ヴェネチアビエンナーレで脚光を浴び、 アジアのアートシーンを牽引する注目の作家リー・キット(李傑 / Lee Kit)が、原美術館にて個展「僕らはもっと繊細だった。」を9月16日から12月24日まで開催する。日本の美術館での個展は、リー・キットにとって今回が初。ⓒLee Kit, courtesy the artist and ShugoArts現在は台北を活動拠点にするリー・キットだが、アーティスト活動のスタートは中国への返還(1997年)を経て変貌していく故郷・香港だった。初期作品のうち、布に絵具で格子柄などを描いた絵画シリーズは、色と柄のある“抽象”絵画でもあれば、日用品としての機能をもった布(=テーブルクロスやカーテン等)という姿・形を備えた“具象”であるともいえ、絵画の概念を広げる革新的な作品群だった。そして2013年、ヴェネチアビエンナーレ香港館の屋内外に展開した自在なインスタレーションは、ウォール ストリート ジャーナル紙が「必見の展示ベスト5」に挙げるなど、国際的な注目を集めてきた。近年は、絵画やドローイング、プロジェクターの光や映像、さらには家具や日用品等を配置し、展示空間全体を淡い色調の絵画のように仕上げたインスタレーションに力を入れ、欧米アジア各地で発表を続けている。独特の歴史的背景を持って揺れ動く街・香港を出自とするリー・キットは、アートという開かれた表現を通して自身のあり方を問い、自分が今を生きる世界と向かい合おうとしている。展覧会を開催する場合、その街、その場所の空気や感情に静かに寄り添い、サイトスペシフィックな作品(=特定の場所に存在するために制作すること)を創り上げるのもリー・キットが持つ大きな特徴。近年の東京での個展(資生堂ギャラリー、シュウゴアーツ)で発表した作品も、東京の空気や人々から感じ取ったものが根底にある。したがって、元は原家の私邸であり、第二次世界大戦を乗り越え、GHQから返還された後に美術館として40年の時を経ようとしている原美術館は、リーにとってこれ以上ない時空間。リーがここで何を感じ、どのような“絵画”を描くのか、日本初の個展はリーの魅力が遺憾なく発揮される機会となる。【イベント情報】リー・キット個展「僕らはもっと繊細だった。」会期:9月16日~12月24日会場:原美術館住所:東京都品川区北品川4-7-25時間:11:00~17:00(祝日を除き水曜日は20時まで / 入館は閉館時刻30分前まで)料金:一般1,100円、大高生700円、小中生500円、原美術館メンバーは無料 ※学期中の土曜日は小中高生の入館無料 / 20名以上の団体は一人100円引休館日:月曜(祝日は開館)、9月18日、9月25日、10月9日
2018年08月07日7月14日より、横浜美術館で『モネ それからの100年』が開催中。同美術館にとっては初めてのクロード・モネ展であり、“モネの作品と現代アートを結びつける”をテーマに、クロード・モネの作品25点と、現代美術家26名66点の作品を関連づけた意欲的な展示となっている。【チケット情報はこちら】日本でも特に人気の高いモネは、3年に1度は国内での回顧展が開催されている。今回は日本初公開となるモネの絵画『バラの小道の家』『ヴィレの風景』も見ることができ、モネ好きにはたまらない。展示は全四章に分かれ、モネの作品と対比するように、現代美術家の作品が並ぶ。ジャンルは絵画に止まらず、版画、写真、映像など。そうそうたる作家の顔ぶれは、アンディ・ウォーホル、マーク・ロスコ、丸山直文、松本陽子ら多彩だ。第一章では、モネの30代前後の作品が中心。モネが色彩と筆触へのこだわりを強めていく様子が感じられる。向かいの壁には現代作家の作品を展示。向かい合うことで、150年前を生きるモネの先駆性が強調される。第二章では、モネ独特の「色調」と「光」の表現に注目。額縁の外にまで滲み出すようなモネの作品を追った。同時に、モネの空間表現や光のイリュージョンを感じさせる現代作家の作品を並べる。第三章は、モネへのオマージュ。モネの作品に影響を受けながらも、まったく異なる手法の美術作品が並ぶ。来場者たちは有名なモネの『睡蓮』などにじっくりと見入りながら、その面影を現代美術作品の中に探していく。すると、題材も時代も異なるのに、現代の作品の中にモネを見つけることができる。第四章は後期の作品が中心。前章までとは違い、ここではモネの作品と現代作家の作品が交互に並べられる。まさに100年の時を超えてモネと現代が混じり合うよう。「モネの作品を見るように現代アートを見られるように」と、展示担当者・松永真太郎氏(横浜美術館 主任学芸員)の思いが込められている。モネの代表作である睡蓮の連作をオマージュし、福田美蘭氏がうつろう夜明けのビル夜景を描いた『睡蓮の池』の前には、ひとだかりができている。その横には、横浜美術館の展示にのみ限定出品された新作『睡蓮の池 朝』。朝焼けの蜃気楼に揺れるビル群の、光と色の表現は“現代の睡蓮”と呼びたくなる。『モネ それからの100年』は9月24日(月)まで。館内ではゆっくりとモネの「光」と「色彩」の合間を歩きながら、100年の時を越えた現代美術への旅が楽しめる。文・取材・撮影:河野桃子
2018年07月30日「蓼科(たてしな)テディベア美術館」は、信州・白樺湖畔に位置する世界最大規模のテディベア美術館。敷地面積3,000平方メートルを持つ広大な美術館には、約11,000体のテディベアを15の国と18のテーマにわけて展示。各国の風景を背景にした館内には、まるで絵本の中に迷い込んだかのような、癒し空間が広がっている。2018年7月現在では、ギネス認定されている世界最小0.8mmの貴重なテディベアを展示。さらに近年のリニューアルによって、キリンや象など等身大サイズのぬいぐるみに触って撮影ができるフォトコーナー「蓼科の森動物園~テディベアとその仲間たち~」や、ガラスショーケースを100台ほど追加した2階ホールが新設されるなど、ますますパワーアップしたテディベアワールドが広がっている。また「蓼科テディベア美術館」では、季節ごとに楽しめるイベントを用意。2018年7月11日(水)から8月31日(金)までは、厳選作品を集めた企画展「夏の特選展2018」を開催。26名の作家による個性豊かな作品が展示されるほか、販売作品なども多く取り揃えている。さらに同期間では、2,000種類以上のテディベアグッズを販売する「テディベアプラザ」にて、サマーセールを実施。愛らしいぬいぐるみや雑貨をたっぷりと詰め込んだ「夏のお楽しみ袋」も発売される。【施設概要】施設名:白樺湖畔 蓼科テディベア美術館所在地:長野県北佐久郡立科町芦田八ヶ野1522営業時間:4月~10月 9:00~18:00(入館最終受付17:30)、11月~3月 9:30~17:00(入館最終受付16:30)休館日:11月~3月の火曜日 ※12月初旬(今期は12月3日~12月7日/予定)にメンテナンス休館ありTEL:0267-55-7755チケット料金:大人(高校生以上)1,400円、子ども(小・中学生)800円、幼児(3才以上)300円、3才未満 入館無料※障害者手帳持参の場合、本人と付き添い1名の入館料が半額■「夏の特選展2018」会期:2018年7月11日(水)~8月31日(金)■テディベアプラザ「サマーセール」会期:2018年7月11日(水)~8月31日(金)
2018年07月08日コンラッド東京 × ルーヴル美術館展東京・汐留にある「コンラッド東京」では、東京・六本木「国立新美術館」にて「ルーヴル美術館展 肖像芸術 ー 人は人をどう表現してきたか」が開催されることを記念したスイーツブッフェが2018年6月2日(土)~9月2日(日)の土・日・祝限定で開催されています。“夏のパリ”を感じるフレンチスイーツを堪能200年以上の歴史ある美術館「ルーヴル美術館」があるフランス・パリの街は、スイーツの街としても知られています。「コンラッド東京」人気オールデイダイニング「セリーズ」では“夏のパリ”をテーマにした、繊細なフレンチスイーツを思う存分楽しめる「ルーヴル スイーツブッフェ」を開催。フランスの伝統菓子「ピティビエ」をはじめ、爽やかなレモンタルトや、カヌレ、マカロンなどのスイーツとセイボリーを堪能することができます。「ルーヴル スイーツブッフェ」詳細【開催期間】2018年6月2日(土)~9月2日(日)※土・日・祝のみ【会場】オールデイダイニング「セリーズ」【時間】15:00~17:00 ※スタート時間 15:00~、15:30~(90分制)【料金】大人 4,500円/子ども(6~12歳)2,500円 ※6歳未満無料・ソムリエセレクトのシャンパーニュ付き 5,000円ブッフェ内容【スイーツ 10種】ピティビエ/カヌレ/レモンタルト/エクレア/パッションフルーツのジュレ/ショコラフランボワーズ/フレーズ・デ・ボワのヨーグルトムース/アプリコットタルト/マカロン/ベイクドチーズケーキ【セイボリー 3種】苺ブリオッシュのオープンサンド スモークサーモンのリエット/ ライ麦パンのパリスタイル・サンドイッチ ハムとブリーチーズ/“パリジェンヌ”ポーチドエッグ・プレーンスコーン クロテッドクリームとりんごジャムを添えて・紅茶(イングリッシュブレックファースト/アールグレイ/ダージリン/カモミール) ※子どもは紅茶を1ソフトドリンクに変更可能※表示料金は、別途消費税およびサービス料15%を頂戴します。※表示の内容および料金は仕入れ状況によって予告なく変更になる場合があります。珠玉のセレクション「コンラッドアフタヌーンティー」「コンラッド東京」では、世界でも注目される一流シェフやパティシエが手掛ける絶品スイーツや各国の高級茶葉で淹れたお茶を味わうアフタヌーンティーを、各レストランにて楽しむことができます。ペストリーシェフ・岡崎正輝1979年、広島県出身。高度な技術と高い感性を持ち、国内外さまざまな製菓コンクールで権威ある賞を獲得。国際的に有名なコンクールでの優勝経験もあります。2017年7月1日、「コンラッド東京」ペストリーシェフに就任し、長年のホテルでの経験と高い技術力を活かし、アフタヌーンティーをはじめとした、館内にて販売するスイーツの監修を行っています。珠玉のセレクションを楽しんで「コンラッドアフタヌーンティー」では、季節に合わせた旬の果物を使ったスイーツブッフェやセイボリーを提供しています。「セリーズ」では、2018年5月1日~5月31日まで、春の訪れを楽しむいちごブッフェ「オトナ苺スイーツブッフェ」が開催されていました。バー&ラウンジ「トゥエンティエイト」では、2018年5月1日(火)~6月30日(土)まで「ロイヤル・アッシャー」とのコラボブッフェ「苺・ロイヤルウエディング アフタヌーンティー」が、2018年7月1日(日)~8月31日(金)までは夏にぴったりなひんやりスイーツが楽しめる「プレイウィズサマーアフタヌーンティー」が開催されます。格式高い和モダンなホテル「コンラッド東京」東京のウォーターフロントに位置する「コンラッド東京」は、東京ベイエリアと浜離宮恩賜(はまりきゅうおんし)庭園を見渡す絶景ロケーションのホテル。都内全域へのアクセスも良く、ビジネスにも最適です。フォーブス・トラベルアワード4スター、トリップアドバイザー・トラベラーズ・チョイス・アワード、トリップアドバイザー「外国人に人気の日本のホテルと旅館」第1位など、さまざまな賞を獲得しており、洗練された充実のサービスも魅力的。都内最大級の広さを誇る客室も自慢です。ホテルの格式と和モダンデザインの融合がコンセプトのホテル「コンラッド東京」で非日常を楽しんでみませんか。上質な空間で珠玉のスイーツブッフェを楽しんで企画展「ルーヴル美術館展 肖像芸術 ー 人は人をどう表現してきたか」の世界を、スイーツとセイボリーで楽しめる「ルーヴル スイーツブッフェ」で、夏のパリを体感しましょう。「コンラッド東京」では、ほかにも一流のシェフが手掛ける癒やしのスイーツを楽しむアフタヌーンティーが開催されています。都営大江戸線・ゆりかもめ線「汐留駅」から徒歩1分ほど。ホテルが贈る非日常のラグジュアリー空間で、珠玉のスイーツブッフェをぜひお楽しみください。イベント情報イベント名:ルーヴル スイーツブッフェ催行期間:2018年06月02日 〜 2018年09月02日住所:東京都港区東新橋1-9-1 コンラッド東京 オールデイダイニング「セリーズ」電話番号:03-6388-8745
2018年06月29日神戸が誇るランドマークホテル「ホテルオークラ神戸」(神戸市中央区)が、2018年6月13日(水曜日)から兵庫県立美術館「プラド美術館展」開催を記念した「プラド美術館展フェア」を実施しています。「元町」駅から徒歩10分の「ホテルオークラ神戸」は、神戸のウォーターフロントであるメリケンパークに立つランドマークホテル。神戸ポートタワーや六甲の山並みなど、客室の位置によって異なる風景を楽しむことが可能です。「三宮」駅からのシャトルバスも運行しています。チケット提示でレストランをおトクに利用可能「プラド美術館展フェア」は、「プラド美術館展」の最終日である2018年10月14日(日曜日)まで実施。会期中ホテル内の対象店舗で「プラド美術館展」のチケットもしくは半券を提示すると料金が10パーセントオフとなります。対象店舗は「レストラン エメラルド」(フランス料理)、「桃花林」(中国料理)、「カメリア」(カフェレストラン)、「山里」(和食堂)、「さざんか」(鉄板焼)、「メインバーエメラルド」の6店舗となります。「メインフロアデラックスルーム」(6階から15階)の宿泊に「プラド美術館展」のチケットと音声ガイドのレンタルをあわせた「展覧会チケット付ステイプラン」も販売されます。(画像はプレスリリースより)【参考】※株式会社オークラニッコーホテルマネジメントのプレスリリース/PR TIMES※ホテルオークラ神戸※兵庫県立美術館
2018年06月16日体験型の展覧会「魔法の美術館:リミックス」が、長崎県美術館にて2018年7月21日(土)から9月2日(日)まで開催される。「魔法の美術館:リミックス」は、デジタルとアートが融合した作品世界を“見て、触って、参加する”ことで体感できる展覧会。子供から大人まで世代を超えて楽しめる、長崎初登場の17作品が集結し、まるで“イリュージョン”のようなアート空間を見せる。また、場内は自由に写真撮影ができる点もポイントだ。車のおもちゃをテーブル上に走らせると、車を辿るように道が表れ、風景が出来上がっていく坪倉輝明の《空想ジオラマ》は、子供の「くるまあそび」の世界を空想から可視化した作品だ。また、3DCGの立体物を構成する三角形の“頂点”に着目した《Vertexceed》では、複数の「頂点」に触れると映し出される映像が反応。“頂点”を通じて、現実空間を超えてデジタル空間へと介入する体験ができる。その他、藤本直明の《衝突と散乱》や森脇裕之の《センスピラー》など、人の動作に合わせて映像や光が変化する、幻想的で近未来的な作品が勢揃いする。【詳細】魔法の美術館:リミックス会期:2018年7月21日(土)~9月2日(日)開館時間:10:00~20:00(最終入場 19:30)休館日:7月23日(月)、8月27日(月)場所:長崎県美術館 企画展示室住所:長崎県長崎市出島町2-1観覧料:一般 1,200(1,000)円、中学・高校生 800(600)円、3歳~小学生 600(400)円※家族ペア券(一般+3歳~小学生) 1,400円(美術館の当日券売場でのみ販売)※()内は前売、15名以上の団体、障害者手帳保持者及び介護者1名までの料金※前売券の販売は7月31日(火)まで
2018年06月07日「魔法の美術館 光と遊ぶ、真夏のワンダーランド」展が、山梨県立美術館にて開催される。期間は2018年6月30日(土)から8月26日(日)まで。山梨県立美術館開館40周年記念「魔法の美術館 光と遊ぶ、真夏のワンダーランド」は、まるで魔法にかけられたように光ったり、動いたりと、映像や音が変化する体験型アートを集めた展覧会。体を動かすことで音や光を操ることができる作品や、絵本の世界に迷い込んだような幻想的な作品など、大人も子どもも直感的に楽しめる体験型アートの数々が展示される。また、場内の作品は全て撮影可能で、SNSにシェアすることもできる。坪倉輝明の《七色小道》は、人が通ると色や光が地面にあふれ、まるで七色に輝く小道を散歩しているかのような体験ができるアート作品。自分が歩くことによって生まれる色と、他の人が出す色が混ざり合うことで、"歩く"という行為が無意識のうちに互いに影響を与え合う様子を体感することができる。的場やすし、山野真吾、徳井太郎による《SplashDisplay》には、動き回る的にボールを命中させると、色鮮やかな光の粒が噴水のように舞い上がる。重田佑介+Zennyanの《よるにおもう》は、白い本を手にとって空間を歩き回ることにより、夜空を舞台に様々な星座のキャラクターが姿を現すアニメーションを楽しむことができ、まるで星空を旅しているような不思議な感覚を味わうことができる。【詳細】「魔法の美術館 光と遊ぶ、真夏のワンダーランド」会場:山梨県立美術館 特別展示室住所:山梨県甲府市貢川1-4-27会期:2018年6月30日(土)〜8月26日(日)休館日:7月2日(月)・9日(月)・17日(火)・23日(月)・30日(月)・8月6日(月)・20日(月)開館時間:9:00〜17:00(入館は16:30まで)観覧料:一般1,000円(840円)、大学生500円(420円)※( )内は20名以上の団体料金、前売料金、県内宿泊者割引料金。高校生以下の児童・生徒は無料(高校生は生徒手帳等持参)。県内65歳以上の人は無料(健康保険証等持参)。障害者手帳持参者、およびその介護者は無料。前売券は山梨県立美術館にて 5月30日(水)〜6月29日(金)まで販売。【問合せ先】山梨県立美術館TEL:055-228-3322
2018年06月01日東京の国立新美術館では、5月30日から9月3日まで「ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか」を開催する。アントワーヌ=ジャン・グロ 《アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)》1796年Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Hervé Lewandowski /distributed by AMF-DNPartcom人の似姿を描く肖像は、スマートフォンの高性能カメラで意のままに自分を撮ることが当たり前となった現代社会において、いまや最も身近な芸術と言えるかもしれない。しかし一方で、肖像は最も長い歴史を持つ芸術ジャンルでもある。本展では、3000年以上も前の古代メソポタミアの彫像や古代エジプトのマスクから、19世紀ヨーロッパの絵画・彫刻まで、極めて広範にわたる時代や地域の作品を対象にしながら、肖像が担ってきた社会的役割や表現上の特質を浮き彫りにする。ルーヴル美術館の古代オリエント美術、古代エジプト美術、古代ギリシャ・エトルリア・ローマ美術、イスラム美術、絵画、彫刻、美術工芸品、素描・版画の全8部門による全面協力のもと、各部門を代表する肖像の傑作およそ110点を一挙に堪能出来る、きわめて貴重な機会となる。ヴェロネーゼ(本名パオロ・カリアーリ)《女性の肖像》、通称《美しきナーニ》1560年頃Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Michel Urtado /distributed by AMF-DNPartcom今回のみどころの一つ、16世紀ヴェネツィア派の巨匠ヴェロネーゼによる『美しきナーニ』は、ルーヴル美術館が所蔵する数々のルネサンスの肖像画のなかでも、最高傑作の一つとして名高い作品。この至宝の肖像画が、27年ぶりに来日を果たす。さらに、古代エジプトのアメンヘテプ3世、マケドニアのアレクサンドロス大王、アウグストゥス帝やカラカラ帝らのローマ皇帝、ルイ14世を始めとする歴代のフランス国王、そしてフランス王妃マリー=アントワネットなど、歴史を彩った時の権力者たちの肖像が一堂に会す。中でも大きなみどころとなるのが、フランス皇帝として名を馳せたナポレオンのコーナー。将軍時代を経て、皇帝として最高権力を手にしながらも、追放先の孤島で孤独な最期を迎えることになったナポレオンの激動の人生を、アントワーヌ=ジャン・グロの傑作『アルコレ橋のボナパルト(1796年11月17日)』を始めとする5点の作品でたどる。ジュゼッペ・アルチンボルド《春》1573年Photo © RMN-Grand Palais (musée du Louvre) / Jean-Gilles Berizzi /distributed by AMF-DNPartcom本展では、俳優の高橋一生がオフィシャルサポーターに就任し「音声ガイド」のナビゲーターにも挑戦。この他、パリのフランス流紅茶専門店「マリアージュ フレール」や、「とらや」とコラボレーションしたスペシャルグッズの販売、ホテル「コンラッド東京」や「ザ・リッツ・カールトン東京」でのコラボレーションメニューの提供、六本木の東京ミッドタウン内のショップ・レストラン&バーでも関連メニューが展開されるなど様々なイベントが目白押し。早割チケットや特典付きのお得なチケットも販売。詳細は展覧会ホームページ()にて。身近でありながら、奥深い肖像芸術の魅力に迫る、史上空前の本格的な展覧会をお見逃しなく。【展覧会情報】ルーヴル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか会期:5月30日~9月3日会場:国立新美術館 企画展示室1E住所:東京都港区六本木7-22-2時間:10:00〜18:00(6月の金・土曜は20:00まで、7〜9月の金・土曜は21:00まで)※入場は閉館時間の30分前まで料金:一般1,600円(1,400円) 大学生1,200円(1,000円) 高校生800円(600円) 中学生以下無料※( )内は前売り及び20名以上の団体料金休館日:毎週火曜日(8月14日は開館)
2018年05月17日ボストンマラソン爆弾テロ事件で両脚を失いながらも、“ボストンのヒーロー”と呼ばれた男の実話を描いた、ジェイク・ギレンホール主演・プロデュース作『ボストン ストロング ~ダメな僕だから英雄になれた~』。このほど、ジワジワと口コミで感動を呼んでいる本作から、号泣必至の本編シーンがシネマカフェに到着した。2013年に起こったボストンマラソン爆弾テロ事件の被害にあった、ジェフ・ボーマンの実話を映画化した本作。テロに巻き込まれ、両脚を失ったボーマンは「ボストンストロング」というスローガンの象徴として脚光を浴びるが、彼自身はPTSDやプレッシャーなど様々な困難を抱えていて…。■口コミで感動拡散!鑑賞者が“最も涙したシーン”公開到着した映像では、悲劇的なテロに見舞われたボストン復興の象徴・ヒーローとして脚光を浴びたジェフ(ジェイク・ギレンホール)が、「ボストンストロング」というスローガンが生まれるキッカケとなった、街を代表するメジャーリーグ球団ボストン・レッドソックスに招かれて始球式を行った直後のシーンが映し出される。始球式終了後、多くのファンに囲まれてごった返すジェフの元に、ラリーという名の1人の男性が走って駆けつける。彼は、ジェフが始球式で投げる姿を見て“俺たちは誰にも負けない”という強い想いを感じ、勇気づけられたことへの感謝の礼をジェフに伝えにきたのだ。ヒーローとして祭り上げられることは、苦痛でしかなかったジェフ。しかし、そんな自分の姿を見て勇気づけられたラリーの感謝の言葉は、ジェフ自身を勇気づけることにもなった。ジェフは自分からラリーに手を差し伸べて握手を交わし、「必ずうまくいくよ。僕は大丈夫だ。あなたも」と言葉を送っている。実はこのシーン、映画公開に先立って行われた試写会はもちろん、劇場鑑賞者から最も”涙した”として多くの感想があがった、本作きっての感動シーン。また、公開直前に行ったイベントにゲスト登壇した芸人・おばたのお兄さんも「勝手に作り上げられたヒーローとして、周りが勇気づけられていたのが、(このシーンでは)自分から勇気づけにいった。ここで(ジェフが真のヒーローに)変わったんだなと、すごく胸打たれました」と、笑い一切ナシで真面目に熱く語ったほど。そんな“心震える感動シーン”を、ここから確かめてみて。『ボストン ストロング ~ダメな僕だから英雄になれた~』はTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ボストン ストロング〜ダメな僕だから英雄になれた〜 2018年5月11日より全国にて公開© 2017 Stronger Film Holdings, LLC. All Rights Reserved. Motion Picture Artwork © 2018 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.
2018年05月17日全米を感動させたヒーロはちょっと“ダメ”な奴(C) 2017 Stronger Film Holdings, LLC. All Rights Reserved. Motion Picture Artwork (C) 2018 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.ボストンで暮らしていたジェフ・ボーマンは、元恋人エリンの愛情を取り戻すため、彼女が出場するボストンマラソンの応援に駆けつけるが、ゴール地点付近で発生した爆弾テロに巻き込まれ、両脚を失う大ケガを負ってしまいます。意識を取り戻したボーマンは警察に協力し、ボーマンの証言をもとに犯人が特定されると、ボストンストロング=新しいヒーローの誕生として脚光を浴びますが、耐えられない傷と受け入れられない現実に苦悩します。自分の無力さと不甲斐なさに絶望する中、本当の強さと勇気の正体を見出していきます……。過剰にドラマチックに描くことを避け、人間くさい“フツウの男”の愛と再生のドラマは、誰もが共感せずにはいられません。 ジェイクが挑んだ“フツウの男”(C) 2017 Stronger Film Holdings, LLC. All Rights Reserved. Motion Picture Artwork (C) 2018 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.本作品の主人公であるジェフ・ボーマンを演じるのは、メジャーからインディペンデント映画まで縦横無尽に活躍する実力派俳優のジェイク・ギレンホール。近年の出演作では個性的な役柄がつづいていますが、本作品では身体と精神に大きな傷を追った普通の男を熱演。義足を装着し信じられない演技で、ジェイク史上最もチョイダメで平凡な男が最大の試練に立ち上がる姿が描かれています。「カリスマがあるだけじゃなくて、とても愛情にあふれていて、ユーモアのセンスがある。同時に奥底に深い闇もあるね。」と語ったジェイクは、実際のジェフと時間をかけて交流し、決してモノマネではなく、根底にある人間性や弱さまでも繊細に掬い上げました。 “フツウの物語”だからこそ共感できる!(C) 2017 Stronger Film Holdings, LLC. All Rights Reserved. Motion Picture Artwork (C) 2018 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.この映画の冒頭で主人公は、朦朧とした意識の最中に、両脚を失った真実を粗野な友人の雑な作法で唐突に告げられても、失くした足のジョークを飛ばすぐらい強くしたたかで、この映画の原題『Stronger』を体現するような人物として描かれています。しかし、傷ついたボストンのヒロイックな象徴として、他者から“強さ”を強いられるほど、主人公は強さを摂取されるかのごとく弱さを露呈していきます。人は強くもあり弱くもあるという、当たり前の事実に気づくことによって、主人公は初めて前を向いて歩きはじめますが、考えてみればそれは映画の外にある実人生そのもの。主人公と同様に、観る者が当たり前の事実に、今一度向き合うキッカケを与えてくれる本作品を、ぜひ劇場でお楽しみください。 【情報】 『ボストン ストロング 〜ダメな僕だから英雄になれた〜』 2018年5月11日(金)からTOHOシネマズシャンテほか全国で順次公開監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン脚本:ジョン・ポローノ原作:ジェフ・ボーマン、ブレット・ウィッター『STRONGER』出演:ジェイク・ギレンホール、タチアナ・マスラニー、ミランダ・リチャードソン、クランシー・ブラウン配給:ポニーキャニオン
2018年05月15日ボストンマラソン爆弾テロ事件で“ボストンのヒーロー”と呼ばれた男の真実の物語を、ジェイク・ギレンホール主演・プロデュースで描いた『ボストン ストロング~ダメな僕だから英雄になれた~』。このたび、映画の見どころを集めたダイジェスト映像に、主演のジェイクのインタビューを交えた特別映像が公開された。本作は、2013年4月15日に起こったボストンマラソン爆弾テロ事件の被害にあった、ジェフ・ボーマンの実話を映画化。テロに巻き込まれ、両足を失ったボーマンは「ボストンストロング」というテーマのもとボストン復興の象徴として脚光を浴びるが、彼自身が耐えられない傷やプレッシャーに直面していく“フツウの男”の実話。■メディアには決して取り上げられない“ヒーロー”の陰の部分このたび公開されたダイジェスト映像「見どころ早わかり!『ボストン ストロング』ダイジェスト」では、ジェイクのインタビューを交えながら、ダメ男がテロで両脚を失う悲劇に見舞われ苦しみながらも、いかにして多くの人々に勇気を与えるヒーロー=“ボストン ストロング”になっていったのかを詳しく知ることができる。自らの証言でテロの犯人が特定されたことから一躍、時の人となり、ヒーローに祭り上げられたボーマン。その反面、傷の痛みや周囲の過剰な期待、爆発テロ事件当日のトラウマに、1人もがき苦しみ、生きる意味を次第に見失っていく姿や、その苦しみを唯一理解し支えてくれていた恋人エリン(タチアナ・マスラニー)にさえも、きつく当たり散らす姿など、彼の陰の部分が浮き彫りになっていく。その様子は、決してメディアには取り上げられない姿であり、リアルを追求した本作ならではの大きな見どころだ。だからこそ、多くの傷ついた人たちに勇気を与えていたのは自分だったことを聞かされたとき、どれほど多くの人に自分が支えられているか気づいたとき、普通の男が生きる意味や本当の強さ、勇気の正体を見つけ、真のヒーローへと変身していく姿に心打たれる。ジェイクの「これはテロの映画じゃない。もっと大切なことを伝えているんだ」という言葉は、本作を観た後にいっそう心に響いてくるはずだ。『ボストン ストロング ~ダメな僕だから英雄になれた~』は5月11日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年05月03日『プーシキン美術館展―旅するフランス風景画』とは?【女子的アートナビ】vol. 108この展覧会では、ロシアを代表する美術館のひとつ、プーシキン美術館のコレクションから選び抜かれたフランスの風景画65点を紹介。モネやセザンヌ、ルソー、さらに美術史に名を遺すクロード・ロランなど17世紀から20世紀までの傑作が勢ぞろい。神話の物語や美しいパリの街並みなどの名画を見ながらフランスを旅するように楽しむことができます。スペシャルサポーターは水谷豊さん!同展のスペシャルサポーターは、俳優の水谷豊さん。音声ガイドのナビゲーターも担当された水谷さんがプレス内覧会に出席され、展覧会の見どころなどを語りました。まず、展覧会を見ての感想を問われると、「今回はテーマがフランス風景画ということで、どの絵も本当にすばらしく絵の中に引き込まれていくようで、旅しているような気分を味わえました」と回答。続いて、2つの作品についてコメントされました。クロード・モネの初来日作品《草上の昼食》、実物はいかがでしたか?水谷さん写真で見るのとは全然違いましたね。学芸員の方から知識を教えていただき絵の見方も変わったのですが、これがモネの青春時代の作品ということで、若い時から才能が花開いていたことがわかります。すばらしいです。《草上の昼食》は画家が26歳のときに描いた作品。学芸員の大橋さんのお話では、当時モネはまだたくさんのモデルを雇うことができなかったので、恋人のカミーユにいろいろな服を着せてポーズをとってもらい、いくつかスケッチを描いてから組み合わせて作品を制作したとのこと。この絵に登場する女性はすべてカミーユではないかと考えられているそうです。特にお気に入りの作品は?水谷さんいろいろありましたが、おもしろかったのはアンリ・ルソーの《馬を襲うジャガー》です。ルソーはパリにいて、植物園で熱帯植物を観察しながらジャングルに思いをはせてこの絵を描いたのですが、想像でここまで描けるのかというほどすばらしい作品です。われわれも(俳優というのは)妄想するのが仕事ですが(笑)、不思議なオーラがある作品です。ルソーは税関職員として働きながら絵を描いていた日曜画家。専門的な美術教育を受けていない彼の作品は批判されることもありましたが、ピカソやアポリネールなどからは高く評価されていました。特に南国のジャングルを描いた絵を多く残しています。最後に、水谷さんからメッセージ水谷さん名作と呼ぶのにふさわしい、たくさんの作品が東京都美術館にそろいました。訪れた人を世界の旅に連れて行ってくれる作品が集まっていると思います。僕は旅の案内人として関わらせていただき光栄です。たくさんの人にこの感動を味わっていただきたいです。ちなみに、水谷さんがナビゲーターとして出演されている音声ガイドも聞いてみたのですが、作品の背景や画家についての説明などもわかりやすく、展覧会の感動がより深くなる内容でした。そして、『相棒』ファンが喜ぶあの名セリフも入っています。ガイドは最後の最後までぜひ聞いてみてください。また、会場には作品と一緒にパリの地図なども掛けられ、どのあたりを描いた絵なのかがわかるようになっています。パリを訪れたことがある人はもちろん、行ったことがなくてもイメージすることができ、作品鑑賞がより楽しくなりますよ。フランスを旅する気分を味わえる展覧会は7月8日まで。Information会期:~7月8日(日)休室日:月曜日時間:9:30~17:30※金曜日は20時まで※入室は閉室の30分前まで会場:東京都美術館料金:一般 1600円/大学生・専門学校生1300円/高校生800円/中学生以下無料公式サイト:上野の東京都美術館で開催中の『プーシキン美術館展』に行ってきました。フランス風景画の名作が集まるこの展覧会では、俳優の水谷豊さんが音声ガイドを担当。プレス内覧会にも出席され、見どころを語ってくれました。
2018年04月28日ジェイク・ギレンホールが主演とプロデュースを務めた『ボストン ストロング ~ダメな僕だから英雄になれた~』の特別試写会が、ボストンとの姉妹都市・京都市で開催。映画評論家・北小路隆志がアメリカ映画が描いてきたヒーローの新たな形として本作を解説した。2013年に起こったボストンマラソン爆弾テロ事件の被害にあった、ジェフ・ボーマンの実話を映画化した本作。舞台となるのはアメリカ、マサチューセッツ州ボストン。アメリカの歴史の中でも特に古く、その美しい街並みが多くの人々を魅了しているボストンは、ハーバード大学やマサチューセッツ工科大学(MIT)などの有名大学でも知られ、日本の京都市と姉妹都市提携を結んでいる。4月24日(火)、京都・同志社大学ハーディーホールには、同志社大学・同志社女子大学および市内の大学に在学中の学生、一般当選客、合わせて約100名が参加。冒頭、司会者から映画の感想を聞かれた北小路氏は、「僕はひねくれているから泣けなかったけど、みなさんはかなり心に響く作品だと思います」と話し、集まった学生からは笑いが漏れた。■「アメリカ映画は伝統的にヒーローを作り続けている」そんな北小路氏が注目したのは、映画で描かれる“ヒーロー像”について。本作ではボストンに住む主人公ジェフ(ジェイク・ギレンホール)の家族の描写も多いが、「彼らはいわゆるブルーカラー(労働者階級)であり、ボストンだけでなく、アメリカでもっとも多い層」と話す。アメリカの人口の3分の2が、このブルーカラーにあたる。「それくらい特別ではない、普通の人を丁寧にリアルに描写したことで、庶民が意図せず何かを成し遂げてしまう、“巻き込まれ型”の典型的な作品の系譜を踏んでいる」と分析。「古くはフランク・キャプラ監督作(『素晴らしき哉、人生!』ほか)や、近年では『15時17分、パリ行き』など、主人公がいかに普通の人間かを丹念に描いたうえで、彼らが自分の意志ではないところで巻き込まれ、気がつくと世の中を変えるようなことをやっている、気づけば皆のヒーローになっている、というのは昔から多く描かれてきており、アメリカ映画は伝統的にヒーローを作り続けているんだということを改めて感じた」と話した。そのうえで、作中でも会話の中で登場する『フォレスト・ガンプ/一期一会』を例に、「過去の作品は登場人物が意図せず起こしたアクションによってまわり(世界)が変わるという形が多かったが、本作はそれに反し、主人公から脚の自由を奪う=アクションを封じるところからスタートさせていて、同じヒーロー映画の系譜ではあるが、また新しいものを見せてもらった」と舌を巻いた。■フラッシュバックで見せるPTSDの壮絶さ…ジェイクの繊細な演技にも注目また、テロや災害などの被害を扱った映画として、「本作ではフラッシュバック、トラウマの描き方が非常にうまい」と北小路氏。「事件の場面から見せたくなるところを、爆発のシーンは敢えて省略する。ではどのようにそれを見せるか、というところでフラッシュバックという技法を、彼の心理面、PTSDを絡めて見せる。そのことで、1人で耐え続ける彼の弱さ、同時に強さを表現することに成功している」と話し、その繊細で細やかな心の動きを見事に体現したジェイク・ギレンホールの演技にも注目してほしい、と締めくくった。『ボストン ストロング ~ダメな僕だから英雄になれた~』は5月11日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年04月25日いまから5年前、ボストンマラソンのゴール近くで起こった爆破テロ事件で被害に遭い両足を失った、“ボストンのヒーロー”と呼ばれた男を、ジェイク・ギレンホールが熱演する『ボストン ストロング ~ダメな僕だから英雄になれた~』。今年で122回目を迎えるボストンマラソンが4月16日に開催されることに合わせ、主人公ジェフ・ボーマンを演じ、自らプロデューサーも務めたジェイクや、ジェフ本人らが語る5分にも及ぶ特別映像が公開された。本作は、2013年に起こったボストンマラソン爆弾テロ事件の被害に遭った青年ジェフ・ボーマンの身に起こった実話を映画化。テロに巻き込まれ、両足を失ったジェフが「ボストン ストロング」(ボストンよ、強くあれ)というボストン復興の象徴として脚光を浴びるも、耐えられない傷とプレッシャーを背負い、やがて克服していく姿を感動の人間ドラマとして描き出した。■世界中のランナーが憧れるマラソン大会を襲った無差別テロボストンマラソンといえば、出場者は約3万人、観客は約50万人にも及び、世界でも最大規模のマラソン大会の1つ。世界中の市民ランナーが「一生に一度は走ってみたい」と憧れる大会だ。アメリカ独立戦争が開戦した4月19日の「パトリオット・デイ(愛国者の日)」を記念して例年4月の第3月曜日に開催されており、1897年以来、今年で122回を数える長い歴史と伝統を持つ。だが、そんなアメリカにとって特別な“愛国者の日”の2013年4月15日に開催されたボストンマラソンで、爆弾テロ事件が発生、3人が死亡、282人が負傷した。その世界に大きな衝撃を与えた凄惨な事件から、5年が経過した。■モデルとなった本人が語る「僕の人生はすっかり変わった」このたび到着した特別映像では、リアリティに迫った本編映像や撮影現場の映像に加え、出演者やスタッフ、モデルとなった本人たちのインタビューが盛り込まれている。冒頭、主演のジェイク・ギレンホールは「これはテロの映画ではない。もっと大切なものを伝えている」と語り、デヴィッド・ゴードン・グリーン監督も「メディアが伝えない、事件の本質を描いている」と、本作が人間ドラマであり、家族の物語であることを強調する。また、本編の主人公となったジェフ・ボーマンついては「生存能力と謙虚さがあり、ユーモアがある」(ジェイク)、「思った以上に明るくてユーモアがあって人間味があった」(プロデューサーのリヴァ・マーカー)と語り、大きな悲劇に遭った男の意外な性格にキャストとスタッフは驚いた様子だ。「コストコ」の店員だった男が突然テロに巻き込まれ両脚を失い、その現実を受け止められないままにヒーローに祭り上げられ、一挙手一投足まで注目される存在になる。特別映像では、この運命の残酷さを示すような映像が連なる中、モデルとなったジェフ・ボーマン本人もインタビューに登場する。「僕の人生はこの4年間ですっかり変わったよ。義足で一から歩き方を覚えるというのは本当にとても辛いことだ。でも嬉しいことも人生にたくさん起こった。3歳の僕の娘は僕の人生の光だ」と語り、ジェフの生きる姿勢、そして彼にとって何が支えとなったのかが明かされる。■ボストンで撮影した意義…「他にふさわしい場所は考えられなかった」そして、この物語の“もう一人”の主人公が町そのものであることにも気付かされる。ジェイクは「僕たちにとってボストンで撮影を行うことがとても重要だった。この映画を撮影するのに他にふさわしい場所は考えられなかった。できることは全てやったし、ボストンという町がどれくらい素晴らしい場所か、ボストンの人々がどんなに素晴らしい心を持っているか世界中の人々に伝わればいいな」と語る。映像には、2013年「ボストンストロング」を合言葉に、ワールドシリーズを制したボストン・レッドソックスやボストン・ブルーインズの試合で結束するボストン市民の姿と共に、復興したボストンという街への熱い想いも表現されている。「絶望的な環境でも、乗り越えることができる。それがこの映画のテーマだよ」と困難に打ち勝ったジェフを称えるジェイク。また、ジェフ本人は「僕はヒーローじゃない。いつも最前線で命をかけている警察官や消防士、救急医療士が真のヒーローだ。僕はただの生存者に過ぎないよ」と、自分を救ってくれた周りの人たちへの感謝を込めて語る姿が印象的だ。■“英雄”のイメージと現実とのギャップに苦しむ主人公ボストンマラソン爆弾テロ事件は、巻き込まれた多くの人々の人生を変えてしまったが、本作の主人公ジェフ・ボーマンも事件によって大きく人生を変えられてしまった。コストコで働いていたジェフは、元彼女のエリンとよりを戻すため、エリンが出場するボストンマラソンの応援に駆けつけた際、爆弾テロに巻き込まれてしまう。一命はとりとめたものの、両足を切断する重傷を負ったジェフは病室で目覚めると、FBIに犯人特定につながる重要な目撃情報を告げる。怪我を負いながらも犯人特定に貢献したジェフは、たちまちテロリストに屈しない“ボストン ストロング”というスローガンを象徴する英雄として、世間からもてはやされるように。しかし、世間から見られる英雄のイメージと、現実では1人で用を足すこともできない自分とのギャップに苦しみ、傷の痛みや事件の辛い記憶と闘っていた。やがて彼は、テロ現場で救ってくれた命の恩人カルロスとの再会によって、意外な事実に気づき、家族や恋人、仲間たちに支えられながら、再び自分の足で歩く決意を固めていくのだ。ジェフ本人の献身的な映画制作への協力もあり、ジェフの苦悩する姿やダメなところも赤裸々に描いた実話。事件から5年の節目を迎えるこの機会に、本作に関わった人々の思いを本映像からも触れてみてほしい。『ボストン ストロング ~ダメな僕だから英雄になれた~』は5月11日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2018年04月16日フランスの風景画のコレクションが一堂に来日17世紀から20世紀の風景画が来日します。神話の物語や古代への憧憬、あるいは身近な自然や大都市パリの喧騒、果ては想像の世界に至るまで、描かれた時代と場所を軸にフランス近代風景画の流れをご紹介します。様々な情景を舞台にした風景画は、その土地のにおいや太陽の煌めき、風にそよぐ木々や街のさざめきをも感じさせてくれます。クロード・モネ《草上の昼食》1866年© The Pushkin State Museum of Fine Arts, Moscow.なかでも、注目は初来日となるモネの『草上の昼食』。同時代の人物たちとみずみずしい自然の風景が見事に調和しています。印象派の誕生前夜、26歳となる若きモネの魅力溢れる作品です。ほかにもロラン、ブーシェ、コロー、ルノワール、セザンヌ、ゴーガン、ルソーらの作品が集います。初夏の上野で、巨匠たちが愛した光と色彩が躍る美しい風景を巡る「旅」を体感できます。展示構成第1部「風景画の展開クロード・ロランからバルビゾン派まで」1章近代風景画の源流/2章自然への賛美第2部「印象は以後の風景画」3章大都市パリの風景/4章パリ近郊--身近な自然へのまなざし5章南へ—新たな光と風景/6章海を渡って/想像の世界宗教画の背景として描かれていた風景でしたが、17世紀のオランダにおいて「風景画」として独立したカテゴリーになります。フランスの画家たちも次第に関心をしめし、イタリアで目にした古代の移籍や旅先の風景を描くようになります。19世紀に入ると、身近な自然を愛したバルビゾン派の画家たちが人気になります。そして19世紀半ばからは「パリ大改造」が行われ、街並みが大きく変わりました。印象派の画家たちは生まれ語ったパリを歩き、都市の情景を数多く描きます。さらに鉄道網の発達にともない、郊外や南仏の風景を描き、さらには海を渡って、想像の世界へと広がりました。『庭にて、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの木陰』ムーラン・ド・ラ・ギャレットはパリのモンマルトルにあったダンスホール。喧騒から少し離れた木陰で楽し気に語らう男女5人が描かれています。後ろ姿の女性はルノワールのお気に入りのモデル・ニ二。その後ろから顔をのぞかせているのは画家のモネです。ピエール=オーギュスト・ルノワール《庭にて、ムーラン・ド・ラ・ギャレットの木陰》1876年© The Pushkin State Museum of Fine Arts, Moscow.『サント・ヴィクトワール山、レ・ローヴからの眺め』エクス・アン・プロヴァンスの近くにあったセザンヌの家の近くから見ることができた。この山はセザンヌが主題にしたモチーフのひとつで、30点以上の油絵と多数の水彩画にしています。ポール・セザンヌ《サント=ヴィクトワール山、レ・ローヴからの眺め》1905-06年© The Pushkin State Museum of Fine Arts, Moscow.『マタモエ、孔雀のいる風景』1891年、ゴーガンはタヒチ島へ赴きます。タヒチ語のマタモエの意味は議論されてきましたが、ゴーガンはフランス語では「死」というタイトルをつけました。文明化されたヨーロッパ人としての自身の死を示していたと考えられています。ポール・ゴーガン《マタモエ、孔雀のいる風景》1892年© The Pushkin State Museum of Fine Arts, Moscow.『馬を襲うジャガー』アンリ・ルソーの作品は熱帯のジャングルを舞台にしたものが多数あるが、実際に南国に行ったことはなく、パリの植物園でスケッチしたさまざまな植物を組み合わせて、幻想的な風景を作りあげました。アンリ・ルソー《馬を襲うジャガー》1910年© The Pushkin State Museum of Fine Arts, Moscow.展覧会概要会期:2018年4月14日(土)~7月8日(日)会場:東京都美術館企画展示室(東京・上野公園)休室日:月曜日※ただし、4月30(月)は開室開室時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)夜間開室:金曜日は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)主催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、朝日新聞社、テレビ朝日、BS朝日、プーシキン美術館、ロシア連邦文化省お問い合わせ先:TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)大阪会場会場:国立国際美術館(大阪・中之島)会期:2018年7月21日(土)~10月14日(日)主催:国立国際美術館、朝日新聞社、BS朝日、プーシキン美術館、ロシア連邦文化省
2018年04月12日ジェイク・ギレンホール主演・プロデュース作『ボストン ストロング ~ダメな僕だから英雄になれた~』が2018年5月11日(金)より全国ロードショー。ボストンマラソン爆弾テロ事件で”ボストンのヒーロー”と呼ばれた男の真実の物語を描く。ボストンのテロ事件被害者が周囲に支えられながら立ち上がる『ボストン ストロング ~ダメな僕だから英雄になれた~』は、2013年に実際に起こったボストンマラソン爆弾テロ事件の被害にあった、ジェフ・ボーマンの実話を映画化したもの。不幸なテロに巻き込まれ、両足を失ってしまう。ボーマンはテロリストの逮捕にも協力、「ボストン ストロング」というテーマでボストン復興の象徴として脚光を浴びる。しかし、ボーマンの本当の復活はここから勝負。彼の前には様々な困難が立ちはだかる。足を失うという悲劇、立ち直れない傷とプレッシャーを背負いつつも、恋人、家族、仲間など愛する人々に支えられ、困難を乗り越え、再び立ち上がっていく。そんな“フツウの男"の感動の実話は、事件から丸5年を迎える今、多くの人々が勇気を与える。ジェイク・ギレンホール主演『遠い空の向こうに』で注目を集め、『ゾディアック』『ノクターナル・アニマルズ』『サウスポー』など話題作に出続けるジェイク・ギレンホールが主演を務める。彼はプロデューサーも担っており、ジェフ・ボーマン本人と製作段階からから密にコミュニケーションを取りあったという。ボーマンがどんなことを考えたのか?その本質や姿を模索すし徹底した演技を見せる。ボーマンを支える女性・エリンボーマンを支える女性・エリン役でタチアナ・マスラニーが出演する。タチアナ・マスラニーはカナダ出身の女優で、過去、荻上直子監督の日本映画『トイレット』にも出演したキャリアを持つ。TVシリーズ『オーファン・ブラック 暴走遺伝子』の出演で有名になった、アップカミングな女優。『ボストン ストロング 』あらすじボストンに暮らすジェフ・ボーマンは元彼女のエリンの愛情を取り戻すため、彼女が出場するマラソン会場に応援に駆け付ける。そんな時にゴール地点付近で爆弾テロが発生し、ボーマンは爆発に巻き込まれてしまう。両足を失ってしまうという悲劇。意識を取り戻したボーマンは爆弾テロリストを特定するために警察に協力。ボーマンの証言を基に犯人が特定されると、ボーマンは一躍、“ボストンのヒーロー”として世間の脚光を浴びるが、彼自身の再生への戦いは、ここから始まったばかりだった。作品詳細『ボストン ストロング ~ダメな僕だから英雄になれた~』原題:Stronger原作:ジェフ・ボーマン、ブレット・ウィッター著監督:デヴィッド・ゴードン・グリーン(『セルフィッシュ・サマー ホントの自分に向き合う旅』『スモーキング・ハイ』など)脚本:ジョン・ポローノ出演:ジェイク・ギレンホール(『ノクターナル・アニマルズ』、『ナイトクローラー』など)、タチアナ・マスラニー(『黄金のアデーレ 名画の帰還』など)、ミランダ・リチャードソン( 『めぐりあう時間たち』、『ダメージ』など)、クランシー・ブラウン(『ショーシャークの空に』など)公開日:5月11日(金)、TOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー配給:ポニーキャニオン(c) 2017 Stronger Film Holdings, LLC. All Rights Reserved. Motion Picture Artwork (c) 2018 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.
2018年02月24日世界各地の美術館から作品を集結企画展「ルドン―秘密の花園」を開催中の「三菱一号館美術館」(東京都千代田区)内にあるミュージアムショップ「Store 1894」では、会期中ヨーロッパで見つけたこだわりのチョコレートを販売しています。2018年2月8日(木曜日)にスタートした「ルドン―秘密の花園」は、幻想的な内面世界に目を向けた特異な画業で現在も世界中の人の心を魅了するオディロン・ルドンの作品およそ90点を展示する企画展。ルドンが描いた花や植物に焦点を当てた前例のない展覧会となっており、オルセー美術館やニューヨーク近代美術館といった世界各地の美術館に収蔵されている作品を鑑賞できます。ショップのみの利用も可能「Store 1894」で販売されているチョコレートはダイアナ妃も愛したチョコレートの名店「PRESTAT(プレスタ)」のトリュフチョコ(3402円)、美しい自然に囲まれたフランス中部の小さな農家で手作りされている「CHOC’FLEUR(ショックフルール)」(756円から2592円)など。チョコレート以外にも展覧会グッズや三菱一号館美術館のオリジナルグッズを中心に、世界中から集めた上質な商品をとりそろえています。営業時間は10時から18時。美術館の鑑賞券がなくても利用可能です。企画展「ルドン―秘密の花園」ならびにチョコレートの販売は2018年5月20日(日曜日)まで。毎月第2水曜日の17時以降「アフター5女子割」で当日入館料が一律1000円となります(女性限定)。(画像はプレスリリースより)【参考】※三菱地所株式会社のプレスリリース/PR TIMES※三菱一号館美術館
2018年02月16日ファッションや映画など多様な文化を滋養にして、美しくしなやかに生き方を主張するパリジェンヌたち。世田谷美術館で開催する『ボストン美術館 パリジェンヌ展 時代を映す女性たち』のキャッチコピーも「『パリジェンヌ』は流行じゃなくて、生き方です!」とある。アメリカ・ボストン美術館所蔵のマネやドガ、ルノワールなど印象派の絵画のほか、写真やイラスト、服飾資料なども展示し、多角的に“パリジェンヌ”の源泉をたどる本展。その記者発表会が9月5日、三軒茶屋の世田谷文化生活情報センターで行われた。【チケット情報はこちら】会見では世田谷美術館・学芸部主査の塚田美紀氏が登壇し、5つのチャプターに分けられた本展について解説。チャプター1では、ルイ14世の死去により、文化の中心がヴェルサイユから、裕福な市民のサロンがあるパリへと移行する様子を紹介。技巧を凝らしたドレスや、日本の有田焼まで取り入れたティーセットも展示される。チャプター2では、フランス革命後、19世紀に見られた女性への視線が示される。小説家として活躍するような進歩的な女性も当時は登場していたが、フラゴナールの『良き母親』に見られるように「パリジェンヌの実態というよりは、社会的に期待されたイメージ」(塚田氏)が数多く描かれた。チャプター3では、19世紀半ばにパリの街の大改造が行われたことで、市民の消費も拡大。パリジェンヌのモードが発展を遂げ、ついには世界中で注目を浴びるに至った様子が示される。サージェントの『チャールズ・E.インチズ夫人』は、パリジェンヌ風のドレスに身を包んだアメリカの女主人を描いた名作だ。続くチャプター4では、いよいよ19世紀後半にルノワールやドガら印象派の巨匠たちの作品が登場する。中でも注目は、マネの大作『街の歌い手』。今回は約70年ぶりの修復後、初の公開となる。その後も画家たちのミューズとなった多くの女性たちや、カサットやモリゾなどの女性画家、またサラ・ベルナールら女優の台頭によって、パリジェンヌの名声は高まってゆく。チャプター5では、20世紀に入ってのカルダンやバレンシアガのドレスや、踊り子のイラスト、モデルや女優の写真までを紹介。5つのチャプターをたどることで、パリジェンヌが後世の文化にいかに影響を与えたかを改めて感じられる内容になっている。本展は2018年1月13日(土)から4月1日(日)まで東京・世田谷美術館で開催。その後は4月11日(水)から6月10日(日)まで広島・広島県立美術館にも巡回予定。取材・文佐藤さくらPhotographs(C)Museum of Fine Arts, Boston
2017年09月19日女子的アートナビ番外編、今回はパリで超有名な美術館のひとつ、オルセー美術館の取材レポをお届けします!もとは〇〇だった!【女子的アートナビ】番外編オルセー美術館は、パリ左岸、セーヌ川沿いにあります。もとは駅だった場所を使っているので、建物や内部もちょっと独特。あとで館内の写真もお見せしますが、駅の風情も感じられるステキな空間になっています。こちらは入り口の写真。時刻は開館30分前の9時ですが、すでに人が並び始めています。現在、パリではテロ防止のため、美術館や教会等の施設に入る際、手荷物検査やボディーチェックが行われています。特に人気の美術館では、入場までに30分以上待つこともあるので、朝一番や閉館前など比較的空いている時間帯に行くと入りやすいです。空間がとってもおしゃれ♡それでは、館内に入ります!オルセー美術館はルーヴル美術館、ポンピドゥー・センター(国立近代美術館)と並ぶパリ三大美術館のひとつ。主に1848年から1914年までの西洋美術作品が展示されています。1900年のパリ万博にあわせて建設された駅舎を再利用しているので、丸天井の空間がそのまま残されていて開放感たっぷり。装飾などもおしゃれです!大人気の印象派ギャラリーへ館内は3つのフロアにわかれているので、まずは最上階の5階にある印象派ギャラリーから鑑賞スタート。モネ、マネ、ルノワールやシスレー、セザンヌなどなどの超有名な作品かズラリと並んでいます!オルセー美術館の展覧会は日本でもたびたび開かれているので、何度か目にしたこともある絵画も展示されていますが、やはり現地で見るのは格別。上の写真はエドゥアール・マネの傑作《草上の昼食》です。こんな名画、なかなか日本では見ることができません!この作品は4人の男女が森の中でピクニックをしている場面を描いたものですが、男性たちはスーツにネクタイまでつけているのに、手前にいる女性はヌード。しかも現実世界にいる女性のようです。当時、ヌードは神話世界に出てくる女神を描くのが一般的だったので、この絵は「下品だ!」とかなり批判を浴びたようです。2階にはゴッホの人気作も!2階にあるゴッホとゴーガンの展示室にきました。やはりゴッホの人気は絶大!人が集まり、熱気ムンムンです。こちらはゴッホの《星月夜》。ローヌ川の左岸からガス灯がきらめくアルルの街の夜景を描いたもので、青と黄色のコントラストがとてもきれいです。画家自身も愛着を持っていた作品で、オルセーのなかでも人気作のひとつです。このほか、2階ではスーラやシニャックなど新印象派の絵画やロダンなどの彫刻、アールヌーヴォーの家具なども見ることができます。熊もヌードも見られる地上階へ!地上階に降りてきました。ここには、ロダンの弟子、フランソワ・ポンポンの彫刻《白熊》があります。シンプルな造形なのに、すごい熊っぽくて愛らしさ満点!来館者にも大人気の作品です。こちらはマネの《オランピア》。古典的な絵画の構図をまねていますが、横たわる女性は現実世界の娼婦として描かれています。先ほどご紹介した《草上の昼食》と同じく、この絵も当時は大ブーイングを受けたそう。これらの問題作品も、今では近代絵画の傑作といわれています。私はマネが好きなので、ご紹介作品が偏ってしまいましたが、オルセー美術館にはほかにもクールベやナビ派、ロートレックの絵画などまだまだ多くのすばらしい作品があります。館内にはおしゃれなカフェやレストランもあるので、休憩しながら丸一日滞在するのがおすすめです。ミュージアムショップもすごい!ミュージアムショップは美術館を出たところにあります。オルセー美術館の所蔵作品をモチーフにしたステーショナリーや食器、スカーフなどがいっぱい!思わず買ってしまったのが、ポンポンの《白熊》ミニチュア版。小さくてもかわいい!ゴッホの《星月夜》がプリントされたマイクロファイバーも入手。発色がきれいです。夕刻、美術館を出ると、入り口にはまだ人が並んでいました。ふだんは18時閉館ですが、木曜日だけは21時45分までOK。なので、木曜夜に訪れると入りやすいかもしれません。オルセー美術館は作品だけでなく、駅舎を利用した建物も、レストランのランチもショップのグッズも何もかもがステキでした。パリに行く機会があったら、ぜひぜひ足を運んでみてくださいね!※本記事の写真はオルセー美術館の許可を得て撮影・掲載しています。
2017年09月12日ツタンカーメンから村上隆まで…ボストン美術館の至宝が登場(写真左)フィンセント・ファン・ゴッホ《郵便配達人ジョゼフ・ルーラン》1888年、(右)フィンセント・ファン・ゴッホ《子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人》1889年何世代もの偉大なコレクターたちに支えられ、卓越した美術作品を収蔵するボストン美術館。北米で一番歴史のある美術館から、古代エジプトや中国美術、日本美術、はたまたフランス絵画やアメリカ絵画、版画・写真、現代美術といった珠玉の美術作品80点が堂々来日しました。<ボストン美術館の至宝展-東西の名品、珠玉のコレクション>は、上野の東京都美術館で開催中。東京会場での会期は2017年7月20日(木)〜10月9日(月・祝)となっています。巡回展となる本展は、東京会場の後、神戸、名古屋へと場所を移し開催予定です。まるで美術の百科事典、ボストン美術館のエッセンスをぎゅっと凝縮した貴重な機会を見逃すことなかれ。初里帰りの涅槃図やゴッホの傑作も大注目まず注目したいのが、本展で初めての里帰りを果たした、英一蝶(日本 1652-1724)の《涅槃図》(1713)です。横たわる釈迦の周りで生きとし生けるものすべてが感情豊かに嘆き悲しむ様子を描いた本作は、1911年にボストン美術館コレクションに収蔵されました。そして2016年8月から2017年5月まで大規模な修理が施され、その彩りを今に伝えます。古来の伝統を今の技術者が後世に残してゆく、大きな営みを細部までじっくりとご覧あれ。そしておなじみフィンセント・ファン・ゴッホ(オランダ 1853-1890)の描いたルーラン夫妻の肖像もそろって来日。ゴッホの親しい友人であったジョゼフ・ルーランをはじめ、ゴッホはその家族をモデルに20点以上もの肖像を描いたといいます。その中から《郵便配達人ジョゼフ・ルーラン》(1888)と《子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人》(1889)の傑作2点が満を持してやってきました。(写真左)クロード・モネ《ルーアン大聖堂、正面》1894年、(右)クロード・モネ《アンティーブ、午後の効果》1888年他にもお馴染みのモネの睡蓮といった印象派の絵画や、近代的な手法を用いた写真コレクション、今日も根強い人気を誇るアンディ・ウォーホルなど、見どころを挙げれば尽きることはない本展。美術ファンは垂涎間違いなし!取材・文/おゝしろ実結イベント情報イベント名:ボストン美術館の至宝展-東西の名品、珠玉のコレクション催行期間:2017年07月20日 〜 2017年10月09日住所:東京都台東区上野公園8−36東京都美術館企画展示室電話番号:03-5777-8600
2017年08月25日2017年夏、アメリカ屈指の大美術館から古今東西の名作が来日!ゴッホの話題作2点も見られる注目の展覧会『ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション』に行ってきました!『ボストン美術館の至宝展』へ!【女子的アートナビ】vol. 82同展で紹介されているのは、古代エジプト美術や中国・日本美術、フランス・アメリカの絵画、さらには写真・版画や現代美術などの作品80点。ボストン美術館が誇る “珠玉の名品” がそろっているということで、期待を胸にプレス内覧会に潜入です!入り口の説明によると、この展覧会ではボストン美術館のコレクション収集に貢献したコレクターたちにも焦点をあてながら、作品を紹介しているとのこと。1870年に設立されたボストン美術館は、設立当初から公的資金に頼らず、個人コレクターやスポンサーからの寄贈などによってコレクションを形成。19世紀から20世紀の初頭には、冒険心のあるボストニアン(ボストンゆかりの人)たちが異国を旅して美術品を収集したそうです。慈善活動によって築き上げられたコレクションは、現在50万点近くにのぼるとのこと。ボストニアンたちの思いが詰まった大切な作品群を日本に貸してくれるなんて、ありがたいです!こちらは古代エジプト美術の展示室。《ツタンカーメン王頭部》をはじめ、ジュエリーやレリーフなどの名品11点を見ることができます。日本美術も充実!ボストン美術館の日本美術コレクションは、「世界でもっとも重要なコレクションのひとつ」といわれるほど質・量ともに充実。今回の展示室にも、野々村仁清の工芸品から曾我蕭白(そがしょうはく)、与謝蕪村、喜多川歌麿の絵画まで、見ごたえある作品が並んでいます。そのなかでも注目したいのが、英一蝶(はなぶさいっちょう)の巨大な《涅槃図(ねはんず)》。江戸時代に描かれた仏画の代表作で、高さが約2.9メートルもあります。涅槃図とは、お釈迦様がこの世から離れるときの様子を描いたもの。中央で横になっているのがお釈迦様で、周りでは多くの弟子や動物が嘆き悲しんでいます。この作品は、1911年にボストン美術館に収蔵されてから一度しか公開されなかったとのとこと。今回、日本に里帰りするため約1年かけて解体修理し、よみがえったそうです。会場では、修理の様子を伝える映像も見ることができました。いよいよ、ゴッホの友達が登場!次のフロアでは、フランス絵画が展示紹介されています。ボストン美術館が所蔵するヨーロッパ美術のなかでも、特に19世紀フランス絵画は名品ぞろい。今展でもミレーやモネ、ドガ、ルノワール、セザンヌなどの名作が19点も並んでいます。そして、いよいよゴッホの作品が出てきました!このお二人は、ゴッホの友達、ルーラン夫妻です。1888年にパリから南仏の町アルルに移り住んだゴッホにとって数少ない友人となったのが、郵便の仕事をしていたジョゼフ・ルーラン。彼とその妻、さらに3人の子供たちはゴッホのモデルとなり、20点以上もの肖像画が描かれました。このふたつの絵を見比べてみると雰囲気がちょっと違いますよね。夫の絵は背景がシンプルですが、妻の方はとっても華やか。東京都美術館学芸員の大橋菜都子さんによると、この絵は対作品として描かれたものではなく、制作時期も違うとのこと。ゴッホは1888年の夏に夫のジョゼフを描いた後、10月に画家のゴーガンと共同生活を開始。でも12月には有名な「耳切り事件」を起こして二人の生活は破綻します。その後、1889年の春ごろに描いたのがルーラン夫人の肖像画。その装飾的な背景などはゴーガンの影響を受けていると考えられているそうです。ちなみに、上の写真は《郵便配達人ジョゼフ・ルーラン》を美術館に寄贈したロバート・トリート・ペイン2世を紹介したパネル。職業は弁護士でボストン美術館の理事もつとめていたそうです。自分で購入した絵、それもゴッホを寄贈できるなんて、太っ腹!展覧会は、フランス絵画のあとにも、アメリカ絵画や版画に写真、現代アートへと続いています。著作権の関係で撮影はできませんでしたが、ジョージア・オキーフの魅惑的な花の絵やアンディ・ウォーホル、さらに村上隆の作品も展示されていました。また、会場を出たところにはルーラン夫妻に挟まれて記念撮影できるコーナーも用意されています!ボストニアンたちが収集した名品の数々を日本で見られる貴重なチャンス、ぜひお見逃しなく!Information会期:~10月9日(月・祝)※休室日は月曜日(ただし8月14日、9月18日、10月9日は開室)、9月19日(火)時間:9:30 ~ 17:30(※金曜日は20:00まで。8月11、18、25日は21:00まで)※入室は30分前まで会場:東京都美術館 企画展示室料金:一般 1,600円/大学生・専門学校生 1,300円/高校生 800円/65歳以上 1,000円
2017年08月22日東京・上野にある東京都美術館で「ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション」が、2017年7月20日(木)~10月9日(月・祝)まで開催されています。ゴッホの傑作であるルーラン夫妻の肖像画や、日本を代表する浮世絵師・喜多川歌麿の作品など世界を代表する名作80点がこぞって来日。古代エジプト、日本美術、中国美術、フランス絵画、現代美術など、盛りだくさんの展覧会の見どころを、アソビュー編集部員が取材してきました。ボストン美術館とはアメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン市にある美術館・ボストン美術館。地元市民をはじめとした多くの美術コレクターの作品寄贈によって、1870年に設立されました。アメリカ独立100周年の1876年に開館し、2020年には設立150年を迎えます。国や州の財政的援助を受けることなくコレクションの拡充、施設の拡張を続けており、世界屈指の規模を誇ります。選りすぐりの傑作80点を展示!約40年ぶりに来日する至宝たちは必見ボストン美術館のコレクションを対象とした展覧会は、過去に何度か開催されてきました。しかし、古代エジプト・日本美術・中国美術・フランス絵画・現代美術から現代アートまで幅広いジャンルの傑作が展示され、総合的に楽しめる展覧会が開催されるのは、日本で約40年ぶり。またとないこの機会を逃したら、次に開催されるのはまた40年後かもしれません。世界の至宝が年代、ジャンル問わず一堂に会する「ボストン美術館の至宝展」の気になる内容を見ていきましょう!沢山ある作品の中から編集部員が厳選した「これだけは見てほしい!」至宝をご紹介します。1章古代エジプト美術1876年の開館当初から、館内で重要な位置を占めていた古代エジプト美術。地元の収集家よって貴重なコレクションからの寄贈を受け、確かな出土品の獲得に努めてきました。1905年からはアメリカのハーバード大学と共同で発掘調査も開始。その発掘成果は、今日で40,000点を超えボストン美術館の古代エジプト美術コレクションの中核となっています。今回の展覧会では、エジプトの都市・ギザで発掘された古王国時代の出土品を中心に、11点がボストンから来日しています。●「墓のレリーフの断片供物の行列をみる墓主ケネブ」今から4,000年以上前のギザに居住していた建築家の大家族のひとりだった、ケネブの墓から発掘されたこの断片。断片の上部に描かれているのは、神々への最高の捧げものである雄牛を引いた二人の男です。一体どこへ向かっているの?と問いかけたくなる彼らは、この断片とは別の区画に描かれているケネブのもとへと向かっているそう。ちなみに、左下に頭部だけのぞかせている人物は、ケネブの兄弟にあたるペピィメルアンクプタハが描かれたものです。●「ツタンカーメン王頭部」額に長方形の布を当て、耳を出す形で頭を覆うネメス頭巾を被った姿が印象的な、「ツタンカーメン王東部」。若くして亡くなった謎の少年王・ツタンカーメン王を象ったこの石像頭部は、彼の墓ではなくツタンカーメン王が信仰を復活させた古代エジプトの太陽神・アメン神を主祭神とするカルナック神殿から出土した作品の可能性が高い、と伝えられています。凛とした顔だち、彼を象徴するネメス頭巾が特徴的な至宝です!2章 中国美術古代エジプト美術に続き、中国美術作品も多く保有されています。作品の余白などに描かれた絵と、関連した文書や詩が添えられている中国美術特有の作品が、多数展示されています。●徽宗、「五色鸚鵡図巻」1110年代頃中国の王朝・北栄の第8代皇帝の徽宗(きそう)によって描かれた作品です。徽宗が花鳥画を専門分野としていたことは、歴史的にも文献的にも知られること。1000年以上も前に書かれた作品にも関わらず、真筆であると広く受け入れられてきました。題詩によると、中国南部の地である嶺表から、“ズグロゴシキインコ“という珍しい鶏が宮廷へと献上された出来事を記念して描いた絵と言われています。杏の花が咲きほこる庭園を鶏が飛ぶ姿を記録するために皇帝が描き上げた、淡く優しい色使いの作品は必見です。●陳容、「五龍図巻」1244年約10メートルに及ぶ長大な絵巻。沸き立つに描かれるのは9匹の龍が、沸き立つ雲と荒れ狂う波の中を飛翔する姿が筆墨によって描かれている存在感抜群の作品です。作者である陳容(ちんよう)は、画家をはじめ、地方官吏・書家・詩人でもあり多才な人物だったと言われています。画家としては、水墨画を得意とし竜画の名手としても名高かったそうです。実物の他に、見やすいように拡大展示もされています。じっくりと細部まで鑑賞し、墨に墨を重ねる「破墨」や墨をはね散らす「溌墨」と呼ばれる巧みな技法が使われている箇所を見つけてみてください。3章 日本美術今回の展覧会でも大きな注目を集めている、日本美術コレクション。日本国外で最も日本美術作品を所蔵しているボストン美術館には、なんと約10万点に及ぶ日本作家の作品があるのだとか!19世紀後期に日本を愛し、日本中を旅した偉大なコレクター達が収集した美術品たちは、ボストン美術館のあるアメリカにおいて、日本文化の敷衍や正当な評価の生み出しにも貢献しました。日本から渡米し、初めての日本へ里帰りする作品にも要注目です。●司馬江漢、「秋景芦雁図」1700後~1800初年哀愁ただよう雁(カリ)が目を引く、司馬絵江漢の絵画作品。司馬江漢は、江戸時代の蘭学者(オランダ語を通じて輸入された西洋学問の研究者)であり、画家でもありました。確かによく見ると、作品右上の落款には、横書きのオランダ語のサインも添えらえています。彼は、狩野派、浮世絵など様々な画流を学びましたが、特に洋風画の開拓者として知られています。この作品も西洋画にヒントを得て、水平線を低く描き、遠近法を用いた景色を後景に描くことで、画面上に奥行きと広がりある世界が演出されているのです。ちなみに、作品名にもあるように、この作品が描かれている季節は“秋”ですが、「冬景芦雁図」という“冬”バージョンの作品も。雪景色が広がり、その中にうずくまる雁が描かれた作品「冬景芦雁図」は、この機会にぜひ合わせてみてほしい作品です。●英一蝶、「涅槃図」1713年とにかく大きい!至宝がずらりと並ぶ館内でもひと際目立つ「涅槃図」。それもそのはず、画面だけでも高さ約2.9m、幅約1.7m、表具を含めれば高さ約4.8m、幅約2.3mにも及びます。涅槃(ねはん)に入る釈迦と悲しみにくれる人々、動物、羅漢たちがぎっしりと描かれています。鮮やかな色彩も美しいです。作品の大きさと劣化がが目立ち、収蔵されているボストン美術館でも25年以上公開ができていなかったこの作品。なんと、今回の展覧会開催を機に画面の亀裂や汚れ、糊離れなどの改善を主におよそ170年ぶりに本格的な解体修理が実施されました。現地のコレクターにより渡米した「涅槃図」は、今回約130年ぶりに初めて日本に里帰りを果たします。作品解説もしっかりとされているので、ぜひ立ち止まってチェックしてみてください!●鳥居派、「絵看板鈴木栄小町」1758年現代の街中広告や電車内のつり革広告のような役割を果たしていた、絵看板。人々を歌舞伎の芝居へと引き込むポスターとして芝居小屋の軒下に飾られ、画面には主役の演者たちが演じる選りすぐりの場面が描かれています。美術品というよりは、飾られる期間が限られる宣伝物だった絵看板は、ほとんどが破棄されており現存しているものはほんのわずか。そんな貴重なこの作品は、現存される看板絵の中でもっとも古いものなのだそうです。●喜多川歌麿「三味線を弾く美人図」1805年頃近年、国内外問わず巻き起こっている“浮世絵ブーム”!北斎、広重、写楽と並び世界的に知られる浮世絵師、喜多川歌麿が晩年に手がけた「三味線を弾く美人図」も展示されています。浮世絵黄金期に美人画絵師として活躍した歌麿の集大成と言われるこの作品は、“横長の軸” “上半身のみの構図”といった珍しい構図が特徴!三味線の調律をしているこの美人は手の込んだ髪飾りを身に着けていることから、芸者または娘浄瑠璃師が描かれているのではないか、と示唆されています。4章 フランス美術数多くのヨーロッパ美術コレクションの中から、世界的に特に名高い19世紀フランス絵画のコレクションが厳選されて来日しています。特に、モネ、ルノワール、ピサロ、ミレー、そしてヴァン・ゴッホの作品は見逃せません!まさにフランス美術における至宝がずらっと並ぶこの章は、見どころ満載です。●カミーユ・ピサロ、「ポントワーズ、道を照らす陽光」1874年019世紀のパリ郊外にある小さな町が優しく描かれたこの作品。比較的幅の広い筆遣い特徴的な表現は、ピサロの初期作品にみられる特有の技法です。都会を離れ、田園地帯に実際に身を置いて制作されたこの作品は、身の回りにあるごく普通の情景が率直に描かれた作品となっています。●クロード・モネ、「睡蓮」1905年1日本でもファンが多い、フランスの印象派を代表する画家・モネの作品です。画面に描かれる睡蓮の花はもちろん、この絵の見どころはなんと言っても“水面”。画面上には“水辺に浮かぶ睡蓮”しか描かれていないものの、水面に映る光や空、岸辺の樹々から水辺を囲む周囲の世界を垣間見られます。水平線などこれといった区別や線引きを表すものはないにも関わらず、画面の下から上へと遠ざかるように奥行きを感じさせるこの作品は、1909年にパリで発表された彼の名作の一つです。●アンリ・ファンタン=ラトゥール、「卓上の花と果物」1865年2まるで写真みたい!と絵の繊細さに思わず驚いてしまうファンタン=ラトゥールの静物画。彼は、独特かつ保守的な様式での制作を好み、とにかく細部まで実物をそのまま描写する静物画、その中でも特に花の絵画を専門とする画家でした。●フィンセント・ヴァン・ゴッホ、「郵便配達人ジョセフ・ルーラン」1888年、「子守唄ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人」1889年3ゴッホは、1888年にパリを発って南フランスを発って南フランスにある小さな町・アルルに移住しました。その時に、町内で最も親しい友人となり、彼のお気に入りのモデルとなったのが地元で郵便の仕事をしていたジョセフ・ルーランでした。ちなみに、夫・ジョセフをモデルにした油彩画はこの作品を合わせて、全部で6作品あり、本作は一番最初に描かれたものです。また、ほぼ全身を描いた唯一の作品としても有名です。ゴッホは、のちにジョセフの妻・オーギュスティーヌと3人の子供たちの肖像画も手がけました。夫妻の肖像画が来日するのは、今回が初めて!展覧会の目玉作品として注目を集めています。●エドガー・ドガ、「腕を組んだバレエの踊り子」1872年4フランスの印象派画家のドガは、踊り子をモデルとした作品を多数残している「踊り子の画家」として有名です。ここでいう“踊り子”とは、パリのオペラ座のバレリーナを指します。裕福な銀行家の息子だったドガはオペラ座の定期会員となり、会員しか許されない舞台裏に出入りすることも許されていました。よって彼は生涯にわたり、その時にみた踊り子の自然なしぐさや表情が描写された作品を生涯多数残しています。ちなみに、この作品はドガがなくなったとき、彼のアトリエに未完成のまま残されていたものなのだそうです。5章 アメリカ絵画5絵画の最終章を飾るのは、もちろんボストン美術館のあるアメリカ美術です。18世紀から20世紀半ばまで、様々な年代の作品を楽しめるアメリカ絵画コレクションは見ごたえ抜群です!●ジョン・シングルトン・コプリー、「ジョン・エイモリー」1768年6縦横それぞれ1メートル以上ある、大きなキャンパスに描かれたダイナミックな当時の貿易商の肖像画です。手には自分宛ての手紙、背後には帆船が描かれ、海運業で利益を得ていた彼の功績がそれらのアイテムによって表現されています。●ジョン・シンガー・サージェント、「ロベール・ド・セヴリュー」1879年7子犬と少年のどこかぎこちない表情が愛らしい、この作品。野心的なアメリカ人画家・サージェントは主にイギリスを拠点として活躍しましたが、イタリアに生まれフランスで美術教育を受けた生い立ちから、欧州各国の影響を受けた独特な画風が特徴的です。伝統的な古典技法を用いて多数の肖像画を手掛けた「最後の肖像画家」とも呼ばれています。●ジョン・シンガー・サージェント 、「フィスク・ウォレン夫人(グレッチェン・オズグッド)と娘レイチェル」1903年8これもまたサージェントの縦1.52メートル・横1.03メートルほどある大きな肖像画です。モデルとなった夫人は、音楽と美術を愛した教養のある国際人で二児の母親でもあり、作品からもどこか知性や母性を感じられる温かみがあります。ブロンズの髪やシルクドレスの質感、うっすら赤らんだ頬の巧みな描写と優しい色合いに、思わずうっとりしてしまいます。6章版画・写真919世紀半ばから20世紀にかけてのアメリカを描写した収集作品の中から、アメリカを代表する芸術家のホーマー、ホッパー、シーラー、アダムの4人の作品が展示されています。モノクロの世界に映しだされた、当時の人々の暮らしや自然の美しさにはどこか懐かしさすら感じます。7章現代美術19世紀~20世紀以前の作品が多く収蔵されていることで知られるボストン美術館ですが、現代アートをけん引するアーティストの作品も多数展示されています。今回は、ウォーホル、村上隆をはじめ、色鮮やかな風景画が有名なホックニーや写真から映画まで幅広い制作領域をもっているテイラー=ジョンソンの作品が大集結!ケヒンデ・ワイリーの「ジョン、初代バイロン男爵」など、現代アートらしいポップで鮮やかな作品たちが、見る人を元気にしてくれます。展覧会限定のオリジナルグッズも要チェック!ミュージアムショップには、ボストン美術展限定のオリジナルグッズも多数販売されています!気になった作品がモチーフとなったグッズは、つい欲しくなってしまうはず。注目作品はの多くは、どれもグッズになっています。オリジナル巾着にあめが入ったオフィシャルグッズは、お土産にも喜ばれそう。巾着には、ゴッホの“ルーラン夫妻”や、歌麿の“三味線を弾いた弾く美人”など展覧会の注目作品の数々でモデルになった人物がランダムにプリントされています。まさに、これぞ夢のコラボ!といった限定グッズはここでしか手に入らないので要チェックです!退館するときも必見!「会場限定記念号外」とフォトスポット展覧会を見終えて最後の最後に置いてあるのが、この「会場限定記念号外」。訪れた人しか手に入らないこの号外は、「涅槃図」や“ルーラン夫妻”、「睡蓮」などの主要作品がすべてもれなく掲載されています。もちろん、号外なので無料です。来館記念に一部持ち帰ってみてはいかがでしょうか。今回の展覧会の大注目作品であるゴッホの「ルーラン夫妻」と記念撮影ができるフォトスポットもあります。ボストン美術館の至宝展では、今しか見られない至宝たちが勢ぞろい。期間中には、タイアップイベントやスペシャルコンテンツも続々と登場予定です。これを逃したらしばらく見られないかも!?普段あまりアートに触れない人でも気軽に楽しめる、この夏イチ押しの展覧会です。イベント詳細名称:ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション会場:東京都美術館 企画展示室住所:東京都台東区上野公園8−36会期:2017年7月20日(木)~10月9日(月・祝)開催時間:9:30~17:30 ※金曜は20:00まで、7月21日、28日、8月4日、11日、18日、25日は21:00まで ※入室は閉室の30分前まで 休室日:月曜日、9月19日(火) ※ただし、8月14日(月)、9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開室料金:一般 1,600円(1,400円)、大学生・専門学校生 1,300円(1,100円)、高校生 800円(600円)、65歳以上 1,000円(800円)公式サイト:
2017年07月21日東京・上野にある東京都美術館で、「ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション」が、2017年7月20日(木)~10月9日(月・祝)まで開催。ゴッホの傑作・ルーラン夫妻の肖像画2点を筆頭に、古代エジプト、日本美術、中国美術、フランス絵画、現代美術など、選りすぐりの作品80点が来日します。アートファンは必見ですよ。ボストン美術館とは?ボストン美術館は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ボストン市にある美術館です。地元市民の熱意と、さまざまなコレクターの作品寄贈によって、1870年に設立されました。アメリカ独立100周年にあたる1876年に開館し、国や州の財政的援助を受けずにコレクションの拡充や施設の拡張を続け、2020年に設立150周年を迎えようとしている現在は、世界有数となる約50万点の作品を所蔵しており、世界有数の規模を誇っています。展覧会の見どころ「ボストン美術館の至宝展」では、古代エジプト、日本美術、中国美術、フランス絵画、現代美術など同館の幅広いコレクションから厳選された珠玉の80点が紹介されます。ボストン美術館のコレクションによる展覧会は、これまでも繰り返し開催されてきましたが、幅広い内容を総合的に楽しめる展覧会は、日本で実に約40年ぶり。さらに今回は、世界有数となる約50万点のコレクションの形成に寄与したコレクターやスポンサーの活動にも光を当てていきます。●ボストン美術館が誇る傑作80点が集結。本展では、ボストン美術館が誇る傑作80点が大集結。古代エジプト美術、中国美術、日本美術、フランス絵画、アメリカ絵画、版画・写真、現代美術と、古今東西の名品が一堂に集う、またとない機会です。●日本初!ファン・ゴッホの傑作、ルーラン夫妻の肖像画を2点同時に展示!注目は、ファン・ゴッホの傑作と名高い「郵便配達人ジョゼフ・ルーラン」 と「子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人」。パリを離れ南仏アルルに移り住んだゴッホにとって、ジョゼフ・ルーランはモデルとなってくれる数少ない相手でした。2点同時に展示されるのは日本で初めての試みなので、見逃せませんね。●英一蝶(はなぶさいっちょう)の巨大涅槃図、約170年ぶりの修理を経て初の里帰り!ボストン美術館で約170年ぶりに修理が行われた英一蝶(はなぶさいっちょう)の仏画の代表作「涅槃図」が、本展で初めての里帰りを果たします。海を渡ってから、その作品を実際に見た人はごくわずか。江戸時代の人々が祈り、想いを馳せた、一蝶による幻の巨大涅槃図は必見です。●世界屈指のコレクションに隠れたコレクターたちの物語をたどる!ボストン美術館は、世界有数の規模と知名度を誇る美術館ですが、世界中の多くの美術館とは異なり、公的な財政的援助を受けていません。ボストン美術館のコレクションは、ボストンとニューイングランド地方の市民の慈善活動によって支えられてきました。今回の展覧会では、美術品だけでなく、コレクションの形成に関わった人々にも焦点が当てられます。いつ、どのように、何が収集家たちを駆り立てたのか、そのストーリーを辿りましょう。各セクションの見どころと注目作品を紹介!●1章 古代エジプト美術三大ピラミッドが建つギザで発掘された王の頭部や、墓からのレリーフ、ヌビアの王の立像、ジュエリーなど、ボストン美術館とハーバード大学による共同発掘調査の成果を中心に展示されます。●ツタンカーメン王頭部《ツタンカーメン王頭部》エジプト、新王国時代、第18王朝、ツタンカーメン王治世時、紀元前1336-1327年Museum purchase with funds donated by Miss Mary S. Ames,11.1533Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonこの名前のない王頭部は、第18王朝の若き王として知られるツタンカーメンと考えられています。王はネメス頭巾をかぶり、額にある縦の溝にはウラエウス(蛇形記章)あったとのではないかと推測されており、頭巾の上には、上下エジプト統一の象徴である二重冠の赤冠の一部が残っています。加えて、アーモンド型の眼、官能的な唇と、その魅力的な顔立ちは、1922年に「王家の谷」で発見された黄金のマスクと酷似していることが指摘されています。●2章 中国美術約9千点からなるボストン美術館の中国美術コレクション。その内容は、絵画、陶磁器、彫像、装飾品など多岐にわたります。今回は、その中から、ボストン美術館が誇る北宋・南宋絵画の名品を厳選して紹介します。●九龍図巻(作者:陳容)陳容《九龍図巻》(部分)南宋、1244年(淳祐4年)Francis Gardner Curtis Fund, 17.1697Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston約10mに及ぶ長大な画面に描かれた九匹の龍。沸き立つ雲と荒れ狂う波の中、あるいは悠然と飛翔し、あるいは佇むさまが粗放な筆墨で描き出されています。作者の陳容は南宋末期に活躍した画家で、龍図を得意としたことで知られており、特に、本図は、かつて清朝の乾隆帝も旧蔵した龍図の名品です。●3章 日本美術ボストン美術館の約10万点に及ぶ日本美術コレクションの形成には、モースやフェノロサ、ビゲローら、日本を愛したコレクターたちが大きく貢献したことで知られています。初めて里帰りを果たす作品も含め、江戸美術の優品が集結します。●風仙図屏風(曾我蕭白)曾我蕭白《風仙図屏風》江戸時代、1764年(宝暦14年/明和元年)頃Fenollosa-Weld Collection, 11.4510Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston勢いよく渦を巻き、強風を呼び起こす黒雲は、まるで龍の存在を示唆するかのようです。荒れ狂う波濤、揺れ動く木々のなか、剣を持つ男が橋を挟んで黒雲に対峙しており、緊張感ある攻防の後方には、風に吹き飛ばされた滑稽な表情の男たちが描かれています。さらに、その後ろには白と黒の兎のつがいがひっそりと姿を見せています。墨の濃淡、線と面、緊張と弛緩、大胆さとユーモアを巧みに織り交ぜた、蕭白の代表的作品です。●三味線を弾く美人図(喜多川歌麿 )喜多川歌麿 《三味線を弾く美人図》江戸時代、1804-06年(文化1- 3年)頃Fenollosa-Weld Collection, 11.4642Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston繊細で優麗な描線を特徴とし、様々な姿態、表情の女性美を追求した美人画の大家・喜多川歌麿。本作は、晩年に手掛けられた作品で、集大成とも言える傑作です。横長の軸にモデルは上半身のみという珍しい構図になっています。●涅槃図(英一蝶)英一蝶《涅槃図》(写真は修理前)江戸時代、1713年(正徳3年)Fenollosa-Weld Collection, 11.4221Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston英一蝶(はなぶさいっちょう)は、江戸に生きる人々の風俗画を得意とした一方で、仏画も多く手がけたことで知られる画家です。同展で公開される「涅槃図」は、一蝶による仏画の大作であり、江戸時代の仏画の代表作。画面だけでも高さ約2.9m、幅約1.7m、表具を含めれば高さ約4.8m、幅約2.3mにも及びます。画面いっぱいに、涅槃に入る釈迦と悲しみにくれる菩薩、羅漢、動物たちを鮮やかな色彩で描いており、一蝶の力の入りようが伝わる傑作です。本図は、1886年以前にフェノロサが購入して以来、ボストン美術館で収蔵されてきましたが、作品の大きさと経年による劣化ゆえ、同館でも25年以上にわたり公開が実現できませんでした。そのため、本展での公開に際して、画面の折れや亀裂、汚れ、糊離れなどを改善するため、約170年ぶりに本格的な解体修理を実施。初めて里帰りを果たします。●4章 フランス美術所蔵するヨーロッパ美術コレクションの中から、世界的に名高い19世紀フランス絵画のコレクションを紹介。バルビゾン派、印象派、ポスト印象派の絵画には、ボストン市民の好みを色濃く反映されています。●睡蓮(クロード・モネ)印象派を代表する画家モネは、1890年代から「積みわら」や「ルーアン大聖堂」、そして代表作でもある「睡蓮」などの連作を開始し、同じ主題を繰り返し描きながら、天候や時間帯によって様々な表情をみせる対象を捉えていきました。本展で展示される「睡蓮」では、水平線はなく、モネの視線は水面に集中しています。それにもかかわらず、画面の下から上へと遠ざかるように奥行きを感じさせる睡蓮や、水面に映る空と岸辺の木々が、絵画の外に広がる無限の空間が想像させてくれます。なお、こちらの作品は、1909年にパリで開催された48点の「睡蓮」による「睡蓮――水の風景」展で発表されたもので、ただちにボストンのコレクターに購入されました。●卓上の果物と水差し(ポール・セザンヌ )ポール・セザンヌ《卓上の果物と水差し》1890–94年頃Bequest of John T. Spaulding, 48.524Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonキュビスムをはじめとする20世紀の美術に多大な影響を与えた「近代絵画の父」、ポール・セザンヌ。セザンヌは「静物画のモチーフは果物が良い」として、リンゴを好んで描いたという逸話が残っています。卓上の皿に盛られたリンゴなどの果物はもちろん、水差し、テーブルクロスの柄までもが計算しつくされ、絶妙なバランスを保っています。●腕を組んだバレエの踊り子(エドガー・ドガ )エドガー・ドガ《腕を組んだバレエの踊り子》1872年頃Bequest of John T. Spaulding, 48.534Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonフランスの印象派画家・ドガは、踊り子を扱った作品を数多く残していることで知られる「踊り子の画家」。踊り子とは、パリオペラ座のバレリーナを指す言葉で、オペラ座の定期会員になると舞台裏に入ることが許されました。裕福な銀行家の息子だったドガは、定期会員となり舞台裏にも出入りしており、目撃した踊り子の自然のしぐさ、表情を丹念に描きました。本作は、目を閉じて腕を組む踊り子を描いた作品で、背景は燃えるような赤い色をしています。何か物思いに耽っているような踊り子の憂いの帯びた表情にも注目してください。●郵便配達人ジョゼフ・ルーラン(ファン・ゴッホ)フィンセント・ファン・ゴッホ《郵便配達人ジョゼフ・ルーラン》1888年Gift of Robert Treat Paine, 2nd, 35.1982Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonファン・ゴッホ(1853~1890)が描いた、ジョゼフ・ルーランをモデルにした油彩画は全部で6点です。本作は、最初に描かれたもので、ほぼ全身を描いた唯一の作品して知られています。ファン・ゴッホがソクラテスにたとえた立派なあごひげをもつ頭部だけでなく、魅力的な手の動きも力強く丹念に表現されています。また、青を基調とした画面に、制服の装飾やボタンの黄色が効果的に配されているのも特徴です。●子守唄、ゆりかごを揺らす オーギュスティーヌ・ルーラン夫人(ファン・ゴッホ)フィンセント・ファン・ゴッホ《子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人》1889年Bequest of John T. Spaulding, 48.548Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Boston組み合わせた手にゆりかごの紐を持つジョゼフの妻。「子守唄」という副題が付けられることや、「ルーラン夫人の肖像」もしくは「子守するルーラン夫人」とも表記されることがあります。ゴッホの入院により一時中断したこちらの作品。制作の再開を伝えるファン・ゴッホの手紙には、「絵画を制作することは、傷ついた心を慰めるものだ」と綴られています。どことなく母性を感じさせる作品で、「人の慰めとなる芸術」を目指した画家の意が反映されているとも言われています。なお、画家自身によって4点の同じ構図の油彩画が制作されています。●5章 アメリカ絵画ボストン美術館の天井画も手掛けたサージェントの作品やアメリカ印象派の絵画など、18世紀から20世紀半ばまでの作品によって、アメリカ絵画コレクションの一端を紹介します。●ロベール・ド・セヴリュー(ジョン・シンガー・サージェント)ジョン・シンガー・サージェント《ロベール・ド・セヴリュー》1879年The Hayden Collection - Charles Henry Hayden Fund, 22.372Photograph © 2017 Museum of Fine Arts, Bostonジョン・シンガー・サージェントは、19世紀後半から20世紀前半にかけてイギリスで活躍したアメリカ人の画家です。イタリアに生まれフランスで美術教育を受けており、様々な国の絵画の影響を受け、独自の優美な画風を生み出しました。また、伝統的な古典技法によって多数の肖像画を手掛け、「最後の肖像画家」とも言われています。「ロベール・ド・セヴリュー」は、上流階級の子供と小型犬を描いたサージェントの代表作です。その洗練された技巧に圧倒されますよ。●6章 版画19世紀半ばから20世紀のアメリカを描いた充実した収集作品の中から、アメリカを代表する芸術家・ホーマー、ホッパー、シーラー、アダムス4人を紹介。人々の暮らしや自然の美しさを映す版画と写真が並びます。●機関車(エドワード・ホッパー)1920年代以降のアメリカン・シーンを描いたホッパーは、油彩画が広く知られていますが、秀でた版画家でもありました。特にアーティストとしての活動の初期に多くの版画を手掛けており、「機関車」も、その時期の作品です。機関車の存在感が際立つ構図、その先に広がるトンネルの闇と周囲との明暗のコントラストに、その後の作品に共通する特徴を見ることができます。●7章 現代美術同時代のアーティストの作品に常に着目してきた美術館において、成長著しい現代美術コレクションからウォーホル、村上隆をはじめ、ホックニーの色鮮やかな風景画、テイラー=ジョンソンの映像作品などを紹介します。●ジャッキー(アンディ・ウォーホル)ウォーホルは、1960年代にスープの缶詰や著名人の写真を素材にした作品を発表し、その後のポップ・アートの隆盛を牽引したアーティスト。1963年に起きたケネディ大統領の暗殺事件後には、広く配信された大統領夫人ジャクリーンの写真をもとに複数の肖像画を制作。また、それらを組み合わせ作品として発表しました。そこには事件前の笑顔のジャクリーンや葬儀の際に深い悲しみに暮れる彼女の姿が繰り返し登場しました。さらに、期間中は、タイアップイベントやスペシャルコンテンツが登場予定です。詳細は公式サイトにて随時発表となりますので、ぜひチェックしてくださいね。イベント詳細名称:ボストン美術館の至宝展ー東西の名品、珠玉のコレクション会場:東京都美術館 企画展示室住所:東京都台東区上野公園8−36会期:2017年7月20日(木)~10月9日(月・祝)開催時間:9:30~17:30 ※金曜は20:00まで、7月21日、28日、8月4日、11日、18日、25日は21:00まで ※入室は閉室の30分前まで 休室日:月曜日、9月19日(火) ※ただし、8月14日(月)、9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開室料金:一般 1,600円(1,400円)、大学生・専門学校生 1,300円(1,100円)、高校生 800円(600円)、65歳以上 1,000円(800円)公式サイト:
2017年06月21日展覧会「魔法の美術館― 光と遊ぶ超体感型ミュージアム」が神戸ファッション美術館にて開催される。会期は、2018年7月14日(土)から9月2日(日)まで。体感型の光のアートを楽しむ「魔法の美術館」「魔法の美術館」は、見て、参加して、楽しむ、体感型の展覧会。来館者の動きに合わせて、色とりどりの光や影のモチーフ、映像、音が変化する作品などが、美しくも不思議な空間を演出する。日本を代表する気鋭のアーティストが作り出した魔法のような空間に入り込み、心ゆくまで遊びつくすことが可能だ。登場する全21点の作品すべて写真撮影も自由となっており、SNSに投稿して楽しむこともできる。動く影が幻想的な「Lifelog_シャンデリア+Lifelog_モビール」小松宏誠の「Lifelog_シャンデリア+Lifelog_モビール」は、天井から吊り下げられた繊細な造形のシャンデリアや、展示されたモビールが回転。壁に映し出された影の動きを楽しめる幻想的な作品だ。自分がキュビスムの世界に「.hito」自分のキュビスム的な姿を楽しめる「.hito」。イスに座ると自分がキュビスム的な姿になり、動きに合わせて変化する。ポリゴンチックになった自分の動きを楽しんで。自分の歩いた道から波紋のように光が広がる「七色小道」「七色小道」は、一見ただの通路に見える道。歩き出すと、自分の跡から様々な色や光が広がっていき、他の人が出す色と混ざりあう。ただ歩いているだけで無意識のうちにお互いに影響を与え合っている様子を参加型アートという形で表現した。時間の経過によって広がった光は形を変えながら消えてしまうので、常に違う姿の「七色小道」を楽しむことができる。【詳細】魔法の美術館― 光と遊ぶ超体感型ミュージアム会期:2018年7月14日(土)~9月2日(日)開館時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)休館日:月曜日、2018年7月17日(火) ※7月16日(月・祝)は開館場所:神戸ファッション美術館住所:兵庫県神戸市東灘区向洋町中2-9-1入館料:一般 1,000(800)円、大学生・65歳以上 500(400)円、高校生以下 無料※()内は前売り(館内のみ)、または30人以上の団体料金。※小学生以下は保護者(高校生以上)の同伴が必要。出品アーティスト:田中陽、坪倉輝明、藤本直明、小松宏誠、徳井太郎/清水雄大、藤元翔平、重田佑介+Zennyan、岡田憲一、宮本昌典/小岩原直志
2017年06月11日ロシアの女帝エカテリーナ2世のコレクションが基礎となり、日々進化し続けるエルミタージュ美術館。16世紀〜18世紀にかけて芸術分野における巨匠やその作品群は“オールドマスター”と呼ばれ、今なお多くの人々を魅了し続けています。そんなオールドマスター傑作の数々が、この春六本木に大集結。珠玉のコレクションを、ぜひその目で確かめて。珠玉のオールドマスター作品が目の前に18世紀、女帝エカテリーナ2世が美術品収集をはじめたことをきっかけに生まれたエルミタージュ美術館。エントランスを入ってすぐのエカテリーナ2世の肖像は、まるで「どうぞ私のコレクションを見ていって」と彼女が出迎えているかのよう。16世紀ルネサンス時代のティツィアーノや、17世紀オランダ市民絵画を代表するレンブラント、18世紀フランスを象徴するロココ主義のヴァトー。名だたる巨匠の作品が集結した本展は、エルミタージュ美術館展の決定版となっています。趣向を凝らした展示方法にも注目して展示室内は章ごとに赤や緑、金色など章のイメージに合った色で分かれています。同時代の作品を地域別に分けた本展は、それぞれの国の当時の風潮や雰囲気を味わうのにもうってつけです。またエカテリーナ2世の在位中に取得された作品のキャプションには王冠マークがついており、彼女の趣味趣向などを空想するのも楽しそう。巨匠の作品だからと身構えず、自分ならではの楽しみ方を見つけられるのも本展の魅力のひとつです。取材・文/おゝしろ実結イベント情報イベント名:大エルミタージュ美術館展オールドマスター 西洋絵画の巨匠たち催行期間:2017年03月18日 〜 2017年06月18日住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階森アーツセンターギャラリー電話番号:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2017年04月18日洗練された空間で「世界のアート」を体験するスイスの建築家マリオ・ボッタによって設計された、洗練された佇まいが印象的なこの美術館。展示会を作るにあたり世界的な専門家を招き、国際的にアートに貢献しているアーティストの参加も実現するという極めてクオリティの高い美術館。渋谷という街に居を構えながらも、内向きな地域主義に陥ることなく活動をしており、世界に向けてアートを発信しています。スリリングなパフォーマンスが圧巻! 「コンタクトゴンゾ展 Physicatopia」「コンタクトゴンゾ(contact Gonzo)」とは、2006年に垣尾優と塚原悠也によって結成された、セゾン文化財財団助成対象アーティスト(2011年〜)。現在のメンバーは塚原悠也、三ヶ尻敬悟、松見拓也、NAZEの4名で、肉体の衝突を起点とする独自の牧歌的崇高論を構築し、即興的なパフォーマンス作品や、映像、写真作品の制作、マガジンの編集などを行っています。「フィジカトピア(Physicatopia)」では、サッカースタジアム用のパフォーマンス作品『xapaxnannan』発表後に発見された文章に基づいた彫刻の他、未発表のものを含む過去のパフォーマンス作品記録映像を見ることができます。世界的なアーティストや専門家たちによって作り上げられる展示会は一見の価値あり。圧倒的なパワーを持ったコンテンポラリーアートは、静かに鑑賞するだけでなく、没入して体感できるのも魅力のひとつ。新しい閃きを感じたい人は、ぜひ訪れてみて。取材・文/西尾 宇宙スポット情報スポット名:ワタリウム美術館住所:東京都渋谷区神宮前3-7-6電話番号:03-3402-3001
2017年02月24日歌川国芳の絵が、手触りふんわり「浮世絵手ぬぐい」奇抜で独特な世界観で国内外に数多くのファンを持つ歌川国芳。巨大な骸骨の妖怪が有名な『相馬の古内裏』や可愛い猫が描かれた『ねこ尽くし』など、そんな彼の有名な代表作があしらわれた手ぬぐいシリーズです。ふんわりとした肌触りも心地良く、歌川国芳好きにとってはたまらないグッズではないでしょうか。歌川国芳 浮世絵手ぬぐい(税込 648円)コレクションしたくなる美しさ! 「浮世絵絵はがき」お手頃な価格と豊富なバリエーションが魅力的なポストカード。家族、友人へのお土産としても、自分の思い出や記録を残すための記念品としてもピッタリ。気に入った絵や印象深かった絵のポストカードを是非見つけてみてください。浮世絵 絵はがき(税込 100円)真の浮世絵好きなら手に入れたい「複製浮世絵版画」忠実な製法で造り上げられた素晴らしい木版画。誰もが一度が目にしたことがあるであろう喜多川歌麿の『ビードロを吹く女』や葛飾北斎の『富嶽三十六景』など日本を代表する名作の数々が、江戸の技法を受け継ぐ職人技によって、最高のクオリティーで、時を超えて現代に蘇ります。複製浮世絵版画 (税込 14,040円)どれもこれもついつい欲しくなってしまうグッズばかり。素敵な思い出や記憶は、形として残しておきたいもの。お気に入りのグッズを探してみてください。取材・文/西尾 宇宙スポット情報スポット名:太田記念美術館住所:東京都渋谷区神宮前1-10-10電話番号:03-5777-8600
2017年02月24日映画『パトリオット・デイ』が2017年6月9日(金)に公開される。2013年4月15日、実際に起こったボストンマラソン爆発テロの裏側を描いた本作。事件発生後わずか4日間で、犯人を特定し逮捕するという劇的な展開は世界を驚嘆させた。メディアが伝えていない、驚くべき“102時間の真実”とは一体…。実在する人物が実名のまま演じ、“知られざる英雄たち”とテロリストたちの激しい攻防が描き出された、実録サスペンスに仕上がっている。主演は『ザ・ファイター』『テッド』『PLANET OF THE APES/猿の惑星』のマーク・ウォールバーグ。さらに、ケヴィン・ベーコン、ジョン・グッドマン、J・K・シモンズらハリウッドの実力派俳優たちが脇を固める。メガホンを握るのは『ローン・サバイバー』『バーニング・オーシャン』に続き、マークと3度目のタッグとなるピーター・バーグ。彼は社会的な事件をベースにした実録ドラマが好評の監督だ。■ストーリー毎年、祝日である「愛国者の日」に開催される歴史あるボストンマラソン大会。そんな伝統あるイベントを狙った大規模な爆発テロが発生した。9.11同時多発テロ以降の事件にアメリカは震撼し、爆発時の映像はまたたく間に世界中に配信された。ボストン警察の面々は、FBI捜査官らの思惑と衝突しながらも、やがて浮上した“黒い帽子の男”と“白い帽子の男”を容疑者として追跡していくー。【作品詳細】『パトリオット・デイ』公開日:2017年6月9日(金) TOHOシネマズ スカラ座他にて全国公開出演:マーク・ウォールバーグ、ケヴィン・ベーコン、ジョン・グッドマン、J・K・シモンズ、ミシェル・モナハン監督・脚本:ピーター・バーグ脚本:マット・クック、ジョシュア・ゼトゥマー製作:スコット・ステューバーほか原題:PATRIOTS DAY /2016年/アメリカ/カラー/シネスコ/5.1ch/2時間13分/日本語字幕:松崎広幸(C)2017 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved
2017年02月18日2013年に起こったボストンマラソン爆弾テロ事件の知られざる裏側を、マーク・ウォルバーグ、ケヴィン・ベーコン、J・K・シモンズら実力派キャストで映画化した『PATRIOTS DAY』が、『パトリオット・デイ』として6月、全国公開されることが決定。ポスタービジュアルと場面写真が一挙に解禁となった。2013年4月15日。殺人課の刑事トミー(マーク・ウォルバーグ)は、朝からボストンマラソンの警備に駆り出されていた。オリンピックの次に古い歴史を持つこのマラソン大会は、毎年、祝日である「愛国者の日」(PATRIOTS DAY)に開催され、117回目を迎えるこの日も50万人の観衆で賑わっていた。次々と走者がゴールし、最高潮の盛り上がりとなる中、トミーの背後で突如大爆発が起こる。歓声は悲鳴に変わり、煙が立ち込める中に血を流した負傷者たちが折り重なって倒れていた――。トミーらボストン警察は事態が飲みこめないまま必死の救護活動にあたる。そして、到着したFBI捜査官リック(ケヴィン・ベーコン)が現場を慎重に観察すると、「これはテロだ」と断言した。テロならばFBIに管轄が移る。犯人に対する怒りが沸々と湧き上がっていたトミーは歯ぎしりをするが、病院を回って負傷者たちの話を丁寧に聞いてまわるのだった。やがて、監視カメラに映る不審な“黒い帽子の男”と“白い帽子の男”が容疑者として浮上し…。ボストンマラソン爆弾テロ事件の、犯人特定から逮捕まで驚くべき裏側を描く本作。毎年、祝日である「愛国者の日」に開催されるボストンマラソン大会を狙って起きた爆弾テロ。9.11同時多発テロ以降の大規模なテロ事件にアメリカは震撼し、瞬間の映像はまたたく間に世界中に配信された。しかし、その後わずか4日間で容疑者を特定、逮捕するという劇的な展開に。本作は、当時のメディアが伝えていない驚くべき102時間の真実に迫っていく。主演を務めたのは、メキシコ湾原油流失事故を映画化した『バーニング・オーシャン』(4月公開)、米海軍特殊部隊ネイビーシールズ史上最悪の惨事を描いた『ローン・サバイバー』(’13)のマーク・ウォールバーグ。監督のピーター・バーグとは、この2作に続いて3度目、またも社会的な事件をベースにした実録ドラマでタッグを組んでおり、2016年の「ナショナル・ボード・オブ・レビュー」では2人そろってスポットライト賞を受賞。いまハリウッドで最注目のコンビとなっている。また、同賞では、現在アカデミー賞レースを席巻する『ラ・ラ・ランド』『ムーンライト』、さらに本作と同じく実際の事件を題材にし、キネマ旬報ベストテン外国語映画賞を受賞した『ハドソン川の奇跡』などと並んで作品賞TOP10に選出されるなど、その作品性も高く評価されている。そのほか、ケヴィン・ベーコン、ジョン・グッドマン、J・K・シモンズ、ミシェル・モナハンらハリウッドきっての実力派俳優たちが集結し、実在の人物を実名のまま演じるなど、“知られざる英雄たち”とテロリストの激しい攻防を描いていく。今回、ボストン警察の制服に身を包んだウォールバーグのティザービジュアルも解禁となり、ボストンマラソンと立ち上る白煙を背景に、かつてない大事件に直面して勇気を奮い立たせる警官トミー役のマーク・ウォールバーグの印象的な表情を映し出している。『パトリオット・デイ』は6月、TOHOシネマズ スカラ座ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年02月15日和菓子の老舗とコラボ! 個包装だからお土産にもぴったり◎江戸時代から続く老舗の和菓子店「榮太樓總本鋪」とのコラボ商品「ひとくち羊羹」(800円)。北海道産小豆の風味を活かした食べ切りサイズの羊羹は1つずつ小分けにされているから配りやすく、お土産におすすめ。パッケージはモネの「グラジオラス」とゴッホの「オワーズ川の岸辺、オーヴェールにて」の2種類です。ヨーロッパ絵画×えびせん!?ヨーロッパ絵画×海老せんべいという意外なマッチングが目を引く「海老せんべい」(800円)は、もちろん日本での展覧会ならでは。マヨネーズ風味の海老せんべいは老若男女問わず人気の一品です。こちらも個包装されていて日持ちがするので、ちょっとしたお土産にも◎。集めて飾りたい 名作モチーフのマグカップルノワールとモネの作品をそれぞれあしらった「マグカップ」(各1890円)は内側が鮮やかなピンクやブルーになっていて、両方揃えたくなる可愛さです。マグを使うたびに憧れの名画を鑑賞したら、センスアップも期待できるかも?! 他にも、ゴッホのマグカップもあるのでじっくり選んでみて。取材・文/藤井ちひろ店舗情報店名:デトロイト美術館展~大西洋を渡ったヨーロッパの名画たち~TEL・予約:03-5777-8600(ハローダイヤル)住所:東京都台東区上野公園1-2上野の森美術館アクセス:JR上野駅公園口より徒歩3分営業時間:9:30~16:30(但し、毎週金曜日9:30-20:00)※入館は閉館の30分前まで)2016年10月7日(金)~1月21日(土)
2016年12月30日