建築模型に特化した国内唯一のミュージアム、天王洲アイルの建築倉庫ミュージアムにて、リニューアル後初の企画展「ル・コルビュジエ / チャンディガール展 -創造とコンテクスト-」が、5月26日から7月16日まで開催。ル・コルビュジエ、キャピタル全体図のスケッチ、平面図と遠近法図、説明文つき、チャンディガール1950~1965年 1951年7月24日 所蔵 ル・コルビュジエ財団近代を代表する巨匠建築家として知られる、ル・コルビュジエ。そしてその活動は、彼が提唱した「近代建築5原則」が示す通り、合理主義的な考えと技術革新を伴って発展していく世界のイメージに根ざし、一つの普遍的論理が広く世界で通用するという信念に基づくと考えられてきた。しかし、彼が場所の環境や風景、また風土や文化など、計画にかかわるコンテクストに多くの注意や関心を払っていたことはあまり知られていない。特に、インドのチャンディガールをはじめとする晩年の作品群では、こうした関心が、彼の建築・都市デザインの直接的なインスピレーションの源となって、より複雑な全体の生成に寄与している。本展は、ル・コルビュジエの手によるチャンディガールでの作品群を例にとり、ヨーロッパから遠く離れたインドという異質の環境下における、彼のクリエイションとその土地ならではのエレメントとの関係を考察する。展示では、貴重な建築資料や模型、建築家自身の手によるオリジナルスケッチや油彩画、リトグラフなどの美術作品に加えて、写真家ホンマタカシがチャンディガールで撮影した写真や映像作品を紹介する。ル・コルビュジエ「牡牛 XVIII」1959年、所蔵 大成建設株式会社チャンディガールで、民主主義とインドの気候とを総合的にモニュメント化する言語を模索していったコルビュジエ。その結果、とりわけキャピトル・コンプレックスは、初期のデザインを支配していた一元的に普遍を志向する堅苦しい幾何学から解放され、幾何学的要素とピクチャレスクな要素が混在することより複雑な総体として結実した。今回は、その主要な構成要素の一部をなす議事堂内部を巨大模型で再現する。また、絵画を中心とした芸術作品を多く残した芸術家としても知られるコルビュジエの油彩画「牡牛 XVIII」(1959年)を展示。最晩年に制作され、彼の創作活動を対立概念間の運動として総括するリトグラフの詩画集「二つの間に」(1964年)も展示し、併せて本展のために新たに翻訳されたル・コルビュジエの詩文(田中未来訳)を紹介する。Takashi Homma「High Court 1」2013 Lambda print © Takashi Homma Courtesy of TARO NASUチャンディガールでの計画最初期から、キャピトル・コンプレックスの建物群の配置と全体のスケール感は、後背に広がるヒマラヤ山脈との関係性と共にコルビュジエが特に注意を払って検討したとされる。今回100分の1のスケールで新たに製作されたキャピトル・コンプレックスの三つの建物である「高等裁判所」、「議事堂」、「合同庁舎」が、実際の位置間隔と同様に展示室床に配置される。来館者はその中を自由に歩き回り、コルビュジエが意図したキャピトル・コンプレックスの密度感や建築物同士の距離感を体感することができる。また、写真家ホンマタカシがインドに足を運び撮影した「チャンディガール」シリーズより、初公開作品を含む写真と映像作品を展示。本作はチャンディガールを通り抜ける風や匂い、空間へ差し込む光を念頭において構成される。チャンディガールという計画都市全体がある意味一つの構造物であり、それぞれの建築が都市に包み込まれているスケール感がさりげなく示され、そこに暮らす人々の生活やそこに流れる時間が切り取られており、チャンディガールが現在も生き続ける都市であることを実感することができる。それはまさしくコルビュジエが注目した、建築とそれを取り囲む気候との関係を写しとろうとするものであり、本作によって、模型だけでは伝えきれないチャンディガールという都市のリアリティを補う。建築模型を広く一般に公開する“ミュージアム”であるだけでなく、模型専門の“保存”機能をもつ、新しいかたちの本ミュージアムならではの7部構成の本展。多種にわたる展示によって、コルビュジエがそこで見聞きし、感じ、考え、そして表現しようとしたものを感じ取ることができると同時に、それらを通して、コルビュジエ作品に宿る、近代思想をも超えようとする精神を垣間見る機会を提供する。【展覧会概要】ル・コルビュジエ / チャンディガール展 –創造とコンテクスト-(Le Corbusier / Chandigarh -Creation and Context-)会期:2018年5月26日(土)〜7月16日(月・祝)会場:建築倉庫ミュージアム住所:東京都品川区東品川2-6-10時間:11:00~19:00(最終入館18時)休館日:月曜日(祝日の場合、翌火曜休館)入場料:一般 3,000円、大学生/専門学校生 2,000円、高校生以下 1,000円
2018年03月08日華やかな一方で多忙なイメージがある建築の世界。その第一線で働くママ・パパたちは、子育てと仕事をどうやって両立しているのか。そのリアルな実態がわかるエッセイ集『子育てしながら建築を仕事にする(学芸出版社)』が刊行されました。そこで、編著者で「キュープラザ二子玉川」の商環境デザインを手がけた3歳児ママ・成瀬友梨さんをはじめ、建築家パパの三井祐介さんと豊田啓介さんも参加したトークイベントに潜入! さらに後日、成瀬さんにインタビューし、両立するための工夫や職場の環境づくり、働くママにとって過ごしやすい家づくりなどのアドバイスをいただきました。 ■「あきらめること」から始まる仕事と育児本でもトークイベントでも、多くのママ・パパが語っているのが「あきらめる」ことの大切さ。建築家は自分ですべての事柄を決定し、ディテールにとことんこだわる仕事ですが、育児が始まるとそうはいきません。「仕事をしていると子どもが気になるし、子どもといると仕事が気になる。葛藤もありますが、最近は鈍感力が身についてきました。例えば、忙しくても早く帰って家族と夕飯を食べたり、ビールを飲んですぐに寝ちゃったり。やってみると、結果はそう変わらなかったりするんですよね。すべてを自分がコントロールすることをあきらめることで、人が育つという面もあります(豊田さん)」。「私は、建築家の仕事と並行して7年間続けてきた大学助教の仕事を、辞める決断をしました。学生に対応する時間が足りなくなり、子どもと過ごす時間もボーッとすることが多く、体力気力の限界になってしまったんです。今やっている仕事も、細かいところには目をつぶってスタッフに任せている部分が多い。歯がゆい気持ちもありますが、今は我慢の時だと思っています(成瀬さん)」。育児も同様で、すべてを夫婦だけでやろうとするのではなく、あきらめが肝心。ベビーシッターや病児保育を利用したり、近所の知り合いやママ友に保育園の送迎を頼んだりと、周囲に頼ることが大切だと話してくれました。■「スケジュール管理」と「得意分野」で分担 本に登場する夫婦は、育児・家事の協力体制が完璧! それぞれの仕事や家族の行事など、あらゆる予定をスケジュール管理アプリで共有し、互いに助け合っています。「妻も仕事がかなり忙しいうえ、高齢の両親のサポートもある。だから、掃除や料理は僕がやることが多いんですが、家事は得意なので全然苦ではありません。妻は、買うと高いからと夜中に教材を自作したり、科学の実験装置を作ったりと、子どもの自発的な学習を促すための時間を惜しまない。お互いが得意なことを、自然と分担している感じです(三井さん)」「私は保育園への送り迎えや食事の用意、夫は掃除・洗濯・ゴミ出しなどを担当しています。私が出張の場合、夫は子どもにごはんを作って食べさせ、寝かしつけまでこなしてくれるので、本当にありがたい。2歳くらいまでまでは熱を出すことも多かったので、区の病児保育にはずいぶんお世話になりました(成瀬さん)」ほかにも、ルンバや食洗機・食材宅配サービスを活用したり、ファミリーサポートやベビーシッターを頼んだりと、両立するための方法は家族によってさまざま。試行錯誤しながら、自分たちに合ったスタイルを模索しているようです。■「クリエイティブな時間=1人時間」を確保する方法子どもが生まれるまでは1日中建築のことを考えていた建築家たちにとって、クリエイティブな時間をどう確保するかも重要な課題。仕事と子育てに追われる日々の中で、それぞれ工夫をしているようです。「子どもを寝かしつけた後で夜中まで本を読んだり考えごとをしたり、もう一度事務所に戻って作業をすることもあります。また、他業種の人に会ったり、面白そうなイベントに参加したりと、自分の世界を広げることも大事。どうしても夜の外出が多くなってしまうんですが、夫は快く送り出してくれます(成瀬さん)」「夕食はできるだけ家族そろって食べたいので、子どもを寝かしつけた後に1人で外出して、時間を確保することが多いですね、近所に3、4軒ある行きつけのバーで、ビールを飲みながら思考をめぐらせたり図面をチェックしたり。深夜1時ごろに帰宅して就寝、翌朝7時に起きるというサイクルです(豊田さん)」何かと忙しい子育て期に「自分だけの時間」を確保するのは難しいもの。お互いの仕事を尊重し合うこと、そして夫婦が同等に子育てスキルを身につけることが大切だと感じました。 ■ママ建築家・成瀬友梨さんにインタビュー! 働くママが子育てしやすい家とは?――まず、この本を出版しようと思ったきっかけを教えてください。成瀬さん:私は東京大学工学部建築学科の助教として学生の指導をしていたんですが、女子学生から「子育てと建築の仕事を両立する将来が想像できない。大変そうで、とても真似できない」と言われることが多かったんです。才能ある若者たちが「仕事か、子育てか、どちらかを選ばないといけない」と考えているとしたら、本当にもったいない。そこで、実際に両立している人々を紹介することで「自分にもできる!」ということを伝え、背中を押したいと考えたのがきっかけです。実際に、本が出来上がってみると、建築家に限らず、これから子どもを持とうとしている方や子育て中の方、会社のマネジメント層にも役立つ本になったと実感しています。――確かに建築家に限らず、子育てしながら働くことは「大変」というイメージが強いですよね。成瀬さん:実際に経験してみると、自分の時間が減ってしまうのは大変なのですが、豊かになったことの方がずっと多いんですよ。以前は、仕事に夢中で休日も常にインプットの時間でしたが、子どもがいると強制的にペースダウンするので、季節による太陽の光や緑の変化に敏感になりました。週末には公園で思いっきり遊んだり、保育園の友達家族と昼間からお酒を飲んだりと、世界が広がっていくのも楽しい。子どもができてからバリアフリーの大切さに気づくことができ、世の中には本当に多様な人がいることも知りました。――この本に出てくる建築家の皆さんは、会社の理解のもとで周囲と協力しながら仕事をしている印象を受けました。働くママが職場で協力を得るためのコツを、ぜひ教えてください。成瀬さん:子育てだけが大変なのではなく、それぞれにさまざまな事情があると認識することが、大前提だと思います。そのうえで、ほかの人が困っていたらいつでも相談にのる、協力する、というスタンスでいることが一番大事なのではないでしょうか。――子どもがいると、家に対する考え方も変わってきます。建築家の目線から見て、子育てしやすい家とはどんな家だと思われますか?成瀬さん:子どもが元気に動き回れるように、広くてのびのびした家がいいでしょうね。実利的には、玄関が広いのが一番。子どもが小さいうちは、ベビーカーや三輪車などいろいろと置くものがありますし、宅配便の荷物をちょっと置いておくのにも便利です。玄関で子どもの支度をすることも多いので、狭いと苦労するかもしれませんね。また、玄関が広いと全体の印象として余裕があるように見える、という効果もあります。――最後に、働くママ・パパへのメッセージをお願いします。成瀬さん:子育てを終えた方からは「子育ては大変だけど、さみしいくらいあっという間に過ぎてしまうもの」とよく言われます。その言葉を信じて、楽しんでいけたら素敵ですよね。私も怪獣のような子どもを抱えていますが、仕事も家庭も欲張りに生きていきたい。完璧じゃなくていいから毎日を大切にしていきたいと思っています。参考図書: 「子育てしながら建築を仕事にする」 (学芸出版社)著・編集 成瀬友梨ゼネコン、アトリエ、組織事務所、ハウスメーカー、個人事務所等、異なる立場で子育て中の現役男女各8名の体験談を集めたエッセイ集。仕事と子育ての両立に奮闘しながら、欲張りに楽しむリアルな姿が見えてくる。成瀬友梨 プロフィール1979年愛知県生まれ。2007年東京大学大学院博士課程単位取得退学。同年に成瀬・猪熊建築設計事務所共同設立。と2010年〜2017年東京大学助教。地域・ライフスタイル・コミュニケーションという観点から建築を考え、シェアをキーワードに設計を行う。主な編著書に『シェアをデザインする』『シェア空間の設計手法』等。
2018年02月27日家づくりのプロである建築家さんが、テーマに沿って、過去に手掛けた住まいの事例とノウハウを解説するシリーズです。今回のテーマは、「子育て世代の働くママに嬉しい、スマートキッチンのある家」です。今回は、フォレスト建築研究所 一級建築士事務所(東京都福生市)の小椋祥司さんに、事例をご紹介いただきます。フォレスト建築研究所 一級建築士事務所 建築家・小椋祥司◆作品名:子育て世代に嬉しい、スマートハウスの「スマートキッチン」◆依頼者について:3人家族旦那様(30代後半)/奥様(30代前半)/お子様(8歳)※すべて建物完成時の情報◆所在地:埼玉県家族の繋がりを大切にしたシンプルモダンなスマートハウス依頼者の方からは、どのような要望がありましたか?「北側を除く三方を建物で取り囲まれ、日当たりや風通しが悪い敷地なので少しでも生活環境を改善したい」というご要望がありました。そして、これからの住宅に必要な、日常生活のコストを抑えながら、エネルギーを無駄遣いしない、省エネ・エコ住宅を希望されました。デザイン面については、「生活感を表に出さない、シンプルですっきりした外観とインテリアを希望しています」とのことでした。特にキッチンへのこだわりは、夫婦共働きでもあり、子育て期でもあるため、家事の軽減や時短が図れる、機能的で使い勝手の良いキッチンを希望されました。また、家族の会話が自然に生まれ、コミュニケーションが深まってゆく、キッチンとダイニングやリビングが繋がりあっているような部屋配置を希望されていました。この作品のポイントはどのような点ですか?省エネ・エコ住宅を希望されていましたので、太陽光発電パネルを設置したオール電化住宅としました。価格の安い深夜電力を使ってお湯を沸かし、昼間の高い電気料金を抑え、「エネルギーを見える化」して節電できる「スマートハウス」にしています。また、断熱性や気密性など、建物の基本性能を高め、長期にわたりランニングコストや維持管理コストが抑えられる設計としています。節電、節水できる設備機器を設置するなど、無理なく節エネ、省エネ、創エネが可能な設計となっています。また、北側には緑豊かな公園があり、立地性を生かして大きなピクチャーウィンドーが設けられています。移りゆく四季の風景を切り取った「一幅の生きた絵画」は、ダイニングやキッチンからも楽しめます。自然光が入り込むキッチンもインテリアの一部として、トータルにコーディネートされています。動線を意識した働くママに嬉しい対面キッチンキッチンに対しては、具体的にどのような要望がありましたか?家族との会話がはずむ対面式で、家事負担の軽減や家族が一緒に作業できる使い勝手の良いキッチンと、十分な収納力のあるパントリーを希望されていました。また、コンロは、ガスではなく清掃性の良いIHコンロをご希望でした。要望やこだわりをどのように実現されたのですか?ワイドなキッチンカウンターを設置し、周囲にゆとりを持たせ、家族の参加やママ友の食事会など、L形シンクを使って多人数でも調理できるようになっています。料理を通じて、「つくる楽しみ、食す楽しみ、交流する楽しみ」がキッチンから生まれてきます。流し回りには、食器収納、家電収納、パントリーをまとめて設け、「取り出す・調理する・片付ける・収納する」といった一連の作業がスムースに行える機能配置・機器配置のキッチンづくりを行いました。これにより、短い家事動線で家事の軽減が図れ、作業性も向上しました。また、食器棚とパントリーをまとめて設け、天井までの大型引き戸により、収納物のストック一括管理がしやすい設計になっています。各種ごみが分別しやすいゴミ収納スペースも設けています。その他に、継ぎ目のない、カウンターと一体形の人工大理石シンクや、凸凹のないガラストップのIHコンロ、ほとんどメンテナンスのいらないレンジフードを使用し、キッチンの壁全体には、汚れの付きにくいキッチンパネルを使用するなど、清掃性を高めています。働くママにおすすめするキッチンとは?これから家づくりを考えている働くママに、キッチンづくりのポイントを教えてください。働くママには、家事の軽減と家事時間の短縮につながるキッチンのプランニングが大切です。機能的で使い勝手の良いキッチンはもちろんのことですが、収納計画をしっかり行い、まとめ買いなどにも対応できる収納量と収納物のストック管理が十分行えるキッチンにすると良いと思います。キッチンは主婦専用の場所ではなく、家族みんなで協力しあって一緒に食事を作る場所です。家族の中にも生活時差があるため、必要に応じ、個人で調理する事も多くなっています。そのため、複数の人が同時に使え、リビングやダイニングと一体になった、オープンで居心地の良い場所として計画する必要があります。家族それぞれがサポートしあい、“つくる事・味わう事の楽しみ”を共有しあえるキッチンづくりをおすすめします。建築家情報事務所名:フォレスト建築研究所 一級建築士事務所建築家名:小椋祥司HP:事務所所在地:東京都福生市対応エリア:全国
2018年01月19日ピロティとはピロティとは、2階建以上の建物で1階部分が柱のみの外構空間となっている建築物のことをいいます。この建築様式は、フランスで活躍した建築家ル・コルビュジエによって広められたとされています。その代表的な作品が「サヴォア邸」です。実はこの建築物、一度大学の授業で模擬演習として設計したことがあります(筆者は建築家専攻出身)。当時の設計技術では到底なしえない神業であったと、教授から学びました。余談が過ぎましたが、そんな神業は長い時を経て、近代住宅のひとつの様式として日本でも認知されるようになりました。その有効な活用方法についてみてみましょう。ピロティの有効活用(メリット)ピロティはかなり優れた建築様式で、そのメリットには以下のようなものが挙げられます。駐車場や遊戯スペースとしての利用津波災害から家を守る!(耐津波災害性能)ピロティは容積率に影響しない!一般的に多くみられるのが駐車場としての利用ですね。複数台駐車することができ、家自体が軒となるので、雨風を心配する必要がないですね。また遊戯スペースとして利用している住宅も見受けられます。のびのびと遊ぶことができるので、子どもの発育を手助けしてくれる様式です。物件を探していらっしゃる方は、参考にしてみるのも良いかもしれませんね!(ご近所の友人を招いてBBQもできちゃいますね!)そして、なんといっても津波災害から家を守ってくれるのが最大の特徴といえます。東日本大震災時でさえもピロティ建築が残ったことから、水害に強いといった認識が高まりました。また風通しも良いので、台風にも強いといえるでしょう。災害から家族を守ってくれる家は、教育環境としても安全といえますね!最後になりますが、実はピロティは容積率算定に関係しません。室内型のガレージなんかだと、延べ床面積の1/5までは容積率算定には入れなくて良いのですが、広いガレージを作る場合だと1/5を超えてしまい、容積率算定の基準となってしまいます。しかし先述したように、ピロティは面積に関わらず建築できるので、住居部分(部屋)の容積率を目一杯使うことができます(つまり部屋を広く設けられる)。この点もメリットといえます。まとめピロティは災害にも強く、子どもの発育にも適した建築様式であることが分かりました。物件探しをお考えのお母さんは、ぜひピロティ建築を提案してみてください!
2018年01月06日「いまの彼女は子育て最優先。仕事で夜遅くなるときには、翌日の仕事は“夕方まで”と決めて、スケジュールを組んでいます。週末は基本的にオフにして公園やヒーローショーに行き、子どもたちがやりたいことに全力で付き合ってあげるそうです」(テレビ局関係者) 17年3月、カリスマヘアメイクアーティストの菊池勲氏(47)と離婚しシングルマザーとなった小倉優子(36)。 離婚成立後は、長男(5)と次男(0)のことを考え、新しいマンションに引っ越している。オリコンリサーチ調べの『好きなママタレ』1位にも選ばれ、この半年で70本以上のテレビ番組に出演。多忙な日々を送っている。 「離婚後は仕事が忙しすぎて自分の時間が持てず、毎日の買い物にも宅配を利用し始めました。それでも長男と一緒に書く絵日記は毎日欠かさず、その日に幼稚園で誰とどんな遊びをしていたのか、コミュニケーションを取りながら2人で書いているそうです」(前出・テレビ局関係者) 仕事と重なってどうにもならないときだけ、ベビーシッターや母親の手を借りるが、育児も家事もほとんど1人でこなしているという。もともと育児本や料理本などを出版し、ママタレとして安定した人気があった彼女。 「小倉さんは“良妻”のイメージを守って離婚できたため、ママタレとしての需要は高く、皮肉にも離婚で好感度がさらに上がりました。本人も『今は働くとき!』と割り切って頑張っています。子育てに励みながら仕事をこなす姿には、女性からの支持が高く、実際、年明けから2つのバラエティ番組でレギュラーが決まっています」(別のテレビ局関係者) “ゆうこりん”から立派な母親に成長した小倉。一家の大黒柱として、懸命に働く日々は続く――。
2017年12月27日家づくりのプロである建築家さんが、テーマに沿って、過去に手掛けた住まいの事例とノウハウを解説するシリーズです。今回のテーマは「家族がくつろげるリビング」!今回は、荒木毅建築事務所(東京都杉並区)の荒木毅さんに、事例をご紹介いただきます。荒木毅建築事務所建築家・荒木毅◆作品名:CH13◆依頼者について:4人家族旦那様(40代後半)/奥様(40代後半)/お子様(13歳/10歳)※すべて建物完成時の情報◆所在地:東京都中庭で、家族のため空間をひとつながりに「家族で暮らすリビングは、広く明るくのびやかな空間でありたい……」依頼者のご要望のひとつに「中庭」がありました。以前住んでいた家に中庭があり、親しみを感じていたそうです。そこで中庭を中心に、リビング・ダイニングや書斎コーナーなど、家族のための空間が一体となり広く確保されるよう考えました。家族のための空間は、それぞれ使いやすい位置にありながらもひとつながりとなり、家族の気配を感じながらものびのびとした生活ができる空間構成となっています。家族一緒に暮らす生活が、より楽しくなるキッチンキッチンは家族の暮らす空間のなかに配置。奥様の使い方をそのまま形にした、機能的で丈夫なスチール製のキッチンは、家族と目の合う位置に設け、親子や夫婦のつながりを生んでいます。すぐ近くに杉板で作られた小上がりのダイニングでは、ちゃぶ台でお食事を。中庭に面したこんもりと盛り上がった、黒い人研ぎの土間にはダイニングテーブルも似合います。生活スタイルに合わせ、変化を楽しめると思います。外部との一体感も大切にした、土間や2階ホール1階の床のほとんどを、コンクリートの土間に。とはいえ、家族が長い時間くつろぐスペースなので、熱容量が大きいコンクリートを活用して蓄熱式床暖房を入れました。土間は泥のついた植木や自転車を入れても、食事を作る際に水などを飛ばしても大丈夫。気を使うことのない、丈夫な床です。2階にも家族のためのホールを作り、広い外部デッキとつながる空間としました。吹抜けで中庭ともつながっています。室内だけの「ひとつながり」でなく、外部空間とも一体感の味わえ、生活の仕方に極端に気を使わなくても良い包容力のある空間が広がります。合理的な採光がそのまま形になった外観建物南側の平屋部分は日差しをハイサイドライトより採り入れ、建物北側の2階建て部分は、中庭を介して日差しを取り入れています。中庭は木製縦格子で外部と、2階デッキは南棟のナナメの屋根で隣家と隔てられているので、中庭や2階デッキがワンクッションとなり、家族のプライバシーを守っています。中庭を介して1年中日差しが1階北側奥まで届くよう工夫しました。そんな合理的な採光がそのまま形になった外観も特徴です。建築家情報事務所名:荒木毅建築事務所建築家名:荒木毅HP:事務所所在地:東京都杉並区対応エリア:全国
2017年12月25日今回の「やさしいママのひみつ」は、「暮らしかた冒険家」として幅広く活躍する、クリエイティブディレクターの伊藤菜衣子さん。北海道札幌市で暮らしながら、各地を飛び回り、広告、編集、映画制作を手がける、3歳の男の子のママです。伊藤菜衣子さん息子さん:墾(こん)くん(3歳)クリエイティブディレクター。暮らしにまつわる常識を作りなおし、伝えるため、広告、編集、映画制作などを手がける「暮らしかた冒険家」として活動。ゲストディレクターの、音楽家・坂本龍一さんによる指名により、札幌国際芸術祭2014にて札幌に引っ越して暮らすプロジェクト「#heysapporo」を発表。以来、札幌にて築30年の自邸を断熱リノベーションしながら、自給自足の暮らしを模索する。冊子『よむ暮らしかた冒険家』の発刊や、映画『別れかた暮らしかた』を監督。HP: 暮らしかた冒険家 | 21世紀の冒険家 Instagram: saikocamera 家族が笑顔で暮らすため、試行錯誤の上、ちょっと変わったスタイルを模索中だという伊藤さん。その暮らしかたとは? お話をたっぷりと伺いました。■大黒柱として働き、家事と育児はパートナーに早速、伊藤さんの月曜から土曜までの、1日のスケジュールを見てみましょう。8:30 :墾くん保育園。9:00 :伊藤さん起床 朝食10:00 :スタッフが自宅兼事務所にやってくる12:30 :昼食17:30 :パートナーが保育園にお迎え18:30 :墾くんが帰宅19:00 :スタッフもみんなで夕食。墾くんと遊ぶ20:30 :お風呂21:30 :墾くん就寝。仕事25:00 :伊藤さん就寝睡眠時間はたっぷり取るという伊藤さん。朝は起きて、息子の墾くんをお見送りするのが理想だといいますが、できないことも多いのだそう。「紆余曲折あって、わが家は今は、私がメインで働いています。私は夜型人間で、睡眠時間は8時間必要だから、仕事を続けるためにこのサイクルに。自分の睡眠時間を削ると悪循環だし、よく寝た後の仕事の集中力は高いから。その代わり、夕食は一緒に食べるので、仕事は18:30までに切り上げるようにしています」家事を分担するのではなく、家事と育児はパートナーが担当というスタイルをはじめたのは、今年に入ってからだといいます。「これまでは二人で、ウェブ制作などの仕事をしてきましたが、同じ時期に忙しいので家が荒れるし、喧嘩になってしまいがちでした。そこで、あまり二人でしなくてもいい仕事を増やそうということになって。私の方が一人でできる仕事が多いから、メインで働いて、彼が家でできる仕事と家事をするようになりました」「家事をする、または一人でできる仕事をするという2択で、彼は仕事より育児をしたいというのが最優先でした。彼は子どもの頃、お父さんが忙しくて、ほとんど家にも帰ってこなかったらしく、“そんなお父さんにはならない、子育てをしたい”という気持ちがびっくりするくらい強いんです。妊娠したときから、子どもは絶対、僕が育てたいと言っていましたね。欧米ではこういう役割分担はよくあることみたいですが、日本だと珍しいですよね。でも、子どもに大学に行かせるまで、私はいくら稼がなきゃいけないんだろうと思うと、世のお父さんって本当にすごいなと思います」最初は保育園にも行かせたくないと、子育ての理想も高かったのだそう。「それは彼のこだわりでした。でも実際は、子育てってとても大変。産後はびっくりするくらい自分の体調も悪かったし、産休も育休もほぼないまま、とにかく目の前のことをやるので精一杯。それで喧嘩になるという悪循環でした。そんな状況を見た友人から、『保育園に入れて、とりあえずこの家の仕事と二人の状況を立て直しなよ』とアドバイスされたのを機に、保活を始めたんです」家事はパートナーにまかせてすべて譲り、仕事に専念することにしたのだとか。あえて何もしないのがうまくいく秘訣なのだそう。「彼は何をするのも初めてなので、洗濯も色移りや縮んでしまったり、びっくりするような失敗をするんです。最初は分担していたのですが、やり方が違うから見てしまうと気になって、『なんでこんなにぐちゃぐちゃになるの?』って、ついお小言が出てしまう。できるだけ目を瞑れる状況にするには、100%家事をお願いしないとだめだと思って、私は立ち入らないことにしました」■気合いで乗り越えていたことが通用しない「子育て」ウェブや広告の仕事から幅を広げ、現在は本の編集から映画の監督、トークショーなど大活躍の伊藤さんですが、仕事との関わり方に関して悩みも大きかったと言います。「私の仕事って、環境にいいとか、もっと広がればきっと社会がよくなるという仕事が多いから、仕事のクオリティが少しでも上がれば、もっと広がっていくと思っていました。クオリティの高さを求めて採算度外視するくらい、仕事が本当に好きだったんです。でも子どもができると、今まで気合いで乗り越えていたことも全く通用しないんだなと思い知らされました。働き方を変えないと、自分が頑張ってもどうにもならないことがある、と思うようになりました」「妊娠、出産の時期って、2年半くらい100%で働ける自分がないんですよね。それが本当に想定外でした。妊娠中はずっと眠いし、つわりもあるし、出産前に仕事を片付けようと思っていたけど追いつかなかった。出産したらきっと仕事ができるだろうと思ったら、眠いし、ちょっと無理をすると体調を崩したり。それでスタッフを雇うことにしたんです。最初はどうにも慣れないので、自分でするよりも納得感は少ないのですが、世の中的にはなんの問題もなくて、自分が100%でやったものに社会的にどのくらいの価値があったのか、自分の自己満足だったのか、と考えさせられる機会にもなりました」■地方で暮らしながら、子育てすること現在、9歳まで住んでいた元実家をリノベーションして暮らしている伊藤さん。坂本龍一さんがディレクションする札幌芸術祭に、アーティストとして招集されたことを機に札幌へ移住することになり、会期中は家を改装しながら土日にオープンハウスとして開放していたそう。「もともとは東京で、カメラマンの仕事をメインにしていました。結婚してすぐに震災があって、熊本に移住しました。熊本では築100年の町屋をセルフリノベーションしながら、3年弱暮らしていましたが、賃貸だったので斜めになった床や、隙間風がすごく入ることまで直せませんでした。芸術祭が終わってからも札幌に住むことを決めたのは、子どもが生まれて、祖母もまだこちらにいることや、母が手伝いに来てくれやすいというのが大きかったですね」近くにある畑を借りて5家族でシェアし、2、3日分の必要な野菜だけ収穫するなど、食生活も豊かです。「フルーツも安いですね。野菜はほぼ買わず、お肉やきのこだけお店で買っています。幼なじみの農家さんが届けてくれる野菜も、たくさんあります。庭に生ゴミを撒くと、自然と肥料になっていて、じゃがいもなどはすぐにできますね。北海道は寒くなるので、害虫が少なく、無農薬で育てやすいんです。生産者が近いから、子どもはどこにおいしいものがあるか、誰が作った何を食べているかを知っているというのが、面白いなと思います」また、仕事の対価を貨幣ではなく、物(ぶつ)や技(わざ)で交換する「物技交換」(ぶつわざこうかん)を実践する伊藤さん。さまざまな人の協力を得て、このエコハウスを完成させたのだとか。「この家は断熱性能がとても高いのですが、新築戸建と比べると、だいぶお金をかけずに作ることができました。そういうことができたらエコハウスを選ぶ人も増えるんじゃないかな、と思っていて。『どうしたらできるだけ安くできるかを一緒に考えたい』と工務店に相談すると、『今は儲かるかわからないけど、確かにリノベーションのニーズも増える』と思った人たちが一肌脱いでくれたりするんです。私たちがアイデアと実験場所を提示して、コンペに出すのもOKだし取材対応もする。“手伝ってくれてラッキー” ではなく、関わってくれた人にいいことがあるように、ちゃんと交換して “お互いにメリット” になるように、というのは必ず考えています」 豊かな食材に囲まれ、エコハウスに暮らす、とてもうらやましい環境に思える、伊藤さんの暮らし。地方移住というブームに対しては、どうお考えですか?「都心には都心で、地方都市は地方都市でできることがあるから、どちらでもいいと思っています。どちらにいても大変だし、人生の目的と自分の状況がどうかによると思うんですよね。私の場合は札幌に元実家があったし、勢いで移住したわけではないんです。周りの人たちが2005年くらいからどんどん地方に移住しているのをずっと見てきて、これならできるんじゃないかと、確かめてからのジャッジでした」「ブームには流されなくていいと思うんです。仕事が変わったり、夫婦の関係性が変わる人もいるし、自分ができると思ったタイミングでしないと、本当に辛いと思います。私は冒険家と名乗ることで、これが普通ではなくて、結構危険なことをやっているというリマインドにもなっています。普通の人ができると思ってやったらできないようなことを、冒険家としてやっているだけですから」■これからの環境をまもる「みんなができる方法」「暮らしかた冒険家」として、 “暮らしの常識と思われていることに対して、ほかにやり方はないか? いつも疑っていきたい” と話す伊藤さん。「これまでは、自分が楽しければいいと思っていたけど、子どもが生まれてからは環境に対する考えについても、 “社会全体に広まらないと、子どもが大人になるまでもたない” と思っているんです。だから、みんなができる方法を考えるようになりました」環境や未来の社会について “みんなができること” を常に考え、「100万人のキャンドルナイト」をはじめ、環境を考えるムーブメントを数々手がけてきた伊藤さん。日々使うものも、環境への影響を考えているといいます。「そもそも洗剤の香料が苦手なんです。自然の香り、もしくは匂いがしないものを選んでいくと、自然派の洗剤にたどり着きますよね。逆に、環境にやさしい、自然由来のものを選んでいると手荒れもしない。そこがいいなと思います」天然素材を使っている上に、売上の1%が原料の産地であるボルネオ島の環境保全に役立てられている、ヤシノミ洗剤の「サラヤ」の取り組みには、とても共感するという伊藤さん。もともと「ヤシノミシリーズ」を使っていたそうですが、改めてご体験いただきました。使い心地はいかがでしょうか?「近所のお店では『ヤシノミシリーズ』を扱っていないので、なかなか買えず、よっぽどのことがない限り、アクリルたわしで乗り切っていましたが、やっぱり便利ですね。『ヤシノミ洗剤』は、ほかの自然派洗剤と比べて、汚れがすっと落ちるので洗い残しもなくて安心です」何よりも香料が苦手な伊藤さんは、これまで柔軟剤は使っていなかったのだとか。「肌触りよりも、においがないことを優先していました。無香料の柔軟剤って、ほとんどないですよね。でも『ヤシノミ柔軟剤』を使ってみたら、香りもなく、乾燥機にかけてもふわふわで、すごくいいなと思いました。やっぱり肌触りがいいと、気持ちがいいですね。今度から柔軟剤をも使ってみたいと思います」■母から教わった「甘やかさず、考える力を身につける」子育て環境や社会にやさしいことを心がけている伊藤さん。子育てで気をつけていることは、甘やかさないこと、「やさしいママじゃない」と笑います。「 “暮らしかた冒険家”って変わっていますよね。仕事を兼ねて、海外に1ヶ月行くこともあるし、親がいつも家で働いている。これが普通だと思って育ったら、世の中でまったく使いものにならないと思うんです。人がよく来るのでちゃんと挨拶ができるように、人見知りをしないようにとは思っています」時間は限られますが、集中して仕事をすることで、お子さんとの時間をたっぷり作るのが伊藤さんのやさしさ。そして厳しく接することで、自分で考える力をつける子育てを心がけているそう。「仕事をやりきった感がないと、子どもと遊びたいのに、もやもやしてどっちつかずになってしまうんですよね。私ができるのは、食後に一緒に遊ぶこと。できるだけ全力で遊びます。私自身、『自分が始めたくてやったことは、自分で辞めろ』と言われて、甘やかされないで育ってきました」「母から勧められて始めたクラシックバレエでさえ、途中で『ステージママやりたくないから、続けたいなら自分でなんとかして』と言われ、発表会の情報収集をしたり、衣装にスパンコール縫い付けたりしていました。お金は必要最低限は出してくれるのですが、レオタードは1着あれば十分とファッション的に何着も持つのはNG。辞めたいときも先生にどう切り出すかというのを、小学生で考えなきゃいけなかった。でも苦労していると、先生がお下がりをくれたり、頑張ってちゃんとやっていれば、誰かが見てくれて、助けてくれるんです。誰のお母さんと仲良くなれば情報をもらえるかなど、処世術を学んだんですね(笑)」「泣いてもわめいても変えてくれない。親の方針というのは、本当に強いなと思います。この人に言っても仕方がないから、『じゃあどうする?』と自分で考えるようになるんです。うちの母と同じように、厳しいかもしれないですが、徹底的に説明して納得させようと思っています。お母さんだから当たり前じゃなくて、お母さんでもやりたくないことはやりたくない、やらなくていい。そんな母の子育てが今の私を作っているから、感謝しているし、自分の子どもにも引き継いでいきたいですね」取材/文:赤木真弓 撮影:林ひろし[PR]サラヤ株式会社 【やさしいママのひみつ 一覧】 記事をもっと見る >>
2017年12月06日竣工とは竣工とは、建築工事が完了したことを意味します。また同じような意味に「竣成(しゅんせい)」といったものがあります。工事が完了した次には、確認の検査が行われます(竣工検査)。竣工検査からその後の流れについて、確認してみましょう。竣工検査後の流れ竣工検査工事施行者と工事の監理者である建築士による、最終チェックが入ります。完了検査の立ち会い竣工検査と同様、工事施行者・建築士と立ち会います。完了検査の立ち会いが無事に終えたら(工事完了後)、4日以内に地方公共団体などに「完了検査申請書」を提出する必要があります。しかしこの手続きについては、建築士が代行してくれます。完了検査にも立ち会います。建主検査工事施行者・建築士立ち会いのもと、建主(依頼者)による目視確認を行います。理想通りの設計となっているかを、今一度確認するわけですね。もし、計画的に言っていない点があった場合には、その箇所を指摘してするようにしましょう。引き渡し不具合がないかを確認する工事に不具合がないか、実際に立ち会って確認を行います。工事担当者や営業責任者とともに、不備がないかをチェックします。たとえば、床や壁などに傷や汚れはないか、建具の開け閉めはスムーズか、設備は正常に動くかといったことを、担当者に説明してもらいながら確認していきます。もし、この竣工検査後の立ち会いで不具合が見つかった場合には、引き渡しまでに修理してもらうか、入居後に修理するかを取り決めます。この場合の注意点としては、業者とその旨を約束する書類を控えることを忘れないようにしましょう。後々のトラブルを防止します。保証書をもらう立ち会いによる工事の修正などが済んだら、次は施行会社から以下のものを受け取りましょう。施行会社の押印のある「工事完了書」「鍵」と「保証書」「検査済証」(確認検査機関が発行)保証書には定期点検とアフターメンテナンスの内容や時期、設備などが故障した場合の連絡先などが書かれているので、大切に保管しておきましょう。竣工図が提出される追加工事なども含めた引き渡し時の図面を、建築士より渡される。瑕疵検査の立ち会い建主と工事施行者との間で、1年後に改めて竣工における瑕疵がないかを確認する約束をします。工事施行は、施工主と建築士とのこまめな連携が重要です。納得のいくよう、建築士を中心に相談を重ねていくのが良いでしょう。
2017年12月04日建築基準法とは建物を建てる際の敷地や構造、設備及び用途に関する守るべき最低基準を定めている法律のことをいいます。1950年に制定された建築基準法は、国民の生命、健康および財産を保護すべく、都市計画法、宅地造成等規正法、消防法などさまざまな法律の規制を受けます。このことから、建築基準法は建物を建築するうえで最も基本となる法律とされています。そのため、着工前の「建築確認」や工事中の「中間検査」、工事完成後の「完了検査」、違法建築物の「是正勧告」などについての規定も定められています。また建築基準法は以下の2種類に大別することができます。建物自体の安全性や構造・防災・衛生などについて定めた「単体規定」都市の防災や環境向上などの観点から定めた「集団規定」1の単体規定では、具体的には居室の採光(床面積の7分の1以上)や換気(20分の1以上の開口部を設ける)、トイレ、電気設備など、個々の建物を建築する際の基準がまとめられており、全国一律に規定されます。一方、2の集団規定では、敷地と道路に関する基準(接道義務など)、建物の用途や形態に関する基準(建ぺい率や容積率、高さ制限、各種斜線制限など)、都市再生特別地区等、防火地域、景観地区などが集団規定に当たります。また集団規定は、都市計画区域及び準都市計画区域に限ってその規定が適用されます。建築前に確認したい代表的な法令とは建物の建築には、実に多くの法令が絡んでいます。その代表例が、上記で述べた「建築基準法」といえます。建物建築時の基準となるこの法律ですが、そもそもほかの法令も理解していないと、これを理解することは難しいといえるでしょう。数ある法令の中でも、建築基準法と密接に絡んでいる都市計画法について確認してみましょう。都市計画法都市計画法とは、都市の将来あるべき姿(人口、土地の利用方法、主要施設等)を想定する都市計画に基づき、必要な事項を定めている法律のことをいいます。都市計画法では、計画的に街づくりを行う「都市計画区域」と、都市計画区域外の区域で放置すれば、将来、都市としての整備や開発、保全に支障が生じるおそれのある区域であるとして指定される「準都市計画区域」があります。また都市計画区域内では、積極的に市街化する「市街化区域」と、市街化を抑制する「市街化調整区域」とに線引きします。この市街化区域内では、異なる地域が混在しないよう、その地域ごとの用途や使用目的に合った建築物が建つよう、地域ごとに細かく分けられます(例:住宅地と工業地を分ける、など)。これを「用途規制」といいます。建物を建てるには、建築基準法に適しているかどうかを確認する前に、まず都市計画法に適しているかどうかを確認しなければならないといえるでしょう。
2017年11月30日東京・六本木の森美術館で、「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」が2018年4月25日(〜9月17日まで)にスタートした。前日に行われた内覧会より本展の見どころをレポートしよう。建築家・建築史家の藤本照信が監修する本展では、日本の建築を読み解く鍵と考えられる「可能性としての木造」「超越する美学」「安らかなる屋根」「建築としての工芸」「連なる空間」「開かれた折衷」「集まって生きる形」「発見された日本」「共生する自然」と9つの特質で章を編成し、機能主義の近代建築では見過ごされながらも、古代から現代までその底流に脈々と潜む日本建築の遺伝子を考察する。レポートする上で特筆すべきはなんといっても圧倒的な展示ボリューム。100のプロジェクトに400を超える点数で、古くは縄文時代の住居から、現在進行中の建築物や未来の計画案など現代建築までを一挙に紐解いている。紹介されている建築家の名を挙げれば、フランク・ロイド・ライト(Frank Lloyd Wright)や丹下健三、黒川紀章、安藤忠雄、磯崎新、隈研吾、杉本博司、SANAA......建築プロジェクトには、平等院鳳凰堂(1053年)、厳島神社(1241年)といった世界文化遺産から古代出雲大社本殿や伊勢神宮正殿、東京オリンピック国立屋内総合競技場(1964年)、日本武道館(1964年)から、現代に建てられた豊島美術館(2010年)や、東京スカイスリー(2012年)、ラ コリーナ近江八幡 草屋根(2014年)、台中国家歌劇院(2016年)などの建築まで......といった網羅具合だ。中でも、「建築としての工芸」のセクションで紹介されている、千利休作と伝えられる現存する茶室建築として日本最古の国宝・待庵は必見だ。京都で実物の待庵を見たことがある人も多くいらっしゃるだろうが、ここでは、ものつくり大学が原寸スケールで再現した模型を、間近で見るだけでなく中に入ることができる。本展の監修者である藤本氏の「千利休は、炉の位置、床の間、腰壁に貼られた紙、障子とそこから入る光、たった2畳のスペースにどこをとっても直しどころのない、完璧かつ芸術的な場を作り出した」という語りにもあるように、用の美を秘めた日本建築の遺伝子を実感すれば、普段は無意識的な日本人としての遺伝子が目覚めてくるだろう。「連なる空間」セクションで紹介されている丹下健三自邸(1953年)は、1/3スケールの巨大模型で再現されている。丹下健三は、広島平和記念公園(1954年)、大阪万博記念公園(1970年)など、戦後の国家的プロジェクトを牽引した建築家。1/3とはいえど、宮大工の技術により実物と変わらない高精度で作り上げられた模型はさらに、タブレットPCを通じて当時の様子が伺える写真とともに鑑賞することもできる。デジタル技術とのコラボレーションといえば欠くことのできない、ライゾマティクス・アーキテクチャーが作り上げた日本建築の原寸スケールを3Dで体験できる空間だ。「Power of Scale」と名付けられたこのインスタレーションでは、レーザーファイバーと映像により、桂離宮や中銀カプセルタワーなど日本建築の空間概念が大小様々なスケールで原寸再現され、鑑賞者はその空間の中に入り込んでダイナミズムを体感することができる。あまりにも見応えがあるので、小休憩を兼ねて展示の中間に設けられたブックラウンジにもぜひ注目していただきたい。ここは、戦後のモダニズム建築時代を牽引してきたデザイナーたちの名作家具で構成されており、丹下健三研究室が設計したマガジンラック付ベンチを囲むように、剣持勇や長大作、大江宏のデザインした椅子が並び、それらに腰掛け書籍を閲覧したりして過ごすことができる。現在では美術館に所蔵されているものも多く、普段手に触れることさえできない名作たちだが、今なお現役で使用されている希少な家具を集め、本来の機能のまま使用ができる大変貴重な機会である。過去に類を見ないこの大掛かりな建築をテーマとした展示により、日本の過去と現在だけでなく、未来像が今ここで照らし出される。【展覧会情報】建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの会期:2018年4月25日〜9月17日会場:森美術館住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53階時間:10:00〜22:00(火曜10:00〜17:00、いずれも入館は閉館時間の30分前まで)入館料:一般1,800円 学生(高校・大学生)1,200円 子供(4歳〜中学生)600円 シニア(65歳以上)1,500円最終更新: 5月2日
2017年11月25日森美術館にて「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」が2018年4月25日(水)から9月17日(月・祝)まで開催される。「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」では、貴重な建築資料や模型から体験型インスタレーションなど多彩な展示によって、日本建築の本質に迫る。読み解く鍵として、全体で9つの章を編成。丹下健三、谷口吉生、安藤忠雄、妹島和世など、世界が注目する日本建築の独創的な発想や表現の遺伝子を考察している。千利休作の茶室《国宝・待庵》を原寸再現京都・妙喜庵に現存する日本最古の茶室建築である国宝《待庵》は千利休の作と伝えられている建築。「わび」の思想を空間化したもので、日本文化を語る上で欠くことのできないものだ。本展では、《待庵》を原寸スケールで再現。二畳の茶席やにじり口と呼ばれる出入口で良く知られる、極小空間を体感できる。ライゾマティクスの新作映像インスタレーション世界で初めて実用化されたカプセル型の集合住宅「中銀カプセルタワービル」など名建築の数々を、クリエイティブ集団ライゾマティクスがレーザーファイバーで再現する。新作として発表される3次元の建築空間と映像が織り成す体験型インスタレーションは必見だ。丹下健三《自邸》1/3スケールの巨大模型広島平和記念公園や東京オリンピック、大阪万博など、戦後の国家的プロジェクトを牽引した建築家・丹下健三。丹下が、桂離宮など日本の古建築を再解釈し、建築の新たな可能性を拓いた《自邸》を巨大模型で再現する。今は現存しない建築を今一度見る機会、逃さないで。名作家具を展示・体験できるラウンジ他にも、日本建築史における貴重な資料を一挙公開したり、建築を彩る名作家具を展示・体験できるラウンジを設置。日本建築の過去現在未来を見て、体験できる「建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの」に是非足を運んでみてはいかがだろうか。開催概要建築の日本展:その遺伝子のもたらすもの会期:2018年4月25日(水)〜9月17日(月・祝)会場:森美術館住所:東京都港区六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー53F開館時間:10:00〜22:00、火曜日 10:00〜17:00※いずれも入館閉館時間の30分前まで。※会期中無休。入館料:一般 1,800円、学生(高校・大学生) 1,200円、子供(4歳~中学生) 600円、シニア(65歳以上) 1,500円※表示料金は消費税込。※本展のチケットで展望台東京シティビューにも入館可(スカイデッキを除く)。屋上スカイデッキへの入場は、別途料金(500円)が必要。【問い合わせ先】TEL:03-5777-8600(ハローダイヤル)
2017年11月16日谷尻さんの巧みな話術にどんどんと引き込まれていく、沢村さん。連載最後となる今回は、谷尻さんが家をつくるときに大事にしている“愛着”の考えや仕事にまつわる思考法、そして建築家に家を建ててもらうときに押さえておきたいちょっとしたコツまで、幅広いテーマで語ってもらいました。最後に、男性必見のお話も⁉答えを出さないで考えさせることが、大事沢村一樹さん(以下、沢村さん):話を聞いていると、建築家という仕事は引き出しがたくさんないとできませんね。谷尻誠さん(以下、谷尻さん):そうかもしれませんね。とにかく、お施主さんとコミュニケーションをとらないとできない仕事です。変な話、1億円で家を建てたい人は3億円の要望を言ってきますし、3,000万円で建てたい人は5,000万円の要望を言ってきます。要するに、自分の持っているお金より低いオーダーをするお施主さんはいないんですよ。必ず、自分の持っているお金とゴール地点が乖離(かいり)しているので、それをどう調整するかが必要なんです。沢村さん:その妥協点を探りつつ、新たなアイデアを提案していく姿勢はすごいですよね。でも、誰でもできるわけではないと思います。谷尻さんの会社の方々は、皆さん、それができるんですか?谷尻さん:それができるようになる会社にしたいんです(笑)。沢村さん:どうやったらできるようになります?谷尻さん:僕が答えを出さないようにすることですね。沢村さん:なるほど。谷尻さん:どの仕事でも同じだと思いますが、結局、誰か上の人に聞けば答えが用意されているわけです。その答えを取りに来る人は、考えない人ですね。逆にデキる人は「僕はこう思いますが、どうですか?」と聞きに来る。そうすれば、その人が考えたことを軸にアドバイスができますよね。「どうしたらいいですか?」という質問は考えていない人の質問なんですよ。沢村さん:そういった人がいる場合は、どうするんですか?谷尻さん:無視します(笑)。だって、僕が返答する時間がもったいないですよね。沢村さん:メールの場合は?谷尻さん:返事すらしないです。スルーします。返事する価値がないですよね。沢村さん:直接、来られたら?谷尻さん:「考えてから、来て」って言います。沢村さん:なるほど。谷尻さん:“考える会社”にしたいんですよ。やっぱり、人の答えを借りてばかりだと、自分の力にはならないですよね。沢村さん:少し話が変わりますが、最近、谷尻さんがやきもちを焼きたくなるような才能を持った建築家さんはいるんですか?谷尻さん:ときどき、スポットではいますよ。僕を負かすような人材が出てこないと、ダメだと思います。沢村さん:役者は結構いるんですよ、すごい才能の持ち主が。谷尻さん:そういう人材がいると、背筋が伸びますよね。僕も敬意を払った上で、建築の諸先輩方の足元をすくっていきたいです(笑)。(一同爆笑)沢村さんが監督を経験して変わったこと沢村さん:僕らの仕事は、作品に関わる者同士が“ライバル”というよりも、一つの作品をつくるチームメートなんですよ。谷尻さん:なるほど。「自分で0からつくりたい」っていう気持ちにはなりませんか?“演じる”一つ手前の……例えば、脚本をつくりたいとか。沢村さん:「ストーリーをつくるところから作品づくりに関わってみたい」という思いはあります。ただ、活字でストーリーをつくることに才能がないのがわかっているので、そのためのアイデア出しの方が好きですね。谷尻さん:文章力より、構成力があるのかもしれませんね。構成を翻訳してくれる人がいたらいいわけだし。沢村さん:演出などもやってみたいという気持ちもありますね。1回、監督業をやったことがあるんですが、楽しかったなぁ。全部、自分で決めるんですよ。衣装さんとか美術さんもプロなので、やりとりが本当楽しかったですね。こちらの言う要望を全部かなえてくれるので。谷尻さん:でも、それをやることで演じ方も変わりそうですね。頼む側の思いが読めるようになる役者になるわけだから。沢村さん:監督さんから言われたことに対して、ある種、反抗が入ったような「何でですか?」という聞き返しが3分の1くらいに減りましたね。要は、コミュニケーションが増えました。監督業をやる前と、後では。愛着があるものなら、不満や不便さも我慢できる沢村さん:谷尻さんが考える“ちょっと楽しい空間をつくる工夫”ってありますか?例えば、お施主さんが何を考えているかを把握した上で、「これをやれば、もっと良くなるかもしれませんよ」と提案するとか?谷尻さん:僕がお施主さんと話し合うときは、「この人は何に愛着があるのかな?」という部分を見いだすようにしています。結局、家は便利な方がいいに決まっているわけです。みんな、今よりも良くしたい願望があるわけじゃないですか?でも、人間って結局わがままな生き物なので、その便利さを手に入れると、また違う不便さを見つけるんです。携帯電話なんて、その最たる例で。最初「すごいな」というものが出てきたとしても、それより新しいものが出ると、それはもう“古いもの”になる。その過程をどんどん繰り返して、便利なものを追求し続けるんです。これは、あらゆるものに当てはまるんですよね。住まいも同じで、今より良い所に移っても、また不満を見つけるんです。でも、“愛着”って、その考えを超えるんですよね。沢村さん:へぇ~。谷尻さん:究極、使いにくいものでも、自分が気に入ったものであれば、長く使いますよね。沢村さん:「この手間が逆にいい!」とか言っちゃうかも。谷尻さん:古い車に乗っている車好きのおじさんなんて、「故障は自分の名誉だ」みたいに語るじゃないですか。そのダメ自慢をし始める理由って、やはり愛着だと思うんですよ。住まいも、その人の愛着がどこにあるのかを見いだせれば、仮に他の人が使いにくくても、その人からすれば“価値”になるんです。沢村さん:谷尻さんに依頼する人は、どんなところに愛着を持っているんですか?何か傾向とかあります?木目が好きとか。谷尻さん:雰囲気でいえば木や石だと思うんですけど、パーツでいったら、自分なりに使いこなせるものがあるとか自分のアイデアが入っているとか……ですかね。自分のアイデアが入れば、仮に使いにくくなったとしても、自分が出したアイデアだからそれを使いこなそうとしますよね。でも、僕が提案したプランで使いにくかったら、「何だよ、プロなのに」ってなるじゃないですか。プロの意見だけではなく、お施主さんと一緒に切磋琢磨してつくり出したものの方が、愛着は生まれます。僕一人だけの意見でものをつくりたくありません。そう考えると、やっぱり、もどかしい状況が一番いいんです。谷尻流、アイデアの出し方谷尻さん:アイデアについて言うと、アイデアって“閃き”ですよね。金八先生みたいなことを言いますけど、この漢字は“門”の中に“人”がいるんです。人が来て門を開くから、“閃く”。つまり、一人で考えるよりも誰かが来た方がアイデアは閃くわけです。沢村さん:おぉ!谷尻さん:思いがけないことを言ってくれるから、自分の中のアイデアが開くんです。自分一人で悩んでいても、閃きは生まれない。額に拳をあてて悩むポーズがありますけど、あれは“悩んでいるポーズ”が好きなだけです。沢村さん:そう言いますよね。あのポーズをして物事を考えている人は、あまりいない。谷尻さん:考え始めるまでのアイドリングが長いだけなんです。早くゴールするには、いろんな人と話して答えを見つける方が早い。自分以外の人に球を投げれば、思いがけない球が返ってくる。結果、化学反応が起きて、ゴールに早く近づける。沢村さん:だから、人と話したり遊んだりするんですね。谷尻さん:「いつ何時も、君のことを考えているよ」という言葉がありますけど、実際、そんなことないじゃないですか。ただ、「僕が君と違う行動をしていても、その行動の内容を君にいつも伝えたいと思ってる」というニュアンスは、その言葉に含まれていると思います。だから僕の場合、遊んでいても他のことをしていても、いつも建築に全ての矢印が向いているんです。例えば、ライブに行ってみんなが盛り上がっていたとすると、僕は「この曲はこんなテンポだから、みんな踊るんだな」っていう風に考えます。人が「楽しい」って思う瞬間には必ず論理があるから。遊びながら、ロジカルに考えてしまう。沢村さん:谷尻さん、図書館で勉強はしませんよね?谷尻さん:しないですね。沢村さん:図書館で勉強ばかりしてたら、そういった感覚は生まれなそうだもんなぁ。谷尻さん:だって、静かな空間に一人だと、違うことをしたくなっちゃいますよ。沢村さん:僕も台本を読もうとすると、2分くらいで寝ちゃう(笑)。谷尻さん:「読まなければいけない」はつらいじゃないですか。でも、「読みたい」ときに読むと、内容が入ってきますよね。「haveto~」か「wantto~」の違いはあるなぁと。建築家に理想の家をつくってもらうための、コツ沢村さん:もし、LIMIAユーザーの方々が建築家の方に仕事を依頼するとき、どうしたら上手に相談できるんでしょう?どう相談すれば理想の家に近づけるのか、教えていただきたいです。谷尻さん:ほとんどのお施主さんが、今住んでいる家をベースにアップデートしたがるんです。例えば、日当たりが悪かったら日当たりの良い家に住みたいとか。問題解決型の要望が多いんですが、そういう問題はいったん置いといて、「本当に自分が実現したい暮らし方は何なのか?」の答えを見つけることが大事だと思います。沢村さん:それだと、場合によっては、お施主さんも考えたことがないような発想を思いつかなきゃいけないかもしれませんね。谷尻さん:そうですね。僕らはそれを、“施主力”といっています。お施主さんのオーダーがいまいちでもそれなりの家になるんですが、お施主さんのオーダーに切れ味があったら、すごくいい家になるはずなので。沢村さん:さっきの話(前編)にもあった「わがままを全部言ってもらう」のがポイントですね。谷尻さん:僕らは、どちらかというと、カウンセリングみたいな感じなんです。その人の要望を引き出していくというか。ちなみに、わがままは言ってほしいんですが、度が過ぎると「それはわがままです」ってちゃんと言います(笑)。沢村さん:そうですよね~(笑)。谷尻さん:自分が好きなものは何なのか、またなぜそれが好きなのかがわかっていると、一番いいですね。だから、僕は必ずご自宅へ伺ってお話します。家に行けば、その人の愛着がわかるんですよ。好きな理由を何となく探しに行くことが大事ですね、僕の場合。沢村さん:つくっているものは家ですけど、結局、人なんですね。自分に置き換えてみると……人間観察してないなぁ(笑)。谷尻さん:仕事をするときも女性を誘うときも、クリエイティブじゃないと成功しませんよね。「どうやったら相手がうれしいか」の探求は、結果、自分の喜びにつながるじゃないですか。そのためには、想像力もいるし、クリエイティビティもいると思うんです。いろいろなことを考えて「これだ!」と決断ができる人と、特に考えず思い込みで突っ走る人では、絶対にゴールが違うと思うんですよ。沢村さん:やっぱり、コミュニケーションは一番大事ですね。いやぁ~、プレゼンがうまい!谷尻さん:余談ですけど、女性をご飯に誘うとき、「ご飯を食べに行こうよ」と言うと、「僕とご飯を食べる」ということが前面に出るので、相手が自分に興味を持っていないと成功しません。そうではなく、「なかなか取れないレストランの予約が取れて、行く相手がいないから、申し訳ないけど付き合ってくれないかな?」と言うと、オブジェクトが“僕”ではなく“レストランの料理”になるわけです。そうすると、「行ってあげてもいいかな」という気持ちになる可能性が高い。同じ目的でも、プレゼンテーションによって食べに行ける人と行けない人に分かれるんです。沢村さん:それを言うなら、そんなにモテない人でも誘い方のプレゼンテーションによっては……。谷尻さん:結局、お金持ちの人がモテるのはその人の魅力が理由なのではなく、「その人といれば、レストランに行ける機会が得られるから」なんです。別に容姿がいまいちでもモテている人がたくさんいるのは、そういった理由なんですよ(笑)。沢村さん:それに価値を感じる女性も、世の中にはたくさんいますもんね。谷尻さん:女性の誘い方もクリエイティビティなんですよ。沢村さん:深い(笑)!谷尻さん:何事も、どうしたら人が「wantto~」になるかを考えるのが重要なんです。沢村さん:何か、谷尻さんのお話はすごく説得力がありますね。(連載、おわり)【沢村一樹(さわむらいっき)】1967年7月10日生まれ、鹿児島県出身。今年4月からスタートした連続テレビ小説『ひよっこ』(NHK総合)では、谷田部実役で出演中。10月スタートの連続ドラマ『ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!~』(テレビ東京系)では、主演の杉山利史役が決定。また、2018年1月からは大河ドラマ『西郷どん』(NHK総合)に赤山靭負役での出演が決定している。【谷尻誠(たにじりまこと)】1974年、広島県生まれ。2000年、SUPPOSEDESIGNOFFICECo.,Ltdを設立。2014年より、吉田愛と共同主宰。JCDデザインアワード、グッドデザイン賞、INAXデザインコンテストなど多数の賞を受賞。現在、広島と東京を拠点とし、世界で活躍中。●Photographer:KenjiFujimaki●Stylist:MiyokoOnizuka(Ange)●HairandMake-up:INOMATA(&’smanagement)●Director:ShunsukeNakagawa(CROSSRING)●Casting:HiroSuzuki(Hybiscus)●Writer:YasuyukiUshijima(NOTECH)●Editor:AyaKanaizumi,TakashiOtsubo(LIMIA)【衣装「CalvinKleinPLATINUM」】トップス:¥29,000(CalvinKleinPLATINUM/税抜き)●Tel:03-5476-5811(株式会社オンワード樫山・お客様相談室)【特集・沢村一樹さん】私のインテリアとDIY——2匹の愛猫との暮らし【特集・沢村一樹さん】高級家具メーカーMinotti・金子直人さんに聞くインテリアの秘訣(前編)【特集・沢村一樹さん】高級家具メーカーMinotti・金子直人さんに聞くインテリアの秘訣(後編)【特集・沢村一樹さん】建築家・谷尻誠さんと語る、住まいと暮らしと仕事のこと(前編)
2017年09月08日今回は以前、ある番組で一緒に仕事をしたことがある、建築家・谷尻誠さんと沢村さんの対談をお届け。前編では、お二人の出会いのきっかけをはじめ、お互いの仕事観や住まいにまつわる素朴な疑問について、沢村さんが鋭く切り込みます!建築家・谷尻誠との出会いと、わが家のこだわり沢村一樹さん(以下、沢村さん):お久しぶりです。実は、「初めまして」ではないんですよね。ある番組で3人の建築家に僕の家を建ててもらう企画をやらせていただいたんですが、その建築家のお一人が谷尻さんでした。あのときは、何か少年のような人だなぁ~と思っていましたが、今日はちゃんとして見えます(笑)。谷尻誠さん(以下、谷尻さん):だいぶ、まともになりましたかね?年齢とともに(笑)。沢村さん:まともになったかどうかはわかりませんが(笑)。あのときは、いい加減な人だなぁ……と。谷尻さん:いい加減ではなく、“良い”加減ってことで(笑)。沢村さん:うまい!座布団一枚!(一同爆笑)沢村さん:その番組では、予算と土地の広さが決まっていて、家を設計してもらうという内容でした。谷尻さん:場所も決まっていたので、現地調査にも行きましたね。沢村さん:あの家、本当いい家だったなぁ……。谷尻さん:今は、どのように暮らしているのですか?沢村さん:今はマンションですね。谷尻さん:何だかんだ、マンションが楽ですよね。僕は広島と東京に家があって、広島は買っていて、東京は借りています。沢村さん:雑誌で(ご自宅を)拝見しましたが、東京の方は内装をかなりいじっていましたよね?谷尻さん:実は、東京の物件は内装を自由にしていい賃貸にしたんですよ。普通だと、古い建物は魅力がないからみんな借りたがらないので、ずっと空き部屋になっているんですが、逆にそういった物件を探して、内装をいじりました。これは、不動産屋さんに大家さんと交渉してもらいましたね。僕たちが改修すれば、僕たちのあとにも間違いなく借りたい人が来るので。沢村さん:ちなみに、東京の家は改修するにあたって、どれぐらいのコストがかかりましたか?谷尻さん:600万円くらいかな。沢村さん:それくらいお金をかけても、気に入った場所にいたいですよね。谷尻さん:やっぱりそうですね。変な所にいると、毎日がつまらなくなってしまいます。沢村さん:洗面所やお風呂といった水回りはきれいにしたいんですよ。谷尻さん:僕もそれは一緒ですね。他はラフでもいいですけど、水回りはきれいであってほしいですね。“建築家”という職業のイメージ。そして、その仕事について沢村さん:建築の仕事はゼロからしなくちゃいけないので、大変ですよね。僕ら役者は監督がいて台本があって、その通りに演じればできるわけで……。谷尻さん:そうですね。いわば、“台本を作る側”の仕事ですからね。沢村さん:実際、どういった仕事内容なんですか?そして、何でそんなに売れっ子なんですか(笑)?谷尻さんって、他の建築家とどこが違うんでしょう?谷尻さん:普通、建築家って“いざというとき”にお願いしますよね。一生に一度とか。そして、頼む側も慎重になりますけど、いざ頼むってなっても、誰に頼んだらいいかわからないし、ちょっと敷居も高そうじゃないですか。沢村さん:確かに。谷尻さん:何か、先生って感じもしますよね?先生にお願いする、という感じじゃないですか。他の建築家の方は、先生は先生でも“ドクター”という感じだけど、僕の場合は“町医者”に近い感じ。さっきも言いましたが、建築家は敷居が高くて、堅苦しいイメージが世の中に定着していますよね。だとしたら、もう少し社会性を持つべき職業であって、いざというときではなく、普段からちゃんと関わりが持てるような位置にいたいと思っているんです。だから、僕は町医者のような、普段から気軽に相談できるようなポジションが自分に合っていると思ってますね。沢村さん:家を建ててもらった人も、谷尻さんがどんどん有名になっていくのはうれしいと思います。こんなにメディアに登場して、有名になるなんて。谷尻さん:昔頼んだ人からすれば、“先物買い”みたいな感覚かもしれないですね。ちゃんと頼んだ人が活躍するのは、自分でいうのもなんですが、うれしいことだと思いますよ。沢村さん:ご自身が「他の人と違うな」というところはありますか?谷尻さん:仕切らないということですかね?このカフェ(※)は、オフィスとカフェに仕切りがないんです。僕は、現代は“同居の時代”だと盛んに言っています。例えば、ピアノを習う。英会話を習う。この2つを実現しようと思うと、2つの時間がいるわけですよね。でも、今は英語でピアノを教えてくれる時代だと思うんです。沢村さん:例え話が上手ですね~(笑)。※今回の撮影・対談場所でもある、谷尻さんが代表のSUPPOSEDESIGNOFFICECo.,Ltdの新東京事務所と飲食店が一緒のスペースになった「社食堂」。谷尻さん:昔は家の土間で商いをやっていて、子育てをしながらお店をやっているという風景が日常でしたけど、いつの間にか子育てと商いが独立してしまったんです。でも、一周回って働くことと生活することがすごく近くなっていますよね。沢村さん:ちなみに、谷尻さんに設計を依頼される方は、どういった人たちが多いんですか?谷尻さん:僕がつくったものを見て来られる方もいますし、雑誌のインタビューなどを読んで来られる方もいますね。沢村さん:谷尻さんの考え方に共感した方が来るわけですね。谷尻さん:そうですね。そういう方が多いですね。沢村さん:じゃあ、今までの暮らしと全然別の暮らしをイメージできる人じゃないとつらいですよね。谷尻さん:やっぱり住宅メーカーに頼む人は、今までの暮らしの延長上だと思うんですよ。例えば、3LDKがいいとか。そのセオリーを自分に合わせると、僕らに頼む場合はセオリー自体を一緒につくるやり方なので、ある意味、0(ゼロ)から1なのか、1から10なのかという違いでもあると思います。沢村さん:今までつくってきた家で、「失敗だったなぁ」という家はありますか?谷尻さん:大きな失敗はないんですけど、小さな失敗はたくさんありますね。でも、その失敗は正直にお施主さんに言いますよ。今は、今できる最大の仕事をするけれど、それは成長の過程でもあるので、あとからできものがいいに決まっていますよね。負荷がかかれば、人はそれを乗り越えるために成長する沢村さん:話が変わりますが、やっぱり照明は大事ですか?僕は、インテリアは照明が肝だと思っていますけど。谷尻さん:大事ですね。やっぱり照明は、その場所の雰囲気をつくります。明るいダイニングレストランって、何か雰囲気良くないですよね。人は暗いと声が小さくなりますし、その分、親密な会話ができるんです。明るい場所で親密な会話って、できないですよね。沢村さん:へぇ~、やっぱりそういったことも考えているんですね。よく人のことを観察しているんだなと思います。谷尻さん:すごく、“人”好きですね。沢村さん:そういった思いやりが作品に出ていると思いますね。谷尻さん:ありがとうございます。いくら他の人の家を設計するといっても、自分が住みたくなるような家じゃないとダメなんですよ。変な話、お施主さんのオーダーをかなえることが仕事ですけど、我慢して自分が住みたくない家を設計するのと、自分が住みたいと思う家を設計するのでは、後者の方が誠実な気がして。だから、自分のわがままさとお施主さんの要望が入り混じっていないと、自分の作品じゃない感じがするんです。沢村さん:そこが、谷尻さんの個性にもなっているんでしょうね。谷尻さん:ある種、そうかもしれませんね。言われたことだけをかなえるのであれば、僕に頼まなくてもいいわけじゃないですか。沢村さん:それは、役者も一緒ですね。監督に言われたことを聞いてセリフを言うだけなら、僕じゃなくてもいい。だから、「俺の言う通りに、この台本通りにやってくれ」という監督とは仕事はしない(笑)。谷尻さん:機械的なのは難しいですよね。もどかしい中、何とか出来上がることに意味があるわけで。沢村さん:確かに、“共作”にならないと意味がないですね。谷尻さん:お施主さんとの会話の何気ない一言がアイデアの種になって、「おかげでこれができました」ってなることも多々ありますよ。沢村さん:そういうときに完成したものって、何か楽しいですよね。谷尻さん:全部思い通りになると、つまらないですもんね。沢村さん:何か、妥協して受け入れている自分が好きなときもあるし。谷尻さん:結局、人は負荷がないと成長しないんですよね。お施主さんから「全部好きにやっていいよ」って言われたら、逆に困ります。負荷がないと、限界の力が出せない。わがままとか無理難題を言ってくれるから、負荷がかかって、それを超えるアイデアが生まれると思うんですよ。沢村さん:もし、お施主さんがわがままを言ってくれなかったら、どうするんですか?谷尻さん:負荷がないときは、絶対にないですね。みんな、500円を持ってチャーシュー麺を食べに来るんですよ。本人は500円で食べられると思っているけど、実際は800円なんです。でも、「500円で800円のチャーシュー麺を食べさせてくれ」という人と、「500円しかないけど、一緒に新しいチャーシュー麺を作りましょう」という人だと、前者は“ただのわがまま”なので、そういった人の仕事はなかなかできません。ただ、後者の場合は、もしかすると“チャーシュー”を“鶏”に変えれば、もっとおいしいものができるかもしれないですよね。そういった可能性を一緒に探っていくことが大事なんだと思います。(後編につづく)【沢村一樹(さわむらいっき)】1967年7月10日生まれ、鹿児島県出身。今年4月からスタートした連続テレビ小説『ひよっこ』(NHK総合)では、谷田部実役で出演中。10月スタートの連続ドラマ『ユニバーサル広告社~あなたの人生、売り込みます!~』(テレビ東京系)では、主演の杉山利史役が決定。また、2018年1月からは大河ドラマ『西郷どん』(NHK総合)に赤山靭負役での出演が決定している。【谷尻誠(たにじりまこと)】1974年、広島県生まれ。2000年、SUPPOSEDESIGNOFFICECo.,Ltdを設立。2014年より、吉田愛と共同主宰。JCDデザインアワード、グッドデザイン賞、INAXデザインコンテストなど多数の賞を受賞。現在、広島と東京を拠点とし、世界で活躍中。●Photographer:KenjiFujimaki●Stylist:MiyokoOnizuka(Ange)●HairandMake-up:INOMATA(&’smanagement)●Director:ShunsukeNakagawa(CROSSRING)●Casting:HiroSuzuki(Hybiscus)●Writer:YasuyukiUshijima(NOTECH)●Editor:AyaKanaizumi,TakashiOtsubo(LIMIA)【衣装「CalvinKleinPLATINUM」】トップス:¥29,000(CalvinKleinPLATINUM/税抜き)●Tel:03-5476-5811(株式会社オンワード樫山・お客様相談室)【特集・沢村一樹さん】私のインテリアとDIY——2匹の愛猫との暮らし【特集・沢村一樹さん】高級家具メーカーMinotti・金子直人さんに聞くインテリアの秘訣(前編)【特集・沢村一樹さん】高級家具メーカーMinotti・金子直人さんに聞くインテリアの秘訣(後編)【特集・沢村一樹さん】建築家・谷尻誠さんと語る、住まいと暮らしと仕事のこと(後編)
2017年09月07日東京・東神田にあるギャラリーのタロウナス(TARO NASU)では、7月28日から8月12日まで、展示会「ユメイエ展:日本の若手建築家」を開催する。日本の若手建築家9人と2組のユニットがドローイングと模型を作成し、それをもとに彼らを紹介する同展。建築設計という実践的な営みと「夢」という想像力の領域の橋渡しを意図しており、13人の若手建築家には「夢の家」というテーマが与えられる。家とは建築のアーキタイプであり、「建てる」や「住む」といった人間の始原的な営みをめぐる思考と深く関わっており、「夢」という概念の解釈は建築家それぞれに委ねられている。ドローイングや模型が体現する小さなスケールの空間内には、それらの夢が表層し、現実の建築以上に濃密なミクロコスモスを形作る。閉塞感が漂う時代に、建築がどのような夢を紡ぐことができるのか。その投げかけに対する、多様な回答を垣間見ることができる展示会となっている。参加する建築家は、青木弘司、畝森泰行、「o+h」の大西麻貴と百田有希、海法圭、田根剛、「teco」の金野千恵とアリソン理恵、中川エリカ、能作淳平、能作文徳、萬代基介、御手洗龍の13名。【イベント情報】「ユメイエ展:日本の若手建築家」会期:7月28日~8月12日会場:TARO NASU住所:東京都千代田区東神田1-2-11時間:10:00~18:00休廊日:日曜月曜祝日
2017年07月23日結婚、出産・子育てを経て、生活や仕事が変わった人も多いはず。独身の頃を思い出し、「あの頃は自由でよかった」「あの時のほうが幸せだったかも…」と思う人もいるかもしれません。そんな人にぜひ読んで欲しいのが、やまもとりえさんのマンガ『Aさんの場合。』(祥伝社刊)です。祥伝社のWEBマガジン『コフレ』で連載されているマンガで、昨年末に書籍化されました。やまもとりえさん自身が、2歳と0歳の男の子のママです。主人公は、独身のAさんと既婚で子どもがいるBさんマンガの主人公は同じ会社にいる2人の女性、Aさん(30代独身、ひとりがラク)とBさん(30代既婚で娘が1人、人づきあいが上手なタイプ)。会社でのちょっとしたやり取り、産休や育休時のこと、クリスマスやお正月の過ごし方などを、Aさんの視点、Bさんの視点からそれぞれ綴ります。Bさんが感じていることは、まさにワーキングママ的な共感がずらり。たとえば、------------------------------------〈Bさんの本音〉・ 時短で会社から早く帰るのに、まわりに気を遣ってしまう。本当はもっと仕事していたい・ 保育園に寄って急いで夕食を作ったのに、パパは「夕飯はいらない、飲み会になってしまった」とメールを送るだけで気楽・ 実家での帰省時に、やたら息子を「優秀だった」と言う義母が面倒くさい・ SNSを見ていると、まわりみんなが自由で楽しそうな写真ばかりをアップし、憂鬱になる・ ------------------------------------など、どれも「わかる」「私もそう思ってた!」と感じるエピソードが並びます。結婚や仕事への考え、SNSの感じ方の違いがおもしろい一方、Aさんが感じていることは、結婚する前に自分が悩んでいたことだったり、ママになった今でもふと感じることだったりに近いものがあります。------------------------------------〈Aさんの本音〉・子どもがいる人は、会社から早く帰れてうらやましい。仕事も気楽な気持ちでやっているんだろうと思う・ 正月に帰省するたびに、親から同級生や友人の結婚、出産話を聞かされる・ SNSには結婚・出産をした友人たちの、子ども自慢・幸せ自慢ばかり・ クリスマスは、一番孤独を感じる時。ひとりでいるのは良いが、「かわいそう」と思われるのがイヤ------------------------------------など、すっかり忘れていた独身時代に悩んでいたこと、ひとり暮らしのときに感じていたことが、ありありと描かれていてビックリします。職場の上司、パパなど、まわりの人の本音もAさん、Bさん以外にも、ふたりの上司である課長や、Bさんの夫の本音も描かれています。---------------------〈課長〉・Aさん、Bさんそれぞれに良いところ、良くないところがあり、それぞれの扱いが難しい〈パパ〉・子育てに理解がない上司との間で板ばさみ。子育てや家事をひとりで背負いこんでいるBさんを察し、「もっとふたりで話し合わなくては」と提案する---------------------どの人の視点も、とても共感できて納得できるものばかりで、ひとつの出来事に対し、いろいろな立場から想像してみることの大切さを感じます。仕事と子育て、家事をしていると、「自分ばっかりが大変」「だれも助けてくれない」と辛かったり、孤独を感じたりすることも多いと思います。しかし、ちょっと視点を変えることで、悩んでいることが解消されたり、孤独感や不安感が少しラクになることもあります。いわゆる「子育てマンガ」は、子育てのエピソードが中心になり、ママや子どもが主人公になって描かれることが多いのですが、このマンガでは、実際はそれだけでなく多くの人が関わっていることにも気づかされます。私自身も『Aさんの場合。』を読んでから、会社や家庭で、それぞれ仕事や子育てをしていると、「相手はこう思っているかもしれない」とか「言い方を変えても良いかも」と少し配慮するようになりました。今の暮らしに、ちょっとした“気づき”を与えてくれる『Aさんの場合。』、ママはもちろん、独身の女性やパパにもおすすめ。試し読みもあるので、ぜひ読んでみてください。『Aさんの場合。』(祥伝社刊)試し読みはこちら→<文:フリーランス記者武田由紀子>
2017年07月17日仕事が忙しく毎日家に寝に帰るだけの人や、子育てで自分に時間をかけることができない人って多いですよね。でも、少しでもキレイでいたいのは、全女性共通の悩みのはずですよね。そんな時間のない人でもできる美容法は?時間を有効活用することで、いまよりキレイを目指しませんか?日常生活の「クセ」を直して”歪み”、”シワ”を予防する1.寝るときは”仰向け”で”枕の高さ”に注意!眠るとき、あなたはどんな体勢が寝やすいですか?うつ伏せ・横向きという方もいるかもしれません。ですが、その姿勢で長時間枕に顔を押し付けていると、顔に”寝ジワ”がついてしまう可能性があります。例えば、左右のどちらかだけ「ほうれい線」が深い場合、実は深い側の顔を枕に押し付けているのかも?!せっかく日中ほうれい線を薄くするマッサージを頑張っても、夜中シワをつけるような行為をしていては無駄になってしまいます…。寝るときはなるべく仰向けを意識してください。また、枕が高すぎると首にシワができる原因になるので、高さの合っていない枕の使用もやめましょう。自分にぴたっと合う高さや硬さの枕は、良質な睡眠へと導いてくれます。良質な睡眠こそ、美容にとって最も大切なことだと良く見聞きしますよね。2.片足重心・バッグを同じほうの手でいつも持つなどをやめるいつも同じ方の足に重心を置いて立っている・足を組んでいる・バッグを同じ方の手で持っている・・・これらが身体の歪みを招くのは有名な話ですよね。美容とは、起きてしまったことを治すために頑張るよりも、起きないように予防することのほうがよほど大切。つまり、歪みを治すために骨盤矯正サロンに頻繁に通うよりも、歪まないように生活する事のほうが大切なのです。「骨盤矯正サロンに通う時間がない」人も、日々の生活の中で姿勢を気をつけるて、サロンに行く必要のないボディを目指すことはできるはずです。なるべく手間のかからないヘアスタイルにする3.黒髪ロングのストレートは一見ラクに見えてケア命のため避ける頻繁にヘアサロンへ通う時間がない人は、なるべく長期間サロンへ行かなくても、それなりにきれいなまま維持ができ、しかもセットに時間がかからないヘアスタイルにしたいもの。となると、一見、”長時間染めなくても根元が目立たず、セットも短時間で終わり、結ぶ”こともできる「黒髪のロングストレートヘア」が良さそうに見えます。ですが、この髪型こそ実は最も手間がかかるもの。黒髪は、ツヤがない・ただ長いだけだと汚く見えるため、トリートメントと頻繁な整えが生命線です。地毛の色との差が目立ちにくい程度に適度にカラーリングをした髪のほうが、手間をかけなくてもそれなりに見えることもあります。4.自宅で簡単にできるトリートメントを活用する近年では、自宅で簡単にできるヘアトリートメント製品がたくさん発売されているので、それらを毎日のバスタイムで使用するのもオススメです。シャンプー後にリンスの代わりに使用するだけのものもあります。それなら、工程が増えるわけではないためラクですよね。どんなに忙しくてもお風呂に入って髪は洗うもの。ですから、その時間を有効活用しましょう。数ヶ月に1回時間をかけてサロンでトリートメンとをするよりも、毎日きちんと家でケアしてあげることのほうが身を結ぶ場合もあります。“ながら美容”ができるアイテムを駆使する5.フェイスマスクをしながら、何かを同時進行美容液や化粧水がたっぷり染み込んだフェイスマスク。こちらは、スキンケアをしながら他のことも同時にできるため、時間がない人にとってかなり効率的なアイテムです。マスクにもよりますが、顔につけてからの放置時間は約10~20分。その間に家事やメールの返信など、寝る前にしなければならないことを済ませましょう。顔をしっかりとスキンケアをしながら、他のタスクの整理をすれば、この時間も取れますよね。これであれば、スキンケア単体で時間を割くこともないので、忙しい人でもスキンケアができるはずでは?6.スチーマーで保湿しながら寝る睡眠中に、寝室で使用できるスチーマーであれば、寝ながら髪や顔の保湿を行うことができます。お部屋は意外と乾燥をしているし、汗もかきます。すると、夜寝る前にどんなにしっかりスキンケアをしても、顔や髪は乾いてしまうもの。スチーマーを使えば、寝ている時間を有効活用して、髪と肌に潤いを与えることができます。就寝中に使用できるナイトモードを兼ね備えたスチーマーを選び、頭周辺に設置をすると、より効果が期待できます。美容の時間は”新しく作る”のではなく、生活を”見直せば”生まれる!仕事でとにかく忙しく、エステや美容院・美容系のサロンに通う時間なんてない。家に帰ってからも半身浴やストレッチする間もなく寝る。という方も、お風呂の時間や寝ている時間、帰宅後のタスク整理の時間に一緒にできる美容法であればできるはずですよね。子育て中でなかなか自分の美容に当てる時間がない人でも、お風呂には入るし、睡眠もするはず。そんな時間を利用して、ちょっと意識を変えたり何かを投入したりするだけで、いまより少し”きれい”になるために時間を使うことはできるのです。
2017年06月15日日本唯一、マニアでなくても興味津々!2016年6月、天王洲アイルにオープンした「建築倉庫ミュージアム」は、日本で唯一の、建築模型を展示しながら保存している施設です。建築家や設計事務所のこだわりが凝縮されている設計模型は、建物建築の指針となるものですが、これらには日本の最先端の技術やトレンドのデザインなどが反映されていることも多く、建築文化の移り変わりを知ることが出来る資料としての価値もあります。施設内に並べられた建築模型は圧巻の一言。一つ一つを隅々まで見ていると、時間があっという間に過ぎてしまいますよ。ミュージアム内には、新国立競技場のデザインなどを手掛けた隈研吾さんや、東日本大震災の復興支援として「コンテナ多層仮設住宅」を発表した坂茂さんなどの著名な建築家から、新進気鋭の若手まで、幅広い作品が展示されています。私たちが普段目にしている建物があるかもしれませんね。「見る、学ぶ、味わう」体験が出来る、新時代のミュージアムです。展示と保存を両立する環境づくり館内は模型保存に相応しい温度・湿度管理が徹底されており、仮に火災が発生したとしても作品に損傷を与えないよう、窒素性ガスによる消火設備が採用されています。また、模型を引き立てる照明はLEDが採用されており、光線による退色などを防いでいます。また、模型には四方からライトを当てると同時に、通路の照明を少し暗くすることで、作品を際立たせる演出も施されています。倉庫街を探索しよう「建築倉庫ミュージアム」は、品川区東品川にあります。電車の場合最寄り駅は、りんかい線の「天王洲アイル駅」です。駅のB出口を出て徒歩5分、天王洲公園を抜けた先にある「寺田倉庫本社ビル」の1階です。東京モノレールの天王洲アイル駅からも徒歩で5分圏内ですので、天王洲周辺を散策しながら探すのも楽しいと思います。車の場合山手通りから海岸通りに抜けて、天王州にある「寺田倉庫本社ビル」を目指して下さい。なお、駐車場はありませんので近隣のコインパーキングをご利用ください。営業時間・料金案内「建築倉庫ミュージアム」の開館時間は、下記の通りです。“開館時間日~木11:00-20:00(最終入館19:00)金土11:00-21:00(最終入館20:00)”出典:なお、閉館日はありませんが、施設の改装等で臨時閉館になる可能性もありますので、事前にHPなどで最新情報を確認しておきましょう。入館料は下記の通りです。“一般¥1,000高校生以下および18歳未満¥500未就学児以下 無料15名以上の団体は、入館料からそれぞれ200円割引*障害者手帳をお持ちの方とその付添者1名は無料*それぞれ入館の際、学生証等の年齢のわかるもの、障害者手帳等をご提示ください。”出典:保存のみならず展示をすることで、普段、建築模型に触れることがない私たちにもその奥深さを感じさせてくれる施設です。大人の社会科見学として、友人や家族と一緒に、訪れてみてはいかがでしょうか。スポット情報スポット名:建築倉庫ミュージアム住所:東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫本社ビル1F電話番号:03-5769-2133
2017年06月07日こんにちは。メンタルケア関係を中心に執筆しているメンタルケア心理士の桜井涼です。仕事をしたいけど、「子育てや家事のことを考えると大変なのではないか」と思う方も多くいらっしゃると感じています。在宅で仕事ができたら、通勤時間を家事に当てたり、 子どもと過ごす時間を多く取ったりすることができますからね。今では、企業でもそのような動きにシフトチェンジしてきています。しかし、全ての会社がそうなるわけではありませんので、在宅で稼ぐことのできる資格を持つ方法をとるのがいいかと思います。興味のある事柄で分けてご紹介します。●子育て関連の資格“子育てに関する仕事”は、わが子を育てている延長上にあります。そのため資格を取ることで、意外と早い段階で仕事に結びつきます 。その資格とは、・保育士(多少条件があります)・認定ベビーシッター(全国保育サービス協会の認定資格)・チャイルドマインダー(イギリスで誕生した少人数での保育スペシャリスト)・ベビーマッサージなどです。資格取得後は、在宅で保育を仕事として活動することができます。お住まいの都道府県に届けを出したり、ベビーシッター事業に登録したりすることで仕事ができるようになります。●趣味を活かした仕事関連の資格元々インテリアに関することが好きだったり、食に関することが好きだったりするという人は、好きなことを仕事にできます。資格を持っていればなおのこと有利に働きますので、関連する資格を取っておくことをお勧めします。・インテリアコーディネーター・整理収納アドバイザー・ネイリスト・食育実践プランナー(食に関するさまざまな知識・教育の面で活躍できる資格)などがあります。インテリアコーディネーターや整理収納アドバイザーなどは、クラウドソーシング などを利用することで仕事を見つけることができます。また、そういった関係のWebライターとしても知識を活用できますので、仕事に結びつきやすいです。もの作りをするなら、家で作業してフリーマーケットや雑貨屋などに置いてもらうといった方法もありますし、オークションサイトやネットショップを運営してもいいでしょう。●事務関係の資格事務関係というと、簿記などを思い浮かべるかと思います。今は、こういった資格があると力強いです。・MOS(マイクロソフト オフィス スペシャリスト)MOSとは、WordやExcelの技能を開発元のマイクロソフト社、自らが証明する唯一の国際資格です。世界基準の資格 ですので、どこでも通用します。事務関係の仕事は、パソコンがあればどこでも仕事ができるという利点があります。クラウドソーシングなどのさまざまなネット求人で仕事を見つけることができます。小さい子どもがいても、家でしっかり仕事ができるというわけです。●おわりに子どもが病気のときに家にいてあげたい、子どもが帰ってくる時間には家にいて「おかえり」と声をかけてあげたいなど、子どもを中心とした生活をしたいと考えている方が多いでしょう。それを叶えるためには、稼げる資格を持っているのとそうでないのとでは大きな違いがあります(稼げる額も変わってきます)。自分に向いている・やれそうと思ったことに目を向けてみましょう。在宅で稼げるという特権をフル活用するために、一歩踏み出してみませんか。【参考リンク】・公益社団法人全国保育サービス協会()・1人でも乳幼児を保育する(預かる)事業を行う皆様へのお知らせ | 厚生労働省(PDF)()●ライター/桜井涼(メンタルケア心理士)●モデル/NANAMI(RIRIAちゃん)
2017年03月22日倉庫のようなミュージアム「建築倉庫ミュージアム」倉庫が本来担っている「保存する」目的と今までにはなかった「鑑賞」の概念を組み合わせ、新しい鑑賞体験を提案する「建築倉庫ミュージアム」。建築家の細部へのこだわりや建築文化そのものを楽しむことのできる施設として、日本人のみでなく、海外観光客からも人気の高い施設として注目を集めています。著名建築家から新鋭建築家まで多様な模型を展示ミュージアムには、“浅草文化センター”や“スターバックスコーヒー 太宰府天満宮表参道店”などを手掛けた「隈 研吾」、東日本大震災の復興支援の一環として“コンテナ多層仮設住宅”を発表し、世間にその名を轟かせた「坂 茂」、次世代のライフスタイルを提案する施設として2011年にオープンした“代官山 T-SITE”の「クライン ダイサム アーキテクツ」などの著名な建築家の作品が並ぶほか、これからの活躍が期待されている新鋭の建築家の模型も数多く立ち並んでいます。普段建築にはなかなか触れることのない方にとっても、建築が好きな方にとっても、有名な作品から日常では目にすることのない珍しい建築模型に触れることができるので、それぞれの味わい方で楽しむことができます。建築模型に託した設計者の飽くなき探究心を体感する「芸術作品」と称され、世界から高い評価を受ける日本の建築模型。建築模型は模型としての機能のみならず、細やかな技法やこだわりによって人を惹きつける力を持ち合わせています。このミュージアムでは、その建築文化をより堪能するため、施設内の温度や湿度管理を徹底して行うことで、「保存」と「展示」の両方を実現し、建築模型の広がる可能性へ挑戦を続けています。取材・文/鈴木詩乃スポット情報スポット名:建築倉庫ミュージアム住所:東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫本社ビル1F電話番号:03-5769-2133
2017年03月10日建築家の藤森照信による展覧会「藤森照信展-自然を生かした建築と路上観察」が、3月11日から5月14日まで茨城県の水戸芸術館現代美術ギャラリーにて開催される。藤森照信は、近代建築史・都市史研究の第一人者として多くの業績を残した後、45歳で神長官守矢史料館を設計し、建築家としてデビュー。以後、屋根にタンポポやニラが植えられた住宅や、皮付きの木材を柱にした鳥の巣箱のような茶室など、建築の概念を超えた新しさと、遠い過去を想起させる懐かしさを併せ持つ独創的な建築を生み出し続けている。2016年6月にオープンした岐阜県多治見市「モザイクタイルミュージアム」を設計、監修したことでも記憶に新しい。同展では、建築と自然の関係を取り戻すべく藤森が取り組んできた“自然素材をどう現代建築に生かすか”、“植物をどう建築に取り込むか”というテーマで造られた作品より、代表的な建築を模型、図面、写真で紹介。なかには、「モザイクタイルミュージアム」など一部を再現した展示も。また、滋賀県近江八幡で創業し140年以上の歴史を持つ老舗和菓子屋「たねや」が創作の地で展開する「ラ コリーナ近江八幡」のメインショップの「草屋根」、たねやグループの本社「銅屋根」も手掛けた藤森。たねやのお菓子とともに、藤森の建築とたねやの取り組みを紹介するセクションも展開される。さらに、これまで手掛けた建築の屋根や壁などの素材見本や家具なども展示し、藤森の仕事を紹介する。その他、ギャラリー空間に新作の茶室を制作し、会期中はお茶会も開催する予定。【イベント情報】「藤森照信展-自然を生かした建築と路上観察」会場:水戸芸術館現代美術ギャラリー住所:茨城県水戸市五軒町1-6-8会期:3月11日~5月14日時間:9:30~18:00(入場は17:30まで)料金:一般800円、前売・20名以上の団体600円、中学生以下、65歳以上、障害者手帳保持者と付き添い1名は無料※「ハイティーンH.T.P.」1,000円(対象:15歳以上20歳未満)、「おとなのパス」2,500円(対象:20歳以上)休館日:月曜日(3月20日は開館)、3月21日
2017年02月05日2017年4月8日(土)~6月25日(日)の期間中、日本の建築美に迫る展覧会「日本、家の列島フランス人建築家が驚くニッポンの住宅デザイン」が、パナソニック 汐留ミュージアムにて開催されます。世界的にみてもトップレベルと評される日本の建築。フランス人写真家と建築家たちによるキュレーションで、その美しさや新しい建築の楽しみ方を発見しましょう。世界をめぐる展覧会。日本だけの特別の展示もこの展覧会は、2014年5月からフランス、スイス、ベルギー、オランダの各都市を巡回した展覧会の帰国展です。世界の人々を魅了した日本の近現代の住宅建築にスポットをあてて紹介しています。会場は「昨日の家」「東京の家」「今の家」の3部で構成されており、それぞれ多数の写真と映像、図面、建築と施工主とのインタビューなどが紹介されています。また今回の帰国展では、ヨーロッパでの巡回展にはなかった模型とスケッチも加えられていますよ。日本を愛するフランス人がみる、日本の建築企画実現の中心となったのは、4人のフランス人。写真家のジェレミ・ステラ、建築家のヴェロニック・ウルスとファビアン・モデュイ、日本在住30年で建築設計事務所「みかんぐみ」の共同代表であるマニュエル・テルディッツらによるものです。日本通の彼らの独自の視点で約70件の住宅作品が展示されます。建築に興味がある方はぜひ足を運んでみてくださいね!イベント概要名称:日本、家の列島フランス人建築家が驚くニッポンの住宅デザイン会期:2017年4月8日(土)~6月25日(日)入館料:一般800円/65歳以上700円/大学生600円/中・高校生200円/小学生以下無料※20名以上の団体は100円割引※障がい者手帳をご提示の方、および付添者1名まで無料で入館可能※5月18日(木)国際博物館の日は、すべての方が無料開館時間:午前10時より午後6時まで(入館は午後5時30分まで)休館日:水曜日(ただし5月3日は開館)会場:パナソニック 汐留ミュージアム東京都港区東新橋1-5-1パナソニック 東京汐留ビル4階問い合わせ:03-5777-8600公式HP:
2017年01月24日南青山にあるお洒落なジュエリーショップ、アンジェリーナ表参道のオーナーデザイナーである篠田恵美さんは、25歳でアンジェリーナを立ち上げた後、28歳で結婚し、年子で男児を出産。それだけでも多忙なのに、2002年、脳外科医のご主人のアメリカ勤務に伴い、乳飲み子二人を抱えて渡米したというパワフルなワーキングマザーです。しかもアメリカ滞在中、さらにジュエリーを探求するため、当時まだ日本に定着していなかったクリスタルヒーリングやセルフイメージ心理学を学び、帰国後、“願いを叶えるジュエリー”をコンセプトに、パワーストーンとは一線を画した、豊かなライフスタイルのためのパートナージュエリーのデザイン・制作をスタート。美しく女性らしい外見からは想像できないエネルギッシュな彼女から、血反吐を吐くような想像を絶する大変さだったという在米での子育ての苦労話、そして、仕事も育児も人間関係も、すべてを回していくために大切な生き方のエッセンスを伺います。■子育てには “この時しかできないこと” がある学生時代からおつきあいしていた男性と結婚し、31歳、32歳と続けて男児を出産した篠田さん。子供たちが1歳と半年ほどのまだ赤ちゃんの頃、渡米することを決心します。―― よく乳飲み子を二人連れて、アメリカへ行こうと思われましたね。「いくつかの理由があります。アンジェリーナを始めた1990年代は、カラーストーンでファンタジックなデザインが時代に合っていて、ファッション誌にもたくさん取りあげられていたのですが、世紀末になると、プラチナにダイヤだけのシンプルなデザインが流行りだして、どうしたらお客様に本当に喜んでいただけるジュエリーを制作出来るのかヒントが欲しくて 勉強し直したいと思っていました。それと、当時、ハリウッドの名女優たちにライフスタイルについてインタビューをするという『デブラ・ウィンガーを探して』(監督:ロザンナ・アークエット/2002年)というドキュメンタリー映画がありました。そのなかでジェーン・フォンダが、『人生で後悔してることはありますか?』との問い対して、『1番後悔しているのは、子育てを人任せにしたこと。子育てについては後回しにすると取返しがつかないことがある』と答えていたのが印象的だったんです。経営者の集まりなどに出ると、一部上場企業のキャリアを積んだ女性経営者の方とかカッコいいんですけど、高校生のお子さんとコミュニケーションが上手くいかず悩んでいたりして…。それを見て、やっぱり幼少期こそが大切だから、腹をくくるべきであろうと。優先順位を考えた時、デザイナーとしての仕事の情熱がトーンダウンして、子供二人との時間を犠牲にしてまでこの仕事を続ける意味が見えなくなっていて。お店は信頼できるスタッフに任せられる状況だったので、思い切って行く選択をしました」―― ご主人の単身赴任という選択はなかったのですか?「当時の悩みは、仕事を続けながら2人の子供をたて続けに授かったことが思った以上に大変だったこと。想像を絶するめまぐるしさで、子育ての楽しい話を聞くと羨ましいけれど、私はもうそれどころじゃない。そのなかで、本当に自分がどうしたいか見極めなきゃいけないけれど何も見えなくなってしまいました。今までの環境から離れて考えるのもいい機会かと、アメリカでなくてもよかったんですが、飛び込んでみようって感じでしたね」 ■雪の飛行場で「ここではぐれたら、一生ママとは会えないよ」と脅しながら…脳外科医のご主人が勤務するミネソタ州のメイヨクリニックは、実績はあるけれど、州都のミネアポリスからプロペラ機で1時間ほどの田舎に位置し、患者さんはヘリコプターで来院するような、病院のための街という感じだったとか。そこに、ご主人は5年間、彼女と子供たちは、日本と行き来しながら3年間滞在したそうです。―― 非常に特殊な環境ですよね。どんな苦労がありましたか?「主人は過酷だったと思います。彼はチャレンジャーなんですよね。フォローしてあげなきゃいけないのに、彼の世話はほぼなし。お互いヘトヘトで会話はなくなっていく。長男は1歳、次男は半年ぐらいでまだ赤ちゃんですから、子供とも話せない。田舎だから車でしか動けない。夏は灼熱、冬は厳寒。庭に来るのはシカ、キツネ、リスだけ。誰ともコミュニケーションできなくて、孤独感と焦燥感がつのり、追い詰められました」―― ミネソタで一番辛かった体験は?「日本に帰ってまた戻った時、飛行場で乗り換えなきゃいけないのに、激しい雪で飛行機が飛ばない。夜11時に次の便は朝の5時半だと言われ、2歳半の長男とヨチヨチ歩きの次男を連れて、空港にはホームレスもいて不安なので、近くのホテルを探したんです。深夜、雪が降り積もる中、ズルズル滑りながらホテルを探して歩いて、下の子は体にくくりつけ、両手には荷物を持って、長男には『今、ここではぐれたら、一生ママとは会えない。死ぬかもしれない。そう思ってしっかりついてこい』と脅したら、必死でついてきましたね。でも、子供たちは時差の関係で全然寝なくて、4時半に空港に戻ってきたら、リコンファームしていたにもかかわらず席がないと。ここで絶対乗らなきゃと思って、ウェーンウェーンて思い切り泣いたら、壊れてる座席が一つあるというので、壊れてても乗る! 何ならトイレに2時間入っててもいい! と騒いで、何とか帰ってきました(笑)」―― それはすごい! 息子さんもタフになるでしょうね。「上の息子は自立心が強く、今、高校生ですが、やはりすごい反抗期でコミュニケーションは大変ですけれど(笑)」そんな命懸けの体験をしながらも、ミネソタでは子供をシッターに預けて、クリスタルヒーリングで有名な女性に会いに行き、彼女に相談すれば悩みの答えの糸口が見つかると期待したものの「あなた、どうなりたいの?」と聞かれてなにも答えられず、「どうなりたいかわからない人に話すことはないから、帰って」と言われ、泣きながら運転したりも。その後は様々に学びを深めながら、篠田さんは、自分だけが提供できるお客様に本当に役に立つジュエリー、なりたい自分になるのをサポートをするジュエリーを模索し始めます。 ■帰国後、母との葛藤が課題に…―― 帰国してからの子育てはいかがでしたか?「帰ってからの課題は、母との葛藤でした。子供の面倒は愛情を持ってよく見てくれるんですが、当然、口は出されますよね。夫はまだアメリカだから、実家に二世帯住宅で暮らしてたんです。完璧な専業主婦だった母には、私が作る料理にしろ家の散らかり具合にしろ、不満に思うのはわかるんですけれども、ちょっとした一言でも過敏に反応してしまい ものすごいストレスに感じたり。私だってやってるのに…という思いがあるから、否定されてるというか、誰にも認めてもらえないという被害妄想がフツフツ湧いてきて苦しかったですね。でも、それって他の人のせいではなくて、自分の心が生み出している苦しみなわけです。私が学んだジュエリーのエネルギーを活用する基本である、心を落ち着かせ客観視することが役立ちました。自分のものの見方を変えることが、本当のなりたい自分になる第一歩であること…。エゴを捨てるということですよね」―― それが一番難しいのではないでしょうか。「母が言ってることをうまく受け流す、必要なものだけ受け取り、過剰に反応せず、バランスを取ること、それがどれだけできるか! エゴを捨てれば捨てるほど苦しみが感謝に変わり本当の自分の在り方が見え始めます。職場でみんなが応援してくれているけれど、子供が熱が出たら帰らなくちゃいけない。それが続くと、みんな内心は…と思うから申し訳ないし、次男が保育園に預けるたびに泣き続ける子だったので、いつも後ろ髪引かれる思いで職場に行く、という繰り返し。すべてに中途半端な自分を責めていました」―― 悩ましいですね。そんなワーキングマザーにアドバイスをいただけますか?「子育てまっ最中はどうしても周囲が見えなくなります。でも、育児って“期間限定”なんです。確実に終わる日が来る。どんなに辛い時でも大切なのは、全体像を客観的にグッと引いて見ること。仕事、子育て、様々な人間関係も、どういう自分になればここを回せるか? 今までの自分の在り方に執着せず、この状況を上手く回せる自分とはどんな人であり、どれだけそうなりきるのか。女優になったつもりでもいいから、文句より感謝やリクエストが言える自分になればいいのです。自分の内面にあるものの見方を変えることが出来れば、状況は必ず変わりますから。人生ってスパイラル状に成長していくもの。私が最初からそんなことができるキャラで、この大変な子育ての経験がなかったら、この “気づき” は得られませんでしたね」そう結んだ篠田さんは、小学生ぐらいのお子さんを見ると懐かしいし愛おしい、と遠い目になるのでした。三代続く医師の家に嫁ぎ、普通だったら医者になるようご長男に勧めるところ、自立心の強い彼に言ったら絶対嫌がるから、一言も口にしなかったそう。それが最近、彼が将来は医者になりたいと進路票に書いているのを知ったとか。知ったことは内緒にしているそうですが、命懸けで幼少期の育児をがんばり抜いてきた彼女には、神様のギフトがあるような気がしてなりません。篠田恵美(しのだ えみ) アンジェリーナオーナーデザイナー一般財団法人 ジュエリープラクティショナー協会代表理事学生時代N.Yやイギリス ブライトンでアートを学び外資系宝飾メゾン勤務を経て25歳の時にデザイナーとして独立、ジュエリーアンジェリーナをオープン。2002年に夫のメイヨクリニックの勤務に伴い渡米、人をより豊かなライフスタイルにするためのジュエリーとは何かを探求するためにクリスタルヒーリングや色彩学、セルフイメージ心理学等を学ぶ。帰国後は "願いを叶えるジュエリー" をコンセプトにパワーストーンとは一線を画した豊かなライフスタイルのためのパートナージュエリーのデザイン、制作をスタート。2012年には一般財団法人ジェリープラクティショナー協会を設立し、宝石が持つ本質的なエネルギーの知識やその活用法を学ぶセミナーやイベントを多数主催。Blog: Facebook: ★篠田恵美さんからのInformation★●2016年12月7日(水)~12月11日(日)アンジェリーナ表参道クリスマスイベント(予約制)お買上の方にはクリスマスプレゼントをご用意してお待ちしおります。●2016年12月21日(水)~25日(日)日本橋三越本店1Fイベントスペース『アンジェリーナ リミテッドショップオープン』お客様それぞれの2017年のテーマに合わせて上質な天然石やデザインにこだわって制作したアンジェリーナのジュエリーを紹介します。(取材・文:稲木紫織)
2016年11月17日建築家・藤田雄介による「11の戸(こ)と戸(と)」展が、10月21日から東京・南青山のプリズミックギャラリーで開催される。建築物において、開閉機能・仕切りの役目を持つ建具(=たてぐ)。藤田雄介は、場所を仕切りながらも同時に新たな関係性を作り出す建具を、“建築の本質を一つの要素で担うもの”として考え、独立して以来、設計した住宅の多くで重要な要素として扱ってきた。さらに、これまで住宅ごとに製作してきた建具を幅広く使ってもらうため、それぞれの家(=戸)のそれぞれの戸をデザインするための建具専門ストア「戸戸(こと)」を立ち上げている。同展では、「戸戸」の見本市として会場を構成。これまで設計した住宅から進行中のものまで、計11戸の写真や模型と実物の建具を展示する。戸と戸の二元的な設計から建築の新しい汎用性を提案する内容となっている。【展覧会情報】「11の戸(こ)と戸(と)」展会場:プリズミックギャラリー住所:東京都港区南青山4‐1‐9 秋元南青山ビル1階会期:10月21日~12月4日時間:平日 10:00~18:00、土日祝 13:00~18:00休廊日:11月16日入場無料
2016年10月20日忙しい彼と付き合ってしまうとどうしても「寂しい・・・」「会えない・・・」という負の感情が出てそれを彼にぶつけてしまい破局・・・ということもありますよね。優先すべきことが多い彼とのお付き合いを続けたいのなら、少し工夫が必要。忙しい男子が関係を続けたい女子の特徴を知って、ぜひ真似してみましょう。■1.「今日もお仕事お疲れ様でした」のLINE「『なんで返信くれないの?』じゃなく『今日もお仕事お疲れ様でした♪』っていうメールやLINEはもらって嬉しい」(27歳/男性/建築)「疲れているときに労いの言葉や体調を心配してくれる言葉をもらうと『この子を大事にしなきゃな』と思う」(30歳/男性/医療系)返信の催促LINEにはうんざりしてしまいますが、「今日も1日お疲れ様です」なんて労いLINEが来たら彼もほっこりします。忙しい彼には責める内容のLINEではなく労いの言葉を送りましょう。■2.できる範囲で予定を合わせる「仕事で忙しい男子と付き合うと、なかなかデートする時間が合わないから、関係を続けたければ、できる範囲で彼に合わせてあげたほうがいい」(28歳/女性/IT)「彼女も忙しい人だと会うのが難しいので、そんなにバリバリ仕事してなくて、時間に余裕のある子なら付き合いも続くと思う」(29歳/女性/介護)仕事が忙しい彼とお付き合いするとなかなかデートもできませんよね。そんな彼と関係を続けるには無理のない程度に彼に予定を合わせた方がいいのかも。ただ、自分の予定を全てキャンセルしてまで彼を最優先すると、彼に「俺がいるから彼女は自分のしたいことできないのかな・・・」と負担を感じさせてしまうので要注意。■3.会ったら全力で楽しむ「忙しくてなかなか会えないことに一応罪悪感があるので、会ったときに責められたらどうしようと少し不安に思ってしまう。だから、会ったときに会えなかったことを責めず、笑顔で一緒にいることを全力で楽しんでくれる子がいい」(31歳/男性/出版)会ったときにあまりにも会えなかった寂しさを出されると、彼としてもどうしていいか分からなくなってしまいます。寂しさをうったえるよりも、会えて嬉しい気持ちを前面に出した方が、彼も安心するし、彼女のためにもっと時間を作ろうと考え直してくれるかも。■4.家のことをしてくれる「家の掃除とか、夕飯作ってもらったりするともう手放せない。忙しい男と一緒にいたいのなら身の回りの世話をしちゃえば、そうそう手放されない。うまくいけば結婚も普通にある」(30歳/男性/IT)忙しい彼と一緒にいる時間を増やしたいのなら、彼の家の家事をやってしまうのも手。彼だって忙しいと掃除洗濯もあまりできなかったりします。それをやってあげるだけで彼に感謝されるし、彼と顔を合わせる時間も増えるのでお互い寂しさも和らぐかも。■おわりに忙しい彼と付き合うとなかなか会えず寂しい思いもしますよね。でもそれでも付き合い続けるのは彼が好きだからであるはず。そんな彼と関係を続けたいなら彼との付き合いにも工夫が必要です。(美佳/ライター)(ハウコレ編集部)
2016年10月15日~アールデコの建築物を散策へ〜 私の美意識の根底に流れているアールデコ。置時計やコーヒーカップや小物ひとつ取ってもロマンティックかつセンチメンタルで情緒的です。素晴らしいものが数多あるアールデコの中で、本日は建物についてお話します。アールデコ建築は抽象的で幾何学的に円や直線を組み合わせた斬新で優美なデザインが特徴です。日本におけるアールデコ建築の代表は白金にある東京都庭園美術館にある旧朝香宮邸です。朝香宮夫妻がアールデコ最盛期にヨーロッパで長期滞在し、その魅力に心酔し、帰国後パリから建築家や職人をわざわざ招いて完成させた邸宅です。その他にも、身近なところで、銀座七丁目のライオンビヤホール、新宿伊勢丹本店や三越日本橋本店の外観、箱根富士屋ホテル、奈良ホテルも一見の価値があります。近くにお立ちよりの際は是非、ご堪能ください!
2016年09月29日建築コンシェルジュの坂山毅彦による“名もなき書店”「○○書店」が、9月11日まで東京・青山のプリズミックギャラリーにオープンしている。昼は後楽園で建築士として、夜は代官山で書店員として働き、職のスイッチングをする日々を過ごしていた坂山毅彦。今回オープンする“名もなき書店”「○○書店」は、坂山毅彦がこれまで別々の場所でやっていたそれぞれの仕事をもし同じ場所で行い、ひとつの場所でスイッチングを繰り返したならどのようなことが生まれるのかという発想から生まれた。ギャラリー内には、いくつかの箱が縦横に納められてできあがった“屋台”を設置。片側に書籍などの売り物を陳列し、もう一方の側に設計活動をするための道具・資料などを収納。“屋台”は配置次第で本屋を広くすることも、設計事務所を広くすることもできるようになっており、例えば箱を取り出して本を読むためのスツールにしたり、ふたつ積んで設計のための机の脚にしたり、様々なしつらえを空間に展開できるように工夫されている。会期中の8月11日から15日までは京都巡回展も開催。8月11日の18時から20時までは、学芸出版社にてオープニングトークも行われる。トークには坂山毅彦本人に加え、建築家でリサーチャーの榊原充大、京都工芸繊維大学KYOTO Design Labのエディトリアルアシスタントを務める和田隆介が参加する予定だ。定員は60名で参加費は1,000円、懇親会も1,000円となっている。【イベント情報】「○○書店」会場:プリズミックギャラリー住所:東京都港区南青山4-1-9 秋元南青山ビル会期:7月22日から9月11日時間:10:00~17:00定休日:月曜日入場無料
2016年08月09日出産をきっかけに、赤ちゃんやママを対象にする仕事を始める女性は少なくありません。今回紹介する「新生児から使えるベビースリングアドバイザー」の、てるいなおこさんもその一人。「試行錯誤の末に使いこなせるようになったベビースリングの良さを、たくさんのママに伝えたい」という気持ちが、新しい仕事につながり始めています。きっかけから現在の活動まで、話を聞きました。使いやすいベビースリングを求めて、手作りにはまる!てるいさんは、結婚前は介護福祉士として老人ホームに勤め、主任まで務めましたが、激務で体調を崩し退職。8年前に長女を出産し、その後6年間は専業主婦として子育て中心の生活を送っていました。「実はベビースリングを使うことが長年の憧れだった」というてるいさん。10代のときに、ベビースリングで抱っこされている赤ちゃんを見て、そのかわいらしさに衝撃を受け、「子どもが生まれたら絶対に使う!」と決めていたそうです。そんなてるいさんも、最初からベビースリングを使いこなせたわけではありません。憧れのベビースリングを手にしたものの、使い方が難しくて悪戦苦闘。ネットや本で研究しても肝心なことがわからず、無料のベビースリング講座に参加して、やっとコツをつかみます。さらに、使いやすいベビースリングを追及した結果、ハンドメイドの本を参考に手作りすることに。すっかりベビースリング作りにはまったそうです。ベビースリングをマスターして育児が楽しく!こうして、ベビースリングを使ってみると、「いいことづくしだった」というてるいさん。ベビースリングの効用を挙げてもらいました。・抱っこが楽で、ママの身体への負担が軽減する・赤ちゃんが長時間ぐずらない・赤ちゃんが気持ちの安定した子に育つ・ママは、赤ちゃんとのスキンシップが増え、愛おしさを実感できる・丸くなった赤ちゃんの姿に、周囲の人から「かわいい」と声をかけてもらえる・子育てに余裕ができて、自己肯定感も高まる「育児情報はあふれているのに、本当に役に立つ情報がない」と感じていた自身の経験から、「ベビースリングの良さを伝えて、一人でも多くのママに子育てを楽しんでほしい!」という気持ちが強まったそうです。最初は、周りの友だちにベビースリングを勧め、使い方を教えていましたが、それを仕事にすることを考え始めます。現在は、カラフルな布を使ったベビースリングの製作・販売をするほか、「ベビースリングアドバイザー」として、主に地元の会場やおうちカフェで、単発の「スリング使い方講座」を開催しています。「スリングに限らず、すでに持っている有名メーカーの抱っこひもなどを、より快適に使うコツもお伝えしています。調節ベルトを使うだけで、抱っこが格段に楽になることもありますよ」とてるいさん。(てるいさん製作のカラフルなベビースリング)資格取得で、さらに広がる夢現在、てるいさんは、市のママヘルパー、母子保健推進員としても活動しています。産褥期のママと接する中で、「育児のあらゆるストレスが、スリングを使うことで軽減できる」と実感。「将来的には、定期的にスリング講座を開催する」というのが当面の目標です。また、「ママたちは、自分の妊娠・出産経験をだれかに話したくてたまらない。そんな気持ちを吐き出す場を提供していきたい」と言います。てるいさんは、「私の母は子ども嫌いだったので、私も子どもは好きじゃないと思っていた」とのことですが、いつの間にか赤ちゃんとママに思いを寄せる日々。5月と6月にベビーマッサージと育児コンシェルジュの資格も取得したばかりで、「今後は、『ベビーマッサージ&ベビースリング講座』もできます」と目を輝かせます。出産をきっかけに新しい自分を発見し、活躍の場が広げられるのはすてきですね。てるいなおこさんブログ<文:フリーランス記者鯰美紀>
2016年06月30日子育てをする親にとって、子どもの将来は楽しみでもあり、不安でもありますよね。いい大学に入学し、希望の職業に就けるよう、幼いころから習い事や受験に力を入れている人も多いでしょう。しかし、いい大学を出たからといって自分にぴったりの仕事ができるかというと、そうとも限らないもの。「30オトコの本音に向き合う」ビジネスマン向けサイト『R25』のアンケート調査で、「現在の仕事が自分の“天職”だと思うか?」という問いに対し、30~40代男性ビジネスマンの60.8%が「いいえ」と回答しています。「仕事が楽しくない」「自分の力を発揮できない」「他にできる仕事、やりたい仕事がある」というのがその理由。つまり、今の仕事が天職だと思っている人は39.2%しかいないのです。では、天職につくことができた人と、そうではない人はなにが違うのでしょうか?『一流の育て方』(ムーギー・キム&ミセス・パンプキン著、ダイヤモンド社)では、単に勉強ができるだけではない、ビジネスの世界でリーダーシップを持って活躍できる人を育てるための習慣や環境のつくり方について述べられています。特徴は、一流大学のなかでも特に優れたリーダーシップを発揮する200人以上に、幼少期の過ごし方についてアンケートをとっているところ。そのコメントも掲載されているので、リアルな声として参考になるはずです。今回は、本書に掲載されている「7大方針55か条」のうち、「視野を広げ、天職に導く」という方針の内容についてご紹介します。■子どもの視野を広げるのは親の努力次第著者のムーギー・キム氏は、フランスやシンガポール、中国で留学したことで人脈が広がり、視野が広がったといいます。世界中から集まる人たちの多様な価値観に触れ、また彼らが世界各地で活躍する姿を見ることで、自分も幅広い機会から天職を探そうという気持ちが強まったというのです。幼少期からさまざまな経験を通して視野を広げることは、親が子どもにできる最も重要な教育のひとつといえます。視野が広がり、自分の好き嫌いや強み、弱み、価値観を理解できると将来天職に近づきやすくなるのです。受験勉強だけをしてきた人は視野が狭くなりがちで、自分への理解も浅いことがあります。そのため自分の適性とは違う分野に進んでしまい、迷走することも少なくありません。子どものころ、自分で視野を広げるのは難しいもの。親の努力が子どもの可能性を大きくするといっても過言ではありません。■「知的充足感」は学習のエンジンになる「私の親は、生物や化学、歴史、文学など様々な分野の話をそのときどきの年齢に合った言葉で話してくれた。その中で興味を持ったことを語り合う相手になってくれた」。アンケートのコメントにあるように、自分で学ぶことの楽しさや知的充足感を覚えると、子どもは自分から学び、自律的に成長していくようになります。これは学習を続けていく上でのエンジンとなるので、できるだけ早期から身につける必要があります。■読書の習慣で自分から勉強する子になる「親に本の読み聞かせをしてもらっていた」「本はたくさん買ってもらえた」「いつも家に本があふれていた」。一流大学に進学した学生の多くは、このように幼少期から読書の習慣があったといいます。読書で視野が広がると、好奇心や読解力、集中力が養われ、自主的に勉強するようになるのです。子どもに読書の習慣をつけるのにもっとも効果的なのは、親が読ませたい本ではなく、子どもが関心を示す本を選ぶこと。車やアニメのキャラクターの本でも、虫の図鑑でもかまいません。とにかく、子どもの興味の延長線上で活字に親しむきっかけをつくってあげることが大切なのです。■親からの応援が「継続する力」を育む!「小さなころから、興味を持った習いごとはなんでもさせてもらえた」「理科に興味がある私に、市のイベントなどの情報を欠かさず教えてくれた」。そんなふうに、子どもが興味を持ったことをサポートするのが親の大切な役目です。たとえ学校の教科や習いごととは関係のないことであっても、親はそれを応援してあげましょう。親からの応援は子どもにとって大きなモチベーションとなり、継続する力を育みます。それに、好きなものに夢中になる過程で、子どもには「積極性」が芽生えます。自分からやりたがるようなことは、どんどん体験させてあげることが大切なのです。たとえば著者の息子は幼児期から生き物に興味を持ち、文字も読めないうちから図鑑を夢中でん読んでいたそう。やがて小動物を飼うようになり、それを通じて生き物に対する思いやりや、自分で世話をする自主性、責任感を学んでいたといいます。そして、好きなことに打ち込むことで自然と自分に自信がつき、将来の天職へのヒントも得られるのです。*本書には他にも「主体性」「やりぬく力」「コミュニケーション能力」など、自分の道を切り拓いていくために重要なスキルを身につけさせる方法が掲載されています。子どもの努力だけでなく、親もそれ以上の努力が必要。本書は「親の教科書」として、長く活用できるはずです。(文/平野鞠) 【参考】※ムーギー・キム&ミセス・パンプキン(2016)『一流の育て方』ダイヤモンド社※中堅ビジネスマン222人に聞いた!会社員が「天職」に出合う確率は?-R25
2016年06月24日働くママにとって、子育てと仕事を両立させることは大変です。仕事が終わって急いで保育園へ、というママも多いのでは?そんなとき、子育てと仕事どちらにも使えるマザーズバッグがあると便利です。普通のバッグに比べて収納性に優れ、子育てに不可欠なマザーズバッグ。しかし、マザーズ バッグには可愛らしいデザインのものが多く、仕事へ持っていくには不向きです。忙しいママにとって、2つ以上のバッグを使い分けつつ仕事と子育てを両立さ せるのは大変……。そこで今回は、働くママにおすすめのマザーズバッグを紹介していきます。初めてマザーズバッグ選びをする方も、今使っているものを替えたいと考えている方も、ぜひ参考にしてみてください。仕事帰りにそのまま保育園へ、そんなママにオススメのバッグマザーズバッグの多くは、可愛らしいデザインなのが魅力的。トートバッグタイプやリュックタイプなど、形で選べるのはもちろん、デザインから好みのバッグを選べるというのが嬉しいですよね。しかし、子育てをしながら仕事も両立しているママにとっては、マザーズバッグと仕事用のバッグの使い分けが難しいこともあります。特に、子どもを保育園へ送ってから仕事へ行く、仕事が終わってから保育園へ迎えに行くというママであれば、毎回バッグを持ち替えるのはとても面倒です。そんなママには、仕事にも持って行けるシックなデザインのバッグをオススメします!MK MICHEL KLEINキャリアボストンバッグ淡いベージュやブラックなどをベースとした「キャリアボストンバッグ」であれば、仕事へ持って行っても違和感がありません。さらに、このバッグはフェイク レザー仕立てなので、上品なイメージを持たせることができます。持ち手は余裕のあるサイズのため、手に提げて持ち歩くことができるほか、そのまま肩にかけることもできます。子育て中に多くの手荷物を持つとき、肩にかけられるというのは嬉しいポイントですね。イタリア製本牛革の「LADIES BAG」もまた、仕事持ちと子育て両方に使えるバッグです。洗練されたデザインは、仕事場へ持って行くのにピッタリ。バッグのマチは大きく、なかにファス ナー付きのポケットがついているため、マザーズバッグとして使用するにも十分な収納性があります。広いスペースには、おむつやおしり拭き、着替え、哺乳瓶 などをしっかり収納することが可能です。こういったバッグを使えば、持ち替えの手間がなくなり、仕事と子育てを両立させやすくなります。一見するとマザーズバッグには見えないかもしれませんが、収納性や機能性のしっかりしたバッグなら、マザーズバッグとしての役割を十分に果たしてくれるのです。日々忙しいママにとって、便利なアイテムといえるのではないでしょうか?続きを読むライター:フフルルマガジン
2016年06月11日寺田倉庫が東京・天王洲アイルに6月18日、建築模型に特化した国内唯一のミュージアム「建築倉庫ミュージアム」(東京都品川区東品川2-6-10 寺田倉庫本社ビル1階)をオープンする。同ミュージアムは、約450平方メートル、天井高5.2メートルの大空間に約100の棚が並ぶ、建築模型に特化した展示・保存施設。“収蔵庫そのものを展示する”というコンセプトのもと、棚の間を縫うように回遊しながら様々な模型を眺める、今までにない鑑賞体験を提供していく。棚には、国内外で活躍する日本人建築家や設計事務所による建築作品の模型をスタディから竣工模型まで一同に展開。各棚に出展者名とQRコードを記載したパネルを設置し、タブレットやスマートフォンなどでQRコードをスキャンすると、出展者の活動や模型作品の竣工写真、図面などの情報が見られるようになっている。また、同ミュージアムでは建築模型を広く一般に公開するだけでなく、模型専門の保存・保管・修復する機能ももたせている。その他、世界の建築に興味のある学生や専門家、観光客に向けての積極的な情報発信や、海外の文化機関と積極的に連携して建築文化を普及するための海外での展示企画など様々な事業を展開していく。なお、出展者のラインアップは、青木淳建築計画事務所、阿部仁史アトリエ、北川原温建築都市研究所、隈研吾建築都市設計事務所、クライン ダイサム アーキテクツ、香山壽夫建築研究所、SANDWICH、シーラカンス アンド アソシエイツ、千葉学建築計画事務所、トラフ建築設計事務所、株式会社日建設計、坂茂設計事務所、古市徹雄都市建築研究所、MOUNT FUJI ARCHITECTS STUDIO + 芝浦工業大学建築学科原田真宏研究室、山本理顕設計工場、Wonderwall(R)など。
2016年06月08日