●転機となった『新しい波8』オーディション秘話「お笑いは一番好きな仕事で楽しいけど、天職だと思っていない。そんな才能もあると思えないですしね」。そう笑って話すのは、お笑いコンビ・ドランクドラゴンの塚地武雅、49歳。芸人としても、俳優としても、タレントとしても、間違いなく“売れっ子”である塚地だが「この仕事を天職だと思う?」と聞くと、冒頭の答えが返ってきた。ドランクドラゴンは1996年に結成され、今年で25周年。これまでの軌跡、転機となった出来事、そして50歳を前に叶えたい野望について話を聞いた。塚地は大学卒業後に仏壇メーカーに就職するも、お笑いの道を諦めきれず会社を半年で辞め、人力舎のお笑い養成所に入学。そこで相方の鈴木拓と出会い、コンビを結成する。「サラリーマンを続けていれば、お給料いただけるし、仕事はちゃんとある。人生としては問題なかった。でも、もし高校を卒業していきなりお笑いの養成所に入っていたら『お笑い以外の道もあったのでは?』と思ってしまっていたので結果的によかった」と振り返る。「お笑いの道で生きていこう」と固く決意したのは養成所内でのできごと。「養成所入って1年後に残れるかどうかを決めるオーディションがあって、ステージでネタを披露して受かったら事務所に所属できるっていう。で、そのオーディションで残れた。そのとき『コレや!』って思ったんです。最悪売れなくていいと思えたくらい、舞台に立ってウケた感じが心地よくて、それが自分の人生でほしいものだとわかった。そう僕はこれがしたかったんだと心の底から思えた」。芸人としての目標は『夢で逢えたら』のようなコント番組に出演すること。『夢で逢えたら』は1980年代後半から90年代前半にフジテレビ系で放送された伝説のお笑い番組で、ダウンタウン、ウッチャンナンチャン、清水ミチコ、野沢直子らそうそうたるメンバーがお茶の間の爆笑をさらっていった。「『なんてかっこいいんだ!』と思ったんです。力強さとパワーがあって、こういう番組に出るのが目標の1つだった。この番組にはほんまに衝撃を受けましたね」。そんな塚地にチャンスが巡ってくる。お笑い界には“8年周期説”というものがある。ビートたけしの8つ下が明石家さんま。さんまの8つ下がダウンタウン、ダウンタウンの8つ下がナインティナイン…と8年ごとにスターが誕生していることを基にしているのだが、その8年周期説をベースにナイナイの次のビッグスターを発掘しようと1992年に始まったのがフジテレビ系のオーディション番組『新しい波』シリーズ。塚地は2000年放送の第2弾『新しい波8』に参加することになるのだが……。「そのオーディション、最初は参加させてもらえなかった。僕は年齢いってからこの業界に入っていて、ナイナイさんやよゐこさんと同い年。8年後のスターを探すコンセプトの番組やから、同い年の僕はオーディションに行かせてもらえなかった。事務所の人がオーディションを断っちゃって」。落胆する中、浅草の寄席・木馬亭でライブを開催。来場したお客はわずか3人だったが、「お客さんの一人が番組(新しい波8)のディレクターだった」。そのディレクターがドランクドラゴンのネタを気に入り、『新しい波8』に呼ぶ。そして無事に参加できたドランクドラゴンは、『新しい波8』から選抜されたキングコング、ロバート、北陽、インパルスとともに『はねるのトびら』をスタートさせた。ドランクドラゴンの名は『はねるのトびら』で一気に上昇。ブレイクを果たす。当時について「深夜にユニットもののお笑い番組をやらせてもらって、ほんまについている。『新しい波8』のオーディションが転機になったオーディションですね。それがなかったら今、この場にはいないです」としみじみだ。●俳優としても活躍「お笑いがお芝居を呼んできている」映画『間宮兄弟』で佐々木蔵之介とともにダブル主演を務め、日本アカデミー賞新人俳優賞のほか、各映画賞の新人賞を総なめ。ドラマ『裸の大将』が復活した際には故・芦屋雁之助さんが演じていた山下清役を引き継いだ。近年の朝ドラ、大河ドラマの活躍も言わずもがなだ。ただ、どんな俳優として栄光を浴びようとも芸人というスタンスは変わらない。「よく『芸人を辞めて俳優さんに転向しても大丈夫』と言ってもらえるのですが、そういうことじゃない。お笑いやっているからコメディ的な役が自分に回ってくる。お笑いをとるポジションとか、ダメな男の役とか、犯人役とか……。お笑いがベースにあって、そこから派生して呼んでもらっているだけなので、芸人と俳優は別物じゃない。つながっているんですよ。お笑いがお芝居を呼んできているだけ」と自身の立ち位置を冷静に語る。塚地は特撮ヒーロー作品やK-POPの大ファン。芸人・俳優以外にも、こうした趣味が高じた仕事も多い。最近では、dTVで日本独占配信されている韓国の大型オーディション番組『LOUD』(毎週土曜0:00~更新)の見どころを紹介する特別番組「『LOUD』~今からでも間に合う!見どころ大放出SP~」でMCを務めており、16年におよぶK-POP愛が抜てきを手繰り寄せた。このナビゲート番組では、朝日奈央らとともに『LOUD』の魅力を紹介。塚地は「朝日奈央ちゃんたちと楽しさを共有しているのに過ぎない。堅苦しくもなく座談会みたいな感覚がただただ楽しくって。…MCとしてはどうなのかな?」と立場を忘れて夢中になるほどK-POPに夢中だ。アイドルになりたくてオーディション番組に参加する若人の姿に、かつての自分を重ねる。「オーディションって社会の縮図みたいなところがありますからね。この子は自分っぽいなって自分を投影させて、まだまだ自分も頑張らないとなって奮い立たせられるんですよ」。ピンの仕事も絶えない塚地だが、気になるのはドランクドラゴンとしての今後だ。「数年前に、ひとつのネタ番組で60本くらいのネタを披露させてもらって。それに加えてほかの仕事もあってネタに関していうと少し疲れてしまっていた時期があった」と低迷期があったことを明かす。それでも「コンビ的な活動においては、多くの人が知らないこともまだまだある。まだ手の内を全部見せている気はしていないので、ドランクドラゴンの単独ライブはいずれやりたい」と力強く答えた。芸歴25年。「この仕事は天職だと思う?」という質問には「いやぁ思っていないかな。お笑いは一番好きな仕事で楽しいけど、天職だと思っていない。そんな才能もあると思えないですしね。僕の場合『好きこそものの上手なれ』。好きだからこそ長く続けられているだけ。だから芸人を辞めようと思ったことも一度もない。会社員は半年で辞めましたけどね」と笑い飛ばした。最後に、今年11月で50歳となる塚地に野望を聞くと「こんな体型ではあるのですが、太った体を利用してアクションを撮りたいんですよ」と声を弾ませる。「もともと中学時代から特撮ヒーローが大好き。アクションスターになりたいという夢もあったんです。今もジムに行ったり、ボクシングをしたりと体を鍛え続けている。体力がなくなりギリギリのこのタイミングでアクションヒーローになるのも、逆にいいんじゃないか。アクションヒーローになって、コンビでライブして、それから死にたいですね。興味ある関係者の方がいたら名乗りを上げてください(笑)」。■塚地武雅1971年11月25日生まれ、大阪府出身。大学卒業後、仏壇メーカーに就職するも夢を諦められずお笑い養成所の門を叩く。1996年に鈴木拓とお笑いコンビ・ドランクドラゴンを結成。2001年~2012年に放送された『はねるのトびら』(フジテレビ系)でブレイクする。映画『間宮兄弟』(2006年)でダブル主演を務め、日本アカデミー賞新人俳優賞のほか数々の新人賞を受賞。ドラマ『裸の大将』で山下清役に抜擢され、NHKの大河ドラマ『平清盛』(2012年)、『西郷どん』(2018年)、朝の連続テレビ小説『まれ』(2015年)、『おちょやん』(2020年)に出演するなど俳優としての活躍も目覚ましい。
2021年08月20日●「“K-POPという現象”に夢中に」 オーディション番組もチェック自他ともに認める筋金入りのK-POP好きである、お笑いコンビ・ドランクドラゴンの塚地武雅。とあるきっかけでK-POPグループを知り、底なしの沼にハマって16年以上。その魅力に今も取り憑かれ続けている。塚地といえば、ももいろクローバーZの大ファンであることでも知られているが、そこから見えてくるそれぞれの良さは何か。また、アイドルたちが気づかせてくれた大切なこととは。dTVで日本独占配信されている韓国の大型オーディション番組『LOUD』(毎週土曜0:00~更新)の見どころを紹介する特別番組「『LOUD』~今からでも間に合う!見どころ大放出SP~」でMCを務めるなど、アイドル好きが仕事にもつながっている塚地にインタビューした。――塚地さんがK-POPにハマったきっかけを教えて下さい。もう16年くらい前かな。現場のメイクさんと趣味の話になって、その人が「東方神起にハマっている」って教えてくれました。次の日、別の現場の衣装さんも「東方神起が好き」と話していて、2日連続で東方神起の名前を聞いたんです。それで気になって動画を見てみたら「東方神起ってすごい!」となって。そこから色んな音楽番組を見ていくと、たくさんのグループがいることを知りました。当時だとWonder Girlsや少女時代、BIGBANGとか。『なんだこれは!』と驚いているうちに気づいたらCS放送で韓国の音楽番組を4局くらい契約していました(笑)。――芋づる式にグループや番組を知っていったのですね。音楽祭があってもグループとグループ楽曲を入れ替えて披露したり、別グループがコラボしたステージだったり、ショーマンシップのようなところも魅せられたうちの一つ。きっかけは東方神起さんでしたが、固定のグループを好きになるのではなく“K-POPという現象”に夢中になりました。――塚地さんはK-POP好きが高じてK-POPや韓国アイドルにまつわるお仕事も増えていますよね。最近ですと、「JYPエンターテインメント」の代表パク・ジニョン(J.Y.Park)さんと、「P NATION」の代表であるPSYさんの2人がプロデュースを務め、次世代ボーイズグループを誕生させる韓国のオーディション番組『LOUD(ラウド)』の見どころを紹介する特別番組でMCを務めています。『LOUD』の魅力はどんなところですか。『LOUD』では「JYPエンターテインメント」と「P NATION」から一組ずつグループを作って、デビューさせる。いきなり異なる事務所から2組を同時に作る番組は他では見たことないですね。そもそもプロデューサー2人にも魅力があるから、見ていて面白いし、2人が現役アーティストという点も斬新ですね。あと、J.Y.ParkさんとPSYさんは外見だけでなく中身も重視して参加者を審査してくれるから、個人的に信頼度は厚い。もちろん、アイドルグループなので外見も重要な要素なのですが、2人はちゃんと内なるスター性を見抜く。そこもほかのプロデューサーとは違う目線な気がして、その部分は見ていて感心します。――塚地さんの目から見て、原石はいましたか?練習生の子たちの中にも、一般の参加者の中にも、気になる原石がたくさんいるので、今後どうなっていくか楽しみです。――グループだけではなく、韓国のオーディション番組のチェックも欠かさないとか。最近では、NiziUがデビューするきっかけとなった「Nizi Project」のオーディションの様子が放送されて日本で話題になりましたね。『LOUD』などオーディション番組のどんなところに面白さを感じていますか。やはりデビュー前からグループや推しの子を知れるという点が大きいですね。それでデビューした後、世間が「この子いいな」という評価を受けると「自分は前から知っているんだ」という喜びになる。TWICEがそうでしたね。初期から知っているとどんどん感情移入するし、どんどん推しの子が洗練されていく様は見られるのがいい。その子が頑張っていると「自分も頑張ろう」と返ってくるのもうれしい。僕は内気な子とか、はしゃぐけどそんなに強気じゃない子とか、「自分っぽい子」を見つけて自己投影して見る傾向にあるかな。●K-POPとももクロ「両方追っていてめちゃくちゃ楽しい」――塚地さんはモノノフ(ももクロファンの愛称)でもありますよね。ももクロに惹かれた理由はなんでしょうか。昔、ダウンタウンさんが司会をされていた音楽番組『HEY!HEY!HEY! MUSIC CHAMP』でK-POP担当として出演させてもらっていて、AFTERSCHOOLやINFINITEというグループを紹介していました。その番組である時、日本のアイドルを特集する日があって、そこでももクロと出会いました。比べるのは違うと思いますが、韓国のアイドルはスキルが高い。そこにももクロが僕の目の前に現れ、リーダーの百田夏菜子ちゃんがアメフトみたいなごっつい衣装を着て立っていたんですよ。全力で、不思議で、なんか卓越していて……。K-POPが洗練されたメジャーリーグだとすると、ももクロは泥臭い高校野球のように感じ、K-POPにはないアプローチに見えたんです。「なんだ、このアイドルは!?」とビックリしました。――確かに、ももクロは異色だったかもしれません。満面の笑みで「ちーまーなーこ(血眼)」と歌うアイドルはいなかったですしね(笑)ですよね(笑)。ももクロを見たときに「異性を意識していない、異性からモテようとしていない」と思ったんです。僕がもっと若かったらアイドルを見て「かわいい、付き合いたい」という気持ちになるかもしれないけど、結構年齢を重ねているので、「子供たちが頑張っている」「青春を思い出す」という感情になる。だからその無邪気さに魅了された感じです。でも、ももクロは、ガニ股もするし、変顔も躊躇しないでやるし、それを本人たちが楽しんでやっていて、「異性からモテようとしてない」って。それが魅力でした。――なるほど。ももクロとK-POPは全然重ならないから、両方追っていてめちゃくちゃ楽しいですよ!――アイドルを応援していく中で、アイドルから影響を受けたことはありますか?大きく変わったのは「ファンの方への対応」です。僕がお笑いを始めたとき、まぁ尖っていました(笑)。あいさつも「うっす…」みたいな。面白かったらいいと思っていた時代だったので、当時はファンへのサービス精神はほぼなかった。かつて放送されていたNHKのお笑い番組『爆笑オンエアバトル』は、お客さんが面白いと思った芸人にボールを投票して、上位の芸人のネタが放送されるという仕組みで、投票の後にボールの計量があるのですが、オンエアが決まった瞬間も「うっす…」みたいな感じでした(笑)。クールで引いているほうがかっこいいと勘違いしていたんですよね。3年くらい前、地方で営業しているときにドランクドラゴンの追っかけをしてくれていた人が「実は昔のライブ見に行っていました」と一緒に撮った写真を見せてくれたんですが、僕まったく笑っていなくて。振り返っても、言葉が少なくて塩対応だったなって……。そのファンの方は気にしてなかったとは言ってくれましたが(笑)――今の塚地さんからは想像できないです。当時は笑顔なかったですよ。でも、アイドル好きになってファン心理を理解できました。アイドルが笑顔でいることにファンとしてこんなにうれしいことはないと。斜に構えて笑顔を隠すよりも、笑顔で対応したほうが何倍もファンの方はうれしいんだ、僕もそうしようという感覚に変わっていきましたね。誰がステージに出てぶっきらぼうな奴を見てうれしいねんって(笑)。今は「どうも~! ありがとうございます! 見てくださってありがとうございます!」って満面の笑みでステージに上がっています。自分の笑顔が、どれだけ周囲の人に連鎖するのかって。それがアイドルから学んだことです。■塚地武雅1971年11月25日生まれ、大阪府出身。大学卒業後、仏壇メーカーに就職するも夢を諦められずお笑い養成所の門を叩く。1996年に鈴木拓とお笑いコンビ・ドランクドラゴンを結成。2001年~2012年に放送された『はねるのトびら』(フジテレビ系)でブレイクする。映画『間宮兄弟』(2006年)でダブル主演を務め、日本アカデミー賞新人俳優賞のほか数々の新人賞を受賞。ドラマ『裸の大将』で山下清役に抜擢され、NHKの大河ドラマ『平清盛』(2012年)、『西郷どん』(2018年)、朝の連続テレビ小説『まれ』(2015年)、『おちょやん』(2020年)に出演するなど俳優としての活躍も目覚ましい。
2021年08月18日2021年6月23日付にて、YouTubeチャンネル『NONSTYLE井上365 ノンスタイル井上』では、カジサックこと、キングコングの梶原さんとノンスタイルの井上さんのコラボ企画の動画を配信中です。実はこの2人、同期でありながらツーショットでのトークは初めてで、梶原さんが半年ごとに井上さんを口説き続け、ようやく実現したとか。2000年にデビューした後、すぐにスターになったキングコングと、『追いつけ追い越せ』でやってきたノンスタイルは、かつて『不仲説』もささやかれていました。本動画は、そんな2人が、2021年6月22日付でYouTubeチャンネル『カジサック KAJISAC』と『NONSTYLE井上365 ノンスタイル井上』にて初のツーショット・トークを終えた翌日のもの。井上さんのYouTubeチャンネルでは『恋愛』をテーマにすることも多いようで、井上さんは、ヨメサックさんと知り合って15年以上という梶原さんに、かなり突っ込んだ質問をしているようですよ。さて、どんな話が聞けるのか、さっそく動画をご覧ください。梶原さん曰く、常に夫婦で恋愛する秘訣は、子供が寝たら「恋人に戻る」とのことでしたが、なかなかできることではないような…。どうやら不仲説は『デマ』だったようで、時々ボケながらも、仕事に対し本音で熱く語っている2人の姿がとても印象的でした。もし、前半のトークをご覧になりたい方は、こちらもご覧ください。[文/AnyMama(エニママ)・構成/grape編集部]
2021年07月21日井上芳雄が信頼を寄せる作・演出家、蓬莱竜太と6年ぶりにタッグを組む舞台『首切り王子と愚かな女』が6月に上演される。“ミュージカル界のプリンス”と呼ばれる井上の、プリンスではない個性派俳優としての顔を引き出してきた蓬莱が、今回井上に用意したのはなんと“王子”役。ただその王子も、やっぱり一筋縄ではいかないキャラクターのようで……。井上に、作品に対する期待や意気込みを訊いた。井上と蓬莱の出会いは2009年の舞台『Triangle~ルームシェアのススメ~』(蓬莱が脚本を担当)。この時に「すごく面白くてびっくりして、そこから蓬莱さんの作品を観に行くようになりました」という。その魅力については「よく言われていることですが、緻密な人間関係を描き、みんな感じてはいたけれど、見て見ぬふりをしていたようなことを物語の中でバンっと提示するところが魅力。でも作風は実は一作ずつ全然違っていて、常に新しくなり続けている。最近も劇団で人形劇ムービー(しがらみ紋次郎~恋する荒野路編~)を作っていらっしゃいました。挑戦し続けているところが、カッコいいですね」と話す。今回も蓬莱としては異色の、架空の王国を舞台にした大人のファンタジー。癇癪持ちで自分勝手、反乱分子の首を次々に落とす“首切り王子”と、生きる理由がわからず死のうとしている“愚かな女”をめぐる物語だ。井上は「僕、ネタでよく「自分は20年プリンスをやっています」みたいなことを言っていますが、実際、もうそんなに王子役って来ないんです。久しぶりに王子役が来たと思ったら“首切り王子”でした(笑)」と笑いながらも、演じる役柄を楽しみにしている様子。「僕はどうしても、正しい側の人を演じることが多いのですが、蓬莱さんは毎回そうじゃない役をくれる。今回もどうやら、複雑な設定がある模様です。こういうおとぎ話風のものを書くのは初めてだと仰っていましたが、やっぱりその中での人間模様は蓬莱さんらしく、痛いところを突いてきます。もともと蓬莱さんは「こんな時期だし、楽しいものが書きたい」と仰っていたのに、蓋を開けてみたら、全然楽しいだけの話じゃなかったのですが(笑)、僕としても人間の悲しさとか、愚かだけど可笑しいという面を演じられたら、と思っていますので。こういう役柄に挑戦できるのは、役者として嬉しいです」。王子と運命的に出会う“愚かな女”を演じるのは伊藤沙莉。「とても旬の……もちろん子役からずっとやってきての今だと思いますが、今、勢いがあって実力もある女優さん。芸歴が長い大女優みたいなところと、これからが期待される若い方だという、どちらの魅力もある。ご一緒するのが楽しみです。」『首切り王子と愚かな女』は6月15日(火)から7月4日(日)まで東京・PARCO劇場にて上演。その後大阪、広島、福岡公演も予定している。取材・文:平野祥恵
2021年06月07日貸し切りで1組のみ過ごせる、茶室のような空間日本を代表するトップシェフ監修の『酒の肴』大切な人に「フラワーボックス」で真心を贈る貸し切りで1組のみ過ごせる、茶室のような空間白壁にナチュラルな暖簾がひとつのミニマムな外観六本木駅徒歩4分、龍土町美術館通りにひっそりと佇む白壁の店【長谷川栄雅六本木】。暖簾の向こうには、美術館のような販売スペース。さらにその奥では1日5組限定で、極上の日本酒と日本を代表するトップシェフが監修する四季折々の『酒の肴』を楽しめます。茶室を彷彿とさせる和の佇まい店内は1組のみが約40分貸し切りで過ごせる座敷がひとつ設置さています。10畳ほどの畳敷きの和室の奥には季節の草花が生けられ、まさに茶室のような落ち着く空間。日本の伝統美に浸りながら、五感で日本酒の世界が楽しめます。1組4名までで、前日20時までの予約が必要です。日本を代表するトップシェフ監修の『酒の肴』5種類の日本酒に合わせた、四季折々の『酒の肴』を監修するのは日本を代表するトップシェフたち。シェフは数ヶ月ごとに入れ替わり、お酒へのアプローチがそれぞれ異なるため、贅沢な競演が繰り広げられます。ここからは料理とお酒の一例をご紹介します。季節ごとのマリアージュを楽しめる『酒の肴』日本を代表するトップシェフが監修する、5種類の『長谷川栄雅』に合わせたアテ=『酒の肴』の5品。それぞれの季節ごとに異なる極上のマリアージュが楽しめます。芳醇な香りと澄み渡る味わい『栄雅純米大吟醸』華やかさとなめらかさを併せ持つ味わいを目指し、無垢な旨さだけが取り出される「袋搾り」で抽出された『長谷川栄雅』を代表する一品。口に含めば芳醇な香りと澄み渡る味わいで、まさに至福のひととき。果実を思わせる気品ある香り『長谷川純米大吟醸三割五分』果実を思わせる気品ある香りが特長。旨みと甘味が調和し、柔らかく優美な味わいは食中酒としても最適です。米の存在感もしっかりと感じられ、『長谷川栄雅』の個性を体現した一品。大切な人に「フラワーボックス」で真心を贈る中村俊月氏から、その季節折々のお花をお届け華道家・中村俊月氏による、日本庭園を小箱に詰めたような「フラワーボックス」を大切な人にプレゼントできます(10日前までの要予約)。写真の2種類のプリザーブドフラワーはそれぞれ35,200円、生花なら17,600円からオーダー可能です。日本の美とその思いを込めた贈り物をぜひ。長谷川栄雅六本木【エリア】六本木【ジャンル】軽食・その他グルメ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】5500円【アクセス】六本木駅 徒歩4分
2021年05月26日プロボクサーの井上尚弥が、メンズエステティック「MEN’S TBC」のイメージキャラクターに起用された。今回のイメージキャラクター起用について、井上は「広告オファーをいただいたことを大変光栄に感じています」と謝意。続けて「自分は打たれないボクシングを心掛けて、なるべくなら美しいボクサーでありたいと思っています」と、自身が理想とするボクサー像を明かした。井上は普段から美容に対し関心が高く、同社の「美への追求」に共感してイメージキャラクターを務めることになったそうで、「スタイリッシュでカッコいいイメージを持っていたMEN’S TBCにサポートしてもらえることを嬉しく思います」と喜びのコメント。そして最後に「これまで以上に強く美しい井上尚弥を目指しますので、皆さんご声援をよろしくお願いします」とメッセージを送っている。なお、井上が登場する新CMは、14日から放送される。
2021年05月12日女優の森川葵が1日、NON STYLE・井上裕介のYouTubeチャンネル『NON STYLE井上365 ノンスタイル井上』に出演。合コンの“最強メンバー”として、プライベートでも交流のある3人の名前を発表した。この日公開された動画「【芸能界飲み会事情】トップ女優森川葵の豪華な交遊録! 出てくる名前がすごい!」で、合コンの“最強メンバー”を聞かれた森川は、「広瀬アリス。楽しいですよ。めちゃくちゃ面白いですよ」と言い、続けて、「島崎遥香。ぱるる、良い子よ。面白いし、独特の世界観持ってるし」と、仲が良い2人を猛プッシュ。最後に、浜辺美波の名前を挙げつつ、「でも多分、女子側の意思疎通がとれない」と、笑いながら明かしていた。今を時めく豪華メンバーに、井上は、「この合コン、最高に楽しいやろうな~。絶対行くよ。正直、俺20万円かかっても行くわ」と大興奮。一方で、「俺が来たら、どんな顔するやろな?」と、心配そうな表情を浮かべると、森川は、「アリスはめっちゃ喜ぶんじゃないですか? 楽しいの大好きだから。みーたん(浜辺)も、はじめは、えっ? てビックリするかもしれないけど、徐々にその状況をすごい面白がっていくと思う」と歓迎ムードだった。しかし、「楽しいのが好きやん? だから、ワーッてしゃべるやんか。でも、そこから1ミリでも口説く感じを出してきた瞬間……」と井上が続けると、「みんなで帰ると思います。帰ろっか~って言って」と笑顔でバッサリ。自分を含め、広瀬、島崎、浜辺の4人が集まると、コミュニケーションがとれないことを危惧していた森川だが、「そこの意思疎通だけはとれると思う」と、いたずらっぽく笑っていた。
2021年05月05日パコ ラバンヌ(Paco Rabanne)の2021年秋冬コレクションが発表された。艶やかなる“光”の饗宴光が散乱し、煌めきがほとばしる饗宴──“喜び”の探求を試みようとした今季のパコ ラバンヌは、艶やかなファブリックが織りなす優美なシルエットを基調に、きらびやかな装飾をふんだんに散りばめる。艶やかな素材感ときらびやかな装飾ぬらりと光沢を放つドレスは、身体に張り付くようにしなやかであり、ほどよくボリュームを持たせたスリーブが艶やかなドレープをかたち作る。多彩なジェムを織り交ぜたメタリックな装飾も、袖や裾などにあしらわれ、テキスタイルにのせたスネーク柄と交わりつつラグジュアリーな気分を高めている。眩いばかりに煌めきを放つ装飾は単にドレスなどを飾るのみならず、それ自体アクセサリーである以上に、いわばウェアすらを構築している。パールやストーンをふんだんに散りばめ、多彩な形と流麗な曲線を描くメタルパーツを執拗なまでに組み合わせたトップス風の装飾は、ほとんど退廃的なまでな高貴さを漂わせる。身体のラインを艶やかに引き立てる身体のシルエットは力強く肯定されているようだ。艶やかなシルエットを描くドレスはもちろんのこと、ベルベットのカーディガンは、タイトなサイズ感で仕上げられた。フロントに緻密に並んだボタンはいぶし銀のように鈍い光沢を放つとともに、控えめなギャザーを寄せ、その表情はエレガントだ。首元や袖先から覗くブラウスのフリルも、クラシカルなムードを引き立てている。重厚なコートにはフェイクファーをあしらって波打つようなフリルや刺繍をあしらったブラウスやワンピースにも見るように、テイストは甘く優雅で、クラシカル。他方で、ツイードやチェック柄のミディコートは、ボックスシルエットで重厚な雰囲気を漂わせつつも、大胆なフェイクファーでラグジュアリーなアクセントと色彩を加えた。
2021年03月15日ミュージカル『魔女の宅急便』が約3年ぶりに再演される。主人公のキキを演じる井上音生に話を聞いた。ミュージカル『魔女の宅急便』の公演情報はこちら井上は、’16年に第8回「東宝シンデレラ」オーディション特別賞・りぼん賞をW受賞し、’18年に映画『嘘を愛する女』で女優デビュー、’19年に舞台『魍魎の匣』で初舞台を踏んだ16歳。今作が舞台2作目、初主演となるが「出演が決まってうれしかったです。小さい頃からジブリ映画の『魔女の宅急便』を観ていて、私も魔女になりたいとか、魔法を使ってみたいと思っていたので、その頃の夢が叶いました」と軽やかな笑顔を見せる。自身の演じるキキについては「16歳になった今、台本や原作(角野栄子氏の児童書)を読むと、小さい頃に映画で観たキキとは印象が違いました。以前は魔法が使えてかわいい魔女だと思っていたのですが、今は、13歳の普通の女の子なんだなってことに気づきました。同い年の子に嫉妬もするし、ちょっといじわるもしたくなるし、ニキビが気になるところは私と同じで(笑)、親近感が湧きました。私は昨年4月に愛媛から上京したのですが、その時に不安だったことや戸惑ったことは、キキがコリコの町で暮らし始めた時の気持ちと重なると思います。そういう自分との共通点を見つけていって、自分らしいキキをつくっていきたいです」と語る。ミュージカルへの出演は初挑戦だが、小さい頃から観劇をすることは多く、劇団四季の『ライオンキング』や『オペラ座の怪人』、『レ・ミゼラブル』などを観てきたそう。その中でも「一番感動した」と明かすのが、朝夏まなとがアン王女を演じた『ローマの休日』。「アン王女が本当にきれいで、舞台の上でキラキラしていて。それを観て、私もやってみたいと強く思いました」と熱く語る。演出の岸本功喜からは「ミュージカルの歌は台詞なので、台詞として感情を込めて歌ってほしいと言われました」とアドバイスももらったそうで「稽古でも心掛けたい」と意気込む。今は「日々、女優の勉強」だと言い、「愛媛からの上京は、芸能活動にもっと向き合いたくて自分で決めました。自分が決めたからにはがんばらなくちゃいけないと思っています」と語る姿がキキとも重なる井上。フレッシュなキキに期待したい。ミュージカル『魔女の宅急便』は、3月25日(木)から28日(日)まで東京・新国立劇場 中劇場、4月10日(土)から11日(日)まで愛知・愛知県芸術劇場 大ホール、4月15日(木)から18日(日)まで大阪・メルパルクホール大阪にて上演予定。取材・文中川實穂
2021年03月05日赤堀雅秋が1年ぶりに手がける新作のテーマは、「8050問題」。母親の死後から引きこもりになった弟とその兄、老齢の父親、さらにNPO法人の相談員たちが紡ぎ出す、濃密な人間ドラマだ。そこで作、演出、出演の3役を兼ねる赤堀と、長男役の三宅弘城に話を聞いた。M&Oplaysプロデュース「白昼夢」の公演・チケット情報20年来のつき合いながら、赤堀作品に三宅が参加するのは今回が初。三宅は「念願の赤堀作品」と切り出し、「赤堀さんの書く世界と、演出する空気感がものすごく好きで。正直、赤堀さんの作品ならなんでもいいくらい(笑)。俳優としてはナイロン(100℃)で共演したことがあるんですが、すごく真面目ですし、赤堀さんが出て来ると途端に場が生々しくなる。そういうのを体験して、ますます一緒にやりたいと思うようになりました」と、全幅の信頼を寄せる。赤堀に三宅の俳優としての魅力を聞くと、「ご本人を前に恥ずかしいな」と照れつつも、「常に前向きで、少しでも面白くするために常に何かを打破しようとしている。すごく尊敬している俳優さんです」と、こちらも信頼の強さを伺わせた。キャストは5人のみ。長男を三宅、次男を荒川良々、父親を風間杜夫、NPO法人のスタッフを赤堀と吉岡里帆が演じる。この顔ぶれを見て赤堀は、「いいキャストだと思いますよ」としみじみ。「ちゃんと舞台の上で反応し合える人たちだと思うので、その化学変化みたいなものが楽しめるのではないかと思います」と、期待を膨らませる。三宅も「皆さん一緒になって作っていってくれる、チーム感のあるカンパニーになりそうですよね。こちらも気を抜いていられないなと思います」と、背筋を伸ばす。赤堀作品に関して、風間、荒川はすでに経験済みだが、異色なのは吉岡。ドラマ『あさが来た』で共演経験のある三宅は、「『私、小手先で出来ないんです』って言うくらい、すごく体当たりで熱い子」と当時を振り返ると、赤堀は「じゃなきゃ出ないですよね、このメンツで」とニヤリ。さらに「ほんわかしたイメージがありますけど、せっかくならグロテスクな部分も引き出せたら面白いかも」と、気になる言葉も飛び出した。現段階での物語の設定は前出の通りだが、実際どうなるかは赤堀のみぞ知るところ。当の本人は「僕が一番知りたいですけどね」と笑うも、最後にこう語る。「変な手触りの芝居になればいいなと思います。抽象的な言い方ではありますけど、この5人で、等分で、混沌とすればいいんじゃないかなと思いますね」。取材・文:野上瑠美子撮影:源賀津己
2021年02月16日2021年2月7日現在、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会の会長を務める森喜朗氏の発言に対し、批判の声が上がっています。森会長は同月3日に出席した、日本オリンピック委員会の臨時評議員会で「女性の多い会議は長引く」といった発言をしました。同月4日には発言内容を撤回する釈明会見を行いましたが、その後も批判の声はやんでいません。森喜朗氏の『差別発言』に各国大使館が…?「ありがとう!」「かっこよすぎる」鈴木紗理奈「森さんのような人はどこにでもいる」同月7日放送の、情報番組『サンデー・ジャポン』(TBS系)では、森会長の発言について特集。コメンテーターとして出演していたタレントの鈴木紗理奈さんは、「お世話になっているから指摘ができないという状況は誰にでもある」と語りました。私のいる世界(芸能界)にも、どの世界にも、森さんのような人がいらっしゃるんですよ。どこにもこういう価値観はあって。たぶん、女性だったらそれぞれが生きている世界でそれを感じているけど。実際にそういう方たちが力を持っていて、そういう方たちが積み上げてきたものの中で活躍させてもらっているからモノがいえない。サンデー・ジャポンーより引用鈴木さんは「多くの人が、差別を指摘できない立場にいる」と持論を展開。自身もそういった状況にあるものの、「勇気を持って声を上げたい」と主張しました。井上貴博アナの『疑問』に共感の声もコメンテーターとして出演していたモデルの長谷川ミラさんは、「差別的発言を受けた時には『今の発言、古いんじゃないですか?』『もう、今は令和ですよ!』みたいに、フランクに指摘したい」と意思を表示。長谷川さんのコメントを受け、MCとして出演していた井上貴博アナウンサーは、「失言をした人に対して、気を使わなければいけない状況がある」と、現状に疑問を呈しました。つまり、いわれたほうが気を使っているってことですよね。フランクに返さなきゃいけないような空気があるっていう。結局、女性側が気を使っているじゃないかと。サンデー・ジャポンーより引用その後も同番組ではさまざまな意見が交わされ、「差別をなくしていくためには、男女や立場などに関わらず、周囲が勇気を出して批判の声を上げていくことが大事」という結論に至っています。同番組内の一連の議論に対し、視聴者からはさまざまな意見が上がりました。・鈴木さんのいう通り、森会長のような発言をする人はどの業界にもいる!私の働く業界にも。そういう権力のある人に対して、間違いを指摘するのは難しいよね。・長谷川さんの意見、本当にそうだと思う。いいにくい相手だとしても容認していてはだめですね。フランクにでも、指摘していかなければいけないと思いました。・井上アナのひと言にハッとしました。なぜ、差別発言を受けた側が気を使わなければいけないのかと腹が立ちます。でも、結局は地道に指摘していくしかないんですよね。・僕も、自分の発言で周りに気を使わせているのではないかとドキッとしました。気を付けたいです。自身の中に根付いた価値観を変えることは、難しいこともあるでしょう。しかし、世間の価値観や常識は、時代とともに変わっていくものです。年齢を重ね、地位や権力を手にしたとしても、周囲の言葉に耳を傾け、注意や指摘を受けた時には、素直に考えを改められる人になりたいものですね。[文・構成/grape編集部]
2021年02月07日「上皇后さまと安野さんがお話しになるときは、本当に自然体なんです。安野さんはいたずらっ子みたいに、おかしなことばかり言っていました」そう思い出を振り返ってくれたのは、元編集者の末盛千枝子さん。『ふしぎなえ』『ABCの本』などの絵本でも知られる画家の安野光雅さんが亡くなっていたことが、1月16日にわかった。昨年12月24日に肝硬変のために死去、94歳だった。安野さんは上皇ご夫妻とも親交が深かった。美智子さまが英訳した絵本『どうぶつたち』『ふしぎなポケット』は、末盛さんが編集し、安野さんが挿絵や装画を描いている。さらに、美智子さまが児童文学やご自身の読書体験について語られた講演を収録した『橋をかける』『バーゼルより』の装画も、安野さんの手によるものだ。「忘れられないのは『バーゼルより』の表紙のために白樺の木を描いていただいたときのことです。上皇さまが入院され、上皇后さまは毎日看病に行かれていてたいへんな時期でした。でも、上皇后さまのお印の白樺を安野さんが描いた原画ができあがったとき、それがあまりにも美しい絵だったものですから……。上皇后さまへの励ましになればと、印刷に回す前に御所に伺って原画を見ていただきました。『今度の本の表紙に安野さんが描いてくださいました』と申し上げると、上皇后さまはとてもうれしそうなお顔をなさって『安野さんの友情を感じる』とまでおっしゃったのです」(末盛さん)精力的に活動を続けてきた安野さんだったが、70代のころ、直径4cmの肺がんが見つかる。生存率は5%だったというが、奇跡的に病いを乗り越えた。そして’11年1月からは1年余りにわたり数十回、皇居の吹上御苑に通って四季折々の草花を描き、『御所の花』にまとめて刊行した。俳優の檀ふみさんも、安野さんと長年の交流があった。「昨年の暮れですか、年賀状を書くときに『安野先生はどうしていらっしゃるだろう』と思っていたのですが……。最後にお会いしたのはいつだったかなと考えてみましたら、上皇后さまのお好きな本について『文藝春秋』(’19年3月号)で鼎談したときでした」(檀さん)■「もっと自由になって」美智子さまにメッセージ檀さんも平成のころ、上皇ご夫妻から御所に招かれたことがある。檀さんは’08年にNHKの『日めくり万葉集』の朗読を担当していたが、上皇ご夫妻はこの番組を毎週楽しみにされていたのだ。安野さんから美智子さまとのエピソードを聞くことも何度かあったという。「国際児童図書評議会(IBBY)の世界大会でビデオ上映された上皇后さまの講演を本にした『橋をかける』について、安野さんはこう話していました。『本の装丁に麦畑を描いたのですが、上皇后さまはその講演で、胸に麦のブローチを着けられていたことをあとでお聞きしました。上皇后さまがお母さまから贈られた思い出の品だったそうです』と。まったくの偶然だったといいます」上皇后さまの信頼の厚かった安野さんだからこそ言える言葉もあったのではないか、と檀さんは振り返る。安野さんは檀さんに、こんな話をしたこともあったという。「あの方は何かとご不自由がおありだと思う。ご自分の携帯電話をお持ちになっても、もしかしたら盗聴されてしまうかもしれない。だから、上皇后さまに僕の携帯電話を使ってどこでもお好きなところへかけていただこうと、電話をお貸ししようとしたこともあったんです」安野さんは、誰に対しても分け隔てなく接し、ユーモアにあふれた人だったという。「あくまで私の想像ですが、上皇后さまも、安野さんのそういったところが心地よかったのではないでしょうか」(檀さん)安野さんは3年前、上皇ご夫妻にこんなメッセージを送っていた。《皇居のお庭は、我々の庭に比べればうんと広いけれど、両陛下が自由にいられる場所があそこだけだとしたら、狭いと感じました。来年、退位されますね。とにかく、自由になっていただきたい》(『朝日新聞』’18年8月23日朝刊)長年にわたり、歌や絵本を通じて魂を通わせていた美智子さまと安野さん。美智子さまにとって、安野さんと語り合う時間こそが心の“自由”を感じられるひとときだったのかもしれない――。「女性自身」2021年2月9日号 掲載
2021年01月28日富山県で実際に起こった史実を元にした『大コメ騒動』公開御礼イベントに井上真央、室井滋、鈴木砂羽、監督の本木克英が登壇して無観客でトークショーを実施、その模様は映画公式YouTubeにて配信されている。1月8日(金)から全国公開されたものの、当初予定していた劇場での舞台挨拶から無観客の公開御礼イベントへと変更となった本作。井上さんから「本日は大変な中に集まっていただき有難うございます。昨日から公開していて、(作品を)観に行ってくれた人もいらっしゃると聞いて、感謝しています。今日の舞台挨拶が中止になって残念に思いますが、このような場を設けていただけて、思いがけずYouTubeデビューもできるので、今日は楽しんでいけたらと思います」とまず挨拶。「富山県人がたくさんかかわっている映画」と語った室井さんは「(富山県は現在)豪雪に見舞われていて、劇場に来て欲しいとも言えず試練の日々を迎えていますが、映画をご覧いただいてわかるように、103年前の米騒動そのものが試練で、試練の中で打ち勝っていく、という話」との説明が。鈴木さんも「『公開するのかな?』と、井上さんとも話していたりした」と言い、「映画をあきらめないで、エンターテインメントの必要性を考える機会だと思う。“負けんまい!”の精神で頑張っていきたい思います」とコメント。木木監督からは「仕上げの時が、第1回目の緊急事態宣言の時期で、スタッフとリモートで仕上げた。(今は)緊急事態宣言と、(北陸地方の)記録的豪雪と寒波に見舞われるという状況ではありますが、主演の井上さんが、こんな時期だからこそあえてメッセージを伝えたいとおっしゃってくださって」と明かし、「映画館へ来て欲しいとも言えないですが、映画館は開いています!ということを言いたい」とそれぞれの思いを語った。また、ちょうど1月8日(金)時点で、富山県内での観客動員数が1万人を突破したことが、伝えられると、一同笑顔を浮かべた。今回のイベントは、ゲストによる完全フリートーク形式。監督が「主演の井上さんから、今回の御礼イベントをしようと提案があったんですよね」と切り出されると、井上さんは「せっかくなら普段と違う舞台挨拶ができそうだな、と聞いてきたのに、来てみたら監督がやさぐれていて(笑)」と切り返し、それを受けた監督は「映画も演劇も次々と厳しいことになっている話を聞いていると、どうなるんだろう…という気持ちになってしまって…」と、やさぐれ感を出し始めるひと幕も。その後、室井さんの縁起を担いで新しい炊飯器を買ったという話から「103年前のおかかたちに食べさせてあげたいなあ、と思いながら、自分が太ってしまった(笑)」と“コメトーク”へ。。監督からは、「劇中の大正時代の仲仕たちは、男性は一日一升、女性は8合くらい食べていたくらい、お米がエネルギーで命の源だったんですよね」と、主人公たちの過酷な労働と米の大切さを語られる。井上さんは役作りのため撮影期間中は“米断ち”をしたといい、「お米を断ったら、体重がどんどん落ちていきました」と、時代を問わずお米の大切さを感じたそう。そこへ監督がすかさず「でも、日本酒は飲んでいたんですよね」と突っ込みを入れると、井上さんは「日本酒と、室井さんが美味しい鱒寿司を差し入れくださって。日本酒と酢飯はOKということにしました(笑)白米だけ食べなかったんですよね」という“独自ルール”が明かされ、笑いを誘った。作品の見どころへ話が及ぶと、鈴木さんは、「監督の作品は群像劇、動きがある作品だなと思っている。本作でも最後にある、一致団結したおかかたちが集まってくるところなど、見所はありますが、生活に密着した表現も散りばめられているので女性たちにも見てもらえたらと思う。自分が演じる役について、どういうまわしをするのか、など監督と話をさせていただいて、コミュニケーションをとりながら演じられた良い現場でした」と現場の思い出も交えて語る。そして井上さんは「観終えた後、庶民の底力というか、監督も前におっしゃていた、“時代は繰り返されるんだ”ということが、あるんだなと思った」と言い、「そのたびに、引っ張っていくリーダーがいると思うけれど、そういう大変な時に、名の無い人たちの頑張ろうとする力が大きく変えていくのだろうなと思う。この時代に勇気を与えられるような作品になっていると思います」と力を込めた。イベントの最後には、室井さんからは「不要不急の外出を避けないといけないけれど、心の栄養は必要だと思いますので、正しく恐れて様子をみて、周りの方とご相談して、安全に劇場にいらしてほしいです」とコメント。鈴木さんも「こういう世の中で生きているんだと考えるようにしている。そうすると、周りに左右されないで、自分自身を振り返れることができるチャンスでもあり、今は自分を振り返れるチャンスだと思っている。映画や演劇などをあきらめたくないですし、表現できることにチャレンジしたい。自分の意識の中では自由にできると思うので、映画館はやっていますので十分気を付けて楽しんでほしいです」との言葉が。井上さんからは「こういう大変な状況が続くと、出口のないトンネルにいる気分になることもありますが、そこに一筋射す光に、映画や娯楽というものがなればいいと思うし、そう信じて、私も頑張っていきたいと思う。安全第一だけれど、頑張りすぎず、“もう我慢できん!”と思ったら、この映画を思い出してほしいです」と、劇中で演じた“おかかたち”さながらに熱い言葉で本作をアピールした。本イベントの模様は、2月7日(日)まで映画公式YouTubeにて配信中。『大コメ騒動』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:大コメ騒動 2021年1月8日よりTOHOシネマズ日本橋ほか全国にて公開©︎2021「大コメ騒動」製作委員会
2021年01月10日女優として活躍している井上真央(いのうえ・まお)さん。そのかわいらしさと高い演技力で、多くの人から支持されています。そんな井上真央さんの現在の姿や活躍ぶり、アイドルグループ『嵐』の松本潤さんとの関係など、さまざまな情報をご紹介します!井上真央の現在の活躍や画像は?井上真央さんの近年の活躍ぶりを見てみましょう。2018年9月に、井上真央さんは、メ~テレ開局55周年記念ドラマ『乱反射』(テレビ朝日系)に加山光恵役で出演。俳優の妻夫木聡さんと夫婦役を演じました。 #妻夫木聡 × #井上真央 、初共演✨監督は #石井裕也 。 #貫井徳郎 の傑作ミステリー小説を、日本映画界を代表する俳優・監督・スタッフが集結し映像化メ~テレ開局55周年記念ドラマ⚡️『乱反射』テレビ朝日系列全国ネットで今秋放送です! pic.twitter.com/FqA4xD6NoY — メ~テレ (名古屋テレビ/メーテレ) (@nagoyatv_6ch) August 10, 2018 昨日19日(水)「 #乱反射 」の記者会見が行われました✨ #妻夫木聡 さん、 #井上真央 さん、原作の #貫井徳郎 さんが登壇し、後半サプライズで子役の #小岸洸琉 (ひかる)くんも登場 #9月22日土曜 #よる10時15分 #メ~テレ開局55周年記念ドラマ #テレビ朝日系列全国ネット pic.twitter.com/NRqsM6wakI — メ~テレ (名古屋テレビ/メーテレ) (@nagoyatv_6ch) September 20, 2018 2019年10~11月にかけて放送されたドラマ『少年寅次郎』(NHK総合)では、主人公・車光子役を熱演。土曜ドラマ【 #少年寅次郎 】第2話ご覧くださりありがとうございます。来週は第3話。W寅ちゃんです。あ、その前に再放送は30日の夜中、31日の0:55からです。 #NHKドラマ pic.twitter.com/U3WDHwAbad — NHKドラマ (@nhk_dramas) October 26, 2019 土曜ドラマ【 #少年寅次郎 】絶対に絶対に絶対に観てもらいたい最終話。放送まであと1時間。語り継がれる回になる予感! #NHKドラマ pic.twitter.com/RwdDQwewF8 — NHKドラマ (@nhk_dramas) November 16, 2019 同年12月公開の映画『カツベン!』では、橘琴江役を演じました。映画『 #カツベン !』公開2日目本日は公開記念舞台挨拶を行いました✨豪華キャスト陣がご登場さらに成田さんが活弁の口上を生披露成田さんの挨拶にもあった通り、公開してからの映画は皆々様のもの‼️ぜひ劇場でご覧ください #成田凌 #黒島結菜 #周防監督 pic.twitter.com/mKMCjFGlIU — 映画『カツベン!』公式 (@suofilm) December 14, 2019 最近では、2020年7月公開の映画『一度も撃ってません』に出演。福原歌留多役を演じています。【キャストコメント紹介】公開まであと8日!!本作出演の #井上真央 さんのコメント!!良~いキャラを演じられています! お楽しみに! #一度も撃ってません #7月3日公開 pic.twitter.com/ZIOzr003Fz — 絶賛公開中!【公式】映画『#一度も撃ってません』 (@eiga_ichidomo) June 25, 2020 2021年1月公開の映画『大コメ騒動』には、主人公・松浦いと役で出演。\ キービジュアル解禁 //もう我慢できん!!健保もない!生保もない!明日食べるお米もない!〈超格差社会〉を変えた、100年前の女性たちの実話!! #大コメ騒動 #井上真央 #室井滋 #夏木マリ #立川志の輔 pic.twitter.com/gj2d5pg4M3 — 映画『大コメ騒動』公式 (@daikomesodo) August 27, 2020 ほかにも、ドラマ『二月の勝者-絶対合格の教室-』(日本テレビ系)では佐倉麻衣役を演じることが決定しており、井上真央さんは同作の公式サイトで意気込みをこのように語っています。ー「二月の勝者」塾講師役・佐倉麻衣での出演についてプロデューサーの熱意に後押しされ、飛び込んでみようと思いました。原作のような現代のリアリティーを大切にしながらも、ドラマだからこそ描ける部分も大事にしていきたいです。塾講師としては新米の役ですので、生徒や家族との触れ合い、また目の当たりにする現実などを通して、成長していく過程を丁寧に演じられたらと思っています。『二月の勝者-絶対合格の教室-』公式サイトーより引用ー本作への、意気込み受験を経験された方、これから迎える方がご自身と重ねながら共感し、皆さんで楽しんで頂ける作品になればと思っています。子どもたちと共に成長していく思いで頑張りますので、宜しくお願い致します。『二月の勝者-絶対合格の教室-』公式サイトーより引用7月スタートの新土曜ドラマ『 #二月の勝者 ―絶対合格の教室―』情報解禁‼️ #柳楽優弥 さん演じるスーパー塾講師 #黒木蔵人 と対照的な情熱女性塾講師役 #佐倉麻衣 に #井上真央 さんが決定✨✨井上真央さんのコメントはコチラ➡ #日テレ pic.twitter.com/RdXE2onokI — 二月の勝者-絶対合格の教室-【公式】 (@2gatsu_ntv) March 1, 2020 井上真央と『松潤』の現在の関係は?井上真央さんとの交際が長らくささやかれているのが、『松潤』こと松本潤さんです。ドラマ・映画『花より男子』シリーズで共演したことをきっかけに交際をスタートさせたといわれている、2人。たびたび結婚もささやかれていますが、近年では「破局した」との報道も一部で流れているため、井上真央さんと松本潤さんの関係が現在、どうなっているのかは分かりません。井上真央さんが素敵な恋愛をしてくれていたら嬉しいですね。井上真央ってどんな人?4歳の時に『劇団東俳』に入団し、5歳の頃から子役として活動をスタートした井上真央さん。1992年放送のドラマ『真夏の刑事』(テレビ朝日系)でデビューしました。1999~2003年にかけて放送されたドラマ『キッズ・ウォー』シリーズ(TBS系)に出演したことをきっかけに注目を集め、同作は井上真央さんの代表作の1つとなりました。2005年には、ドラマ『花より男子』(TBS系)で主人公・牧野つくし役を演じ、ブレイク。同作は、続編や劇場版が制作され、『キッズ・ウォー』シリーズと並んで、井上真央さんの代表作の1つとなっています。以降も、ドラマ『ファースト・キス』(フジテレビ系)や『獣医ドリトル』(TBS系)、『トッカン 特別国税徴収官』(日本テレビ系)、『明日の約束』(フジテレビ系)、連続テレビ小説『おひさま』(NHK)、大河ドラマ『花燃ゆ』(NHK)など、多数のドラマに出演。ドラマ『ファースト・キス」』制作発表(左から)劇団ひとり、松雪泰子、伊藤英明、井上真央、平岡祐太、阿部サダヲ 2007年また、映画『僕の初恋をキミに捧ぐ』や『ダーリンは外国人』、『八日目の蝉』、『白ゆき姫殺人事件』、『焼肉ドラゴン』、『一度も撃ってません』など、数々の映画でも魅力的な演技を見せています。井上真央さんのこれからの活躍も応援しています!井上真央 プロフィール生年月日:1987年1月9日出身地:神奈川県身長:158cm4歳の時に『劇団東俳』に入団し、5歳の頃から子役として活動をスタート。1992年放送のドラマ『真夏の刑事』でデビューし、1999~2003年にかけて放送されたドラマ『キッズ・ウォー』シリーズに出演したことをきっかけに注目を集める。2005年には、ドラマ『花より男子』で主人公・牧野つくし役を演じ、ブレイク。以降も、数多くの映画やドラマに出演している。井上真央の現在は?「結婚するなら?」と聞かれて語った男性は…[文・構成/grape編集部]
2020年10月26日寺脇康文と塚地武雅(ドランクドラゴン)が多彩な女性ゲストを迎え、ミュージカル仕立ての即興劇を届ける『あなたと作る~etude The 美4』シリーズ。その製作発表が行われ、寺脇・塚地のほか、今回のゲスト4人のうち早川聖来(乃木坂46)と山口乃々華(E-girls)が登壇した。コロナ禍だからこそ行える舞台鑑賞の形を模索しようと、寺脇とTBSテレビ・安江圭プロデューサーが発案した本企画。シリーズ第1弾は無観客の配信限定で開催され、視聴者はチャット機能を通じて、出演者に演じて欲しいキャラクター設定を自由に投稿できる。その“お題”を受け取った3人は即興でミュージカルを構成。河内肇のピアノ生演奏をバックに、この瞬間だけのスペシャルな作品が幕を開ける──。「ソーシャルディスタンスを保ちながら少人数で行える演目を考えた時に、稽古期間を設けずに済む“即興劇”が思い浮かびました」「配信のチャットを使えばリアルタイムでお客さんとコミュニケーションが図れて一体感を演出できる」と企画のスタートを紹介する寺脇。ホストとしての“相棒”に塚地を選んだのは、2019年のドラマ共演時における彼の振る舞いに「塚っちゃんの生み出す感情に流れに則った真摯で切実な笑いが、僕の大切にしているスタンスに重なったから」と信頼を寄せる。これを受けた塚地は「恥ずかしさしかないなぁ!」と恐縮。しかしすぐ気を取り直し、「お客さんから設定やヒントをもらって始まるので、ぜひ積極的にチャットへ書き込んで」と呼びかける。同時に「ゲストを応援しているファンの方々は、彼女たちに演じてもらいたいキャラクター案が採用されたら一生の記念になりますよ!」「どんな展開になるか予想もつかない参加型のドキドキ感を味わってもらいたい」と笑顔を見せた。ゲストは早川・山口のほかに、今夏ハリウッド映画デビューを果たした秋元才加、声優の内田真礼が名を連ねる。即興ミュージカルには彼女たちが築いたこれまでのキャリアが反映されるというが、どんな仕上がりを期待しているか──。そう尋ねられた早川は、乃木坂46の加入前に13年ほどクラシックバレエを習っていた過去を打ち明ける。加えて「幼少期から演劇や子どもミュージカルに参加してきたので、その経験を糧にできたら」と飛躍を誓った。E-girlsメンバーの山口も「これまでパフォーマーとしてお仕事してきたので、これから挑戦したいお芝居の中に自分の強みであるダンスを取り入れたい」と続き、「独自の世界をつくっていきたいです」と抱負を述べた。配信は、10月21日(水)19時=秋元、23日(金)19時=内田、24日(土)14時=早川、24日(土)19時=山口の計4回。アーカイブは各回の翌日まで視聴できる。チケット発売中。取材・文:岡山朋代
2020年10月01日青森・弘前公園を舞台にした光のアートイベント「弘前城×ネイキッド 光の桜紅葉」が、2020年9月18日(金)から11月8日(日)までの指定曜日に開催される。弘前公園を舞台にしたネイキッドによる光の紅葉アートイベント毎年、春の「さくらまつり」、秋の「菊と紅葉まつり」、冬の「雪燈籠まつり」と、日本文化の魅力を伝える様々なイベントの舞台となっている弘前公園にて野外アートイベントが企画。テーマは、江戸時代に津軽藩(現在の青森県)で誕生した金魚の品種「津軽錦」が誘う紅葉体験。「さくらまつり」を思わせる桜や、ねぷたをモチーフにした演出を実施する国指定重要文化材「弘前城」の天守や石垣へのプロジェクションマッピング、桜守たちが入念に手入れした紅葉する桜と紅葉へのライトアップ、音やアロマが香るシャボン、レーザーライトを使った演出など、紅葉を思わせるカラフルな光と金魚のモチーフを所々に散りばめた幻想的な演出の数々を園内各所で楽しめる。金魚型の「ディスタンス提灯」を持ってアートに参加「弘前城×ネイキッド 光の桜紅葉」の肝となるのが提灯「ディスタンス提灯」。金魚をモチーフに「津軽藩ねぷた村」のねぷた職人と共同制作したもので、参加者は、地面が金魚の模様で照らされるこの提灯を持ちながら園内を回遊。金魚が発する光の輪で参加者自身も光の演出の一部として加わるという、ユニークな試みとなっている。開催概要「弘前城 × ネイキッド 光の桜紅葉」開催日:・2020年9月18日(金)~9月22日(火)・9月23日(水)~10月31日(土)の金・土・日・11月1日(日)~11月8日(日)開催時間:・9月18日(金)~9月22日(火) 18:00〜21:00・9月23日(水)~10月31日(土)の金・土・日 日没〜21:00・11月1日(日) ~11月8日(日)日没〜21:00場所:弘前公園入場料:無料【問い合わせ先】弘前城秋の大祭典実行委員会(弘前市観光課)TEL:0172-35-1128 ※平⽇ 10:00〜17:00まで
2020年09月19日麻布 香雅堂から、ミナ ペルホネン(minä perhonen)のテキスタイルを使った“におい袋”が登場。2020年9月12日(土)から東京・東神田の「ミナ ペルホネン エラヴァ(minä perhonen elävä) Ⅰ」にて発売される。自然素材100%のにおい袋麻布 香雅堂は、1983年に麻布十番にオープンした香木・香道具専門店。スティックタイプのお香やかおり袋、香炉などさまざまな香りアイテムを通して“和の香り”を提案している。今回は、自然素材100%にこだわり、革新的な和の香りをデザイン。40年以上ハーブや精油に携わってきた「クリスタル・ティー」運営の永光幸子と共同で、調香・開発を行った。選べる2種の香りラインナップは2種類。「白檀+フランキンセンス」の香りは、オマーン産のフランキンセンスに、オーガニックのコリアンダーやプチグレンレモンオイル、無農薬のレモンリーフなどをブレンドし、白檀を加えた。一方、「白檀+イランイラン&カモミール」の香りは、白檀をメインとしながらも、マダガスカル産のオーガニックイランイランエクストラスーペリアオイルや、厳選したカモミールオイルを合わせることで、爽やかで落ち着きのある香りに仕上げている。ミナ ペルホネンのテキスタイルがサシェにまた、中村夏実と林礼子によるユニット 「textile n+R」とのコラボレーションのもと、ミナ ペルホネンのテキスタイルでサシェ=西洋のにおい袋を製作。中身の香りは、「白檀+フランキンセンス」または「白檀+イランイラン&カモミール」から好みの香りをチョイスできる。【詳細】麻布 香雅堂 新作“におい袋”・マリアノ・フォルチュニ 大 7,600円+税(香り10g含む)、小 5,400円+税(香り5g含む)・ミナ ペルホネン 大 6,800+税(香り10g含む)、小 5,200円+税(香り5g含む)発売日:2020年9月12日(土)場所:ミナ ペルホネン エラヴァⅠ(minä perhonen elävä) Ⅰ住所:東京都千代田区東神田1-3-9■企画展「ミナ ペルホネンとフォルチュ」会期:2020年9月12日(土)~9月22日(火)11:00~19:00※開催期間中は無休場所:ミナ ペルホネン エラヴァ Ⅰ住所:東京都千代田区東神田1-3-9問い合わせ先:TEL 03-6825-3037※会期初日の9月12日(土)11:00~14:00はアポイン制。予約申込み:9月4日(金)11:00~電話にて受付。ミナ ペルホネン エラヴァ Ⅰ TEL:03-6825-3037
2020年09月05日2020年8月25日、タレントの山口もえさんが新型コロナウイルス感染症(以下、コロナウイルス)に感染していることが分かりました。その後、山口さんの夫である、お笑いコンビ『爆笑問題』の田中裕二さんも、同月26日にPCR検査を受けた結果、感染が発覚。田中さんの相方である、太田光さんの感染も心配されていましたが、検査を受けたところ陰性と判定されたそうです。太田光の、療養中のアナウンサーを気遣う言葉に称賛の声『爆笑問題』の2人と、山本里菜アナウンサーが司会を務める、情報番組『サンデー・ジャポン』(TBS系)。田中さんの感染が発覚する3日前の同月23日、同番組は通常通り生放送で番組を収録していました。その日、田中さんから近い立ち位置で収録に臨んでいた山本アナウンサー。田中さんの感染発覚後、念のため、山本アナウンサーもPCR検査を受けたところ、感染が発覚したのです。同月30日の放送では、治療のため欠席となった2人に代わり、良原安美アナウンサーと、お笑いコンビ『ずん』の飯尾和樹さん、そして太田さんの3人が司会を務めました。太田光、山本アナウンサーと田中裕二にエール太田さんは番組冒頭で、田中さんは3人の子供を含め、家族全員同じ病室で治療を受けていることを報告。また、感染が発覚した山本アナウンサーや、山口もえさんに対し、エールを送りました。もえちゃんや山本さんは非常に責任感が強いから、自分が病気になって、自分が一番つらいはずなんですけど。特に山本さんなんて今1人でいるんで、非常に心細い思いをしていると思います。「いろんな番組に穴を開けてしまった」とかね、そういうことも考えると思うんですけど。今はとりあえずですね、そういうことを考えるのは、まったくの間違いで。自分の身体がとにかく一番なので、自分を一番大切にしてほしいと。ゆっくり休んで、元気になって帰ってきてほしいってのは、サンジャポスタッフも出演者もみんなが思っていることなので。山本さん気にしないで。山本さん、今見ているかな。サンデー・ジャポンーより引用その後、代役として出演している良原アナウンサーについて「山本さんと仲がいいという設定で出演してくれている」と冗談をいいつつも、「安心して良原さんに任せてほしい」としました。また、相方の田中さんに対しては…。『秘密のケンミンSHOW』も私が代役をやりましたが、非常に評判が良かった。「これからは太田さんにしちゃおうかな」なんていわれましたんで、どうぞ安心して休んでください!サンデー・ジャポンーより引用田中さんが司会を務める、バラエティ番組『秘密のケンミンSHOW』(日本テレビ系)の代役を務め、番組内での田中さんのポジションを乗っ取る勢いのメッセージを送り、出演者の笑いを誘っていました。また、同番組に田中さんから文面でメッセージが届き、良原アナウンサーが読み上げました。今日は新型コロナ陽性のためサンジャポの出演が出来なくなり、出演者、スタッフの皆さんにはご心配とご迷惑をおかけしています。僕の状況はというと、最初は喉の痛みと咳、それが今は治まり、現在は微熱とちょっと頭痛はしますが、概ね元気です。ただお医者さんいわく発症から1週間から10日ぐらいたって悪化するケースもあるということなので、引き続き油断せず経過を診たいと思います。そして太田にも代わりに別番組の司会をやってもらったりと助けてもらってます。とてもありがたいと思うのですが、だいたいそういう時は番組がめちゃくちゃになり批難される事が多いので心配です。今日は病室でサンジャポを観ますが 太田とデーブさんがどんな感じかを気にしてみようと思います。それではまたサンジャポで。みなさんもお気をつけ下さい。サンデー・ジャポンーより引用良原アナウンサーがメッセージを読みあげた瞬間、代役を務める飯尾さんが「俺の名前がない!」とひと言。「おかしいでしょ!」と不満をこぼし、スタジオは笑いに包まれました。【ネットの声】・太田さんの、山本アナウンサーを気遣い言葉に感動したな。こういう言葉をいってくれると安心して休めるよね。・家族で病室に入れている田中さん家族に対して、1人で休んでいる山本アナウンサーへの気遣いが素晴らしい。あまり考えすぎず、しっかり休んでほしいですね。・休んでいるはずの田中さんが、太田さんの言動にハラハラしているのが伝わってきて笑った。いいコンビだ。山本さんも田中さんも、太田さんの激励により元気をもらったことでしょう。感染してしまった人に対して「気にせずにゆっくりと休んで」と声をかけられる姿勢は見習いたいものですね。[文・構成/grape編集部]
2020年08月30日「テセウスの船」の“みきお”役で話題をさらった柴崎楓雅が、「東京タラレバ娘」「花咲舞が黙ってない」の脚本家・松田裕子書き下ろしのリモートドラマ「あなたの夢叶えますガチャ~同じ顔編」で一人四役を演じている。有名脚本家たちがオリジナル脚本を書き下ろしたリモートドラマが見られるチャンネル「ドリプラチャンネル」。これまでに、お金を入れると会いたいけど会えない、会いたいと願う相手と画面上で会話ができる魔法の機械を題材に描いた「あなたの夢叶えますガチャ~アイドル編」、記憶喪失の男がネットを使って「僕が誰なのか知ってる人いませんか?」とSOSを出す「私は誰ですか?」が配信されている。そして第3弾となる今回は、脚本家・松田裕子が「テセウスの船」で話題沸騰の天才子役・柴崎楓雅のために物語を書き下ろし。監督は、長編自主映画『俺たちの世界』が第29回ぴあフィルム フェスティバルにて審査員特別賞を含む3賞を受賞し、その後も『サムライ・ロック』『なつやすみの巨匠』『兄友』など幅広いジャンルを手掛けている気鋭の中島良が決定。「テセウスの船」にハマっていたという脚本の松田さんは、「『みきおだ!』とテンションが上がりました。あの恐ろしい罪を犯す役をやりきっていた彼のもっと色々な顔を見てみたくて、このストーリーを書きました。1人で4役をしっかり演じ分けている恐るべし12歳をぜひ観ていただきたいです!」と絶賛。その柴崎さんは初の一人四役に、「それぞれの性格を想像し、声のトーンや動きに変化をつけました。セリフが多かったので声色を変えながら覚えるのは大変でしたが、観て頂けたら嬉しいです」と、しっかりとしたコメント。演出・中島さんは、「柴崎楓雅くんには4役を演じ分けた上で、さらに一面的なキャラクターでなく奥行きがあるようにしたかったので、難しい言葉で感情や表現の仕方を説明することも多かったんですが、彼は難しい言葉は知らなくても意味がわかると『やってみます!』と言って、ザッツライトな芝居をしてくれるのです!末恐ろしい子!!(怖)とびっくりしました」と、その才能に震撼したことを明かしている。ストーリーお金を入れると、会いたいけど会えない、会いたいと願う相手と画面上で会話ができる魔法の機械がある。話している相手は本物なのか、現実なのか夢なのか、信じるのはあなた次第......!「あなたの夢叶えますガチャ~同じ顔編」は6月23日(火)よりYouTubeドリプラチャンネルにて第1話配信中。(text:cinemacafe.net)
2020年06月23日6月と7月の2夜にわたり、井上芳雄をホストに迎えた番組「僕らのミュージカル・ソング2020」をWOWOWで放送することが決定。井上さんからコメントも到着した。「僕らのミュージカル・ソング」は、2015年に同じく井上さんをホストに迎えて行われたWOWOWオリジナル・ライブ。今回、ミュージカル界で活躍するスターたちが集うスペシャル番組として復活することに。番組では、井上さんの歌とトークを中心に、“いまだからこそ聴きたいミュージカル・ソング”をテーマにスペシャルプログラムで放送。なお、出演者や詳しい内容は、これから順次発表されていくという。またリクエスト企画「あなたのミュージカル・ソング」も復活。Twitter上でリクエストを募り、その中から井上さんの歌唱曲が決定する。今回の放送に関して井上さんは「今年は世界中が想像もしていなかった事態となり、演劇・ミュージカル界も大きく影響を受けました。毎年生中継していたトニー賞授賞式も開催延期ということで、例年の時期には中継できませんでした。日本のミュージカルでもたくさんの公演が中止となっています。ミュージカルの灯を絶やさぬように、また、お客様が劇場に戻ってくださるまでの、“お楽しみ”として、今回、WOWOWでこのような番組をやらせていただくことになりました」と言い、「日本だけでなく、ブロードウェイも含めた今のエンターテインメント界の状況も、トークを含めてお届けする予定です。ミュージカルがお好きな方にも、そうではない方にも、エンターテインメント界の“今”を知るという意味でもぜひご覧いただきたいです」と呼びかけている。「僕らのミュージカル・ソング2020」第一夜は6月20日(土)20時~、第二夜は7月25日(土)21時~WOWOWプライムにて放送。(cinemacafe.net)
2020年06月03日どこにいても明るい暮らし「家中のどこにも、暗く、じめじめしたスペースがないんです。明るく開放的に暮らせるのが、何より家を建ててよかったと思うところですね」。そう語るのは、整理収納コンサルタントとして活動している須藤昌子さん。9年程前、家族3人で暮らす2階建の一戸建てを設けた。「3分割されて売っていた土地を見つけ、ネットで探した一級建築士事務所に相談しました。隣家に接した土地なので、ここにどんな家が建てられるのかと思いましたね」。須藤さんの希望は、光の入る細かい仕切りのない家、そして収納にも配慮した家にしたいということだった。「それ以外はあまりリクエストしませんでした。プロの先生にお任せしたほうが、いいものになるのではないかと思って」。光に満たされた家は、優秀建築物として「第20回千葉県建築文化賞」を受賞。リビングの吹き抜けを取り囲むように、仕切りをできるだけ排した空間がつながり、“ガラスのブリッジ”と名付けた2階のガラス床を通って、トップライトからの光が1階へと抜けている。2階の廊下から1階リビングを見下ろす。“ガラスのブリッジ”は、まるで空を渡るような感じからネーミング。トップライトやバルコニーからの光が1階まで届けられる。螺旋階段を採用して、階段を抜けのある空間に。開口の代わりにプロフィリットガラスで外からの視線を避けつつ、光を通している。ガラス張りの吹き抜けテラスでは、いずれガーデニングも行う予定。廊下突き当たりの扉の奥は、玄関からもつながっているシューズクローゼット。ガラスのブリッジを通って居室に。右手にバルコニーに上がる階段がある。吹き抜けを介して光が回遊。隣家から見える左手の一角にはルーバーを設置した。琉球畳を敷いた和室からリビング方向を見る。すっきりと暮らせる工夫を「正面にはアパートが建っているので、そちら側には窓など一切ないんです。左右に建つ隣家からの視線も避けながら、うまく開口を設けて、明かりをとっています」。玄関を入るとガラスに囲まれたウッドデッキのテラス。その向こうに大きな吹き抜けのあるリビングがある。「海外からお客さんがくることも多いし、いずれ両親を迎えることになるかもしれないので、畳の和室を設けました。今は引き戸を常に開放して、リビングの延長として使っています」。開放的な上にすっきりと美しいのは、「モノを出しっ放しにしない」という須藤さんのルールが生きているから。「家を建てる前に住んでいたところは、押し入れが狭くて。戸建てを建てたら何とかしたい、というのがありました。庭があって物置を置けるわけでもないので、掃除道具や工具、生活必需品などすべてを収められる“シューズクローゼット”をリクエストしました」。玄関からもリビングにつながった廊下からも入れるよう動線を考えたストレージが、特に役立っているそうだ。床材はサクラの無垢を採用。エアコンも見えないように目隠しされている。白い空間にインテリアでアクセントを。塗り壁に見えるよう極力薄い壁紙を選び、職人の技で施工。開口の位置に工夫が凝らされた和室。黒い壁紙が印象的。「モノを置かない」ことに徹したダイニング。テーブル上は常に最低限のモノのみ。外からの視線を遮りながら、明るさで包んでくれるリビング。キッチン奥に家事ルームを希望「お料理をしながら、家族とコミュニケーションがとれるので、キッチンは対面式を希望しました」。キッチン台の前にはカウンターを造作。毎日帰宅の遅い夫が夕飯をとるのに、サーブしやすくて便利なのだそう。また、キッチンまわりでの作業が多い須藤さんにとって、大事なのがキッチンの奥にある“家事ルーム”。「パントリーでもあるのですが、私の仕事部屋でもあるんです。棚だけでなく机も造作してもらって、ここで毎朝ブログを書くなど、仕事をしています」。仕切りの引き戸はツインカーボを使っていて、戸を閉めて中に籠っても、やはり光が抜けるようになっている。「お風呂はいろんなパターンを考える中で、ホテルっぽくすることに決めました。ガラス張りの真っ白な空間だけに、きれいにしておかないと汚れが目立ってしまいます。お掃除の手は抜けませんが、常に清潔に保てるので良かったと思っています」。対面式のキッチン。収納などは使いやすさを考えて造作した。掃除のしやすいステンレスのキッチン台。大きなシンクに付いているトレーの上では、パンをこねたりもでき、さらにそのまま洗えて便利。こだわりの家事ルーム。食材だけでなく、仕事や日常に必要な書類を保管。造り付けの机では執筆活動も行っている。清潔感いっぱいのバスルーム。床にはLIXILのサーモタイルを。築9年とは思えない美しさ。空とつながるトップライト2階の居室は、天空を渡るような“ガラスのブリッジ”がつなぐ。「娘の部屋は、真ん中に可動式のクローゼットを置いてシンメトリーに仕切っています。しっかり勉強してもらわないといけない時期なので(笑)、勉強するスペースと遊ぶスペースを分けているんです」。どちらのスペースも、上にはそれぞれロフトがつき、いずれはどちらかをベッドルームにする予定だそう。大きな開口の向こうには、青い空が抜けるように広がっている。「夜は星空が見られてきれいですよ。住宅地にあって明るく、自然も感じられる、開放感のある暮らしを楽しんでいます」。中央に可動式クローゼットを置くことで、シンメトリーになった子ども部屋。左右の階段からロフトにあがることができる。無駄なもののない主寝室。衣類などはウォークインクローゼットに一括に。子ども部屋のロフトの床にもガラスを採用。空からの光が降りてくる。ファサードに開口のない、白い箱のような潔い外観。ブログ「ROOM COZY」が大人気。整理収納コンサルタントの須藤昌子さん。著書に「死んでも床にモノを置かない」(すばる舎)なども。
2020年05月04日1983年に作家・劇作家の井上ひさしが立ち上げ、以降、井上作品を専門に上演し続けている制作集団・こまつ座が、井上が戦争前後の庶民の営みを描いた“昭和庶民伝三部作”の第1作となった音楽劇『きらめく星座』を、3月10日(火)から15日(日)まで東京・紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAで上演する。物語の舞台は昭和15年の東京・浅草。小さなレコード店・オデオン堂では、家族4人とふたりの間借り人が仲良く暮らしている。ある日、陸軍に入隊していた長男の正一が脱走し、すぐさま憲兵伍長“蝮の権藤”が乗り込んでくる。さらに、長女みさをが“ハガキの束から選んだ”という夫・源次郎が家族に加わるが、堅物の愛国主義者で傷痍軍人の源次郎は、音楽好きでジャズを流す家族たちが許しがたい。こうしてオデオン堂には大嵐が吹き荒れることになり……。本作は1985年に初演され、井上自身が演出した数少ない作品のひとつ。太平洋戦争前夜の昭和16年12月7日までの1年間を描く物語で、その時代は決して明るくはなく、戦争の愚かさを痛切に浮かび上がらせる。一方で、ピアノの生演奏にのせて『青空』や『一杯のコーヒーから』などの昭和初期の流行歌の軽快なメロディと数々の名セリフが劇空間を弾ませる。生前、井上はこの物語を「涙と笑いに満ちた懐かしい香りのするもの」とし、私戯曲的と位置付けている。これまで多彩な顔ぶれにより上演され、既に延べ500回の公演回数に達している舞台。演出は井上が絶大な信頼を寄せ、本作を手がけるのは4度目となる栗山民也。そしてキャストには久保酎吉、松岡依都美、高橋光臣、粟野史浩、瀬戸さおり、後藤浩明、高倉直人、村岡哲至、木村靖司、大鷹明良が揃い、上質なアンサンブルを紡ぐ。文:伊藤由紀子
2020年03月04日長崎のハウステンボスに、新エリア「光のファンタジアシティ」が誕生。2021年3月20日(土)にオープンする。長崎・ハウステンボスにネイキッド手掛ける新エリアが誕生今回ハウステンボスにオープンする「光のファンタジアシティ」は、クリエイティブ集団・ネイキッド(NAKED)が手掛ける作品とコラボレーションした、最先端のデジタルアトラクション施設を楽しめる新エリア。中でも注目のアトラクションは、ネイキッドの代表作である『NAKEDFLOWERS』とコラボレーションした「フラワーファンタジア from NAKED FLOWERS」。壁の前に立つと、四季折々の花が咲き花言葉を教えてくれるインタラクティブアート『MOSAIC FLOWERS』や、どこまでも続くような花畑の景色が広がる部屋『GARDEN OF REFLECTION』などを展開する。また「海のファンタジア from NAKED OCEAN」「宇宙のファンタジア from NAKED UNIVERSE」にも注目。海の持つ癒しを映像と音、香りで体感出来る『OASIS ― 海のオアシス』や、様々な色や形をした美しい光の銀河を映像で表現する『Galaxy of Lights』といった、幻想的なデジタルアート作品を楽しむことが可能だ。なお、エリア内のカフェ施設「森のファンタジアカフェ Directed by NAKED, INC.」でも、デジタル技術を駆使した演出を実施する。【詳細】ハウステンボス 新エリア「光のファンタジアシティ」オープン日:2021年3月20日(土)住所:長崎県佐世保市ハウステンボス町1-1【問い合わせ先】ハウステンボス総合案内(ナビダイヤル)TEL:0570-064-110
2020年02月06日チームラボは、「チームラボ 栗林公園 光の祭」を、香川県・栗林公園にて2020年1月25日(土)から2020年3月8日(日)まで開催する。国の特別名勝「栗林公園」が光のアート空間に「チームラボ 栗林公園 光の祭」は、国の特別名勝に指定された江戸初期の回遊式日本庭園である栗林公園を、インタラクティブな光のアート空間に変化させるイベント。栗林公園の美しい景観の中で、人々の存在に連動して変化するアート全8作品を楽しむことができる。水面に浮かぶランプの光が伝播水面にベネチアン・グラスのランプを浮かべた「浮遊する呼応するランプ - ワンストローク」は、人がランプの近くで立ち止まるか、風に吹かれて傾くと、強く輝き音色を響かせる。ランプの光は隣のランプに次々伝播し、音色を響かせながら連続。全てのランプに伝播し、池の中央に浮かぶ島の「生命は連続する光」へと繋がっていく。涵翠池の島や周りの木々や岩が光り輝く「生命は連続する光」もまた、音色を響かせながら隣の木々や岩を伝い連続していく。衝撃を与えると色が変化する光の森光の「ovoid(卵形体)」によって埋め尽くされた「自立しつつも呼応する生命の森」は、人々が「ovoid」をかき分けたり、叩いたりすると色が変化。色ごとに異なる音色を鳴らす。1つ色が変わると、その周りの「ovoid」も連動して同じ色へと変化し同じ音を響かせるのが特徴だ。石壁に咲く花「増殖する生命の石壁 - 紫雲山」は、紫雲山の石壁に、花々が永遠に咲いては散っていく1年間の様子を、1時間で描き出す作品。コンピュータプログラムによってリアルタイムで描かれ続けているため、常に変容し続けている。その他、「水面にたちつづける呼応する生命」や「浮遊する、呼応する球体」、それらの光に呼応して色を変え、音色を鳴らす「呼応する木々」など、自然の造形や環境を生かしたインタラクティブアートが展開される。【詳細】チームラボ 栗林公園 光の祭会期:2020年1月25日(土)~2020年3月8日(日)時間:18:30~21:30 ※最終入園21:00定休日:水曜日会場:香川県・栗林公園住所:香川県高松市栗林町1-20-16※会場に駐車場なし。※付近の道路への違法駐車・近隣商業施設への駐車など、近隣の迷惑になる行為は禁止※会場内には一部階段や段差、未舗装のエリアあり。※悪天候等の場合は開催を中止する場合あり。チケット販売:チームラボ公式チケットサイト、eプラス、セブン-イレブン、ローソン 他※会期中は会場でも販売。価格:・<前売り券>大人(18歳以上) 1,300円、小中高生 400円、未就学児 無料※前売り券は、2020年1月14日(火)~1月24日(土)販売・<当日券>大人(18歳以上) 1,500円、小中高生 500円、未就学児 無料【問い合わせ先】チームラボ 栗林公園 光の祭 運営事務局TEL:087-831-4449(平日10:00~18:00)
2020年01月17日お笑いコンビ・ドランクドラゴン塚地武雅(48)が11月25日、自身のTwitterを更新。誕生日でもあったこの日に、公式のアカウントであることを示す認証バッジがついたと報告。ファンからお祝いのメッセージが殺到している。48歳の誕生日を迎えた25日の午後、塚地は「…えっ?!自分のアカウントを良く観たら…ツ、ツ、ツイッターの認証バッジが?!うわぁ!!ありがとうございます!!!」と青いチェックマークの認証バッジを発見したと報告。これは芸能人、スポーツ選手、政治家など影響力のある著名人につくもので、Twitterの認証済みアカウントとして信頼性を表している。これまで認証バッジの代わりとして、自ら青いハートマークをつけていた塚地は「ツイッター社さんからの誕生日プレゼントや~。皆さん、やりましたよー!!!!遂に付きましたー!!!!!」(原文ママ)と喜びを炸裂させている。このツイートは26日14時の時点で、2,600件を超えるリツイートと、3万3,000件を超える“いいね”が押され、注目を集めている。ファンからは「おめでとうございます!」「ハートの効果があったのかな?」「最高の誕生日プレゼントですね!」とお祝いのコメントが多く寄せられている。
2019年11月26日タレントの伊集院光が、30日に放送されたTBSラジオ『伊集院光とらじおと』(毎週月曜~木曜 8:30~)で、“地味ハロウィン”について語った。“地味ハロウィン”とは派手な仮装ではなく、見覚えがある普通の人たちに仮装するというイベントで、近年話題となっている。「ハロウィンにまったく興味がなくて、ハロウィンで盛り上がっているところには近づかない暮らしをしていた」という伊集院であるが、若者から“地味ハロウィン”の存在を知らされたことを明かした。伊集院は「ハロウィンって、ゾンビとかナースとか、そのときの流行りもののの仮装をするじゃない。そういうお金のかかった仮装をしないで、お金のかからない仮装の大喜利というか」と“地味ハロウィン”について説明。続けて「『斜に構えて楽しむのも、みんなやるようになったらもういいよね』みたいな空気も、もう出だしちゃっている」としつつも、「俺はハロウィンをもう相手にしないと決めちゃってたもんだから、『なんか悔しいな』という。『ちょっと悔しいのやってるんだな』って」と評した。さらに「お茶碗を持ってウロウロしている人が、やよい軒のおかわり処が分からない人っていう(笑)。なにこの面白いやつって」と語っていた。
2019年10月30日今回、ご紹介する作品は、ユーモアあふれるミステリードラマ『死亡フラグが立ちました!』。本作でバディを組んだ、小関裕太さんと塚地武雅さんにお話をうかがいました。写真・角戸菜摘 文・田嶋真理 スタイリスト・SATOSHI YOSHIMOTO(小関裕太さん) 森下彩香(ニューメグロ衣装/塚地武雅さん) ヘアメイク・SHUTARO(vitamins/小関裕太さん) 田中裕子(塚地武雅さん)【イケメンで観るドラマ&映画】vol. 50意外にも初共演! 相性ピッタリなバディを好演動画配信サービスU-NEXTとカンテレがタッグを組み、宝島社『このミステリーがすごい!』大賞の関連作品をドラマ化する、『このミス』大賞ドラマシリーズ。第1弾のタイムトラベルミステリー『時空探偵おゆう 大江戸科学捜査』、第2弾のダークエンタテインメント『名もなき復讐者 ZEGEN』に続く第3弾は『死亡フラグが立ちました!』(※)。前2作とは、まったくテイストの違うユーモアあふれるミステリーです。※死亡フラグとは、登場人物の死を予感させる伏線のこと。登場人物が死を予感させる言動を行うことを“死亡フラグが立つ”という。本作は、都市伝説ライター・陣内が破天荒な天才・本宮とバディを組み、完璧な殺し屋・死神の正体に迫っていく物語。陣内役の小関裕太さん、本宮役のドランクドラゴンの塚地武雅さんが初共演とは思えないほどの相性ピッタリなバディを好演。さらに、死神に敵討ちを誓う、ぶっ飛びとんがり頭のヤクザ松重役として寺脇康文さんが脇を固めています。ーーふたりで演じるシーンが多かったと聞きました。共演する前と後で、お互いの印象に変化はありましたか?塚地さん もちろん、小関くんのことは知っていて。なんとなく、クールで寡黙というイメージを抱いていました。仲良くなれるのかな? という気持ちを抱きつつ、現場に入ったのですが、顔合わせの初日から小関くんが気さくに話しかけてくれ、自然体で演じることができました。さらに、鼻歌を歌うという共通点があって、僕の鼻歌を小関くんに横取りされたこともありました(笑)。小関さん 僕は良い意味で変わりませんでした。もともと塚地武雅さんが出演されていた『はねるのトびら』が好きで観ていましたから、楽しくて優しそうな方だなと思っていました。お芝居の面では、『ハンサムスーツ』(※塚地武雅さんの主演作)が大好きで、映画館へ観に行ったことがありまして。幼いころから影響を受け続けている、大きな存在でした。この作品で共演が決まった後、石原さとみさんに「塚地武雅さんってどんな方?」と聞いたら、「すごく素敵で優しい方。お芝居も素敵で、しっかりしたお芝居をされる方なの」と答えてくださって。「しっかりしたお芝居」という言葉を聞いたとき、僕はお芝居に厳しい方なのかなと勝手に解釈していて、ものすごく緊張してしまったんです。ところが、実際に本読みでお会いしたら、僕が小学生のころから抱いていた優しいイメージそのままで。お芝居もナチュラルで面白くて何でも受けてくださる。石原さんがおっしゃっていたことはこういう意味だったんだとわかりました。ーー小関さんの大絶賛コメントを隣でお聞きになって、いかがですか?塚地さん (大照れしながら)いや~、本当に……石原さとみさんのコメントもぜひ書いてください(笑)。一同大爆笑ーー塚地さん演じる本宮は、女性にモテて、頭が良くて、けんかが強いというハイスペックなキャラクターです。しかも初の濡れ場を経験されたとか。塚地さん まぁ、普段通りに演じれば……。一同大爆笑塚地さん というのは冗談で(笑)。すべてにおいて、一生まわってくることがないと思っていた役が来て、本当に驚きました。キレイな女優さんたちが次々に僕のところへやってくるんですよ。ドラマの中とはいえ、モテているわけですから、幸せでしょうがなかったです。小関さん 塚地さんが女優さんに「お前」と言う姿は、本当にかっこいいんです。塚地さん 壁ドン、顎クイ、膝ドン、股ドン、耳つぶ……ひととおりぜんぶやりました(笑)。ーー塚地さんは、特撮ヒーローやアクションスターがお好きだそうですね。その知識はアクションシーンを演じるうえでプラスになりましたか?塚地さん 僕は特撮ヒーローとジャッキー・チェンで育ちました。子どものころは田んぼでバック転をするほど身軽だったんですが、この業界に入ってから太り出して。数年前に、キックボクシングをはじめたんです。本作では、僕がキックボクシングをやっていることを知ったアクション監督の方が、ムエタイをベースにした殺陣をつけてくださって。アクションの前後は笑えるようになっていますが、アクションはカッコよくできたと思っています。ーー今回、小関さんに濡れ場は?小関さん ありません。塚地さんの濡れ場を見守る役どころでした。とてもリアルに演じる女優さんたちでしたので、目を合わせることができずに赤面してしまいました。ーー恋愛ものにたくさん出演されている小関さんでも、濡れ場で赤面することがあるんですね。小関さん 朝起きると、僕が上半身裸で、高橋メアリージュンさんが隣にいるということはありましたが……。塚地さん それはプライベートの話だよね?一同爆笑小関さん 違います!(笑)(※Amazonオリジナルドラマ『東京アリス』劇中シーンでのお話です)。僕がこれまでに演じた濡れ場と言えるものは、それくらいなんです。ーー小関裕太さんがモテないオタク、塚地さんが万能なイケメンという設定は、おふたりのファンにとって新鮮な驚きがありそうですね。最後に、本作のイチオシの見どころをお願い致します。小関さん 塚地さんと演じたシーンは、アドリブが多いんです。どこからがアドリブなんだろうというところにも注目しつつ楽しんでいただけたら、嬉しいです。そして、このシリーズには必ず佐藤二朗さんが特別出演されているんですが、今回の出演シーンでは本来のセリフを喋る前に2分間ほどアドリブ合戦がありました(笑)。そのほかにも濃いキャラクターがたくさん登場していますから、ぜひ見逃さないで欲しいですね。塚地さん とにかく、登場するキャラクター全員がボケとツッコミをやるんです。シーンごとに盛り上がりがある、コメディの手数が多い作品でありながら、ミステリーの軸もしっかりとある。ほかにない作品に仕上がっていると思いますので、笑いながら推理していただきたいです。インタビューのこぼれ話小関裕太さんと塚地武雅さんはとっても良い雰囲気で、おふたりのバディ愛をひしひしと感じる取材現場でした。小関裕太さんを介した、石原さとみさんと塚地武雅さんの恋の行方にも注目!?Information『死亡フラグが立ちました!』カンテレ 10月24日(木)より放送開始(毎週木曜 24:25~)U-NEXT 10月25日(金)より配信開始(毎週金曜 10:00~)出演:小関裕太、塚地武雅、寺脇康文ほか小関裕太さん 衣裳協力:ニット¥39,000(ジョン メイソン スミス/ヘムPR TEL:03・6721・0882) パンツ¥16,000(アバハウス/アバハウス原宿 TEL:03・5466・5700) そのほかのアイテムは、スタイリスト私物
2019年10月24日井上陽水が本日10月20日、東京・東京国際フォーラム ホールAで「井上陽水 50周年記念ライブツアー『光陰矢の如し』~少年老い易く 学成り難し~」を開催する。1969年のデビューから今年で50周年となる井上陽水。11月27日には細野晴臣、宇多田ヒカル、椎名林檎、槇原敬之、福山雅治ら豪華アーティストたちによるトリビュート作品『井上陽水トリビュート』のリリースも決定している。本日の公演は今春からスタートしたライブツアーの一環。当公演では懐かしい曲から最近の楽曲まで、誰もが楽しめるセットリストになるだろう。当ツアーの東京公演は本日が最後。この記念すべき公演をお見逃しなく。■公演情報「井上陽水 50周年記念ライブツアー『光陰矢の如し』~少年老い易く 学成り難し~」日時:10月20日(日)開場17:00/開演18:00場所:東京・東京国際フォーラム ホールA
2019年10月20日戦後日本を代表する劇作家・小説家の井上ひさしが、『蟹工船』の作者・小林多喜二を描いた『組曲虐殺』。2010年にこの世を去った井上ひさしの最後の戯曲であり、存命中だった2009年の初演時に数々の演劇賞に輝いた本作が、2012年の再演を経て3度目の上演を迎えている。井上ひさしをよく知る栗山民也の演出と、初演時に役者として大きく脱皮した井上芳雄の主演、さらに著名なジャズピアニスト小曽根真の音楽担当は変わらず。そこへ上白石萌音や土屋佑壱が初参加、新たな装いで井上ひさしの“遺伝子”を伝える。9月上旬に訪れた稽古場の様子から、本作の魅力をお届けしよう。【チケット情報はこちら】物語は昭和初期、29歳で生涯を終えた多喜二の、最後の2年9か月を描く。子供の頃から貧しい人々を見てきた多喜二(井上)は、言葉の力で社会を変えようと、プロレタリア文学を書くようになる。『蟹工船』が検閲を受けるなど特高警察に目をつけられ、治安維持法違反の名目で逮捕・監視されるようになる多喜二。それでも以前と変わらぬ穏やかさをもって活動を続ける多喜二を心配し、姉のチマ(高畑)や恋人の瀧子(上白石)は、しばしば彼のもとを訪れる。多喜二の同志・ふじ子(神野)に瀧子がやきもきし、刑事の古橋(山本)と山本(土屋)も多喜二の人柄に魅せられていくなか、ついに“その日”がやってきて……。稽古場に入ると、そこには無造作な髪にカーキ色のシャツ、サンダルばきの井上の姿が。その表情と佇まいは見慣れたミュージカルスターではなく、多喜二に魅入られ没頭する、いち役者のそれだ。この日はまだ“本読み”だったが、その段階から小曽根がピアノで生演奏をつけていくのが本作のスタイル。“本読み”が始まると、小曽根は劇伴だけでなく、演者の声の強弱や音楽とのタイミングにも指摘を入れていく。栗山の演出も受け、井上はすぐに別の歌い方をやってみせる。隣で聞いていた上白石が、必死に井上に食らいついていく。井上の成熟と上白石のポテンシャル。すかさず高畑と神野らが陰影豊かな表情とセリフ回しで呼応すれば、小曽根のピアノもますます色を帯びてゆく。それはまさに、クリエイトの現場だけがもつ熱気だった。井上ひさしの作品らしく、軽妙な笑いと心が温まるシーンは本作でも健在。だが物語を貫いているのは、紛れもなく、不条理な力に対する抵抗だ。経済格差が進むなか、2008年に何度めかの『蟹工船』ブームがあったことは知られているが、井上芳雄は今回特に「今の時代のことを書いているのかと思えるくらい、内容がリンクしていて怖い」と感じたという。“本読み”の合間の会話では、栗山から「ワーキングプア率が上がるばかりの日本。この物語と今は変わらないんだよ」という言葉も聞かれた。そんな時代だからこそ「人間の大きさや、娯楽小説も読んだりするところが好き」と演じる井上が言う温かな多喜二の姿が、じわりと心にしみる。2019年の今、改めて味わいたい舞台だ。取材・文:佐藤さくら
2019年10月09日井上ひさしの没後10年を記念した「井上ひさしメモリアル10」シリーズの掉尾を飾る『組曲虐殺』が、本日10月6日に東京・天王洲 銀河劇場で開幕する。亡くなる前年の2009年に初演された、“井上ひさし最後の戯曲”。数々の演劇賞に輝いた初演と再演(2012年)に続き、井上芳雄が「演じることに使命を感じる」と語る小林多喜二役に7年ぶりに挑む。貧しい人々が苦しむ姿を見て育ち、言葉の力で社会を変えようと発起、プロレタリア文学の旗手となった小林多喜二。特高警察に目をつけられた彼は、言論統制の激化に伴い次第に追い詰められていくが、その信念は決して揺るがない。潜伏先を変えながら執筆を続ける多喜二と、彼を心配しながらも明るく力強く生きる姉のチマ(高畑淳子)、恋人の瀧子(上白石萌音)、同志のふじ子(神野三鈴)。多喜二の人柄に共感しながらも、職務を全うしようと手を尽くす刑事の古橋(山本龍二)と山本(土屋佑壱)。そしてついに、その日は訪れる……。一人の内気な青年が、なぜ29歳4か月で死に至らなければならなかったのか。栗山民也演出のもと、実力派のキャスト陣と小曽根真の音楽が、重いテーマを明るく描き出す。もしかしたら初演や再演時以上にこの作品が求められているのかもしれない2019年、小林多喜二と井上ひさしの言葉と思いは、きっと観客の胸に深く響くことだろう。文:町田麻子
2019年10月06日