仕事に趣味に積極的な女子たちが集まる本誌Hanakoの読者組織『ハナコラボ』。そんなハナコラボパートナーのパーソナルにスポットライトを当てたコーナー。普段は見えない素顔に迫ります。今回ご紹介するのは、新聞記者を経てフリーのライターとして活動する五月女菜穂さん。SDGsに関する取材を重ね、見えてきた景色とは。新聞記者の仕事は刺激的でやりがいもあったのですが、24時間何かあればすぐに現場にかけつけないといけないというハードな生活をこのまま続けられるだろうかと考えるように。大好きな演劇を広く紹介する記事が書きたいという想いも募り、退社を決意。約5年前からフリーになり、演劇を中心にさまざまな分野を取材。昨年からはハナコラボSDGsレポーターとしての活動も始まりました。大企業から個人事業までSDGsに取り組む方々を取材して気づいたのは、身近なことからできることがあるということ。環境に配慮して作られたものを選ぶだけでも一歩になる。推しの商品ができると買う楽しみ、使う楽しみが増えると実感しています。また、小規模でも何かしらの社会問題に取り組む若い人が多いことも、取材を続けていくうちに知ったことです。世間の認知度は低くても、素晴らしい活動をしている方はたくさんいる。そういう人たちをいち早く世の中に紹介するライターになりたいと思います。出産してから未来をより具体的に想像するようにもなりました。子供が成人した時、地球はどうなっているだろう?その視点はSDGsに取り組む上でも大事だと感じています。仕事と子育ての両立は試行錯誤の連続ですが、自分一人で背負いこみすぎず、楽しみながらやっていきたいです。五月女菜穂さんをつくる3つのこと1.一人娘の成長に日々驚いています。昨年春に出産、一児のママに。「この1年間で娘は言葉を喋るようになり、立って歩けるようにもなりました。では、自分はどれだけ成長しただろう?といつも考えさせられます(笑)」2.学生の頃から演劇に夢中です。中学、高校では演劇部、大学ではミュージカルサークルに所属。「観劇は年間100本ほど。コロナ禍で生の観賞は減ったものの、配信作品が増えたことがうれしい」3.海外旅行大好き。世界一周も経験!会社員を辞めた後、2カ月間の世界一周旅行へ。「3つの宗教の聖地があるイスラエルは、衝突の歴史がありながら、IT先進国という一面もある、とても興味深い国でした」Profile…五月女菜穂さん(そうとめ・なほ)朝日新聞社に入社し、約4年半記者として活動。退社後はフリーのライターに。演劇にまつわる記事を執筆するほか、ハナコラボSDGsレポーターとしてSDGs関連の取材も多く手がけ、その記事をHanako.tokyoで連載中。(Hanako1202号掲載/photo : Miyu Yasuda text : Mariko Uramoto)
2021年12月15日読者組織・ハナコラボの中から、SDGsに感度の高いメンバーで結成した、SDGsレポーターズ。Hanako.tokyoでは約1年にわたり、彼女たちが興味・関心を抱く企業やアイテムの取材を行ってきました。取材の積み重ねでたくさんの発見があり、自身の暮らしにも変化が生まれたといいます。これまでとこれから、4人それぞれが見つめる世の中の状況をスペシャルレポートにまとめました。ハナコラボSDGsレポーターズには、参加して半年ほど。普段は演劇を中心にオールラウンドで記事を書いていますが、ここ1、2年でSDGs関連の取材がすごく増えたのを体感していました。プライベートでは結婚して子どもが生まれ、中古の家を購入するという大きな変化も。この家には元からソーラーパネルがついていて、家庭の電力をまかなっています。エコだし、電気代は安くなるしで、良いことずくめです。SDGs対策について、私はそれまで国の事業として捉えていて、自分とは遠いところにあると思っていました。でも、レポーターとして活動を始めてみると〝自分の周囲半径5メートル〞から手をつけられることがわかったんです。スモールビジネスともいえる〈カエルデザイン〉や「HAVARY’S(ハバリーズ)」、最近取材した〈MUSKAAN(ムスカーン)〉などのアイテムは日常に取り入れられる素敵なもの。「これで良いんだ!」と発見でした。私の暮らしを見直すチャンスにもなって、日常の選択が少しずつ変わっている気がします。【IMPRESSIVE ACTIVITIES】1.ヴィンテージ着物が蘇る!唯一無二の美しさにうっとり。/第47回(仮) ハナコラボSDGsレポート・ヴィンテージ着物をアップサイクル。ファッションブランド〈MUSKAAN〉。この色鮮やかなデザインは、日本の伝統的なテキスタイル。たんすに眠るヴィンテージ着物をアップサイクルした、新しいブランド〈MUSKAAN〉の作品です。「既に価値のあるものをデザインやファッションの力で変革したい」と、ブランドを立ち上げたのは石坂美由紀さん。石坂さんが選んだ着物を見ていると、ヴィンテージ着物にもいろいろあることを発見しました。デザインされた1点もので、着物が語り継がれます。石坂美由紀さん。写真1枚目・デザイナーの石坂さんは、ブランドの立ち上げ前にイギリスでサステナビリティを学んできた。アイテムはトップス、スカート、パンツなどのウェアだけでなく、キルティング加工のミニバッグもかわいい。ポップアップショップも随時開催。2.放置されたプラごみがかわいいアクセサリーに!/第28回 ハナコラボSDGsレポート・海に漂流したプラスチックごみをアクセサリーに蘇らせる。石川県で障害のある方とともにつくる〈カエルデザイン〉石川県金沢市でプラスチックごみのアップサイクルに取り組んでいるブランド。クリエイティブディレクター・高柳豊さんを中心としたチームは、リハビリ型就労支援施設〈リハス〉と協働して制作にあたっており、SDGsに関するさまざまなアクションが織り交ぜられています。実際に作られたアクセサリーはデザインが素敵。でもそれが海洋プラスチックごみで作られているとは、考えさせられるアイテムでした。〈カエルデザイン〉クリエイティブディレクターの高柳豊さん。写真1枚目・高柳さんは地元の海岸に流れ着いたごみに圧倒され、ブランドの設立に至った。写真2枚目・拾ってきたプラスチックごみは環境配慮のため重曹のみで洗浄し、色分け。アイロンでプレスして板状にしたらアクセサリーに仕上げる。ほか、廃棄花を加工したものも。3.“三方よし”を具現化したおしゃれなだけじゃない水。/第23回 ハナコラボSDGsレポート・ありそうでなかった!環境に配慮した紙パックのナチュラルウォーター「HAVARY’S」紙パッケージの飲料水「HAVARY’S」は、森林の環境保全に配慮しているFSC認証を取得した包材を用いています。ほかにも、1本につき1円を世界自然保護基金に寄付したり、送料無料のリサイクル回収BOXを用意したりと、心配りに抜け目がありません。紙パックの水は、すでに海外では当たり前の存在。矢野玲美社長の家業はペットボトル飲料水の製造業ですが、企業としての責任や未来を考え、起業に至ったそう。〈株式会社ハバリーズ〉矢野玲美社長写真1枚目・矢野社長。「1本の水から世界が変わる」のメッセージを掲げている。写真2枚目・パッケージにはペガサスをデザイン。第一水源が大分の羽馬礼(はばれい)という場所にあることに、ブランド名とデザインの由来がある。330ml 12本入り2,074円。フリーライター。1988年東京都生まれで一児の母。旅と演劇を愛するアラサー女子。海外渡航歴は40カ国超だが、最近は国内旅行にもはまっている。(Hanako1202号掲載/photo : Kaori Ouchi text : Kahoko Nishimura)
2021年12月05日みなさんは、「仮初」の読み方がわかりますか?「かりはつ」と読んでしまった人は、それは間違いなので要注意!今回は、難読漢字を4つみなさんにご紹介します。読める漢字があるかどうか、ぜひ挑戦してみてくださいね♪(1)「五月女」「五月女」の読み方は、「さおとめ」と読むのが正解です!「五月女(さおとめ)」とは日本の名字のひとつで、「早乙女(さおとめ)」が変化してできたものです。「早乙女(さおとめ)」とは、5月頃の田んぼに苗を植える女性のことです。「五月女(さおとめ)」という名字は栃木県に多く存在し、「そうとめ」や「そおとめ」、「さつきめ」などさまざまな読み方があります。(2)「毋れ」「毋れ」の読み方は、「なかれ」と読むのが正解です!「毋れ(なかれ)」とは禁止の意を表す言葉で、”〜してはいけない”や”〜するな”という意味で使うことができます。たとえば、”驚いてはいけない”ということを、”驚く毋れ(なかれ)”と表現することができます。また、「なかれ」はほかにも漢字表記があり、「勿れ」や「莫れ」と書くこともできます。(3)「仮初」「仮初」の読み方は、「かりそめ」と読むのが正解です!「仮初(かりそめ)」とは、”永久でないこと”や”間に合わせ”、”その場限り”という意味です。たとえば、本来の姿ではない、その場限りの姿で現れることを、「仮初(かりそめ)の姿で現れる」と表現することができます。ほかにも、睡眠の効果を得られていない睡眠のことを、「仮初(かりそめ)の睡眠」と表したりなど、いろんなことに使うことができる言葉です。(4)「囀る」「囀る」の読み方は、「さえずる」と読むのが正解です!「囀る(さえずる)」とは、”小鳥がしきりに鳴く”という意味です。小鳥がしきりに鳴いていることを、そのまま「小鳥が囀る(さえずる)」と表現することができます。また、そのことから、やかましく喋っていることをさげすんで表すときにも使うことができます。読める漢字はありましたか?今回ご紹介した漢字はどれも難読なものばかりでしたが、みなさんは読める漢字があったでしょうか。読むことができなかった漢字は、これを機会に覚えてみてくださいね。"
2021年06月19日世の中にあるさまざまな“まっとう”を、ちょっとクスッとしてしまう視点で観察し、レトロでチャーミングな絵と言葉で表現するのが得意な、五月女ケイ子さん。今回久しぶりに、その得意技をふんだんに使った“ネタ本”『乙女のサバイバル手帖』を上梓。この不安定な世の中を明るく楽しく乗り切るための、女性たちの心強いバイブルになる一冊です。全部冗談に見えるかもしれませんが、実は結構“本当”が詰まっています。「実は、16年前…自分で言ってて怖いですが(笑)、に出した、女性が世の中を渡るためのエチケットをまとめた“ネタ本”『淑女のエチケット』があり、それを小学生時代に読んでいたという20代の編集者さんからご連絡をいただき、今回の本を作りました。日常に潜むいろんな問題を、華麗におもしろく乗り越えるエチケットを、真実と冗談を交えて書いた内容だったんですが、今の世の中の感覚で、またそういう本を作りたいとおっしゃっていただいて…」五月女さんがおっしゃるネタ本とは、世の中のさまざまなことを冗談で斬っていく、虚実ないまぜの笑える本のこと。読むとニヤニヤやクスクスが止まらないのが特徴で、’90年代後半から’00年代中頃くらいまで、多数出版されていたのだそう。「そういう本を読んで育った世代なので、個人的に今でもそういう感覚は大好きなのですが、でも社会の雰囲気も時間とともに変わってきて、昔は通じた冗談が、今は通じなくなっているということも、理解しています。なので、最初にお話をもらったときは、『え、今!?大丈夫?』と思ったのは事実です(笑)。でも、そもそも私の絵自体が冗談みたいな作風だし、個展に来てくださった方などの反応を見ていると、温かく受け止めてくださる印象があるので、あえて今、やってみようかと。ただ、出す以上は、内容にも責任を持たなければならない自覚はあるので、冗談のような視点は昔のままで、表現方法はちゃんとアップデートさせたいと思いながら、描き上げました」悩む乙女からの質問に、人生の酸いも甘いも味わい尽くした乙女の先輩であるミロ子さんが答えてくれる、お悩み相談スタイルで展開されるこの本。恋、仕事、暮らし、そして自分に対して、愛と冗談が溢れる回答が満載です。「昔は、同世代の女性に向けて描いていたところがありますが、私自身、娘を育てる母親でもあるので、今は20~30代の女の子たちを応援したい気持ちがどんどん強くなっています。なので今回は、自分より若い女の子を中心に、男性も含め、乙女心を持つ全人類の人生に役立ててもらいたい、と思って描きました。と言いつつ、内容はかなりくだらないんですけどね(笑)。サバイバル手帖と言ってますが、本当にサバイバルに使えるかどうかは…。ただ、悩んだりつらい思いをしたとき、冗談で考えてみると、バカバカしいと思いながらも結構軽やかに乗り越えられたりするんです。40代も半ばを過ぎた今、改めてそう思います」つまらない合コンから逃げ出すための、壁や赤ちょうちんに擬態をする方法や、ゆとりっぽく見られるのを避けるために、首を太くする筋トレを、などなど…。どこまでが本当でどこまでが冗談なのか、玉虫色の世界をニヤニヤ楽しむのが乙な一冊。「全部まやかしだと思うかもしれませんが、例えば首を太くする筋トレの方法は本当ですし、花言葉なんかも実際にあるものなんです。おそらく6割くらいは本当のことが書いてあると思うので(笑)、いざとなっても、結構本当に使えると思います(笑)。コロナが終息し外に出られる日まで、おうちでこれを読み、胆力をつけてください(笑)」『乙女のサバイバル手帖』「部屋が片付けられないときは…」というお悩みへのミロ子先輩からの回答は、“浮袋にできるか”と“再利用できるか”の2つを軸に、断捨離せよというもの。「乙女の豆知識」に記されているズボンを浮袋にする方法は、実際に使えるそう。豆知識のコーナーは、リアルに役立つ内容多し。平凡社1300円そおとめ・けいこイラストレーター、エッセイスト、漫画家。広告や雑誌をはじめ、さまざまなジャンルで活躍中。小誌では、ジャーナリストの堀潤さんと共に、コラム「社会のじかん」を連載中。※『anan』2021年3月17日号より。写真・小笠原真紀(五月女さん)中島慶子(本)インタビュー、文・河野友紀(by anan編集部)
2021年03月16日本誌では、連載ページをはじめ、特集記事でイラストを担当してくれることもある、五月女ケイ子さん。最近はCMなどでも活躍している、まさに売れっ子イラストレーターです。そんな五月女さんが、5年ぶりに個展を開催。タイトルは前回を引き継ぎ、その名も「乙女の逆襲展2」。スタローンの映画のような飛躍力、それを感じさせる展覧会にしたい。「’15年の展覧会の準備期間は40歳になった頃で、人生の岐路に立ってる印象がありました。その中から、自分を変えたい思い、そして“逆襲”という言葉が生まれ、あの展覧会に繋がりました。女でも『崖っぷちだ』って言ってもいいし、『酒飲みたい』って言ってもいいじゃんという気持ちで描いた絵に、いろんな女性から『今の気持ちにフィットしてます』と声をかけてもらい、『あぁ、みんな同じことを考えてたんだな』と、感動したのを覚えています」そして今年はパート2。しかも前回同様、またもや少し、迷いを感じながら準備を始めたそう。「春先からのコロナ禍の中で目標が見えなくなり、私の絵って本当に必要とされているのだろうか…と、悩んでしまう日もありました。その中でたまたまツイッターに上げた絵に、『元気が出ました』という書き込みをたくさんいただいて…。絵そのものが、物理的に何か役に立てるわけではないけれど、見た人が笑ってくれたりすることで、元気を出すことのお手伝いはできるかもしれない。そんな気持ちで、改めて展覧会に向き合うことになりました」前回は自分の殻を破るという“個人個人の逆襲”でした。さて’20年の五月女ケイ子は、何に逆襲を?「世の中の雰囲気も5年前とは大きく変わりましたよね。SNSで自分の意見を言える人が増えた印象がありますし、特に女性が『つらい!』と言えるようになった。例えば“ポテトサラダくらい作れ”論争とかもそう。女の人も男の人も、“当たり前”から少しずつ解放され始めている。そういう意味では、逆襲は結構進んでいる気がします(笑)。だからこそ今、『頑張っていきましょうよ~!』と、みんなに呼びかけたくなった…のかな(笑)。以前の私は“清く正しく美しく”でしたが、今は“清く正しく、たくましく”。私の好きな映画『ロッキー』と『ランボー』は、1は普通の映画だったのに、2になった途端、急に肉体派になるんです。この展覧会も“2”なので、その2作のような、飛躍力のある絵をお見せできたら嬉しいです」「五月女ケイ子 乙女の逆襲展2」ギャラリーハウスMAYA東京都港区北青山2‐10‐26開催中~12月20日(日)11時30分~19時(土・日曜、最終日は17時まで)TEL:03・3402・9849 ©Keiko Sootome 2020そおとめ・けいこイラストレーター。本誌で堀潤さんと「社会のじかん」を連載中。また今年は、カップヌードルやNewマイティアCLスタンダードのCMなどのイラストも手掛け、話題に。※『anan』2020年12月16日号より。写真・小笠原真紀(by anan編集部)
2020年12月12日どこか昔を思わせるレトロな雰囲気と、ビビッドな色彩が印象的な五月女ケイ子さんの絵。弊誌の堀潤さんの連載「社会のじかん」の挿絵でもおなじみの五月女さんが、このたび個展を開催することに。「雑誌のイラストだったり、広告に使う絵だったり…。仕事で頼まれて描く絵はあらかじめテーマが決まっているので、それに沿って、さらに相手が何を望んでいるかを考えつつ描くもの。でも個展のために描く絵は、“私が何を言いたいか”が大事になってくる。まずはテーマ、絵を通して発信したいことを決める。そして自分の内面を探り、追求する作業があるところが、仕事で描く絵とのいちばんの違いでしょうか」個展のために自身と向かい合い、考え、ペンを走らせることで、自己に対する新たな発見や驚きと出合える。その時間が楽しいと語ります。「私ってこんなことを考えてたんだ、とか、こんなふうに世間を見て、感じていたんだということが、徐々に見えてくるのがおもしろいですね。絵を通して、世の中と自分を繋げていくような感じ。まさに今、その作業の真っただ中なので、日々自分と向き合ってる感じです」今回のテーマは、日本人にとってとても大きな存在である、富士山。もともと好きで、今までも幾度となく描いてきたモチーフです。「富士山は、私が思う“ザ・昭和”の象徴みたいな存在で、美しく素敵、愛らしさもありますよね。私自身は平成になってから仕事を始めて今に至るのですが、なぜかよく私の画風は、“昭和レトロ”と言われることが多くて(笑)。もうすぐ平成が終わる中で、あえてその“昭和の象徴”的なものを描くことに、なにか意味があるような気がしています」本来は、そんなに主義主張を掲げるようなタイプの作家ではない、と自らを分析する五月女さん。しかし、ここ数年変化があるようで…?「たぶんアンアンで、『社会のじかん』の挿絵を描いてることが、結構大きい気がします。あのコーナーに関わっていることで、いろんなことに興味が出てきて、少しずつ“伝えたいこと”みたいなものも出てきたというか…。一つの時代が終わる今、この先、時代や日本、世の中、そして私自身、どうなっていくのかなと、ふと思うことがよくあって。昭和という過ぎた時代をテーマにしつつ、この先の未来に繋がるような作品を作り出せたらいいですね」あえて最後に無粋な質問を。個展では絵を販売するそうですが、売れたらやりたいことはありますか?「えー!?じゃあ自動運転の車を買うべく、貯金しようかな。なんか明るい未来っぽくないですか?あと私、免許持ってないし(笑)」今回展示する作品は、すべて販売するそう。富士山仕様の角隠しをかぶった淑女の絵が、今回のイメージビジュアル。その他の画像は順に、年賀状に使いたいくらいおめでたい絵、富士山クリスマスツリー仕様…。そおとめ・けいこイラストレーター。タレントやコラムニストとしても活動中。今年は台湾でも大規模な個展を開催し、大好評を得たそう。『五月女ケイ子の富士山展』GALLERY HOUSE MAYA東京都港区北青山2-10-2611月19日(月)~12月1日(土)11:30~19:00(土曜~17:00)日曜休無料TEL:03・3402・9849©keiko sootome※『anan』2018年11月21日号より。写真・内田紘倫(The VOICE)インタビュー、文・河野友紀(by anan編集部)
2018年11月14日東京都・渋谷のパルコミュージアム(渋谷パルコPART1・3F)は、イラストレーター・五月女ケイ子の代表作を再構成した展覧会「五月女ケイ子の逆襲 ~ケイ子の裏博覧会~」を開催する。会期は4月7日~4月17日。開場時間は10:00~21:00(4月17日は18:00閉場)。入場料は一般500円、学生400円、小学生以下無料。同展は、五月女ケイ子がこれまでに描きためた代表作を「逆襲」をテーマに再構成したもの。さらに「逆襲」をテーマに描き下ろし作品も加えられて一挙公開される。会場内には原画をはじめ、五月女ケイ子制作のアニメーションや映像作品(フジテレビCOOL TVチャンネル配信「バカ・ミゼラブル」、映画「バカ昔ばなし」など)、いくつかの参加型・体験型の演出も用意されている。会場を巡りながら、人生あるあるに大きく頷き、ときに笑い、ときに涙し、大スペクタクルな新しい五月女ワールドを体感することができる展覧会になっているということだ。なお、入場者には"人生のターニングポイントで大活躍するかもしれない"特製「ケイ子の逆襲語録シール」がプレゼントされる(なくなり次第終了)。同展の開催に際し、五月女氏は次のように語っている。「20代の頃から、上を見たピュアな人を描いてきたけど、だいぶ大人になって、こう思います。上を見ない日があってもいいじゃない。髭生えたって、お金が一番だって、ずるくても不器用でもいいじゃない。崖っぷちを這い上がってでも、前にすすむ、そんな愛おしい全大人たちに、この「逆襲」展覧会を捧げます。そう、ケイ子の逆襲のはじまりです。」なお、五月女ケイ子(そおとめけいこ)はイラストレーター、コラムニスト、脱力劇画家、役者的活動。1974年山口県生まれ。横浜育ち。大学卒業後、独学でイラストレーターに。イラストを担当した「新しい単位」(扶桑社刊)が30万部を超えるベストセラーとなりアジア各国でも発売。2013年リリースされたLINEスタンプもその独特なタッチとシュールさで人気となる。2015年TOKYO DESIGNERS WEEKSの「北斎漫画インスパイア」展のミラノにも出展。ももいろクローバーZ「親子祭り」のグッズデザイン、back numberの「オールナイトニッポン」の番組特製カルタなどグッズデザインも手がけている。
2016年03月09日“ユニーク度”の高いイラストでおなじみの五月女ケイ子さん。ビビッドな原色を多用したカラーイラストは、どこかレトロで懐かしく。水墨画のようなモノクロの作品は、そのシュールさに思わずくすっと笑ってしまう。また、お姫様のような夢見がちな女の子の絵も印象的!そんな五月女さん、大学時代は編集者になりたかったそうで。お話をお聞きしました。***――ということは、入社試験を受けたんですか?五月女:いや、受けてない(笑)。私たちのときって超就職難の時代で、こりゃどうせ入れないだろうと思って、書類も出さなかった。でも、それまでまったり映画撮ってたような人たちも、みんなテキパキ就職活動して内定取ってて、「え、私どうするんだ?」って、初めて将来をリアルに考えたんです。そこでようやく、「イラスト描きたいかも…?イラストレーターになりたい…?なろう!」ってなりまして(笑)。それまでちゃんと絵を描いてなかったのに。――自信はありました?五月女:あったんですよね…。私は岐路に立ったときは、心の赴くままに進むほうなんですが、なぜかいつも妙な自信があるんです。自分でも、なんだそれ?って思うんですけど…。いや、思い込みが激しいのかな(笑)。でも、ものを作りたいっていう気持ちが本当に強かったし、こんなにもの作りがしたい人はいないだろうから、気持ちでは負けてない!って思ってた気がする。基本的には自分に全く自信がないので、強い気持ちに必要以上に頼っちゃうのかも…。とはいえ行動せねばと思って、それから毎日イラストを描いて、溜まったものをいろんな出版社に送って、初めてご連絡をいただいたのが、御社の『Hanako』でした。嬉しかったなぁ。――なるほど。その頃から、今みたいなシュールな作風でした?五月女:全然違います。頼まれるがままに、かわいい雰囲気のイラストみたいなのを描いてました。スタイルにはまったくこだわりがなかったので。でも、やっぱりそれって魅力がなかったみたいで、せっかくいただいた連載のイラストがすぐ終わっちゃったり、そんなにうまくいかなかったんです。それであるとき、当時まだ彼氏だった今の夫から、「<徹子の部屋の、他の部屋や屋敷の周囲がどうなってるのか>っていうイラストを描いてほしい」と頼まれたんです。おどろおどろしい、ちょっと怖い感じで描いてほしい、と。例えば、お菓子のルマンドの部屋があったり、地下で誰かが発電してたり、屋敷の外には野犬がいっぱい…みたいな。そのとき私はバイトしかしてなかったから時間もあって、3日くらいかけて描いたんですが、それが本当に楽しくて。――今まで描いていた絵と、何が違ったんですか?五月女:初めて、かわいくない絵を描いたんです(笑)。今まで、“かわいい絵”を求められることが多くて、なんかそれがしっくりきてなくて。それから、絵を通じて人を笑わせるっていうのも初めてだったし、それもすごく楽しかった。たぶん“こういう絵を描きたい”って、絵に対して自我を持ったのも、そこが初めてだったと思う。描き上げたときの満足感とやりきった感は、今でも忘れられません。――その絵は、結局どこかに掲載されたのでしょうか?五月女:二人でその絵を持って、マンガ雑誌の編集部に売り込みに行ったりしたんですけど、まあテーマがテーマなので、お蔵入り。しかし今思うとやってることが若いですねぇ。『バクマン。』とか、『まんが道』みたいだ(笑)。◇そおとめ・けいこ1974年生まれ、山口県出身。大学卒業後にイラストレーターとなり、現在、広告や雑誌、LINEスタンプなど、幅広いジャンルで活躍中。弊誌でも堀潤さんの連載「社会のじかん」の挿絵&一言コメントを担当。夫は放送作家・演出家の細川徹氏。1児の母。◇展覧会に向けての一枚。11/9~14まで、外苑前の<ギャラリーハウス マヤ>にて、「五月女ケイ子乙女の逆襲展」という展覧会を開催。“清く正しく美しく、コノヤローバカヤロー”な、ニュー乙女の決起集会、だそうです。イラストはもちろん、乙女の鉄アレイアクセサリー(?!)も販売。怒れる女子は大集合すべし。※『anan』2015年11月11日号より。写真・小笠原真紀衣装協力・東京ドレス
2015年11月09日