私の夫は旅行が好きではありません。家族旅行をしようと提案しても、まったく乗り気ではないため、私はある作戦を考えて……。 旅行が好きじゃない夫夫と娘と3人で暮らしている私。娘にはいろいろな体験をさせてあげたく、家族そろっての旅行をしたいなと考えていました。けれど、夫は「旅行はあんまり好きじゃないんだよね」と言い、家族旅行を拒否してくるのです……。 どんなに説得しても「行きたくない」と言うため、夫に理由を聞いてみると「旅行の準備と帰ってきたあとの荷解きが面倒くさい」「旅行中にトラブルが発生したら大変だから嫌」と言われました。「そういうのも旅行の醍醐味じゃん!」と、私は熱弁してみたものの、夫は聞く耳を持ってくれませんでした。 しかし、どうしても娘に旅行の経験をさせたいと思った私は、夫に内緒でプチ旅行の計画を立てることに。 夫に内緒で…ある日、夫が出勤したあと、最低限泊まれる荷物を持った私は娘と一緒に電車に乗りました。行き先は、夫が勤務している都内の会社近くです。夫の会社近くには、娘が楽しめる場所が充実しているため、夫の仕事が終わるまで遊びつくすことができ、娘と遊んでいる途中で、私は近くのホテルを予約しました。 そして、夫の仕事が終わるころに会社へ迎えに行った私たち。夫を見つけるやいなや、「おかえり~!今からみんなでホテルに泊まるよ!」と伝えました。そもそも、私と娘が会社まで迎えに来ていることに驚いている夫だったので、ホテルに泊まると言われて「え?!これから泊まるの?!」と軽くパニック状態に。 そんな夫を連れて電車に乗り、予約していたホテルへ到着。道中もずっと「なんで急に……?」と困惑していた夫でしたが、いざホテルに入ると「いい部屋だね!」と目を輝かせ、娘と一緒に大はしゃぎしていました。ホテルでの夜ごはんや大浴場など、家族3人で楽しく過ごすことができ、プチ旅行の計画を強行突破してよかったです。 遠出をするような旅行ではありませんでしたが、ホテルに宿泊するという非日常を家族みんなで味わうことができました。娘がとても楽しんでくれていたので、夫も旅行に対して前向きな気持ちになってくれています。夫が面倒だという旅行のもろもろは、私がカバーしてこれからも家族の思い出を増やしていけるよう旅行の計画を立てていきたいです。 著者/花山 花子作画/ちゃこ ムーンカレンダー編集室では、女性の体を知って、毎月をもっとラクに快適に、女性の一生をサポートする記事を配信しています。すべての女性の毎日がもっとラクに楽しくなりますように! イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター ちゃこ
2024年02月23日2月に入ると春休み、そして卒業のシーズンにもなり、学生旅行・卒業旅行に行く学生たちが増えてきます。気の合う友人、サークルの仲間たちと出かける旅行は、きっと大切な思い出となるでしょう。そんな学生旅行・卒業旅行では、どんな旅行先が選ばれることが多いのでしょうか。国内旅行と海外旅行に分けて、阪急交通社がアンケート調査を実施。その結果を公開します。大学生の多くは2月上旬から4月上旬まで春休みとなり、卒業を控えた学生のなかには、この時期に卒業旅行の計画を立てる人もいます。学生だと長期の旅行にまだ不慣れであったり、金銭的な余裕がなかったりする面もあるかもしれませんが、行ったことのない場所に行き、初めての体験ができる旅行は、かけがえのないものになるはずです。そんな学生旅行・卒業旅行では、どんな旅行先が選ばれることが多いのでしょうか。現役の学生を対象に、学生旅行・卒業旅行についてのアンケート調査を実施しました。【調査概要】有効回答数:328名調査期間:2023/12/13~2023/12/20調査機関:株式会社ジャストシステム(「Fastask」利用)調査対象:大学生時における学生旅行の経験がある19歳~26歳の学生調査手法:Webアンケート学生旅行・卒業旅行で行ったことがあるのは国内、それとも海外?学生旅行・卒業旅行を計画するさいに、まずポイントになるのが、国内旅行にするか、海外旅行にするかです。コロナ禍もあり一時期海外に行くのが難しい時期もありましたが、国内と海外の割合はどのくらいなのでしょうか。学生旅行・卒業旅行の経験がある学生に、「学生旅行・卒業旅行では、国内、海外のどちらに行ったことがありますか?」と聞いた結果がこちらです。「国内(のみ)」が一番多く、74.4%となりました。「海外(のみ)」が11.3%で、「海外と国内両方」が14.3%となっています。学生旅行で海外に行ったことのある割合としては、25.7%となります。なお、学生旅行・卒業旅行の経験有無を問わない事前アンケートでは、「学生旅行・卒業旅行の旅行先は、海外、国内のどちらがいいですか?」という質問も行っており、「海外」が34.8%、「国内」が55.7%、「どちらともいえない」が9.5%となっていました。【国内】学生旅行・卒業旅行で行ったことのある都道府県それでは、学生旅行・卒業旅行における旅行先のランキングを見ていきましょう。まずは国内からです。学生旅行・卒業旅行で行ったことのある都道府県を選んでもらった結果がこちらです。1位は「東京都」(35%)となりました。東京近辺の在住者だけでなく、遠方の学生の割合も多かったです。2位は「大阪府」(33%)、3位は「京都府」(27%)と、いずれも大都市です。続く4位は「北海道」(26%)、5位は「神奈川県」(20%)でした。ここからは、ランキング上位となった都道府県についての概要をお伝えします。1位 東京都東京には、若者に人気の渋谷をはじめ、新宿、池袋、銀座など有名な街や、浅草寺、東京タワー、スカイツリーなどの観光名所が各所にあり、一度は行ってみたいと思う学生は多いでしょう。美術館・アートスポット、博物館など、文化体験で良い刺激が得られるスポットも多くあります。大規模なイベントも東京で開催されることが多いので、それに合わせた旅行を計画するのも楽しいでしょう。2位 大阪府日本有数の繁華街である梅田や難波など、ショッピングや食べ歩きが思う存分楽しめる大阪。空中庭園展望台から360度オープンエアで大阪の眺望が楽しめる梅田スカイビル、グリコの看板でおなじみの道頓堀など押さえておきたいスポットも多いです。通天閣が立ち、多くの串カツ屋が並ぶ新世界は大阪ならではの空気が味わえるスポットで、学生旅行・卒業旅行で行くと大いに盛り上がることでしょう。3位 京都府数々の歴史ある建物、街並みを見て回れる京都ですが、特に学生にとってはフォトジェニックなスポットの多さもポイントになるでしょう。嵐山にある竹林の小径、ハート型の窓がある正寿院など、おしゃれで雰囲気ある場所が探せばたくさん見つかります。着物をレンタルして歩くのも、いい思い出になるでしょう。【海外】学生旅行・卒業旅行で行ったことのある国・地域続いて海外のランキングです。学生旅行・卒業旅行で行ったことのある国・地域について選んでもらった結果がこちらです。1位は「イギリス」(31%)となりました。2位には「フランス」(29%)、3位(同率)には「イタリア」(24%)が入っており、上位にはヨーロッパの国が多い結果となりました。3位(同率)「韓国」(24%)、5位「台湾」(21%)、6位「シンガポール」(19%)と、日本から近いアジアの国も上位です。ここからは、ランキング上位となった国・地域についての概要をお伝えします。1位 イギリスイギリスの首都ロンドンには、ビッグ・ベン、タワーブリッジ、ウェストミンスター寺院など観光名所が集まります。田園風景が広がり、絵本のようなかわいらしさがあるコッツウォルズは、女子旅にうってつけです。大英博物館やロンドン自然史博物館、ナショナル・ギャラリーといったミュージアムでは文化・芸術に触れられますし、本場でサッカー観戦したいという学生もいるかもしれません。2位 フランスエッフェル塔、凱旋門、シャンゼリゼ大通りなどが有名で、おしゃれな街並みが楽しめるパリ。「モナ・リザ」や「ミロのヴィーナス」など世界的に有名な作品が展示されているルーヴル美術館もあります。リゾート地のニースや、モンサンミッシェルにまで足を運ぶのも、学生にとって特別な体験になりそうです。3位(同率) 韓国屋台グルメ、最新のスイーツ、韓国コスメなどは日本でも人気があり、流行の発信地となることも多い韓国。韓国アイドルの推し活を目的に旅行する学生もいます。日本から距離が近く、短い旅行期間で気軽に行けることも学生に人気の理由でしょう。明洞や弘大などのショッピングエリア、済州島のビーチリゾートなどが有名です。3位(同率) イタリアイタリアといえば、まず思い浮かぶのはピザやパスタなどのイタリア料理。観光名所を巡りながら、現地で食べる本場のイタリア料理は格別です。また、イタリアは世界遺産が最も多い国であり、ピサの斜塔のあるピサのドゥオモ広場やローマ歴史地区、アマルフィ海岸などが登録されています。ベネチアもその中のひとつで、運河をゴンドラで巡るのは、学生にとってもあこがれではないでしょうか。観光客が多い国ということもあり、英語が通じやすいのも魅力です。学生旅行・卒業旅行で重要視することは?最後に、学生が学生旅行・卒業旅行で重要視する項目について聞いてみました(国内旅行、海外旅行の区別なく質問しています)。1位は「価格の安さ」で64%となりました。まだ金銭面で自由が利きづらい学生にとって、価格は第一の基準になりやすいようです。2位は「食事のおいしさ」(38%)、3位は「見られる景色」(36%)、4位は「経験できる内容」(34%)、5位は「治安の良さ」(32%)と、30%台が続いています。いずれも僅差ではありますが、旅先に求める項目では「食」が重要視される傾向にあるようです。「SNSでの写真映え」と「現地の言語」は共に13%で、比較的低い割合となっています。重要視する項目が「特になし」という人も8%いました。学生旅行・卒業旅行をお考えの方へ春休みに限らず、夏休みや冬休み、それにゴールデンウィークなど長い休みのときには、仲の良い友人たちを誘って、旅行の計画を立ててみませんか。人気の東京や大阪、京都に北海道、海外ならイギリスやフランスなどのヨーロッパ国々の周遊や、日本からの距離もほど近い韓国や台湾など、さまざまな選択肢があります。阪急交通社では、学生におすすめの国内旅行、海外旅行のツアーを多数催行しています。まだ長期旅行に不慣れであったり、海外で言葉や治安が心配といった方は、あらかじめおすすめのプランが組まれたツアーの利用もおすすめです。学生旅行・卒業旅行で、特別な思い出を作ってみてください。▼学生旅行・卒業旅行特集はこちら ▼観光ガイドはこちら ▼阪急交通社 旅行サイトはこちら 阪急交通社 リリース 発行元:阪急阪神ホールディングス大阪市北区芝田1-16-1 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2024年02月15日■これまでのあらすじ育休中のリフレッシュにと、夫と10ヶ月の息子との宮古島旅行を計画した玲。そこについてきた義母への度重なるプチストレスを抱えつつも、やっとの思いで乗り越えたのだが…。疲れ切った玲は夫に本音を話すと「今更言うなよ、不満があるならその場で言えばよかったのに」と言われ、理解されず後味の悪い旅行となってしまう。玲はよりいっそう、もう二度と義母との旅行には行かない!という意志を強く持つのだったー。前回の旅行がとても楽しかったようで、また行きたいと言い出した義母。私はこの間自分のストレスが多かったこともあり、今回の旅行の計画については基本ノータッチでいこうと決めていました。様子を見守っていましたが、これまであまり旅行を計画したことのないであろう義母のプランは、夫からのダメ出しばかりでなかなか進まず、不穏な空気が流れていましたー。次回に続く(全10話)毎日更新!※この漫画は実話を元に編集しています原案・ウーマンエキサイト編集部/脚本・高尾/イラスト・ 南波くわしく
2023年12月13日今回は、旅行の計画をしていた家族のエピソードを紹介します。一家で旅行の計画を立てていた主人公。しかし、旅行前日に妻が体調不良になってしまったのです…。一家で旅行を計画中ちょっと身体が熱くて…妻が発熱!?病院へ行くと…娘を連れて旅行へ楽しみにしていた旅行を控えていましたが、体調を崩してしまった妻。妻の希望を叶えるため、娘と2人で旅行へ出かけたものの…。娘まで体調不良を訴え始めてしまいました。この後、どうなってしまうのでしょうか。作画:響野原案:愛カツ読者編集:愛カツ編集部
2023年09月05日海外旅行が再開する中、旅行先を海外にするか国内にするかで迷われる方は今後増えてくるでしょう。久しぶりの海外旅行を楽しみたい方もいれば、引き続き国内旅行を中心にしたいという方もいるはずです。では、海外旅行派と国内旅行派で分けるとしたら、現在はどのような割合になるのでしょうか。今回阪急交通社では、全国20代以上の男女500名以上を対象とし、海外旅行派と国内旅行派の割合を調べるアンケート調査を実施。その結果を公開します。【調査概要】有効回答数:522名調査期間:2022/11/21~2022/11/27調査機関:株式会社ジャストシステム(「Fastask」利用)調査対象:全国、20代以上の男女調査手法:Webアンケートこれまでコロナ禍で制限のかかっていた海外旅行ですが、徐々に規制が緩和され、隔離期間なしで渡航できる国も増えてきました。国内旅行も、行動制限がゆるやかになることで、以前より活発に行われるようになってきています。海外旅行にも国内旅行にも行きやすくなったいま、改めて海外旅行派か、国内旅行派かと問われたら、はたしてどのような結果になるでしょう。アンケートで確認してみました。■国内旅行派が62%で多数! 海外旅行派は13%に全国、20代以上の男女522名に、「あなたは国内旅行派ですか? 海外旅行派ですか?」と質問した結果がこちらです。※「現在のあなたの状況や世の中の状況などに関係なく、どちら派と言われればこちらだと思うほうをお選びください。迷われた場合は、すぐ思い付いたほうをお選びください。」との補足の上で回答してもらっています。「国内旅行派」が62%、「海外旅行派」は13%と、国内旅行派の方が多数となりました。そして「どちらともいえない」が22%、「わからない」が3%となっています。年代別に見ると、20代や30代の人のほうが40代以上の人よりも、海外旅行派と答えた割合は高くなりました。20代に絞ると、海外旅行派が20%です。■国内旅行派と海外旅行派、それぞれを選んだ理由は?どういった理由で国内旅行派、海外旅行派のそれぞれを選んだのかについても聞いたところ、以下のような回答がありました。国内旅行派の回答「行きたいと思った時にすぐ行けるから。何かトラブルがあってもパニックにならずにいられると思う」「海外旅行を一度もした事がなく、言葉が通じないのが不安しかないから」「身近に、まだ魅力的な観光地がたくさんあるから」「外れがなく、どこに行っても食事はおいしく、温泉がある」「日本語が通じるし、何より安全なので」海外旅行派の回答「日本では体感できない文化や人々の生活習慣に触れるのが新鮮だから」「日本とは違う経験ができる」「言葉が通じないところに身を置くと、思ってもみないことが起きる。この連続が好きで病みつきになるから」「海外の方が広大で圧倒される気がするから」「外国の(特にヨーロッパ)の街並みを見て、歴史を感じたい」国内旅行派では、言語の不安がないこと、簡単に行けること、まだ行ったことのない場所があることなどが理由として多く挙げられていました。一方海外旅行派では、非日常や異文化体験が魅力的なことを理由とする人が多かったです。■海外旅行と国内旅行、楽しみたいことの違いは?次に、海外旅行派と答えた人には海外旅行で楽しみたいこと、国内旅行派と答えた人には国内旅行で楽しみたいことを、それぞれ聞いてみました。国内旅行のほうが海外旅行と比べて割合が特に多いのは、「グルメ(77%)」「温泉・サウナ(61%)」「宿泊施設(42%)」「テーマパーク(26%)」でした。一方「芸術鑑賞(43%)」「現地の人との交流(23%)」は海外旅行のほうが国内旅行より多い結果となりました。「買い物(61%)」や「体験(アクティビティ)(20%)」でも海外旅行が多い傾向にありました。温泉やサウナを楽しめる国は少なく、日本ならではの楽しみともいえるでしょう。コロナ禍においては、宿泊施設での滞在そのものを楽しむという考え方も浸透しています。一方海外では、ルーブル美術館、メトロポリタン美術館など世界的に有名な美術館を訪れ、貴重な芸術作品を鑑賞したいという方が多いものと考えられます。言語の違いというハードルはあるものの、現地の人たちとのコミュニケーションは貴重な異文化体験となります。また、学習した英語力を活かす機会とされる方たちも多いでしょう。■海外旅行も国内旅行も、阪急交通社にお任せください!国際線の再開やワクチン接種による渡航条件緩和もあり海外旅行に行きやすくなっています。阪急交通社では、海外旅行の再開に伴い、各国へのツアー旅行を多数催行しています。ゴールデンウィークや夏休みのご予約も始まっていますので、海外旅行派の方も国内旅行派の方もぜひご検討ください。▼海外旅行・ツアーはこちら ▼ゴールデンウィーク特集はこちら ▼夏休み特集はこちら ▼阪急交通社 国内旅行・ツアーはこちら ▼阪急交通社 旅行サイトはこちら 阪急交通社 リリース 発行元:阪急阪神ホールディングス大阪市北区芝田1-16-1 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年02月14日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「イラン“ヒジャブ”抗議デモ」です。ヒジャブを発端に広がる反政府運動。深刻な人権問題。昨年9月イランにて、ヒジャブ(スカーフ)のかぶり方が不適切と、22歳のクルド人女性マフサ・アミニさんが風紀警察に拘束され、3日後に死亡しました。これに対する抗議デモが拡大し、世界中のセレブリティが女性の自由と人権をSNSで訴えました。イランでは、9歳以上の女性は、国籍や宗教を問わず公共の場では、髪の毛を覆うヒジャブと体の線を隠す服の着用が法律で義務付けられています。事件のあと、イランの抗議デモは国内各地で膨れ上がり、当局はデモ参加者のうち、治安部隊に危害を与えた2人の男性を死刑に処し、2人目は公開処刑を行いました。昨年12月半ばの段階で約1万8000人が拘束され、治安部隊との衝突などにより約490人が亡くなっています。カタールで開かれたサッカーW杯では、イランの選手やサポーターがデモへの連帯を示し、国歌を歌いませんでした。国内でも、プロサッカー選手のアミル・ナスル・アザダニさんがデモに参加したことで拘束され、長期の懲役刑にあたる罪に問われています。イランの国民的俳優のタラネ・アリドゥスティさんは、抗議活動に加わった人を死刑にすることに異を唱え、反革命と暴動を支援する虚偽の情報を拡散した罪で、12月半ばに警察に逮捕されました(※1月4日に釈放)。10月にイスラムの女性に取材したところ、イスラム教の経典コーランでは、女性が男性を誘惑するようなきっかけを作ることが禁じられていますが、ヒジャブのかぶり方まで制約されているわけではないと話していました。つまりこれはとても政治的な意味合いの強い問題です。独裁的な政治家たちが国の統治を強めるために、ヒジャブに言いがかりをつけているのであり、イスラムの教えによるものではありません。民主的な運動で国家体制が崩れることを警戒する統治者が、締め付けを図っているのです。イスラム教そのものに対して、世界で誤解や偏見を生みかねないことを、その方は懸念されていました。イランの男性中心の政治の権力構造が、ヒジャブ着用の問題に表れているということに目を向けてほしいと思います。ほり・じゅんジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。「GARDEN」CEO。Z世代と語る、報道・情報番組『堀潤モーニングFLAG』(TOKYO MX月~金曜7:00~)が放送中。※『anan』2023年2月8日号より。写真・小笠原真紀イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年02月04日新婚旅行でカナダに行った投稿者さん。初めての海外旅行だったため、ツアーに参加したところ……。今回は、実際にあった“新婚旅行の事件エピソード”をご紹介します。新婚旅行で……新婚旅行は、カナダに行きました。カナダはずっと行きたかった場所です。私も主人もワクワクしていましたが、初めての海外ということもあり、不安も多かったのでツアーに参加することにしました。当日、空港に集まると、シニア向けツアーだったということがわかりました。旅行会社からは事前に、「ほとんどカップルか新婚さん・OL・大学生の小集団ですよ〜」と聞かされていたため、かなり衝撃を受けました。雲行きが怪しい中での出発です。案の定、私たちは集団からはやし立てられ、距離が近い人たちが多く、二人きりの時間は皆無のまま時間は過ぎました。ようやく二人きりになれるホテルでも、ツアーで一緒だった方たちは部屋に来て飲んで食べて喋って……。新婚旅行をもう一度やり直したいです。(30歳/公務)2人の時間が取れず……新婚旅行でずっと行きたかったカナダに行ったものの、ツアーの雰囲気から2人の時間が取れなかったというエピソード。皆さんはこのエピソード、どう感じましたか?※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。(MOREDOOR編集部)
2023年01月26日今回は、実際に募集した「新婚旅行の事件エピソード」をご紹介!新婚旅行なのに夫は……。投稿者さんが、新婚旅行で旦那さんに激怒したエピソードです。新婚旅行なのに……新婚旅行はハワイに行きました。夫はなぜか、友人たち数名を連れてきました。モヤッとはしたものの、楽しい気持ちを共有したいのだろうと許容することにしました。問題は到着後、夫はひたすらホテルで寝るばかり。外出しようと言ったら「友人たちと行ってくれ」と再び寝ようとしました。夫の友人たちとは会って間もない関係ですし、これは新婚旅行です。私はさすがに激怒し、ホテルのスリッパを投げつけてしまいました。(37歳/会社員)旦那さんに困惑……新婚旅行に友人を連れてきたうえ、ずっとホテルで寝ていた旦那さんに困惑した投稿者さん……。皆さんなら、どう対応しますか?※こちらは実際に募集したエピソードを記事化しています。(MOREDOOR編集部)
2023年01月07日プラダは、フレグランスコレクション「インフュージョン ドゥ プラダ」から、明るく華やかな「イラン」の香りとユニークな調和やコントラストを表現した「バニラ」の香りを発売します。「インフュージョン ドゥ プラダ」は、鮮やかで、洗練された技術力によって構成される絶妙な香りのコレクションです。伝統的な調香テクニックを再解釈したユニセックスでモダンな表現で、ライトでありながら個性的で目新しい香りの体験を提案します。製品概要「インフュージョン ドゥ プラダ イラン オーデパルファム」煌びやかな太陽の香り太陽のエッセンスを抽出したような華やかさ。甘く優美なイランイランを、ナチュラルなベルガモットとスパイシーなカルダモンが照らすフローラルのフレグランス。シトラスが弾けるようなフレッシュで高揚感のある香り。太陽とイランイランを象徴するレモンイエローのキャップがボトルに彩りを添えます。OLFACTIVE FAMILY: フローラル、ソーラー、スパイシーNOTES: ベルガモット、カルダモン、イランイラン、サンダルウッド「インフュージョン ドゥ プラダ バニラ オーデパルファム」ミステリアスな融和に浸る香りスモーキーなバニラの香りにシトラスが彩りを。バニラビーンズを割った瞬間に溢れ出すスモーキーな甘さに、光り輝くベルガモットと弾けるようなネロリが鮮やかなコントラストをもたらす、フローラルアンバーの香り。ブラウンのレザーキャップはバニラビーンズを表現しています。OLFACTIVE FAMILY: フローラル、アンバー、ウッディーNOTES: ベルガモット、ネロリ、バニラ、アンジェリカシード2022年8月18日(木)新発売インフュージョン ドゥ プラダ イラン オーデパルファム 100mL 1万6,500円インフュージョン ドゥ プラダ バニラ オーデパルファム 100mL 1万6,500円*すべて税込み、メーカー希望小売価格
2022年08月17日銀座のランドマークとして知られる和光本店。その時計塔は二代目で、1932年に竣工されました。今年2022年はその竣工から90年とともに、株式会社 和光が設立されて75年という年でもあります。 その時計塔90年を記念して、イランのソレマニエ・フィニィ工房が特別にデザイン・制作したペルシャ絨毯をご紹介します。時計塔90年限定品 税込209万円(絹100%、約80×105cm、本店地階)シルクスマック織絨毯「Yadegar(記念)」ソレマニエ・フィニィ工房が時計塔90年からイメージしたワード「繁栄」。そこから美しい水を連想し、草木染のシルクを用いてブルーを基調とした絨毯を織りあげました。時計塔の意匠よりアラベスク(唐草)模様を配し、中央には、メソポタミア時代より聖なる木として崇められてきたナツメヤシの木をモチーフにした、パルメット文様がデザインされています。繁栄・永続への想い、そして時計塔90年の歴史とこれからの歩みを表現した一品。時計塔90年限定品 税込77万円(ウール100%、約97×145cm、本店地階)ウールパイル織絨毯「Tarikh(歴史)」和光本店の窓の格子のモチーフをイメージしたデザイン。制作地であるイラン・カーシャーンの伝統的な文様に加えて、永遠を意味する蔦文様と、華やかな花と糸杉の文様を添えました。縁には本店の窓に使用されている唐草文様を、魔除けの龍と蛇に見立ててデザイン。ほかにも子孫繁栄のシンボルとされるザクロの柄を加えました。オーダー期間:6月10日(金)~8月28日(日)オーダーから納品まで:約1.5年時計塔90年限定品 各 税込7万1,500円(ウール100%、約40×40cm、左から時計回りに、白茶、青、グリーン、赤茶、本店地階)ウールパイル織クッション「Saat(時計)」和光本店 晴海通り側の大窓にあしらわれている装飾文様をベースに、トルクメン族の伝統柄であるギュル文様を融合させたデザインのクッション。【ソレマニエ・フィニィ工房とは】イラン中心部のカーシャーンにある工房。化学染料で染められ、量産されたペルシャ絨毯が流通する中、伝統技法の手紡ぎ・草木染の絨毯を100年ぶりに復活させました。厳選された上質な羊毛で織られた絨毯は弾力性に富み丈夫。代々受け継いで使いたいサステイナブルな絨毯を制作しています。【お問い合わせ先】本店地階 〒104-8105 東京都中央区銀座4丁目5-11 (03)3562-2111(代表)ホームページ時計塔90年特設サイトインスタグラムライフスタイル専用インスタグラム企業プレスリリース詳細へ本記事に掲載しているプレスリリースは、株式会社PR TIMESから提供を受けた企業等のプレスリリースを原文のまま掲載しています。FASHION HEADLINEが、掲載している製品やサービスを推奨したり、プレスリリースの内容を保証したりするものではございません。掲載内容に関するお問い合わせは、株式会社PR TIMES()まで直接ご連絡ください。
2022年06月11日映画といえば、“時代や社会を映す鏡”とも言われていますが、イランから届いたのは、死刑制度や冤罪問題を背景に描いた傑作サスペンス。ベルリン国際映画祭コンペティション部門に出品されたのをはじめ、世界各国で高く評価されている衝撃作をご紹介します。『白い牛のバラッド』【映画、ときどき私】 vol. 455テヘランの牛乳工場で働きながら耳の聞こえない幼い娘ビタの育てるミナは、1年前に夫が殺人罪で死刑に処せられてしまい、シングルマザーとして暮らしていた。いまなお喪失感に囚われている彼女だったが、夫ではなく別の人物が真犯人だったという信じがたい事実を裁判所から告げられる。深い悲しみに襲われたミナは、賠償金よりも担当判事の謝罪を求めるが門前払いされてしまう。そんななか、救いの手を差し伸べたのは、夫の旧友と称する中年男性レザ。ミナとビタ、レザの3人はいつしか家族のように親密な関係を育んでいくが、レザはある重大な秘密を抱えていた。その罪深い真実を知ったとき、ミナが最後に下した決断とは……。世界的な評価を得ているものの、本国イランでは政府の検閲によって正式な上映許可が下りていないという問題作。そこで、イラン社会の不条理に鋭く切り込んだ本作について、こちらの方々にお話をうかがってきました。ベタシュ・サナイハ監督 & マリヤム・モガッダム監督良質な映画が生まれる国として知られているイランで、“新たな才能”として注目を集めているサナイハ監督(写真・左)とモガッダム監督(右)。私生活でもパートナーのおふたりが、共同監督を務めるのは本作で2度目となります。今回は、主演も務めたモガッダム監督がミナに込めた思いや死刑制度が抱える問題、さらにイランと日本の共通点などについて語っていただきました。―イランは死刑執行件数が世界2位となっていますが、さまざまなリサーチを行う過程でイランの死刑制度にはどのような問題があると感じましたか?モガッダム監督イランの死刑制度に対する私たちの意見は、映画を観ていただければわかる部分もありますが、“社会の暴力”をより増やしてしまうものが死刑制度なのではないかと思っています。そういった観点から、この映画では死刑制度が生み出してしまうかもしれないひとつの結果を描くことにしました。まず問題となるのは、冤罪によって罪のない人が命を落としてしまう可能性があること。人間なので、どうしても間違いを犯すことはあると思いますが、死刑制度という法律にはそういった“バグ”があると考えています。―死刑制度を取り上げようと思ったきっかけなどもあったのでしょうか。モガッダム監督実は、父が政治犯として処刑されてしまったこともあり、私にとっては身近な題材だったので、長年温め続けていました。この作品を制作するにあたって、死刑制度に関係のあるさまざまな人たちにリサーチをしましたが、その過程で「これはイランだけでなく、死刑制度があるすべての国にいる人々の物語なのではないか」と考えるようになっていったのです。日本でもよく見られるテクニックを取り入れたかった―本作に登場する白い牛は、「死を宣告された無実の⼈間」を表しているのだとか。そのほかにも劇中でメタファーやダブルミーニングを込めたシーンがあれば、教えてください。サナイハ監督まず白い牛についてもう少し詳しく説明すると、コーランのなかにある牛の章が罪や罰に関するすべてのもとになっているので、今回使用することにしました。イスラムの世界では神に牛を捧げる儀式もあるほど、牛は無垢や謙虚さの象徴とされていますから。そういう意味もあり、白い牛を無実で処刑される人のシンボルにしたいと考えました。モガッダム監督娘のビタをろう者にしたのは、イスラムの女性たちの声が世界や権力者に届いていないこと、そして彼女たちの声が聞こえないものとされていることを意図したかったからです。あと、ミナが口紅を塗るシーンが2回ありますが、そこで表しているのは、彼女が芯の強い女性であること。彼女の強さや自身を鼓舞する気持ちを表現するためのメタファーとして入れています。サナイハ監督そのほかにも、今回は建築の要素を効果的に使っており、特にこだわったのは、窓やドアのフォルム。それらは登場人物たちに新鮮な空気が吹き込むような造りになっていますが、そこでは彼らがつかもうと手を伸ばしている“自由への道のり”を意味しています。これらのメタファーは、日本文化や文学のなかでもよく見られるものだと思いますが、イラン文化でも同じようなところがあるので、こういったテクニックを自分たちの映画にも用いたかったというのが私たちの意図です。―また、本作ではイランのシングルマザーが置かれている状況に驚かされました。国際的に活躍されているモガッダム監督は、どのような思いでミナ演じられましたか?モガッダム監督本作では、物語とともに「イランで女性として生きることはどういうことなのか」というのをリアルに見せたいと思っていました。イランではいまだに男尊女卑なところがありますが、同じような状況の国はたくさんあるので、そういった社会で女性が暮らしていくことの大変さや不公平さ、そして女性が抱える葛藤は表現したいと考えていました。2つの国が刺激し合えているのは、素晴らしいこと―先ほど、本作には日本文化でも見られるテクニックを使われたとのことでしたが、日本から影響を受けている部分などもあるのでしょうか。モガッダム監督私はまだ日本へは行ったことがありませんが、いつか絶対に行きたいと思っている国のひとつ。文化的にもイランと日本には近いものを感じるので、非常に興味を持っています。サナイハ監督実は、僕は8歳のときに家族と東京に1か月ほど滞在したことがあるんですが、とても素敵な街ですし、日本の文化が大好きです。特に、影響を受けているとすれば、それは日本のクラシックな映画ですね。ストーリーテリングに詩的な要素を入れることを大事にしているところに、日本映画とイラン映画の共通点を感じていますが、これは映画作りにおいては非常に重要な部分だと考えています。実際にそれらは小津安二郎監督や黒澤明監督、そしてアッバス・キアロスタミ監督にも共通しているのではないかなと。最近の日本の映画作家たちに受け継がれている資質だと思いますし、イランでもバハラーム・ベイザー監督は黒澤監督の影響を強く受けていると感じるほどです。そんなふうに2つの国がお互いに刺激し合いながら映画を作っていることは、本当に素晴らしいことだと思っています。―これからもそうあり続けてほしいですね。それでは最後に、日本の観客へ向けてメッセージをお願いします。サナイハ監督死刑制度というルールが生む痛みは、日本とイランが共通して抱えているものだと考えているので、ぜひそういったことを含めてこの作品を観ていただきたいです。溢れ出る感情に締め付けられるサスペンスとして秀逸でありながら、日本人として決して目を背けてはいけない“社会の闇”を突きつける本作。母として女性として強く生きようとするミナの姿と衝撃のラストは、観る者の心を激しく揺さぶり、さまざまな問いを与えてくれるはずです。取材、文・志村昌美胸がざわめく予告編はこちら!作品情報『白い牛のバラッド』2月18日(金)TOHOシネマズ シャンテほか全国公開配給:ロングライド
2022年02月16日第74回カンヌ国際映画祭グランプリを受賞した、イランの巨匠アスガー・ファルハディがSNS時代に放つヒューマン・サスペンス『英雄の証明』。この度、拾った金貨を返却した“正直な囚人”ラヒムが、支援を受けるためチャリティ協会の舞台に息子と登壇するシーンの本編映像が解禁された。日常の中に生じた小さなひび割れのような出来事が人生を根底から揺るがす事態に発展していく様を、サスペンスフルかつ情感豊かに描出することに長けたファルハディ監督は、本作ではSNSやメディアの影響力に着目。人間の倫理観を問う普遍的で、現代的なテーマに踏み込んだ。今回解禁となったのは、美談の英雄に祭り上げられていく主人公ラヒムの姿を捉えた本編映像。刑務所に服役しているラヒムは、休暇中に拾った金貨を返却したことがマスコミで話題となり、「正直者の囚人」と讃えられ、借金返済に向けたチャリティ協会主催の支援会が開かれた。ラヒムは息子と一緒に舞台に立つと、たくさんの寄付や新しい職の支援があることを伝えられ、立派な盾を渡される。喜びを隠せないラヒムだったが、「私は金貨を売る誘惑に駆られました」と正直に告白。しかし売りに行った店で数々のハプニングがあり、「これは何かの啓示で、私の行いは誤りであり、金貨は返すべきなのだと」と、金貨を返すに至った思いを話すと、その行いに感銘を受けた支援者たちから「素晴らしい」との声と共に大きな拍手が起こっているが…。まさに、物語の行く末を予感させるシーンとなっている。『英雄の証明』は4月1日(金)よりBunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:英雄の証明(2021) 2022年4月1日よりBunkamuraル・シネマ、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテほか全国にて公開© 2021 Memento Production - Asghar Farhadi Production - ARTE France Cinéma
2022年02月16日第71回ベルリン国際映画祭金熊賞と観客賞ノミネートのイラン映画『白い牛のバラッド』(英題:Ballad of a White Cow)が来年2月より公開されることが決定。併せて場面写真も解禁となった。愛する夫を死刑で失い、ろうあの娘を育てながら必死で生活するシングルマザーのミナ(マリヤム・モガッダム)。1年後に突然、夫の無実が明かされ深い悲しみに襲われる。賠償金よりも判事に謝罪を求める彼女の前に、夫の友人を名乗る男レザ(アリレザ・サニファル)が現れる。ミナは親切な彼に心を開き、3人は家族のような親密な関係を育んでいくが、2人を結びつける“ある秘密”には気づいていなかった…。罪と償いの果てに、彼女が下した決断とは?本作は第71回ベルリン国際映画祭で金熊賞、観客賞にノミネートされ数々のメディアで取り上げられるなど熱狂を呼び、イランの名匠に並ぶ新たな才能と高く評価された。監督を務めたマリヤム・モガッダムとベタシュ・サナイハは、2018年の『The Invincible Diplomacy of Mr Naderi』(英題)に続き、本作が2度目の共同監督。モガッダム監督は脚本と主演も兼任し、シングルマザーとして娘を育てようと奮闘しながら、理不尽な社会に立ち向かう主人公の女性・ミナを演じきった。強さと弱さを併せ持ったリアリティ溢れるその姿は「孤独と決断の葛藤の間で揺れ動くミナの役を見事に演じている」(―Festival Scope)「モガッダムは素晴らしいの一言に尽きる」(―Cineuropa)と絶賛の声が上がっている。イランは死刑執行数が中国に次いで世界第2位の国(アムネスティ・インターナショナル調べ)である。第70回ベルリン国際映画祭金熊賞受賞で話題を呼んだ『悪は存在せず』など、近年、死刑制度をテーマにした映画が数々と作られており、世界的にも関心が高まっている。なお、本作はイラン政府の検閲により正式な上映許可が下りず、自国では3回しか上映されていない。厳罰的なイランの法制度を背景に、社会の不条理と人間の闇をあぶりだした本作は、いまや世界的に少数派である、死刑制度が存在するここ日本でも、大きな問いを投げかけることだろう。また、女性、とくに未亡人が生きづらい敬虔なイスラム社会で、判事に謝罪を求め続けたミナが、真実にたどり着いたときに下した決断は、あらゆる観客の脳裏に焼き付くはずだ。また、併せて場面写真も解禁。ミナの背後に近づく人影、車内にいるミナとレザの神妙な面持ちが印象的な姿や、ミナが娘とともにいるシーン、無機質な牛乳工場で働く様子など、サスペンスフルな雰囲気が伝わってくる場面が切り取られている。理不尽に立ち向かう女性の姿を巧みに描いた本作。緻密な心理描写、そして緊張感あふれる音と映像で描かれる、極上のサスペンスとなっている。『白い牛のバラッド』は2022年2月18日(金)よりTOHOシネマズシャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:白い牛のバラッド 2022年2月18日よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開
2021年12月20日イラン・テヘランの警察当局は、写真共有サービスInstagramを通じて、2人の赤ちゃんを売却しようとした疑いで3人の男を逮捕したと発表した。赤ちゃんのうち1人は生後2カ月、もう1人はわずか生後20日だったという。英BBCなどが報じている。逮捕された男の1人は「貧しい家庭から少額で赤ん坊を買い取った」「より良い未来を提供できる家庭に渡す」と話しており、赤ちゃんは約2,000ドルで転売されることが決まっていた。3人のアジトに踏み込んだ警察が赤ちゃんを発見し、福祉施設に引き渡したという。イラン国内において困窮する妊婦が赤ちゃんを「売る」ケースは今に始まったことではなく、’16年には当時の家族・女性問題担当大臣が「貧困、薬物中毒、児童婚、家がないなど様々な理由から、赤ちゃんを売る女性が増えている」と問題提起していた。今年初めには、貧しい妊婦に入院費を肩代わりすると持ちかけ、出産後に赤ちゃんを奪っていった男女のグループが逮捕されている。テヘラン警察のフセイン・ラヒミ署長によると、「近頃はInstagramで赤ちゃんを売買するケースが急増しつつあり、監視を強化したところ、今回の3人が浮上した」とメディアに話している。
2020年06月25日第70回ベルリン国際映画祭が3月1日(現地時間)に閉幕した。最高賞であるコンペティション部門の金熊賞には、イラン出身モハマド・ラスロフ監督作『There Is No Evil』(英題)が選ばれた。同作は死刑制度をテーマとした作品。ラスロフ監督作は今作以前の作品が問題視され、イランからの出国を禁じられているため、今作に出演もしている娘のバランが代わりにトロフィーを受け取った。次点の銀熊賞は、イライザ・ヒットマン監督が17歳の少女を主役としてアメリカ国内における中絶問題を描いた『Never Rarely Sometimes Always』(原題)に贈られた。今年はエンカウンターズ部門という新部門が設けられた。公式サイトによると、この部門では「映画界における新しい声や多様性のある物語やドキュメンタリーをサポートする」とのこと。3人の審査員によって最優秀作品賞、最優秀監督賞、審査員特別賞が選ばれる。初の最優秀作品賞には、加瀬亮や本木雅弘が出演する『The Works And Days (of Tayoko Shiojiri in the Shiotani Basin)』(原題)が選ばれた。アメリカ、スウェーデン、日本、イギリス合作。C・W・ウィンター&アンダース・エドストロームがメガホンを取った。京都の集落で27週間かけて撮影されたドキュメンタリー調の作品。480分の長編で、3回の休憩をはさんで上映されたという。(Hiromi Kaku)
2020年03月02日意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「イランVSアメリカ」です。イランは日本と関係の深い国。現状に目を向けて。今年に入り、イランとアメリカの緊張関係が急速に高まりました。イラン革命防衛隊のソレイマニ司令官が、イラクを訪問中の1月3日に、アメリカのドローンを使った空爆により殺害されました。イランは報復措置として、8日にイラクの米軍基地をミサイル攻撃しましたが、それ以上の戦いは望まないと、双方手打ちとなりました。ところが、同日、ウクライナ旅客機がテヘラン近郊で墜落。最初は事故と発表されていましたが、のちにイラン軍による誤射だったことが明らかに。これにより外国人を含む176人の民間人の命が奪われました。イランとアメリカの関係は、オバマ政権時代に改善しかけていました。2009年から8年かけた粘り強い交渉の末、イランの核開発を平和裡に制限させることに成功。代わりに経済制裁を解除する予定でした。歴史的に意味のある合意だったのですが、トランプ政権はそれを白紙に戻してしまいました。前大統領の功績をすべて覆そうとするトランプ大統領。イランに強硬な態勢をとっているのも、秋の大統領選を意識しての行動といわれています。一方、日本とイランは親密な関係にあります。事件後、安倍首相はすぐさまイランに飛び、アメリカと中東の仲介役になろうと働きかけています。日本はイランから、石油や天然ガスを多く輸入していますから、有事にそれらが入らなくなれば、日本の社会は回りません。アメリカに気を使い、中東地域に海上自衛隊を派遣しましたが、目的はあくまで情報取集で、攻撃のためではないことを強調しました。しかし、自衛隊は専守防衛、武器の使用を禁じられています。そんな状態で隊員の安全は守られるのでしょうか?もう一つ注目すべきは、イラン国内で起きている反政府デモです。発端は昨年11月の石油価格の高騰。政府の制圧で300人以上の人が亡くなったとの報道も。そして、ウクライナ旅客機墜落で真実を隠蔽しようとしたことから、国民の不満は再燃。言論統制されているイランで政府に反発を示すのは命がけの行為です。それほど不満が溜まっている状態であることを、みなさんにも知っていただけたらと思います。ジャーナリスト。元NHKアナウンサー。市民ニュースサイト「8bitNews」代表。映画『わたしは分断を許さない』(監督・撮影・編集・ナレーション)が3月7日公開。※『anan』2020年3月4日号より。写真・中島慶子イラスト・五月女ケイ子文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2020年02月27日おめでたいはずの新年。米軍によるイランのソレイマニ司令官殺害をきっかけに、アメリカとイランの間で緊張が高まっています。アメリカは、日本にいながらにして「身近な国」である一方、イランについては、今回の件で「行ってはいけない危ない国」というイメージを持った方も多いのではと感じます。しかし、イランは知る人ぞ知る魅力のある国。今回は、2度のイラン旅行を経てすっかりイランの虜となった私が、観光地としてのイランの魅力をお伝えします。※現在、外務省海外安全ホームページでは、イランの大部分が「レベル3渡航中止勧告」となっています(2020年1月12日時点)【魅力①】ひたすらに美しい世界遺産の宝庫イランには、世界史の教科書にも登場するような、歴史的に重要な文化遺産が数多く存在しています。こちらは、古代遺跡『ペルセポリス』。砂漠にそびえる巨大な遺跡群に圧倒されます。紀元前331年にアレクサンダー王によって陥落し、廃墟となりました。イランの首都テヘランにある『ゴレスタン宮殿』は、18世紀末から20世紀初頭にかけて栄えたカジャール朝の宮殿。2013年に文化遺産に指定されていて、博物館として宮殿見学ができます。イランのなかでも、古く美しいモスクがたくさんあるのが、古都イスファハン。日本でいう京都にあたる街です。イスファハンでぜひ訪れたいのが、かつて「世界の半分」とも言われ、今では市民の憩いの場となっている『イマーム広場』です。こちらの写真は、イマーム広場の南にそびえる『マスジェデ・ジャーメ』(王様のモスク)。イスラム建築の最高峰と言われていて、青を基調とした美しい壁面装飾は必見です。イマーム広場の東にある『マスジェデ・シェイフ・ロトゥフォッラー』は王族専用だったモスク。小さいながらも神々しさを感じさせます。そのほか、イマーム広場を見渡せるアーリー・ガープ宮殿も有名な観光スポットです。世界遺産ではありませんが、こちらはイラン南西部のシーラーズにある『ハンマーメ・ヴァルキール』。“ピンクモスク”の名で知られ、窓一面にステンドグラスがはめ込まれた美しいモスクです。午前中には、外から差し込む日光がステンドグラスを通過し、カラフルな光がモスク内を彩ります。このように、イランには、時間を忘れて見入ってしまう美しい歴史遺産や建築物が溢れています。【魅力②】日本人に合うおいしい食事イランの食事は、基本的に優しい味付け。辛いものや脂っこいものが少なく、日本人が食べやすいメニューが多いのが特徴です。こちらは、イランでよく見かけるのがイラン式ケバブ。日本でよく見かける、巨大な肉が回っているタイプはトルコ式で、イランのケバブは大きな焼鳥形式です。焼鳥のように焼いたり、ひき肉にして串焼きにしたお肉を、ご飯と一緒にいただきます。こちらは、イランのパン。食感が違う4種類のパンは、どれも朝食でよく出てきます。柔らかいチーズやニンジンのジャム、ハチミツが添えられることが多く、特にチーズが絶品!あまり知られていませんが、現地に住む方によると、イランの農作物は基本的にオーガニックなのだそう。野菜も果物もお米も非常においしく、何より安心して食べられるのはうれしいです。イランの北部、ラシュトはオリーブの産地。ラシュトのバザールに行くと、これでもかと大量のオリーブが並んでいました。ほとんど臭みがない「にんにくのピクルス」もラシュトの名品です。レストランでは出てきませんが、特においしいのが家庭料理。写真のように、レーズンやくるみ、豆を入れて炊きこんだご飯や、イラン風のおこげを作って食べるミートソーススパゲッティ(マカロニ)など、ほっぺたが落ちそうになる激ウマ料理ばかりです。しかし残念ながら、これらの料理はレストランやホテルではお目にかかれません。私は宿泊先のゲストハウスでランチやディナーを頼んだ際にいただきました。ゲストハウスに宿泊し、オーナーに「食べてみたい」と頼むと作ってもらえるかもしれません。【魅力③】親日で優しいイランの人たちイラン人はとても親切で人懐こく、「サラーム(こんにちは)」と挨拶すると、ニコッと笑って「どこから来たの?」と気さくに話しかけてくる人が多いです。長距離移動のバスや電車で隣に乗り合わせた人とは、「仕事は何しているの」「兄弟はいる?」と翻訳アプリを駆使しながらの会話が始まり、最後に「私の家にこれから来ない?」なんて誘われることも。私自身、いつの間にか現地の友達がたくさん増えていて、別れた後もこまめにメッセージをくれています。また、イランには親日家が多く、「日本から来ました」「私は日本人です」と言うと、「ジャーポン!!」と目を輝かせ、「日本も日本人も大好きだよ!」と大歓迎してくれたのを覚えています。ひとり旅でも寂しさを感じることのない国私がイランに行くかどうか悩んでいた頃、世界1周旅行をしたことがある人に「イランはどんな国でしたか?」と尋ねたことがあります。するとその人からは、「涙が出そうなくらい素朴で優しい人ばかりの国。最高だよ」という答えが返ってきました。私は、実際にイランを旅してみて「まさにその通り」だと実感しました。道でガイドブックを開けば、誰かが「どこに行きたいの?」と声をかけてきてくれるイランでは、ひとりでもあまり寂しさを感じることなく過ごせるように思います。今はアメリカと緊張状態にあるため、イランの大部分が「レベル3渡航中止勧告」(2020年1月12日時点)となっていますが、レベルが引き下げられたときには、また訪れたいと願っています。
2020年01月12日国や文化が変われば、社会における女性の立場も大きく異なるもの。そこで、3世代の女優の人生をもとにイランが抱える“闇”に迫る注目作『ある女優の不在』をご紹介します。今回は、その背景について、主演を務めたこちらの方にお話をうかがってきました。写真・大内香織(ベーナズ・ジャファリ)イランの人気女優ベーナズ・ジャファリさん!【映画、ときどき私】 vol. 280今回、劇中では本人役として出演しているジャファリさん。自殺をほのめかす女優志望の少女から“遺言動画”を受け取ったことがきっかけとなり、本作を手がけるジャファル・パナヒ監督とともに彼女を探す旅に出るところから映画は始まります。そこで、来日を果たしたジャファリさんに、フィクションでありながらドキュメンタリーの要素も含む本作の裏側とイランの俳優たちの知られざる現状などについて、語っていただきました。―まずは、この作品に出演することになった経緯を教えてください。ジャファリさんオファーを受けたのは、海外旅行から帰国して空港に到着した夜のことでした。編集の方から「パナヒ監督の映画に出ませんか?」とお電話をいただいたんです。そのときに、撮影のスケジュールを聞いたら、「明日からです」と言われて非常に驚きましたが、以前からパナヒ監督の作品に対しては尊敬の念を持っていたので、すぐに脚本を読み、次の日の朝には撮影に出ました。―かなり急展開な始まりだったのですね。とはいえ、準備期間もなく、しかも本人役での出演に対して躊躇することはなかったのでしょうか?ジャファリさん実は、こういった役を演じるのは、私にとっては初めてのことではありませんでした。まずは20年以上前に、イランで発生した大地震で被害を受けた遺跡でドキュメンタリーのような映画を撮ったときのこと。そこでは、崩壊した建物のなかにあった油と人のにおいが残っていた毛布を頭にかぶせられ、「自分自身を演じなさい」と監督に言われたこともありました。そのほかにも、女優が職業のキャラクターを演じたこともあったので、そういう意味でもいままで演じた役と今回の役はそこまでかけ離れたものだと感じることはなかったんだと思います。やりとりはすべて即興的に行われていた―なるほど。ちなみに、セリフに関しては、ほとんどがアドリブですか?ジャファリさん事前にもらっていた脚本には細かいセリフは書かれておらず、それぞれのシーンとポイントになる会話が書かれているだけでした。ただ、今回はパナヒ監督自身も本人役を演じていたので、現場で話し合って即興的なやりとりを一緒にしています。とはいえ、登場する村人たちは素人なので、彼らには「こういう話をしてほしい」と伝えたうえで考えながら作っていくという流れでした。―パナヒ監督といえば、イランを代表する監督のひとりでありながら、作品の内容が反政府的と見なされて2度の逮捕、さらには2010年から20年間にわたって映画製作・脚本執筆・海外旅行・ インタビューを禁止されています。それでも、映画作りを続けるパナヒ監督は映画界にとっても唯一無二の存在だと思いますが、ジャファリさんから見た印象は?ジャファリさん私が好きなのは、パナヒ監督の作品には、昔から女性を平等に見ている目線があるところです。彼は、女性に理不尽なことが起きていることを問題視して映画を作っているので、すごく尊敬していますし、学ぶことがたくさんある監督だと思います。―ただ、ジャファリさんはパナヒ監督の作品に出演したことで、イラン政府当局から呼び出されたそうですが……。ジャファリさん呼び出されたことは事実ですが、イランの俳優にとっては、あまり特別なことだとは感じていません。というのも、日本やほかの国とは違って、イランの俳優にはエージェントがいないので、すべて自分でやらなければいけないからです。もちろん、それによって今回のようなさまざまな対応や経済的なこと、契約のやりとりなど、すべてを自分でしなければいけないのは大変なことではありますが、その代わりに自由があります。つまり、どんなに小さな役でも、「脚本が素晴らしいから」とか「この監督の作品には絶対に出たいから」と思えば、何でも自分で決めることができるんです。しかも、イランでは男優よりも女優のほうがギャラが高いんですよ。イランでは女優のほうが自由がある―ハリウッドですら女優のギャラが男優よりも安いことがいまだに問題となっているだけに、それは驚きです。イランではなぜ逆なのですか?ジャファリさん私にも正確な理由やどのくらい違うのかについて、はっきりとはわかりませんが、それは女性に対する尊敬かもしれないですね。たとえば、女優は「このくらいだったら受けます」と自由に言うことができますし、同じレベルの俳優の場合、女優よりも男優のほうが安いというのが一般的です。―とはいえ、劇中でも描かれているように、イランでは女性が女優になることに対して、偏見があるようですが、ご自身も同じような経験をされたのでしょうか?ジャファリさん私が子どものころに「女優になりたい」と言ったとき、母はすごく怒っていましたが、いまはそういうことも少なくなってきていて、逆に親が子どもを俳優にさせたいと思って私に演技を教えてほしいと頼んでくることもあるほどです。それは、そのほうが子どもが幸せになれると思っている人や、本当は自分が俳優になりたかったけどなれなかったから子どもにその夢を託した人が増えてきているからだと思います。―ということは、この映画で描かれているような状況は少なくなってきていると。ジャファリさん私はそう感じてはいますが、もうひとつの理由は、映像が身近なものになったからかもしれません。いまはデジタルの世界になったことで、人々は簡単に自分の映像を撮ったり、見て楽しんだりできるようになりましたよね?それによって、昔のように映像に出ている人たちと自分たちとのギャップが狭くなっているんだと思います。ただ、こういう人たちが増えていくと、「私たちのように俳優として長年やってきた人間たちはどうなってしまうんだろう」という不安も感じているところです。そういう意味では疑問もたくさんありますし、この状況がいいのかどうかも、いまはわかりません。実際、本作に出てくるマルズィエは、「女優になりたい」というよりも、「有名になりたい」ほうのタイプだと私は思っています。デジタル化によって感じている危機とは?―つまり、デジタル化が進んだことによって、「役者になりたい」ではなく、「有名になりたい」と思っている若者が増えているように感じているということですか?ジャファリさんそうですね。なので、私は演技を教えている生徒には、「自分が映画のポスターに載ったりすることは、忘れてください」と必ず伝えています。こういったことは、いまの若者の性格なのか、それとも自信のなさからきているものなのか、私にもわかりませんが、彼らは自分の映像を見ることに満足し、自分自身を示す場所を探しているのかもしれません。たとえば、「俳優としてもっとうまくなりたい」とか「もっと高いハードルを超えて俳優として世界に出ていきたい」という思いがあれば別ですが、「有名になるために俳優になりたい」と俳優を軽く見ている人がいるのなら、それは違うと思っています。―村の人々が芸術を軽視するようなシーンは劇中でも見られましたが、映画には作品を通じて現状を訴えたり、変えたりする力があると思っています。ご自身が女優として伝えていきたいと考えていることは?ジャファリさん私が女優である意味のひとつは、自国の文化を紹介すること。それは、映画の内容としてだけではなく、私の生き方や仕草、服装などでも見せることができると思っています。私は海外の映画祭に自分の作品が出ることを目指しているところもありますが、それは国外の人たちにイランの文化や考え方を知ってほしいからです。そうやってほかの国の女優や女性たちとコミュニケーションを取れることはうれしいことですし、私もイランの女性としての在り方について話せることが喜びであり、願いでもあります。なので、私は単なる“お飾り女優”にはなりたくないですし、ただきれいなドレスを着て映画祭のレッドカーペットを歩きたいとは思いません。それよりも、いろいろな国の女優が集まったときには、それぞれの文化や考え方について話し合い、これから自分たちの国の映画界をどうするべきか、といった会話をすることのほうが私は好きなんです。ただ、ほかの国から学んだことを自国の女性たちに伝えたいと思っても、私ひとりの力では難しいので、それには政府の力が必要だと考えています。テクノロジーに頼らず自分の生き方を選ぶべき―素晴らしいお考えだと思います。では、最後にananwebの女性読者へ向けてもメッセージをお願いします。ジャファリさん1980年代に起きたイラン・イラク戦争のときには、『おしん』が何度も放送されていたので、私にとって日本人女性というと、いまだにおしんのイメージしかないんですよね(笑)。なので、いまの日本の女性たちについてはあまりわからないですし、女性と男性をわけて話したくないというのもあるので、全体に向けてお話することになりますが、日本は文化が豊かな国で、とても品の高い国民性だと感じています。そして、ひとつのことをきちんと対応してから次のことへ向かう姿勢は、いろいろなことを一度にしようとしてしまう私にとっては、尊敬しているところでもありますね。なぜなら、水でも同じところに一滴一滴落とし続ければ、石にも穴を開けることができますから。日本人にはそういった素晴らしい精神があるので、私が何かをアドバイスできる立場ではないと感じています。ただ、テクノロジーがどんどん進化するなかで、それに食われてしまっている部分もあると思うので、そこに関しては抵抗したほうがいいかもしれませんね。自分たちの豊かな文化があることは忘れてはいけないですし、そこから学ぶこともたくさんあるので、テクノロジーに頼るのではなく、できるだけ自分なりの生き方を選んでいったほうがいいとは思っています。インタビューを終えてみて……。映画の雰囲気とは異なる魅力をまとっているジャファリさん。政府当局に呼び出されても動じることのない芯の強さと信念の高さを持ち合わせており、カッコイイ佇まいには思わずしびれてしました。本作で見せる圧倒的な存在感もお見逃しなく!観客に問いを投げかけ続ける必見作!現代を生きるイランの女性たちが味わっている苦しみや葛藤に、同じ女性としてさまざまな感情が湧き上がる本作。イランの名匠が危険を冒してでも描きたかった女性たちの姿と、映画に対する情熱をぜひ受け取ってみて。ストーリーイランの人気女優ジャファリのもとにある動画メッセージが届く。そのなかでは、見知らぬ少女マルズィエが女優になる夢を断たれたことに絶望し、自殺を試みていたのだった。あまりにも深刻な内容にジャファリは衝撃を受け、友人で映画監督のジャファル・パナヒ監督とともに、イラン北西部の村へと向かうことを決意する。そこで待ち受けていたものとは……。心をかき乱される予告編はこちら!作品情報『ある女優の不在』12月13日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開配給:キノフィルムズ©Jafar Panahi Film Production
2019年12月11日2018年の第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で脚本賞を受賞した、イランの名匠ジャファル・パナヒ監督最新作『ある女優の不在』。この度、予告編と場面写真が解禁となった。本作は、2010年より20年間の映画製作禁止令を命じられながらも、決して権力には屈しない姿勢で作品を発表し続けているパナヒ監督の最新作。過去、現在、未来の3つの時代をシンボリックに体現する3人の女優をめぐる深遠なドラマを映像化し、2018年の第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で脚本賞を受賞した。今回解禁された予告編では冒頭2カット目でスマホサイズの縦型の画面が提示され、そこにはある少女がロープで首を吊って自殺をしようとしているショッキングな姿が映し出されている。将来女優になるという夢を終えず絶望に追い込まれた少女マルズィエは、「この動画を女優のベーナズ・ジャファリさんに送って」という言葉を残し、自殺を図った。衝撃的な自殺動画を送りつけられたジャファリは真相を確かめるため、友人である映画監督ジャファル・パナヒと共に、少女が住むイラン北西部の村を訪れる。しかし2人に待ち受けていたのは、歓迎とは程遠い村人たちの冷ややかで厳しい反応だった。やがてジャファリとパナヒは、イラン革命後に演じることを禁じられた往年のスター女優シャールザードにまつわる悲劇的な真実を探りあてていく…。表現の自由を訴え続けるパナヒ監督が本作に込めたメッセージとは…?映像を通して伝わってくる表現者の悲痛な叫びに心揺さぶられる予告編となっている。また、劇中にはイラン北西部の曲がりくねった道のショットが幾度となく登場する。その一寸先も見通せない険しい道は、イラン映画史をふり返ったパナヒ監督がそれぞれの時代における芸術家たちの苦難を象徴的に映像化したもの。そこには、フィクションとドキュメンタリーの垣根を軽々と超え、豊かな余白やメタファーによって観る者の想像力を刺激してやまないパナヒ監督の作家性が凝縮されている。予告編と同時に場面写真4点も解禁。ジャファリが1人暗闇で佇む姿や子どもたちにサインを求められ笑顔で応える姿、パナヒ監督と並んで路上に座る姿などを収めている。『ある女優の不在』は12月13日(金)よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2019年10月12日イランの少女更生施設を舞台に、強盗、殺人、薬物、売春といった罪を犯した少女たちに迫り、第66回ベルリン国際映画祭アムネスティ国際映画賞を受賞したドキュメンタリー映画『少女は夜明けに夢をみる』から、予告編が解禁となった。イランを代表するドキュメンタリー作家で、小津安二郎、アッバス・キアロスタミ、ロベール・ブレッソンの作品群から映画を学んだというメヘルダード・オスコウイ監督が、撮影許可に7年もの歳月をかけて完成させた本作。予告編では更生施設で過ごす、ときに無邪気な少女たちの姿とともに、彼女たちが犯した罪についてのインタビューカットが連なっていく。世界30か国以上の映画祭で上映され、多くの賞を受賞した本作には、世界中の少女たちが経験し、抱えている本源的な“痛み”が描かれている。少女たちはなぜ罪を犯さなければならなかったのか?家族に裏切られ、社会に絶望してもなお、家族の愛を求め、社会で生きていかざるをえない少女たち。「見えない存在(インビジブルピープル)」として疎外されてきた少女たちとオスコウイ監督が築き上げた強固な信頼関係と親密な時間から生まれたドキュメンタリーとなっている。あらすじ雪が黒い土や建物を覆う、クリスマス前の少女更生施設。雪が降り積もり、無邪気に雪合戦に興じる、あどけない少女たち。その表情は、ここが高い塀に囲まれ、厳重な管理下におかれた更生施設であることを感じさせないほど瑞々しい。やがて少女たちが施設に入ることになった背景が、彼女たち自身の言葉によって、解き明かされていく。むごい虐待に耐えかねて父親を殺してしまった少女。叔父の性的虐待からのがれて、家出をし、生きるために犯罪を繰り返す少女。幼くして母となり、その夫に強要され、ドラッグの売人となった少女…。義父や叔父による性的虐待にさいなまれ、あるいはクスリよって崩壊した家庭は、少女たちにとって安息の場所ではありえない。ストリートにも家庭にも自らの居場所がない少女たち。その心の嗚咽が問いかける。少女たちの罪の深さと、人間の罪深さとを――。『少女は夜明けに夢をみる』は11月2日(土)より岩波ホールほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2019年09月28日新婚旅行は夫婦としての関係のスタートであることも多いです。ここで失敗して結婚生活のスタートを悪いものにしないように、準備すべきことを考えましょう。新婚旅行の準備をおろそかにしない!新婚旅行というと、楽しみで浮かれてしまうという方も多いでしょう。結婚式などと準備が重なり、十分に時間や手間をかけられないという事も多いものです。そのために旅行で失敗をしたり、二人の意見が現場で食い違ったりということになりやすいのです。そういったトラブルの影響は今後の結婚生活にも大きな影を落とします。一生の思い出に傷がつくことにもなるのです。そのようなことにならないように、まずは準備の重要性についてしっかり認識しておくようにしましょう。行くべきなのかしっかり確認新婚旅行は必ず行かなくてはならないものではありません。特に男性の場合には忙しい中休みをとっていかなくても良いのではないか、と思う方も多いものです。金銭的な問題がある場合もありますし、旅行が好きでない方は出来れば行きたくないと思う事もあるでしょう。相手がそのような状態であった時に、無理やり新婚旅行を行う事で、不満が出てしまう事もあります。自分たち夫婦には新婚旅行が必要か、二人でしっかり相談し合うようにしましょう。旅行の意味を話し合おう新婚旅行に、単なる旅行以上の事を考えている方もいるものです。お世話になった人に会いに行く、お墓参りをするなど、結婚の報告を考えている場合などです。片方には思い入れがあることでも、相手にとっては意味がないという事もある物です。相手に負担や不満がある場合は無理に押し付けることはしないほうが良いでしょう。相手にもそういった思いややりたいことがあるのかどうか、聞いておくのも良いです。お土産は事前に相談新婚旅行では、お世話になった方などへお土産を買っていくことが多いものです。二人の関係者に贈るという事で、どこまで送るのか、どのぐらいの値段のものを送るのかなど考えなくてはなりません。これを現地でやろうとすると混乱しますし、喧嘩の元です。事前に決めておき、現地ではスムーズにお土産購入ができるようにしておきましょう。
2019年08月19日恋人と普段のデートばかりでは、なんだかマンネリになりがちです。そんな時、恋人と海外旅行に行ってロマンティックな雰囲気を味わってみるのはどうでしょうか。ギリシャのサントリーニ島青と白のコントラストが美しいギリシャにあるサントリーニ島。昼間の景色ももちろん美しいですが、よりロマンティックな雰囲気を味わえるのは夕暮れ時。夕日に染まる景色を二人で見れば、ずっと記憶に残る思い出になること間違いないでしょう。ホテルやレストランもおしゃれで可愛らしいですよ。春から夏が旅行に最適な時期で、反対に冬の期間はホテルやレストランが休業していることが多いので気を付けましょう。ウクライナの愛のトンネル緑に覆われた愛のトンネルは、最近恋人たちの間で話題になっている旅行先です。地元では、愛のトンネルをくぐりぬけると願いが叶うと言われていますよ。大切なパートナーとくぐりぬけたら、より一層愛が深まりそうですね。写真映えするので、ゆったりと歩くのももちろん良いですが、思い出にたくさん写真を撮りたいです。春や夏は緑が濃くてきれいですが、秋の紅葉のシーズンに訪れても綺麗な場所です。長い愛のトンネルを二人で歩いてみてはどうでしょう。パリの街並みロマンティックに過ごすと言えば、やはりパリではないでしょうか。エッフェル塔からの夜景を楽しんだり、おしゃれなシャンゼリゼ通りを散策したりするのもおすすめです。その他にもルーブル美術館など、パリには魅力的な観光スポットが数多くあるので、旅行を思いっきり楽しみたいという人にも良いですよ。モルディブモルディブは新婚旅行で選ぶ人も多く、恋人で行くのに最適な観光地です。なんといっても海がとてもきれいで、インド洋の首飾りとも言われる美しい島々が点在しています。青い海ではシュノーケリングやダイビングを楽しめて、美しい海の世界を二人で心行くまで楽しめます。観光のメインが海になるので、二人だけの空間を楽しむことができますよ。夜には明かりが少ないので空いっぱいの星空を見ることができて、ロマンティックな旅行になること間違いないでしょう。
2019年04月02日前回に引き続き、イランの砂漠の街ヤズドから「なにこれ、かわいい!」を連発したくなるカフェと「日本でもよく見るアレ」を見つけたお話を。 砂漠の街ヤズド。楽しみ方は人それぞれ 「砂漠でしょ!」「ゾロアスター教の歴史でしょ!」様々な目的を持って、たくさんの人がこの街を訪れます。 わたしの今回の目的は…そう、かわいいカフェ巡りです。土色の壁の小道を歩き進めると、カフェがポツリポツリと現れます。 例えばこんなルーフトップカフェ。 手作りの品を展示販売するアートギャラリーとカフェを併設した、ドキドキが止まらないお店です。 もっと歩いていくと、こんなカフェも。 絨毯屋さんに併設されたこのお店は、中庭に大きなザクロの木が!初めて木になるザクロを見ました。 そして見つけた、今回の1番のお気に入りとは…? 日本の冬の代名詞がイランにも! そう、コタツカフェ! 高い建物があまりないヤズド。モスクや街並みを眺めながら、暖かなコタツでぬくぬく。 屋外でコタツに入ったのは初めての経験です。ちなみに、イランでコタツは「コルスィー」と呼ばれているそう。 毎日ここに通い、温かいチャイを飲みながら楽しい時間を過ごしました。 砂嵐が来そうだというアドバイスのもと入った屋内も、オシャレな空間。 首都テヘランよりもゆっくりとした時間が流れていました。 アクティブに観光するもよし、気分を変えてお店を楽しむも良し。イランの楽しみ方は人それぞれ。 さて、イランは3月下旬にイラン暦の新年を迎えます。2度目のイランのお正月。 今年はどんな年越しになるでしょうか。
2019年03月25日最近、ヤズドという砂漠の街にちょっと旅行に行ってきました。 そこで見つけたのは、印象的な街並みとあたたかな雰囲気のかわいいお店たち!今回はその様子をご紹介します。 初めて訪れた街ヤズド。行ってみたらこんなところだった ヤズドは、イランの地図の真ん中らへん、テヘランから南に下った場所にある、イランの中でも歴史の古い都市です。ゾロアスター教の中心地でもあります。 その街並みは、スターウォーズに出てきそうなイメージの世界観…とでも言いましょうか。土色の壁、青い空、小さな路地が続きます。 楽しみ方は人それぞれ。 ゾロアスター教の歴史を辿るもよし、車を走らせて砂漠に向かうもよし、ただただ、いつもと違う街並みをお散歩するもよし。 お散歩をしている中で出会ったのはこんなお店。 なんとこれ、この近くの大学生が作った作品が並ぶ雑貨屋さん。手作り感があって、ここにしかないものに心が惹かれます! ワイヤーとガラスで出来たステンドグラスのような壁掛けの絵。イランらしく、ザクロがたくさん並んだり、小鳥が描かれています。 お買い物をひとしきり楽しんだあとはまた街歩き。 日本の4倍以上の土地が広がる大国イラン。街が変わるとまた、人も変わり、景色も変わり、文化も変わる。 異国に来たかのような変化を楽しむ旅行となりました。 text:Mami Yamada
2019年03月06日テヘランの冬は寒く、わたしの住む北のエリアでは雪が降ることもしばしば。イランも日本と同じく四季があり、季節の移り変わりを楽しむことができます。 今回は、イランで採れる魚や野菜から季節の風景をお伝えします! 気になるイランでの食材調達事情とは? イランでの買い物は、通常・大規模スーパー(大規模なコストコのようなお店、ショッピングセンター地下の大きなお店)・独立型の中規模スーパー・八百屋さん・コンビニのような地域のお店・バーザール・道端の物売りの人から買う(!)など、選択肢が多くあります。 お野菜は年中種類がとても豊富で、味も◎!お肉お魚は、鮮度が気になるため生食はあまりしませんが、色々な種類から選択することができます。 イランで日本食を作りたい、そんな時は? 今日は和食が食べたいな…お魚の気分かも! そんな日は「ベフジャットアーバード」と言う名の小さなバーザールに足を運びます。日本人には「サブジーバーザール」と呼ばれ親しまれているちょっと変わったバーザール。今回は、「ベフジャットアーバード」この写真付きで詳しく紹介します。 ベフジャットアーバードは、いわゆるアジア圏の中国、韓国、日本人が多く訪れるバーザールです。 ここ以外では輸入品を取り扱う高級なお店でしか目にすることのない、アジア系の調味料やインスタント食品、日本米や、和食に使いそうな生鮮品が並びます。 冷蔵庫には、味噌や納豆、キムチ、作りたての豆腐もコンテナーに並んでいます。 今回は…わたし、ついに買いたかったあのお魚を購入しました! そう、鰆です! 鰆やクエ、ヒラメやスズキなど、日本と全く同じ種類ではないかもしれませんが、同じような見た目の魚がたくさん並んでいるのです。 日本語が流暢なパーズーキーさんが「鰆!シンセン!コレガイイヨ!」そういうものだから、お買い上げ。 買った魚は、「三枚おろし?二枚おろし?鱗は取る?カマはいる?皮はどうする?切り身はどのサイズ?」細かに質問をしてもらいながら気持ちのいいスピードで処理をしてもらえます。 鰆も三枚おろし、腹骨をすいてもらって、切り身に。アラと中骨の部分も汁物に使うから!と綺麗にパッキングしてもらいました。おまけでマス(イクラ付き)も購入! 帰りのタクシーまでお店の人たちが荷物を持って行ってくれるほど優しく、丁寧なお店です。 -- さて、買った食材で料理を!ちなみにイランでは、和食レストランは寿司ロールがほとんど。日本人がやっているお店は今のところ見つけていません。 なので、家で楽しむ和食は格別!今回は、買ってきた鰆の切り身で西京焼きを作ったり、マスの筋子からイクラの塩漬けを作ったり。大根はマヨネーズ和えのサラダに! 買ってきた生鮮品と、日本から持ってきた保存のきく調味料や乾物で、いつも色々な料理を楽しんでいます。 お弁当にしたり、おうちごはんに活用したり。 日本人経営の日本食レストランのないイランですが、おうちで努力して日本の味を楽しむ、、そんなイラン生活2年目の冬のある日でした。 text:Mami Yamada
2019年02月24日“朝ごはんを通して世界を知る”をテーマに、世界各地の朝ごはんを2ヶ月ごとに特集するレストラン「ワールド・ブレックファスト・オールデイ(WORLD BREAKFAST ALLDAY)」。2月、3月の新メニューは、イランの朝ごはん。かつてはペルシャと呼ばれ、3世紀頃から東西の文化が交わるシルクロードの中継地として栄えてきた国、イラン。日本のようにはっきりとした四季のある風土が特徴で、山岳地帯や砂漠地帯もある一方、豊かな穀倉地帯が広がっている。イスラム教国家ゆえ、豚肉を食べないなど戒律に沿った食習慣があるイランでは、ペルシャ料理と呼ばれる独特の食文化が根付いている。食材は、生産量が世界一のサフランやローズウォーター、シナモンやディルなどが主。そして朝ごはんの主役はナン。ナンの種類もいくつかあるが、今回ワールド・ブレックファスト・オールデイが提供するのは、厚みのある「バルバリ」というもの。それに、ハーブやニラなどの生野菜を、「パニール」という白いフレッシュチーズや生クリーム、ハチミツなどと一緒に挟んで食べる。付け合わせには、野菜とハーブがたっぷり入ったオムレツ「ククサブジ」を。その他にも、イランの伝統的なドリンクやデザートなど、朝ごはん以外のメニューもこの機会に味わってみてほしい。ワールド・ブレックファスト・オールデイは外苑前店と原宿店の2店舗で営業中。イランのごはんが食べられるのは、2月5日から3月31日まで。期間中は、イランの料理教室や、食文化について学べるワークショップ、ミニコンサートなどさまざまなイベントが予定されている。
2019年02月05日今回で、中東イランでの2度目の年越し。イランでは、西暦ではなくイラン暦で生活をするため、クリスマスや年末年始感はあまりありません。2019年1月1日は、イラン暦では1397年10月11日。あと2ヶ月ほど経つと、年末年始の慌しさがやってきます。 そんなイランですが、日本のクリスマスやお正月を祝うことに似た、冬の大イベントがあるんです!それが1年で1番長い夜に行われる「シャベヤルダー」という行事。 今回は、冬の景色とともに古くから伝わるイランのお祝いを紹介します。 イランではクリスマスではなく冬至を祝う? イランでは冬至の前日の夜を「ヤルダー」「シャベヤルダー(ヤルダーの夜)」といい、お祝いをします。 冬至は1年で1番夜の長い日。すなわち「明日から次第に昼が長くなっていく」ことから、イランでは古くから「光が闇に勝利する日」と考えられ「太陽の生誕」を祝う風習があるそうです。その長い夜の終わりを祝い、太陽の生誕の朝まで続くイベントを「シャベヤルダー」と呼びます。 シャベヤルダーが近くなると街のあらゆる場所で「赤いフルーツ」が綺麗に飾られたものをよく目にするようになります。 イランでおなじみのザクロ、そしてスイカ。そして名産のナッツ類がずらり。 赤いフルーツは「太陽」を象徴しているらしく、必ずシャベヤルダーの飾りで目にします。これらを食べることで、寒い冬も、健康に元気に過ごせますよう、という願いを込めているそう。 いよいよシャベヤルダー当日!イランの家族はどう冬至を過ごす? シャベヤルダー当日。イラン人は、家族や仲のいい友人を集めて家でお祝いをしたり、外で集まって食事をしたりして、お祝いをします。シャベヤルダーの形は様々。比較的伝統的な形のシャベヤルダーにお邪魔することができたので、写真とともにご紹介! 会場は友人のおうち!そこに、家族(イランの家族の定義はとても広く、日本で言う親族の集まりのようになります。)や友人が続々と集まります。 お飾りもバッチリ。横にはクリスマスツリーも一緒に。 人が集まると、まずはみんなで夜ご飯。イランの伝統的な料理をいただきます! ごはんを食べながら、みんなで他愛のない話をし、夜が更けるのを待ちます。踊ったり歌ったりしながら、長い夜を過ごします。(踊るのが好きなイラン人。踊りは欠かせないようです!) そして、もちろん飾るだけではなく、赤いフルーツを食べます。すいかをお母さんにいただきパクリ。 「味はどう?あまい?すっぱい?」と尋ねるイランの友人。「甘いよ」と答えると、にっこりし「恋人との暮らしも甘いものになるさ」と告げられるのでした。 この時点で既に時計は2時近く。シャベヤルダーは長い夜を大切な人と過ごすイベント。朝まで続くと言われています。 そして3時を迎えたころ、友人のお父さんが詩集の朗読を始めました。イランの有名な詩人「ハーフェズ」の詩集から、ランダムにページを開き、そこに書いてある詩の内容から、これから先の日々を占う習慣があるそうで、みんなで詩の朗読を聞きます。 驚いたのは、シャベヤルダーの夜は小さな子供も一緒に長い夜を楽しむということ。日本人のわたしたちは耐性がなくこのあたりで脱落するのでした。 前述しましたが、シャベヤルダーの過ごし方の形は様々。日本のお正月のように、形は変化すれど、お祝いをする心や、考え方は変わらないことに通ずるものを感じました。 おまけですが、外国人が暮らすエリアではクリスマスの飾りを目にすることもあります。撮影時期は1月過ぎでしたがフォトスポットのようになっていました! ちょっと変わったイランの年越し。そこには、文化と家族や友人との繋がりを大切にするイラン人の暮らしが垣間見えるイベントがあるのでした。 さて、雪も降り寒さの厳しいテヘランでの暮らしも2年目。遅くなりましたが、本年もどうぞよろしくお願いいたします! text:Mami Yamada
2019年01月23日2018年ももうすぐ終わり。早いもので、中東生活を始めて1年が経ちました。 今日はそんなわたしが、前回に引き続きイランから飛行機で1.5時間!旧ソ連、ジョージア(旧グルジア)の首都トビリシ旅行の様子をお伝えします。 前回記事はこちら。 今回は、旅行のお楽しみ!ジョージアグルメを紹介します。初めて訪れた国ですが、全体的に日本人好みなごはんが多い印象でした。香草をよく使用し、ビールやワインなどのお酒がついつい進んでしまう、そんなトビリシごはんがたくさんありました! かわいい形のパン!その名も「ハチャプリ」 現地の言語でプリはパンを表すそう。ハチャプリは、かわいい形の焼きたてパンにチーズや卵、バターが入ったもちもちサクサクパンです。 サイズは様々。わたしが頼んだハチャプリは大きくて、ふたりでも食べきれないほどでした。レストランはもちろん、パン屋さんでもよく目にしました。 写真は、古くから街にあるパン屋さん。暗い階段を降りた先に大きな焼き場を持つお店を見つけました。 冷えた体を温めるピリ辛すっぱいスープ「ハラチョー」 牛肉にトマトベースのスープ、そこにお米が入ったピリ辛でちょっと酸っぱいスープ、「ハラチョー」。 アクセントにパクチーがパラパラと。メインの食事をいただく前に、必ずこのスープを頼んでしまうほど、わたしにはピッタリはまりました!煮込んだ牛肉がほろほろで、さっぱり、でも少し辛くて体がポカポカしてくる。日本人にもウケそう!でも、あまり日本ではない組み合わせ。そんなスープです。 ジョージアといえば!肉汁たっぷりの「ヒンカリ」 ジョージアといえば、よく写真をみるのがこのヒンカリ。 香草の効いた、肉汁たっぷりの大きめの小籠包のような食べ物でした。ふるふるの皮をつまんで、少し皮を噛んで、中から溢れる肉汁を逃さず口の中へ!人気の理由がわかる、見てかわいい、食べて美味しいヒンカリでした。 わたし的ナンバーワン。ビールが止まらない酒泥棒「オジャクリ」! ジョージアに来てみてびっくり、お酒がとても種類豊富でお手軽な値段なんです。 500mlの大きなグラスの生ビールがごくごく進んでしまう、そんな相棒の料理の名前は「オジャクリ」!カリカリジューシーな豚肉(豚肉、牛肉どちらもありました)と玉ねぎ、たっぷりのニンニクとジャガイモが合わさったジョージア流のジャーマンポテト。ホクホク、ごくごくのループが止まりません!ハマってしまったわたしは、滞在中毎日オジャクリを注文してしまうのでした…。 他にも美味しいごはんはたくさん!それはもう、書ききれないほどです。 そんなグルジア。ワインの歴史が長く、街のあらゆる場所に自然にワイン専門店が並びます。 伝統的なカメのような容器で作ったワインをはじめ、テイスティングしきれないほどのワインが歓迎してくれます。目安の価格を伝えると、様々紹介してもらえます。(1000円以下のものから、高価なものまで本当にたくさん!)飲み比べをしながら、好きなボトルを選ぶのも、旅の楽しみかもしれません。 ワイン屋さんで購入したワイン、お菓子を並べてお部屋でパーティー。そんな自由な旅も時にはありかも。 思い出すと、またすぐに行きたくなっちゃう!ジョージアは、日本からアクセスは悪いけれど、魅力溢れる素敵な国なのでした。 Text:Mami Yamada
2018年12月29日中東テヘラン暮らしを始めてもうすぐ1年。 日本からはちょっと遠いけれど、イランからは近い、そんな国がいくつかあります。いつか行ってみたい!そんな国に行ってみよう!今回はそんな記事をお送りします。 行き先は、テヘランのイマームホメイニ国際空港から直行便で1.5時間!ジョージア(旧グルジア)の首都トビリシです。 ジョージアは北にロシア、南にトルコ、アルメニア、アゼルバイジャンが隣接する旧ソ連の一国です。小さな、日本から遠く離れた国ジョージア。 今回の旅先の決定ポイントは3つ・ゆっくりしたい!(ひたすらゆっくり!)・ごはんが美味しい!(特に豚肉が食べたい)・お酒が美味しい!(出来ればあまり高くないのが希望) イスラム教の国イランに住んでいると、豚やお酒がない暮らしになるので、リフレッシュの旅をしたかったわたし。ジョージア、実は温泉とワインがとても有名らしく、望みを叶えてくれるステキな場所でした。 一見変わった、ゆったりした、美味しいものがいっぱいの旅レポートです! ゆっくり過ごしたい街、トビリシ。温泉と自然で癒される、優雅な時間を トビリシの街の名前の由来にも、温泉が関係するほど、昔より温泉が大事にされてきたそう。 海外で温泉は初めて!本当にお湯は温泉なのかな…と不安になりながら温泉があるというエリアに向かいます。 ちいさな丸い建物がポコポコと見えてきます。実はこれが、ひとつひとつ温泉になっていました!(なんと丸いポコポコは温泉の屋根!)公衆浴場とプライベートバスがあり、今回はプライベートバスへ。 中には何部屋かの個室(温泉)があり、内側から鍵がかかります。 個室の中には温泉が!そして、アカスリマッサージ用の台とシャワー、小さなサウナ、休憩用のテーブルと椅子が付いていました。 硫黄の香り!熱めのお湯は気持ちよく、ゆったりリラックスできます。水着着用ではなく裸で入る温泉なので、気分は日本です。なんと湯上りのビールまでフロントに用意されていて…!!日本より少し寒い気温のジョージアの今の季節に、心も体も温まるとてもいい温泉でした。 温泉を上がって、さあ観光!とは行かないのが、何もしない旅の醍醐味。ホテルでゆっくりしながら、数日間かけて近くの自然や綺麗な建物を楽しみました。 街を一望できるテレキャビンにのったり。 壮大な教会を観に行ったり。 新しい建物が建設されていく中、ふと横を見ると廃墟がならぶ街並みから、旧ソ連を感じることが多くありました。 何をするでもない、ゆったりした時間を過ごす旅。何もしない贅沢を満喫する旅。 今回は街の風景をご紹介しました。長くなってしまったので、次回はグルジアの食とお酒を!日本人にも馴染みやすい、美味しいグルジアグルメを満喫した話を紹介します。 それでは! text:Mami Yamada
2018年12月13日イランでごはん、何食べてるの?よくそんな質問をもらいます。 もちろん、お家で料理はしますし、時々外食もします。…そういえば!イランに来て、デリバリーフードを頼む機会が増えました。 今回はテヘラン生活をする中で重宝している、フードデリバリーアプリについてご紹介! イランのフードデリバリーサービス事情 日本でもここ数年、1つのアプリ、サービスからたくさんのお店のメニューをチョイス出来るフードデリバリーアプリが普及していると思います。 元々なんでも持ち帰り、デリバリーは当たり前!なイランですが、最近は日本と同じような複数の店舗の選択肢からメニューをチョイスできるフードデリバリーアプリケーションが大人気! 基本的にペルシア語表記なのですが、写真も多くなっていますし、操作の方法がわかりやすいので、ペルシア語のアルファベットと簡単な単語がわかれば利用できるのではないかな?と思います。 中身は…なんと昼や夜だけでなく、朝ごはんの注文も可能!また、料理もジャンルごとに分かれていたり、レストラン系・カフェ系・スイーツ系といった区切りかたでも見ていくことができます。 頼んだものは、レストランが調理・パッキング→snapp foodのドライバーがピックアップ→配達という流れでお家に到着。 イラン料理はもちろん お寿司が届いたり 朝ごはんメニューが届いたり デザートのスムージーやアイスクリーム、ケーキまでアプリ1つでお家まで宅配可能です。 カフェドリンクも、デリバリー用に可愛くて溢れないパッケージにしているお店がいくつか。 日本のデリバリーほど時間は正確ではないですし、日によってクオリティはまちまちですが、今日は何も作りたくない!なんていう日にとても役に立つサービス。ランチにちょっと注文しよう、ちょっとコーヒーとケーキを注文しよう、そんな風に気軽に注文し、お家で充実ごはんが可能なんです。 ここ数ヶ月でまた利用が広がっているようで、掲載店もどんどん増えていく、今ホットなイランのフードデリバリーアプリ。なんだか今日はやる気が出ない、外にも出て行く気力がない、そんな日のおうちごはんを支える心強い味方です。 実はタクシーアプリも便利で利用が進む国イラン。またいつかの機会に紹介します! Text:Mami Yamada
2018年11月30日