新垣結衣と星野源が共演する「逃げるは恥だが役に立つ」の新春スペシャルドラマに新キャストとして西田尚美と青木崇高が出演することが分かった。またタイトルも「ガンバレ人類!新春スペシャル!!」に決定した。スペシャルドラマでは、原作の10&11巻を基に、契約結婚から生まれた恋を経て、みくり(新垣さん)と平匡(星野さん)がついに本当の結婚を決めた連続ドラマのその後が描かれる。また、みくりの伯母・百合ちゃん(石田ゆり子)と風見涼太(大谷亮平)のその後の関係も描いていく。「半沢直樹」の“鉄の女”ぶりが話題となった西田さんが今作で演じるのは、百合の高校時代の同級生・花村伊吹。病院で看護師長として働いており、互いにキャリアウーマンとなった2人は、卒業以来34年ぶりに再会することに。一方、大河ドラマ「西郷どん」、『るろうに剣心』シリーズなどに参加する青木さんは、平匡の新しい職場の上司・灰原慎之介役で出演。コミュニケーションスキルは高いが、体育会系のノリで下ネタも話す、平匡とは対照的な役どころ。また、みくりと平匡に訪れる人生の一大事に関わるキャラクターでもある。西田さんは「実際にゆり子さんとは20年前にドラマ で共演して以来の共演だったので、セリフがすごくリンクして、本当に友達と久しぶりに会えた感覚で現場に居させていただきました」と撮影に参加した感想を語り、「『いろんな人がいる。いていいんだよ』っていう、見てくださる方の気持ちが楽になるような、そういう風になれば良いかな」とコメントしている。出演決定時は「ひっかきまわしてやろう」と思ったという青木さんは、「このドラマは悪者が出てくるっていう訳ではないですし、それぞれ等身大で、皆さんの周りにも居そうなキャラクターの人たちが描かれています。その複合体が社会なんじゃないかなって思いますし、そこを丁寧に描かれていると思いますので、ぜひ楽しみにしていてください」と視聴者へメッセージを寄せた。「逃げるは恥だが役に立つ ガンバレ人類!新春スペシャル!!」は2021年1月、TBSにて放送予定。(cinemacafe.net)
2020年11月03日映画『妖怪大戦争 ガーディアンズ』が主演・寺田心、監督・三池崇史で2021年に公開されることが決定した。1968年からの三部作から始まり、2005年の平成版が興行収入20億円の大ヒットを記録した映画『妖怪大戦争』が、令和の新たな時代と共に『妖怪大戦争 ガーディアンズ』となり帰ってくる。今回の主役は、今飛ぶ鳥を落とす勢いの名子役・寺田心。数奇な運命に導かれ世界の存亡をかけた戦いに挑む主人公・渡辺兄(わたなべけい)を演じる。監督は2005年版に引き続き、日本が誇る映画界の鬼才・三池崇史。脚本は『20世紀少年』シリーズ、『GANTZ』シリーズ、『ドラゴンボールZ 神と神』、『MONSTERZ モンスターズ』、『進撃の巨人 ATTACK ON TITAN』の渡辺雄介が務め、製作総指揮には角川歴彦と荒俣宏の名が連なる。誰もが知る有名妖怪を始め、映画オリジナルの妖怪、さらに今回は世界中のモンスターも加わる。ストーリーはフォッサマグナに眠る古代の化石たちがひとつに結集し、巨大な妖怪獣へと姿を変えるところから始まる。彼らが向かう先は東京。人間には天災にしか見えないこの襲来で、このままでは世界が滅んでしまう。これを止められるのは、伝説の妖怪ハンターの血を継ぐ埼玉県・所沢市の小学生である渡辺兄だけ。突然、“世界を救う勇者”に選ばれた少年と、彼を巻き込んだ妖怪たちの大冒険が描かれていく。初公開された劇中スチールには、迫りくる妖怪たちを背にまばゆく光る剣を抜く、これまでのイメージと異なる凛々しい寺田心が写し出されている。寺田と三池監督からのコメントは以下の通り。●寺田心僕が演じた兄(けい)は小学5年生「クラスにこんな子いたな」と思える等身大の男の子です。そんな兄(けい)がひょんなことから弟を、日本を、救う妖怪達との大冒険が始まります。僕はおばけとかそう言った類いのものが怖いので妖怪のあまりにリアルな作りと演技に撮影中はドキドキしっぱなしでした。また、初めてのアクションにも挑戦しています。いつも1人でする空想戦いごっこが生かされた様に思います(笑)。前回の妖怪大戦争を観ていたので意識したのですが三池監督の丁寧なご指導もあり、僕は僕が感じた兄(けい)を演じられたと思います。皆さんも来年、ドキドキそしてハラハラな冒険を僕といっしょにしてみませんか?●三池崇史今、こんな世の中だから、『アマビエ』さんが永い眠りから目覚めてみんなの前にその姿を現した。必然です。人間と妖怪はそういう関係です。だから今、新たな『妖怪大戦争』が生まれるのも宿命なのです。神木隆之介から寺田心にバトンが繋がれた。これもおそらく妖怪たちのご指名です。ならば観るのは人間の務め、ということですね。さあ、妖怪たちからのメッセージに耳を傾けよう。追伸:え〜と、出しちゃいけないでっかいヤツも暴れちゃうのでよろしく!『妖怪大戦争 ガーディアンズ』2021年公開
2020年09月23日2020年9月9日から放送の『トヨタ自動車』のミニバン『ヴォクシー』のCMで、俳優の青木崇高(あおき・むねたか)さんと妻で女優の優香(ゆうか)さんが夫婦として初共演。同CMには、青木崇高さんが登場する『父と娘』篇と、優香さんが登場する『母と息子』篇の2つがあります。青木崇高、親子デートでアドリブCMでは、青木崇高さんと優香さんがそれぞれ子供役と『親子デート』。2人がデートとしてとっておきの場所に子供を連れていくという、親心あふれるシーンを見ることができます。青木崇高出演CM『父と娘』篇青木崇高さんは、森林や海岸といった自然あふれる場所をドライブし、ワイルドな父親像を見せました。CMでは助手席の娘から「パパよりかっこいい人と結婚できるかな」と尋ねられ、「楽しみだな」と答えた青木崇高さん。実はこのシーンで青木崇高さんは「そんな奴いる訳ないだろ」とアドリブを入れたそうです。父親の本音ともいえる言葉に、撮影スタジオでは笑い声が響いたといいます。優香出演CM『母と息子』篇一方、『母と息子』篇では優香さんが母親としてハンドルを握り、息子とデートを楽しんでいました。優香さんはレザージャケットに赤い口紅というクールな姿。「こんなおしゃれでスタイリッシュなママなんてうらやましい!」と、見た人からは歓声が上がりました。優香・青木崇高出演CM『親子デート』ロング篇さらに、優香さんと青木崇高さんが共演する『親子デート』ロングバージョンはWEB動画として公開。2人の共演は結婚後初めてということで、注目が集まっています。青木崇高さんと優香さんは2016年に結婚後、2020年4月に第1子に恵まれました。2人の子供に対する愛情が、CMからも伝わってくるようです。青木崇高と妻・優香の結婚生活に「うらやましい」の声ブログのセンスがやばい…優香が出産を発表し「温かく見守って」『羊の木』での演技が「セクシーすぎる」と話題に[文・構成/grape編集部]
2020年09月10日映画監督の三池崇史が、新型コロナウィルス感染症の影響により映像制作が困難となったフリーランスの映画監督・助監督を支援する「カチンコProject」を発足したことが5日、明らかになった。同企画はコロナ禍中でのフリーランス映画監督の経済的不安な状況を打破するために行われる、賞金総額約2,000万円のコンテストとなり、5日より開催する。応募された企画は、日本映画業界を牽引してきた映画プロデューサーの審査により優秀企画賞等が選出され、賞金が贈られる。また今後はその支援の一貫として、応募された企画をリスト化し、新しい企画を求める製作者との橋渡しなど、映画化に向けた取り組みを支援していく。新型コロナウィルス感染の影響により、映画業界では撮影など大人数を集める行為ができなくなるなどの打撃を受けている。その結果、フリーランスで活動する多くの監督や助監督の経済的状況は不安定になっており、出口もいまだに見えていない。また日本映画業界という観点では、経済的に困難となった監督が現場を離れ他職へ移ってしまうという「才能ある監督の映画業界離れ」が危惧され始めたことから、三池監督が発起人となってプロジェクトが誕生した。応募対象者はフリーランスの映画監督・助監督で、応募内容は「今、あなたが撮りたい映画」の企画書。最優秀企画賞には賞金200万円(1本)、優秀企画賞には100万円(18本程度)が贈られる。コンテスト審査員には、上原寿一(フジテレビジョン)、臼井央(東宝)、紀伊宗之(東映)、北島直明(日本テレビ放送網)、小岩井宏悦(ワーナーブラザースジャパン)が名を連ねた。○発起人 三池崇史からの「同志であるフリーランスの監督・助監督」へ向けてのメッセージ「withコロナ」感染の恐怖。自粛社会の不安。確かなことは、「しばらくは、元の場所には戻れない」ということだ。映画人も例外ではありません。自粛要請を受け、撮影現場が停止し、映画館も従来のような興行が行えず。活動再開に向けて手探りはしてみるものの、その指先に触れるものはなにもない。大きな船に乗る者はともかく、ひとり裸で泳ぐ者にとってはなす術なし。いやしかし、このまま黙って沈むわけにはいかない。泳ごう。なんとか進もう。でも、どっちへ・・・あしたの映画のための企画発掘プロジェクトが始動します。題して、『カチンコ Project』。〜今、私はこんな映画を撮りたい!〜
2020年06月05日新型コロナウィルスによって大きな打撃を受けている映画業界。この度、また新たな支援企画が始動。映画監督・三池崇史が発起人となり、フリーランスの映画監督・助監督を支援する「カチンコ Project」が立ち上がった。フリーランスで活動する多くの監督や助監督の経済的状況は不安定になっており、現在出口も見えない状況。また日本映画業界という観点では、経済的に困難となった監督が現場を離れ、他職へ移ってしまうという「才能ある監督の映画業界離れ」が危惧されはじめた。そこで本プロジェクトでは、新型コロナウィルス感染症の影響により映像製作が困難となった、日本映画界の将来を担うフリーランスの映画監督・助監督を支援することを目的とした企画コンテストを6月5日より開催。応募された企画は、『るろうに剣心』シリーズや『ちはやふる』シリーズなど、日本映画業界を牽引してきた映画プロデューサーの審査により優秀企画賞などが選出され、賞金が贈られる(賞金総額は約2,000万円)。なお今後は、応募された企画をリスト化し、映画化に向けて製作側への橋渡しを検討していくという。三池崇史監督コメント「withコロナ」感染の恐怖。自粛社会の不安。確かなことは、「しばらくは、元の場所には戻れない」ということだ。映画人も例外ではありません。自粛要請を受け、撮影現場が停止し、映画館も従来のような興行が行えず。活動再開に向けて手探りはしてみるものの、その指先に触れるものはなにもない。大きな船に乗る者はともかく、ひとり裸で泳ぐ者にとってはなす術なし。いやしかし、このまま黙って沈むわけにはいかない。泳ごう。なんとか進もう。でも、どっちへ・・・あしたの映画のための企画発掘プロジェクトが始動します。題して、『カチンコ Project』。~今、私はこんな映画を撮りたい!~(cinemacafe.net)
2020年06月05日舞台から映像へ。何度も自信を失った1年だった俳優・永田崇人がデビュー5周年を迎える。「5周年」という数字に対し、当の本人はまだ受け止め切れていないような、少し不思議そうな表情を浮かべた。「まだ5年かというのもあるし、もう5年かというのもある。まだ自分でも気持ちが定まらないんです」初仕事は、大型テーマパーク『東京ワンピースタワー』内で上演されるライブ・エンターテインメントショー『ONE PIECE LIVE ATTRACTION』。そこで初代・ルフィ役を務めた。以降、ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」の孤爪研磨役など舞台を中心に活躍してきた。「年々、自分に対するハードルは上がってきています。昔はいい意味で怖いもの知らずだったというか、羽が生えたように自由だったんですけど、去年あたりからやっと地に足がつきはじめて、いろんなことに直面して。そのたびに自分ってダメダメだなと思うことが増えて、去年1年はすごく自分と向き合う1年になりました」お申込みはこちら(dpia-app://marupi?isLocked=0&marupiId=dbc4e289-0dd6-49ae-ab86-a4834bca315c)(撮影/高橋那月、取材・文/横川良明)
2020年03月13日窪田正孝が三池崇史監督と2008年のドラマ「ケータイ捜査官7」以来、約10年ぶりにタッグを組んだ『初恋』がついに公開。早くも鑑賞者からは、「窪田正孝に惚れた」「結婚して」「全力の俳優スペックが堪能できる」など、新型コロナウィルスを吹き飛ばすかのような熱い絶賛の声が止まらない。さらには「キャスティングの勝利」「ベッキーがヤバい」「染谷くんがいいキャラ」といったキャスト陣の濃さと、「パンチ効きすぎ」「『ミッドサマー』より血なまぐさい」といったバイオレンス描写に、“こんな初恋みたことない”と“騙された”人が続出している様子だ。世界が夢中になる三池ワールドの真骨頂カンヌ国際映画祭、トロント国際映画祭に続いて異例の全米先行公開となり、世界30以上の映画祭から招待されている本作。窪田さん演じる孤高の天才ボクサー・レオが偶然出会ったのは、借金のカタにヤクザに囚われているモニカ(小西桜子)。この若いカップルが偶然が重なりドラッグがらみで逃避行する、というベースラインはかつてクエンティン・タランティーノが脚本を手がけた『トゥルー・ロマンス』(’93)の三池版と言われている。また、激しいカーチェイスシーンや、バイオレンスの中を生き抜くピュアな男女の組み合わせには『ベイビー・ドライバー』(’17)のようという声も。だが、もとをただせば、タランティーノ監督作品をはじめ、最近の『ジョン・ウィック:パラベラム』なども大きく影響を受けているのは日本のヤクザ映画だったりする。本作と同じ東映配給の『孤狼の血』(’18)の大ヒット&高評価は記憶に新しいところだが、カンヌをはじめ、海外で本作が受けているのは三池監督らしい濃厚なバイオレンスとブラックジョークとともに、いまや絶滅危惧種となった“仁義”をきっちり通すヤクザの生き様をも描いてみせているから。確かに三池監督初のラブストーリーであり、「さらば、バイオレンス」と銘打たれているものの、それは真っ赤なウソ!?開始早々、窪田さんのボクサー姿に油断していたところに登場する、PG12ギリギリのシーンからもそれは明らかだ。窪田正孝の魅力もがっつり堪能「死んだ気になりゃ、やれるはず」そんな三池監督と、駆け出しのころオーディションから見出された窪田さんが満を持しての再タッグ!近年は原作ものの実写化を数多く手がけてきた三池監督が、久々の完全オリジナル作品で主演に選んだのが彼だった。才能溢れるボクサーながら天涯孤独、「これしかねぇから」とボクシングにしがみつくも、勝利を手にしてもその喜びをおくびにも出さない、ある意味“感情が死んでいる”青年を熱演する。「挑戦してみたかった」という念願のボクサー役だけあり、撮影1か月前から作っていったという肉体美とストイックなトレーニングの成果を覗かせる窪田さん。しかし、演じるレオは負けるはずのなかった相手との試合でまさかのKO負け。さらに病院での検査により、余命幾ばくもないことが分かる。すべてを失ったと思っていた、そんな日に出会ったのが、映画初出演というイノセントさがハマる新星・小西桜子が演じるモニカだ。彼女の不遇を知り、力になりたいと思うようになるレオ。しかも、彼女はヤクザのドラッグを持ち逃げしたと疑われ、彼らと、抗争相手のチャイニーズマフィアからも追われることになってしまう。「この拳で彼女を守る」。『HiGH&LOW』のスモーキーのようなダウナー系の窪田さんが、性被害者でもある彼女の思いを受け止めガチギレた瞬間に、多くの窪田ファンが歓喜の声を上げるはず。初恋を知ってからの彼の変わりようこそ、熱いのだ。「ベッキー覚醒」個性が暴走するキャラクターたちも見逃せない三池ワールド全開の中、強烈な個性で2人の初恋をかき乱す面々も見逃せない。そもそもモニカが追われる身となったのは、“ヤクザに見えない”ヤクザの策士・加瀬(染谷将太)が悪徳刑事・大伴(大森南朋)をそそのかし、組のドラッグを横取りしようとしたことが始まり。その渦中で恋人(三浦貴大)を殺された女性ジュリ(ベッキー)が怒り狂い、彼らに復讐しようとする。また、加瀬の策略により、すべてはチャイニーズマフィアの仕業と思い込まされてしまうのが、武闘派ヤクザ・権堂(内野聖陽)だ。東映任侠映画の高倉健のような昔気質の権藤は弟分・市川(村上淳)を引き連れ、チャイニーズマフィアと共存共栄しようとするトップの意向を気にする組長代行(塩見三省)が止めるのも聞かず、筋を通すために繰り出していく。日本映画界が誇るヤクザの本分を「めんどくせー」と言い放つ、姑息だが、どこかとぼけた染谷さん演じる加瀬が、銃で撃たれた後の姿にはドン引きしつつも目が離せなくなること必至。そんな加瀬とコンビを組むことになる、大森さん演じる大伴刑事の堕落っぷりもお見事。それぞれの思惑が決して交わらず、愛憎入り乱れた群像劇の決着の場が、郊外のホームセンターなのもシュールだ。何より、触れる者全員が大ケガしそうな、ベッキーの凄みあるキレっぷり!バラエティタレントとか昨今のスキャンダルとか、すべてぶっ飛ぶ彼女の覚醒は必見。さらに、チャイニーズマフィアの刺客で、“高倉健ファン”のチアチー役を演じるディーン・フジオカの実妹・藤岡麻美もキレのいいアクションを披露しており、今後注目を集めそうだ。『初恋』は全国にて公開中。(text:Reiko Uehara)■関連作品:初恋(2020) 2020年2月28日より全国にて公開Ⓒ2020「初恋」製作委員会
2020年03月06日三池崇史監督作品『初恋』で主演を務める窪田正孝さんに、撮影現場の様子を聞きました。僕が三池さんを海外へ連れていく。そんな夢もできました。「ジェイク・ギレンホールの『サウスポー』を観て、自分もボクサーを演じたいとマネージャーに話していたんです。まもなくして、このお話をいただきました。たまたまという言葉では片付けられない、運命みたいなものを感じました」三池崇史監督との約10年ぶりの本格タッグが話題の『初恋』。なにしろ、テレビドラマ『ケータイ捜査官7』(‘08年)で主演に抜擢した三池監督の「10年後に窪田正孝を起用した理由がわかる」という言葉に応えるべく歩んできたのだ。その眼力確かな監督の初のラブストーリーで演じるのは、余命が短いことを告げられたボクサー葛城レオ。何者かに追われる少女モニカを助けたことから、昔気質の武闘派ヤクザや悪徳刑事が入り乱れる抗争に巻きこまれていく。壮絶なアクションと笑いが炸裂する三池ワールドのなか、確かに恋が生まれていく世界に感動せずにいられない。「『初恋』というタイトルに戸惑う映画ですよね(笑)。クライマックスの撮影とか、よく死人が出ないなと(笑)。でも、そんなふうに初恋というものとほど遠い人たちが命を燃やすなかで、ひとつ花が咲いたところが、僕はとても好きだったので。キスとかラブシーンで恋を描いていない構成に身を置いたときに、すごくしっくりくるものがありました。普段、人前でイチャイチャしたりしないじゃないですか(笑)」試合シーンでは本物のボクサーを相手に演じた。そんなレオのハードさも、モニカに見せる優しさも寡黙さのなかに浮かびあがらせるあたりはさすがの実力。三池監督にもこの10年の成長を見せられたはず。「見せたいという意識はすごくあったんですけど、そう思ってる時点でかなわない。ただ、モニカ役の小西桜子ちゃんが当時の自分とまったく同じ立ち位置だったんですね。10年前は自分のことでいっぱいいっぱいだったけど、今回は彼女がいちばん良く見えるように誘導していく作業はしていて。成長というか、監督もそういうところは見ていてくださったみたいで」“世界のミイケ”と各国の映画祭に参加したことも刺激になった。「海外は自分にはほど遠いものだと思っていたけれど、欲も出てきました。ハリウッド映画に出たいというのではなく、面白い人たちと世界に認められる日本の映画を作っていきたい。今回はカンヌも監督のお名前で呼んでいただいたんですけど、次は僕が三池さんを海外に連れていきたいという夢もできた。いつになるか、わからないですけど(笑)」しかし、それだけ心酔している三池さんの連絡先を知らないそう。「連絡先を聞くことは、多分これからもないですね。三池さんとは現場で役者と監督という立場でしかいたことがないので、そうじゃない空間だと照れくさい(笑)。何年ぶりかで仕事でご一緒したときにいろいろ話を聞かせていただくという距離感が、ちょうどいいのかな。すごく大きな影響を受けた監督なので、余計そう感じるのかもしれないですね」『初恋』完全オリジナル脚本にして、三池監督初となるラブストーリー。監督/三池崇史脚本/中村雅出演/窪田正孝、大森南朋、染谷将太、小西桜子、ベッキー、村上淳、滝藤賢一、内野聖陽ほか2月28日全国公開。くぼた・まさたか1988年8月6日生まれ。神奈川県出身。‘06年に俳優デビュー。『ケータイ捜査官7』(‘08年)でシリーズ監督・三池崇史に主演に抜擢される。‘20年度前期の朝ドラ『エール』で主演を務める。※『anan』2020年3月4日号より。写真・小笠原真紀スタイリスト・菊池陽之介ヘア&メイク・及川美紀(NICOLASHKA)インタビュー、文・杉谷伸子(by anan編集部)
2020年02月28日窪田正孝を主演に迎え、三池崇史監督が初めて挑んだラブストーリー『初恋』が明日より公開。欲望渦巻く歌舞伎町を舞台に、疾走する“純愛”が描かれる。カンヌ映画祭監督週間や、トロント映画祭ミッドナイト・マッドネス部門での上映で映画ファンを大いに沸かせ、異例の全米先行公開が成された本作。世界30以上の映画祭から招待され、米批評家サイトRotten Tomatoesでは“97%フレッシュ”という高評価を獲得(2月14日時点)している。物語の筋書きはこうだ。新宿歌舞伎町で、余命いくばくも無いと知らされたプロボクサーが、裏社会の陰謀から逃げる少女を助けるために、事情を知らずに悪徳刑事を“KO”したことから問題続発。彼はなぜか追われる身となり、ヤクザ、チャイニーズマフィア、そして警察組織が入り乱れ、大抗争に巻き込まれることになるのだ。しかし、「死んだ気になりゃ、やれるはず」。彼は少女を守ると心に決め、立ち上がる。そんな本作で、余命宣告されるプロボクサー・葛城レオを演じるのが窪田。余命いくばくもないと知り絶望する姿から、少女を守るため強大な存在に立ち向かっていく姿まで、繊細さと大胆さを自在に操ることができる窪田だからこそのキャスティングだ。そして、ヒロインのモニカ役を務めるのは超大型新人の小西桜子。公開されて間もない『ファンシー』にて商業映画初出演を飾ったばかりの彼女が、若手からベテランまでの豪華俳優陣に囲まれて、夜の世界に蝕まれるヒロインをみずみずしく演じ上げている。さらにふたりは『ファンシー』でも共演しているのだから、両作での関係性の違いにも注目だ。彼らを翻弄し、また彼らに翻弄される者たちを演じるのは、先述したように非常に豪華な面々。裏で手を組んでいる刑事の大伴と、ヤクザの策士・加瀬に、それぞれ大森南朋と染谷将太。そして、オールドスタイルの武闘派ヤクザ権藤役の内野聖陽をはじめ、恋人を殺されて復讐に燃える女ジュリ役にベッキー、組の核弾頭・市川役を村上淳、組長代行に塩見三省が扮する。濃厚なキャラクターたちが勢揃いだ。この並びからして、三池組だからこそ成し遂げられたものとも思える。世界中の映画ファンを虜にする三池監督による“初の”ラブストーリーとあって、そちらにばかり話題が集中するが、しかしそこはやはり三池作品。過激なバイオレンス描写も、絶妙なユーモアセンスとともに取り入れられている。そんな三池映画の真骨頂を、ぜひとも見逃さないでいただきたい。『初恋』2月28日(金)より全国公開
2020年02月27日2月28日公開の映画『初恋』の外国特派員協会試写会&記者会見が25日、東京・丸の内の日本外国特派員協会で行われ、窪田正孝、三池崇史監督が出席した。本作は、三池崇史監督にとって初めての恋愛映画で、新宿・歌舞伎町を舞台に余命いくばくもないプロボクサーが、ヤクザに身売りされて囚われの身となった少女を助けようと奮闘するラブストーリー。主人公のプロボクサー・葛城レオを窪田正孝が、ヒロインの少女・モニカには新人女優の小西桜子が演じており、カンヌ国際映画祭の監督週間やトロント国際映画祭のミッドナイト・マッドネス部門で上映されて世界の映画ファンを魅了した。三池監督とは2008~2009年にテレビ東京で放送されたドラマ『ケータイ捜査官7』以来、実に約10年ぶりにタッグを組んだ窪田は「当時は19歳で右も左も分からない現場でひたすら芝居をしていました。10年経って三池さんと会って、サングラスもすごく柔らかくなって昔のキリっとした鋭利のようなものが丸くなり、僕も緊張が溶けたのか喋りやすかったです」と10年の変化を述べながら、「錚々たる役者さんが三池監督とやりたいと思う現場の魅力が監督の現場にはあります。違う現場に行って三池監督のすごさを改めて感じました」と感想を。三池監督は「鏡を見ると10年歳を取ったし、窪田くんは10年で出世したなと思います。神様って冷たいなと思いました」と笑いを誘っていた。ヒロイン役にはオーディションで選ばれた小西桜子を抜てき。演技経験はほとんどない小西を選んだ理由について三池監督は「10年前にオーディションで窪田くんを見た時、その瞬間からホッとしました。主人公がいたと。小西さんは演技の経験もないし技術的にはまだまだこれからですが、自分とこの作品にとって彼女はすでにこの企画が始まる前から存在していたと思えるエネルギーを持った人です。本当に出会えて良かったですよ」と満足げ。共演した窪田は「10年やってきて知らない間に芝居の答えを身に着けてしまったと彼女を見て心が洗われる感覚になりました。芝居をしたことがないからこそ、その答えが無限にあり、監督の演出に純粋に応える柔軟さを感じました。10年前の自分を思い出したし、彼女が10年経った時に僕が越されないように頑張らなければいけないなと思いましたね」と刺激を受けた様子だった。映画『初恋』は、2月28日より全国公開。
2020年02月26日カンヌ、トロントに続いて異例の全米先行公開となり、世界30以上の映画祭から招待されている三池崇史監督×窪田正孝主演の映画『初恋』。三池監督“初”のラブストーリーで、ヒロイン・モニカを演じるのは応募総数約3,000名の中から抜擢された新星・小西桜子。今回、そのオーディションに立ち会ったプロデューサーや小西さんからコメントが到着した。小西さんはこれまで、モデル活動や、自主映画、MVへの出演はあったものの本格的な演技経験が殆どない中での大抜擢。キャスト発表時には、Yahoo!リアルタイム検索ランキングで1位になるほど大きな話題となった。主演の窪田さんとは現在公開中の映画『ファンシー』でも共演している。本作で演じるモニカは不遇な家庭環境からヤクザに身売りされ、囚われの身となっている少女。歌舞伎町で悪徳刑事の大伴(大森南朋)から逃げる際に偶然レオ(窪田正孝)と出会ったことで、物語は歌舞伎町を舞台に思いもよらぬ展開を迎える。モニカはこうした境遇にありながらピュアな心の持ち主という、相反する要素が求められる役柄。3,000人もの応募の中から、イメージのついていない真っ白な存在を探し続け、オーディション最終日が終わりかけたときに小西さんが現れたそう。彼女が会場に入ってきた瞬間、三池監督は「きたね」と笑みを見せていた、と明かすのは本作のプロデューサーを務める紀伊宗之。「三池さんいわく、芝居の上手い子はいっぱいいるんです。でも、いくら上手くてもそれはあくまで“芝居”でしかない。それよりは、本人の醸し出す雰囲気やムードが、どれだけモニカという役にフィットするかどうかを大事にしました」と語る。一方、役が決まった当時、「腰を抜かすくらい驚きました」と心境を明かす小西さん。映画の出演はほとんど初めてだったため、「キャストの皆さんにたくさんは助けていただいた」とふり返る。モニカを演じる上での不安もあったそうだが、「自分のまっさらな状態を引き出していただいたので、当時の私にしか出せないものが出せてたと思います」と自信をみせる。「“だからこそお芝居に正解はないし、失敗もないんだよ”という監督の言葉に支えられました」というように、彼女の自然な演技を引き出した三池監督の確かな演出力が発揮されている。本作に出演し「今までの人生で一番刺激的で、幸せな時間でした」と、まさに“人生で最高に濃密な一夜”を描いた映画さながらの経験を得た小西さん。今後の活躍に期待が膨らむ彼女が、等身大で演じた初めての大役に注目だ。『初恋』は2月28日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:初恋(2020) 2020年2月28日より全国にて公開Ⓒ2020「初恋」製作委員会
2020年02月09日三池崇史監督、窪田正孝主演の映画『初恋』が今年4回目を迎えたマカオ国際映画祭フライングダガー部門に出品され、窪田さんと内野聖陽、ベッキー、三池監督が参加した。同映画祭は、現地の若い世代の映画文化を反映し、人気作やジャンル作品を中心に構成される国際映画祭。三池監督は第1回マカオ国際映画祭に『土竜の唄 香港狂騒曲』で参加して以来2回目、窪田さんらは今回が初参加。出品された「フライングダガー部門」(Flying Daggers section)とはノンコンペティションで、世界から選りすぐりのジャンル映画を上映する部門となる。窪田正孝、念願のボクサー役を「頑張りました!」と笑顔12月7日(土)に行われた海外メディア向けの囲み取材には、アジアメディア、インターナショナルメディアが集結。三池監督は、多岐にわたるジャンルの作品を手掛けるなかで香港映画からの影響は受けているかという質問に対し「僕は映画監督になりたかったというよりも、ブルース・リーになりたかった!カンフー映画は子供頃からたくさん観ているので、監督として以前に人間として影響受けている」と答え、ジャッキー・チェン以前の香港映画からも強い影響を受けていることを明かした。窪田さんは、役作りについて聞かれると「ジムのシーンを一日で、前日は試合のシーンがそれぞれ1日で撮影したのは体力的に辛かったですが、念願のボクサー役だったので頑張りました!(笑)」と、厳しい撮影を笑顔でふり返る。また、ベッキーさんは、本作に携わった感想を聞かれ、「憧れであった三池監督に声をかけていただいたので、すぐに出演のお返事をさせていただきました。私が感情爆発させる時は皆さんが空気を作ってくれて。明るすぎるわけでも、暗すぎるわけでもなく、居心地のいい現場だった。シーンに合う現場でやりやすかったです」と感無量の様子でコメントした。「誰よりも現場を楽しんでいる姿が10年間変わらない」三池監督マカオ国際映画祭の印象について聞かれると、窪田さんは「ギラギラでした!これからたくさんの海外の方々に見ていただく中でジャンルを問わず映画って楽しいなって思っていただけると嬉しいです」、そして三池監督は「マカオは1回目に来た時からギラギラしていました(笑)。マカオ映画祭は4回目を向かえて成長してきていると思うしこれからも楽しみな映画祭です」とコメント。三池監督とほかの監督との違いについて問われた窪田さんは「いろんな現場でやってきた中で、誰よりも現場を楽しんでいる姿が10年間変わらない三池監督はすごい。主要キャストだけでなく、通行人や周りの出演する人全員に対して愛をもって役を導いているのは素晴らしいなと思う」と明かす。内野さんは「映画にかけるやんちゃぶりは素敵だと思う。日本映画の現場はいろんな制約があるものの、前向きに捉えて、作品を愛して戦い続ける姿は見ていて嬉しかった。高みに挑んでく姿は、みんながついていきたくなるくらい、三池監督の映画愛は別格」と絶賛。ベッキーさんも「初めてご一緒したのに、こんなに私を理解してくださる方がいるんだって有難かったです」と、それぞれ三池監督に対する特別な思いがあることを明かした。さらに、本作での海外映画祭は初めての参加となった内野さんは、「実際に三池監督の作品がどのように受け入れられているのか反応をみるのが楽しみです。私は劇中でバイオレンス担当なのですが、そのようなところもどのようにみられているのか楽しみです」と答え、観客の反応に期待している様子だった。レッドカーペット&舞台挨拶も大歓声「海を越えて一人でも多くの人に」同日の夜に行われたレッドカーペットでは多くの観客が詰めかけ、大きな歓声が止まないなか4人のサインを求める人々で溢れかえっていた。そんな熱烈的なファンの声援に、ひとつひとつ丁寧に答えるなか10分ほど押して舞台挨拶がスタート。600席の場内がほぼ満席となる中、窪田さんが広東語でひと言挨拶をすると会場からははちきれんばかりの黄色い歓声が!続けて、「この作品を通して、日本映画の素晴らしさが海を越えて一人でも多くの人に届くといいなと思っています。渾身の力作なので、観終わった人に身近な助けてくれる人へ感謝の気持ちが芽生えてくれたら嬉しいです」と本作にかける熱い思いを明かした。内野さんも広東語の挨拶でファンを沸かせると、「今や絶滅危惧種となっているヤクザという過激な役を演じています。ぶっとんだ映画になっていますので、最後まで楽しんでください」とコメント。エンドロールでは万雷の拍手が鳴りやまず、上映後には盛大な歓声があがっていた。「カンヌの時はお客さんと一緒に作品を見られなかったけれど、今日皆さんと観られて、笑いたいところは笑うという素直に映画を楽しんでいる様子を伺えて嬉しかったです!」と窪田さん。観客もキャストも大興奮の様子となった。現地の観客からは、「役者の方もみんな素晴らしくて、窪田さんの目の演技がすごい!」「バイオレンスも激しかったけど、しっかり純愛も描かれていて感動した」「窪田ファンなので、全然他の作品と演技が違くてよかった!素晴らしい!」といった声が上がっていた。『初恋』は2020年2月28日(金)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:初恋(2020) 2020年2月28日より全国にて公開Ⓒ2020「初恋」製作委員会
2019年12月09日第72回カンヌ国際映画祭2019「監督週間」に選出されたことも話題となった三池崇史監督×窪田正孝主演の映画『初恋』が、日本に先駆け、9月に全米で先行公開されることが決定した。今年5月にフランスで行われたカンヌ国際映画祭では、世界の三池ファンを大いに沸かせた本作。現地で行われた2度の上映はいずれも超満員となり、作品の評判を聞きつけた各国の関係者から、映画祭の招待や公開の相談が相次ぎ、30以上の映画祭から招待を受けているという。そんな中、公開をいち早く決めたのが全米。日本では来年の公開を予定しているが、全米では今年9月27日(金)に初日公開が決定、実写邦画としては大規模な100館程度での上映を予定している。三池監督は「いや、驚きました。日本に先駆けて全米で公開とは……アメリカの観客にとって『初恋』は、『ダンボ』とか『アラジン』とかと同じに見えるのだろうか?」と驚き、「ま、確かに歌舞伎町の『ライオン・キング』と言えなくもないかな。ま、腹を括って、日本の[恋愛映画]がどこまで通用するか見てみましょう」とコメントしている。これに伴い、全米プロモーション用のインターナショナルTrailer【米国版】とビジュアルも到着。プロボクサー役の窪田さんはもちろん、刑事役の大森南朋や染谷将太、滝藤賢一らの姿が映し出され、本作のアンダーグラウンドな世界観を覗くことができる。またラストでは、女性をかばうようにして銃を構える窪田さんの姿も!さらに本作は、9月5日からカナダで開催される北米最大の映画祭「第44回トロント国際映画祭」のミッドナイト・マッドネス部門への出品も決定した。『初恋』は2020年2月、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)■関連作品:初恋(2020) 2020年2月、全国にて公開予定Ⓒ2020「初恋」製作委員会
2019年08月09日三池崇史監督と窪田正孝がタッグを組んだ映画『初恋』が、第72回カンヌ国際映画祭2019「監督週間」に選出。この度、三池監督や窪田さんらが渡航した現地記者発表の模様を写した写真が到着した。行われた記者発表には、主演の窪田さんをはじめ、今回オーディションで3,000人の中から物語で重要な役、モニカ(桜井ユリ)を射止めた小西桜子、三池監督らが登壇。今回初めてのカンヌとなった窪田さんは「聖地に連れてきてもらい感無量です」と心境を明かし、「カンヌは空気が違って、映画ファンも世界各国のメディアもたくさんいて…とても気分がいいです!テンション上がってます!」と笑顔。また「作品はパワフルでスピード感がすごくて、観る者の目を惹きつける力があり、自分自身も熱くなるものがありました。世界の人に観てもらいたい」と作品についても熱く語る。同じく、初のカンヌ参加となった小西さんは「今ここにいることが夢みたい。こんな機会滅多にないと思うので一生残る経験になると思います!」と緊張しながらも笑顔でコメントしていた。一方、カンヌ映画祭は2年ぶり7回目の参加、「監督週間」には4年ぶり3回目の選出となった三池監督は「みんなでつくり上げた作品が、自分たちを昨日と違う景色へ連れて行ってくれる。映画とは夢のあるもの。映画を観客と共に観るというのは格別な時間でありとても楽しみ」と上映を心待ちにしていると語り、「今の時代にしかつくれないものが、素晴らしいキャスト共につくれた。自分たちのつくりたいものがこの時代につくれて光栄」と自信をみせた。また、三池監督と窪田さんの再タッグについては「彼とは『ケータイ捜査官7』で出会った。ハードなスケジュールの中、カンヌに駆けつけてくれて非常に嬉しいし、やっぱり“映画の人間”なんだと思った」(三池監督)、「三池監督とは右も左もかわらない時にお会いしたんですが、第一印象は、すごく怖い人(笑)1年間もんでいただいて、指導というよりは現場で感じさせていただいた」「ずっとやりたかったボクサー役で、三池監督が言ってくださった10年後にまた、三池さんの世界に没頭できたことは幸せでした」(窪田さん)とそれぞれ思いを明かした。そして、先ほど発表された豪華キャストたちとの共演について、窪田さんは「他の共演者の方とほとんど絡んでいないんですが(笑)」と言いつつ、「皆さんそれぞれに誰も被らないカラーがあり、一緒に芝居をしている中で、本能的なものを非常に感じ、それがとても印象に残っています」とコメント。最後に、三池監督は「出来上がってしまえば、観る方の判断。今回の機会が、また違う作品をつくれるきっかけになればいいなと思っている。観客の反応は気になるけどそれはもうお客さん次第なので、ただ楽しでほしい」とこれから映画を観る人へ向けた。窪田さんは「三池さんの人柄は昔から変わってないです。“遠くない親戚のおじさん”のような存在」と言い、「三池さんがカンヌに行かれている記事を見る度に自分も行きたいな、三池さんと今度はいつできるんだろと思っていましたけど、やるべきことを自分はやるんだと思い続けていたんです。そしてまたこうやって再会できた。10年前が自分の原点です。三池さんは僕の恩師ですね」と監督への思いを明かしていた。なお、5月17日18時45分~(現地時間5月17日11時45分~)本作の公式上映も行われる。『初恋』は2020年、全国にて公開予定。(cinemacafe.net)
2019年05月16日三池崇史監督、窪田正孝、小西桜子が現地時間15日13時からフランス・カンヌで開催された第72回カンヌ国際映画祭に出席した。映画『初恋』(2020年公開)が「監督週間」に選出され、カンヌ国際映画祭に参加した3人。同作は、希有の才能を持つプロボクサー・葛城レオ(窪田)が、負けるはずのない相手との試合でKO負けを喫したことから、人生の歯車が一気に狂い、アンダーグラウンドの世界で巻き起こる人生で最高に濃密な一晩を描く。窪田以外のキャストも正式発表され、大森南朋、染谷将太、小西桜子、ベッキー、村上淳、塩見三省、内野聖陽と豪華キャストが集結。小西はオーディションで3,000人の中から、物語の重要な役どころ、モニカ(桜井ユリ)を射止めた。今回初めてのカンヌ参戦となった窪田は「カンヌという聖地に連れてきてもらい感無量です。作品はパワフルでスピード感がすごくて、観る者の目を惹きつける力があり、自分自身も熱くなるものがありました。世界の人に観てもらいたい」と熱く語り、「カンヌは空気が違って、映画ファンも世界各国のメディアもたくさんいて……とても気分がいいです! テンション上がってます!」と笑顔を見せる。同じく初カンヌの小西も「今ここにいることが夢みたい。こんな機会滅多にないと思うので一生残る経験になると思います!」と興奮。初のメディア取材で緊張の面持ちを見せながらも「この作品が初のカンヌの地で感無量です。三池監督に連れてきてもらい、私も感無量です」とコメントした。今回、カンヌ映画祭は2年ぶりで7回目の参加となる三池崇史監督は「みんなでつくり上げた作品が、自分たちを昨日と違う景色へ連れて行ってくれる。映画とは夢のあるもの。映画を観客と共に観るというのは格別な時間でありとても楽しみ。ジェレミー(プロデューサー)からも率直な感想もらいながらつくっていた。今の時代にしかつくれないものが、素晴らしいキャスト共につくれた。自分たちのつくりたいものがこの時代につくれて光栄」と自信を見せた。三池監督はさらに『ケータイ捜査官7』以来、10年ぶりの主演での窪田との再タッグについて「国民的スター窪田が主演をやってくださって、いいやつだな、と(笑)。彼とは『ケータイ捜査官7』で出会った。ハードなスケジュールの中、カンヌに駆けつけてくれて非常に嬉しいし、やっぱり“映画の人間”なんだと思った」と称賛。窪田も「三池監督とは右も左もかわらない時にお会いしたんですが、第一印象は、すごく怖い人(笑)。1年間もんでいただいて、指導というよりは現場で感じさせていただいた。『十三人の刺客』(10)の時も、先輩方の背中を見ながら、葛藤しながら、もっと頑張りたいと思っていました」と振り返る。窪田も「『ケータイ捜査官7』の時、“あいつを選んだ理由がわかる”と言ってくれたのがすごい印象に残っています。ずっとやりたかったボクサー役で、三池監督が言ってくださった10年後にまた、三池さんの世界に没頭できたことは幸せでした。映画やTVに出させていただいている中で演者としてフラストレーションが溜まることが、役者さんは誰しももっているかと思うのですが(笑)、今回そういった感情がみんなこの作品を通して爆発していて……観ていただいたらわかると思います。日本の映画はこうあるべきだと思うし、こういう生き方をしたいと思いました。感無量です」と感動を表した。三池監督は「役者で生きていこうと思う人間の根っこには、アウトロー的な血が流れてると思う。今回出演した役者たちは、それぞれの役に共鳴していたと思うし、だからこそリアリティが生まれた。今回の作品を通して、役者というのは、人間が抱える“喜び”と“ストレス”を生かすという職業なのだと、改めて感じた。そういう要素は、アウトロー的な映画をつくる我々にとってはとてもいい状況」と語る。窪田は「三池さんがカンヌに行かれている記事を見る度に自分も行きたいな、三池さんと今度はいつできるんだろと思っていましたけど、やるべきことを自分はやるんだと思い続けていたんです。そしてまたこうやって再会できた。10年前が自分の原点です。三池さんは僕の恩師ですね」とかみしめつつ、「明日日本に帰ってしまうので、観客の方々のリアルな反応を見れないのがすごく残念です」と心境を吐露。「だけど、錚々たる型にはまらない方々が揃っている映画です。そんな映画を三池さんがまとめている、それが『初恋』です」と改めてアピールした。(c) Kazuko Wakayama
2019年05月16日三池崇史の最新作、映画『初恋』 が主演・窪田正孝で2020年2月28日(金)に公開。主人公は天才プロボクサー、三池崇史初のラブストーリー『初恋』は、カンヌ国際映画祭2019「監督週間」に選出された、三池崇史による原作のないオリジナル作品。三池初のラブストーリーだ。ある試合での敗戦がきっかけで、人生の歯車が一気に狂いだしてしまった天才プロボクサー葛城レオが体験した、アンダーグラウンドの世界で巻き起こる濃密な一晩を描く。“アングラ世界”の登場人物に、豪華キャスト集結!ディープなアンダーグラウンドの世界に登場するキャラクターたちを演じるのは、日本を代表する豪華キャスト勢。主演は、『東京喰種 トーキョーグール【S】』の出演を控える窪田正孝。また『ビジランテ』の大森南朋、『空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎』『パラレルワールド・ラブストーリー』の染谷将太といった人気俳優らが主演の脇を固める。葛城レオ(窪田正孝)希有の才能を持つプロボクサー。負けるはずのない相手との試合でKO負けを喫したことから、人生の歯車が一気に狂い、アンダーグラウンドの世界に足を踏み入れてしまう。大伴(大森南朋)アンダーグラウンドに足を踏み入れた刑事。自らの正義を振りかざし、悪をも牛耳ろうと画策している。加瀬(染谷将太)ヤクザの策士。組織の中でうまく上りつめるが、綻んだ計画から組織内で目をつけられてしまう。権藤(内野聖陽)ヤクザきっての武闘派。喧嘩っ早さから敵も多く、チャイニーズマフィアから恨みをかっている。ジュリ(ベッキー)ヤクザの一員であるヤス(三浦貴大)の彼女。見た目に反して純粋で、一度キレたら止まらない。その他、村上淳や塩見三省といった人気キャストらが、凄みのきいたキャラクターたちを熱演する。カンヌ映画祭で公式上映カンヌ映画祭で『初恋』が、公式上映された。カンヌ映画祭は2年ぶりで7回目の参加となる三池崇史監督は「みんなでつくり上げた作品が、自分たちを昨日と違う景色へ連れて行ってくれる。映画とは夢のあるもの。映画を観客と共に観るというのは格別な時間でありとても楽しみ。」とコメント。初のカンヌ参戦となる窪田は、「カンヌという聖地に連れてきてもらい感無量です。作品はパワフルでスピード感がすごくて、観る者の目を惹きつける力があり、自分自身も熱くなるものがありました。世界の人に観てもらいたい」と満面の笑みをみせた。全米では先行公開へ日本公開より早い2019年9月27日(金)に全米公開へ。実写邦画としては大規模な100館程度での上映を予定している。なお、それより一足先に開催される北米最大の映画祭「第44回トロント国際映画祭」のミッドナイト・マッドネス部門に出品されることも決定した。【詳細】『初恋』公開:2020年2月28日(金)監督:三池崇史出演:窪田正孝、大森南朋、染谷将太、小西桜子、ベッキー、三浦貴大、藤岡麻美、顏正國(YEN CHENG-KUO)、段鈞豪(TUAN CHUN-HAO)、矢島舞美、出合正幸、村上淳、滝藤賢一、ベンガル 、塩見三省、内野聖陽企画・プロデュース:紀伊宗之プロデューサー:坂美佐子 前田茂司 伊藤秀裕 小杉宝共同プロデューサー:飯田雅裕監督:三池崇史脚本:中村雅音楽:遠藤浩二<あらすじ>舞台は、さまざまな事情を抱えた人間たちが流れ込む欲望の街・新宿歌舞伎町。天涯孤独ながら希有な才能を持つプロボクサーの葛 城レオが、負けるはずのない相手との試合でKO負けを喫し、試合後の診察で余命いくばくも無い病に侵されていることを知る。自暴自棄になったレオが、気もそぞろに繁華街を歩いていると、男に追われる少女に出くわす。ただ事ではない様子を察 したレオは条件反射的に男をKO。気を失った男のポケットにあった、警察手帳をとっさに懐へとしまうと、少女の後を追った。少女はモニカと名乗り、親の虐待から逃れるように街へ流れついて、ヤクザに囚われていたことを明かす。KOされた男 は悪徳刑事・大伴でヤクザの策士・加瀬と裏で手を組み、ヤクザの資金源となる“ブツ”を横取りしようと画策、モニカを見張っていたのだ。ヤクザと大伴から追われる身となったレオだが、モニカと自らの境遇が重なる部分もあり、どう せ短い命ならと半ばやけくそで彼女を救おうと決意する。一方で、モニカと共に資金源となる“ブツ”が消えさらにヤクザの一員・ヤ スが殺されたことを彼女のジュリから知らされる組員一同は、組長代行の基で今にも一触即 発の様相を呈している。一連の事件をチャイニーズマフィアの仕業だと踏んだ組随一の武闘派・権藤が組の核弾頭・市川と共に復讐を決意し、ジュリも後を追った。 ヤクザとチャイニーズマフィアに悪徳刑事。ならず者たちの争いに巻き込まれた孤独なレオとモニカが行きつく先に待ち受けるもの とは……。欲望渦巻く繁華街で出会った孤独な二人が過ごした、人生で最も濃密な一夜の結末や如何に。
2019年04月29日現在放送中の主演ドラマ「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」も話題の窪田正孝が、三池崇史監督最新作『初恋』で主演を務めていることが分かった。本作は、コメディタッチのものからバイオレンス、ホラーまで様々な作品を生み出し続ける三池監督初のラブストーリーで原作のないオリジナル作品。カンヌ国際映画祭2019「監督週間」に選出され、『FIRST LOVE』の英題が付けられている。主演を務めるのは、放送中の「ラジエーションハウス~放射線科の診断レポート~」で天才的診療放射線技師を演じ、また新たな一面を見せる窪田さん。今後も『Diner ダイナー』や『東京喰種トーキョーグール【S】』、連続テレビ小説「エール」と続々と出演作の公開&放送が控えている。本作では、そんな窪田さんが扮する希有の才能を持つプロボクサー・葛城レオが、負けるはずのない相手との試合でKO負けを喫したことから、人生の歯車が一気に狂い、アンダーグラウンドの世界で巻き起こる人生で最高に濃密な一晩を描いていく。三池監督とは「ケータイ捜査官7」以来約10年ぶりのタッグとなる窪田さん。そのオーディションで監督と初対面したそうで、当時をふり返り「現場で監督が演出する1カット1カットがとにかく面白くて、その魅力に、その空間にしがみついて役を生きていたいと当時感じたのを思い出しました」と語る。そして「再び、三池ワールドに帰ってくる機会をもらえて本当に嬉しかった」と今回の出演を喜び、「挑戦してみたかったボクサー役。もう一度、面と向かって監督とセッションできたのは本当に幸せな時間でした」と明かしている。またカンヌ映画祭は2年ぶり7回目、「監督週間」には4年ぶり3回目の選出となる三池監督は「初めて撮ったラブストーリーがカンヌに選ばれた。幸せです。バイオレンスよ、さらば!!」とコメントしている。『初恋』は2020年、公開予定。(cinemacafe.net)
2019年04月26日カンヌ国際映画祭2019「監督週間」に選出された三池崇史監督最新作『初恋』(英題:FIRST LOVE)が、2020年に公開されることが26日、明らかになった。窪田正孝が主演を務める。同作は、希有の才能を持つプロボクサー・葛城レオ(窪田)が、負けるはずのない相手との試合でKO負けを喫したことから、人生の歯車が一気に狂い、アンダーグラウンドの世界で巻き起こる人生で最高に濃密な一晩を描く。窪田と三池監督は『ケータイ捜査官7』以来約10年ぶりのタッグに。世界各国の映画祭の常連である三池監督だが、カンヌ映画祭は2年ぶり7回目、「監督週間」には4年ぶり3回目の選出となる。同作は東映配給により全国で公開される。○三池崇史監督コメント初めて撮ったラブストーリーがカンヌに選ばれた。幸せです。バイオレンスよ、さらば!!○窪田正孝コメントケータイ捜査官7のオーディションで三池監督と初対面してから約10年が経ちます。現場で監督が演出する1カット1カットがとにかく面白くて、その魅力に、その空間にしがみついて役を生きていたいと当時感じたのを思い出しました。再び、三池ワールドに帰ってくる機会をもらえて本当に嬉しかったです。挑戦してみたかったボクサー役。もう一度、面と向かって監督とセッションできたのは本当に幸せな時間でした。今作がカンヌ国際映画祭「監督週間」にも選出され、三池さんにまた新しい世界を魅せてもらえた気がします。本当に底知れない人間的魅力、チカラ、器が三池監督にはあるのだと思います。話してると普通の大阪のオッサンなのに。笑映画 『初恋』ぜひ、よろしくお願い致します。
2019年04月26日注目選手がぞくぞくと!’19フィギュアスケートの展望を小塚崇彦さんが教えてくれました。男子シングルも、女子同様、日本選手を中心にメダル争いが繰り広げられるのだろうか。宇野昌磨/Shoma Uno (JPN),DECEMBER 6, 2018 – Figure Skating :2018 ISU Grand Prix of Figure Skating FinalMen’s Short Programat Doug Mitchell Thunderbird Sports Centre, Vancouver, BC, Canada.(Photo by YUTAKA/AFLO SPORT)「世界選手権は、やはり、羽生結弦選手と宇野昌磨選手のふたりが中心になると思います」アメリカのネイサン・チェン選手を筆頭に、ふたりよりも難度の高い構成で挑んでくる選手はきっといるはずだが、それでも小塚さんはこう予想する。「両選手のプログラムには、抜け目がないですよね。トランジションと呼ばれる、ジャンプやスピンといった要素と要素の間のつなぎを、すごく大切にしています。よく、“難しい入り方からのトリプルアクセル”といった解説を耳にすると思うんですが、ジャンプの前後に難しい動作を入れるのは、あくまでジャンプの加点をもらうため。それを入れながら、なおかつ、その間にも、難しいターンを入れたり、上半身の大きな動きをつけたりして、途切れないスケートをしているのが、つなぎがあるということ。実はジャンプを跳んだ後に、つなぎを入れるのは、難しいことなんです」でも、これが、PCS(プログラムコンポーネンツ)と呼ばれる演技構成点に反映され、得点にかかわってくるのだという。「見ていると、ただ足をクロスさせながら滑っているだけ、という選手が意外に多い。そんな中で、日本の2選手、特に羽生選手の演技には、つなぎがたくさん入っています。グランプリファイナルで3位に入った韓国のチャ・ジュンファン選手も、そこを意識して滑っていると感じます。ふたりとも、同じブライアン・オーサーコーチに師事していますが、こういうところもチーム・オーサーの強さの秘密だと思います」中国のボーヤン・ジン選手は、「そこに気づいて、つなぎを入れようとしているんだけど、それによってジャンプに影響が出てしまっているという段階ではないでしょうか。でも、少し前までの彼は“高難度ジャンプを跳ぶ選手”というイメージでしたけど、最近はとても個性が出てきましたよね。演技を見ていても、楽しいな、面白いなという部分が感じられるので、これからが楽しみです」そして、もうひとつ、ルール改正も戦いを左右するという。「羽生選手が、平昌五輪で4回転ループジャンプを回避して、4回転トウループとサルコウの2種類だけで、金メダルを獲りましたよね。今季からのルール改正で、それがより顕著に出てくると思います。つまり、難度を下げても、戦略的に戦えば、高い点数が出て、勝機があるということです」あとは、跳びたいのか、勝ちたいのか、選手の考え方次第。「以前、チェン選手が、“いましかできないから”と、フリーで4種類の4回転を5本跳んだことがあったんですが、それもひとつの考え方。ただ、いまは、ケガを押してまで頑張らなきゃいけないシーズンではないので、とにかく無理だけはしないでほしいですね」日本から出場するもうひとり、田中刑事選手については「身長が高いので、ジャンプが決まると映えます。全日本選手権では、今季、苦しんでいた4回転サルコウも決まって、魂の入った演技をしていたと思います」「ただし」と、四大陸に出場する友野一希選手とともに、あえて、愛ある苦言と激励の言葉を。「全日本選手権での高橋大輔選手は素晴らしかったと思いますが、ふたりはその上をいかなきゃいけなかった。なにせ4年間もブランクがあったんですから。3位と4位という成績に終わり、改めて気持ちが入っていると思うので、しっかり結果を残してほしいです」ちなみに、いまはジュニア世代にも、4回転ルッツを跳ぶ選手が出てきている。男子のジャンプ構成は、今後も高難度化が進むのか。「僕は、ジャンプの種類は、落ち着いてくるんじゃないかと考えています。チェン選手がいま、5種類の4回転ジャンプを跳んでいますが、これがおそらくマックスではないかと。ただ、羽生選手は近い将来、4回転半(アクセル)を跳んでくるかもしれません」羽生結弦ソチに続く、平昌でも金メダル。男子シングル史上、66年ぶりの五輪連覇を成し遂げた24歳。世界選手権へは、2011-12シーズンから6大会連続出場。2度金メダルを獲得しているが、近年はケガに悩まされ、昨年は代表に選ばれながらも欠場に。トリプルアクセルの完成度は別格で、4回転アクセルへの挑戦も公言している。宇野昌磨平昌五輪で羽生選手に次ぐ、銀メダル。昨年末の全日本選手権で3連覇を達成した日本男子シングルの二枚看板のひとり。マイペースな天然キャラとして愛されていたが、最近は男気のある姿勢やコメントも注目を集める21歳。世界選手権は2年連続の銀メダル。クリムキンイーグルを炸裂させ、今年こそ金メダルなるか。ネイサン・チェン平昌五輪での、男気あふれる驚異の巻き返しが記憶に新しい19歳。5種類の4回転ジャンプを跳ぶことができる前回世界選手権の覇者で、今季もグランプリシリーズ連勝、ファイナルも制している。将来、医者になるという夢を叶えるべく、昨秋からアイビーリーグの名門イェール大学に通う、文武両道を実践するスケーター。チャ・ジュンファン今季はシニアのグランプリファイナルで韓国男子初の表彰台に上がるなど、韓国・男子シングルの歴史を次々と塗り替えている17歳。11歳で5種類の3回転をマスターしていたという逸材は、オーサーコーチの下で、着実にトップ選手への階段を上っているところ。子役もしていたというそのルックスで、人気も高い。友野一希シニア1年目の昨季は、“浪速のエンターテイナー”からトップ選手へ大躍進。補欠で出場した世界選手権で5位入賞。日本の3枠確保に貢献したが、昨年末の全日本選手権では力を発揮できず、自力での出場は叶わず。四大陸選手権での活躍を誓う。海外の実況も驚くベビーフェイスの20歳は、大のラーメン通としても有名。※『anan』2019年1月30日号より。写真・YUTAKA/アフロスポーツ(宇野昌磨)写真:坂本 清/アフロ(高橋大輔)取材、文・齋藤優子(by anan編集部)
2019年01月29日「嵐」櫻井翔が教授役として主演を務め、広瀬すずと福士蒼汰が映画初共演を果たす『ラプラスの魔女』が公開。ただの事件だけでは終わらないストーリーの深さが魅力の本作の情報をおさらい!■あらすじ連続して起きた2つの不審死。それぞれの事件現場が遠く離れているにもかかわらず、死因はどちらも同じ自然現象下での“硫化水素中毒死”…。そして驚くべきことに、死亡した2人は知人同士であった。警察はこの不可解な事件の調査を、地球化学の研究者である大学教授・青江修介に依頼する。もし一連の事件が事故ではなく、他殺と仮定するならば。犯人は「完全無風状態になる一瞬」をあらかじめ知っていて、「その瞬間、致死量の硫化水素が発生する場所」へと「ピンポイントで被害者を誘導した」ことになる。そんなことは絶対に不可能だ。“ラプラスの悪魔”でもない限り…。青江は、自然科学的見地から事件性を否定。封鎖された事件現場の地形や地質、気象などを念入りに検証していく。そこに、1人の女・円華が現れた。青江の目の前でその場所で次に起こる自然現象を言い当ててみせる。それは奇跡か、偶然か。なりゆきで円華と行動をともにすることなった青江は、彼女が失踪した甘粕という青年を探していることを知る。一方、警察は「円華には、なにか不思議な力が備わっている」として事件への関与を疑い始めた。そして、ついに第三の事件が発生する――。■原作は様々な作品が映画化・ドラマ化されている東野圭吾これまでシリーズもの含めると、その数は計り知れないほど世に小説を出してきた東野圭吾氏。原作「ラプラスの魔女」は、書き下ろし長編となり、東野氏の作家デビュー30周年記念作品という位置づけになっている。■異色作に集まった豪華すぎるキャスト陣本作の映画化を手がけたのは、鬼才・三池崇監督。これまで数多くの原作モノの実写化を手がけていることもあり、本作での期待値も高い。彼のもとに集ったキャストも非常に豪華かつ実力派揃いとなっている。櫻井翔/青江修介役地球化学という部門を専門とする大学教授を演じる櫻井さん。温泉の事故調査を警察から依頼され、硫化水素ガス中毒で殺人を遂行するのは、屋外では不可能だと断言するも、事件に関わっていく過程で、その発言を覆すような出来事に遭遇していく。ドラマなどには多く出演しているが、映画出演は14年公開された『神様のカルテ2』以来の主演作となる。広瀬すず/羽原円華役青江と出会い、自身を「ラプラスの魔女」と名乗る女性を演じる広瀬さん。10歳のときに母と帰省した北海道で竜巻に遭い、母を亡くしている円華は青江と行動を共にする中で、本来予知できない自然現象を予測する…。最近では『怒り』『三度目の殺人』などシリアスな作品への出演も目立つ中、今作でもどのような演技を見せてくれるのか注目したい。福士蒼汰/甘粕謙人役こちらも最近では『曇天に笑う』『BLEACH』など漫画やアニメといった原作モノで主演を演じることの多い福士さんが、ある事件によって損傷した、脳神経の再生手術を、円華の父・羽原医師から受ける甘粕謙人を演じる。すでに公開されている予告などからは、円華と同様の能力を使えるかのような描写も確認でき、どのように青江たちと関わってくるのか気になるところ。脇を固める実力俳優たちにも注目注目したいのは、主演の3人を取り巻く豪華キャスト陣。事件の重要人物として登場する豊川悦司は、家族に起きた悲惨な事故をきっかけに映画界から姿を消した監督の甘粕才生を演じている。今回の事件を、青江に捜査の協力を仰ぐのは、中岡祐二役の玉木宏。ほかにも円華の父で、脳神経細胞再生の第一人者として登場するリリー・フランキー。青江の助手を務める奥西哲子を志田未来が演じている。■ミステリーなのに、迫力満点!予告編公開されている予告編には、櫻井さん演じる青江修介、広瀬さん演じる羽原円華、福士さん演じる甘粕謙人ら今回初共演となる3人のほか、共演陣もしっかり確認できる内容となっている。事件は殺人としては立証不可能なものと断言した青江の前に、数々の自然現象を予知する円華。そして事件の裏で動く、一つの怪しい謎の組織。甘粕謙人が受ける謎の実験の様子もあり、ただの事件だけでは終わらないストーリーの深さも見て取れる。最後には巨大な竜巻に人が飲み込まれていく様子など、迫力ある展開も満載だ。■主題歌を務めるのは海外アーティスト、アラン・ウォーカー本作の主題歌を担当したのは、ノルウェー/ベルゲン出身の弱冠20歳の音楽プロデューサー、アラン・ウォーカー。顔出しをしない匿名性の強いアーティストでありながら、「Faded」は瞬く間に世界中で大ヒットを記録した。本作ではその「Faded」を主題歌として起用、アランが映画へ楽曲を提供するのは今回が世界で初となった。本作のプロデューサーも「青江の円華への憂い、円華の謙人への想い、謙人の家族への願い、そんな彼らの心情と歌詞が見事にシンクロし、この曲以外考えられませんでした」強い核心をコメント。広瀬さんも「音楽が入ったことで、登場人物たちの人間味や切なさを感じられました」と感激の様子だった。『ラプラスの魔女』は5月4日(金・祝)より全国東宝系にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:ラプラスの魔女 2018年5月4日より全国東宝系にて公開(C)2018 「ラプラスの魔女」製作委員会
2018年05月04日2月25日まで東京・赤坂サカスにて開催している冬季限定イベント「ホワイトサカス」(平日 12:00~21:00、土日祝 11:00~21:00)。2月14日には、会場の目玉でもあるスケートリンク「ネスカフェ キットカット アイスリンク」で、バレンタインデーのスペシャルイベント「ネスカフェ キットカット アイスリンク presents Ayasa バレンタインLIVE with 小塚崇彦」が開催された。ヴァイオリニストのAyasa(左)と小塚崇彦同イベントには、ヴァイオリニストのAyasaとプロスケーターの小塚崇彦が登場。Ayasaがミニライブを行ったほか、Ayasaの生演奏に合わせて小塚崇彦がデモンストレーションを披露するなど、聖なる夜に会場を訪れた一般客を楽しませた。ホワイトサカスの公式テーマソング「告白の夜」が収録されているミニアルバム『CHRONICLE V』を1月にリリースしたばかりのヴァイオリニスト・Ayasa。夜空に輝くイルミネーションが幻想的な赤坂サカスのスケート場「ネスカフェ キットカット アイスリンク」のステージに、ロックを意識した衣装姿で登場した。MCを務めた笹川友里TBSアナウンサーからバレンタインデーの質問を振られたAyasaは「今日の明け方にクッキーを作って、スタッフさんに渡しました。見た目はよろしくありませんが、味は良かったと思いますよ。100点中68点(笑)」と辛めの自己採点。そしていよいよミニライブの時間となり、オープニング曲にはAyasaのオリジナル楽曲「告白の夜」をしんみりと聴かせた。続く2曲目には葉加瀬太郎の「情熱大陸」を、3曲目にはロック調の「千本の矢」を立て続けに熱演。アップダウンの激しい曲調とあって、会場を大いに盛り上げた。そして、この日のメーンイベントでもあるAyasaと小塚の夢のコラボレーション。小塚がAyasaのベストアルバム『BEST Ⅰ』から選んだという「chronicle」をAyasaが演奏すると、途中から「ネスカフェ キットカット アイスリンク」に小塚が登場。Ayasaの激しいヴァイオリンの生演奏に合わせ、小塚の華麗なスケーティングを披露し、観客からは同イベント最大の拍手が送られた。演奏後に感想を求められたAyasaは「こんなに間近で小塚さんのパフォーマンスを見ることが出来て幸せでした。小塚さんのスケートは選手時代からずっと見ていて、私がコンクールで演奏する曲を小塚さんがプログラムで使われていて、私はそれを見て勇気づけられて練習を頑張った時期がありました。今日コラボレーションさせていただいて本当にありがとうございました」と小塚に感謝の言葉。一方の小塚は「すごく緊張したんですが、バレンタインということで最初にハートのマークを書きました。もしよろしければ、氷の上に立ってみてください!」と粋な計らいで観客を喜ばせていた。
2018年02月15日「"無限"とは"時間"や"時空"ではなく、"想い"なのだと感じています。限りの無い"想い"。それは"永遠"と呼んでもいいものだと思います」俳優・木村拓哉にとって『武士の一分』(06年)以来、約10年ぶりの時代劇主演となる映画『無限の住人』。沙村広明氏の人気漫画が初の実写化、さらに木村と三池崇史監督の初タッグということもあり、メディアは大々的に取り上げた。SMAP解散騒動で日本中に激震が走った2016年1月、木村は不死身の侍・万次をようやく演じ終える。2015年10月5日、映画化が発表されたあの日から、どれだけの人がこの作品を話題にしてきたのだろうか。冒頭にあるのは、「無限とは?」に対する木村の答えだ。公開初日を迎えた2017年4月29日、舞台あいさつの壇上で「客席の皆さまのものになりました」と引き締まった表情で呼びかけた木村。今回の連載は「∞」になぞらえ、8名のスタッフの証言をもとに、『無限の住人』が「皆さまのもの」になるまでの「無限の想い」をまとめた取材記録である。2人目は、スケジュールや予算など制作全般の進行を管理した坂美佐子プロデューサー。これまで数々の三池作品を手掛けてきた"右腕"ともいえる人物だ。連載第5回は、そんな裏方の「トラブルとの向き合い方」について。○雪予報の対処法――本作は、人気の俳優が数多く出演しています。スケジュール調整も大変だったのでは。それぞれの俳優のスケジュールを押さえた上で香盤を固め、予算も含めてすべて成立させてから撮影がスタートします。それよりも困るのが天気です。あらゆる可能性を考えると、予備日はいくつあっても足りない。最悪の場合、撮影を入れ替えればいいんですが、両方が雨の場合はどうするのか。2015年末から2016年1月17日までの撮影で、京都では雪の予報もありました。これは予想外でしたね。戸田(恵梨香)さんが屋根の上から落ちるシーンがあるんですが、撮影のタイミングがちょっと雪が降る可能性のある時期だったので、屋根の部分だけは新たにセットを作り込みました。――えっ! そうだったんですか。はい(笑)。木村(拓哉)さんや(杉咲)花ちゃんが窓から飛び降りるシーンは現場で撮りましたが、戸田さんのシーンはセットです。建てるのは3~4日かかるので、雪が降ってからでは遅い。高さのある場所での降雪は危険を伴いますし、思い切った決断が必要でした。ただし、セットを作ると当然お金もかかるので、予算のやりくりをしないといけません。すべてガチガチの予算で進めていくわけにはいかないので、Aで使うものをBに持って来て、その補填を別のところから持ってくるとか。そんな計算を常に考えています。さらに言うと、セットは屋根のみなので、今度は合成が必要になる。VFXの予算がかかって……みたいなことです。○木村拓哉の終電との戦い――そういったことが大小含めて無数にある。そうですね。今日撮影が長引くと、「お弁当どうしよう」とか。それが何日も続くと、「ロケ費大丈夫かな」とか。心配は尽きません。――大黒柱的な存在ですね。プロデューサーですからね。監督とは役割を分担していないと、現場が回りません。楽しんでいる三池崇史を見て、みんながそれに吸引されて作品がどんどん加速していく。すべては、その楽しい空間にいる人たちを支えるために。それが私の仕事です。――これまで数々の作品で、三池監督と共に歩んで来られましたが、そういった意思疎通もスムーズなんでしょうか。そうですね。ただ、目的を同じにはできないんです。例えば、監督があるシーンを2日間かけて撮りたい場合、私の立場上、反対しないといけないこともあります。セットを今日壊して、明日から別の建て込みをしないといけないとか、ロケの日程を組んでいたりとか。全体の進行はパズルのような状態で、それのどれが欠けても崩れてしまいます。そういえば、監督が骨折、主役である木村さんがじん帯を切っちゃったこともありましたね(笑)。終わったら木村さんを最終の新幹線に乗せないといけない。でも、そのままの格好で乗せられないから、ちゃんとメイクを落とす時間も逆算して。そんな感じで、監督とは一定の距離感を保ったまま仕事をしているという感じです。監督と言い争うことはありませんが、利害は完全に相反するんです。○三池組の"お母さん"――毎日が小さなトラブル、苦労の連続ですね。そうなんです。でも、実は苦労でもなく、楽しみでもないんです。それが「仕事」なんです。トラブルを解決していくのが、私の「仕事」なんです。大変なんて思っていたら、プロデューサーの仕事なんて務まらない。すごくたくさんお金があって、すごく時間がある人たちが集まっていれば、プロデューサーなんていらないでしょうね(笑)。――なるほど。何か工夫していることはあるんですか。そのかわりじゃないですけど、いろいろな情報が集まりやすいようにしています。だいたい100人ぐらいのスタッフがいて、アシスタントの子たちも含めるともっと大人数。困っていることとか、何気ない世間話でもいろいろなことが耳に入って来ます。情報が多ければ多いほど、より正しい判断ができるようになります。―― 一人ひとりとのコミュニケーションが重要になってくる。そうですね。みんなのおばちゃんであり、お母さん的な役割なのかもしれません(笑)。――先ほどは大黒柱と表現しましたが、家計的なことも担うとなると、やはり「母」ですか。大黒柱は監督で、私はどちらかというとお母さんですね(笑)。■プロフィール坂美佐子(さか・みさこ)静岡県浜松市出身。映画プロデューサー。NHKエンタープライズを経て、現在株式会社OLM、OLMデジタル取締役。これまで、『極道恐怖大劇場 牛頭』(03)、『ゼブラーマン』シリーズ(03・10)、『着信アリ』(04)、『IZO』(04)、『妖怪大戦争』(05)、『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』(07)、『クローズZERO』シリーズ(07・09)、『神様のパズル』(08)、『ヤッターマン』(08)、『十三人の刺客』(10)、『一命』(11)、『愛と誠』(12)、『悪の教典』(12)、『藁の楯 わらのたて』(13)、『喰女-クイメ-』(13)、『土竜の唄』シリーズ(14・16)、『神さまの言うとおり』(14)、『風に立つライオン』(15)、『極道大戦争』(15)、『テラフォーマーズ』(16)など、数々の三池監督作を手掛ける。(C)沙村広明/講談社 (C)2017映画「無限の住人」製作委員会
2017年05月22日「"無限"とは"時間"や"時空"ではなく、"想い"なのだと感じています。限りの無い"想い"。それは"永遠"と呼んでもいいものだと思います」俳優・木村拓哉にとって『武士の一分』(06年)以来、約10年ぶりの時代劇主演となる映画『無限の住人』。沙村広明氏の人気漫画が初の実写化、さらに木村と三池崇史監督の初タッグということもあり、メディアは大々的に取り上げた。SMAP解散騒動で日本中に激震が走った2016年1月、木村は不死身の侍・万次をようやく演じ終える。2015年10月5日、映画化が発表されたあの日から、どれだけの人がこの作品を話題にしてきたのだろうか。冒頭にあるのは、「無限とは?」に対する木村の答えだ。公開初日を迎えた2017年4月29日、舞台あいさつの壇上で「客席の皆さまのものになりました」と引き締まった表情で呼びかけた木村。今回の連載は「∞」になぞらえ、8名のスタッフの証言をもとに、『無限の住人』が「皆さまのもの」になるまでの「無限の想い」をまとめた取材記録である。2人目は、スケジュールや予算など制作全般の進行を管理した坂美佐子プロデューサー。これまで数々の三池作品を手掛けてきた"右腕"ともいえる人物だ。連載第4回は、そんな裏方の「喜び」について。○「この仕事をやってよかった」――いよいよ公開です(取材は4月下旬)。プロデューサーとして、公開前はどのようなお気持ちですか?ドキドキです。お客さんに届く直前というのは、やっぱりいつも緊張しますね。制作するかしないかも含めて、いちばん先に携わるのがプロデューサーという立場。初めてタイトルを聞いたときから今までのことで間違いはなかったのか、公開前はいつも不安になります。ワクワクするというよりも、ドキドキという感じです。――今回に限らず、苦労してよかったと思えるのはどんな時なんですか?電車に乗っていて、隣の人が作品の話をしてくれた時とか。もちろん、業界の方含めて私の周りで褒めてくださるとうれしんですが、映画館を出てトイレに行った時に作品の話で盛り上がっている方がいると別のうれしさがあるというか。観た後の感想だけじゃなくて、「あの衣装いいよね」「今度お母さんと『無限の住人』観に行くんだ」とか、今まで会ったことない方が私の担当した作品について話題にしてくれていると、とてもうれしい。そういう瞬間は、この仕事をやっていてよかったなと思います。――興行的に成功した時の喜びも格別でしょうね。数字的なところをいつも追いかけていると、「作りたいもの」と「観て欲しいもの」が一致しない作品もあります。でも、プロデューサーとしての考え方の基本にあるのは、「いい作品を作れば必ずたくさんの人が観てくれる」。そこに迷いはありません。○2つの心がけ「私が楽しむわけにはいかない」――三池監督は、「とにかく自分たちのやりたいことを、やりたいようにやる。そうやって無我夢中で作ったものが結果的に、日本人にしか作れない日本の物語として、世界中の人たちにとって、観たことのない価値のあるものになるはずだ」と。監督は「自分たちが楽しまないとお客さんも楽しんでもらえない」という信念のもと、スタッフを束ねて1つの方向に導いていくのが得意な方。それが三池組の大きな魅力と力になっていますが、同じように私が楽しんでしまうわけにはいかなくて。私が心がけることは2つ。1つは、いい作品を作ればたくさんの人が観て興行的に成功するという信念。もう1つは、仕事の内容と予算、スケジュール、クオリティがちゃんと正三角形を成しているかどうかを常に意識すること。予算だけがどんどん膨らんでいってもいけないし、スケジュールだけが守られなくてもいけないし、クオリティが落ちてもいけない。「楽しむだけでは済まない」部分は、私の方で引き受けているつもりです。■プロフィール坂美佐子(さか・みさこ)静岡県浜松市出身。映画プロデューサー。NHKエンタープライズを経て、現在株式会社OLM、OLMデジタル取締役。これまで、『極道恐怖大劇場 牛頭』(03)、『ゼブラーマン』シリーズ(03・10)、『着信アリ』(04)、『IZO』(04)、『妖怪大戦争』(05)、『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』(07)、『クローズZERO』シリーズ(07・09)、『神様のパズル』(08)、『ヤッターマン』(08)、『十三人の刺客』(10)、『一命』(11)、『愛と誠』(12)、『悪の教典』(12)、『藁の楯 わらのたて』(13)、『喰女-クイメ-』(13)、『土竜の唄』シリーズ(14・16)、『神さまの言うとおり』(14)、『風に立つライオン』(15)、『極道大戦争』(15)、『テラフォーマーズ』(16)など、数々の三池監督作を手掛ける。(C)沙村広明/講談社 (C)2017映画「無限の住人」製作委員会
2017年05月20日映画『無限の住人』の木村拓哉、杉咲花、三池崇史監督が、5月18日(現地時間)、第70回カンヌ国際映画祭アウト・オブ・コンペティション部門での上映に合わせ、公式記者会見に登壇。三池監督は『極道大戦争』(’15)以来、2年ぶり6作品目となるカンヌ。木村さんにとっては『2046』(’04/ウォン・カーウァイ監督)以来13年ぶりの参加、杉咲さんは本作で初の世界三大映画祭への参加となり、特別招待作品に選ばれた喜びなどを記者陣に語った。木村さん、杉咲さんをはじめ、福士蒼汰、市原隼人、戸田恵梨香、北村一輝、市川海老蔵ら豪華実力派キャストが集結し、実写化不可能といわれた伝説的人気コミックを映画化した本作。木村さんをはじめ、すべてのキャストが全編ノースタントで挑んだ圧巻のノンストップアクション、さらに命を懸けて凜を守り抜く主人公・万次の姿が観る者の胸を打つドラマが評価を得ており、アメリカ、オーストラリア、ドイツ3か国での海外配給も決定している。今回のカンヌで、アウト・オブ・コンペティション部門の選出作品は、世界中の作品から選ばれた4本のみ。過去には、スティーブン・スピルバーグ監督作『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』、ジョージ・ミラー監督作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』などが選出されており、日本映画がこの部門に選出されること自体が名誉なこと。現地では、さらなる上映国の拡大に向け、世界40か国以上の国と地域での本格的なセールスも開始する。18日にカンヌ入りした3人は、早速、揃ってフォトコール、記者会見と公式行事に参加。カンヌ入りした木村さんのファンがサインボードを持ち、声をかける様子も見られた。会見に先立って行われたフォトコールには、世界中から150人以上のスチールカメラマンが集まり、「Takuya!」「Hana!」「Miike!」とそれぞれに大きな呼び声が上がる中、3人は終始リラックスした様子でカメラマンからのリクエストに答えていた。朝から実施されたプレススクリーニング(報道関係者向けの上映)は、450人の座席が満席となり、現地での注目度の高さがうかがえた。続いて、パレ・デ・フェスティバル・エ・デ・コングレ(Palais des Festivals et des Congres)にて行われた会見では各国の記者から質問が相次いだ。映画『2046』以来2回目となるカンヌに、木村さんは「またこの地に戻ってこられて嬉しい」とコメント、今回の感触は「大きく違います」と語った。ハードなアクションが連続する本作をなぜ受けたのか、との問いには、「三池監督に一緒に仕事が出来るのは、とても名誉なこと」と応じ、「一緒にやろうということ自体が、三池組のチームの一員ということが光栄でした」と、三池組に参加した喜びを語った。また、「この映画を撮ることの1番の挑戦は何だったか」を問われると、三池監督は「1番の挑戦はやっぱり木村拓哉と対決すること。主人公は不死身の男。いま日本で演じられる人間は木村拓哉しかいない。彼に万次を演じてもらはなければ始まらなかった」と語り、主演・木村拓哉でなければ本作は実現しなかったことを激白。木村さんは「挑戦という形では、原作者の沙村広明先生がつくりだした作り出した世界観をリスペクトを込めて表現すること。スタートラインに立つことがもう挑戦でした」と吐露、杉咲さんは「(凜は)ショックな出来事があって、両親のかたき討ちをする。凜ってすごい精神の持ち主だと思っているので、最初不安だったんですけど、凜の気持ちを自分で理解することが挑戦でした」と明かした。さらに、万次を演じるにあたってのトレーニングと万次の武器で最も気に入っているものを問われた木村さんは、「トレーニングは、いま思い返すと一度もしてないです。1番好きな武器は、いろんな造形物があったんですけど、凜を守り抜くメンタルです」と、万次の“精神”のごとくコメント。撮影中「ケガをしてもやろうと思った推進力は何か?」との問いには、「三池監督が現場で常に前に進む推進力を失わなかったことです」と語った。三池監督といえば、時代劇の『十三人の刺客』のベネチア国際映画祭コンペ出品に続き、『一命』がカンヌのコンペ部門に出品されたことが海外でも知られている。「サムライ映画といえば黒澤監督を思い出します。(プロデューサーの)ジェレミー・トーマスともっと映画を作って欲しいと思います」と言われた三池監督は、「黒澤監督は、黒澤明という人間を作れた。いまの自分たちの表現したいことを、我々も1つ1つ積み上げていかないといけない。今後も時代劇を世に送りだしたいです」と力強くコメント。最後に、今後の展望について聞かれた木村さん。「三池監督は映画監督なのはもちろん、三池組の家族が目の前でこれくらいのテンションで、ご自身でやってくれるのが楽しくて。アクション部のスタッフよりアクションがうまいんじゃないかと。出演者にしても、いろいろ各セクションのスタッフにしても気持ちを理解してくれる」と現場をふり返りながら、「映画を作るということは、こんなにも楽しいと感じさせてくれました。これから出会う役は1つ1つ運命だと思って演じていきたい」と、真摯に応じた。一方、杉咲さんは「今後どうなっていきたいかというのは、正直、明確に自分の中では浮かんでこないんですけど、もともとドラマや映画をみることが好きで、いま自分が経験したことや知らなかったことを演じて学んでいけるのは楽しみです」と前向きにその思いを語り、三池監督も「子どもたちに夢を与えること」と断言していた。『無限の住人』は全国にて公開中。第70回カンヌ国際映画祭は5月28日まで開催中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:無限の住人 2017年4月29日より全国にて公開(C) 沙村広明/講談社 (C) 2017映画「無限の住人」製作委員会
2017年05月19日●起用俳優の出演作を観ない理由映画『無限の住人』(公開中)の主演に木村拓哉を起用した三池崇史監督は、2月に行われた完成報告会見で、木村の起用についてこう言い放った。「キャスティングは運命」であると。三池監督にとっての木村は「直感」で、「それがありき」の話だったという。運命的なものを結びつけていくのが自分の仕事。そう語る監督にすごくロマンを感じたものの、ふと疑問が湧いた。集客にも影響する配役は、何よりも慎重に進められるはずの人事。協議を重ねて決まっていくものではないのか。「僕が思ったとか、誰かが決めたということではなくて、沙村(広明)先生が19年間描かれたことと"木村拓哉"という生き方をしてきた人間が引き合って、そこにわれわれが巻き込まれた」と三池監督。果たしてこれらの真意とは。これまで手掛けた作品の俳優を振り返りながら、「三池崇史のキャスティング論」を語り尽くしてもらった。○噂話と世間話を信じる――会見での「キャスティングは運命である」という言葉が印象的でした。以前から思っていたことだったんですか?そうですね。そもそも評判というのは「情報」でしかないんですが、現場で世間話している中でも自然と耳に届くこともあります。それらがすべて正解かどうかは別なんですが、今の若いヤツらにどんな役者がいるかという新人発掘のチャンスになります。役者を見極めるのは、すごく大変なこと。だから、できるだけ無関心でいるようにしています。すると、プロデューサーから「彼いいですよ」と言われたり、役者からも「あいつ、すごいんですよ」と聞こえてくる。後日、作品の打ち合わせで、誰かがポロッとその名前を言うと、フワッと引っ掛かるんです。噂話がきっかけとなって、作品へとつながります。そこで出演作を観てジャッジするんじゃなくて、名前を出した人の立場からの「面白い」を信じることが大事。だいたいこういう流れで、「彼でいきましょう」となります。――それでも作品を観て確認しておかないと不安になることはないんですか。いえ。今までそうやって、「確認」のために作品を観たことは1度もありません。「こういうキャストがいるから観てほしい」とたくさん作品をいただくんですけど。類似作品の参考にすることもない。プロデューサーや出資サイドからすると研究しておきたいんでしょうけど、僕は1本も観たことない。○自分の作品を見返すのは引退後――日頃から舞台などで情報を仕入れている監督もいると思いますが、それとは真逆なんですね。エンターテイメントは、「客」として接しないと。われわれは、楽しむためにやっているわけで。今は映画をほとんど観ません。高校生の時に一番観ていたかな。助監督になってからは映画なんか観に行く時間ないですから。それに心の余裕もない。テレビドラマもやったことがありますが、自分の作った作品をテレビで観たこともないです。一度も。録画して観ようという熱さもない。DVDなどで観返したこともない。そういう欲求はもう少し後で来るんだろうなという気がしています。映画を撮らなくなって、孫がある程度大きくなった時に、「どうよ?」みたいな(笑)。客として楽しみなのは、だいぶ先になりますが『パシフィック・リム2』ぐらいですかね。初日のオールナイトで、ビールをしこたま買って観るんです(笑)。●山田孝之と綾野剛の起用秘話――観客として楽しむんですね。そうですね。自分の作品でいえば、映画を作って監督として現場を楽しむ。苦行になっちゃうのはイヤなんですよね。真剣にはなるんですけど、どこか余裕がないと。何か失敗しても、「努力してこなくてこれだけやれたからよかったじゃん」みたいな逃げ場というか。なんか、どこか「気楽さ」を残しておきたいんですよね。○『クローズZERO』を断りに来た山田孝之――小栗旬さん、藤原竜也さん、山田孝之さん、綾野剛さんなど、監督が抜てきしてきた俳優は、その後出演作が増え続けています。彼らも運命的に巡り会ったんですか?そうですね。山田孝之と最初に会ったのは、彼が断りに来た時ですからね。『クローズZERO』という作品だったんですが、それまで不良役をやったことがなかった。だって、『電車男』ですよ(笑)? 引きこもりだったり、シャイだったり。そんな役が多かった。本人としてはそれでいいと思ってないんですけど、立ち回りの経験もなかったせいか、「俺には無理です」と断りに来ました。マネージャーを通してだと申し訳ないと思ったらしいです。ただ、その目が完全にイッちゃってたんで、「その目なら全然大丈夫だよ」と伝えました。何にも心配ない。不良にだっていろんな不良がいますからね。引きこもりだっている。アクションの練習を小栗旬とはじめると、最初は猫パンチしか打てないんですよ。それはそうですよね。そんなことやったことないわけですから。ところが、インするまでの1カ月、そしてインしてからの1カ月で急速に覚醒するんです。バッスンバッスンの殴り合いができるようになる。普通のアクションの人間より、ずっとうまくなる。芝居としてもつかみ、肉体にも基礎的な筋肉がしっかりつく。その後の山田孝之の役の幅はどんどん広がって。もう、ひっちゃかめっちゃか。すごく面白い俳優です。○「人間であれば、みんな役者」――そういう運命的な巡り会いで、「あれ? ちょっと違うな」という違和感みたいなものを感じたことはないんですか?あまり、ないですね。「こいつ偽物」「使いものにならない」ということは今まで一度もない。綾野剛なんて、今のようにメジャー映画にバンバン出る前だったんじゃないかな。彼とは『クローズZERO II』でした。キャスティング担当が個人的に事務所の社長から勧められて気に入っていたそうなんです。なんとか映画に出させたかったんでしょうね。出資している会社のプロデューサーには「監督がどうしても使いたいと言っていた」と伝え、僕にはその逆を。両方に嘘をついて、「プロデューサーがそう言うんだったらいいんじゃない?」「監督がそう言うんだったらいいんじゃない?」と言わせた(笑)。実際に使ってみるとすごく面白い役者だった。あの時に騙されてなかったら、彼とは出会ってなかったでしょうね。自分の感覚や思いだけに頼るんじゃなくて、時には騙されてみてもいいんじゃないですか? 俳優としての才能を見極めるのは確かにものすごくデリケートなことなのかもしれませんが、世の中のどんな人間だって何かを演じているんです。みんな素の自分をそのまま出さずに、人から見られることを考えて「自分のあるべき姿」みたいなものを演じている。無防備にそのままの自分をさらけ出している人間なんて、一人もいないわけですよ。ファッションにしても好みはあるだろうけど、「こんな風に見てもらいたい」という演技の1つ。髪型にしても何にしても。人間であれば、みんな役者なんですよね。
2017年05月16日俳優・木村拓哉(44)が主演を務め、三池崇史監督がメガホンを取った映画『無限の住人』(4月29日公開)が、第70回カンヌ国際映画祭(現地時間5月17日~28日)の「アウト オブ コンペティション部門」に選出され、公式上映されることが13日、明らかになった。キャスト、スタッフの渡航は今のところ未定だという。三池監督は、『極道大戦争』(15年)以来2年ぶり6本目のカンヌ。木村にとっては『2046』(04年)以来13年ぶりで、邦画主演作の公式選出は今回が初となる。これまで『十三人の刺客』(10年)がベネチア国際映画祭に、『藁の楯』(13年)がカンヌ国際映画祭に選出されるなど、海外でも高く評価されている三池監督。朗報を受け、「不死身の男=万次(木村拓哉)が、カンヌから世界に飛び立つことになりましました」と報告し、「最高です。ありがとう」と喜びのコメントを寄せている。本作には、『戦場のメリークリスマス』(83年)、『ラスト・エンペラー』(87年)、『BROTHER』(01年)などで知られ、国際的に活躍する映画プロデューサーのジェレミー・トーマス氏が参加。三池作品では『十三人の刺客』(10年)、『一命』(11年)に引続き、3度目のタッグとなり、トーマス氏が代表を務めるHanWay Filmsが本作の海外セールスを担当した。「この素晴らしい作品に携われたことを誇りに思います」と心境を伝え、「それぞれの役者の高い演技力、それをまとめ上げた三池崇史監督の演出は、世界中の人を興奮させ、心を打つに違いないと確信しております」と太鼓判を押す。本作は木村にとって『武士の一分』(06年)以来の時代劇主演作。百人斬りの異名を持つ不老不死侍・万次を木村、その万次に用心棒を依頼する女性・浅野凜を杉咲花(19)が演じる。
2017年04月13日三池崇史監督(56)が15日、都内で行われた映画『無限の住人』(4月29日公開)の完成報告会見に出席し、同作の主演に俳優・木村拓哉(44)を起用した理由を語った。本作は木村にとって『武士の一分』(06年)以来の時代劇主演となる作品で、百人斬りの異名を持つ不老不死侍・万次を演じる。漫画家・沙村広明氏の同名漫画を原作に、三池監督がメガホンを取った。木村と三池監督は今回が初タッグ。司会者から起用理由を聞かれたと三池監督は「理由?」と返答に困りながら、その経緯とキャスティングのこだわりを話しはじめた。「最初に話をもらった時に、『木村拓哉以外にあり得ない』という直感。自分の中ではそれがありきだった」という三池監督。「たぶん運命なんだと思います。僕が思ったとか、誰かが決めたということではなくて、沙村(広明)先生が19年間描かれたことと"木村拓哉"という生き方をしてきた人間が引き合って、そこにわれわれが巻き込まれた」と、はじまりを説明する。完成した作品をあらためて観た時には、「キャスティングは運命」を再認識。「演じる人たちにはそれぞれの人生とキャリアがあって、(映画には)そういう中で作り出すことのできる唯一のシーンが詰まっていると感じた」と振り返り、「その運命的なものを結びつけていくというか。きっかけとなるような一歩、半歩。そのくらいが自分の仕事」と監督の役割にも触れていた。この日は三池崇史監督のほか、木村拓哉(44)、杉咲花(19)、福士蒼汰(23)、市原隼人(30)、戸田恵梨香(28)が出席した。
2017年02月15日主演・木村拓哉、監督・三池崇史という強力タッグで描くアクションエンターテインメント『無限の住人』。本日1月17日にクランクラップからちょうど1年となることを記念して、公式サイトにて主演・木村さんのロングインタビュー第1弾が解禁。さらに木村さんの力強い言葉を裏づけるかのようなメイキング映像も公開された。本作は、沙村広明による累計発行部数750万部突破のカリスマコミックスを映画化。無限の命を持つ男・万次を木村さんが演じるほか、福士蒼汰、市原隼人、戸田恵梨香、北村一輝、栗山千明、満島真之介、市川海老蔵、田中泯、山崎努と、あらゆる年代の実力派俳優陣が名を連ねている。2015年11月から極寒の京都でロケを敢行し、2016年1月17日にクランクアップを迎えていた。中でも、たったひとりの妹を失った不死身の剣士・万次を演じる木村さんと、そんな万次に用心棒を頼む少女・凜を演じる杉咲花は、劇中でお互いになくてはならない存在となることから、クランクイン当日の撮影が終わったとき、ごく自然にハイタッチを交わしたという。インタビューで木村さんは、「杉咲さん演じる町(万次の妹)と凜は、きっとクランクアップまで万次の生きる意味になると自分は思っていました。クランクインしてみて、(お互い)言葉にしなくても、その空気感のベースは構築できたかなと思います」と、役柄同様の関係にすんなりと入ることができたことを明かしている。「自分と杉咲さんは、作品の中の万次と凜に近いと思います。万次を作り上げるというよりは、杉咲花ちゃんが演じてくれた町であったり、凜ちゃんだったりを感じて、自分の表現に変換させていただきました。彼女が苦しめば苦しむほど、万次としてはアクセルの回転数があがる。小柄な彼女ですけど、杉咲さんの存在は僕の中では、すごく大きな存在でした」と木村さん。また、三池監督は、木村さんとの初顔合わせについて、「非日常的な物語を作っている分だけ、リアルな木村拓哉という人物を逆に感じることができたと思います。自分のようなエンターテインメントを作っているような人間からしたら夢ですよね。母親もびっくりしていますからね。『木村拓哉?あんた、もうアガリじゃない』みたいな感じで(笑)。80いくつのおじいちゃん、おばあちゃんでもそう思うっていう。その人間と一緒にものを作っていけた。(映画が)ただごとで終わったら申し訳ないですよね」とコメント。一方の木村さんは、三池監督と作品を作り上げることのできる喜びを打ち明け、「海外にいるような感覚を受けました。日本人の感覚の枠ではないというか。ちょっとはみ出しているところを随所に感じました」と、規格外の現場であったことを興奮した様子でふり返る。フィールドは違えど、常にトップを走り続けている2人が本作で運命的な出会いを果たし、これまでの日本映画とは一線を画す“規格外”の作品を作りあげたことを予感させる言葉だ。そんな木村さんの言葉を裏付けるように、今回解禁となったメイキング映像では、これまでの“木村拓哉”のパブリックイメージを覆す“規格外”なシーンが連続。こうした圧巻のアクション撮影について、木村さんは「僕は殺陣とか立ち回りという言い回しがあまり好きではないんですが」と前置きしながら、「例えば、たくさんの人たちが殺められ絶命するシーンの撮影の前に監督はこんなふうに説明するんです。『みなさん、いまから撮るシーンはあくまでも殺し合いなので、くれぐれもそういう趣で本番を迎えてください』。このワードが出たときに、自分と同じ感覚の人がいてくれる、ワンシーン、ワンカットを見てくれている。それがわかって非常にドキドキしたし、嬉しかったですね」と力強く語っている。特殊メイクで原作の設定同様に独眼となり、泥だらけになりながら万次として懸命にもがく木村さん。本作の完成をさらに期待させる映像となっている。『無限の住人』は4月29日(土・祝)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2017年01月17日身長185cm。撮影のために渋谷の路地を歩く青木崇高さんは、存在感があって色っぽく、思わず息を呑むほどかっこいい。飄々としていて、どこか掴みどころがない雰囲気が魅力的な36歳。――改めてですが、本当に身長が高い…というか、ガタイがいい方なんですね。青木:事務所に入った21~22歳の時は、もっとガリガリだったんです。正直、自分はそんなに大きい自覚はなかったんですけど、街を歩いてる時、前から大きい人が来ると、「でっかいなぁ。こんだけデカいと普段の生活も大変だろうなぁ」とか思うんですけど、すれ違うと俺のほうがデカかったりして、「うそやろ~?!」ってなることが結構あったんです(笑)。だったら、デカいってことを武器にするのもいいのかなと思って、20代後半の頃、体を大きくしようと鍛えたりしたんです。それまでの僕は、1つのイメージでカテゴライズされるのが本当にイヤで、あえていろんなタイプの役を意図的にやらせてもらってたんです。いろんなところに点を残し、それを繋げば広い面になる。そうすれば心に強く訴えられる…と思ってたんですけど、一つ一つの点にインパクトがなければ覚えてもらえないと思うんです。ならばとりあえずは近いところに点を集中させて、印象を残そうと。それで体を大きくしたっていうのはあります。そこから実際、強面、デカい、力強いみたいな役のオファーをいただいて、少しずつ仕事が増えてきた。なので、結果的には良かったです。――いつ頃から役者を目指していたのでしょうか?青木:上京して入学したグラフィックの専門学校を卒業して、ビデオ屋でバイトしてる頃ですね。正確にいうと、役者を目指していたっていうのは、ちょっと違うんですけど…。その頃の友達にモデルをやってる子がいて、ちょっといいなって思ってて。モデルとかって、モテそうじゃないですか(笑)。雑誌とか出てる男って、モテる感じがしたんです。で、俺も、と思って、今の事務所のオーディションを受けたんですよね。――それだけ身長が高ければ、モテそうなもんですが…。青木:モテませんでした。100%ないですね。たまに地元に帰って高校時代の友達に、「俺、雑誌とかで“モテますよね?”とか聞かれんねんで」とか言うと、全員死ぬほど笑いますから。「あの青木が、青木がそんなことあるわけないやんけ」って、爆笑ですよ。――告白とかは?青木:されたことないです。だから自分で告白するんですけど、振られ倒してましたからね。スポーツとか部活で活躍してて、なんかおしゃれな感じの男が、やっぱりモテるんですよ。女性はどちらかというと、そういう男が好きですからね。――そんな女の子たちに対して、どう思ってたんですか?青木:“見てろよ、いつか見返してやる!!”って、20代前半くらいまで思ってたんじゃないですかね…。改めて考えると、俺最低だな(笑)。違いますよ、自分が告白した女の子にくらいは、振り向いてほしかったってことです。――で、モテるために…というのは半分冗談にしても、モデルになりたいと思っていた、と。青木:いや、実は全然…。っていうか、ほとんど何にも考えてなかったんですよ。モデルになりたいとも、役者になりたいとも。映画は好きだったんですけど、“演技をしたい!”とかっていうわけじゃなく、“ちょっと出られたらいいなぁ”くらいのレベルで。だからオーディションの時、言い合いになっちゃって。「芝居やる気あんの?」「ないですよ」「関西弁だけどどうすんの?そんな作品ばっかりじゃないよ?」「その時になれば標準語しゃべります」みたいな(笑)。――恐ろしい…。若さゆえ、という言葉でも片付けられない生意気ぶりですね。36歳の青木さん的には、当時の自分に今、なんて言ってあげたいですか?青木:いいぞ!もっとやれ!(笑)――マジですか(笑)。青木:面倒くさい性格なんですよ。人から「こうでしょ?」って言われると、そう思ってても「違います」って言いたくなるし、疑り深いし。まあそういう“性格のクセ”があることが、少しは役者という仕事を続けられている理由になっている気がするから、そこはなくしたくないとは思いますけどね。でも、たぶん当時は、狭いながらも自分の価値観を持ってて、その中で一生懸命になってたんじゃないですかね。学校とか会社とか、組織の中に入っちゃうと、知らない間に流されて、望まない場所にたどり着いちゃったりするじゃないですか。そうなりたくなくて、なんとか踏ん張ってたんじゃないかな。でも相手と戦うほどの理由やスキル、評価もないから、暴れるしかない、みたいな。なんか自信はあったんです。根拠のない自信ですけど。◇あおき・むねたか1980年生まれ、大阪府出身。‘02年、映画で俳優デビュー。‘07年にNHK朝の連続テレビ小説『ちりとてちん』に出演し、注目を集める。その後も大河ドラマや、映画『るろうに剣心』などに出演。現在、ドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日テレ系)に出演中。◇スーツ¥110,000(ブリッラ ペルイル グスト/ビームスF 新宿TEL:03・5368・7305)ネクタイ¥16,000(フランコ バッシ/ビームスF新宿)シャツ¥23,000(アニエスベー/アニエスベーTEL:03・6229・5800)◇初長編単独主演映画『雨にゆれる女』が、11/19よりテアトル新宿にてレイトロードショー。本名を隠して暮らす健次(青木)の元に、ある夜突然同僚(岡山天音)がやってきて、謎の女・理美(大野いと)を預ける。次第に健次の生活が狂い始め…。パリを拠点に活躍する音楽家・半野喜弘の、初監督作品。bitters.co.jp/ameyure/index.html※『anan』2016年11月23日号より。写真・内田紘倫スタイリスト・小泉美智子ヘア&メイク・NANA
2016年11月21日“面倒くさいヤツですよ”と笑う横顔から、少し繊細な内面が見え隠れする、青木崇高さん。初主演映画が公開され、私生活ではご結婚も。2016年は、記念すべき年になった模様です。――今回の、主演映画『雨にゆれる女』の監督である半野喜弘監督とは、若かりし頃に出会ったそうですね。青木:そうなんです。事務所に入ったばっかりの頃は、仕事なんて全然なくて、「1か月くらい、旅してきま~す」って出掛けて、ヨーロッパをフラフラしてたんです。安宿泊まって美術館見て、日本人がいたら声かけて…って。で、ある夜パリの街を歩いていたら、カフェで楽しそうに飲んでる日本人の集団がいて。「こんちはー。ちょっと旅してるんですけど、よかったら交ぜてもらえませんか?」ってお願いしたら、「いいよいいよ」と受け入れてくれて。その中に、半野監督がいたんです。半野さんはパリを拠点に音楽活動をされていて、その後も東京でイベントをやられる時に僕が顔を出したり…みたいに、緩く繋がってはいたんです。で、10年後、東京のお店でごはんを食べていたら、偶然隣の席に監督がいて!そこでいろんな話をして、「映画を撮りたいね」ってことになり、今回の作品になりました。――ある意味、まだ何者でもなかった青木さんを知っている人に、主役として映画を撮られるというご経験は、どうでした?青木:特殊ですよね。撮影中や、出来上がった映画を見ても、そういった感慨みたいなものは浮かんでこないんですよ、作品として見ちゃうから。でもこういう取材で話をしてたりすると、なんか、特殊な経験だったなぁと。たぶん今後も、ないと思うんです。人間っていう個体同士が衝突することで、何かが生まれると思うんですが、そういう意味では、パリを歩いている時に僕が半野さんに衝突したことで、この映画が生まれたわけですよね。声をかけてよかったと思う。人間関係を、疎かにしなくてよかったなって思います。でも、10歳年下の、「ちょっと役者、やろうと思ってます」みたいな男が声かけてきたら、ウザいじゃないですか。ホント半野さん、よく受け入れてくれたなぁ…。また今後も何かを一緒に作りたいですね。こういう規模の映画って、関わっているスタッフの熱が伝わりやすい現場なので、“作ってる”という実感が強く持てる。それがすごく楽しかった。もちろん、大作には大作の良さがあるんですが。――半野さんはミュージシャンでもありますが、歌ってくれと言われたら、歌います?青木:歌いますよ。役者ですから、求められたらやりたいと思う。たぶん半野さんは僕のことを理解しているから、理由があってのオファーだと思うし。――信頼している相手に身を委ねるというのは、役者という仕事の一つの特徴でもありますもんね。青木:そうですね。でも怖い時もありますけど。全部さらけ出すわけですから。「いい?俺さらけ出すよ、だからよろしくね?」って気分で、バンジージャンプをする感じ。そのロープを持っているのが監督で、信じてるからこそ、何mでも飛び降りられる。でもそうやって、まだ見ぬところに飛び降りるチャンスがあるっていうのは、ありがたいことなんですよ。挑戦する機会って、そんなに訪れるわけじゃないですから。トライできるなら、飛び降りる価値はあると思ってます。――ところで、せっかくなので、ご結婚のことも伺いたく…。青木:どうぞどうぞ(笑)。――今年めでたく入籍なさいましたが、結婚願望がもともと強いタイプだったんですか?青木:そういうわけでもなかったんです。一人で旅行とかひょいっと行っちゃうタイプだし、好きなタイミングでごはん食べて、時間を好きに使って…って暮らし方は、とても楽しかったんです。でも、楽しかったんだけど、ずーっとこのままだったら、いつか白けてきちゃうんじゃないかなって、なんかだんだん思うようになってきて。――正直、一人でいることに飽きてきていた?青木:うーん、一人で好き勝手にやる生活の限界を感じた、みたいなことですかね。何か変化を起こすとしたら、結婚なのかなぁって。正直、ずっと好きに生きてきたから、他者を受け入れて生活するのって、簡単なことじゃないと思うんですよ。この先大変なこともたくさんあると思う。でもそうなったとしても、たぶん僕は、“でもお前は、そこに行きたかったんだろう?”って自分に言って、乗り越えていけると思ってます。まあこんな話、結婚して長い方が聞いたら、「まだそんなこと言ってんのか、若輩者が!」って言われちゃうような話だと思いますけど。――でも、さっき「高校時代はモテなかった」と言ってましたけれど、そんな青木さんからしたら、今回の結婚は、相当すごい“モテ”ですよね。青木:ねぇ。不特定多数にモテなくてよかった(笑)。若い時モテなかったけど、最後の最後に素敵な人に出会えて、報われた感じがします。◇あおき・むねたか1980年生まれ、大阪府出身。‘02年、映画で俳優デビュー。‘07年にNHK朝の連続テレビ小説『ちりとてちん』に出演し、注目を集める。その後も大河ドラマや、映画『るろうに剣心』などに出演。現在、ドラマ『地味にスゴイ!校閲ガール・河野悦子』(日テレ系)に出演中。◇スーツ¥110,000(ブリッラ ペルイル グスト/ビームスF 新宿TEL:03・5368・7305)ネクタイ¥16,000(フランコ バッシ/ビームスF新宿)シャツ¥23,000(アニエスベー/アニエスベーTEL:03・6229・5800)◇初長編単独主演映画『雨にゆれる女』が、11/19よりテアトル新宿にてレイトロードショー。本名を隠して暮らす健次(青木)の元に、ある夜突然同僚(岡山天音)がやってきて、謎の女・理美(大野いと)を預ける。次第に健次の生活が狂い始め…。パリを拠点に活躍する音楽家・半野喜弘の、初監督作品。bitters.co.jp/ameyure/index.html※『anan』2016年11月23日号より。写真・内田紘倫スタイリスト・小泉美智子ヘア&メイク・NANA
2016年11月21日