時という視点で世界を見つめる「時間をめぐる、めぐる時間の展覧会」が、3月5日から21日まで東京・世田谷の生活工房ギャラリーで開催される。140年ほど前まで、日本では月の満ち欠けにより月日の経過をたどり、太陽がのぼり沈む時の季節変化に応じて1日・1刻の長さを変化させていた。しかし今では24時間、365日の唯一絶対的な時計とカレンダーの中で生活を進めている。同展では、ひとりひとりの心と体、動植物ひとつひとつの命にながれる、測りようもない時間をとらえるものを展示する。第1部では、地球と天体の関係性から生まれる、様々な周期と律動をテーマにした展示を開催。天体の模型や、天体リズムに影響を受ける動植物の行動、律動グラフを公開し、星の律動に同調する生き物たちの活動を紹介する。第2部では、太陽と月を表す仮面や写真、太陽と月のはじまりの神話などを通じて原始的な時間間隔をかいま見る。また、世界の日時計や、壁画「時と人のこれまで」を見ることで現代までの時と人間の関係性を振り返る。その他、時間に関する広告ポスター、各国の暇つぶし道具、ヒンバ族の映像なども展示。均一化が進む時の表象や暇の力を考えさせる。第3部では、それぞれの土地に流れる時間として、各地の1日を捉えた記録映像や、世界の様々な時間が刻まれた円環構造物などを紹介。旅をすると誰もが感じる「ここでは違う時間が流れている」という感覚を味わうことができる内容となっている。その他、生活工房3階のギャラリーでは、採集された時を見る「時の採取箱」展を開催。ある形にあらわれたり、写真によってとらえられた時を見ていく。また、3月12日の14時から17時までは、北極に訪れた短い夏の中で絶壁に巣を作るウミガラス、ヒナを狙うホッキョクギツネ、海が凍る日を待ち続けるホッキョクグマなどを映した『氷の大融解』、『アラヨの歌』、『イヨマンテ -熊おくり』などの上映会を開催。その他、3月19日の13時30分から15時までは、アイヌの昔話や北欧神話などが語られるおはなし会「世界のはじまり、時のはじまり」が、3月20日の10時から12時30分まではワークショップ「日時計をつくろう」なども行われる。【イベント情報】「時間をめぐる、めぐる時間の展覧会」会場:生活工房ギャラリー・ワークショップAB住所:東京都世田谷区太子堂4-1-1 キャロットタワー3・4階会期:3月5日~3月21日時間:11:30~18:30会期中無休入場無料ヴィジュアルフォークロア
2016年02月28日世界中で愛される人気作品『クレヨンしんちゃん』が、2016年4月で25周年を迎えることを記念して、初となる展覧会「クレヨンしんちゃん展」が、3月24日(木)~4月5日(火)の期間、東武百貨店池袋店にて開催される。原作者・臼井儀人氏の初公開の原画展示やアトリエ再現のほか、歴代映画の名シーン、キャラクターの名言集などを楽しめるコーナーに加え、小道具や衣装をそろえたフォトスポットコーナー、ゲームコーナーなど、"遊べる"エリアも充実。個性あふれるキャラクターたちが大活躍する作品の魅力を25年分、たっぷり体感することができる。■貴重な原画を公開! しんちゃんワールド体験コーナーも原作者・臼井儀人氏の貴重な原画を展示し、ネームから原稿が完成するまでを見ることができるコーナーは必見。また、しんのすけやシロと一緒に写真撮影ができたり、主婦の味方「みさえの手抜きレシピ」&理想の父親ひろしの「臭い靴下」再現など、しんちゃんならではの世界感を体験できるコーナーも。そして25周年を記念して親交の深い漫画家や、これまでに作品に関わってきた人たちからのお祝いメッセージも数多く展示される。「クレヨンしんちゃん展」は、2016年3月24日(木)~4月5日(火)の期間、東武百貨店池袋店にて開催。さらに、全国巡回も予定されているという。入場料など詳細については、「クレヨンしんちゃん25周年記念サイト」をチェックしてほしい。(C)臼井儀人/双葉社(C)臼井儀人/双葉社・シンエイ・テレビ朝日・ADK
2016年02月08日芸術家の岡本太郎による展覧会「みんなのTARO2016」が、2月5日から21日まで東京・南青山のTOBICHI(2)で開催される。同展は岡本の代表作である「太陽の塔」と「明日の神話」でデザインされた「ほぼ日手帳」の発売を記念して開催されるもの。「太陽の塔」は1970年に大阪で開催された日本万博博覧会にて公開された巨大アート作品。「明日の神話」は縦5.5メートル、横30メートルの巨大壁画だ。同展では、岡本が「明日の神話」を作るときに最初に描いたという幅2メートルの木炭デッサンや、手帳やメモ類を一切持ち歩かなかった岡本のめずらしい手書きのメモ、パートナーであった岡本敏子のほぼ日手帳などが出展される。その他、漫画家のタナカカツキがデザインし、「コップのフチ子」の生みの親として知られる奇譚クラブが制作した「巨大・コップのフチの太陽の塔」や、タナカが描いた「太陽の塔」とTAROのことばに絵を添えた巨大パネルなども登場。TOBICHI(2)から歩いて5分ほどのところにある岡本太郎記念館に所蔵される様々なサイズの太陽の塔コレクションなども展示される。なお、会場で「「太陽の塔」、「明日の神話」がデザインされた手帳(カバーのみ2,592円、カバー&本体セット 4,400円)を購入すると、岡本太郎記念館が所有する非売品が手に入るガチャガチャを1点につき1回まわすことができる。また、期間中はTOBICHI(2)と岡本太郎記念館のスタンプラリーも開催。両会場でスタンプを押すと、特製ステッカーがプレゼントされる。【イベント情報】「みんなのTARO2016」会場:TOBICHI(2)住所:東京都港区南青山4-28-26会期:2月5日~2月21日時間:11:00~19:00休館日:2月9日、2月16日料金:無料
2016年02月07日神奈川県・川崎市の川崎市岡本太郎美術館は、第19回岡本太郎現代芸術賞の入賞・入選者の作品を集めた展覧会「第19回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)展」を開催している。会期は4月10日まで(月曜・祝日の翌日休館)。開館時間は9:30~17:00。観覧料は一般600円、高大学生・65歳以上400円、中学生以下無料。同展は、岡本太郎の遺志を継ぎ、次代のアーティストを顕彰する岡本太郎現代芸術賞(通称TARO賞)の、第19回入賞・入選者の作品が展示されるもの。第19回をむかえる同賞には485点の応募があり、24歳~72歳までの23名(組)が入選した。審査は、椹木野衣(美術批評家・多摩美術大学教授)、平野暁臣(空間メディアプロデューサー・岡本太郎記念館館長)、北條秀衛(川崎市岡本太郎美術館館長)、山下裕二(美術史家・明治学院大学教授)、和多利浩一(ワタリウム美術館キュレーター)らによって行われ、入選者の中から太郎賞に三宅感さんの「青空があるでしょう」、敏子賞に折原智江さんの「ミス煎餅」、特別賞に笹岡由梨子さんの「Atem」が決定した。岡本太郎賞を受賞した三宅さんは、「どんなに生活や人生が苦しくても、青空はみんなに平等にある、という気持ちを作品とタイトルに込めた」、「僕はとくに経歴はないけれど、太郎賞は経歴を問わない、という記憶を頼りに応募した。それは本当だった」とコメントしている。なお、副賞として太郎賞には賞金200万円、敏子賞には賞金100万円、特別賞には賞金50万円が贈られるということだ。
2016年02月03日東京都・京橋のLIXILギャラリーは、江戸時代の「薬草」に焦点を当てた展覧会「薬草の博物誌 森野旧薬園と江戸の植物図譜 展」を開催する。会期は3月3日~5月21日(水曜休館)。開場時間は10:00~18:00。入場無料。同展は、江戸時代から続く森野旧薬園と当時描かれた薬草を中心とした植物図譜を通して、幅広い本草学の世界とその魅力を紹介するもの。本草学は、私たちにも馴染み深い漢方薬の元になっているもので、江戸時代に発展した学問である。江戸後期には原料の一種である薬草は幕府により国産化政策がとられるほど貴重なものであったという。また、当時人々の関心も高く、多くの本草書や図譜が出版されたということだ。薬草から植物全般へと研究、興味の範囲が広がっていくのもこの時代で、そのころ薬草への造詣が深い人物として現れたのが森野初代藤助通貞(号:賽郭)であった。賽郭は、現存する日本最古の私設薬草園「森野旧薬園」を開設し、晩年には約千種の動植物の姿を、自然科学的な観察眼で色鮮やかに描いた「松山本草」を完成させた。この薬草園には今も薬草に関わる温故知新の知恵が息づいているということだ。同展では、「薬草」に焦点を当て、森野旧薬園を紹介するとともに、江戸の初期から本草学が近代植物学へ移行する時期までに描かれた主要な植物図譜の変遷が、約90点の実資料の他、写真、映像などで展観される。また、同展の開催に際し、LIXIL BOOKLET「薬草の博物誌 森野旧薬園と江戸の植物図譜」が発売された。価格は1,800円。購入など、詳細はLIXIL Webページより。
2016年01月27日実は東京の街は、素晴らしいアート作品の宝庫なのをご存じでしょうか。東京都内で人気を集めているおすすめ展覧会を、3つ選んでご紹介します!■サブカル好きにはたまらない!? 「村上隆の五百羅漢図展」 常に「日本的であること」を問い続けてきたアーティスト・村上隆。村上は日本の「マンガ文化」や「オタク文化」といったものを世界へ先駆けて発信してきた気鋭のアーティストです。これまでも、日本画の達磨(だるま)図をテーマにした作品を手がけている村上。今回の「五百羅漢図」も、日本の伝統的な絵画美術と現代の「キャラクター文化」が火花を散らしながら混ざり合っています。東日本大震災をきっかけに作成されたという「五百羅漢図」。その圧倒的なスケールとパワーは、一見の価値ありです。■建物好き女子集まれ! 「建築家 フランク・ゲーリー展 "I Have an Idea"」国立競技場の建て替え問題など、建築芸術に人々の関心が高まる昨今。世界的な建築家・フランク・ゲーリーの展覧会が、赤坂21_21 DESIGN SIGHTで開催中です。フランク・ゲーリーは、独創的なデザインの「ビルバオ・グッゲンハイム美術館」などを手がけた、世界的に著名な建築家。ちなみに、神戸港・メリケンパークのシンボルとなっている、巨大な魚のモニュメント「フィッシュ・ダンス」は、フランク・ゲーリーが設計をした作品です。皆さんもこの機会に、建築芸術に触れてみませんか?■教養を磨きたい方必見! 「リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展」イギリスのリバプール国立美術館に所蔵している、風俗画や神話画などが多数展示されます。ラファエル前派とは、19世紀のなかごろ、イギリスで結成された芸術グループです。テーマとしては中世の伝説や文学、キリスト教的主題を取り扱うことが多いですが、それ以前の宗教画などに比べると、鮮やかで明るい感じの色調が特徴。日本初公開となる作品もある本展示をみて、この冬教養を磨きませんか?・ 村上隆の五百羅漢図展 六本木 森美術館にて。2016年3月6日まで開催。・ 建築家 フランク・ゲーリー展 "I Have an Idea" 赤坂 21_21 DESIGN SIGHTにて。2016年2月7日まで開催。・ リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展 渋谷 Bunkamura ザ・ミュージアムにて。2016年3月6日まで開催。
2016年01月17日東京都・六本木の森美術館は、日本の現代アートを幅広い視野から検証する、3年に1度のシリーズ展「六本木クロッシング2016展:僕の身体、あなたの声」を開催する。会期は2016年3月26日~7月10日。開館時間は10:00~22:00(火曜は17:00まで、ただし5月3日は22:00まで)。入館料は一般1,800円、高校・大学生1,200円、4歳~中学生600円、65歳以上1,500円。同展は、日本、韓国、台湾の4人のキュレーターによって選ばれた、20組のアーティストのバラエティーに富んだ表現を通して、日本の現代アートを幅広い視野から検証し、今日の社会とアートについて考察するもの。「六本木クロッシング」は、同美術館が3年に一度、日本のアートシーンを総覧する定点観測的な展覧会として2004年から開催してきたシリーズ展で、今回で5回目の開催となる。グローバル化やITの発達、SNSの普及により、個人による情報発信が可能となり、ネットを介したバーチャルなコミュニケーションの機会が増大している今日、このことは自己と他者の関係性にも大きく影響を与え、これまで当たり前のように考えられてきた社会制度や世の中に存在する様々な枠組み、価値観の見直しが求められているという。同展では、独自のリサーチを通して、個の事象やストーリーにスポットを当てる作品を制作しているアーティストたちの眼差しを通して、歴史や身体、性、風景についての新たなイメージが描き出される。森美術館キュレーターの荒木夏実氏は、同展について次のように語っている。「"私"とは誰だろう。私の身体はどのように歴史や他者とつながっているのだろうか。過去と未来、自己と他者が交錯する感覚を、アートを通して味わいながら、世界と自分との新たな関係性を探りたい。」また、同展では、同展出品のインスタレーション作品、野村和弘《笑う祭壇》制作のため、ボタンを無償で提供できる人を募集している。不要になった洋服のボタンや、家に保管されているボタンなど、色や形、大きさはどんなものでも可。なお、《笑う祭壇》は、的あてゲームのように、さまざまな形や色の使い古されたボタンを小さなオブジェに載るように投げることで出来上がる作品。ボタンが散らばり、ゲームを楽しんだ分だけ床のイメージが変わっていき、刻々と変わりゆく風景を楽しむことができる作品になるということだ。送付先など、詳細は同館Webページにて。
2016年01月06日化粧にまつわる幅広い研究活動を続けているポーラ文化研究所の設立40周年を記念した展覧会「祝いのよそほい」が東京・銀座のポーラ ミュージアム アネックスにて16年1月15日から2月21日まで開催される。白粉を塗り、眉をひき、紅をさす。江戸時代から女性は、婚礼や晴れ(ハレ)の日の装いはもちろん、日々の「化粧」ひとつにも心踊るようなときめきを感じてきた。時代は変われど、見目麗しくあることの根底に流れる心意気や感性は、現代の私たちの「よそほい」の中にも息づいている。同展では「化粧・女性・美意識」をキーワードに、新しい年の始まりを祝した「嫁入り」「元服」「晴れ(ハレ)の装い」「吉祥文様」の4テーマで繰り広げる「和」の晴れ姿をテーマにした。展示されるのは婚礼化粧道具である「円鏡・円鏡箱・鏡台」や「お歯黒道具一式」といったもののほか、眉作りの変遷を追った江戸期の礼法書「化粧眉作口傳」、松竹梅や鶴亀が描かれた婚礼衣装「白綸子地松竹梅鶴亀模様打掛」、「紅白梅宝尽くし模様箱迫」、縁起物として身分、階級を越えて好まれた「高砂文字柄鏡」、「松竹梅鶴亀びらびら簪」など。【イベント情報】ポーラ文化研究所40周年記念展「祝いのよそほい」会場: ポーラ ミュージアム アネックス住所: 中央区銀座1-7-7 ポーラ銀座ビル3階会期:16年1月15日~16年2月21日休館日:会期中無休(入場は19:30まで)時間:11:00~20:00料金:無料
2016年01月01日東京都・代々木の刀剣博物館は、自由闊達に変化してきた刃文の魅力を紹介する展覧会「刃文-一千年の移ろい」を開催する。会期は2016年1月5日~3月27日(月曜休館、ただし祝日は開館)。開館時間は10:00~16:30(入館は16:00まで)。観覧料は一般600円、会員・学生300円、中学生以下無料。同展は、国宝・重要文化財を含む刀剣25口、刀装、刀装具から、一千年の移ろいにより自由闊達に変化してきた刃文の魅力を紹介する展覧会。日本刀の見所のひとつである刃文は、実用上の面から欠くことのできないものだという。そして、およそ平安時代後期に日本刀様式が完成してからは、刃文の原初的形態を示す直刃のみならず互の目や丁子・のたれ・尖り刃など様々な刃文が生み出され、それらは実用面だけに留まることなく、高い美術性を有するなど日本独特の文化へと昇華されてきた。また、単一の刃文で構成された日本刀は少なく、その殆どが何種類かの刃文が交ざり多様な変化を伴って一振りの作品として完成されているということだ。同展では、特別出品として、国宝 太刀 銘 国行「来」(号 明石国行)が出品される予定となっている。
2015年12月27日気鋭の日本人写真家6人による展覧会「LUMIX MEETS BEYOND 2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS #3」が、16年1月22日から31日まで東京・六本木のIMAギャラリーにて開催される。今回で3回目を迎える同展は、これからの日本のアートフォト界をリードする若手写真家の支援と育成を目的に、13年より毎年パリと東京の2都市で開催されているグループ展。今回は、15年11月にパリで開催された展覧会の巡回展となる。作品のラインアップは、IMAメディアプロジェクト主催のポートフォリオレビュー「STEP OUT!」より選出された、長野佳嗣による光なしで写真を撮ることを試みた作品「Retina Noise」や、母親の遺品を身に纏った自身を撮影した仲田絵美の「よすが」、山下新平による生命を感じさせる森の写真「SPECTRUM」など。15年に写真集『Humanity』を発売した石川和人、イッセイ ミヤケ メン(ISSEY MIYAKE MEN)とのコラボレーションを行った藤原聡志、記憶をテーマに制作した叙情的な作品で知られる一之瀬ちひろの3名は、パナソニックの高性能ミラーレス一眼「LUMIX DMC-GX8」を用いた撮り下ろし作品を出展する。その他、1月26日の20:00から22:00は、アーティストの澤田知子×編集者・美術ジャーナリストの鈴木芳雄、1月30日18:00から20:00は、写真家の横田大輔×小山登美夫ギャラリー代表の小山登美夫×『美術手帖』編集長の岩渕貞哉によるトークショーも開催される予定だ。【イベント情報】「LUMIX MEETS BEYOND 2020 BY JAPANESE PHOTOGRAPHERS #3」会場:IMAギャラリー住所:東京都港区六本木AXISビル3階 IMA CONCEPT STORE会期:16年1月22日~31日時間:11:00~19:00入場無料
2015年12月25日ポーラ・オルビス ホールディングスは2016年1月15日~2月21日、ポーラ文化研究所40周年を記念した展覧会「祝いのよそほい」をポーラ ミュージアム アネックス(東京都・銀座)で開催する。○あでやかなる日本美の系譜をたどる展覧会同展は、「化粧・女性・美意識」をキーワードに、化粧文化の研究活動を行っているポーラ文化研究所の40周年を記念して開催されるもので、新しい年の始まりを祝した「嫁入り」「元服」「晴れ(ハレ)の装い」「吉祥文様」の4テーマで繰り広げる華やかな「和」の晴れ姿を楽しむことができる。新春にギャラリーを"粧う(よそおう)"のは江戸時代に花開いた、日本のあざやかな「美」の系譜。婚礼や晴れ(ハレ)の日の装いはもちろん、日々の「化粧」ひとつにも女性は心躍るような、ときめきを感じてきたはず。白粉を塗り、眉をひき、紅をさす。そのひとときの至福を彩ってきた道具や装身具。浮世絵から見えてくる往時の洒落た風俗。縁起をかつぎ、めでたさで愛されてきた吉祥の文様たち。時代は変われど、見目麗しくの根底に流れる心意気や感性は今を生きる私たちの「よそほい」の中に息づいているという。○見どころ■嫁入り結婚は今も昔も、女性の人生の中で大きな節目である。その喜びに合わせて持参したのが婚礼化粧道具である。江戸時代の女性は婚約、または結婚するとお歯黒をした。お歯黒の黒は、ほかの色に染まらないところから、貞女の印とされたからである。■元服江戸時代の女性は、結婚が決まるとお歯黒をした。それを半元服といった。そして、子供ができると眉を剃った。それを本元服といったのである。公家や武家といった上流階級の女性たちは、儀式のときに額に別の眉を描いたが、一般庶民は、剃ったままであった。■晴れ(ハレ)の装い婚礼時の花嫁を美しく演出するのが、婚礼衣装であろう。とくに目を引くのが吉祥文様の松竹梅や鶴亀が描かれた豪華な打掛である。衣装全体で花嫁の喜びを表し、末永く幸せになれるよう、両親の願いも込められている。■吉祥文様代表的な吉祥文様は、松竹梅、牡丹、鶴亀、蝶、獅子、菊、扇面、貝、「高砂」「寿」といった文字、そして宝尽くしなどであろう。女性の衣装や髪飾り、化粧道具などにも描かれ、縁起ものとして身分、階級を越えて好まれた。開催時間は、11時~20時。会期中無休。入場無料。
2015年12月21日国際的な建築設計組織であるフォスター+(アンド)パートナーズの半世紀に及ぶ設計活動を総合的に紹介した、森美術館が主催する日本初の展覧会「フォスター+パートナーズ展:都市と建築のイノベーション」が、16年1月1日から2月14日まで六本木ヒルズ森タワー展望台 東京シティビュー内スカイギャラリーにて開催される。フォスター+パートナーズは、1967年に建築家のノーマン・フォスターによって設立された建築設計組織。世界45カ国で300のプロジェクトを遂行しており、これまでにベルリンのドイツ連邦議会新議事堂・ライヒスタークなど現代史上数々の名作を生み出してきた。また、日本の国宝建築に相当する英国保護登録建築物最上級グレード1の指定を受けた建物の建築にも携わっている。今回開催される「フォスター+パートナーズ展」は、2009年よりアメリカ、アジアなどを巡回してきた展覧会「Foster+Partners:The Art of Architecture」を森美術館独自の視点で再構成したもの。模型や映像、CG、家具、プロダクトなどの膨大な資料を用いて、フォスター+パートナーズを代表する約50プロジェクトが紹介される。会場では、大英博物館中庭のグレートコートなどでも用いられた、最先端技術を使いつつ伝統的建造物の歴史的背景や地域環境にも配慮した独自のメソッドを紹介。アップル新社屋のアップル・キャンパス2、月面の砂を素材に3Dプリンターで制作する月面住宅など、近未来の都市と建築を予感させるプロジェクトにも触れられる。また、20世紀を代表する工学者で思想家のリチャード・バックミンスター・フラーとの12年間に渡る協働プロジェクトについての資料も展示される予定だ。その他、トークセッションやワークショップも開催。1月17日の14時から16時までは、都市と建築の未来について語る「都市と建築のイノベーション」が、1月24日の10時から12時30分までは、“構造体”をテーマにした子ども向けワークショップが行われる。1月16日の14時から15時まで、1月28日の19時から20時まで、2月4日の19時から20時までは、専門家と同館のスタッフがそれぞれの視点から展示を紹介するギャラリートークも実施される予定だ。【イベント情報】「フォスター+パートナーズ展:都市と建築のイノベーション」会場:六本木ヒルズ展望台 東京シティビュー内スカイギャラリー住所:東京都港区 六本木6-10-1 六本木ヒルズ森タワー52階会期:16年1月1日~2月14日時間:10:00~22:00(最終入場は21:30)料金:一般1,800円、高大学生1,200円、4歳~中学生600円、65歳以上1,500円会期中無休
2015年12月18日東京都・六本木のサントリー美術館(東京ミッドタウン内)は、宮川香山(初代)の「眞葛焼(まくずやき)」の全貌を紹介し、超絶技巧のやきものの魅力に迫る展覧会「没後100年宮川香山」展を開催する。会期は2016年2月24日~4月17日(火曜休館、ただし4月12日は開館)。開館時間は10:00~18:00(金・土、および3月20日は20:00まで開館)。入館料は入館料は一般1,300円、大学・高校生1,000円、中学生以下無料。同展は、日本に少なかった香山の作品を世界中から探し出し、約50年にわたって香山研究を続けてきた田邊哲人氏のコレクションを中心に、明治時代から大正時代を代表する陶芸家・宮川香山(初代)の「眞葛焼」の全貌を紹介し、超絶技巧のやきものの魅力に迫る展覧会。天保13年(1842)、京都の真葛ヶ原(現在の京都市東山区円山公園一帯)の陶工の家に生まれた宮川香山(虎之助)は、幼少の頃より父・長造から陶器や磁器の製法を学び、万延元年(1860)に家督を継いだ。明治3年(1870)、京都を離れた香山は、文明開化の町・横浜へと向かう。当時、明治政府は近代産業の育成に力を入れ、外貨獲得の手段の一つとして陶磁器をはじめ、様々な工芸品を輸出することを奨励していたという。香山は、欧米諸国の趣向に応える新たな美を創り出すことに尽力し、中でも、陶器の表面をリアルな浮彫や造形物で装飾する「高浮彫(たかうきぼり)」という新しい技法を生み出し、日本陶磁における装飾の概念を覆すような、精緻で独創的な世界を作り出していった。明治10年代半ば頃から、香山は新たに釉薬と釉下彩の研究に取り組み、中国清朝の磁器にならった様々な技法の作品を作り始め、制作の主力を陶器から磁器に切り替えていった。そして明治29年(1896)、香山は、陶芸の分野では二人目となる帝室技藝員に任命された。宮川香山が生み出した眞葛焼は世界中から絶賛を浴び、現在でも大英博物館をはじめ世界的に著名な美術館が香山の作品を収蔵しているということだ。なお入館料は、ホームページ限定割引券、もしくは携帯サイトの割引券画面提示で100円割引となる。
2015年12月17日9日、都内にある旧細川伯爵邸和敬塾でアーティスト舘鼻則孝による1日限りの展覧会「舘鼻則孝:面目と続行」が開催された。会場では新作であり、舘鼻が着想から3年の時を経て創作した座禅を組む黄金色の骸骨『Trace of Continuing History』(2015)をはじめ、新作、未発表作を含む約30作品が来場者を迎えた。今回、初披露となる強烈な存在感を備えた座禅する骸骨は、舘鼻自身の骨格をCTスキャンするところからはじまり、そのデータを3Dでモデリング。さらに、3Dプリントした樹脂の型を原型に、真鍮で鋳造したもの。舘鼻は「この作品は、2011年の東日本大震災で感じた死への恐怖を拭い去るための装置ともいえる。自分の死の姿を見いだすための想像は、翻って生む行為に近かった」と作品を前に語った。東京藝術大学に在籍中、花魁文化を学んでいた舘鼻。これまで彼が手掛けた作品には、花魁の高下駄を想起させるヒールレスシューズ、2メートル以上ある彫刻作品になった花魁のかんざしなどがある。同展覧会で初披露された『Theory of the Elements,(2015)』には、電子タバコ「プルーム」が納められている。同アイテムを目にした舘鼻は「これは、現代における花魁の煙管(きせる)のようだ」と感じたという。高下駄、かんざしに続き、「花魁のアイコニックなアイテムの最後のピースを埋めるような作業だった」と語る本作品では、現代の技術に触発されて古から伝わる技術を新たな視座から構築する。舘鼻が本展覧会で披露した作品は、どれも時空間を越えていくような生命力を備えているようだ。過去から現代、そして未来へと時が流れているとしたとしても、彼の作品の前にすると、そのどれもが一時に束ねられたような不思議な感覚になる。「見えるもの以上に大切なものは何かを問い、目に見えないものを信じる力を表現した」という舘鼻の言葉を反芻し、深く納得した展覧会であった。
2015年12月14日日本のファーニチャーレーベル・イーアンドワイ(E&Y)の30周年を記念して12月12日から20日まで、東京・六本木のアクシスギャラリーにて展覧会「evergreen」が開催される。トム・ディクソンやマイケル・ヤング、リチャード・ハッテンを始めとした時代をリードするデザイナーたちとともにオリジナルの家具の制作を行ってきたE&Y。これまでの手掛けた50作品以上のコレクションの一部は、MoMA(ニューヨーク近代美術館)やロンドンデザインミュージアム、パリ装飾芸術美術館、スウェーデン国立美術館などに収蔵もされている。今回行われる展覧会では、現コレクション約70点より厳選した代表作の展示や映像を公開する他、2010年に新たにスタートした「edition HORIZONTAL multiple collection line」より、今年9月にロンドンのデザインミュージアムで発表した新作をお披露目する。また、12月20日の16時から18時までは、同ギャラリーの地下1階にあるシンポジアにて、「SHOWCASE」や「DESIGNTIDE TOKYO」 などのプロデュースを手掛けたE&Y代表の松澤剛、ノザイナーの太刀川英輔、JDN・登竜門 統括編集長の山崎泰、武蔵野美術大学 准教授の山中一宏、ジャーナリスト、海外留学中の学生を交え、これからのデザインについて考える参加型トークイベントも開催する。定員は40名で参加費は無料。同展に出展される作品のデザイナーは以下の通り。マックス・ラム(Max Lamb)、中坊壮介(Sosuke Nakabo)、尾原史和(Fumikazu Ohara)、白木麻子(Asako Shiroki) 、スズキ ユウリ(Yuri Suzuki)、ニナ・トルスタープ&ジャック・ママ(Nina Tolstrup and Jack Mama)、フェイ・トゥーグッド(Faye Toogood)。【イベント情報】E&Y 30th Anniversary exhibition “evergreen”会場:アクシスギャラリー住所:東京都港区六本木5-17-1 AXISビル4階会期:12月12日~20日時間:11:00~19:00(11日のレセプションは18:00~21:00)入場無料
2015年12月11日東京都・京橋のLIXILギャラリーは、現代立体造形作家6名が「いきもの」をテーマにした金属や木の作品を展覧する"宮田亮平 監修企画「いきものたち」展"を開催する。会期は第一期が12月5日~2016年1月12日、第二期が2016年1月15 日~2月23日(水曜、12月29日~2016年1月6日、2月21日休館)。開館時間は10:00~18:00。入場無料。同展は、現代立体造形作家6名が「いきもの」をテーマに、「金属」と「木」の異なる素材を使った作品を二期に分かれて展覧するもの。2014年9月より、同ギャラリーで開催されている企画「クリエイションの未来展」の展示のひとつで、日本の建築・美術界を牽引する4人のクリエイター、清水敏男(アートディレクター)、宮田亮平(金工作家)、伊東豊雄(建築家)、隈研吾(建築家)を監修者に迎え、それぞれ3ケ月ごとの会期で、独自のテーマで現在進行形の考えを具現化しており、今回はその第6回目となる。なお、第一期では、同展の監修者であり、佐渡島伝承の金属工芸技法を現代に生かし、イルカをテーマにした「シュプリンゲン」シリーズを制作する宮田亮平と、様々なキャラクターの物語を金属素材の放つ生命感をもちいて現代的な作品を制作する丸山智巳、昆虫という小さな生命とその環境を鐵(くろがね)という重く硬い素材で軽やかに制作する相原健作らの、「金属」を使った作品が展示される。つづく第二期では、馬や羽などをモチーフに静謐で思索的な世界をつくる深井隆、玉眼をもつ猫や狐や幻獣をしなやかでミステリアスに表現する土屋仁応、毛並が波型に隆起した写実的な表現で躍動感あふれる狼などを制作する中里勇太らの「木」を使った木彫作品が展示されるということだ。また、関連企画として、「トークショー1 宮田亮平+丸山智巳+相原健作」(12月19日)、「トークショー2 深井 隆+土屋仁応+中里勇太」(2016年1月30日)が開催される。いずれも18:30~20:00開催。参加費は無料だが、参加に際しては予約が必要となる。予約方法の詳細は同ギャラリーWebサイトにて。
2015年12月01日東京都・清澄白河の東京都現代美術館は、オノ・ヨーコの活動を、出身地である東京という都市の文脈で再考する展覧会「オノ・ヨーコ 私の窓から」を開催している。会期は2016年2月14日(月曜・11月24日・12月28日~1月1日、1月12日休館、ただし11月23日・1月11日は開館)。開館時間は10:00~18:00。観覧料は一般1,200円、大学生・65歳以上900円、中高生700円、小学生以下無料。同展は、これまで主に戦後アメリカ美術のなかで語られてきたオノの活動を、出身地である東京という都市の文脈で再考するもの。作家活動を開始するまでの関連資料や創作、1950-70年代の東京での活動、近年の作品を通して、近代と現代、欧州と日本と米国、美術と音楽と文学、前衛とポピュラーカルチャー、そして社会と個人を繋ぐ独創的な創造活動が紹介される。オノは独自の詩のあり方を核とする、コンセプチュアル・アートの先駆者として、社会のシリアスな課題を、ユーモアに溢れたアプローチで多くの人に向けて発信してきており、同展は、戦前に既に充分に国際化していた東京を起点に育まれたその軌跡が、今日的視点から辿られるということだ。1930年代、自由学園で音楽教育を受けたオノは、時計の音など生活のなかで触れる音をもとに作曲するなど、芸術と生活を線引きすることのない考え方に接したという。同展では、米国の音楽動向に触れる遥か前、アーティストとしての活動を開始するまでのオノを育んだものや初期の活動が紹介される。また、1964年の夏、2年半の東京滞在の集大成として発行されたオノの代表作でありコンセプチュアル・アートの歴史の中でも重要な本「グレープフルーツ」の、葉書に記された膨大なタイプ原稿や、指示絵画を複製絵媒体に変換し、コンセプチュアルな性格を進めたものなどの作品も紹介される。同時に、そのオリジナルの手書きの指示絵画や同館蔵の「グレープルーツ」初版本もあわせて展示することで、鑑賞者の想像や行為を喚起する新しい美術のあり方が、東京で展開した過程が明らかにされるということだ。そのほか、関連プログラムとして、筑波大学教授・五十殿利治による講演会(11月21日14:00~)が開催される。また、Wish Treeのイベント(12月9日)などが予定されている。プログラムなどの詳細は同館HPにて案内されるということだ。
2015年11月18日東京都・銀座のギンザ・グラフィック・ギャラリー(ggg)は、実験的タイポグラフィユニット・大日本タイポ組合による文字だらけの展覧会「字字字大日本タイポ組合」を開催している。同展は、1993年にヒゲ有り名字無しの秀親とヒゲ無し名字有りの塚田哲也によって結成され、日本語の五十音や漢字、英語のアルファベットなどを解体したり、組合せたり、再構築することによって、新しい文字の概念・可能性を探り続けている実験的タイポグラフィユニット・大日本タイポ組合による、文字通り「文字だらけ」の展覧会。モジモジしながら文字と遊んで22年、文字と歩んで三千里の成果が一堂に紹介される。文字の楽しさ、文字の奥深さを体感できる展覧会となっているということだ。また、展覧会にあわせ、「gggBooks-117 大日本タイポ組合」の刊行も予定されている。また、関連企画として、来場した子供全員に「子がかぶると『字』になる『ウかんむり』」がプレゼントされる「子子子キャンペーン」が開催されている(数量限定)。同時に、来場した「お爺さん」の中から抽選で1名に「お爺・おズボン」が後日プレゼントされる「爺爺爺キャンペーン」も開催されている。自分が「お爺さん」だと思う方は受付にて申し出ることで応募できる。女性も申し込み可。その場合は「OGです」と申し出ればOKとのこと。なお、大日本タイポ組合は、秀親と塚田哲也の2人で1993年に結成された実験的タイポグラフィ集団。日本語やアルファベットなどの文字を解体し、組合せ、再構築することによって、新しい文字の概念を探っている。ロンドン、バルセロナ、東京での個展や世界各地での企画展に参加。2012年古堅まさひこと共に日本科学未来館にて「字作字演展」を開催。ヨコカクと共に新世界タイポ研究会『「横書き仮名」の開発』がTDC賞2013を受賞。2014年10月には「文字による文字のための文字のサイト」type.centerを立ち上げる。主著書に「TYPE CARD PLAY BOOK」(ACTAR)、「大日本字」(誠文堂新光社)。
2015年11月18日東京都・清澄白河の東京都現代美術館は、複数の視点を通して「東京」を浮かび上がらせる展覧会「東京アートミーティングVI "TOKYO"ー見えない都市を見せる」を開催している。会期は2016年2月14日まで(月曜・11月24日・12月28日~1月1日・1月12日休館、ただし11月23日・1月11日は開館)。観覧料は一般1,200円、大学生・専門学校生・65歳以上900円、中高生700円、小学生以下無料。同展は、「東京」を浮かび上がらせるための2つの構成によって成り立つ展覧会。ひとつは各界で活躍する東京のクリエイターがそれぞれの視点でキュレーションした「東京」、もうひとつは国内外作家が「東京」をテーマにつくる新作となっている。ひとつの概念で東京をまとめる(キュレーションする)ことはできないという考えのもと、複数の視点を通して東京という都市を浮かび上がらせるということだ。「東京」という都市における、テクノポップや成熟と幼さが奇妙に同居するネオテニー的特徴、誰でもが有名になりうる舞台で育まれる過剰な自己演出の美学は"ポップ"の文脈でとらえられるという。また、不安定で先の見えない社会的状況を個々人の強いライフスタイルの表明、あるいは積極的なつながりの中で乗り切ろうとする動きは多様な表現の形式に拡張している。一方、ポスト・インターネット世代の中で育まれるイメージ・オブジェとしての新しいマテリアル感覚、新旧が日常的に共存する都市風景をパラレルワールドとして再構築する若い世代の感性も生まれている。これらの感性や表現の鉱脈は、実は80年代から発展的に継承されている東京の創造力から掘り起こせるものであると同展では考えられており、同展では、1980年代文化の命脈を引き継ぎながら、現れようとしている現在の東京の創造力の可能性を、国内外のアーティストの多様な視点によって多角的に探るということだ。出品作家は、YMO+宮沢章夫、蜷川実花、ホンマタカシ、岡田利規、EBM(T)、松江哲明がキュレーターとして参加。また、スーパーフレックス、サーダン・アフィフ、林科、目【め】が新作出品作家として参加。ほか、計9ヶ国51組が参加している。そのほか、同展のコンセプトである、80年代のアートの表現と現代のつながりと変化を概観することを目的として、前床である70年代に描かれた作品から最近作までの絵画をセレクション。東京在住の作家による、あるいは東京の画廊や美術館で多く展示されていたこれらの絵画作品が70-80年代、90-2000年前半、2010年以降という大きな流れにそって展示構成される。菅木志雄、奈良美智、名和晃平などの作品が展示され、もの派、超少女、ニューペインテイング、ネオポップ、マイクロポップと呼ばれるドローイング絵画など作家たちの意識の変遷が形式の変容としてみてとれる構成となっている。また、関連プログラムとして、「松江哲明 スクリーニング&トーク」(11月29日・12月20日)、MOT美術館講座レクチャー「YMOが切り開いた80年代文化」(12月23日)、「サーダン・アフィフ アーティスト・トーク&Her Ghost Friend クロージング・ライヴ」(2月14日)、「Her Ghost Friend ライヴ・パフォーマンス」(2016年2月10日・11日)などが開催される。なお、各プログラムの詳細やその他のイベントについては決まり次第同館HPにて告知される。
2015年11月16日“芸術の秋”まっただなか。「展覧会に行きたいけど、たくさんありすぎて、どこに行けばいいかわからない」という人も多いのでは。そこで、現在開催中のオススメの展覧会を紹介します!■これぞ王道! アート好き女子は要チェック「マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展」東京都美術館にて12月13日(日)まで開催中のモネ展。モネといえば、マネやルノワールとならび称される「印象派」の代表的な作家です。日本での「印象派」の人気はとても高く、1年中どこかの美術館で「印象派」の展覧会が行われています。どうして「印象派」はこんなにも人気なのでしょうか?アートには「癒し系」と「覚醒系」(啓蒙系?)の2種類が存在します。「印象派」の絵画は淡い描線で描かれ、“光”をいかに表現するかを突きつめた、典型的な「いやし系」アートなのです。日本人は、アートにいやしを求める人が多いため、「印象派」がこれほど人気を博すのではないでしょうか。東京都美術館で、いやしの時間を過ごしてみるのもよさそうです。 ■ちょっと通ぶりたい人には「黄金伝説展 古代地中海世界の秘宝」あらゆる人間をトリコにしてきた「黄金」にまつわる展覧会が、2016年1月11日(祝)まで、東京・上野の国立西洋美術館で行われています。世界最古の金製品をはじめ、古代ギリシャ、トラキア、エトルリア、古代ローマの時代までの約4000年にわたる金の傑作が一堂に集結します。なかでも必見なのは、女性たちを彩ってきた金の装飾品です。繊細でやわらかな曲線を持つ、豪華けんらんな数々の装飾品。金に興味がなかった人も、思わずじっと見入ってしまうことまちがいなしです!■マニアック女子、集まれ! 話題づくりにはもってこいの「春画展」芸術的にも、人文学的にも大変価値のある春画ですが、日本ではあまり注目されることはありませんでした。その芸術性に先に目をとめたのは海外の人々で、2013年から2014年にかけて大英博物館で行われた春画についての展覧会は大きな反響を呼びました。その後、日本でも春画に対する評価が変わってきたようです。それまでは、春画は秘宝館くらいでしか見ることができませんでした。じつは、著名な浮世絵師のほとんどが、春画を制作しています。そして、春画の普及は浮世絵版画という江戸時代の印刷技術の発達のおかげでもあるのです。春画を語ることなくして当時の浮世絵師を語ることはできませんし、当時の出版業や庶民の生活について語ることだってできないのです。こんな展覧会行くのは、男ばっかりだろうって? いえいえ、女子だって、見てイイんです! 大英博物館で行われた展覧会も今回の展示も、女性客が目立っていたそう。絵師の高い技術とユーモアの融合である春画のよさが、性別を問わず受けいれられているということですね。エロ時代の奔放なエドを…。もとい、江戸時代の奔放なエロを、存分に楽しんじゃいましょう! 会期は12月23日(祝)まで。場所は永青文庫です。さまざまなジャンルのアートに触れて感性をみがき、教養を高められたら、女性としての魅力アップにもつながりそうですよね。
2015年11月16日日産自動車による「日産アートアワード2015」の展覧会が、11月14日から12月27日まで神奈川県・横浜のBankART Studio NYKにて開催される。「日産アートアワード」は、日産自動車が創業80年を迎えた13年に、現代美術における優れた日本人アーティストの活動の支援と、次世代に続く日本の文化発展の助力を目的としてスタートしたもの。第2回となる今回は、キュレーターや研究者、アートスペース運営者、レジデンスプログラム従事者、NPOなどのアートプロフェッショナルが候補となるアーティストをノミネート。今年6月に、選ばれた33名の候補者の中から、世界を拠点に活動する5名の国際審査委員会の書類審査によって7名のファイナリストが決定された。今回開催される展覧会では、この7名のアーティストが、インスタレーションや彫刻、映像、写真など様々な分野で新作を発表する。様々な土地で生活し、そこでの体験をもとに“時間のあしあと”を1針1針縫いつけた作品を制作する秋山さやかは、横浜で2ヶ月半に渡り滞在した記憶を表現した作品を出展。鉄塔や工事現場などの日常風景や、厳島神社や金閣寺などの歴史建築物を彫刻作品として再構成する岩崎貴宏は、日用品や桧を用いて緻密な建築風景をつくりだした。また、国籍や人種、アイデンティティなどを主題とした写真や映像、オブジェ、テキストなどを発表するミヤギフトシは、12年から取り組んでいる「American Boyfriend」プロジェクトを展開し、沖縄とアメリカで撮影した映像などを展示する。その他、久門剛史による会場であるBankARTの空間や音、光を作品に取り入れたインスタレーションや、石田尚志の絵画と映像が融合したダイナミックな空間作品、毛利悠子による日用品や機械を用いたインスタレーション、米田知子のイギリスと日本で行った綿密なフィールドワークをもとにその歴史の痕跡を収めた写真作品などが出展。また、11月14日、21日、22日には、ファイナリストによるアーティストトークを実施。11月28日はグランプリ受賞者によるトークショーも行われる。なお、グランプリは同展の作品展示と最終審査を経て11月24日に決定。グランプリ受賞者には、賞金300万円に加え、ロンドンの歴史あるアートセンターであるカムデン・アーツ・センターの協力を得ながら2ヶ月間に渡るロンドン滞在の機会が提供される。【イベント情報】「日産アートアワード2015」会場:BankART Studio NYK 2階住所:神奈川県横浜市中区海岸通3-9会期:11月14日~12月27日(11月24日はイベントのため一般入場不可)時間:11:00~19:00入場無料
2015年11月13日グッチ(GUCCI)が10月16日より、雑誌『LOVE magazine』の編集長を務めるケイティ・グランドとのコラボレーションによる展覧会「No Longer / Not Yet(もはや/いまだ)」展を上海民生現代美術館にて開催する。15-16AWウィメンズコレクションで、イタリア人哲学者のジョルジョ・アガンベンによる“コンテンポラリーとは何を意味するのか”という問いかけからインスピレーションを得たグッチ。クリエイティブディレクターを務めるアレッサンドロ・ミケーレは、“コンテンポラリー”を“過去の名残と未来の兆しが融合し、分岐する交差点において新たな意味を構築する自由を有する、移ろいやすい流動的な状態”と考え、同コレクションでは、かつて存在した世界の痕跡と生まれつつある世界の微かな兆しを祝しこの思想を表現した。今回開催される展覧会「No Longer / Not Yet(もはや/いまだ)」では、新たなコンテンポラリー/反時代性の概念について模索していく。アレッサンドロ・ミケーレ自身の作品の他、世界各国の著名アーティストによる作品が複数の展示室に展示される。参加アーティストは、中国のマルチメディアアーティストのツァオ・フェイ、アメリカの彫刻家のレイチェル・ファインスタイン、ネオコンセプチュアルアーティストのジェニー・ホルツァー、イギリスのフォトグラファーのグレン・ルッチフォード、サウンドデザイナーのスティーブ・マッキー&ジョン・ゴスリングなど。
2015年11月05日活動10周年を迎えるシャンデリアアーティスト、キムソンヘ(Kim songhe)による展覧会「トロフィー」が、11月6日から15日までラフォーレミュージアム原宿にて開催される。キムソンヘは、ぬいぐるみやアメリカン・トイ、天然素材、廃材などのアイテムをコラージュしたシャンデリアを制作するシャンデリアアーティスト。一見、異質な組み合わせを奇妙なバランスで統合した作品の数々を生み出している。これまでに、書籍『Session』での木村カエラとのコラボレーションやハナエのミュージックビデオでの美術制作の他、ビームス(BEAMS)やジル スチュアート(JILL STUART)、ラブレス(LOVELESS)など国内外の企業やブランドへの作品提供や空間ディスプレイなどを手掛けている。今回開催される展覧会では、キムソンヘが学生時代にもらった“トロフィー”の思い出に重ね、自身のこれまでの軌跡をたどりながら今後の可能性を表現する。同展のために特別に製作された高さ2mの巨大シャンデリアを始め、グレムリンのギズモが溢れるグレムリンルームや、自身の作品集を撮影した市橋織江のオリジナルプリントなどを展示。キムソンヘの仕事部屋を表現した制作ルームでのインスタレーションも実施される。また、同展に合わせて11月6日には、初の作品集となる『トロフィー(Trophy)』(通常版 4,000円、特別版 1万円)を出版。同書には、“卒業/出発”をテーマに、キムソンヘのこれまでとこれからが詰め込まれた。【イベント情報】「トロフィー」会場:ラフォーレミュージアム原宿住所:東京音渋谷区神宮前1-11-6 ラフォーレ原宿6階会期:11月6日~15日時間:11:00~21:00(11月6日は18:00閉場)入場無料
2015年10月31日東京都・丸の内の三菱一号館美術館は、オートクチュールの始まりから現代に至る歴史を概観する展覧会「PARIS オートクチュール—世界に一つだけの服」を開催する。会期は2016年3月4日~5月22日(月曜休館、ただし祝日・5月2日・5月16日は開館)。開館時間は10:00~18:00。(祝日を除く金曜、会期最終週平日は20:00まで)。入館料は一般1,700円、高校・大学生1,000円、小中学生500円。同展は、オートクチュールの始まりである19世紀後半から現代に至るファッション史を概観するもので、パリ・モードの殿堂―ガリエラ宮パリ市立モード美術館館長オリヴィエ・サイヤール氏監修のもと、2013年にパリ市庁舎で開催された展覧会を再構成したものとなる。19世紀後半のパリで誕生したオートクチュール(Haute=「高い」「高級」・Couture=「縫製」「仕立て」の意)は、パリ・クチュール組合の承認する数少ないブランドにより、顧客の注文に合わせてデザイナー主導で仕立てる高級服として知られている。同展では、シャネル、クリスチャン・ディオール、バレンシアガ、ジヴァンシィ、イヴ・サンローラン、ジャン=ポール・ゴルチエ、クリスチャン・ラクロワ、アライアらが生み出してきた時代を映し出す美しいシルエットの数々、刺繍・羽根細工・コサージュなど、脈々と受け継がれる世界最高峰の職人技が、ドレス、小物、デザイン画、写真など合わせておよそ130点により紹介されるということだ。なお、ガリエラ宮パリ市立モード美術館館長オリヴィエ・サイヤール氏は、同展の魅力と展示の見どころを次のように語っている。「作品はどれも二つとないものばかりで、デザイナーが時代に影響を及ぼすことのみならず、顧客の趣味が時代に反映されることもまた考慮に入れた上で選び出されています。マドレーヌ・ヴィオネ、ポール・ポワレ、スキャパレリ、シャネル、ディオール、グレ、バレンシアガ、イヴ・サンローランのこれ以上ない貴重な作品は、オートクチュールの歴史に幾度か訪れた頂点を評価する道筋を示しているのです。もちろん、これは私たちのコレクションを基にした歴史的で主観的なひとつの見方です。ファッションの歴史は美術館のコレクションに応じていくつも存在するのです。私達がその業績を高く評価する偉大なデザイナーの中から、息を呑むような最高のデザインを選択しました。」
2015年10月29日タムくんの愛称でおなじみの漫画家でアーティストの、ウィスット・ポンニミット氏の展覧会「REFRESH! Mamuang」が、六本木ヒルズで2015年11月13日~12月13日に開催。「リフレッシュ! マムアン」をテーマに新作のドローイング作品と版画作品がお目見えする。タイ、日本を始めアジアで人気のタムくんことウィスット・ポンニミット氏ウィスット・ポンニミット氏は1976年バンコク生まれの漫画家でアーティスト。「タムくん」の愛称で親しまれている。2003年~2006年に神戸に在住経験があり、この間にキャラクター「Mamuang(マムアンちゃん)」を生み出した。この「マムアン」シリーズの他、『ブランコ』(小学館)、『ヒーシーイット』 (ナナロク社)などの多数の漫画作品を日本で出版。2009年には『ヒーシーイットアクア』が文化庁メディア芸術祭マンガ部門奨励賞受賞した。アニメーションや音楽制作も行い、音楽作品に原田郁子との共作「Baan」なども。「マムアン」はタイ語でマンゴー!今回展示されるキャラクター「マムアンちゃん」は、愛らしい素直な女の子。頭の形がマンゴーに似ていることから、タイ語でマンゴーの意味のMamuang(マムアン)がネーミングの由来。LINEスタンプやファッションブラントどのコラボレーションをしたり、雑誌「BIG ISSUE」や「翼の王国」で連載をしたりと、日本でも人気のキャラクターだ。ライブドローイングやトークショーも開催予定会期中には、ウィスット・ポンニミット氏による来場者を描くライブドローイングや、女優・臼田あさ美さんとのトークライブも予定。この機会に、マムアンちゃんの温かくて優しい世界感、さらにはタムくんの人柄にも触れてみてはいかがだろうか。ウィスット・ポンニミット展覧会「REFRESH! MAMUANG」(リフレッシュ!マムアン)【日 時】2015 年11 月13 日(金)~12月13日(日)12:00~20:00会期中無休※11/15 15:00-17:00はトークイベント開催のため会場内の作品観覧は不可。【会 場】六本木ヒルズ A/D ギャラリー(六本木ヒルズウエストウォーク3F 六本木ヒルズアート&デザインストア内 03-6406-6875)【参 加 費】 無料【主 催】森ビル株式会社 森美術館 森アーツセンターミュージアムショップ【後援】タイ王国大使館【オープニングパーティー】 11月13日(金)18:00~20:00【イベント】■ドローイングマムアン!タムくんがご来場のお客様を描くライブドローイング。自由観覧。11月13日 (金) 16:00-18:0014日 (土) 12:30-14:3015日 (日) 12:30-14:30■マムアンちゃんTALK!タムくんと女優・臼田あさ美さんによるトークイベント。11月15日 (日) 開場 15:00 開演15:30参加ご希望の方は下記アドレスにメールで申し込み。11月5日 (木) 締切。抽選の上、11月8日(木)までにご当選者のみに連絡。ad_gallery@macmuseumshop.com件名「マムアンちゃんTALK!」観覧希望・名前(複数名の場合、全員の名前)・電話番号(日中連絡のつく連絡先)イベントの詳細は六本木ヒルズ A/D ギャラリー(03-6406-6875)、または作家ウェブサイトへ
2015年10月26日おもしろ作品の開発やWebサイトの制作などを手がける企業「人間」は、同社の設立5周年を記念した展覧会「16年目で間違いに気づいた展」を開催する。会期は11月13日~15日 12:00~20:00。会場は大阪府・本町の「SLC OSAKA」。入場料は"-5円"(5円もらえる)。同展は、"面白くて変なことを考えている"というスローガンを掲げる「人間」の設立5周年を記念した展覧会。同社代表取締役の花岡洋一氏と同・山根シボル氏が学生時代に作った初期の作品から、会社を設立して5年間に発表した約80点の作品が展示される。展示作品は、フエラムネを吹くと、36体の頭が目を光らせ掛け声を発しながら規律正しく動く、体感型インスタレーション「にんげんとふえ」をはじめ、頭に装着すると左右に映し出された顔がトークに合わせて相づちやツッコミを入れてくれるプレゼンアシストマシーン「3Kディスプレイ」、誰でも簡単に巨乳になれるAR(拡張現実)アプリ「Kinect 巨乳」、ごみ置き場に生息し、収集車が来ると早足で逃げて行く「妖怪ごみ足」など。このほか、スの形をしたイス「スイス」(5万5,000円)や2次元RPGの世界の「あの宝箱」(S:500円/M:850円)、コンプレックス人狼「人間ゲーム」(2,100円)、人間作品集(価格未定)などのグッズ販売も行われるということだ。また、初日の11月13日(19:00~23:00)には、展覧会場と同じビル(GLADBLD)の1階にあるカフェFLOU CAFEにて「間違ったレセプションパーティー」の開催が予定されている。参加費は無料。なお、「人間」は2010年11月11日に設立された、おもしろ作品の開発やWebサイトの制作、広告・キャンペーンやイベントの企画などを手がける企業。代表作に鼻毛通知代理サービス「チョロリ」、ケンドーコバヤシ×人間スマホアプリ「見てる女 やさかい。」、人間関係が崩壊するカードゲーム「人間ゲーム -コンプレックス人狼-」など。
2015年10月22日日本の新たなデザインの展覧会「エニートーキョー(AnyTokyo)」が、10月24日から11月3日まで東京・港区の増上寺の光摂殿にて開催される。「エニートーキョー」は、これからの暮らしのためのプロダクト、感動を与えるアートやミュージックなど、様々な分野のデザインやアイデアが集結する展覧会。第3回目となる今回のテーマは“DIVERSITY&BEAUTY/美しき多様性”。昨年に引き続き日本の重要文化財である増上寺を舞台に、日常生活への独自の着眼点で現実化した実用的かつ審美的なプロダクトや、新技術を活用したマテリアル、往年の名作を現代の目線で新たに表現したプロジェクトなどジャンルを問わず様々なアイデアが集まった。また、会期中新たな取り組みとして、10年より各国で行われている「日中韓デザインフォーラム」を同会場にて開催する。今回は、“強いデザイン、美しいデザイン”をテーマに、国際的な活動を行う日中韓のデザイナーによる講演や、各国の特許庁関係者や企業関係者によるディスカッションなどが行われる。登壇者は、石黒猛クリエイティブ・ラボ代表の石黒猛や、IDEO Chinaのデザインディレクターを務めるTony Wong、DaylightのクリエイティブディレクターのJunggi Sungなど。【イベント情報】「エニートーキョー『DIVERSITY&BEAUTY/美しき多様性』」会場:増上寺光摂殿住所:東京都港区芝公園4-7-35会期:10月24日~11月3日時間:11:00~20:00入場無料
2015年10月21日東京・丸の内の東京ステーションギャラリーは、3人の版画家による、日本の版画史に足跡を残した雑誌の紹介を中心とした展覧会「『月映(つくはえ)』田中恭吉・藤森静雄・恩地孝四郎」を開催している。会期は11月3日まで(月曜休館、ただし11月2日は開館)。開館時間は10:00~18:00(金曜は20:00まで)。入館料は一般900円、高校・大学生700円、中学生以下無料。同展は、公刊「月映」(洛陽堂)の紹介に中心をおきながら、創刊者である田中恭吉・藤森静雄・恩地孝四郎ら3人の画家の出会い、公刊「月映」の準備期間に制作した限定の私家版「月映」、田中恭吉の死後発刊された萩原朔太郎の初めての詩集「月に吠える」(田中恭吉ペン画11点と恩地の木版画3点を収録)に関連する作品や資料など、約300点を展示するもの。1914年に生まれた作品集「月映」は、20代前半の美術学生、田中恭吉・藤森静雄・恩地孝四郎らによる木版画や詩をまとめた雑誌で、田中恭吉の死を迎えた頃に1年ほどで終刊となったものの、日本の版画史に足跡を残した。当時の画家たちにとって、木版画による表現手段は主流ではなかったが、3人はそれを跳ね返すように、自画・自刻・機械刷りによる木版詩画集づくりに熱中したという。田中恭吉は結核を患い、命を削りながら、内面の葛藤を表出するような物悲しい木版画と詩を生み出し、藤森静雄は木版画の特徴を生かした内省的な作品を残し、そして、恩地孝四郎は「月映」創刊号の編集を一人でこなし、また、日本で最初期の抽象表現に到達した。○■田中恭吉(たなかきょうきち)1892年に和歌山県和歌山市に生まれる。1910年、白馬会原町洋画研究所に入所し、1911年に東京美術学校予備科日本画科志望に入学。萩原朔太郎の詩集の装幀を頼まれるが、結核のため衰弱、1915年に郷里で亡くなる。遺作が恩地の手により萩原の詩集「月に吠える」に用いられた。○■藤森静雄(ふじもりしずお)1891年に福岡県久留米市に生まれる。1910年、白馬会原町洋画研究所に入り、1911年に東京美術学校予備科西洋画科志望に入学、1916年に東京美術学校を卒業。帰郷し中学校の教師となるが、再び上京し、日本創作版画協会や日本版画協会の創立に参加、春陽会にも出品した。1943年没。○■恩地孝四郎(おんちこうしろう)1891年に東京に生まれる。1910年、東京美術学校予備科西洋画科志望に入学、1911年、予備科彫刻科塑造部志望に入学。1918年に日本創作版画協会の、1931年には日本版画協会の創立に尽力。のち国画会会員となる。創作版画の推進者として活躍し、装幀や油彩画も手がけた。1955年没。
2015年10月20日東京都・赤坂の21_21 DESIGN SIGHTは、建築の慣習を覆し、世間の常識に挑戦する作品をつくり続けてきたフランク・ゲーリーの展覧会「建築家 フランク・ゲーリー展 "I Have an Idea"」を開催している。会期は2016年2月7日(12月27日~1月3日・火曜休館、ただし11月3日は開館)。開館時間は10:00~19:00。入場料は一般1,100円、大学生800円、高校生500円、中学生以下無料。同展は、ビルバオ・グッゲンハイム美術館をはじめ、昨年開館したルイ・ヴィトン財団など、半世紀以上にわたり建築の慣習を覆し、世間の常識に挑戦する作品をつくり続けてきた建築家フランク・ゲーリーの「アイデア」を紹介するもの。展覧会ディレクターには、エストニア国立博物館の設計や東京の新国立競技場基本構想国際デザイン競技のファイナリストとして国内外から評価の高い建築家田根剛を迎え、同氏の仕事に大きな影響を与えたゲーリーの「アイデアの力」に注目する。ゲーリー建築の生命力に満ちた外観と居心地の良い内部空間を映像で体感できるプロジェクションをはじめ、ひとりの人間としてのゲーリーの姿に触れられる「ゲーリー・ルーム」が登場する。そして、つくっては壊し、またつくり、疑い、時に否定しながら生み出されるゲーリーのアイデアと、その実現に不可欠なテクノロジーや素材、建築プロセスを紹介するということだ。同展の開催に際し、田根氏は次のように語っている。「本展は建物の紹介を中心とした建築展ではなく、建築家の展覧会です。フランク・ゲーリーがどのような人物で、何に興味を持ち、どこで着想を得て、何に執着を示すのか……つくっては壊し、壊してはつくり上げる大量の模型、シンプルな組み合わせで生み出される見たことのない複雑な形態、建築業を熟知して考案されたゲーリー・テクノロジーによる最新の設計手法、そして世界各国で同時に進行し続けるプロジェクトの数々……これら膨大な創造力と作業量はどのようにして可能だったのか。ゲーリーは誰もみたことのないアイデアを生み出すために、どんなに困難な状況でも、努力と信念、葛藤と重責のなかで、「アイデア」を実現するために勇気もって闘い続けてきた建築家なのです。アイデアはポジティブな力がなくては生み出せません。本展を見ることでゲーリーの成し遂げた「アイデアは世界を変える」と信じてもらえれば最高です。」
2015年10月19日展覧会「PARIS オートクチュール- 世界に一つだけの服」が、16年3月4日から5月22日まで東京・丸の内の三菱一号館美術館にて開催される。同展は、パリ・モードの殿堂として知られるガリエラ宮パリ市モード美術館館長のオリヴィエ・サイヤール監修のもと、13年にパリ支庁舎で開催され人気を博したファッション展を再構成したもの。パリ・クチュール組合の承認を得た数少ないブランドが、顧客の注文に合わせてデザイナー主導で仕立てた高級服“オートクチュール”の19世紀後半から現代に至るまでの歴史を概観することが出来る。会場では、シャネル(CHANEL)、クリスチャン・ディオール(Christian Dior)、ジバンシィ(GIVENCHY)、イヴ・サンローラン(Yves Saint-Laurent)、ジャンポール・ゴルチエ(Jean Paul GAULTIER)、バレンシアガ(BALENCIAGA)らのオートクチュールを紹介。刺繍、羽根細工、コサージュなどの脈々と受け継がれてきた世界最高峰の職人技を、約130点のドレスや小物、デザイン画、写真などを通して体感出来る展覧会となっている。【イベント情報】PARIS オートクチュール- 世界に一つだけの服会場:三菱一号館美術館住所:東京都千代田区丸の内2-6-2会期:16年3月4日~5月22日時間:10:00~18:00(祝日を除く金曜日と最終週平日は20:00まで)休館日:月曜日(祝日、5月2日、5月16日は開館)料金:一般1,700円、高大学生1,000円、小中学生500円
2015年10月17日