サッカーをしていて「くさびのパスを入れろ! 」という言葉を耳にしたことのある方は多いのではないでしょうか。この記事ではサッカーにおけるくさびとはなんなのかその概要を解説します。また、くさびのパスを入れることでどのような効果があるのか、という点についても取り上げているため参考にしてください。くさびとはくさびとは、ものをつなぎとめて固定する際に使用する道具のことです。漢字だと「楔」と書書かれます。そして、サッカーにおけるくさびとは、フォワードをはじめとした前線の選手に出す縦パスのことです。「くさびのパスを入れる」といった言い方をされることが多く、くさびのパスを入れることによって攻撃の起点を作ることができるほか、相手の守備陣形を崩すことも可能です。実際にくさびという言葉は知らなくても、自然とくさびのパスを出しているケースも少なくないでしょう。少年サッカーではくさびが少ない?プロをはじめとした大人や高校生などの試合では、くさびのパスがフォワードの選手に入ることはよくあります。一方で少年サッカー、特に年齢の低い子どもたちのサッカーの試合でくさびのパスを見かけることはあまり多くありません。これは、相手のマークがついた状態の味方にパスをだすという選択肢を持っていないことが多いためです。くさびのパスを受ける場合、どうしても相手が密集しているエリアにパスをすることになるため、子どもたちの場合そこを避けてしまいます。くさびのパスだけが相手を切り崩すための手段ではありませんが、選択肢として持てていれば、より多彩な攻撃ができるようになるでしょう。くさびを受ける選手に求められるスキルいくら良いくさびのパスが入っても、くさびを受ける選手のスキルが不十分だと簡単にボールを奪われてしまうでしょう。そのためくさびのパスを受ける場合、相手に体をぶつけられてもボールを奪われないキープ力が必要です。また、相手ディフェンダーのプレッシャーを受けながらボールをコントロールしなければならないため、正確なトラップができることも重要となります。さらに、ボールを受けた後の展開の攻撃につなげるためにも、広い視野を確保する必要もあります。このように、くさびのパスは通常のパスを受けるよりも難易度はグッと高くなると言えるでしょう。くさびのパスを入れる効果ここでは、くさびのパスを入れることでどういった効果が得られるのか具体的に解説します。なぜわざわざ相手が近くにいるエリアにパスを出すのかわからないといった人は参考にしてください。相手ディフェンスの陣形を崩せるディフェンスをする場合、選手はボールが動くとポジションを細かく修正する必要があるため、くさびのパスを入れることで、相手ディフェンダーの陣形を崩すことが可能です。特に、くさびのパスは自陣の深い位置に入ることが多く、相手もしっかりと寄せてきます。この時、パスを受ける前に周囲の状況をチェックしておけば、ディフェンダーが動いたことでどこにスペースができているか、フリーになっている味方がいるかといったことがわかります。そこを使えば守備網を突破できる可能性が高まるでしょう。攻撃の起点になるくさびのパスを入れることで攻撃の起点となります。例えば、先述の通りパスが入ることで相手守備陣のポジショニングも変わってくるため、それに伴いできたスペースを積極的に活用することで、相手陣内へと侵入することが可能です。また、くさびのパスを攻撃のスイッチにする、とチーム内で決めておけば縦パスが入った瞬間に猛攻を仕掛けることもできるでしょう。まとめ今回は、くさびとはなんなのかその概要について解説しました。サッカーにおけるくさびは、前線の選手へ出す縦パスのことであり、くさびが入ることによって相手の陣形を崩すことができます。一方で、くさびのパスの受け手は相手のプレッシャーを受けつつも正確にボールをコントロールし次につなげなければならないため、高い技術や視野が求められます。今回の内容を参考に、試合でもくさびのパスを活用してみてください。
2021年08月17日羊の目。(@odorukodomo8910)さんがTwitterに投稿した漫画に、多くの人が感動しました。病院帰りと思われる、1組の老夫婦。おばあさんは、初期の認知症と診断されたようです。認知症と診断されたら多くの人が悲しむでしょう。しかし、おばあさんは、あえて笑って明るくやり過ごそうとします。おじいさんはというと…。『老夫婦と夏の夜。』老夫婦と夏の夜。 pic.twitter.com/6HlWcWrTJt — 羊の目。@新刊発売中! (@odorukodomo8910) August 10, 2021 おばあさんの話をそらそうとするおじいさん。明るく振舞うおばあさんですが、内心は大切な人を忘れてしまうことへの不安とさびしさがあったのでしょう。たとえ忘れてしまったとしても、またおじいさんに恋をするだろうと考えるおばあさん。おじいさんも、同じくおばあさんが忘れてしまってもまたプロポーズをして一緒にいたいと考えているのでした。漫画を読んだ人たちからは「感動した」「涙が出た」と反響が上がっています。・感動しました。お互い何度でも恋をするなんて素敵。・認知症の祖父と、支える祖母の姿が重なって涙が出てきました。・涙腺崩壊。こんな夫婦になりたいです。・涙腺をぶん殴ってきた。夢があるなあ。たとえ忘れてしまうことが増えても、この老夫婦はいつまでも仲よく愛し合うのでしょうね。[文・構成/grape編集部]
2021年08月12日「元日本代表が教える」が売りのスクールで働く新米女性コーチの悩み。子どもたちと年齢が近く親しみやすいのが自分の特長だけど、保護者からは「元日本代表のコーチに教えてほしいのに」と不満が漏れる。指導理念やカリキュラムは共有しているし、元日本代表コーチが全クラスを担当するのは無理だから自分たちがいるのだけど、どうしたら保護者に納得いただけるのか。というご相談をいただきました。今回もジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、アドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<サッカー経験者だが感覚でやってきたので教え方がわからない。U-8からU-12年代は何から教えればいい?<新米スクールコーチからのご質問>初めまして。これまでお父さんコーチからの相談が多いと思うのですが、私は今年22歳の新米女性 コーチです。会社員として未就学児~U-12のクラスがあるスクールのコーチをしています。メインのコーチは私以外に2人いて、2人とも元日本代表です。私は選手と年も近く、女性で親しみやすいのがメリットであり、デメリットだと実感しています。元日本代表が教えるスクールというのが売りでもあるので、私が教えていいのかなど疑問を持ちつつ指導に当たっていますが、保護者アンケートにも「元日本代表とうたっているのならそのコーチに教えてもらいたい」などの意見があります。元代表のコーチがすべてのクラスを担当するのは難しいから私たち社員がいるわけで、指導の方向性やカリキュラムなどは共有しているのですが、どうすれば子どもと保護者の満足度が向上するのか本当に悩んでいます。池上さんがスクールで指導する際など、どんな風に保護者達を納得させているか、などアドバイスをくださると嬉しいです。よろしくお願いいたします。<池上さんのアドバイス>ご相談ありがとうございます。今の時代、入社試験の面接官には、卒業大学を省いた履歴書が渡されます。肩書や経歴だけでは判断できない、してはいけないと考えられています。そう考えるとサッカーコーチも、プレーがどれだけ上手いか(上手かったか)ではなく、本当に指導力があるかが問われるべきです。■選手としての実績=優れた指導者ではないところがサッカーの指導者は、いまだに選手時代の成果で判断されてしまうようです。選手時代の成績だけを看板にして指導者をしているケースも見聞きします。本当にサッカーの成り立ちを知っているのか、コーチングそのものを学んだうえで教えているのかが判断しかねます。選手時代の実績だけを前面に出しているスクールもあります。Jリーグの下部組織にも引退した選手が教える側として十分な学びを得ないまま、指導現場に立つのが実態かと思います。いずれも決して小さくはない問題だと感じています。上記のことを踏まえると、ご相談者様がやるべきは、自分自身がとことん勉強することだと思います。元日本代表選手に対し、サッカーの経験は追いつけなくても指導力でしのぐことはあなたの努力次第です。■プレーヤーとしてのキャリアとコーチとしてのキャリアは別物そこで、少し私の話をしましょう。私は45歳でJリーグクラブに初めて所属しました。Jリーグで私が出会った人の中には元日本代表や元Jリーガーなど選手としての実績のあるコーチがたくさんいて、圧倒されました。実際に一緒にピッチに立つと、私が知らなかった練習方法など新しい情報をたくさん知っていてとても感心しました。ところが、コーチングの方法は指示命令が多く見受けられました。もちろんそうでない人もいらっしゃいましたが、多くの元プロ選手は自分の育成時代に受けた指導をそのまま継承しているようでした。つまり、自分が教えられたように、教えていました。私は徐々に引け目を感じなくなりました。プレーヤーとしてのキャリアと、コーチとしてのキャリアは別物だと思えました。確かに高いレベルでプレーしてきた経験は、指導者としてプラスの要素であることは間違いありません。ただし、それは決定的なものではないと感じました。■子どもたちが変わっていくような指導ができれば保護者の見方も変わるJリーグに指導者として加入すると、アンダーカテゴリーの保護者達がまず注目するのは「どこのJチームから来たか?」「どこで選手をしていたのか?」といったことでした。みなさんご存知のように、私はYMCAという組織でサッカーを教えていました。恐らく「こんなコーチで大丈夫なの?」といった眼差しを向けられていたかと思います。しかし、指導を始めてしばらく経つと、ある大きな大会で強豪チームから勝利を挙げました。保護者は「こんなすごいチームに勝つなんて」とみなさん驚かれました。そこから、私を見る目が変わりました。試合に勝つこと以外でも、目の前にいる子どもたちが変わっていくような指導ができれば、保護者の見方は変わっていきます。そこを理解して、コーチングの勉強に邁進してほしいと思います。学んで得たことを、保護者とのコミュニケーションにも役立ててください。例えば、この子たちには今、こんなことが足らないので、こういうことに取り組んでいますとか、クラブの方針はこうだから、こうしようと思う、ここに着目してトレーニングしてきたら成果が現れました、といったことを丁寧に自分の言葉で伝えてください。人は見えないことやわからないことに不安を覚えます。保護者にご自分の指導を説明できれば、少しずつ信頼は上がるはずです。■「子どもがいないからわからないでしょ?」には学術的エビデンスを用意一方、若手や独身のコーチは子育ての経験のなさに悩むケースもあるようです。保護者から「子どもがいないからわからないでしょ?」と言われてしまうこともあるでしょう。そんなとき、学術的なエビデンスを話せるようになれば、親御さんたちに納得してもらえます。私はさまざまなチームに行って指導する機会があります。私の指導を見ると、みなさん「こうすればいいとわかりました。勉強になります」と言ってくださいます。しかし(そうは言っても、難しい)という本音も聞こえてきます。「そうは言ってもね」と言い続け、変われないコーチも実際にいらっしゃいます。指導者の道は簡単ではないのかもしれません。池上正さんの指導を動画で見る>>■保護者からの信頼を得るには指導者の学ぶ姿勢が大事(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)以前「幼児の指導のスペシャリストになりたい」と希望を語る女性コーチがいました。私は「だったら、このくらいの本は読んだほうがいいよ」と、シュタイナーなど基礎的な幼児教育の本を貸してあげました。しかし、なかなか読み進められないようでした。私が「幼児にサッカーだけやらせてていいの?」といった話をすると「サッカークラブですから、サッカーをやらせればいい」と言います。学べば学ぶほど、幼児に必要なことがわかるはずです。「スペシャリストになりたいって言ってたんじゃないの?」と折にふれ言葉をかけましたが、忙しくて手が回らないようでした。結局、保護者からの深い信頼は得られないままでした。女性だから云々は、自分では言わないことが大切かと思います。女性か男性かは関係ないという気持ちで、ぜひ学ぶことに向き合ってください。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年07月16日サッカー選手の成長に必要なアイテムとして多くのチーム、選手に活用されているのがサッカーノートです。前回は「しつもんメンタルトレーニング」の藤代圭一さんが監修したサカイクオリジナルのサッカーノートをテストしてもらったクラブ・ドラゴンズ柏U-12の稲垣雄也監督に、サッカーノートの有効性についてお聞きしました。後編の今回は、指導者から見たサッカーノートの使い方について聞かせてもらっています。(取材・文:森田将義)流経柏高校の選手の総体千葉県大会の優勝報告を受けるクラブ・ドラゴンズ柏U-12の選手たち(提供:クラブ・ドラゴンズ柏U-12)自分で考えてサッカーする力をつけるのに最適なサッカーノート>><<前編:流経柏の育成組織監督に聞く、自分で考えてサッカーする力をつけるのにサッカーノートが最適な理由■サッカーノートには選手だけでなく指導者にもメリットサカイクノサッカーノートは質問に答えていく、書かれたガイドと質問に答えるだけでサッカーノートを始めたばかりの選手でも簡単に日々の練習や記憶についてまとめられるのが特徴です。選手が書きやすいのと同時に、内容がきっちりまとまっているのも他のノートとの違いです。実際に選手が書いた紙面。質問が用意されているので頭を整理して書き出しやすくなっている(提供:クラブ・ドラゴンズ柏U-12)「小学生年代だと表現力の差があり、言葉にまとめられなくても何となくプレーできる子がいれば、言葉がしっかりしていてもプレーに反映できない選手もいます。そうした選手に対して、『ノートにこんなことを書いていたよね?』と問いかけるきっかけにできるのがサッカーノートの利点。本人が書いたから、印象にも残っているので、より伝わりやすい」稲垣監督がそう話す通り、指導者からしても、ノートにちゃんとまとめられていると声掛けが伝わりやすいメリットがあります。■真面目にコツコツ続けられるのは選手としての信頼度を高める過去を振り返る作業は、サッカー選手にとって大事な作業です。流通経済大学付属柏高校では卒団式の際に、3年間書き留めたサッカーノートに一つにまとめ、表紙をつけた状態で選手に返すのが恒例です。真面目に書き続けた選手は、20~30冊もの量が積み重なった分厚いものになり、よく書き忘れた選手との差は一目瞭然です。「サッカーノートが100%プレーに繋がっているとは思いませんが、ちゃんと書き続けた選手が信用できる選手なのは確か。試合に使うかどうかの判断は上手い下手だけでなく、試合に送り込んで後悔しない選手だと思います。それは信用できる選手、互いに信用関係がある選手。サッカーノートは、言葉以外にも互いを分かり合う貴重なツールだと思います」上手く行かない時にサッカーをなぜ始めたのか、なぜ好きなのかといった初心や原点を振り返る意味でも、長きに渡ってサッカーノートを記すのは重要かもしれません。「高校生になった時に小学生の時に書いたノートを読んで、考え方が大人になったなと思ったり、『あの時の気持ちを忘れているな』と感じられるのもサッカーノートの良さ」と稲垣監督は話します。■コロナ禍では、選手とのコミュニケーションをとるツールにまた、自分の考えを文字にしてまとめるのは、人に想いを伝える練習にもなります。「良いプレーができても、周りとコミュニケーションをとって関係性を作れない選手が多いように感じます」と話すのは稲垣監督。コミュニケーションがとりにくいのは選手同士だけでは、ありません。指導者がどれだけ選手とフレンドリーに接しようとしていても、面と向かっては話しにくい選手も多いでしょう。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、必要最低限のコミュニケーションに留めなければいけない指導現場の難しさもあります。そうした難しい状況でも選手の考えや想いを知るために、サカイクサッカーノートは大きなメリットがあったと言います。自分で考えてサッカーする力をつけるのに最適なサッカーノート>>■おとなしい選手が自分の本音を伝えるツールにもクラブ・ドラゴンズ柏U-12では、「小学生のうちから、ポジションの可能性を決めつけるべきではない」との考えから、選手それぞれが好きなポジションをやるように心がけています。選手同士が話し合いの中で、ポジションを決めていくのですが、どうしても自己主張ができる選手が人気のある攻撃のポジションを選び、おとなしい選手はGKやDFになりがちです。チーム活動を始めて1か月ほど経ったある日、DFをやっていた選手がサカイクサッカーノートに「なんで僕にFWやらせてくれないのですか?」と書き、提出したのです。「選手に気持ちに気付けてあげられなかった」と話す稲垣監督は、「気付けなくごめんね。次はFWで勝負しよう」とコメントを書いた上で、直後の試合でFWとして起用。念願だったポジションで起用された彼は、ハットトリックを達成しました。■選手としての変化は言葉に表れ、言葉からプレーに表れる面と向かって伝えにくいことでも、ノートになら書けます。子どもにとっても自らの考えが受け入れられた経験は成功体験となり、今後の周りの人とのコミュニケーションをとるきっかけになるかもしれません。これを機にその子は、サッカーノートに対する意欲が高まり、たくさんの物事を書くようになったと言います。選手が書いて終わりではなく、指導者が親身になって選手が記した言葉と向き合うのも大事と言えます。「サッカー選手としての変化はまず言葉に表れ、言葉からプレーに表れる」。稲垣監督のコメント通り、言葉はサッカー選手として成長するための大きな鍵を握ります。皆さんもその一歩目として、サカイクサッカーノートを活用してみてはいかがでしょうか?サッカーノートデビューに最適なサッカーノートとは>>
2021年07月09日サッカー選手としての成長に欠かせないアイテムと言えるのが、サッカーノートです。本田圭佑選手や中村俊輔選手といった一流選手から、ジュニア年代の選手まで年齢を問わず、多くの選手が日々の練習や試合で感じたことやプレーの振り返りをノートに記し、自身の成長に繋げています。ただ、サカイクの読者であるジュニア年代はサッカーを始めたばかりで、何を書いて良いのか、どう活用すべきか分からないという声も少なくありません。今回は、「しつもんメンタルトレーニング」の藤代圭一さんが監修したサカイクオリジナルのサッカーノートを流通経済大学付属柏高校の育成組織である「クラブ・ドラゴンズ柏U-12」の選手たちに使ってもらい、稲垣雄也監督にサッカーノートの活用方法などをお聞きしました。子どもたちが書いた紙面も紹介しますのでぜひご覧ください。(取材・文:森田将義)実際にサカイクサッカーノートを書いてくれている選手の一人、駒﨑君(提供:クラブ・ドラゴンズ柏U-12)自分で考えてサッカーする力をつけるのに最適なサッカーノート>>■考える力をつけるには、サッカーノートが最適稲垣監督がこれまで携わってきた流通経済大学付属柏高校では、目標設定や日々の振り返りをサッカーノートに記す決まりがありました。1日1ページを書くのがマストであるため、全員が何を書くか考えると共に、練習や試合の中で多くのことを気付こうとする習慣が生まれていたといいます。「どのカテゴリーにも共通すると思うのですが、今の子どもたちは考える力が足りません。書くことによって日々を振り返ったり、次にどんなプレーをしようか悩んだり、考える時間を作るのがサッカーノートの狙い。大人も含め、物事を振り返るために字にして残すのも大事なことだと思います」。「ジュニア年代で自立するきっかけを掴むことが絶対に大事ですが、物事を自分で決められない選手が多い。それは自分で考える力が足りていないからだと思います」と稲垣監督が続ける通り、考える力はサッカーに重要な決断力と密接に関係しています。■「判断して」「考えて」だけでは抽象的すぎて分からない!最初は基準を作ること総体千葉県大会の優勝報告に訪れた流経柏高校の選手と記念撮影するクラブ・ドラゴンズ柏U-12の選手たち(提供:クラブ・ドラゴンズ柏U-12)クラブ・ドラゴンズ柏U-12を指導する際、稲垣監督は試合会場に着くと、「先に行われている試合の前半が終わったら、ミーティングをするよ。それまでに準備してね」とだけ伝えます。ただ、ウォーミングアップが始まってから、トイレへと駆け込む選手がいるなど始めた当初は上手く行かない場面が目立っていたそうです。「これが本当に強いチームの選手がやる行動なの?」と選手に声を掛け、選手自らが逆算して良い準備ができるよう促すことで、少しずつ変化が見られるようになりました。「締め付けすぎないようさじ加減が大事。選手の自主性を育みたいからといって、『判断して』、『考えて』と声を掛けるだけでは抽象的すぎて分からない。選手が気付くためのヒントを与えたり、最初は基準を作ってあげないといけません」■U-12世代でもサッカーノートが書けない選手も少なくないクラブ・ドラゴンズ柏U-12では選手の自主性を重んじるため、書くことを強制せず、各自が感じたことを忘れないようメモする程度に留めてきました。それでも、サッカーと真剣に向き合う選手が多いため、自らの意思でサッカーノートを書き、練習後に提出する選手が多かったと言います。書くことを強制していないため、練習の振り返りだけでなく、日記に近いものまで内容は様々。1ページに全てを使い切る子がいれば、何を書いて良いか分からないため、1行2行で終わる選手、1日だけでは書くことが足りないため、3,4日分を1ページにまとめて稲垣監督に見てもらう選手もいたそうです。自分で考えてサッカーする力をつけるのに最適なサッカーノート>>■毎日、10分質問に答えるだけで頭の中が整理できる選手たちが実際に書いたノート(提供:クラブ・ドラゴンズ柏U-12)クラブ・ドラゴンズ柏U-12の選手が今春から使用するサカイクサッカーノートは、ノートに書かれたガイドと質問に毎日10分程度答えていくだけで、頭の中を整理でき、目標設定や振り返りが簡単にできるのが特徴です。稲垣監督は「子どもにも答えやすい項目が用意されていたり、低学年など考える力がまだ足りない選手には分かりやすい。具体的に自分自身を振り返るきっかけになった」と口にします。普通のサッカーノートよりも具体的な内容を書きやすいため、保護者からも「書く意欲が沸いていた」との声が聞かれたそうです。サッカーの指導と同じで、「今何が起きた?」とアバウトな質問をするのではなく、「今こういう現象が起きたけど、それに対してどう思う?」とより具体的な問いかけをした方が、選手に分かりやすいのと同じと言えるでしょう。サカイクサッカーノートに用意された質問を自らが考え、無地のノートにも自らの言葉をたくさん書けるのが考える力を身につけるための理想かもしれません。■サッカーノートデビューに最適ただ、サッカーノートを始めたばかりの選手は考える力が身についておらず、何を書いてよいか分からない選手がほとんど。実際、サカイクサッカーノートだとスラスラ書ける選手でも、無地のサッカーノートに戻ると文量が少なくなる選手がいたといいます。そうした選手に対し、「併用して書いてみよう」と声をかけている稲垣監督のように使い方次第では、より有効的に使えるのが魅力かもしれません。稲垣監督が「サッカーノートを書き始めた選手に導入として使い始めるには、とても使い勝手が良い」と話すようにデビューに最適なサカイクサッカーノートを皆さんもぜひ使ってみてください。サッカーノートデビューに最適なサッカーノートとは>>
2021年07月08日8人制サッカーが全日本少年サッカー大会(現:全日本U-12サッカー選手権大会)に導入され、今年で10年になる。日々、子どもたちの指導にあたる指導者は、8人制のメリットやジュニアサッカーの変遷について、どのように感じているのだろうか?全日本少年サッカー大会で優勝経験のある、センアーノ神戸の大木宏之監督に、COACH UNITED ACADEMYユーザーからの質問に答えてもらった。(取材・文:鈴木智之)ジュニアサッカーの専門指導者を育成「8人制サッカー指導者資格」はこちら>>■主導権を握ってサッカーをするチームが増えてきたQ:11人制から8人制に移行し、現状をどう見ていますか?11人制のときは50m×80mの中に22人の選手が入り乱れていて、いま思うとかなりごちゃごちゃしていましたよね。ゴールキーパーがボールを持っても、人がいるところを省いて、ロングキックを蹴るチームがほとんどでした。ディフェンスラインではボールをつなぐリスクを負わず、大きく前に蹴って、球際のしのぎ合いをがんばるチームが、試合に勝ちやすかった印象があります。最後はドリブル勝負みたいなところがあって、相手の人数が多い中で1人、2人と剥がせる力を持った選手がいると、得点になるという。それが8人制になり、選手一人あたりのプレースペースが増えた結果、選手の判断を大事にして、主導権を握ってサッカーをするチームが増えてきたと感じます。Q:8人制になったことで、指導に変化は生まれましたか?かつてはドリブルなどの技術を中心に教えていましたが、8人制になったことで、ドリブルでの個の突破部分も大切にしながらオフ・ザ・ボールの動きも重視するようになりました。相手チームがボールを保持して攻めてくる中で、どう守備をすればいいかなどのトレーニングも増えました。ほかには、どのポジションの選手であっても、攻撃も守備も求めるようになりましたね。8人制の場合、守備の選手がゴール前に攻め上がることも、攻撃の選手が自陣ゴール前で守備をすることもあります。その影響からか、攻守にいろんなことができる選手が増えてきた印象があります。■オフ・ザ・ボールの動きの指導についてQ:COACH UNITED ACADEMYユーザーから、「攻撃面のオフ・ザ・ボールの動きを、どう指導すればいいでしょうか?」という質問が多くありました。アドバイスをいただけますか。私の場合、低学年と高学年に分けて考えています。小学2、3年生であれば、2対2などを通じて「まずは、自分のことをマークしている相手を、どうすれば攻略できるかを考えよう」と言います。自分のマーカーを見て、その選手を外すことを考えさせるのです。具体的には「マーカーから隠れるポジションをとること」を指導していきます。相手の背後に隠れることや、相手の動き、目線を見て、ボール保持者に近づいてパスを受けた方がいいのか、相手の背後のスペースで受けた方がいいのかなど、マーカーに対して駆け引きをするようにアドバイスをします。低学年の場合、最初は手でボールを投げるところから始めてもいいので、相手を見てプレーすることを意識させます。Q:5、6年生になると、どのように指導が変化していくのでしょうか?味方がどこにいて、相手がどこにいて、ゴールがどこにあるのかといった空間認知の部分や、ゴールまでの道筋を2つ、3つ持ちながら、チームメイトの動きを意識する部分に働きかけていきます。そのためには、オフ・ザ・ボールのポジショニングが大切です。練習中は、ゲームの中でフリーズをすることもあります。子どもたちの考えを否定せず、できるだけアイデアを聞いてあげて、その中で「こういうやりかたもあるよ」と提案をしながら、ゴールへの道筋を複数持てるようにしていきます。●センアーノ神戸のオフ・ザ・ボールのトレーニングはこちら>>■サッカーで大切なのは相手を観察することQ:守備の指導では、「プレスのかけ方」と「カバーリング」について難しさを感じている指導者が多くいました。この2点において、注意すべきことはなんでしょうか?低学年の場合は、ボール保持者に対して積極的にチャレンジさせます。当然、失敗することもあります。相手の方が技術的に上であったり、スピードがある場合、何も考えずに向かって行くとかわされるので、フリーズを入れながら「相手に抜かれちゃったけど、どうしてだろう?」などの問いかけを通じて、子どもたちに考えさせます。サッカーで大切なのは相手を観察することなので、相手の様子を見て、どのぐらいの距離で守るのかなどを、体験しながら身につけていきます。自分がマークしている選手が、いま何を考えてるのかを想像しながら距離を詰めることや、相手と駆け引きをすることにもアプローチします。Q:高学年には、どのような指導をしますか?高学年になると、相手を誘導して、味方同士で挟み込んで奪うといったように、グループでの守備を意識させます。ピッチのどこで相手がボールを保持しているのか、点差はどうなのかなど、状況によって守備の仕方が変わってくるので、試合の流れを見ながら守備をすることの大切さも教えています。そして、選手の判断で「ボールを奪いに行ける!」と思うのであれば、積極的にトライさせます。そのかわり「抜かれたら、必死に戻るんだ!!」と言います(笑)。■指導者が学びチャレンジし続けることが大事Q:8人制サッカーについて、大木監督はポジティブにとらえていますか?圧倒的にポジティブに受け止めています。2年前にヨーロッパに行かせてもらって、スペインの7人制、ドイツの5人制を経験しました。同世代の子たちと試合をしたところ、彼らの方が戦術眼に優れていました。少人数の中でプレーの原理原則、攻守の関わりなどを身につけているのだと思います。私が小学生年代で重視してるのが、サッカー脳を鍛えることです。プレーの原理原則をベースに、クリエイティブな発想を具現化できる技術を持たせてあげたい。それがあれば、8人制から11人制に変わっても、困ることはないはずです。8人制サッカーの指導者資格ができましたけど、育成に携わる人たちが、同じ方向性のもとに指導ができることは、大きな発展だと思います。A代表やU-24代表を見ても、日本にも賢い選手が増えてきました。今後も、我々指導者がそこにチャレンジしていくことが、日本サッカーの将来につながっていくのではないかと思っています。ジュニアサッカーの専門指導者を育成「8人制サッカー指導者資格」はこちら>>●センアーノ神戸のオフ・ザ・ボールのトレーニングはこちら>>
2021年07月02日“人生100年時代”を迎え、多くの人が長生きできるようになったのはありがたいが、“長生きリスク”が伴うことになる。特に気をつけたいのは認知症だ。’25年には、高齢者のじつに5人に1人にあたる約700万人が認知症を発症するともいわれ、年々増える傾向にあるという。介護が必要になり、長生きするほど老後のお金はかかってくる。家族や本人が認知症を発症するとその費用はさらに大きくなり、同時に認知症にかかった人の資産が凍結するといった事態も生じることになる。こうした“認知症になったときに直面するお金のリスク”について、一度きちんと考えて、いざというときに慌てることのないようにしておきたい。■役立つ「制度」を活用する認知症になる前に親の資産を管理する方法には、成年後見制度の「任意後見」と「家族信託」、「日常生活自立支援事業」などがある。任意後見は、子どもなど信頼できる相手を元気なうちに後見人として選んでおき、認知機能が低下したときからさまざまな手続きを任せる制度。後見人の不正をチェックするため、弁護士などが監督人になる。預金の引き出し時の証明は不要になるが、後見人から監督人に定期的な報告が必要となる。さらに、監督人には月1万〜2万円程度の報酬を、親が亡くなるまで支払い続けなければならない。「ランニングコストがかかるうえ、監督人への報告する手間や、一度始めたら途中でやめられない、といった点から、任意後見はあまり普及していません。その代わり、認知症の人の財産への備えとして『家族信託』を利用する人が増えています。家族信託は、元気なうちに財産などの管理を家族に託しておく制度。利用するときには、財産の管理を託す親が『委託者』になり、家や預金の一部など信託財産を決めます。財産を預かり管理をする子どもが『受託者』、信託財産から生活費などを受け取る親が『受益者』となり、委託者と受託者の間で信託契約を交わします」そう話すのは、認知症高齢者などの問題に詳しい、司法書士・行政書士の元木翼さん。成年後見制度と違い、家庭裁判所に提出する書類はなく、相続に詳しい司法書士などが書類を作成し、公証役場で信託契約を公正証書によって交わし開始するのが一般的。毎月の費用は不要だが、契約書を作成する際に司法書士などに払う初期費用(相場は信託財産の1%ほど)が必要。このほか公正証書を作成する手数料も必要だ。「たとえば、夫に先立たれて、将来自分が認知症になるかもしれないという一人暮らしの高齢女性のケースでは、女性が委託者で受益者、子どもを受託者として設定します。認知症になってからは、生活費や医療や介護費の支払いは、子どもに信託財産から払ってもらいたいと思っています。また、ある程度認知症が進んだら、自宅を売却したお金で施設に入りたいという希望を持っていました。手続きの順序としては、(1)親が持っている資産のすべてを洗い出したうえで、使う目的を明らかにします。(2)司法書士などの専門家が、家族と話し合いながら契約書を作成します。(3)その後、金融機関で『信託口口座』を開設して、信託財産を移します。また、不動産の登記も変更します。(4)委託者と受託者が公証役場に行き、公正証書を作成、そこで家族信託が成立します」受託者である子どもが不正を行っていないかチェックするための監督人を置くケースもあるが、その場合は毎月の報酬を設定する場合が多い。「本人が亡くなったら信託財産はあらかじめ信託契約で定めた人に承継されます。子どもがいない人が自分の甥、姪に遺したいという場合は家族信託に自分の意思を反映させられます。認知症になってからどのような生活を送りたいのか、といったことも含めてご家族で話し合っておくことが大切です」信託銀行などの金融機関では、認知症になってもお金の取引ができるサービスが次々と登場している。【三菱UFJ信託銀行】〈商品名・つかえて安心〉:200万円以上預けると、認知症になった本人に代わって代理人がスマートフォンのアプリを使いお金を下ろせる。使い込みを防ぐために、事前登録をした別の家族にもアプリで知らせる。〈商品名・みらいのまもり〉:1,000万円以上預けると「有料老人ホームなどの入居一時金」「1件あたり10万円以上の医療費」についてのみ払い出しができる。現金での払い出しはできない。【みずほ信託銀行】〈商品名・認知症サポート信託〉:500万円以上預けると、認知症になったときに介護費などを、直接銀行が支払ってくれたり、立て替え分を本人の口座に振り込んでくれたりする。【三井住友信託銀行】〈商品名・安心サポート信託〉:金銭信託型を選び3,000万円以上預けると、老人ホームの入居費用などの支払いを代行してくれる。本人の生活費や孫の教育費用など、用途は柔軟に対応している。「判断能力が低下したとき、高齢者施設への費用の振り込みをするタイプもあるように、用途が限られているものもあるので、親の目的に合うのかどうか、代理人になる子どもと一緒によく相談してから契約したほうがいいでしょう」また、認知症に備える保険といえば、認知症と診断されたときに一時金がもらえるタイプと、徘徊中などでのケガなどに対して給付金が支払われるタイプがある。「認知症になったときに給付金がもらえるタイプは若い人が将来に備えるのであれば保険料が安いのですが、高齢者が加入すると高いことがあります。他人にケガをさせたり、物を壊したりして法的な賠償責任を負った場合などに補償される『個人賠償責任保険』に加入しておくと安心です」「個人賠償責任保険」はクレジットカードに付帯して、数百円程度で加入できるものもあるが、最近の自治体では、認知症高齢者が事故を起こした場合の賠償金を自治体が肩代わりする救済制度を導入している。■個人賠償責任保険を導入している主な自治体〈青森県むつ市〉:「むつ市認知症SOSネットワーク(おかえりネット)」の登録者〈福島県田村市〉:「高齢者おかえり支援事業」の登録者〈神奈川県大和市〉:「はいかい高齢者等SOSネットワーク」の登録者〈東京都中野区〉:在宅で生活している65歳以上など〈愛知県大府市〉:「おおぶ・あったか見守りネットワーク」の登録者〈愛知県刈谷市〉:「行方不明高齢者等SOSネットワーク事業」の登録者〈福岡県久留米市〉:「久留米市高齢者あんしん登録制度」の登録者で、日常生活自立度2a以上など〈佐賀県吉野ヶ里町〉:「吉野ヶ里町認知症見守り台帳事業」の登録者で、日常生活自立度2a以上など〈大分県豊後大野市〉:「豊後大野市徘徊高齢者等SOSネットワーク」の登録者で、日常生活自立度2a以上などこうした制度は全国に広がっているので、親が住む自治体の制度を確認してみよう。
2021年06月23日“人生100年時代”を迎え、多くの人が長生きできるようになったのはありがたいが、“長生きリスク”が伴うことになる。特に気をつけたいのは認知症だ。’25年には、高齢者のじつに5人に1人にあたる約700万人が認知症を発症するともいわれ、年々増える傾向にあるという。介護が必要になり、長生きするほど老後のお金はかかってくる。家族や本人が認知症を発症するとその費用はさらに大きくなり、同時に認知症にかかった人の資産が凍結するといった事態も生じることになる。こうした“認知症になったときに直面するお金のリスク”について、一度きちんと考えて、いざというときに慌てることのないようにしておきたい。■「資産の凍結」を事前に防ぐ判断能力が低下してくると、お金の管理が難しくなり、財布やキャッシュカードを紛失しては、「盗まれた」と思い込むようになったり、訪問販売で不要な商品を買ってしまったり、必要のない改修工事を受けてしまうなど、「お金のトラブル」が増えてくる。そんなお金のトラブルを防ぐために大事なのが、次の「認知症になる前にやっておくべきリスト」だ。【預貯金を引き出せなくなる】→「銀行で代理人カードをつくる」銀行窓口に通帳とキャッシュカード、届出印を持参して手続きをする。約1週間で発行してもらえる。【貸金庫を開けられなくなる】→「貸金庫の代理人登録をする」貸金庫の鍵とカードキー、届出印、身分証明書を持参する。【株式を売買できなくなる】→「株式を売却しておく」金融商品は早く売却してもらう。【自動車などが売れなくなる】→「生前贈与をしておく」年110万円未満であれば、非課税で贈与できる。相続開始前の3年以内に贈与をすると相続したときに、相続税に加算されるので注意。【土地などの売買ができなくなる】→「家族信託を利用する」家族と協議し、司法書士等に信託契約書を作成してもらい、印鑑証明とともに公証役場に持参する。【クレジットカードが使えなくなる】→「家族カードを作る」加入済みのクレジットカード会社の専用サイトから手続きができる。約1週間で発行してもらえる。【公共料金を支払えなくなる】→「日常生活自立支援事業を利用する」社会福祉協議会に相談し、支援計画書を作成してもらう。利用料は1カ月で1,000〜3,000円程度。【家族が多額の賠償を支払う】→「個人賠償責任制度に加入する」物を壊した、人に危害を与えたなどの不測の事態に備えて、保険の契約またはクレジットカードの付帯サービスとして加入する。専用サイトから手続き可能。【保険金の支払いが遅れる】→「指定代理請求人を決めておく」届出書を保険証券とともに保険会社へ郵送する。手続き後、新たな保険証券が届く。子どもが親の財産を管理して、医療や介護費を支払う人もいるだろうが、基本的には裁判所などが認めた「管理権限」を子が持っていなければ、親に代わって預金を引き出すことはできない。「認知症であることが金融機関にわかると、その名義の口座は凍結されてしまいます。たとえ子どもが親の預金通帳と届出印を持って行ったとしても、金融機関の窓口では本人以外の人が預金を引き出そうとしたとき、身分証明書や委任状の提示を求められます。さらには、本人に電話をかけて『預金を下ろすのを頼んだか』といった意思を確認するケースがあるため、認知症になったら預金は引き出せないと考えたほうがいいでしょう。子どもが親のキャッシュカードを預かり、暗証番号を聞き、お金を引き出す人もいらっしゃいますが、それらの行為はしてはいけないことになっています」そうアドバイスするのは、認知症高齢者などの問題に詳しい、司法書士・行政書士の元木翼さん。「管理権限」を持つためには、子どもが成年後見制度の後見人になる、あるいは家族信託で、財産の管理を任される方法がある。「すでに認知症で判断能力が失われていると、家庭裁判所が後見人を選ぶ成年後見制度の『法定後見』一択しかありません。法定後見は、家族が認知症を発症した親の銀行口座からお金を引き出そうとすると、銀行から利用するように勧められるのが一般的です。家庭裁判所に家族が申し立てすると後見人が決まり、親の判断能力に応じて、後見・保佐・補助と種類が分かれます」(元木さん・以下同)■「生前贈与」の制度が資産を守ることも後見人の主な役割は、医療機関や介護保険サービスの契約をする身上監護と、預貯金などの管理をする財産管理の2つ。「現在の制度では、家族ではなく弁護士や司法書士などの専門家が選任されやすく、その場合毎月専門家に支払う報酬が必要になってきます。また、手続きが煩雑で、財産の管理に不自由を感じる人は多く、制度の利用は伸び悩んでいるのが実情です」そのような煩わしさを解消しようと、全国銀行協会は今年に入って認知症の人の預金の引き出しを「管理権限」を持っていない家族でも一定の場合にはできるように指針を発表した。全国の銀行がどのように実施するのか、詳細が決定するのはまだ先なので、当分は「代理人カード」で対応することも考えられる。代理人カードとは、親が認知症になる前に金融機関に行くと、本人と生計を同一にする親族が使えるキャッシュカードをもう1枚作ることができる。カードの発行手数料は金融機関によって異なるが、目安は1,000〜2,000円程度。また、親が貸金庫を持っている場合でも、代理人登録をすると、出し入れが可能になる。「財産管理が自由にならなくなるのは、預金の引き出しだけではありません。認知症であると判断されると、不動産、株、自動車などの資産も本人が亡くなるまでいっさいの売買などの処分ができなくなる可能性があります」子どもに現金を残しつつ、亡くなった後の相続税を最低限にしたいのであれば、親が元気なうちに「生前贈与」の手続きを行うのが得策だ。年間110万円までの贈与であれば、贈与税が非課税となる「暦年贈与」という制度を活用するとよいだろう。「株式などの金融商品も生前贈与できますが、親には認知症になる前に売却できるものは売却し、現金化してもらったほうがいいと思います。クレジットカードも『家族カード』を発行することで子どもが使えることになりますが、元気なうちに解約しておいてもらったほうが無難でしょう」注意したいのは、生命保険や医療保険など、被保険者が親になっている場合、親が認知症になると保険金や給付金を請求できなくなり、支払いが受けられないケースもあること。配偶者や3親等以内の親族などをあらかじめ「指定代理請求人」にしておくと、いざというときに本人の代わりに請求できるようになる。日常的な金銭管理(電気・ガスなどの公共料金の支払い、預金通帳や年金の管理など)には、市区町村の社会福祉協議会で扱う「日常生活自立支援事業」が使える。専門の研修を受けた生活支援員が、金銭管理や介護などの行政サービスを利用する際の手続き、日常的な見守りを行う。利用料は1カ月で1,000〜3,000円程度と比較的安い金額で利用できる。ただし、持ち家のリフォームや自宅を売却したお金で介護施設に入りたい、といった要望が出てくると、これらでは対応しきれなくなる。特に不動産の売却は困難になることが多いそうだ。
2021年06月23日高校までサッカーをしていて、今年初めてチーム指導に携わる。サッカー経験はあるけど、誰かに教わって技術が上がった覚えがなく感覚でプレーしてきたので、教え方がわからない。U-8からU-12年代の小学生を指導するとき、何からどう教えていいのか、お勧めのメニューなどを教えてほしい。という新米コーチからのご相談をいただきました。今回もジェフユナイテッド市原・千葉の育成コーチや、京都サンガF.C.ホームタウンアカデミーダイレクターなどを歴任し、のべ60万人以上の子どもたちを指導してきた池上正さんが、ご自身のアカデミーでも実践している方法などを元にアドバイスを送ります。(取材・文島沢優子)池上正さんの指導を動画で見る>>(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)<<ベテランコーチも呆れるほど集中力が続かない子どもたちを集中させるにはどうしたらいいか教えて<お父さんコーチからの質問>最近初めて指導者側に立たせて頂いた者です。指導年齢はU-8からU-12です。自分自身少年サッカーから高校サッカーまでやって来ましたが、誰かに教わってサッカーの技術が上がった覚えがなく、いわゆる感覚でサッカーをしてきました。ですので、いざ指導者側に立ってみたら、感覚でやってきた私にとって小学生にどう教えたらいいのか、どう教える必要があるのか、がわからなくて。サッカーが好きなら自分で沢山の時間をサッカーに費やしてどんどんうまくなっていくものなのかな?と考えてますが、ある程度の基礎知識、技術はこちらから与えるものだと思います。この年代に初めて教えるとき、どういった指導をしたらよいのでしょうか。指導法や何から教えるか、お勧めの練習メニューなどがあれば教えてください。<池上さんのアドバイス>ご相談ありがとうございます。高校までサッカーをやってきて、初めて指導者側に立ったとあります。お子さんのことが書かれていないので、お父さんコーチではなくもしかしたら20代くらいの若い方でしょうか。「ある程度の基礎知識、技術はこちらから与えるものだと思います」と書かれてますが、その「教えたい技術」が日本的なものであってほしくないと考えます。日本的なものとは、コーンドリブルや対面パスなど実践的でないメニューを繰り返したり、コーチからこうしなさい、ああしなさいと一方的に指示命令される練習を指します。基礎練習は必要ですが、実践的な練習の中でも十分養えます。2対1や3対2など数的優位がつくれる練習を行って、子どもたちに「味方を使うためにはどうしたらいい?」「仲間と協力してボールをつなぐには、どこにいけばもらえる?」と尋ねて、子どもたちに考えさせましょう。■ドリブルやパスを教える前に伝えるべきことこの連載でも何度か書かせていただいていますが、まずはサッカーの認知(能力)を高めてください。サッカー先進国であるドイツ、ブラジルなど外国のコーチの本を読むと「日本は戦術的なことをやる(練習で行う)のが遅すぎる。子どもがサッカーを理解していない」と書かれています。つまり、私たち少年サッカーの指導者が子どもに伝えるべきは「サッカーってこんなスポーツだよ」「こういう成り立ちだよ」ということです。ドリブルの技術やパスを正確に蹴ることだけではありません。■3人目の動きは低学年で知っていてほしい例えば、3人目の動き。高校までサッカーをやっていたということですが、相談者様ご自身は高校で知ったのではないでしょうか。でも、これを高校生で理解するのでは遅い。3人目の動きは低学年で知っていてほしいのです。例えば、ドイツの小学生は「フニーニョ」という3対3の試合をたくさんやります。この年代であれば、大人に言葉やホワイトボードで説明されて理屈でとらえるわけではありません。いつの間にか3人目の動きができています。「自分がどこに行くと、もらえるか?」理屈じゃないところからスタートするのです。それを実現すべく、ドイツでは近年フニーニョを積極的に取り入れています。先進国ですら、育成年代をどう育てればいいのか、何が必要なのか、どう変えなくてはいけないのかと試行錯誤しています。この姿勢を、サッカー後進国である私たちも学ぶべきです。ドイツなど欧州の子どもにできて、日本の子どもにできないわけではありません。そういう育ち方をしていないだけです。■サッカーの認知力を高めるためには試合を観よう以前は、サッカーの認知度が低いのは、暮らしの中にサッカーの文化が育っていないからだと考えられていました。しかしながら、Jリーグができて、今では親世代にもサッカー経験者が増えています。と同時に、有料テレビで海外のサッカーをふんだんに観戦でき、どこにいてもネットの動画で観ることもできます。子どもが親と一緒に欧州チャンピオンズリーグを観られる環境になってきました。海外の試合を多く見ることで、子どもも大人もサッカーの認知力が高まります。■池上さんが実際に行っている指導法では、実際に私がどう指導しているかをお伝えしましょう。先日は、私が運営する「IKOアカデミーFC」の子どもたちに、ポジションの理解をしてもらいました。例えば、右のサイドバック。「君のポジションここだよ」と言ったら、自分たちのゴールに向かって右側を守る役割があります。ところが左に行ってしまうことがあります。そのときは周りが気づいて声をかけてあげたり、自分で気づいてポジションを修正することが必要です。右を守る人はしっかり右を。センターバックは真ん中を守る。この基本的なきまりを、最初の入り口で伝えてください。そこから「守備の人でも、チャンスのときは攻めていいんだよ」と発展させていくことです。「あまり決めつけてしまうと、ディフェンスの子が攻めなくなるのでは?」という質問を講習会でも受けます。しかし、絶対やらなければならない基本を忘れないよう指導する必要があります。そのなかで、ポジションを変わりながら、役割を果たすことができるようになります。■日本の子が圧倒的に不足している「経験」とは練習していくと、子どもたちから「バランス」という声が出てきました。ほかにも「おまえ、右バックだろ。戻れ!」とコーチングができてきます。一方、攻撃になると、ボールをコントロールしてつなげる状態だったのにドカンと蹴ってしまった子どもに対し、「空いてるやつ、いたよ。つなごうよ」とコーチングできます。ぜひ、子どもも大人も海外の試合をたくさんみてください。「攻撃のとき、選手はどうしてる?」「守備のときは?」「フォワードも下がってきて守ってるよね?」と子どもの認知を刺激してください。攻撃のポジションにいる子は、守備の意識がほとんどありません。指導者も、1対1になったらドリブルで抜き去ってシュートを打てと教えてしまいます。フリーの味方を見つけたり、数的優位の状態に気づいてパス交換をして崩すトライをしないので、ジュニアの6年間でそういった経験が圧倒的に不足しています。■久保建英選手が安定的に起用されないのは、日本での指導が原因!?アルビレックス新潟を率いるスペイン人のアルベルト・プッチ・オルトネダ監督は、バルセロナでアカデミーコーチやダイレクターを務めています。10歳だった久保建英選手に入団許可を出した彼は、現在の久保選手について「ボールを持たないときのプレーに課題があるから、(スペインで)安定的に起用されない」と語っています。その点は私も同感です。久保選手がボールを持ってゴールに向かうとワクワクしますが、ボールがないときにスペースを作るなど有効な動きが欲しい。それを身につけるとひとつ階段を上がれると思います。オルトネダ監督も同じ見方だと思います。彼は育成年代の途中、中学、高校年代で日本に帰国しました。あのままヨーロッパに居たら、変わった育ちをしたかもしれません。これは多くの指導者が口にすることです。であれば、日本の育成を、そうしたことを伝えられる指導環境にすればいいのです。そのために私たち指導者は、サッカーの認知という部分に注目すべきです。池上正さんの指導を動画で見る>>練習メニューは「なんでもいい」、それより大事なことがある■練習メニューは「なんでもいい」、それより大事なことがある(写真は少年サッカーのイメージです。ご相談者様、ご相談内容とは関係ありません)また、メニューについての相談もありましたが、ネットなどで検索するとたくさん出てきますし、本もあります。しかしながら、練習メニューは何でも良いのです。最高の練習はミニゲームです。大切なことは「何をするか」ではなく、子どもたちに「どう寄り添ってあげられるか」です。怒鳴ったり、叱ったりするのでなく、子どもが自分でうまくなるよう仕向けてあげること。指導者の姿勢や問いかけで、子どもたちの姿は変わってきます。池上正さんの指導を動画で見る>>池上正(いけがみ・ただし)「NPO法人I.K.O市原アカデミー」代表。大阪体育大学卒業後、大阪YMCAでサッカーを中心に幼児や小学生を指導。2002年、ジェフユナイテッド市原・千葉に育成普及部コーチとして加入。幼稚園、小学校などを巡回指導する「サッカーおとどけ隊」隊長として、千葉市・市原市を中心に年間190か所で延べ40万人の子どもたちを指導した。12年より16年シーズンまで、京都サンガF.C.で育成・普及部部長などを歴任。京都府内でも出前授業「つながり隊」を行い10万人を指導。ベストセラー『サッカーで子どもがぐんぐん伸びる11の魔法』(小学館)、『サッカーで子どもの力をひきだす池上さんのことば辞典』(監修/カンゼン)、『伸ばしたいなら離れなさいサッカーで考える子どもに育てる11の魔法』など多くの著書がある。
2021年06月18日●サッカーに感謝「自信をつけさせてもらった」サッカー経験者で、サッカー好きとして知られているお笑いコンビ・ナインティナインの矢部浩之(49)。18年半にわたってテレビ朝日系『やべっちF.C. ~日本サッカー応援宣言~』でMCを務め、現在は動画配信サービス・DAZNで配信中の『FOOTBALL PROGRAM やべっちスタジアム』でサッカーの魅力を発信している。また、女子サッカーを舞台にした『映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ』(6月11日公開)で声優に初挑戦。サッカー経験が仕事につながっているが、自身の人格も「サッカーで作られた」と矢部は言う。人間関係においても、サッカー部の仲間とは深い絆で結ばれているようで、相方の岡村隆史も高校のサッカー部の1個上の先輩だ。高校卒業後に吉本の養成所NSCに入学し、お笑いの道へと進んだ2人。高校時代に培った絆が根底にあるからこそ、コンビとして30年以上も続いていると矢部は考えている。また、矢部は中盤、岡村はフォワードというポジションがコンビの関係性に直結。「アシストが好き」という矢部は、「相方に振ってドカンとウケたら心の中でガッツポーズしてます」と笑った。――『映画 さよなら私のクラマー ファーストタッチ』は、子供の頃から男子に交じってサッカーを続けてきた主人公・恩田希(ノンちゃん)が、男子サッカー部のなかで苦闘する姿を描いた物語です。本作を見て、ご自身のサッカー部時代を思い出しましたか?思い出しましたね。僕はそのまま、ノンちゃんなんです。フィジカルが弱くて選抜メンバーから落とされたりしましたが、ボール扱いは自信があって顧問に褒めてもらったり。一つ一つのエピソードが当てはまる。ただ、大きな違いは、僕はただ腐っていったという……。――高校までサッカーをやり抜き、全然腐ってないと思うのですが。高2の夏前に大阪選抜のトレセンに行き、自信がありましたが、180cmくらいの人に当たられてこけたんです。監督から「矢部は線が細い。体を大きくしよう」と言われ、180cmのディフェンスの人が選抜に入り、そこで僕の中では腐りました。でも、選手権の予選が残っていたので、そこを最後にすることに。そして、4回戦で当時全国常連校だった北陽高校と当たって5-0で負けて、燃え尽きました。――全力で取り組まれていたサッカー部時代に人間としても大きく成長されたと思うのですが、当時の経験が今のご自身の軸になっているなと感じる部分はありますか?めちゃめちゃあります。僕はサッカーで作られたと思っています。――具体的に、何を得たと感じていますか?いいことも悪いこともありましたが、自信をつけさせてもらいました。小3のときに少林寺拳法を習っていたのですが、1時間前に体育館に入って同級生とボールを蹴るのが楽しくて。そうしたらある日、先生に「そんなにボール蹴りたかったらサッカー部に入れ!」と言われ、部活は5年生からでしたが、サッカー部の顧問が「ええよ」と言ってくれて、公式戦も3年生なのに5年生登録で出してもらって。その入り口が自信になり、中学でも先生から「うまい」と言われ、自信がつきました。――その自信が、生きていく上での自信にもつながっていったのでしょうか。そうですね。学校における自分のポジションがあると思いますが、芸能界においても同じようなポジションにいるなと思える。なんとなく目立っていたグループにいたし、サッカーでちやほやされたし、高校は一番いいポジションの副キャプテンをやりましたし。キャプテンは責任が大きくて嫌だったので断って(笑)。また、強運もあるなと感じています。学校のそのポジションにいられたのも運、この世界に入れたことも、先輩方や番組スタッフ、マネージャーとの出会いも運だと思います。――今後、何があっても、いいポジションにいられる自信と運があるということですね。そうです。この先もなんとかなるだろうというか、変わらない自分でいられると思っています。●養成所で出会っていたら「どこかでコンビ別れを…」――濃密な時間をともにした部活の仲間との絆は一生モノだと思いますが、人間関係に関しても、サッカー部時代に得られたものは大きいと感じていますか?それはあると思います。高校時代のサッカー部の連中は、今でもたまに会います。そして、毎年同じ話をしている。「あのときお前のあれで点を入れられたな」とか、試合の失点の話をいまだに (笑)。でもそれはサッカーをやってないとできなかったことだなと。立ち位置も変わらずキャプテンは今でも偉そうで(笑)。しゃべっていることや関係性がまったく変わらない。濃密な3年間だったんだなと思います。――岡村さんとも、コンビという形で関係が続いています。結成から30年経ちましたが、出会ってからだと33年。相方は1個上なので高校で一緒に過ごしたのは2年間ですが、今でも一緒にいるというのは特別ですね。――昨年5月にニッポン放送『ナインティナインのオールナイトニッポン』が復活した際、岡村さんの失言騒動をきっかけに密に連絡を取り合うようになったと明かされていましたが、今も密に連絡を取り合っていますか?今はまた戻りましたけど、普通にしゃべるかな。それまで普通のことをしゃべれず、コンビってこんなもんやろと思っていましたが、今は普通にしゃべります。――サッカー部時代に培った関係性が根底にあるから、ピンチも乗り越えられるのかなと思ったのですが、いかがでしょうか?そうですね。養成所で知り合って組んでいたら、どこかでコンビ別れしてるんちゃうかなと思います。この世界に入る前からの知り合いで、腐れ縁。高校で相方と出会ってなかったら僕は吉本に入ってないですし、人生が大きく変わりました。相方に断られていたら、ほかの子を誘っていたかというと、そんなことないので。――岡村さんだから組みたいと思われたんですね。サッカー部の同級生で一番仲良かったセコチンに「なんで俺、誘ってくれへんかってん。なんで岡村さんやねん」って泣かれて、「面白いのは岡村さん。セコチンは仲いい友達や」と。自分の中で線を引いていたんですよね。面白いのはこの人って。相方と出会ってなかったら絶対に養成所、そして吉本に入ってないですし、相方も吉本に入ってない。真面目で、国家公務員になるって言ってましたから(笑)●サッカーでのポジションがコンビの関係性に直結――コンビの関係性に関して、サッカー部時代に培ったものが生きているなと感じている部分はありますか?僕はずっと中盤をやっていたので、アシストが好きなんです。周りを見るというのは、今カメラ前でもやっていることだなと。相方はフォワードで、それがよかったと思っています。――当時の関係性が今にもつながっているんですね。そうですね。僕がガチガチのセンターフォワードやったら、このスタイルではないと思います。何とか笑いを取りにいこうとして、相方とかぶってしまう。――高校時代、矢部さんのアシストで岡村さんがゴール決めたことはありましたか?相方がレギュラーではなかったので少なかったと思いますが、僕がAチームとして出場したあとにBチームの試合に出ることもあったので、何点かあったと思います。――アシストした選手はガッツポーズしないことが多いと思いますが、矢部さんもそういうタイプですか?そうですね。そこでガッツポーズもドヤ顔もしないのがかっこいいというのが僕の中にあって、相方やゲストに振ってドカンと受けたら心の中でガッツポーズしてます(笑)――矢部さんのいるチームが強いと思われるのがうれしい?そうですね(笑)。あいつが回してるんやと思われているくらいが一番気持ちいい。恥ずかしさもあるんです。パスを出してフォワードが喜んでいるのを見ずに自陣に帰っていく……「この俺の後ろ姿を見ろ!」って(笑)。フォワードに抱きつかれたら、あんまりしてくれるなって。そんなかっこつけ方が好きです。●サッカーの仕事に喜び岡村も「やりたい」――サッカーに関わるお仕事をずっとされてきて、『さよなら私のクラマー』では声優としてサッカーに関わることに。原作には登場しない、矢部さんのために用意された“矢部先生”を演じられていますが、オファーを受けたときの心境を教えてください。「え、何したらええの?」ってマネージャーに言いました。番組内の企画で声優をやったことはありましたが、難しいという記憶しかなくて。「矢部先生という本人のシーンを付け足します」と言われ、ありがたいなあと思いましたし、サッカーが好きなのでやらせていただくことにしました。――完成した映画を見てどう感じましたか?うまいことやってくれたと思いました。いらないっちゃいらないけど、本編ともつながっていて。この作品にいっちょかみさせていただいて、ありがたい。これはもう、めいっぱい宣伝しないといけないなと思いました(笑)――作品全体の感想もお聞かせください。自分と勝手に重ね合わせながら、あっという間に終わって面白かったです。また、今の時代を象徴しているのかなというのも感じました。女子だからあかんのかという、大きな問題のメッセージもあると思いました。――本作を見てサッカーに興味を持つ人もいると思います。その手伝いができるというのは、うれしいですか?この作品をきっかけにサッカーをやってくれたら、そんなうれしいことはないですね。女子のサッカー経験者も増えていますし。長男がスクールに行っていますが、女の子4、5人いて、アンダー10、アンダー12と、残っている女の子ほどうまいです。で、髪型は澤穂希さん。すごい影響力だなと思います。――サッカーのお仕事はコンビではなく矢部さんお一人で担当されているイメージが強いですが、2人でサッカーの仕事をやりたいという思いはありますか?相方はずっとやりたいと言ってます。『やべっちF.C.』を1人でやったことを根に持ってますから(笑)。ピンで話が来たから自然な流れでこうなったんですけどね。でも、お話をいただけるのであれば、ぜひコンビでやらせていただきたいです!■矢部浩之1971年10月23日生まれ、大阪府吹田市出身。1990年に高校サッカー部の先輩・岡村隆史を誘い、ナインティナインを結成。NSC卒業後、1991年に吉本の若手コンビ6組で構成されるユニット「吉本印天然素材」に加わり東京進出。『新しい波』『とぶくすり』『めちゃ2イケてるッ!』『ナインティナインのオールナイトニッポン』など数々の番組で人気を博す。個人としても活躍しており、現在は『アウト×デラックス』や『FOOTBALLPROGRAM やべっちスタジアム』などに出演している。
2021年06月11日サッカーをする上で気をつけたいのが「ケガ」です。サッカーをするお子さんの場合、足首や股関節、ハムストリングス(太ももの裏側)などを痛めることが多いので、適切なウォーミングアップが必要です。とはいえ「どんなウォーミングアップをすればいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。そこで今回はFC市川ガナーズの上村聡フィジカルトレーナーと安藤克敏アドバイザー・ドクターに協力していただき、すぐにできるウォーミングアップのメニューを紹介します。ケガ予防のために、公園などでサッカーをする時の習慣にしてみてください。(取材・文:鈴木智之)股関節周りのストレッチはケガ予防だけでなく、プレーの柔軟性にも繋がります体が硬い初心者にもおすすめ股関節の可動域を広めるストレッチ専用クッション>>まずはサッカー動作の基本となる、股関節のストレッチから。可動域を広げることで、プレーに柔軟性が出るとともに、ケガ予防につながります。最近のお子さんは、しゃがみ込む動作、姿勢をすることが減っているので、股関節が固くなっているケースも多いのではないでしょうか。繰り返して行い、可動域を向上させましょう!1)股関節の前側と後ろ側のストレッチ■上村トレーナーによる解説右足を前に伸ばし、左ひざを地面に着いた状態で行います。その状態でボールを体の中心に置き、左足の股関節を伸ばしながら、右足が膝よりも伸びるようにします。その状態でボールを手で転がし、足の周りをぐるぐるさせて、股関節を前後に伸び縮みさせます。このとき、太ももの裏側や股関節のつけ根が伸びていることを感じながら行うのがポイントです。前足がピンと伸びた状態でボールを動かすと、太ももの後ろ側(ハムストリングス)のストレッチになります。さらにその状態で前足(右足)の側をボールが通っていると、股関節のつけ根、左足の太ももの前側が伸びます。この形で10回繰り返し、右足を前にした状態の次は左足を前に変えて、10回行います。■安藤ドクターによる解説これは大腿四頭筋(太ももの前側)とハムストリングスにフォーカスしたトレーニングです。大腿四頭筋の一部とハムストリングスの一部は、骨盤に付着しています。そのため、これらを突然動かすと、筋肉の急な収縮が起こります。その結果、筋肉が骨盤に付着している部分の一部が引き剥かれてしまい、裂離骨折を起こすことがあります。このストレッチは、裂離骨折の予防になると言えるでしょう。また、オスグットシュラッター病(通称:オスグット)も、ひざの曲げ伸ばしで発症・増悪するので、このような動きをウォーミングアップで行うことは、オスグッドの発症や悪化を抑える効果もあると推測します。2)股関節の可動域を向上させるウォーミングアップ■上村トレーナーによる解説相撲の四股のような形で股関節を開き、腰を落とします。その状態でボールを手で転がし、両足とお尻の下を、8の字を描くように動かしていきます。このとき、ひざが内側に入らないように、股関節をしっかりと開きましょう。右回りで出来たら、次は左回りでボールを動かし、両方同じ時間やってみてください。■安藤ドクターによる解説このストレッチは内転筋群を使用しています。内転筋群はインサイドキックで使用する筋肉なので、事前に動かしておくことで、筋肉内の血流が増え、温まることで過伸展にも対応しやすくなり、肉離れの予防になります。また、可動域が広がることで、筋肉や腱などの負担も減るので、ケガにつながりにくくなると言えます。今回の記事では、すぐにできて遊びの要素もあるウォーミングアップのメニュー(ストレッチ)を上村トレーナーに教えてもらいました。ボールを使って行うストレッチなので、楽しみながらできるのではないでしょうか。ゲーム感覚で、ぜひ練習や遊びの前にやってみてください。公園などで遊んでいると「ウォーミングアップなんてめんどくさい」「早くボールを蹴りたい」という気持ちが勝ってしまい、大切なストレッチが疎かになってしまいがちです。しかし、「5分でいいので体のためにウォーミングアップに時間を取りましょう」と安藤ドクターは言っています。「やる気にならない時は、保護者の方が『足首をまわそう』『屈伸をしてみよう』と声をかけてあげてください。1分、2分の手間を惜しんでケガをしてしまうと、結果的に2週間、ひどいと数ヶ月、サッカーができなくなってしまいますからね」ウォーミングアップをすることは、ケガ予防だけでなく、パフォーマンスアップの効果も期待できるそうです。安藤ドクターは言います。「ウォーミングアップをすると、血液が足先まで流れて、酸素が行き渡ります。その結果、筋肉の動きが良くなるので、プレーの向上に影響があると考えられます」ケガ予防とパフォーマンスアップのためにもウォーミングアップを取り入れて、より良いプレーを目指しましょう!安藤克敏(あんどう・かつとし)FC市川ガナーズアドバイザー ドクター藤枝東高校出身。愛知医科大学医学部を卒業後、東京大学医学部附属病院、大分大学医学部附属病院などを経て、アドバイザードクターに就任。名古屋グランパスエイトU-15出身で、日本クラブユースサッカー選手権大会全国大会、高円宮杯全日本ユースサッカー選手権全国大会の出場経験があり、藤枝東高校時代は第86回全国高校サッカー選手権大会全国大会で準優勝した経歴を持つ。上村聡(かみむら・さとし)FC市川ガナーズフィジカル・アスレティックトレーナー中央大学 法学部 法律学科卒業後、日本鍼灸理療専門学校に進みアスレティックトレーナー学科を卒業。芝学園 中等部 サッカー部 コンディショニングコーチ、FC町田ゼルビア アスレティックトレーナー、専修大学ラグビー部 コンディショニングトレーナーなどを経て現職に。保有資格は日本体育協会公認 アスレティックトレーナー、鍼灸あん摩マッサージ師、ライフキネティック公認パーソナルトレーナーなど
2021年06月03日2020年7月、認知症であることを公表した蛭子能収(73)。その近況や今の思い、妻・悠加さんの“介護相談”も収録した『認知症になった蛭子さん〜介護する家族の心が「楽」になる本』(光文社・定価1,320円)も発売中の蛭子が、本誌読者からの相談に応える!【Q】「80歳の母は認知症になってお金に対する執着が激しくなりました。『盗まれた』とか『だまされた』などと言って周囲はヘトヘトに。昔は、お金にはサバサバしたタイプだったのに……と困惑しています」(カッコー丸さん・54・新潟県・主婦)【A】「みなさん、新刊『認知症になった蛭子さん』を買ってください!」(蛭子能収)オレは認知症のことがよくわかりませんが、(マネージャー〈以下、マ〉「いやいや……」)お金にガツガツする本性が出てきただけですよ。お金に固執するのはいけないと思って、ずっと我慢してきたんでしょうね。この人の素の姿が見えたと思って、テキトーに聞いておけばいいですよ。オレは小さいころからお金への執着心はすごくあります。(マ「“認知症になっても稼いでいたい”という思いについても書いた新刊『認知症になった蛭子さん』という本も出しました」)あれ、そうやっけ?(マ「でも、思うように売れていないんですって」)え〜、それはマズいですね……。(マ「ただ、読んでくれた人からは『介護で悩んでいたが、心が軽くなった』『蛭子さんは認知症の希望の星だ』という声が届くなど、評判はとてもいいようですよ」)そういうのはどうでもいいですけど、売れないと印税が入ってこないし、困りますね。なんとかしてください。(マ「〈テキトーに〉はい、はい、頑張りますね」)「女性自身」2021年6月1日号 掲載
2021年05月24日小学生のサッカーでは、早熟によって同学年の選手よりも身長が高いケースが少なくありません。この記事では、サッカーにおける早熟とはどのような意味なのか解説します。また、早熟選手の伸び悩みが発生する原因についても取り上げているため、参考にしてみてください。早熟とは早熟とは、身体的・精神的な成長が他の人よりも早いことを意味する言葉です。スポーツにおいては、特に身体的な成長の早さを表す言葉として使用されています。ちなみに、早熟の対義語は晩熟であり、時間が経過してから成長する人のことを意味します。早熟の影響が特に現れやすい少年サッカー大人になると、体の成長は止まっているため、早熟や晩熟といったことを機にする必要はありません。しかし、体が日々成長している小学生年代のサッカーにおいては、その違いが顕著に現れます。子どもの場合、同じ年齢でも身体が成長するスピードに違いがあるため、同学年でもかなりの体格差があるケースが珍しくありません。また、高学年になると第二次性徴期を迎え、一気に背が伸びる子もいます。そのため、中には数十センチ単位の違いが見られるケースもあるでしょう。サッカーは身体能力の高さ、フィジカル的な強さがプレーに影響するスポーツであるため、成長が早い子ども、つまり早熟の子は活躍しやすい状況となります。早熟な子どもが伸び悩む理由早熟の子どもの中には、選手として伸び悩むケースが少なくありません。これは、体格差を活かしたプレーができる間は活躍できるものの、周囲の子どもたちも成長し、体格差がなくなってきた時に思ったようなプレーができなくなってしまうためです。ここでは、なぜ早熟の子どもが伸び悩むのか具体的な原因について解説します。技術を十分に磨かない早熟な子が伸び悩む理由の1つとして考えられるのが、パスやトラップ、ドリブルといった基本技術を磨かないことです。体格差があると、多少トラップミスをしても身体を入れるなどしてボールをキープできてしまいます。また、ドリブルも身体的な優位性を生かしてスピードで勝負すれば簡単には追いつかれないため、細かいフェイントや切り返し、緩急をつけるといったことをしなくても突破できるでしょう。一方で、小学生の中学年から高学年は技術が身につきやすい時期だとされています。この時に基本技術の向上を疎かにしてしまうと、後々体格差がなくなった時に伸び悩んでしまいます。判断力を磨かないサッカーは常に判断することが求められるスポーツです。味方や相手の状況などを踏まえて最適なプレーを選択することが選手には求められます。しかし体格差があれば、多少判断が遅かったり、間違っていたりしてもフィジカルを駆使してカバーできるため、選手は自分の判断が遅かった・間違っていたといったことに気づきにくくなります。そのため、技術と同じように、体格差が縮まってきた時に伸び悩むことになります。子どもの成長には個人差があることを理解しておく少年サッカーに取り組むお子さんをお持ちの保護者は、子どもの成長には個人があるということを認識しましょう。サッカーでは早熟タイプ、晩熟タイプと呼ばれることがあるように、早い段階から成長する子どももいれば、後になってから急速に成長する子どももいます。小学生のうちから身体が成長している子どもであれば、技術や判断力の向上を忘れないこと、逆に身体の小さい子どもであれば、徐々に差はなくなっていくと認識することを覚えておきましょう。まとめ今回は、サッカーにおける早熟について、その概要から早熟の選手が伸び悩む理由などについて解説しました。身体の成長は個人差があるため、当初は体格差を活かしたプレーができていたとしても、ゆくゆくはできなくなります。そのため、しっかりと技術や判断力を磨くことが大切です。
2021年05月18日サッカーをする場合、利き足は非常に重要です。この記事では、サッカー選手と利き足の関係性について解説します。また、利き足のみの利用による弊害や利き足の調べ方についても取り上げているため、参考にしてみてください。サッカー選手と利き足の関係サッカーは足を主に使って行うスポーツです。実際に試合の中でパスやトラップ、シュートを打つ時に利き足を主に使用する人は少なくないでしょう。そういった意味で利き足はサッカーをするうえでの土台となる足だといえます。一方で、左利きだから、右利きだから、といった理由で選手としての優劣が決まることはありません。ただ、一般的に右利きよりも左利きの方が少ないとされているため、ポジションによっては左利きの選手の方がポジション争いのライバルが少なくなる可能性はあります。しかし、利き足が選手としての将来を大きく左右するといったことはないため安心してください。軸足とは利き足について考える場合、合わせて軸足についてもどのようなものか理解しておくことが大切です。軸足とは、ボールを蹴る際にボールに触れない足を指します。例えば右足でボールを蹴るのであれば、左足が軸足となります。軸足は身体を支える役割があり、ボールを蹴る際にバランスを崩すことなくキックができるのは軸足のおかげだといえるでしょう。プレーをするうえでは、軸足を置く位置や軸足の柔軟性なども重要になってきます。利き足のみに頼るプレーは弱点になる練習や試合などで自分の利き足ばかりを使ってプレーする選手は少なくないでしょう。確かに利き足であれば、非利き足と比べると自分の思うようにボールを扱いやすいため、安定したプレーができます。しかし、いざ試合で利き足しか使わないとなると、相手ディフェンダーが次のプレーを予測しやすくなるでしょう。また、トラップやパスも常に利き足で行うとなると、スムーズに次のプレーに移行できなくなり、攻撃のスピードを落とすことにもなりかねません。このような点から、利き足のみを頼ったプレーは避けるべきだといえます。両足をバランスよく使えるようになることが大切先述の通り、利き足に頼ったプレーは弱点となる可能性があります。そのため、練習を通して利き足だけでなく非利き足もしっかりと使えるようにしておくことが大切です。ちなみに、プロの世界でプレーする選手たちは、当たり前のように非利き足も使用します。例えば、世界トッププレーヤーであるメッシ選手は左利きの選手であり、ドリブルやシュートでも左足を使うシーンが目立ちます。しかし、だからといって右足が苦手といったことはなく、右足でシュートを決めるシーンも少なくありません。同じように、ネイマール選手は右利きの選手ですが、左足も利き足と同じレベルで使用できます。さらに、日本代表の久保建英選手は左利きですが、スペインリーグでは右足で得点を決めたことがあります。そして、珍しいのがフランス代表のデンベレ選手です。デンベレ選手は左利きですが、シュートを打つ際は右のほうがいいとも発言しており、高いレベルで両足を操っていることが伺えます。このように、選手として高いレベルを目指すのであれば、両足を満遍なく使えるようになることは必要不可欠だといえるでしょう。利き足の調べ方これからサッカーを始めようとしている選手の中には、利き足がどちらかわからない、という人もいるでしょう。利き足を把握する場合、以下のようにさまざまな診断方法があります。ボールを蹴りやすいと感じる足後ろから押されたときに先に出る足階段を上る際に先に出る足あぐらをかく際に外側にある足など簡単にできる方法なので、一度試してみるといいでしょう。まとめ今回は、サッカー選手と利き足の関係について解説しました。利き足はプレーをする際に主に使用することになる足です。一方で、利き足ばかりに頼ったプレーは弱点にもなりかねません。そのため、両足をバランスよく使えるように、普段の練習から鍛えておくようにしましょう。
2021年05月17日サッカーの試合を見ていて「ポゼッションサッカー」や「ポゼッション」といった言葉を聞いたことのある人は多いのではないでしょうか。この記事では、ポゼッション・ポゼッションサッカーとはなんなのかその概要について解説します。また、どのような技術が求めれられるのか、具体的なポイントについても解説しているため参考にしてみてください。ポゼッションとはポゼッション(Possession)とは、「所有」「所持」といった意味を持つ英語です。サッカーにおいては、ボールを所有・所持している状態、つまりボールをキープしている状態のことをポゼッションと呼びます。そしてポゼッションサッカーは、ポゼッションを志向した戦術の1つです。ポゼッションサッカーに取り組むチームはショートパスを中心にボールをキープしながら相手の陣形を崩していきゴールへと迫ります。ちなみに、ポゼッションサッカーに対抗する戦術には、守備の陣形をしっかりと作り、ボールを奪ったら一気に攻撃を仕掛けるカウンターサッカーがあります。ポゼッションをしていれば失点することはないポゼッションの特徴は、自チームがボールをキープしている限り相手に得点を奪われることはないという点にあります。このように聞くと「おお!ポゼッションっていいな」と思うかもしれません。しかし、ボールをキープし続けるには正確なパスやトラップ、素早いサポートなど高い技術が必要不可欠です。また、ポゼッション率が高いからといって、必ずしも試合に勝てるというわけでもありません。試合のほとんどの時間でボールをキープしていたものの、相手の強固な守備に苦しみ、試合終盤のカウンターから失点し敗戦となる可能性も十分にあり得ます。ポゼッションを志向するチームは少なくありませんが、ポゼッションサッカーが万能というわけではないことも覚えておきましょう。ポゼッションを実践する際に求められる技術ここでは、実際にポゼッションをする際にどのような技術が求められるのか、そのポイントについて解説します。11人制であっても8人制であっても変わらないポイントであるため、参考にしてみてください。正確なパスとトラップポゼッションサッカーは、ショートパスを中心に相手守備陣を崩していくため、正確なパスができるかどうかは非常に重要です。少しでもパスがずれると相手にボールを奪われカウンターを受ける可能性があるほか、攻撃の遅れが生まれ、相手の守備陣が整ってしまうかもしれません。また、パスと同じように正確なトラップも必要不可欠です。パスもトラップもサッカーにおける基本技術の1つですが、この基本をピッチ上の11人、8人が高いレベルでできなければ、ポゼッションサッカーは難しいものとなるでしょう。そういった意味で、パスやトラップの技術を磨くことはポゼッションにおける練習方法の1つとなります。ポジショニングポゼッションサッカーでは、選手間でショートパスを何度もつなぎながら相手ゴールへと迫っていきます。そのため、ボール保持者の周囲には味方がパスコースを作っている状況でなければいけません。パスコースを作るにはポジショニングを意識する必要があります。例えば、相手選手に隠れてしまい味方がパスを出せないのであれば、ポジションを少しずらさなければいけないでしょう。味方がパスを出しやすいのはどこか考えながらポジション取りをしてみてください。ポゼッションは手段の1つポゼッションをしていると、ボールをキープすることが目的となってしまうことがありますが、これでは本末転倒です。サッカーの1番の目的はゴールを奪うことであり、ゴールを奪うための手段としてポゼッションを利用します。そのため、手段と目的を混同させないように気をつけなければいけません。まとめ今回は、サッカーのポゼッションについてその概要や求められる技術について解説しました。ポゼッションはショートパスを中心にパスをつなぎながら相手守備陣を崩していく戦術です。実践するにパスやトラップが正確にできなければいけないため、普段の練習から意識して取り組むようにしましょう。
2021年05月14日お子さんが所属しているチームの選手たちを見ると、ほとんどが右利きではないでしょうか。サッカーにおける左利きの選手は決して多くはありません。この記事では、左利きの選手の持つ特徴や左利きの名選手などについて解説します。また、左利きを矯正するべきなのかという点についても取り上げているため参考にしてみてください。サッカーにおける左利きは特別な存在?サッカーにおいて、左利きの人は「レフティ」と呼ばれますが、右利きの人は「ライティ」と呼ばれることはありません。また、野球でも左利きの投手は「サウスポー」と呼ばれていますが、右利きの呼び方はありません。右利きよりも左利きが優れているわけでも、サッカー選手としての機能が異なるわけでもありませんが、左利きは特別な存在として扱われていることがうかがえます。左利きの選手が持つ特徴お子さんが所属しているチームを見渡すと、ほとんどが右利きで左利きの選手はごくわずか、というケースが多いのではないかと思います。一般的に左利きは少なく、左利きの割合は10人に1人といわれることもあるほどです。そのため、左利きの選手はチーム内で重宝されやすいという特徴があります。例えば、左サイドハーフや左サイドバックなどは、攻撃の際に左足でクロスが挙げられるため、左利きの選手がいればチームにより多くのチャンスを作ることができるでしょう。中には左サイドにあえて右利きの選手を配置し、サイドのドリブルから中に切り込んで右足でシュートする、といったケースもあります。しかし、左サイドに左利きを配置するケースが多いため、左利きであることでポジション争いのライバルが減る可能性は大いにあるでしょう。ただし、左利き=レギュラー確実といったことはありません。左利きという特性を活かすためにも、普段の練習にしっかりと取り組み、判断と技術を高めることが重要です。左利きの名選手といえば?右利きに比べると左利きの選手は多くありませんが、サッカー界において活躍する選手の中には左利きの選手も少なくありません。例えば、日本人であれば本田圭佑選手や中村俊輔選手、名波浩氏などが挙げられます。本田選手が南アフリカワールドカップで決めたフリーキックや中村俊輔選手が欧州チャンピオンズリーグのマンチェスターユナイテッド戦で決めたフリーキックは左足から放たれたものであり、記憶に残っている方もいるのではないでしょう。また、ドリブラーとしてもストライカーとしても世界トッププレーヤーであるメッシ選手も左利きです。このように、トップレベルを見渡してみると、左利きは決して珍しいものではない、と考えられます。左利きはジュニア年代のうちに矯正するべき?日本では「文字は右手で書くもの」という価値観が古くから存在しており、元々は左利きであったものの、幼い頃に右利きに矯正されることが少なくありませんでした。そのような背景もあり、左利きの選手の保護者の中には「小学生のうちに右利きに矯正した方がいいのでは?」と考える人もいるでしょう。しかし、左利きを無理に矯正する必要はありません。先述の通り、サッカーにおける左利きの数は多くはないため、チーム内で重宝される可能性があります。また、矯正するとなると、本人に大きなストレスがかかる点にも注意しなければいけません。利き足を矯正するよりも、むしろ両足が同じレベルで使用できるように練習することが選手にとっては大切だといえるでしょう。まとめ今回は、左利きの選手についてその特徴から左利きの名選手、さらには利き足を矯正するべきなのか、といった点について解説しました。左利きの選手は数が多くないため、左利きであることが自身の特徴となります。また、無理に矯正するのではなく、両足を高いレベルで扱えるように練習することが大切です。
2021年05月13日ジュニアユースのチームを探していると「セレクション」という言葉を耳にする機会が多くなります。この記事ではサッカーチームのセレクションについてその概要を解説します。また、トレセンのセレクションとの違いについても取り上げているため、ジュニアユースのチームを探している方は参考にしてみてください。セレクションとはセレクション(selection)とは、「選出」「選択」「選抜」といった意味を持つ英語です。サッカーにおいては、チームに所属するメンバーの選出やトレセンメンバーの選出などを行う際の試験のことを指して使用されます。セレクションは大きく分けて2種類セレクションは大きく分けて以下の2種類に分けることができます。チームに入るためのセレクショントレセンに参加するためのセレクションここでは、それぞれのセレクションの概要について解説します。チームに入るためのセレクションジュニアユースやユースなどのチームの中には、セレクションを行い、チームに入団できる選手を選考するケースが少なくありません。選考を突破した選手は、合格後そのチームに所属して日々のトレーニングや公式戦などに参加することになります。ジュニアユースやユースのチームはたくさん存在しますが、中でも強豪街クラブやJリーグの育成組織は多くの選手がセレクションに集まります。そのため、難易度は高く、合格率も非常に低くなるでしょう。チームに入るためのセレクションの場合、チーム内でどのような選手を獲得したいのか、具体的なイメージを持っているケースもあります。そのため、高いスキルを備えている選手であっても、チームのニーズと合致していなかったため不合格になることも珍しくありません。また、ジュニアユースのチームの場合、ジュニアユースとユースの6年間をかけて育成することもできるため、セレクションの時点ではイマイチの選手でも伸び代に期待して合格とすることもあります。トレセンに参加するためのセレクション地区や市、都道府県など、トレセンに参加する選手を選ぶためにセレクションを実施するケースもあります。トレセンはチームではないため、将来的な伸び代やチームのニーズを考慮した選考ではなく、セレクション時点でのスキルを参考に選考されるケースが少なくありません。そのため、トレセン参加者の所属チームを見ると、その地域の上位チームの選手が多いといったケースもよくあります。セレクションを受けるメリットセレクションを受ける場合、合格を目指すのはもちろんですが、合格できなかったとしても参加することによって多くのメリットが享受できます。例えば、セレクションに参加する選手はサッカーに本気で取り組んでいる選手が多いため、高いレベルや緊張感のある雰囲気を経験することができるでしょう。また、自分の実力を測る機会にもなります。もしセレクション時点で差があったとしても、何ができて何ができないのかがわかるため、さらなる成長のきっかけになるかもしれません。セレクションを受ける際の注意点チームに入るためのセレクションの場合、合格できるかどうかは、チームの状況によります。前述の通り、チームのニーズや方針などに沿って選考されるため、合格した選手の方が優れているわけでも、不合格の選手が下手なわけでもありません。あくまでも、そのチームのニーズや状況と合致していなかったというだけです。Aというチームに入れなかった選手がBというチームに入り活躍する可能性は大いにあります。セレクションの合否に一喜一憂することのないように注意してください。まとめ今回は、セレクションについて、その概要からセレクションの種類、セレクションを受けるメリットや注意点などについて解説しました。チームに入るためのセレクションはチームの事情が選考にも影響するため、不合格=サッカーが下手・サッカー選手になれない、といったわけではありません。縁がなかったと捉え、気にし過ぎないようにしましょう。
2021年05月12日サッカーをしている小学生の中には「オフザボールの動きが大切!」と、聞いたことのある子も多いのではないでしょうか。一方で「オフザボールってなに?」という疑問を持っている子もいるでしょう。この記事では、オフザボールについてその概要から行う際のポイント、具体的な動きなどについて解説します。オフザボールの役割について知りたい、具体的な動きを練習の中でやってみたい、といった選手は参考にしてみてください。オフザボールとはオフザボールとは、サッカーやフットサルの試合中にボールを持っていない状態のことです。大人の試合なら90分、少年サッカーなら40分の中で1人の選手がボールに触れる時間はほんのわずかです。時間にすると2分程度とも言われています。つまり、試合中のほとんどの時間はオフザボールの状態となります。当然ですが、ボールを持っていないからといって試合に関与していないわけではありません。むしろ、オフザボールの状態は、自分がボールを受けるための準備をする重要な時間となります。例えば、ボールを受けやすいポジションをとる、味方がプレーするためのスペースを作る動きをすることができるでしょう。オフザボールの動きは決して目立つものではありませんが、試合結果を大きく左右するといっても過言ではありません。これは、11人制でも8人制でも同じことです。オフザボールの際に意識することここでは、オフザボールの際にどのようなことを意識すればいいのか、具体的なポイントについて解説します。ぜひトレーニングの時から意識してみてください。体の向きオフザボールの際は、自分にボールが来たらスムーズに次のプレーに移行できるように、体の向きを意識することが重要です。例えばボールを受ける際に、相手ゴール対して背中を向けている状態だとボールを受けた後に前を向く手間が発生します。一方で体を半身にし、ボールと相手の状況が確認しやすい状況を作っておけば、ワンタッチで前を向くことができるでしょう。サッカーはゴールを奪うことが1番の目的であるため、相手のゴールに向かえるような姿勢を意識してください。ディフェンスラインとの駆け引きフォワードの選手は、オフザボールの際にディフェンスラインとの駆け引きをすることが重要です。例えば、オフザボールの際に相手ディフェンダーの視界から消えるような動きができれば、フリーになるためチャンスにつながる可能性があります。また、自分が動くことでディフェンスラインの乱れを誘発することもできるでしょう。このような動きが上手い選手としてあげられるのが川崎フロンターレ所属の小林悠選手です。トップ選手のプレーを見ることも立派な練習メニューの1つであるため、ぜひ試合動画をチェックしてみてください。オフザボールの具体的な動きオフザボールの動きといっても、その種類はさまざまです。代表的なものには以下のような動きが挙げられます。オーバーラップ:ボール保持者の外側を後ろから追い越す動きインナーラップ:ボール保持者の内側から追い越す動きパス&ゴー:自身がパスを出した後、そのまま動き続ける(例:ワンツーパス)ダイアゴナルラン:斜めに走る動き3人目の動き:ボール保持者が別の見方にパスを出そうとする際に、その次のプレーを予測して動き出すことプルアウェイ:ゴールから遠ざかるように動くことで相手のマークを引き剥がすこれらの動きを状況に応じて適切に行うことが重要です。そのため、普段の練習や練習試合の時から意識して取り組んでみてください。まとめ今回は、オフザボールの動きについてその概要から意識するべきポイント、さらには具体的な動きについて解説しました。オフザボールの動きは試合や練習を通して実際にやってみることが大切です。本などでも学ぶことはできますが、基本を学んだらあとは実際にピッチ上で試してみてください。
2021年05月10日この春からお子さんのサッカー活動に携わる方、中にはお父さんコーチとしてかかわる方たちも少なくないのではないでしょうか。子どもたちにサッカーを教えるお父さんコーチへ、まず最初に伝えたいこととして、前回「サッカーを教えることよりも、大切にしなければならないこと」という記事を書きました。主役はあくまで子どもたち、コーチや保護者は、子どもの成長を急がず、目先の勝利に熱くなりすぎず、見守ることが大切です、という内容です。今回は、子どもがサッカーを表現できるようになるにはどうすればよいか、というテーマでお伝えできればと思います。(構成・文:KEI IMAI)サッカーを「教える」「鍛える」より大事なこととは?(写真は少年サッカーのイメージ)<<前編:子どもたちにサッカーを「教える」ことよりも、大切にしなければならないこと池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>■サッカーを表現できるようになるってどういうこと?私たち日本人は、感情を表に出すことが苦手です。あるサッカースクールでは、ゴールを決めたら喜ぶ練習をするそうです。なぜなら、子どもたちがゴールを決めても喜びの感情を表現できないからだそうです。空気を読む、察する、暗黙の了解......、これらは日本人の特性だと思います。また、出る杭は打たれると言いますが、やはり同調圧力の影響も強いと思います。空気が読めたり、察することができるのは、ポジティブなことでもあります。相手の心情を慮るというのは、海外の人はなかなかできないことです。学校でも、社会に出ても、私たち日本人は感情を表に出す機会が少ないという特徴があります。周りに合わせるのは得意だけど、自分を主張することが苦手なんです。サッカーは表現力が大切です。表現するには、意思が必要です。主張する為には、自信が必要です。自分の感情に忠実である必要があります。5年前、東京で行われた14歳以下の国際ユース大会を取材に行きました。アルゼンチンの名門、ボカジュニアーズやブラジルのコリンチャンスと、日本のチームを見比べて、気がついたことがありました。サッカーの技術、テクニックや強さが違うのではなく、一人ひとりが自分を表現する力が圧倒的に違ったんです。ピッチで強烈な意思を持って、感情剥き出しで、主張し、激しくプレーするアルゼンチンやブラジルの子どもたちを見て衝撃を受けました。サッカーを表現するとはこういうことかと。ボール扱いが上手い子は、日本にもたくさんいます。でも、意思を持ってプレーできる子は多くないんです。それは、南米や欧州の子どもたちの試合を目の当たりにして感じたことです。■子どもたちを制御し過ぎず、表現させること日本という治安の良い国が成り立っているのは、他人に迷惑をかけないように、教育されてきたからに他なりません。みんな一緒にルールを守る為に厳しく教育されます。それは素晴らしいことであると同時に、個人の表現が犠牲になっているとも思います。逆に南米は、傾向として一人ひとりの意思が尊重される教育です。自分を表現する力はすごいけれど、その分ルールを守る力が弱かったりします。総じて治安が悪いのもその教育、国民性ならではだと思います。バランスが取れれば、日本もすごいポテンシャルがあると思います。日本の教育は、子どもに表現させるというよりも、制御しようとします。子どもの意思を育むことよりも、言われたことを正確に実行する能力を育む傾向があります。しかし、サッカーは自分を表現することが大切なスポーツです。自ら意思を持って、判断し、プレーするものなのです。大切なのは制御することよりも、表現させること。自分がどうしたいか、どんなプレーをしたいのか、その意思を育むのがコーチの役目です。大人は、もう少し子どもたちの感情を表現させてあげることができれば良いのかなと思います。ピッチでも、もう少し感情を出すことを許容して良いとも思います。サッカーを教える、鍛えるという発想ではなく、まずは、サッカーを好きにさせること。そして、上手くなりたいという気持ちを育むこと。表現する力を育むこと。表現力を磨くことが大切だと思います。■サッカーは生きる力を育む好奇心を大切にし、自分の意思でプレーするのがサッカーです。人生も同じです。自分はなにをやりたいのか、どう生きるのかを決めるのは自分しかいません。サッカーは生きる力を育みます。サッカーの本質を伝えることで、生きる力を育むことができます。しかし、教え込もう、鍛え上げようと、考え方を誤ってしまうと、子どもにサッカーの本質は伝わりません。日本という素晴らしい国が成り立っている前提を踏まえて、子どもたちがもう少し表現できるように、私たちは見守っていかなければなりません。子どもたちが持つポテンシャルを解放できるように、引き出せるようにアプローチしていきましょう。KEI IMAI桐蔭横浜大学サッカー部時代に風間八宏氏にサッカーの本質を学んだ後、育成年代(主にジュニア)の指導に5年ほど携わる。その後半年間、中南米をサッカーしながら旅をし帰国。ブログ「大人になってから学ぶサッカーの本質とは」を運営し、サッカー育成年代の取材、指導者や現役選手にインタビューをしサッカーの本質を伝える活動をしている。筆者Facebookアカウント>>筆者Twitterアカウント>>池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>
2021年04月30日サッカーをしている小学生お子さんをお持ちの保護者の中には、中学生になったらどこのチームでプレーするのか気になっている方も多いのではないでしょうか。サッカーにおける中学生年代のことをジュニアユースと言います。この記事では、ジュニアユースの概要について解説します。進路を検討している方はぜひ参考にしてみてください。ジュニアユースとはジュニアユースとは、サッカーにおける中学生年代を意味する言葉です。一般的には中学生年代の中でもクラブチームのことを指して使用されています。クラブチームというとJリーグの育成組織のイメージがあるかもしれませんが、いわゆる街クラブもジュニアユースに含まれます。また中学校の部活動もジュニアユース年代であるため、同じ括りとして扱われます。クラブチームと中学校の部活動は異なるジュニアユースの場合、主なサッカー環境としては中学校とクラブチームの2つがあります。どちらも練習を行い、公式戦を戦うことに変わりはありませんが、両者は所属する組織が異なり、参加する大会にも違いがあります。また、部活動は学校単位のチームとなりますが、クラブチームはチーム単位での活動となり、様々な中学校に所属する選手たちが集まります。クラブチームはセレクションが行われるジュニアユースのチームの中でも、クラブチームの場合、セレクションに合格しなければチームに入団できないケースもあります。チームによって異なりますが、夏から秋にかけて小学6年生向けのセレクションを実施するのが一般的です。特にJリーグの育成組織や強豪街クラブとなると多くの選手たちがセレクションを受験します。ちなみに、チームによってはセレクションなしで入団できるケースや、セレクションの前に練習会などを実施しているケースもあるため、各チームのホームページなどを確認してみるといいでしょう。ジュニアユース年代のチームのメリット・デメリットクラブチームでも部活動でもサッカーはできますが、それぞれにメリット・デメリットが存在します。ここでは両者のメリット・デメリットについて解説します。クラブチームのメリット・デメリットクラブチームは、サッカーを行うためのチームであるため、試合数や練習時間が多いほか、チームによっては毎回人工芝のグラウンドで練習できるケースもあります。また、専門の指導者がいるため、サッカーに取り組みやすい点もメリットだと言えます。一方で、練習は夜に行われるのが一般的であるため、勉強時間の確保が難しくなる点はデメリットだといえるでしょう。部活動のメリット・デメリット部活動の場合、活動は学校内で完結するため、人間関係を築きやすい点が大きなメリットです。また、中学校の試験期間中は基本的に練習や試合はないため勉強に集中できる点も特徴だと言えます。一方で、学校によっては部員数が少なく十分な練習メニューをこなせない可能性があるほか、公立中学の場合異動により指導者が変わるケースも珍しくありません。ジュニアユースの大会ジュニアユース年代には、主に以下のような全国大会があります。日本クラブユースサッカー選手権(U-15)(クラブチームの全国大会)全国中学校サッカー大会(部活動の全国大会)高円宮杯全日本ユース(U-15)サッカー選手権大会(クラブチームも部活動も参加可能)また、各地域では年間を通してリーグ戦も行われています。例えば東京の場合、「Tリーグ」と呼ばれるリーグ戦があり、部活動のチームもクラブチームも参加しています。また、Tリーグの上位リーグには関東地域の強豪が集まる関東リーグも存在します。まとめ今回は、ジュニアユースの概要からクラブチームと部活動のメリット・デメリット、さらには主な大会などについて解説しました。ジュニアユース年代のチームを探す場合、部活かクラブを選ぶことになります。それぞれにメリット・デメリットがあり大会も用意されているため、お子さんの希望を踏まえたうえで検討してみてください。
2021年04月30日65歳以上の人の約15%がかかっているという認知症を撃退できるうれしい食材があることを知っていましたか?しかも驚くことに、いずれもとっても身近なものばかり。ぜひおいしくお召し上がりくださいーー!「私はこれまで30年間で、胎児から高齢者まで、1万人以上の脳のMRI(磁気共鳴画像法)で撮影した脳画像の診断を行ってきました。そこでわかってきたのは、人の脳は100歳になっても、その人の心がけ次第でどんどん成長し続けるということなんです」こう話すのは、脳内科医の加藤俊徳先生(加藤プラチナクリニック院長)。最近、物忘れが多くなり、人の名前が思い出せなくなったと自覚している人には、驚きの言葉ではないだろうか。「たしかに脳の成長は40代でピークを迎えますが、その後の脳の健康状態も、日々の行いによって衰えを防ぐことができるのです」加藤先生によれば、脳の健康を保つポイントは三つある。「一つは脳を刺激してあげること。ふだんからいろいろなことに興味を持ち、つねに脳を活性化させるよう心がけてください。次に睡眠と適度な運動。脳に十分な酸素を供給することも大切です。そして最後にもう一つ欠かせないのが、質のよい食事。なぜなら脳と食事は密接につながっていて、認知症を遠ざけることができるからです」脳の活性化の“切り札”が、栄養素「プラズマローゲン」だ。「聞きなれない名前かもしれませんが、いま認知症に効果があることでいちばん注目されているのがプラズマローゲンという栄養素です」加藤先生によれば、米国の研究では、アルツハイマー病の患者の脳にこの栄養素が減少していることが指摘され、九州大学の報告でも、これを摂取すると認知機能が改善することが明らかになっているという。「プラズマローゲンは体内にある抗酸化作用を持ったリン脂質の一つで、神経細胞(ニューロン)をつなぐ成分になっています。脳には、木の枝のようにニューロンが張り巡らされているのですが、このニューロンの成長が脳を活性化し、認知症の予防につながります。そして、そのカギを握るのがプラズマローゲンなんです」リン脂質とは、細胞膜を形成する主な成分で、人体のリン脂質の約18%がこのプラズマローゲンとされる。脳にはもともと、この栄養素が含まれており、これが不足すると、うっかりや物忘れなどが多くなるのだとか。「うっかりや物忘れといった脳の活動が鈍くなる現象というのは、老化などにより脳の神経線維が傷つき、伝達速度が遅くなっていることも原因の一つです。プラズマローゲンは、傷ついた神経線維の細胞膜を修復してくれる栄養素。神経線維の傷が修復されれば、伝達速度も回復するというわけです」つまりプラズマローゲンが不足すると、どんどん脳の神経線維の伝達速度が落ちてしまう。これを補うことで、衰えた脳の働きを回復させる効果が生まれるのだ。「プラズマローゲンにはコリン型、セレン型、エタノールアミン型の3種類がありますが、脳に多く含まれるのはエタノールアミン型。これは動物性食品にしか含まれていません。その代表的な食品が鶏肉や魚介類です」そのなかで、とくに加藤先生が“三大プラズマローゲン食材”としてすすめているのが、ホタテ、タコ、サケだ。「今回のレシピは、加藤先生からいただいたプラズマローゲンといっしょに取りたい栄養素のリストを参考に考えました。メインの一品だけでなく、おつまみとしてもおすすめですよ」こう話すのは、料理研究家の羽賀敦子さん。栄養素のリストから参考にしたものは次の3つ。【カルシウム】骨の強化だけでなく脳細胞間の伝達経路の活性化を促進することで知られ、不足すると認知症の危険性が高まる。小松菜、シシャモ、ごま、チーズ、ヨーグルトなどに豊富に含まれる。【ビタミンB、C、E】脳にダメージを与え、老化の原因になるとされる活性酸素から、脳や体を保護するのがビタミンCとE。またビタミンBには、脳の活動を活発にし、認知症を防ぐ働きがある。これらを多く含むものとして、豚肉、にんにく、卵、アサリ、かぼちゃ、いちご、パプリカなど。【レシチン】摂取すると、脳からの命令を神経に伝えるアセチルコリンが増加。記憶力低下や物忘れの予防に効果がある。また脳の神経細胞が集中する白質の代謝を促進し、脳の神経細胞のネットワークが強化されるという。大豆、ウナギ、鶏レバー、ピーナツなどに多く含まれている。「このほかに、認知症の原因となる脳内での老化物質の沈着を防ぐ働きがあるとされる、オメガ3脂肪酸を含むエゴマオイルやイワシなどの青魚も加え、バランスを重視したレシピにしました。プラズマローゲンは生、加熱に関係なく摂取できます。サケは塩サケや切り身のサーモンなど、お好きなものを選んで調理してみてください」サケを使った羽賀さんおすすめのレシピを紹介。■認知症撃退オールスターが勢ぞろい!「サケのおにぎり」〈材料〉・塩サケ(切り身)…3切れ・ご飯…おにぎり6個分・じゃこ…60グラム・白ごま…小さじ1〈作り方〉(1)フライパンで、じゃこと白ごまを軽くいる。(2)塩サケはグリルで焼き、ほぐしておく。皮の部分はみじん切りにしておく。(3)ボウルにご飯を入れ、(1)と(2)を加えて、よく混ぜる。(4)おにぎりにして完成。じゃこと白ごまを炒めることで風味がUP。塩サケだけでは塩分が足りない場合は、適量の塩をまぶして。■小松菜のビタミン&カルシウムで脳を活性化「サケと小松菜の味噌チーズ焼き」〈材料〉・サケ(生切り身)…3切れ・小松菜…6株・エリンギ…3本・にんにく…1かけ・とろけるチーズ…3枚・A(白味噌、酒、みりん…各大さじ3)〈作り方〉(1)サケは2つに切る。(2)小松菜は4センチ大にそろえて切る。エリンギは短冊切り、にんにくはスライスにする。(3)Aを入れた耐熱皿に小松菜を敷き、エリンギをのせ、にんにくを散らす。(4)(3)の上にのせたサケにチーズを重ね、オーブントースターで10分間焼く。(5)サケに火が通り、チーズが溶けたら完成。味噌とチーズが絶妙にマッチ。オーブントースターはサケに火が通ったかを確認しながら、こまめに時間設定して。■大豆のレシチンが脳の神経細胞を強化「サケと大豆のトマト煮」〈材料〉・サケ(切り身)…300グラム・大豆(水煮)…1袋・玉ねぎ…1個・にんにく…1かけ・パセリ…1本・水煮トマト…1缶・油…適量・A(砂糖…大さじ1、コンソメ顆粒…小さじ1、ケチャップ…大さじ2)・オリーブオイル…適量・小麦粉…大さじ3・塩、こしょう…各少々〈作り方〉(1)一口大に切ったサケに軽く塩をふり、小麦粉をはたいて、油を熱したフライパンで両面を焼く。(2)玉ねぎ、にんにくはみじん切りにする。(3)鍋にオリーブオイルを熱し、(2)を入れてしんなりしたら、トマト缶とAを入れ、軽く煮詰める。(4)(3)に(1)と大豆を加え、塩、こしょうで味を調え、ひと煮立ちさせる。(5)(4)を器に盛り、葉の部分だけみじん切りにしたパセリを散らして完成。脳の栄養素といわれるレシチンが豊富な大豆やサケと相性抜群のトマトを使い、おしゃれなイタリアンに。プラズマローゲン食材を一品でたっぷり取れること請け合い。ぜひ食卓で実食あれ。「女性自身」2021年4月20日号 掲載
2021年04月30日65歳以上の人の約15%がかかっているという認知症を撃退できるうれしい食材があることを知っていましたか?しかも驚くことに、いずれもとっても身近なものばかり。ぜひおいしくお召し上がりくださいーー!「私はこれまで30年間で、胎児から高齢者まで、1万人以上の脳のMRI(磁気共鳴画像法)で撮影した脳画像の診断を行ってきました。そこでわかってきたのは、人の脳は100歳になっても、その人の心がけ次第でどんどん成長し続けるということなんです」こう話すのは、脳内科医の加藤俊徳先生(加藤プラチナクリニック院長)。最近、物忘れが多くなり、人の名前が思い出せなくなったと自覚している人には、驚きの言葉ではないだろうか。「たしかに脳の成長は40代でピークを迎えますが、その後の脳の健康状態も、日々の行いによって衰えを防ぐことができるのです」加藤先生によれば、脳の健康を保つポイントは三つある。「一つは脳を刺激してあげること。ふだんからいろいろなことに興味を持ち、つねに脳を活性化させるよう心がけてください。次に睡眠と適度な運動。脳に十分な酸素を供給することも大切です。そして最後にもう一つ欠かせないのが、質のよい食事。なぜなら脳と食事は密接につながっていて、認知症を遠ざけることができるからです」脳の活性化の“切り札”が、栄養素「プラズマローゲン」だ。「聞きなれない名前かもしれませんが、いま認知症に効果があることでいちばん注目されているのがプラズマローゲンという栄養素です」加藤先生によれば、米国の研究では、アルツハイマー病の患者の脳にこの栄養素が減少していることが指摘され、九州大学の報告でも、これを摂取すると認知機能が改善することが明らかになっているという。「プラズマローゲンは体内にある抗酸化作用を持ったリン脂質の一つで、神経細胞(ニューロン)をつなぐ成分になっています。脳には、木の枝のようにニューロンが張り巡らされているのですが、このニューロンの成長が脳を活性化し、認知症の予防につながります。そして、そのカギを握るのがプラズマローゲンなんです」リン脂質とは、細胞膜を形成する主な成分で、人体のリン脂質の約18%がこのプラズマローゲンとされる。脳にはもともと、この栄養素が含まれており、これが不足すると、うっかりや物忘れなどが多くなるのだとか。「うっかりや物忘れといった脳の活動が鈍くなる現象というのは、老化などにより脳の神経線維が傷つき、伝達速度が遅くなっていることも原因の一つです。プラズマローゲンは、傷ついた神経線維の細胞膜を修復してくれる栄養素。神経線維の傷が修復されれば、伝達速度も回復するというわけです」つまりプラズマローゲンが不足すると、どんどん脳の神経線維の伝達速度が落ちてしまう。これを補うことで、衰えた脳の働きを回復させる効果が生まれるのだ。「プラズマローゲンにはコリン型、セレン型、エタノールアミン型の3種類がありますが、脳に多く含まれるのはエタノールアミン型。これは動物性食品にしか含まれていません。その代表的な食品が鶏肉や魚介類です」そのなかで、とくに加藤先生が“三大プラズマローゲン食材”としてすすめているのが、ホタテ、タコ、サケだ。「今回のレシピは、加藤先生からいただいたプラズマローゲンといっしょに取りたい栄養素のリストを参考に考えました。メインの一品だけでなく、おつまみとしてもおすすめですよ」こう話すのは、料理研究家の羽賀敦子さん。栄養素のリストから参考にしたものは次の2つ。【カルシウム】骨の強化だけでなく脳細胞間の伝達経路の活性化を促進することで知られ、不足すると認知症の危険性が高まる。小松菜、シシャモ、ごま、チーズ、ヨーグルトなどに豊富に含まれる。【ビタミンD】不足すると認知症やアルツハイマー病になるリスクが約1.5〜2倍に高まるといわれる。しらすやきくらげ、サバ、すじこなどに多く含まれている。「このほかに、認知症の原因となる脳内での老化物質の沈着を防ぐ働きがあるとされる、オメガ3脂肪酸を含むエゴマオイルやイワシなどの青魚も加え、バランスを重視したレシピにしました。プラズマローゲンは生、加熱に関係なく摂取できるので、タコは入手しやすいボイルした足でもOK」タコを使った羽賀さんおすすめのレシピを紹介。■チーズのカルシウムが脳の伝達能力UP「タコのカナッペ」〈材料〉・タコ(ボイル)…150グラム・クリームチーズ…150グラム・クラッカー…15枚・わさび、白ごま…各少々〈作り方〉(1)タコは一口大にスライスしておく。(2)15枚のクラッカーにクリームチーズ(1枚につき10グラム程度)を塗る。(3)(2)にタコをのせ、お好みでわさびと白ごまを散らして完成。クリームチーズのカルシウムが脳の伝達経路を活性化。わさびが苦手な人はのせなくてもおいしくいただけます。■きくらげでプラズマローゲンの効果を増強「タコときくらげの春雨ピリ辛サラダ」〈材料〉・タコ(ボイル)…90グラム・きくらげ…6枚・春雨…60グラム・きゅうり…1本・A(砂糖、しょうゆ、酢…各大さじ1、ごま油…大さじ1/2、ラー油…適量)〈作り方〉(1)きくらげは水で戻し、沸騰したお湯で30秒ゆでてから千切りにする。(2)春雨は沸騰したお湯で5分間ゆでて、水気を切っておく。(3)タコはぶつ切り、きゅうりはタテ半分に切りスライスする。(4)サラダボウルに(1)(2)(3)を入れ、よく混ぜたAをかけて完成。きくらげに含まれるビタミンDがタコのプラズマローゲンをさらに補強。ラー油の量で好みの辛さに調節して。■えごまオイルとくるみでオメガ3脂肪酸をチャージ「タコとオイルサーディンのくるみあえ」〈材料〉・タコ(刺身用)…150グラム・オイルサーディン…1缶・セロリ…1本・くるみ(ロースト)…30グラム・A(えごまオイル…100ミリリットル、ワインビネガー…大さじ4、塩、こしょう…各少々)〈作り方〉(1)タコはぶつ切り、セロリはスジを除きスライス、くるみは粗みじん切りにする。(2)Aをすべて合わせ、くるみを入れて、よく混ぜる。(3)タコとセロリ、油を切ったオイルサーディンを皿に盛りつけ、(2)であえて完成。えごまオイルとくるみでオメガ3脂肪酸を重点的に補給。タコはボイルしたものを使ってもOK。プラズマローゲン食材を一品でたっぷり取れること請け合い。ぜひ食卓で実食あれ。「女性自身」2021年4月20日号 掲載
2021年04月30日65歳以上の人の約15%がかかっているという認知症を撃退できるうれしい食材があることを知っていましたか?しかも驚くことに、いずれもとっても身近なものばかり。ぜひおいしくお召し上がりくださいーー!「私はこれまで30年間で、胎児から高齢者まで、1万人以上の脳のMRI(磁気共鳴画像法)で撮影した脳画像の診断を行ってきました。そこでわかってきたのは、人の脳は100歳になっても、その人の心がけ次第でどんどん成長し続けるということなんです」こう話すのは、脳内科医の加藤俊徳先生(加藤プラチナクリニック院長)。最近、物忘れが多くなり、人の名前が思い出せなくなったと自覚している人には、驚きの言葉ではないだろうか。「たしかに脳の成長は40代でピークを迎えますが、その後の脳の健康状態も、日々の行いによって衰えを防ぐことができるのです」加藤先生によれば、脳の健康を保つポイントは三つある。「一つは脳を刺激してあげること。ふだんからいろいろなことに興味を持ち、つねに脳を活性化させるよう心がけてください。次に睡眠と適度な運動。脳に十分な酸素を供給することも大切です。そして最後にもう一つ欠かせないのが、質のよい食事。なぜなら脳と食事は密接につながっていて、認知症を遠ざけることができるからです」脳の活性化の“切り札”が、栄養素「プラズマローゲン」だ。「聞きなれない名前かもしれませんが、いま認知症に効果があることでいちばん注目されているのがプラズマローゲンという栄養素です」加藤先生によれば、米国の研究では、アルツハイマー病の患者の脳にこの栄養素が減少していることが指摘され、九州大学の報告でも、これを摂取すると認知機能が改善することが明らかになっているという。「プラズマローゲンは体内にある抗酸化作用を持ったリン脂質の一つで、神経細胞(ニューロン)をつなぐ成分になっています。脳には、木の枝のようにニューロンが張り巡らされているのですが、このニューロンの成長が脳を活性化し、認知症の予防につながります。そして、そのカギを握るのがプラズマローゲンなんです」リン脂質とは、細胞膜を形成する主な成分で、人体のリン脂質の約18%がこのプラズマローゲンとされる。脳にはもともと、この栄養素が含まれており、これが不足すると、うっかりや物忘れなどが多くなるのだとか。「うっかりや物忘れといった脳の活動が鈍くなる現象というのは、老化などにより脳の神経線維が傷つき、伝達速度が遅くなっていることも原因の一つです。プラズマローゲンは、傷ついた神経線維の細胞膜を修復してくれる栄養素。神経線維の傷が修復されれば、伝達速度も回復するというわけです」つまりプラズマローゲンが不足すると、どんどん脳の神経線維の伝達速度が落ちてしまう。これを補うことで、衰えた脳の働きを回復させる効果が生まれるのだ。「プラズマローゲンにはコリン型、セレン型、エタノールアミン型の3種類がありますが、脳に多く含まれるのはエタノールアミン型。これは動物性食品にしか含まれていません。その代表的な食品が鶏肉や魚介類です」そのなかで、とくに加藤先生が“三大プラズマローゲン食材”としてすすめているのが、ホタテ、タコ、サケだ。「今回のレシピは、加藤先生からいただいたプラズマローゲンといっしょに取りたい栄養素のリストを参考に考えました。メインの一品だけでなく、おつまみとしてもおすすめですよ」こう話すのは、料理研究家の羽賀敦子さん。栄養素のリストから参考にしたものは次の3つ。【ビタミンD】不足すると認知症やアルツハイマー病になるリスクが約1.5〜2倍に高まるといわれる。しらすやきくらげ、サバ、すじこなどに多く含まれている。【ビタミンB、C、E】脳にダメージを与え、老化の原因になるとされる活性酸素から、脳や体を保護するのがビタミンCとE。またビタミンBには、脳の活動を活発にし、認知症を防ぐ働きがある。これらを多く含むものとして、豚肉、にんにく、卵、アサリ、かぼちゃ、いちご、パプリカなど。【ヨウ素】認知機能が低下する原因の一つである、甲状腺ホルモンの異常を抑えるとされる。おもに海藻類に含まれるため、献立に一品は海藻類を加えるとよいとされている。代表的なものとして、のり、ワカメ、ヒジキ、メカブなどが挙げられる。「このほかに、認知症の原因となる脳内での老化物質の沈着を防ぐ働きがあるとされる、オメガ3脂肪酸を含むエゴマオイルやイワシなどの青魚も加え、バランスを重視したレシピにしました。プラズマローゲンは生、加熱に関係なく摂取できるので、ホタテは新鮮な刺身用がおすすめ」ホタテを使った羽賀さんおすすめのレシピを紹介。■ビタミンDの王様・しらすとのW効果「ホタテしらす丼」〈材料〉・ご飯…3杯分・ホタテ(刺身用)…6個・釜揚げしらす…100グラム・青しそ…6枚・卵黄…3個分・しょうゆ…適量〈作り方〉(1)ホタテは2〜3個にぶつ切りにする。(2)器に盛ったご飯の上に、青しそ、しらす、ホタテの順で盛りつける。(3)卵黄を中央にのせて完成。卵黄のビタミンB群と、青しそに含まれる血管の老化を防ぐβカロテンが合わせて取れるスペシャル丼。■ビタミンB、C、Eを漏れなくカバー「ホタテのマリネ」〈材料〉・ホタテ(刺身用)…9個・アサリ…9個・パプリカ黄色、赤色、玉ねぎ、レモン…各1/2個・クレソン…4〜5本・酒…大さじ2・A(オリーブオイル、ワインビネガー…各大さじ4、塩…少々)〈作り方〉(1)ホタテを2〜3枚にスライスする。(2)レモンはくし切り、玉ねぎ、パプリカは薄切りにしておく。(3)砂抜きしたアサリを小鍋で酒蒸しにし、汁とともに冷ましておく。(4)(3)から汁を取り出しAと混ぜる。(5)(1)(2)と(3)のアサリ、クレソンをざっくりあえ、(4)をかけてさらにあえてから、冷蔵庫で30分ほど冷やして完成。アサリだけでなく、ハマグリやムール貝などを加えると、よりうま味が濃厚になり、認知症予防にも効果的。■ヨウ素たっぷりのヒジキを薄味で堪能「ホタテとヒジキの煮物」〈材料〉・ベビーホタテ(ボイル)…12個・乾燥ヒジキ…20グラム・にんじん…1/3本・こんにゃく…1/2枚・だし汁…300ミリリットル・A(しょうゆ…大さじ2、砂糖…大さじ1、酒…大さじ1、みりん…大さじ2)・油…適量〈作り方〉(1)乾燥ヒジキを水で戻しておく。(2)にんじん、こんにゃくは細めの短冊切りにする。(3)鍋に油を中火で熱し、にんじん、ヒジキ、こんにゃくの順で入れて炒める。(4)にんじんがしんなりしたら、ホタテとだし汁、Aを加える。(5)弱火で、汁けがなくなるまで炒め煮して完成。認知症の要因とされる甲状腺ホルモンの分泌低下を正常に保つ、ヨウ素を含むヒジキがたっぷり取れる。味付けは薄めで。プラズマローゲン食材を一品でたっぷり取れること請け合い。ぜひ食卓で実食あれ。「女性自身」2021年4月20日号 掲載
2021年04月29日この春からお子さんのサッカー活動に携わる方、中にはお父さんコーチとしてかかわる方たちも少なくないのではないでしょうか。子どもたちにサッカーを教えるパパさんへ、伝えておきたいことがあります。サッカーは好きだけど、プレーした経験がなくて教え方がわからない、サッカー経験者だけど、指導経験はない、あるいはサッカーを指導してきたけれど、なかなか上手くいかない。そんなパパさんたちはきっと、「サッカーをしっかりと教えなきゃいけない」と思っているでしょう。今回は、サッカーを教えることよりも大切にしなければならないことをお伝えしたいと思います。(構成・文:KEI IMAI)ジュニア年代で大事なことは、サッカーを「教える」ことではなく......(写真は少年サッカーのイメージ)池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>私は、小学2年生の頃からサッカーを始め、高学年になる頃にはすっかりサッカーに魅了され、プロを目指すようになりました。大学時代は、川崎フロンターレや名古屋グランパスで監督経験を勤めた風間八宏氏の元でプレーする経験をさせていただきました。しかし、大怪我によって半年ほどプレーできなくなってしまいました。手術後、リハビリをしながらジュニアのサッカーチームでコーチのバイトをすることになりました。そこで見たジュニア世代のサッカー環境に衝撃を受けました。■コーチの顔色を伺いながらサッカーする子どもたちジュニアサッカーの現場では、サッカーを始めたばかりの子どもたちを、サッカーゲームの選手を操作するかのように指示し、コントロールし続ける指導者の姿がありました。サッカーが楽しくて始めたはずなのに、子どもたちの多くはベンチにいるコーチの顔色を伺いながらプレーしているのです。「なんでシュート撃たないの!」「クリアしろ!」「○○にパスしろ!」「もっと左にポジションを取れ!」「つぶせ!」「ちゃんとやれよ!」「......」子どもたちは怒られないようにビクビクしながらサッカーしてました。そんな光景に私は衝撃を受けました。子どもたちに怒鳴り散らすコーチの多さに、それが当たり前になってしまっているジュニアサッカーの現場に......。■子どもたちにサッカーを教えるよりも大切なことジュニア年代の指導でとりわけ大切なことは、サッカーを好きになってもらうことです。コーチの存在によって、子どもたちがサッカーに夢中になることです。サッカーが楽しいと思えなければ、自ら上手くなろうという気持ちは芽生えません。コーチはサッカーを好きにさせ、上手くなりたいという気持ちを育むことが大切です。コーチングとは、主体性を育み、自ら気が付き、自発的な行動を促す指導法です。サッカーの育成年代の現場で行われているのは、コーチングよりもティーチングです。ティーチングとは、知っている人が知らない人に教える、できる人ができない人に教える指導法です。サッカーというスポーツは、ピッチに出た選手が、目まぐるしく局面が変化する中で、自らプレーを判断していかなければなりません。つまり、コーチングによって自発的にプレーできるようになる必要があるのです。子どもを厳しく指導して、鍛え上げるという発想は、子どもの主体性、自発性を奪うリスクがあることを理解する必要があります。ひどい場合にはサッカーが嫌いになって辞めてしまう子もいます。強いチームを作って実績をつくるという大人のエゴを子どもに押し付けてはいけません。子どもが上手くなりたい!強くなりたい!という心を育むこと、そして適切なタイミングでコーチングをすることが大切なのです。決して、大人が成長を焦ってはいけません。先回りして教えて、子ども自ら気づくチャンスを奪ってはいけません。時間がかかっても、子どもが自ら気がつくことことが、とてもとても大切なのです。■私の子どもの頃のコーチたちが教えてくれたこと私がサッカーをはじめた時、幸運なことに素晴らしいコーチたちに巡り合えました。今思い返しても、一番最初に彼らと出会っていなかったら私はサッカーを辞めてしまっていたかもしれません。彼らは、とにかく子どもたちと一緒にサッカーで遊んでくれたのです。私たちにサッカーの楽しさを伝えてくれました。ああしろ、こうしろなどと言われた記憶はなく、ひたすら一緒にボールを蹴って遊んだ記憶しかありません。リフティングの技、ドリブルで相手を騙す方法を、遊びの中でちょっとづつ教えてくれました。ある日の練習では、マラドーナやプラティニのビデオを見せてくれて、そのままグラウンドでマラドーナのボールタッチを練習したり、プラティニのドリブルを練習しました。後にも先にもあんなに楽しい練習をしたことはありませんでした。コーチたちは、遊びの中で上手くなる術を教えてくれたのです。彼らのおかげで、私たちは時間があればみんなでサッカーをして日が暮れるまで遊びました。私は小学生時代、コーチにサッカーを教わったことはありませんでした。ただし、サッカーの楽しさを伝えてもらいました。そのおかげで、サッカーが上手くなりたい。プロになりたいという気持ちが生まれ、プロサッカー選手になることはできませんでしたが、今日までサッカーを楽しむことができています。ぜひみなさんも、子どもたちにサッカーの魅力を伝えてください。KEI IMAI桐蔭横浜大学サッカー部時代に風間八宏氏にサッカーの本質を学んだ後、育成年代(主にジュニア)の指導に5年ほど携わる。その後半年間、中南米をサッカーしながら旅をし帰国。ブログ「大人になってから学ぶサッカーの本質とは」を運営し、サッカー育成年代の取材、指導者や現役選手にインタビューをしサッカーの本質を伝える活動をしている。筆者Facebookアカウント>>筆者Twitterアカウント>>池上正さんの指導DVDプレゼント!詳しくはこちら【4月限定】>>風間八宏
2021年04月26日サッカーをしていると「アジリティが重要だ」「アジリティを鍛えよう」といった言葉を聞くことがありますが、中にはアジリティがどのようなものかわからない人もいるでしょう。この記事では、アジリティとはなんなのか、その意味について解説し、なぜアジリティが必要なのか、そしてどのようなトレーニングをすればいいのか解説します。アジリティトレーニングに使用できるおすすめの道具も取り上げているので、ぜひ参考にしてみてください。アジリティとはアジリティとは、日本語で言う敏捷性のことです。敏捷性というと足の速さなどをイメージするかもしれませんが、サッカーにおけるアジリティは単なる速さのことを指しているわけではありません。具体的には、スピードや加減速、さらには方向転換の速さなどのことを指しています。アジリティの必要性アジリティはサッカーにおいて必要不可欠な要素であり、アジリティがあれば攻守両面において役立ちます。先ほども説明しているように、アジリティは加減速や方向転換の速さなどのことを指しており、サッカーにおいてこれらの能力が役立つ場面は少なくありません。例えば、相手を抜き去るドリブルをするためには、緩急をつけたドリブルが効果的です。またトラップの際に素早く切り返し相手の逆を取れれば大きなチャンスにつながるでしょう。そのほかにも、ボールを持った相手に対応するには、自由自在に加減速や方向転換ができることが欠かせません。このようにアジリティを鍛えることで、サッカーでは様々な場面で活躍できます。アジリティは小さいころから育てるアジリティ能力は小さいころから育てることが大切です。特に幼児期は神経機能が発達する時期で、体の動かし方や力加減のコントロールなど運動を調整する能力が向上する時期であるためです。筋トレは体ができあがっていない子どもには適していないとされていますが、アジリティはそういったことはないため、ぜひトレーニングしてみてください。アジリティを鍛えるトレーニングここでは、アジリティトレーニングの具体的な内容について解説します。簡単にできるトレーニングもあるためぜひ参考にしてみてください。鬼ごっこ鬼ごっこは、一見するとただの遊びに思えるかもしれませんが、鬼から逃げるために加減速や方向転換を行う必要があるなど、アジリティトレーニングにぴったりです。また、子どもたちにとっても馴染みのあるものであるため、細かいルール説明がなくてもすぐにできる点も大きな特徴です。練習の際のウォーミングアップなどにも適しています。ラダートレーニングラダーとは、はしごの形をしたトレーニング用具であり、サッカーをはじめとして様々なスポーツで使用されています。ラダー上で、いろいろなステップワークを踏むことで、足の動きやさばきが早くなり、アジリティの向上にもつながります。ラダーはスポーツショップなどで購入できるため、個人で購入しておけば、自主練習の際などにも活用できるでしょう。中でも「タニラダー」は、4マス構造となっており、持ち運びや設置が簡単に行えます。また、実践に近い形でのステップワークが踏めるようになっているため、アジリティトレーニングにもぴったりです。ぜひ利用を検討してみてください。まとめ今回は、アジリティについてその意味から必要性、さらには具体的なトレーニング方法などについて解説しました。サッカースキルの向上というと、どうしてもボールテクニックなどに注目してしまいがちですが、アジリティは攻守両面において欠かせない重要な要素です。鬼ごっこやラダーなど普段の練習を通して鍛えられるものであるため、ぜひアジリティの向上に取り組んでみてください。
2021年04月14日この春からお子さんがサッカーを始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。サッカーを通して身に着けてほしいものは何ですか?運動能力をアップさせることだけでなく、心も成長させてくれるサッカー。サッカーを通じて子どもがどう変わっていくか。前回に引き続き、シンキングサッカースクールのコーチたちに聞きました。サッカーをすることで身につくは自分で考える力、チャレンジする精神、それ以外にも社会に出るまでに身に着けたいスキルがたくさんあります。ぜひご覧ください。(取材・文:前田陽子)サッカーで身につくこととは(写真は少年サッカーのイメージ)<<前編:サッカーを通じて「自分で考えて動く力」が身につく理由とは?■チャレンジする力がつく親御さんが子どもに求めることのひとつにチャレンジ精神があります。菊池コーチは「サッカーはミスが多いスポーツで、ミスが起こるのはチャレンジをしているから。そして、ひとつひとつのミスにその都度落ち込んでいては練習や試合は進まないので、すぐに気持ちを立て直して次のチャレンジをする必要があります。チャレンジを続けることで得られる成功体験が次のチャレンジにつながります」とサッカーは常にチャレンジの連続であることを教えてくれました。プレイをすることは=たくさんのチャレンジをすること。そして成功をして、褒められる・認められるという経験をすると、授業などでも手を上げて発言ができる子になれるはずです。■周囲に気配りができるようになるまた、サッカーはボールのあるところ以上に、ボールを持っていない人の動きが重要です。自分がボールを持っている選手の守備をしているなら、その選手に注目しながら、反対側にいる相手選手とチームメイトの動きも考えなければなりません。彼らが何を考えどんな動きをしようとしているのかを想像することがいいプレイにつながります。「ピッチ上で日々、チームメイトや相手選手が何をしようとしているのか、何をしたいのかを考えるようになると、ビッチの外でもお友だちの思いを想像することができるようになります。それによってどう声をかけよう、どう動いてあげようという気配りが生まれます」と柏瀬コーチが子どもたちの変化を明かしてくれました。■負けず嫌いになって集中力も高まる近頃の学校生活では平等が基本で勝ち負けのシチュエーションは多くありません。けれどスポーツには勝ち負けがあり、勝ちたい、負けたくないという気持ちが自然と芽生えてきます。「大人の世界には順位があります。子どものころからサッカーを通じて勝ち負けを経験することは、いずれ必ずためになります。また、勝つためや上達のためには目標を立てる必要があります。目標に向かって何かを取り組むときの子どもの集中力や爆発力には本当にすごいもの。普通ではちょっと無理だろうと思えるほどの力が発揮されます」と菊池コーチ。普段家庭では見せない顔を、ピッチ上では見せてくれることをコーチたちは知っています。■自分の意見が言え、話の折り合いをつける力がつくまた、チームスポーツでは、自分の気持ちや意見を伝える必要があります。話し合いができるようになるには、自分に自信がつくことが必要。チャレンジをして、成功体験を積むと自分を表現できるようになります。プレイ中には、引っ張ったり、押したりという小さなトラブルもよく起きます。点を取り合うスポーツなので、理不尽と感じる場面もないとは言えません。ピッチ上にはコーチも監督もいないので、そこを話し合うのも子どもたちです。さまざまなシチュエーションを経験することで、話し合いができるようになり、折り合いの付け方がわかるようになります。サッカーはチームメイトとの話し合いを通じて、考えて意見を言う力が付きます(写真は少年サッカーのイメージ)■学校外の友達ができるスクールなどに入ることの利点として、学校とは違うコミュニティのお友だちができることもひとつです。「多少、学校でイヤなことがあってもスクールに行くことで気分転換ができたり、悩みの相談ができたりします。居心地がいいことばかりではないかもしれませんが、いろいろな価値観、いろいろな立場の人と知り合えるのは、社会に出る前の経験としてとても素晴らしいことだと思います」と菊池コーチ。■自分の意見が言え、話の折り合いをつける力がつくさらに、スポーツにはルールがあり、守ることが大原則。ルールの大切さが理解できるようになると、生活面でもルールが守れるようになります。また、あいさつをする機会も増え、自然とあいさつも出来るようになります。「子どもたちは大好きなサッカーをするために時間をどのように使うのがいいのかを考えて、実行していますね。スクールでは練習前に宿題をする子もたくさんいます。高学年になるころには、どう1日を過ごすと快適なのかを考えて、時間をコントロールする子も多いです」と菊池コーチがスクール生の様子を教えてくれました。サッカーにはプレイを通じて子どもが成長できる要素がたくさんあります。そのベースは子どもたちがサッカーを楽しむこと。そのためにコーチたちも日々切磋琢磨しています。スクール生の親御さんからは「子どもたちの扱いがとてもうまくて安心して通わせられます」という嬉しいご意見もたくさんいただいています。そんなコーチたちの元でサッカーをはじめてみませんか?考える力が身につくサッカースクール「シシンキングサッカースクール」の詳細はこちら
2021年04月09日この春からお子さんがサッカーを始めた方もいらっしゃるのではないでしょうか。数あるスポーツの中からサッカーを選んだ理由は何でしょう。サッカーを通して身に着けてほしいものは?それらはご家庭ごとに違うかもしれません。運動能力をアップさせることだけでなく、心も成長させてくれるサッカー。サッカーを通じて子どもがどう変わっていくかを、日々子どもたちと触れ合っているシンキングサッカースクールのコーチたちに聞きました。楽しんでプレーしたりチーム活動をするなかで体力やコミュニケーション力など、様々な力が自然と身に付くサッカーの魅力を存分にお伝えします。お子さんのサポートに役立ててください。(取材・文:前田陽子)サッカーで身につくこととは(写真は少年サッカーのイメージ)■楽しく身体を動かしながら運動能力が高まる子どもにとってのスポーツの魅力は「身体を動かすことの楽しさや勝つことの喜びなど、スポーツの楽しさが体験できること」とコーチたちは口を揃えます。その中でも「サッカーはボールひとつがあればできるスポーツ。バスケットボールのように手でボールをつくのは子どもには難しく、野球は複雑なルールがありますが、サッカーはボールが蹴れればOKというシンプルさです。遊びの延長のようにできるので、子どもの最初のスポーツにぴったりです」と黒滝コーチは言います。加えて、サッカーは身体全てを使うスポーツで、前後にはもちろん、横にも斜めにも走り、ジャンプもして、スローインでは手も使います。ボールを蹴りながら走ることを筆頭に、バックステップを踏んだり、相手を追いかけたりという非日常の動きの連続。その動きを続けることで、五感で察知したものを判断して筋肉を動かす過程をスムーズに行う、コーディネーション能力も身に付きます。■ボール遊びもままならない現代だからこそまた、暑くても寒くても一年中行うのもサッカーの特徴。持続的に運動するので自然と体力がつき、風邪などを引きにくくなります。近所の公園では遊具も限定され、ボール遊びもままなりません。スクールに入ればコーチたち大人が見守っているという安心安全な環境も得られます。外で遊ぶ時間が減っている現代だからこそ、オンラインではなく実際に人と会って一緒に運動することで得るものがたくさんあるはずです。■「ごめん」「ありがとう」が言える子になる、周りを思いやる力がつくサッカーは圧倒的にミスの多いスポーツで、誰かに補ってもらったり、誰かを助けたりしなければ成り立たちません。常にチームメイトはもちろん、対戦相手のことを考えてプレイしなければならないので、最初はひとりよがりのプレイばかりでも続けているうちに協調性が身に付きます。また、自分も仲間もミスをすることが当然なので、ありがとう、ごめんねが自然と言えるように。自分を反省して、感謝する心が育つのです。そういったことを重ねてチームメイトや周囲の人を思いやれる子になります。■常に状況が変化するスポーツだから、自分で考えて判断する力がつくサッカーは、野球のようにセットポジションに入るという場面がなく、プレイが切れるタイミングがありません。ピッチにいる間は常に状況が変化し、その場面場面で瞬時に最善の判断をしなければなりません。助言を求める時間はないので、ドリブルをするのかパスをするのか、右に行くのか左に行くのかなどを自分で判断することを繰り返し行います。「日常生活でも、朝と昼、昼と夜では状況も変わります。いつも同じ判断でいいという場面は滅多にありません。状況を判断してどうすればいいのかを常に考え、最善だと思う判断ができるようになりたいですよね。サッカーをすることで、判断力、決断力、そして行動力が身に付きますよ」と柏瀬コーチが普段の生活での変化を教えてくれました。サッカーは常に自分で考えて動くスポーツ(写真は少年サッカーのイメージ)大人になるにつれ、自分で考えて行動できることの大切さを実感する保護者の方も多いと思います。それらは、ある年齢に達したらいきなり身につくものではありません。子どもの頃から徐々に身に着けさせることが必要です。プレーが途切れず常に自分で考える事が習慣化されるサッカーを通じて、自分で決めて行動できるようになるのです。そして、ミスのスポーツなので仲間にフォローしてもらう場面も多いため、自然と「ごめん」「ありがとう」が言えるようになり、相手を思いやることができるようになります。学校でも社会でも活きる力をつけることができるスポーツなのです。お子さんの「楽しい」を応援しながら、人間的な成長をサポートしてあげる参考にしてください。考える力が身につくサッカースクール「シシンキングサッカースクール」の詳細はこちら
2021年04月07日「父の日記には『電車を乗り間違えた』『講演の途中で話すことがわからなくなった』といった記述がだんだんと増えていきました。認知症の専門医である自分が、認知症かもしれない……という恐怖や心配は、父の心にあったと思います」そう語るのは、認知症専門医の長谷川和夫さん(92)を父に持つ、南高まりさん(59)。長谷川さんは、聖マリアンナ医科大学名誉教授で、認知症研究の第一人者。当たり前のように使われていた「痴呆症」という呼称を改めることに尽力し、認知症診断の物差しとなる「長谷川式簡易知能評価スケール」を開発した人物だ。そんな長谷川さんが『僕も認知症なんです』と明かし、世間を驚かせたのは’17年10月のこと。以後も長谷川さんは、進行していく症状を受け入れながら、認知症にまつわるさまざまな情報を発信し続けている。長谷川さんの活動をサポートしている長女のまりさんは、“父の記憶に残せるように”と、『父と娘の認知症日記』(中央法規出版)を今年1月に出版。長谷川さんの日記や写真を基に、60年の歩みをまりさんの視点で綴っている。「父は国際会議や学会のために、世界中を飛び回っていました。そんな多忙な中、歯医者さんに連れていってくれるのは父の役割で、帰りに一緒に飲んだホットココアの味は今でも忘れられません」そんな優しい父の“異変”に家族が気づいたのは、’15年ごろ。「私は当時、精神保健福祉士の資格を取るために学校に通っていたんですが、それを父に話したら、すごく喜んでくれて。でも、学校の先生に『娘が通っていますからよろしくお願いします!』と電話までかけてしまったんです。よく認知症の人は感情を抑えられなくなると言いますが、父の場合も怒りっぽくなったり、反対に大げさに喜んだりすることがありましたね」講演に招かれると、長谷川さんはひとりで出かけていたが、冒頭のような“症状”を思わせる言葉が日記には増えていく。これからも元気でやっていけるのだろうか……そんな不安が的中したのは、’17年6月だった。「講演に向かう途中だった父は道に迷い転倒し、右肘を粉砕骨折してしまったんです。それでも会場に向かい、骨折していることを周囲に気づかれることなく講演をやり遂げたそうですが、私は“なぜ肝心なときに付き添っていなかったんだろう”と非常にショックを受けました」そんな大ケガを負ってもなお、まりさんが長谷川さんの活動をサポートし続けたのは、「自分が話すことで人様の役に立てることがあるはず」という強い思いが、長谷川さんにあったからだ。もし家族が、自分が、認知症になってしまったら……そんな不安を抱える人は多い。「父は認知症になる以前から、近所の『カムイ』という珈琲店に行くのが楽しみで、私もよく一緒に行きました。店主は父のことをよく理解してくださっているので、ひとりでも安心してくつろげる場所だそうなんです。そして40年以上父が通ってきた理髪店の『トリム』さんは、父がひとりで行けなくなると送迎までしてくださって。認知症になってから『支えてください』とお願いするよりも、当たり前の生活ができているころからつながりをつくっておくということが大事なんだと思います」最後に、長谷川さん自身が、こんなメッセージを寄せてくれた。「少し前まで、社会は認知症の人に対して“そっちにいればいい。僕たちはこちらで生活するから”というような囲いをつくってしまっていました。現代は、その囲いをとっぱらわないといけない時代といえるでしょう。でも、支えがあるうちは安心して生きていける。一対一で対等な関係で話ができるときは、いつでもうれしいし、楽しいんですよ」今ある絆を大切にすることで、未来への不安を振り払えるかもしれない。「女性自身」2021年4月6日号 掲載
2021年03月29日高齢者の5人に1人が認知症になる、という時代も近い。将来の認知症への不安と、どう付き合えばよいのか――。「父の日記には『電車を乗り間違えた』『講演の途中で話すことがわからなくなった』といった記述がだんだんと増えていきました。認知症の専門医である自分が、認知症かもしれない……という恐怖や心配は、父の心にあったと思います」そう語るのは、認知症専門医の長谷川和夫さん(92)を父に持つ、南高まりさん(59)。長谷川さんは、聖マリアンナ医科大学名誉教授で、認知症研究の第一人者。当たり前のように使われていた「痴呆症」という呼称を改めることに尽力し、認知症診断の物差しとなる「長谷川式簡易知能評価スケール」を開発した人物だ。そんな長谷川さんが『僕も認知症なんです』と明かし、世間を驚かせたのは’17年10月のこと。以後も長谷川さんは、進行していく症状を受け入れながら、認知症にまつわるさまざまな情報を発信し続けている。長谷川さんの活動をサポートしている長女のまりさんは、“父の記憶に残せるように”と、『父と娘の認知症日記』(中央法規出版)を今年1月に出版。長谷川さんの日記や写真を基に、60年の歩みをまりさんの視点で綴っている。長谷川さんが認知症になって気づいたことは、“認知症になったからといって、すべてがわからなくなってしまうわけではない。症状やメンタリティには波がある”ということ。「症状が進んでいくことへの苦しみや葛藤はやはりあったようです。『きついなぁ』と口にすることもありました。以前、父が外来で診ていたアルツハイマー病の牧師さんのことを話してくれたことがあって。その方はよくオルガンを演奏しておられたのですが、亡くなったあとに『僕にはメロディーがない、和音がない。共鳴がない。帰ってきてくれ、僕の心よ、全ての思いの源よ。』(※一部抜粋)と書かれた五線紙が見つかったのです」闘病中の苦しみと絶望がにじみ出た牧師さんのメモを見た長谷川さんは、「僕は患者さんの脳の状態を研究してきたけれど、本人の心の中を見たのはこれが初めて」と涙があふれたそうだ。ケアする側にもされる側にとっても必要なのは、安易に「声をかけあう」のではなく、「心を支えあう」関係性を築くこと。そう長谷川さんが説くのは、自身が地域のつながりに助けられたからだ。「父は認知症になる以前から、近所の『カムイ』という珈琲店に行くのが楽しみで、私もよく一緒に行きました。店主は父のことをよく理解してくださっているので、ひとりでも安心してくつろげる場所だそうなんです。そして40年以上父が通ってきた理髪店の『トリム』さんは、父がひとりで行けなくなると送迎までしてくださって。認知症になってから『支えてください』とお願いするよりも、当たり前の生活ができているころからつながりをつくっておくということが大事なんだと思います」サポートしてもらえる絆さえあれば、認知症であっても地域で生活できることを証明した長谷川さん。しかし、その環境づくりこそが大きな課題でもある。「父はいつも、『人はみんな生きてきた道のりがあって、その人しか持っていない関わりがある。だから、その関わりを大事にして絆をつくってほしい』と言っています」さまざまな人に支えられながら、穏やかな日々を過ごしていた長谷川さんだが、昨夏に体調を崩し、妻・瑞子さんとともに老人ホームに入居。体調は落ち着いているというが、コロナ禍のため、面会が許されるのは15分のみだ。「父はおそらく、ちょっと前のことや、先の予定なども把握しづらくなってきていて。『僕が今持っている物は時間だけ。だから“今”を一生懸命生きるんだよ』と口にしています。だから私は会ったときに必ず、『今やりたいことはある?』といったような、明るい話題を振るようにしていますね」「女性自身」2021年4月6日号 掲載
2021年03月29日サッカールールの基本ともいえるのが「ハンドの反則」です。サッカーに詳しくない人でも手を使ってはいけないということは知っているのではないでしょうか。一方で、ハンドの反則の細かいルールまでは把握していない人は多いはずです。この記事では、ハンドの反則についてその概要や定義について解説します。ハンドとはハンドとは、正しくは「ハンドリング」といい、ボールを手や腕で扱うことを意味します。サッカーでは、ゴールキーパーやスローイン時など一部を除いて手を使用することは禁止されています。ちなみに、サッカーではハンドと似たような言葉に「ハンドオフ」というものがあります。こちらは、腕を使って相手との距離感を保つことであり、ハンドの反則とは関係ありません。ハンドの反則を犯すととどうなる?もしハンドの反則を犯してしまうと、相手に以下のいずれかがあたえられます。通常のハンド:直接フリーキック自陣ペナルティエリア内でのハンド:ペナルティキックゴールキーパーの自陣ペナルティエリア内でのハンド:間接フリーキック直接フリーキックとは、フリーキックで蹴ったボールが直接ゴールに入ると得点が認められるフリーキックです。また、間接フリーキックは、蹴ったボールが直接ゴールに入っても特典は認められません。ゴールに入る前に他の選手がボールに触れていれば得点となります。なお、ハンドの反則を犯すと、場合によっては退場を命じられることもあります。例えば、相手チームの得点や決定的なチャンスをハンドによって阻止した場合は、レッドカードが出され退場になります。ハンドの定義ハンドの定義は、これまでどこからどこまでをハンドとして扱うのかその基準が抽象的でしたが、2020/21の競技規則からその定義が明確になりました。日本サッカー協会の競技規則によると「脇の下の最も奥の位置までのところ」までが腕の範囲としてみなされる、つまりハンドとして扱われるということです。ハンドになるとき・ならないときここでは、ハンドの反則について、どういったときに反則として扱われるのか、逆にどういったときには反則にならないのか解説します。ハンドになるときハンドの反則になるのはボールを手や腕で扱ったときです。具体的には、以下のようなことを行うと反則となります。手や腕で意図的にボールに触れたとき手や腕を使って得点したとき(偶発的な場合を含む)手や腕に触れた直後に得点するもしくは得点のチャンスを作り出したとき(偶発的な場合を含む)手や腕を使って不自然に体を大きくしてボールに触れたとき手や腕が偏りも上の高さにある状態でボールに触れたときこれらの行為は、ハンドの反則が取られるため注意が必要です。ハンドにならないとき手や腕を使っていても、以下のような場合はハンドの反則は取られません。選手自身の頭もしくは体から直接触れる別の競技者の頭または体から直接触れる手や腕は体の近くにあるものの体を不自然に大きくしているわけではない倒れている選手が体を支えるために手や腕が体と地面の間にある「頭もしくは体から直接触れる」とは、例えば胸トラップをしたボールがそのまま腕に当たっても反則にはならないということです。ただし、攻撃側の選手がトラップしたボールがあたると反則を取られます。また、「手や腕が体と地面の間にある」とき、手や腕が体から縦方向や横方向に伸びている場合は、ハンドをとられる可能性があります。ゴールキーパーのハンドサッカーの中で唯一手が使えるポジションであるゴールキーパーですが、自陣ペナルティエリア外で手や腕を使うと他のフィールドプレイヤー同様ハンドをとられ、相手に直接フリーキックが与えられます。ただし、自陣ペナルティエリア内でハンドの反則を犯した場合は、ペナルティキックではなく間接フリーキックが与えられます。自陣ペナルティエリア内でゴールキーパーが犯すハンドとしては、味方のバックパスを手で扱うといったことが挙げられます。まとめ今回は、サッカーのハンドの反則に関してその概要から、反則となる具体的な例などについて解説しました。ハンドの反則は、実は細かい部分まで競技規則によって規定されており、ハンドになるケースとならないケースがあります。ぜひ今回の内容を参考に、ハンドに対する理解を深めてみてください。
2021年03月22日