「シュタイナー教育」をご存知ですか?お子さんに少しでもいい環境を与えたいと願い、さまざまな教育論を調べたことがあるママなら、一度はその名を目にしたことがあるかもしれませんね。シュタイナー教育とは、オーストリアの思想家ルドルフ・シュタイナーが20世紀始めに提唱した教育方法です。7歳までの子どもたちは夢の中にいるようなものだとして、音楽や絵画など感性に訴えるアプローチで接することを掲げています。音楽のリズムに合わせて動く「オイリュトミー」というダンス、「にじみ絵」と呼ばれる独特の水彩画法が特徴です。今回は、都内のシュタイナー系幼稚園で働くG先生(50代女性/幼稚園教諭)から、自宅でできる「ゆるシュタイナー教育法」を聞いてきました。●(1)刺激は「子どもが欲してから与える」シュタイナー教育と聞いて最初に思い浮かぶのが「テレビを見せない」ということ。音や光の出るオモチャ、テレビゲームなんてもってのほか。遊ぶ道具は、石、木、布、羊毛といった自然素材だけなんですよね。でも、子育てママならそのハードルの高さはわかるはず。どうしたらいいのでしょうか?『子どもが求めてくる前に、親が先回りして強い刺激を与えてしまうことを避けてみてください 。テレビは、子どもが積極的に見たがっていないなら、あえて見せる必要はありません。プラスチック製のおもちゃも同じ。最初に与える遊び道具は、自然素材のもので十分です。でも、よそで見かけたり、他の子が持っていたりして、お子さん自身が興味を持ったなら、少しずつ与えてもいいと思いますよ』そうはいっても、家事をやっているあいだに子どもがテレビを見ていると助かるんですよね。夕方の幼児番組、「ほら!もうすぐ○○が始まるよ!ママ忙しいから、観てて〜!」なんて率先して付けちゃってましたが……それすらNGなんでしょうか?『そのあたりは、ママの裁量でいいと思いますよ。無理をしてまでノーテレビ育児にこだわり続けることはありません。ただ、7歳までは体のリズムを作る時期です。生活リズムをテレビに支配されないようにするのが大切ですね。大人がテレビなしの生活をしてみせるのも、時には必要です』なるほど。ということは、大人が観たい番組があるときは、録画をして子どもが寝たあとに楽しむのがよさそうですね。●(2)生活リズムづくりは「ゆるやかに」がコツシュタイナーの教えでは、毎日の生活リズムを作ることも重要視されています。決まった生活リズムを繰り返していくことが、子どもたちの心の調和と安定につながると考えられているからです。『家庭でも、ぜひ規則正しい生活を送っていきたいですね。まずは一日のスケジュールを組んであげましょう。ある程度大きなお子さんなら、親子で相談しながらスケジュール決めをするといいでしょう』でも先生、子どもってこっちの希望通りに動いてくれませんよね。うちの子はいつもノロノロしていて、スケジュールなんか決めても絶対守れません。守れないことでカリカリしてしまう自分も目に見えてますが、どうしたらいいですか?『細かく時間を定めてしまうと後がつらいので、最初は起きる時刻・寝る時刻・食事の時間帯をゆるく決めるくらいでOKです。「○時」ときっかり決めるより、30分程度の幅がある「時間帯」でスケジューリングしていく のがおすすめですよ。また、スケジュールを守れなかったときにお互いを罰しないことも重要です。お子さんの様子や発達段階を見極めながら、無理のないスケジューリングに組み直していきましょうね』●(3)子どもに「遊びを教えない」勇気を!シュタイナー教育で忘れてはいけないのが、オイリュトミーやにじみ絵などの独特な遊び方。これらは子どもたちの感性を伸ばすためのアプローチ法ですが、家庭で取り入れるにはどうしたらいいでしょうか。『子どもの遊び方に自由を与えてあげましょう 。最近のママたちを見ていると、やり方が決まっているオモチャを与え、子どもが考える間もなく「ほら、これはこうやって遊ぶのよ」と教えてしまっている方が多いんですよね。中には「その遊び方は間違ってる」とお子さんを叱っている姿も。これでは、子どもたちの感性は育ちようがありません。何に興味を持ち、それをどうするかはお子さんに全て任せてあげましょう。口出ししないことは、ママたちにはちょっと勇気がいるかもしれません。でも、グッとこらえて見守っていると、子どもの思わぬ発想にこちらが驚かされることもよくありますよ』つまり、オイリュトミーなど有名な方法論を知って、その形だけをなぞっても意味がないということですね。そういった各方法論の裏側にある理念をよく理解し、無理のない形で実践していくことこそが重要なのでしょう。----------いかがでしたか?今回G先生に伺った「ゆるシュタイナー教育法」は、特別で特殊な子育て方法ではありませんでした。むしろ、わが国の昔ながらの子育てに通じるところが多くあったように感じます。生活に無理のない範囲で取り入れていくと、子どもたちの豊かな成長と自立を促すことができるのではないでしょうか。●文/パピマミ編集部●モデル/貴子(優くん、綾ちゃん)
2017年06月30日小学校教育に新たな波がおとずれます。2020年より英語学習を前倒しする「早期化」と、5年生からの英語教育が成績のつく科目としての「教科化」がスタートすることになりました。英語が必要な時代が来ているとはいえ、この2点について親たちはどう考えているのでしょうか?Q.小学校の英語教育「早期化」「教科化」、どう思う?1.賛成 72.6%2.反対 7.2%3.わからない・どちらともいえない 20.2%小学校の英語教育「早期化」「教科化」に賛成という声が72.6%と大多数という結果になりました。グローバル社会で活躍する人材を育成するためには英語は必須と考える親が多くいるようです。■日常会話くらいは英語で話せる人に日本にもどんどん外国人が来るようになりますし、これから大人になるまでに海外に行くこともあると思います。そんなときにも日常会話くらいは英語で話せるようになってほしいというのが親の希望。そのための教育なのであれば賛成という声が多数です。「世界的に必要なこと。他国は母国語と英語、両方教えるのが普通」(東京都 40代女性)「日本語的英語ではなく、英会話力を伸ばしてほしいと思っています。聞き取った英語を素直に口に出せるようになったら最高だと思います」(佐賀県 40代女性)「英語に早くから親しむという点ではいいと思います。ネイティブの先生と英会話を経験する授業なら、導入としてはいいかもしれませんね」(千葉県 50代女性)■日本人なのだから英語よりもまずは国語反対派の多数の意見は、英語教育の前に日本語教育を学ぶべきというもの。美しい日本語や漢字などをしっかり学んでから英語を学んでも遅くはないという声や、学校の教員の英語レベルが気になるという声もありました。「単純に教科が増えるとすれば、他の教科がおろそかになる。PCやタブレットを使うために漢字の読み書きができない子が増えている。英語に力を入れるまえにもっとやらなければいけない課題がある」(静岡県 40代男性)「それ以前に日本人として正しい日本語を身につけさせることの方が重要なのではないかと思うのは私だけでしょうか?」(神奈川県 50代女性)■英語の早期教育のメリットとは音や発音は小さいうちにやったほうが効率的であることはすでにわかっています。苦手意識を持つまえに、自然と英語に触れて、話すことで英語力がついていくのが理想的。それが果たして小学校教育でできるのかが問題のようです。「英語教育は早ければ早いほど、国語と同じように自然に覚えられる利点があります。しかし、小学校教員の英語力には課題があるのが現状。映像やタブレット端末などを使用して、小学生のうちに日常会話には困らないようになってほしいです」(神奈川県 40代女性)Q.小学校の英語教育「早期化」「教科化」、どう思う?アンケート回答数:6408件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年06月06日「子育てに取り入れるといいらしい」と耳にすることもあるモンテッソーリ教育が気になっているという方も多いのではないでしょうか。モンテッソーリとは、教具を使った「お仕事」(遊びの時間)や個別活動による自主性を重んじた教育活動が特徴の教育法のことです。保育所や幼稚園で取り入れられることもある“モンテッソーリ”がどんな教育方法なのか、家庭でも実践できるのか、など詳しくご紹介します。モンテッソーリとは? そもそもモンテッソーリとは、マリア・モンテッソーリ(1870〜1952年)というイタリア人女性医師が開発した教育方法のことです。「モンテッソーリメソッド」「モンテッソーリ教育」などさまざまな呼ばれ方をしますが、どれもマリア・モンテッソーリが提唱した教育方法のことを指しています。マリア・モンテッソーリは、女性医師として子どもと触れ合うなかで、ある物事に関して吸収力が大きくなる期間があることに気が付き、それを“敏感期”と呼んで注目し始めました。1907年にイタリアに「子どもの家」という保育施設を作り、子どもが本来もっている能力を適切な援助で引き出していくモンテッソーリ教育法を生み出しました。この教育法は、「子どもの発見」と呼ばれ、現在でもその考えを継承した教育を行う幼稚園や保育施設、学校は世界中に存在し高い評価を得ています。モンテッソーリ教育の目的 モンテッソーリ教育の主な目的は、子どもの自立にあります。モンテッソーリの教育法によって引き出していく自発的に行動できる力や考え学び続ける力などは自立によってかなえられるとされているためです。「子どもは自分で成長し発達する力をもって生まれてくる」ことがモンテッソーリの教育法の基本でもあります。そのため大人は“子どものサポート役として“援助”するだけで、子どもの自発的活動を妨げてはいけない”存在だとされています。これをマリア・モンテッソーリは「生命の援助」と呼び、いまでも大切な理念として根付いているのです。どんな方法で行うの? “ひとりでできるようになる”ために、環境を整えることと少しの援助を行うことが大人である親や先生には求められており、“子どもを見守る”ことが重要だとされているのがモンテッソーリの教育法です。自発的に活動できるよう、自由にやりたいことができるよう準備をすることが、“環境を整えること”です。その準備は、ただ教具と呼ばれるおもちゃなどを用意しておくだけでなく、成長過程に合わせた物を置くことや「やってみたいな」と思わせる物でなければなりません。大人は、あくまでその成長を援助する“人的環境要因”ではありますが、適切なサポートを行えるよう常に意識して子どもを見守っている必要があります。つまり、自由になんでも好きなようにさせるのではなく、そのとき個々人に必要だと思われる物を適切な時期に“自分で”選び取れるよう援助するのがモンテッソーリの教育方法なのです。モンテッソーリの特徴 モンテッソーリの教育法には、大きく分けて3つの特徴があります。モンテッソーリの特徴1.個別活動モンテッソーリといえば“個別活動”が大きな特徴です。集団で行動するためには、”だれか”に合わせて動かなければなりませんが、一人ひとり興味やそのとき必要としていることは異なります。そのためモンテッソーリの教育法では、個別活動を基本としています。個別活動が基本ではありますが、子ども同士が一緒に遊ぶことを禁じてはいるわけではありません。子どもたちが一緒に遊びたいという気持ちをもっていれば、それがその子どもたちの活動になります。大切なのは、“子どもが自主的に活動しているか”にあるため、「個別活動ばかりで友だちと遊ばせてもらえないのでは」という心配はいらないでしょう。モンテッソーリの特徴2.自発性を重んじる個別活動の前提でもありますが、モンテッソーリの教育法は“子どもの自発性を重んじる”ものです。自発的に「これがしたい」と考え行動できるようになることもモンテッソーリの目的のひとつであるため、大人(先生)は自発性を妨げないよう、環境を整えています。また、遊びのことを“お仕事”と呼んでいることも大きな特徴として覚えておきましょう。モンテッソーリの特徴3.集団生活をするときには縦割りが基本幼稚園や保育所、学校でモンテッソーリの教育法を取り入れるときには、“縦割り”でクラス編成を行います。これは、社会性や協調性を身につけるために、大体3歳程度の年齢幅でクラスをまとめているのも特徴のひとつです。幼稚園では3・4・5歳児が混ぜられた異年齢クラスになり、保育所では0・1・2歳児と3〜5歳児の2段階でクラス編成されるケースが多く見られます。モンテッソーリの教育法5分野って? モンテッソーリの教育法は、5つの分野にわけられています。それぞれに適した教具があり、発達に沿った教具のレベルも分けられていますが、“大人が考えたカリキュラムの順番通りに進めていく”のではなく個々人に合わせて活動していきます。モンテッソーリの教育法1.運動運動=身体を動かす体育、ではなく、日常生活を営むうえで必要な動きを身につける分野が運動です。“思った通りに身体を動かして、自分のことは自分でできるようになる”ことを目的としています。大人の真似をしたがる主に2〜3歳頃を運動の敏感期と呼び、自立心や独立心といった基本となる心を養う時期として、適切な環境や援助を行っていきます。モンテッソーリの教育法2.感覚モンテッソーリの教育法では、2〜4歳頃を“感覚の敏感期”と呼び、他者との比較から自我の芽生えを援助する時期と考えています。生活のなかで自然と“持ち物の比較”などから自分と他者との違いを感じ始めたら、比較をテーマとした感覚教具を用意し、“同じ・違う”といった仲間分けなどを理解できるように援助していきます。モンテッソーリの教育法3.言語子どもが言語を習得するときには、“物には名前がある”ことを認識し、“性質を表す言葉”があることに気づき、“物をつなげて考えられる”ようになるという段階を踏むというのがモンテッソーリ教育法の考え方です。言語習得の流れの援助を行うために、適切な時期に絵や文字のカード(教具)を使って、話す・読む・書く力を身に着けていくのが言語分野です。モンテッソーリの教育法4.算数量=具体的な物、を理解することから始まり、徐々に“抽象的・論理的”な物の考え方ができるように導いていくのが算数分野で、そのための教具は細かな段階に分けられています。あくまで難しい計算ができるようになるのは結果であり、まずは考え方を身につけていくことを、モンテッソーリの教育法では大切にしています。モンテッソーリの教育法5.文化他の4分野の集大成ともいえるのが“文化”です。基礎的な力が身についたところで、歴史・地理・音楽などから、“文化を学び吸収する力”をつけていく分野となっています。モンテッソーリの“教具”モンテッソーリの教育法では、“教具”と呼ばれる道具が使われています。モンテッソーリ教育のおもちゃと言われることもありますが、正式には教具です。時期や子どもの成長に合わせて選んだものを“環境”のひとつとして置き、子ども自身が自主的に手に取るようにしなければなりません。本来“教具”は、おもちゃでも教育のためのアイテムでもないという扱いなのですが、感覚的には、おもちゃと教育グッズの中間に位置しているような存在と考えていてもいいでしょう。大切なのは、その“教具”を使うことを目的とするのではなく、“子どもが自発的に教具を使って遊び(=お仕事をする)、成長や発達のサポートになっている”ことにあります。その点をしっかりと押さえたうえで、教具を取り入れるようにしましょう。モンテッソーリ教育には資格が必要? モンテッソーリの教育法を行うための資格やモンテッソーリ教育が受けられる場所をご紹介します。モンテッソーリ教育の資格厳密には、モンテッソーリ教育を行うために必要な資格はありません。民間資格がいくつかあり、就職時に“○○資格の取得”が求められる可能性はありますが、保育士や幼稚園・小学校の教諭免許とは異なり、“絶対になくてはいけない”というものではないのです。ただし、モンテッソーリの教育法は、通常の“保育・教育”の勉強だけではなく専門的に学んだほうがよい部分もあるため、モンテッソーリ教育を行うプロになりたいと思ったときには、民間資格を取得するのがおすすめです。民間資格が受けられる機関日本で初めてモンテッソーリ教育の教師養成校を設立した公益財団法人才能開発教育研究財団/日本モンテッソーリ教育綜合研究所の「モンテッソーリ教育教師養成通信教育講座卒業資格」 モンテッソーリ教育 教師養成通信教育講座 | 公益財団法人 日本モンテッソーリ教育綜合研究所 国際モンテッソーリ協会公認の一般社団法人モンテッソーリ教育研究会で認定される「ディプロマ資格」 モンテッソーリ教育研究会 モンテッソーリ教育を受けられる場所日本では、モンテッソーリの教育法を取り入れている保育所・幼稚園・学校に通うことで、モンテッソーリ教育を受けることができます。保育所や幼稚園は、各地域にモンテッソーリ教育を取り入れているところがあり、近隣で探すと見つかることが多いですが、小学校になると数が少なくなるため、小学校でもモンテッソーリの教育法を受けさせたいと考えている方は、事前にしっかり調べておくことをおすすめします。小学生になると、アフタースクールや習い事として、モンテッソーリに触れるパターンもあるので、学校が見つからないときにはそちらも検討してみましょう。家庭でモンテッソーリ教育を行うコツ家庭でもモンテッソーリ教育を行うことはできます。その際は、“手を出しすぎない”ことを意識するのがコツです。モンテッソーリのもっとも大きな特徴が“自発性・自立”です。ついつい家庭だと、見守りきれずに手や口を出したくなってしまいますが、大人は援助をするのみ、“見守る”ことを常に意識して過ごすようにしましょう。また、モンテッソーリの教具は“おもちゃ”として販売されています。一度にすべてをそろえるのは大変なので、気になったものだけを取り入れてみるのもおすすめです。特に感覚教具や算数の教具は、モンテッソーリならではな特徴を感じられるものも多いため、最初の一歩として購入する物にピッタリです。「買ったのだからやって!」ではなく、家のなかに置いておき子どもが自然と手に取れるようにして、モンテッソーリの教育法の基本を押さえたうえで取り入れるようにしましょう。<参考> モンテッソーリ教育研究会 公益財団法人 才能開発教育研究財団 日本モンテッソーリ教育綜合研究所 モンテッソーリ学芸大学子どもの家オフィシャルサイト Mirai Kindergarten モンテッソーリ教育
2017年01月12日こんにちは。子育て研究所代表の佐藤理香です。教育業界では、これまでの教科的な教育を超えて、プログラミング教育や表現力を高める教育など、数々の新しい取り組みが始められています。最近では、幼児段階での取り組みも多くみられるようになりました。今回は“感性教育”についてお伝えしたいと思います。●感性教育とは?“感性教育”とは、明確な定義はありませんが、子どもの感性を育む教育のことです。“感性を育てる”とは、ものの感じ方を育てる ことです。感性そのものに正解や間違いはありません。『Nikon』が行った「こどもの感性教育に関する調査」では、興味深いことがわかりました。約9割以上のママが「感性教育は重要である」と考えている一方で、7割以上が「感性がどのように伸びるかを知らない」と回答しているのです。これは、感性が可視化できないために、教育方法が難しく、成長実感を得にくい ことと関連しています。特に、幼児は言語の力(話し言葉、書き言葉)がまだ乏しく、感じたことを絵や創作物で表現できるほど巧緻性(器用さ)が発達していません。そのため、子どもが瞬発的に感じたこと、直感で感じたことを表現するのが難しいのです。教育の分野では、感性の重要性が指摘されるものの、伸ばし方は課題のひとつになっています。●感性の伸ばし方子どもの感性を伸ばすためにおススメの方法を3つご紹介します。●(1)五感で季節を感じる五感とは、視覚、触覚、味覚、聴覚、嗅覚です。これは経験したことに起因するため、一気に育てようと思ってもなかなか難しい感覚です。日々の生活の中でも、ちょっとしたことで感性は育ちます。四季折々に、自宅の周囲でも景色が変わります。「夏に緑だった葉っぱが今は黄色だね。この後、どんな色になるかな?」「あんなに暑かったのに、今は寒くてほっぺが赤くなるね」など、親が感じたことを子どもに声掛けしてみましょう。子どもも素直にいろいろと感じてくれますよ。●(2)生き物や植物を育てる生死を教えることは難しく、子ども自身が参加してみて初めて気づくことも多いです。おススメなのが、生き物や植物を育てること。マンションなどの住宅事情もありますので、必ずしも大きな生き物でなくてもいいのです。例えば公園で見つけたダンゴ虫を飼ってみる、ヒヤシンスを育ててみるなど、ちょっとした工夫で子どもの感性を伸ばすことができます。筆者の例として、金魚すくいでとった金魚を飼っていました。子どもは図鑑で調べ、一生懸命に世話をしていましたが、ほどなく死んでしまいました。もちろん大泣きで、お別れの言葉まで述べて、お墓を作り埋めました。悲しい現実ではありますが、命と対峙する というかけがえのない経験と感性を育めたと思います。●(3)一緒に食事を作る子どもが2歳くらいになると、ちぎる、割く、こねるなどの作業ができるようになります。徐々に包丁などの道具も使えるようになるので、親子で一緒に食事を作るのも効果的です。食材の色や形、切り口、感触に味、調理したときに変わっていく形や色。味の変化はまるで実験だと思います。合わせて、食材の生産などにも触れれば、子どもは一段上のものの感じ方を身につけると思います。----------幼児の感性を可視化するのは難しいとお伝えしました。最後に、筆者がやっている方法のひとつをご紹介します。筆者は子どもにお古のカメラを持たせて、好きなように撮影させています。子ども自身が撮影を通して、発見や感動を写真として記録できます。カメラを近づけたり離したりと好きなように操って、あちこち動き回り、新たな発見を促すこともできます。カメラは、子どもが五感で感じた好奇心や感動の瞬間を表出させる一つの手だて として有効です。親としても、子どもが感じている視点を写真として確認でき、アドバイスをしたり、認めたりして感性の成長に繋がります。何よりも、このようなコミュニケーションが、子どもの社会性を育み、感性の成長を後押しするのかもしれませんね。【参考リンク】・ニコンイメージングジャパン、「こどもの教育に関する意識調査」を発表 こどもの育て方について「感性」を重視する母親は73.5% | 株式会社ニコンイメージングジャパン()●ライター/佐藤理香(株)●モデル/藤本順子(風悟くん)、ココア
2016年11月24日インクルーシブ教育は「すべての子どものための教育」出典 : インクルーシブ教育とは、子どもたち一人ひとりが多様であることを前提に、障害の有無にかかわりなく、誰もが望めば自分に合った配慮を受けながら、地域の通常学級で学べることを目指す教育理念と実践プロセスのことをいいます。つまり、「一人ひとり丁寧に」と「みんなで一緒に学ぶ」の両方の実現を目指す教育理念であるといえます。英語ではinclusiveと表記され、「包括的な」「包み込む」という意味です。障害の有無によって学ぶ場所が分けられるのではなく、一人ひとりそれぞれの子どもの能力や困りごとが考慮された、すべての子どものための教育という意味で使われています。インクルーシブ教育という言葉が広まり始めたのは、1994年にUNESCOによって開かれた国際会議がきっかけです。この国際会議で「Education for All(万人のための教育)」がうたわれ、可能な限りすべての子どもの能力や困りごとに応じた教育を行っていく方向性が公に打ち出されました。インクルーシブ教育の実現に向けて歩むのは日本だけではなく、国際的な流れだといえます。これまでは、障害のある人は必ずしも社会参加できるような環境にありませんでした。障害のある人が積極的に社会で活躍できる環境づくりの一環として、一人ひとりの子どもに丁寧に向き合う理念に基づいたインクルーシブ教育が推し進められています。通常の学級に在籍する発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児 童生徒に関する調査結果について|文部科学省初等中等教育局特別支援教育課HP障害のある子どもを取り巻くこれまでの教育出典 : 日本における、障害のある子どもの学ぶ環境は時代が進むごとに段階的に発展してきました。「一人ひとり丁寧に」「みんなが一緒に学ぶ」というインクルーシブ教育が唱えられるまで、障害のある子どもへの教育の考え方や、彼らをとりまく学習環境はどのようなものだったのでしょうか。ここでは、時代ごとの障害のある子どもをとりまく教育の移り変わりについてお伝えします。出典 : 明治時代以前、障害のある子どもは、教育の対象と見なされておらず、教育を受ける機会が十分与えられていませんでした。障害のある子どもにも教育が必要だといわれ始めたのは明治時代以降です。今よりも国の強制力が強かったために、本人や保護者の意志は尊重されることはなく就学先を選ぶことは許されなかったものの、明治時代から、盲、聾、知的、肢体不自由の学校が設立され、障害のある子どもの一部が教育を受けることができるようになりました。そして昭和時代の終わりには、養護学校の義務化により、それまで就学を免除されていた重度の障害のある子どもに対しても平等に教育の機会が保障されることになり、全ての子どもが教育を受ける仕組みができました。しかし、そのような状況の中で、障害のある子どもを地域の学校から離れた就学先に通わせることを、障害のある子どもを通常学級から隔離し、分離しているという非難の声も市民の中から生まれました。出典 : 年の「国際障害者年」において、「全ての子どもを通常学級へ」というメッセージがうたわれました。それがきっかけとなり、「すべての子どもが通常学級で学ぶこと」を第一の重要事項として、新たな教育の方向性が定められました。これをインテグレーション教育といいます。この過程では、これまでの時代の分離教育の反省から、障害のある人もない人も、分け隔てのない仲間として渾然一体の場所で学ぶことがもっとも重要だとされていました。しかしながら、同じ環境で学ぶことばかりを推し進めるあまり、支援の必要な子どもに対して、十分なサポートをする体制の準備は不十分なままでした。その結果、子ども一人ひとりの個性やニーズに合った教育を受けることができず、障害のある子どもは授業についていけなかったり、いじめや中傷の対象となったり、逆に腫れもの扱いをされてしまったりしたという問題が起こりました。出典 : このような批判が国内であがっていた1994年に、スペインのサラマンカで「特別なニーズ教育に関する世界会議」が開かれ、新しい考え方としてインクルーシブ教育の理念が唱えられました。障害の有無にかかわりなく、適切な配慮を受けながら、誰もが望めば地域の通常学級で学べること、つまり、「ひとりひとり丁寧に」と「みんなで一緒に学ぶ」の両方を実現する教育のはじまりです。その後、インクルーシブ教育の理念は日本にも導入されていきます。国際的にインクルーシブ教育の理念が唱えられてから16年後の2010年、日本においても文部科学省によってインクルーシブ教育理念の方向性が示されました。それまでの時代の教育で起こっていた問題について、環境の整備や、支援の必要な子どもに対する配慮の必要性などの具体的な改善の案が打ち出されました。この案により、研修会や勉強会が行われるなど、学校の先生たちの意識を変えるような取り組みが行われています。このように、障害のある子どもを取り巻く環境は時代の流れの中で少しずつ改善されてきています。2016年5月、タレントの菊池桃子さんがインクルーシブ教育を進めることに協力的な姿勢を示すなど、社会の関心も高まりつつあります。億総活躍国民会議菊池桃子発言全文「インクルージョンな日本が構築される…」 | 産経ニュースHP髙橋純一・松﨑博文/「障害児教育におけるインクルーシブ教育への 変遷と課題」2014年/『人間発達文化学類論集』第 19 号 p13-26野崎泰伸/「分離教育か共生共育かという対立を越えて ─「発達」概念の再検討─」2010年/『立命館人間科学研究』第21号p25-41インクルーシブ教育における具体的な取り組み出典 : インクルーシブの実現に向けて、文部科学省をはじめ、国や都道府県、市町村などの行政機関が主体となって行うべきことの1つが、多様な子どもが共に学ぶための基礎的な環境を整備することです。例えば、肢体不自由があり車いすに乗って通学する子どもにとって、校舎内が階段ばかりでは自力での移動が困難です。ですが、校内の段差を減らしたり、スロープやエレベーターを設置することで移動することの障害を解消していくことができます。他にも、市町村が主体となって、支援の必要な子どもが困ることのないようにボランティアスタッフを配置するシステムを作ることで、学習や行動面に困難のある子どもも、適切な支援を受けながら通常学級での集団授業に参加することができるようになります。このように学校の設備や教育の体制の整備が整っていくことで、障害のあるなしに関わらず、多様な子どもが通い学びやすい学校環境を作っていくことができるようになります。学校現場で進めるべき基礎的環境の整備には他にも様々なものがあります。・子どもの障害の程度、能力に合わせて特別支援学校、特別支援学級、通常学級など多様な学び場を用意し、行き来できる体制を整えること・専門性のある支援体制や教員の育成・特別支援学級と通常学級の間で共同学習を行うこと・個別の支援計画の作成などなど…インクルーシブ教育の達成に向けて、現在も環境整備が進められている途上です。基礎的環境整備について(現状及び国・都道府県・市町村の役割分担)|文部科学省出典 : 国や都道府県、市町村などの自治体が整えた基本的な環境をベースとして、学校や教員が主として行っていく「合理的配慮」というものがあります。合理的配慮とは、一人ひとりの特性や場面に応じて発生する障害・困難さを取り除くための、一人ひとりに合わせた調整や変更のことです。障害のある人が障害のない人とが平等にいられるために作られた仕組みです。例えば、文字の読み書きが困難な子どもへの合理的配慮を一例にして考えてみましょう。読み書き困難な子どもに対して、みんなと同じ教科書やノートをそのまま使わせていては、授業内容の理解や問題の回答がとても難しくなります。そこで、読み書きの困難さを取り除くための配慮として、教科書やプリントを拡大したり、黒板の板書を色分けして見分けやすくしたり、タブレットやカメラを使って板書を撮影・印刷することを許可したり、試験時間の延長や問題の代読を行うなどが考えられます。その子どもの特性と、子どもが過ごす環境や場面ごとに発生する具体的な困難に対して、適切で十分なサポートや変更を加えることが合理的配慮です。■教室や授業で行われている工夫例えば、教室や授業で行われている工夫には以下のようなものがあります。・水筒や帽子、体操服などを置く場所が決めて、誰でも持ち物の整理がしやすいようにする。・掲示物を減らしたり、授業中に紙や布で掲示物を覆うことより、視覚刺激に敏感な子どもでも授業に集中できるようにする。・廊下は走らない、チャイムが鳴る2分前には席に着く、などルールを明確にすることで、行動の切り替えをしやすくする。・一日の最初に、今日はどのようなスケジュールで進めるかを示されることで、時間の見通しをもてるようにする。・先生は情報を伝えるときには、口頭だけではなく、目に見える文字や絵で視覚的に示して、理解をしやすくする。・先生はゆっくりとした口調で話すとともに、大事なことは、繰り返したり、黒板に書いたりして、理解をしやすくする。・授業の中で、簡単な問いに答える機会を作り、全員が参加できるような授業にしている。・難易度別のプリントを作り、子どもが自分の力に合わせて選べるようになることで、それぞれのレベルに合わせた教育が行われている。共生社会の形成に向けたインクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)概要|文部科学省HPインクルーシブ教育の実現に向けて、就学先決定の仕組みも変わりました出典 : インクルーシブ教育の理念に基づき、就学先決定の仕組みの改善も進められています。障害のある子ども自身や保護者の意思を尊重した上で就学先決定がなされるようになりました。Upload By 発達障害のキホン平成25年までは、障害のある子どもは、原則、特別支援学校に就学することとなっていました。現在においても最終的に就学先の決定をするのは教育委員会となりますが、それを決めるまでに、本人と保護者の思いが最大限に考慮されるような改善が行われました。また、幼少期の段階から発達についての相談の機会や情報提供が積極的に行われるようになったことも改善点です。一歳半検診や、三歳児検診の際に、発達の遅れが見受けられる場合にも、専門家からアドバイスや情報を得ることができます。また、教育委員会は、幼稚園、保育園、子ども園における子どもの様子をふまえて、就学するまでの間に、子ども一人ひとりに合わせた個別の支援計画書を作成することも推奨されています。このような計画書は、就学先を決定する際の資料として活用されたり、就学後の子どもへの教育支援の手立てとして活用されたりします。インクルーシブ教育の今とこれからの展望出典 : インクルーシブ教育が学校に導入されてから数年が経ち、学校の授業や教員の心構えも変化してきています。ですが、インクルーシブ教育は、「すべての子どものための教育」という理念は共有されているものの、具体的にどのように授業を行い、環境を整えていくかについてはまだまだ課題があります。学校側が通常学級に通わせることに力を入れることにとどまり、子どもの能力や困りごとに合わせたサポートが必ずしも達成されてはいない現実があります。通常学級で過ごすことが絶対であるわけではありません。インクルーシブ教育では、共に学ぶことが大切とされていますが、子どもの困難に応じて、環境を変えることも必要です。大切なのは、子どもの力が最大限発揮できる環境で過ごすことです。担任の先生や特別支援学級の先生と連携をとりながら、子どもの力や思いに合わせた環境を整えてあげることが大切となります。2001年、WHOの障害についてのとらえ方が変化し、できないことを見つけてそれを治すという観点から、まわりの人がどう手助けしたらスムーズに社会参加ができるかという考え方へ大きく舵を切りました。特別支援教育の目標は、障害のある幼児・児童・ 生徒の自立や社会参加に向けた主体的な 取組を支援するという視点に立っており、子どものもちうる力を高め、生活や学習上の困りごとを克服するために、適切 な指導や必要な支援を行うものです。つまり、自立や 社会参加をできるようにするためには障害を克 服・軽減するしかないとされており、多くの学校では、その目標をかなえることに意識をおいています。もちろん、障害のある子どもの適応の度合いを高めることも重要ではありますが、多様な特性のある子どもを社会がいかに受容していき、助け合っていけるかがどうかがこれからますます大切になっていきます。それを後押しするひとつの力としてインクルーシブ教育が機能しているといえるでしょう。インクルーシブ教育についてもっと知るためのおすすめ映画インクルーシブ教育についてもっと知りたい、またはイメージをもちたいという方に向けて、おすすめの映画を2本紹介いたします。理念を聞くだけではなかなか実感がつかみにくいインクルーシブ教育について、その具体的な様子について知ることができるだろうと思います。Upload By 発達障害のキホンインクルーシブ教育の理念を体現したといわれる大阪の公立小学校を取り上げたドキュメンタリー映画です。第68回文化庁芸術祭大賞など数々の賞を受賞した作品です。この学校では、障害のある子も障害のない子も、すべての子どもが同じ教室で学んでいます。この学校では一人ひとりの個性が大切にされ、誰もとりこぼされたり、置いていかれることがありません。校長先生を中心として、教師、地域の保護者が手をとりあいながら子どもに関わる中で、誰もが通い続けられる学校を作り上げました。全国で上映会が開かれており、子どもをもつ保護者や学校関係者、また一般の人々にも大きな反響を呼んでいる作品です。不登校ゼロを目指す学校の先生の息遣いや葛藤、子ども同士の関係、先生と子どもの関係がリアルに描かれています。教育とは何か、あるべき学校の姿とはどういうものであるべきなのか、この映画はさまざまな問いを投げかけてくれます。映画『みんなの学校』公式サイト<作品情報>監督:真鍋俊永(2014年・日本)Upload By 発達障害のキホン文部科学省がインクルーシブ教育の理念を普及させるために、タイアップした作品がこの『レインツリーの国』です。有川浩による原作小説をもとにした、聴覚障害のある女の子と、耳の聞こえる男の子との恋愛物語です。恋愛の話でありながら、聴覚障害者の苦悩も描かれており、それがヒロインの言葉として示されます。また障害のない人の意見や声も代弁されているのです。この映画では、決して障害のある人に一方的に肩入れすることなく、あくまで障害のある人と障害のない人の立場を公平に描かれています。葛藤や悩みを抱えながらぶつかりあっていく二人の姿に、障害のある人と障害のない人の間に生まれる葛藤や、それを越えて共に生きていくことの大きな意味を感じられる作品です。<作品情報>監督:三宅喜重出演:玉森裕太・西内まりや(2015年・日本)映画「レインツリーの国」公式サイトレインツリーの国×インクルーシブ教育システム|文部科学省レインツリーの国 通常版 [DVD]まとめ出典 : ここでは、学校の中で取り入れられているインクルーシブ教育について、教育についての今までの流れや、新たに取り入れられたサポート、就学先決定の仕組みの変更と、インクルーシブ教育の課題についてご紹介しました。インクルーシブ教育が目指すのは、障害のある人とない人が、 単に「場」を同じにするということではありません。インクルーシブ教育が目指すのは、「ひとりひとり丁寧に」個別最適な支援を提供すること、そして「みんなで一緒に学ぶ」ことができる環境をつくること、この両方を実現することです。その先に立ち現われてくるのは、「共に生きる社会」であり、すべての人が暮らしやすく誰もこぼれおちることのない社会です。現在、課題ややるべきことが積み残されている状態ではありますが、少しずつインクルーシブの理念の達成までの過程を歩んでいるのです。
2016年09月20日●連載の目次は こちら から●「小学校受験って、どうなの?」特集も今回は最終回。早期英才教育は有効なの? という素朴な疑問を、幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんにぶつけてみた。■早期英才教育は有効なのか?「お友だちが文字を書けるようになった」「英語教室に通い始めた」そんな話を聞くと、「うちも何かしなきゃ!」と気持ちは急く。育脳やバイリンガル、早期英才教育といった言葉にも、無関心ではいられない。そこで、「早期英才教育は有効なの?」という素朴な疑問を、浅木さんにぶつけてみた。「私の回答としましては、『子どもへの接し方が好ましいものであれば有効。好ましくなければ、やらないほうが良い』ということです。お子さまが嫌々やるのであれば、早期教育は百害あって一利なしだと考えています」難関私立中学受験指導をしていた(1本目にリンク貼る)という経歴から、小学校受験が苦い経験となり、学業でつまづいてしまった生徒を数多く見てきたからこその思いなのだろう。■焦らないほうが、良い結果が出ている今回の取材を通じて、浅木さんがとても強調していたことは、「どうか、お母さま方、焦らないで欲しい」ということ。この記事を書いている私は息子の中学受験を体験したことがあるが、受験準備中は、「志望校に合格しないと、この子は(私は)、その先、どうなってしまうのだろう?」という気持ちになりがち。それが「合格しなければ!」となり、準備が思うように進まないと、「何かしなければ!」という、やみくもな焦燥感に繋がり、子どもをせっついてしまう。「すんなり合格を手にするお子さまなど、1人もいません。志望校に合格した先輩を見て、『志望校に合格して、うらやましい』と思われるかもしれませんが、そんな方でも必ず、苦しい時期を過ごされています。『焦らないで欲しい』と申し上げても、焦ってしまうお気持ちは、現場にいればよくわかります。けれども、私の経験から鑑みても、焦らないほうが、良い結果が出ていることが多いのです」(浅井さん)小学校受験は、対策期間は平均して1年~2年。親や指導者に怒られないために努力することで、何とか志望校には合格をする。けれども、そういった子どもたちのその後の学校生活は、苦しいものになりがちだそう。 ■大切なのは心の安定と自己肯定感「すべての学年のお子さまを見てきて、真に思うことは、大切なのは心の安定と自己肯定感です」(浅木さん)親の焦燥感から、嫌がっているにも関わらずに無理に課題をこなすことを強いられ、、何とか合格を手にしても、子どもの心には大きな傷が残る。不合格だったらなおさらだ。それが、子どもが自己肯定感を持てない原因になってしまうこともよくあることだという。思春期に入っても自己肯定感が不足し、心が安定していない子どもは、成績が上がるまでに本当に時間がかかる。また学年が上がるほど、親も焦りを感じてしまい、子どもの心が満たされ自主的に努力するようになるまで待つことができないし、親子関係の立て直しも難しくなる。「そうならないために、幼少期に健全な親子関係を育んで欲しい、そのためにお子さまに接するお母さまのサポートにも力をいれております」(浅木さん)■子どもの人生を長い目で考えてみて欲しい「つい子どもを叱り過ぎてしまうママに伝えたいこと」(リンク貼る)でも記事にしたが、現代は子育ての負荷がママに集中してしまい、追いつめられた気分になりやすい。だからこそ、私たちは「そういう時代に子育てをしている」ということを、きちんと意識する必要がある。小学校受験をするとなると、ママ、あるいはパパたちは、「私が頑張らなければ!」とより一層、自分を追い込んでしまうこともあるだろう。私自身、「中学受験ママ」をやっているが、悲しいかな、すぐにテンパってしまう。最近、そんなときは浅木さんが取材で話してくれたことを思い出すようにしている。「小学校受験で花開く子もいれば、中学校受験や高校受験で花開く子もいます。子どものモチベーションを含めた適切なサポートができるよう、どうか子どもの人生を長い目で考えてみてあげてください。そして、焦ってしまうということは、それだけ真剣にお子様のことを考えていること。立派に母親業をこなしている自分をまずは認めてあげてください」受験は、親子にとってひとつの試練。でも、それを乗り越えた先には大輪の花が咲くと信じて、ゆったりと構えていられる親でありたいものだ。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月27日投資教育先進国といわれるアメリカでは、子どものころからお金について学ぶ機会が多いのをご存じでしょうか。 幼稚園から高校までの義務教育でお金にまつわることを学習するのはあたりまえ。お金にシビアなアメリカならではの、子どものマネー教育について紹介します。■ローン大国アメリカアメリカ人はお金にシビアだといわれます。それはクレジットカード、ローン大国であることが影響しています。健康保険や医療費もほかの国と比べてかなり高額。個人がしっかりファイナンシャルプランを身につけていないと簡単に破産してしまう社会です。厳しい社会のなかで財産を得て資本主義社会のなかで勝ち残っていくために、投資に関する知識を深める人も多いのです。そんななか、幼稚園から子どもの年齢に応じてお金に関する教育が行われています。親からお金を増やすための株式投資などの知識を得るケースもめずらしくありません。■日本でマネー教育をしない理由一方、日本では、子どもがお金の話をするのはあまりよくないという風潮があります。株式投資はリスクのあることだと敬遠する人も多く、なかなか学ぶ機会がないのが現状です。考えられる理由としては、貯金文化が定着していることがあげられます。堅実にコツコツためる、まじめな日本人の気質ともいえるでしょう。■おこづかい制のメリットみなさんは子どもにお金を管理させていますか? 将来の金銭感覚を養っておくためにも、早めにお金に関する知識を身につけることが大事です。さまざまな考え方があるものの、たとえば、定期的におこづかいをあげることで、子どもは自分のお金を管理し、計画的に使うことを学べます。おこづかい制にするか悩んでいる方は検討してみてください。また、お手伝いの報酬としてお金をあげるのも方法のひとつです。自分の労働によってお金を得ることができ、何もしなければお金を得られないという仕組みを学べます。お金を計画的に使う感覚は、将来役に立ちます。子どもが大きくなったら、家庭の予算立てに参加させてみるといいかもしれません。
2016年07月16日子どもを授かると、親としていちばん最初に考えるのが「教育費の準備」ですよね。できる範囲で希望の教育を受けさせてあげたい。親ならば誰もが思います。そこで最初に検討されるのは「学資保険」ではないでしょうか?学資保険は、いろいろある生命保険のなかでは、比較的好印象な保険ではないかと思います。しかし、この学資保険、本当に教育費の準備になるのでしょうか?なぜ日本人が学資保険に対して好印象なのかといえば、学資保険が積立代わりだと思っているからでしょう。■学資保険でいくら戻ってくるのか計算すべしその昔、郵便局で学資保険に入ると、満期の時に倍ぐらいになって戻ってきた時代がありました。インフレ率等を考えてきても相当な戻り率です(そのぶん住宅ローン金利も高かったので、差し引きしてどれくらい恩恵を受けている人がいるかは微妙ですが)。そのイメージがついてはなれないのか、「学資保険は得だ」と思ってしまうようです。しかし実は、ご相談に見える方の実の70%以上は、得にならない学資保険に入っているといったら、みなさん驚かれるのではないでしょうか。もしすでに学資保険に加入しているのであれば、一度計算してみてください。「いくら払って」「いくらの満期で戻ってくるのか」を。210万円払って、200万円の満期なんてケースは結構あります。なかには、払った以上に戻ってこないことをわかった上で加入している人もいるかもしれません。そんな人は決まって、「保険がついているから仕方がない」なんていい方をします。たしかに、学資保険・こども保険という名称の保険のなかに、育英年金などの保険機能がついているものもあります。学資保険払込中に契約者(ほとんどのケースで父親)が死亡した場合に遺族に教育費の援助ということで育英年金が支払われるという内容です。内容の話を聞くと、とってもいいような気がします。しかし、よーく考えてください。なぜなら、教育費等必要な保障額は、ご主人の生命保険できっちり計算してリスクヘッジさせてあるはずです。■200万円もらえる学資保険じゃないとダメつまり、わざわざ学資保険でプラスしてその部分にお金を払う必要はないはずなのです。その他に、子どもの医療保険がついていることを理由にあげられる方が多いのですが、それもいかがなものでしょうか?乳幼児医療制度が整っている今、ある一定の年齢まで、医療費は無料です。自治体によって違いますが、長いところですと中学校卒業するまで、医療費無料なんていう自治体もあるほどです。そのなかで、どれだけの保険料をそこに払うのが適当なのか、考える必要がありそうです。学資保険は、純粋の貯蓄であるべきではないかと思います。180万円ぐらいの払い込みで200万円の満期がもらえる。最低でもこれくらいでないと、月々積立預金をしたほうがマシなことになってしまうのではないでしょうか?現段階で、払ったより戻ってくる金額が少ない学資保険に入っている方は、がっかりしてしまったかもしれません。でも、あきらめずに、計算することをお勧めします。現在加入中の学資保険を解約すると、いくら損をするのか。そのことについて計算するのです。ほとんどのケースで保険の途中解約は損が出ます。しかし、いまやめた損のほうが、満期まで払い続けたときの損にくらべて少ない場合は、思い切って解約をすることをお勧めします。その上で、貯蓄性の高い学資保険に入りなおして損が少しでも埋まるのであれば、入りなおしを検討してみてもいいのかもしれません。(文/ファイナンシャルプランナー・岡崎充輝)
2016年07月05日小中学校での教育内容が、いわゆる“ゆとり教育”として行われたのが2002〜2010年度。この教育を受けた世代を広く“ゆとり世代”と呼びますが、いろいろな面で批判の対象とされることが多いのはみなさんもご存知の通りです。学力だけにとどまらず、「ゆとりだから……」という言葉で人間性まで否定されかねないこの問題。今回はパピマミ読者の皆さんに「ゆとり教育で問題だったと思うこと」 についてアンケートを実施しましたので、その結果を発表したいと思います。同時に行った『ゆとり教育で評価できたところは?』というアンケートでは、「デメリットしかなかった」という回答が半数近くを占めたようですが、いったい何が問題と感じられているのでしょうか。●ゆとり教育で問題だったと思うことは?・1位:学力の低下……23%(23人)・2位:競争意識の低下……19%(19人)・3位:コミュニケーション能力の低下……16%(16人)・4位:とくに問題はなかったと思う……13%(13人)・5位:自主性の低下……11%(11人)・同率6位:精神年齢の低下……10%(10人)・同率6位:協調性の低下……10%(10人)※有効回答者数:102人/集計期間:2016年6月20日〜2016年6月21日(パピマミ調べ)●「学力の低下」がトップという結果に『ゆとり教育中に行われた学習調査では、日本の順位が下がってましたよね。勉強なんてやったぶんだけ伸びるんだから、学習時間が減ればそういう結果になるのは当然のことでしょう』(40代パパ)『思考力を鍛えるための学習を増やすといっても、それらしい成果があったとは思えませんね。大学受験なんかも結局は暗記勝負じゃないですか。遠回りしただけのように思えます』(30代ママ)最も問題だったと感じられているのは、やはり学習面。OECDが行っている生徒の学習到達度調査では、ゆとり教育中の日本の点数低下が顕著となり、教育の見直しに着手するきっかけともなりました。知識を暗記する詰め込み型の教育から脱却するためのゆとり教育で、“総合的な学習”などの思考力を付けるための教育が推進されたものの、目に見える結果が出たとは言いづらい でしょう。脱ゆとり教育を果たした現在の教科書は、当時より4割ほど分厚くなっていると言われています。●次いで「競争意識の低下」がランクイン『運動会の徒競走で、手をつないでゴールすることがあるなんて本当なんですかね?いくらみんな平等にって言ったって、さすがにそれはやりすぎだと思いますよ』(40代パパ)『何でもかんでも優劣をつければいいってもんじゃないけど、競い合うことを良しとしない環境では、育たなくなるものもあるのかもしれませんね』(20代ママ)実際にゆとり教育を受けた20代の人たちからも、競争意識の低下を招いたことに対する批判が聞かれました。人と競い合うからこそ生まれる、「悔しい!」や「勝ちたい!」という強い気持ちは、ゆとり教育の中では育ちにくいと言えるかもしれません。さらに、競争意識がないことから「覇気がない」と思われる ことも多いようですが、決して不真面目というわけではなく、自分のやるべきことを黙々とこなすことができる特徴を持ちます。●コミュニケーション能力にまで影響『話題が合わないっていうだけじゃなく、人と交流することを避けているような印象があります。四六時中スマホを見て、人と会話する楽しさを知らないんじゃないかと思いますね』(40代ママ)『ゆとりってのは、勉強だけじゃなくて会話もできなくなっちゃったのかね。毎年新入社員が入ってくるけど、声は小さいし何言ってるのかわからない。会社の飲み会を断るやつなんて見たのは、最近になってからだよ』(50代パパ)新入社員と上司が噛み合わない“ゆとりエピソード”を聞くことは、珍しいものではなくなりました。プロセスを重視する教育を受けてきたことから、頑張ったことよりも結果が求められる仕事の場 では認められづらいこともあるようです。この他、怒られ慣れていなかったり、積極性に乏しかったりすることで、対人関係が苦手だと感じさせてしまうこともあります。仕事よりもプライベートを優先させ、会社の人間とは距離を保とう とするのもゆとり世代の特徴と言えます。----------いかがでしたか?実際に、ゆとり世代と言われる人たちの上の世代からすると、信じられないような価値観を持った若者に遭遇することもあるかもしれません。しかし、それは柔軟な思考によって生まれた新たな考え方というだけで、批判されることなのかは疑問でもあります。お互いの違いを認め合い、それぞれの良さを高め合っていくような関係を築くことが最適と言えるのではないでしょうか。【参考リンク】・【アンケート結果(1位〜6位)】ゆとり教育で問題だったと思うことは?()●文/パピマミ編集部
2016年06月26日こんにちは、ライターの渦マキです。近年、耳にするようになったフィンランドの教育“フィンランド・メソッド” 。どのような内容なのか、そして日本の教育現場においてフィンランドを見習うことはできるのかを考えてみたいと思います。●2000年に入って注目されはじめたフィンランドの教育2000年に入って、『OECD(経済協力開発機構)』の学習到達度調査『PISA』でフィンランドが上位に入ったことを機に、“フィンランド・メソッド”と呼ばれるようになり、フィンランドは教育先進国 として注目されるようになりました。しかしながら、実際のところフィンランドにおいては、“フィンランド・メソッド”という教育法は存在しません。『PISA』の結果に衝撃を受けた教育関係者たちがそのように呼び始めただけのようです。●フィンランド教育で注目すべき点●(1)国をあげての教育制度の改革「今、不況の中で一番投資が必要なものは子どもの教育である」という意見の教育大臣指揮のもと、教育改革が始められました。そこには企業への投資よりも、これから成長して行く子どもたちへの投資が最も有効だ という理念があります。授業料が小学校から大学まで無料だそうです。●(2)学校の順位付けがない(学校間のレベルの差がない)フィンランドの基礎学校は、6年間の初等教育と3年間の中等教育の9年一貫制 。卒業後は全員が進学資格をもっています。卒業後は、入学試験などは行わずに後期中等教育(高校か職業専門校)に進むことができます。基礎学校での評価で学校が決められます。また、学校に格差がない ので、子どもたちは大抵は地元の学校に通います。さらに、地域の格差ができにくい環境作りがされています。成績が本意ではなかった場合、10年生として無料で教育を受けることができます。●(3)教師の質が高い日本のように大学の教育学部を卒業し、教育職員検定に合格した者が教師になれるといったものではありません。大学で専門教科を学び、その後教師用のトレーニングを受け、特定の修士号を取得しなければ教師にはなれません。教師になったら、教材や授業のカリキュラムを独自に作るということも全て任され、教科書も教師が選ぶという徹底ぶりです。教師への全幅の信頼がなければ、こうした権利は与えられないのではないでしょうか。●(4)学習に遅れが生じる子どもは授業の前後で補習を行う教え合ったり、話し合ったりすることで子どもたちに協調性を育ませる。クラスの学習についていけない子どもに関しては、授業が始まる前後に補習で補います。教師の采配でフレキシブルにクラスを能力によってグループ分けして授業をすすめていきます。たとえば読み書きが苦手な子どもたちを教師だけではなく、それを得意とする子どもたちにも協力してもらって同じレベルに伸ばしていきます。クラスも少人数制です。子どもたちの協調性も培います。●日本でフィンランド式教育法は有効か日本でフィンランドの教育体制を見習い、同じように変えて行くことはできるのでしょうか?フィンランドの教育では、学習は大切なもの。しかし、その前に人間としての成長が最も大切なことだと社会全体が認識しています。それには子どもに十分な“遊び時間” を与えることが重要だと考えられています。日本における学歴社会では、学校での勉強時間の他にも塾などで子どもの自由時間は減って行くことになります。「いい大学を出て、いい会社に入社する」といった学歴信仰が子どもにとって本当に幸せなのかをよく考え直してみる時期なのかもしれません。現在の日本の社会を考えてみると、フィンランドのような教育体制を目指すことは今は難しいかもしれませんね。日本も国をあげて子どもの教育に投資していかなければ、将来国家全体に関わってくるという認識が求められます。【参考文献】・『フィンランドの教育力ーなぜ、PISAで学力世界一になったのか』リッカ・パッカラ(著)●ライター/渦マキ(フリーライター)
2016年06月16日音楽教育が、子供の情緒や感受性、社会性や知能の発達にとても良い影響を及ぼすことは、すでに広く知られている事実です。また、子供たちが音楽を集中して聞くことで、言語を聞き取る能力もアップし、語彙力や語学力がつきやすくなるとも言われており、昨今ますます幼児のための音楽教室の人気があがっているようです。「音楽教室に通わせたいけれど、経済的な事情や、時間的な問題で難しい」というご家庭は、ぜひ家庭で音楽教育をしてみてはいかがでしょうか。今回は、家庭でもできる音楽教育についてご紹介したいと思います。つけっぱなしのテレビを消して、良い音楽を聞かせよう音楽教育というと楽譜を読んだり、楽器を弾いたりすることを想像しますが、 幼児期の子供にはまだまだ難しいもの。さらに楽器を演奏するにも、手が小さすぎますよね。ですから、乳幼児期はよい音楽をたくさん聞かせて、「耳つくり」をしてあげることが最も重要な音楽教育なのです。普段、リビングで子供と過ごすときなど、テレビをつけっぱなしにしているママも多いかもしれませんが、これからはテレビの代わりに良い音楽を流してみませんか。では、どんな音楽が子供にとって「良い音楽」なのでしょうか。クラシック音楽やジャズ・ポピュラー・日本の伝統音楽・童謡など、音楽といってもさまざまなジャンルがあります。もちろん、どのジャンルにもすばらしい音楽は存在していますが、子供におすすめなのが、それぞれの国の歴史とともに、長く生き続けてきたような音楽です。いくら流行しているとしても、機械的な音楽では、子供の想像力や情緒を育てることは難しいのです。手始めに、ママやパパが小さいころから聞いていた日本の昔ながらの童謡や、モーツアルトのクラシックなどの歴史ある音楽を選んで、部屋でゆっくりするときや、食事中のBGMとして流してみませんか?日常生活や遊びの中に音楽に取り入れる音楽教室ではなく、家庭で音楽教育をするメリットは、遊びや生活の一部として自然に音楽に親しめる点ではないでしょうか。子供が遊んでいるときに音楽を流してあげていると、無意識に子供の心に音楽が刻まれていきます。他にも食事中、寝かしつけの際、朝起きるときなど、その状況に相応しい音楽を選んで、自然な形で生活に取り入れていきましょう。また、子供が元気のないとき、イライラしているときは、まずは静かな音楽を流し、気持ちを落ち着けてから、活発な音楽を流すようにすると、子供たちの気持ちが明るくなったり いらだちをやわらげたりする効果があるとも言われています。このように、子供の気分を変えたり、気を紛らわせたりする手段として音楽を使ってみても良いでしょう。家族で一緒に音楽を楽しもう!子供の情緒や知能の発達に役に立つからと、一方的に子供に音楽環境を与えるだけでは、家庭での音楽教育は物足りないものになってしまいます。大切なのは、ママやパパの心にも、音楽を楽しむ余裕を持ってもらうことなのです。親子一緒に、童謡を歌ったり、音楽を聞きながらリズムを取ったりして、「音楽は楽しいものだ!」と子供が思えるようにしてあげましょう。ママやパパがピアノなどの楽器が弾けるのであれば、童謡やクラシックを演奏して子供に聴かせてあげることができますが、楽器が苦手だったとしてもハーモニカや鈴など、かんたんに演奏できる楽器を用いて、家族で歌いながら合奏するのもおすすめです。また「とんとんとんとんひげじいさん」や「いとまきまき」など、子供たちが大好きな手遊び歌を一緒に歌ったり、音楽に合わせて飛んだり跳ねたりすることも、立派な音楽教育です。このように、家族で音楽に親しみ、楽しんでいるという環境こそが、子供の音楽的感受性を育ててくれるのです。いかがでしたか?音楽が子供の心や脳に良い影響を及ぼすからといって、一方的に楽器を与えたり、子供が嫌がる音楽を聞かせようとしたりするなど、やみくもに「音楽」を押しつけることはやめましょう。子供たちが音楽に親しみを感じ、楽しめるようになってこそ、音楽が子供に良い影響を与えてくれるのです。まずは、親子で音楽を楽しみながら、子供が音楽に興味が持てるような環境づくりから始めてみましょう!
2016年06月08日楽天銀行は4月1日、「楽天銀行教育ローン」の提携大学として、新たに早稲田大学を追加した。○優遇金利で教育ローンが利用できる楽天銀行が提供する「楽天銀行教育ローン」は、提携大学に優遇金利を設定している。このたび、新たに早稲田大学が提携校となり、同大学に入学を予定している人または在学生が優遇金利の対象となる。なお、早稲田大学の関連校として、早稲田大学高等学院、早稲田大学本庄高等学院、早稲田大学高等学院中学部、早稲田大学芸術学校についても優遇金利を設定。提携大学は、東京理科大学、明治大学(在校生のみ)、日本大学芸術学部などがあり、早稲田大学で24校目となる。楽天銀行によると「提携大学の優遇金利の数値は開示していないが、提携大学以外の教育ローンの金利は、4月4日現在、固定で年3.900%、変動で年3.250%。提携校はこの数値よりは低くなる」とコメントしている。「楽天銀行教育ローン」の申し込みは、楽天銀行ホームページの申し込みフォームから入力する形式となっている。必要書類はスマートフォンのカメラで撮影し、「楽天銀行アプリ」で送付。申し込みから最短で翌営業日に融資する。
2016年04月04日LINEは、児童・生徒に情報リテラシーを身に付けてもらうとともに、コミュニケーショントラブルを防止することなどを目的として、東京都教育委員会と「SNS東京ルール」共同研究プロジェクトを立ち上げ、3月30日に本プロジェクトの実施にかかる協定を締結したと発表した。このプロジェクトでは、LINEがもつノウハウを活用し、児童・生徒に対するインターネットの適正な利用に向けた効果的な指導法や教材の開発などを行い、その成果を東京都教育委員会を通じ都内公立学校に普及することで、情報リテラシーや情報モラルに関する教育の充実を図るもの。具体的には、「情報リテラシーや情報モラルの効果的な指導法」、「情報リテラシーや情報モラルの補助教材の作成・改訂」、「実態調査」の3つで共同研究を行う。期間は2016年4月1日から2017年3月31日までだが、2019年3月31日まで延長可能だという。なお、LINEは2014年1月にネットリテラシーの啓発活動を行う専門部署を設立、学校や教育機関でのワークショップ授業・講演活動を実施。また、静岡大学との共同による情報モラル教材の開発等を行っている。
2016年03月30日楽天銀行は3月8日、東京理科大学と「楽天銀行教育ローン」の提携を開始したと発表した。○優遇金利で教育ローンが利用できる楽天銀行が提供する「楽天銀行教育ローン」では、提携大学に優遇金利を設定。このたび、新たに東京理科大学または諏訪東京理科大学が提携校となり、両校に入学を予定している人もしくは在校生は優遇金利の対象となる。なお提携は、東京理科大学で23校目となる。楽天銀行によると「提携大学の優遇金利の数値は開示していないが、提携大学以外の教育ローンの金利は、9日現在、固定で年3.90%、変動で年3.277%。提携校はこの数値よりは低くなる」とコメントしている。「楽天銀行教育ローン」の申し込みは、楽天銀行ホームページの申し込みフォームから入力する形式となっている。必要書類はスマートフォンのカメラで撮影し、「楽天銀行アプリ」で送付。申し込みから最短で翌営業日に融資する。
2016年03月11日ソニー・グローバルエデュケーションは3月8日、ロボット・プログラミング教育分野に向けた教育キット「KOOV」を発表した。KOOVは自由な形を作ることができるブロックと電子基板に、作った形をロボットとして動かすプログラムで構成されており、2016年夏の商品化を予定している。同製品は、同社が2015年秋に策定した教育カリキュラム「STEM101」を構成するThink(思考力)、Make(創造力)、Feel(探求力)の3つのプログラムのうちMakeを具現化したもの。開発は学校教材メーカーであるアーテックと共同で進めた。同社は「情報を察知し論拠を挙げながら種々の課題を解決する、21世紀型スキルを有するSTEM人材育成にKOOVが寄与するよう積極的に活動してまいります」とコメントしている。
2016年03月08日人工知能を活用することで英語教育を可能としたロボット「Musio」の開発を手がけるAKAは2月5日、成基およびGLOBAL VISIONの2社と 「教育効果の実証実験並びに教材開発実施に関する協力覚書(MOU:Memorandum of Understanding)」を締結したと発表した。今回のMOUは、2016年6月に予定しているMusioの正式販売前に成基およびGLOBAL VISIONが日本で蓄積してきた英語教育に関する知見やノウハウをもとに、 Musioを日本の英語教育向けに最適化していくことを目指したもの。具体的には、 成基が運営する英語学童教室「GKC(グローバルキッズ倶楽部)」ならびに個別指導塾「ゴールフリー」などにおけるMusioのパイロット導入および実証実験を通じて、 Musioを活用したより効果的な学習方法を開発するとしている。 また GLOBAL VISIONは、 実証実験で得られた知見をもとにAKAと共に英語学習コンテンツの開発を行い、同社のネットワークを通してMusioを公的・私的教育的機関へ販売する予定としている。なお、MusioはすでにAKAのWebサイトにて予約受付を開始している。
2016年02月06日モンテッソーリ教育は、シュタイナー法と並び「世界2大幼児教育法」と称される教育法です。根底にあるのは、子どもの「敏感期」がどういうものかを知り(→知る)、子どもをきちんと観察し(→見守る)、子どもに適切に声がけ、働きかけをする(→ときどき助ける)という子育てメソッド。欧米で実績のある手段なのだそうです。『知る、見守る、ときどき助けるモンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』(神成美輝著、百枝義雄監修)は、そんなモンテッソーリ教育を子育てに取り入れるためのコツを紹介した書籍。3章「『観察→発見→見守る』から始まる、今すぐできる10のこと」から、要点を引き出してみましょう。■1:観察する観察の目的は、子どもの「興味の中心」を見つけること。たとえば電車の名前をおぼえるのが好きだった子は、そこから、駅、地図、そこで働く人など、興味を広げていくもの。つまり子どもの興味の中心さえ見つけることができれば、そこから広がりを得ることができるということです。そこで、まずは子どもがなにに本当に興味があるのか、じっくり観察してみることが大切だと著者はいいます。■2:自由に選択させる「~しなさい」と親が決めたことをさせるだけでは、子どももやる気を失うもの。そうではなく、大切なのは「選択肢」を与え、判断力を育むこと。具体的には、小さいうちは「2択」。大きくなるにつれ、選択肢の数を増やしていくといいそうです。選択するという行動は、考える力につながるもの。なにかの困難にぶつかったときにも、「どうすればいいのだろう」と考えることができるようになるわけです。■3:見守り、挑戦させる子どもの方から「手伝って」「助けて」というサインを見せるまでは、大人はじっと待った方がいいのだと著者はいいます。なぜなら失敗をして、新たなやり方を見つける、もう一回最初からやってみるというようなことを繰り返すことによって、子どもは自分でいちばんいい方法を見つけ出すことができるから。「教えない教え」によって、やる気と自信、気づきの機会を与えるべきだということです。だからこそ、子どもの方から「手伝って」「助けて」のサインを見せるまでは、大人はじっと待った方がいいのだと著者はいいます。■4:ゆっくり見せる子どもにとって、大人の動きは早送りのDVDを見ているようなもの。普通のスピードでなにかを教えたとしても、まったくついていくことができないのだそうです。また子どもは、手と耳を同時に働かせることが苦手。口で説明をしながらなにかを教えても、混乱するばかりだといいます。子どもの動き方を教えるときには、(1)子どもがわかるように、ゆっくり見せる。(2)見せるときと聴かせるときを区別する。言葉での説明を同時にしない。ということを意識すべき。■5:子どもを待つ大人から見て、子どものペースが「のんびり」に見えたとしても、子どもは大人が思っている以上に考えているもの。順番を守ったり、習慣にこだわったりするなど、子どものなかには「厳しい秩序」があるので、そう簡単には進められないということです。そこで待ち時間は、「考える力」が伸びる時間であると心得ることが大切。■6:察するのをやめるお茶がほしいと目で訴えれば、なにもいわなくても用意してあげるなど、子どもの気持ちを察して先回りして動くことが多いのが大人。でも「察してしまう」ことが、意思を自分で伝える訓練の妨げになっているとか。知らんぷりをすることも、「伝える力」を伸ばすものであるということ。■7:ルールを設ける自由のなかに、ルールを持たせることも大切。きちんとルールがあり、それを破ると楽しめなかったり、トラブルになったりするということが学べるわけです。大切なのは、ルールをきちんと伝え、あとは見守ること。■8:オーバーにほめない子どもがなにかを「できた」と伝えてきたとき、大人は「やった~。すごいね~」とオーバーにほめてしまいがち。しかし子どもは何度も失敗してようやくできるようになったので、「これだけ練習したんだから、できて当たり前」「そんなにすごくはない」と思っているのだとか。しかし子どもは、「ほめられる」より「認められたい」もの。そこで、オーバーにほめずに、認めてあげることが大切だといいます。■9:共感する1歳半~3歳くらいまでの子どもは、なんでも「イヤイヤ」というイヤイヤ期。そんなときの対処法のひとつは、「イヤなのね。でも、いまから○○するからお片づけしよう」というように、“やりたくない気持ち”を受け入れることが大切。うれしいことも、イヤなことも共感することで、子どもとの心の距離がぐっと近くなり、「チャレンジ精神」が向上するそうです。■10:失敗させる子どもは失敗しながら多くのことを学ぶもの。だからこそ、間違っているときに教えてしまうのではなく、あえて失敗を「見せる」勇気が学力向上につながるのだと著者はいいます。*これらはほんの一例で、他にも「知る、見守る、ときどき助ける」ためにおぼえておきたいことが満載。子育てに四苦八苦している方は必読です。(文/書評家・印南敦史)【参考】※神成美輝(2015)『知る、見守る、ときどき助けるモンテッソーリ流「自分でできる子」の育て方』日本実業出版社
2015年12月05日「自分で考える力を養う」ことが教育の目標として掲げられ、欧米の教育が脚光を浴びています。そのための効果的な学習について、フランスやアメリカの例を取って、以下にまとめてみました。他人からの学びこそが、すべての基礎自分で考える力を養うためにまず重要なことは、「他人から学ぶ」こと。自分で考えるためには材料が必要であり、そのほとんどは他人から生み出される知識です。ごくごく一部の天才的なひらめきを除いて、新たなアイデアや発想、イノベーションのほとんどは、先人による知識の蓄積から学んだことが土台にあるといいます。そのため、アメリカの大学では学生に専攻分野で必読書となるものを徹底的に読み込ませ、論文を書かせます。週に1,000ページぐらい読むのは当たり前で、ほぼ毎週、何本も論文を書きます。読んで、書いて、読んで、書いてを繰り返すことで、先人が蓄積した知識を十二分に吸収し、それについて考え抜いた後で、ようやく自分で新たなアイデアを生み出すことができるようになると考えるからです。フランスでも同様に、大学への入学資格となるバカロレアは論述試験となりますが、これまで学んできたことを基にして自分の考えを理論的に展開する力が問われます。特に哲学の試験では、教科書をはじめ、数々の哲学書に書かれている内容を上手く整理し、最後に自分の考えを述べるようにしないと、高得点は得られないといわれています。実際に書いてみることが最良のトレーニング学びを基に自分の考えを深化させる上で最も確実な方法は、「書くこと」。自分の頭の中だけで整理してまとめることができる人も中にはいますが、ほとんどの人は、書いているうちに思考が深まり、考えがまとまるようです。書き始めると、論旨の展開や表現にも配慮するようになります。書くからには自己満足で終わらず、相手に理解して納得してもらいたいもの。特に、試験で高得点を得ようと思うと、学んだことを単に列記するだけではなく、重要な点をしっかりハイライトし、説得的に述べることがマストです。アメリカやフランスをはじめ、欧米の学校の試験は、ほとんどが論述式です。正しい回答を得ることよりも、それに到達するプロセス、つまり思考のプロセスを見ることが重要だと考えるからです。世の中には回答のない問題が山積みです。正しい答えが存在しない中、自分で回答を導き出すには、思考のプロセスが試されます。そして、最終的に正しい考えとして世の中の人々に受け入れられるためには、周囲が納得してくれるよう自分で説得していかねばらないからです。このように見ていくと、読書などを通じて、まずは「他人の考えについて学ぶこと」が重要であり、それを踏まえて、「自分の考えを説得的に述べることができるようになること」こそ、教育の集大成であり、「考える力を養う」ことであるということがわかります。(タベ真美)
2015年10月10日武蔵野銀行は23日、顧客の様々な教育資金ニーズに対応するため「教育サポートキャンペーン」を開始した。○一定の条件を満たすと通常標準金利から年1.40%の金利を差し引きする「教育サポートキャンペーン」は、2016年4月30日までのキャンペーン期間中に「むさしの教育ローン」または「プレミアム教育ローン」を申込みをした顧客(申し込み方法の条件あり)が、一定の条件を満たした場合、通常標準金利から年1.40%の金利を差し引きするとしている。今後も武蔵野銀行は、顧客へのより一層のサービス向上に努めていくとしている。
2015年07月27日日本マイクロソフトは6月26日、北海道大学(北大)が学生約2万名と全教職員が利用する情報基盤として、教育機関向けの統合型情報共有クラウドサービス Microsoft Office 365 Educationを導入したと発表した。また、北大は同時に教育機関向け包括契約(EES)の特典である「Student Advantage」を利用し、全学生が常に最新のMicrosoft Officeを無償で利用可能となる準備を整えた。2026年に設立150年を迎える北大では、学内のICT環境整備を進めており、今回、Office 365 EducationとStudent Advantageを利用することで、教員と学生のOfficeのバージョンを常に最新に保ち、BYODでの学習環境の向上と、トータルコストの削減の両立に成功。これまで個々の教員が購入・管理していたソフトウェアの利用状況の適切な把握や、教職員の退職、異動に伴うライセンス管理の手間の簡略化により、コンプライアンスの向上にもつながる。北大ではすでに、2015年4月より一部の教職員がOffice 365 Educationの利用を開始しており、今後、次期Microsoft Office製品の提供開始時期をめどに、速やかに全学生、全教職員への展開を進める。今後は、学生のBYOD推進に有効と思われるモバイルデバイス管理サービスや、クラウドの活用も検討している。
2015年06月29日京都大学学術情報メディアセンター、京都市教育委員会、日本マイクロソフト(MS)、日本電気(NEC)の4者は6月2日、同センターが京都市教委と連携して京都市立西京高等学校附属中学校において、情報化社会に対応した1人1台学習環境を見据えた持ち帰り学習でのICT教育モデルを構築するため、大量の学習データから生徒の学びの変化を検証する実証研究(プロジェクト名「京都ICT教育モデル構築プロジェクト」)を開始したと発表した。研究テーマは「持ち帰り学習でのICT教育モデル構築 ~完全1人1台のタブレットPCを活かした『持ち帰り学習』と『学習データ分析』~」。1人1台のタブレットPCを活かして持ち帰り学習することで、学校と自宅での生徒の日々の学習の変化を捉えて分析し、持ち帰り学習でのICT教育モデルを構築するというもの。実施期間は2015年4月~2016年3月31日の予定で、研究実践校は西京高附属中の全119名、3クラス。実験で使用するICT環境は、タブレットPCがWindows 8.1 Proを搭載するNEC「VersaPro J タイプVT」を140台、電子黒板はWindows 8.1 Proを搭載する同じくNECの「BrainBoard 65型」を3台、その他に無線LAN環境や充電保管庫、サーバ、デジタル小テストシステム、授業支援システム、技術・運用サポートなど。同研究の開始にあたり、MSとNECは協力パートナーと連携し、学習データ分析などに利用するデジタル小テストシステムなどを提供する。また、生徒が利用するタブレットPCや電子黒板、クラウド・プラットフォームなどのICT環境整備も提供する。京都市教委は京都大学の実証研究に賛同すると共に、西京高附属中を実証研究校に指定する。同研究の成果を踏まえて、2016年度以降の市立学校におけるICT活用授業をいかに推進していくかを研究したいと考えているとのこと。西京高附属中では、日々の自宅学習の記録やデジタル小テストの結果など大量の学習データを蓄えて分析した後、分析結果を指導に活かす教育を実践する。また、各教科や総合的な学習、部活動などにおいて、生徒が自分の意見を電子黒板で発表したり、生徒同士がグループで議論しながらタブレットPCでレポートを作成したりするといった、思考力・判断力・表現力といった「情報化で役立つスキルの向上」に主眼を置いた授業に取り組むという。4者の役割分担は、京都大学は学習ログ・データの分析手法を開発し、学習ログ・データから生徒の学びの変化を分析する研究を行う。京都市教委は、実証研究に必要な環境や情報を提供し、研究成果を踏まえて市立学校におけるICT活用のあり方を検討していく。MSは支援企業を取りまとめると共に、教育機関向けの統合型情報共有クラウド・サービスである「Office 365 Education」と、クラウド基盤「Microsoft Azure」を提供する。NECはNECフィールディングと連携し、学習データ分析に関わるICT基盤の整備を行う。また、生徒が利用するタブレットPCや電子黒板などのICT機器の提供や、システム構築をトータルに行っている。さらに、ICT機器の保守を行うと共にICT機器に関わるヘルプデスクを開設、必要に応じて要員派遣も含む技術・運用サポートを行う。今後は、教育関係者などに向けた公開授業と、実証研究成果の公表を予定している。
2015年06月03日20世紀初頭、オーストリアの神秘思想家、ルドルフ・シュタイナーが考案した、自由と芸術、そして創作を基調にした教育が「シュタイナー教育」です。近年、日本では、教育熱心な親御さんたちが注目している、オルタナティブ教育といわれるジャンルの1つです。現在、シュタイナー教育を行っている学校は、日本で8校。全世界では91ヵ国、1,000校以上に及ぶそうです(2015年4月時点)。今回はそんな世界に広がるシュタイナー教育の中から、注目のシュタイナー教育校を4校ご紹介します。■世界のシュタイナースクール(1)San francisco Waldorf school (北アメリカ、サンフランシスコ)カリフォルニア州は、全米でもっとも公的資金によるシュタイナー教育を行っている学校が存在している、オルタナティブ教育が盛んなエリアです。その中で35年間の歴史が在る、サンフランシスコ・ウォドルフ・スクールは、幼稚園から高校までウォドルフ教育を一貫して行っている、北アメリカで一番大きな私立のシュタイナースクールです。芸術や実践を重視するシュタイナー教育は、いわゆる一般的な教育を行っている学校との学力の差についてしばしば話題になりますが、サンフランシスコ・ウォドルフ・スクールは、Western Association of Schools and Colleges (WASC)(※)にも認定されていて、それぞれの学年でしっかり学力も学べる学校です。 (※)WASCは、アメリカに本部がある教育認定機関。WASCの認定資格は、世界的な資格として有用とされ、WASC認定校で12年の課程を修了した18歳以上の者は大学入学資格あり=高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められています。■世界のシュタイナースクール(2)Panyotai Waldorf School(タイ、バンコク)タイで一番初めに設立されたシュタイナースクールです。創設者である Porn Panosot医師が、自分の子どもを通わせたいと思う学校がなかったため、「いっそのこと自分で学校をつくってしまえ」と考えたことが、設立の理由の1つです。 Porn Panosot医師は、その後、医者を辞めて、アメリカまでシュタイナー教員の資格を取りに行き、1996年にPanyotai Waldorf School学校が開校されました。Panyotai Waldorf Schoolは学校法人認定校であり、タイ国内では、国内の有名大学のほか、海外の有名大学に進学する率がとても高い学校としても知名度があります。現在は、定員がいっぱいの状態。長いウェイティングリストに名を連ねなければ入学できない人気校です。 ■世界のシュタイナースクール(3)Rudolf-Steiner-Schule Schwabing (ドイツ、ミュンヘン)シュタイナー教育の生みの親ルドルフ・シュタイナーの出身国であるドイツ。1970年代に、日本に初めて「シュタイナー教育」を紹介した、子安美知子氏の著書「ミュンヘンの小学生」で、著者の娘さんが通っていた学校がRudolf-Steiner-Schule Schwabingです。系列校に、高等教育まで学べるRudolf-Steiner-Schule München-Schwabingという学校もあります。 ■世界のシュタイナースクール(4)Moscow Waldorf School Nr. 1060 (ロシア、モスクワ)ゴルバチョフ大統領が起こした政治改革運動、ペレストロイカ時代に行われたロシアの教育システム改善によって、ロシアにやってきたシュタイナー教育。全校生徒400名ほどのMoscow Waldorf School Nr. 1060は、1996年に公立の学校に認定されたシュタイナー教育校です。世界各国のシュタイナースクールには、ユネスコのプロジェクト校に指定されている学校も多くあります。興味のある方は、世界中の学校をネット検索してみるのもおもしろいかもしれませんね。
2015年05月20日「子どもが生まれたら学資保険に入りなさい」親からそう言われて教育資金づくりを意識するようになった人は多いのではないでしょうか。でも、教育資金を準備できるものは学資保険だけではありません。本コラムでは学資保険以外の保険を活用して教育資金を準備する方法をわかりやすく解説します。また、昨年(2014年)国会で可決された保険業法の一部改正により、保険加入の際に受けるアドバイスに変化の兆しがみえています。保険選びがどのように変わっていくのか。その方向性についてもお話しします。教育資金を効率よく貯めるために必要な4つの要素皆さまはデヴィッド・バックという人をご存じですか?アメリカで活躍している資産コンサルタントです。彼の著書「自動的に大金持ちになる方法[オートマチック・ミリオネア]」には、資産形成を成功させるには次の要素を満たす必要があると書かれています。日常のちょっとした無駄(コーヒーやたばこなどの「ラテマネー(注:著書に出てくる言葉)を節約する毎月の給与から一定割合を積み立てる積み立ての一部を投資にまわす長く続ける教育資金という資産形成をする場合、必要となる時期・金額がほぼ明確です。学費を払うタイミングで資金が足りないのは困るので、そうならないようにゴール設定を明確にして、積み立てを行うことになります。また、貯金が苦手な人は「続ける」ことが苦手なことが多いので、上記の要素を教育資金づくり向けに、次の言葉に置き換えてみました。小さな無駄を節約して、積み立てにまわすお金を捻出する毎月の給与から一定額を積み立てる必要な時期に資金が用意できるものを選ぶ解約しにくい金融商品を選ぶ教育資金づくりのための金融商品を選ぶときは、まず、4.解約しにくい商品を選ぶこと。特に貯金が苦手な人はこの要素が外せません。学資保険や貯蓄性のある生命保険の場合、短期間で解約すると解約控除(解約の手数料のこと)がかかる仕組みになっているので、解約しにくい(=続けやすい)ところがいいですね。なかでも低解約返戻金型終身保険は、保険料の払込期間中の解約返戻率を通常の7割以下に抑えてあります(図1)。しかも、「保険設計書」に解約返戻金の推移表が記載されているので、何年後に解約した場合にいくら戻ってくるかがあらかじめわかります。必要なタイミングで解約することを前提に利用することができます。図1 低解約返戻金型終身保険のしくみ資料:執筆者作成保険料の払込期間と解約返戻金をチェックする低解約返戻金型終身保険を教育資金づくりに活用する場合、真っ先に確認したいのは保険料の払込期間と解約返戻金の推移表です。家計に無理のない設定になっているか、その積み立てで必要な資金を用意することができるのかをみるようにしましょう。お子さまが生まれた年(お子さま0歳)で契約した場合、経過年数とお子さまの年齢が一致します。例えば、0歳のお子さまのいる30歳男性が、払込期間10年の低解約返戻金型終身保険に加入した場合、保険料の払い込みが終わるのはお子さまが10歳のときです。10歳は小学4年生になる年齢ですので、私立中学受験のために進学塾に通うことになったとしても、それまで支払っていた保険料を塾の費用に充てることができます。なんとかなりそうな積立計画といえるのではないでしょうか。保険料の払い込みが早くに終われば、それまで支払っていた保険料相当分を再び教育費に充当することができます。それも含めて、無理のない計画かどうかをチェックしてください。一般的に、契約年数の経過とともに解約返戻率は増加していきます。しかし、低解約返戻金型終身保険では、保険料払込期間中の返戻率を通常の終身保険より抑えてあります(その分保険料も抑えられています)。一方、保険料の払い込みが終わった後は、解約しなければ解約返戻金は年々増加していきます(図1参照)。一般的に支払った保険料の累計を上回りますが、この保険に加入する際は、解約返戻率が低く設定されている保険料払込期間中に解約することのないように、十分注意して計画をたてる必要があります。もちろん、解約返戻率は保険会社によって設定が異なります。複数の保険会社に見積りをとり、比較検討するとよいでしょう。保険募集時に義務付けられた「意向把握」と「情報提供」。保険業法改正で保険提案はこう変わる!保険業法では、これまで虚偽の説明等、「不適切な行為の禁止」に限定された募集規制が明記されているだけでした。しかし、今回の改正で新たに「積極的な顧客対応」が追加されることになりました。顧客ニーズを把握して提案すること(意向把握義務)や、お客さまが判断するのに必要な情報提供を行っていくこと(情報提供義務)が求められることになります。保険を提案する人(保険募集人)は、お客さまのニーズをくみ取ることと、保険加入にかかわる判断材料を適切に提示することを求められるようになります。これらは喜ばしいことですが、契約者である私たちが保険の内容を理解しようとしなければ、せっかくの制度改正も絵に描いた餅にすぎません。自分の意向を整理して担当者に伝えることと、複数の保険から比較して選ぶ努力を惜しまないこと。この2点に注意して保険を選びたいものです。コラム監修者プロフィール 柳澤 美由紀(やなぎさわ みゆき)CFP(R)/1級ファイナンシャルプランニング技能士関西大学社会学部卒。大学時代に心理学を学び、リクルートグループに入社。求人広告制作業務に携わった後、1997年ファイナンシャルプランナー(FP)に転身する。相談件数は800件以上。家計の見直し、保険相談、資産づくり(お金を増やす仕組みづくり)が得意で、ライフプランシミュレーションや実行支援も行っている。家計アイデア工房 代表※この記載内容は、当社とは直接関係のない独立したファイナンシャルプランナーの見解です。※掲載されている情報は、最新の商品・法律・税制等とは異なる場合がありますのでご注意ください。
2015年05月12日アシストは4月6日、企業における情報系システム構築の企画から要求定義、RFP(提案依頼書)策定までを支援する研修サービス「情報系RFP策定実践教育」を発表した。価格は10名までの場合で64万8,000円、提供開始は2015年5月の予定。外部委託の場合は特に、関係者が複雑化・多様化するため、システム企画や要求定義をしっかり練った上で、どのようなシステムを作りたいのかを提示し、発注先となるベンダーから最適な提案を引き出すためのRFP策定が重要となる。新サービスは、同社がこれまで情報系システムの構築支援において培ってきたコンサルティング実績をもとに、情報系システムの企画からRFP策定までを体系的に習得できる内容。同サービスはオンサイト形式で実施、ユーザー企業における実際の業務を対象にできるという。また、成果につながる情報をいかに生み出すかを目的としており、同社が顧客支援の現場で利用してきたオリジナルのテキストを利用し、演習を交えながら必要なスキルを習得していく。受講者が研修内容についてさらに理解を深められるよう、また、様々な課題を即座に解決できるよう、受講後3カ月間はアフターサポートを提供し、受講者を支援する。情報系システムの場合も基幹システムの場合も中核となるスキルは変わらないとしており、同研修はどちらのケースにも適用可能という。
2015年04月07日ソニー生命保険は13日、子どもの教育資金と学資保険に関する調査結果を発表した。それによると、子どもが小学生から社会人になるまでに必要な教育資金の平均予想金額は1,156万円となった。同調査は、2月15日~2月16日にインターネット上で行われ、大学生以下の子ども(複数いる場合は長子)がいる20~69歳の男女1000人に有効回答を得た。未就学児の親(248名)に、子どもが小学生から社会人になるまでに必要な教育資金はいくらくらいだと思うか聞いたところ、「500万円~900万円くらい」(14.1%)、「1,000万円~1,400万円くらい」(36.7%)、「2,000万円~2,400万円くらい」(14.1%)といった金額帯に回答が集まり、平均額は1,156万円となった。2014年調査の平均予想金額(1,229万円)と比較すると、やや減少傾向(73万円減少)となった。子どもを育てるにあたって、学校の学費以外にも様々な教育費がかかるが、親はそれらに対していくら支出しているのか。大学生以下の子どもがいる20~69歳の男女1,000名に、子ども一人に対し、学校以外での教育費に1ヶ月あたり平均でいくら支出しているかを聞いたところ(子どもが複数いる場合は長子について聴取)、子ども一人あたりの学校以外での教育費の平均支出額の合計額は9,757円/月となった。内訳は、スポーツや芸術などの習い事は3,335円/月、家庭学習費用(通信教育、書籍など)は2,424円/月、教室学習費用(学習塾、英会話、そろばん教室など)では3,998円/月となっている。子どもの就学段階別にみると、中高生の親が最も平均支出額が高く、16,079円/月となった。内訳を比較すると、中高生の親の教室学習費用への平均支出額は9,506円/月と、他の層に比べて突出して高い支出額となり、高校受験や大学受験に向けた学習費に、支出がかさむことがうかがえる。子どもを大学等へ進学させるための教育資金の準備方法について、高校生以下の子どもの親(748名)に聞いたところ、最も利用されている方法は「学資保険」で6割(59.5%)、次いで「銀行預金」が5割強(53.5%)となった。大学などのための教育資金を準備する方法は、学資保険と銀行預金が中心としている。
2015年03月16日ベネッセホールディングスはこのほど、顧客情報の登録が不要となる新しい教育サービス「BenePa」の発表を行なった。○情報登録不要、学習教材の新しい形同発表会には、代表取締役会長兼社長の原田泳幸氏のほか、国内教育カンパニーマーケティング本部本部長の的場一成氏、国内教育カンパニー中高生教育サービス本部本部長の上田朗子氏が登壇した。「BenePa」は、「住所・氏名の登録が不要」という、従来の通信教育モデルを覆すもの。インターネットに接続されたWindows/Macのパソコンで使用できるオンライン学習プログラムで、専用の機材などは必要としない。価格も500円からとリーズナブルなプリペイド方式で、やりたいところだけ、ニガテなところだけなど、学習するコンテンツを自由に選んで購入できることがポイントだ。従来の継続型通信教育モデルであれば、学校の進行度にあわせて次々に教材が届くため、ニガテや理解不足のところがそのままになってしまうこともある。だが、「BenePa」であれば学年を遡って購入することもできるため、個人に合わせたペースで学習を進めることができる。ラインナップは幼児向けから高校3年生までの豊富な教材が揃っており、「小学4年生の計算」「中学1年生の英文法」など、必要な単元ごとに購入する。今後、ラインナップも順次追加されるという。原田氏は「BenePaは教育事業ビジネスモデルのパラダイムシフト。BenePaをきっかけにして、進研ゼミや塾などの利用につなげたい。顧客との接点を増やしていく」と、「BenePa」を足がかりにグループ内での相乗効果を狙っていく考えだ。○動画や音声でわかりやすく学習「BenePa」には、「進研ゼミ」や「こどもちゃれんじ」で研究されてきた教材設計に加え、デジタルならではの設計が施されている。まず、理解度の調査のための「診断問題」で、どこが理解できていないのかを確認する。それがオンライン上で誤答率調査の反映がなされ、その結果を受けて「授業」、「応用」とステップアップ。効果的に、理解不足だった部分を「わかった」と実感できるように作られている。また的場氏は、「プリペイドカードを使い終えたら終わり、という教材ではない。住所や氏名は不要だが、個別のIDで学習履歴は管理できるようになっている。どこまで学習できているか、次にどのような学習が必要かまで管理できる」と、学習履歴をIDごとに管理することで、理解度などの把握もできるようなっていると話した。また、発音や作図など回答を見ただけは理解しにくい問題には、音声や動画でフォローするなど、デジタル教材ならではの学習コンテンツが用意されている。上田氏は、「オンラインならではの音声や動画を積極的に取り入れてあり、ひとりでもきちんと考えられる、わかりやすい解説になっている。必要なところだけを学べることが特長」とこれまでのノウハウに加え、デジタルならではの強みを合わせたつくりになっているとアピールした。○体験イベントには長蛇の列この日、エリアベネッセ青山には「BenePa」をいち早く体験しようと集まった人々で長蛇の列ができた。特に、子どもは初めて触れる学習教材に興味津々で、親子で並んで動画の解説などを熱心に見入っていた。「BenePa」はローソンのプリペイドカード売り場・書籍売り場で2月17日より発売される。今後、ローソン以外のコンビニなどにも順次販路を拡大していく予定。家庭学習の新たな選択肢として、強い味方になってくれそうだ。
2015年02月10日信託協会は2日、2014年12月末の教育資金贈与信託の受託状況を発表した。それによると、12月末の教育資金贈与信託の契約数は10万1,866件となり、前期(9月末)から1万2,765件増加した。信託財産設定額合計は前期比925億円増の6,973億円だった。教育資金贈与信託は、孫の教育資金として祖父母が金銭などを信託した場合に、1人当たり1,500万円まで贈与税が非課税となる制度を利用した信託商品。同協会によると、2014年4月1日の取扱い開始以降、新規の契約数・信託財産設定額が安定的に増えており、多くの人が利用しているという。
2015年02月03日Amazon.comの創立者ジェフ・ベゾス、英国王室のウイリアム王子とヘンリー王子。国外の多くのロイヤルファミリーや著名人が特に実は幼少時代にモンテッソーリ教育を受けていることをご存知でしょうか? 特に、Google.com の創業者、ラリー・ペイジ&サージェイ・ブリンは、かつて受けたインタビューで「幼児期に受けたモンテッソーリ教育なしでは、現在の成功はありえない」と語っているほどです。このように近年、海外で注目されているオルタナティブ教育法「モンテッソーリ教育」。国内でもこの教育方法を導入している幼稚園もありますが、日本ではまだ、馴染みが浅いのが現状です。そんなに素敵な教育方法であれば、試してみたくなるもの。実際、家庭でも、日常生活で取り組めるモンテッソーリ教育方法があれば取り入れてみたいのではないでしょうか? 「敏感期(0歳~6歳)」は、モンテッソーリ教育で発達の第一段階とされる一番大切な時期。今回は、2歳~6歳の子どもさんを対象に、日々の生活の中で無理なく取り入れられる環境作りのポイントを3つご紹介します。■家庭でできるモンテッソーリ教育(1)毎日の「ルーティーン」をしっかり決めよう幼児期の子供は、「今日」「明日」「明後日」という時間の区切りが理解できない時期です。正確な時間でなくとも、朝この時間には起きて、ごはんをたべて、お昼寝をするといった1日の流れ、大まかなルーティーンを家庭でも習慣づけてみましょう。■家庭でできるモンテッソーリ教育(2)サポートしながら自分のことは自分でやらせるモンテッソーリ教育の1つに「日常生活の練習」という分野があります。日常生活の取り組みを自分で行うことにより、自立心を養うというのが目的です、モンテッソーリの幼稚園などでは、子供用サイズのティーセットを使用してお茶を実際に入れてみたり、洗濯板を使い洗濯をしてみたりという日常生活を学習しています。家庭でも日々の生活、たとえば、・子供が自分で着替えやすい洋服を購入して、時間をかけてでも1人で着替えさせる・手を洗う時は、小さなボウルを用意して自分で手を洗わせるといった小さなことでも、できるだけ子供が1人でできるように、親がサポートしてみましょう。■家庭でできるモンテッソーリ教育(3)親は子供のお手本になるように行動するイライラして思わず子どもを怒鳴りつけてしまったり、TVを見ながらご飯を食べたり、「子どもには真似してもらいたくないな」と親が思う行動は、まず親自身が日常生活でしないように心がけましょう。親が本を熱心に読めば、子どもも自然に本を手に取るようになります。親は、援助者であるのと同時に子どものお手本です。そのことを忘れずに行動しましょう。どれも、簡単に行動を起こせる取り組みです。皆さんもぜひ、今日からご家庭で実践してみてはいかがでしょうか?
2015年01月16日楽天銀行は22日、「楽天銀行教育ローン」の取り扱いを開始した。「楽天銀行教育ローン」は楽天銀行が提供する初めての教育資金専用のローンとなる。楽天銀行は2009年4月より「楽天銀行スーパーローン」(カードローン)、同年5月より「フラット35」、2012年1月より「フラット35」と変動金利住宅ローンを組み合わせた「固定と変動」、そして2013年11月より「楽天銀行住宅ローン(金利選択型)」を提供してきたが、このたびの「楽天銀行教育ローン」の取扱い開始で、より顧客の資金用途に合わせたローンニーズに対応できるようになるという。○「楽天銀行教育ローン」の特徴簡単な申し込み方法申し込みフォームの入力は楽天銀行ウェブサイトから行う。また、必要書類はスマートフォンのカメラで撮影し、「楽天銀行アプリ」から送ることができるので、郵送の必要はない。「楽天銀行アプリ」を利用しない顧客は、必要書類を郵送する必要があるスピーディーな融資審査結果は原則翌営業日に回答する。また、申し込みから最短で翌営業日に融資するので、急ぎの顧客も利用できる。申し込み受付時間によっては審査結果の回答が翌々営業日以降になる場合がある選べる金利タイプと魅力的な金利金利タイプは「変動金利」と「固定金利」を用意したので、顧客のプランに合わせて選ぶことができる。また、「変動金利年3.36%」(22日現在)、「固定金利年3.90%」(同)と、魅力的な金利で提供しているという○商品概要なお、楽天銀行アプリはAppStoreおよびGooglePlayから無料でダウンロードできる。楽天銀行は、今後も魅力ある商品・サービスの提供を続けていくとしている。
2014年12月26日■最近よく聞く「オルタナティブ教育」っていったいどういう教育?みなさんは、「オルタナティブ教育」という名前の教育スタイルを耳にしたことはありますか?オルタナティブ教育は、学力だけでなく人間性を高める独自の教育スタイルを取り入れている海外では、ずいぶん前から人気がある教育です。世界中には、各種フリースクールを含めて大小さまざまな「オルタナティブ教育」が存在していますが、現在、世界の2大「オルタナティブ教育」といえば、オーストリア生まれの哲学者ルドルフ・シュタイナーが1919年にドイツで始めた芸術性を教育実践に多く取り入れた「シュタイナー教育」と、20世紀初頭イタリアの医学者、マリア・モンテッソーリが知的障害の幼児教育の成功から提案した感覚教育を行う「モンテッソーリ教育」です。■オルタナティブ教育(1)シュタイナー教育哲学者ルドルフ・シュタイナーが自身の哲学に沿った芸術性を重んじている教育法です。人間は、7年ごとに節目がくるという理念に従い、7歳までは体や心作りを重視して文字の書き方や読み方などは、まったく教えません。第二期である7歳から14歳までの時期は、芸術性を重視した授業を展開。家を建てたり、楽器を作ったりといった実践を通して知識を学び、教科書は一切使用しないという伝統的教育とはまったく異なるスタイルをとっています。それぞれ子どもの成長時期に合った感性を重視した授業で、自発性や個々の発想力を身につけていくようです。■オルタナティブ教育(2)モンテッソーリ教育感覚教育ともいわれているモンテッソーリ教育。特に、3歳から6歳の間を敏感期と呼び、子どもの五感が一番発達する時期だと、モンテッソーリ教育では考えられています。感覚の発達は、知識の発達の基礎になるという考えから、シュタイナー教育とは正反対に、幼少期から独自に開発した日常生活に密着した豊富な教材を使い教材を実際に手で触った教育を行います。知識を高める感覚を養うと同時に、自発的に自分から選択する能力を学ぶため、自分から教材を選ばせます。そして、その子どもがその教材をもっと続けたいという意思を表現すると、同じ教材を一定の時間以上、続けさせることもあります。この方法は、モンテッソーリ教育が、集中力と自発性を授業内で無理なく自然に身につけることができる理由のひとつのようです。■世界の著名人も受けていた! モンテッソーリ教育「モンテッソーリ教育」は、・英国王室のウィリアム王子、ヘンリー王子をはじめとした、各国王室教育・Google創立者であるラリー・ページとセルゲイ・ブリン、Amazon創業者 ジェフ・ベゾス、Facebook創業者 マーク・ザッカーバーグ、Wikipedia創業者 ジミー・ウェールズなど、現代を代表するトップ起業家・オバマ現米国大統領、クリントン元大統領にヒラリー・クリントン元米国務長官とする政治家このほかにも多くの著名人が幼少時に受けていた教育として近年、国内外での注目度が高くなっています。日本では昨年、2013年には教育再生実行会議が、国公立大学の入試2次試験を学力試験から、人物像を重視する面接に変更するという法案に変更する案を検討しているという動きがあります。グローバルに世界を渡り歩かなければいけない時代に生きる未来を背負う子ども達。学力以上に、人間性を重視する幼児期のオルタナティブ教育に日本でも今後もっと注目が集まりそうですね。
2014年12月11日