果たして『ラ・ラ・ランド』は何部門受賞するか?第89回アカデミー賞を前に、持ち上がる話題といえばこの1点だけだった。それだけに同作が作品賞を逃す波乱の結果(というより、前代未聞のハプニング)は映画ファンや業界関係者を大いに驚かせた。ただ、まず言わなければならないのは、大逆転を果たした『ムーンライト』が作品賞の栄冠に値する完成度を誇っているという点。貧困エリアで育った黒人少年の成長を描いた本作は、「自分とは何者なのか?」とアイデンティティを模索する姿が美しい映像と繊細な心理描写で描かれており、テーマそのものが文化や宗教を超えて非常に普遍的。観客によって、感情移入するキャラクターの視点も変わるため、不思議な余韻を味わえる一作だ。6部門を受賞した『ラ・ラ・ランド』、3冠達成の『ムーンライト』に続き、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』が主演男優賞&脚本賞、『ハクソー・リッジ』が編集賞&録音賞でそれぞれ2部門に輝いた。一方、『Fences』(原題)は助演女優賞を獲得するも、大本命と目されていた主演男優賞を逃したデンゼル・ワシントンが、目を真っ赤にし、悔しがる表情が印象に残る。応援していた『メッセージ』は音響編集賞のみの受賞で、少々残念である。後出しジャンケンのようで心苦しいが、冷静に受賞者リストを見返すと、非常にバランスが取れており、大混戦だった昨年以上に今年のノミネーションが多様性に富んでいたとわかる。『ラ・ラ・ランド』の独走を止めたのも、この多様性にほかならず、アカデミー会員が個々の作品の芸術性と革新性に、真摯に向き合った結果なのではないだろうか。さまざまな批判に対し、安易な決着をせず、オスカーなりの“本気”を見せる姿勢に、好感を抱く。司会のジミー・キンメルによる絶妙なトランプいじりのおかげで、セレモニー全体は当初の予想に反して、政治色は弱めだ。授賞式の幕開けは、ジャスティン・ティンバーレイクによる華やかなライブパフォーマンス。さまざまな人種のダンサー、ミュージシャンが客席を一体化させた熱狂は、いまのアメリカの目指すべき方向を示している。ツアー客へのどっきりや、俳優本人に悪口ツイッターを読ませるなど、基本的には楽しい演出が多かった。もちろん、明確な反トランプ発言もあった。例えば、アニメ賞のプレゼンターを務めたメキシコ出身の俳優ガエル・ガルシア・ベルナルは、「メキシコ人として、移民労働者として、そして人間として、国境の壁に反対です」と明言。その直後に、アメリカの長きにわたる繁栄を支える多様性を描いた『ズートピア』が「長編アニメーション映画賞」に輝くと、共同メガホンをとったリッチ・ムーア監督は、「寛容さは、他者への恐怖より力強い」とスピーチした。また、トランプ大統領が署名した7か国の市民入国を一時的に禁止する大統領令に抗議し、外国語映画賞候補になったイラン映画『セールスマン』のアスガル・ファルハーディー監督、主演のタラネ・アリシュスティは授賞式出席を辞退。ファルハーディー監督は『別離』に続き、見事2度目の外国語映画賞に輝いたが、代理として米在住のイラン人女性がオスカー像を受け取り、「偏見を壊すのが映画の役目」と監督からのメッセージを代読した。(text:Ryo Uchida)
2017年02月28日第89回アカデミー賞の授賞式が27日(現地時間26日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のケイシー・アフレックが主演男優賞を獲得した。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』は、ボストン郊外で便利屋として生計を立てている主人公が、兄の死をきっかけに故郷のマンチェスター・バイ・ザ・シーへと戻り、16歳の甥の面倒を見ながら過去の悲劇と向き合っていく物語。マット・デイモンがプロデュースを務めた。ケイシー・アフレックは「私にとって大きな意味を持つものです。ありがとうございます」「圧倒されています」と感無量の様子。「私がここにいるのは、多くの方たちの才能があるからです。そして何よりも、ケネス・ロナーガン監督のおかげです」と話し、プロデューサーのマット・デイモンにも感謝した。主演男優賞には、ケイシー・アフレックのほか、『ハックソー・リッジ』のアンドリュー・ガーフィールド、『ラ・ラ・ランド』のライアン・ゴズリング、『はじまりへの旅』のヴィゴ・モーテンセン、『フェンス』のデンゼル・ワシントンがノミネートされていた。WOWOWプライムでは、2月27日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日18時からダイジェスト版も放送する。(C)2016 K Films Manchester LLC. All Rights Reserved.
2017年02月27日第89回アカデミー賞の授賞式が27日(現地時間26日)、アメリカ・ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催され、『フェンス』のヴィオラ・デイヴィスが助演女優賞を受賞した。デンゼル・ワシントンが監督・主演を務め、作家オーガスト・ウィルソンの戯曲を映画化した同作で主人公の妻を演じたヴィオラ・デイヴィスは、「私はアーティストになりました。神に感謝しています。私たちだけが人生を生きること、祝うことができる職業だからです」と熱いスピーチで魅了。「この映画は人を描いた物語です。そして、言葉、人生、許しを描いたものです」と作品を紹介し、オーガストやデンゼル・ワシントンをはじめとする作品に関わった人たちや、両親や兄弟などへの感謝を述べた。助演女優賞には、ヴィオラ・デイヴィスのほか、『ムーンライト』のナオミ・ハリス、『LION/ライオン ~25年目のただいま~』のニコール・キッドマン、『ヒドゥン・フィギュアズ(原題)』のオクタヴィア・スペンサー、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のミシェル・ウィリアムズがノミネートされていた。WOWOWプライムでは、2月27日21時から同授賞式の字幕版を放送。3月5日18時からダイジェスト版も放送する。
2017年02月27日第89回アカデミー賞授賞式が2月27日(日本時間)、米ロサンゼルスのドルビー・シアターで行われ、『Fences』(原題)でデンゼル・ワシントン扮するトロイの妻役を演じたヴィオラ・デイヴィスが「助演女優賞」を受賞した。ピューリッツァー賞を受賞した舞台劇の映画化作品。1950年代のピッツバーグを舞台に黒人公民権運動などで激動する世の中を生きる労働階級の男トロイを中心にその妻とティーンエイジャーの息子との葛藤を描くドラマ。若き日には黒人野球チームで名を馳せたトロイだが自分の人種が足かせとなり大選手になれなかったと決めつけ、必死で働き続けなければ家族を養っていけない自分の人生に苦い思いを抱きつつ生きてきた。やがてアメフトで優秀な息子にプロへの道を歩むチャンスが巡ってきたとき、彼の心の中で何かが疼き始め、その余波がやがて家族へと広がっていく。本作では、気丈だが愛情あふれるトロイの妻を熱演したヴィオラ。過去に『ダウト~あるカトリック学校で~』(’08)でアカデミー賞助演女優賞ノミネート、『ヘルプ ~心がつなぐストーリー~』(’11)では主演女優賞ノミネートされていたが、今回3度目のノミネートで見事受賞となった。スピーチでは、「この映画は“人”を描いている。そして“赦し”を描いている」と話し、デンゼル・ワシントンや両親、兄弟への感謝を込めた。そして自身がアーティストという職業に就けたことへの喜びを述べ、「私たちアーティストは、人生の喜びを伝えることができる職業だ。神に感謝します」と、映画本編さながらの熱いメッセージを語った。(text:cinemacafe.net)
2017年02月27日デイミアン・チャゼル監督のミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』が、12日にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催された第70回英国アカデミー賞(BAFTA)の授賞式で、作品賞を含む最多5部門を獲得した。デイミアン・チャゼル監督が監督賞、ミア役で出演していたエマ・ストーンが主演女優賞を受賞し、エマは受賞スピーチの中で「多様化する」時代の中で「団結する」ことの大切さを語った。その一方で『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のケイシー・アフレックが主演男優賞、デンゼル・ワシントン主演の『フェンス』での熱演を評価されたヴィオラ・デイヴィスが助演女優賞に輝いている。また、助演男優賞には『LION/ライオン ~25年目のただいま~』のデイヴ・パテールが選ばれ、受賞スピーチではその喜びをあらわにしていた。一般投票で決定する新人賞にあたるEEライジング・スター賞にはトム・ホランドが選ばれ、同授賞式最高賞となるBAFTAフェローシップは映画監督のメル・ブルックスが獲得し、BAFTAの会長を務める英ウィリアム王子からトロフィーを受け取った。(C)BANG Media International
2017年02月14日29日(現地時間)行われた全米俳優組合賞(以下SAG賞)授賞式で、『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンが主演女優賞を獲得した。エマのほかに主演女優賞にノミネートされていたのは、『Arrival』(原題)のエイミー・アダムス、『ガール・オン・ザ・トレイン』のエミリー・ブラント、『ジャッキー/ファースト・レディ 最後の使命』のナタリー・ポートマン、『マダム・フローレンス!夢見るふたり』のメリル・ストリープと強敵揃い。SAG賞の主演女優賞を獲得した女優は、ジェニファー・ローレンス、ケイト・ブランシェツト、ジュリアン・ムーア、そして昨年のブリー・ラーソンと、過去4年間、アカデミー賞の主演女優賞に輝いていることから、エマがオスカーを手にする可能性はかなり濃厚と見られる。受賞スピーチのために登壇したエマは、興奮のためか、ややパニック状態でスピーチを始めた。しかし、『ラ・ラ・ランド』のデミアン・チャゼル監督に感謝の気持ちを述べた後、「ライアン、あなたは最高よ!それは紛れもない事実だわ!異論のある人はいないでしょ」と言って劇中のパートナーを褒めたたえ、会場を沸かせた。同作で共演したライアン・ゴズリングも主演男優賞にノミネートされていたが、残念ながら賞は『Fences』(原題)のデンゼル・ワシントンの手に。オスカー俳優のデンゼルだが、意外にもSAG主演男優賞は初めての受賞であった。(Hiromi Kaku)■関連作品:ラ・ラ・ランド 2017年2月24日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) 2016 Summit Entertainment, LLC. All Rights Reserved.
2017年01月30日黒澤明監督の代表作『七人の侍』(1954)と、ハリウッドリメイクされた名作『荒野の七人』(1960)の2作品を原案に、再リメイクされた映画『マグニフィセント・セブン』が1月27日に公開を迎えた。このたび公開を記念して、"7"という数字に秘められた謎について紹介。まずは、幸運の数字"ラッキー7"と呼ばれる理由について。このラッキーセブンは、アメリカのメジャーリーグで起こったプレーが起源と言われている。きっかけは1885年、シカゴ・ホワイトソックス(現:シカゴ・カブス)の優勝がかかった試合で、7回にホワイトソックスの選手が打ち上げた平凡なフライが強風に吹かれホームランとなり、チーム優勝へと導いた出来事。勝利投手が「ラッキーセブンス」と表現したことから、7は縁起がいい数字という思想が生まれたという。続いて、日本における7の存在について。七夕、七草、七味唐辛子、七福神、七不思議…日本国内でも7のつく言葉はたくさん存在している。法事関係の「初七日」「三十五日」「四十九日」といった「死者にまつわる数字」でもあることから、縁起の悪い数字なのではと思う人もいるそうだが、この数字は「祖霊(先祖)を神様として奉る」と言う民間信仰に由来するため、決して「縁起の悪い数字」というわけではないという。この"7"という数字は、映画界でも重要な数字だ。『アベンジャーズ』『ザ・ドラえもんズ』『白雪姫と七人のこびと』『龍三と七人の子分たち』など、7人組が活躍する名作が数多く存在。実は7人というのは人間が一度に覚えられるキャラクターの限界であり、それぞれの個性を生かしきれる最大の人数が"7"だと言われている。またビジュアル的に「並んだ時に見栄えがイイ」というのも大きなポイント。センターにリーダーが1人、左右に3人ずつ、きれいに並べるのは7人組ならではといえる。すでに挙げた作品、そして本作の原案『七人の侍』『荒野の七人』のほかにも、『セブン』や『007』シリーズなど、多くの傑作が存在。映画だけに限らず、テレビドラマでは『男女7人夏物語』『ワイルド7』、漫画では『七つの大罪』、アニメでは『交響詩篇エウレカセブン』『マクロス7』、ゲームでは『ドラゴンクエスト7』『ファイナルファンタジー7』と、7がつく作品は多い。そんな"7"がタイトルに用いられている『マグニフィセント・セブン』は、『トレーニング デイ』『イコライザー』『サウスポー』などで知られるアントワーン・フークアが監督を務め、主演のデンゼル・ワシントンをはじめ、クリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホンなど豪華キャストが集結。アウトローな7人による復讐劇と正義を描く。
2017年01月29日第89回アカデミー賞に多種多様な人種がノミネートされた。昨年、白人ばかりのノミネートで物議を醸していた同賞だが、今年は俳優に対する賞の20人のノミネートのうち7人は白人以外の人種となっている。『フェンス』のデンゼル・ワシントンが主演男優賞、『ラビング愛という名前のふたり』のルース・ネッガが主演女優賞にノミネートされているほか、『ムーンライト』のマハーシャラ・アリが助演男優賞、同作品のナオミ・ハリス、『ヒドゥン・フィギュアズ』のオクタヴィア・スペンサー、『フェンス』のヴィオラ・デイヴィスが助演女優賞に名を連ねている。同じ年に主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞の各カテゴリーに黒人俳優たちがノミネートされることは史上初である。そのほかには、バリー・ジェンキンスが『ムーンライト』で監督賞、エイヴァ・デュヴァーネイの『13th 憲法修正第13条』が長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた。今年度のアカデミー賞のノミネートが発表される前、『ムーンライト』のマハーシャラは、有色人種の俳優たちがノミネートされることが「普通になっていく」ことを望んでいるとコメントしていた。その一方で、昨年のアカデミー賞ノミネートリストにおける人種の多様性の欠如に苦言を呈し、授賞式にも参加しなかったセレブの1人であるジェイダ・ピンケット・スミスは、今年度のノミネートリストに称賛のコメントを発表。昨年は夫ウィル・スミスらとともに授賞式をボイコットしたジェイダは、ヴァラエティのインタビューに「最高の気分よ。このノミネートを見ることができるなんて素晴らしいわ。今年度は特別な映画がたくさんあったからね」「『ヒドゥン・フィギュアズ』『フェンス』『ムーンライト』のような作品が認識されて選ばれた事をうれしく思うわ。今朝はとても誇り高い気分になったわよ」と語る。さらに、アメリカのドナルド・トランプ新大統領就任のこともあり、「現在のこの国の状況において、アーティストとして私たちがステイタスを使って、この国がどのように周囲から認識されたいのかという点に注目を注ぐ手助けをすることが重要だと思うわ」と意見。「だから今回のノミネートはその素晴らしい第一歩になったと私は見ているのよ」「どのような形でこの国を象徴したいのか、世界に届けたいメッセージとは何なのかという、この国のこの時代に生きるアーティストとしての参加の形なの」「私たちには力強い影響力があるわ。私たちは国のアイデンティティにおいても力強いイメージを作りだすことができる」と続けた。(C)BANG Media International
2017年01月26日第89回アカデミー賞のノミネーションが24日に発表され、『ラ・ラ・ランド』が最多14ノミネートを果たした。『イヴの総て』(1950)、『タイタニック』(1997)と並んでアカデミー賞史上最多となる。『ラ・ラ・ランド』は、作品賞をはじめ、ライアン・ゴズリングとエマ・ストーンがそれぞれ主演男優・女優賞の候補に挙がっているほか、デイミアン・チャゼルの監督賞、そして、脚本賞、撮影賞、編集賞、美術賞、衣装デザイン賞、作曲賞、主題歌賞(2曲)、音響編集賞、録音賞にノミネート。主題歌賞では「オーディション(ザ・フールズ・フー・ドリーム)」と「シティ・オブ・スターズ」の2曲が候補に挙がっている。最高賞となる作品賞にはほかに、『メッセージ』『フェンス』『LION/ライオン ~25年目のただいま~』『マンチェスター・バイ・ザ・シー』『ムーンライト』がノミネートされた。『ムーンライト』は、ナオミ・ハリスの助演女優賞やマハーシャラ・アリの助演男優賞など、ほかにも7部門で候補に挙がっている。そして、『ムーンライト』と並んで8ノミネートを受けた『メッセージ』は、ドゥニ・ヴィルヌーヴが監督賞の候補にも挙がっており、『マンチェスター・バイ・ザ・シー』『LION/ライオン ~25年目のただいま~』が6部門と続いている。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』からはケイシー・アフレックが主演男優賞にノミネートされており、ライアンのほか、『ハクソー・リッジ』のアンドリュー・ガーフィールド、『はじまりへの旅』のヴィゴ・モーテンセン、『フェンス』のデンゼル・ワシントンとその栄冠をかけて戦う。一方で、主演女優賞には3部門での候補に挙がっている『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』のナタリー・ポートマン、メリル・ストリープ、イザベル・ユペール、ルース・ネッガがエマとオスカー像を巡って競うことになる。長編アニメーション賞には、スタジオジブリの『レッドタートルある島の物語』が候補入り。ディズニーの『ズートピア』や『モアナと伝説の海』などと争う。なお、『君の名は。』はノミネートを逃した。第89回アカデミー賞式典は来月26日にハリウッド&ハイランドセンター内のドルビー・シアターで開かれる。第89回アカデミー賞ノミネート(一部抜粋)■作品賞『メッセージ』『フェンス』『ハックソー・リッジ』『最後の追跡』『ヒドゥン・フィギュアズ』『ラ・ラ・ランド』『LION/ライオン ~25年目のただいま~』『マンチェスター・バイ・ザ・シー』『ムーンライト』■監督賞ドゥニ・ヴィルヌーヴ『メッセージ』メル・ギブソン『ハックソー・リッジ』デイミアン・チャゼル『ラ・ラ・ランド』ケネス・ロナーガン『マンチェスター・バイ・ザ・シー』バリー・ジェンキンス『ムーンライト』■主演男優賞ケイシー・アフレック『マンチェスター・バイ・ザ・シー』アンドリュー・ガーフィールド『ハックソー・リッジ』ライアン・ゴズリング『ラ・ラ・ランド』ヴィゴ・モーテンセン『はじまりへの旅』デンゼル・ワシントン『フェンス』■主演女優賞イザベル・ユペール『エル』ルース・ネッガ『ラビング愛という名前のふたり』ナタリー・ポートマン『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』エマ・ストーン『ラ・ラ・ランド』メリル・ストリープ『マダム・フローレンス!夢見るふたり』■助演男優賞マハーシャラ・アリ『ムーンライト』ジェフ・ブリッジス『最後の追跡』ルーカス・ヘッジズ『マンチェスター・バイ・ザ・シー』デーヴ・パテール『LION/ライオン ~25年目のただいま~』マイケル・シャノン『ノクターナル・アニマルズ』■助演女優賞ヴィオラ・デイヴィス『フェンス』ナオミ・ハリス『ムーンライト』ニコール・キッドマン『LION/ライオン ~25年目のただいま~』オクタヴィア・スペンサー『ヒドゥン・フィギュアズ』ミシェル・ウィリアムズ『マンチェスター・バイ・ザ・シー』■長編アニメーション賞『クボ・アンド・ザ・ツー・ストリングス』『モアナと伝説の海』『マイ・ライフ・アズ・ア・ズッキーニ』『レッドタートルある島の物語』『ズートピア』■撮影賞『メッセージ』『ラ・ラ・ランド』『LION/ライオン ~25年目のただいま~』『ムーンライト』『沈黙 -サイレンス-』■作曲賞ミカ・レビ『ジャッキーファーストレディ最後の使命』ジャスティン・ハーウィッツ『ラ・ラ・ランド』ダスティン・オハローラン、ハウシュカ『LION/ライオン ~25年目のただいま~』ニコラス・ブリテル『ムーンライト』トーマス・ニューマン『パッセンジャー』(C)BANG Media International
2017年01月25日2月26日(現地時間)に開催される第89回アカデミー賞のノミネートが24日に発表。賞レースで快進撃中の『ラ・ラ・ランド』が最多14ノミネーションを得た。日本のスタジオジブリが海外と共同製作した『レッドタートルある島の物語』が長編アニメーション部門にノミネートされた。今年のノミネーション発表は、ブリー・ラーソンや渡辺謙など、過去のアカデミー賞受賞者や候補者が映像に登場し、それぞれの思い出を語りながら候補を発表していくという新しいスタイル。前哨戦の目玉の1つ、第74回ゴールデン・グローブ賞(以下、GG賞)で作品賞など候補になった部門すべてを制覇し、最多7部門を受賞した『ラ・ラ・ランド』は作品、監督、主演男優、主演女優、作曲、主題歌賞(2曲)など13部門で14ノミネーション。『イヴの総て』(50)『タイタニック』(97)と並ぶ最多ノミネーションを獲得した。次いで、8部門で候補になったのは『メッセージ』、GG賞ドラマ部門作品賞を受賞した『ムーンライト』。後者はマハーシャラ・アリの助演男優賞受賞が有力視されている。『マンチェスター・バイ・ザ・シー』、『LION/ライオン~25年目のただいま~』、メル・ギブソンが1945年の沖縄戦を描いた『Hacksaw Ridge』(原題)が6部門で候補になった。昨年の「オスカーは真っ白」騒動を受けて、各俳優賞でアフリカ系の俳優が候補入りを果たしている。主演男優賞にデンゼル・ワシントン、主演女優賞にルース・ネッガ、助演男優賞には前出のマハーシャラに加えてインド系のデヴ・パテル、助演女優賞は候補5人のうち3人(ヴィオラ・デイヴィス、オクタヴィア・スペンサー、ナオミ・ハリス)がアフリカ系だ。GG賞ではドラマ部門の授賞は各作品が分け合う形になったので、アカデミー賞でも得票がバラついた結果、『ラ・ラ・ランド』が圧勝という形になる可能性もある。今年は『ラ・ラ・ランド』が大本命視されているが、監督や俳優は各映画賞によって結果が異なる状況が続いている。先が読めないだけに、より楽しみなオスカー・レースが展開される。授賞式は2月26日(現地時間)、ロサンゼルスのコダック・シアターで開催される。主要部門候補は以下の通り作品賞『メッセージ』『Fences』(原題)『Hacksaw Ridge』(原題)『最後の追跡』『Hidden Figures』(原題)『ラ・ラ・ランド』『LION/ライオン~25年目のただいま~』『マンチェスター・バイ・ザ・シー』『ムーンライト』主演男優賞ケイシー・アフレック(『マンチェスター・バイ・ザ・シー』)アンドリュー・ガーフィールド(『Hacksaw Ridge』原題)ライアン・ゴズリング(『ラ・ラ・ランド』)ヴィゴ・モーテンセン(『はじまりへの旅』)デンゼル・ワシントン(『Fences』原題)主演女優賞イザベル・ユペール(『ELLE』)ルース・ネッガ(『ラビング愛という名前のふたり』)ナタリー・ポートマン(『ジャッキー/ファーストレディ最後の使命』)エマ・ストーン(『ラ・ラ・ランド』)メリル・ストリープ(『マダム・フローレンス!夢見るふたり』)助演男優賞マハーシャラ・アリ(『ムーンライト』)ジェフ・ブリッジズ(『最後の追跡』)ルーカス・ヘッジズ(『マンチェスター・バイ・ザ・シー』デヴ・パテル(『LION/ライオン~25年目のただいま~』)マイケル・シャノン(『Nocturnal Animals』原題)助演女優賞ヴィオラ・デイヴィス(『Fences』原題)ナオミ・ハリス(『ムーンライト』)ニコール・キッドマン(『LION/ライオン~25年目のただいま~』オクタヴィア・スペンサー(『Hidden Figures』原題)ミシェル・ウィリアムズ(『マンチェスター・バイ・ザ・シー』)監督賞ドゥニ・ヴィルヌーヴ(『メッセージ』)メル・ギブソン(『Hacksaw Ridge』原題)デイミアン・チャゼル(『ラ・ラ・ランド』)ケネス・ロナガン(『マンチェスター・バイ・ザ・シー』)バリー・ジェンキンス(『ムーンライト』)脚色賞『メッセージ』『Fences』(原題)『Hidden Figures』(原題)『LION/ライオン~25年目のただいま~』『ムーンライト』オリジナル脚本賞『最後の追跡』『ラ・ラ・ランド』『ロブスター』『マンチェスター・バイ・ザ・シー』『20センチュリー・ウーマン』撮影賞『メッセージ』『ラ・ラ・ランド』『LION/ライオン~25年目のただいま~』『ムーンライト』『沈黙 -サイレンス-』作曲賞『ジャッキー/ファーストレディ最後の使命』『ラ・ラ・ランド』『LION/ライオン~25年目のただいま~』『ムーンライト』『パッセンジャー』主題歌賞「Audition」(『ラ・ラ・ランド』)「Can’t Stop the Feeling」(『Trolls』原題)「City of Stars」(『ラ・ラ・ランド』)「The Empty Chair」(『Jim: The James Foley Story』 原題)「How Far I’ll Go」(『モアナと伝説の海』)長編アニメーション映画賞『Kubo and the Two Strings』(原題)『モアナと伝説の海』『My Life as a Zucchini』(原題)『レッド・タートルある島の物語』『ズートピア』外国語映画賞『幸せなひとりぼっち』(スウェーデン)『ヒトラーの忘れもの』(デンマーク)『Tanna』(オーストラリア)『セールスマン』(イラン)『ありがとう、トニ・エルドマン』(ドイツ)(text:Yuki Tominaga)■関連作品:LION/ライオン~25年目のただいま~ 2017年4月7日よりTOHOシネマズ みゆき座ほか全国にて公開(C) Long Way Home Holdings Pty Ltd and Screen Australia
2017年01月25日黒澤明監督の『七人の侍』と、同作をハリウッドリメイクした『荒野の七人』を原案にした『マグニフィセント・セブン』。マグニフィセント(Magnificent)=“偉大なる”7人のうち、お調子者のギャンブラーにして名ガンマンを好演するクリス・プラットの魅力が詰まった本編映像が、シネマカフェに到着した。冷酷非道な暴漢ボーグ(ピーター・サースガード)に町を支配され、愛する夫を目の前で射殺された未亡人エマ。賞金稼ぎのサム(デンゼル・ワシントン)、ギャンブラーのファラデー、凄腕スナイパーのグッドナイト(イーサン・ホーク)、その相棒でナイフ使いのビリー(イ・ビョンホン)らワケありのアウトロー7人を雇い、ついに復讐のときを迎えるが――。本作で演じるキャラクターの魅力を存分に見せつけ、その天才的な銃の腕前を披露するクリス。おもしろくて、カッコよくて、そして大事な場面では優しさも見せる、すべてのモテ要素が満載の姿に、思わず胸キュンとせずにはいられないスペシャルな映像となっている。自らも銃を手に取り、迫る決戦に備えて射撃練習をするエマ(ヘイリー・ベネット)。「綺麗だ。…撃ち方が」と射撃練習をするエマに声をかけ、撃ち方の説明をはじめるファラデー。しかし、エマは彼を遮るように、見事なフォームで射撃を続け、ファラデーを一蹴。冷たくあしらわれ、しょげるかと思いきや、ファラデーは素早く腰の銃を抜き、早撃ちの連射を披露。撃った弾丸は遠くの的へ百発百中!「すげえ、俺って最高だ!」と自画自賛するも、ふと真顔になり、「少し指を引けば人が殺せる。だが一生悪夢が残る」と語りだす。そして、銃を手に自ら戦いに参加しようとするエマを気遣いながら、「戦うならズボンをはけ」と真剣な眼差しで忠告するのだった。圧倒的な射撃の腕を披露しながら、簡単に人を殺めることができる銃を手に取ることの意味をエマに説く、ファラデーの真の姿が映し出されているこの映像。酒飲みのギャンブラーで女好きのお調子者。しかし、銃の腕は超一流の自称“世界一のモテ男”を喜々として演じているクリスは、『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』『ジュラシック・ワールド』など大作映画の主演を果たし、いま最もハリウッドで注目を集める俳優の1人だ。今年は、ジェニファー・ローレンス共演のスペース超大作『パッセンジャーズ』(3月24日公開)、出世作の続編『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』(5月12日公開)も控えている。銀河でも、恐竜パークでもなく、壮大な荒野を縦横無尽に駆け巡りスマートに銃を撃ちまくるクリス・プラットの新たな姿に注目していて。『マグニフィセント・セブン』は1月27日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:マグニフィセント・セブン 2017年1月27日より全国にて公開(C) 2016 Sony Pictures Entertainment(Japan)Inc.
2017年01月23日ハーイ、みなさん!ずいぶんご無沙汰してしまいました!そうこうしている間に、ここアメリカでは、すごくおかしな出来事(でもなぜか興味深いこと)がいろいろありました。もうみなさんも分かってると思いますが、最大のニュースは、あと数週間で私たちの国に新しい大統領が誕生することです。ニュースを見たり読んだ人はご存知でしょうが、この新しい政府については、いろいろ意見が分かれそうです。トランプは(私の個人的な意見ですが)、アメリカの投票者の恐怖と不満に焦点を当てたことで勝利しました。移民排斥を訴え、女性を軽蔑し、公然と人種差別と思える発言をしていました。そんな人って…。実は私も、多くのハリウッドの人たちと同じように、今回の選挙戦の結果にはとてもガッカリしました。ところで、映画界ではもうすぐアワード・シーズンに突入しますね。ゴールデン・グローブ賞のノミネーションはすでに発表済み。数週間後には、アカデミー賞のほうも発表されます。実は皮肉なことに、今年のゴールデン・グローブ賞のノミネーションは、非常に多様性に富んでいるんです。去年のアカデミー賞で、白人ばかりが候補に選ばれたことが大きな問題になったことを覚えていますか?これはアカデミー賞のイメージダウンにつながるため、2017年には多様性を確保する改革案が、委員長から公式に発表されました。そこで今回のゴールデン・グローブ賞のノミネーションを見てみると、ハリウッドはしっかりと前回の反省を生かし、変革をしているようです。助演女優賞候補には、ヴィオラ・デイヴィス、オクタヴィア・スペンサー、ナオミ・ハリスというアフリカ系アメリカ人女優が選ばれていますし、男優賞には、デーヴ・パテール、リズ・アーメッド、デンゼル・ワシントンがノミネートされました。この変革は、作品賞でも顕著に表れています。テレビ部門では、「アメリカン・クライム・ストーリー/O・J・シンプソン事件」、「ATLANTA」、「BLACK-ISH」、「ナイト・オブ・キリング 失われた記憶」、「This is Us」。映画部門では『Fences』、『ムーンライト』、『Hidden Figurers』が候補に上がりました。同じようにアカデミー賞のノミネーションでも、多様性が実現するのでしょうか。その答えが分かるのは1月24日(現地時間)です。もちろん、1月8日のゴールデン・グローブ賞の結果もとても楽しみにしています!だからね、余計に切なくなってしまうんです。ハリウッドではさまざまな文化を描き、さまざまな肌の色の人たちが一緒に働いているのに、なぜアメリカ人はまったく正反対の道へ進もうとする人に投票したんでしょうか…。いろいろな文化の中で生きてきたアメリカ人女性の私にとって、来月、史上初の女性大統領が誕生しないことをとても悲しいです。でも決して希望は捨てず、世界中の映画やテレビ番組が、文化、人種、性別などの枠にとらわれずに、無知や恐怖と戦い続けてくれることを願います。(text:Lisle Wilkerson)
2017年01月02日12月・1月のハリウッドは、とにかく映画賞ラッシュ。放送映画批評家協会(Broadcast Film Critics Association)、ナショナル・ボード・オブ・レビュー(NBR/National Board of Review of Motion Pictures)などの各授賞式はすでに行われ結果が出ている。ドラマ映画『マンチェスター・バイ・ザ・シー(原題)/Manchester by the Sea』、主人公リーを演じるケイシー・アフレック、ドラマ映画『ムーンライト』、ミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』、ドラマ映画『フェンシズ(原題)/Fences』で主人公トロイを演じたデンゼル・ワシントンそして『ジャッキー』で主人公を演じたナタリー・ポートマンは、批評家ならびに映画ファンからも絶賛されており、このことから見てもアカデミー賞へのノミネーションは確実と見られている。ちなみに、これらの映画賞はハードコアな映画ファンでもない限り、いったい誰の手によって選ばれているのか余り知られていないだろう。基本的にはアメリカの映画批評家たちが選んだものと思って間違えないのだが、彼らは制作の現場に関わっている人たちとは違う。だが1月中盤から2月になるとアカデミー賞を筆頭に映画の現場に携わる人たちによって選出される映画賞が増える。とくにアカデミー賞は現場に携わるプロ中のプロであるアカデミー会員たちによって選出される栄えある賞だ。よって批評家たちの投票結果と多少異なってくるのは当然のことだが、過去の統計を見ると、批評家たちが選ぶ映画賞の受賞結果がアカデミー賞ノミネーションがかなり重複しているのがわかる。冒頭に挙げたアカデミー賞に向けて話題の作品も、まだ日本では耳慣れないものが多い。「イマ旬!」では今回2本、次回3本の割り振りでアカデミー賞レースの上位を走る5作品について紹介していこうと思う。『マンチェスター・バイ・ザ・シー(原題)/Manchester by the Sea』【あらすじ】マサチューセッツの街で修理屋として生計を立てながら物静かに暮らしている男リーは、ある日故郷の兄ジョーが倒れたという知らせを受ける。急いで帰ったもののジョーは亡くなっていた。ショックを受けるリーに追い打ちをかけるように待っていたのは、ジョーの息子パトリックの養育権をリーに託すという、思いもかけぬ兄からの遺言だった。その昔、余りにつらい過去を振り切るためあとにした故郷。いっぽうティーンのパトリックは昔はあんなに仲の良かった叔父リーに拒絶されたと感じ、一層殻にこもってしまう。溝の深まる甥っ子と叔父の関係。兄の死が引き起こした様々な出来事は、嫌が応にしてリーに辛い過去と向き合う試練を突きつけていた。【アカデミー賞候補本命度】作品賞をはじめ主要部門と言われている主演・助演男優&女優賞候補はもちろん、マルチ部門でのノミネーションそして受賞が有力視されている。ケイシー・アフレックもさておき、元妻を演じるミシェル・ウィリアムズ、甥っ子を演じる新星ルーカス・ヘッジなど、観ている者を引き込まれずにはいられない胸に迫る演技が素晴らしい。悲痛なストーリーではあるが、つらい部分を乗り越えて見ているといいことがある作品で主人公リーと同様の心の旅ができる。【注目点:ケイシー・アフレック】本作で、“ベン・アフレックの弟”という肩書きから見事卒業した感ありのケイシー。年末時点でさまざまな映画賞にて主演男優賞を受賞、あるいは候補にノミネートと順風漫歩。オスカー本線ではライバルにデンゼル・ワシントンが立ちはだかっているが、『トレイニング・デイ』で主演男優賞受賞経験のある彼に比べてフレッシュなケイシーのほうが受賞確率が高いのでは。少々気がはやいが、もしもケイシーが主演男優賞を受賞すれば兄ベンも成し遂げていない快挙を達成することになる!『フェンシズ(原題)/Fences』【あらすじ】ピューリッツァー賞を受賞した舞台劇の映画化作品。1950年代のピッツバーグを舞台に黒人公民権運動などで激動する世の中を生きる労働階級の男トロイを中心にその妻とティーンエイジャーの息子との葛藤を描くドラマ。若き日には黒人野球チームで名を馳せたトロイだが自分の人種が足かせとなり大選手になれなかったと決めつけ、必死で働き続けなければ家族を養っていけない自分の人生に苦い思いを抱きつつ生きてきた。やがてアメフトで優秀な息子にプロへの道を歩むチャンスが巡ってきたとき、彼の心の中で何かが疼き始め、その余波がやがて家族へと広がっていく。【アカデミー賞候補本命度】主演男優賞候補デンゼル・ワシントン、助演女優賞候補ヴィオラ・デイヴィスでアカデミー賞のノミネーションを受けることはほぼ確実といってもいいだろう。舞台劇の映画化は、往々にして膨大なセリフの量が特徴だが本作も例外ではない。途中でカットを入れずにすごい量のセリフを淀みなくデリバリーするデンゼルのテンションは、観ているこちらがグッタリしてしまうほどの凄さで、まさに芸術の域。【注目点:デンゼル・ワシントン&ヴィオラ・デイヴィス】ならばデンゼルに再びオスカー像を…!と言いたいところだが、本作でデンゼル以上に注目されるべきは、助演女優ヴィオラ・デイビス。気丈だが愛情あふれるトロイの妻を熱演したヴィオラが、髪振り乱し、涙溢れ、流れる鼻水をものともせず、妻としての心情を夫にぶちまけるシーンは、映画史上に残るであろう名場面。業界内ではヴィオラのオスカー受賞必至の噂が飛び交っており、筆者も大いに同感。次回の「イマ旬」では執筆時点で映画賞予想サイトGoldderby.comにおいてアカデミー賞レースのトップ10圏内に入っていて、筆者も応援中の3作品を現場目線でご紹介。乞うご期待!(text:明美・トスト/Akemi Tosto)
2016年12月30日米BOX OFFICE MOJOは12月23日~12月25日の全米週末興業成績を発表した。前週同様トップは『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』。公開2週間での累計興行収入は2億8,637万5,674ドルと、早くも3億ドルの大台に迫る勢い。2位は『ミニオンズ』『ペット』などのヒット作を手がけてきたイルミネーション・スタジオによる長編アニメーション映画『SING/シング』が初登場。動物だけが暮らす世界で、取り壊し寸前の劇場の再起をかけてオーディションが行われる。そこに集まる個性豊かなキャラクターたちをミュージカル仕立てで描く。マシュー・マコノヒー、リース・ウィザースプーン、セス・マクファーレン、スカーレット・ヨハンソンなどの豪華ハリウッドスターたちがボイスアクターとして共演している。SF大作『Passengers (2016)(原題)』も3位に初登場。舞台は新たなる居住地を目指し、5千人もの人類を乗せて地球を出発した宇宙船内。120年後までコールドスリープ状態にあるはずだった乗客のうち、ジム・プレストン(クリス・プラット)が90年早く目覚めてしまう。その1年後にはオーロラ・レイン(ジェニファー・ローレンス)も覚醒し、2人きりのサバイバル生活が幕を開ける。その他、『ブレイキング・バッド』のブライアン・クランストンとジェームズ・フランコ共演の恋愛コメディ『Why Him?(原題)』が4位に、人気の同名ゲームシリーズをマイケル・ファスベンダー主演で映画化したSFアクション『アサシン クリード』が5位に初登場。ブロードウェイでも数々の受賞歴を持つ作家オーガスト・ウィルソンの戯曲を映画化した、デンゼル・ワシントン監督・主演の『Fences(原題)』が前週25位から7位に急浮上し、初のトップ10入りを果たしている。
2016年12月27日黒澤明監督の『七人の侍』、その舞台をメキシコに移した『荒野の七人』を原案に、豪華キャストで映画化した『マグニフィセント・セブン』。本作で、デンゼル・ワシントンやクリス・プラットらが演じるワケありのアウトロー7人を雇うエマ・カレン役を務めた、ハリウッドでいま最もホットな若手女優ヘイリー・ベネットのインタビュー映像がシネマカフェに到着した。『スター・ウォーズ』の世界観にも影響を与えたといわれる、黒澤監督の1954年の代表作『七人の侍』。その舞台を西部開拓時代のメキシコに移してハリウッドリメイクされた1960年の『荒野の七人』。これら最高峰の名作たちを原案として、『トレーニング デイ』『サウスポー』などの骨太作品で知られるアントワーン・フークア監督がリメイク。すでにトロント国際映画祭オープニング作品、ヴェネツィア映画祭クロージング作品を飾り、全米公開(9月)では初登場No.1の大ヒットとなっている。金鉱を求める冷酷非道な悪漢ボーグに支配された町で、雇われたワケありのアウトロー7人。軍隊なみの人数と武器を誇る敵を前に、7人の男たちが命がけの戦いに挑む本作で、ひときわ目を引くのが、ヒロインを務める若手女優ヘイリー・ベネットの存在だ。ヘイリーといえば、ヒュー・グラントが80年代の元ポップスターを演じた『ラブソングができるまで』(‘07)で、セクシーでわがままな人気シンガー・コーラを演じ、持ち前の美貌と歌声を披露。スクリーンデビュー作で大成功をおさめたヘイリーは実力が評価され、歌手としても活躍することに。その後も映画への出演を続け、本作のメガホンをとったフークア監督作品『イコライザー』ではデンゼルとの共演を果たした。また、現在公開中の『ガール・オン・ザ・トレイン』では、物語の鍵を握る失踪した“理想の妻”メガンを演じ、強烈な存在感を発揮して話題に。2015年に全米を席巻した革新作『ハードコア』が4月に日本上陸するほか、今後もリリー・コリンズと共演するウォーレン・ベイティ監督作『Rules Don’t Apply』(原題)、ライアン・ゴズリング、ナタリー・ポートマン、マイケル・ファスベンダー、クリスチャン・ベイル、ケイト・ブランシェットら豪華キャストが集うテレンス・マリック監督作『Weightless』(原題)など話題作への出演が控えている。まさにいま最もホットな若手女優といえる彼女は、インタビュー映像では自身が演じたキャラクターとその役作りや、再共演した主演のデンゼル、本作でメガホンを取ったフークア監督について語っている。本作では、夫を殺した悪党への復讐のため自ら立ち上がり、7人の用心棒を雇う未亡人エマを演じているヘイリー。役作りのために、ほかのキャストと同様に銃と乗馬のトレーニングを受けたという。また、キャラクターを表現するために「ボクシングをして自分の中の怒りや気概を引き出す努力をした」と独自のアプローチについても述べ、「アントワーンやデンゼルと一緒に、新しい自分を発掘できてとても楽しかった」と撮影をふり返っている。米「Forbes」誌が発表する「世界で最も稼いだ女優」ランキングで、昨年に続き2年連続ナンバー1に輝いているジェニファー・ローレンスに、いまだによく間違えられるというヘイリー。現在Instagramのフォロワー数は67万人を突破しており、「今年いちばんキタ!感のある女優」「目線がエロティックで惹かれる!」と日本国内でも知名度を上げ話題沸騰中!これまで「カワイイ」「セクシー」系の役が多かった彼女が、今回は銃を手にし、勇気を奮い立たせて立ち向かう。強い女性に挑戦する新しいヘイリー・ベネットの姿を本作で堪能してほしい。『マグニフィセント・セブン』は2017年1月27日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年12月26日来年1月に決定する第74回ゴールデン・グローブ賞のノミネート発表が12日早朝(現地時間)、ロサンゼルスのビバリー・ヒルトン・ホテルで発表になり、オスカー前哨戦で健闘中の『ラ・ラ・ランド』が最多7部門でノミネートされた。アナ・ケンドリック、ローラ・ダーン、そしてドン・チードルがプレゼンターを務めたノミネーション発表では、『セッション』のデイミアン・チャゼル監督がライアン・ゴズリングとエマ・ストーンを主演に迎えた『ラ・ラ・ランド』が作品賞、監督賞、主演男女優賞をはじめ7部門で候補となり、『ムーンライト』が6部門、『Manchester by the Sea』(原題)が5部門でノミネートされた。映画部門の候補は以下の通り。最優秀作品賞ドラマ部門『Hacksaw Ridge』(原題)『最後の追跡』『Manchester by the Sea』(原題)『LION』(原題)『ムーンライト』ミュージカル・コメディ部門『20th Century Women』(原題)『デッドプール』『マダム・フローレンス夢みるふたり』『ラ・ラ・ランド』『シング・ストリート未来のうた』最優秀男優賞ドラマ部門ケイシー・アフレック(Manchester by the Sea/原題)ジョエル・エドガートン(ラビング)アンドリュー・ガーフィールド(Hacksaw Ridge/原題)ヴィゴ・モーテンセン(はじまりの旅)デンゼル・ワシントン(Fences/原題)ミュージカル/コメディ部門コリン・ファレル(ロブスター)ライアン・ゴズリング(ラ・ラ・ランド)ヒュー・グラント(マダム・フローレンス!夢見るふたり)ジョナ・ヒル(War Dogs/原題)ライアン・レイノルズ(デッドプール)最優秀女優賞ドラマ部門エイミー・アダムス(メッセージ)ジェシカ・チャステイン(Kiss Sloane/原題)イザベル・ユペール(Elle/原題)ルース・ネッガ(ラビング)ナタリー・ポートマン(ジャッキー/ファーストレディ最後の使命)ミュージカル/コメディ部門アネット・ベニング(20th Century Woman/原題)リリー・コリンズ(Rules Don’t Apply/原題)ヘイリー・スタインフェルド(The Edge of Seventeen/原題)エマ・ストーン(ラ・ラ・ランド)メリル・ストリープ(マダム・フローレンス!夢見るふたり)最優秀助演男優賞マハーシャラ・アリ(ムーンライト)ジェフ・ブリッッジス(最後の追跡)サイモン・ヘルバーグ(マダム・フローレンス!夢見るふたり)デヴ・パテル(Lion/原題)アーロン・テイラー・ジョンソン(Nocturnal Animals)最優秀助演女優賞ヴィオラ・デイヴィス(Fences/原題)ナオミ・ハリス(ムーンライト)ニコール・キッドマン(Lion/原題)オクタヴィア・スペンサー(Hidden Figures/原題)ミシェル・ウィリアムズ(Manchester by the Sea/原題)最優秀監督賞デイミアン・チャゼル(ラ・ラ・ランド)トム・フォード(Nocturnal Animals/原題)メル・ギブソン(Hacksaw Ridge/原題)バリー・ジェンキンズ(ムーンライト)ケネス・ロナガン(Manchester by the Sea/原題)最優秀脚本賞デイミアン・チャゼル(ラ・ラ・ランド)トム・フォード(Nocturnal Animals/原題)バリー・ジェンキンズ(ムーンライト)ケネス・ロナガン(Manchester by the Sea/原題)テイラー・シェリダン(最後の追跡)最優秀アニメーション映画賞『Kubo and the Two Strings』(原題)『モアナと伝説の海』『My Life as a Zucchini』(原題)『SING/シング』『ズートピア』最優秀外国語映画賞『Divines(原題)』(フランス)『Elle(原題)』(フランス)『Neruda(原題)』(チリ)『The Salesman(原題)』(イラン/フランス)『Toni Erdmann(原題)』(ドイツ)最優秀作曲賞『ムーンライト』『ラ・ラ・ランド』『メッセージ』『Lion』(原題)『Hidden Figures』(原題)最優秀歌曲賞“Can’t Stop the Feeling!”(Trolls)“City of Stars”(ラ・ラ・ランド)“Faith”(SING/シング)“Gold”(Gold/原題)“How Far I’ll Go”(モアナと伝説の海)ゴールデン・グローブ賞の結果発表は来年1月8日(現地時間)発表になる。(text:Yuki Tominaga)
2016年12月13日イーサン・ホークが、ジェームズ・ディーンを彷彿とさせる甘いマスクを持つ伝説のトランペット奏者チェット・ベイカーの波乱の人生に渾身の演技で挑んだ『ブルーに生まれついて』。このほど、大人の色気を醸し出すイーサンの新たな場面写真が解禁。いま、ノリにノっている実力派俳優の魅力に迫った。50’Sのウエストコースト・ジャズシーンを代表するトランペッターにして、シンガーのチェット・ベイカー。黒人アーティストが主流のモダン・ジャズ界において、あのマイルス・デイヴィスをも凌ぐ人気を誇るといわれ、一世を風靡した男は、甘いマスクとソフトな声で多くのファンを魅了したが、麻薬で身を滅ぼし過酷な日々を送っていた…。本作は、そんな1人の天才ミュージシャンの転落と苦悩を描くとともに、ある女性との出会いによって再生する姿を描いたラブストーリー。主演を務めたイーサンは、6か月に及ぶトランペットの集中トレーニングを受け、美声も披露している。チェットを題材にした映画には、写真家ブルース・ウェーバーによるドキュメンタリー映画『レッツ・ゲット・ロスト』(’89)が有名だが、25年の時を経て、またひとつ新たな伝説となる映画が誕生した。劇中には、イーサンが歌うスタンダード・ナンバー「マイ・ファニー・ヴァレンタイン」をはじめ、「レッツ・ゲット・ロスト」「虹の彼方に」「ボーン・トゥ・ビー・ブルー」など数々の名曲が登場し、しっとりと本編を彩っている。まるでチェットが宿ったかのようなトランペットと、中性的ともいわれる歌声を自分のカラーに昇華し、見事な歌唱シーンを披露するイーサン。ご存知の通り、イーサンといえば、その目元には何かを含んだような愁いをたたえる、ハンサムな色男だ。若いころはその美しさで世を魅了し、年齢を重ねても、顔に刻まれるその皺にさえ魅力を漂わせる。1985年に15歳でスクリーンデビューした彼は、これまで着実に俳優としてのキャリアをマイペースに歩んできた。美少年ぶりを印象づけた『いまを生きる』(’89)、ベン・スティラー初監督の青春映画『リアリティ・バイツ』(’94)から、『ビフォア・サンライズ 恋人までの距離』(’95)をはじめとする『ビフォア』シリーズのラブストーリーを始め、『ガタカ』(’97)のようなSF映画までこなし、『トレーニング デイ』(’01)、『6才のボクが、大人になるまで。』(’14)ではアカデミー賞助演男優賞にノミネートされた。今年は、ドキュメンタリー初監督作『シーモアさんと、大人のための人生入門』が好評を得ており、マルチな才能を発揮するイーサン。今年9月の第64回サンセバスチャン国際映画祭では「生涯功労賞」を受賞した。私生活では、『ガタカ』で共演したユマ・サーマンと結婚するが、後に離婚。最近、2人の娘マヤ・サーマン・ホークが18歳でモデルデビューを果たした。さすが2人の娘!と言わんばかりの知的でコケティッシュな彼女の姿に、ジョニー・デップの愛娘リリー・ローズ・デップがデビューしたときのように、「美少女すぎる2世セレブ」として早くも業界からの注目が集まっている。さらに、本作の公開後も、2017年は1月21日(土)公開『マギーズ・プラン幸せのあとしまつ』では、ジュリアン・ムーア、グレダ・カーウィグに挟まれるダメダメな中年夫を演じ、1月27日(金)からはデンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イ・ビョンホンらと共に『トレーニング デイ』のアントワーン・フークワ監督のもと、敏腕スナイパーを熱演する西部劇『マグニフィセント・セブン』が公開。嬉しいことに、来年になってもイーサンにスクリーンで会うことができそうだ。『ブルーに生まれついて』は11月26日(土)よりBunkamura ル・シネマ、角川シネマ新宿ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ブルーに生まれついて 2016年11月26日(土)よりBunkamura ル・シネマ、角川シネマ新宿ほか全国にて公開(C) 2015 BTB Blue Productions Ltd and BTBB Productions SPV Limited.ALL RIGHTS RESERVED.
2016年11月20日ヴィオラ・デイヴィスが、犯罪映画『Widows』に出演することになった。監督は『それでも夜は明ける』のスティーヴ・マックィーン。脚本はマックィーンと、『ゴーン・ガール』の原作と脚本を書いたギリアン・フリンが共同執筆する。その他の情報映画は、1983年にイギリスで放映されたテレビのミニシリーズのリメイク。4人の強盗犯が、犯罪に失敗して死んだ後、彼らの未亡人たちが、残された仕事を終わらせようとする物語だ。デイヴィスの最新作は、現在公開中の『スーサイド・スクワッド』。次回作は、年末に北米公開される『Fences』。共演はデンゼル・ワシントンで、ワシントンは監督も兼任する。デイヴィスとワシントンが共演したブロードウェイ舞台劇の映画化で、オスカー狙いと位置づけされている。文:猿渡由紀
2016年09月28日米BOX OFFICE MOJOは9月23日~9月25日の全米週末興業成績を発表した。黒澤明監督の1954年の代表作『七人の侍』と、ハリウッドで1960年にリメイクされた名作ウェスタン映画『荒野の七人』の2作品を原案に、現代風に再リメイクした『マグニフィセント・セブン』が初登場首位にランクイン。『トレーニング デイ』『イコライザー』『サウスポー』などで知られるアントワーン・フークアが監督を務める。主演のデンゼル・ワシントンをはじめ、クリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホンなど豪華キャストが集い、アウトローな7人による復讐劇と正義を描く。2位のアニメーション映画『コウノトリ大作戦!』も今週初登場。「コウノトリ宅配便社」による「赤ちゃんお届け大作戦」のドタバタ劇を描く。『憧れのウェディング・ベル』のニコラス・ストーラー監督とともに指揮を務めるのは、『ファインディング・ニモ』『モンスターズ・インク』『カーズ』『トイ・ストーリー』など、ディズニー/ピクサーの大ヒットアニメを手掛けたアニメーター出身のダグ・スウィートランド監督。前週まで2週連続トップに立った『ハドソン川の奇跡』は3位に転落。前週2位の『ブレア・ウィッチ』は6位に、同3位の『ブリジット・ジョーンズの日記 ダメな私の最後のモテ期』は4位に順位を下げるなど、以下の作品もランクダウンした。
2016年09月26日現地時間の8日に『マグニフィセント・セブン』で第41回トロント映画祭が開幕した。その他の画像『マグニフィセント・セブン』は、『荒野の七人』を、『トレーニング・ディ』のアントワン・フークア監督とデンゼル・ワシントンでリメイクするもの。キャストには、ほかに、今最も勢いのあるクリス・プラットや、やはり『トレーニング・ディ』に出たイーサン・ホーク、イ・ビョンホン、ヴィンセント・ドノフリオ、ピーター・サースガードなどが含まれる。フークアらしく、ファイトシーンはリアルで過激。かつ、ドラマの部分もしっかり描かれる。それぞれに個性を強調するが、プラットは際立ってかっこいい。プレス向け試写はほぼ満席。記者会見も、トロント映画祭の会見でここまで並ぶのは見たことがないほどジャーナリストが集まり、入れない記者が多数出た。会見でワシントンは『荒野の七人』を観ていないと告白。記者たちを驚かせたが、「避けていたわけじゃないが、これをやることになり、『ああ、君は、あの人がやった役をやるんだね』と言われることなく、自分で自由にキャラクターを模索することができた」と語った。しかし『七人の侍』は観ており、フークア監督とは『七人の侍』についてじっくりと話し合ったという。そもそも、ワシントンがこの映画を引き受けた第一の理由は、フークア監督だ。「もちろん、ストーリーも脚本も良かったよ。でもアントワンが、これをやってくれないかと僕に聞いてきたんだ。それが一番重要な理由だった」(ワシントン)。イ・ビョンホンが演じる役は、イーサン・ホークが演じるキャラクターと、長年の知り合いという設定だ。映画の中でもふたりは強い絆を見せるが、自然に、カメラの後ろでも、ふたりは友人関係を築くことになったと、イは明かす。「僕は昔からずっとイーサンのファンだったが、実は僕の妻もそうなんだ。だから、ある時、撮影現場に妻を連れていったら、妻が本当に幸せそうでさ。彼女とは10 年も一緒なのに、あんなにうれしそうな顔を見たことはなかったよ。だから、僕はイーサンが大好きでありつつ、大嫌いでもある(笑)」。『マグニフィセント・セブン』2017年1月27日(金)公開取材・文・写真:猿渡由紀
2016年09月09日『七人の侍』と『荒野の七人』を原案に、いま新たに7人のアウトローたちを描く『マグニフィセント・セブン』。このほど、『七人の侍』を監督した世界の巨匠・黒澤明監督の命日となる本日9月6日(火)に、本作の予告編とポスタービジュアルがついに解禁!さらに主演のデンゼル・ワシントンとクリス・プラットから、コメント映像も到着した。西部開拓時代。ローズ・クリークの町の人々は、バーソロミュー・ボーグ(ピーター・サーズガード)の支配下で絶望的な日々を送っていた。エマ・カレン(ヘイリー・ベネット)は、賞金稼ぎのサム(デンゼル・ワシントン)を中心に、ギャンブラーのジョシュ(クリス・プラット)、流れ者、スナイパーなど7人のアウトローを雇う。町を守るために立ち上がった彼らは、いつしか自分たちの目的が、金のためだけではなくなっていることに気づく――。世界の名だたる巨匠が師と仰ぐ黒澤明監督の代表作『七人の侍』(’54)と、その舞台を西部開拓時代のメキシコに移してリメイクした名作ウェスタン『荒野の七人』(‘60)が、いま改めて個性豊かな豪華キャスト陣で現代に蘇る本作。メガホンをとったのは、デンゼルの主演作『トレーニング デイ』『イコライザー』や、ジェイク・ギレンホール主演の『サウスポー』で、男たちの重厚なドラマを描いてきたアントワーン・フークア監督。今回、『七人の侍』『荒野の七人』、どちらのDNAも受け継ぎながら、初のリメイク作品を手掛けている。ついに解禁された日本版予告編では、無慈悲にも街を荒らされ、嘆く女性エマのセリフから始まる。主演を務めるデンゼルが演じるサムは、「復讐を望む?」と問いかけるが、彼女は「正義を復讐は手段よ」と決意の眼差しを向けている。続く映像では、サムの華麗な銃さばきが目を惹くが、そこで「もう閉店なのか?」と話す男ジョシュを演じるのが、『ジュラシック・ワールド』など話題作に引っ張りだこのクリス。彼が演じるジョシュは、愛嬌たっぷりでコミカルではありながら、おとこ気も感じさせる愛すべきキャラクターだ。そして、「Heavy Young Heathens」の「House of the Rising Sun」がクールに流れる中、イーサン・ホークやイ・ビョンホンらが演じる最強のワルたちが次々に暴れまわる! 「ド派手にやろうぜ」のセリフ通り、銃撃戦、爆発、ナイフさばきなど、怒濤のアクションシーンが連発。賞金稼ぎ、ギャンブラー、スナイパー、ハンター、暗殺者、流れ者、戦士。個性豊かな7人のアウトローたちが、彼らの流儀で悪を裁いていくさまをスタイリッシュに映し出していく。デンゼルとイーサン、そしてフークワ監督といえば、『トレーニング デイ』以来、実に15年ぶりとなるタッグ。デンゼルにとって初めてのアカデミー賞主演男優賞をもたらした監督でもあり、本作ではどのようなコンビネーションを見せてくれるのかは要注目。ストーリーの詳細はいまだ謎に包まれているが、この予告編の迫力には期待が高まらずにはいられない。また、アカデミー賞の前哨戦として知られる第41回トロント国際映画祭でのオープニング上映、現在開催中の第73回ベネチア映画祭でのクロージング上映も決定しており、世界的にも大きな注目を集めている本作。デンゼルとクリスの息の合った様子も伺えるコメント映像から、まずは確かめてみて。『マグニフィセント・セブン』は2017年1月27日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年09月06日黒澤明監督の名作『七人の侍』と、リメイク作『荒野の七人』を原案にした新作映画『マグニフィセント・セブン』の予告編映像が公開になった。オスカー俳優デンゼル・ワシントンが主演を、ワシントンと3度目のタッグを組むアントワン・フークアが監督を務める作品で、予告編には個性的な7人の男たちのアクションシーンがたっぷりと収録されている。公開された予告編映像このほど公開になった予告編は、善良な人々が虐げられ、家を追われる悲しいシーンから始まる。そこにやってきたのは、賞金稼ぎ、ギャンブラー、スナイパー、ハンター、暗殺者、流れ者、戦士の7人。彼らは“正義”を貫くために復讐という手段を選択。映像には強烈な個性をもった7人の男たちの活躍シーンが次々に登場。軍隊を相手にたった7人で立ち向かう決戦シーンの一部も登場する。ワシントンのほか、クリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホン、ヴィンセント・ドノフリオ、ピーター・サーズガード、ヘイリー・ベネットらが出演。予告編にもそれぞれの見せ場が用意されており、完成した作品も7人それぞれのキャラクターがきわだつ、ひと味違ったアクション映画になりそうだ。『マグニフィセント・セブン』2017年1月27日(金) 全国ロードショー
2016年09月06日デンゼル・ワシントンが、『Inner City』への主演を検討している。『ナイトクローラー』で監督デビューを果たしたダン・ギルロイが書き下ろした法廷ものだ。その他の情報ワシントンが演じることになる主人公は、企業弁護士。ストーリーは明らかにされていないが、ポール・ニューマンの『評決』のような感じの映画になりそうとのことだ。物語の舞台はロサンゼルス。ワシントンの次回作は、来月北米公開される『マグニフィセント・セブン』。今作はヴェネツィア映画祭のクロージング、トロント映画祭のオープニングを飾る。また、12月には、ワシントンが主演と監督を兼任する『Fences』が控える。ワシントンとヴィオラ・デイビスがブロードウェイで演じて絶賛された舞台劇の映画化で、映画でも再びデイビスと共演する。文:猿渡由紀
2016年08月26日OPI(オーピーアイ)から、2016年秋冬「ワシントン D.C. コレクション バイ オーピーアイ」が2016年8月20日(火)に発売予定。今回のコレクションも、2016年春夏コレクションのテーマ「ニューオリンズ」に続き、アメリカの都市に再びフォーカス。数々の歴史を生み出し、世界で最も勢いのあるコスモポリタン都市「ワシントンD.C.」がテーマとなっている。また今回は、人気海外ドラマ「スキャンダル」にて、ワシントンD.C.の政治家たちの間で起こるスキャンダルをコントロールする主役、オリヴィア・ポープを演じたケリー・ワシントンとのコラボレーションカラーを展開。フェミニンな美しさを秘めつつ、勇敢でパワフルに活躍する女性をイメージした色合いに注目したい。今シーズンカラーからは、ファーストレディが纏う気品漂うオリーブグリーンの「スージー ザ ファーストレディ オブ ネイルズ」、チョコレートブラウンの「スクィーカー オブ ザ ハウス」そしてマスタードイエローの「ネバー ア ダレス モーメント」などが登場する。さらに、美しいヌードベージュの「ペール トゥ ザ チーフ」、鮮やかなガーネットの「ウィー ザ フィ ーメール」、紅葉の色を彷彿させるコッパー「ヤンク マイ ドゥードル」など、ドラマティックで洗練された秋冬コーディネートを完成させる全12色のラインナップだ。【商品詳細】2016年秋冬 ワシントン D.C. コレクション バイ オーピーアイ発売日:2016年8月20日(火)・ワシントン D.C. コレクション バイ オーピーアイ 全12色 各2,000円+税・モニュメンタル ミニ ミニパック 3,000円+税セット内容:ミニボトル 各3.75ml 計4本 (XNL W64、XNL W57、XNL W53、XNL W56)【問い合わせ先】オーピーアイジャパン株式会社TEL:03-5772-3922
2016年07月29日映画『マグニフィセント・セブン』が、2017年1月27日(金)に公開される。1954年に公開された黒澤明監督の映画『七人の侍』。そして、その舞台を西部開拓時代のメキシコに移し、1960年にハリウッドリメイクされた名作ウェスタン『荒野の七人』。これら最高峰の作品たちを原案にリメイクしたのが本作である。監督は『トレーニング デイ』『イコライザー』『サウスポー』など、重厚な男たちのドラマを描いてきたアントワーン・フークア。主演には『トレーニング デイ』『イコライザー』のデンゼル・ワシントン、『ジュラシック・ワールド』のクリス・プラット、『6才のボクが、大人になるまで。』のイーサン・ホーク、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』のイ・ビョンホンなど、国際色豊かな豪華キャストが集結する。なお本作は、2016年のトロント映画祭ではオープニング作品、ヴェネツィア映画祭ではクロージング作品として評価を受け、アメリカ初公開では初登場第1位のヒットを記録している。全て本物の巨大セットで撮影し、可能な限り実際のスタントを演じたというリアル感あふれるアクション作品だ。■ストーリーバーソロミュー・ボーグ(ピーター・サーズガード)の支配下で、ローズ・クリークの町の人々は絶望的な日々を送っていた。そんな中、エマ・カレン(ヘイリー・ベネット)は賞金稼ぎのサム(デンゼル・ワシントン)を中心としたギャンブラー ジョシュ(クリス・プラット)、流れ者、ガンの達人など7人のアウトローを復讐のために雇う。町を守るために立ち上がった彼らは、いつしか自分たちの目的が金だけではなくなっていることに気付く。【作品詳細】『マグニフィセント・セブン』(原題:The Magnificent Seven)公開日:2017年1月27日(金) 全国ロードショー監督:アントワーン・フークアキャスト:デンゼル・ワシントン、クリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホン、ヴィンセント・ドノフリオ配給・宣伝:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
2016年07月10日黒澤明監督の代表作『七人の侍』(54)と、その舞台をメキシコに移してハリウッドで製作された『荒野の七人』(60)を原案としてリメイクされた、映画『マグニフィセント・セブン』が2017年1月27日に日本公開されることが決定し7日、特別先行ビジュアルが公開された。本作でメガホンを取るのは、『トレーニングデイ』(01)、『イコライザー』(14)、『サウスポー』(公開中)などで男たちのドラマを映してきたアントワーン・フークア監督。キャストには『トレーニングデイ』『イコライザー』のデンゼル・ワシントン、『ジュラシック・ワールド』(15)のクリス・プラット、 『6才のボクが、大人になるまで。』(14)のイーサン・ホーク、『ターミネーター:新起動/ジェニシス』(15)のイ・ビョンホンなど、国際色豊かな俳優たちが名を連ねる。デンゼル、イーサン、アントワーン監督の3人がタッグを組むのは、『トレーニングデイ』以来、15年ぶり。アントワーン監督は、同作でデンゼルに初のアカデミー賞主演男優賞をもたらしたことでも知られる。そんなアントワーン監督が、古典映画のストーリーを現代的な視点から捉え直した本作。バーソロミュー・ボーグ(ピーター・サーズガード)の支配下で、絶望的な日々を過ごすローズ・クリークの町を舞台とし、エマ・カレン(ヘイリー・ベネット)が賞金稼ぎのサム(デンゼル)を中心とした7人のアウトローを復讐のために雇ったことから物語は始まる。町を守るために立ち上がった彼らだが、いつしか自分たちの目的が金だけではなくなっていることに気付いていく。公開された本作初となるビジュアルでは、そんな荒れ果てた大地に集まったアウトローたち7人の姿が。金稼ぎ、ギャンブラー、スナイパー、ハンター、暗殺者、流れ者、戦士といった特徴的な7人が、拳銃、おの、ナイフ、弓矢などそれぞれの武器を手にして、悪に立ち向かおうとする鋭い眼光が印象的な1枚となっている。
2016年07月07日黒澤明監督の名作『七人の侍』と、リメイク作『荒野の七人』を原案にした新作映画『マグニフィセント・セブン』が来年1月27日(金)から公開されることが決定した。オスカー俳優デンゼル・ワシントンが主演を、ワシントンと3度目のタッグを組むアントワン・フークアが監督を務める。その他の情報本作は、復讐のために雇われた賞金稼ぎ、ギャンブラー、スナイパー、ハンター、暗殺者、流れ者、戦士の7人が悪に立ち向かう中で、報酬以上の目的に気づき、街を守るために決死の闘いに挑む姿を描いた大作映画。ワシントンのほか、クリス・プラット、イーサン・ホーク、イ・ビョンホン、ヴィンセント・ドノフリオ、ピーター・サーズガード、ヘイリー・ベネットらが出演する。『マグニフィセント・セブン』2017年1月27日(金) 全国ロードショー
2016年07月07日黒澤明監督の1954年の代表作『七人の侍』をハリウッドリメイクした1960年の名作ウェスタン『荒野の七人』。これら最高峰の名作たちを原案にリメイクされた、映画『マグニフィセント・セブン』が、来年1月27日(金)に公開することが決定した。アントワーン・フークワ監督が古典映画のストーリーを、現代の視点をもって描いた『マグニフィセント・セブン』。バーソロミュー・ボーグ(ピーター・サーズガード)の支配下で、ローズ・クリークの町の人々は絶望的な日々を送っていたが、エマ・カレン(ヘイリー・ベネット)は賞金稼ぎのサム(デンゼル・ワシントン)を中心としたギャンブラージョシュ(クリス・プラット)、流れ者、ガンの達人など7人のアウトローを、復讐のために雇った。町を守るために立ち上がった彼らは、いつしか自分たちの目的が金だけではなくなっていることに気付く――。『七人の侍』といえば、世界の名だたる巨匠が師と仰ぐ黒澤監督の代表作。主演は三船敏郎と志村喬が務め、「ヴェネツィア国際映画祭」銀獅子賞などを受賞している。そして、その『七人の侍』の舞台を西部開拓時代のメキシコに移してハリウッドリメイクされたのが『荒野の七人』。日本でも公開され、のちに『続・荒野の七人』『新・荒野の七人 馬上の決闘』『荒野の七人・真昼の決闘』などの続編が製作されている。本作を手がけるのは、『トレーニング デイ』『イコライザー』『サウスポー』など、重厚な男たちのドラマを描いてきたアントワーン・フークア監督。 主演には『トレーニング デイ』『イコライザー』のデンゼル・ワシントン、『ジュラシック・ワールド』のクリス・プラット、『6才のボクが、大人になるまで。』のイーサン・ホーク、『甘い人生』『ターミネーター:新起動/ジェニシス』のイ・ビョンホンなど、国際色豊かな豪華キャストが集結。デンゼルとイーサン、アントワーン監督は『トレーニング デイ』以来、実に15年ぶりのタッグで、アントワーン監督は、デンゼルにとって初めてのアカデミー賞主演男優賞をもたらした監督でもあるのだ。日本公開日決定に合わせて、このたび解禁となったのは、本作の初ビジュアルである特別先行ビジュアル。荒れ果てた大地に集まった最強のアウトローたち7人のカッコ良すぎる姿が映し出されている。賞金稼ぎ、ギャンブラー、スナイパー、ハンター、暗殺者、流れ者、戦士、という個性豊かな7人が、拳銃、斧、ナイフ、弓矢などそれぞれの武器を手に、悪に立ち向かおうとする鋭い眼光をこちらに向けているのが印象的な1枚だ。豪華キャストで蘇る最高峰の西部劇。歴史的興奮を予感させるビジュアルに仕上がっている。『マグニフィセント・セブン』は2017年1月27日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)
2016年07月07日『ブロークバック・マウンテン』から『ナイトクローラー』『エベレスト3D』まで、演技派として活躍するジェイク・ギレンホール。彼がアカデミー賞監督アントワーン・フークアがタッグを組んだ人間ドラマ『サウスポー』の公開日が、6月3日(金)に決定した。リング上で脚光を浴びる左利きのチャンピオン、ビリー・ホープ。怒りをエネルギーに相手を倒す、という彼のスタイルに心配が耐えない妻と娘。やがて、そんな彼の闘い方が無情にも妻の死へと繋がってしまう。最愛の妻を失くしたビリーは悲しみに暮れ、ボクシングにも力が入らず、愛する娘とも引き離され、全てを失ってしまう。そんなビリーは、いまは第一線を退いて古いジムを営む、トレーナーのティックのもとを訪れるが…。全てをなくしたボクシングの元世界チャンピオンが、亡き妻と最愛のひとり娘のために、自分を変え、再びリングに上る再起の物語を描く本作。ひたむきに自分と向き合うことで成長し、家族との絆を取り戻そうとする父親にしてボクサーのビリーを演じるのは、狂気のパパラッチを演じた前作『ナイトクローラー』から一転、6か月にわたり体を鍛え上げ、切れ味鋭いボクサーの体を作り上げたジェイク。また、彼の亡き最愛の妻・モーリーンには、『スポットライト 世紀のスクープ』でアカデミー賞「助演女優賞」にノミネートされたレイチェル・マクアダムス、ビリー再生の鍵となるトレーナーのティックには、アカデミー賞俳優のフォレスト・ウィテカー。監督はデンゼル・ワシントンの怪演でオスカーをもたらした『トレーニング デイ』の鬼才アントワーン・フークアが務め、現代最高のヒップホップスター、エミネムが自身の実体験に基づいて手がけた主題歌「Phenomenal」で、本作のパワフルでエモーショナルなドラマを後押しする。さらに今回、前売り特典付きムビチケカードの発売も3月25日(金)に決定。特典は、“サウスポー”のビリーが身に付ける左手のボクシンググローブをかたどった「ボクシンググローブ型携帯クリーナー付きキーホルダー」。屈強かつ美しい肉体を作り上げたジェイクのごとく、携帯に磨きをかけてみては!?『サウスポー』は6月3日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年03月24日ジェイク・ギレンホールが、映像専門パパラッチを怪演した『ナイトクローラー』の激ヤセぶりから一転、全てを失ったボクサーの再生の物語に挑む『サウスポー』。本作から、彼を次々と襲う悲劇と、再生への希望の光が胸に迫る予告編映像が解禁となった。リング上で脚光を浴びるチャンピオン、ビリー・ホープ。狂気のような怒りをエネルギーに相手を倒す、というスタイルに心配が耐えない妻と娘。あるとき、その彼の怒りは無情にも妻の死へと繋がってしまう。最愛の妻を失くしたビリーは悲しみに暮れる毎日。ボクシングにも力が入らず、ついには愛する娘までも失うことに。そんなビリーは、古いジムを営むトレーナーのティックのもとを訪れ、自らの“怒り”を封印することを学んでいくが…。『ナイトクローラー』のために12kgもの減量を行い、演技派俳優としての実力を存分に発揮したギレンホールが、今回は撮影までの6か月間、1日2回のトレーニングを週7日こなし、無敗のボクシングチャンピオンとして筋骨隆々たる姿へと変貌を遂げた本作。栄光の世界からどん底に落ちながらも、愛する家族のために再起を決意する父の姿を熱演した彼は、「VARIETY」ほか各メディアから大絶賛を受けている。また、監督を務めるのは、デンゼル・ワシントンにオスカーをもたらした『トレーニング デイ』の鬼才アントワーン・フークア。また、『ラスト・キング・オブ・スコットランド』でアカデミーとゴールデングローブ、両賞で「主演男優賞」を手にしたフォレスト・ウィテカーや、『スポットライト 世紀のスクープ』で本年度アカデミー賞「助演女優賞」にノミネートされているレイチェル・マクアダムスなど、錚々たる実力派俳優も集結した。予告編は冒頭から、ラッパーのエミネムが自身の実体験を基に書き下ろした主題歌「Phenomenal」に乗せて、大観衆を熱狂させる無敗のチャンプ、ビリー・ホープ(ジェイク)の輝かしい姿と、愛する家族との幸せな日々が映し出される。だが、妻モーリーン(レイチェル)と共にパーティー会場を後にするビリーの前に現れたのは、ライバルボクサーのミゲル。侮辱され、挑発に乗ったビリーの行動が、周囲を巻き込んでの乱闘に発展、モーリーンが何者かに撃たれてしまう。最愛の妻を失い、深い悲しみに打ちひしがれるビリーは、ボクサーライセンスを剥奪され、収入や家も失い、さらには父親失格とみなされ、愛する娘・レイラ(ウーナ・ローレンス)とも引き裂かれてしまう。全てを失い、どん底へと転げ落ちたビリーは、かつて自分を唯一苦しめたボクサーを育て、いまはアマチュアのボクシングジムを経営するトレーナー、ティック(フォレスト)のもとを訪れる。「お前の短気さは命取りだ」ビリーに浴びせられるティックの言葉には、実は再生の鍵が隠されていた。「俺は生まれ変わる」やがてビリーは、過去の自分とひたむきに向き合うことで、闇のなかに光を見出していく。人間ドラマを描きながらも、ビリーの試合相手には本物のボクサーを起用したり、米最大手の有料チャンネルHBOの撮影スタッフのもと、伝説的解説者ジム・ランプリーとロイ・ジョーンズ・ジュニアも本人役で出演するなど、徹底したリアリティを目指した本作。ボクサーとして、そして父として、亡き妻と最愛の娘のために再びリングへ上る主人公ビリーの姿には、胸が熱くならずにいられない。『サウスポー』は6月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年02月19日