©YUMIMOROTOこんにちは。アートディレクターの諸戸佑美です。立春を過ぎたとはいえ、まだまだ寒いですがお元気でお過ごしですか?シネマの時間第22回は、もうすぐバレンタインということで”恋愛映画”をピックアップ!『恋する惑星』『ブエノスアイレス』などで知られるウォン・カーウァイ監督が、1990年に手がけた長編第2作『欲望の翼』。1960年代の香港において、若者たちが織り成す恋愛模様を疾走感あふれる映像美で描き、カーウァイ監督の名を一躍世界に知らしめた青春群像劇『欲望の翼』をお送りします。『欲望の翼』は、ウォン・カーウァイ監督独特のスタイルが確立された原点と言え、実際に本作のモチーフは名作『花様年華』『2046』へと引き継がれています。「第10回香港電影金像奨」で最優秀作品賞・最優秀監督賞・最優秀主演男優賞(レスリー・チャン)を、第28回金馬奨で最優秀監督賞を受賞!クエンティン・タランティーノや、昨年のオスカーに輝いた『ムーンライト』のバリー・ジェンキンスといった監督も影響を公言し、2015年にNY・メトロポリタン美術館で行われた「鏡の中の中国」展の芸術監督も任されるなど、ジャンルや国境をも超えて世界的に今なお注目されるウォン・カーウァイ監督。劇中では、レスリー・チャン演じる主人公のヨディが「1960年4月16日3時1分前、君は僕といた。この1分を忘れない。君とは“1分の友達”だ。」とサッカー場の売り子スー(マギー・チャン)に話しかけ恋仲になる場面なども見どころで、ドラマティックな音楽やファッション性など女性に人気の映画だと言われるのも納得です。豪華トップスターの織りなす、刹那的で疾走感溢れる演出と映像美をご堪能ください。■映画『欲望の翼』 STORYー1960年代の香港を舞台に、若者たちの恋愛模様を描いた群像劇1960年代の香港。「1960年4月16日3時1分前、君は僕といた。この1分を忘れない。君とは“1分の友達”だ。」サッカー競技場の売店の売り子スー・リーチェン(マギー・チャン)は、ある日ヨディ(レスリー・チャン)という青年にそう口説かれます。1度は断ったスーでしたが、やがてヨディに惹かれはじめ恋仲になります。けれど、結婚を望むスーに対してヨディにはそのつもりはなく、傷ついたスーはヨディの元を去ることに。ヨディは実の母親を知らず、養母に育てられたのですが、そのことが彼の心に影を落としていました。ある日、ナイトクラブのダンサー、ミミ(カリーナ・ラウ)と出会い一夜を過ごすヨディ。部屋を出たミミはヨディの親友サブ(ジャッキー・チュン)と出くわし、サブはひと目で美しい彼女に恋をしてしまいます。一方、スーはヨディのことが忘れられず夜ごと彼の部屋へ訪れ、夜間巡回中の警官タイド(アンディ・ラウ)は、そんな傷ついた彼女を慰め、想いを寄せるようになるのですが……。60年代の香港を舞台に、ヨディを中心に交錯する生きることが苦手な都会の若者たち。それぞれの愛、運命、そして異郷への夢。「脚のない鳥がいるそうだ。飛び続けて疲れたら風の中で眠り、一生に一度だけ地上に降りる。それが脚のない鳥の最期の時だ」という物語の伏線ともいうべきヨディの台詞は、テネシー・ウィリアムズの小説『地獄のオルフェウス』の一節です。香港映画史上最も美しく最もミステリアスな1本。閃光のごとく疾走していく彼らの未来が、香港という街の魅力も合間ってパラレルに描かれ魅力的です。■香港のバレンタインデーもうすぐバレンタインデーが近いということで、香港の情人節についてもご紹介しましょう。香港や中国では、バレンタインデーは「情人節」と呼ばれています。情人は恋人を表し、この日のカップルたちは日本以上に盛り上がります。愛し合うふたりにとっては、誕生日や結婚記念日の次に大切な日。日本では、女性から本命のほか会社の上司や同僚など、女友達にもチョコレートを配るコミュニケーションの一環としての義理チョコ文化が定着していますが、香港では逆に男性から思いを寄せる本命にその気持ちを表し、花束などのプレゼントを贈ります。情熱的な愛の表現を求める香港の女性たちのために、街中ではアクセサリーショップやデパートなどでバレンタイン商戦も盛んで、プレゼントを選ぶ男性やカップルで賑わうそうです。世界各国、バレンタインデーひとつとっても違いがあって、面白いですね!■映画『欲望の翼』作品紹介2018年2月3日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国順次ロードショー公開!オフィシャルサイト原題:阿飛正傳/DAYS OF BEING WILD監督・脚本:ウォン・カーウァイ製作:ローヴァー・タン製作総指揮:アラン・タン撮影:クリストファー・ドイル編集:パトリック・タム美術:ウィリアム・チャン音楽:ザビア・クガート、ロス・インディオス・タバハラス製作年:1990年製作国:香港上映時間:95分字幕翻訳:寺尾次郎配給:ハーク© 1990 East Asia Films Distribution Limited and eSun.com Limited. All Rights Reserved.■映画『欲望の翼』キャストレスリー・チャン=ヨディマギー・チャン=スー・リーチェンカリーナ・ラウ=ミミトニー・レオン=ギャンブラーアンディ・ラウ=タイド(警官)ジャッキー・チュン=サブ(ヨディの友達)レベッカ・パン=レベッカ(ヨディの養母)絵・文=諸戸佑美(アートディレクター・編集ライター・イラストレーター)
2018年02月08日©YUMIMOROTOこんにちは。アートディレクターの諸戸佑美です。あなたは、自分らしく幸せに生きていますか?あなたにとっての幸せとは?【シネマの時間】第21回は、自分らしく生きたいと願うすべての人に贈るヒューマンドラマ、映画『ナチュラルウーマン』をご紹介します。トランスジェンダーでナイトクラブの歌手マリーナは、歳の離れた恋人オルランドと暮らしていました。ある夜、オルランドが突然亡くなり、マリーナは思いもかけないトラブルに巻き込まれます。最愛の人を失った悲しみの最中に浴びせられる、不躾で容赦のない差別や偏見。愛する人の思いを胸に、マリーナは前を向いて歩き始めるのですが……。第67回ベルリン国際映画祭脚本賞受賞、第42回トロント国際映画祭SPECIAL PRESENTATIONS部門出品、第89回アカデミー賞外国語映画賞チリ代表作品となるなど熱い注目を集める話題作!2018年2月よりシネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ「YEBISU GARDEN CINEMA」ほか全国にてロードショー公開です!■映画『ナチュラルウーマン』あらすじーー私らしく、私を生きるチリ、サンティエゴ。ウェイトレスをしながらナイトクラブで歌っているトランスジェンダーのマリーナは、テキスタイル会社を経営する年の離れた恋人オルラルドと誕生日を祝います。一緒に暮らす家に戻ったふたりは体を重ねますが、その夜中突然ベッドでオルラルドの具合が悪くなってしまいます。マレーナは、玄関を出て階段から転げ落ち、頭部などに怪我を負ったオルラルドを車に乗せて急いで病院に連れていったものの、彼は動脈瘤によって息を引き取ってしまいました。動揺のあまり一旦病院を離れたマリーナは、オルランドの死の関与を疑われ、警察から身分証の提示を求められることに。マリーナの連絡によって病院にやってきたオルランドの弟のガボは、「いろいろとありがとう。大変だったね。会えてよかった」と彼女を労いますが、悲しみに浸る間もなくオルラルドの元妻や性犯罪捜査官の女性刑事、オルラルドの息子が訪ねてきます。彼らの不躾で容赦ない差別や偏見。「このアパートをいつ出る?追い出すぞ。お前の家じゃない。信じられん。父は気が狂った。何も盗むなよ」と言い捨てて出て行く息子。ふたりで暮らしていた思い出が詰まった部屋から追い出されそうになり、葬儀に参列することも禁じられてしまった彼女は、どうにか最後の別れを告げたいと願うようになるのです。前向きに生きようとするマリーナは、歌のレッスンのために師の元を尋ねます。「何時に来ようと構わない。君の支えにもなる。だが私は歌曲の先生だ。サルサやメレンゲじゃない」という師。部屋にはピアノに合わせてマリーナが歌うヴィヴァルディの「sposa sondisprezzata」が響き、彼女は向かい風の中を進んでいきます。この映画の象徴的な場面です。ある日、帰宅すると家は荒らされ、愛犬ディアブラの姿が消えていました。マリーナは、身の危険を感じ荷物をまとめてアパートを引き払い、姉夫婦の元に身を寄せます。しかしながら愛犬のディアブラを取り戻しに行くと言って、来るなと言われていた通夜へ向かった彼女を待っていたのは、オルラルドの息子たちの手ひどい暴力でした。傷心のままクラブへと行った彼女は、音楽に身を任せながらオルラルドの亡霊を目にします。度々、幻影となって彼女を励ますように現れるオルラルド……。自分らしく生きるとは、愛するとは?『ナチュラルウーマン』は、法で守られていないパートナーシップの社会的な脆さや、マリーナのジェンダー・アイデンティティを拒絶し、ふたりの関係を理解しない人たちの姿を描いてます。一方で、彼女に対してフェアで温かな態度を示す人たちの存在も描き出し、リアルな世相を浮かび上がらせます。逆境に負けず、自己を肯定しながらまっすぐ前を向いて進もうとするヒロインから、きっと観る者は共感と勇気を感じることができるでしょう。自分らしく生きたいと願うすべての人への贈り物とも言える人生賛歌です。■新進気鋭の監督のもとに才能が集結!監督・脚本は、躍進めざましいチリ映画界が生んだ新鋭、『グロリアの青春』のセバスティアン・レリオ!主演のマレーナは、自身もトランスジェンダーの歌手ダニエラ・ヴェガが抜擢され、唯一無二の存在感を放ち、喜びと悲しみを繊細かつエモーショナルに演じて魅力を放っています。恋人であるオルラルドには、『ネルーダ大いなる愛の逃亡者』などチリを代表する演技派俳優フランシスコ・レジェス。また、『ジャッキーファーストレディ最後の司令』『ありがとう、トニ・エルドマン』などの実力派プロデューサー陣も集結。さらに劇中で流れる音楽もマレーナの心情を語り見所で、ダニエラ・ヴェガ自身が歌うヘンデルのアリア「オンブラ・マイ・フ」や、アレサ・フランクリンが歌う「(You Make Me Feel Like)A Natural Woman」(作詞作曲/キャロル・キング)は、どんなときも当たり前にありのままの自分を受容し愛してくれる人への深い思いに胸を打たれます。老若男女関係なく素晴らしい魂のつながりを感じつつ、広い世の中で偶然出会って、ありのままの自分を大切にし合える存在は、とても貴重でかけがえのない関係だと思わずにいられません。■映画『ナチュラルウーマン』作品紹介2018年2月よりシネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国ロードショー!公式ホームページ原作:Una Mujer Fantastica監督:セバスティアン・レリオ脚本:セバスティアン・レリオ、ゴンサロ・マサプロデューサー:ファン・デ・ディオス・ラライン、パブロ・ラライン共同製作者:ヤニーネ・ヤツコフスキ、ヨナス・ドルンバッハ、マーレン・アデ、フェルナンダ・デル・ニド製作総指揮:ジェフ・スコール、ジョナサン・キング、ロシオ・ジャデュー・Z、マリアン・ハート、ベン・フォン・ドベネック撮影:ベンハミン・エチャサレッタ美術:エステファニア・ラライン音楽:マシュー・ハーバート衣装:ミュリアル・パラ編集:ソルダット・サルファテ製作国:チリ・ドイツ・スペイン・アメリカ合作製作年:2017年映倫区分:配給:アルバトロス・フィルム上映時間:104分©️2017 ASESORIAS Y PRODUCCIONES FABULA LIMITADA; PARTICIPANT PANAMERICA, LCC; KOMPLIZEN FILM GMBH; SETEMBRO CINE, SLU; AND LELIO Y MAZA LIMITADA■映画『ナチュラルウーマン』キャストダニエラ・ヴェガ=マリーナフランシスコ・レジェス=オルランドアリン・クーペンヘイム=ソニアルイス・ニェッコ=ガボニコラス・サヴェドラ=ブルーノ絵・文=諸戸佑美(アートディレクター・編集ライター・イラストレーター)
2018年01月27日©YUMIMOROTOこんにちは、アートディレクターの諸戸佑美です。お正月映画はもう何かご覧になられましたか?今年も一緒にたくさん素敵な映画に出会いたいですね。映画を通して、さまざまな世界をお伝えできれば幸いです。さて、2018年度最初におすすめする映画は、サリア・カハヴァッテの奇跡の実話を『白バラの祈りゾフィー・ショル、最期の日々』のマルク・ローテムント監督が映画化しドイツ全土で大ヒット!映画『5パーセントの奇跡嘘から始まる素敵な人生』をお送りします。先天性の病気で95%の視力を失った青年サリーの夢は、ミュンヘンにある最高級の5ツ星ホテルで一流のホテルマンになることでした。突然、どん底に突き落とされた彼に寄せられた周囲の助言は、「もう、夢は諦めろ。現実的になりなさい」というものばかり。果たして、無謀とも呼べる彼の夢は叶うのか、そして恋の行方は……?夢、挫折、友情、努力、恋愛……人生に大切なことがすべて詰まった、笑って泣けるハートフル・エンターテイメント!ぜひお楽しみください!■映画『5パーセントの奇跡〜嘘から始まる素敵な人生〜』あらすじー95%の視力を失った青年が、5ツ星ホテルで働くために"大芝居"を打つ!父母と美しい姉の4人家族、ドイツ人の母、スリランカ人の父の間に生まれたサリー。学校を卒業してからの彼の夢は、一流のホテルマンになることでした。ところが突然、目の前が“真っ暗”となる先天性の病気による網膜剥離になってしまいます。手術をしてなんとか保てたのは、なんとたった5パーセントの視力。父は心配して「障がい者の学校へ転入しろ」と言いますが、サリーは自分の夢を諦めたくありませんでした。「普通の学校を出て、一流ホテルで働きたい!」と宣言し、理解のある母と姉の協力を得て、障がい者であることを隠してホテルマンになるという、サリーの荒唐無稽、奇想天外な挑戦が始まります。残りの学校の試験を何とか丸暗記によって卒業したサリーは、早速ドイツのホテルに願書を送りまくります。しかし、現実は厳しく、視覚に障がいがあることを正直に申告した願書は、ことごとく突き返されてしまうのでした。そこで、苦肉の策ながらその事実を隠して、ついにミュンヘンの5つ星一流ホテルから“研修生”としてのチャンスを得るのでした。どんな苦難の道に立たされても、サリーは強い意志を持ち諦めなかったのです。優しく誠実なハンサムガイで、人一倍ホテルマンになることに情熱を燃やすサリーを支えたのは、周囲の人々の善意や友情でした。人事面接に遅れてやってきたマックスは、ホテルやレストランを経営する両親の放蕩息子で女ったらしですが、面接の際、サリーに助けられたことでふたりの間に友情が芽生え、いち早くサリーの障がいを見抜き協力を申し出ます。マックスのおかげで、ホテル内部の構造をすべて丸暗記することで、5パーセントの視力をカバーしながら行動するサリーですが、研修の難易度はどんどん上がっていきます。厳しい指導教官クラインシュミットが担当するバー研修は、サリーにとって最大の難関でした。リクエストされたカクテルをグラスに手際よく正確に用意しなければなりません。青ざめるサリーを心配そうに見守るマックス。そしてその夜、マックスの父親のレストランが閉まってから、彼と一緒に猛練習するサリーの姿がありました。目の前の相手もぼんやりとした光の集合体にしか見えない状況で、耳で、鼻で、触覚で、と視覚以外の感覚を総動員させてスキルを磨いていくのです。そんなある日、サリーは実家の農場で収穫した作物をホテルに納入しているシングルマザー、ラウラの話し声を聞いて好きになります。アフガニスタンから難を逃れてドイツにやってきた元外科医の皿洗いのハミドの協力のお陰で、ついにふたりは親しくなるのですが……。サリーは、自分が5パーセントの視力であることを彼女に言えないでいました。なんとかカクテル作りをマスターし始めるサリーのさらなる試練は、バーのグラス磨きでした。汚れを目で確認できないサリーは、何度もやり直しを命じられ、徹夜で作業をすることも。そんな矢先、彼の実家では父親が女を作って失踪してしまいます。慣れない仕事の緊張と過労、そして家族の崩壊という事件が押し寄せ、心身ともに限界に達してしまったサリーは、絶望的になりいつの間にかドラッグに手を出すように……。果たしてサリーは、研修を乗り切り、採用試験まで漕ぎつけられるのでしょうか?彼の未来は!?■魅力的な実力派俳優陣に心響く言葉の力”on the true story"という触れ込みの映画は数多くあるけれど、本作『5パーセントの奇跡』ほどその名がふさわしい映画は他にありません。こんな素晴らしい青年が本当に実在したんだという真実を多くの人に知ってもらいたい。また、劇中のサリーの独白で「以前、ブッタの本で読んだ。”幸福への道はない。道が幸福なのだ”」や「急ぐならひとりで行け。遠くへ行くのなら仲間と行け」など、心に響く言葉の力も見どころのひとつ。サリーは数々の困難に見舞われますが、いつも相手の話に耳を傾け、自分の気持ちを自分の言葉で伝えて周囲とのより良いコミュニケーションを育んでいくのです。主人公サリー役にドイツ若手俳優の中でも人気のコスティア・ウルマン!サリーを支える研修生仲間のマックス役に『僕らの家路』『ヒトラーへの285枚の葉書』のヤコブ・マッチェンツのほか、ヨハン・フォン・ビューロー、アンナ・マリア・ミューエらが脇を固めて見応え充分。健常者であれ障害者であれ、夢を持つすべての人々に贈る、笑って泣いて元気になる人生の応援歌です。■映画『5パーセントの奇跡〜嘘から始まる素敵な人生〜』作品紹介2018年1月13日(土)より新宿ピカデリー、角川シネマ有楽町ほか全国ロードショー!公式ホームページ原作:MEIN BLIND DATE MIT DEM LEBEN(サリヤ・カハワッテ著)原題:Mein Blind Date mit dem Leben監督:マルク・ローテムント製作総指揮:アンヤ・フォーリンガー製作:ヨウコ・ヒグチ-ツィツマン、ターニャ・ツィーグラー共同製作:ステファン・ガートナー、イザベル・ハンド、ロドルフ・ブエット、カッレ・フリッツ音楽:ミヒャエル・ゲルトライヒ、ジャン=クリストフ・リッター撮影:ベルンハルト・ヤスパー編集:チャールズ・ラドミラルキャスティング:ステファニー・ペールマン美術:クリスチャン・アイゼレアート・ディレクション:マイキー・アルソフ舞台装飾:ガブリエラ・アウゾーニオ衣装:ラモナ・クリムコウスキーメイク:シャーロット・チャンキャサリーナ・デ・マロトキ音響:フランク・ハイドブリンクサウンド・デザイナー:アレクサンドル・ザール音響効果:チャンギス・シャロック製作国:ドイツ製作年:2017年映倫区分:PG-12配給:キノフィルムズ/木下グループ上映時間:111分© ZIEGLER FILM GMBH & CO. KG, SEVENPICTURES FILM GMBH, STUDIOCANAL FILM GMBH■映画『5パーセントの奇跡〜嘘から始まる素敵な人生〜』キャストコスティア・ウルマン=サリヤヤコブ・マッチェンツ=マックスアンナ・マリア・ミューエ=ラウラヨハン・フォン・ビューロー=クラインシュミットニラム・ファルーク=シーラアレクサンダー・ヘルト=フリートキダ・コドル・ラマダン=ハミド絵・文=諸戸佑美(アートディレクター・編集ライター・イラストレーター)
2018年01月13日こんにちは、アートディレクターの諸戸佑美です。冬本番、寒くなってきましたがお元気でお過ごしですか?毎月、素晴らしい新作映画がどんどん公開されて気になるところですが、時代が変わっても魅力的な名作映画も観ておきたいものです。映画の魅力は、年齢性別関係なく一作の映画でいくらでも盛り上がれるところ。映画好きということで仲良くなったり、映画から教えられることも多く面白いです。というわけで、【シネマの時間】第19回は、クリスマスをテーマにした心温まる名作映画を集めてみました!数あるクリスマス映画から、人気の『ホリデー』『素晴らしき哉、人生!』『34丁目の奇跡』『ラブ・アクチュアリー』『めぐり逢えたら』『クリスマス・キャロル』『クーパー家の晩餐会』『ホームアローン』の8作品をご紹介しています。映画『34丁目の奇跡』©YUMIMOROTO■映画『ホリデー』一生に一度だけ、誰にでも運命の休暇がある映画の舞台はアメリカとイギリスのクリスマスシーズン。キャメロン・ディアス、ジュード・ロウ、ケイト・ウィンスレット、ジャック・ブラックら豪華スターが競演する小粋でハートフルなロマンティック・コメディです。ハリウッドで映画予告編製作会社を経営するアマンダと、ロンドン郊外に住む新聞記者のアイリス。クリスマス直前になってそれぞれ失恋したふたりは、ネットを介してお互いの家や車を交換して休暇を過ごす“ホーム・エクスチェンジ”をすることに。アマンダはロンドンに、アイリスはビバリーヒルズに旅立ち、期せずして人生の新たな一歩を踏み出していきます……。監督は『恋愛適齢期』『マイ・インターン』のナンシー・メイヤーズ。大人の恋を丁寧に描き、心に響く名言や映画好きをニヤリとさせる小粋な会話、クリスマス気分を盛り上げてくれる音楽やインテリアも素敵でおすすめです!映画『ホリデー』作品紹介原題:The Holidy製作年:2006年製作国:アメリカ配給:UIP上映時間:135分監督:ナンシー・マイヤーズ製作総指揮:スザンヌ・ファーウェル製作:ブルース・A・ブロックナンシー・マイヤーズ撮影:ディーン・カンディ音楽:ハンス・ジマー美術:ジョン・ハットマン〈キャスト〉キャメロン・ディアス=アマンダケイト・ウィスレット=アイリスジュード・ロウ=グレアムジャック・ブラック=マイルズイーライ・ウォラック=アーサーエドワード・バーンズ=イーサンルーファス・シーウェル=ジャスパー■映画『素晴らしき哉、人生!』名匠フランク・キュプラ監督が贈る心温まるクリスマス映画の定番!1945年、クリスマスイブのニューヨークの街。誠実に周りのために真面目に生きてきた主人公のジョージは、人生に絶望し「生まれなければよかった」と自殺を図ろうとしていました。しかし、周囲の人々の祈りが天国まで届き、翼のないある老天使と巡り会います。天使はジョージの人生を振り返って、「あなたがいなければこの世はどんなに侘しいか」と主人公がいなかった世界を見せます。そして、ジョージは自分の人生がいかに素晴らしかったか、人生の意義を知ることにより、生きる喜びを取り戻すのでした。名匠フランク・キャプラ監督が贈るクリスマス映画の定番中の定番といえる永遠の名作です!映画『素晴らしき哉、人生!』作品紹介原題:「The Greatest Gift」原作者:フィリップ・ヴァン・ドレン・スターン 脚本: フランセス・グッドリッチ、アルバート・ハケット、フランク・キャプラ監督:フランク・キャプラ製作:フランク・キャプラ、リバティ・フィルムズ撮影:ジョセフ・ウォーカージョセフ・バイロック美術:ジャック・オッケイ音楽:ディミトリー・ティオムキン製作:1946年製作国:アメリカ上映時間:130分配給:日本RKOラジオ映画〈キャスト〉ジェームズ・ステュアート=ジョージ・ベイリードナ・リード=メアリー・ハッチライオネル・バリモア=ヘンリー・ポッターヘンリー・トラヴァース=クラレンストーマス・ミッチェル=ビリー・ベイリーボーラ・ボンディ=ジョージの母親■映画『34丁目の奇跡』夢を忘れた大人たちや夢を知らない子どもたちへ。 “サンタは奇跡を起こせるんだ"ニューヨーク、メイシー百貨店の催す感謝祭パレードの一番人気はサンタクロースの行進です。そのサンタは人事係のドリスに選ばれたクリングル老人。クリングルのサンタは評判を呼びますが、現実家のドリスはひとり娘のスーザンが彼を本物のサンタだと思い込んだため、クリングルに説明を頼みました。しかしクリングルは彼女の言葉に従わず、自分はサンタだと言い張ってしまいます。やがて、妄想狂と見なされた彼は精神病医を殴るという事件を起こし、ドリスのアパートの向かいに住む弁護士フレッドの助けを借りて遂に裁判が開かれるのですが……。本物のサンタクロースを自称する老人が巻き起こす騒動を通じて、夢を信じることの素晴らしさを歌い上げたハートフルな愛と奇跡の物語。ナタリー・コール、エルビス・プレスリー、レイ・チャールズなど、豪華アーティストの音楽が劇中で使われ、クリスマス気分をロマンティックに彩ります!映画『34丁目の奇跡』作品紹介原題:Miracle on 34th Street原案:バレンタイン・デイビス監督:レス・メイフィールド脚本:ジョージ・シートン、ジョン・ヒューズ製作総指揮:ウィリアム・ライアン、ウィリアム・S・ビーズリー製作:ジョン・ヒューズ撮影:ジュリオ・マカット美術:ダグ・クレイナー音楽:ブルース・ブロートン製作年:1994年製作国:アメリカ配給:20世紀フォックス上映時間:114分〈キャスト〉クリス・クリングル=リチャード・アッテンボロードリー・ウォーカー=エリザベス・パーキンスブライアン・ベッドフォード=ディラン・マクダーモットヘンリー・ハーパー= ロバート・プロスキースーザン・ウォーカー=マーラ・ウィルソンエド・コリンズ=J・T・ウォルシュ■映画『ラブ・アクチュアリー』クリスマスシーズンのロンドンを舞台に男女19人が織りなすアンサンブル・ラブストーリー!映画『ノッティングヒルの恋人』『ブリジット・ジョーンズの日記』の製作スタッフが、クリスマス間近のロンドンを舞台に、男女19人が織りなすさまざまな恋愛模様を同時進行で描くアンサンブル・ラブストーリー!美しくロマンティックな12月のロンドン。新たに英国の首相となったデヴィッドは、国民の熱い期待とは裏腹に、ひと目惚れした秘書のナタリーのことで頭がいっぱいです。一方街では、義理の息子の熱烈片思いをサポートする父親、親友の新妻に恋した画家、言葉の通じないポルトガル娘に恋したミステリー作家など、年齢も職種も違う男女の恋物語は、切なくも心温まり共感できるエピソードばかり。ヒュー・グラント、リーアム・ニーソン、エマ・トンプソンなど、新旧の人気英国人スターを中心とした実力派俳優陣の豪華共演をどうぞお楽しみください!映画『ラブ・アクチュアリー』作品紹介原題:Love Actuary脚本監督:リチャード・カーティス製作:ティム・ヴィーヴァン、エリック・フェルナー、ダンカン・ケンワシー製作総指揮:モハメド・アル=ファイド、リチャードカーチス撮影:マイケル・コールター編集:ニック・ムーア音楽:クレイグ・アームストロング製作年:2003年製作国:アメリカ・イギリス合作配給:UP上映時間:135分〈キャスト〉ヒュー・グラント=英国首相デヴィッドリーアム・ニーソン=ダニエルエマ・トンプソン=カレンアラン・リックマン=ハリーコリン・ファース=ジェイミーローラ・リニー=サラキーラ・ナイトレイ=ジュリエット■映画『めぐり逢えたら』恋はクリスマス・イヴに始まり、愛はバレンタインデーに訪れる映画『めぐり逢えたら』作品紹介原題:Sleepless in Seattl原作:ジェフ・アーチ監督:ノーラ・エフロン脚本:ノーラ・エフソン、デビット・S・フォード製作総指揮:パトリック・クローリー、リンダ・オブスト製作:ゲイリー・フォスター撮影:スペン・ニクビスト美術:ジェフリー・タウンセンド音楽:マーク・シャイマン衣装:ジュディ・L・ラスキン編集:ロバート・ライターノ製作年:1993年製作国:アメリカ上映時間:105分〈キャスト〉トム・ハンクス=サム・ボールドウィンメグ・ライアン=アニー・リードビル・プルマン=ウォルターロス・マリンジャー=ジョナロージー・オドネル=ベッキーロブ・ライナー=ジェイシカゴに住む建築家のサムは、癌で妻を亡くしたばかり。ひとり息子のジョナは、落ち込む父親のために新しい奥さんが必要と、クリスマスの晩にあるラジオ局の相談番組に電話をします。同じ頃、ボルチモアに住む新聞記者のアニー・リード(メグ・ライアン)は、婚約者ウォルターを伴って実家のクリスマス・パーティに出席、母親から両親の運命の出会いを聞かされるアニー。その帰路、偶然聞いていたラジオの相談番組で、「落ち込んでるパパに新しい奥さんを」と語る8歳の少年ジョナーの相談と“シアトルの眠れぬ男”サムが切々と語る亡き妻の思い出に、アニーは思わず涙します。ラジオの反響は大きく、ラジオ局には電話が殺到、サムの下には大量のラブレターが届きます。アニーも心惹かれ、サムにコンタクトしようとするのですが……。トム・ハンクスとメグ・ライアンによる豪華共演で贈るハートフルな大人のラブ・ストーリー!ケーリー・グラント主演の1957年の名作『めぐり逢い』が物語全体のモチーフとなっているのをはじめ、『打撃王』『特攻大作戦』など引用した心憎い演出も見どころです。■映画『クリスマス・キャロル』英国の文豪チャールズ・ディケンズの同名小説をミュージカル映画化!英国が生んだ世界的文豪、チャールズ・ディケンズの代表作をロナルド・リーム監督がミュージカル映画化!19世紀半ば、クリスマス・イブを迎えたロンドンは街中に賛美歌が流れ、活気に溢れています。しかし、スクルージの事務所だけは、別世界。彼は徹底したケチで思いやりのない老人でした。街の人々からの悪口をよそに、スクルージが帰宅するとどこかから、自分を呼ぶ恐ろしい声が聞こえてきました。それは7年前に他界した共同経営者マーレイの亡霊でした。彼は、今夜3人のクリスマスの過去、現在、未来の亡霊が訪れると言い残して姿を消してしまいます。これは夢に違いないとスクルージは思うのですが……!ロンドンの下町に繰り広げられる人々の喜びと悲しみを慈愛に満ちたミュージカルに仕立てたヒューマンドラマ。家族や恋人、大切な人と観たい素敵なクリスマス映画の定番です!映画『クリスマスキャロル』作品紹介原題:Scrooge原作:チャールズ・ディケンズ脚本:レスリー・ブリッカス監督:ロナルド・ニーム製作:ロバート・H・ソロ製作総指揮:レスリー・ブリッカス撮影:オズワルド・モリス美術:テレンス・マーシュ音楽:レスリー・ブリッカス、イアン・フレイザー、ハーバート・スペンサー製作年:1970年、製作国:アメリカ上映時間:111分配給:東和〈キャスト〉アルバート・フィニーアレック・ギネスイーディス・エヴァンスケネス・モアマイケル・メドウィンスザンヌ・ネヴケイ・ウォルシュゴードン・ジャクソン■映画『クーパー家の晩餐会』クリスマスイヴの1日を舞台に愛とユーモア溢れる感動作!家族が一堂に集まるアメリカのクリスマスイヴ。クーパー一族がクリスマスの晩餐会に持ち寄ったのは、色とりどりの嘘。イブの朝、シャーロットは一大決心を固めていました。4世代11人の一族が集まる今日の夜を「完璧なクリスマス」にするのだと。夫のサムとの離婚が決まり、一家全員の団らんはこれが最後になるからです。しかし、秘密を抱えているのは彼女だけではありませんでした。最悪の晩餐会の最高に美味しい結末とは……?『I am Sam アイ・アム・サム』のジェシー・ネルソン監督のもとダイアン・キートン、ジョン・グッドマンなど豪華名優らが共演!ハッピーもハプニングも人生を丸ごと味わう術を教えてくれる愛とユーモア溢れるホームコメディ。劇中、クーパー家のクリスマスのインテリアの飾り付けや、美味しそうなクリスマスディナーの数々も見逃せません!映画『クーパー家の晩餐会』作品紹介原題:Love the Coopers監督:ジェシー・ネルソン製作:マイケル・ロンドン、ジェシー・ネルソン、ジャニス・ウィリアムズ製作総指揮:キム・ロス、アンナ・カルプ、テッド・ギドロウ、スティーブン・ロジャース、ダイアン・キートン脚本:スティーブン・ロジャース撮影:エリオット・デイビス美術:ベス・ルビーノ音楽:ニック・ウラタ衣装:ホープ・ハナフィン編集:ナンシー・リチャードソン製作年:2015年製作国:アメリカ配給:ギャガ上映時間:107分〈キャスト〉ダイアン・キートン=シャーロットジョン・グッドマン=サムアマンダ・セイフライド=ルビーオリビア・ワイルド=エレノアアラン・アーキン=バッキーエド・ヘルムズ=ハンクマリサ・トメイ=エマ公式HP■映画『ホーム・アローン』家族みんなで楽しめるクリスマスファミリー・コメディー!パリでクリスマスを過ごそうと慌てて飛行機に乗り込んだ15人の大家族。しかし、飛行機の中で思い出した大事な忘れ物は……8歳になる末っ子のケビン少年でした!家に取り残されたケビンは、うるさい家族がいなくなったことを喜び、ひとりの自由を満喫。なんとそこにふたり組の泥棒が現れて……!家族みんなで楽しめる、マコーレー・カルキン主演の大ヒットクリスマスコメディ映画シリーズ第1弾です。映画『ホーム・アローン』作品紹介原題:Home-Alone監督:クリス・コロンバス脚本:ジョン・ヒューズ製作総指揮:マーク・レビンソン、スコット・ローゼンフェルト、ターキン・ゴッチ製作:ジョン・ヒューズ撮影:ジュリオ・マカット美術:ジョン・ムート音楽:ジョン・ウィリアムズ編集:ラージャ・ゴスネル製作年:1990年製作国:アメリカ上映時間:103分配給:20世紀フォックス〈キャスト〉マコーレー・カルキン=Kevinジョー・ペシ=Harryダニエル・スターン=Marvジョン・ハード=Peterロバーツ・ブロッサム=Marleyキャサリン・オハラ=Kate■クリスマスに観たい心温まる名作映画クリスマスを舞台にしたお洒落なラブストーリーから、今後の人生のヒントになりそうな感動作まで素敵な作品ばかり。ひとりでも良し、お友達と、恋人と、ご家族で、どうぞお楽しみください!絵・文=諸戸佑美
2017年12月21日©YUMIMOROTOこんにちは。アートディレクターの諸戸佑美です。あっという間に年の瀬で、皆さんも慌ただしい毎日をお過ごしかと思います。映画好きとしてはクリスマス映画、お正月映画と気になる季節でもありますね。「シネマの時間」第18回は、札幌在住のミステリー作家・東直己氏の累計160万部を越える代表作「ススキノ探偵シリーズ」を実写映画化した映画『探偵はBARにいる3』をお送りします!本作は、アジア最北の札幌ススキノの歓楽街を舞台に、縦横無尽に駆け回る探偵の活躍をハードボイルド&痛快に描き、2011年『探偵はBARにいる』で初の映画化。主人公の探偵は、『探偵はBARにいる』1作目で第35回日本アカデミー賞優秀主演男優賞を受賞した大泉洋、その相棒の高田は同作で日本アカデミー賞優秀助演男優賞、映画『船を編む』にて第37回日本アカデミー賞最優秀賞主演男優賞を受賞した松田龍平が演じます!このふたりのコンビが、相性ぴったりで絶妙なのです!ハードな世界観に笑いも散りばめて、絶妙なハーフボイルドに落とし込み、唯一無二の存在感を発揮。1作目にして日本アカデミー賞優秀作品賞をはじめ、数々の映画賞を受賞し、映画史に残る名コンビとして幅広い世代の心をつかむことになりました。続く2013年に公開された『探偵はBARにいる2ススキノ大交差点』もヒットを記録し、待ちに待たれた第3弾がいよいよ12月1日(金)より全国ロードショーです。謎多き美しいヒロインに北川景子を迎え、俳優としてさらなる飛躍を遂げたふたりが、ついにススキノに帰ってきました。メガホンをとったのは、国民的人気を誇ったNHK連続テレビ小説「あまちゃん」、「サラリーマンNEO 劇場版(笑)」、「疾風ロンド」を手がけた吉田照幸監督。ハードボイルドミステリーでありながら、男同士の友情やヒロインとの刹那的な男女の関係など極上のエンターテインメントとして楽しめる本作。アクションシーンや札幌ススキノの歓楽街をはじめ、北海道のさまざまな名所のロケーションも見どころです!■映画『探偵はBARにいる3』あらすじ――命を燃やすものは、あるか?札幌にあるアジア最北の歓楽街・ススキノ。この街の裏も表も知り尽くす探偵のもとに、相棒である高田が人探しの依頼を持ち込んできます。依頼主は高田(松田龍平)の後輩の原田(前原滉)で、突然失踪した恋人の麗子(前田敦子)を探してほしいというもの。失踪した女子大生・麗子について調査を開始した探偵たちは、モデル事務所の謎めいた美人オーナー、マリに翻弄されるうちに、いつしか大きな事件に巻き込まれていきます。店を嗅ぎまわっていたことがバレてしまい、ほどなくマリが、屈強な男たちを引き連れて探偵と高田の前に現れます。この話に手を出すんじゃないとボコボコにされるふたり。空手の師範代で喧嘩にめっぽう強い高田ですら、波留(志尊淳)という青年を前に完敗し、事態はただならぬ様相を呈します。それでも懲りずに調べを続ける探偵。昔なじみのヤクザの相田(松重豊)や、新聞記者の松尾(田口トモロヲ)というおなじみの仲間から、“ピュアハート”のバックには、札幌経済界で頭角を現している北城グループの社長・北城(リリー・フランキー)という黒幕がいることを聞き出すのです。マリは北城の愛人でした。軽い気持ちで依頼を受けた探偵でしたが、麗子が“ピュアハート”というモデル事務所を装った風俗店でアルバイトしていたことを突き止めます。そしてその店のオーナーと名乗る美女、岬マリ(北川景子)と偶然すれ違い、どこかで見た顔だと、そこでマリと以前に会っていたことを、ようやく思い出します。なじみの元娼婦・モンロー(鈴木砂羽)がかわいがっていた、頼りなく震えていた若い女性の姿……。失踪のカギを握るのはマリだと見当をつけ早速、マリの過去を知るモンローを探し訪ねる探偵。そんななか、探偵はマリの巧妙な罠に落ちてしまいます。北城のサディスティックな拷問を受け、文字通り死にかけるのですが、高田と共に命からがらピンチを切り抜けます。しかし今度はマリ共々、北城に追われるハメに。実はマリも昔会った探偵のことを覚えていたのでした。そしてマリは探偵にある相談をするのです。「助けてください。あなたしか頼る人がいない」それはマリのすべてをかけた切なすぎる依頼でした。物語は一気にクライマックスに……!本作は、北海道出身で深夜番組「水曜どうでしょう」(HTB/96〜)でブレイク、演劇ユニットTEAM NACSに所属しながらNHK大河ドラマや『駆け込み女に駆け込み男』などの映画に主演し、活躍めざましい大泉洋が、誰もが認めるはまり役で地元・北海道を舞台に生き生きと演じる様が楽しい。相棒の飄々としていながら喧嘩にめっぽう強い高田演じる松田龍平も魅力的!夏の北海道も良いですが、雪の舞降る冬の北海道も美しく、物語とあいまって深い余韻を残します。ぜひ映画館でお楽しみください!■映画『探偵はBARにいる3』作品紹介2017年12月1日(金)より渋谷TOEI、TOHOシネマズ新宿ほか全国ロードショー!公式ホームページ原作:東 直己「ススキノ探偵」シリーズ(ハヤカワ文庫)監督:吉田照幸脚本:古沢良太音楽:池 頼広製作:多田憲之、亀山慶二、木下直哉、間宮登良松、畠中達郎、伊藤亜由美、香月純一、樋泉実、狩野隆也、山田裕之、広瀬兼三、吉村和文、伊藤裕章、森君夫、早川浩企画プロデュース:須藤泰司Co.エグゼグティブプロデューサー:佐々木基プロデューサー:栗生一馬、川田亮、八木征志キャスティングプロデューサー:福岡康裕音楽プロデューサー:津島玄一ラインプロデューサー:林周治撮影:田中一成Bカメラ:古長真也照明:吉角荘介美術:福澤勝広装飾:大庭信正録音:田村智昭整音:小林喬編集;只野信也音楽:池頼広スタントコーディネーター:辻井啓司、出口正義視覚効果:豊直康スクリプター:北濱優佳スチール:奈良則孝助監督:増田信弥製作担当:曽根晋、片平大輔製作国:日本製作年:2017年映倫区分:G配給:東映上映時間:122分(C)2017「探偵はBARにいる3」製作委員会■映画『探偵はBARにいる3』キャスト大泉洋=探偵松田龍平=高田(相棒)北川景子=マリ前田敦子=諏訪麗子鈴木砂羽=モンローリリー・フランキー=北城仁也田口トモロヲ=松尾志尊淳=波留マギー=源安藤玉恵=峰子正名僕蔵=教頭先生篠井英介=フローラー松重豊=相田絵・文=諸戸佑美(アートディレクター・編集ライター・イラストレーター)
2017年11月26日©YUMIMOROTOこんにちは。諸戸佑美です。『DRESS』シネマの時間第17回は、フランスを代表する二大女優、映画『シェルブールの雨傘』『8人の女たち』のカトリーヌ・ドヌーヴと『大統領の料理人』のカトリーヌ・フロの豪華共演!愛と自由の国フランスから届いた、人生を豊かに彩るためのメッセージ!映画『ルージュの手紙』をお送りします。『ヴィオレットある作家の肖像』『セラフィーヌの庭』で女性の生涯を丁寧に描き出し、優れた演出力で定評のあるマルタン・プロヴォ監督が脚本も執筆。優秀なベテラン助産師ですがストイックで生真面目なクレール(フロ)と、自由奔放に生きる血の繋がらない母ベアトリス(ドヌーブ)が30年ぶりに出会い、お互いの生き方を見直してゆく心温まる感動作、人生を彩るためのメッセージです。出逢いって素晴しい。人に限らず、今どんな映画に出会って観るかも出会いのひとつだと思います。劇作家の寺山修司さんの言葉に「サヨナラだけが人生だ」という名言がありますが、幸せな出会いを育みたいものですね。もしも何もかも正反対な相手が突然現れて、自分を思いもしなかった素敵な未来へと導いてくれるとしたら?お楽しみいただければ幸いです!■映画『ルージュの手紙』あらすじ――愛と自由の国フランス、パリを舞台に30年ぶりに再開した血の繋がらない母と娘の物語フランス・セーヌ川が流れるパリ郊外で助産婦として働きながら、女手ひとつで息子を育てあげ、地道な日々を送っていたクレール(カトリーヌ・フロ)。そんな彼女のもとに、30年前に突然姿を消した、血の繋がらない母親ベアトリス(カトリーヌ・ドヌーヴ)から突然「今すぐ、あなたに会いたい」と電話が入ります。自由奔放で多くの男性と付き合い、お酒とギャンブルが大好きなベアトリスは、生真面目で他人に尽くす人生を送ってきたクレールとは真逆の性格。ベアトリスと再会したクレールは、身勝手な継母のペースに巻き込まれ、反発を繰り返しながらも、いつしかベアトリスの生き方に影響され、人生の歓びや愉しみに気づき始めます。性格がまったく違うふたりですが、互いを受け入れ、ベアトリスの古い秘密が明らかになることによって失われた年月が埋まっていくのです。継母と娘のユーモアのあるやりとりや、人生の歳月を重ねたからこそ変化する女同士の絆が、共感と感動を呼び起こすでしょう。失われた時間を埋めながら、彼女たちが見つけたものとは……。■自分を後回しにしがちで、他人のために働くあらゆる人達たちへ映画『ルージュの手紙』の原題は、「The Midwife」で助産婦という意味ですが、マルタン・プロヴォ監督が今回助産婦を主人公にしたのは、彼自身が生まれたとき、助産婦に命を救ってもらった感謝の気持ちから、彼女に捧げるために物語を作ったと言っています。そしてそれは、自分を後回しにしがちで他人のために働くあらゆる人達に、もっと自分を大切にして人生の楽しみや喜びを味わうことの素晴しさを気づかせてくれるのです。この職業を理解するために、監督は実際にたくさんの助産婦に会って話を聞き、冒頭の出産シーンなどリアルで印象的に演出されています。また、助産婦のクレールは、カトリーヌ・フロ、継母のベアトリスは、カトリーヌ・ドヌーヴのために書いたそうですがフランスを代表する二大女優の掛け合いがとにかく素晴しく見どころです!「そのコートは、やめて!老けて見える」「もっと自分のために時間を使わなきゃ」「男に冷たいのね」とベアトリスが言う台詞は、地味で生真面目な娘の幸せを願う母の気持ちがストレートに表れていてさすがプロヴォ監督だなと思いました。生と死とは、本当の自由とは、人生とは何か?やや深刻な題材を、フランス映画らしいユーモア溢れた語り口で軽やかに描き出した同作は、珠玉の人生讃歌として心に響きます。■映画『ルージュの手紙』作品紹介公式ホームページ年12月よりシネスイッチ銀座ほか全国順次ロードショー!© photo Michael Crotto This is the photo credit.©CURIOSA FILMS – VERSUS PRODUCTION – France 3 CINEMA This is the film production’s copyright line.原題:The Midwife監督:マルタン・プロヴォ脚本:マルタン・プロヴォ助監督:ジュリエット・マイヤール製作:オリビエ・デルボス製作総指揮:クリスティーヌ・ドゥ・ジェケル演出:キム・グエン撮影:イヴ・カペプロデューサー:オリヴィエ・デルボス編集:アルベルティーヌ・ラステラ衣装デザイン:バテシバ・ドレフェス美術:ティエリー・フランソワ音楽:グレゴワール・エッツェル写真:ミカエル・クロット日本語字幕:古田由紀子製作国:フランス製作年:2017年映倫区分:G配給:キノフィルムズ上映時間:117分■映画『ルージュの手紙』キャストクレール=カトリーヌ・フロベアトリス=カトリーヌ・ドヌーブポール=オリヴィエ・グルメシモン=カンタン・ドルヌールロランド=ミレーヌ・ドモンジョセシール、患者=ポーリーヌ・エチエンヌ病棟主任=オドレイ・ダナ
2017年11月06日©YUMIMOROTOこんにちは、諸戸佑美です。あっという間の毎日ですが、今年も残すところ3ヶ月となりましたね。『DRESS』シネマの時間第16回は、夢や希望を与えてくれて元気になれる映画『ドリーム』をご紹介させていただきます!1962年に米国人として初めて地球周回軌道を飛行した宇宙飛行士ジョン・グレン(グレン・パウエル)の功績を影で支えた、NASAの3人の黒人女性スタッフ、キャサリン・ジョンソン(タラジ・P・ヘンソン)、ドロシー・ボーン(オクタヴィア・スペンサー)、メアリー・ジャクソン(ジャネール・モネイ)の知られざる物語を描いたヒューマンドラマ。人種差別が激しい時代背景の中、幾多もの困難を乗り越え、NASA宇宙開発の発展に貢献した黒人女性数学者たちのチャーミングでカッコいい姿に、私も心打たれ勇気づけられました。すべての働く人々に贈る、勇気と感動の実話!彼女たちの明るく前向きな生き方は、明日も仕事をがんばろうという気持ちにさせてくれるでしょう。ぜひ映画館でお楽しみください。■映画『ドリーム』あらすじと見どころ――働くすべての人々へ贈る!宇宙開発史上の偉業を支え、新しい時代を切り開いた黒人女性たち東西冷戦下のアメリカとソ連が熾烈な宇宙開発競争を繰り広げ、人種差別がまだ色濃く残っていた1960年代初頭。ヴァージニア州ハンプトンのNASAラングレー研究所では、キャサリン・ジョンソン、メアリー・ジャクソン、ドロシー・ヴォーンといった優秀な黒人女性たちが計算手として西計算グループで働いていました。リーダー格のドロシーは管理職への昇進を希望しますが、上司ミッチェルに「黒人グループには管理職を置かない」と理不尽に却下され、出世のチャンスすらありません。メアリーは技術部への転属が決まりエンジニアを志しますが、トレーニングプログラムに参加するためには白人専用の大学に行く必要があると無理難題な条件を突き付けられます。天才的な数学者のキャサリンは黒人女性として初のハリソン(ケビン・コスナー)率いる宇宙特別研究本部に抜擢されますが、白人男性ばかりの職場の雰囲気は厳しく、女性である上に黒人という二重の差別を受け苦労することとなります。それでも3人は、国家の威信をかけたマーキュリー計画に貢献しようと奮闘します。理不尽で悔しい思いをさせられる場面に何度も遭遇しますが、とにかく明るく前向きです。卑屈になることなく冷静に苦難を乗り越える方法を考え、家族やまわりの協力を得て、自分の夢を実現していくのです。1961年4月12日、ソ連はユーリ・ガガーリンを乗せたボストーク1号で史上初の有人宇宙飛行を成功させます。ソ連に先を越されたNASAへの猛烈なプレッシャーのなか、キャサリンはロケットの打ち上げに欠かせない複雑な計算や解析に取り組み、その実力をついにハリソンに認められ、宇宙特別研究本部で中心的な役割を任されます。一方、ドロシーは、新たに導入されたIBMのコンピュータを使ったデータ処理の担当リーダーに指名され、メアリーは裁判所への請願が実り、なんと白人専用だった学校で技術者養成プログラムを受けるチャンスに恵まれるのです。また、夫に先立たれ3人の子どもをひとりで育てていたキャサリンは、教会で出会ったジム・ジョンソン中佐のプロポーズを受けることにします。仕事と家庭を両立させながら夢を追い求めることを諦めなかった3人は、NASAの歴史的な偉業に携わり、自らの手で新たな扉を開いていくのでした!そして1962年2月20日、宇宙飛行士ジョン・グレンがアメリカ初の地球周回軌道飛行に挑む日。打ち上げ直前に想定外のトラブルが発生し、NASAは非常事態に陥りますが、運命はいかに……!■豪華実力派俳優陣、スタッフ陣が集結!大ヒット上映中の映画『ドリーム』には、豪華実力派俳優人やスタッフ陣が集結!キャサリン役では、『ベンジャミン・バトン数奇な人生』のタラジ・P・ヘンソン。ドロシー役を『ヘルプ心がつなぐストーリー』のオクタビア・スペンサー。メアリー役を『ムーンライト』などにも出演している歌手のジャネール・モネイが演じ、その主演のトリオで見事全米俳優協会賞の最優秀アンサンブル賞に輝き、スペンサーがアカデミー賞助演女優賞にノミネートを果たしています。また、ハリウッドの大物スター、ケビン・コスナーや『ムーンライト』でアカデミー賞助演男優賞を受賞したマハーシャラ・アリががっちりと脇を固め、魅力的です。監督には『ヴィンセントが教えてくれたこと』のセオドア・メルフィがメガホンをとり、困難を乗り越えて自分の才能を発揮する女性たちを描いたお仕事ドラマとしても、人種差別や宇宙開発史を描いた社会派・歴史ドラマとしても見応えがある痛快エンターテイメントとして描き出し、幅広い観客層の熱い共感を呼び感動の声が続出!音楽界のスーパー・マルチアーティスト、ファレル・ウィリアムスが手がけたサウンドトラックも映像にマッチして素晴しく、主人公たちが着る1960年代の風俗を今に甦らせたカラフルなファッションもチャーミングで見逃せません!■映画『ドリーム』作品紹介2017年9月29日よりTOHOシネマズ新宿ほかにて大ヒット上映中!公式ホームページ原題:Hidden Figures監督:セオドア・メルフィ製作:ドナ・ジグリオッティ、ピーター・チャーニン、ジェンノ・トッピング、ファレル・ウィリアムス、セオドア・メルフィ製作総指揮:共同制作:原作:マーゴット・リー・シュッタリー脚本:アリソン・シュローダー、セオドア・メルフィー撮影:マンディ・ウォーカー編集:ピーター・ティッシュナー美術:ウィン・トーマス衣装:レネー・アーリック・カルファス音楽:ハンス・ジマー、ファレル・ウィリアムス、ベンジャミン・ウォルフィッシュ製作国:アメリカ製作年:2016年映倫区分:G配給:20世紀フォックス映画上映時間:127分■映画『ドリーム』キャストタラジ・P・ヘンソン=キャサリン・G・ジョンソンオクタビア・スペンサー=ドロシー・ボーンジャネール・モネイ=メアリー・ジャクソンケビン・コスナー=アル・ハリソンキルステイン・ダンスト=ビビアン・ミッチェルジム・パーンズ=ポール・スタフォードマハーシャラ・アリ=ジム・ジョンソンキンバリー・クイン=ルースグレン・パウエル=ジョン・グレンオルティス・ホッジ=レビ・ジャクソン
2017年10月24日こんにちは、諸戸佑美です。秋の気配を感じる季節になりましたね。『DRESS』読者の方々は、芸術・美術・アート・美しいものに関心を寄せる人が多いと思います。今回は、芸術の秋特集と銘打って映画『セザンヌと過ごした時間』をPICK UP!ピカソに「我々の父」、マティスに「絵の神様」と崇拝された近代画家の父ポール・セザンヌ。りんごを描いた静物画や風景画は、日本でも広く愛されていますが、セザンヌが現在の不動の評価を得たのは亡くなった後のことでした。太陽の日差しが降り注ぐ南仏プロヴァンス、芸術の都パリを舞台に、不遇の天才画家と不朽の名作「居酒屋」「ナナ」で有名な小説家ゾラとの人生を導く出会いと友情、創造の軌跡。美術コレクターでもあるダニエル・トンプソン監督が、本物のゾラ邸やセザンヌ邸でも撮影を行い、ドラマチックな史実をもとについに映画化。ぜひ、お楽しみいただければ幸いです!©YUMIMOROTO■映画『セザンヌと過ごした時間』あらすじ――南仏プロヴァンス〜芸術の都パリ。画家セザンヌと小説家ゾラ、友情と創造の実話!少年時代に出会ったセザンヌとゾラの絆は、境遇こそ違いますが共に成長し、芸術家になる夢で結ばれていました。初めての出会いは、1852年南仏エクス・アン・プロヴァンスでの中学校時代。貧しいよそ者として学校でいじめられていたゾラをセザンヌが助け、ゾラがお礼にとひと籠のりんごを贈ったのがきっかけでした。セザンヌは裕福な銀行家の息子、パリ生まれのゾラは、イタリア人技術者だった父を幼い頃に亡くし、母とふたり暮らしという境遇でした。その後、セザンヌはりんごの画家とも言われるほど生涯で多くの静物画を制作。「りんごひとつでパリを驚かせたい」としばしば口にしていたのは有名で、男同士の友情に心温まります。仲良くなった彼らが南仏の陽光の中で野山を戯れる光景は、その後の波乱に満ちた人生への忘れ得ぬ懐かしい思い出として印象的です。詩人を目指してひと足先にパリに出たゾラは、小説家としてのデビューを果たします。一方、セザンヌも画家を志しパリで絵を描き始め、アカデミーのサロンに応募するのですが、落選ばかりの創作の日々。巨匠にもこんな時期があったのかと興味深いです。その頃、セザンヌはゾラとともに、ピサロやモネ、ルノワールなどの新世代の画家たちと交流するようになり、その様子が見事に再現され、美術ファンにとっては見どころのひとつでしょう。やがてゾラは、1877年に出版した「居酒屋」が大ベストセラーとなり栄光の階段を上り、セザンヌは父親からの仕送りも断たれ、転落していきます。何もかもが正反対の状況になってしまったふたり。当然のようにギクシャクした関係となるのですが、ひたすら孤独に描き続けるセザンヌを支えたのは、ゾラの心のこもった手紙や援助でした。しかし、1886年ある画家の悲劇を描いたゾラの新作小説「制作」が発表され、セザンヌとゾラの友情に大きな変化をもたらすことに……。晩年、いかにセザンヌが近代画家の父と呼ばれるようになっていくのか、最後まで見逃せません!■フランス実力派俳優ギヨーム・ガリエンヌとギヨーム・カネの熱き競演!セザンヌには、自伝的な舞台を脚色・監督し2役で主演した『不機嫌なママにメルシィ!』がセザール賞作品賞を含む主要5部門に輝き、今やフランスで絶大な人気を誇る俳優ギヨーム・ガリエンヌが抜擢。ゾラには、『君のいないサマー・デイズ』『戦場のアリア』のギヨーム・カネが、落ち着いた小説家ゾラの人物像を深みをもって繊細に演じ、フランス実力派俳優の熱き競演に心躍ります。芸術家の喜びや苦悩をくっきりと浮かび上がらせ、セザンヌの絵画にも多く登場するサント・ヴィクトワール山などの南仏プロヴァンスの美しい風景、そしてパリに集う印象派の画家たちを見事に映像に再現して素晴しいです!観ているだけで、印象派の絵の中に惹き込まれるような感覚になれる、アート映画の決定版ともいえる作品です。嗚呼、フランス旅行に行きたくなりますね!■近代画家の父、ポール・セザンヌ(1839-1906)についてセザンヌは、モネ、ルノワールら同世代の画家から評価されただけでなく、20世紀を代表するピカソやマティスらに多大な影響を与えた画家として近代絵画の父と呼ばれています。セザンヌが影響を与えた芸術運動で最も有名なものがキュビスムでしょう。セザンヌの「自然を円筒、球、円錐によって扱う」「多視点」と呼ばれる表現方法は、ピカソがキュビスムのような斬新な表現に取り組むきっかけとなりました。ピカソは、セザンヌのことを「彼は私たち皆の父親のようなものでした」と語っています。セザンヌは、1895年、50歳代に入ってから開催した個展でようやく評価されるようになり、次世代の画家たちからも支持を得るようになりました。美術批評家のタデ・ナタンソンに「りんごの画家」と称賛され、セザンヌが描くりんごは心を奪われるようなかたちと色彩を持った美しいりんごだと評されました。彼の芸術が、多くの画家の着想の源となり、新たな絵画の表現の出発点となったことから、セザンヌは「近代絵画の父」と呼ばれるようになったのです。■ユーラシア旅行社にて映画公開記念ツアーも企画されています!2018年4月4日(水)発「フランス周遊、珠玉の世界遺産とプロヴァンスの村々へ13日間」ユーラシア旅行社にて2018年春出発!映画公開記念ツアーの企画もございます!セザンヌの生まれ故郷エクス=アン=プロヴァンスやパリへ。セザンヌの終の住処となったエクサンのアトリエも見学します。南仏から大西洋岸、北部、首都パリ、地方の村々までフランスの魅力を堪能する旅、素敵ですね。最小催行人員13名(最大20名)詳細は下記のサイトから資料をご請求ください。(国名のところに「WFY3希望(セザンヌの映画のサイトを見て)」とご記入頂ければ幸いです)映画公開記念ツアー案内ホームページ【旅行のお問い合わせ】株式会社ユーラシア旅行社ヨーロッパ担当03-3265-1640(平日10時~18時)出典:■映画『セザンヌと過ごした時間』作品紹介9月2日(土)よりBunkamuraル・シネマほか全国ロードショー近代絵画の父ポール・セザンヌ没後110年製作公式ホームページ©2016 – G FILMS –PATHE – ORANGE STUDIO – FRANCE 2 CINEMA – UMEDIA – ALTER FILMS原題:Cezanne et moi監督:ダニエル・トンプソン製作:アルベール・コスキ脚本:ダニエル・トンプソン撮影:ジャン=マリー・ドリュージュ編集:シルビ・ランドラ衣装:カトリーヌ。ルテリエ音楽:エリック・ヌブー製作国:フランス製作年:2016年映倫区分:G配給:フランス上映時間:114分■映画『セザンヌと過ごした時間』キャストギョーム・ガリエンヌ=ポール・セザンヌギョーム・カネ=エミール・ゾラアリス・ポル=アレクサンドリーヌ・ゾラテポラ・フランソワ=オルタンス・セザンヌフレイア・メーバー=ジャンヌセピーヌ・アゼマ=アンヌ・エリザベート・セザンヌイザベル・カンディエ=エミリー・ゾラローラン・ストーケル=アンブロワーズ・ヴォラール
2017年09月27日これまで『ハリー・ポッター』シリーズや『美女と野獣』をはじめ、数々の名作映画をオーケストラの生演奏とともに上映してきた「シネマ・コンサート(シネオケ)」。このほど、「スター・ウォーズ」シリーズ最新作『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』の公開を記念して、前作『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』を迫力満点のフルオーケストラ生演奏とともに大スクリーンで上映するフィルムコンサートが開催決定。「スター・ウォーズ」シリーズの日本公演は初めてとなる。「シネマ・コンサート(シネオケ)」といえば、大スクリーンで映画本編を鑑賞しながら、東京フィルハーモニー交響楽団によるライブ演奏を楽しめる、映画の枠を飛び越えた感動体験が話題の上映スタイル。アメリカやヨーロッパを始め世界各国で大人気を博しているが、意外にも「スター・ウォーズ」の公演は今回が日本初上陸。『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』のセリフや効果音はそのままに、音楽の部分はフルオーケストラで堪能できる。しかも、耳に残る映画音楽の名作を数々手がけてきた音楽家ジョン・ウィリアムズの代表的作品となる「スター・ウォーズ」のシネオケ初上陸だけに、世界で最も有名な“あのオープニングロール”は感涙ものとなりそうだ。2015年に公開された『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』は、全米興行収入ランキング歴代No.1を記録し、日本でも興行収入116億円の大ヒットとなり、新たな伝説を作り上げた。『最後のジェダイ』では、伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーとめぐり逢ったレイのその後が描かれる。砂の惑星ジャクーで家族を待ち続けていた孤独な女性レイは、なぜフォースの力に目覚めることができたのか?彼女の家族とは?そして彼女とルーク・スカイウォーカーとの関係とは…?また、少年のころから“祖父”であるダース・ベイダーを崇拝していたカイロ・レンは、彼の心に光を呼び戻そうとする父ハン・ソロを赤い十字型のライトセーバーで貫き、暗黒面にさらに傾倒していく。彼はなぜダース・ベイダーを受け継ごうとするのか…?さらに、父であるダース・ベイダーとの戦いを経て銀河に平和を取り戻したはずのジェダイの騎士ルーク・スカイウォーカーは、なぜ長い間、姿を消していたのか…?『フォースの覚醒』で生まれた謎と圧倒的なラストシーンは、大きな感動とともに、様々な憶測と想像をかき立て、全世界のファンたちの胸を躍らせている。衝撃のドラマが動き出す『スター・ウォーズ』最新作の前に、改めて新たな伝説の始まりを壮大なシネオケで堪能してみては?『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』inコンサートは【大阪公演】10月13日(金)大阪国際会議場グランキューブ大阪・メインホールにて19時開演(18時開場)、【名古屋公演】10月14日(土)日本特殊陶業市民会館フォレストホールにて17時開演(16時15分開場)、【東京公演】10月15日(日)Bunkamuraオーチャードホールにて昼13時開演(12時15分開場)、18時開演(17時15分開場)。『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』は12月15日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:スター・ウォーズ/フォースの覚醒 2015年12月18日より全国にて公開(C) 2015 Lucasfilm Ltd. & TM. All Rights
2017年08月18日プラダ(PRADA)から、新作アイウェアコレクション「シネマ」が登場。「シネマ」コレクション新作のインスピレーションとなったのは、1960年代。当時を彷彿とさせるクラシックなラウンドシェイプに、コンテンポラリーなディテールを組み合わせた。大きなアセテート性のフロントには、メタル素材のアッパーエッジを加えて、レンズを強調。カラーは、ブラックなどのベーシックカラーを基調にしたクラシック、ミディアム、ホワイトハバナに加え、新色のクリスタルグレー、クリスタルブルーなど幅広いバリエーションで展開される。また、この「シネマ」コレクション新作の登場に合わせて、フィルムが公開。一人の女性が、映画館に出かけるというシンプルなストーリーを、現実逃避とファンタジーによる遊び心を添えて、ユーモラスな世界へと昇華させている。【アイテム詳細】プラダ「シネマ」コレクション※現在店頭にて発売中。価格:39,000円取扱店舗:プラダブティック、プラダアイウエア取扱い専門店【問い合わせ先】ミラリ ジャパンTEL:03-3514-2950
2017年07月02日カン・ドンウォンが久々にファンタジック・ラブストーリーに挑む主演最新作『隠された時間』。このほど、本作待望の予告映像とポスタービジュアルがいち早くシネマカフェに到着した。少女スリン(シン・ウンス)は最愛の母を亡くし、義父に連れられ離島に引っ越してくる。新しい学校にも、家にも馴染めず孤独な日々を過ごしていた彼女は、自分と同様に親のない少年ソンミンと知り合う。2人に淡い恋心が芽生えかけたある日、同級生たちと出かけた立入禁止区域の洞窟で、スリンだけを残して3人の少年が姿を消してしまう。発見に結びつく手がかりもつかめず捜査が難航するなか、見知らぬ男(カン・ドンウォン)がスリンの前に突然姿を現し、「僕はソンミンだ」と言うが…。本作は、満月の日に行方不明になった少年が、なぜか大人の姿となって現れ、彼を唯一信じる少女との知られざる時間をファンタジックに映し出したラブストーリー。このたび解禁となった予告編は、少女スリンと幼いソンミンの出会いと、初々しい淡い感情のはじまりを予感させる映像から始まる。やがて、同級生たちと山へ冒険に出かけたスリンとソンミンは立ち入り禁止区域の洞窟に入ってしまい、そこでソンミンと同級生2人が行方不明に…。大規模な捜索がはじまり、マスコミも報道する中、混乱するスリンの前に、“時間を超え、大人の姿になって帰ってきた”と主張するソンミンが現れる。次第に心を通わせていく2人だが、謎の失踪事件の捜査は佳境を迎え、周囲の大人たちはスリンが正体不明の謎の大人に振り回されていると心配し、警察もソンミンの後を追うことに――。後半の緊張感が高まるスリリングな展開と、神秘的な映像が印象的な予告編に仕上がっている。あわせて解禁されたポスタービジュアルでは、作品のファンタジックな世界観を伝えるように、ひと筋の光の中で膝を抱えるカン・ドンウォンに、手を差し伸べるシン・ウンスが印象的な美しいビジュアル。「君だけは僕を信じてくれる?」というソンミンの心情を表したコピーも胸を打つ。作品ごとに華麗なる変身を遂げてきた人気俳優カン・ドンウォンは、本作では、外見は大人でいながら、心は少年という難しいキャラクターを繊細に表現。そして、ヒロインの少女・スリン役として、300倍の競争率を勝ち抜き、本作で鮮烈なデビューを飾ったシン・ウンスも新人女優とは思えない存在感を放っている。パク・チャヌク監督の『親切なクムジャさん』の演出部を経て、今回初の長編となるオム・テファ監督は、独創性豊かな物語をファンタジックに、かつスリリングな展開で描き上げており、期待が高まる。『隠された時間』は8月19日(土)、シネマート新宿ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2017年06月28日映画『砂の器』のシネマ・コンサートが2018年4月22日(日)、渋谷・NHKホールにて上演される。シネマ・コンサートとはシネマ・コンサートとは、名作映画のセリフや効果音はそのままに音楽パートを生演奏するという、映画をライブ感覚で楽しむ新しいエンターテインメント。これまで『ゴッドファーザー』『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『タイタニック』などの名作に加え、『ハリー・ポッター』シリーズ、『ラ・ラ・ランド』など、数々の洋画でシネマ・コンサートが行われてきた。本作『砂の器』のシネマ・コンサートは2017年8月に渋谷Bunkamuraオーチャードホールにて上演され、2日間の公演チケットが完売するなど好評を博した。演奏は日本フィルハーモニー交響楽団、ピアノは近藤嘉宏今回、追加公演の声が多く寄せられ再演が実現した『砂の器』は、松本清張原作の社会派ミステリーを映画化した作品だ。見所はなんといっても、後半のクライマックス40分間だ。気鋭の音楽家・和賀英良(加藤剛)が作曲した「宿命」を初演するシーン、緊迫した捜査会議シーン、和賀の回想として描かれる、お遍路姿の親子が四季折々の全国を旅するシーン。この3つのシーンを交互に織り交ぜながら、バックにはこのために作曲された組曲「宿命」が劇的に流れる。本コンサートでそんな「宿命」を演奏するのは、1992年ミュンヘン交響楽団との共演でデビュー以来、数多くの国内外のオーケストラで客演をはたす国内屈指のピアニスト近藤嘉宏。オーケストラ演奏は日本フィルハーモニー交響楽団が担う。また、スコアの復刻を担当した作曲家の和田薫が自ら指揮を務める。【詳細】映画『砂の器』シネマ・コンサート日時:2018年4月22日(日) 会場16:00/開演17:00(終演20:00予定)会場:渋谷・NHKホール住所:東京都渋谷区神南2丁目2-1上映作品:『砂の器』(松竹・橋本プロ=提携作品/1974年10月19日劇場公開)上演時間:2時間23分(途中休憩:20分あり)※上映作は2005年リマスター版指揮:和田薫演奏:日本フィルハーモニー交響楽団ピアノ:近藤嘉宏■チケットに関して価格:全席指定 9,800円(税込) ※未就学児入場不可一般発売日:2018年1月26日(金)※2017年12月11日(月)より先行受付あり/詳細は公式サイト参照URL:©1974・2005 松竹株式会社 / 橋本プロダクション
2017年05月21日書籍『世界シネマ大事典』が、2016年12月9日(金)より発売される。『世界シネマ大事典』は、イギリスQuintessence社刊行の”THIS IS CINEMA”の日本語版。オールカラー576ページ、図版総数1,100点以上という豪華な内容で映画製作のバックステージへと導く。幻想映画、ホラー映画、SF映画、コメディ、そしてロマンス……。撮影技術の発展や多種多様なカメラワークがあみだされ、映画は世界各地の社会、技術、歴史、経済といった文脈と密接に関係しながら発展を続けてきた。本書では映画草創期から21世紀の現在に至る古今東西の名作映画を、年代別およびジャンル別に網羅。サイレント映画を紹介する第1章からはじまり、CGIと特殊効果による作品が並ぶ第6章まで、ジャンルごとに主要な作品や監督、俳優などについて、豊富なポスターや写真を用いて分かりやすく解説。さらに歴史年表を通して当時の社会や政治の状況もあわせて追うことができる。見開きで個々の映画をとりあげているページでは、作品についての評価も含めた短いエッセイ、写真を使ったあらすじの紹介、映画制作者のプロフィールや関連事項に関するコラムなどの多角的な解説も。日本映画では、黒澤明の『七人の侍』や宮崎駿の『千と千尋の神隠し』など4作品が詳しく紹介される。【詳細】書籍『世界シネマ大事典』 4,200円+税発売日:2016年12月9日(金)※発売日は地域によって異なる。著書:フィリップ・ケンプ 責任編集、遠藤裕子ほか訳体裁:B5変型判/576ページ
2016年12月12日あの国民的人気漫画「ONE PIECE」を、まさかの歌舞伎化したシネマ歌舞伎「スーパー歌舞伎IIワンピース」。まもなくシネマ歌舞伎として映画館で公開される本作から、歌舞伎界の若手二枚目俳優にしてドラマ「せいせいするほど、愛してる」出演でも話題を呼んだ中村隼人の劇中画像が、シネマカフェに到着した。単行本として世界最高の累計発行部数3億2,000万部を誇り、国内外で絶大な人気を集める「ONE PIECE」の世界と、四代目市川猿之助による「スーパー歌舞伎II」が奇跡の融合を果たしたシネマ歌舞伎「スーパー歌舞伎II ワンピース」。歌舞伎の古典的手法と最新の技術を駆使したエンタテインメント性あふれる演出に、瞬く間に口コミが広がりチケットは入手困難に。劇場には、小学生から年配層まで幅広い客層が押し寄せた。そんな舞台を、映像ならではのカットもふんだんに盛り込み、編集を重ねて2時間に凝縮、シネマ歌舞伎として公開されるのが本作。舞台は、あの頂上戦争編。大秘宝ワンピースを探す大いなる航海の次なるステップ・新世界への入り口となるシャボンディ諸島での海軍との戦いの中で、麦わらの一味は散り散りになってしまう。1人になったルフィ(市川猿之助)は兄・エース(福士誠治)の処刑宣告の知らせを聞き、救出に向かう。侵入不能の海底監獄を突破するルフィだが、エースは海軍本部に移送されてしまった後だった。そして、ついにその海軍本部を舞台に、エースを救おうとする海賊団やルフィと、海軍との間で壮絶な決戦が繰り広げられる!!本作品で隼人さんは、革命戦士イナズマに扮している。ルフィの兄・エースが囚われていた監獄にいた男で、監獄を脱出する際に看守たちと大立ち回りを披露する。監獄は火に包まれているが、その火を本物の水で消すというシーンでは、看守たちや監獄の所長と水浸しとなって戦うのだ。まさしく水も滴るイイ男になる隼人さん。その雄姿を、まずはこちらから確かめてみて。シネマ歌舞伎『スーパー歌舞伎IIワンピース』は10月22日(土)より東劇・新宿ピカデリーほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年10月10日「映画×アウトドア×ファミリー」をコンセプトに好評を得ている「ねぶくろシネマ」の第6弾が、10月8日(土)に開催されることが決定。今回は「ねぶくろシネマHalloween」と題し、この夏の大ヒット作品の元祖、1984年版『ゴーストバスターズ』を上映することになった。「ねぶくろシネマ」とは、2015年12月に調布に住む父親たちが、小さなこどもたちと一緒でも気楽に映画が観れるようにと、多摩川河川敷の橋脚をスクリーンにした“一夜限りの映画館”が始まり。前回8月には、海に隣接した葛西臨海公園にて、スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮の海賊の宝を巡る冒険ストーリー『グーニーズ』が上映された。ハロウィンを前にした今回は、半年ぶりに調布市の多摩川河川敷で開催。ニューヨークを舞台に、ちょっぴり頼りない科学者たちが幽霊退治に奮闘するSFコメディ『ゴーストバスターズ』を無料上映する。ねぶくろの持参は必須ではないそうだが、敷物やアウトドアチェアなど野外鑑賞の準備をして、ハロウィンの仮装をしながら雰囲気たっぷりの“ゴースト退治”に出かけてみては?「ねぶくろシネマHalloween」は10月8日(土)15時~(上映開始18時~)、調布市多摩川河川敷にて開催。※雨天中止。京王多摩川~京王稲田堤に架かる京王線鉄橋の足下の調布市側にて。※持ち物:ねぶくろ、敷物、アウトドアチェア、懐中電灯など(text:cinemacafe.net)
2016年09月28日遠藤商事・Holdings.は11月13日までの期間内、平日19時~限定で、シネマシティ運営の「Cinema Cafe(シネマカフェ) PIZZERIA BAR NAPOLI」(東京都立川市)にて、「赤白ワイン時間無制限飲み放題1,000円」を開催している。○赤白ワインが時間無制限飲み放題で1,000円に都会と自然が融合した多摩最大のターミナル駅「立川」で、エンタメ&アートをつむぐ映画館として誕生した"CINEMA TWO"。同店はその施設内にオープンしており、提供する窯焼きピッツァ、パスタ、タパスなどのメニューは「PIZZERIA BAR NAPOLI」の本格イタリアンだという。今回は、期間内平日19時~22時限定で「赤・白ワイン飲み放題」を1,000円(税別)にて提供する。 開催期間は、10月27日~11月13日の平日のみ。時間は、19時~22時(Loまで)。
2015年10月28日東京国立博物館は、移動映画館「キノ・イグルー」との共催によるイベント「博物館で野外シネマ」を開催する。開催日時は10月2日/3日 19:00~(1時間40分程度)。会場は東京都・上野の東京国立博物館本館前(上野公園内/野外開催時は人数制限無し、雨天時は先着380名で平成館大講堂にて実施)。鑑賞料は無料だが、当日の入館料(一般620円、大学生410円)が必要。「博物館で野外シネマ」は、東京国立博物館の本館前で映画を鑑賞できるイベントで、今回で2度目の開催となる。第2回の上映作品は、杉井ギサブロー監督によるアニメーション映画「銀河鉄道の夜」(1985年、KADOKAWA)。宮沢賢治は東京国立博物館を愛し、足しげく通ったことが短歌や手紙に残されている。ちなみに、多くの人が観覧できるよう、第1回よりも大きなスクリーンを用いるとのこと。加えて、上映期間中はアジアンフードを提供するケータリングカーが登場し、映画とともに食事を楽しむことも可能だという。また、「博物館で野外シネマ」上映日は、特別展「アート オブ ブルガリ 130年にわたるイタリアの美の至宝」(入館料とは別途料金が必要)を含め、22:00まで(入館は閉館の30分前まで)の特別夜間開館を実施。そのため、映画鑑賞後に展示室を観覧することが可能だ。同館はこのイベント開催に際して、「今回の企画により、今まで博物館に来る機会のなかった方にも、賢治同様に博物館をお楽しみいただきたいと思います」とのコメントを寄せている。なお、同イベントの参加に際して事前の申し込みは不要。このイベント以降も宮沢賢治関連の催事は予定されており、10月17日 14:00~16:00には宮沢賢治にまつわる曲を四重弦楽により奏でる演奏会「宮沢賢治生誕120周年記念特別演奏会」(会場:平成館ラウンジ)が開催される。こちらも事前申し込み不要で鑑賞料は無料(入館料別途)とのこと。
2015年09月08日シネマカフェがおすすめする、“いま”聞いて欲しいサウンドトラック紹介「シネマカフェ的サントラのすすめ」。夏休みならではのラインナップで映画館が賑わう中、残りの夏のBGMとしてもオススメの3枚を紹介する。■『バケモノの子』日本を代表するアニメ映画監督として新作が待望される細田守監督作『バケモノの子』のサウンドトラックは、前作『おおかみこどもの雨と雪』に引き続き高木正勝が音楽を担当している。劇場公開作品の音楽を高木正勝が担当しているのは、前述の『おおかみこども』をはじめ、蒼井優主演の『たまたま』や、ジブリのドキュメンタリー『夢と狂気の王国』など。その中でも特に『おおかみこどもの雨と雪』での、どこか母性的でやわらかいピアノを基調とした美しいメロディの数々は、映画を確かに感動的に彩っていた。これまでの細田守監督作の中でも、冒険譚として大きくファンタジー映画への舵取りをしたような本作のサウンドトラックは、ファンファーレのように鳴り響く管楽器や流麗なストリングスがめまぐるしく展開し、高木正勝のディスコグラフィの中でも屈指の力作と言えるほど素晴らしい一作。オーケストラを全面にフューチャーしたサウンドは、冒険譚をドラマチックに演出し、前作で感じられた母性から、本作では少年性が表現されているような、わくわくさせられるような楽曲ばかりだ。コンピューターを用いたエレクロニカ路線から、生演奏中心のアコースティックへとシフトしていった高木正勝だが、『バケモノの子』では電子音楽的な粒だったメロディや散りばめられたようなリズム感覚を、生楽器で演奏しているのが面白い。さらには、物語の舞台となる「渋天街」の、どこかオリエンタルな雰囲気を彩る笛の音色やお囃子のようなリズム、さまざまなパーカッションの音色やハンズクラップに至るまで、色彩豊かな本編と同様にカラフルな音色が楽しめる。そしてなにより高木正勝ならではピアノの旋律は、とにかく暖かい。今年の映画音楽の中でも、傑作に数えられる一枚だろう。■『躍るアイラブユー♪』陽光眩しいリゾート地を舞台としたミュージカルという点では『マンマ・ミーア!』を彷彿とさせる本作は、80年代ヒットソングの数々がフューチャーされたとにかく楽しい一作。以前紹介した『イミテーション・ラブ』のサウンドトラック同様、80年代の楽曲はリアルタイムで聞いたことがなくても、映画やドラマ、テレビなどで耳にしたことがあるようなものばかり。俳優たちの歌声が何よりの聞きどころなのがミュージカル映画のサントラだが、セリフ的な歌唱であったり、シーンの中での感情とともに表現されたりといったものが多い中、本作はほとんどが歌そのものをきっちり聞かせる作りで、サントラだということを忘れて聞くと、オムニバスアルバムを聞いているような感覚が味わえる。レオナ・ルイスの参加がひとつの聞きどころではあるが、特に本作は演奏がいい。80年代的なシンセサイザーに、切れのあるエレキギターやパーカッションなど、歌の背景になることなく80年代の雰囲気が現代的な演奏で楽しめる。遅めに起きた休日の朝を、マドンナの”Holiday” からはじまる本作はきっと気分を晴れやかにしてくれる。■『奇跡の2000マイル』アリス・スプリングスからインド洋まで、オーストラリア西部の砂漠を4頭のラクダと一匹の犬と共に2000マイル横断した女性の実話を、ミア・ワシコウスカ主演で描く本作。ロードムービーと言えばフォークソングやロックンロールなどの軽快なサウンドトラックが全編を彩る、というのが映画のひとつの定番としてあるが、カナダのダブルベース奏者であるGarth Stevensonが手がける本作の音楽は、どちかといえばアンビエントと呼ばれるような、空間的で広がりのある美しい音楽が全編で展開される。肌を焼く太陽のオレンジや、途方もなくどこまでも続いていくような砂漠、そして巻き上がる砂塵に汚れていく衣服、そんな美しいも険しいオーストラリアの景観の中で映画全体に漂う“渇き”に、すっと透き通るようなみずみずしいGarth Stevensonの音楽は、映画そのものに潤いをもたらしているような感覚をもたらす。そして、映画ではあまり明確にされることのない”旅にでる理由”や、登場人物たちが抱く感情や孤独に、この音楽は神秘的なまでの美しさを与えている。優しく控えめなピアノや繊細なフルート、ストリングス、そしてぼろりとならされるダブルベースの音色は、夏の午後に差し込む夕日との相性もきっといいはず。(text:Toshihiro Horiai)
2015年08月26日ケイ・ウノはこのほど、4月25日公開のディズニー映画最新作「シンデレラ」をモチーフにした新作ジュエリーをイオンシネマ5劇場にて販売開始した。○映画「シンデレラ」「アナと雪の女王」「マレフィセント」モチーフジュエリーを展示販売観賞直後の感動と余韻をかたちあるものとして残せる映画館でのジュエリー販売は、イオンシネマ5劇場限定となる。公開前から話題の映画「シンデレラ」をモチーフにしたジュエリーはもちろん、昨年公開され話題となった「アナと雪の女王」「マレフィセント」のジュエリーも同時販売を行う。映画館展示販売用に特別にデザインされた什器にはそれぞれの映画のアートがあしらわれ、ジュエリーの持つコンセプトをより引き立てる演出になっているという。期間は4月17日より、イオンシネマ5劇場での販売。対象のイオンシネマは、関東2劇場(板橋、みなとみらい)、東海1劇場(大高)、関西2劇場(大日、茨木)。
2015年04月25日2011年に閉館した映画館「恵比寿ガーデンシネマ」が、名称を「YEBISU GARDEN CINEMA」と変更し、恵比寿ガーデンプレイス内にリニューアルオープンする。オープン日は3月28日。このたびリニューアルオープンする「YEBISU GARDEN CINEMA」は、2011年に閉館した恵比寿ガーデンシネマを超える文化芸術の情報発信を行うことを目的として開業する。館内は、デザイン家電「amadana」の元クリエイティブディレクターで、「HOTEL CLASKA」「ユナイテッド・シネマ豊洲」などを手がけた鄭秀和が率いる建築デザイン事務所「インテンショナリーズ」がデザイン。2スクリーンに合計280席を設け、シートにはカップホルダー付きのワイドタイプとラグジュアリータイプを採用。4Kデジタルプロジェクターと7.1ch サウンドにて上映可能な環境を備える。また、オープニング第1弾となる上映作品は、『ダラス・バイヤーズクラブ』で2014年アカデミー賞3冠を獲得した注目の監督・ジャン=マルク・ヴァレが手がけた『カフェ・ド・フロール』。そのほか、イザベル・ユペール主演の『間奏曲はパリで』(4月4日公開)、『ラスト5イヤーズ』、『MOMMY/マミー』(どちらも4月25日公開)、『ゼロの未来』(5月公開)といったラインナップとなっている。今後はアート系映画の上映のほか、演劇やミュージカル、ファッション、クラシックコンサートなどの「ライブビューイング」などの取り組みも行い、恵比寿ガーデンプレイスや施設内テナントが企画するアートイベントなどとも連動していくとのことだ。
2015年02月10日TOHOシネマズの新劇場“TOHOシネマズアミュプラザおおいた”が4月16日(木)にオープンすることが決定した。劇場には巨大スクリーン“TCX”や、最新音響設備“ドルビーアトモス”が九州で初導入される。その他の画像“TOHOシネマズアミュプラザおおいた”は、大分駅ビル“JR おおいたシティ(アミュプラザおおいた)”内にオープンする10スクリーン、約1800席のシネマコンプレックス。劇場内には巨大スクリーン“TCX”や、立体音響“ドルビーアトモス”、米国クリスティ社製の映画館向けスピーカーシステム“ヴィヴ・オーディオ”、TOHOシネマズの他劇場でも好評を博しているプレミアボックスシート(R)が九州で初めて導入される。なお、TOHOシネマズは3月13日(金)にTOHOシネマズ六本木ヒルズをリニューアルし、4月10日(金)にTOHOシネマズ ららぽーと富士見を、4月17日(金)にTOHOシネマズ新宿をオープン。2016年春にTOHOシネマズ仙台(仮称)を、2017年秋には上野に新たな劇場をオープンさせる。TOHOシネマズアミュプラザおおいた4月16日(木)オープン
2015年01月14日イオンシネマによる忙しい主婦向けの新サービスとして開始された新企画「ママコンシェルジュ」がスタート。第1回イベントとして、14日にイオンシネマ板橋にて、絵本の読み聞かせと“ママの学校”と称した主婦向けの講座が開催された。その他の画像全国に74劇場を展開する「イオンエンターテイメント」と生活支援サービス事業を手掛ける「株式会社カジタク」の共同プロジェクトとして始まった同企画。忙しい母親たちを支援すべく、イオンシネマの劇場ロビーに「ママコンシェルジュ」カウンターを設置し、自宅へのハウスクリーニング出張や、家事代行サービス、ベビーシッターなどの相談や受付を行なう。それと同時に映画館を子育てのためのコミュニティの場として活用し、無料のプログラムで子どものためのイベントや母親のための様々な講座を展開していくという。この日のイベントは満員。子どもたちを連れた母親のほか、父親も含め家族全員で参加する人々の姿も見られた。通常の映画上映とは異なり、子育て中の母親と子どもたちのためのイベントということで、たとえ赤ちゃんがイベントの最中に泣き出すようなことがあっても気にしないでよいとの告知や、映画館に慣れない子どもたちのために真っ暗にするのではなく薄明りのままイベントを行うなど、様々な配慮が施されていた。絵本をスクリーンに映し出すという方式で5冊の本の読み聞かせが行われたが、クイズ形式の絵本では子どもたちが身を乗り出して答えるなど大盛況。子どもたちを飽きさせぬため、手遊びのゲームを交えるなど工夫が凝らされており、客席からは「楽しかった!」といった声が上がっていた。その後の「ママの学校」では家事を効果的に行い、時間を短くするための様々なアイディアを伝授。洗濯や食生活、健康などの知恵や知識についてクイズ形式で展開され、熱心に耳を傾ける母親たちの姿が見られた。今後、片づけをいかに効果的に行うか? 夫をイクメンにするにはどうしたらよいか? キャラ弁の作り方など各回ごとにテーマを設定し講座を展開予定。「ママの学校」の校長を務め、この日も講師として講座を行なった楠見敦美氏は子育て中の母親を取り巻く現状について「特に小さな子供を持つお母さんにとって、映画を映画館で楽しむというのはすごくハードルが高いんです」と語り、今回のプログラムを通じて「家事の代行サービスの存在や家事を効率よく行なえるいろんな技術を伝えることで、子育て中のママにも映画などを楽しんでもらえるようにしたい」と語った。特に地域の映画館を媒介することによって「単発のイベントとしてではなく、ママたちが交流できる場となれば」とコミュニティとしての役割にも期待を寄せていた。
2013年09月17日名作映画をオーケストラの生演奏とともに鑑賞できるコンサート「名作シネマとオーケストラ」(通称:シネオケ)のリハーサルが、7月17日、東京・上野の東京文化会館 大ホールで行われた。「名作シネマとオーケストラ」の公演情報シネオケは、最新のデジタル技術により、映画から台詞や歌以外のオーケストラ楽曲部分のみを完全に取り除き、その映画全編をオーケストラの生演奏とともに巨大スクリーンで鑑賞できるコンサート。昨年、佐渡裕が指揮をとった『ウエスト・サイド物語』で日本初上陸し、東京・大阪で2万人を超える観客が大絶賛した。今回は、ハンフリー・ボガートとイングリット・バーグマン主演のロマンス映画『カサブランカ』(2011年7月アメリカで初演)、ミュージカル映画の傑作『雨に唄えば』(2013年3月ロンドンで初演) 、アルフレッド・ヒッチコック監督のホラー映画の代表作『サイコ』(2010年7月アメリカで初演)の3作品が上演される。本公演で指揮を務めるニール・トムソンは、バーンスタイン、小澤征爾、クルト・ザンデルリングに師事し、ロンドン交響楽団などの指揮やコンクールの審査員を務めるなど、多才なイギリスの指揮者。シネオケの海外公演では『サイコ』『雨に唄えば』などで指揮を務めている。自身も『サイコ』楽曲のファンだというトムソンは、リハーサルで東京フィルハーモニー交響楽団の演奏者たちに情熱的に指示を出した。『サイコ』は、オープニングから音楽によって観客に緊張感を与え、全編を通して不安と恐怖心をあおる。トムソンは実際にメロディを口ずさみながら、音の強弱、メロディの抑揚などを細かく確認し、背筋が凍るようなドキドキ感と、張りつめた緊張感を演奏に吹き込んでいった。特に、クライマックスの「キッキッキッキッ」という鬼気迫るバイオリン演奏から押し寄せる恐怖は、生のオーケストラ演奏による臨場感があってこそ生まれるもの。これらの演奏が映画とひとつになったとき、これまでに味わったことのない感動を覚えるだろう。また7月19日(金)18時よりフジテレビのエンタメ情報番組『男おばさんL』の軽部真一と笠井信輔の両アナウンサーによるスペシャルトークショーも行われる。「“シネオケ”とは何か?」など、見る前に知ると一層面白くなるポイントを紹介する予定。同18時30分開演『サイコ』公演のチケット購入者のみ入場可能。取材・文:門宏■名作シネマとオーケストラ7月19日(金) 14:00開演 vol.2「カサブランカ」7月19日(金) 18:30開演 vol.4「サイコ」7月20日(土) 12:00開演 vol.2「カサブランカ」7月20日(土) 16:30開演 vol.3「雨に唄えば」7月21日(日) 12:00開演 vol.3「雨に唄えば」7月21日(日) 16:30開演 vol.4「サイコ」会場:東京文化会館 大ホール指揮:ニール・トムソン管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
2013年07月18日2013年5月に閉館する銀座テアトルシネマが、映画『声をかくす人』を皮切りに、名作を上映するクロージング上映会“さよならカウントダウン5”を27日(土)より実施することが発表された。その他の画像銀座テアトルシネマは1987年に開館し、27年間愛されてきた銀座一丁目に建つ映画館で、銀座テアトルビルの売却決定に伴う譲渡先と協議の結果、その歴史に幕を閉じることとなった。銀座エリアでは、新作だけでなく“今月の名画座”として古きよき作品を上映する映画館・銀座シネパトスも来年3月に閉館することが決まっており、単館系映画館が続いて消えてしまう結果となった。27日(土)より実施されるクロージング上映会の1本目の作品は、リンカーン大統領暗殺に加担した容疑でアメリカで初めて死刑になった実在の女性、メアリー・サラットの人生を軸に、大統領暗殺事件の新たな真実を描く『声をかくす人』。ほか、ジャン・レノが主演する、由緒あるレストランを守るために奮闘する姿を描いた人間ドラマ『シェフ!~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~』や『塀の中のジュリアス・シーザー』『アムール(原題)/Amour』『エンジェルズ・シェア(原題)/ The Angels’ Share』が上映されるという。また、27日(土)から来年5月3日(金)の期間中に、対象作品の鑑賞券半券で応募すると、映画のポスターやプレスシートなどのプレゼントがもられるキャンペーンも実施される。この機会に、銀座の文化を支えてきた歴史ある劇場に、足を運んでみてはどうだろうか。『声をかくす人』10月27日(土)より銀座テアトルシネマ他全国ロードショー『シェフ!~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~』12月22日(土) 銀座テアトルシネマ他全国ロードショー『塀の中のジュリアス・シーザー』2013年1月26日(土)銀座テアトルシネマ他全国ロードショー『アムール(原題)/Amour』2013年3月公開『エンジェルズ・シェア(原題)/ The Angels’ Share』2013年4月13日(土)公開
2012年10月26日出産後、映画館から足が遠のいてしまっている女性映画ファンに朗報!シネマカフェではママとベビーのための上映付ランチイベント、シネマカフェ「baby cafe」の開催が決定。第1回となる8月27日(月)は、注目の海外TVドラマ「PAN AM/パンナム」を9月のDVDリリースに先行して上映する。本イベントはお子様連れのお母様を対象に、おしゃれな空間で非日常を味わいながら、お料理と映画鑑賞を楽しんでいただくことを目的としたもの。映画館に行く機会は減ってしまったが、時には家ではなく大きなスクリーンで映画を観たいという女性読者の声が多く寄せられたことを受け、同内容のイベントとしては今回初めて実現した。上映作品は、お母様向けの最新話題作と親子で観たい良質作品、両方を軸にラインナップ。今後、ハロウィンやクリスマスなどの季節イベントも予定している。会場となる「COPON NORP」は食とアート、映画、音楽の融合を追及した表参道の隠れ家的なレストラン。お子様連れでは敬遠しがちな落ち着いた雰囲気のレストランを気兼ねなく利用できるのも本イベントならでは。とはいえ、場内にプレイスペースを設けたり、おむつ替えスペース、授乳スペースなども完備されているので、小さなお子様連れでも安心である。第1回目上映作品は最新海外TVドラマ「PAN AM/パンナム」。パンアメリカン航空(通称パンナム)で働く客室乗務員4人を主人公にした本作は、いつの時代も女性の憧れである華やかな空の世界を覗けるだけではなく、恋愛ドラマや60年代ファッションなど、女性が楽しめる見どころが満載。特にコンサバかつフェミニンな装いは“良き母”ファッションのお手本に!4人のリーダー格であるマギー役を演じるのは、ガーリーな魅力がキュートなハリウッド女優、クリスティーナ・リッチ。当日は第1話をDVDリリースに先駆けていち早く上映する。ハイブランドが軒を連ね、ファッションタウンとしてのイメージが強い表参道自体、近年キッズ・フレンドリーな街としておしゃれママからの注目度が上昇中。お子様とのお出かけに、子育ての息抜きに、ぜひ参加してみては?詳細・参加申し込みは特設ページから。cinemacafe.net baby cafe日時:8月27日(月)12:00開場会場:COPON NORP(東京・表参道)人数:親子20組、先着受付中料金:ランチお一人様3,000円(未就学児無料)■関連作品:PAN AM/パンナム [海外TVドラマ]© 2011 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.
2012年08月09日「第五回シネマプロットコンペティション2010」(主催:ユナイテッド・シネマ)のグランプリ作品発表イベントが11月18日(木)、ユナイテッド・シネマ豊洲で行われ、審査委員長を務めた森田芳光監督らが出席した。「これを映画にしたいしたら面白い」という思い、ひらめきのアイディアを一般募集し、優秀作品を選出、映画化する企画で、応募総数1,554作品から、主婦のクレーマーのある出来事を綴った、三村さゆりさんのプロット『クレーマー』がグランプリに選ばれた。山口県在住で、この日のために上京した三村さんは、森田監督から「発想は自身の経験から?」と聞かれ、「いえ、クレーマーらしき人を見かけて題材になると思って、1時間くらいで書きました」とサラリ。森田監督は「怖いですね」と強心臓ぶりに舌を巻き「彼女が自分でシナリオを書いて、監督もやったらいいですよ。性格もこう見えて図太そうです」と“寸評”。会場の笑いを誘った。三村さんには賞金30万円が贈られた。準グランプリ(賞金:10万円)には、死に場所をハンティングする若者と老人の交流を綴った、井上洋美さんの「死にハン。」。井上さんは「今日はちょっと調子に乗って帰って、明日から謙虚な自分に戻ります」と喜んだ。ほかに、ユナイテッド・シネマ賞(副賞:ユナイテッド・シネマ年間パスポート)に、「見守っちゃる。」を選出。今回の映像化作品は、テーマ部門でテーマ部門賞に輝いた馬場大介さんの「バルーンリレー」に決定した。その他の受賞作品の映像化は未定。一方、森田監督は自身のデビュー時をふり返り「こういう機会が30年前にあったら絶対応募したのに…原稿用紙200枚くらい書いて受かると思って投函していた人間ですから」とボヤキ節も。「誰も撮らせてくれないから、家を担保に借金して映画を作りました」と武勇伝を披露。受賞者らを激励(?)した。「シネマプロットコンペティション2010」公式サイト■関連作品:僕達急行 A列車で行こう 2011年秋、全国にて公開予定© 2011『僕達急行』製作委員会武士の家計簿 2010年12月4日より全国にて公開© 2010「武士の家計簿」製作委員会■関連記事:堺雅人仲間由紀恵の加賀友禅振袖姿にウットリ堺雅人主演!『武士の家計簿』劇場鑑賞券を5組10名様プレゼント堺雅人と仲間由紀恵が夫婦で節約に奮闘!『武士の家計簿』試写会に35組70名様ご招待森三中・黒沢と“夫婦”役の松山ケンイチ小雪との結婚の質問には…松山ケンイチ&瑛太が初共演コメディで“鉄ちゃん”コンビ結成!「運命的な感じ」
2010年11月18日2010年が明けました。シネマカフェ読者のみなさま、今年もよろしくお願いいたします。さて、このコラムですが、1月より装いも新たにスタートいたしました。タイトルは「シネマモード」。作品にまつわる話はもちろん、ファッション、インタビュー、パーティの話題なども交えて、より楽しいコラムにしていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。リニューアルの第一弾は、昨年から次々と映画化や舞台化されてきた“モードの女王”ガブリエル・ココ・シャネルのお話。ついに、『シャネル&ストラヴィンスキー』が、1月16日(土)に公開となります。昨年公開された2作『ココ・シャネル』、『ココ・アヴァン・シャネル』では、シャネルがどんな人物だったか、ビジネスウーマンとして、女としてどんな人生を歩んだのかが丁寧に描かれた伝記的側面が大きいものでしたが、この作品は、20世紀を代表するロシアの大作曲家、イゴール・ストラヴィンスキーとの恋愛に的を絞り、ココ・シャネルの思想、価値観により肉薄して、人物像をより具体的に浮き彫りにしています。不思議なもので、ひとつのことがらをクローズアップすることで、全てが見えやすくなるような気がすることも。それが、伝説的なパフューム「No.5」と傑作バレエ音楽「春の祭典」(ストラヴィンスキー作)が歴史に刻まれるための必然的な出会いなら、なおのことです。恋多き女と言われるシャネルですが、すべての恋愛をこと細かく解説していくよりも、ひとつの愛に焦点を当てることで、見えてくる魅力、人間性というのもあるのです。恋がどんな風に彼女の創作に影響したのか。男たちがなぜ彼女に惹かれ、なぜ惹かれながらも去って行ったのか。フランス映画らしく、無駄なセリフは少なく、演技も演出もしっとりとポエティック。20世紀初期のクラシカルかつアヴァンギャルドというアンビバレントな魅力をスモーキーカラーの映像に乗せて。監督は『ドーベルマン』、『ブルーベリー』などを撮った鬼才ヤン・クーネン。昨年から続いたシャネル関連映画の中でも、最もヨーロッパ映画らしさを漂わせているのがこの作品なのですが、スタイリッシュな作風が最もシャネルというブランドのイメージに近いとも言えるでしょう。もちろん、登場するきらびやかなファッションそのものにもうっとり。メゾンは、シャネルのコレクションやアーカイヴ、そしてココが実際に暮らしたパリ・カンボン通りのアパルトマンをも使用する許可を出し、多数の衣裳やアクセサリーの貸し出しにも応じたのだとか。前の2作もメゾンからの協力を受けているものの、さらに『シャネル&ストラヴィンスキー』では、現在のデザイナー、カール・ラガーフェルドが特別に制作した衣裳を用いています。最もシャネル社との協力関係が密になっている作品と言えるでしょう。それもそのはず、主演のアナ・ムグラリスは、カールの大のお気に入りで、彼にとってはここ数年創作の女神=ミューズであり続けている女性。『ココ・アヴァン・シャネル』の主演、オドレイ・トトゥも、シャネルNo.5のイメージキャラクターを務めてはいますが、アナとカールの関係は、2002年からとより親密です。親密な関係性ゆえ、ヤン・クーネンは当初、シャネルのミューズであるアナをココとして起用することに躊躇していたようですが、「彼女はココそのものだったから、そのことの方が大切だった」と起用を決めたとか。これ以上ないほど恵まれた環境で、本物に囲まれながら制作された『シャネル&ストラヴィンスキー』。20世を代表する世紀の女の美学にたっぷりと浸れる1作です。(text:June Makiguchi)■関連作品:シャネル&ストラヴィンスキー 2010年1月16日よりシネスイッチ銀座、Bunkamura ル・シネマ、新宿武蔵野館ほか全国にて公開© EUROWIDE FILM PRODUCTION■関連記事:香りと音楽に込めた恋『シャネル&ストラヴィンスキー』試写会に10組20名様ご招待ファッション小噺vol.109王道の伝記&ピグマリオン精神に見る“シャネル”
2010年01月15日