横浜美術館(神奈川・みなとみらい)にて6月25日(土)~9月11日(日)の期間、「メアリー・カサット展」が開催される。19世紀後半のパリで活躍した印象派を代表するアメリカ出身の女性画家、メアリー・カサットの国内35年ぶりとなる大回顧展だ。本展では、カサットの油彩画やパステル画、版画の代表作に加え、ドガやモリゾなど交流のあった画家たちの作品、日本の浮世絵版画や屏風絵など併せて約100点を展示し、初期から晩年にいたるまでのカサットの画業の全貌を紹介する。女性の職業画家がまだ少なかった時代に、さまざまな困難を乗り越えて意志を貫いたカサット。印象派から学んだ軽やかな筆遣いと明るい色彩で、日常的なありふれた家庭の情景を描き、独自の画風を確立していった。生涯200点以上の版画作品を制作し、とりわけ、1890年、パリで開催された日本版画展で喜多川歌麿や鳥居清長らの浮世絵に影響を受けて制作された女性の風俗を主題とした多色刷りの銅版画は、近代版画の傑作と称せられる。母子を温かい眼差しで捉えた作品は必見だ。作品には、複雑な刷りを実現するために、刷り師を雇い、浮世絵版画にならって余白に刷り師の名前が記名されているのを見て取れたり、作品によっては、20近い版があるもあり、カサットが様々な技法的実験を繰り返し、試行錯誤を重ねたことがうかがえる制作の軌跡をうかがい知ることができる。ぜひ間近で鑑賞したい。(text:cinemacafe.net)
2016年06月25日京都府・東山の細見美術館では、江戸時代を通じて制作され、大名から庶民まで貴賤を問わず広く親しまれた"春画"の名作を集めた展示会「春画展」を開催する。会期は2月6日~4月10日(月曜休館、3月21日は開館)。開館時間は10:00~18:00(3月18日以降の金・土曜日は20:00まで開館。入館は閉館30分前まで)。入館料は当日券 1,500円/前売り券 1,300円。18歳未満は入館禁止。同展は、昨年9月19日~12月23日にかけて東京・永青文庫で開催され、約20万人を動員した日本初の「春画展」を、京都展用に一部内容を変更して開催するもの。「春画」とは、江戸時代には笑い絵とも呼ばれ、性的な事柄と笑いが同居したユーモラスで芸術性の高い肉筆画や浮世絵版画の総称。大名から庶民にまで広く愛された春画が一同にそろう機会となっている。今回は、海外からはデンマーク、また、日本の美術館や研究所、個人が秘蔵する鈴木春信、鳥居清長、喜多川歌麿、葛飾北斎など江戸時代の浮世絵の大家たちによる「春画の名品」が勢ぞろいするのに加え、京都会場限定となる、京都の西川祐信や大坂の月岡雪鼎の作品も展示されるということだ。なお、会期中は「前期」(2月6日~3月6日)と「後期」(3月8日~4月10日)とで、展示替えが予定されている。
2016年01月07日春画展広報事務局は、東京都・文京区の博物館「永青文庫」で開催されている春画を主体とした展覧会「SHUNGA 春画展」に着物姿で来場すると、入場料が特別価格の800円(通常価格1,500円)となる「着物DAY」を開催する。開催日は12月5日。当日の開館時間は9:30~20:00(入館は19:30まで)。ただし、18歳未満は入場禁止。「SHUNGA 春画展」は、江戸時代を通じて制作され、大名から庶民まで貴賤を問わず広く親しまれた"春画"の名作を集めた展示会。9月19日の公開初日から約13万人(11月20日現在)が入場するなど、好評を博している。また、11月3日からは後期展示が開始し、前期展示で人気を集めた喜多川歌麿の「ねがひの糸口」や葛飾北斎の「喜能会之 故真通」が引き続き展示されるほか、円山応挙筆の「春画巻」、鈴木春信の「風流艶色真似ゑもん」、「稚児之草紙」(絵師不詳)など前期展示にはなかった作品も展示されている。なお、12月5日に開催される「着物DAY」は11月7日に続いての実施となり、前回は300人以上が着物で来場したということだ。春画展は12月23日まで開催されている(休館日は11月30日 / 12月7日 / 12月14日)。開館時間は9:30~20:00(日曜日は18:00まで、入館は閉館30分前まで)。
2015年11月24日たばこと塩の博物館では11月3日~12月13日、リニューアルオープン記念展「浮世絵と喫煙具 世界に誇るジャパンアート」を開催する。同館は、1978年11月3日に渋谷区神南に開館した博物館。4月25日に場所を墨田区横川に移し、リニューアルオープンした。このほど、墨田区に移転して初の特別展を開催する。同館が所蔵している浮世絵は約1,800点。コレクションの対象が喫煙具や喫煙風景の描かれた浮世絵であったため、時代、絵師にとらわれず、幅広い作品群となっているのが特徴だという。今回は、鈴木春信、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎など、約28名の絵師による浮世絵を展示する。注目作品は、「当時全盛似顔揃(とうじぜんせいにがおぞろい)扇屋内花扇 よしの たつた」(喜多川歌麿画 / 寛政6年<1794年>頃)としている。「花扇」の二字が入っている浮世絵は、同館以外には確認されていないため、大変貴重な作品とのこと。また、写楽が活動した期間でも比較的早い時期に描かれた「敵討乗合噺(かたきうちのりあいばなし)四代目松本幸四郎の肴屋五郎兵衛」(東洲斎写楽画 / 寛政6年<1794年>)も見どころのひとつだという。浮世絵のほか、「きせる」「たばこ盆」「たばこ入れ」など、江戸から明治時代に制作され、美術工芸品としても評価の高い喫煙具も展示する。素材、形状もさまざまなたばこ盆の逸品や、八代目桂文楽旧蔵のたばこ入れコレクションなどを公開する。あわせて、展示関連講演会も開催。11月15日には、「北斎と墨田」(講師・根岸美佳氏)、11月29日には「写楽と歌麿の謎をめぐって」(講師・新藤茂氏)を行う。いずれも14時から、同館3階視聴覚ホールで実施する。参加費は無料(入館料は必要)で、定員は先着120名。11月22日には、髪結師の林照乃氏が実演を行う展示関連イベント「結髪実演 遊女のヘアスタイル」を実施する。解説は、ポーラ文化研究所の村田孝子氏。同館3階視聴覚ホールにて、11時30分と15時の2回開催する。参加費無料(入館料は必要)。定員は、各回とも先着60名。
2015年10月19日東京都・墨田区の「たばこと塩の博物館」は、墨田区に移転して初めての特別展「浮世絵と喫煙具世界に誇るジャパンアート」を開催する。会期は11月3日~12月13日(月曜休館)。入館料は、大人・大学生:100円/小・中・高校生:50円。同展は、2015年の4月25日に渋谷区から墨田区へ移転した「たばこと塩の博物館」のリニューアルオープン記念展。同館が所蔵する1,800点もの喫煙具や喫煙風景の描かれた浮世絵の中から、鈴木春信、喜多川歌麿、東洲斎写楽、葛飾北斎など約28名の絵師による浮世絵が展示される。また、さまざまな素材や形状のたばこ盆の逸品や八代目桂文楽旧蔵のたばこ入れコレクションなど、江戸から明治時代に作られた、美術工芸品としても価値のある喫煙具も紹介されるということだ。なお、関連講演会として、11月15日には墨田区文化振興財団北斎事業課学芸員・根岸美佳氏による「北斎と墨田」が、11月29日には国際浮世絵学会常任理事・新藤茂氏による「写楽と歌麿の謎をめぐって」が開催される。両講演ともに時間は14:00から。会場は同館3階の視聴覚ホール。参加費無料(入館料は必要)。定員は先着120名(当日開館時より、整理券を1名につき2枚まで配布)。このほか、11月22日には関連イベントとして、髪結師・林照乃氏による「結髪実演 遊女のヘアスタイル」が開催される。解説はポーラ文化研究所の村田孝子氏が務める。同イベントの開始時間は11:30~と15:00~の2回(同内容)。会場は同館3階の視聴覚ホール。参加費無料(入館料は必要)。定員は各回とも先着60名(当日開館時より、整理券を1名につき2枚まで配布)。
2015年10月12日東京都・上野の上野の森美術館は、江戸初期から明治にいたるまでの肉筆浮世絵の流れを追う、「シカゴ ウェストンコレクション 肉筆浮世絵-美の競艶~浮世絵師が描いた江戸美人100選~」を開催する。会期は11月20日~2016年1月17日(月曜・1月1日休館、ただし11月23日・2016年1月11日は開館)。開館時間は10:00~17:00(金曜は20:00まで)。観覧料は一般1,500円、高校・大学生1,200円、小・中学生500円。同展は、アメリカ・シカゴの日本美術収集家、ロジャー・ウェストン所蔵の1,000点を超える肉筆浮世絵コレクションの中から、厳選された約130点の作品を紹介するもの。肉筆浮世絵とは、絵師が絹や紙に筆で直接描いたものを指す。浮世絵といえば、写楽の役者絵、歌麿の美人画、北斎や広重の風景画など、鮮やかな色彩で摺られた「版画」を思い浮かべる人が多いため、そのような浮世絵版画と区別して、「肉筆浮世絵」と呼んでいる。量産される浮世絵版画に対して、一点物の肉筆浮世絵は大変貴重であり、大名や豪商たちからの注文を受けて描かれることもあったという。肉筆浮世絵には、女性の髪の生え際や、華麗な衣裳の文様まで、精緻に描かれている作品が多く見られる。同展では、菱川師宣、勝川春章、喜多川歌麿、歌川豊国、葛飾北斎、河鍋暁斎など、50人を超える絵師たちによる多彩な作品を通して、江戸初期から明治にいたるまでの肉筆浮世絵の流れを知ることができる。ウェストンコレクションの大きな特長は美人画を中心としていることだ。中でも立姿美人図は100図以上あり、さながら美人コンテストのように贅を凝らした衣装や、さまざまな髪型の女性が勢ぞろいしている。同展では、時代ごとに並べられた美人画の変遷をたどりながら、その時代の流行などから、女性の着物や髪型、化粧で身分、階級、未婚、既婚などもわかるということだ。また、浮世絵版画では、摺る時に絵の具を使わず紙の白さで美人の顔を表現するが、肉筆画では貝殻を砕いた胡粉を使って、白粉を叩くように何度も薄く重ねることで、白く滑らかな肌を描く。筆で細かく描かれた髪の生え際や、うなじの毛筋、まつ毛、唇の紅のぼかし、薄い着物越しに透けて見える肢体など、美人の色香を引き立てる精緻な表現には、超絶技巧とも言えるテクニックを見ることができる。こうした超絶技巧を楽しむために、同展では、高透過アクリル、LED照明、有機EL照明を用いた超薄型展示ケースで、至近距離から自然光で鑑賞しているかのような展示を実現している。
2015年09月25日日本初の春画を主体とした展覧会「SHUNGA 春画展」が、東京都・文京区の博物館「永青文庫」にて開催されている。イギリス・大英博物館での展示を国内で巡回するいわば里帰りのような企画展だが、本展の会場がなかなか決まらなかったというエピソードは、開催前に話題となったところ。最終的に、都内の大規模な企画展を行うエリアとは異なる場にある細川家の文化財を収蔵する博物館「永青文庫」での展示が決定した。本レポートでは、前後期に別れている同展の前期(11月1日まで)の会場の様子をお届けしながら、その構成と見どころを紹介していく。○春画への「導入」と貴重な肉筆画同展の冒頭は、複数枚で構成されることもある「春画」の導入部として描かれる、愛を交わす前に登場人物が睦まじく触れあう様子をピックアップした「プロローグ」から始まる。そして、「プロローグ」(および、同展の開催に際しての言葉)の展示される細い廊下を抜けると、大広間すべてに肉筆の春画が展示されている。絵巻物から屏風絵までと作品のサイズはさまざまながら、すべて人の手で描かれたもので構成されている。男女の睦まじい姿のみならず、「衆道」(男性の同性愛)を描いた絵巻物や、「仏涅槃図」を擬人化した"陽物"でパロディにした掛け軸「陽物涅槃図」など、現代に生きる者の視点から見るとおおらかな印象を受ける多様な表現を一覧することができる。○北斎・歌麿ら巨匠が手がけた版画作品肉筆画に続くのは、浮世絵の巨匠たちの作品が並ぶ「版画の傑作」の章。春画も浮世絵と同様、江戸時代に発展した版画技術によって広がりを見せる。葛飾北斎、喜多川歌麿といった浮世絵師たちの名の入った作品も並ぶ。いわゆる愛の交わりを直接的に描いたもののほか、解剖図や世界図、若い子女へ向けた教本など多様なジャンルが"春画化"されることにより、庶民から大名にまで広く愛好されていたという。また、この章の部屋の中央には、春画を代表する名作「歌まくら」も。時代を感じさせるショウケースの中にひとつだけ置かれ、その展示手法からも、同作の特別な位置づけを表しているように感じられた。その次は、数多く消費されていたがゆえに展示・研究の機会にいまだあまり恵まれていない「豆判春画」を特集。庶民から大名まで広く愛されたごく小さな版画で、豆判春画を携帯・贈答する文化は近代においても続いていたというが、研究はほぼ手つかずで、出展作品はいずれも同展で初公開となる。「豆判春画」と同一展示室に締めくくりの「エピローグ」の章も配置され、展示会場となった永青文庫が所蔵する春画を展示している。締めくくりの言葉として、「日本で最初の春画展である本展をきっかけに、春画が、長い日本の歴史の中で、人々とともにあったことを知っていただければ幸いである」というコメントが掲示されていたのが印象的だった。○迫力の豪華図版や"春画グッズ"もなお、同展の第二会場(物販)では、春画をたくみにトリミングしてあしらった雑貨や、非常に内容の充実した図録が販売されている。特に図録は迫力ある厚みが強く印象に残るが、どのページも平置きにして鑑賞できる製本方法や背の処理、表紙のデザインなど、装丁に凝った本を愛好する人であれば、ついうなってしまうような豪華な出来ばえとなっている。筆者が「永青文庫」を訪れたのは、実は今回が初めてだった。コンパクトな会場ながら展示作品の数は多く、内覧時ですべて見終わったのがおおむね1時間。加えて、永青文庫はいずれの最寄り駅からも15分~20分程度歩くことになる(目白駅からバスを利用するのが最も徒歩時間は少なく済む)。また、隣接した新江戸川公園の散策、近隣の有名ホテル「椿山荘」へ足を向けるなど、このエリアならではの楽しみもある。そのため、特に混雑が見込まれる休日には、時間に余裕を持って訪れることをお勧めしたい。会期は長く取られているが前後期で作品は入れ替わり、また近辺も都内としては非常に閑静で散策に適したエリアなので、興味を持った人は陽気に恵まれた休日にでも、ぜひ足を向けてみてほしい。
2015年09月23日昨日9月20日、東京・江戸川橋の永青文庫で『春画展』がスタートしました。当然といえば当然ですが、展覧会としては異例の「18歳未満入場禁止」。そう聞くだけでも、大人のみなさんは好奇心をくすぐられるのではないでしょうか?≪国外でも評価の高い「Shunga」≫春画とは、江戸時代のエロポスターのようなもの。露骨な性描写に笑いのエッセンスも含まれ、娯楽の少なかった当時の庶民に熱烈に愛されました。現代よりも性には奔放だった江戸時代。春画はどこの家にも一枚はあり、女の子の嫁入り道具に忍ばせることもあったりと、生活に密着したアイテムだったそうです。この春画、海外では『単なる昔のエロポスター』ではなく、芸術としての評価が非常に高いのだとか。2013年に大英博物館で開催された『Shunga: Sex and Pleasure in Japanese Art』(春画日本美術の性と楽しみ)は大きな話題を呼び、多くの人々に絶賛されました。喜多川歌麿や葛飾北斎など稀代の絵師も手がけていますし、その芸術的・技術的なクオリティの高さゆえ、春画作品は世界では高く評価されているんですって。だからといって、決してハードルの高いものではありません。なんといっても、殿様から庶民まで、みんなが楽しむためのものだったわけですから。あからさまな写真や、いわゆる『二次元』などの生々しい描写だと、そういったものに耐性のない女性はなかなか正視できないかもしれません。が、春画なら『これ、アートだし!カルチャーだし!』と「セックス描写」を気軽に見られる、てなもんじゃないでしょうか?もちろん、芸術的な価値を感じながら…ね!≪葛飾北斎のペンネームは?≫ところで、有名な絵師は必ずといっていいほど、春画を描いています。その際は隠号(ペンネーム)を使っているのですが、かの有名な葛飾北斎の隠号は「鉄棒ぬらぬら」と「紫色雁高」。これだけでも脱力して、ふっと笑いがこぼれてしまいます。さて、そんなふざけたペンネームの北斎、いや鉄棒先生が描いた春画で有名なのが、『蛸と海女』。女性が巨大な蛸2匹に襲われて感じちゃう、という奇怪な絵で、現代の『触手系』といったところですが、エログロ…というよりもなんだか笑えてしまうのが不思議です。余白にはびっしりと蛸と女性のセリフが書かれているのですが、このあたりは現代のエロ漫画風ですね!≪ピカソも愛した春画の世界≫そんな春画ですが、実はペリー提督にも贈られていたとか。いったいどんな顔して受け取ったのか、ちょっと気になりますね。また、浮世絵と同様に海外に渡り、ピカソやロダン、ロートレックなど海外の芸術家たちにも影響を与えたとも言われています。こうして春画が海外に渡り、芸術や文化としての評価が高まる一方で、国内ではそれを公序良俗に反するものとして覆い隠そうとする流れが強くなりました。最近でも、大英博物館で行われた規模の展覧会を国内で開催する計画がありましたが、自主規制がかかるのか会場が見つからずに頓挫した経緯があるのだそうです。芸術としての完成度の高さと、コミックとしての楽しさ、そして歴史的な価値を併せ持つ稀有なジャンルなのですから、もう少し評価されてもいいと思うんですけどね。芸術の秋、みなさんもさまざまな角度から春画の楽しみを味わってみてはいかがでしょうか。もちろん、本来の目的であろう『エロ画像』として楽しむのも一興です!(文=石村佐和子)誕生日で占うふたりの体の相性【無料占い】
2015年09月20日永青文庫と春画展日本開催実行委員会は9月19日~12月23日、「SHUNGA 春画展」を開催する。「春画」は、江戸時代に「笑い絵」とも呼ばれ、性描写と笑いが同居したユーモアで芸術性の高い浮世絵。特に海外から高い評価を得ており、2013年から2014年にかけて大英博物館で行われた「春画 日本美術の性とたのしみ」は大きな話題を呼んだという。今回、日本で初めて開催する春画展は、海外からは大英博物館およびデンマーク、また日本の美術館や個人コレクションから、鈴木春信の清楚、月岡雪鼎の妖艶、鳥居清長の秀麗、喜多川歌麿の精緻、葛飾北斎の豊潤といった春画の名品120点(前後期)を5つの章に分けて展示する。「版画の傑作」はもちろん、人の手で線と色を書きだされた「肉筆の名品」が約38点展示されるほか、縦9cm、横13cm弱の小さな春画を集めた「豆判の世界」なども紹介される。浮世絵の大家たちによる作品や徳川将軍や大名家の絵画を担った狩野派の作品など、大名から庶民にまで広く愛された春画が一堂にそろった展示会となる。出展作品は120点で、前期(9月19日~11月1日)に約60点、後期(11月3日~12月23日)に約60点が公開される予定。開館時間は9時30分~20時(入館は19時30分まで)、日曜日は9時30分~18時(入館は17時30分まで)。休館日は毎週月曜日(祝休日の場合は開館)。18歳未満は入館禁止で、入館料は大人1,500円。
2015年07月24日