「感染」について知りたいことや今話題の「感染」についての記事をチェック! (1/5)
SNSの普及により、性感染症の感染者数が年々増加?SNSなどの普及により、多くの人たちとコミュニケーションすることが可能になりました。それに伴い「不特定多数の人と性的関係を持つ」ことも比較的安易となり、性感染症の感染者数が年々増加しています。そこで今回は、同院に来院した患者の同意のもと、性感染症に関する意識調査を行っています。感染の疑いが考えられる感染経路はどこですか?性感染症に感染したと思われる感染経路のアンケート調査来院した患者の男女261人に「感染の疑いが考えられる感染経路はどこですか?(複数回答可)」とアンケート調査したところ、「性風俗店」(45.2%)、「マッチングアプリ」(29.5%)、「パートナー」(27.2%)、「ナイトクラブ」(5.0%)、「交際クラブ」(4.6%)という結果となりました。SNSの普及により不特定多数の交流がより手軽になったことなどが要因の一つとなり、日本では性感染症の感染者数は年々増加しています。実際に今回のアンケートでも「マッチングアプリ」などで知り合った人と性行為をした際に、性感染症に感染したと思った人が3割近くいました。パートナーと性感染症について話したことがありますか?パートナーと性感染症について話したことはありますか?のアンケート調査来院した患者の男女261人に「パートナーと性感染症について話したことはありますか?」とアンケート調査したところ、半数以上の139名が「話したことがない」と回答しました。パートナーと性感染症について話したことがありますか?性感染症に感染した際、パートナーに伝えることはできますか?のアンケート調査来院した患者の男女261人に「性感染症に感染した際、パートナーに伝えることはできますか?」とアンケート調査したところ、44名(16.9%)が「伝えることができない」と回答しました。性感染症というセンシティブな問題に対して、多くの人はパートナーとのコミュニケーションに不安や抵抗を感じていると言えるでしょう。●「裸を見せ合わない」「やりたい気持ちを確認する」夫婦のセックスレス回避のため、意識していること●セックスレスから目を背けない「夫の前でそういうドラマを」「5年ぶりにしてから月1でしている」調査概要調査目的:性感染症に関する意識調査有効回答数:261人(男性176人/女性85人)回答数の年代:10代 47.5%/30代 27.2%/40代 13.0%/50代以上 12.3%調査方法:来院者へのアンケート(任意)調査場所:ペアライフクリニック(横浜院、渋谷院、名古屋院)調査期間:2025年2月〜3月引用元:「性感染症内科ペアライフクリニック」( )ペアライフ(マイナビ子育て編集部)
2025年04月10日「溶連菌感染症に関する調査」を実施溶連菌感染症とは、溶血性連鎖球菌(略称:溶連菌)を原因とする感染症です。溶連菌には様々な種類がありますが、「A群溶血性連鎖球菌」を原因とするものが多く、一般的に溶連菌感染症と呼ばれています。昨年は、10月頃より溶連菌咽頭炎が増え始め、過去10年間で最大規模の流行が起こっていました (※1)。また、溶連菌感染症は冬に流行しやすいと言われているため、これからの時期に感染対策をしっかり行うことが大切です。そこで、溶連菌感染症の実態について、症状や感染予防策の実施状況をアンケート調査しました。今回は調査結果とともに感染対策についてもご紹介します。(※1)出典: 国立感染症研究所ホームページA群溶血性レンサ球菌咽頭炎過去10年との比較グラフ 子供だけでなくて大人も感染する?溶連菌感染症は3~10歳の子供がかかりやすいとされています。しかし、大人も感染する可能性があり、また家庭内感染も考えられるため油断は大敵です。また、溶連菌感染症に初めて感染した年代ごとに症状のつらさを調査した結果、子供の頃に感染していた方に比べて、子供の頃には感染せず大人になってから初めて感染した方では、「とてもつらかった」と回答した割合が多いことが分かりました。子供の頃に感染していない方は、より注意が必要です。流行時には大人も感染予防を心がけましょう。さらに、学校又は仕事に通っている方のうち、約4人に1人(24.0%)が、溶連菌感染症にかかった際に5日以上学校又は仕事を休んでいることが分かり、この結果からも溶連菌感染症の症状のつらさが伺えます。どんな症状がでるの?溶連菌感染症の主な症状や特徴的な症状として、のどの痛み・発熱・首リンパ節の腫れ・イチゴ舌などが挙げられます。実際にどのような症状がつらかったのか調査した結果、「のどの痛み・腫れ」と「発熱」が圧倒的に多く、一般的な風邪症状に含まれる「咳」や「鼻水・鼻づまり」と回答した方は少ないことが分かりました。のどの痛みや発熱はあるけれど、咳や鼻水・鼻づまりはないという方は、注意が必要です。感染予防策は実施している?それでは、どの程度の方が溶連菌の感染予防を実施しているのでしょうか。一般的に多くの方が感染対策を実施している「新型コロナウイルス」・「インフルエンザウイルス」と比較して、感染予防策の実施状況を調査しました。その結果、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスでは、約半数の方が予防策を実施している一方で、溶連菌に対して予防策を実施している方は16.2%と少なく、多くの方が意識して感染予防をしていないことが分かりました。どんな対策をすればよいの?それではどのような感染対策を実施すればよいのでしょうか。一例をご紹介します。〈基本の対策〉◎マスク・手洗い・うがい溶連菌感染症の感染経路は、飛沫感染と接触感染です。マスクの着用やこまめな手洗い・うがいを心がけましょう。◎栄養バランスのよい食事・十分な睡眠溶連菌感染症が流行しやすい冬は、寒いため免疫力も下がりやすいので、健康的な生活習慣を心がけ、免疫力を高めましょう。〈おすすめの対策〉◎CPC(セチルピリジニウム塩化物水和物)の活用殺菌成分であるCPCは、溶連菌をはじめとする細菌の細胞膜を破壊することで殺菌作用を示すことが知られています。CPCが配合されたうがい薬や洗口液、のど飴は、口腔内の殺菌・消毒効果を持つとされています。一般的な感染対策と重なる部分が多いため、溶連菌感染症予防と意識せずとも、知らず知らずのうちに対策していた方もいらっしゃるのではないでしょうか。今一度、ご自身で行っている感染対策を振り返り、もしできていないことがあれば実践してみてくださいね。なお、溶連菌感染症の疑いがある症状が出た場合は、医療機関を受診しましょう。病状が進行するとリウマチ熱や急性糸球体腎炎などの合併症を発症する可能性もありますので、風邪だと思い込んで放置せず、医療機関で適切な治療を行うことが大切です。最後にのどの痛みや発熱などのつらい症状がある溶連菌感染症ですが、感染対策を実施している方は少ないことが分かりました。しかし、子供だけでなく大人も感染する可能性があり、油断は禁物です。溶連菌が流行しやすい冬が近づいていますので、早めの時期から予防を心がけていきましょう。【調査に関する概要】調査実施会社:大正製薬株式会社調査方法:インターネット調査(Surveroidを利用)調査日:2024年9月13日~2024年9月14日有効回答数:20~40代の男女、2,673人20241217_溶連菌感染症に関する調査.pdf : 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2024年12月17日皆さんは、風疹を知っていますか?発熱、発疹、リンパの腫れといった症状がでる感染症です。妊娠中の女性は、感染しないように気をつける必要があります。赤ちゃんが先天性症候群を発症するリスクがあるからです。そのため風疹ワクチンというものが存在するのですが、詳しいことは知らない場合も多いのではないでしょうか。風疹ワクチンって?解説!厚生労働省によると、風しんに対する免疫が不十分な妊娠20週頃までの女性が風しんウイルスに感染した場合、眼や心臓、耳等に障害をもつ(先天性風しん症候群)子どもが出生することがあるとのこと(妊娠1ヶ月でかかった場合50%以上、妊娠2ヶ月の場合は35%などとされています)。そしてこの風疹に抗体をつけるワクチンがあるのですが、「妊娠中には風しんワクチンを受けられない」んです。妊娠を希望している方には下記の内容をぜひ積極的に教えてあげてくださいね。まずは抗体検査を受けよう!多くの自治体で、妊娠を望む女性とその同居家族へ無料で風しんの抗体検査を実施しています。例えば東京都目黒区では、同区内にお住まいの19歳以上60歳未満の方が対象です。無料検査から除外されるのは、検査で確定診断を受けた風しんのり患歴が確認できる方や、風しん含有ワクチンを2回以上接種した履歴が確認できる方。つまり、十分抗体があるだろうと推測される方ですね。子どもの頃に風しんのワクチンを1度打っていても、抗体値が低く十分な免疫がない場合もあり得ます。妊娠をお考えの方、またその同居家族は、ぜひ早めに検査してみてくださいね。風しんワクチンの接種状況とは?平成2年4月2日以降に生まれた人は2回、公費でワクチンを受ける機会がありましたが、昭和37年度から平成元年度に生まれた女性及び昭和54年度から平成元年度に生まれた男性は受けていても1回です。そして、昭和54年4月1日以前に生まれた男性は1回もその機会がなく、十分な免疫を持たない人達が蓄積していたものと考えられています。(厚生労働省HPより引用)もしその世代に当てはまっている場合、自主的にワクチンを接種すると安心ですね。かかりつけの医師に相談したり、産婦人科で抗体検査を受けたりしてみましょう。クーポンが届いた男性は、無料!また「1962年4月2日生まれ」から「1979年4月1日生まれ」までの男性は、抗体検査とワクチン接種を無料で受けることができます。対象者の場合、お住まいの市区町村から医療機関で使えるクーポン券が届きます。2024年度まで利用可能なので、ぜひこの機会に検査とワクチン接種を受けましょう。同居する家族も抗体検査を風疹は妊娠中の女性がとくに気をつけなければいけない病気です。しかし、妊娠中でない人も気を付けることが大切です。言わずもがな、風疹に感染することで、妊婦さんにうつしてしまうリスクがあるからです。とくに妊娠中の家族がいる場合は注意が必要なので、一緒に抗体検査を受けてくださいね。また、再度お伝えしますが妊娠している間は風疹ワクチンを接種することができません。妊娠を考えている人もそうでない人も、他人事と思わずに早めの対策を!ライター草案助産師:MellowingCokeめい監修医:新見正則医院院長、新見正則1985年慶應義塾大学医学部卒業。1998年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。新見正則医院では世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬「フアイア」を使用。最新刊『フローチャート整形外科漢方薬』はAmazonで三冠(臨床外科、整形外科、東洋医学)。下記も好評発売中。「しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通」(MOREDOOR編集部/イラスト:性教育いらすと)
2024年05月25日これから行楽や帰省など、家族で旅行に出かけることが多い時期。しかし人の移動が頻繁になると、感染症被害も拡大しやすい。注意すべき12の感染症について、感染しやすさ、危険性を専門医が“評価”した!「致死率30%の人食いバクテリアの感染者が、過去最多となった昨年の同時期に比べても、今年は28倍のペースで増加しています。また、2024年に入り、国内でははしか感染者も確認。さらに宮崎県では百日ぜきの患者が増加していることが報じられています」(医療ジャーナリスト)コロナ禍以降の感染症に関するニュースが続いている現状を、医療ガバナンス研究所理事長で内科医の上昌広さんは、こう分析する。「コロナ禍の感染対策によって、全般的に免疫力が落ちてしまっていたり、ワクチンを敬遠したりする人も多いことが要因でしょう。アメリカのケースウェスタンリザーブ大学の研究チームがRSウイルスの感染状況を調査したところ、コロナ既往の小児は、コロナ既往がない小児に比べ感染リスクが1.4倍と高かったため、コロナ感染によって免疫力が落ちるとも考えられています。 さらに50歳を過ぎて、過去に獲得した免疫が落ちてきてしまっている事例もあります。 ゴールデンウイーク(GW)が近づき、行楽や里帰りの予定を立てている人も多いと思いますが、GWは人の移動が頻繁になり、感染症の被害拡大が懸念されます」このように感染症リスクが高まっているからこそ、それぞれの感染症の特徴を理解、予防することが求められるのだ。上先生に12の感染症の感染しやすさ、危険性を、S~Cの4段階でランク付けしてもらった。【1】はしか(麻疹)〈感染度・S、危険度・A〉はしかは空気感染するため感染力は非常に強く、インフルエンザの10倍もあるともいわれる。「潜伏期間は10日ほど。初期段階で風邪症状があり、一度熱が下がった後、再び上がり発疹期に入り、赤い発疹ができます。特効薬はなく対症療法となります」(上さん・以下同)国立感染症研究所によると、約30%の患者が合併症を引き起こす。半数を占めるのが肺炎。高齢者の場合は死亡することもある。ワクチンは2回接種が求められているが、1972年9月30日以前に生まれた人は1回もワクチン接種をしていない可能性が高く、1972年10月1日から1990年4月1日までに生まれた人は1回接種の可能性が高い。「過去の感染歴がわからない人、ワクチン接種が十分でない人は、抗体検査をおすすめします」■手足が1時間に1cmの速さで壊死、急死する【2】人食いバクテリア〈感染度・C、危険度・S〉劇症型溶血性レンサ球菌感染症といって、発症後の致死率が30%と極めて高いのが特徴だ。「主原因となるのは溶連菌の一種であるA群溶血性レンサ球菌です。溶連菌は咽頭炎を引き起こすことが特徴ですが、ごくまれに劇症型溶血性レンサ球菌感染症を発症。感染経路は飛沫感染や接触感染で、はじめは四肢の先端部分から軽い痛みや発疹が出てきて、手足が急激に腫れ上がり、1時間に1cmのスピードで壊死。発症後、半日から2日ほどで亡くなるケースが多いです。ワクチンはありません」【3】新型コロナ〈感染度・A、危険度・B〉「5類になって死亡数は減ってきていますが、頭がぼーっとするブレインフォグ、せきが続くなど後遺症が多いので、まだまだ要注意」【4】インフルエンザ〈感染度・A危険度・B〉「コロナ禍の感染予防によって、免疫が弱まっていることから、今シーズンは流行しました。次シーズンの流行も例年よりも早まる可能性があるので、早めのワクチン接種が望まれます」【5】風疹〈感染度・A、危険度・B〉症状自体は軽いが、妊婦が感染すると早産や流産、死産、胎児に難聴や目、心臓に障害を残す先天性風疹症候群を起こすリスクがある。感染者1人から5~7人に広がるほどの感染力だ。「感染経路は飛沫感染が主ですが、接触感染もします」1962年4月1日以前生まれの人はワクチン接種をしていない可能性が高く、1979年4月2日から1987年10月1日生まれの人は個別接種のために接種率が低いなど、年代によってワクチン接種状況が異なる。【6】百日ぜき〈感染度・B、危険度・B〉現在も幼児へのワクチン接種がされて予防できているが、一部、接種をしていない人や免疫が十分でない人もいる。「さらに高齢者では、免疫が下がり感染するケースも。大人で3週間せきが続いている人の18.5%が、百日ぜきが関与しているという調査もあります。日本では抑え込まれていますが、グローバル化によって、東南アジアやアフリカから持ち込まれることもあります」【7】おたふく風邪〈感染度・A、危険度・C〉「ムンプスウイルスに飛沫・接触感染すると、耳下腺が腫れておたふくのように見える症状に。大部分は、症状自体は軽く終わります。しかしまれに起こる精巣炎や卵巣炎、髄膜炎などの合併症が怖い。感染歴がなく、予防接種をしていない人は要注意です」【8】破傷風〈感染度・C、危険度・A〉「日本の破傷風発症率は、米国の9倍、欧州の4倍。破傷風菌は、土の中などに常在しており、なかでも関東ローム層でも検出。ガーデニングや山登りが趣味の人などはリスクが高いといえます」病状が進めば、痺れや麻痺が残る可能性も。「強直性痙攣といって筋肉が強く収縮し、背中がそり返り、そのまま骨が折れて亡くなるケースもあります。2018年の破傷風の届出数は134です」ワクチンに関しては、1967年生まれ以前の人は接種していない可能性が高い。「さらに1968年以降に生まれた人も、その効果は50年ほどで低下するといわれるので、50歳以降は10年ごとに追加接種しておくと安心。1回あたり3千~5千円ほど」【9】帯状疱疹〈感染度・C、危険度・B〉80歳までに3人に1人が発症するといわれる帯状疱疹。「原因となる水疱瘡のウイルスは、一度かかると神経に潜んでいます。加齢や疲労で抵抗力が落ちたり、ストレスなどにさらされると、潜んでいた水疱瘡のウイルスが暴れ出すというイメージ」好発年齢の50代以上を対象に、ワクチン費用の一部を負担する自治体が多くある。1回あたり5千円~2万円ほど。■ワクチン接種の機会は年代によって逃していることも【10】日本脳炎〈感染度・C、危険度・A〉感染しても発症するのはわずかだが、ひとたび発症すると後遺症が残ったり、死亡する確率が高い。「1歳以上で予防接種をするので1歳未満の乳児で感染するケースがあります。2015年には千葉県で日本脳炎患者が発生。日本脳炎ワクチン接種前の10カ月の男児で、重度の四肢麻痺が残ったそうです」日本脳炎のウイルスは、豚が持っており、蚊を媒介にして人に感染。全国的に定期接種されているが、媒介する蚊が少ない北海道で定期接種が始まったのは、2016年から。また、1995年度から2006年度までに生まれた人はワクチン接種の機会を逃しているなど年代によって異なる可能性があるので、母子健康手帳などで確認しておこう。【11】肺炎球菌〈感染度・C、危険度・A〉「肺炎を起こす菌です。高齢者の場合、肺炎は死に至るので要注意。重症化した場合、20%が死に至るともいわれています。患者の約70%が65歳以上といわれています。肺炎球菌ワクチン(65歳以上は一部自己負担あり)の高齢者の接種率は2014~2018年度で32.4~38.3%、2019年度で13.7%、2020年度で15.8%と低迷しています」【12】デング熱〈感染度・B、危険度・C〉東南アジアや南米などではポピュラーな感染症で、ネッタイシマカなど日本にもいる蚊が媒介。2014年には70年ぶりに国内で感染者が確認された。「日本は冬に蚊がいなくなるので流行しませんでしたが、今後、温暖化によって流行する可能性も」ワクチン接種や抗体検査を視野に入れ、日常的には手をよく洗い、飛沫感染を防ぐため人混みではマスクを着用するなどして予防することが大切だ。
2024年04月25日「この肺炎は、子供から高齢者まで、幅広い世代に感染します。なかでも5歳から15歳以下の子供に感染しやすく、全体の約5割を占めるともいわれています。ただし、子供からの飛沫や接触によって、家庭内感染で大人にうつるケースも多く、65歳以上の高齢者が感染した場合、重症化しやすいので注意が必要です」こう警鐘を鳴らすのは、日本感染症学会専門医で、東京歯科大学市川総合病院呼吸器内科の寺嶋毅教授。全国でインフルエンザが猛威を振るうなか、さらに別の感染症の危険が日本に迫っている。9月以降、中国で“マイコプラズマ肺炎”による呼吸器疾患の患者が急増し、現在も北京などの大都市の医療機関では、病床が不足する事態が続いているという。世界保健機関(WHO)は中国に対し、感染防止策の徹底を呼びかけているが、すでにお隣の韓国でも、“マイコプラズマ肺炎”による入院患者が、この1カ月で2倍以上に増加するなど、世界的な感染拡大も懸念されている。■2~3週間の長い潜伏期間を経て発症“マイコプラズマ肺炎”とは、一体どのような感染症なのか。「肺炎マイコプラズマという病原体によって引き起こされる感染症です。主な症状は発熱、咳、倦怠感など。風邪のような症状にとどまる人から、気管支炎、そして肺炎になる人まで症状には幅があります。成人の場合、基礎疾患がなくても過剰な免疫反応で重症化することがあるので、特に注意が必要です」(寺嶋教授、以下同)“マイコプラズマ肺炎”は、感染してから2~3週間の潜伏期間があるそう。長い潜伏期間を経て突如襲ってくる。また、発症当初は比較的症状が軽く、出歩くことで人にうつしてしまうことが多いことから、“歩く肺炎”と呼ばれている。国立感染症研究所のデータによると、近年“マイコプラズマ肺炎”の国内患者数は、4年に1回、オリンピックが開催される年に増える傾向にあった(ロンドンの2012年、リオデジャネイロの2016年)。2020年に増えなかったのは、より強い感染力を持った“新型コロナ”のパンデミックの影響だといわれている(グラフ参照)。その4年後が、来年2024年なのだが、すでに予兆はあるという。“インフルエンザ”をはじめとする、感染症の罹患者の多さだ。「いま、子供たちを中心に夏に流行するといわれている、アデノウイルスが引き起こす“咽頭結膜熱(プール熱)”、さらに“溶連菌(A群溶血性レンサ球菌咽頭炎)”の感染者が急増しています。今後、中国や韓国のように“マイコプラズマ肺炎”が日本にも広がると、全国の医療機関にも影響が出てくるでしょう。特に発熱外来や小児科の混乱が予想されます」さまざまな感染症の波が押し寄せてきているのはなぜか。寺嶋教授は、コロナ禍の約3年間で、世界中で防疫措置が取られてきた結果、感染症に対する免疫の蓄積が失われてしまったことが原因ではないかと分析している。もし、免疫のない状態で“マイコプラズマ肺炎”の病原体が国内に大量に持ち込まれたら、中国や韓国のように、一気に感染爆発することもありえるという。■新型コロナと同じ予防対策が有効日本でも流行が広がった場合、最も警戒すべきことは、いま猛威を振るっている“インフルエンザ”との同時感染である。「過去に、同時感染したという報告はいくつもあります。当病院で同時感染された患者さんのケースでは、熱が39~40度まで上昇。呼吸が苦しくなり、酸素吸入が必要な状態まで肺炎が広がりました。つまり同時感染すると症状が重くなるということです。最悪の場合、死に至る可能性もあります。それだけに、早期発見と適切な治療が重要となってきます」さらに、コロナ患者の検査をしたら、“マイコプラズマ肺炎”の病原体も見つかったというケースも報告されており、“新型コロナ”との同時感染もある。寺嶋教授は、流行が重なれば“マイコプラズマ肺炎”と“インフルエンザ”、そして“新型コロナ”の“トリプル感染”の可能性も理論的にはありえるという。「日本ではまだ“マイコプラズマ肺炎”は流行していませんが、これからの年末年始、帰省する人や国内外へと移動する人がかなり増えることが予想されます。年末にも日本に上陸すれば、感染リスクが最も高くなる可能性があります」“マイコプラズマ肺炎”は、高齢者が感染すると重症化しやすいリスクがある。さらに“インフルエンザ”や“新型コロナ”との同時感染で、死に至る危険性もある。そうならないためにも、感染対策がより重要となってくる。コロナと同様に、外出時はマスクを着用、手指の消毒。帰宅後には手洗い、うがい。そしてできるだけ人混みを回避することなどが、基本的な感染対策になるという。「実家に帰省されるご家庭も多いと思いますが、もし自分や子供に軽い咳や微熱の症状があった場合は、帰省を控えたほうがいいでしょう。実家の両親にうつす可能性があります。初期症状の場合は、市販の咳止め薬や解熱剤で和らげることはできますが、治療には抗菌薬が必要です。抗菌薬は、医療機関を受診しないと処方されません」少しでも風邪のような症状が出たら、“マイコプラズマ肺炎”を疑い、できるだけ早く医療機関で受診することをお勧めします!
2023年12月27日RSウイルスとは?症状や完治までの期間などRSウイルス感染症とは、「RSウイルス」による呼吸器の感染症のことです。ほとんどの場合は乳幼児期に発症するといわれており、実際に1歳半までに50%以上、2歳までにほぼ100%の子どもが感染するとされています。RSウイルスに感染した場合、軽い症状の場合は発熱や鼻汁などの風邪と似通ったものから、重い場合は肺炎のような症状が表れることもあります。RSウイルスは何度も感染を繰り返しますが、初回感染時に症状が重い傾向があり、特に生後6ヶ月未満の子どもが感染した場合は細気管支炎、肺炎につながるなど重症化する可能性もあります。また、場合によっては高熱による熱性痙攣を起こす可能性があります。熱性痙攣は、通常、38度以上となる急激な体温上昇時に発生し、意識障害や痙攣を起こします。典型的な症状は全身性で、手足をガタガタさせる間代性痙攣であることが多く、数分ののちに意識が回復するとされています。もし痙攣が長時間続く場合などは、医療機関に相談をするようにしましょう。RSウイルスは主に飛沫に触れることや直接接触することで感染するとされています。感染してから2~8日の潜伏期があり、多くの場合は4~6日頃に発熱や鼻汁などの上気道炎症状が表れてきます。その状態が数日続いた後に下気道症状といわれる、息苦しさや喘鳴(ぜんめい:息を吐く時にゼーゼー音がする) などが表れることもあります。RSウイルス感染症は症状が出てから通常は数日から1週間くらいかけて、徐々に快方に向かっていきます。ただし、重症化のリスクもあり、気管支炎や肺炎などの症状が表れる方や、まれに呼吸困難を起こして入院に至る場合もあります。RSウイルス感染症は基礎疾患があると重症化のリスクも高まります。影響する基礎疾患としては先天性心疾患、ダウン症候群などがあり、ほかにも早産や低出生体重、生後6ヶ月未満の赤ちゃんも重症化のリスクが指摘されています。重症化のリスクが高い子どもにはRSウイルスに対する特異的抗体であるシナジス(一般名:パリビズマブ)接種が行われます。RSウイルス感染症の流行期に1ヶ月に1回筋肉内注射という形で使用することで、感染予防と重症化防止の効果があります。シナジス接種の対象となるのは現在のところ、以下にあてはまる子どもです。・在胎期間28週以下の早産で、12カ月齢以下の新生児及び乳児・在胎期間29~35週の早産で、6カ月齢以下の新生児及び乳児・過去6カ月以内に気管支肺異形成症の治療を受けた24カ月齢以下の新生児、乳児及び幼児・24カ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患の新生児、乳児及び幼児・24ヵ月齢以下の免疫不全を伴う新生児,乳児および幼児・24ヵ月齢以下のダウン症候群の新生児,乳児および幼児引用:RSウイルス感染症Q&A|厚生労働省ウイルス感染症Q&A|厚生労働省ウイルス感染症とは|国立感染症研究所ウイルス感染症にご注意ください!!|国立成育医療研究センター熱性痙攣|MSDマニュアルプロフェッショナル版RSウイルスに効く薬はある?治療方法などRSウイルスに感染した場合の特効薬などは現在のところありません。治療方法としては、対処療法といって表れている症状に合わせて、内服薬、酸素投与など呼吸管理を行い症状の緩和を目指します。ウイルス感染症Q&A|厚生労働省子どもがRSウイルスに感染したらRSウイルスに感染しているかは、鼻粘膜を綿棒で擦り、検体を採取し、迅速診断で分かります。症状からRSウイルス感染が疑わしく、重症化のおそれがあり、診断を必要とする場合に検査を行います。RSウイルス感染症は感染症法上で5類感染症に分類されており、決められた医療機関から毎週患者数を保健所に報告する義務があります。RSウイルスの感染は一度だけでなく、生涯にわたって感染を繰り返していきます。子どもが再感染して症状が出ることもありますが、その多くは軽症といわれています。大人に感染することもありますが、発症しても鼻水、咳、だるさなどの風邪と似た症状が表れるだけです。しかし、呼吸器疾患などの基礎疾患がある高齢者が感染すると肺炎につながるリスクも指摘されています。子どもがRSウイルスに感染した場合は、まずは通っている幼稚園や保育園を休み、医療機関を受診するようにしましょう。治療して症状が落ち着いたあとの登園の目安ですが、咳や痰などの呼吸器症状がなくなり、食事がとれて、活気があり、全身状態が良好になってからとされています。RSウイルスの感染を防ぐために、家庭内でできる予防法がいくつかあります。主な予防法として、・日常的に触れるおもちゃや手すりなどはアルコールの消毒薬で消毒する・外出後はせっけんを使って流水で手洗いをする・アルコール製剤を用いて手指の消毒を行う・家族に咳や鼻水など呼吸器症状がある場合はマスクを着用するなどがあります。日常的に予防することも大事ですが、2歳までの子どもが発症する確率がとても高い感染症なので、鼻水、熱に続き、呼吸が苦しそうなど、気になり症状が出たら、 医療機関を受診するようにしましょう。ウイルス感染症Q&A|厚生労働省ウイルス感染症Respiratory syncytial virus infection|東京都感染症情報センター保育所における感染症対策ガイドライン(2018 年改訂版)|厚生労働省まとめRSウイルス感染症は呼吸器における感染症のことです。主に発熱や鼻水などの症状が表れ、数日~1週間で症状は治まっていくことが多いといわれています。しかし、初回感染時や生後6ヶ月未満の赤ちゃん、基礎疾患のある子どもなどは重症化する可能性も指摘されています。家庭内で手洗いや消毒など予防することもできますが、感染が疑われる場合は早めに医療機関を受診し、治療を行うようにしましょう。
2023年12月25日例年よりも早くに流行し始めたインフルエンザ。厚生労働省の発表によれば、今シーズンはすでに感染者数が累計42万人を突破しており、昨年同時期の500倍以上だ。医療現場ではせき止め薬とたん切り薬が不足。7日には、武見敬三厚労相が先月に続き、製薬会社に増産を要請した。「今冬を乗り越えるため、感染予防に力を入れましょう。日本人の80%が口呼吸といわれていますが、簡単な体操で鼻呼吸に切り替えることができ、そうすることでインフルエンザの感染リスクを下げることが期待できるのです。実際、口呼吸に比べ鼻呼吸の子供は、抗生剤の使用量が2.5倍も少なく、副鼻腔炎や中耳炎にもなりにくいというデータがあります」こう語るのは、『免疫力を上げ自律神経を整える舌トレ』(かんき出版)などの著書がある、みらいクリニック院長の今井一彰医師だ。インフルエンザウイルスなどを含んだ冬の乾燥した空気は、風邪から体を守る最初の砦・鼻を通じて吸い込むことが大事だという。「鼻の中の鼻毛、繊毛、粘膜によって空気中のゴミを取り除き、ウイルスをブロックしてくれます。また、口呼吸の場合は冷たい空気をそのまま肺に送り込んでしまいますが、鼻呼吸では、肺へ送られる前に空気は加湿され、温められます。さらに鼻呼吸は口呼吸に比べて、気管支の入口の湿度を20%ほど高めます。ウイルスは湿度に弱く、鼻呼吸で感染リスクが下がります」つまり、鼻呼吸は空気清浄機のような役割をしてくれるのだ。ところが舌の筋力が落ちるなど、舌が正しい位置にないために、口呼吸の人が多いのが現状。「コロナ禍で拍車がかかりました。しゃべらなくなることで舌が衰え、マスクでは息苦しくなって口呼吸が習慣化してしまうのです」まず、舌が正しい位置にあるかチェックしてほしい。舌が上あごにべったりとくっついているのが正解だ。舌の場所が間違っていると、口呼吸になりやすいという。舌が下がっている“落ちベロ”によって、口唇が乾く、かむと疲れる、よくむせる、ほうれい線が深いなど、口呼吸のシグナルが現れるという。このような不調が現れたら、舌を正しい位置に戻し、鼻呼吸に切り替えること。基本中の基本にあるのが、今井さんが考案した“あいうべ”体操だ。「“あー”は口が丸くなるように開き、“いー”は口を真横に広げ、“うー”は唇をとがらせて、“べー”は舌を出して下方へ伸ばして発音します。朝・昼・晩と10回ずつ、計30回から始めてみましょう。舌の筋肉が鍛えられると、自然と口が閉じられ、鼻呼吸に」さらにマスク生活が続くなか、電車の移動中などでも可能な体操が歯茎をなぞるベロ回しとベロワイパーを組み合わせたエクササイズ“ベロブートキャンプ”だ。「ベロ回しは、口を閉じ、歯と唇の間に舌を入れて、ぐるぐると右に10回、左に10回歯ぐきをなぞります。ベロワイパーは口を閉じ、舌の先端を上あごに沿って、のどちんこのほう(軟口蓋といわれる柔らかい部分)まで反らし、ワイパーのように左右に振って10往復します。最初はきついですが、慣れたら回数を増やしてみましょう」早い人なら2週間ほどで、鼻づまりがひどい人でも2〜3カ月ほどで舌を正しい位置に戻し、鼻呼吸に切り替えられるという。「先日も『舌の体操を始めて10年以上風邪をひいていません』というお便りをいただいたところです」薬に頼らずにインフルエンザを予防するためには、免疫力を高めるビタミンCやタンパク質、粘膜を強化するビタミンA摂取が求められている。今井先生がおすすめするのはしょうが紅茶だ。紅茶に含まれたポリフェノールには15秒ほどでインフルエンザウイルスを無力化させる効果があるという研究結果もある。またしょうがは体を温め、ジンゲロールという成分には殺菌作用があるといわれる。「普通のティーバッグの紅茶に、チューブ入りのしょうがを1cmほど入れるだけです」ベロブートキャンプとしょうが紅茶で、インフルに打ち勝とう。
2023年11月21日おりものや生理などの変化は人と比べることが難しく、なかなか気づかないものですよね。「いつもと違う」と感じたとき、もしかしたら婦人科疾患や性病感染が隠れているかもしれません……。そこで今回のMOREDOORでは、「婦人科疾患に気づいたきっかけエピソード」をご紹介します。Jさんの場合……私は3、4年ほど前にトリコモナスという菌に感染してしまいました。子宮頸がんの検診ついでに性病検査をしてもらい判明しました。元々おりものが少し多かったものの、まさか菌に感染しているとは思っていなかったので驚きました。どんな治療を受けましたか?かなり前のことなのでハッキリとは覚えていないのですが、薬を飲んでの治療だったと思います。近所に有名な産婦人科があったので、そちらを選びました。とても丁寧に説明してくれて安心しました。「性病と聞くと不安なイメージがあると思いますが、実際あなたが患ったのは性病ではなく菌に感染したと考えていただいて大丈夫です」と言っていただけたので安心しました。世の女性陣へ伝えたいことは?性病や性感染症は女性の方はとくに気づきにくいそうです。パートナーに症状が出たため検査したところ、自分も感染していたということはよくあるそうです。性病検査は定期的に行うのがいいと知りました。パートナーと安心して生活するためにも大切なことだと思います。恥ずかしいなどと思う必要はありません。読者からの感想は『性病検査というのは抵抗感を感じますが、パートナーを守るという意味でお互いに受ける必要性を感じました。』『もしも自分がなっていても気づかないだろうなと思いました。心当たりがあるようなことがあれば、怖がらずにしっかり見てもらうようにします!』『性病検査は確かになんとなく恥ずかしいという印象があり、ためらってしまいます。でも身体のことを考えて診察に行くべきですね。』『菌に感染しているのは自分でも分からないと思うので、定期検診が大事なんだなと思いました。』など、実にさまざまなコメントが寄せられました。定期的に婦人科で検査を……Jさんは性病検査を受けた結果、トリコモナス菌に感染していたことがわかりました。自覚症状がなくても菌に感染していることがあるので、積極的に定期的な検査を受けることをおすすめします。※毎月の生理が「いつもと違う」「量が多い」と感じたり、「健診や他の病院で貧血がある」と言われたら、なるべく早めに婦人科に行くことをおすすめします。かかりつけの婦人科医をもつのもよいので、検討してみてください。※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。監修医:新見正則医院院長、新見正則1985年慶應義塾大学医学部卒業。1998年移植免疫学にて英国オックスフォード大学医学博士取得(Doctor of Philosophy)。2002年より帝京大学医学部博士課程指導教授(外科学、移植免疫学、東洋医学)。2013年イグノーベル医学賞受賞(脳と免疫)。20代は外科医、30代は免疫学者、40代は漢方医として研鑽を積む。現在は、世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬フアイアの啓蒙普及のために自由診療のクリニックでがん、難病・難症の治療を行っている。新見正則医院では世界初の抗がんエビデンスを獲得した生薬「フアイア」を使用。最新刊『フローチャート整形外科漢方薬』はAmazonで三冠(臨床外科、整形外科、東洋医学)。下記も好評発売中。「しあわせの見つけ方 予測不能な時代を生きる愛しき娘に贈る書簡32通」(MOREDOOR編集部)
2023年08月23日性感染症のひとつ、尖圭コンジローマを知っていますか?聞きなれない病気ですが、性行為の経験がある人は感染するリスクがあるんです。クイズを通して、この病気について学びましょう!監修医早速クイズ!解説!尖圭コンジローマは、性器周辺にイボができる病気で、症状が落ち着いてもまた再発するリスクがあります。妊婦さんが感染すると、産道で赤ちゃんにウイルスが感染することも。そうすると赤ちゃんも尖圭コンジローマを発症してしまいます。(多発性咽頭乳頭腫という病気を発症することもあります)聞き慣れない上に性行為で感染し、赤ちゃんにまでリスクがあるなんて衝撃ですよね。この尖圭コンジローマは根本的な治療ができません。そのため予防することが大切でしょう。予防するには?予防には、HPVワクチンが有効とされています。HPVワクチンと聞くと、子宮頸がんの予防で有名ですよね。でも実は、さまざまな病気の予防効果があるんです。これから妊娠を考えている若い方は特に、ワクチンも選択肢のひとつとして頭にいれておきましょう。そして気になる症状がある人は、早めに婦人科へ相談に行くことをお忘れなく!ライター草案助産師:MellowingCokeめい(MOREDOOR編集部/イラスト:性教育いらすと)
2023年07月06日性感染症予防として、コンドーム以外の対策があることをご存知ですか?実は、あるワクチンが性感染症の予防に有効なんです。みなさんの中にも、接種したことがあるかも……?監修医クイズを通して確認しましょう!早速クイズ!解説!“子宮頸がんワクチン”として知られているHPVワクチン。HPVとは、性交渉により感染するウイルスのこと。女性の50~80%が一生に一度は感染すると言われています。このようにHPVはごく身の回りにありふれたウイルスですが、まれに病気に進行することも。HPVが原因で感染する病気は、子宮頸がんや肛門がん、尖圭コンジローマなどがあります。尖圭コンジローマって?尖圭コンジローマという名称は、初めて聞く方もいるかもしれません。陰茎や腟や肛門にイボができる病気で、性感染症のひとつです。治療しても根本的に治すことはできないため、予防することが大切でしょう。このように厄介な性感染症ですが、HPVワクチンの接種により予防することが可能です!ただし注意点がHPVワクチンは接種時にすでに感染しているHPVは排除できず、すでに生じているHPV感染症の進行予防効果もありません。そのため、HPVに感染するリスクである性交渉を経験する前にHPVワクチンを接種することが望ましいとされています。また、HPVワクチンはすべてのタイプのHPV感染を予防できるわけではないため、HPV接種後も定期的に子宮頸がん検診を受けることが大切です。さまざま病気をカバーするHPVワクチンHPVワクチンというと子宮頸がん予防の印象が強いですが、それだけではないんですね。今回は、HPVワクチンは性感染症にも有効です、という話でした。あなたの身体を守るために、しっかりと頭に入れておいてくださいね。もちろん、性感染症予防の基本であるコンドームの着用もお忘れなく。ライター草案助産師:MellowingCokeめい(MOREDOOR編集部/イラスト:性教育いらすと)
2023年07月05日性感染症、どうやって予防していますか?コンドームが性感染症に有効なのは、よく知られていることですよね。でも「なぜコンドームが役立つのか」まで知っている人は少ないかも?クイズを通して、確認してみましょう!監修医早速クイズ!ヒント!正解は…解説!性感染症は、病原体(ウイルスや菌)がついているものに触れることで感染します。口や喉についていることもありますが、とくにリスクがあるのは性器です。性器と直接触れるのを防ぐことで、感染予防ができるんです。だからコンドームが役立つんですね。正しい使い方って?ただしコンドームは正しく使わないと、性感染症は予防になりません。正しい使い方は次のとおりです。1:はじめに使用期限やサイズを確認する2:完全に袋を破ってから中身を取り出す3:表裏を確認して装着する4:射精したらすぐに根本を押さえて、精液がこぼれないようにしながら外す。正しくコンドームを使用して、性感染症のリスクを抑えましょう!ライター草案助産師:MellowingCokeめい(MOREDOOR編集部/イラスト:性教育いらすと)
2023年07月02日性感染症について、知っていますか?性感染症は、性生活をしている人なら誰でも感染する可能性があります。知識をつけることは、あなたのためにも大切な人のためにも必要なこと。クイズを通して、しっかりと確認しましょう!監修医早速クイズ!ヒント!正解は…解説!挿入はもちろん、オーラルセックスやキスによっても感染する場合があります。オーラルセックスによる感染はあまり知られていませんよね。コンドームは、性感染症予防の方法として一般的ですが、オーラルセックスをする際に装着しないケースも多いでしょう。そのため知らないうちに感染が拡大していた……なんて場合も。キスで感染ってどういうこと?また可能性は低いですが、キスで性感染症がうつる場合もあります。咽頭や口部がウイルスに感染していれば、触れることでうつるリスクがあるからです。クラミジアや淋菌が喉に感染している場合や、梅毒やヘルペスの症状が口部にある場合は注意しましょう。気をつけなければいけないのはディープキスをするとき。軽いキスの場合、心配する必要はないでしょう。(エイズウイルスであるHIVは軽いキスで感染することはありません)性感染症の検査って?検査方法は3種類。クラミジア、淋菌、カンジダ、トリコモナスは腟や子宮の入り口のおりものを採取して検査するので、痛みはありません。HIV、梅毒、骨盤内クラミジア感染の有無は採血して血液検査をします。性器ヘルペスと尖圭コンジローマは視診だけでわかります。なお、クラミジア、淋菌、HIV、梅毒の検査は結果がわかるまで4~5日かかります。性感染症の検査をしてくれるところは?女性は性病科(性感染症内科)や婦人科、男性は泌尿器科などで検査ができます。さらに全国の保健所でも検査ができますが、指定の日が決まっている場所もあるためお住まいの地域の保健所を調べてみてくださいね。知っておくべき性教育口部に症状がある場合は注意すべきだなんて、あまり教わったことがない知識なので衝撃ですよね。性教育は自分やパートナーを守る大切な知識です。ぜひパートナーともこうした知識を共有して、毎日を安心して過ごせますように!ライター草案助産師:MellowingCokeめい(MOREDOOR編集部/イラスト:性教育いらすと)
2023年07月01日おりものや生理などの異変は人と比べることもできず、なかなか気づかないもの。「いつもと違う」と感じた時は、婦人科疾患や性病感染が隠れているかもしれません。そこで今回のMOREDOORでは、「婦人科疾患に気づいたきっかけエピソード」をご紹介します。監修医Jさんの場合……私は3、4年ほど前にトリコモナスという菌に感染してしまいました。子宮頸がんの検診ついでに性病検査をしてもらい判明しました。元々おりものが少し多かったものの、まさか菌に感染しているとは思っていなかったので驚きました。どんな治療を受けましたか?かなり前のことなのでハッキリとは覚えていないのですが、薬を飲んでの治療だったと思います。近所に有名な産婦人科があったので、そちらを選びました。とても丁寧に説明してくれて安心しました。「性病と聞くと不安なイメージがあると思いますが、実際あなたが患ったのは性病ではなく菌に感染したと考えていただいて大丈夫です」と言っていただけたので安心しました。世の女性陣へ伝えたいことは?性病や性感染症は女性の方はとくに気づきにくいそうです。パートナーに症状が出たため検査したところ、自分も感染していたということはよくあるそうです。性病検査は定期的に行うのがいいと知りました。パートナーと安心して生活するためにも大切なことだと思います。恥ずかしいなどと思う必要はありません。※毎月の生理が「いつもと違う」「量が多い」と感じたり、「健診や他の病院で貧血がある」と言われたら、なるべく早めに婦人科に行くことをおすすめします。かかりつけの婦人科医をもつのもよいので、検討してみてください。定期的に婦人科で検査を……性病検査を受けた結果、トリコモナス菌に感染していたというJさん。Jさんは薬を服用して治療したようですね。自覚症状がなくても菌に感染していることもあるので、皆さんも定期的な検査を心がけてみてくださいね。今回は「婦人科系疾患に気づいたきっかけの話」をお届けしました。※監修医:新見正則医院院長、新見正則※この記事は編集部に寄せられた実話ですが、すべての方が当てはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。(MOREDOOR編集部)
2023年06月25日昨年は新型コロナウイルス感染症対策が功を奏してか、夏の感染症は際立った流行が見られませんでした。最近は人込みに出かけたり、人が集まって活動することも増えてきました。今回は「夏に気をつけたい感染症」をテーマに、「細菌」や「ウイルス」が原因で起こる身近な感染症やその予防策についてAMR臨床リファレンスセンター大野研究員の解説を公開します。■夏に多くみられる感染症●夏かぜ「かぜ」の原因となるウイルスはさまざまで、一年中だれでもかかる疾患です。特に夏に多く流行るものを「夏かぜ」といいます。代表的なものは「咽頭結膜熱」、「手足口病」、「ヘルパンギーナ」です。子どもの間で流行ることが多いですが、大人もかからないわけではありません。「咽頭結膜熱」は高熱、咽頭炎、結膜炎の症状に加えて、腹痛、下痢などの症状をきたすこともあります。感染力が比較的高く、またウイルスの排出が長引くこともあり、学校保健安全法では「主要症状が消退した後2日経過するまで」を出席停止期間の基準として定めています。「手足口病」は発熱と咽頭痛に続き、主に手のひらや足の裏、口の中などにぶつぶつとした発疹が出ます。口の中の粘膜に発疹ができると痛みを伴うことがあり、その痛みで食欲が落ちることもあります。「ヘルパンギーナ」は高熱と咽頭痛、また口の中の粘膜に発疹ができます。口の中の痛みや咽頭痛で食事が摂りにくいときは、辛いものや熱いものなど刺激になるものは控え、喉を通りやすい食事にするなどの工夫をしましょう。しっかり水分を摂ることも大切です。●伝染性膿痂疹(とびひ)夏に多い細菌感染症の一つとして「伝染性膿痂疹(とびひ)」があります。肌荒れや虫刺されなどを掻き壊したところについた細菌が感染を起こし、さらに掻きむしって傷ついた周囲の皮膚に手指を介して感染が広がります。火事で火の粉が飛んで離れたところにも広まる飛び火になぞらえて「とびひ」と呼ばれます。発疹の中にいる細菌を広げないように、掻き壊さないようにしましょう。プールの水を介してうつることはありませんが、直接肌と肌が触れることで自身の症状が悪化したり、他の人にうつす恐れがありますので、プールなどでの水泳や水遊びは治るまでやめましょう。*普段から手洗いをしっかりすること、皮膚を清潔にして、肌荒れのない状態に保つことが重要です。* ●食中毒「食中毒」は細菌、ウイルスや寄生虫などが原因となりますが、特に夏に多いというわけではありません。ただ、暑さで食物が腐敗しやすく、黄色ブドウ球菌の出す毒素が腐敗を招く原因となります。また、バーベキューなどで、加熱が不十分な食肉や魚を食べて、腹痛や下痢症状をきたす食中毒も夏になると多くなりがちです。鶏肉に多く含まれるカンピロバクターや魚に多く含まれるビブリオ菌、大腸菌O-157やサルモネラ菌などが原因として挙げられます。中まで十分に加熱しましょう。常温で保存したカレーや、シチューなどの煮込み料理などはウエルシュ菌の温床となり、通常の加熱では死滅しないことがあるので注意が必要です。生鮮食品、デリバリー料理や弁当は消費期限内に早めに食べきって、常温での長時間保存は避けるようにしましょう。調理の際にも注意が必要です。生肉などには病原菌がついていることがあります。包丁やまな板などの調理器具などはしっかり洗い、乾かしてから片付けましょう。こまめな手洗いも大切です。■夏かぜに抗菌薬は効果がない夏かぜの原因はほとんどがウイルスです。抗菌薬(抗生物質)は、細菌に作用する薬なので、夏かぜの時に抗菌薬をのんでも効果はありません。早く治ることはありません。「かぜ」の原因となるウイルスは数多く存在します。ウイルスはどんどん変異します。インフルエンザや新型コロナウイルス感染症など、一部の感染症には抗ウイルス薬が開発され、使用されていることもあります。しかし、かぜの場合は、免疫力が十分にある人は自然に治っていく疾患であるため、原因となるウイルスを特定したり、その一つひとつのウイルスに対する抗ウイルス薬を開発することは現実的ではありません。かぜをひいたら、つらい症状を和らげる薬(解熱剤、咳止めなど)を服用しながら、体を休めることで一番早く治ります。他の人に感染を広げないようにするために、学校や仕事を休むことも必要です。以前、当センターで行った抗菌薬意識調査*では、体調不良時に休む人は約半数でした。以前に比べると増えてきていますが、まだまだ休めない、休まない人が半数です。かぜのウイルスは、咳やくしゃみの飛沫が飛び散って広がります。体調がすぐれないときは、自分のために体を休めるだけでなく、感染を広げないように休むことも必要です。*抗菌薬意識調査レポート 2021 図1<薬剤耐性>AMR:Antimicrobial Resistance細菌が原因となる感染症の治療薬は抗菌薬(抗生物質)です。本来であれば効果があるはずの抗菌薬が効かなくなった細菌を「薬剤耐性菌」と言います。昨今、この薬剤耐性が世界中で問題になっています。「薬剤耐性菌」がいると、細菌感染症の治療が難しくなるだけでなく、手術前の予防や抗がん剤治療などその他の医療に支障をきたすことがあるからです。薬剤耐性菌の一部は、抗菌薬を必要のない時に使ったり、適切にのまなかったことによって生じます。抗菌薬(抗生物質)は、細菌の構造や増殖の仕組みを壊すことで効果を発揮します。そのため同じ微生物でも、細菌とは構造の異なるウイルスにはまったく効果を発揮しません。「薬剤耐性」の問題は、人の医療だけでなく、動物や環境でも問題になっています。畜産業では、飼育の際に抗菌薬が使われています。動物においても抗菌薬の不適切な使用は「薬剤耐性菌」の増加につながります。■今一度、だれもができる感染対策の見直しを 「咳エチケット」と「手指衛生」暑さが続く毎日で、必要な場所でのマスクの着用や、手洗いが疎かになりがちです。コロナだけでなく、周囲に感染を広げる感染症は多くあります。再度、感染症予防としての「咳エチケット」や「手洗い」を見直しましょう。<咳エチケットと正しい手洗い>かぜのウイルスは咳やくしゃみの飛沫や鼻水にいます。かぜをひいて、咳やくしゃみ、鼻水が出るときにはマスクをしましょう。マスクがなくて、咳やくしゃみが出るときにはティシュやハンカチ、袖の内側でしっかりと口や鼻を覆いましょう。手で口や鼻を押さえると、その手にウイルスがついて広めてしまいます。手はたくさんのモノを触っています。目に見える汚れだけでなく、目に見えない細菌やウイルスなどの病原体がついています。食事の前やトイレ使用後の手洗いはもちろんのこと、正しい手洗いを身に着けて日頃から感染症を予防しましょう。イラストや動画を参照しながら正しい手洗いを覚えましょう。アルコールによる手指衛生も、指先や指の間にもしっかりと刷り込み、よく乾かすことが大切です。動画:正しい手洗いを覚えよう 図2_咳エチケットと手洗い■意外と知らない、「細菌」と「ウイルス」の違い「細菌」と「ウイルス」は大きさも増え方もまったく違う微生物です細菌とは、肉眼では見ることはできない微生物です。大きさは1-10μm程度で、細胞膜と細胞壁に包まれた、一つの細胞から成る単細胞生物です。球形、棒状、螺旋状のものなど形もさまざまです。人や動物の細胞に付いたり、入り込んで定着することができます。感染すると細胞の栄養を取り込み、自分の力で分裂して数を増やします。これを繰り返して増殖します。人の体に侵入して病気を起こす有害な細菌もいれば、人の体の表面や腸の中の環境バランスを整えている細菌(常在菌)もいます。抗菌薬(抗生物質)は細菌を退治するための薬です。ウイルスは、細菌に比べるとはるかに小さく、直径は約0.1μmで、細菌の10分の1から100分の1ほどの大きさです。タンパク質でできた殻の中に、遺伝子をもつ粒子です。細菌と違い自分で増殖ができません。ウイルスは人や動物の細胞の中に入り込み、細胞の中の材料を利用して自分のコピーを大量につくります。増えたウイルスは次々と新しい細胞に入って、細胞を壊しながら増えていきます。かぜ(感冒)はさまざまなウイルスが原因となって起こりますがウイルスは構造や増え方などが細菌とは違うので、抗菌薬(抗生物質)はまったく効きません。図3_ウイルス大きさの比較■大野 茜子(おおの あかね)大野先生プロフィール国立国際医療研究センター病院AMR臨床リファレンスセンター特任研究員小児科専門医長崎大学大学院 熱帯医学グローバルヘルス研究科 MTM修了2020年より現職 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年07月20日大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER)は、感染症に関する情報発信サイト「+CiDER(プラスサイダー)」と、感染症に関する教育コンテンツ配信サイト「CiDER-EDU(サイダーエデュ)」の2つのサイトを公開しました。「+CiDER」URL 「CiDER-EDU」URL ●サイト概要◆「+CiDER」感染症情報をわかりやすく発信するサイトです。文理融合型総合拠点であることの強みを活かし、研究動向、ワクチン・治療薬等に関する医療情報に加えて、感染防御行動による社会経済や社会心理への影響、感染リスク分析や、数理モデルによるシミュレーションなど、感染症に関する多角的な情報を発信します。科学的エビデンスに基づいた信頼性の高い情報を動画コンテンツなどを用いて、幅広い世代の方々にわかりやすく伝えます。+CiDER(プラスサイダー)◆「CiDER-EDU」感染症に関する情報を幅広く動画形式で提供する教育コンテンツ配信プラットフォームです。感染症診療の最前線で活躍している医師らの手によるコンテンツであり、一般の方々から医療従事者まで、いつでも、どこでも、どなたでも、随時追加されるコンテンツを自由に受講できます。CiDER-EDU(サイダーエデュ)【概要】名称 : 大阪大学感染症総合教育研究拠点(CiDER)拠点長: 松浦 善治創設 : 2021年4月拠点HP: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年05月10日現在も薬剤耐性菌が多い犬猫の感染症は将来、さらに耐性化が進み治らなくなるといわれています。新しい感染症治療法であるファージセラピーを、それらに対して実用化する研究について、医療法人社団予防会(本社所在地:東京都新宿区、代表:下村 正美)は、早稲田大学・ハナ動物病院と共に取り組んでいます。2022年4月25日より、この研究の資金を集めるクラウドファンディングを開始しました。クラウドファンディングサイト「READYFOR」: さらに、クラウドファンディングイベントとして、5月24日21時30分より「犬猫の感染症について~膿皮症を中心に、保護犬猫の感染症も含めて~ 獣医師による座談会(ハナ動物病院院長太田先生、犬と猫の皮膚科院長村山先生)」を行います。医療法人社団予防会は、現在、性感染症検査・治療を中心に行っています。予防会グループの1つである新宿サテライトクリニックの院長を務める北岡は、早稲田大学と協同して、新しい感染症治療法の研究開発にも取り組んでいます。【ファージセラピーについて】現在注力しているのが、バクテリオファージという細菌にのみ感染する生物を使用したファージセラピーという治療法の実用化です。ファージセラピーとは、バクテリオファージという細菌にのみ感染する生物を用い、感染症を引き起こしている細菌を死滅させて、感染症を治癒する治療法です。実は、1920年代に実際に使用されていましたが、抗生物質の隆盛により、廃れていました。昨今の薬剤耐性菌の増加に伴い見直され、海外では応用されている国もあります。しかし、海外で使用されている製剤は効果十分とは言えず、また、日本では、臨床試験すら行われていない状態です。理由の1つとしては、ファージセラピーの研究が、理工学的な研究が中心であり、臨床現場のイメージがなく、実用性が不十分であったということが挙げられます。そこで、感染症の現場を知る医師が研究に取り組むことによって、十分な効果を持ち、実用性のある形でファージセラピーを提供できるようにしようとしています。例えば、北岡は今まで感染症流行株の調査に取り組んできたので、実際に感染症現場で流行している株に対応するファージを準備するといった工夫を行い研究しています。ファージセラピー【犬猫の感染症について】様々な検討を重ね、映画「犬部!」のモデルとなったハナ動物病院の太田先生( )のご協力を得て、まずは、犬猫の感染症に対するファージセラピーの実用化を目指すことにしました。犬猫の感染症の原因菌の薬剤耐性化の速度は著しく、例えば、犬の感染症の主要な病原菌であるスタフィロコッカス・シュードインターメディウスという細菌の危険な耐性菌(MRSP)は、スタフィロコッカス・シュードインターメディウスの中で67%を占めると報告されています(Kawakami T, Shibata S, Murayama N, Nagata M, Nishifuji K, Iwasaki T, Fukata T. Antimicrobial susceptibility and methicillin resistance in Staphylococcus pseudintermedius and Staphylococcus schleiferi subsp. coagulans isolated from dogs with pyoderma in Japan. J Vet Med Sci. 2010 Dec;72(12):1615-9.)。太田先生の実際の診療現場でも、動物病院で使用できる抗生物質が何も効かず、治癒しない感染症があるということです。膿皮症と呼ばれる皮膚の感染症で遭遇することが多く、その場合、犬は痒みが止まらず、夜も十分に寝られず、一日中しょんぼりしているという非常に可哀想な状態になるということでした。このままでは、そのような状況が多発するようになると言われており、そんな未来を防ぐために、ファージセラピーを応用しようとしています。【ファージセラピーの未来】犬猫に限らず、ヒトを含め動物全体の感染症で薬剤耐性菌は深刻であり、2050年には耐性菌による感染症の死亡が世界第一位の死因となると予想されています(O'Neill, J. Tackling Drug-Resistant Infections Globally: Final Report and Recommendations. 2016)。性感染症においても、例えば、淋菌に対する第一選択薬のセフトリアキソンの耐性菌が増加し、アメリカ疾病予防管理センター(CDC)から、セフトリアキソン単独療法は推奨しないと発表されるに至っています(日本と欧米では用量が異なるため、日本の用量では現在でも単独療法が可能と言われてはいます)(St Cyr S, Barbee L, Workowski KA, Bachmann LH, Pham C, Schlanger K, Torrone E, Weinstock H, Kersh EN, Thorpe P. Update to CDC's Treatment Guidelines for Gonococcal Infection, 2020. MMWR Morb Mortal Wkly Rep. 2020 Dec 18;69(50):1911-1916.)。このファージセラピーの実現をきっかけとして、ヒトを含めた動物の他の様々な細菌感染症へファージセラピーを実現できれば、将来感染症に多くのヒト・動物が苦しめられるようになる未来を変えることができます。将来の耐性菌感染死亡【クラウドファンディングご支援のお願い】ファージセラピーはすでに海外では研究が進んでおり、このままではファージ製品もコロナワクチンのように海外製に頼ることになってしまいます。なんとか日本発のファージセラピー製品を実現し、科学技術立国としての姿を少しでも取り戻すことに寄与したいと思います。しかし、こういった新しい薬剤の実用化研究には国などからの研究費が充てられづらく、現時点の予防会だけの資金力で研究を進めることが困難となりました。そこで、クラウドファンディングを行うことにしました。現在、開始2日目で6%達成しています。ご協力よろしくお願いします。【クラウドファンディングイベントのお知らせ】今回のクラウドファンディングで研究対象としている犬猫の感染症について、獣医師の太田先生(ハナ動物病院)、村山先生(犬と猫の皮膚科)による、座談会を開催いたします。なかなか、このような感染症についてざっくばらんなお話を伺える機会は少ないです。村山先生は国内で数人しかいないアジア獣医皮膚科専門医でおられ、正しい知識を吸収することができます。また、太田先生による保護犬猫の感染症もお話しいただけます。参加費無料で、コメントに記載いただければ、質疑応答可能です。ぜひご参加ください。【クラウドファンディングの概要】クラウドファンディング名 : 感染症に苦しむ犬猫たちを救うために、感染症治療法の研究をクラウドファンディングURL: 目的 :耐性化が深刻な犬猫の感染症へ、新しい感染症治療法であるファージセラピーを、実用化する研究を行っています。不足している研究費を獲得するために、クラウドファンディングを開始します。目標金額:150万期間 :2022年4月25日10時-6月17日23時使途 :犬猫の感染症へのファージセラピー研究を進めます。実用化に最適なファージの探索を行い、論文化まで行います。さらに資金が獲得できれば、ファージを実際に実用するために必要な性質の確認(安定性試験など)を行います。SNS : 動画: クラウドファンディング【クラウドファンディングイベントの概要】クラウドファンディング名:犬猫の感染症について~膿皮症を中心に、保護犬猫の感染症も含めて~ 獣医師による座談会クラウドファンディングイベントURL:北岡のYoutubeチャンネル( )を用いてZoomのオンライン配信 URLは配信日が近くなったら上記SNSで告知いたします。内容 :獣医師2人をお迎えして、膿皮症を中心に犬や猫の感染症について、概説、苦労した症例、保護犬猫の感染症などをお話しいただきます。コメントいただければ、そこから質問にもお答えいたします。日時 :2022年5月24日21時30分-22時30分参加費:無料■リターンにつきましてクラウドファンディングの内容が研究費用のご支援となりますので、プロダクトのリターンはございませんが、以下のようなリターンを用意しております。・ファージキャラクターポストカード:本クラウドファンディングのファージキャラクター入りポストカードを送付いたします。・実験体験動画「ファージで犬猫原因菌を倒そう」:本クラウドファンディングにより得た資金によって行う研究の実験の一部を体験できる動画を提供します。ファージによって、犬猫の感染症原因菌を殺菌する様子をお見せします。・愛犬・愛猫動画:本クラウドファンディングのトップ画像の犬猫の散歩などの動画と共にお礼動画を提供します。・早稲田大学研究室ツアー:研究室にご訪問いただき、早稲田大学招聘研究員も務めている北岡よりご案内に加えて研究室メンバーとの懇談会を行います。遠方の方や希望される方には、動画の提供と致します。・ハナ動物病院太田先生と新宿サテライトクリニック北岡との座談会:Zoomを使用した、座談会にご参加いただけます。内容は「犬猫の感染症、保護犬猫について」となります。【会社概要】名称 :医療法人社団予防会代表者:理事長 下村 正美所在地:東京都新宿区北新宿1-13-19 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年04月28日「自宅療養者が増えることにより、同居する家族も感染してしまうケースが増えています」こう警鐘を鳴らすのは、日本感染症学会専門医で、東京歯科大学市川総合病院の寺嶋毅教授。日本中で猛威を振るうオミクロン株。感染拡大とともに“自宅療養”を強いられる人が急増している。厚生労働省によると、1月26日時点で全国の自宅療養者数は26万4,859人。コロナの療養者(約41万人)の半数を超える人が、自宅療養を強いられている状況だ。自宅療養期間は、症状のある人の場合は、発症日から10日間経過し、かつ、症状軽快後72時間経過すると解除される。もし、自分や家族の誰かが感染者となり、自宅療養になったらどのような対策をとればいいのか、寺嶋教授に聞いた。【1】隔離部屋を作る感染対策の基本は、自宅内に「隔離部屋を作る」ことで、感染者と非感染者が極力接触しないようにすることだという。「室内には体温計やアルコール消毒液、ゴミ袋、ペットボトル2リットルサイズのミネラルウオーターや食べ物などを多めにストックし、トイレ、入浴以外は部屋から出ないようにします。電気ポットがあれば、お茶や粉末スープ、カップ麺なども部屋で食べられます」【2】家族全員がマスクを着用する「自宅療養期間中は、感染者以外も、『家族全員がマスクを着用する』ことが大切です。そのうえで、ソーシャルディスタンスをとる」【3】すべての部屋を小まめに換気する「すべての部屋を小まめに換気する」必要がある。「部屋に2カ所窓があるのが理想です。窓は30分に1回、5分程度、10センチぐらい開けて空気を入れ替えます。窓が1カ所の場合は、扇風機を回して空気を循環させる。『隔離部屋』だけではなく、非感染者の部屋も同様に換気します」【4】トイレに行くことを感染者は家族に伝える「トイレに行くことを感染者は家族に伝える」ことも大切。「感染者が部屋を出るときは、事前に家族に伝えることが必須です。たとえば、部屋から呼びかける。あるいは携帯で連絡するなど、廊下での鉢合わせを防ぐ。確認後に、感染者はマスクを着け、手の消毒をしてからトイレに行きます」使用後、非感染者はすぐにトイレの中に入らない。「換気扇がある場合は、常時回しておく。そして時間をおいてから感染者が手を触れたトイレのドアノブ、流水レバー、洗面所の蛇口などをアルコール消毒液や次亜塩素酸ナトリウム水溶液を含んだタオルなどで拭き消毒しましょう」【5】入浴の頻度を減らし、翌日にそうじする10日という長丁場となれば、感染者も入浴する必要がある。その場合、「入浴の頻度を減らし、翌日にそうじする」。「感染者の入浴は2〜3日に1回にし、家族の中で最後に入りましょう。浴室の換気扇をずっと回しておくことが望ましいです。換気扇を常時回しておけば、翌日にはウイルスはかなり減っているはずです。翌日に非感染者がお風呂に入る前に浴室内を洗剤で洗い流してください」【6】食事も「隔離部屋」で食べるトイレと入浴以外は、基本的に感染者は隔離部屋で過ごす。「食事も『隔離部屋』で食べる」。「食事は部屋のドア前に置いて、非感染者と接触しないことを確認してから、感染者はドアを開けましょう。洗い物は出さないように、お皿やコップ、お箸などは“使い捨て”のものがおすすめです」自分や家族が感染してしまったときのために、心とモノの準備を忘れずに。
2022年02月04日芸能界でタレントたちの新型コロナ感染が相次いでいる。1月24日にはアミューズがディーン・フジオカ(41)の感染を報告した。「当社所属アーティストであるDean Fujiokaが、新型コロナウイルスに感染していることが確認されましたことをご報告いたします。発熱があった為、医療機関にてPCR検査を受検したところ、陽性であると判断されました。なお、現在容体は安定しており、今後は保健所の指示に従い療養する予定です」だが実はディーンは人一倍、感染対策に励んでいたようだ。本誌が彼を東京都内で目撃したのは昨年9月。マネージャーとおぼしき男性と道を歩いていたディーンは、30度を超える暑さにも関わらず、マスクを2重につけていたのだ。黒マスクの上に不織布のマスクをピッタリと重ねており、熱中症対策のために水の入ったペットボトルも携行していた。厳重な対策にも関わらず、感染者を増やしていくオミクロン株には慄然とせざるを得ない。
2022年02月02日デルタ株の3〜5倍とされる強い感染力で、国内でも感染が広がっているオミクロン株。その脅威を前に、私たちに何ができるのだろうか。「オミクロン株も新型コロナウイルスの変異株ですから、これまでの予防と変わらずマスク着用と手洗い、こまめな換気が基本です。さらに、鼻の穴の奥を洗浄する『鼻うがい』を加えることが効果的でしょう」そう語るのは、免疫システムに詳しい、堀田修クリニック院長の堀田修先生。うがいはこまめにしている人も多いが、「鼻うがい」がどうして大切なのだろう。『ウイルスを寄せつけない!痛くない鼻うがい』(KADOKAWA)の著書がある堀田先生に、鼻うがいで得られる効果を聞いた。「オミクロン株はデルタ株に比べて、重症化を引き起こす免疫機能の暴走『サイトカインストーム』を起こしにくいタイプであることに加え、肺炎も起こしにくく、また鼻の奥にある『上咽頭』で増殖しやすい特性があると報告されています。上咽頭は、体内に侵入してきたウイルスと真っ先に闘うための免疫細胞が密集している、いわば免疫システムの最前線。細かい毛の生えた繊毛上皮細胞で覆われていて、そこに免疫の監視役として多数のリンパ球が入り込んでウイルスの侵入を防ぎます。しかし、乾燥した状態が続くなどして繊毛上皮細胞が傷んでしまうと、この働きは低下してしまいます。鼻うがいには、上咽頭を洗浄し、繊毛上皮細胞の働きを活性化させる効果があります」(堀田先生・以下同)PCR検査では、鼻の奥の粘膜を綿棒でこすって検体を採取する。つまり、上咽頭は私たちが新型コロナウイルスに最初に「感染」する場所ともいえる。免疫の最前線である上咽頭の防御システムを強化することが、鼻うがいの狙いのひとつだ。「さらに、吸気を介して運悪くコロナウイルスが上咽頭に入り込んでしまった場合でも、オミクロン株の潜伏期間はおおむね3日。ウイルスが増殖するまでの間に洗い流してしまうことが重要です。みなさんが日ごろ行っている『ガラガラ口うがい』で洗えるのは中咽頭(口の奥)だけで、上咽頭に多く付着しているウイルスは洗い流せません。うがいでウイルスを除去するという点においては、鼻うがいのほうが有効といえるのです」’20年には、米国のオーガスタ大学で、新型コロナウイルス感染症の患者79人に2週間にわたって鼻うがいを実施したところ、重症化率が8分の1にまで低下したと報告されている。「英国エジンバラ大学が’19年に発表した研究では、鼻うがいの習慣によってかぜの罹患期間が22%短縮され、家族への感染も35%減少したという結果が得られています。この研究チームは、新型コロナウイルスの感染予防のために、鼻うがいを実践すべきだと提唱しています」こうしたエビデンスのあるものであれば、ぜひ日常に取り入れたいところ。ドラッグストアでは専用の鼻うがいキットが複数販売されている。それらを使うのも手だが、鼻うがいは身近にあるもので実施できる。用意するのは100円ショップなどで手に入るドレッシングボトルなどの容器と食塩水だけ。容器は、使用前後に煮沸消毒することを忘れずに。「1回の鼻うがいで使用するのは食塩水200〜250ミリリットルほど。朝と晩の1日2回行うのが原則ですが、帰宅した直後や、のどがイガイガするときなど、必要に応じて増やしてもかまいません。鼻うがい用の食塩水は、水道水1リットルに対して食塩10グラム(小さじ約2杯)を混ぜて溶かすだけ。使用する塩は粗塩(天然塩)でも食塩(精製塩)でもいいでしょう。水道水は煮沸したほうがいいといわれることもありますが、日本の水道水の水質基準は厳しいため、飲料水として使用可能なら、そのまま使っても問題ないと私は考えています」■頭を左右に傾けずに行うのがポイント堀田先生は、快適に鼻うがいをするために、水道水を人肌〜40度ぐらいに温めて使っているという。【「鼻うがい」基本のやり方】(1)軽くうつむいた感じで、片方の鼻孔(鼻の穴)にボトルの先をつける。(2)「えー」と声を出しながら、ボトルに圧をかけて食塩水を鼻の中に流し込む(はじめは圧を強くかけすぎないように注意)。もう片方の鼻孔、もしくは口に水が出てくればOK。反対側の鼻孔でも同様に行う。ポイントは、頭を左右に傾けないようにして、ゆっくり食塩水を注入すること。「その際の圧力が弱すぎると上咽頭まで届きませんが、強すぎると耳管に水が入って中耳炎を起こすことがあるのでご注意を。最初は軽く圧をかけて、徐々に自分で手ごろな力加減を見つけてください」鼻うがいは自分で鼻をかむことができる幼児から高齢者まで行えるが、急性中耳炎、滲出性中耳炎、声帯まひ、誤嚥を起こしやすい人、黄色いドロドロした鼻水が出る膿性鼻汁の多い人は避けたほうがいいそうだ。「鼻うがいで上咽頭をケアすることで、オミクロン株対策のほか、花粉症の症状軽減、かぜ予防にもなります。ぜひ家族全員で鼻うがいを習慣にしてほしいです」毎日の鼻うがいで私たちの体に備わった免疫システムの最前線をフル稼働させ、感染力の強いウイルスから体を守ろう。■「鼻うがい」基本のやり方
2022年01月21日このお話は作者ようみんさんに寄せられたエピソードを漫画化しています。■前回のあらすじ1ヶ月健診で、救急時に次男を診てくれた先生と再会。あらためて、先生から伝えられた内容は…?最初に診てもらっていたクリニックには今でもお世話になっていて、検診や育児相談など、いつも親身になってもらっています。新生児や0歳の赤ちゃんは病状が急変することがあるので、「あれ?何かおかしいな」と思ったら迷わず病院に行ってほしいです。お読みいただきありがとうございました。本記事はあくまで筆者の体験談であり、症状を説明したり、医学的・科学的な根拠を保証したりするものではありません。気になる症状がある場合は医師にご相談ください。
2022年01月14日オミクロン株が世界で急速に拡大するなか、最も重要なのは“これまでどおりの感染対策”だ。中国で新型コロナウイルスが発見されてはや2年。これまで提唱されてきた感染対策のなかには間違ったもの、現実にそぐわないものもある。「すべてを完璧にこなそうとすると精神的にも疲弊します。ある程度の“仕分け”をしてもいいかもしれません」そう語るのは、東北大学災害科学国際研究所の医師・児玉栄一さん。では、感染者がある程度、抑制できている現在の日本において、年末年始はどこまで対策すべきなのか。専門家に聞いたーー。■続けるべき対策3密回避、マスク着用、手洗い、ワクチン接種は基本中の基本。「ナビタスクリニック」理事長で内科医の久住英二さんはこう語る。「マスクで50%、手洗いで50%、距離を保つことで25%ほど感染リスクを下げられるといわれます。オミクロン株対策のためにも、3回目のブースター接種はなるべく早くに受けておきましょう」マスクの種類も重要だ。「世界中で、効果的な素材が研究されていますが、どのデータでも一般の人にとって1位となるのは不織布です。しかし、いくら不織布でも鼻を出した状態では無意味。正しく装着しましょう」(児玉さん)■できれば続けるべき対策カラオケの自粛は、もう少し続けたほうがいいかもしれない。「歌う行為で飛沫が飛びます。コーラスで感染が広がったケースもありました。どうしてもカラオケをする場合は、いつも一緒にいるメンバーや家族など限られた人で、広めの部屋を選びましょう」(久住さん)コロナウイルスは便にも混じっているため、トイレを流す際、便座のフタを閉めることが呼びかけられていたが。「ノロウイルスなど、コロナ以外の対策にもなるので、今後も続けていい習慣ですね」(久住さん)■感染者が増えなければ、やめていい対策新規感染者が全国で300人以下に抑えられている現在の感染状況が続けば、’21年末に自粛していた行為をある程度、解禁しても構わない。米国立研究機関の博士研究員・峰宗太郎さんはこう語る。「自粛していた忘年会や新年会は、感染状況が落ち着いていれば行ってもいいでしょう。マスク会食は難しい部分もありますが、料理は小分けしてもらう、密にならないようにし、定期的な換気をしてくれる店を選ぶなど、対策を忘れずに」屋外のスポーツ観戦、話さないクラシックコンサートや映画鑑賞なども、基本的な感染対策をすれば、自粛しなくてもよさそう。「初詣でも問題ないでしょう。鈴を鳴らしても、そのあと手洗いすれば安心です。混雑を避けるため、元日にこだわらないほうがいいでしょう」(久住さん)帰省を計画している人は?「新幹線の移動中、到着先でお酒を飲んで騒がない、風邪症状があれば中止しましょう。帰省前に抗原検査をする人もいますが、無症状の場合は約50%も見逃されるので、過信は禁物」(児玉さん)また、うがいによる感染対策も。「口腔内の洗浄には役立ちますが、水が行き届かない喉や鼻の奥で感染しているので、あまり効果は期待できません」(児玉さん)■やめていい対策家庭内マスクは家族に感染者がいなければ、「現実的には無理がある」というのが、専門家の一致した考え。家庭内の感染対策では加湿器の水に次亜塩素酸を混ぜる“空間除菌”を実践した人もいるはず。「濃度が高いと肺へのダメージになるのでやめるべき」(久住さん)「飛沫が発せられて、人の体内に飛び込むまでの一瞬で無害化するのは無理です」(峰さん)マスクにフェースシールドをつけている慎重派の人もいるが。「患者さんに近距離で接する医師や、介護士でなければ、マスクだけで十分です」(児玉さん)最後に久住さんがこうアドバイスする。「年末、仕事や忘年会が立て込み、疲労が原因で正月に風邪をひいてしまう人もいます。睡眠時間をとる、暴飲暴食をしないなどの体調管理も、感染対策です」オミクロン株を含むウイルスの動向に注目しつつ、ストレスをためないシンプルで正しい感染対策で、年末年始を乗り切ろう。
2021年12月29日国内でも感染者が確認されはじめている、新たな変異株。その強い感染力と、既存の変異株では見られなかった広がり方から、「これまでの常識が通用しない」と、医師は警戒を呼び掛けるーー。「オミクロン株は、アフリカ、ヨーロッパを中心に70カ国以上に広がっており、日本国内でも徐々に感染者が見つかっています。オランダでは、11月中旬に採取された検体からオミクロン株が発見されたという報告も。日本でもすでに市中に入り込んでいると考えるのが妥当でしょう」こう警鐘を鳴らすのは、医療ガバナンス研究所の理事長で内科医の上昌広さんだ。オミクロン株は、11月末にWHO(世界保健機関)がVOC(懸念される変異株)に分類した変異株。最初に発見された南アフリカでの1日あたりの新規感染者は2万人に達し、11月下旬と比較すると約6倍以上に増加している。「このまま世界的に感染が拡大していくのか、慎重に経緯を見なければなりません。これまでのコロナウイルスの傾向からすると、イギリスやインドで発見されたアルファ株、デルタ株は主に北半球で流行し、ラムダ株、ベータ株、ガンマ株など南半球で流行した変異株は、北半球で広がりを見せることはありませんでした」(上さん・以下同)つまり、南半球で発見されたオミクロン株は、北半球では流行しないと思いたいところだがーー。「心配なのはアメリカの状況です。アメリカでは、ゲノム解析した新型コロナ患者全体の14%がすでにオミクロン株で、隣国のカナダでも10%と急増しているという報告があります。変異株に対するこれまでの常識は通じないでしょう」すでにデルタ株以上の感染力が確実視されているが、重症度リスクはどうか。南アフリカでは、オミクロン株の拡大以降も、入院患者や死亡者数に大きな変化はないという。「そのため、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ氏は『より正確な解析をするために数週間以上かかる』としながらも、現段階で『デルタ株よりも軽いことはほぼ確実』と述べました」感染力が強くなるものの、弱毒化するのであれば、新型コロナが「普通の風邪」になる1つのステップという見方もあるがーー。「まだオミクロン株の解明が進んでいないなか、けっして安心することはできません。とにかく、今年の冬の流行期を乗り切ることが肝心です。高齢者や基礎疾患のある人たちは、2回目のワクチン接種から約半年がたち、効果が下がっています。私自身、2回目接種から150日後に受けた検査では、抗体がほぼなくなっている状態でした」そのために求められるのが、迅速な“ブースター接種(3回目の接種)”だ。しかし、既存のワクチンでオミクロン株に対する効果は期待できるのだろうか。ワクチンがウイルスを攻撃するための標的となる、“スパイクタンパク質”と呼ばれる部分の変異が、オミクロン株では30カ所以上にものぼる。そのため「ワクチン効果は下がる」と考える専門家は多い。モデルナ社のCEOも「現行のワクチンではオミクロン株への効果は下がる」と言及している。南アフリカの国立感染研究所は、従来型に感染し、免疫を獲得している人が“再感染”するリスクが、デルタ株などに比べ3倍も増していると発表している。■3回目接種で、抗体値を高めるさらにヨーロッパでは、2回のワクチン接種を済ませている人がコロナに感染する“ブレークスルー感染”の頻度が高まるというデータが出ているのだ。「たしかに、ワクチンはウイルスが変異するたびにその効果が下がるものです。しかし、それは感染予防効果であって、重症化予防に関しては、従来型もデルタ株でも大きな差はなかったため、オミクロン株に対しても期待できます」12月9日、ファイザー社は、「オミクロン株へのワクチン効果は、ブースター接種によって25倍になる」と発表している。「現段階において私たちにできることは、可能な人からブースター接種をして、抗体価を高めること。同じm-RNAワクチンであるファイザー社とモデルナ社のワクチンの『交差接種』も、今後は増えていく見込みです。副反応に関しては、現状で2回目接種のときよりひどくなる確率は低いとされています。ブースター接種は、オミクロン株だけでなくデルタ株対策にもなる。イスラエルでは、ブースター接種によって重症化率が20分の1、感染率が10分の1に抑えられると報告されているのです」ワクチン接種に加え、検査体制にも早急に是正すべき点があると上さんはいう。「デルタ株が猛威を振るった首都圏や大阪など、オミクロン株の広がりが想定される地域においては、無症状の人であっても無料のPCR検査を積極的に行って、いち早く感染者を割り出し、感染拡大を食い止めることが必須です」■次のピークは来年の1月下旬〜2月初旬か空港で実施されている抗原検査を用いた検疫体制も、PCR検査に比べ精度が低いと指摘する。「CDC(米疾病予防管理センター)の調査では、PCR検査で発見された“陽性者”のうち、抗原検査では“症状のある陽性者”で8割、“症状のない陽性者”では4割しか割り出せなかったといいます」医療の受入れ体制に関しても、今夏のデルタ株流行の際、コロナ病床として補助金を受け取りながら、患者を受け入れない“幽霊病床”があったことも問題視されたため、不安が残るところだ。「非難の的になった国立病院や、尾身茂氏が理事長を務める地域医療機能推進機構も、これまで以上の数の患者を受け入れざるをえないでしょう。重症者を受け入れ、高度医療ができる病院同士の連携が求められます」現役世代がブースター接種を受けるのは年明け以降になる。この冬は、これまでどおりに密を避け、マスク着用、手洗いなどの徹底した感染対策を続けることが求められる。「昨冬は、1月10〜11日あたりにコロナのピークがきました。オミクロン株の感染力が予想されているレベルであれば、流行期間は長くなり、ピークがやってくるのは1月下旬から2月初旬あたりになるでしょう」“第6波”を大規模なものにさせないためにも、けっして気を緩めてはならないのだ。
2021年12月17日このたび、日本アビオニクス株式会社(本社:神奈川県横浜市、社長:竹内 正人)は、観光庁の宿泊事業者による感染防止対策等への支援事業*1に伴い、感染拡大防止対策製品として、主力の体表温度測定用サーモグラフィに空気清浄機などをラインアップに加え、さらに、補助金の活用・申請のご相談に関するサポートサービスを組み合わせて、宿泊事業者様向けのソリューション提案を強化して参ります。また、当社が編集委員会に参加して発行された「発熱者スクリーニングサーモグラフィ運用ガイド」*2をご活用いただくことにより、スクリーニングサーモグラフィの正しいご利用にお役立ていただけます。今後、宿泊事業者様や観光事業者様におかれましては、国内外の観光客受け入れの為に、感染防止対策機材等の環境整備が見込まれますが、当社は、こうした事業の一助になることを目指して、安心で安全な社会への貢献を進めて参ります。【宿泊事業者様向け:サーモグラフィによる感染防止対策ソリューション】感染防止対策ソリューション【ホテル施設での使用例】体表温度測定用サーモグラフィ千葉県 ホテル・ザ・マンハッタン様【セミナーのお知らせ】当社と株式会社補助金ポータル、および株式会社DotHomesの3社共催セミナーで、宿泊事業者様向けに補助金・助成金を活用したサーモグラフィ導入に関して紹介します。下記のURLよりお申込み頂けます。 ● 事業再構築補助金を活用した高収益なグランピング事業の始め方と感染症対策セミナー● 日時:2021年10月7日(木) 14:00~15:30● 主催:株式会社補助金ポータル、株式会社DotHomes、日本アビオニクス株式会社● 概要:株式会社補助金ポータルは、株式会社DotHomes、日本アビオニクス株式会社と事業再構築補助金の活用方法や高収益が期待できるグランピング事業のビジネスモデル、withコロナで準備しておきたいサーモグラフィなどを活用した感染症対策、補助金の案内や補助金を活用しての導入方法を解説する無料オンラインセミナーを開催します。Zoomでお気軽にご視聴いただけますので、ぜひご参加ください。*1 宿泊事業者による感染防止対策等への支援事業:観光庁のホームページより引用 *2 「発熱者スクリーニングサーモグラフィ運用ガイド」:一般社団法人日本赤外線サーモグラフィ協会 発行 *本稿に記載されるサーモグラフィは、体温計等の医療機器ではありません。*本製品(サーモグラフィ)で測定されるのは、顔の体表温度であり、実際に体温を計測する装置ではありません。*本製品(サーモグラフィ)の利用により取得される、特定の個人を識別できる情報は“個人情報”に該当します。個人情報は、個人情報保護法その他の関連法令・ガイドラインに従ってご利用ください。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2021年09月22日2回ワクチンを接種したにもかかわらず、新型コロナに感染するブレイクスルー感染。「2回接種して、油断もなかったのに……なぜ」に、専門医が解説ーー!「9月7日に、福井県で報告された病院クラスターでは、感染者10人のうち、7人がワクチン接種を完了していました。札幌の老人ホームでも、入居者25人中24人がワクチン接種を2回済ませていたにもかかわらず、入居者6人の感染が判明したばかりです」(医療ジャーナリスト)新型コロナワクチンを2回接種してから、約2週間で十分な免疫を得られる。だが、それでもコロナに感染する、いわゆる「ブレイクスルー感染」をする人が急増しているという。いったいどんな人が感染するのか、重症化しやすいのか。専門家に聞いた。【Q1】ワクチンの種類、接種時期との関係は?「米国メイヨークリニックがミネソタ州で、デルタ変異ウイルス流行中に行った調査によると、ワクチンの発症予防効果はモデルナ製が86%、ファイザー製は76%あります。別の研究ですが、アストラゼネカ製は67%と少し落ちています。ただ、あくまで発症予防効果であって、重症感染予防効果は高く、3つのワクチンに大きな違いはないと思われます」(米国立研究機関の博士研究員・峰宗太郎さん)時間がたつとともにワクチンで得た抗体は減ってしまう。「抗体が減るまでには個人差があるものの、2回接種して半年から8カ月後くらいが目安。そのころからブレイクスルー感染は多くなると考えられています。そのため、検討されているのが3回目接種です。イスラエルでは3回目の接種がすでに始まって2〜3割の人が終わっていますが、86%の感染予防効果があるといわれています」(埼玉医科大学の松井政則さん)ワクチンには感染予防・発症予防・重症感染予防の3つの役割があるというが、抗体が減っても、重症感染予防に関しては一定期間、持続するという。「重症感染予防に重点を置くなら、一般の人への3回目の接種は今は時期尚早です」(峰さん)ちなみに、北海道で医療機関に出入りする80代男性が“免疫が上がるから”と、4月から7月にわたって計4回も不正にワクチン接種したことが報じられたが。「抗体がたくさんあるときにブーストしても、意味はありません」(松井さん)【Q2】新たな変異株でリスクは高くなる?従来株に比べて、変異株にはワクチンが効きにくい。ただし、重症化を防ぐ効果は、現在存在している変異株に対しても期待できるという。しかし、さらに変異を繰り返した場合は危険だ。「デルタ、ラムダ、ミューからさらに進んで、シグマ、オメガまで出現すれば、既存のワクチンでは対応できなくなるでしょう。その場合は、現在のワクチンからマイナーチェンジした新しいワクチンが必要になります。mRNAワクチンは比較的スピーディーに開発でき、かつ大量生産できる特徴があるので、対応は可能でしょう」(ナビタスクリニック理事長・久住英二さん)【Q3】いつまで気を付ければいいの?ワクチンを打っても、ブレイクスルー感染のリスクはある。結局、いつになれば、昔のような生活に戻れるのだろう。「ワクチン接種が進むイスラエルでも感染者が増加傾向にありましたので、当面はワクチン接種を終えていてもマスク、密を避けるなどの感染対策は必要です」(峰さん)コロナとは気長に戦っていくしかない。「ブレイクスルー感染しても、重症化するケースは少ないように、ワクチンの効果はあるので、接種率を高めることは重要です。一方、接種率70%で集団免疫が得られると考えられていましたが、90%以上必要との見方もあります。ワクチン頼みではなく、現在、開発が進んでいる複数の治療薬が待たれるところです。ワクチン・治療薬の両輪が動きだせば、新型コロナが“ただの風邪”になる日も近いと思います」(松井さん)まだしばらくは、マスクが手放せない日々が続きそうだ。
2021年09月16日2回ワクチンを接種したにもかかわらず、新型コロナに感染するブレイクスルー感染。「せっかくつらい副反応にも耐えたのに、そんな目にあいたくない」と思っているあなたに、対処法を教えますーー!「9月7日に、福井県で報告された病院クラスターでは、感染者10人のうち、7人がワクチン接種を完了していました。札幌の老人ホームでも、入居者25人中24人がワクチン接種を2回済ませていたにもかかわらず、入居者6人の感染が判明したばかりです」(医療ジャーナリスト)新型コロナワクチンを2回接種してから、約2週間で十分な免疫を得られる。だが、それでもコロナに感染する、いわゆる「ブレイクスルー感染」をする人が急増しているという。いったいどんな人が感染するのか、重症化しやすいのか。専門家に聞いた。【Q1】なぜブレイクスルー感染するの?「そもそもワクチンの有効率は100%ではありません。特に現在の流行の中心であるデルタ株については、アルファ株よりも感染力が高く、入院リスクが2倍高いといわれているので、どうしても“網の目(ワクチン)”からこぼれ落ちてしまう“水(感染)”があるのです。ただし、重症化するケースは少なく、ほとんどが軽症です」(ナビタスクリニック理事長・久住英二さん)ブレイクスルー感染する可能性もけっして高くない。「査読前の論文ですが、ニューヨーク大学の研究者が行ったワクチン接種を完了した約12万6,000人を対象にした調査では、101件のブレイクスルー感染がありました。ワクチンを2回接種した人が感染する確率は0.08%になります」(米国ボストン在住の内科医・大西睦子さん)【Q2】どんな人が感染しやすいの?「まず、ワクチンで免疫が十分につかないケース。主に高齢者、がんなどの基礎疾患のある人、免疫抑制剤などを使用している人です」(米国立研究機関の博士研究員・峰宗太郎さん)次を見てほしい。8月18〜20日の65歳以上の新規陽性者のうち、33.1%。およそ3人に1人がブレイクスルー感染だった。生活習慣も作用するという。■新規陽性者に占めるワクチン接種者の割合(8月18〜20日)〈全年齢〉未接種:82.6%/1回接種のみ:4.8%/2回接種済み:3.8%〈65歳未満〉未接種:84.0%/1回接種のみ:4.8%/2回接種済み:2.3%〈65歳以上〉未接種:52.8%/1回接種のみ:4.3%/2回接種済み:33.1%※厚生労働省「全国の新規陽性者数等及び高齢者ワクチン接種率」より本誌作成。和が100にならないのは「接種歴不明」の人がいるから。「千葉大学医学部病院がワクチン接種者を対象に行った調査では、『毎日飲酒している人』は、そうでない人に比べ、抗体の総量が少ないという結果でした。長期的に大量のアルコールを飲みすぎると免疫系が抑えられ、細菌やウイルスに感染しやすくなってしまうことが示されています」(大西さん)当然、感染者との接触機会が多い人は注意が必要だ。「看護師などのヘルスワーカーのように感染者と接触し、ウイルスにさらされる機会が多ければ、当然リスクも増えます」(峰さん)そうした仕事についている人でなくても、家族の感染でリスクは飛躍的に高まる。「デルタ株に置き換わったことで、子どもの感染者が増えています。12歳未満のワクチンが接種できないお子さんがいたり、ワクチン接種したくても予約が取れない若者のいる世帯は、ワクチン接種を終えた同居家族も特に気を付ける必要があります」(久住さん)【Q3】重症化や死亡のリスクは?たとえ、ブレイクスルー感染をしても、ワクチンに効果はある。「シンガポール国立感染症センターの研究では、デルタ株に感染したワクチン接種者と未接種者で、発症時のウイルス量は同程度だったとのことです。しかし、1週間後にはワクチンを接種した人のウイルスは急速に減少、感染している期間が短いことが示唆されました」(大西さん)ただ、感染リスクが高い人は、やはり重症化リスクも高いという。「免疫不全、高血圧、糖尿病、心臓病、慢性腎臓病、肺疾患、がんなどの基礎疾患がある方や高齢者はリスクが高い。たとえば米国ジョンズ・ホプキンス大学の研究によると、一般の接種者に比べ、臓器移植した人のブレイクスルー感染の可能性は82倍、重症化の可能性は485倍にも跳ね上がります」(大西さん)8月30日、CDC(米国疾病予防管理センター)は、米国でワクチン接種を完了した1億7,300万人のうち、ブレイクスルー感染で入院または死亡した人が1万2,908人いたというデータを発表している。「そのうち、死亡者数は2,437人で、ワクチン接種者の0.001%でした。女性の占める割合は44%、65歳以上の占める割合が87%です」(大西さん)
2021年09月16日感染制御ドクターであり、高知総合リハビリテーション病院院長の小川恭弘先生は、デルタ株への置き換わりが進んだ現在の状況を「感染爆発」とし、次のように警鐘を鳴らす。「イギリスの人口は日本の半分ほどですが、10倍の件数のPCR検査を実施しています。7月5日の検査数は32万件です。同日、日本は5万8,000件。日本がイギリスと同程度の規模でPCR検査を実施した場合、現在発表されている何倍もの感染者数が出るはずです。特に、東京は爆発的な感染の状態に入っているのです。ですから、緊急事態宣言の発出されている地域から、各地方へのお盆の帰省は、極力控えるべきというほかありません」不要不急の外出を避け、ソーシャルディスタンスの確保や手洗い・うがいの励行など、日々の感染対策を行っている人でも新たに感染者が出ている。これまでの対策が通用しないデルタ株による感染者数が急増しているいま、私たちの感染予防にもアップデートが欠かせないのだ。そんな、「新しい常識」を、埼玉医科大学総合医療センター・総合診療内科・感染症科教授の岡秀昭先生と小川先生に解説してもらった。理化学研究所などによるスーパーコンピュータ「富岳」の実験によると、「ソーシャルディスタンス」とされる「2メートル離れてマスクの着用なし」の状態で会話した場合、従来型では感染確率10%に達するまで45分かかった。それがデルタ株になると、じつに20分ほどに短縮されるという。つまり、2倍の速さで感染確率が上昇してしまうことに。小川先生が、“マスク着用”と“小声”での会話の重要性を説く。「『5つの小』、つまり『小人数・小一時間・小声・(料理は)小皿で・小まめに消毒・換気』ということを、家でも外でもいっそう心がけましょう」ソーシャルディスタンスを確保しても、けっして警戒を怠らないことが大切だ。【帰省は“自粛”ではなく“原則中止”に】お盆に合わせた新幹線や飛行機の予約状況は、昨年より増えているというが。「夏休みの里帰りは、『中止する』のが賢明です。テレビをつければ東京五輪が中継されているなか、出かけたくなる気持ちもあるでしょうが、これ以上の感染拡大を防ぐためには我慢が必要です」(小川先生)仮にやむをえない事情で帰省する場合であっても、滞在時間は「小一時間」にすること。日帰りが難しい地域であっても、実家ではなく最寄りのホテルなどに宿泊してうつらない、うつさないを徹底しよう。【ワクチン2回目接種後も病院へのお見舞いは避ける】「入院中や、施設に入所中の家族を見舞うのも避けるべきです。たとえ見舞う人が2回目のワクチン接種を完了し、2週間を過ぎている場合であっても、100%コロナに感染しないという保証が得られたわけではありません。さらに、ワクチンが何カ月有効なのかも現段階ではまだまだ未知数なのです」(小川先生)2回目の接種完了から2週間が経過しても、ワクチンの予防効果は最大で90%ほど。それはすなわち10%ほどは感染リスクがあるという意味でもあるのだ。「さらに、患者さんや入所者の方には病状などの理由で接種ができないという人もいます。自分が感染しないことだけではなく、人にうつさないようにする心がけも大切です」まずは病院や施設の指導に従うべきだと小川先生は話す。「面会許可が出た場合でも、なるべくワクチン接種完了者のみの最少人数で。3密回避、『5つの小』を厳守しましょう」感染が広がるデルタ株。大切な人の命を守るためにも、不要不急の外出はくれぐれも自粛するよう心掛けたい。
2021年08月12日全国でコロナの新規感染者数の爆発的増加が止まらない。引き金となっているのは、変異株がもつ驚異的な感染力だーー。埼玉医科大学総合医療センター・総合診療内科・感染症科教授の岡秀昭先先生によれば、今回の感染爆発を招いている大きな要因が、これまで国内で広がったウイルスに比べ強い感染力をもつ変異型の「デルタ株」にあるという。「私たち埼玉医科大学総合医療センターでは、7月に入って初めて『デルタ株』に感染した患者さんが見つかりました。それからものの2週間ほどで、ほぼすべてがデルタ株による感染に置き換わってしまったのです」岡先生はそう話す。’20年1月、国内で初めて確認された新型コロナウイルスが、中国・武漢から広まった「従来型」だ。続いて今年の4月以降に拡大した、イギリス由来の変異株が「アルファ株」。感染者1人が何人にうつすかを示す「実効再生産数」が、アルファ株は従来型の1.32倍と、その感染力の強さが指摘された。そして6月以降、急速なスピードで広まっているのが、インド由来の「デルタ株」だ。4月に岡先生の患者さんでアルファ株が初めて見つかったときには、従来型から置き換わっていくのに1カ月程度かかったという。それと比較して、デルタ株は倍以上のスピードで置き換わりが進んでいるというのだ。「私の地域では、現在の新規感染者の9割がデルタ株です。国内でも地域によっては少ないところもあるでしょうが、デルタ株への置き換えの流れはもはや止められないのです。新型コロナウイルスは、より人の体の鍵穴につきやすく、侵入しやすく変異することで感染力が強くなっていくと推測されています。従来型より強力なアルファ株からさらに変異したデルタ株の感染力は、より深刻化していると言えるでしょう」岡先生が診察したデルタ株による感染者には、いわゆる「3密」回避などの感染対策をすでに行っている人が多いのだという。「複数人で飲食に出歩くなどの、感染が疑われるような行動が思い当たらないというのです。『不要不急の外出を避け、家にいたのに……』という人も感染している。つまりデルタ株にはどこで感染してもおかしくないのです」その感染力の強さが今回の感染爆発を招いていることに疑いの余地はなさそうだ。
2021年08月11日東京五輪が盛り上がりを見せるなか、感染爆発とも言えるほど新型コロナイウイルスの感染者が急増している東京都。27日の新規感染者数は2,848人を記録し、ついに28日には3,177人が報告され、2日続けて過去最多を更新した。また全国でも9,559人の感染が確認され、今年1月8日に報告された7,957人を大幅に上回ったのだ。急速な感染再拡大に不安が広がるなか、菅義偉首相(72)の“取材拒否”といった対応が物議を醸している。各メディアによると27日、感染拡大を受けて「デルタ株の割合も急速に増加しており、4連休の人出も含めて分析していく」と記者団に伝えた菅首相。そして28日夕方、西村康稔経済再生担当相(58)や田村憲久厚生労働相(56)ら関係閣僚と官邸で緊急協議を開いたという。しかし協議後、都に3,000人の感染者が出たことについて記者団から「どう対応しますか?」「国民にメッセージを出す必要は感じませんか?」と問われた菅首相は、無言のまま官邸を後に。さらに東京新聞によれば、官邸側は「本日はお答えする内容がない」と異例の“取材拒否”をしたというのだ。いっぽう同日開かれた衆院内閣委員会の閉会中審査では、政府分科会の尾身茂会長(72)が「医療の逼迫がもうすでに起き始めている」「人々に危機感が十分に伝わっていない」と警告。また菅首相や政府の対応について、「人々にしっかりと危機感を共有してもらえるメッセージの出し方と、効果的な対策を打つという2点に尽きる」とも求めたばかり。27日に「人流は減っている」述べ、東京五輪・パラリンピックの中止は「ありません」と言い切った菅首相。日本の五輪メダリストに祝福のツイートをするいっぽう、感染再拡大については沈黙――。国民への説明義務を疎かにするような対応に、”総理大臣辞めて”などと資質を問う声の大合唱が起こっている。《答える内容が無いと記者から逃げる一方、メダリストにはお祝いツイートするって。もう、びっくりだよ》《総理大臣が取材拒否って?対策で忙しいから取材受ける時間が無いって言うならまだしも…。責任感なさすぎじゃない?》《今は緊急事態宣言下のさらなる緊急事態でしょう。「明日までに云々」とも言えないのか…。菅義偉氏に総理の資格なし。早く辞めて下さい》
2021年07月29日「男の子のほうが熱を出しやすいのよ」と元幼稚園教諭の母から聞いていたものの、たまに熱を出すことはあっても、普段はとても元気な長男。しかし幼稚園の年中になってから、なんと5回も同じ病気で出席停止になったのです。 熱を出すと40度超えになる長男わが家の長男は熱を出すと高熱になりやすく、1歳半で40度を超える熱を出しました。初めての高熱のときは熱い体の長男を抱っこして、慌てて小児科に駆け込んだことを覚えています。 高熱が出るたびに診察してもらうと、お医者さんから「喉が腫れていますね」と毎回のように言われていたので、長男は喉がウィークポイントなのかなと思っていました。それでも治りはとても早く、翌々日には完全回復ということが多いので、健康に育ってくれていることをありがたく思っていたのですが……。 年中の5月に初めての溶連菌感染症に幼稚園に入ってからは熱を出すことも減ってひと安心と思っていたころ、急に高熱を出した長男。小児科に行くと「最近、溶連菌が流行っているので検査しましょう」と言われました。 聞きなれない病名に心配になりながらも、検査の結果を待っていると陽性と言われ、しかも出席停止になると聞いてびっくり! すごく大変な病気なのかもしれないとドキドキしながら看病していたのですが、薬を飲んだ翌日にはすっかり熱が下がり、出席停止期間が長く感じるほどでした。 治ったとひと安心…これが始まりでした溶連菌感染症は腎臓に影響が出る場合もあるということで、完治してから尿検査がありました。それも問題がなかったので、よかったと思っていたのですが……。この2カ月後に再び熱が出て病院に行くと、同じく溶連菌が陽性。さらに数カ月後も溶連菌にかかり、多いときは1カ月に2回かかることも! いずれのときも幸いなことに軽い症状で済んだのですが、結局1年間で5回も溶連菌に感染していました。症状としては喉の痛みと発熱なので、私では風邪との区別がつかないのですが、溶連菌感染症のときは長男いわくかなり喉が痛くなるようです。 こんな風に長男は溶連菌に感染し続けているものの、次男にうつったのは1度だけ。私も1度だけかかりました。やはり長男はかかりやすいようです。そのため、手洗いとうがいは必ずおこない、水分もこまめにとるように気を付けています。 ※本記事の内容は、必ずしもすべての状況にあてはまるとは限りません。必要に応じて医師や専門家に相談するなど、ご自身の責任と判断によって適切なご対応をお願いいたします。 監修/助産師REIKO 「共感した」「私の場合はこうだった」など、ぜひベビーカレンダーサイトのコメント欄にご感想をお寄せください。また、ベビーカレンダーでは皆さんから募集した体験談を記事でご紹介させていただくことも。ベビーカレンダーに会員登録すると届くメルマガから、皆さんのオリジナル体験談をご応募ください。 著者:田丸あかね現在、小学校1年生と幼稚園年中の兄弟を子育て中。性格の違う子どもたちの成長を楽しみつつ、自身の体験をもとに、妊娠・出産・子育てに関する体験談を中心に執筆している。
2021年06月09日サイトメガロウイルスとは?ヘルペスウイルス感染症の一種サイトメガロウイルス(CMV)は、1型から8型まであるヒトヘルペスウイルスのうち5型にあたるウイルスです。ヒトヘルペスウイルスは世界中でよくみられるありふれたウイルスで、6型は赤ちゃんがかかる突発性発疹を引き起こすことで知られています。サイトメガロウイルスも乳幼児期のうちにほとんどの人が感染し、抗体を保有しています。疫力が低下すると感染症を発病しやすい乳幼児期にサイトメガロウイルスに感染しても、ほとんどの場合は無症状か軽い風邪のような症状で、感染していることに気づかないことが少なくありません。しかし、一度感染するとウイルスはそのまま体内に潜伏するため、病気や薬で免疫力が低下したときにウイルスが再び活性化し、サイトメガロウイルス感染症を発病する可能性があります。妊娠中の感染に注意が必要このウイルスに感染すると、血液の中に感染を防ぐための抗体が作られます。日本では成人女性のうちの約70%が抗体を保有していると考えられています(※1、※2)。しかし若いうちにサイトメガロウイルスに感染しないこともあり、30%の人は抗体を持たないまま成人します。抗体がない人は、抗体を持つ人よりも大人になってから感染するリスクが高くなります。妊娠中にはじめて感染したり、免疫力が落ちてウイルスが再活性化したりした場合、ママが無症状であっても胎盤や血液を通じてウイルスが胎児に移行し感染することがあるため、ママの感染を予防することが重要になってくるのです。サイトメガロウイルス感染症の症状は?健康な人がサイトメガロウイルスに感染しても、症状が出ることはほとんどありません。思春期を過ぎてからはじめて感染した場合は、発熱、肝機能障害、リンパ球の増加など伝染性単核症と似た症状がみられます。筋肉痛や疲労感があったり、発熱が1週間以上続いたりするのも特徴のひとつです。妊娠中にサイトメガロウイルスに感染した場合は?サイトメガロウイルスは感染しても気になるような症状があらわれず、大多数は感染に気づかないまま経過します。しかし、ママに症状がなくても、血液を介して胎児の先天性感染が起こる可能性があることが非常にやっかいなウイルスなのです。胎児がウイルスに感染して先天性サイトメガロウイルス感染症を発病した場合、症状は低出生体重、黄疸、小頭症、白内障など多岐にわたります。ごくまれに、流産や死産にいたる重篤なケースも発生します。出生時に無症状であっても、成長してから難聴や精神発達遅滞、視力障害が起こる場合もあります。とはいえ、抗体を持たないママがサイトメガロウイルスに感染する確率は1~2%と低く、胎児に先天性感染が起こるのはそのうちの40%です(※1、※3)。胎児がサイトメガロウイルスに感染してもほとんどは症状もなく正常に発達するので、心配しすぎないことも大切です。赤ちゃんへの感染はエコーでわかる?エコー検査で胎児に小頭症や脳内石灰化、脳室拡大といった頭部の異常が認められた場合、先天性サイトメガロウイルス感染症が疑われます。胎児腹水、肝脾腫も典型的な症例となるため、エコー検査でこうした所見がみられたときは、ママの血液による抗原検査が行われます。サイトメガロウイルスの感染経路は?サイトメガロウイルスは唾液、尿、血液、精液、腟分泌液などに含まれ、唾液による飛沫感染、キスや性行為、輸血などで感染が広がります。授乳や分娩で母子感染が起こることもあります。子どもが感染しやすいのは、ほかの子との接触機会が多い幼稚園や保育園です。外で感染してきた子どもの世話をしているときにママが感染するケースも見られるため、兄弟がいる家庭の妊婦さんは注意が必要です。一度ウイルスに感染すると、ウイルスは数年にわたって体内に居座り続け、尿や唾液中に排出されます。症状がなくても感染させるリスクは続くので、普段から感染しないように心がけるようにしましょう。サイトメガロウイルスの検査方法は?サイトメガロウイルス感染の検査方法はいくつかあり、検査時に感染しているかを調べる「抗原検査」や「PCR検査」、過去に感染したことがあるかを調べる「抗体検査」を症状や目的にあわせて実施します。検査の検体には血液、唾液もしくは咽頭ぬぐい液、尿が用いられます。先天性サイトメガロウイルス感染症が疑われる赤ちゃんに対しては、生後3週間までに尿や血液を採取し検査を行います。検査の結果、さらに詳しい検査を必要と判断されれば、頭部超音波やCTを使った脳画像検査、聴力検査、眼底検査により症状の有無調べ診断を確定させます。サイトメガロウイルスの治療法は?ウイルスに感染してもほとんどの場合は無症状のため、治療は必要としません。軽い症状があったとしても、免疫が働き自然治癒します。サイトメガロウイルス感染症を発病した場合は、経口の抗ウイルス薬が処方されるか、点滴静脈注射による治療が行われます。新生児に対しても同様の治療が選択されますが、薬の副作用が強く出るため治療には慎重な判断が求められます。胎児に対する治療法は確立されておらず、さまざまな角度から検討が進められています。サイトメガロウイルスの予防法は?新型コロナウイルス感染症の予防策として推奨されている石けんやアルコールを使った手洗いは、サイトメガロウイルスの感染予防にも効果的です。外出から帰ってきたときや食事前の手洗いはもちろん、子どものおむつ替えや鼻や口を拭いたあとは石けんやアルコールでしっかりと手を洗いましょう。食事のときは子どもと箸やコップを共有することは避け、ひとり分を取り分けておくと良いでしょう。子どもが残した食べ物や飲み物は口にしないように気を付けたいですね。洗えないおもちゃや家具はアルコールで拭くと感染対策になります。シーツや枕カバー、布団はおもらしやよだれで汚れやすい場所です。サイトメガロウイルスは乾燥に弱い性質があるので、洗濯して清潔を保ち、布団などの大物はしっかり天日干しをして乾燥させましょう。サイトメガロウイルスの感染予防を心がけよう子どもからママへの感染があることから、兄弟がいる家庭では心配になることもあるかもしれません。しかしサイトメガロウイルスは多くの人が抗体を持っているウイルスです。気にしすぎることなく、正しい知識をもって感染対策をとるようにしたいですね。スキンシップは唾液がつきにくいおでこにキスしたり、ハグをたくさんしたりして工夫してみましょう。心配なときは検査により抗体の有無が確認できます。かかりつけ医に相談してみると安心ですね。※この記事は2021年5月時点の情報をもとに作成しています。掲載した時点以降に情報が変更される場合がありますので、あらかじめご了承ください。
2021年06月04日