●感情に対する意識の変化と、自身を支える"島"単なるファンタジーではない。ディズニー/ピクサー長編アニメーション20周年記念作品『インサイド・ヘッド』(公開中)は、人として大切なことを教えてくれる。本作の主人公は、11歳の少女ライリーの頭の中にある"ヨロコビ""カナシミ""イカリ""ムカムカ""ビビリ"という5つの感情。彼らが"頭の中"で繰り広げる感動の冒険が多くの人の共感をよび、全米では続編を除くピクサー・アニメーション映画でオープニング歴代1位の興行収入をたたき出した。日本語吹き替え版では、女優の竹内結子が"ヨロコビ"の声を、大竹しのぶが"カナシミ"の声を担当。ともにディズニー声優初挑戦となった2人も、この作品と出会ったことで、人として大切な多くのものを学んだという。――頭の中の感情の動きを描いた本作ですが、お2人もこの映画に関わったことで、ご自身の頭の中がどうなっているか考えるようになりましたか?竹内:この作品と出会ったことで、自分の気持ちがグチャグチャになる時や、整理がつかない時に、ライリーと同じように何かが起きているんだなって、あんまり自分を責めるのはやめようと思いました。そういう時もあるなって。感情の一部がどこか旅に行って戻ってきたらちゃんとリセットできる、もしくはお休みした分を補えるようになるから焦るなよって自分に言えるようになりました。自分の中で混乱してしまう時も、否定しなくていい。肯定するというか、迷うっていうことは何か理由がある。それが見つかるまでいいんじゃないかなって。また、人に対しても寛大になれる気がしました。あの人の中にも、きっといろんなことが起きているんだって。大竹:若い時は、イカリとかムカムカとか、そういう感情たちがいっぱい活躍していたけれども、だんだん自然にヨロコビが中心にいてほしいなって思うようになる。この映画を見て、余計にそれを意識できるようになりました。だから、優しくしたいと思うし、自分にも優しくありたいなって。「ヨロコビ頑張れ」「ヨロコビいてね」みたいな感情があります。竹内:でも、自分に甘くすることはできても、優しくすることって難しくないですか? 怠けたりすることはいくらでもできるけど、自分を思いやるって照れくさいというか、やり方がわからないというか…。大竹:自分にヨシヨシって。ヨシヨシ頑張ったねって。竹内:どこまでやったらヨシヨシって言っていいんだろう。大竹:ちょっとでも!竹内:言ってやろう! 今日メイク落としたら言ってやろう!大竹:ヨシヨシ結子!竹内:頑張った! よしっ結子エライッ!大竹:結子、明日も頑張れ!なんか誰も言ってくれない、さみしいじゃん私たちみたいな(笑)。でもいいの、自分で言おう!竹内:はい!(笑)――作品の中では、一つ一つの出来事が"思い出ボール"となり、思い出が蓄積すると人格を形成する"島"がつくられますが、ご自身の中にはどのような"島"があると思いますか?竹内:食べることが好きっていうことは、食がらみのものがあると思うんですよね。大竹:"食べ物"の島があるんじゃないの? それが壊れたら大変だよね。竹内:"食べ物"の島…たぶん私にとって大きな島! 食べられなくなった途端に、ショボーンってなると思いますね。――特に何がお好きなんですか?竹内:アルコール飲料も好きだし、甘いものも辛いものもいけます。小さい時も、おやつに対する執着心は強かった気がしますね。均等に分けるっていうのも、分けるのにルールを決めていて、分ける係の人は小細工しないように、一番最後に選ぶっていう。とにかく、公平に公平に分けようとしていました。切った人から好きなのをとっていいとすると、間違いなく自分に有利なように切り分けますよね。そうではなく一番最後というルールなので、その時の緊張感はいまだに覚えています(笑)。――大竹さんはいかがですか?大竹:いっぱいありますけど、"旅"っていうのは一つ。子供が小さい時は子供と一緒に夏休みどこかに出かけたり、スキーに行ったり、旅行の記憶はすごく大事だなと思いますね。――一番印象的な旅行は?大竹:最近だと、インドに行ってきました。あと、バリ島に行って山登りをしたりとか、けっこうアクティブなんです(笑)。全部プライベートで行ったんですけど、仕事だと美しい"思い出ボール"になるまではいかないのかもしれない。やっぱり、プライベートで自分が行きたいところに、行きたい人と行くっていうのが、きちんとした記憶につながるのかなと思いますね。●声優参加して気付いたディズニーの魅力――お2人はこの作品がディズニー声優デビュー作となりましたが、見ている側から演じる側になって気付いたディズニー映画の魅力や驚きはありますか?竹内:見ている側だった時は、おもしろいなすてきだな、いい話だなってただ浸っているだけだったんですが、実際に吹き替えとして参加してみると、ちゃんと人がつくっているものなんだなと感じました。ファンタジー、アニメーションの世界っていうよりも、人の血が通った物語なんだなって。そういう風につくっている人の気持ちがより身近に感じられるようになりましたね。大竹:(中村)勘九郎君の子供、2歳の子供とかがすごい興奮してて、「こんな小さい子まで喜んでくれるんだ!」みたいな(笑)。そういう映画に出ているっていう、ディズニーのすばらしさをあらためて感じました。娘もすごいねって。参加しているだけで認めてくれて、本当にすごいんだなって思いましたね。――娘のIMALUさん、Instagramでも絶賛されていましたね!大竹:そうみたいです。「すっごいよかった! 泣く」って。「これは絶対見なくちゃいけない映画だ」とか言って、この間のイベントの時も、「一緒に行って宣伝したいくらいだ」って言ってました(笑)。――親子の会話にもつながる映画ですよね。大竹:「お母さん、今イカリがあるんだな」とか、子供たちが思うかもしれないし、そういう風になったらいいなって思います。竹内:親子もそうですけど、例えば恋愛する世代でもいいし、あとは自分がわからなくなったすべての人に対して。「私、今やりたいことがないな」「進路どうしよう」とかモヤモヤしたものを持っている人にも見てもらいたいですね。――竹内さんが演じられたヨロコビについて、ピート・ドクター監督は「元気が良すぎても嫌われてしまいがちで、バランスが大事だった」とおっしゃっていましたが、演じる際にバランスを意識しましたか?竹内:ヨロコビの場合は、ポジティブすぎて後ろを振り返らない、人を思いやらないという良くない点もあって、よくしゃべるしテンションも高いので、キャンキャン耳にうるさくくる話し方にはならないようにしようとは思いました。でも、オリジナル方の声がジェットコースターのようだったので、そこになんとかついていかなくちゃという感じでした。そして、アフレコの監督から、言い回しを柔らかく言ってみようとか、ここは強く言ってみようとか、そういうアドバイスをいただきながらやりました。――大竹さんは、「悲しんでいることに快感を覚えていった」と話されていましたが、沈み込みすぎてはダメとか、そのあたりはどう調整されたんですか?大竹:結子ちゃんがワ~ッて言うのに対し、「だって、しょうがないんだもん…」「私のこと嫌いでしょ…?」みたいな。ヨロコビにしたらイラつくくらいだと思うんですけど、そのあたりがユーモアのあるような感じになればいいかなと思いました。あと、声を低くすると、クレヨンしんちゃんみたいな「なんとかだも~ん」「ほほぉぉ~い!」みたいになっちゃうのを気を付けました(笑)。全然役作りとは違うけど。竹内:役作りというか、もうすでにある役だから、いつものお芝居とは違うなって。自分がすでにある役に近づけていく、それを日本語で表現する、みたいな感じでした。そして、人の癖っていろいろあるんだなと思いましたし、人の話すスピードについていくということで、滑舌が鍛えられました!大竹:早口だったもんねぇ。
2015年07月24日『トイ・ストーリー』以来、その斬新かつ感動的な物語で世界中の老若男女を魅了し続け、早くもアカデミー賞本命とも目される『インサイド・ヘッド』が公開中のディズニー/ピクサーが贈る最新作『アーロと少年』。「もしも、隕石が地球に衝突せず、恐竜が絶滅をまぬがれていたら?」という壮大で斬新な世界観を描く本作の特報映像が遂に解禁となった。歴史上、恐竜は遥か何千万年の昔に絶滅したと言われている。絶滅の原因は諸説あるが、最も有名なのは巨大隕石の衝突によるものだが、本作ではそんな定説を覆し、「もしも、隕石が地球に衝突しなかったら?」という大胆な設定のもとストーリーが展開する。解禁となった特報映像の前半では<地球に衝突するはずだった>の巨大隕石が、大きな恐竜たちが恐竜たちが平和に暮らす地球へ目掛け飛んで来る。が…その巨大隕石は地球を華麗にスルー!恐竜たちも“頭上の通り過ぎる大きな流れ星を「おっ?」っと何気なく眺めるだけ”という、本作の前提が一目瞭然、解りやすく描れている。本作の舞台は“気がつかないうち”に絶滅をまぬがれた恐竜たちが、大自然の中で繁栄・進化し文明と言葉を持つようになり、言葉をもたない人間たちと共存する地球。ある日、大好きな家族とはぐれてしまった臆病で甘えん坊の恐竜・アーロは、言葉も通じない見たこともない生き物“人間の子ども(スポット)”と出会う。特報のラストではアーロが「見て!」とスポットへホタルの光を見せてあげる美しいシーンとなっており、壮大なスケールと共に繊細な自然を描き出している。本作の監督ピーター・ソーンはピクサー・スタジオでアート、ストーリー、アニメーションといった重要な部署に所属しており、『カールじいさんの空飛ぶ家』と同時上映された短編作品『晴れ ときどき くもり』で監督デビューを果たしたピクサー・スタジオ期待の新星。しかし、ソーン監督はアカデミー賞を受賞した『レミーのおいしいレストラン』では天才料理ネズミ・レミーの兄エミール役、そして『モンスターズ・ユニバーシティ』ではマイクとサリーと同じサークルのメンバーで恥ずかしがりやのモンスター・スクイシー役として出演。両作品ともに主要なキャラクターの声優を務め、アクターでもある超万能プレイヤーなのだ。そんなソーン監督が壮大な自然と共に、見た目も性格も正反対なひとりぼっち同士の1人と1匹を主人公に据え、恐竜と少年の出会いから始まるアドベンチャーを描き出す。果たして彼らはどんな冒険へと出るのだろうか?続報を楽しみに待ちたい。『アーロと少年』は2016年3月12日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月24日ディズニー/ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド』が公開され、人気を博している。本作の主人公は11歳の少女の頭の中にいる“感情”たちだが、本作のスタッフはどのような試行錯誤を経て、キャラクターをデザインしたのだろうか? サンフランシスコのピクサー・アニメーション・スタジオで取材を行った。その他の画像/キャラクターの作り方ピート・ドクター監督が本作のアイデアを思いつき、共同監督のロニー・デル・カルメンと映画の基本的なコンセプトを発見するためにアイデアを出し合い、2年後にアート部門のメンバーが合流した。彼らは全員でデザイン画を描き、アイデアを出し合った。例えば、映画の中に登場するヨロコビは、子供たちが大好きな“星”のイメージがデザインの基になった。キャラクター・アート・ディレクターのアルバート・ロザーノは「アメリカでは宿題が上手にできると、先生たちが宿題に星のシールを貼ってくれることがあるんです。そうすると子どもたちはハッピーになります」という。他にも花火やシャンパンの泡、女優のオードリー・ヘップバーンもヨロコビのデザインの源泉になったという。通常であれば、こうしてキャラクターが完成し、アニメーションが作られるが、ロザーノは「人間の皮膚で出来たものにはしたくなかった。エネルギーとか、粒子とか、泡とかだと感じられるような何かで出来ているようにしたかった」と振り返る。このイメージを実際にアニメーションで描くため、スタッフは試行錯誤を繰り返した。彼らは3か月超の時間を投じて、ヨロコビの輪郭の粒子の表現、光の粒が落ちるタイミング、彼女自身が発する青い光の加減を探っていった。「問題を解決したことで、素晴らしかったことは、他のキャラクターがどういう見た目になるべきかも考えられたことです。これは彼らの皮膚で、これが材料だ、ということがわかったんです」。取材してわかったことは、ピクサーのメンバーはどの部門に所属していても、全員が観客に“ストーリー”を伝えることに注力している、ということだ。スクリーンでヨロコビが元気に駆け回っているその姿、表面の様子、動きは彼らが時間をかけて調べて、想像して、試しては失敗した末に出来上がったものだが、多くの観客はそんなことは意識せず、物語に夢中になっている。しかし、それこそがピクサーの全スタッフが時間と情熱をかけて目指す映画づくりだ。『インサイド・ヘッド』公開中
2015年07月23日11歳の少女ライリーの頭の中の"感情たち"を描いたディズニー/ピクサー長編アニメーション20周年記念作品『インサイド・ヘッド』(公開中)で、フィルムメーカーのこだわりが伝わる比較画像が22日、公開された。公開された画像は、予告編および字幕スーパー版(オリジナル版)の本編と、日本語吹き替え版の本編の同じシーンを比べたもの。オリジナル版では、ライリーの嫌いな食べ物は"ブロッコリー"だが、日本語吹き替え版では"ピーマン"になっている。ピクサー・スタジオのこだわりの一つとして挙がるのが、誰が映画を見ても”自分の物語”として楽しんでもらいたいというフィルムメーカーの強い思い。本作の主人公である"感情たち"の名称も、各国それぞれの"感情"を表す言葉をつけてほしいというフィルムメーカーの要望で、日本を含め世界42言語の感情名が誕生した。今回の日本語吹き替え版の"ピーマン"への変更も、日本の観客に映画を"自分の物語"として楽しんでほしいという強い思いから実現。アメリカでは子供が嫌いな食べ物の上位はブロッコリーだが、日本で上位となるのはピーマンやニンジン。ブロッコリーは嫌いな食べ物というイメージがないことを知ると、世界中で日本のみピーマンに変わった。本編のアニメーション映像そのものも変更しなければならないという非常に大掛かりな作業となったが、タイトなスケジュールの中、該当シーンのブロッコリーはすべてピーマンへ変えられた。ディズニーの担当者は「画面の隅々までこだわり抜き、心を込めて創り上げた作品になっています。"あなたの物語"として楽しんでもらえたらうれしいです」とコメント。鑑賞者にわかりやすくストーリーを伝えるため、細部までこだわったディズニー/ピクサー。このブロッコリーだけでなく、"イカリ"が持っている新聞の文字や看板など、日本語吹き替え版のためだけに変更しているシーンはほかにも存在する。2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2015年07月22日映画史を変えた世界初の長編フルCGアニメーション『トイ・ストーリー』から20周年を迎えるディズニー/ピクサー待望の最新作『インサイド・ヘッド』が現在公開中だ。このたび、ピクサーの徹底した細部へのこだわりが生み出した、日本語吹替版だけの本編の違いが明らかとなった。11才の少女ライリーの幸せを守る、頭の中の5つの感情たち――ヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、そしてカナシミ。突然の引越しでライリーの心は不安定になり、頭の中のヨロコビとカナシミが行方不明になってしまう。心を閉ざしたライリーを感情たちは救えるのか…?この度、判明した予告編や字幕スーパー版の本編と、日本語吹替版の本編での違いは“ライリーの嫌いな食べ物”。本編該当シーンの字幕スーパー版映像も解禁となり、見比べてみると一目瞭然!全世界で公開されているオリジナル映像の字幕スーパー版では、ライリーが嫌いな食べ物は“ブロッコリー”だ。それに対して、日本語吹替版ではライリーの嫌いな食べ物は“ピーマン”となっている。ではなぜこのような違いがあるのか?その答えは日本の観客に映画を“自分の物語”として楽しんで欲しいというフィルムメーカーの強い想い。アメリカでは子どもの嫌いな食べ物の上位にブロッコリーが入るが、日本の子どもが嫌いな食べ物として上位にあがるのはピーマンやニンジン。ブロッコリーには嫌いな食べ物というイメージがないことを知ると、日本で公開する日本語吹替版のみ、ライリーの嫌いな食べ物をピーマンに変更することを決めたという。しかしこれは、本編のアニメーション映像そのものの変更となるため、非常に大掛かりな作業でもある。タイトな制作スケジュールの中、ブロッコリーが出てくるすべてのシーンがピーマンに変更された。ディズニーの担当者は「ブロッコリーからピーマンへの変更は、日本の観客に本作を自分の物語として楽しんでもらいたいというフィルムメーカーの熱い想いによるものです。画面の隅々までこだわり抜き、心を込めて創り上げた作品になっています。“あなたの物語”として楽しんでもらえたら嬉しいです」とコメントを寄せている。実はブロッコリーだけでなく、イカリが持っている新聞の文字や看板など、日本語吹替版のために変更されているシーンは他にも存在する。鑑賞者に分かりやすくストーリーを伝えるため、細部までこだわった映画創りをするディズニー/ピクサー。世界中に驚きと感動を届け続ける彼らのこだわりの数々は、ぜひ劇場で確かめてみて。『インサイド・ヘッド』は現在、公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:インサイド・ヘッド 2015年7月18日より全国にて公開(C) 2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2015年07月22日ディズニー/ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド』の劇中画像が2枚公開された。どちらも映画の主人公ライリーの幼少期を描いたものだが、片方にはブロッコリーが、もう片方にはピーマンが描かれている。これらはピクサーのスタッフの“こだわり”によって誕生したものだ。その他の画像/スタッフのこだわり本作の舞台は11歳の少女ライリーの頭の中。そこではヨロコビ(JOY)、カナシミ(SADNESS)、イカリ(ANGER)、ムカムカ(DISGUST)、ビビリ(FEAR)が暮していて、彼女の感情を決めているが、ライリーの一家が引越しをしたのを機に様々なトラブルが発生。映画は、ライリーと感情たちの予想もつかないドラマを描く。ピクサーはつねに観客が作品の世界に没頭し、夢中になれるストーリーを描くことに注力してきた。そのため、作品によっては公開される国の習慣や事情によってキャラクターの名前や描写を積極的に変更しており、本作でもライリーの頭の中に登場する感情は、公開される国によってそれぞれ異なり、日本を含む42の国と地域で異なった名前が採用されている。このほど公開になったのは、ライリーが嫌いな野菜を前に顔をしかめる場面で、彼女の頭の中では“ムカムカ”が活躍している。字幕版ではアメリカで公開されたものと同じく“ブロッコリー”が登場。これはアメリカの子どもの嫌いな食べ物の上位にブロッコリーが入っているからだ。しかし、ピクサーのスタッフは日本の観客にさらに物語を身近に感じてほしいと、日本語版では野菜をピーマンにすることを提案。作業スケジュールはタイトだったが、ピーマンを前に顔をしかめるライリーの映像が制作された。ディズニーの担当者は「ブロッコリーからピーマンへの変更は、日本の観客に本作を自分の物語として楽しんでもらいたいというフィルムメーカーの熱い想いによるものです。画面の隅々までこだわり抜き、心を込めて創り上げた作品になっています」とコメントしている。『インサイド・ヘッド』公開中
2015年07月22日11歳の少女ライリーの頭の中の"感情たち"を描いたディズニー/ピクサー長編アニメーション20周年記念作品『インサイド・ヘッド』が、7月18日に公開を迎えた。同作では、ライリーが寝ている間の頭の中も描かれているが、現実に起きたことが夢に出てくるという仕組みは、本当なのだろうか。筑波大学の柳沢正史教授が"夢の仕組み"を解説した。同作では、ライリーが眠りにつくと、"ヨロコビ"以外の感情たちも眠りに入るが、"ヨロコビ"にだけ重要な任務がある。それは、ライリーが悪夢にうなされないよう、どんな夢を見ているか監視すること。感情たちがいる司令室では、ライリーが寝ている時に見る夢の映像が映し出される仕組みになっている。そしてその映像は、司令室から遠く離れた"夢の製作スタジオ"で、その日ライリーに起きた出来事を基に夢監督が指揮を執り、映画を撮るかのように作られている。国際統合睡眠医科学研究機構の機構長も務める柳沢教授は、同作で描かれている"現実に起きたことが夢に出る"という仕組みについて、「夢は起きている間に体験したことの断片を組み合わせて作られるので、もちろん現実が反映されます」と回答。また、なぜある特定の場面が夢に出てくるのかは判明しておらず、夢は主観的なものなので研究対象としては難しいというが、「ライリーが学校で泣いてしまったということが夢に出てくるのは、ライリーの心理状態を表しています。彼女にとって泣いたことは、とても深い記憶なのでしょう」と話す。さらに教授は「眠っている間も脳が休んでいる状態ではないことがしっかり表現されていました」と続ける。ライリーが寝ている間も"夢の製作スタジオ"は働いており、完全に頭の中がストップした状態にはならない。教授は「例えば楽器の練習をしてから寝ると、弾けなかった部分が起きたら弾けるようになったり、勉強も一晩寝ると暗記できていたりすることが多い。これは寝ている間に"思い出の整理"を行っているためで、記憶の定着が起こるからです」と解説し、「これは科学的に実証されている」と力強く語る。劇中でも、眠っている間に思い出の整理が行われていることをコミカルに表現。"思い出の保管場所"には今までライリーが記憶した思い出ボールがたくさん並んでおり、その中から不必要と判断された思い出は、記憶消し女と記憶消し男によって掃除機のようなもので吸い取られていく。最後に、教授は本作のテーマについても言及。「人間が進化してきた過程で、"ビビリ"は危険を避けるため、"イカリ"は自己防衛など、それぞれ生存のために絶対に必要な感情」と言い、その上で「本当に悲しむことができる動物は、人間と一部の霊長類だけです。だから"カナシミ"がなぜ必要なのかというテーマは、とても面白い」と感慨深く述べた。(C) 2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2015年07月21日11歳の少女ライリーの頭の中を舞台に、5つの“感情たち”が主人公となる感動と冒険のファンタジー『インサイド・ヘッド』。実は公開後早くも、ひそかな“カナシミ”ブームが巻き起こっているのをご存知だろうか?「もう歩けない…」「私なんて…」という後ろ向きな口グセに初めはイライラしていた人も、映画の鑑賞後はみんな、カナシミが大好きになっているという。そんな“ネガティブ可愛い”カナシミの魅力に迫った。まず注目すべきは、カナシミの愛くるしいビジュアル。いま流行の丸メガネに、柔らかなボブヘア、ちょっぴり大きめのセーター姿のカナシミは、『ベイマックス』を想像させるようなマシュマロボディ。本作を観た人からは、「カナシミが丸メガネっ子で可愛すぎ」「セーターのたっぷり感がかわいい」「絶対に触り心地良さそう」など、その魅力にハマる人が続出。その可愛さは子どもたちからも大好評で、「(カナシミの)すぐ元気をなくして、だらけちゃうところが好き」や「マイペースなところが好き」といった感想もあり、世代を超えて愛される魅力があるようだ。さらに、“なぜ、カナシミが必要なの?”という言葉通り、カナシミが存在する大切さには感動の声が寄せられている。映画の冒頭では、ヨロコビ、ビビリ、イカリ、ムカムカは、ライリーを泣かせることしかできないカナシミを邪魔者扱いする。しかし、ヨロコビはカナシミとの冒険を通じて、“カナシミにしかできないこと”に気づいていく。例えば、ライリーが幼いころの空想上の友達ビンボンが泣いているとき、ヨロコビはビンボンをどう慰めていいか分からない。だが、カナシミは、ビンボンがなぜ悲しいのか、話に耳を傾け、そっと気持ちに寄り添い、一緒に悲しむことでビンボンを慰めてあげたのだ。すると、ビンボンは気持ちがすっきりし「ありがとう、カナシミ」と感謝を述べる。それを見たヨロコビは、いままで泣かせることしかできないと思っていたカナシミの存在にハッと気づかされ、観客もまた、カナシミに感情移入していくことになる。ヨロコビがカナシミの必要性に気づいていく様子には、大人からは「カナシミは自分の成長や次に進むために必要なことだと気づき、愛しくなった」「マイナスイメージになりがちなカナシミという感情も、人生には必要だというメッセージに感動した」といった声が寄せられ、子どもたちからも「(カナシミは)最初は暗かったけど、最後にヨロコビと仲良く楽しそうにしていて好きになった」「カナシミの役割はないと思っていたけど、最後はすごく感動した」と、感動の声が続々。しかも、ディズニーミュージカル『イントゥ・ザ・ウッズ』でシンデレラ役を演じ、『ピッチ・パーフェクト』などで日本でも大ブレイク中のアナ・ケンドリックまでも、ツイッターで「ねぇピクサー、悲しい瞬間に周りに気づかれないよう、鼻をすすれるように大きな音の音楽を入れているのかしら」とつぶやき、本作を見て泣いてしまったことを明かしている。いつもハッピーで、幸せいっぱいとは限らないのが人生。カナシミが必要なワケを、シンデレラも思わず涙する本作から確かめてみては?『インサイド・ヘッド』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:インサイド・ヘッド 2015年7月18日より全国にて公開(C) 2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2015年07月21日オネエ系映画ライター・よしひろまさみちさんの映画評。今回は、少女時代のモヤモヤを解消する『インサイド・ヘッド』です。* **大人泣きすることってそうそうあるもんじゃないのが、お仕事バリバリなanan世代女子。でもね、この映画『インサイド・ヘッド』は泣かせるわよ~。アニメなんぞで泣くもんか!という方、だまされたと思って観てごらんなさい!物語の主人公は11歳の少女ライリー。ミネソタの田舎で幸せに育ってたある日、パパの仕事の都合で大都会サンフランシスコに引っ越すのね。多感なお年ごろの彼女は、新しい環境になじめないだけじゃなくて、思春期独特の反抗期まで始まっちゃうの。そのとき、彼女の頭の中では、それまでヨロコビが取り仕切っていた感情たちが大パニック。なんせ対応したことがないことばかりが起きるもんだから、どうしてよいモノやら。しかもカナシミが暴走して突飛な行動に出たばかりに、ヨロコビとカナシミが感情コントロールの司令部から記憶の平野へ追いやられちゃって、残されたビビリ、イカリ、ムカムカだけになっちゃう。これね、子供向けのキャラクターアニメと思いきや、大人の階段を上った皆さんだったら必ず共感できる感動作なの。思春期の抑制できない感情の動きを、ものすっごくわかりやすく描いているのね。そもそも子どもって、笑ったり泣いたり怒ったりイライラしたりっていうのがシンプルじゃない。でも、考えてみて。いつのころからか、喜怒哀楽が入り交じった思い出ができたり、空気を読んで感情を抑制したりできるようになるでしょ?それって「だって大人のオンナになったから」で片付けちゃうもんだけど、じつは大人の階段を上る過程でいろんなことが起きてるのよね。たとえば、子どもは夢想空想をよりどころにしてることがあるけど、ふと気づくと、いつも夢想していたことを忘れてしまっているのよね。それがいわば、成長過程における意識・無意識の整理。人間の記憶って都合よくできてて、暮らしていくうえで必要なことだけを記憶して、必要ないとみなしたことは無意識のほうに追いやっちゃうのね。また、年ごろの反抗期っていうのも、感情の抑制がうまくいかなくなってるだけで、思い返してみると「大人げないわ~」って思えるようになるでしょ?そういったことを、ライリーちゃんの成長とともに描いているのがこの作品なの。だから、作品で描かれているディテールは置いといて、観ている人自身が自分の思春期のことを思い出しちゃう。それも不思議と具体的に思い出せるというマジックつき(そこもまた、人間の記憶の都合のいいところ)。「これは、あなたの物語」っていうキャッチコピーがついてるけど、まんざらウソじゃないってことだわよ。それもそのはず。監督曰く「僕の子育ての経験で、娘がだんだん別の人間になっていく過程をみてきたから、それをベースにしている」っていうんだもの。そりゃリアルだわ。だから、この作品はむしろ大人向き。しかも大人の女性ほど、忘れ去っていた少女時代や親不孝時代などなどを思い出しちゃうの。それどころか親御さんと一緒に観るのもいいかも。大人になったからこそ、モヤモヤしていた時代のことを親子そろって反省できる材料になるもの。こんな全世代網羅のオリジナル脚本を作りだしたピクサー、エライ!!◇『インサイド・ヘッド』(C)2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.◇じつは脳科学の専門家へのリサーチもバッチリしていてぬかりない。だけど、小難しいこと抜きがピクサー式。監督/ピート・ドクター声の出演/エイミー・ポーラー(竹内結子)ほか7月18日より全国ロードショー。(C)2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.※『anan』2015年7月22日号より。文・よしひろ まさみち(オネエ系映画ライター)
2015年07月21日ディズニー/ピクサー長編アニメーション20周年記念作品『インサイド・ヘッド』(公開中)の本編冒頭2分間をノーカットで見られる映像がこのほど、公開された。公開された映像で描かれるのは、生まれたばかりのライリーを中心に、家族の幸せがあふれる一幕。優しい両親に見守られるライリーの頭の中には"ヨロコビ"も誕生し、"ヨロコビ"が感情の操作盤に触れると、ライリーは幸せそうに笑う。その笑顔を見た両親もうれしそうな表情を見せ、幸せに包まれたライリーの誕生が印象的なワンシーンになっている。続けて、両親が「はじめまして、ライリー」と語りかけると、ライリーの頭の中には、人生初の思い出ボールが出現。幸せにあふれた思い出として、"ヨロコビ"と同じ黄色に輝くボールがライリーの人生における最初の思い出となる。思い出ボールの意味を理解した"ヨロコビ"がボールを転がすと、進んでいくボールに併せて真っ暗だった壁に幻想的な風景が浮かび上がる。このように映像では、人生で初めて生まれる感情が"ヨロコビ"であることが明かされる。しかし、「すてきよね。ライリーといつまでも二人っきり」と"ヨロコビ"が口にした直後、ライリーは泣き出してしまう。どうしたのかと周りを見れば、そこには物憂げな表情で感情の操作盤に触れる"カナシミ"の姿が。そして、ライリーの人生を幸せな思い出でいっぱいにしたい"ヨロコビ"は、"カナシミ"と操作盤を奪い合い、「感情はこの後、どんどん増えていくのよね」という、これからの展開を思わせる"ヨロコビ"の言葉で映像は終わる。本作は、『モンスターズ・インク』や『カールじいさんの空飛ぶ家』を手がけたアカデミー賞受賞監督であるピート・ドクターが、自身の娘の成長からヒントを得て製作。誰の頭の中にもあるけれど誰も見たことがない"感情たち"を主人公に、「子供から大人への成長」という普遍的なテーマを描く。(C) 2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2015年07月19日1995年の『トイ・ストーリー』以来、多くの人気作を生み出し、世界中を魅了し続けているディズニー/ピクサー。長編アニメーション20周年を迎える今年、またひとつ新たな名作『インサイド・ヘッド』が誕生しました。家族や友達に囲まれて幸せな日々を送っているいつも笑顔で活発な少女ライリー。そんなライリーの頭の中では、ヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、そしてカナシミという5つの感情たちがライリーを幸せにすべく毎日奮闘していた。それぞれの感情はライリーにとって必要不可欠だったが、唯一カナシミだけその役割が謎に包まれたままだった。そんなある日、突然の引っ越しで不安定になったライリーの心は混乱し、ヨロコビとカナシミが頭の中の司令部から放り出されてしまう。ますます感情に異変が生じて危機的な状況に陥るライリーを感情たちは救うことができるのか?そして、カナシミに隠された秘密とは……?感情を擬人化してキャラクターにし、人の頭の中を描くという独創的なストーリーに挑戦した本作は、子供だけでなく、かつて子供だった大人たちみんなに響くストーリーとなっています。また、心理学者や研究者などに徹底的なリサーチを行って描かれたという登場人物たちの繊細な表情の変化も見逃せません。困難を乗り越えて成長していくライリーと大切な人を守るために一生懸命な感情たちの姿には、思わず涙がこみ上げてきます。劇場に行く際には、ぜひハンカチをお忘れなく!あなたも、家族や友達、仕事などで悩んでいるときに、悲しみという感情がなくなってしまえばいいのにと思ったことはありませんか?しかし、なぜ私たちの感情にとってカナシミが必要なのかわかれば、カナシミと上手く付き合いながらヨロコビを感じ、自分をもっと幸せにできるはず。誰しもが持っている5つの感情たちが、今もあなたの頭の中であなたを幸せにすべく奮闘しているかも!?イベントデータ:『インサイド・ヘッド』公開表記:7月18日(土)、全国ロードショー配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン© 2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2015年07月18日ディズニー/ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド』(7月18日公開)と、ファッションニュースサイト「FASHION HEADLINE」、女性向け映画サイト「cinemacafe.net」が共同でクラッチバックを製作。公開前日に、同バックが完成した。本作の舞台は、ひとりの少女の頭の中。楽しい気分にする“ヨロコビ”、悲しい気分の時に現れる“カナシミ”、怒りを爆発させる“イカリ”、嫌いなものを拒絶する“ムカムカ”、安全を守る“ビビリ”…と少女の感情をキャラクター化するという斬新な設定で話題を集めている。さらに日本語吹き替え版の声優を、女優の竹内結子(ヨロコビ役)と大竹しのぶ(カナシミ役)が務めており、主題歌には「DREAMS COME TRUE」が起用された。今回の共同で製作したバックには、ヨロコビとカナシミの手書きイラストをプリント。さらに、「It’s a great day!」「I don’t think this happy thing is going to work.」というそれぞれのキャラクターらしいセリフもプリントされており、折り方次第でその時の気分が表現できるものとなっている。生地として使用しているのは、昨年から引き続く流行のデニム素材。丈夫でありながらも柔らかく、夏休みの旅行などの際にはバック・イン・バックとしても活躍してくれるはず。色合いもベーシックな濃紺とあってカジュアルなスタイルにぴったりなアイテムとなっている。『インサイド・ヘッド』は7月18日より全国にて公開。
2015年07月17日いよいよ7月18日(土)に公開を迎えるディズニー/ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド』。この度、冒頭のノーカット映像が公開された。11才の少女ライリーの幸せを見守る、ヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、そしてカナシミという頭の中の“5つの感情たち”。ある日、突然の引っ越しによってライリーの心は不安定になり、頭の中のヨロコビとカナシミが“指令部”から行方不明になってしまう。ヨロコビとカナシミがいなくなり、すっかり心を閉ざしたライリー。“感情たち”はライリーを救えるのか?そしてカナシミに隠された、驚くべき秘密とは…。監督を務めるのは、『モンスターズ・インク』『カールじいさんの空飛ぶ家』のピート・ドクター。日本語吹き替え版キャストは、ヨロコビ役を竹内結子、カナシミ役を大竹しのぶが務める。今回、公開となった映像で描かれるのは、生まれたばかりのライリーを中心に、家族の幸せが溢れる一幕。優しい両親に見守られるライリーが目を開き、初めて外の世界を見るとヨロコビも誕生。彼女が感情の操作盤に触れると、ライリーは幸せそうに笑う。その笑顔を見た両親も嬉しそうな表情を見せ、人生で一番最初に生まれる感情は“ヨロコビ”だということが分かる印象的なワンシーンだ。両親が「はじめまして、ライリー」と語りかけると、ライリーの頭の中には彼女の人生初の思い出ボールが。幸せに溢れた思い出として、ヨロコビと同じ黄色に輝くボールがライリーの人生の一番初めの思い出となるのだ。そして、思い出ボールの意味を理解したヨロコビがボールを転がすと、進んでいくボールの動きに併せてピクサーが描きだす、頭の中の世界が明らかになっていく。「素敵よね。ライリーといつまでも二人っきり」と幸せに浸るヨロコビだったが、笑顔だったライリーが泣き出してしまう。周りを見渡すと感情の操作盤にいたのはカナシミ。「私はカナシミ」と自己紹介するもライリーは泣きっぱなし。そんなライリーを見てヨロコビはカナシミが操作盤に触れないよう奪うのだが…。家族の愛情がギュッと詰まったこちらの映像。イカリ、ムカムカ、ビビリたちの誕生は劇場で確認してみて。『インサイド・ヘッド』は7月18日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:インサイド・ヘッド 2015年7月18日より全国にて公開(C) 2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2015年07月17日ディズニー/ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド』の冒頭映像がノーカットで公開になった。人間の“頭の中”を舞台にした本作はどのように幕を開けるのだろうか?『インサイド・ヘッド』冒頭映像ウィリアム・シェイクスピアは「人間が泣きながら生まれてくるのはこの世を嘆いているからだ」と書いたが、本作の主人公ライリーの頭の中に最初に生まれる感情は“ヨロコビ”だ。赤ん坊のライリーの頭の中にあたたかな光が生まれ、それはやがて“ヨロコビ”になる。ヨロコビはライリーの感情を決める司令部からライリーの誕生を祝福する父と母の穏やかな表情を見つめ、感情を決めるボタンを押す。ライリーは笑顔になり、家族の幸福なひとときはライリーの“記憶”になった。記憶はボールに収められ、司令部に設置されたレールの上を華麗に移動する。映像にも徹底的にこだわるピクサーらしく、キャラクターの表情、ボールの表現、ライティングの美しさ、司令部の愛らしいデザインなど見どころ満載のカットが次々に登場する。ちなみにヨロコビにあふれた幸福な時間が続いたのは最初の数十秒だけ。司令部には新たに“カナシミ”が現れ、ライリーは多くの赤ん坊と同じく声をあげて泣き始める。映像はここで終わっているが、やがて彼女の頭の中にはイカリやムカムカ、ビビリが登場。どの感情もそれぞれに役割を持っており、ライリーはすくすくと成長する。しかし、彼女の一家が引越しを決めたことから事態は一転。無邪気に過ごしてきたライリーは環境の変化に戸惑い、やがて自分の気持ちを上手にコントロールできなくなってしまう。一方、司令部内でもトラブルが発生し、ヨロコビとカナシミが司令部から放り出されてしまう。このままではライリーは2度と笑顔になることができないとヨロコビは帰還を決意するが、頭の中と外で次々に事件が起こり、ライリーも感情たちもピンチを迎える。つねに物語こそが最も大事と言い続けてきたピクサーらしく、たったの数分で物語の設定や魅力を見事に伝えている映像で、続きが気になる内容になっている。『インサイド・ヘッド』7月18日(土)全国ロードショー
2015年07月17日ディズニー/ピクサーの自己記録を塗り替え、続編を除くピクサー・アニメーション映画で歴代1位の全米興行収入をたたき出し大ヒット中の『インサイド・ヘッド』がいよいよ7月18日(土)より日本公開される。そんな本作の公開を目前にして、早くもディズニー/ピクサーの最新作となる『アーロと少年』の全国公開が決定!世界観を現したビジュアルも公開された。はるか何千万年の昔、隕石が地球にぶつかり恐竜は絶滅したはずだった…。でも、もしも隕石が衝突しかなったとしたら?――いまとはちょっと違った方向に進化し、そこは、絶滅をまぬがれ文明と言葉をもつ恐竜たちが、言葉をもたない人間たちと共存する地球。『トイ・ストーリー』のおもちゃの世界、『モンスターズ・インク』のモンスターの世界に、『ファインディング・ニモ』の海の中の世界など、アニメーションならではのイマジネーションあふれる夢の世界を描いてきたディズニー/ピクサー。その長編第16作目となる本作が描くのは“恐竜”が絶滅していなかったら…という、『インサイド・ヘッド』に負けない“アイデア”と“壮大なスケール”で描かれる。本作の主人公は臆病で甘えん坊の恐竜・アーロ。ある日、大好きな家族とはぐれてしまった彼は、言葉も通じない見たこともない生き物“人間の子ども(スポット)”と出会う。壮大な自然を舞台に、見た目も性格も正反対なひとりぼっち同士の2人の出会いから始まるのだ。監督は『カールじいさんの空飛ぶ家』と同時上映された短編アニメ映画『晴れ ときどき くもり』や、『モンスター・ユニバーシティ』で5つ目のキャラクタースクイシー(スコット・スクイブルズ)の声の出演もしていたピーター・ソーン。製作は『カーズ2』のデニス・リーム、製作総指揮はウォルト・ディズニーとピクサー・アニメーション・スタジオズ両社のチーフ・クリエイティブ・ オフィサーであるジョン・ラセターが務める。さまざまなアイディアで観る者を驚かせてきたディズニー/ピクサーが“頭の中”の次に描くのは“地球”。まだ誰も見たことのない世界を見せてくれるに違いない。『アーロと少年』は2016年3月12日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月17日『インサイド・ヘッド』の公開も控えるディズニー/ピクサーの新作映画『アーロと少年』が来年3月に公開されることが決定した。本作は、隕石が地球に衝突せず、恐竜が絶滅しなかった地球を舞台に、甘えん坊の恐竜アーロと、人間の子どもの友情と冒険を描いた作品になるという。その他の情報『トイ・ストーリー』では“おもちゃ”の視点から物語を描き、『レミーのおいしいレストラン』では料理が得意なネズミが主人公のドラマを成立させ、『インサイド・ヘッド』では11歳の少女の“頭の中”を舞台に選ぶなど、ピクサーは前例にとらわれない柔軟な発想で観客を驚かせてきたが、本作は“もしも、隕石が地球に衝突せず、恐竜が絶滅をまぬがれていたら?”という斬新な設定から誕生したアドベンチャー大作だ。主人公の恐竜アーロは甘えん坊で家族とはぐれてしまうが、言葉の通じない人間の子どもスポットと出会う。見た目も性格も正反対なふたりはいつしか友情を築き、行動を共にし、太古の地球を舞台に大冒険を繰り広げる。ポイントは、資料に記載されている“言葉の通じない”というフレーズだ。これまでもピクサーは『ウォーリー』で言葉を喋らないロボットのウォーリーを主人公に感動のラブストーリーを描き、言葉を覚える前の幼児を相手に右往左往するモンスターたちの姿を描いた『モンスターズ・インク』で高い評価を集めた。彼らはいつも、あえて難易度の高い設定を選び、キャラクターとドラマを徹底的に追求して名作を生み出しており、本作も少し変わった設定を見事に活かした感動作になりそうだ。『アーロと少年』2016年3月12日(土) 全国ロードショー
2015年07月17日日本を代表する二人の名女優が、ディズニー/ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド』で洋画アニメーションの声優に初挑戦している。物語の舞台は11歳の少女の“頭の中”。彼女の幸せな成長を願う“感情たち”が、頭の中で大冒険を繰り広げる個性あふれるファンタジーだ。主人公はヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、そしてカナシミという5つの感情。女優の竹内結子が感情たちのリーダー的な存在で、感情の主・ライリーをハッピーしようと奮闘する“ヨロコビ”を快活に演じる。「いつでも前向きで、どこかあっけらかん。でも演じるうちに、ヨロコビの中にも悩みや迷いといったいろんな感情があると気づき、とても人間らしさを感じました。あっ、人間の中にある感情ですから、当然ですよね」と竹内さん。一方、カナシミは他の感情たちとは距離を置きながら、「なぜ私は存在するの?」と思い悩むというキャラクター。演じる大竹しのぶは「とにかく後ろ向きで、少し甘えん坊。いつもそばにヨロコビがいてくれる安心感のせいで、やっかいな性格だけど、カナシミを演じながら、私自身は悲しむことに快感を覚えていましたね(笑)」とふり返る。ひょんなことから頭の中の司令部から放り出されたヨロコビとカナシミは手を取り合い、帰還を目指すが…。「きっと誰もがなぜ、人間には悲しみという感情があるんだろうと思いますよね。ヨロコビにとっても、それは大きな疑問…。でもカナシミと一緒に冒険をしながら、実は悲しみこそが、他人に寄り添うために必要な優しさや、いたわりといった大切なものを担っていると気づくんです。この作品を見終わって、優しい気持ちになれるのは、そのせいだと思いますね。大竹さんの演技が、カナシミを一層愛おしい存在にしてくれますし」(竹内さん)。この言葉に、大竹さんも「作品を通して、感情が人を成長させるんだと改めて実感しています」と深くうなずく。「必要なのは、人との触れ合い。ひとりぼっちでは誰も大きくなれませんから。これから成長するお子さんにはもちろん、いま悩みを抱える大人が見れば、過去の自分をふり返りながら、いまの自分を肯定できると思います。喜びがあり、悲しみがある。その逆もそうですし、人として大切なことを教えてくれる映画ですね」(大竹さん)。世界中のファン同様、二人にとってもディズニー作品は大きな存在だ。好きな作品に『美女と野獣』と『シンデレラ』を挙げる竹内さんは、「常にすてきな夢を見せてくれる。女の子なら、誰しもお姫様願望がありますもんね」とウットリ。本作を手がけるピート・ドクター監督の『モンスターズ・インク』も大好きな一作で、「ラストのサリーとブーのシーンで、いつも大泣きしてしまう。あえてブーの表情を映さないのがいい!!」と声を弾ませる。大竹さんは昨年、『マレフィセント』の日本語版主題歌「Once Upon a Dream~いつか夢で~」で美しい歌声を披露し、「いまも素敵な思い出です」。ディズニー作品の魅力は「どれだけ時間が経っても、色あせないところ」だと言い、「昔、娘と一緒に見た作品がいまもまったく古くならず、一緒に楽しめる。ミッキー・マウスが生まれた1928年から、ずっとその伝統が続いていると思うと、ウォルト・ディズニーさんの偉大さを感じます」(大竹さん)。(text:Ryo Uchida)■関連作品:インサイド・ヘッド 2015年7月18日より全国にて公開(C) 2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2015年07月16日ディズニー/ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド』が間もなく公開になる。本作では11歳の女の子の”頭の中”を舞台に、様々な感情たちが登場し、まだ誰も観たことがない壮大なアドベンチャーが描かれる。一方で本作を手がけたピート・ドクター監督は「この映画には、リアルな深みがある」という。その他の画像本作の舞台は11歳の少女ライリーの頭の中。そこではヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリが暮していて、ライリーの感情を決めているが、彼女の一家が引越しをしたのを機に様々なトラブルが発生。ライリーは自分の感情を上手にコントロールできなくなってしまい、頭の中ではヨロコビとカナシミが感情を決める司令部から放り出されてしまう。ドクター監督は「ライリーが成長するところをどうやってドラマにするか、何度も変更を繰り返した」という。「最大の変更点はたぶん……最初は、ヨロコビとビビリが一緒に旅に出ることになるはずだったんだ。でも、それはあまりいい組み合わせじゃないことに気づいた。もし、ヨロコビのストーリーを大事にするなら、ビビリを取り除いて、カナシミと組み合わせるべきだと思ったんだ」。11歳の子が変化し、成長していくドラマを描くためには、カナシミという感情は絶対に必要だった。「もし、カナシミにとってテーマがあるとすれば、それは喪失だ。それは、人生で何かが失われるという事実と向き合う手助けをしてくれる。成長する時に、それはどうしようもないことだ」。そこにはドクター監督の父親としての視点も盛り込まれている。「父親として、子供たちと走り回って、遊んだり、ふざけあったりするのがなくなることは悲しいよ。なぜなら、僕の娘は大きくなって、昔とは違うやり方で触れ合うようになっていったからだ。そういった複雑さが、作品を興味深くしているんだと思う。もしすべてが悪くて、すべてが良ければ、あまりに白黒がハッキリしすぎている。この映画には、リアルな深みがあるんだ」。ドクター監督作品の最大の特徴は、ワクワクするドラマの奥底に“喪失”の感情が描かれていることだ。「この映画は、成長することを描いている。僕ら大人は、真実であろうとなかろうと、子供時代のことをもっとシンプルな時代として振り返る。物事がとてもクリアーで強い時代だったと。そして、大人になった今、人生はもっと複雑なように見える。子供の頃のハッピーな思い出でさえも、今では、少し悲喜こもごもの思いが混ざっている。あの公園が壊されてしまったとか、両親が引っ越したとかね。そういったことのいくつかは、この映画で描こうとしたことだよ。記憶は、色とりどりなんだ。大人の人生には複雑さがあるんだよ」。『インサイド・ヘッド』を観た観客はワクワクするのと同時に、少し切ない想いをしたり、自分の過去を思い出したりするだろう。『インサイド・ヘッド』7月18日(土)全国ロードショー
2015年07月16日11歳の少女ライリーの頭の中の“感情たち”が主人公となる、ディズニー/ピクサー最新作『インサイド・ヘッド』。本作では、ヨロコビとカナシミがライリーの行動を決める頭の中の“司令部”からいなくなってしまうのだが、今回は“司令部”に残されたビビリ、ムカムカ、イカリの3つの感情に注目、彼らが果たす重要な役割に迫った。本作は、ライリーが突然の引っ越しで転校することになり、心が不安定になるところから物語が始まる。いままで、ヨロコビいっぱいにあふれていたライリーだったが、“司令部”からヨロコビとカナシミがいなくなることで、大事な感情を失ったライリーの心は徐々に閉ざされていってしまうのだ。司令部に残されたビビリ、ムカムカ、イカリの3人も、ライリーの危機を救うため奮闘するが、3人の感情ではライリーを喜ばせることができない。楽しい気持ちにさせたくても、イカリはライリーを怒らせてしまうし、ビビリはビックリさせるだけ。ムカムカはイラつかせることしかできない。だが、この3人はとても重要な役割を果たしていると、本作のリサーチ段階から協力しているカリフォルニア大学心理学教授ダッチャー・ケルトナー氏が解説する。まずビビリは、“怖いものがあるときに危険を察知する”役割がある。劇中では3歳のライリーが部屋の中を走り回っているとき、目の前にコードがあって転びそうになる。そのときにビビリが危険を察し、ライリーが転ばないように止まらせるのだ。起こりうる危険を予測し、事前に回避できるようにする、人間が生きていく上でとても重要な感情であることが分かる。次に、ムカムカには、“害になるものや行動を回避させる”役割がある。ライリーが大嫌いなブロッコリーを出されたときには、真っ先にムカムカが登場、ブロッコリーを投げ出すシーンで中心となっている。さらに、ライリーが転校先で初登校するとき、お母さんとお父さんに「学校まで送ろうか?」と言われて、嫌がるシーンがある。これも思春期の子どもにとっては自立心が芽生えたことの証で、大人に成長する上で欠かせない大事な感情といえる。最後は、イカリだ。怒ることなんて、私たちの役に立っているのかと思うかもしれないが、とても大事な役割がある。それは、“行動を奮い立たせる”こと。ライリーは小さいころからアイスホッケーを習っていて、試合の時に「絶対に勝ってやる」という気持ちから、自分自身を奮い立たせて試合に臨んでいる。イカリには“怒り”そのものだけでなく、自分を鼓舞してやる気の源にする、とてもポジティブな側面も備えているのだ。ピート・ドクターと共同監督を務めたロニー・デル・カルメンは、本作で描く感情について、「感情は人生で直面するさまざまなことを乗り切らせてくれます。例えばイカリは、不公平な扱いを受けたときに腹を立てることで、公平に扱われたいことを表します。またビビリは、怖いものがあるときに慎重な行動を取らせるのです。そうやって感情は日々の暮らしの行動において、すごく必要なものだということが分かると思います」と語る。ヨロコビとカナシミももちろん大切だが、本作を観れば、怒ることも、びっくりすることも、嫌がることも、私たちにはとても大切な感情だということが分かるはず。あなたの頭の中にも必ずいる“感情たち”に会いに出かけてみては?『インサイド・ヘッド』は7月18日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:インサイド・ヘッド 2015年7月18日より全国にて公開(C) 2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2015年07月15日●使い勝手が改善7月13日、ブラザーは同社のヘッドマウントディスプレイ「エアスカウター」の新型「WD-200A」と「WD-250A」を発表した。主に工業分野や医療分野にフォーカスすることで、AR/VRとはまた違った、ウェアラブルディスプレイの利用法を提案している。○改善された使い勝手ヘッドマウントディスプレイというと、Oculus Riftのように両目を覆って没入するタイプのものを考えがちだが、「AirScouter」は最初から片目側にのみ表示するタイプのウェアラブルディスプレイとして開発されており、コンシューマ向けではなく工業分野や医療分野に専念するなど、しっかりした目的意識のもとに開発されてきた製品だ。例えばベテラン作業員と新人作業員が一緒に作業をすると、新人作業員はマニュアルを広げながら作業したり、わからないところをベテランに聞いたりする必要があるため、二人とも作業に集中できず、結果として作業効率が大きく下がることがある。しかし作業ポイントをビデオなどにまとめ、新人は必要に応じてそのビデオを見ながら手元と比較して作業すれば、ベテランに迷惑をかけることなく一人で効率を高めていくことができる。こうしたデジタルマニュアルやビデオを閲覧しながらの作業は、タブレット端末を使って行っているところもあるが、タブレットは両手がふさがったり、置いておく場所のない環境で使うのは難しい。こうしたことからも、両手が空くヘッドマウントディスプレイタイプの端末に期待がかかっていた。前モデルとなる「AirScouter WD-100G/A」 は2012年に市場に投入され、主に工場や医療分野で使われてきた。WD-100G/Aは度のないメガネの上にディスプレイ部分を付けるデザインだったが、元々メガネをかけている人は装着しづらいと指摘されていた。WD-200A/250Aではこうしたフィードバックを元に、ヘッドバンドを装着し、そこにアームでディスプレイ部を固定するタイプに変更。メガネをかけている人でも装着しやすくなっている。ディスプレイ部も、アスペクト比4:3のSVGA(800x600ピクセル)から16:9の720p(1,280x720ピクセル)へと高解像度化し、映像もかなりシャープになっている。また、映像の奥行きを30cm~5m相当まで自在に合わせられる焦点距離調整機能を搭載しており、正しく調整しておけば、現実世界で見ているものと、大きく視点を変えることなくディスプレイを覗き込めるので、視線移動も少なく、目も疲れにくいというわけだ。医療分野でも基本的な使い方は変わらないが、ブラザーと共同研究を行ってきた東京大学では、超音波エコー検診装置を使って透析治療時の穿刺部位を、エアスカウターで確認しながら穿刺するといった使い方を提唱している。従来であれば検診装置のディスプレイを見ながらの作業になるため、無理な姿勢で覗きこんだり、穿刺位置がズレてしまうといった苦労もあったが、これが解消できるようになる。●コンシューマ向けはなしと明言○メガネの種類を問わず見えやすさも向上WD-100A/Gはディスプレイ部からハーフミラを使ってメガネに映像を写し込むため、現実の視界の上に映像が入りこむというスタイルだった。200A/250Aはミラー部を交換することで、反射型と半透過型を使い分けられるようになっている。反射型と半透過型の使い分けは用途や利用スタイルにもよるが、映像の鮮明さや明るさ、見易さといった点では断然、反射型に軍配があがる。一方で、視点の移動や現実世界にARを重ねるといった用途では半透過型にメリットがあり、1台でどちらも選べるというのは心強い。実際に筆者が装着してみたのは反射型だったが、着けなれないせいもあってか位置取りがうまくいかず、ディスプレイをしっかり見るのにはコツが要ると感じられた。ただし映像の鮮明さは相当なもので、映画などを流してもそれなりの迫力で見られるのではないか、というレベルだった。本機が対象としている産業用途の場合、細部をしっかり確認したいこともあるだろうが、この鮮明さなら見落としはなさそうだ。○将来の職場はヘッドマウントディスプレイが当たり前に?エアスカウターは今後3年間で1万2,000台程度を販売する予定だという。将来、業務用ヘッドマウントディスプレイが数十万台規模の市場になるころには、全体のシェアの40%前後を占めたいという話だった。一方で、コンシューマ向けの製品展開は考えていないということも明言されており、少々残念なところもある。実際に先行してAirScouter WD-200A/250Aを導入しているパナソニックの群馬大泉工場と、当代医学部付属病院では、かなりの好評が得られているということで、将来はこうしたヘッドマウントディスプレイを装着しながらの作業が当たり前のように増えていくかもしれない。WD-200Aの販売予想価格は25万円前後、WD-250AはOEMによるセット販売が中心ということだったが、それよりも高い値段付けになるということだったが、魅力的な機器だけに、もう少し戦略的でアグレッシブな値付けにも期待したい。
2015年07月15日ディズニー/ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド』が間もなく公開になる。本作は11歳の少女の“頭の中”を舞台に、徹底的にこだわり抜かれたキャラクターとストーリーが描かれるが、それらは一体、誰のアイデアなのだろうか?その他の写真ピート・ドクター監督が人間の感情や頭の中の様子を題材にした映画を思いついた時、最初に声をかけ、プロジェクトに参加したのが共同監督のロニー・デル・カルメンだ。彼はまず最初に、ドクター監督と新しい映画のストーリーについて話し合うことから始めた。「映画の脚本を書くということから始めたわけじゃないんです。キャラクターについてのストーリーを、お互いに話していただけです。僕たちは、すべての映画をそういうふうに始めるんです」。さらに彼らは人間の感情について調査し、専門家たちに聞き取りを行った。「そこで、私は『彼らは、私たちの頭の中にある司令部と呼ばれる場所の中で働いていて、外の世界を見ることが出来て、ライリーがどんなことを経験しているのかを見ることが出来るんだ』と言ったんです」。監督やカルメンたちは、頭の中にある司令部の画を描き、先ほどのアイデアを、主人公ライリーと父母が夕食を食べているシーンにしてみせた。このシーンは、完成した作品にも登場する。しかし、カルメンは「実際、僕たちが試みたほとんどのストーリーはうまくいかない」と笑う。ストーリーボード・アーティストのドミー・シーも「それぞれのスケッチは重要じゃなくて、重要なのは全体像」と説明する。4年前にインターンでピクサーに入り、その後に正式なメンバーになった彼女は、この4年間で「チームワークと、多くの他の人々と一緒に仕事をすることを学んだ」という。「私たちはとてもタイトなスケジュールの中で作業していて、いつも時間がなくなってしまうんです。だから、すべての仕事を終えるためには、一緒に仕事をしないといけない。もし、自分の仕事だけをやっていたら、締め切りまでに終えられなかったでしょう」。ピクサーには優れた才能を持つフィルムメイカーが揃っているが、彼らはいつもチームを組んで、あらゆる可能性を探っていく。このやり方はハッキリ言って効率は悪い。しかし、本作のプロデューサー、ジョナス・リヴェラは「試してみては、失敗してまたやり直すという時間は最終的な結果を生み出すのにとても重要なんだ」という。「僕らが今『インサイド・ヘッド』を上映する時、出来ることはすべてやったことがわかっている。僕らはすべての可能性を試してみたんだから」。そして笑顔でこう言い切るのだ。「だから僕たちは正直に言える。『インサイド・ヘッド』は僕たちの考えるベストなものだ、とね」。『インサイド・ヘッド』7月18日(土)全国ロードショー
2015年07月15日世界初の長編フルCGアニメーション『トイ・ストーリー』から20周年を記念して贈るディズニー/ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド』が7月18日(土)より公開となる。11才の少女ライリーの幸せを見守る、ヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、そしてカナシミという頭の中の“5つの感情たち”がどのように誕生したのかを探るべく、シネマカフェはアメリカのカリフォルニア州に存在するピクサー・アニメーション・スタジオに潜入。今回は『インサイド・ヘッド』を手掛けたピート・ドクター監督とプロデューサーのジョナス・リヴェラにインタビュー。5つの感情が生まれたきっかけ、あらゆる人が自分のことのように思ってくれる作品にするには…さまざまなピクサー・マジックの秘密を明かしてくれた。今回、主人公が“感情”というピクサー史上最もチャレンジングで独創的と言える作品を作り上げたピート監督。本作を作ろうと思ったきっかけは、お転婆で想像力豊かだった娘のある変化がきっかけだという。「僕の娘が11歳になったとき、彼女はこれまで以上に無口になってしまった。彼女は走り回ったりしなくなったし、以前ほど話さなくなったんだ。その変化は、僕自身の子ども時代のことを思い出させたよ。なぜなら、僕にとっての中学校時代はとても混乱していて、難しい時代だったからさ。それで、『娘は僕と同じことを経験しているんだ』と思ったよ」「そうやって少しずつ変わって、違う人間になるのを観察したところから、この作品のアイディアが生まれてきたんだ。これは世界中の人々が深く理解出来る物語だと思うよ。僕らの多くは子どもがいるし、みんな昔は子どもだったのだから。特定のことを描いているけど、世界中のみんなが共感できるストーリーなんだ」。そんなピート監督は「感情たちをキャラクターとして使う」ということを軸にヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリ…という5つの感情をピックアップ。感情はそのほかにもあるのでは?と思う人もいるかもしれないが、この感情たちはリサーチから生まれたとリヴェラ氏は語る。「感情がいくつあるかについて、科学的に大きな議論が存在するんだ。ある人々は26あると言う。ある人々は3つだと言う。作品のスケールのことを考えたり、感情たちを物語りの中でうまく扱う必要があったし、少し簡潔にしないといけないということもあった。僕らが描くことにした5つの感情は、もっとも明らかな感情だったんだよ」。キャラクター化するにあたっては「イカリ、ヨロコビというキャラクターは、誰もが面白いと感じるだろうと考えた。だって、『白雪姫』の7人の小人を彷彿とさせるだろ?怒りんぼうとかおとぼけのようにね」と話すとピート監督も納得の様子で「僕もそこに惹かれたんだ。アニメーションというのは、素晴らしく戯画化されていて、より強烈なキャラクターを作ることが出来る。まるで人間みたいだけど、(人間よりも)もっと人間らしく感じるよ」。そんな感情たちが住む“頭の中”には、光り輝く無数の“思い出ボール”があり、それらが収められた“思い出保管場所”、空想を実体化したようなアトラクションが並ぶ“イマジネーション・ランド”、キライなものを閉じ込めておく地下洞窟のような潜在意識がある…誰もが持っているはずなのにまだ誰も見たことがない無限に広がる頭の中の世界を見事に再現している。しかし長期記憶など、小さい子どもには分かりづらい単語も出てくる。このことについてリヴェラ氏は、「記憶とか、長期記憶とかに関しては、ビジュアル的に明るさや色を使うということで表現した。赤い色はイカリの記憶なんだ。もしそれが明るければ、薄暗いときよりももっと重要だということが分かるだろう。あと僕らがやったことの一つは、僕らの子どもたちを全員連れて来て、ここピクサーで彼らに映画を観せたんだ。そして、後ろに座って、彼らのことを観察した。それから、彼らがどういうことを理解したか質問したら不思議なことに、彼らはある意味、両親たちよりももっとよく理解していたんだ。だから、僕らにはもう少し(いろんなことをやってみる)余裕があることが分かった」と子どもたちの反応から自信を付けたことを明かした。誰もが共感する秘密はアイディア以上のリサーチがされているから。それは製作総指揮のジョン・ラセターの信条でもある。その中でいちばん学んだことは?とピートドクター監督に問うと「僕らが学んだのは、カナシミについてだ。もし、カナシミにとってテーマがあるとすれば、それは“喪失”。それは、人生で何かが失われるという事実と向き合う手助けをしてくれる。僕は、いつも大きな喪失があると感じている。成長するにあたって、喪失は避けることは出来ない。それは悲しいことだし、悲劇的なことだ。なぜなら、子ども時代には、イノセンス(無邪気さ、純真)があるけど、成長に伴いそれはなくなってしまい、決してまた手に入れることは出来ないからだよ。だから、カナシミは戻ってくる必要がある。それが、今作の中のヨロコビとのジャーニーなんだよ」。前半と後半では思い出ボールを通してライリーの成長が見て取れる。ピート監督は「僕らは大人として、子ども時代のことをもっとシンプルな時代としてふり返るんだ。物事がとてもクリアで、強い時代だったと。そして、大人になった今、人生はもっと複雑なように見える。子どもの頃のハッピーな思い出でさえも、いまでは、少し悲喜こもごもの思いが混ざっている。あの公園が壊されてしまったとか、両親が引っ越したとかね。そういったことのいくつかは、この映画で描こうとしたことだよ。記憶は、色とりどりなんだ。だから、大人としての人生には複雑さがあるんだよ」。最後に、本作のきっかけとなった娘の感想を聞くと、ピート監督は「彼女はいま16歳なんだ。彼女は、とってもティーンエージャーらしい。ただ、早口で『フム。いい映画ね、お父さん』とだけ言ったんだ(笑)」と少し切ないながらも嬉しそうな父親の顔を覗かせた。(text:cinemacafe.net)■関連作品:インサイド・ヘッド 2015年7月18日より全国にて公開(C) 2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2015年07月14日ブラザー販売は13日、ヘッドマウントディスプレイ「エアスカウター」の新製品を発表した。単眼式のディスプレイを備えた製品で、ヘッドバンドで固定できるため、画面を見ながら両手で作業が行える。同日、都内では製品説明会が開催された。○使いやすい、見やすい、つながりやすい今回のエアスカウターは、業務モデル「WD-200A」(7月下旬発売)と、医療モデル「WD-250A」(10月下旬発売)の2機種を用意。価格はオープンで、市場想定価格はWD-200Aが約25万円になる見込みだという。目標販売台数は3年間で12,000台としている。製品説明会では、ブラザー工業 常務執行役員の松本勇美夫氏が登壇し、製品の特徴を説明した。松本氏によれば、ブラザーがヘッドマウントディスプレイの開発を開始したのは今から10年ほど前。現在では、医療系や製造系の会社を中心に、様々な業界から反響があるという。ブラザーでは、2012年に業務用のヘッドマウントディスプレイ「WD-100」を発売した。今回の新製品はその後継機にあたり、「使いやすい」「見やすい」「つながりやい」をアピールしている。松本氏は、使いやすさについて「メガネ型のウェアラブル製品には限界がある。ヘッドマウント型にしたことで、首を振ってもズレることがない、安定した使い心地が実現できた」と説明している。高品質な液晶パネルを搭載したのも特長のひとつ。独自の光学設計で、明るくシャープな720p(1,280×720ピクセル)の高解像度を実現している。また、焦点距離調整機能によって、液晶に表示した情報と実視野の情報をわずかな視線移動で見比べることも可能となった。松本氏は「世界最高水準の解像度と画質を実現した。焦点距離調整機能により、目に大きな負荷をかけることなく、ストレスなく使うことができる」とアピールした。つながりやすさについては、映像インタフェースにHDMIを採用し、様々な機器に接続できる。○医療シーンでも活用できるブラザー販売 ソリューション事業部長の西村賢治氏は「ブラザーの強みは、現場を知っていること」と話す。同氏はパナソニック群馬大泉工場や、シチズンマシナリーにおけるエアスカウターの導入実績を紹介。「エアスカウターなら手を止めることなく、作業を続けることができる。業務効率が20%上がった例もある。経験の浅い作業者も、エキスパートと同じ作業が行える」と製品の魅力をアピールした。医療モデルWD-250Aの開発には、東京大学医学部附属病院の花房規男氏が協力している。そこで、花房氏が医療に携わる医師の目線から、製品の特長を説明した。同氏は、まず「血液透析では専用の血管に針を刺すことが必須となる。1スタッフあたりの担当患者数は近年増加している」と現状を説明。そして「従来の方法では、画面を見ながら患者さんの患部も見なければならず、処置が困難だった」と問題点を指摘した上で、「WD-250Aなら視線の移動を最小限にしつつ処置を行える」と、そのメリットを説明した。医療現場において、超音波画面を見ながら処置を行うケースは多い。したがって、WD-250Aは様々な医療現場で有用とのことだった。○ドローンにも応用できる!?質疑応答では、ブラザーが説明している「WD-200Aをドローンを使った業務にも応用できる」という点について質問があった。ブラザー工業 E&I事業推進部長の杉本吉市氏は「(ドローンの業務利用を考えている)橋や高速道路などの経年劣化を検査する、ゼネコン業界の方々からご相談をいただいている」と紹介。本来、ドローンの操縦には本体をコントロールする人間と、カメラの向きやズームなどを合わせる人間の2人が必要だが、WD-200Aを使えば、それを1人でこなすことができるとした。
2015年07月13日ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド』が間もなく公開になる前に、サンフランシスコのピクサー・スタジオ内で、本作の製作過程を紹介するプレゼンテーションが行われた。その他の写真プレゼンテーションには、アソシエイト・プロデューサーのマーク・ニールセンと、プロダクション・マネージャーのデイナ・マレーが登場した。2009年の秋、監督はアイデアを基にジョン・ラセターや共同監督のロニー・デル・カルメンらとブレインストーミングを行い、脚本の開発に取り掛かる。この段階ではまだ規模も小さく、翌年になってもこの映画に関わっている人間は8人しかいなかった。2011年、総勢14人になったスタッフたちは、映画のストーリーをさらに完成に近い形で検討するために”ストーリー・リール”を作り始めた。「ストーリー・アーティストの仕事は、脚本のアイディアをビジュアルに翻訳することです。彼らはスケッチをシーンごとに並べて、そのシーンがどういうふうになるかがざっとわかるようにします」(ニールセン)。イラストは編集されて仮の音楽と声が入れられる。こうしてできた仮の映画が“ストーリー・リール”だ。ニールセンは「『インサイド・ヘッド』は10回、映画の完全バージョンをスクリーニングしたんです。毎回、バラバラにして、書き直し、ストーリーボードをやり直し、編集し直したんです。映画の出来に満足するまでね」と振り返る。彼らはストーリー部門が試行錯誤して完成させたシーンを基に、アニメーションを描き、シーンを作り上げていく。しかし、彼らはストーリーを良くするためであれば、苦労して作り上げたアニメーションをあっさりと捨てて、より完璧なカットをゼロから作り上げるだろう。このプレゼンテーションでは映画のはじまりから完成までが説明されたが、実際には、ピクサーの映画作りは“直線的”には進まない。彼らは、映画の完成直前まで考え、アイデアを出し合い、問題点を見つけたら素直に失敗を認めて、最初からやり直す。ドクター監督はそんな過程を”映画を発見する”と表現する。「僕らにとって、映画に取り組むことは、“映画を発見する”ということなんだ。それは天国から降りてくるわけじゃないし、突然、脳の中に現れるわけでもない。小さな断片みたいなものをたどっていっても、時々、うまくいかなくて、また戻ってやり直さないといけなかったりする。だから、まさにそれは“発見”ということなんだよ」。ドクター監督とスタッフは、どこかに必ずある完璧なストーリーを見つけ出すために5年をかけた。『インサイド・ヘッド』は彼らが何度も何度も試行錯誤をして見つけ出した“最高のストーリー”になっているはずだ。『インサイド・ヘッド』7月18日(土)全国ロードショー
2015年07月13日世界初の長編フルCGアニメーション『トイ・ストーリー』から20周年を記念して贈るディズニー/ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド』が7月18日(土)より公開となる。11才の少女ライリーの幸せを見守る、ヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、そしてカナシミという頭の中の“5つの感情たち”がどのように誕生したのかを探るべく、シネマカフェはアメリカのカリフォルニア州に存在するピクサー・アニメーション・スタジオに潜入。今回は『インサイド・ヘッド』の製作から完成までのタイムラインをご紹介!まず、作品は企画開発からスタート。監督のピート・ドクターのアイディアが初めてピッチされた2009年8月から始まる。ピートはピクサー・アニメーション・スタジオズのチーフ・クリエイティブ・ オフィサーであるジョン・ラセターに「このアイディアだけにフォーカスしたい」と話したのだという。ラセター氏の返答は「もちろん!」。そして、彼らはすぐに仕事に取り掛かったのだ。2010年、公開まで5年――スタッフは8人。ピート監督は、共同監督となるロニー・デル・カルメンと仕事を始めていた。ピート監督とロニーは、ストーリー・ビーツ(ストーリーの構成要素の最小のもの)を考えたり、アイディアを絵に描いたり、いろんな方向を模索しながら、ストーリーを何度も作り直すことで、様々なアイディアを形にしていく。ピート監督の頭の中はアイディアであふれていたため、ストーリーのアイディアが書かれたペーパー・ナプキンをランチのときに持って帰ってきたこともあったそう。2011年、公開まで4年――スタッフは14人。ストーリー部門、エディトリアル部門、アート部門のスタッフで、177,000枚以上のストーリーのスケッチを作成。その後、このストーリーボードに音楽やサウンド・エフェクト、セリフを入れて編集したものにピクサーで働いているスタッフたちで、セリフを録音するのだ。そして、ピクサーで働くすべてのスタッフを集め仮の作品を上映。作品を観て、何がうまくいっているか。何がうまくいっていないか。どのキャラクターが好きか。どのキャラクターが壊れているか。もっと可笑しくするために何が必要かなどを議論するのだという。本作は完成までに、10回上映を行い、その度に、ストーリーをバラバラにして、書き直し、ストーリーボードをやり直し再構築、編集し直していくのだ。2012年、公開まで3年――スタッフは49人。プロダクション・デザイナーによって率いられるアート部門が加わり、映画の中の世界、“頭の中”のデザインが始まる。『トイ・ストーリー』や『バグズ・ライフ』、『カーズ』といった今までの映画では、現実に存在する世界のため、たくさん参考にするものが存在したが、本作の世界のほとんどは、現実にあるものではなく完全に作られたもの。とても考えるのが難しい仕事だったという。2013年、公開まで2年――スタッフは75人。最初の3年間、スタッフたちは、アセット(キャラクターやセット)をデザインしたり、作ったりすることに専念してきたが、それらをショット・プロダクションやアニメーションへ移していく。キャラクター部門は、アート部門からキャラクターを立体化した、パケットとスカルプトを受け取り、それをコンピューターの中に入れ込む作業を行う。そこで髪や洋服、キャラクターの色や質感を決めていくのだ。セット部門は、映画に登場するすべてのセットや小道具を作る。彼らはこのタイミングからセットの全てを、モデリング、シェーディング、セット・ドレッシング、ペインティングするのだ。2014年、公開まで1年――スタッフは207人。ついに実写映画でいう撮影監督、レイアウト部門が登場。アニメーションではヴァーチャル・カメラが置かれ、カメラワークを決めていく。そしてキャラクターやセットは、選ばれたカメラ・アングルの中でビジュアル的にうまくいくように配置されるのだ。これが完成すると、役者たちの声が録音される。その声に併せアニメーション部門とシミュレーション部門により、キャラクターに命が吹き込まれる。その後エフェクト部門、ライティング、レンダリングを経て、みんなが手がけた要素の、すべてをショットに入れ込み、レンダーファームというコンピューターシステムに送り、1つのシーンが完成。そんな気が遠くなるような作業を何度も何度も繰り返しては作り直し、ついに『インサイド・ヘッド』が完成した。『インサイド・ヘッド』完成までの5年間。ピート監督の1つのアイディアから、スタッフが徐々に増え、大きな作品を作り上げる。子どもから大人まで魅了させる作品を作ることができるのは、映画の出来に満足するまで徹底的に追及し、妥協しないピクサーならではのやり方と、スタッフの想いが作品を通して伝わるからだろう。(text:cinemacafe.net)■関連作品:インサイド・ヘッド 2015年7月18日より全国にて公開(C) 2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2015年07月13日アクション大作『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』がロケットスタートを切り、豪快に幕開けた夏休み映画シーズン。例年以上に多くの話題作がひしめくこの夏、作り手の思いがこもった「個性で勝負」する2大アニメの公開が近づいている。1本目はいまや国内で最も注目されるアニメ作家となった細田守監督率いる「スタジオ地図」、待望の最新作『バケモノの子』だ。興収42億円を突破した『おおかみこどもの雨と雪』(2012)に続く本作は“バケモノ”と“人間”という本来交わるはずのない者たちの絆が、豊かなイマジネーションと緻密なリアリティによって、具現化された王道の冒険活劇。完成度の高さはもちろん、立体的なタイアップ攻勢も前作超えのヒットを導く要因となりそうだ。そして、現在アメリカで破竹の大ヒットを記録している『インサイド・ヘッド』も見逃せない一作である。5つの感情が脳内で大冒険を繰り広げるファンタジー。こちらも非常に練り上げられた秀作で、何よりピクサー最大の武器であるオリジナリティがいかんなく発揮されており、ファンとして純粋にうれしくなる。近年、クオリティが不安定だったピクサー・アニメーション・スタジオが復調の兆しを見せていると文字通り“感じる”ことができるはずだ。興味深いのは、どちらの作品も孤独な少年少女の視点から、未知なる世界を見渡すことで、見る者に将来への期待や不安、社会への怒りや絶望を抱いていた“あの頃”を思い出させるという点。加えて、家族のあり方が多様化する現代社会におけて「人間が成長するために、必要なものとは?」という普遍的な問いを投げかける点も共通している。やはり、夏休みはアドベンチャーが良く似合う。アニメ映画という色鮮やかな地図を手に、感性の冒険に出かけたい。『バケモノの子』は7月11日(土)より全国にて公開。『インサイド・ヘッド』は7月18日(土)より全国にて公開。(text:Ryo Uchida)
2015年07月10日ディズニー/ピクサーの長編アニメーション20周年記念作品となる感動エンターテイメント『インサイド・ヘッド』と、先週末から公開となったアクション巨編『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』、この夏もっとも注目されている2作のコラボが実現したマッシュアップ映像が解禁された。ピクサー最高傑作との声も上がる『インサイド・ヘッド』は、突然の引っ越しで心を閉ざした少女ライリーの頭の中に存在する“5つの感情たち”──ヨロコビ、イカリ、ムカムカ、ビビリ、そしてカナシミの物語。また、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』では、アイアンマンこと“戦う実業家”トニー・スタークが開発した<ウルトロン>と、再結集した最強チーム“アベンジャーズ”との激闘と、その裏に隠された人間ドラマを描いている。このたび公開されたのは『インサイド・ヘッド』の“主人公”、11才の少女ライリーの頭の中の“5つの感情”たちが、『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』の予告編を観ているという前代未聞のマッシュアップ映像。まず、ライリーがノートパソコンで予告編を見るところから始まる本映像だが、さて、頭の中の“感情”たちには、一体どんなことが起こっているのだろうか?もちろん、“感情たち”も同時に映像を観ており、アイアンマン、マイティ・ソー、キャプテン・アメリカら豪華“アベンジャーズ”が登場する迫力シーンの連続に、一気にヒートアップ!アクションシーンには“イカリ”が「オレみたいなヤツがいっぱいいるぞ!」と興奮気味。また、“ウルトロン”が多数登場するシーンでは、“ビビリ”は悲鳴を上げ失神。“アベンジャーズ”が共闘するシーンになれば、“ヨロコビ”が「やっぱりこうでなきゃね!」とテンションUP!予告編のシーンごとに、“感情”のセンターが入れ替わっていく。そして、“カナシミ”も大活躍。マイティ・ソーが「みんな死ぬのか…」とつぶやくシーンでは、カナシミも「悲しい…」と可愛らしく倒れ込み、ホークアイが妻と別れのキスをするシーンでは照れて顔を伏せるキュートな姿を見せている。柔らかそうなプニプニのフォルムと、はじらいを見せるキュートさから、公開前から「カワイイ!」と大人気の秘密が伺える。まさに『アベンジャーズ』を見ているときの私たちのドキドキを、絶妙に表現している感情たち。なかなか見ることのないコラボレーション映像に、思わずワクワクしてしまうに違いない。『インサイド・ヘッド』は7月18日(土)より全国にて公開。『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:インサイド・ヘッド 2015年7月18日より全国にて公開(C) 2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2015年07月10日ディズニー/ピクサーの最新作『インサイド・ヘッド』と日本でも大ヒット中の映画『ベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』がコラボレーションした映像が公開になった。『アベンジャーズ』の予告編を観ている『インサイド…』主人公ライリーの“頭の中”を描いた内容だ。その他の画像『インサイド・ヘッド』の舞台は11歳の少女ライリーの頭の中。そこではヨロコビ(JOY)、カナシミ(SADNESS)、イカリ(ANGER)、ムカムカ(DISGUST)、ビビリ(FEAR)が暮していて、彼女の感情を決めているが、ライリーの一家が引越しをしたのを機に様々なトラブルが発生する。このほど公開された映像は“もし、ライリーが『アベンジャーズ』の予告を観たら、彼女の頭の中はどうなっている?”を描いたもの。アイアンマンをはじめとするアベンジャーズのメンバーが活躍するとヨロコビが歓声をあげ、彼らに危険が迫るとビビリが登場。怒りを抑えられなくなると巨人に姿を変えてしまうハルクの姿にイカリは共感を覚えているようだ。また、ソーが強大な敵ウルトロンの脅威を前に弱音をはくとカナシミも同じく悲しそうな表情に。2作品の魅力を一度に楽しめて、どちらのキャラクターにも親しみをおぼえられる内容になっている。『アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン』公開『インサイド・ヘッド』7月18日(土) 全国ロードショー
2015年07月10日『アバタ―』を超え、完全オリジナル作品としては歴代No.1のスタートを切り、全米では公開3週目にして『ジュラシック・ワールド』を抑えて首位に立ったディズニー/ピクサー最新作『インサイド・ヘッド』。『モンスターズ・インク』のピート・ドクター監督の6年ぶりとなる本作は、彼の娘の成長からインスピレーションを得て制作された、無限に広がる“頭の中”の世界を描く冒険ファンタジーだ。住み慣れた土地を離れ、慣れない新生活を始めた11歳の少女ライリー。彼女の頭の中には、“5つの感情たち”がいる…。楽しい気分にする“ヨロコビ”<ストレスを「面白さ」にすり変えてしまう力>、悲しい気分のときに現れる“カナシミ”<想像力が豊かで、ロマンティックな優しさを持つ>、怒りを爆発させる“イカリ” <正義感が強く、誠意にあふれるハートの持ち主>、嫌いなものから守る“ムカムカ” <少し見栄っぱりだけど情にもろい、繊細な感性を持っている>、危険から身を守る“ビビリ”<人なつっこく、心の中を打ち明ける正直さを持っている>。ライリーの中心となる感情は、“ヨロコビ”。明るく、おふざけが大好きな楽しい性格のライリーだが、パパやママなど、誰の“頭の中”にもそれぞれ“感情たち”はおり、その人の性格を形作っている。そんな中、「“5つの感情”の、どの“感情”が自分の中心的なポジションなのか?」をグラフで診断することができる、本作の公式スマホコンテンツ【あなたグラフ診断】が、「当たってるかもw」「完全に読まれてる…」「かなりスゴイ」「やはり…」と、早くも話題を呼んでいる。今回、この診断を監修したのは、「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ)にも出演する、心理学者で臨床心理士の植木理恵先生。「『インサイド・ヘッド』とは、“頭のなかの世界”という意味です。ですから、心理学者である私は、『なるほど、映画ではこういう描写もあるのね』という上から目線で(笑)、この映画を観るつもりでした」とコメント。「ところが、観始めて5分。そんな余裕は吹き飛びます。とにかくすごい。“ヨロコビ”と“カナシミ”がこんな内緒話をし、その一方で“イカリ”がこんな気遣いをし、そして…。この映画は、『感情とは一体、何ですか?』、この本質的なテーマに答えてくれる作品です」と絶賛し、ディズニー/ピクサーが描いた“頭の中”に太鼓判を押している。『インサイド・ヘッド』は7月18日(土)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:インサイド・ヘッド 2015年7月18日より全国にて公開(C) 2015 Disney/Pixar. All Rights Reserved.
2015年07月08日ディズニー/ピクサー最新作『インサイド・ヘッド』の公開を記念し7月7日に、都内で七夕イベントが行われ、日本語版キャストを務める“ヨロコビ”役の竹内結子、“カナシミ”役の大竹しのぶが浴衣姿で駆けつけた。その他の写真ヨロコビ、カナシミ、イカリ、ムカムカ、ビビリという5つの“感情“たちが、その持ち主である11歳の少女とともに成長する冒険ファンタジーで、「感情が主人公なので、誰もが自分の物語だと感じられるはず。ぜひ感動の魔法にかかって」(竹内)、「喜びだけでは生きていけず、悲しみも必要なのだとしみじみ感じた。見ればきっと心が優しくなれるはず」(大竹)とアピールした。イベントでは七夕にちなみ、それぞれの“願い”を披露する場面もあり、大竹が「カナシミに溢れても、すぐそばにヨロコビがいてくれる世界になりますように」と映画の世界観にマッチした願いをする一方、竹内は「世界一周の船旅に行けますように」とお願いし、「個人的すぎて、欲張りですみません…」と恐縮しきり。これに対し、大竹も「私だって、本当はやせたいとか、シワを減らしたいとか願いはありますよ」とフォローした。また、この日は世界的に活躍する書家・紫丹がライブ・パフォーマンスを披露。独特なスタイルで「喜」「悲」「涙」という文字が浮かび上がると、竹内と大竹は驚きの声をあげた。『インサイド・ヘッド』7月18日(土)全国ロードショー取材・文・写真:内田 涼
2015年07月07日