自分にとって大切な人ともっと強くつながりたい…。そんなとき相手とのつき合い方で心がけることとは?精神世界の案内人・山川夫妻が30年の心の旅で見つけた、“愛と絆”を深める極意を教えてもらいました。精神世界の数々の名著を邦訳。同時に、幸せになるための多くのメッセージを発信してきた山川紘矢さん、亜希子さんご夫妻。そんなおふたりが確信しているのが、「出会った人はみな運命の相手である」ということだ。運命の相手なら、なんの障害もいさかいもなく関係が続きそうなのに、なぜうまくいかないのかと不思議に思うかもしれない。「どんな人も、互いの成長のために用意された宇宙からのプレゼント。出会ったのは、学びを得るためです。成長のために必要だから、シビアな問題が起きることもあるのです。『なぜこんなひどい人を好きになってしまったんだろう』と切り捨てるのではなく、『彼は私に何かを気づかせるためにこんな行動を取ってくれたのだ』と考えてみましょう」(亜希子さん)そんな大切な存在と豊かな関係を築くためには、何を心がけたらいいのだろう。「逆説的ですが、ふたりの関係をよくするには、何よりも自分自身が幸せになることなのです。過去の傷を手放して、自分が幸せになると、自分の外側もうまく回り始めます。人生に問題など何も起きなくなります」(紘矢さん)自分を好きになることが他者との関係もよくする早道だとは、精神世界では当たり前に言われていること。でも、人に気を遣った方が端的に関係がよくなりそうなのに、なぜ“まずは自分を愛すること”が大切なのか。「私も長いこと“自分を愛する”ことができなくて、苦しんでいました。他人の評価で生きていたころは、がんばらなければ認めてもらえないと思っていましたし、自分を認めてあげることもできなかった。そんな中で作られてしまった抑圧された感情や傷が、自分が幸せになることに制限をかけるのです。あなた自身を縛ってきた、そうしたネガティブな感情に気づくだけで負のエネルギーは自然と消えていきます。それがはっきりわからないときは『私は私を好きになる』と決めるだけでもいいのです」(亜希子さん)自分を大切にすれば、自分の波動は高くなり、同じ高い波動を持つ無二のパートナーが引き寄せられ、すばらしい関係を育める。「自分に対して寛大に、優しくなれれば、人に対しても同じことができます。身体を動かす、きちんと休養するなど、身体が欲していることにも応えてあげる。すると心身がリラックスでき、あとは自分の思うままに生きるだけ。自分が置かれた状況への感謝を忘れず、人生を肯定的に見ましょう。幸せのカギはすべてあなたの中にあるのです」(紘矢さん)山川夫妻が教える絆を深めるコツの一部をご紹介します。自分を好きになる。自分を丸ごと受け入れる。人は誰もが、唯一のかけがえのない存在。「自分なんて大したことない」と自己評価の低い自分に気づいたら、そんな自分を許して、自分を愛そう。あなたはあなたのままで100点満点。ありのままの自分を受け入れれば、愛の波動が高くなり、周囲をもいい波動で癒すことができる。プラスのスパイラルができあがる。他者をジャッジしない。「彼はどうせこういう人」「期待したってムダ」…そんなふうに相手を決めつけていたら、そのクセはやめよう。自分と意見が対立しても「こんなふうに考える人もいるんだ」と受け入れ、拒絶しないこと。イライラしていたら、絆を深めることはできない。他者に優しくする近道は、自分にも優しく寛大になること。なるべくたくさんハグする。ふたりの距離を縮めるには、ボディランゲージの「ハグ」がいちばん。物理的にも互いのハート(心臓)を近づけることになり、エネルギーが混じり合って互いがわかり合えるようになる。マッサージし合うのもおすすめ。恥ずかしければ、手を握り合う、肩に触れるなど、軽いスキンシップから始めてもOK。やまかわ・こうやあきこ精神世界の著作を多く翻訳、自らも精力的に執筆。最新刊は『神さまに愛される最高の生き方!』(興陽館)。※『anan』2018年4月4日号より。写真・小笠原真紀取材、文・三浦天紗子
2018年04月03日妻夫木聡や深津絵里出演で映画化され、国内外問わず高い評価を得た『悪人』。この度、原作者・吉田修一のデビュー20周年の年に舞台化されることが決定。中村蒼と美波のふたり芝居で、2018年3月29日(木)より上演されることが分かった。佐賀の紳士服量販店に勤める女・光代は、携帯サイトで知り合った、長崎の港町に住む解体業の男・祐一と恋におちる。ふたりは、つかの間、孤独な魂を寄せ合う。ところが、祐一から殺人を打ち明けられ、ふたりの逃避行が始まる。逃亡の果て、逮捕された祐一は、「逃亡の為に光代を利用しただけ」と語るのだが…。 果たして、ふたりの愛は偽りだったのか?祐一は悪人だったのか?原作は、芥川賞作家・吉田氏の代表作にして、250万部を記録した同名ベストセラー小説。2010年には李相日監督がメガホンをとり、祐一役を妻夫木さん、光代役を深津さんが演じ映画化された。今回台本・演出を担当するのは、昨年「乳房」(出演:内野聖陽、波瑠)、「檀」(出演:中井貴一、宮本信子)と2作のふたり芝居を手掛け、高い評価を得た合津直枝。「光代をもう少しだけ救ってやりたい」という思いで書き上げた上演台本に吉田氏が共感し、舞台化が実現したのだという。舞台化では、“哀しき殺人者”祐一役に「せいせいするほど、愛してる」『HiGH&LOW THE MOVIE 2/END OF SKY』の中村さんが決定。舞台「OTHER DESERT CITIES」での好演も記憶に新しい中村さんは、「初めてのふたり芝居は未知の世界ですが、いまはその不安と期待が入り混じっている感覚です」と心境を語り、「小説、映画共に多くの人に愛された作品で今回の舞台もそれに並ぶ、もしくはそれ以上のものになったらいいなと思っています。美波さんと演出の合津さんとコツコツ作り上げていきます」と意気込みを見せている。なお、本公演のチケットは2018年1月14日(日)より一般発売がスタートする。ふたり芝居「悪人」は2018年3月29日(木)~4月8日(日)シアタートラムにて上演。(cinemacafe.net)
2017年11月09日自分を慈しみ、今を感じるために。精神世界の案内人、山川紘矢・亜希子夫妻が語る“自分が主役”になる人生を創るための心構えとは?どうしても、この本を日本に紹介したい。そんな思いにかられて、山川紘矢・亜希子夫妻が初めて翻訳したのがハリウッド女優、シャーリー・マクレーンの自伝『アウト・オン・ア・リム』。前世や輪廻転生など、スピリチュアルな考え方を世界中に広めた’80年代当時の大ベストセラーだ。“自分を知れば自由になる”というシャーリーのメッセージに共感した山川夫妻は、安定した生活を捨てて40代で翻訳家に転身。精神世界の水先案内人として活躍する一方、31年間の経験から到達した、本当に幸せになる生き方のコツを「受け入れの法則」として披露した。おふたりこそ、まさに新しい人生をクリエイトした大先輩。70代でもアクティブな日々を過ごし、若い世代への理解も深い。どうすればそんな生き方ができるのか。「やはり自分を大切にすることでしょうね。スピリチュアルな勉強をすると、自分に起こることはすべて自分が引き寄せているとわかるので、パワーの源である自分を粗末には扱えなくなります。健やかな心と体のためにセルフケアを怠らず、何がやりたいのか、本当の望みは何なのか、心の声によく耳をすませてちゃんと応えてあげる。すると、人生は自然とうまく回り始めます」(紘矢さん)「自分が嫌いで心を閉ざしている人は、その原因を探ってネガティブな思い込みを手放しましょう。まずは自分を知る。そして、ありのままの自分を好きになれば、心が開かれて幸せが次々に訪れます。そのためには、体と心を使ったワークがお勧め。頭の中でどんなに考えても行き詰まるだけですから」(亜希子さん)実は、山川夫妻も多くの葛藤を乗り越えてきた。そのときに助けてくれたのが、自己を深く知ることから始まるスピリチュアルな考え方とワーク。今でも、毎朝のヨガと瞑想、呼吸法は欠かさないそうだ。「昔の僕は、好きなことより必要なことを選び、人生を楽しむという発想もありませんでした。彼女(亜希子さん)は、優秀で頑張り屋なのに、なぜか自分に自信が持てない。常識的で型通りの生き方が当たり前の時代でもあり、“思い通りに生きてもいい”という真実に気づくまでに、ずいぶん時間がかかりました」(紘矢さん)「今はその点、恵まれていますよね。個性が尊重され、生きるうえでの選択肢や参考になる本や情報も、30年前と比べると驚くほど増えました。ただ、やはり一人で自分と向き合う時間は毎日5分でいいのでつくってほしい。生活に確かな軸ができるからです」(亜希子さん)その5分間に実践したいのが、“自分を好きになる”6つのワーク。また、日々の暮らしで習慣にしたいのが、自分の感性を豊かにする“今を感じる”6つのワークだ。「たとえ短くても、自分のための時間を意識してつくることに意味がある。簡単なヨガのポーズや瞑想、ワークはもちろん、深呼吸するだけでもいいんです」(紘矢さん)「自分を再発見するプロセスを、ぜひ楽しみましょう。そして“自分が主役”で生きることでしか味わえない、本当の幸せを実感してください」(亜希子さん)山川紘矢・亜希子さん翻訳家。スピリチュアルな名著・ベストセラーを日本に紹介し続けて31年。その累計部数は1000万部にも。「引き寄せの法則」の名付け親でもある。夫妻共著の最新刊は『受け入れの極意』(興陽館)。※『anan』2017年10月4日号より。イラスト・夏目麻衣文・岡崎弥生(by anan編集部)
2017年10月01日渡辺謙が半ばあきれ顔で漏らす。「最初に犯人を決めずにこの小説の連載を始めたって?なんて恐ろしいことをやる人なんだろうって(笑)」。吉田修一は「いま、こうしてお話ししていて、なぜ李相日監督が、渡辺さんもあの役を…と考えたのか、わかってきた気がします」と顔を輝かせる。ペンと肉体。小説と映画。表現の方法や道具は異なれども、2人の男たちは確実に、ひとつの物語を共有し、共鳴した。作家・吉田修一が生み出し、俳優・渡辺謙が己の肉体を駆使して登場人物のひとりを表現した物語『怒り』。小説として誕生し、映画として産み落とされるまで――その“はじまり”と“終わり”に携わった2人が語り合う!――吉田さんが『怒り』の連載を開始されたのは2012年ですね。夫婦惨殺事件の現場に「怒り」という血文字が残されているという、センセーショナルな幕開け。犯人が顔を変えて逃亡を続ける中、東京、千葉、沖縄に、犯人と同じ特徴を有した3人の男が現れ、彼らの周囲の人間、彼らを愛する者たちが「実は自分の一番近くにいるこの男は殺人犯なのか?」という不信と愛情のはざまで葛藤します。そもそも、こうした作品を描こうと思ったのは…。吉田:テーマに関して、なかなかひと言では言い表せませんが…小説って「次はこれを書こう」って思って書けるもんじゃないんですよね。その時の自分が感じてること――その時、“書くべきもの”があるんですよね。それに従って書くしかなくて、その時は“怒り”という言葉を元にした物語を書くということだったんですね。なぜと言われると分からないんですが…。渡辺:啓示というと大げさかもしれないけど、何か降りてくるんですかね?吉田:何とも言い難いんですけど、そんな感じですね。本当に自分ではどうにもできない。その時に“喜び”で何か書こうとしても、全く筆は進まないんです。――いま、連載、刊行から少し時間を置いてみて、ふり返ってみて理由や背景について思い当たることや分かってきたことなどはありますか?吉田:いや、それもないんです。いろんな感想が届いて、こっちがなるほどと思ったりもするけど、本人は「だからこういうことだった」という結論には至らないんです。渡辺:思考というよりも、皮膚から入ってくるようなものだね(笑)?吉田:まさに!抗えないんですよ。ただ、イメージとしての“怒り”でいうと、小説を書いているときは、血文字の真っ赤な“怒り”だったんですよ。でも、完成した映画を見て、渡辺さんが演じた洋平やラストシーンを見ながら、自分の中の“怒り”の文字が少しずつ薄れてきたんですよね。ネガティブな感情としてあった怒りを、この映画はラストへ進む中で、消してくださるような作用があったんじゃないかと感じてます。――渡辺さんはどのようにこの映画『怒り』に携わることに?李相日監督とは『許されざる者』に続いてのタッグですね。渡辺:『許されざる者』が終わったときに、「また何か、形にしたい企画があれば、どんなものでも参加するから」とは伝えてたんですよ。それで「こういう企画を考えてます」って吉田さんの原作を渡されたんです。――では原作から入られたんですね?渡辺:そうです。ただ、どの役かといった説明は全くなくて。読んでいく中で「優馬(※映画では妻夫木聡が演じているゲイの青年)ではないよな…」とは思ったけど(笑)。ただね、読み進めていく中で、僕、ページがめくれなくなっちゃったの。何というか、悪い習性なんだけど、物語に鋭い角度で入り込み過ぎちゃって。そこで悩んじゃうとページが進まないの(苦笑)。その時点で「参加したい」って気持ちは固まってたけど、読みえた時は、正直「李のやつ、また厄介な本を…」って思ったよ(笑)。吉田:すみません(苦笑)。渡辺:東京、千葉、沖縄と3本の話があって、非常に根源的というか、人間としての根っこの部分をえぐられる物語だよね。きちんとこの3本のドラマをうねらせながら、2時間の中で深く掘り下げていくって至難の業だよなぁって。――吉田さんは、執筆されているときは映画になるとは…吉田:書いている最中は、そんなこと考える余裕はなかったですね。でも、書きあがったときに「李さんはこれをどう読むかな?」ってすごく興味がわいてきて、送ったんです。渡辺:馬の前にニンジンをぶら下げたようなもんですよ(笑)。吉田:いま考えると、渡辺さんが、物語の構成を変えて、犯人を追う刑事の役(※映画ではピエール瀧が演じている)を演じるってのも、ありだったかなってふと思ったんですよね。いまとは全く違う映画になるでしょうけど、あの刑事に焦点を当てた物語も面白いだろうなって。でも、李さんは、渡辺さんに洋平をやってもらうと。――洋平は、千葉の漁港組合で働く男で、妻を亡くして娘の愛子(宮崎あおい)と暮らしている男ですね。愛子に幸せになってほしいと願う父親ですが、決してキリッと強いタイプではなく…。吉田:どちらかというと、優柔不断で決められない、弱い男ですよね。渡辺さんが洋平…。『許されざる者』での李さんと渡辺さんの関係性があるからこそなんでしょうが、かなりチャレンジャーだなと(笑)。やっぱり、いまでも不思議なんですよ。いや、逆にお聞きしたい! なんで洋平役を受けてくださったんですか?渡辺:役の大小とかかっこよさではないんですよね。その役を生きて、心を震わせるかってところで、僕はこの物語を読んで、それを深く感じたんです。とはいえ、どこか洋平という男を掴みきれないまま、「これは監督と一緒に悩みながら作っていけばいいのかな?」と走り出したところもあります。――千葉編は洋平と愛子の親子、数か月前に街に現れて洋平の下で働くようになり、愛子と恋仲になる田代(松山ケンイチ)の3人を軸に展開しますね。田代は事件の真犯人なのか?というミステリ部分はもちろん重要ですが、それと同じくらい、洋平の愛子に対する自信の持てなさ――自分の娘は決して幸せになれないんじゃないか?と考えてしまう弱さの部分がドラマとして際立っています。渡辺:それが顕著なのは、事件の真相そのものよりも、愛子が洋平のところに来て泣くところですよね。あそこはつらかったなぁ(苦笑)。田代を疑っている自分がいて、愛子も同じ思いを持っていて、それに苦しんでる彼女を目の前にして…本当に悲しかったです。人間て不思議なもので、結果や真相以上に、その過程で疑いを抱いてしまっている自分に苦しむし、それが弱さなんですよね。――池脇千鶴さん演じる、近所に住む姪(愛子の従姉)が、洋平に「おじさん、本当は『愛子が幸せになれるはずがない』って思ってるんじゃないの?」とグサリと言い放つシーンも強烈です。吉田:素晴らしかったですね、あのシーン。渡辺:刺さりますよ、本当に(苦笑)。自分でも知らず知らずに確信を積み重ねていて、ボタンを掛け違えている。そのずれ、核心をズバッと突かれてしまう――もうね、愕然とするくらい、堪えました(笑)。――先ほど、演じる前は洋平を「掴みきれていなかった」とおっしゃってましたが…渡辺:わかんなかったですよ。僕とは正反対ともいえるタイプ。なぜ決められない?なぜその道を選んでしまう? その中にある苦しみ、弱さに何とか寄り添おうとしてました。そんな時に、吉田さんが千葉に撮影の見学にいらっしゃったんですよ。吉田:見学させていただきました。渡辺:その時に、「洋平には、千葉編の愛子と田代の物語だけでなく、東京編の優馬と直人(綾野剛)の物語、沖縄編の泉(広瀬すず)と辰哉(佐久本宝)、田中(森山未來)の物語、その全てを最後の最後で受け止めてほしいんです」とおっしゃっていただいて。その時ね、いろんなことがはっきりしたし、的が見えてきたんです。これは僕だけの物語じゃないんだ。3つの純愛、血だらけの3つの物語を受け止めなくちゃいけないんだと。吉田:先ほども言いましたが、最初、この洋平という男を優柔不断な弱い男として僕自身もまた捉えて「なぜこの役を渡辺謙が?」と考えていたんですよ。でも違う。「最後に全てを受け止める男」として考えたら、それはやっぱり渡辺さんなんですよね。いまこうして話していて、李さんは最初からそこを見ていたんだ!と感動を覚えています。――吉田さんは、前回、『悪人』でも李監督と組んでますが、小説『悪人』に関して現時点でのご自身の「最高傑作」とおっしゃってました。いま、『怒り』は吉田さんの中でどのような作品に?吉田:最高傑作になったかどうかはともかく、書くときは「『悪人』を超えなきゃ」という意識でしたし、この映画に関しても李さんをはじめ、みなさんが強い思いで参加してくださっているのを感じていました。自分の中では『悪人』を超える作品になったんじゃないかと思っています。渡辺:結局、クリエイトし続けるってことは、上書きしていくということだからね。もちろん評価は読者や観客がすればいいけど、作る側は、作家であれ俳優であれ、常に「これが自分のベスト」という思いで作り続けていかないといけない。――渡辺さんにとっては、吉田さんの作品に出演されるのは初めてでしたが、いま、改めて作家・吉田修一の凄みをどんなところに感じてますか?渡辺:いや、無からこれだけの作品を産み落とす、その苦しみは計り知れないですよ。まして、犯人を決めずに連載を始めたって(笑)。それは、冒険であり、物語と一緒に旅をするわけですよね。普通は、プロットを書いて、箱を決めて、そこにあった物語を書き始めるでしょ? それがいきなり終わりの見えない旅を始めちゃったわけで、「おいおい!」って思いつつ、その勇気には敬服しますよ。(photo / text:Naoki Kurozu)
2016年09月17日昨年末に惜しまれつつ解散したTHE BOOMの ベーシスト山川浩正が5月11日(月)に東京・LIVE GATE TOKYO(東京都)でライブを開催する。【チケット情報はこちら】同公演は、この日50歳の誕生日を迎える山川の聖誕祭。イベントには山川のほかにも、やなわらばー、ヘンザンタカヒロ、おおたけしたちの3組が出演。ライブでは全出演バンドに山川が参加し、演奏を披露する。おおらかなキャラクターと、様々な楽器を巧みに演奏することから、THE BOOM在籍時も他のバンドへ積極的に参加していた山川。この日の公演でも彼のキャラクターと音楽の足跡が見えるライブになりそうだ。チケットの一般発売は4月18日(土)午前10時より。なお、チケットぴあでは一般発売に先がけて先行先着プリセールを実施中。受付は4月17日(金)昼12時まで。■山川浩正5.11 生誕祭!!「50にして天命を知る?!」日時:5月11日(月) 開場18:30 / 開演19:00会場:LIVE GATE TOKYO(東京都)料金:全自由 3,950円出演:山川浩正 / やなわらばー / ヘンザンタカヒロ / おおたけしたち
2015年04月13日『キツツキと雨』『横道世之介』で高評価を集めた沖田修一監督が新作『滝を見にいく』を完成させた。本作はオーディションで選ばれたプロ・アマ混合の出演者たちが主演で、山の中で迷子になった7人のおばちゃんのサバイバル劇だ。その他の写真本作はそもそも、プロデューサーから「出演者でワークショップをして映画を撮りませんか?」という提案が沖田監督に持ちかけられたところから始まった。しかし、「ワークショップというと若い人のものというイメージなんですけど、40歳の人でも50歳の人でも“新人俳優”というジャンルに入るんだろうな、と思った」という監督は、演技経験を問わずに年配の女性ばかりをキャストに選ぶことにした。「最初はもう少し楽をする予定だったんですけど、キャストの方とワークショップというか稽古をしていくうちに今までの映画と変わらないことに気づきまして、最初は『よーい、スタート』の声をかけないで撮影してみるとか、色々としてたんですけど、結局はこれまでの映画とほとんど変わらない感じで撮影してましたね。みなさん、妙に上手かったんですよね(笑)」。物語は、幻の大滝を見にいくツアーに参加した7人のおばちゃんがガイドとはぐれ、山で迷子になるところから始まる。沖田監督はキャストの個性や特徴を活かしながら脚本づくりをしたそうで「そういう風に俳優にとって有利になるような脚本づくりをしたことも、芝居をしていく上では良かったんじゃないかと思います」と振り返る。「最初からラストは決めていたので、タイトルも『滝を見にいく』にしました。実際に出てくる滝は……自分では面白いと思ってます(笑)。最初はロケハンでもうちょっと荘厳な滝もたくさん見たりしたんですけど、どうしても観光地っぽい感じがしてしまうので、おばちゃんたちが見る滝はこれだろうな、と」。おばちゃんたちが山でのサバイバルを経て、ラストで一体、どんな滝を見ることになるのかも注目だ。商業映画デビュー作『南極料理人』から演技派俳優たちとタッグを組んで、大規模な映画作りを続けてきた沖田監督は「この映画はこれまでとは違った楽しさがあった映画」だという。「オーディションの段階からみんなと色々と話し合いしながらできましたし、自分では映画の規模の大小はわからなくなってきてるんですけど、僕の映画が好きな人って映画の中の“ささいなところ”が好きだという人が多かったりするんですけど、そういうものがつまった映画なので、これまでの映画が好きだった人には楽しんでもらえると思います」。『滝を見にいく』公開中
2014年11月28日『悪人』『パレード』など数々のベストセラーで知られる吉田修一の同名小説を映画化した『横道世之介』(よこみちよのすけ)が27日、第25回東京国際映画祭の特別招待作品としてワールドプレミア上映され、主演を務める高良健吾とメガホンを執る沖田修一監督がTOHOシネマズ六本木ヒルズでの舞台あいさつに登壇した。その他の写真1980年代を舞台に、高良演じる上京したての大学生・横道世之介の日常と、彼を取り巻く個性的な面々の人生を描く本作。高良と沖田監督のタッグは、テレビドラマに始まり、映画『南極料理人』、『キツツキと雨』に続いて4度目となり「僕にとってはイキイキしていられるのが、沖田監督の現場」(高良)、「いつか主演を…、と思っていた。今回は思う存分にやってもらった」(沖田監督)と今やそのコンビネーションは鉄板だ。主人公“世之介”は、人懐っこい笑顔を振りまくどこにでもいそうなお人好しという設定。これまでは対照的にクールな印象も強かった高良だが「役者として“狙ったり”、欲を出してしまうのは良くないなと思った。あくまで普通にこだわった」と役作りをについて語った。一方の沖田監督も「とても軽やかな原作で、登場人物たちが動いているのを見てみたいなと思った」とこちらも自然体で撮影に臨んだ。世之介のガールフレンドで社長令嬢の祥子を演じるのは、人気女優の吉高由里子。高良にとっては『蛇とピアス』以来約5年ぶりの再共演で「以前に比べると、二人ともよくしゃべりましたね。当時はお互い、とても暗かったので…(笑)。吉高さんとの共演は、予期せぬことが起こるから楽しいです」と手応え十分。沖田監督は「現場での爆発力がすごい」と吉高との初仕事に圧倒されていた。映画には高良、吉高に加えて、池松壮亮、伊藤歩、綾野剛ら若手実力派から、きたろう、余貴美子らベテラン勢まで幅広くキャスティングされている。沖田監督は「前作、前々作がおじさん、おばさん(笑)だらけだったので、若い面々と一緒に撮影できたことは僕にとっても面白かった」と振り返った。『横道世之介』2013年2月23日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
2012年10月29日イマジニアは、新学期、新生活応援キャンペーンとして、同社が提供するiPhone/Androidアプリ「山川世界史一問一答」「山川日本史一問一答」シリーズを、4/22までの期間限定で、600円を40%OFF・350円のセール価格で販売する。同商品は、30年以上受験生に愛され続けている歴史教材のベストセラー「山川世界史/日本史」をアプリ化したもので、日本史で4500問、世界史は4000問の問題を収録。クイズ感覚で取り組める「四択モード」と、真剣勝負の「一問一答モード」の2種類の学習方法を選択できる。独自の成績管理システムで苦手な問題を集中学習でき、学校の定期テストや受験対策のほか、昨今の歴史ブームを受けて歴史好きな人たちにも好評だという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月10日人気小説家・吉田修一著による青春感動巨編を、主演に高良健吾、ヒロインに吉高由里子を迎えて『南極料理人』、『キツツキと雨』の沖田修一監督がメガホンを取り実写映画化する『横道世之介』。このほど新たに、池松壮亮、伊藤歩、綾野剛ら若手実力派俳優3人の本作への出演が明らかとなった。『悪人』や『パレード』の原作者としても知られる吉田修一の同名人気小説を原作にもつ本作。1980年代を舞台に、上京したての大学生・横道世之介の日常と、彼を取り巻く人々の生活を優しいタッチで描く。今回出演が決定したのは、いまがまさに“旬”の3人。世之介の大学の友達・倉持一平を、『ラスト サムライ』でハリウッド・デビューも果たした池松壮亮、世之介が憧れる年上女性・片春千春を、『ソラニン』や『GANTZ』など話題作への出演が相次ぐ伊藤歩が演じる。そして女性に興味がない世之介の同級生・加藤雄介を、現在放送中のNHK連続ドラマ小説「カーネーション」での活躍で脚光を浴びている綾野剛が演じる。徐々に明らかにされていく映画『横道世之介』の世界。心温まる人間模様を独特のユーモアと世界観で描くことに定評のある沖田監督の指揮のもと、若手実力派俳優たちがどのような化学反応を起こしてくれるのか、公開を楽しみに待ちたい。『横道世之介』は2013年、全国にて公開。■関連作品:横道世之介 2013年、全国にて公開■関連記事:『蛇にピアス』コンビ復活!高良健吾&吉高由里子で吉田修一の青春小説を映画化
2012年03月15日人気小説家・吉田修一著による青春感動巨編「横道世之介」(毎日新聞社刊)を『南極料理人』、『キツツキと雨』など心温まる人間模様を独特のユーモアと世界観で描いてきた沖田修一監督によって実写映画化されることが決定!主演に高良健吾、ヒロインに吉高由里子が抜擢されたことが明らかとなった。一昨年、国内の映画賞を総なめにした『悪人』や『パレード』などの原作者としても知られるベストセラー作家・吉田修一著で、2010年本屋大賞3位入賞、第23回柴田錬三郎賞を受賞した人気小説を原作にした本作。長崎の港町生まれで大学進学のために上京したばかりの主人公・横道世之介とガールフレンドの与謝野祥子を始め、まわりの人々の青春時代と彼らのその後が描かれる。嫌味のない図々しさが人を呼び、それでいてお人好しの主人公・世之介を演じるのは、『軽蔑』、NHK連続テレビ小説「おひさま」など活躍が目覚しい高良健吾。沖田監督とは『南極料理人』、『キツツキと雨』に続き、3度目のタッグを果たす。そのお相手、ヒロイン・祥子を演じるのは、今年の公開作だけでも『ロボジー』、『ヒミズ』、『僕等がいた』と飛ぶ鳥を落とす勢いの人気女優、吉高由里子。日本映画・ドラマ界で活躍する若手俳優の中でも頭一つ抜け出た2人だが、『蛇にピアス』で共演済みとあって、まさに磐石の布陣?手渡された今回の脚本を読んで「とにかく面白い!」と絶賛する高良さんは、「沖田監督はいつも一緒に悩んでくれる監督なので、今回も一つ一つ悩みながら、楽しみたいです。緊張もしていますが、沖田監督となら『なんとかなる』と思えます」と沖田監督へ全幅の信頼を寄せる。再共演の吉高さんについても「久しぶりに会う友達みたいに再会できたら嬉しいです。吉高さん自身がコメディ映画のように面白い方ですし、しっかりしているので、現場を引っ張ってくれると思います。監督が受け止めてくれて、吉高さんが引っ張ってくれる。だから安心して、僕は前向きな他力本願で頑張ります」と力強い(?)コメント。その吉高さんも「高良さんと共演させていただくのは約5年ぶりで、19歳の頃、ご一緒しました。今回、すごく楽しみでもあり、あの頃から自分が成長してなかったらどうしようと思う不安もあります。高良さんと共演という形で再会するのをとても嬉しく思います。信頼し合えるような関係性を作っていい作品を残したいです」と再会に胸弾ませる。本作のテーマについて、沖田監督は「原作の特徴として、80年代と現代の話が出てきますが、世之介というキャラクターを通していろんな人が過去を思い出したりしています。僕はいま34歳ですが、自分が送ってきた大学生活と彼らの生活はそんなに変わらないと感じています。友達ができて、恋をして、また疎遠になったりして…ということが、どの時代も変わらないんじゃないかな、と思います。そういう“変わらない青春”みたいなものをこの作品で出せたらいいなと思っています」とコメント。これまで映画化されてきた吉田修一作品の持つサスペンスものとはまた一味違う、温かみのある優しい作品が生まれそうだ。撮影は3月下旬にスタートし、長崎でのロケを経て、5月上旬にクランクアップ予定。『横道世之介』は2013年、全国にて公開。■関連作品:キツツキと雨 2012年2月11日より角川シネマ有楽町ほか全国にて公開© 2011「キツツキと雨」製作委員会僕等がいた・前篇 2012年3月17日より全国東宝系にて公開© 2012「僕等がいた」製作委員会 &© 2002小畑友紀/小学館横道世之介 2013年、全国にて公開■関連記事:役所広司×小栗旬インタビューふたりだから語れる、「映画を撮り続ける」ワケ高良健吾×沖田修一監督インタビューコメディから解き明かす24歳の魅力と素顔生田斗真、初共演した吉高由里子の第一印象は「賢い人」役所広司×小栗旬『キツツキと雨』独占試写会に35組70名様をご招待ミスチル桜井「真っ直ぐな気持ちで取り組んだ」『僕等がいた』主題歌リリース決定
2012年02月09日芥川賞作家・吉田修一の作品の中でも、ファンの間で特に高い人気を誇る「パレード」(幻冬舎文庫刊)が豪華キャストを揃えて映画化される。このたび、本作の画像が初めて公開され、物語の鍵を握る男娼・サトルを演じる林遣都の金髪姿も初めて明らかになった。原作小説は2002年に発表され、第15回山本周五郎賞を受賞。同じ年に発表された「パーク・ライフ」が第127回芥川賞を受賞し、物語性を重視した作品に贈られる山本周五郎賞と純文学に対して贈られる芥川賞のW受賞ということで大いに話題となった。物語は、上辺だけの付き合いを「ちょうどよい」と感じる現代の若者たちが、都内のマンションでルームシェアをする姿を描いた群像劇。決して重くない空気感の裏に隠された人間心理の恐ろしさが映し出される。映画会社に勤務する直輝に藤原竜也、イラストレーターの未来役を香里奈、フリーターの美女・琴美を貫地谷しほり、そして大学生の良介に小出恵介と人気の若手俳優陣が顔を揃えている。“本当の自分”を装った、この4人の優しくも怠惰な共同生活に新たに加わるのが、林遣都が演じる金髪の男娼・サトル。時を同じくして彼らの住む街では連続暴行事件が発生し、彼らの日常に少しずつ波紋が広がり始める…。いずれのキャストも話題を集めそうだが、特にデビュー作『バッテリー』以来、『DIVE!!ダイブ!!』、『風が強く吹いている』など爽やかなスポーツ映画への出演が続いていた林さんが、男娼という難役に挑戦しているのは注目!監督を務めるのは、『GO』や『クローズド・ノート』、『世界の中心で、愛をさけぶ』など原作ものの映画化に定評のある行定勲。以前より吉田さんとは親交が深く、吉田さん自身「多くの映像化の企画があった中で、最終的に最高のスタッフとキャストで動き出した映画『パレード』に力強さを感じています」と期待のコメントを寄せている。果たして彼らにとって、この2LDKはどのような場所なのか――?『パレード』は2010年春、渋やシネクイント、新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:パレード 2010年春、渋谷シネクイント、新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010 映画『パレード』製作委員会
2009年08月08日