アカデミー賞主演男優賞にノミネートされた『ハート・ロッカー』を始め、同賞助演男優賞候補に挙がった『ザ・タウン』、日本での大ヒットが記憶に新しい『アベンジャーズ』など、その熱演と目覚ましい躍進で、いま“最もホットな俳優”となったジェレミー・レナー。そんな彼の最新作『ボーン・レガシー』は彼の魅力と映画を愛する想いが存分に感じられる作品であり、撮影の裏側について語る姿には旬の男のオーラが漂っていた。来日早々の舞台挨拶で「カラオケに行きたいな…」と呟いていたものの、「まだ行けていないんだ…」と冗談交じりに嘆くジェレミー。終日の取材攻勢に見舞われているそうだが、それも旬な男の宿命として受け入れる他ない。それも、主演最新作として引っ提げてきた作品は、あの『ボーン』シリーズの最新作なのだから。「僕自身も『ボーン』シリーズの大ファンだしね。前3部作を観て感じたのは、僕が映画の世界に夢中になったきっかけでもある70年代の作品、特に『フレンチ・コネクション』を彷彿とさせること。映画というものはそもそもファンタジーだけど、エイリアンが出てくるファンタジーもあれば、その世界が実在しているかのようなファンタジーもある。後者にあたる『ボーン』シリーズの中には、匂い立つようなリアリティが存在するんだ」。「そのリアルな世界に身を置きたいと思った」と語り、俳優としてのポリシーにも言及。ただし、彼がこれまでに身を置いてきた「リアルな世界」は、肉体的にも精神的にも、あまりにシビアなものが目を引く。『ハート・ロッカー』で死と隣り合わせの戦場を生き、『ザ・タウン』で犯罪の世界を疾走。『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』にも、『アベンジャーズ』にも尋常ではないスリルが伴っていた。「肉体を駆使したり、精神的に追い詰められたりする役が好きなのかって?もちろん!好きじゃなかったらやっていないさ(笑)。『ボーン・レガシー』のアーロン・クロスは、その最たるものと言えるかもしれないね。肉体面の演技も過酷だし、内面的にもすごく複雑な役。でも、そういった役にこそ僕は惹かれるんだ。『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』や『アベンジャーズ』といった最近の4本はたまたま連続してアクションが多かったけど、体を鍛えることやアクションを学ぶことは嫌いじゃない。運動神経にも自信はあるしね。一方、キャラクターの複雑な心情を表現することにも相当なやりがいを感じるんだ」。ジェレミー自ら「最たるもの」と認める通り、アーロン・クロスは肉体的にも精神的にも徹底的に追い詰められる。CIAの極秘計画によって暗殺者へと育成された彼は、計画を抹消したい国家から命を狙われる事態に陥るのだ。「アーロンは自ら志願して暗殺者となった男。演じる上での入り口は、まさにそこだった。自分の人生に何か目標を持ちたい、もしくは何かの一員になりたいという意識は僕自身にもあるし、そこが役との共通点。ただし、彼の場合は道徳的なジレンマや葛藤が生じてくるんだ。目標を持ち、一員になったものの、果たしてこれは正しいことなのか?とね」。「そこからドラマが生まれるのだけど、まだ語られていない彼の過去にも関係してくるし…。この先は複雑過ぎて上手く説明できないな」と苦悶。その表情からもキャラクターの複雑さが伝わってくるが、「もちろん役ごとに演技のアプローチは変わるけれど、脚本に書かれていること以外の背景はあまり考えない」とも明かす。「1ページから120ページまで脚本自体がしっかり書かれていれば、それだけで十分な情報になる。4歳のときにどうやってパンツを履いていたか(笑)、どこの学校に通っていたか、そんな背景は必要ない。あくまでも指標にすべきは“真実”かどうか。アクション面においても心情面においても、現実的かどうかを推し量っていくんだ。興味深かったのは、ターミネーターとして造り上げられているにもかかわらず彼には感情があり、感情があるからこそ弱点があるということ。アーロン・クロスという男を成立させるのに十分な情報はそこにあったし、それこそが僕の求めていた必要な情報でもあった」。大人になったヘンゼルとグレーテルのその後を描く『Hansel and Gretel:Witch Hunters』(原題)、ホアキン・フェニックスらと共演する『Nightingale』(原題)など、今後も出演作が目白押し。益々セレブ度がアップする中、ジェレミー自身は現状にどう向き合っているのか。「周りの期待だとか、人が僕のことをどう思っているかなんて考え出したら気が狂ってしまうよ(笑)。だから、なるべく考えないようにしているね。そういった雑音は遮断するようにしているんだ。僕の役目は、俳優としての仕事をしっかり成し遂げること。そして、どんなチャンスが巡ってくるかを待つこと。人が僕を愛しているか憎んでいるか、そんなことを考え出したらきりがないからね」。雑音を遮断しようと努めている中、大変申し訳ないが“雑音”めいた質問を。ジェレミーのカッコよさに心ときめかせている女性も急増中だが…と投げかけると、「ああ、何てこった(笑)!カッコよさなんて分からないし…」と照れて戸惑いながらも、自身の考える“カッコいい男性像”を語ってくれた。「自分に自信を持っている人ほどカッコよく見えると思う。自分が何者であるかをきちんと把握できている人は、男女問わず素敵だよね。そんな相手がガールフレンドだとしたら、どんな問題でもすぐに解決できるだろう?あとはユーモアのセンスも大事なんじゃないかな。いままで付き合ってきた友達や家族など、僕の周りにもユーモアの分かる人が多いんだ。自信があって、ユーモアのセンスを持っている人。これが最強だね。アクションが格好よく見えるかどうかは問題じゃない。アクションを披露している僕がカッコよく見えるとしたら、それは相手のスタントマンが殴られた演技や倒された演技をしてくれるから。全て彼ら次第なんだ(笑)」。(text:Hikaru Watanabe)■関連作品:ボーン・レガシー 2012年9月28日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2012 Universal Studios. All Rights Reserved. アベンジャーズ 2012年8月14日より全国にて公開TM&© 2012 Marvel & Subs.ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル 2011年12月16日よりTOHOシネマズ 日劇ほか全国にて公開© 2010 by PARAMOUNT PICTURES. All Rights Reserved.
2012年09月26日第69回ヴェネツィア国際映画祭が8日(現地時間)に閉幕し、コンペティション部門作品賞にあたる金獅子賞は韓国のキム・ギドク監督『Pieta』(原題)が受賞した。韓国映画の金獅子賞受賞は史上初。ギドク監督は受賞スピーチの代わりに「アリラン」を熱唱した。銀獅子賞(監督賞)を受賞したのは『The Master』(原題)のポール・トーマス・アンダーソン監督。サイエントロジーの創始者であるロン・L・ハバードをモデルに、とある新興宗教団体のリーダーと第二次世界大戦から復員後に信者となった男の物語。リーダーを演じたフィリップ・シーモア・ホフマンと、やがて主人公の右腕となる男を演じたホアキン・フェニックスは共に優秀男優賞を受賞した。アンダーソン監督とフェニックスは既にトロント国際映画祭に向かった後だったが、ホフマンは単身ヴェネツィアに戻り、空港から直接会場入りして賞を受け取った。実はその後、コンペティション部門の審査委員長マイケル・マン監督が賞を渡し間違えるハプニングが発生。場内アナウンスがイタリア語だったために混乱したようで、審査員特別賞を授賞すべきところで、マン監督が発表したのは銀獅子賞受賞者、『The Master』のポール・トーマス・アンダーソン監督の名前。だが、アンダーソン監督に代わって再登壇したフィリップ・シーモア・ホフマンは何の疑いも持たずに審査員特別賞の楯を受け取った。この時点で一部の審査員や会場の観客は異変に気づいたが、マン監督は次の賞の授与をする際、銀のライオン像が用意されているのを見て、ようやく間違いに気づいたという。そこでホフマンは三度壇上へと呼ばれ、審査員特別賞の受賞者、『Paradise:Faith』(英題)のオーストリアのウルリヒ・ザイドル監督と、楯と銀獅子像を交換した。優秀女優賞はイスラエルの『Fill the Void』(英題)のハダス・ヤロン、マルチェロ・マストロヤンニ賞(最優秀新人賞)はマルコ・ベロッキオ監督の『Dormant Beauty』(英題)と『E Stato Il Figlio』(原題)の2作に出演したファブリッツォ・ファルコが受賞。優秀脚本賞は、現在『カルロス』が日本でも公開中のオリヴィエ・アサイヤス監督の新作『Apres mai』(原題)が受賞した。オリゾンティ部門の最優秀作品賞、オリゾンティ賞は中国のワン・ビン監督の『Three Sisters』(英題)が受賞。日本からの出品したコンペティション部門の『アウトレイジ ビヨンド』(北野武監督)、オリゾンティ部門の『千年の愉楽』(若松孝二監督)は惜しくも受賞は逃した。(text:Yuki Tominaga)© ロイター/AFLO■関連作品:The Master (原題) 2013年春、全国にて公開アウトレイジビヨンド 2012年10月6日より新宿バルト9、新宿ピカデリーほか全国にて公開© 2012 「アウトレイジ ビヨンド」製作委員会千年の愉楽 2012年秋、全国にて公開
2012年09月10日ホアキン・フェニックスがスパイク・ジョーンズ監督とタッグを組む最新作『Her』(原題)の詳細が明らかになった。同作はホアキン扮する主人公が、「Her(ハー)」と呼ばれるコンピューターの声に恋に落ちるというロマンティックSF作品になるという。本作には主演のホアキンのほかに、今年4月にスケジュールが重複したため降板したキャリー・マリガンに代わって、『ドラゴン・タトゥーの女』のルーニー・マーラーが出演することが決まっており、サマンサ・モートン、オリヴィア・ワイルド、エイミー・アダムスなど豪華女優陣が共演予定だ。『Her』の公式シノプシスには「そう遠くない未来、孤独なライターのセオドア(ホアキン)は、ユーザーの全ての要求を満たすという新しいOSソフトを購入する。だが、そのOSと自身との間で恋愛関係が芽生えてくることにセオドアは驚く」、「このユニークなラブストーリーは、恋愛とSFが見事に融合した作品で、愛の本質、さらに人間同士を繋げると同時に疎外させるテクノロジー技術について探求する温かい物語です」と説明されている。■関連作品:ドラゴン・タトゥーの女 2012年2月10日よりTOHOシネマズ日劇ほか全国にて公開© 2011 Sony Pictures Digital Inc. All Rights Reserved.The Master (原題) 2013年春、全国にて公開
2012年09月06日『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』で世界を沸かせたポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作『The Master』(原題)。現在開幕中の第69回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門にて9月1日(現地時間)、本作のワールド・プレミアが行なわれ、アンダーソン監督を始め、主演のホアキン・フェニックスに共演のフィリップ・シーモア・ホフマンらが出席し盛大な拍手とスタンディング・オベーションで迎えられた。ネット上で囁かれているあのうわさにも言及するシーンもあり、会場をおおいに沸かせた。第二次世界大戦で心に深く傷を負った兵士(ホアキン・フェニックス)が帰国後、偶然新興宗教の“マスター”ランカスター・トッド(フィリップ・シーモア・ホフマン)に出会い、セッションを通して深く取り込まれていく様子を描く本作。カルト的な宗教団体の姿を通して、心の傷と信仰というテーマに挑んだ137分に及ぶ問題作である。主演のホアキンとフィリップの見ごたえのある演技合戦に早くも男優賞候補の声があがり、今年の賞レースを賑わせる一作として高い注目を集めている本作。さらに、トム・クルーズが熱心な信者であることで知られる実在の宗教団体・サイエントロジーをモデルとしているといううわさがネット上で連日騒がれており、この日の会場には入りきれないほどのマスコミ陣が詰めかけた。アンダーソン監督は、「現在のサイエントロジーについてはあまり知らないが、初期の頃のことは知っている」と前置きしつつ、トム・クルーズにも作品を見せたことを認めた。しかし、トムの感想については「あとのことは僕らだけの話。でも彼とはいまも友人だよ」と笑って答えていた。口下手なホアキンは役づくりに関する質問にも「よく分からない」と言葉を濁し、途中で一瞬姿を消すなど、挙動不審な一面も。一方、フィリップはレッドカーペットでの観客のサイン攻めに笑顔で応える紳士な一面を覗かせていた。『The Master』は2013年春、全国にて公開。第69回ヴェネチア国際映画祭は9月8日(現地時間)までイタリア・ヴェネチアにて開催。■関連作品:The Master (原題) 2013年春、全国にて公開
2012年09月04日作品賞も含めアカデミー賞8部門ノミネートという快挙を果たし、主演男優賞、撮影賞を受賞した『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』から5年。若くしてその確かな手腕が認められ、ハリウッドから絶大な支持を得たポール・トーマス・アンダーソン監督の最新作『The Master』(原題)が来年春に日本公開されることが決定!さらに、この公開に先駆けて、8月29日(現地時間)に開幕となる第69回ヴェネチア国際映画祭のコンペティション部門に正式出品されることが明らかとなった。1950年代、アメリカで信者を増やしていった新興宗教団体のカリスマ的教祖と、彼の右腕となり教団にのめり込んでいく一人の男のドラマを描く本作。教祖を『マネーボール』などでの名演が光るオスカー俳優フィリップ・シーモア・ホフマン、その妻を『魔法にかけられて』のエイミー・アダムスが演じるほか、突然の歌手活動から一転、『容疑者、ホアキン・フェニックス』での俳優復帰が話題を呼んだホアキン・フェニックスが教団にのめり込む信者を演じる。本作が出品される同コンペティンション部門では、日本からも北野武監督の『アウトレイジビヨンド』が正式出品される予定で、栄誉ある賞を巡る戦いも注目されるところだが、本作がいま高い注目を集めている理由がもう一つ。フィリップ扮するカリスマ的教祖が実在する宗教団体をモデルにしているかは明かされていないが、アメリカに拠点を置く新宗教「サイエントロジー」の創始者L・ロン・ハバードを彷彿とさせると製作前から物議を醸しているのだ。本国アメリカでは、アカデミー賞レースの有力候補を占う映画祭の一つとして重視されているヴェネチア映画祭での出品とあってますます注目の的となっている本作。『ブギーナイツ』、『マグノリア』、そして『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』と次々と衝撃作を生み出してきたアンダーソン監督と彼の作品の常連でもあるフィリップの強力タッグとあって、早くもオスカー候補の呼び声高し!?宗教というデリケートな題材がテーマとなっていることもあり、本映画祭でも物議を醸すことは間違いなさそうだ。『The Master』は2013年春、全国にて公開。第69回ヴェネチア国際映画祭は8月29日から9月8日(現地時間)までイタリア・ヴェネチアにて開催。■関連作品:The Master (原題) 2013年春、全国にて公開
2012年08月08日オスカー候補にも選ばれた名優ホアキン・フェニックスの突然の引退と、その裏側を追った衝撃のドキュメンタリー『容疑者、ホアキン・フェニックス』が28日(土)から日本公開されるのを記念して、“ホアキン連行割引”と題した風変わりなサービスが実施されることになった。その他の写真本作は、故リバー・フェニックスの実弟で、『グラディエーター』や『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』などに出演したホアキンの突然の引退宣言と、ラッパー転向、その裏側にある衝撃の真実を描いたドキュメンタリー。引退から始まる約2年間のすべてが、本作のために仕組まれた“ウソ”であることが判明し、大きな話題を呼んでいる問題作だ。タイトルに“容疑者”というフレーズが入っていることから実現した本サービス、その名も“ホアキン連行割引”。容疑者ホアキンを2人がかりで連行すると、入場料がひとり1000円になる。実際にホアキンを連行するのは限りなく難しく、問題も多そうなため、配給会社は“サングラス着用”、“顔ヒゲ(付けヒゲ可)”の2点をクリアしていれば、“容疑者ホアキン”として認めるという。本割引は、28日(土)から5月11日(金)まで渋谷のシネマライズで、5月12日(土)から25日(金)までシネマート六本木で利用可能。また、公開初日の28日(土)には、シネマライズにて21時20分の回の上映後に、ラッパーのKダブシャイン氏と、ミュージシャンで音楽評論家のマキタスポーツ氏によるトークショーも予定されている。『容疑者、ホアキン・フェニックス』4月28日(土) シネマライズ他 全国順次ロードショー
2012年04月24日オスカー候補にも選ばれ、世界的な映画スターとして活躍するも、突然、ラッパー転向を宣言し、映画ファンの注目を集めた名優ホアキン・フェニックス。彼の“引退後”とその裏側を追った衝撃のドキュメンタリー『容疑者、ホアキン・フェニックス』の予告編映像がこのほど公開された。『容疑者、ホアキン・フェニックス』予告編ホアキン・フェニックスは、1974年生まれの米国人俳優。故リバー・フェニックスの実弟で、子役としてそのキャリアをスタートさせた後も着々と出演作を積み、26歳の時に出演した『グラディエーター』でアカデミー賞助演男優賞にノミネート。さらにその5年後には『ウォーク・ザ・ライン/君につづく道』でゴールデングローブ賞主演男優賞を受賞し、オスカーにもノミネートされた。そんな名優ホアキンが、俳優の引退とラッパー転向を宣言したのは2008年のこと。彼は「嘘の自分を演じるのに疲れた」というコメントを残して表舞台から去った。彼は永遠に映画の世界から姿を消し、ストリートの声を届ける活動に専念するのか?その疑問に答えるのが、ホアキンの親友で、自身も俳優として活躍するケイシー・アフレック監督が手がけた『容疑者、ホアキン・フェニックス』だ。このほど公開された予告編は、ホアキンの突然の引退宣言で幕を開け、ハリウッドを去り、ラップを披露するホアキンの姿に迫るも、約2年間に渡る彼の活動のすべてが、実は本作のための“ウソ”であることが明かされる衝撃の展開に。ホアキンの人生と巨費を投じた“イタズラ”によって人々が怒り、爆笑しながら翻弄されていく様が描かれている。『容疑者、ホアキン・フェニックス』4月28日(土) シネマライズ他 全国順次ロードショー(C)2010 Flemmy Productions LLC
2012年03月09日一昨年、俳優を引退してラッパーへの転身を宣言したホアキン・フェニックスが、アメリカの人気TVショー「Late Show with David Letterman」に22日に出演し、昨年2月に同番組に出演したときに見せた奇行は全て演出だったと告白、謝罪した。ホアキンのラッパー転身劇は、義弟のケイシー・アフレックによって『I’m Still Here』(原題)でドキュメンタリー映画化され、ヴェネチア国際映画祭でも上映されたが、実はこれはフェイク・ドキュメンタリーであることが判明。同作の中には無精ヒゲにサングラス姿のホアキンが「Late Show with David Letterman」で、司会のデイヴィッド・レターマンを相手に挙動不審な行動を取り続ける様子が収められている。22日、こざっぱりした身なりで同番組に現われたホアキンはレターマンに対して「あなたはインタビュー経験豊富だから、演技と素の姿の見分けがつくだろうと思っていたので…。でも、謝ります。悪気はなかったんです」と謝罪をしつつ、前回の出演時、最後にレターマンと握手するときに一瞬サングラスを外したのは、レターマンに「どうにかして感謝の意を表したかったから」と釈明。ケイシーがその行為に激怒したことを明かした。レターマンは前回のホアキン出演時について、「馬鹿にされたような気はしたけどね」と言いながら、『I’m Still Here』に収められたシーンについて100万ドルのギャラを要求。この映画で大金は儲けていないと抗弁するホアキンに「私には関係ないね」と、つれない態度を装いながら、溜飲を下げていたようだ。(text:Yuki Tominaga)© AP/AFLO■関連作品:帰らない日々 2008年7月26日よりシャンテ シネほか全国にて順次公開© 2007 Focus Features LLC. All Rights reserved■関連記事:心が震える愛と復讐の物語『帰らない日々』独占試写会に30組60名様ご招待
2010年09月24日俳優からラッパーへの転身を図った義兄、ホアキン・フェニックスを追ったドキュメンタリー映画『I’m Still Here』(原題)が9月開催のヴェネチア国際映画祭で上映されるケイシー・アフレックが、本作の女性スタッフ2人からセクシャル・ハラスメントで訴えられている。「The Hollywood Reporter」誌によると、まず最初に訴えを起こしたのはプロデューサーのアマンダ・ホワイト。ケイシーが女性との性的関係の武勇伝の数々を吹聴して不快な思いをさせたり、宿泊先のホテルの部屋へアマンダを連れ込もうとするなど、撮影中に様々なセクハラを受けたという。彼女が部屋へ行くのを拒むと、後にケイシーは彼女のギャラの支払いを拒否したという。アマンダはセクハラに加えて、口頭契約違反と精神的苦痛を受けたとして、200万ドルの損害賠償を要求している。もう1人は撮影監督のマグダレーナ・ゴルカ。彼女はケイシーのセクハラに耐えかねてプロジェクトから降りたが、ケイシーはそれまでの仕事に対してギャラも支払わず、作品に彼女の名前をクレジットすることもなかった。アマンダからの訴えが起こされた時点でケイシーの弁護士は、彼女は1年前に解雇されており、映画の公開が迫ってきたこの時期の訴えは、彼女の嫌がらせだとして、徹底抗戦の構えを見せていたが、同じ週に新たな訴えが起こされるとは穏やかではない。ホアキンの妹でケイシーの妻、サマー・フェニックスの心中やいかに?(text:Yuki Tominaga)写真はホアキンとケイシー。© AFLO■関連作品:ジェシー・ジェームズの暗殺 2008年1月12日より丸の内プラゼールほか全国にて公開©2006 Warner Bros. Entertainment Inc.■関連記事:【第80回アカデミー賞】演技だけではない!アカデミー賞候補者イケメンNo.1は?【第80回アカデミー賞】ノミネート発表!『ゼア・ウィル〜』VS『フィクサー』?第65回ゴールデングローブ賞ノミネート発表!『スウィーニー・トッド』他が4部門ベン&ケイシー・アフレック兄弟がハリウッド映画祭でそろって受賞!【ヴェネチア映画祭レポートvol.11】まだまだ続く、ヴェネチア・サプライズ
2010年08月02日29日(木)、9月1日(水)から11日(土)まで開催の第67回ヴェネチア国際映画祭のラインナップが発表になり、日本から村上春樹原作、トラン・アン・ユン監督の『ノルウェイの森』と三池崇史監督の『十三人の刺客』がコンペティション部門に、『愛のむきだし』の園子温監督の『冷たい熱帯魚』がオリゾンティ部門に選出された。今年のコンペティション部門の特徴は、エントリー作品を撮った監督の平均年齢が若いこと。平均年齢47歳というのは同映画祭史上最年少だという。その中にはオープニング上映作である『Black Swan』(原題)のダレン・アロノフスキー(41歳)、『Somewhere』(原題)のソフィア・コッポラ(39歳)が含まれる。ほかにはポール・ジアマッティ、ダスティン・ホフマン主演の『Barney’s Version』(原題)、ドイツのトム・ティクヴァ監督の新作『Drei』(原題)が上映される。ベン・アフレックの監督第2作『The Town』(原題)はコンペティション外で上映、弟のケイシーが俳優引退後のホアキン・フェニックスに密着したドキュメンタリー『I Am Still Here: The Lost Year of Joaquin Phoenix』(原題)も上映される。今年のコンペティション部門の審査員長は、日本映画、加えて三池ファンとしても知られるクエンティン・タランティーノ。最高賞・金獅子賞の行方が早くも気になる。ちなみに金獅子功労賞は、これもタランティーノが大好きなジョン・ウー監督に贈られることが決定している。(text:Yuki Tominaga)■関連作品:ノルウェイの森 2010年12月11日より全国東宝系にて公開© 2010「ノルウェイの森」村上春樹/アスミック・エース、フジテレビジョン十三人の刺客 2010年9月25日より全国東宝系にて公開© 2010「十三人の刺客」製作委員会■関連記事:ヴェネチア出品決定で松山ケンイチ、役所広司らの喜びのコメント到着!異例!『ノルウェイの森』主題歌にザ・ビートルズ原盤の「ノルウェーの森」が決定高良健吾初のフォトブックが発売撮影現場&箱根プライベート旅行の様子も!あのシーンも原作の種田そのまま!『ソラニン』高良健吾の落書き顔公開2010年、最も活躍すると思う俳優は?1位は不動のジョニー・デップ!
2010年07月30日