岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「完売」です。「岡崎体育 Zepp Tour 2024」が絶賛開催中です。全国を回っています!今回、チケット完売を目指し、積極的に自分のSNSのアカウントを使って、販売を促進するためのセルフキャンペーンをツアーが始まる前に行いました。会場ごとのチケットの残数を記した僕のポストを見かけた方もいるのではないでしょうか。なんでそんなことをしたかといえば、当初の券売状況が非常に厳しかったからです。最初にチケット販売会社から送られてくる購入状況のデータでは、なんと全体の30%ほどしか売れてなかったんです。コロナ禍以降、生のライブを観に行くという行動が以前ほど戻らず、音楽業界全体としてチケットの売り上げが落ちているというのは聞いていましたが、自分ごととしてそれを受け取ったのは正直ショックでした。降りかかり方があまりにもどしゃぶりすぎました。確かに、ここ数年の僕はより幅広い層に認知していただくために、TVドラマに出演したり、子ども向け番組に出たり、バラエティに出たりと、どちらかといえばミュージシャン以外の活動が多かった。それが、ひとりのミュージシャンとして、この人の曲で踊りたい、一緒に歌いたいと思ってもらえるような求心力・集客力に結びつきにくかったのではないか、と感じました。でも当然ですが、岡崎体育をドラマで、バラエティで、TVCMで知った人たちにひとりでも多く、ライブに行ってみたいと思ってほしい。それで、自分にできることは何だろうかと考えて、セルフキャンペーンを大々的に打つことにしたんです。先にも言いましたが、今回は会場ごとに1階席の残り枚数も正直にポストしています。これは僕の哲学なのですが、ポジティブなことにしろネガティブなことにしろ、数値は正直に正確に出していきたいから。変な隠し事はしたくないし、僕にとって恥ずかしいのはチケットが売れてない現状を知られることではなく、売れずにそのままツアーが終わってしまうこと。かける汗はかいて後悔なくツアーを完遂したかった。結果、チケットの販売数は82%まできました(4月15日現在)。奈良のライブハウス「NEVERLAND」で初めてライブをしたときも、さいたまスーパーアリーナで夢のステージを実現したときも、SNSで僕は必死にビラを配って集客をしていた。そんな自分の原点を、久しぶりに思い出した気がします。おかざきたいいく自身初となるEP『Suplex』を引っ提げて開催中の「岡崎体育 Zepp Tour 2024」も残すところあと2か所。5/12大阪(ベイサイド)、6/2東京(ダイバーシティ)。※『anan』2024年5月8日‐15日合併号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2024年05月07日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「花粉症」です。先日、「正月から取り憑かれたように毎日ヨーグルト食べてたら花粉症治ってんけど」とXにポストしたら、それが瞬く間に拡散され、ネットニュースにまでなって驚きました。きっと、それくらい花粉症に苦しめられている人がたくさんいるのでしょう。僕も昨年まではそのうちの一人でした。発症したのは20代前半の頃。年々ひどくなり、ここ数年はくしゃみは止まらないし、目が痒すぎて開けていられないほど。夜も鼻が詰まって眠れなくなるし、本当に「春、キライ!」という状況でした。花粉症は、ミュージシャンという稼業にとってかなりの天敵です。鼻声ではレコーディングもろくにできませんし、喉がイガイガしていてはライブにも支障が出まくりです。僕もこの春Zepp Tourが控えていたので、花粉症がひどくなったら嫌やなと思っていました。花粉症対策は、もはやミュージシャンとして欠かせないものなのかもしれません。業界の先輩方からもさまざまな治療法があることを教えてもらっていました。あそこのお医者さんがいいだとか、舌下治療が効果あるとか…。しかし、僕は今年自力で脱・花粉症を実現しました。きっかけは、口臭予防でヨーグルトを食べ始めたことです。実践したことも、Xに事細かにポストしました。僕がやったことは、(1)継続期間は今年のお正月から2か月間ほぼ毎日ヨーグルトを摂る。(2)1日2回(朝と寝る前)。(3)ヨーグルトの種類はコンビニに売ってる飲むヨーグルトの大きいサイズのやつ(朝)と、スーパーに売ってる4個セットのやつ(寝る前)。これを続けていたら、みんなが「今年の花粉はひどい」とどんなに言っていても、花粉症らしい症状が出ていません。ヨーグルトは腸内環境を整えてくれるので、それがよかったのかなと思っています。あとは、花粉が飛び散る前からやっていたのがポイントだったのかなとも思いました。これが万人に効くのかどうかと言われるとエビデンスが僕1人なのでなんとも言えませんが、そういう方法もあるんだと参考程度にしていただけたらと思います。春の花粉シーズンはそろそろ終わりますが、このヨーグルトルーティンをいつまで続けるべきかを実は今、悩んでいます。やめた途端、なにかしらの花粉アレルギーが始まったらどうしよう?と怖くて。謎のヨーグルト療法カルマを背負ってしまっています……。おかざきたいいく自身初となるEP『Suplex』(SME レコーズ)配信中。「岡崎体育 Zepp Tour 2024」開催中。4/27名古屋、4/29福岡、5/12大阪(ベイサイド)、6/2東京(ダイバーシティ)。※『anan』2024年5月1日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2024年04月28日愛知県初の本格的アウトレットモールとなる「三井アウトレットパーク 岡崎(仮称)」が、愛知県岡崎市に2025年秋開業予定。愛知県初の本格的アウトレットモール「三井アウトレットパーク 岡崎(仮称)」誕生三重県桑名市の「三井アウトレットパーク ジャズドリーム長島」に続く東海エリアで2施設目の三井アウトレットパークであり、愛知県初の本格的アウトレットモールとなる「三井アウトレットパーク 岡崎(仮称)」。開業するのは、名古屋鉄道本線「本宿」駅から徒歩約13分の場所だ。車で訪れるにも便利な立地で、国道1号線や新東名高速道路「岡崎東」IC、東名高速道路「音羽蒲郡」ICからも至近距離にある。テナントは約170店舗が出店予定「三井アウトレットパーク 岡崎(仮称)」には、ファッションをはじめバリエーション豊富な約170店舗が集結するという。また、緑豊かな屋外広場も設け、そこには休憩スペースとしても利用可能な大階段やテラスなどを設置する。家族連れにも嬉しいキッズスペースやペット関連設備も配置しており、友人、家族皆で快適に楽しく過ごせる施設を目指す。【概要】「三井アウトレットパーク 岡崎(仮称)」開業時期:2025年秋(予定)住所:愛知県岡崎市池金町、舞木町、本宿町アクセス:新東名高速道路「岡崎東」 IC 3㎞、東名高速道路「音羽蒲郡」 IC 5㎞、名古屋鉄道本線「本宿」駅から徒歩約13分店舗数:約170店舗
2024年04月28日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「デモ音源」です。楽曲を制作するとき、アレンジを外部に発注する場合はまずデモ音源を作ります。絵を描く前の下描き、ラフスケッチのようなものです。僕のデモの場合、そのラフスケッチがガチで“ラフ”です。本当に簡単な線だけで描いている落書きのようなものと思っていただいていい。ドラムの簡単なビートを入れて、ピアノでコード進行を白玉(全音符)だけでじゃーん、じゃーんと弾いて、メロディを適当な歌詞で歌う。漫画で言えば、ネームもなければコマ割りもしてないような、だいたいこういう話で、こういうトーンになる予定ですよ、ということだけわかるもの。自分で編曲まですべてする際はここから肉付けしていくのですが、アレンジャーに依頼する場合は、「ここから先はお任せします」とお渡しします。アレンジャーの方々には、「こんなにざっくりとしている自主性のないデモは初めてだ」とよく言われます。いや、そのまったく主張のないデモが岡崎体育らしさです。それがいいのか、よくないのか。アレンジャーの方からすると両方の意見があるようです。「もう少し固めてから渡してほしい」という方と「自由度があって腕が鳴る」という方と。たとえば、「Knock Out」という楽曲は、ハードコア・バンドPaleduskのDAIDAIくんにアレンジをお願いしたのですが、これはマジで僕の中でもラフ中のラフで彼にお渡ししました。DAIDAIくんもどうアレンジするべきか、とても悩んだと思います。でもその結果、彼自身の色をめちゃくちゃ出してくれて、とてもかっこいいアレンジを施してくれた。あがってきた楽曲を聴いて、「こんなに生まれ変わるんだ!」と、誰かと一緒に楽曲を作り上げる楽しさを実感したことを覚えています。いやいや、一緒というよりDAIDAIくんの力量ですね、これは。そんなわけで岡崎体育はデモ音源集を出すのはまず無理ですね。はっきり言って聴いていられない!……でも、あえて聴いていただくのもいいかもしれません。できあがった曲と比較したらアレンジャーのみなさんのすごさがわかると思います。僕たち作曲家は0から1を生み出しますが、それを100にも1000にもしてくれるのがアレンジャー。編曲の力でその曲がヒットするかしないかも決まる。僕の主張のないデモをどう進化させてくれているのか、いつか知ってもらえたらいいかもしれません。おかざきたいいく自身初となるEP『Suplex』(SME レコーズ)配信中。「岡崎体育Zepp Tour 2024」がスタート。4/21札幌、4/27名古屋、4/29福岡、5/12大阪(ベイサイド)、6/2東京(ダイバーシティ)で開催。※『anan』2024年4月24日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2024年04月22日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「Zepp Tour」です。いよいよ、4月14日から「岡崎体育 Zepp Tour 2024」がスタートします。横浜、札幌、名古屋、福岡、大阪そして東京の全国6都市を巡ります。全体のテーマとして今回、アメイジングモンスターズというキャラクターを召喚しました。4月14日横浜の“無神経ペガサス”にはじまり、“社会派ケンタウロス”“冷静ドラゴン”“心配性ケルベロス”…など、会場ごと異なるモンスターが公演のタイトルになっています。この“アメモン”たちのトレーディングカードなどグッズをあれこれ配ったり売ったりする予定です。ぜひみなさんに、全部の“アメモン”を集めるために全通を試みていただけたらと思っています。チケットは…まだあります!また、今回のツアーをより良いものにしたいとツアースタッフのみなさんと決起集会という名の飲み会を行いました。前回のライブハウスツアーを踏まえて、Zepp Tourはどんなライブにするべきかをざっくばらんに話し合い、岡崎体育にはやっぱりZeppが似合うという話で盛り上がりました。岡崎体育のライブは映像を入れたり、照明をバチバチに利かせたりなどギミックたっぷりのほうがより盛り上がる。アジテーターとしての岡崎体育が映えるというお褒めの言葉をいただきました。実際に広いフロアでみんなで盛り上がれるような高揚感をお届けできる新曲もできています。その他いま構想中の内容も絶対に面白いし、Zeppという会場との相性もいいはず。ぜひ多くのみなさんに足を運んでいただきたいです。繰り返しになりますが、チケットは…まだあります!その一方で、決起集会では「最近、円くなりすぎなのでは?」との指摘も受けました。「守りに入りすぎなのではないか」「もっと尖った人であってほしい」と。確かに、それは加齢もありますし、好感度の高いCMにも出演させていただいています。円くなっても仕方ないのでは?というか、スタッフと話し合った通りにここまでやってきたのに、それでいい波に乗っているだろうに、なぜ「円くなるな」と言われてしまうのでしょう…。いや、でも、ずっと僕のことを見てきてくれた方々がそう言うのであれば、いまの僕はちょっとエッジ感が足りないのかも。ツアーでは、お客さんを置いてけぼりにするくらいの尖った仕掛けも準備したいと思います。いまの岡崎体育の尖り具合をぜひZeppに確かめに来てください!おかざきたいいく自身初となるEP『Suplex』(SME レコーズ)配信中。「岡崎体育Zepp Tour 2024」は、4/14横浜、4/21札幌、4/27名古屋、4/29福岡、5/12大阪(ベイサイド)、6/2東京(ダイバーシティ)で開催。※『anan』2024年4月17日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2024年04月13日シンガー・ソングライターの岡崎体育が、春ツアー『岡崎体育 Zepp Tour 2024』をめぐり、「キッズエリア」開設について混乱を生み、自身のX(旧ツイッター)で謝罪。9日、岡崎のマネージャーが自身のXであらためて説明を行った。ツアーは、4月14日~6月2日にかけて、横浜・札幌・名古屋・福岡・大阪・東京のライブハウス「Zepp」をめぐるもの。1Fはスタンディング、2Fは指定席とされている。岡崎は8日にXで「今回キッズエリアを設けることになりました!お子様連れでも安心してライブにお越しいただけます!この機会にぜひ!!! 集まれ!生まれてまもない人たち!」と告知。さらに「キッズエリアというのは最後方の1区画だけですので、最後列付近でゆっくりご覧になりたいお客様も尋常にお楽しみいただけますのでご安心いただけますと幸いです!」と呼びかけた。一方でライブ自体は、未就学児は入場を認めておらず、混乱を招いた。ファンからの指摘を受け、岡崎は「キッズエリアという言い方などに問題がありました小学生エリアでした」「申し訳ございませんでした」と訂正した。これを受け、9日に「岡崎体育マネージャー松下」のXでは、「この度はキッズエリアに関しまして、こちらの言葉足らずで皆様に混乱を招いてしまい大変申し訳ございません。下記の画像をご一読いただけますと幸いです」とし、経緯や「お知らせ(訂正)」を掲載した画像が投稿された。経緯について「券売活動の為、色んな方の意見を日々拝見する中で本人より、キッズエリアを作ったらお子様連れの方も喜んでくれるのではないかと提案がありました。急遽各イベンター様、制作様や会場様に確認をいたしまして、やれる範囲でやってみようとなりました。もちろん後出しの情報になってしまう事に懸念はございましたが、できるだけ沢山の方に楽しんでいただけるならという思いで告知をさせていただきました」と説明。そして「チケット販売開始時ではなく、後出しの施策となってしまった事を深くお詫び申し上げます。また、スタッフ側で手配した文章が言葉足らずのわかりにくいものだった事も重ねてお詫び申し上げます」と謝罪した。その上で「岡崎体育のライブでは非常に大きな音が出ます。特に前方スピーカー前の方はお気をつけいただくよう会場でもアナウンスさせていただいております。その為、キッズエリアは後方に設置、そしてイヤーマフの装着していただくことを推奨しております。ご理解とご協力の程、何卒よろしくお願い申し上げます」と伝えた。なお、岡崎は子ども番組『いろりろ』(読売テレビ)で“たいいく兄ちゃん”を務めている。■お知らせ(訂正)・各会場キッズエリアを1階後方スペースに設置いたします。・キッズエリアへのご入場は小学生のお子さまを対象とさせていただきます。※未就学児童入場不可。キッズエリアのご利用のお子様分のチケットも必要となります。※保護者の方はエリア付近でご覧いただく事になりますので、予めご了承ください。・スペースに限りがございますので全てのお子様をご案内できない場合もございますが予めご了承ください。・各会場で運用が異なる場合もございますので当日スタッフの案内に従ってください。
2024年04月09日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「お蔵入り」です。2週連続で告知をさせてください。3月27日にEP『Suplex』を配信リリースしました。熱心な岡崎体育ファンはご存じかと思いますが、僕はアルバムに1曲か2曲“捨て曲”を入れます。よくCD屋さんのポップなどで「捨て曲ナシ!」などと書かれていることがありますが、僕は自ら「捨て曲はアリ」としています。サクッとできた、いい意味で気の抜けた曲が“捨て曲”。今回だと「宇宙と長野」がそれです。メロディラインも5分ほどでできたくらい、妙に肌なじみのいい曲です。キーも自分に合っているのでとても歌いやすい。あまりにスルッと生まれて、サクッと収録も決められたのでまさに“捨て曲”です。一方で、レコーディングもしたのに収録をせず、考えに考えた末にお蔵入りさせてしまった楽曲もありました。実は、こういうふうに曲を“お蔵入り”させることは岡崎体育としてはほぼ初めてのことです。岡崎体育はソロアーティストではありますが、レコーディングに辿り着くまでにはたくさんの方に協力していただき、みなさんにいろいろな仕事をご担当いただいて一曲を仕上げます。そのほぼ終わりまで近づいた曲をお蔵入りにするのは、ちょっと悩ましいものがありました。レコーディングをしているスタジオだって、予約をしてわざわざレンタルしているのに……とか、もったいないことをしたくない性格ゆえ、そういう余計なことまで考えてしまいました。それでも、「今リリースするタイミングではないかも」とスタッフと話し合って何曲かを蔵に入れました。いや、蔵といえるほど大層なところにしまい込んでいる感覚もありません。ちょっとだけ外に干しておいてみよう、一回あえて寝かせてみよう、くらいの感覚です。しばらく置いておくといい味が出るかもしれません。なので、もう少ししたら違った形でみなさんにお届けできると思っています。スタッフにも、「レコーディングしたけどお蔵入りにすることなんて、普通によくあることだよ」と励まされました。僕が大好きなロックバンド、リンキン・パークもそういえばそうだったと思い出しました。2003年発売の名アルバム『メテオラ』でお蔵入りしていた未発表曲を、昨年アルバム発売20周年を記念してリリースされた特別盤に、突如収録してファンを驚かせた。そういうサプライズにもなるかもしれないので大事に置いておきたいと思います。おかざきたいいく自身初となるEP『Suplex』(SMEレコーズ)を引っ提げてのZeppワンマンツアーが、4/14横浜からスタート。4/21札幌、4/27名古屋、4/29福岡、5/12大阪(ベイサイド)、6/2東京(ダイバーシティ)の全国6か所で開催。※『anan』2024年4月10日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2024年04月06日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「初EPをリリース」です。今号が発売になる本日、3月27日にEP『Suplex』を配信リリースします。岡崎体育史上初となるEPのリリースです。なのですが、そもそも“EP”とはなんなのでしょう。Googleで調べてみると「Extended Playingの略。収録時間がLP(フルアルバム)よりは短いが、シングルよりは長い」ものを指してEPと言うそうです。今回の僕のEPも5曲入り。昨年よりアルバムのリリースを予告していますが、先にいいものが5曲まとまったので早く聴いていただけるならそれに越したことはない、とリリースすることにしました。僕的なマインドとしてはラーメン&半チャーハンセットの半チャーハンのようなものです。ファンのみなさんを空腹でお待たせするのは忍びなく、先に半チャーハン、食べておいてねと思っています。収録されているのは、とても思い入れのある5曲です。すでにライブで披露している「サブマリン」や「宇宙と長野」、B.LEAGUE 2022‐23 SEASONの公式テーマソング「Insane」のセルフカバーも収録しています。まっさらの新曲も2曲入っています。「失恋ソング」はまさにタイトル通りで、岡崎体育としては珍しいラブソング。最近、僕の周囲でみんな失恋しているなと思ったので、それならと明るくポジティブな失恋ソングを書き下ろしてみました。この曲は本日、ミュージックビデオも公開になるので、それもぜひ見てほしいです。もう一曲の新曲はこの連載でも話をしていた、人間を脅かすAIをテーマにした「Rebirth」というダンスチューン。バラエティ豊かな5曲になったのではないかと思います。個人的にもとても満足しています!タイトルの“Suplex”はプロレスの技の一つ。相手の背後に回って担ぎ上げ、そのまま体を反らして後ろに投げ飛ばす技です。この技はかけている本人もどこにどう飛んでいくのかわからない。今後の行き先がどうなるかわからない、そんな僕の気持ちが込められています。……というのも実は今思いついたくらい、これからの岡崎体育は未知数です!このEPを引っ提げてのZeppワンマンツアーも4月から始まりますし、もう少ししたらフルアルバムもリリースする予定です。アルバムは現在鋭意制作中で、さまざまな方向性の曲をどうまとめるか吟味中の段階。どんな未来が待っているか、一緒に目撃してください。おかざきたいいくZeppツアーは、4/14横浜のほか、4/21札幌、4/27名古屋、4/29福岡、5/12大阪(ベイサイド)、6/2東京(ダイバーシティ)の全国6か所で開催。※『anan』2024年4月3日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2024年03月30日第32回林忠彦賞は、78点の応募作品の中から厳正な審査の結果、奥山 淳志(おくやま あつし)さんの「BENZOESQUISSES 1920-2012」(ベンゾウ エスキース)に決定しました。この賞は、戦後の写真界に大きな足跡を残した、周南市出身の写真家・林忠彦の多彩な業績を記念し、周南市が周南市文化振興財団とともに創設したものです。時代ととともに歩む写真を撮り続けた林忠彦の精神を継承し、未来を切り開く写真家の発掘を目指すものです。授賞式は、4月20日(土)に周南市にて行います。また、受賞記念写真展を4月20日(土)から4月29日(月・祝)まで周南市美術博物館で開催します。また、4月21日(日)には、奥山淳志さんのトークショーも行います。授賞式日時:4月20日(土)14:00~16:00会場:遠石会館 千歳の間(周南市遠石2丁目3-1)第一部授賞式第二部大石芳野選考委員長の講演※参加無料※参加ご希望の方は電話でお申し込みください。(周南市美術博物館 0834-22-8880)受賞記念写真展日時:4月20日(土)~29日(月・祝)9:30~17:00※22日休館会場:周南市美術博物館※観覧無料奥山淳志氏トークショー日時:4月21日(日)10:30~会場:周南市美術博物館講座室定員:40名(先着順)話し手:奥山淳志氏聞き手:有田順一(周南市美術博物館館長、林忠彦賞選考委員)※聴講無料※参加ご希望の方は電話でお申し込みください。(周南市美術博物館0834-22-8880)受賞作品「BENZO ESQUISSES 1920-2012」第32回林忠彦賞受賞作品作品について奥山淳志 写真集「BENZO ESQUISSES 1920-2012」発行所 私家版発行日 2023年8月1日発行定価 6,600円(税込)A4変型(300×225mm) 176ページ写真点数127点内容作者の奥山さんは、北海道の大自然の中で自給自足で暮らす井上弁造さんと25歳のときに出会いました。彼の暮らしぶりや生き方に触れ、彼が2012年に92歳で亡くなったのちも現在まで、26年にわたり彼の生きざまを写真で伝え続けています。2018年に『BENZO 弁造』、続いて翌年には『庭とエスキース』にまとめあげ、この『BENZOESQUISSES 1920-2012』は3作目となります。様々な事情により絵描きへの夢は叶わなくても一生絵を描き続けた弁造さん。この写真集は、長年にわたり弁造さんと向き合ってきた作者が、彼の死後、遺されていた膨大なエスキース(習作)を通して、人間が生きるということがどういうことかを真摯に見つめようとした作品です。本作は、一見、画集のようにも見えますが、絵を単に複写しているわけではなく、弁造さんが暮らしていた丸太小屋の周りの植物などを絵に重ね、またそれらを影としても写し込んでいます。弁造さんが遺した絵を通して、彼の心情や思いを読み解いていこうとする斬新な表現が高く評価されました。写真集には詩情豊かでポエジーな雰囲気が漂います。作者の弁造さんへの愛情あふれる温かいまなざしが感じられる作品です。受賞者プロフィール奥山 淳志 さん経歴1972年大阪生まれ、奈良育ち。京都外国語大学卒業1998年岩手県雫石に移住し、写真家として活動を開始2006年フォトドキュメンタリーNIPPON(『Country Songs ここで生きている』)2015年 第40回伊奈信男賞(『あたらしい糸に』)2018年 日本写真協会新人賞(『弁造 Benzo』)2019年 第35回写真の町東川賞特別作家賞(『弁造 Benzo』)2022年 令和3年度岩手県美術選奨(『動物たちの家』)主な活動【写真展】2006年「Country Songs ここで生きている」ガーディアンガーデン(東京)・ギャラリーヒラキン(岩手)2008年「明日をつくる人」新宿ニコンサロン(東京)2010年「Drawing 明日をつくる人 vol.2」トーテムポールフォトギャラリー(東京)2012年「彼の生活 Country Songsより」銀座ニコンサロン(東京)2015年「あたらしい糸に」銀座ニコンサロン(東京)・大阪ニコンサロン(大阪)2018年「庭とエスキース」銀座ニコンサロン(東京)・大阪ニコンサロン(大阪)2019年「さようならのはじまり」KOBE819 GALLERY(神戸)2019-20年「弁造さんのエスキース展」全国巡回2020年「光のゆくさき」上り屋敷ギャラリー(東京)2021-22年「動物たちの家」全国巡回2023-24年「BENZO ESQUISSES 1920-2012」全国巡回【写真集】2018年『弁造 Benzo』(私家版)2019年『庭とエスキース』(みすず書房)2021年『動物たちの家』(みすず書房)2023年『BENZO ESQUISSES 1920-2012』(私家版)受賞コメントこのたびの林忠彦賞の受賞を大変光栄に思っております。今回の写真集は、僕が25歳のときに、北海道の新十津川で出会った井上弁造さんが遺したエスキース(習作)がモチーフとなっています。一見するとそれは女性を描いた絵に過ぎません。実際、僕もずっとそう思っていました。しかし、弁造さんの「生きること」に触れ続けてきた25年間以上の日々は僕に、エスキースの声なき声を聞きとる力を与えてくれたように感じます。絵のなかの女性たちは歌うように話しかけてきます。「井上弁造さん」という、すでにこの世には存在しないひとりの人間の存在の物語を語って聞かせてくるのです。写真を撮り続ける毎日は、表現することへの逡巡を噛み締める日々だったと思います。しかし、その一方、写真を撮る行為を通じてしか得られない大切なものに出会うことができたとも思っています。この賞を授けてくださった審査員の先生方、そして、今も僕のそばにいてくれる井上弁造さんの魂に感謝いたします。第32回 林忠彦賞最終候補作品※五十音順、敬称略安掛 正仁 (あがけ まさひと)「朧眼風土記」 写真集金川 晋吾 (かながわ しんご)「長い間」 写真集菅野純(かんの じゅん)「Planet Fukushima」 写真集・写真展藤本巧(ふじもと たくみ) 「朝鮮通信使誠信の交わり全弐巻」写真集淵上 裕太 (ふちかみ ゆうた)「上野公園」 写真集・写真展松村 和彦 (まつむら かずひこ)「心の糸」写真展三島正(みしま ただし)「Flat」 写真集・写真展水島 貴大 (みずしま たかひろ)「環島回憶錄Memoirs of Huandao」写真展山下 晃伸 (やました あきのぶ)「夜光性静物観察記」写真展梁丞佑(やん すんうー)「荷物」 写真集林忠彦賞について賞についてこの賞は、戦後写真界に大きな足跡を残した写真家・林忠彦の多彩な業績を記念し、周南市と公益財団法人周南市文化振興財団が1991(平成3)年に創設したものです。1996(平成8)年には第46回日本写真協会文化振興賞を受賞しました。趣旨わが国の写真文化の発展において、林忠彦は木村伊兵衛、土門拳、渡辺義雄各氏などの先輩写真家とともに日本写真家協会設立に尽力する一方、昭和28年、二科会に写真部を創設、以後、全国のアマチュア写真家の資質の向上に最後まで全力を傾注しました。こうした氏の遺志を生かしアマチュア写真の振興を目的として本賞を設立しました。デジタル化の急速な進歩により多極化する表現形態に対応するため、第12回から新しい写真表現を目指す作家の参入も推し進めました。さらに第18回より、これまでの経験をもとに、対象をプロ作家にまで広げ、時代とともに歩む写真を撮り続けた林忠彦の精神を継承し、それを乗り越え未来を切り開く写真家の発掘を目指す賞へと拡大しました。応募資格国内居住であれば、アマチュア、プロ、年齢、性別、国籍を問いません。ただし、2023年1月1日~2023年12月31日の写真展、写真集、カメラ雑誌等の表現媒体で、すでに発表された作品に限ります。選考できるだけ広い視野のもとで候補作品を絞るために、写真界各層の関係者約250名より推薦を受けた推薦作品と、公募による自薦作品の中から選考委員5名(大石芳野、笠原美智子、河野和典、小林紀晴、有田順一(周南市美術博物館館長)の各氏)による選考委員会によって決定します。公式サイト周南市美術博物館:林忠彦賞公式サイト : 【この件に関する問い合わせ先】周南市美術博物館林忠彦賞事務局TEL : 0834−22−8880 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年03月29日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ひとりっ子」です。僕は兄弟姉妹のいない、ひとりっ子です。ひとりっ子であることが自分の人格形成に大きく作用しているということをこの歳になってより強く感じています。ひとりっ子は基本的に天の邪鬼だと思います。まず、上下関係を意識させる兄弟姉妹という属性を持たずに育ったことで、逆に属性を求める傾向があります。家の中で子どもはずっと自分ひとり。それゆえに、寂しさからつい誰かを求めてしまうところがあるんです。その一方で、周囲は大人ばかりだから甘やかされているし、自由になんでもできる環境で育っているので自分勝手なところも。誰かといたい寂しがり屋だけど、実はひとり好き。そんな天の邪鬼さがひとりっ子の最大の特徴です。僕はまさにそんなひとりっ子カルマを背負ってミュージシャンになったのだと実感しています。だってそもそもはバンドを組みたかった。仲間と一緒にグループで音楽活動をしたかったのに他のメンバーに寄り添うことがうまくできず、チームをまとめられなかった。誰かとやりたい気持ちとワンマンプレーの性格がまったく噛み合わず、バンド存続は叶わなかった。それは、ひとりっ子ゆえのわがままさからだと感じています。一方で、ソロアーティストとして夢を叶えることができたのも、ひとりっ子ゆえの自己顕示欲の強さからだと思っています。大人の中で育つと自分ひとりがみんなの注目を独占でき、ちやほやされると思われがちですが、僕は逆の側面もあると思います。大人しかいないので同じ世界を共有できる同世代が家にいない。大人は仕事や家事で常に忙しそう。誰も自分のことを見てくれない、わかってくれないというジレンマが生じ、それが強い自己顕示欲となって僕の「音楽を通じて誰かに伝えたい」というモチベーションになったのでは?そのことに数々のインタビューを受ける中で気づかされました。アーティストへのインタビューって子どもの頃からを振り返らせるものがとても多い。自分の根本について考えすぎて、それはすべてひとりっ子ゆえの衝動からくるものだと気づいてしまったんです。ひとつの悟りでした。自分の強い衝動が、過去のトラウマが…とかじゃなく単に「ひとりっ子だったからかい!」とわかって以降、肩の力がちょっと抜けました。それなら音楽だけじゃなく、何に挑戦してもいいよな、と活動の幅を広げるきっかけにもなったのでした。おかざきたいいく4月14日のKT Zepp Yokohamaを皮切りに、6月2日のZepp DiverCity(TOKYO)まで、全国6か所でのZeppワンマンツアーを開催。※『anan』2024年3月20日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2024年03月17日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「スキルアップ」です。人生、何歳になってもスキルアップしたいものです。僕が今もっとも欲しいのは、何かを作ることができるスキル。料理は味の良し悪しやスピードなど精度を求めなければ一人でひと通りできるようになったので、次に作れるようになりたいのは、日用のいろいろなモノ。いわゆる工具を使ってDIYできる技術を手に入れたいです。将来、子どもが生まれてお父さんになったときに、おもちゃをサッと直せるとか、椅子とか机を作ってあげられるだとか、そういうことができるようになりたいです。それができれば自分の人生がより良くなるような予感がひしひしとします。とはいえ、実は過去にDIYにチャレンジしたことはあるんです。ミュージシャンなので、僕はキーボードを使います。その本体を置く台を自作してみようと思い立ちました。しかもその台にはキャスターをつけて、机の下に収納できるようにしようと思いました。サイズを測り、ホームセンターに行って「このサイズに板を切ってください」とお願いして、電動でネジが留められるドライバーもわざわざ購入しました。道具と材料が揃い、いざDIYスタートです。しかし、ネジを打ち込むたびに板が割れます。割れると幅が想定より広がり、測っていたサイズも意味がなくなり、ガタガタしたひどい仕上がりとなりました。このときの虚無感は半端なかったです。何もできない人間なんだ自分は…と、かなり落ち込みました。それでも行動を起こせただけいい、安定感はいまいちでも完成させることはできたんだと自分を奮い立たせ、次のスキルアップに向けて前向きに考えるようにしています。そんな僕が今、作りたいと思っているのは「踏み台」です。換気扇のフィルターを掃除したいのですが高くて手が届かない。僕はまあまあ体重がある方なので、椅子に乗ってその作業をするのがちょっと怖い。だったら、僕が乗っても大丈夫なしっかりとした2段くらいの踏み台があるといいなと考えています。しかし、相手は2段とはいえ階段です。天板に脚をくっつけるだけのキーボード置きでさえ苦戦した僕が、段差のあるものをDIYすることができるのでしょうか。今から、かなり不安です。いつか上手に作ることができたら、ぜひこの場で自慢させてください。ちなみに、自作したキーボード置きは結局、やっぱりいらんと処分してしまいました。おかざきたいいく4月14日のKT Zepp Yokohamaを皮切りに、6月2日のZepp DiverCity(TOKYO)まで、全国6か所でのZeppワンマンツアーを開催。※『anan』2024年3月13日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2024年03月10日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「YouTubeの旅チャンネル」です。前号で仕事でタイへ行った話をしましたが、それ以降、海外旅行への関心が高まっています。そんな時によくYouTubeで見るのが「無職旅 musyokutabi」さんのチャンネル。会社員を辞め、無職ゆえの節約ひとり旅動画を投稿して注目を集めている方です。毎回、ひとりで旅に出て、ひとりで帰ってきます。すでに世界130か国を巡られているそうです。なにが良いかというと、無職旅さんの穏やかなパーソナリティ。いわゆるYouTuberっぽくない、落ち着いた語り口で旅することの楽しさを伝えてくれるんです。無職旅さんが声を張って「イエーイ!!!」とか言っているのを見たことがない。そこがいいです。現在チャンネル登録者数は14万人ほど。この穏やか、かつ、ゆったりしたテンションでこれだけの登録者数を獲得しているのは、大きな声を出して派手なことやっているYouTuberの100万フォローに値します。かっこいいです。無職旅さんの旅スタイルは、anan読者のみなさんにも刺さるところがあると思います。まず、ひとりで行動することの楽しさを教えてくれます。あと、節約旅行の楽しみ方も。お気に入りの回は、最近公開されたタイと香港旅のもの。ちょうど自分もタイを訪れたばかりなので、とても共感して見ることができました。ヨーロッパをグルッと回られている時のものも面白い。特にチェコ共和国へ行かれた動画が好きです。日本人が初めてヨーロッパ旅行をしようと思い立った時に、なかなか初手でチェコへ行こうとは思わないはず。まず、イタリア、フランス、ドイツなどメジャーどころへ行ってみようとなると思う。でも、チェコってこんなに面白いんだ、いいところなんだというのを教えていただいて、ヨーロッパ未履修の僕はとても興味を持ちました。いつか僕も無職旅さんのようなチェコの各地を巡る旅をしたいなと思いました。無職旅さんの動画は、ひとり旅なので常にひとり語り。カメラに向かって話をしながら旅をします。穏やかな語り口で、すごく実直な感想を話すのもいいんです。最近、いろんな場面で自分が感じたことや思ったことを言語化することが大事だと思うことがあります。無職旅さんは、その言葉にする力が、飾らず、誇張せず、すごくちょうどいい。こうやって言葉にすると相手に気持ちがよく伝わるんだという学びにもなると思います。おかざきたいいく4月14日のKT Zepp Yokohamaを皮切りに、6月2日のZepp DiverCity(TOKYO)まで、全国6か所でのZeppワンマンツアーを開催。※『anan』2024年3月6日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2024年03月02日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「タイ」です。とある撮影のため1月半ばにタイのバンコクへ行ってきました。思っていたよりもさらに暖かく湿度もあって、寒い日本とのコントラストがすごくて不思議な感覚になりました。東南アジアの国はガヤガヤしていてバイクがいっぱい走っているというのが、僕がなんとなく持っていたイメージでしたが、初めて訪れたタイはまさにその通りの国でした。今回は、2泊3日のコンパクトな滞在。到着したその日に撮影をし、翌日は一日フリーで僕も観光をすることができました。現地のコーディネーターさんが同行してくださったので、迷うことなくあちこちに行くことができました。まず、エカマイ駅近くにある『ホーム・ドゥワン』でカオソーイをいただきました。カオソーイとは、タイ北部の名物であるカレーラーメンのこと。これがカルチャーショック的においしかったです。日本ではなかなか食べる機会がなかったですが、ココナッツ風味のカレーとラーメンがこんなに合うなんて!その後、歴史ある王宮寺院「ワット・ポー」へ行き、巨大な涅槃像などを拝観し、ショッピングセンターにも連れていってもらいお買い物も堪能。充実した一日になりました。コーディネーターの方に教えていただきタイ語も覚えました。発音に自信があるのは“カノムチーンナムギョウ”です。これは料理名で“ナムギョウ”とは豚とトマトのスープのこと。麺を入れて食べるのが一般的なようですが、僕はスープだけでいただきました。せっかく覚えたので日本のタイ料理店で“カノムチーンナムギョウ”を注文し、自分の発音が通用するのか試したいです。おいしい食べ物のほかで驚いたのは、タイの撮影スタッフのみなさんのこと。とんでもないくらいみなさん仕事が早くてテキパキされていた。撮影もスケジュール通りのオンタイムで終了しました。僕は常日頃、タイムスケジュールは巻くことも押すこともなく、ちょうどぴったりで進行するのがなにより素晴らしいことだと考えているので、タイのスタッフのみなさんの気の利く働きぶりに感動しました。次、なにか自前の撮影があるときは、このスタッフのみなさんを呼びたい、または僕がまたタイを訪れてここで撮影したいと思ったほど。そんな思いもあったからか、日本に帰ってきてすぐタイのパッケージツアーを検索してしまいました。タイ・バンコクは帰ってきた瞬間にまた行きたいと思える場所でした。おかざきたいいく4月14日のKT Zepp Yokohamaを皮切りに、6月2日のZepp DiverCity(TOKYO)まで、全国6か所でのZeppワンマンツアーを開催。※『anan』2024年2月28日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2024年02月24日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ロングセラー」です。長い間ずっと好きなものといえば、僕には長年憧れている車があります。それはトヨタのランドクルーザー“70”。トヨタのジープをルーツに持つランドクルーザーは、国産SUVの人気車種のひとつ。なかでもランクル70はヘビーデューティ系ランドクルーザーとして1984年に初登場以降、多くのファンを獲得してきました。何がいいかといえば昭和の時代から変わらない、角ばった車体です。今、主流になっている走りを重視したツルッとした流線形のデザインとは一線を画す、ゴツゴツとしたレトロ感のあるフォルムがとても味があって好きなんです。そんなランクル70は過去にも再販されていたのですが、昨年の秋に9年ぶりに外観だけでなくインテリアのデザインもほとんど変わらずに再再販がされることになりました。もちろん僕もこれは手に入れたい!とエントリーをしようとしたのですが…、日本中(どころか世界中)に熱心なランクル支持層が多数いてオーダーが殺到。工場で生産できる台数は限られているので、新参者の僕は抽選に参加するところまでも辿り着けませんでした…。いい作戦ではないのですが、どうしても手に入れたかったのでディーラーさんに相談の電話をする際、「岡崎体育といいますが…」とアーティスト名をあえて名乗らせていただき著名人効果を期待しましたが、ランクル人気の前ではまったく意味なく「無理ですねー」とあっさり返されてしまいました。僕が憧れの車のオーナーになるには、もう少し待たないといけないようです。こういう状況は音楽のジャンルでも同じことがあるのではないかと思いました。リバイバルブームや古い楽曲がリマスターされて新たに発売されるなど、若い世代が昭和の時代の音楽に触れて「これ、好きかも」と開眼する。でも、掘り下げていこうとすると、もうそのジャンルは長年愛好している“古参ファン”がすでにいてハードルがすごく高くて仲間に入りにくくなっていたり、新参者がレコードなどの“レア盤”を入手するのは困難だったりする…。若者が昔からあるものに魅力を感じることで、楽曲や作品の寿命は延びていくのだと思います。だから、できるだけたくさんの人に愛されるものは、新しいリスナーやファンに門戸を広げていてほしいなあと個人的には思います。まあでも、なかなか手に入りにくいからこそ魅力的に感じる、というのもあると思いますが。おかざきたいいく4月14日のKT Zepp Yokohamaを皮切りに、6月2日のZepp DiverCity(TOKYO)まで、全国6か所でのZeppワンマンツアーを開催!※『anan』2024年2月21日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2024年02月18日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「再生数」です。かつてミュージシャンが、自分の楽曲がどれくらい聴いてもらえているかを知るのに数値化できる指針は、CDの売上枚数くらいしかありませんでした。ラジオリクエストのオンエア回数が加味されることもありましたが、それでもCDの売上枚数が多いことが音楽チャートの上位に入るための唯一の条件でした。指針はそれ一択だったんです。それが今では、CDのセールスだけでなく、ストリーミング再生数やYouTubeなどの動画再生数も重視されるように変わってきています。今はミュージシャンとしてメジャーシーンで生き残るためには、自分のCDを買ってもらう以上に、どうすれば再生数が伸びるかを考える必要があるといえます。なかでもメディアなどで最もフックにされるのがストリーミング再生数。みなさんも音楽番組で「ストリーミングで何億回再生!」なんてキャッチで紹介されているアーティストを見かけたことがあると思います。多くの人がApple MusicやSpotifyをはじめとする音楽配信サービスに加入していると思います。それだけでさまざまなアーティストの曲に触れることができます。これって改めて考えると、本当に革命的なことだと思います。だって昔は、CDを買わないとそのミュージシャンの音楽は聴けなかった。新品じゃなくても中古にしろレンタルにしろ、対象となるミュージシャンを目的に購入しないと音楽には触れられなかったわけです。そりゃ、どれを選ぶか必死で考えます。でも今は、チャートやリコメンドをザッピングしながら、アーティストのことをよく知らなくてもピンポイントにおすすめされた一曲に辿り着くことができる。アーティストの背景やジャンルの流れなど知らなくてもいい。これは、どちらがいいという話ではなく(どちらにもいいところがあると思います)、昔と今の音楽の聴き方の違いでしかない。再生数を伸ばすためにはこの、ポンと辿り着くわかりやすいルートを開拓しないといけません。その道筋を作るのが、TikTokだったり、ユニークなMV動画だったりします。つまりここでもまた再生数との戦いです。再生数が再生数を呼び、さらに再生数を伸ばしていく…。でも正直に言えば、再生数が伸びてなくても“いい曲”ってたくさんある。これを読んでいるみなさんにはそういう自分だけのいい音楽を自分の耳で見つけてほしいです。おかざきたいいく4月14日のKT Zepp Yokohamaを皮切りに、6月2日のZepp DiverCity(TOKYO)まで、全国6か所でのZeppワンマンツアーの開催が決定!※『anan』2024年2月14日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2024年02月13日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「綾小路 翔さん」です。僕が最初に氣志團に触れたのは、NHK Eテレで放送されている『天才てれびくん』。清水ミチコさんとてれび戦士の子どもたちに歌を教えるコーナーで氣志團の「One Night Carnival」が取り上げられたんです。当時、僕は小学校6年生。初めて聴いた「One Night Carnival」が、子どもながらに曲良すぎるなと感動したのでした。イントロのギターリフ、「俺んとここないか?」のセリフの位置、サビのところでメロディが不意にマイナーになるところとか…めちゃくちゃ気が利いていて、これは話題を呼ぶ曲でしかないと確信して惹きつけられました。その後、僕も音楽活動をするようになるのですが、いわゆる有名人で僕のライブに初めて来てくれたのが氣志團の綾小路 翔さん、“翔やん”なんです。2016年、デビューしたばかりのころの3マンライブ。誰かを通じてとかではなく普通にチケットを買って来てくださったんです。感動です。しかも、なんで来てくれたのかというと、そのちょっと前にツイッター(現X)で岡崎体育の「BASIN TECHNO」パーカが欲しいとコメントした翔やんに、生意気にも「氣志團万博のトリやらせてくれたらプレゼントしてもいいスよ」と返したんです。そうしたら、本当にその年の氣志團万博のクロージングアクトに僕を抜擢してくれた。気の利いたシャレを実現するために、事前にどんなライブするやつなのか、翔やんはその目で確かめに来たんだと思います。自分のイベントに呼ぶ以上は、たとえシャレであったとしてもきちんと自分で確認する。その行動にまずリスペクトを感じますし、デビューしたてのわけわからんイキった世間知らずの新人が仕掛けたかみつきに、こんな真剣に向き合って、しかもきれいにオチまでつけて処理してくれるって、マジですごい人だなと思いました。デビュー当時からお世話になっていますが、さらに4年前から僕はソニー・ミュージックアーティスツに所属させていただいているので氣志團さんは直属の先輩になり、今ではより明確な関係性を築くことができています。翔やんとはCMでも共演させていただき、初めてLINE交換させていただきました。房総のヤンキー史の話を現場でたくさん伺って、でももっと聞きたくて、続きを教えてくださいと連絡先を交換しました。翔やんの語りがうますぎなんです。ananでも確実に連載できると思います。おかざきたいいく4月14日のKT Zepp Yokohamaを皮切りに、6月2日のZepp DiverCity(TOKYO)まで、全国6か所でのZeppワンマンツアーの開催が決定!※『anan』2024年2月7日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2024年02月03日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「1曲の尺」です。曲を作る時に理想の尺=曲の長さというのがあります。今の時代、1曲だいたい3分前後くらいが好まれます。あまり長くないもののほうが飽きられずヒットする傾向にあります。TikTokでバズる曲などは3分を切ることも多いです。僕がいちばん作りやすくてちょうどいいなと感じるのが「3分10秒」くらい。テンポにもよりますが、BPMがだいたい120~130くらいで、基本の構成はイントロがあって、1番のAメロ、Bメロ、サビ(Cメロ)、2番のAメロ、Bメロ、サビ(Cメロ)、それにDメロを足しても、ひとつのセクションが15~25秒くらいで作ると3分からちょっと出るくらいで、ちょうどよく収まると思います。たまにサビが4回くらい繰り返す曲とかありますが、個人的にはやりすぎじゃないのかと思うこともあるので、サビを繰り返すのは2~3回でいいのではないかと思います。とはいえ、これはあくまで現在のJ‐POPにおける楽曲制作の定石的なこと。クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」のように1番、2番のない、構成もオリジナルなものも多数ありますし、僕も曲構成のルールをできるだけ度外視して考えたいと思っています。逆に3分前後よりぎゅっと短い、1分、2分くらいの曲が、アルバムに1曲ぽんっと入っていることも。バラード曲とかでサビもなく1番でさらっと終わってしまうようなもの。そういうフックになるような曲も好きです。サビや2番をつけず定石の流れから外れることで、聴く人の脳に違う印象を与えます。これは、伝えたい歌詞やメロディをとても明確にする効果があると思います。強いメッセージやいいメロディがあれば、極端に短くする戦法をとるのもありということ。繰り返さなくても伝わると思えばできることなので、なかなか高度なテクニックですが、多くのミュージシャンが実践しているものです。でも、もし読者の方で初めて曲を作りたいと思っている方がいるとしたら、まずは先ほど言った定石の構成を3分10秒程度の尺感で作ってみることをおすすめします。それが1回できると、自分の型みたいなものができると思うので。できた自分の型は、次の曲にも応用することができます。例えるなら4コマ漫画の枠みたいなものです。枠が決まれば、描くことも自ずと決まるはず。素人がいきなり長編漫画は描けませんから、コツコツ4コマから試してみてほしいです。おかざきたいいく4月14日のKT Zepp Yokohamaを皮切りに、6月2日のZepp DiverCity(TOKYO)まで、全国6か所でのZeppワンマンツアーの開催が決定!※『anan』2024年1月31日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2024年01月27日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「JAPAN TOUR II総括」です。昨年の話になりますが、10月からスタートした「okazakitaiiku JAPAN TOUR II」が12月の東京公演を最後に、無事終了しました。全部で17都道府県19公演、富山などこれまでライブをしたことがない地方にも足を運ぶことができました。今回のツアーでは、行ったことがない場所で開催するという目的に加えてもうひとつ、前回の「JAPAN TOUR」でチケットがソールドアウトしなかったところを訪れて、今度こそチケットを完売させるぞ!という意気込みをもって挑みました。全19公演中、ソールドアウトは16公演。そのほかソールドアウトみたいなものが2公演、ソールドアウトと言っても過言ではない公演が1公演……。というわけで、完全にソールドアウトすることができました。みなし完売の公演の中でも、仙台と盛岡は本当に会場がお客さんでパンパンだったんです。その状況を見て、僕が「これはもうソールドアウトや!」と公演中に宣言し、それ以上チケットを売ることはしませんでしたし、公式にソールドアウト扱いにさせていただきました。キャパに対してチケットの販売券数を決めるのは僕ではありません。ライブハウスごとに定員数の決まりがある。しかし、僕はパンクバンドでもないし、そんなにギュウギュウで揉みくちゃになるような人数を入れる必要はない。一人ひとりのスペースを確保しながら、老若男女が楽しく観られるライブをお届けしたい。それに見合ったソールドアウトでいいんです。観に来てくれる方に優しくできるのが岡崎体育のライブハウスツアー。それを今後も念頭に置きたいと実感したツアーでした。また、この連載でもたびたび話をしていますが、今回のツアーではライブ終演後に公演に来てくれたみなさんをお見送りさせていただきました。1人当たりにすれば目が合うのは1~2秒かもしれませんが、それでも一人ひとりの顔がわかる距離で挨拶ができるのはとても良かったです。最初、お見送りをやろうと決めた時に、ライブ後の疲労感満載の岡崎体育をお見せして果たして大丈夫だろうか…?とも思ったのですが、きれいごとでなく「初めて来たよ」とか「また来るね」と声をかけてもらえることは、ライブ後の疲労感をとても軽減させてくれました。このライブハウスツアーはこれで終わりではなく、今後も3、4とシリーズを重ねていけたらいいなと思っています。目指せ、いつかは全国制覇です!おかざきたいいく4月14日のKT Zepp Yokohamaを皮切りに、6月2日のZepp DiverCity(TOKYO)まで、全国6か所でのZeppワンマンツアーの開催が決定!※『anan』2024年1月24日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2024年01月21日新ドラマ『アイのない恋人たち』に出演する、福士蒼汰さんと岡崎紗絵さんにインタビュー!その時代が直面する社会問題をテーマに、ドラマ『ハケン占い師アタル』や『となりのチカラ』などのヒット作を生み出してきた脚本家・遊川和彦さん。新ドラマ『アイのない恋人たち』では、“自分が望むような自分”になれずに行き詰まった、アラサー男女7人を描く。人を愛することで、人生や自分自身を変えていくというラブストーリーだ。福士蒼汰さん(以下、福士):数々の名作を生み出してきた遊川さんがこんなに可愛いラブストーリーを書かれているのが印象的でした。7人のいろんな恋愛事情をどうやって書き分けているのだろう、もしかしたらこういう友達がいるのかな…と遊川さんへの関心が湧いてしまって。お話し好きな方なので、今度お会いしたら聞いてみようと思います。岡崎紗絵さん(以下、岡崎):そうなんですか?私はまだお会いしていなくて。(※取材時、11月末時点)福士:話が止まらない方です。「俺、喋っちゃうからさ~。でも今日は喋らないようにするよ」と話した5分後には話し始めていました(笑)。岡崎:私が台本を読んでまず思ったのは、繊細なニュアンスがすごくうまく描かれているということでした。読みながら、もうその情景が映像でイメージできるぐらい面白くて、一気に読み終えました。それぞれのキャラクターもすごく濃いので、この7人が実際に集まったらどうなるんだろう、という興味が止まらなくなったんです。――今作で、福士蒼汰さんは売れない脚本家・久米真和を、岡崎紗絵さんはブックカフェを経営する今村絵里加を演じている。福士:夢に向かうことで自分を正当化しようとしている真和は、自分はみんなとは違う、と自らを棚にあげて人を遠ざけているような人。“一番未熟な長男”のようなイメージです。そんな言い方しなくても…という発言をしてしまう人なので、なるべく嫌われるように演じたいと思っています(笑)。岡崎:絵里加も、他人や家族との距離感を詰められない女性です。結婚には縁がないと思っていて、一人で生きていくと決めているようにも見えますが、でも心の底では誰かと繋がっていたいと思っていて。そんな絵里加に共感するところは、衝動的ではなく、何か考えを持って行動するところかな。福士:いろんな考えを持って生きている7人には、僕たちだけではなく見ている方にとっても、どこかリアルに映る部分があるのかも。岡崎:そう思います。生き方や悩みの違う7人が交わることで生まれる変化や成長は、視聴者の方にも共感していただける気がします。――自分のペースや生活を大事にしているキャラクターを演じる二人。それぞれ、プライベートでゆずれないものはあるのだろうか。岡崎:朝はヘルシーなものを食べること。例えばコーヒーにオーツミルクを入れて飲んだり、なるべく野菜やフルーツを食べるようにしていて。あと最近、発酵玄米を始めました。福士:大変じゃないんですか?岡崎:発酵させるために3~4日放置できるので、全然大変じゃなくて。むしろ楽で、ラッキーなんです(笑)。福士:そうなんだ。僕は、毎日じゃないけどジムに行くことかな。筋肉を鍛えていると、体も心もすごく気持ちよくなるんです。だから行けない日が続くと、頭がグーッて締め付けられるような感覚になってしまって。ちなみに腰、お尻、腿裏を鍛えるトレーニングが好きで、昨日もやってきました。今の体の仕上がりは…理想の10%ぐらいかな(笑)。ドラマ『アイのない恋人たち』脚本家・遊川和彦によるオリジナル作品で、2024年の東京を舞台に恋愛偏差値が低いワケありアラサーたちが織りなす不器用な恋愛模様を描く。1月21日より毎週日曜22:00~、朝日放送テレビ・テレビ朝日系にて放送。ふくし・そうた1993年5月30日生まれ、東京都出身。近年の主な出演作に、ドラマ『弁護士ソドム』『大奥』など。『THE HEAD Season2』では、念願の世界進出を果たした。W主演映画『湖の女たち』が2024年5月公開予定。セットアップ(JUNOJUNO/JUNO 恵比寿店 TEL:03・5778・3031)パールネックレス¥2,024,000※掲載時点の価格(TASAKI TEL:0120・111・446)おかざき・さえ1995年11月2日生まれ、愛知県出身。2012年、雑誌『Seventeen』(集英社)のモデルオーディションを経て、モデルデビュー。俳優としても活躍中で、主演ドラマ『花嫁未満エスケープ』ほか多数出演。ドレス(ソフィーエトヴォイラトウキョウ TEL:03・5928・4122)ピアス¥586,300リング、右手¥348,700左手¥286,000ブレスレット¥869,000※すべて掲載時点の価格(以上TASAKI)※『anan』2024年1月17日号より。写真・内山めぐみスタイリスト・髙橋美咲ヘア&メイク・佐鳥麻子(福士さん)サイオチアキ(Lila/岡崎さん)インタビュー、文・若山あや(by anan編集部)
2024年01月17日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「僕のファン」です。今回は僕、岡崎体育のファン層について考えてみたいと思います。僕のファンは基本的にとてもいい方たちばかりです。僕が提供したものを120%楽しんでくれる存在です。おすすめのお店を紹介したら、わざわざ予約を取って行ってみてくれるし、僕が阪神タイガースを応援していたら、ファンのみなさんも応援してくれる。ライブでのマナーもとても良く、自慢できるファンのみなさんだなと、日頃から感じています。実は、コア層は年齢高めでライブに足繁く通ってくださるのも40代~50代の方が多いです。僕の活動的に自分と同年代の男性に響くのではと自己分析していたのですが、意外と年齢層が高いのはファミリーで応援してくださる方が多いからなのではと思います。あと、上の世代に響く最大の理由は、うちの母にあるようにも感じています。実家時代は曲ができたらまず母に聴いてもらって、有り無しのジャッジをしてもらっていました。レコード会社より先にお母さんです。それゆえに、母と似た感性、感度の方々に響く何かがあるのかもしれません。東京に来てからは母のジャッジは受けていないので、これからの岡崎体育のファン層はどう変化していくのか…、楽しみでもあります。もちろん、これまでファンでいてくれた方々には変わらず楽しんでもらえるようにがんばりたい。これからは、子どもたちによりアプローチをしたいです。自分が子どもだった頃を思い返すと、『ポンキッキーズ』に出ていたBoseさんがラッパーだとは、番組を見ている時は知らなかった。高校生になって初めてスチャダラパーの楽曲に触れて、めっちゃかっこいいやん!と気づいた。僕も子どもたちにそんなふうに思ってもらえたらええなあと思っています。今『おはスタ』を見ている子どもたちは、僕のことをおもろいお兄ちゃんくらいにしか認識してないかもですが、聴く音楽を自分で選ぶようになった時に、あの時のあのお兄ちゃんの曲も聴いてみるかと、手に取ってもらえたらうれしいです。12月に終わった「okazakitaiiku JAPAN TOUR II」では、親子連れの方も多かったのですが、ライブ後のお見送りの時に、目を合わせないように通り過ぎる子が多かったんですよね。恥ずかしいのか、現実にいる人とまだ信じてもらえてないのか…。実在すると認めてもらえるようアピールし続けたいです!おかざきたいいく4月14日のKT Zepp Yokohamaを皮切りに、6月2日のZepp DiverCity(TOKYO)まで、全国6か所でのZeppワンマンツアーの開催が決定!※『anan』2024年1月17日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2024年01月14日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「2023!」です。早いものでもうすぐ2023年が終わります。僕の2023年はNHK大河ドラマ『どうする家康』の撮影で始まりました。4月からは新しく関西ローカルの子ども向け番組『こどもちょうせんバラエティ いろりろ』のおにいさん役も務めさせていただき、そのほかのラジオやTVのレギュラー番組も順調に継続し、話題性のあるTVCMにもお声がけいただきました。主軸である音楽活動は、3枚目となるコンセプトアルバム『OT WORKS III』をリリース。TVアニメの主題歌をはじめシングル曲も3曲発表しました。そして10月からは2022年に続き2回目となる、全国のライブハウスを巡る「okazakitaiiku JAPAN TOUR II」もスタート。こちらのツアーは先日、無事大団円を迎えています。この連載でも何度か、制作を続けていることをお伝えしているオリジナルのフルアルバムのリリースこそ年内に間に合いませんでしたが、こちらも新曲がもうほぼ出揃い、レコーディングも進んでいます。年明けにはいいお知らせができるのではと思っています。こうやって振り返ると本当に内容の濃い一年だったなと感じています。『まつもtoなかい』をはじめTVで歌唱させていただく機会もあり、岡崎体育を知らない方々にもたくさんアピールできたのではないかと感じています。プライベートでの2023年を振り返ると、外にごはんに行く回数が増えた一年だったかなと思います。東京生活ももう4年目を迎えて、木村昴さんやフワちゃん、土佐兄弟の有輝くんだとか、友達も徐々にですが増えていると思います。オンラインゲームを通して仲良くなった方々と一緒にごはんに行くことも増えました。ミュージシャン仲間だけでなく、いろんな方面に幅が広がって、交友関係を築けたことが2023年の大きな収穫の一つではないでしょうか。なので、振り返ってみて心配になるのは健康面だけかもしれません。精神的には、仕事面でもプライベートでも大変満たされており、自己肯定感が高いのですが、どうしても体がついてきません。睡眠時間が不規則だったり、運動不足だったり。疲れが溜まってしまい体がしんどくなってしまう。この悪循環をどうにかしたい!2024年もより良い活動ができるように、まずは己の体調を整えます。2024年の岡崎体育も楽しみにしていただけるよう、まずは人間ドックを受けて、今の自分を冷静に見つめ直したいと思います。おかざきたいいく2024年4月14日のKT Zepp Yokohamaを皮切りに、6月2日のZepp DiverCity(TOKYO)まで、全国6か所でのZeppワンマンツアーの開催が決定!※『anan』2024年1月3日‐10日合併号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2024年01月04日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ファッションモデル」です。ananなのでたまには僕もファッションの話をしようかと思います。岡崎体育デビュー7年半のキャリアの中で、先日初めてファッションモデルとしてオファーを受けました。レーベルメイトであり、楽曲提供もさせていただいているアイドルグループ、私立恵比寿中学のメンバーのひとり星名美怜ちゃんが、自身がプロデュースするブランド『mILLELIz』(ミレリズ)を立ち上げたんです。ユニセックスなアイテムを中心に扱うブランドとのことで、男性も着られるものがある。そこでその男性モデルとして、ローンチとなる第1弾アイテムの着用モデルに僕を抜擢してくれたんです。美怜ちゃんと一緒に撮影をさせていただいたのですが、持ち前の撮影スキルを活かして、めちゃくちゃいい仕上がりになったのではと自負しています。撮影のときってよくカメラマンさんが「すごくいいです!」とか「かっこいい!」と声をかけてくださいますが、僕はその褒め言葉が飛べば飛ぶほど自信が湧くタイプ。今回の撮影でも、自分のフォトジェニックさを思い切り披露できたのではないかと思っています。ファッションモデルの役割は洋服を魅力的に見せることかもしれません。でも僕は今回、僕自身が『mILLELIz』の服を着て、めっちゃテンションが上がっていく姿をお伝えしたかった。それは、かなりうまく実現できたのではないかと思います。『mILLELIz』のアイテムはデザイン性はもちろん着心地も抜群。おしゃれなセットアップなどもあって、サイズも幅広いのでカップルでコーデするのもよさそうです。僕のようなファッション初心者も楽しめるアイテムが揃っているのでぜひ、みなさんチェックしてほしいです。美怜ちゃんは、ファッションブランドを持つことが長年の夢だったそうです。それを叶え、これまでやったことのないジャンルに挑戦しているのは素晴らしいことだと思います。応援したいです。…実は岡崎体育もアパレルラインを持っているんです。『studio hitoricco』というブランドです。僕が作りました。デビュー前に作ったのですが、たしかTシャツを10枚くらいデザインしてライブ会場などで販売したと記憶しています。かなり幻のブランドではあるのですが、今後、岡崎体育のブランド展開として新たに動かしてみるのもいいかもしれません。岡崎体育、ファッション業界にも進出したいと思います!おかざきたいいくコンセプト・アルバム『OT WORKS III』とアナログ盤12インチシングル『サブマリン』が発売中。全国17都道府県19公演のライブハウスを巡る「okazakitaiiku JAPAN TOUR II」(12/23まで)が開催中!※『anan』2023年12月27日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年12月25日岡崎ビジネスサポートセンター(センター長 高嶋 舞、愛知県岡崎市、通称 オカビズ)がサポートをする、地域おこし協力隊として活動をしている松田 紗代(岡崎市)は田舎体験プログラム「ヌカトリップ」を始動します。その第1弾として1月13日に「もちつきツアー。」を実施します。ヌカトリップ「もちつきツアー。」「ヌカトリップ」は、岡崎や名古屋をはじめ都市部の田舎体験をしたいニーズに対し、たくさんの額田魅力を掘り起こしてきた松田が「額田」を第二の故郷にする人を増やすプロジェクトです。年4回の開催を予定。地域おこし協力隊の任期が終わる来年度以降の額田での事業の可能性を探ります。■事業開発の背景3年前、地域のことに興味があり、地域課題を考えるオンラインセミナーに出ました。そのセミナーのフィールドワークで取り上げられたのがたまたま岡崎でした。そこで出会った地域の人たちが地域のことをたくさん語れることにとても衝撃を受け、もっとこの地域の人の話を聞きたいと思いました。さらに地域の人に出会い、林業のことや地域の取り組みをしている人に出会う中で、こんなにも地域のことを考えている人がいるということに衝撃を受け、自分もここでいろんなことがやれたら面白いと感じるようになりました。そんな時に出会ったのが、「地域おこし協力隊」の応募でした。地域おこし協力隊で、2年間活動をしてきました。最初は地域に馴染むことにも苦労をしました。コロナ禍で人に会うこと自体が難しい中でも、地域の行事やクリーン活動など、集まりがあれば参加し、地域の活動を積み重ねる中で、これまで知らなかったこと、地域の人しか参加できないレアな体験、昔はあったと聞いたことがある習慣など、たくさん出会うことができました。そして何よりも本当に地域をたくさん想った人たちに出会ってきました。こんなに面白い、こんなに魅力的な地域はない。そう感じました。地域おこし協力隊の仕事は、SNSの発信がメインです。額田がどんな場所か分かるように、田舎の美しい風景、食べること、行事など、普段の暮らしの中で自分が見てきたことを背伸びせずに発信し、魅力を少しでも感じてほしいと取り組んできました。額田の魅力を発信中2年の活動が過ぎ、いよいよ3年目に突入しています。自分の中ではこんなにたくさんある魅力にもっと出会ってもらい、触れてもらい、感じてもらいたい、という思いが日々強くなっています。どこからだったら、誰にだったらこれをまず体験してもらえるんだろうか。そう考える中で、今回、まずは知ってもらう、面白がってもらうプログラムとして、また何を面白いと感じてもらえるのかを、私自身感じるため、年4回のプログラムをまずは始めてみるに至りました。■プログラム概要<もちつきツアー。>昔はどの家でも餅をついたもの。現在は餅をついたことも見たことのない世代も増えています。しかし、額田にはまだまだその風習が残っています。杵と臼でつき、でき立てを食べる。きな粉を自分で大豆から作る。そんな一つ一つを体験する田舎の暮らし。開催日程 : 2024年1月13日(土)参加人数 : 最大20名(最小遂行人数6名)開催場所 : 愛知県岡崎市中金町※名古屋から40分(新名神「岡崎東 IC」最寄)※最寄バス:名鉄バス「二瀬橋」停留所参加費用 : 5,500円(税込)申込/問い合わせ: Instagram : <ヌカトリップ>季節の里山暮らし体験プログラム。手ぶらで気軽に田舎のおばあちゃん家に帰省するような気分で家族で参加するプログラム。田舎体験を通じて、家族一人一人と向き合い、知ることで家族みんなで喜び合える思い出を増やします。▼費用1人5,500円(税込)、年間パック19,800円(税込)▼プログラム内容春:山の素材収集(山菜採り、インテリア素材の収集)夏:山の夏休み (川遊び、マスつかみ、星空)秋:山の感謝祭 (米収穫、里山の食事づくり)冬:山の新年 (もちつき)都市部の人たちが、額田の自然や人に触れ、体験することを通して、豊かな自然や暮らしの知恵を知り、気持ちもほぐれていく。一過性の観光ではなく、地域の人たちの背伸びをしない日常を通して「居心地のいい地域の形・関係性」を築いていく。度々訪れる場所、帰っていく場所、「思い出を増やしていく場所」として、「つながっていく」ことを目指しています。■プロフィール/松田 紗代稲沢市出身で、岡崎市初の「地域おこし協力隊」として21年10月から活動。額田地区(旧額田町)を拠点に地域の魅力を発掘し、交流サイト(SNS)などを通じて情報発信に力を入れる。■岡崎ビジネスサポートセンターのサポート額田地域の活性化を担う地域おこし協力隊の任期が2024年秋に終わることを受け、任期終了後も額田で事業を起こしたいと相談を受けました。松田さんはこれまで額田で発掘してきた魅力を活かした事業展開を模索されていました。そこで、「コト消費」の事例などをもとに、魅力の棚卸し、そして事業の付加価値の整理をお手伝いしました。また、ターゲットやコンセプトを提案し、その設計をお手伝いしました。そして、任期終了前にテストマーケティングをされることを提案しました。プログラムのプレ実施の設計や打ち出しをお手伝いしました。岡崎市も力をいれて売り出している岡崎の奥座敷「オクオカ」での起業を、今後もお手伝いしていきたいと思っています。オカビズ相談の様子1オカビズ相談の様子2■岡崎ビジネスサポートセンター岡崎市が2013年に設立した、売り上げアップに特化した中小企業のビジネス相談所。10年間で約3,800社、約24,500件の相談を受ける。常に予約でいっぱいなことから、「行列の絶えない相談所」とも評される。URL: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2023年12月22日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「北海道グランクラスの旅」です。僕は今、「okazakitaiiku JAPAN TOUR II」で日本各地のライブハウスを巡っています。10月には北海道で2か所、函館と札幌で公演を行いました。東京から北海道に行こうと思う時、みなさんはどの交通機関を利用しますか?今回、僕のたっての希望で新幹線で函館まで行きました。そうです、僕は飛行機移動があまり得意でないんです。新幹線であれば地にしっかり接したままで移動ができます。この安心感はなにものにも代えられません。あと青函トンネルも通ってみたかった。東京から函館までは4時間ほどでした。飛行機は乗ってしまうとどこをどう移動しているのか、距離感の把握や実感があまりないのではと思います。でも、新幹線は常に景色が流れています。車窓からの景色を眺めながら移動することで、遠征ツアーに出ているなあというのを噛み締めながら移動できてとても良かったです。しかも、今回は事務所の粋な計らいでグリーン車のさらに上の車両、グランクラスで移動させていただきました。グランクラスはすごいです。おしぼりがもらい放題ですし、飲み物もいただき放題です。しかし、僕はどうしたことか、最初席についた時にアテンダントの方がメニューを持ってきてくれたのですが、ついうっかり「大丈夫です」と断ってしまい、その後、一切の飲み物をもらうことができませんでした。ずっと自分で持っていったペットボトルのお茶を飲んでいました。飛行機でもそうですが、僕はこういう時のアテンダントの方との交流が苦手。できるだけ接触しないようにしたいと思ってしまいます。この時も、塩チョコを配るという撒きイベントがあったので、それだけは丁重に受け取り、それ以外は自分の殻の中に閉じこもっていました。グランクラスのシートは全席独立型で、ゆったり包み込まれるデザイン。プライベート空間がしっかり守られています。僕のような性格の人間には非常にありがたかったです。フットレストもめちゃめちゃ上がるので、ほぼ水平で寝られるくらいリラックスできます。インテリアも上質で高級感があってとっても良かったです。到着したのは、初めて訪れる函館。いつか住んでみたいとずっと憧れていた土地なので、訪れることができて本当に良かった。やはり海鮮が新鮮で、なかでもいくらのお寿司が非常においしかった。住んだら食べすぎて痛風になりそうです。おかざきたいいくコンセプト・アルバム『OT WORKS III』とアナログ盤12インチシングル『サブマリン』が発売中。全国17都道府県19公演のライブハウスを巡る「okazakitaiiku JAPAN TOUR II」(12/23まで)が開催中!※『anan』2023年12月20日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年12月18日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「6年目の変化」です。この連載がスタートしたのは、2017年12月6日です。今号のananの発売日が2023年12月6日ですから、連載を開始して丸6年経ったことになります。いや、自分のことながら、こんな長い間、よう話すことあったなと思います。連載の過去の発言を振り返ってみると、今も変わってないなと同意できる部分と、当時とは考え方が少し変わってきているなと思うところもあります。6年もあれば人の考え方が変化することも、そりゃあります。まずは、それくらい長い期間、連載をさせていただいていることに感謝しています。みなさん、いつも読んでいただいてありがとうございます。若い頃は尖っていたミュージシャンやバンドが年齢を重ねてまるくなることはあるし、好みがガラッと変わることもある。僕は一人でやっているので、あまり大きなブレはないと自負していますし、自分の発言に整合性を持っていたいと常に意識していますが、それでも先ほど言ったように、考え方が変わるところもあります。最近の例で言うと、この連載でも宣言していた自分自身の目標に関すること。〈さいたまスーパーアリーナ〉でワンマンライブをすることに次いで僕が目標にしていたことの一つに、「オリジナルアルバムを10万枚売る」というのがあったと思います。この目標について、僕は連載初期に強く語っていたと思います。でもこの5~6年あまりで、CDメディアをめぐる環境は大きく変わりました。5年前も音楽のストリーミングサービスはありましたが、2023年現在、それがより浸透し、CDを10万枚売るということがより難しく、厳しくなってきている。だから僕はこの10万枚という数字を意識することから離れようと今は思っています。大きな変化と思う方もいるかもしれませんが、胸を張ってグレートエスケープさせてもらいます。この連載だけでなく、ファンの方に向けてもこの目標を達成したいと宣言したこともあります。もちろん今だって10万枚売りたいという気持ちは持っています。でも、プライオリティの最上位にそれを置くよりも別のことを目標にしたい、と考えが変わりました。今の自分の作風ややりたいことを大事にしながら、できることに挑戦したい。そういうポジティブな変化なので「岡崎体育、変わったな」と言わず、引き続きやさしく見守ってください。おかざきたいいくコンセプト・アルバム『OT WORKS III』とアナログ盤12インチシングル『サブマリン』が発売中。全国17都道府県19公演のライブハウスを巡る「okazakitaiiku JAPAN TOUR II」(12/23まで)が開催中!※『anan』2023年12月13日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年12月10日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「今年いちばん響いた曲」です。先日、優里さんが1980年代の邦楽、全10曲をカバーしたカバーアルバム『詩‐80’s』をリリースされたというニュースを読みました。一体、どんな曲をカバーされたのだろう?と興味が湧き、曲目リストを調べてみたのですが、その中の一曲に「大きな玉ねぎの下で」がありました。この曲が爆風スランプさんの名曲のひとつであることは知っていましたが、そういえば曲をきちんと聴いたことがない。せっかくだから原曲に触れてみようと聴いてみたんです。そうしたら…この曲、めちゃくちゃいい!なにこれ!と響きまくりました。今年、いちばん響いた曲かもしれません。この曲の主人公は、遠く離れたペンフレンドのために貯金箱をこわして一枚のチケットを送ります。“大きな玉ねぎ”とは武道館の屋根にある飾り“擬宝珠”のこと。主人公は、武道館のライブでずっと会いたかった、会えなかったペンフレンドとついに対面できると心をワクワクとさせています。…でも、彼女は来なかった。アンコールの拍手を背に主人公は会場をあとにします。そのあとの、ひとりさみしく歩く風景の描写、心情の切なさが実にしみじみと見事です。武道館の象徴である擬宝珠を“澄んだ空に光る玉ねぎ”とかわいらしく表現することで、悲しさをどこか柔らかくしているところもとても粋ですし、素敵だなと思いました。歌詞も素晴らしいのですが、ストーリー展開に合わせて演奏のアレンジも変化させているのではないか、とも感じました。曲の途中にギターソロがあるのですが、その音はまるで歌詞の主人公が聴いているようなギターソロなんです。リバーブが効いたギターの音はこの曲の中でちょっと異質です。でもそれは、主人公がいる物語中の武道館で行われているであろう、ミュージシャンのライブの中の音なのだと思うとハッとさせられます。彼女の席は空席のまま、彼はひとりライブを観ながらそのミュージシャンのギターを聴いている…。そんな切ないシーンが頭に浮かび、とてもグッときました。これはもちろん僕の勝手な考察かもしれません。でも、そこまで想像させてくれるめちゃくちゃ泣いているいいギターソロなんです。この曲をあらためて深く聴いてみて、爆風スランプさんの神髄を感じましたし、なんで俺がカバーしてないねん!と思いました。優里さん、教えてくれてありがとう。おかざきたいいくコンセプト・アルバム『OT WORKS III』とアナログ盤12インチシングル『サブマリン』が発売中。全国17都道府県19公演のライブハウスを巡る「okazakitaiiku JAPAN TOUR II」(12/23まで)が開催中!※『anan』2023年12月6日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年12月02日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「ティーンエイジャー」です。10代の少年少女を指す、ティーンエイジャー。常に新しいものを発見し、ムーブメントを起こすのは、このジェネレーションです。特に今は速度感が命のSNS時代。流行は分単位…いや秒単位で変化していきます。ここ2~3年は彼らのマインドに合うものを理解していないといけないぞと、正直、意識の感覚を強めていました。それで気づいたのは、今はバズるためにはとにかく分かりやすさが最重要だということ。歌詞でもメロディでも、そこまで言わなくていいやろ…というところまで言い切ってしまうのがポイントです。曲の展開も分かりやすい方がウケます。流れが早いので、その分、パッと見、パッと聴きで分かるように情報が開示されていないと伝わらないんです。平成元年生まれの僕は、つい言葉にできない感情やないまぜになった気持ちを、行間でくみ取ってほしいと思ってしまいます。それをもったいないなあ、ワビサビがないなあと思ってしまう僕は、やはり今のティーンエイジャーの感性ではないですね。30代だから仕方ないです。30代にできることで勝負するしかないですよね。僕が作曲を始めたのも、ティーンエイジャーの時でした。今でも覚えていますが、初めて作ったのはイエティがテーマの曲。みなさん、イエティはご存じでしょうか。日本語で言うところの雪男で、ヒマラヤに生息するといわれている全身が白い毛に覆われているUMA(未確認動物)です。14歳のころ、テレビ番組でイエティ特集を見て、そこからイエティが人里に下りてきて、里の人間に恋をするけれど撃ち殺されてしまうという内容の歌詞を書きました。当時、僕はニンテンドーDS用ゲーム『大合奏!バンドブラザーズ』で作曲をしていました。ゲームがまだ残っていればその音源データも残っているはずです。でも、もう処分してしまったかもしれません。30代になった今思い返すと、なんでそんなテーマを選んだのかもよく分かりません。でも、テレビで見たもので一気に発想してその衝動のまま1曲作るって、なんかすごいパワーがあるなあと感じます。大人になるともう少し動機づけや仕事だからやらないと、という経緯が必要になってしまいます。後先考えないでモノ作りに没頭できるのもこの世代ならではの強みかもしれません。そう考えると、やはりその感性はすごく貴重だし、ちょっぴりうらやましいなと思ってしまいます。おかざきたいいくコンセプト・アルバム『OT WORKS III』とアナログ盤12インチシングル『サブマリン』が発売中。全国17都道府県19公演のライブハウスを巡る「okazakitaiiku JAPAN TOUR II」(12/23まで)が開催中!※『anan』2023年11月29日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年11月29日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「美容男子」です。美容男子という四字熟語が巷を賑わせています。男性だからとか女性だからとか関係なく、美容の話をするのが今の時代です。そんなわけで、岡崎体育は美容に目覚めました。そもそも、テレビやステージなど人前に出る仕事です。当然、人の目が気になります。肌をきれいにしたい、見た目を整えたい。そういう意識に目覚めるには、なんならちょっと遅すぎなのではないかとさえ思います。で、何を始めたのかというと、なじみのメイクさんに化粧水、乳液、美容液を教えていただき、そのおすすめブランドの基礎化粧品のラインを一気買いしました。まあまあの金額になりましたが、そこは目覚めましたので、がんばりました。肌のいちばんの天敵は紫外線です。シミやシワはそこから生まれ、肌の老化現象が進みます。それを食い止めるにはビタミンCが必須だと、メイクさん。僕がメイクさんに教えてもらったおすすめブランドのシリーズは、このビタミンCの高浸透技術がすばらしいのだそうです。肌をターンオーバーしながらシミやシワを改善する効果がのぞめるのだとか。実際、朝晩に使い始めてから、肌の調子がいいです。回復の兆しを感じています。いい感じになってくると調子に乗るもので、そこからクレンジングバームや酵素パウダー、メイク落としなど…どんどん買い揃えています。買えば買うほど、自分がレベルアップしているようでワクワクします。毎日、お風呂上がりには化粧水をパッティング。週に2日はクレンジングバームをし、毛穴の黒ずみなどのケアも忘れません。やればやるほど美容への意識は高まります。肌がきれいになってくると今までは気にもならなかった脂漏性角化症、いわゆるイボがあるのも気になるように。これはもう美容皮膚科案件です。イボの切除やシミをピコレーザーでとるという話にも興味が湧いてきました。最近では、うちのマネージャーの松下と「いつイボとりに行こうか?」と相談するまでになっています。なんだかやっといいお金の使い道を見つけたなと思っています。美容の意識はもっともっと高めていきたいです。ステージの照明ってけっこう日焼けするんです。年季の入ったライブハウスだとライトがLEDじゃないからめっちゃ焼ける。これからはステージの最中に、水分補給だけでなく化粧水のパッティングタイムをとろうかなと思っています。おかざきたいいくコンセプト・アルバム『OT WORKS III』とアナログ盤12インチシングル『サブマリン』が発売中。全国17都道府県19公演のライブハウスを巡る「okazakitaiiku JAPAN TOUR II」(12/23まで)が開催中!※『anan』2023年11月22日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年11月20日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「地方の壁」です。いわゆる“推し活”をする際、地方在住の方々にとっては“地方の壁”があるといわれています。自分の住む地方では推しの出演する番組が放送されなかった、推しのイベントが都市部でしか開催されず遠征費がかかる、発売日が他のエリアと違って1日以上遅れる…など、地方に住んでいるがゆえに恵まれない状況であることを指す、悲哀のある表現だそうです。ミュージシャン側からみても“地方の壁”はあります。僕たちミュージシャンは全国でライブを開催します。そうすると、こっちの地方はお客さんがたくさん集まってくれやすいけれど、あちらの地方だとどうも集客が弱い…と、地方によってかなり差が生じてしまいます。僕の場合は、もともと活動のベースだった京都や奈良などホームといえるエリアはチケットが売れなくて困るということはあまりありません。一方で、東北や北陸などこれまであまり回ることができていなかったエリアだと、なかなか集客に勢いが出ないという現実にぶち当たることがあります。人が集まらないとライブはできない、でも、ライブをやらないとその地方に僕のファンの方は増えません。これは悩ましい壁です。通常、こういう地方をくまなく回る顔見せ興行みたいなことは、デビューしたてのころにしておくべきことです。僕は、生来の出無精の性格がたたって、デビュー当時、東名阪でしかライブをしてこなかった。もう少しがんばっても、福岡や広島、札幌、仙台に足を延ばすくらい。7大都市で精一杯でした。それ以外の地方に在住するみなさんには「比較的近い都市に出てきてください」とお願いすることしかできていなかったんです。その結果、ライブハウスツアーを開催するとこれまで回れていなかったエリアでは、集客が厳しい結果になるという“岡崎体育の地方の壁”を作ってしまいました。現在、僕が取り組んでいるライブハウスツアーは、その壁をなくすためのものです。お客さんが集まりにくいとしても地方のみなさんが住む場所一つ一つを丁寧に回って、「僕のライブ、楽しいのでぜひ観に来てください」と、こちらが足を運んでお願いするしかない。そう思って取り組んでいます。なので地方にお住まいのみなさん、近くのライブハウスで僕の名前をみかけたら1回だけでもいいので遊びに来てください。いいセットリストを組んでいますし、損はさせないと思います!おかざきたいいくコンセプト・アルバム『OT WORKS III』とアナログ盤12インチシングル『サブマリン』が発売中。全国17都道府県19公演のライブハウスを巡る「okazakitaiiku JAPAN TOUR II」(12/23まで)が開催中!※『anan』2023年11月15日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年11月12日岡崎体育の連載「体育ですけど、オンガクです」。今回のテーマは「続・早起き」です。以前、この連載で“早起き”をテーマにしたのは『おはスタ』のレギュラーが決まったばかりのころでした。早朝の生放送でいつか遅刻をしてしまいそうだと心配をしていたわけですが、今のところ『おはスタ』では遅刻をせずに済んでいます。ところが先日、別の番組、ラジオの生放送で思い切り遅刻をしてしまいました…。なんと、1時間40分の大遅刻。完全に僕の寝坊が原因です。眠りが深くなりすぎてしまい、アラームが鳴っていることにまったく気がつきませんでした。本当に社会人としてこれはいかんなと猛省しました。ミュージシャンって一般的に朝が弱いイメージがあるのではないかと思います。午前中なんて起きてなさそう。だからちょっとくらい遅刻しても、まあそういうものか、と思われてしまう。でも、それはまったくの甘えだと思います。言った時間にはきちんと集合しよ、とみんなに言いたいです。もちろん僕もそうでないといけません。なぜ、ミュージシャンは遅刻しがち(というイメージ)なのかというと、生活のリズムが整っていないことが大きな原因なのではと推測します。僕の場合もそうですが、日によってスケジュールがまったく違います。『おはスタ』の日は朝の4時半に起きますし、深夜まで作業をしていると昼過ぎに起きることもある。何かの撮影があると夜中の3時に帰宅することもあります。うちのマネージメントは優秀なので、僕の睡眠時間を確保するスケジューリングをいつも意識してくれています。1週間の生活リズムの一定化は難しいですが、前の日が遅かった翌日は午前中の仕事を入れないでいてくれるとか、僕が寝不足にならない、体に無理をさせないスケジュールを配慮してくれます。それに僕は、ライブのあと眠れないんです。アドレナリンが大量に放出されてしまっているせいか、興奮状態が続きなかなか寝つけません。なので、ライブが連日あると、どうしても寝不足になってしまう結果に。ミュージシャンとしては、これはどうやってリセットして、いい睡眠がとれるかを追求したいところです。大谷翔平選手は睡眠をとても大切にされていて、毎日最低でも8時間、睡眠をとられていることで有名です。早起きをするためには、その前にいい睡眠をどうすればとれるかを考えるのが肝心かもしれません。まずは、フワちゃんにおすすめしてもらった噂のマットレスでも買おうかな…。おかざきたいいくコンセプト・アルバム『OT WORKS III』とアナログ盤12インチシングル『サブマリン』が発売中。全国17都道府県19公演のライブハウスを巡る「okazakitaiiku JAPAN TOUR II」(12/23まで)が開催中!※『anan』2023年11月8日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大矢佑奈(KIND)文・梅原加奈(by anan編集部)
2023年11月04日