明治、1073R-1のインフルエンザワクチン効果増強を発表2014年11月20日、明治は1073R-1乳酸菌で発酵したドリンクヨーグルトをインフルエンザワクチン接種3週間前から摂取すると、インフルエンザワクチンの抗体値(インフルエンザワクチンに対する防御力)の増え方が、未発酵の酸性乳飲料を飲用した場合に有意に多かったことを明らかにした。研究成果は日本食品免疫学会第10回学術大会(東京:10月16日~17日)において発表。インフルエンザワクチンインフルエンザワクチンは体の中の免疫を高めて、インフルエンザウイルスが体の中で増殖するのを抑え、肺炎などのインフルエンザの重症化を防ぐために用いられている。ワクチンの効果を強めるために用いられるのが、アジュバントという免疫活性化剤。今回の研究では、1073R-1で発酵したヨーグルトをインフルエンザワクチン摂取前に連用すると、抗体価が上がったことから、アジュバントと同じような効果があると想定される。アジュバントには水溶性と油性のものがあり、油性のものはアジュバントとしての効果が高いが、注射部位の副作用が出やすいことから、副作用が高くなる。副作用を増加させない、アジュバントが求められている。(画像はプレスリリースより)【参考】・明治プレスリリース
2014年11月23日病院検索・医薬品検索・医療情報サイトを運営しているQLife(キューライフ)は、ホームページ等でインフルエンザワクチン接種価格を公開している全国3,017施設の金額を調査し、このほどその結果を発表した。インフルエンザ予防接種の全国平均価格(成人1回目、健康保険などの公的助成ない場合)は2,939円だった。都道府県別に見ると、宮城県が最も高く3,043円という結果に。一方、最も低い都道府県は北海道で2,766円だった。都市圏別に見ると、東京都は3,000円、大阪府は2,883円。関東都市圏と関西都市圏とでは関東の方が高い傾向がある。同社では、2008年にも同種の調査を行っているが、都市圏の東高西低傾向は6年前と同じだった。
2014年11月14日1ヵ月検診を終えて、ほっとしたのもつかのま間…ママたちに最初の洗礼! それは、予防接種の数。1回ではなくて何回も! 生後6ヵ月までに終わらせないといけないのがある! と大半のママが驚くところです。先ず、1歳までに受ける種類を見てみても、定期接種(国や自治体が強くすすめているワクチンで公費で賄うケースがほとんどなので無料)だけでもヒブ・小児用肺炎球菌・四種混合・BCGの4種類があり、BCG以外はそれぞれ3回接種、加えて任意接種(受けるかは保護者の判断になるワクチンで自己負担※一部自治体により助成あり)のB型肝炎(計3回)、ロタウィルス(計2回)が追加。また、1歳になったらMR(麻しん風しん)の定期接種、おたふくかぜや水痘(みずぼうそう※現在2回接種)の任意接種が登場します。これだけでも相当な数という印象を受けるのに、先進諸外国に比べると少ない、というから驚きです。では、これだけの数の予防接種をどうスケジュール立てするか? 悩みますよね。ワクチンの種類によって同時接種が可能だったり、次の予防接種までに空ける期間も細かく決まっているので予約を取って病院に向かったが、受ける直前に37.5度以上の発熱があって受けられなくてそのまま帰る、なんてことがあるとせっかくのスケジュールが狂ってしまう! という状況も頻発するのです。そこで…先輩ママに支持されているおススメ管理法をお知らせいたします。■スマホアプリ「予防接種スケジューラー」を使いこなす!「今受けられるワクチンは何?」「スケジュールを考えるのが大変」「このワクチン、どんな病気に効くの?」「次の予約はいつ?」「ワクチンの接種記録データを残したい」などママの声に対応したアプリ『予防接種スケジューラー』。 NPO法人VPDの会 の小児科医が開発したアプリで現在までに35万ダウンロードを記録。ワクチンの種類と接種適切な時期、接種回数がわかりやすく表示され、お子さまごとに接種予定日の入力と前日・当日アラームによるお知らせ、接種済が一目瞭然でわかるようになっています。もし、次回接種予定しているワクチンまでに空ける期間が不適切だったりするときちんとエラー表示が出てくれるので、計画立てるにはとても便利! 特に怒涛の予防接種ラッシュの生後6ヶ月までこのアプリでスケジュールを組むのにお世話になった、という先輩ママがたくさんいるようです。■自治体によっては便利なサービスも! 自治体によっては、登録すればメールなどで月齢と接種ワクチンのお知らせがタイミングよく来たり、今地域で流行っている感染症情報も教えてくれるサービスなどを開始しているところもだんだん増えてきているようです。お住まいの自治体に一度確認してみるのもいいですね。便利なツールやサービスに頼って、上手に予防接種を乗り切るのもひとつの手ではないでしょうか?
2014年06月18日インターネット調査会社のマーシュはこのほど、「インフルエンザとワクチン接種に関するインターネット調査」の結果を発表した。同アンケート調査は11月9日~12日にインターネット上で行われ、1,800件の回答を得た。「今シーズン(2012年~2013年にかけて)の予防接種」について聞いたところ、「今のところ受ける予定はない」という人がもっとも多く49.1%。「すでに受けた」人は9.2%、「これから受ける予定」の人は25.1%だった。前回の2011年の調査では11月下旬にアンケートを行ったが、この時は接種済みの人が17.0%。これから受ける予定の人と合わせると35.4%で、今回の調査とほぼ同じ割合となっていた。予防接種を受けたかどうかに関わらず、「昨シーズンにインフルエンザにかかったかどうか」を聞いたところ、「かからなかった」という人が大多数で88.8%だった。「かかった(医療機関で診断を受けた)」人は6.9%で、このうち約半数の52.8%は昨シーズンの予防接種を「受けた」と回答した。ワクチンの接種状況に関係なくすべての人に、「どれくらい予防効果が期待できると思うか」を聞いたところ、発症の予防については69.2%が、かかった場合の重症化の予防については71.1%が「期待できる」と回答した。前回2011年の調査と比較してみると、発症の予防が2.5%減、重症化の予防が2.3%減と、それぞれ低下していた。調査の詳細は「マーシュ公開調査データ発表ページ」で閲覧できる。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月03日医療用医薬品などの輸入・製造・販売を行うMSDは、”子宮頸(けい)がん”の予防ワクチン接種を呼びかけている。費用を国と自治体が補助する「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進事業」の助成制度は平成24年度末(2013年3月末)までであり、半年間に3回のワクチン接種(同種)の必要があることから、早めの接種を推奨している。接種方法は筋肉注射で、小児科、婦人科・産婦人科、内科などで接種が可能。通常2回目の接種は初回接種から1、2カ月後で、3回目は6カ月後となっている。なお、助成制度については自治体ごとに異なるため、自治体や最寄りの医療機関に問い合わせる必要があるとのこと。子宮頸がんは乳がんに次いで罹患(りかん)率が高く、特に20代から30代のがんでは第1位だという。そのため、HPVに感染している可能性が低い、低年齢での接種がより有効であると考えられている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月26日7月13日、MSDは、5価経口弱毒生ロタウイルスワクチン「ロタテック内用液」の発売記者説明会を開催した。同ワクチンは1月に薬事承認を取得し、7月20日より販売を開始する。説明会では、臨床データの説明やロタウイルス胃腸炎の予防について講じられた。ロタウイルスは感染力が強く、ほとんどの乳児が5歳までに一度は感染するという。主な症状は下痢、嘔吐(おうと)、発熱であるが、重症化すると、脱水症状やけいれん、脳炎などの重篤な合併症を引き起こす場合もある。治療方法は対症療法のみであり、衛生状態の改善だけでは感染を防ぐことは難しい。そのため、重症下痢症に占めるロタウイルスの割合は、先進国と開発途上国ではほぼ同等であり、WHO(世界保健機構)はすべての地域において、ロタウイルスワクチンの定期接種化を推奨している。同ワクチンはすでに107の国と地域で使用されており、安全性、有効性には自信があると、同社代表取締役社長 トニー・アルバレズ氏。同ワクチンの販売によって日本の公衆衛生へ貢献し、ロタウイルス胃腸炎やその予防に関する社会的認知を高めたいと語った。続いて、同社グローバル研究開発本部長・白沢博満氏より、ロタウイルスの特徴などが解説された。ロタウイルスには多くの血清型がある。そのなかでも、ロタウイルス胃腸炎の発生原因の約90%を占めるのは、主に5種類(G1P[8]、G2P[4]、G3P[8]、G4[8]、G9P[8])。しかし、血清型の分布は年ごとに異なるため、1つの血清型だけに対応するものでは予防は難しい。そこで同社では、G1、G2、G3、G4およびP1A[8]型の5つの血清型のロタウイルス株を含む5価のワクチンを作成。これにより、流行しやすい主要な5つの血清型に対応可能となった。また、ロタウイルスは自然感染を繰り返すことで、ロタウイルス胃腸炎に対する予防効果が高まる傾向にあるという。一度もロタウイルスに感染していない乳幼児の発症リスクと比較すると、初回感染で77%、2回目の感染で83%、3回目の感染で92%もの予防効果があり、血清型に対する免疫反応が確認された。同ワクチンは3回接種によって、重度のロタウイルス胃腸炎の発症を予防することが示されている。最後に、慶應義塾大学医学部感染制御センター・岩田敏(さとし)教授が講演した。ロタウイルス胃腸炎は、入院を伴う重症胃腸炎の原因として最多とのこと。生後6~24カ月の乳幼児に発症しやすく、世界中の小児の95%が3~5歳までに発症するという。感染経路は主に糞口感染だが、接触・飛沫(ひまつ)感染の可能性も考えられる。ロタウイルスに感染すると、脳炎や脳症といった合併症を伴うこともあり、その後遺症率はインフルエンザ脳炎(25%)に比べてロタウイルス脳炎(38%)は高いそうだ。また、非常に感染力が強いので、院内感染を起こしやすい。岩田教授は、早くから免疫をつけるためにも、初回接種は14週6日までを推奨している。早期のワクチン接種により、ロタウイルスを”予防”することが大事なのだ。同ワクチンの有用性については、臨床試験の結果をもとに解説した。国内での臨床試験結果によると、重度のロタウイルス胃腸炎に対し、100%の予防効果が認められている。さらに、オーストラリアでのワクチン導入によるデータも発表された。ワクチンを接種した年齢層でロタウイルス関連胃腸炎による入院数が減少し、接種していない年齢層でも減少したという。これにより、集団免疫が獲得されている可能性が示唆された。同ワクチンを接種することで、発症を予防するのはもちろん、感染を防ぐこともできる。導入する意義は大いにあるが、日本ではまだ定期接種は実施されておらず、予防接種の必要性やロタウイルスそのものに対する認知度は低いという。「ロタウイルスについて、ほとんどの方が知らないのが現状。私の娘もワクチン接種について知りませんでした。これからは病気そのものを啓発していかなくてはいけない」と岩田教授。予防接種のスケジュールや効果と副作用、そして早期に予防接種を受けて免疫を得ることについての重要性に関する情報提供が急務とのこと。そのためにも、小児科学会はもちろん、医薬品メーカーや行政とも協力し、インターネットやマスコミなどを活用して正しい情報を発信していきたいと語った。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年07月17日6月1日、日本記者クラブで「ワクチン予防医療フォーラム」が開催された。このフォーラムは、今後の日本の予防医療をめぐる環境を充実させていくことを目的として開催されている。7回目となる今回は、独立行政法人国立病院機構三重病院院長の庵原俊昭氏による「ワクチンのABCからXYZまで~ワクチンの基礎から臨床応用まで~」と題した講演が行われた。庵原氏は厚生労働省の「新型インフルエンザワクチンの流通改善に関する検討会」の座長を務めたほか、2010年12月には、インフルエンザワクチンの治験調整医師として治験を主導。国産ワクチンの開発を実現させたことが評価され、第23回人事院総裁賞(個人部門)を受賞した経歴をもつ。ワクチンは、感染予防のほかに、感染しても発症を予防したり、発症したとしても重症化を防ぐ効果があるという。また、一人が感染、発症しても、周囲の人がワクチンを接種していれば、流行を防げるとのこと。現在、麻疹が局地的に出ているが、日本全国に広がっていないのは、多くの子どもたちが麻疹のワクチンを受けているからだと、庵原氏はワクチンの効果をあげた。ウイルスの感染症には、潜伏期間が2週間程度の全身性ウイルス感染症と、潜伏期間2~3日の局所性ウイルス感染症がある。全身性ウイルス感染症には、種痘、麻疹(別名はしか)、水痘などがあり、感染しても、急いでワクチンを接種することで、発症を予防することができる。一方で、インフルエンザウイルスやロタウイルスなど、局所性ウイルス感染症には、ワクチンを接種しても効果はない。流行する前に接種することが必要だ。では、ワクチンを接種すれば、完全に発症を予防できるのだろうか。庵原氏によれば、ワクチンを受ける側とワクチン側、両方の免疫をつくる力や、作られた免疫が持続する期間、そしてワクチンで作られた免疫でカバーできる割合や範囲を考えなければならないそうだ。最近では、子宮頸(けい)がんを予防するワクチンや、肺炎球菌を予防するワクチンなど、新しいワクチンがあるが、子宮頸(けい)がんをおこすウイルスは15種類あり、ワクチンに入っているウイルス2種類ではカバーできるのが70~80%にとどまる。肺炎球菌も90種類以上あるが、ワクチンでカバーできるのは75%程度。しかし、100%ではなくても、予防効果があることはたしかだ。ワクチンを接種したのに発症した場合、血清型や遺伝子型の流行を監視してワクチンの改良に役立てているという。ワクチンは、当然のことながら、その疾患の発症リスクが高まる前に、必要な回数を接種することが大切だ。接種による副反応出現リスクが高くなる前であり、適切な免疫が獲得できる時期に接種することが望ましい。新生児は生後2カ月から6カ月までに、BCG、ポリオ、DPT(三種混合ワクチン)、インフルエンザ、肺炎球菌、ロタなどのワクチン接種が必要。ワクチンによっては、半年の間に3回の接種が必要なものもある。そこで庵原氏は、同時接種を提案。生ワクチンと不活化ワクチンを同時に行っても、個別接種時と免疫原性はかわらず、副反応の増加もない。また、人の免疫力にはゆとりがあり、一度に多くの抗原が入っても、対応する能力が十分あるのが同時接種をすすめる理由だ。庵原氏が病院長を勤める三重病院では、注射ワクチンの単独接種のスケジュール例のほかに、2種類同時接種、3種類同時接種のスケジュール例を作成。母親と相談して接種スケジュールを決定している。もし、複数回の接種が必要なワクチンで、2回目、3回目の接種を逃してしまったとしても、気づいたときに病院で相談することを庵原氏はすすめる。例えばロタワクチンの場合、1回しか接種していない場合では、効果が60%程度なのに対し、2回の接種では81%、3回の接種で88%の効果が報告されているとのこと。3回できなくても、2回接種するだけで、効果がかなりアップするのがわかる。「接種し損ねたことで、子どもに対する負い目を感じるお母さんは多いですが、気にする必要はありません。子どもから大人まで感染症予防のために、ぜひワクチン接種をうけてください」と庵原先生は講演を締めくくった。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年06月05日メドピアは、同社が運営する医師コミュニティサイト「MedPeer」にて、「化学療法中の患者さんのインフルエンザワクチン」の調査を実施した。調査手法は、MedPeer会員医師を対象とした「ポスティング調査」と呼ばれるオープン回答型のインターネットリサーチ。調査期間は3月2日~3月8日で、有効回答数は 2,444件。「化学療法中の患者さんのインフルエンザワクチン接種」について、「好中球数が低値ならワクチンを見送り、正常値の場合に接種する」と回答した医師が34%となった。「患者さんの状態の良い時に行う」「化学療法の休薬期間に実施する」といったコメントがみられた。「好中球数に関係なくワクチンを接種する」は24%。「インフルエンザ感染の方がリスクが高いので、早めのワクチン接種を勧める」「不活化ワクチンであるので問題ない」という意見がある。「化学療法中はワクチンの接種を行わない」は21%。「思わぬ副作用が生じるかもしれない」「ワクチンの効果があまり期待できない」「化学療法導入前に済ませておくべき」といった声が多く、「罹患(りかん)してから抗インフルエンザ薬で対応する」というコメントもあった。「MedPeer」は医師の会員制コミュニティサイト。医師同士のディスカッション、情報交換を目的としており、その仕組みを利用して各種医師向けリサーチ調査が可能となっている。【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年04月12日子宮頸がん・ヒブワクチン接種費の半額負担に山口県長門市は、子宮頸(けい)がん予防ワクチンと乳幼児の細菌性髄膜炎を防ぐヒブワクチンの接種費用を助成するため、「すこやかながとワクチン基金」を設立、来年度から接種費用の半額を助成するとのこと。これは、朝日新聞が報じたもの。基金の設立を働きかけた市内の医療法人社団成蹊会岡田病院の岡田和好院長らが4日、市役所を訪れ、南野京右市長に原資として病院が500万円、成蹊会職員一同(290人)が30万円を寄付したという。病院開設50周年を記念して寄付をしたという岡田院長は、「地域医療に役立ててほしい」と話しているという。国内で承認されている両ワクチン、若年接種が効果的子宮頸がんは20~30代の女性に多く、国内で年間約1万5千人が発病、約3500人が死亡している。また細菌性髄膜炎は、5歳以下の子どもが罹り易く、国内で年間約600人が発症し約5%が死亡、20~30%に難聴やてんかん、発育障害などの後遺症が残るとされる病気だ。いずれのワクチンも国内で承認され、子宮頸がん予防ワクチンは小学生から中学生の間に、ヒブワクチンは乳幼児の頃に接種すれば効果的といわれている。一般の医療機関で接種できるものの、現時点では保険の適用がなく、任意接種となっており、費用は子宮頸がんワクチンが計3回接種で約4~6万円、ヒブワクチンは計4回接種で約3万2千円という。現在、全国的に接種費用の公的負担の動きが出てはいるが、長門市では来年度、市の持ち出しも含め、中学3年生の女子約170人と乳幼児約1400人を助成対象にするといい、子宮頸がん予防ワクチンへの助成は県内初、ヒブワクチンへの助成は宇部市に次いで2例目とのことだ。
2010年10月07日