岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「マネージャー」です。インディーズ時代に僕のことを見出してくれたのは今のマネージャーの松下です。最初はなかなか心を開けずに、届いたメールも2週間近く無視していたんですが、彼女の熱意に押されに押され続けて、ソニーミュージックとメジャー契約を結ぶことになりました。彼女いわく「体育さんと話をしていて目があうようになるまで1年、心を開いてくれたと実感するまで3年かかった」ということですが、僕は他人を信用するのにまあそれくらいは時間がかかるので、逆にそれができあがってしまえば揺るがないので、今はすごくいい関係で仕事ができていると思います。基本的にマネージャーはアーティストのスケジュール管理や身の回りの世話をしてくれます。その仕事内容は、担当するミュージシャンや人となりによってだいぶ違うと思います。とくに僕はひとりなので、例えばラジオのDJ助手とか普通のマネージャーならやらんでもいいようなことまで彼女にお願いをしています。バンドのメンバーでもいればメンバー同士でおしゃべりしていればいいことですが、僕にはその相手がいないし、僕がよく知らん人としゃべれるタイプではないので、ラジオでは彼女に話し相手になってもらえて助かってます。同じようなことでいうと、ライブの打ち上げに参加してもらうこともあります。これもバンドメンバーが数人いれば、誰か1人でも2人でも参加しとけばカタチになる。でも、僕はひとりきり。僕が参加しなきゃ不参加です。そこで、松下の登場です。疲れ切って早々に帰ってしまう僕の代わりに、彼女が持ち前の社交性で打ち上げの場で楽しくおしゃべりして、岡崎体育の印象をあげてくれる。これは、何にも代え難い、アーティスト・岡崎体育への貢献です。痩せろとか、お菓子食べすぎとか、朝ごはん食べてきなさいとか、髪型キショイとか、まあいろいろ言われますがそれもありがたいと思っています。僕の持論ですが、男性アーティストには女性スタッフが、女性アーティストには男性スタッフがつくべきだと思います。やっぱり、ファンの方の視点、異性からの見え方って大事なんですよね。ファンの方に近い感覚って同性からの見え方だけだとどうしてもズレが生じてしまう。だから、女性視点の意見、マネージャーの松下が生理的にキモくないかどうかを岡崎体育のディレクションの最重要項目にしています。おかざき・たいいく8/5、NHK‐FM『今日は一日“岡崎体育と合唱”三昧~Nコン85回記念だよ~』(12:15~18:00)に司会で出演。11/17より全国7か所にて、初の全国ホールワンマンツアーが開催決定!※『anan』2018年8月8日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年08月12日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ライブのMC」です。ライブではほとんどのアーティストがMCをします。そもそもなんでMCって言うんですかね?司会の意味のマスター・オブ・セレモニー?それともマイク・コメントの略?僕はバンドにおけるMCって「待ち(休憩)」と「チューニング」の時間だと思います。…あまりうまいこと言えませんでした、はい。僕のライブでは1曲ごとにMCが入ります。岡崎体育としてソロでステージに立つようになってからはずっとこのスタイルです。その前やってたバンドはMC一切ナシの、楽曲で伝えたいことは伝える系の尖った感じでやっていたんですが、1人ともなるとそうもいきません。僕は、音源をパソコンのDTMソフトからそのまま流すスタイルをとっています。そうすると、ここは低音を下げて出したいとか、台詞部分の音量は上げたいとか、そういう音の調節も全部、自分でできてしまうんです。今でこそ、僕のツアーに制作チームのPA(音響)部隊が帯同してくれていますが、インディーズのころなんて、基本PAはライブハウス任せです。PAとは、音楽が客席で聴きやすいようにバランスをとったり、音量を変えたりという操作をしてくれるスタッフのことですが、これが、知らんライブハウスとかだと信頼できる方ばかりじゃない。PAさんにもそれぞれのクセとか好みがあるので。でも、僕は僕がやりたいようにやりたいので、スタッフには「全部、音の出方を平坦にしといてください」とお願いして、こちらでデータを調整して音を出してるんです。ただそのために、一曲一曲、データを読み込む時間がかかってしまうんですね。だいたい30秒くらい。それでMCを1曲ごとに挟むようになったんです。客席とベラベラおしゃべりして迎合しているようで実は、かなりトゲトゲと尖った僕のこだわりのためにこのスタイルになっているんです。でもそのおかげでMCの腕はかなり鍛えられたと思います。飽きさせない工夫もしてますよ。苦手なのは地方行ってその土地の名物食べたよー、観光地行ったよー系のMC。そういうのって誰でも同じだし飽きますよね?だから僕は、お客さんに問いかけます。地元の人が行く美味しい店教えてとか。どこ行くとおもろい?とか。なのでみなさん、僕のライブ来るときはおすすめのスポット考えてから来てくださいね。おかざき・たいいくタイアップ曲満載の企画アルバム『OT WORKS』が発売中。7月24日(火)、「夜の本気ダンス O‐BAN‐DOSS×LIVE TIPS presented by WOWOW」(会場:キネマ倶楽部)に出演。※『anan』2018年7月18日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年07月14日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「東京」です。みなさん、東京は好きですか?なぜかミュージシャンはよく「東京」をテーマに曲を書きます。しかもええ曲が多い。それはなぜかを今回は考えたいと思います。東京は日本の中心で、すべての最先端。なんでも揃っている。でも、それが「東京」を歌いたくなる理由だと僕は思いません。結局、東京は地方出身者の集合体なんです。「東京」を歌うのは、東京の人じゃない。地方から上京する。そこで、これまで暮らしていた場所との違いに戸惑い、馴染めない不甲斐なさやこれまで感じてこなかった故郷への想いが募る。その切ない感傷が東京ソングスのソースとなっていく。だから、基本バラードですよね。めっちゃBPM(Beats Per Minute=演奏のテンポ)が速い「東京」ってないんちゃうかな…。「東京」を歌えるのは、実は東京の外側の人たちだけ。地方からの客観視ができているからこそ、感情がのりやすいし、共感を集めることもできる。吉幾三さんの「俺ら東京さ行ぐだ」なんて、東京への究極の客観視から生まれた歌だと僕は思います。じゃ、地方在住の僕はどうかというと、僕は「東京」という曲は書けません。なぜなら東京に対して何の思い入れもないからです。僕ははっきり言うと東京が嫌いです。人多いし、ごちゃごちゃしているし、できればずっと宇治にいときたい。もし、僕が今「東京」を書いたとしても悪口をひたすら語る曲になりそうです。それはさすがに角が立つでしょ…。あと、やはり東京に住んでないと「東京」を歌ってはいけない気もします。僕は、地方在住アーティストの一角を担っていると自負していますし、盆地テクノ背負っていますし、そうそう宇治を離れられない。少なくとも目標だと公言している、さいたまスーパーアリーナでの単独公演を達成するまでは今のままやと思います。そう考えるとあと2年は上京しない計算になる…。でも、あと2年も実家暮らしというのもクソやばいな…。東京に出たら、良くも悪くも変わってしまいそう。そういう怖さもあります。でも、夢はあります。東京に住むなら代官山。それでゴールデン・レトリバーを2匹飼いたい。それが、僕が憧れる成功者の姿です。そのころ、僕は何をしているんでしょう。敏腕音楽プロデューサーなのか、駆け出し文化人になっているのか、今はまだわかりませんね。おかざき・たいいくタイアップ曲満載の企画アルバム『OT WORKS』が発売中。NHK総合の新番組『テンゴちゃん~土曜深夜の辺境レボリューション~』(土曜24:05~、次回放送未定)パーソナリティ。※『anan』2018年7月4日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年07月03日教室の壁に貼られた子どもたちが描いた絵の中で、とても上手に描けている子の作品を見て自分の子の作品と比べてしまい、「自分も絵を描くのが苦手だから仕方ない」なんて思ってはいませんか。幼少期は、絵の描き方がわからないから、うまく描けないということがよくあります。つまり、感性やセンスの問題ではなく、線の書き方がわからないということなのです。そこで、今回は幼児絵画指導インストラクターである筆者が、難しいと思われがちな動きのある人物の簡単な描き方を紹介します。子どもの絵画レッスンを始める前に●線と形を描く練習から始める例えば、サクランボを描いてみようといったときに、丸を描くことができなければサクランボを描くことができません。絵を描くためには、まずはじめに線や丸、三角、四角などの形が描けるようになることが大切。線と形が描けるようになったら、虹や蛇など曲がった線を描く練習もしてみましょう。●形をとらえる練習をする線と形が描けるようになったら、対象物の形をとらえる練習をします。どんな形をしているのか、見て考えて図形を組み合わせたりしながら、線で描いていきます。家の絵を描きたいなら、四角の上に三角を描く。というように積み木遊びの感覚で描き進んでいっても楽しいですね。動いている人物を描いてみよう夏休みの思い出や運動会をテーマにしたときに描くことが多い、人物画。人の形や大きさをバランスよく描くのは、難しいもの。そこで、家にあるもので簡単に描くコツを紹介します。●モールで形をとらえる形が固定されているものは、描きやすいですが、動きのある人物を描くのはちょっと難しいですよね。そこで、モールを使って形をとらえていきます。針金入りのモールなら、好きな形に簡単に動かせます。モールがなければ、毛糸で代用してもいいでしょう。走っているとき、人の手や足はどんな形をしているのか、子どもと一緒にポーズをとりながら考えてみたりしてください。●モールで作った形を線で描くモール形を作ったら、その形を線で描きます。●線に肉付けをしていく線を軸にして、体のこの部分はどのくらいの太さなのか、考えながら肉付けをしていきます。そうすると、走っている人の形が、浮かび上がってきます。●装飾をして完成髪型や洋服を考えながら装飾していけば、走っている人物画の完成です。描き方がわかれば絵を描くことがもっと好きになる!絵画コンクールなどがあると、自分の子と他の子が描いた作品を比べてしまうママが多いのですが、絵が上手かどうかということよりも、子どもが絵を描く方法を知っているのか、楽しく描けているのかということに気がつくことが大切です。絵画というと難しくとらえてしまうママも多いのですが、図形を組み合わせる絵描き歌などを取り入れながら、おうちで楽しく絵画レッスンしてみてはいかがでしょうか。描き方がわかると、意欲がわいてきて絵を描くことがもっと好きになるはずですよ。<文:フリーランスライターやまさきけいこ>
2018年06月29日「猫さま大賞」は、厳正なる審査を重ねて選ばれた猫たちを紹介する大人気企画です。今回は、何をしていたって、美しければすべてOK!悔しいほどに絵になる美猫さまたちが大集合。なつこくりくり、ワクワクな目がキュート!と思ったら、第3回準グランプリのなつこさまでした。もふお野良出身の保護猫だそうですが、イケニャンポテンシャルの高さを感じます!これじゃ放っておけません。くらら真っ白ボディにオッドアイの瞳がなんともお美しい!上目づかいで見つめるだけで破壊力あります。チャコ白い絨毯に溶け込みそうなボディをくねっとひねり、お色気ポーズで悩殺。「男子ですけどね」ぎんた蝶ネクタイ&衿付きのカラーが甘いお顔立ちに似合いすぎ。猫界のプリンス、ここに現る!せっちゃんどこか遠くを見つめるまなざしが凛々しい。ワイルドな毛並みにもシビれます。ふわり「なに、なんか用?」。カーテン裏でおくつろぎのところすみません。不意の表情もかわいいです。ぽんず透んだブルーの瞳と、ラブリーなピンクのお鼻にキュン♪それにしても、マグカップの位置が絶妙。ミッシェル黄色い目が美しいクールビューティさん。「黒猫って撮りにくいし、損してるのよね……」しらす「よく見てね♪」。小首を傾げているそのお顔をよく見れば、とても美形さんなのでした。ニャンタ、ヨシコ兄妹なのか親子なのか……?柄は違えど、整った目鼻立ちがなんだか似ています。りん気品溢れるゴージャス美猫の王道、チンチラさん!「んふ~♪」。自分がかわいいこと知ってますよね?フランスちょっとずれた前髪や途切れた鼻の縁取りのことはさておき、こちらもシュッとした美形です。福ふんわりミルクティー色の毛並みに映える、淡いブルーの瞳は子猫ならでは。「今は、すっかりオレンジの瞳よ」桃二郎「おぉ、あれは!!」何かをロックオンした時の表情も、イケニャンだとサマになりますね~。ジャックダニエル得意技は上目づかい。「オレがこうやって見つめたら、もうみんなイチコロよ……(古っ)」※『anan』2018年7月4日号より。文・野尻和代(by anan編集部)
2018年06月28日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「母の影響」です。僕が音楽を聴くようになったきっかけはおかんです。母はクイーンのファンで彼らのレコードが家に何枚もありました。それを僕も聴きはじめたのが音楽に傾倒したきっかけ。母もそうですけど、その従兄弟たちが音楽好きでした。兄弟でアマチュアですけどバンドをやってたんです。クイーンを聴いていたのも、彼らの影響ちゃうかな?と思います。そのおじさんたちの家には防音のスタジオもあったんですよ。盆暮れには、そこの家に遊びに行って、ドラム叩かせてもらったり、アンプ内蔵のミニギターを買ってもらってディープ・パープルの「スモーク・オン・ザ・ウォーター」のギターリフの弾き方を教えてもらったりしていましたね。そんな音楽好きの親族なので今、僕がこうしてプロのミュージシャンになっているのをとても喜んでくれているみたいです。うちは母子家庭ということもあり、すごく過保護で過干渉。しつけも教育もとても厳しかったです。だけど、母子ともに音楽が好きということもあり、音楽に関するおねだりに対しては寛容だった記憶があります。CDもたくさん買ってもらった。でも、プロの音楽家になるっていうのは、想定外だったんじゃないでしょうか。ひとりっ子だし、いい大学出て堅い仕事についてほしかったんだと思います。だからプロになりたいと言ったときも当然、反対されました。それで、4年間の期間限定で音楽活動をさせてもらい、その期間内にデビューできなかったら諦めるという約束を交わしたんです。インディーズ時代は、自分の力でやりなさいという感じで突き放されてましたね。で、いざ、デビューしたら手のひらを返したようにめちゃくちゃ応援してくれています。いや、応援というかもはやディレクター気取りです。僕は実家で音楽制作をしています。家は木造です。音は母の部屋まできっちり届く。そうすると、めちゃくちゃチャチャ入れてきます。いきなり部屋に入ってきて「今のハモりどうなん?」とか言ってきます。「そこ、下ハモちゃう?」と。「あんたがいいならいいけど、あたしは下ハモやと思うけど?」と言い残し、去っていきます。僕は年中反抗期なんで、スタイルとして「もう、ええから」と返しつつ、その助言を試して「ほんまにええな…」と唸ったりしています。母は、今も僕の最大のインフルエンサーです。過去も今も、レール敷かれっぱなしです。おかざき・たいいくタイアップ曲満載の企画アルバム『OT WORKS』が発売中。NHK総合の新番組『テンゴちゃん~土曜深夜の辺境レボリューション~』(土曜24:05~、次回放送未定)パーソナリティ。※『anan』2018年6月27日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年06月21日今、注目の女の子を紹介する『anan』で連載中の「イットガール」。今回は女優、モデルの岡崎紗絵さんです。女優としても、モデルとしても。もの作りの現場にいることが幸せ。雑誌『Ray』の専属モデルとして活躍しながら、女優としても邁進中。現在はドラマ『ブラックペアン』に出演している。「初の医療ドラマということで緊張していましたが、楽しい現場です。研修医役同士仲がいいですし、ベテランの先輩方の演技を間近で見るのは勉強になります。今後出てみたいのは、時代物。所作を学びたくて、茶道を習う予定なんです」。将来の夢は、家庭を持つこと。「なんて言いながら、現段階では想像すらできません。今は仕事に打ち込みたい。いつかきっと…ですね(笑)」実家で飼っている愛犬のレオくん♪家族とアルバムアプリで画像を共有していて、しょっちゅう眺めています。お菓子代わりにドライフルーツを。小腹がすいた時用にいつも携帯。イチジクは美容にいいし、味も好き。カラーサングラスにハマっています!最近よくかけるのがピンク。肌なじみがよく、さらりとかけられますよ。おかざき・さえ1995年生まれ。2012年にミスセブンティーングランプリ獲得。現在はRay専属モデルを務める。ドラマ『僕たちがやりました』(フジテレビ系)など出演作多数。※『anan』2018年6月20日号より。写真・土佐麻理子文・間宮寧子(by anan編集部)
2018年06月18日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「楽譜」です。僕は楽譜一切、読めません。小学校1年生のときにピアノを習ったことがあったんですけど、教えてくれていたのはおかんの知り合いの近所の女子大生で、3か月くらいたったころに就職活動をするから音楽教室やめますってやめられてしまった。楽譜読むとか読まないとかにたどり着く以前のレベルで終わってしまったんです。そこから別の教室に行くなどすればよかったのかもしれないんですけど、そういう機会もとくになく…。ただ、家にはアップライトピアノがあって音楽はずっと好きだったので、指1本で気に入ったメロディを弾いたりとかそういうことはしていました。で、中学生のときにニンテンドーDSの『大合奏!バンドブラザーズ』という作曲ができるゲームソフトと出合います。これで、譜面というのをまったく使わずに作曲ができるようになりました。それ以降もDTM(Desk Top Musicの略)でパソコンの作曲ソフトを駆使するようになり今に至るので、本当に譜面に触れることはないです。今、そういうミュージシャンの人も実は多いんじゃないでしょうか?とはいえ、楽譜を読めることに憧れはあります。音楽家ヒエラルキーでいったら読めるクラスタと読めないクラスタでは、絶対、読めないクラスタが低層に位置すると思うので。よくTV番組でミュージシャン同士がセッションとかしてるじゃないですか。そういうとき譜面台置いてますけど、そういうチャンス、僕まったくないですからね。コード譜ですらCとかDとか簡単なヤツはさすがにわかりますけど、「セブンス」とか「ディミニッシュ」とか言われるとまったくついていけません。以前、ラジオ番組でヒャダインさんと即興ソング対決したとき、ヒャダインさんが即興ながら複雑なコードを使って演奏してくれた一方で、僕、使えるコード4つだけでしたから。「逆にそれだけで勝負してんのすごいな」とヒャダインさんにも言われました。そんな僕でもスコアブックが売られているから驚きです。先日、広島に行ったとき、偶然楽器屋さんでみつけて。「感情のピクセル」のスコアだったんですけど、誰が起こしてくれたんでしょうか?ありがたいです。せっかくだから僕も弾けるようになりたいと、スコアブック買わせていただきました。この広い世界で自分の楽譜買うアーティストって、きっと僕くらいやと思います。おかざき・たいいくタイアップ曲満載の企画アルバム『OT WORKS』が発売中。NHK総合の新番組『テンゴちゃん~土曜深夜の辺境レボリューション~』(土曜24:05~、次回放送未定)パーソナリティ。※『anan』2018年6月20日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年06月13日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「サッカーと音楽」です。サッカーと音楽にはとても密接な関係があると思います。僕は、基本的にサッカーは観る専門。プレーはしないんですけど、欧州リーグをテレビ観戦したり、コナミの「ウイイレ」(※コナミのサッカーゲームシリーズ「ウイニングイレブン」の略称)で遊んだりと親しんでおります。この「ウイイレ」ひとつとっても音楽が重要な役割を果たしていると実感できます。なぜってこのゲームのBGM選曲がすっごくイケてるんです!ブルーノ・マーズやリンキン・パーク、ジョン・レジェンドなど実際のアーティストやバンドの楽曲をごそっと使っている。ロックやパンク、EDMなどアップビートな楽曲群がゲームの興奮をより高めてくれる。このゲームのサントラが人気だというのも納得の秀逸なセレクトです。これを聴くだけでも、サッカーファンは音楽に意識が高く、こだわりを持っている人が多いということがよくわかります。おしゃれです。あと、サッカーと音楽の関係を語る上で欠かせないのは「チャント」の存在ですよね。「チャント」っていうのは、それぞれのチームが持つ応援歌のことです。サポーターたちが「チャント」を歌うことで、選手たちを鼓舞したり、観客が一丸となったり、音楽の力でひとつになるわけです。有名なところだと、イングランドのプレミアリーグに所属するチーム、リバプールFCのサポーターたちによる「You’ll never walk alone」でしょうか。サポーターたちがアカペラで大合唱する声がスタジアム全体を包む映像を見たことがあって、鳥肌立つほどかっこよかったです。ちなみに僕が好きなチームは、同じくプレミアリーグに所属するチェルシー。ディディエ・ドログバという選手が好きでした(※2015年にチェルシーを退団。今シーズンはアメリカのフェニックス・ライジングFCに所属)。母国のコートジボワールでは大統領より力を持つ男と言われているすごいヤツです。ワールドカップももうすぐ開幕ですね。今回は、どんなドラマが生まれるのでしょうか。そして、そのとき一体、どんな音楽が流れているのでしょうね。僕、偶然にも名前が“体育”なんですよ。みなさん、知ってます?テレビ局各局のワールドカップテーマ曲とか、それ以外でもスポーツ関連の音楽とか、けっこういけると思うんですけど、業界関係者のみなさま、引き続きオファーお待ちしております。おかざき・たいいくタイアップ曲満載の企画アルバム『OT WORKS』が発売中。NHK総合の新番組『テンゴちゃん~土曜深夜の辺境レボリューション~』(土曜24:05~、次回放送未定)パーソナリティ。※『anan』2018年6月13日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年06月12日今日マチ子さんの『センネン画報+10years』は、絵とコマだけで物語性を感じさせる、不思議な雰囲気を持つマンガ。2004年からブログでほぼ毎日発表された1ページ漫画「センネン画報」。今日マチ子さん初の単行本がまとめられた日から10年。オールカラー増補改訂版となる『センネン画報+ 10years』が完成した。「自画自賛のようになってしまうのですが、これがこの作品の本来の姿だ!と思えるほど素晴らしい仕上がりです。1冊目の単行本はモノクロページも多かったのでカラーで出したいという思いをずっと持っていて、10年目にしてようやく叶いました。収録作品にはかなり古いものも交じっているので、表現にも技術にも稚拙なところはやっぱりある。でもそこに後期の作品が合わさり、連続するページに別々の作品が並べられて一冊にまとめられることで、新しいストーリー性が生まれました」ページをめくったり戻ったり、ひとつの絵をじっと眺めたり。読み手に委ねられた時間のなかで、作品と作品の行間が立ち上がるような不思議な作用も感じられる。その後、多くのストーリー漫画を手がけるようになる今日さんが、『センネン画報』で描きたかったものとは?「これを描き始めた頃は、漫画の描き方も知らないまま、憧れだけで描いていました。でもあるところまで進んだら、漫画って何だろう?漫画らしさって本当に必要なのかな?と疑問を持つようになり、じゃあセリフもナレーションも取り払ってみよう、登場人物のキャラクター性をなくしてみよう、と表現の冒険に気持ちが移っていきました。言葉にしたくてもできないものを絵とコマで表現したい。日常に存在しているけれどあえて描写されることのない、記憶にも残らないような微妙な瞬間をスケッチしたかったんです」描かれる情景や感覚は、どんなふうに記憶されているのだろうか。「記憶ではなく観察して考えることの繰り返しですね。メモに残すとつまらなくなってしまうので、メモする時間があったら漫画として描いてしまおうという感じです」「センネン画報」は、ひたすら描きたいものを描いていたデビュー前の時期に生まれた。「漫画を描いてる時間は1日で実質1時間くらい。それなのに、1枚描いただけでもどっと疲れてしまうくらい、絵に対して集中していました。もっと速く描けとか、面白くしろとか言われることもなく、何をやってもいいという気持ちの自由さに満ちていて、そういう意味では贅沢に描くことができた、とても幸せな作品だと思います。セリフのない1ページ漫画なので、本が苦手な人や、長い文章や漫画を読み通すのが苦手な人は、パッと開いたページを眺めてみてください。本好きな人は、バラバラに見える並びの中から、自分だけの物語を紡いでいってほしい。鞄に忍ばせて、いろいろなところに連れて歩いてもらえたら幸せです」冬の朝の一瞬を切り取った美しい1枚絵。「これが描けた時は、自分も新しいスタートラインに立てたような、清々しい気持ちになりました」と今日マチ子さんに言わせた、作家渾身の一枚。扉に映った影は一体誰のもの?指も視線も絡まないまま繋がっていく二人。5コマが連続してリズムを作る。淡くもカラフルな画面と、白く抜けるような青春の爽やかさ。その向こう側に、「七夕」の日に語られる、切ない恋の逸話が思い起こされる。『センネン画報+10years』淡く繊細な色で彩られた世界は、言葉はなくとも音と思いにあふれている。『センネン画報』を底本に、新たな収録作を多く加え、編み直されたオールカラー改訂版。通常版1、2巻も発売中。太田出版1600円きょう・まちこマンガ家。2004年にブログ「センネン画報」をスタート。短編、長編、エッセイマンガまで、これまで30作以上を出版。’15年に日本漫画家協会賞大賞を受賞。※『anan』2018年6月13日号より。インタビュー、文・鳥澤 光©Machiko Kyo
2018年06月11日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「K-POP」です。これまで、その時どきで流行していた少女時代とかKARAの楽曲なんかは耳にしていましたが、きちんとK-POPを聴くことはありませんでした。ところが、去年のMステスーパーライブでBTS(防弾少年団)さんとご一緒してそのパフォーマンスに圧倒されたんです。それ以来、気になっていたところで見たのがNHKの『SONGS』での彼らの特集。なかでも「MIC Drop」にガツンと打ちのめされました。だって、なにあの曲!?ヤバすぎません!?なにがヤバいって、その歌詞(日本語訳)です。「俺らのコンサート空席皆無」とか「トロフィーでカバンパンパン」とか「もう光る光る俺の成功」とか、これ、王者にしか歌えないかなり強めのリリックです。アジアのトップに立つ彼らだからこそ歌える一曲。それが、かっこよすぎてえぐいくらいです…。この歌詞をメンバーたち自身で手がけているっていうのにも驚きました。『SONGS』で披露されたのは、番組だけのオリジナル・バージョンだったそうです。日本語バージョンもあるのに、あえて彼らの母国語である韓国語で歌いたいとこだわりや意義を持って歌っているというのもすごくいいですよね。そして、圧巻のパフォーマンス!ダンスも表情も、ひとつひとつが魅力的で、彼らのここまでに至る努力や強い信念、ストイックさを感じます。最後に、マイクを落とす演出もめっちゃ決まってた~。ひゃ~かっこいい~。今年の上半期でもっとも胸に刺さる一曲になりました。そもそも、韓国は自国だけだとどうしてもマーケットが小さい。だから、音楽や芸能活動をする上で常に日本をはじめとするアジア諸国や世界進出を意識して戦略を立てることになる。それで、日本でもK-POP人気は衰えずにずっと続いているんだと思います。でも、それはアーティストたちの努力や向上心があってこそ実現するもの。僕は、売れたものこそが正義だと思うので、国や国籍だけで良し悪しを判断するようなことはしたくないですね。日本語のネタ曲だけで日本のみでしかできない活動をしている、真逆のタイプのミュージシャンである僕でもそう思います。あ、でも、前述のMステでのライブを観た韓国の方々に僕のパフォーマンスが意外と好評だったらしいという噂を聞きました。BTSさん、僕と対バンやってくれへんかな?おかざき・たいいくタイアップ曲満載の企画アルバム『OT WORKS』が発売中。NHK総合の新番組『テンゴちゃん~土曜深夜の辺境レボリューション~』(土曜24:05~、次回放送未定)パーソナリティ。※『anan』2018年6月6日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年05月30日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「カラオケ」です。カラオケ、好きです。最近は先輩ミュージシャンの方々と行く機会も増えました。以前、このコラムでも書きましたが関ジャニ∞の丸山さんや、あとは先日、SEKAI NO OWARIのFukaseさんともご一緒しました。Fukaseさんが「RAIN」を歌ってくれて。これ、ファン垂涎ものですよね。カラオケBOXの個室でですよ。すごい距離感です。「うわ、チケット代にしたらいくらなんやろ…」と少しゲスいことを考えてしまいました。僕も一応、自分の持ち曲を歌わせてもらったりもしますが、たいてい1番のみですね。1番歌ったら、演奏停止しちゃいます。もう、それが限界です。基本的に恥ずかしがり屋なので、人目を気にしてしまいます。何千人も前にしてライブやってんのに何言っとんねんと言われそうですが、やっぱりそこは別なんです。カラオケのときは、もう、あきらかにオフです。オフモードになっています。素の自分が出てしまいます。なので、人を楽しませようとか、場を盛り上げようという気にはまったくならないんです。でも、あえて場を盛り下げることや失礼なことはしたくないんで。それで、1番だけ歌います。そのあとはずっと手拍子してます。だから、もしカラオケに女の子たちと一緒に行くとしても、僕と同じタイプの子に共感してしまいますね。自ら1曲目入れる!とか、みんながよう知らんのにガンガン好きな曲ばかり入れるような子は、「あかん、この子とは性が合わない、生活は共にできない」と思ってしまいそうです。僕は、周囲から勧められても歌わないタイプの子が好きですね。恥ずかしそうにしている子がいいです。あとは、なんやろな、昔好きだったアニメの曲とか歌う子がいいです。しかも男の子向けのアニメの曲とか。そういうの歌われると、同じもの見ていたんやと親近感が湧きます。逆に、僕は女の子の前では洋楽の曲は歌わないようにしています。男友達とカラオケ行くとガンガン歌うんですけど…。なんか雑誌でそういうのを読んだんです。英語の歌を歌うと「そんな歌知らないし、何言ってるかわかんないし」って女の子がなるって。どうなんでしょう?僕の中では「20代女子のこんな男子はダメ!ランキング」の第2位くらいに入っている印象なんですけど、実際どうなんでしょうか。anan読者のみなさんに正直な意見を聞いてみたいところです。おかざき・たいいくタイアップ曲満載の企画アルバム『OT WORKS』が発売中。NHK総合の新番組『テンゴちゃん ~土曜深夜の辺境レボリューション~』(土曜24:05~、次回放送未定)パーソナリティ。※『anan』2018年5月30日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年05月27日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ボーカリストの資質」です。僕は人前で歌うことが苦手です。ステージでお客さんを煽ったり、早口ラップしたりするのは好きなんですけど。歌を歌うということに関しては、そんなに正面切って向き合ったことはないですね。もともと、作曲家志望ですから、本音を言えば、もし誰かが歌ってくれるというなら歌ってほしいです。でも、インディーズの時代なんて頼める人がいませんでしたし、お金も払えません。仕方なく自分で歌い続けて今に至ります。ボーカリストとしての自分を客観的に判断すると0点だと思います。まだ音源はいいんです。ピッチだとか音程も修正できるし。しかし、ライブとなるとそうもいきません。ライブで歌うのが本当に苦手です。ずっと半音下がったままだとか、全然声が出てないままライブを終えることも多々あります。まあ、そんなこともあって口パクを始めたというのもあります。ここで、ちゃんとボイストレーニングしよ!とか、ちゃんと喉のケアしよ!とかならんところに、かなり逃げの姿勢を感じますね。それはさておき、口パクは便利です。僕は、ライブごとにネタ曲の歌詞やアレンジを変えています。それを思いつくのはたいてい、ライブの前日とか前々日くらいなんですね。そうすると、当日までに歌詞を覚えるのがだいぶムズい。それなら、歌詞見ながら録音しておいて、それをステージで口パクあてぶりすればええやんとなります。…はい、これボーカリストの発想じゃないですね。そもそも、ライブではなぜマイクを必ず持たないといけないのかとさえ思います。もうみんなマイク持たなかったらええのに…。必要ない人は必要ないでいいんじゃないでしょうか。みなさんそれぞれのパフォーマンスがちゃんと成立していればそれでいいのではないですか?違います?その一方で、シンガーへの憧れもこっそり持っています。歌がうまいというのは才能であり、個性です。自分が思った音程をすっと出せる能力は、“足が速い”とかと同じだと思います。足が速い人は、基本、頭を使って理屈で考えて走ってないでしょう?もっとフィジカルなもの。歌も同じだと思います。知識や練習である程度はうまくなれるけど、それだけじゃ本物の歌手にはなれない。なので、下手は下手なりにいろいろテクニックを使ってがんばっているんです。いつか、一人でさいたまスーパーアリーナを埋めるボーカリストになるためにがんばります!おかざき・たいいく2016年メジャーデビュー。タイアップ曲満載の企画アルバム『OT WORKS』が発売中。TVアニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』の新ED曲、「ジャリボーイ・ジャリガール」も配信中。※『anan』2018年5月23日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年05月17日女優の仲里依紗が出演する大塚製薬の特定保健用食品「ファイブミニ」の新プロモーション動画「仲里依紗のキレイをつなぐ1週間」が15日、公開された。このWEB動画は、「キレイは近道をゆるさない。」をテーマに、さまざまなトレーニングとともにファイブミニを毎日飲むことでキレイを磨く1週間を描いたもの。プライベートでも日頃からトレーニングをしている仲が、美腹筋も魅力的な引き締まったボディで、三点倒立やボクシングなどを披露している。また、動画内で流れるロシア民謡の「一週間」のメロディーにオリジナルの歌詞をつけた挿入歌も、仲本人が歌唱。可愛らしい歌声にも注目だ。そのほか、動画撮影時の仲のオフショットが楽しめるメイキング映像と、独占インタビューも公開。インタビューでは、撮影の感想や、プライベートでキレイになるために実践していることを語っている。今回の撮影で一番大変だったシーンについて、仲は「ボクシングをやるシーンは結構フォームとかが結構細かく指導があり、はじめてのボクシングだったので、すごく撮影の時は大変だったなぁという思い出があります」とコメント。また、キレイを保つための秘訣を聞かれると、「食べないと元気が出ないし、表情も暗くなってしまうので、やっぱりちゃんと食べてちゃんと運動するっていうのが、私のキレイを保つための秘訣かなあと思います」と明かした。
2018年05月15日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「シングルリリース」です。すべてのミュージシャンがそのときイチ押しの楽曲をシングルCDでリリースしていると、みなさん思っていませんか?実は、そんなことないんです。僕はシングルは出しません。アニメの主題歌などを手がけて、そのアニメの視聴者に向けて出させてもらうとかそういう特別な状況でない限り、シングルはやらないですね。自主的に出そうとは思いません。だって、売れませんから。そもそも、シングルって1000円くらいするじゃないですか。2曲くらいしか入ってなくて。でも、アルバムは10曲前後入っていて2000~3000円で買えます。絶対そっちのほうが得じゃないですか!あと大抵、シングルの曲ってバージョン違いとか、新アレンジとかしてアルバムに入れるじゃないですか。だったらアルバムだけでいいじゃないですか!自分がそう思ってしまうので、僕は僕が必要としないシングルを作ろうとは思わないんです。では、もしシングル曲になりそうな引きの強いええ楽曲ができたときはどうするのか。そのとき、僕は「これをシングルカットしてリリースしよう!」と思う代わりに、「この曲でMV(ミュージック・ビデオ)を制作してYouTubeにアップしてみんなに観てもらおう!」と思います。もともと、僕はネタ重視のインパクトに賭けた楽曲を手がけるタイプのミュージシャンです。だから、みなさんに1~2回観てもらって、聴いてもらって、笑ってもらえたらそれで満足なんです。そこからさらに岡崎体育のこと掘り下げたいと思った人がアルバムを手に取ってくれる。そこには、何度も繰り返して聴きたくなるような味わい深いスルメ曲を数曲用意しています。僕の入り口となる面白い瞬発力のある曲を思いついたら、それでMVを作る、さらにその曲を軸にしたアルバムを制作する。これが、僕の音楽活動の基本です。でも、まあこれはすべてのミュージシャンに“こうせえ!”と言えることではまったくないです。シングルをバンバン出して売れていれば、それならそれでええし。どのやり方が正しいというものではないと思います。こんな感じですから、たまに「MUSIC VIDEO」でデビューした岡崎体育さんとかメディアに書かれますけど、それ違いますから。『BASIN TECHNO』という8曲入りアルバムでデビューしております。おかざき・たいいく2016年メジャーデビュー。タイアップ曲満載の企画アルバム『OT WORKS』が発売中。TVアニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』の新ED曲、「ジャリボーイ・ジャリガール」も配信中。※『anan』2018年5月16日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年05月12日「この手描きの絵は、娘のリオが12歳のときに描いたもの。ここから、魔女の少女キキの物語が始まったんです」 『魔女の宅急便』や『ちいさなおばけ』シリーズで知られる角野栄子さん(83)は3月26日、児童文学のノーベル賞といわれる「国際アンデルセン賞」の作家賞に選出された。選評にはこうあった。 《角野の描く女性たちはひときわ自立心が強く、大胆だ》 12歳の魔女キキが、宅配便屋さんとして活躍する代表作『魔女の宅急便』は野間児童文芸賞などを受け、本編6作と特別編2作で累計167万部に達し、英語や中国語などにも翻訳された。’89年には宮崎駿監督によってアニメ映画となり、約265万人を動員して、新たな作品のファンを生み出した。 遅いデビューだった。結婚と出産を経て、2年間のブラジル暮らしの経験をベースに書いた第一作『ルイジンニョ少年』が出版されたのが35歳。『魔女の宅急便』が世に出たのはさらに15年後の50歳のときだ。 『魔女の宅急便』の物語誕生のルーツは、その7年前に長女・リオさんの描いた1枚の絵にさかのぼる。 「もともと絵やイラストを描くのが好きな子でした。12歳のころ、ふと机の上を見たら魔女の絵がポンと置いてありました。ほうきやリボンにラジカセも付いていて、そんな12歳くらいの魔女が空を飛ぶ話はおもしろいなと思って。最初に決めたのは、魔女は空を飛ぶ一つだけということ。小さいときに読んでいたアラジンの魔法は、ちょっと便利すぎたかなと思ったのね(笑)」(角野さん・以下同) すぐに続編もできたこの物語には、角野さん自身の体験が込められていた。キキが13歳になって、魔女として独り立ちの決心をするシーンのことである。 《今は、贈り物のふたをあけるときみたいにわくわくしてるわ》 「キキがジジに言うセリフは、私がブラジルに行ったときの気持ちそのまま。もちろん、すごく不安でした。でも、不安は憧れに近いと思うの。そして憧れからは、思いがけない力が生まれる」 ブラジルへ夫婦で渡ったのは結婚の翌年、24歳のときだった。 「外国を見てみたいというのは、当時の若い人は誰もが思うことじゃないかしら。小田実さんの『何でも見てやろう』の時代ですね。英語がなんとか通じればと思ったんだけど、あっちはポルトガル語。そんなことも知らずに貨客船に乗り込んで、2カ月間かけて。ほんと、自分でも無謀だと思います」 留学生でも政府移民でもない、自費移民としての渡航だ。 「1ドル360円の時代で、所持金も1カ月暮らせる分くらいしか持っていけない規則で。サントスの港で途方に暮れていると、バナナを積んだトラックが通りすぎて、山積みの黄色い実を見てたら、まあ、あれを食べてりゃなんとかなるか、って思えたの!」 8月に、ギリシャ・アテネでの国際アンデルセン賞の授賞式を控え、久しぶりの海外への旅を前に、現在執筆中の『魔女の宅急便』特別編3作目や、自伝的要素が強く自らの戦争体験をベースにした『トンネルの森1945』の続編など、角野さんの世界はますます広がっていく。 「この年になっても、気づくと、一歩踏み出しちゃっているの。違う世界があると思うと、見ておかなくっちゃって考える。貪欲を超えて、強欲なの、わたし!」
2018年05月07日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「シティ・ポップ」です。…はあ、なかなかしんどいお題がやってきました。ぶっちゃけ僕は確実に今のシティ・ポップ界隈から嫌われていますからね…。だって、やってること真逆でしょう?僕が大事にしているのはキッズたちですからね。僕の音楽、キッズたちに届けと思っていますから…。シティ・ポップは、やはり洗練された大人のための音楽ですよね。音楽性もファッションやスタイルもどれも研ぎ澄まされていて水準がむっちゃ高い。僕がどうこう言うと、ネットがまた炎上してしまいそうです…。さらに言うとくと、母親がシティ・ポップ系のメロウな音楽がめちゃくちゃ好きなんです。いつも隣の部屋から、NulbarichやD.A.N.が流れてきます。時には僕の部屋にやってきて「この音楽いけてるからYouTubeで検索してみ?」とかめちゃくちゃ言ってきます。「もう、俺、知ってるから!」と言っても聞いてくれません。お母さん、もともと渋谷系とか好きで聴いていた感じなので。シュッとした音楽が好きなんですよね。息子は全然、シュッとしてないんですけど。きっと、息子にもシュッとしたやつ、やってほしかったんやろな。ファッションの流行と同じで音楽にも流行があって、それが繰り返されています。シティ・ポップという言葉自体は’70年代に生まれた、はっぴいえんどや大瀧詠一さんに代表されるポップ・ミュージックのこと。それに連綿と続く、新しいミュージシャンたちによるシティ・ポップが今、注目されているものです。ルーツに’70年代のシティ・ポップやブラックミュージック、そしてクラブカルチャーがあって、都会的な匂いと聴き心地いいサウンドが、ライトなリスナーからディープな音楽通までを魅了しているんやと思います。少し前までは、どこもかしこも四つ打ちのダンスロックばかりで、そのちょっと前はゴリゴリのバンドサウンド全開の青春パンクが全盛。そのカウンターとして登場したのがシティ・ポップなんやと思います。音楽の流行は、常に移り変わっているんです。次は何がくるんでしょうね?そろそろ、また新しい時代に突入しそうな予感です。とはいえ、今のミュージシャンたちはヒップホップもロックもソウルもなんでも取り込んでる総ミクスチャー時代です。そろそろジャンルで語るのはナンセンスになるのかも。そもそも僕自身、カテゴリー謎ですしね。おかざき・たいいく2016年メジャーデビュー。全曲タイアップ(?)アルバム『OT WORKS』が発売されたばかり。TVアニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』の新ED曲、「ジャリボーイ・ジャリガール」配信中。※『anan』2018年5月2・9日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年04月29日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「いい曲の見つけ方」です。新しい曲を探したいとき、みなさんはどうしてますか?僕はやっぱりサブスク系のストリーミングサービスを聴いたり、YouTubeの急上昇音楽ランキングをつい見たりしてしまいますね。そういう感じで、今の時代は家にいながらお金もほとんど使わずに全世界の音楽に触れられる。すごく音楽をディグ(探)しやすい環境になってる。でも、だからこそ逆に音楽というものの貴重さや価値が薄まっているんじゃないかなとも思います。今のティーンの子らはCD一枚も持ってないとか普通にあるそうです。僕らは、きっと、ラックにずらっとCDアルバムが並んでいるのがかっこいいって感じる最後の世代なんじゃないかと思います。昔はレコ屋行って、こんなんあるんやってジャケだけ見て判断して買うなんてことも当たり前でしたから。全部が全部、試聴機に入っていてお試し聴きできるわけじゃなかった。だから、少ないおこづかいで思い切って自分のセンス信じて買ったのに、ジャケットかっこいいけど内容クソださくて落ち込むなんてことよくあったんです。でも、それってすごくいい音楽体験だと思うんです。いい曲に出合いたいと思っている今の子たちにこそ、そういうことしてみてほしいです。情報の詰まったスマホの電源を今すぐ切って、4万円下ろしてみる。そんで、最寄りのレコ屋に駆け込んで、その手にある4万円で好きなCDをその場の勢いで選んで買ってみてほしい。そうすると、多分6000円分くらいは成功する。1割5分は、なんか気になる音楽に当たる。衝撃的なものに出合えるはずなんです。そうやって得た音楽体験って、価値のあるものだと思いませんか?さっき僕、急上昇音楽ランキングとか見ていると言いましたけど、そういうのも正直あかんと思うんです。人が作ったランキングとかまとめとかで自分が聴く音楽を決めてはいけない。やっぱり自分の耳で聴いて、これで自分が聴く音楽を決めてはいけない。やっぱり自分の耳で聴いて、これ好きだなとか、これは好きじゃないとか体感して見つけるべきなんです。人やネットのオススメばかりを情報源にしていると、本当に自分に合っている音楽っていうのがわからないままなんです。わけわからん知らんジャンルのものも試しに聴いてみる。そうやって、自分の体質はどんな音楽なら合うのかを知っていく。実体験で作り上げることが、本当に自分にとっていい曲に出合ういちばんの近道だと、僕は思います。おかざき・たいいく2016年メジャーデビュー。4月25日に全曲タイアップ(?)アルバム『OT WORKS』を発売。現在、全国ワンマンツアー中。※『anan』2018年4月18日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年04月17日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「即興ソング」です。即興ソングとは、その場の発想で作る曲のこと。僕はライブでよくやっています。お客さんからランダムに好きな単語を3つもらって、それを組み合わせて1曲の中に入れて歌う。デビュー前からやっていて、こんなんできるの俺くらいやでと思っていたら、aikoさんやラッパーのR‐指定くんはお題7つもらってやっているとか最近、聞いて。俺あかんやんけ、半分以下やんけとショックを受けました。…でも、僕が重きを置いているのはお題の数じゃないんです!僕が大事にしているのは、3つ目のワードでちゃんとオチをつけること。このクオリティに関しては、各方面から高い評価を頂いております。即興ソングを上手に作れるようになるコツは、なんでしょうね。日頃から上辺だけで話す練習をするといいかもしれません。僕は、学生時代から興味ない相手だとか苦手な人と話すときはこの手法を採用していました。口では「え?そんなんして大丈夫やったんですか?」とか絶妙なあいづち返しているんですけど、頭の半分では「それ、俺に話すほどのことでもないやんけ」とか、ツッコミを入れているんです。ツッコミ入れるほどでもないレベルの会話のときには、まったく別のことを考えていることもあります。「今夜、何食べようかな」とか「明日のライブのネタどうしよ」とか。だから、ライブのMCしているときもお客さんと話しながら、頭の上半分ではまったく別のこと考えています。一度、お題で「剣道」と「抗生物質」って言葉がでたことがあったんです。そのときも口では「抗生物質って何?菌殺すやつ?」とかお客さんとおしゃべりをしているんですけど、頭の中では、「物質」って「部室」って言い換えられるな、そうすると「剣道」とリンクできるな…とか同時進行で考えているんです。即興ソングは僕にとってボケ防止。お客さんにお題を頂いて、脳トレさせてもらっているようなものです。うまくオチがハマらなくて失敗することもたまにあります。このあいだのツアーでも、実は5本中2本も外してた。難しいのは固有名詞ですね。この前も「細川たかし」さんって出てきて、これはムズかった。メロディに関しては何も考えてないです。それこそ前奏弾いて、その場で降りてくるもの。ミュージシャンってそういうものでしょ…って、最後のこのコメント、かっこよくない?おかざき・たいいく2016年メジャーデビュー。4月25日に全曲タイアップ(?)アルバム『OT WORKS』を発売。現在、全国ワンマンツアー中。※『anan』2018年4月11日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年04月07日岡崎京子の漫画『チワワちゃん』の実写映画化が決定。2019年1月18日(金)に全国で公開される。岡崎京子の青春物語が再び実写化原作は、今なお熱狂的な人気を誇る漫画家・岡崎京子が1994年に発表した同名の漫画作品『チワワちゃん』。突然の死を迎えた“チワワちゃん”と呼ばれる女性と、彼女を取り巻く人々との人間関係を描いた青春物語だ。2012年の『へルタースケルター』、2018年の『リバーズ・エッジ』に続く、3作目の岡崎京子作品の実写映画化となる。あらすじ東京でありったけの若さを謳歌する男女のグループ。そのマスコット的存在だった“チワワちゃん”が、ある日バラバラ遺体となって東京湾で発見される。残された仲間たちが集まり、それぞれがチワワとの思い出を語りだすが…そこで初めて分かったことのは、誰もがチワワの本名も境遇も本性も知らないまま共に時間を過ごしてきたということだった―。今をときめく実力派若手キャストが集結キャスト陣には、今をときめく実力派若手キャストが集結。主人公のミキ役を務めるのは、2014年『愛の渦』のヒロインで注目を浴び、以後数々の作品に出演している門脇 麦。そのほか、チワワの元カレ・ヨシダ役に成田 凌、ヨシダの親友カツオ役に寛 一 郎、チワワの親友ユミ役に玉城ティナ、チワワ役に吉田志織、チワワに想いを寄せるナガイ役に村上虹郎、ライターのユーコ役に栗山千明、カメラマンでチワワの新しい恋人のサカタ役に浅野忠信が決定している。監督・脚本は期待の新星、二宮 健監督・脚本を手掛けたのは、2017年の『THE LIMIT OF SLEEPING BEAUTY』で商業映画デビューを果たした二宮 健。2015年に大学の卒業制作作品である『SLUM-POLIS』が国内外の映画祭で上映され話題となり劇場映画デビューを飾った期待の新星が、エネルギーに満ち溢れた20代前半の「青春の爆発と終わり」を、独自の映像&音楽センスで描き出す。作品情報映画『チワワちゃん』公開時期:2019年1月18日(金)キャスト:門脇 麦、成田 凌、寛 一 郎、玉城ティナ、吉田志織、村上虹郎、栗山千明(友情出演)、浅野忠信原作:岡崎京子「チワワちゃん」(KADOKAWA)監督・脚本:二宮 健主題歌:Have a Nice Day!「僕らの時代」 ©ASOBiZM■原作『チワワちゃん』新カバーデザイン ※復刊あすかコミックス DX/A5判発売日:2018年12月22日(土)収録作品:LOVE, PEACE & MIRACLE -紙の上のスライドショウ-/夏の思い出/チョコレートマーブルちゃん/ GIRL OF THE YEAR/チワワちゃん/空を見上げる -あとがきにかえて-/好き? 好き? 大好き?価格:980円+税発行:株式会社 KADOKAWA
2018年03月31日前々から疑問に思っているんですけど、プロのミュージシャンの方々は小中高と音楽の授業とか卒業式で歌を歌うとき、どうしてたんでしょうね。ちゃんと歌っていたのか、それともあまり目立たないようにみんなにレベル合わせて控えめに歌ってたのか。僕は、むっちゃ小声で歌うタイプでした。でも、合唱の曲はめちゃくちゃ好きで、今もカラオケで歌ったりします。「この地球のどこかで」とか「COSMOS」「カリブ夢の旅」とか。「カリブ夢の旅」は、途中で曲調ががらっと変わるんです。で、なぜか突然キャプテンキッドなる人物が出てきて、誰やねんおまえ!とツッコミたくなるんですけど、いい曲です。それに中3のときには、合唱コンクールの指揮者とかもしていました。1年、2年と先輩たちの指揮を見てきて「みんな一緒やんけ、これなら俺でもできるわ!」と思いたって。自分がやればもっとウケるいい指揮ができると思ったし、それでモテるんちゃうか?という下心もありました。僕が指揮したのは「IN TERRA PAX ~地に平和を~」というめちゃくちゃムズい曲。三部構成で男女のコールアンドレスポンスがすごい。リズムをとるのも難しいし、かけあいの指示を入れるなど指揮者の真価が問われる曲です。家で自主練もすごくしました。映画『パリは燃えているか』を流しながら、その音に合わせて指揮する真似をしたり…。結果、校長先生に褒められ、音楽の先生にも「きみはセンスがある!」と絶賛された。僕が音楽っていいもんだなと思った最初のきっかけはこれなのかもしれないです。今でも、毎年開催されるNHK全国学校音楽コンクール、略してNコンの合唱はめっちゃチェックしてしまいます。僕が注目しているのは、日野市立七生緑小学校。ここ、化け物みたいな学校なんですよ!2013年から昨年まで5年連続で金賞を受賞しているんです。教えている後藤朋子先生って方がたぶん、すばらしい先生なんですよね。5年連続ってことは、当然生徒たちは卒業して入れ替わっている。だけど、日野市立七生緑小学校の合唱の精神を毎年子どもたちにちゃんと伝えて、金賞へと導いている。彼ら彼女らは、大会にはお揃いの緑のポロシャツを着て出るんです。だから見た目にはすごい小学生らしい。だけど、歌いだすと王者の貫禄があってめちゃくちゃかっこいいんです。おかざき・たいいく2016年メジャーデビュー。4月25日に全曲タイアップ(?)アルバム『OT WORKS』を発売。現在、全国ワンマンツアー中。※『anan』2018年4月4日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年03月28日ー 女性ならではの繊細な感性で、様々な美しいプロダクトを生み出す女性クリエイターたち。連載【Creation by Ladies】では、そんな彼女たちの作品...そしてその作品に込められた想いや背景を紹介していきます。 ——————————————— 第二回目は、イラストレーターの岡崎マリーさん。 柔らかなタッチと優しいカラーリングで描かれる、花や空、そして女の子のイラスト。どこか懐かしさを感じる、イラストレーター 岡崎マリーさんの作品たち。 現在ルミネエストのキャンペーン広告のデザインや個展の開催、オリジナルのプロダクトの製作など、活躍の場を広げる彼女。そんな彼女はこう語る。 — 「子どもの頃から描き続けてきた『女の子』が土台になっています。4歳の頃の手作り絵本、小学校の頃に友達と作っていた『りぼん』的な雑誌や付録、中高の頃の友達との手紙交換の絵やひたすらお互いの妄想を描く交換絵日記など。その時々にやりたいことを夢中でやっていましたが、思えばほとんどのモチーフは『女の子』でした。今自分に起きている事を表現するのが私の中で一番自然な方法なので、絵のほとんどは実体験から生まれるものが多いです。」 ー 「『窓を拭くように、空を拭いてみる。そうすると自分の見たいものが見られる。』そんなイメージがふっと浮かんできました。いつも、どちらかというとネガディヴなところから脱出するというか、そこから自分で変えていくことが「生きてるな」と感じます。意味もなく憂鬱になったり、ちょっとしたことで一喜一憂したり、コロコロ気分が変わったり、自分をコントロールするのは本当に大変だな、と日々思っていて、でもこれは女の人特有なものなのかな?と思ったときに、それに対して何か特別な魅力を感じました。」 『True Colors』ー 「これを描いていた頃、もう何年も前になりますが、恋愛で、もう本当に髪の毛からも気持ちが溢れちゃうようなイメージがあって…笑。一度イメージが浮かぶと、そのイメージを次の日も保っていられるかが不安で、その日のうちに『描き留める』感覚で描いています。絵を描いて客観的に自分は今こうなんだな、と見ることもあります。」 ー 「2014年に友人が制作したZINE用に描きおろした挿絵です。シェアハウスで自由に暮らす女の子たちがテーマのZINEだったので、人と人とが交差する感じとかじんわり溶け合う感じを意識して描いていた記憶があります。この頃からラメを使いだし、スキャンで出来る光り具合とか印刷したときの変化などを楽しんでいました。」 『Tough swimmer』 ー 「2017年の秋に描いた作品で、その時、本当は出来るのに、何縮こまってるの?という自分へのある思いがあり、水面ギリギリのところで出ようとしている女の子を描きました。いつも思う事ですが、『私はこうだから、きっと無理かな』と自分の範囲を勝手に決めてしまって、実際やってみたら出来たりして、『あれ?なんだ出来るじゃん』みたいなことがあります。自分の知らない自分はたくさんいて、何か挑戦する事でそれが発見出来るから、飛び出そう、という気持ちを込めた作品です。」 『WARM BIG COAT』 ー 「先にイメージがあったわけではなく、ちょっとしたラクガキ感覚で描きました。ふとしたときに描いた絵に、新たな発見があったりします。出来上がってから『なんかコートみたいだなぁ』というゆるい感じで、こういうのが制作の合間の気持ちのリセットになったりします。」 『Drama』 ー 「“モノクロにチラっと色”が昔から好きで、これは2014年の冬の作品ですが、今もモノクロシリーズは続けています。この絵は珍しく文字を入れたくなり、少しストーリー仕立てです。観る人がそれぞれのストーリーを想像してくれたらなと思います。」 『with my favori.』 ー 「ハンドメイドアクセサリーブランドのイベントのキービジュアルを制作したときの作品です。(noodさん、sAnさん)イベントのテーマは『Parfum et Fleur(香りとお花)』ブランドのイメージから、可愛くなりすぎず、でも大人すぎず、というところを目指しました。依頼されて描く事は、何を気に入って頼んでくださったのかということを考えるので、自分の特性を再認識することでもあります。依頼してくださった方の要素と、自分の個性とのバランスは本当にいつも難しく、葛藤するポイントですが、仕上がってみると、一人では描けなかったものに仕上がる。それがいつも面白いです。」 『cherish each day』 ー 「これは2016年の春に熊本地震があったときに描いた作品です。何かが起こったときにSNSでこういった発信をすることはあまりなかったのですが、インスタグラムのフォロワーが増えてきて、たまにコメント等で『絵を見ると元気になる』とか『いつも楽しみにしています』というコメントをいただくようになって、この小さな部屋で籠って描いてる絵で、どこかで誰かがそんなふうに思ってくれてることがなんてすごいことなんだろうと思いました。微力でも、もしかしたら誰かが少し元気になってくれるかも、という思いで描いてすぐにアップしました。私が好きなアーティストの作品を見てパワーがみなぎるように、やっぱりアートってこういう時のためにあるのかな?と思ったりもします。」 『KIMAGURE GIRL』 ー 「今年1月の個展のメインに選んだ作品です。描きながら色を考える絵もありますが、この作品は色からイメージして描いていきました。他の作品にも言える事ですが、表情がつかめない子を描いていることが多いです。そうすることでいろいろな見え方になって面白いかな?と思います。観る人のその時の気分によって見え方が変わるかもしれないし、2回目観たらまた感じ方が変わる。そんな余白を作りたいなと思っています。」 『Summer Dreams』 ー 「ポストカードセットを制作する際、パターンを集めたポストカードセットを作りたい、と思い、描いたそのうちの一枚です。お花を描くのはあまり得意ではなく、いつも気に入ったお花が描けなくて、しっくりきていなかったのですがこれはそれが珍しくうまくいった作品です。黄色の入り方も気に入っています。」 左上から時計回りに『FRAMBOISE』『BLUE SALT』『MANGO』『PISTACHIO』 ー 「1月の個展で展示した作品です。普段の自分の顔色や気分を4種のジェラートのフレーバーに見立てています。真っ白なキャンバスや画用紙に向かうとき、どうしても変な力が入ったり、堅くなったりするので、いつもどれだけ無意識なゆるさを作れるかということを考えています。スポーツでもそうですが、最初は身体も慣れなくて筋肉も固まっているけど、時間が経つと馴染んで、考えなくても身体が動くようになる。それと同じで、最初は『うまく描こう』という気持ちがどこかにあるけど、何枚も運動のように描いているとそのうち良い意味で気の抜けた作品が出来てきます。これはそれを実感した作品です。これからもっとこういったことが出来てくるといいなと思っています。」 ガーリーな世界観のイラストの中には、想像以上に大きい、秘められた想いがあった。自分の思った事に対して、まっすぐな気持ちでキャンバスに向かうマリーさん。 「自分の創作欲を満たすように始めた今の活動ですが、作り出すもので周りの人が喜んでくれたり、刺激になったと言われたりすると、本当に心底喜びを感じます。一人で完結する作品ではなく、人との関わりで変わっていく制作をしていきたいなと思っています。」 イラストレーター:岡崎 マリー多摩美術大学の絵画科を卒業後、雑貨の企画会社に就職。その後広告関係の企画会社に転職。雑貨デザイナーをしている頃の2010年あたりから会社の仕事と平行して自身の制作を続けており、現在はルミネエストなど駅ビルのキャンペーン広告やヘアサロンのアートワークなどを手掛けるほか、オリジナルのプロダクト制作(MARY,mon raw.)でも活動中。グループ展、個展、イベント参加もしている。 HP::
2018年03月22日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「賞レース」です。まだデビュー前の路頭に迷っていた時代に一度だけ賞レースに出たことがあります。某テレビ局のバラエティ系の歌ネタレースで、あっさり一次審査で落ちました。それがあまりいい印象でなく、ちょっとトラウマになって賞レースやオーディションに自ら進んで参加することはなくなりました。とはいえ、賞をとるというのはいいことだと思います。それを理解できたのは、僕が「MUSIC VIDEO」のMVで文化庁メディア芸術祭のエンターテインメント部門新人賞をとったことがきっかけでした。これも、エントリーは僕じゃなくてMVの映像監督をしてくれた寿司くん(編集部注:ロックバンド「ヤバイTシャツ屋さん」としても活躍中のこやまたくや氏の映像作家名義)がやっていてくれて。最初「すごい賞をとってしまいました!」と寿司くんに言われたときも「…はあ、おめでとうございます」くらいだったんです。でも、それが『シン・ゴジラ』や『君の名は。』という2016年を代表するエンターテインメントと並んで国から評されるものだと知ってめちゃくちゃ驚いて。そりゃ、寿司くん興奮するわ!と。賞をとることで周囲の見方は変わるものです。箔がつくといいますか、メディアの取り上げ方も違ってくるし、一般の人たちにとってもわかりやすい“ものさし”になってくれる。だから、それ狙ってばっかりとかは違うと思うけど、評価されたら素直に喜びたいものですね。最近、ツイッターで知ったんですが、アジアン・カンフー・ジェネレーションの後藤(正文)さんが、自腹で賞金を出して新人賞を創設したそうです。そういうのもいいですよね。ミュージシャンという同じ立場の人にいいねって言われることほどうれしいことはないし、多くの人に自分たちの音楽を知ってもらえるチャンスにもなる。僕も出だしのころ、尊敬していたヒャダインさんにブログで褒めてもらったことがあって、それがすごく励みになったことを思い出します。もし今、賞をとりにいくとしたら何のステージがいいかなあ。グラミー賞とかかっこええけど英語でスピーチとかムズいしな…。まずは日本アカデミー賞ですかね。最近、NHK Eテレで役柄ある仕事とかやらせていただいたんで、まずは助演男優賞を狙います。主演だとなんかその映画、跳ねなさそうやなと思うので助演希望です。おかざき・たいいくNHK Eテレ『天才てれびくんYOU』に出演中。全国6会場7公演、ワンマンツアーが3/25・仙台を皮切りにいよいよスタート!※『anan』2018年3月28日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年03月21日岡崎体育の「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「サウンドトラック」です。僕の母親がイージーリスニング好きで、『image』シリーズをずっと買っていたんです。リラクシング系、癒し系の音楽を集めたオムニバスアルバムです。小学生時代、僕もそれにどハマりしてずっと聴いていたのが、サウンドトラックを嗜む入り口だったのかなと思います。『image』といえば“情熱大陸のメインテーマ”です。僕にとってはこの曲は『image』シリーズを象徴するような曲で、いちばん気に入ってよく聴いてました。その主旋律は葉加瀬太郎さんのバイオリン。でも、そこであえて主旋律とは全然違うギターの音だけ聴き込んで、家にあったミニギターを抱えて一緒に弾いている真似をしたりしてましたね。あと記憶にあるのは、袴田吉彦さんが声優として主人公の吹き替えをされていたディズニーのアニメ映画『ダイナソー』。はじめて映画館で買ってもらった映画のサントラはこれだと思います。このアルバムの8曲目くらいに、木の上で生活している猿たちがむっちゃ踊りだすっていうのがテーマの曲があって。アップテンポなその曲が大好きで、この曲も猿になりきって踊りながら聴いたりしていました。だから僕にとってサントラは、その世界に没入して“なりきれる”楽しさがある音楽なんですよね。大人になってもサントラはそういう聴き方ができる音楽だと思います。歌モノ聴いて気分を上げるっていうのもいいですが、ピアノだけのエレジーな感じの曲とかをプレーヤーで流して電車に乗っていると、あたかも自分が物語の主人公になったような気分に浸れる。僕の最新アルバムにも「電車で聴くと映画の主人公になれる曲」というのがあるので、ぜひ試してみてほしい。めっちゃ、気分いいですから。そんな僕ですから、自分でサントラ作ってみたいという思いがあります。…ここで、ずっと温めているアイデアを発表していいですか?まだ、レコード会社にも話してないのにええのかな。てか、言って真似されたらイヤやな。ここで言っておけば真似されないか。あのですね、架空の映画のサントラ集を作っています。主題歌とか挿入歌とかもちゃんと作って、本格的に。最終的には、ポスターとかチラシも作って、予告編くらいまでは作ってみたいですね。…あ、でも、もちろん、ほんまの映画のサントラのオファーもお待ちしています!おかざき・たいいくNHK Eテレ『天才てれびくんYOU』に出演中。全国6会場7公演、ワンマンツアーが3/25・仙台を皮切りにいよいよスタート!※『anan』2018年3月21日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年03月17日岡崎体育の「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「CDを売る方法」です。ぶっちゃけ、別に売れなくてもいいと思います。CDというパッケージにこだわらず、聴き放題で聴いたり、配信をダウンロードして購入したり。音楽の手に入れ方は、今の時代に沿ったものをみんながそれぞれ自由に選んでいいと思うんです。ただ、僕はめちゃくちゃこだわってますね、CDの売り上げに。僕は僕の音源をCDで売りたいんです。今の時代、CDは売れないといわれていますが、バンバン売れている人もいる。それはどうやって売れているのかというと、握手会だとかの特典をつけたり、初回限定盤やバージョン違いのものを出したり、そういうやり方が主流です。ファンの方が多ければ、売れる。もっと言えば、ヘビーに応援がんばってくれてるファンの方が多ければ多いほど売れる。フェスでは人気やし、ライブの需要あるのにCDの売り上げはいまひとつ伸びないってミュージシャンも少なくない。今の時代、音源を買うことは、ファンのお布施行為になっているんだと思います。好きなアーティストを応援するためにわざわざ買うっていう流れ。その売れ行きの良し悪しは、アーティストがメジャーレーベルに所属し続けられるかどうかを左右する条件であることをみんなもう知ってしまっているんですよね。だから作り手はCDを売るために必死でがんばるし、ファンの方も応援したい気持ちで貯めたお小遣いや働いた給料からやりくりして買ってくれるんだと思います。かっこいいはずのミュージシャンが、CD売りたくて必死になるなんて、最初はめちゃくちゃカッコ悪いと思ってたんです。でも、いざ自分がミュージシャンという立場になったとき、どんな方法でも試せるなら試していいんじゃないかと思えるようになったんです。僕自身も、バズりやすい曲を意識して作るし、ネタ曲がテレビやSNSで話題になったらうれしい。もちろん、それだけでいいのかと思うときもあります。僕が大学生とかだったら、岡崎体育って全然おもんないわって居酒屋で言うてるはずだし、そう思われがちなことも理解してる。でもそれよりも、僕がやっている音楽をいいと思って音源を買ってくれている人がいる以上、誠心誠意気持ちを込めてやらんとあかんと思うんです。どんだけおちゃらけた音楽でも、全力でやりきる。そのがんばる姿勢がCDの売り上げにもつながると僕は信じています。おかざき・たいいくNHK Eテレ『天才てれびくんYOU』に出演中。全国6会場7公演、ワンマンツアーが3/25・仙台を皮切りにいよいよスタート!※『anan』2018年3月14日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年03月11日岡崎体育の「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ミュージシャンのファッション」です。ミュージシャンは人前に立つ仕事ですからファッションは絶対に大事なんです。どんだけ尖っていてもええ服を着るべき。そうなんですけど、僕は寝間着のままライブしたりしてますねぇ。この間、小さめのライブハウスでライブがあって。どうせ前のほうしか見えへんやろと思って上半身だけパーカ着て岡崎体育感を出して、下はユニクロのスウェットのままステージに立ったら、そのあとマネージャーの松下さんに本気で嫌な顔されてめちゃくちゃ怒られてしまいました…。昔、オアシスのライブDVDを観たんです。オアシスはイギリスの国民的ロック・バンドです。そのフロントマンであるリアム・ギャラガーはカリスマ的な人気を誇るボーカリスト。その彼が地元のマンチェスターに凱旋したときのライブで、わけわからんトレーナー1枚着てステージに登場して。当時小6の僕は、こいつめちゃくちゃダサいなと思ったんです。でも、はっと気付いたんです。熱狂する何万人を前によれよれのトレーナーで出てきて思い切り歌い上げるのって、めちゃめちゃかっこよくない?と。あ、そっか俺、その影響で寝間着で出ちゃったのかもしれないな。…って、マネージャーの視線がそれはリアムだからかっこいいのであって、お前リアムじゃないからと訴えかけてきてますね…。確かに、その人のキャラクター大事ですよね。リアムだったら寝間着でもかっこいいかもしれません。リアムはマネージャーに怒られてへこんだりしないんやろな…。でも、実際にその映像の印象が潜在的にあったから僕は自分の定番のステージ衣装をパーカに決めたのかもしれません。それに、単純にパーカが好きなんです。ミュージシャンの中には普段着は全然違う方もいると思いますが、僕はオンもオフもパーカです。あと、パーカは七難隠すじゃないですけど、Tシャツだと体のラインというかむっちり感が出てしまう…。パーカはふんわりお肉隠しにもなっているんです。それで、冬場にこれでええやんと決めたんですが、はっきり言って夏のパーカは暑すぎて地獄ですね。とはいえ、自分のやってる音楽とこのスタイルは合致していると思うので、僕はこれでいいんです。最近も、モテたくてちょっと前髪を伸ばしたりしたんですけど、デブで前髪長いのはきしょいだけと気付いて、自分でばっさり切ってやりましたよ。おかざき・たいいくおかざき・たいいく2016年メジャーデビュー。NHK Eテレ『天才てれびくんYOU』にレギュラー出演中。3/25より岡崎体育ワンマンツアーがスタート!※『anan』2018年3月7日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年03月06日岡崎体育の「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ロックって?」です。そもそもロックって何なのか。何なのかっていうと…何なんですかね。ロックの解釈は人によって違うと思うんです。レゲエやヒップホップなどと並ぶ音楽ジャンルのひとつとしてのロックなのか、それとももっと精神的なものなのか。さらに、ひと言でロックって音楽ジャンルをいっても、すごく純粋なエルヴィス・プレスリー的なザ・ロックンロールから、パンク、ラウド、グランジにオルタナも全部ロックって言葉でひとまとめにできる。なので、これは僕が思うこと、あくまで僕の解釈なんですが、いま日本でロック・バンドっていわれているバンドは、全部ポップですよね。みんながみんな、インタビューなんかで「俺のロックが」とか言うじゃないですか。それをリスナーたちが読んで勘違いしがちですけど、売れてしまった時点で、みんなが知っているバンドになった時点で、1ミリもロックじゃないと思います。なんでそう思うかというと、日本では売れてしまうとすべてJポップとして消化されてしまう。どんなに本人らが俺たちロック・バンドやし、とかっこつけていても、顔ファンのガチ勢がついた時点でそれはロックなことではない。もはや、ポップなんです。そう思う一方で、本人らが「俺たちはロックだ」と言っていたらそれはもうロックだ、とも思います。僕もね、ひとりでライブを始めた21~22歳のころ、ステージで常に「ロックンロール!」って叫んでいた時期があったんです。何も持たず、ギターもマイクすら持たず、曲が1曲終わるたびに「ロックンロール!」って。まったくロックじゃないのに「ロックンロール!」って叫ぶのが面白いと思っていたんでしょうね。でもロックってそういうもんで、打ち込みでも楽器やってなくても、本人が「ロックだ」と言ったらそうなる。もはや音楽ではない。精神そのもの。発信するか否かの差だと。味噌汁の具に豚肉が入っているものを何と呼ぶか。その人が「豚汁」と言えば「豚汁」だし、あくまで「味噌汁だ」と言えば「味噌汁」だし。つまりは、ロックは他人に判断なんてできない。本人がロックだと言うならそうでしかない。って、考えると商業音楽でトップ取るってイキっているクソダサい俺こそ、実はめっちゃロックやなと思います。2010年代を代表するロックは間違いなく、俺やで!おかざき・たいいく2016年メジャーデビュー。NHK Eテレ『天才てれびくんYOU』にレギュラー出演中。3/25より岡崎体育ワンマンツアーがスタート!※『anan』2018年2月28日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年02月26日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「アニソン」です。小学生のころ、僕が住んでいるところとその隣の町内だけ、なぜかテレビ大阪が映らなかったんです。テレビ大阪は、アニメが強いテレ東系列です。学校では、観られる人と観られない人が半々くらいで。観られる側のやつらは、新興住宅地エリアに住んでいてスクールカーストも高めの連中。そいつらが盛り上がっているアニメの会話に入れないっていうのは、けっこうコンプレックス…劣等感がありましたね。『ポケモン』だけは何週か遅れでKBS京都が放送してくれてたので周回遅れでなんとか観ていました。そんな僕が『ポケモン』のエンディング曲を書かせていただいているんですから、本当に衝撃です。映らない側やったのにって。僕の曲が流れる初回の放送は、銀座のホテルでマクド食べながらひとりで観ました。実家やったらおかんとかおじいやおばあと観られたんですけど、仕事だったんでひとりきりで画面を携帯で録画しながら震えて観ました。アニソンを書かせてもらうってなって、子供が口ずさみたくなる子供のための曲にしたいって強く思いました。最近のアニメでは、作品自体に全然関係ないバンドの曲が主題歌になることとかあるけど、そういうのは違うかなと…。アニソンって、子供たちが幼稚園や保育園のお遊戯以外で初めて通る音楽の入り口。子供たちが好きなアニメのための、アニメをより楽しくする曲にしたかった。とはいえ、レベルを下げることはしなかったです。子供は意外と、難しい言葉が入っていたり、ラップみたいな早口がある歌が好き。音程も高低差あるほうが、変化があって楽しめる。子供向けに限らず、2000年代以降のアニソンってすごく複雑です。声優さんが歌う楽曲が増えて、オリコンの上位を独占したりする。僕たち普通のミュージシャンとは別物の独自の文化が形成されていると思います。なかでも僕は『カードキャプターさくら』の主題歌で坂本真綾さんが歌う「プラチナ」が好きです。2000年代以降のアニソンの集大成といえる一曲。この曲、コード譜を見るとめちゃくちゃムズイんです。映画やアニメの音楽プロデューサーとして知られる菅野よう子さんの楽曲で、心理的に刺さるコードや音楽理論を追求した玄人感がある。日本のアニソンここにありって感じがします。とはいえ、僕、実は萌え系アニメがあまり得意でなく。2次元でも女子のキャピキャピ免疫がないんです。おかざき・たいいく2016年メジャーデビュー。NHK Eテレ『天才てれびくんYOU』にレギュラー出演中。3/25より岡崎体育ワンマンツアーがスタート!※『anan』2018年2月21日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・村田真弓文・梅原加奈(by anan編集部)
2018年02月14日フードライター・平野紗季子さんの「MY STANDARD GOURMET」。今回は『TACOS Shop(タコスショップ)』のメキシカンタコスです。バインミーブームの次はタコスが来る。それもアメリカンタコスじゃなくて本場のメキシカンタコスだ。なんて無責任なことを言いたくなるのは吉祥寺の『タコス ショップ』と鮮烈な出合いを果たしたから。去年の冬、ハモニカ横丁の一角にオープンしたその店は、スタンディングのタコス屋だ。ふらっと入ってさくっと食べて。魅力的なバリエーションのタコスをお寿司感覚で、ナチュラルワインや燗酒と一緒に楽しめてしまう。味の要は一枚一枚手焼きするトルティーヤ。モサッと好きにはたまらない独特の食感と、マサ粉(とうもろこし粉)ならではの滋味深い香りが口いっぱいに広がって、ひゅーっとメキシコの風が吹く。店主の近藤輝太郎さんは、「なんとなくずっと気になっていた」タコスカルチャーを、現地オアハカで体験してますます惚れ込んでしまった人。「僕はナポリピザの店もやっていて、異国のソウルフードが好きなんです。現地では軽食的存在で、街のいたるところに屋台があり、昼夜問わず食べられる。そういう風景が魅力的で」。メニューはクラシックなもつ煮から白子ひじきなどの創作系まで幅広い。それぞれの味にあった新鮮なサルサソースをかけて、パクチーを散らし、ライムをギューッと搾れば「何をのせてもタコスになる」。自由なフォーマットに、気軽で奥深いおいしさ。南米ソウルフードの熱に今、浮かされている。ホルモンと白いんげん豆の煮込み¥300(奥)と、白子とひじき¥600(手前)。自家製サルサソースも数種類あり、メニューによって使い分ける。いくらでもギューッと搾ってOKな卓上ライムは、現地スタイル。東京都武蔵野市吉祥寺本町1-1-5TELなし17:00~26:00(土・日・祝日は13:00~)※営業時間は変更の可能性あり不定休営業情報はインスタグラム(@tacosshopk)を確認。ひらの・さきこ1991年生まれ。フードライター。著書にエッセイ集『生まれた時からアルデンテ』(平凡社)。※『anan』2018年2月21日号より。写真・清水奈緒取材、文・平野紗季子(by anan編集部)
2018年02月14日女優の仲里依紗がおしゃれにブラを着こなすワコールの新CM「BRAGENIC×仲里依紗」が14日、公開された。ワコールの新CM「BRAGENIC×仲里依紗」より同CMは、仲が“ラクなのに盛れる”ワイヤレスブラ「BRAGENIC(ブラジェニック)」の最新コレクションを身につけるという内容。淡い色のレースをあしらったフェミニンなデザインから、ブルーを基調とするプリント柄まで、さまざまなブラをファッショナブルに着こなす仲の姿が見所となっている。仲は「BRAGENIC」について、「実際に身につけてみると、手で触った時よりも、さらに柔らかく感じて驚きました。ワイヤレスタイプで締め付けがないのに、胸もとにしっかりボリュームをつくってくれるので、本当にラクなのに盛れるなぁと」とコメント。お気に入りのデザインは「動画でも着用している、ブルーでマスキングテープのような柄がかわいいものです」と言い、「ファッションも派手目で個性的なものが好きなので、ブラも付けるだけで気分が上がるようなデザインが好きです」と説明した。また、「BRAGENIC」は、仕事で「よし、頑張るぞ!」と気合いを入れたい日に身につけたいとのこと。「服やヘアメイクなど、身につけるもので気分が左右される性格なので、ここぞって時には、下着から自分の気分を上げてくれるものを選びたいですね」と話す。そして、ブラ選びについても「自分のからだに合っているかどうか、というのを見るようにしています。見た目がかわいくても、サイズがあってなければ、自分のからだをきれいに見せられないので、できれば試着もするように心がけています」と語った。さらに、「世界を、変える。」という「BRAGENIC」のコンセプトにちなんで、これまでの人生の中で世界が変わったと感じた瞬間を聞かれると、「映画初主演を務めさせていただいたときですかね。初めて主役として映画の中で演じて、俳優という仕事の厳しさと面白さを体感しました。周りからもプロとしてみられるようになったきっかけだったと思います」と打ち明けた。
2018年02月14日