を張り、夕食に使う野菜をすべて入れてみましょう。どの野菜が浮いて、どの野菜が沈むかな?水に入れる前に「お母さんはにんじんが沈むと思うな」「○○くんはどれが浮かぶと思う?」と予想してから実験するとより効果的です。□きゅうりの塩もみきゅうりを薄く刻んで塩もみをします。「太く刻んだらダメなのかな?」「きゅうりがしなっとしてきたね」などの声かけをしながら、変化の様子を一緒に観察しましょう。□鍋の音を聞くぐつぐつ、ぷくぷく、ことこと……、鍋の中身が煮える合図は音で判断することもあると教えます。「ぐつぐつ聞こえ始めたら教えてね」と見張り番をお願いすると、子どもは驚くべき集中力を発揮して観察します。□ホットケーキを焼く焼く前のホットケーキはフライパンに広がるのに、火を通すと広がりが止まり、やがて膨らみます。「ぷつぷつしてきたね」「ふくらんできたからひっくり返してみようか」「真ん中がぷっくりふくらんでいるね」など、変わっていく様子を言葉にして確認しましょう。田中先生と結城先生は次のように述べています。「科学に限らず、子どもに何かを体験させたいと思ったとき、わざわざものを用意したりどこかに行かなくても、日常にチャンスはあふれています」特別な場所へ行き、特別な道具がないと、科学への理解を深めることは難しいと考えていませんか?実は、私たちの日常はサイエンス要素に満ちているのです。***子どもの科学的関心を高めて理科好きにするには、『3つの力』を大切にしてあげましょう。「観察力」(注意深く世界を見る力)「好奇心」(何でだろう?と不思議に感じる力)「探究心」(その理由を考える力)これらの力を発揮したとき、大人は答えを用意するのではなく、「なぜかな?」「不思議だね」と共感してあげてくださいね。(参考)ベネッセ教育情報サイト|理科好きの子どもを育てるには【前編】理科好きの共通点とはStudy Hacker こどもまなび☆ラボ|「科学好き」な子どもには、好奇心と我慢強さが身につく。子どもが理科・科学に親しむメリットと方法学研教育総合研究所|小学生白書Web版|1.「理科好き」を伸ばす子どもの性格・行動特性ベネッセ教育情報サイト|「子どもの科学」を大切にし、理科好きの子どもを育てる『できる子になる!0歳からのお手伝い』クーヨンBOOKS12,2015年6月,クレヨンハウス.
2019年07月10日「どうして?」「なんで?」と、好奇心旺盛なお子さんはいろいろなことに興味津々。親御さんとしては、何度も同じような質問に答えるのは大変ですし、忙しいときに質問攻めにあうと困ってしまいますよね。しかし、このような子どもの「知りたい」という好奇心はとても大事なこと。そこで、子どもの「もっと知りたい」を大事にしたい理由をご紹介します。子どもの好奇心は “もっと知りたい” の原動力になる何かに夢中になると、子どもは「もっと知りたい!」と考えるようになります。これが、知的好奇心です。知的好奇心とは、物事に対して知ることへの欲求や、知りたいと思う気持ちのことを指します。たとえば、図鑑を見ていて恐竜について興味を持ったら、次々と新しいことを知りたいと興味を広げるお子さんもいるでしょう。「恐竜についてもっと調べたい」「実物の化石を見てみたい」など好奇心が旺盛になり、インターネットで調べたり、博物館へ行ったりと、行動範囲を広げていきます。このとき、脳内ではどんなことが起こっているのでしょうか。実は、子どもが何かに興味を示すとき、脳内で盛んに脳細胞同士のネットワークの道がどんどん作られ、情報伝達が行われています。成長とともに興味を持ったことに関する道は太くなり、興味がないものに関する道は減っていきます。ですから、小さい頃にできるだけたくさんのことに興味を持つことは大切なことなのです。音楽やスポーツなどでも同じことが言えます。子どもの頃から絵を見る機会を作る、ピアノなど楽器を弾く、スポーツを体験するなど、何か興味のありそうなものをさまざまに経験させると、「おもしろいなあ」「もっと知りたいなぁ」と思い、そこに興味のアンテナが張られていきます。好奇心を持つということは、知ろうと思うことの「原動力」になるのです。好奇心はどのようにして刺激されるのだろうか。心理学・行動経済学者のジョージ・ローウェンスタインが提唱した「情報の空白」という考え方がヒントになる。新しい情報よって無知を自覚し、自分の知識の空白地帯の存在に気がついたときに好奇心が生まれるというものだ。ここで重要なのは、「少し知っていること」が好奇心に火をつけやすいということ。好奇心は、何も知らない事柄に対して湧いてくるかのようなイメージを持たれがちだが、実際には、人はまったく知らないことには興味を持ちにくい。「何を知らないか」すら分からない状態では、疑問を膨らませることも難しくなる。(引用元:東洋経済ONLINE|土台の知識の有無が「好奇心格差」を生み出す)つまり、未経験なことが多い子どもの好奇心が刺激されるには、小さい頃にさまざまな経験や体験を広くさせることが大切なのです。知的好奇心が旺盛な子は賢いのはなぜ?最初に興味を持つことは、恐竜でも昆虫でも、動物、魚、鉄道でも、何でもいいのです。まずは、興味を持つこと自体が大切。その次に、興味を持つことができたその何かに対して、さらに知的好奇心が湧いてきて「もっと知りたい!」を積み重ねていきます。それを繰り返すことで、子どもは好きで夢中になることができる何かを見つけます。やがて、この知的好奇心は、学ぶ意欲にも結びつくのだそう。『「賢い子」に育てる究極のコツ』の著者でもある脳医学者の瀧靖之先生によると、賢い子の条件は「自分から“知りたい”と思える、知的好奇心が旺盛な子ども」だと言います。好きなものを極めるために、「これは何?」「なぜ?」「どうしてそうなるの?」ということを自発的に考えるようになります。自分なりに色々な角度から問いを立てて考えていくのです。そして、本を読んだり、人に聞いたり、インターネットで調べたり、様々な手段でその問いを解決していこうとするのです。もしかしたら外国の本を読み始めることもあるかもしれません。子どもの頃のこうした経験が下地となって、勉強にも仕事にも、そして趣味にもつながっていく。だから知的好奇心をもって動く経験を基に、何かに熱中した体験ができると、子どもの「学びに向かう力」が伸びていくのです。(引用元:ベネッセ教育情報サイト|世界最先端の脳研究が解き明かした!「賢い子」の育て方とは?)また、瀧先生によると、小学校のときにとても成績が良かった子のうち、中学校や高校に進学してからも学力が伸びている子と、そうでない子との違いについて調査をした結果、成績が伸びている家庭の大半が子どもの頃に、本や図鑑などのバーチャルの世界を通じて好奇心を引き出されていたことがわかりました。そして、子どもが興味を持ったことをきっかけに、次は親が実際に本物を見せに連れて行くなど、本や図鑑で見た世界が、実際に手を触れられる距離に現れる経験をしているのです。それは視覚だけではなく、聴覚や触覚、嗅覚など脳の幅広い領域を同時に刺激しながら、より多面的な学びを得ることができるようです。また、人は物事に夢中になって「楽しい」と感じると、脳は神経伝達物質のドーパミンを分泌します。ドーパミンには記憶力を高めたり、やる気を出させたりする働きがあると言われており、高次認知機能が活性化されるのです。つまり、好奇心旺盛で何かに夢中になることは、脳の活性化にも大きな影響があるのです。子どもの知的好奇心を高めるためのコツとはでは、親御さんが子どもの知的好奇心を高めるために、何かできることはあるのでしょうか。日常生活の中でできる4つのことをご紹介します。<ポイント1>好奇心を育てる最強アイテムは「図鑑」高校や大学で学力が伸びた子どもは、幼い頃から図鑑を見ていたという分析もあるそうです。特に、3〜4歳ぐらいまでは、図鑑に触れると効果的だと言います。動物や植物、乗り物、宇宙、恐竜など、図鑑をリビングなどにそろえておきましょう。たとえば、テレビを見ていて子どもが何か興味を示したら、それに関する図鑑を開いて見せてみたり、水族館や動物園に出かける前に図鑑を開いてみたりするなど、親子で図鑑を楽しむ時間を持つことも大切です。<ポイント2>いろいろな経験をさせたり、新しい場所に連れて行く水族館で魚を見たり、動物園で動物を見たり、科学館へ出かけたり、美術を鑑賞する、ピアノを弾くなど、子どもが興味のありそうなものを経験させると、興味のアンテナが張られていきます。その中できっと、「これ、おもしろいなあ」「もっと知りたいなぁ」というふうに思えるものがあるはずです。図鑑などで興味を持ったことを、実際に出かけて目で見せる経験も積極的にさせてみましょう。いろいろなものに興味を持つことが当たり前になり、それは大人になっても習慣、そして経験として残っていくのです。<ポイント3>親自身がワクワクする感覚を忘れないお子さんが好奇心を持つように、いろいろな場所へ連れていくといったことをすでに実行している親御さんも多くいるでしょう。しかし、その前に大切なのが、親自身がワクワクするような好奇心を持つことです。好奇心を持ったことに対して、「学ぶ姿勢」を日々の生活の中で表現できているかどうかということが重要なのだと言います。そのような姿勢を日頃から見せることで、親の持つ好奇心は子どもに伝播するのです。<ポイント4>学習を日々の生活とリンクさせるお子さんは、書き取りや計算など単純な学習を楽しんで行っていますか?それだけでは、つまらないと感じる子もいるでしょう。理由は、日々の生活とリンクしていないからだと言います。例えば子どもがお菓子作りに興味をもった場合、作り方が書いてある文章を読むには「字」が読める必要があり、分量を知るには「数字」が必要になりますね。「好奇心」→「興味関心分野」→それに達するための「読み書き計算といった“道具”」という流れができるのです。そして、読み書きや計算の練習をするにつれて、自分がワクワクすることや知りたいことを、もっと知ることができるという手応えが出てきます。こうして、「読み書き計算といった“道具”」→「興味関心分野」→「好奇心」というサイクルが生まれ、さらに好奇心が強化されていきます。(引用元:東洋経済ONLINE|伸びる子の親は日々「好奇心」で生きている)このように、好奇心を持ったことを実現させるためには、学習することが必要だということが分かってくれば、子どもは積極的に学ぶようになります。***お子さんが小さい頃は、好奇心の元となるタネを撒きましょう。リビングに図鑑をそろえておいたり、家族で新しい場所へ出かけたり、子どもにさまざまな体験をさせたりするなど、何でもいいのです。その経験の中で夢中になる何かを見つけ、「もっと知りたい」という知的好奇心が生まれ、それが学ぶ意欲にもつながります。そして何より、親御さん自身が好奇心を持つことを忘れずに、それを楽しむ姿勢を見せることも大切です。文/内田あり(参考)ベネッセ教育情報サイト|世界最先端の脳研究が解き明かした!「賢い子」の育て方とは?ベネッセ教育情報サイト|脳医学者も実践!子どもの「知的好奇心」を伸ばす“たった1つの秘訣”東洋経済ONLINE|伸びる子の親は日々「好奇心」で生きている東洋経済ONLINE|土台の知識の有無が「好奇心格差」を生み出すSTUDY HACKER|好奇心は成長の秘訣!ビジネスにこそ活きる好奇心の “育て方”ソニーライフ|子ども脳も大人脳も「好奇心」で成長する 脳に効く習い事
2019年04月25日お子さんは毎日、テレビを見ていますか?テレビ視聴は、年齢を問わず、家族みんなが楽しめるものです。しかし親としては、「うちの子どもはテレビを見すぎなのではないか?」「テレビ番組の内容によっては悪影響があったりするのではないか」などと心配してしまうこともあるでしょう。でも、テレビ視聴は子どもにとってプラスの要素もたくさんあるようです。そこで今回は、テレビ視聴と学びの関係を解説しながら、ためになる番組をいくつか紹介します。テレビ視聴で興味を持つきっかけにする!昔から学校現場でも教育番組を活用してきたように、テレビというメディアは、実は教育的な側面を持っています。また近年では電子黒板が導入されたり、パソコンを活用して教材として映像を使用することも多くなっていますね。映像を使うメリットは、言葉や画像では伝えづらいことでも、現代の子どもたちの頭にスッと入り、より学習効果も高いことが挙げられます。学校でも活用されているような教育番組であれば、安心して視聴させているご家庭も多いことでしょう。しかし、エンターテイメント性の高い番組はどうでしょうか?もしかしたら、お子さんが率先して見たがるのは、むしろこのような番組かもしれませんね。であれば、番組視聴を知識の入り口やきっかけにしてみるのはどうでしょうか?エンターテインメント性の高い番組の中にも、学習につなげられるものがあります。テレビ番組は、視聴者に興味や関心を持たせることがとても得意です。例えば、旅行番組を見て「行ってみたい」と思ったことは誰にでもあるでしょうし、ちょっとした雑学の紹介などでも楽しんで知識を得られる工夫が凝らされています。(引用元:ベネッセ 教育情報サイト|テレビ番組は学習の素材の宝庫だった!学習への意欲を高める活用方法とは)番組を見て終わりではなく、そこから学習に広げられるように、親がちょっとした働きかけをするのがいいようです。たとえば、クイズ番組であれば、親子でどちらが先に正解するか競い合ってみたり、旅行番組に出てきた外国の場所を地球儀で調べてみたり、子どもが興味を示した場所に実際に出かけてみたり、テレビに登場した生き物を水族館や動物園などに行って見てみたり……。時には、テレビ番組で出てきた話題について親子でディスカッションをしてみるのもいいでしょう。直接知識が身につく内容でなくても、興味を持ったり、知りたい、行ってみたいと思うきっかけになることが重要なのです。親子で一緒に楽しみを共有することも大事!実際に子どもがいる家庭では、どのような番組が多くみられているのでしょう。小学生以下を対象とした2017年の調査「Kids/ex」によると、子どもが親と一緒に見る番組の1位は『世界の果てまでイッテQ!』、2位『ザ!鉄腕!DASH!!』、3位『サザエさん』、4位『ドラえもん』、5『ちびまる子ちゃん』と、バラエティーやアニメが上位にのぼっています。とくに1位と2位のバラエティー番組は、タレントが海外や日本国内のさまざまな情報を紹介したり、いろいろな課題にチャレンジする番組内容で、親子で楽しむのにぴったりです。このような国内外の情報や課題に取り組む内容のバラエティーが選ばれているのは、親が子どもと一緒にテレビを見るとき、ただ会話が弾むだけでなく、知的好奇心や情操を養うことを期待している表れでもあるでしょう。(引用元:電通報|親子で見ているのはどんな番組?ファミリー視聴が大切なわけ)※太字は編集部で施したまた、先ほどの調査結果では、保護者の6割近くが「子どもの好きな番組を一緒に楽しみたい」「子どもが親の好きな番組を気に入る」と回答していることからも、親側も子どもとテレビを視聴することを望んでいて、それがコミュニケーションのひとつにもなっているようです。一緒に楽しむなかで、子どもが今どんなことに興味があるのかを知ることにもつながるでしょう。子ども向けの教育番組は、どうしても子どもだけでの視聴になりがちです。しかし、親子で楽しめる番組であれば、番組を視聴する時間を共有した後に、そこから何か学習につながる行動にも移しやすいのもメリットのひとつですね。子どもの意欲や興味につながる番組3選具体的には、どんなテレビ番組が子どもの学ぶ意欲や興味につながりやすいのでしょうか。今回は、おすすめのテレビ番組を3つピックアップしてみました。<おすすめ1>〇5歳児にもわかりやすく説明できるかな!?【チコちゃんに叱られる】NHK総合 毎週金曜午後7時57分|再放送毎週土曜午前8時15分「歩いていると靴に小石が入るのはなぜ?」や「コタツでウトウトするのはなぜ?」など、身近なのに考えたことがない疑問を楽しい検証実験で解決!生意気だけど憎めない、チコちゃんのキャラクターも人気。<おすすめ2>〇各界のスペシャリストがわかりやすく解説!【世界一受けたい授業】日本テレビ 毎週土曜午後7時56分国語、数学、科学、保健体育などの教科ごとに名物講師が登場し、目からウロコな授業を展開。米村でんじろう先生の迫力満点の実験授業や、滝川洋二先生の名探偵コナンと謎解きができる授業など、親子で楽しめる内容が満載。<おすすめ3>〇生きものたちの迫力映像や感動物語が見もの!【ダーウィンが来た! 生きもの新伝説】NHK総合 毎週日曜午後7時30分|再放送毎週火曜午前4時2分日本に生息する身近な生き物から、世界各地の秘境で暮らす珍獣まで、放送ごとにある生き物を深掘りし、人間が知られざるドラマを発掘。最新機材を駆使して撮影された映像には、普段見ることがない生き物の様子が映し出されている。このような番組を見ることは、興味を持つきっかけ作り以外にも学びの効果があります。例えばクイズ番組や謎解き系の番組であれば、考える力を高めたり、実験や検証系の番組であれば、普段の生活の中でも疑問に思ったことを追求したり、確かめてみることが大切ということを自然と学べますね。***子どものテレビ視聴には、時間やテレビ番組の内容など、親がある程度制限をすることは必要です。しかし、1日の終わりに親子でテレビを見ながら思いきり笑ったり、視聴内容についての話をするひとときは、親にとっても子どもにとってもかけがえのない時間でもあります。その中で興味を持ったこと、疑問に思ったこと、初めて知ったことを、親子で次のアクションにつなげてみてください。その興味や意欲こそが、テレビ視聴で得られる“学び”なのかもしれません。文/内田あり(参考)ベネッセ教育情報サイト|テレビ番組は学習の素材の宝庫だった!学習への意欲を高める活用方法とは電通報|親子で見ているのはどんな番組?ファミリー視聴が大切なわけベネッセ教育情報サイト|子どもにテレビを見せることのメリットとは?子育てに取り入れるポイントもご紹介!NHK総合|チコちゃんに叱られる日本テレビ|世界一受けたい授業NHK総合|ダーウィンが来た! 生きもの新伝説
2019年03月02日子どもの中には、「自ら考えて行動する挑戦力のあるタイプ」と、「何でも親に頼ってしまう依存心の強いタイプ」がいるようです。幼少期の子どもが親に頼りがちになってしまうのは当然ですが、そのまま成長して大人になると、自分の意志のない人間になってしまう可能性があります。今回は、依存心の強い子どもが自ら行動できるようになるために親はどうすればいいのかについて、解説していきましょう。挑戦が苦手で依存心の強い子どもとは?依存心の強い子どもには、以下のような特徴がみられます。・自分の意見を言えない・親の言うことを聞くのが当然だと思っている・親の顔色をうかがう・何事もすぐにあきらめる・自己中心的で相手の立場になって考えることができない子どもの依存心の背景には、親に十分に甘えられていないことや、親からの過干渉があると考えられています。子どもは、親に甘えたいときに甘えられないと、不安を感じて自立を恐れるようになるのです。この “甘え” というのは「欲しいものを買ってほしい」などの物理的な要求ではなく、「抱きしめてほしい」「かまってほしい」という精神的な欲求のこと。子どもが自立し、新しいことに挑戦していくためには、この精神的な欲求が十分に満たされていることが重要なのです。また、親からの過干渉とは、親が子どもに対して「あなたは私がいないと何もできないんだから」と決めつけ、あらゆる行動をすべて先回りしてしまうことを指します。例えば、子どもが何かを食べようとした際に「すぐこぼすから」と親がすべて食べさせてあげたり、ジャングルジムなどで遊ぶ際に「落ちたらケガをするから」と始めから終わりまで手伝ったりすることです。過干渉された子どもは「親がやってくれて当たり前」という意識を持つようになるだけでなく、物事に対する成功体験を持たないために挑戦することを避けて、ひとりでは何もできなくなってしまいます。さらに、過干渉している親も、子どもに対して世話をすることに喜びや生きがいを感じていることも多く、この場合は親子で共依存している状態といえるでしょう。依存心をなくすためには「成功体験」がポイント子どもの依存心をなくし、自立を促すためには、成功体験を積み重ねることが大切です。そのためには、以下のポイントを押さて、子どもが成功体験をできるように導いてあげましょう。【ポイント1:子どもの行動を先回りしない】前述したように、子どもの行動を先回りする過干渉は依存心が強くなる原因のひとつです。ケガや事故の危険がない範囲で、できる限り子どもを見守るようにしましょう。例えば「時間がないから」という理由で、子どもが着替えようとしているのに親がすべてやってしまうのを繰り返していると、当然ながら子どもはいつまで経ってもひとりで着替えることができません。時間に余裕があるときは、子どものペースに合わせて「ひとりでできた!」という成功体験をさせてあげるようにしましょう。【ポイント2:失敗から学んだことを一緒に考える】依存心の強い子どもは、失敗することを極度に恐れる傾向があります。その背景には、「失敗したら怒られる」「失敗するのは悪いこと」という考えがあることも多いので、そうではなく「失敗してもいいから挑戦する」「失敗から学べることもある」ことを積極的に伝えるようにしましょう。そうすることで、失敗を恐れず成功に向かう子どもになっていきます。「お母さん(お父さん)もこんな失敗をしたけど、そこからこんなことができるようになったんだよ」と、親自身の失敗談を話してあげるのも有効です。【ポイント3:「スモールステップ」を取り入れる】スモールステップとは、応用行動分析(ABA)の考え方のひとつ。目標達成までの道のりを細かいステップに分けて、ひとつひとつステップをクリアしていき、最終的な目標達成を目指すことです。例えば、「手を洗う」という習慣をつけたいときには、まず「洗面台に向かう」「蛇口をひねって水を出す」「手を濡らす」「ハンドソープをワンプッシュする」「手をこすり合わせて洗う」「蛇口をひねって水を止める」「タオルで手を拭く」と、手を洗う行動を細かく分けます。そして、ひとつのステップができるようになったら「よくできたね!」と褒めて、次のステップに挑戦させることを繰り返します。すると、子どもはステップごとに成功体験を得られるため、徐々に自立心が育っていきます。***子どもが心配でついつい手助けしてしまうのも親心ではありますが、そこをぐっと堪えて見守ることは、子どもが成長していくうえで必要不可欠です。子どもとの距離感や接し方を見直して、挑戦力や自立心をはぐくんでいきましょう。文/田口るい(参考)All About|子供を自立させる甘えと、ダメにする甘やかしプレジデントオンライン|「勉強しない子」「やる気のない子」は変われますか?ベネッセ教育情報サイト|子どもの自立心を育みたい!保護者ができることって?PHPファミリー|子どもを成功に導く!「スモールステップ」の言葉がけ
2019年02月25日「いつも元気で、あまり風邪を引かない」「集中力、やる気がある」「好奇心が旺盛」「落ち着きがある」これらは、まさに “心身ともに健康な子ども” の特長です。そんな子どもにするための大きなカギが「腸」にあるのをご存じですか?子どもの「腸内環境」が、体はもちろん、心にも大きな影響を与えるのです。その理由と、子どもの腸内環境を整える効果的な食事法についてご紹介しましょう。緊張するとお腹が痛くなるのはなぜ?人間の体の中でも、腸は「第二の脳」とも呼ばれ、その役割の大きさ・重要性が指摘されているのはご存じの方も多いでしょう。アトピーや花粉症などのアレルギー性疾患や、メタボリックシンドロームなどの発症に、腸内細菌が関係していることもわかってきています。また、最近では、腸内環境を整えることを「腸活」と呼んだりして、ちょっとしたブームにもなっていますよね。腸の役割は、食べたものを消化し、栄養分や水分を吸収して便をつくることですが、実はそれだけではないのです。腸内細菌学・微生物分類学が専門で、理化学研究所特別招聘研究員・農学博士の辨野義己先生は、腸は「脳」ともつながっていて、感情や頭の働きを変化させることが明らかになってきたと言います。例えば、「意欲」や「集中力」に関係する神経伝達物質のドーパミン。多く作られすぎると精神疾患の引き金になるといわれていますが、腸内細菌は、このドーパミンの産生を抑制する働きを持ち、血流を介してドーパミンの量のバランスをとっているのだそう。また、「感情や気分のコントロール」や「精神の安定」に深く関わっているセロトニンにも腸内細菌が関わっています。これが不足すると、脳の機能の低下が見られたり、心のバランスを保つことが難しくなったりするのだそう。子どもにとっても大人にとっても、重要な神経伝達物質と言えるでしょう。まさか腸内細菌が、意欲や集中力などに関係する神経伝達物質の量を調整したり、精神安定の一助になっているなんて、ちょっと驚きですよね。でも皆さん、仕事やプライベートで極度のストレスを感じたときに、なぜかお腹が痛くなった経験はありませんか?この “脳と腸がお互いに情報を伝えあっている状態” は「脳腸相関」と呼ばれ、いま多くの研究が進められています。どうやら、心身ともに健康な状態を保つためには、腸内環境を整えることが重要なようです。小学生の3人に1人が便秘&便秘予備軍となると、自分の子どもの腸内環境はどうなっているのだろう、と疑問が湧いてきますよね。ここで興味深いデータをご紹介しましょう。NPO法人日本トイレ研究所の調査(2017年)によれば、小学生の3人に1人は便秘状態・便秘予備軍であることが判明しました。さらに、便秘の小学生のうち約半数が便秘を誰にも相談をしたことがないという結果も。毎日もしくは2日に一度でもスッキリ快便な場合はひとまず安心ですが、便秘の場合は心配です。便秘=「腸が健康ではない」ことの証だからです。便秘の子どもが増えている背景には、「野菜嫌いで肉食の子が増えたこと」と辨野先生は指摘します。肉類中心の食生活は、腸内の悪玉菌を増やしてしまうのです。周知の通り、悪玉菌は有害物質を作って体に悪影響を及ぼす菌。腸には200兆個(計1~1.5㎏)の細菌が生息していますが、理想の割合は、善玉:悪玉:日和見(未知の菌)=2:1:7と言われています。悪玉菌が増えると、便秘になり、便秘になるとますます悪玉菌が増えるという悪循環にも陥ってしまいます。さらに辨野先生は子どもの便秘の要因として、「夜型生活で朝に排便の時間をとりにくい」「運動量が減っている」ことも挙げています。子どもが便の話をすると「汚いからやめなさい」と言ってしまいがちですが、便はもともと体の中にあったもの。腸内環境を推測する大切なツールとして積極的に便の話をできる関係を保つことが、子どもはもちろん、家族の腸内環境を把握するのに役立つでしょう。便秘の子どものいい食べ物、食事とは?子どもが便秘の場合、食事にどう気をつけたらよいでしょうか。30年間で4万人の大腸内視鏡検査を実施した腸のエキスパートである、松生クリニック院長の松生恒夫先生によれば、以下の食べ物が効果的とのこと。■食物繊維が白米の25倍含まれるというもち麦■納豆や味噌などの発酵食品■オリゴ糖が多いキウイなどの果物■海藻やきのこ類■オリーブ油そのほかの改善法としては、「朝起きたら、お水かお茶を一杯飲む」「夕食から寝るまでの時間をなるべく空ける」「毎日湯船につかる」なども挙げています。「うちの子、便秘かも?」と思ったら、ぜひ実践してみましょう!子どもの腸はまだまだ未熟!子どもの腸内環境を整えるうえで、もうひとつ頭に入れておいてほしいことがあります。それは「食事」です。アレルギーや免疫学などを医療に導入し、自身のクリニックで多くの子どもの治療を行ってきた医学博士の西原克也先生は、著書の中で次のように書いています。呼吸や腸、免疫などのシステムが大人の人間と同じように働き出すには6歳くらいまで時間がかかります。さらに、小学生のうちはまだ人間として“駆け出し”の段階であり、腸や免疫の働きが成熟してくる12歳くらいまでは食事や生活習慣などに引き続き注意を払っていかなくてはなりません。(引用元:西原克也(2018),『子どもの腸には毒になる食べ物食べ方』、青春出版社)小学生ともなれば大人と同じような食事をすることが多いと思いますが、子どもの腸はまだまだ未熟だというのです。西原先生は、子どもの腸に良い食べ物、悪い食べ物として以下を挙げています。<子どもの腸に良い食べ物>煮魚、焼き魚、野菜の煮物、温野菜スープ、温めた豆腐、玉ねぎ(加熱したもの)、ゴボウなどの根菜類、トマト、梅干し、ニンニク(加熱したもの)、乾燥シイタケ、シメジ、きくらげなどのキノコ類、40度以上に温めた飲み物<子どもの腸に悪い食べ物>玄米などの雑穀類、カレー・明太子・キムチ・ショウガなどの辛い刺激物、うどん・パン・パスタなどの小麦製品、刺身などの生魚、ユッケなどの生肉、インスタント食品、ファーストフード、アイス・かき氷などの冷たい食べ物、冷たい飲み物特に、日頃から冷たい飲み物を飲む習慣がついてしまっている場合は、気をつけてください。腸の内部の温度が、0.5~1度下がると、消化力や免疫力がガタ落ちの状態になって、悪玉菌も増えてしまうのだとか。ただ、うどん・パン・パスタなどの小麦製品などは学校の給食でも出てくるものですし、アイスやかき氷は子どもの大好物です。外出時やお祝いの席ではお寿司やお刺身を食べることもあるでしょう。これらすべてをいきなりNGにするのは難しいと思います。日々の食生活ではなるべく腸に良い食べ物を増やし、腸に悪い食べ物は食べすぎないように心がけていきましょう。***西原先生のクリニックでは、アトピーや食物アレルギー、潰瘍性大腸炎、発達障害やうつ病、自閉症などの子どもたちに、こうした腸に良い食事法とその他適切なアドバイスをしています。アドバイスを受けた子どもの中には、顔つきがキュッと引き締まり、目が輝くようになり、言葉も性格も快活になって、学校の成績が急に伸びるようになった子もいるそうです。大人もそうですが、子どもにとっても腸内環境を整えておくのはとても大切なこと。子どものうちから健康な腸にして、明るい毎日を送りましょう。文/鈴木里映(参考)AERA with Kids 2018冬号,朝日新聞出版西原克也(2018),『子どもの腸には毒になる食べ物食べ方』、青春出版社日本トイレ研究所|「小学生の排便と生活習慣に関する調査」ハッピー・ノート・ドットコム|子どもの腸活~腸内環境を整える食事~森永|ヨーグルトなんでもQ&A 第10回子どもの腸内育菌には家族のコミュニケーションが大切って本当?「カルピス」由来健康情報室|〝脳腸相関〟とは
2019年02月12日小さな子どもは、大人が当たり前と思っていることに対しても、一つ一つ「なぜ? どうして?」と聞いてくるもの。でも、子どもの好奇心には丁寧に向き合ってあげたいものの、「なんで? なんで?」の質問責めを、時には面倒に感じてしまったり、適当にあしらってしまったり…そうしてしまうことも少なくないのでは?「ここできちんと、子どもの『なぜ? どうして?』に向き合うことはとても大事なのです」と力説するのは、国立大学法人お茶の水女子大学附属小学校の藤枝真奈先生。「子どもの好奇心をしっかり受け止めることで、考える力や学ぶ力をグンと伸ばすことができるのです」(藤枝先生)そんなお茶の水女子大学附属小学校の先生たちが、子どもの好奇心に徹底的に寄り添う視点で、百科事典のような児童書 『頭のいい子を育てる なぜ? どうして? ふしぎ366』 (主婦の友社)を監修しました。掲載項目は、生活の中からわいてきた身近な疑問がいっぱいで、なかには、答えがないような問いも。そこで、藤枝先生に、この本に込めた思いをうかがって来ました。国立大学法人お茶の水女子大学附属小学校「自主協同」の精神を養い、自分で判断し、他者と関わり合って主体的に学んでいく子どもを育てている。公共性を育む「シティズンシップ教育」や、人間性・道徳性や思考力を育む新教科「てつがく」など、今日的な教育課程に対応したカリキュラムを編成。140年に及ぶ長い歴史と伝統とともに、未来へ拓かれる最先端の教育実践の場は、毎年行われる「教育実際指導研究会」などで、全国の多くの先生方に公開されている。■「答えは一つではない!」全国の子どもたちから集めた「なぜ? どうして?」――この本に掲載されている「なぜ?」の疑問は、「どうしてパンツをはかなくちゃならないの?」や「サッカーボールはどうやってまるくなっているの?」など、子どもたちの目線に近い疑問が多いように感じましたが、そこは意識して作られたのでしょうか?藤枝真奈先生(以下、藤枝先生):多くの子どもたちは年齢が上がるにつれて、「勉強しなくちゃ!」というシーンが増えてくると思うのですが、低年齢のうちは、そういった気持ちにとらわれることなく、普段の生活の中から関心事を見つけて、没頭できる時期だと思います。この本は、子どもたちが生活している日常での「ふとした疑問の声」を拾い上げて作られています。掲載疑問は、全国の子どもたちから編集部に寄せられたアンケート回答のなかから、声の多かったものを中心に構成されています。――なかには、「友だちって何?」というような答えが一つではない疑問や、「死んだら何も残らないの?」というような、大人でもちょっと答えにつまってしまうような疑問もあります。こういった疑問を入れた意図は、どんなところにあるのでしょう?藤枝先生:答えが一つではない問いや正解のない問いは、世の中にたくさんありますよね? 自分が思う答えと他者の思う答えは違ったり、似ているところがあったり…そういった経験を繰り返すことで、子どもはいろいろな発見をして自分の考えを作り、自己を見出していくのだと思います。正解のない問いについて、この本には、考えるヒントがちりばめられています。「あなたはどう思う?」「お母さんはこう思うよ」などと対話を楽しみながら、子どもと一緒にページをめくってもらえればと思います。■「本っておもしろい?」子ども発信の疑問を話し合う「てつがく科」――他者の意見との相違を学びながら、自分の考えを作り出していくのですね。藤枝先生:そういった学びのために、当校には「てつがく科」という教科があります。この時間では、子ども自身が問いを作り、みんなが輪になって顔が見えるように座り、発言者は次の発言者を指名して、対話をつないでいろいろな意見を出していきます。そして、お互いの意見の違いを学んだり、違う意見をすり合わせたりして自分の意見を作っていきます。――例えば、どんなことを話し合うのでしょう?藤枝先生:私は今、3年生の担任をしていますが、この本にも掲載している「友だちって何?」という問いで話し合ったことがあります。この問いに関しても、「友だちといると楽しい」「いろいろ相談できる」「大切」という意見から、「いなくてもなんとかなる」「一人でも平気」というような意見まで、さまざまな答えが出ました。また、「友だちっていなくちゃいけないの? 一人じゃダメなの?」という新しい問いも展開していき、非常におもしろい授業となりましたよ。――公立の小学校でいえば、道徳の授業のようなものでしょうか?藤枝先生:道徳の授業との違いは二つあります。一つは、道徳には教科書がありますが、「てつがく科」は子どもたちが問いを作る点です。もう一つは、道徳は落としどころがあって、教師が子どもたちをそこに導くものですが、「てつがく科」では落としどころは決めていないという点です。ただし、単に「みんな違ってみんないい」で終わるのではなく、「私が考えていることと〇〇さんが考えていることはここが一緒だ」などと他者との共通点を探したり、考え方の違いについて話し合ったりすることで、異なる意見を自分の中に受け入れた上で自分の意見を持つこと、自分の中に多角的な見方を持つことをとても大事にしています。――ただ自分の意見を言って終わるのではなく、他者の意見を受け入れたうえで、改めて自分の意見を考えるのですね。藤枝先生:「本って、そんなにおもしろい?」という疑問を持っている子がいて、「本はおもしろくない!」という意見からはじまったこともありました。「どうしておもしろくないの?」と、みんなが聞き出していくのです。この時大切なのは、否定するのではなく、まず問いを立てること。なぜなら、社会の中で他者と共存して、答えのない問いに関して自分が働きかけていくには、最初は「問う」ということがとても大切ですからです。――確かに、「そんなことないよ。本はおもしろいよ」とただ否定するだけでは、その子には何も響かないでしょうし、こちら側も、なぜつまらないと思っているのかわからないままで、そこからは何も広がりませんよね。藤枝先生:いろいろ聞いていくうちに、その子は「本の中に、わからない言葉があるとおもしろくない」と言いました。そこで、今度は「わからない言葉があったらどうしたらいいか?」という話になり、ある子は「だいたいの話がわかれば、わからない言葉は飛ばしてしまってもOK」という意見を出し、ある子は「お母さんに聞く」という意見を出しました。そして最終的に、「本がおもしろくない」と言った子は、対話しながら読み方や考え方の選択肢が増えたのか、以来、本当に本が好きになったのですよ。――この姿勢は、学校の授業だけでなく、家庭でも同じですね。藤枝先生:もちろんです。子どもの考えに対して親が「それ、違うんじゃない?」と否定してしまうと、それで終わってしまいますけれど、「どうしてそう思ったの?」と一言引き出してあげると、ぜんぜん違う方向に広がっていくと思います。私自身は、これからの世の中に大切な力は、自分の頭で考えて、他者と対話することができる力だと思っています。そして、子どもたちのその力は、きっと、より良い社会を作る力につながっていくと思います。親としてできることは、親自身が自分の頭で考えて、より良い社会を作っていく姿勢を見せることだと思っています。難しいことではなく、身近なことで良いのです。例えば、落とし物が落ちていたら、だまって見過ごすのではなくて、きちんと警察や駅の係の人に届けるなど、ごく普通のことで。そういった姿を子どもに見せることが大事なのだと思います。そういう当たり前のことに気づくヒントも、この本の「こころ」のジャンルにたくさん紹介されています。■子どもの言葉や疑問「まずは全部受け止めて」――一般的に、大きくなるにつれて、物事に対しての純粋な疑問は減っていくことが多いように思いますが、それを損なわないために、親としてできることは何でしょう?藤枝先生:子どもって、小さいうちは思った通りのことを言いますよね?例えば、小さい子が丸い月を見て「お皿!」と言った時に、お母さんが「月がお皿のワケないでしょう?」と返してしまったら、その子は二度とそんなことを言わなくなると思うのです。でも反対に、「本当だ。お月さま、丸くてお皿みたいだね」と返してあげれば、子どもは自分が言ったことを受け止めてもらえたうれしさと、「本物じゃない時は『〇〇みたい』」と言えばいいんだ」というふうに適切な表現を学ぶこともできます。そうやって子どもが感じたこと、表現したことを、親が一つ一つきちんと受け止めてあげることがとても大事だと思います。――ここでも、否定はNGということですね。藤枝先生:少し大きくなると、知りたいことや疑問に思うことを、子どもの方からどんどん聞いてくるようになると思います。その時に「どうしてだろうね」と受け止めて、「私も知りたいから調べてみようか」と一緒に考えたり調べたりすることを手伝ってあげたらいいと思います。そこで親が調べる姿を見て、子どもは、「何か調べる時は図鑑や本の目次や索引で探せばいいのか」などと学ぶこともできるでしょう。そんな時に、この本を役立ててもらえればうれしいですね。他者の意見が自分と違う時に、単に否定するのではなく、なぜそう思うのか問う姿勢。一見当たり前で簡単なことのように思えますが、本当にそれができている大人って、意外と少ないのではないでしょうか? 子どもが感じたこと、表現したことをきちんと受け止め、それを大人が広げてあげることの大切さを、改めて学ばせていただいた取材でした。参考図書: 『頭のいい子を育てる なぜ? どうして? ふしぎ366』 (主婦の友社)お子さんからの「なぜ?どうして?」に毎日ひとつずつこたえることで、好奇心を育て、モノの考え方や見方など、学ぶ力をグングン伸ばす。「ことば」(国語)、「かず」(算数)、「しぜんかがく」(理科)、「よのなか」(社会)、「おんがく」(音楽)、「アート」(図工)、「せいかつ」(家庭科)、「からだ」(体育)、「せかいのことば」(外国語)、「こころ」(道徳)と、小学校での学びのきっかけになるコンテンツが満載!写真やイラストが満載で、ひと目でわかりやすい構成。取材・文/まちとこ出版社N
2019年01月17日ひとりで歩けないころから落ち着きがなかったわが息子。落ち着きがない子どもにはいくつかのタイプがありますが、うちの子は好奇心旺盛で欲求を抑えきれないタイプ。興味があるものを見つけると、止める間もなく走って行ってしまうこともしばしば。さまざまなところで行方不明になった過去を持ち、親として真剣に悩んだ時期もありましたが、5歳を過ぎて少しは親の言うことが聞けるようになり、勝手にどこかに行くということも減ってきました。そこで、一番大変だった3~4歳ごろを振り返り、実際に効果があった対策法を紹介します。見失わないために、ひと目でわが子とわかる服を3歳ごろになると歩くのも早くなり、迷子になるのもあっという間。「きかんしゃトーマス」のTシャツを着せてトーマスのイベントに行ったら、同じTシャツを着ている子どもが大勢いる中に走って行ってしまい、息子を見つけるのに苦労したことも。それからは、人が多いところに出かけるときは派手な色や特徴のある服を着せておくことを心がけました。おかげで見失うことがあっても、比較的すぐ見つけられることが多かったです。このくらい派手なシャツと帽子だと見つけやすい!短時間でもしっかりと体を動かせる時間を持つとにかく体を動かしたくて仕方がない年ごろ。それに抑え切れない好奇心がプラスされ、常にハイテンションだった息子ですが、公園などである程度体力を消耗する遊びをさせると、その後は意外に落ち着くことに気がつきました。ママ友に聞いても案外そういった子は多いみたいです。なので、静かにしなければならない場所に連れて行くときは、朝から公園などで体を動かして遊ばせるように。また、習い事も体力が余っているとすぐにレッスン中に遊ぼうとするのですが、遊んだ後に行くようにすると先生の話が聞けることが多いようです。言ってもムダは当たり前!それでも言い聞かせるしかない時期と割り切るどれだけしっかり言い聞かせても3秒後には忘れてるのが毎度のこと。どうしてこんなに言っても守れないんだろうと、脱力することもしばしばですが、よく考えてみれば、まだ数年の人生しか過ごしてない息子。聞けないのも当たり前なのかもしれません。それでも、「迷子になると家に帰れないよ」など、危ないことに関しては何度も言い聞かせるように。また、単に怒ってもうちの子にはまったく響かないようなので、「勝手にどこかへ行かない」などの約束を子ども自身に数回復唱させると、比較的覚えていて守れることが多いようです。2年前と比べるとはるかにマシになったものの、まだまだ落ち着きのない息子。最近は、集中してじっとする時間をなるべく増やすために、お気に入りのレゴで遊ぶ時間を長くとったり、映画館や自宅で映画を見る機会を増やしたりしています。これからも少しづつ落ち着いていられる時間が長くなるよう、親子での取り組みを続けていきたいと思います!<文・写真:フリーランス記者芳賀千歳>
2018年12月18日今月のこありっぱー佐藤リッキー佐藤リッキー/プロジェクトデザイナー合同会社「Yello」代表。ファッションからインテリアまで、そして発案から企画、演出まで、ジャンルを越えたさまざまなプロジェクトで東京をデザイン。:@rikkisatoそこは、息子と僕の興味が一致した場所僕らがオーストラリアを訪れたのは3年前、息子が4歳の時。目的地は「カバリタビーチ」。バイロンベイとゴールドコーストの間(ややバイロン寄り)に位置する、とてつもなくローカルで、とてつもなく美しいビーチです。その頃手がけていたプロジェクトの参考にしたいデザインホテルの場所が、オーストラリア。そういえば、息子が見たいと言っていたグローワーム(光る虫)が生息するのはオーストラリアだったような……と調べると、奇跡的にエリアが近い。これはきたな!と(笑)。当時のオーストラリアは、僕的にムーブメントを感じていた場所。話題の料理店もオーストラリア発のものが多かったし、大好きなレストランのシェフもオーストラリアで修業をされていたり。なにやら匂うぞ、あの大陸……と、ちょうど思っていた頃だったんですよ(笑)。だんだん牌(パイ)が集まってきて、最後に息子のグローワームでどん!と揃った感じ。まさに一石二鳥、いや三鳥?“呼ばれている”と都合よく解釈して(笑)、すぐに計画を立てました。オーストラリア、はっきり言って最高でした写真は朝のカバリタビーチ。偶然が重なり訪れたオーストラリアですが、本当に行ってよかった(物価が高い以外は……笑)。とにかくフレンドリーで、フリーダム。特に僕らが滞在したあたりは、もともとヒッピーたちが住み着いて発展したという歴史もあり、空気が極上にゆるい。現地の人たちの5人に1人は裸足でスーパーにも行っちゃってました。それが日常なんです。オーガニックが自然に根付いている感じも好きでした。生活がオーガニックと密着していて、地産地消がリアルに感じられて。ナチュラルさに嘘がなくて、すごく心地よかった。これは、バイロンベイにある「the farm」というオーガニックレストラン。横にある畑で採れた野菜を使った料理を提供してくれて、本当に美味しいお店なんですが、子連れでも全然大丈夫。むしろウェルカム。子どもだって美味しいものを食べたいだろうし、食べさせてあげたい。大人と同じクオリティのものを食する経験を、自然にできるのがオーストラリアでした。子どもに対してフレンドリーに接してくれるのは、やっぱり気持ちがいいですね。幸せになります。まずは息子の興味を満たしてから旅のタスクは最初からはあまり決めない派。現地で楽しいことをどんどん見つけちゃうので。忙しくなりすぎるのは本意じゃないし、“やりたかったことができなかった” という思いはしたくない。アンハッピーになることは全力で避けます。だから、“絶対にこなさなくてはいけないこと” は最初の方に。今回の旅でいうと息子のグローワームの鑑賞!これだけは絶対に完遂しなくてはいけないタスク(笑)。子どもがいるので、宿だけは確実に予約しておきます。最初に泊まったのが、この一棟借りのロッジ。グローワームが棲む洞窟のすぐ近くに建つロッジで、すごく雰囲気のいい宿でした。調べるのは得意なんです。ツアーで旅をしなくなってから早20年。嗅覚もかなり鍛えられました。宿もハズすことはほぼないですね(笑)。そしてこれが本題の光る虫、グローワーム。写真では伝わりにくいのですが、相当キレイでした。百科事典大好きっ子で、このグローワームが紹介されている付録のDVDは、擦り切れるほど観ている息子。実物のグローワームを目の当たりにし、相当満足した様子。親冥利につきる瞬間でしたね。子どもが喜ぶ顔っていいです、やっぱり。そして、僕の目的地はここデザインサイトで見つけて以来、目をつけていた「Halcyon House(ハルシオンハウス)」へピットイン。外観はモーテルで、内装はホテル。そのコントラストに惹かれました。高級リゾートなのに、肩肘張らない感じがすごく心地いい。リノベーションって、新しいものを建てるよりも空気感のいいものができるんだなあと再確認。ブルーを基調にしたインテリアが特徴。日本にはないパターン使いなど、参考になります。完全に、仕事目線(笑)。地元の新鮮な食材を使った朝ごはんも、本当に美味しかった。そして子連れ旅で大事なのが、プール。プールは大事です。プールさえあればなんとかなると言ってもいい(笑)。子どもにとっては、ホテルのインテリアが素敵であるか否かなんてことは実はどうでもよく、大事なのは楽しく遊べること。でも僕は別行動はしたくない。家族で一緒に動きたい。僕が一人で自由に動くことで、妻に負担をかけることになってしまうし。だから、大人の欲求と子どもの欲求が両方満たされる宿を選ぶこと、そういう旅程にすること。それは我が家の絶対ルールだったりします。みんながハッピーであることが一番。息子がいつもと変わらず過ごせるようにオーストラリアは日本と時差がほぼないので、大人も子どももラク。子連れ旅の目的地としては至適です。子どもは無理をさせると不機嫌になり、結果面倒なことが増えるので(笑)、なるべくノンストレスに。ホテルの目の前のビーチには、キレイな貝殻がたくさん。息子はずーっとそれを集めて遊んでいました。いわゆる “お宝探し”。子どもなら誰もが大好きなヤツです。ネックレスにしたり、そのいくつかは持ち帰り額装し、家に飾っています。 いい思い出です。何を持っていくかも重要で、この時はキックスケーターをチョイス。大正解でした。広くて自由なオーストラリアは、どこでも好きに乗ってOK。そんな場所は日本ではなかなかないので。遊び道具であることはもちろん、移動ツールにもなる(僕が押すんです・笑)。時間を楽しく彩ってくれるという点でも有効でした。あとは、ママさえいれば息子は全部OK(笑)。普段は本当に忙しく働く妻なので、旅の間はできるだけのんびり過ごせるように。息子との時間を持てるように。それは旅をプランニングするうえでものすごく意識します。それが家族全員のハッピーにつながることでもあるので(ひいては自分のハッピーにも)、手は抜かないですね(笑)。旅の思い出は、ムービーにオススメなのが、旅で撮った動画を一本のムービーにまとめること。旅の思い出を帰国後にもう一回追体験するのって、実は幸せな作業です。息子もたまに「どこどこへ行った時の見せてー」と言ってきます。思い出がクリアになる点でも、ムービー化はすごくいいです。僕は特に難しいアプリは使いません。iPhoneにデフォルトで入っている「iMovie」内のフォーマットを活用しています。行った先々で、30秒ぐらいずつ撮影しておけば素材になるので、それを簡単につないで1分程度の動画にするだけ。僕らは年に1〜2回は旅をするので、動画もだいぶ増えてきました。たまに見直しては「ちゃんとやってるな、家族」って1人満足しています(笑)。Composition&Text:Urara Takahashi
2018年09月26日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「子どもの不登校。親は見守るしかないのでしょうか」という、トコさん(44歳・派遣社員)に、心屋塾認定講師の平川裕勝さんからアドバイスをいただきました。■トコさんのお悩み高校生の娘が不登校で悩んでいます。中学のときから不登校で、高校は私立に進みました。不登校にとても理解のある高校なので、このタイミングで、なんとか変わってほしいと思っています。本人も変わりたいと思ってはいるようですが、うまく前に進めていない状況です。見守るしかないのでしょうか?※一部、質問内容を編集しています。■心屋塾認定講師の平川裕勝さんよりこんにちは。心屋塾認定講師の平川 裕勝です。トコさん、ご質問ありがとうございます。娘さんがご理解のある学校に通えるようになり、よかったですね。早速ですが、トコさんは「娘さんが学校に行かないこと」のどんな点が問題だと思われていますか?「学校に行かないと、高校を卒業できない」「このまま社会生活ができないと、将来困る」そういった娘さんへのご心配ももちろんあると思います。しかし、トコさん自身の心にも、「不登校の娘の母親だと、周りから何か言われたり、よくない噂をされたりするのではないか」「娘さんの悩みを解決できない母親はダメだ」といった気持ちはありませんか?この問題を解決するヒントは、娘さんにではなく、「娘さんが不登校だとさまざまな問題が起こる」と思っているトコさん自身の心にあるのかもしれません。トコさんが今抱いている不安、恐怖、失望感などが、娘さんを通して現実にあらわれてしまっている可能性があるのです。なぜ、そのような不安や恐怖を抱いてしまうのか。それは、トコさんが小さい頃の経験に由来している可能性が考えられます。幼い頃、本当は自由にしたかったのに、周りに合わせることを優先して自分を抑え込んでいたことはありませんか? 周りと同じようにしなければ、お利口さんにしておかなければと我慢して、自分を抑圧して過ごしたことはありませんか? 自分の自由よりも、周りに合わせ、人からほめられる生き方をするのが正しい…そんなふうに思ってはいなかったでしょうか?そうした思いをしながら育つと、自然に「周りからはみ出してはいけない」「他人に認められるように行動すべき」といったルールを心の中に持ってしまう傾向があるようです。そのルールに照らし合わせているからこそ、学校に行かない、つまり周りと違う状況にある娘さんのことを見て「このままでは大変なことになる」と思ってしまうのではないでしょうか。ひどく問題視し、不安や恐怖も感じ、さらには「こんな娘になったのは、親の私がダメだからだ」と自分まで責めてしまっているのかもしれません。そんな気持ちになったときには、ぜひこんな魔法の言葉をつぶやいてみてください。「娘(お名前)が学校に行かなくてもいい」「人と同じでなくても、この子も私も大丈夫」娘さんにとって、トコさんはかけがえのないお母さんです。世間と比べるより、まずは「私の子どもだから、どうあっても大丈夫」と信じてあげませんか。「学校に行かない」という選択も認め、受け入れてあげてみてください。そのためには、「トコさんの人生は自分のもの」「娘さんの人生は娘さん自身のものだ」と理解すること。そのうえでトコさん自身も、今まで周りに気をつかってできなかったこと、自由にやってみたいことに取り組み、自分の人生を充実させて過ごしてみてください。そのうちに、きっと娘さんも自信を持って、自分の人生を生きられるようになっていくと思います。お2人の幸せを心から願っています。 ・このカウンセラーのブログ (編集/外山ゆひら)
2018年08月28日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「いつか子どもが巣立つことが不安」という、はるっちさん(44歳・パート)に、心屋塾認定講師の野田和美さんからアドバイスをいただきました。■はるっちさんのお悩み今の生活に不満はなく、幸せなはずなのに、その幸せがいつかなくなるかもしれない…という不安で心が押しつぶされそうです。進学、就職、結婚などで、子どもはいつか巣立っていく。そうなったら、この家からいなくなるんだな。そんなことを考え出すと、さびしくなったり、不安になったりします。主人と2人になることが嫌なわけではありませんが、「子どもがそばにいてくれたらな…」という思いが心を支配してしまい、子離れができない自分が嫌になります。どのように心を切り替えたらいいのでしょうか。※一部、質問内容を編集しています。■心屋塾認定講師の野田和美さんよりはるっちさん、こんにちは。ご相談ありがとうございます。心屋塾認定講師の野田和美です。はるっちさんは、とても愛情深い方なのですね。お子さんのことを心から大切に育てていらっしゃるのでしょう。そんなはるっちさんだからこそ、お子さんが巣立つことを考えると、不安で心が押しつぶされそうになるのですね。ところで、はるっちさんは「子どもが巣立つと幸せはなくなってしまう」と考えていらっしゃるようですが、それは本当でしょうか。そう考えるということは「子育てをしていない自分は価値がない」と思っていないでしょうか。そして、「子どもがいてこそ自分の幸せがある」と無意識に思い込んでいないでしょうか。子育てをしていてもいなくても、はるっちさんの“人としての価値”には変わりはありません。そして、将来ご主人と2人きりの生活になってからも、ご主人のために尽くしても尽くさなくても、はるっちさんには価値があり、幸せな人なのです。つまり、はるっちさんは、ただそこにいるだけで、役に立つ立たないにかかわらず、人として価値があって幸せな人なのですよ。幸せを十分に受け取っていい人なのです。さて、そんなはるっちさんにひとつ、やってみてほしいことがあります。どんなときにご自身が「幸せ」を感じるのか、書き出してみてほしいのです。お子さんと一緒に過ごすとき?お子さんの話を聞いているとき?お子さんのために食事を作っているとき?お子さんの笑顔を見ているとき?お子さんの成長を見守っているとき?それとも、家族一緒に過ごしているとき?家族をサポートする自分でいるとき?どんなときに一番幸せと感じるでしょうか? 細かく書き出してみてください。そうすると、はるっちさんにとっての幸せの定義が明確になってきます。つまり「自分が大切にしていること」「心から喜びを感じること」がわかってきます。お子さんはいずれ、巣立っていくでしょう。それは近い未来なのか、まだまだ先なのかはわかりませんよね。そう、先の見えないことだからこそ不安になってしまうのです。見えない未来を心配し続けたら、ほとんどの人にとってそれは悩みになってしまうでしょう。では、こう考えを切り替えてはいかがでしょうか? 「どうなるかわからないこと」を想像して、心配してもしょうがない。そう考えることが、不安にならない一番のコツになります。「どうにかなる」「なるようになる」と力を抜いて、流れに身を任せてください。そして、「今このとき」を喜びや楽しさで満たしてください。はるっちさんの時間とエネルギーを、見えない未来のためにではなく、「今このとき」に使ってみてください。五感をたっぷり使って、十分に感じてみてくださいね。そうして、いろいろな感情を存分に感じ、幸せを存分に味わっていると、ある日突然「子離れしていいかな」と思える日がきっと来ると思います。あるいは「気づいたら子離れしていたわ!」というふうになるかもしれません。お子さんが結婚して独立しても、はるっちさんが母親ということは変わりありません。愛しいお子さんの成長を見守りながらも、今度はご自身を第一に愛おしく思い、ご自身の幸せについて向き合ってみてください。「今このとき」あなたがなにを見て、なにを聞いて、なにを感じているのか。それがはるっちさんを本当の幸せに導いてくれるはずです。はるっちさんが望む、幸せに満ちた未来を引き寄せていくと思います。なぜなら、はるっちさんの幸せはご自身にしかわからないからです。はるっちさんこそが、築くことができるものだからです。はるっちさんご自身の幸せを、心よりお祈りしています。 ・このカウンセラーのブログ (編集/外山ゆひら)
2018年08月23日楽しいことがたくさん詰まった夏休み。子どもの好奇心や創造力がぐんと広がる特別な時間でもあります。この機会に1つの作品を作り上げることは、子どもを成長させる貴重な経験になります!今回は小学1年生くらいの子どもが、自分の力で作成可能な手軽な工作を紹介します。どれも「動く」要素が含まれているので、仕組みについても考えるきっかけになりますよ。ゴムの力でコトコト進む!紙コップ人形ゴムが伸縮する力を利用して動く人形です。<材料>・紙コップ・輪ゴム・不要な乾電池・ビニールテープ・ハサミその他、デザイン用のカラーペンや折り紙などを適宜<作り方>1.紙コップの口部分に2か所(対面する位置で)、1cmほどの切り込みを入れます。2.不要になった乾電池に、ビニールテープで輪ゴムを貼り付けます。3.紙コップの切込みに、輪ゴムを挟みます。4.輪ゴムを挟んだ切込みを外側に折り、ビニールテープを貼って留めます。5.紙コップにイラストを描いたり、折り紙を貼り付けたりして、コトコト人形の完成です!電池をグルグルと回してゴムをねじってから、電池がセットされている方を下にして紙コップを置くと、ねじれたゴムが戻ろうとする力で、紙コップが動きます!!乾電池の他、スーパーボールなどを利用しても作ることができます。ゴムをねじる回数が多いか少ないかによって、人形が動く距離が違ってきます。たくさんねじると戻ろうとする力も大きくなることに気づくことで、ゴムの伸縮する性質を一歩踏み込んで知ることにつながりますね。風を捉えて回る!紙コップ風車紙コップや割り箸など身近な材料を組み合わせて、手軽に作れる風車です。<材料>・紙コップ・割り箸(2膳)・輪ゴム・画びょう・きり・ハサミその他、デザイン用のカラーペンなどを適宜<作り方>1.紙コップの口を6等分し、底に向かって切込みを入れます。2.6つの切込み全て、斜めに折ります(下図青線が折り線)。3.紙コップの底の中心に、きりで穴を開けます。4.割り箸1膳と、半分の長さの割り箸1本を用意し、1膳の割り箸の裂け目に、半分の長さの割り箸を挟み込みます。挟みこむ位置は、全体の1/3のところ。5.挟んだ部分に輪ゴムを引っ掛けてから、ゴムをぐるぐると回し(交差させたりしながら)、最後はゴムを引っ掛けて留め、挟んだ割り箸をしっかりと固定します。6.「3.」で開けた、紙コップの底の穴に画びょうを挿し、反対側から出てきた画びょうの針を割り箸の先に挿し込みます(下図参照)。割り箸に画びょうを挿し込む際は、勢いよく力任せに押し込むと、割り箸が割けてしまいます。画びょうを回しながらゆっくりと挿し込みます(怪我をしないように注意してください)。7.風車の羽の部分にペンなどでデザインを加えたら完成です。紙コップと割り箸を画びょうで固定する際、画びょうが垂直に挿さっていなかったり、きつく留めすぎていたりすると、うまく回りません。また、羽を曲げる角度が緩すぎても回り難くなります。うまく回らないときは、諦めずに「どうしたら、回るようになるか」を考えてみましょう。試行錯誤しながら修正するという行為は、作品を制作する工程以上に大きな学びを与えてくれます。単純な仕組みだからこそ、失敗と向き合い成功につなげることができますよ。その他、風車の羽のどの部分に風を当てるとよく回るか、羽のデザインは静止しているときと回っている時で見え方にどのような差が生じるか、など、様々なことに気づかせてくれます。上下に動く!紙皿ヨーヨー一旦回り始めた紙皿が、回り続けようとする力で上下運動を繰り返すヨーヨーです。<材料>・紙皿(2枚)・ペットボトルのふた(2個)・たこ糸(80cmくらい)・ビー玉・ビニールテープ・両面テープ・ハサミその他、デザイン用のカラーペンなどを適宜<作り方>1.たこ糸の片方に、端から3cmくらいのところで結び目を作ります。もう一方の端は、指が入れられるくらいの輪を作ります。2.ペットボトルのふたの1つにビー玉、もう一方にタコ糸の結び目のある端を入れ、ふた同士を合わせて境目にビニールテープを巻いてくっつけます。3.ペットボトルのふた(2つとも)に両面テープで紙皿を貼り付けます。※貼り付けるのは紙皿の裏側の中心4.両面の紙皿にカラーペンなどでイラストを描くなどしてデザインしたら、紙皿ヨーヨーの完成です!たこ糸をペットボトルのふたにぐるぐると巻き付けてから手を放すと、巻き付けた糸が緩み紙皿が下に動きます。その後、再び糸がペットボトルのふたに巻きついて、紙皿が上に上がってきます。たこ糸が伸び切ったところで、糸を少し上に引っ張り上げるようにすると、再度巻き付きやすくなり、上下運動を長く続けることができますよ。紙コップ人形・紙コップ風車・紙皿ヨーヨー、どれも身近な材料を組み合わせて手軽に作ることができます。「ゴム」・「風」・「重力&慣性の法則」など、何が力となって動いているのか、また、その動力をうまく働かせるにはどうしたらいいか、実際に作って動かしてみることで、実体験として学んでみましょう。<文・写真:フリーランス記者又多実千恵>
2018年08月06日鉄道系博物館以外は興味なし。駅で電車を見ているほうがいいと言われて…Upload By かなしろにゃんこ。ADHDと軽い広汎性発達障害がある息子リュウ太。小さいころから鉄道が好きだったので、夏休みには必ず鉄道系博物館に連れていきました。鉄道の展示物を見ると興奮して喜ぶので「こんなに夢中になるんだから、科学館や歴史博物館に連れて行ったら、理科や歴史も好きになるかしら?」と考えて連れていくと…、実験できる展示物も、歴史的な展示物も、息子にとってはイマイチなのか?口数も少なくテンションは低め。さらには「博物館はもういいよ、駅で電車を見よう!」と先を急ぎ、平均滞在時間は30分。せっかく連れてきた母としては、残念な気持ちに…。美術館だけは特別!?展示物に夢中になった息子Upload By かなしろにゃんこ。そんな息子ですが、中学生になると絵を描き始めました。そこで、一流の芸術品を自分の目で鑑賞することで、なにかよい刺激になればと、今まで連れて行ったことがなかった美術館に一緒に行ってみることに!本物の芸術に触れると、クリエイティブな脳になるきっかけになったり、脳の血流が良くなったり、癒されたりとさまざまな効果があると耳にしたこともあり、少し期待していたんです。すると!私の予想以上に美術館を楽しんでいるではないですか…!展示物を見て美術の教科書の情報を思い出してみたり、テレビから得た情報を思い出したようで、「この作品、知ってる!」とか「実物はこんなに大きいんだ!」など、いつもは口数の少ない息子が、自分の感動をスルスルと口にするのです。「芸術は自由に楽しんでいい」と教えてみると…Upload By かなしろにゃんこ。でも、大きな美術館では何百点という展示物があり、全て見て回るのは大変です。その上、息子は飽きっぽいという特性があります。そこで、息子が飽きないように「気に入った絵を探して、好きなものだけ見てみよう!」ということにしました。美術鑑賞のポイントを伝えてみると「そういうふうに見ていいんだ、全体を見なくても部分的にじっくり見たりもしていいんだ!」と目からウロコの様子。美術の専門家のように目利きして理解しながら見る必要があるんじゃないかと思っていたようです(笑)教科書で知っている作品が目の前に!Upload By かなしろにゃんこ。それまでは、美術館=堅苦しいイメージがあったようですが、「芸術は、自由に感じたり見たりしていいものだ」と分かると、巨匠の作品を眺めたり、気に入る絵を探して館内を回ったりと、飽きっぽい息子には珍しく2時間くらい集中して鑑賞していました。ピカソやモネなど、「教科書で有名な画家の絵が、目の前にある」というのは、美術鑑賞初心者の息子でも、やはり感動したようです。また、作品のパワーを感じていたのでしょうか?ゴッホなどの力強い作品の正面に立つと、惹きつけられるようで足を止めて見入っていました。今や美術鑑賞が趣味に。好きなものの幅が増えた!Upload By かなしろにゃんこ。ちなみに、「美術館オモシロイ」と言った息子が一番気に入った作品は画家の直筆の手紙でした。紙の端が汚れて茶ばんだ古い紙に、筆記体で書かれた文字が、なんともカッコイイのだそうです。まるで、ゲームに出てきそうな謎の預言書みたいだと感じたようです。「オイオイ、これは絵じゃないだろう!」と心の中でツッコミましたけど、まぁ何にグッとくるかは人それぞれですから、それも良しです。その後、絵画鑑賞がすっかり好きになった息子。好きな画家の展覧会に行くようになったり、息子から美術館に誘ってくれるようになりました。息子の創作に何か反映されているかは分かりませんが、鉄道系以外にハマれるものと出合えたことが、母は嬉しかったのでした。絵が好きな子どもには、美術鑑賞はいい刺激になるはずです。中高生は入場無料という施設も多いし、屋内なので涼しいですし、夏休みに親子で行くのもいいかもしれませんね♡
2018年07月26日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「家の中で怒ってばかり。子どもに大切に接したい」という、シピさん(41歳・パート)に、心屋塾上級認定講師のひらいなずさんからアドバイスをいただきました。■シピさんのお悩み家族にやたらとイライラして怒ったりどなったりしてしまう、イヤな自分が直せません。心理学の本を読んで「なぜ・どこからくるものなのか」もいろいろと考えました。症状が強く出始めたのは結婚して以来ですが、おそらく子どもの頃の悲しかった気持ちとつながっているのだと思います。主人とのやりとりの中での「私の話を聞いてよ」 「どうして伝わらないの!」 ということが、自分の母親に伝わらなかった時と一緒だと悲しくなりました。 子どもが自分の思いどおりにならないことにも非常にイライラします。以前より回数は減ったにせよ、いつまでもできない自分がどうしようもないと感じます。月経前症候群(PMS)の時もあると思いますが、心を落ち着かせようと口に出す前に6秒数えてもイライラが収まりません。外で攻撃的になることはないのですが…。大切な子どもだから、大切に接したいです。※一部、質問内容を編集しています。■心屋塾上級認定講師のひらいなずさんよりシピさん、はじめまして。ひらいなずです。お子さんに当たってしまうこと、とっても辛いですね。私も子どもに厳しく接してしまった経験があり、子育てを通してさまざまな感情を味わいました。だから、シピさんのお気持ちがよくわかります。シピさんがイライラしてしまう原因を一緒に考えていきましょう。シピさんのイライラの原因は、月経前症候群(PMS)などの体からの影響というより、「心のあり方」から生まれてくるものではないかと思いました。ご相談内容からだけでははっきりとはわかりませんが、外で攻撃的になることはないとのこと。一応、状況によって感情のコントロールはできるようですね。以前、専門家の方から「PMSの際は場所や相手を選ばず、感情のコントロールがうまくできなくなる」と聞いたこともありますし、今回は心の面に焦点を当ててお答えしますね。心理学の本を読まれたとのことなので、「心のしくみ」に関してはよくご存じかと思います。お母さんに対して「私の話を聞いてほしい」という欲求があるということ。感情的に「どうして伝わらないの」という悲しさが癒えていないこと。そんなお母さんに対する本音を旦那さんに投影していること…など、しっかり理解されているのですね。旦那さんやお子さんに対するイライラは、お母さんに対する本当の気持ちの“二次感情”としての怒りだと思います。人は「自分がしてもらえなかった」と思っていることを、人に与えることがなかなかできません。それをしようとすると、自分の心の傷がうずくからですね。お子さんに対するイライラは、「本当はお母さんにしてもらいたかったのに、してもらえなかったこと」をお子さんから求められたときに爆発してしまうのではないでしょうか? 例えば、忙しいのに「聞いて、聞いて」とまとわりつかれた時。あるいは、お子さんが何を言っているのか理解できなかった時。それは「私はしてもらえなかった」「私はそれを我慢した」という瞬間の悲しさを思い出しているからなのです。ご相談内容からは、シピさんが「旦那さんやお子さんの話をちゃんと聞いてあげたい」「気持ちをわかってあげたい」と思われていることが伝わってきます。でも、いざそういう場面になると、反射的にイライラして怒ったり、どなったりしてしまう。シピさんに愛情がないのではなく、心の古傷がそうさせてしまうのですね。今シピさんに必要なのは、まず「古傷を癒やすこと」です。そのためには「自分の気持ちをお母さんに伝えてみる」ということに、ぜひチャレンジしてもらいたいのです。小さい頃、お母さんにどんな話を聞いてほしかったのでしょうか? その具体的なエピソードをお母さんと話してみてほしいのです。「あの時、本当はもっと話を聞いてほしかった」「あの時、こうしてもらえなくて悲しかった」。そんな話をぜひしてみてください。お母さんがどのような反応を示されるのかはわかりませんが、どんな言葉が返ってきたとしても、シピさんが長年言えずに我慢してきたことを終わらせるために、ご自身のために話してほしいのです。もし、お母さんと直接話ができない、できる環境ではないということであれば、心の話が好きな仲間やママ友などに自分の気持ちを話してみてください。6秒数えてもイライラが収まらないのは、そうすることで自分の気持ちを収めよう、我慢しようとしているから。これまでと同じ「ため込んで収める」というアプローチを続けているだけなので、イライラが収まるはずがありません。今のシピさんに必要なのは、これまでとは真逆の方法です。「自分の気持ちをアウトプットする」というアプローチです。心理学を学び、自分の心の状態を理解する「インプット」の時期は卒業し、次は行動する「アウトプット」の時期にきたのです。行動がともなわない限り、現実は変わりません。自分を見つめるということは、自分を知り、変化を受け入れるために必要ですが、行動なしに変化することはないと私は思っています。大切なお子さんを大切にする。それには、まず「大切な自分を大切にする」ことが必要です。過去の悲しさがいやされた時、自然にお子さんのことも大切にできると思います。ご家族のためにも、ぜひ自分を大切に扱うことを始めてみてください。応援しています。 ・このカウンセラーのブログを読む (編集/外山ゆひら)
2018年07月24日せっかくの夏休み、目的を持って予定を立てたいところですよね。東京近郊で子どもたちのさまざまな好奇心を満たすことのできるイベントをご紹介します。2回目となる今回は、芸術に関わるさまざまなイベント情報をお伝えするアート編です。≫ 夏休み知育イベント情報【サイエンス編】子どもの「なぜ?」を育てる! ■チームラボのデジタルアートミュージアムで五感を刺激●MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless今年6月のオープンからすでに多くの人が来場し、大人気となっているのが、森ビル株式会社とチームラボが共同で運営するデジタルアートミュージアム「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM:EPSON teamLab Borderless」。520台のコンピューターと470台のプロジェクターが使用され、その面積は1万平方メートルを超える圧倒的なスケール。ミュージアムは5つの空間で構成され、世界初公開の作品も含む約60作品が展示されています。コンセプトは、“Boderless”。「作品と作品との境界」、「作品と鑑賞者との境界」、そして、「自分と他者との境界」というさまざまな境界のない世界を自分の体で実際に体験してもらいたいというメッセージが込められているそう。その「Boderless World」空間では、いくつかの作品が混ざり合う世界を体験できます。人が触れたり、そこに存在したりすることで、作品が変化する様子も楽しむことができます。また「チームラボアスレチック 運動の森」という空間では、「身体で世界をとらえ、世界を立体的に考える」というコンセプトを基に、さまざまなアスレチックが用意。「光の立体ボルダリング」や「高く飛び跳ねたり沈んだりする空間」など、複数の作品に自ら入っていき、身体で感じ取る体験ができます。動き回るのが大好きな子どもにとって、五感を刺激する貴重な経験となるでしょう。そのほか、自分が描いた絵が作品に入り込む『お絵かき水族館』などのある「学ぶ!未来の遊園地」、人に反応して光り音色を響かせるランプがある「ランプの森」、そして茶器の中に花が咲いていく体験ができる「EN TEA HOUSE」など、あわせて5つの空間を楽しむことができます。人気が高く混雑が予想されますが、子どもたちにとって貴重な体験をすることができそうですね。「MORI Building DIGITAL ART MUSEUM:EPSON teamLab Borderless」会場:森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス(お台場パレットタウン)入場料:一般/高・大学生 3,200円、子ども(4歳~中学生) 1,000円(税込)公式サイト: MORI Building DIGITAL ART MUSEUM:EPSON teamLab Borderless ■人気番組『デザインあ』と『びじゅチューン』の展覧会NHK Eテレで放送中の番組の作品が楽しめる展示を2つご紹介します。●企画展「デザインあ展 in TOKYO」(日本科学未来館)NHK Eテレで放送中の『デザインあ』は、私たちの身の回りに当たり前に存在しているモノを、「デザイン」の視点から徹底的に見つめなおし、斬新な映像手法と音楽で表現する番組。子どもたちに、「デザインの面白さ」を伝え、「デザイン的な視点と感性」を育む一歩を目指して、制作されています。その『デザインあ』の世界を体感できる企画展が、日本科学未来館で開催。「観察のへや」、「体感のへや」、「概念のへや」という3つの部屋に分かれ、さまざまな作品と触れ合うことができます。そのうち、「観察のへや」にある作品「梅干しのきもち」は、お弁当に見立てた大きな箱にある穴に顔を入れることで、梅干しの気持ちを想像してもらおうというもの。また「体感のへや」では、番組オリジナルソングなどの音楽とぴったりとシンクロする4種の映像が順に展示室の4つの壁面いっぱいに映し出され、360度映像と音に囲まれます。実際にアートと直接触れ合うことで感性が刺激されそうですよね。企画展「デザインあ展 in TOKYO」会場:日本科学未来館会期: 7月19日(木)~10月18日(木)入場料: 大人(19歳以上)1,600円、中人(小学生~18歳以下)1,000円、小人(3歳~小学生未満)500円、2歳以下無料公式サイト: 企画展「デザインあ展 in TOKYO」 ●トーハク×びじゅチューン!なりきり日本美術館(東京国立博物館)同じくNHK Eテレで放送中の『びじゅチューン』とのコラボレーション展示もこの夏に開催。『びじゅチューン』は、アーティストの井上涼さんが独特のセンスで世界の美術作品を解釈し、すべて自作の歌とアニメで紹介する番組。難しい美術作品をわかりやすく解説するとともに、解釈の仕方は人それぞれ自由でいいのだと気づかせてくれます。この番組の企画展示「トーハク×びじゅチューン!なりきり日本美術館」は、東京国立博物館で開催。葛飾北斎の浮世絵「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」に出てくる波をモチーフにした作品「体感! ザパーン ドプーン 北斎」では、高さ約7.5メートルの特大スクリーンに、絵の中の人物が原寸大になるように「冨嶽三十六景・神奈川沖浪裏」を拡大映像化。絵のなかの人物になりきってみると、大きな波が大迫力で迫る様子を想像でき、声の大きさで波がどんどん大きくなるインタラクティブな仕掛けによって、波の大きさを実感できるのだとか。子どもにとって難しい作品も、実際に体感することで自然な理解につながることが期待できそうです。「トーハク×びじゅチューン!なりきり日本美術館」会場:東京国立博物館会期:7月24日(火)~2018年9月9日(日)参加費:一般620円、大学生410円、高校生以下および満18歳未満・満70歳以上の人無料(高校生以下および満18歳未満の人と一緒に来館した人は子ども1人につき同伴者2人までは、団体料金で観覧可能)公式サイト: 親と子のギャラリー トーハク×びじゅチューン! なりきり日本美術館 ■歴史ある本物の音楽を子どもたちに!●第44回日本フィル夏休みコンサート2018日本フィルの夏休みコンサートは、1975年に始まった歴史あるイベント。「初めてクラシック音楽を聴く子どもたちに、家族と一緒に本物のオーケストラをお聴きいただきたい」という願いから、本格的なプログラムと親しみやすい演出が魅力です。44回目となる今年の夏休みコンサートは、バッハやモーツァルトによる耳なじみのある音楽や、『ゴジラのテーマ』(SF交響ファンタジーより)などが演奏される予定。オーケストラの演奏とともにみんなで歌えるコーナーもあるとのことなので、音楽が好きだという子は、ぜひ連れて行ってあげたいですね。「第44回日本フィル夏休みコンサート2018」会場:相模女子大学グリーンホール、東京芸術劇場など全国のホール期間:7月21日(土)~8月5日(日)参加費:<料金>全席指定・消費税込 S席:子供3,200円/大人5,200円、A席:子供2,500円/大人4,200円、B席:子供1,800円/大人3,200円対象: 4歳以上(※4歳未満は入場禁止)予約:要予約公式サイト: 第44回日本フィル夏休みコンサート2018 ■夏休みアートイベント情報一覧●MORI Building DIGITAL ART MUSEUM:EPSON teamLab Borderless五感を刺激する新しいデジタルアートミュージアム会場:森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボ ボーダレス会期:常設公式サイト: ●企画展「デザインあ展 in TOKYO」デザインの面白さがわかる、体験型の企画展会場:日本科学未来館会期: 7月19日(木)~10月18日(木)公式サイト: ●トーハク×びじゅチューン!なりきり日本美術館古典的な日本美術作品の世界に飛び込める企画展会場:東京国立博物館会期:7月24日(火)~2018年9月9日(日)公式サイト: ●第44回日本フィル夏休みコンサート2018伝統ある子ども向けの本格的オーケストラコンサート。会場:相模女子大学グリーンホール、東京芸術劇場など全国のホール期間:7月21日(土)~8月5日(日)公式サイト: ●MOMAT サマーフェス子ども向けに工作などのワークショップが開催。会期:2018年7月20日(金)~9月17日(月・祝)会場:東京国立近代美術館公式サイト: ●特別展「縄文―1万年の美の鼓動」縄文のはじまりからおわりまで「縄文の美」が集結会場:東京国立博物館 平成館会期:7月3日(火)~9月2日(日)公式サイト: ●TOKYO MIDTOWN KIDS WEEKS 2018工作などのワークショップやスタンプラリーもできる期間:2018年7月13(金)~8月28日(火)会場:東京ミッドタウン各所公式サイト: ●ものづくり・匠の技の祭典2018子どもも参加できるものづくり体験プログラムがある会場:東京国際フォーラム日時:8月8日(水)、9(木)、10日(金)公式サイト: ●としまアート夏祭り豊島区内11会場でアートプログラムを多数用意会場:豊島区内日時:2018年7月28日(土)~9月2日(日)公式サイト: ※この記事は、2018年7月10日時点のものになります。会期、チケットなど最新の情報は、必ず公式サイトなどにてご確認いただいてから、お出かけいただけますようお願いいたします。
2018年07月22日今回の「やさしいママのひみつ」は、インスタグラマーで、フリーのフォトグラファーとしても活躍するひとみさん。パンを中心とした食卓の写真が人気で、フォロワー数は14万人を超える、2人の女の子のママです。ひとみさん娘さん:長女(6歳)、次女(4歳)岡山県在住。インスタグラムにあげている日々の食卓が、誰もが食べたくなるようなメニューと、センスのある盛り付けで真似をしたいと話題に。特にパンの写真が多く、現在は14.7万人のフォロワーから支持されている。著書は 『パンばか食堂 毎日食べたくなるおうちパンレシピ70』 (ワニブックス)。 『おいしい器の使い方 料理上手16人のおうちごはんとふだんの食卓』 (KADOKAWA)にも参加。HP: Instagram: @amehtm 好きな写真でSNSを楽しみつつ、笑顔で子育てや家事をするために、ひとみさんが心がけていることについて、お話を伺いました。午後からは、完全に子ども優先の時間に早速、ひとみさんの平日のスケジュールを見てみましょう。 5:00 : 起床。携帯をチェック 5:30 : 身支度、前日の残りの家事を済ませる 6:10 : 家族が起床。朝ごはんの準備。旦那さんが子どもたちの支度 6:30 : 家族揃って朝ごはん 6:50 : 旦那さんが、子どもたちの公文の宿題を見る 7:40 : 長女、小学校へ 8:05 : 旦那さんが次女を幼稚園に見送り。学校行事、習い事、仕事など 14:00 : 次女を幼稚園にお迎え 15:00 : 長女を小学校にお迎え 17:30 : お風呂 18:00 : 夕食 19:30 : 布団に入る 20:00 : 子どもたちと一緒に就寝インスタグラムを始めるまで、専業主婦だったひとみさん。とはいえ朝起きてすぐ、化粧をするというのに驚きです。「化粧するタイミングを逃したら、バタバタしてできないですよね。そうすると家でゴロゴロしてようかなという気持ちになってしまうので、そこでスイッチを入れます。朝、長女は集合場所までお見送りもあるので、余計に朝はちゃんとしておこうと思います」次女が幼稚園に通いだしてから、午後はほとんど子どもたちのための時間にしているそう。週に2回は午前中にお迎えということもあり、なかなか自分の時間は取れないといいます。「幼稚園が終わって園庭で遊んだら、そのまま小学校にお迎えに行って。お友達と約束したり、習い事もバレエや公文などで平日は予定が埋まっていて、子どもたちは結構忙しいですね。やりたいことはやらせてあげたいですが、忙しすぎて、遊んだりゆっくり休む時間がなくなり、疲れてしまわないように、できる限り応援してあげたいと思ってサポートしています。プライベートでも一緒に過ごす時間が長い、幼稚園のママ友は、困ったときに助け合える家族のような存在です」そんな中で、SNSとの付き合い方も少し変わってきたといいます。「前は隣に子どもがいても、しょっちゅう携帯をチェックしていたのですが、今はほどほどに。子どもたちが寝てから、ベッドの上で少し見たり、手が早く空いたときに時間を決めてするようにしていますね。仕事のメールをするときは、『これから仕事のお返事をするから、その間は話しかけないでね』と先に言ってから済ませます。今は子どもたちも全部わかるし、生活の流れがあるなかで動いているから、これくらいが自分の中でバランスがいいと思っています」簡単に美味しく。ひとみさんの食事ルール子どもたちのための時間が増えた分、これまでたっぷり時間をかけていた、食事のための時間も短くなってしまったのだとか。「今まではごはんの支度をする時間も長く、手をかけたりできたのですが、今は家族のペースが “朝の早い時間帯” に集中するようになり、私もみんなと一緒にごはんを食べるので、簡単な料理が多いですね。朝ごはんもトーストとサラダ、スキレットで焼いた目玉焼きは必須。それにハムやソーセージ、トマトが定番メニューになっています」「夫は早い日は17:30に帰宅しますが、週に2、3日は午前様。その代わりに朝、子どもたちの世話を頑張ってもらっています。だから4人揃うのは朝ごはんだけ。でも夫はパンが好きじゃないので、本に載せたメニューも食べたことのあるのはピザくらい(笑)。パンメニューは、私と娘たちのごはんなんです」食材へのこだわりは、妊娠を機に強くなったというひとみさん。「できるだけ良い環境で作られているもの、どこの何かわからない野菜はあまり買いたくないので、少し高くても安心できるものを選ぶようにしています。よく行くスーパーには、なかに直売所があるので、そこの野菜を先に見るようにしたり。安全ということもありますが、単純においしいんですよね。特に卵は、養鶏が盛んな街なので、卵のお店がすごく多いんです。卵の自販機で、その日に生みたての卵を売りに来たりするので、それに合わせてまとめ買いするようにしています。わが家のメニューには目玉焼きが重要だから、卵がおいしいことが大切です」ひとみさん流、パンを美味しくいただくコツ大好きなパンも美味しく食べるコツがいくつか。「パンを焼く前に、霧吹きをして水分を補います。母が景品で当てたトースターを10年以上使っているので、少しでも美味しく焼き戻したいと、お気に入りのパン屋さんから美味しく焼くコツや、おすすめの食べ方、アレンジ法を聞いたりしています。カンパーニュや大きめのバタールなど、しっかりしたハード系のパンを解凍するときは、いつもせいろで蒸します。冷凍する時点で、解凍する際の最大の大きさでカットしておくのがポイント。できるだけ大きな塊で冷凍すると、解凍したときにパンの水分が逃げにくいんです。スライスした状態で1枚ずつ解凍すると、焼いたときに硬くなってしまうんですよね。せいろを使うときはクッキングシートを敷いて、使い終わったらしっかり乾燥させることも忘れずに」SNSを通して変わった「写真」との付き合い方日々の食卓を写した写真が、とにかくおいしそう! と話題のひとみさんのインスタグラム。実はカメラは独学なのだとか。「東京でインテリア雑貨のスタイリストのための専門学校に通っていたときに、少しかじる程度で。インスタを始めてから、カメラが欲しいと思うようになりました。インスタは長女が生まれて半年くらい経ってから始めたので、6年くらい。最初は娘の成長記録として使っていたんです。でも友達以外のユーザーさんを見ていたら、同じように子育てをしながら、素敵な暮らしをしている人、食卓やごはんの写真を撮られている人を見つけるようになって、自分もこういう風に食卓に気を使っていきたいなと思い、参考にしながら少しずつ、料理の写真を撮るようになりました。それまでにもSNSに晩ごはん記録を載せていたことがあって、結婚をするまでほとんど料理をしたことがなかったので、友人たちに褒めてもらうのが料理をするモチベーションにもなっていました。夫がなかなか褒めてくれないこともあり、誰かにちょっとでも認めてもらいたいという気持ちもあったんですね。でもインスタグラムでは記録として適当に撮った写真ではなく、食卓がよく見えるよう意識して撮るようになりました」元々のセンスもあり、作り込み過ぎないコーディネート。さらに携帯で撮っていた写真を一眼レフに変えて撮るようになってから、どんどんフォロワーが増えていったそう。「最初はミラーレスの小さなカメラ。今は『SONY』のα7を使っています。写真を撮るのが楽しくて、いろいろなパターンで撮っていました。インスタグラム経由でPRしたり、フォトグラファー契約しているところから、不定期で商品を撮影させていただくこともあります。インスタグラムがきっかけで、私の雰囲気で撮ってくださいというお仕事もあり、生活が変わったなと思います」今はプライベートな写真を撮る時間があまりないといいますが、それでもつい溜まる写真は、ほとんどデータで管理しているといいます。「写真をプリントしても、それを整理するのが大変というのもあります。祖父母には、アプリの『みてね』を使って、写真を共有しています。それから携帯のアルバムに入れておけば、アプリを通してチェキプリンターで出せるので、お気に入りはプリントして壁に飾っています。友達の写真もデータで送ることが多いですが、チェキにすると喜んでもらえるんですよね。家族の写真は写真館にお任せして、フォトブックにして保存。毎年夏に、屋外で子どもたちを撮ってもらっています。以前使っていた小さなカメラは、今長女が使っていて、結構かわいい写真を撮っています。私の影響で、食べる前に写真撮るために、テーブルに登ろうとして夫に怒られたときは、私が『すみません!』と謝りたくなりました(笑)」 料理のモチベーションを上げてくれる器たちひとみさんの写真に欠かせないのが器。たくさんのコレクションから、お気に入りをいくつか見せていただきました。「県内外のギャラリーで、好きな作家さんの個展があったときに買い求めることが多いです。坂野友紀さんや成田理俊さんなどがお気に入り。朝はバタバタするので、『アラビア』などの洋食器を使うことが多いですが、それ以外は作家さんの和食器も子どもにも使っています。洋食器はすぐに片付けられますが、和食器はしっかりと乾燥させないといけないので、竹カゴに入れて乾燥させてから片付けます」アンティークやユーズドなど、少し古いものも好きなのだそう。「新しい既製品にはない、人の手が入った温もりのあるものが好きですね。お皿は毎日違うものを使って気分を変えて。インスタグラムに載せるときは、いろいろな種類のお皿を使おうと考えます」パンが主役のひとみさんの食卓。ただパンを乗せるのも、かごやざる、木のプレートなど、器のバリエーションが豊富です。「かごにそのまま入れたり、布や紙を敷いて乗せたり。パンと一緒にジャムを乗せて、トレー感覚で使ったり、カッティングボードにはスキレットをそのまま乗せたりもします。焼きたてのパンをそのまま洋食器に乗せると、水滴がついてベッチャリすることもあるのですが、かごを使うとそうならないのでオススメです」忙しい時間も、好きな器を使ってひと手間かけて食べれば、それがリフレッシュになるのだとか。「いろいろな好きな器を使いたいから、それに乗せるための料理を作ろう。そうしたらせっかくだから、写真に撮っておこうと、器からやる気をもらうことは多いですね。器の色や模様からバランスを考えるのも楽しいです」 「信頼あるもの」を選び、長く使い続けたいこんなふうに “食べるもの、使う道具” にひときわ強い思い入れがあり、「できるだけいいものを選んで、長く使い続けている」というひとみさん。同様に、アルバイト先で出合って以来、ずっと愛用し続けている「サラヤ」の食器用洗剤「ヤシノミ洗剤」との付き合いは、もう20年近くになるのだとか。無色透明、無香料で、大切な器や調理道具に洗剤のうつり香を残しません。「ヤシノミ洗剤」本体(ポンプ付き 500ml/400円)、詰め替え(480ml/270円) 楽天で買う | amazonで買う | ロハコで買う 「卒業後、働いていた古着屋さんで使っていたのが『ヤシノミ洗剤』だったんです。ステンドグラスのようなパッケージデザインのレトロ感もかわいいし、自然に優しいイメージもいいなと思って、自分でも使うようになりました。使ってみると泡切れがよく、陶器の器もするりと洗い流せるところが気にいっています。他社の洗浄力の高い洗剤を使ってみたとき、凹凸のある器に泡が残ってしまったり、手荒れしてしまったこともあって、さらに『ヤシノミ洗剤』を手放せなくなりました。食器用洗剤と石鹸を別に置いておかなくても、手も洗えるほど肌にやさしいから、1本で済むのもいいですね」そんなひとみさんですが、同じヤシノミシリーズの「ヤシノミ洗たく洗剤」の存在を知ったのは最近だったのだそう。「無香料の洗剤を探しているときに見つけて、使うようになったのはここ1年くらいです。気に入った香りを身につけていたいので、それ以外の香りがあると気になってしまうから、洗たく洗剤は無香料がいいんですよね。水に溶けやすく、繊維に付着しにくい洗浄成分を配合。すすぎ1回で洗剤残りなし。肌刺激の恐れのある合成香料・着色料・抗菌剤などは無添加で、色柄や風合いも守ります。ヤシノミ洗たく洗剤(600ml/オープン価格) 楽天で買う | amazonで買う | ロハコで買う 正直、洗浄力はそこまで期待していなかったのですが、よく落ちます。黄ばみも残らないです。洗浄力を謳う洗剤は泡もすごいし、洗ったあとの洗剤残りも気になりますが、『ヤシノミ洗たく洗剤』は部分汚れだけ気をつけていれば少量できれいに洗えて、洗い上がりもすっきりしています。無香料というのもあると思いますが、さらっと洗えている気がします」「ヤシノミ柔軟剤」は近隣で手に入らなかったこともあり、今回初めて知ったというひとみさん。早速使ってみた感想は?ヤシノミ由来の柔軟成分で、「ふんわりとした肌触り。吸水力にも優れているのは、タオルの洗い上がりで実感できる」とひとみさん。写真右:「ヤシノミ柔軟剤」本体(600ml/オープン価格) 楽天で買う | amazonで買う | ロハコで買う 「やっぱり無香料なのはいいですね。タオルの洗い上がりがふんわりして、風合いよく仕上がります。吸水性もよく、気持ちがいいです。乾きも早い気がしますね。近くで置いていないので、お店にリクエスト出して、使い続けられたらいいなと思います」また、ひとみさん親子がよく訪れる「福山動物園」には、日本では珍しい今年20歳になったボルネオ象のふくちゃんがいて「ボルネオ保全トラスト・ジャパン」に賛同しています。こんなところも「サラヤ」の活動と共通していました。“人と地球にやさしい” ヤシノミ由来の植物性洗浄成分を使った「サラヤ」のヤシノミシリーズ。左から食器用の「ヤシノミ洗剤」、「ヤシノミ洗たく洗剤」、「ヤシノミ柔軟剤」。売上の1%がボルネオ保全トラストに使われる。 楽天で買う | amazonで買う | ロハコで買う 「ヤシノミ洗剤のホームページを見て、売上の1%がボルネオ島の環境保全に使われていることを知り、驚きました。動物園では、ふくちゃんの餌やり体験に参加したり、園内の自動販売機を使うと、その売上の5%がボルネオ島の環境保全に使われます。でも、何気なく長年愛用していたヤシノミ洗剤を通しても、貢献できていたんですね。今回あらためてヤシノミ洗剤を通して、ボルネオの森を守ることの大切さや、“自然に生かされている私たちの暮らし” というものを見直すきっかけになりました。子どもに対しての責任もあるので、きちんと環境にいいもの、社会貢献をしている会社を選んでいきたいなと思います」子どもに寄り添い、気軽に写真を楽しみたい今の生活の基本は、子どもたちが第一優先。でも、自分のストレスを溜めないよう生活のリズム、ペース作りには気をつけているそう。「学校の役員やPTA以外に一人の時間ができたら、自分のために手間をかけようと思っています。1週間に1度、ヨガやジャザサイズで体を動かして、子どもたちが大きくなってからも元気でいたいなと思うんです。目先の事ばかりではなく、自分の未来のために投資しようという気持ちで、やっと動き出したところ。子どもたちがやりたいことをして生き生きしている姿を見て、私も頑張れることを見つけて生き生きしていたい。そういう時間を取るのは、子どもたちを一番に考えるために必要な、心の余裕にも繋がると思っています。老後もしっかり孫の世話ができるくらい元気な体でいるためには、ストレスを溜めないこと。しっかり食べて、早寝早起きして、子どもたちが寝ている間に少しでもできることをして、子どもといる時間はしっかりと向き合います」子どものことで自分の時間がなくなると考えず、限られた一人の時間を充実させることで、子どもとしっかり向き合う余裕を持つ。それが、ひとみさんのやさしさのひみつ。最近は食べ物以外の写真も撮るようになったと、環境の変化とともに、気持ちの変化を感じているというひとみさん。「写真が仕事にもなっているので、プライベートではもうちょっと気軽に写真を楽しみたいと思うようになりました。フォロワーさんの反応を気にしながらの投稿ではなく、今はきれいなお花や子どもとの思い出など、もっと自分の好きな写真を載せていきたいなと思っています」子どもたちの未来のために“人と地球にやさしい”ヤシノミ生活をヤシノミシリーズはヤシノミ由来の植物性。洗った後の排水もすべて微生物によって分解され、すばやく地球にかえります。洗っても、洗っても、安心。今日の汚れをあしたの未来に残さない。そんな “人と地球にやさしい” ヤシノミ生活をはじめてみませんか。 楽天でヤシノミシリーズを買う amazonでヤシノミシリーズを買う ロハコでヤシノミシリーズを買う 【売上1%で、ボルネオ環境保全を支援】ヤシノミシリーズの売上1%はマレーシア・サバ州政府公認の国際NGO「ボルネオ保全トラスト」を通じて野生動植物の保護と生息域の確保に使われています。また、ヤシノミシリーズをはじめとするサラヤ製品では、違法労働や違法伐採によって作られた植物油ではなく、環境と人権に配慮したRSPO認証油の生産を支援しています。 無香料、無添加のヤシノミシリーズとは 取材/文:赤木真弓 撮影:林ひろし[PR] サラヤ株式会社
2018年06月29日どうもこんにちは! のばらです。今回はウーマンエキサイトのアプリ「おやこ診断」( iOS / Android )をやってみた感想をレポートしようと思うよ! 付き合ってほしいよ!「おやこ診断」アプリは、親が一番知りたいと言っても過言ではない、・子どものやる気を引き出す方法・その子に合った叱り方・褒め方を教えてくれるんですって! 何それ魅力!!!名前と生年月日を入力するとすぐに診断できるから、占い感覚で気軽に育児のヒントをもらえて楽しい♪うちの家族はどんな診断結果になるかしら…!今日の家庭運、とかなら占いでよくありがちだけど、家族それぞれとの今日の相性がわかるのが嬉しい!家族といっても、それぞれみんな違うものね。私がかなり参考になったのは、6/27(水)まで期間限定で無料で見られる「子どもから見たママのイメージ」。子どもは私の言葉をこんな風に捉えてるのかな…! とかこの子にはこう接してあげればうまくいくのかも…! とかいやいやなかなか興味深かったです。他に動物系占いなんかもできるし、これは思わず毎日チェックしてしまいそうだわ…!またひとつ、私のスマホに楽しいアプリが増えました♪※ウーマンエキサイトアプリ内「おやこ診断」無料キャンペーンは2018年6/27(水)をもって終了いたしました。無料でも有料でも楽しめる!ウーマンエキサイトアプリ内「おやこ診断」無料でダウンロードできるウーマンエキサイトのアプリ内診断サービス。家族の生年月日と性別を登録すると、以下の診断を無料(一部有料)で楽しめます。<無料>■あなた(パートナー)の本質診断・基本正確・行動パターン・感覚パターン・同じ本質を持った有名人■子どもの本質診断・基本正確・行動パターン・感覚パターン・同じ本質を持った有名人<有料>■あなた(パートナー)の本質診断・あなたから見たパートナーの関係性・母親としての傾向・子どもから見たイメージ■子どもの本質診断・やる気にさせる方法・思春期の行動と対処法・叱り方、褒め方・得意分野・才能・能力適正<有料コンテンツ料金>・大人: iOS/Android 600円・子ども: iOS 1,080円/Android 1,000円 ※アプリ内で一度ご購入いただいた診断結果はいつまでも閲覧できます。※診断結果は買い切りとなり、月額料金は発生しません。>>iOSアプリのダウンロードはこちら iOS ウーマンエキサイトアプリ >>Androidアプリのダウンロードはこちら Android ウーマンエキサイトアプリ おやこ診断の詳細はこちら↓
2018年06月17日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「子どもや家族を亡くすことが怖くてたまらない」という、コロコロさん(31歳・専業主婦)に、心屋塾認定講師の田中佐緒利さんからアドバイスをいただきました。■コロコロさんのお悩み二人の子どもが生まれてからというもの、病気や事故で自分や家族を失うのが怖くてたまりません。 ニュースや広告などで「ガン」という文字を見ると、ちょっとの不調でも「末期ガンではないか」と不安になり、毎日ネットで調べては落ち込んでしまいます。自分だけでなく、子どもが幼稚園に行くと「帰りにバス事故にあってしまうのではないか」と気が気でなりません。熱を上げただけでも「白血病で死んでしまうのではないか」と恐ろしくなります。「人はいずれ死ぬ」ということはよくわかっています。子どもが生まれる前はむしろ「自分はいつ死んでもいい」とも思って、そういう行動もしてしまっていました。しかし今は「子どもが小さいうちに、家族の誰かが死んでしまうのではないか」と怖いのです。毎日毎日、病気や事故、死の恐怖におびえて暮らすのに疲れてしまいました…。※一部、質問内容を編集しています。■心屋塾認定講師の田中佐緒利さんよりコロコロさん、はじめまして。心屋塾認定講師・田中佐緒利(さをりん)です。ご相談、ありがとうございます。コロコロさんは、「大切な人が亡くなってしまうのではないか」と日々不安と心配をたくさん抱えられているんですね。愛するお子さんやご家族が亡くなるのは、とても怖いと感じますよね。ご相談を読ませていただいて、私が一番に感じたことは「コロコロさんはとても命を大切にされていて、思いきり生きたいんだな。ご家族を本当に愛していらっしゃるんだな」ということでした。おっしゃるように、人はいずれ死にます。生まれてからずっと「死」というゴールに向かって生きています。私たちは死ぬまで生きます。今、生きています。今、コロコロさんもお子さんもご家族も、生きている途中です。そして死はある日、天寿をまっとうしたときに訪れます。「いずれ死ぬとはわかっていても、今は死にたくないし、大切な人が亡くなるのは嫌だ」。これは、誰しもが感じることではないでしょうか?どうぞ、声に出して「死ぬのが怖いよー!」と言ってみてください。「怖い」という気持ちを外に出してあげてください。今、コロコロさんは「生きている」がゆえに、「死」というテーマを脳内検索されているように感じます。「死」を目前にすると、逆に「生きる」というテーマが見えてくるのが人間なのかもしれませんね。死んでもいい、死のうとしていた頃のコロコロさんの不安な気持ちが今、表面化されてきているように感じます。あの頃「死んでもいい」と思っていたコロコロさんは、本当は思いきり生きたかったのではないでしょうか?ぜひ、口に出して言ってみてほしい言葉があります。「私、本当は死にたくないよー! 死ぬのが怖いよー! 私、本当は生きたいよー! 私、本当は思いっきり私を生きたいんだよー! 私を殺さないでー! 私の命を守ってー!」声に出して言ってみてください。どうですか? 何か感じるものはありますか?人は自分らしさを封印したり、自分の気持ちにうそをついたりして生きていると、死にたいという気持ちになりやすい。「死にたい」という気持ちは、裏返せば「思いきり私らしく生きたい!」ということなのです。昔、死のうとしていたたコロコロさんは、実はとても怖かったのではないでしょうか。「本当は生きたいのに、自分自身に命を絶たれるかもしれない」という恐怖があったのではないでしょうか。あの頃のコロコロさんの気持ちが、「死にたくないよー!」という気持ちが、今コロコロさんを不安にさせているように感じます。あの頃のコロコロさんの気持ちを、まずは受けとめてあげましょう。「死にたくなかったんだ。本当は生きたかったんだ」という気持ちを声に出してあげましょう。そして、自分にこう言ってあげてください。「私は、生きていいんだよ。思いきり生きていいんだよ。私が生きたいように生きていいんだよ」と。何度も何度も言ってあげてください。そうすることで、あの頃のコロコロさんが安心していきます。思いきり生きるとは、何も大きな功績を残すとか、すごい人になるとか、そんなことだけではありません。毎日、起きたり寝たり、自然を感じたり、おいしいごはんを食べたり。愛するお子さんやご家族といろんな話をしたり、笑いあったり、時にはケンカしたりもしながら、いろんなことを経験して、いろんなことを感じ、いろんな気持ちを伝え合って生きる。笑うことも泣くことも、怒ることも落ち込むことも、すべてが「思いきり生きる」ということではないか…と私は思います。今、コロコロさんの目の前にいる2人のかわいいお子さんは、「思いきり生きる」を体現しているのではないでしょうか。死を恐れることはなく、ただ「今を生きること」に一生懸命だと思います。命を輝かせて生きているだろうと思います。そんなお子さんと一緒に、コロコロさんも子どものようになり、「今この一瞬」に目を向けて、思いきり生きてみませんか?笑って泣いて怒って落ち込んで、その繰り返しのなかで、豊かに幸せを感じられる心が育っていきます。命が輝いていきます。大丈夫。そんなに心配しなくても大丈夫です。今、コロコロさんも愛する人たちも生きています。不安の証拠集めをしている時間とエネルギーを、目の前の愛する人たちと生きる時間とエネルギーに使ってください。愛する人たちといろんなことをして、いろんなことを感じて、思いきりコロコロさんを生きていきましょう。 ・このカウンセラーのブログ (編集/外山ゆひら)
2018年06月14日子どもがある程度の年齢になってくると、「そろそろ文字を書く勉強をさせたい」と考える親は多いもの。しかし突然、紙と鉛筆を持たせて「やりなさい!」と言っても子どもの反応は…。子どもが自分から積極的に文字を学ぶようにするために、ママたちが気を付けているポイントについて調べてみました。子どもに「楽しそう」と思わせることが大切ネット上のママたちの声を見てみると、「文字の勉強は、小学校に入学すれば必ずするものだから、急いでする必要はない」という声もありますが、勉強させたいママたちも散見されます。そんなママたちが工夫していることは、たとえば塗り絵を使う方法。まずは、文字の勉強よりも色鉛筆(鉛筆)に慣れさせるようです。塗り絵は鉛筆の持ち方や線を描く練習にピッタリ。子どもの好きなキャラクターの塗り絵なら、子どもは喜んで描いてくれますよね。子どもが鉛筆と紙になれたら、徐々にひらがなドリルに移行したママもいるようです。他には、トランプやカルタを使う方法も。文字や数字が書かれたカードで遊ぶことで、子どもが興味を持てるように誘導してあげるのもいいのだとか。または、ママが子どもへ手書きのメッセージを書いてあげる方法も。簡単なメモでもいいので、実際に書いて渡して、読んで教えてあげる。こういったことを繰り返すことで、子どもが文字に興味を持つキッカケにつなげるそうです。重要なのは、子どもが“自分から興味を持ち、楽しそう”と思え、知的好奇心を高めてあげることなのだとか。子どもが学ぶ前にママが楽しむこと!前述などの方法をおこなうにしても、大切なことがあります。それは“まずはママ本人が楽しむこと”。塗り絵にしてもトランプにしても、ママやパパが楽しそうにやっていれば、子どもは自然と興味を持ち、“自分もやってみたい”と思うもの。たとえば、子どもとお絵かきをしているときに、子どもがママの描いた絵をマネしたり、絵に描き加えたりしますよね。文字もそれと同じこと。ママが楽しく文字を書いていれば、子どもも書きたがってくれる可能性があります。ここで注意しなければならないのは、「やりなさい!」と無理にやらせること。子どもが楽しいと思えないことを無理やりさせてしまうと、文字を嫌いになってしまうこともあるといいます。子どもが楽しく文字を学ぶためには、ママのちょっとした工夫が必要。「もうそろそろ勉強を…」と考えているなら、まずはママが楽しむことから始めてみましょう。(文・山手チカコ/考務店)
2018年06月13日ウーマンエキサイトのアプリでできる「おやこ診断」( iOS / Android )をしてみました!私が子どもの頃に話題になった、動物系占いのようです!超褒め殺し! 気分いいです。笑実際どうかというのは置いといて(とくに私自身)、診断結果に浸っちゃう…!ファミリー診断は、「全力ママのはつらつファミリー」でした!全力ママ…うん、私いつでも全力…ダラダラナンカシテマセン…イヤ、ムシロ全力デダラケテマス…。さて、このおやこ診断、なんとありがたいことに、子供をやる気にさせる方法や、叱り方褒め方、さらには思春期の行動や対処法まで書いてます!おやこ診断で当てはまった動物は、2人ともペガサス。独特のセンスや感性があるそうです。実際どうなるかはわかりませんが、2人の好奇心をくすぐるような経験をたくさんさせてあげて、自らの道を自ら選んで進んでいってほしいなぁ…。おやこ診断、今なら無料で結果が見られるので、ぜひ試して、妄想してみてくださいね♡笑※ウーマンエキサイトアプリ内「おやこ診断」無料キャンペーンは2018年6月27日(水)をもって終了いたしました。無料でも有料でも楽しめる!ウーマンエキサイトアプリ内「おやこ診断」無料でダウンロードできるウーマンエキサイトのアプリ内診断サービス。家族の生年月日と性別を登録すると、以下の診断を無料(一部有料)で楽しめます。<無料>■あなた(パートナー)の本質診断・基本正確・行動パターン・感覚パターン・同じ本質を持った有名人■子どもの本質診断・基本正確・行動パターン・感覚パターン・同じ本質を持った有名人<有料>■あなた(パートナー)の本質診断・あなたから見たパートナーの関係性・母親としての傾向・子どもから見たイメージ■子どもの本質診断・やる気にさせる方法・思春期の行動と対処法・叱り方、褒め方・得意分野・才能・能力適正<有料コンテンツ料金>・大人: iOS/Android 600円・子ども: iOS 1,080円/Android 1,000円 ※アプリ内で一度ご購入いただいた診断結果はいつまでも閲覧できます。※診断結果は買い切りとなり、月額料金は発生しません。>>iOSアプリのダウンロードはこちら iOS ウーマンエキサイトアプリ >>Androidアプリのダウンロードはこちら Android ウーマンエキサイトアプリ
2018年06月03日子どもがある程度の年齢になると、言葉でのコミュニケーションがとれるようになり、ママとしても少しだけ育児が楽になるかもしれません。しかし実際には、知的好奇心が高まった子どもから「なんで?」、「どうして?」と質問攻撃をされ、ママは疲弊してしまうなんてこともありますよね。あの質問攻撃、どう対処すればいいのでしょうか?質問攻撃をされても怒るのはNG成長によっても異なるので一概にはいえませんが、子どもが3歳くらいになると、興味を持ったものに対して「なんで?」と質問する機会が増えますよね。たとえば、「イチゴが赤いのはなんで?」、「(ナメクジを見ながら)どうしてクルクル(カタツムリの殻)がないの?」といったような正直、大人でも答えづらいというか、正解を知らないような質問ばかりで、ときにはイライラしてしまうもの。でも、そこで子どもに対して、怒ったり、適当に受け流したり、無視してしまうのはNG行動。しっかりと対応するようにしましょう。わからない質問には「わからない」もアリ子どもの難解な質問攻撃に対して、ママが疲れてしまう理由のひとつには、「正しい答えを教えてあげなくちゃ」という親心があるから。でも、そんなにがんばる必要はなさそう。ネット上のママたちの声を見ると、子どもの質問攻撃に対しては、「なんでだと思う?」と質問で返して、子どもに考えさせたりしているという意見が多くありました。他には、正解がわからない質問に対しては、素直に「わからない」と伝えるママもいるのだとか。ただし、「わからない」といってコミュニケーションを終わらせるのではなく、「わからないから、ママと一緒に調べてみようか?」などのように、子どもに調べさせるコツを学ばせる機会にするといいそうですよ。子どもから難しい質問をされるたびに、スマホで検索して答えを探す…。それも間違った方法ではないかもしれませんが、せっかくなら調べるときも子どもと楽しむようにしてみてはいかがでしょうか。(文・山手チカコ/考務店)
2018年05月27日全国12万人以上の子どもたちが投票した『小学生がえらぶ!“こどもの本”総選挙』の結果発表が行われ、『おもしろい!進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』が第1位を獲得しました。本作は“生き物の残念な部分”に光を当てた初めての本。第4位にランクインした続編と合わせて、160万部突破の大ブームとなっています。「ウーマンエキサイト」では、同シリーズの監修を手掛けた動物学者・今泉忠明さんにインタビュー。本制作の裏側とともに、子どもの「なぜ?」、「どうして?」を伸ばす方法を教えてもらいました。■『ざんねんないきもの事典』大ヒットの理由とは?――『ざんねんないきもの事典』はベストセラーとなりました。初めからこの盛り上がりを予想されていましたか?いえいえ、まったく考えていませんでした。でも、これが売れたと聞いて「子どもたちのことは侮れないな」と思いました。テレビゲームだけじゃなく、本を読む力もすごくあるんだっていうことが証明された感じがします。だから留守番をさせるときなどにも、「ゲームでもやってなさい」と言わないで欲しいですね。ぜひそこは「本でも読んでなさい」にしていただきたいなと(笑)。――肝に銘じます(笑)。今泉先生は、なぜこの本がこれほどまでに支持されたと思われますか?おそらく「残念でもがんばって生きている生き物がいるんだ」というところかな。この本は“残念”であることをテーマにはしていますが、進化の話をしているんです。優れた進化をしなくても、生き延びている動物がたくさんいるっていうところを感じてくれたのかなとも思いますね。「優れていること」ばかりが注目を集めますけど、優れていなくても生きる価値は十分ある。そんなことが伝わればいいなと思います。――『こどもの本総選挙』表彰式で、子どもには“うんち”や“おしり”がウケるという話もありましたね。そうですね。やっぱり幼稚園から小学校の低学年のうちに、そこを越えていかないと大人になれないんですよ。だから大人は「汚い」などと止めては絶対にダメ。いずれ必ず卒業しますから、心配しなくても大丈夫(笑)。みんなが通るべき通過点なのだと思いますよ。――そんな子どもの興味を引く内容が盛り込まれていることも、人気の秘密かもしれませんね。「子どもたちに読んでもらうには、どうすればいいのか」というのは常に考えていますね。だから、100コ以上ネタがあれば、どこか引っかかるのではないかなって。「すべて興味がある」ではなくても、「ひとつ気になること」が入っていれば、それでいいと思うんです。そうすれば「ほかもちょっと読んでみようかな」と広がって、おもしろさを発見することにつながるんだと思います。■大人の感覚で“子どもの好奇心”を止めちゃダメ!――今泉先生ご自身は、小さな頃から「なぜ」と疑問を抱くお子さんでしたか?その気持ちは、子どものみなさんは全員持っていると思うんです。でも、僕はその疑問の持ち方が少ししつこかったのかもしれませんね(笑)。(疑問に思ったら)自分で「バラしてみよう」と考えるような子でした。――「なんでだろう?」で終わらないということですね。そうそう。当時は、まだそれほど“動物愛護”という流れもなく自由自在でした。だから、たとえばトンボを捕まえたら、おなかを抜いて代わりにわらを入れてしまう。そうなってもバランスよく飛べるのかというのを観察していました。トンボがどういう風にバランスを取って飛んでいるのかということが知りたかったんですよね。ですから、子どもが興味を持ったら、親としては止めないでやらせることが大事です。“残酷な子”になるんじゃないかと親は心配するけれど、そんなことはありません。僕は小さな頃、「アリの巣穴に水を入れ続ける」ということもしました。そういった子どもの好奇心を大人の感覚で「やめなさい」と言うのは、よくないんじゃないかと思います。――親としては、どうしても「かわいそうだからやめなさい」と声をかけたくなってしまいます…。そうかもしれないですね。でもそこを通過することで、足が折れちゃったアリを見て、いつしかかわいそうだと思えるようになるんです。子どもは、大人と違って“残酷”という概念がありません。それを理解した上で、一生懸命育ててあげた方がいいと思います。そうすれば、きっと曲がることなく大きくなってくれるはずですよ。■子どもに「なぜ?」と聞かれたら…?――子どもから「なぜ?」、「どうして?」と聞かれたとき、親としてどう返すべきかというのも難しいところです。そういうときには「一緒に調べよう」というのがいいと思います。教えようとせずに、レベルを子どもに合わせればいいんです。子どもにとって大事なのは、調べる方法。だから、「私なら図書館で本を調べるわ」とか調べ方の手順を教えてあげて、一緒に調べることが大切ですね。――いまはスマートフォンなどですぐに検索できてしまう時代です。それでもやはり図書館に行くことが大事ですか?指は脳とつながっているので、紙の感触やめくるっていう作業が重要なんです。スマートフォンは画面をなぞるだけですから、進歩はしないですね。“皮膚感覚から書物を知る”ということが大事だと思います。――たしかに、同じ知識でもスマホで観ると「そうなんだ」とその場で終わってしまうような気がしますね。そうですね。もちろん、大人になってから仕事で調べ物をするときにはいいと思うんです。ただ子ども時代には、やっぱり本がいいですね。■「生き抜く知恵」を付けるために親ができること――今泉先生も、小さな頃から本を読まれていましたか?『シートン動物記』や『ファーブル昆虫記』を読んでいました。家にそれしか本がなかったというのもあるんですけどね(笑)。気づいた時には、パラパラとよく本をめくる子どもだったと思います。ただ、僕は「鉄砲玉」とも呼ばれていたんですよ。一回家を出たら、暗くなるまで帰って来ない(笑)。毎日、秘密の小屋を作ったり、田んぼや原っぱで遊んだりしていたので、いざというときに「生き抜く知恵」が付いたと思います(笑)。遊びをとおして「これは危ないぞ」と予測がつくようにもなるんです。だから本だけでなく、外遊びも大事でしょうね。――親は先回りして注意してしまいがちですが、子どもの好奇心や行動力を大人が抑えつけてはいけないということですね。そうです、そうです。子どもの頃のケガは当たり前で、ケガをして痛さを知るんです。そうすることで、思いやりもわく…全部がつながっているんですよ。それなのに、思いやりだけを育てようとするから無理がある。痛みがなければ、思いやりの心は生まれませんからね。――それでは最後に、読者へのメッセージをお願いします。いまのお母さんは時間がなくて大変だと思うけれど、できるだけアナログで子育てすることが大切だと思います。すべては本人のヤル気が問題なので、どうすれば子どものヤル気が出るかを親は考えなくてはいけません。たとえば子どもに本を読んでほしければ、自分が本を読んで笑ってみたり、おもしろさを伝える演技をしてみる。そうすれば、陰で見ていた子どもがその本を手に取るかもしれません。子育てには、子どもと接する時間、そして、子どもをだます演技力も必要だと思いますよ!■お話を伺った今泉忠明さん監修書籍『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』(左)、『おもしろい! 進化のふしぎ 続ざんねんないきもの事典』(右)● 『おもしろい! 進化のふしぎ ざんねんないきもの事典』 今泉忠明/監修 高橋書店生き物の“ざんねんな進化”にスポットを当てた事典。「どうしてそうなった!?」と思わずつっこみたくなる、愛おしき「ざんねんないきもの」122種を紹介する。『こどもの本総選挙』第1位。● 『おもしろい! 進化のふしぎ 続ざんねんないきもの事典』 『ざんねんないきもの事典』第2弾。オールカラーで、恐竜などの絶滅種についても紹介する。笑えて、ちょっとためになる“ざんねん"な生き物の真実がたっぷりつまった1冊。『こどもの本総選挙』第4位。今泉忠明さん1944年東京都生まれ・動物学者。東京水産大学(現東京海洋大学)卒業。国立科学博物館でほ乳類の分類学・生態学を学ぶ。文部省(現文部科学省)の国際生物学事業計画(IBP)調査、環境庁(現環境省)のイリオモテヤマネコの生態調査などに参加。上野動物園の動物解説員を経て、「ねこの博物館」(静岡県伊東市)館長。
2018年05月24日子どもの笑顔のためなら何でもしてあげたくなるのが親心ですが、正直どこまで要求に応えるべきか悩みどころ。とくにわが家は息子が1歳を迎え、自己主張が強くなってきたので、少しは我慢を覚えさせるべき? “泣いたらすぐ抱っこ”もわがままを助長するのではと不安になります。そんな疑問を解決してくれたのが、50年にも渡り子どもの精神医療に尽力し、2017年6月に永眠された児童精神科医・佐々木正美先生の言葉。お母さん、お父さん。どうぞ子どもを甘やかすことを決して恐れず厭わず、一生懸命にかわいがって育ててあげてください。出典:『子どもの心の育てかた』P5(河出書房新書)よりこの言葉で「いまは思う存分甘やかしていい時期なんだ」と心が軽くなりました。先生の著書『子どもへのまなざし』(福音館書店)は育児書のバイブルとしてあまりに有名ですが、ページ数も多いので忙しいママや育児書初心者の方には『子どもの心の育て方』(河出書房新書)がおすすめ。亡くなる1年前に書かれたラストメッセージともいえる本で、子育ての軸としたい普遍的な教えがギュッと凝縮されています。今回はそのなかから「自己肯定感」を持った子どもに育てるために親がすべきことをご紹介します。■なぜ自己肯定感が必要?先生が本のなかで繰り返しうたっているのが、“乳幼児期に子どもが望む事をできる限り叶えてやり、親や周囲に依存する経験をさせる”ということ。自分をありのままに受け入れてもらった子どもは“自分は価値のある人間なのだ”と認識し、それが「自己肯定感」を生むというのです。自己肯定感とは、“自分はかけがえのない人間なのだ”と存在意義を肯定できる感情のこと。幸福度にも影響するといわれており、高ければ物事を意欲的に捉えられるといいます。そしてこの自己肯定感が自律心、ひいては自発性、主体性、創造性につながるというのです。子どもの求めになんでも応じる、つまり「泣いたら飛んでいって抱く」といったことをできる限り繰り返すことで子どもは自他に対して「絶対的な信頼感」を知ります。それがなければ「自律心」は育ちません。そして「自律」がなければ自発性、主体性も生まれないのです。出典:『子どもの心の育てかた』P23(河出書房新書)より自主性、主体性、自信、豊かな感性、感謝する心、共感できる力、尊敬する気持ち、創造性。育ててあげたいものが、あまりにもたくさんあるように思うかもしれませんが、それらはすべてつながったものです。英才教育だけで美術やスポーツの能力を育てることはけっしてできませんし、「尊敬心」だけを教えることもできない。すべてを健全に育てるためには、小さなときにじゅうぶんに親に依存する経験を与えてやることが前提なのです。出典:『子どもの心の育てかた』P120(河出書房新書)より■子どもにどこまで依存させるべき?でも、子どもの望みをすべて叶えることは自立とはほど遠いことのように思えます。子どもののぞみ通りにしてあげること、してあげすぎること、というのは「悪い」とされることがあります。なんでも子どものいうことをきいてやったら、子どもは依存心ばかりが強くなり、自立できなくなる、という意見です。 けれど、私はそんな事例を、本当に見た事がないのです。一見、そういうふうに見えるケースというのは、過保護の結果ではなくて、過干渉です。子どもに対して過剰に干渉し、そのあとから保護的な態度をとる、というケースがほとんどなのです。出典:『子どもの心の育てかた』P37-38(河出書房新書)よりそう、気をつけなければならないのは、“過保護”と“過干渉”の違いをきちんと認識して接すること。子どもがのぞむ通りになんでもしてあげすぎることが「過保護」で、いっぽう子どもはのぞんでいないけれど、親が一方的に「こうしたほうがいい」とおもうことをいったり、したりすることが過干渉です。これは決定的に違うものです。出典:『子どもの心の育てかた』P37(河出書房新書)より■叶えていい要求とダメな要求でも、子どもの要求とひと言でいってもその内容は千差万別。無理難題も多いもの。そんなときはどうしたらよいのでしょう。子どもがのぞむことは、親から見たら、全部危険で役に立たないことで体に悪いこと、かもしれません。けれどそれを全部禁止したら、子どもの世界は本当につまらないものになります。好奇心のかたまりのような子どもにとって、欲求不満だけがたまる世界です。 もちろん、本当に危険なことや他人に大きな迷惑をかけること、悪いことはやってはいけないよ、と教えなくてはいけません。けれど、そうでないのなら、なんでもいうことを聞いてあげたらいいのです。(中略) 我が家では、食事は子どもの好きなものを好きなだけ食べさせました。嫌いなものを食べさせようとしたことはありません。全部はムリでも、できる範囲のものはすべて叶えてあげたらいいのです。(中略) 金銭でほしがるものを買い与えることは節度が大切です。物で心を満たそうとする育児は、かえって欲求不満の感情をエスカレートさせることがあるのです。 これさえ心得ていれば、子どもの求めに応じて肥料を水や太陽をいくら与えても、それで子どもに悪い影響がでてくることは絶対にありません。それが基本原則なのです。出典:『子どもの心の育てかた』P42-43(河出書房新書)より■子育てはいつからでもやり直しができる乳幼児期は子どもの欲求に耳を傾け、できる限りのことをして自己肯定感を高める。そんなシンプルな指針ができただけで子育てにちょっと自信が持てるような気がしてきます。「でもうちは乳幼児期をすでに過ぎてしまったんだけど…」という方、ご安心ください。最後に先生はこんなことをおっしゃっています。乳幼児期にやり忘れたから「手遅れ」などということはありません。何歳からでもやり直すことはできますし、また、そうしなければなりません。出典:『子どもの心の育てかた』P136(河出書房新書)より実際に、小学四年生で言語の能力はあるのに言葉がでない「かん黙」という症状がでていた子がカウンセリングをうけ、その後日本一偏差値が高い国立大学に入学したという例もあるそう。子育てに自信をなくしたとき、そっとページを開きたくなる一冊です。・ 子どもの心の育てかた(河出書房新書)
2018年05月19日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「子どもに苦労させてばかりで、母親失格です」という、かおぽんさん(43歳・派遣社員)に、心屋塾上級認定講師の小野美世さんからアドバイスをいただきました。■かおぽんさんのお悩み10年前に離婚をし、二人の子どもを育ててきました。長女は温和で優しくてしっかり者です。高校卒業後、1年間働いたお金をためて現在は短大へ進学し、実習でも褒められているようです。 私は彼女に今まで何ひとつ「親らしいこと」をしてあげられませんでした。お金にも苦労し、かわいそうな思いばかりさせてきました。成人式も彼女が自分ですべて支度し、私を食事へ招きました。私は親として恥ずかしく、一緒に写真を撮ることも、食事も断ってしまいました。娘は「一生の思い出だから来て!」と泣いていました。 この先、車の免許も取らせてあげたいし、就職祝いもしてあげたいし、結婚祝いも……。苦労をさせた分、幸せになってもらいたい気持ちはあるのに、今も金銭的には自分と長男が生きていく分でやっとです。やがては長男にも同じ思いをさせてしまうであろう恐怖に、最近は「いなくなりたい」と思う日も。自分の価値をちっぽけに感じ、何をしても楽しくなくなりました。どのように気持ちを切り替えて頑張ればよいかがわかりません。子どもを愛しているのに。母親失格です。※一部、質問内容を編集しています。■心屋塾上級認定講師の小野美世さんよりかおぽんさん、初めまして。心屋塾認定講師の小野美世です。ご相談ありがとうございます。離婚されて10年、二人のお子様を育ててこられたのですね。読ませていただいて、娘さんは、かおぽんさんのことをとても好きなのだなと思いました。温和でやさしく、しっかり者に成長され、自分で希望して選んだ道を、自分にできる資金の計画をして楽しく進んでいる。そして、これまでずっとお世話になったお母さんへの感謝を伝える場を自分で計画され、かおぽんさんを招待された…。かおぽんさんが「お母さん」としてお子さんたちの心にいつもいたから、娘さんはこのようにすてきに成長されたんだなあと感じました。「今まで何ひとつ親らしいことをしてあげられなかった」と書いてくださっています。かおぽんさんが家計を担われていたとすれば、仕事でお子さんたちの側にいてあげられる時間は短かったのかもしれません。「普通の家庭なら、もっとこういうふうにしてあげられるはずなのに、私にはそれができない」というつらさも常に感じておられたのかもしれません。 「親らしいこと」って、なんでしょうか。広い家に住まわせることでしょうか。毎日立派な食事を作ることでしょうか。子どもが欲しがるものを、不自由なく買い与えることでしょうか。周りの子と同じような習い事をさせることでしょうか。確かにそういうことも必要なのかもしれません。かおぽんさんは「自分は、娘さんの愛情を受け取るに値しない」と思っておられるのかもしれません。でも、食事会への招待をお母さんに断られた娘さんは、「お母さんは、私のことが好きじゃないんだな」「お母さんは、私と一緒に楽しい時間を過ごしたくないんだな」と、思ってしまうかもしれませんね。私も母親にプレゼントを快く受け取ってもらえなかったときに、そう感じた経験があります。「何もできなかった」と思っている自分のまま、娘さんからの感謝を受け取ってみてはいかがでしょうか。「何もできなかった」と思っているのは、かおぽんさんだけ。子どもにとっては、親は「そこにいてくれるだけでいい」ものです。お母さんが家にいてくれるだけでいいのです。その存在だけでいいのです。「いいえ、私は仕事で子どもたちのそばにいられなかった」とおっしゃるかもしれません。でも、かおぽんさんが仕事で家にいない間も、子どもたちの心のなかにはいつもお母さんの存在があっただろうと思います。それで十分なのです。それが十分、親らしいことなのです。そして、「私はこんなにできなかった」とご自身を責めたり、愛してるのに素直にその気持ちを表せなかったり。そういったことも「親らしいこと」ですよね。かおぽんさんは、十分、母親らしい素敵なお母さんです。かおぽんさんにプレゼントしたい言葉は次の通りです。「私十分、いい母親だったらしい」「私がいるだけで、子どもたちは幸せ」「今度は自分が受け取ってもいい」「なーんにもしていないけど、受け取ってもいい」娘さんにとっては、車の免許や就職祝いなどの「この先の経済的な支援」よりも、「今ここにお母さんが自分と一緒にいてくれること」のほうがうれしいはず。ご自分を少し、許してみてください。そうすれば、息子さんのときにもまた同じようになるのではないか…という恐怖も和らぐはずです。これからは、お子さんたちに助けてもらってくださいね。応援しています。・このカウンセラーのブログ (編集/外山ゆひら)
2018年05月17日遊ぶことは、子どもにとって本当に大事。遊びを通して成長するのが子どもなんですね。小さい頃の遊びが、人間としての基礎をつくると言ってもいいかもしれません。よく芸術家の人たちが、「子どもの感性には、とてもかなわない」なんて言うでしょ? きっと大人が考えつかない自由な発想をする子どもたちが、うらやましいのね。「こうあるべき」という常識をもっていないぶん、突拍子もないことを考えつくのが子ども…。「ごっこ遊び」に夢中になるのも当然なんですね。お母さんたちにお願いしたいのは、空想の中で遊んでいる子どもを温かく見守ってあげてほしいということなのよ。せっかく子どもが自由な発想で、自分なりの楽しみを見つけているんですからね。たとえば、チャンバラごっこ…。いまの若いお母さんたちは知らないかしら? 昔の子は、みんなやっていたのよ。チャンバラごっこをするときは、敵、味方の分け方から戦いの方法まで、自分たちでいろいろ工夫しました。刀は新聞紙を丸めてつくったりしてね。大勢の子どもで遊ぶから、人間関係の勉強にもなった…。自分で判断して行動することを知らず知らずのうちに身につけられたのね。もちろん、いまの子は昔と違って大勢で外遊びをすることもなければ、遊び道具を手づくりすることもないかもしれません。でも、遊びの経験から判断力や行動力を学ぶのはいまも昔も同じ。いまの子はいまの子なりの遊びを通して、たくさん学んでいるはずです。 自由な発想をすることや、自分なりに工夫しながら遊ぶこと、ボ~ッと空想したり、いろんなものにさわってみることすべてが子どもの心の基礎になります。もちろん、その中でイヤなことも経験するでしょう。でも失敗も含めた経験が、その子をたくましくするの。親の過剰な介入や過保護は子どもをどんどん弱くします。自由な心が育たないため、判断力や行動力も身につきません。心が折れやすく、思春期に踏ん張れないことも多いのね。特にいまは忙しい子が増えていて、スケジュールがびっしりの小学生も珍しくありません。友だちと遊ぶ機会はもちろん、ボ~ッと空想する時間すらない子もいるんじゃないかしら。もちろん、決められたことを一切しないで遊んでばかりいるのも問題よ。でも、子どもには伸び伸びと遊ぶ自由な時間が必要なことだけは確かです。そこから人間の基礎みたいなものが、つくられるんですからね。小さい頃遊んだ経験が大人になってから活きてくる。このことだけは、忘れないでね。 まだまだやり直せます! 恋も仕事も【後悔不要】◆しあわせ開運占い
2018年05月11日メディアで話題の心理カウンセラー、心屋仁之助さんとその一門があなたの相談に答える「凍えたココロが ほっこり温まる、心屋仁之助 塾」。今回は、「主人や子どもの悪口を言ってしまう自分が嫌です」という、みーさん(37歳・主婦)に、心屋塾上級認定講師のはしぐちのりこさんからアドバイスをいただきました。■みーさんのお悩み友人の前で、主人や子どもの悪口を言ってしまうことに悩んでいます。主人や子どもたちは私にとっては味方なのに、言ってしまう自分が嫌で嫌で、自分を責めてしまいます。友人に会う前は「絶対に悪口は言ってはいけない」と思って行くのですが、会うとついつい言ってしまう自分が嫌です。どうしたら家族の悪口を言わなくなりますか?※一部、質問内容を編集しています。■心屋塾上級認定講師のはしぐちのりこさんよりみーさん、ご相談ありがとうございます。はしぐちのりこと申します。言いたくないのに、ついつい口に出てしまう家族の悪口。無意識に言ってしまい、あとで後悔の気持ちが出てしまうようですね。「主人や子どもたちは私にとっては味方なのに」という文章からも、みーさんがご家族を大切に思っておられる様子が伝わってきました。悪口を言うことは一見「いけないこと」のように思えるかもしれません。しかし人間は、必要のない行動はしないもの。悪口を言うことで、みーさんの心の中のバランスを図っているのです。みーさんは一体、何とのバランスを取ろうとしているのか。どんな点に気づけば、悪口を言わなくて済むようになるのか。その答えは、みーさんご自身の状況によって少し変わってくるかと思います。一緒にひも解いていきましょうね。まず最初に、2点確認していただきたいことがあります。・ご友人と一緒にいるとき、どんなシチュエーションで悪口を言ってしまうのでしょうか・みーさんは、ご家族やお子さんに対して不満をお持ちでしょうか例えば、友人たちが自身の家族の悪口や不満を言い始め、なんとなく盛り上がってしまうとき。仲の良い友人間だと、そういうシチュエーションもありますよね。それほど家族に大きな不満をもっているわけではないけれど、ついつい同調するように「わかるよー、私もね…」と悪口を言い出してしまうのであれば、それは一種の「共感」に近い形です。相手の気持ちに寄り添うための、自身の経験を例としておっしゃっているだけなので、さほど問題ではありません。それほど不満があるわけではないのに「私もこの話に乗らないとダメかな…」といたたまれない気持ちから悪口を言ってしまうのだとしたら、みーさんの中に「皆と同じでなければ嫌われる」という怖れがあったり、「不満のない幸せな家族であること」への罪悪感をもっていたりするのかもしれません。これは自分の不幸さを持ち出すことで、人とつながろうとする行為です。安心感を得たくてついやってしまうことが多いので、まずはご自分の中にある「寂しさ」に気づいていただきたいなと思います。そうではなく、自分から口火を切るように家族の悪口を言ってしまう場合。「悪口を言ってはいけない」と思う前に、家族に対して言わずにはいられないほどの不満を感じていることを、まずは素直に認めてみましょう。一緒に生活していれば、多少の不満や気持ちのずれが出てくるのは当たり前。「家族に不満をもっている自分はいけない」と思う必要はまったくないのです。むしろその不満は、みーさんの中にある”不要な思い込み”に気づくためのお知らせです。これについては後でご説明しますね。「主人や子どもたちは私にとっては味方なのに」という記述を見る限り、みーさんご自身はご家族に受け入れられているのに、自分だけがご家族に不満を持っているように感じているのかもしれません。そうだとすれば、自分だけが家族にネガティブな感情を持っている=「自分だけが家族の味方になれていないこと」が、情けないような申し訳ないような、自分を責める気持ちにもつながり、余計にみーさんを苦しくさせていると思います。ここで気づいていただきたいのは、みーさんは家族の味方になる前に、ご自身の味方にもなっていない、という点。つい家族の悪口を言ってしまう、不満を持ってしまう自分を「ダメだ」と罰していますよね。どんな気持ちが湧いてきたとしても、ご自分の素直な気持ちを受け入れ、自分の味方になってあげてください。「家族の悪口を言ってもいい」「家族に不満をもってもいい」「こんな私がいてもいい」声に出して、こんなふうにつぶやいてみましょう。ざわざわするかもしれませんが、今の自分をまずは十分に許可してあげてください。人の味方になれるのは、たとえ家族であっても、その後の話です。次に、その悪口や不満から、みーさんの中にどんな思い込みがあるのかを見てあげてほしいのです。みーさんの口から実際に出た悪口を、紙に書き出してみてください。「あいつのこういうところが気に入らない」「◯◯しないのはおかしい」「もっと◯◯すべき」こんな形で書いてみましょう。書き出せたら、それらを最初から読んでみましょう。これらは実は、今まで自分に投げかけてきた言葉ではありませんか? みーさんはこれまで、ご自身に「◯◯してはいけない」「◯◯なところがあってはいけない」と、厳しく接してきてはいませんか?人に言いたいことは、実は自分に言いたいことです。自分に課してきた「こうするべき、ああするべき」というルールを目の前の人が破っていると、人はイライラし、不満を抱いてしまいやすいです。もし心当たりがあるならば、そのルールが今のみーさんにとっても必要なのか、見直してみましょう。昔は必要だったルールも、大人になった今は案外、必要なくなっていることもあります。必要のないものはどんどん手放し、自分への縛りをゆるめていくことで、自分も人も許せるようになっていきますし、目の前の不満も減っていきます。今のご自分を否定するのではなく、ぜひご自身の中にあるルールと向き合ってみてください。これを繰り返しながら、みーさんが悪口を持ち出さなくても済むような、心穏やかな日常を過ごせるようになることを願っています。ご精読、ありがとうございました。 ・このカウンセラーのブログ (編集/外山ゆひら)
2018年05月10日そろそろ新入学や学年が変わる時期。模様替えを考えるママもいるのでは?ところで最近、埼玉県飯能市が子どもの能力開発として、「部屋のレイアウトによって子どもの自立心を育てることができる」とするプロジェクトを実施していることが話題になっているよう。子どもの成長とお部屋のレイアウトって、そもそもどう関係しているの?植草学園大学発達教育学部の小川晶准教授に聞いた。●子どもは「遊び=学び」を心に留めて!「『子どもは遊んで育つ』とよく言うように、子どもにとっては『遊び=学び』です。ところが、大人が子どもに対して自ら学んでほしいと思うことは、身辺のことや学習など、大人目線で『やらなければいけないと思うこと』。そのため、大人の望む学びと、本来の子どもの学びとはズレが出てしまうのです」(小川先生以下同)また、「自立」というと、なんでも自分でやることと思う人がいるが、大人でも他者の力を上手に借りながら立っているもの。そのため、「正しい他者」の力を借りることが大切なのだとか。では、大人が「正しい他者」として子どもに接していくには、どうしたら良いのか。「もともと子どもたちは、何かしたいという欲求をもっていますので、子どもの『~したい』という遊びの欲求が実現しやすい環境を設定してあげましょう」では、子どもの「〜したい」を伸ばすにはどういったおもちゃを用意すればいいのだろう?「例えば、空き箱などを渡して『どういうふうに使っても良いよ』と言ってあげるのがおすすめです。逆に、ボタンを押せば音が鳴るとか、遊び方をオモチャが命令してしまうモノは、子どもの想像力を育てるうえで望ましくありません」●子どもの自立心を養うおもちゃには何がある?子どもの自立心やクリエイティブな力を養うために、小川先生がオススメする上位5個のカテゴリは以下の通り。1)構成遊びができるもの……積み木など2)ごっこ遊びができるもの……キッチン台や赤ちゃんの人形、ご飯に見立てられるものなど3)絵本4)季節・時事問題に関連したもの……生き物を観察するスペースやパズル、ぬりえ、オセロ、将棋など5)戸外遊び「保育園はたいてい以上の5個のカテゴリでお部屋をレイアウトしています。全部が難しい場合は、できるものだけチョイスするのも良いでしょう。また、発達段階に応じて内容も変えていきましょう」●子どもが部屋を散らかすことにも意味があった!?ちなみに、子どもが部屋をおもちゃだらけにしても、「こんなに散らかして!」「早く片付けなさい!」などの言葉を言わないことが大切だとか。「大人にとっては単にモノを散らかしているように見えても、子どもにとっては身近にあるモノを触ったり、引っ張りだしたり、広げたりしながら『これはどうなっているのだろう』と考えていたり、自分なりに何かを作ろうとしていたりします。『観察』『研究』『実験』はどれも大切なこと。『こんなに散らかして!』と言われても意味がわかりません。まずは十分遊んで満足させてあげること。そのうえで、『たくさん遊んだね!』とほめてあげ、一緒に片づけを手伝ってもらうようにすると良いですよ」子どもの自立心を養う部屋は、大人目線で「キレイに整った部屋」でも「おもちゃがたっぷりある部屋」でもなく、子どもの「~したい」欲求を実現しやすい部屋ということ。模様替えの際には、ぜひ一度子どもの部屋を見直してみては?(取材・文:田幸和歌子編集:南澤悠佳/ノオト)
2018年04月07日「せっかく○○しようと思ったのに…」というときや、うまくいかないことが続いたときなど、“心が折れてしまう瞬間”は、誰にでもあるもの。もちろん、ママも同じ。とある育児掲示板に投稿されたのは、「小学校高学年の娘とのケンカ」で心が折れたというもの。小学校高学年ともなれば、いわゆる反抗期の入り口。親子のケンカも増え、年頃であることも理解できてはいるのですが、わかっていても心が折れてしまう。そんなとき、世のママたちはどうやって対処しているのでしょう?心が折れるとネガティブになるママは多いネット上には、「子どもとのケンカが原因で心が折れた」というママの悲痛な叫びが散見されますが、多くのママは「子どもが悪い」「子どもがムカつく」ではなく、「自分はダメな母親」「子育てしていく自信がない」と感じているよう。心が折れてネガティブになってしまうママは多いのかもしれません。話を聞いてくれる存在が必要そんな、心が折れてネガティブになっているママたちの悩みには、様々なコメントが寄せられています。特に目立っていたのは、「話を聞いてくれる人の存在」について。「自分だけで抱えているから余計につらく感じるけれど、誰かに話すだけで幾分楽になる」との理由から、夫や実母、ママ友、子育て支援センターのスタッフなど、“悩みを共有できる存在”に頼っているママは多い様子。気晴らしにお出かけなかには、ケンカしたままではお互いがしんどいので、タイミングを見て2人で気晴らしに出かけるというママも。ケンカにはストレス発散的な側面がありますが、カラオケでさらにストレス発散したり、ドライブに連れ出して冷静になる時間を設けたり。もちろん、気まずいまま出かけて、気まずいまま帰ってくることもあるようですが、普段話してくれない子どもの本音を引き出すことができることもあるそうです。悩んだら寝るのが一番!?子どもとのケンカで心が折れたとき、先述のようにネガティブになるママは多く、親子関係以外に「妻としての自分」「娘としての自分」の存在についてもどんどん悪いほうにしか考えられなくなり、“負のスパイラル”にはまってしまうことも…。そんなとき、「起きているとそういうことを考えてしまう」とのことで、たとえ家事が途中でも寝るとスッキリするという意見も。たしかに、よっぽどのことがない限り、朝起きたら忘れているなんてことはよくあります。単純ですが、すぐにできる対処法としては有効かもしれません。ここまでママたちの折れた心の治し方を見てきましたが、これらはあくまでも一例。「ゆっくりお風呂に浸かる」「ひとりで散歩する」「ビールを1本飲む」など、ほかにも気の紛らわし方はありそう。自分に合った解消法を見つけて、毎日明るく過ごせたらいいですね。(文・三軒茶屋すみ子/考務店)
2018年03月01日