幅広い層の支持を集めるいくえみ綾の漫画の初の映画化作品として昨秋公開された『潔く柔く きよくやわく』。ブルーレイ&DVDの発売に際し、主演の長澤まさみといくえみ綾によるオーディオコメンタリーが特典として加わることに。その収録の現場に潜入!原作の漫画はいくえみさんの作品の中でも最長の全13巻におよぶ連作集だが、映画で描かれるのは数あるエピソードの中から特にファンの間でも人気の高いカンナと禄の物語。大切な人を失った心の傷を抱えるカンナと禄が出会い 、それぞれに過去と向き合い再生していくさまを描き出す。ブルーレイ&DVDの発売に際し、特典としてメイキングの映像などと一緒にオーディオコメンタリーが付いてくるのは当たり前となっているが、監督やプロデューサーなどスタッフによるものが多く、主演女優と原作者が映画公開後のタイミングで集まるというのは非常に稀な機会といえる。この日はさらに、企画段階から映画化を主導し、撮影に関しても裏の裏まで知る畠山直人プロデューサーも加わり、強力な3頭体制で126分の本編を頭からじっくりと鑑賞しながら撮影の思い出や魅力についてじっくりと語り合った。長澤さんといくえみさんは、映画の撮影時にいくえみさんが現場を訪れ、映画公開時にも一緒に取材を受けるなどしている。この日は久々の再会となったが、顔を合わせた瞬間、長澤さんは満面の笑みを浮かべスタジオは和やかなムードに。いくえみさんにとっては、コメンタリー収録は初めての経験だったが、長澤さんと打ち解けた様子で語り合うことで緊張もほぐれた様子。作品を通じて、ヒロインと原作者の間で強く結ばれた信頼関係を感じさせた。収録では3人の口からはざっくばらんに様々な“秘話”が飛び出す。長澤さんは、カンナ役のオファーが届いたときの気持ちについて、プレッシャーを感じたという本音を吐露。いくえみ作品初の映像化とあって、周囲にも映画出演を熱望する俳優も大勢いたそうで「悩みましたが、そんな中でせっかくいただいたお話だったので」と出演を決意したことを明かした。畠山プロデューサーは、ロケ撮影の様々なエピソードを明かしたが、特に禄とカンナのデートのシーンについて、わずか数カットのために神戸での撮影を行なったことに触れ「ロケ場所への新城毅彦監督の執念ですね」と述懐。そのかいあって、いくえみさんは本作について「映像が本当にキレイ」と語り、長澤さんは広島、愛媛、神戸に、関東各地を巡った撮影を「移動が長くて楽しかったです」と笑顔でふり返った。ちなみに、いくえみさんが見学に訪れたのは、カンナと禄の行きつけのバーのシーン。このバーは原作にも幾度も登場する場所で名物のマスター(※映画では田山涼成が原作そのままのムードで好演!)がいるが、いくえみさんは「セットもすごかったです!」と撮影現場を目の当たりにしての感動を語った。現代を生きる大人のカンナと禄の物語を中心に描く本作において、カンナの幼なじみであるハルタ(高良健吾)は決して登場シーンは多くはないが、強烈な存在感を放っており、コメンタリーでもたびたび話題に。長澤さんは自分の出演シーンではなく、ハルタのガソリンスタンドでのシーンを最も心に響いたシーンに挙げるほど。一方で「もしもハルタが生きていたら、カンナとの関係は?」という点について、長澤さんは「(カンナはハルタとは)進んで付き合わなかったと思うし、付き合っても(何か)違うと思う」と考察し、いくえみさんも「私もそう思います」と同意する。ちなみにカンナにとって運命の相手となる禄は、原作では高校時代のエピソードで初めて登場するが、いくえみさんは、この初登場の時点でいずれカンナと運命を交錯させることを決めていたそうで「禄はカンナを幸せにするために作ったんです」と創作の秘話を明かしてくれた。改めて、長大な原作漫画の2時間の映画化について、いくえみさんは「どの部分をとるのかな?と思ってたんですが、最初はもっとシンプルだったのが、直していく中で(カンナと禄の)過去も入れてもらえてよかったです」と語る。畠山プロデューサーは約2時間に収めなくてはいけない中で「入れたいところはいっぱいありましたよ…(苦笑)」と苦渋の決断を語るが、長澤さんは「ドラマにしないと(全てを描くことは)出来ないけど、そうなったらいいなって思いました」と語るなど、本作への強い想い、愛着を感じさせた。約2時間の収録を語り合いながらの鑑賞を楽しんだ様子の、長澤さんといくえみさん。いくえみさんは「DVDのコメンタリーを見るのは以前から好きで興味があったんです(笑)。映画もまたじっくり見られてよかったです」とニッコリ。長澤さんは「ついついどうでもいいことを話し始めてしまいますね(笑)」と言いつつも充実した表情を浮かべていた。『潔く柔く きよくやわく』ブルーレイ&DVDは5月21日(水)リリース。(text:cinemacafe.net)■関連作品:潔く柔くきよくやわく 2013年10月26日より全国東宝系にて公開(C) 2013「潔く柔く」製作委員会(C) いくえみ綾/集英社
2014年05月01日異なる道を歩んできた2人がここで運命的に交錯した。そんな印象を受ける。公開中の『武士の献立』で夫婦役を演じた上戸彩と高良健吾。互いの印象からそれぞれの歩みについてまで語り合った。その他の写真高良は上戸を当初「うわぁ“上戸彩”だ!」という視線で見ていたという。彼らしい素直な言葉に上戸は「ええ、上戸彩ですが(笑)」とおかしそうにうなずく。当然、共に過ごす中で印象は変化していく。高良は続ける。「撮影中は互いを役として見ている部分が強いんです。だから終わってからようやく、ひとりの人間として上戸さんを見られる。改めて接してみると不思議な方です。佇まいやその場にいる感じが…そういうタイプに見えないけど、実はすごく不思議なひとなんです(笑)」。上戸は高良から感じる“変化”をこう語る。「撮影の時はいま以上に殻のようなものがあって、それが劇中の2人の関係にとってすごくよかったと思います。高良くんにとっては『横道世之介』のすぐ後で、まだその空気をまとっているような気がしました。『世之介』について『素の自分に一番近い役』と言っているのを見ましたが、私自身はいま高良くんと接していて、そうは感じないんです。あのとき、高良くんが世之介という役と一体化していて、そう感じたんじゃないかと思うんです。常に役に影響されながら変わっていく人なのかなと」。上戸にとっては『あずみ2 Death or Love』以来の主演映画。映画に臨むということは、彼女にとってはある種の覚悟を要した。「今までドラマ中心でお仕事させていただく機会が多かった中で、正直、無理に映画に挑戦する必要がないのではないかって。映画は足を運んで見てもらうもの。そこまでしてお客さんが自分の映画を見に来るのか?と考えると『やめよう』と逃げてました。この『武士の献立』は、それでもやりたいと思い、春役を誰にも渡したくない!と思えた作品で台本に向き合い、役に集中できてすごく幸せな時間でした。いまは、興行収入とかランキングを気にし過ぎずやりたい役に挑戦していこうと思えるようになりました」。一方、高良はここまで映画を中心にキャリアを積んできた。歩んできた道の違いからか、2人の視点は交錯しつつも、決して同じ方向を向いているわけではないのも興味深い。「僕は逆に、以前は『分かる人に分かればいい』というワガママな意識でやってましたが、いまは出来るだけ多くの人に届けたいという気持ちが強くなったし、興行収入も若干、気にします(笑)。上戸さんを見ていて、僕のようにある意味ワガママに好きな事だけやって来た人間とは違うメンタリティの強さ、爆発力というのを感じてます」。その2人の道がいま、時代劇で交わったのは幸運にも思える。高良が最後にポツリと漏らす。「次はね、現代劇で一緒にやりたいねって話してるんです」。『武士の献立』公開中※取材・文・写真:黒豆直樹
2013年12月19日「高良くん、撮影の頃と比べて変わったよね?不器用さが減ったような…何かあった(笑)?」。「ないない!喋るときは喋るし…割とこんな感じですよ(笑)」。上戸彩と高良健吾のリラックスした笑い声が響きわたる。意外に…と言うのも変だが、この2人、傍から見ていても非常に相性が良さそうだ。一見、タイプの違う2人に見えるが、だからこそ気が合うのか?それとも実は似た者同士なのか?2人が時代劇で夫婦役を演じた『武士の献立』がまもなく公開となる。時にぶつかり合いながら互いを求め、絆を深めていく夫婦をどのように作り上げていったのか?映画では、“包丁侍”と呼ばれる藩の料理方を任された武士たちの存在を軸に、当時の武士の家庭や饗応料理、そして夫婦や家族の愛などが温かさを伴って描き出されるが、加えて、現代にも通じる視点として描かれるのが、仕事や自らの務めに対する向き合う姿勢である。春(上戸さん)は、安信(高良さん)の父(西田敏行)に請われ、長年仕えた藩主の側室・お貞の方(夏川結衣)にも背中を押され、江戸から加賀へと嫁ぐ。「お貞の方に『行きなさい』と言われて、それだけで頑張れちゃうのが春という女性」(上戸さん)という言葉通り、彼女は与えられ、求められた場所で自分がそこにいる意味や務めを見出していく強い女性である。一方で、安信は意に沿わない包丁侍の仕事に全くやる気を見いだせないでいたが、春からの叱咤や刺激を受け、徐々に仕事のやりがいに目覚めていく。上戸さん、高良さん共に特にここ数年、精力的な仕事ぶりが目立つが、ここまでのキャリアを積み重ねるまでに、劇中の安信のように仕事に対する向き合い方で大きな影響を受けたり、意識が変化をした部分は?そう尋ねると、高良さんは「僕が本当に変わったのは…朝ドラ(『おひさま』)をやった頃かな…?」と明かし、「わりと最近じゃん!」と上戸さんを驚かせる。「若い頃からいつも『いつ俳優の仕事辞めてもいい』と言ってたし、『ほかに面白いことがあればそっちに行く』と思ってたんです。正直、人前で何かするのが怖かったし、この世界に入って、やってみたら手は震えるし、目はかすむし、いつも『早く舞台裏に行きたい』という気持ちでした。取材も『自分が喋ったところで…』という意識でした」。そうした意識が変わるきっかけとなったのが、井上真央演じる主人公の夫を演じた「おひさま」(’11)とその撮影中に起きた東日本大震災だったという。「イメージで自分が話されることもすごく嫌で、普通にできるはずなのにできない自分もすごく嫌だった。そんな中でクランクインの日に震災があったんです。それから少し空いて、また再開されたんですが、現場に手紙が届くんです。『このドラマが楽しみです』と。ドラマの中で結婚式を挙げたら、お祝いの電報も届いたりして。それまで僕らの仕事はいつもカメラの前で終わるもので、それを見てくれる人がいてそれでOKという気持ちだったんです。僕らがやれるのはカメラの前の芝居。けれど、それは外にも向かっていて、それに人が勇気づけられたり幸せになったりする。それがすごく嬉しくて…。伝えるってことを止めちゃダメなんだと思うようになってから仕事が楽しくなりましたね」。10代の頃から活躍してきた上戸さんも、当初は「“女優”という肩書で書かれるのが実はすごく嫌でたまらなかった」と意外な告白を漏らす。「女優として役を演じてる中で『上戸彩さん、好きです』と言われても、『本当の自分を知らないのに、役やTVに出ているキャラクターとして好きと言われても…』という気持ちだったんです。“女優”と言われることで、嘘をついてファンを増やしているような気がして、だから取材も好きじゃなかったです。でも『3年B組金八先生』で性同一性障害を抱える役をやったとき、『これから堂々と生きていけます』とか『命を救ってもらった』という手紙を何通もいただいて…。他人の人生を変えるくらいの役と出合ったことで『女優という仕事は悪くないんだ』と思えたし、人生を動かすような作品と出合いたいって思えるようになりましたね」。「本当に影響を与えてしまえるんですよね」。上戸さんの言葉に高良さんが頷く。「僕らは決して夢や希望を与えたいと思っているわけじゃない。でも、結果的に与える立場にいる。だからこそ、役や仕事で嘘をつきたくないです。いや、お芝居はもちろん嘘ですけど、いい嘘、ちゃんとした嘘をつきたい。それは上手い下手とかじゃなくて」――己に言い聞かせるように言葉に力を込める。春は、この時代の女性にしては夫に対しズケズケと物を言う一方で、決して「自分が!」という意識が強いわけではなく、夫を立てるべきところではきっちり立てる、相手の気持ちを察して身を引くという奥ゆかしさを持った女性。「意外にも」という表現ばかりで恐縮だが…上戸さん自身、現代の若い女性から見たら古風とも思える春の姿に共感を感じているという。「“出るところは出て、引くところは引く”というあのバランスは憧れますね。引くというのが現代の女性にはなかなか難しいところですよね。言いたいことを言って思い通りに行かないとバーンって…『どっちか選んで!私なの?成海璃子さんなの?』って(笑)。だから春のような昔の女性の思慮深さってすごく大事だと思うし、女性に生まれたからにはそういうところは大事にしたいです」。冒頭の2人のやりとりは、互いの印象についての会話から出てきたもの。上戸さんについて高良さんは「実は、現場での印象ってあまりないんです。そこでは役として見ちゃうので。むしろ、その人への興味や凄さを感じるのは撮影が終わってからなのかも」と語る。撮影後から公開まで、プロモーションを通じて改めて、現場とは違う“上戸彩”と顔を合わせてきた。「それはあります。恥ずかしいから言いませんが(笑)。(TVや雑誌で)見ない日はないってくらい活躍されていて、そこで揉まれて生き抜いてきて、いまここにいる。その経験値は計り知れない。他人が『こうだ』って言えるものじゃないです」。さて、上戸さんはしきりに高良さんが撮影時と比べて「変わった」と言うが…。「高良くんはものすごく真面目で誠実で真摯で…不器用なところもあるんです。心で感じたことを言葉にするのが苦手だったり、相手の言葉を受け止めて飲み込むのに時間がかかったり。『この人は本当は何を言おうとしてるのか?』というのを真面目に探ってくれるからこそ、答えが出てくるのが遅くなったりする。でも、その不器用さが減ってる気がします。インタビューでもサラサラ答えが出てくるし、会話のテンポも速いし。この半年で10年分くらい年取った(笑)?やっぱりお互いに役じゃないから、フラットな気持ちで話せてるのかな?」。先ほど語った仕事への姿勢という点で、高良さんは安信について「包丁侍は望んだ仕事ではないかもしれないし、春との結婚もそう。でも、そこで自分の居場所を見つけようと向き合った。自分のしたいことが全部できるわけじゃないけど、そこで何をすべきか考えるということ」と自らと重ね合わせながら語る。一方で、自分が心からやりたいことに対しても貪欲な姿勢を見せる。「今回の時代劇もそう。時代劇、刑事役、政治家役をやりたいとずっと思っていたんですが、時代劇が実現して、刑事役も叶いました。次は政治家の役をやるんです。やはり、“言霊”ってあるんだなと感じてます」。時代劇に関しては初めて本格的にやってみて「もっと!」という気持ちを強くした。「ちょんまげと和装は自分でも似合ってるなと思いました(笑)。次はもっともっとうまくできるとも思うし、やり続けたいです。演じてみたい歴史上の人物?います。でもそれはここでは言いません(笑)」。若い2人の前に本作を通じてまた新たな門が開いたようだ。(photo / text:Naoki Kurozu)■関連作品:武士の献立 2013年12月14日より全国にて公開(C) 2013「武士の献立」製作委員会
2013年12月13日北川景子×深田恭子共演の『ルームメイト』が11月9日(土)に公開を迎え、北川さん、深田さんに共演の高良健吾、古澤健監督による舞台挨拶が都内劇場で行われた。偶然の出会いから意気投合し、ルームシェアをすることになった女性2人。だが、共に暮らす内に恐るべき内面が露わになり…。2人が辿る奇妙な運命を描いたミステリー・ホラー。2人揃って黒いワンピースで登場した北川さんと深田さんは、映画を観終わったばかりの満員の客席からの拍手にホッとした様子。北川さんが劇中、返り血を浴びる凄まじいシーンもあるが、本人は「楽しかったです!」と笑顔で述懐。「今回は暴れてやろうって思ったので。普段は崩さないようにする部分を気にせず、体当たりで服が破れても泥んこになってもいいという気持ちで新鮮で楽しかった。『血糊、もっとかけちゃって!』という感じでした(笑)」と明かす。深田さんは“女のバトル”について「そういう言われ方するんですが、実際には私ばかり、景子ちゃんに平手打ちをしたり蹴ったり、杖で突いたりで、カットがかかるたびに心配だったんですが、景子ちゃんは『全然大丈夫!思い切りやって』と言ってくれて助けられました」と申し訳なさそうにふり返る。そんな2人の様子について高良さんは「撮影の合間に仲良く喋っていたかと思ったら、急にバチバチとなって、撮影が終わったらまた『大丈夫?』という感じで怖いな…と思いました(笑)」と意外なポイントで女の怖さを思い知らされたよう?最後は“恐怖”をイメージして作られたというオリジナルのカクテル「ルームメイト」で、高良さんの音頭により「北川さんと深田さんの美しさに!そして映画の初日を祝って、一人でも多くの人に映画を観ていただけるように祈って」と乾杯が行われ、温かい祝福ムードの中で舞台挨拶は幕を閉じた。『ルームメイト』は全国にて公開中。(黒豆直樹(cinema名義))■関連作品:ルームメイト 2013年11月9日より全国にて公開(C) 2013「ルームメイト」製作委員会
2013年11月09日上戸彩と高良健吾を主演に迎えて贈る『武士の献立』の完成披露記者会見が10月28日(月)、ロケ地である石川・金沢市内にて行われた。加賀の食材や美味しい献立がスクリーンいっぱいに広がる本作の魅力について、キャストの上戸さん、高良さん、朝原雄三監督が撮影エピソードを語った。江戸時代、加賀藩。優れた舌と料理の腕を持つが、気の強いお春(上戸さん)は、藩の料理方である舟木伝内(西田敏行)にその才能を買われ、藩に代々料理人として仕える舟木家に嫁ぐことに。しかし、夫となる跡取り、安信(高良さん)は不器用で料理が大の苦手。お春は、義母・満(余貴美子)の力も借りながら、必死に“包丁侍”である夫の料理指南を始める。次第に上達していく安信に、喜ぶお春だったが――。本作でたびたび食事の下ごしらえをするシーンを披露している上戸さんは、「“食”がテーマになった映画で、撮影のクランクイン前には包丁を自宅に持って帰りました。いまとは包丁の形や重さも違います。その包丁で料理を作って練習をしたりしました」と撮影秘話を明かす。また「食は人と人との距離をぐっと縮めるものだと思います。石川県の景色と共に、石川県の食材や料理を堪能して頂きたいと思います」と本作をアピール。高良さんも、本作で石川県の魅力を存分に味わうことができたようで、「石川県に来たのは4回目です。僕は、石川県の空気が好きで、澄んで奇麗な空気だと感じています。そんな石川県の空気がフィルムに焼き付いていると思います」と語った。朝原監督は「この映画で描かれている江戸時代では、職業や結婚の自由も無い中で、好きで一緒になった訳では無い人と暮らしたり、好きでやっている仕事では無い物に対して向き合って生活しています。現代は選択肢が増えてしまったために失われたものがあり、そういう生き方から学ぶことがあるんじゃないかと思います。加賀藩には、そういった歴史や生き方が残っていたのだと思います。だからこの映画が成立したんだと思います」と語り、本作の中で描かれる石川県に残される伝統に感服の様子だった。次第に心を通わせながら成長し、さまざまな難局を乗り越えていく上戸さんと高良さんの“夫婦”。劇中に登場する石川県の魅力、美しい加賀料理を彩る食材の数々にも注目してみて。『武士の献立』 は12月14日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:武士の献立 2013年12月14日より全国にて公開(C) 2013「武士の献立」製作委員会
2013年10月29日いくえみ綾のベストセラーコミックの映画化『潔く柔く きよくやわく』の初日舞台あいさつが26日、TOHOシネマズ渋谷で開催され、長澤まさみ、岡田将生、高良健吾、波瑠、中村蒼、新城毅彦監督が登壇した。『潔く柔く きよくやわく』は、大切な人を失った喪失感から立ち直ろうとする男女が、愛を育んでいく切ないラブストーリー。『僕の初恋をキミに捧ぐ』(2009年)や『パラダイス・キス』(2011年)の新城毅彦がメガホンを取った。原作コミックの大ファンだった長澤は「まさか自分がカンナ(主人公)を演じるとは思っていなかったです。不安もあったけど、キャストさん、スタッフさん、監督と一生懸命、作品に向き合って、素敵な映画を作ることができたんじゃないかなと」と、自信を持ってアピールした。劇中で、高良扮する春田のつれない態度に胸キュンだったと語った長澤は「女子ならわかってくれると思います。いくえみさんが描かれる"いくえみ男子"は、女の子の思い通りにいかないところがいいんです」とコメント。岡田は学生時代の胸キュンの思い出について「突然キスをされるとキュンときます」と言うと、MCから「そんな経験、あるんですか?」とツッコミを入れられ「どうでしょうね。あるのかな?」と、赤面状態。長澤が「劇中のシーンを絡めたんですよ。憧れですよね?」とフォローすると、岡田は「そう、憧れ!」と汗をかきながら苦笑い。10月31日(木)がハロウィンということで、それぞれに「どんな仮装をしたいか?」という質問が投げられた。波瑠は「メイクですごい顔にしてみたい」、中村は「バットマンになりたい」、高良は「人間じゃないものがいい。怪獣とか、目玉親父とか」、長澤は「アイアンマンになっていたずらをしたい」とコメント。「ジョジョの奇妙な冒険」の大ファンだという岡田は「ジョジョです。体を鍛えてムキムキ、パキパキにして、渋谷を歩きたい」と語った。長澤が「数か月間、鍛え上げなきゃ。長いスパンがかかりますね」と笑いながらツッこむと、岡田は「大ヒット舞台挨拶があったら、ジョジョの格好で出てきます」と公言。客席から「おお!」とどよめきが上がると、岡田は大慌て「ウソウソ!ごめんなさい」と撤回。岡田はこの後、「失言が多くてすみませんでした」と謝罪し、会場は爆笑の渦となった。
2013年10月27日第26回東京国際映画祭の特別招待作品『武士の献立』が23日に上映され、東京・六本木ヒルズアリーナで記念セレモニーが開催された。二人三脚の夫婦を演じる上戸彩と高良健吾がそろって出席し「食べることが好きで、のめり込んだ。男性を引っ張る女性に惹かれ、演じたいと心の底から思った」(上戸)、「相手を思う気持ちは昔も今も変わらない。時代劇ですが、現代劇らしさも出している」(高良)とアピールしていた。その他の写真本作は伝統ある“加賀料理”の基礎を築いた舟木家をモデルに、加賀百万石と称された江戸時代の加賀藩を舞台に、料理の腕で殿様に仕えた包丁侍一家に嫁ぐ女性・お春(上戸)と夫の舟木安信(高良)、周囲の人々の交流を描く。上戸にとっては『あずみ2/Death or Love』(2005)以来8年ぶりの映画主演。「映画はとても大きいお仕事なので、自分で怖いものだと感じてしまい、なかなか足を踏み出せなかった。気付いたらこんなに(時間が)経っていました」と“主演”に対する葛藤をコメント。一方、高良は第19回東京国際映画祭「日本映画ある視点部門」に出品された『M』(2006)が特別賞を受賞した“縁”があり「役者として初めていただいた賞だった」と感慨しきりだった。セレモニーにはメガホンを執った朝原雄三監督(『釣りバカ日誌』シリーズ)が同席し、「時代劇は初めての経験だったので、撮影は優秀な京都のスタッフに任せ、自分としては現代劇だと思ってやりました。間口を広くしようという思いもあった」と語り、上戸も「監督はいい意味で、時代劇のルールやお作法を現場で壊していかれた。そこがコミカルだったり、ぷっと笑えるシーンになっていたり、すごいなあと思った」と撮影を振り返った。『武士の献立』12月14日(土) 全国ロードショー
2013年10月24日上戸彩と高良健吾を主演に迎えて贈る、異“食”の時代劇『武士の献立』。現在、“美食の街”スペインのサン・セバスチャンにて開催中の第61回サン・セバスチャン国際映画祭にて9月25日(現地時間)、本作が「料理部門」で上映されることに合せて、上戸さんと朝原雄三監督が現地入りを果たし舞台挨拶を行った。江戸時代、加賀藩。優れた舌と料理の腕を持つが、気の強いお春(上戸彩)は、藩の料理方である舟木伝内(西田敏行)にその才能を買われ、藩に代々料理人として仕える舟木家に嫁ぐことに。しかし、夫となる跡取り、安信(高良健吾)は不器用で料理が大の苦手。お春は、義母・満(余貴美子)の力も借りながら、必死に“包丁侍”である夫の料理指南を始める。次第に上達していく安信に、喜ぶお春だったが…。舞台に立った上戸さんは、「カイショ・ドノスティア、ブエナス・タルデス。ソイ、アヤ・ウエト(こんにちは、ドノスティアのみなさん)。エストイムイ フェリス デ エスタル エン サン セバスチャン(サン・セバスチャンに来れて嬉しいです)。エスケリカスコ(ありがとう)。“美食の街”と言われるサン・セバスチャンで初のお披露目とのこと、大変光栄に思います」とスペイン語で挨拶。朝原監督は、「本作を撮っていたときには、海外のお客様がご覧になることをまったく想像していませんでしたので、ちょっと分かりにくい部分もあったかな、と改めてみなさまと一緒に映画を観てそう思いました」と日本の作品ながら“お・も・て・な・し”の心に欠けていたと反省?さらにその後の公式ディナーでは、ゴルカ・チャパルテギ(サン・セバスチャンの星を持つRestaurant ALAMEDAシェフ)、高木慎一朗(たかぎ・しんいちろう/金沢・銭屋:料理人)による本作にオマージュを捧げた特別ディナーも振る舞われた。朝原監督と上戸さんは、ロビーでおよそ100人を出迎え、日本ならではの“お・も・て・な・し”としてお土産にお箸を配っていた。このディナーも含め、上戸さんに“美食の街”の感想を聞いてみると、「治部煮がおいしかった!」「ゴルカさんの角煮も美味しくて…」「ピンチョスも美味しかった!」と大満足の様子で笑顔を浮かべていた。『武士の献立』は12月14日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:武士の献立 2013年12月14日より全国にて公開(C) 2013「武士の献立」製作委員会
2013年09月26日いくえみ綾の人気漫画を実写化した『潔く柔く きよくやわく』の完成披露試写会が9月18日(水)に都内で開催され、主演の長澤まさみ、岡田将生、波瑠、高良健吾、中村蒼、新城毅彦監督が舞台挨拶に登壇した。若い女性を中心に高い支持を集めるいくえみ作品の初の映画化であり、全13巻からなる連作ラブストーリーの中から特に人気の高いカンナと禄のエピソードを実写化。15歳のときの幼なじみを亡くしたことで恋愛ができなくなったカンナ(長澤まさみ)と、同じく心に傷を抱える禄(岡田将生)の2人が自らに向き合い、互いを支えに再生していく姿を描く。長澤さんは元々「原作漫画の大ファン」だったそうで、「まさか自分がカンナを演じることになるとは…。プレッシャーもありましたが、役者さんやスタッフさんのおかげで最後までやりきることができました」と満面の笑みを浮かべる。この日、登壇した5人は全員、高校時代も演じており、長澤さん、高良さんは幼なじみの関係、波瑠さんと中村さんは2人と仲良しの高校の友人で15歳の頃を演じている。現在26歳の長澤さんは10歳以上も若い頃を演じたことになるが、「高良くんが現場で『大丈夫っしょ!』と言ってくれたのが自信に変わって、楽しんで演じた」と違和感なく演じられたよう。同い年の高良さんも「15歳の頃と全然変わってないところもあるし、見た目もそんなに変わってないので全然大丈夫!あの頃に戻れた気がしました」と感慨深げにふり返る。波瑠さんも「高校時代のメンバーの雰囲気がすごく楽しかったので、年齢を気にせずにいられました」、中村さんも「制服を着たら高校時代に戻ったような気持ちになって、自然に楽しめました」と笑顔で述懐した。一方、4人とは別の高校で学生生活を送った禄を演じた岡田さん。4人がブレザーだったのに対し、岡田さんは「原作に忠実に」(新城監督)、学ラン姿を披露している。岡田さんは「久々に学ランを着させてもらったんですが、監督に『クスッ』って笑われました…。『自信ないです』と言ってたのに、それでも笑うという監督の心情が分からない。正直、どうかと思いました」と監督の振る舞いに怒り心頭の様子。これには新城監督も慌てて、「意外によく似合うのでおかしくなったんです」と釈明し、会場は笑いに包まれた。『潔く柔く きよくやわく』は10月26日(土)より全国東宝系にて公開。(黒豆直樹(cinema名義))■関連作品:潔く柔く 2013年秋、全国東宝系にて公開
2013年09月18日桜庭一樹による直木賞受賞作を原作に、浅野忠信と二階堂ふみのW主演で贈る、熊切和嘉監督の最新作『私の男』。このほど、本作のキャストに高良健吾が加わることが明らかとなり、これに併せて、高良さんから特別コメントが到着した。北海道・紋別を舞台に、孤児となった少女・花(二階堂さん)と、彼女を引き取ることになった遠縁の男・腐野淳悟(浅野さん)の禁断の愛を描き出す本作。今回発表された高良健吾は、東京に移り住んだ淳悟と花と出会い2人に翻弄される尾崎美郎役を演じ、物語の中盤に華を添える役どころ。今回のオファーを受けて、「熊切監督と初めてお会いしたのは『M』(’07)で、ロッテルダム国際映画祭に行った18歳のときでした。もともと監督の作品のファンだったので、今回『私の男』の現場に呼んでいただいて本当に嬉しいです。撮影中に監督から『いいっすね!』と言われると、“熊切組で芝居しているんだ”と実感が沸いてきました」と喜びを語っている。高良さん同様に熊切組への参加を「運命の役だと思いました。監督は運命の人です」と歓喜する二階堂さん。そんな彼女との共演を経て、高良さんは「覚悟を持って芝居をしているのが伝わってきたので、一緒に演じられて楽しかったです」と役者として共感する部分があったのだとか。彼らのほかにも、作品のキーパーソンである淳悟と花の親戚・大塩に扮する名優・藤竜也を始め、三浦誠己、安藤玉恵、三浦貴大ら個性派が顔を揃える本作。すでに先日、“春編”の撮影を無事終え一段落ついたところだが、浅野さんの「最後まで諦めず粘り強く追求して行きたいと思います」という言葉の通り、撮影はまだまだこれからのようだ。果たして、高良さんがこの豪華なキャストたちにどう絡んでいくのか?期待して続報を待ちたい。『私の男』は今年中の完成を目指し、2014年の公開を予定している。(text:cinemacafe.net)■関連作品:私の男 2014年、全国にて公開
2013年05月23日よく笑う。『横道世之介』で演じた世之介と祥子がそのまま現れたかのように、高良健吾も吉高由里子も、撮影現場の思い出を語るその表情はただただ笑顔。1987年、東京の大学に入学した九州・長崎出身の横道世之介の1年を追っていく物語は優しさと懐かしさと、圧倒的な幸福感に満ちている。高良さんと吉高さんが初めて会ったのは5年前、『蛇にピアス』で共演したときのこと。ちょうど世之介と祥子と同じ年頃だった2人だが、ヘヴィな内容の作品ということもあり、ハッピーそのものの世之介たちとはまるで違う心境だったという。「新人だった当時からその後の5年間、いろんな作品で見てました。やっぱり1回ガッツリ、しかもなかなか濃い現場を共にしてる分、気になりはしてましたね」と高良さんが吉高さんについて語ると、吉高さんも「当時はゼロからスタートした気持ちでいたから、本当に自分で調節の利かない期間を見届けたっていうか。すごい密度がある時期だったので、甘えちゃいそうなくらい寄りかかれるような、すごい信頼してる関係はずっと前からありました」と言い、「今回も、頼もしい主演の人でよかった」と笑顔になる。その信頼が、底抜けに前向きで人懐っこい世之介と浮世離れしたお嬢様育ちの祥子の、ちょっとズレたやりとりをこのうえなく愛らしく、しかもリアルに見せる芝居を生む。撮影しているその場で起きたことにその都度、反応し合いながら、シーンを作っていった。「何かしらハプニングが起きるから、そこにいる2人として対応していることをアドリブと言われるのだとしたら、全シーンにあると思うんです」(吉高さん)「壁にかけていた帽子が落ちてきたり」、「プールのシーンでは、暑くてゴーグルが曇って何も見えなくなったり」と2人して次々と例を挙げて、また楽しそうに笑う。初めて呼び捨てでお互いの名前を呼び合うシーンでは、「“ベルばら”風に呼んできたんですよね、吉高さんが。『世之介!』って。脚本にはそんなこと風には書いてないから(笑)」(高良さん)「雪のシーンは全部アフレコだったんですけど、あのキャッキャはしゃいでるテンションをスタジオで後からやるのって…」と吉高さんが言うと、思い出し笑いをしながら「恥ずかしかったね」と高良さん。「私なんて『チュッ!』っていう音まで言わされたんだからね」と吉高さんは一瞬、拗ねた表情を作って見せると、笑い出す。「普通にできたらいいなと思っています。面白おかしくじゃなく。どのシーンも、セリフの掛け合いでもっとコメディっぽくもできる。でも、それは違うなと思ったんです。世之介が経験することは普通の出来事だから、コミカルにする必要はないですし、沖田監督だから、そうしなくて良かった」と、『南極料理人』や『キツツキと雨』で組んできた沖田修一監督についても語る高良さん。「普通にやるということは、すごい意識してました」。5年ぶりの共演について「知らない高良さんもいっぱい見ましたし、懐かしい部分もあったり。根本的なものは変わってないけど、その核が変わらないままちゃんと変化していたから、嬉しいような寂しいような(笑)」と語る吉高さん。「前はそんなに喋らない人だったのに、いまは積極的に自分からスタッフさんに話しかけたり。すごく楽しそうなのが嬉しかった。5年間でこうやって成長して前進しているのをちゃんと目の前で見せてくれたというか」。高良さんは「吉高さんは、すごく動物っぽい人だと思うんです」と言う。「一緒に演じていて楽しいし、吉高さんにしかできないことをするんです。段取りっぽくなってしまわず、上手下手でもなく、その人にしかできないことでやり合えるのは、すごい楽しい時間です」。撮影前から高良さんは世之介について「自分にとても近い」と話していた。「どの役も自分に似たような部分もあるけど、世之介は特に近いなあって思うんです。どの役でも自分の人生経験の中からやってるので、自分に近いか遠いかで、やりにくさはないかもしれない。セリフも、なんか自分が言いそうなことだし。やってて楽しかったです」。一方、吉高さんは「(祥子に)近い部分もあったりするんですかね?」と考え込む。「自分がどう映って、どう見られてるのかも分からないですし。でも、周りから『急だね!』ってよく言われる点はちょっと近いものがあるかも」。映画では1987年、その16年後という2つの時代を演じている吉高さん。海外から久々に帰国し、懐かしい東京の街で世之介との思い出を噛みしめるシーンの表情が印象的だ。「あのとき、もう高良さんの撮影はアップしてたのかな。本当に懐かしむ気持ちでやってました。実際に自分たちが歩いてた道をちゃんともう一度通って撮影してくれたし。世之介が本当に嬉しそうに笑う顔を想像したら、たまに泣きそうになるときがあって」と語る表情がとても優しい。「この現場って、ノンストレスで最初から最後までずっといたんです。ああ、こんな柔らかい時間が終わっちゃうのかと思うと、何か流れ出たような気がします。自分の中から」。すごく特別な、一生に一度とも言えるほど稀有な繋がりなのに、16年後にその関係は思い出になっている。「世之介の生きてきた中に、大学生活で会った祥子ちゃんがいて。それだけっていう気もするんです」と高良さん。「いろんなタイミングが “合ってる”ことも奇跡なんだけど。だから、すごい特別なんだとも思います、出会うということ自体が」(高良さん)「春先に吹くぬるい風って、あるじゃないですか。ああいうイメージ」と吉高さん。「人が座った後の椅子の生温かさみたいな、世之介って、そういう感覚で思い返す人だなって。変なのかもしれないけど、私は変って思ってないから(笑)」(吉高さん)。心の中に居続けて、ふとした瞬間にふわりと思い出して笑顔になる。そんな無垢で優しい時間を演じるにふさわしい、あるがままに物事を受け容れて己の感覚をさらに豊かにしている、自由な2人だ。(photo:Yoshio Kumagai / text:Yuki Tominaga)■関連作品:横道世之介 2013年2月23日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2013「横道世之介」製作委員会
2013年02月21日「パレード」や「悪人」など著作が次々と映画化されている吉田修一の同名小説を、高良健吾&吉高由里子をメインキャスト迎え、『キツツキと雨』の沖田修一監督が実写映画化した『横道世之介』。高良さん演じる世之介の同級生で、女性に興味を持てない加藤雄介を若手人気俳優の綾野剛が演じることでも話題を集めているが、どうやら本作には高良さん演じる世之介と綾野さん演じる加藤の胸キュン友情ポイントがたくさん詰まっているようだ。2012年は6本もの映画に出演した綾野さん。今年もその勢いは衰えることなく、さらなる活躍を見せている。主演作となる『シャニダールの花』を始め、『夏の終り』、『ガッチャマン』などの映画出演のほか、TVではNHK大河ドラマ「八重の桜」や「最高の離婚」など出演作は目白押しだ。そんな綾野さんが本作で演じる加藤は、お人よしで人懐っこく純粋な世之介とは対照的に、女性を好きになれない繊細な男子。2人の美男子の友情ぶりは女子たちの胸キュンポイントはもちろん高い!今回はその中から厳選の胸キュンエピソードをご紹介したい。初対面にも関わらず、お構いなしに世之介から意中の女性の話を延々と聞かされたり、自宅にクーラーのない世之介がたびたび加藤の部屋に入りびたったりと、ずけずけと加藤の心に侵入していく世之介。加藤はそんな世之介を迷惑がっているのかと思いきや、「最近、本気でお前のためにクーラーを買ってやろうかって考えてる自分が怖いよ…」とついつい世之介を甘やかせているあたりは、何とも微笑ましく、戸惑いながらも世之介の憎めないキャラクターをきちんと受け入れているようだ。また、そんな世之介にも仰天エピソードが。「オレさ、男の方がいいんだよ」という意を決した加藤のカミングアウトに、「あ、そうなの?」と全く動じることなく受け入れる世之介。しかし、このチグハグのようでぴったり息の合った絶妙な関係を保っているからこそ、2人の絆は固いのかもしれない。天然ながらも相手を受け入れる世之介と、繊細ながら実は世之介の人柄に救われる加藤。2人の友情に、女子は思わず胸キュン&ほっこりしてしまうはず。『横道世之介』は2月23日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:横道世之介 2013年2月23日より新宿ピカデリーほか全国にて公開(C) 2013「横道世之介」製作委員会
2013年02月12日堺雅人を主演に迎え大ヒットを記録した、そろばん侍を描いた『武士の家計簿』。同作を手がけた松竹が今度は上戸彩を主演に迎え、包丁侍を支える妻を描く『武士の献立』の製作がこのたび決定した。さらに、高良健吾、西田敏行、余喜美子ら豪華俳優陣の出演が明らかになった。江戸時代、加賀藩。優れた舌と料理の腕を持つが気の強い女性・お春(上戸彩)は、藩の料理方である舟木伝内(西田敏行)にその才能を買われて、加賀藩に代々料理人として仕える舟木家に嫁いできた。しかし、夫となるその家の跡取り、舟木安信(高良健吾)は、料理がからっきし苦手だった。お春は、義母・舟木満(余貴美子)の力も借りながら、必死に夫の料理指南を始める。次第に上達していく安信。喜ぶお春だったが…。次第に心を通い合わせながら成長し、様々な難局を乗り越えていく妻と夫の姿を描く本作は、史実に基づく“夫婦のヒューマンドラマ”。『釣りバカ日誌14』(’03)の監督を務め、人気シリーズに新たな息吹を吹き込み、さらには『釣りバカ日誌15』(’04)で、2004年度文部科学大臣新人賞を受賞した朝原雄三監督がメガホンを握る。朝原監督は「江戸時代の加賀藩に実在した、料理で殿様に仕える一家、舟木家。そこに嫁いできた主人公に上戸彩さんを迎え、非常に心強いキャストが集まってくれました。今の時代、特に女性の方に喜んでいただけるような、切なく美しく、でも明るくユーモラスな作品にしたいと思っています」と意気込みを語った。さらに本作で主演を務めることになった上戸さんからは、「この映画は時代劇ですが、今も昔も変わることのない夫婦の関係を、切なく、でも楽しくユーモラスに描くものになると聞いています。現代の人たち、特に女性が観て楽しんでいただけるものになればいいな、と思っています。もちろん、“武士の献立”というくらいなので、映画で再現される当時の献立の数々も楽しみにしていてください!」と気合十分のコメントが寄せられた。江戸時代の献立がどのように再現されるのかも非常に興味深い本作。今後の続報を、楽しみに待ちたい。『武士の献立』は2013年冬、全国にて公開予定。(text:cinemacafe.net)■関連作品:武士の献立 2013年冬、全国にて公開
2013年01月24日『悪人』『パレード』など数々のベストセラーで知られる吉田修一の同名小説を映画化した『横道世之介』(よこみちよのすけ)が27日、第25回東京国際映画祭の特別招待作品としてワールドプレミア上映され、主演を務める高良健吾とメガホンを執る沖田修一監督がTOHOシネマズ六本木ヒルズでの舞台あいさつに登壇した。その他の写真1980年代を舞台に、高良演じる上京したての大学生・横道世之介の日常と、彼を取り巻く個性的な面々の人生を描く本作。高良と沖田監督のタッグは、テレビドラマに始まり、映画『南極料理人』、『キツツキと雨』に続いて4度目となり「僕にとってはイキイキしていられるのが、沖田監督の現場」(高良)、「いつか主演を…、と思っていた。今回は思う存分にやってもらった」(沖田監督)と今やそのコンビネーションは鉄板だ。主人公“世之介”は、人懐っこい笑顔を振りまくどこにでもいそうなお人好しという設定。これまでは対照的にクールな印象も強かった高良だが「役者として“狙ったり”、欲を出してしまうのは良くないなと思った。あくまで普通にこだわった」と役作りをについて語った。一方の沖田監督も「とても軽やかな原作で、登場人物たちが動いているのを見てみたいなと思った」とこちらも自然体で撮影に臨んだ。世之介のガールフレンドで社長令嬢の祥子を演じるのは、人気女優の吉高由里子。高良にとっては『蛇とピアス』以来約5年ぶりの再共演で「以前に比べると、二人ともよくしゃべりましたね。当時はお互い、とても暗かったので…(笑)。吉高さんとの共演は、予期せぬことが起こるから楽しいです」と手応え十分。沖田監督は「現場での爆発力がすごい」と吉高との初仕事に圧倒されていた。映画には高良、吉高に加えて、池松壮亮、伊藤歩、綾野剛ら若手実力派から、きたろう、余貴美子らベテラン勢まで幅広くキャスティングされている。沖田監督は「前作、前々作がおじさん、おばさん(笑)だらけだったので、若い面々と一緒に撮影できたことは僕にとっても面白かった」と振り返った。『横道世之介』2013年2月23日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
2012年10月29日吉田修一の同名人気小説の映画化した『横道世之介』が10月27日(土)、第25回東京国際映画祭にて特別招待作品としてお披露目となり、主演の高良健吾と沖田修一監督が舞台挨拶に立った。長崎生まれで大学進学のために18歳で上京した世之介。お人好しで憎めない図々しさで人の心を掴んでいく彼と、ガールフレンドの祥子を始めとする周囲の人々の青春とその後を当時の時代背景と共に描き出す。高良さんにとっては沖田監督作品出演はドラマ「青梅街道精進旅行」、『南極料理人』、『キツツキと雨』に続き4作目。「自分に撮って現場はつらいものという思いが若干あるんですが(苦笑)、沖田組は上手い下手でなく生き生きとしてられる場所」と明かす。今回、演じた世之介は厚かましさに嫌みのない不思議なパーソナリティの持ち主で観る者をクスリとさせる微笑ましさがあるが、高良さんは役づくりについて「逆に意識せずに臨みました。脚本を『面白いな』と思いながら読んでたんですが、そういう部分を狙っていやらしく見えるのが嫌だったので、狙わないことを意識しました」とふり返った。沖田監督も「それが高良くんのいいところ。僕は舞台裏でお茶飲んでるときの姿も知ってますが、そういう姿が世之介に近いと思った。『いつか高良くんを主役に』と思ってたんですが、今回思う存分やって、でも互いに肩の力を入れずにできたと思います」と強い信頼関係を伺わせた。ヒロイン役として吉高由里子も出演しており、高良さんとは『蛇にピアス』以来の共演となる。高良さんは「『蛇にピアス』のときは『暗かったね』と話したんですが、今回は明るくやれてそこが違ったかなと思います。予期せぬことが起きるのが楽しい(笑)。吉高さんじゃないとできないテンションや間がある」と絶賛。沖田監督も「爆発力があります。こっちがきちんと用意して臨むとそれに応えてくれる。見ながら『スゲーな』とつぶやいてました」とその魅力を明かした。最後に、高良さんは「素敵な原作で沖田さんと主演でやらせていただけたこと、こういう役はあまりしてこなかったけど、このタイミングでできたことはデカかったと思います」と、自らのキャリアにとっても大きな意味を持つ1作となったことを強調。「また俳優を続けていく中で、ずっと沖田さんとはやっていきたい」と笑顔を見せた。『横道世之介』は2013年2月23日(土)より公開。特集「東京国際映画祭のススメ2012」■関連作品:横道世之介 2013年2月23日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2013「横道世之介」製作委員会
2012年10月28日先日、亡くなった若松孝二監督のお通夜および告別式が10月23日(火)、24日(水)に都内で営まれ、井浦新、寺島しのぶ、佐野史郎、高岡蒼佑、高良健吾ら若松作品に出演した俳優陣など多くの映画関係者が参列し故人を偲んだ。若松監督は12日(金)に自動車にはねられ、搬送された病院で17日(水)に息を引き取った。祭壇には今年公開された『海燕ホテル・ブルー』の伊豆ロケの際に撮られたトレードマークのサングラスをかけて笑顔を浮かべた監督の遺影が置かれ、生前に好んだ黄色い花で埋め尽くされた。佐野さんは8月に行われた湯布院映画祭で監督と顔を合わせ、「同じ部屋に泊まって、遅くまで語り合った」という。「教わったことを少しずつでも伝えていけたらと思います」と語った。通夜に足を運んだ高岡さんは、遺作となった『千年の愉楽』の主要キャストに抜擢されたが「監督は『ひとりで戦っている面白い奴がいる』って感じで面白がって使ってくれたんだと思う。会うといつも褒めてくれて『お前は大丈夫だ』って言ってくれた」と感謝の思いを口にし「(別れが)こんな形で悔しい」と唇を噛んだ。同じく通夜の参列者のひとり、奥田瑛二は若松作品への出演はなかったが、長年の飲み仲間だったそうで「なぜ?という思いしかない…」と沈痛な表情。「近年の尋常じゃない多作は生き急いでいたのかな?でも120%生きた方だったと思う」と語り、「1作も一緒に仕事をすることはなく終わってしまって残念です」と無念をにじませていた。参列者の中には『餌食』(’79)、『水のないプール』(’82)で若松作品の主演を張った内田裕也の姿も。「突然の死で、若松のオヤジらしいっちゃらしい。こんな早く死んでんじゃねーよ、バカヤロー!」と寂しそうな表情を見せた。24日の告別式では『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』以来、多くの若松作品に出演してきた井浦さんが弔辞を読んだ。井浦さんは先日行われた釜山国際映画祭で監督と共に渡韓。帰国後の事故に遭った12日夜も新宿で一緒に飲んだそう。井浦さんに見送られた後に、監督は道路を横断しようとして車にはねられた。井浦さんは「あれが最後の別れになるなんて思いませんでした」と涙まじりに語り、「たくさんの言葉をいただき、僕の人生を変えてしまうくらいの経験をさせていただきました」とわずか6年ながらも濃密な若松監督と過ごした時間をふり返った。式後に改めて報道陣の取材に応じた井浦さんは「『僕らは前進します』ということを伝えた」と監督に語りかけた思いを明かした。寺島さんは「付き合いは短かったけど、かけがえのない時間でした。しょっちゅう現場で怒鳴るし、グサッと来るようなことを言うけど、正直な方だからその分、人と向き合ってくれた」と語る。ベルリン国際映画祭で主演女優賞に輝いた『キャタピラー』は「子供が欲しくて1年ほど休もうかと思ってたときにいただいた台本だった」と明かし、「監督も事情を知っていたから、子供が生まれたときは一番に電話をくれた。『千年の愉楽』も産婆さんの役だったので『子供連れて舞台挨拶してよ』と仰られて、それが最後になってしまった」と声を詰まらせた。通夜には800人、告別式には600人もの人々が足を運び、最後は生前の監督の望み通り、参列者の大きな拍手に見送られて棺を乗せた車は葬儀所を発った。■関連作品:千年の愉楽 2012年秋、全国にて公開海燕ホテル・ブルー 2012年3月24日よりテアトル新宿ほか全国にて順次公開© 若松プロダクションCATERPILLARキャタピラー 2010年8月14日より公開© 若松プロダクション実録・連合赤軍−あさま山荘への道程 2007年12月22日より名古屋シネマスコーレにて先行上映、2008年3月15日よりテアトル新宿、テアトル梅田にて公開© 若松プロダクション
2012年10月24日2010年本屋大賞3位、第23回柴田錬三郎賞を受賞した吉田修一著の話題作を、メインキャストに高良健吾&吉高由里子を迎え、『キツツキと雨』の沖田修一監督が実写映画化する『横道世之介』。このたび、本作の主題歌が「アジカン」ことロックバンド「ASIAN KUNG-FU GENERATION」の新曲「今を生きて」に決定!『悪人』や『パレード』の原作者としても知られる吉田修一の同名人気小説を原作に、1980年代、そして上京したての大学生・横道世之介の日常と、彼を取り巻く人々の生活を優しいタッチで描き出す本作。先月、2年3か月ぶりとなるオリジナル・アルバム「ランドマーク」をリリースしたばかりのアジカンが、本作の主題歌として書き下ろした新曲「今を生きて」は、主人公のキャラクターを象徴するかのような祝祭感に満ちたミディアムナンバー。彼らの新たな一面を垣間見せる楽曲に仕上がっているという。実は、「アジカン」と高良さんのタッグはこれが3度目!1度目は彼らのシングル曲「新世紀のラブソング」のミュージックビデオに高良さんが出演、2度目は高良さんが主演を務めた2010年公開作品『ソラニン』のメインテーマをアジカンが手がけた。「家族や友達や恋人や、世界そのものが、愛おしくなるような、そんな作品でした。そういう想いに、そっと花を添えるような、そんな楽曲を作ることができたと思います」とボーカル・後藤正文は楽曲に込めた思いをコメントしている。そして、もはや偶然とは思えない今回のコラボレーションに主演の高良さんからは「アジカンはいつも、僕をキュンとさせてくれる。ふと忘れている感情をいつも“生もの”にしてくれる。今回も『横道世之介』にぴったりな、イエイな曲です。心が舞う」と楽曲を大絶賛!沖田監督も「初めて聞いたとき、映画の主人公・横道世之介のような曲だなと思いました」とその仕上がりに大満足している様子。先日にはユニークな予告編も公開となり、徐々に明らかとなる本作の世界観。果たして、アジカンが奏でる“『横道世之介』”とは?いまから来年の公開が待ち遠しい。『横道世之介』は2013年2月23日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:横道世之介 2013年2月23日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2013「横道世之介」製作委員会
2012年10月02日高良健吾、吉高由里子が出演する来年公開の映画『横道世之介』(よこみちよのすけ)より、笑顔でサンバダンスを披露する高良の姿が収められた特報映像がこのほど到着した。『横道世之介』特報動画本作は、『悪人』や『パレード』などで知られる作家・吉田修一の同名小説を、『南極料理人』、『キツツキと雨』の沖田修一監督が映画化した作品。主人公の横道世之介を高良が、ヒロインの与謝野祥子を吉高由里子が演じ、1980年代を舞台に上京したばかりの大学生・横道世之介の日常と、彼を取り巻く人々のその後を描く。特報映像では、大学のサンバサークルに入った横道世之介が、太陽をイメージしたコスチューム姿で踊っているシーンから始まり、世之介のガールフレンドで社長令嬢の祥子(吉高)や、世之介の友達・倉持一平(池松壮亮)、世之介が憧れる年上の女性・片瀬千春(伊藤歩)、世之介の同級生で女性に興味を持つことができない加藤雄介(綾野剛)、さらに世之介の両親(きたろう、余貴美子)など彼に関わる人々が次々と登場する。主人公“世之介”は、井原西鶴『好色一代男』の主人公と同じ名前の、人懐っこい笑顔を振りまくどこにでもいそうなお人好し。これまでクールな役を演じることの多かった高良が、本作でどんな“横道世之介”を見せてくれるのか期待したい。『横道世之介』2013年2月23日(土)新宿ピカデリーほか全国ロードショー
2012年09月28日人気小説家・吉田修一による青春感動巨編を、メインキャストに高良健吾、吉高由里子を迎えて、『キツツキと雨』の沖田修一監督が実写映画化する『横道世之介』。本作の公開に先駆け、このたび太陽の姿に扮した高良さん演じるサンバサークルメンバーの世之介が、軽快なステップでサンバを披露する姿が収められたユニークな特報映像が到着!『悪人』や『パレード』の原作者としても知られる吉田修一の同名人気小説を原作に、1980年代、そして上京したての大学生・横道世之介の日常と、彼を取り巻く人々の生活を優しいタッチで描き出す。『蛇にピアス』や『軽蔑』など、これまで眼光鋭いクールな印象の強かった高良さんだが、今回公開となった特報映像では一変、人懐っこい笑顔を見せて世之介を演じている。そして世之介のガールフレンドで社長令嬢の与謝野祥子役を務めるのは吉高さん。「世之介さ~ん!」と熱狂的に呼びかけたり、暑がる世之介をかいがいしくうちわであおいであげたりと、世之介が好きで好きでたまらない様子が伝わってきて、なんとも愛らしい。そのほか池松壮亮、伊藤歩、綾野剛に加え、世之介の両親役のきたろうと余貴美子ら豪華俳優陣による個性豊かなキャラクターも同予告編に登場。それぞれの登場人物が世之介と過ごしたときを思い出しながら、「世之介」と名前を連呼しており、それがサンバのリズムに乗せて展開していく今回の特報映像。高良さんの新たな魅力、そして作品のもつ温かな雰囲気がひしひしと伝わってくる映像に仕上がっている。ひと足お先に、最高に愛おしい『横道世之介』の世界を覗いてみては?『横道世之介』は2013年2月23日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。※こちらの予告編映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:横道世之介 2013年2月23日より新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2013「横道世之介」製作委員会
2012年09月28日ベストセラー作家・西加奈子の人気小説を原作として、宮﨑あおいと向井理が夫婦役で初共演を果たす映画『きいろいゾウ』の公開日が“夫婦の日”である2013年2月2日(土)に決定!さらに人気子役の濱田龍臣、浅見姫香、本田望結、そして柄本明、松原智恵子、リリー・フランキー、緒川たまきといった実力派俳優が出演することが明らかとなった。片田舎の町に移り住んできた、天真爛漫な妻・利愛子(通称・ツマ)と売れない小説家の無辜歩(通称・ムコ)夫婦の温かな日常、一通の手紙がきっかけで少しずつズレていく2人の想いを描いた本作。『余命1ヶ月の花嫁』や『軽蔑』など男女の様々な愛の形を描き続ける廣木隆一監督が、互いへの大きな愛情ゆえにすれ違う、夫婦の切ない想いを繊細な描写で映し出す。同名原作小説の帯コメントに「いつか、この小説の『ツマ』役を演じてみたいです」とメッセージを寄せていた宮﨑さんと、かねてよりオススメの一冊として本作を推していた向井さんが夫婦役というだけでも十分豪華なキャスティングだが、今回発表となった共演者たちも錚々たるメンバー。ツマに淡い恋心を抱く不登校の少年・大地を濱田龍巨、そんな大地に積極的なアプローチをかける洋子を本作で銀幕デビューを飾る浅見姫香、病院で入院していた幼少期のツマを「家政婦のミタ」で一躍脚光を浴びた本田望結が演じる。また、ベテラン勢からは“社会の窓”を開け放つアレチ役に柄本明、その妻・セイカ役に松原智恵子。そしてムコが過去を背負うきっかけとなった夏目と緑を、リリー・フランキーと緒川たまきが演じる。また、周囲の生き物と話すことができるツマと交流する、動物や植物の声優として豪華俳優陣が扮することが決定。ツマが“ソテツ”と呼ぶ庭に植えられた木の声に大杉漣、逃亡癖のあるヤギの“コンク”に柄本佑、肉が大好物の野良犬“カンユ”に安藤サクラ、そして高良健吾はクモ、草花、雨などに命を吹き込む。日本の若手俳優陣の中でも郡を抜く人気と実力を兼ね備えた宮﨑さんと向井さんに続き、豪華すぎるキャスティングと言っても過言ではないほど個性豊かな俳優陣が揃った本作。今回発表となったキャラクターたちがツマとムコの物語にどのように絡み合っていくのか楽しみだ。『きいろいゾウ』は2013年2月2日(土)より新宿ピカデリーほか全国にて公開。■関連作品:きいろいゾウ 2013年2月2日より新宿ピカデリーほか全国にて公開
2012年09月07日「図書館戦争」や「阪急電車」など次々と著書が映像化されている、人気作家・有川浩。そんな彼女の地元・高知を舞台にした「県庁おもてなし課」(角川書店刊)の待望の映画化がこのほど決定!「関ジャニ∞」の錦戸亮と堀北真希が初共演を果たすことが明らかとなった。すでに発行部数20万部を突破し、雑誌「ダ・ヴィンチ」では“ブック・オブ・ザ・イヤー2011”で総合ランキング&恋愛小説ランキングで第1位を獲得、第3回ブクログ大賞小説部門で大賞を受賞している話題作の映画化となる本作。高知県庁・観光部に設置された観光促進を目的とする「おもてなし課」の職員・掛水とアルバイトの明神が、県出身の毒舌小説家・吉門の助言を元に高知県を新たな観光名所とするべく奔走する姿を描いたラブストーリー。錦戸さんは『ちょんまげぷりん』以来3年ぶりの映画主演となったが、今回演じるのはヤル気はあるが空気の読めない「おもてなし課」の職員・掛水史貴。「生まれも育ちも高知県の県庁職員役です。大阪出身ですが…」と早速不安げなコメント。しかし、初競演となる掘北さんについては「堀北さんとのお芝居はあの透明感に負けないよう、掛水として正面から体当たりで演じられればと思います。実在する『おもてなし課』という一風変わった課に勤務する平凡な男が、堀北さん演じる明神さんと出会い、一人前の“いごっそう”(※土佐弁で「気骨のある男」の意)に成長する姿をたくましく演じられるよう頑張りたいと思います!」と、久々の映画主演にやる気十分といった様子。一方の堀北さんが演じるのは、民間感覚と柔軟な発想力を兼ね備えたデキるアルバイト・明神多紀。「原作を読んで、目の前の壁を一つずつ乗り越えていく姿に元気をもらいました。方言にも挑戦させていただきますが、高知県のことを勉強して、地元の人になりきれるように頑張りたいと思います」と意気込みを語っている。生まれも育ちも東京の堀北さんが、どんな土佐弁を繰り出すのか期待したい。本作は“ふるさと”を舞台にしたラブストーリーとあって、高知県の全面協力の下、高知の色彩豊かな大自然の景色をふんだんに盛り込んだ内容になるようで、錦戸さんからは「パラグライダーにも挑戦するという事なので、空から見下ろした高知県、日本の素晴らしさを掛水と共に、僕自身もたくさん気づけるんじゃないかな? と大変楽しみにしています!」とのコメントも。キャスト陣にはほかにも、高良健吾(毒舌小説家・吉門喬介役)や関めぐみ(伝説の元県庁職員の娘役)など人気・実力ともに兼ね備えた若手俳優の出演も決定している。さらに、本作の製作を務めるのは昨年スマッシュヒットを飛ばした『阪急電車片道15分の奇跡』のスタッフ陣。原作者の有川さんも「気心知れた『阪急電車』チームにまた作っていただけることがとても嬉しいです。ロケハンから楽しく参加させていただきました。後は錦戸さんの掛水や堀北さんの多紀に会えるのが楽しみで仕方ありません!」と期待感でいっぱいのようだ。『県庁おもてなし課』は2013年5月、全国東宝系にて公開。■関連作品:県庁おもてなし課 2013年5月、全国東宝系にて公開
2012年08月30日注目モデル&女優、初のビッグ交際報道雑誌「non-no」の専属モデルとして活躍するほか「smart」や「With」といった主要雑誌を多数飾る人気モデル、野崎萌香。「ゼクシィ」のCMや資生堂「MAQuillAGE」のCMでICONIQと共演した女優としても知られる、注目の美女だ。2009年秋に開催された東京ガールズコレクションでは「ミスTGC」準グランプリにも選出されている。そんな美容界、ファッション界引っぱりだこの話題の彼女が、初の交際報道でさらに注目を集めている。お相手は、なんとこちらも人気急上昇中で知名度を加速度的に上げている、俳優の高良健吾だ。26日判明し、27日発売の写真週刊誌「フライデー」が詳細を報じている。ファンで舞台を観劇したことがきっかけ?「フライデー」には、高良の自宅マンション前のツーショット写真がキャッチされており、高良が出演した映画「苦役列車」の初日舞台あいさつが行われた、7月14日の夕方に、野崎が彼のマンションを訪れていたという。気になる出会いのきっかけは、野崎が高良が出演していた舞台を観劇したことだったとか。以前からファンで足を運んだことから交際に発展した可能性もある。注目株2人の、ともに初となるビッグな組み合わせでの交際報道。野崎の所属事務所はこれに対し、ノーコメントを貫いている。一方高良の所属事務所では「プライベートは本人に任せている」とし、否定はしなかったそうだ。主要ファッション雑誌や映画、CM、ドラマなど各方面への露出も急増する人気モデルの、注目俳優との交際報道。今後の行方がおおいに話題を集めそうだ。元の記事を読む
2012年07月28日第144回芥川賞を受賞した西村賢太氏の同名小説を、『天然コケッコー』『マイ・バック・ページ』などを手掛けた山下敦弘監督が映画化した『苦役列車』が 7月14日、全国で封切られ、西村氏と山下監督をはじめ、主演の森山未來、共演する高良健吾、前田敦子(AKB48)、マキタスポーツが東京・丸の内 TOEIで初日舞台あいさつに立った。その他の写真三畳一間に住み、日雇い労働にすがる19歳の青年役に森山を迎え、実力派俳優の高良と、映画オリジナルのヒロインを演じるAKB48の前田が脇を固める本作。原作は壮絶な自身の過去をベースに書き綴った“私小説”だが、西村氏は完成した映画をさまざまなメディアで公に酷評し、大きな話題と熱い議論を巻き起こしていた。舞台あいさつでもその言動に注目が集まったが、この日は「ご覧いただき、ありがとうございます。小説家として終わりかけたときに執筆した思い入れのある作品。妙に図々しさとしぶとさがある小説なので、その部分に皆さんが共鳴してもらえたら、こんなにうれしいことはない」と観客への感謝に終始した。それでも山下監督と言葉を交わすことはなく、いまだ埋められない“距離感”が見て取れたのも事実。今後、両者の確執がどのようにクリアされるか、さらに注目を集めそうだ。山下監督は「毎日、日替わりで面白い人がやってくる、まるでイベントのような現場だった」と多彩なキャストが集結した現場を振り返っていた。主演の森山は「昨日、急に十二指腸あたりが痛くなって、まさかの『体調不良で舞台あいさつ欠席』になるところだった」と同日、公開初日を迎えたライバル作『ヘルタースケルター』に主演する沢尻エリカを連想させる第一声で客席の笑いを誘い、高良は「憧れの山下組で、素敵な経験ができた」と感激しきりの様子だった。また、先日21歳になったばかりの前田は「ぜひ、同世代の人たちに見てほしい」とアピールしていた。『苦役列車』公開中取材・文・写真:内田 涼
2012年07月17日映画『苦役列車』が7月14日(土)に公開を迎え、主演の森山未來を始め、高良健吾、前田敦子(AKB48)、マキタスポーツ、山下敦弘監督、そして原作者の西村賢太が上映後の舞台挨拶に登壇した。芥川賞を受賞し話題を呼んだ西村さんの私小説を映画化。風呂トイレ共同の3畳間で暮らし、日雇いで収入を得る北町貫太(森山さん)の青春を生々しく描き出す。森山さんは「昨日の夜中に腹痛で身動きが取れなくなった」と告白。幸い大事には至らず、無事に舞台挨拶に出席することができたが「まさかの体調不良による初日舞台挨拶欠席かと思った」と、同日公開の『ヘルタースケルター』主演の沢尻エリカ(※沢尻さんは初日舞台挨拶に出席)を意識するかのようなきわどい発言で笑いを誘った。これで闘争本能に火がついた(?)マキタスポーツが負けじと「『海猿』よりも『ヘルタースケルター』よりもこちらを選んでいただいてありがとうございます」、「未來くんは全身整形をしたり、舞台挨拶をすっぽかさない」など過激な発言を連発し会場を沸かせた。劇中、貫多が下北沢に住む地方出身者をボロボロにこき下ろすシーンがあるが、高良さんは「僕は下北が好きでよく行くので、未來さんに言われて行きづらくなりました。『田舎モンが!』と言われながらイタかったです」と苦笑交じりに明かした。また、貫太の魅力について前田さんは「森山さんを好きなのか、貫多を好きなのか分からないけど…好きです!」と大胆に愛を告白!これには森山さんも「みたいです(笑)」と何とも照れくさそうな表情を浮かべていた。マキタスポーツも前田さんにメロメロのようで「その目で見られると何もできない。こっちが過呼吸を起こしそうになる」とまたも奔放な発言で客席をざわつかせたが、前田さん本人は爆笑していた。舞台挨拶の最後に原作者の西村さんが登場。これまで西村さんはインタビューや雑誌の取材などことあるごとに映画を酷評していたが、この日は毒舌は封印。「小説書きとして終わりかけていたときに書いた作品で思い入れがあります。(登場人物たちの)妙なしぶとさ、図々しさに共感していただければ」と作品をアピールした。『苦役列車』は全国にて公開中。■関連作品:苦役列車 2012年7月14日より全国にて公開© 2012「苦役列車」製作委員会
2012年07月14日人気小説家・吉田修一著による青春感動巨編を、『南極料理人』、『キツツキと雨』の沖田修一監督がメインキャストに高良健吾、吉高由里子を迎えて実写映画化する『横道世之介』。若手キャストが一堂に集結する本作に出演する新キャストの名前がこのほど発表となった。『悪人』や『パレード』の原作者としても知られる吉田修一の同名人気小説を原作に、1980年代、上京したての大学生・横道世之介の日常と、彼を取り巻く人々の生活を優しいタッチで描き出す。先に発表となっていた高良さんと吉高さん、池松壮亮、伊藤歩、綾野剛ら若手実力派キャストに加え、今回新たに発表されたベテラン勢も個性豊か。世之介の父親・横道洋造役に『南極料理人』に続く沖田組参加となるきたろう、世之介の母親・横道多恵子役に余貴美子が扮するほか、世之介(高良さん)のアパートの隣人でカメラマンの室田恵介を『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』の井浦新、ヒロイン・与謝野祥子(吉高さん)の父親を國村隼、同じく祥子の母親を堀内敬子が演じる。また、ベテラン勢も去ることながら、若手俳優陣たちの活躍も見逃せない。世之介の同級生・阿久津唯役に『神様のカルテ』の朝倉あき、世之介の元カノ・大崎さくら役に『ボーイズ・オン・ザ・ラン』の黒川芽以、世之介の同郷の友人・小沢役に柄本佑、祥子の幼なじみ・戸井睦美に佐津川愛美(『忍道-SHINOBIDO-』)が扮する。さらに、その脇を固めるのが江口のりこ、眞島秀和、ムロツヨシ、広岡由里子、渋川清彦、大水洋介(「ラバーガール」)、田中こなつら個性派キャストたち。この個性豊かな俳優陣が、果たしてどのような人間模様を繰り広げるのか?作品ごとに異色のキャスティングで見事な調和を作り上げる沖田監督だけに、今回のコラボにも期待がかかる。『横道世之介』は2013年、全国にて公開。■関連作品:横道世之介 2013年、全国にて公開
2012年07月10日Sのように見えて、“俳優SM度”を判定したら間違いなくドMの部類に入る2人である。昨年、話題をさらった『モテキ』でドラマに続いて観る者の心が折れそうになるくらい痛々しい中二病の主人公を熱演した森山未來に、『ケンタとジュンとカヨちゃんの国』、『白夜行』、『軽蔑』とその生々しい存在感で現世の闇とも言うべき作品の世界観を体現してきた高良健吾。そんな2人が共演するのにこれ以上ふさわしい映画があるだろうか?現代の稀少な無頼派作家として注目を浴びる西村賢太の芥川賞受賞作を映画化した『苦役列車』で若き2つの才能が激突した。西村氏が「一人の落伍者の内面描写が眼目」と語った本作。映画で描かれる80年代の半ばに生を享けた2人はどのように挑んだのか?公開を前に話を聞いた。三畳一間の風呂なしトイレ共同のアパート暮らしを実践映画は19歳にして日雇い労働で日々を営み、酒と風俗と読書だけが楽しみという主人公・貫多のひねくれた青春を描き出す。森山さんの出演が報じられたとき、多くのメディアで「森山未來、『モテキ』に続いて再びダメ男役!」という文字が躍った。森山さん自身、当時、貫多のことを“ダメ男”と表現したことを認めつつ、実際に演じてみて「『モテキ』と比べると貫多はもっとたくましさがありましたね。“いい意味で捉えるなら”という注釈は付きますが…(笑)」と違った感慨を覚えたと語る。その上で、最初にこの役のオファーが届いたときの苦悩をこう明かす。「体のトレーニングもしないでダラダラと過ごす。『苦役』撮影中は絶対にそんな生活になるのが目に見えていたので。大変な役どころだなぁと」。その言葉通り、森山さんは撮影の間中、貫多が暮らすような三畳一間の風呂なしトイレ共同のアパートを新宿に借り、まさに貫多になりきった生活を送りながら現場に通うという日々を送った。「毎日のように、仕事が終わったらスタッフさんと飲みに行く、ということが習慣化してましたね(笑)」。高良さんはそんな森山さんを中心にした現場の雰囲気をこう評する。「森山さんが前日のお酒で顔をむくませて現場に来ると、スタッフ全員が『すごいぞ』と褒める(笑)。むくみが取れないうちに『早く撮影しよう!』となる。いい現場だなってしみじみと感じてました」。共感や親近感という言葉で語るにはあまりにも強烈かつエキセントリックな貫多のパーソナリティ。だが、貫多が抱える劣等感やその裏返しとも言える自我の強さに関しては、誰もが自らと重なる思いを抱くのではないだろうか?「それはいまでもありますよ、僕は」と高良さん。「些細なことで他人にコンプレックス持ったりします。それでもいまは前向きに『精一杯やってるのだから』と思えるようになりました。(自身が演じた)正二に関しても、専門学校に通っても楽しくなくて貫多とつるんで、でも段々と学校の友人もできて貫多から離れていく…という流れが、自分の東京に出てきたときの気持ちと重なるところがありました。東京に出てきたときはうまくいかないとすべてを東京のせいにしてましたね。『東京の水は…、人ごみは…、満員電車は…って。でもそう思ってる自分も東京の一部なんですよね」。森山さんも「『東京のソバは…』とかね(笑)。おれも『絶対関西弁のままで行ったるねん』とか考えて気負ってたよ」と頷き、こう続ける。「そういう気負いがない人はいないと思うし、年齢を重ねていく中でそうした感情を押し殺すか、それが自分だと受け入れるか、それを自分の“武器”とするのか何かしらの対処をするしかない。それは誰にでも付きまとう話だと思いますね」。原作者の西村氏はまさにそれを抱えたまま四十になって、自らの分身の貫多としてそれをさらけ出しながら勝負していると言える。「『俺には“何もない”がある』というのがこの映画のコピーだけど、あそこまで勇気持って立てるのは、やっぱりすごいと思いますね。その自信はどこから来るんだろう?何でそんなに堂々と地に足をつけていられるの?って。昭和の人と人のコミュニケーションが密だった頃だからこそ生まれているエネルギーもあるし、バブルのしわ寄せを食らってあの三畳一間に暮らすしかない貫多の『なにくそ』っていうエネルギーもある。貫太に限らずどこか世間から逸脱した人たちばかりが出てくるから、それを笑いつつ、見ているうちに、どこか自分のことを言われているような気持ちになって、笑えなくなってくれたら面白いですね」(森山)2人が芝居できちんと絡むのは本作が初めて。初共演はNHKのドラマ「刑事の現場」。そのときは森山さんが刑事、高良さんが容疑者役だった。あれから5年が経ち、森山さんは今回初めて全編を通してガッチリと高良さんと共演しての感想をこう語る。「5年前の共演では一瞬だったんです。役の関係性もあってほとんど言葉を交わすことがなかった。そのときはすごく硬質な役者さんだなという印象で、もう一回ちゃんとやりたいなと思ってましたね。友人のダンサーが、たまたま高良くんに振り付けを教える機会があって、『あいつは面白い』と言ってたので、すごく楽しみにして現場に行ったら、やっぱり面白かった」。ぶつかりあう、魂と自我とコンプレックス高良さんはこれまでも様々な作品で同世代、そして少し年上の俳優たちとタッグを組んできたが、森山さんからは特別なものを感じたと明かす。「クランクイン前にスタッフから『森山さんの役作りは凄まじい』と聞いていました。実際に、現場での佇まいや役を離れたときの在り方がいままでに会ったことのないタイプの方でした。それを言葉で表現することはできないんですが…。でも一緒にいて自分の中で『あぁ、よかった』と思える言葉や感情をいくつももらいました。確実に影響を受けましたし、おかげで芝居がすごく楽しいんです。色々な作品に出させてもらってインタビューも増えて、普段、言葉にしていないことをうまく表現するにはどうしたらよいかと考えたりすることが多かったんですが、ふと『そうだ、まずは(芝居を)ちゃんとやってればいいんだ』と再認識しました。森山さんと会って、『苦役』を経験して、スッと背中を押してもらったような気がしてます」。2人も間違いなく西村賢太と同様に己をさらけ出しながら歩を進めていく俳優である。2つの魂と自我とコンプレックスがぶつかり合う音に耳を傾けてほしい。(photo:Yoshio Kumagai/text:Naoki Kurozu)■関連作品:苦役列車 2012年7月14日より全国にて公開© 2012「苦役列車」製作委員会
2012年07月06日昨年、芥川賞を受賞した西村賢太の小説を気鋭、山下敦弘監督が映画化する『苦役列車』。本作が7月14日(土)から公開されるのを前に、主人公・北町貫多を演じた森山未來がインタビューに応じた。その他の写真作者の分身とも言える19歳の肉体労働者、貫多は始末に負えないひねくれ者。そんな主人公が初めて体験する青春らしき時間のあれやこれやを、森山は獰猛さと愛らしさが入り混じった絶妙な距離感で体現している。「中学を卒業してから、まともに誰かとかかわったことがなかった貫多は、19歳という年齢でたまたま康子(前田敦子)という女の子と、正二(高良健吾)という男の子と出逢う。それまではひとりだったし、これから先もひとりかもしれない。たとえば“恋愛”や“友達になる”というプロセスを踏んでいない。そんな貫多の“抜け落ち感”を伝えたいと思った。どこか自分のなかだけで完結してしまうところがあるんですよね。一気に卑屈になったり、一気にポジティブになったり」。とはいえ貫多というキャラクターに対して距離は感じなかったという。「すごく楽しかったです。居心地は悪くなかったし、ヘンに共感する部分も多かった。逞しさをわけてもらうようなところもありました。人って、何かしら守るものがあって強くなる、とよく言われますが、貫多って何も持ってないんですよ。それでも、這いつくばっても堂々と立ってられる強さがある。あの逞しさに『ありがとう』と言いたいですね」。特異な役でありながら、どこか観客が寄り添いたくなるのは、きっと森山のそんな心持ちによるところも大きいのだろう。「僕はいま、映画や舞台をやらせてもらうことで、なんとか自分を保てている部分があるけれど、もしこれがなかったら、いつだって貫多のようになる自信はあります(笑)。でも、どこかで、たとえどうなったって生きていける、とも思っている。貫多もそうなんですよ」。そう、『苦役列車』は、ふてぶてしくも、まぶしい生命力を感じさせる男の子の物語である。『苦役列車』7月14日(土)全国ロードショー取材・文:相田冬二写真:藪内 努(クラッカースタジオ)ネイビーシャツ/STUDIOUS/STUDIOUS PRESSROOM/\12600ワークパンツ/JANTIQUES/\9030サンダル/OURET/Sian PR/\34650ショップリストSTUDIOUS/PRESSROOM/東京都渋谷区渋谷2-2-3 ルカビルⅡ2F/03-6662-5525Sian PR/東京都渋谷区渋谷2-2-3 ルカビルⅡ3F/4F/03-6662-5525
2012年07月03日第144回芥川賞受賞作に輝いた西村賢太の自伝的小説を森山未來主演で映画化した今夏注目の1本『苦役列車』。そのワールド・プレミアが現在開催中の第15回上海国際映画祭にて6月19日に行われ、森山さんと山下敦弘監督が舞台挨拶に登壇し、喝采を浴びた。稼いだ分だけ酒と風俗に金を遣い、読書が唯一の趣味という見事なダメ男・貫多の破天荒な青春を描く本作。森山さん演じる主人公・貫多の友人役の高良健吾やヒロインを演じる「AKB48」の前田敦子の出演でも話題を集めている。上海国際映画祭では先日、『鍵泥棒のメソッド』がコンペティション部門で上映され、主演の堺雅人と広末涼子が大歓声を浴び、そのあまりの人気ぶりに会場は一時混乱するほどの盛況ぶりを見せたが、『苦役列車』もそれに負けず劣らず上海の映画ファンたちの熱狂をもって迎えられ、森山さんと山下監督は登壇すると会場は大歓声に包まれた。同映画祭の「オフィシャル・セレクション」作品として、ティム・バートンやキム・キドクといった巨匠たちの作品と並んで上映されるということで、さぞや緊張の舞台挨拶になるかと思いきや、中国語で挨拶するなど余裕の表情を見せた森山さんと山下監督。森山さんは「北町貫多という男が、登場人物一人一人と出会っていき、不協和音が重なっていく、その山下ワールドの面白さが上海のお客さんにも伝わっていたと思う」と、観客たちの好感触に大満足の様子。山下監督も「上映を一緒に観ていて上海のお客さんの笑うところなど、反応がとても面白かった」と、日本人観客とのリアクションの違いを楽しんでいたよう。上映終了後、観客からは「この物語がこの後どうやって発展していくのかを上海の人たちにもう一度見せてほしいです」(20代・男性)といった続編を期待する声や「高良さんの大ファンです、格好良かった!」(20代・女性)と登壇した森山さんではなく高良さんへのラブコールが贈られた。『苦役列車』は7月14日(土)より全国にて公開。■関連作品:苦役列車 2012年7月14日より全国にて公開© 2012「苦役列車」製作委員会鍵泥棒のメソッド 2012年9月15日よりシネクイントほか全国にて公開© 2012「鍵泥棒のメソッド」製作委員会
2012年06月21日映画『苦役列車』の完成報告会見が14日、都内で開催され、主演の森山未來をはじめ、高良健吾、前田敦子(AKB48)、山下敦弘監督が出席した。その他の写真作家・西村賢太の芥川賞を受賞した同名私小説を映画化した本作。三畳一間に住み、日雇い仕事で生計を立てる19歳・北町貫多のひねくれた青春を描き出す。森山は本作を「花粉症対策映画」と表現。「土に触らず、滅菌・抗菌のものにしか触らず、本当に汚いものに触れないでいる人が多いけれど、菌に触れることで免疫ができる。この映画は人間の免疫を高めるのでぜひ触れてほしい」と力説した。高良は、高校2年生の時に山下監督の短編映画『その男狂棒に突き』を観て以来のファンだったそう。「高3で初めて監督の(作品の)オーディションを受けたときは落ちたけど(笑)、今回、参加できて幸せでした。現場に行く前は緊張して、病気なんじゃないかってくらい汗が出ました」と、念願かなって山下作品へ参加できた喜びを語った。同じく前田も山下監督の大ファンだったとあって「幸せ」を連発。「よく口癖で『あぁ、幸せ』って言うんですが、撮影の6日間は毎日ずっと幸せでした」と満面の笑み。完成した映画についても「自分が出ているとか関係なく、久しぶりに『映画観てるな』という感じでうれしい感情に浸りました。“山下ワールド”ってこれだって言う感じ。スパイスがたくさん入ってます!」と熱弁をふるった。森山は役の貫多になりきるために新宿にある三畳・共同シャワーのアパートを借り、そこで生活しながら現場に通ったという。「役にかこつけて毎日ゴールデン街に行けました。毎朝、顔を(むくみで)パンパンにして現場に向かいました」と明かした。そんな森山を高良は絶賛。「3つしか違わないのに、そういう役者との出会いは初めてでした。森山さんが顔をパンパンにして遅刻してくると、みんなが『すごいぞ!』ってホメて、むくみが取れないうちに『早く撮ろう!』となるいい現場でした(笑)」と一体感のある現場をふり返った。前田は森山が表現した貫多を「映画を観るにつれ、かわいくてしょうがなくなる!」と語り、山下監督もそんな森山の役へのなりきりぶりを「撮影が終わるころには“ミニ西村賢太”になってた」と称賛をおくった。『苦役列車』7月14日(土)全国ロードショー取材・文・写真:黒豆直樹
2012年06月14日芥川賞を受賞した西村賢太の同名小説を映画化した『苦役列車』が完成。6月14日(木)、完成披露試写会でのお披露目を前に主演の森山未來、高良健吾、前田敦子(AKB48) と山下敦弘監督が記者会見に臨んだ。19歳にしてその日暮らしの肉体労働者として三畳一間に暮らし、稼いだそばから酒と風俗に金を遣い、読書が唯一の趣味という北町貫多。現場で親しくなった同世代の正二や思いを寄せる大学生の康子らとの青春を飾り気なしに描き出す。森山さんは本作を「花粉症対策映画」というキャッチフレーズでアピール。その心はというと「抗菌、滅菌のものにしか触らずにいるから花粉症になる。本当に汚いもの、菌に触れば免疫ができます。この映画は免疫を高めてくれる映画」とのこと。「ぜひ触ってほしい」と呼びかけた。高良さんはインタビューなどで常々、一緒に仕事をしたい監督として山下監督の名を挙げていたそう。「現場では緊張して病気じゃないかってくらい汗が出ました。映画を観て『山下作品に自分がいるんだ!』と感じました」と感激を口にする。前田さんも「口癖で『ああ幸せ』とよく言うんですが、6日間の撮影で、毎日『幸せ』と言えていました。決して爽やかな映画ではないんですが、私が出ているところは『これって青春!』と言える爽やかさがあるので、ホッとしてほしいです」と自らの出演シーンの見どころを明かした。森山さんは役になりきるために実際に三畳のアパートで生活し、風呂にもろくに入らない生活を送ったそう。「三畳の閉塞感を実際に感じたかったんです。役にかこつけてゴールデン街にも行けました」とニッコリ。共演シーンの多かった高良さんは、髪の毛から日々、汚れていく森山さんの変化を感じていたとか。森山さんは飲み明かした状態で現場に来ることもあったそうだが「(むくみで)顔をパンパンにして、森山さんが遅刻してくるとみんなが『すごいぞ!』って褒めて、『早く撮ろう』となるいい現場でした(笑)」と明かした。山下監督も「『痩せてくれ』と言われてそうする役者はいるでしょうが、太るのは…。撮影が終わるころにはミニ西村賢太になってました」と絶賛していた。前田さんは、森山さん扮する貫多と高良さん演じる正二のどちらが好みかを問われると「貫多といるときの正二は完璧なキラキラ男子。貫多は最初、ひどい男だと思いましたが見るにつれてかわいくてしょうがなくなってくる。本当にかわいいです!だからどちらが気になるかと言われれば貫多」と告白。森山さんは喜びつつも「気になる部分はあっても触れたいかは別だと思いますよ」と、一筋縄ではいかない主人公を知り尽くした様子で苦笑を浮かべていた。『苦役列車』は7月14日(土)より全国にて公開。■関連作品:苦役列車 2012年7月14日より全国にて公開© 2012「苦役列車」製作委員会
2012年06月14日