「毒義母がヤバイ」第6話。退院して約3カ月里帰りしたみゆきさん。ついに義実家での生活が始まる……!家事をこなしてからきいちゃんをお風呂へ。ところが! 娘のきいちゃんをお風呂に入れたことで、なぜか義母から文句を言われてしまった……。「毒義母がヤバイ」第6話 娘のきいちゃんをお風呂に入れたことで、なぜか義母から文句を言われてしまったみゆきさん。 「え? 義父が入れようとしてたなんて、聞いてないけど……?」 と思いながらも、「すみません」と謝ります……。 次回、さらにみゆきさんの困惑は続きます。 著者:イラストレーター みゆき2020年4月に娘を出産しました。ブログ、Instagramにイラストエッセイ「ギリ揉め」と、日常・育児の漫画を描いています。
2021年02月20日夫に子どもを預けて、たまには一人でゆっくりおでかけしたいですよね。でも、家に帰ると子どもがあざを作っていたり、ひざをすりむいていたり…。理由を聞くと「大したことないよ。目を離した隙にちょっと…」と苦笑いする夫。でも、笑ってすませられることではないこともあります。東京消防庁発表の 「救急搬送データからみる日常生活事故の実態」 によると、5歳以下の子どもが事故に合う場所は約7割が家の中。つまり、ほとんどの場合は親と一緒の時に起こっており、そのうち約10人に1人の割合で入院が必要な中等症以上となっています。どうして、親がそばにいながら、子どもの事故は起こってしまうのでしょうか? その理由を紐解いていきましょう。■子どもの事故、実は「親の脳タイプ」が原因になっていることも?一般的には、切り替えがうまく、複数の異なる作業を同時進行できるのがマルチタスク悩。一方、「今、目の前のこと」を最重要と捉えて打ち込む傾向がある方は、シングルタスク悩といわれ、他の作業を同時進行で進めることは苦手なようです。どちらの悩タイプなのか、見分け方としては「1日1回以上はやり忘れがある」かどうかで判断します。例えば、ゴミ当番なのに出し忘れた、頼まれた買い物をし忘れた、郵送物を出し忘れたなど些細なことで構いません。やり忘れて落ち込むことが1日1回以上あり、それが続く人は、シングルタスク悩の傾向が強いといえるでしょう。家事育児は、さまざまなことを同時進行で進めないといけないことが多いため、マルチタスクだといえます。小さいお子さんのいるご家庭なら、夕方はまるで戦争のような忙しさ。たとえば、子どもをあやしながら夕食の下ごしらえをして、早めに子どもと一緒にお風呂に入った後は、子どもの支度をしつつ自分も身支度を整え、夫の帰宅に合わせて夕食の仕上げをし、食器を洗いつつ洗濯機を回し、子どもを寝かしつけながら翌朝の朝ごはんのメニューを考え…。こういった家事育児をこなしつつ、子どもに危険が及ばないよう常に目配りをする必要があります。そのほかにも、入浴後、必ずお風呂のふたが閉まっているか確認している、料理の後、使った包丁はすぐしまっている、包装ビニールはふた付きのゴミ箱にすぐ捨てているという方がどれくらいいるでしょうか。これらはすべて、子どもが重篤なケガをする原因となるものばかりです。目の前のことをこなすだけが家事育児ではありません。それをする(もしくは、しない)ことで、その後どういったことが起こるかを想像しながら同時進行で進めるマルチタスク処理能力が求められます。子育てでは、「まさか◯◯するとは思わなかった」「ちょっと目を離しただけなんだ」という言い訳は通用しません。自分がどちらの悩タイプの傾向があるのかをまずは把握することが大切です。■コロナ禍で子どもの事故が起こりやすくなっている?まだまだ収まる兆しの見えない新型コロナウイルスの流行が、子どもの事故を誘発する可能性があります。毎日出社していたのがリモートワークに変わり、慣れないオンライン会議を重ね、家族がすぐそばにいる環境で仕事をするなど、まったく新しい形態で働くことが求められている方は多いでしょう。しかし、シングルタスク脳タイプは、仕事とプライベートを切り離すのが難しく、頭の切り替えができない人が多いようです。また、いつもとは違うルーティンで仕事をするのも向いていません。たとえば、別室で仕事をしていても、家族の気配に気が散ったり、子どもの声が気になってオンライン会議に集中できないなどで、いつもより仕事の効率が落ちて焦ってしまうケースは少なくないようです。一方、家で仕事をするようになってお互いに気をつかう反面、大人が常にいる安心感もあるでしょう。そのため夫婦間で、「すぐ戻ってくるから買い物の間、子どもを見てて」「今日の保育園のお迎えをお願いできる?」とついつい頼みごとも多くなります。互いに「わかった」と安請け合いしがちですが、マルチタスク脳と違い、シングルタスク脳は集中しがちです。目の前の仕事で頭がいっぱいになり、子どものことをきれいさっぱり忘れてしまうことがあります。実際、仕事に集中するあまり娘さんの保育園のお迎えを忘れてしまい、夜8時頃、保育園からかかってきた電話で初めて思い出した、というケースもあります。このように、シングルタスク脳の方は、仕事をこなしながら子どもに目を配ることが苦手で、仕事に集中すると子どもの存在を頭から消してしまうため、「ちょっと目を離した隙に…」「そんなことをするとは思わなかった」という事故が起きてしまうのです。コロナ禍によるリモートワークの増加で、これまでは「シングルタスク脳のうっかり」ですんでいたことが、子どもの事故につながりやすくなっているといえます。■安心して子育てをするための事故防止と対策では、シングルタスク脳は子育てができないかと、いうとそうではありません。マルチタスクをこなすのは苦手であることを自覚し、対策を立てれば事故を予防することができます。シングルタスク脳の傾向がある方は、うっかりを防ぐために以下の2つを意識することが重要です。・時間を短いスパンで意識すること・育児のルーティンを習慣化することシングルタスク脳は、仕事に集中しすぎる傾向にあるため、短いスパンで時間管理をしたり、子どもに関わる用事を思い出す必要があります。そこで、スマホや時計のタイマー機能を上手に活用して、音や振動で子ども関連の用事を思い出すようにするといいでしょう。また、子どもに関することを、いつものルーティンと結びつけて習慣化することも大切です。例えば、子どもを保育園へ連れて行く時に忘れ物が多いようなら、出かける時にいつも持ち歩くスマホや家の鍵と子どもの荷物を一緒に置いておくといいでしょう。また、パソコンや掛け時計など、必ず定期的に見るところに、子ども関連で忘れてはいけないことをメモして貼っておくのもおすすめです。例えば、脱衣所の時計の横に「お風呂のふたは閉めた?」と張り紙をしておけば、必ずふたを閉めるようになり、目を離した隙に子どもがお風呂でおぼれる心配もなくなります。自分は、シングルタスク脳タイプとマルチタスク脳、どちらのタイプなのかを見極め、シングルタスク脳の傾向が強い方はぜひ上記の対策を試してみてください。続けていくことでコロナ禍の新しい生活様式や、子育てが習慣化し、「うっかり事故」を予防できるでしょう。 エキサイトお悩み相談室で佐藤先生に相談する
2021年01月30日メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラーのカトウ ヒロコさんが、「自分は毒親かも」と思った方に向けてお話ししています。どんなことをしてしまうと毒親なのかを詳しく解説! 子どもをしっかりした子に育てたい、勉強のできる子に育てたい。大切なわが子の将来を思うからこそ、子どもにさまざまなことを期待し、教えたくなりますよね。教えなければという思いから、ついつい子どもに対して口うるさくなってしまう親は多いものです。でも、それが“毒親”としての一歩だったとしたら……。毒親にならないために、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。 そもそも“毒親”とは?最近、ニュースなどで見かけるようになった「毒親」という言葉。毒親とは、暴言や暴力、しつけという名の過干渉をする親について使われる一方、自分の都合を優先し、子どもを放置したり、かまわない親についても使われる言葉とされています。また、親の過干渉から生じることとして、子どものキャパシティ以上に勉強をさせることを“教育虐待”とも言われるようになりました。 もしかしたらその対応は“毒親”の一歩かも暴言や暴力はもちろんしていない、ネグレクトもしていない、だから私は毒親ではない、と思っている人はもしかしたら危険かもしれません。誰でも毒親への一歩に足を踏み入れている可能性があります。お行儀よく食べさせよう、お片付けができるようにさせよう、電車の中でじっとしているように教えよう、これらはどれも当たり前に子どもに教えたいことだと思います。もちろん、お子さんがきちんと社会で過ごせるように教えたほうがいいことでもあります。けれど、子どもの成長に合わせず急ぎすぎて教えてしまうことは、毒親への第一歩を進めてしまうことにつながるかもしれません。 期待をかけすぎないようにブレーキを親としては、ついつい先回りしてお子さんにいろいろと教えこませたくなります。でも、まだまだ小さいときにお行儀などを教え過ぎることが、その後の“教育虐待”にもつながっていく恐れがあります。 根底にあるのは、こうなってほしい、こうあるべき、という子どもへの期待。しかし、小さなお子さんのキャパシティは、まだまだ小さいものです。それが本当に“今”教えたほうがいいことなのか? 子どものキャパシティを超えた親の「期待」がかかっていないか?を考えてみましょう。もし、ちょっと子どもにうるさく言い過ぎているかも……と思ったら、友人やご自身の親御さんに自分の対応が過干渉になっていないか聞いてみてください。自分の子どもに責任を持っていない、ある意味「無責任」な意見が、自身の毒親への一歩を止めてくれるブレーキになることがあります。 大切で愛するわが子のためだからこそやっていることであり、お子さんによってできる範囲も受け止め方もさまざまなため、どこからが毒親への一歩となるのかは、本当に難しいところです。うるさく言い過ぎているときに、「子どものため」という理由からであればちょっと立ち止まってみて、お子さんの気持ちが後回しになっていないか考えてみるといいかもしれません。 イラスト/マメ美 著者:ライター メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2021年01月16日重い生理痛に悩んでいた私。でも、婦人科の受診には健康保険証がいるため、親に相談するのはも恥ずかしく、学生のころは受診できずにいました。これには本当に驚きました!ただ、最初の1ヶ月は、副作用で熱っぽさ、だるさ、吐き気があり、つらかったです。それを乗り越えれば、本当に快適でした。また、生理痛が軽くなるだけではなく、規則正しく来るため、旅行などの予定が立てやすくなったり、避妊効果もあって安心できたりと、良いことばかりでした。普段の生活、彼(夫)との性生活、旅行の予定など、すべてが私にとって安心で快適に! しかし、その後、自宅に婦人科の診察券があるのを両親に見つかり、婦人科を受診していることはバレてしまいました。 両親世代は、低用量ピルになじみがなく、生理痛が軽くなるというメリットよりも、副作用によるデメリットが気になるようで、「本当に大丈夫なのか」と心配されました(低用量ピルの飲み忘れによる、予定外の妊娠も心配していたようです……)。でも、私自身はとても快適になったことを話し、理解してもらいました。 生理についてはデリケートな話題なので、両親や友だちにも相談しづらく、ひとりで婦人科に行くのも勇気がいりました。でも、「生理痛のあのつらさは何だったのか」と思うほどラクになりました。低用量ピルは、メリットとデメリットをよく理解して活用したいと私は思っています。 監修/助産師REIKO-------------原案/目黒 花さん作画/まっふ
2020年12月27日私は現在、3歳と生後5カ月の娘をもつ2児の母親です。実は、私の両親はいわゆる毒親。両親ともに自営業で、24時間生活を共にせざるを得ないせいか、いつも夫婦喧嘩がたえず、私自身は暴力や過干渉、ネグレクトを受けて育ってきました。そんな家庭環境に置かれていた私の経験をお話しします。 両親が毒親だと気付くまでかなりの時間がかかったのはなぜなのか? 自分なりに考えた末、こう結論づけました。 「幼少期は両親という絶対的存在がいてこそ、自分の生活(衣食住)が成り立つ。親がいなければ子どもは何もできない。だから、両親のいうことには従わざるを得ないので、強大な存在である両親の価値観こそが一番正しいとずっと思い込んでいた」のだと……。 しかし、普通の家庭で育った方から見ると、さすがに中学生になれば自分自身で毒親かどうかくらい考えられるんじゃないの?と思われるかもしれません。 通常、思春期には反抗期という形で、「自己と他人(両親)は別の個性ある人間である」と自覚する時期がある人が多いと思いますが、私の家庭ではそれができませんでした。学生時代も両親から暴力を受け続け、残念ながら私は反抗期の機会も失ってしまったのでした。 現在、両親とは極力距離を置いていて、当たり障りのない付き合いを心掛けていますが、子どもたちや自分の身を守り、“本来の自分”を取り戻すまでには、もう少し時間がかかりそうです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 作画/まっふ著者:徳井よしこ二女の母。食品メーカーの会社を退職後、育児系の記事を中心に執筆している。
2020年11月17日私は「子どもを持つこと自体」に漠然とした不安がありました。なぜならば、私の両親が「毒親」だったからです。自分も同じように「毒を持って子どもに接してしまうかもしれない」「私のようなつらい幼少期を過ごすのであれば、子どもは作らないほうがいいのでは?」といった考えが頭から離れませんでした。そんな私が紆余曲折ありながらも1人目を出産し、さらに2人の子どもを持つまでの過程や葛藤などをお伝えします。 転換期は20代後半の同棲経験憂うつ感に苛まれながらも、私はなんとか幼少期~思春期を過ごしてきました。そんな私の大きな転換期は20代後半のころ。今の夫となる人と結婚前提で同棲し始めたころです。 今まで生きてきた人生のなかで初めて長期に渡って親と離れて暮らせることができ、だんだんと心に落ち着きを取り戻し、「過去に親から受けてきた仕打ち」に対してやっと疑問を感じるようになってきました。いわば過去の自分は、親からマインドコントロールを受けていたと言っても過言ではないと思います。 友人たちの妊娠で心境の変化数年に渡る同棲期間を経て30歳になるころに、私は今の夫と結婚しました。しかし、結婚した1年ほどは前述した理由や背景があり、子作りする気になれませんでした。そんな私の気持ちを変化させたのが「友人たちの妊娠」です。 その友人たちとは数十年付き合っており、いろいろな過去も知っていた仲なので、「人生いろいろありながらも、皆どこか決断をして新たな道へ進んでいくのだな」ということが、友人たちの妊娠・出産を通して改めて実感しました。 過去と折り合いをつけるという決断また、友人たちのなかには不妊治療に励んでもなかなか授かれない子もいました。そんな友人を見て「授かれること自体が奇跡なんだ」「私ももう31歳になるし、女性の妊活は時間が区切られている。どこかで親のことは見切りをつけなければ」と、私の心境が友人を通して少しずつ変わっていきました。 そして、31歳のときに1人目を出産。里帰りはせず、基本的にワンオペ育児でしたが、なんとか1人目を2歳まで私の手で育てることができました。その後は1人目が2歳になったころ、2人目の妊活を始めました。 自分が毒親になることなく、気持ちに余裕を持って妊活や育児ができたのは「いざとなれば福祉の手を借りて助けを求められる」という安心感です。産後ヘルパーの活用や、産前産後要件で保育園に通うことができることなど、子育て支援情報は調べ抜きました。情報収集は育児の不安を解消し、自分を救う手立てになっています。 監修/助産師REIKOイラストレーター/みいの著者:山本加奈子2児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年11月02日■前回のあらすじ息子の発育状態が気になり検索しては落ち込む負のループ。夫や発達支援センターに相談するも解決に至らず、自分でできることを探すことにしました。※過激な描写が含まれます。苦手な方は閲覧をお控えください。■私は「普通のお母さん」にもなれない…?息子に何があろうとも育てていく覚悟はあるはずなのに、不安な気持ちが止まらない…息子が「普通の子」であって欲しいと願ってしまうのは、親として最低なのでは…私は「普通のお母さん」にすらなれていない…そう感じました。※筆者が当時の体験を元に表現しています。■自己嫌悪に陥り、自分を傷つけてしまう今まで自分が否定してきた無責任な親と自分は同じだ…、そう感じて自傷行為にまで及んでしまいました…。次回に続きます。※発育に関しての見解は筆者個人の体験によるものです。 【同じテーマの連載はこちら】 湯本もゆのオドオド手探り育児 この連載の全話を見る >>
2020年09月19日あなたの親は、あなたをどんな風に育てましたか?親が無意識に子どもに求めた生き方を、私たちは時として「呪い」として深く刻み込んでいます。そのひとつが「あなたならできる」という期待の言葉。でも、できるという期待は裏側に「できない私はダメ」というプレッシャーが含まれています。その言葉の呪い、どうやって解いていけばよいのでしょうか。文・おおしまりえ【おおしまりえの恋愛道場】vol. 83「あなたならできる」親からの呪いを抜け出すために知りたいこと「あなたならできる」親からそんな言葉をかけられた経験はありませんか。現在放送中のテレビドラマ『私の家政婦ナギサさん』が話題になっていますが、人気の秘密のひとつが、母親から主人公にかけられた言葉の呪いだといわれています。あなたならできるというフレーズには、一見すると相手への信頼とポジティブな期待を感じますが、当人からするとそうでもないことも…。例えばここ一番に「あなたならできる」と言われたら、頑張ろうという前向きな気持ちになるものですが、日常的に「あなたならできる」を刷り込まれていると、逆にできない自分を激しく責めてしまうことになります。そして悲しいことに、親の声がけのほとんどは後者であることが多いのです。親からの信頼と見せかけた過剰な期待は、子どもからすると良くないプレッシャーにしかなりません。では親からの呪いの言葉で自分が染まりきっている方はどうしていけば良いのでしょう。大切なのは「できる
2020年08月20日大切なわが子のために、できることはすべてしてあげたいーー。そう考えるのは親として当然です。しかし、勉強面や生活面で干渉しすぎてしまうと、子どもの将来に悪影響を及ぼしてしまう恐れも。今回は、「ハイパーペアレンティング」と呼ばれる “過干渉の子育て” をする親たちについて解説していきます。急増中の「ハイパーペアレンティング」な親とは?「ハイパーペアレンティング」という言葉を初めて目にする人も多いのではないでしょうか?簡単に説明すると、「過干渉の子育て」や「子どもをコントロールしようとする親たち」の総称として使われることが多いようです。いわゆる『教育虐待』もハイパーペアレンティングに含まれると言っていいでしょう。近年増加傾向にある「ハイパーペアレンティング」な保護者たち。その原因として、昨今の不安定で混沌とした社会情勢や、SNSなどの過剰な情報によって保護者のあいだで不安が増大していることが挙げられます。東京未来大学こども心理学部准教授で育児工学者の小谷博子先生は、「決して安定した社会が望めないこれからの時代を生き抜くために、さまざまなものを身につけさせてやりたいと早期教育に走る親たちが増えてきている」と指摘します。また、明治大学文学部教授で心理学者の諸富祥彦先生も、「現在の情報化社会のなかで、親は他人の子育てや家庭教育と自分を比べて不安になり、自己否定することが増えている」と述べており、他者との比較によって不安が増大していることを危惧しています。「ハイパーペアレンティング」は、一見すると “教育熱心な親” として悪くないイメージをもたれがちですが、実際には子どもに大きな負担をかけているケースが少なくありません。さらには親自身も大きなプレッシャーを感じており、親子ともに高すぎる理想に押しつぶされてしまうことも……。子どもを疲弊させる「ハイパーペアレンティング」の例「ハイパーペアレンティング」の具体的な例をいくつか挙げていきましょう。■たくさんの習い事をさせるハイパーペアレンティングの典型と言えるのが「習い事をたくさんさせる親」です。いい学校に進学をしていい会社に就職し、よりよい人生を歩ませるために親は最善を尽くそうとしますが、その手段としてやみくもに複数の習い事をさせることは、間違いなくハイパーペアレンティングです。ひとつひとつの習い事は子どもにとって有効であっても、欲張ってすべてをやらせようとすると、子どもは心身ともに疲弊してしまいます。■予定を詰め込んで “退屈” させない習い事をたくさんさせることと同様に、学校以外の予定を親が勝手に決めてスケジュールを詰め込むのも、ハイパーペアレンティングの一例です。子どもには、ぼーっとする “退屈な時間” が必要。国立大学付属小学校の松尾英明教諭は、「成績だけでなく、人格的な面も含めて “すばらしい” と賞される子は、家でダラダラしていることが多い」と指摘しています。脳を効率的に働かせるためにも、ぼーっと過ごす時間は必要不可欠なのです。■子どもの友人関係に口を出す子どもの交友関係を黙って見守ることができず、つい「あの子とはあまり遊ばないほうがいいんじゃない?」などと口を出してしまうのもハイパーペアレンティングと言えるでしょう。さまざまなタイプの人間と関わって、豊かで深い人間関係を築くことよりも、「わが子にいい影響を与えてくれる子」や「付き合うとメリットがある子」を選ぶことを優先するのは、子どもにとって決してよいことではありません。■子どもの失敗を先回りして阻止するハイパーペアレンティングは、言い換えれば「親の過干渉」です。子どもが何か新しいことを始めようとすると、すかさず情報を集めて「でもこれってこういうところが危ないみたいよ」「やってもあまり意味ないんじゃない?」とやる気を削いだり、実際に手を伸ばして転ぶ前に抱き上げたりするのは、過干渉にほかなりません。失敗を経験しないまま大人になると、わが子はどうなってしまうと思いますか?「ハイパーペアレンティング」は、決して子どもを苦しめたり困らせたりしようとしているわけではありません。根底にあるのは「わが子によりよい人生を歩ませたい」「将来苦労させたくない」という親の強い愛情。親であるならば当然そのように考えますよね。しかし、教育評論家の石田勝紀さんは「親の『子どもにこうなってもらいたい』は押しつけである」と断言しています。親と子では、得意なことも苦手なことも、そして価値観も異なります。だからこそ、親は子どもと自分を同一視するのではなく、子ども自身ときちんと向き合い、子どもが大切にしてる価値観を大事にしてあげるべきなのです。ハイパーペアレンティングにならないためにここまで読んで、「もしかしてうちも『ハイパーペアレンティング』予備軍!?」と心配になった親御さんもいるのではないでしょうか。ハイパーペアレンティングにならないために心がけるべきことをまとめたので、ぜひ参考にしてください。濁協医科大学の永井伸一名誉教授は、「頭のよい子ども、自主的に勉強できる子どもに育つかどうかは、中学生までに親がどう関わったか、それによってどのような脳がつくられたかで決まる」と述べています。大事なのは、「遊び」のなかで学習する習慣をつけること。楽しいと感じれば、脳は活性化し、グングン新しいことを学べるのです。逆に面白がれなかったら、何を見ても聞いても知識は深く根付きません。だから、小さい時から塾に入れてしごいたとしても残念ながら本当に頭のいい子は育たないんです。(引用元:現代ビジネス|「子どもをダメにする」親の研究~3000人の聞き取り調査でわかった!)「塾にさえ入れれば勉強ができるようになる」「たくさんの習い事をさせているから大丈夫」と、根拠のない安心感を得るのは危険です。子ども自身が何を学びたいか、何に興味があるのかを見極めて、環境を整えてあげましょう。教育ジャーナリストの中曽根陽子さんは、「親であるならば『こんな人間に育ってほしい』『子どものときに自分が苦手だったことを得意になってほしい』と願うのは当たり前」としたうえで、親としての究極の願いは「子どもに幸せになってほしい」ということが大前提であると説きます。はたして、親であるみなさんが考える「理想の子ども」は、目の前の我が子とはまったく別の人間になっていないでしょうか。自分が思う理想の子ども像に我が子を当てはめようとして、子どもが「自分らしく自分の強みを生かす」ことを邪魔していないでしょうか。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|親の役目は我が子の「自己探求の力」を育むこと。“理想の子ども像”を押し付けてない?)そして最後に、何よりも大事なのは「親自身が自分の人生を楽しむべき」だということ。諸富先生は、親自身が幸せになることで、子どもは「人生は楽しいんだ!」ということを親の生き方を通じて知るといいます。完璧な子育てをする完璧な親になどなる必要はありませんし、なれるはずもありません。そんなことを考えるより、もっと自分の願望に素直に従って、親自身が幸せになり、子どもに「僕も幸せになっていいんだ」「わたしも幸せになっていいんだ」と思わせてあげる。それが子育てにおいてもっとも大切なことです。(引用元:STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|完璧な子育てを目指さなくていい。親はもっとわがままに“自分の幸せ”を追求しよう)また、前出の石田さんも、親が子どもの「ネガティブな部分」にばかり意識が向いてしまうのは、「親自身が自分の人生を楽しむことに意識がフォーカスできていないことが背景にある」と述べています。子どもの成績や生活態度ばかりに目が向いて、小言が多くなったり過度に干渉したりするのは、親が自分の人生に不満を抱えているケースが多いのです。まずは親自身が自分の人生を楽しむことができれば、心に余裕が生まれます。そうすれば、ありのままのわが子を愛することができるようになるのではないでしょうか。***『100万人が信頼した脳科学者の絶対に賢い子になる子育てバイブル』(ダイヤモンド社)の著者であるジョン・メディナ氏は、「ハイパー・ペアレンティングは、子どもの知能の発達を妨げる恐れがある」と警鐘を鳴らしています。子どもが子どもらしく、健やかに成長するためにも、過干渉にならないように気をつけたいですね。(参考)PHPのびのび子育て 2020年8月特別増刊号,PHP研究所.STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|完璧な子育てを目指さなくていい。親はもっとわがままに“自分の幸せ”を追求しようCHILD RESEARCH NET|スケジュールをつめ込まれた子供:ハイパー・ペアレンティングは避けるべきプレジデントオンライン|なぜ頭のいい子は家でダラダラユルユルか東洋経済オンライン|子どもを追いつめる、親たちの「願望と正論」現代ビジネス|「子どもをダメにする」親の研究~3000人の聞き取り調査でわかった!STUDY HACKER こどもまなび☆ラボ|親の役目は我が子の「自己探求の力」を育むこと。“理想の子ども像”を押し付けてない?ダイヤモンドオンライン|「期待しない子育て」が脳にとてつもなくいいワケ
2020年08月17日人は不思議なもので、禁止されていることほど、試したくなってしまうもの。きっと多くの人が、似たような欲求を抱いたことがあるはずです。これは、そんなルールを破ってしまった『わるいやつら』のお話。コジママユコ(@cotori9)さんが描いた漫画をご紹介します。『わるいやつら』すっかり夏ですねこれは昔描いた「わるいやつら」というタイトルの漫画。 pic.twitter.com/Vnq1Gt1DAg — コジママユコ (@cotori9) August 9, 2020 母親から「カップラーメンは、我が家では禁止」と教えられていた少女ですが、未知なる味への興味は募るばかり…。そしてついに、少女は祖母を共犯にして、カップラーメンを味わうことができたのでした。「ママには内緒だよ」そんな少女のひと言からは、母親に対するほんの少しの罪悪感、しかしそれを上回るほどの高揚感が伝わってきて、クスッとしてしまいます。幼い頃の『いけないこと』は、どんなに年月が経っても、色あせない思い出として心に残り続けるもの。昔を思い出し、懐かしい気持ちにひたれる、コジママユコさんの『わるいやつら』でした。コジママユコさんの作品はこちらから漫画の作者であるコジママユコさんは、noteで多くの作品を公開しています。気になった人は、ぜひそちらもご覧ください。コジママユコ[文・構成/grape編集部]
2020年08月10日みなさんは、『アカエイ』という生き物をご存知でしょうか。かわいらしい見た目をしていますが、毒のトゲに刺されてしまうと、とても危険です。この記事では、アカエイとはどんな生き物なのか、また、刺されてしまった時の対処の仕方や食べ方などについてご紹介します。アカエイってどんな生き物?アカエイは、トビエイ目アカエイ科に分類されるエイの仲間です。環境省が運営するウェブサイト『せとうちネット』では、アカエイの特徴をこのように紹介しています。全長1m以上、体重100kgにもなる大型のエイです。長い尾の付け根にはノコギリ状の大きな棘(とげ)があり、体に触れると尾を曲げて相手を刺します。棘は非常に硬く長靴やフィンなど容易に貫通します。棘には毒腺があり、刺されて10分程度で刺すような激痛に襲われます。生殖期である5月から6月ころに浅瀬の砂地に集まるため注意が必要です。小型のものでも立派な棘があります。せとうちネットーより引用アカエイアカエイは南日本沿岸や朝鮮半島、台湾、中国沿岸に分布し、浅い海の砂底や泥底に生息しているのだそう。尾の付け根部分にはノコギリ状の毒のトゲがあり、刺されると激痛に襲われ、血圧低下や呼吸障害などの症状を引き起こすことも。最悪の場合は、死に至るケースもあるといいます。アカエイに刺されたら、どうすればいい?アカエイに刺されないようにするためには、どんな対策をすればいいのでしょうか。アカエイは、砂や泥に潜って隠れていることも多く、気付かずに踏んでしまい、刺されてしまう人が多数いるようです。砂地に隠れるアカエイそのため、遊泳中に手や足を付く際は、アカエイがいないかを確認することが大切だといいます。しかし、対策をしていてもアカエイの存在に気付かずに触ったり踏んだりしてしまい、刺されてしまうこともあるかもしれません。『せとうちネット』では、刺されてしまった時の対処の仕方を次のように紹介しています。刺された場合は、まず残っている毒針を取り除き傷口を良く洗い、毒を吸い出すか絞り出します。毒は熱に対して不安定なため、火傷しない程度のお湯に傷口を浸け温めます。出血がひどい場合は止血することが重要です。せとうちネットーより引用アカエイの毒はタンパク質性で、熱に弱いのだそう。そのため、やけどしない程度のお湯に患部を浸し、温めることが重要だといいます。応急処置を行った後は、病院に行って治療を受けましょう。アカエイは食べられるの?どんな料理がある?毒のトゲを持っている恐ろしいアカエイですが、それを取り除いてしまえば食べることができるそう。アカエイは、エイの中でもっともおいしいといわれています。食べ方は煮付けや唐揚げ、味噌汁、刺身などさまざま。また、肝もおいしく食べられるのだとか。インターネットで検索すると、アカエイを使ったレシピや捌き方などを載せているサイトがいくつかあります。しかし、アカエイを自分で捌くと、毒のトゲが刺さってしまう危険性も。アカエイ料理を提供している店もあるので、チェックしてみてはいかがでしょうか。アカエイは水族館でも見られる?アカエイは、水族館でも見られるようです。皆様、こんにちは!宮島水族館のカキいかだ水槽をご覧くださいこちらはアカエイです!かわいらしい顔に見えますが、顔ではありませんよ~ pic.twitter.com/LO2OxZ12bV — 宮島水族館【公式】 (@miyajima_aqua) September 18, 2019 横浜・八景島シーパラダイスは臨時休園中ですが、休園中も「Twitterで楽しむ水族館」を毎日お届けしていきますご飯のアジを見つけて…パクッ!モグモグモグ #八景島 #シーパラ #Twitterで楽しむ水族館 #大水槽 #アカエイ pic.twitter.com/10VCllAD01 — 横浜・八景島シーパラダイス公式 (@_seaparadise_) April 20, 2020 私はだれでしょう・・・?・・・・・・アカエイでした♪見えているのはお腹の方です。顔のように見えるところは、鼻と口ですよ(^O^)/ #長崎 #ペンギン #水族館 #アカエイ pic.twitter.com/A3lzPGaGVQ — 長崎ペンギン水族館【公式】 (@NagasakiPengin) September 30, 2019 アカエイの腹側を見てみると、まるで顔のようなものが!2つの穴が目のように見えますが、これは鼻。アカエイは、腹側に鼻と口があり、目は背中側にあります。一見すると笑っているような表情に見えることから、「かわいい!」と人気のようです。「なにこの超イイ表情」休暇中の両親、フレンドリーなエイに出会う!?アカエイに関する、さまざまなことをご紹介しました。海で遊ぶ際には、アカエイに十分注意して楽しみましょう![文・構成/grape編集部]
2020年06月18日海水浴や釣りをしていて、もし近くに『ナマズ』がいたら要注意!それは『ゴンズイ』という、強力な毒のトゲを持つ危険生物かもしれません。ゴンズイとはどういった生き物かということや、毒がある場所、刺された時の症状、料理の例といったさまざまな情報を紹介します!ゴンズイってどんな生物?毒のある場所は?ゴンズイは見た目からもうかがえる通りナマズの一種で、知る人ぞ知る身近な海の危険生物です。本州中部・富山から南の沿岸部で見られ、主に夜間に活動。まれに昼間でも見られます。特筆すべきは、背びれに1つ、胸びれに2つある毒のトゲ。「刺さると、とにかく痛い!」と、多くの体験談がネットに上がっています。ゴンズイの毒棘しかも、この毒はゴンズイが死んでいたとしてもしばらくはなくならないので、注意が必要です。特に誤って釣り上げてしまった際に、ゴンズイだと知らずに触ってしまい、刺されることが多いのだとか。不意に釣り上げてしまった時は無闇に触らず、釣り糸を切ってリリースするのが最良のようです。ゴンズイの毒による症状は?対処法も紹介ゴンズイのトゲが刺さってしまった場合は、どのように対処すればよいのでしょうか。環境省が運営するウェブサイト『せとうちネット』によると、次のようにするといいそうです。刺されると火傷に似た痛みが数時間続き、水脹れになることもあります。刺された場合は傷口を洗浄し、火傷しない程度のお湯に浸けます。痛みが引かない場合は棘が残っていることがあるため、病院でレントゲン検査を受ける必要があります。せとうちネットーより引用刺されてしまった場合は、ヤケドしない温度のお湯に患部をつけることが大切のようです。これにより、痛みが緩和することも多いそう。怖いのが、傷口にトゲが残ってしまっている場合です。応急処置をした後は、必ず病院に行き治療を受けましょう。ゴンズイ玉って何?ゴンズイは外敵から身を守るために集団でいることが多いです。特に幼魚は群れを作ることが多く、その姿から『ゴンズイ玉』と呼ばれることも。集団で身を守るゴンズイの幼魚東京都にある『サンシャイン水族館』のツイッターでは、『ゴンズイ玉』を作っているゴンズイが見られます。ただいま「生命の海・東京湾」水槽で、見事な #ゴンズイ たちの群れ=「ゴンズイ玉」がご覧いただけますよ。何とも言えないこの動き。つい見とれてしまいます。前を横切る #ネンブツダイ や #ギンユボイ たちも、いい味出してます! #サンシャイン水族館 pic.twitter.com/CWgBEYskPC — サンシャイン水族館 (@Sunshine_Aqua) November 8, 2016 その姿は神秘的で、思わず見入ってしまう人も多いのだとか。ゴンズイ料理はおいしい?店でも味わえる?毒のトゲを持っていて敬遠されがちなゴンズイですが、それを取ってしまえば「料理するとうまい」「ビールに合う」と好評です。ネット上には塩焼きや味噌漬け、蒲焼き、天ぷらにした写真も並んでいます。味はタンパクで、中には「穴子に似ている」「アジやサバよりおいしい」という声も。ただ、毒のトゲを排除する時に刺さってしまう危険性があることを考えると、自分で料理をするのはあまりおすすめできません。まれですが飲食店でゴンズイ料理を出しているところもあるので、チェックしてみてはいかがでしょうか。海水浴や釣りではゴンズイに注意!色も特異ではなく、一見すると普通の魚だと思ってしまうゴンズイ。しかし、情報を知ると、うかつに近づくのはとても危険なことが分かります。前述した通り、海水浴の時に出くわしたり、不意に釣れたりしてしまうこともあります。「海でナマズを見たら注意」とおぼえておくといいかもしませんね。危険生物の記事一覧[文・構成/grape編集部]
2020年06月17日育てやすかった息子。5歳頃からべったり甘えるように...Upload By かなしろにゃんこ。いつも元気で勝気なADHDと広汎性発達障害がある息子リュウ太ですが、実は保育園から小学校6年生まで母の私にべったり♡でした。保育園に通っていた5歳くらいから徐々に甘えん坊になってきたのです。リュウ太はいわゆる「悪魔の2、3歳児」とよばれる時期がなかった子でした。遊びがうまくいかなくてカンシャクをおこすことはあっても、着替えをイヤがったり、遊びを途中で終わらせたりすることに反発することはなく、幼児期はとても育てやすい子でした。だからこの頃には発達障害だと気がつかなかったのかもしれません。しかし、5歳くらいから徐々に強い自己主張が始まり、育てにくい子になってきました。発達障害がある子は成長がゆっくりといいますから、今考えると悪魔のイヤイヤ期が遅れてやってきたのかもしれません。笑Upload By かなしろにゃんこ。自己主張が強くなるのと同時に私が恥ずかしくなるぐらいに甘えるようにもなりました。機嫌よく遊んでいる最中に私のもとへやってきては、触る、膝の上に乗る、抱きつくなどして、ベタベタと甘え、気がすむとまた遊びに戻るのです。まるで愛情を充電しているかのような行動。もう5歳だしそんなに甘えさせてはいけないんじゃないかと考えた私は「もう5歳で保育園ではお兄さんなんだから、お母さんにベタベタ触らないようにしないとネ!」と何度か伝えてみましたが、息子が甘える行動をやめることはありませんでした。Upload By かなしろにゃんこ。その頃の保育園での様子を先生から聞くと「少し自分の時間が欲しい」、「一人になりたい」と思って離れようとすると、息子は余計にべったりとくっついてきます。そんな状況が続いていた中、ある日の保育園のお迎えのときに先生から「最近リュウ太くんは一人で車で遊んでいます、一人がいいみたいです」と聞かされました。その頃保育園で不安定な様子を見せていたリュウ太。どうやら大勢でいると疲れてしまうようで、一人で遊ぶことでクールダウンしていたようでした。Upload By かなしろにゃんこ。先生に「家ではどうですか?」と聞かれて「甘えてばかりで私から離れないときがあります」と伝えると、「リュウ太くんは人一倍愛情を欲しがる子かもしれませんね、園でも保育士にはベッタリです。愛情をかけてもかけてもドンドン吸い込むような、愛に貪欲な子がたまにいますよ♡リュウ太くんはまだ5歳だから甘えん坊は卒業などと言わず、甘えさせてあげてください。愛を吸収しきったらママがいなくても平気な子になりますよ」とアドバイスをもらいました。思う存分甘えたあとは、少しずつ離れていくように!Upload By かなしろにゃんこ。この頃私は仕事が忙しく、「早く一人になりたい」、「一人の時間が欲しい!」と強く思っていたのですが、その気持ちが実は息子にバレていて甘えだしたのかしら?とも思っていました。先生の言葉を信じ、一人になって仕事をしたい気持ちを我慢して2年間できるだけ時間をつくってべったり甘えさせることにしたところ、小学校に入学した頃から徐々に「もうお母さんの愛はお腹いっぱい!」といった感じで、母に甘える時間が減っていったのでした。息子が成長したー!解放されたー!とスッキリしました。その後、再び甘え始めたリュウ太。その理由は...Upload By かなしろにゃんこ。その後、小5小6の反抗期に入る前にも再びベタベタくっついてきた時期がありました。どうも学校で友だちとうまくいかないことがあったようなのですが、このときそんなリュウ太の事情も知らなかった私は、高学年の男子なのにさすがに恥ずかしいわ~と思っていました。買い物に行っても、私の横でコバンザメのように腕を掴み離れないので、「同級生に見られたら恥ずかしくなるから離れなさい」と言うのですが、「別に気にしないよ」と平気な様子でした。今思うと多感な時期、学校でいろいろなことがあって疲れていた息子は、ストレスに対処するために無意識にスキンシップを求めてきていたのかもしれません。Upload By かなしろにゃんこ。保育園のときも高学年のときも、ストレスから自分の身を守るために無意識のうちに愛情を求める行動をとっていたのかしら?と思うと面白いです。人恋しくなったら疲れている合図ともいえるのだな!と気がつきました。息子が大人になった今でも、たまに親子でスキンシップをして、愛情ホルモンを分泌しよう!とお互いの足の指を触ったりします。でも、このくらいのスキンシップが限界です。笑息子は中学生になると、親から勝手に離れていくようになり、私は本当に解放されて一人の時間を満喫できるようになりました。今では成人して息子も夜遊びをするようになったりして、家の中がシーンとしてしまって寂しいですよ~涙ベタベタされているときは、いつまで続くんだろう...たまには離れたい...と思うこともありましたが、ずっと続くわけじゃないし、子どもにも何か理由があるのかも?と考えてあげることが大切だったなと振り返って思うのでした。
2020年06月12日【連載】玉置妙憂の心に寄りそう人生相談TBS『グッとラック!』のレギュラーコメンテーターをはじめ、数々のメディアにも紹介され大反響を呼んでいる新書『死にゆく人の心に寄りそう〜医療と宗教の間のケア〜』(光文社)の著者・玉置妙憂さんが毎週、読者の悩みに寄りそい、言葉を贈ります。【今回の相談内容】親が過干渉で困っています。私はもう40歳目前ですが、いまだに実家暮らしを強いられ、出かけるときには誰に会うのか、どこに行くのかを詳細に親に伝えなくてはなりません。夜にたまに出かけるだけで「また飲みに出かけるのか」などと小言ばかりを言われます。耐えかねて年末年始はゆっくりひとり旅でもしようと計画していましたが、「正月に家にいないのはどういうことだ」と怒られ、結局叶いませんでした。交際相手のことにもすべて口を出してくるので、なかなか上手くいかず、このままではずっと結婚できないのではないかと焦っています。(39歳・女性・公務員)【回答】さて、親御さんが過干渉で困っていらっしゃるとのことですが、あらまあ、40歳も近いというのに、どうしてご実家をお出にならないのかしら。なにかどうしてもご実家にいなくてはならない深いご事情がおありでしたらごめんなさい。公務員でいらっしゃるなら収入もしっかりしていらっしゃるでしょうし、普通にひとり暮らしができるだろうに…と思ってしまったのです。詳細をお聞きしていないので適当なことを申しますけれどね、世の中に「強いられて」どうにもならないことというのは、そうそうあるものじゃありません。○○のせいであれができない、これもできないというのは、たいていの場合、じつは自分の心の奥底に「そうしたくない」という気持ちがあるものなのです。私なんぞは育ちが雑ですから、「正月に家にいないとはどういうことだ」なんていくら小言を言われても、「はあ、さようでございますか」ってな感じで出かけちゃいますからね。こんなことを言われると、「そんなことありません!なにもかも親のせいで…!」というお気持ちがムクムクされるでしょう。そのお気持ちもわかります。でも、40歳近いということでいらっしゃいますから、そろそろ自分に「軸」を持ちましょう。いまのあなたさまは「軸」を親御さんに渡してしまっているのです。親御さんに「軸」を渡して被害者でいることのほうがラクなのかもしれないですよ。厳しいことを言いますが、そのラクさを結局はあなたさまが選んでいるのです。「四十にして惑わず」ともいいますから、自信を持って自分の思うとおりにしてみましょう。簡単です。このままご実家にいるにしろ、出るにしろ、すべて「自分で選択したこと」という覚悟を持つこと。それだけです。誰かのせいじゃなくてね。自分のお尻は自分で拭く。自分に「軸」を持つことで、毎日は見違えるように楽しくなりますよ。【プロフィール】玉置妙憂(たまおきみょうゆう)看護師・看護教員・ケアマネ−ジャー・僧侶。「一般社団法人大慈学苑」代表。著書『死にゆく人の心に寄りそう』(光文社新書)は8万部突破のベストセラー。NHK『クローズアップ現代+』、『あさイチ』に出演して大きな話題に。現在、TBS『グッとラック!』(火曜)のコメンテーターとニッポン放送『テレフォン人生相談』のレギュラーパーソナリティを務める。
2020年06月05日子どもは親の姿をよく見ていると言われます。私自身もそうだろうと思っていましたが、実際は想像以上に見られていたことを、ここ最近実感。今回は、そんな娘(おこめちゃん)との育児あるあるをまとめてみました。力強く手を引かれて…ホレてまうやろ~!保育園の帰り道。車が後ろから近づいてきたので、娘に声をかけようとしたら、娘の方から先に「おかあさん、くるまがきたから、みちのはしによって!」と注意をされました。しかも、ぐいっと力強く手まで引かれて。それは毎回、私が娘に言い聞かせていたことで、セリフもそのままです。今までちゃんと聞いているのかなと思うこともしばしばありましたが、彼女の中にきちんと届いていて感動!まさか守ってもらう日が来るなんて…と娘にホレそうになりました(笑)トイトレ効果?優しい提案に涙もホロリ便秘で苦しんでいた私がトイレにこもっていると、覗きにきた娘。心配そうに私に手をのばしながら、「お手々をにぎってあげようか?」と声をかけてくれました。このセリフは娘のトイレトレーニング中、いつも私がかけていたセリフ。トイトレで待っている間、手持ち無沙汰だったのでそう声をかけていたのですが、こんなに心あたたまるものだったとは。頑張ったトイトレに思わぬご褒美をもらった気がしました。そんなところまで見られていたとは今まで娘に伝えてきたことが、きちんと届いていることが目に見えてわかるようになり、感動で胸がいっぱいになることも。子どもが親の姿をよく見てるというのは本当だなと微笑ましく眺めていたら、思わぬ姿を見る羽目に。気の緩んだ自分の姿、子どもを通して見た時の恥ずかしさといったら!実際に自分がしているので注意なんてもちろんできません。孫の手の本当の使い方を教えながら反省しました。子どもは本当によく見ています!(笑)<マンガ・文:ライターちゅん>
2020年05月03日ここ近年、『毒親』という言葉がネット上で多く見られるようになりました。毒親とは一般的に子供を支配したり傷つけたり、はたまた反対に養育を放棄したりと子供の『毒』になってしまう親のことを指します。そんな毒親と離れたいと思っても、子供にとっての親ということには変わりがなく、なかなか難しいもの。しかし、そんな毒親を懲らしめる動画がyoutubeチャンネル『平成の雄叫び』にアップされています。お金をせびる母親に脅され妹のために夜の仕事をすることに主人公の母親はいわゆる毒親で、高校時代はバイト代を奪われていました。渡したくはないものの、仕方なく渡す日々。年の離れた妹の世話もほとんど主人公がしながら生活していたある日のことです。高校卒業が迫り、就職先が決まっていたにも関わらず、母親は「就職先、断ってきたからここで働きな!」と夜の仕事に就くことを強要してきます。あまりにも理不尽な要求を断ると、母親は妹に手を出しそうに…。「これで妹が何事もなく小学校へ通えるのなら」主人公は仕方なく母親に従います。しかし、そうやって守っていたはずの妹にも母親の毒牙が迫ります。知らない間にジュニアアイドルの面接を受けさせられていたのです。そのことをきっかけに母親に怯える妹。そういうのはやめてほしいと頼む主人公に母親は「私から生まれた時点で私に感謝して私のいう通りにするのは当然」と完全否定をします。あまりの言葉に主人公も我慢の限界に…。そして、とある作戦を実行することにしました。結末はぜひ動画でご覧ください。主人公の作戦は成功し、妹と一緒に母親に怯えない日常を迎えることができました。母親だからといって、子供を支配していいわけではありません。親の『所有物』ではなくなった2人は、その後自由に暮らすことができるでしょう![文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2020年04月29日どうもあかりです。いろいろな人から恋愛にまつわる話を受けていると「彼から好かれてるか不安です」というご相談を受けることも多いのですが、反対に「彼の愛情が強過ぎて、少し不安です」「私が彼のことを好き過ぎて大丈夫かなって思います」みたいな悩みも、案外たくさん聞くんですよね。まさにそのとおりで、「好き『過ぎる』」というのも、「愛情が足りない」のと同じくらいに危険で、カップルふたりの関係にとって"毒"になりうる状態です。今日は、この好き「過ぎる」がよろしくない理由と具体例、さらには、この状態からうまく抜け出すコツについてご紹介していきたいと思います。■好き「過ぎる」のがよくないワケまずはじめに、いったいなぜ「好き『過ぎる』」ことが"恋の毒"になりかねない危険なものなのかについて少しお話をしていきます。「過ぎたるはなお及ばざるがごとし」みなさんも一度は、この言葉を聞いたことがあるはずです。それ自体は「良い」とされているものでも、適量を間違えるとかえって悪い作用を及ぼしてしまいますよ、ということを表す格言です。恋愛を二人三脚で例えるとするならば、「好き」の強さは、"自分が歩くペース"と置き換えることができるでしょう。すると、「愛情が足りていない」というのは、自分が一生懸命に歩いているのに、恋人が全然自分の力で歩いてくれていなかったり、逆に恋人が懸命に歩いているのに、自分は歩く気力を持てなかったりする状態です。歩いている側からすると「私は、ふたりの関係性を進展させようと頑張ってるのに、この人は全然協力してくれない。これじゃ、全然先に進めない」と、もどかしくて不安な気持ちになってしまいます。さて、では"恋の二人三脚"で言うところの「好き『過ぎる』」とはどういう状態なのでしょうか。これはまさに先ほどの例の真逆で、「自分は自分なりのペースで歩いているのに、相手がそれ以上に全速力で歩いていく(走っていく)」ということです。「え?まだまだ何キロも歩くのに、いきなりそのペース?早くない?」という感じです。とはいえ、最初は「まあ、一応付き合ってるわけだし、相手がそのペースで歩きたいなら少し合わせてあげよう」という気持ちにもなりますが、必ず、そのうち"息切れ"を起こします。そう。どちらかが相手を「好き『過ぎる』」カップルは、必ずやがて、疲れてしまうのです。恋が二人三脚である以上、ふたりの「好き」のペース(大きさ)は揃っていないと、うまくいきません。このことは、後ほど「好き『過ぎる』」を解決する方法を考える際にも出てくる考え方ですので、ぜひ頭に入れておいてください。■ありがちな、「好き『過ぎる』」では実際に、「好き『過ぎる』」には具体的にどんなものがあるのでしょうか。カップル間で起こりがちな4つの「過ぎる」の例をザザザっとまとめて見ていきましょう。■早過ぎるまずは「早過ぎる」。付き合ってまだほんのちょっとしか経っていないのに、「結婚しよう」「結婚式はどこどこでやりたい」「両親に会いたいな(会わせたいな)」と、いきなり結婚に向けて具体的な話を進めようとしてきたり、あるいは、「一緒に住もう」「たくさんお泊りしにくるから、というか半分同棲みたいな感じにしたいから、部屋に荷物置いておいていい?」と、早速の同棲を求めてきたりするといったのが、「早過ぎる」の例です。とにかく、早い。「え、恋には"段階"とか"順番"ってものがあるよね?」と相手は思っていますが、当の本人はそんな相手の懸念や心配なんてどこ吹く風。「好きだし、当然でしょ?」と言わんばかりのペースで猛進していくのです。ですが、付き合いたてのカップルが、将来もずっとラブラブでいるために大切なのは、「将来を考えて付き合う」ことじゃなくて、あえて「将来のことなんて考えずに、今はただ恋を楽しむ」ことです。これは、何度も口を酸っぱくして言いたい。同棲や結婚なんて、付き合ってしばらく経てばいやでも考えざるを得ない問題。だからこそ、付き合いたてのころは、とにかく「楽しい恋」をすることだけを考えるべき。「好き」とか「ドキドキ」とか、そういう感情だけでいい。そういう「純粋に楽しい!」という気持ちがあるからこそ、後々同棲や結婚のことを考えたときにも「この人となら」と思えるはずです。■多過ぎる「多過ぎる」というのは、文字通り、数や頻度の問題です。相手の気持ちを考えずに「毎週、いやできれば一週間のうちに可能な限りたくさん会いたい」「LINEも毎日したい。ちゃんと返すこと」と、それがさも恋人であることの最低限の義務であるかのように語ってしまう人は、男女限らず少なくありません。ですがこれは、わかりやす~く、「息切れ」の原因になるものです。会う頻度や連絡の頻度が自分にとって多すぎると、単純に、疲れる。「たしかに私は相手のこと好きだから、それなりに会ったりLINEしたりしたいけど、いきなり私生活の全部を恋愛に全振りするなんて無理~!ひとりの時間とか、趣味とか友達とかに充てたい時間もあるのに~!この恋は、長く続けられないな・・・・・・」と、マラソンだと思ってた恋が実は短距離走だった、みたいな悲しい気付きがそこにあります。自分が「多過ぎる」になってないかどうかを確かめるためには、シンプルですが、相手の様子をよく見てあげること以外に方法はないと思っています。自分が恋人に対して「会おう」と言ったり、LINEを送ったりしたときの相手の反応をよく見る。本当に心から乗り気で「いいね~!」「連絡、待ってました!」という雰囲気なのか、それとも「うん。そっか。じゃあいいよ」と、断りはしないけど正直そこまでは乗り気じゃなさそうなのかを、冷静に、「相手も絶対自分と同じ気持ちでいてくれるはず!」と盲信せずに、見つめてみることです。■尽くし過ぎる「尽くす」ことは素敵なことです。努力や時間をかけて、自分の相手に対する「好き」の気持ちを"行動"という形で表す。ですがその"行動"が、「付き合ったばかりなのにいきなりこのデカさ!?」みたいなのだと、相手は単純に引きます。たとえば付き合った日の翌月にたまたま自分の誕生日があったとして、その日に「誕生日プレゼント♡」といって数十万もするアクセサリをもらったら、どうでしょうか。何かを尽くそうとするとき、その行動が、交際期間とそれに応じたふたりの関係性の深さにちゃんと比例しているのかを確かめることは重要です。同じように、いくら彼のことが大好きでなんでもしてあげたいからといって、付き合ってまだ一週間くらいなのに、彼の家に上がりこんで、部屋を掃除したり、手料理を毎食のように振る舞ってあげたりするのは「尽くし過ぎ」です。「尽くす」がふたりを幸せな気持ちにしてくれるためには、受け取り手の気持ちを考えることがマストです。相手の気持ちを考えない「尽くす」は、ただの独り善がりの自己満足になってしまいます。■求め過ぎる「尽くし過ぎる」の逆バージョン。「もっと私に尽くしてほしい」という態度のことです。当たり前ですが、人は「自分が恋人にどれだけのことをしてあげたいか」を、自分で決定する権利があるはずです。「好きだから、〇〇をやってあげたい」と思うのは自分の自由であって、決して恋人から「好きなら、私に〇〇をやってほしい」と言われるような筋合いはありません。こういうふうに、本来であれば相手が自由に決定していいはずのことを、代わりに自分が決めようとする態度は、相手からするとすごく、不愉快です。自分の恋愛に土足で踏み込まれるような感覚。そしてこの、「求め過ぎる」は、「尽くし過ぎる」人がセットでやってしまいがちなことでもあります。「あなたのことが好きだから、私は異性とLINEをしたり、異性がいる飲み会とかに行くのやめたよ?」ということをやる人は、必ずといっていいほど、同じことを相手にも求めるのです。「私は、あなたのことが好きだからこれをやったのに、あなたはやらない。おかしくない?同じことをやってよ」と。この違和感には、きっと気付くはずです。恋をすると、「好きだからいろいろやってあげたい!」と思ってしまう人は、ぜひ「求め過ぎていないか?」という点を常に自問自答して、バランス感覚を失ってしまわないようにしてください。■あなたか彼がもし、愛情過多だったら「好き『過ぎる』」というのは、はじめに紹介した二人三脚の例でもわかるとおり、「ふたりの好きのペースが合っていない」という状態です。しかし、仮に彼氏と彼女のふたりともが「相手のこと、好き過ぎます!」という感じで、「好き『過ぎる』」でバランスがとれているのであれば問題ありません。仮に彼氏と彼女のうち片方だけが「好き『過ぎる』」になっていた場合には、どうやってそのアンバランスを訂正していったらいいでしょうか。そのためには、「好き『過ぎる』」ことがふたりにとって有害なんだと知ること、以外にはないでしょう。答えになっていないようなシンプル過ぎる答えですが、やはりこれしかありません。もしもあなたが彼のことを好き過ぎるのなら、この記事を通じて、「私、彼のこと好き過ぎるんかもな~」と少しでも問題意識を持ってもらえたと思います。そうやって、「好き過ぎるのは問題だ」と意識することができただけでも、今後のあなたの行動は少しずつ変わっていくはずです。では、彼があなたのことを好き過ぎる場合には、どうしたらいいでしょうか。ひとつは、この記事を読んでもらうこと。それができれば一番早いのではないかなと思いますが、ただ、「はい、この記事読んでみて」なんて言うのは、あまりにも直接的で、まるで「お前は私のことを好き過ぎるからちょっとなんとかしろ」とディスっているような感じがするので、あまりよろしくないかもしれません。なので、うまい伝え方としては「過去の交際の失敗談」を通じて、さりげなく伝えてみることです。「前の彼氏とは、こういうことが原因でうまくいかなかったんだよね~」と、タイミングをみて伝えてみてください。「こういうこと」の部分には、まさに今あなたが彼に対して感じている「好き『過ぎる』」の問題点(例:「多過ぎる」など)を当てはめてください。もし実際にあなたが元カレとの間で同じ問題を抱えていたのならそれはそれでいいですし、仮にそうじゃなくても、「ウソは方便」として、それくらいの"言葉のあや"は許されます。ぜひ、ふたりともがお互いに相手のことを「ちょうどよく好き」なカップルになってくださいね。(遣水あかり/ライター)(ハウコレ編集部)
2020年04月16日「毒親」という言葉が世間一般に知られるようになってきましたが、私の父も祖父母も毒親でした。子どものときは本当につらい思いをし、その毒親ぶりは今でも夢に出てきて夜中に飛び起きてしまうほどです。しかし、捉え方を変えれば彼らは立派な反面教師。今回は毒親育児を反面教師にしている私の経験をお伝えします。 祖父母からの言葉がけを反面教師に私は物心ついたときには祖父母に育てられており、実の両親の顔を知りませんでした。今でも、なぜ両親がいなかったのかはわかりませんし、知りたくもありません。それでもやさしい祖父母に育てられて、めでたしめでたしといきたいところでしたが、決してそういうわけにはいかなかったのです。祖父母はとても恩着せがましく、口癖のように「お前は本当は施設行きだったのに」と言ってきたのです。これは今思い出してもつらい言葉です。そのため、私はわが子には毎日のように「生まれてきてくれてありがとう」と伝えるように心がけています。 お風呂は週1、おかずはスーパーの総菜のみ祖父母は戦争時代を生きた人だったためか、今の人と感覚がズレているところがありました。その最たる例がお風呂に毎日入らないことです。どんなに汗をかいても週1回しかお風呂に入れてくれませんでした。また、祖父母は2人ともごはんを作ることができないからと毎日スーパーの総菜を与えられました。そのため、私にとってのおふくろの味はスーパーの総菜なのです。これらの経験から、私はどんなに疲れていてもわが子を毎日丁寧に入浴させ、手作りの料理をおなかいっぱい食べさせるように努めています。 父が帰ってきてからは恐怖政治が始まるそれでも、小学生のときにフラッと父が帰ってきてお風呂などの衛生面は改善されました。ところが、この父親もとんでもない人でした。思い通りにならなければ乱暴な言葉で怒鳴って言うことを聞かせようとするのです。その怒り方は本当に常軌を逸していて、とても恐ろしいものでした。父はたまに家に立ち寄る程度の存在だったのに、怒鳴り散らすためだけに現れることもあって、父がいると気が休まりませんでした。私はこの父の恐怖政治を反面教師に、むやみに大声を出さず、諭すように叱ることを心がけています。 私自身は毒親にはなるまいと努めてきたためか、わが子はのびのびと育っています。昔のつらい思い出を振り切れる日はなかなか来ないと思いますが、子育ての反面教師として毒親との思い出を利用すれば、親としての道を踏みはずすことはないだろうとプラスに考えるようにしています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 イラスト:imasaku著者:鏡 環2歳の息子の母。現在第二子妊娠中。元高校教員。うつ病と闘いながら夫と二人三脚で育児に励む。
2020年02月09日自分が親になってみると、乗り越えたはずの「幼少期の辛い記憶」がよみがえる…。そんな人は、案外多いようです。親にされたようなことを、自分の子どもにはしたくない! 虐待の世代間連鎖を防ぐために、私たちができることは?母子論の第一人者であるカウンセラーの信田さよ子先生が、豊富なカウンセリング経験から導き出した初の子育て論を出版されたので、お話しを伺いました。この記事は、 「『親にされたことを、わが子にしたくない』そんなママに限界がきたら…」 「子どもが泣くと怒りが沸く…その負の感情が世代間連鎖を生む!?」 の続きです。■虐待の世代間連鎖を防ぐ二つのキーワード―「親にされたようなことを、自分の子どもにはしたくない!」と思う人は多いようです。信田:日本には、虐待にかかわる広範な職種の人たちにより構成された「日本子ども虐待防止学会」という学会があり、そこでは世代間連鎖に関する研究がいくつも発表されています。それらの研究から浮かびあがる重要なキーワードは、2つあります。ひとつは、「アタッチメント」、もうひとつは「感覚否定」です。―「アタッチメント」とは、何ですか?信田:アタッチメントは、子どもが不安を感じたときに、養育者にくっつくことで安心感を回復するシステムです。ここで注意したいのは、アタッチメントは「愛情」を表しているのではなく、むしろ危機的場面を切り抜けるために必要な「安心感」を表しているという点です。つまり、アタッチメントは「親から子どもに与えるもの」(愛情)ではなく、「子どもの側が親に求めるもの」(安心感)なんです。■子どもが親に求めているものとは?―なるほど。信田:アタッチメントのシステムが子どもの成長とともに安定的に発達すると、満2歳ごろから、自分と他者との関係性について、心の中のイメージが構成されるようになります。これを「内的作業モデル(Internal Working Model)」と呼びます。アタッチメントのシステムが子どもの成長とともに安定的に発達すれば、「自分の感覚は世界から受容されるはずだ」「他者は自分に安心感を与えてくれる」という信頼感が育ち、子どもの心の中には、世界とは、他者とはそのようなものである、というイメージが形成されていきます。―そのイメージ、とても大切ですね。信田:けれども、全員が全員、アタッチメントのシステムがうまく形成されるとは限りません。安心できる定点のようなものがどこにもなかったとしても、子どもたちは成長せざるをえませんから。そうなると、親子関係、対人関係におけるさまざまな特徴が生まれることになるんです。―どんな特徴があるのでしょうか?信田:たとえば、ほんとうはケアを求めているのに、わざと求めなかったり、ケアなんか必要ないという態度をとったりします。危険な行動を起こしたり、相手を攻撃したりすることで、ケアを求めていることをわかってもらおうとすることもあります。時には、反対に相手をケアする側に回ったりします。それらは、たいてい周囲の大人から「本人の個性」「性格」「遺伝」とされがちですし、本人たちもそう思い、成長し、結婚し、やがて親となる時を迎えます。アタッチメントがどのように形成されているかを、多くの人は自覚することはありません。目にはみえませんし、自分はそういう人間だと思っているからです。■子どもの「不快」を受け止められない親―「アタッチメント」という概念、とても重要性ですね。では「感覚否定」とは、何ですか?信田:子育てで最初に直面するのが、「子どもの泣き声」です。 育児に対して困難な気持ちを抱える女性たちのカウンセリングにかかわった経験がありますが、深刻な虐待をくりかえす女性も少なくありませんでした。「子どもが泣くと不安や憎しみが沸く」「いらいらしたり、何ともいえない気持ちになったりする」「心臓がどきどきしたり、呼吸が荒くなったりする」……。これらは育児ノイローゼとかたづけられがちですが、彼女たちの反応をもっと深くとらえる必要があります。これらの反応は、「子どもが泣く」という負の情動に対して、母親も負の反応を生じてしまうことを表しているんです。「どうしたの、よしよし」と抱っこする以前に、負の情動を示す子どもに対して母親の身体レベルでの拒絶が起き、結果的に子どもの負の情動を拒否してしまう。この拒否が、感覚否定です。―母親として、「子どもの負の情動を受け止めることができない」ということですか?信田:自分自身が負の情動を受け止められたという経験がない、負の情動を生み出す感覚が否定されてきたことが、泣く子どもへの身体レベルでの拒否感を生み出していると考えられます。子育てという事態に直面したとき、アタッチメントの課題が「感覚否定」という問題となって再浮上するのです。―「アタッチメント」と「感覚否定」、そんな因果関係があるのですね。信田:子どもの泣き声は、不快だったり、苦痛だったりするので生じる声です。それらが親から否定されたり、親から攻撃されたらどうなるでしょう?アタッチメントという言葉を用いれば、親の感覚否定こそが、アタッチメントが形成されることの最大の妨げとなっているとも言えます。不快で泣くしかできない子どもが、それを拒絶されるということは、感情・情緒を受け止めてもらえないというより、もっと身体感覚に近いものがあるでしょう。■子どもが泣いた時、自分に課すべきこと―母親として、そのような状態になってしまう場合は、どうしたら良いのでしょうか?信田:子育て中のママには、「子どもが泣いたら、とにかく『よしよし』と口に出すこと」と、お伝えしています。「よしよし」というのはあやす言葉ですが、「良し」という肯定も表しているんです。とにかく「よしよし」とつぶやくことを、自分に課す。それが条件反射になるくらい、毎日練習してみる。「自分はそんなふうに言ってもらったことがない」と、気づく人もいるでしょう。それはとても重要な気づきだと言えます。そして、「私は未経験のことをやろうとしている。何てすごいんだろう」と、「よしよし」に取り組む自分をほめてあげましょう。ひとりでぶつぶつ、「よしよし」という練習をする、このような練習をして、それを習慣化していく方法を「行動療法」と言います。理由はなんであれ、とにかく行動する、それを習慣化させることが大切なのです。―なかなか、厳しいですね。まるで修行のようです。信田:子育ては、修行という部分もありますよね。もう少し子どもの年齢があがれば、「いやだ」「お腹がすいた」ということもあるでしょう。転べば「痛い!」と言うでしょう。そんなとき、「いやじゃないの」「お腹なんて空いてないの」「痛くない!」と、言わないで欲しいのです。それこそが、感覚否定ですから。「痛い!」と、子どもが言えば「痛いのね」と復唱する。共感できなくても腹がたっても、とにかく子どもの言葉を「復唱」するのです。なぜなら、感情がこもっていなくても、どこか機械的であったとしても、否定するより、はるかにましだからです。「痛くないでしょ!」が感覚否定であるのに対して、「痛いの痛いの飛んでけ」は感覚肯定になります。このような伝承された言葉遣いには、感覚否定をしない智恵がつまっていますね。■世代間連鎖を防ぐために、私たちができること―「アタッチメント」「感覚否定」、あらためてキーワードだと感じました。信田:感覚否定に陥らないためには、子どもの言動に対して自分がどう感じているかを察知する必要があります。「ああ、自分は怯えている」「子どもが泣くとパニックになる」といった具合に自覚するためには、子どもの様子と同時に、自分の感覚を観察する必要があります。それをセルフウォッチング(自己観察)と呼びます。このような知識があったとしても、日々の子育ての場面で、すぐに自覚できるわけではありません。自己観察することに拒否感を覚える人もいます。自分の感覚を麻痺させるために、酒や薬などに依存することもあるからです。第三者(専門家)の援助を受けながら、自分の感覚に気づけるようにするという長いプロセスが必要となりますが、けっして不可能ではありません。―そうおっしゃっていただけると、何だか気力が沸いてきます。信田:自己観察によって、自分が子どもと向き合うときに不意に生じる負の反応を、だんだんと自覚できるようになると良いですね。●なぜ子どもが泣くと、自分が責められたように感じるのか?●なぜ子どもがぐずったりだだをこねたりすると、見境もなく怒りが沸いてきて怒鳴りたくなるのか?前述のとおり、このような反応が子どもにとって感覚否定になることを知り、その多くが、自分が育つ中で経験してきたものだとすれば、自分はそれを繰り返さないようにしなければなりません。―なるほど。信田:自分が親からどのようなことを継承したか、何を子どもに継承させたくないかを知るために、もう一つ大切なのは生育歴を振り返ることです。ときに振り返ることは苦しかったり、蓋をしておきたいという気持ちから、思い出せなかったり、思い出すことで不安定になったりすることもおきます。できれば専門家(カウンセラー)や、同じ経験をした仲間(友人)などと一緒に振り返るほうが安全かもしれませんね。―第三者(専門家)の援助、とても大切ですね。信田:これは私の持論なのですが、両親学級で、沐浴や授乳を教わるのに加え、そのうちの1回を生育歴作成にあてたらどうかと思っています。夫婦それぞれが生育歴を振り返ることで、あらためて、生まれてくる子どもに伝えていきたいこと、継承させたくないことを自覚できるのではないでしょうか。どの人にも、自分が親にされたように自分のこどもにはしたくないという点がひとつはあるはずです。それを確認するために生育歴を振り返ることは、世代間連鎖の防止ともいえるでしょう―本当にそうですね。信田:日々の練習を積み重ねることで、子どもに対して望ましい接し方ができるようになると思っています。「自分はそうしてもらってこなかったとしても」です。何より「世代間連鎖を防ぎたい」と願うことそのものが、すでに防止の第1歩なのです。そんな自分のことを「すばらしい」と、自信を持っていただきたいと思います。いかがでしたか? 子育て中に沸き起こる負の感情は、ママなら、誰しもが経験済です。けれども、「負の感情が自分の手に負えない!」と感じるならば、信田先生のような専門家の援助も必要なのでは? と、筆者は思っています。1人でも多くの独りで悩んでいるママに、この特集が届くことを願っています。<世代間連鎖を防ぐには>1)世代間連鎖を防ぐためのキーワードは、「アタッチメント」と「感覚否定」2)子どもが泣いたら、「よしよし」という練習から始める3)「世代間連鎖を防ぎたい」と願うことそのものが、すでに防止の第1歩■今回、取材を受けてくださった信田さよ子先生の最新作 『後悔しない子育て 世代間連鎖を防ぐために必要なこと』 (¥1,400円(税別)/講談社)信田 さよ子さん臨床心理士。原宿カウンセリングセンター所長。駒木野病院、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室を経て1995年に原宿カウンセリングセンターを設立。アルコールなどさまざまな依存症、摂食障害、ドメスティック・バイオレンス(DV)、子どもの虐待などに悩む本人やその家族へのカウンセリングを行っている。著書に『母が重くてたまらない』(春秋社)、『母・娘・祖母が共存するために』(朝日新聞出版)、『母からの解放 娘たちの声は届くか』(集英社)『タフラブという快刀』(梧桐書院)など。
2020年01月25日以前、信田先生を取材させていただいた 「『私って、毒親?』と心配するママたちの原因は、“母”にある!?」 という記事が、とても人気がありました。それだけ、多くの人が、「こんなに感情的になってしまう私って、大丈夫?」と、心配しているのだと思います。》 「『私って、毒親?』と心配するママたちの原因は、“母”にある!?」 出産・育児の時期は、自分の母親の育児態度が思い出され、「母と同じ口調でわが子を叱ってしまう」と、自己嫌悪を感じることも。「私って、もしかして毒親?」と、心配になるママはどうすればいいのかをひも解いていきます。それだけ、多くの人が、「こんなに感情的になってしまう私って、大丈夫?」と、心配しているのだと思います。子育てをしていれば、感情的に子どもを叱ってしまう日だってあるでしょう。では、母親は、感情的になってはいけないのでしょうか? 引き続き、母子論の第一人者であるカウンセラーの信田さよ子さんにお話しを伺います。この記事は、 「『親にされたことを、わが子にしたくない』そんなママに限界がきたら…」 の続きです。■「感情的になった母親はひどい」のか?―つい感情的に子どもを叱ってしまい、その後に激しい自己嫌悪に陥ります。信田さよ子さん(以下、信田):「感情的になった母親はひどい」と考えると、「感情的になってはいけない」「怒ってはいけない」と抑制しなければという気持ちになりますが、それは誤解です。たとえ否定的な感情だったとしても、湧き上がる感情そのものに良い悪いはないんです。「怒りの感情を抱く」ことと、「それをどのように表現するか」は、別の話として考えた方が良いですね。―そうなんですか?信田:怒ったらすぐに怒鳴ってしまう、思わず子どもを叩いてしまうという人は、「怒り」を「抑える」しか方法がない、だから我慢しなければというふうに考えがちです。近年の心理学の成果は、どれほど怒りの感情が激しくしても、その表現方法は「選択」できることを明らかにしたことです。―表現方法を、「選択」ですか?信田:それには、自分の怒りを客観的に眺める必要がありますね。「怒りの温度計」という比喩は、とても役に立ちます。ゼロから10までの目盛りの温度計で「今6度だ、このままの状態を続けると9度を超えてしまう」というように、自分がどこまで怒りを抱いているか、怒りの程度をウォッチするのに温度計の比喩は役立ちます。怒りの温度計が上昇しているときであっても、ゆっくりとそして落ち着いた声で、「パン屋さんでは、パンに指でさわってはいけません」と、伝えることはできるでしょう?―なるほど。そんなふうに考えれば良いんですね。信田:怒ったらすぐ大声で怒鳴ってしまう、という人は、行動の選択肢は怒鳴る以外にもあることを知らないか、怒鳴るという行為を許している、自分を正当化しているんだと思います。もし、「自分の子どもだから怒鳴ってもかまわない」と考えているとすれば、はなはだ迷惑な話だと思います。子どもを所有物だと思っているのではないでしょうか?■叱るのはいけないことなのか?―所有物というか、子どもに対して「責任がある」と思っているんです。信田:なるほどね。そういう方は、もしかすると「怒る」と「叱る」を混同しているのかもしれませんね。最近は、「怒ると叱るは違う」と、さまざまな子育て本に書いてあり、ひとつの定番化になっているほどです。でも、「怒る」と「叱る」の違いを理解している人は、案外と少ないのかもしれません。「叱る」行為の大前提として、「自分の感情を爆発させるためではなく、相手の成長のため」という目的がある点を、意識してみましょう。つまり下の存在を成長させるために、上の存在がきつく諭し気づかせるように導くことが、「叱る」という行為です。そこには、「上から下への勾配関係」があります。―なるほど。信田:けれども、最近では子どもに対して「上から目線」になることをためらう親が増えています。「子どもを対等な人として扱うことが大切」、「押し付けない」「強制しない」、「なぜなら子どもの自主性が大切だから」といった育児観が広がることで、上から目線の命令口調は否定されるようになってきました。けれども、「〇〇してはいけません」「〇〇しなさい」と発言しないことは、親が責任を取ることに怯えているんじゃないでしょうか。もっとはっきり言えば、「叱らない親」「お願いする親」の本質は、私には責任逃れのように感じられるのです。■子どもに怒ってしまったことは取り返しがつかないの?―すごく思い当たります…。でも、やっぱり、何だか及び腰になってしまうんです。信田:「怒る」と「叱る」を、整理できるようになってくると、怒りのエネルギーを上手に使えるのかもしれませんね。そんな方に知っておいて欲しいのは、思わず怒りの感情が暴発してしまったとしても、取り返しがつかないわけではない。ちゃんとフォローできていれば大丈夫、ということです。取返しのつかないことなどないんです。―そういってもらえると、何だかホッとします。信田:そして、さらに、親が叱る時の基準をつくることが大切です。親の気分次第の勝手な叱り方は、子どもに大きな混乱をもたらしますからね。そうすると、子どもなりに、リスクの少ない安全策は「親から見て常にいい子でいることである」と学んでしまうんです。過剰ないい子、誰からみてもいい子であることの背景に、親のわけのわからない無原則的な怒りの暴発があることは指摘しておきたいと思います。―そうなんですね…。信田:望ましい家族の一つの条件は、「子どもなりに納得できる原則を親が示し、親がそれを守ろうとする姿勢を示すこと」。それはひとつの「秩序」を示すことですね。叱るという行為は上から下への支配的な言動のひとつですが、「自分の感情を爆発させるためではなく、相手の成長のため」という目的ゆえに許されるのです。こうやって整理しておけば、「怒る」ことをむやみに怖がらなくなるし、感情的になってしまった時も、きちんと「叱る」ために、ハッと立ち止まれるのではないでしょうか? <感情的に怒ってしまうママへ>1)「怒り」の表現方法は選択できる。「怒りの温度計」という比喩を使うとわかりやすい2)「叱る」のは、相手の成長のため。叱る時は基準を示し、親は基準を守る姿勢を見せる3)親のわけのわからない無原則的な怒りの暴発が、「いい子」を作ってしまう次回は、いよいよ本特集の仕上げ。虐待の世代間連鎖を防ぐためのお話しです。■今回、取材を受けてくださった信田さよ子先生の最新作 『後悔しない子育て 世代間連鎖を防ぐために必要なこと』 (¥1,400円(税別)/講談社)信田 さよ子さん臨床心理士。原宿カウンセリングセンター所長。駒木野病院、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室を経て1995年に原宿カウンセリングセンターを設立。アルコールなどさまざまな依存症、摂食障害、ドメスティック・バイオレンス(DV)、子どもの虐待などに悩む本人やその家族へのカウンセリングを行っている。著書に『母が重くてたまらない』(春秋社)、『母・娘・祖母が共存するために』(朝日新聞出版)、『母からの解放 娘たちの声は届くか』(集英社)『タフラブという快刀』(梧桐書院)など。
2020年01月24日「親のことを、手放しで『大好き!』と言える人って、案外、少ないんだな」と、そんなふうに筆者は感じています。仕事仲間やママ友の多くが、自分の生育歴のどこかは、納得していない…。言い換えれば、「親にされて、嫌だったこと」は、誰にでも、ひとつや、ふたつあるんです。それでは、自分の子育てで繰り返さないためには、どうしたら良いのでしょうか? 原宿カウンセリングセンター所長であり、母子論の第一人者の信田さよ子先生が、初の育児論を書かれたというので、お話しを伺ってきました!信田 さよ子さん(のぶた さよこ)臨床心理士。原宿カウンセリングセンター所長。親子・夫婦関係、暴力、ハラスメントなどの問題に関するカウンセリングを行っている。著書に『母が重くてたまらない』(春秋社)ほか多数。■親にされたことを、自分の子どもにはしたくない!信田先生は、言います。「私のところにカウンセリングに訪れる人たちの多くが、自分が親たちから受けた育児態度やしつけ、もっと具体的に言うなら虐待に近い経験を子どもに対して繰り返したくないと考えています」。日本では、いまだ「虐待」という響きから、殴る蹴るといった残酷な行為のことをイメージしがちです。けれども、虐待とは次の4つのことを指すことを、まずは知っておいて欲しいと思います。<「4つの虐待」の定義>●身体的虐待:殴る、蹴るなど身体的な暴力を行う●心理的虐待:「ばか」「お前なんかはいらない」といった、言葉の暴力や、DVを見せること●性的虐待:子どもに対して性的な言葉を浴びせたり、性的行動を見せたり、行う●ネグレクト:子どもの心身の健康な成長・発達に必要な世話・対応をしない(筆者作成)身体的な暴力はもちろんのこと、「子どもの心になんらかの傷を負わせる行為は虐待である」という知識があると、親との間にあった「納得のいかない感情」を、俯瞰(ふかん)しながら突き放して眺めることに役立つのではないでしょうか? 「カウンセリング現場からの声を逆算していくと、『これだけは子どもに対してやってはいけない』というものが見えてきます。それをしないようにするだけで、虐待の防止になります」(信田先生)■家族が機能するために大切なことは?信田先生のカウンセリングは、「家族の中で生じる問題は、原因があるわけではない」というスタンスです。「私たちカウンセラーの仕事は、原因を見つけ、犯人を摘発することではないのです。考え方としては、因果論ではなく循環論に近いのかもしれません。『原因によって問題が起こっているのではなく、悪循環が起こっているのだ』と考えています」(信田先生)では、その悪循環は、どう断ち切れば良いのでしょうか?キーワードは、世代間境界です。わかりやすい例としては、夫との関係がうまくいかない母親が、子どもとタッグを組んで、夫の存在を疎外してしまう…。「適度な世代間境界の形成と尊重が、家族関係を適度に機能させるんです」(信田先生)■母親は子どもに嫉妬していないか?適度な世代間境界の形成の第一歩として、意外かもしれませんが、「子どもに嫉妬していないか?」というチェックが必要です。<「子どもに嫉妬していないか?」チェック例>□私は親からそんなことをしてもらったこともないのに、この子は、私という親からいい思いをさせてもらっているんじゃないか□同性である娘がキラキラとして幸せそうな顔をしていると、「いい気になるんじゃない」などと、透明な水に真っ黒な墨を一滴垂らすような一言を投げつけたくなる。でも、私は親心から慢心をたしなめていると思い正当化する「こんな気持ちになることがあったら、親が子どもに嫉妬している、と言い換えても良いのではないか?」と、信田先生は言います。「親にしてもらえなかったことを、子どもにはやってあげようとは思いながらも、それはすんなりといくわけではないのです。誰かに支えてもらったり、そんな自分を認めてもらいながらでないと、限界が来てしまいます。まずは、『私は子どもに嫉妬している』と、自分で気がつけるようになることが大切ですね」(信田先生)■虐待する親たちが例外なく言うこと私は子どもに嫉妬している。そんな自分の醜い気持ちに、自分で気がつけるようになる! なかなかヘビーな作業です。でも、筆者は、子育てはキレイごとだけではやっていけないとも思うのです。「自分の醜い気持ち」から目を背けないでいようとする気力や勇気。それは、やっぱり必要なのではないか? そんなふうに思います。なぜなら…。「虐待をする親たちは例外なく『子どもが言うことをきかなかった』と言います。自分が腹を立てたことを『自分の問題』ではなく、『腹を立てさせた子どもの問題』であるとする思考回路です」(信田先生)こう言われて、思い当たらない人の方が少ないと思います。筆者も、思い当たり過ぎて胃が痛くなりました…。でも、こんな時に、「自分で気がつけるかどうか?」は、大きな大きな分岐点だと思うのです。「親を怒らせないように、母親が何を期待しているかを瞬時に察知して、そのとおりの言動をする癖が子どもについてしまう。そうなると、いつもびくびくして、母親の表情を伺うことになってしまいます」(信田先生) 要は、子どもに、甘えないこと。筆者は、このお話しを伺って、子どもに、自分の醜い心を背負わせるのではなく、自分が向き合える人になりたいと感じました。それは、とてつもなく難しいことだと、途方のなさに溜息が出てきますが……。<親にされたことを自分の子に繰り返さないために>1)家族が機能するためには世代間境界が大切2)世代間境界を意識するために、「子どもに嫉妬していないか?」をチェックする3)自分の負の感情を、子どもに背負わせない次回は、ママの永遠のお悩み。「ついつい子どもに対して感情的に怒ってしまう」について考えてみましょう。■今回、取材を受けてくださった信田さよ子先生の最新作 『後悔しない子育て 世代間連鎖を防ぐために必要なこと』 (¥1,400円(税別)/講談社)信田 さよ子さん臨床心理士。原宿カウンセリングセンター所長。駒木野病院、嗜癖問題臨床研究所付属原宿相談室を経て1995年に原宿カウンセリングセンターを設立。アルコールなどさまざまな依存症、摂食障害、ドメスティック・バイオレンス(DV)、子どもの虐待などに悩む本人やその家族へのカウンセリングを行っている。著書に『母が重くてたまらない』(春秋社)、『母・娘・祖母が共存するために』(朝日新聞出版)、『母からの解放 娘たちの声は届くか』(集英社)『タフラブという快刀』(梧桐書院)など。
2020年01月23日子どもをしっかりした子に育てたい、勉強のできる子に育てたい。大切なわが子の将来を思うからこそ、子どもにさまざまなことを期待し、教えたくなりますよね。教えなければという思いから、ついつい子どもに対して口うるさくなってしまう親は多いものです。でも、それが“毒親”としての一歩だったとしたら……。毒親にならないために、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。 そもそも“毒親”とは?最近、ニュースなどで見かけるようになった「毒親」という言葉。毒親とは、暴言や暴力、しつけという名の過干渉をする親について使われる一方、自分の都合を優先し、子どもを放置したり、かまわない親についても使われる言葉とされています。また、親の過干渉から生じることとして、子どものキャパシティ以上に勉強をさせることを“教育虐待”とも言われるようになりました。 もしかしたらその対応は“毒親”の一歩かも暴言や暴力はもちろんしていない、ネグレクトもしていない、だから私は毒親ではない、と思っている人はもしかしたら危険かもしれません。誰でも毒親への一歩に足を踏み入れている可能性があります。お行儀よく食べさせよう、お片付けができるようにさせよう、電車の中でじっとしているように教えよう、これらはどれも当たり前に子どもに教えたいことだと思います。もちろん、お子さんがきちんと社会で過ごせるように教えたほうがいいことでもあります。けれど、子どもの成長に合わせず急ぎすぎて教えてしまうことは、毒親への第一歩を進めてしまうことにつながるかもしれません。 期待をかけすぎないようにブレーキを親としては、ついつい先回りしてお子さんにいろいろと教えこませたくなります。でも、まだまだ小さいときにお行儀などを教え過ぎることが、その後の“教育虐待”にもつながっていく恐れがあります。 根底にあるのは、こうなってほしい、こうあるべき、という子どもへの期待。しかし、小さなお子さんのキャパシティは、まだまだ小さいものです。それが本当に“今”教えたほうがいいことなのか? 子どものキャパシティを超えた親の「期待」がかかっていないか?を考えてみましょう。もし、ちょっと子どもにうるさく言い過ぎているかも……と思ったら、友人やご自身の親御さんに自分の対応が過干渉になっていないか聞いてみてください。自分の子どもに責任を持っていない、ある意味「無責任」な意見が、自身の毒親への一歩を止めてくれるブレーキになることがあります。 大切で愛するわが子のためだからこそやっていることであり、お子さんによってできる範囲も受け止め方もさまざまなため、どこからが毒親への一歩となるのかは、本当に難しいところです。うるさく言い過ぎているときに、「子どものため」という理由からであればちょっと立ち止まってみて、お子さんの気持ちが後回しになっていないか考えてみるといいかもしれません。 著者:ライター メンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー カトウ ヒロコメンタル心理カウンセラー・上級心理カウンセラー。また、フリーのWEBプロデューサー&ライターとして活動中。
2020年01月11日私は現在2児の母親ですが、実は私の実母が毒親で、機能不全家族のもとで育ちました。3歳のころからしつけと称して暴力や過干渉などを受けてきました。自分が実際に母親となり、どのような過酷な環境で育ったかを考えることがあり、そのたびに胸が締め付けられます。今回はそんな実母のもとで育った私が、出産時に里帰りしたのか、しなかったのか? どんな選択を取ったのかお話しいたします。 妊娠判明……しかし昔の経験から不安が襲う私は人と付き合うのが幼少期からずっと苦手でした。それでも運命的に今の夫と出会うことができ、結婚して1年経ったころに妊娠が判明しました。 私の子どものころのことですが、両親ともに自営業を営んできた共働き家庭でとても忙しく、1日中お店のベビーベットに放置されたままということも日常茶飯事でした。そんな境遇のもとで育ってきたので、妊娠に喜びもあるけれど「本当に私が育てられるのか」という不安も同時に襲ってきました。 里帰りするべきとアドバイスを受けたが妊娠週数が進むにつれて、出産後は里帰りするべきか悩み出しました。ごく親しい友人たちには、私の両親の話などを打ち明けていましたが「たとえ毒親でも、親がいるだけで助かるものだよ。産後は想像以上にしんどいから、せめて1カ月でも里帰りするべき」とアドバイスを受けたのです。 たしかにその友人たちは実際に出産を経験していたので、説得力がありました。けれども果たして本当にそれが自分にとってベストなのか悩みました。 里帰りはせず、産後直後からワンオペ育児結局自分が出した結論は、「里帰り出産はしない」という固い決意でした。なぜそのような選択をしたのかというと、妊娠後期から実母と電話で連絡を取ることがあったのですが、そのたびに大喧嘩をして私自身が高血圧となり、病院から降圧剤を処方されるなど、体調面で危機を感じたからです。 実母といえど、私とはまた違った個性のある人間です。お互いわかり合えないのなら、もうひとりで乗り越えるしかないと腹をくくりました。 結果的には、友人たちのアドバイスは聞き入れなかったことになりますが、私は里帰りしないという選択で本当によかったと感じています。出産後は大変だけれど、合わない実母と過ごすストレスがないので快適でした。もちろん、2人目も里帰りはせずに出産直後からワンオペ育児でした。最終的には人の意見に頼らず自分自身で決断できたのが功を奏したと思っています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:山本加奈子 2児の母。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2020年01月09日「親の介護に直面して初めて自分の親が“毒親”であったことに気づくケースもあります」そう語るのは、家族問題や児童虐待を長く取材してきたジャーナリストの石川結貴さん。今、介護問題の新しい形に言及した新刊『毒親介護』(文藝春秋)が話題を呼んでいる。“毒親介護”とは石川さんの造語で、50代、60代の娘が母親との関係にトラウマを抱えながら、介護を強いられる状況のこと。幼少期から「殴る、蹴る」といった虐待を受けたり、育児放棄状態のまま育つなどした娘たちが、高齢化した親の介護を担うようになった現場を取材し続ける石川さんはこう分析する。「虐待を受けたにもかかわらず介護を続ける娘さんからは、責任感の強さや、『親から一度は認められたい』『感謝の言葉が欲しい』と切望する屈折した動機がうかがえます。はたから見れば『そんな親はさっさと捨てればいいでしょ』と思うような状況でも介護する背景には、長きにわたって醸成された親子の深い闇があるのです」今回、「毒母介護」という闇に陥らないための心得4を石川さんに教えてもらった。【1】「毒親は捨てる」と腹をくくる「“毒親介護”の泥沼に陥っている人たちは、『私がいなければ』と共依存の状態になっていたり、追い詰められて『介護離職してでも』と周りが見えなくなっているケースが目立ちます。本当に親を捨てるかはさておき、『決別する』という選択もあると思うことでメンタルは救われます。そもそも子どものいない高齢者でも、適切な行政サービスを受ければ生活は成り立ちます。具体的には、まず家を出て別居することで、親の施設入所が早まる場合もあります」【2】“親からの”ではなく“自分の”評価を大切に「毒親からの『ありがとう』を求めすぎていたり、必要以上の承認欲求を抱いていたりするケースも。大人になったのだから親からの評価からは解放され、『私なりによく頑張った』と自己肯定し、自分を褒める習慣をつけましょう」【3】“要介護認定”は医者から本人に告げてもらう「要介護認定をかたくなに拒む親は多く、いきなりケアマネジャーさんを呼ぶことはおすすめしません。高齢者の多くは医療機関にお世話になっているので、信頼している医師から『いいサービスがあるから手続きしよう』と促してもらうと『先生がそう言うなら』と素直になるケースが多いです」【4】ケアマネさんに自分の事情や思いを伝える「ケアマネさんの来訪時に見えを張らず、親に苦しめられた事実や心理的に追い詰められている現状を正直に打ち明けておくこと。仕事も辞めたくないなど、置かれた状況を隠さず伝えることで配慮のあるプランを立ててもらえます」ほかにも「身元保証人にはなる」「万が一の時は、葬式だけは出す」など、親とかかわる範囲を決めておくことも泥沼に陥らない対応策になると石川さんはアドバイスする。「うちも危ない!」と思ったら、介護が始まる前にまずはプランを立て、その時に備えよう。「女性自身」2020年1月1日・7日・14日号 掲載
2019年12月24日私は現在、3歳と生後5カ月の娘をもつ2児の母親です。実は、私の両親はいわゆる毒親。両親ともに自営業で、24時間生活を共にせざるを得ないせいか、いつも夫婦喧嘩がたえず、私自身は暴力や過干渉、ネグレクトを受けて育ってきました。そんな家庭環境に置かれていた私の経験をお話しします。 両親が毒親だと気付いたとき私は物心ついたころから、両親に頭を叩かれる、暴言を吐かれるといった心身面での暴力や、20歳を過ぎるまで門限が20時などの過干渉、両親が仕事中は基本的に経営するお店から出てはいけないなどの決まりに縛られていました。しかし、仕事中なので一切私の相手はしてくれないなど、ネグレクトも受けて育ちました。自分の両親が毒親だと気付いたのは、私が結婚して上の子を妊娠したときでした。妊娠してからさまざまな育児本を読み、自分の子どもを出産して育児をおこなうなかで、これまでの私の家庭環境はおかしいと初めて気付くことができたのです。 なぜ両親が毒親と気付かなかったのか?両親が毒親だと気付くまでかなりの時間がかかったのはなぜなのか? 自分なりに考えた末、こう結論づけました。 「幼少期は両親という絶対的存在がいてこそ、自分の生活(衣食住)が成り立つ。親がいなければ子どもは何もできない。だから、両親のいうことには従わざるを得ないので、強大な存在である両親の価値観こそが一番正しいとずっと思い込んでいた」のだと……。 幼少期からの価値観は生涯引きずるものしかし、普通の家庭で育った方から見ると、さすがに中学生になれば自分自身で毒親かどうかくらい考えられるんじゃないの? と思われるかもしれません。 通常、思春期には反抗期という形で、「自己と他人(両親)は別の個性ある人間である」と自覚する時期がある人が多いと思いますが、私の家庭ではそれができませんでした。学生時代も両親から暴力を受け続け、残念ながら私は反抗期の機会も失ってしまったのです。 現在、両親とは極力距離を置いていて、当たり障りのない付き合いを心掛けています。そして、毒親の元で育った私の育児教訓は“子どもを叩かず、甘えを受け入れてあげる”ということです。普通のことかもしれませんが、歪んだ価値観をすり込まれた私にとっては非常に難しい課題なのです。子どもたちや自分の身を守り、“本来の自分”を取り戻すまでには、もう少し時間がかかりそうです。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 著者:黒井夢乃二女の母。歯科衛生士資格あり。二女出産前まで歯科医院にて勤務。自身が毒親に育てられた。自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2019年11月26日遠慮なくなんでも言い合える実の親子だからこそ、言い合うことも数知れず…という人はもしかしたら多いかもしれません。思春期だったり、成人後だったり、結婚後だったり。さまざまなタイミングで親との衝突が訪れる可能性があります。今回は、さまざまな親子の在り方について、考えてみたいと思います。■親との衝突を経験したことある人の割合は?自分の親と衝突したことがあるか聞いたアンケートでは、なんと約8割の人は親と衝突した経験があることがわかりました。その内訳は、「かなりある」が34.7%ともっとも多く、次いで「少しある」、「以前はあった」となります。一方、残りの約2割の人たちは「ほとんどない」、「ない」と回答し、衝突した経験がないという人も一定数いることがわかります。Q.自分の親と衝突したことある?かなりある 34.7%少しある 20.8%以前はあった 23.9%ほとんどない 16.3%ない 3.4%その他 0.8%■親との衝突、反抗期「周りが見えてなかった」まず、「衝突する」と答えた人たちからは、思春期に親と衝突したエピソードが寄せられていました。「思春期は自分のことでいっぱいで、周りなんて見えていなかった。人の気持ちがこんなにたくさんあって、いろいろな解決の仕方があることには子どもを産んで気付きました」(愛媛県 20代女性)「かなり衝突していましたが、実家から離れて暮らして、親のありがたみがわかりました。わが子が思春期になり、自分が反抗していたときの親の気持ちが少しわかる気がして、反省しています」(茨城県 40代女性)「中高生の頃は親と衝突しつつ、『これでも感謝してんだよ』と思っていました。進学を機に一人暮らしをして、親との距離のとり方を覚え、社会人になって子どもができて親の恩を実感できました」(石川県 40代男性)思春期は、こころの発達の面からは小学校高学年から高校生年代の時期にあたるといわれ、その時期には理由もなく親に反抗したくなってしまうこともありますよね。「大人として一人前に扱ってほしい」という葛藤や「まだ一人では何者にもなれない」という子ども自身にとっても苦しい時期だったと思い出す人も多いのではないでしょうか。そんな反抗期の態度を省みるコメントは多く、「かなり激しめな反抗期に見捨てることなく付き合ってくれた母親には感謝しかない。結婚して家を出て数十年たちますが、いまだに母親大好きっ子です」という感謝の声も寄せられていました。■親との衝突、子育てへの干渉「ライフスタイルが違う」また、「衝突した」と回答した人たちからは、子どもが生まれてから衝突するようになったというコメントも寄せられました。「孫が産まれてから、母が過干渉になり衝突が増えたため、距離を取っています。心配はわかるけど、ネガティブなことばかり聞かされてうんざり」(神奈川県 40代女性)「同居のとき、孫大好きでばあばもじいじも孫のしたいようにさせ、私の意向は聞いてくれませんでした。お母さんは一家に一人でいいんだと思う」(千葉県 30代女性)「子どものお稽古や進学に関して意見をズバズバ言われます。アドバイスというより命令形。『ハイハイ』とはいきませんね」(神奈川県 40代女性)「専業主婦だった母、共働きの私。仕事をセーブして子どものそばにいろと。ライフスタイルの違いでぶつかります」(神奈川県 40代女性)親と自分だけだった関係に、「子ども」という存在が加わり、関係性のバランスが変わったと感じている人が多いようです。子育ての方針に口出しをされてイライラしてしまったり、孫に甘すぎる祖父母にもどかしく感じたりと、衝突する機会が増えてしまうこともあることがわかります。■「衝突しない」裏にある親子の事情一方、「衝突しない」という意見から理想的な親子関係を築いている人たちからのコメントが集まるかと思いましたが、どうやら「円満だから衝突しない」というコメントは少数派というようにも感じます。「衝突しない」という回答の背景には複雑な思いがあるようです。●円満な関係にある「幼い頃から大好きな母を尊敬しています。一生懸命頑張っている姿を見てきたので、今に至るまでケンカも言い合いもありません。」(岩手県 40代女性)「結婚して子どもが生まれてからは、こんな思いで自分を育ててくれたんだと気付き、感謝の気持ちでいっぱいです。同じ敷地内に住んでいるので、お互いに助け合って仲良くやってます」(茨城県 40代女性)●親が他界している「両親は私が3歳頃に他界しているので、衝突もできませんでした」(山口県 40代女性)「母は20歳のときに前触れもなく亡くなってしまいました。私の成長を死ぬまで楽しみにしていたことは、亡くなった後に気付きました。親には傷つけることを言いたい放題だけど、いなくなって初めてわかることがある」(鳥取県 50代女性)●親とは距離感を取っている「話すとすぐに衝突してしまうので、なるべく距離感を保ち、必要最低限の会話を心がけています」(福島県 30代女性)「母は心配性でいつもワーワー言っている人。生まれた時からそういう環境なので、私は聞き流す能力に長けていて、衝突はないです」(神奈川県 40代女性)「衝突しない」と一口に言っても、親子にはさまざまな事情があることが伝わってきます。親がすでに他界していたり、言いたいことを言わないようにガマンしていたりと、そこには、衝突するよりも切ない現実がある場合もあるようです。親が亡くなってしまえば、もう親子関係を築くこともできなくなります。筆者自身は母親を亡くしているのですが、生きているときは衝突して苦しかったこともありましたが、今は衝突をしたくてもできないと、寂しく感じることもあります。■「心が許せない…」毒親に苦しむ声もさらに、寄せられた声の中で目立ったのは、「毒親」との関係に悩む人たちの叫びとも言えるものでした。「『いい子でいなくちゃ』と必死で、衝突するなんて考えもしませんでした。情けないことに現在進行形です」(神奈川県 30代女性)「『親に口ごたえするな!』と言われて育ったので、衝突はおろかいまだに親にちゃんと意見が言えません」(神奈川県 40代女性)「何でも自分の言うとおりに子どもが動かないと気がすまない、いわゆる毒親でした。私は完全に心を閉ざしてしまい親には何にも言えない関係に。子どもの頃にできてしまった心の闇は消えません」(東京都 50代女性)「衝突できるのは、親子関係がいいからだと思います。私は、親から暴力を受けていたため、恐怖で口答えすらできませんでした」(愛知県 30代女性)「毒親」という言葉は、医療機関のコンサルタントのスーザン・フォワードが書いた『毒になる親 一生苦しむ子供』からついたもので、子どもを支配する、子どもに罰を与えるなどして、悪影響を与える親を意味しています。小さいころだけではなく、結婚して子どもができても続くような毒親からの支配に悩み、「親と衝突して関りを持つことすら許せない」という心の叫びが伝わってきます。■親との衝突は悪いことなのか?先ほど、毒親に苦しむ人たちの声を見てきたように、親との関係がうまくいっていないからこそ「衝突すらできない」と悩んでいる人たちもいるようです。そうすると、はたして親との衝突って悪いことなのでしょうか。「たまには、意見の相違があってもいいんじゃない! 生きているうちですよ、そんなことを言ってられるのは」(滋賀県 50代男性)「衝突でも、言いたいことを本音で言い合ってお互いに思っていることを知るのも必要かと。言い合えるだけの元気がお互いにあるんですし」(神奈川県 40代女性)「親が子を思えばこそ、真剣に向き合ってくれていたからこそ、衝突してまで教えてくれたのだと今は思います。歳を重ねるごとに、ますます大切な存在になっていくような気がします」(神奈川県 40代女性)確かに、衝突することでお互い本音が言えたり、衝突を経て関係性が良くなったりすることもありますよね。近い存在である家族だからこそ、遠慮なく物事が伝えられるのも事実です。お互いがストレスなく乗り越えられるならば、適度な衝突もアリなのかもしれませんね。■親子関係をうまく築くために「適度な衝突はアリ」だとしても、衝突が毎日のように続くと、お互いにしんどくなってしまいます。意図しない衝突を防ぐためには、どうすればいいのでしょうか。「戦うこともたくさんあったけど、一定の距離を保つことで今では落ち着きました」(北海道 30代女性)「衝突はたくさんありますが、親子だから泣くほどケンカしても、次会うときはまた元通りです」(千葉県 50代女性)「親だから言いたいことを100%言って、何度も衝突していた。知り合いに『言いたいことの1%で良いから我慢してごらん』とアドバイスしていただき、いまは仲良し親子です」(茨城県 40代女性)それぞれに対策を立てて、衝突を防いでいることがわかります。さらに、多く寄せられたのは、親に対する感謝の気持ちについてのコメント。親と同じ子どもをもつ立場になってこそわかることがあるようです。「親の苦労する姿をたくさん見てきたので、自分が子どもの親となった今はむしろ感謝の気持ちでいっぱいです。けっして一人で育ったわけではないことを忘れず、今後は少しでも親に恩返しをしていけたらと思っています」(東京都 40代女性)実の親子は、近い間柄の家族だからこそ、付き合いが難しいという側面があります。その関係性はさまざまで、衝突をする親子、しない親子、それぞれが自分の今を大切にするために努力し、工夫を重ねていることがうかがえます。なかなか素直に感謝を伝えられなかったり、言い過ぎてしまったり。コメントにもあるように、ついなんでも言いたい放題になってしまう実の親子だからこそ、本当は最低限の遠慮や気遣いが必要になってくるのかもしれません。今回は、パパママと自身の親との関係性をみてきました。そして自分の親との関係性を考えるときに、おそらく多くのパパママは自身と子どもとの関係性にも思いを馳せるのではないでしょうか。親子で仲良く過ごしていきたいと願っても、個性や相性などによってどうしても心が通い合えない時期も出てくるかもしれません。自分の親との関係以上に、子どもとの衝突で心痛めている人もいるでしょう。親子の関係性は、これまでのコメントでわかるように、一筋縄ではいかず、どんなに親が一生懸命になってもそのときは届かない想いもあるのかもしれません。それでも親子関係は敵ではありません。親子関係は一日で築かれるものではなく、子育ての長い「子どもの自立」という道のりのなかで構築したり、組みなおしたりが起こるものなのかもしれません。そのなかで子どもとどう向き合っていけばいいのか、たまには立ち止まって振り返ったり、見直したりすることも必要なのかもしれませんね。Q.自分の親と衝突したことある?アンケート回答数:4602件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2019年11月03日韓国で『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』『デッドプール2』を押さえて初登場第1位を記録する大ヒットなった『毒戦 BELIEVER』。10月4日(金)からの公開を前に、主演のチョ・ジヌン、リュ・ジュンヨル、イ・ヘヨン監督が本作の魅力を語るメイキング映像がシネマカフェに到着した。今回到着したのは、姿なき麻薬王“イ先生”を執拗に追い続ける麻薬取締官、“通称マトリ”のウォノ刑事を演じたチョ・ジヌン、麻薬製造工場からの唯一の生存者ラクを演じたリュ・ジュンヨル、さらにメガホンをとったイ・ヘヨン監督が、本作製作のこだわり、そしてキャストたちの魅力などを語ったインタビューやオフショットを含むメイキング映像。イ・ヘヨン監督は、まず本作について「最大の目標はキャラの繊細なディティールや感情・個性を表現することだった」と語り、主人公ウォノ刑事を演じたチョ・ジヌンも「各キャラどのエピソードを切り取っても一つ一つが面白い」と自信をみせるほど。本作のキャラクター全員が「個性的で狂っていて毒々しい」と、監督は言う。さらにチョ・ジヌンをはじめとする実力派ぞろいの先輩俳優たちと撮影を共にすることになった、現在注目ナンバーワンの若手俳優リュ・ジュンヨルが「役者たちが役をどのように解釈し、演技に落とし込むのか興味があった」と答える場面もあり、個性的なキャラクターを俳優陣がどう演じたのかは、本作の大きな魅力の一つともなっている。そのキャスティングについて、イ・ヘヨン監督が「チョ・ジヌンの人間的な魅力が役に説得力を持たせられると思った」と抜擢の理由をふり返り、続けて「リュ・ジュンヨルの無表情は観客を惹きつける。彼の演技は同年代の俳優の中でも群を抜いている」と語っており、本作の中心人物であるウォノ刑事とラクを演じた2人に全幅の信頼を寄せていたことが感じられる。そして、本作で“闇マーケットの王”ハリムを演じ、撮影後の2017年10月に交通事故により突然この世を去った故キム・ジュヒョクについては、「キム・ジュヒョクの演技に、いつも激しい情熱を感じた。彼が本作の品格を高めてくれた」と絶賛。さらに、「観客のハートを一気に掴むような強烈な存在感のある俳優が必要だった」と出演を熱望した残忍なクリスチャン役チャ・スンウォン、“イ先生”との接点を持つオ・ヨノク役キム・ソンリョン、“狡猾なドラッグディーラー”役パク・ヘジュンなど、イ・ヘヨン監督こだわりのキャスティングにより集結した韓国を代表するクセ者俳優陣の“演技合戦”にも期待が高まること必至。また、大掛かりなロケーションや撮影現場での演出風景、チョ・ジヌンとリュ・ジュンヨルのお茶目なオフショットなどもあり、必見のメイキング映像となっている。『毒戦 BELIEVER』は10月4日(金)よりシネマート新宿ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2019年10月03日『ヘリコプターペアレント』という言葉、ご存じでしょうか?「モンスターペアレント」や「毒親」ほど広く知れわたってはいないものの、小さな子どもを育てる親にとって、決して人ごとではない問題をはらんでいるのです。今回は、真剣に子どもと向き合う親であれば、だれもがその予備軍となりうる『ヘリコプターペアレント』についてお伝えします。子どもの成功を無意識に阻む “ヘリコプターペアレント” の恐ろしさヘリコプターペアレントとは?まるでヘリコプターがホバリングをしているように、親が子どもの頭上で旋回し、目を光らせている様子から名づけられた “過保護かつ過干渉な親” の総称。わが子が失敗しないように上空で見張り続け、困難に遭遇しようものなら、すぐさま飛んでいって助ける親のことを指す。アメリカなどでは社会問題にもなっている。 親であれば、わが子を心配する気持ちは充分理解できます。程度の差こそあれ、誰もが子どもの幸せや成功を願って手助けをしてあげたいと思うもの。では、『ヘリコプターペアレント』は、いったい何が問題なのでしょうか?心理学に基づいた育児メソッドを提唱している佐藤めぐみさんによると、「過保護は “わが子への愛情ゆえ” と好意的にとらえていた時期もありますが、最近のアメリカの研究では、その傾向が否定されつつあるといいます」とのこと。研究の結果わかったことは、次の通りです。1. 親としての温かみがないうえに過保護だと、子どもはのちのち、自己否定感に悩み、問題行動のリスクも高まる。2. 親としての温かみを保った過保護の場合、1のケースと比べれば確率は減るが、自己否定感や問題行動のリスクはなおも残る。つまり「いくら愛情あふれる温かい接し方をしていても、決して過保護による悪影響がなくなるわけではない」らしいのです。結論として、子どもへの “愛情ゆえに” 過保護が容認されていた時代は、確実に変わりつつあるのだといえます。ヘリコプターペアレントに育てられた子どもたちの将来ワシントンポスト紙によれば、「ヘリコプターペアレントに育てられた大学生は、うつの割合が高い」と報告されています(2013年)。そこには「過剰な親の干渉は、子どもの自主性と能力の発達を阻害する。そのため、ヘリコプターペアレントは依存を促し、保護的な管理なしに仕事を完遂する能力を阻害する」とも書かれています。その理由として、「過保護に育った子どもは、喪失や失敗、さらに失望といった、誰の人生でも避けられない状況に対処する方法を、まったく学ぶことがない」ということが挙げられています。失敗から学ぶ教訓や、ひとりで問題を解決する力、試行錯誤しながら周囲とコミュニケーションを図る努力など、どれも生きていくうえで必要不可欠です。これらの力が身についていない若者にとって、社会の厳しさは相当なものなのではないでしょうか。子どもをすべての困難や失敗から遠ざけて、傷つかないように守るヘリコプターペアレントの過剰な愛情は、じつは子どもが成長するきっかけや将来の成功の機会を奪っているのです。また、ヘリコプターペアレントはわが子の人生や経験の多くを決めてしまうので、その子どもは圧倒的に『決断する機会』が減ります。決断力が欠如した状態で育つと、自分のことなのに何も決められないまま生きていかなければなりません。さらに、幼少期に失敗を重ねなかったことから、“完璧な自分” しか認められない、自分を好きになれない、などのネガティブな価値観形成や精神的な不安定さを引き起こす可能性も出てくるといわれています。誰もがヘリコプターペアレント予備軍!?「うちは子どもを甘やかしてしないし、厳しくしているから大丈夫」と自信があっても、安心はできません。「どんな親でもヘリコプターペアレントになる可能性がある」と述べるのは、『1人でできる子が育つ「テキトー母さん」のすすめ』(日本実業出版社)の著者・立石美津子さん。ヘリコプターペアレントになりやすい人には、次のような特徴が見られるそうです。1. 完璧主義子どもに対して “理想の子ども像” を求めるだけでなく、自分自身にも “理想の母親・父親像” を追い求めてしまうのが特徴です。それがやがて、「子どもの評価=自分自身に対する評価」となり、子どもの失敗を自分の失敗としてとらえてしまうのです。その結果、失敗する前に手や口を出すようになります。2. 気が利きすぎるよく気が利いて察しがいい人も要注意です。子どもが何も言わないのに「のど乾いたんじゃない?」と、しょっちゅう声をかけていませんか?子どもの自主的な行動よりも前に「あれやったの?」「忘れ物は?」など、四六時中注意喚起するのは明らかに過干渉です。3. せっかちなんでも早く、合理的に終わらせてしまいたいタイプもヘリコプターペアレント予備軍だといえるでしょう。確かに、あれこれと指示を出してその通りに行動させれば、無駄を省き最短でゴールにたどり着くことができます。しかし、結果として子どもは自分でSOSを出せなくなり、指示待ち人間になってしまうのです。共通しているのは、子どもの失敗の機会を奪っているということ。自分で考えて、自発的に行動した結果、成功の喜びも失敗の悔しさも身体で覚えることができます。そのような体験の機会を奪うことは、子どもが大きく飛躍するきっかけを失うことにもつながるのです。適切な距離感は子どもが知っているヘリコプターペアレントの危険性は理解できたとしても、「それでもつい過保護になってしまう……」「放任になるわけにもいかないし、どの程度子どもを手助けすればいいかわからない」と、悩んでしまいますよね。前出の佐藤さんは、親が過保護になる背景に「子どもにイヤな思いをさせたくない」という親心があるのなら、「子どもが持つ “負の感情” を恐れないことが大事」だといいます。「イヤだな」という気持ちは子どもの成長に不可欠です。それを自ら乗り越える力をつけさせることのほうが、その場限りの「イヤなことからの回避」よりも、何倍も子どものためになると思いませんか?では、親子として適切な距離感はどれくらいなのでしょうか。佐藤さんは、「基本的には、子どもが “適切な距離” を知っています」といいます。たとえば、公園で親と離れた場所で友だちと遊ぶような子でも、転んだり嫌なことあったりすると、すぐに親のところに飛んできますよね。つまり状況に応じて子どもが示した距離が、その子の心の状態に合った距離感というわけです。親はあれこれ考えずに、子どもが求めている距離に応じて見守ってあげるといいでしょう。もし普段の親子の会話の中で、子どもの発言に「ママ、これどう思う?」「パパが決めて」などが多いようであれば注意が必要。できるだけ子どもが自分の行動に主体性を持つようにはたらきかけましょう。何気ない日々の会話にも、「あなたはどう思う?」という質問を盛り込むように心がけるといいですね。子どもの自立をサポートするのが親の役目幼児教室を経営していた立石さんは、次のような光景が印象に残っているそう。ある子がハンカチを忘れたので、「忘れ物をしないようにね」と保育士が注意すると、「だってママが入れてくれなかったんだもん!」と親のせいにしたそうです。帰宅後、子どもは「ママ、どうしてハンカチ入れてくれなかったの?」と親を責め、母親は「ごめんね、ママが入れ忘れちゃって……」と子どもに謝ったそう。そして次回、また忘れたときには母親が保育園に慌てて飛んできて届けたといいます。「子どものために」と親が起こしたこの行動は、子どもにどんな影響を及ぼすのでしょうか?結果的に、“自分のものを自分で準備する習慣がいつまでもつかない” “忘れ物をしても人のせいにして、自分のことを反省しない” 人間に成長してしまいますよね。そして、なにかにつけて「親がなんとかしてくれる」と考える子どもは、忘れ物をしても親が届けてくれると思っているので、忘れ物に注意しなくなります。そして先生や友だちに、「鉛筆を忘れたので今日1日貸してください」といった簡単なSOSすら出せなくなってしまうのです。困っているときに、自分から他者への助けを求めるのは自立への一歩です。子育ての最終目標が「子どもの自立」だとしたら、ヘリコプターペアレントはそれを阻むことにより、永遠に子育てをし続けなければならないでしょう。幼児期に失敗したり、困ったりする経験を積ませて、自分で考えて決断して行動する力をつけることは、成長後の自立をスムーズに促します。子どもを心配する気持ち、大切に思う気持ちは誰もが持っているものですが、行きすぎた干渉は百害あって一利なしだと覚えておきましょう。***自分では気づきにくい「過保護・過干渉」。お子さんの様子をよく観察して、「自分で何にも決められないようだ」「すぐに人のせいにしているように見える」と感じたら、親子関係の距離感を見直すチャンスです。(参考)Yahoo!ニュース|子どもの自立を奪う“ヘリコプターペアレンツ”その驚きのエピソードとはAll About|ヘリコプターペアレントとは?親の過保護が仇になるHUFFPOST|「ヘリコプターペアレント」とは?行きづらい子どもに育つ親の存在excite ニュース|「ヘリコプターペアレント」になりやすい親の特徴サイゾーウーマン|厄介な「ヘリコプターペアレント」の実態と対策ーー何も決められない子どもが育つ!?excite ニュース|過保護・過干渉の「ヘリコプターペアレント育児」子どもへの影響は…?
2019年09月06日親に言われたり、されたりして傷ついたエピソードを、20~30代女性の集まるアンアン総研メンバー200人にリサーチしました。親の立場になってみれば、わからなくもないセリフもありますが、多くは「酷い」のひと言につきます。これから親になるみなさん、既に親となっている方も、ぜひとも反面教師にしてくださいね!文・田中亜子【アンアン総研リサーチ】いまも忘れない! 親の非情な言葉「いろいろありましたが、一番呪いになっているのは『こんなに美人な私から(母はかつてモデル)、こんなデブでブスな子どもが生まれるとは思わなかった』です」(30歳・公務員)「兄と弟がいるのですが、お手伝いは私にしか頼まず、私がなんで私にばかり頼むのと聞いたら、『女の子でしょ!』と言われたこと。何かにつけて女の子なんだからと兄弟と扱いが違っていた」(32歳・主婦)「親の立場に立てば理解できる話ですが、中学生の時に将来なりたい夢を話したら『あんたには才能がないからムリだよ。普通の会社に働いて暮らしなさい』みたいに言われたこと。自分にもし子どもができたら、もう少しうまく伝えてあげたいなと思います」(31歳・自営業)「勉強して現役で国立大学に合格することができたのですが、それを親に報告したら『今からでもいいから医学部医学科を受け直さないか?』と言われ、大人になってからも『医者になっていたらよかったのに』と言われます。確かに医者になっていたら給与は格段に上だったんでしょうけど、言われるたびにもやもやします」(32歳・専門職)「『バカばっかり産んで』っと泣きながら自分のお腹を叩く母親。子ども達はすごい学歴でもないので本気の発言だったのだろうが、忘れられない」(34歳・会社員)どれも怒りが湧いてしまうきっかけがあって出た言葉だと仮定して、親もひとりの人間。頭に血がのぼり、理性を失ってしまうこともあるのかも。それでも、子どもの前では、いつも笑顔であり続けたいものです。信じられない! 親の最低な行動「門限を破ってしまい、母親からかかと落としされた」(32歳・会社員)「揉めるとすぐ暴力に結びつける父。でも、初めて私が父を倒してからは、父の暴力はなくなった」(34歳・公務員)「夏休み、友達に会えないように、服を全部捨てられたり、携帯を取り上げられたり、電話線を切られた」(31歳・自由業)「父親と大喧嘩した後日、家の鍵が知らない間に変わってて家に入れなかった」(27歳・会社員)「何かで怒らせたらしく。自分の誕生日会前日の夜に買いに行ったジュースを、帰り道の途中でその場に全部捨てられた。いまだに忘れられません」(30歳・会社員)「子どものころ、肺炎で入院しているとき、お見舞いに来てくれた両親が「車を見てくる」という嘘をついて帰ったこと。話の途中で、そういったので私は病院のベットでずっと待っていた。看護婦さんに帰ったことを知らされて嘘をつかれたことを知った。素直に言えばいいのに、なんで嘘をつくのか疑問で悲しかった」(30歳・自営業)思春期になり、反抗的な態度をとる子どもに、親はつい手を出してしまうかもしれませんが、いかなる理由があっても、暴力はいけません。別の方法を模索して親子関係を少しでも良好に保ちたいですね。最後に、自分の親ではない大人から傷つけられたエピソードもご紹介します。「両親は共働きだったので、私はかぎっ子でした。けっこう頻繁に周りの親たちから、『さみしい思いしてない? かわいそうに』などと言われていて、それが普通と思っていた自分は、その生活を楽しんでいたのですが、あまりにも周りが言うものだから、“私ってさみしい子なの?”“私ってかわいそうなの?”と思うようになりました。例えかわいそうと思っても、それがしあわせな子もいるのだから、周りはとやかく言うことはないと思いました。私は、働く母を尊敬してるし、それが誇り。私が親になって、鍵っ子ちゃんがいても“お母さんかっこいいね!”って言いたいです」(33歳・専門職)これは独身の方や子どものいない人にも刺さるお話ではないでしょうか。何気ない言葉が子どもを傷つけることもあります。言葉の持つ影響力を考え、相手の立場になる想像力を働かせて、軽はずみな言葉かけは慎みたいものですね。©Esther Moreno Martinez / EyeEm/Gettyimages©ljubaphoto/Gettyimages
2019年08月18日先日まで全8話にわたって長女との中学受験実録シリーズをお届けしてきました、もりりんパパです。いつも読んでいただき本当にありがとうございます。今回はその総括的なお話、我が家の経験から見えてきた家庭学習での親のあり方を書くことにしました。が、その前に…。僕は前回の記事にて”特集:私がコミックライターになるまで”に参加させていただいたんですよね。その中で自身の毒親疑惑の部分、そしてそれをブログに助けられたことについて少し触れてみました。で、僕はブログやウーマンエキサイトさんでの連載を嫁さんや子ども・両親・親族等に伝えています。子どもたちの成長状況を記事で伝えることも含めて。そして、前回の話を見た長女から言われたんです。…うん。ですよね(-"-;その辺も含めて今回のお話を書き進めていきたいと思います。少しダークなお話になるかと思いますが、どうかお付き合いください。教育で毒親にならないために…僕が長女の勉強に携わりだしたのは彼女が小学3年生の頃。元々は嫁さんが宿題を見ることが多かったんです。しかし、その年の夏休みに…。ずっと様子を見ていた嫁さんがギブアップしてしまいまして。で、ここでバトンタッチをして僕が長女の勉強を見ることになったんです。勉強を見るにあたってその時点で気をつけたいと思ったこと、それは…・主役(勉強をする)はあくまで長女本人・教える側(僕)は基本静観して必要な時のみ声かけくらいでした。しかし、実際は…実際はこのような感じでした。後に長女に尋ねると、それはもう恐ろしい親だったそうです。自分でも今振り返ると…ありえない親だったかもしれません。せっかく一緒に勉強に取り組んでも思い通りに動かない子ども。時には僕は声を荒げ、物を投げてしまうことも…。それが日々続き、自分の感情がエスカレートしていくのが分かりました。これではいけない、それは分かっている。でも感情が爆発すると止まらない、止められない。勉強はきちんとして欲しい、だけど思い通りにならない。どうすればよいのか、分からない…!!まさに負のスパイラル。その流れを止めてくれたのは…。他でもない、長女からのSOSとそれを重く受け止めた嫁さんの存在でした。もちろん、嫁さんに言われてすぐに全て納得出来たわけではありません。それでも、少しづつ自分の中に落とし込んで気をつけていくようにしました。子どもは子ども、親は親。長女は僕自身ではありません。こうやって文字にしてみると当たり前のことですが、それが自分の感情がコントロール出来なくなると分からなくなり、無理強いをしていたのだと思います。まずは親である僕の…自分の気持ちに余裕を持つこと。それが出来ない時は一旦勉強をやめ、環境を変えて思い切ってリフレッシュすること。長女には長女の考えがありますし、もしかしたらだらけているように見えても実は考えがあるのかもしれません。そう気づいたのは、彼女が6年生の頃。中学受験への取り組みをしていた時でした。気づくのに時間がかかりすぎて、長女を中心に、家族には辛い思いをさせてしまったと思います。今だって、正しいと思い行っている育児や教育が、実は間違っているかもしれませんが…。最初に書いたように、長女の人生は長女が主人公。まだ全てを彼女が決めて生きていけるわけではないので、親として時に注意し、時に一緒に笑いながら今この時をともに生きているのだとは思います。でも、そんな中で親としての僕の感情が爆発してしまった時。それを一方的に攻撃的にぶつけてしまうのは違います。自分はあくまで支える側。自分の役割をきちんと考えておかないと、家庭学習にはとくに様々なリスクが潜むと感じました。親としての自身のコントロール。難しいですが…それを怠るとエスカレートし、止まらなくなっていつしか”毒親”となってしまう。大げさではなく、そう感じるようになりました。そうならないためにも、前回の記事に書いたようにブログを書くことで自分の視点を変えて行ったり。また、主役である子ども自身の心の声に耳を傾けて考えていく。そう考えながら接していくことがより良い関係性を築けるのでは…そう考えながら日々家族みんなで過ごしています。以上、前回の続きのお話でした。ここまで読んでいただきありがとうございました。
2019年08月14日