日本演劇界を牽引する劇団四季。松島勇気は、そのトップ俳優の1人として、『キャッツ』『コーラスライン』など劇団の代表作に多数出演してきた。彼が現在キャスティングされているのが、ミュージカル『アンデルセン』。 主人公は童話作家として世界中でその作品を愛され続けるハンス・クリスチャン・アンデルセン。彼が生きた1830年代のデンマークを舞台に、貧しい靴職人だったアンデルセンが苦難の中でも希望を失わず、もちまえの想像力を駆使して“物語の王様”になるまでを描いた作品だ。 「初めて劇団四季の舞台を踏んだ思い入れの強い演目なので、また出演できてうれしいです。大スペクタクルミュージカルのような派手さはありませんが、始めから終わりまで緩やかで心地いい空気が流れるすばらしい作品だと思います」(松島・以下同) 『親指姫』『人魚姫』など、アンデルセンの名作童話を題材にした楽曲がちりばめられているのも本作の魅力。また、王室バレエ団の演出家兼プリンシパルダンサー・ニールス役のキャストの1人として、松島が担う本格的バレエシーンも見どころだ。 「見に来てくださった方に“バレエってこんなに美しいものなんだ!”と感じていただけるように毎回必死です。個人的には、前回(’11年)の出演後にさまざまな経験をしたことで、役柄のキャラクターを読み解く力がさらにアップしたと思っています。ニールスという人物をより深く演じられている手応えがありますね」 入団以来、数々のハマり役を手にし、劇団内でも一目置かれる松島。第一線で活躍を続けるために意識していることは? 「そう言ってもらえるのはありがたいのですが、まったくないんですよ(笑)。というか、僕はいつまでたっても本当に未熟な人間で。『アンデルセン』へ何度も出演してきたにもかかわらず、今回台本を読んで改めて気がつく部分がたくさんあって。当時の台本に書かれた、自分のトンチンカンな書き込みを見て愕然としました(笑)」 劇団のオーディションに合格し今年で15年目。今思う劇団四季の魅力って? 「劇団四季は、言葉に重きを置いているところが特に素晴らしいと思います。一語一句、言葉を、言葉に流れる意味や内容をしっかりお客さまに届ける。言葉が届くから作品が伝わり、感動して帰ってもらえる。ぜひ一度体感していただけたらうれしいです!」
2017年09月18日作家・斎藤惇夫の原作をミュージカル化した劇団四季のファミリーミュージカル「ガンバの大冒険」が、8月6日(日)に自由劇場(東京都港区・浜松町)にて開幕した。やあ、みんな。俺はガンバ、人間の家の床下にある貯蔵庫で、平和な暮らしを楽しんでいる町ネズミだ。ジャガイモはたくさんあるし、静かで、敵も来ない。これを幸せって呼ぶのかも知れないけれど、実はこのところ“何か大きくて広いもの”が俺を呼んでいる気がして仕方ないんだ。そんなところにやってきた仲間の町ネズミ・マンプクに連れられて、俺は年に一度開かれるという船乗りネズミのパーティーに参加してみることにした。そこで出会ったのは、足の速さはピカイチのイダテン、いつもサイコロを持ち歩くイカサマ、力自慢のヨイショ、踊りの得意なバレット、物知りのガクシャ。船乗りネズミたちは個性豊かな奴らだった。彼らの話によると、海の旅にでればゾクゾクするような経験ができるらしい。その言葉を聞いて、俺はなんとしても冒険の旅に出てみたいと思ったんだ。そんな楽しいパーティーの途中、船乗りネズミのシジンが連れてきたのは、体中傷だらけで血を流している忠太。聞いてみると、忠太の住む「夢見が島」はいま、イタチのノロイ一族に襲われて、島に家族を残して命からがら助けを求めて来たのだそうだ。「これこそ冒険だ!島の仲間たちを助けにいくぞ!!」だが、船乗りネズミたちは気乗りしない様子。さっきまで俺に「冒険はすばらしいものだぞ」なんて言っていたのは誰なんだ?「イタチがどんなに恐ろしい敵だろうと、死ぬことを恐れて何ができる?俺は一人でも島へ行くぜ!」この一言が、みんなの心に響いたのか、結局、島へ一緒に行くことになったのは、ボンヤリ、オイボレを加えた個性豊かな10人。どんな敵が待ち受けているのか…。いざ冒険の旅へ出発だ!劇団四季のファミリーミュージカル創作は、1964年にスタート。以後、半世紀にわたり次々と作品を創作しながら続き、そのレパートリー数も30を越える。そんな作品に共通するのは、「愛と勇気」「友情と連帯」「生命の尊重」といったテーマ。“生きていく上で大切なこと”が物語に織り込まれた多くの作品は、子どもたちの情操教育という見地からも有効との評価を得ている。中でも「ガンバの大冒険」は、劇団四季では1976年の初演以来、ニッセイ名作劇場、NHK夏休みこどもミュージカル、そして1994年からは一般公演として全国各地で上演を繰り返してきた人気ミュージカル。全国各地で1,100回以上の上演が重ねられ、再演の度に高い評価を獲得している。本作のテーマとなっている“冒険”。それは誰もがあこがれる、未知なるものを体験する旅。しかし、命の危険が伴うのも事実。運命に立ち向かおうとするガンバと仲間たちの姿は、私たちに大切なことを気づかせてくれるはず。劇団四季「ガンバの大冒険」は8月14日(月)まで自由劇場にて上演。(cinemacafe.net)
2017年08月07日劇団四季ミュージカル『ライオンキング』が7月16日、東京・四季劇場[夏]で再スタートの幕を開けた。『ライオンキング』は1998年に東京・浜松町の四季劇場[春]で日本初演の幕を開けて以降、ロングランを続けてきたが、同劇場が竹芝エリア再開発に伴い一時休止。5月28日に18年5か月にわたる同劇場での公演はいったん幕を下ろしたが、会場を四季劇場[夏]へと移し無期限ロングラン公演を継続する。【チケット情報はこちら】作品は、アフリカのサバンナを舞台に、ライオンの子シンバの成長を通し“生命の連環”という深遠なテーマを描き出す物語。斬新なパペットで表現される動物たち、アフリカの大地の雄大さが伝わる美しい舞台美術、エルトン・ジョンらが作り出したキャッチーな音楽で幅広い年齢層に愛され、“ミュージカルの王者”と称されている作品だ。その総公演数は日本演劇史上最多の11000回、観客動員数は1120万人超と、前人未到の数字を誇っている。この日は新たなスタートを切る『ライオンキング』を見守ろうと集まった観客で埋め尽くされ、開演前から期待と興奮の熱気で一杯の様子。本編終了後のカーテンコールでは、会場から万雷の拍手が上がり、カーテンコールは実に11回にもおよんだ。主人公のシンバ役を務めた永田俊樹は「『ライオンキング』にとって新たなスタートとなる、この四季劇場[夏]での公演に、シンバ役のひとりとして出演できることをとても光栄に思います。「サークル・オブ・ライフ(生命の連環)」という深遠なテーマの中で、生命の営みや親子の絆、心の成長を描いた本作。作品のメッセージをお客さまへしっかりとお届けできるよう、一回一回の舞台を誠心誠意努めていきたいと思います」と語った。公演はロングランでの上演を予定、現在12月30日(土)公演分までチケット発売中。
2017年07月18日子どもの暮らしを彩るモノ・コトづくりに愛をもって携わる達人に、その舞台裏を余すところなく語っていただく本連載。7回目は、年間3,000回以上の公演を全国で行う、日本最大級の劇団「劇団四季」の舞台裏におじゃまし、子どもたちへのハートフルな取り組みからその背景まで教えていただきました。<お話をうかがった達人さん>古川 由記子さん劇団四季 劇場部 劇場運営。劇場の顔としてお客様をお迎えするほか、劇場運営スタッフのマネジメント、舞台監督と劇場部との橋渡し役など多岐にわたる業務をこなす。<劇団四季って?>全国に専用劇場を持ち、年間の総公演数は3,000以上と、国内最大規模の演劇集団。1998年に開幕したディズニーミュージカル『ライオンキング』は、公演通算回数1万回を超えるロングランに。そのほか、ファミリーミュージカルや、小学生を対象とした大型児童招待事業「こころの劇場」、俳優が実際に小学校を訪れて行う「美しい日本語の話し方教室」など、子どもに向けた取り組みも行っている。劇団四季の詳細はこちらから。 こころの劇場 ■劇団四季の「シアターマネージャー」ってどんなお仕事?私は、劇団四季で「シアターマネージャー」を担当しています。シアターマネージャーにはさまざまな役割がありますが、お客様と直接接する部分では、劇場にいらっしゃる皆様が心地よく観劇していただけるよう、劇場内の環境をととのえています。たとえば大きな荷物を持っている方やベビーカーでいらしたお母様がいたら、お声がけをして荷物をお預かりしたり、小さなお子様には身長に合わせてちょうどよい高さのシートクッションをご用意したりなど、お客さまが「不都合だな」と感じる前にさりげなくフォローにまわることを心がけています。■泣いちゃっても…大丈夫! 子連れでも安心な劇団四季のやさしい工夫劇団四季では、入場に年齢制限を設けていません。公演当日、3歳未満のお子様なら保護者の方のおひざの上でご観劇いただけますので、幼児はもちろん、1歳になる前のお子様と一緒にこられる方も少なくないんですよ。そうはいっても、「子どもが泣いちゃったらどうしよう」「じっとしていられないから他のお客さんに迷惑をかけてしまうかも…」と気が引けてしまうお母様もいらっしゃるかもしれません。でも、どうぞご安心ください。劇団四季の専用劇場では、客席の後方をガラスで仕切った「親子観劇室」を設けています。お子様のなかには、照明の暗転や演出上での大きな音などにびっくりしたり、怖くなってしまったりする子もいます。親子観劇室は事前予約不要で、そんなときにひとごこちつけていただくためのスペースです。生の舞台ならではの臨場感を味わいつつも、ガラスで隔てられているのでお子様の緊張がほんのりやわらぎます。お子様がお声をたてるなどちょっと不安になったら一時的に親子観劇室に行き、落ち着いたらまた席でお楽しみいただく。そういった形でご利用いただければと思います。実際、ご家族でいらっしゃることが多い『ライオンキング』では、親子観劇室を多くご利用いただいています。もし、お子様がどうしても泣き止まないなどでお困りのときには、ロビーでご覧いただくこともできます。ロビーには大きなモニターがあるので、そこで観劇しながら落ち着かれるまで過ごしていただいても大丈夫です。劇場では、皆様が気持ちよく観劇していただくためのお子様向け冊子「ニコにこ観劇マナーBOOK」を配布していますので、お子様とお目を通していただければと思います。また、劇団四季では託児所と提携したサービス(※)もご用意しています。旦那様とのデートやご友人との息抜きなど、大人だけでゆっくり観劇を楽しみたいときなどにご利用いただいています。※託児所は事前に予約が必要です。また、劇場によって、提携先の託児所が異なり、公演によってはサービスを実施していない場合もあります。■「子どもたちに観劇を楽しんでほしい」から生まれた子どもへの取り組み劇団四季が年齢制限を設けず、小さなお子様やその保護者の方にも安心して観劇いただける環境づくりにつとめているのは、「子どもたちにもっと観劇を楽しんでほしい」と考えているからです。その取り組みのひとつとして、より多くの子どもたちへ演劇の感動を届けるために、2008年から小学生を無料で招待する「こころの劇場」を行っています。感情がどんどん豊かになっていく時期に、生命の大切さや人を思いやる心、信じあう喜びといった「生きる上で大切なこと」を、日本各地に出向き演劇を通して届けていくこの活動。行く先々で本当に多くの子どもたちから反響をいただいています。じつは、小学生の頃、こころの劇場を観て感動したのをきっかけに、劇団四季のスタッフになった、という人もいるんですよ。間近で観て、感じられる生の舞台だからこそ伝えられるメッセージが、きっとあると思います。観劇し終わったあと、子どもたちを含め、すべてのお客様のこころになにかあたたかいものが残る舞台でありたい。そんなひとつの目標に向かって、俳優もスタッフも一丸となって舞台をつくっています。■子連れ観劇のはじめの一歩なら「ファミリーミュージカル」を!世の中にあるたくさんのエンタテインメントのなかでも「観劇」はまだ広く一般的とはいいきれず、とくに、お子様連れだとなおさらかもしれません。けれど、先にもお伝えしたように劇団四季では年齢制限を設けていませんし、子どもたちにこそもっと演劇を楽しんでもらいたい! と願っています。春・夏・冬の長期休み期間中に、定期的に公演を行っているのが、ご家族で楽しめる「ファミリーミュージカル」です。ファミリーと冠しているだけあって多くの親子連れのお客様がいらっしゃるので、気負わずにお楽しみいただけると思います。さらに、上演時間もやや短く、ご家族でお楽しみいただける内容なので、観劇デビューとしてもおすすめです。ファミリーミュージカルの他にも『ライオンキング』をはじめ、『アラジン』『リトルマーメイド』など、ディズニー作品でおなじみのタイトルがたくさんあります。絵本や映画でよく知っているストーリーでも、舞台となるとまた一味も二味も違うなにかを感じていただけるはずですので、お子様の興味のありそうなものをチェックしてみてくださいね。最後に、演劇をもっと楽しむ秘訣をお伝えします。それは、「私も、作品の一部」だと思いながら観劇いただくことです。演劇は、俳優、スタッフ、そしてお客様、劇場にいるすべての人々が一丸となり、ひとつの作品として成り立ちます。たとえ同じ演目を、同じ俳優が演じたとしても、全く同じ舞台になることはありません。そして、その時々のお客様の反応が劇場の空気をつくっていきます。そう、観てくださるお客様がいてはじめて、「そのときだけの舞台」が完結するんです。演劇を楽しむときにはそんなこともお子様に伝えてあげると、「ぼくも、わたしも、一緒に作品をつくりあげる一員なんだ!」という気持ちでいっそう演劇の世界に入り込んで、舞台ならではの醍醐味を体感していただけるかもしれません。一度観ていただければ、こころになにか響くものを感じていただけると思います。親子で感動を共有する体験のひとつとして、観劇を楽しんでくださいね。<夏休みは劇場へ!>劇団四季のファミリーミュージカル、2017年夏の公演では、『嵐の中の子どもたち』と『ガンバの大冒険』を予定しています。観劇のはじめの一歩にもぴったりですので、ぜひ足をお運びください。■劇団四季ファミリーミュージカル夏休み連続上演公演日程:『嵐の中の子どもたち』7月23日(日)~7月31日(月)『ガンバの大冒険』8月6日(日)~8月14日(月)会場:自由劇場(東京都港区海岸1-10-53)■ミュージカル『ライオンキング』東京公演公演日程:7月16日(日)~ ※12月30日(土)公演分までチケット発売中会場:積水ハウスミュージカルシアター四季劇場[夏](東京都品川区広町2-1-18)■ミュージカル『ライオンキング』札幌公演公演日程:10月29日(日)公演分までチケット発売中会場:北海道四季劇場(北海道札幌市中央区大通東1-10)・お問い合わせ・予約はこちらから劇団四季予約センター:0120-489444(10時~18時まで)SHIKI ON-LINE TICKET 文:コミヤカホル
2017年06月29日1998年、四季劇場[春]での開幕以来、日本演劇史上初の無期限ロングランを継続するミュージカル「ライオンキング」が、5月28日、現・四季劇場[春](東京・浜松町)でのファイナル公演を迎えた。四季劇場[春]は、竹芝エリア再開発に伴い一時休止となるものの、7月16日(日)からは四季劇場[夏](東京・大井町)へ会場を移し、公演が継続される。ディズニー映画『ライオンキング』を、色彩豊かな舞台美術や象徴的な仮面、そしてさまざまな趣向をこらした動物たちのパぺットなどを用いて舞台化した劇団四季のミュージカル「ライオンキング」。父の死に苦悩しながらも、試練を乗り越えて王となる宿命に生きるシンバを中心に、“サークル・オブ・ライフ=生命の連環”という普遍のテーマが描かれ、自然の摂理、生命の営み、その中で父から子へと受け継がれていく意志が伝わる感動作だ。1998年12月より、18年5か月という日本演劇史上初の無期限ロングランを継続するこの公演。総公演回数は6,327回、観客動員数は約689万人を記録。劇団四季による日本公演は、同劇場のこけら落とし公演になったこの東京公演を皮切りにスタートし、以来、東京・大阪・福岡・名古屋・札幌の5都市でのべ8公演を実施。国内通算公演回数は10,978回、観客動員数は1,125万人となった。この日の本編終了後には、ファイナル公演記念カーテンコールを実施、キャスト全員で作品のオープニングを飾るナンバー「サークル・オブ・ライフ」を特別演出にて披露された。また、キャストを代表してスカー役の飯村和也より、「今後もさらなるロングランを目指し、挑戦を続けてまいります」と挨拶。客席からは大きな拍手と歓声が送られ、カーテンコールは17回にも及んだ。ミュージカル「ライオンキング」は7月16日(日)より積水ハウスミュージカルシアター 四季劇場[夏]にて上演。(cinemacafe.net)
2017年05月29日2013年に東京で日本初演を迎えた、劇団四季のミュージカル『リトルマーメイド』。東京、名古屋に継ぎ、日本3都市目となる福岡公演が8月11日(金・祝)、いよいよ幕を開ける。これに先駆けて5月15日、福岡市の水族館「マリンワールド海の中道」にて記念イベントが開催された。劇団四季『リトルマーメイド』チケット情報トークイベントには、主人公アリエル役候補の松元恵美とアリエルの父・トリトン役候補の村俊英が登場。「ディズニーのアニメーション映画を何度も観て、幼い頃からアリエルに憧れていたんです。芯が強くて、目標に突き進んでいく強さがある女の子ですよね」と語る松元は、自身も幼い頃から始めたクラシックバレエで「できるまで泣きながら練習する」という負けず嫌いな女の子だったそう。村は、2012年の『サウンド・オブ・ミュージック』以来、5年ぶりの地元・福岡だという。「久しぶりに帰ってきて、故郷の空気に懐かしさを感じてます。キャナルシティのそばまで歩いてきたのですが、当時の事をいろいろ思い出しますね。福岡のうどんが大好きなので、今回ももちろん食べます」と笑顔で語る。『リトルマーメイド』は、地上世界に憧れる人魚姫アリエルが、人間の王子エリックに恋をする物語。舞台では、海の中での人魚の動きを、フライングを使って表現。最新鋭の舞台技術を使い、海の中の世界をダイナミックに描き出している。松元は「地に足をつけ、支えがある状態で歌うのが普通ですよね。でもフライング中は吊られた状態で歌うので、慣れるまでは大変でした」と本作ならではの苦労を語る。また、アリエルの視点をコンセプトとした舞台表現も注目すべき点のひとつ。村は「アリエルにとっての現実世界である海の中は立体的な三次元の世界で表現され、アリエルの空想世界である地上は絵本のような二次元の世界で描かれています。その対比も楽しんでください。」と見どころを教えてくれた。イベントの最後には、2013年の日本初演よりアリエル役を務める谷原志音が、魚たちが悠々と泳ぐ外洋大水槽をバックに劇中歌「パート・オブ・ユア・ワールド」を披露。その歌声で、会場が『リトルマーメイド』の世界へ一瞬にして変化した。他にも、作曲家アラン・メンケンが手がけた「アンダー・ザ・シー」「キス・ザ・ガール」など、名曲の数々を堪能することができるミュージカル『リトルマーメイド』。福岡公演は8月11日(金・祝)キャナルシティ劇場にて開幕。チケットの一般発売は5月20日(土)。
2017年05月19日劇団四季のミュージカル「オペラ座の怪人」が4月29日、横浜・KAAT神奈川芸術劇場<ホール>での公演で日本初演から29周年を迎え、オペラ座支配人コンビ、ムッシュー・アンドレ役の増田守人とムッシュー・フィルマン役の青木朗が感謝の挨拶を述べた。仏作家ガストン・ルルーの同名小説を基にしたミュージカル「オペラ座の怪人」は、世界で最も有名なミュージカルの1つ。パリ・オペラ座の地下に棲み、歌姫クリスティーヌに恋をする怪人。その彼の悲しいまでの愛の様が、「キャッツ」「エビータ」など傑作ミュージカルを生み出してきたアンドリュー・ロイド=ウェバーの巧みな旋律によって紡がれていく。1986年10月9日、ロンドン・ウェストエンドで初演されて以来、これまで世界35か国、164都市、14言語以上で上演され、その総観客動員数は1億4,000万人以上。現在、“ミュージカルのメッカ”ブロードウェイにおいて自らが保持する最多観客動員、最多上演回数、最長ロングランの記録を塗り替えており、「世界で最も多くの人が観たミュージカル」といわれている。2004年には、怪人をジェラルド・バトラー、クリスティーヌをエミー・ロッサムが演じて映画化された。日本での同作の初演は、1988年4月29日の東京・日生劇場。以来、全国10都市で上演を重ね、総公演回数は6,764回、観客総動員数は669万人(2017年4月29日公演終了時点)におよび、「ライオンキング」「キャッツ」に次ぐ国内第3位を誇る。この日、昼公演時のカーテンコールでは、出演者を代表してパリ・オペラ座の支配人コンビ、ムッシュー・アンドレ役の増田さんと、ムッシュー・フィルマン役の青木さんが感謝のコメントをファンに向けて送った。なお、現在上演中の横浜公演は8月13日(日)まで。その後、9月14日(木)からは広島、12月からは京都での公演が決定している。■ムッシュー・アンドレ役/増田 守人本日は、ご来場いただき誠にありがとうございます。『オペラ座の怪人』は本日、日本上演29周年を迎えました。1988年の東京初演以来、全国10都市で上演。総公演回数は6,763回、のべ669万人ものお客様にご来場いただきました。これもひとえに、お客様の温かいご支援の賜物と、出演者・スタッフ一同心より御礼申し上げます。■ムッシュー・フィルマン役/青木 朗これからも皆様にこの作品の感動をお届けできるよう、精一杯努力して参ります。今後とも『オペラ座の怪人』により一層のご声援を賜りますよう、お願い申し上げます。本日は誠にありがとうございました。ミュージカル「オペラ座の怪人」横浜公演は8月13日(日)までKAAT神奈川芸術劇場<ホール>にて上演中。(text:cinemacafe.net)
2017年05月01日昨年12月に東京で日本初演を迎えた劇団四季の新作ミュージカル『ノートルダムの鐘』が、7月23日(日)から9月28日(木)まで、京都劇場にて上演される。劇団四季「ノートルダムの鐘」チケット情報物語の舞台は、15世紀末のパリ。ノートルダム大聖堂に隔離されている鐘突きのカジモド、カジモドを世話する大聖堂大助祭フロロー、警備隊長フィーバス、そしてこの3人が同時に愛するジプシーの娘エスメラルダの4人を中心とした、愛の物語。本作について、カジモド役のひとりである飯田達郎は「この作品ほど心を揺さぶられたことはない」と、しみじみ語る。「人間は、宗教、人種、価値観の違いによって偏見を持つことも多く、その象徴としてカジモドがいると思うんです。そして、カジモドには人間の持つ寂しい思いや恥じらい、エスメラルダは美、フロローは嫉妬…と、それぞれが何かを象徴するようなキャラクターになっているんです。だから、お客様は誰かに共感したり、リンクするものがある。それは世代や性別によっても異なりますし、その時のその人の状況によっても変わってきます。けれど、“愛は宿命を変えられるか”という根本のテーマは共通していて、物語の光と闇につながっている。だから、どんな人も心動かされるのだと思います」。劇団四季の作品の中でも新たな試みが取り入れられている本作。舞台はシンプルに、芝居や動きは俳優に委ねられている部分も多いのが特徴だ。「基本的な動きは決められていますが、自由な交流や自由な動きが認められていて、その日のお客様とその日のキャストで作り上げる感覚があります。美術も大きなセットに頼らずに、木でできた板がベンチになったり、壁になったり、坂道になったりと、マンパワーで動かしていくんです。それがよりお客様の想像をかき立てると思いますし、だからこそ感動も大きいのだと思います。それに、客席から見える位置にクワイアという聖歌隊を配置するのも初めての試み。演じていても毎回新しい発見がありますし、新鮮に感じます。人間力がすごく試される舞台なので、俳優も常に120%の気持ちで臨んでいます」。宿命とどう向き合って生きるのか、他者を認めること、お互いに理解し合うこと…。本作から受け取るメッセージは多い。「時代が変わっても変わらないものがあるという、普遍的なテーマを持った作品なんですよね。本当にいろんな要素が詰まっているので、何度観てもいろんな目線で楽しめると思います」6月25日(日)まで東京・四季劇場[秋]にて上演中。その後、7月23日(日)から9月28日(木)まで京都劇場にて上演。取材・文:黒石悦子
2017年05月01日4月21日(金)本日より自由劇場(港区・浜松町)にて上演されている劇団四季「ブラックコメディ」。この度、開幕を直前に控えた20日、公開舞台稽古が実施され、本番同様に緊張感溢れる中、舞台全体の最終チェックが入念に行われていた。ある日曜の夜、無名の若手彫刻家ブリンズリーは、婚約者のキャロルと一緒にアパートの部屋を華やかな骨董品で飾りつけていた。優美な椅子、精巧なランプ、上等な花瓶、値打ち物の仏像…実はこれらの骨董品は、旅行で留守にしている隣人、古美術商ハロルドのコレクション。彼に無断で持ち出し、さもブリンズリーの調度品のように装って2人の来客をもてなすという計画だった。客のひとりは、ブリンズリーの作品を見に訪ねてくる億万長者の美術蒐集家バンベルガー。彼に認められればブリンズリーの出世は間違いない。そして、もうひとりはキャロルの父親・メルケット大佐。娘のフィアンセにブリンズリーがふさわしい男なのか、品さだめにやってくるのだ。骨董品が大富豪の評価を受け、賞賛される姿をフィアンセの父親に見せることができれば、ブリンズリーは富も名声も、そして愛する女性も手に入れられるはずだったのだが…あろうことか、突然アパート全体が停電に!部屋には上階に住む女性、ミス・ファーニヴァル、旅行中のはずのハロルド、さらにはブリンズリーの元恋人クレアまで現れて…。大混乱に陥り、暗闇で大慌てのブリンズリー。彼の運命やいかに――!?本作は、「エクウス(馬)」や「アマデウス」などの作品で名高い、昨年6月に逝去した英国劇作家ピーター・シェーファー作のスラップスティックコメディ。若き彫刻家が、美術コレクターの大富豪とフィアンセの父親を我が家に迎える大事な夜に、突然起こった停電。電気がついているシーンは舞台上が暗く、停電になると照明がついて明るくなる「明暗逆転」の手法で、停電中のパニックを見せる異色作だ。1965年にロンドンで初演され、以降パリ、ニューヨークでも上演し大ヒットとなった本作。劇団四季では1970年の初演以降、2006年に自由劇場で36年ぶりの再演を果たし、2008年までに東京のほか福岡、名古屋、京都で上演し、各地で好評を博した。今回本作で若き彫刻家ブリンズリー・ミラー役を演じる萩原隆匡は、「ブリンズリーは、婚約者の父との挨拶の直前、停電に直面します。そこに、元恋人が突如現れるという悪夢のような状況を、暗闇を明るく、光ある日常を暗闇に逆転させた斬新な演出でご覧いただきます」と本作について語り、「非日常空間に置かれた人間の行動の可笑しさとその本質を表出させていく、ピーター・シェーファーの極上のドタバタコメディをぜひお楽しみください」とメッセージを寄せた。劇団四季「ブラックコメディ」は4月21日(金)~5月14日(日)自由劇場にて上演。(cinemacafe.net)
2017年04月21日昨年12月に劇団四季の新作ミュージカルとして東京で開幕し、注目を集めている『ノートルダムの鐘』が、7月23日(日)より京都劇場で上演される。その成功祈願が京都・高台寺で行われ、主人公・カジモド役のひとり飯田達郎と、ヒロイン・エスメラルダ役のひとり岡村美南が参詣した。劇団四季「ノートルダムの鐘」チケット情報『ノートルダムの鐘』は、『レ・ミゼラブル』でも知られる文豪ヴィクトル・ユゴーの代表作。このミュージカル版は、1996年にディズニーの長編アニメーションとして公開されたものをベースに作られ、2014年にアメリカで開幕した。物語の舞台は15世紀末のパリ。ノートルダム大聖堂の鐘楼に住む異形のカジモド、カジモドを世話する大聖堂大助祭フロロー、警備隊長フィーバスという男たちが登場。この3人の男と、彼らに愛されるジプシーの娘エスメラルダが織りなす、切なくも美しい愛の物語だ。成功祈願のご祈祷を受けたのは、壁や天井一面に涅槃図が貼り巡らされた利生堂。思わずスッと背筋が伸びるような空間で、般若心経が唱えられる中、役者やスタッフが公演成功を祈念した。そして、カジモドが劇中で大聖堂の鐘楼に住み、鐘をつくことに絡めて、飯田が高台寺の鐘楼前で劇中ナンバー『陽ざしの中へ』を奉納。さらに岡村と共に高台寺の鐘をつき、美しい音を響かせた。飯田が披露したナンバー『陽ざしの中へ』は、カジモドとして初めて歌う曲。外の世界と隔離され、塔の上から街を眺めて暮らすだけのカジモドが、外界への憧れを歌い上げる。「外の世界に憧れる彼の強い意志を表した曲で、物語の軸になる曲です。“たった一日だけ人と触れ合うことができたら”と、神様にお祈りするような気持ちで歌っています」と、曲への思いを語る。他にも劇中ではスティーヴン・シュワルツ作詞、アラン・メンケン作曲による数々の重厚な楽曲が展開される。また岡村は「時代を選ばない普遍的なテーマがある」と、本作の魅力を語る。「今は不寛容な時代と言われていますが、この作品では他者をいかに受け入れるかということも描かれていると思います。だから、今の時代にこの作品を劇団四季で上演できることに意義を感じています。そして音楽やテーマは重厚ですが、演出はとてもシンプルで、お客様の想像力をかき立てるものになっていますので、関西のお客様にどう受け入れられるか、すごく楽しみにしています」。6月25日(日)まで東京・四季劇場[秋]にて上演中。その後、7月23日(日)から9月28日(木)まで京都劇場にて上演。京都公演のチケットは4月22日(土)10:00より発売開始。一般発売に先駆け、4月21日(金)23:59まで、ぴあスペシャルシートS1席の先行先着プリセールを受付中。取材・文:黒石悦子
2017年04月21日“劇団四季とディズニー”提携作品として、1989年に製作されたディズニー劇場版長編アニメーションを舞台化したミュージカル「リトルマーメイド」。2013年4月7日に日本初演を迎えてから約4年間のロングランを達成し、4月9日をもって東京公演が千秋楽を迎えた。海底の世界に住む人魚のアリエル。海の王トリトンの末娘で、好奇心旺盛な彼女は、今日も幼なじみの魚・フランダーと冒険へと出かける。ある日、アリエルは航海中の船へ近付き、そこで人間の王子エリックを見つけ、たちまち恋に落ちる。しかし、船は彼女の目の前で嵐に襲われ沈没し、エリックは海に…。溺れたエリックを抱え必死に浜辺まで運んだアリエルは、歌を口ずさみながら介抱をする。朦朧としながらもアリエルの美しい歌声が脳裏に焼き付いたエリック。自分を救ったその声に惹かれ、声の持ち主である女性を必ず見つけると心に決める。一方アリエルも、父トリトンの警告をよそに、地上への憧れとエリックへの恋心をますます募らせていく。そんな彼女に目を付けたのは、海の魔女・アースラだった…。1995年の「美女と野獣」を記念すべき第1作目として、「ライオンキング」(1998年~)、「アイーダ」(2003年~)に続く「四季とディズニー」提携第4弾として誕生したミュージカル「リトルマーメイド」。日本公演は、2013年4月7日に開幕。以来、観客からの熱い支持を得て約4年のロングランを成し遂げ、公演回数は1,350回に達し、入場者数は約152万人を突破。そして4月9日、ミュージカル「リトルマーメイド」東京公演がフィナーレを迎えた。この日の本編終了後には、千秋楽記念カーテンコールが実施。キャスト全員で劇中最後に登場するナンバー「フィナーレ」を披露した。また、キャストを代表してエリック役/竹内一樹より「作品を愛し、育んでくださったすべての皆様に出演者・スタッフ一同、心より御礼申し上げます」と感謝の言葉が述べられると、客席から大きな拍手と歓声が!カーテンコールは13回にも及び、本作との別れを惜しむような温かい空気で幕を閉じた。ミュージカル「リトルマーメイド」は今後も名古屋での公演を継続。なお、四季劇場[夏]では7月16日(日)よりミュージカル「ライオンキング」を上演予定だ。(text:cinemacafe.net)
2017年04月10日劇団四季のミュージカル『オペラ座の怪人』横浜公演が3月25日、KAAT 神奈川芸術劇場 ホールにて開幕した。1988年の日本初演以来6730回の総公演回数を誇る、四季を代表する人気作品だが、横浜での上演は初。横浜エリアでの長期公演は、2012年11月まで上演されていた『キャッツ』以来約4年ぶりになる。初日前日にあたる3月24日には最終舞台稽古が報道陣に公開され、俳優陣が熱の入った演技をみせた。劇団四季『オペラ座の怪人』チケット情報『オペラ座の怪人』はガストン・ルルーの小説を原作に、パリ・オペラ座の地下に棲み、歌姫クリスティーヌに恋焦がれる“怪人”の悲しい愛の姿を描くミュージカル。ミステリアスなストーリーのほか、現代ミュージカルの巨匠アンドリュー・ロイド=ウェバーによる名曲の数々、幻想的で豪華な舞台セット、繊細な衣裳など、どこを切りとっても最高峰の作品だ。世界ではこれまで35か国・13言語で上演されており、全世界での興行収入は60億ドルという記録を誇っている。この日の舞台稽古に登場した怪人役は佐野正幸。1988年の同作四季初演時にはアンサンブルとして出演、その後メインキャストであるラウル子爵役などを経て、2006年から怪人役を務めているベテラン俳優だ。作品に長く関わり続けている佐野らしく、怪人の葛藤や切なさを深みのある熱演で魅せた。佐野は「劇団の本拠地である横浜で、この作品に参加できることを、大変光栄に感じています。『オペラ座の怪人』は、流麗で重厚な旋律によって綴られる哀しくも美しい愛の物語です。作品のドラマをしっかりとお届けできるよう、一回一回の舞台を誠心誠意努めていきたいと思います」とコメント。またヒロインのクリスティーヌ・ダーエ役は、近年、四季で数多くのヒロインを務め、同役も2014年から演じている山本紗衣。美しいソプラノボイスを存分に響かせた。ラウル・シャニュイ子爵役は『ジーザス・クライスト=スーパースター』のジーザス役、『ウェストサイド物語』のトニー役など主要キャストを次々と演じてきている新星・神永東吾がフレッシュに演じたほか、カンパニー全体が気合いの入った熱演を見せる。劇団の代表作を、劇団のお膝元・横浜で初めて上演するに際し、「劇団四季のオペラ座の怪人は凄いらしい。」というキャッチコピーに嘘はないことを証明してみせていた。公演は8月13日(日)まで同劇場にて。チケットは発売中。
2017年03月27日主演のエマ・ワトソンがベル役を演じる実写版『美女と野獣』。この度、本作のプレミアム吹き替え版でベル役を演じる昆夏美と、現在京都で上演中の劇団四季 ディズニーミュージカル「美女と野獣」で野獣を演じる田邊真也、ベルを演じる平田愛咲との夢の対談が実現。実写版と舞台版、そしてアニメーションの違い、作品「美女と野獣」の魅力について語り合った。先日、ついに全米で封切られた本作は、オープニング3日間で1億7千万ドルという驚異的な興行成績を叩き出し、3月公開作品の記録を更新。全世界ではすでに3億5千万ドルを達成し、『マレフィセント』や『シンデレラ』を超え、またあの『ハリー・ポッター』シリーズのオープニング記録を抜いて、エマ主演作品史上No.1となり、4月の日本公開もますます期待が高まる。今回、本作の公開を記念して実施された対談では、一足早く実写映画版を鑑賞した田邊さんは、「僕の中で作っていたイメージが完全に視覚的にとらえられた。イメージが広がりましたね」。平田さんも「私もアニメーションのファンで、ミュージカルをやらせていただくときに、アニメーションからイメージを膨らませていましたが、実写版はより奥行きがでているなと思いました」と語る。また、舞台との違いについて昆さんは「ベルには母親がなぜいなかったのか、父親はどうして母親のことを語らなかったのかなど、いままでアニメーションや舞台で描かれなかったベルや野獣のキャラクターの背景が描かれているのは大きなポイントです」と実写版で明かされる新しい一面について明かす。アニメーション版にはなく、舞台版と実写版にはある“野獣のソロ曲”について田邊さんは、「舞台では薔薇に触れようとするベルに対して、『出ていけ』と言った後に野獣が歌う『愛せぬならば』。一方、実写版では本当はベルに愛しているといいたいのに、愛しているからこそ父親の元に帰した後に歌う『ひそかな夢』。位置関係は異なりますが、ともに彼女を愛するという同じ想いを歌っていますね」と野獣役ならではの思いを語り、「僕は今日も楽曲を聴きました。聞けば聞くほどいい曲で癖になります。『ひそかな夢』は僕もぜひ歌ってみたいですね」と話していた。一方、エマ版ベルの魅力について平田さんは、「すごく現代的な女性。エマが演じることによって。アニメーションは26年前の作品ですが、いまの私たちとなんら変わりがなく身近に感じましたね」と話し、昆さんは「彼女の元々持っている凛とした印象というのは、今回の映画版のベルの見どころだなと思います。アニメーションだと、もう少し可憐で女性らしいイメージがあったのですが、映画版だと強さや自立した女性の印象を受けました」「いままでイメージしていたベルとは少し違うとみなさんも思うんじゃないかな」とコメント。また、「美女と野獣」を語る上で欠かせないのが、ボールルームのシーン。「きれいでした!アニメーションもすごくきれいですけど、美しいイメージがそのまま再現されていました」と平田さんは絶賛し、田邊さんも「とても美しく、圧倒されました」と2人共うっとりした表情を浮かべた。そして、対談前に舞台を観劇した昆さんは、「今日2人が舞台でドレスを着て踊っているときに、黄色いドレスって条件反射で泣くんだなって(笑)。野獣がコグスワースとルミエールに『大丈夫だよ』と励まされて出て行って、そこにベルが待っているというところでもう号泣。優しくて愛のある美しいメロディーのもと2人で踊るシーンは本当に名シーン!『美女と野獣』でやっぱりこのシーンが一番好きだなと思いました」と熱弁。日本公開をあと1か月程に控えた本作。これから実写映画を観る人たちへ向け、「新しい『美女と野獣』です。四季による舞台版を愛してくださっている方にはぜひご覧いただきたいですね」(田邊さん)、「舞台版よりもさらに奥行が生まれた実写版。より広く深く『美女と野獣』のことを知ることができると思います」(平田さん)とメッセージを寄せている。『美女と野獣』は4月21日(金)より全国にて公開。(cinemacafe.net)■関連作品:美女と野獣 (2017) 2017年4月21日より全国にて公開(C) 2016 Disney. All Rights Reserved.
2017年03月24日劇団四季のミュージカル『オペラ座の怪人』が、この春、KAAT 神奈川芸術劇場 ホールにて上演される。首都圏での同作品の上演は約4年ぶり。3月10日、その稽古場の様子が報道陣に公開されるとともに、出演予定キャストの佐野正幸、山本紗衣による取材会が開催された。劇団四季『オペラ座の怪人』チケット情報『オペラ座の怪人』はパリ・オペラ座の地下に棲み、歌姫クリスティーヌに恋をする“怪人”の悲しい愛の姿を描くミュージカル。この日の稽古場で披露されたのは3場面で、第一幕の劇中劇『ハンニバル』のリハーサルシーン、クリスティーヌがソプラノで歌い上げる『スィンク・オブ・ミー』、第二幕の名曲『ザ・ポイント・オブ・ノーリターン』のシーンだ。劇団四季では本作の上演を1988年から重ねているだけあり、稽古場とはいえすでにかなりの完成度の高さで、俳優たちは充実の演技を見せる。劇中劇のリハーサルシーンは、巨匠アンドリュー・ロイド=ウェバーによるオペラ風のデコラティブな楽曲も印象的だが、バックステージの慌しい雰囲気も見どころのひとつ。舞台の端に至るまで、俳優たちそれぞれが細かい芝居を見せていて興味深く面白い。演出スーパーバイザーを務める俳優、北澤裕輔も「『ハンニバル』が終わったあとの皆さんの反応、リアクションが素晴らしかったです。引き続き、そのままで」とコメント。また怪人とクリスティーヌのデュエット『ザ・ポイント・オブ・ノーリターン』では、怪人役を長く務めている俳優・佐野正幸が、クリスティーヌに恋焦がれ、また自らの外見にコンプレックスを持つ怪人の苦しい胸のうちを、繊細な演技と迫力の歌声で圧倒していた。取材会ではまず佐野が「今回はやはり、KAATという劇場でやるということが目玉」、山本が「私自身、いま神奈川県に住んでおり、この劇団も横浜の劇団。私の地元でもあり、劇団の地元である神奈川で公演ができるのが楽しみ」と今回の横浜公演への期待をそれぞれ語る。さらに佐野は「今回のキャストは作品経験者が多く、しかも稽古期間がいつもより長い。また、本番ではなかなか見ることのできない、他の人の場面も見られるので、貴重な経験が出来ている」と、万全の体制で横浜公演に向けて準備を重ねていることを明かした。佐野は怪人役を務めるようになってから11年目。「1988年の初演、最初の公演はアンサンブルとして立っていました。その後色々な役を経験して、ファントムとしても11年。僕の劇団四季の人生のほとんどが『オペラ座の怪人』と共にある。昨年1年間は『美女と野獣』の野獣役などを主に演じており、1年間ファントム役からは離れていたので、自分でも今、新鮮に演じられています。1年のあいだに別の役で培った経験が、どう11年目のファントムに出てくるか、僕自身も楽しみにしています」と佐野。劇団四季がお膝元・横浜で、気合い十分に挑む『オペラ座の怪人』、お楽しみに。公演はKAAT 神奈川芸術劇場 ホールにて、3月25日(土)開幕。チケットは発売中。
2017年03月15日『美女と野獣』の野獣、『オペラ座の怪人』のラウルなど、劇団四季で主要な役を多く務めてきた中井智彦。2015年に退団後は、歌謡曲や映画音楽のスタンダードナンバーを集めたカバーアルバム『私の歌を聴いてくれ』や、中原中也の詩に自ら曲をつけたCD付きBOOK『詩人・中原中也の世界~在りし日の歌~』を発表するなど、独自の音楽活動も開始した。そんな中井が、ミュージカルの曲ばかりで綴るコンサート『I Live Musical!』を開催する。「Love」ではなく、あえて「Live」とした理由など、本作に込めた想いを聞いた。中井智彦のコンサート チケット情報気になる曲目は、『Beauty And The Beast/愛せぬならば』(美女と野獣)、『All I Ask of You』(オペラ座の怪人)、『Maria』(ウェストサイド物語)など、まさに王道の曲も予定。ラインナップは、役の性別を問わずに選んだと中井は言う。「“なんでこっちを見てくれないの”と焦れたり、たとえば『レ・ミゼラブル』の『夢やぶれて』のように悲しみに暮れたりする気持ちは、男女を超えた共通のもの。自分だったらどう演じ、どう表現するかということに挑戦してみたかった」と話す。また、タイトルに「Live」という単語を用いた理由については、「子どもの頃から歌が好きで、バンドをやったり、東京芸術大学で学んだりしたのですが、心を一番動かされたのが、大学1年生の時に出合ったミュージカルの曲でした。今年は東宝の『レ・ミゼラブル』で初舞台を踏んでから10年。僕はミュージカルに生かされてきたし、一緒に生きてきたとも感じているので、改めてミュージカルの曲に立ち向かいたいという気持ちを込めました」と語った。現在33歳。中井は「実は恥ずかしがりで“中井智彦”として愛を表現するのは苦手なタイプ。でも劇中で、役としてだったら存分に感情をぶつけられるんです」と打ち明ける。「好きなのも、カンツォーネよりドイツリート。ひとりの男が愛して、破れて、結局死んじゃう、みたいな」と笑うが、そんな中井だからこそ、役に没入したときのエネルギーは目を見張るものがあるのだろう。「昭和の歌謡曲も大好きで、ミュージカルと共通するのは、歌詞はシンプルなのに物語にリアリティがあるということ。尾崎紀世彦さんや山口百恵さんの曲なんて、いま聴いても震えますよね」と熱っぽく話す。歌という“物語”を紡ぐ覚悟は決まっている。「これからも、時代を超えた名曲を歌っていけたら」と、最後は笑顔で締めくくってくれた。公演は4月8日(土)東京・ヤマハエレクトーンシティ渋谷にて。チケットの一般発売は2月25日(土)午前10時より。取材・文佐藤さくら
2017年02月24日劇団四季ミュージカル「ライオンキング」東京公演が、12月20日で18周年を迎えたことを記念して、当日本編終了後、特別カーテンコールを実施。またこの日は、タレントで一児の母である関根麻里がお祝いに駆けつけ、終演後、出演者との交流を行った。1998年、四季劇場[春]での開幕来、日本演劇史上初の無期限ロングランを継続する本公演。周年当日時点での総公演回数は6,185回、観客動員数は約672万人を記録。劇団四季による日本公演は、同劇場のこけら落とし公演となったこの東京公演を皮切りにスタートし、以来、5都市(東京/大阪/福岡/名古屋/札幌)で、のべ7公演を実施。その通算回数は国内演劇作品の中で最多、また観客動員数もほかの追随を許さない。「ライオンキング」は、アフリカ・サバンナを舞台に展開するライオンの子・シンバの成長物語。「サークル・オブ・ライフ(生命の連環)」という深遠なテーマの中で、生命の営み、親子の絆、心の成長が綴られる。インドネシアの影絵や日本の歌舞伎や文楽など、アジアの伝統芸能要素が活かされた舞台表現、またアフリカンビートが色濃く反映された楽曲が一体となった独創的な舞台が、開幕当初より反響を呼び、いまもなお衰えることがない人気を誇る。18周年を達成した12月20日の公演後、特別カーテンコールが行われた。スカー役の道口瑞之は舞台挨拶にて、これまでのロングランについて「これもひとえに、お客様のあたたかいご支援の賜物と、出演者、スタッフ一同心より御礼申し上げます」と感謝をコメント。また、本公演が竹芝エリア再開発に伴い来年5月末をもって一時休止、7月から四季劇場[夏](大井町)へと会場を移し公演を継続することに触れ、「今後も一層のご声援を賜りますようお願い申し上げます」と今後の意欲を明かした。また、この日はタレントで一児の母である関根さんが来場。終演後、出演者との交流を行い、関根さんは「演出、歌、ダンス全てが素晴らしく、作品が持つ生命のパワーを感じました。一緒に観劇した娘も舞台に釘付けで、様々な動物たちに目を輝かせていました。今度は家族みんなで観に行きたいと思います!」と語った。ミュージカル「ライオンキング」東京公演は、2017年5月28日(日)まで四季劇場[春]にてロングラン上映中。(text:cinemacafe.net)
2016年12月21日劇団四季の最新ミュージカルにして、「美女と野獣」「ライオンキング」「アイーダ」「リトル・マーメイド」「アラジン」に続く6作目のディズニー作品ミュージカルとなる「ノートルダムの鐘」が、先日12月11日より待望の開幕!初日公演には待ちに待った観客が詰めかけ、大好評のスタートを切った。世界的文豪ヴィクトル・ユゴーの代表作「Notre-Dame de Paris(ノートルダム・ド・パリ)」に発想を得た本作。15世紀末のパリを舞台に、ノートルダム大聖堂の鐘楼に住むカジモド、大聖堂大助祭フロロー、同警備隊長フィーバス、そして3人が愛してしまうジプシーの娘エスメラルダが綾なす愛の物語が描かれる。ディズニー・シアトリカル・プロダクションズが製作した今回の演出版では、ユゴーの原作のアプローチを最重視し、人間誰しもが抱える明と暗の様相を繊細に表現。従来のファンタジックなイメージとは一線を画す、ドラマティックでシリアス性が印象的な“大人のための演劇作品”に仕上がっている。2014年に米国カリフォルニア州サンディエゴのラ・ホイヤ劇場で、翌15年には同ニュージャージー州ペーパーミル劇場で上演されており、批評家からは「心に強く訴え、熱烈に感情を揺さぶる。素晴らしいパフォーマンスに促され、観客は喝采する」(「Variety」誌)、「強力で魅力的。愛と報復の物語に新鮮な深みを得る。圧倒的な喜び」(「The San Diego Union-Tribune」)など好意的な評価を獲得。新たな大人の観客層の来場に成功している。そしてこの度、待望の日本公演が11日より東京の四季劇場[秋]にて開幕。初日公演の客席は、待ちに待った日本公演の開幕を見守ろうと集まった観客の皆様で埋め尽くされ、開演前から期待と興奮の熱気で一杯だったという。本編終了後のカーテンコールでは、会場から万雷の拍手が上がり、カーテンコールは実に7回にもおよんだほど。本ミュージカルの東京公演は、2017年6月25日(日)まで上演。なお同公演では、開幕前ながら千秋楽公演分までの9割に迫るチケットが販売済みという大人気ぶり。これに伴い、再来年2018年4月よりKAAT神奈川芸術劇場<ホール>での上演が決定。ぜひチェックしてみて。ミュージカル「ノートルダムの鐘」は、12月11日から2017年6月25日(日)まで四季劇場[秋]にて開幕。2018年4月よりKAAT神奈川芸術劇場<ホール>にて上演。(text:cinemacafe.net)
2016年12月13日12月11日(日)に開幕する劇団四季の海外新作ミュージカル『ノートルダムの鐘』。初日を目前に控えた8日、公開舞台稽古が開催され、その全貌がひと足早く報道陣に披露された。四季『ノートルダムの鐘』チケット情報『ノートルダムの鐘』は15世紀末のパリを舞台に、ノートルダム大聖堂の鐘楼に住む異形の青年カジモド、彼を世話する大聖堂大助祭フロロー、警備隊長フィーバス、その3人が同時に愛するジプシーの娘エスメラルダを中心に紡がれる物語。2014年にアメリカで開幕したこのミュージカル版は、1996年に公開されたディズニー長編アニメーションに基き、アニメで使用された名曲の数々も多数登場する。アニメ版でも印象的だったナンバー『ノートルダムの鐘』から始まり、哀愁溢れるメロディがグッと物語の中へ観客の心を誘うオープニング。だがアニメでは描かれなかったフロローの暗い過去やカジモドとの関係性、フィーバスの心の傷なども描かれ、よりディープな“大人のための演劇作品”となっている。大きなセット変換などはなく、木組みで作られたカジモドの住む鐘楼が、ベンチや柵を効果的に動かすことで、街中やジプシーたちの隠れ家へと変化していく。出演者も、ローブを脱ぎ着することで、どんどん違うキャラクターになっていく。シンプルだが演劇的で、想像力をかきたてられる演出が印象的だ。何よりも、シンプルだからこそ作品の要である音楽の良さも際立ち、役柄の感情を歌にぶつける出演者たちの熱唱が耳に残った。この日のカジモド役は、『キャッツ』のラム・タム・タガーや『リトルマーメイド』のエリックなど、これまでも劇団で主要な役を務めてきている飯田達郎。内にこもっていたカジモドの心が、物語が進むにつれ外に溢れ出していく、その感情の流れが見事だった。その飯田は「この作品では、愛にまつわる4人の関係を描きながら、“人間は、自分と異なる他者に接したときにどうすべきか”というメッセージも提起されています。15世紀末の中世パリでの出来事ですが、まさにこれは現代を映した嘘偽りない人間ドラマです。カジモドという役を通して、その本質的なメッセージをお伝えすることができたらと願っています」とコメントした。『ノートルダムの鐘』は12月11日(日)に東京・四季劇場[秋]にて開幕、東京公演は6月25日(日)まで。チケットは発売中。その後2017年7月には京都劇場でも上演されるが、さらに2018年4月からKAAT神奈川芸術劇場での上演も発表された。
2016年12月09日12月7日(水)より自由劇場にて浅利慶太プロデュース公演『アンチゴーヌ』が上演される。創設当初から劇団四季を長年牽引してきた浅利慶太。2014年に劇団四季の代表を退き、2015年より演劇活動を再開し、これまで『オンディーヌ』『ミュージカル李香蘭』『思い出を売る男』『この生命誰のもの』を上演してきた。今回、上演されることになったのは、フランスの劇作家、ジャン・アヌイの『アンチゴーヌ』だ。公演を控えた11月某日、演出も務める浅利に現在の心境を訊いた。浅利慶太プロデュース公演『アンチゴーヌ』チケット情報実はこの作品は浅利にとって演劇活動の原点とも言うべき作品。1953年に創立された劇団四季は、翌年、旗揚げ公演としてジャン・アヌイの『アルデールまたは聖女』、そして第2回公演として同劇作家の『アンチゴーヌ』を上演。以来、たびたび再演をし、近年は2005年に自由劇場で上演された。前回の2005年上演時に出演していたのは野村玲子と坂本里咲のみ。それ以外の出演者は初めて挑むことになる訳だが、「今回集まっているメンバーはキャリアもあるので、そういう意味では楽ですね」と浅利は言う。60年前とはだいぶ社会情勢も変わっているが、「芝居をやる人間は60年前も今もあまり変わらない。僕のところに集まる人たちは、雑多なものがなくてシンプル。今の人たちの方が、より深く感じながら演じているような気がします」と語った。なぜ今『アンチゴーヌ』なのか、その理由をたずねてみると、「このように高いレベルを維持している作品は、いつやってもその魅力は変わりません。超一流作品は、やる人間にとっても毎回新鮮ですし、何度もご覧になっている方にも新鮮にうつるはずなんです。あとは、主題が深いということと、感動を受け取ることが出来る作品だということ、更に言うとあまり長すぎない芝居だというところも上演決定のポイントです」つい最近、浅利にとって旧知の仲の平幹二朗が急逝した。「何十年来の親友。これからのこともしょっちゅう話していました。幹ぐらい残っていてくれたらなぁと思うし、本当にもったいない……」と、辛い胸の内を明かした。「みんな天国に行っちゃいましたけどね。僕だけ地獄に残っている」。そう笑いながら話すが、その言葉の重みを感じずにはいられない。これからのことを尋ねられると、「芝居は、あまり先のことを考えちゃいけないんですよ。恋愛と一緒で目先にいる人に夢中にならないと」と、笑みを浮かべた。「これからもお客様が喜んでくださるだろうなというものを考えながらやっていきたい」と意欲を燃やす。浅利自身から滲み出る言葉に触れ、年齢を重ねて一層魅力を放っている理由が少し分かったような気がする。公演は12月7日(水)から11日(日)まで東京・自由劇場にて。チケット発売中。取材・文:住川絵理
2016年12月02日「美女と野獣」「ライオンキング」「リトル・マーメイド」「アラジン」など、これまでもディズニー作品のミュージカルを多数上演してきた劇団四季の最新ミュージカル「ノートルダムの鐘」。本公演を12月11日(日)に控えた11月24日、メインキャラクターの歌唱シーンなどの稽古模様が公開された。世界的文豪ヴィクトル・ユゴーの代表作「Notre-Dame de Paris(ノートルダム・ド・パリ)」に発想を得た本ミュージカル「ノートルダムの鐘」。舞台は15世紀末のパリ――ノートルダム大聖堂の鐘楼に住むカジモド、その彼を密かに世話する大聖堂聖職者フロロー、同警備隊長フィーバス、そして3人が愛してしまうジプシーの娘エスメラルダが綾なす愛の物語が描かれる。ディズニー・シアトリカル・プロダクションズが製作した今回の演出版では、ユゴーの原作のアプローチを最重視し、人間誰しもが抱える明と暗の様相を繊細に表現。まさに“大人のための演劇作品”といえる仕上がりになるという。この日は、四季芸術センターにて稽古を実施。主人公・カジモドが鐘楼の外の世界への憧れを歌うナンバー「陽ざしの中へ」、メインキャラクターが登場する“道化の祭り”冒頭シーン、そしてフロローの葛藤を歌う「地獄の炎」の稽古の様子が公開された。来日した海外スタッフたちの熱気あふれる指導の様子に、取材陣からは大きな拍手が起こる場面も。来週から舞台稽古がスタートする予定だという。公開稽古後の取材では演出を務めるスコット・シュワルツと、カジモド役候補の『ライオンキング』シンバ役、『アラジン』アラジン役を演じる海宝直人、『リトルマーメイド』エリック役ほかで活躍する飯田達郎、『マンマ・ミーア!』スカイ役『ウェストサイド物語』トニー役を務める田中彰孝の3人が登場。スコット氏は本作へのアプローチについて、「ユゴーの原作に立ち返り、1482年のパリに存在した演劇手法を用いて、人間性や人間の本質を描くことにこだわりました」と話し、「観客の皆様の想像力もお借りし、まさに共同作業のように、この『ノートルダムの鐘』という世界観を描いていくことが私の狙いです。完成された演劇作品を観ると同時に、ユゴーの小説をあたかも読み解いているような体験をご提供したい」と思いを語る。また、「稽古を進めていく中で、今回の参加俳優たちのスキルの高さには驚いているところで、皆と一緒に作品を創りあげていることに喜びを感じています。初日に向けて、さらに作品を深めていきたい」と、稽古が順調であることを伺わせた。ミュージカル「ノートルダムの鐘」は、12月11日(日)より四季劇場[秋]にて開幕。(text:cinemacafe.net)
2016年11月25日12月に開幕する劇団四季の海外新作ミュージカル『ノートルダムの鐘』。その稽古の様子が11月24日、報道陣に公開された。劇団四季『ノートルダムの鐘』チケット情報『ノートルダムの鐘』は15世紀末のパリ、ノートルダム大聖堂の鐘楼に住む異形の青年カジモドを中心とした物語。カジモドと、彼を世話する大聖堂聖職者フロロー、警備隊長フィーバス、その3人が同時に愛する娘エスメラルダの間で繰り広げられる人間ドラマが描かれていく。ミュージカル版は1996年に公開されたディズニー長編アニメーションに基き、アニメと同じ楽曲も使用されるが、ストーリーとしてはヴィクトル・ユゴーの原作小説に回帰し、人間それぞれが抱える光と闇に焦点を当てている。この日の稽古場では3つのシーンが披露された。まずはカジモドが鐘楼の外への世界への憧れを歌うナンバー『陽ざしの中へ』を、カジモド役候補の海宝直人が力強い声で歌う。異形の存在であるカジモドは、背を丸め、脚をひきずり、話す声も絞り出すようなもの。しかし歌いだすと一変、彼の内面の美しさが発露されるように、美しい歌声だ。体当たりの演技を見せる海宝の姿に、報道陣も集中して見入る。続けてエスメラルダ、フィーバス、フロローらメインキャラクターが勢ぞろいする“道化の祭り”のシーン。エスメラルダ役候補の岡村美南の健康的な色気、長い手足が映える美しいダンスがひときわ目を引く。さらに聖職者の身でありながらエスメラルダに邪な感情を抱いたフロローの葛藤を歌うナンバー『地獄の炎』へと。ここではベテランの芝清道が、魂をぶつけるかのような大熱唱。このミュージカルの見どころのひとつであるクワイヤ(聖歌隊)とともに、ドラマチックかつ荘厳な世界観を表現していた。またシーン披露の合間には、演出のスコット・シュワルツが俳優たちのそばに行き、1曲の中のキャラクターの心情の変化を丁寧に、身振りを交えてアドバイスをしている姿も印象に残った。稽古場披露後は、カジモド役候補の海宝、飯田達郎、田中彰孝の3人と、シュワルツ氏の合同取材も開催。本作の演出意図をシュワルツ氏は「実際の原作は、非常に残酷で痛々しい作品であり、ディズニー作品ではなかなか取り上げない領域。でもその中核にはやはり希望があり、闇を排除する光が表現されている。劇場版を作るにあたり、ユゴーが描いた闇を忠実に表現しつつ、それでも望みを諦めないといった点を意識した」と説明。カジモド役候補の3人は、「カジモドはピュアで、まっすぐ。それゆえに傷付き傷付けられる。そういう繊細さがありながら肉体的にはパワフル。そこをきちんと表現したい」(海宝)、「僕は作品の中心(主人公)の役どころをするのが、今回が初めて。未知の領域ですが、俳優としても人間としても大きく一歩前に出れる役になると思っています」(飯田)、「楽曲はアニメ版と同じものを使っている部分がありますが、その中で歌われている感情は、より原作に近づいていたり、よりお客さまに対して生の感覚をぶつけるものになったりしています」(田中)と、それぞれ心境や意気込みを語った。『ノートルダムの鐘』は12月11日(日)に東京・四季劇場[秋]にて開幕。
2016年11月25日11月12日、京都劇場(JR京都駅ビル内)にてディズニーミュージカル『美女と野獣』が開幕した。京都での本作の公演は6年半ぶり、3度目の上演だ。劇団四季「美女と野獣」チケット情報『美女と野獣』は、エンタテインメントの雄ディズニーが、演劇ビジネスに初進出した作品。迫力の舞台装置、豪華絢爛な衣裳とめくるめくイリュージョン、そして流麗なメロディーの数々と、同名アニメーションを忠実に再現した舞台は、ディズニーらしい魅力に溢れている。劇団四季では1995年にディズニー初提携作品として初演以来、9都市で5,500回の上演を重ねてきた。開幕直前の11月11日には同劇場において公開舞台稽古が行われ、緊張感あふれた稽古が進行。キャスト、スタッフらによって全体の最終チェックが入念に行われた。ビースト役の田邊真也は「初めてビースト役を務めさせていただくことになり、身の引き締まる思いです。『美女と野獣』には、男女の愛、親子愛、友情など、人間の様々な愛の形が描かれています。子どもから大人の方まで楽しめる、深い感動を持つ作品です。作品を通して、“人を愛する心”の大切さ、そして“生きる喜び”をお伝えできればと思います」と開幕に向けての意気込みを語った。『美女と野獣』京都公演は2017年2月26日(日)公演分までを発売中。早くも千秋楽が決定し、2017年3月1日(水)~5月21日(日)公演分のチケットは、11月19日(土)一般発売開始となる。一般発売に先駆け、11月16日(水)11:00までぴあスペシャルシートS1席の最速抽選先行を実施中。
2016年11月14日劇団四季『壁抜け男』が9月27日(火)、東京・自由劇場で開幕する。フランス生まれの小粋なミュージカル。前日の26日には最終舞台稽古が報道陣に公開された。劇団四季『壁抜け男』チケット情報20世紀中ごろのパリ・モンマルトルを舞台に、『シェルブールの雨傘』で知られるミシェル・ルグランの音楽が彩る、パリのおしゃれな雰囲気が全編にまぶされた作品。ひとりの平凡な公務員・デュティユルが、ある日突然、壁を通り抜ける能力を手に入れたことから物語は始まる。その能力に戸惑い、普通に戻りたいと悩みながらも、ひとりの薄幸な人妻への恋心から彼はとある行動を起こし……。親しみやすい笑いとしみじみとした切なさが上品にミックスされ、終盤には人生の愛おしさに思いを馳せられる、てのひらで優しく抱きしめたくなるようなミュージカルだ。日本では1999年に初演、これまでに500回以上の上演を重ねている作品だが、東京公演は約2年ぶり。この日、主人公のデュティユルとして登場したのは飯田洋輔。『美女と野獣』の野獣役なども務める安定感のある美声と、にじみ出る実直そうな人柄が、優しくもどこか孤独感のあるデュティユルにぴったりだ。近年ではこの作品の“顔”となっている飯田だが、丁寧な人物造形でフレッシュさも失わず、愛すべき主人公を創り出していた。その飯田は「ミシェル・ルグランによる洗練されたナンバーで綴られる本作。素晴らしい音楽にのせて、壁を通り抜ける力を手に入れた男の恋の行方を描きます。“人生は素晴らしい”というメッセージが溢れた作品の感動を、お客さまの心へお届けできるように務めたいと思います」とコメントを発表。11名のキャストと3名のバンドで贈る、アットホームな暖かさのあるミュージカル。派手ではないが、音楽の美しさと物語の素晴らしさを心ゆくまで堪能できる上質な作品を観たい人は、ぜひ劇場へ。公演は11月13日(日)まで、同劇場にて。チケットは発売中。
2016年09月27日舞台も客席も生きる喜びに染まる至福の人生賛歌、劇団四季ミュージカル「壁抜け男」の公開舞台稽古が、9月26日(月)に自由劇場にて実施。開幕を直前に控え、本番同様に緊張感溢れた稽古で全体の最終チェックが入念に行われた。「壁抜け男」は、フランス作家マルセル・エイメの短編小説を基にした小粋なラブストーリー。舞台は、20世紀中ごろのパリ・モンマルトル。一人の平凡な男が、ある日突然、壁を通り抜ける能力を手に入れたことから始まる数々の出来事が、コメディタッチに、そしてフランス的エスプリを効かせて綴られる。作曲は、「シェルブールの雨傘」でミュージカル映画を変革させた巨匠ミシェル・ルグラン。また、舞台装置もいかにもフランス的で、簡素ながら、洗練された雰囲気を醸し出している。四季での初演は1999年。以来、総公演回数は513回を数え、四季ミュージカルの中でも再演リクエストの高い作品のひとつとなっている。今回、本作の東京公演が、9月27日(火)から11月13日(日)まで上演。こちらに先駆け、自由劇場にて公開舞台稽古が実施。本番同様に緊張感溢れた稽古が進行され、舞台全体の最終チェックが入念に行われた。本舞台で、ある日突然、壁を抜ける力を身につけたデュティユル役を演じる飯田洋輔は、「“人生は素晴らしい”というメッセージが溢れた作品の感動を、お客様の心へお届けできるよう努めたいと思います」と意気込みを寄せた。ミュージカル「壁抜け男」東京公演は、9月27日(火)より自由劇場にて上演。(text:cinemacafe.net)
2016年09月26日6月27日、劇団四季ミュージカル『キャッツ』大阪公演開幕に先駆けて、大阪四季劇場にて舞台仕込み取材会が行われた。劇団四季「キャッツ」のチケット情報『キャッツ』の舞台は都会のゴミ捨て場。舞台はもちろん客席に至るまで、猫の目線に合わせて3~5倍の大きさで作られた巨大なゴミのオブジェが2000~2500個設置され、客席に一歩足を踏み入れた途端、“猫の世界”へといざなわれる。取材会では、舞台監督の福永泰晴と舞台美術家の土屋茂昭が装置や作業内容、『キャッツ』の世界観やデザインについて解説。「猫になったような錯覚を覚える舞台装置は『キャッツ』の大事な演出の一つ。劇場内では、ゴミ捨て場にいる猫の目線を味わってほしい」と福永。また、「東日本大震災の被災地を『ユタと不思議な仲間たち』公演で回って以降、ゴミのオブジェをめぐる意識が変わり、単に空間を埋める物ではなく“思い出の塊”だと意識するようになりました。『キャッツ』は、何度観ても新しい発見があり、空間全体が秘めた力を持っていると感じます」と話す土屋。上演される土地ゆかりの“ご当地ゴミ”と呼ばれるオブジェも公開。このたびの大阪公演では、たこ焼き器や阪神タイガースの応援バットなど約15個のご当地ゴミが飾られるとのこと。ぜひ会場で見つけてみよう。13年ぶり4度目となる『キャッツ』大阪公演は、7月16日(土)に開幕。11月末までのチケットはほぼ完売。12月~2017年3月末公演分のチケットは7月3日(日)一般発売開始。チケットぴあでは、一般発売前最後のWEB先行先着[プリセール]を7月1日(金)昼12:00から7月2日(土)23:59まで受付。
2016年07月01日劇団四季在団中は数多の作品でヒロインを務め、退団して活動再開後もたった4年で、今や日本ミュージカル界を代表する存在となった濱田めぐみ。彼女の芸能活動20周年を記念して、ミュージカル『Tell Me on a Sunday~サヨナラは日曜日に~』が上演中だ。新国立劇場小劇場という客席400の濃密な空間で繰り広げられるのは、なんとソロ・ミュージカル。しかも『キャッツ』『オペラ座の怪人』の作曲で知られる巨匠、アンドリュー・ロイド=ウェバーの手による、約40年前に初演された作品というから注目だ。ミュージカル『Tell Me on a Sunday~サヨナラは日曜日に~』チケット情報舞台はニューヨーク。スーツケースををぶらさげてロンドンからやってきたエマ(濱田)は、デザイナーと幸せな恋愛というふたつの夢を描いて胸を膨らませていた。ところが頼りにしていたニューヨークの恋人に裏切られ、女友達の家に転がり込むはめに。次にエマが恋したのは、大金持ちの映画プロデューサー。彼と共にロサンゼルスに移り住んだエマは、自分のスケッチを見てもらおうと意気込むが、恋人に軽くあしらわれてしまう。その後、自立を目指して再びニューヨークに戻ったエマだったが、年下の恋人との穏やかな時間も、やがて……。舞台奥から客席の前まで敷かれた白い"道"と、左右に同じく真っ白な布が天井から垂れ下がっているほかは、いくつかのトランクが置かれているだけのステージ。そこに登場した濱田も、最初は白いTシャツにショートパンツ姿だ。だが冒頭、シンプルな夢を抱いて都会に出てきたエマの歌声は、出会いと別れを繰り返して少しずつ陰影を増してゆく。弾けるような笑顔の少女が、挫折と現実を知った女性の横顔を見せるようになる。くるくると変わる表情や細やかな仕草で魅せる濱田を堪能するにつれ、セットなどの要素をギリギリまで削ぎ落としたスタッフの意図がわかるような気がした(演出/市川洋二郎、舞台美術/伊藤雅子)。楽曲は、当時の全英チャートにも入り、イギリスでは今も有名な曲だという「放っておいてよ」や、セリフをそのまま音に乗せたような「言わせて」など、どれもロイド=ウェバーならではのキャッチーなポップスばかり。一方で変拍子が多く、歌い手泣かせと言われる彼の曲だが、緩急自在に歌いこなして観客をグイグイと引き込むあたりは濱田の真骨頂。また舞台の白い壁面に映し出される映像は水彩画や軽いスケッチで、物語をさりげなく支えて印象に残った(映像/上田大樹)。「この何処にでもいるような女性の人生を描くことができるのは、類稀なる才能を持った女優だけ」(Whatsonstage.com)といわれる本作を、70分ノンストップで演じきる濱田。その言葉を見事に体現した彼女に、改めて感じ入る1本となった。公演は6月26日(日)まで東京・新国立劇場 小劇場にて。チケット発売中。取材・文佐藤さくら
2016年06月14日世界的文豪ヴィクトル・ユーゴーの代表作で、これまで幾度の映画化・舞台化されている「ノートルダムの鐘」が、劇団四季の新作ミュージカルとして12月11日(日)より四季劇場[秋]にて上演されることが決定。6月8日(水)に製作発表会が行われ、早速メインキャスト候補生が劇中ナンバーより3曲を披露した。舞台は15世紀末のパリ。ノートルダム大聖堂の鐘楼に住むカジモド、その彼を密かに世話する大聖堂聖職者フロロー、同警備隊長フィーバス、そして3人が愛してしまうジプシーの娘エスメラルダが綾なす愛の物語――。世界的文豪ヴィクトル・ユーゴーの原作のアプローチを重要視し、人間誰しもが抱える明と暗の様相を繊細に描き出す本舞台。楽曲は、アカデミー賞にノミネートされたディズニー劇場版長編アニメーション(1996年)に基き、作曲アラン・メンケン(『アラジン』『美女と野獣』)と作詞スティーヴン・シュワルツ(『ウィキッド』)が担当。脚本をピーター・パーネル(『On a Clear Day You Can See Forever』)、演出をスコット・シュワルツ(『Jane Eyre』)が手掛け、ディズニー・シアトリカル・プロダクションズが製作。2014年には米国カリフォルニア州サンディエゴのラ・ホイヤ劇場で、翌2015年には同ニュージャージー州ペーパーミル劇場で上演。メンケンとシュワルツによる抒情的な楽曲と、演出スコット・シュワルツによるシアトリカルでシンボリックな表現形式が、作品をより魅力的に構成。さらに、音楽を作品の柱の1つに据える狙いから、中世の典礼劇や宗教礼拝よろしくクワイヤ(聖歌隊)を舞台上に置いた点や、世界観を象徴的にまとめた装置と俳優の身体を駆使した所作や歌唱によって、物語を進行させていく点は、特筆すべきものといえる。実際に、批評家からは「心に強く訴え、熱烈に感情を揺さぶる。素晴らしいパフォーマンスに促され、観客は喝采する」(「Variety」誌)、「強力で魅力的。愛と報復の物語に新鮮な深みを得る。圧倒的な喜び」(「San Diego Union-Tribune」)と高い評価を得ている。そして今回、劇団四季の新作ミュージカルとして「ノートルダムの鐘」の製作が決定。製作発表会には、ディズニー・シアトリカル・プロダクションズより国際戦略担当ディレクターのフェリペ・ガンバ、劇団四季 代表取締役社長・吉田智誉樹が登壇。来場した200名を超える報道関係者からは、質問が相次ぎ、公演への期待の大きさを伺わせた。また公開オーディションにより選ばれたメインキャスト5役計11名の出演候補者が発表。出演者代表でフロロー役候補・芝清道は「私自身、この『ノートルダムの鐘』の音楽を初めて聞いたとき、心が震え、鳥肌が立ちました。そして原作を読んだとき、胸がいっぱいになりました。このような素晴らしい作品の開幕に携わることができて、大変光栄です。初日というスタートラインに向かって、スタッフ、キャスト一丸となり、全身全霊で稽古に挑み、この作品の感動を多くの皆さまにお届けできるよう全力を尽くしていきたいと思います」と意気込みを語った。さらに、候補キャスト3名が劇中ナンバーより3曲を披露。カジモド役候補・海宝直人が「Out There」、エスメラルダ役候補・岡村美南が「God Help the Outcasts」、カジモド役候補・飯田達郎が「Made of Stone」を歌唱し、会場からは大きな拍手が起きたという。各キャストの出演タイミングは、稽古の状況、また劇団が同時に展開するほかの作品のキャスティング状況などを総合的に判断して決定されるそうだ。従来のディズニーミュージカルの“ファンタジック”“幸福感”とは違った、“ドラマティック”“シリアス性”が印象的な“大人のための演劇作品”――劇団四季の新作ミュージカル「ノートルダムの鐘」を楽しみに待ちたい。ミュージカル「ノートルダムの鐘」は、12月11日(日)より四季劇場[秋]にて開幕。(text:cinemacafe.net)
2016年06月08日劇団四季の海外新作ミュージカル『ノートルダムの鐘』の製作発表が6月8日、都内にて行われた。全キャストを公開オーディションで決定することも発表されていた本作だが、この日、主要5役の出演キャスト候補も発表に。主人公のカジモド役候補は、海宝直人、飯田達郎、田中彰孝。『ノートルダムの鐘』は文豪ヴィクトル・ユーゴーの代表作。15世紀末のパリ、ノートルダム大聖堂の鐘楼に住む異形の青年カジモド、彼を世話する大聖堂聖職者フロロー、警備隊長フィーバス、その3人が同時に愛する娘エスメラルダの間で繰り広げられる、切なくもドラマチックな愛の物語だ。1996年に公開されたディズニー長編アニメーションに基き、2014年にアメリカで開幕した作品を、今回日本で初めて上演する。複雑な人間心理や葛藤が描かれながらもハッピーエンドを迎えたアニメ版とは異なり、ミュージカル版はユーゴーの小説に回帰。シリアスで、しかし美しい、大人の作品となっている。劇団四季の吉田智誉樹代表取締役社長も、「従来のディズニーミュージカルの印象が“ファンタジックで幸福感に溢れるもの”とすれば、今回は“ドラマチックで宿命感に溢れるもの”になっている。明と暗、登場人物が抱える宿命を描き出すことで、立体的な人間ドラマが立ち上がっている」とその魅力を語り、「非常に大人向けの作品で、今の四季の上演活動を支える新たなレパートリーになりえる」と期待を話した。キャストは劇団内外を問わないオープンオーディションが行われ、その結果にも注目が集まっていたが、主人公のカジモドは、『レ・ミゼラブル』マリウス役などで人気を博す海宝直人が劇団外から参加、ほか『オペラ座の怪人』ラウル役などを演じている飯田達郎、『ライオンキング』シンバ役などを当たり役としている田中彰孝が選ばれた。出演者を代表し、フロロー役の芝清道は「私自身、この『ノートルダムの鐘』の音楽を初めて聴いた時、心が震え、鳥肌がたちました。そして原作を読んだ時、胸がいっぱいになりました。このような素晴らしい作品の開幕に携わることができて、大変光栄です」と挨拶。実力派が揃ったこのキャスト陣の熱演に期待したい。公演は12月11日(日)に東京・四季劇場[秋]にて開幕。チケットは10月15日(土)に一般発売を予定している。●『ノートルダムの鐘』出演候補キャスト【カジモド】海宝直人(※外部キャスト)/飯田達郎/田中彰孝【フロロー】芝 清道/野中万寿夫【エスメラルダ】岡村美南/宮田 愛【フィーバス】佐久間 仁/清水大星【クロパン】阿部よしつぐ/吉賀陶馬ワイス
2016年06月08日1998年開幕以来、日本演劇史上初となる無期限ロングラン公演を継続中の劇団四季ミュージカル「ライオンキング」東京公演。この度、6月5日の公演で通算公演回数6,000回を達成!本編終了後には、出演者を代表して、スカー役・野中万寿夫が壇上で感謝の言葉を伝えた。ディズニー映画『ライオンキング』を、色彩豊かな舞台美術や象徴的な仮面、そしてさまざまな趣向をこらした動物たちのパぺットなどを用いて舞台化した劇団四季のミュージカル「ライオンキング」。父の死に苦悩しながらも、試練を乗り越えて王となる宿命に生きるシンバを中心に、“サークル・オブ・ライフ=生命の連環”という普遍のテーマが描かれ、自然の摂理、生命の営み、その中で父から子へと受け継がれていく意志が伝わる感動作だ。現在、港区・四季劇場[春]にて東京公演が上演中だが、このほど、単独の通算公演回数は6,000回、総入場者数は約650万人と圧倒的な記録を樹立。大阪、福岡、名古屋、札幌と他県でも上演されており、全ての都市を含めた国内通算公演回数は10,572回、総入場者数は約1,080万人に登る。通算公演回数6,000回を迎えた6月5日の本編終了後には、スカー役の野中さんが出演者を代表して「本日、『ライオンキング』東京公演は、単独の通算公演回数として6,000回を達成いたしました」と報告。「1998年の開幕以来この東京公演は、日本演劇史上初となる『無期限ロングランへの挑戦』を続けております。こうして6,000回もの上演を積み重ねられましたのも、ひとえに皆様おひとりおひとりのご支援の賜物と出演者、スタッフ一同、心より御礼申し上げます」とこれまでのファンからの応援に多大なる感謝をコメント。満席の客席からは大きな拍手が送られたという。ミュージカル「ライオンキング」東京公演(四季劇場[春])は、現在、12月30日(金)公演分までのチケットが発売中。“無期限ロングランへの挑戦”を掲げる彼らの迫力ある一大エンターテインメントを、是非劇場で体感して。(text:cinemacafe.net)
2016年06月07日「アイーダ」「美女と野獣」「ライオンキング」「リトル・マーメイド」に続き、劇団四季とディズニーの提携第5弾作品として昨年より東京公演が行われているミュージカル「アラジン」が、5月24日で上演1周年を達成。昨日の本編公演終了後には、出演者を代表してジーニー役・瀧山久志が、壇上で感謝の言葉を述べた。東京港区・大同生命ミュージカルシアター電通四季劇場[海]にて上演中のミュージカル「アラジン」は、砂漠の王国アグラバーに住む青年アラジンと、王国の姫ジャスミンとの恋模様を軸に、ランプの魔人ジーニーや王国支配を企む大臣ジャファーらのエピソードが織り込まれた物語が描かれる。大いなるエンターテインメント性に溢れた本公演は、連日多くの観客を魅了し、5月24日時点での総公演回数は337回、通算入場者数は約39万人を記録。この1年間、全ての公演日が完売、空席ゼロ(有効販売席中)という異例のヒットを成し遂げた。上演1周年という記念すべき日となった5月24日の本編終了後には、出演者を代表してジーニー役の瀧山さんが観客へ向け「サラーム、皆さま、本日はご来場いただきまして誠にありがとうございます。『アラジン』日本公演は、本日、上演一周年を迎えました」と報告。「開幕以来、劇場にお運びいただいたお客様は、のべ39万人。『アラジン』を愛し、育んでくださったすべての皆様へ、出演者・スタッフ一同、心より御礼申し上げます」と熱い感謝を寄せた。さらに「これからも、皆様へ作品の感動をお届けできますよう、一回一回の舞台を精一杯つとめてまいります。どうぞ、一万年以上のロングランとなりますよう、ご支援よろしくお願い申し上げます」とさらなる長期公演への意欲を語り、熱気に満ちた客席からは大きな拍手が送られたという。現在、2017年6月末までのチケットが発売中のミュージカル「アラジン」。魔法のランプの魔力のように魅惑的な本公演をぜひ観劇してみて。(C)Disney(text:cinemacafe.net)
2016年05月25日