宝塚歌劇雪組東京公演『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!-』『ファンシー・ガイ!』が2月20日、東京宝塚劇場で開幕した。国民的人気マンガの舞台化であるとともに、雪組新トップコンビ早霧せいな、咲妃みゆのお披露目公演ということで大きな話題を集めている。宝塚歌劇雪組『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!-』チケット情報『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!-』は、アニメ、映画、ゲームと様々なメディアで展開されている、日本国民なら誰もが知るモンキー・パンチによる傑作マンガが原作。時は現代のフランス。展覧会に出品されている“マリー・アントワネットの首飾り”をルパン一行が盗もうとした瞬間、革命前夜にタイムスリップ。そこで一行は王妃マリー・アントワネットに出会い…。ルパン、不二子、五エ門、次元、銭形警部といったおなじみの面々が起こす大騒動に、宝塚の代名詞『ベルサイユのばら』を彷彿とさせる世界が見事に融合、コミカルかつロマンチックな、宝塚らしいルパンの物語が誕生した。ルパンに扮する早霧せいなは軽妙な語り口にくるくると変わる表情で、原作やアニメのイメージを損なわないキャラクター作りで客席を大いにわかせる。ルパン・ファミリーに扮するスターたちのなりきりっぷりも楽しい。それでいて宝塚らしいスタイリッシュさ、品の良さは残し、宝塚歌劇の懐の深さをも改めて感じさせる意欲作だ。初日の舞台は原作者のモンキー・パンチ、「ルパン三世のテーマ」などを手がけた作曲家・大野雄二も観劇、初日後に早霧、咲妃らとともに会見を開いた。ふたりとも「びっくりした」と口を揃えつつ、「僕が描いた漫画とはまったく違う世界を見せていただいた。これからの作品の中でもヒントとして活かせる部分がずいぶんある」(モンキー)、「宝塚の独特のやり方と『ルパン三世』がすごくいい具合にミックスされていて、とても楽しく観ました。音楽のアレンジも「お、やるな」という感じでした(笑)」(大野)と絶賛。また誰もが知るキャラクターに扮した早霧は「やはり山田(康雄)さんの声がとても印象深い。あの声を、モノマネをするわけではなく自分色に染めて、宝塚の舞台に出来ないかなということは意識しました」とキャラクター作りについて話し、「ルパン三世ファン、そして宝塚ファン、どちらのお客さまにも楽しんでいただける公演になれば」と意気込みを語った。公演はエネルギッシュなショー『ファンシー・ガイ!』と同時上演。東京公演は3月22日(日)まで。
2015年02月24日昨年、13年間在籍した宝塚歌劇団を惜しまれつつ引退した蓮水ゆうやが、『THE SHOW INFECTED “CONNECTION”』で、退団後初めて、ショーの舞台に立つ。『THE SHOW INFECTED “CONNECTION”』 チケット情報今回の出演者で、蓮水は紅一点。構成・演出・振付の大澄賢也は「男性が束になってかかっても、女性にかないません(笑)」としつつ「ひとつの役を演じる劇やミュージカルとはまた違い、色々なことをやっていただきます。宝塚を退団されたばかりということで、蓮水さんがこれまで培ってこられたものに加え、今後の可能性が見えるものを目指します。ショービズ界の他の女性が嫉妬するものにしたいですね」と語り、蓮水も「宝塚時代から、ひとつのジャンルやイメージにとどまらない舞台人でありたいと思っていました。宝塚では男役だったので、台本を読んで“こういう感情かな?”と思った上で、さらに男性だったらどうかを考えて演じてきましたが、昨年末に小劇場の舞台に立った時、女性を演じるのがとても楽しくて。今回、女性としてどのようにショーができるか、楽しみです」と目を輝かせた。ショーの第一部の舞台は未来。大澄によれば「未来では誰も喋らず、文字や記号ですべてのコミュニケーションが行われています。でも、蓮水さん演じる女性は物足りなさや虚しさを感じている。そこにアッキー(中川晃教)扮する男性がタイムスリップして来て、熱い言葉を投げかけ、彼女に葛藤が生まれます。ふたりの出会いを通して、言葉を直接的に発して逃げずに向き合う大切さを表現したい」。生身の人間が直接、言葉や思いを届けるのは、舞台芸術そのものに通じること。その重要性を共有した上で、第二部は、アステアやフォッシー、マイケル・ジャクソンに、現代のアレンジを施したステージへ。様々な状況を、演技と歌、そして時に踊りで、表現する蓮水は「人間の負の部分や病んだ心を表現するのは、難しいからこそやり甲斐があります。二部では、宝塚の経験も生かせたらと。例えばジャズは音楽として大好きで、フォッシーにも在籍時代から憧れていましたから」。大澄が蓮水の印象を「ナチュラル」と評すると、蓮水は「嬉しいです。宝塚での集大成を迎えた時に感じたのも、自然体でいることの大切さ。意識し過ぎると逆に動きが小さくなってしまうんです。今回、すごい方達ばかりでビビっていますが(笑)、肩の力を抜き、まっさらな気持ちで皆さんから刺激を受けたいです」とし、大澄も「スポーツでも何でも、一流の人ほど、外側の力は抜けていてコアな部分だけが強い。舞台でも最初はどんどん服を着込んでしまうものですが、ある時から、脱いでシンプルになるほうが、周りが見え、お客さんに伝わることに気づくんですよね」とうなずいた。ナチュラルにしなやかに作られるショーの成果に、期待がかかる。公演は3月19日(木)から22日(日)まで東京・天王洲 銀河劇場にて。チケットは通常指定席のほか、非売品グッズと、好きなキャストの毎公演変わるソロ写真がもらえるプレミアムシートも販売中。取材・文:高橋彩子
2015年02月05日宝塚歌劇星組トップスターとして6年間を務めた柚希礼音のサヨナラ公演が、2月6日(金)より兵庫・宝塚大劇場にて開幕。ミュージカル『黒豹(くろひょう)の如(ごと)く』と、ショー『Dear DIAMOND!!-101カラットの永遠の輝き-』を上演する。宝塚歌劇星組 チケット情報『黒豹(くろひょう)の如(ごと)く』は、柚希をイメージして作られた物語。トップ娘役・夢咲ねね演じるヒロインとの大恋愛物で、黒豹のように俊敏でしなやかに仕事をこなす海軍士官を演じる。「黒豹というカッコ良いイメージをつけてくださり、恐縮しています(笑)。柴田(侑宏)先生が書かれるセリフは美しくて、“ザ・タカラヅカ”な雰囲気。演じる上ではちゃんと心を伴って、役の感情で自然に言葉を出していきたいです。ラブシーンの表現も流れを大切にして、お客様の胸にグッとくるようなものを見つけたいと思います」。一方ショーでは「やりたいことがたくさんある」と語る柚希。プロローグのリベルタンゴ、登場の仕方、芝居仕立ての展開など、演出の藤井大介に希望を伝えた。「稽古場では一つひとつ夢が叶っていくようで、幸せです。初舞台後すぐの新人公演(1999年月組『ノバ・ボサ・ノバ』)でドアボーイ役をさせていただいたので、新人ドアボーイが大きく成長するようなストーリーをコメディタッチで入れていただきました。それに、また作詞もしています(笑)。昨年の武道館コンサートではファンの皆様や仲間への想いを歌詞にしたので、今回はタカラヅカへの想いを書きました」。どんな想いが込められているのかを尋ねると「夢のような世界だけど、たくさんの人たちの“本気”が詰まっている。だからすごくタカラヅカを好きになりましたし、簡単な気持ちじゃ何も掴めないところだなと。そこのフレーズは自分でも好きです」と、照れながら語ってくれた。下級生時代から新人公演で主演を務めてきた柚希。順風満帆なイメージを持たれるが、意外にも劣等感しかなかったという。「新人公演の本役さんに陰ソロがあったときには、上手い人を代役に立てられそうになるくらい下手で…。でも上級生の方々が毎日稽古に付き合ってくださったり、しかってくださったから、たくさんもがいて成長できたのだと思います。トップに立ってからは“できない”では済まされないので、そこでようやく自覚が生まれました。ずっと1作1作ごとに成長することを目標にやってきましたので、最後の最後まで上を目指したいです」。公演は宝塚大劇場にて2月6日(金)から3月9日(月)まで上演。東京宝塚劇場公演は3月27日(金)から5月10日(日)まで。東京公演は2月22日(日)より一般発売を開始。取材・文:黒石悦子
2015年01月28日100周年を経た宝塚歌劇が1月1日、101年目の新たな一歩を踏み出した。兵庫・宝塚大劇場でその幕開けを飾るのは、新トップスター・早霧(さぎり)せいな率いる新生雪組。演目はミュージカル『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!-』と、ファンタスティック・ショー『ファンシー・ガイ』の2本立てだ。宝塚歌劇雪組『ルパン三世-王妃の首飾りを追え!-』『ファンシー・ガイ!』のチケット情報第一幕は、モンキー・パンチ原作の人気漫画をミュージカル化した宝塚版『ルパン三世』。物語は、現代のフランス・ベルサイユ宮殿に、マリー・アントワネットの首飾りを狙ってルパン一行が現れるところから始まる。しかし、盗もうとしたその瞬間、革命前夜のフランスへとタイムスリップ。そこでマリー・アントワネットやカリオストロ伯爵と出会い、お宝をめぐる物語が展開していく。誰もが知る人気漫画の舞台化だけに、開幕前より注目が集まっていた本作。ルパンを演じる早霧は、コミカルさと格好良さと優しさを絶妙なバランスで表現し、演技力の高さを発揮。軽快におどけて見せる動きや表情、発声でも原作のイメージを崩さず、それでいて宝塚歌劇らしいスマートさも持ち合わせ、観客の心までも奪う。ルパンとマリー・アントワネットとの恋模様も見どころで、演じるのはトップ娘役の咲妃(さきひ)みゆ。彼女も新トップながら、堂々とした演技と安定感のある歌唱で魅せる。また、銭形を演じる夢乃聖夏(ゆめの・せいか)も、登場シーンから笑いを誘うほどのハマりっぷり。花組から組み替えとなった望海風斗(のぞみ・ふうと)は、ちょっぴり怪しげなカリオストロ伯爵。峰 不二子役の大湖(だいご)せしるは艶っぽくセクシーに、五ェ門役の彩凪翔(あやなぎ・しょう)、次元役の彩風咲奈(あやかぜ・さきな)は、言葉少なくも佇まいがキャラクターそのもの。それぞれの個性輝くステージは、新生雪組のお披露目公演にピッタリだ。第二幕のショー『ファンシー・ガイ!』は、男役、娘役ともに、パンツにソフト帽スタイルのスタイリッシュなプロローグからスタート。パリ、ローマ、ウィーン、マドリッドなど、さまざまな街をイメージしたストーリー性のあるショーを展開する。フランク・シナトラの名曲を歌い継ぐシーン、美しい黒燕尾の群舞、集団でのタンゴ、『愛の賛歌』に合わせたデュエットなど、大人の色気あふれるステージ。両作を通して、早霧を中心とする新生雪組の魅力がたっぷりと堪能できる。兵庫公演は2月2日(月)まで上演中。また、2月20日(金)から3月22日(日)まで、東京宝塚劇場にて上演される。東京公演のチケットは1月18日(日)より一般発売開始。なお、チケットぴあでは一般発売に先駆けて、インターネット先行抽選(プレリザーブ)を1月8日(木)11時から1月14日(水)11時まで受付。取材・文:黒石悦子
2015年01月08日ハイネスコーポレーションは1月中旬より、宝塚市で初めてとなる高齢者向け分譲マンション「マスターズマンション宝塚中山 中楽坊(ちゅうらくぼう)」を販売開始する。○ささやかな楽しみがあふれるマンション同社はこれまで、6棟約1,200棟戸の高齢者向け分譲マンションに携わっており、本物件は7棟目。なお、関西エリアで高齢者向けの分譲マンションが新規供給されるのは、実に約4年ぶりとなる。共用部には、家庭菜園、年中無休のレストラン、大浴場、娯楽室に加え、病院や介護事業者との提携による医療・介護サービスも整備。また、介護系の資格を有する管理員や、日常の細かなお手伝いを担うコンシェルジュを配置する。様々な講座や年中行事、イベントなど住民同士の自然で豊かな交流を演出する「わくわく倶楽部」も導入予定。専有部は、高齢者にとって安全で使いやすい設備・仕様となっており、緊急コールボタンを取り付け、すぐに管理員らが対応することが可能。場所はJR「中山寺」駅から徒歩15分、総戸数は147戸。間取りは1LDK(47.14平方メートル)~2LDK(81.31平方メートル)、販売価格は2,580万円~5,730万円。
2014年12月18日日本経済新聞社は、宝塚歌劇100周年を記念した展示イベント『宝塚歌劇100年展-夢、かがやきつづけて-』を開催する。会場は東京都・有楽町の東京国際フォーラム 地下2階 展示ホール2。会期は12月16日~28日 10:00~20:00(日曜日は17:00まで、入場は閉場の30分前まで)。入場料は一般1,400円/高・大学生700円/中学生以下無料。同展は、宝塚歌劇100年の歴史と感動を、舞台で実際に使用した装置や衣装、ポスター、写真、映像などの貴重な展示で振り返るオフィシャル記念展。今年3月より名古屋、福岡、神戸の3都市で巡回開催されており、今回の東京展がそのフィナーレとなる。会場内には有名な大階段をはじめ、『ベルサイユのばら』公演で使用した舞台装置が再現されるほか、今年上演された5組の舞台衣装が展示される。さらに、巡回展で展示された今年の5公演50点の写真に加え、星組公演『TheLostGlory -美しき幻影-』、『パッショネイト宝塚!』、花組公演『エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-』、月組公演『PUCK(パック)』、『CRYSTALTAKARAZUKA-イメージの結晶-』、宙組公演『白夜の誓い -グスタフIII世、誇り高き王の戦い-』、『PHOENIX 宝塚!! -蘇る愛-』の4公演に大運動会を加えた合計100点の写真が展示されるという。そのほか、宝塚歌劇の代名詞ともいえる『背負い羽根』を身につけて、タカラジェンヌになった気分で記念撮影できるコーナーも設置されるとのことだ。なお、会期中は宝塚歌劇団のOGや現役生によるトークショーが連日予定されている。各日のスケジュールは、12月16日 11:00/13:00が壮一帆、17日 14:00が麻路さき、18日 11:00/14:00が桜一花・月央和沙、同じく18日 18:30が霧矢大夢、20日 11:00/14:00が涼紫央、22日 14:00が朝海ひかる、23日 14:00が湖月わたる、24日 14:00が安寿ミラ、25日 14:00が榛名由梨・汀夏子<ベルばら Day<、26日 14:00が大空祐飛、27日 11:00/13:00が悠未ひろ、28日 11:00/13:00が宝塚歌劇団 月組 珠城りょう・早乙女わかばが予定されている(時間はいずれも開演時間。19日と21日は予定なし)。(c)宝塚歌劇団
2014年12月09日元宝塚トップスターたちのビューティーリレーコラム、期間限定公開!カバーファンデーションのエキスパートブランド「カバーマーク」は、「モイスチュア ヴェール クリーミィ リキッド」の発売を記念して、元宝塚のトップスターが登場する「ビューティーリレーコラム」を11月21日から随時で公開している。ビューティーリレーコラムで美しさの秘密を語るのは、元宙組男役トップスターで現在は女優およびアーティストとして活躍する和央ようか、元月組娘役トップスターで現在は女優および歌手である彩乃かなみ、そして元雪組男役トップスターで現在も女優として表舞台に立ち続けている朝海ひかるの3名。加えて、かつては花組で男役を務め現在はヘアメイクアーティストとして華やかな舞台を支えるCHIHARUが、理想の肌づくりや品格メイクの極意を紹介するスペシャルインタビューも公開される予定。アラフォー女性の9割が「艶感のある肌」に憧れているまた同サイトでは、アラフォーの男女600名を対象として実施した「アラフォー女性に関する意識調査」の結果を公開している。その結果、アラフォー女性の9割弱が「艶感のある肌に憧れている」ことが分かった。また4割以上の女性が「艶のある肌」を理想の肌として挙げている。美肌の秘訣はもちろん、宝塚時代の貴重な体験談も満載で、宝塚ファンにはたまらない企画となっている。ビューティーリレーコラムは期間限定での公開なので、お見逃しなく!【参考】大人キレイSalon参考画像:
2014年11月27日宝塚歌劇宙組トップスター、凰稀(おうき)かなめのサヨナラ公演が11月7日、兵庫・宝塚大劇場にて開幕。ミュージカル『白夜の誓い-グスタフⅢ世、誇り高き王の戦い-』、ショー『PHOENIX 宝塚!!-蘇る愛-』の2本立てで上演中だ。宝塚歌劇宙組公演『白夜の誓い-グスタフⅢ世、誇り高き王の戦い-』/『PHOENIX 宝塚!!-蘇る愛-』のチケット情報『白夜の誓い』は、1770年代のスウェーデンを舞台に、北欧史に名を残すグスタフⅢ世の波乱に満ちた生涯を描いた物語。スウェーデンにロココ文化を花開かせるとともに、腐敗した貴族政治を改革、大国ロシアと戦争し、大勝利を収めた人物だ。スラリと伸びた手脚に、クールかつノーブルな雰囲気の佇まい。しかしその内には、宝塚歌劇への熱い情熱を秘めるトップスター。ラストステージで演じるグスタフⅢ世は、そんな凰稀にぴったりの役だ。抜群のスタイルには、華やかな貴公子の衣装がよく似合う。国民のことを一番に考えて平和な国にしようと、自分の想いや信じたことには真っ直ぐに突き進むグスタフは、トップとして、組やファンのことを第一に考えて歩んできた凰稀の姿に重なる。グスタフの妻ソフィアを演じるのは、娘役トップスターの実咲凛音(みさき・りおん)。最初はプライドが高く、気高い雰囲気をまとわせながら、次第にグスタフへの愛を深めていく女性の気持ちの変化を丁寧に表現。次期トップスターの朝夏(あさか)まなとが演じるのは近衛士官長のリリホルンで、さまざまな人間の板挟みになり、葛藤、苦悩する役どころ。また、凰稀と同様、本作で退団する緒月遠麻(おづき・とうま)は、グスタフの幼なじみで側近のアンカーストレム役。同期で同時退団という関係性から、このふたりの印象的なシーンも多く作られている。第2幕のショー『PHOENIX 宝塚!!-蘇る愛-』は、凰稀をフェニックスに見立てて構成。サヨナラ公演らしく、演出家・藤井大介の宙組への愛がたっぷり詰まったステージだ。オープニングでは、大階段を覆い尽くすほどの大きなマントを羽織ったフェニックスが登場。その美しさと壮大さに一瞬で引き込まれ、一気に華やかなステージが展開。凰稀がコミカルな七変化で楽しませる場面、組子に見守られて羽ばたいていく場面、凰稀から新たな宙組へエールを送るような場面……と、盛りだくさん。緩急つけた演出で、クールかつ熱い情熱みなぎる凰稀の魅力が引き出されている。両作ともに、個々の魅力、組としての圧倒的なパワーを感じるステージ。気高きトップスターのラストステージを、じっくりと堪能してほしい。公演は12月15日(月)まで兵庫・宝塚大劇場にて。2015年1月2日(金)から2月15日(日)まで東京宝塚劇場にて上演される。チケットは宝塚大劇場公演は発売中。東京宝塚劇場公演は12月7日(日)より一般発売開始。取材・文:黒石悦子
2014年11月12日宝塚歌劇100周年を記念し、宝塚OGが<世界初の女性のみ>のキャストで上演するブロードウェイ・ミュージカル『CHICAGO』がまもなく開幕する。10月30日、舞台稽古中の出演者たちが意気込みを語った。『CHICAGO』はブロードウェイでは1996年のリバイバル版初演から17年以上のロングランを続けている、名作中の名作。殺人すらもスターダムにのし上がっていくための材料とする野心あふれる女性たちと、彼女らを操る悪徳敏腕弁護士が織り成す、ブラックでセクシーでコミカルな物語だ。『オール・ザット・ジャズ』など全編を彩るオシャレなジャズナンバーに加え、なんと言っても“フォッシー・スタイル”と呼ばれるボブ・フォッシー振付によるクールなダンスが作品の魅力のである。初日を目前にした出演者たちはそれぞれ「ド緊張しました」(和央ようか)、「宝塚100年の歴史の上に、このブロードウェイ作品『CHICAGO』がコラボレーションしている。それを目の当たりにしてとてもエキサイティング」(湖月わたる)等々、現在の心境を語った。ビリー役は羽根に囲まれるシーンがあるが、元トップスターたちにはお手のものだったようで「振付のゲイリー・クリストさんたちに“これだけ羽根の似合うビリーは初めて見た”といわれました」(峰さを理)といった話も。またブロードウェイスタッフも「最初に企画を訊いたときはどうなることかと思ったけど、こんなに楽しめるものになるとは、と仰っていました」(麻路さき)と好評だったことを明かしていた。メインキャストはいずれもトリプルキャスト。悪徳弁護士ビリー・フリン役は、峰さを理、麻路さき、姿月あさと。浮気をした夫と妹を殺害した罪で収監されているヴェルマ・ケリー役は和央ようか、湖月わたる、水夏希。愛人を殺したキュートな犯罪者ロキシー・ハートは朝海ひかる、貴城けい、大和悠河。いずれも元トップスター。彼女らが魅せるセクシーでスキャンダラスな世界をお楽しみに。公演は11月1日(土)から9日(日)まで東京国際フォーラム ホールCにて。その後大阪公演、愛知公演を経て、12月に東京凱旋公演を行う。
2014年10月31日100周年を迎え、様々な記念イベントが注目を集めている宝塚歌劇団。中でも、著名なOGが集結して贈るショーが、この『セレブレーション100!宝塚』だ。キャストは平成期に在団した元トップスター12名を中心に、アンサンブルにも元生徒(劇団員)12名、さらに日替わりゲストとスペシャルゲスト27名も加えた豪華版。『ベルサイユのばら』『エリザベート』『風と共に去りぬ』など、数多の傑作からよりすぐりの名曲と名場面で綴る構成だ。5月18日(日)、初日を前にゲネプロと囲み会見が行われた。『Celebration 100!宝塚~この愛よ永遠に~』チケット情報オープニングの「レインボウ宝塚」を歌いながら、杜けあき、麻路さき、高嶺ふぶき、稔幸、姿月あさと、湖月わたる、貴城けいが登場すると、ステージは一気に華やかなオーラに包まれる。続けて昭和の時代の名曲を、風花舞、星奈優里、大鳥れい、彩乃かなみ、蒼乃夕妃がキュートに歌い継ぐと、今度は貴城から順に、それぞれの代表作の主題歌を歌い上げてゆく。観ているうちに、こちらもすっかり彼女らが在団していた当時の自分に戻ってしまうのが“宝塚マジック”だ。ゲネプロでは日替わりゲストからA日程の眞帆志ぶき、初風諄、榛名由梨、スペシャルゲストからは加茂さくらが出演し、健在ぶりをアピール。1952年に39期生として入団した眞帆が「アマール・アマール」を小粋に歌うと、思わず見学席からも拍手が。そのほか、『ベルサイユ~』の初演(1974年)に出演した初風の「青きドナウの岸辺」、『風と共に~』(1977年)の初演を成功に導いた榛名の「さよならは夕映えの中で」など、全てが見どころといった印象。一方で、ダンスの名手である湖月と風花により『LAST STEPS』からタンゴの名場面が再現されるなど、宝塚歌劇団が芝居や歌はもちろんシアターダンスにおいても日本芸能史を支えてきたのだと、改めて思い出させてくれる演出となっている。ゲネプロ後に行われた囲み会見では、「39期生から96期生まで、家族でいえば3世代に渡るキャスト。でも誠心誠意、物事に取り組む姿勢は変わらないと感じました」と語った杜。「いまだに男役の姿のほうがラク」と麻路が笑わせつつも、「“努力・忍耐・根性”というのを教えてもらった。世の中が変わっても、そこは変わらなくていいのでは」という高嶺の言葉に全員がうなずくひとコマも。宝塚が100年続いた理由については、「古き良きものを大切にしている」(稔)、「伝統を受け継ぐ上下関係」(姿月)、「先輩から後輩への惜しみない指導」(湖月)とそれぞれに想いを述べた出演者たち。「それもずっと観てくださっているファンの方あってこそ」という貴城の言葉通り、劇団の歴史は“人”の歴史でもあったのだと、再認識できる舞台となりそうだ。公演は5月18日(日)から6月8日(日)まで東京・青山劇場、6月13日(金)・14日(土)に愛知芸術劇場 大ホール、6月24日(火)から30日(月)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて。取材・文佐藤さくら
2014年05月19日洋菓子店ハイジは4月4日より、宝塚歌劇団の5組(花組・月組・雪組・星組・宙組)の組カラーをイメージしたスイーツ「アルハンブラ」を、宝塚大劇場にて限定販売する。○ストロベリーなどフレーバーも5組「アルハンブラ」とは、チョコレートにこだわったカカオガナッシュをココアの優しくしっとりとした生地で挟んだお菓子。今年1月から宝塚大劇場で販売しており、好評を得ている。このほど、100周年を迎える花組・月組・雪組・星組・宙組の各組それぞれをイメージした「アルハンブラ」を販売する。花組(ストロベリーアルハンブラ)は、鮮やかなピンク色のストロベリースポンジに果肉感のあるストロベリーガナッシュを挟んだ。月組(ココナッツバナナアルハンブラ)は、ローストココナッツをふんだんに使用したスポンジに果肉感のあるバナナガナッシュを挟んだ。雪組(抹茶アルハンブラ)は、抹茶のスポンジと濃厚な抹茶のガナッシュを使用。宇治抹茶のみを使用しており、うまみの中にほんのり苦みも感じられる味わいとなっている。星組(ブルーベリーアルハンブラ)は、たまご風味のホワイトスポンジに果肉感のあるブルーベリーの甘酸っぱいガナッシュを挟んだ。宙組(フランボワーズアルハンブラ)にも、たまご風味のホワイトスポンジを使用。中には、果肉感のあるフランボワーズのガナッシュを挟んでいる。同商品は4月4日に発売。宝塚歌劇100周年 夢の祭典「時を奏でるスミレの花たち」より、宝塚大劇場チケットカウンター横「アンジュロ」で販売を開始する。価格は各260円。
2014年04月01日(画像は、宝塚音楽学校ホームページより)競争倍率26・6倍の難関を突破3月29日、実業家で元モデルの君島十和子さん(47)の長女・君島憂樹(ゆうき)さん(16)が競争倍率26・6倍の難関を突破し、宝塚音楽学校(兵庫県)に合格した。昨年に続き2度目の受験で合格昨年に続く2度目の受験で見事合格した憂樹さんは、身長170cmで宝塚らしい男役に憧れている。母である十和子さんは、「娘は16歳で、人より早く人生の目標を見つけた」。昨年、不合格だったことで、今回はレッスンを強化して臨んだ娘を思い「2年間(音楽学校で)精進して、立派な舞台人、社会人になってほしい」(日刊スポーツより)と願いを語った。十和子さんが元々宝塚志望だったため、憂樹さんが幼稚園のころから舞台に親しませていた。また、祖父で君島ブランドを立ち上げたデザイナーの故・君島一郎さんも孫を宝塚に入れたいと語っていたという。4月19日に入学式が行われ、2年後のデビューを目指して厳しいレッスンが始まる。道のりはまだまだ長いが、宝塚のトップスターを目指して日々レッスンに励んで夢を叶えてほしいものである。【参考リンク】▼宝塚音楽学校▼君島十和子オフィシャルブログ
2014年04月01日宝塚歌劇花組の男役トップスター、蘭寿とむのサヨナラ公演が2月7日、兵庫・宝塚大劇場にて開幕。フィッツジェラルドの未完の長編小説をミュージカル化した『ラスト・タイクーン-ハリウッドの帝王、不滅の愛-』とショー『TAKARAZUKA∞夢眩』の2本立てで上演中だ。宝塚歌劇花組公演『ラスト・タイクーン-ハリウッドの帝王、不滅の愛-』/『TAKARAZUKA∞夢眩』のチケット情報『ラスト・タイクーン』は、1930年代のハリウッド映画界が舞台。タイクーンと呼ばれる若き天才映画プロデューサー、モンロー・スターは、女優ミナ・デービスと婚約していたが、突然の事故で彼女を亡くしてしまう。心に大きな傷を抱えながらも、映画創りにさらなる情熱を傾けていくが、スタッフたちはモンローの強引なやり方に次第に反発するようになる。そんな中、モンローは亡きミナと瓜ふたつの女性キャサリンと出会い……。宝塚歌劇団入団から20年、男役ひと筋で生きてきた蘭寿のラストステージ。その集大成となるモンローは、セクシーで大人っぽく、強引な中にも情熱と温かい愛情を持った男。蘭寿の魅力をたっぷりと感じられる役柄だ。スタッフたちを先導切ってまとめる姿や、モンローの映画にかける想いや夢を綴った曲を歌う場面は、トップスターとしての蘭寿、そして宝塚歌劇で生きてきた蘭寿の姿に自然と重なり、“ラスト”を感じさせる。次期トップスターとなる明日海りおは、モンローを育て上げた映画プロデューサーのブレーディ役。モンローの活躍に嫉妬し、モンローをおとしめようとする憎まれ役だ。フレッシュな印象の明日海が、年配の男性を声のトーンや佇まいなど、深みのある表現で演じているのにも注目だ。第二幕のショーは、幕開きからリズミカルで勢いのある印象。怪しげな雰囲気からスタートし、一瞬にして、宝塚歌劇ならではの煌びやかな空間へと変わる。スターが歌い継ぎ、それぞれの個性が観客に届くような演出で楽しませる。また、KENTO MORIの振付によるシーンでは、銀狼に扮した蘭寿が独特のステップや表現で魅せる。ラストを思わせる演出も見どころで、蘭寿がひとり銀橋に立ち、組子一人ひとりを見渡していく姿には、胸に熱いものがこみ上げてくる。男役の真骨頂である大階段での黒燕尾は、ため息が漏れるほどに美しく、蘭寿を始めとする花組の力を見せつけられる。新しさとクラシックな宝塚歌劇の魅力、そして蘭寿の美しいダンスをたっぷりと堪能できるステージだ。兵庫公演は3月17日(月) まで上演中。取材・文:黒石悦子
2014年02月12日優しく包み込むような温かなオーラを持つ、宝塚歌劇団花組トップスター・蘭寿とむ。歌、ダンス、演技の3拍子が揃った蘭寿のサヨナラ公演が、2月7日(金)、兵庫・宝塚大劇場にて開幕する。演目は、ミュージカル『ラスト・タイクーン-ハリウッドの帝王、不滅の愛-』とショー『TAKARAZUKA∞夢眩』の2本立て。創立80周年の年に宝塚音楽学校に入学し、20年間タカラヅカひと筋で生きてきた蘭寿に、ラストステージにかける想いを訊いた。宝塚歌劇花組『ラスト・タイクーン-ハリウッドの帝王、不滅の愛-』チケット情報『ラスト・タイクーン』は、アメリカの作家フィッツジェラルドの未完の大作をベースにした物語。1930年代のハリウッド映画界を舞台に、大物プロデューサーの栄光と挫折や、亡き先妻と瓜ふたつの女性とのロマンスを描いたミュージカル。「強引にも周りをまとめて映画を作り上げていく大物プロデューサーを演じます。映画に魅せられて面白い映画を作ろうと集まってきた人たちは、タカラヅカの舞台に立ちたいと思って集まってきた私たちに重なるものがあり、共感できる部分が多いです。その気持ちを反映しながら、役を作り込んでいます」本作は演出家・生田大和の大劇場デビュー作でもある。生田の熱意と愛情を感じながら、日々稽古を重ねていると話す。「稽古をしながらも台詞を変えたり、新場面が増えたり、すごく熱意を感じます。私としては、遠慮なくぶつかっていけるのがとても嬉しいです。それに、「迷わず歩んだ、ただひとつの道を」というような、私のタカラヅカ人生と重ね合わせた歌詞や場面を作ってくださり、生田先生の愛情を感じます」。ショーでは「花組の男役の魅力を最大限に見せたい」と意気込む。「幕開きからかなりアップテンポで、花組のパワーがいきなり炸裂します(笑)。前半ではリズミカルでスピーディな場面を展開しつつ、ラストは男役全員で大階段での黒燕尾を。大好きな黒燕尾で、思い残すことなく踊りきりたいです」。20年間の集大成だからこそ、感傷に浸る暇はない。「本当に最後まで挑戦だなと思います。“これぞ蘭寿とむ!”というものを残したいですし、花組が最高に活気づいた状態でバトンタッチしたい。そして、ずっと応援してくださり、支えてくださった方々への感謝の気持ちを舞台で返したいと思います」。公演は宝塚大劇場にて2月7日(金)から3月17日(月)まで上演。東京宝塚劇場では4月10日(木)から5月11日(日)まで上演され、3月9日(日)より一般発売を開始。取材・文:黒石悦子
2014年02月03日宝塚歌劇の宙組公演『風と共に去りぬ』が、9月27日、兵庫・宝塚大劇場で幕を開けた。マーガレット・ミッチェルのベストセラー小説が原作で、映画でも知られる本作。宝塚歌劇では1977年の初演以来、再演を重ね続けてきた代表作のひとつだ。宝塚歌劇宙組『風と共に去りぬ』のチケット情報南北戦争の開戦から1年後の1862年。南軍の軍事拠点となったアトランタに、義妹のメラニーらと暮らすためにやってきた未亡人のスカーレット。そこで再会したのは、北軍の封鎖を破り、軍需物資を南部へ運んで暴利を得たと噂されるレット・バトラー。メラニーの夫アシュレに想いを寄せるスカーレットは、かつて、アシュレに告白していたところを、レットに目撃されていたのだった。初めて会ったときから、スカーレットに惹かれていたレットと、自分の気持ちに正直に生き、アシュレを想い続けるスカーレット。戦争が激しくなる中で、それぞれの想いは……。トップスター凰稀(おうき)かなめが演じるレット・バトラーは、“男の中の男”。稽古段階では凰稀が「自分自身を、男役を一から洗い直している」と言うほどの役柄で、レットを演じることは大きな挑戦だ。そんな強い意志を持ちながら凰稀は厚みのあるレットを作り上げ、ワイルドな大人の男を熱演している。粗野な無頼漢だが、色気があり、ときに優しく、力強くスカーレットを包み込むレット。やはり一番の見どころは、スカーレットに裏切られたことを知り酒に酔ったレットが、悔しさと寂しさをにじませながら、スカーレットに怒りをぶつけるシーンだろう。凰稀の男役としての深みがより一層増しているようだ。スカーレットは、普段は男役の、朝夏(あさか)まなとと七海(ななみ)ひろきが役替わりで演じる。初日の朝夏が演じるスカーレットは、気が強くもチャーミング。どんな状況でも真っ直ぐに前を見て生き抜いていく強さや、アシュレを前にしたときの乙女な一面など、コロコロと表情を変えながら演じていく。スカーレットと彼女の“心の声”とのやり取りは、宝塚歌劇ならではのユニークな演出だ。また、悠未(ゆうみ)ひろは、優しいけれど弱くて優柔不断なアシュレ、実咲凛音(みさき・りおん)は、天使のように誰に対しても優しく懐の深いメラニー、男役の緒月遠麻(おづき・とうま)は、男勝りなカッコよさのあるレットの情婦ベルと、宙組の粒ぞろいなスターたちが、役の個性を繊細に捉えて演じており、凰稀をはじめ、大きな飛躍を見せる宙組の魅力がじっくりと味わえる作品となっている。兵庫公演は11月4日(月・祝)まで上演中。また、11月22日(金) ~ 12月23日(月・祝) まで、東京宝塚劇場にて上演される。東京公演のチケットは10月20日(日)より一般発売開始。取材・文:黒石悦子
2013年10月02日イタリアオペラを原作にした究極のラブストーリー『愛と革命の詩-アンドレア・シェニエ-』が、宝塚歌劇花組公演として上演。ショー『Mr.Swing!』とともに、8月16日、兵庫・宝塚大劇場で幕を開けた。まず目に飛び込むのが、天使の羽根をイメージした壮大な舞台装置。舞台に幻想的な雰囲気を作り出している。宝塚歌劇花組公演『愛と革命の詩(うた)-アンドレア・シェニエ-』/『Mr.Swing!』- のチケット情報本作は、男役トップスター蘭寿(らんじゅ)とむが「念願だった」という“大恋愛物”。フランス大革命期のパリに生きた実在の詩人アンドレア・シェニエと、貴族の令嬢マッダレーナ、マッダレーナに想いを寄せる革命の闘士ジェラール。時代の波に翻弄されるこの3人の生き様と関係を軸に、物語が展開していく。蘭寿演じるシェニエは、貴族が相手だろうと自分の身に危険が迫ろうと、自分の信念を一切曲げない、熱く強い意思を持った人物。人々が平等に生きられる社会になることを願って、詩を書き続ける。そんなシェニエの詩を読んで生きる希望を見出し、シェニエに惹かれていくのが蘭乃(らんの)はな演じるマッダレーナ。手紙だけでやりとりをしていたふたりが出逢い、一気に愛が燃え上がっていく様は見どころのひとつだ。ハンブルクバレエ団現役ソリスト・大石裕香の振付による、情感豊かなデュエットダンスがより一層温かな空気を作り上げている。内に熱い想いを秘めて革命闘士として生きるジェラールを演じるのは、組替えして初の大劇場公演となる明日海(あすみ)りお。想い描いた“平等な社会”への理想と辿り着いた先の現実との違いに対する葛藤、そして、シェニエとマッダレーナが惹かれ合っていることへの嫉妬と、複雑な感情を繊細に表現する。第二幕のショー『Mr.Swing!』は、幕開きから熱くてパワフル。公演前に蘭寿が「イントロダクションだけでも満足していただけるはず」と言っていたように、スーツにソフト帽を被った男役たちがズラリと並んで魅せるダンスに心奪われ、思わず目が釘付けに。熱狂的なリズムでテンポよくグイグイと観客を引きこみ、野球少年風に扮したコミカルな場面、幻想的なエスニックの場面、妖艶なデュエットダンス、シックな黒燕尾…と、緩急つけた多彩なシーンが繰り広げられていく。蘭寿のキレのあるシャープなダンスをはじめ、“ダンスの花組”の魅力がたっぷりと味わえるステージに仕上がっている。兵庫公演は9月23日(月・祝)まで上演中。また、10月11日(金) ~ 11月17日(日)まで、東京宝塚劇場にて上演される。東京公演のチケットは9月8日(日)より一般発売開始。取材・文:黒石悦子
2013年08月22日宝塚歌劇雪組『ベルサイユのばら-フェルゼン編-』東京公演が6月14日、東京宝塚劇場で開幕した。2014年の劇団創立100周年を目前に盛り上がる中での、タカラヅカを代表する名作中の名作の上演であることに加え、雪組新トップコンビ壮一帆、愛加あゆのお披露目でもあり、注目が集まっている公演だ。『ベルサイユのばら』はフランス革命を背景にした池田理代子による人気漫画を原作とした作品で、宝塚歌劇団ではさまざまな登場人物を主人公に、数々のバージョンで上演を繰り返しているが、今回雪組が上演しているのは〈フェルゼン編〉。スウェーデンの青年貴族フェルゼンと、フランス王妃マリー・アントワネットの哀しい恋を中心に描くものだ。フェルゼンを演じる壮は『ベルばら』に縁深く、今回で実に6回目の『ベルばら』出演。フェルゼンは初挑戦ながら、許されざる恋に情熱を傾ける青年を、気高くも温かく演じ、観る者を魅了する。また、さすがに作品の世界観を熟知しているようで、宝塚の様式美が凝縮されたような世界を見事に体現する熱演を見せていた。同日行われた通し舞台稽古後の会見では、「(経験から)変に落ち着いちゃってるね、と思われないように、情熱的にやっていきたい。雪組は2006年に〈オスカル編〉で『ベルサイユのばら』を経験しているので、その経験者たちが誇りをもって取り組んでいる。みんなの並々ならぬ『ベルサイユのばら』への情熱を感じていただければ」とアピール。さらに新しく壮のために追加されたシーンに触れ「新しく国境警備隊の場面を書いていただいて、私なりのフェルゼン像がより明確にできあがった気がしてとても嬉しく思います。壮一帆のフェルゼンはかなり“アクティブなフェルゼン”になっているかな」と自身の役どころについて語った。また、2006年まで所属していた雪組に、花組を経て再び戻ってきた壮だが「久しぶりに雪組に帰ってきましたが、以前と同じく家庭的な温かい空気がこの組には常に流れています。それはどんなにトップが変わっても変わらない、雪組の伝統のひとつなのかも。お客さまにもそのチームワーク、絆の深さを舞台を通してお伝えできれば」とも話していた。公演は7月21日(日)まで行われる。
2013年06月17日かつて実在した宝塚歌劇団“男子部”を題材にした人気舞台『宝塚BOYS』が今夏4度目の上演。6月12日には同舞台の製作発表が行われ、出演の吉沢悠、良知真次、初風 諄、原案の辻則彦、演出の鈴木裕美、そして元男子部の吉井裕海さんが会見に出席した。『宝塚BOYS』チケット情報原作は辻則彦が著したドキュメンタリー『男たちの宝塚』。終戦直後の1945年、「明日の宝塚スター」を夢見て集まって来た個性豊かな男たち。しかし9年後、解散。その間、彼らはメインステージである宝塚大劇場に立つことは一度もなかった。そんな男たちのちょっと可笑しくも哀しい青春を描く作品だ。2007年初演、2008年、2010年と上演を重ねてきた同作を、今回キャストを一新して上演する。会見では、主演の吉沢悠をはじめ、一同が公演への思いを次のように語った。■吉沢悠初演から大成功している舞台に自分が加われるということで、期待半分、不安半分です。7人の関係性がお客様の心を動かす作品だと思うので、歌やダンスのテクニック以上に7人の人間関係をもう一段・二段と深めていきたい。■良知真次初演を見てこの舞台からパワーをもらったので、今度は自分が希望を与えられるようになりたい。自分がこの世界に夢を持って入った時の初心に戻れる作品だと思う。男子部の方々に失礼のないように演じていきたい。■初風諄私も同じ志を持って、宝塚歌劇団に入団したので当時の男子部の方々の気持ちがよく分かる。(2014年に)宝塚歌劇団が100周年を迎えるが、このような尊い歴史があったことを伝えたい。■辻則彦(原案)4回目の上演ということで感慨深く思っております。これからも男子部に関わった一人として、彼らの気持ちを伝えていきたい。■鈴木裕美(演出)今回の新しいBOYたちは非常に優秀。クオリティーの高いものをお見せできると思う。舞台人として失礼のないように稽古をしていきたい。■吉井裕海(元男子部)(舞台上でも出てくる)「馬の後ろ脚」役で実際に大劇場の舞台に立ちました。何度見ても泣けてくる作品だと思う。フィナーレが一番好き。今年もまた泣きたい。公演は7月23日(日)から8月11日(日)まで、東京・シアタークリエにて。その後、8月13日(火)に愛知県芸術劇場 大ホール、8月24日(土)・25日(日)に兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール、9月11日(水)に新潟市民芸術文化会館 りゅーとぴあ・劇場でも上演。東京・愛知・兵庫公演のチケットは発売中。新潟公演は6月22日(土)より一般発売開始。なお、チケットぴあでは新潟公演のインターネット先行抽選を6月15日(土)午前11時より受付。
2013年06月14日2001年のフランスでの初演以来、世界中で上演されているミュージカル『ロミオとジュリエット』。日本では2010年に宝塚歌劇星組により初演、その後、雪組、月組でも上演されてきた人気作が再び登場。初演でロミオとジュリエットを演じたトップスター柚希礼音(ゆずき・れおん)、夢咲(ゆめさき)ねねコンビを中心とする星組公演として、5月31日、兵庫・宝塚大劇場で開幕した。宝塚歌劇星組 『ロミオとジュリエット』のチケット情報シェイクスピアの純愛物語『ロミオとジュリエット』を、現代的なロックテイストあふれる作品に彩った本作。一度聴くだけで耳に残る楽曲の数々に、アグレッシブなダンスパフォーマンスが魅力のミュージカルだ。宝塚歌劇では、そのフランス版をより美しく華やかにタカラヅカらしくアレンジ。対立するモンタギュー家とキャピュレット家のダンスシーンはカッコよく迫力たっぷりに、仮面舞踏会では華やかさを印象付ける。そして、フランス版でも登場する「死」を象徴するダンサーに加え、「愛」を象徴するダンサーを取り入れるなど、演出家・小池修一郎の手で、悲恋の物語を美しい愛が溢れる作品に仕上げている。主人公のロミオは、ベンヴォーリオやマーキューシオら喧嘩っ早い仲間の中でもひとり違うタイプで、争いを嫌い、本当の愛を求める純粋な青年。柚希はその真っ直ぐなロミオをとびきり爽やかに演じ、ジュリエットへの一途な愛を温かく表現する。一方、ジュリエット役の夢咲は、幸せな結婚を夢見る少女の可憐さと、親に反抗してまでもロミオを愛し抜く芯の強さをバランスよく見せる。フレッシュで初々しいカップルの雰囲気をまとったふたりは、歌のハーモニーも言葉の掛け合いもダンスも抜群に息が合ったベストカップル。殺伐とした空気の中で、ふたりの繋がりが強くなるほど、争いの愚かさと愛の大切さがより強く浮かび上がってくる。今回は、ティボルト、ベンヴォーリオ、マーキューシオほか、複数の役を役替わりで上演。この日、ジュリエットの従兄ティボルトを演じた紅(くれない)ゆずるは、クールな雰囲気が一匹狼のティボルトの印象にピッタリ。登場するだけで緊張感を漂わせる危うさが印象的だ。また、ロミオの親友ベンヴォーリオ役の礼真琴(れい・まこと)、マーキューシオ役の壱城(いちじょう)あずさ、死のダンサー真風涼帆(まかぜ・すずほ)らも好演。星組メンバーのフレッシュなパワーが生きたステージは、配役を替えた公演も観たくなるほどそれぞれの魅力があふれている。未見の人はもちろん、前回公演を観た人もきっと、その愛と熱に心震わされるはず。兵庫公演は7月8日(月) まで上演中。また、7月26日(金) ~ 8月25日(日)まで、東京宝塚劇場にて上演される。東京公演のチケットは6月23日(日)より一般発売開始。取材・文:黒石悦子
2013年06月06日ヨーロッパ・フランス シェアNo.1プロフェッショナルスキンケアブランド「ギノー」が、関西初となる直営サロン『ランスティテュ ギノー宝塚ホテル店』を2013年5月8日(水)にオープンする。世界76カ国、12000店のサロンやスパで優れた美容サービスが提供され、日本国内でも、モデルや芸能人が足繁く通う高級サロンとして有名な「ギノー」が美容に関心の高い関西地区に直営サロンを満を持してオープン。宝塚大劇場オフィシャルホテルの伝統と歴史ある宝塚ホテル内で、本場フランスのラグジュアリーなエステティックを堪能することができる。トリートメントには、ギノーオリジナル美容機器とハンドテクニック、化粧品のコラボレーションで、結果にこだわったフェイシャル・ボディトリートメントを提供。その他にもオールハンドテクニックのアロマボディトリートメントなど、癒しメニューもある。【おすすめトリートメント】◆グランドイドラ(100分)¥21,000(税込)美白・美肌・小顔・リフト・エイジングケア対策ができるギノーおすすめの総合フェイシャルトリートメント。オリジナル美容機器「イドラデルムリフト」とハンドテクニックで最高の美を!◆グランドテクニスパ(100分)¥21,000(税込)ボディ美容機器「テクニスパ」を使用し、痩身・引き締め・美肌ケアを同時に施術。「吸引+ローラー」「イオン化」「スティミュレーション」の3つのマシン機能が同時に作用し、頑固なセルライトを解消。テクニスパとハンドマッサージで、結果と癒し両方を体験できる。【サロン情報】2013年5月8日(水)オープンランスティテュギノー宝塚ホテル店〒665-0004兵庫県宝塚市梅野町1-46 宝塚ホテル3FTEL.0797-81-1278OPEN 10:00-20:00(最終受付18:30)元の記事を読む
2013年04月27日宝塚歌劇団花組の東京公演『オーシャンズ11』が3月29日に東京宝塚劇場で開幕する。同日、公開舞台稽古が行われ、花組トップスター蘭寿とむ、娘役トップスター蘭乃はなが会見を行った。宝塚歌劇団花組『オーシャンズ11』チケット情報『オーシャンズ11』は2001年にアメリカ、2002年に日本で公開された映画。宝塚歌劇団では2011年に星組が世界初のミュージカル化をし、その好評を経ての今回の花組での上演だ。物語は天才詐欺師ダニー・オーシャンが10人の仲間たちとともに、妻・テスの恋人であるホテル王ベネディクトの経営するカジノの金庫破りに挑むというアクションドラマ。映画ではジョージ・クルーニーが演じたダニーに蘭寿、ブラッド・ピットが演じたラスティ・ライアンに専科から特別出演する北翔海莉が扮するのをはじめ、花組のスターたちがハリウッドスターに劣らぬ個性を炸裂させていて、楽しい仕上がりになっている。宝塚らしくショーシーンもふんだんに盛り込まれて、見どころも満載だ。会見では蘭寿が「桜が満開の良い時期に初日を迎えられて嬉しく思っています。自分自身の役作りとしては、映画のジョージ・クルーニーがものすごく格好良かったので、自分も大人で頭がきれ、でもテスには弱いというあたりを出せたら。全体としてもイリュージョンが変わっていたり、客席降りがあったりとエンターテインメント性が(初演より)もっと高くなっています。花組ならではの『オーシャンズ11』を皆さんに楽しんでいただければ」と見どころをアピール。また、この日は宝塚音楽学校で101期生合格発表があったということで、「私は合格発表の日、一番前で陣取って発表を待っていたんです。(合格者の番号が書かれた紙が)張り出された瞬間、隣にいた紺野まひるちゃんと手を取りあって大騒ぎして喜んだらそれがニュースに流れまして、学校に内緒で受験していたので、びっくりした担任の先生から『今あなたテレビに映ってるけど、どういうことかしら?』と電話がきました(笑)」というエピソードを披露、そして「宝塚は来年100周年を迎えます。彼女たちが次の宝塚を担っていく人たちだと思うので、“宝塚の舞台が大好き”という気持ちを一番大切に持って、頑張っていただきたい」と101期生にエールを贈っていた。公演は5月5日(日)まで同劇場にて。チケットは発売中。
2013年03月29日2011年に宝塚星組で上演され、好評を得た『オーシャンズ11』が花組で再演。2月8日、兵庫・宝塚大劇場で幕を開けた。宝塚歌劇花組『オーシャンズ11』のチケット情報原作は、天才詐欺師ダニー・オーシャンと10人の仲間たちが、ラスヴェガス最大のカジノの金庫破りに挑む犯罪アクション映画。主演のジョージ・クルーニー、ブラッド・ピット、ジュリア・ロバーツら豪華スターの共演でも知られるヒット作だ。服役中のダニー・オーシャンは、仮釈放になると同時に、ラスヴェガスへと向かう。愛する妻テスをホテル王ベネディクトから取り戻す、壮大な計画を実行するために……。第1幕はトップスター蘭寿(らんじゅ)とむ演じるダニーと、北翔海莉(ほくしょう・かいり)演じるラスティーによる仲間探しや、ベネディクトの企みを中心に展開。第2幕はカジノに潜入し、金庫破りの計画を実行する、コミカルかつ緊張感のあるシーンが続く。初演同様、イリュージョンも取り入れた、華やかでスリルあふれるステージは、観客をグイグイと引き込む要素が満載。蘭寿を中心とする、黒スーツをまとった男役のクールなダンスにうっとりし、11人のメンバーがズラリと並んで颯爽と去っていく後ろ姿には男の色気を感じ……。そんな男役の魅力をたっぷりと堪能しつつ、望海風斗(のぞみ・ふうと)演じるベネディクトの鼻を明かすチームプレイに爽快感を覚える。蘭寿は、持ち味である柔らかく落ち着いた雰囲気を漂わせながら、クールでアダルトに“チョイ悪”なダニーを演じる。透明感が魅力の娘役トップスター蘭乃はなは、歌手でダニーに離婚を要求している妻テス役。ベネディクトとダニーの間で揺れ動く気持ち、知性のある女性を繊細に表現している。さらに、ダニーの親友ラスティー役の北翔は、芸達者ぶりをいかんなく発揮。ときには爆笑が起こるほどの演技で楽しませてくれる。蘭寿と北翔がふたり並べば、抜群のコンビネーション。安定感のあるふたりのもと、演技力の高い元詐欺師ソールを演じる悠真倫(ゆうま・りん)、ヨーヨーの達人イエンを演じる華形ひかるほか、個性あふれる“イレブン”たちがそれぞれの魅力をアピールしながら演じていく。また、ベネディクトを演じる望海も、冷徹な悪人を表情豊かに好演している。壮大にショーアップされたラスヴェガスの華やかさと、宝塚歌劇の煌びやかなステージがピタッとはまった『オーシャンズ11』。花組の豊かな男の色気と痛快なステージングに引き込まれるはずだ。兵庫公演は3月11日(月)まで上演中。また、3月29日(金) ~ 5月5日(日・祝)まで、東京宝塚劇場にて上演される。東京公演のチケットは2月24日(日)より一般発売開始。なお、チケットぴあでは一般発売に先駆けて、インターネット先行抽選(プレリザーブ)を2月18日(月)11時まで受付中。取材・文:黒石悦子
2013年02月13日舞踊『宝塚ジャポニズム~序破急~』、ミュージカル『めぐり会いは再び2nd~Star Bride~』、レビュー『Etoile de TAKARAZUKA(エトワール ド タカラヅカ)』の3本立てで贈る宝塚歌劇星組公演が11月16日、兵庫・宝塚大劇場で幕を開けた。宝塚歌劇星組『宝塚ジャポニズム~序破急~』のチケット情報第1幕の舞踊は、能楽の基礎である「序破急」をテーマにしたショーで、序・破・急と約15分ずつで展開していく。「序」は1984年の初演からタカラヅカで受け継がれ、海外公演でも披露されてきた“桜のボレロ”。男役トップスター・柚希礼音(ゆずき・れおん)を中心に、桜の若衆に扮したスターたちが、桜の花びらをはらはらと散らしながらしっとりと舞う。そして次々と隊形を変化させながら、桜が咲き誇る中での総踊りへと展開する様は壮観。続く「破」では、“祈り”をテーマに、大日如来を中心とした仏たちの踊りが繰り広げられ、「急」では、迫力ある立ち回りを絡めての場面構成。全体を通して、繊細で美しい和の魅力を改めて感じさせてくれるとともに、宝塚でしか表現し得ない和物の群舞に圧倒される。第2幕のミュージカルは、昨年上演された『めぐり会いは再び』の続編。花婿選びの騒動を描いた前作から1年後、柚希演じる貴族の青年ドラントと、夢咲(ゆめさき)ねね演じる婚約者・シルヴィアの結婚前夜の様子が描かれる。互いに想い合いながらも素直になれないふたりは、些細なことで衝突。そんな彼らを見かねた周りの仲間や家族たちがひと芝居をうつことに……。前回同様、少女漫画のラブコメ仕立てのストーリーやキャラクター設定で気軽に楽しめる。それぞれコミカルで漫画チックな演技も微笑ましく、心和む作品だ。そして第3幕のレビューは、フランス語で「星」を意味する「Etoile」がタイトルにつけられているように、星をイメージした宝塚らしいステージ。柚希が輝く星のように大階段に浮かび上がり、柚希を中心とした黒燕尾のボレロが展開。スター総出の“ザ・タカラヅカ”なプロローグに心が踊る。続いて、12星座をイメージしたシーンが繰り広げられていく。柚希と夢咲のデュエットで魅せるおひつじ座からスタートし、真風涼帆(まかぜ・すずほ)を中心にクールに踊るおうし座、身体の半分が男、半分は女の衣装をまとった紅ゆずるが声のトーンを変えながら歌い、客席の笑いを誘うふたご座……とバリエーション豊かな演出で見せていく。きらめくステージの中で、星にまつわる宝塚のショーナンバーを歌い継いでいくレビューもあり、テンポの良い展開に惹き込まれているうちにフィナーレを迎える。公演前に柚希が「ここまで宝塚らしい作品は初めて」と語っていたように、2013年の台湾公演を見据えた本公演は、“宝塚歌劇”がじっくりと味わえる内容に仕上がっている。兵庫・宝塚大劇場公演は12月15日(土)まで上演。その後、2013年1月2日(水)から2月10日(日)まで、東京宝塚大劇場にて上演。こちらのチケットは12月2日(日)より一般発売。取材・文:黒石悦子
2012年11月22日宝塚歌劇雪組トップスター・音月桂(おとづき・けい)、舞羽美海(まいはね・みみ)の退団公演千秋楽の模様を全国4か所の映画館で生中継する事が発表された。雪組東京宝塚劇場公演千秋楽『音月桂ラストデイ』ライブ中継:チケット情報生中継されるのは、東京宝塚劇場で上演される<宝塚歌劇雪組『JIN-仁-』/『GOLD SPARK!-この一瞬を永遠に-』>の12月24日(月・祝)公演。雪組一筋15年、舞台に立ち続けてきた音月の勇姿を見届けようと、本公演のチケットは瞬く間に完売。今回の映画館生中継が決定した。当日は、TVドラマも大ヒットを記録した村上もとかの漫画「JIN-仁-」を原作に、宝塚歌劇では主人公・南方仁と橘咲の時空を超えた純愛、坂本龍馬との友情を通して命の尊さを描き出す同名公演と、躍動感あふれるショーに加え、音月桂ら退団者の挨拶も中継される。雪組東京宝塚劇場公演千秋楽『音月桂ラストデイ』ライブ中継は、12月24日(月・祝)、東京・お台場シネマメディアージュ、神奈川・TOHOシネマズ川崎、大阪・TOHOシネマズなんば・本館、兵庫・TOHOシネマズ西宮OSで開催。チケットは、11月25日(日)一般発売。尚、チケットぴあでは先行抽選プレリザーブを11月17日(土)11時から受付ける。
2012年11月16日11月16日(金)に兵庫・宝塚大劇場で開幕する宝塚歌劇星組の次回作は、舞踊『宝塚ジャポニズム~序破急~』、ミュージカル『めぐり会いは再び 2nd~Star Bride~』、レビュー『Etoile de TAKARAZUKA(エトワール ド タカラヅカ)』の3本立てで上演する。舞踊とレビューは、2013年4月に行われる台湾公演でも上演される演目だ。自身初の3演目に挑戦する男役トップスター・柚希礼音に心境を訊いた。宝塚歌劇星組『宝塚ジャポニズム~序破急~』ほかチケット情報「3本立てのお稽古は頭がこんがらがります」と、笑顔で話す柚希。1幕目の和物ショーは、序・破・急を15分ずつで展開していく。2年ぶりの和物への挑戦に「50人、60人が全員同じ振りで踊るのがタカラヅカの和物ショーの素晴らしいところだなと、改めて思いました。華やかで、日本人でよかったなとお客様に思っていただけるようにしたいです」。ダイナミックなダンスと男らしい色気が魅力の柚希だが、和物では“色っぽさ”を意識するという。「タカラヅカの男役が演じる日本物の若衆は、はんなりしていて、押したらふわ~っと倒れそうな感じがするんです。なので、お芝居や洋物のショーで作ってきた男役像とはまた違う雰囲気を出したいと思っています」。2本目のミュージカルは、貴族の男女が繰り広げる恋の騒動をコミカルに描いた作品で、昨年星組で上演された『めぐり会いは再び』の続編。“魅せる”ショーと舞踊の間で、ホッと心和む演目になりそうだ。「昨年も『ノバ・ボサ・ノバ』のエネルギッシュなショーの後で、みんなが伸び伸びと演じている雰囲気がありました。リラックスしている時がいちばんいいものが出ると思いますので、お客様にも和んでいただきつつ、私たちも肩の力を抜いて演じたいですね」。そしてレビューは、タイトルに“TAKARAZUKA”と付けられているように、タカラヅカらしさあふれる展開。「大階段の黒燕尾から始まり、“星”にまつわる懐かしい曲のメドレーもあります。こんなにもタカラヅカらしさあふれる作品は、私自身初めてのような気がします。今までいろんな作品に出演してきました。根本に戻って、タカラヅカの男役にしか出せない黒燕尾の美しさや、群舞で踊る美しさを観ていただき、やっぱりタカラヅカっていいなと思っていただけるような公演にしたいです」と力を込める。4月に控える台湾公演に向けても「力を入れすぎずに楽しみながら、これがタカラヅカだというものをお見せしたいです。皆様とより深く繋がれるきっかけになれたら」と語る柚希。“宝塚歌劇”の魅力が存分に堪能できるステージになりそうだ。公演は11月16日(金)から12月15日(土)まで兵庫・宝塚大劇場にて、チケットは発売中。その後、2013年1月2日(水)から2月10日(日)まで東京宝塚劇場にて上演。チケットは12月2日(日)より一般発売開始。取材・文:黒石悦子
2012年11月13日1996年、宝塚歌劇団による日本版が初演されて以降、宝塚各組で上演を重ね、空前のヒットを記録したミュージカル『エリザベート』。この人気作がウィーンでの初演から20年目の今年、宝塚版『エリザベート』の歴代キャストを迎え、コンサートバージョン『エリザベートスペシャルガラ・コンサート』として11月6日に東京・東急シアターオーブで開幕する。『エリザベートスペシャルガラ・コンサート』チケット情報オーストリア皇后エリザベートの数奇な人生を軸に展開するミュージカル『エリザベート』。宝塚版では、エリザベートを死へと誘う黄泉の帝王トートを主役に置き換え、高い評価を得てきた。今回のコンサートバージョンでは、過去にトート役を演じた一路真輝、姿月あさと、彩輝なお、春野寿美礼のほか、宝塚退団後に同作が上演されたため、現役時代には演じていない紫苑ゆうもキャストに加わり、日替わりで同役を演じる。またエリザベート役は花總まり、大鳥れい、白羽ゆりが務める。初日前日の5日、マスコミに舞台稽古が公開され、この日のトート役の一路とエリザベート役の花總が華麗なステージを披露した。稽古後には扮装姿でトート役とエリザベート役のキャストが一堂に会し、会見に応じた。宝塚現役時代から実に16年ぶりにトートとエリザベートを演じた一路と花總は「新しいものをやっている気持ちもありますが、いざやるとタイムマシーンに乗ったみたいな気持ちにもなりますね。すごく楽しんだり、緊張したり、新しい発見があったり新鮮な気持ちで演じられました。16年経っていることは少しさし引いて観ていただけたらと思っています(笑)」(一路)、「もう一度やるという感覚よりも、新しくこの役に取り組んでいるという感じで、エリザベートという女性を見つめ直して新鮮な気持ちで最後まで頑張りたいと思います」(花總)とコメントした。トート役初挑戦となる紫苑は「唯一、期待の新人でございます。(私が宝塚)退団後に『エリザベート』が上演され、悔しくて悔しくて。まさか退団後、こんな形で扮装までさせていただいて、今すべてが夢のようです」と喜びも露に、「一から曲を勉強する事はまったく別問題なので、ちゃんとやっていきたいと思って頑張りましたが、間にあわないかもしれません!頑張ります」と力をこめて語った。『エリザベートスペシャルガラ・コンサート』は11月21日(水)まで東京・東急シアターオーブ、11月25日(日)から12月3日(月)まで大阪・梅田芸術劇場 メインホールにて開催される。チケットは一部を除き発売中。
2012年11月06日兵庫県宝塚市の宝塚市立手塚治虫記念館では現在、第57回企画展「鉄腕アトムからマジンガーZへ」を開催している。今年は、手塚治虫の「鉄腕アトム」が連載60周年、永井豪の「マジンガーZ」は連載40周年を迎える。ロボットヒーローマンガの元祖「鉄腕アトム」は日本初の国産30分間テレビアニメーションシリーズとなり、スーパーロボットの少年が活躍するストーリーに大人も子どもも夢中となった。その後、人間がロボットに乗り込み操縦する「搭乗型ロボット」が初めて登場、読者に新鮮な驚きを与えたのが「マジンガーZ」。主人公の少年は「これに乗れば神にも悪魔にもなれる」という遺言とともに、マジンガーZを祖父から託される。永井豪の代表作のひとつ「デビルマン」も、2012年が連載40周年。同作は主人公が悪魔と合体して人類を救おうと、悪魔だけでなく人間の心の闇とも闘う宿命を背負うという設定で、神にも悪魔にもなれるという「マジンガーZ」に通じる。同展では「鉄腕アトム」と、ロボットマンガの系譜に大きな節目を作った「マジンガーZ」、神と悪魔の闘いを描き斬新なストーリー展開で旋風を巻き起こした「デビルマン」を取り上げ、印象深いシーンを中心に原稿を展示する。また、永井豪が本展に合わせて執筆している、手塚治虫の「どろろ」と自作の「ドロロンえん魔くん」をミックスした新作「どろろとえん魔くん」の原稿を、連載前に特別展示。手塚治虫が確立したストーリーマンガの潮流に大きな変化をもたらした永井豪作品の魅力に迫る内容となっている。開催日時は、10月26日~2013年2月19日、9:30~17:00(入館は16:30まで)。会場は宝塚市立手塚治虫記念館2階。休館日は、毎週水曜日および12月29日~31日(ただし、1月2日は開館)。入館料は大人700円、中高生300円、小学生100円。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年11月05日花組公演『サン=テグジュペリ』『CONGA!!』が、9月14日に東京宝塚劇場で開幕した。宝塚大劇場での勢いはそのままに、芝居はより深く、ショーはよりパワフルに、ブラッシュアップされた印象だ。開幕直前には、主演の花組トップスター蘭寿(らんじゅ)とむとトップ娘役の蘭乃(らんの)はなの会見も行われた。宝塚歌劇花組東京宝塚劇場公演『サン=テグジュペリ』-「星の王子さま」になった操縦士-/『CONGA!!』/東京宝塚劇場チケット情報『サン=テグジュペリ』は、「星の王子さま」で知られる作家で操縦士のアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ(サン=テックス)の半生が、妻コンスエロとの愛と別れ、飛行士仲間との友情を通して描かれる。蘭寿は、「目に見えない大切な物を感じて、温もりと笑顔のあふれる世界を描きだしたい」と話す。台詞に、内藤濯(ないとう・あろう)の名訳で知られる「星の王子さま」の言葉が散りばめられているのも話題で、印象に残る台詞として、蘭寿は、主人公が星の王子さまの言葉を借りて妻に語りかける言葉を挙げた。「“ねえ、僕の花、僕、あの花にしてやらなくちゃならないことがあるんだ。本当に弱い花なんだよ。本当に無邪気な花なんだよ”という台詞に、サン=テックスのコンスエロに対する思いが詰まっていると思うので、大事に噛みしめて伝えたいですね」。マヤ族の血を引くコンスエロは蘭乃。彼女が最後に言う王子さまの有名な言葉、“たいせつなものはね、目には見えないんだよ”を一番としながらも、「“トニオは死んだのではありません。彼の星に還ったのです”という台詞も印象的で、そう信じている所に、彼女の生命力や大人になりきれない子供の魅力を感じます」と語った。「今の花組メンバーでしか生まれない魅力を観て欲しい」と蘭寿が力を込める『CONGA!!』は、ラテンのリズムが響く情熱的なショーだ。中でも蘭寿が好きだと言う「第三夜マチョ・ロマンティスモ(野郎のロマン)」は、ANJU(安寿ミラ)が振り付けたカリブの海賊の場面で、荒くれ男たちが色気たっぷりに踊る。「最後は1列になってドッと前に押し寄せるのですが、大劇場ではお客様が勢いに圧されて後ろに引くほどで(笑)、暗転を食うように拍手をいただいたんです。東京でも、“花組の男役ここにあり”という感じで男臭くやりたいと思います」。蘭乃も、自分は出ないが、この海賊の場面は大好きだそうで、「お稽古場ではキャーキャー言いながら(笑)、ファンに戻った気持ちで観ていました。花組の男役さんのカッコよさがあふれ出る場面なので、お客様にも一緒に盛り上がっていただきたいです」と話した。ダンスの得意な花組らしい躍動感みなぎるステージを楽しみたい。公演は10月14日(日)まで東京宝塚劇場にて上演。チケットは発売中。取材・文:原田順子
2012年09月18日宝塚歌劇宙組トップスター・凰稀かなめと、トップ娘役・実咲凜音のお披露目公演『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』の制作発表会見が7月12日、東京宝塚劇場にて行なわれた。会見には凰稀、実咲ら宙組生と演出の小池修一郎が登壇した。『銀河英雄伝説@TAKARAZUKA』チケット情報本作は、人気作家・田中芳樹が書いた大ベストセラーSF小説『銀河英雄伝説』をもとに宝塚版として制作する。演出の小池は「ファンの多いこの作品を上演することで宝塚歌劇の観客層を広げたい」と語り、「複数のヒーローたちが活躍する英雄伝説なので、(宙組の)新しい門出に相応しい」とコメントした。物語は銀河を舞台に、彗星のごとく現れた名将を中心に『銀河帝国』対『自由惑星同盟』の戦いと、人間ドラマを壮大なスケールで描く。名将ラインハルト・フォン・ローエングラムに扮する凰稀は「喜怒哀楽のすごい人。少年のような表情もみせたりと、魅力的なキャラクターです。SFを宝塚でどういう風に舞台化するんだろうとドキドキしています」と期待に胸を膨らませていた。伯爵令嬢のヒルデガルド・フォン・マリーンドルフを演じる実咲は「頭脳明晰な芯の強い女性だと思うので、そのあたりを意識したい。衣裳でズボンを履くのは初めてですが、その中でも女性らしさを出したい」と意欲を見せた。また初めてコンビを組むことになるふたりに互いの印象はと質問が飛ぶと、凰稀が「みんなから聞いたイメージではサバサバしていると聞いてましたが、そんなことはなく、この子は天然だと思いました」とキッパリ。すると「そんな~」と思わず呟いた実咲だが、「(凰稀は)熱く、かつ繊細で意欲的な人」としっかり凰稀を立てていた。この日は物語の主要なキャラクターを演じる生徒も出席。パウル・フォン・オーベルシュタイン役の悠未ひろ、ヤン・ウェンリー役の緒月遠麻、ジークフリード・キルヒアイス役の朝夏まなと、オスカー・フォン・ロイエンタール役の蓮水ゆうや、アンスバッハ役の凪七瑠海、ウォルフガング・ミッターマイヤー役の七海ひろきがそれぞれ役に合わせた扮装で登場。凰稀、実咲とともに、作品をイメージしたショーも披露された。SF小説が原作だけに、戦闘シーンの演出プランについて訊かれた小池は「最初は頭に戦艦を乗せてとか考えましたが、映像を使ったり、ダンスで表現したりと“@TAKARAZUKA”らしさを出したい。(観客に)“あっと”驚いていただけるといいんですけど」とサブタイトルに引っ掛けたジョークで笑いを誘いつつ、構想を明かした。公演は8月31日(金)から10月8日(月・祝)まで兵庫・宝塚大劇場、10月19日(金)から11月18日(日)まで東京宝塚劇場にて上演。チケットは兵庫公演が7月28日(土)より、東京公演が9月9日(日)より一般発売開始。
2012年07月13日前作『オーシャンズ11』での演技が認められ、菊田一夫演劇賞を受賞した宝塚歌劇星組の男役トップスター、柚希礼音(ゆずき れおん)。5月18日、兵庫・宝塚大劇場で幕を開けた新作公演『ダンサ セレナータ』『Celebrity-セレブリティ-』は、柚希の魅力のひとつであるダイナミックなダンスがたっぷりと堪能できる作品に仕上がっている。宝塚歌劇星組『ダンサ セレナータ』のチケット情報『ダンサ セレナータ』は、クラブのトップダンサー・イサアクと植民地出身の娘モニカとの恋を軸に、軍事独裁政権下にある国の政治的背景を絡めた物語だ。舞台は朽ち果てたクラブに、柚希演じるイサアクが現れるところから始まる。ヒゲをつけた渋い佇まいのイサアクがかつてのクラブを回想すると、ステージの空気がガラリと変わって華やかに。柚希を中心とするカラフルな衣装を身にまとったダンサーたちの、華麗なショーが繰り広げられる。そうしたショーダンスのシーンと、政治が絡んだシリアスなシーンがバランスよく構成されている。少し強引で男らしく、それでいてどこか影を持つイサアク。納得がいくショーができずにいた中、夢咲(ゆめさき)ねね演じるモニカに出会ったことで、ダンスへの情熱を取り戻す。躍動感あふれるイサアクのダンス、特にモニカとのデュエットは息をのむ美しさだ。本公演で退団する2番手男役、涼紫央(すずみ しお)は、クラブのバーテンダー・ジョゼ役。ダンサーたちを一歩引いて見ている、落ち着いた大人の男だ。登場するだけでホッと安心感を与えるような存在で、2番手として組を支えてきた涼そのもののよう。また、紅(くれない)ゆずる演じる秘密警察のホアキン、十輝(とき)いりす演じるモニカの兄・アンジェロが政治に深く絡む役柄で、ハードボイルドな正塚晴彦作品には欠かせない、シリアスな場面を担う。さらに、そんな緊張感のある雰囲気の中で、ひとりコミカルな演技でほどよく緩みを与えるルイス役、真風涼帆(まかぜ すずほ)も好演を見せている。第2部のショー『Celebrity-セレブリティ-』は、開幕直前から幕を使ってシャレた演出で楽しませる。そして幕が開いたかと思えば、オープニングからエンディングまで突っ走るような勢いで展開。ヘリコプターから降り立ったセレブ、スーパーモデルとファッションデザイナーのカップル、映画のヒーロー、宝石……と、さまざまな“セレブリティ”をイメージしたシーンが続く。都会的で斬新な演出にグイグイと引き込まれていく観客。第1部のシリアスな世界観から一転、ダンス巧者の柚希を中心に、星組のイキイキとした力みなぎるステージだ。兵庫・宝塚大劇場公演は6月18日(月)まで上演。その後、7月6日(金) ~ 8月5日(日)まで、東京宝塚大劇場にて上演。こちらのチケットの一般発売は6月3日(日)より。チケットぴあでは一般発売に先駆けて、インターネット先行抽選(プレリザーブ)を、S席は5月28日(月)11時まで、A・B席は5月29日(火)11時まで受付中。取材・文:黒石悦子
2012年05月24日