NHKで2009年に放送された人気ドラマの劇場版となる『外事警察 その男に騙されるな』の完成披露試写会が4月19日(木)に開催され、主演の渡部篤郎を始め、真木よう子、尾野真千子、石橋凌、田中泯、堀切園健太郎監督が舞台挨拶に登壇した。対国際テロを目的とする諜報部隊である“外事警察”の姿を描く本作。日本から韓国へとウランが流出したという情報に対し、住本(渡部さん)を始めとした外事四課の面々が日本に潜伏する工作員と思しき男やその妻(真木さん)に接触し、想像を絶する方法でテロを未然に防ぐべく暗躍する。映画化を待ちわびた観客の熱烈な拍手と歓声に渡部さんは上機嫌で「一曲歌いたいと思います」とおどけつつ「撮影は本当に大変な思いをしながらやりましたが、こうしてみなさんに観ていただけることで全て報われます」と感無量の面持ちで喜びを語った。“諜報”をテーマにした作品ということで、この日は監督やスタッフから事前に入手した各キャストの極秘情報が暴露されたが、渡部さんは撮影で韓国を訪れた際に「ロケの合間にK-POPアイドルの出待ちをしていた」と監督に明かされタジタジ。「シリアスな役なのでそんなことできるわけないでしょ。ロッテワールドに行ったり、チェ・ジウがよく来るバーに行ったりなんて…」と自ら“余罪”を漏らし、件の出待ちについては「KARAの事務所が近くにあると聞いて、その辺の喫茶店で時間を潰してました」と苦笑い。驚きの告白に客席はざわめいた。尾野さんはドラマに続いての共演となったそんな渡部さんについて「あまり構ってもらえないかと思ってたら楽しい方でホッとしました」とその素顔を明かす。映画からの参加となった真木さんは、韓国ロケをふり返り「韓国のスタッフと仕事ができ、アクションに関しても熱い方たちで、朝まで粘って良いシーンが撮れて満足しています」と充実した表情。石橋さんも初の韓国で「(韓国映画の)熱を感じられました」と頷いた。監督によると田中さんは体重を10キロ落として本作に臨んだという。驚く観客を尻目に「僕は演技ができないので体だけは準備しようかと思いまして。食わなきゃいいんですから」と飄々と語っていた。舞台挨拶前の会見で、タイトルにちなんで「こういう男に騙されちゃいけない、と思うのはどんな男?」と問われた真木さんと尾野さんは、無言で即座に渡部さんを指さしニヤリ。渡部さんはハンカチを取り出し、困ったような表情で額の汗をぬぐっていた。『外事警察 その男に騙されるな』は6月2日(土)より全国にて公開。■関連作品:外事警察 その男に騙されるな 2012年6月2日より全国にて公開© 2012「外事警察」製作委員会■関連記事:『外事警察その男に騙されるな』撮影現場潜入レポート 渡部×真木、緊迫の対決!岩井俊二×北川悦吏子によるラブストーリーも東映、多彩なラインナップを発表“公安の魔物”が海を渡る!渡部篤郎主演『外事警察』漆黒のポスター&特報公開渡部篤郎主演「外事警察」映画化!真木よう子らが加わり韓国ロケも敢行
2012年04月19日映画『逆転裁判』が2月11日(土・祝)に公開を迎え、主演の成宮寛貴、斎藤工、桐谷美玲、中尾明慶、石橋凌、小日向文世、三池崇史監督が舞台挨拶に登壇した。シリーズ累計450万本の売り上げを誇る大人気ゲームを実写映画化。新米弁護士の成歩堂龍一が、事件に巻き込まれ殺害された上司の遺志を引き継ぎ、法廷で激しいバトルを繰り広げて真相を明らかにしていく。ゲームの世界観を忠実に再現している本作。キャラクターへの成りきりぶりも話題になっているが、ギザギザの生え際が特徴的な成歩堂を演じた成宮さんは、自身の扮装姿を初めて見たときのことを「やばい、と思いましたね。『監督、大丈夫なんでしょうか?』と聞きました。最初は慣れなくてむず痒かったです」と、ふり返る。さらに、石橋さんは「みんなでカメラの前に立ってるときはいいんです。一人で楽屋に戻って姿見を見て、『誰がタカラジェンヌやねん!』」と、突っ込まずにいられなかった様子を告白。続けて、「僕は高校に入ってバンドを組みまして、胸元まで髪があったんですね」と過去を明かしながら、「ただ、フリフリをつけたのは人生で初めてでした。工くんとフリフリをつけているんですけど、食事をしていても、何をしていても邪魔でした」と語り、「めんつゆがつきそうになるんですよね」と共感する斎藤さんと、頷き合った。一方、「僕は衣裳合わせの時にすっかり気に入ってしまいまして。セーターがチクチクしてちょっと暑かったけど、実はすごくオシャレだったし、かつらもあんなにフサフサの長い毛で。20代の頃の髪型に近い感じで、老けた役にしては僕自身は意外と若くなったかなと思っていました」と言う小日向さんのようにすっかり気に入ってしまった者もおり、原作ゲームの大ファンだという桐谷さんも「衣裳や髪型は何回も合わせました。お姉ちゃん(壇れいさん)が乗り移るシーンは、同じ格好でも(桐谷さんが演じた)真宵サイズにしてもらっているんですよ」と、徹底したこだわりに大満足していた。さらに、ニット帽姿の中尾さんは、地毛で撮影に臨んだことを明かした上で、「そろそろ『2』の話も出てくるんじゃないかと予想して、髪の毛を伸ばそうと今日はニット帽をかぶってきました」と、続編への期待もチラリ。最後には登壇者全員で成歩堂を模した特製だるまに目を書き入れ、まずは本作のヒットを誓っていた。『逆転裁判』は全国東宝系にて公開中。■関連作品:逆転裁判 2012年2月11日より全国東宝系にて公開© CAPCOM/2012「逆転裁判」製作委員会■関連記事:生ハムメロンに異議あり!成宮寛貴VS斎藤工の激しい舌戦が勃発!?シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第23回)あなたが萌える“スーツ男子”は?三池崇史監督最新作は法廷バトル!『逆転裁判』試写会に30組60名様をご招待成宮寛貴の哀しい恋の告白に、桐谷美玲「かわいそう…」と同情
2012年02月13日大人気ゲームを映画化した『逆転裁判』の完成披露試写会が1月16日(月)に都内で行われ、成宮寛貴、斎藤工、桐谷美玲、中尾明慶、石橋凌、柄本明、三池崇史監督が特設の法廷で激論を交わした。長年追いかけてきた事件に関して新たな証言が見つかったというメッセージを遺し、弁護士が殺害される事件が発生。被害者の妹が逮捕されるが、彼女の無実を信じ、被害者の部下であった新米弁護士の青年・成歩堂龍一(成宮さん)が激しい法廷バトルを繰り広げ、事件の真相を解き明かしていく。成宮さんは三池監督について「ひと言で言うなら天才。何が起こるかワクワクしてました」と語り、さらに「甘い匂いがするんです(笑)」とコメント。これには三池監督も「何じゃそりゃ?一般的には加齢臭ですが…」と困ったような笑みを浮かべていた。桐谷さんは、原作ゲームの大ファンだったこともあり「最初に話を聞いたときはびっくりするくらい嬉しくて『わあっ!』って声を上げました。みなさんが衣裳を着てのキャラクター姿を見たときは、『(ゲーム)そのままだ』と感動しました」とファンならではの視点で出演の喜びを語った。三池組の常連、石橋さんも「三池さんがやると聞いてぜひやりたいとすぐに決めました」と明かし、「法廷のセットが素晴らしくて感動しました」と細部にわたって原作の世界を再現した監督の力量を絶賛した。この日、開廷した法廷では、それぞれが自らの行いを証言台に立って告白。周りは「異議あり」or「異議なし」のボードを掲げて判決を下す。斎藤さんは、某有名レンタルビデオ店で「必ず、自分の作品を前に置くようにしています」と意外な行動を証言。これに成宮さんは「僕は雑誌を必ず多めに前に置くようにしてます」と同調。石橋さんも「(自身が主演する)三池監督の『オーディション』を嫌いな監督の作品の上に重ねておいたことがあります」と明かした。桐谷さんは「勇気がないので私の分もやってほしいです」とお願い。少しでも出演作を目立たせたい俳優の心情をのぞかせた。最後に証言台に立った成宮さんは「好きだった子の喜ぶ顔が見たくてサプライズでプレゼントをあげたのに『サプライズプレゼントをくれそうだからあまり驚かない』と言われた」と哀しい恋の思い出を証言。“異議申し立て”というより単なる告白となったが「かわいそうで…」(桐谷さん)と同情を集め、全員から「異議なし」の札を勝ちとり「心が晴れました」とホッとした笑顔を浮かべていた。『逆転裁判』は2月11日(土・祝)より全国東宝系にて公開。■関連作品:逆転裁判 2012年2月11日より全国東宝系にて公開© CAPCOM/2012「逆転裁判」製作委員会
2012年01月16日人情喜劇『ハラがコレなんで』公開女優の仲里依紗が主演を演じた映画『ハラがコレなんで』が5日、公開初日を迎え、渋谷シネクイントで舞台あいさつが行われた。会場には彼女のほか、中村蒼、石橋凌、稲川実代子、竹内都子、石井裕也監督が出席、作品の魅力などを語った。本作は、夫も家も、お金もない妊娠9カ月の光子が主人公で、そんな境遇にもめげない強さ、義理人情の厚さがポイント。彼女と周囲の人々の交流を喜劇タッチで、しかし人間味深く描いている。女性のパワフルさを感じて!仲は「初日を迎えて(この作品を)産み落とすことができて嬉しいです」と、まずは妊婦役ならではのウィットの効いた挨拶を。主人公の光子像については、どん底でもそれを感じさせないパワフルさ、粋でカッコいいところ、ありのままに生きるところに魅力を感じて演じた旨、語った。そして「元気のない今の時代だから、なにかプラスになれば」「何回でも見に来てください!」とアピール。彼女が体当たりで演じた妊婦役も注目のこの映画、女子のパワフルさを、人の温かさを感じ、楽しんでみては?さまざまな役柄をしっかりと演じていく、仲の今後の活躍にも期待が集まる。元の記事を読む
2011年11月07日女優の仲里依紗が“妊婦”役に挑んだヒューマン・コメディ『ハラがコレなんで』の初日舞台挨拶が11月5日(土)、東京・渋谷シネクイントで行われ、仲さんを始め、共演の中村蒼、石橋凌、稲川実代子、竹内都子、そしてメガホンをとった石井裕也監督が舞台挨拶に立った。仲さん演じる“家なし金なし”の臨月妊婦・光子が「粋に生きる」をモットーに、自分のことは後回しに人助けに奔走する。「元気がないと言われる日本に、何かプラスになれば」(仲さん)というパワフルで心温まる一作だ。妊婦という難役をこなし、仲さん自身「やっとこの役から卒業できます(笑)。ついに産み落とすことができて嬉しい」と喜び爆発!「本来なら周りから心配される立場なのに、それをスルーするカッコ良さがあって、私自身も見習いたい。ちょっと、ありがた迷惑な面もありますけどね」と愛着も人一倍だ。一方、中村さん演じる幼なじみの陽一はイマドキ珍しい“日本男児”。「あんまりしゃべらないし、不器用なところは似ているかも。男らしく責任を持つ点も見習いたいですね」と語る中村さんの10代最後の好演も見どころだ。劇中では石橋さん演じる叔父と、まさかのキスシーンも…。「蒼くんのくちびるを奪ってしまって、ファンのみなさん、すみません。現場の隅で蒼くんが『10代最後のキスが…』って言ってた気がする。きっと『……』の部分は『おじさんかよ』だったはず」(石橋さん)。その石橋さんは「本当に28歳なの?人間として成熟しているし、自分の哲学も持っている。いまの時代の若者には珍しい」と石井監督の手腕を大絶賛。石井監督は「特に難しいことじゃなく、“粋”っていうシンプルな感覚を映画にした。自由に解釈してもらえれば幸いです」と大先輩の言葉にも、フラットな面持ちだ。ところがほかの出演者からは「だいぶいろいろ言われましたよ。『もっと宇宙みたいに』とか『マイケル・ジャクソンみたいにテーブルをふいてみて』とか(笑)」(仲さん)、「基本シンプルだが、すごく細かいこだわりがあった」(中村さん)、「単に鯛を放り投げるシーンがあるんだけど、何度もやった。(着地したときの)頭とシッポの位置が気に入らなかったみたい」(稲川さん)、「腹筋を使わずに、ボソボソしゃべってほしいと言われた」(竹内さん)と不思議な演出にクレームが続出!?これには若き俊英・石井監督もタジタジだった。『ハラがコレなんで』はシネクイント渋谷ほか全国にて公開中。■関連作品:ハラがコレなんで 2011年11月5日よりシネクイント渋谷にて全国公開© 2011『ハラがコレなんで』製作委員会■関連記事:【TIFFレポート】仲里依紗、“妊婦パワー”で「日本を元気に!」宣言【TIFFレポート】映画祭開幕!ミラジョヴォら美しき女優陣のファッションに釘づけ最高に粋な“妊婦ヒーロー”誕生!?『ハラがコレなんで』試写会に10組20名様ご招待
2011年11月06日石井裕也監督の最新作『ハラがコレなんで』が27日に第24回東京国際映画祭の特別招待作品として上映され、石井監督をはじめ、主演の仲里依紗、中村蒼、石橋凌が舞台挨拶を行った。その他の写真本作は、妊娠9ヵ月で家なし金なし。お腹の子の父親と別れてもなお、たくましく生き抜く主人公・光子の姿を軸に、現代日本が忘れかけた“粋”を描いたハートフルコメディ。「光子は妊娠していて不安なはずなのに、その辛さを見せない妊婦らしくない妊婦です。日本人として尊敬したい、尊敬できる女性の代表みたいな存在」(仲)。石井監督は「人間としてのたくましさを描きたかった。今の時代なら、やっぱり必要なのは母性だなと思った」と振り返り、「論理的には解釈してほしくないですね。自由な頭で自由に解釈してほしい」と語った。中村演じる光子の幼なじみ・陽一は、今どき珍しい無骨な“日本男児”で「男らしい責任感の強い姿を、日本と世界で見てもらえれば」。石橋は陽一の叔父を演じ、「普段演じる役柄の7割は危ない男か悪党で、最後には殺されてしまう(笑)。でも今回はおかげさまで、最後まで生きております。いつもと違って、ずっとこの役でいたいほど」と客席を笑いに包んだ。また、仲は「国際映画祭という絶好のチャンスなので、世界中の人に見てほしい。それに元気がないといわれる日本のプラスになれば」と役柄同様、力強く作品をPRした。「第24回東京国際映画祭」30日(日)まで開催中『ハラがコレなんで』11月5日(土) 渋谷シネクイントほか全国ロードショー
2011年10月27日『川の底からこんにちは』『あぜ道のダンディ』の石井裕也監督の最新作『ハラがコレなんで』が、第16回釜山映画祭の“アジアの窓”部門で上映され、石井監督と仲里依紗、石橋凌が舞台あいさつに登壇した。その他の写真『ハラがコレなんで』は、妊娠9ヵ月でお腹の子の父親と別れ、家もお金もなくても“粋”に生きようとする主人公・光子の姿を描いた作品。多くの海外映画祭で高評価を集めてきた石井監督の新作で、韓国でも人気の高い仲の主演作とあって、3回の正式上映のチケットは完売。舞台あいさつに立った仲は、妊婦役を演じたことについて「もう少し大人になって演じるかと思ったら、あまりに早くてびっくりしました。光子は、“そういえば妊婦だった!”というパワフルな役で『こういう妊婦さんもありだな』と。妊婦さんは不安なことも多い時期だけれど、光子みたいな妊婦がいてもいいかな、と思いました」とコメント。石橋は「これまで(演じてきたのは)7割悪人で7割殺されますから。今回最後まで生き残れました」と笑顔を見せた。石井監督は「女性らしい女性を描き、周りに元気を与える、堂々として“粋な人物”が多く登場するがそういう人が好みなのですか?」と質問されるも、「女性らしさや女性像を描いているわけでなく、描きたいのはいわゆる人間なので、自分の好みとかはないです」と回答。インディーズ時代から決して“ブレる”ことなく、独自の語り口を追求してきた石井監督らしいコメントで、集まった観客の注目を集めた。『ハラがコレなんで』11月5日(土) 渋谷シネクイントほか全国ロードショー
2011年10月13日16年前に、ある島で起きた恐ろしい事件がひとりの“悪魔”を生み出した。事件によって地獄を背負うことになった男が犯罪に手を染めながら正義とは何かを問いただす――。生誕80周年を迎える手塚治虫の禁断の作品を映画化した『MW -ムウ-』が7月4日(土)に公開を迎え、山田孝之、山下リオ、石田ゆり子、石橋凌、そして岩本仁志監督による舞台挨拶が行われた。事件の生き残りの一人である神父・賀来を演じた山田さんだが、この日は映画の中の険しい表情とは打って変わって、リラックスした様子で「山田です。えー、どうも。ありがとうございます。無事、初日を迎えることが出来て華やかな気持ちです」と挨拶。この日は残念ながら不在の、主人公・結城役の玉木さんとの共演に話が及ぶと「結城との親密さが伝わるように『玉木さん、かっこいいな…。かっこいいな、いいなあ〜』って自分で盛り上げながら演じました」と説明。どんなところがかっこいいのか?とさらに深く突っ込まれると「顔が良くて背が高く、声もいいし、いたずら好きのかわいいところもあって…いい男ですね〜」と際限なくほめ続けた。新聞記者の京子を演じた石田さんは、初日を迎え「『MW-ムウ-』に携わった人間全員がこの日を待ちわびていました」と笑顔を見せた。作品については「最初に企画書を読んだときは『これ、どうやって映像化するんだろう?』って思いましたが、完成した映画を観て『見たことのないものを見た!』って思いました」と興奮気味に語った。さらに「三半規管が弱い人は注意してください!スピードとカメラワークがものすごいので。後は、社交的な玉木さんと人見知りの山田くんがいいコントラストになってますのでお楽しみに」とこれから映画を観る観客の期待を煽った。石橋さんは、結城に疑いを抱く刑事・沢木に扮したが「今日は、玉木くんが潜水艦に乗ってまして…」と先日公開された玉木さんの主演作『真夏のオリオン』に因んだコメントで会場の笑いを誘った。バンコクでの激しいカーチェイスのシーンについて「タイの警察、空軍の協力の下、いい関係で素晴らしい仕事ができました」と充実した表情を見せた。賀来の教会で孤児たちの世話をする少女・美香を演じた山下さんは、玉木さんと山田さんの印象を尋ねられ「玉木さんはお兄ちゃんみたいで、すごくかっこよかったです。山田さんは優しいです。すごく役に入られていて、見習うところがたくさんありました」と笑顔でふり返った。これには山田さん、隣りで「優しいですねぇ」とニンマリ。最後に登壇者から一言ずつ、観客に向けてメッセージをもらったが、玉木さんからはビデオメッセージが!「ぼくが最初にこのお話をいただいたのは5年くらい前でした。いままでのイメージを壊したいと思っていて、悪役にチャレンジしたかったので、その意味でこの作品はぜひやりたい作品でした。『何が善で何が悪か?』というテーマが詰まったアクションであり、観たことのない日本映画になってます」という、スクリーン越しの玉木さんの言葉に客席から拍手がわき起こった。さて、この玉木さんのビデオメッセージについて山田さんが何を思ったかというと、もちろん…「かっこいいな」。予想を裏切らないコメントで会場を笑いに包んだ。『MW -ムウ-』は丸の内ルーブルほか全国にて公開中。■関連作品:MW -ムウ- 2009年7月4日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2009 MW PRODUCTION COMMITTEE■関連記事:ダーク・ヒーロー役で新境地玉木宏、その変貌を語る「飽きられることが一番怖い」あなたがいま最も気になる“肉食系”を投票!「MTV」オリジナル携帯ストラップを10名様プレゼント手塚治虫の問題作が映画化!『MW -ムウ-』試写会に15組30名様ご招待『MW』撮影現場で山下リオにそっと優しさを見せたのは玉木宏?それとも山田孝之?山田孝之「異なる役を楽しんでます。『ムチャクチャな顔にしてやる!』って(笑)」
2009年07月06日役者の多くは自分に定着しているイメージを壊したがるものだ。ドラマ「のだめカンタービレ」の好青年・千秋真一役で人気を不動のものにし、その後も多くのドラマや映画に出演し、俳優として歌手として八面六臂の活躍を見せる玉木宏もそのひとり。だが、一度ついてしまった固定イメージを払拭してくれる役に巡り逢う率はそう高くはない。しかし、彼は手塚治虫原作のコミックの中で“禁断の傑作”と言われている「MW -ムウ-」の映画化でそれを手にした。演じるのは次々と凶悪犯罪に手を染めていくモンスター・結城美智雄──初の悪役だ。いままでと違う役に喜び「出演の話をもらったのは4〜5年前。当時から悪役に興味を持っていたのですごく楽しみでした。俳優という職業はイメージを作っては壊していく…その繰り返し。だからこそ、いままでと違う役を演じられることが嬉しかった。飽きられることが一番怖いですからね」。そう語るように、今回は天才的な頭脳と類いまれなる美貌を武器に犯罪を重ねるダーク・ヒーローに扮し、これまで見たことのないゾクッとする一面を披露している。けれど、結城は単なる犯罪者ではない。その背景には悲しくも恐ろしい事件が横たわる、複雑なキャラクターだ。そんな共感することの難しい人間性を理解することはチャレンジだったはず。「原作を読んでから脚本を読んで、結城美智雄という人物を自分なりにイメージして、そこに色々な情報を入れて肉付けをしていきました。僕が抱いた結城のイメージはスマートさ、繊細さ、ストイックさを持った男で、何に関しても必死な感じを見せないというか、どちらかというと何でも器用にこなしてしまう人間ですね」。また、面白いのは悪役であるのに結城が悪魔にも天使にも思えること。観客は、善とは何か?悪とは何か?という大きな問いかけにぶつかることで作品世界に深く引き込まれる。「例えば、普通に生活している中で、もしも自分の大切な人が外敵から攻撃されたらどうするのか…ということを考えさせられる作品だと思うんです。もちろん僕自身も考えました。でも、結局は何が善で何が悪かということは解からなくて…法の裁きでは悪になってしまうかもしれないけれど、被害者の胸の内を考えたら正義のような気がして。ただ、そういうことを考えることは生きていく上で必要なことだと思います。悪役だけど、どこか惹かれるものがあって応援したくなるような、そんな人物像を楽しんでほしい」と、言葉に力を込める。山田孝之の存在「このタイミングでまた一緒に仕事ができたことが嬉しかった」そして、「日本のアクション映画は多々あるけれど、これだけカー・アクションに力を入れた作品はそう多くはない」と、映画ならではの見どころを語る。思い出深いのはタイでの撮影で、結城を執拗に追いかける刑事・沢木(石橋凌)との追走劇は暑さとの戦いだったとふり返る。「タイはとにかく暑くて。確実に30℃は超えていたと思いますね。おまけに湿度100%(笑)。僕は要所要所で出てくるだけのシーンだったのでそれほどではなかったですが、走りっぱなしの石橋さんは本当に大変だったと思います。汗をコントロール?できないですよ(苦笑)。でも、役作りで痩せたことで汗が出にくくなったというのはあると思います」。ちなみに冒頭のカーチェイス・シーンはタイの軍隊を総動員して撮影。まさに規格外!日本映画では珍しいダーク・ヒーローもの、大規模なアクション・シーンもさることながら、現場で玉木の気持ちを高めたのは、神父・賀来裕太郎を演じる山田孝之の存在だったと言う。「ドラマ『WATER BOYS』の頃に比べたらお互いに場数を踏んできているし、このタイミングでまた一緒に仕事ができたことが嬉しかったですね。彼が役に没頭するタイプなのは知っていましたが、今回の現場で驚かされたことがあって…結城が賀来を殴るシーンが結構あるんです。普通はそういうアクション・シーンではあたかも当たっているように見せて撮るものですが、山田くんは殴られる自分の腕を何度も何度も殴っているんです。それは殴られた痛みを知るためで、賀来の気持ちにできるだけ近づくための役作り。その姿勢に僕自身も大きく引っ張られました」。様々な刺激を受け「これをきっかけに新しい役にチャレンジしたい」と、話す言葉には本作で得た自信が垣間見えた。好青年から悪役へ──玉木宏の変貌がどれほどのものなのかを『MW -ムウ-』で確かめてほしい。(text:Rie Shintani/photo:Shunichi Sato)■関連作品:MW -ムウ- 2009年7月4日より丸の内ルーブルほか全国にて公開© 2009 MW PRODUCTION COMMITTEE■関連記事:あなたがいま最も気になる“肉食系”を投票!「MTV」オリジナル携帯ストラップを10名様プレゼント手塚治虫の問題作が映画化!『MW -ムウ-』試写会に15組30名様ご招待『MW』撮影現場で山下リオにそっと優しさを見せたのは玉木宏?それとも山田孝之?山田孝之「異なる役を楽しんでます。『ムチャクチャな顔にしてやる!』って(笑)」玉木宏は初の悪役、山田孝之は苦悩の神父に手塚治虫の異色作「MW」が遂に映画化!
2009年07月02日