「ぴあ」調査による2月24日、25日公開の映画・満足度ランキングは、舞踊家ピナ・バウシュの世界を3D映像で捉えた『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』がトップに輝いた。2位に人気シリーズの最終章を2部構成で描く『トワイライト・サーガ/ブレイキング・ドーン Part 1』が、3位に『トワイライト』シリーズで人気のロバート・パティンソン主演作『恋人たちのパレード』が入った。その他の写真1位の『Pina/ピナ・バウシュ…』は、『ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ』のヴィム・ヴェンダース監督が舞踏家ピナ・バウシュの手がけたステージを3D映像で表現したドキュメンタリー作品。出口調査では「映画にすることでひとつの視点だけでなく多方面から観ることができた」「精神が自由になる感覚を味わえた。作品全体から人物像を感じることができた」「照明や空間、人の動きまで計算され尽くした演出は3Dで観る価値がある」など、踊りに興味のある人、映画ファンから世代を超えて高い満足度を獲得した。2位の『トワイライト・サーガ…』は、人間とヴァンパイアの禁断の恋を描いたラブ・ストーリー。アンケート調査では「鳥肌が立つほどドキドキした!」「原作小説に忠実」「主人公の成長ぶりは観ていて感慨深い。普段とは違う世界を味わえるのがこの作品の魅力」など、女性ファンから絶賛コメントが続出。中には「今作だけ観ても、今作から観ても楽しめる内容」「続編の公開が待ち遠しい」などの声もあがっていた。(本ランキングは、2012年2月24日(金)、25日(土)に公開された新作映画7本を対象に、ぴあ編集部による映画館前での出口調査によるもの)
2012年02月27日2009年にこの世を去った後も多くの賛辞を集めている天才舞踊家ピナ・バウシュの世界を3D映像で描いた映画『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』が25日(土)から日本公開になる前に、本作を手がけたヴィム・ヴェンダース監督がインタビューに応じた。その他の写真『ベルリン・天使の詩』や『エンド・オブ・バイオレンス』など作家性の高い作品で熱狂的なファンを生み出しているヴェンダース監督と、天才舞踊家にして振付家でもあるピナ・バウシュが出会ったのは1985年のこと。初めて彼女の舞台を観たヴェンダース監督は大きな衝撃を受けたという。「私は映画監督ですから、俳優に演技指導をして『ああ動け、こう動け』と指示します。でも私はピナのダンスを観て、自分がいかに身体表現について無知であったのか思い知らされました。もし、それがひとつの言語であるならば、私は文盲であるとさえ思いました」。それ以来、ふたりは親交を続け、すぐに共同で映画を撮る計画が持ち上がる。しかし、既存のダンスの枠組みを超え、ダンサーひとりひとりの身体が抱える“揺らぎ”を活かしながら斬新な演出を試みるピナの芸術をカメラで写し取る計画は、想像以上に難航したそうだ。「ピナに『とにかく早く撮ってよ!』とせっつかれた時期もありました。彼女の作品は“瞬間芸術”ですから、誰かが踊らなければ、初めから何も存在していなかったのと同じです。きっと自分の作品をカタチとして残したかったのでしょう。しかし同時に彼女は、自分の公演がテレビ放映されると決まって『自分の作品がちゃんと伝わっていない』と思っていました。どのような方法を用いれば、ピナの芸術が魅力的に残せるのか? それは我々にとって常に重要な課題だったのです」。ときに運命は残酷なことをする。ヴェンダース監督が“デジタル3D”という空間表現に長けた新技術を用いれば、ピナの芸術を映像にできると確信した時、ピナの余命は残りわずかになっていた。彼女の急死によって一時期、製作は中断されたが、ヴェンダース監督は「私もこの映画に出演したダンサーも彼女から様々なものをもらったのに、お礼を言う間もなかった。映画を撮ることで彼女にお礼を言い、別れのあいさつがしたい」と撮影を開始。彼女が生前にのこした4つの代表作を中心に、舞踏家ピナ・バウシュの世界を3D映像で捉えた。「彼女はそれまでは存在しなかった芸術をゼロから作り上げた人で、同時に彼女がいなければ存在しなかった芸術はたくさんある」というヴェンダース監督は“ピナの芸術”がこれからも受け継がれてほしいと語る。「彼女が40年前に作り上げたものは、すでに二代に渡って受け継がれています。彼女の芸術を捉えたこの映画も、後世に受け継がることを願っていますし、それはピナの願いでもあると思います」。『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』2月25日(土) ヒューマントラストシネマ有楽町、新宿バルト9ほか全国順次3D公開
2012年02月23日オネエタレントとして活躍するクリス松村とKABA.ちゃんが2月23日(木)、都内で行われた映画『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』のトークイベントに出席した。天才舞踊家として舞踊界に革命を起こしたピナ・バウシュの生前の4つの舞台や彼女の教え子たちの街角でのパフォーマンスを『ベルリン・天使の詩』のヴィム・ヴェンダース監督が3Dでカメラに収めた本作。KABA.ちゃんは「不思議な映画でした。本当に自分が舞台に立っているかのように感じました」と興奮気味に感想を語った。一方のクリスさんも「鳥肌が立ちました。正直、ダンスは関係ない。どうやったら自分らしく生きていけるかというメッセージが込められている」と語りかけた。見どころとしてクリスさんが「鍛え上げられた裸の男性が近づいてくるシーン(笑)」を挙げると会場は笑いに包まれた。クリスさんはエアロビクスのインストラクター、KABA.ちゃんは振付家として、共にジャンルは違えどダンスに情熱を燃やしてきたが、「ダンスとはどんな存在?」という質問にKABA.ちゃんは「答えを持ってません…。かっこよくも言えないし自分の中では不思議な存在」と神妙な顔。それを受けクリスさんは「私はお迎えが近いから常に踊ってないといけない。『ダンスとは何か?』と考える必要がない」と言葉では全て説明できない思いを明かした。日本でも、1960年代から70年代にかけて華麗なダンスと歌で人々を熱狂させた「フォーリーブス」の北公次が昨日亡くなったことが報じられた。コメントを求められたクリスさんは「本当に残念。(亡くなる)寸前までみなさんで活動されてたので…。結束も素晴らしく、あの歌声はいつまでも忘れません」と寂しそうに語った。『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』は2月25日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿バルト9ほか全国にて順次公開。■関連作品:Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち 2012年2月25日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿バルト9ほか全国にて順次公開© 2010 NEUE ROAD MOVIES GMBH, EUROWIDE FILM PRODUCTION■関連記事:巨匠ヴェンダース×天才舞踊家の奇跡のタッグ『ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』試写会に5組10名様ご招待【TIFFレポート】ヴィム・ヴェンダース監督、福島を訪問する予定を明かすヴェンダースが亡きダンサーに捧げる、世界初3Dアート映画『PINA 3D』日本公開決定!
2012年02月23日ドイツの名匠ヴィム・ヴェンダースが10月25日(火)、開催中の東京国際映画祭で最新作『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』の舞台挨拶に登壇した。世界的舞踊家で一昨年、急逝したピナ・バウシュのパフォーマンスを20年来の友人であるヴェンダース監督が3Dカメラで撮影した本作。劇場での公演だけでなく、カメラは彼女が芸術監督を務めた舞踊団のダンサーたちが森や庭園、工場などで見せるパフォーマンスも映し出す。開口一番「みなさん、こんにちは」と日本語で挨拶したヴェンダース監督。本作を手がけることになった理由を問われると「私は『なぜ?』と思ったことは一度もありません。理由などなく、ただ作りたいと思い続けてきました。1985年に初めて彼女のダンスを見て以来、ずっとね。そのとき私は若かったので、彼女に会って『映画を作らせてほしい』とお願いしたんです」。数年後に彼女は承諾するが「反対にそのときは僕の方が悩みました。どうしたら彼女の姿を映像化できるのか?その術が見つかりませんでした」と明かす。それから悩むこと何と20年。3D技術の発達を受けて、ようやく数年前に映画の企画が動き出す。「でも、2009年の秋から撮影に入ろうとした矢先の6月30日に、彼女は急にこの世を去ってしまいました。映画化が遅すぎたんです…」と監督は悲痛な表情を浮かべた。「彼女なくしては映画は作れないと私は一度、映画を作るのを断念しました。でも残ったダンサーたちは彼女が亡くなった晩も泣きながら踊っていました。彼らの姿に触発されて、私はもう一度、映画を作ろうと決意したんです。ピナと一緒に作ることはできなくても、ピナのために彼らと共に映画が作ることができると思ったんです」と、監督はピナ亡き後の映画作りについて明かした。これから映画を鑑賞する観客に向けて監督は「これからみなさんを東京から、彼女が40年来住んでいたドイツの小さな街へと連れ出します」とニッコリ。なお、日本滞在中に監督は福島を訪問する予定であることも明らかになった。東京国際映画祭は10月30日(日)まで六本木ヒルズほか都内各所で開催中。『Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち』は2012年2月25日(土)より公開。特集「東京国際映画祭のススメ2011」■関連作品:Pina/ピナ・バウシュ 踊り続けるいのち 2012年2月25日よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿バルト9ほか全国にて順次公開© 2010 NEUE ROAD MOVIES GMBH, EUROWIDE FILM PRODUCTION■関連記事:ヴェンダースが亡きダンサーに捧げる、世界初3Dアート映画『PINA 3D』日本公開決定!
2011年10月25日『パリ、テキサス』、『ベルリン・天使の詩』など、独特の情感あふれる世界観で数多くの映画ファンを魅了し、ドイツを代表する名匠ヴィム・ヴェンダース。カメラワークの名手である彼が、亡き盟友であり天才舞踊家のピナ・バウシュの生きた軌跡を、最新の3D技術を駆使してとらえたダンスドキュメンタリー『PINA 3D』(原題)がこのほど日本公開されることが決定した。ドイツ生まれの舞踊家・振付家であり、演劇とダンスを融合させた独自の舞踊芸術を拓いてきた、ピナ・バウシュの世界。そして彼女の人生そのものとも言える「ヴッパタール舞踊団」の不朽の名作を映像に収めた本作。同郷のアーティストとして、バウシュとは長年親交が深かったヴェンダースは、何年にもわたって彼女とコラボすることを話しあい、ヴェンダースは最新のデジタル3D技術で彼女を撮ることを決意していた。だが、映画がプリプロに入った2009年、バウシュが突然亡くなってしまい、この映画は彼女へのトリビュートとして彼女のカンパニーである「Tanztheater Wuppertal」とコラボレーションして完成するに至った。彼女から受けた影響についてヴェンダースはこう語る。「映画監督として、印象的なもの、技術的なものなど、たくさんの映画を作ってきました。映画(movie)は動作(movement)を意味していて、動作(movement)についてのことなのです。しかし、movieとmovementについて気づいたのは、初めてピナ・バウシュの作品を観たときでした。でも彼女のようにmovementを創造したり解釈することはできませんでした。実は、彼女と比べると、私たちの“観る”技術は素人同然です。ピナの目は体を通して魂が教えてくれるものを観られるように訓練されていたのです。それまで私はバレエはもちろん、世界中でダンスの公演を観てきましたが、ひっくり返るような、椅子から投げ出され、床にたたきつけられるような体験は、それまで一度もありませんでした」。実際、スクリーン上では、この映画がバウシュに関する映画ではなく「ピナのための」映画ということが字幕で強調されている。これまで『ステップ・アップ3D』や『StreetDance 3D』などポップミュージックをベースにした3D映画は手がけられてきたが、アート系のダンス作品が3D映画化されるのは本作が世界初。本年のベルリン映画祭でその圧倒的な臨場感と世界観が喝采を浴び、既にヨーロッパ各国で大ヒットを記録している。映像界と舞踊界、それぞれのアートシーンを牽引してきた類稀なる2つの才能、そして3Dの新たなるコラボレーションは、いかなる世界を完成させているのか?いまから公開が待たれるところだ。『PINA 3D』(原題)は2012年、公開。■関連作品:PINA3D (原題) 2012年、公開© 2010 NEUE ROAD MOVIES GMBH, EUROWIDE FILM PRODUCTION
2011年07月27日1997年の『タイタニック』でケイト・ウィンスレットが扮したヒロインの晩年を演じ、アカデミー賞助演女優賞候補になったグロリア・スチュアートがロサンゼルスの自宅で26日夜、呼吸不全のため死去したことを家族が公表した。スチュアートは7月4日に100歳の誕生日を迎えたばかりだった。娘のシルビア・トンプソンさんによると、スチュアートは5年前に肺がんと診断されたが、病気を気にせず、気丈に過ごしていたという。1930年代から女優のキャリアをスタートさせたスチュアートは40年代半ばに一度引退したが、70年代にカムバック、映画やTVなどで活躍した。『タイタニック』でオスカーにノミネートされたのは87歳のときで、アカデミー賞史上最高齢の候補者となった。その後、2000年にはハリウッドのウォーク・オブ・フェイムに名を刻み、94歳で出演したヴィム・ヴェンダース監督作『ランド・オブ・プレンティ』(’04)が遺作となった。『タイタニック』で主役のジャックを演じたレオナルド・ディカプリオは「彼女はハリウッドの黄金時代を生きた最後の女優です。彼女と一緒に仕事ができたことを誇りに思います」と、ケイト・ウィンスレットも「素晴らしい女性(スチュアート)の訃報を受け、とても悲しく思います。彼女と知り合えて、共演できて光栄でした」と、それぞれコメントを発表した。(text:Yuki Tominaga)© AP/AFLO
2010年09月29日東京・銀座のフォトギャラリー「RING CUBE(リング キューブ)」にて、9月2日(水)よりマグナム・フォト所属アレックス・マヨーリの写真展「ONE JUMP!」が開催中。13日(日)には来場者10万人を突破した。14日(月)、アレックス・マヨーリが来日し、東京での写真展開催について語った。この「ONE JUMP!」は、2007年、カンヌ国際映画祭60周年と写真家集団、マグナム・フォト創設60周年を記念したコラボプロジェクト。報道写真をメインとし、セレブリティを撮る例があまりないマグナム。その中で、「LIFE」誌(現在休刊)の表紙など、各界著名人を数多く撮影していたマヨーリのマグナム・フォトの先輩、フィリップ・ハルスマンの名作「Jump」へのオマージュとして、「ONE JUMP!」がスタートした。写真展開催は、1回目のパリ展に続いて、今回が2回目となる。マヨーリはカンヌで、スターたちが報道陣の前を通り過ぎたあと、記者会見会場に向かうコースの途中にテントのような小さなスタジオを設置。彼らをつかまえ、とにかくジャンプしてもらうように頼んだ。最終的に撮影したのは約300人。その一部が今回の写真展で展示されている。「ジャンプをする瞬間は、その人を覆っているニセモノの仮面が剥がれ、本当のその人が現れる」と話すマヨーリ。中でも最も印象的だったのは映画監督の故シドニー・ポラックと、ヴィム・ヴェンダースだという。「シドニーは本当に優しい紳士で、レッドカーペットに向かう前にスタジオに寄ってくれたんだ。ヴィムは私のスタジオのことを聞きつけ、自らぜひ参加したい、とカンヌを発つ空港へ向かう途中にスーツケースを持ったまま来てくれたよ」。世界に名を馳せる日本人監督、北野武も参加。「キタノももちろん、映画監督はみんなプロジェクトを気に入ってくれて、積極的に参加してくれたよ。どちらかというと、俳優はジャンプしている間でも、自分をコントロールして、良く見せようとしてしまうんだよね」。展示されているのは、キアヌ・リーヴス、ブルース・ウィリス、クエンティン・タランテイーノ、ペネロペ・クルス、ソフィア・コッポラら憧れの映画人。それぞれのジャンプの仕方や表情に、思いがけない一面を発見することが出来るかもしれない。開催は10月4日(日)まで。アレックス・マヨーリ写真展「ONE JUMP!」期間:2009年9月2日(水)〜2009年10月4日(日)※休館日を除く場所:RING CUBE ギャラリーゾーン開館時間:11:00〜20:00(最終日17:00まで)休館日:火曜日入場料:無料■関連作品:第62回カンヌ国際映画祭 [映画祭]■関連記事:ペ・ドゥナ、駆け込みセーフに日本語で「遅れて申し訳…」ARATAも板尾もホッ…【カンヌ現地レポ 14】やんちゃぞろいの審査員たちの思惑…パルムドール決定の裏側【カンヌ現地レポ 13】52歳の新星!ブラピを喰った男演賞俳優クリストフ・ワルツ【カンヌ現地レポ 12】娘シャルロットの快挙に母ジェーン・バーキンも絶叫!【ハリウッドより愛をこめて】次世代アイドルC・クロフォードが『フットルース』に!
2009年09月15日