「パパかも……」震災から数日後、ようやくパパらしき人が見つかった。※こちらの記事には、震災を想起する内容が含まれております。 やっと「パパに会える」と胸を躍らせて向かった先の光景は、期待していたものではなく……。白い箱の意味 「パパとはもう遊べないんだ」。幼いながら、パパとの永遠の別れを理解したあかり。親子3人で泣きながら帰ったときの星空が今も忘れられない……。 パパとの別れの回想は、今回のお話で終わりです。改めまして、東日本大震災で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、そのご遺族の方々に心よりお悔やみとお見舞いを申し上げます。 そして次回から、シーンは現在へと移ります。「あたらしいおとうさん」の存在は、震災のショックと共にあかりを悩ませ続け……。 著者:マンガ家・イラストレーター ババレオ
2022年09月03日日常にあふれる名前のない家事「名もなき家事」が話題を呼んでいますが、子育てに目を転じれば、当たり前すぎて気づかれにくい子どもの世話「名もなき育児」も日常にあふれています。これらの負担はママに偏ることが多く、育児ストレスの原因にもなっています。パパの育児参加について詳しい、大阪教育大学教育学部教授、小崎恭弘先生に話を伺いました。1日当たり5時間20分の差! 家事・育児時間の男女差東京都が実施した「令和3年度男性の家事・育児参画状況実態調査」では、未就学児の子育て世代の家事・育児関連時間は、1日当たり男女差が5時間20分もあることが分かりました。 「パパは名もなき育児=ママの仕事、と思い込んでいる傾向にあります。例えば、子どもの面倒をよく見ているパパでも、うんちのおむつ替えとなると『ママを呼んでいるよ〜』などとママに丸投げすることもあります。でも、『ママ=子どものお世話が得意』とは限りません。ママにだって苦手なことはある。パパだって出産とおっぱいをあげること以外は全部できますよ」と小崎先生は話します。 小崎先生が解説! 名もなき育児のリアルここで、名もなき育児のリアルを小崎先生の解説とともにお届けします。 ケース1:赤ちゃんや子どもとお出かけするときの荷物の準備赤ちゃんとのお出かけは持ち物が多いので、荷物の準備は実はとても大変なこと。とくに赤ちゃんが小さければ小さいほど、おむつ、授乳セット、着替えなど荷物が多くなります。それなのにパパが赤ちゃんや子どもとお出かけする場合、「荷物の準備だけはママにお願いする」ということも……。 小崎先生から「上手な荷物の支度は、いかに親としての経験を積むかです。隣町の公園に行くだけなのに、大きなボストンバッグで出かけたパパもいます(笑)経験することで『これはいる』『これはいらない』とわかってくる。親も試行錯誤です。ママはパパに失敗が許される機会を与えて、パパも育ててあげてほしいです」(小崎先生) ケース2:食事の献立を考える家に残っている食材を把握したり、栄養のバランスを考えたり、子どもの好きそうなものを考えたり……。献立を考えるのも実は大切な育児のひとコマです。はじめての離乳食であればわからないこと、食べさせていいものなど、調べることにもたくさんの労力と時間を費やします。 小崎先生から「料理という家事の中で、一番難しいのが献立です。子どものミルクや離乳食は、子どもの発達について理解できているかどうかも関わってきます。離乳食の初期、中期、後期のこと、アレルギーのこと、はちみつを1歳未満は食べさせてはいけないこと(※)など、子育てに関する意識・知識・技術を得る努力が必要になってきます。出産までミルクの調乳をやったことがなかった、というママは多いです。『ママが頑張っているから俺はやらなくていい』のではなく、『ママもわからないことだらけ』であることをパパに認識してもらえるとよいですね」 ※生後1年未満の乳幼児は、乳児ボツリヌス症にかかるおそれがあるため、はちみつを与えてはいけません。 ケース3:子どもの発達や病気について、知識を習得したり、相談・受診したりする子どもの発達の悩みや病気について、育児書やインターネットで調べる、保育園や支援センターに相談する、病院を探すなどもママがメインになっている家庭が多いかもしれません。 小崎先生から「保育園の面談にパパがくる家庭は少ないのですが、なかには夫婦で来る家庭もありました。保育士からすると、夫婦で来てくれるとすごく安心します。パパも関わることで、子どもの成長や様子について多様な見方ができるからです。『子どものかかりつけ医をどれだけ知っているか』も大事です。子どもが通っている内科、外科、皮膚科、耳鼻科、歯科、夜間救急など、パパは全部言えますか?」 ケース4:子どもの遊び相手になる子どもの遊び相手になることも、立派な育児の一つです。子どもの「遊びたい」に応えることも、大事な時間です。ただ、遊びを終えるとき、子どもが「いや」と言って拒むなんてことは日常茶飯事。でも、帰宅してからの夕飯の支度やお風呂、寝かしつけなどのタイムスケジュールを考えると、うまく子どもを説得しなければなりません。遊び相手になるということは、スケジュールを考えたり、説得したりと、いろいろな名もなき育児を対応しているということ。責任を感じているからこそのこの苦労! パパにもぜひ知ってもらいたい育児の大変さの一つです。 小崎先生から「育児は仕事のように段取りよくいきません。例えば絵本の読み聞かせにしても、『2回絵本読んだから、はい、おしまいね』では仕事ですよね。でも現実はこうはならない。子どもは『もう1かい! もう1かい!』を繰り返します。いったい何回読まなきゃいけないの? いつ終わるの? という状況です。そこにうまく区切りをつけたり、ほかの遊びに誘ったりしていくのが育児なんです。でもそういう経験のないパパもいます。経験がないと、仕事モードで考えて、子どもをうまく誘導できないこともあります。ママとのズレは、責任感の違いからくるものが多いかもしれません」(小崎先生) ほかにも・育児グッズ購入前のリサーチ・きょうだいゲンカの仲裁・食事、おやつのあとの片づけ・お絵描きや工作後のあと片づけ・赤ちゃんが寝ているときの安全確認・おもちゃの片づけ・水筒・お弁当の片づけ&準備・園グッズの準備・検温とサイン など「名もなき育児」は無数にあります。家庭ごとに内容も変わってくるので、オリジナルリストを作って夫婦でシェアしてみてはいかがでしょうか。 パパが育休を取って気づく親としての「責任と覚悟」 2022年4月から育児・介護休業法が大きく改正され、パパが育休を取りやすくなりやすくなりました。10月からは産後パパ育休も新設され、パパも「産休」がもらえるようになるので、パパが主体的に育児に関わるチャンスも増えそうです。男の子3人を育てた小崎先生は、3度の育休で親として成長したそうです。 「僕の場合は、3人の息子それぞれで育休を取って、育休を取る事で親になれたと思っています。もう20年以上前ですが、それぞれ3カ月取りました。育休を取って、自分が責任を持って子どもの面倒を見るようになって、親としての責任と覚悟が芽生えました。僕は育休を取るまで、“一緒に住んでいる楽しいおっちゃん”でしかありませんでした(笑)僕は保育士だったけれど、自分の子どもが泣けば『ママを呼んでいるよ〜』と丸投げしていましたし、うんちのおむつを替えることもしないほどでした。 僕はジャンクフードが大好きでしたけれど、子どもの離乳食を作ったときに人生で初めて食べ物を意識するようになったんです。僕が育休をとった約25年前、残留農薬が世間で話題になっていましたが、全然気にしてなかったんです。ところが、子どもにオレンジを絞って飲ませるときに初めて『これ大丈夫か?』と意識したんです。 育休中には、責任を持って子どもの命を守るということも覚えました。子どもがケガをして病院へ連れて行ったときには、「出生体重は何グラム?」「何週で生まれた?」「黄疸はどうだった?」と聞かれて、何も答えられなかったんですね。病院の人からしてみたら「なんでパパがきたの?」みたいな感じですよね(笑)だから次から母子手帳を持っていくようになりましたし、いろいろ答えられるようになりました」 と小崎先生は振り返ります。 家事育児の経験はパパ自身の人生が豊かになるパパが家事育児の経験を積むことで、「パパ自身の人生が豊かになる」といいます。 「パパが育児を通して生活に興味関心を抱くようになると、生活スキルが上がって、結果的にはパパ自身のQOLが上がります。人生が豊かになります。例えば洗濯物のタオル一つにしても、シワを伸ばしてきれいに干すことができれば、使い心地のいい仕上がりになる、といった具合です。こうして自分の人生がより豊かなものになるんです」 パパの家事育児での活躍は、ママの人生にもプラスの影響を与えてくれそうです。 「ママは常に健康で、いつも100%の力を育児で発揮できるとは限りません。体調を崩すこともあるでしょうし、出張が入ることだってあるでしょう。そんな時、『ママしかできない』家事育児がたくさんあると、家族は困り果ててしまいます。反対に、パパがミルクや食事を作れる、寝かしつけができるとなると、ママも安心して出張できますし、ママの可動域も広がります。育児の初期段階でパパを巻き込んで、一緒に親として成長してけるといいですね」(小崎先生) 取材・文/大楽眞衣子監修者:保育士 大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学)教授、大阪教育大学附属天王寺小学校校長 小崎恭弘 著者:ライター 大楽眞衣子
2022年08月29日■前回のあらすじまたしても急な案件を振られてしまうパパ。自分で何とかしようとすると、同僚が「一人で抱え込んで困るのは奥さん」と業務を引き受けてくれることに。そこで「育児と仕事の両立と提示に帰るコツを教えて欲しい」と育児の先輩でもある同僚にお願いすると…。 >>1話目を見る ■仕事を早く終わらせるコツとは今日会社での気づきを胸にパパが帰宅。これまで自分の仕事に加えて、上司からの命令もすべて応えてきてしまったパパ。ママが育児で大変だと思いながらも、その気持ちを後回しにしていたことに気付いたパパは、育児の先輩である同僚に言われた言葉をママに伝えます。すると…。これまでのやり方はすべて変えることはできなくても、少しずつできることから始めるというパパ。自分の意見を周りに伝えてもいいんだと気づいたパパに対して、ママもあることに気付いて…。「私に対しても同じ」というママの本音は…?→次回に続く!(全5回)毎日12時更新!
2022年08月22日■前回のあらすじ職場も家庭も大変だから自分さえ頑張ればいいと思っていたパパ。そんな追い詰められたパパを助けるべく一緒に会社に向かうパンダ。そこで昨日早退をした同僚からお礼を言われたことで、パパ自身は「急なお願い」をしたことがないことに気付き…。 >>1話目を見る ■仕事をひとりで抱えこんで困るのは誰…?これまでは、子どもの通院のために早退したいとお願いされた同僚の分の作業を請け負っていたパパ。ずっと「当たり前」と思ってしてきた行動だったけれど、よく考えたらパパはしたことがなくて…。しかしそこにやって来たのは…。追加で業務を依頼されちゃったパパ。意を決して自分の意見を言おうとしたけれど、あえなくスルーされてしまう。いつもならあきらめて仕事を引き受けるパパだけれど、そこに同僚が声をかけてきて…。自分に指示された業務を周りに振ることはしてこなかったパパ。でも同僚に言われたのは…。「自分のこと」はいつも後回しにしてきたパパ。でもその結果が妻のワンオペや自分の業務量負担につながっていたと気づくパパ。ようやく自分の希望のために動き出したパパ! どうなる?→次回に続く!(全5回)毎日12時更新!
2022年08月21日3児のパパ、かいさんち(@kaisanchi2015)の育児マンガをご紹介! 今回は、ママが髪を切ったときのお話です。ある日、帰宅すると「おかえりー。どう?」と髪を切った感想を求めてきたママ。そんなママにかいさんちは……!?髪を切ったママに思わず… 子どもの前だし、あまり表情に出すのは得意じゃないんです私(汗)。 酔ってたらめっちゃ出るんですけどw イメチェンしてたし、平日に珍しくばっちりメイクだったので、つい見惚れて……。 あ、惚気ですみませんwwwwwww かいさんち(@kaisanchi2015)の育児マンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ 著者:マンガ家・イラストレーター かいさんち
2022年08月16日ご夫婦で1年間育休を取得したという、こむぎ(@komugi_baby77)さんによる育児マンガ。今回はママとパパが育児期間の尊さを実感したときのお話です。 育休を終えて2カ月経った今感じることは… 夫婦ともに仕事に復帰し、娘は保育園に預けてフルタイムで働き始めました。 朝はバタバタと出かけて娘を預け、帰宅後もご飯、お風呂と慌ただしく過ごし、あっという間に就寝。 夫婦で協力してなんとかやれているものの、娘の成長は見逃していることも多く……。 いつの間にか、できるようになっていたことの多さに驚かされる毎日です。 丸1日3人で過ごし、娘の成長を見守れていた育休期間は、本当に貴重で大切なものだったんだなぁと実感しました。著者:ライター こむぎ0歳女児を育てる新米ママ。夫婦そろって一年間の育休を取得。ダブル育休エッセイの文や漫画を、SNSにて更新中。イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター モイライ主に作画で活躍中。代表作「メキシコでアミーゴ!」
2022年08月13日CONTENTS■パパの育休取得率ってどれくらい?■そもそも、パパの育児休業制度ってどんなもの?■パパが育休を取得するメリットは?■「産後パパ育休」の創設で育休が取りやすくなる!?■パパが育休に入る前に、家庭で確認すべきことは?■実際に育休を取得したパパたちのエピソードを紹介!教えてくれた人広中秀俊さん育Qドットコム株式会社代表取締役社長「育休で日本を元気にする」をミッションに、男性育休が当たり前になる世の中を目指して、自治体や企業向けに研修・コンサルを展開。2児の父親であり、厚生労働省から「イクメンの星」に認定される。育Qドットコムパパの育休取得率ってどれくらい?日本の育児休業制度は、実は世界的に見て、とてもすぐれているんです。有給で取得できる期間が長いことから、ユニセフの子育て支援策の報告書では、制度的には世界で1位とランクづけされているほど。ただ残念なことに、この制度を活用している人が少ないのが現状です。厚生労働省の調査によると、令和2年度にパパが育休を取得した割合は12.65%、2022年7月末に発表された最新の調査によると、令和3年度は13.97%でした。ここ数年で上昇傾向にあるものの、世界的に見るとまだまだ低い水準。東京都では、「育休=休む」というイメージを変えるために、「育休」という愛称が「育業」に変更されましたよね。これを機に、育休のネガティブなイメージが払拭され、パパが育児休業を取得しやすい雰囲気に、日本全体が変わっていくことを期待します。参考:厚生労働省「令和2年度雇用均等基本調査」「令和3年度雇用均等基本調査」よりそもそも、パパの育休制度ってどんなもの?パパもママと同じように育休が取得できますが、パパの場合はまわりに取得する人が少ないことから、制度を理解している人が少ないのが現状。「育児休業」とは、育児休業法に基づき法律で定められているものなので、雇用保険に加入する、1歳になるまでの子どもを育てる男女労働者であれば取得できるのです。しかし、「うちの会社ではそういった制度がないから取得できない」と勘違いしている人が多く、その勘違いが、取得しづらくしている原因のひとつであると考えられます。こうした中、2021年6月に改正育休法が成立。第一段階として2022年の4月からはじまったのが、企業においての、育児休業の周知・意向の確認義務です。これは、妊娠・出産を届け出た労働者に、事業主が育休取得の意向を個別に働きかけるというもの。これにより、育休を取得しやすい社内の雰囲気づくりが進み、制度への理解が進むのではないでしょうか。さらに2022年10月からは、「産後パパ育休」がスタート。こちらは、後ほど詳しく解説します。参考:労働省「育児・介護休業法」についてパパが育休を取得するメリットは?生後1年間は、子どもがぐんぐん成長していくプレミアムな期間。あっという間に過ぎ去ってしまう、この限定的な時間を子どもとじっくり過ごすことは、パパにとって貴重な経験になることでしょう。また、ママは出産後にホルモンバランスの影響で不安定になりがち。体力も本来の状態ではありませんから、適切なサポートが必要です。パパとママが一緒に子育てに向き合うことで、ママの気持ちの安定にもつながります。そのほかのメリットとしては、パパの育休取得が、子どもの発達に影響するとも言われていること。ノルウェーで行われた研究では、パパが育休を取得した場合、子どもが16歳になったときの偏差値が1ほど上がったという報告が※。わずかな育休取得でも、その後のパパのライフスタイルに影響を及ぼし、子育てに熱心になった可能性があるとのことです。参考:「家族の幸せ」の経済学 データ分析でわかった 結婚、出産、子育ての真実/山口慎太郎著(光文社新書)※Cools S, Fiva JH, Kirkebøen LJ. Causal Effects of Paternity Leave on Children and Parents. Scand J Econ. 2015;117(3):801‐828. doi:10.1111/sjoe.12113「産後パパ育休」の創設で育休が取りやすくなる!?パパが育休を取得できない原因のひとつとして、育休中の代替要員が準備できず、長期の休暇が取りづらいことが挙げられます。2022年の10月からはじまる「産後パパ育休」は、パパがより育休を取りやすくするための施策で、子どもが1歳になるまで、育休を分割して取れるというもの。上図のように、出生時に1回、生後8週目までにさらに1回取得。さらにママと交代しながら取ったり、ママの復職のタイミングなどで取ったりと、家庭の事情に合わせて自由にカスタマイズできます。長期の育休取得が難しい人も、数週間を数回に分けて取るのであれば、育休取得のハードルも下がるのではないでしょうか。ただし、自由にカスタマイズできる分、複雑化してしまうという懸念も。ですから、制度を活用する側が、内容をきちんとインプットしておくことが必要です。参考:育児・介護休業法 改正ポイントのご案内(厚生労働省) 3 産後パパ育休(出生時育児休業)の創設4 育児休業の分割取得 パパが育休に入る前に、家庭で確認すべきことは?ママが働いているのであれば、お互いの育休期間をスケジューリングしておきましょう。育児休業給付金は、半年間であれば給与の67%が支払われますが、それ以降は50%になります。つまり、ママが半年、パパが半年取得するのが、いちばん給付金の恩恵が受けられるのです。また、給付金を申請してから振り込まれるまでは2ヵ月くらいはかかるのもの。それまでの生活費など、お金の相談をしておくことも必要です。ほかには、簡単な家事・育児の分担表を作成しておくとスムーズ。きっちりつくりすぎると負担になることもありますが、「それどっちがするの?」といった議論を避けるためにも、簡単な分担表はあった方が便利です。実際に育休を取得したパパたちのエピソードを紹介!#01.りょうすけさん職業:会社員・営業育休取得期間:4週間(第二子)パパ「所属する部署での男性育休が初のケースだったことや、職種が営業で自分でなければ対応できないことがあったため、会社からのサポートもあったものの、完全に仕事を切り離すことは難しかったです。ただ、基本的には休業中なので、子どもとたっぷり過ごせましたし、妻のサポートもできたので、制度を活用してよかったと感じています。新生児期の成長を見守る喜びを実感できたこと、お兄ちゃんの成長を肌で感じられたことは貴重な経験に。また育休中はスパイスカレーづくりにハマり、やってみたかったことに挑戦できたのもよかったです」ママ「普段は仕事で不在にしがちなので、毎日一緒に過ごせたことが何より嬉しかったです。帝王切開後で思うように動けなかったため、授乳以外の家事育児はすべて夫が担当! とても心強く、心身ともに休めました。夫婦の時間も増え、子どものことや将来のことなどコミュニケーションを以前より取るようになりました!」#02.海老原佑輔さん職業:会社員育休取得期間: 1週間(第一子)、10日間(第二子)、2週間(第三子)パパ「育休が取りやすい仕事環境なので、スムーズに取得できました。1人目のときはすべてが手探り状態。苦戦しながらも妻とふたりで協力し合ったのが、今ではいい思い出です。2人目のときは役割分担やルールはあえて決めなかったので、育児も家事も、気づいた方がする、という風に自然となっていきました。3人目は帝王切開で妻は体が辛そうでしたが、夜間の授乳は彼女でなければできせん。ですから、日中は妻を休ませることに専念。3人の育休を通して、夫として父親として成長できた気がしました!」ママ「3人とも、夫が進んで育休を取得。3人目の休業中は、パパが毎日いてくれたことで、上の子どもたちが大喜び! 1人目2人目とスキルアップしているので、育児も家事も安心して任せられました。帝王切開のときは痛みが強く、いちばん辛い時期に夫が家事も育児も担ってくれてことで、体調をスムーズに整えられました」#03.ツトムパパさん職業:会社員育休取得期間;7ヵ月(第一子)パパ「期間が長かったことから、まわりの反響は大きかったですね。管理職なので、社内の雰囲気を変えていくためにも、育休は率先して取得したいと思っていました。育児に関しては、第一子ということもあり毎日がサバイバル。とくに生後3ヵ月までは24時間体制でのお世話だったので、妻と協力し合いながらの育児なのに、寝不足の連続でした。ですが、初めて笑った、寝返りをした、掴まり立ちをしたなど、すごい速さで成長していくわが子の姿を夫婦が同時にシェアできたことはとても貴重な経験に!」ママ「子どもの成長に夫婦で手を叩いて喜び合い家族三人で抱き合って笑い合い、たくさんの喜びをわかち合えたことが印象に残っています。お互いが同じように育児に携わることで、夫にも私にも「ふたりで育てる」という意識が芽生えました。これは、将来の家族の在り方に大きな影響があるのではないでしょうか」パパの育休がもっとわかる!広中さんおすすめの動画5分でわかる改正育休法(育Qチャンネル)広中さんが運営するYouTubeチャンネルで、2021年6月に成立した改正育休法をわかりやすく解説。「育Qチャンネル」教えて!育休先輩!!同じく広中さんのYouTubeチャンネル内で、育休経験者のインタビュー動画を配信。具体的なエピソードを聞くことができる。WBS原田アナ3ヶ月取得後復帰(テレ東BIZ)WBSフィールドの原田アナが3ヵ月の育休から復帰。育休前〜育休中のリアルな声を紹介するとともに、広中さんが制度について解説。2022年4月から、企業において育児休業の周知や意向の確認が義務化。その一方で、職場の環境により制度を活用できないパパがまだまだ多いのが実状です。しかし、ここ数年でパパの育休取得率は少しずつ上昇し、パパ自身や社会の意識の変化も感じ取れます。家族全員にとってメリットの多い、パパの育児休業。あと数年後には、“パパの育休があたりまえ”という世の中になっていてほしいですね。
2022年08月11日助産師・ラクテーションコンサルタントの榎本さんが、助産師からお願いしたい、産後のパパの任務についてお話しています。育休を取る場合のコツ、何をすればいいのかなど詳しく解説!核家族化が進み、高齢出産も増えている中、祖父母世代も高齢となり出産後も里帰りなど親のサポートを受けるのが難しくなっているケースもあります。ママ1人に育児の負担が集中しないように、パパが一緒に育児をしていくことが必要です。妊娠中に準備していくことが大切ですが、産後の体調や状況に合わせて修正していく必要もあります。今回は、助産師からお願いしたいパパにしてほしいことについてお話しします。パパはこの記事を産後生活の参考に、またママはこの記事をパパと産後生活の相談をする際の参考にしてみてください。 育児休業を取得するパパの場合2020年、小泉大臣が産後3カ月の間に、2週間分の育児休業をとるということで話題になりました。「育休を取得したい」と希望しながらも、実際は様々な要因で取得するのは難しいこともあります。現在の男性育休取得率は6年連続で上昇しているものの6.16%にとどまっているというデータがあります。基本的には、育休は「子どもの1歳の誕生日の前日」までの期間に取得可能です。出産の予定日はあくまで予定であって、開始日が事前に確定できず、出産してから育休開始になります。しかし、1人目の出産の場合、入院中から育休を取る必要はなく、家での生活が始まる退院の日以降で育休を取るのがベストかと思います。里帰りしている場合は、自宅に戻るタイミングで育休を取るのもよいでしょう。 ママのサポートとしては、育児や体調の回復に集中できるように、パパは食事や洗濯などの家事を中心にするとよいかと思います。赤ちゃんのお世話は、沐浴やおむつ交換、ミルクや搾乳を哺乳瓶であげるのを代わったり、授乳後の寝かしつけや抱っこを代わったりするとママもラクになると思いますよ。食事を作るのが得意でないパパは、簡単に食べられるものを調達したり、食事の宅配サービスなどを活用するのもよいかと思います。 中には、ママが動いてくれるので普通の休みのようにゆっくり過ごしているパパがいます。元気なように見えても、産後は動き過ぎないようにママをサポートしてあげましょう。 妊娠中に決めて、産後に確認・修正しておく余裕がある妊娠中に育児や家事を細かい項目に分けて、どのように分担していくか話し合っておきましょう。 例えば、「食事」にしても・食材を買ってくる・食事を作る・配膳する・片付けるという項目に分けることができます。 産後の体調はその時にならないと分からず、初めての出産だとさらにイメージはつきにくいものです。退院前にもう1度見直して、その後も定期的に見直していくようにしましょう。体調の回復などに合わせて追加・修正していくようにしましょう。 そして、「わかってくれるだろう」「気付いてほしい」と女性は思いがちです。パパが何かしてあげたいけど何をしてあげたらいいかわからない場合は、「何をしてほしいか言ってほしい」と素直に伝えてみましょう。 また、この記事を読んでいるママさん。自分でもパパにしてほしいことをいつも伝えられるとは限らないと思います。ですので、事前に「何をしたらいいかわからないときは、『何をしてほしいか教えて』と言ってね」とパパに伝えておくとよいですね。 上の子がいる場合にパパにしてほしいこと赤ちゃんのお世話はママで、上の子のお世話はパパになりがちです。しかし、お兄ちゃん・お姉ちゃんも赤ちゃんがやってきて、ママをとられてしまったような寂しさもあり、ママに甘えたい気持ちでいっぱいです。授乳や抱っこが落ち着いたら、ママとお兄ちゃん・お姉ちゃんが一緒に過ごせるように、甘えられるように、赤ちゃんのお世話を代わってあげるようにしてみてくださいね。 産後のサポートは家事や育児を一緒にすることだけではありません。産後は、ホルモン変化から孤独を感じやすいといわれています。ママの話を聞いたり、体を労ったり、赤ちゃんの成長を一緒に見守ったり、毎日のママの頑張りを労うことも大切です。どうしてもパパは「手伝う」というサブ的な立場になりやすいのですが、一緒に育児をすることで主体的な立場で育児に取り組めるとよいですね。 <参考>厚生労働省ホームページ「平成30年度雇用均等基本調査(速報版)」 監修者・著者:助産師 国際ラクテーションコンサルタント・おむつなし育児アドバイザー 榎本美紀2001年に助産師免許取得後、杏林大学医学部付属病院・さいたま市立病院・順天堂大学練馬病院の勤務を経て、2013年に埼玉県さいたま市に訪問型の助産院「みき母乳相談室」を開業。病院勤務での経験を元に、母乳育児支援の国際ライセンスである国際ラクテーションコンサルタントとして、地域の母乳育児を支援。訪問時の相談は多岐にわたり、おむつなし育児アドバイザーとしてトイレトレーニングなどの相談も。一児の母。
2022年08月09日ご夫婦で1年間育休を取得したという、こむぎ(@komugi_baby77)さんによる育児マンガ。今回はこむぎさんが育休を終え、仕事に復帰したときの話です。 ママが仕事復帰すると、赤ちゃんに変化が…! 保育園の慣らし保育期間は夫に任せ、私は夫より1カ月早く仕事に復帰しました。 それまでと比べて、夫が娘といる時間が長くなった結果……。 何をしても「パパがいい!」とばかりに、パパにべったりな娘になりました。 私が抱っこしても泣いてパパを求め、何をしててもパパパパ……。 1歳の誕生祝いの席でもパパにべったりで、両親もびっくり。 よく言われる「ママじゃなきゃダメ」はママだからなのではなく、世の中のママ達が長い時間子供と接し、育児を頑張ってるからなのだと思いました。 著者:ライター こむぎ0歳女児を育てる新米ママ。夫婦そろって一年間の育休を取得。ダブル育休エッセイの文や漫画を、SNSにて更新中。イラスト制作者:マンガ家・イラストレーター モイライ主に作画で活躍中。代表作「メキシコでアミーゴ!」
2022年08月09日2019年生まれの男の子・なーさんがかわいいことをすると、なぜかムキムキマッチョマンに変身してしまうママ・ジェーコさんの育児絵日記。なーさん、今日はパパ・シロダさんと2人で洗車に行ってきたそうですよ。そのかわいすぎるセリフは、攻撃力高い!今日は、なーさんと、パパのシロダさんが2人で洗車に行ってきたそうですよ。 かわいすぎるなーさんにメロメロなのは、ジェーコさんだけじゃないようです♪ パパ・シロダさんの「俺たちの宝物」という言葉に、思わず「なんじゃこいつ~!?」となってしまうジェーコさん(笑)。 このセリフを聞いたなーさんは……? 「お、おでたちの、たからものっ……!」とうれしそうに呟くなーさんを見て、ものすごい勢いで卒倒してしまうシロダさんなのでした。もう夫婦でなーさんにメロメロ♡ SNSのコメント欄では、「俺たちの宝物♪なかなか特別な響き……」「2人とも親バカが過ぎて最高です!」「なーさんかわいすぎるし、小さいなりに男同士の繋がりみたいなの感じてるのかなぁ♪」「なーさん尊すぎです!将来うちの息子から自分たちにも言ってほしい」と、みんななーさんの「俺たち」発言に胸キュン♡ 赤ちゃんのママたちにとって、こんなにかわいい会話をしてくれる幼児期は楽しみですよね。どの時期の子どもたちも「尊ッ」だらけ! お子さまの“尊ポイント”、ぜひコメント欄で教えてくださいね♪ 著者:マンガ家・イラストレーター ジェーコくせ毛がかわいすぎる♡2019年生まれの男の子・なーさんを育てるママ。なーさんの尊い姿を見ると、ゴッツゴツのマッチョマンに変身してしまいます。息子想いの素敵な夫・シロダとの3人家族。
2022年07月15日3児のパパ、かいさんち(@kaisanchi2015)の育児マンガをご紹介! 今回はパパの突然足がしびれたときのお話です。思わず「しびれた……」と口に出してしまったパパ。すると次の瞬間、ママの目の色が豹変して……?!パパに緊急事態が発生して…!? 足がしびれたら狙われるんですけど、皆さんのご家庭ではどうですか? うちではしびれたほうは草食動物、しびれていないほうは肉食動物みたいなw ただ、足がしびれても言わずに退避していると、動きでだいたいバレます(汗)。 妻にはそういう探知機でも付いてるんじゃないだろうか……。 著者:マンガ家・イラストレーター かいさんち
2022年07月02日3児のパパ、かいさんち(@kaisanchi2015)の育児マンガをご紹介! 今回は、くしゃみが出そうな次女よっちゃんの一部始終をパパが見ていたときのお話です。くしゃみをした娘を見ていると…? 自分のくしゃみの反動で体勢を崩すほどの存在。 なんですかね、このかわいすぎる生き物は!!! 尊い、尊い、尊すぎる!!! 動画に撮れるもんなら撮りたかったけど、流石に無理でしたねw なので父ちゃんは漫画にして描き残していこうと思いましたw かいさんち(@kaisanchi2015)の育児マンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ 著者:マンガ家・イラストレーター かいさんち
2022年06月25日こんにちは。8歳の双子と5歳の末っ子の三姉妹育児をしている田仲ぱんだです。■匂いに敏感なパパが臭いのもとを探すと!?わが家のパパ、匂いに敏感なんです。パパ以外、「なにか臭いかな?」と思っていたんですが…。執拗に臭いのもとを探すパパ。そんなパパ、やっと気づいたんです。臭い匂いのもとを。それは…。いやあ〜人騒がせですね! ■すぅちゃんにとってパパは安心する匂いなのかも!?パパは臭い臭いって言うけど、家族の私たちはそんな匂いに、鼻が慣れちゃったのか?すぅちゃんにとっては、臭くても、パパの匂いって安心する匂いなのかもしれません。
2022年06月20日最近は「イクメン」という言葉が浸透しているように、育児に積極的なパパは私の周りにも多くいます。しかし、パパである自分が1日中育児をする機会はあまりありませんでした。今回はママが不在の日に、私と子どもだけで過ごして気づいた育児の大変さについて話したいと思います。子どもってこんなに泣くの?私が育児の中で1番大変だと感じていたのは、泣いている子どもをあやすことでした。子どもはおなかがすいた、おむつが気持ち悪い、何となく機嫌が悪いなどさまざまなことを泣いて訴えてくるとわかっていましたが、昼夜問わず泣かれるとつらいなと感じていました。 中でも私が特に困ったのは、眠いときに泣かれることです。おながすいているときならば、ごはんをあげるなどして何とか対処できます。でも眠い子どもを寝かしつける方法やあやす方法がいまいちわからず、普段ママが抱っこするとすぐ寝るのに、パパの抱っこは慣れていないのか、なかなか眠ってくれず苦労しました。 子どもってこんなにおむつ替えるの?おむつを替えることも最初は戸惑いましたが、慣れてくるとそこまで大変さを感じることはありませんでした。でも、それが1日中となるとものすごい回数になるのだと気づきました。朝起きてから、ごはん中、昼寝してから、遊んでいるときなど、1日に10回以上は替えました。 それでも家にいるときはまだましです。子どもと2人では時間を持て余すので途中で外出したのですが、外出中が特に大変でした。突然子どもがおむつ替えを訴え泣き始め、おむつを替える場所を探すことから始めなくてはならず、しっかり準備したつもりでもおしり拭きを車の中に忘れたり、場所の使い勝手がいまいちわからず戸惑ったり、外出中のおむつ替えには本当に苦労しました。 子どもってどんなごはん食べているの? 子どもが育児用ミルクを用意すればいい時期はまだよかったのですが、離乳食が始まるとその準備にとても苦労しました。どのような食事形態なのか、栄養は足りているのか、アレルギーはないのか、自分で食べられるのか、何を準備しないといけないかなど、「食事」とひと言で言ってもママに聞かないとわからないことばかり。適当にするわけにはいかないので、ママに何回も連絡をしました。 それで準備万端でいざ食事となると、食べこぼしはするし、近くにコップを置くとお茶をこぼすし、もちろん落ち着いてじっと座っていることもなく、自分の食事をする余裕なんてないので、かなり大変でした。 私自身、育児に積極的だと思っていても実はママにしてもらっていることが多いことに気づきました。ママが外出し、1日子どもと2人で過ごしただけなのに、わからないことがたくさんありました。今回の体験を通してあらためて育児の大変さに気づくことができたので、もっと頑張っていきたいと思います。 イラスト/manami.koiso監修/助産師 松田玲子著者:西川しょた普段は看護師として勤務する3歳と1歳、2男の父。育児に関する体験談を中心に記事を執筆している。
2022年06月13日3児のパパ、かいさんち(@kaisanchi2015)の育児マンガをご紹介! 今回は、最近言葉を発するようになってきた次女、よっちゃんのお話です。パパに向かってある言葉を発したよっちゃん。しかし、まさかの展開に……! パパが喜びの気持ちに浸っていると…? わが家の末っ子よっちゃんは、最近言葉らしい言葉を発するようになったように思えます。 いやしかし、「パパ」っていうキャラではないのですが……。 呼ばれたら呼ばれたで、うれしいものですね(笑)。 相変わらず娘にメロメロ父ちゃんです。かいさんち(@kaisanchi2015)の育児マンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ 著者:マンガ家・イラストレーター かいさんち
2022年06月05日3児のパパ、かいさんち(@kaisanchi2015)の育児マンガをご紹介! 今回は、夜勤明けにかいさんちがびっくりしたというお話です。あくびをしながら帰宅するかいさんちですが、次の瞬間……!?夜勤明けのパパが帰宅すると…? ご近所の方々ごめんなさい。本気で声出ましたw (体制崩して足も挫きそうでしたw) 父はびっくりしすぎて、しばらくドキドキしとったぞ(汗)。 息子よ、眠気も冷めるほどの衝撃と漫画のネタをありがとう! これからもよろしくなwかいさんち(@kaisanchi2015)の育児マンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ 著者:マンガ家・イラストレーター かいさんち
2022年05月30日2010年にイクメンブームが起こりましたが、それも今や違和感がある言葉となり使われなくなってきました。それほどまでに父親の育児参加が当たり前になったからです。しかし“イクママ”という言葉が流行ったことはありません。背景には「母親が育児をするのは当たり前」という社会の固定概念があるからです。これまで多くのパパに育児支援をしてきた大阪教育大学教育学部教授の小崎恭弘先生は、「父親の育児参加は社会的な意義につながる」とパパ育児が与える影響の奥深さを語ります。 パパの育児は5人の人を幸せにする!?「父親の育児は、5人の人を幸せにします。5人とは、母親、子ども、父親である自分自身、企業、社会のことです」と小崎先生は語ります。一つずつして解説していただきました。 ◆母親児童虐待の加害者として一番多いのが実母です。その一因が孤独です。虐待までいかなくても、母親のワンオペ育児は孤立感と結び付きやすいもの。さまざまな負担を強いることになります。パパが子育ての同志として向き合ってくれる、話を聞いてくれる、一緒に悩んでくれる。それだけでも母親の幸福度は変わります。 ◆子ども今は核家族化、家族の孤立化、父親の長時間労働などの影響で、身近な大人はママしかいないという環境の子どもも少なくありません。でも子どもにとって幸せな環境は、多様な人と関われる環境です。父親が積極的に育児に関わることで、遊びも価値観も広がります。 ◆父親(自分自身)過労死や自殺は男性の方が多いことで知られています。男性社会の根底にある価値観が影響していると考えられます。序列、経済性、効率重視の世界で生きていると、失敗したときに大きくメンタルが傷付くことがあります。対する子どもという存在は、非経済であり、非効率であることが当たり前。それが子どもの素晴らしさです。男性が育児に参加することで、その世界観を経験し、許容することでより豊かな人生になります。 ◆企業ワークライフバランスを重視した社員が自社で働くことにより、会社全体の雰囲気が良くなり、モチベーションや作業効率、メンタルヘルスが向上します。企業にとっても大きなプラスです。 ◆社会母親、子ども、父親、企業が幸せになっていくと、社会全体が豊かになります。社会が子どもを豊かに育てることで、大人の人生も豊かになります。結果的には少子化が和らぐことにも結び付きます。これまで母親に傾いていた子育てが変化することで、社会は大きく変わっていきます。 パパが子育てに無関心→熟年離婚に!?子育てに父親が関わらなかったことが要因で、離婚につながるケースもあるそうです。 離婚は年数が比較的浅いカップルが多いですが、最近は熟年離婚も増えてきました。 以前の夫婦や家族は定型化していて、「結婚すれば夫婦」「子どもが生まれれば家族」というイメージが定着していました。ところがさまざまな価値が多様化していく現在、家族のスタイルも決まった形がなくなってきました。 夫婦や家族もスタートから一緒に、父親と母親が作り上げていく時代です。特に親子のスタートは、子育てです。 「子どもが育っている時期に父親が関わらないと、一緒に家族を作っていく感覚が作られません。結果、それらの恨みや辛み、しんどさが熟年離婚の理由として挙げられることがあるのだと思います」と小崎先生は分析します。 自分自身が豊かに生きられる! ごきげんパパでいよう 「周りの子育て中の男性はごきげんですか」と小崎先生は問いかけます。 仕事や人間関係、将来への不安などが原因となってストレスを抱え、誰にも相談できず、孤立感を高めてしまう男性が増えているそうです。だからこそ小崎先生は男性自身の幸せのための子育てを推奨しています。 「子育てすることで、子どもと一緒に成長できるんです。自分自身が大きく変化します。感性や忍耐、物事の見方や葛藤など、親になることで成長できます。それから、子どもがいろいろなことに挑戦したり、頑張ったり、またうまくいかなかったりと、保育所や幼稚園、また習い事などでいっぱいそういう場面に出逢います。自分ではない、他人の行動でこんなにもドキドキできるのは、親ならではの特権です」 さらに子育ては親の世界観を広げてくれます。大人だけではあまり行かなかった公園や動物園、科学館などの施設へ行き、自然と触れ合う機会も増えると言います。「パパ友やママ友、子どもを通じていろいろな人と知り合ったり繋がったりできます。子どもと一緒に世界が大きく広がりますので、その世界を楽しんでほしいと思います」と小崎先生は話します。 理想を求め過ぎない「ええかげん」で楽しく子育てところが父親が子育てに関わったからといって、無条件にハッピーになれるわけではありません。ちゃんと寝ない、食べない、散らかす、大声を出すなどという子どもの非効率で非経済的な様子に、イライラを増幅させているケースもあるようです。 「最近では男性の産後うつに注目が集まっています。今年改正された男性育休についても、母親のため、子どものためという目的が語られがちですが、一番の目的は父親が幸せになること、その波及効果として母と子にも好影響がある、ということだと思います。父親への支援も必要なんです」 子育てにストレスを感じている親に、小崎先生は「ええかげん、が子育ての極意」とアドバイスします。 「子どもの人生は自分の人生じゃない。だから子どもに理想を求め過ぎないことです。ちゃんとできてなくても『まあ、いっか』と思うようにすると、子育てが楽しくなります。一番大切なのは、子育てを通して親自身が楽しく生きること。自分の人生を楽しくごきげんに生きていけるよう、仕事とは違う世界の価値観で肩の力を抜く経験をしてほしいです」 誰かと比べない自分たちらしい子育てを探してパパによる積極的な子育てが求められる時代ですが、何事にも多様性が求められる現代。関わり方に正解はなく、十人十色です。それぞれの家庭の在り方によって異なります。小崎先生は「幸せの青い鳥を探す必要はない」と表現します。 「幸せのモデルはありません。モデルなき時代をわたしたちは生きています。だから誰かと比べるとしんどくなります。子育てに関していうと、『うちはどうする?』と自分たちらしさの意識を高めることが大事です。でも父親が変化することで、確実に社会は変わっていきます。父親の育児は大きな可能性を秘めていると思います」 取材・文/大楽眞衣子監修者:保育士 大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学)教授 小崎恭弘兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年間勤務。3人の息子が生まれるたびに育児休暇を取得。市役所退職後、神戸常盤大学を経て現職。専門は「保育学」「児童福祉」「子育て支援」「父親支援」。NPOファザーリングジャパン顧問、東京大学発達保育実践政策学センター研究員。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等にて積極的に発信をおこなう。「男の子の本当に響く叱り方・ほめ方」(すばる舎)、「育児父さんの成長日誌」(朝日新聞社)、「パパルール」(合同出版)など、著書多数。著者:ライター 大楽眞衣子社会派子育てライター。全国紙記者を経てフリーランスに。専業主婦歴7年、PTA経験豊富。子育てや食育、女性の生き方に関する記事を雑誌やWEBで執筆中。大学で児童学を学ぶ。静岡県在住、昆虫好き、3兄弟の母。
2022年05月29日パパSNAP 01name:種部 裕大さんピュアインディゴで染めた生地や、シルバーのタックボタンがシックな印象のデニム。セットアップでキメてもどこかこなれて見えるのは、オーバーサイズのジャケットのおかげ。カジュアルななかに品が備わった〈クラークス〉のワラビーも絶妙にマッチ。Item ▼アウター、ボトムス/ともにグラフペーパー、シューズ/クラークスパパSNAP 02name:上條 圭太郎さん冴えわたるブルーのTシャツにミントグリーンを合わせてとことん爽やかに。目立つ色合わせにはクリーンなホワイトパンツがよく似合う。仕上げは革靴とレザーのバッグで品よく締めて。Item ▼アウター/マーティーアンドサンズ、トップス/プリファードネットワークス、ボトムス/ナイスネス、バッグ/オデム、シューズ/クレマン家族SNAPはこちらパパSNAP 03name:敏史さんインディゴブルーやコンパクトなシルエットから、洗練ムードが漂うデニムジャケット。合わせはホワイトパンツを選び、春夏らしいコントラストを演出。淡いピンクを挿すとやわらかいムードが備わり、心地のいいバランスに。カラーレンズのメガネはハズしアイテムに採用!Item ▼アウター/フォロー、インナー/デサント、ボトムス/古着、シューズ/アディダス家族SNAPはこちらパパSNAP 04name:きむさんポップな配色のアノラックに色落ちデニムと〈ニューバランス〉のスニーカーをオン。カジュアルな合わせも金ボタンのブレザーを羽織れば、スマートに即キマる。アノラックのインナーにチェックシャツを忍ばせたレイヤードテクもお見事!Item ▼アウター、ボトムス/ともにビームスプラス、トップス/チューブ×ビームスプラス、インナー/マウンテンリサーチ、ハット/ローイングブレザーズ、シューズ/ニューバランス家族SNAPはこちらパパSNAP 05name:渡辺 隆則さん洗いざらした風合いの生地に、大ポケットが付いたトップスは、シャツの既成概念を覆す個性的なデザイン。難易度が高いスウェットを合わせても、センスよくキマる。仕上げは知的なメガネやシックなスニーカーを加えて、タウンに馴染むルックに着地。Item ▼アウター/フレッシュサービス、ボトムス/キャンバー、メガネ/モスコット、スニーカー/ニューバランス家族SNAPはこちらパパSNAP 06name:jonさんほどよくゆとりのあるスウェット×デニムでつくるストリートスタイル。どこか品が漂うのは、色落ちのないデニムやプレーンなスウェットなど、小綺麗なアイテムをチョイスしているから。さらに裾から見えるシャツが抜け感を生み、絶妙なバランスをキープ。仕上げは小物で遊び心も添えて。Item ▼トップス/オー、ボトムス/ヘルレイザー、ハット/ユニクロ、メガネ/ゾフ、ピアス/オールモストブラック、カードケース/オー、シューズ/ニューバランス家族SNAPはこちらパパSNAP 07name:ゆうたさんくたっとした表情が味のあるアノラックに、シックなボトムスをオン。ダークな色合わせも、アウターから覗く白Tがすべてのバランスを整える。さらに60年代後半に登場した〈アディダス〉のスニーカー、“ガゼル”でヴィンテージムードをもうひと押し。細渕メガネで知的なエッセンスもプラスして。Item ▼アウター/ ギャップ(古着)、インナー/ カラーアットアゲインスト、ボトムス/ プロップスストア、シューズ/ アディダス家族SNAPはこちら
2022年05月20日3児のパパ、かいさんち(@kaisanchi2015)の育児マンガを連載にてご紹介! 今回は、次女よっちゃんのお話です。すくすくと成長中のよっちゃん。この日は家のテレビをペタペタと手で触っていました。しかし、その日の夜、パパが寝ようと思った次の瞬間、あることに気付いてしまい……!?娘の成長の早さに驚く日々 日々、子どもの成長を感じています。 こんなに背が伸びたのか、こんなに重くなったのか……。 そんなときはいつもこんな風に一句読み上げたり……しませんよw でも子育て川柳ってのもありかもですねw オチがなくて、なんかごめんなさいw かいさんち(@kaisanchi2015)の育児マンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ 著者:マンガ家・イラストレーター かいさんち
2022年05月12日最初は何もしようとしなかったのは、もしかしたらわかっていなかっただけ? ママがパパにやさしくすることで、ゆっくりとイクメンパパへと成長しているというご家庭の実体験を紹介しています。娘が生まれたばかりのころから、ママとパパの行動、考え方、やる気はどうしてこんなにも違うのか、と悩んでいたこともありました。しかし、娘が大きくなるにつれて、パパも少しずつ娘の育児に携わる機会が増えていったのです。 パパにはできない?「抱っこが怖いからできないよ」「うんちのおむつは替えられないな」「(テレビ観てるから)ちょっと待って」などの言葉を、パパから産後何度聞いたかわかりません。私にとっても初めての育児。親になった日も一緒なはずです。私もわからないことだらけなのに、パパはすべて人任せでした。 子どもと私を置いて遊びに行こうとしたり、夜中は起きることもなく、布団をかぶるようにして寝たりしている姿を見て、喧嘩ばかりしていました。 これなら娘と2人だけでいる昼間が一番楽しいし、平和だなあと思っていましたが、本当にこのままでいいのか、と自問自答する日々でした。 パパの小さな進歩を認めるように私が「なんでできないの?」と思ってしまうと、怒り口調になり、パパは機嫌が悪くなってしまいます。そこで、私はパパに対しても子どもと同じようにやさしくすることに決めました。1つ何かできたら、当たり前のことでも、大きな声で「ありがとう!」と伝えるように気をつけました。 もちろん、最初は心の底から出ていた言葉ではありません。しかし、そのうち手伝ってくれることも増え、喧嘩も減り、そんなの当たり前だよ……などと思うひねくれた考えも、自分の中から徐々になくなっていきました。 1年半が経ち…パパが育児を自らやり始めてくれたのは、娘が1歳〜1歳6カ月の時期でした。娘は極度のママっ子で、パパに頼めないことも多くありますが、それでも休日の着替え・おむつ・ごはんなどをしてくれるようになったので大助かりです。娘と2人きりでスーパーに行ってくれた日もありました。 世間の“イクメンパパ”とはかけ離れているかもしれませんが、娘と一緒にゆっくりとイクメンパパに近づいています。 ママが毎日当たり前にしていることですが、最初から子どもと接している時間が少ないパパにはわからないこと、できないこともあるようでした。今でも「どうして?」とイライラしてしまうときもあります。しかし、これからたくさん協力してもらうためには、「必要とされている」「自分にもできる」とパパに思ってもらうことが必要だと思いました。そのモチベーションを上げるには、ママの小さな言葉かけが大事なんだなあと感じています。 監修/助産師 松田玲子作画/はたこ著者:やすだ おと一女の母。妊娠・出産・子育てに関する体験談や、自身の海外留学、旅行についての記事を中心に執筆。
2022年05月07日わが家では、平日にパパと子どもの時間がほとんどありません。パパと子どもの時間といえば、休日のお風呂だけ。ところが、お風呂の時間を喜んでいた子どもが、ある日突然「パパは嫌! ママがいい!」と言うように。そのときのパパ見知り体験談を紹介したいと思います。パパとのお風呂を泣いて嫌がる息子1歳を過ぎ、お話がじょうずになった息子との会話がとっても楽しかったころ、突然「パパは嫌」が始まりました。たまにしかパパと入れないお風呂も「ママがいい」と言い始めたのです。 「そんなこともあるんだ」と最初は思っていたのですが、ママだってたまにはひとりでお風呂に入ってゆっくりする時間が欲しい。それに、泣いてまでお風呂を断られるパパはショックが大きかったようです。 普段から男同士仲良く!そこで、普段から「パパってお仕事しててすごいよね」と息子に話したり、パパが手伝ってくれたことなどを息子の前で大げさにほめたりしてみました。 パパもお風呂での遊びを考え、泡風呂の素を用意するなど、パパと一緒のお風呂が楽しくなるように工夫しました。休日はパパと息子だけの時間を増やして公園で遊び、買い物をしてきてもらうことも。男同士、2人だけの経験が増えることで、どんどん仲良くなってくれて期待通りでした。 それでもたまには「やっぱりママ」それでもたまに「お風呂はママがいいな」という日もあります。息子にお風呂を断わられる瞬間がパパにはかわいそうなので、前もって聞いておいて「今日はダメだって」とママからパパへ伝えるようにしました。 「どうして嫌なの?」と聞いたり、説得しようとしたりするのは意味がないと気付いてやめました。特に男の子は、“何が何でもママが一番”ということも多いのかもしれません。逆にあっさり認めてあげることで安心するのか、次の日はパパとお風呂に入ってくれていました。 4歳になった息子は、今では「どっちでもいいよ」と言ってくれるようになりました。一時期の成長過程であるパパ見知りでしたが、さみしそうにしていたパパのためにも、早めに終わってよかったと思っています。 イラスト/manami.koiso監修/助産師 松田玲子著者:斉藤あや大人しく内気な娘と楽天的で活発な息子、男女二児の母。ママ・パパに役立つ情報をお届けすべく、これまでの育児経験を生かして、育児の工夫やお役立ちグッズなどの情報を発信中。
2022年05月05日3児のパパ、かいさんち(@kaisanchi2015)の育児マンガを連載にてご紹介! 今回は、次女よっちゃんのお話です。すくすくと成長中のよっちゃん! 今ではひざ歩きができるようまでなりました♪ パパとママはかわいいよっちゃんの成長に目が離せません……!よっちゃんの移動方法♪ 見ていないときに限って、自然に歩いていたりします。 見たい!まだ見ていない家族に見せたい!動画で撮りたい!となると、もうやらないんですw そのうち普通に歩き出すのでしょうが、この歩き出すか出さないかという今しかない様子を見守りつつ、娘の成長を感じている今日このごろです。かいさんち(@kaisanchi2015)の育児マンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ 著者:マンガ家・イラストレーター かいさんち
2022年05月02日この4月から法改正に伴いパパの育児休暇が大きく変わりました。父親育児支援専門家であり、3回の育休取得経験者である大阪教育大学教育学部教授、小崎恭弘先生に、育休の取り方や育休中のポイントを解説していただきました。 パパの産休、育休とは「パパの産休」という新しい言葉を知っていますか。パパのための産後育休のことです。これまで産休というと出産したママだけのものでしたが、この春、育児・介護休業法が大きく改正され、パパも産後に育休が取れるようになりました(今年10月から)。この新しい制度は、ママの産後うつの抑止にもなり、パパ自身の成長の機会にもなるとして期待が寄せられています。 そのほか、育休制度も変わります。企業から育休取得を打診する、育休取得のレパートリーを柔軟化できるなど、大幅改正されました。 今回の改正の特徴は、「フレキシブルに取れる」ということ。例えばパパの産後育休では、産後8週間以内に4週間まで2回に分割して取得することが可能です。しかも休業の2週間前からの申し出でOKとされています。そして、労使協定が結ばれていれば、一定の条件のもと、休業中に仕事をすることも可能です。育休制度改正のポイント育休改正は2022年4月から段階的にスタートします。 2022年4月から企業は育休を取得しやすい環境を整備し、対象の従業員に制度を個別周知して取得の意向を確認することが義務化 2022年10月から・育休を分割して2回取得可能に・育休開始日を柔軟化・特別な事情がある場合は再取得可能に・「産後パパ育休」の新設 2023年4月から大企業の育休取得状況の公表が義務化 「産後パパ育休」って?育休改正のひとつとして、2022年10月からはじまる「産後パパ育休」の特徴は次のとおりです。・パパも「産休」がもらえる・産後8週間以内に4週間まで取得可能・休業の2週間前までの申し出でOK・2回に分割して取得することが可能・労使協定を結んでいれば、休業中に働いてもOK「パパの産休は『ママや赤ちゃんのために』と言われることが多いですが、パパのための育休だということを忘れないでいただきたい。パパが自分の人生を豊かにするための休暇なんです」と小崎先生は話します。 出典:「育児・介護休業法 改正ポイントのご案内 P2「育児休業の分割取得」(厚生労働省)産休育休の取り方のポイントとてもフレキシブルな「パパの産休」ですが、自由の幅が大きいだけに「どのタイミングで取ればいいかな」と迷ってしまう家庭もあるかもしれません。 厚生労働省は次のような例を挙げています。 小崎先生は次のような取り方もおすすめしています。 【パパの産後育休】・第2子以降の場合は出産後すぐ上の子がいる場合は上の子どものお世話があるので、入院中も含め、パパが子育てを担当します。退院後のママが心身の回復に集中できるメリットも。 ・退院後/里帰りから戻ってきてすぐ新しい生活が始まるタイミングは、何かと忙しくなります。いろいろなことに配慮が必要な新生児育児を産後のママと一緒に過ごします。ママの食事作り、買い物、掃除などのサポートも。 【パパの育休】・保育所に入る前後保育所に入る準備期間と慣らし保育期間中はより大人の手が必要です。慣らし保育はできるだけ子どもに負担がかからないよう、ていねいにゆっくり進めたいので、育休をとってゆとりを持ちます。 ・ママの育休のタイミングに合わせて2人で交代して育休を取ることもいいですが、あえて一緒に取って「家族の時間」を過ごすのもおすすめです。 いつ申請すればいい?パパの産後育休の申し出期限については「2週間前まで」、育児休暇の申し出期限は「1カ月前まで」となっています。でも実際に職場で2週間前に申し出てもいいものなのでしょうか。小崎先生に尋ねました。 「例えば今日申請したら2週間後には休んでいいということになります。これは与えられた権利なのですが、企業側からするとやっぱり人の手配や業務の担当の問題もあって大変になることもあるでしょう。産後育休から職場に戻ってきた時、お互いが気持ちよく戻れるような手はずを整えておいた方がいいのではないでしょうか。社会人としてのマナーです。いつ頃生まれるかは予め分かっていますから、分かっている段階で上司や同僚と話し合ったらいいのではないでしょうか。無論、緊急時もありますから仕方のない時もありますが」と小崎先生。 また、労使協定が結ばれていれば、休業中に仕事できるという制度を「うまく活用して」とアドバイスします。 「この制度を使って、『週1回、木曜日は仕事します』『在宅で火曜日の午前中はミーティングに参加します』といったように、お互い無理のない形での関係性や連絡を取ることができるといいかなと思います」 育休を取る=他者と共に生きる覚悟を持つこと新しくなった育休制度。これからは社会の空気も変わってくるかもしれません。でも「育休を取ると出世に響くから」と二の足を踏んでいる人もいるようです。そんなパパについて、小崎先生はこう言います。「ちょっと厳しいことを言うようですが、ひと月くらいの育休を“出世できない理由”にするのだとしたら、その先も出世できる人材じゃないって思うんです」 その上で、育児休暇は人生の学びの期間でもあると言います。 「育休というと休みだと思って昼間からビール飲もうとするパパもいます(笑)。資格を取ろうと勉強しようとする人もいる。どれも自由ですし否定はしませんが、子どもをよく見てほしいと思います。育休を取ることは、他者と共に生きる覚悟を持つこと。豊かに生きることです。人生の学びの期間でもある。子どもを育てることを存分に味わってほしい。それが僕の想いです」 取材・文/大楽眞衣子監修者:保育士 大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学)教授 小崎恭弘兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年間勤務。3人の息子が生まれるたびに育児休暇を取得。市役所退職後、神戸常盤大学を経て現職。専門は「保育学」「児童福祉」「子育て支援」「父親支援」。NPOファザーリングジャパン顧問、東京大学発達保育実践政策学センター研究員。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等にて積極的に発信をおこなう。「男の子の本当に響く叱り方・ほめ方」(すばる舎)、「育児父さんの成長日誌」(朝日新聞社)、「パパルール」(合同出版)など、著書多数。著者:ライター 大楽眞衣子社会派子育てライター。全国紙記者を経てフリーランスに。専業主婦歴7年、PTA経験豊富。子育てや食育、女性の生き方に関する記事を雑誌やWEBで執筆中。大学で児童学を学ぶ。静岡県在住、昆虫好き、3兄弟の母。
2022年04月29日育児には積極的だけれども、「寝かしつけだけは苦手〜」というパパはいませんか。パパの寝かしつけはおっぱいに頼れません。どんなふうにすると良いのでしょうか。寝かしつけの達人でありパパ育児の専門家でもある大阪教育大学教育学部教授、小崎恭弘先生にコツを解説していただきました。 パパが寝かしつけできるようになるメリット「あるイベントで、パパと赤ちゃん60組の寝かしつけに成功したことがあるんですよ」と話すのは、保育士で寝かしつけの達人でもある大阪教育大学教育学部教授、小崎恭弘先生です。信じられないような話ですが、このイベントでは「寝かしつけに成功したことがない」というパパも成功し、感動の渦に包まれたそうです。 「パパだって寝かしつけはできるんですよ。僕らの仲間(NPO法人ファザーリング・ジャパン)には、『パパとじゃないといや〜』って子どもに言われている人はいくらでもいます。パパが寝かしつけられるようになると、ママの可動域は飛躍的に広がりますよね。家でできることも増えますし、ママはおでかけもしやすくなります」 とはいえ、「何度もチャレンジしたけどママのおっぱいでないと絶対に寝ないんです……。」と諦め気味の人もいるのでは。でもその状況は「必ず変えられる」と小崎先生は言います。 「30分や1時間試してみて寝ないからママでないとムリー! と判断するのはもったいない。おっぱいでないと寝ない、というのはただ癖になっているというだけ。それがいつの間にか家のルールになってしまいっているだけです。ではそのルールは誰が作りましたか?自分たち親ですよね。自分たちが作ったルールは変更可能なんです。そう考えると、子育てのいろんなことがラクになって来ると思いますよ」 寝かしつけのポイントや注意点子育ての2大お悩みは、寝ることと食べることではないでしょうか。個人差も大きく、一筋縄ではいかないことも多いですよね。「思う通りにいかないのは当たり前。時間がかかるものだ!」という心構えもポイントのようです。 「寝かさないとダメとあせらないことです。気持ちは伝わります。いつかは絶対に寝ますよね。昼間の活動量を増やすようにしっかりと動いてしっかり食べるという生活全般が大事になってきます。それから、寝やすい環境を作ることも大事ですね。温度や音、光、やわらかさを意識して、今から寝るよということを根気よく伝えていきます」 子どもがそれぞれに持つ入眠の“儀式”も大切にしてあげるといいそうです。たとえば「パジャマにお着替え→トイレ→絵本→消灯→入眠」といった具合です。 スマホを見ながら寝かしつけするというパターンも多いようですが、「そこは子どもに集中してあげてほしい」と小崎先生は言います。 「ケータイも仕事も気になる気持ちは分かります。でも子どもとどっぷり過ごせる時期なんて、子どもの成長の中ではそんなにないんです。だからこそ大事にしてあげてほしいなと思います。子どもに集中してあげることで子どもは安心感を持って眠れるんです」 一緒に寝落ちするのもいいですが、“寝かしつけ技”を持っているといいそうです。 「トントンする、子守唄を歌う、好きな流行歌を歌う、お話してあげる、心落ち着く絵本を呼んであげる……。“寝かしつけ技”は何でもいいんです。こんな密なコミュニケーションの機会はないじゃないですか。その時間を大事にしてあげてほしい」 「ママがいい!」と大泣きしてしまう場合は?パパの心構えが万全でも、「パパと寝ようね」と言っただけで大泣きされ、「やっぱり無理……」とくじけそうになることも。でもママが病気になる、出産で入院する、出張で不在にするといった状況も想定されます。「ママしか無理だよ……って考えではダメなんです。そう考えるパパには、どこかに甘えがあると思いますよ」と小崎先生は指摘します。 「これまでママと寝るというルールからパパと寝るというルールに変更する場合、いきなりやると子どもは当然泣くでしょう。なのでまずは『ママとパパと一緒に寝る』→『パパと寝る』とゆるやかな段階を踏む必要があります。泣くことは全然問題ではないんです。24時間泣き続ける子はいませんから絶対大丈夫ですよ」 寝かしつけを担当しない時はできることを探してとはいえ、誰にも得手不得手はあります。寝かしつけが苦手なママもパパもいます。たとえば寝かしつけが苦手なパパを見兼ねてママが寝かしつけを担当しているとしたら、「自分が苦手なことをママがやってくれている間、自分は何をすべきか」ということに意識を向ける必要があります。 「寝かしつけをママがやっている間はパパの休憩時間じゃないですからね。ママが寝かしつけを終えて戻ってきた時、台所や洗濯物が山のようになってるなんて、あり得ないですよね。寝かしつけの担当もそうですが、2人で協力し合いながら子育てのルールを柔軟に変えていったらいいと思います」 取材・文/大楽眞衣子監修者:保育士 大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学)教授 小崎恭弘兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年間勤務。3人の息子が生まれるたびに育児休暇を取得。市役所退職後、神戸常盤大学を経て現職。専門は「保育学」「児童福祉」「子育て支援」「父親支援」。NPOファザーリングジャパン顧問、東京大学発達保育実践政策学センター研究員。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等にて積極的に発信をおこなう。「男の子の本当に響く叱り方・ほめ方」(すばる舎)、「育児父さんの成長日誌」(朝日新聞社)、「パパルール」(合同出版)など、著書多数。著者:ライター 大楽眞衣子社会派子育てライター。全国紙記者を経てフリーランスに。専業主婦歴7年、PTA経験豊富。子育てや食育、女性の生き方に関する記事を雑誌やWEBで執筆中。大学で児童学を学ぶ。静岡県在住、昆虫好き、3兄弟の母。
2022年04月27日子育てに奮闘するパパの様子を描いた「料理あるある」にまつわる漫画が「わかる!」とTwitterで話題を呼んでいる。作者は、共働きで2人の娘を育てる20代男性のゆーぱぱさん(@too6mi)。ゆーぱぱさんは普段は会社員として働くかたわら、「マイナビ子育て」で『ゆーぱぱの育児フルスロットル』を連載している。Twitterで1万いいね超えの共感を得た「料理あるある」投稿の内容は次の通り。最近、妻に代わって朝食や夕食を作ることになったゆーぱぱさん。予算を立て、献立を決めてから買い物に行くだけでも一苦労。ある日の夕食、ゆーぱぱさんは手間暇かけてチャーハンを調理。「おかわりもあるよ」と娘さん2人に振舞ったのだが……。せっかく作ったチャーハンにはほとんど手をつけず、ポテトチップスに夢中。■冷凍食品とお惣菜の場合は……別の日、夕食の準備が遅れ「今日はちょっと時間なくて」と冷凍食品とお惣菜をテーブルに出すと……。「めっちゃおいしい!」「パパ!おかわり!」「ごちそうさまぁ!」と2人はあっという間に完食。「料理の手間暇と美味しさは比例するとは限らない」と痛感したという。この「料理あるある」漫画が投稿されると、《あるある過ぎてビックリ》《うちの男の子(23)もこんな感じ》《正直子供はレトルト食品の味好きだよね。味の素の餃子に勝てる気がしない》《ママあるあるな話だと思ってたけど、これからは全人類あるある話という認識にしておこう!》と共感コメントが殺到していた。そんな育児漫画を描いたゆーぱぱさんに話を聞いた。Q.「料理あるある」のエピソードを漫画にしようとしたきっかけを教えて下さい。「いつも妻にお願いしていた料理を自分が担当するようになり、初めて知った苦労や気付きを得ることができまして、特にその中でも子供の反応については辛い半分面白いと感じたので、育児漫画のネタとして採用させていただきました(笑)」Q.冷凍食品やお惣菜の方が好んで食べるそうですが、特にお子様が好きなものは何でしょうか。「餃子、ハンバーグですね。普段はなかなか聞けないご飯の『おかわり』が聞けます」Q.今後の子育て料理の目標を教えて下さい。「やっぱり「美味しい!」と言ってもらう事と、野菜を少しでも多く摂取してもらえる工夫をしていきたいです。でも背伸びせず無理なく続けていける事が何よりかなと思っております」”パパの料理”で娘さんたちからの「おかわり!」を聞ける日が待ち遠しいものだ――。
2022年04月26日3児のパパ、かいさんち(@kaisanchi2015)の育児マンガを連載にてご紹介! 今回は、次女よっちゃんのお話です。すくすくと成長中のよっちゃんのほっこりエピソードになります♪わが家の癒し! アイドル的存在♡ 子どもの、今の瞬間撮りたかったのに、撮れなかったということありませんか? スマホを手に取り、カメラを起動するころには、もうシャッターチャンスを逃してしまうという(汗)。 そんなときに私はいつも、もうこの目で見たもの全部画像フォルダに入ってればいいのに!とか、瞬きでシャッター切れたらいいのに!とか思ってしまいますw 近い将来、そうなるかもしれませんね。 もしかしたら私が知らないだけで、もうなっているのかな?かいさんち(@kaisanchi2015)の育児マンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ 著者:マンガ家・イラストレーター かいさんち
2022年04月16日3児のパパ、かいさんち(@kaisanchi2015)の育児マンガを連載にてご紹介! 今回は、長男しの君としりとりをしたときのお話です。「とーたん、しりとりしよう」としの君がパパにリクエスト。パパは「いいよ」と答えます。しかし、開始早々、パパからダメ出しが入って……!?息子と”しりとり”をしてみたら…? この世界には「り」から始まる言葉は「りんご」しかないらしいですw このくらいの年の子とのしりとりはなかなか難しいもんですね。 やりたがるけどなかなか出てこない。 そのうち負かされる日がくるかもしれませんが、そうなるとまた寂しいものですねw かいさんち(@kaisanchi2015)の育児マンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ 著者:マンガ家・イラストレーター かいさんち
2022年04月10日3児のパパ、かいさんち(@kaisanchi2015)の育児マンガを連載にてご紹介! 今回はかいさんち家の次女、よっちゃんのお話です。ある日のこと、パパとママの視線はよっちゃんに釘付けになっていました。その理由とは……!?大好きなパパとママを驚かせたくて……! わざわざ踏み台の上に登って、私達を驚かせに来てくれましたw こっちは登ってるところからずっと見てたんですけどねぇ。 いやぁ、びっくりしましたねwwww もう、何をやってもかわいいんですよw ノンストップ親バカですwww かいさんち(@kaisanchi2015)の育児マンガは、このほかにもInstagramで更新されています。ぜひチェックしてみてくださいね♪ 著者:マンガ家・イラストレーター かいさんち
2022年04月06日4月からいよいよ変わる育児休暇制度。体制を整える企業側も準備に追われています。企業と利用側に求められることについて、専門家に解説していただきました。パパたちは、今度こそ本当に育休を取りやすくなるのでしょうか―。 世界1位の育休制度でも男性取得率は最低ランク!その背景は?2021年6月に育児・介護休業法が大きく改正されたことによって、2022年4月から段階的に施行されます。1番のポイントは、パパが育休を取りやすくなること。今回の改正では、男性の育休にとって大きな節目になると期待が高まっています。 「この改正は国の本気度が出ています。国は男性をもっと育児に参加させたい。男性に強いメッセージを送っているんです」 と解説するのは父親の育児事情に詳しい大阪教育大学教育学部教授、小崎恭弘先生です。 「OECD(経済協力開発機構)も言っていますが、日本の育児休業制度は世界で一番優れているんです。給付額が高く、長く休める。企業にもよりますが、最長3年も休むこともできるんです。こんな充実した制度は世界に類を見ない。アメリカは基本的に育休はありません。こんな素晴らしい制度をなんで利用しないの? というのが世界の日本に対する眼差しです」 充実した制度がありながら、男性の育休取得率は低迷しています。昨年、厚生労働省が公表した2020年度の調査結果によると、男性の取得率は12.65%(前年比5.17%増)と過去最高の数字を打ち出しましたが、女性の取得率81.6%(同1.4%減)と比べると、その差は歴然です。 世界経済フォーラムが公表している男女格差を測る「ジェンダーギャップ指数」においても、日本は世界156カ国中120位で、G7の中では最下位という不名誉な結果に。日本の男性の参加問題は、社会的な背景があると小崎先生は指摘します。 「やっぱり日本は、固定的性別役割分業の考えが根強い。男性は仕事を中心として、女性は家事育児という文化があります。変化はしつつあるのですが、社会の重要な決定場面に女性が極めて少ないというのが現実です。例えば政治です。海外では女性の首相が誕生していますが、日本はまだですよね。カナダやニュージーランドでは閣僚の半分近くが女性です。今の日本で男性が『育休1年取ります』と言うと、『え?1年?』となる人が多いと思います。ところが女性が『育休1年取ります』と言うと、『がんばってね』となる。それはそれぞれの中に男女意識の差があるからなんです。そういう社会の集合体として、男性が育休を取りにくい環境が根付いているのではないかと思います」(小崎先生) 日本の育休が変わる!企業が変わる!4月から段階的に導入育児・介護休業法が改正されたことにより、2022年4月より段階的にスタートします。ポイントは次のとおり。 育休制度改正のポイント1.企業は育休を取得しやすい環境を整備&対象の従業員に制度を個別周知して取得の意向を確認することが義務化(2022年4月から)2. 育休を分割して2回取得可能に(2022年10月から)3. 育休開始日を柔軟化(同)4. 特別な事情がある場合は再取得可能に(同)5. 「産後パパ育休」の新設(同)6. 大企業の育休取得状況の公表が義務化(2023年4月から) なお、2022年10月からはじまる「産後パパ育休」は次のような制度です。・パパも「産休」がもらえる・産後8週間以内に4週間まで取得可能・休業の2週間前までの申し出でOK・2回に分割して取得することが可能・労使協定を結んでいれば、休業中に働いてもOK 出典:「育児・介護休業法改正ポイントのご案内P2「育児休業の分割取得」(厚生労働省) 男性の育休が企業のイメージアップにつながる時代へ2023年4月から、大企業は育休取得状況の公表も義務化されます。新しい制度を円滑に活用するためには、企業側の意識変化が不可欠です。 「配偶者の妊娠や出産を申し出た従業員に、企業側から育休・産休制度などを個別に周知して、かつ取得意向の確認をすることが義務づけられました。これは、パパの育休産休取得の後押しになるでしょう。さらに、従業員が1,000人を超える企業は、2023年4月から育児休業の取得状況を年1回公表する必要があります。公表する内容は、『育児休業(産後パパ育休含む)の取得率』と『育児休業(産後パパ育休含む)などと育児を目的とした休暇制度(※)の取得率』。一般の人が閲覧できるよう、自社のホームぺージや厚生労働省の『両立支援のひろば』などでの公表が義務づけられているんです」 厚生労働省は事業主向けのガイドラインでは、企業側に求めることがほかにも事細かに記されています。 (事業主向け)説明資料「育児・介護休業法の改正について~男性の育児休業取得促進等~」(厚生労働省) 「これを見ると国の気合いが伝わると思います。例えば個別周知や取得意向確認の方法に関しては、基本的にはメールやFAXはだめ(労働者が希望した場合のみOK)、面談か書面交付でしっかり伝える、というところまで細かく書かれています。ほかにも細いことがたくさん。だから今、企業の担当部署は大騒ぎです。私のところへも大手企業から研修動画の作成依頼が来ています。それだけ企業も本気で向き合っているということではないでしょうか」 企業側にメリットはあるのでしょうか。 「くるみんマーク(※)もそうですが、企業が変わっていくことが、社会に求められているんです。それが結果的に企業のイメージアップになっていくし、働きやすい環境は人材育成にもつながります。また、就職活動をする際の、会社選びの指標にする人も増えるでしょう。そこを企業側がメリットとして意識していくことが大事になっていくのではないでしょうか」 ※くるみんマーク……子育てサポート企業として、厚生労働大臣の認定を受けた企業の証。 今度こそパパたちの育休取得は増える? 企業&パパママにも求められる意識改革今回の育休制度改正のキーワードは「フレキシブル」だと小崎先生は言います。 「かなりフレキシブルに個人がオリジナリティのある育休を取れるようになります。つまり、制度やシステムが多様化するということは、決して同じ生き方、同じ働き方はあり得ないということなんです」 より選択肢が増え、自由度が高まった育休制度。うまく活用するためには、パパママ自身が生き方や家族の在り方をこれまで以上に意識し、制度の知識を深めることが求められそうです。その上で、「パパの育休は取りやすくなるのでは」と小崎先生は言います。 「今までは従業員が『育休をください』と申し出ていたのが、今度は企業から『どうですか』と言う。これまでとは180度育休取得の流れは変わりますから、取りやすい雰囲気になっていく大きなきっかけにはなるとは思います。ただ、利用者側の意識変化も必要です。保育所問題や夫婦のキャリアについて考え、2人で産休育休をどう取るかを考えていく必要があります。より戦略的に自分たちの子育てに向き合う必要がある。そして社会全体がダイバーシティを意識することです」 生き方や働き方が多様化する中、産休育休制度も多様化する時代に突入しました。世界がうらやむほど手厚くフレキシブルな制度をうまく活用できるか。育ボスに代表される企業の意識改革が、社会の変化のカギとなるかもしれません。 取材・文/大楽眞衣子監修者:保育士 大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学)教授 小崎恭弘兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年間勤務。3人の息子が生まれるたびに育児休暇を取得。市役所退職後、神戸常盤大学を経て現職。専門は「保育学」「児童福祉」「子育て支援」「父親支援」。NPOファザーリングジャパン顧問、東京大学発達保育実践政策学センター研究員。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等にて積極的に発信をおこなう。「男の子の本当に響く叱り方・ほめ方」(すばる舎)、「育児父さんの成長日誌」(朝日新聞社)、「パパルール」(合同出版)など、著書多数。著者:ライター 大楽眞衣子社会派子育てライター。全国紙記者を経てフリーランスに。専業主婦歴7年、PTA経験豊富。子育てや食育、女性の生き方に関する記事を雑誌やWEBで執筆中。大学で児童学を学ぶ。静岡県在住、昆虫好き、3兄弟の母。
2022年04月01日ママたちが子育てやパパとの関係で悩んだりするように、もちろんパパだって子育てやママとの関係に悩むことがあります。「パパが育児に対して悩みを持つというのは、育児に関わりたい気持ちがあるからこそ」と、大阪教育大学教育学部教授の小崎恭弘先生は言います。小崎先生は、父親の育児支援に関する専門家で、3人のお子さんのパパでもあります。今回、パパたちが抱える育児の悩みにアドバイスをいただきました。 パパが育児で悩みだしたこと自体が大きな変化小崎先生:「『イクメン』が流行語大賞に選ばれたのは2010年でした。そのひと昔前までは、『パパは仕事、育児はママ』という固定的性別役割分業が明確で、社会全体にパパが育児をする前提もなかったから、そもそも当時のパパたちは育児の悩みが少なかったでしょうね。今のパパは積極的に子どもと関わりたいけど、社会の雰囲気やママのハードルが高めに感じたりして、どうしたらいいかわからない、ママのようにうまくいかないなどの悩みが出てくるのでしょう」 とはいえ、パパ側にも原因がある場合があると言います。 小崎先生:「“産んだ=育てられる”と勘違いしているパパは多いです。自分はどこか関係ない、ママは育児ができて当然、と思っていませんか? 当事者意識を持って育児に向き合うことが大切です。お産と直接授乳する以外のことは、パパは全部できるんだと認識しましょう」 Q.子育てはわからないことだらけ。小さな赤ちゃんはどう扱っていいかわからない。(生後1カ月)小崎先生:「パパがわからないように、ママも実はよくわかっていないのです。わからなくてもやるしかないので、わかっているように見えるんですよ。わからないだらけのことを、ママと一緒に考えていく・積み重ねていく中で、2人でだんだんと育児に慣れていけばいいんです。新生児期は一番変化する時だから、成長をより実感できるときでもあります。そのためには、日ごろの様子を知ることと、原始反射など赤ちゃん特有の成長・発達について、勉強・理解することがポイントです。そのうえでお世話などの経験をしていけば、少しずつ赤ちゃんの接し方もわかってコツがつかめてくるでしょう」 そのためにはママにもお願いがあるとか。 小崎先生:「日常の様子を写真や動画でパパと共有しましょう。私は妻とずっと“育児日誌”を交換していましたが、今はスマホですぐに記録を残せるし、共有するのも簡単ですよね。パパにどんどん送って、赤ちゃんの日々の様子や成長を知ってもらいましょう」 Q.子どもに「ママがいい!」「こっち来ないで」と言われてつらいです…(年齢2歳6カ月)小崎先生:「たしかに子どもに『ママがいい!』と言われたら落ち込みますよね。ですが、ママと過ごす時間が長い場合などに、ママとの関係性が生活の基本となって子どもが安心感を持ちやすいということはよくあることだし、自然なことでもあります。 さらに、お風呂や寝かしつけがいつもママなら、それは子どもの中でそういうルール(儀式)ができあがっているんです。子どもにとっては“いつもどおり”が安心だから、「ママがいい!」と言うんですね。これを言うと、そこで諦めちゃうパパが多いんですが、そのルールは変更可能だということも知ってほしい。子どものルールは日常の中で作られています。仕事から帰宅した後や休日は、積極的に子どもと関わってスキンシップをはかりながら一緒に過ごす時間を増やしましょう。そうしていうくちに、パパとのお風呂もねんねも安心だと伝わるでしょう。また、パパの方が楽しいという時期もでてくるものです。体を動かす遊びなど、パパは得意なことで積極的に関わっていくとよいですね」 Q.一生懸命やっているのに、ママが認めてくれません。仕事で疲れているなか、ぼくだって頑張っているのに。(生後9カ月)小崎先生:「今のパパたちは頑張っていると思います。けれどママも、日中は後追いが始まって息つく暇がなかったり、夜泣きなどで寝不足になったりしているかも。そんなママの日ごろの家事・育児の頑張りを認めたり感謝の気持ちを伝えたりしていますか? していないなら、どこかで家事・育児より仕事の方が大変と思っているのでは? まずは“どちらが大変”などの考えは改めて、ママの日ごろの家事育児を認めることが先決かもしれません」 それでも、ママに自分の気持ちを伝えることは良いことだとも小崎先生は言います。 小崎先生:「今までは、男がそんなことでグチグチ言うなよという空気があったと思います。でも『しんどい』とか『認めてほしい』と口にするのは悪いことではないし、なによりパパたちの本音ですよね。ぜひパパにはそういう不満を言い合える“パパ友”を作って発散してほしいですね。NPOや行政のセミナーなどを活用したり、SNSやネットの繋がりを利用したりして、パパ友の輪を広げましょう。そして、ママにも伝えて、お互いに、楽しいことだけでなくつらいことやしんどいことを言い合える、話し合える関係を築いてほしいと思います」 Q. 妻と子育て方針や価値観が合わないときは、どうしたらいいでしょうか。(叱り方、習い事など…)(年齢:1歳9カ月)小崎先生:「子育てに関しては、お互いに育った環境が異なることもあり、価値観が合わないことは自然なことです。まずはお互いに子育てへの想いを理解することが大事です。 その上で、いろいろな事をすり合わせしていきましょう。細かいルールを決めるのは大変なので、子育てで大事にしたいこと、どういうことをしたら叱るのかなどの、大まかな方向性を確認するといいと思います。その方針も、生活をしていく中でズレや意識の違いが生じることもあるので、そういったときにその都度話し合って、確認・修正していくこともとても大切です。 また、習い事に関してはその種類を相談するよりも、習い事でどういう経験をしてほしいのか、子どもに何を身につけさせたいのかということを話し合うといいでしょう。親の思いだけで決めるのではなく、子どの個性や特性を大切にすることも忘れずに!」 Q. 妻が妊娠中ですが、父親になるという実感がわきません……。小崎先生:「妊娠するとおなかが大きくなったり、ホルモンの影響などで感覚や気持ちに変化があったりするママと比べると、パパは自覚がしにくいということはあると思います。人によって、実感が持てるタイミングもさまざまでしょう。無理して父性を自覚する必要はなく、これから育児グッズなどの準備をしたり、生まれてからスキンシップを重ねたりして芽生えていくので焦らなくても大丈夫です。ママと2人でどんな子育てがしたいかを話し合ったりしながら、親になる歩調を合わせていきましょう。 ママにはぜひ『パパスイッチ』をたくさん見つけて、押してほしいです。赤ちゃんの名前を考えたり、胎動を一緒に感じたり、保険の見直し、お金の手続きなんかもいいスイッチですね。その際にもしパパが「俺、それわからない」と言ってきたら、「私もわからない!」と返答してみてください(笑)お互いに初めての育児なんだから、どんどんパパを巻き込んで、2人で一緒に親として成長していきましょう」 Q. 育児に協力する気持ちはあるけど、簡単に会社に休むって言えない…。(妻が妊娠中)小崎先生:「今の社会がまだまだ追いついてないというか、これはパパだけの問題ではないことをママにも理解してほしい。だけどパパは、仕事も大切だけど、同時に家族も大切なはずです。これからはその二つの視点を持って、キャリアと家族・子育てを考えていきましょう。仕事の工夫や取り組みも、子育ての一つです。 4月からは育児・介護休業法が改正されて、企業側は育児休業を取得しやすい環境整備や、育児休暇を従業員に促すことが義務化されます。10月からは“パパのための産休”もスタートしますから、そういった制度をうまく活用しましょう。ちょっとずつですが社会も変化しています。ほかのパパや後輩たちのためにも、そういう文化を根付かせていく意識も大切でしょう」 関連記事:いよいよ4月から男性の育児休暇が変わる!?パパの産休もできるって本当?改正後のポイントは 子育てというミッションを共にやっていくという気持ちを大切に「育児の悩みの根底には、『自分の方が大変』、『自分ばっかり頑張っている』といった『自分だけ』という思いがあるからかもしれません。しんどいことも大変なこともある子育てというミッションを、2人で共にやっていくという意識を持ちましょう。パパがママの頑張りを認めている夫婦は、ママもパパを認めているはず。お互いさま精神ですね。 そしてパパは、『出産』というとてもすごいことを控えている or 成し遂げてくれたママへの配慮を絶対に忘れないこと。妊娠〜1歳ぐらいまでの期間は、ママが心身ともに一番大変なときです。大変なときこそ、ママをしっかりサポートして一緒に子育て経験を積み重ねましょう」 取材・文/早田佳代監修者:保育士 大阪教育大学教育学部学校教育教員養成課程家政教育部門(保育学)教授 小崎恭弘兵庫県西宮市初の男性保育士として施設・保育所に12年間勤務。3人の息子が生まれるたびに育児休暇を取得。市役所退職後、神戸常盤大学を経て現職。専門は「保育学」「児童福祉」「子育て支援」「父親支援」。NPOファザーリングジャパン顧問、東京大学発達保育実践政策学センター研究員。テレビ・ラジオ・新聞・雑誌等にて積極的に発信をおこなう。「男の子の本当に響く叱り方・ほめ方」(すばる舎)、「育児父さんの成長日誌」(朝日新聞社)、「パパルール」(合同出版)など、著書多数。著者:ライター 早田佳代編集プロダクション勤務を経て、フリーの編集・ライターに。不妊治療、妊娠・出産、健康、ダイエットなどの企画を中心に活動中。取材先などで得た情報を、よりわかりやすく伝えることがモットー。
2022年03月30日