初めまして、徳永 啓太(とくなが けいた)と申します。私は先天性脳性麻痺というマイノリティな障害で車椅子を使用しているジャーナリストです。“健常者”という言葉がマイノリティを生み出すまた、私なりにいろいろな方とお会いして見えてきたのは、“健常者”という言葉の壁です。世間では障害者と分けるためにわかりやすいように使われていて、違和感がないかと思います。しかし、この言葉が自然と人を分ける記号になっているのではないかと思います。辞典では「心身に障害のない健康な人。健全者。」とあります。健全者という定義に決まった事項もなく、健康な人というのもぼんやりとしていると感じます。つまり、ぼんやりとした定義にも関わらずほとんどの方が自分のことを健常者だと認識し、身障者は健常者に少しでも近づくことが“良し”とされている風潮があると思います。2020年東京オリンピック・パラリンピックが決まって以降、各地で様々な福祉活動やイベントが行われるようになり、2017年は「ダイバーシティ(多様性)」という言葉が話題になって、男女、LGBT、障がい者、人種と多様な価値観を受け入れる街にしようと企業の活動、講演会が活発に行われてきました。渋谷区は多様な人と仕事のあり方などを積極的に受け入れようと体制を整えています。しかし、日本は人間の多様性を受け入れる度量があるのか。健常者という言葉もあるように、日本は国際化を長年掲げつつ変わらない環境で、同じ価値観を持った小さな島国であって、違う国の価値観や考え方を表面では理解できても感覚として受け入れにくいのかなと思います。 このようにダイバーシティという言葉と現状には乖離があります。多様性を認めるのであれば、まず健常者という言葉に流されることなく身体の形や考え、国籍などマイノリティと呼ばれる方を尊重し、生きやすい世の中になるにはどうすれば良いか考える必要があると思います。私はそんな日本の現状を悪いといいたいわけではありません。これが日本であると受け入れながら、理想とする多様性に向けて日本人はどのようなことを理解し、共存しなければならないか。それを探っていく必要があると思います。2020年まで国の予算がオリンピック・パラリンピックを名目に公共施設や様々な人を受け入れるための福祉イベントなどに使われている現状、いわゆる“福祉バブル”が起きており、変わろうとしている日本。私もマイノリティの1人として、様々な価値観を持ち人生を歩んできた方を毎月取材し、Be inspired!で「日本の多様性」を受け入れるため何が必要で、何を認めないといけないか私の価値観を含めたインタビュー形式の連載『車椅子ジャーナリスト徳永 啓太のkakeru』を来月からスタートします。この連載名には、自分の価値観と誰かの価値観を”掛け合わせて”新しい価値観を提案すること。そして、人生を“賭ける”、“駆ける”人をインタビューするという意味を込めています。記事を読んでくださる方々に、新しい価値観を提供できるような記事を執筆していくので、よろしくお願いします!Keita Tokunaga(徳永 啓太)Blog|Instagram脳性麻痺により電動アシスト車椅子を使用。主に日本のファッションブランドについて執筆。2017年にダイバーシティという言葉をきっかけに日本の多様性について実態はどのようになっているのか、多様な価値観とは何なのか自分の経験をふまえ執筆活動を開始。
2018年01月29日いよいよ我が家のおっとり長男も春から小学生です。同じく新1年生のお母さんたち、入学準備は着々と進んでいますか?我が家では年内に届いたランドセルに腕を通した長男の案外しっかりした背中に、ついこの間まであんなにぷくぷくで、ハイハイしていたあの子が…と早くも目頭が熱くなっちゃいました。小学校ではどんな生活が待っているのか、親子で期待に胸を膨らませつつ、でも最近ある情報を小耳に挟んでからちょっと不安なことがあります。それは、「2020年から、大規模の教育改革」があるということ。学校教育や大学入試も変わるとのことで、小学校でも英語が教科になるそうです。 英語の教育改革では、現在5・6年生で行われている「外国語活動」が3・4年生で実施され、5・6年生では、英語が教科となって成績がつくようになるとのこと。(一部の学校では、2018年度から先行実施される学校もあるそうです)英語が苦手すぎて、必修外国語に英語が無いという理由で進学先を日本史学科に選んだほどのコンプレックスがあるワタシ(恥)…。今でも外国の方を前にすると、急に寡黙な微笑みの精と化します。夫は反対に英語が得意な人ですが、本人いわく相当な努力の賜物だそうなので、小学校からの英語教育に子どもがちゃんとついていけるのか…今から心配になってしまいます。そんな中タイミングよく! ウーマンエキサイトさんからのお声がけで、教育のプロにお話を伺う機会をもらいました。英語教育について、気になっていたギモンをいろいろぶつけてみました!!小5から英語に「成績がつく」とは?tomekko:英語が教科になるってどういうことですか? これまでと何が違うのでしょうか。加藤さん:英語に慣れることから英語力の基礎を身につけることに目標がレベルアップし、身についたかどうかのテストがあるということです。実はすでに2011年度から、5・6年生に対しては「外国語活動」という教科ではないかたちで、週1回英語教育は行われています。教科書がなく、「英語に慣れ親しむ」という目的で、ゲーム・あいさつなどを行う簡単なもので、調査結果では、そのレベルに満足していない保護者も少なからずいらっしゃるようです。また、評価は評定(数値などの段階であらわされるもの)がつかない形で行われており、「積極的であったかどうか」などの意欲や態度を中心に記述される形で行われています。しかし2020年度からは、現在行われている「外国語活動」は3・4年生で実施となり、5・6年生は「教科」で週2程度行われ、「評定がつく」ようになります。どんな内容の授業を受けるの?tomekko:では5・6年生の授業はどのような内容になるのでしょうか?加藤さん:まずは「聞く・話す」が中心なことは変わりませんが「相手に通じるか」という点が重要となります。これまでは歌などでリピートするだけでよかった英語を、質問されたらその意味を理解して(聞く)、ちゃんとこたえることができる(話す)ようになるための授業です。しかし、突然できるようにはならないので、よく使いそうな状況と登場人物などを設定し、ロールプレイングする中で会話を聞いて真似をします。そして、日本語を学んだのと同じように、まずは耳から入ってきた言葉の意味を理解することからはじまります。例えば「ワッチュワネーム(what's your name)?」という音が、名前を聞いているということを理解して、自分でも使ってみます。そして、読んだり書いたりするときに初めて「ワッチュワネーム(what's your name)?」が3つの単語でできていて、単語の間にスペースを開けて書くことに気づく、という順番です。「読む・書く」のスキルについては、例文を声に出して読んだり、英語をみてそのまま書き写したりする程度。あくまでも読み書きは英語の文字に慣れ親しむことを大切にします。また、「聞く・話す」スキルは、ペーパーテストではわからないので面接形式や、外国人講師とのやりとりをみて、評定をつけるようになります。小学生では、「読む・書く」スキルよりも、まずは「聞く・話す」ことを重視して評価します。tomekko:文法は中学校で習うのでしょうか? 自分は文法が苦手で英語が嫌いになりかけたので…心配です。加藤さん:はい。文法理解などを始めるのは中学生からです。今までは中学生からいきなり「聞く・読む・話す・書く」の4技能をやっていますが、実はこれはかなり難しいことなんです。つまずく人が多いのは、これが原因です。たとえば、日本語を習得するときは、「聞く・話す」は6歳ぐらいまでゆっくりと身につけますよね。個人差はありますが、2歳までは特に「聞く」のみ。2歳ごろからやっとおしゃべりを始めて、「読む・書く」を習うのは小学1年生からですよね。英語は、中1から突然4技能をやり始めるからつまずく人が多かったんです。これは良くないと、現行の指導要領では、まずは小学生のうちに「聞く・話す」、次に「読む・書く」もはじめておく、など段階をつけることになりました。実は英語が母国語ではないアジアの国では、ほとんどの国が小3からやっていて、やはり、「聞く・話す」→「読む・書く」の段階的な英語学習を行っています。tomekko:え…そうなんですか! それなら小学校の早い段階で始めなくて良いのでしょうか?加藤さん:これは私の考えですが、まず、学校教育の最初の段階で日本語(母語)を学ぶ、思考能力などの基本的な部分をまず母語でしっかりさせることのほうが優先です。母語の基礎をしっかりすることが、他教科や外国語を学ぶ上でも必須だからです。ただし全く英語をやらない方がいいということではありませんよ! 年齢が若いというのは、言語学習が成功しやすいとも言われています。家庭で、親が子どもにできることって?tomekko:そうなんですね…! では具体的に、親が子どもにしてあげられることはありますか?加藤さん:一番大事なことは、英語を使いたい! というコミュニケーションへの意欲を高めることです。それは、義務感で「やりなさい」といっても全然ダメです。親も興味を持って、一緒に楽しむ気持ちでやりましょう。声がけも「ママも苦手だったからやらないと困るわよ」ではなく「お母さんも一緒にやってみようかな~♪」というのが大切です。乳児や幼児は、親が好きなものは興味を持つんです。例えば、外国の文化に興味を持って欲しければ、テレビで流れてきたニュースをママやパパが話題にすることなどは子どもにとてもいい影響です。と言っても難しいニュースについて話す必要はなく「○○で大きなサッカー大会があるよ。どこにあるのかな?」「日本語とは違う言葉を話しているね」などでもいいと思います。DVDなど、子どもが興味を持ったアニメなどを英語音声にしてみるのもいいですね。【1】日本語音声で見て【2】英語音声に変えて字幕で見る。意味がわかっていて英語が聞こえてくるから、学習効果も高くなります。tomekko:「聞く・読む・話す・書く」どれを先に取り組むのがいいんでしょうか?加藤さん:順番としては、まず聞く機会を増やすことです。わからなくても、なんとなく聞き続けるという能力は子どものほうが高いんです。その次に「話す」になるのですが、話す相手に興味を持って質問してみようという気持ちも必要になります。日本人に多いのは、質問されたら応えられるけれど質問ができない人です。これは、パーティで初対面の人とスモールトークが苦手な人が多いというのにもつながっていそうです。これからは、多様な人と関わっていく力、オープンな心も必須になってくると思います。また、小5・6以降になると「わからないことは恥ずかしい・失敗は嫌」という思いがどんどん高まっていきます。小さい頃から、間違えてもいいから英語を話すという体験をさせてあげるといいと思います。こういったことも、年齢が若い方が学習しやすいという理由です。tomekko:なるほど! やっぱり「聞く」「話す」が大事なんですね。英語の教材やスクールを選ぶときに大切なことはありますか?加藤さん:英語を使いたいという意欲を育てることを前提に、効果的な学習方法を選ぶというのが大切です。何が効果的なのかは、お子さまの性格にもよるのですが、タイミングと学習環境、そして先生(指導者)選びが大事です。例えば、シャイなお子さまは最初は子どもが大勢いる英語教室よりも安心できる家庭での学習教材がいいかもしれません。ただ、「シャイだから連れて行かない」など親が子どものポテンシャルを閉じる必要はありません。初めてでも意外とやれることもあるものです。特に幼児は体調や機嫌で変わってくることもありますので。長い目でみてあげましょうね。自宅で楽しく「使える英語」を学ぶには?おっとりした長男には、家庭学習が合ってるかもしれない…。自宅で学べて、しかも先生と話す機会もある教材なんてあるの…? と思ったら、それがかなうのがベネッセさんの「進研ゼミ 小学講座」とのこと。 気になったことを責任者の豊泉さんに聞いてみました!tomekko:どんなレッスン内容なのでしょうか?豊泉さん:「進研ゼミ 小学講座」は、小学生での学びでとても大切な「自分で考えられる力」を身につけられるよう、お子さまが夢中で考え抜く楽しさやわかるおもしろさを体験・実感できる家庭学習教材です。2018年度4月号からの英語学習は、英語4技能を身につけられる内容にパワーアップします!バランスよく4技能に取り組める毎月のレッスンに加え、4技能が本当に身についているか診断できるアセスメントが受けられるようになるんです。技能別の力を細かく診断し、個別アドバイスをお届けするので、お子さまの力にあわせて英語力をしっかり身につけていくことができます。もちろん、お子さまが楽しく学べる工夫をしており、ゲーム形式や物語形式でネイティブスピーカーの音声で短いフレーズに何度も触れられたり、外国人とやりとりをする擬似体験などもできるようになっています。もっと英語に触れたい、英語力を伸ばしたい方には、有料オプションの「Challenge English」もおすすめしています。パソコンやオリジナルタブレットで4技能を学ぶデジタルレッスンと、月1回外国人講師との「オンライン会話レッスン」もできる講座なんですよ。tomekko:小学生が学ぶことを重視した教材、というのがいいですね!豊泉さん:ゲーム感覚のロールプレイや、クイズ形式など、英語力を確認できる仕組みを取り入れ、お子さま自らがやりたくなるような仕掛けをたくさん作ってあります。そして、周りを気にせず、間違いを恐れず、どんどん英語を使ってもらうためには、リラックスできるご自宅で、毎日英語に楽しく触れられれることもポイントだと考えています。「英語が楽しくなった」「自信がついた」といううれしいお声をたくさんいただいています!tomekko:それは、良さそうです!! 自宅学習だと送り迎えもいらないし、何よりおっとり長男が無理なく続けられそうなのが魅力的です。今までと違い、英語力もより大事になってくる今の子どもたち。母もいろいろ情報を仕入れて、子どもにあった学習法を見つけてサポートしていきたいと思います! 自宅で外国人講師との会話レッスンを受けられる!「Challenge English」をWEBで体験してみよう 「進研ゼミ 小学講座」も追加料金なしで英語学習ができるように!>> PR:株式会社ベネッセコーポレーション
2018年01月18日「子どものやる気、主体性を尊重したほうが、教育は良い結果が出ることが多いのです」と言うのは、教育評論家の尾木ママこと尾木直樹さん。一方で、「子ども達の学ぶことに対する感動や好奇心が、どうしてここまで下がってしまっているのか」と、危惧する脳科学者の茂木健一郎さん。 『教育とは何?-日本のエリートはニセモノか』 (尾木直樹(著)、茂木健一郎(著)/中央公論新社)※本書に収録されている対談は、2017年に法政大学女子高等学校で行われた公開対談「これからの学び・これからの学校」と、単行本『おぎ・もぎ対談「個」育て論』(2013年9月青灯社刊)に掲載された対談です。そんなお二人が出版した本『教育とは何?』の中では、子どもの「生きる力」についてもお話されています。子どもの「やる気」や「主体性」。ママにとって、関心の高いキーワードなのではないでしょうか?■なぜ子どもたちは「学ぶ意欲」を失ったのか茂木:大学で教えていて、「どうしてこんなにやる気を失っている子が多いのか」と、強い危機感を感じています。僕は、それを「学力低下」だとか、「偏差値が●●の学校の生徒だからそうなのだ」みたいないい方で説明するのは、根本的に間違っていると思うのです。尾木:僕も大学で教えていて、学ぶ意欲を失った大学生が増えていることが、とても気になっていました。おそらく、中高時代に知的な学びにおけるドキドキ感をあんまり味わったことがないのではないかと思うのです。学ぶことによって、世界がパッと広がるような感じ、あの感覚、知的興奮を知らないのでしょうね。茂木:本来、すべての子どもには、知的好奇心があって、目を輝かせていたはずなんです。けれども、日本の教育を受けているどこかで、そういう心を殺されてしまった…。だから、彼らはある意味、「被害者」なんだと僕は思っています。■子どもの“好き”を応援してでは、子どものやる気にスイッチを入れるために、ママたちはどうすれば良いのでしょう?尾木:まずは、わが子のことをよく観察して、その子の興味・関心があるものを見つけ出してあげることが大切です。以前、体操の内村航平選手のお母様に直接話を伺ったことがあるのですが、もともとご両親はサッカーか野球をやらせたかったそうです。でも、彼はそちら方面にあまり関心を示さなかった。トランポリンが好きで、跳ねたり回ったりするのに夢中になっていたから、誕生日にトランポリンを買ってあげた。そういうところから、どんどん体操にはまっていたそうです。お母様の話を聞いて、他人との比較ではなく、その子の自己決定を尊重し、大人が“個”に寄り沿うことで、子どもの力は無限に伸びていくのだと実感しました。■松岡修造さんは「がんばれ」という言葉が嫌い?尾木:また、元テニスプレーヤーでスポーツキャスターの松岡修造さんと対談させていただいたときのこと。修造さんが、「僕、『がんばれ』という言葉が一番嫌いなんですよ」と切りだされたので驚きました。「でも、いつも『がんばれ』と声をかけているじゃないですか」と言うと、「僕は自分からがんばれと言ったことは一度もないのです。本人が自分で『がんばる』と言ったときだけ、『だったらがんばれ』と言っているんです」とおっしゃった。これは、ものすごく本質をついた言葉です。錦織圭くんや萩野公介くんといった、若くして世界レベルで活躍しているトップアスリートたちの話を聞いても、自分が興味を持ったことを、自分でしっかり考えてやっていく中で、確実に成果を出しているのです。■子どもの「生きる力」を育てるために茂木:脳科学者として言いたいのは、一人ひとりの子どもの中に、必ず「個性」はあるということです。その個性を、それぞれに見いだすようにしていかなければならない。いまの教育ではそれを見いだす機会を与えられていません。一人ひとりが自分の個性に気づくようにと向けていくのが本来の教育です。尾木:日本では「一斉指導」ばかりを重視して、ちょっとでも基準からはみ出す子は白い目で見たり、排除したりしがちです。でも、大人が一方的に枠を与えそのなかで競わせていては、子どもたちの可能性を狭めることにしかなりません。これだけ多様性に富んだ社会になっている今、一つの型に子どもたちを押し込めるなんてナンセンス。そんなの、子どもの「生きる力」を削ぐだけでしょう。そうではなく一人一人の多様な個性を尊重すれば、子どもたちは大人の想像を超えてどんどん成長していくはずです。次回は、「2020年の大学入試改革までに、親が知っておくべきこと」です。■今回取材にご協力いただいた“尾木ママ”こと尾木直樹さんと、脳科学者の茂木健一郎さんの共著 『教育とは何?-日本のエリートはニセモノか』 (中公新書ラクレ)尾木直樹 著 茂木健一郎 /中央公論新社 ¥780(税別)尾木直樹さん プロフィール“尾木ママ”の愛称で親しまれる教育評論家、法政大学特任教授。「子育てと教育は“愛とロマン”」をモットーに、22年間中学・高校でユニークで創造的な教育実践を展開。その後大学教員に転身して22年、合計44年間教壇に立つ。現在は講演会活動、メディア出演、執筆活動など幅広く活躍中尾木ママ オフィシャルブログ: 茂木健一郎さん プロフィール脳科学者、作家、ブロードキャスター。東京大学理学部、法学部卒業後、ケンブリッジ大学を経てソニーコンピュータサイエンス研究所シニアリサーチャー。「一リットルの脳の中に、現実も、夢も、宇宙も、すべてある」と。茂木健一郎 オフィシャルブログ:
2017年12月13日「今年10月の衆議院議員選挙で、自民党は公約として『教育の無償化』を掲げました。政策集で、無償化の対象を3〜5歳の『すべての子供たち』と明記しています。選挙では自民党が圧勝。その後、公約実現に向けて議論が続いていましたが、結局、さまざまな条件が付いた『一部無償化』に落ち着くようです」 こう語るのは経済ジャーナリストの荻原博子さん。さまざまな条件が付いた、教育の「一部無償化」とはどんな制度なのか。荻原さんが解説してくれた。 「まず、公約の本命である3〜5歳は『全員無償化』ではなく、『原則無償化』という玉虫色の決着となりました。認可保育園は無償ですが、認可外保育園だと補助はあるものの自己負担が必要です。今のところ、認可外保育園に通っている家庭には、認可保育園の平均保育料(月3万5,000円)まで補助し、それを超える分を自己負担とする案が有力です」(荻原さん・以下同) しかし、認可外保育園にはベビーホテルなどさまざまな施設が含まれている。どの施設を補助対象とするかはまだ決まっていない。 「補助対象が増えれば、1件当たりの補助金が減り、自己負担が増えることも考えられます。結論は、来年夏まで先延ばしとなりました。注視しておきましょう。そもそもほとんどの親が、設備なども充実している認可保育園に入れたいと思っています。でも、認可保育園には空きがないため、仕方なく認可外保育園に通わせている。そういう方に、『認可外』を理由に自己負担を求めても納得できないと思います。また幼稚園も、公立なら全員無料ですが、私立幼稚園は公定価格(月2万5,700円)まで補助し、上回る分は自己負担となります。これらの施策が、『3〜5歳の原則無償化』と呼べるのでしょうか。詭弁と批判されても致し方ないと思います」 加えて、2歳以下と、大学など高等教育については、親の収入による線引きが。親の収入が低く住民税が非課税である家庭に限って、無償化が進められる。 「2歳以下の保育園は、住民税非課税世帯では無償化。ですが、ここでも認可か認可外かの違いがあり、認可外保育園に通わせている家庭には自己負担が必要です。大学の授業料は、住民税非課税世帯は免除し、生活費として返済不要の給付型奨学金を支給します。ただ中所得以上の大多数の家庭には、教育費が重くのしかかったまま、負担は減りません」 さらに、今、大学授業料の「出世払い方式」が検討されている。 「これは、学費を国が本人に貸し付け、本人が就職し、年収250万円など一定額を超える収入が稼げるようになったら返済させるというものです。無償化というスローガンだけ作って、内実は本人に返済させる方法を考えているのかと、憤りさえ覚えます。11月末になって、先の選挙公約は『全面無償化』ではなく、『真に必要な家庭の無償化』だったとの解釈も出てきました。これでは票集めのための“過大広告”ではないかと疑いたくなります」
2017年12月07日「中学、高校では性教育をほとんどやっていないのでは、と感じるほどです。正確な知識を教わらないまま、漠然とタブー視、または神聖化されている。『セックス』と聞くだけで顔を赤らめる学生もいるいっぽうで、AVや雑誌の過激なフィクションを教科書としてしまう学生もいる」 こう語るのは、キリスト教の牧師・平良愛香さん(49)。女性を思わせる優美な名前の持ち主である彼が、東京・立教大学で行っている「キリスト教学講義」の授業は、学生はおろか社会人も聴講しにくるほどの超人気だという。評判が評判を呼んで『あなたが気づかないだけで神様もゲイもいつもあなたのそばにいる』(学研プラス・11月23日発売)という本まで出版されることに。 平良さんは1968年、沖縄生まれ。両親ともクリスチャンで、父は牧師。自分が同性愛者だという自覚を持ちながらキリスト教的価値観の中で暮らすことは、彼にとってきわめてつらいものだった。キリスト教世界では「神はゲイを許していない」という価値観が一般的だ。平良さんは「同じような境遇に苦しむ人の力になりたい」と、日本ではキリスト教で初めての、カムアウトした男性同性愛者の牧師となった。 そんな“日本初のゲイの牧師”平良さんは、性教育の革命に挑んでいる。圧倒的に遅れている日本の性教育。この現状が多くの差別や性犯罪を生んでいるという。 「特に性暴力に関しては、人ごとだと思っている人が圧倒的に多い。被害者にも非があると考えている学生も多いんです」(平良さん・以下同) 女性の約15人に1人は異性から無理やりに性交された経験がある(平成27年・内閣府男女共同参画局「男女間における暴力に関する調査」)。受講者の中にも被害者はいた。 「性被害に遭った経験のある学生は、毎年一定の割合でいるのですが、自分を責め続け苦しんでいる人や『どうして逃げなかったんだ』と親に責められた経験をもつ学生もいる。彼女たちに『あなたはなにも悪くありません』とハッキリ言うと、『初めて言われた』『その言葉を聞きたかった』という反応が毎年必ずあって……。いったい、中学、高校では何を教えているんだ!と残念な気持ちになります」 先日、性暴力被害者の伊藤詩織さんが実名で手記を出したことで、「合意のうえ」ということについて、さまざまな意見が飛び交った。被害者を責める意見も少なくない。 「たとえ一度OKを示しても、途中でやっぱりイヤと言えるのが本当の合意。それを徹底して教えなければいけない。たとえば、デートで気持ちが盛り上がりホテルに行ったときに、途中で『やっぱり今日は無理』と思うことは、珍しくはないはずです。でも、そこでほとんどの人は『ホテルに来てしまったんだから』と自己責任と捉え、我慢して応じてしまう。でも、それはおかしいんです。たとえどのような段階であっても『やっぱりイヤ』と言っていい」 しかし、性被害者は恐怖などでイヤと言えないケースも多い。そして、「ノー」と言わなかったからといって合意があるというわけではない。その典型が子どもの被害者だ。 「加害者が子どもに『かわいいね。髪の毛、触ってもいい?』と聞く。そこで子どもが『いいよ』と答える。すると、次には、『洋服もかわいいね』などと言って、触れる位置を少しずつ下にズラしていく。子どもは、最初に『いいよ』と言ったのだからと考え、抵抗できなくなってしまう。そして親に被害を訴えると『あなたが悪い』とののしられることすらある」 こうした話を講義ですると、多くの学生が「考えたこともなかった」と衝撃を受けるという。 「あなたのまわりにも、必ず性被害者はいる。それを知ったときに、被害者を責めるのはもってのほかですが『あなたは何をされたの?』と聞くことも絶対にやめてください。『あなたは』と聞くと主語が被害者になるので、聞かれたほうは無意識に責められていると感じてしまうんです。これはセカンドレイプを防ぐために、絶対に必要な知識です」 性被害者を作らない社会――。「性」が人を不幸にしない社会を求め、平良さんは今日も教壇に立つ。
2017年11月25日「多様性を求める声」がいつの間にか「排外主義」に陥るこのご時世、本当の意味で平和を作るためには何が必要なのか。もちろん暴力ではない。言論だけでは足りない。何か、市井における具体的な行動が必要だ。今回Be inspired!が紹介するのは、20ヵ国以上の人々が共同生活を送る、1973年、栃木県の那須塩原に創立されたアジア学院。そこで教員をつとめる山下 崇(やました たかし)さんは、「平和は食卓から作る」と言う。いったいどういうことだろうか。栃木の片田舎から全国へ。平和を作る達人たちの取り組みについて聞いてみた。真ん中に立ち、指導しているのが山下さん知る人ぞ知る、“草の根の農村指導者”を育成する学校。アジア学院は、「公正で持続可能な社会」を作るための実践的な学び(後述)を提供し続けてきた。来年で創立45周年を迎える学院の卒業生は、現在1300人以上。彼らは世界中に点在しており、そのネットワークは今も広がり続けている。「食卓から平和を作る」とは。アジア学院での実践的な学びの核は、「フードライフ」と呼ばれる、「食べ物といのちは供に切り離すことができない」という理念を体現した毎日の生産作業(フードライフ・ワーク)にある。アジア学院は複数の田畑や家畜小屋を所有しており、ほぼ自給自足(一部の調味料を除く)で運営されているのだが、それらを耕し、育て、収穫し、解体し、再び循環のサイクルに戻すのは学院に関わる全員の役目だ。毎日の生産作業と消費作業を通して、食べものといのちの繋がりを肌で実感する。この時間を全員で共有することが大切なのだと山下さんは言う。みんなで食卓を囲んでいる風景っていうのは、絶対的にピースフルであるとおれは思うんだよね。人間は食べものがなければ、死んでしまうし、気が立って争いを起こしてしまうから。平和を表す象徴的な部分が、この食卓を囲むという風景なんだけれど、さらにそこに至るまでのプロセスをみんなで共有できればもっと良いよね「多様性社会」の実現のために。アジア学院から学ぶ、私たちにできること。現政権が掲げた「2020年までに訪日外国人4000万人」が達成できるのかは置いておいて、近年日本を訪れる外国人の数は爆発的に増えている。(参照元:HUFFPOST)東京や大阪といった大都市はもちろん、地方でもその姿を見かけることがもはや珍しくない。労働人口の減少による外国人労働者の必要性が議論されていることなども含め、島国日本は今、確実に変換期を迎えている。(参照元:YAHOO!ニュース)その中で懸念されていることの一つが文化的摩擦であるが、こればかりはすぐに解決できるものではない。それこそ草の根の地道な活動が必要になる。じゃあ私たちに何ができるのか?とりあえず、「ご飯食べに行こうよ」と言うことぐらいはすぐにできるだろう。これは何も、文化圏の違いに限った話ではない。自分の意見と反対の人を誘ったって良い。日本人の議論下手は指摘されつつあって、確かに議論が平行線を辿ると「この人は私と合わない」という結論に至ってしまう人が多い気がする(自戒を込めて)。でも、一つの意見が食い違うというだけで、その人と私の関係を終わらせてしまうのは違う気がする。そんな時に、「じゃあご飯行こう」と言えるかどうか。そういう選択の積み重ねが、近い将来嫌が応にも訪れるであろう多様性社会で、うまく生きていけるかどうかにつながる。というのは言い過ぎだろうか。少なくとも、アジア学院の理念は世界中に平和の種を蒔き続けている。そろそろ筆者も、その種蒔きに参加してみようと思うのだが、あなたも一緒にどうだろう?***アジア学院
2017年11月14日日本の多くの学校で行われる性教育では、生理や精通がくることを教えられても、妊娠や性感染症などについては最低限の知識しか教えられていないのが現状だ。それには、「早くから性について教えると、性行動が早まってしまう」という大人たちの行き過ぎた心配がある。しかし、実際に他の自治体に先駆けて高校生や中学生に向けた性の健康を教える講座を開いている秋田県では、10代の人工妊娠中絶率が下がり、全国平均をも下回るようになったというデータが出ている。(参照元:秋田大学)これを全国で行なうには文部科学省の方針の転換が必要だが、それが実現するまで、必要な性教育はどう実施していけばいいのだろうか。
2017年11月11日子どもへの性教育、「よし、始めよう!」と改めて考えると躊躇(ちゅうちょ)してしまうもの。特にきちんとした性教育を受けていない世代の私は、子どもの質問にどぎまぎしてしまうことも。性教育を“性の話”として、家庭で自然に話ができるようにするにはどうしたらよいのか、保健師の岩崎眞有美さんに話を聞きました。子どもに性の話をするのはいつから?タイミングは?「お風呂に入ったときや母親の月経時、また下の子の出産を機になど、日常生活で性に関する場面に遭遇したときがチャンスです」と岩崎さん。岩崎さんは去年の春に第3子となる女児を出産したばかり。当時、出産に立ち会うことができた5歳の次男。彼の記憶として、「出産=ただ母が辛そうだった…」と彼の頭に残ってしまうのは違うと思い、改めて子どもと一緒に産後の振り返りをしたそうです。「赤ちゃんはね、おまたのおしっこが出るところと、うんちの出るところの間にもうひとつ赤ちゃんが生まれる穴があってね、そこから生まれてきたんだよ」という母の言葉に、「じゃ、うんちと一緒に生まれてきたの?」と次男(笑)。彼は恥ずかしさも抵抗もなかったのだとか。ママの月経中、ナプキンの取り替え時やシーツが汚れてしまった場合など、子どもが生活の中で気付いたときには、これは病気でも怪我でもなく月経であることを伝えます。「お腹には赤ちゃんのもとが入っていて、赤ちゃんがいない場合は用意したふかふかのベッドが体から出ていくんだよ」と、子どもがイメージできる範囲でよいので話をします。岩崎さんは、「女の人は毎月の月経によってお腹が痛くなったりだるくなるの。だから優しくしてね」と子どもたちに伝えているので、たくさんお手伝いもしてくれるのだそう。子どもの「なぜ?」の問いかけに、まずは“共感”日常でふとした拍子に子どもが問いかけてくる「なぜ?」、これに正直に、わかり易く答えることが大切だと岩崎さんは言います。親が構えてしまうと、「この話はしちゃいけないものなんだ…」と、子どもながらに学んでしまうもの。そんなときにはまず、「話をしてくれてありがとう」「いいところに気づいたね」「不思議だよね」と、子どもの「なぜ?」に共感することから始めるとよいでしょう。これらの言葉により、子どもの突然の質問にドキッとした自分の心を落ち着かせる“間”にもなり、親もどぎまぎせずに済むかもしれません。おむつが外れた頃から、自分のおしりは自分で洗えるようにおむつが外れて、トイレでおしっこができるようになった頃から、自分でお尻をふくことを教えていきます。入浴中にも、性器は自分で洗えるように教えていき、家族や親戚でも触らせてはいけない大切な場所、プライベートゾーンであることを少しずつ伝えていきます。それが後に犯罪から身を守ることにもつながり、また自分自身を大切にすることにもつながってくるのです。男の子と女の子は体の構造が違いますが、違いを知る前にまずは自分の体を知ることから。性はプライベートなことなので、家庭の中では親子で個別に対応できるのが望ましく、できれば女の子はママが、男の子はパパが教えることができるといいそうです。伝える親、大人の性意識性を伝えていく親として、「親自身の“性の価値観”を見つめ直すこともやってほしい」と岩崎さん。性には生殖性、快楽性、連帯性と3つの意味があるそう。「性はいやらしいものと否定的にとらえてきたかも…」「自分は子作りばかり考え、生殖のことでしか考えられなかったかも…」「友だちに同性愛の友人がいて肯定的に性の多様性を認められている」など、まず自分の意識を自覚することが、子どもへ性の話しをする方法にも関わるくらい大切なのだそう。それと同時に夫婦で性について話すことができるとなおよいのだとか。「今後の夫婦間の性のあり方について語り合えると、予定外の妊娠は防げますし、より互いのことを尊重できるようになると思うのです」と岩崎さん。男の子の性のロールモデルは父親、女の子は母親。父親が母親を女性として尊敬し、いたわり大切にする態度が、互いの性を尊重し合うことにつながり、また子どもへ自然と伝わっていくのです。いざというときの相談相手、話ができる家庭を目指して最後に、成長していく子ども達への性教育、親として心得ておくべきことを聞いてみました。「思春期を過ぎても性の話ができるかどうかは、それ以前から家庭で性について話しているかどうか。困ったときには相談相手となるよう、子どもと話ができる環境を作っていくことが大切です」かといって、無理をするのもダメ。いいお母さんになろうとして「家できちんと性教育を!」と、必死になるのも分かります。しかし、「家でできる限界、また自分の性意識や価値観は超えられないことがあるのも確か。なかなかニュートラルに語れない場合もあるので、そんなときは地域の保健師さん、理解のある小児科医、学校の保健の先生など専門家に頼ることも必要です」子どもと性の話をすることは、自分自身の性=生を見直す機会、また夫婦関係を見直すよい機会にもなりそうです。<文:フリーランス記者林未香>
2017年10月26日「第11回 LITALICO 教育実践フォーラム 2017」開催!Upload By LITALICOニュース2017年11月18日(土)の13:30より、大阪・梅田の「AP 大阪梅田茶屋町」(D+E+F+Gルーム)にて、発達障害に対する学校教育での合理的配慮をテーマとしたイベント、「教育実践フォーラム」が開催されます。登壇者は、発達障害児への教育支援研究の第一人者である大阪医科大学LDセンター顧問 竹田契一先生、障害児のICT活用等の研究を進める関西学院大学教育学部教授 丹羽登先生、障害や不適応状態について「環境」と「個人」両方向からの心理的支援や教育を研究する鳥取大学大学院の井上雅彦教授ほか、小中学校・高校の教員、児童・生徒の保護者の方々。「障害のない社会をつくる」をビジョンに、児童発達支援事業や就労支援事業などを展開する株式会社LITALICOが主催し、教育を取り巻く課題と実践、未来の展望を考える「教育実践フォーラム」。2012年の初回企画から数えて、今回で11回目の開催となります。11回目のテーマは「合理的配慮」。どんな人々も個性を尊重され、過ごしやすい世の中になれば理想ですが、特定の個性や心身の症状を持っている人にとって生きづらい状況がまだまだ残っているのが現状です。たとえ障害のある方であっても、一人ひとりの困りごとや状況に応じた適切な配慮を受けることで、自分の力をより発揮しやすくなり、日常生活や社会生活を営むことが出来るようになる、という考えのもと進められているのが、「合理的配慮」です。今回は、専門家・現場の教員・保護者それぞれの立場から合理的配慮のあり方について考えていきます。第11回教育実践フォーラム専門家と保護者、それぞれの立場から語る教育現場の合理的配慮2016年4月に施行された「障害者差別解消法」(障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律)により、公立学校の教育現場でも合理的配慮が義務化されました。発達障害のある子どもにとって、学校生活における困りごととして、授業やテスト、成績評価、行事、さらには食事や排泄、友だちとの関わりなど、さまざまな場面が想定されます。フォーラムの基調講演では、発達障害に対する教育現場での合理的配慮に関して、発達障害児への教育支援研究の第一人者として長年ご活躍される竹田契一先生のお話を伺います。講師:大阪医科大学LDセンター 顧問 竹田契一先生Upload By LITALICOニュース竹田契一大阪医科大学LDセンター顧問、大阪教育大学名誉教授、一般財団法人特別支援教育士資格認定協会理事長。専門は発達障害児(LD・ADHD・高機能広汎性発達障害)への教育的支援など。主な著書は「高機能広汎性発達障害の教育的支援」(明治図書)他、多数。基調講演のあとは、障害児のICT活用について研究を重ねられている丹羽先生からお話を伺います。社会の情報化が急速に展開している中、授業の双方向性を高め、児童生徒の主体性・意欲・関心や知識・理解を高める効果があるとして、学校教育におけるICT活用が注目されています。指導内容や指導方法を変更・調整することが合理的配慮の1つとして求められていますが、お子さんによっては、タブレット端末等のICTの活用が効果的なことがあり、積極的な活用が望まれています。丹羽先生の講演では、教育現場での合理的配慮の手段としてのICT活用について考えていきます。講師:関西学院大学 教育学部 教授 丹羽登先生Upload By LITALICOニュース丹羽登特別支援学級や特別支援学校の教員として重度障害児教育に携わる傍ら障害児のICT活用等の研究活動を進める。文部科学省初等中等教育局特別支援教育課特別支援教育調査官を経て、関西学院大学教育学部教授。病弱教育や障害児のICT活用に関する著書・論文多数。最後に、専門家・保護者等それぞれの立場から教育現場の合理的配慮の実際と課題について語るパネルディスカッションです。コーディネーター: 鳥取大学大学院教授井上雅彦Upload By LITALICOニュース井上雅彦鳥取大学大学院 教授/LITALICO研究所所長(アドバイザー)応用行動分析学を理論的基盤として障害や不適応状態について「環境」と「個人」両方向からの心理的支援や教育を研究。ペアレントトレーニングシステムなどの支援プログラムの開発をはじめ、著書も多数。合理的配慮の導入を円滑にするためには、学校や本人・保護者が合理的配慮実現のための流れやしくみを共通理解し、コミュニケーションを密にすることが鍵となります。現場の教員の方々をパネリストに招き、保護者の方々にコメンテーターをしていただきながら、今現場で必要とされることについて考えていきたいと思います。第11回教育実践フォーラム詳細開催日時:11月18日(土) 13:30~18:45(受付開始 13:00)(教材等自由閲覧時間18:45~19:45)定員:240名参加費:無料(事前申込制)対象:小学校~高等学校、幼稚園、保育施設の職員、スクールカウンセラーなど子どもの教育や医療・福祉・行政機関など子どもの支援に関わられている方会場:AP 大阪梅田茶屋町 D+E+F+Gルーム(大阪府大阪市北区茶屋町1-27ABC-MART梅田ビル8F)アクセス:JR「大阪駅」御堂筋北口より徒歩約3分阪急電車「梅田駅」2F中央改札口より徒歩約1分地下鉄御堂筋線「梅田駅」北改札より徒歩約3分地下鉄谷町線「東梅田駅」北東改札・北西改札より徒歩約5分阪神電車「梅田駅」東改札口より徒歩約5分お申込み締切:2017年11月17日(金)13:00お問い合わせ:03-5704-7361(地域教育相談室 岡野)※お申込みは下部ボタンのお申込みフォームよりお願いいたします。主催:株式会社LITALICO(LITALICOジュニア)12:00~発達ナビ活用セミナー〈希望者のみ〉(50分)13:00~受付開始13:30~開会挨拶(30分)株式会社LITALICO執行役員 野口晃菜14:00~基調講演(60分)【講師】大阪医科大学LDセンター 顧問 竹田契一先生15:00~質疑応答&休憩(15分)15:15~講演(60分)【講師】関西学院大学 教育学部 教授 丹羽登先生16:15~質疑応答&休憩(10分)16:25~パネルディスカッション(120分)【コーディネーター】井上雅彦先生【パネリスト】小中学校・高校の教員など数名【コメンテーター】丹羽登先生、児童・生徒の保護者さま18:25~質疑応答、インフォメーション、閉会挨拶(20分)18:45~パネル展示・教材自由閲覧・発達ナビ活用セミナー〈希望者のみ〉(60分)19:45終了学校や幼稚園、保育園の先生やカウンセラーの方々、子どもの発達が気になる保護者様はじめ、学校教育における「合理的配慮」に関心のある方々はどなたでもご参加いただけます。たくさんの方のご来場をお待ちしております!
2017年10月06日「赤ちゃんはどうやってできるの?」とつぜん子どもに聞かれたら、答えに困ってしまいませんか? 子どものころ「コウノトリが運んでくる」と教わり、いつしかそれが違うことを知ってショックを受けた私たちは、子どもにも同じように話していいのかどうか、迷います。そんなママや子どもたちに向けた性教育ワークショップがあると聞き、さっそく取材に行ってきました。■「性」は「生」。命をつなぐ当たり前で大切な人間の営み性教育ワークショップ『SEIJUKU』(生塾)を主宰するのは、ウェルネス&ビューティジャーナリストの久保直子さん。久保直子 Naoko KuboAMPP(フランス植物療法普及医学協会)認定メディカルフィトテラピスト、DTWフラワーエッセンスプラクティショナー、フランス式スポーツアロマテラピストの資格を持ち、スキンケアやボディケアなどの美容面はもちろん、女性ホルモンケア、ストレスケア、睡眠などの植物療法、特に「メンタルビューティ」を軸にした独自のウェルネス&ビューティプログラムを企画&発信。二児の母の立場を生かしmama cafeや性教育ワークショップ『SEIJUKU』を主宰。「日本では性教育を“言ってはいけない事”のように扱っていて、なかなか学ぶ機会がありません。私たち親の世代がそうやって育ってきたので、子どもへ伝えるときも、言葉が見つかりません。でも、「性」は命をつなぐ大切なことで、生きる上で当たり前の営みです。当たり前のことを当たり前に伝える。その環境を作っていくために、『SEIJUKU』を始めました」(久保さん)現在ワークショップに参加するのは、お子さんのいる方、いない方、独身の方など様々。「性に関する悩みを持つ全ての方に来ていただける場にしたい」というのが久保さんの願いです。■子どもが楽しめる紙芝居での性教育取材した日は、『SEIJUKU』第5回目。第2回目のときに「子どもが興味を持てるよう、紙芝居にしては?」というアイデアが出たことから、今回は紙芝居を導入してのワークショップになったそうです。紙芝居は、久保さんの伝えたいことをもとに、保育士の井上夏紀さんが子どもの視点を想定したアドバイスを加え、イラストレーターのカイフチエリさんによる、子どもが楽しめるイラストで描かれた、完全オリジナル作品。監修には医師の安来志保さんも加わっています。さらに、この日紙芝居を読むのは、久保さんと、久保さんの10才と7才のお嬢さん。読み手に子どもが参加することで、同世代の子どもたちもより身近なこととして受け止められるようです。さあ、いよいよ紙芝居のはじまりです!■「おちんちん」と「おまた」をくっつける、をどう伝えるか紙芝居のタイトルは『誕生 ~birth~』。「男の子の体と女の子の体はどうして違うの?」という子どもの素朴な疑問をもとに、パパとママが出会い、愛しあい、「おちんちん」と「おまた」をくっつけると赤ちゃんができるという流れを、イラストを使ってわかりやすく説明していきます。「おちんちん」と「おまた」をくっつける───誰もがいちばん説明に戸惑うこの点も、やさしいタッチのイラストのおかげで自然に話を聞けるようになっています。「おちんちん」と「おまた」は決して特殊なパーツなのではなく、「赤ちゃんをつくる」という大事な役割を持っている部分なんだよと、とにかくありのままを伝えることで、子どもたちは体の組織の一部として認識してくれたようでした。「大人が変に隠すから子どもが勘ぐり、真実を知ったときに心がざわついてしまう。まずは大人が正しい性教育を受けないと、子どもへ上手に伝えられないな」…そんなことを考えさせられました。■誰もがみな何億分の1の確率で生まれた奇跡の存在「生まれてきたすべての人が、周囲に守られながら、いろいろな困難を乗り越えて生まれてきた何億分の1の奇跡だと伝えられれば、この紙芝居は成功だと思っています」と久保さん。数億分の1の確率で卵子と精子が出会い、お母さんのおなかの中で約300日をかけて育ち、お母さんの「おまた」から出てくる───その長い道のりを、子どもに伝わりやすいように説明していく今回の紙芝居。参加したママたちからは、「自分が子どもに教えるために参加したのに、自分が子どもを授かったときのことや、自分も親から生まれたことを思い出し、そこに感動してしまいました」という声も聞かれました。■それぞれの家庭に、それぞれの性教育を紙芝居のあとは、参加者全員で、紙芝居の感想と「性教育」についてのセッション。ここで実際にママたちが感じている「性教育」の悩みを聞くことができました。「娘が小学生になったとたん、上級生から性に関する情報を聞いてくるように。どう教えていいか分からなくて、ワークショップに参加しました」(7才女の子のママ)「自分が親から教わってこなかったので、間違った情報を信じていたり、興味本位で悪気なく体の見せ合いっこをしたりしていた。子どもには正しい情報を伝えたい」(2才女の子のママ)「うちは男の子で、女の子に優しい男性になってもらうために、男の子にこそ教えないといけないと思って参加しました」(2才男の子のママ)「生理のとき、お風呂で息子に生理の状態を見せて、血が出る意味や、心が不安定になることなどを話しています。息子は女性の自然現象として聞いてくれていますが、外でお友達に話したときのことを思うと、少し不安になります」(3才男の子のママ)最後に久保さんから、「家庭ごとの教育方針があっていいし、正しい性教育の方法はひとつではないです。教育方法を学んでそのまま実践するよりも、各家庭、個々人で考えることがなにより大切です」とメッセージがありました。『SEIJUKU』は今後、ジェンダーに合わせた内容、生理が始まる10才頃からの一歩進んだ性教育、動画を使っての情報発信なども検討するそう。「赤ちゃんはコウノトリが運んでくる」説でいいかどうか。まずは親が考えてみることで、子どもへの教えかたが見えてくると思ったワークショップでした。性教育ワークショップ『SEIJUKU』(生塾)本記事の公開に合わせて、紙芝居『誕生 ~birth~』の一部をユーチューブで配信スタート!
2017年08月17日近年、急速に認知されてきたコスメといえばデリケートゾーンコスメではないでしょうか。デリケートゾーンとは、ズバリ言うと、女性の性器、VIOエリアのこと。ヨーロッパではすでにデリケートゾーンをケアするのは常識となっていますが、日本ではここ数年でやっと浸透してきたところです。では、“デリケートゾーンに使うコスメ”とは何なのか。現在の日本の実情や、性教育の遅れなども含め、お話ししたいと思います。■デリケートゾーンコスメって何だろうデリケートゾーンコスメとは、女性の性器周り、つまり“おまた専用”のコスメのことを指します。なぜ専用のものが必要なのかというと、顔同様、膣内のPh値が関係しています。健康的な膣内は弱酸性で、平均3.5~4.5位に保たれており、自浄作用が働いていると言われます。しかし洗浄力の高いボディソープやアルカリ性の石鹸(せっけん)は殺菌力が強いものが多く、Ph値のバランスを崩してしまい、かゆみやおりものの原因になってしまう可能性も。顔にも常在菌がいて、取りすぎない洗顔が推進されるようになりましたが、それはデリケートゾーンも同じ。専用のコスメで優しく洗い、必要以上のものは取らないケアを。菌との共生は人間の美容と健康にとっては重要事項なのです。デリケートゾーンの悩みで多いのは、臭いとかゆみ、そして蒸れなどがあげられます。女性には月に1度生理が訪れます。ただでさえ、ナプキンをしたり、蒸れやすい環境にあるのがデリケートゾーン。必要な皮脂膜などを洗い流して、乾燥をひき起こせば、ますます悪臭の原因にもなりかねません。 これまでなかなかフォーカスされなかった部分だけに、悩みを外に打ち明けられなかった人も多かったのではないでしょうか。その場所をじっくり見直すためにもぜひ注目してほしいのが、デリケートゾーンコスメなのです。■遅れている日本の性教育振り返ってみれば、昭和の時代に、親子でデリケートゾーンの話をしてきた、生理や性の話をしてきた、という家庭はそうそうないでしょう。日本ではそういう話をするのはたとえ家族であってもタブー。それこそ、おまたを触ろうものなら、そんなところ触ってはダメ、と母親に叱られた人が大半なのではないでしょうか。しかし、考えてみると、このデリケートゾーンほど、女性にとってつながりが深く、大切な場所はありません。それこそ排泄(はいせつ)もすれば、生理の血を出すところでもあれば、ここから生命が生まれてくるという、体の機能にとって非常に重要で、かつ神聖な場所です。それなのに、その部分の話になると目を伏せてしまい、「何か汚い場所」として捉えられてしまう…よく考えたらおかしな話です。これは日本の性教育の遅れが関係していると考えられます。もともとすべてのことにオープンにするアメリカ、ヨーロッパの文化とは違うこともありますが、性の問題は特にクローズドな状態にあるのが現状。男尊女卑の文化も根強く存在し、性の問題は揶揄(やゆ)もされやすい。ちなみに、ヨーロッパでは、すでに多くのデリケートゾーンコスメが展開されており、性についての知識もしっかりと教育されているというから、日本とは正反対です。■知るべき知識を知らずにいる怖さ重複して言うと、ここは生命が生まれる場所で、女性の機能が集約されている場所でもあります。つまり、この場所から目を背けているということは、体の機能と向き合っていない、女性として向き合っていない、ということになるのではないでしょうか。毎月この場所で行われる月経を含め、しっかりと知識を持っている女性はどれだけいるのでしょう。脳と卵巣の連携によって女性ホルモンが分泌されて、女性ホルモンが2種類あって、それがそれぞれどういう働きをして、経血につながるかを学ぶ場面は少なかったように思います。女性にとって女性ホルモンは切っても切り離せない大切な機能であり、生命を誕生させる機能を知らずに育つということはとても恐ろしい話かもしれません。日本の性教育の遅れは顕著で、今も教育の指針は統一されてはおらず、各家庭で独自に行われているのが現状なのです。■デリケートゾーンコスメから始めてみよう性教育に迷う大人たち。親たち。けれど、その必要性は分かっている。では、その一歩をどう踏み出せば良いのでしょうか。そんな時にひと役買うのが、デリケートゾーンコスメたちです。デリケートゾーン専用のコスメを使って洗う。この行為は、その場所に目を向けるとてもいいきっかけになります。女性ホルモンだ、生命の誕生だ、と言うとちょっと重い話になってしまいますが、お手入れを行う=いたわるということであれば、誰でも始めやすいはず。まずは目を向けること。意識するだけで、がぜん違ってきます。ちなみに、私が娘たちにデリケートゾーンコスメで性教育を始めたのは、長女が5歳、次女が2歳の時。「大事なところだから洗おうね」その一言だけで、子どもは何かを感じ取ってくれるものです。自分を知る第一歩として、こんなにいいツールはありません。そこで今回は、親子にも使いやすいデリケートゾーンコスメたちをいくつか紹介しようと思います。■親子で使いたいデリケートゾーンコスメまず、基本となるのはやはり洗浄料だと思いますが、今は顔と同じように、洗った後の保湿クリームや、スプレータイプやシートタイプなど、その場面に合わせてたくさんのデリケートコスメたちがラインアップされているので、自分のライフスタイルに合わせて、手に取りやすいものから始めてみましょう。▼ピュビケア デリケートコットン ワイプ“かぞくに使って欲しいもの”をコンセプトに、ナチュラル&オーガニックなデイリーユース製品を作り続けるたかくら新産業。粘膜の経皮吸収にもフォーカスし、さまざまなオーガニック製品を展開しているなかで、いち早く、日本初のデリケートゾーン専門美容サロンピュビケアとコラボレーションしてオーガニックコスメブランドを発売。デリケートゾーン専用のマイルドなソープや保湿クリームなど、こだわった製品展開で、イタリアのICEAを取得しています。100%オーガニックコットンを使用したウェットシート。このワイプシートは、使った後、そのままトイレにも流せるという機能性にも優れている逸品。何と言っても手に取りやすい価格にも注目。外出先や旅先など、いろんな場面で重宝すること間違いなし。(左)フレッシュシトラス (右)フローラルローズ 各12枚入り ¥648(税込)/たかくら新産業▼アンティーム オーガニック by ルボアインティメール バーシングオイルフランスなど、ヨーロッパの子どもたちは早くからそういった教育を母親から受け継ぎ、自分の体をいたわっていく習慣があるといいます。フランスにあるフィトテラピーの考え方をベースに、日本における植物療法の第一人者である森田敦子氏が手がけたデリケートゾーンケアコスメ、アンティーム オーガニック by ルボアから、新たにお目見えしたのは、かつてないマタニティケア、『インティメール バーシングオイル』。産前・産後の女性だけでなく、デリケートゾーンのケア含め、女性が“性”と向き合うことの大切さを伝えたいという森田氏のメッセージが込められています。産前のケアにも産後のケアにも使えるマッサージオイル。32周目以降に使うことで、硬くなった膣や会陰をやわらげ、スムーズな出産をサポート。また、年齢を重ねて萎縮した膣をほぐす目的にも使える画期的な製品。お風呂上がりに使うのがオススメ。“触る”ことを改めて意識させる、女性に1度は手にとって欲しいプロダクト。30mL ¥10,800(税込)/サンルイ・インターナッショナル▼トレスマリア ソープ & トレスマリア ミラー“ラグジュアリーデリケートゾーンコスメブランド”として、バルドゥッチ淳子さんが立ち上げたトレスマリア。洗う、潤す、見つめる、という3ステップで女性の大切な部分をケアすることを提案します。鏡で自分のデリケートゾーンを見るということはとても重要なステップ。月の周期によって体が大きく変化する女性ならではのお手入れを、ぜひ親子でやってみてほしいです。(右)国産のシャクヤクコンプレックスと10種類の美容成分やシルクソルトを配合。しっとりなめらかに洗い上げるソープ。180g ¥4,104(税込)/(左)3ステップの最後、見つめるのために作られた楕円形ミラー。キーワードとなるシャクヤクの花のピンクが印象的。¥1,944(税込)/バルドゥッチ▼ウーマンエッセンシャルズ リフレッシュスプレーフランスからお目見えしたのは“最も女性らしい部分をケアすることで、女性の人生と魅力を向上させること”をブランド理念としたウーマンエッセンシャルズ。皮膚・粘膜・体毛という3つの要素があるデリケートゾーンにアプローチする高レベルな処方を搭載したブランド製品として誕生。フランスの婦人科医と皮膚科医による医療品と同様の厳格なクリニカルテストによって認められています。この『リフレッシュスプレー』は、ボディとデリケートゾーン両方に使えるデオドランドスプレーで、リフレッシュ効果も高く、最初の1本としてもおすすめです。デリケートゾーンというのは、常に隠されている状態で、蒸れと闘っており、臭いを気にしている女子は多いもの。洗浄料、保湿剤、マッサージ剤とラインアップも豊富な中、特にこのスプレーは使い勝手がよい人気アイテム。30mL ¥2,592(税込)/BCL<取材協力>・ピュビケア ・アンティーム オーガニック by ルボア ・トレスマリア ・ウーマンエッセンシャルズ
2017年07月31日「シュタイナー教育」をご存知ですか?お子さんに少しでもいい環境を与えたいと願い、さまざまな教育論を調べたことがあるママなら、一度はその名を目にしたことがあるかもしれませんね。シュタイナー教育とは、オーストリアの思想家ルドルフ・シュタイナーが20世紀始めに提唱した教育方法です。7歳までの子どもたちは夢の中にいるようなものだとして、音楽や絵画など感性に訴えるアプローチで接することを掲げています。音楽のリズムに合わせて動く「オイリュトミー」というダンス、「にじみ絵」と呼ばれる独特の水彩画法が特徴です。今回は、都内のシュタイナー系幼稚園で働くG先生(50代女性/幼稚園教諭)から、自宅でできる「ゆるシュタイナー教育法」を聞いてきました。●(1)刺激は「子どもが欲してから与える」シュタイナー教育と聞いて最初に思い浮かぶのが「テレビを見せない」ということ。音や光の出るオモチャ、テレビゲームなんてもってのほか。遊ぶ道具は、石、木、布、羊毛といった自然素材だけなんですよね。でも、子育てママならそのハードルの高さはわかるはず。どうしたらいいのでしょうか?『子どもが求めてくる前に、親が先回りして強い刺激を与えてしまうことを避けてみてください 。テレビは、子どもが積極的に見たがっていないなら、あえて見せる必要はありません。プラスチック製のおもちゃも同じ。最初に与える遊び道具は、自然素材のもので十分です。でも、よそで見かけたり、他の子が持っていたりして、お子さん自身が興味を持ったなら、少しずつ与えてもいいと思いますよ』そうはいっても、家事をやっているあいだに子どもがテレビを見ていると助かるんですよね。夕方の幼児番組、「ほら!もうすぐ○○が始まるよ!ママ忙しいから、観てて〜!」なんて率先して付けちゃってましたが……それすらNGなんでしょうか?『そのあたりは、ママの裁量でいいと思いますよ。無理をしてまでノーテレビ育児にこだわり続けることはありません。ただ、7歳までは体のリズムを作る時期です。生活リズムをテレビに支配されないようにするのが大切ですね。大人がテレビなしの生活をしてみせるのも、時には必要です』なるほど。ということは、大人が観たい番組があるときは、録画をして子どもが寝たあとに楽しむのがよさそうですね。●(2)生活リズムづくりは「ゆるやかに」がコツシュタイナーの教えでは、毎日の生活リズムを作ることも重要視されています。決まった生活リズムを繰り返していくことが、子どもたちの心の調和と安定につながると考えられているからです。『家庭でも、ぜひ規則正しい生活を送っていきたいですね。まずは一日のスケジュールを組んであげましょう。ある程度大きなお子さんなら、親子で相談しながらスケジュール決めをするといいでしょう』でも先生、子どもってこっちの希望通りに動いてくれませんよね。うちの子はいつもノロノロしていて、スケジュールなんか決めても絶対守れません。守れないことでカリカリしてしまう自分も目に見えてますが、どうしたらいいですか?『細かく時間を定めてしまうと後がつらいので、最初は起きる時刻・寝る時刻・食事の時間帯をゆるく決めるくらいでOKです。「○時」ときっかり決めるより、30分程度の幅がある「時間帯」でスケジューリングしていく のがおすすめですよ。また、スケジュールを守れなかったときにお互いを罰しないことも重要です。お子さんの様子や発達段階を見極めながら、無理のないスケジューリングに組み直していきましょうね』●(3)子どもに「遊びを教えない」勇気を!シュタイナー教育で忘れてはいけないのが、オイリュトミーやにじみ絵などの独特な遊び方。これらは子どもたちの感性を伸ばすためのアプローチ法ですが、家庭で取り入れるにはどうしたらいいでしょうか。『子どもの遊び方に自由を与えてあげましょう 。最近のママたちを見ていると、やり方が決まっているオモチャを与え、子どもが考える間もなく「ほら、これはこうやって遊ぶのよ」と教えてしまっている方が多いんですよね。中には「その遊び方は間違ってる」とお子さんを叱っている姿も。これでは、子どもたちの感性は育ちようがありません。何に興味を持ち、それをどうするかはお子さんに全て任せてあげましょう。口出ししないことは、ママたちにはちょっと勇気がいるかもしれません。でも、グッとこらえて見守っていると、子どもの思わぬ発想にこちらが驚かされることもよくありますよ』つまり、オイリュトミーなど有名な方法論を知って、その形だけをなぞっても意味がないということですね。そういった各方法論の裏側にある理念をよく理解し、無理のない形で実践していくことこそが重要なのでしょう。----------いかがでしたか?今回G先生に伺った「ゆるシュタイナー教育法」は、特別で特殊な子育て方法ではありませんでした。むしろ、わが国の昔ながらの子育てに通じるところが多くあったように感じます。生活に無理のない範囲で取り入れていくと、子どもたちの豊かな成長と自立を促すことができるのではないでしょうか。●文/パピマミ編集部●モデル/貴子(優くん、綾ちゃん)
2017年06月30日小学校教育に新たな波がおとずれます。2020年より英語学習を前倒しする「早期化」と、5年生からの英語教育が成績のつく科目としての「教科化」がスタートすることになりました。英語が必要な時代が来ているとはいえ、この2点について親たちはどう考えているのでしょうか?Q.小学校の英語教育「早期化」「教科化」、どう思う?1.賛成 72.6%2.反対 7.2%3.わからない・どちらともいえない 20.2%小学校の英語教育「早期化」「教科化」に賛成という声が72.6%と大多数という結果になりました。グローバル社会で活躍する人材を育成するためには英語は必須と考える親が多くいるようです。■日常会話くらいは英語で話せる人に日本にもどんどん外国人が来るようになりますし、これから大人になるまでに海外に行くこともあると思います。そんなときにも日常会話くらいは英語で話せるようになってほしいというのが親の希望。そのための教育なのであれば賛成という声が多数です。「世界的に必要なこと。他国は母国語と英語、両方教えるのが普通」(東京都 40代女性)「日本語的英語ではなく、英会話力を伸ばしてほしいと思っています。聞き取った英語を素直に口に出せるようになったら最高だと思います」(佐賀県 40代女性)「英語に早くから親しむという点ではいいと思います。ネイティブの先生と英会話を経験する授業なら、導入としてはいいかもしれませんね」(千葉県 50代女性)■日本人なのだから英語よりもまずは国語反対派の多数の意見は、英語教育の前に日本語教育を学ぶべきというもの。美しい日本語や漢字などをしっかり学んでから英語を学んでも遅くはないという声や、学校の教員の英語レベルが気になるという声もありました。「単純に教科が増えるとすれば、他の教科がおろそかになる。PCやタブレットを使うために漢字の読み書きができない子が増えている。英語に力を入れるまえにもっとやらなければいけない課題がある」(静岡県 40代男性)「それ以前に日本人として正しい日本語を身につけさせることの方が重要なのではないかと思うのは私だけでしょうか?」(神奈川県 50代女性)■英語の早期教育のメリットとは音や発音は小さいうちにやったほうが効率的であることはすでにわかっています。苦手意識を持つまえに、自然と英語に触れて、話すことで英語力がついていくのが理想的。それが果たして小学校教育でできるのかが問題のようです。「英語教育は早ければ早いほど、国語と同じように自然に覚えられる利点があります。しかし、小学校教員の英語力には課題があるのが現状。映像やタブレット端末などを使用して、小学生のうちに日常会話には困らないようになってほしいです」(神奈川県 40代女性)Q.小学校の英語教育「早期化」「教科化」、どう思う?アンケート回答数:6408件 ウーマンエキサイト×まちcomi調べ
2017年06月06日第89回アカデミー賞に多種多様な人種がノミネートされた。昨年、白人ばかりのノミネートで物議を醸していた同賞だが、今年は俳優に対する賞の20人のノミネートのうち7人は白人以外の人種となっている。『フェンス』のデンゼル・ワシントンが主演男優賞、『ラビング愛という名前のふたり』のルース・ネッガが主演女優賞にノミネートされているほか、『ムーンライト』のマハーシャラ・アリが助演男優賞、同作品のナオミ・ハリス、『ヒドゥン・フィギュアズ』のオクタヴィア・スペンサー、『フェンス』のヴィオラ・デイヴィスが助演女優賞に名を連ねている。同じ年に主演男優賞、主演女優賞、助演男優賞、助演女優賞の各カテゴリーに黒人俳優たちがノミネートされることは史上初である。そのほかには、バリー・ジェンキンスが『ムーンライト』で監督賞、エイヴァ・デュヴァーネイの『13th 憲法修正第13条』が長編ドキュメンタリー賞にノミネートされた。今年度のアカデミー賞のノミネートが発表される前、『ムーンライト』のマハーシャラは、有色人種の俳優たちがノミネートされることが「普通になっていく」ことを望んでいるとコメントしていた。その一方で、昨年のアカデミー賞ノミネートリストにおける人種の多様性の欠如に苦言を呈し、授賞式にも参加しなかったセレブの1人であるジェイダ・ピンケット・スミスは、今年度のノミネートリストに称賛のコメントを発表。昨年は夫ウィル・スミスらとともに授賞式をボイコットしたジェイダは、ヴァラエティのインタビューに「最高の気分よ。このノミネートを見ることができるなんて素晴らしいわ。今年度は特別な映画がたくさんあったからね」「『ヒドゥン・フィギュアズ』『フェンス』『ムーンライト』のような作品が認識されて選ばれた事をうれしく思うわ。今朝はとても誇り高い気分になったわよ」と語る。さらに、アメリカのドナルド・トランプ新大統領就任のこともあり、「現在のこの国の状況において、アーティストとして私たちがステイタスを使って、この国がどのように周囲から認識されたいのかという点に注目を注ぐ手助けをすることが重要だと思うわ」と意見。「だから今回のノミネートはその素晴らしい第一歩になったと私は見ているのよ」「どのような形でこの国を象徴したいのか、世界に届けたいメッセージとは何なのかという、この国のこの時代に生きるアーティストとしての参加の形なの」「私たちには力強い影響力があるわ。私たちは国のアイデンティティにおいても力強いイメージを作りだすことができる」と続けた。(C)BANG Media International
2017年01月26日「子育てに取り入れるといいらしい」と耳にすることもあるモンテッソーリ教育が気になっているという方も多いのではないでしょうか。モンテッソーリとは、教具を使った「お仕事」(遊びの時間)や個別活動による自主性を重んじた教育活動が特徴の教育法のことです。保育所や幼稚園で取り入れられることもある“モンテッソーリ”がどんな教育方法なのか、家庭でも実践できるのか、など詳しくご紹介します。モンテッソーリとは? そもそもモンテッソーリとは、マリア・モンテッソーリ(1870〜1952年)というイタリア人女性医師が開発した教育方法のことです。「モンテッソーリメソッド」「モンテッソーリ教育」などさまざまな呼ばれ方をしますが、どれもマリア・モンテッソーリが提唱した教育方法のことを指しています。マリア・モンテッソーリは、女性医師として子どもと触れ合うなかで、ある物事に関して吸収力が大きくなる期間があることに気が付き、それを“敏感期”と呼んで注目し始めました。1907年にイタリアに「子どもの家」という保育施設を作り、子どもが本来もっている能力を適切な援助で引き出していくモンテッソーリ教育法を生み出しました。この教育法は、「子どもの発見」と呼ばれ、現在でもその考えを継承した教育を行う幼稚園や保育施設、学校は世界中に存在し高い評価を得ています。モンテッソーリ教育の目的 モンテッソーリ教育の主な目的は、子どもの自立にあります。モンテッソーリの教育法によって引き出していく自発的に行動できる力や考え学び続ける力などは自立によってかなえられるとされているためです。「子どもは自分で成長し発達する力をもって生まれてくる」ことがモンテッソーリの教育法の基本でもあります。そのため大人は“子どものサポート役として“援助”するだけで、子どもの自発的活動を妨げてはいけない”存在だとされています。これをマリア・モンテッソーリは「生命の援助」と呼び、いまでも大切な理念として根付いているのです。どんな方法で行うの? “ひとりでできるようになる”ために、環境を整えることと少しの援助を行うことが大人である親や先生には求められており、“子どもを見守る”ことが重要だとされているのがモンテッソーリの教育法です。自発的に活動できるよう、自由にやりたいことができるよう準備をすることが、“環境を整えること”です。その準備は、ただ教具と呼ばれるおもちゃなどを用意しておくだけでなく、成長過程に合わせた物を置くことや「やってみたいな」と思わせる物でなければなりません。大人は、あくまでその成長を援助する“人的環境要因”ではありますが、適切なサポートを行えるよう常に意識して子どもを見守っている必要があります。つまり、自由になんでも好きなようにさせるのではなく、そのとき個々人に必要だと思われる物を適切な時期に“自分で”選び取れるよう援助するのがモンテッソーリの教育方法なのです。モンテッソーリの特徴 モンテッソーリの教育法には、大きく分けて3つの特徴があります。モンテッソーリの特徴1.個別活動モンテッソーリといえば“個別活動”が大きな特徴です。集団で行動するためには、”だれか”に合わせて動かなければなりませんが、一人ひとり興味やそのとき必要としていることは異なります。そのためモンテッソーリの教育法では、個別活動を基本としています。個別活動が基本ではありますが、子ども同士が一緒に遊ぶことを禁じてはいるわけではありません。子どもたちが一緒に遊びたいという気持ちをもっていれば、それがその子どもたちの活動になります。大切なのは、“子どもが自主的に活動しているか”にあるため、「個別活動ばかりで友だちと遊ばせてもらえないのでは」という心配はいらないでしょう。モンテッソーリの特徴2.自発性を重んじる個別活動の前提でもありますが、モンテッソーリの教育法は“子どもの自発性を重んじる”ものです。自発的に「これがしたい」と考え行動できるようになることもモンテッソーリの目的のひとつであるため、大人(先生)は自発性を妨げないよう、環境を整えています。また、遊びのことを“お仕事”と呼んでいることも大きな特徴として覚えておきましょう。モンテッソーリの特徴3.集団生活をするときには縦割りが基本幼稚園や保育所、学校でモンテッソーリの教育法を取り入れるときには、“縦割り”でクラス編成を行います。これは、社会性や協調性を身につけるために、大体3歳程度の年齢幅でクラスをまとめているのも特徴のひとつです。幼稚園では3・4・5歳児が混ぜられた異年齢クラスになり、保育所では0・1・2歳児と3〜5歳児の2段階でクラス編成されるケースが多く見られます。モンテッソーリの教育法5分野って? モンテッソーリの教育法は、5つの分野にわけられています。それぞれに適した教具があり、発達に沿った教具のレベルも分けられていますが、“大人が考えたカリキュラムの順番通りに進めていく”のではなく個々人に合わせて活動していきます。モンテッソーリの教育法1.運動運動=身体を動かす体育、ではなく、日常生活を営むうえで必要な動きを身につける分野が運動です。“思った通りに身体を動かして、自分のことは自分でできるようになる”ことを目的としています。大人の真似をしたがる主に2〜3歳頃を運動の敏感期と呼び、自立心や独立心といった基本となる心を養う時期として、適切な環境や援助を行っていきます。モンテッソーリの教育法2.感覚モンテッソーリの教育法では、2〜4歳頃を“感覚の敏感期”と呼び、他者との比較から自我の芽生えを援助する時期と考えています。生活のなかで自然と“持ち物の比較”などから自分と他者との違いを感じ始めたら、比較をテーマとした感覚教具を用意し、“同じ・違う”といった仲間分けなどを理解できるように援助していきます。モンテッソーリの教育法3.言語子どもが言語を習得するときには、“物には名前がある”ことを認識し、“性質を表す言葉”があることに気づき、“物をつなげて考えられる”ようになるという段階を踏むというのがモンテッソーリ教育法の考え方です。言語習得の流れの援助を行うために、適切な時期に絵や文字のカード(教具)を使って、話す・読む・書く力を身に着けていくのが言語分野です。モンテッソーリの教育法4.算数量=具体的な物、を理解することから始まり、徐々に“抽象的・論理的”な物の考え方ができるように導いていくのが算数分野で、そのための教具は細かな段階に分けられています。あくまで難しい計算ができるようになるのは結果であり、まずは考え方を身につけていくことを、モンテッソーリの教育法では大切にしています。モンテッソーリの教育法5.文化他の4分野の集大成ともいえるのが“文化”です。基礎的な力が身についたところで、歴史・地理・音楽などから、“文化を学び吸収する力”をつけていく分野となっています。モンテッソーリの“教具”モンテッソーリの教育法では、“教具”と呼ばれる道具が使われています。モンテッソーリ教育のおもちゃと言われることもありますが、正式には教具です。時期や子どもの成長に合わせて選んだものを“環境”のひとつとして置き、子ども自身が自主的に手に取るようにしなければなりません。本来“教具”は、おもちゃでも教育のためのアイテムでもないという扱いなのですが、感覚的には、おもちゃと教育グッズの中間に位置しているような存在と考えていてもいいでしょう。大切なのは、その“教具”を使うことを目的とするのではなく、“子どもが自発的に教具を使って遊び(=お仕事をする)、成長や発達のサポートになっている”ことにあります。その点をしっかりと押さえたうえで、教具を取り入れるようにしましょう。モンテッソーリ教育には資格が必要? モンテッソーリの教育法を行うための資格やモンテッソーリ教育が受けられる場所をご紹介します。モンテッソーリ教育の資格厳密には、モンテッソーリ教育を行うために必要な資格はありません。民間資格がいくつかあり、就職時に“○○資格の取得”が求められる可能性はありますが、保育士や幼稚園・小学校の教諭免許とは異なり、“絶対になくてはいけない”というものではないのです。ただし、モンテッソーリの教育法は、通常の“保育・教育”の勉強だけではなく専門的に学んだほうがよい部分もあるため、モンテッソーリ教育を行うプロになりたいと思ったときには、民間資格を取得するのがおすすめです。民間資格が受けられる機関日本で初めてモンテッソーリ教育の教師養成校を設立した公益財団法人才能開発教育研究財団/日本モンテッソーリ教育綜合研究所の「モンテッソーリ教育教師養成通信教育講座卒業資格」 モンテッソーリ教育 教師養成通信教育講座 | 公益財団法人 日本モンテッソーリ教育綜合研究所 国際モンテッソーリ協会公認の一般社団法人モンテッソーリ教育研究会で認定される「ディプロマ資格」 モンテッソーリ教育研究会 モンテッソーリ教育を受けられる場所日本では、モンテッソーリの教育法を取り入れている保育所・幼稚園・学校に通うことで、モンテッソーリ教育を受けることができます。保育所や幼稚園は、各地域にモンテッソーリ教育を取り入れているところがあり、近隣で探すと見つかることが多いですが、小学校になると数が少なくなるため、小学校でもモンテッソーリの教育法を受けさせたいと考えている方は、事前にしっかり調べておくことをおすすめします。小学生になると、アフタースクールや習い事として、モンテッソーリに触れるパターンもあるので、学校が見つからないときにはそちらも検討してみましょう。家庭でモンテッソーリ教育を行うコツ家庭でもモンテッソーリ教育を行うことはできます。その際は、“手を出しすぎない”ことを意識するのがコツです。モンテッソーリのもっとも大きな特徴が“自発性・自立”です。ついつい家庭だと、見守りきれずに手や口を出したくなってしまいますが、大人は援助をするのみ、“見守る”ことを常に意識して過ごすようにしましょう。また、モンテッソーリの教具は“おもちゃ”として販売されています。一度にすべてをそろえるのは大変なので、気になったものだけを取り入れてみるのもおすすめです。特に感覚教具や算数の教具は、モンテッソーリならではな特徴を感じられるものも多いため、最初の一歩として購入する物にピッタリです。「買ったのだからやって!」ではなく、家のなかに置いておき子どもが自然と手に取れるようにして、モンテッソーリの教育法の基本を押さえたうえで取り入れるようにしましょう。<参考> モンテッソーリ教育研究会 公益財団法人 才能開発教育研究財団 日本モンテッソーリ教育綜合研究所 モンテッソーリ学芸大学子どもの家オフィシャルサイト Mirai Kindergarten モンテッソーリ教育
2017年01月12日悩ましい子どもへの性教育。他の家庭ではどうしてるの?出典 : 発達障害児の子育て、特に多感な思春期の頃というのは、いろいろ苦労されている方も多いと思います。その中でも親として悩ましいことの1つは、性教育についてではないでしょうか。そもそも子どもたちは、自分たちの性についてどう考えているのでしょうか?先日、発達障害の親の会で性教育について話し合う機会がありました。そこでは、発達障害や知的障害のある子どもに対し、どうやって「自分の身を守ること」「人を傷つけないこと」を教えるか?ということが話題になりました。私たち親の世代は小学校5年生頃に男女別に分けられ、スライドや映画を視た後に先生からの話を聞く、というのが性教育でした。なんだか通り一遍の話で本当に知りたいことはわからないという感じ。それがきっかけで友達同士でコソコソと情報交換し合って、徐々にいろんな知識を得ていくというパターンが典型的なものでしたね。しかし、アスペルガー症候群の診断が出ている娘は小2から不登校で、中2の現在まで学校には通っていません。これでは性教育を受ける機会もありませんし、発達障害を持った子どもたちは、友達同士でそういう情報交換をするのが苦手な傾向にあるように思います。親の会ではいろいろな情報や体験談を聞くことができましたが、「こうしたらいい」という明確な答えは出ませんでした。娘は性について、どこまで知っているのだろう出典 : 我が家の場合、小4で娘にパソコンを与えたときに「これで性についても知ることになるだろうな」という覚悟がありました。自由にネットの世界を楽しんでほしかったのでフィルタリングもしませんでしたし、プライバシーを尊重するために娘が何を見ているかということには一切関知しませんでした。ただ、「ネットに書いてあることが本当とは限らない」「女の子は被害に遭いやすい存在である」「ネットの中の人の性別や年齢は信じてはいけない」ということは最初に言い聞かせ、もし不安なことがあればすぐに相談することを約束していました。娘は自由にいろいろな情報を取り入れているようで、性についても「ああ、ひと通りのことはわかっちゃったみたいだな…」ということは何となく日頃の会話で理解できました。だけど、生理が始まったときなどは信頼できるサイトの情報をプリントアウトして私から渡したりしましたし、直接手当てのアドバイスもしました。そうしているうちに、自分の身体の変化が気になるときは直接相談してくれるようになったのです。「フィルタリングについてどう思う?」とあるとき聞いたら、「どんなことでも信じちゃう子にはいいかもしれないね」と言ってました。なんか大人な意見ですね。娘に直撃インタビューしてみることに出典 : そうは言っても、娘に正しい情報を伝えるためにはきちんと性教育をする機会が必要だなと感じていました。「そうだ!直接本人に聞けばいいのでは?」とあるときふと思って、娘にインタビューしてみました。私「性教育って学校でやるんだよね」娘「行ってないから知らん」私「じゃあ、誰から教えてほしい?」娘「親だけは絶対に嫌。ママ、おばあちゃんと性について話したい?」私「それは嫌すぎるな。じゃあ誰ならいい?」娘「人からは嫌。ちゃんとした知識が書かれた本で、生々しくないデザインのやつを読みたい」私「それは本棚に並べておけばいいのかな?」娘「嫌。だってマンガ読もうかなぁと思って本棚を見たら性教育の本が並んでるなんて、エロ本が本棚に交じってるみたいだから。別の部屋にある本棚に入れておいてくれたら読むよ」私「トイレに置いておくっていうのは?」(そういう意見をどこかで読んだのです)娘「トイレしながらそんな本読むなんて嫌」親からそんな話を聞きたくないというのは想定内でしたが、性教育の本が娘の中ではエロ本扱いということにビックリしました。目につくところにおいてほしくない、ましてや読んでるところを人に見られるなんて言語道断という娘に、「思春期の子どもというのは好奇心と恥じらいが混じり、難しいものだな」と感じました。さまざまな誘惑や犯罪に巻き込まれないよう、私の経験から知ってほしいこと出典 : 私が娘に望むことは、●自分は唯一の大切な存在であると知ること●自分を傷つけるものに対しては「No!」と意思表示できることです。そう確信しているのには理由があります。同じアスペルガーと診断を受けている私は自己肯定感が低く、自分のことが大切な存在だと意識したことがありませんでした。そして性被害に遭っても、なかなか「自分はひどいことをされたのだ」と意識できず、「私の勘違いなのかな?」と思っていました。その場でとっさに逃げられなかったり、その後も「考え過ぎなのかな…」と自分の考え方のせいにしたりし、その結果フラッシュバックに悩まされるようになったからです。娘には、私と同じ苦しみを味わってほしくはありません。子どもが自分の身を自分で守れるように。CAPのススメ出典 : フラッシュバックに悩んだとき、私が受けたのがCAPというプログラムでした。その内容は、●自分の大切さを知る●自分を守るためのにはどうしたらいいのかを知るというものです。それまで「自分を尊重する」ということを知らなかった私ですが、プログラムを受講後は「私は尊重されていいんだ」ということを知りました。人にはそれぞれ人権があり、自分を犠牲にしてまで周囲のために頑張らなくてもいいんだということを理解できるようになったのです。CAPには知的障害を持った子どもたちのためのプログラムもあります。もし、私が子どもの頃にこのプログラムに出会っていたら、性被害に遭ってもすぐ大人に相談できたと思います。また、逃げるための実践的な訓練もあるので、防げていた被害もあるでしょう。娘にもいずれ、また全ての子どもたちにもぜひ体験して欲しいな、と思っています。子どもワークショップでは、最初に「権利」(基本的人権)について学びます。「生きるために絶対に必要なもの」と説明します。さらにその中でも特に大切な“子どもの特別に大切な3つの権利「Safe(安心)、Strong(自信)、Free(自由)」“について学びます。大切な自分を守るための行動の選択肢は、「No(イヤという)」「Go(その場を離れる)」「Tell(誰かに話す)」です。自分は大切な存在と思う感覚(人権意識)があってこそ、「いや」と感じることができ、自分を守るための行動を選ぶことができるのです。
2016年12月16日こんにちは。子育て研究所代表の佐藤理香です。教育業界では、これまでの教科的な教育を超えて、プログラミング教育や表現力を高める教育など、数々の新しい取り組みが始められています。最近では、幼児段階での取り組みも多くみられるようになりました。今回は“感性教育”についてお伝えしたいと思います。●感性教育とは?“感性教育”とは、明確な定義はありませんが、子どもの感性を育む教育のことです。“感性を育てる”とは、ものの感じ方を育てる ことです。感性そのものに正解や間違いはありません。『Nikon』が行った「こどもの感性教育に関する調査」では、興味深いことがわかりました。約9割以上のママが「感性教育は重要である」と考えている一方で、7割以上が「感性がどのように伸びるかを知らない」と回答しているのです。これは、感性が可視化できないために、教育方法が難しく、成長実感を得にくい ことと関連しています。特に、幼児は言語の力(話し言葉、書き言葉)がまだ乏しく、感じたことを絵や創作物で表現できるほど巧緻性(器用さ)が発達していません。そのため、子どもが瞬発的に感じたこと、直感で感じたことを表現するのが難しいのです。教育の分野では、感性の重要性が指摘されるものの、伸ばし方は課題のひとつになっています。●感性の伸ばし方子どもの感性を伸ばすためにおススメの方法を3つご紹介します。●(1)五感で季節を感じる五感とは、視覚、触覚、味覚、聴覚、嗅覚です。これは経験したことに起因するため、一気に育てようと思ってもなかなか難しい感覚です。日々の生活の中でも、ちょっとしたことで感性は育ちます。四季折々に、自宅の周囲でも景色が変わります。「夏に緑だった葉っぱが今は黄色だね。この後、どんな色になるかな?」「あんなに暑かったのに、今は寒くてほっぺが赤くなるね」など、親が感じたことを子どもに声掛けしてみましょう。子どもも素直にいろいろと感じてくれますよ。●(2)生き物や植物を育てる生死を教えることは難しく、子ども自身が参加してみて初めて気づくことも多いです。おススメなのが、生き物や植物を育てること。マンションなどの住宅事情もありますので、必ずしも大きな生き物でなくてもいいのです。例えば公園で見つけたダンゴ虫を飼ってみる、ヒヤシンスを育ててみるなど、ちょっとした工夫で子どもの感性を伸ばすことができます。筆者の例として、金魚すくいでとった金魚を飼っていました。子どもは図鑑で調べ、一生懸命に世話をしていましたが、ほどなく死んでしまいました。もちろん大泣きで、お別れの言葉まで述べて、お墓を作り埋めました。悲しい現実ではありますが、命と対峙する というかけがえのない経験と感性を育めたと思います。●(3)一緒に食事を作る子どもが2歳くらいになると、ちぎる、割く、こねるなどの作業ができるようになります。徐々に包丁などの道具も使えるようになるので、親子で一緒に食事を作るのも効果的です。食材の色や形、切り口、感触に味、調理したときに変わっていく形や色。味の変化はまるで実験だと思います。合わせて、食材の生産などにも触れれば、子どもは一段上のものの感じ方を身につけると思います。----------幼児の感性を可視化するのは難しいとお伝えしました。最後に、筆者がやっている方法のひとつをご紹介します。筆者は子どもにお古のカメラを持たせて、好きなように撮影させています。子ども自身が撮影を通して、発見や感動を写真として記録できます。カメラを近づけたり離したりと好きなように操って、あちこち動き回り、新たな発見を促すこともできます。カメラは、子どもが五感で感じた好奇心や感動の瞬間を表出させる一つの手だて として有効です。親としても、子どもが感じている視点を写真として確認でき、アドバイスをしたり、認めたりして感性の成長に繋がります。何よりも、このようなコミュニケーションが、子どもの社会性を育み、感性の成長を後押しするのかもしれませんね。【参考リンク】・ニコンイメージングジャパン、「こどもの教育に関する意識調査」を発表 こどもの育て方について「感性」を重視する母親は73.5% | 株式会社ニコンイメージングジャパン()●ライター/佐藤理香(株)●モデル/藤本順子(風悟くん)、ココア
2016年11月24日子育て中、頭を悩ませてしまうのが「性」の話題ではないでしょうか。何気なく聞かれた質問にどう答えればうまく伝わるのか、一瞬言葉につまってしまった経験は誰しもあるかもしれません。そこで今回は 絵本ナビ 協力のもと、子どもでも分かりやすい性にまつわる絵本を集めてみました。おちんちんのえほん作:やまもとなおひで/絵:佐藤 真紀子/出版社:ポプラ社 「おちんちんのえほん」(絵本ナビ紹介ページ) 性にまつわる単語を、子どもはおふざけに扱ってしまいがち。この絵本は、表紙を見て「おもしろそう!」と手にした子に、男女による性の違いや排泄のこと、性犯罪や成長に伴う体の変化など幅広い知識を授けてくれます。ごまかさず、照れることなく子ども目線で疑問を解決してくれる、幼児向け性教育の良作です。ぼくどこからきたの?作:ピーター・メイル/絵:アーサー・ロビンス/訳:谷川 俊太郎/出版社:河出書房新社 「ぼくどこからきたの?」(絵本ナビ紹介ページ) 「赤ちゃんはどうやって生まれるの?」1度はこの疑問を投げかけられたことのあるママも多いはず。この問いかけに、楽しいイラストと的確な言葉で応えてくれるのがこちらの絵本。子どもたち自身に「どこからきたと思う?」と先に考えさせることで、その後の説明がすんなりと心に残ります。時にはユーモアを交えながら赤ちゃんの誕生を学べる一冊。あかちゃんはどこから?作:ローズマリー・ストーンズ/絵:ニック・シャラット/訳:やまもとなおひで/出版社:ポプラ社 「あかちゃんはどこから?」(絵本ナビ紹介ページ) あたたかい語り口のこの絵本では、男女の体が違うことに意味があることを教えてくれます。親の持つ「ありのままをありのままに伝えたい」という思いに応え、寄り添ってくれる一冊。赤ちゃんはどうやってできて、どうやって生まれてくるのか。親にごまかされてしまった自身の経験から「自分の子には本当のことを伝えたい!」というママにもおすすめです。 おんなのこってなあに? おとこのこってなあに?作・絵:ステファニー・ワックスマン/訳:山本 直英/出版社:福音館書店 「おんなのこってなあに? おとこのこってなあに?」(絵本ナビ紹介ページ) 男の子、女の子。違うところは何でしょうか。好きな遊び? 好きな色? 好きなこと? 実は、違うのは「体のつくりだけ」。この絵本では性だけじゃなく、個性を認めあう大切さを知ることができます。いろんな国の子どもたちが写真で登場し「この子は男の子? それとも女の子?」と言い合いながら読み進めていくと、最後には大人の男女の姿。「偏見を持たず、お互いを知って大切にしあうことが大事」と、大人にも気付きのある名作です。性の絵本(全5冊)編著:山本 直英 高柳 美知子 安達 倭雅子/絵:木原 千春/出版社:大月書店 「性の絵本(全5冊)」(絵本ナビ紹介ページ) 全5巻がセットになった、小学生中学年~中学生向きの性の絵本。「生きるってどういうこと?」「子どもから大人へ生きる」「女と男、ともに生きる」「なぜ、こんなことして生きているの?」 「生きていくからききたいこと」にテーマが分けられ、性についての科学的な知識をまっすぐに伝え、「生きる」ことを前提に性を学ぶという視点で編集されています。年齢にそって、子どもたちにアプローチしたい絵本です。情報の渦の中で生きる時代だからこそ、正しい知識を教える機会を設けるのは大切なこと。タブーにするのではなく、疑問を口にしやすい雰囲気づくりも性の理解への第一歩となっているのかもしれません。 データ協力: 絵本ナビ
2016年11月10日グローバル化が進む昨今、教育にも「国際化」をのぞむ家庭が増えています。語学はもちろん、相手を尊重し、柔軟な考え方ができるコミュニケーション能力の高い子に育てたい。そんな風に考えるママを中心に注目されているのが3歳から19歳までの生徒を対象にした「国際バカロレア」という教育プログラムです。文部科学省も「国際バカロレア」の普及・拡大を推進しています。2018年までに、国内における国際バカロレア認定校を200校までに増加させる取りくみが進められているのだとか。国際バカロレアって、一体どんな教育なのでしょうか?■「国際バカロレア」が提唱する人物像国際バカロレア(IB : International Baccalaureate)は、本部をジュネーブに置く、国際バカロレア機構が提供する教育プログラムです。国際バカロレア教育のいちばんの目的は「多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探求心、知識、思いやりに富んだ若者を育成する」こと。そして、人が持つ違いを「違い」として理解し、自分と異なる考えの人々にも、それぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人を育成することだそうです。具体的には、「IBの学習者像」として、以下の10の人物像が挙げられています。・探求する人・知識のある人・考える人・コミュニケーションができる人・信念をもつ人・心を開く人・思いやりのある人・挑戦する人・バランスのとれた人・振り返りができる人出典:文部科学省/国際バカロレアについて また、年齢に応じたプログラムが組まれています。・プライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP)3歳~12歳を対象。初等教育。・ミドル・イヤーズ・プログラム(MYP)11歳~16歳を対象。中等教育。・ディプロマ・プログラム(DP)16歳~19歳を対象。大学入試を目的としたもの。・キャリア関連プログラム(CP)16歳~19歳を対象。専門学校への進学や就職を目的としたもの。IB認定校で「ディプロマ・プログラム」を取得すると、世界の大学の受験資格を得られるというメリットもあるのだそうです。日本でも、IBの成績を入試に取り入れる大学が増えているのだとか。■自主的な学習を最重要視する「国際バカロレア」ディプロマ・プログラムには、「コア」といわれる「課題論文(EE)」、「知の理論(TOK)」「創造性・活動・奉仕(CAS)」の3つの必修要件があり、普通の科目と並行して履修します。TOKは批判的思考などを養うための授業のため、毎回ディスカッションが行われるそうです。先生が一方的に知識をたたきこむのではなく、自分たちで考え、取りくみ、自主的に行動することを重要視しているのです。また、それぞれのカリキュラムは、地域のニーズや文化的状況にも合わせて編成するようになっているようです。認定校の初等部のカリキュラムを見てみると、国語、算数、理科、社会…と、一般の小学校とほぼ同じ教科が並んでいます。しかし、授業は外国人教員と日本人教員がどちらもいる状況で行われ、すべての教科において英語習得の機会となるため、初等部6年間のあいだに英語で自分の考えをディベートできるようになります。インターネットの普及やその技術向上により、海外留学する人は年々減っているそうです。その一方で、世界がぐっと近くなり、国際的な視野が求められているのはいうまでもない事実。国際バカロレア認定校は、玉川学園、東京学芸大学付属国際中等教育学校、東京都立国際高等など、全国に39校あります(2016年11月現在)。正直、入学金や授業料が高額の学校もあります。しかし、留学と比べれば…ですし、安全な日本で国際的な教育が受けられることを考えると、検討してみる価値はありそうです。(参考)・ 文部科学省/国際バカロレアについて
2016年11月04日日本のような塾文化がないアメリカ。成績をあげることや苦手な分野を克服するため塾に通う日本と異なり、アメリカでは得意分野をとことん伸ばす教育が浸透しています。そのひとつがTutor(チューター)と呼ばれる家庭教師。得意分野の専門家を見つけて学ぶ、個性を大事にする国ならではの教育法を紹介します。■習いごとは子どもの得意分野を見つけるため子どもが小さなうちから、さまざまな分野の習い事をさせる親が多いのは日本もアメリカも同じ。習い事に対してアメリカの親がいちばん大事にしているのは、子どもがレッスンを楽しめているかどうか。子どもの得意分野を見つけて才能を伸ばしてあげたいから、無理強いはしません。というのも、アメリカでは新しい習い事を始めて少しすると、やめてしまう子がわりと多くいます。始めてみたけれど向いていない、嫌いになった、無理だと思ったら、あっさりやめます。子どもが泣いて抵抗してもイヤイヤ言っても、子どものためを思って続けさせるというスパルタ志向は見あたりません。■アメリカの家庭教師事情アメリカでは勉強だけでなく、音楽や語学などもチューターに個別指導してもらいます。最近、人気があるのはMath(算数)やコンピュータ、語学のクラス。チューターの紹介は、タウン誌や口コミが多く、ローカルな情報が役立ちます。アメリカでは塾のような大規模スクールがあまりないため、自宅やチューターの家といった個人的な場所で学ぶことが多くなります。知り合いの30代夫婦は、息子のイーサン君(7歳)がコンピュータにとても興味を示していたので、週1回自宅でコンピュータグラフィックス(CG)をチューターから習っています。サンフランシスコ周辺ではIT企業が多いため、コンピュータのチューターが人気。イーサン君はゲームのようにブロックを組み立ていくような遊び感覚のレッスンですが、キーボード使いがすでに大人なみだとか。ちなみに月謝は240ドル(日本円で約2万5千円)。それでもイーサン君がとても楽しんでいるので、両親は大満足だそうです。■才能だけじゃない! 楽しむことが最優先遠回しな表現を好まないアメリカ。親が意見を求めたときも、チューターから「お子さんは〇〇には向いていません」とはっきり言われることも珍しくありません。チューターにそう言われたとしても子どもが楽しんでいるようであれば、親は「才能を伸ばす」ことにこだわらず、続けさせます。なぜなら楽しめる趣味があるのも、個性には大事なことだから。何よりも子どもの自信につながります。習い事ブームは日本と共通でも、アメリカでは、子どもがやる気が失せてしまったときはスッパリやめて、別の道に進ませます。じつは、これが得意分野を見つける近道となっているかもしれません。アメリカでは子ども自身が将来の目標を意識することが早いように感じます。中学生までに得意なこと、好きなことがはっきりしていると、高校では自分が関心のあるプロジェクトやクラスを選択することができます。習い事を楽しみながら、将来に生かせる能力を身につけることができたらいいですね。
2016年10月19日(Photo by Flickr)今、海外を中心に「さまざまな性」をテーマにした絵本が増えている。 幼い頃、誰もが読み親しんだ絵本。 そんな絵本を通して、子どもや大人に「性」を考える機会を作る試みを追った。 性的マイノリティへの理解が課題の現代社会(Photo by Flickr)昨年ある大学生が、自分が同性愛者であると友人にばらされる「アウティング」を苦に、自殺したという悲しい事件が日本で起きていたと分かった。 今年に入り裁判に発展し、友人たちが「同性愛者は生理的に受け付けない」という類の発言をしていたことや、大学側の対応の実情が明らかになった。 同性愛者のカミングアウトの難しさ、アウティングによる精神的苦痛が浮き彫りになり、ネット上では議論が起きている。 このように、日本ではまだ性的マイノリティの人々の存在が「当たり前」として受け入れられていない。 大学生のような若い世代においてさえもこの現状である。 その原因の一つに、テレビなどのマスコミやインターネットで性的マイノリティの人々を「イジる」風潮が根強く残っているという点があるのではないだろうか。 それを当たり前のものとして受け入れてしまえば、その風潮が普通だという認識のまま、大人になってしまうのも無理はない。 日本だけでなく、世界でもLGBTQだという理由で、人々がいじめや偏見の対象になってしまうような理解の薄い地域は沢山ある。 世界で注目される「性についての絵本」で、幼いころから性を知ろう(Photo by Flickr)しかし今、日本や世界の出版業界で、「絵本」でこの現状を打破しようという動きがある。 そのうちのいくつかをご紹介しよう。(Photo by Amazon)今年4月に、子供向けの「性」について知る児童書、『いろいろな性、いろいろな生きかた』が出版された。 全3巻で、多様なセクシュアリティの現状や悩み、すべての人が生きやすい社会について訴えている。(Photo by Amazon)邦訳版も出版されているオランダの絵本『王さまと王さま』は、お姫様に興味を示さない王さまが、花嫁候補の付き添いでやってきた王子に恋をする物語だ。 「王さま同士が結ばれるおとぎ話もあっていい」というメッセージが伝わってくる。(Photo by goodreads)LGBTへの関心が高い北欧スウェーデンで出版されている絵本『Blompojken(お花の男の子)』。 この作品の主人公はスカートを履き、花冠をつけた男の子だ。 周囲から「ヘンだ」「強く、たくましくなれ」といわれる男の子を、「ありのままのあなたですてきなんだよ」というメッセージが優しく包む。 こうした絵本を通じて子どもの頃から性の多様さを知るのは、「いろいろな人がいて当たり前」という考えを持つ上でとても大切なことだ。 さらに、現に自分の性に悩みを抱えていたり、いじめの標的になっていたりする子どもたちの心の支えにもなるのではないだろうか。 まだ間に合う。大人が読んでも遅くはない(Photo by Flickr)絵本は決して子どもたちだけの物ではない。 子どもに伝わるように言葉を選んで書かれた文やイラストだからこそ、大人の心にダイレクトに刺さるメッセージがある。 「多様なセクシュアリティ」という大きなテーマを私たち大人がどのように知り、受け入れ、伝えていくべきなのか、その一つのツールとして、絵本があってもいいのではないだろうか。 日本ではまだ出版数の少ないLGBTQについて描かれた絵本だが、多様性への理解が問われる現代において、その需要は増していくだろう。 via. Huffingtonpost,産経ニュース,BUZZFEED この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!「結婚」も「性別」もない時代 「ゴールデンウィークをレインボーウィークに!」初夏を感じさせるような日々がつづく東京。連休に合わせて「Tokyo Rainbow Pride2015」が開催中された... ーBe inspired!Texted by Minori Okigaki
2016年08月24日●連載の目次は こちら から●「小学校受験って、どうなの?」特集も今回は最終回。早期英才教育は有効なの? という素朴な疑問を、幼児教育研究所柊会(ひいらぎかい)代表の浅木真里さんにぶつけてみた。■早期英才教育は有効なのか?「お友だちが文字を書けるようになった」「英語教室に通い始めた」そんな話を聞くと、「うちも何かしなきゃ!」と気持ちは急く。育脳やバイリンガル、早期英才教育といった言葉にも、無関心ではいられない。そこで、「早期英才教育は有効なの?」という素朴な疑問を、浅木さんにぶつけてみた。「私の回答としましては、『子どもへの接し方が好ましいものであれば有効。好ましくなければ、やらないほうが良い』ということです。お子さまが嫌々やるのであれば、早期教育は百害あって一利なしだと考えています」難関私立中学受験指導をしていた(1本目にリンク貼る)という経歴から、小学校受験が苦い経験となり、学業でつまづいてしまった生徒を数多く見てきたからこその思いなのだろう。■焦らないほうが、良い結果が出ている今回の取材を通じて、浅木さんがとても強調していたことは、「どうか、お母さま方、焦らないで欲しい」ということ。この記事を書いている私は息子の中学受験を体験したことがあるが、受験準備中は、「志望校に合格しないと、この子は(私は)、その先、どうなってしまうのだろう?」という気持ちになりがち。それが「合格しなければ!」となり、準備が思うように進まないと、「何かしなければ!」という、やみくもな焦燥感に繋がり、子どもをせっついてしまう。「すんなり合格を手にするお子さまなど、1人もいません。志望校に合格した先輩を見て、『志望校に合格して、うらやましい』と思われるかもしれませんが、そんな方でも必ず、苦しい時期を過ごされています。『焦らないで欲しい』と申し上げても、焦ってしまうお気持ちは、現場にいればよくわかります。けれども、私の経験から鑑みても、焦らないほうが、良い結果が出ていることが多いのです」(浅井さん)小学校受験は、対策期間は平均して1年~2年。親や指導者に怒られないために努力することで、何とか志望校には合格をする。けれども、そういった子どもたちのその後の学校生活は、苦しいものになりがちだそう。 ■大切なのは心の安定と自己肯定感「すべての学年のお子さまを見てきて、真に思うことは、大切なのは心の安定と自己肯定感です」(浅木さん)親の焦燥感から、嫌がっているにも関わらずに無理に課題をこなすことを強いられ、、何とか合格を手にしても、子どもの心には大きな傷が残る。不合格だったらなおさらだ。それが、子どもが自己肯定感を持てない原因になってしまうこともよくあることだという。思春期に入っても自己肯定感が不足し、心が安定していない子どもは、成績が上がるまでに本当に時間がかかる。また学年が上がるほど、親も焦りを感じてしまい、子どもの心が満たされ自主的に努力するようになるまで待つことができないし、親子関係の立て直しも難しくなる。「そうならないために、幼少期に健全な親子関係を育んで欲しい、そのためにお子さまに接するお母さまのサポートにも力をいれております」(浅木さん)■子どもの人生を長い目で考えてみて欲しい「つい子どもを叱り過ぎてしまうママに伝えたいこと」(リンク貼る)でも記事にしたが、現代は子育ての負荷がママに集中してしまい、追いつめられた気分になりやすい。だからこそ、私たちは「そういう時代に子育てをしている」ということを、きちんと意識する必要がある。小学校受験をするとなると、ママ、あるいはパパたちは、「私が頑張らなければ!」とより一層、自分を追い込んでしまうこともあるだろう。私自身、「中学受験ママ」をやっているが、悲しいかな、すぐにテンパってしまう。最近、そんなときは浅木さんが取材で話してくれたことを思い出すようにしている。「小学校受験で花開く子もいれば、中学校受験や高校受験で花開く子もいます。子どものモチベーションを含めた適切なサポートができるよう、どうか子どもの人生を長い目で考えてみてあげてください。そして、焦ってしまうということは、それだけ真剣にお子様のことを考えていること。立派に母親業をこなしている自分をまずは認めてあげてください」受験は、親子にとってひとつの試練。でも、それを乗り越えた先には大輪の花が咲くと信じて、ゆったりと構えていられる親でありたいものだ。今回取材を受けてくださった浅木真里さんの著書『 名門小学校受験 合格する「家族力」 (浅木真理・著/エール出版社)』●浅木真里1981年、東京都生まれ。関西学院大学総合政策学部卒業。灘、ラ・サールなどの難関中学、医学部受験指導を行う学習塾の設立に携わる。名古屋在住時より、慶応幼稚舎、早実、雙葉、暁星小学校などの難関校への圧倒的な指導力の高さから指導依頼が絶えず、東京で小学受験指導を行う。その後、幼少期の母子関係の重要性を痛感し、幼児教育研究所柊会を文京区に設立。
2016年07月27日投資教育先進国といわれるアメリカでは、子どものころからお金について学ぶ機会が多いのをご存じでしょうか。 幼稚園から高校までの義務教育でお金にまつわることを学習するのはあたりまえ。お金にシビアなアメリカならではの、子どものマネー教育について紹介します。■ローン大国アメリカアメリカ人はお金にシビアだといわれます。それはクレジットカード、ローン大国であることが影響しています。健康保険や医療費もほかの国と比べてかなり高額。個人がしっかりファイナンシャルプランを身につけていないと簡単に破産してしまう社会です。厳しい社会のなかで財産を得て資本主義社会のなかで勝ち残っていくために、投資に関する知識を深める人も多いのです。そんななか、幼稚園から子どもの年齢に応じてお金に関する教育が行われています。親からお金を増やすための株式投資などの知識を得るケースもめずらしくありません。■日本でマネー教育をしない理由一方、日本では、子どもがお金の話をするのはあまりよくないという風潮があります。株式投資はリスクのあることだと敬遠する人も多く、なかなか学ぶ機会がないのが現状です。考えられる理由としては、貯金文化が定着していることがあげられます。堅実にコツコツためる、まじめな日本人の気質ともいえるでしょう。■おこづかい制のメリットみなさんは子どもにお金を管理させていますか? 将来の金銭感覚を養っておくためにも、早めにお金に関する知識を身につけることが大事です。さまざまな考え方があるものの、たとえば、定期的におこづかいをあげることで、子どもは自分のお金を管理し、計画的に使うことを学べます。おこづかい制にするか悩んでいる方は検討してみてください。また、お手伝いの報酬としてお金をあげるのも方法のひとつです。自分の労働によってお金を得ることができ、何もしなければお金を得られないという仕組みを学べます。お金を計画的に使う感覚は、将来役に立ちます。子どもが大きくなったら、家庭の予算立てに参加させてみるといいかもしれません。
2016年07月16日子どもを授かると、親としていちばん最初に考えるのが「教育費の準備」ですよね。できる範囲で希望の教育を受けさせてあげたい。親ならば誰もが思います。そこで最初に検討されるのは「学資保険」ではないでしょうか?学資保険は、いろいろある生命保険のなかでは、比較的好印象な保険ではないかと思います。しかし、この学資保険、本当に教育費の準備になるのでしょうか?なぜ日本人が学資保険に対して好印象なのかといえば、学資保険が積立代わりだと思っているからでしょう。■学資保険でいくら戻ってくるのか計算すべしその昔、郵便局で学資保険に入ると、満期の時に倍ぐらいになって戻ってきた時代がありました。インフレ率等を考えてきても相当な戻り率です(そのぶん住宅ローン金利も高かったので、差し引きしてどれくらい恩恵を受けている人がいるかは微妙ですが)。そのイメージがついてはなれないのか、「学資保険は得だ」と思ってしまうようです。しかし実は、ご相談に見える方の実の70%以上は、得にならない学資保険に入っているといったら、みなさん驚かれるのではないでしょうか。もしすでに学資保険に加入しているのであれば、一度計算してみてください。「いくら払って」「いくらの満期で戻ってくるのか」を。210万円払って、200万円の満期なんてケースは結構あります。なかには、払った以上に戻ってこないことをわかった上で加入している人もいるかもしれません。そんな人は決まって、「保険がついているから仕方がない」なんていい方をします。たしかに、学資保険・こども保険という名称の保険のなかに、育英年金などの保険機能がついているものもあります。学資保険払込中に契約者(ほとんどのケースで父親)が死亡した場合に遺族に教育費の援助ということで育英年金が支払われるという内容です。内容の話を聞くと、とってもいいような気がします。しかし、よーく考えてください。なぜなら、教育費等必要な保障額は、ご主人の生命保険できっちり計算してリスクヘッジさせてあるはずです。■200万円もらえる学資保険じゃないとダメつまり、わざわざ学資保険でプラスしてその部分にお金を払う必要はないはずなのです。その他に、子どもの医療保険がついていることを理由にあげられる方が多いのですが、それもいかがなものでしょうか?乳幼児医療制度が整っている今、ある一定の年齢まで、医療費は無料です。自治体によって違いますが、長いところですと中学校卒業するまで、医療費無料なんていう自治体もあるほどです。そのなかで、どれだけの保険料をそこに払うのが適当なのか、考える必要がありそうです。学資保険は、純粋の貯蓄であるべきではないかと思います。180万円ぐらいの払い込みで200万円の満期がもらえる。最低でもこれくらいでないと、月々積立預金をしたほうがマシなことになってしまうのではないでしょうか?現段階で、払ったより戻ってくる金額が少ない学資保険に入っている方は、がっかりしてしまったかもしれません。でも、あきらめずに、計算することをお勧めします。現在加入中の学資保険を解約すると、いくら損をするのか。そのことについて計算するのです。ほとんどのケースで保険の途中解約は損が出ます。しかし、いまやめた損のほうが、満期まで払い続けたときの損にくらべて少ない場合は、思い切って解約をすることをお勧めします。その上で、貯蓄性の高い学資保険に入りなおして損が少しでも埋まるのであれば、入りなおしを検討してみてもいいのかもしれません。(文/ファイナンシャルプランナー・岡崎充輝)
2016年07月05日小中学校での教育内容が、いわゆる“ゆとり教育”として行われたのが2002〜2010年度。この教育を受けた世代を広く“ゆとり世代”と呼びますが、いろいろな面で批判の対象とされることが多いのはみなさんもご存知の通りです。学力だけにとどまらず、「ゆとりだから……」という言葉で人間性まで否定されかねないこの問題。今回はパピマミ読者の皆さんに「ゆとり教育で問題だったと思うこと」 についてアンケートを実施しましたので、その結果を発表したいと思います。同時に行った『ゆとり教育で評価できたところは?』というアンケートでは、「デメリットしかなかった」という回答が半数近くを占めたようですが、いったい何が問題と感じられているのでしょうか。●ゆとり教育で問題だったと思うことは?・1位:学力の低下……23%(23人)・2位:競争意識の低下……19%(19人)・3位:コミュニケーション能力の低下……16%(16人)・4位:とくに問題はなかったと思う……13%(13人)・5位:自主性の低下……11%(11人)・同率6位:精神年齢の低下……10%(10人)・同率6位:協調性の低下……10%(10人)※有効回答者数:102人/集計期間:2016年6月20日〜2016年6月21日(パピマミ調べ)●「学力の低下」がトップという結果に『ゆとり教育中に行われた学習調査では、日本の順位が下がってましたよね。勉強なんてやったぶんだけ伸びるんだから、学習時間が減ればそういう結果になるのは当然のことでしょう』(40代パパ)『思考力を鍛えるための学習を増やすといっても、それらしい成果があったとは思えませんね。大学受験なんかも結局は暗記勝負じゃないですか。遠回りしただけのように思えます』(30代ママ)最も問題だったと感じられているのは、やはり学習面。OECDが行っている生徒の学習到達度調査では、ゆとり教育中の日本の点数低下が顕著となり、教育の見直しに着手するきっかけともなりました。知識を暗記する詰め込み型の教育から脱却するためのゆとり教育で、“総合的な学習”などの思考力を付けるための教育が推進されたものの、目に見える結果が出たとは言いづらい でしょう。脱ゆとり教育を果たした現在の教科書は、当時より4割ほど分厚くなっていると言われています。●次いで「競争意識の低下」がランクイン『運動会の徒競走で、手をつないでゴールすることがあるなんて本当なんですかね?いくらみんな平等にって言ったって、さすがにそれはやりすぎだと思いますよ』(40代パパ)『何でもかんでも優劣をつければいいってもんじゃないけど、競い合うことを良しとしない環境では、育たなくなるものもあるのかもしれませんね』(20代ママ)実際にゆとり教育を受けた20代の人たちからも、競争意識の低下を招いたことに対する批判が聞かれました。人と競い合うからこそ生まれる、「悔しい!」や「勝ちたい!」という強い気持ちは、ゆとり教育の中では育ちにくいと言えるかもしれません。さらに、競争意識がないことから「覇気がない」と思われる ことも多いようですが、決して不真面目というわけではなく、自分のやるべきことを黙々とこなすことができる特徴を持ちます。●コミュニケーション能力にまで影響『話題が合わないっていうだけじゃなく、人と交流することを避けているような印象があります。四六時中スマホを見て、人と会話する楽しさを知らないんじゃないかと思いますね』(40代ママ)『ゆとりってのは、勉強だけじゃなくて会話もできなくなっちゃったのかね。毎年新入社員が入ってくるけど、声は小さいし何言ってるのかわからない。会社の飲み会を断るやつなんて見たのは、最近になってからだよ』(50代パパ)新入社員と上司が噛み合わない“ゆとりエピソード”を聞くことは、珍しいものではなくなりました。プロセスを重視する教育を受けてきたことから、頑張ったことよりも結果が求められる仕事の場 では認められづらいこともあるようです。この他、怒られ慣れていなかったり、積極性に乏しかったりすることで、対人関係が苦手だと感じさせてしまうこともあります。仕事よりもプライベートを優先させ、会社の人間とは距離を保とう とするのもゆとり世代の特徴と言えます。----------いかがでしたか?実際に、ゆとり世代と言われる人たちの上の世代からすると、信じられないような価値観を持った若者に遭遇することもあるかもしれません。しかし、それは柔軟な思考によって生まれた新たな考え方というだけで、批判されることなのかは疑問でもあります。お互いの違いを認め合い、それぞれの良さを高め合っていくような関係を築くことが最適と言えるのではないでしょうか。【参考リンク】・【アンケート結果(1位〜6位)】ゆとり教育で問題だったと思うことは?()●文/パピマミ編集部
2016年06月26日こんにちは、ライターの渦マキです。近年、耳にするようになったフィンランドの教育“フィンランド・メソッド” 。どのような内容なのか、そして日本の教育現場においてフィンランドを見習うことはできるのかを考えてみたいと思います。●2000年に入って注目されはじめたフィンランドの教育2000年に入って、『OECD(経済協力開発機構)』の学習到達度調査『PISA』でフィンランドが上位に入ったことを機に、“フィンランド・メソッド”と呼ばれるようになり、フィンランドは教育先進国 として注目されるようになりました。しかしながら、実際のところフィンランドにおいては、“フィンランド・メソッド”という教育法は存在しません。『PISA』の結果に衝撃を受けた教育関係者たちがそのように呼び始めただけのようです。●フィンランド教育で注目すべき点●(1)国をあげての教育制度の改革「今、不況の中で一番投資が必要なものは子どもの教育である」という意見の教育大臣指揮のもと、教育改革が始められました。そこには企業への投資よりも、これから成長して行く子どもたちへの投資が最も有効だ という理念があります。授業料が小学校から大学まで無料だそうです。●(2)学校の順位付けがない(学校間のレベルの差がない)フィンランドの基礎学校は、6年間の初等教育と3年間の中等教育の9年一貫制 。卒業後は全員が進学資格をもっています。卒業後は、入学試験などは行わずに後期中等教育(高校か職業専門校)に進むことができます。基礎学校での評価で学校が決められます。また、学校に格差がない ので、子どもたちは大抵は地元の学校に通います。さらに、地域の格差ができにくい環境作りがされています。成績が本意ではなかった場合、10年生として無料で教育を受けることができます。●(3)教師の質が高い日本のように大学の教育学部を卒業し、教育職員検定に合格した者が教師になれるといったものではありません。大学で専門教科を学び、その後教師用のトレーニングを受け、特定の修士号を取得しなければ教師にはなれません。教師になったら、教材や授業のカリキュラムを独自に作るということも全て任され、教科書も教師が選ぶという徹底ぶりです。教師への全幅の信頼がなければ、こうした権利は与えられないのではないでしょうか。●(4)学習に遅れが生じる子どもは授業の前後で補習を行う教え合ったり、話し合ったりすることで子どもたちに協調性を育ませる。クラスの学習についていけない子どもに関しては、授業が始まる前後に補習で補います。教師の采配でフレキシブルにクラスを能力によってグループ分けして授業をすすめていきます。たとえば読み書きが苦手な子どもたちを教師だけではなく、それを得意とする子どもたちにも協力してもらって同じレベルに伸ばしていきます。クラスも少人数制です。子どもたちの協調性も培います。●日本でフィンランド式教育法は有効か日本でフィンランドの教育体制を見習い、同じように変えて行くことはできるのでしょうか?フィンランドの教育では、学習は大切なもの。しかし、その前に人間としての成長が最も大切なことだと社会全体が認識しています。それには子どもに十分な“遊び時間” を与えることが重要だと考えられています。日本における学歴社会では、学校での勉強時間の他にも塾などで子どもの自由時間は減って行くことになります。「いい大学を出て、いい会社に入社する」といった学歴信仰が子どもにとって本当に幸せなのかをよく考え直してみる時期なのかもしれません。現在の日本の社会を考えてみると、フィンランドのような教育体制を目指すことは今は難しいかもしれませんね。日本も国をあげて子どもの教育に投資していかなければ、将来国家全体に関わってくるという認識が求められます。【参考文献】・『フィンランドの教育力ーなぜ、PISAで学力世界一になったのか』リッカ・パッカラ(著)●ライター/渦マキ(フリーライター)
2016年06月16日楽天銀行は4月1日、「楽天銀行教育ローン」の提携大学として、新たに早稲田大学を追加した。○優遇金利で教育ローンが利用できる楽天銀行が提供する「楽天銀行教育ローン」は、提携大学に優遇金利を設定している。このたび、新たに早稲田大学が提携校となり、同大学に入学を予定している人または在学生が優遇金利の対象となる。なお、早稲田大学の関連校として、早稲田大学高等学院、早稲田大学本庄高等学院、早稲田大学高等学院中学部、早稲田大学芸術学校についても優遇金利を設定。提携大学は、東京理科大学、明治大学(在校生のみ)、日本大学芸術学部などがあり、早稲田大学で24校目となる。楽天銀行によると「提携大学の優遇金利の数値は開示していないが、提携大学以外の教育ローンの金利は、4月4日現在、固定で年3.900%、変動で年3.250%。提携校はこの数値よりは低くなる」とコメントしている。「楽天銀行教育ローン」の申し込みは、楽天銀行ホームページの申し込みフォームから入力する形式となっている。必要書類はスマートフォンのカメラで撮影し、「楽天銀行アプリ」で送付。申し込みから最短で翌営業日に融資する。
2016年04月04日女性は結婚をして子どもを産み育てるもの…。と思っているのなら、それは自分で自分の可能性を狭めているかもしれません。ライフスタイルが多様化している現在、結婚せずに一生独身を貫く人もいれば、結婚はしても週末婚や別居婚など、新たな夫婦のカタチを選択する人もいます。一番大切なのは自分らしい人生を歩み続けること。子どもを産まずに夫婦仲よく過ごしていきたいと思っているなら、それはそれでひとつの人生です。■DINKS(ディンクス)って?DINKS(ディンクス)とは、Dual Income No Kidsの略。子どもをもたない夫婦の関係をいいます。もはや女性の幸せ=結婚や子どもとは言い難い時代。女性でも起業をしたり、個人事業主として働いたりと、男性に負けないくらい社会で活躍している人たちも増えてきています。きっとその中には、子どもを産まない代わりに、今以上にキャリアを充実させていきたいと考えている人もいるでしょう。ただ実際に、子どもを産まないと決断するのは、計り知れないほど勇気のいること。「私は産みません!」と決めつける前に、メリット・デメリットについて知っておいたほうがいいかもしれません。■DINKS(ディンクス)のメリットDINKSの最大のメリットは、子どもをもたない分、自由に過ごせるという点です。たとえばもともとキャリア志向が強く、たとえ休暇中でも頭の中はビジネスのことばかり…というタイプの女性にとってはDINKSを選ぶメリットはあるでしょう。そして、夫だけなく、自分もそれなりに稼いでいて、なおかつ子どもがいなければ、十分すぎるくらいの世帯年収と貯金額になっていくはずです。常に自分自身を成長させたいと思っているなら、仕事だけでなく趣味にもお金を費やすことができます。あるいは、ネイルやエステ、美容院、スパなど、オンナを磨くうえで必要なものにもお金をかけられます。夫婦仲良く自由に過ごせるうえに経済的な余裕がもてるとなると、DINKSという道も候補としては検討しておきたいところですよね。■DINKS(ディンクス)のデメリットDINKSは魅力あふれる生き方にみえますが、決してメリットだけではありません。他の選択肢と同じくデメリットも、もちろん存在します。たとえば、若いうちは夫婦仲良く過ごせていても、いつかは、どちらかが先に亡くなります。同時に命を閉じるということは、おそらくないでしょう。そう考えてみると、仮に旦那さんが先に亡くなってしまった場合、自分がこの世から去った後、どうなってしまうのか、不安で眠れなくなるときもでてくるはず。子どもがいれば良くも悪くも「後は任せた」といえますが、いない場合は、ある程度の覚悟と、そして前倒しでいろいろと準備をしておく必要があります。若いうちは夫婦で充実した日々を送ることができても、今以上に年齢を重ねたときに子どもをもたなかったことに対して後悔する瞬間が訪れるかもしれません。 ■あなたらしい人生をとはいえ、DINKSに限らず、どんな人生を選ぶにしても責任や不安、孤独は後ろから追っかけてくるもの。大切なのは、後悔しない人生を送ることです。少しでも子どもを産みたい気持ちがあるなら、仕事と両立する道も考えられます。できるだけ視野を広くもちながら、彼と一緒に検討していきましょう!
2016年03月17日楽天銀行は3月8日、東京理科大学と「楽天銀行教育ローン」の提携を開始したと発表した。○優遇金利で教育ローンが利用できる楽天銀行が提供する「楽天銀行教育ローン」では、提携大学に優遇金利を設定。このたび、新たに東京理科大学または諏訪東京理科大学が提携校となり、両校に入学を予定している人もしくは在校生は優遇金利の対象となる。なお提携は、東京理科大学で23校目となる。楽天銀行によると「提携大学の優遇金利の数値は開示していないが、提携大学以外の教育ローンの金利は、9日現在、固定で年3.90%、変動で年3.277%。提携校はこの数値よりは低くなる」とコメントしている。「楽天銀行教育ローン」の申し込みは、楽天銀行ホームページの申し込みフォームから入力する形式となっている。必要書類はスマートフォンのカメラで撮影し、「楽天銀行アプリ」で送付。申し込みから最短で翌営業日に融資する。
2016年03月11日ソニー・グローバルエデュケーションは8日、ロボット・プログラミング教育分野の子供向け学習キット「KOOV」(クーブ)を発表した。学校教材や教育玩具を手掛けるアーテックと共同開発し、2016年夏に商品化する予定。「KOOV」は、自由な形を作れる透明ブロックと電子基板に、作った形をロボットとして動かすプログラムで構成されるロボット教育キット。ロボットやプログラミングなど、ものづくりを習得する創造力を具現化したものという。開発は、児童向けのロボット教材やプログラミング教室なども展開するアーテックと共同で行なう。両社はロボット、プログラミング教育の事業拡大に向けた活動を進める。
2016年03月08日