イヌとネコ、そして彼らと関わる人間たちの物語を綴る朗読劇『しっぽのなかまたち』。昨年12月の全労済ホール/スペースゼロ、今年5月の恵比寿・エコー劇場での好評を受けての第3弾が、11月19日に東京・天王洲銀河劇場で開幕した。上演はオムニバス形式で、今回は第1回から続く『小雪と小春と小太郎と』に新作3本を加えた4部構成。男性6人・女性2人のキャストは日替わりで、しかも公演日によっては違う役を演じることもある。舞台上には、パステルカラーで彩られたたくさんの円柱。BGMや効果音を担当するギタリストの森大造に続いて、大きな台本を手にしたキャストたちが登場。円柱に腰掛け、ときには大きく舞台上を動きながら朗読するスタイルを取る。1本目の『八月の冒険』は、母(山内鈴蘭)と暮らす耳に障害がある少年(神永圭祐)と、老いた聴導犬(荒木宏文)、新しく飼われた犬(東山光明)が繰り広げる一夜の出来事が軸になる。犬役の荒木・東山は人間役と同じような普段着だが、手にする台本カバーの色や毛並みで、どんな犬かを表現している。観客にだけは〝しっぽのなかまたち〟の思いが分かるという趣向が、観る者の想像力に訴える朗読劇によく合っている。しんみりするシーンでは、早くも会場のあちこちからすすり泣きが聞こえていた。続いて、観客同様なぜか犬や猫の気持ちが分かる獣医(加藤和樹)の苦悩を描く『シラトリ動物病院へようこそ』、落ちこぼれ学生犬(石田晴香、鎌苅健太、東山、平牧仁)が、老犬(加藤)からドラマ『ごくせん』や『3年B組金八先生』ばりの熱血指導を受ける『犬の卒業』。コミカルな中に、シリアスなテーマが織り込まれている。ここまでの3作には観客との交流コーナーがあり、キャストが客席に降りてきたり、観客をステージに上げてクイズを行ったりと賑やかだ。最後の『小雪と~』は、ペットOKの住まいを必死に探す飼い主(神永)と、それを気遣う猫2匹の思いを丁寧にたどる。シンプルな設定だからこそ、心に滲みるストーリーだ。猫役は石田・鎌苅で、ヤンキー犬をノリノリで演じた『犬の卒業』から一転、それぞれのキャラクターをじっくりと表現していたのが印象に残った。初日のキャストはいずれも役とハマッていたが、役替わりによってストーリーがどう変化するのかも非常に興味深い。公演は12月1日(日)まで。会場販売のリピーターチケットでは、ペットの写真提示による割引を実施中。取材・文:山上裕子
2013年11月21日だんだん寒くなってくると、温かいものが食べたくなりますよね。冬に登場するメニューはいろいろありますが、心も体も温まるようなスープは嬉しくなる一皿。スープと言えば、女優の小雪さんがスープにまつわる不思議な物語を朗読しているムービーがWEBで公開中なのを知っていますか?その名は、 「小雪 堪能小説」 。異常とも思えるほど丁寧にスープをつくる女性の物語が書かれた小説「堪能小説」を、小雪さんが昼下がりのリビングで、心を込めて、ときにやさしく、ときに強く朗読しているムービーです。プライベート空間での自然な小雪さんの表情を大切にしたというだけあって、まるで自分のリビングでゆったりとリラックスしているかのような小雪さんを見ることができます。衣装も、小雪さんが自宅で着ているような雰囲気のものを選んだのだとか。ドラマなどで見る表情とは別の小雪さんを見ることができそうです。また、小雪さんがくつろいでいるリビングは、スタジオ内にゼロから作り上げたものだそう。映像ではあまり映りませんが、窓の外で風に揺れる木々も実際に植え込むなど、こだわりの世界観を撮影現場全体で創り上げているだけに、素敵な空間の雰囲気が映像を通して伝わってくるかのようです。そんな上質な空間で、小雪さんが朗読する「堪能小説」。文章はエンタテイメント性があり、とってもユニーク。その物語をどこまでも忠実に演技した映像も見応えたっぷり。それらのユーモラスさと、小雪さんが登場する上質な雰囲気とのギャップもぜひ味わって。やさしく真面目な印象のある小雪さんが、謎に満ちた文章を丁寧に心を込めて読んだ撮影時には、小雪さんの美しい声の力に感動しつつも、こみ上げる笑いを堪えるのに必死なスタッフもちらほらいたとか。確かにそれもうなづけるような、落ち着いた美しさと可笑しさが漂った映像の仕上がりです。「小雪 堪能小説」というエンターテインメント性溢れる企画を、クールビューティで知られる小雪さんが軽やかに取り組むことで、小雪さんのチャーミングな一面が感じられる貴重な映像となったのかも。そんな「小雪 堪能小説」のムービーは、 こちら から見ることができます。ムービーの中の物語に登場する、異常とも思えるほど丁寧なスープのつくり方や、それを味わう女性の表情を見れば、思わずスープが飲みたくなるかも。小説を読み終わった小雪さんも、温かい美味しいスープを飲み終わったかのような、満足げな表情を浮かべています。美味しいスープには人の心を幸せにする力があるのかもしれませんね。ムービーを見てスープを飲みたくなったら、迷わず「小雪 堪能小説」に出てくるスープの作り方を参考にして。きっとこれまで以上に美味しいスープが飲めるはず。これを読んで、スープを美味しく飲めるようになるムービーって? と気になった人は、 こちら を見てみて。ひと目見れば、納得できるはず。・小雪 堪能小説 公式サイト
2013年10月23日東京・シアタークリエで、“新感覚・音楽朗読劇”と銘打った舞台『CROSS ROAD ~悪魔のヴァイオリニスト ニコロ・パガニーニ~』が上演される。キャストの紫吹淳、林原めぐみ、山寺宏一に稽古場で話を訊いた。藤沢文翁が作・演出を務める“新感覚~”シリーズは、これまでに『HYPNAGOGIA』(2009、2011年)、『Mermaid Blood』(2012年)が上演されている。そのすべてに出演してきた山寺いわく、「朗読劇ですが、音楽との関連性がすごく強い、総合的なエンタテインメントです。声優の大ベテランの方たちが、“すごい!”“こんなに面白い朗読劇は観たことない!”と感想を言ってくださるから、うれしいですよね」。一方、『Mermaid~』を客席から観たという紫吹は、「空間が飛び抜けておしゃれというか、他にはないほどゴージャスな朗読劇だと感じました」とその印象を話す。今回、土屋雄作率いるCasanova Stringsの生演奏に乗せて描かれるのは、19世紀のイタリアを舞台にしたあるヴァイオリニストの物語だ。「いただいた台本をパラパラとめくっているうちに、あまりの面白さで一気に読み終えてしまいました。それぐらい人を惹きつける力のある作品です」と紫吹は言う。主人公ニコロ・パガニーニは、悪魔から音楽の才能を授けられるが、その代償は決して安くはなかった。100万曲目を演奏した時に、自らの命を引き渡さなければならない。名声が高まるほど死に近づく、という皮肉な運命が彼を悩ませる。紫吹が「今年最後の男役」としてパガニーニを演じ、山寺は執事アルマンドなど6役、林原はロマの女性ミーシャなど3役を演じ分ける。出演者は座ったたま動かず、セリフだけですべてを表現していく。「アニメに声をあてる作業に近いかもしれない」というのは林原だ。「まず脳の中に登場人物のビジュアルを作って、それに声をあてていく感覚なんです」。自らを「基本、人前に出ないのが楽しいタイプ」と称する林原を舞台で観られるのは希少な機会だが、本シリーズへの参加は、2011年の『HYPNAGOGIA』に続いて2回目となる。「普段スタジオでしている作業をステージ上でやるというつもりで臨みました。生の演奏やSEが入ってくることで、脈打つというか、舞台は生き物だなあということを肌で実感しましたね」。「普通の朗読劇だと思って見逃すと、損をしますよ!」と山寺が念を押す。3人の豊かな声と弦楽器の深い音色が響き合うコラボレーション。それは観客に聴く快楽をもたらすに違いない。『CROSS ROAD ~悪魔のヴァイオリニスト ニコロ・パガニーニ~』は、シアタークリエにて9月22日(土・祝)・23日(日)に上演。
2012年09月10日TOEIC(R)プログラムを実施・運営するIIBC(一般財団法人 国際ビジネスコミュニケーション協会)は、効率的な多読学習とリーディング能力向上を助ける「Lexile(R)(レクサイル)リーディングガイド」の登録者数が、昨年10月26日の提供開始から約7カ月で1万人を突破したと発表した。同サービスは、テストの申し込みや学習サポートが受けられる無料会員サイトTOEIC SQUAREの会員だけが利用できる、提供無料サービスのひとつ。TOEICテストのリーディングスコアおよび受験日などの情報を入力すれば、英語のリーディング能力アップに最適なオンライン記事や書籍を紹介してくれるので、効率的な多読学習とリーディング能力向上に役立てることができる。同社によれば、リーディング能力の向上には、難しすぎず、易しすぎない素材から、興味関心に合ったものを読むことが効率的と言われているとのこと。日々のリーディングを重ねることで、さまざまな語彙(ごい)や表現、構文に生きた形で触れることができるため、英語力の向上にもつながるという。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年05月30日日本のドラマ『Pure Soul』のリメイクで大ヒットを放った韓国映画『私の頭の中の消しゴム』。『朗読劇私の頭の中の消しゴム』は、この究極のラブストーリーを日替わりの豪華出演陣が生声で表現し、好評を博している舞台だ。今回4回目となるこの公演に、昨年上演の『3rd letter』から続けて出演する福山潤に話を訊いた。『朗読劇頭の中の消しゴム 4th letter』チケット情報ふだん声優という仕事に携わっている福山にとって、昨年の出演は念願のものだったという。「自分がいつもいるフィールドとは別の場所から声をかけていただいたことが、本当に嬉しかったです。『読む』ということに対してはもちろん、プロフェッショナルであるという意識はあります。ただ、ひとつの空間の中で、生で2時間ひとつの作品を伝える、成功も失敗もすべて1回限りでその場のお客様と共有する、というのはアフレコとはまったく違う。自分でも『ここまで気持ちが盛り上がるものなのか』とか新しい発見が多くて、本当に大きな経験になりました」。その思いが忘れられず、この1年は「いつか次に声がかかった時のために」と自分を磨く日々だったのだとか。「また呼んでいただけるとは思っていませんでしたが、『一応、念のために公演時期のスケジュール空けといて』とマネージャーに伝えてはいました(笑)。昨年の公演の経験はせっかく自分のなかに植えられた種だから、ちょっとずつ技術に磨きをかけて『今ならこうできる』というイメージだけは頭の中に走らせていたんです」。今回の相手役は、市川由衣。経験者としてリードしていく立場になるのかと思いきや、意外な言葉が返ってきた。「経験者だからこそ、これまでの知識や感覚が邪魔になることもあると思う。一旦気持ちをまっさらにして、市川さんと雰囲気をつくっていくことができれば」。1年を経て、今回はまた新たな福山の顔を見ることができそうだ。「時を経て同じ作品に挑むのは僕にとっても新鮮。声優という職業は、見た目にも年齢にも左右されないで役をやることが多いんです。30代の僕が10代も老人も演じる。でも、この朗読劇では自分の素の年齢に近い役を、ビジュアル面も担当してやらせてもらえる。だからこそ見た目や声など、言葉以外の説得力をいかに観客に与えられるかが難しいところだし、面白いところです。このなかなかない経験をめいっぱい楽しんで、1年前から年を重ねた分の変化を出せたらと思います」。公演は5月2日(水)から7日(月)まで東京・天王洲銀河劇場にて上演。チケットは発売中。なお福山は、5月5日(土)13時と6日(日)18時の回に出演する。取材・文:釣木文恵
2012年04月11日公演を重ねるたびにその魅力的な組み合わせが話題を呼んできた『朗読劇 私の頭の中の消しゴム』。もともと日本のドラマ『Pure Soul』として生まれ、韓国映画としてリメイクされて大ヒットした『私の頭の中の消しゴム』。朗読劇となって早くも4回目を迎える。今回もバラエティに富んだ出演者が揃うなか、ミュージシャンとしてだけでなく最近は舞台での活躍も目覚ましい米倉利紀に話を訊いた。「朗読劇私の頭の中の消しゴム4thletter」 チケット情報ミュージカルからふたり芝居まで様々な舞台を経験している米倉だが、朗読劇は初挑戦。「お話をいただいてまず冗談交じりに訊いたのは『朗読劇ということは、セリフを覚えなくてもいいんですね?』ってこと(笑)。ありがたいことにここ数年立て続けに舞台に出演させていただいていますが、朗読劇は一度も観たこともなかったんです。それでも『米倉さんの声と存在がほしい』と最高の褒め言葉をいただいたので、その期待に応えられるよう、この声と身体だけを持って稽古場に行こうと思っています」。記憶をなくしてゆく妻と、それを支える夫。舞台上のふたりは、永久不滅の愛を交わしていかなければならない。「役者としての軌跡はまだまだだですが、20年間歌い手としてメロディに心ある言葉をのせてきたという自負はあります。たとえば昨日の『愛してる』と今日の『愛してる』は全く違う、それぐらい気持ちと声って直結したものだと思ってるんです。たった2回の本番ですが、2回とも全く違うものを表現できればいいなと思っています。ぜひ両日観てほしいですね(笑)」。これまで回を重ねてきたシリーズに出演するというプレッシャーはあるが、過去の作品はあえて観ないようにしているのだとか。「誰かの真似になってしまっては意味がないので、映画も、これまでの公演もひとまずは自分の公演が終わってからのお楽しみにとってあります。まっさらな自分のままで、奇をてらわずに自然に演じられれば」。舞台を経験したことで、米倉は自身の音楽活動にも影響があったのだという。「歌詞、台詞、言葉、同じ言葉でもいろんな表現方法があるという事を改めて心が自覚したのは大きな収穫です。音楽はすべて自分でプロデュースしていますが、舞台では演出家の方に自分を料理される楽しさを実感しています。今回も演出の岡本貴也さんと、相手役の馬渕英俚可さんにいろんな形で助けていただきながら、ミュージシャンである僕にしかできない役を作り上げていきたいと思います」。公演は5月2日(水)から7日(月)まで東京・天王洲銀河劇場にて上演。チケットは発売中。なお米倉は、5月2日(水)12時半と3日(木)13時の回に出演する。取材・文:釣木文恵
2012年03月28日未曾有の大震災から1年。現在も続く復興状況の中、“鎮魂と復興協力への新たな思い”を舞台から届ける朗読プロジェクト、朗読『宮沢賢治が伝えること』が発表された。『銀河鉄道の夜』や『風の又三郎』で知られる、詩人で童話作家の宮沢賢治の言葉を、朗読劇として上演する。プロジェクトに賛同したのは総勢38名の“舞台人”。舞台で活躍している俳優、演出家、劇作家らが1公演に3名ずつ、ステージごとに様々な組み合わせで出演する。出演者は蒼井優、麻実れい、伊藤蘭、内山理名、大竹しのぶ、貫地谷しほり、木村佳乃、黒木メイサ、小池栄子、小泉今日子、小林聡美、白石加代子、鈴木杏、鈴木京香、戸田恵子、広末涼子、宮沢りえ、本谷有希子、井上芳雄、浦井健治、江口洋介、風間杜夫、篠井英介、笑福亭鶴瓶、鈴木浩介、高橋克実、段田安則、堤真一、中川晃教、長塚圭史、野村萬斎、平幹二朗、星野源、松尾スズキ、松坂桃李、三谷幸喜、八嶋智人、山本耕史(男女別・50音順)。演出は栗山民也が務める。日本の演劇界を代表する錚々たるメンバーが顔を揃え、宮沢賢治の言葉の力をエネルギーに、舞台から被災地へ思いを届ける。公演は東京・世田谷パブリックシアターにて5月9日(水)から6月3日(日)まで開催。チケットは4月7日(土)より一般発売開始。キャストの組み合わせ・出演日詳細は、シス・カンパニーのホームページ(で追って発表される。なお、公演の収益の一部を東日本の被災地へ義援金として寄付する。
2012年03月13日ジョージ・クルーニーやブラッド・ピットら、豪華キャストを集めて1日限りの上演を行った朗読劇「8」が200万ドル以上の収益を「American Foundation for Equal Rights」に寄付した。3日、ロサンゼルスのウィルシャー・エベル・シアターで上演された「8」は、『ミルク』、『J・エドガー』のダスティン・ランス・ブラック作の戯曲で、カリフォルニア州の同性婚を禁止する「提案8号(Proposition8)」を題材にしたもの。同性愛者、異性愛者に平等の権利を求める主旨に賛同したマーティン・シーンやケヴィン・ベーコン、TVシリーズ「glee/グリー」のクリス・コルファーらも出演した。公演はインターネットでも中継され、20万以上ものアクセスがあったという。ジョージ・クルーニーは出演を決めた理由について「歴史の正しい側に立つことは大切だ。20年後には、なぜ僕が立ち上がったかなんて誰も疑問に思わないようになっていてほしい。いまに、どうしてこんなことが問題になったのかと人々が思う日が来るだろう」と「The Hollywood Reporter」誌に語った。(text:Yuki Tominaga)■関連作品:ファミリー・ツリー 2012年5月18日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2011 Twentieth Century Foxスーパー・チューズデー~正義を売った日~ 2012年3月31日より丸の内ピカデリーほか全国にて公開© 2011 Ides Film Holdings, LLC glee/グリー踊る♪合唱部!? [海外TVドラマ]© 2009-2010 Twentieth Century Fox Film Corporation.All Rights Reserved.■関連記事:【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~クラシック編~【アカデミー賞】華麗なるレッドカーペットファッション!~セクシー編~スーツ男子1位は藤木直人!向井理、G・クルーニーら色気と知性を備えた俳優たちも【アカデミー賞】脚色賞に『ファミリー・ツリー』、脚本賞はウディ・アレン監督へG・クルーニーは悪ふざけの天才?色男2人のオフショット写真を独占入手!
2012年03月06日ケヴィン・ベーコンと人気TVシリーズ「glee/グリー」のクリス・コルファーが、ロサンゼルスで1回限定公演の朗読劇でジョージ・クルーニーと共演することが決まった。ケヴィンたちが新しくキャストに加わった朗読劇「8」は、『ミルク』でアカデミー賞オリジナル脚本賞を受賞し、『J・エドガー』も手がけたダスティン・ランス・ブラックが手がけており、カリフォルニア州の同性婚を禁止する「提案8号(Proposition8)」を題材にしている。同州では2008年6月に同性婚が許可されたが、同年11月の住民投票により同性婚を禁じる州憲法改正が可決、同性婚支持者から違憲だと提訴された。サンフランシスコ連邦高裁は今月7日にカリフォルニア州の同性婚禁止は合衆国憲法に違反するとの判決を下している。物語は2010年6月の最終弁論を基にしていて、ジョージ・クルーニーとマーティン・シーンは原告側弁護士を演じ、ケヴィン・ベーコンは提案8号支持側の弁護士、クリス・コルファーは両親から矯正セラピーを強要された経験を証言する青年を演じる。また、「glee/グリー」のマシュー・モリソンとTVシリーズ「ホワイトカラー“知的”犯罪ファイル」のマシュー・ボマーは原告の同性カップルを演じ、判事役で『おとなのけんか』のジョン・C・ライリーの出演も決定。公演は3月3日(現地時間)にロサンゼルスのウィルシャー・エベル・シアターで行われる。『スタンド・バイ・ミー』のロブ・ライナー監督が演出を務め、その収益は全米国民に対する平等権を求める基金「American Foundation for Equal Rights」に寄付される。(text:Yuki Tominaga)© Abaca USA/AFLO■関連作品:おとなのけんか 2012年2月18日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて順次公開ホワイトカラー“知的”犯罪ファイル [海外TVドラマ]© 2011 Twentieth Century Fox Home Entertainment LLC. All Rights Reserved.J・エドガー 2012年1月28日より全国にて公開© 2011 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC.glee/グリー踊る♪合唱部!? [海外TVドラマ]© 2009-2010 Twentieth Century Fox Film Corporation.All Rights Reserved.■関連記事:ナオミ・ワッツがダイアナ元英国王太子妃の伝記映画に主演C・イーストウッド、スーパーボウル中継で放映の出演CMにオバマ支援の意図はなし8割が「いままでのレオと違う!」『J・エドガー』試写会アンケート発表!レオ様、チャリティ・オークションにプレミア&パーティに同席できる権利を出品レオ×イーストウッド×ナオミ・ワッツが激論!『J・エドガー』超レア座談会<後編>
2012年02月16日野外の特設ステージにて繰り広げられる大沢たかおの朗読劇、一期一会。斬新でありながら日本の伝統美の香りを強く醸し出す刺激に満ちた舞台が、今年も幕を開けようとしている。昨年の『義経』に続く第2弾として大沢が選んだ演目は、シェイクスピア悲劇の名作『マクベス』だ。チケット情報稽古場では音楽を担当する吉田兄弟を始め、新・純邦楽ユニットWASABI、津軽三味線集団 疾風の面々が揃って、中央に立つ大沢に意識を集中させていた。大沢はシーンを細かく区切って進めながら、ところどころで音楽の雰囲気や緩急、踊り手の女性たちの動きなどに明解な指示を与えていく。時に笑いを誘ってなごやかに確認を終えると、瞬時にシーンに入り込み、語り手、マクベス、マクベス夫人…と多役を情熱的に演じ分ける。圧巻の切り替えの早さ、集中力。あえて演出のクレジットは出さないが、これはまさしく大沢たかお構成・演出の舞台なのだと再認識させられた。「“演出”なんて書かれたらこっぱずかしくて(笑)。基本的には朗読劇ですが、ただ本を読むだけではつまらない。どうしたらお客さんに楽しんでもらえるか。この朗読劇は僕にとって楽しめる時間なんです」。稽古の後、大沢はこの舞台がいかに自分にとって心躍る挑戦であるかを涼やかに語ってくれた。『マクベス』の選択理由は「起伏に富んだストーリーが描きやすいかな、と」。「ここに出てくるマクベスの出世欲をあおる魔女たちの囁きは、自分自身の心を投影した言葉だと思うんですよね。自ら蒔いた種によって歯車が狂って転落していく。人間誰にでも起こりうる展開が面白い」。胸に迫る津軽三味線の響き、絵画館前や大阪城といった歴史を抱える場所、衣裳においても、シェイクスピア作品をもり立てるテーマは“和”を強く感じさせるが……。「和というかアナログですね。可能な限り生の楽器の音色を聴いてもらい、僕も自分のできる限りのことをする。そしてお客さんの想像力を借りなければ成立しません。たまたまその日、その会場で出会った人たちとの間で奇跡が起きました、といった感じかな」。それこそが一期一会。「思いっきりやって自分の本業に戻っていきたい」という言葉からも、この舞台に立つのは単に俳優・大沢たかおではないようだ。では一体、何者?「遊び人、です(笑)。夏の終わりを風情のある場所で、皆さん一緒に遊びませんか?とね」。彼の遊び心に身を委ね、二度と巻き戻せない一期一会の時をとくと味わいたい。東京公演は8月26日(金)、27日(土)、明治神宮外苑・聖徳記念絵画館前特設ステージにて、大坂公演は9月3日(土)、4日(日)、大阪城西の丸庭園内特設会場にて上演。チケットは現在発売中。取材・文上野紀子
2011年08月24日去る6月11日(土)、ユニークなイベントに行ってきました。それは、第一回「キタコレ世音堂(ぜのんどう)」という朗読ライブ。単なる朗読劇なら、珍しくありませんが、3人の俳優たちによって朗読される物語は、3人の小説家たちがそれぞれ創作した短編作品で、その元になっているのが3枚のお題写真。つまり、別々の人間が“(自宅から1分以内の場所にある)新しい世界”というテーマに沿って撮影した3枚の写真すべてをインスピレーション源として、3人の小説家がそれぞれ自分なりに物語を創作していくのです。小説家に課せられたルールは3つ。1)お題写真3枚すべてを使って、物語を創作すること。2)文量は4,000字(原稿用紙10枚)以内のこと。3)最後の一行を、タイトルにすること。お題を与えられてから、小説家に与えられたのは3週間という短い時間。ほとんど“大喜利”状態です。このアイディアの源について、主宰者で作家の柴崎竜人さん(左下写真)はこう話しています。「落語の世界には、“三題噺”という催しがあります。寄席に集まった客のなかから3人を選び、それぞれにお題を出させ、その3つのお題をすべて使って即興落語を創作するイベントです。これを小説でもやってみたいと何年も前から思っていました。写真をお題にするというのは伝わりやすいし、同じお題を使うことで、作家の個性が出るのではないかと思ったんです」。確かに、3枚の写真から発想された3つの物語は、展開も、主人公たちも実に様々。同じ種(写真)から、全く違う花(物語)が咲くという有機性も素敵でした。写真を撮影したのは、「GyaO!」の取締役社長・川邊健太郎氏、タイの国民的作家でデザイナーのプラープダー・ユン氏、プロの専業主婦・保科和賀子さん。作家は、柴崎氏に加え、脚本家で作家の狗飼恭子さん、作家で女優の藤谷文子さん。それぞれの作品を読んだ俳優陣は、篠原ともえさん(柴崎作品)、宮本一粋さん(狗飼作品)、木下ほうかさん(藤谷作品)。俳優たちは作家たち自身が選んだそうで、狗飼さんによると「全員が、それぞれの第一希望だったんですよ」。聞いている者としては、目の前で、声によって立体的に浮き上がっていく文学を前に、こんな人が朗読したらどうだろう、この物語を男性が(もしくは女性が)朗読したらどんなだろうと、様々な可能性を考えずにはいられず、とても心躍るものでした。イベントで披露されたものは、よくある“綿密に練られた末に生まれたもの”の対極にある、“素敵な思いつきの結晶”であり、とても新鮮。目の前で展開する世界には、クリエイティブな世界にしばしば起こる素晴らしい偶然性のようなものがひしめいていました。写真を撮影した人物のひとり、川邊健太郎さんはライブ会場を訪れていて、終了後、「制約をつけて申し訳ない気持ちです。もう使わなくて結構ですという感じでした」とコメント。でも、イベントの第二部として、トークショーのために登場した3人の作家の満足気な表情を見ていて、彼らがその制約をとても楽しんでいるように感じました。制約があるからこそ生まれる、いままでにはなかった自由な発想を。以前、ある人気作詞家に話を伺ったことがありましたが、「制約があると、燃えますね。制限の中で、どれだけ自分らしさを出せるかが面白いし、挑戦しがいがある」と話してくれました。クリエイティブな才能とは、好き勝手に創造できるだけではなく、制限の中ですら、世界を無限に広げていけるチカラのことを言うのでしょう。そんなことも、実感できた一夜でした。この素敵な公演の収益は、「心のとしょかんプロジェクト」に全額寄付されるとか。3月11日以降、様々なチャリティイベントが開催されていますが、このイベントの目指すものをご紹介するために、最後に柴崎氏の言葉を引用しておきます。「なんでもかんでも311を引き合いに出して悲嘆に暮れるのはそろそろいいんじゃないか。と僕も思うけれど、もはや僕たちはあの日以前の世界に戻ることはできないし、いま日本に生きている人々の意識は、あの3月11日14時46分に、ひとつ残らず紐付けされてしまっている。世界は変わってしまった。それも決定的に。もはやシーベルトやらベクレルやらという単位を知らなかった頃の自分には戻れない。でも、僕らは結局こうして生きているわけだし、残る数十年を落ち込んだまま過ごせるほど、お人好しじゃないはずです。未来はテレビのなかの悲観論者やデマゴーグたちだけのものではありません。僕らだって未来を想像したいと思う。できれば楽しいことや、色っぽいことで満ちているような。その力が、あるいは新しい社会を作る創造力になるかもしれません。『あのコの隣に座りたい!』。そんな超個人的な想像だって、誰かを救う原動力になりえるはずです。この『キタコレ世音堂』は以前、作家仲間のあいだで試したことのある遊びでした。同じ写真を使っているのに、できあがってくる物語はまったく別。SF、ラブストーリー、サスペンス。その違いが面白かった。それは『同じ景色を見ているのに、受けとる美しさは人それぞれ』という世界の成り立ちそのものを、追体験しているような感覚でした。初回のキタコレ世音堂には、この遊びを面白いと感じ、共有してくれる友人たちに協力していただいています。いま僕らの目の前に広がっている景色は同じ。でも未来は好きなように想像できる。このイベントに触れた方々にとって、希望ある新しい世界を想像できるきっかけになれば幸いです」。第一回「キタコレ世音堂」の公演の模様は、7月には、Ustreamで放送予定。詳しくは、世音堂サイトへ。(text:June Makiguchi)「世音堂」公式サイト「心のとしょかんプロジェクト」公式サイト
2011年06月22日8月21日(土)公開の映画『NECK ネック』に出演している栗山千明の朗読によって6月に4週にわたってラジオドラマとしてTOKYO FM「RADIO DRAGON」でオンエアされた、作家・舞城王太郎(映画原案)の書き下ろし短編小説「NECK a story」が未公開の新エピソードとあわせて公式サイトで配信されることが決まった。映画はお化けを作り出す研究を進める大学院生・杉奈と、彼女の実験に巻き込まれた彼女に恋する後輩、人気作家、その担当編集者らの恐怖体験を描いた“胸キュンホラー”。舞城王太郎が原案を担当しており、同じモチーフによる別の物語が舞台としてすでに上演されているほか、異なる複数の物語の文庫化、劇中の人気作家・越前魔太郎の名義による小説の雑誌への掲載など、様々なメディア展開が行われる。今回、配信が決まったラジオドラマは、映画同様“ネック”すなわち“首”をモチーフに舞城さんが書き下ろした短編小説を、自身、舞城さんの大ファンという栗山さんが朗読する形でラジオドラマとして放送されたもので、6月の放送時は第1話から4話がオンエアされ、今回、新たに未公開の第5話を加えて配信される。ちなみに、こちらの短編小説は、先日より「NECK」というタイトルで講談社より刊行された文庫の中に「NECK a story」の名で所収されている。ラジオドラマは7月29日(木)より公式サイト上で配信開始。映画『NECK ネック』は8月21日(土)よりシネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて公開。映画『NECK ネック』公式サイト■関連作品:NECKネック 2010年8月21日よりシネマサンシャイン池袋、新宿バルト9ほか全国にて公開© 2010『NECK』製作委員会■関連記事:お化けが生まれる仕組みを科学する?『NECK』特別映像が到着相武紗季、溝端淳平らがネック・マシーン除幕式でくいだおれ太郎と対面!舞城王太郎が『NECK』Twitter上で新小説の連載をスタート!小松彩夏5年間の“初恋”は「気持ちを確かめ合っただけ」ドキドキを体験!『NECKネック』カップル限定試写会に45組90名様ご招待
2010年07月29日