240年余の歴史を誇るモスクワのボリショイ・バレエが、6月2日から、広島を皮切りに東京、大津、仙台、大阪の全国5都市で、2年半ぶりの日本公演を行う。公演に先立ち、ロシア大使館で記者会見が開かれた。ボリショイ・バレエ チケット情報今年は同バレエ団の初来日から60年。また、ロシア政府が自国の文化芸術を紹介する “RUSSIAN SEASONS”の最初の開催国が日本に決まり、この公演がオープニングを飾ることになって、二重の意味で注目が集まる。プログラムは、ユーリー・グリゴローヴィチ振付の『白鳥の湖』と『ジゼル』、アレクセイ・ラトマンスキー振付、日本初演となる『パリの炎』の3作で、出演者には、世界的な舞姫スヴェトラーナ・ザハーロワをはじめ、エカテリーナ・クリサノワ、来日直前にブノワ賞受賞が決まったデニス・ロヂキンらスターダンサーに加え、将来を担う有望な若手も名を連ねる。会見に出席したマハール・ワジーエフ監督は、「ボリショイ・バレエの監督として来日するのは初めてですが、日本に来る時はいつも特別な思いがあります。今回のツアーは我々ボリショイ・バレエにとっても特別で、60年間来日し続けられたのは、日本の皆様に認めてもらえたからだと思います。これからさらに新しい歴史を紡いでいけるのではと期待しています」とにこやかに語った。「また日本に来られて嬉しいです。『パリの炎』を踊るのは初めてで、『ジゼル』も日本では初めてで責任を感じますが、同時にワクワクもしています。回を重ねるごとに気分が高揚して、素晴らしい舞台を作れるのではないでしょうか」と期待を込めるのは、プリンシパルのエフゲーニヤ・オブラスツォーワ。その2作で相手役を務めるリーディング・ソリストのイーゴリ・ツヴィルコは、「来日は2度目です。素晴らしい先輩たちの舞台に引けをとらないように、誇りを持って踊っていきたい」と力強く話す。入団1年目で抜擢されたアリョーナ・コワリョーワは、「初めて日本に来ることができ、喜びと共に責任と名誉も感じています。バレエを愛する日本のお客様の前で『ジゼル』のミルタを踊ることになり、とても緊張していますが、気持ちを込めて踊りたいです」と初々しく話した。世界最高峰のバレエを堪能できる贅沢な時間が始まる。東京公演は6月4日(日)に『ジゼル』にて開幕。6月7日(水)から12日(月)まで『白鳥の湖』。6月14日(水)・15日(木)は『パリの炎』を東京文化会館にて上演。チケット発売中。文:原田順子
2017年06月02日Kバレエカンパニー『海賊』が開幕した。マリウス・プティパの原振付に、主宰の熊川哲也が演出・再振付を施し、07年に初演。以来、一貫性あるストーリーと、ふんだんに散りばめられた踊り、深い色合いの美しい装置・衣裳などが好評を博し、再演を重ねてきた名プロダクションだ。今回、初演から10年という記念すべき節目に上演される本作の、初日のもようをお届けしよう。【チケット情報はこちら】開幕すると、地図が描かれた斜幕の上を、サーチライトのような光が動き回る。そして、斜幕の向こうに浮かび上がるのは、船に乗った海賊の首領コンラッド、その部下であるビルバント、アリらの姿ーー。熊川版『海賊』は冒頭から、わくわく感いっぱいだ。海賊達は大海を舞台に大いに暴れ回るが、やがて嵐に遭い、トルコ占領下のギリシャに打ち上げられる。彼らをみつけて介抱したのが、美しい姉妹、メドーラとグルナーラ。コンラッドとメドーラは恋に落ちるが、メドーラ、グルナーラら女性達は奴隷商人ランケデム達に捕らえられ、市場に売りに出されてしまう。果たして、コンラッドらは彼女達を救えるのか??熊川版『海賊』の大きなテーマは“男たちのロマン”。海賊たちの勇壮な踊りや強い絆が前面に押し出された、心躍るアドベンチャー大作となっており、殊にコンラッドに対してアリが見せる忠節は特長的だ。コンラッド役の遅沢佑介はリーダーにふさわしい堂々たる踊りを見せ、アリ役の伊坂文月は陽性のオーラと直向きなパワーでその場を盛り上げたり撹乱したり。一方、途中でコンラッドに反旗を翻すビルバント役の杉野慧は独特の陰影や鬱屈を踊りに昇華させ、卑劣なランケデム役の堀内將平は狡猾さを巧みに表すと共に軽やかな跳躍でも観客を魅了。それぞれに多彩な男性像を造形した。一方、女性陣も負けてはいない。今回、神々しい輝きで観る者の心を引きつけたのは、メドーラ役の中村祥子。長い四肢を活かした伸びやかな踊りは息を飲むほど美しく、ヒロインに相応しい気高さに満ちている。また、グルナーラ役の小林美奈は、確かな技術に裏打ちされた、可憐で表情豊かな動きが光る。奴隷となってランケデムやパシャを相手に繰り広げる踊りには、悲嘆と苦悩が滲み出て秀逸だった。コンラッド、メドーラ、アリが踊るパ・ド・トロワは活気にあふれ、会場の熱気も最高潮に。前日に行われた囲み会見で熊川は「うちの海賊達はジャック・スパローズよりカッコいい」と胸を張り、「この作品は10年やっている鉄板作品。非の打ち所がないと思っています。それを新しいダンサーが踊ることでまた色が変わる。どういう相乗効果、化学反応があるか、監督として見ていきたい」と語った。その言葉を裏付けるかのように、10年という歳月での作品の成熟とダンサー達の成長とが、躍動感みなぎる鮮やかな舞台を作り上げていた。取材・文:高橋彩子
2017年05月25日東京バレエ団はこの秋、〈20世紀の傑作バレエ〉と題した公演で初めてローラン・プティ(1924ー2011)の作品に取り組む。ビゼーの音楽に振付けられた傑作、『アルルの女』だ。このほど振付指導のルイジ・ボニーノらを迎えての公開リハーサルおよび記者懇親会が開催され、ボニーノはじめ、斎藤友佳理芸術監督、主演の上野水香、川島麻実子、柄本弾が公演への思いを語った。【チケット情報はこちら】懇親会冒頭から「『アルルの女』についてだね!この作品は実にディープで、受け取ることが難しいところがあるんです」と熱く語りはじめたボニーノ。婚約者がありながら、別の女性の幻影に心を奪われ、次第に正気を失っていく青年フレデリと、彼に献身的な愛を注ぐ婚約者ヴィヴェットの悲恋を描く作品だが、とくに終盤のフレデリのソロは、見る者の心をこれでもかと激しく揺さぶる。「世界じゅうで上演された、素晴らしい作品」と、愛情たっぷりだ。「35年間プティと一緒にいて、彼にすべてを学びました。最初は『コッペリア』の兵士役でしたが、始めた瞬間、恋に落ちました。ステップ、音楽性、感情、愛、ユーモア……。やりたいと思っていたまさにそのものだ、と。彼が亡くなって本当に寂しいし、こうして指導することは責任重大です」とボニーノ。稽古場では、コール・ド・バレエの指導を担うジリアン・ウィッテンガムとともに、実に緻密で、妥協のない指導を繰り広げた。初日と3日目に主演する上野は、昨年秋、モスクワでの〈クレムリン・ガラ〉でこの作品の抜粋を踊っている。パートナーは今回と同じく、イタリアの貴公子として名高いロベルト・ボッレ。この上演が今回の取り組みに繋がったと、斎藤芸術監督は話す。「求められるのは、99パーセントが“内面”。ダンサーたちには、この作品を通して変わっていってもらいたいのです」牧阿佐美バレヱ団在籍時よりいくつものプティ作品を踊ってきた上野だが、「以前客席から観たドミニク・カルフーニのヴィヴェットが本当に素敵だった。感情表現を、自分だけのものをつくっていきたい」と話す。2日目のヴィヴェット役、川島は「女性ダンサーの、感情的な意味での役割はとても大きいと感じた。どう掘り下げ、どう打ち破っていけるかが課題」という。彼女と組むのは柄本。数年前、ボニーノは彼に「『アルルの女』をやるといい」と声をかけたことがあるという。それがついに実現、「体力的にハードな作品と痛感。内側からストーリーを語れるようになりたい」と柄本も意欲的だ。〈20世紀の傑作バレエ〉公演は、9月8日、(金)から10日(土)まで、東京・東京文化会館にて。チケットは5月27日(土)午前10時より発売。取材・文:加藤智子
2017年05月25日ダンス×J-POP×演劇という独自路線で快進撃を続けるダンス・エンタテインメント集団「梅棒」。J-POPや懐メロなどのヒット曲で構成し、その歌詞と曲の世界観で描き下ろしたオリジナルの物語を繰り広げる。セリフはない。でも、まるでセリフをしゃべっているよう。音楽の力をもとに、ドラマをダンス×演劇で表現する新ジャンル。わかりやすく、楽しい。ダンスファン×演劇ファン×J-POPファンが客席に入り乱れ、エンタメ業界も大注目だ。梅棒 7th ATTACK『ピカイチ!』チケット情報演劇界デビューは2012年。大阪には14年に初登場、徐々に公演劇場が大きくなり、参加ゲストも増えた。今回は、東京、大阪、福岡と、初めて愛知へ上陸を果たす4都市ツアー。総合演出・出演の梅棒のリーダー・伊藤今人と共に、今作『ピカイチ!』にゲスト出演するw-inds.の千葉涼平が来阪、意気込みを語った。千葉は、昨年梅棒を初体験。「周囲から『最近、梅棒の舞台がヤバイ』って聞いていて、やっと昨年、観に行けました。すごくおもしろかった!」。今回の物語は、転校生によって、楽しく平和な学園に大騒動が巻き起こる!という、青春学園モノ。「僕らは基本的にお客さんに喜んでもらえるものを目指したいんです。だから今回、ファンの人が既に知っている千葉君ではなく、やったことのない役がいいだろうなと、ちょっと悪い役にしました。これまで観たことのないブラック千葉君です(笑)。で、ガッツリ踊ってもらいますよ!」と伊藤。千葉は「悪役は初めてなので、新しい自分を引き出していただけるのかなというワクワク感があります。でも、梅棒さんの世界観に自分が入ったらどうなるんだろう、どんなキャラクターができ上がるんだろうって、楽しみなんですけど、まだ想像がつかなくて(笑)」。千葉はヒールなカリスマ役とは言え、「コミカルなところも担ってもらおうと。行き過ぎたカリスマって、ちょっとおもしろいじゃないですか。今回はドタバタバカバカアクションですから(笑)。コメディ集団としての梅棒を楽しみに来てほしいですね。使う曲はいつものように20曲ぐらい。w-inds.の曲も生かせたらいいんですけどね~。今回は、オレとか千葉君とか、昭和最後の世代はみんな楽しめる曲が並んでます(笑)。初恋した時、振られた時、部活頑張ってた時にかかってた曲とか…ノスタルジーに浸って、曲と一緒に学生時代を思い出してもらえると思いますよ」。ゲストには千葉のほか、吉川友、後藤健流らも出演。「ギリギリまでかかりましたけど、いいのできました。おもしろいっす!」(伊藤)。公演は、6月23日(金)から7月2日(日)まで東京・Zeppブルーシアター六本木、7月4日(火)・5日(水)大阪・森ノ宮ピロティホール、7月8日(土)から9日(日)福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール、7月12日(水)・13日(木)愛知・名古屋市青少年文化センター アートピアホールにて上演。チケットは発売中。取材・文:高橋晴代
2017年05月18日梅棒 7th ATTACK「ピカイチ!」がこの夏に上演される。<ダンス×J-POP×演劇>という独自のステージが人気を集め、公演を重ねるごとに注目の高まる梅棒。これまでの最大規模となる7作目は、梅棒ワールド全開のコメディ作品。総合演出を手掛ける伊藤今人(梅棒)、ゲストの千葉涼平(w-inds.)に話を聞いた。梅棒 7th ATTACK「ピカイチ!」チケット情報今作は“学園モノ”。伊藤は「前作『GLOVER』がいい話で感動したっていうお客様もいると思うんですけど、今回は男の子だなって思ってもらえるような、めちゃくちゃなコメディをやろうとしています。前作で好きになった人はズッコケるかもしれませんが、もともと梅棒はこんだけバカな奴らだよっていう。こんなぶっ飛んだ梅棒もまたおもしろいなと思ってもらえたら!」。その中で千葉が演じるのは、意外にも悪役(予定)。「悪役を演じたことはあまりないです」と言う千葉に、伊藤は「きっとないだろうなと思って」とニヤリ。「せっかく出てくれますからね!ちょっとドキッとするような悪さとか、むちゃくちゃぶっ飛んだ役を千葉さんが演じたら面白い」(伊藤)。梅棒作品への初参加を「自分に今までなかったものを引き出してくれるんじゃないかってすごく楽しみ」と喜ぶ千葉。梅棒の舞台の印象を聞いてみると「面白かったです。J-POPを中心に使われてたのもすごく印象的でしたし。僕は前作の冒頭で今人さんが語り部的なお芝居をされてたのがすごく印象に残っているんですよ。あれでぐっと惹きつけられましたから。“ダンス舞台”というイメージがあったので意外でしたね」。千葉に出演をオファーした理由は「舞台上の千葉くんを観て、楽しんでいろんなことに挑戦してくれる人なんじゃないかと感じて。それにパフォーマンスが全力だったので梅棒に合うなと思ったんですよね」(伊藤)。「千葉くんはブレイクダンスをはじめいろんなダンスが踊れますし、大きな劇場でも学園モノのドタバタ感がある派手な動きが映えそう」と期待する伊藤だが、それに加え今作で千葉に踊ってもらいたいダンスがあるという。「梅棒のジャズダンスを!優雅に踊る一般的なジャズダンスと違って、我々のはゴリゴリに力で振り回すみたいな(笑)、特徴的な動きをしますので。それを千葉くんが踊ると思うと楽しみ」(伊藤)。今作では東京、大阪、名古屋、福岡と全国4か所を巡演する。伊藤は「名古屋に行けるのが初なので嬉しいです。福岡も前回、歓迎してくれてる感が半端なかった。満員ですごい熱気だったんですよ。大阪もコメディへのリアクションが大きいし…楽しみしかないです!」公演は、6月23日(金)から7月2日(日)まで東京・Zeppブルーシアター六本木ほか、大阪、名古屋、福岡にて。取材・文:中川實穗
2017年05月08日おでかけが多くなるこれからの季節。「ヒールを脱ぎ捨てて楽チンぺたんこシューズでお出かけしたいけれど、スニーカーはカジュアルすぎて…」そう思っている方はいませんか?もしそんな風に思っていたら、女性らしいシルエットのバレエシューズ「farfalle(ファルファーレ)」がきっとそのお悩みを解決します。日本人女性の足を知り尽くした、職人さんのバレエシューズ日本の30年来の靴職人さんによって作られているバレエシューズ「farfalle」。その素材から縫製までしっかりと「Made in Japan」にこだわっています。日本人女性である私たちの足を知り尽くして作られているから、足全体にフィットして履き心地もとても軽く感じますよ。NASAが開発した技術を応用した「楽チン」高機能素材を足元に「マザータッチ」と呼ばれる中敷きは、固いアスファルトから受ける衝撃を和らげて、歩くごとにフワフワっとする履き心地。宇宙計画のためにNASAが開発した技術を応用した、衝撃吸収と荷重分散に優れた高機能素材は、お仕事やお出かけに忙しい私たちの1日の疲れをも和らげてくれますよ。スタッフもお気に入り!farfalleのある毎日楽チンでお洋服に合わせやすく、そしてコーディネートが女性らしくまとまることから、アンジェスタッフの中でも人気のシューズfarfalle。今日はアンジェスタッフたちの、そんなfarfalleのある毎日をご紹介しますね。【スタッフ苅谷(広報)の場合】シューズ: ラウンドトゥエナメルバレエシューズfarfalleブラック 普段のサイズ:22.5cm購入サイズ:36「幅は細身のバレエシューズ。でもエナメルが柔らかいので締め付け感がなく、履き心地がとっても快適なんです。」【スタッフ近郷(バイヤー)の場合】シューズ: ポインテッドトゥバレエシューズfarfalleホワイト 普段のサイズ:23.5cm購入サイズ:37「足入れをした時ちょっと窮屈に感じましたが、少し歩いていると馴染んできました。女性らしいコーディネートにも、カジュアルコーディネートにも、どんなコーディネートにも合わせやすくてお気に入りです。」【スタッフ池田(バイヤー)の場合】シューズ: ラウンドトゥエナメルバレエシューズfarfalleネイビー 普段のサイズ:23.5cm購入サイズ:37「とっても軽やかな履き心地が気に入っています。Made in Japanなのに、外国のブランドのような中敷きのデザインも好き。色違いで2足持っています。」どんな素晴らしいシューズでも、オンラインショッピングだときっとご不安なことも。そんなご不安を少しでも取り除けるように、商品ページには足の形や足囲などにも触れながらスタッフ試着コメントを掲載しています。ぜひ商品ページも覗いてみてくださいね。暖かくなってきたこの季節。「farfalle(ファルファーレ)」のバレエシューズで、足元に女性らしさを纏ってお出かけしてみませんか?
2017年05月07日古代インドの舞姫と戦士の悲恋を描く古典バレエの傑作、『ラ・バヤデール』を上演する東京バレエ団が、ゲストのダニエル・カマルゴ(オランダ国立バレエ団プリンシパル)を迎えてのリハーサルを公開。その後設けられた記者懇親会では、彼とともに、斎藤友佳理芸術監督、ヒロインを演じる上野水香、川島麻実子らが舞台への意気込みを語った。東京バレエ団 チケット情報東京バレエ団は4月上旬、ドイツのシュツットガルト州立劇場で『ラ・バヤデール』を上演し、大成功をおさめたばかり。同団の代表作のひとつとして上演のたびに評判を呼ぶ作品だが、斎藤芸術監督は「ゲネプロの幕があいた時、私はなんて無防備なことをしてしまったんだろうと、すごく後悔した」と明かす。カマルゴも在籍していた名門、シュツットガルト・バレエ団を擁し、熱心な愛好家が多い当地でクラシックの大作を上演する。それゆえのプレッシャーを乗り越えての大成功だ。「受け入れてもらえたことは、とても大きな喜び」と斎藤。貴重な体験を得て舞台にのぞむ団員たちに、初の客演となるカマルゴが加わり、よりいっそう美しく、パワフルな舞台が生み出されようとしている。ニキヤ役上野水香のパートナーとして招かれたカマルゴは、伸びやかかつダイナミックな踊りで日本でも観客の心を掴む若手スター。東京バレエ団が上演しているナタリア・マカロワ版『ラ・バヤデール』のソロル役は昨年、オランダで初めて踊り、マカロワ自身から直接指導を受けたという。「光栄なことでした。彼女はとても具体的に、スペシフィックな指導をされる方。それぞれの役の関係をとても明確に教えてくださいました」。初共演となる上野は「若くて才能があり、素晴らしいダンサー」とカマルゴを大絶賛。「私は2009年のバレエ団初演の時から、毎回違うパートナーと踊ってきました。今回もさらに違ったニキヤ、違った自分をお見せできるのではないかと思います」と話す。一方、2日目に主演する川島麻実子は、シュツットガルトでニキヤ役デビューを果たしたばかり。最終日にはガムザッティ役で出演する。「コール・ド・バレエ、ソリスト役とほぼすべての役を踊ってきました。それは私の財産。挑戦できるのはとてもありがたいことです。経験を活かしていきたい」と前向きだ。海外公演という大きな壁を乗り越えた彼らの、力に満ちた充実の舞台に期待したい。公演は6月30日(金)・7月1日(土)・2日(日)、東京文化会館にて。チケット発売中。取材・文:加藤智子
2017年04月25日一人の天才バレエ少女の、輝かしくも数奇な運命を描いた話題のフランス・グラフィックノベルの映画化『Polina, danser sa vie』(原題)が、『ポリーナ、私を踊る』の邦題で10月28日(土)より日本公開されることが決定した。ボリショイバレエ団のバレリーナを目指すロシア人の女の子ポリーナ(アナスタシア・シェフツォワ)は、厳格な恩師ボジンスキー(アレクセイ・グシ ュコフ)のもとで幼少の頃から鍛えられ、将来有望なバレリーナへと成長していく。かの有名なボリショイバレエ団への入団を目前にしたある日、コンテンポラリーダンスと出会い、全てを投げ打ってフランスのコンテンポラリーダンスカンパニー行きを決める。新天地で新たに挑戦する中、練習中に足に怪我を負い、彼女が描く夢が狂い始めていく…。ダンスを通して喜びや悲しみ、成功と挫折を味わい成長していく少女。彼女が見つけた自分らしい生き方とは――。本作は、BD書店賞、ACBD批評グランプリを受賞した、いまもなお人気の高い原作バスティアン・ヴィヴェスの「ポリーナ」を基に、よりリアリティと躍動感、そして伏線が張られたままのストーリーの空白部分に肉付けし、アーティスティックな作品へと昇華された意欲作。監督を務めるのは、ドキュメンタリーやショートフィルム、長編映画など幅広いジャンルの作品を手掛けているヴァレリー・ミュラーと、自身もバレエダンサーでありコンテンポラリーダンスのコレオグラファー(振付家)アンジュラン・プレルジョカージュが共同で担当。アンジュランはバレエ界の権威ある賞を数多く受賞し、パリ・オペラ座バレエ団をはじめ多くのバレエカンパニーへ作品を提供、1985年には自身のバレエカンパニーも設立している。そして今回、映画化にあたり主人公のポリーナを演じるのは、本作で映画デビューを飾ったアナスタシア・シェフツォワ。また、ポリーナが新しい道を模索する中で出会うコンテンポラリーダンスカンパニーの振付家を、フランスが誇る名女優ジュリエット・ビノシュ、さらにパリ・オペラ座エトワールのジェレミー・ベランガール、グザヴィエ・ドラン主演・脚本・監督作『マイ・マザー』や『胸騒ぎの恋人』にて、その美貌と存在感を放ったニールス・シュナイダーらが出演。本作でしか観ることのできない、華麗なダンスシークエンスを創り上げている。『ポリーナ、私を踊る』は10月28日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(cinemacafe.net)
2017年04月23日ダンス・エンタテインメント集団の梅棒が6・7月に東京・大阪・福岡・愛知の4都市で、新作舞台『ピカイチ!』を上演する。梅棒 7th ATTACK『ピカイチ!』チケット情報J-POPのヒット曲にのせたパワフルなダンスで、笑いと感動のストーリーを綴る。その独自のステージが注目を集めるカンパニー、梅棒。今回はリーダーの伊藤今人が脚本を書き下ろす、とある高校を舞台にした熱血青春ドラマ。ゲストに千葉涼平(w-inds.)や吉川友、後藤健流を迎え、熱量満載のステージを届ける。梅棒 7th ATTACK『ピカイチ!』は、6月23日(金)から7月2日(日)まで東京・Zeppブルーシアター六本木、7月4日(火)・5日(水)大阪・森ノ宮ピロティホール、7月8日(土)・9日(日)福岡・久留米シティプラザ ザ・グランドホール、7月12日(水)・13日(木)愛知・名古屋市青少年文化センター アートピアホールにて上演。東京公演のチケット一般発売は4月22日(土)午前10時より。
2017年04月21日世界の一流カンパニーとして人気を二分するパリ・オペラ座バレエ団、英国ロイヤル・バレエ団のスターたちが集い、それぞれの珠玉のレパートリー、さらには彼らがひとつの作品で共演する合同プログラムを上演するオペラ座&ロイヤル夢の共演〈バレエ・スプリーム〉が、この夏、実現する。3月上旬のパリ・オペラ座バレエ団日本公演期間中、出演者たちがプレス懇談会に出席し、公演への抱負を語った。オペラ座&ロイヤル 夢の競演 〈バレエ・スプリーム〉チケット情報公演に参加する精鋭ダンサーたちとともに現れたのは、パリ・オペラ座チームのスーパーバイザーを務めるオレリー・デュポン(パリ・オペラ座バレエ団芸術監督)。「これはとても野心的なプロジェクト。英国ロイヤル・バレエ団は素晴らしい、豊かなバレエ団で、日本のお客さんにふたつの異なった流派を見比べていただける素晴らしい機会になる」と、自身が選りすぐったダンサーたちを紹介した。パリ・オペラ座バレエ団の最高位、エトワールとして日本公演初日の主役を担ったマチアス・エイマンとミリアム・ウルド=ブラームをはじめ、昨年暮にエトワールに任命されたばかりのレオノール・ボラックとジェルマン・ルーヴェ、懇談会前夜にエトワールに任命され、会場を興奮の渦に巻き込んだユーゴ・マルシャン、デュポンが「素晴らしいショーマン」と太鼓判を押すプルミエ・ダンスールのフランソワ・アリュ。彼らが踊るのは、オペラ座自慢のレパートリーの数々だ。エイマンとウルド=ブラームがAプロで踊るのは、ヌレエフ版『白鳥の湖』第2幕のパ・ド・ドゥ。「新世代のエトワールたちと共演できることは、貴重な経験」(エイマン)、「皆さんに舞台をお見せできるのは幸せ」(ウルド=ブラーム)とふたりは話す。ボラックとルーヴェも、同『白鳥の湖』より第3幕のパ・ド・トロワをAプロで踊る。ともにエトワール任命の日に踊った作品だけに、その思いは特別のよう。「踊れることが楽しみ。ジェルマンは完璧なパートナーです」(ボラック)、「彼女は、私を物語世界へ導いてくれる頼もしいダンサー」(ルーヴェ)。アリュがBプロで踊る『レ・ブルジョワ』(コーウェンベルグ振付)は、テクニックと芝居心が求められるユニークな作品。「個性を発揮できると思います」と自信をのぞかせる。マルシャンが、Bプロの『グラン・パ・クラシック』(クゾフスキー振付)他で共演するのは、日本出身初のプルミエール・ダンスーズとして話題のオニール・八菜。「彼女とともにフランスのバレエを国際的に広めることができ、嬉しい」とコメント。「素晴らしいコラボレーションとなる」と、デュポンも新たな試みへの期待感に胸を躍らせているようだ。公演は7月26日(水)から30日(日)まで、東京・文京シビックホール 大ホールにて。チケットぴあではインターネット先行を3月30日(木)午前10時より受付。取材・文:加藤智子
2017年03月24日パリ・オペラ座バレエ団が実に15回目となる日本公演のために来日。開幕を前に2月27日、都内で記者会見が行われ、ステファン・リスナー総裁をはじめ、マチアス・エイマン、昨年末にエトワールに昇格したばかりのレオノール・ボラックらが出席し、意気込みを語った。パリ・オペラ座バレエ団 チケット情報カリスマエトワールとして活躍したオレリー・デュポンが昨秋、芸術監督に就任。今回の来日公演では、ロマンティック・バレエの代表作と言える「ラ・シルフィード」、さらに「グラン・ガラ」では、「テーマとヴァリエーション」「アザー・ダンス」、そしてバンジャミン・ミルピエによる「ダフニスとクロエ」が上演される。リスナー総裁は冒頭、毎回の日本のファンの温かい歓迎への感謝を口にする。デュポン就任後、初の来日公演となるが「古典は新作に栄養を与え、新作は古典に刺激を与えるもの。歴史を大切にしつつ、現代性を表現することがオペラ座の芸術監督には求められるのです」と語り、特に「ダフニスとクロエ」は1年ほど前に作られたフレッシュな作品。現代的な美術を含めて注目してほしい」と語った。人気エトワールのマチアス・エイマンは「ラ・シルフィード」「ダフニスとクロエ」の両公演に出演するが「『ラ・シルフィード』はロマンティック・バレエの代表作であり、オペラ座のレパートリー。私にとっては演じるのは2度目ですが、再演においても常に探求の余地があり、新たなパートナーを得て再発見をしていくべきものです。特に日本はバレエを愛する人々が多く、熱意を持って迎え入れてくださるので、こうしてみなさんの前で踊れること嬉しく思っています」と語る。これまで同じダンサーとして向き合ってきたデュポンと芸術監督とエトワールという関係で向き合うことについて「彼女の選択を信頼しています。彼女は“継承”と“共有”を目的とし、すでに自分の場所を見つけたと思います。彼女の好奇心が今回も大いに発揮されることと思います」と深い信頼をうかがわせた。レオノール・ボラックは12月31日にエトワールに昇格したばかりの“新星”。「エトワールとしての第一歩を日本で踏み出せること、12月31日の公演でも一緒に踊ったマチアスと今回もパートナーを組めることに、より強い感動を覚えています。エトワールになったということを考え過ぎれば、それは緊張と恐怖の元となるので、プリミエールの頃からやってきたことの継続を心掛けて踊りたいと思います」と意気込みを語っていた。パリ・オペラ座バレエ団2017日本公演は3月2日(木)開幕。撮影・取材・文:黒豆直樹
2017年02月28日レペット(Repetto)から、バレンタインに向けたバレエシューズ「グルーピー(GROUPIE)」が10足限定で登場。2017年2月1日(水)より、銀座フラッグシップストアで発売される。レペットのアイコンである「バレリーナシューズ」が今回バレンタイン仕様に。トゥには真っ赤なハートモチーフがあしらわれ、ヒール部分も真っ赤に染められている。また、インソールには「SAINT VALENTIN」の文字が記された特別デザインだ。世界で100足の限定販売となり、日本では銀座の旗艦店で10足が販売される。【詳細】バレンタイン限定シューズ グルーピー<限定10足>発売日:2017年2月1日(水)価格:41,000円+税取り扱い店舗:銀座フラッグシップストアのみサイズ展開:35.0〜39.0
2017年01月30日プリティ・バレリーナ(Pretty Ballerinas)から、2017年春夏コレクションの新作バレエシューズが2017年2月9日(木)より発売される。プリティ・バレリーナのバレエシューズは、可愛くてロマンティックなデザインと脚を美しく見せる絶妙なカッティングで人気。ケイト・モス、オリヴィア・パレルモ、ミランダ・カーなども愛用している。今シーズンのテーマは「macaroon」。春の足音が聞こえてくるような、ふんわり弾む甘いカラー配色やモチーフ、シースルー素材やグリッターなど・・・フェミニンで上品シューズが多数展開される。フラミンゴや甘いマカロンカラー大人な印象のベージュスエードを使用したポインテッドトゥのシューズには、可愛らしいフラミンゴが描かれた。2匹の首でハート型になったロマンチックなデザイン。他にも、マカロンパープルや春の花々を彷彿させる鮮やかなレッド×オレンジ配色のシューズがお目見え。エッジの効いた大人グリッター全面グリッターのインパクトのあるバレエシューズは、トップにあしらわれたさりげないリボンでバランスが取れた一足。またメッシュ素材のブラックバレエには、つま先とかかとにラメが部分使いされたシックな雰囲気。他にも銀座限定商品として、つま先にスタッズがあしらわれた大人なポインテッドトゥも展開される。涼し気なシースルーバレリーナ暖かな風が吹く春夏に履きたいシースルー素材のシリーズからは、キラキラと輝くストーンが散りばめられた透け感のあるホワイトのバレエシューズや、つま先にフラワーカットを施した一足が登場。他にも、繊細なカットワークで指先が見え隠れするモデルも展開される。【概要】プリティ・バレリーナ 2017年春夏コレクション発売日:2017年2月9日(木)取り扱い店舗:プリティ・バレリーナ ギンザ、アオヤマ / 他、百貨店・セレクトショップ【問い合わせ先】F.E.N.TEL:03-3498-1642
2017年01月21日1月1日よりバレエ・ダンサーのオニール・八菜を起用した三越伊勢丹グループの企業広告が掲出される。同グループは、“基本を大切にしながら、未来へ向かっていく勇気”をテーマに、「this is japan.」を発信していく。「this is japan.」とは、三越伊勢丹グループが日本の伝統・文化・美意識の作り出す価値を再認識し、新しい価値として客に提供する取り組みを深化させ、企業メッセージとして2015年より設定したもの。品ぞろえ、おもてなしの心遣い、立ち振る舞いに、日本の四季で育まれた五感を生かした企業活動を行っている。17年のメッセージは「基本に磨かれて、信頼でかがやく。大切なことはいつも変わらない。」――このメッセージには、日々基礎を磨き上げるダンサーの能力を、信頼する監督や振付家が引き出して表現を輝かせてくれるというバレエの世界に同社が共鳴し、“自分自身を磨くこと、そして人との信頼を大切にしていこう”という想いを込めている。オニール・八菜は、1993年に東京で生まれ、3歳の頃よりバレエを始める。その後2001年にニュージーランドへ移住し、2008年にオーストラリアンバレエスクールに入学、2013年にパリ・オペラ座のシーズン契約を経て正団員に。そして2016年にはプルミエール・ダンスーズに昇格、同年5月には23歳にしてバレエ界のアカデミー賞とも言われる「ブノワ賞」を受賞した経験を持つ。広告ビジュアルでは、世界的に著名な振付家のピエール・ラコットとコラボレーションし、“未来の季節”と“二十四節季”をテーマに、未来と夢に向かって進んでいく勇気を表現したパフォーマンス姿が捉えられている。オニール・八菜は撮影時のインタビューで、「毎日の努力が未来へと通じる、と考えています。少しずつの日々の積み重ねが大切で、近道はなし!そうして到達した未来には、青空が広がり、きれいな光が差していると嬉しいですね」と話している。インタビューの様子は、三越伊勢丹のスペシャルサイト()で公開される。また、2017年2月4日の立春より同スペシャルサイトにて、オニール・八菜とピエール・ラコットが“二十四節季”をダンスで表現した、四季と「this is japan.」を象徴する舞踏が、2週間ごとに二十四節気の時候の挨拶と重ねて随時公開されていく。
2017年01月01日2007年に結成されたshoji、kazuki、NOPPO、Oguriの4人によるダンスチーム、s**t kingz(シットキングス)、通称シッキン。ストリートがベースの彼らのダンスは、しなやかで優雅。デジタルチックかつスマートである一方、アナログなおかしみも感じられるスタイルだ。s**t kingz チケット情報2010年にアメリカ・カリフォルニアで開催されたダンスコンテスト『BODY ROCK』初出場にして初優勝を果たし、翌年も出場。2年連続で優勝し、一気に注目度を高めた。その後も国内外のアーティストの振付やバックダンサーを務め、三浦大知やBIGBANGなどと競演。2013年の初単独公演『THIS SHOW IS s**t』の初演は30分で完売、再演を含めると5000人以上の動員を記録した。快進撃を続ける彼らが2016年、また新たな扉を開いた。漫画『テルマエロマエ』の原作者、ヤマザキマリの脚本でトイレをテーマにした単独ダンス公演『Wonderful Clunker -素晴らしきポンコツ-』を開催。ヤマザキマリとのタッグも、長編も、全国ツアーも、すべては初めてのことばかり。初の長編作を手がけるにあたって「ストーリーを進めていく際に、ダンスだけでどこまで表現できるのかというバランスが難しかったです。説明しすぎたらうるさいけど、しないと分からなくなるし…というさじ加減とか。初めてのチャレンジでしたけど、楽しかったです」と語るのはメンバーのOguri(写真)。本公演のテーマを「トイレ」にしたのも彼だ。「“シッキン”ですし、トイレを題材にしたら面白いかなって」(Oguri)。そして、「水周りといえば」とヤマザキに脚本を依頼。何度もキャッチボールを重ね、サラリーマンを主人公にしたコメディタッチのエンタメ作品に練り上げた。ヤマザキとのコラボも新鮮だったと目を輝かせる。「ヤマザキさんも“舞台の脚本は初めて”っておっしゃっていたんですけど、“面白そうだからやってみた”って。すごく柔軟な方で、話してみると考え方が似ているというか、共感できる部分がありました。漫画も、表情だけとか台詞を使わないものも描かれるみたいで。そういう、描写だけでストーリーを進めるという部分もダンスに近いものがあるなと思いました」(Oguri)。東京公演を終え、12月に入って長野、愛知と巡った。大阪公演を前に、「東京公演を経て、いろいろブラッシュアップできる時間もあったので東京以上に濃い内容でできたらと思います。スカッとした気分で帰られるような、明日からも頑張ろうと思えるような楽しい舞台ができたらなと思いますし、大阪ならではの舞台ができたらいいなと思いますので、楽しみにしていただけたらと思います」(Oguri)と意気込む。『Wonderful Clunker -素晴らしきポンコツ-』は、12月8日(木)広島JMSアステール、12月10日(土)・11日(日)大阪・松下IMPホール、12月12日(月)福岡市民会館 大ホールで開催。大阪、福岡公演のチケットは発売中。
2016年12月07日舞台の共同制作・上演を通じてアジアのダンスの交流を目指し、2014年にスタートしたプロジェクト「ダンス・ダンス・アジア(DDA)」。3年目の今年は、アジア6か国のダンサーたちが3グループに分かれ、日本の牧宗孝、フィリピンのVince Mendoza、ベトナムのLION Tの振付・演出の作品を踊る。DANCE DANCE ASIA チケット情報11月某日、牧作品『BLACK LIP BOYZ』の稽古場では、牧と演出助手のBOWが見守る中、5人のダンサーがキレキレの踊りを展開していた。肩や腕をくねらせたり、口元にスプレーを吹きかけるような仕草をしたり、指を挑発的に前に突き出したり。妖しさ漂うクールでユニークな振付を、ダンサー達自ら、英語や片言の日本語で確認し合っていく。彼らは牧がワークショップや公演時に出会った、15~25歳の逸材だという。「10月のチラシ撮影時に誰かが黒のリップを塗りたいと言い始め、他のメンバーが『僕も』と言って、この公演タイトルになりました。それぞれダンスのスタイルは違いますが、踊る時の美意識やパッションは共通点すると思います」と牧は語る。「フィリピンのEl-JohnとRenzとは昨年、DDAマニラ公演の際に知り合いました。狭き門であるG-Forceというエリート集団に入って活動しているのでタフだし、バレエや体操などを基礎とする筋肉とエナジーが素晴らしいんです。Renzはフェミニンで『私はこういう美が好き』という主張が強いダンサーだし、El Johnはバイセクシャルだからか、女の子っぽさもジェントルマンな雰囲気も出せるダンサーです。マレーシアのTeddyは、ゲイだとカミングアウトしたところマフィアのお父さんに殺されそうになって家を飛び出すという壮絶な経験の持ち主。だからなのか、彼が踊る時は戦っているように見える。実際、バトラーでもあって、アンダーグラウンドのバトルでひとり、ガーリーな恰好をして戦う姿がカッコいいです。台湾のA-Yaoは高校生のころ、私が台湾で行なったワークショップを受けにきて。数年後に私がショーに出演するために台湾に行った時、ショーのイベントのバトルに出てすぐ負けちゃったんだけど、その踊りがとてもエレガントでボディコントロールがすごくて、思わず『私にはあなたがナンバーワン』と言いに行きました。日本のkEnkEnは15歳ですが、両親がダンサーで、2歳頃から踊っているので、ダンス歴は私と同じ位。音の取り方やリズム感などに真似できない天性のものがあり、末恐ろしい才能と可能性を感じるダンサーですね」。彼らが火花を散らす姿を、牧は「ショーガール」と称する。「仲良しなんだけど、皆、『私がセンター。私を見て』という強さを持っている。今回はディープな思想を込めるのではなく、それぞれが持つ個性を生かし、『これ、おしゃれ! ファビュラス!!』といった感じの、ライトで華やかな世界を作りたいと考えています」。公演は12月9日(金)から11日(日)まで、東京芸術劇場 シアターイーストにて。取材・文:高橋彩子
2016年12月02日国際的な評価の高いダンサー大植真太郎を中心としたC/Ompany(シースラッシュ)の新作公演「忘れろ/ボレロ」が11月11日(金)より、DDD青山クロスシアターにて開幕する。ジャンルレスなダンスでシルクド・ソレイユの舞台にも立った辻本雅彦、モナコ公国を本拠地とするJAPON dance projectのメインメンバー柳本雅寛、本年度トヨタ コレオグラフィーアワードにて次代を担う振付家賞とオーディエンス賞のW受賞を果たした平原慎太郎といずれも国内外の第一線で活躍する気鋭のダンサーを集めた今回挑むのは、モーリス・ラヴェルの「ボレロ」。ダンス「忘れろ/ボレロ」チケット情報今作は、2016年3月、日本全国15箇所を駆け巡った、大植真太郎・森山未來・平原慎太郎によるダンス公演「談ス」の第2弾として発表される。コンテンポラリーダンス作品としては異例の大型ツアーとして話題になったその作品は、いつしか既存のダンスとも演劇とも違うジャンルとして、「談ス」という新たなジャンルを作り上げる。誰もが1度は聞いたことのある名曲は、4人の男たちによってどう表現されるのか。リーダーの大植真太郎からコメントが届いた。『最近、ダンス公演を見に行った時に、内容や踊りよりも音楽しか印象に残らない作品が多かったんです。そうなったときに、身体やダンスは意味があるのか?と思い始めてしまった。舞台上でダンスに付随するBGMのように音楽を使うことは、音楽に正面から向き合っているとは言えないと考えてしまったんです。そこで今回は、みんなが知っているボレロの、「1つの到達点があって、そこに到達した途端、また新たな目的が生まれる」というイメージを、ダンサーの身体だけで表現していきたいのです。この終わりのない旋律の終わりはどこなのか?作品が終わる瞬間に、ダンスは終わっているのか?果たして劇場を出るときに作品は終わっているのか?この作品はお客さんとのコミュニケーション型のダンスです』公演は11月11日(金)・12日(土)東京・DDD AOYAMA CROSS THEATERにて上演。チケットは発売中。
2016年11月01日梅棒 6th OPUS『GLOVER -グラバー-』が、10月15日に東京グローブ座で開幕した。今作では、大貫勇輔、梅田彩佳、松浦司(Shya7)らをゲストに迎え、シェイクスピア「ロミオとジュリエット」をベースに “ダンス×J-POP×演劇”という独自のスタイルで上演する。梅棒 6th OPUS『GLOVER』チケット情報劇場に入り、まず圧倒されたのは美術。むき出しの鉄骨とそこに植物のように這う管、そして植物が天井を覆い、これから始まる『GLOVER -グラバー-』のスケールの大きさを予感させる。この美術、劇中では照明によってもさまざまに印象が変わっていた。梅棒の舞台は基本的に台詞がない。出演者のダンス、芝居、曲(J-POP)の歌詞で物語を表現するのが独特のスタイルだ。台詞がなくても、物語の軸となる大貫演じるロメオと梅田演じるジュリエッタの恋模様はもちろん、その周囲の登場人物たちの心の機微までしっかり伝わってくる。今作ではやや複雑な設定もあったが、そこのわかりにくさもなかった。それは衣裳などの視覚的な要素もあるし、キャスト達のダンスや演技、そして演出によるものだろう。「台詞がない」ということが逆に、舞台を豊かにしているように感じた。加えて面白かったのは、今まで何度も聴いてきたであろうJ-POPが梅棒の舞台で聴くと「こんなにいい曲だったのか」と感じることだ。それはストーリーに乗って心情にピタリとリンクしていることや、魅力的なダンスと合わさっていることもあるだろうが、この独特な表現方法の舞台を受け止めているうちに観客の感受性も全開になっているからではないかと思う。バラバラなミュージシャンの曲を使いながら観客の集中力を途切れさせないのも、細部まで世界観を作り込んでいるから。もちろんダンスは一番の見どころだ。物語に沿って、アニメーションダンスやブレイクダンスなどさまざまなジャンルのダンス、さらにダンサーならではの美しい殺陣などが次々と観られる贅沢さは、梅棒ならでは。中でもやはり世界を舞台に活躍する大貫の技術には圧倒された。その高い身体能力を敢えて無駄遣いする、梅棒の舞台だからこそ見られるシーンなども楽しく、のびのびとした大貫の姿が印象的だった。そして梅田はこの舞台の華。少しずつ恋を学んでいくジュリエッタの愛らしさや透明感は、梅田でなければ成り立たないと感じるほど。梅田がダンスすると自然と目が引き付けられる、そんな魅力がある。その個性的なゲストたちをひとつの作品の上でつないでいく梅棒メンバーの存在も強く感じられる舞台だった。公演は、10月23日(日)まで東京グローブ座、10月25日(火)から27日(木)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて。取材・文:中川實穗
2016年10月19日10月15日(土)に、東京グローブ座で開幕する、梅棒 6th OPUS『GLOVER』。大貫勇輔、梅田彩佳、松浦司(Shya7)らをゲストに迎え、シェイクスピアの名作「ロミオとジュリエット」をベースに “ダンス×J-POP×演劇”の梅棒スタイルで上演する。梅棒 6th OPUS『GLOVER』チケット情報今回、その稽古場にお邪魔した。稽古場には、数日前に組みあがったばかりという大きなセットが。東京グローブ座、森ノ宮ピロティホール(大阪)と、梅棒史上で最も大きな劇場となる今回は、セットもこれまでにないサイズ。キャスト達は、それを決まった時間内で転換できるように、スムーズさや見た目にもこだわりながら少しずつ調整していた。その確認作業中、他のメンバーは稽古場のあちこちでジャンルもさまざまなダンスを踊っている。その楽しそうな姿はまさに「梅棒の現場」と感じさせられる光景。この人たちがひとつの作品で一緒に踊ると考えるだけでも楽しみだ。梅棒の総合演出・伊藤今人の号令で、ダンスシーンの稽古がスタート。この日見られたのは3シーンほどだが、これまでより広くなった舞台にも関わらず、ところ狭しといった印象だった。シーン全体から受ける楽しさも、一つひとつの動きの面白さも、両方がパワーアップしており本番への期待が高まる。夜に初の通し稽古を控えていたこの日は、それぞれのシーンを通す中で伊藤からのブラッシュアップや細かな調整が入り、誰もが真剣な表情に。しかしそんな中でも、梅棒メンバーの遠藤誠がクドい芝居をいつまでも続けて伊藤に突っ込まれるなど、梅棒らしい空気が稽古場を盛り上げていた。また、稽古場で圧倒的な存在感を放っていたのが、この物語のヒーロー&ヒロインを担う大貫と梅田。群舞のシーンではふたりが一緒に踊っている姿に目が引き付けられ、「もっとふたりの踊っているところが見たい」と感じさせられた。梅棒は台詞がほとんどなく、J-POPの歌詞で物語を伝える独特のスタイルだが、梅田はダンスで表情豊かに感情を伝えていた。さらに大貫は、あまりイメージにない、世の女性をときめかせるような動きも!普段舞台を観ない人でも楽しませるのが梅棒の舞台。今作はさらに、心動かされるものになりそうだと感じた。ダンスに詳しくなくても、さらにはシェイクスピアに興味がなくても、ぜひ一度体験してほしい。梅棒 6th OPUS『GLOVER』は、10 月15 日(土)から23 日(日)まで東京グローブ座、10月25日(火)から27日(木)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて。また、10月16日(日)18:00公演終了後大貫勇輔、梅田彩佳、伊藤今人(梅棒)によるアフタートークも開催決定!詳細は公式HPにて。取材・文:中川實穗
2016年10月13日2017年1月8日(日)にグループ初となる武道館ライブも決定し、今最も勢いのある女子高生6人組のスーパーヴォーカルグループ、Little Glee Monster。彼女たちの力強い歌声と高度なアカペラをも歌いこなす透き通ったハーモニーは世代を問わず多くのファンを魅了する。そんな彼女たちが「梅棒 6th OPUS『GLOVER -グラバー-』」の上演を控えるジャズタンスチーム「梅棒」のメンバーにエールを贈った。梅棒 6th OPUS『GLOVER -グラバー-』チケット情報梅棒とリトグリは、梅棒がダンスの振付を担当しメンバー6名が出演もした「KREVAの新しい音楽劇『最高はひとつじゃない2016 SAKURA』」大阪公演で今年4月に初共演。その時、初の音楽劇出演に緊張していたリトグリメンバーに優しく、楽しく声をかけた梅棒への感謝の気持ちから、今回の応援メッセージへと繋がった。彼女たちがエールを贈った梅棒、彼らの公演はダンス×演劇×J-POPで織り成す“新しい劇場型のダンスエンタテインメント”。馴染みのあるヒット曲を20曲以上用いて演劇的ストーリーをダンスで表現し、大きな笑いと感動を生み出す。そんな梅棒の第6回単独公演『GLOVER -グラバー-』は、日本が世界に誇る若手トップダンサーの大貫勇輔や48グループを卒業したばかりの梅田彩佳をはじめ、実力派、個性派のゲスト陣を迎えシェイクスピアを題材にした作品に挑む。公演は10 月15 日(土)から23 日(日)まで東京グローブ座、10月25日(火)から27日(木)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて開催。また、Little Glee Monsterは11月9日(水)に1万枚限定でのニューシングルとデビュー前に僅か約1000枚限定でリリースされたインディーズ盤プレデビューミニアルバム「Little Glee Monster」の復刻版を発売。今後の彼女たちの活躍にも注目したい。
2016年09月29日孤独な王子が男性ダンサー演じる妖しくも美しい白鳥と出会う『白鳥の湖』、大ヒット映画を大胆にバレエ化した『シザーハンズ』など、独創的な演出・振付と、美学に貫かれたセットや衣装で熱狂的なファンをもつマシュー・ボーン。今回の『眠れる森の美女』は、彼が手がけてきた『白鳥の湖』『くるみ割り人形』に続く“3大バレエ”の完結編。ボーン率いる〈ニュー・アドベンチャーズ〉が2012年にロンドンで初演して人気となった作品で、待望の来日公演を果たしている。マシュー・ボーンの『眠れる森の美女』古典バレエの大作として知られる『眠れる~』は、ダンサーたちの高度なテクニックが連続して披露される、バレエファンにはたまらない作品。だが場面展開がゆるやかなため、門外漢の目には少々退屈に映ってしまうのも事実だ。だがこのマシュー・ボーン版では、チャイコフスキーの音楽は存分に生かした上で、親しみやすいキャラクターとわかりやすくテンポのいいストーリーで展開。紗幕に「むかしむかしあるところに……」という文字が浮かんで始まる第1幕は、オーロラ姫の誕生を「1890年」に設定。赤ん坊のお祝いに妖精たちがやってくるのは古典バレエと同じだが、チュチュを着たリラの精ではなく、ゴシックテイストのダークな衣装に身を包んだ妖精の王・ライラック伯爵というのがボーンらしい。また「物語の最後でオーロラ姫と王子が初めて恋に落ちるのは、説得力に欠ける」(ボーン)ということで、オーロラ姫が二十歳を迎える第2幕「1911年」では、狩猟番の青年レオとすでに恋仲という設定に。自立心旺盛なオーロラと、彼女を100年愛し通すレオとのチャーミングなカップルが誕生した。一方、黒づくめの服に白いロングコートをなびかせて登場するカラボスの息子カラドックも、冷たい眼差しがなんとも魅惑的。『白鳥~』で王子を惑わすザ・ストレンジャー(黒鳥)しかり、芸術性とエンタメ性を融合させる心憎さは、ボーンの真骨頂だ。物語は、100年後にオーロラが目覚める第3幕「2011年」、クライマックスの第4幕「きのう」と進んでいく。オーロラとレオがどういう結末を迎えるかは……実際にその目で確かめてもらうとして。ボーンの作品を観るたびに思うのは、ダンサーが形作る舞台上の“絵”と西洋美術との共通点だ。眠るオーロラに覆いかぶさるカラドックは、多くの画家たちが描いてきた“美女と夢魔”のイメージ。また、共に背に羽根をもつカラドックとライラック伯爵の戦いの場面は、“サタンを退治する大天使ミカエル”のモチーフそのものだ。コマ送りのフィルムのように浮かび上がる美しい“絵”は、もちろんボーンの意図するところだろう。さまざまな見方で愉しめる舞台。だからこそ、彼の作品はこんなにも魅力的なのだ。マシュー・ボーンの『眠れる森の美女』は9月25日(日)まで、東京・東急シアターオーブにて。取材・文佐藤さくら
2016年09月16日梅棒 6th OPUS『GLOVER -グラバー-』が10月に上演される。今作のモチーフは、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」。不朽の名作を“ダンス×J-POP×演劇”の梅棒スタイルで上演する。本作にゲストとして出演するのが、舞台で幅広く活躍する大貫勇輔と、この4月に48グループを卒業したばかりの梅田彩佳。今回、梅棒の総合演出・伊藤今人、大貫、梅田に聞いた。梅棒 チケット情報「これ以上はない100点のキャスティングができました。これでつまんなかったら俺の責任です」と話す伊藤。大貫の印象は既出の対談で語ってもらったが、梅田に関しては「梅ちゃんがセンターをやっていた『抱きしめちゃいけない』(アンダーガールズ/’11)のMVが焼き付いてて。透明感があってダンスが上手いので、いつかヒロインを外部から呼ぶってことになったときは梅ちゃんがいいねって話をずっと梅棒ではしていて」と熱烈オファーだったことを語る。「ヒップホップとハウスダンスを2年間やっていましたが、それ以降はAKB48だけなのでダンスがちゃんと踊れるか心配」と話した梅田だが、伊藤は「ダンスの上手い下手じゃないんですよ、梅棒。もちろん、技術があるに越したことはないですが、そこを超越した表現力だったりとか、気持ちの表れを僕らは大事にしていて。ダンスがうまいだけの人には出せないようなところを出していきたいっていうのが梅棒のひとつの挑戦ではあるので。ていうかそもそも(梅田は)うまいんで丈夫です!」。伊藤が「スーパースキルダンサー」と評す実力派・大貫も「僕はもう120%生かしてくれるのを期待してついていきます!」と梅棒色に染まる準備は万全だ。ふたりがどんな役柄になるか聞いてみると「大貫くんは、今回はちょっと荒々しくなってもらおうかなって。泥だらけになって上裸でウオー!みたいな感じ。梅ちゃんはロボットで、イチから感情を学んでいくんです。その後ふたりがどうなっていくのかは、劇場でのお楽しみです!」(伊藤)大貫「創っていく作業の時間がすごく楽しみですね。それを考えると一番ワクワクするかも。僕も全力を尽くすので、たくさんの人に観てもらえればなと思っています」梅田「ガツガツ踊るのがすごく楽しみになりました。アイドルっぽいダンスはいっぱいやってきたんですけど、ガツガツってあんまりないですし。それをファンの方に観てもらうことも楽しみですね」公演は、10 月15 日(土)から23 日(日)まで東京グローブ座、10月25日(火)から27日(木)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて。取材・文:中川實穗
2016年09月16日2016年10月14日より開幕するDAZZLE 20周年記念公演「鱗人輪舞(リンド・ロンド)」の記者会見が、9月1日に都内で行われた。登壇者は、DAZZLE主宰の長谷川達也、メンバーである宮川一彦、金田健宏、荒井信治、飯塚浩一郎、南雲篤史、渡邉勇樹、高田秀文。そしてドラマ「あさが来た」「リーガルハイ」などドラマからアニメにわたるまで様々な作品の音楽を手掛け、本作品の音楽制作を担当する作曲家・編曲家の林ゆうき。DAZZLE チケット情報DAZZLEは大学のダンスサークルからスタートし、ストリートダンスにコンテポラリーダンスを融合させた独創性の高いダンス、テキストやナレーション、小道具を駆使して幻想的な物語を精緻に紡ぎ上げる孤高のダンスカンパニー。記者会見では、公演の一部が披露され登壇者それぞれが20周年に関してや、作品への意気込みを述べた。主宰である長谷川達也は「20年間続けてこられたのは、自分たちの表現に絶対的な確信があるから。また、一緒に踊るメンバーがいてくれたことがなによりも恵まれていて、幸せです。これからもこのメンバーで続けていきたい」と20年を振り返った。また宮川は「20年間振り返ると、長く感じたりあっという間だったりと不思議な感覚。新たなDAZZLEとして今後も踊り狂っていきたい」と意気込み、南雲は「このメンバーと過ごす時間は人生の中で両親と過ごす時間よりも長い」と大切な仲間たちと共に迎える20周年を喜んだ。新作「鱗人輪舞(リンド・ロンド)」は幾度も繰り返される人間の愚行を見つめながら千年の時を生きてきた人魚の物語。主宰の長谷川は「不朽の名作を作りたいと思い、不朽や永遠を感じさせる象徴として日本の“八百比丘尼(やおびくに)”伝説にもある人魚を登場させている」と語った。また上演ごとに結末を観客が選択する『マルチエンディング』を採用していることについて「作品の大きなテーマのひとつである“決断”をお客様に体験して欲しかった。物語の一員になっていただいき、自分たちの未来を自分の手で選んでいくことを体験してほしい」と思いを述べた。また、多くのDAZZLE作品の音楽を担当する林ゆうきについて「身体表現に合わせて音楽をあてていくことに長けている作曲家。物語も音楽で表現していきたいという希望と、踊れる音楽という両方を兼ね備えた音楽を制作してくれる。DAZZLEの音楽は林ゆうきさん以外では考えられない」とベタ褒め。一方、林は音楽制作の中での苦労を聞かれ「達也さんの細かい発注は、自分がこれまで色々な仕事をする中でここまで具体的に頭の中で音楽ができている人はいないのではないかと思うくらい」と長谷川の細かさに対応していく苦労を笑いながら語った。ダンスカンパニーDAZZLE 20周年記念公演「鱗人輪舞(リンド・ロンド)」は10月14日(金)から東京・あうるすぽっと(池袋)で開幕。チケット発売中。
2016年09月07日織田裕二主演で贈るTBSの新・日曜劇場「IQ246~華麗なる事件簿~」。この度、人気バレエ団「Kバレエカンパニー」のプリンシパルとして活躍中の“バレエ王子”こと宮尾俊太郎が、本作にレギュラー出演することが分かった。本ドラマは、やんごとなき貴族の流れを汲みながら、時の権力とは無関係に代々ありとあらゆる学問のみを探求してきた法門寺家の末裔で現89代目当主、沙羅駆が、嫡子だけに連綿と受け継がれるという“IQ246”という異能を武器に、世にはびこる難事件を鮮やかに解決する本格ミステリー。ストーリーは1話完結で描かれる。キャストには、主人公・法門寺沙羅駆役の織田さんを始め、土屋太鳳、ディーン・フジオカ、真飛聖、矢野聖人、篠井英介、寺島進、そして中谷美紀と個性豊かなキャスト陣が集結。そして今回新たに出演が明かされた、日本のバレエ界を牽引している「Kバレエカンパニー」のバレエダンサー・宮尾さんが演じるのは、警視庁捜査一課の刑事・山田次郎。ドラマの見どころは、常に暇を持て余し、自らが解くに値する謎を求める沙羅駆が、世間にはびこる難事件を鮮やかに解決へと導いていく姿であるが、そんな沙羅駆が首を突っ込んでいくことになる難事件の捜査を担当する刑事として登場するのが宮尾さんが演じる山田なのだ。山田は、灘高、東大、ハーバード大という超名門を次々首席で卒業したという経歴を持つ超インテリで、その上拳銃、柔術などにも長け、数か国語を操るという警視庁内でも一見優秀な刑事。警視庁内でその能力を見込まれているかは定かでないが、沙羅駆に出会って以来、難事件の捜査にあたる度に沙羅駆から捜査に首を突っ込まれては振り回され、その上その地味な名前をイジられたりしてプライドを踏みにじられるという役どころだ。連続ドラマのレギュラー出演は、2010年放送の「ヤマトナデシコ七変化」以来、本作で2作目となる宮尾さん。「出演オファーを頂き、とても嬉しかったです」と喜び、「映像のお仕事をしっかりとやってみたい、という気持ちがありましたし、豪華なキャストの方々からも沢山学ばせていただける機会をいただけたので、役者としての成長ができるように取り組みたい」と意気込んだ。また、今回は初の刑事役ということで、「刑事らしい所作、話し方など、普段経験したことがないので難しい部分もあると思っております。山田次郎は少し変わっているところがありますが、刑事という根本的な部分が揺らがないようにしたい」ともコメントした。今回の宮尾さん起用にあたって植田博樹プロデューサーは、「バレエ界という、ドラマとは異なるフィールドで日々戦っている宮尾さんから、新鮮で、バレエのように伸びやかな刺激をこの作品も受ける事を期待しています。気品溢れる佇まいの奥に親しみやすさを持つ宮尾さんは、この“山田次郎”の役にピッタリだと確信しております。ぜひ、お楽しみに!」と期待を寄せた。「IQ246~華麗なる事件簿~」は10月より毎週日曜日TBSにて放送予定。(cinemacafe.net)
2016年09月07日長らく劇団四季で活躍していた蔡暁強、ヴァルナ国際バレエコンクールで金賞を受賞している吉本真悟、ダンス界のみならずミュージカル界でもひっぱりだこの大野幸人。日本トップクラスの実力を誇るダンサー3人による舞台『Baked Hotel』が9月、東京で上演される。3人に話を訊いた。『Baked Hotel』チケット情報はこちら物語は、豪華ではないけれど悪くない、少し古い不思議なホテルを舞台に、従業員、客、出入りする業者の人間らがドタバタな騒動を巻き起こすもの。チラシには“ダンス・ショウ”という言葉とともに“スラップスティック”の文字が躍る。「ダンスがメインのお芝居ですが、アメリカのコメディやギャグ漫画っぽかったり、アクション映画っぽかったり……色々な要素がごちゃまぜになったエンタテインメントです」と、作・構成も担う大野が話す。東京公演に先駆け昨年、京都で行われた公演は完売御礼となった。「すっごく、楽しんでやっています」(吉本)、「思い切ってふざけてます」(蔡)とふたりも語るように、笑いの要素も多分に占める。「都会的だけどダサい、大泣きするけど大笑いする…そんな感じです」(大野)。とはいえ、3人ともスーパーダンサー。ダンスシーンも見どころなのは間違いない。「クライマックスには、15分近いダンスシーンがあります。コメディなんですが、椅子を使ったり、色々なものが飛び交ったりする。そこはすごいことになりますよ」と大野。ちなみにまったく個性の違う踊りをする3人が動きを揃えるのは大変なのでは、と尋ねたところ「そうなんです、リズムの取り方も表現の仕方も違うので、同じ振りでも全然違うものになっちゃう!」と蔡。さらに吉本が「間の取り方、手の角度…ほんのちょっとの違いが大きいんです。でも幸人君が、かなり厳しくダメ出しをするんですよ(笑)」と話すと、「結構、厳しいよね!」と蔡も同意する。ふたりの攻撃を受け苦笑しながらも、「でも、揃えたいんです! そこも今回は頑張ろうと思って」と大野。なんだかすでに3人、楽しそうである。お互いの印象については「シャオチャン(蔡)は驚愕の人。ジャンプや柔軟性、身体能力が本当にすごい。真悟さんはムードメイカーですね。いるだけでその場が明るくなる。あと、いじられ役(笑)」(大野)、「幸人くんは器用でスタイリッシュ。しかも今回の脚本も書いているんですが、幸人君が本を書いたということにまずびっくり、しかも読んだら面白くて。こんな才能あったんだね」(吉本)とのこと。大野の脚本もだが、本作で初めて本格的なセリフを喋ったという吉本も、ユニークなキャラクターに扮する蔡も、それぞれがいわゆる“ダンサー像”のイメージを軽々と飛び越えている。「ダンサーってこんなことも出来るんだ、今のダンサーってすごいね、というところまで挑戦したい」(蔡)、「ダンスでしか伝わらない感覚と、言葉だからわかる面白さ、そのふたつが同時に来るステージです」(吉本)。3人の才気溢れるステージ、必見だ。公演は9月17日(土)から19日(月・祝)まで、東京・スパイラルホールにて。チケットは発売中。
2016年08月29日今年、15周年を迎える梅棒が10月に上演する、梅棒 6th OPUS『GLOVER -グラバー-』。今作のモチーフは、シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」。“ダンス×J-POP×演劇”の特徴的なスタイルで、梅棒が古典に挑戦する。梅棒 6th OPUS チケット情報そんな挑戦作で主役・ロミオを務めるのが大貫勇輔。幅広い演劇で活躍する実力派の大貫だが、梅棒の総合演出・伊藤今人の対談で、意外な接点が判明した!伊藤「僕は劇場から作品をイメージすることが多いのですが、グローブ座と言えばやっぱりシェイクスピア。昔から梅棒が古典をモチーフにやったらどうなるかって言われていたし、僕らは普段演劇を観ない人にも観てもらいたいと思っているので『ロミオとジュリエット』を題材に選びました」梅棒と大貫、ダンス・演劇という共通項はあれど異色の組み合わせのように思えるが、大貫「梅棒さんの名前はずっと知っていましたが、あるとき今人さんがやられていることを知ってびっくりしました。2013年に出場した『ストリートダンスバトル DANCE@LIVE』で、MCの今人さんが応援してくれたんですよ」。伊藤「さっきそのことがわかって、テンションめっちゃ上がってます。あの時の彼に出てもらえるなんて!」と、思わぬ繋がりが発覚。大貫はダンスバトルに「Nonsuke」という名前で出場していたそうで、伊藤は「舞台に興味ないかなと思ってた」と笑う。大貫にオファーしたのはそんな事実が発覚する前だが、「“やべーヤツ”に出てもらおうって話をしてて。主役を務められるイケメンで、お客さんが『この人が梅棒に出るんだ』『どんなことになるんだろう』ってワクワクしてくれる方ってやっぱり限られてるんですよ。でもまさか出てくれるとは!」(伊藤)。「尊敬するのは、お笑い芸人とダンサー。人を笑顔にしたり元気にさせることがすごく好きなので、ダンスとエンターテインメント性がかけあわさった作品に出られるのはすごく嬉しいですね。僕がずっと願い続けているスタイルの作品です」(大貫)。大貫「15年やられている梅棒さんに、僕がなにかひとつ新しい石を投げ入れられたら嬉しいし、それが僕の仕事だと思うし。与えられたものを僕はとにかく全力でやる。いろんなものを感じてくれるような新しい舞台、新しい場になったらいいなと思います」伊藤「まず、見たことないのんちゃん(=大貫)が見れますよって言いたいですね。それに、彼が加わることで見たことない梅棒になります…Win-Winです!楽しみにしていてください」公演は、10 月15 日(土)から23 日(日)まで東京グローブ座、10月25日(火)から27日(木)まで大阪・森ノ宮ピロティホールにて。取材・文:中川實穗
2016年08月24日『溺れるナイフ』『ピース オブ ケイク』などでおなじみのジョージ朝倉さんが、青年週刊誌で連載している『ダンス・ダンス・ダンスール』2は、クラシックバレエに情熱を傾ける男子中学生が主人公。バレエがテーマの現代版スポ根物語とは、ちょっと意外な気もするが…。「私も意外です(笑)。好きな作家さんでも、バレエマンガは読み飛ばしてしまうくらい興味がなかったので。だけど娘が習っているバレエ教室に男の子が入ってきて、この子はどういうメンタリティでバレエを始めて、この先、思春期をどう乗り越えていくんだろうってところから興味を持つようになったんです」幼い頃バレエにひかれながらも、父を亡くした潤平は、男らしくあろうとあきらめた。そんな彼がバレエと再び出合い、ピタピタのタイツ姿で舞う独特の美意識や、「女の子の習いごと」というイメージに反発しながらも、取り込まれていく。「やりたいことを見つけた人は羨ましいなって、自分の青春時代を走馬灯のように振り返って気づいたんです。オレの分まで羽ばたけ、潤平!と思いながら描いてます(笑)」本作のためにバレエを習い始めた朝倉さんは、うまく踊れないストレスで一時的に激ヤセ(!)してしまったほど。迫力あるダンスシーンも、そんな努力の賜物といえる。『溺れるナイフ』で実証済みだが、思春期の危なっかしい心のうちを描く手腕は本作でも際立っているし、男性目線なところも新鮮だ。「私のなかの中2男子を出しているだけ。潤平はお調子者だからフワッと生きてこられたけど、自分で人生を選ばなければいけない時期に差し掛かった感じを表現したいんです」いじめやスクールカーストなど、バレエ以外の部分も読み応えあり。人生をかけるべきものと出合った愛すべきおバカ中学生がどう成長していくのか、先物買いのファンのような気持ちで応援したくなるはず。◇幼い頃に出合ったバレエへの未練を隠しながら、男らしく振る舞う村尾潤平の前に、転校生の美少女と、孤高の天才少年が現れる。著者初の青年週刊誌連載。小学館各552円。◇(C)ジョージ朝倉/小学館「ビッグコミックスピリッツ」連載中。◇じょーじ・あさくらマンガ家。代表作に『恋文日和』『ピースオブ ケイク』『溺れるナイフ』『テケテケ★ランデブー』など。『溺れるナイフ』の実写映画版が11月公開予定。※『anan』2016年7月13日号より。写真・森山祐子インタビュー、文・兵藤育子
2016年07月12日世界約30か国で指揮者として活躍する西本智実。2012年にイルミナートフィルハーモニーオーケストラを結成し、13年にはイルミナートバレエもスタート。14年および15年に西本の演出・指揮でバレエ『白鳥の湖』を上演した。そして今年、チャイコフスキーのバレエ『くるみ割り人形』で再び演出と指揮を手がける。公演チケット情報「イルミナートの『くるみ割り人形』では、音楽もバレエも全て、総合芸術として有機的に結びついた舞台を目指します」と語る西本。『くるみ割り人形』といえば、クリスマスに醜いくるみ割り人形をもらったドイツの少女マリーが夜中、くるみ割り人形と敵対する鼠を退治し、王子の姿に戻ったくるみ割り人形に案内されて雪の国やおとぎの国を巡るという物語が一般的。西本はその流れを踏まえつつ、細部に様々な工夫を施すという。「この作品は、ドイツの作家E.T.A.ホフマンの原作に、フランスの作家A.デュマ・ペールが翻案を施したものですが、現行のバレエでは抜け落ちてしまっているエピソードも多いのです。たとえば原作では、ドロッセルマイヤーが世界各国を回り、旅先でみつけたくるみを割ると、中から漢字が出てくるという記述があるので、今回、そういったエピソードも演出に織り込んで創っています。おとぎの国で展開する各国の踊りにしても、なぜその国の踊りが登場するのか、それは一体何を表しているのかを、提示する事で“もう1つの世界”を見ていただきたい」西本は『くるみ割り人形』の世界に現代との共通点を見出している。「原作が書かれたのは、フランス革命後、ヨーロッパの価値観が大きく変化した時代。グローバリゼーションと言われ、価値観が多様化する現代に重なります。マリーはこちらの世界では内向的に映りますが、その感受性や誠実さによって、別の価値観を持つ世界の人達から選ばれていきます。私はこの作品を通じて“もう1つの世界”というチャンスが誰にでも起こり得るということも表現したい。絵画と違って音楽は瞬間を留めることはできませんが、ご覧になった方が、幕が降りてからも舞台を思考の中で巻き戻し、思考の窓を広げていけるような仕掛けを、舞台上で幾つも創るつもりです」マリーの旅は、西本自身の指揮者としての活動とも重なる。「チャイコフスキーの音楽を指揮すると、自分が今、何時代のどこの国にいるのかわからなくなることがあります。チャイコフスキーも通った劇場で指揮者をしていたころは特にそうでした。ロシアのサンクトぺテルブルクの冬はとても寒いので、窓は全て二重窓になっているのですが、真冬になると二枚目のガラスの向こう側がすっかり凍ってぼやけて見えます。しかしよく見ると雪の結晶が結合し、大きな雪の結晶の模様が浮き上がるのです!この光景はとても幻想的なんですよ。チャイコフスキーと同じ情景を見た者として、その美しい世界を、斜幕なども用いながら表現したいと思っています」公演は8月16日(火)大阪・フェスティバルホール、30日(火)・31日(水)、東京・新国立劇場 オペラパレスにて。取材・文:高橋彩子
2016年07月06日激しく足を打ち鳴らす音と手拍子、掛け声の余韻がいつまでも耳に残る…。そんなフラメンコの舞台『「フラメンコ・カフェ・デル・ガト』が大阪・サンケイホールブリーゼで幕を開けた。同作は、湖月わたる、水夏希、原田薫で結成された「BAD GIRLS」が、異国のダンスに挑戦する「ダンス・レジェンドシリーズ」の第3弾。今回は、スペイン人舞踊家でマリア・パヘス舞踊団第一舞踊手のホセ・バリオスが構成・演出・振付を手掛けた。「BAD GIRLS」のメンバーに、元宙組男役スター緒月遠麻、ダンサー大貫勇輔を迎え、皆、マドリッドで約1ヵ月間の稽古を積んだという。そのメンバーにスペインから招聘した女性ひとり、男性4人の若手実力派のフラメンコダンサーが加わった。「フラメンコ・カフェ・デル・ガト」チケット情報1幕目は、スペインの酒場「カフェ・デル・ガト」で、長女ローラ(湖月)、次女カルメン(緒月)、弟ルイス(大貫)ら兄妹がフラメンコを踊り始める。そこへ仲間を連れた闘牛士が登場。スペイン人を含めたキャスト全員が踊り、その迫力、華麗さに目は釘づけになった。日本人女性キャストは、踊りながらマントン(大型のショール)を回したり、アバニコ(扇)を振ったり、難しい小道具も使って美しく優雅に見せる。大貫はスピーディにステップを踏み体の切れも抜群だ。日本人キャストは皆、フラメンコ初挑戦だが、スペイン人キャストに引けを取らない。「ダンスのジャンルが違っていても『核』があれば踊りこなせる」と、大貫が取材で語った言葉を全員が体現している。ローラは闘牛士に心を奪われ、女たらしの彼と付き合うことを許さないルイスは怒り狂う。ルイスと闘牛士がバストン(杖)で地面を激しく叩き合って闘うシーンは、そのバストンの音、ダンサーが奏でる箱型の打楽器カホンのリズム、ダンサーが足で床を鳴らす音が、大雨のように舞台を打ち続け強烈な印象を残す。さらに、闘牛士を誘惑するマリア(原田)まで現れ、店の主人アナ(水)は混乱した状況を収めようとするが…。意外な結末は見てのお楽しみだ。第2幕は、アンダルシアを舞台に、キャストが各地を旅するようにフラメンコで表現するショーが展開。土地によって違う独特の音楽や踊りが堪能できる。日本人女性キャストが、アルメリアでパンツスーツを着てジャズダンスを踊る場面は、マニッシュで「BAD GIRLS」らしい魅力が満載だ。また、スペイン人キャストがセルビアで踊るシーンは、一秒ごとに振付けをしているかのような緻密で繊細な手と足さばきに圧倒される。息をするように踊り、大地を踏みしめて力強く生きることがフラメンコだと実感した。日本、スペインの両キャストが美しく調和しそれを伝えてくれた。この後、6月29日(水)から7月4日(月)まで東京芸術劇場 プレイハウスで上演される。チケットは発売中。取材・文:米満ゆうこ
2016年06月27日左)Ella black love heart 29000円右)NICOLE suedestars 25000円スペイン発バレエシューズブランド「プリティ・バレリーナ(Pretty Ballerinas)」から、2016年秋冬の新作が登場。プリティ・バレリーナはバレエをコンセプトに、バレエシューズ、フラットシューズなどを中心に展開している。そのはき心地のよさと、脚を美しく見せる絶妙なカッティングが評判で、世界中のファッショニスタに愛されるブランドだ。今季のテーマはレトロ&クラシック。ウール、ポンポンファー、ベルベットなど異素材を組み合わせたり、鮮やかなブルー、ボルドー、深みのあるグリーンなどレトロ感のあるカラーのシューズがラインナップ。ソックスやタイツとも合わせて、女性らしいスタイルを演出したい。【概要】プリティ・バレリーナ 2016年秋冬コレクション発売日:2016年8月4日(木)価格帯:21,000〜38,000円取り扱い店舗:プリティ・バレリーナ ギンザ、アオヤマ / 他、百貨店・セレクトショップ【問い合わせ先】F.E.N.TEL:03-3498-1642
2016年06月26日