ASD(自閉スペクトラム症)とは?ASD(自閉スペクトラム症)は、・対人関係や社会的コミュニケーションの困難さ・特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さなどの特性がある発達障害の一つです。知的障害(知的発達症)を伴うこともあります。ASD(自閉スペクトラム症)は多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こる生まれつきの脳機能障害だと考えられています。しかし、はっきりとした原因はまだ分かっていません。5歳児時点でASD有病率は約3.22%ともいわれています。参考:斉藤まなぶ、廣田智也、坂本由唯、足立匡基、高橋芳雄、大里絢子、Young Shin Kim, Bennett Leventhal, Amy Shui,、加藤澄、中村和彦著「5歳児の全母集団サンプルにおける自閉症スペクトラム障害の有病率と累積発生率、および併発する神経発達障害のパターン」『分子的自閉症 11』 (2020)4歳頃は言葉の発達や社会面・精神面での発達が著しく伸びる時期であるため、その遅れに気づきやすい時期ともいえます。3歳児健診などで「様子見」と言われたり、園生活などで集団行動ができずに先生から指摘され詳しい検査を勧められ、受診して気づくこともあります。4歳頃の子どもに多くみられるASD(自閉スペクトラム症)の特性としては、・集団生活が苦手、友達と遊ぶことが苦手・強いこだわり・感覚の過敏さ・癇癪を起こしやすいなどがあげられます。詳しくは次章以降で紹介します。参考:自閉症Q&A|厚生労働省4歳児の発達の目安って?4歳頃になると、言葉や心の発達はもちろん、全身のバランスを取る能力も発達し、体の動きが巧みになっていきます。・自然など身近な環境に積極的に関わり、さまざまな物の特性を知り、それらとの関わり方や遊び方を体得していく・想像力が豊かになり、目的を持って行動し、つくったり、描いたり、試したりするようになる・自分の行動やその結果を予測して不安になるなどの葛藤も経験する・仲間とのつながりが強くなる中で、けんかも増えるが、一方で決まりごとの大切さに気づき、守ろうとするようになるこうした成長の中で、感情が豊かになり、身近な人の気持ちを察し、少しずつ自分の気持ちを抑えられたり、我慢ができるようになったりしていく時期です。参考:児童発達支援ガイドライン|厚生労働省もしかしてASD(自閉スペクトラム症)?幼稚園、保育園で気づいた違和感、こだわり。4歳児の検査、診断4歳児は、幼稚園でいうと年中の年にあたります。幼稚園や保育園などの集団生活の中で、発達の遅れや問題行動が気になってくる時期でもあります。ASD(自閉スペクトラム症)の特性や行動としては、第1章でも触れた発達の遅れ、集団生活(友達と遊ぶことなど)が苦手、こだわり、常同行動、感覚の過敏さ、癇癪などがあります。成長には個人差があるため一概にはいえませんが、園などの集団生活の中で起こりやすいトラブルや困りごととしては、・集団行動や友達と一緒に遊ぶことなどが苦手、指示が通りづらい・大きい音が苦手・粘土、砂場、裸足などが苦手・絵を描くことが苦手、運動が苦手など、不器用さが出てくる・偏食が強く、給食が食べられない・(言葉の遅れがある場合)友達や先生との意思疎通が難しくなるなどがあげられます。園へ行きしぶる・朝送って行ったときに(保護者と離れるとき)泣く、あるいは行事やみんなの前での発表を嫌がる(参加しにくい)など、癇癪を伴う激しい拒否反応が出るケースもあります。3歳児健診で「様子見」と言われた、あるいは4歳になって園の先生に発達の遅れなどを指摘され、検査を受けるかどうか考える保護者の方も多いでしょう。検査は、医師や(発達)心理士が行います。4歳頃に受ける検査は以下のようなものがあります。・問診保護者から、成育歴や「いつぐらいから」「どのような困りごとや症状があるか」などを対話形式で聞き取ります。明確に伝えるためにも、普段の様子をメモしておくといいかもしれません。・行動観察数十分程度、子どもとの対話や遊ぶ中で、どのような言動を取るのかを観察します。・発達(心理)、知能検査「田中ビネー知能検査V」や「新版K式発達検査」、「AQテスト」などが行われます。そのほかにも、ASD(自閉スペクトラム症)の診断で行われる検査は多くあります。専門外来のある小児科、脳神経小児科、児童精神科などで行われることが多いですが、診療できる医療機関は限られています。かかりつけ医や保健センターなどに相談してみるといいでしょう。参考:自閉症|文部科学省参考:ASD(自閉スペクトラム症、アスペルガー症候群)について|e-ヘルスネット4歳児に表れることの多いASD(自閉スぺクトラム症)の特性をチェックUpload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特性には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐにASD(自閉スペクトラム症)と診断されるわけではありません。先生などに指摘されたら?受診の目安、療育への手続きについてASD(自閉スペクトラム症)の悩みについての相談先はたくさんあります。しかし、4歳頃になってくると、家庭生活、園生活、友達関係など悩みや困りごとが複雑化し、「どこに相談したらいいか分からない」「何をどう相談したらいいか分からない」というケースも多くあるようです。しかし、何か一つだけでも相談してみれば、そこから少しずつ糸口が見つかっていくかもしれません。・園の先生何人ものお子さんを見てきている先生であれば、「ここに相談してみては」などのアドバイスを受けられることもあります。また、先生とお子さんの状況を共有することで、日常生活の中での改善策を見つけやすくなることもあります。・子育て支援センター小さいお子さんを持つ保護者が交流を深める場ですが、育児不安などについての相談指導もおこなっており、電話相談も可能です。必要に応じて適切な機関の紹介を行います。・保健師・保健センター就学前のお子さんや高校生、成人に対する発達障害の相談も受けつけています。必要に応じて医療機関への紹介なども行います。・療育センター障害のある子どもの症状や特性に合った治療や支援を行う施設です。どのような支援を行っているのか、どのような機能を持った施設かは、施設によって異なります。上記のほかに、発達障害者支援センターなどもあります。4歳はまだまだ発達の個人差が大きい時期なので、お子さん一人ひとりにあった子育てのアドバイスをもらうようにしましょう。4歳でASD(自閉スペクトラム症)と診断された、あるいは様子見と言われているけれど、少しでも困りごとを減らしてあげたいと療育を考え始めている保護者も多いと思います。療育とは、「障害のある子どもに対してそれぞれの特性に応じた身体的・精神的機能の発達を促し、日常生活や社会生活を円滑に営めるように行うもの」です。4歳の場合は、「児童発達支援」で行う日常生活の自立のための療育や学習支援、運動プログラムなどが主になります。学習・訓練といったものではなく、その子の特性に合ったプログラムを、楽しみながら、子どもが興味のあるものを取り入れながらおこないます。自治体管轄などの公的機関、あるいは民間でも公費で提供しているところで「障害児通所支援」を利用して療育を受けるためには、まず「通所受給者証」(通称:受給者証)の取得が必要です。受給者証があれば、利用料金の助成を受けることができます(子どもが満3歳になって初めての4月1日から3年間の間は無償です。それ以前や学齢期以降は1割負担になります。家庭によって上限額が異なります)。療育の内容は施設によって異なります。短期間で身につくものではなく、じっくりスモールステップで、あるいは何度も同じようなシチュエーションを繰り返すことで、少しずつ社会性が身についたり、困りごとが少なくなっていきます。中長期にわたって通うことになるので、子どもの特性に合った療育が受けられるか、通うのに遠すぎないか、空きがあるかなどの情報リサーチも大切になってきます。参考:ともに歩む親たちのための家族支援ガイドブック|厚生労働省参考:小林 勝年, 儀間 裕貴, 北原 佶著「エビデンスに基づく療育・支援とは何か」『子どものこころと脳の発達』2020 年 11 巻 1 号 p. 3-10発達で少しでも気になることがあったら、一人で抱え込まず、まずは周りに相談をしましょう。少しずつでも子どもの日常生活の困りごとを減らしてあげることで、将来の見通しも立ちやすくなります。4歳児は他者との関わりが増え、身辺自立に向けての基礎がしっかりつくられていく時期です。早期介入・早期支援が大きなカギとなってきます。また、どの環境においてもできるだけ同じ支援をすることも重要です。園の先生をはじめ子どもと関わる人に子どもの状況や特性を伝え、共有することも大切です。(新美先生コメント)集団生活に入ると、家庭での様子とは異なるお子さんの姿が見えることもあり、保護者の方が気になってしまうことが増えるかもしれません。集団生活の中でストレスを受けやすいお子さんの場合、園での生活の仕方を調整していったほうが健やかに育めると思います。園での集団活動で困難さがある場合や、園では周囲に合わせているけれど過度にストレスが溜まって、行きしぶりや家での癇癪・こだわりが強まる場合なども、必要に応じて専門機関につながることで、お子さんの強みと困難さ、適した関わり方が見えてくることもあります。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年02月11日ASD(自閉スペクトラム症)とは?ASD(自閉スペクトラム症)とは・対人関係や社会的コミュニケーションの困難・特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さなどの特性が幼少期に現れる発達障害の一つです。知的障害を伴うこともあり、日常生活の中で困難を感じることも多くあります。ASD(自閉スペクトラム症)は、生まれつき脳内の情報処理の仕方に障害があるために発症すると考えられていますが、その原因はまだよく分かっていません。遺伝的要因をはじめとした、さまざまな要素が複雑に関与していると考えられていますが、発症するまでのメカニズムはいまだに不明とされています。3歳になると、保育園・幼稚園などで他者と過ごす時間も増えてくるため、人との関わりや集団生活の中で困難や問題などに気づくことも多くなってきます。3歳頃にみられるASD(自閉スペクトラム症)の特性としては・言葉の遅れ(コミュニケーションが苦手)・独特な興味や行動パターン・光や音、触れられることなどへの感覚過敏・急な予定変更などに対応できない(癇癪を起こすなど)・集団生活が苦手(じっとしていられない、先生の指示が通らないなど)などが挙げられます。詳しくは第3章で紹介しますが、3歳児健診において指摘・診断されるケースも増えます。参考:自閉症Q&A|厚生労働省3歳児の発達の目安って?定型発達児における、3歳児の発達の目安としては、・基本的な運動機能が伸び、それに伴い食事、排泄、衣類の着脱などもほぼ自立できるようになる・話し言葉の基礎ができて、盛んに質問するなど知的興味や関心が高まる・自我がよりはっきりしてくるとともに、友達との関わりが多くなる(実際には、同じ遊びをそれぞれが楽しんでいる平行遊びであることが多い)・大人の行動や日常生活において経験したことを「ごっこ遊び」に取り入れ、象徴機能(見立て)や観察力を発揮して、遊びの内容に発展性がみられるようになる・予想や意図、期待を持って行動できるようになるなどが挙げられ、情緒面・社会面でぐっと成長する時期ともいえます。参考:保育所保育指針解説書 |厚生労働省ASD(自閉スペクトラム症)と診断されるのは3歳児から?言葉が遅い、集団生活が苦手……違和感や気になるサイン園生活がスタートしている子どもも多いため、集団生活の中で・社会性(集団行動ができない、指示が聞けない、友達と遊べない)・感覚過敏(大きい音が苦手、砂場、裸足などが苦手)・常同行動(同じ行動を繰り返す)などのトラブルが起きやすい傾向にあります。また、家庭内の困り事として・こだわりが強く、気持ちの切り替えが苦手・感覚過敏、鈍麻、こだわりなどでトイレトレーニングが進まない・園への行き渋り・言葉の遅さあるいは言葉は出ているが、会話がスムーズにできない。聞かれたことに答えにくいなどといった場面がみられることが多いと言われています。3歳児健診では、「PARS-TR」「SDQ」などでASD(自閉スペクトラム症)のスクリーニングチェックを行う場合があります。「PARS-TR」はASD(自閉スペクトラム症)の傾向を知るための検査で、こだわり行動や遊びや言語の発達など、12項目について保護者から聞き取ります。0点・1点・2点の3段階で評定し、合計得点からASD傾向の強さを導き出し、今後の有効なフォローに繋げていくものです。「SDQ」は、行為面・多動性・情緒面・仲間関係・向社会性の5項目の質問から、子どもの適応と精神的健康の状態を包括的に把握するためのものです。そこからさらに詳しい検査が必要な場合は、問診や行動観察、「新版K式発達検査」「遠城寺式乳幼児分析的発達診断検査」などの発達検査、知能検査、場合によっては脳波検査などを行い、診断されます。参考:効果的な巡回相談支援のための基本と実践|厚生労働省3歳児に表れることの多いASD(自閉スペクトラム症)の特性による症状Upload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特徴には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐにASD(自閉スペクトラム症)と診断されるわけではありません。受診の目安や、療育への手続き、保護者ができることなど集団行動も増えるため、気になる言動が目立つ時期ともいえます。保護者や先生から見て、生活するうえでの困難さや気になる行動があった場合は、早めに相談・受診しましょう。市区町村の保健師・保健センターなどに相談してみましょう。また児童精神科、自治体や民間の子育て支援窓口、療育機関などでも相談は可能です。園に通い始める子どもも多いので、先生に園生活の様子やどこで相談できるかを聞いてみてもいいでしょう。3歳児健診時や集団生活が始まり、先生からの指摘や紹介で療育に通うことを考え始める保護者も多いのではないでしょうか。子どもの発達には個人差があるため、何歳で必ずこの特性が出る、というものではありませんが、早い段階で気づけばその子どもに合った療育を早期にスタートすることができます。療育とは、「障害のある子どもに対してそれぞれの特性に応じた身体的・精神的機能の発達を促し、日常生活や社会生活を円滑に営めるように行うもの」です。療育(発達支援)には、自治体などの管轄の公的機関で行うもののほかに、民間の施設などで行うものがあります。大学病院など一部の医療機関ではOT(作業療法)やST(言語療法)などを行っている場合もあります。自治体のほか、民間の施設の中にも公費で受けられる発達支援を提供しているところがあります。この支援は「通所受給者証」(※)を所持していると利用でき、利用料金の助成を受けることができます(基本的に1割負担となりますが、満3歳になって初めての4月1日から3年間は無償となります。また、家庭によって上限額が異なります)。療育では子どもにだけでなく、保護者にも日頃どのような対応や声掛けをすれば良いのかも教えてくれます。療育は子ども自身の生活QOLやスキルを上げるだけでなく、日常生活における親子で抱える困難やストレスを軽減することにも繋がります。※福祉サービス等を利用するために発行される証明書のこと。自治体に申請して、審査のうえ発行される。日数(支給量)や、月額の利用料の上限額(上限負担額)が記載されている。参考:小林 勝年, 儀間 裕貴, 北原 佶著「エビデンスに基づく療育・支援とは何か」『子どものこころと脳の発達』2020 年 11 巻 1 号 p. 3-10参考:共に歩む親たちのための家族支援ガイドブック|厚生労働省ASD(自閉スペクトラム症)にとって、早期発見、早期療育はとても重要です。社会面・情緒面で大きく伸びる3歳前後で早期介入・支援をスタートすると、社会的なスキルやコミュニケーション能力が向上する場合もあります。成長や発達に個人差はありますが、保護者だけでなく子どもに関わる人からの情報をもとに、相談や受診につなげることが大切です。(監修:新美先生より)園での集団生活が始まる3歳児では、保護者も周りと比べて焦ってしまうことが増えるかもしれません。ですが、3歳ごろのお子さんにとって大事なことは、不安に圧倒されたりストレスを感じすぎずに、自分なりの好奇心を満たして楽しく日々を過ごせるかだと思います。興味がほかの子と少し違っていたり、ほかの子はストレスに感じないことがストレスになるのだとしたら、お子さんのタイプをよく見極めてお子さんに適した育て方をするために、療育という場を上手に使っていけるといいかもしれません。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年02月10日私は、5歳3歳0歳の3人の息子を持つママです。これは、三男がまだ生まれて間もないころに、子ども3人を連れて小児科を受診したときの話です。子どもを3人連れての外出は、周りの方に迷惑をかけないようにと常に気を張っており、特に病院はより緊張していました。しかし、あることをきっかけに、心が軽くなり、堂々と子連れで出かけられるようになったのです。 子どもとの通院はストレスの連続この日は、長男の受診を予定しており、息子たち3人を連れて小児科へ行きました。長男と次男は、病院に着くなり院内をウロウロと歩き回り、落ち着きません。 「病院は具合の悪い人が来る所だから、騒いだりしないで静かに待とうね」。そう言い聞かせても息子たちは聞く耳を持たず、2人して騒ぎだしてしまいました。同時に、生後間もない三男も泣き出してしまい、私たち家族は周りからの冷ややかな視線を浴びることになったのです。 隣に座る女性から「ちょっとお母さん?」順番待ちもあと1組となり、外へ行く時間もない中、息子たちに「静かにしなさい」と言い続けるので精いっぱいに。そんなとき「ちょっとお母さん?」と隣に座る高齢の女性から声をかけられました。 怒られることを覚悟して「はい」と答えると、女性は「あなたの大変な気持ちわかるわ。何か協力できることはない?」とやさしく私に声をかけてくださいました。 子ども=迷惑ではない「ありがとうございます。そのひと言で救われます。ご迷惑おかけし申し訳ありません」。私が女性にそう答えると、「迷惑だなんて思わないで。先生に呼ばれるまでおばちゃんと一緒にお話ししましょう」と言って、女性は長男と次男の話し相手をしてくださいました。 子連れで出かけると頻繁に「うるさい」などネガティブなことを言われることも増え、「子ども=迷惑な存在」なのだという意識になっていた私。しかし、女性に「迷惑じゃない」と言われたことで心が軽くなったことを今でも忘れられません。 それまで外出先で注意を受けることはあっても、あのときの女性のように助けてもらった経験はあまりありませんでした。しかし、子育てをしている方々は皆必死だと思います。決して、迷惑をかけるために騒がせているわけではないと思います。私もこの先、こんな場面に出くわしたら、「手伝えることはないですか」と声をかけることのできる女性になりたい、そして子どもたちにもそんな人になってもらいたいと思った出来事でした。 作画/ぐら子著者:はやきゆうこ3兄弟のママ。5歳・3歳・0歳のやんちゃな男の子3人と多忙な夫の5人家族。子育ての経験を中心に執筆活動中。
2024年02月08日ASD(自閉スペクトラム症)とは?ASD(自閉スペクトラム症)は、「対人関係や社会的コミュニケーションの困難」と「特定のものや行動における反復性やこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」などの特性が幼少期から見られ、日常生活に困難を生じる発達障害の一つです。知的障害(知的発達症)を伴うこともありますが、2歳児は「イヤイヤ期」といわれる時期でもあり、ASD(自閉スペクトラム症)の診断がつかず様子見という場合も多くあります。参考:自閉スペクトラム症 (ASD) の特性理解 (著)傳田 健三ASD(自閉スペクトラム症)の遺伝に関する研究結果として、発症・発現に何らかの遺伝的な要因が関係している可能性が高いと考えられています。しかし、はっきりとした要因はわかっていません。遺伝要因と環境要因の相互影響が複雑で、かつ偶然性に左右される部分も多いといえます。1歳に続き、この時期の成長・発達には大きな個人差があります。2歳で「ASD(自閉スペクトラム症)かも?」と診断される可能性のある行動や反応として、主に・言葉の発達に遅れがある(2語文を話さない、オウム返しが多いなど)・激しい感覚過敏やこだわりがある・他人に関心が薄いなどが挙げられます。詳しくは次章以降で紹介しますが、2歳ではASD(自閉スペクトラム症)と診断されることは少なく、「様子見」といわれることが多い傾向にあります。参考:7_自閉症|文部科学省2歳児の発達の目安って?ここでは定型発達児における、2歳児の発達の目安を紹介します。1歳児に比べてできることも格段に増え、言語獲得は2語文を話す程度といわれています。・歩く、走る、跳ぶなどの基本的な運動機能や、指先の機能が発達する・食事、衣類の着脱など身の回りのことを(完璧ではないが)自分でしようとする・排泄自立にむけての身体的機能が整ってくる・発声が明瞭になり、語彙も著しく増加し、自分の意思や欲求を言葉で表出できるようになる・盛んに模倣し、大人や同年齢の子どもと一緒に簡単なごっこ遊びを楽しむようになる・行動範囲が広がり探索活動が盛んになる中、自我の育ちの表れとして、強く自己主張する「自我の表われ、強い自己主張」は、いわゆるイヤイヤ期であるといえるので、定型発達児でも強い癇癪を起こしやすい時期であるといえます。参考:保育所保育指針解説書 |厚生労働省参考:イヤイヤ2歳|国立障害者リハビリテーションセンターASD(自閉スペクトラム症)の特性は2歳児でも表れる?言葉、感覚過敏、こだわりなど…違和感や気になるサイン2歳児は「イヤイヤ」が強く出る時期であるため、「激しい癇癪やこだわりがあるのはASD(自閉スペクトラム症)だから?」と思ってしまうこともあるかもしれませんが、その他に見られる日常の様子を見ていくことが大切です。では2歳児の気になる発達の遅れや特性とは、どのようなものがあるのでしょうか。2歳台の子どもの気になる行動として、・人見知りが強い、または少なすぎる・他人の行動を真似・模倣しない・見てほしいものや興味があるものについて共感を求めてつたえようとしない・「まんま、たべる」「ワンワン、いた」などの2語文を話さない・極端にまぶしがる、大きな音に過剰に反応するなどの感覚過敏(反対に鈍感すぎる)・突然癇癪を起こす、またそのあとの切り替えが難しい・変化をひどく嫌う、特定のものへの強いこだわり(場所見知りや強い偏食など)などが挙げられます。1歳6ヶ月児健診では「M-CHAT」という質問紙を使用した「スクリーニング検査」が推奨されていますが、2歳児にも引き続き参照されることがあります。1歳台と同様に社会性、言葉の発達(喋るのが遅い)などが表れやすい傾向があると共に、感覚過敏や癇癪やこだわりなども多く出てくる時期です。「M-CHAT」などの検査で当てはまる項目が多くても、2歳児は自我が芽生える時期であり、成長にも大きな個人差があるため、ASD(自閉スペクトラム症)であるか判断ができず、様子見となることもあります(基本的にM-CHATは保健師などがチェックするものであり、保護者自身がチェックするものではありません)。2歳児に表れることの多いASD(自閉スペクトラム症)の特性による症状Upload By 発達障害のキホン※発達や成長に加え症状や特徴には、この時期大きな個人差があります。当てはまる反応や行動の数が多いからといって、すぐにASD(自閉スペクトラム症)と診断されるわけではありません。相談や受診の目安、保護者ができることとは?成長に個人差はありますが、・過敏さが強く、まとまった睡眠がとれない・ほかの子どもの遊びにあまり興味を持たない・親にも積極的に働きかけない・こだわりが強く、生活するのが難しい・目が合わない、呼んでも反応が悪いなど、日常生活の中で、困りごとが多い場合や保護者の方が心配な場合は相談しましょう。子どもの発達が気になる場合、どこへ相談すればいいのでしょうか。・市町村の保健師・保健センター母子の健康をサポートするためのさまざまな相談やサービスを受けることができます。・行政福祉窓口市・区役所等の福祉課で相談方法を知ることができ、困りごとに適した相談機関を紹介してもらえる場合があります。・発達障害者支援センター各県に1ヶ所以上あり、発達障害についての相談の対応を行っています。その他、保健所、療育センターなどもあります。また、全国に親の会などもあるので、利用してみてもいいかもしれません。診断された、あるいは発達の遅れなどが気になるから、早く療育を受けたいという保護者も多いと思います。療育とは、「障害のある子どもに対してそれぞれの特性に応じた身体的・精神的機能の発達を促し、日常生活や社会生活を円滑に営めるように行うもの」です。療育(発達支援)には、自治体などの管轄の公的機関で行うもののほかに、民間の施設などで行うものがあります。大学病院など一部の医療機関ではPTなどを行っている場合もあります。自治体のほか、民間の施設の中にも公費で受けられる発達支援を提供しているところがあり、この支援は「通所受給者証」(※)を所持していると利用でき、利用料金の助成を受けることができます(基本的には1割負担ですが、満3歳になって初めての4月1日から3年間は無償となります。また、家庭によって上限額が異なります)。ASD(自閉スペクトラム症)は早期発見、早期療育がのちの社会生活に大きく影響するといわれています。できるだけ早い時期から療育を行うことで、日常生活や園・学校生活における困難の軽減や生活能力の向上を促すことができると考えられています。※福祉サービス等を利用するために発行される証明書のこと。自治体に申請して、審査の上発行される。日数(支給量)や、月額の利用料の上限額(上限負担額)が記載されている。参考:小林 勝年, 儀間 裕貴, 北原 佶著「エビデンスに基づく療育・支援とは何か」『子どものこころと脳の発達』2020 年 11 巻 1 号 p. 3-102歳児は1歳児に比べ、言語やできることも増える分、自我の芽生えも強く出る時期といえます。それが「イヤイヤ期」によるものなのか、ASD(自閉スペクトラム症)の特性からくるものなのかはなかなか見極めにくいかもしれません。1歳児同様、発達には大きな個人差があるため、この時期だから必ずこの特徴が出るという確定的なものはありませんが、気になるポイントがあったら、早めに相談・受診しましょう。(監修:新美先生より)2歳ごろには、お子さんの行動範囲も増えてきて、好きなもの興味あるものと、興味ないものがはっきり見えてくる時期ですね。興味ないこと、苦手なことを無理強いするのは効率が悪いので、本人が興味あることを足掛かりに、興味の幅を増やしたり人とかかわることの楽しさも見つけていけるといいですね。保護者の方にとって関わり方が難しいなと感じる場合、専門機関に相談するのも、お子さんにあった子育てを知るためのきっかけになるかもしれません。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年02月07日こんにちは、小児科医の保田典子です。私生活では3人の子どもを子育て中の母です。今回は「野菜ジュース」について。離乳食が果汁からだった時代もありますが、今はなるべく子どもに果汁(ジュース)をあげないほうが良い、という時代になってきています。実は、野菜不足が心配でついつい飲ませてしまう(!?)野菜ジュースも同じです。なるべく飲ませないほうが良いと言われるようになってきています。なぜでしょうか?ジュースがダメな理由世界保健機構(WHO)などでは「幼児までの子どもには100%ジュースも糖分のとり過ぎになるとして飲ませないほうが良い」としています。糖分のとり過ぎは虫歯のリスクが高まったり、肥満のリスクが高くなるためです。 一方、フルーツそのものに関しては、食べないほうが良いということはありません。フルーツそのものであれば、食物繊維など糖分以外の物も含まれるため、栄養素の吸収も変わってくるからです(もちろん摂取目安量はありますが、そこまで厳しくしなくても良いと私は考えています)。 そのため、現在、小児科では「そもそもジュースは子どもに与えるものではない」という指導をしています。 糖分の摂取目安WHOでは、「1日の遊離糖類摂取量を総エネルギー量の10%未満に抑えましょう、5%未満だとさらに良い」と言われています。 厚生労働省健康局から出ている「標準的な健診・保健指導プログラム【平成30年度版】」によると、「遊離糖類とは、グルコースやフルクトース等の単糖類、スクロースや砂糖等の二糖類等食品や飲料の加工調理で加えられるもの、並びに蜂蜜、シロップ、果汁、濃縮果汁等に自然に存在する糖類のこと」を指します。※はちみつは乳児ボツリヌス症予防のため、満1歳までは絶対に与えないようにしてください。 例えば、1〜2歳の推定エネルギー必要量は1,000kcal程度(厚生労働省資料より)なので、5%未満とすると遊離糖類摂取量は12.5g程度が望ましいということです。 スポーツドリンク500mLだと約30g、100%ジュースでも200mLで20g、野菜ジュース720mLで約50gの炭水化物(糖質+食物繊維)が含まれています。ジュースに食物繊維はほとんど含まれていないことを考えると、このうちの“ほとんどが糖質”ということになります。 糖質はジュースにだけ含まれているわけではないので、ジュースだけで糖質の必要量をとってしまうと、明らかに糖質のとり過ぎになってしまうのです。 野菜不足を野菜ジュースで補わないで野菜をあまり食べないことが多い子どもたち。ついつい野菜不足が心配で野菜ジュースを飲ませてしまうこともあると思います。もちろん、野菜はたくさん食べてほしいものですが、野菜の栄養素よりも余計なものをとってしまっては本末転倒です。 子どもが好きな味つけにしてみたり、食感に変えてみたりなど、子どもが食べやすいようひと工夫することで、食べてくれるようになることもあります。野菜不足はしっかり野菜で補い、水分は水や麦茶を飲ませるようにしたほうがいいと思います。 とはいえ、子どもが野菜を食べてくれないというご家庭も多いと思います。わが家では子どもたちが嫌いな野菜もありますが、好きな野菜を重点的に出すようにしています。 さまざまな野菜を食べてほしいので、いろいろ出すようにしますが、食べてくれないこともよくあります。それでもめげずに出し続けることと、ビタミンは他の食べ物からもとれるので、焦らず無理して食べさせないようにしています。好きな野菜も出してあげて「おいしいね」と食事を楽しむことが大切かなと考えています。 ジュースなどの甘くおいしい飲み物の味を一度覚えると、頻繁にジュースを欲しがるようになってしまいます。小さいうちから毎日ジュースを与えてしまい、水や麦茶を一切とらなくなってしまったというケースもあります。 子どもに野菜ジュースなどのジュースを与えないという選択は、子どもに水分をとらせることに苦労したり、虫歯治療に通うことになったりと、将来的に後悔しないために今できる「ラクになる育児」の1つです。 監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2024年02月06日自閉スペクトラム症(ASD)とは?ASD(自閉スペクトラム症)は、社会的コミュニケーションや対人関係の構築が難しい、また常同的・反復的行動が多くみられる、乳幼児期に出現する精神発達の障害です。普段と違うことを嫌がる、大きな音や光などへの感覚の過敏さがあるなど、「強いこだわり、感覚の過敏さまたは鈍麻さ」という特性もあり、知的障害(知的発達症)を伴うこともあります。症状の程度はそれぞれの人によって差があるため、スペクトラム(spectrum:範囲や連続体など幅を持った分布の意味)として診断されるようになりました。参考:傳田 健三著「自閉スペクトラム症 (ASD) の特性理解」『心身医学』57 巻 (2017) 1 号 P.19-26ASD(自閉スペクトラム症)は生まれつきの脳障害で、脳内の情報処理の仕方に障害があるといわれていますが、その原因はまだ分かっていません。この時期の成長や発達には大きな個人差がありますが、1歳でASD(自閉スペクトラム症)であると診断される指標として、・共同注意場面において「指さし」や「(他者の)指さし方向に顔を向ける」行動が出にくい・「他者の顔を見てほほえむ」などの社会的行動が出にくい・定型発達の1歳児にみられる「関心の共有」に興味を持ちにくいなどがあげられます。次章以降で詳しく紹介します。参考:横山佳奈、吉田翔子、永田雅子著「自閉スペクトラム症児への早期介入における現状と展望」『名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要 心理発達科学(Web) 』66巻 (2020) P.7-16参考:自閉症Q&A|厚生労働省1歳児の発達の目安って?定型発達児における、1歳頃の発達の目安としては、・歩き始め、手を使い、言葉を話すようになる・身近な人や身の回りの物に自発的に働きかけていく・歩く、押す、つまむ、めくるなど、さまざまな運動機能の発達や新しい行動の獲得により、環境に働きかける意欲を一層高める・物をやり取りしたり、取り合ったりする・おもちゃ等を実物に見立てるなどの象徴機能が発達し、人や物との関わりが強まる・大人の言葉を理解するようになり、自分の意思を親しい大人に伝えたいという欲求が高まる・指さし、身振り、片言などを盛んに使うようになり、二語文を話し始めるなどがあげられます。参考:保育所保育指針解説書 |厚生労働省ASD(自閉スペクトラム症)の特性は1歳児でも表れる?--違和感や発達の遅れ、気になるサイン1歳児は言葉の表出がまだまだ乏しいため、日常の中で気になる行動を見逃さないことが大切です。1歳頃に表れる、気になる発達の遅れやサインとは、どのようなものがあるのでしょうか。1歳児の気になる発達の遅れ、1歳児に表れやすいASD(自閉スペクトラム症)の特性として、・目が合いにくい、呼ばれても反応しない・社会性、言葉の発達(喋るのが遅い)などが表れやすい傾向・睡眠の問題(寝つきが悪い、途中で目が覚める、夜泣き)・人見知りがなさすぎる、あるいは人見知りが強すぎる、場所見知りが強いなどがあげられます。子どもにASD(自閉スペクトラム症)があるかどうかの診断において、厚生労働省は1歳6ヶ月児健診でM-CHATという質問紙を使用した「スクリーニング検査」を推奨しています。対人(対象物)関係や行動面(こだわりや常同行動など)、日常生活における反応や行動を、保護者から聞き取ります。・ほかの子どもに興味がありますか?・何かに興味を持った時、指をさして伝えようとしますか?・あなたのすることをまねしますか?(バイバイや拍手など)・名前を呼ぶと、反応しますか?など、実に20項目にわたり、将来において社会性の重要な基盤となる「非言語の対人コミュニケーション行動」を確認します。成長は個人差が大きいこともあり、M-CHATでASD(自閉スペクトラム症)の可能性が高いとされた1歳児のすべてがASD(自閉スペクトラム症)と診断されるわけではありません。また、基本的にM-CHATは保健師などがチェックするものであり、保護者自身がチェックするものではありません。参考:「改訂乳幼児期自閉症チェックリスト修正版」M-CHAT-R_F_Japanese.pdf(mchatscreen.com)1歳児に表れることの多いASD(自閉スペクトラム症)の特性による症状Upload By 発達障害のキホン※成長の個人差は大きいので、すべてに当てはまる、あるいは当てはまる項目が多いからといって「ASD(自閉スペクトラム症)である」というわけではありません。どこに相談や受診をすればいい?保護者ができることとは?1歳児は成長の個人差がとても大きく、発達の振れ幅が多い時期ですが、育てづらさがあったり、「この子に合ったよりよい関わり方を知りたい」と思ったら、まずは自治体の保健師さん・保健センターに相談しましょう。それ以外にも保健所や療育センターなどでも相談できます。参考:「1歳を迎えるお子さんをもつ保護者の方へ」|国立障害者リハビリテーションセンター子どもの発達について不安に思った場合は日常の様子をメモするなど、記録に残しておくことも大切です。保護者が見たこと、感じたことは何より重要な資料であり、それが早期発見、早期療育にもつながります。ただし、1歳児は成長・発達の個人差が一番大きい時期ともいえます。過度に心配したり気にしすぎたりせず、様子を見ながらおおらかな気持ちで接することも大切です。(監修:新美先生より)1歳頃のお子さんを育てるうえで、「1歳の子どもはこうであるべき」「1歳の子どものしつけはこうするべき」ということにとらわれ過ぎる必要はありません。うちの子はこういうことに興味があるんだな、こういうことをしていると楽しそうだな、こういう場面で困っているな、こういうシチュエーションは不安になるんだな・不快なんだなというお子さんの興味や苦手を探して、好きなこと興味ある活動を増やして、不快を減らして安心を増やすという方向性で関わっていけば間違いはないかなと思います。その中で、睡眠がとれない、癇癪が強すぎるなど、親子が生活しづらい困りごとがある場合は、相談機関に早めに相談するのもよいと思います。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年02月02日長女を連れて総合病院の小児科を受診したとき、キッズスペースでかわいい女の子と出会いました。とても人懐っこい子だったのですが、その子の母親はずっとスマホをいじっていて、その子が母親に声をかけたとき、母親からは驚きの返答が……。 キッズスペースには先客がこれは、長女が生後8カ月だったときのお話です。発熱と咳・鼻水などの風邪症状があり、総合病院の小児科を受診することにしました。そこの小児科の待合室には広めのキッズスペースがあり、おもちゃや絵本が置いてあります。私は受診の手続きを済ませ、長女とキッズスペースで順番を待つことに。 キッズスペースには先に遊んでいる女の子がいて、その子はとても人懐っこい子で、私と長女がキッズスペースに入ると駆け寄ってきて「〇〇って言うの。3歳。アンパンマンとドキンちゃんが好き!」と自己紹介をしてくれました。 女の子の母親は…私は長女の相手をしながら、ひとり遊びをしている女の子を遠目に見ていました。キッズスペースに入っている大人が私しかいなかったからか、おままごとセットで遊んでいたその子は「ハンバーグができました!」や「ジュースをどうぞ」と、私のほうに何度も出来上がった料理を持ってきてくれたのです。 女の子は、待合室の椅子に座っている母親に「お姉さん(私)と遊んでる!」と言い、母親は私のほうを見向きもせず「よかったねー!」と、ずっとスマホをいじっていました。 そのうちおままごとに飽きたのか、絵本を持ってきて母親に「これ読んで!」とキッズスペースから声をかける女の子。すると、母親はスマホをいじりながら「お姉さんに読んでもらいなー」と言ったのです。 私は「他人にここまで子どもの相手を任せるってどうなの?」とモヤモヤしましたが、ちょうど長女が診察室に呼ばれ、私たちはキッズスペースを後にしました。 その一件以降、小児科を受診してもキッズスペースはなるべく使わず、ベビーカーと持参のおもちゃで待ち時間をやり過ごすように。キッズスペースを使うときには、他の子の相手は最低限に留めるよう気を付け、同じようなことにならないように意識していました。 著者:吉川 みきなイラスト制作者:マンガ家・イラストレーター うちここ
2024年01月31日今回は、人気のマンガをクイズ形式で紹介します!マンガのストーリーがどんな結末になるか考えてみてくださいね。イラスト:ちゃい理不尽な夫に医者が反撃!主人公が妊娠中、つわりで動けなかった日のことです。長男が熱を出してしまい、夫に小児科に連れていってもらいました。夫から電話が…出典:CoordiSnapすると医者からの問診に答えられなかった夫から電話が…。挙句の果てには「お前がちゃんと見てないから熱出すんだろ!」と逆ギレする始末。問題さあ、ここで問題です。この様子を見ていた医者は、夫になんと言ったでしょう?ヒント正論をぶつけました。みなさんは答えがわかりましたか?正解は…出典:CoordiSnap正解は「ちゃんと見てないのはお父さんじゃないですか?」でした。正論を言われ「家のことは妻に任せてる」と言い訳をする夫に…。医者から追撃の一言が放たれるのでした。※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。(CoordiSnap編集部)
2024年01月27日夏の旅行は、毎年子どもたちの行きたいところと決めているわが家。この年は、次男が大好きな水族館に行ったのですが……まさかの事態に! せっかくの旅行中に次男が想像もしなかったケガをしてしまった体験談をお話しします。(※コロナ禍前のお話です) 翌朝、まさかの事態に!「ママ、大変! ○○(次男)の足が!」。長男にそう言われて見てみると、なんと次男の足の親指の爪がありませんでした。昨日は元気に歩いていたのに何があったのかと聞いてみると、「自分でやった」とのこと。生爪を剥いだと聞いて、そういうものが苦手な私はもう血の気が引きました。 急いで近くのドラッグストアに行き、消毒と剥がれにくいばんそうこうを購入。出血はなく、ピンク色の肉が見えている状態の足の親指にばんそうこうを巻きました。本人が痛がらないので、病院へは行かず様子を見てみることに。それでも歩かせると出血したり痛みが出たりするのではと思い、前日とは打って変わって次男は常に抱っこで移動。いろいろ観光する予定でしたが、チェックイン時間すぐにホテルに入るしかありませんでした。 病院に行ってみると…旅行から帰り、小児科に行くと「サッカーをやっている子どもは、爪が剥がれやすくなってしまうことがよくあるんです」と言われました。次男はまだサッカーを始めてはいませんでしたが、長男と一緒にボールを蹴ったりしていました。ということは、旅行に行く前から前兆があったのでは……。私がもう少しきちんと次男の爪をチェックしておくべきだったと反省。せっかく楽しみにしていた旅行中にケガをさせてしまったこともショックでした。 その後、爪は無事元の状態に戻ったのですが、次男は爪を剥くのが癖になってしまったようで、テレビなどを見ながら剥いてしまうことも! 子どもの爪は伸びるのが早いので、伸びすぎる前に切ることと、足もすぐに大きくなるので靴に爪が当たらないよう靴のサイズも注意してみなければと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子イラストレーター/みいの ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~6歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 著者:田丸あかね現在、小学校1年生と幼稚園年中の兄弟を子育て中。性格の違う子どもたちの成長を楽しみつつ、自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2024年01月17日弟ふーが発熱。解熱後兄弟同じ寝室に寝かせたら、長男も発熱して急に寒くなった秋の日、弟のふーが鼻水を出し始めました。やがて発熱したふーは、1週間保育園を欠席しました。幸いにもインフルエンザではありませんでした。ふーの熱も下がり明日から保育園に行こうという日、それまで隔離していたふーを、いつものようにミミの隣で寝かせました。翌日のことです。ミミが体調不良を訴え、高熱が出てしまいました!私は(ふーからうつっちゃったのかな……?もう少し隔離しておけばよかった……?でもミミのクラスでもインフルエンザが大流行してるし、どこからうつったかは分からないな……)と思いつつも、二人連続の発熱にガックリ。落ち込みつつも、子どもがいるとこれもよくあることですので、すぐ切り替えてミミを看病をしていました。「弟のせいだ」と高熱で苦しみながらブツブツ言い続ける長男のミミUpload By taekoミミの熱は高く、とてもつらかったと思います。苦しそうに寝込みながらミミは「ふーちゃんのせいだ」とブツブツ。つらい原因を弟のせいにしていました。私は、「ふーからうつったとしたら仕方ないよね。でもミミは学校に行ってるから、学校でうつったかもしれないし、私からかもしれない。これは分からないよね」と言いました。それでも納得がいかないミミは「ふーちゃんのせいだ!」。つらいのは分かるので多少は仕方がないことかもしれませんが、ただただ弟を責め続けるミミの様子を私は悲しく感じていました。インフルエンザ検査を嫌がり「弟なんていなければ良かった」とまたマイナス発言。その言葉を聞いた先生は?ミミの熱が高いので、かかりつけの小児科でインフルエンザの検査をすることになりました。Upload By taeko先生は手袋をはめ「お母さん、押さえてて!」とただならぬ雰囲気。女性の職員さんも一緒にミミを押さえてくれました。一方、過去にやったインフルエンザ検査の痛みを思い出したようで、本気でもがくミミ……。4年生になったミミは力強く、私と職員さんでは押さえきれず、ミミは床にずり落ちたりと、もうすったもんだでした。そんなドタバタを越えて、ようやく検査できました。ミミは検査が痛いことや羽交締めにされたことなどが悲しくて、ここでも「ふーちゃんのせいだ、弟なんていなければ良かった」とマイナス発言……。私はどうしたものかと溜息です。するとそんな私に気づいた先生が、私に(いつもこうなの?)と言うように目くばせしてくれました。こちらの先生は、ミミが赤ちゃんの頃から診てくれているので、ミミのASDの特性をよく分かってくれています。私が「つらいことがあるとマイナス発言するんです」と伝えると、先生はなるほどと納得したようで、ミミにこう言ってくれました。「弟がいて良かったんだよ、1人より楽しいことが増えたと思うよ。あと、弟くんはインフルエンザじゃないから、もしインフルエンザだったら、きっと学校でもらってきたね」さらに「よく考えてごらん?まだ弟くんが赤ちゃんだった頃、まだ免疫も弱くて風邪の経験もない赤ちゃんは、きみからいっぱい風邪をもらっていたと思うよ。病気は上の子から下の子へうつるほうが多いんだ。むしろ、下の子から免疫がある上の子にはうつりづらい。つまり、きみの方が弟くんにうつした回数のほうがよっぽど多いはずだよ」と冷静に伝えてくれました。Upload By taekoミミはこの先生の発言に納得したようでした。反論することもなく、検査結果が出るまで大人しく待っていてくれました。私は個室でミミを抱きしめて待ちました。ミミの検査の結果は?ミミの検査の結果はズバリ、インフルエンザでした!ふーからうつったのではなく、おそらく学校でもらってきたのでしょう。そして、その後はふーへマイナス発言することはありませんでした。きっとミミは熱を出したとき「ふーからうつったに違いない」と思い込み(無理はない状況ではありましたが)、熱でつらい状況を自分だけで抱えられず、自分以外を責めることでなんとか堪えていたのかなと思いました。そして、先生から理路整然と説明された内容に納得し、それで弟へのマイナス発言が消えていったのでしょう。自分で違うと納得できれば、むやみに相手を責めたりしないようです。やがてミミも熱が下がり、食欲も戻りました。朝ごはんにベーコンを出したところ、ベーコン大好きなふーはミミにスリスリ頬ずりをして、ミミにおねだり。ミミはふーに自分のベーコンをひとつあげていました。優しいミミに戻って良かったです。今後もマイナス発言をすることがあると思いますが、悲しい気持ちを聞いた上で、お互いの良いところを伝え続けようと思いました。Upload By taeko執筆/taeko(監修:鈴木先生より)困ったことがあると他人のせいにしてしまうなど、自己中心的であったり、マイペースさといったものは、ASDのあるお子さんに見られることが多い傾向にあります。このような発言は、学校など今後ほかの場面でも見受けられるかもしれません。マイナスではなくプラス思考になるように見方を変えていく必要があります。それには当院でもやっていますが、感情(アンガー)コントロールプログラムの受講をお勧めしています。怒りを他人にぶつけるのではなく、自分の中で消火していく方法を学ぶのです。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的障害(知的発達症)、ASD(自閉スペクトラム症)、ADHD(注意欠如多動症)、コミュニケーション症群、LD・SLD(限局性学習症)、チック症群、DCD(発達性協調運動症)、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。ASD(自閉スペクトラム症)自閉症、高機能自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー(Asperger)症候群などのいろいろな名称で呼ばれていたものがまとめて表現されるようになりました。ASDはAutism Spectrum Disorderの略。
2024年01月09日こんにちは、3児のママで小児科医の保田典子です。生後半年をすぎると、赤ちゃんも活発に動くようになってきます。寝返り、ずりばい、ハイハイ、つたい歩き……じょうずに遊んで、赤ちゃんの発達を助けてあげられるといいですよね。今回は、ハイハイ時期のポイントをお伝えできたらと思います。ハイハイの良いところ一般的な発達の順番としては、首すわり→寝返り→ずりばい→ハイハイの順番で発達していきます。ずりばい、ハイハイの時期になると、手足を同時に使って動く、自分の体重を手足で支えるようになるなど運動能力や筋力が向上している必要があります。 ハイハイには①手で体重を支えて腕の筋力がアップする②手で地面をとらえるので手の感覚や握力の発達にも良い③両足を交互に動かすので、歩くための準備にもなる などいろいろな良いところがあります。また、ハイハイすることを含め、さまざまな運動をすることでケガの予防にもつながります。ずりばいやハイハイをするようになったら、ぜひたくさん運動をさせてあげたいですよね。 おすすめの遊びずりばいやハイハイをするようになったら、ぜひ広いところで遊ばせてどんどん動くようにしたいものです。公園で草の感覚を味あわせてあげるのもいいですし(晴れていて地面が乾いている場合)、児童館などで自由に動きつつ、他のお友だちを見せてあげるのもいいでしょう。 まだお友だちに興味を持つ、お友だちと遊ぶという時期ではありませんが、歩いているお友だちを見ると、歩きへの刺激にもなると思いますよ。 家でも、親が見ている間はケージを取りはらって、家の中を自由に探検させてあげるといいでしょう。赤ちゃんの後ろから声をかけてあげたり、ママやパパがいるところまで障害物(クッションなど)を置いてあげて、平地だけではない場所をハイハイさせてあげるのもいいでしょう。 気をつけるべき遊びは?ハイハイをし始める時期に使用を考えるのが、歩行器やベビージャンパーなどの育児グッズです。歩行器やベビージャンパーは喜ぶ赤ちゃんも多いため、ちょっと親の用事をしたいときなどすごく重宝するグッズです。 ただ、ハイハイの時期の赤ちゃんは、腰を曲げているのが自然な姿勢なのですが、歩行器などは赤ちゃんが立つ形になり、自然な体位よりは背骨がまっすぐになって、腰が反る形になります。そのため、この時期に無理に立った姿勢を長く続けることは、赤ちゃんの腰にも発達にも好ましくありません。「使ってはいけない」のではなく、長時間の使用は気をつけたほうがいいと思います。 ハイハイしなくても焦らないでハイハイをたくさんして、今後の運動能力向上につなげたいところですが、ハイハイをしない赤ちゃんもいます(私もハイハイをしなかったそうです!)。 ハイハイをしないで歩き始めてしまった赤ちゃんは、足腰がきちんと歩ける準備が整ったから歩けるようになったということなので、「歩くようになったけど、ハイハイをさせなければいけない」と思う必要はありません。 また、寝返りで動いちゃうのでハイハイしない、寝転んでばかりでハイハイしないという子も焦らなくて大丈夫です。心配であれば健診で発達の具合をみてもらいつつ、焦らずに楽しく動ける遊びをしていけたらいいのではないかと思います。 監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2024年01月06日子どもの問題が「母親のせい」にされる理由(写真はイメージです)新しい一年のはじまりですね。お正月はゆっくり休めたでしょうか。実家や義実家、親戚の家へ子どもたちを連れていったという人も多いでしょう。新年早々、お疲れモードの方もいるかもしれません。この時期によく聞くのが、祖父母や親戚からの遠慮のない言葉に落ち込んでしまって……という話です。親族や他人と集まると、子どもの成長・発達が早いとか遅いとか、内向的だとか外向的だとか、勉強やスポーツができるとかできないとか、そうしたことを言われることがあるかもしれません。本当に行儀が悪かったなど注意されるべきことなら指摘されても仕方がないですし、子どもに教え諭したり、親が一緒に謝ったりすればいいですが、個人の価値観で勝手な評価をされるのは困ります。「あなたが甘すぎるから(厳しすぎるから)」などと「母親のせい」のように言われることもあるでしょう。ひと昔前に母親だけが子育てをするのが当然と考えられていた時代があり、今でも子どもを母親の付属品かのように思っている人もいるのです。歴史を紐解くと、1950〜1970年頃には精神科医の間で「自閉症の原因は母親の冷淡な態度にある」とされていました。「冷蔵庫マザー」という言葉もあったほどで、自閉症児を育てる母親は罪悪感を植え付けられました。今では自閉症は生まれ持った特性であり、母親の態度によってなるものではないことがわかっています。その後も日本では1979年に小児科医で精神科医である久徳重盛氏が、子どもの病気や不登校などは母親のせいであるとして「母原病」という書籍を出しました。もちろん、これにも科学的根拠はありません。1990年には、小児科医の柳澤慧氏が母親が赤ちゃんに積極的に話しかけたりスキンシップを取ったりしないと、表情が乏しく泣かない子「サイレント・ベビー」になるといった根拠のない自説を広めたこともありました。現在、こうしたおかしな説は否定されていますが、それでもいまだに風潮として残っていて、だからこそ子どもに何かがあると母親のせいにされてしまいがちなのだと思います。そして何より母親自身が、子どもに何かがあると誰かに何かを言われなくても、つい自分のせいだと思ってしまうことがあるのです。「自分のせい」と思うのは愛情と責任感があるから風邪をひいたお子さんをクリニックに連れてくるお母さんが「風邪を“ひかせてしまいました”」と言うことは少なくありません。子どもが風邪をひくのは誰のせいでもないのですが、つい「寒い思いをさせたから」「体調管理がよくなかったから」と自分を責めてしまうんですね。私自身も2人の娘の母親ですが、子どもが小さい頃は「この子が慎重すぎるのは、私の子育てに工夫が足りないせいかも」などと思っていました。でも、あるとき、それは私が子どもに自分の理想像を押し付けていただけだと気づいたんです。その子はその子で、パーフェクト。性格が慎重なら、慎重だからこそのいいところがあります。例えば、急に家を飛び出したり高いところから飛び降りたりなどの危険なことをしません。いずれにしても私にできることは、子どもをよく見て、話を聞いて、手助けをすることだと思うようになりました。一方、こうして母親の私が「自分のせいかもしれない」と思うのは、子どもに対して愛情があって、しかも責任を感じているからだとも思いました。普段から子どもに無関心な親がいたとして、その人は子どもの何かを「自分のせいかもしれない」なんて思うでしょうか?子どもに対して責任感を持っていれば、男性であれ女性であれ子育てをします。その結果として「自分のせい」と思ってしまうこともあるのです。悩み続けてしまう場合は周囲の人や専門家に相談をでは、子どもの問題を全て「自分のせいだ」と思いすぎてしまう場合は、どうしたらいいでしょうか。私は、いったん立ち止まり「もう1人の親である父親もそう思っているか」「子ども時代の自分の問題点は母親のせいだったか」を考えてみてほしいと思います。子どもに何か問題があるとして、「自分のせい」と思ってしまう父親は、母親に比べて少ないのではないでしょうか。また、自分自身の子ども時代を振り返ると、全てが母親のせいだったなんてことはないとわかります。もしもお子さんのもう1人の親である父親が子育てを分担していない場合は、半分を担ってもらいましょう。これだけでも責任は軽くなるはずです。父親が半分を担えない場合、またそれでも悩んでしまう場合は、友人や知人、祖父母、子育て支援センター、幼稚園や保育園やこども園(子育て相談を引き受けているところがあります)、スクールカウンセラー、児童相談所などに相談しましょう。周囲の人以外に相談する場合に大切なのは、以下の3点です。①何の専門家なのかを確認すること子育て支援には、さまざまな専門家がいます。保健師、助産師、看護師、医師、栄養士、保育士など、相談相手がどの資格保持者なのかを意識しましょう。例えば栄養について相談するなら、医師よりも栄養士が適しています。そうしたことを意識するだけで問題解決に繋がりやすくなるはずです。②基本的には公的機関を頼ることインターネット上には「子育て支援」「子育てカウンセラー」を標榜する人が多数いますが、経歴や人物、資格の有無がわからないので、なんとなくで選ぶのはリスクが大きいと思います。基本的には公の機関に相談しましょう。個人的な感想を話されても、解決には繋がらないのです。③少なくとも3人に聞くこと公的機関所属の資格保持者であっても、一部には「お母さんが頑張らなきゃ!」などと母親の責任にする人もいるでしょうし、相性が合わない場合もあるでしょう。少なくとも3人に聞いてみてください。子育ての問題を自分のせいだと思ってしまうのは、お子さんに愛情があるからこそであり、また責任感もある証拠です。つまり、十分にきちんとした親御さんなのです。ですから、あまり無理をしすぎないで、周囲の人や専門家に相談してみてくださいね。この記事の監修者小児科医森戸やすみ 先生小児科専門医/どうかん山こどもクリニック院長。一般小児科、NICU(新生児特定集中治療室)などを経て、現在は東京都谷中のどうかん山こどもクリニック院長。医療者と非医療者の架け橋となる記事や本の発表に意欲的に取り組んでいる。『子育てはだいたいで大丈夫 小児科医ママが今伝えたいこと! 』(内外出版社)、『祖父母手帳』(日本文芸社)など著書、監修多数。連載◆PRESIDENT Online/小児科医と考える「日本を子育てしやすい国にする方法」◆東京すくすく/森戸やすみのメディカルトーク◆月刊誌・母の友(福音館書店)/子どもの健康Q&A→記事一覧へこの記事の執筆者編集者・ライター大西まお出版社にて雑誌・PR誌・書籍の編集をしたのち、独立。現在は、WEB記事のライティングおよび編集、書籍の編集をしている。主な担当書に、森戸やすみ 著『小児科医ママの「育児の不安」解決BOOK』、名取宏 著『「ニセ医学」に騙されないために』など。特に子育て、教育、医療、エッセイなどの分野に関心がある。→記事一覧へ
2024年01月05日Q:子どものギャン泣きや癇癪、「見守って」と言われたけれど、どれくらいの時間、どのように見守れば良いのでしょうか?A:1歳過ぎから3歳くらいの子どもの癇癪はまずは疲れや空腹、眠気などを満たすように心がけましょう。3歳以上の場合は子どもの安全が確保されていることを確認し、癇癪が自然に落ち着くのを待つのがよいでしょう。15分以上癇癪が続き、ひどく困る場合にはかかりつけ医に相談されることをお勧めします。Upload By 発達障害のキホン言葉が出始める1歳過ぎから3歳くらいまでは、物事が思い通りにならないときに癇癪を起こすことがあります。疲れや、空腹、眠いなどの条件も重なって、癇癪が強くなることがあります。まずは、疲れや空腹、眠気などを満たすように心がけます。3歳以上の場合、子どもは言葉は増えてきていても、感情のコントロールがつきにくかったり、気持ちの言語化が未熟なため癇癪を起こすことがあります。まずは子どもの安全が確保されていることを確認し、癇癪が自然に落ち着くのを待ちます。癇癪の最中に、さまざまな声掛けをしてもお子さんの癇癪がヒートアップすることがあるので、まずは落ち着くのを待ちます。見守る時間は、お子さんによって、状況によってさまざまです。癇癪の背景にある状況によって、時間の長短には差があるためです。眠気があって、癇癪があった場合には、眠るまで見守ることになるので、時間で区切ることは難しいです。癇癪が落ち着いたのち、お子さんの気持ちを受け入れることが重要です。また、同時にルールや状況の説明を行い、感情のコントロールの手助けをすることも大切になります。15分以内に収まる程度であれば良いですが、なかなか癇癪が収まらず、ひどく困る場合には、かかりつけ医に相談されることをお勧めします。
2024年01月03日本格的な寒さが到来し、暖房器具の使用も増えるこの季節、子どものやけどに注意が必要です。3児のママ小児科医で、高円寺こどもクリニック院長の保田典子先生に「寒い季節、室内でやりがちなNG行動」を教えてもらいました。こんにちは、小児科医の保田典子です。寒い日が続きますね。クリニックに来る赤ちゃんたちもモコモコしていて、ますますかわいい季節になりました。 気になるのが「子どもが寒いとかわいそう」と着せすぎている印象のある親御さんが多いこと。今回は寒い冬の季節に家の中での適切な寒さ対策と、やりがちNG行動についてご紹介します。 NG1:裏起毛、厚手のモコモコした洋服を着せる冬は意外にも「あせも」でクリニックを受診する子が多くいます。抱っこしていたり、暖かい室内で厚手の服で動き回ったりすることで、暑くて汗をかく+乾燥なども加わり湿疹が悪化することがあります。 裏起毛の服は温かいですが、起毛部分が刺激になることがあり、汗を吸いにくいことがあります。着せちゃダメというわけではありませんが、お子さんによっては肌に合わない場合もあるので、まとめて一気に購入せずに一度試してみて、お子さんに合うメーカーのものを使うと良いでしょう。 家の中や商業施設など、室内にほとんどいることが多い日は、モコモコした厚手の服を重ねるとお子さんは暑く感じるかもしれません。子どもはよく動くので、思いのほか汗をかきます。厚着をしすぎると動きも制限されるので発達にも良くありません。室温を21度くらいに設定しつつ、あまり厚着させるのは控えましょう。 NG2:室内で靴下をはかせる室内は室温調整が基本です。寒い季節でも、2歳未満のお子さんや歩きがおぼつかないような子は、裏に滑り止めがついていても靴下は滑る可能性があるので、室内では履かせなくていいでしょう。 手足が冷たくて心配になるかもしれませんが、寒がってなければ問題ありません。寝ているときは、首など中枢体温が温かければ大丈夫です。赤ちゃんの手足は、体温が高いときには熱を放出し、反対に低いときには毛細血管を収縮させることによって熱を逃がさない役割を果たしています。 お子さんは動き回って暑くなることも多いので、「手足は体温調節するために出しておく」と覚えていただき、多少手足が冷たくてもあまり気にしなくて大丈夫です。ただこれは、あくまで室内での話です。しもやけになるような冷たい所にいるときや冬の外出時は防寒対策として靴下をはかせてあげましょう。 NG3:ミトンをつける寒い季節、赤ちゃんの手にミトンを着ける方もいますが、基本的にミトン着用は避けましょう。先ほどもお伝えした通り、子どもの手足は冷たくても大丈夫なんです。赤ちゃんは手足で体温調整することもありますし、お子さんは指しゃぶりをしたり、自分の1番近くにある手を認識することで、手と口の発育を促し、物への認識力を高め、脳の発育と大きな関係があると言われていますので、つけないほうが良いでしょう。 ミトンは外れやすいので、就寝時に着けっぱなしにすると寝ている間に取れてしまい、窒息の原因になることもあります。 顔のひっかき傷対策でつけたい場合は、夜間など親御さんの目が届かないところでの使用を避けましょう。日中目が届くところで短時間なら問題ありません。 顔のひっかきに関しては、爪を短く切り、角がないようにやすりで整えて対策しましょう。それでもひっかいてしまう場合もありますが、傷はきれいに治るので、きちんと爪対策をした上でのひっかき傷は様子見でもいいのではないでしょうか。 暑がっていたら脱がせてOK!子どもって、寒いときでもびっくりするほど薄着になりたがりますよね。室内で遊びまわっていて子どもが暑がったら、脱がせてしまってOKです。そうじゃないと汗だくになって、そのあと体が冷えてしまうかもしれません。遊び終わったときに寒そうならしっかり着せてあげてくださいね。 生後3カ月も過ぎると赤ちゃんは暑がりです。親は「寒くないかな?」とつい心配して、厚着させてしまいがちですが、部屋の中では特に薄着を意識してみてください。監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2024年01月03日Q:夜泣きが酷くて親も寝不足です。対応方法などあるのでしょうか。A:できる工夫として、布団に入る時間をなるべく一定にする、入浴や歯磨き、着替えるなどの入眠前の行動(入眠儀式)を同じ順番で行う、室内環境を整える、朝まで空腹にならない夕食をとるなどがあります。Upload By 発達障害のキホン3歳未満の夜泣きは、成長過程や睡眠サイクルの一部として生じます。夜間に短いサイクルで浅い眠りと深い眠りが交互に繰り返され、深い眠りから浅い眠りに移行する際に、起きてしまうことがあります。3歳以上の場合には、環境変化、身体的・情緒的な疲れなどで夜泣きが表れることがあります。布団に入る時間をなるべく一定にし、入浴や歯磨き、着替えるなどの入眠前の行動(入眠儀式)を同じ順番で行っていきます。音や灯りなど刺激が強すぎない室内環境を整え、朝まで空腹にならない夕食をとる工夫も必要です。布団に入る前の1時間前からブルーライトは刺激になるため、控える必要があります。子どもにやめさせるだけでなく、大人も控えることが望ましいです。さまざまな対応をしても夜泣きが頻繁で悩んでいる場合には、かかりつけ医に相談することが重要です。子どもに合った適切な関わり方を知り、時に夜泣きに効果が期待できる漢方薬などを服用することで夜泣きが軽減していくこともあります。
2023年12月30日まさかのトリプル感染(※画像は紺野あさ美さんオフィシャルブログより)紺野さんは2017年に日本ハムファイターズの杉浦稔大投手と結婚し、同年9月に第一子となる長女、2019年2月に第二子となる長男、2021年8月に第三子となる次男が誕生しています。幼い三児を育てているとあって、インフルエンザをはじめさまざまな感染症が流行っているこの冬は戦々恐々。感染症の大流行から逃れきることは難しく、紺野さんの家族もバタバタと倒れてしまったといい、闘病の記録をYouTubeチャンネルに投稿しました。まず高熱を出した長女を小児科に連れて行くと、インフルエンザA型、アデノウイルス、溶連菌の3つが同時に陽性となる「トリプル感染」と判明。杉浦さんはインフルエンザA型、長男は溶連菌とインフルエンザA型、次男は溶連菌、紺野さんも最後にインフルエンザA型……と、家庭内で複数の感染症が同時に蔓延する悲惨な事態になっていたといいます。長女は39度以上の高熱で食欲がなく、アイスクリームなら食べられるということで、食事はアイスクリームのみ。紺野さんは「39.7はきついよね」と心配そう。看病に追われるなか、いざというときのためにストックしておいたお気に入りの店の冷凍カレーが他の家族のごはんに重宝したといい、「ほんと、これあって助かった~」と心の声が漏れます。発熱2日目、長女の熱が朝一瞬下がった際にごはんを食べられそうというので準備しますが、食べられたのは一口だけ。その後に粉薬を飲ませようとしますが、溶連菌の抗生剤が苦くて長女がなかなか飲めず、ジュースやゼリーに混ぜるも、苦みは抑えられず苦戦したそう。普通のゼリーだと粉薬が溶け出してしまうも、薬用のゼリー「おくすり飲めたね」はしっかりと粉薬を包み込んでくれて、無事に飲むことができました。発熱3日目になっても、朝はまだ38度8分の長女。しかし「そうめんなら食べたい」と少しずつ食べられるようになってきたようです。しかし今度は次男が38度1分の発熱!少し様子見です。発熱から4日目の朝、長女はまだ38度5分。昨日38度超えした次男も、今朝は37度1分まで下がったそうですが、次に杉浦さんが38度5分の発熱と、家庭内で発熱がどんどん連鎖してしまいます。おかゆを食べてくれない問題【あるある】風邪を引いたときの食事といえばおかゆが定番で、紺野さんもいろんな味のおかゆを作ってきたそうですが、「子どもたちは全然食べてくれない」という悩みも。おかゆが苦手なお子さんは少なくないですよね。子どもが食べてくれることを優先し、紺野さんはコストコのパンとベーグルをフレンチトーストにした食事を作っていました。いまだに溶連菌の抗生物質に苦戦している長女、ココアに溶かして飲んだら今まで1番飲みやすかったそうです。少し体調が良くなった杉浦さんに長女と長男をまかせて、次男を病院に連れて行ったところ、溶連菌のみ陽性でした。紺野さんは「いつかかってもおかしくない状況ですが、私がかかってしまうと我が家が大変なことになってしまうので……」と家族が寝静まった後、限界を迎えていた腰のストレッチをします。家族が病気になっても自分だけは感染できない……母の悲痛な心の叫びに共感するママは多いのではないでしょうか。発熱から5日経っても、長女は38度2分、夫の杉浦さんも38度でまだしんどそう。長女はあさり、豆腐、小松菜の中華スープを飲むことができ、その日のうちに熱が36度9分まで下がりました。紺野さんは看病疲れがあるなか、「でも食べてないからまだちょっと元気ないね。食べられるもの食べよう」とお子さんが食べられるものを一生懸命考えて料理。やさしいお母さんですね。嫌な予感が的中……長女の発熱から6日目になると、パパとお勉強できるぐらい元気に。しかし、午後に長男が熱いなと思って熱を計ったら38度4分。嫌な予感は的中、翌日に紺野さんも発熱し、診察してもらうと長男も紺野さんもインフルエンザA型だったそうです。長女がやっと登園できるか……と思った矢先のことに、「どうするかな。最悪のパターンになってしまった…。来週、東京に行く仕事も入ってるし……」と、さすがの紺野さんもしばし思考停止の状態に。紺野さんもインフルエンザにかかっているものの、まだ動く体力はあるといい、たまった洗い物をこなします。「やっぱりさ、子どもが体調悪くても、自分もちょっと体調悪くても、家事は休みなくあるから主婦は大変ですよね」。もう涙なくしては聞けません。それでも徐々に子どもたちの熱は下がり、長女の発熱から12日後にやっと全員が登園可能な状態にまで回復しました。紺野さんは「やっと日常が戻ってきました。長かった~!」と心から安堵の声!「ちょうど日帰りで東京の仕事があったので、よかった、迷惑をかけることにならなくて」と、なんとか仕事には間に合ったといいます。自身もインフルエンザにかかっていても、家事や子どもの習い事の振替など、休む間もない紺野さん。それでもお子さんが少しでも食べられるようにと料理を工夫したり、やさしい言葉をかけたりする姿に、三児の母の強さが滲み出ていました。
2023年12月27日美しい肌で毎日楽しく過ごす知恵皮膚科医で美容皮膚科医の髙瀬聡子氏による4冊目の著書『お肌は最強の「バリア」です!』が晶文社から発売された。同書には「美容皮膚科医が伝える、【病気】と【老化】を防ぐ肌を育てる方法」という副題がつけられており、四六判並製、220ページ、定価は1,650円(税込)である。同氏は医療法人社団愛心高会理事長で、ウォブクリニック中目黒総院長、日本皮膚科学会正会員、日本美容皮膚科学会正会員、日本抗加齢医学会正会員であり、これまでの著作には『気になるパーツのスキンケア2週間速攻メソッド』などがある。人体最大の臓器・皮膚のケア人体にはさまざまな臓器があり、皮膚はその中でも最大の臓器である。心臓や肺、胃、腸などの内臓は目に見えないが、「外臓」ともいえる皮膚は変化がわかりやすい。また、皮膚をケアすれば、成果を目で確認することができ、達成感も得られる。皮膚には体外からの力や、異物から体を守り、汗などを分泌する役割があるが、内臓の不調が皮膚に現れることもある。スキンケアと生活の見直しは体内の変調に気づくきっかけになり、病気の予防にも繋がるのだ。新刊では、肌荒れに注意が必要な理由、皮膚症状とも関係がある病気、多彩な肌の役割を解説し、素肌力をアップさせる基本のスキンケアを紹介する。また、ニキビ・吹き出物、乾燥、目立つ毛穴、シワ、たるみ、シミ・くすみなどのトラブル別の対策についても掲載されている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※お肌は最強の「バリア」です!‐ 晶文社
2023年12月26日先日、私と息子が同時にインフルエンザにかかりました。夫だけは罹患しなかったので、息子を小児科へ連れて行ってくれたのですが、その後の夫の言葉に驚愕してしまいました……。夫からのまさかの言葉息子が診察をしてもらった病院では大人の診察はできないと言われたので、私は別の病院を予約しました。私は39度を超える高熱で、着替えるのも、歩くのもやっと。その姿をみているのに、なんと夫は「自分で運転していける?」と言ってきたのです。息子を病院へ連れていってくれたことはありがたいですが、私への配慮がなさすぎて悲しくなり、「無理に決まってるでしょ」と怒ってしまいました。 夫もハッとしたようで、「ごめん」と謝りすぐに私を病院へ連れていってくれました。夫も息子と私が同時にインフルエンザにかかって焦っていたのかもしれません。冷静になった私は夫に激怒してしまったことを反省。家族が大変なときこそ、お互いに配慮ある行動や言葉選びをしていくことが大切だと痛感した出来事でした。 作画/ぽよ母著者:渡辺もな
2023年12月24日臨床で感じた問題意識勤務医として臨床を行いながら、漫画『リエゾン―こどものこころ診療所―』の医療監修やさまざまな社会活動に取り組んでいる三木崇弘先生。今回は、2020年に開始した、知的障害のある子どもとご家族を支援する企画活動プロジェクトについて詳しく伺いました。――三木先生は「知的障がいのあるこどもとその家族。もっとうけいれられるせかいへ」を掲げ、研究や企画活動を行う「あいプロジェクト」のリーダーを務められていますが、2020年立ち上げにあたって特別なきっかけがあったのか、またどのような思いからだったのか教えてください。三木先生:もともと知的障害のある方について、何かできることはないだろうかと考えていました。発達障害があり知的障害のない患者さんは高校生や社会人になると一人で外来に来ますが、知的障害のある方は成人しても保護者の方が付き添って来院されます。そうした様子を見て「ああ、親御さんたちの子育ては終わらないんだな」と問題意識を感じていました。その後、早稲田大学ビジネススクールに進学した際に「ソーシャルビジネス」の授業でこのテーマを私が提案し、同級生でコンセプトに共感してくれた仲間と一緒に「あいプロジェクト」を立ち上げ、活動をしています。あいプロジェクト――主に保護者の方を対象とする茶話会を開催されていますね。三木先生:2023年12月23日(土)に開催予定のものも含めて、計30回ですね。――これまで、どのような方が参加されていますか?三木先生:「親の会」に参加するのが難しかったり、子どものクラスのママ友と気が合わなかったりといった方も多いようです。子ども同士の利害関係のない場で悩みを共有できることに安心感を抱いてくださっているようです。――グループディスカッションを通じて、新しいつながりが生まれているのですね。三木先生:そうですね。話題は、知的障害のある子どもの子育てに関することが多いです。また就労プロセスや支援のあり方についてなど、ミクロからマクロまで幅広く話しています。ただ「無理をさせない」「配慮する」ではなく、大切にしたいこと――一人ひとり違うという前提ではありますが、知的障害のあるお子さんの今と将来のために、どのような環境や支援が必要だとお考えでしょうか?三木先生:教育現場での特別支援はかなり充実してきていると思いますので、それ以外の世界に目を広げるためのインクルーシブ教育や、あるいは就労環境の整備、社会生活を豊かにするための仕組みづくりが必要かと思います。また、これからの時代はただ「無理をさせない」「配慮する」のではなく、障害者本人にもある程度の負荷をかけながらも成長していってもらうことも重要だと僕は考えています。そのためには本人の能力やレジリエンスの見立てが鍵を握りますし、取り組みを応援するための関係づくりも欠かせません。――後者の「負荷をかけながら」というのは、どのようなイメージでしょうか?三木先生:できるだけ本人が自分でできることを増やしていくということと、本人に「自分でやるんだ」という意識をつけてもらうことです。そのためには未成年のうちからいろんなことを経験できる環境を用意し、安全に失敗をしながら振り返り成長していくことが重要です。――学校や支援機関と保護者の方の意識合わせも重要になりそうですね。善かれと思って、失敗しないように先回りし過ぎてしまうなど……。三木先生:これはこの連携に限ったことではないのですが、プレイヤーが複数いる場においては、いかに「それぞれが思っていることをちゃんと場に出してすり合わせられるか」が鍵になります。例えば当事者・保護者側から「ここまでは失敗させてもらってもいい、フォローは家でする」というメッセージがあれば、学校は思い切ったトライアルができるかもしれません。あるいは学校から「個別対応ができるのは週○時間が限界」という提示があれば、その範囲で可能な支援は何かを皆で考えることができます。皆さん大人ですのでどうしてもお互い遠慮した表面的な発言が多くなってしまうのですが、本人のために「現実的な範囲で一番良い支援」は、支援者の利害を調整した先にしかないと思います。――思っていることを相手に伝えるところから、すべてが始まるということですね。就労についても伺いたいのですが、障害者雇用を行う企業訪問をされていますね。企業の取組状況や、障害のある人が長く働き続けるために必要だと感じることを教えてください。三木先生:障害者雇用はどの企業も力を入れていますが、やはりノウハウや考え方は千差万別です。もちろん皆さん勉強されてはいるのですが、画一的な対応が通用しにくい面もあることとから、最終的に試行錯誤するしかなくなることが多いです。その試行錯誤に企業・障害者・保護者が慌てず騒がずじっくりと取り組むマインドを持つことが大切です。障害がなく一般雇用で入社した皆さんも、新卒の時から先輩たちのように働けるのではなく、失敗を繰り返しながら成長していきますよね。それと同じではないでしょうか。――慌てず騒がずじっくりと、ですね。まさに就労もですが、「親なきあと」への備えについて、保護者の方にアドバイスをするとしたらどんなことがありますか?三木先生:お金や住まい、利用できる福祉サービスなどについて、早めに調べたり、しかるべき機関に相談したりすることが大事だと思います。――発達ナビの読者の皆さんへ、メッセージをお願いします。三木先生:子育てで一番大切なことは、保護者が楽しむこと=子どもといる時間を豊かで嬉しいものとして味わうことだと思います。さまざまな知識や対応策ももちろん大切なのですが、子どもにとってより大切なことは「自分と一緒にいることを喜んでくれる人がいる」ということです。それが人としての土台をつくるのではないかと思います。大変なことも多いと思うのですが、まずは保護者の皆さん自身ができる範囲で子育てを楽しめる環境づくりをしてみましょう。――ありがとうございます。最後に、三木先生がこれから目指すことを教えてください。三木先生:地元姫路市およびその周辺地域を子育てのしやすいまちにすることが私のミッションだと思っています。そのために必要なことは何でもやります。今はまだUターンして1年ちょっとですので、まずは地元に同じ志の仲間を増やしていくことを目指しています。医療だけではなく、教育、福祉、行政やアカデミアにも広げていきたいですね。私自身の動きとしては、そういったいろんな機関と連携しながら、診療だけでなくアドバイザーや啓発活動をしていきたいと考えています。前の記事はこちら(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。知的発達症知的障害の名称で呼ばれていましたが、現在は知的発達症と呼ばれるようになりました。論理的思考、問題解決、計画、抽象的思考、判断、などの知的能力の困難性、そのことによる生活面の適応困難によって特徴づけられます。程度に応じて軽度、中等度、重度に分類されます。
2023年12月18日怖がりなしおさんは無痛分娩を選択し、元気な女の子を出産。しかし、しおさんいぼ痔になってしまうのです。その後は赤ちゃんのお世話におしりの痛みにとバタバタな入院生活を送ります。そして、3日目の深夜。赤ちゃんと2人きり、幸せな授乳タイムを送りますが、おしりが痛み出し、平穏な時間は終了。薬をもらうためナースステーションへ向かうと、偶然にも居合わせた院長が「僕が押し込んであげようか?」とひと言。恐怖を感じたしおさんは、薬を握り締め全力で病室へと戻るのでした。深夜のお世話では、う●ち漏れで寝具も服も全部取り替えるという初めての経験をしたりと落ち込むしおさん。しかし退院目前! 「明日で最後…!」と自分に喝を入れるのでした。入院生活4日目の朝。腫れ上がった左手が心配になり、病室を訪れた助産師さんに相談することに。原因は「ずっと針を刺して点滴を打っていた影響かもしれない」と助産師さん。理由がわかり納得し、1日が始まるのでした。 どうしよう… ※誤)お夜通し → 正)夜通し ※ 痛みや腫れがある場合は、無理に環納しないようにしましょう。 そして朝食の時間。またもおしりに激痛が! 刺激を与えないよう、おしりを浮かせながら朝食をとるしおさんは、薬をもらうことを決意します。しかし助産師さんからは「ちゃんとトイレで押し込んでみた??」と言われ、何度も聞いたそのセリフにイライラしてしまうのでした。 そして昼食の準備をしていると、話したいことがあると助産師さんに呼び止められます。ナースステーションへ向かうと、小児科医が待ち構えていました。医師に入院中に赤ちゃんの検査をしたことを告げられ、1枚の紙を渡されます。そこには「黄疸」の文字が。その紙を読み続けると、「脳の組織にダメージを」「後遺症で体が麻痺」と信じられない言葉が並び、ショックのあまりしおさんはぼうぜんとするのでした。 ◇ ◇ ◇ 突然小児科医に「黄疸」と言われ、不安になるしおさん。聞き慣れない言葉にショックを受けるのも無理はありませんよね。助産師さん曰く、黄疸が強くなると、肌や白目が黄色く染まって見えると言います。少しでも気になるときは、自分で判断せずに先生に相談することをおすすめします。 監修/助産師 松田玲子 著者:マンガ家・イラストレーター しお
2023年12月16日日々、子どもたちの健康を守る小児科、みなさんの中でもお世話になった方が多いのではないでしょうか? そんな小児科でのとある日の出来事がX(旧Twitter)に投稿されました!小児科医で今回ご紹介するのはせいむ(@same_pedem)さんがX(旧Twitter)に投稿した内容です。投稿は、小児科医である「せいむ」さんが勤務中の際のエピソード。勤務中小児科医である「せいむ」さん、ある朝、患者さんについて救急医からの連絡を受けたのですが…。話を聞いていると、ただならぬ様子で…?まさかの連絡…!?朝イチで救急医から着信「先生が肥満で診てる〇〇君ですが、昨晩事故にあって運ばれまして…治療頑張ったのですが……」(え、嘘でしょ…まさかそんな…)「………今日だけご褒美に好きなお菓子食べさせてもよろしいでしょうか」いや元気なんかい!!生きててよかったよ!好きなもん食え食え!— せいむ (@same_pedem) December 4, 2023 しかしその後、救急医が続けたのは「ご褒美でお菓子を食べてもいいか」という確認でした。そんな連絡にほっと胸をなでおろした「せいむ」さんの投稿でした。こちらの投稿には13万件のいいねが集まっています。(2023年12月8日時点)この反響へ「せいむ」さんは…今回の出来事に対し「せいむ」さんは『日々の診療の中でこんなほっこりエピソードに溢れている小児科医が増えてほしいです』と話していました。子ども達の健康を守るために日々、子どもたちの健康を守る小児科医。今回は、子どもたちの無限の未来や家族の笑顔を守るために日々奮闘している小児科医の「せいむ」さんのほっこりする投稿を紹介しました。※本文中のポストは投稿主様より掲載許諾をいただいています。
2023年12月11日3児のママで小児科医でもある、高円寺こどもクリニック院長の保田典子先生に、親の暴言と子どもへの影響について教えていただきました。こんにちは。小児科医の保田典子です。今回は、子どもに感情をぶつけてしまう親御さんへのメッセージです。子どもに感情的に接してしまって自己嫌悪……という経験、一度はしたことがあるのではないでしょうか。そんなとき、どうすればいいのでしょうか? 実際にベビーカレンダーの専門家相談に寄せられた相談とともに、見てみましょう。 3歳になった娘と生後9カ月の娘がいます。長女に対して怒ってしまう、イライラしてしまう自分が嫌です。言葉が達者で、意味が通じている、相手の反応が的確な分、イラッとしてしまいます。娘も何か言われて嫌だったりイラッとすると、叩いてきます。「叩くと痛いからやめて、ママ悲しい」と伝えますが、言ってるそばから叩いてくるので、大人気ないですがイライラして叩き返してしまいます。 4歳1カ月の娘がいます。イヤイヤ期が落ち着いたのかな……と思いきや、ここ最近はわがままやかんしゃく、言うことを聞かないことが目立つようになりました。私自身も現在第2子を妊娠しており体調が安定せず、ついイライラをぶつけてしまっています。「こんなわがままなのはうちの子だけかも……」と思って、わがままだらけで頭にきて、毎日怒ってしまいます。例えば、トイレに行きたくない(そして漏らす)、ジュースを買って欲しい(ダメと言うと泣き叫ぶ)、工作がうまくいかなかった(心が折れて泣く)などなどです。 怒るという感情は自然なことです「怒る」という感情は自然なことで、それを否定する必要はありません。子どもにイヤイヤされて泣いて叫ばれたり、夜泣きで寝不足のなかトラブルが起こったら、誰でもイライラしたり、怒りたくなります。その「怒り」の感情に対して自己嫌悪になる必要はありませんが、怒ったことで自分の気持ちを見直すチャンスでもあります。 例えば3~4歳の子であれば、ママさんは「もう色々わかる年齢なんだから〇〇しないはずだ」という気持ちが根底にあり、「〇〇すべきではない」と思っていることを子どもがしてしまうことで、イライラして怒ってしまうということがあるかと思います(4歳なんだからおもらしはしないはずだ、など)。 感情的に怒ってしまったときは「自分ってこう思っていたんだな」と、後で俯瞰して自分の気持ちを観察してみましょう。自分がどんなことで「〇〇すべき」「〇〇すべきではない」と思っているかに気づけると思います。その考えが本当に正しいのかも含め、しっかり考えてみるとよいでしょう。 また、「怒り」はどうしようもなく、止められない感情のように感じますが、実はコントロールできる感情です。「子どもに怒る」ということを自分で選択して感情的になっていることを認識しましょう。 感情を子どもにぶつけると、悪影響があります子どもは、環境による影響を受けやすいです。アメリカのハーバード大学との共同研究では、暴言によるマルトリートメント(大人から子どもに対する避けたい関りのこと)があると、言葉の暴力を経験していない人たちよりも「聴覚野」が約14%も肥大するという結果があります。 怒鳴ったりなじられたりするなどの言葉の暴力は、身体を傷つける身体的マルトリートメント以上に、子どもの脳を傷つけてしまうと言われています。大切なのは、使ってほしくない言葉は繰り返さないこと、本人の存在を否定するような言葉は使わないことです。 イライラしないためにできることママがイライラしないためにできることは、「自分で自分の機嫌をとる」こと。疲れているとイライラしたり、感情的になりやすいです。ママ自身が疲れすぎてしまわないように、たまには家事や育児を投げ出す時間を作ったり、ラクになるツールや人に頼ったりするところから始めましょう。 工夫して対応してもつらい気持ちが続くときは、心の専門家や地域の保健士さんに相談してみると良いですよ。もし怒りの感情がコントロールできず、もしかしたら自分が虐待しているかもしれないと思うときは、児童相談所虐待対応ダイヤル「189」に相談しても良いと思います。 子どもへ感情的に怒ってしまう人は、何でも「自分でしなくちゃ」と頑張ってしまう頑張り屋さんが多いように思います。でも、子どもの心に傷を残さないためにも、感情的に怒ってしまったら、まずは子どもに「ママはこう思っていたんだ」と伝えしっかり謝ること、そして、子どもの存在が嫌い・嫌ではないんだということを説明してあげてください。 子育てのどんなフェーズにおいても、一番大事なのは「自分自身」です。子どもに怒ってしまう自分自身を嫌にならないよう、まずは子どもへ怒ってしまう環境をつくらない工夫をおこない、自分の心と体を大切に考えたうえで、お子さんを大切にしてあげてください。 監修者・著者:医師 高円寺こどもクリニック院長 保田典子 先生
2023年12月10日ママたちから寄せられた体験談や悩みをマンガ化しているまめねこさん。今回は、ある小児科の看護師さんがお話ししてくれた「子どもの低血糖」の体験談をマンガで紹介します。子どもを朝起こしてもすぐに寝てしまう、ぼーっとしているなどの症状が「低血糖症状」だと気付かずに安静に休ませているうちに、症状が進んでしまうということがあるそうです。ある日、クリニックに1本の電話がかかってきました……。 お母さんに抱えられて到着した2歳の男の子は…… 看護師さんは、クリニックを受診した子どもに低血糖が多くみられることからまめねこさんにマンガ化を提案してきたそうです。 このお話に出てくるお母さんに抱えられてやってきた2歳の男の子も、朝起こしても寝てしまう、熱もないのにぐったりしているなどの情報から看護師さんが予感したとおり、低血糖だったようです。前日は微熱と食欲低下があり、夕食を食べなかったことが原因だろうと医師は言いました。 食欲がなくても少量ずつでも、ラムネやカルピスなどで糖分を摂取することが大切なのですね。そして何も食べられないなら「早めの受診」が肝心とのこと。 子どもが遊びに夢中になっていると、つい水分や糖分の摂取するタイミングを逃してしまったり、食欲がないならと夕食をとらせず眠らせてしまったりするなど、やってしまいそうですよね。10歳前後までは血糖コントロール機能が未熟であるなど、正しい知識をもって、大人が子どもの低血糖予防を意識しておきたいですね。 ※ラムネなどの丸くつるっとしたものは、表面が滑らかなためにふとしたときに飲み込んでしまって喉につまってしまうことがあります。発達に応じて小さくして食べさせるなど、注意が必要です。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。著者:マンガ家・イラストレーター まめねこ
2023年12月03日フリーランス精神科医から勤務医へ三木崇弘先生は、2019年からフリーランス児童精神科医として、クリニック以外にも学校や児童相談所、児童養護施設や保健所などで勤務し、2022年7月から勤務医に転身されました。その後も、臨床と共に、漫画『リエゾン―こどものこころ診療所―』の医療監修を継続、さまざまな社会活動を通して、社会への問いかけや支援の在り方について提言をされています。――フリーランス児童精神科医として幅広く活躍されてきましたが、どのようなお気持ちの変化があったのでしょうか?三木先生:もともと「都市で学んで、地方に還元したい」という気持ちがあり、家庭の事情も重なったことから地元にUターンすることにしました。――有言実行されたということなのですね。ちょうど1年が過ぎた頃かと思いますが、見えてきた課題や現在注力していることを教えてください。三木先生:地方は首都圏に比べると圧倒的にリソースが少なく、特に県庁所在地でない都市はそれが顕著です。子どもが安全・健全に育つために必要なリソースや考え方が不足しているように感じます。そのため、さまざまな職種の仲間を募って勉強会をするなど、チームで連携して子どものためにできる支援は何かを模索しているところです。漫画『リエゾン』医療監修、エンターテイメントの力を感じて――『リエゾン―こどものこころ診療所―(以降、リエゾン)』について、最初に医療監修の依頼があった時は、どのように感じましたか?三木先生:「自分の人生に『講談社』という文字が出てくるとは思わなかった」です(笑)。それぐらい縁遠い世界だと思っていましたし、想像もしなかったです。ただ監修の依頼をいただいた頃、僕自身が「特殊なジャンルだと思われていることについて、専門家が専門家に対して、専門的な内容を伝えることの手応えのなさ」を感じていました。――漫画だと、伝えたい相手も伝え方も大きく違いますね。三木先生:そうですね。発達障害や不登校、虐待、非行などは教育や医療だけではなくて社会全体の問題ですから、こういったテーマを広く一般の方に知ってもらうためにエンターテインメントの力を借りる方法はとても素晴らしいと思いました。――漫画で描かれていることは、実際の臨床現場でも多くあるのでしょうか?三木先生:あります。もちろん漫画ですから多少は理想的に描かれていますが、『リエゾン』に関してはいろんな人たちの葛藤が丁寧に描かれるよう、編集部も力を入れてくれています。――話題作の監修を続けることは、プレッシャーも大きいのではと……!三木先生:忙しすぎてそこまで気にしていられない、というのが正直な感想です(笑)。ただ原作者、漫画家、編集部ともにかなり丁寧に議論を交わしていますから、概ね大丈夫だと自信を持っています。――マンガは累計120万部を突破、ドラマも放映されましたが、反響や臨床現場における変化はあるでしょうか?三木先生:僕はあくまで監修なので、部数については実感がないですねえ。ただ2023年1月からドラマ放映が始まり、「すごい共感しました」「おばあちゃんが優しくなりました」という声をたくさんいただくことがあって、発達障害のあるお子さん自身や、その保護者の方のつらさが周り人たちに分かりやすく伝わったのかなと思いました。引き続き、こういうジャンルに興味がない方にも、まずはエンターテイメントとして、ドラマであれば出演されている俳優の皆さんへの興味から『リエゾン』に触れていただけたらうれしいですね。著書『リエゾン-こどものこころ診療所- 凸凹のためのおとなのこころがまえ』『リエゾン-こどものこころ診療所- 凸凹のためのおとなのこころがまえ』は、漫画『リエゾン』で取り上げられている診療例のほか、三木崇弘先生の臨床事例を交えながら、凸凹がある子どもの子育てにおける「こころがまえ」について、「親はすごい」という言葉から始まるエールと共に小児科医・児童精神科医の視点で具体的に解説された一冊です。Upload By 発達ナビ編集部「親はすごい」僕が小児科医・児童精神科医としてキャリアを積むうちに感じた大切なことの一つです。(中略)「誰がやるのか」の答えは、主に親御さん(と学校の先生)です。でも皆さんは「専門家が専門知識を使ってアドバイスする」ことがすごいと思われているかもしれません。でも僕は、「実際にやる人が一番えらい」と思っています。まえがき第2章でも触れましたが、安定して65点の関わりを続けられることを目指してみましょう。特に凸凹のある子どもたちは、不安定さや見通しの立たなさが苦手です。「その日の機嫌によって、すごく熱烈で前向きな反応が返ってくるかもしれないけれど、氷のようにつめたい反応かもしれない大人」よりも、「何を言ってもそこそこ好意的な反応が返ってくる大人」のほうが、安心感は高いです。第4章「ほどほどを、ずっと」がいい――ドラマ放映に合わせて執筆された本書では、凸凹の意味や告知、環境のマッチングや保護者のアンガーマネジメント、特別支援教育、学校との付き合い方や不登校・受験のこころがまえなど、多岐にわたる解説がされています。「最後の最後までページ構成を変更した」とのことですが、執筆にあたりどのような思いから、どのような試行錯誤があったのかお聞きしたいです。三木先生:少しでも分かりやすく、前後の繋がりがスムーズになるようにと思っていました。読む人が頭をひねらなくてもスッと入っていくことを一番の目標にしたので、読み直して違和感があるたびに構成を変えることになりました。出版社の方には本当に粘り強く付き合っていただき感謝です。――どのような保護者の方に、本書を手にとってほしいとお考えでしょうか?三木先生:子育てに悩むすべての保護者の方ですね。発達障害のあるなしに関係なく、子どもと向き合う時のこころがまえを書いたつもりです。子育て全般について、不安に思っていることや自信がないことについて、後押ししてくれる本になっていると思います。――ありがとうございました。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年11月28日人見知りはいつから始まる?人見知りの原因とは?赤ちゃんが普段接している養育者以外と接するときに、ぐずったり泣き出したりと人見知りが激しくて困っている方もいらっしゃると思います。人見知りは子どもが発達していく過程で、人を区別できるようになってくると起こると言われています。目安としては生後6~9ヶ月頃から始まり、2~3歳頃になるとおさまってくることが多いようです。ただ、子どもの発達には個人差が大きいため、下記の月齢はあくまで目安としてください。赤ちゃんは、生まれた頃はまだ視力も発達しておらず、身近な大人の姿もよく認識できていません。生後6ヶ月頃になってくると、養育者など身近な人の顔を判別できるようになってきます。あやしてもらうと喜んだり、養育者にしがみついたり、あとを追うようになったり、大人とのやり取りを楽しむ様子が見られるようになります。子どもと養育者は、このようにして愛着を築いていきますが、特定の大人との愛着関係が強まっていくことで、それ以外の慣れていない人と接すると、不安が高まり接触を避けたり泣いたりといった様子を見せることがあります。8~9ヶ月頃になると、多くの子どもが人見知りをするようになります。人見知りの激しさは子どもによって差があり、目をそらすといった消極的な場合から、泣き叫ぶなど激しい様相を呈する場合もあります。また、初対面ではなくても、あまり会う機会のない祖父母などの大人に対して、それまでは人見知りしなかったのに、急に人見知りをするようになる場合もあります。このように、人見知りは子どもが人を識別できるようになったことと、特定の大人との愛着関係ができたからこそ生じる状態と言えます。それまでいろいろな人と接していたのに、急に人見知りが始まると戸惑うかもしれませんが、子どもの発達の自然な過程なのであまり心配しないようにするといいでしょう。人見知りはおおよそ10ヶ月~1歳半頃が最も激しく、2~3歳頃になる頃には落ち着いてくると言われています。これは、10ヶ月~1歳半頃は愛着の対象である人(多くは養育者)が離れることに不安が強くなる時期だからです。そのため、慣れない人と接する場面では不安感からより人見知りが激しくなることが考えられます。その後、子どもがさまざまなコミュニケーション手段を獲得し、他者と関わる機会が増えていくことで次第に人見知りもおさまってくるようになります。参考:お母さんと子どものコミュニケーションのために|厚生労働省参考:保育所保育指針解説書|厚生労働省参考:分離不安および人見知り|MSDマニュアル家庭版人見知りが激しい子に特徴はある?人見知りの程度や行動は個人差が大きく、まったく人見知りしないという子どももいれば、激しい子どももいます。人見知りが激しい場合、「話しかけられただけで泣き叫ぶ」「養育者以外が抱っこをすると泣く」「ほかの人の顔を見ただけで「怖い」と養育者に抱き着く」「養育者の陰から出てこない」など、比較的ささいなことでも大きく反応します。また、泣いている時間も子どもによって差があり、一度泣き出すとなかなか泣き止まず、養育者が困ってしまうということもあります。このように人見知りが激しく、外で泣き叫んでいるときなどは「何とかしなくては」と焦ってしまうこともあるでしょう。そのときに叱責するなど無理に泣き止ませるのは逆効果になることがあります。人見知りは養育者との関係がうまくいっているからこそ起きるものです。泣き続けている場合は、子どもが普段触れ合うことの多い人が抱っこをするなどをして、安心感を感じられるようにするといいでしょう。参考:親子の関係|東京都生涯学習情報人見知りが激しい場合、発達障害などの可能性がある?人見知りは子どもの発達の過程で生じるものと分かっていても、程度によっては「何かほかに原因があるのでは」「発達障害の影響かも」と感じることがあると思います。ですが、発達障害があるから人見知りが激しくなるというわけではありません。しかし、発達障害があることで不安が強く、そのことが人見知りの程度に影響を与えることは考えられます。人見知りが激しい以外にも、気になる行動や特性が見られた場合は専門機関へ相談してみるといいでしょう。発達障害のある子どもに見られる特徴例・癇癪が激しい・自分のことに夢中になり友達と遊ぶことが少ない・慣れない状況や急な変更に不安が強い・感覚過敏がある(著しい偏食、特定の音を過剰に嫌がる、ある洋服の素材を嫌がったり洋服のタグを嫌がったりする)・歯磨き、着替えなどの身辺自立が遅れがちここで挙げた特徴はあくまで一例です。人見知り以外にも発達で気になる様子がある場合は以下の機関に相談してみるといいでしょう。発達の気になる子どもの相談先・かかりつけの小児科・専門の医療機関(療育センター、児童精神科、小児神経科など)・市町村保健センター・児童相談所・子ども家庭支援センター・発達障害者支援センター対面だけでなく電話やインターネットを通じて相談できる場合もあります。WEBサイトなどで確認してみるといいでしょう。参考:支援者のための地域連携ハンドブック~発達障害のある子供への対応~|東京都保健医療局まとめ慣れていない人と接するときに、避けたり泣き叫んだりといった人見知り。子どもの人見知りは6ヶ月頃から現われて、2~3歳頃まで続くと言われています。いつまでも泣いていたり、それまで仲良くしていた人にも人見知りするようになると「困ったな」と感じるかもしれません。しかし、人見知りは養育者と愛着を形成できているからこそ起こる状態で、子どものコミュニケーション手段が増えることで自然とおさまってきます。しかし、人見知りの程度や期間が気になったり、ほかにも発達で気になる様子がある場合は、背景に障害などが隠れていることも考えられます。心配な方はかかりつけの小児科や保健センターなど専門機関に相談してみるといいでしょう。(コラム内の障害名表記について)コラム内では、現在一般的に使用される障害名・疾患名で表記をしていますが、2013年に公開された米国精神医学会が作成する、精神疾患・精神障害の分類マニュアルDSM-5などをもとに、日本小児神経学会などでは「障害」という表記ではなく、「~症」と表現されるようになりました。現在は下記の表現になっています。神経発達症発達障害の名称で呼ばれていましたが、現在は神経発達症と呼ばれるようになりました。知的発達症(知的障害)、自閉スペクトラム症、注意欠如・多動症、コミュニケーション症群、限局性学習症、チック症群、発達性協調運動症、常同運動症が含まれます。※発達障害者支援法において、発達障害の定義の中に知的発達症(知的能力障害)は含まれないため、神経発達症のほうが発達障害よりも広い概念になります。
2023年11月22日大人になっても注射って緊張しませんか……?子ども同様優しく褒められた時のこそばゆい感じ!わかります〜! 一緒に褒めてくれるお子さんたちが可愛いです♡大人になっても注射って緊張しますよね!! 私も子どもの手前、なんでもない感じを出しますけど、やっぱり針を打つ瞬間は見られません〜!くもやあきこさんの漫画はInstagramとブログ、Twitterで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪----------------------------ご協力:くもやあきこさんInstagram:@akikokumoyaブログ:毎日が推しごと。Twitter:@akikokumoyaイラスト用アカウントもご覧ください♪@kumoya_illustration---------------------------(文:マイナビ子育て編集部)おすすめ子育て漫画、まだまだあります!✅【漫画】保育園の連絡帳に爆笑!! 保育士さんたち実はめっちゃ面白いな……?✅【漫画】寝るときの子どもメチャ尊すぎるな…! 可愛さ爆発で泣きそうになるマンガ✅【漫画】それマジでフラグだから!! ちょっとヤメてほしい同僚の一言「お熱出なくてよかったですね!」すると……「保育園からお電話です」
2023年11月16日娘が3歳9カ月のとき、O157(腸管出血性大腸菌)に感染しました。テレビのニュースなどでよく耳にする感染症ですが、私はO157の恐ろしさを思い知らされることとなったのです。娘の闘病の体験談と、そのとき学んだことを紹介します。血便が! 腸重積の疑いで大学病院に搬送翌朝、小児科でノロウイルス・ロタウイルスの検査をしましたが、結果は陰性。一度帰宅しましたが、夕方ついに真っ赤な血便が……! すぐに小児科を再受診すると、先生から「腸重積だと思うから、すぐに大学病院に行ってください」との言葉がありました。 腸重積とは腸管が重なってしまった状態のことで、早めに対応しないと危険なのだそうです。大学病院に転院になり、すぐに重なった腸管を元に戻すため、おしりにバルーンを入れる手術をすることになりました。3日間の入院を言い渡されましたが、術後は娘がだいぶラクそうになったので私は安心しきっていました。 O157が検出! そして血尿…!しかしその2日後、看護師さんが血相を変えて病室にきたのです。そこで告げられたのは、検便の結果、O157が検出されたとの言葉でした。私はただ驚くばかりでしたが、そこからすぐに保健所の訪問が始まりました。 同居家族全員の検便がおこなわれましたが、娘以外は全員が陰性。2週間分の食事の聞き取りがありましたが、原因は特定できませんでした。そしてさらに2日経ったころ、娘の体にさらなる異変が! 尿検査のためトイレに行かせると、クランベリーのような色の血尿が出たのです。合併症を発症し転院!娘は元気に回復しましたが、3年経った現在も合併症の経過観察で通院を続けています。娘がO157に感染し、私は初めてその感染症の恐ろしさを知りました。今では、こまめに手を洗う・肉と野菜のまな板を分ける・調理する箸と食べる箸を分けるなどの対策を続けています。もっと感染症の知識をつけて予防をしていきたいと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師 松田玲子イラストレーター/まっふ 著者:河津明香2男1女の母。旅行代理店勤務をしながらの育児を経て、フリーランスのライターへ転身。現在は発達障害の長男のサポートをおこないながら、旅行・育児・生活雑貨などの記事を中心に執筆。
2023年10月29日今回は、人気のマンガをクイズ形式で紹介します!マンガのストーリーがどんな結末になるか考えてみてくださいね。長男が体調不良に!?主人公が第2子を妊娠中、つわりでどうしても動けなかった日がありました。そんな日に長男が熱を出してしまい…。夫に「小児科に連れて行ってくれない?」とお願いをします。すると夫は「せっかくの休みなのに!」と文句を言いながら小児科へ向かいました。夫から電話がかかってきて…出典:CoordiSnapしかししばらくすると、突然夫から電話がかかってきて、普段飲んでいる薬があるかどうかを聞かれます。夫は普段から子どものことを見ていなかったため、飲んでいる薬があるかどうかも把握していなかったようで…。そのイライラをぶつけられた主人公は思わず固まってしまいました。しかしこの後、予想外の出来事が起こって…。問題さあ、ここで問題です。この後、起こった予想外の出来事とは何でしょうか?ヒント電話の内容を聞いている人がいました。みなさんは答えがわかりましたか?正解は…出典:CoordiSnap正解は「医者が夫に一喝した」でした。電話を聞いていた医者は「ちゃんと見ていないのはお父さんじゃないですか?」と言い、夫は慌てて言い訳をし始めます。しかし医者はそんな夫を相手にせず、意見をぶつけ続けたのでした…。※こちらは実際に募集したエピソードをもとに記事化しています。(CoordiSnap編集部)
2023年10月22日中3次男は受験のために塾に通っています授業のない日も自習をしに塾に行くようにしているのですが、先生からあるアドバイスをいただきました。確かに出かけていて、いったん帰ってきて再び外出するのは面倒くさい!一気にいろいろすませたほうがラクな気がします。先生の考えに完全に同意!学校の帰りに塾に寄って自習することをすすめてみました。(ちなみに塾の授業がある日は時間が遅いので、いったん帰ってきて夕飯を食べたりしてから塾に行っています)次男は「はあ…」って感じであんまり乗り気でない様子。そして次の日…!?休憩してから塾へ出かけた次男。私なら一度休憩したら、お尻に根が生えた状態で面倒くさくなるけどな~そしてまたその次の日も塾に行かずに帰ってきた次男次男的にはどうしてもいったん家に帰ってきたいらしい!重い学校の荷物をおろして、休憩しておやつを食べて…回復してから塾へ行きたいんだって!私の思い込みで「こっちのほうがラクだよ~」と押し付けになっていたのかも?次男には次男のやり方があるみたいなので、自分のやりやすい方で頑張ってもらいます。次男が塾に通いだした頃の話。「 塾の自習室に通い始めた中3次男 入退室メールでキャッチした息子の行動 」今は自習に行くと1時間半~2時間頑張っています!
2023年10月14日現在6歳になる息子が2歳のときのことです。息子は内服が極端に苦手で、いろいろと試しても克服できずにいました。ある日、生まれたときからお世話になっている小児科医にそのことを説明したのですが、まさかの返答。今までの努力や本当につらい状況を理解してもらえず、悲しくなってしまった体験談です。内服がとにかく苦手な息子味覚がとても敏感な息子。大人にはわからないような変化にも反応します。完熟を少し過ぎたバナナや加熱しすぎたお肉などは口にしません。好き嫌いが多いというより、苦手な味付けがあるようです。 一番大変なのは内服。粉を練って小さくしても、アイスに混ぜてもだめです。「うぇっ」となってしまい、ひどいときには吐いてしまいます。風邪で薬を処方されたときは何とか飲ませようと必死に努力しましたが、どれも失敗。風邪の症状に加えて内服の苦痛が強く、息子がかわいそうでした。 小児科医のひと言が……ある日発熱があり、かかりつけの小児科を受診。風邪とのことでした。「解熱剤は坐薬でいただけないでしょうか? 薬を飲むのがどうしても苦手で……吐いてしまうこともあるので」とお願いすると、「アイスに混ぜたりしていますか? 2歳で飲めないというのは問題ですよ。ちゃんと練習しないと。お母さんがしっかりしないと、もっと重い病気になったときにお子さんが苦労することになりますよ」と先生。 今までさまざまな努力をしてきたこと、どうしてもうまく飲めないことを説明しましたが、理解してもらえませんでした。 息子や私が悪い? できないものはできない結局、粉薬が処方されました。先生の言うことは理解できますが、薬が飲めないのは甘えだと言われたようで、とても悲しい気持ちになりました。風邪で熱があって食欲もないなか、どうしても薬を飲んでくれない息子に飲ませる大変さを少しでもわかってほしかったです。 泣いて嫌がる息子の口を無理やり開けて薬を入れても、「うぇっ」と出してしまいます。ひどいときには食べ物も吐いてしまい、むしろ体力を奪っているのではないかとすら思う状態。練習しろと言われてもその方法がわかりませんでした。ただ途方に暮れながら家路につきました。 その後も息子が4歳になるまで、内服はとにかく大変でした。効果的な方法が見つからず、風邪を引くたびにとてもつらい日々を過ごしました。何とか乗り越えられたのは、年に2回ほどしか風邪を引かなかったからです。4歳を過ぎると少しずつ飲めるようになり、6歳の今では問題なく飲めるようになりました。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 ベビーカレンダーでは、赤ちゃん時代を卒業して自己主張を始めた2~5歳までの子どもの力を伸ばし、親子の生活がもっと楽しくなる【キッズライフ記事】を強化配信中。今よりもっと笑顔が増えてハッピーな毎日になりますように! 監修/助産師 松田玲子著者:更田未央子6歳と2歳の子を持つ母。看護師・保健師・養護教諭1種・FP3級の免許を取得。現在、高校生を対象とした学習塾の講師をしながら、FP2級を目指す。育児・教育・医療・金融・不動産について執筆中。
2023年10月08日