今月の人。Illustration:Hidemi Ito漫画家古泉智浩さん1969年生まれ。’93年、ヤングマガジンちばてつや賞大賞を受賞してデビュー。代表作に『ジンバルロック』、『ワイルド・ナイツ』など。そのほか『青春★金属バット』、『ライフ・イズ・デッド』、『死んだ目をした少年』、『チェリーボーイズ』が実写映画化されている。DVD『渚のマーメイド』原作・脚本担当。2015年に刊行した子育てエッセイ『うちの子になりなよある漫画家の里親入門』が話題を呼ぶ。2017年に続編となるコミック・エッセイ『うちの子になりなよ 里子を特別養子縁組しました』を刊行。現在、池袋コミュニティ・カレッジで第2・4月曜日に初心者マンガ教室を開催中。ブログ:古泉智浩の『オレは童貞じゃねえ!!』子どもへの愛が生まれる瞬間里親になろうとしたときにとても勇気づけられた作品『おまえ うまそうだな』作・絵:宮西達也¥1200/ポプラ社大昔、卵からアンキロサウルスの赤ちゃんが生まれました。まわりには誰もいません。赤ちゃんが泣きながら、ひとりぼっちで歩いていると、おそろしいティラノサウルスが現れました。「おまえうまそうだな」と言って、ティラノサウルスがとびかかろうとした時、なんとアンキロサウルスの赤ちゃんは「おとうさーん!」とティラノサウルスにしがみつきました。ティラノサウルスはとまどいながらも、赤ちゃんの父親としてふるまいます。「肉食恐竜のティラノサウルスが、草食恐竜のアンキロサウルスの赤ちゃんと出会うんですね。もちろん最初は赤ちゃんのことを “食べ物” としてしか見ていないんですが、自分になついてくる赤ちゃんに対して、いつしか保護者みたいな気持ちになっちゃうっていう心の変化の描写がすごいなぁと。息子の1歳の誕生日のときには映画版の『おまえうまそうだな』のDVDも買いました。将来ぜひ見せたくて。こちらもすばらしい感動作です」赤ちゃんを前にしたとき、わきあがる熱い感情を描いた里親ストーリー6年間で600万円を費やした不妊治療を経て、里親制度で男の子の赤ちゃんを預かり、その後 “特別養子縁組” をするまでのいきさつについて、正直に、ユーモラスに綴った子育てエッセイ『うちの子になりなよ ある漫画家の里親入門』が大反響を呼んだ古泉智浩さん。2017年には新たに女の子の赤ちゃんが加わって、現在は、古泉さん、奥さん、長男、長女、古泉さんのお母さんの5人家族で暮らしている。そんな古泉さんが、まだ里親になる気持ちもなく、不妊治療をしていた頃に運命的に出会った作品が『おまえ うまそうだな』だった。「映画化もされている絵本で、最初は妻と一緒に劇場に映画を観に行ったんです。当時、映画好きが『傑作だ!』と、ものすごく騒いでいたので、気になって。そうしたら、口コミどおりで、本当に感動しました。原田知世さんがお母さん恐竜役で声の出演をしていて、すばらしかった。当時は物語を、まったく自分に引き寄せてはとらえていなかったんですけど、後に里親になろうとするときに、とっても勇気づけられた作品でした」Illustration:Kashiwai原作の絵本を最初に手に取ったのは、生後数ヵ月の長男を里子として引き取り、小児科に通っていたとき。待合室に『おまえ うまそうだな』の絵本と、パペットの恐竜のぬいぐるみが置いてあったのだ。「あ、これが原作かぁ!と思って。“ウマソウ” っていう名前をつけられたアンキロサウルスの赤ちゃんと、その赤ちゃんが “おとうさん” と呼んで慕うティラノサウルスの物語です。もちろん絵本のストーリーだけでも感動的なんですが、映画のほうは時間がさかのぼって、ティラノサウルスが卵のときからの話になっているんですよ。草食恐竜に育てられた肉食恐竜が、後に草食恐竜の親になるという構成。つまり里子が里親になるっていう、すばらしい脚色だったことにビックリしましたね」息子の2歳の誕生日プレゼントにと初めて作ったオリジナルの絵本実は古泉さん、自分の子どものためだけに、完全オリジナルの絵本を手作りしたこともある。長男が2歳の誕生日を迎えたときに作った絵本のタイトルは『バスとねこと2さいのうーちゃん』。絵もストーリーも装丁も、市販の絵本に負けないくらいのクオリティの高さだ。「僕は漫画家のはしくれでありますので、息子の誕生日の記念に何か作りたいなと思いついたんです。将来、子どもがグレたときとかに役に立つかなと(笑)。血のつながりがないですから、こんなにかわいがっていたんだぞ!というアリバイ作りというか(笑)。絵本には、息子が2歳の時点で好きだったものをぜんぶ入れました。乗り物が好きなので、バスやパワーシャベル。あとは猫も出てくる。パソコンで作画したものをプリントして、白紙のボードブックに貼っていきました。たあいもない話ですよ~。でも、息子はふだん、新幹線とか車の図鑑ばっかり読んでいるのに、この絵本はすごく気に入ってくれて。もう暗唱するくらい見てくれたんです」バスが町並みをゆっくり進みながら、海に行くまでの物語。バスの運転手さんはパパで、男の子の他にもママやおばあちゃん、家族みんなが一緒に乗っている。「3歳のときも、また絵本を作ろうと思って、下書きまでは描いたんですが、なんか忙しくなって中断しちゃいました(苦笑)。やっぱり息子が好きな新幹線が出てくる話で、新幹線に乗っているうちに、みんなが眠くなっちゃうっていう、寝かしつけにピッタリのストーリー。今はね、下の娘にも絵本を作ってあげなきゃなぁと思うんですけど、2人目あるあるで、気合がなかなか入らない。2人目の子育てって、ついつい雑になっちゃいますね(笑)」子どもが来てくれたおかげで自分本位の苦しさから解放された長男が3歳のとき、女の子の赤ちゃんを里子として迎え入れた古泉家。長男と一緒に乳児院を訪れていたので、彼には妹ができることは分かっていたはず。とはいえ、やはり、いざ可愛い赤ちゃんが家にやって来て、みんなの注目が赤ちゃんに集中するという状況は、甘えん坊の男の子にはきつかった。「保育園で出会った絵本『ちょっとだけ』は、子ども心にも『これはまさに我がことなり!』って思ったみたいです(笑)。主人公の女の子のような健気さはないんですよ。でも、それまで一人っ子だったのが、下の子ができて注目されなくなるのって、つらいことじゃないですか。赤ちゃん返りもすっごくする。だから、今は息子を最優先にするようにしています。たとえば、息子は保育園では自分で服を着ているくせに、家ではぜったいにひとりで着ないんですよ。妹が来る前は『抱っこ』なんて、そんなに言わなかったのに、僕が帰宅して、妹が寄ってこようとすると、ダーッと妹を追い越して、僕に『抱っこ!』って言う。そこで無下にしちゃいけないなぁと思って、息子を先に抱っこしています(笑)。だから、この前、初めて息子と娘が一緒におもちゃで遊んでいる姿を見て、びっくりしました(笑)」里親には守秘義務があるなど、いろいろ細かい規定も多い。一人を育てるだけでも大変なことなのに、さらにもう一人、赤ちゃんを引き取ろうと決意した理由とは?「それはですね、僕自身が一人っ子で育って、一人っ子の負の側面の塊のような感じだったんですよ。つまり、とことん自分本位で、そのことが苦しかった。だから息子にはきょうだいを作ってあげたかった。僕自身ずっと自分本位で生きてきて、そのことで胸を苦しめていましたが、子どもが来てくれて子どもと日々接して、自分以上に大切にできる存在だって、心から実感することができるようになったんです。前のような自分本位のまま、年寄りになっていたらと思うと、ぞっとしますね。50歳手前になって、やっと一人前の感覚が持てた気がするんですよ。今は子どもたちのおかげで、そういう気持ちを抱けているので、とても幸せです(笑)。」【 古泉智浩さん、これもオススメ 】コントラストの強い配色で展開する楽しい世界に赤ちゃんも大喜び!『いっしょにあそぼしましまぐるぐる』絵:かしわらあきお¥880/学研プラス赤ちゃんが注目する黒、白、赤を中心に、2ヵ月児にも見やすいカラフルな色とくっきりした絵でデザインされたベイビーブック。赤ちゃんが生まれながらに反応する “顔” や、反応がいいとされる “しましま” と “ぐるぐる” の絵がいっぱい。紙が厚く、しっかりしていて、角も丸く処理されているので、赤ちゃんがひとりでページをめくることができます。パパ、ママと赤ちゃんとのコミュニケーションにも最適な、かわいくてキレイな絵本です。「赤ちゃんだった息子が家に来たときに、母の友達のおばさまがプレゼントしてくれたんですよ。今は下の娘が喜んで見ています。やっぱり、色がハッキリしているところが、赤ちゃんも見ていて楽しいのかもしれないですね。うちの子たちはページをめくるのが大好きで、こちらが読んでいる途中でも、どんどんめくっていく(笑)。妻の実家で猫を3匹飼っていることもあって、この絵本でも猫が出てくるページが特にお気に入りみたいです」ぴよちゃんとかくれんぼめくって楽しい、しかけ絵本『NEWぴよちゃんとあそぼ! めくってばあ!』てんとうむしが『ばあ!』作:いりやま さとし¥880/学研プラス©Satoshi Iriyama/Gakkenフェルトでできた四つ葉をめくると、てんとうむしが『ばあ!』、チューリップの花びらをめくると、ありさんが『ばあ!』、レタスの葉っぱをめくると、あおむしが『ばあ!』……めくってワクワク、発見が楽しい、手触りも温かいフェルトめくりしかけ絵本。子どもたちにとって身近な昆虫や動物がたくさん登場するのも嬉しいポイントです。フェルトは破れにくく、扱いやすいので、赤ちゃんが手指を動かすトレーニングにもなります。ありさんが『ばあ!』「子どもたちも『ばあ!』って言いながら、フェルトをめくるのが好きで。『ここにいるのは、かたつむりだよ』って、丸暗記しているくらい。フェルトがすごくしっかり貼られていて、子どもが引っ張っても取れたりしないのがさすがですね。絵本の最後、ぴよちゃんがいなくなって、いろんなものをめくるページが一番盛り上がります。最近、娘が歩くようになったんですけど、ドアをバーンと開けては『ばあ!』って言うんですよ(笑)」上野の森親子ブックフェスタ20195月5日(日・祝)13~14時上野恩寵公園中央噴水池広場周辺学研ブースにてぴよちゃんの新刊にちなんで、ワークショップといりやまさとし先生のミニサイン会を開催します。妹という存在ができた長男が共感!ママが読んでも涙がこぼれる感動作『ちょっとだけ』作:瀧村有子絵:鈴木永子¥900/福音館書店弟が生まれ、なっちゃんはお姉さんになりました。お母さんは赤ちゃんのお世話で忙しいので、なっちゃんはいろんなことを自分ひとりでやってみます。「ちょっとだけ」しかできないけれど、お姉さんだからと、がんばるなっちゃん。でも、眠くなったときだけは、どうしてもお母さんに甘えたくなって……。姉になったことで感じるせつなさ、そして、それを乗り越えることで成長していく子どもの姿を、母親の深い愛情とともに描いた物語。Illustration:Kashiwai「この絵本は、ちょうど下の娘が家に来た頃に、たまたま息子の保育園の先生が読み聞かせの時間に読んでくださったんです。息子は主人公のなっちゃんの気持ちにすごく共感したらしくて、先生に『もう1回読んで!』って、せがんだそうなんですよ。その話を聞いて、うちにも1冊ほしいと思って買いました。息子はなっちゃんみたいに立派じゃ全然ないんですけどね。赤ちゃん返りするところだけ共通している(笑)」里親制度や養子縁組についても学べる古泉さんの作品!『うちの子になりなよ ある漫画家の里親入門』著:古泉智浩¥1296(税込み)/イースト・プレス『うちの子になりなよ ある漫画家の里親入門』著:古泉智浩¥1296(税込み)/イースト・プレスIllustration:Hidemi Ito/KashiwaiText:Keiko IshizukaConposition:Shiho Kodama
2019年04月08日今月の人。Illustration:Hidemi Ito憲法学者木村草太さん1980年神奈川県生まれ。2003年、東京大学法学部卒業、同年、同大学大学院法学政治学研究科助手に就任。現在、首都大学東京法学部教授。専門は憲法学。首都大学東京の法科大学院での講義をまとめた『憲法の急所――権利論を組み立てる』(羽鳥書店)は「東大生協で最も売れている本」と話題を集めた。立憲主義を重視する立場から、各種メディアで積極的に発言を続ける。著書に『自衛隊と憲法―これからの改憲論議のために』(晶文社)、『子どもの人権をまもるために』(晶文社)、『AI時代の憲法論人工知能に人権はあるか』(毎日新聞出版)など。子どもを決してなめない、という作者の姿勢がうれしかった色彩豊かなファンタジーの世界『クレヨン王国の十二か月』作:福永令三絵:三木由記子¥650/講談社大みそかの夜、ユカが目を覚ますと、12本のクレヨンたちが会議を開いていました。クレヨン王国の王様が「王妃の悪いくせがなおるまでは帰らない」と言って、ゆくえをくらましてしまったのです。おどろいた王妃はユカと一緒に、王様を探す不思議な旅に出かけます――。続編が47冊を超えるベストセラー人気シリーズの第1作。1997〜99年にはシリーズのうち数作を原作として『夢のクレヨン王国』のタイトルでテレビアニメ版も放送された。「子どもの頃に好きだった、講談社青い鳥文庫から出ている『クレヨン王国』シリーズ。今は娘も読んでいます。このシリーズの特徴は、作者が子どもをなめていないというところですね。ワクワクするファンタジーでありながら、意外と凄惨な場面もけっこう出てきますから。でもそれは、読んだ子どもたちはちゃんと理解してくれるはずだ、と作者が信じて書いているということ。自分が子どもの頃に読んでいて、嬉しかった記憶がありますね」おもしろいシリーズを見つけたら1巻から順にどんどん読んでいくお母様が図書館司書だったということもあり、「字を覚えたての幼い頃から、近所の図書館に通っては、気になる本を片っぱしから読んでいった」と振り返る憲法学者の木村草太さん。そんな木村さんに似たのか、現在小学5年生の娘さんも “本の虫” で、絵本は早々に卒業し、保育園に入るころにはすでに児童書を夢中になって読んでいたという。この本はまだこの年齢の子どもには難しいのでは……などと大人はつい考えてしまいがちだが、木村さんは「子どもをなめないということが大事だと思います」と話す。それを子どもの頃に実感させてくれた本が『クレヨン王国』シリーズだった。作者は1956年に文藝春秋のオール新人杯(現 讀物新人賞)を受賞し、成人向け小説の作家として活躍していた福永令三さん。児童文学である本シリーズも上質なエンターテインメント性に満ちている。Illustration:Kashiwai「心に残る印象的な場面がたくさんあります。たとえば、『クレヨン王国月のたまごPART4』で登場人物のカメレオン総理が暗殺されそうになるエピソード。総理が乗るヘリコプターに爆弾を仕掛けられて、パラシュートで脱出するんですけど、そのとき、総理が操縦士に『君のパラシュートと交換しよう』と言って交換するんですよ。で、その後、操縦士のパラシュートが開かないという……。すごい描写だなと思いました。子どもにしてみたら、ギョッとしますよね。でも、確かに暗殺者なら、そこまでやるなと思って。これが政治的暗殺なんだと。その場面を読んだとき、作者が読者である子どもたちのことを信頼してくれていると感じました」アラン・リーの美しい挿画が物語の情景を浮かび上がらせる外国作品で、木村さんが小学生のときに熱中して読んでいた本といえば、J.R.R.トールキンの壮大なファンタジー『指輪物語』。映画化された『ロード・オブ・ザ・リング』3部作も大ヒットし、刊行から60年以上経った今なお、世界中で愛されている名作だ。「『指輪物語』は、いろいろなバージョンの本が出ていますが、全3巻のカラー版は表紙装画だけでなく、中にもアラン・リーさんの挿画がたくさん入っているんです。このアランさんの絵が本当にすばらしい。以前、ニューヨークに旅行したときに、バーンズ・アンド・ノーブルという書店で、箱入りのカラー版を見つけて、衝動的に大人買いしてしまいました(笑)。この絵だけでも、子どもに見せたいと思うくらい気に入りましたね。実は映画化されると聞いたときは、アランさんが描いた世界がどこまで実写化できるのかなぁと、大変懐疑的だったんですよ。でも、監督はアランさんを映画のコンセプト・アート・デザイナーとして招請しましたよね。映画を観たら、挿画のイメージどおりだったので驚きました」スリリングなストーリー、描写の細密さなど、多くの魅力がある『指輪物語』の中でも、特に木村さんが惹かれるのは “多様性” というテーマ。「人間はデコボコである、ということですね。『指輪物語』は登場人物全員が何かしらの欠点を持っていて、さまざまな種族、キャラクターたちが、それぞれの欠点と長所を生かして協力していくという姿が描かれている。そこが大変すばらしいなと思って読んでいます。なので、この解釈が正しいかどうかは微妙なんですが……私自身はこの本を通して、人間には欠点があっても、長所がしっかりしていればいいんだ、というふうに理解しました。大人になっても繰り返し読んでいて、そのたびに、常にそこに戻ってくる感じがします」この本を読みたい!と子どもが思うタイミングが訪れるのを待つことわが子を本好きにしたい、と思っている親は多いだろう。そのために、読み聞かせをたくさんしたり、子どもの視線に入るように本棚に絵本をたくさん揃えてみたり……。しかし、それでも子どもがなかなか本に興味を示さなかった場合は、どうすればよいのだろうか?「本が好きになるかどうかというのは、本人の資質だと思いますよ。好きになる本も子どもによって違いますし、たとえ名著でも合わないものは合わないし。娘は小さい頃から、時間があれば本ばかり読んでいて、母親に『もうやめなさい』って叱られるくらいの本好きですが、現在、年長の下の息子は、去年くらいまでは本に全然興味を示さなかったんです。本人が読みたがらなかったから、絵本の読み聞かせも娘に比べると少なかったですね。でも、そんな息子も、ひらがなが読めるようになったとたんに本をたくさん読むようになりました。今は絵本というより、『小さなおばけ』シリーズなどの児童書をよく読んでいます。『読みたくない』という子に無理やり読ませようとしても、本は読めないと思うんですよね。本は降ってくるものなので。なんかこう無性に『今日はたこ焼きが食べたいなぁ』みたいな気分と一緒なんです(笑)。子ども本人が『この本を読みたい』って思う、ベストなタイミングが来るはず。で、親はそれを待つということが大事だと思います」しいて言えば、親ができるのは “そのタイミング” が来たときを見逃さず、その瞬間、即、子どもが本にアクセスできるように準備しておくこと。「地元のどこに大きな図書館があるのかを確認して、本を読みたくなったときに、ここに来れば本を探せるということを伝えておく。そして、子どもが『これを読みたい!』と言ったときに連れて行ってあげる。あとは、子どもがたまたま読んでおもしろかった本がシリーズものだったら、お父さん、お母さんが調べて、1作目から揃えてあげるとか。シリーズものは、子どもが芋づる式にどんどん本を読むきっかけになりますよ。うちの息子のように、これまで読んでいなくても、急に本好きになることはよくあるので。あとはもう本当に、親がその子を信じるしかない、と思いますね」【 木村草太さん、これもオススメ 】魅力的なキャラクターが活躍する大人気ロングセラー・シリーズ『スパゲッティがたべたいようアッチ・コッチ・ソッチの小さなおばけシリーズ1』絵作:角野栄子絵:佐々木洋子¥900/ポプラ社アッチはレストランの屋根裏に住んでいる小さなおばけの男の子。“レストランヒバリ” のコックさんを務める食いしんぼうの彼は、ちょっと変わっているけれど、とびきりおいしい料理を作って、お客さんに提供しています。2018年に国際アンデルセン賞・作家賞を受賞した角野栄子さんのライフワークとして、毎年新刊が発表される『アッチ・コッチ・ソッチの小さなおばけ』シリーズ。今年は40周年記念の各種イベントも予定されている。Illustration:Kashiwai「下の息子がすごく好きなシリーズです。1作目からダーッと読んでいって、今出ている本はぜんぶ読み終わっています。『おばけのソッチラーメンをどうぞ』や『おばけのアッチのゲームのえほん』も印象に残っていますね。シリーズを通して主人公のアッチがいつも一生懸命なところがいいんでしょうね。角野栄子さんらしい自由な発想で、ストーリーの展開が読めないのも魅力。あと、アッチはおばけですから、“いもむしグラタン” とか、名前だけ聞くと、それどうなんだろう!?って思うようなユニークなメニューがたくさん出てくるのもおもしろいですね(笑)」フィクション世界がリアルになる『指輪物語』ファンのための地図『指輪物語 フロドの旅――「旅の仲間」のたどった道』著:バーバラ・ストレイチー訳:伊藤盡¥1800/評論社『指輪物語』著:J.R.R.トールキン訳:瀬田貞二/田中明子装画&挿画:アラン・リーカラー版全3巻各¥7800/評論社(『指輪物語』は他に、A5新装版 全7巻 各¥2200、 文庫版 全10巻 1~9巻各¥700、10巻¥900があります)『指輪物語』に登場する9人の旅の仲間がたどった道筋を、詳細な地図で再現した副読本。熱烈な『指輪物語』のファンだったバーバラ・ストレイチーが、作者トールキンの手になる地図とは別に、より詳しい地図作りに挑戦した。地図には、フロドたちが敵から身を隠した場所、食事をした場所、野宿をした場所にいたるまでを記載。日本語版では巻末に地図索引があるほか、訳者によって、旅の行程についても日を追って詳しく解説されている。「私はフィクションの世界の地図がすごく好きで、小説に地図がついていると、それだけで嬉しくなっちゃうところがあります(笑)。『指輪物語』は本編にも地図がたくさん載っているのですが、この本の地図は登場人物たちがどう歩いて行ったのかが明確に分かるほど、きちんと描かれているんですね。彼らがどこに、どうやって行って、そこで何が起きたかを、さらに具体的に想像することができる。物語の世界が非常に生き生きとするんです」Illustration:Hidemi Ito/KashiwaiText:Keiko IshizukaConposition:Shiho Kodama
2019年03月11日今月の人。Illustration:Hidemi Ito音楽家/文筆家寺尾紗穂さん1981年、東京都生まれ。大学時代に結成したバンド“Thousands Birdies’ Legs”でボーカル、作詞作曲を務める傍ら、弾き語りの活動を始める。2007年、ピアノ弾き語りによるメジャーデビューアルバム『御身』を発表。大林宣彦監督作品『転校生 さよならあなた』、安藤桃子監督作品『0.5ミリ』(安藤サクラ主演)の主題歌を担当したほか、CM、エッセイの分野でも活躍中。2010年よりビッグイシューサポートライブ『りんりんふぇす』を主催。2019年まで10年続けることを目標に取り組んでいる。2017年に最新アルバム『たよりないもののために』を発表。坂口恭平バンドや、あだち麗三郎、伊賀航と組んだトリオバンド“冬にわかれて”でも活動中。著書に『男装のエトランゼ 評伝 川島芳子』(文春新書)、『愛し、日々』(天然文庫)、『原発労働者』(講談社現代新書)、『南洋と私』(リトルモア)、『あのころのパラオをさがして 日本統治下の南洋を生きた人々』(集英社)、『彗星の孤独』(スタンド・ブックス)など。2018年より朝日新聞書評委員。主人公が悪いヤツという設定が好き!さんざん悪いことをしても、最後には受け止めてくれる存在がいる幸せ『あくたれラルフ』作:ジャック・ガントス絵:ニコール・ルーベル訳:いしいももこ¥1500/童話館出版セイラが飼っているネコのラルフは、とてもあくたれ。毎日いろいろな悪さをしては、セイラだけじゃなく、お父さんやお母さんもこまらせています。それでも、セイラはラルフが大好き。そんなある日、家族みんなでサーカスを観に行きました。しかし、そこでも、あくたれのかぎりをつくしたラルフは、とうとうサーカスに置き去りにされることに……。「主人公のラルフがめちゃくちゃ悪さをするところが、おもしろいんですよね。子どもなら、ちょっとやってみたいことを好き放題やっているので、見ていて気持ちいい(笑)。小さい頃に読んだときは、絵のカラフルな感じにすごく惹かれました。特に好きなのは、ゴミ捨て場で一夜を過ごしたラルフが“なまごみねつ”にかかってしまったシーン。“なまごみねつ” っていうネーミングが絶妙で、うちの子どもたちも、ここで必ず笑っていました(笑)「大きな愛を持ちなさい」という温かいメッセージをもらえる絵本ミュージシャンとして、また原発労働者や日本統治時代の南洋諸島を知るために取材し本を書く作家として、ジャンルやテーマを越え、自由に表現活動を続けている寺尾紗穂さん。いわゆる表舞台には出てこない人たち、ひとりひとりの多様な声に耳を傾けてきた彼女のスタンスは、実は子どもの頃から変わっていない。「もともと主役にはあんまり興味がなくて。学芸会でも、幼稚園のときの『オズの魔法使い』では、西の悪い魔女役でしたし、小学2年生のときは山姥の役をやっているんです。どちらも自分から立候補して(笑)」物語でも、どこか社会になじめないような、風変わりなところのあるキャラクターに惹かれてしまう。そんな寺尾さんにとって、子どもの頃から家で読んでいた『あくたれラルフ』は、まさに好みの絵本だった。主人公のネコが、とにかく悪さばかりする悪いヤツなのだ。「世の中には『悪いことをしていたら、悪い結果になって当たり前だよ』という話が多く語られていると思うんですけど、この話は逆なんです。とにかくラルフの飼い主である女の子、セイラの愛が大きいんですよね。いい子だから好きというのではなく、ラルフがどんなに悪さをしても『大好き』と言ってくれる。セイラだけじゃなく、一度はラルフのことを『サーカスに置いていく』と言ったパパも『おまえがいなくてさびしかったよ』と言って、家に迎え入れてくれる。悪いことばっかりしていた人でも、ハッピーエンドになれるんだよ、っていう救いがあるんです。ラルフみたいな感じの子って、今だと、じっとしていられないとか、ちょっと発達障害っぽい子に通ずる部分があると思うんです。でもそれって、当人の問題って距離をとるのではなくて、まわりがどう接するかが大事なんですよね。また、大人になって読めば『社会から一度はずれちゃった人をどうするのか?』という問題ともつながっている話だと感じられる。この絵本からは『すごく大きな愛を持ちなさい』って言われている気がします」絵本に出てくる歌を歌う場面はピアノを弾きながら、実際に歌って現在、小5、小3、小2の三姉妹のお母さんでもある寺尾さん。お子さんたちがもっと小さい頃は、たいてい3人一緒に、絵本の読み聞かせをしていた。最近は絵本を読み聞かせる機会はだいぶ少なくなったものの、一番下のお子さんは、今もたまに「読んで」と言って、寝る前に絵本を持ってくることがある。「絵本って、歌を歌うシーンがけっこうありますよね。たとえば『ぐるんぱのようちえん』だと、幼稚園を開いたぐるんぱが、ピアノを弾いて歌う場面が出てくるんですが、その歌詞の部分は、私も自分で歌にしていました。メロディもなんとなく定まってきて。子どもたちからも『あれ歌って』とリクエストされて、歌っていましたね。Illustration:Kashiwai以前、隠岐諸島の海士町の図書館で開いたライブでは、長い歌詞が出てくる『だれをのせるの、ユニコーン?』という絵本の読み聞かせをしたこともありました。図書館のスタッフの方に朗読をしてもらって、エレクトリックピアノがあったので、歌の部分はピアノでBGMをつけて、私が歌って。もともと娘たちに作って歌ってあげていた作品でした。音楽って記憶に残るので、うちの子どもたちが大人になっても、私が作ったメロディは何となく覚えているんじゃないかなと思いますね」深みのある色調の美しい絵の世界母が読んでくれた時間も良き思い出寺尾さん自身が小さい頃、お母さんに読んでもらった思い出の絵本は『ラ・タ・タ・タム− ちいさな機関車のふしぎな物語 − 』。ヨーロッパの名画をしのばせるような美しい絵は、子どもから大人まで、読むものの心に静かに訴えかける力を秘めている。「この絵本の英語版を母が持っていたんです。それで、物語の流れを私に教えつつ、母なりに訳しながら読んでくれたんですね。文字のない見開きページの場面は、色の感じも、不思議な風景もすごく印象に残っていて。大人になってから、ふと思い出して、母に『あの絵って、なんの絵本だったっけ?』って聞いたくらい。母に『この絵本よ』ってその絵本をもらって、今度は私が子どもたちに読んでいました」母から娘へ、そしてまたその子どもたちへ。三世代にわたって、読み継がれていく大切な絵本は、母と子の絆を自然に結びつけてくれる存在だ。「絵本は親子で読むものですよね。絵本を子どもに贈るっていうのは、ただ物をあげて終わりではない。自分が読んであげる、その一緒に過ごす “時間” を含めて与えることだなと、あるとき気づいたんです。親と子どもで、一緒の時間が生まれるきっかけ。子どもへのプレゼントとして、それはなかなかいいものだなと思っています」【寺尾紗穂さん、これもオススメ】画集のような感覚で味わえる丹念に描きこまれた幻想的な絵『ラ・タ・タ・タム−ちいさな機関車のふしぎな物語−』文:ペーター・ニクル絵:ビネッテ・シュレーダー訳:矢川澄子¥1800/岩波書店機関車が大好きな発明家のチッポケ・マチアスは、ある日、ちいさな白い機関車を完成させました。しかし、ちいさな機関車を気に入った工場長は、自宅の庭園に飾るために、マチアスから機関車を取り上げてしまいます。がっかりして町を出て行ったマチアス。彼の後を追って、ちいさな機関車のふしぎな旅が始まります――。ドイツ人の絵本作家ビネッテ・シュレーダーが絵を、彼女の夫である法律家のペーター・ニクルが物語を書いた絵本。「絵がとてもきれいなので、小さい頃はストーリーよりも、画集みたいな感覚でよく見ていました。ずっと記憶に残るような印象的な風景の絵がいくつもあって、その世界に入り込むという感じですね。色調が美しい幻想的な絵で、ユーモラスなのに、ちょっと怖さも感じられる。ちいさな機関車が工場長の家から逃げ出して、山をぐるぐるとまわりながら越えて走っていくシーンでは、ずっと続く線路を迷路みたいに指で追うのも好きでした」自分を生かせる場所が必ずある!じんわり勇気をもらえる一冊『ぐるんぱのようちえん』作:西内ミナミ絵:堀内誠一¥900/福音館書店ぐるんぱはひとりぼっちの大きなゾウです。ビスケット屋さん、靴屋さん、ピアノ工場、自動車工場……。ぐるんぱは、いろいろな仕事場で一生懸命に働きますが、いつも作るものが大きすぎて失敗ばかり。そんなとき、ぐるんぱは、子どもがたくさんいるお母さんに出会います。子どもたちの世話を頼まれたぐるんぱが開いた幼稚園は、子どもたちを喜ばせ、大成功するのでした。時代を超えて愛され続ける、初版1966年のロングセラー絵本。「ひとりぼっちで、さびしくて、ちょっとのけ者にされていたゾウの主人公が、働きに出て修業をする。自分の体が大きすぎるせいで、行く先々でズレたものを作っちゃうんですが、『それを生かせる場所があるんだよ』というメッセージが伝わってくるお話です。私は食いしん坊だったので、一番好きなページは、ぐるんぱが大きなビスケットを作る場面。ぐるんぱが開いた幼稚園に行って、このビスケットを食べたいなと思っていました(笑)」自分を受け入れて生きていくこと斬新なテーマに取り組んだ意欲作Illustration:Kashiwaiひとりぼっちのおおかみが「け」という、含みのある台詞をつぶやきながら、仲間を探して町をさまよっています。「おれに似た子はいないかな?」。うさぎ、やぎ、ぶた、しか……いろいろな動物たちがいますが、どこへ行っても、おおかみは満足することができません。仲間に入りたいようで、入りたくないのです。とうとう、おばけがたくさんいる墓場までやってきたおおかみですが、はたして仲間を見つけることができるのでしょうか?『やっぱりおおかみ』作・絵:佐々木マキ¥900/福音館書店「これも居場所探しの話ですね。最後におおかみが、自分は乗らないまま、気球をつないでいた綱をはずして、気球を空に放すんです。気球は別世界に連れて行ってくれるかもしれない乗り物ですよね。つまり現実逃避しない、自分はここで生きていくという意思表示であって。究極ですよね、この悟りは。子どもの頃は絵柄に惹かれていましたが、大人になって読み返すと、すごく深いことを描いていると気づかされる。大事な絵本ですね」Illustration:Hidemi Ito/KashiwaiText:Keiko IshizukaConposition:Shiho Kodama
2019年01月31日以前から、子どもの絵本の整理は悩みの種でした。リビングダイニングに絵本用の本棚を作ったのですが、それは子どもが自ら絵本を手に取れるようにしたかったからです。子どもが成長するにつれて、自分で絵本を選び片付けてくれるようになったのはいいのですが、同時に収納の悩みも発生しました。そこで、イケアのマガジンファイル「FLUNS(フルンス)」を使って解決することにしました。その方法をご紹介いたします。■ 理想は子どもでも出し入れしやすい絵本棚以前は、とある収納名人がオススメしていた「ボックス型のファイルボックス」に絵本を立てていました。しかし、すぐに我が家には合わないとわかります。なぜかというと、絵本を一度上に引っ張り上げて取り出さないといけないんですね。しかも両手を使わないとダメ。子どもには絵本ってまだ重いのです。そうすると、複数冊絵本を持ち出したい時なんかモタモタしちゃうんですよね。ということで、ボックス型のファイルボックスは諦めて、ただただ並べることにしました。スッキリしていい感じです。でも、これだと皆さんも経験済みだと思いますが、ぐちゃーと雪崩が起きてしまいます。雪崩が起きると、子どもの力では絵本を起こして立てることが難しく、上にどんどん重ねていくようになるんです。こうなると、あとは悪循環しかありません。子どもでも大人でも同じですが、上に絵本が積み重なると下に立ててある絵本は選ばなくなります。いつもいつも同じ絵本を持ってくるようになりました。これではいかん!ということで「雪崩を起こさない」かつ「取り出しやすい」絵本棚収納を考えました。■ イケアの「FLUNS(フルンス)」が使いやすいブックエンドに早変わり!家にあるもので何か作れないかと探してみると、イケアのマガジンファイル「FLUNS(フルンス)」が何パックが余っているのを見つけました。「FLUNS(フルンス)」は4ピース1セットになっていて、はっきりとした価格は覚えていませんが、とても安かったのだけは覚えています。今だとセールだそうで149円で売られていますよ(1月27日まで)。さて、このまま使うとなると横長の絵本が入りません。手前に立ち上がりがあってつっかえるので、絵本を上に引き上げないと取り出せない=両手で取り出さないといけない。ということで、フロント部分をハサミでチョキチョキ取り除きました。紙製だからできることですよね。こうすることで、手前にも引き出しやすく、雪崩防止にもなりました。横長の本もちゃんと収まりますよ。今回、筆者はイケアの「FLUNS(フルンス)」を使ったので、だいたい500円以内で作れました。この「FLUNS(フルンス)」はハサミで簡単に加工できるので、他にも冷蔵庫や冷凍庫の収納にも使っています。紙製なので汚れたり、くたびれたりしても普通ゴミとして処分できるのもいいところ。簡単に、お安く絵本収納できて満足してます!
2019年01月15日絵本作家のたなかしん氏作絵本で化粧品や美容目的の医薬部外品などに含まれる成分や、正しいスキンケアを理解しようという新刊『お姫様の美肌図鑑』が株式会社じほうより発売された。A5変型判で価格は1,728円(税込)である。同社は医薬品専門書を手がけており、これまで一般向けの「じほう図鑑」として『王様のくすり図鑑』『王子様のくすり図鑑』『皇帝の漢方薬図鑑』(いずれも木村美紀氏著)を発売。今回発売された新刊は絵本作家のたなかしん氏の作で、高橋典子氏がプロデュース、皮膚科専門医のまのえいこ氏が監修している。45種類の美肌成分を妖精のキャラクターにコラーゲン、ヒアルロン酸、トラネキサム酸など、女性なら見慣れた成分ではあるが、これらの成分がどのような目的で配合され、どのような働きがあるのかを説明できる人は少ない。絵本『お姫様の美肌図鑑』では、美に悩む「おひめさま」がフクロウの導きにより美肌成分を学んでいく。同書の前半は荒れ果てた夜の森が舞台で、アルブチン、アミノカプロン酸、アスタキサンチン、セラミドなど、45種類の美肌成分を妖精のキャラクターとして紹介。フクロウが妖精を呼び出すことで、それまで荒れ果てていた森が美しさを取り戻していく。また、後半は「Dr.マノメディカルクリニック」と「ミューズスキンクリニック」の院長を務めるまのえいこ氏が監修。皮膚の構造やトラブルのメカニズム、化粧品、医薬部外品、医薬品の違いなどが解説され、正しいスキンケアの基本を学ぶことができるようになっている。(画像はAmazon.co.jpより)【参考】※お姫様の美肌図鑑 - 株式会社 じほう
2018年12月04日気持ちのいい秋風が吹くころになってきました。ベビーが知らない世界を広げるためにも、読書の秋に絵本を一緒に読んであげませんか?我が家にある30冊程の絵本は、子どもが取れるように表紙の見える絵本棚にすべて入れています。そんな絵本の中から月齢別1〜2歳におすすめの絵本を、絵本を読んだ時の息子の反応とともにご紹介します。10ヶ月~1歳、好きな本を本棚からとれるように歩き始めるようになると、本を読んでほしいアピールをするようになります。絵本用の本棚を置いてあげると絵本が身近になるし、お片付けの練習にもなります。この時期に、絵本の表紙が見える本棚をリビングに設置しました。そうすると好きな本を自分で取ってバスケットに入れたり、自分で絵本をめくって単語を言いながら絵を指差したりするようになりました。この時期は、自分で絵本を楽しめるようになるので仕掛け絵本を中心に買い足しました。いろいろな形の穴のあいたページをめくると、隠れていた動物が次々と現れる「どうぶついろいろかくれんぼ」。鳴き声など音でも表現されていて子どもが楽しく読め、言葉も覚えやすくなっています。茶色一色のページをめくるとゴリラが現れるのが、息子には大ヒット!めくる瞬間に『ゴリラが出てきた!』と言っていたら、ゴリラという単語を覚えました。動物のおしりやしっぽから動物のあてっこ遊びができる「どうぶつだあれかな」は、ライオンの子どもがいろいろな動物と出会う絵がとてもやさしく、ママも癒される絵本です。1歳~1歳半は、楽器や写真付きの絵本を指先が器用になり、言葉もはっきり話すようになるこの頃。楽器に親しんでほしいこともあり、1歳を過ぎてからはピアノの鍵盤が付いている絵本を買い足しました。ピアノとしての音も出るし、10曲ほどの自動演奏もついています。どの鍵盤を押しても音楽になる簡単モードでは、料理を作っている横で一人で遊んでくれます。また、動物が好きなのでどうぶつ図鑑も与えました。動物の写真横のボタンを押すと英語と日本語で動物名と鳴き声が出ます。エサも載っていて、息子はバナナやユーカリの葉など全く教えていないのに、ボタンを押しているうちに英語発音で言えるようになりました(笑)1歳半~2歳は、知育雑誌でも遊べるように2~3語を続けて表現できるようになって、理解度も深まるこの時期。書店でシールを貼ったり、数をかぞえたりと遊びながら学べるようになっている1~3歳対象の知育雑誌を発見したので、買ってみることに。この頃になるとパン屋さんごっこや電車ごっこをしたり、同じ車でもバスや救急車などの違いがわかるようになるので、1冊でいろいろ遊べる雑誌は外出先でも大活躍です。さらに、トイレトレーニングを始める時期なので、まずは絵本で予習。日本語では「みんなのうんち」で人気のある絵本の英語版「Everybody Poos」が役立ちますよ!歌をうたうようになる頃なので、マイク付の絵本があるとカラオケごっこをして遊ぶようになります。自分の声がマイクを通して聞こえるのが楽しいようで、曲に合わせて自慢げに歌っています。アンパンマンの歌以外にも8曲入っていて、今はお誕生日で何度も聞いた『ハッピー・バースデイ・トゥ・ユー』をよく歌っています。童話なども読んであげていると、お椀に乗ったいっすんぼうしを見て『パパ、プップー』など指をさして説明してくれるようになります。小さいころに絵本を読んであげて、読書好きに!0歳だった時の絵本も2歳のいま抑揚まで真似をして読んでいるように話していたりと、大人が思っている以上に子どもはよく覚えています。絵本に出てきた動物の名前もいつのまにか覚えていて、ある日急に『ぞうさん』『きりんさん』と指さしてしゃべり出しました。小さいころから本に親しんでいると読書好きになると言います。お気に入りの絵本を見つけて読書の秋を堪能しましょう!息子が気に入っている絵本の一部はこんなもの・布絵本:スキップホップの布絵本・音が出る絵本:スマホえほん、ピアノ絵本、マイク付うたえほん・言葉の絵本:いないいないばあ、のりものいろいろかくれんぼ、いろのえほん・童話の絵本:そんごくう、ももたろう、いっすんぼうし、・お仕事の絵本:バルバルさん、くまくまパン・英語の絵本:えいごどうよううたのえほん、どうぶつ図鑑、I am a Bunny、Nursery Rhymes、Brown Bear, Brown Bear、Everybody Poos
2018年11月08日過ごしやすい季節になってきました。読書の秋です!ベビーと一緒に絵本を楽しんでみませんか。私が本好きなこともあり、我が家には布絵本、音の出る絵本、図鑑、日本の有名な絵本、英語の絵本、童話…などなど、2歳の息子のための絵本が30冊程あります。そんな絵本の中から月齢別、0歳におすすめ絵本を、絵本を読んだ時の息子の反応とともにご紹介します。0ヶ月~3ヶ月は、カラフルな布絵本をまだぼんやりとしか見えない新生児期。ぼんやりとしか見えなくてもわかりやすいように、カラフルなもの選ぶと反応がいいです!また、この時期は布絵本がおすすめです。布絵本とは、紙ではなく布でできた絵本。紙の本と違って文章を読んであげるのではなく、音が鳴る仕掛けがあったり、動物が描いてあったり、歯固めが付いていたりと低月齢からいろいろ遊べるようになっています。握るとカシャカシャと音がしたり、目で楽しむだけでなく、五感で楽しむ絵本です。我が家では、寝返りをうつかうたないかの頃、ページをめくるときに「つぎはー」と言いながらめくるとニコニコしていました。すごくお気に入りで、遠くにあっても手を伸ばして一生懸命に取ろうともがいていました。そして、1歳を過ぎても遊んでいて、自分で「つぎぃはぁ~」とつぶやきながらめくっています!4ヶ月~6ヶ月は、動物や擬音が出てくる絵本で大喜びまだ、視力より聴力がいいと言われているこの時期。擬音が豊富なもの、そして顔に反応するので動物などお顔が出てくる絵本がおすすめです。出産祝いにいただいた、動物がいないいないばあをする「いないいないばあ」は、ロングセラーの人気絵本。いないいないばあというフレーズが何度も繰り返し出てきます。パパがよく読んであげていました。楽しませるポイントは、声の抑揚をつけてギリギリまで次のページを隠しながら読むことだそうです。息子は、いないいない『ばあ!』で動物のお顔が出てくるページで大笑い。ライオンやひつじが来る床屋さんが髪を切る『チョキチョキチョキ』という音がある「バルバルさん」は我が家の息子の愛読書です。いつもおひざの上で読んであげていました。いまではライオンが出てきたら『ライ~』と言ってきたり、犬の挿し絵があると『ワンワン』と言うようになり絵本から多くの言葉を覚えています。英語の絵本では、ヒッコリーディッコリードックなどのマザーグースの歌やきらきら星が載っている「Nursery Rhymes」はCDが付いているので、CDをかけながらボコボコがあったり、糸が縫い付けられていたりと手触りで絵本を楽しめるようになっています。7ヶ月~9ヶ月は、歌が流れる絵本が大ヒットお座りできるになると、本を持ったりいじったりするようになるので押すと音が出るような絵本に興味を持ちます。我が家では、音が出るおもちゃと本が一体になった絵本を購入。歌詞が本になっていて、ボタンを押すと英語とカラオケで10曲以上の歌が流れるので、ベビーが好きな音楽を簡単に聞くことができます。自分で押すことで音が鳴るというのも面白いようで、抱え込んで遊びます。また、この頃はママの持ち物に興味が出てくる時期。ちょっと置き忘れたスマホを、勝手にいじっていたりしませんか?息子は私たちのスマホをすぐ取ってしまうようになったので、スマホのおもちゃを取り出せる絵本をあげました!これもお気に入りで、1年以上遊んでいます。親子で楽しめる絵本で秋を楽しみましょう音が出る、感触が違う、繰り返し同じ文章が出てくる、違う動物が同じ行動をするというように、子どもが好きな絵本には特徴があります。子どもの反応を見ながら成長に合わせて絵本を増やしてあげると、絵本に興味を持ち続けてくれます。初めは反応がなくても、どこかに行ってしまっても、読んであげていれば覚えていてくれます。読書の秋に親子で絵本を読んでみませんか?
2018年11月07日食欲の秋は、スウィーツがおいしい秋でもあります。そこで今回は、スウィーツがたくさん描かれた絵本を3冊ピックアップしました。“ひと工夫”が光る絵本ばかりなので、親子で楽しんでみてくださいね。「おやつなんだろう?」(作/山本和子絵/国松エリカ)おやつが大好きなうさぎのポッピ。忙しいお母さんの代わりに、森のみんなにお手紙を届けに出かけます。りすさん、はりねずみさん、ぶたさん、くまさん……どのおうちも、おやつ作りの真っ最中。「ポコンポコン」「カシャカシャカシャッ」と、何を作ってるのかな?と想像させられる音が書かれている隣には、仕掛けの窓やドアがあり、覗いてみると、何を作っているのかわかる、という展開になっています。絵だけではなく、音や仕掛けでおいしさやワクワク感が表現されているところが、この絵本の肝です。最後には、なんでみんながおやつを作っていたのか? そして、なんでお母さんが忙しかったのか?など、すべて明らかになるほっこりサプライズが待っていますよ!「クッキー・サーカス」(作/たむら しげる)こちらは、クッキーがおいしそう、というだけではなく、大活躍するお話です。男の子がハーモニカを吹きながら台所に行くと、お母さんがクッキーを作っています。一緒にピエロや音楽隊、動物たちなど、サーカスのように賑やかなクッキーを型抜きして、オーブンへ。するとオーブンから音楽が聴こえてきて……大きくなったクッキーたちと行進! 街でサーカスを繰り広げ、さらにはみんなで大きなクッキーをかじります。まさに、「こんなことあったらいいな」が、ゆかいにかわいらしく描かれた一冊。さらに、「そういうことか!」と膝を打つような結末です。これを読んだ後に親子でクッキーを作っても、盛り上がるでしょうね!「ぎょうれつのできるケーキやさん」(作/ふくざわ ゆみこ)かわいい動物たちや、おいしそうな食べ物がたくさん登場するだけではなく、巻末にレシピまでついている「ぎょうれつのできるおいしいえほん」シリーズの一冊。舞台は、アナグマさんのケーキ屋さんです。おいしいものを探していたありんこたちが、たどり着いたケーキ屋さん。お皿ごと洗い場にざぶーん!と落とされたり、アナグマさんに見つかって怒られたり、大冒険しながら、がんばってかわいらしいアリンコケーキを完成させます。アナグマさんやありんこたちが作る、色鮮やかなスウィーツ。そして、それを食べる動物たち、虫たちの幸せそうな表情。すべてが繊細に描かれています。どの絵本も、どことなく秋らしい色合いで、そういう意味でもこれからの季節にぴったり。絵本を閉じた後は「おやつ、何食べようか?」と、親子で会話が弾むこと間違いなしです!◆この記事を読んだあなたには【おいしそう、かわいい、おもしろい!三拍子そろった絵本3選】もおすすめです!
2018年10月04日今月の人。脳研究者・薬学博士池谷裕二さん1970年、静岡県生まれ。1998年、東京大学大学院薬学系研究科で薬学博士号取得。2002~2005年コロンビア大学客員研究員を経て、2014年より同学部教授。専門分野は大脳生理学。特に海馬の研究を通じて、脳の健康について探求している。文部科学大臣表彰 若手科学者賞(2008年)、日本学術振興会賞(2013年)、日本学士院学術奨励賞(2013年)などを受賞。著書に『記憶力を強くする』、『進化しすぎた脳』、『受験脳の作り方』、『パパは脳研究者 子どもを育てる脳科学』、『脳には妙なクセがある』など多数。「ぱぴぷぺぽ」の音とカラフルな色と形の世界に赤ちゃんも大はしゃぎ!『ぽぱーぺ ぽぴぱっぷ』絵・おかざきけんじろう文・谷川俊太郎¥1200/クレヨンハウス谷川俊太郎さんの「あかちゃんから絵本」シリーズ。多彩な創作活動を展開するアーティスト、おかざきけんじろうさんの絵を見て、谷川俊太郎さんが文を書きました。「ぱぴぷぺぽ」の音に合わせて、ヘンテコなものたちがあっちこっちに……。赤ちゃんと一緒にパパ、ママも心地よい言葉のストレッチができます。読み聞かせのときは、大きく口を開けて、大きな声で読むのがポイント。「初めて手に取ったのは、長女が生まれて半年くらい経ったとき。ストーリーはなく、ただ“ぱぴぷぺぽ”の音と、原色っぽい色と形の抽象画で構成されているんですよ。この音と光!人間の原点というか、魂に直接触れちゃうようなイメージですね。赤ちゃんでもめちゃめちゃ反応します。たぶん500回じゃすまないくらい読んだので、うちの絵本はボロボロです。最初は読むのが大変だったけど、もう見なくてもぜんぶ言えちゃうくらい(笑)」音に敏感な詩人ならではのセンス読めばポーンと心地よく胸に入ってくる「私は絵本好きだという印象があるんでしょうね。まだ子どもがいない時から、学生さんが『先生、これ誕生日プレゼントです』って、よく絵本をプレゼントしてくれたんですよ。だから、むしろ大人になってから知った絵本が多いです。絵本って、もちろん子どもが読むのもいいけど、大人も楽しい。物語のように起承転結もいらないし、伏線を回収しなくてもいい。それって絵本だけに許された自由なんだと思います」脳研究者として、長年、さまざまな研究を続けるかたわら、脳について最先端の知見を老若男女、世界に向けて分かりやすく伝えている池谷裕二さん。私生活では現在5歳半の長女、2歳半の次女がいる、子育て真っ最中のパパでもある。「子どもがもっとちっちゃかった頃は、大脳生理学的に考えて、絵本を選んでいました。インパクトのある音や色が使われているなど、フィルターなく、子どもの脳にストレートにポンと届くもの。それ以外に、ひらがなだけで構成されているかどうかもチェックしていましたね。字を覚え始めの頃って、カタカナは読めないですから」まずは親が実際に声に出して読んだときに、子どもの耳にどう響くかが大事。その点、詩人の谷川俊太郎さんによる「あかちゃんから絵本」シリーズはさすがの完成度。中でも、池谷さんが一番好きなのが『ぽぱーぺぽぴぱっぷ』だ。「もともと谷川俊太郎さんの詩が好きで、『二十億光年の孤独』などの詩集は家の本棚に並んでいます。読むたびに、谷川さんの言葉のセンスって素敵だなと思っていたところに、この絵本。もはや言葉ですらない、音のセンスなんですよ。パピプペポだけで、こんなに表現できちゃうんだ!という感動。この作品自体が絵本というより、芸術ですね」最初のうちは噛まずに読むのが難しい。でも、何度も繰り返し読んでいるうちに、いつしかリズムよく、なめらかに読めるようになる。この爽快感ときたら!「子どものためというより、結局、私が好きなんですよ。子どもがいないときも、私ひとりで読んでいますもん(笑)。スラスラ読んでいると、気持ちが明るくなってきます。長女は今、妹に絵本を読んであげるのが好きで、この絵本も読み聞かせしているんですけど、やっぱりまだうまく読めず、悪戦苦闘しています(笑)」魅力的な絵本はいつだってイマジネーションを刺激してくれるこのところ、池谷さんの家の本棚に増えつつあるのが、ヨシタケシンスケさんの絵本。きっかけは、昨年出版されたヨシタケさんの育児マンガ『ヨチヨチ父—とまどう日々』を読んだことだった。「もうウケましたね。こんなおもしろい絵本作家さんが最近いらっしゃるんだと。その後、ヨシタケさんの絵本をたくさん買ったんですが、僕の中で自然に感覚がフィットするのが『なつみはなんにでもなれる』です。読み手のイマジネーションを刺激するというのは、絵本にとってすごく大切なことだと思っていて。この絵本の主人公の女の子のように、物マネ遊びをするって、まさにイマジネーションの世界に入ることなんです。何かの特徴を見つけて、工夫しながらマネして、相手に伝えようとする。そもそも“学ぶ”という言葉は“まねぶ”つまりマネをするというのが語源なんです。模倣することで、私たちは何でも学んでいく。だから、子どもの物マネって、学びの原点なんですよ」両手をウサギの長い耳に見立てて、うさぎのマネをするのだって、立派なイマジネーション。あらゆる動物の中で、自発的に他の動物の物マネをするのは人間だけなのだ。「反論もあるんですよ。たとえば『九官鳥だってマネしているじゃん』って。でも、あれは意味も分からず、音をコピーしているだけ。マネっていうのは違うんです。もっと広くて、ふくらみがある。マネすることによって、そこから発展していくものがいくらでもある、というのが本当のマネなんです」柔軟な視点を持つために常識をくずすことを子どもに教えたい池谷さん自身が影響を受けたメッセージ絵本として忘れられないのが、2001年に発行され、大ベストセラーになった『世界がもし100人の村だったら』。池谷さんが奥様と結婚する前、誕生日プレゼントに贈った思い出の本でもある。「妻とつきあい始めたのが、ちょうど2001年だったんです(笑)。世界を100人の村にたとえて、比較することで、日本がこんなに特殊な国なんだということが分かってハッとしましたね。当時は若造で粋がって、自分では視点をたくさん持っているつもりだったんだけど、これを読んだら、自分は何も知らなかったんだなぁと。反省するとともに、もうちょっと謙虚に生きなきゃいけないな、そもそも常識って何だろう?などと、いろいろ考えさせられました。私が本を書くときは、常識をくずすことをひとつの目標にしているんですが、そういうスタイルの原点になっています」池谷さんが自身の著書を通して伝えたいことは、やはり親として、子どもたちに伝えたいことともダイレクトにつながっている。「子どもって、何かものを見たときは『こうだね』って、すぐ言っちゃいますよね。そのときに『でも、そういう見方だけじゃなくて、こういう見方もあるよね』と、常に教えるようにしています。『君から見ればそうだけど、相手から見たら、こう感じるかもしれないよね』とか。そうやって、親子で会話するときに『あなたが信じている世界が正しいとはかぎらないよ』と伝えることを、長女が2~3歳の頃からずーっとやってきました。これがいいことか悪いことかは分かりません。だって、子どもだって、信念が必要でしょう。それをいきなり壊しているわけですからね。でもその声かけによって、娘は今、パッと何かを考えたときに、それに飛びつかないで、これってああかもしれない、こうかもしれないって、考えるクセがついています。まさにヨシタケシンスケさんの『りんごかもしれない』と一緒ですよ。だから、もしかすると変な性格になっちゃっている可能性もあるんだけど(笑)、娘が将来、柔軟な視点を持つために、すごく大切なことだと思うんです」[ 池谷さん、これもオススメ ]子どもの物マネは〝学び〟の原点子どもと親、それぞれの目線に共感『なつみはなんにでもなれる』作・絵ヨシタケシンスケ¥1000/PHP研究所人気の絵本作家ヨシタケシンスケさんがおくる、くりかえしが楽しいマネっこ絵本。なつみは「すごくいいことおもいついたよ!」と、お母さんのところにやってきました。そして、「なんのマネをしているか、あてるゲームだよ!」と問題を出します。毛布にくるまったり、手をグルグル回したり、いろいろなやり方で何かのマネをしていきますが、お母さんはなかなか当てられなくて……。親子のほのぼのとしたやりとりも見どころです。「子どもがごっこ遊びをする日常のシーンを描いた絵本ですが、初めて読んだときに大爆笑しました。最後まで、まともに読めなかった。笑っちゃって。女の子が一生懸命、アサリの物マネをする場面の可愛さなんて、もう(笑)。親から見ても、あぁ、子どもって、確かにこう!って、共感できる楽しさがありますね。長女は最近、毎日のようにこの絵本を読んでいます。それで妻のところに行って『これなーんだ?』ってやるんですよ(笑)」ラララン ロロロン♪心をつかむフレーズこんな魔法みたいな服があったら最高!『わたしのワンピース』作作・にしまきかやこ¥1100/こぐま社空からフワフワと落ちてきた真っ白い布で、うさぎさんがワンピースを作りました。出来上がったワンピースを着て、お花畑を散歩していると、ワンピースはいつしか花模様に。雨が降ってきたら、水玉模様に……。場面が変わるたびに、次々と柄が変わっていきます。1969年の発行以来、世代を超えて愛され続けているファンタジー絵本の名作。「うちの子はふたりとも女の子で、ワンピースが大好きなんですよ。この絵本のワンピースはさらに柄がどんどん変わっていくんですから、最高ですよね。一方、私がこの絵本に惹かれるのは、ララランロロロンという音の連続。読むと、頭から取れなくなっちゃう。特に意味はなくても、心をグッとつかむ力があるのがいいなぁって。作者が一文字一文字、練りに練った音のリズムと、豊かなイマジネーションの両方を兼ね備えた絵本ですね」子どもの想像力を刺激して、聴く力を育てる親子で聴きながら会話もはずむオーディオブック『お話、きかせて!聴く絵本 むかしばなし ベスト100』¥2700/パンローリング日本のお話からは『ももたろう』や『かぐや姫』、外国のお話からは『大きなカブ』や『三匹のこぶた』。イソップ、グリム、アンデルセンの三大童話も含め、本当に子どもに聴かせたい有名な昔話を集めて、100話にまとめました。子どもが集中して聴けるように、お話は1話5~10分程度。耳で聴くことで記憶に残りやすく、きれいな日本語を自然と学べます。「今、長女は〝耳で聴く絵本〟にハマっています。シリーズになっていて、500話くらい集めているところです。移動中の車の中や、夜寝る前の寝室で、毎日ずっと聴いているほど大好き。私も娘と添い寝しているので、一緒に聴いているうちに、世界中の昔話にすっかり詳しくなっちゃいました(笑)。娘も真剣に聴きながら、見たこともない昔の情景を子どもなりにちゃんと想像しているみたいです。『マッチ売りの少女』に出てくる『マッチって何?』と娘に聞かれたときは、後日、実物を手に入れて、目の前で火を点けてあげました」Illustration:Yuka HiiragiText:Keiko IshizukaComposition:Shiho Kodama
2018年09月22日絵を描くことが好きな子どもは、たくさんいますよね。クレヨンが描かれている絵本も、数多くあります。そこで今回は、芸術の秋という絶好のタイミングで、クレヨンが活躍する絵本を3冊ピックアップしました。「クレヨンからのおねがい!」(文/ドリュー・デイウォルト絵/オリヴァー・ジェファーズ訳/木村 涼)ある日、ケビンが絵を描こうとすると、クレヨンの箱の上に「ケビンへ」と書いてある手紙が、12通も置いてありました。なんと差出人は、12色のクレヨンたち。一色一色、それぞれが、ケビンに対して「おねがい」があって手紙を書いたのです。12通(で12色)の手紙、それぞれの文章や書体からは、キャラクターが感じられて、まさに十人十色なコミュニティを体現しているかのようです。たくさん使っている赤は、豪快な字で「にんきものはつらいぜ」、たまにしか使っていない黄土色は、きっちりした字で「もっとつかってほしいな」、トドメはうすだいだいで、身につけていた紙を全部はがされて「じょうだんじゃないよ」…なんだか、うちにあるクレヨンからも声が聞こえてきそうなほど、リアルな意見! 最後は、そんな手紙を踏まえたケビンの名案で彩られていますよ。「おしゃべりくれよん」(文/パトリシア・ハバード絵/G・ブライアン・カラス訳/いしづちひろ)こちらのクレヨンは、おしゃべりします! そして、やっぱり色によって、キャラクターが様々で、とってもおもしろいですよ。「なぜかおしゃべりわたしのくれよん」というリズミカルな文章も、読んでいて心地よく、心を踊らされます。むらさきのクレヨンは弾んだ声、茶色のクレヨンはおちゃめな声、青いクレヨンはみずみずしい声……本当に、こんなふうにクレヨンがしゃべり出したら楽しいのにな!と思わずにはいられません。絵や色使いもポップで楽しい一冊です。「ぼくのくれよん」(作・絵/長 新太)今は、NHK Eテレ「おかあさんといっしょ」のアニメ「へんてこライオン」で慣れ親しんでいる子どもも多いであろう、長 新太さんのお話と絵。そんな長 新太さんのセンスが、たっぷりと楽しめる一冊です。大きなクレヨンを使って、お絵かきをするぞう。青でびゅーびゅー描いたものは、池? 赤でびゅーびゅー描いたものは、火事? 黄色でびゅーびゅー描いたものは、バナナ? ぞうの描いた絵を本物だと勘違いしてしまい、翻弄される動物たち。ぞうは、ライオンに怒られてしまいます。でも、それでもぞうはクレヨンを持って駆け出していき……。思いっきり絵を描くことって楽しいよ、規定外の絵を描いてもいいんだよというメッセージが、伝わってくるような絵本です。いかがでしたか? クレヨンとますます仲良しになれて、お絵かきがますます大好きになれるような、夢のある絵本ばかりです!
2018年09月10日今月の人。女優・モデル菊池亜希子さん1982年、岐阜県生まれ。数多くの女性誌でモデルとして活躍する一方、女優としても注目を集め、映画、ドラマ、舞台等で活動。主な出演作に映画『ぐるりのこと。』、『森崎書店の人々』、『グッド・ストライプス』、『海のふた』など。また、自身が編集長を務める雑誌『菊池亜希子 ムック マッシュ』、イラストと文章をすべて手がける『みちくさ』シリーズ、大好きな喫茶店の魅力を紹介する『好きよ、喫茶店』、『続・好きよ、喫茶店』など、さまざまな著書で独自の世界観を築き上げている。お母さんの存在の温かさ母と私の関係性とすごく近いきつねの親子の優しい物語『てぶくろをかいに』文・新美南吉絵・わかやまけん¥1000/ポプラ社きつねの親子が住んでいる森に寒い冬がやってきました。「おててがつめたい」と言う子ぎつねは、手ぶくろを買いに、生まれて初めて町までおつかいに行くことに。母さんぎつねは、人間にきつねだとばれないように、子ぎつねの片手を人間の手に変えて、「こっちの人間の手のほうを差し出すんだよ」と言い聞かせたのですが……。「新美南吉さんの『てぶくろをかいに』は、さまざまな画家の方の絵で出版されていますよね。でも私は、子どもの頃に家にあった、わかやまけんさんの絵のこの本に一番思い入れがあります。きつねの毛の柔らかいフカフカした感じとか、夜、家の窓からもれる光の描き方とか、いろんなシーンがとても印象的で。この絵本で見た風景は、今も私の心の中にずっと残っています」母が大好きだった絵本だから、読むと必ず母のことを思い出す「物心ついた頃から家にはたくさんの絵本があって、いつもいろんな絵本を母に読んでもらっていました」と話す菊池亜希子さんは、『絵本のはなし』という絵本エッセイ集も出しているほどの絵本好き(読書好き)で知られる。そんな彼女が、「好きな絵本は何か?」と聞かれたとき、最初に思い浮かべる一冊が、新美南吉の名作『てぶくろをかいに』だ。「母の大好きな絵本で、私に読み聞かせするときは必ず涙ぐんでいたくらい、感情の込め方が特別でした。内容的には、子ぎつねが初めてのおつかいに行くというシンプルなお話で。母のもとを離れて、心細くてさみしい反面、自分で新しい世界に踏み出していくときの子どもの高揚感がとてもよく表現されているなぁと思いました。私自身、まったく物おじしない子どもだったんですよ。それで、家に帰ってきたら、母のそばにへばりついて、その日あった出来事をバーッとしゃべって聞いてもらう。だから、子ぎつねが母さんぎつねのもとに帰ってきて、人間のことを得意気に語る様子にすごく共感していました。帰ってきたときに、自分を抱きとめてくれる腕があるという絶対的な安心感。それが私と母の関係性にとても近かったですね」幼い頃は、きっと子ぎつねの目線になって、絵本を見ていたのだろう。この絵本に描かれている数々の場面は、菊池さんにとって“原風景”になっている。「大人になってから、街を歩いていたり、海外を旅していたりするときも『てぶくろをかいに』の中に出てきた情景が重なるんです。外国で見かけるお店の看板とか、自分は外にいて、誰かの家の明かりから伝わる楽しそうな雰囲気や漂ってくる夕飯の匂いに『あ、私も早く家に帰らなきゃ』みたいになる気持ちとか。と同時に、もれなくお母さんが恋しくなる(笑)。いい大人になった今でも、この絵本で刷り込まれた記憶に影響を受けています」母から始まって、母に終わる。絵本のさりげないメッセージに感動昨年の秋に第1子となる女の子を出産した菊池さん。まだ「分かっているのかな?どうかな?」という感じだけれど、最近は少しずつ絵本の読み聞かせもしている。「『こぶたたんぽぽぽけっととんぼ』はシンプルでユーモアがあって、読み聞かせするときの語感もすごくいいですね。しりとりの絵本ですが、ただのしりとりじゃなくて、言葉を絵にしたときに、ストーリーとしてちゃんとつながっていくのがおもしろいんです。最初の見開きページに出てくるのは、ちょっとサザエさん的なレトロなファッションの(笑)、ぶた、たぬき、きつね、ねこのお母さんたち。その後に、こぶた、まめだぬき、こぎつね、こねこの主人公たちが登場して、一日中おもいっきり遊びます。で、最後の見開きページは、遊び疲れた子どもたちが、お母さんたちにおんぶされている場面。はじめは『これ、よくできているわ~』なんて思いながら読んでいたら、最後のおんぶのシーンで、うっかり泣きそうになっちゃいました。お母さんから始まって、最終的には、お母さんのところに戻るっていう展開にグッときましたね。本当に名作だと思います」作者の馬場のぼるさんの作品では、他にも『11ぴきのねこ』シリーズがお気に入り。「馬場のぼるさんの絵には不思議な魅力があって、ロングセラーの絵本でも、今の時代の絵本として、すごく新しく見える。子どもがいる、いないにかかわらず、大人のファンも多いですよね。実はうちの旦那が、『11ぴきのねこ』シリーズのねこと顔がちょっと似ているんですよ。あの目の細い感じとか(笑)。本人も似ていると自覚していて、絵本も好きだし、ぬいぐるみのグッズなどをよく買ってきます(笑)」子どもの頃に読んできた絵本が今の自分を形作っているのかもしれない菊池亜希子さんといえば、モデルや役者としての仕事だけでなく、イラストや文章でも才能を発揮。数々の著書には、幅広い世代のファンがたくさんいる。特に細い線で描き込まれた可愛いイラストと、味わい深い手書き文字のメッセージは、いつまで眺めていても飽きない魅力にあふれている。「絵本って、やっぱり絵が重要なので、好きな絵本の絵にはかなり影響を受けています。細い線で描かれた安野光雅さんの繊細な絵が好きで、『おおきな ものの すきな おうさま』や『旅の絵本』シリーズは、たぶん字が読めなかった頃から、ページの隅々までよく見ていました。見るたびに新しい発見があるという感じでしたね」子どもの頃に絵本をよく読んでいた人でも、小学生になると、いつしか読まなくなってしまうもの。その点、菊池さんは小学校に上がってから、図書室の低学年コーナーを定期的にチェックするなど、気になる絵本の発掘に余念がなかった。「私、小学生のとき、習い事をしていなかったんですよ。みんながピアノやそろばんの教室に行っている間、放課後、下校のギリギリの時間まで図書室にいました。小学校の中学年の頃、図書室で見つけて夢中になって、大人になってから買い直した絵本が『かぼちゃ人類学入門』。かぼちゃ島という架空の島に住む人々の生活と歴史を、ものすごく細かい絵で描き込んだマニアックな絵本で(笑)、そのリアリティに尊敬の念を覚えました」母になった今は「子どもの成長を絵に残したい」というシンプルな思いから、プライベートで絵日記をつけている。「毎日じゃないですけど、夜寝る前に何となく、今日おもしろかった光景とかを描いています。旦那はその絵日記をときどき見返しては笑っていますね(笑)。夫婦のちょっとした楽しみみたいな感じ。私自身、子どもの頃のアルバムの中に、母の手書きのメッセージがあると嬉しかったりしたから。写真ではなく、母の目線で描いて残しておきたいなと」お子さんは現在9ヵ月。これからどんどん成長して、一緒にいろいろな絵本を楽しめるようになるときのことを考えると、わくわくする。「小さい頃から読んできた絵本のストックが、自分の中にすごくいっぱいあって。絵本をたくさん読む幼少期って、一番いろんなことを覚えたり、吸収したりする大切な時期だから。今、自分がものを選んだり、何かを判断したりする基準にも、絵本が大きく関わっているんです。あまり親のエゴになるのもよくないなぁと思いつつ、やっぱり自分が読んできて、本当に好きだった絵本は、さりげなく家に置いておこうかなって思っています」[ 菊池さん、これもオススメ ]テンポのよい絶妙なしりとりで、絵と物語がつながっていく愉快な絵本『こぶたたんぽぽぽけっととんぼ』作・馬場のぼる¥1100/こぐま社「ぶた」、「たぬき」、「きつね」、「ねこ」の子どもたちが、自然の中でのびのびと遊びます。しゃぼんだま、おにごっこ、めいろ……と、たくさん遊んだ後は、それぞれお母さんにおんぶされて帰ります。馬場のぼるさんの親しみやすい絵も好評のしりとり絵本。「もともと子どもの頃に、馬場のぼるさんのしりとり絵本『ぶたたぬききつねねこ』が好きで、よく読んでいました。シリーズになっていて、『こぶたたんぽぽぽけっととんぼ』でもおなじみのキャラが登場します。言葉がぜんぶしりとりなんですけど、出てくるアイテムも絶妙で、本当によくできているな~と感動します。馬場のぼるさん、天才ですね(笑)」季節ごとの果物の絵のみずみずしさアート作品として飾りたいくらいの完成度『くだもの』作・平山和子¥900/福音館書店すいか、もも、ぶどう、なし、りんごなど、日常、子どもたちが食べる果物を、まるで実物かと思わせるほど鮮やかに描いた、いわば果物の画集。洗って、皮をむいて「さあ、どうぞ」と差し出された美味しそうな果物の絵に、つい手を伸ばしてしまう人は多いはず。「この絵本は絵がどれも本当に美しく、大好きな一冊です。絵本って、子ども向けのものと思われがちですが、これは決して子どもに向けた絵じゃなくて、アート作品としての側面がすごく強い。手の入れ方や余白など、画角も完璧に考えられているんです。ちなみに最後のページに出てくる女の子、うちの子になんだか似ているんですよ(笑)」わがままな王様のキャラにいたく共感細かく描き込まれた絵にも影響を受けた『おおきな もののすきな おうさま』作・絵/安野光雅¥1600/講談社昔、あるところに、大きなものの好きな王さまがいました。食事に使うナイフやフォーク、好物のチョコレート、虫歯を抜くペンチ、鳥かご、池、植木鉢など、王さまは家来たちに命じて、次々と大きなものを作らせるのですが……。海外でも評価の高い著者のお話絵本。「私は末っ子で、菊池家の王様みたいなところがあったので、わがままな主人公が出てくるお話がすごく好きでした。だから、この絵本のラストは子ども心にも衝撃的でしたね。世の中には自然の命のように、人間の力では思うようにいかないものがある、という現実を教えてくれた作品です(笑)。安野光雅さんの線の細い絵は今でも大好きで、幼い頃は脇役の家来たちの服まで、ひとつひとつじっくりチェックしていた記憶があります」Illustration:Yuka HiiragiText:Keiko IshizukaComposition:Shiho Kodama
2018年08月27日最近どんな絵本を子どもと楽しみましたか?子どもの成長は本当に著しいですね。昨日できなかったことが今日はできるようになっていたり…。興味の幅も日々変化しています。そんな中、「子どもへの絵本の読み聞かせ、楽しんでいます!」というママも多いかと思います。絵本を間にした親子の時間、いいですよね。でも、最近読んだ絵本、今子どもが大好きな絵本、すぐに答えられますか?1年前に好きだった絵本、何度も何度も読んでいた絵本、覚えていますか?そこで、絵本専門士である筆者がおすすめしたいのが、「絵本記録」です。わが家の絵本記録はフツーのノートでしたわが家では、小さいころからいろいろ絵本を読み、それをノートに記していました。普通の大学ノートに、絵本のタイトル、作者、出版社、概要、子どもの反応などをランダムに書き綴っています。[caption id="attachment_646267" align="aligncenter" ]新聞で参考になりそうな絵本記事なんかも挟んでありました[caption id="attachment_646265" align="aligncenter" ]まあ、汚い字で書きなぐっていますが、例えば「パパ、お月さまとって!」(偕成社)の欄。.........〇〇(長女の名前)は、「おおきくおおきくおおきくなーれ」というところが大スキ!!月を見ると「おつきさま、手とどかないね」「パパにとってもらおうか」と言っている。.........すでに小6の娘ですが、これを読むと、あの小さくってかわいかったころを思い出します。そして、この記録を娘に見せると、「えー、私めっちゃかわいいやん」と。そして、「読もう!読んでみよう!」と「パパ、お月さまとって!」をを出してきて読んでいました。記録方法はいろいろ。ママの好みで、手書きもデジタルも!私は普通のノートに、私が思うままにメモしていましたが、今は便利なツールがいっぱい出ています。例えば私の住む京都市では、京都市図書館が、2014年から「乳幼児保護者用読書ノート」というものを作って、無料配布しています。こちらは、図書館に行って、「ください」と言うともらえますし、8か月健診でもらえる「ブックスタート」セットの中にも入っています。[caption id="attachment_646266" align="aligncenter" ]実際、「京都市図書館乳幼児保護者用読書ノート」を活用して記録を残している、3歳ひさと君ママに感想を聞いてみました。「記憶は薄れていくので、時間が経ち読み返してみて、こんなふうに読んでいたなとか、この本が好きだったなと思い返せること。年齢が小さい時は、1冊の絵本を、大切に読んでいたので、1冊1冊に私自身も思い入れがあり、記録に残しておくのは、とても良い思い出のひとつになると思います。そして、大きくなった時に、息子に見せてあげたいなと思っています」とのことでした。私個人としては、手書きのメモとして書いたまんま、とういうのが味があっていいな、と思っています。が、最近は便利なツールがたーくさん!手書きは苦手!ノートを管理するのは大変。そんなママには、スマホアプリがおすすめです。読書記録ができるアプリはたくさんありますが、私のオススメは、乳幼児の絵本読み聞かせに特化した公文教育研究会の「mi:te[ミーテ]」です。絵本のバーコードを読み取るだけで表紙画像もあわせてデータが記録され、それに加えて子どもの様子なども書きこめます。きょうだいがいればそれぞれに記録することもできますし、子どものその時の様子も残すことができます。絵本選びに悩んだら、オススメ絵本の紹介などもあります。絵本記録が親子の思い出になる「絵本を読んであげるといい」と聞くし、子どもも好きだから読むけれど、しばらくして振り返ってみたら何を読んだのか覚えていないというママも多いかもしれません。子どもに絵本を読んだその空間・その時間は、親子にとってすごくステキな時間。その親子の時間を写真や日記を残すように、忘れないように記録しておくこと、その絵本を読んだ記録はまさに育児記録であり子どもの成長記録でもあるんですね。大きくなった時、絵本記録を一緒に見ながら、「小さい時こんな絵本読んでたんだよ」「そうそうこの絵本好きだったな」「この絵本読んだらいつもこんなこと言ってたわ」などと親子で話せるようになりたいな、と思っています。京都市図書館「乳幼児保護者用読書ノート」公文教育研究会 mi:te[ミーテ]
2018年08月22日ガーデニングをする人に人気のハーブ類。育ている方も多いかと思います。しかし、ハーブ類はそれぞれに特徴があり、選び方にもコツがあります。せっかく植えても、育て方を間違うともったいないですよね。そこで、魅力たっぷりのオススメのハーブ、選び方、育て方を紹介します。■ 植えて正解!オススメの「クッキングハーブ」3種ハーブのうち、お料理に重宝するものをクッキングハーブと呼びます。クッキングハーブのなかでもオススメなのが、次の3種類です。1.バジルバジルはイタリア料理に欠かせませんね。オススメハーブの筆頭です。春~初夏に売っている苗か種を撒いて、育ててみてください。ぐんぐん伸びて葉っぱが収穫できます。ただし、虫に食べられやすいのでご注意を!収穫したら松の実、オリーブオイルと一緒にフードプロセッサーでバジルペーストに。種は翌年植えるのにも役立ちますが、実はお水に浸けると何倍にも膨らむので、チアシードと並んで最近ダイエットフードとしても人気です。基本的には1年草扱いですが、室内に入れると越冬できます。2.ローズマリーローズマリーは匍匐(ほふく)性と立性があります。立性の方が場所を取らず育てやすいです。どちらも暑さにとても強い、多年草です。そのままでも香りがよく、花もかわいいので、ガーデンハーブとしても優秀です。寒さはマイナス気温が続いたりしなければ外で冬越しできますが、東北地方以北では室内に入れた方が無難です。香りがよい枝は、肉料理に最適。5センチ位、数本切って、お肉を焼く時に一緒にフライパンへ入れれば手軽に香草焼きを楽しめます。3.ルッコラロケットとも呼ばれます。ベビーリーフとしても近年人気です。胡麻に似た香りとピリッとした苦味が特徴の美味しい葉は、サラダに最適です。小さなコンテナでも簡単に育てられるので、ベランダハーブとしてもOKです。一年草なので、葉っぱが育ってきたらどんどん収穫して食卓へ!■ 植えて楽しむ!「香りと花のハーブ」のオススメ3種次に食べるより観賞用として、香りや姿を楽しむハーブをご紹介します。1.ラベンダー香りのハーブの筆頭です。イングリッシュラベンダー、フレンチラベンダーなど、近年は色も形も種類が豊富です。条件が揃えば大きくなりますので、剪定が大事です。根腐れに注意しましょう。葉も花も良い香りで、香りの持続性もあるので、ドライフラワーもオススメです。最近はこういう“うさぎの耳”のようなフリフリのあるフレンチラベンダーをよく見かけますね。2.タイムタイムはお料理にも使えますが、匍匐性でとても強く、踏んでも枯れないので、グランドカバーに最適です。ぐんぐん広がってくれるので、雑草避けに植えておくと、見た目も香りも良くて一石二鳥です!植えっぱなしでOKで、育てるのに手間がかからないので、オススメです。春には、こんな姿を見せてくれますよ。3.オレガノ(オレガノケントビューティー他)オレガノもお料理にも使える種類も豊富ですが、花オレガノという種類は食用ではなく観賞用です。観賞用というだけあって、その姿はとても魅力的です。葉の色、花の形もとても美しく、とても印象的なハーブです。上の写真はオレガノケントビューティーです。垂れるように成長し、葉の間からピンクの花を咲かせます。■ 植え方を間違えると大変!要注意のハーブ3種人気が高いハーブだけれど、うっかり植えると庭じゅうに増えてしまったり、ものすごく大きくなる、要注意ハーブを取り上げます。1.ミント香りがよく、ハーブティーにもなる、人気のハーブですが、ものすごく強健です。地下茎で増えていくので、地面に出ているところをどれだけ抜いても駄目で、またすぐに生えてきます。周りにある植物を駆逐してしまう恐れがあるくらい強い生命力なので、そのまま植えるのは厳禁。庭中ミントだらけになってしまいます。でも、とても魅力的なハーブで、オレンジミント、キャンディミント、オーデコロンミントなど、香りの種類も豊富なので、植え方に注意して楽しみましょう。上の写真はパイナップルミント。斑入りが美しい、パイナップルがほんのり香るミントです。2.ワイルドストロベリー(イチゴ類)ストロベリー類(イチゴ類)は、花も実も可愛く、また収穫もできて一石三鳥。とても魅力的なハーブです。ただイチゴ類も、条件が揃うとランナーという茎を伸ばして次の場所へ増えていくので、気が付かないうちに生えてほしくないところにイチゴ苗が……ということになってしまうかも。植え方に注意しながら楽しみたい一種です。3.ユーカリ香りもよく、丸みを帯びた葉っぱも可愛くて、近年人気のハーブです。枝を切って飾ってもよし、他のお花の引き立て役にしてもよし、とても優秀です。しかし、ユーカリも生育旺盛で、ぐんぐん伸びていきます。売っている時は小さな苗ですが、実はユーカリは木なので、あっという間に木に成長します。こんなはずじゃなかった~となる前に、注意して楽しみましょう。■ ハーブの植え方で注意すべきポイント3つ上記でご紹介した“要注意ハーブ”ですが、やはりとても魅力的で、ぜひ育ててほしいものばかりです。植え方を間違えなければ、普通に楽しめますので、ポイントを3つご紹介します。1.鉢に植える生育旺盛な種は、他の種を圧迫してしまって大変なことになるので、単体で鉢植えにしましょう。鉢単位での管理であれば、それ以上広がることがないので、安心して育てられます。ユーカリは木なので、最初は小さい鉢でも良いですが、成長に合わせて鉢を大きくしてあげましょう。ただし、これ以上大きくしたくないという場合は、鉢を大きくせず、剪定して小さく保ちましょう。イチゴ類は、専用のストロベリーポットもあります。重ねて使うタイプは百均にも売っていますよ。ストロベリーポットはとても可愛らしくなるので、オススメです!2.花壇に植えたい場合どうしても花壇に植えたい場合は、いったん鉢に植えてから、それを花壇に埋めましょう。ただし、底に穴が空いていると、そこから根が伸びて外に出ていくので、底穴を塞いで植えてください。寄せ植えなども、ポリポット(ビニールポット、苗を買った時に入っているような鉢形の黒いビニールのヤツです)に植えてから植えれば、他の種を圧迫したりせず、楽しめます。3.外に出てしまったら、なるべく早く対処するElianeHaykal / PIXTA(ピクスタ)1や2のようにしても、ミントなどは隙間から外に伸びてしまったり、種が落ちて芽が出てしまったりすることも。その場合は、見つけ次第抜きましょう。地下茎が育つと大変ですので、早めの対処が必須です。イチゴ類はランナー(茎)で、地下茎ではないので、ランナーを切って抜くだけでOKです。ちなみに、イチゴ類は移植があまり得意ではないので、苗を増やしたい場合は、ランナーが出たら早めに根付かせたい鉢などに載せて、根付くのを待ちましょう。いかがでしたか?どれも魅力的なハーブです。ぜひ、お庭や鉢などで育てて楽しんでください!【参考】※『おいしいハーブガイド』主婦の友社※『園芸ガイド 2011年6月号』主婦の友社※『はじめて育てる野菜とハーブ』主婦の友社
2018年08月19日今月の人。(宇宙飛行士・客員大学教授)山崎直子さん1970年、千葉県松戸市生まれ。東京大学工学部航空学科卒業。同大学院航空宇宙工学専攻修士課程修了後、1996年から宇宙開発事業団(現・JAXA)に勤務。’99年2月に宇宙飛行士候補者に選ばれ、2001年に宇宙飛行士として認定。2010年4月、スペースシャトル「ディスカバリー」に搭乗、宇宙へ。ISS(国際宇宙ステーション)に10日間滞在する。’11年、JAXAを退職。現在、内閣府宇宙政策委員会委員、女子美術大学客員教授などを務める。読む年代によって解釈が変化していく深みのある大人の絵本『おおきな木』作:シェル・シルヴァスタイン訳:村上春樹¥1200/あすなろ書房いつでもそこにある大きな木。年月が経つにつれ、成長し、変わっていく少年。それでも木は、少年に惜しみない愛を与え続けた……。世界中で世代を超えて読み継がれてきたシルヴァスタインのロングセラー絵本を村上春樹が翻訳。「子どもの頃にも読んでいましたが、好きになったのは大人になってから。少年の立場と木の立場、それぞれ深いものを感じます。何度も読み返すたびに、発見がある絵本ですね」原書と日本語訳、両方を味わうことで物語の持つ奥深さが見えてくる「子どもの頃から本を読むのが大好き」だったと言う山崎直子さん。子ども時代に読んでいた絵本で今でも記憶に残っているのは、小学校に入ってから自分で選んだものだ。「特別、本好きになるような環境ではなかったと思うんです。書棚に本がずらりと並んでいるような家ではなかったですし、そんなに本を買ってもらえるわけでもなかったので。本を読みたいとき、特に夏休みなどの長期休みのときは、学校の図書室や市の図書館によく通っていました。小学校の各教室に設けられていた学級文庫の存在も嬉しかったですね。友達が読んでいる本を、じゃあ、次読んでみようかなと思ったりして」小学校の低学年の頃、学校の図書室で、ふと手に取った絵本が『おおきな木』だった。1本の大きな木と、ひとりの少年の何十年にもわたる関係を描いたストーリーである。「当時はおもしろいと思ったのかなぁ……正直、そこまで強い印象はなかったんですね。でも、20歳前後の大学時代、ESSという英語サークルに入っていたこともあって、急に原書で読み返したくなったんです」原題は『The Giving Tree』、つまり “与える木” という意味。木が原文で “She(彼女)” と書かれていることも初めて知った。「学生で、自分の子どもがいたわけでもないのに、小学生の頃とはまったく違った感動がありました。思いやりって何なんだろう?と考えさせられたりして。英語で読んで、また日本語訳でも読み返して。両方読むことで、改めて見えてくるものがあるんですよね。その頃は第二外国語でフランス語を選んでいたので、大好きな『星の王子さま』も原書で読んでいました。フランス語は今ではすっかり忘れてしまったんですが……(笑)」宇宙に関する絵本は好奇心と想像力をかきたてる宇宙飛行士として、さまざまな経験を積んできた山崎さんだけに、現在、高校1年生と小学1年生、2人の女の子がいる自宅には、絵本を含め、宇宙関係の本がたくさんある。中でも『星のこども カール・セーガン博士と宇宙のふしぎ』は、山崎さんが初めて絵本の翻訳を手がけた特別な1冊だ。「小学校の高学年の頃、カール・セーガン博士の『COSMOS(コスモス)』という本が大好きで、よく読んでいたんです。物理系の進路に進んだ3歳上の兄に貸してもらったのがきっかけですね。同じ頃、理科の授業で先生が、この絵本でセーガンさんが言っているように『宇宙はビッグバンという大爆発から始まって、そのときに飛び散った星のかけらが集まって、地球ができて、私たちができた。だから私たちは星と兄弟なんだよ』と教えてくれて。この私も広い宇宙の一部なんだ!と、驚くと同時に感動しました」アメリカのニューヨーク州ブルックリン生まれのカール・セーガン博士は、天体物理学者としてだけでなく、哲学者、詩人、SF作家などとして、幅広く活躍した人物。ジョディ・フォスター主演のSF映画『コンタクト』の原作者でもある。「セーガンさんの宇宙調査における一番大きな活動がボイジャー計画で、探査機のボイジャー号に、世界各国のあいさつや音楽、様々な音や写真など、地球からのメッセージを集めたゴールデン・レコードを乗せたのも彼のアイディアなんです。手紙の入ったガラスの小瓶を海に流して、誰かが拾ってくれるのを待つようなイメージですね。現在もボイジャー号は、海を漂っている小船のようにひたすら宇宙を漂っています。いつかボイジャー号を見つけた宇宙人が、ゴールデン・レコードに記録された地図にある地球に向けて、信号を送ってくれる日が来るのかなぁ……と、想像力がかきたてられます」子どもたちは、読み聞かせスタイルも好みの絵本でも、それぞれの個性を発揮世の中で「活字離れ」が進んでいると言われているものの、本好きなお母さんの姿を身近に見てきたからか、現在、2人の娘さんたちは本が大好きな子に育っている。「読み聞かせでは、親が選んで読むというより、子どもが『これ読んで~』と言う絵本を読んでいました。上の娘は物語系の本が好き。小さい頃、アメリカに住んでいたので、英語の絵本も読んでいましたね。中でも絵がすごくきれいなエリック・カールの『はらぺこあおむし』、『だんまりこおろぎ』、『パパ、お月さまとって!』などがお気に入りでした。下の娘は物語よりも、図鑑が好き。読み聞かせのスタイルも、姉妹で全然違うんですよ。長女は同じ絵本を何度も繰り返し読むのが好きで、1冊の絵本の読み聞かせが終わると『はい、もう1回』って。まだ読むの~?って言いながら、5回くらい続けておねだりされることが多かったですね。それが下の子の場合、1回読むと『はい、おしま~い』という感じで『じゃあ、次はこれ』、『次はこれ』と新しい絵本を何冊も持ってくるんです(笑)。本屋さんに一緒に行くときも、自分で好きな絵本を選ばせています。自分の経験したことのない新しい世界に触れることができるのは、読書の大きな魅力。子どもたちも本を読むことで、自分の世界をどんどん広げていってほしいと思っています」[ 山崎さん、これもオススメ ]遠くの存在に思えた宇宙がとても身近に感じられる!『星のこども カール・セーガン博士と宇宙のふしぎ』作:ステファニー・ロス・シソン訳:山崎直子¥1500/小峰書店宇宙に魅せられた少年は、どのようにして、世界で最も愛され、尊敬される科学者になったのでしょうか?宇宙探査の礎を築いたカール・セーガン博士。星への興味を抱いていたカール少年が、科学研究を通して星を探査するようになるまでの道のりをたどる伝記絵本。「カール・セーガン博士は、私が小学生の頃から憧れていた人です。“私たちの身体は、すべて星の物質でできている”と知ったときの感動は今でもよく覚えていますね。この絵本を通して、小さなお子さんたちにも宇宙の魅力を感じてもらえたら嬉しいです」世界は支え合っているという大切な本質を美しく描く『5ひきの小オニがきめたこと』作:サラ・ダイアー訳:毛利衛品切れ重版未定/講談社空、土、月、太陽、海……それぞれお気に入りを宝物として分け合って、自分だけの世界に閉じ込めてしまった5匹の小オニたち。やがて重大なことに気づいた小オニたちが最後にとった行動とは?イギリスの新進絵本作家と宇宙飛行士・毛利衛が届ける共生の思想。「長女が1歳になった頃、毛利衛さんが、ご自身で翻訳を手がけたこの絵本をサイン入りで贈ってくれました。月は太陽の光のおかげで輝いて見えるし、水のおかげで大地に草花が咲く。ひとつだけではダメなんですよね。宇宙全体を見ている絵本で、すべてがつながっているのだというエッセンスがストレートに伝わってきます。独特のタッチの絵にも惹かれました」誰かを心から愛せることの幸せ一生忘れられない感動の物語『100万回生きたねこ』作・絵:佐野洋子¥1400/講談社100万回も死んで、100万回も生きた猫がいました。これまでの飼い主は王様、船乗り、手品使い、泥棒、おばあさん、女の子……100万人のひとがその猫をかわいがり、猫が死んだとき泣きました。あるとき、猫は初めてノラ猫になりました。誰よりも自分が大好きな猫は、やがて一匹の白く美しい猫に出会って――。愛と命の尊さを描く不朽の名作。「この絵本に出会ったのは小学校低学年の頃。猫がすごく好きだったこともあって、読んだときは、子ども心にもジーンとしました。今は家で猫を飼っていて、子どもにもこの絵本を読み聞かせしています。下の娘はまだ小学1年生なので、分かっているような、いないような……。でも途中、猫が何度も生まれ変わっていくところはやっぱり純粋におもしろいみたいで、すごく楽しんでいます」Illustration:Yuka HiiragiText:Keiko IshizukaComposition:Shiho Kodama
2018年07月27日絵本作家・林明子の絵本原画を一堂に集めた「絵本のひきだし 林明子原画展」が東京・松屋銀座で開催。会期は、2018年7月19日(木)から7月29日(日)まで。懐かしの絵本の原画が200点集結林明子は、ベストセラー絵本『はじめてのおつかい』を代表作に、数々の名作を世に送り出した人気絵本作家。葉っぱ1枚、1枚のみずみずしさまで描く、繊細で優しいタッチの画風は、子供から大人まで多くの人々の心を魅了し続けている。今回、"はじめての展覧会"となる本展では、そんな林明子の描く美しい原画約200点を展示。会場は全6章のテーマに分けて構成される。初期作品を辿る第1章「若きイラストレーターとして」では、絵本作家としての扉を開くこととなった『かみひこうき』や『しゃぼんだま』といった、貴重な初期作品を展示。また絵本作家としてデビューする以前に描いたという、初々しい作品も合わせて展示される。ベストセラーに隠された秘話も公開ベストセラー絵本の背景に迫る第2章「はじめてのおつかい」では、同作の原画を一堂に集結。林明子の物語絵本のデビュー作でもある『はじめてのおつかい』は、作家・筒井頼子が文章を担当。その後も『あさえとちいさいいもうと』『いもうとのにゅういん』など、共作を手掛けることとなる2人の知られざるエピソードも合わせて紹介される。2人の手掛ける共作は、いずれも幼い女の子を描いた物語。その原画からも子供時代に誰しも経験したであろう胸のドキドキが、伝わってくるにちがいない。共作で生まれた名作の原画&その手法もまた林明子は、ほかの作家との共作によっても、数々の名作を生み出している。第3章『ふくらむ作品世界』では、ジブリでアニメーション化された『魔女の宅急便』(作・角野栄子)や、いろんな動物たちと一緒にお風呂を楽しむ『おふろだいすき』(作・松岡享子)などの原画を展示。さらに第5章「様々な技法で」では、その作品によって描く手法を使い分ける林明子の多様な絵本製作について紹介する。是非会場に足を運んで、子供時代の思い出の作品たちを鑑賞してみてはいかがだろう。【開催概要】「絵本のひきだし 林明子原画展」会期:2018年7月19日(木)~7月29日(日)会場:松屋銀座8階イベントスクエア住所:東京都 中央区銀座3丁目6−1時間:10:00~20:00※7月22日(日)は19:30閉場、7月27日(金)は20:30閉場、最終日は17:00時閉場※入場は閉場の30分前まで入場料金:一般 1,000円(700円)、高校生 700円(500円)、中学生 500円(400円)、小学生 300円 ※( )内は前売り料金前売り:2018年6月末より、ローソンチケット他で7月18日(水)まで販売予定【問い合わせ先】松屋銀座TEL:03-3567-1211(大代表)
2018年07月01日渋谷の住宅街にひっそり佇む隠れ家的なお店渋谷にいちする「Bookcafe days(ブックカフェデイズ)」は、大人も楽しめる絵本を多数揃えるブックカフェです。お店に入るとすぐに目に飛び込むのは、左側に並ぶ絵本の数々。店内はダークカラーのウッドを基調とした、とても落ち着く空間です。並んでいる全ての本は贅沢に読み放題!カフェのお料理・ドリンクは、全てが素材そのものの味を生かしたものばかりです。シンプルな味付けに、ソースやドレッシングも手作りにこだわっています。ヘルシー志向の方にもおすすめです。偶然手に取った絵本が人生を変えるかも!?2012年にオープンし、2017年で丸5年を迎えました。ブックカフェデイズで取り揃えている本のほとんどは子ども向けに作られた本、絵本・児童書ですが、大人の方にも読んで貰いたいというオーナーの想いが込められています。表紙から始まる絵本の世界、ページをめくるたびに出会える美しい絵の数々、散りばめられたこころに響く言葉。絵本との出会いも一期一会です。ヘルシーなしそご飯がシンプルな味わいで優しいとろとろたまごがたまらない「しそご飯のオムライス」は、女性から大人気です。カフェご飯の定番メニューと言えばオムライス。しかし、ブックカフェデイズのオムライスは、他店とひと味違います。ご飯にはしそご飯を使用。シンプルでさっぱりした味わいと、たまごの甘さが絡んで絶妙なバランス。ほかにはないオリジナリティ-に魅了されます。日替わりのデリを本のおともに楽しめるお店の看板メニューが「本日のデリ2品」。日替わりなので、その時の旬食材が食べられるのも魅力です。新鮮な野菜がたっぷり食べられ、健康志向の方におすすめ。本日のデリが2品に、パン又はライスを選べるセットになってお得感もあります。全てが手作りで優しい味つけなので、子ども連れの方でも安心。一緒に絵本を楽しみながら、リラックスして食事を楽しめます。お店の売上の一部は海外の子ども支援にあてていますお店の売上の一部を、認定NPO法人国境なき子どもたちを通じて、海外の子どもたちの支援にあてています。お店にある絵本の数々は、本を愛してやまないオーナーが集めてきたもの。以前から本のコレクションを活かすことと、世界の子どもたちの力になりたいとの想いから、お店を開くことになった程です。お店にはオーナーの想いに共感して、寄贈された絵本も多数並んでいます。JR各線「渋谷駅」西口より徒歩6分で到着。または代官山駅からも徒歩10分と好立地です。渋谷や代官山でショッピングした帰りに、静かでアットホームな絵本カフェでひと息ついてみませんか?スポット情報スポット名:Bookcafe days住所:東京都渋谷区鶯谷町15-10 ロイヤルパレス渋谷1F電話番号:03-3461-1554
2018年06月04日夜、子どもを寝かしつける際、ベッド(布団)の中で絵本を読み聞かせるママやパパは多いはず。調子がいい(?)時は、読んでいる最中に寝てくれるけど、絵本を何冊も読んでも目がパッチリなんてことも…。また、内容によってはかえって子どもが興奮してしまうこともありますよね。ここ数年、子どもの寝かしつけをする時にピッタリの“おやすみ絵本”が話題になっていますが、意外と種類はたくさん!そこで、ぜひ試してほしい“おやすみ絵本”をいくつかピックアップしてみました。『おやすみ、ロジャー』(飛鳥新社)日本だけでなく、世界的に人気の“おやすみ絵本”である『おやすみ、ロジャー』。きょうだいたちは眠ってしまったにもかかわらず、ひとりだけ眠れないうさぎの男の子・ロジャーが主人公の物語です。「あくびじさん」や「かたつむり」、「ふくろう」がロジャーにすぐに眠れる秘訣を教えてくれるという、内容的にも寝かしつけにピッタリの『おやすみ、ロジャー』に頼るママやパパは多い様子。物語としてももちろん楽しめるのですが、じつは心理学に基づいた子どもが眠くなるような仕掛けが散りばめられているんです!「言葉や文を強調する」、「ゆっくり静かな声で読む」など細かい指示があるため、慣れるまではママも大変かもしれませんが、寝かしつけの時間がグッと短縮すると評判なので、試してみる価値あり!『おやすみ、エレン』(飛鳥新社)『おやすみ、エレン』は、先述の『おやすみ、ロジャー』に続く、“魔法のぐっすり絵本”の第2弾。こちらも心理学に基づいたもので、うさぎではなく、ゾウのエレンが主人公です。エレンと一緒に森の中を冒険する途中にエレンの友だちと出会っていき、森を抜けたところにあるベッドで疲れて眠る。多少の違いはあるものの、内容は『おやすみ、ロジャー』に近いかもしれませんね。『おやすみ、ロジャー』は絵が苦手という人も多いのですが、『おやすみ、エレン』はよりポップになっていて、その点も人気の理由のようです。『いやだ あさまで あそぶんだぃ』(アスラン書房)親としては、なかなか寝ついてくれない子どもにイライラしてしまうことも…。おそらく、「遊び=楽しい=まだ寝たくない!」と感じている子どもは少なくないはずですよね。そんな子どもとママにおすすめなのが、『いやだあさまであそぶんだぃ』です。この絵本のあらすじは、以下の通り。“おもしろくて、楽しくて、いつまでだって、遊んでいたいのに、「もう寝る時間ですよ」というお母さんの声。でも、途中で止めることなんかできません。「いやだーい」と、ぼうやは遊び続けます。トラや、兵隊さんや、汽車や、楽隊に会うたびに、一緒に遊ぼうと誘いました。でも、「眠い」「疲れた」と、だれも相手になってくれません。とうとうお月さまにもことわられて、ぼうやは、ひとりになってしまいました。みんなが眠りの国に入ってしまって、一人取り残されたぼうや。でも、もう一人だけ、ぼうやを待ってくれている人がいました!!ぼうやは、その人の胸に抱かれて、心地よい夢の国へ…”(出典:アスラン書房)とっても親近感の湧く内容なので、子どもでも理解しやすいと思いますよ。このほかにも、まだまだたくさんある“おやすみ絵本”。気になったものから試していけば、きっと寝かしつけを手助けしてくれる一冊が見つかるはずです!(文・山手チカコ/考務店)
2018年05月06日お気に入りの絵本をもって「ママこれ読んで!」と、トコトコ駆け寄ってくる。微笑ましい日常のワンシーンですが、内心、「またこれか…」と感じたことはありませんか?ほかにもたくさん絵本はあるし、登場人物もストーリーも、そして結末も知っているはずなのに、繰り返し同じ本をもってくる。「子どもが読んでほしいと言うから」とは思いつつ、ママ自身はちょっぴり飽きている…そんな経験をしたことのあるママは多いのではないでしょうか。そこで、同じ絵本を読んでも、毎回新鮮に感じられそうな4つの工夫を紹介します!1●登場人物を変える同じ登場人物、同じストーリー、同じ結末…。この中のどれかひとつを変えるだけで、ちょっぴり新鮮に感じられそう。ストーリーを変えるのは、なかなか難しいかもしれませんが、登場人物なら簡単。主人公を子どもの名前にしたり、ママやパパ、おじいちゃん、おばあちゃんを登場させたり、お友だちと一緒に冒険に出る設定にしたり、身近な人に置き換えるだけで、これまでとはまたひと味違った物語になりますよ。2●キャラクターに合わせて声色を変えるたとえば『桃太郎』には、主人公の桃太郎のほか、おじいちゃんとおばあちゃん、鬼、一緒に鬼退治に行くサル・イヌ・キジが登場しますよね。このように、たくさんの登場人物が出てくるお話なら、ずっと同じ声で読むだけではなく、そのキャラクターに合わせた声や話し方で物語を進めるといつもよりも臨場感のある読み聞かせになります。また、ネット上には、たくさんのキャラクターを演じ分けることで、ママの頭の体操にもなるという意見もありました!3●家族で劇をするママやパパが絵本を読んで、子どもが聞いているというのが一般的ですが、家族みんなで劇のようにしてみるとみんなで楽しめます。発表会のように立ち位置を決めるなど体を動かして演じなくても、それぞれ担当を決めてセリフを言うだけで◎。あえてパパをお姫様役にするなどすれば、きっと楽しい時間になるはず!4●大げさにするストーリーや登場人物は変えずにいつもと違う雰囲気にするなら、「大げさに読んでみる」というのもおすすめ。本来は「ガシャン」くらいの音でも、「ドンガラガッシャーン!」と激しくしてみたり、勝手にBGMを付け加えたり、意外と大げさに表現できるところはあるので、ぜひ“大げさポイント”を探してみてくださいね。せっかくなら、子どもに楽しんでもらえたほうがママやパパも“やりがい”を感じられますよね。今回紹介した“4つの工夫”は、寝る前には不向きかもしれませんが、日中の読み聞かせにはピッタリ!読み聞かせがマンネリ化してきたなぁ…と感じたら、ぜひ一度お試しあれ♪(文・三軒茶屋すみ子/考務店)
2018年04月15日ふわふわの黄色いカステラや、湯気の立つシチュー。絵本に登場するお菓子や料理はみんなおいしそう。そんな憧れのレシピを、絵本を元に作ってみませんか?お手伝いが大好きな子も、まだ料理にチャレンジしたことのない子も、ママと楽しくキッチンに立てるチャンスです。親子で過ごす時間がたっぷりある春休み、読んで、作って、絵本を2倍楽しみましょう!◆レシピ作成・調理・お話…小松綾さん幼稚園教諭として10年間勤務した後、ABCクッキングスタジオにて4年間講師を務め、子どもの料理教室も主宰。今春卒園の6歳の長女・望歩(のあ)ちゃんにはお手伝いを通じて料理の楽しさを伝えている。■ 匂いや温度をママが想像しながら読み聞かせて私は10年間、幼稚園教諭として勤務し、子どもたちに絵本の読み聞かせをしてきました。料理やお菓子が登場する絵本を読むとき園の先生はたくさんアドリブを入れます。パンをパクパク食べるまねをしたり、スープをかき混ぜるシーンでは「ぐーるぐる」と効果音を付けたり。しかし一番大事なのは「読み手が匂いや温度を想像しながら読むこと」だと思います。ママが想像したことは、声を通じて子どもに伝わります。アドリブが苦手なママは無理に声色を変えたり、大げさに演じなくても大丈夫。想像を膨らませ、楽しく読んでくださいね。■ キッチンに誘うのは読み聞かせとは別の日でもOK読み聞かせた後、子どもから「私も作りたい!」と言ってくれればいいのですが、そううまくはいかないもの。かと言って「この料理を作ろうよ」と無理にキッチンに立たせるのでは、子どもも楽しくありません。私だったら後日、思い出したようにきっかけをつくります。例えば夕食のカレーを食べながら、「この前、絵本でニンジンスープが出てきたよね。どんな味なんだろう?」というふうに。子どもは「分かんない」と言うでしょうから、すかさず「えー、じゃあ作ってみる!?」「ママも作り方が分からないから、手伝ってくれない?」と誘います。子ども自身から「やってみたい!」という言葉が出てくるよう大人が導く。園で勤務していたとき、私が心掛けていたことです。ぜひご家庭でもそんな関わりを大事にしてくださいね。●編集部がセレクト!料理・お菓子を作りたくなる絵本10選おいしそうなメニューが登場する絵本はたくさん。すぐにまねして作れる、レシピ付きの絵本もありますよ![ホットケーキ]しろくまちゃんのほっとけーき作:わかやまけん/こぐま社フライパンの上でホットケーキがジュージュー。匂いや音まで想像できる一冊。[プリン]プリンちゃん文:なかがわちひろ、絵:たかおゆうこ/理論社生クリームのドレスに、フルーツの髪飾り。プリンのデコレーションが楽しくなりそう![ショートケーキ]たべてみたい!作:いしいひろし/白泉社色や食感を表す言葉がいっぱいで、きっと「食べてみたくなる」こと間違いなし![ケーキクッキー]きょうのおやつは作:わたなべちなつ/福音館書店鏡のように反射する紙で作られた、おやつが立体的に見える新感覚絵本。[カレーライス]カレーだいおうのまほう作:石倉ヒロユキ/ひさかたチャイルド大王の魔法で野菜やルーが大変身!鍋たっぷりのカレーが出来上がり。[コロッケ]11ぴきのねことあほうどり作:馬場のぼる/こぐま社カリッと揚がったコロッケを食べる猫たちがうらやましくなる一冊。[オムライス]こっそりオムライス文:きむらゆういち、絵:江川智穂/世界文化社コック見習いのキツネくんと一緒にオムライスを作れるしかけ絵本。[ギョーザ]いかりのギョーザ文:苅田澄子、絵:大島妙子/佼成出版社プンプン、プリプリ!怒りの炎でおいしいギョーザを作ります。[太巻き]パンやのろくちゃん うんとね作:長谷川義史/小学館ろくちゃんの顔とそっくりな太巻きが作れる、イラスト入りのレシピ付き。[おにぎり]おにぎりのひみつ作:かとうまふみ/フレーベル館エビの天ぷら、タラコ、しそ…いろいろな具のおにぎりが登場します。実際に作ってみた!絵本レシピ●動物パン「からすのパンやさん」より作:かこさとし/偕成社カラスのお父さんとお母さん、それに4羽の子どもたちが考えたパンはとってもユニーク。今日も森にこんがり、香ばしい匂いが漂います。【材料】パン6個分※小松さんのレシピ・ドライイースト……小さじ1・水……65~75cc【 A 】・強力粉……75g・砂糖……大さじ2・溶き卵……1/2個分【 B 】・強力粉……75g・塩……小さじ1/3・無塩バター……30g・ブラックココアまたはチョコペン……適量・溶き卵(焼き色を付けるため)……1/2個分【作り方】●生地を作る(1)ドライイーストに水を加え、木べらでよく混ぜる(2)ボウルの中でAの材料をよく混ぜ、①を加える(3)Bの材料を(2)に加える。生地に色を付ける場合はブラックココアを混ぜる。粉が飛び散らないように静かに混ぜ、台の上でこねる。(4)生地を丸めたら、ボウルに入れラップをかける(5)40℃のオーブンに入れて25~35分発酵させる●成形する(1)生地を6分割して丸め直し、10分間休ませる(2)胴体、耳、手足などパーツごとに目分量で分け、もう一度丸め直す。各パーツをくっつける(3)生地を天板に載せ、40℃のオーブンに入れて20~25分発酵させる(4)溶き卵を塗り、190℃のオーブンで12~17分焼く(ガスオーブンの場合は180℃で9分)◆上手に作るコツ生地を二次発酵させる工程(「成形する」の(3))で、約2倍に膨らみます。耳や手足のパーツが小さいと凹凸がなくなってしまうので、大きめに作りましょう。◆お手伝いPOINT粗熱が取れたら顔を描く水で溶いたブラックココアやチョコペンで顔を描きましょう。多少バランスが崩れても、「愛嬌のある顔立ちになった」と楽しんで。●チョコレートケーキ「ペネロペ チョコレートケーキをつくる」より文:アン・グットマン/絵:ゲオルグ・ハンスレーベン/訳:ひがしかずこ/岩崎書店あわてんぼうのペネロペは、卵を落としそうになったり粉まみれになったり。でも最後にはステキなケーキができました!【材料】18cm型1個分※小松さんのアレンジレシピ・チョコレート……180g・無塩バター……180g・卵……4個・砂糖……120g・小麦粉……40g・アーモンドパウダー……125g・粉砂糖……適量【作り方】(1)チョコレートを湯せんで溶かし、バターを入れて混ぜる(2)卵黄と卵白を分ける(3)ボウルで卵黄と砂糖を混ぜる。小麦粉、①、アーモンドパウダーを加え混ぜる(4)別のボウルで卵白を泡立て、③をゆっくり入れ混ぜる(5)型にバター(分量外)を塗り、④を流し入れる(6)160℃に温めたオーブンで1時間焼く(7)仕上げに粉砂糖を振る◆上手に作るコツ(6)の焼き時間は絵本のレシピには40分とありますが、1時間ほど焼いた方が固まりやすいでしょう。◆お手伝いPOINT手の上で卵黄と卵白を分ける卵を割り、子どもの手のひらに流し入れ、卵白を指の間から落として卵黄と分けます。卵の殻を使って分けるのは難しいですが、この方法ならとても簡単。●春のニンジンスープ「おなべおなべにえたかな?」より作:こいでやすこ/福音館書店「お豆も一緒に入れておくれ」……不思議なお鍋の言う通り、キツネの子どもたちが作ったスープ。さて、おいしくできたかな?【材料】4人分※小松さんのアレンジレシピ・ニンジン(飾り付け用)……1/3本【 A 】・ニンジン……2/3本・タマネギ……中1個・キャベツ……1/8個・ソーセージ……4本・ニンジン(飾り付け用)……1/3本・トマト……中1個・枝豆(さや付きで)……100g・菜の花……少量・コンソメ……大さじ1.5・水……800cc・有塩バター……5g・塩・こしょう……少々・パセリ(好みで)……少々【作り方】(1)飾り付け用に、1cm程度の輪切りにしたニンジンを型抜きする(2)Aを細かく切り、炒める(3)トマトをさいの目に切る。水気を出すため塩を振って置いておく(4)(2)を鍋に入れ水とコンソメを加える。ひと煮立ちしたらあくを取り、(3)、さやから外した枝豆、一口大に切った菜の花を入れる(5)バターと塩・こしょうで味を調える◆上手に作るコツ菜の花は煮込み過ぎると色が悪くなります。鮮やかな緑色を生かすため、入れるのは仕上げの直前に。◆お手伝いPOINT飾り付け用のニンジンを型抜きする脇を締めないと力が入らないので、「腕を体にくっ付けて」と教えましょう。慣れないうちは、ゆでて軟らかくしてから型抜きを。巻頭特集監修/西東桂子さん(あんふぁんサポーター)
2018年03月07日皆さんは絵本をどうやって選んでいますか? 子どもが気に入ったから、自分が好きだから、話題になっているから… などいろんな選び方がありますよね。今回ご紹介する絵本作家・荒井良二さんの絵本は、型にはまらない独創的な絵が印象的です。絵本を選ぶとき、強いメッセージ性のある作品を選ぶ人も少なくありませんが、荒井さんの絵本にはそうした「答え」が存在しないように思えます。でも不思議と元気をもらえる、いつまでも忘れられない…。そんな「荒井良二」絵本の魅力をたっぷりご紹介していきましょう!■あさになったので まどをあけますよ作・絵:荒井 良二/出版社:偕成社 「あさになったので まどをあけますよ」 始まる、いつもと同じような朝。窓をあけて、1日の始まり感じる子どもたち。この絵本は2011年の東日本大震災で被災された方々とワークショップに取り組み、東北地方沿岸部の町をたずね歩いた荒井さんがそのときの思いを込め、描きあげたものだそう。「日常」は当たり前に過ぎていくものだけれど、それを繰り返していくことこそが幸せなのだと気付かせてくれます。本を読んだママからは「前向きな気持ちになる」という感想がたくさん寄せられていました。■空の絵本作:長田 弘/絵:荒井 良二/出版社:講談社 「空の絵本」 青い空と白い雲。表紙一面に広がる空の絵が印象的な絵本。そのリズムが耳に心地よく残る、詩人・長田弘さんの美しい文章と、奥へ奥へと引き込まれる荒井さんの絵が見事にマッチ! 刻一刻と変化する自然の美しさが独特の世界観で描かれています。野山に降る雨が強くなり、青や緑が灰色に。空が明るくなると世界はくっきりと輝きだす…。この絵本を読むと、空を改めて観察したくなる、という人も多いのではないでしょうか。読み終わったあとに「どのページがステキだった?」とお子さんと一緒に話してみるのも良いですね。■きょうというひ作・絵:荒井 良二/出版社:BL出版 「きょうというひ」 雪の降る静かな日に少女がひとり、大きなろうそくに火を灯します。「きえないように きえないように」と祈りを込める少女に、さまざまな思いをはせることができる一冊です。シンプルで美しい詩のような言葉と幻想的な世界観に「ささいなことで悩んでいるときに読むと、なぜか安らぐ」「頭のなかのごちゃごちゃしたものがスッときえる」と感想を寄せるママも少なくありません。どちらかというと大人向けという人もいますが、ろうそくがたくさん灯っているシーンがお気に入りというお子さんもいるよう。「タイトルに惹かれた」という意見もありました。■いつか、ずっと昔作:江國 香織/絵:荒井 良二/出版社:アートン 「いつか、ずっと昔」 結婚を間近にひかえた女性に、かつて愛したものたちとの時間がよみがえり、その記憶は前世、そのまた前世にまでさかのぼって…。命の生まれ変わりという壮大で神秘的な世界が広がるなかに、恋することの華やかさや切なさ感じさせる一冊。今回荒井さんがタッグを組んだのは、人気作家の江國香織さん。「いっしょに本を作るのはとても楽しい。同時に恐い!」と言いながらも「江國さんの文章はどんな絵でも壊れない強さがある。だからぼくはぼくらしく振る舞えば良い」と話すように、ページをめくるたびにピースがはまっていくような心地よさを感じます。「溺れるように読んだ」という感想も寄せられていました。■森の絵本作:長田 弘/絵:荒井 良二/出版社:講談社 「森の絵本」 その声は「森へ ゆこう」と言いました。いちばん大事なものがそこにあると。ページをめくると目に飛び込んでくる美しい景色には思い切り息を吸い込みたくなる、すがすがしさがあります。自分にとって大切なものとは何だろう。読み手の心に語りかけてくるような内容は一見「子どもには難しい?」と判断しがちですが「何度も読んでとせがまれる」「静かに聞いている」と、絵本の世界を楽しんでいるお子さんも少なくありません。「10年後、20年後に読んだとき、どんなことを感じるか。長く手元に置いておきたい」「どこがどう良かったか、あえて何も聞かずに読んだあとの余韻を楽しみたい」といった意見も寄せられていました。いかがでしたか? 黄、緑、赤、黒…。独特のタッチで自由奔放に描かれた作品たちは、並べてみるとまるでアート作品のよう。画集のような美しさと、唯一無二のオリジナリティをあわせもつ絵本たちにぜひふれてみてはいかがでしょうか。
2018年03月06日ネイキッドによる“絵本に閉じ込められた不思議な森”をテーマにした「絵本の中のBAR」が誕生。2018年2月28日(水)から期間限定でグラントウキョウサウスタワーにオープンする。「絵本の中のBAR」は、クリエイティブカンパニー ネイキッドが得意とするプロジェクションマッピングなどの技術を使った、体験型のコンテンツが楽しめるノンアルコールカクテルバーだ。絵本の世界を映し出した店内のテーブルでは、テーブルの上に手を置くとお花が咲いたり、かざすと湖に波紋が広がったりする。「スペシャルモチーフ」に触れると、次の世界に映像が切り替わるなど、テーブル上に現れるモチーフにアクションを起こすことで映像が展開していく仕組みだ。ノンアルコールカクテルを楽しみながら、まるで“絵本の世界”に入り込んだような非日常空間で、癒しのひと時を過ごしてみては。【詳細】「絵本の中のBAR」オープン日:2018年2月28日(水)会場:カフェ スペリオーレ住所:東京都千代田区丸の内1-9-2 グラントウキョウサウスタワーB1F営業時間:平日 11:00~23:00/土日祝 11:00~21:00【問い合わせ先】TEL:03-6891-8765(代表)
2018年03月03日世界中で愛される絵本の世界を体験東京・新宿「京王プラザホテル」にて、世界中で愛される絵本シリーズ『ピーターラビットのおはなし』の世界を、美食で体験できるフェア「ピーターラビット™のホテルカーニバル」が2月1日(木)~3月31日(土)までの期間限定で開催中です。スイーツビュッフェのテーマは“ユニオンジャック”コラボ第2弾となる今回は“ユニオンジャック”がテーマ。「ピーターラビット™のロイヤルスイーツタイム」ではイギリスの都会をイメージしたコーディネートで彩られています。いちごスイーツの赤と青や原色で飾られた店内で、ロンドンの洗練されたティータイムを楽しんで。かわいいピーターラビットと仲間たちのいちごスイーツ♡ずらりと並んだ約30種類のスイーツのかわいいデザインが目を惹きます。「ピーターラビットのかくれんぼタルト」や「ロビンソンのカップケーキタワー」など、いちごの赤で彩られたスイーツのあちこちに隠れたピーターと仲間達を見つけてみてくださいね。「ピーターラビット™のホテルカーニバル」はスイーツだけじゃありません。春の田舎道を表現したカラフルなイギリス料理を楽しむビュッフェ「ジマイマのカントリービュッフェ」と、ピーターラビットの物語をヒントに創作されたイタリアンのコース料理を堪能できる女子会プラン「3姉妹のおしゃべりディナー」も見逃せませんよ。記念撮影スポットも登場!絵本の世界の思い出を残してイベントが開催される「京王プラザホテル」は、JR・私鉄・東京メトロ・地下鉄各線「新宿駅」の西口から歩いて5分のところにあります。ピーターラビットと記念撮影できるかわいいフォトスポットもあるので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。イベント情報イベント名:ピーターラビット™のホテルカーニバル 第2弾催行期間:2018年02月01日 〜 2018年03月31日住所:東京都新宿区西新宿2-2-1電話番号:03-3344-0111
2018年02月13日神奈川県生まれの絵本作家「ヨシタケシンスケ」さん。彼が2013年に出した初めてのオリジナル絵本『りんごかもしれない』はこれまでにない「筋立てのない絵本」として異例の大ヒットをとばし、今でもたくさんの人を魅了し続けています。今回は『りんごかもしれない』と同様、あるいはそれ以上にヨシタケワールドを堪能できる絵本をご紹介。ニヤニヤ笑いがとまらなので、書店で立ち読みするときはご注意を…。■もう ぬげない作:ヨシタケシンスケ/出版社:ブロンズ新社 「もう ぬげない」 着替えをするために服を脱ごうとバンザイをしたら、そのまま脱げなくなってしまった少年。ずっとこのままだったらどうしよう… と不安になるところまでは耐えられても、そこからふくらんでいく子どもらしさ全開の妄想に思わず吹き出してしまう人続出!「本人はいたって真剣なところが良い」「最後の二段オチにやられた!」と、口コミでもどハマりするとの意見が多数寄せられています。「まったくもう…」と呆れさせながらも「それも、かわいいんだけどね」と子どもを愛しく思う。この作品を読むと、そんな親心があふれてくるのが分かります。■あるかしら書店作:ヨシタケシンスケ/出版社:ポプラ社 「あるかしら書店」 「あるかしら?」とたずねると「ありますよ!」とおすすめの本を持ってきてくれる「なんでもある」書店の店主。紹介してくれる本のなかには上半分、下半分の2冊に分かれており、上下に本をくっつけないと文章を読むことができない「2人で読む絵本」や、月明かりだけに反応して文字が発光するから、満月の夜だけしっかり読むことのできる「月光本」などがあり(月が欠けているときはその分、発光が弱まる)、ありえないけれど、あったら読んでみたい本ばかり! ヨシタケさんの本に対する深い愛情があふれた一冊となっています。■つまんない つまんない作:ヨシタケシンスケ/出版社:白泉社 「つまんない つまんない」 「あ~つまんない」は子どもの口癖のひとつですよね。この絵本ではそのつまらなさに「なぜ?」という疑問を投げかけています。何が「つまんない」で、何が「おもしろい」なのか。それを確かめるため、考える主人公の男の子。ぐるぐるまきにされるのはおもしろい? ちょっとずつ座るところを変えてみるのは? こういうのはおもしろそうだけど、こういうのはつまらなそう。やっぱり広がっていくヨシタケワールドのなかで、大人になってからの「つまらなさ」について改めて考えさせられたという人も。つまらないって何だろう。素朴で深いテーマに親子でふれることができそうですね。■ヨチヨチ父 とまどう日々作:ヨシタケシンスケ/出版社:赤ちゃんとママ社 「ヨチヨチ父 とまどう日々」 表紙には赤ちゃんとパパ。だけどパパは赤ちゃんとまったく同じ姿をしています。この絵本では新米パパが妻の出産をどんなふうに感じ、初めての子育てにどう向き合っていたのかが、ユーモアたっぷりに描かれています。実は出産する妻にドン引きし、生まれたての赤ちゃんにショックをうけていた。首の座らない赤ちゃんの抱っこの仕方が分からず、鏡の前で意味不明なポーズをとりつづけていた。会社でする出産報告と名前発表でやけに緊張していたなど…。「育児の大変さ、楽しさがおもしろく描かれていて子育てに前向きになれる」「ママも、パパの気持ちが少し理解できるようになるかも」との意見もあり、出産祝いの絵本としてもおすすめできそう。「学校行事、習いごと、お受験編などシリーズ化してほしい」と続編を望んでいる人もいました!■ふまんがあります作:ヨシタケシンスケ/出版社:PHP研究所 「ふまんがあります」 大人はいろいろとズルい。だからズルいのをやめてもらおう。パパのもとへ向かう女の子ですが、その先の2人のやりとりが圧巻です。「どうして大人は起きているのに子どもは早く寝なくちゃいけないの?」「どうして寝る前にお菓子を食べちゃダメなの?」女の子のふまんに、なかなか考え付かないユニークな返しをするパパ。「実は次のクリスマスのために、調査員が夜早く寝る子かどうかを調べにくるんだよ」「(寝る前にお菓子を食べないほうが)寝たあと夢のなかに出てくるお菓子が大きくなるらしいんだ」。丸め込まれそうになる女の子を「がんばれ!」と応援したくなる気持ちが出てきたり、頭のやわらかいパパの発想に感心したりと親目線で楽しめる要素も多くあります。パパの言い訳をどこまで信用するのか、読み聞かせしたときのわが子の反応も気になるところですね!ヨシタケさんの絵本を読むと、大人も子どももニヤニヤ笑いがとまらなくなってしまいます。そんな作品は、とても貴重ではないでしょうか。決められた筋書きは一切なし! こうなったらおもしろそう、ああなったらどうなるだろう…。想像する時間を愛おしく思えるようになる。それがヨシタケさんの絵本の魅力なのかもしれませんね。
2018年02月03日新しい年の始まり、お正月。皆さんはこれまでどんなふうに過ごしてきたでしょうか? 子どものころにやったことのある遊びといえば、百人一首やカルタ、福笑いに凧あげなどがありますね。近ごろはそんな遊びも少なくなってきたように思いますが、一年の始まりをすがすがしくむかえる気持ちは変わっていません。そこで今回は、親子で楽しめるお正月絵本をご紹介。こんなお正月をうちでも過ごしたい! と思える楽しい内容の絵本を厳選してみました。■あけましておめでとう作:中川 ひろたか/絵:村上 康成/出版社:童心社 「あけましておめでとう」 かどまつ、おとそ、おせち、おぞうに、たこあげ… などなど、お正月にちなんだキーワードがたくさん登場する絵本がこちら。たくさん、とはいっても文字数は少なめ。その分、とっても分かりやすく、スッと頭にはいってくる短い言葉たちは小さなお子さんへの読み聞かせにもぴったりです。シンプルなイラストと明快な言葉の組み合わせは絶妙で、何度読んでもクセになります。「おとそ」は年の若い人から飲むなどの説明もあり「知らなかった!」と意外な事実に驚いたママも。お正月アイテムが勢ぞろいしたユニークな絵本です。■もうすぐおしょうがつ作・絵:西村 繁男/出版社:福音館書店 「もうすぐおしょうがつ」 おじいさん、おばあさんの家でお正月をむかえることになった、ある家族のお話です。ガラスを磨いたり、障子を張ったり、大掃除をしたりとお正月をむかえるための準備はみんな総出で大忙し! 大みそかになると朝から市場へ買い出しへ行き、家に帰ってお餅をお供えしてしめかざりを飾ったり、年越しそばを食べてからお参りに行ったり… とまさに年末年始の家族の過ごし方がリアルに再現されています。せわしなく、やるべきことも多い年末ですが、みんな新しい年を心待ちにしているものですよね。家族で過ごす年末が待ち遠しくなる作品です。■十二支のおはなし作:内田 麟太郎/絵:山本 孝/出版社:岩崎書店 「十二支のおはなし」 十二支にまつわる絵本は数多くありますが、こちらは登場する動物たちのキャラクターがとにかく濃い…! 姿かたちもユニークにデフォルメされているので、とても個性的で迫力があります。お話は「十二支の由来」がベースになっているので、読み聞かせするにも年末年始のタイミングがぴったり。ゆっくり読んで聞かせるというよりは子どもたちが自分でページをめくって先を読みたがる絵本になってしまうかも!(笑)。お楽しみ要素がつまっていることに加え「話がきれいにまとまっている」と大人目線でも納得の仕上がりとなっているようです。■どんぶらどんぶら七福神文:みき つきみ/絵:柳原 良平/出版社:こぐま社 「どんぶらどんぶら七福神」 7人の神さま「七福神」をテーマにした絵本がこちら。神さま1人1人を説明してくれているので、絵本を読むまでは7人すべての名前が分からなかったというママも、お子さんと一緒に読むことで覚えられるメリットがありそう。くっきりとしたカラフルな色使いがキレイです。ちなみに作者の柳原さんは小さいころから七福神に親しんでいたそうで、神さまの人形で遊ぶこともあったといいます。とっても神聖な「神さま」という存在も、こんなにやさしい笑顔を見せてくれたら身近に感じることができそうですね。■おせちのおしょうがつ作:ねぎしれいこ/絵:吉田朋子/出版社:世界文化社 「おせちのおしょうがつ」 お正月料理「おせち」に命が吹きこまれ、大冒険劇を繰り広げているのがこちらの絵本です。鏡餅の家に向かうため車を走らせるかずのこ、途中で出会うこぶまきや海老、ごまめにきんぴらなどのおせち料理たち。けれど橋を渡っている最中に黒豆が川に落ちてしまい、助けようとおとそが飛び込んで…。果たしておせちのみんなは無事鏡餅の家に行くことができるのでしょうか。おせちにはそれぞれ意味が込められていますが、すべての意味を理解している人は少ないのではないでしょうか。この絵本を読めば、それぞれの料理の由来が自然と覚えられるはず。おせち料理に興味をもつお子さんもいるかもしれませんね。いつもとは何だか違う、非日常感が味わえるお正月。「あけましておめでとう」と言い合うと、何だか良いことが起こりそうな予感がしてきます。「ママ(パパ)は子どものころ、こんなふうに過ごしていたよ」とお正月の過ごし方についてお子さんと語り合ってみるのも楽しそうですね。
2017年12月26日大人気の絵本『はらぺこあおむし』のカフェが、1月18日に期間限定で銀座にオープンする。「はらぺこあおむしのフレンチトースト」TM & © 2018 Eric Carle LLC.「はらぺこあおむしカフェ」は、“色彩の魔術師”と評される絵本作家エリック・カールが創り出す、鮮やかな色彩の魅力を“食”で表現するという世界初の試みに挑戦。絵本『はらぺこあおむし』のアートの世界に入り込んだような、賑やかでワクワクする雰囲気を感じられるデザインの店内で、“食べることの楽しさ”をテーマにグルテンフリーのキッズメニューや、産直の旬の果物を取り入れた体に優しく遊び心のあるメニューが登場。また、赤ちゃん連れの方には無料で離乳食を提供する。「おひさまのプレート」TM & © 2018 Eric Carle LLC.「かようびのプレート」TM & © 2018 Eric Carle LLC.イベント期間中は、カフェ限定のキービジュアルが施されたオリジナルマグカップを手に入れることも。世界中でここにしかない、エリック・カールのアートと食の融合を楽しんで。【店舗情報】はらぺこあおむしカフェオープン日:2018年1月中旬予定場所:サンデーブランチ住所:東京都中央区銀座2丁目2-14 マロニエゲート銀座1 4階
2017年12月01日子ども用の絵本を選んでいるとき、なつかしいキャラクターを見つけて思わず手にとってしまうことはないでしょうか。大好きすぎていつも手元におき、何度も読み返していた絵本。そこにはキュートで愛らしいキャラクターたちの姿があります。今回はママも大好きだった「愛されキャラ」のでてくる絵本を集めてみました。■とおくがみえるね、ムーミントロール作:トーべ&ラルス・ヤンソン/訳:当麻 ゆか/出版社:徳間書店 「とおくがみえるね、ムーミントロール」 「ムーミンのおはなしえほん」第6弾。登場するのは一卵性双生児のちいさな2人組「トフスラン」と「ビフスラン」です。トゥーティッキに借りた望遠鏡をなくしてしまったムーミンは、この2人があやしいと疑うのですが…。独特の世界観があるムーミンですが、その絵はとってもかわいらしく、目にやさしい色彩がゆったりした気持ちにさせてくれます。心をなでるようなムーミンママのアドバイスも子を持つママにとっては印象的。深呼吸して読みたくなる、あったか絵本となっています。■しかけえほん ピーターラビットのおはなし作:ビアトリクス・ポター/訳:きたむら まさお/出版社:大日本絵画 「しかけえほん ピーターラビットのおはなし」 マグレガーさんの畑には、はいらないこと。おかあさんからきつくいわれていたのに、いたずら好きのピーターは畑にはいってレタスをむしゃむしゃ。そこをマグレガーさんに見つかってしまい…。世界中で愛される名作を「しかけ絵本」で楽しめるのがこちら。つまんだり、めくったりと手を動かしながら読み進めていくことで、ハラハラ、ドキドキの逃走劇をピーターラビットと一緒に体験している気分が味わえます。絵本が誕生するキッカケとなったのは、作者が5歳の少年にあてて書いた絵手紙のなかの「お話」だったといいます。遊び心たっぷりの作者の人柄を感じさせるエピソードですね。■チャーリー・ブラウンなぜなんだい?― ―ともだちがおもい病気になったとき ―作・絵:チャールズ・M・シュルツ/訳:細谷亮太/岩崎書店 「チャーリー・ブラウンなぜなんだい?― ―ともだちがおもい病気になったとき ―」 白血病で入院したジャニス。スヌーピーと仲間たちは病気について、さまざまな疑問がわいてきます。「どうして?」「なぜ?」子どもにとって病気は、目に見えないわけのわからないものではないでしょうか。病気になった子、心配する子、そうではない子。病気をとおして、立場が違う人の気持ちがあらわになるので「ちょっと難しい」と感じるママやお子さんもいるかもしれませんが、物語のなかで「答え」を真剣に探そうとする登場人物たちに、ハッとさせられる瞬間があるかも。ときどき、とぼけた姿で登場するスヌーピーが物語にぬくもりを与えてくれています。■アニメおさるのジョージ アイスマイルーム原作: マーガレット・レイ&ハンス・アウグスト・レイ/訳:山北 めぐみ/翻案:ジュリー・ティボット/出版社:金の星社 「アニメおさるのジョージ アイスマイルーム」 雪がつもった日、イグルーという雪のいえをつくることにした子ざるのジョージ。雪のブロックで土台を仕上げたら、ドーム状に積み上げて完成! その日はそこで眠ることにしたけれど、寒すぎて眠れないと思ったジョージは…? トホホな結末になりそうだからやめておこう、といった選択肢がジョージにはありません。ジョージの魅力はその好奇心だけでなく「自分でやってみる」という行動力にありそうです。やりたいこと、気になったことをジョージがそのまま代わりにやってくれる。「おさるのジョージ」シリーズはいたずら好きな悪友(笑)をもっている気分にさせてくれますね。■バーバパパのこもりうた作:アネット・チゾン タラス・テイラー/訳:山下 明生/出版社:講談社 「バーバパパのこもりうた」 どんなものにも自由に体のかたちを変えられる、フランス生まれの「バーバパパ」。ママと7人の子どもたちからなるバーバパパファミリーシリーズのなかでも、特に人気があるのがこちらの絵本。人間の赤ちゃん、アリスのお世話をすることになったファミリーは、ゆりかごやベビーバスに変身して子育てをお手伝い! 個性豊かで仲良しなキャラクターたちが赤ちゃんのお世話を楽しそうにする様子は、子育ての秘訣をのぞき見ているよう。その献身的な姿に「うちにもバーバパパファミリーがいてくれたら…」とうっとりしてしまうママもいそうです。ミルクのあげ方、お世話の仕方が分かりやすく、ユニークに描かれているので、これから兄弟ができる予定のお子さんにもおすすめですね。今回ご紹介したキャラクターたちは、関連商品やグッズなどを街なかで目にする機会も多く、誕生してから長く愛されてきたキャラクターでもあります。小さいときに感じたワクワクやトキメキを、わが子にも感じてもらえたらうれしいですね。
2017年11月20日絵本は、わんぱくな子どもが食いついてくれる魔法の書籍です。読んでいるときは、しっかり大人しく聞いてくれることが多いのではないでしょうか。でも、同じ絵本ばかり読むと飽きられてしまい、ちゃんと聞いてくれません。だからと言って、新しい絵本をたくさん購入しては、出費もかさみます。今回は、そんなお悩みを抱える方に「飛び出す絵本の作り方」をご紹介します。製作開始!の前に作り始める前にやらなくてはいけない重大な作業があります。それは「物語を作ること」、そして「ページ割り」です。せっかくの絵本作り!やっぱりオリジナルストーリーに挑戦したいという気持ちが湧き上がると思います。ですが、最初の数冊はストーリーが決まっている一般的な作品を作る方がオススメです。物語を決めたら、どのページに何のシーンを入れるか「ページ割り」を決めましょう。今回は、誰もが知っている「桃太郎」を製作します。絵本に直接描いてもいいけれどそれではさっそく作り始めていきましょう。用意する材料はこちら。【材料・道具】●白紙の絵本(画用紙などにホチキスするだけでも代用できます)●画用紙●和紙●のり●カッター●はさみ●色鉛筆●油性ペン絵心に自信がある方は、直接絵本に絵を描いてもOKです。ですが、絵心に自信がない方や、失敗したくない方は、別の画用紙にキャラクターパーツを作って貼っていく方がオススメ。このやり方ならば、失敗も減りますし、立体感が増します。この様に、鉛筆で下絵を描いて、はさみやカッターで切り取ります。鉛筆の線がパーツに残っていると手作り感が増してしまいます。そのため、内側をカットするか丹念に消しゴムで消しておきましょう。切り取ったパーツは絵本に貼って行きます。簡単にできる!飛び出す貼り付けかたここからは肝心な飛び出す仕掛けをご紹介します。まずは一番簡単な、飛び出す貼り方について。紙の弾性を利用し、草が飛び出している様に感じられます。飛び出させたいパーツの下側に糊付け部分をつけ、点線のところで折り込みます。下部に糊付けするだけで、自然に立ち上がります。この仕組みは小さいパーツ向けのギミックです。飛び出し方に強弱をつけたいときはこの飛び出すしかけも作るのは簡単です。おばあさんのパーツを作り、後ろ側から紙でバネを作ります。長方形に切った画用紙を、アルファベットの「Z」型に折り込み、片方をパーツ、片方を絵本に貼り付けます。開けた瞬間に、ビヨンと浮き出します。より飛び出した感じを出したい際には、Zの折り込む回数を増やすといいでしょう。同じパーツを何枚も重ねるだけで立体感が出る!続いては、より立体的にに感じる方法をご紹介します。先ほどの仕掛けはページの全体に散らして作れますが、見開きの中心部では立体感が減少します。そこで、中心部分できれいに見られる仕掛けを作ります。まず、桃になるパーツを複数枚作成します。今回は、8枚ほど切り出しました。パーツを半円に折り込み、糊付けしていきます。画用紙と絵本の側面を糊付けすることで、両ページに立体的に桃が広がります。あとは、この桃の間から赤ちゃん桃太郎が飛び出る様にすれば完成です。迫力の大きい仕掛けは縦に作ろう!絵本というと横に開くものが多いですが、迫力のあるの飛び出し方を演出したいときは、縦型がオススメです。今回は、一番の見所となるシーンでこの方法を使いました。それは、桃太郎が鬼を成敗するシーンです。まず、仕掛けを作りたい2ページの大きさに合わせて画用紙をカットし、本と同じように半分に折り込みます。続いて、折り目を付けたところからハサミを入れます。切り込みに差をつけることで、仕掛けに遠近感をつけることができます。桃太郎の着物は和紙を使って少し華やかに。桃太郎の腕や足などの細かいパーツはわざと余白を残してます。動きのあるパーツは破損しやすいので、この様に一部残しておくのがオススメです。子どもの没入感を増やすために登場人物を家族にしても良さそうですね。実際に貼り付けてみると、この様な形に。桃太郎と鬼に高低差がついているので、本を軽く開いたり閉じたりするだけで桃太郎が動いている様に感じられます。実際に子どもの反応をみると、手作りしているときから興味しんしんで、いつもよりも喜んでくれました。さいごに定番の物語をベースにしながらも、学んで欲しい人生の教訓や、楽しい話を盛り込むことで、既製品にはない一冊が出来上がります。なにより、オリジナルな絵本は子どもの記憶にも残りやすいです。今回ご紹介したもの以外にも、動く絵本や手触りを楽しむ絵本など、自作絵本は工夫するだけでおもしろいものがいろいろつくれます。今回ご紹介した飛び出るギミックも添え、ぜひオリジナル絵本にトライしてみてくださいね。
2017年11月11日食欲の秋、スポーツの秋、そして読書の秋ですねぇ。今日は、うちの真逆な兄弟への絵本の読み聞かせ術(術というほどのものではない…)をお伝えしたいと思います。■絵本好きの長男、全く興味のない次男わが家の長男は生まれた時からおっとりで、絵本を読んでもらうのが赤ちゃんの頃から大好きでした。私に限らず、読み聞かせ会などに行っても、周りの子たちが動き回る中、1人じっと座って読み聞かせに聞き入っているので、お友達からも羨ましがられたものでした。そんな長男のおかげで、毎晩寝る前に絵本を読むのもとても穏やかな入眠儀式になっていて、それが当たり前だと思って4年間漫然と読み聞かせていたところ…。同じように赤ちゃんの頃から見せてみても、次男はびっくりするほど絵本に興味を示さない!!■次男を絵本好きにするために試行錯誤本棚から絵本を投げ落とす、ページをひたすらめくりまくる、カバーをビリビリにやぶる…。それが、絵本を使った彼なりの遊び方です(涙)。でも、2人同時に寝かすためには、できれば一緒に絵本を楽しんでほしい。次男に「絵本を読むって楽しい!」ということを知ってほしい。そんな母のエゴにより、次男を絵本好きにさせるための試行錯誤が始まりました。結果としては、どれも正解でした。じっと動かずに絵を見ながら読み聞かせる母の声を聞くだけ、というのが苦手な次男(というかそれが普通ですよね)には、「真似しやすい音」「体験型」そして「動きがある」ということが楽しめるポイントだったようです。特に大げさに声の抑揚をつけたり絵本を動かしたりすると、キャッキャと喜んで、今では暇を見つけると自分でお気に入りの絵本を出してきて、ごにょごにょ言いながら眺めるほど絵本が好きになりました!!そして今や…。好きな絵本をいち早く取って母の膝を占領するのが目的みたいになってきたので、1人一冊ずつ好きな絵本を読んだ後、2人を無理やり膝に座らせて、大小の仲良しなクマが出てくる『かぼちゃひこうせんぷっくらこ』という絵本を、2人の名前に言い換えて読んでいます。すると不思議と、ムギュムギュになって座りながら仲良く最後まで聞いていられるし、その後も穏やかに眠りにつけるようになりました。無理に絵本を好きにさせる必要はありませんが、もし絵本嫌いな子に、楽しんでもらいたいなぁと思われる方は、よかったら試してみてくださいね。
2017年10月24日大人になると、とんと絵本を読まなくなる人も多いのではないでしょうか。でも短い文章と長くないストーリーのなかには、人生経験を積んだ今だからこそ「奥深さ」を感じる絵本があるもの。また小さいころ読んだときは何てことなかったのに、大人になった今読んでみたら心にずしんと響いた… なんてケースもあるようです。今回は読み終えたあとで、じっと物思いにふけってしまう。そんな絵本をご紹介します。お子さんも楽しめる内容なので、ぜひ親子で読んでみてくださいね。■ときめきのへや作:セルジオ・ルッツィア/訳:福本友美子/出版社:講談社 「ときめきのへや」 モリネズミのピウスは森や海や町のなかで見つけたものを持ち帰り、宝物としてへやにかざりつけています。その宝物を見に大勢の人たちがやってきました。でも「どうしてこれが?」とみんなから首をかしげられ…。一見、なんてことのないように思えるもの。でもそれは、ある人にとってはとても大切で、思い出のつまったものかもしれません。誰かの普通が、ほかの人にも普通であるとは限らない。そんなことを改めて教えてくれる一冊です。大切なものを失ってしまったら、心は元気をなくしてしまいます。自分にとって大切なものが何なのか、考えるキッカケを与えてくれるかもしれませんね。■たまご作・絵:ガブリエル・バンサン/出版社:BL出版 「たまご」 ある日突然姿をあらわした大きなたまご。なぜここにあるのか? なかに何が入っているのか? 謎のたまごは人々の好奇心を刺激し、魅了します。ストーリーの進行とともに次々と浮かんでくる疑問。その答えは本のなかにはないようです。読み手によって色を変えるカメレオンのようなこちらの絵本はボローニャ国際児童図書展グラフィック賞、産経児童出版文化賞美術賞を受賞しています。文章のない絵本ながら、力強く木炭で描かれた迫力あるイラストに圧倒される一冊です。■オオカミくんはピアニスト作・絵:石田真理/出版社:文化出版局 「オオカミくんはピアニスト」 ひとりぼっちのピアニスト、オオカミくんのもとにある日届いた手紙。そこには「ピアノを聴かせてください」とありました。送り主に会うため、オオカミくんは出かけます。道すがらいろんな動物たちに出会い、ピアノを演奏するオオカミくんは孤独というせつなさを背負いながら、演奏によって人を楽しませる喜びを知っていきます。1人だけれど、1人じゃない。そんなことを絵本を通して感じる人が多いようです。「明るく、にぎやかな絵本が好きだけれどこの絵本は特別!」というお子さんもいるようですね。■すきまのじかん作・絵:アンネ・エルボー/訳:木本 栄/出版社:ひくまの出版 「すきまのじかん」 昼と夜の境目。そこに存在する「すきまの時間」はあるとき、よあけのお姫さまに恋をします。ゆうぐれどきにあらわれる、ほんのわずかなすきま時間が美しく感じられるこの作品は、時間に追われていると感じている人こそ、不思議な物語の世界観に魅了されてしまうかもしれません。大判の絵本ながら、ユニークなデフォルメと繊細さが感じられるイラストはストーリーにぴったり。「そろそろ、すきまのじかんかな?」とお子さんと話題にするのも楽しそうですね。■絵本で出会う星の王子さま原作:サン・テグジュペリ/訳:工藤 直子/出版社:ひさかたチャイルド 「絵本で出会う星の王子さま」 小さな星に暮らす王子さまがある日出会ったきれいなバラ。一生懸命お世話をしているのに、バラはわがままばかり。うんざりした王子さまは旅に出ることにしました。いろんな人との出会いのなかで、あるときキツネから大事なことを教わって…。小さなお子さんにも読めるよう、やさしいことばで紡がれた世界中で愛されるサン・テグジュペリの名作。王子さまが出会うものが何を意味するか、それは大人になればばるほど自分に近いものとして捉えられるようになるのではないでしょうか。これまでを振り返って、感慨深い気持ちになる人もいるかもしれませんね。気になる絵本はありましたか? 読み進めていくうちにハッとしてしまう人もいるかもしれません。読んだあと、お子さんと「どう思った?」など感想をいいあうのもおもしろそう。「なんだか最近、いっぱいいっぱいだなぁ」というパパやママにもぜひ読んでほしいです!
2017年10月10日絵本って、子供だけのモノと思っていませんか?―――いえいえ、大人だって十分楽しめるんです。■チェコは絵本大国って知ってた?意外と知られていないかもしれませんが、チェコは絵本大国。どこか懐かしいような素朴さや温かさ。色彩豊かなダイナミックなイラスト。洗練されたデザイン。さまざまなタイプがあり、そのどれもが人気です。かつて共産主義時代に、比較的表現の自由が許されていたのが、子供向けの絵本やアニメーションだったそうです。きっと、子供たちに向けた愛情で溢れているのでしょうね。日本でも、たくさんのコレクターがいるんですよ。■「ロボット」の生みの親、チャペック兄弟がつくる絵本チェコの国民的作家であるカレル・チャペック。「ロボット」という言葉を世界へ生み出した人物として有名です。その兄ヨゼフ・チャペックは、カレルが書いた作品の装丁や挿絵を描きました。カレルの『子犬のダーシェンカ』という写真絵本や、ヨゼフの『こいぬとこねこは愉快な仲間』などは日本でもよく知られています。他にも、たくさんの日本語版作品が出ています。ほのぼのとした素朴なお話は、大人の方にこそ手に取ってもらいたいものばかり。■チェコを代表するイラストレーター、ヨゼフ・ラダのつくる絵本続いて紹介するのは、チェコでは知らない人はいないほどの国民的イラストレータであるヨゼフ・ラダの作品。こちらも日本でたくさん目にすることができます。田園風景や動物など、素朴な絵柄と優しい色合い、チェコらしいなと思わせる作品です。彼の故郷、Hrusice(フルシツェ)はチェコの観光名所でもあります。■ズデニェック・ミレルがつくる絵本――日本でもお馴染みの「もぐらくん」もぐらの「クルテク」は、日本でも大人気ですね。「クルテク」シリーズは日本語版も出ていますし、アニメ化もされています。そんな「クルテク」の生みの親、ズデニェック・ミレルの作品は、世界中の子供に届けたい、という思いからあまりセリフが入っていません。その代わり、子供が大好きな色や音を作品に反映しています。かくいう私も、チェコ語がわからない頃から、子供たちと一緒に楽しんでいました。■幻想的な挿絵が美しいオタ・ヤネチェックの絵本こちらは、グリム童話『眠れる森の美女』のチェコ語バージョン。オタ・ヤネチェックの幻想的なイラストが美しいの一言。ふんわりとした独特の作風、日本にもファンが多いです。■おしゃれなタッチのアドルフ・ボルン画家としても有名なアドルフ・ボルンの作品は、ユーモラスでもあり、シュールさも感じさせます。モダンでおしゃれな絵をよく見つめていると、やっぱり大人向けのような気もしてきます。コミックスといっても、日本の漫画とは少し異なりますが、漫画家としても有名です。『ツォウルとツォウレック』という猫の漫画や『ビーテクとなかまたち』(日本語訳版あり)は、チェコでは知らない人はいないほど有名な作品です。■やみつきになるチェコ絵本こんなに愛らしいイラストを目にしてしまうと、大人でもつい手に取ってしまいませんか?その反面、チェコ絵本は、挿絵を画家が描いているものも多く、日本の絵本と比べるとリアルすぎてギョッとしてしまうものもあります。つい、目が離せなくなりませんか?チェコの絵本は、子供の絵本というより、まさに芸術本。お土産やプレゼントにもおすすめですよ。
2017年09月04日