4年連続ミシュラン一つ星の【薪焼 銀座おのでら】の寺田料理長が手掛ける新業態「銀座おのでら」は、鮨や天ぷらといった日本食を世界に広めるため、現在3カ国18店舗まで拡大。一部店舗ではミシュランガイドの星を獲得するなど、世界的な評価を受けています。2024年4月には回転寿司業態の海外第1号店が、アメリカ・ハワイ州に進出を果たし、また去る5月1日(水)にはカジュアルかつリーズナブルにラーメンを楽しめる【麺 銀座おのでら本店】も東京・表参道に開店しました。【薪焼うなぎ 銀座おのでら本店】は、東京・赤坂の目抜き通りである一ツ木通りに面し、東京メトロ・赤坂駅、赤坂見附駅の両駅から徒歩3分の利便性の高いエリアに立地そして、さらなるチャレンジとして国産うなぎのみを提供する【薪焼うなぎ 銀座おのでら本店】を2024年7月19日(金)にオープン。質の高い国産の養殖うなぎのみを使用し、リーズナブルな価格で本格的なうなぎ料理を楽しむことができます。薫香溢れるふっくらとしたうなぎと特製のタレの絶妙なバランスは、まさに格別です【薪焼うなぎ 銀座おのでら本店】提供メニューについて同店を監修したのは、4年連続で「ミシュランガイド東京」一つ星の評価を得ている【薪焼 銀座おのでら】料理長・寺田 惠一氏。今年5月1日にオープンした【麺 銀座おのでら本店】では、初めてラーメン店をプロデュースするなど幅広く活躍しており、さらなる挑戦として、薪焼きうなぎ料理をおのでらの職人とタッグを組み、監修しました。目の前でうなぎを燻すライブ感あふれるカウンターは8席。うなぎ料理の店舗に相応しく、“うなぎの寝床”を彷彿とさせる奥行きのあるつくり店舗奥にはテーブル席(2人掛けが5卓)も用意。障子から差し込む光と落ち着いた木目調の内装が、都会の喧騒を忘れるひと時を提供提供するうなぎは、山田水産から一括で仕入れた国産うなぎのみ使用。寺田氏監修のタレは、フレンチ出身シェフなだけあって、赤ワインを独自に配合したオリジナリティあふれるタレに。そのタレに浸し、薪の木で燻すことで、上品な薫香を纏わせた唯一無二の薪焼きうなぎ料理に仕上げています。また、ごはんにもこだわり、うなぎとの相性を考慮し、粒がしっかり立っていてほんのり甘い「ゆめぴりか」を使用。赤ワインの香りがたつタレとの相性も抜群です。赤坂の目抜き通りである一ツ木通りに面しており、店の外からもうなぎを焼いている姿を見ることができますではさっそく、気になるメニューをご紹介します。『国産うなぎ重 上』※終日提供3,300円。うなぎ一尾を贅沢に味わえる『国産うなぎ重 上』。うなぎ重のほかに、お吸いものと生姜の漬物もつきます。お吸い物は+200円で肝吸いに変更可能『国産うなぎ重 並』※終日提供2,200円。うなぎを半尾楽しめる並サイズ。特上や上と同じく、お吸い物と生姜の漬物付き『国産うな玉丼』※ランチ限定980円。ランチで気軽にうなぎを楽しむことができるうな玉丼『国産ミニうな丼』※ディナー限定980円。ディナー営業ではお酒やつまみも充実しており、小さ目サイズの『国産ミニうな丼』は、締めのごはんにぴったりうな重はもちろんのこと、蒲焼、白焼、鉄板う巻などの一品も用意。またお酒にもぴったりな『肝串焼き』や『薪薫る枝豆』など、国産うなぎのおいしさと、薪焼きの薫香を余すことなく活かした、五感で味わうメニューもラインアップしています。『薪薫る枝豆』350円。薪火で炙った薫香が香ばしい一品。その場で焼き立てを出してくれます『肝佃煮』450円。国産うなぎの肝を、生姜を効かせて煮詰めた逸品。箸休めにぴったり『フライドポテト』(塩・うなだれ山椒)400円。うなぎのタレと山椒で仕上げたうなぎ屋らしいフライドポテト。塩味とうなだれ山椒の2種で展開『からすみ蕎麦』700円。【鮨 銀座おのでら 総本店】括総料理長・坂上 暁史氏直伝の珍味「本店仕込みからすみ」を、贅沢に蕎麦にトッピング。一般的なからすみと異なり、こちらはボラの卵巣を味噌漬けにすることで、より重厚な味わいを楽しめます国産うなぎをリーズナブルに楽しめる【薪焼うなぎ 銀座おのでら本店】。今後は、第1号店のみならず都内主要エリアや、国内外への拡大も見据えているということです。メニューについて国産うな玉丼、国産うな丼、国産うな重の種類・『国産うな玉丼』980円※ランチ限定提供・『国産ミニうな丼』980円※ディナー限定提供・『国産うな丼』1,500円※終日提供・『国産うな重 並』2,200円※終日提供・『国産うな重 上』3,300円※終日提供・『国産うな重 特上』4,400円※終日提供グランドオープン記念特別サービスについて期間:2024年7月19日(金)~23日(火)① 期間中は、生ビールを半額でご提供(協賛:アサヒビール株式会社/株式会社キョクジュ)。②次回ご来店時にご利用できるトッピング1品無料チケットをプレゼント。※トッピングは、温玉、青ねぎ、とろろ、【銀座おのでら本店】仕込みのいくら。※詳細につきましては、当日店舗にてご確認をお願いいたします。薪焼うなぎ 銀座おのでら本店【エリア】赤坂【ジャンル】うなぎ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-【アクセス】赤坂見附駅■グランドオープン予定日:2024年7月19日(金)■席数:18席(カウンター:8席、2人掛けテーブル5カ所)
2024年07月22日町中華の気軽さとヌーベルシノワのお洒落さを兼ね備えた待望の一軒が、今年1月、渋谷にオープンした。金王八幡宮のすぐそばに店を構えた【ON the TABLE CHINESE】がそれだ。以前、【Dots】という名のチャイニーズレストランがあった場所と言えば、思い当たる中華ラバーも多いかもしれない。渋谷駅から歩くことおよそ7~8分、緑に囲まれた金王八幡宮のすぐ近くに建つシックな一軒コロナ前の2021年、あの脇屋友詞シェフが“新しい町中華”をコンセプトにプロデュースした店で、その跡地にできたのが同店。しかも、当時、件の【Dots】を脇屋シェフから任されていたのが、同店のオーナーシェフである平賀大輔シェフだった由。奇しくも、巡り巡って古巣でのスタートとなったわけだ。グレーのトーンで統一した店内は、落ち着いた雰囲気。カウンター中心ゆえ、一人でも気軽に入れそうだ黄色にdot柄のポップな外観が目を引いた以前の店とは打って変わり、新店はモノトーンで全体を統一。ダークグレーの煉瓦を配した壁に白い大理石のカウンター席がひときわ生える店内は、グッとシックな雰囲気に生まれ変わった。カウンターの他、テーブル席や個室もあり、1人でもグループでもOK。様々なシチュエーションに応えてくれそうだ。扉を閉めれば、個室にも使えるテーブル席もあり、グループや接待の時には重宝しそうだ「脇屋シェフからは、料理のテクニックはもちろんのこと、常にお客様の立場に立って料理を出す姿勢を学びました。」とは平賀シェフ。念願のカウンタースタイルにしてからは、お客様との距離も短くなり、よりお客様の要望を察知できるようになったと笑顔を見せる。使い勝手の良さは、料理のオーダーシステムも同様。近頃は、おまかせコース一本の一斉スタートスタイルがすっかり定着しているが、ここはコースとアラカルトの二刀流。しかも、来店時間もゲストファースト。好きな時間にどうぞ、という配慮も嬉しい限りだ。「お一人でふらりとお越し頂いて、アラカルトで好きなように食べて頂くのもいいし、グループでの会食なら、個室でゆっくりコース料理を楽しんでもらっても。」とは、平賀大輔シェフ。そのコースも、6600円からと実にリーズナブル、かつ内容も決してそれなりではない。例えば、取材当日のメニューは次の通りだ。『鮎の春巻』は6600円コースの一品。九州日田市から取り寄せた鮎は3枚におろし、間にピータンなどを挟んで揚げているスターターにお凌ぎサイズの『翡翠生姜粥』が出た後は『前菜6種の盛り合わせ』、『幸福豚の焼きたて叉焼』とお酒が進みそうな味が続き、『あさりの旨味たっぷりの茶碗蒸し』で舌をリセット。その後、歯触り軽やかな『鮎の春巻き』が出て、メインには平賀シェフのスペシャリテ『天草和牛の黒酢炒め』が登場。コースに華を添える。そして〆には『汁無し坦々麺』か『ニラ醤油麺』をチョイス……という充実の内容。デザートの『桃の樹液と杏仁豆腐』を頂く頃には、お腹もすっかり満たされているに違いない。フカヒレの付くコースでも13750円と、高額化が相次ぐ昨今のレストラン業界にあって得難い一軒と言えそうだ。シェフの平賀大輔さんは千葉県出身。ワイン愛も強くソムリエの資格も持つほど。中でも、ナチュール系が好みだそうだ「年に一度、記念日に行くような高級店ではなく、ちょっと上質な、普段使いできる使い勝手のいい店にしたかったんです。自分が行きたくなるような、ね。」屈託なく笑う平賀シェフだが、その経歴は錚々たるもの。19歳で脇屋シェフの門戸を叩き、以来、20有余年、脇屋シェフの薫陶を受けてきた達人だ。【トゥーランドット游仙境】を皮切りに、様々なポジションを経験。博多【蓮双庭】や厚木【上海ドールバイワキヤ】、そして前出【Dots】では、料理長を任された実績からもその実力のほどが伺える。中でも、【蓮双庭】での7年間は、平賀シェフにとって思い出深い経験になったようで、当地で多くの生産者に知り合えたことが、今の平賀シェフの財産となっている。大分日田産の鮎に福岡「久保田農園」のハーブ、そして叉焼に使う豚も鹿児島「ふくどめ小牧場」の幸福豚等々、食材の多くを今も九州から取り寄せている。『まこもだけの天草黒毛和牛の煎り焼き~ブラックペッパーソース』。これも6600円コースの一品。牛は、九州時代に知り合った天草の「田中畜産」、上に飾ったハーブも九州宮崎の「久保田農園」から取り寄せているご覧の『真菰の天草黒毛和牛の煎り焼きブラックペッパーソース』も、熊本「田中畜産」の黒毛和牛を使った一品。ランプやうちもも、シンシンなどサシの少ない赤身の部分を主に使っているそうで、「旨みが強く、和牛らしい風味があるところが気にいっています。」とは平賀シェフ。淡白ながらも仄かに甘みがあり、シャキっとした歯触りの真菰との相性も上々だ。普通なら、真菰はカットして牛肉と共に炒めて供するのが、中華の常套だろう。が、平賀シェフは真菰に牛肉を巻きつけて焼き、下にはドフィノワ風に仕立てたじゃがいもを忍ばせ、ハーブをたっぷり飾りつけて提供。一見してフレンチと見まごうような一皿は、ヌーベルシノワの薫陶を受けた平賀シェフなららではのセンスだろう。それでいて、味わいはきちんと中華に着地している手腕も見事!『スパニッシュオムレツ山椒マヨネーズ』550円はアラカルトメニューの一品。平賀シェフ自身が好きでメニューに導入。こうした自由な感覚も魅力の一つ中華の枠に囚われぬ発想は、アラカルトにも発揮されている。『麻婆豆腐』や『海老チリソース煮』など王道の町中華メニューに混ざり、『パテ・ド・カンパーニュ~中華スパイス』や『スパニッシュ・オムレツ~山椒マヨネーズ』といった遊び心あふれる一品が並び、食いしん坊の興をそそる。平賀シェフによれば「スパニッシュオムレツは僕自身が大好きなんで作っちゃいました。全く中華のアレンジはないんですが、意外にお客様の受けはいいんですよ。」とのこと。それも、ベテランシェフのなせる業。料理全体を通して中華のベースがしっかりしていればこその自由度の高さだろう。お客様の要望で作り始めた月餅1個660円。要予約。小豆餡と砕いた飴がけのくるみ入り『鶏泥湯』こと『鶏胸肉と干貝柱の旨みふわふわスープ』1000円。シェフの力量が伺える一品このパテカンやスパニッシュオムレツをつまみに一杯という時は、ソムリエの資格も持つ平賀シェフセレクトのナチュールワインがおすすめだ。曰く「常備しているワインは、フランスを始め、イタリア、オーストリアなど約100本ほど。7割方がナチュール。」だそうで、グラスワインは、900~1400円。赤白合わせて10種類ほどを用意している。また、4種6600円、6種11000円のワインペアリンもあり、コースに合わせるほか、逆ペアリングを楽しむのも一手。本来はワインを料理に合わせるところを、ワインにあわせ、アラカルトから料理を選ぶのも一興。アラカルトのある同店ならではの楽しみ方と言えそうだ。ざっと100本ほどが揃うワインは、ナチュール中心。グラスワインは常時赤、白合わせて10種類を用意。グラス900~1400円ちなみに、呑兵衛向けに“無限”ことフリーフロー15000円の用意もある。また、中国茶も12種類ほどを常備。右党には、中国茶、ノンアルコールワインなどを取り入れたノンアルコールペアリング6600円もある。カウンターの奥に並ぶ香辛料の数々中国茶や嬉野紅茶などノンアルコールも充実。ノンアルコールペアリング6600円もあるON the TABLE CHINESE【エリア】渋谷南口【ジャンル】中華料理【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】14999円【アクセス】渋谷駅 徒歩8分
2024年07月22日「渋谷アクシュ(SHIBUYA AXSH)」は、幹線道路に囲まれ回避が難しかった渋谷駅東口エリアで、青山と渋谷をつなぐように建てられた大型複合施設。「TSUNAGI-BA」をコンセプトに、渋谷二丁目の飲食ゾーンと青山の文教エリアとの繋がりを活かし、渋谷を代表するエリアである奥渋や渋南などに続く“青渋”のアイコンを目指しています。渋谷ヒカリエの横にオープンした「渋谷アクシュ(SHIBUYA AXSH)」2階天井に配置された「垂直庭園」は、国内ではあまり見られない新たな試みで、空間全体の緑視率を向上させる効果が期待されていますこちらの施設には新業態や初出店の店舗を含む飲食テナント、アートギャラリー、健診センターなど15テナントが出店しており、1階~4階の商業フロアにはグルマン必見のレストランも。今回はその中から、葉山で人気の一軒家イタリアンが渋谷に初出店されたということで、さっそく伺ってみました。都会にいながらリゾート気分が味わえる「星空のレストラン」葉山店の人気メニューに加え、渋谷店限定メニューもランチセットやプリフィクスコースもラインアップ都会にいながらリゾート気分が味わえる「星空のレストラン」今回オープンした【TRATTORIA PIZZERIA 207】は、葉山の一色海岸至近にある同名の一軒家レストランの姉妹店。葉山店が一色海岸を臨むダイニングで波の音をBGMに食事を楽しめるのに対し、渋谷店は宮益坂上から渋谷方向に向かう国道246号に面する都会のレストランながら、昼は明るく開放的な雰囲気の中、ランチやカフェで気軽に利用できる一方、夜は無数のペンダントライトの下、渋谷にいながら煌めく星空のダイニングが楽しめます。国道246号沿いに面する【TRATTORIA PIZZERIA 207】。ガラス張りの窓から光が入る明るい店内で、天気が良い日にはテラス席も利用できますダイニングの中2階にはソファ席を配置アーチ形のソファや間接照明がやわらかな雰囲気を演出夜はペンダントライトが煌めく「星空のレストラン」ダイニングは1階にテーブル席とソファ席、カウンターもあるバースペース、中二階のソファ席を備えています。窓に面して開放感のあるテーブル席に対し、1階と2階のソファ席は落ち着いた雰囲気。グループでもゆったりと食事を楽しむことができます。オープンキッチンのバーエリアでは、シェフたちの動きを眺めながら軽くおつまみとワインを楽しむことも。それぞれ特徴のあるエリアごとに、さまざまなニーズに応えます。葉山店の人気メニューに加え、渋谷店限定メニューも料理を手掛けるのは、イタリアや都内有名店で修業した後、葉山店オープンからシェフを務める兼森一喜統括シェフと、自由が丘の人気イタリアンで長年シェフとして腕を振るった西銘剛史シェフが、本格的ながら肩肘を張らずに楽しめる料理を提供。相模湾で上がった新鮮な魚を味わえる『葉山あたりのカルパッチョ』や『フリットミスト』、葉山本店の目の前の海で取れた『しらす0kmペペロンチーノ』など、葉山の食材を取り入れたメニューを中心にラインアップしています。『葉山あたりのカルパッチョ』『フリットミスト』『しらす0kmペペロンチーノ』また、『葉山石井牛のローストビーフ』や『葉山石井牛のボロネーゼ』など、都内ではなかなか味わえない葉山石井牛を使ったメニューも楽しめます。さらに渋谷店限定メニューとして、『地もの魚介とトマトのリゾット』や『骨付きポークの香草パン粉焼き』なども登場します。『葉山石井牛のローストビーフ』『葉山石井牛のボロネーゼ』『地もの魚介とトマトのリゾット』『骨付きポークの香草パン粉焼き』そして、注目のピッツァを担当するのは、ナポリピッツアの人気店で経験を積んだ田中竜二ピッツァイオーロ。「粉の風味と歯切れの良さが特徴の葉山店のピッツァを、さらに軽くサクサクに焼き上げることで、たくさん召し上がっても食べ疲れないピッツァに仕上げました」と田中氏。お店に伺ったらぜひ注文してほしいのが、特製トマトソースとイタリアから空輸されるフレッシュの水牛モッツァレラを使った『マルゲリータ』や、葉山近海の魚介をたっぷり乗せた『フルッティ・ディ・マーレ』。他所ではなかなか食べられないドルチェ・ピッツァはデザートとしてもおすすめです。『マルゲリータ』『レモンソルベとマスカルポーネの小さなピッツァ』ランチセットやプリフィクスコースもラインアップ11時~15時までのランチタイムには、ピッツァまたはパスタにサラダ、コーヒー、本日のデザートがついたランチセット「Course LUCE」を用意。また、お好みのピッツァ、パスタに、前菜盛り合わせとメイン、デザート、カフェがついた色々楽しめるプリフィクスのコース「Course STELLA」(2名様から)もあります。「Course LUCE」ランチタイム(11時~15時)のみ:ピッツァまたはパスタにサラダ、コーヒー、本日のデザートがついたランチセット「Course STELLA」(2名様から)お好みのピッツァ、パスタに、前菜盛り合わせとメイン、デザート、カフェがついた色々楽しめるプリフィクスのコース渋谷駅近の新商業施設に誕生した注目の【TRATTORIA PIZZERIA 207】。葉山の人気イタリアンの味をぜひ、渋谷で味わってみてください。TRATTORIA PIZZERIA 207(渋谷アクシュ)【エリア】渋谷東口/宮益坂【ジャンル】イタリアン【ランチ平均予算】3,960【ディナー平均予算】8,800【アクセス】渋谷駅【TRATTORIA PIZZERIA 207】店舗情報住所:東京都渋谷区渋谷二丁目17番1号渋谷アクシュ2階アクセス:各線・渋谷駅から至近(銀座線ヒカリエ改札より徒歩1分)営業時間:レストラン 平日 11:00 - 15:00、17:00 - 23:00、土・日・祝日 11:00 - 23:00定休日:無休(施設に準じる)席数:ダイニング1F 34席、2F 20席、バー17席予算:ランチ3,960円、コース8,800円アラカルト 前菜880円0、ピッツァ 1,760円0、パスタ 1,980円0メイン 3,300円0、ドルチェ 660円0
2024年07月17日NY発のモダン アーバンなメキシコ料理メニュー内容のご紹介シック、スタイリッシュ、活気を感じるこだわりの店舗デザインNY発のモダン アーバンなメキシコ料理NYで愛されるモダンなメキシコ料理を楽しめますアメリカに4店舗を展開している日本初上陸の【FONDA MEXICANA New York】は、洗練されたニューヨーカーに愛されている、NYスタイルのメキシコ料理を体験できるファインダイニングレストランです。数々の賞を受賞したスターシェフが作る本場のバラエティーにあふれるメキシコ料理を、NYスタイルの洗練された空間で楽しむことができます。ランチはカジュアルなセットやコースから、ディナーはコースやアラカルトメニューで楽しむことができますランチはカジュアルなセットメニューやコースメニューから選ぶことが可能。『3種のタコスセット』は、「国産豚のアルパストールタコス」、「鯖のフリットタコス」、「ありたどりのタコス」を贅沢に味わえます。またディナーでは、コースメニューとアラカルトメニューが用意されています。スタンダードなコース『FONDA Medleyコース』では、フレッシュなホタテ、マグロを使った前菜盛り合わせやクラブケーキ、メインディッシュはシズリングステーキと、バラエティに富んだメキシカンを楽しめます。アラカルトメニューでは、濃厚なコクと風味の厳選したアボカドにフレッシュなライム果汁をたっぷりと加え、特製スパイスでアレンジした『ワカモレ FONDA スタイル」や、ぷりぷりのジャンボシュリンプにライム果汁をふんだんに使った爽やかなクリームソースを纏わせた『大海老のシトラスクリーム “モスキートス”』、複数のチレを使用し、滋味深いアドボソースにマリネしたありたどりやサボテンなどを紙の中でじっくりと蒸し焼きにした『ありたどりの紙包み焼き “ミショーテ”』……と様々な料理が並びます。JOE’s SHANGHAI Japan CEO/President 梅野 貴典氏「以前より日本で本格的なメキシコ料理に挑戦したいと考えておりました。昨年初めてニューヨークのメキシコ料理店【FONDA】に訪れ、日本の皆様にもFONDAの味やサービスを提供したいと思い、この度銀座に日本一号店をオープンいたします。ニューヨークと銀座の雰囲気は似ており、洗練されたモダンな街です。是非ニューヨークスタイルのメキシカン料理【FONDA MEXICANA New York】をここ、銀座でお楽しみください。」「FONDAの料理を日本の皆様にご提供できることを楽しみにしておりました。日本一号店をオープンするにあたり、日本人の好みにあわせた味付けや、厳選された食材を使用し、一品一品丁寧に仕上げました。様々なメキシコ料理をお楽しみいただきたいという想いから、コース料理を日本で初めて提供します。 FONDAでしか味わうことのできない、スペシャルなメキシコ料理をお楽しみください。」Culinary Director/Partner Chef Roberto Santibanez(ロベルト・サンティバネス) シェフメニュー内容のご紹介※ディナー・ランチそれぞれの注目メニューの中から、一部をご紹介いたします。ディナー アラカルトメニュー『USスカートのシズリング ファヒータ』 250g/7,480円ワイルドな旨味たっぷりのUSビーフのスカート(ハラミ)を表面はクリスピーに、中はジューシーにグリルし、熱々の鉄板で提供していただく一品。ハラペーニョ入りオイルで仕上げてスモーキー&スパイシーに。更にお好みで2種のサルサとともに楽しみます。『ワカモレ FONDA スタイル』1,408円メキシコ料理の、FONDAの定番料理。濃厚なコクと風味の厳選したアボカドにフレッシュなライム果汁をたっぷりと加え、特製スパイスでアレンジした一品。前菜として、またお口をリフレッシュするサイドディッシュ、おつまみとしても。『ありたどりの紙包み焼き "ミショーテ”』 3,080円包み紙を広げると湯気と共に芳醇で複雑な香りが広がります。複数のチレを使用した、滋味深いアドボソースにマリネしたありたどりやサボテンなど、紙の中でじっくりと蒸し焼きに。ほろほろ、プリプリとした触感の鶏肉を存分に味わえます。『ありたどりの田舎風エンチラーダス』1,760円メキシカンの定番エンチラーダス。トルティーヤの中にはジューシーな佐賀県産ありたどりをロールしてあります。ローストした玉ねぎとトマト、ハバネロをベースにしたランチェラソースが香ばしいトルティーヤの上にかかることで生まれる触感と香りのコントラストを楽しんで。『サーモンのフルーツ チレソース ”マンチャマンテレス”』 3,300円ジューシーにグリルされたサーモンを、パイナップルやリンゴなどのフルーツをチレやスパイスで煮詰めたソースをたっぷりと絡めて食べる一皿です。シンプルなグリルの美味しさに複雑な香りのソースが乗り、メキシコ料理ならではのスパイスとフルーツの調和を実感することができます。『大海老のシトラスクリーム “モスキートス”』 3,630円ぷりぷりのジャンボシュリンプに、ライム果汁をふんだんに使った爽やかなクリームソースを纏わせています。ほうれん草のグリーンが鮮やかなスピナッチライスはスパイスたっぷりで意外と刺激的。クリームとともに口に入れると華やかに調和します。ディナー コースメニュー『Introducciónコース』6,380円+サービス料10%FONDA特製のワカモレや、シーザーサラダ、ありたどりの紙包み焼き ”ミショーテ”などメキシカンの定番メニューをカジュアルに楽しめるコースです。『FONDA Medleyコース』8,580円+サービス料10%フレッシュなホタテ、マグロを使った前菜盛り合わせやクラブケーキ、メインディッシュはシズリングステーキと、バラエティに富んだメキシカンを楽しめるスタンダードなコース。『Especialコース』14,080円+サービス料10%大海老のグリルと宮崎牛ステーキのダブルメインディッシュでFONDAを存分に楽しめる、要予約のシグネチャーコース。ランチ セットメニュー『3種のタコスセット』『WAGYUビリアのブリトーセット』ランチ コースメニュー『Gustoコース』/4,180円メインディッシュが選べるランチのスタンダードコース。『Primeraコース』6,380円USスカートのシズリングファヒータをはじめ、特製ワカモレ・シーザーサラダや季節のスープを堪能できるコース。シック、スタイリッシュ、活気を感じるこだわりの店舗デザイン店内の様子店舗デザインは【ピータールーガー ステーキハウス】恵比寿、【ローリーズ・ザ・プライムリブ】赤坂、【オービカモッツアレラバー】、【CROWN】フレンチ レストラン ーパレスホテル 東京、「Dusit Thani - デュシ タニ 京都」を手掛けたデザイナーの山際純平氏が担当しています。山際氏は今回、梅野氏と一緒にNYのFONDAに行き、3店舗全てのエッセンスを吸収。ロベルトシェフと意見交換をした後に梅野氏が強く希望していた、NY店舗のDNAを綺麗な形で店内に散りばめて欲しいとのリクエストに応えたと言います。出来上がった内装は、既存のメキシコ料理とは一線を画す、シックなグレージュやベージュトーンの中に、NYならではのスタイリッシュで、活気を感じさせるファインダイニング店舗として他のどこにも見たことが無いオリジナリティが詰まった店舗です。本店のシンボルカラーであるレッドとパステルピンクのツートンカラーのクッションで彩られたソファーがアクセントになっています。オリジナリティ溢れるお洒落な内装FONDA MEXICANA New York 銀座店【エリア】銀座【ジャンル】メキシコ・中南米料理【ランチ平均予算】1,000円 ~ 1,999円【ディナー平均予算】6,000円 ~ 7,999円
2024年07月10日本能に訴える熱々ジューシーのとんかつとんかつを引き立てる名脇役も勢揃いアラカルト、美酒も充実。“呑める”とんかつ割烹本能に訴える熱々ジューシーのとんかつ老舗の天ぷら店か割烹料理店を訪れたような落ち着いた雰囲気。店名とのギャップに戸惑います。「“ふざけた名前” “本当に旨いのかな?”と半信半疑で来られた方も、この雰囲気なら安心していただけますよね」と、料理長の田代昌雄氏が笑顔で出迎えてくれます。カウンターには真っ白のナフキン、落ち着いた色調の食器、そして電動の岩塩用のミルが整然とセッティングされています「おしぼりも厚手のタオル生地を使用しています。味だけでなく、お客様が手を触れるものすべてのクオリティを高める細かいホスピタリティに対しても“ここまでやるか…”と感じてほしくて」(田代氏)揚げ場に立つ料理長の田代昌雄氏。料理の技術の中でも“揚げ物”の奥深さにハマり、日々研究している雰囲気からして常識を変えていこうという静かな闘志が伺える。では主役のとんかつは「どこまでやったのか」を聞いてみました。「近年とんかつ業界で流行っているのは、低温でじっくり揚げた衣が白っぽいとんかつ。油から揚げた後は、肉汁が安定するまで休ませてから提供されます。こういったとんかつは、やわらかくてしっとりとした仕上がりですが、何か物足りない。肉の旨みを引き出すには、“じっくり”の火入れは重要ですが、食べる時に本能に訴えてくるのは香りやジューシー感、熱々ということも重要なんじゃないか、というのがとんかつマニアの北野シェフや私をはじめ、うちのスタッフの理想とするとんかつなんです」と熱弁する田代氏。誰にでも愛される癖のない兵庫・神戸ポークや旨味濃厚な北海道・どろぶたなど個性の違う豚肉をを203種厳選。ロースは200gか100gを選べる田代氏が目指すのは、目の前に置かれたときに立ち上る香ばしい香りも大切にした本能に訴える熱々ジューシーなとんかつです。とんかつは低温と高温で仕上げる2度揚げ方式まず低温で下揚げ。その後、高温に設定した鍋に入れて田代さんが油の音、触った時の感触、衣の色など五感をフル活用して仕上げていきます。白っぽかった衣が徐々に色づいて食欲を刺激する狐色に。包丁を入れた時のザクッと小気味良い音にも食欲をそそられます「お肉の味をちゃんと味わってほしいので、パン粉の味は控えめながら、香ばしくサクサクの食感になるものをとパン粉専門店からパンの糖度、挽き方などを変えて何種類も見本を届けてもらって決めました」とパン粉も徹底的にこだわっています。大きめのカットで揚げる『神戸ポーク、特上ヒレカツ』160g 3,200円、80g 1,800円のハーフサイズもあり。衣はサクサク、肉の中心はロゼ色でしっとり。コクが深く鼻に抜ける肉の旨みと甘い香りがしっかり脳に刻まれるロースもヒレも厚切りで一見ボリューミーですが、ロースは脂が軽やか。サクサクと食べすすむことができ、完食しても重たい印象は残りません。「熱々で食べる方が口溶けも良く、軽やかに食べることができるんです」と田代氏。また、お肉にまぶす打ち粉も小麦粉に卵白パウダーをミックスしたものを使用することで衣がしっかりお肉に密着し、お肉と衣の一体感もしっかり保ったまま味わうことができます。とんかつを引き立てる名脇役も勢揃い“とんかつ愛”のこだわりは、ソース、キャベツ、ご飯やお味噌汁など脇役にも徹底されています。「まずソースは、トマトソースをベースに、甘過ぎす重過ぎずのバランスでブレンドして、誰の好みにも合うオーソドックスな味にしつつ、少しだけカルダモンやナツメグなどのスパイスを加えてアクセントをつけました」と田代氏。このソースを熱々で提供するのは「せっかくとんかつが熱々でも、冷たいソースで温度が下がってしまっては台無しなので……」と田代氏。キャベツを別添えにしたのも温度を下げたり、ドレッシングがとんかつに影響を与えたりしないようにという思いからです。とんかつを待つ間に擦っておいた胡麻の上に熱々のソースが注がれる熱々ソースだけでなく、地中海風、イタリア風に味変ができるソースやさっぱり食べたい人のために、こだわりの塩、だし醤油と山葵も目の前にずらり。ご飯と共に食べる時はとんかつソースや塩だけでも充分に楽しめますが、アラカルトとしてお酒の飲みながらという場面では味わいの幅が広がり満足度がより一層あがること間違いありません。スペインやモロッコでメジャーなスパイシーソース“モホ”バジル、アンチョビを使ったイタリア風“サルサヴェルデ”などで味変も楽しめる塩でシンプルに肉の味わいを堪能するのもおすすめ。塩はバスク地方の湧き塩水を天日干しにしたもの。電動ミルが用意されているもちろん定食として食べる時のご飯、お味噌汁もとんかつ味を邪魔せず引き立てるお米の品種、お味噌の種類を厳選しています。アラカルト、美酒も充実。“呑める”とんかつ割烹「とんかつ店は定食で提供するのがメインで、お酒が充実しているお店は少ないですよね。そこを強化したいというのもこのお店のコンセプト」と話す田代氏。「とんかつ店」というカテゴリーの中だけに収めず、おいしい料理とお酒がある料理店として幅を広げ、いろんなシチュエーションで利用してほしいとのことで、「とんかつ定食だけでなく、アラカルトでも注文できます。豚の種類は味わいの違いで2、3種用意しているので、定食ならスタンダードな味の神戸ポーク、ワインと楽しむなら旨みの濃いどろぶたやガリシア栗豚がおすすめ、などご提案しています」。※日によって豚の種類が変わることもありますワインは姉妹店【malca】の経験豊かなソムリエがとんかつはじめ揚げものと相性の良いワインをセレクト味わいの違うもの、季節限定品など、いろんな人の好みに合うよう10種類近い日本酒が多彩に揃えられているメニューには、神戸牛と銘柄豚のミンチをミックスした『メンチカツ』(1個700円)や、能登産の『アジフライ』(一切れ 1,100円)、『釣りサワラのフライ』(1切1,500円)、『鳴門尾水産から届く足赤エビのフライ』(1本 800円)などもあり、定食でもアラカルトでもオーダーできます。またとんかつはロースもヒレも食べたいし、産地厳選の魚介のフライも食べたいという人には、少しずつ楽しめるコース(11,000円、2名よりオーダー可能)もあります。このコースには嬉しいことに締めのラーメンまで含まれています。揚げ物を堪能したフィナーレにふさわしい味わいになるよう、豚と鶏の挽肉を香味野菜と共に煮込んで旨みや香りを引き出してから丁寧に漉して仕立てたコンソメスープを風味豊かな醤油で味を決めています。香り高く透き通った余韻が長く続く『特選銘柄豚の特製コンソメ醤油ラーメン』(アラカルトの場合1,000円)。麺は【富士麺ず工房】に特注するなどこだわりぬいているとんかつや揚げ物が大好きという人はたくさんいますが、揚げたて熱々のとんかつやフライをサクサクとつまみつつ、ワイン、日本酒、焼酎やウィスキーなど厳選されたお酒をゆっくり楽しめる専門店は確かにあまり多くは存在しません。とんかつ店として食材や揚げ方にこだわるだけでなく、せっかくのこだわりを最大限に堪能できるよう温度、ソース、白米、お酒、そして雰囲気からホスピタリティなどまですべての環境を整え「とんかつ愛」を表現してとんかつ店の限界を突破しているこのお店。これからもさらに限界を超えて「ここまでやるか」を更新していくに違いない勢いがあり、「どこまでやるのか」目が離せない存在になりそうです。とんかつ ここまでやるか。【エリア】表参道/青山【ジャンル】とんかつ【ランチ平均予算】3999円【ディナー平均予算】7999円【アクセス】外苑前駅 徒歩5分
2024年07月02日「酒場きんぼし」「びゃく」の姉妹店が渋谷にオープン渋谷【酒場きんぼし】や学芸大学【びゃく】を運営するマルホ株式会社の代表・池上さん。「野菜の魅力やおいしさを伝えたい」という想いから【渋谷ニッカ】をオープンしました。井の頭線「渋谷駅」から徒歩3分と駅近な立地ながら、通りから1本入った路地裏に位置し、渋谷の喧騒から離れた大人が寛げる環境です。【酒場きんぼし】から徒歩1分、渋谷マークシティー沿いの坂に誕生店内は「京の茶室」をイメージした和の趣を感じる空間。ひと際目を引くコの字型のカウンター席では、オープンキッチンのライブ感も楽しめます。他にも、テーブル席や最大8名まで入れる個室もあり、おひとり様から複数人での食事まで幅広いシーンで利用可能です。間接照明のやわらかな光がなんともおしゃれな空間。店内にはカウンター席、テーブル席、個室があり、広さは【渋谷きんぼし】のおよそ2倍2名~4名で利用できるテーブル席店奥には個室の席もあり取り扱う食材は、代表の池上さんのご実家である秋田県の八百屋「保坂青果」が目利きした旬の野菜たち。「三関せり」や「秋田美人ねぎ」などの秋田伝統野菜や、希少な天然の山菜など、あまり市場に出回らない野菜にも出合えます。彩り豊かな旬の野菜を味わい尽くす料理をラインナップお店のイチオシメニューである『おばんざい』は、季節毎に12種類ほど取り揃えており、単品に加えて「3種おまかせ盛り合わせ」としても注文可能。他にも、カリカリのじゃことやわらかな豆腐のコントラストが堪らない『美人葱と針生姜 じゃこ葱冷奴』や、谷中生姜を包んだ『焼き 生姜つくね』、旬の鱧をカツサンドに仕立てた『鱧カツ サンドイッチ』、季節によって食材が変わる『わっぱめし』など、食材のうまさが際立つ酒場メニューが揃います。名物の『おばんざい』。この日は「水茄子の揚げだし」、 「インカの目覚めとすずほっくりのポテトサラダ」、「アスパラガス焼きびたし」の『3種おまかせ盛り合わせ』(2人前)1,580円~をいただきました『焼き 生姜つくね』(1本)450円。なんこつ入りのジューシーな鶏つくねの中には、辛味が少なく爽やかな香りの「谷中生姜」が入っており、ショウガの香りが口中に広がります。つなぎに麩を使用しているため、食感が軽やか『鱧カツ サンドイッチ』1,080円。今が旬の鱧をハムカツならぬ鱧カツにし、コールスローとサンド。中のソースには、フルーティーな味わいの「渋谷ハチ公ソース(中濃)」を使用しているそう。ザクッとした歯ごたえで、食べ応えのある一品『鮭といくら わっぱめし』1,980円。【酒場きんぼし】名物のわっぱめしをブラッシュアップ。モチモチとした食感が特徴の「あきたこまち」を使用し、かつおだしとだし醤油で香りをつけた〆メニュー。食材とだしの旨みを活かしたあっさりとした味わいで、お腹いっぱいでも完食してしまうほど!また、限定メニューとして、こだわりのだしに旬の野菜と国産鴨をくぐらせて頂く『合鴨とお野菜のしゃぶしゃぶ』もラインナップ。「シンプルで食べ飽きず、季節の恵みを感じていただける自慢の一品です」とのこと。しゃぶしゃぶの食材は合鴨だけでなく、その時の旬の食材も取り入れていくそう。『合鴨とお野菜のしゃぶしゃぶ』2人前 3,480円~。かつおと昆布から丁寧にとっただしに、その時期オススメの野菜と、赤身と脂身のバランスが絶妙な国産の鴨をくぐらせていただきます。合鴨の上品でコクのある脂と旨みが溶け出したスープは、上品でやわらかな味わい。鴨も肉厚。〆のお蕎麦またはラーメン(各580円)もぜひお酒も日本酒やナチュラルワインなど幅広いラインナップ人気のおばんざいをはじめ、旬の新鮮な野菜を存分に楽しめるメニューが揃っており、野菜のおいしさを最大限に活かしたこだわりの料理はどれも絶品!みなさんもぜひ足を運んでみてください。渋谷ニッカ【エリア】道玄坂/神泉【ジャンル】居酒屋【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-【アクセス】渋谷駅
2024年06月18日「とにかくお腹いっぱいになって帰ってもらいたい。」カウンターで肉をカットしながら、こう語るのは料理長の岡﨑睦さん。高知は土佐清水の出身だそうで、もともと実家が旅館を営んでいたことから、自然に料理人になる道を選んでいたのだとか。16歳で料理の世界に飛び込み、以来、40有余年、和食店を振り出しに鮨割烹や外食産業などさまざまなジャンルを経験してきたベテランだ。料理人歴45年の大ベテラン、岡﨑睦料理長。15の歳からこの道一筋。鮨に天ぷら、そして肉とさまざまなジャンルに精通してきた2010年、ソルト・グループに入ったことから肉の世界へと大きくシフト。ソルト・グループが、ヨーロッパに和牛を売り出すべくロンドンで始めた和牛レストランの料理長に抜擢されたのだ。時に岡﨑さん42歳。「ロンドンの店は、当時でコース6万円はする高額店でしたが、いらしたお客様方は、みなさんおいしいおいしいって言って笑顔でお帰りになる。あぁ、肉ってこんなにも人を喜ばせられるんだ!と身をもって感じたんです」とは岡﨑さん。これを機に、さらに肉の世界へとのめり込んでいくことに。数寄屋橋交差点の程近く。モダンインド料理店など多くの人気店が入る飲食ビルの6階にこの4月にオープンそして2014年には、西麻布にオープンした【イノセントカーベリー】に就任。その後、丸の内店や同じ丸の内のすき焼き店【十二天】などを手掛けた後、麻布十番【岡田前】に転向。片腕となって尽力してきた。こぢんまりとしていながらも落ち着いた雰囲気の店内には、臨場感たっぷりのカウンター8席のほか、個室の用意もある「以前は独立も考えてはいましたが、もう、ここまで来ると、歳も歳だし、それ(独立)はないかな、と思っていた」岡﨑さんだったが、話は思わぬところから舞いこんできた。2023年7月、「中目黒で店をやってみない?」と誘われ、週に3回ほどポップアップ的に始めたところ大好評。見る間に数ヶ月先まで予約が取れない人気店となっていった。ところが、好事魔多し。諸事情により移転を余儀なくされるが、運良く見つけた物件がこの場所。まさに銀座のど真ん中。数寄屋橋交差点にほど近いビルの6階にこの4月1日、実店舗として再スタートした。コースに登場する串の数々。手前はハラミ(左)とジビーフ。奥は左からハツ、カイノミ、ザブトンで牛蒡を巻いた八幡巻き店内はこぢんまりとしているものの、カウンター8席のほか、奥には個室も用意。仲間うちの集まりなどに重宝しそうだ。が、やはり醍醐味はカウンター。カウンター前のショーケースに整然と並ぶ串うちされた肉の各部位が期待を募らせる。まず、目の前に置かれたのは、『ハツの串焼き』。こちらはシンプルに辛子で提供。サクッとした食感が心地よい。続く一品は豚。脂の融点が低く甘みのある佐助豚をしゃぶしゃぶで供した後は、『テートヒレの握り』、『ヒレタク巻き』と鮨が立て続けに登場。ちなみにテートヒレとはヒレのお尻の部分のこと。赤身感が強くマグロの赤身にも似たこの部位を、岡﨑さんは漬けにして握るなどさりげない一手間が光る。カイノミは、ヒレに近いバラの一部。赤身と脂身のバランスが良く、旨みもある。大根おろしを添えてさっぱりと食べさせてくれる『テールスープベースの茶碗蒸し』で舌を休ませた後、『黒タンの藁焼き』、『ハラミ』、『ジビーフの串焼き』と肉の3連発。ジビーフとは、完全放牧野生牛のこと。人間の手をかけずに育った牛の肉は、いわゆる和牛とは真逆の肉質。「異なる2タイプの肉を食べ比べていただくのも楽しいかなと思って」とは岡﨑さん。稀少なジビーフは常にあるとは限らないが、ない時には十勝若牛などグラスフェッド系の牛を用意しているそうだ。それぞれの肉の持ち味を味わえるのも、肉ラバーにはうれしいところだろう。『肩三角と春野菜の炊き合わせ』で再び小休止。取材日は、タラの芽、セリ、うるいと山菜だったが、これからの季節、冬瓜や茄子、とうもろこしなど夏野菜に変わっていく予定だとか。肩三角は、牛肉の腕の一部で比較的脂が少なく旨みの強い部位。淡い餡仕立てにして、軽やかな食感を演出している。『肩三角と春野菜の炊き合わせ』。山菜は、うるい、タラの芽、芹など。野菜は旬のものをあわせるため、初夏には、冬瓜や茄子などに続いて、再び串焼きにリターン。カイノミ、肩ロース肉の八幡巻きの登場となる。カイノミは、おろしポン酢と薬味でさっぱりと仕上げ、肩ロースは煮含めたごぼうを巻いて……等々。最後まで食べ疲れしないようにとのさりげない一工夫もさすがだろう。串焼きが一段落ついたところで、ラストはシャトーブリアンとステーキ。土鍋で炊き立ての白飯と共に定食スタイルで出してくれるのも気が利いている。今日の肉は近江牛。だが、岡﨑さんは、ブランド牛や格付けに殊更執着はない。最後に登場するのはシャトーブリアンの炭火焼き。炊き立ての白飯と共に定食のようなスタイルで提供するのが“おか﨑”流だ「決めているのは、雌牛を扱うということぐらいでA5でなくとも全然OK。むしろA4、A3ぐらいの方がサシの按配もほどほどで、今となっては食べ易い」とは岡﨑さん。塊のまま焼き上げるシャトーブリアンは、1人前100g。ミディアムレアに焼き上がったそれは、心なしかややワイルド。低温調理で仕上げた柔らかく繊細なヒレというよりも、カシッと噛み締める肉肉しさがある。それでいて口中でほぐれる肉の繊維はきめ細やかだ。ご飯は、岡﨑さんが吟味した米“いのちの壱”。コシヒカリの突然変異種で、粒が大きく甘みがあり、粘りと弾力に富む一方、米にもこだわりが満載。数々の米を扱ってきた岡﨑さんが、この店で選んだのは、滋賀の「いのちの壱」。コシヒカリの突然変異種として生まれたお米で、粒が大きく甘みがあり、馥郁(ふくいく)とした香りが特徴。これを30分ほど浸水させた後、土鍋で炊き上げている。もちもちとした炊きあがり、噛めば噛むほど旨みが広がる豊かな味わいは、肉の合いの手にはピッタリだろう。九州の甘口の醤油やわさびと共に味わいたい。最後にスパイシーなアイスクリームが出てコースはフィニッシュ。岡﨑さんによれば、「コース全体でおよそ400gほどの肉量になります」とのこと。これで19,800円(税込)は、“銀座という場所”を考えれば、お値打ちでは?シャンパーニュをはじめ、ワインはブルゴーニュを中心に品揃えも豊富。グラスシャンパーニュは1,870円、グラスワインは800~1,500円おか﨑【エリア】銀座【ジャンル】日本料理・懐石・会席【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】25000円【アクセス】銀座駅 徒歩2分
2024年06月17日“東京最幸の食体験”を提供するコンテンポラリーキュイジーヌフレンチミシュラン掲載店を含む飲食店を多数プロデュースする塩谷茂樹氏が、「今、東京で一番新しくおいしいフレンチ」を目指して新たなフレンチレストランを開業しました。店名の【アルギュロス】とは、ギリシア語で「銀」を意味する言葉で「慢心せずいつも金メダルを追い求める店にしたい」との思いが込められています。店内はカウンター8席のみの隠れ家的レストランです。プレートやテーブルにも銀を使用し、シックでありながらもラグジュアリーな雰囲気を演出していますシェフとしてキッチンに立つのは岡崎陽介氏。2003年に渡仏し、本場フランスの星付きレストランなと0で修行を積み、帰国後は名スペイン料理店【レストラン サンパウ】(※現在閉店)のエグゼクティブシェフやフレンチ【ラ メゾン ディセットゥドゥグレ】のシェフを歴任。そんな実力派のシェフと塩谷氏がタッグを組み、素材力とインスピレーションを武器に、ジャンルを超えたコンテンポラリーキュイジーヌフレンチに挑みます。ディナーコース36,300円からある日のコース一例“コーヒー”と“カヌレ”千葉大原の天然黒鮑の黄ワイン蒸し天城黒豚の肉まん本日特選素材毛蟹のタパス仕立てその日の料理直送のお魚をシンプルに時不知のサフランソースいぶさな牛炭焼きの辻農園白子筍添えその日のパティシエデザート2品プティフールとカフェ・茶北海道から即日出荷されて届いた毛蟹料理は10品のおまかせコースを提供。北は北海道・函館から南は長崎・五島列島まで、実際に足を運ぶことで生まれた、深い信頼関係がある生産者から毎日届く最高の食材を使用し、日本と世界の風土を描くよう料理を生み出します。今回はこのコースの中から一部を抜粋してご紹介します。“コーヒー”と“カヌレ”キャッチーなメニュー名に意表をつかれるアミューズ。カカオパウダーと黒ニンニクをベースに、少しの砂糖がほのかに甘みを感じさせる、お菓子ではなく前菜のカヌレと、濃厚で滋味深いすっぽんのスープのマリアージュからスタートします千葉大原の天然黒鮑の黄ワイン蒸し千葉県いすみ市の大原漁港から届いた立派な天然黒鮑黒鮑を使用した冷たい前菜。奥がシンプルな肝和えで、手前はハーブ、イタリアンセロリ、ミニオゼイユ、オキサリスなどのハーブと合わせていただきます。旨み、食感ともに最高です本日特選素材毛蟹のタパス仕立て【サンパウ】出身のシェフだからこそ、スペイン料理をオマージュして毛蟹はタパス仕立てで登場します。まずはむき身を、瀬戸内でつくられた魚醤とフェンネル(ウイキョウ)の芽と合わせて。プリップリの身に、すだちの爽やかとラベンダーオイルが華やかに香ります続いて小さな餃子のようなものが供されます。中には毛蟹の蒸し身、卵、生ハム、マイクロコリアンダー。ほろっと口の中でほどけて、毛蟹の旨みがジュワッと染み出します毛蟹最後の一皿はスープに。ベースはもちろん毛蟹ですが、隠し味にはバナナが入っていてほんのり甘みもあり、香味野菜がさらに毛蟹の味わいを引き立てています時不知のサフランソース魚料理はトキシラズ。春から夏にかけての季節外れに北海道で獲れる鮭です。皮はバリッと、身はミキュイに仕上げられ、シャープな印象の脂がしっかり乗り、身もフワフワで絶品です。付け合わせには福島県産のズッキーニとアスパラガスいぶさな牛炭焼きの辻農園白子筍添えメインのお肉は、年間10頭ほどしか出回らない宮崎県産の「竹の谷蔓牛」、23ヶ月の経産牛です。テールを煮詰めたシンプルなソースと、上からぶどう山椒を散らしています。付け合わせには、アク抜き不要で柔らかく旨み抜群の白子たけのこと、肉厚の小椋(おぐら)しいたけ「竹の谷蔓牛(たけのたにつるうし)」は特に赤身の質がよく、肉そのものの旨みが際立ちますその日のパティシエデザート旬のルバーブを使ったデセール。ルバーブをフレッシュ、ゼリー、シャーベットなど異なる食感にそれぞれ仕立てていて、その爽やかな酸味とローズゼラニウムの香りが印象に残りますメニューは食材によって、2ヶ月を目処に少しずつ変わっていくそう。季節ごとに、日本の豊かな風土を感じられる料理が、岡崎シェフの手によってどのように表現されるのかとても楽しみです。おいしいはもちろん、「最“幸”の時間だった」と思わせてくれる【アルギュロス】の今後に注目です。Argyros.【エリア】西麻布【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-【アクセス】六本木駅
2024年06月11日食材を無駄なく活用するための“発酵”伝統料理に発酵の旨みで奥行きをプラス発酵イタリアンとナチュラルワインは好相性誠心誠意つくられた食材を無駄なく活かしきるための“発酵”代官山にある【falo】は、炭火台を囲むカウンター席で料理が焼き上がる臨場感を楽しめる“焚き火イタリアン”。炭火で食材のポテンシャルを引き出し、味付けは、塩、胡椒、ハーブ、オリーブオイル、バルサミコなどシンプルです。その姉妹店を虎ノ門ヒルズステーションタワーにオープンさせることが決まったのは、2年ほど前の2022年。「同じことをやるのではなく、何かテーマをプラスして違いを出さなくては……と考えた末の答えが自家製の発酵調味料でした」と話すのは、開店準備をしながら代官山【falo】で2年ほどセコンドを務めていた江口拓哉シェフ。江口拓哉シェフ、東京都出身の36歳。代官山【falo】で働きながら【falo+】の開業も視野に入れ、構想を練りながら4年間炭火焼きの技術に磨きをかけ、2024年1月のオープンから料理長を務める「単に発酵が面白いとか、注目されているとか、旨みを深めるため、ということではなく、まずは食材を無駄なく活用するという思いから、切れ端や余った食材を発酵させ、それを味付けに使うという考えにたどり着きました」(江口シェフ)。というのも、顔を知っている生産者の食材を、たとえ端材とはいえ捨てるのは心が痛む。特に山形で農薬や化学肥料を使わない自然栽培で、丹精込めて野菜を作っている【お日さま農園】には収穫の手伝いにも行ったことがあり、その苦労や野菜への愛を肌身で感じているだけに捨てるのは忍びない。保存食にして無駄なく活かし切りたい。そんな食への愛着から始まったのが【falo+】なのです。豚の熟鮓(なれずし)、パン味噌、パン醤油、鹿醤油などマニアックな発酵調味料からざまざまな野菜のピクルスまで多種多彩酢漬けや塩漬けでピクルスにしたり、乾燥させてパウダーにしたり。それを付け合わせやトッピングに利用するというのは珍しいことではありません。もっと画期的なことはないかと、イタリア料理でよく使う白インゲン豆やレンズ豆、空豆を発酵させたらどうなるのかと、塩と麹で仕込んでみたそうです。また、看板料理のポルケッタを仕込む時の端材は、琵琶湖周辺で有名なフナの熟鮓(なれずし)を参考に、炊いた米、塩を合わせて豚の熟鮓に。ジビエの鹿では、塩と麹で醤油を。「余ったパンも発酵させて味噌や醤油にと、とにかく食材を捨てずにためてある程度の量になったら仕込むということを、開店準備を始めた2年前からずっとやり続けています」(江口シェフ)床下には発酵熟成中の味噌樽がぎっしり。白インゲン豆は、2年熟成で味に深みが増してきたという「やればやるほど発酵が面白くなり、食材もあれこれ手を伸ばしそうになるのですが、使うのは料理で使う食材のみ。発酵のためにわざわざ何かを買うということはしません。また、最終的にはイタリア料理に落とし込むということは忘れないようにしています」と、枠に捕われないようにしながらも、冷静さを失わないよう気をつけているとのこと。「毎日欠かさず混ぜるなど手間ひまかけ、時間をかけて育てているので愛着が湧くのですが、思いをお客様にぶつけ過ぎるときっと引かれると思うので、語り過ぎないということも肝に銘じています(笑)」と穏やかに話す江口シェフ。こちらはポルケッタ味噌。撮影時点で1年ほど熟成させたもの発酵をテーマにしているけれど、「実は昔は普通にやっていたこと」くらいのスタンスで特別感をあまり持たせない自然体なところに「発酵をブームで終わらせたくない。長く受け継いでいく文化でありたい」という意志を感じ、好感を持つことができます。ワインの空きボトルに入っているのがパン醤油。パン味噌に使っているのは、お店で出している【パーラー江古田】のパン「発酵は、食材の個性を失わないタイミングが大事」と話す江口シェフ。旨みやコク、酸味のバランスが整ったタイミングで発酵を止めて料理に活かしているのです。「いま気に入っているのは、開店準備を始めた頃に仕込んだ2年熟成の白インゲン豆の味噌。味に深みが出てチーズのような風味。パテに加えると奥行きが出ます。空豆もいいですね。味わいは白味噌に似ているのですが、酸が効いているのが特徴で料理にコクを出しつつ、後味はすっきりさせることができます」。何種類もの自家製発酵調味料を仕込み、その味わいの頂点を見極め、相性のいい食材や調理法の組み合わせで新たな一皿を生み出しているのです。イタリアの伝統料理に発酵の旨みで奥行きをプラス代官山【falo】のシグネチャー料理といえば、バラ肉を巻いた塊をオーブンで30040分じっくり火を入れ、最後に豪快に炭火で焼き上げる『ポルケッタ』。これはもともとイタリア・ヴェネチア地方の郷土料理『仔豚の丸焼き』をバラ肉でアレンジした料理で、ローズマリーとニンニク、塩のみというシンプルな味付け。この料理を【falo+】では豚の熟鮓を塗って焼いているのです。『塊で焼いたピュウファロのポルケッタ』3,500円。味噌パウダー、炭化させた玉ねぎを塩を混ぜた炭塩で味変も楽しめる一見豪快でボリューミーですが、口にすると豚肉の甘みや芳ばしい風味が舌の上に広がり、旨みがスーッと体に馴染んでいく奥深い味わい。「塩の味付けだとパンチが効きますが、熟鮓などの熟成した発酵調味料は、旨みだけでなくコクも出してくれますし、酸味が全体のバランスを整えて味わいに厚みのあるまろやかさや余韻をプラスしてくれるのです」(江口シェフ)パンの香りと麹の旨みが調和したパン味噌を、葉っぱの間に塗り込んだ『キャベツの炭埋め焼き』1,000円こちらは【パーラー江古田】のパンでつくったパン味噌を、葉の間に塗ってアルミホイルに包み、炭に埋め込んで火を入れたキャベツの丸焼き。ヨーグルトで作った自家製マヨネーズの上にのせ、仕上げには日本の赤紫蘇に似た爽やかな酸味を持つトルコのスパイス“スマック”を散らしています。蒸し焼きにすることで甘みを増したキャベツにパン味噌の旨みが絡み、野菜とは思えない食べ応えのある厚みのある味わい。シンプルながらも奥深いおいしさに感動します。イタリアの伝統的パスタ料理をアレンジした『肉味噌を詰めたトルテッローニ セージバターソース』2,400円トルテッローニは、ほうれん草とリコッタチーズでつくった餡をパスタ生地で包み、セージバターのソースで食べるイタリア伝統的な料理。これをポルケッタの端材と自家製味噌でつくった餡でアレンジしたひと皿です。このように調味料として発酵させたものを使うこともあれば、塩や酢で浅漬けにした野菜を付け合わせ的にプラスすることもあります。“ティエピド”とは人肌のことで、味を一番感じる温度。『燻製サクラマスのティエピド うるいの浅漬けと鮎なれクリーム』2,500円35℃で20分火入れしたサクラマスの皮目に炭を当てて、香ばしく仕上げている浅漬けにしたうるいの塩味やほのかな酸味で、ワインが進む一品です。鮎なれクリームは、鮎で有名な岐阜【川原町泉屋】から取り寄せた鮎の熟鮓をベースにつくっているそうです。『馬肉の温製カルパッチョ 特製ヴィネガーとゴルゴンゾーラ』2,800円炭を直に当てて香りを出して焼いた馬肉を、自家製のお酢で軽くマリネしたホワイトセロリや玉ねぎのサラダと一緒にいただく、温かいカルパッチョです。サラダの中にはゴルゴンゾーラチーズアーモンドなどナッツも和えてあり、イタリアンの一皿に落とし込まれているのです。発酵イタリアンとナチュラルワインは好相性発酵の力で体に馴染む料理とナチュラルワインの相乗効果でおいしさがプラスされるのも【falo+】の狙い。「ワインも発酵の力を使ったお酒なので、発酵調味料や発酵させた野菜と親和性があります。ですから、比較的どんなワインでも相性がいいので、ペアリングで料理に合わせていくというよりも、お客様の好みのワインを飲んでもらう、というスタンスでコミュニケーションを取ってワインをお勧めしています」と話すのは、サービス担当の塚本尚史さん。生産者の顔や土地の個性が見えるような、自然なつくりのワインを中心とした品揃えナチュラルワインがメインですが、ゲストの多様な好みに合わせられるよう、シャンパーニュからしっかりした赤ワインまで味わいの幅も広く取り揃えています。料理もアラカルト主体なので、ひと皿ひと皿自分好みの料理をグラスワインで合わせることもできれば、仲間とボトルで、などスタッフと相談しながら臨機応変に楽しむことができるのです。キッチンを囲むカウンター席。窓側は高い位置にあり、円形劇場のような趣でキッチンの臨場感を楽しめる炭火台を中心にぐるりとキッチンを囲むカウンター席は、位置によって高低差があります。また、真っ直ぐではなく半円を連ねているので、カウンターとはいえ独立したテーブルのようにも感じられ、3、4人で訪れても自然に目線を合わせて会話を楽しめる画期的なカウンター席になっています。炭火台に最も近い正面席横や背面の席は厨房や正面の席よりも高さがあり、店内、あるいは窓の外の景色を眺めることもできるすでに名店となっている代官山【falo】の「食材のポテンシャルを引き出す」というコンセプトを踏襲しながら、新たな価値をプラスしていこうという気概に満ちた【falo+】。生産者、そしてその背景にある自然や地球環境に思いを馳せ、伝統を学び直し、新しいイタリアンの可能性を追究しています。単においしさだけでなく、レストランの役割とは何かを思慮を巡らせ、楽しく心地よく過ごせる空間づくりやサービスも秀逸。お店のスタッフもゲストもとても穏やかな表情をしている様子に、体に負担なく吸収される発酵の作用があるのかな、と思ってしまうほど。活気的でありながらも癒される発酵イタリアンです。代官山と同じ焚き火をイメージしたイラスト。そこにプラスをつけて「ピュウファロ」と読む。ピュウはプラスの意味のイタリア語falo+【エリア】虎ノ門【ジャンル】イタリアン【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】9000円【アクセス】虎ノ門ヒルズ駅
2024年06月10日下北沢で発信したい、“ジャンルレス&ボーダレス”な新しい食体験とはボーダレス、に込めた想い自由な発想で生まれるモダンフュージョン料理下北沢で発信したい、“ジャンルレス&ボーダレス”な新しい食体験とは昔からアートやサブカルチャー、ファッションなど多様な文化を享受してきた街、下北沢。いわゆるダイバーシティのようだと話す方もいるほど、沢山の趣味嗜好やエネルギーが集まっている場所でもあります。そうした街だからこそフーディーたちを唸らせる、1つのジャンルに偏らない「新しい食体験」を発信するお店を作りたかった、とオーナーの桑原大輔さんは話します。多様な文化が息づく街、下北沢にオープンした【meso】その“ジャンルレス&ボーダレス”な思考は、一歩店内へと足を踏み入れた瞬間に、内装の至るところからも伝わってきます。シェフとの距離感がぐっと近く感じられる14席のフルフラットカウンターや、調理する様子が間近に見えるオープンキッチン、隣の人と話しやすい椅子の距離感も絶妙です。またカウンター席の一部は向かい合って座れるように配置されていたり、8名までが座れるビッグテーブルも用意されていたりと、デートや記念日はもちろん、友人との集まりなどのデイリーユーズやビジネスの会食でも活躍する場となりそうです。客席と調理場の“ボーダレス”を感じられる、近い距離感のオープンキッチン。ここで繰り広げられるライブ感が、さらに美味しい時間を演出してくれますカウンター席のほか、8名まで着席可能なビッグテーブルもボーダレス、に込めた想い同店で腕を振るうのは、都内ホテルレストランでキャリアをスタートさせ、料理雑誌のスタイリングやメニューの開発、またシドニーのレストラングループでのスーパーバイザーや【Whitewater Restaurant】などで料理長を勤めたご経験を持つ原島正幹シェフ。【meso】ではシェフが研鑽を積んでこられたフレンチの技法を活かしつつ、アジアや和のエッセンスを取り入れたコンテンポラリーな料理を作っていらっしゃいます。料理をふるまう【meso】のオーナー桑原大輔さん(右)と、シェフの原島正幹さん(左)それらの料理を紐解いていくと実は「誰でも知っているメニューにひとクセつけたもの」でもあるそうで、ホッとしつつも非日常を感じられるような、グルメな大人たちが楽しめる場所にしたいという思いがあってこそのもの。そしてジャンルを縛らずに広げていることの1つには、いつかは若い料理人たちにも色々メニューを開発してもらえる場所にしていきたいという思いがあるからだとか。そう語るシェフのオリジナリティ溢れる料理は、季節によって、次は何が登場するのかと気になり追いかけたくなってしまいます。『ワインとハーブのマグロコンフィ クリームアンチョビソース』など、オリジナリティ溢れるボーダレスな料理をアラカルトでまたボーダレスの言葉には、料理ジャンルとしての垣根が無い、という意味だけではなく、ベジタリアン・ヴィーガン・フィッシュラバーズやミートイーターなど多様な嗜好にも対応している、という意味が含まれています。インバウンドも増える昨今、食の文化により同じ場所で共に食事を楽しめないという状況をなくすことで、一緒に1つのテーブルを囲む楽しさを味わってもらいたいからと考えられたとのこと。そのため前菜、メイン、〆のひと皿、デザートと全てのカテゴリーで対応が可能となっています。こうした意味でも【meso】での「新しい食体験」は、貴重なひと時になるのではないでしょうか。自由な発想で生まれるモダンフュージョン料理おすすめのアラカルトメニューを幾つかご紹介いたします。『軽く焼いたトレビス 白インゲン豆のペースト』苦みの強いトレビスの表面を軽く焼き、特製のセサミビネグレットをかけた一皿。酸味を出しつつもマイルドに仕上げられており、そこにほろ苦さの中に甘みをプラスした白インゲン豆のペーストをつけていただく、様々な味覚の組み合わせがおいしいお料理です。『炙り〆サクラマス バルサミコベリーと麹フロマージュブラン』〆鯖ではなく〆鱒としての一皿。バルサミコやブルーベリー、味醂を合わせた〆酢に漬けたサクラマスを軽く炙り、同じく酸味のあるバルサミコ醤油のベリーソースと麹のフロマージュブランを添えたものになっています。キャラメリゼによる甘みやコクも感じられる、奥行きのある味わいが特徴のお料理です。『津軽かも胸肉ロースト オリエンタルスロークック』これまでシェフが調理してきた鴨料理に比べ、さらに鴨の柔らかさを出した状態に仕上げたいと、オレンジや八角、コリアンダーなどのスパイスの中に20分間ゆっくり漬けて寝かせているそう。漬け込んだあとには軽く表面を揚げる手法で皮目にパリッと感を出し、食べやすく香ばしい一品となっています。椎茸と長ネギをベースにバルサミコやオレンジをいれて構成したソースと、アクセントにケールのチップを添えて。『ポークカルニータスライス』スパイス、フルーツなどで漬け込んだ豚肉をラードでじっくり煮込む南米料理のカルニータスをもとに、中国たまり醤油や昆布だしなどを加えアレンジしたポーク煮込み。シェフがどうしても表現したかった味わいでもあるそうです。カルニータスのようにトルティーヤと合わせるのではなく、ご飯に合うようにと幾つもの調味料を掛け合わせているところにもこだわりが。なお米についても、バスマティ・ジャスミン・あきたこまちの3種をブレンドしているそうで、日本酒や昆布、生姜で炊き込んだその味わいは豚肉との相性も抜群。アクセントにパクチーが添えられているところにもやはり“ボーダレス”を感じる、様々な国の旨みがギュッと詰まったような一皿です。なおワインはナチュラルワインを中心に、世界各国から厳選した産地や味わいの異なる白ワイン・オレンジワイン・ロゼワイン・赤ワインを常時15種類以上ラインナップ。ワインのランクによって40ml・60ml・80mlと提供量が変わることで、希少なワインも全て同じ値段(880円)で気軽に味わえるところも嬉しいポイントです。(ボトルワインは6,000円~各種)。またワインのラインナップはその時期で変わるため、訪れる度に新しい出会いを愉しむことができそうです。変化を続ける下北沢の街で、グルメな大人たちが集いたくなる貴重な一軒。グレーとベージュを基調にしたシンプルモダンな素敵空間に、ぜひ大切な人と訪れてみては。ナチュラルワインを中心とした豊富なラインナップが嬉しいドリンクメニューmeso【エリア】下北沢【ジャンル】イノベーティブ・フュージョン【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-
2024年06月07日27歳という若さで、六本木の隠れ家ビストロを任された注目の料理人とは?生産者のもとを訪れて知った、その野菜にしかない食感の“個性”自在にアレンジされるジビエにも注目ワインバーとしてアラカルト利用もできる【根深】の裏メニューとは?27歳という若さで、六本木の隠れ家ビストロを任された注目の料理人とは?日曜定休が多い港区で、日曜の夜営業を掲げる救世主六本木ヒルズから、けやき坂を下った先のビルの一室。【根深】とひかえめに書かれた表札以外に店の様子を伺えるものはないが、一歩足を踏み入れると、若手のスタッフらがにこやかに迎え入れてくれる。ゆるやかなカーブのついたカウンターテーブルは8席ライブ感が愉しめるカウンターとは打って変わって、薄明かりのもとセンスのよいインテリアを配した個室が1部屋。自宅に招かれたようにゆったりと寛げる空間だ。個室は4名用。高級感のある絨毯と温もりのある丸テーブルで、プライベート感も演出まさに隠れ家と呼ぶにふさわしいこの場所で、弱冠27歳という若さで店を任されたのが、料理人・小林千春さん。日本料理【感情】でオープニングメンバーとして腕を磨き、続く六本木のワインバー【終りの季節】では、客として通う一流シェフたちに料理を振る舞い、キャリアを重ねてきた。1996年、静岡県生まれ。中学生の頃から料理人を目指し、静岡の料理専門学校を卒業。20歳から都内の人気ビストロなどフレンチを中心に経験「ビストロ、日本料理と歩んできて、バー【終りの季節】ではメニューにある程度の幅があったので、とにかく学びたいという気持ちで、あらゆることに挑戦できました。生産者さんと直接お会いできる機会が増えたことで、「素材の“食感や香り”を軸にしていきたい」という自分の方向性にハッキリ気付けたのだと思います」そんな自然な流れのままに、ジビエと野菜が【根深】のテーマとなった。生産者のもとを訪れて知った、その野菜にしかない食感の“個性”本日の自慢の野菜たち。6月までは、北海道余市を訪れた小林さんが惚れ込んだ農家「コロポックル村」のホワイトアスパラも仲間入り小林さんのいう“食感や香り”を最大限に味わえる料理が、『ホワイトアスパラのおひたし』。「フレンチを経験しているとソースやピューレを添えがちですが、生産者さんとお付き合いを重ねて、その野菜にしかない、食感の“個性”を知ることができました。その個性を最大限に生かすためには火の入れ具合が肝になりますし、このホワイトアスパラも、ベストなシャキッという食感に仕上げるため、茹で具合にはすごく気を遣っています」茹でたホワイトアスパラは、剥いた皮などからとっただしに漬けこみ、冷やしてから真空にするという小林さんもお気に入りの調理法で。『ホワイトアスパラのおひたし』。ホワイトアスパラ本来の味がぎゅうと凝縮され、香りやみずみずしさがたっぷり味わえるお次もシンプルな見た目ながら野菜の食感や香りを最大限生かした一皿『たけのこと桜エビ』。「大阪府貝塚で有機栽培でつくられるたけのこは、アクが少なく、とても柔らかいのが特徴です。最初から炭焼きにすると乾き過ぎてしまうため、適度に水分を保つようにフライパンで蒸し煮のように温めていく、ブレゼというフレンチの手法をとります」さらに食感を愉しめるよう、裏側に隠し包丁を入れるという和食のギミックも織り交ぜて。炭焼きにしたたけのこは、オリーブオイルベースで甘夏を合わせたソースでさっぱりと『たけのこと桜エビ』。小林さんの地元・静岡の桜エビで、香りと旨みのアクセントをプラス3品目は、「本当にパワーの強い野菜を育ててらっしゃる」と小林さんも絶大な信頼を寄せる、北海道余市「雉子谷(きじたに)農園」の新玉ねぎ。じっくり火を入れた玉ねぎは、それ単体がすでにシチューのような味わいに仕立てられており、パルミジャーノチーズをおろすことで、メインの一品にも昇格。トップゴールドという辛みの少ない、みずみずしい玉ねぎを使用した『新玉ねぎロースト』自在にアレンジされるジビエにも注目今回の撮影で使用した鹿は、長野県阿智村から直接仕入れている甲州鹿鹿とヒグマ、猪などこだわりのジビエを安定的に仕入れるのも、小林さんの目利き。「【感情】にいた時のお客さまが、ITの会社を経営しつつ狩猟をされる方で、北海道の弟子屈町(てしかがちょう)まで伺う機会があったんです。撃つだけのハンターもいますが、食べるまでを完結したいと考えていらっしゃる方で、鹿を仕留めた直後に、そのまま車に装着したクレーンのようなもので吊るして血抜きまでするので、肉がとても新鮮で臭みもない。さらにその場所自体がマイナス10℃くらいの極寒の地域なので、仕留めた直後から冷凍庫で処理しているような状態で、東京へ運ばれてくるまでの状態も完璧なんです」「うちで卸してもらっているのはきれいな味の鹿肉なので、そのままがおいしい」と、ソースはあえて無し。基本は塩とオイルでいただく『鹿のロースト』鹿肉のローストは、鮮度や柔らかさが見て取れる、薄いピンク色。しっとりと保湿された身は味わい深く、余韻まで楽しめる。最後は、ジビエを煮込んだラグーソースを合わせたショートパスタ。小麦の香りが強く、ジビエの力強さにも合わせられる「ヴィチドーミニ」のパッケリをチョイス。パルミジャーノチーズを削りかけて仕上げる『パッケリ ラグーソース』。コクのあるラグーは、魚醤のような旨みの集合体だワインバーとしてアラカルト利用もできる【根深】の裏メニューとは?夜営業のみで、15,000円のお任せコース一本勝負。料理人からも一目置かれるワインバー【終りの季節】の姉妹店だけあり、【根深】もワインの品揃えには余念がない。フランスを中心にイタリア、南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランド、もちろん日本産まで、一貫して料理に合う、優しく綺麗な味のワインをラインナップする。ワインはグラスでも1,500円から。料理に合わせるのは白ワインが多いが、ジビエやラグーと合わせるお客さまも多いため、赤ワインも豊富特に「2017 サヴィニー・レ・ボーヌ レ・プランショ / ジャン・ピエール・ギヨン」(右から2番目)は、しっかりとした熟度ながら、ビオロジックでナチュラルにつくられているおかげで、飲み疲れのない滑らかな赤ワインだ。コース終了次第(21時以降)、ワインバーとして利用もできる【根深】では、アラカルトメニューの注文も可能。小林さんのお気に入りメニューは『千代幻豚の白味噌しゃぶしゃぶ』とのこと。アラカルトメニューが手書きされた原稿用紙には、「裏(に)メニュー」も「常連のお客さまから「桜エビがあるならパスタで食べたい」などのご要望があれば、対応することもありますし、先日は「びっくりするほどおいしくて」と持ち込まれたかぶを即興で料理したり(笑)。ちょっとした無茶振りに応えることで自分の進化も感じているので、案外楽しいんです」と、小林さんは意気揚々。抑揚のあるコース料理を組み立てつつ、ワインバーとしての自由度も備える【根深】。その振り幅を楽しむ余裕すら感じられる若き料理人の今後にも注目だ。根深【エリア】六本木【ジャンル】ビストロ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】15000円【アクセス】六本木駅 徒歩5分
2024年06月04日肉をこよなく愛するシェフによるスモーキーマジック炭火料理だけではない、インパクト抜群の料理の数々800年の名庭を受け継ぐ「フォーシーズンズホテル京都」肉をこよなく愛するシェフによるスモーキーマジック【エンバ・キョウト・チョップハウス】の料理長を務めるセバスチャン・バルクデス氏「フォーシーズンズホテル京都」のメインダイニングとなる【エンバ・キョウト・チョップハウス】始動のため、シェフに抜擢されたのがセバスチャン・バルクデス氏です。生まれ育ったアルゼンチンには、肉の塊を炭や薪で豪快に焼き上げる伝統的なアサードといわれるバーベキュー料理があります。バルクデス氏にとってアサードは、親しみのある郷土料理であり、その情熱はDNAに刻みこまれています。5歳の頃には、家族のためにケーキを手作りしていました。17歳になると、地元のレストランでは働き始め、そのキッチンで感じた情熱やチームワークに感銘を受けます。以来、この仕事に魅了されていると語ります。ドバイの1つ星レストラン【アル・ムンタハ】や【カットバイウルフギャング・パック】で研鑽を積み、ドーハの【シャングリ・ラ ドーハ】では、アルゼンチン料理レストランの料理長に就任。その後、クアラルンプールの【マンダ リン グリル】や【マンダリン オリエンタル クアラルンプール】で成功を収め、マニラの【シャングリ・ラ ザ・ フォート】へ。その後、世界的に有名な肉職人であるダリオ・チェッキーニ氏が手がけるステーキハウス 【SLSバハマール】にて料理長を務め上げました。ホテル内の熟成庫で肉を厳選するバルクデス氏バルクデス氏が吟味して仕入れた肉は、ホテル内にある熟成庫で匂いや硬さを丁寧にチェックしながら、熟成の具合を見極めます。鹿児島県黒毛和牛や熊本県産あか牛など日本が誇る数々のブランド牛に加え、最高品質のアメリカ産プライムサーロインやオーストラリア産ラムチョップなど、世界各国のブランド肉をセレクト。「いくつもの国で肉に携わってきましたが、日本のように出荷のタイミングが選べる国はありません。その細やかな仕事に感銘を受けました」とバルクデス氏。厨房に新たに設けられた焼き台で、豪快かつ繊細に焼き上げます『30日熟成徳島県産 Tボーンステーキ シェア用 1㎏』【エンバ・キョウト・チョップハウス】には、実にバラエティ豊富なメニューが揃いますが、まずはシグネチャーである自家製熟成肉のステーキをご紹介しましょう。熟成によって旨味が凝縮した肉は、今回のために厨房に新たに設置した炭火の焼き台にて火入れ。芳ばしい香りをまとってゲストのもとへと運ばれて行きます。まずは、何も付けずにそのまま肉本来の味わいをお楽しみください。その後、オリジナリティ溢れるソースと共に。メニューには『焦がしミモレットのマカロニアンドチーズ』『海藻マッシュポテト』『トウモロコシとお豆腐のクレームブリュレ』といった魅力的なサイドディッシュも並びますので、ぜひご一緒に。テーブルにたくさんのお皿が並ぶ光景もまたご馳走です。『カリフラワーの炭火焼き ミントヨーグルト 胡麻ソース』『鮪中トロのステーキ』肉料理の他にも炭火で仕立てるメニューを多数ラインアップ。鮪や地元産の野菜も炭火によって、素材本来の持ち味が引き出されています。本場で培った技術と豊かな感性から生み出される芸術的な炭火焼きの世界を感じていただけることでしょう。炭火料理だけではない、インパクト抜群の料理の数々『シーフードプラッター 牡蠣 車海老 蟹 イイダコ 雲丹 帆立 ロブスター』(2名分)蟹、牡蠣、雲丹、帆立、ロブスターなどが盛り合されたシーフードプラッターは、運ばれてきた瞬間、思わず歓声が上がる豪快なビジュアル。シェアすることで、会話が弾み、より一層盛り上がることでしょう。日本は思いのほか広いので、来日した外国人観光客などが、京都に居ながらにして(実は訪れたかったが時間がなかったかもしれない)北海道の新鮮な海の幸に舌鼓を打つことができるのもこちらの魅力。「ステーキハウス」ではなく「チョップハウス」と命名したのも、肉だけではない多彩な料理を提供したいという想いからです。『エンバクラブケーキ 国産ずわい蟹 ハーブ レモン風味のタルタルソース』『ロブスタースープ 九条葱 京都産きぬひかり キャビア』【エンバ・キョウト・チョップハウス】が提供するのは、豪快な大皿に盛り付けた料理だけではありません。まるでブーケのように緻密に盛り付けられた『エンバクラブケーキ 国産ずわい蟹 ハーブ レモン風味のタルタルソース』はフォークを入れるのを躊躇してしまいます。ドリンクもワイン、ウイスキー、日本酒など多彩にラインアップ。グラスワインだけでも30種類近く揃うので、ぜひオーダーした料理と相性の良いものやお好みタイプをスタッフに尋ねてみてください。『イタリアンメレンゲ 季節のベリー チェリーソルベ』デザートには、炭火料理にちなんだ薪をデザインした遊び心も。実は、料理人としてのキャリアの初期に製菓からグリル料理へと転身したバルクデス氏。パティシエの経験のなかで得た「正確さ」を重んじ、現在も追求し続けているといいます。ホテル1階に位置する【エンバ・キョウト・チョップハウス】の客席店名の「EMBA(エンバ)」は、「宴」「炎」「縁」の3つの「エン」への想いが込められています。食を楽しむ宴の場となり、焼き上げる炎が芸術的に舞う場であり、そして、縁を繋ぐ場になれたら……。さらに、「EMBA」で過ごす時間を通して、いつまでも思いを馳せていただける「場(存在)」になれたら……。バルクデス氏曰く「幼い頃から一緒に食事をすることで、いつもお祝いのような気分を味わっていました。その感覚を【エンバ・キョウト・チョップハウス】で再現したいと考えています」。800年の名庭を受け継ぐ「フォーシーズンズホテル京都」季節の移ろいを伝えてくれる「フォーシーズンズホテル京都」の名庭「積翠園」「フォーシーズンズホテル京都」は、京都駅から車で10分ほどの東山の麓に佇みます。約10,000㎡の敷地に3,000㎡の池が広がる池泉回遊式庭園「積翠園」を囲むように造られました。平安時代末期の武将・平重盛の別邸「小松殿」の園地と伝えられ、非常に貴重な文化遺産です。2016年秋に開業して以来、国内外の多くのゲストに愛されています。「1ベッドルームホテルレジデンス ガーデンビュー」「フォーシーズンズルーム」館内は、ハーシュ・ベドナー・アソシエイツがデザインを担当。「積翠園」を囲むように123の客室と57のホテルレジデンスを有します。4階にある「フォーシーズンズルーム」は、プライベートバルコニーから「積翠園」と東山十八峰を眺めることができる客室。反対側の京都の街並みを臨むことができるお部屋も人気です。また、我が家のように寛ぎたいゲストには、キッチンや洗濯機などが備わったレジデンシャルスイートもおすすめ。2023年夏にはサステイナビリティに配慮した取り組みとして、全客室のバスルームアメニティを個装のミニボトルからDIPTYQUE(ディプティック)のポンプ式に変更。エレガントな香りが、ホテルでの特別な時間に花を添えています。また、キッズのためのアメニティーも充実。愛らしい鯉のリュックサックやオリジナルキャラクターが登場する塗り絵などを用意するほか、「積翠園」では鯉の餌やり体験なども用意。長さ20mのインドアプールには、ジャグジーやサウナも完備京都ならではの静寂な癒しの時間へと誘う「THE SPA」「THE SPA」の内装デザインやメニューも「積翠園」から着想を得ています。京都の宇治にある有機茶畑で丁寧に搾られた茶の実オイル、24金の金箔を配合した竹炭スクラブ、日本酒バスといったメニューもこちらならでは。解放感あるプールでは泳ぐのもよし、プールサイドのラウンジチェアで寛ぐもよし。喧噪を忘れ、リラックスしたひと時を過ごせます。妙法院門跡門主僧侶であった菅原信海氏によって命名された「楓樹」「積翠園」のガラスの橋を渡り、石畳の小路を進むと、数寄屋造りの茶室「積翠亭」に辿り着きます。京都出身の建築家・山本良介氏が手がけた茶室内には、趣漂うラウンジ「楓樹」を併設。お抹茶や日本酒、シャンパーニュをいただくことができるほか、贅沢な空間で食事をすることもできます。また、茶室では茶道体験を、ラウンジでは金継ぎ体験(共に宿泊者限定)を楽しむことも。優雅な庭園を見渡すことができる【ザ・ラウンジ&バー】『Four Seasons プライベートジェット アフタヌーンティー』【ザ・ラウンジ&バー】では、6月30日までの期間、プライベートをジェットで世界各国を巡るツアー「フォーシーズンズホテル プライベートジェットエクスペリエンス」をテーマにした『Four Seasons プライベートジェット アフタヌーンティー』が登場します。シアトル・京都・パリ・モルディブなどのツアーの旅先9か国をイメージした多彩なスイーツとセイボリーをご用意。7月以降は、新たに就任したエグゼクティブ・ペストリーシェフ、ラシカ・ウィーラシンヘ氏によるアフタヌーンティーが登場するのでお楽しみに。ホテルから一歩も出ずとも京都を存分に感じることができる「フォーシーズンズホテル京都」。新たに誕生した【エンバ・キョウト・チョップハウス】でのディナーは、お腹も心もたっぷりと満たされるので、ぜひゆっくりと滞在してみてはいかがでしょうか。エンバ・キョウト・チョップハウス【エリア】七条/丹波口【ジャンル】ステーキ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-
2024年05月31日1_モダンブラッスリー「ソフィ アット エディション」光あふれる「ソフィ アット エディション」の店内ホテルの最上階、14階に位置する「ソフィ アット エディション」は、日本の旬の食材と豊かな食の伝統に敬意を表したモダンブラッスリーです。ブロンドオークと漆喰を使った直線的なインテリアが明るさや軽やかさを強調し、プライベートダイニングルームのポップな色彩がエディションならではの遊び心を添えています。メニューの一例『赤牛サーロインステーキ・オ・ポワブル』(ハーブローストポテト、農園野菜、北海道ブランデーソース)こちらで提供されるのは、和の食材を伝統的なブラッスリースタイルにアレンジした個性あふれるメニューばかり。地元の小規模生産者から仕入れた旬の食材を使い、レストランの世界観を繊細かつ斬新なフレンチで表現しています。2つのプライベートダイニングルームはそれぞれ14名と8名の収容が可能で、食事を楽しみながらのプライベートなイベントやミーティングを開催するのに最適です。店舗情報「ソフィ アット エディション」東京エディション銀座14F電話/03-6228-7400営業時間/ブレックファースト 7:00010:30、ランチ 12:00015:00(L.O. 14:30)、ディナー 17:30022:00(L.O. 20:30)2_ラウンジバー「パンチ ルーム」洗練されたダークウォールナット張りの壁と天井が、エレガントなタフテッドソファや宝石のような色合いのブロケードチェアと調和している「パンチ ルーム」ロビー2階に位置する「パンチ ルーム」は、パンチカクテルにフォーカスしたラウンジバーです。2013年秋に「ロンドン エディション」で誕生して以来、世界のカクテルシーンを魅了しており、エディションブランドの際立ったシグネチャーのひとつ。世界9か所に展開し、それぞれが歴史あるパンチカクテルを独自の解釈で提供しています。『ココナッツと飴』、『柚子と玄米』など、和をイメージしたカクテルメニューも提供現在、「パンチルーム」で提供されているカクテルメニューのコンセプトは「Wonderland」。客観的な視点から見つめる日本の文化を、パンチを通して探求しています。また、皆で楽しむためにつくられた『パンチカクテル』は、オーダーメイドのパンチボウルで提供され、ゲスト同士の交流を深めてくれます。店舗情報「パンチ ルーム」東京エディション銀座2F電話/03-6228-7400営業時間/火~木曜 18:00~24:00、金・土曜 18:00~2:00定休日/日・月曜3_ルーフトップバー「ザ ルーフ」サンセットタイムの「ザ ルーフ」。空のグラデーションが美しい銀座初のナチュラルワインにフォーカスしたルーフトップバー「ザ ルーフ」。街の喧騒から離れて、東京タワーを望む開放的な眺望を楽しむことのできる緑豊かな隠れ家です。周囲の街並みが見渡せるよう、目線より低い位置に配置されたシダやオリーブの生垣に囲まれており、プライベートな集まりに使いやすい大小さまざまなテーブル席や、植物に仕切られた席が用意されています。夜は東京タワーの夜景を楽しむことのできます提供されるのは、バイオダイナミック・シャンパーニュや希少なオレンジワイン、地元のワイナリーやディスティラリーのワインやスピリッツを使ったオリジナルカクテルなど。また、「ソフィ アット エディション」からセレクトされたフードをいただけます。店舗情報「ザ ルーフ」東京エディション銀座 屋上電話/03-6228-7400営業時間/水~金曜 17:00~22:00、土・日曜 12:00~22:00定休日/月・火曜※2024年6月3日(月)~7月3日(水)はメンテナンスのため臨時休業4_ホテルの中心に位置する「ロビー バー」アイボリーの布張りアームチェアと大きなソファに囲まれたゴールドを基調とした「ロビー バー」エディションのシグネチャーである「ロビー バー」はホテルの中心に位置し、朝早くから夜遅くまで、ゲストやローカルたちを温かく迎える隠れ家。チェックイン・デスクの後ろには20世紀初頭の日本の大型屏風が置かれ、床から天井までの2色のライトボックス・パネルがエレベーターへの通路を飾ります。朝食からティータイム、バーまで幅広く利用可能「ロビー バー」では、地元のロースタリー【リトルナップ コーヒーロースターズ】のコーヒーのほか、パネットーネで有名な【LESS】のペストリーが用意されており、朝食はテイクアウトも可能なので、自宅やオフィスでも楽しむことができます。店舗情報「ロビー バー」(Lobby Bar)東京エディション銀座1F電話/03-6228-7400営業時間/8:00~22:00レストランやルーフトップバーなど、あらゆるシーンで利用可能な「東京エディション銀座」。今回ご紹介したレストランやバーは、宿泊客だけでなく、一般の方でも利用可能ですので、ライフスタイルに合わせた“食”を楽しんでみてください。「東京エディション銀座」問い合わせ先住所/東京都中央区銀座2-8-13電話/03-6228-7400
2024年05月29日若きイタリアンシェフが挑む、北イタリアの郷土料理が楽しめるトラットリア東急東横線「学芸大学」駅から徒歩15分の目黒通り沿いにオープンアンティークショップなどハイセンスなお店が並ぶ目黒通り沿いに、北イタリアの郷土料理をアラカルトで提供するトラットリアをオープンしました。1階はカウンター席、2階・3階にはテーブル席を配し、おひとりから複数人での食事会まで、幅広いシーンでカジュアルに利用できる大人が通いたいレストランです。3階建ての木の温もりを感じる店内店主の桐山シェフは、都内のレストランで経験を積み、修業時代を含めると約8年間イタリア料理店で腕を磨いた実力派の料理人。地方ごとに個性溢れるイタリア料理の中でも、心温まる煮込み料理などの郷土色に魅了され、イタリア北西部のピエモンテ州や、中西部のトスカーナ州へ行き、本場の味を学ばれたそう。オーナーシェフの桐山淑雅(きりやま としまさ)氏アルプス山脈にほど近く、酪農が盛んな北イタリアでは、温かい煮込みや、バター・生クリームを使用した濃厚な料理が多いのが特徴。そこで【Grolla】では、たっぷりの黒コショウで一晩マリネした牛肉を赤ワインで長時間煮込んだトスカーナの郷土料理『ペポーゾ』をはじめ、肉を詰めた手打ちパスタを澄んだブロード(だし)といただく『アニョロッティ インブロード』、爽やかな食感とほのかな苦味が特徴のイタリア野菜を使った『プンタレッラサラダ』、ピエモンテ州の名物グリッシーニを衣にして揚げた新食感の『トリノ風カツレツ』など、北イタリアの伝統的な料理の数々を提供しています。では、さっそくお料理をご紹介します。『アニョロッティ インブロード』2,500円。アニョロッティとは、ピエモンテの方言で「ラビオリ」という意味。北イタリアの伝統的なパスタで、丁寧にとったブロードと合わせていただきます。とても澄んだあじわいが印象的なスープで、胃に染みわたります。『ペポーゾ』2,900円。イタリア語の「Pepe=黒胡椒」に由来するトスカーナの郷土料理。たっぷりの黒胡椒に一晩漬け込んだ牛肉を赤ワインでじっくりと煮込んだ一皿です。黒胡椒のスパイシーな味わいがクセになります。ワインとの相性も抜群です。『マグロとビーツタルタル』2,100円。イタリアでは牛の生肉がポピュラーですが、こちらのお店では日本人に馴染み深いマグロを使用。アンチョビと卵黄のソース、マグロの赤色が視覚的にも美しい一品。赤色で統一されていますが、さまざまな味わいや食感のアクセントが食べていて心地よい。『プンタレッラサラダ』1,900円。独特の風味と苦みをもつローマの野菜「プンタレッラ」を使用したサラダ。プンタレッラ自体のかすかな苦味とアンチョビとの組み合わせもよい。『トリノ風カツレツ』4,200円。ピエモンテで有名なパン「グリッシーニ」をパン粉にして揚げたボリューム満点のカツレツ。カリカリ・サクサクとした衣の歯応えと、やわらかい肉のコントラストが楽しめます。画像ではわかりにくいですが、かなりサイズが大きいので、大人数でシェアすることをオススメします。ドリンクは、イタリアワインを中心に、ビール、ウイスキー、レモンサワーなどのアルコール類と、ぶどうジュース「アランミリア」、ブラッドオレンジジュース、ミネラルウォーターの「サンペレグリノ」などのソフトドリンクをラインナップ。『グロッラ』800円/名中でも、ぜひお試しいただきたいのが『グロッラ』。ヴァッレダオスタの伝統的な酒器「グロッラ」を使用した、寒い地域ならではのリキュールとコーヒーを合わせた心と体が温まるお酒です。器にはいくつもの飲み口が付いており、中身が空になるまでそれぞれ専用の飲み口から回し飲みをする文化があり、“友情の盃”とも呼ばれています。お店の方曰く、食後酒におすすめだそうです。そんな若きシェフが営むトラットリア【グロッラ】。ぜひ足を運んでみてください。プロフィールオーナーシェフ:桐山淑雅(きりやま としまさ)氏1994年生まれ。幼少期より熊本県で育ち、福岡の調理師専門学校で学ぶ。卒業後は東京都内のイタリア料理店2店舗にて5年半勤務。独立後はシェアキッチンのシェフや出張料理、イタリア・ミラノの日本料理店のメニュー開発など多方面で活動する。2023年6月にイタリアへ渡り本場の家庭料理を学び、今年5月、独立開業1店舗となる【Grolla】を目黒通り沿いにオープンする。Grolla【エリア】学芸大学【ジャンル】イタリアン【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】8000~9000【アクセス】学芸大学駅
2024年05月28日世界に先駆けて開業した「ジャヌ」初となるホテルホテル最大面積で284㎡の広さを誇る「ジャヌスイート」サンスクリット語で「魂」を意味する「ジャヌ」。「つながり」「インスピレーション」「探究心」をコンセプトに掲げ、姉妹ブランド「アマン」のDNAを引き継ぎながらも、アマンの静寂とは対照的に活気やエネルギー、遊び心に満ちています。今後、世界12か所で展開予定のプロジェクトの第一弾として誕生しました。宿泊ゲストのみならず、麻布台ヒルズを訪れる多くの方々へ豊かなライフスタイルを提案していきます。「ジャヌ東京」は、麻布台ヒルズにおける唯一のホテルで、レジデンスA内に位置します。6階から13階までの8フロアに渡る客室は、55㎡から最大284㎡の広さで全122室。その多くがプライベートバルコニー付きで、都心のスカイラインを一望することができ、レジデンスのような寛ぎの時間を過ごせます。ハイドロセラピー&サーマルエリアにある温水プール4フロアにわたる多様なウェルネス&スパ施設「ジャヌ ウェルネス」は、約4000㎡という東京のホテル最大級の規模を誇ります。都内ホテル最大級のジム(340㎡)に加え、スピニングバイク、ヨガ、シミュレーションゴルフ、ボクシングなど、グループエクササイズ用の5つのムーブメントスタジオを完備。プールは、25mの温水プールとラウンジプールを備えます。2つのプライベートスパハウスには、ハマム(トルコ発祥のサウナ)とバーニャ(ロシア発祥のサウナ)もご用意。都内のホテルとは思えないほどの充実ぶりです。エネルギッシュな8つのレストラン&バーをナビゲート「ジャヌ東京」総料理長の高木忠宏氏。1969年、東京都生まれ。「パークハイアット東京」「ウェスティンホテル東京」「「HOTEL THE MITSUI KYOTO」」「マンダリン オリエンタル 東京」「ヒルトン小田原リゾート&スパ」などで腕を振るってきました。2023年5月より就任続いては、総料理長の高木忠宏氏が、8つのレストラン&バーをご紹介します。「ジャヌ東京では、日本および世界各地の生産者から調達したフレッシュでサステナブルな四季折々の食材を使い、皆さまの探究心が刺激される食体験をご提供いたします。さらに、麻布台ヒルズのコンセプトである”Green&Wellness”を意識し、ヴィーガンやグルテンフリーなど、多様なニーズに応じたメニューも取り揃えております」賑やかなイタリアの市場をコンセプトにした3つのライブキッチンがある【ジャヌ メルカート】ダイニングエリア中央には、イタリアの風景を彷彿とさせる、サステナビリティのシンボルでもあるオリーブの木のアートワークを設置。愛犬も同伴可能な、美しい緑が広がる中庭に面したテラス席は、麻布台ヒルズとのつながりが感じられますパスタを提供するカウンターでは、料理が出来上がるまでの様子をご覧いただけるので、朝市のような躍動感をご体感いただけます。スパゲッティ、トンナレッリ、リガトーニ、オレキエッテ、コンキリエ、ラビオリなど、季節によって種類が変わるのでお楽しみに「開放感あふれる【ジャヌ メルカート】では、群馬県産のフレッシュチーズ、北海道産の牛肉、色彩豊かな季節の野菜、豊富な魚介類など、日本各地から仕入れた新鮮な食材を使い、シンプルながらもモダンで本格的なイタリア料理をお愉しみいただけます。シェアスタイルでお召しあがりいただけるバラエティ豊かなアラカルトメニューに加え、ランチにはセットメニューもご用意しています。3つのライブキッチンには、本格生パスタをご提供するカウンター、『メルカート シーフードタワー』など新鮮な魚介類をご提供するカウンター、そしてヨーロッパの食文化には欠かせないシャルキュトリーやチーズを供するカウンターがあります。それぞれのカウンターで食事を楽しむこともできるので、【ジャヌ メルカート】はシェフとお客さまの距離が最も近いダイニングのひとつといえるでしょう」≫【ジャヌ メルカート】店舗情報階数:1階電話番号:050-1809-5550営業時間:朝食8:00~11:00(L.O.10:30)、ランチ11:30~15:00(L.O.14:30)、スナック14:30~17:00、ディナー17:00~22:00(L.O.21:30)平均予算:朝食4,000円、ランチ5,500円、スナック5,500円、ディナー10,000円席数:151席(内テラス席93席)※テラス席は愛犬同伴可ネオクラシックな雰囲気の【ジャヌ グリル】では国産牛や魚介類のグリル料理を楽しめる中央にライブ感溢れるキッチンを配置したメインダイニング。他に、ビジネスランチやディナーでのご利用にも最適な最大20名様まで着席可能な個室も完備シグネチャーディッシュの『島根県まつなが牛サーロイン』。シンプルな味付けや火入れを追求し、パタゴニアンソルトなどと共に提供コク深い北海道産のラクレットチーズにジャヌ グリルシェフ特製のBBQソースが食欲を掻き立てる『ダブルスマッシュ チーズバーガー』「メインダイニングのエントランスには、お食事の前のお待ち合わせに最適な【ジャヌ グリル】専用のバーカウンターや、約2,500本のワインが収納された2つのワインセラーが配されています。そして中央の壮観なライブキッチンでは、五感が刺激される臨場感あふれるシェフのパフォーマンスが、好奇心を掻き立てるジャヌ東京ならではのダイニングエクスペリエンスをご提供いたします。国産ブランド牛に留まらず、ニュージーランドやアルゼンチンの味わい深い赤身肉、生産過程や背景を重視した食材もご用意。アルゼンチンの湖塩、パタゴニアンソルトのほか、オリジナルBBQソースやスモークパプリカを使用したチミチュリソースなどのコンディメントが、こだわり抜かれた素材を引き立てます。一押しは、店内のアイランドキッチンで調理する『ジャヌグリルチーズバーガー』です。食べ応え抜群な240gのダブルスマッシュビーフパテにベーコン、甘みのある淡路島産玉葱を合わせました。フレンチフライ(バーガーとセット)とご一緒に、冷たい生ビールやクラフトビールもご堪能ください」≫【ジャヌ グリル】店舗情報階数:4階電話番号:050-1809-5550営業時間:ランチ 11:30~15:00(L.O.14:30)、ディナー 17:30~23:00(L.O.22:00)平均予算:ランチ7,000円、ディナー15,000円席数:132席(テーブル96席、カウンター12席、バー8席、個室2室 (計16席、コネクティング可)多彩な点心や60種類以上のアラカルトをナチュールワインと楽しむ【虎景軒(フージン)】赤をテーマカラーとしたインテリアが印象的な賑やかなダイニング。奥には、2名から10名まで利用できる個室も用意します『//の形を模した海/|蒸し餃/&』や『.景軒特製 /?包み/)籠包』など、カウンター内のキッチンで本場の点心師が腕を振るう数々『北京ダック 虎景軒オリジナルスタイル ダックロールとリエット キャビア クリスピーカップ』や『蒸し鶏の冷菜 上海風葱と生姜の翡翠ソース』などをシェアスタイルで「ライブキッチンをしつらえた賑やかでライブリーな空間の【虎景軒】では、中国各地の古典料理に息づく中国料理の本質を大切にしながら、広東料理の技法をベースに、コンテンポラリーにアップデートしたメニューを豊富にご用意しております。ジャヌ東京では、サステナブルな取り組みを進めており、シグネチャーディッシュである北京ダックは、一般的に食さず廃棄されることの多い肉をリエットにキャビアを飾り添えるユニークな方法で提供。ほとんどのお客さまが注文される人気の一皿です。ご友人やご家族と楽しくテーブルを囲みアラカルトをシェアスタイルで楽しむ。あるいはランチ・ディナー共にコースを利用したビジネスシーンやフォーマルな集いにもおすすめです。個室を4室ご用意しておりますので、様々なシーンでご利用いただければ幸いです」≫【虎景軒(フージン)】店舗情報階数:5階電話番号:050-1809-5550営業時間:ランチ 11:30~15:00(L.O.14:30)、ディナー 17:30~22:30(L.O.21:30)平均予算:ランチ8,000円、ディナー18,000円席数:131席(テーブル88席、カウンター17席、個室4室)長年の歴史を持つ江戸前鮨の伝統を再解釈して誕生した鮨店【飯倉(いいぐら)】風情漂う店内は、日本の伝統文化を感じることができる空間です。食後には、5~6種類から選ぶことができるお茶をご用意江戸前鮨を代表する小鰭の握り。シャリは、赤酢と黒酢のブレンドまたは白酢による2種類をネタによって使い分けています「【飯倉】では、シェフが仕入れた海の恵みと旬の食材を使った四季折々の酒肴とともに、カウンター席ではおまかせコースを、テーブル席ではアラカルトメニューをご提供いたします。生の魚とご飯を手早く提供することから“日本の元祖ファストフード”としても知られる江戸前鮨。 職人技が光る小鰭に代表される「酢〆」、穴子などの「煮物」、そして江戸時代から伝わるまぐろの「漬け」など、奥深い江戸前鮨をご堪能いただけます。こだわりのガリは、料理長の篠原邦宏が愛用する北海道産の新生姜を丸ごと漬け込み、直前にスライスしてご提供。江戸前鮨の伝統を再解釈した鮨店で、国内外のお客さまにご利用いただいています」≫【飯倉(いいぐら)】店舗情報階数:2階電話番号:050-1809-5550営業時間:ランチ 11:30~15:00(L.O.14:30)、ディナー 17:30~22:30(18:00~と20:30~スタートの2部制)平均予算:ランチ12,000円、ディナー30,000円席数:17席(テーブル10席、カウンター6席)炭、薪、藁、槙や桜チップなどの芳醇な香り漂う伝統的な炭火焼きを現代風に進化させた【SUMI】「ジャヌ東京」別棟3階に佇む【SUMI】は、他のレストランと異なり、ホテル内からではなく外からのアクセス。店内からの眺めの良さも格別です伝統的な炭火焼きを現代風にアレンジした料理の数々は、出来上がるまでの様子もまたご馳走です。活気ある店内で、シェフとの会話もお楽しみください「【SUMI】では、シェフが厳選した旬のオーガニック食材を中心に、伝統的な炭火焼きを現代風にアレンジし、おまかせコースでご提供いたします。店内中央のライブキッチンを囲むカウンター席で、料理に合わせた日本酒やプレミアムワインとともに、炭火焼はもちろん、食材に炭を焼き付けるなど、様々な手法ですべての料理に炭を使ったコースを、シェフのパフォーマンスとともにお楽しみください。お客さまに喜んでいただきたいという想いを込めて、コース料理のお凌ぎに手打ち蕎麦をご用意しています。季節毎に替わるお凌ぎの蕎麦は、打ち立ての蕎麦特有の香りと濃厚な味わいが特徴で、季節の食材を使った香り高いだしで堪能する和食ならではの逸品です」≫【SUMI】店舗情報階数:3階電話番号:050-1809-5550営業時間:ディナー17:30~23:00(18:00~と20:45~スタートの2部制)平均予算:ディナー26,000円席数:21席(テーブル8席、カウンター13席)「ジャヌ東京」ならではのビジュアル映えするスイーツが並ぶ【ジャヌ パティスリー】大理石とオークウッドが調和した心温まる空間で、天井に設置されたユニークなランプシェードからの自然光が優雅に降り注ぎますショーケースには、ペストリーシェフの野口ゆきえ氏が手掛けるエレガントな生菓子や焼き菓子の数々が並び、テイクアウトも可能シグネチャーケーキの『タルニー』。開業時の春には、いちごとホワイトチョコレートのクリームを合わせた可憐な赤い薔薇が登場。中には、ベリーとチョコレートのムース、ラズベリーローズのジュレ、そしてクレームブリュレの3層が組み合わされています「【ジャヌ パティスリー】では、ヨーロッパの伝統を受け継ぐ生菓子や焼き菓子を取り揃えています。ヴィーガンやグルテンフリーにも対応し、旬のフルーツをベストな状態で、どなたにも美味しくお召し上がりいただけるデザートをラインナップ。繊細な飴細工を添えた1日5食限定のパフェなどがお楽しみいただけます。シグネチャーのケーキは、サンスクリット語で"薔薇"を意味する『タルニー』です。港区を象徴する花の1つである薔薇を、ジャヌ東京らしくシンプルで可憐に表現しました。季節により異なるフルーツを使ってご提供しており、6~8月までの期間は、パッションフルーツとマンゴークリームを合わせた爽やかな黄色い薔薇がお目見えしますのでご期待ください」≫【ジャヌ パティスリー】店舗情報階数:1階電話番号:050-1809-5550営業時間:8:00~20:00(店内L.O.19:30、ケーキ販売 9:30~20:00)平均予算:2,800円席数:28席人気のアフタヌーンティーや極上の1杯を楽しむ【ジャヌ ラウンジ & ガーデンテラス】ロビーから続く高い天井とミラーの壁に映える大きなランプシェードが、ダイナミックな空間を創り出しますミツバチや蜂の巣をイメージした見た目にもキュートなケーキや、国産のシナの木蜂蜜と旬のメロンを合わせてハニーチュイルを添えた上品なショートケーキ、ハチミツでマリネしたサーモン フィンガーライムなどが味わえる『はちみつアフタヌーンティー』(6月30日まで)「東京タワーを間近に望む【ジャヌ ラウンジ & ガーデンテラス】では、日本が誇るティーブレンダーの内田智子氏や、バリスタがジャヌ東京のためだけに厳選したティー & コーヒーセレクションをお楽しみいただけます。五感を満たすアフタヌーンティーでは、サステナビリティを代表する食材であるはちみつにフォーカスした『はちみつアフタヌーンティー』をご提供。マヌカハニーやイタリア産アカシアなど、美肌効果をもたらす成分を豊富に含む世界各国7種類のはちみつを使用した6つのスイーツと4つのセイボリーが並びます。ラウンジから続く麻布台ヒルズを見渡すガーデンテラスでは、スイーツや軽食をご提供いたしますので、お食事以外の時間帯でもお寛ぎいただけます」≫【ジャヌ ラウンジ & ガーデンテラス】店舗情報階数:5階電話番号:050-1809-5550営業時間:12:00~23:00(L.O.22:30)、アフタヌーンティーの提供は12:00~と15:00~の2部制平均予算:アフタヌーンティー8,000円席数:68席(内ガーテンテラス席42席)東京の8つの街からインスパイアされたユニークなカクテルが味わえる【ジャヌ バー】5階に位置する【ジャヌ バー】は、昼間の喧騒から離れた大人の空間が広がります豊洲をイメージしたシグネチャーカクテルの『ブラーオイスター』。ジンをベースに、牡蠣、青りんご、キュウリ、薔薇といった一見ミスマッチなようで、芳香化合物を同じとする素材が絶妙なバランスで配合されています「日本を代表するミクソロジストの南雲主宇三氏監修のカクテルをご提供いたします。麻布台、銀座、神楽坂、豊洲、新宿、清澄白河、人形町、浅草の、東京の8つの街からインスパイアされたユニークなシグネチャーカクテルのほか、従来のミクソロジーにジャヌ東京独自のツイストを加えた、ジャヌ クラシックカクテルをお楽しみいただけます。アルコールは苦手だけど、気の合う仲間とのひとときを大切にしたい方には、モクテル(ノンアルコールカクテル)もご用意しております。バーフードのメニューには、ジャヌバーガーなどダイナミックな西洋料理の他、だし巻き卵を具材にした卵サンドなどもラインナップしています」≫【ジャヌ バー】店舗情報階数:5階電話番号:050-1809-5550営業時間:17:00~24:00(L.O.23:00)平均予算:3,500円席数:37席(カウンター12席、テーブル25席)「ジャヌ東京」の個性豊かな8つのレストラン&バー。お好みの一軒はみつかりましたでしょうか? 季節限定のメニューなども次々と登場していきますので、ぜひ大切なお相手と訪れ、思いで深い時間をお過ごしください。予約はこちら「ジャヌ東京」ダイニングエクスペリエンス※公式の予約先は8軒共に下記になります営業時間:9:00~21:00予約メール:janutokyo.fbres@janu.com電話:050-1809-5550
2024年05月27日フランス人シェフと元デザイナーがタッグを組んだレストラン親しい人と普段よりちょっといい食事をして、非日常を味わいたい。そんな気分のときに、おすすめしたいフレンチレストランが東麻布にオープンしました。お目当ての店は、大通りから一本入ったビルの上階。温かな光がテラスの窓から溢れているところが、今回ご紹介する【OLINA】です。細い道路を入って上を見上げれば、人々を導く灯台のようなお店をすぐ見つけることができるでしょう。落ち着いた雰囲気のダイニング。オープンキッチンの気配を感じることができるこちらを営むのは、フランス人シェフのオリヴィエ・ガルシアさんとサービスを仕切るパートナーの高遠菜都子さん。オリヴィエさんはスペイン人の父とフランス人の母を持ち、オーストラリア、フランス、スウェーデンなど、ミシュラン星付きレストランを含む、様々なスタイルのレストランで経験を重ねてきました。一方、菜都子さんはファッションデザインを学ぶため2009年に渡仏後、トップメゾンでのインターンなどをしながらフランスで暮らしていました。スウェーデンでは Acne Studios(アクネ ストゥディオズ)のデザイナーとして活躍していた人物です。シェフのオリヴィエ・ガルシアさん(右)と、サービスを担当する妻の高遠菜都子さん(左)レストランの扉を開き、席に案内されると、まず目に留まるのはスタッフのユニフォーム。一瞬“つなぎ”のように見えるユニークなデザインは、あまりレストランで見かけないタイプのもの。キッチンで料理に没頭するシェフ、ワインをセレクトしているソムリエ、料理を運ぶサービスマンなど働く人たちの姿を美しく魅せています。気になって尋ねたところ、実はこちら菜都子さんがデザインしたものだそう。Acne Studiosでもワークウエアをデザインしていた彼女にとって、“シェフもサービス担当も同じチーム。その境界線がないものをユニフォームにしたかった”という思いを込めたといいます。こうした、“ちょっと違う光るセンス”がこの随所に散らばっているのが【OLINA】の魅力。まったく違う道を歩んできた二人の経歴から生まれる感性やアイデアが、さまざまなところで感じられるのです。この日とどいた、タケイファーム・自然農園TOMからの野菜たち。みずみずしく、エネルギーに満ちています数多くの国でのバックボーンを持つオリヴィエは、実に好奇心が旺盛で柔らかい感性の持ち主。それは各国、文化の違うさまざまな人とコミュニケーションをとって磨かれてきたからこそでしょう。食材や器探しのために農家や工芸家を訪ね、ひとりひとりの話に耳を傾け、届いた食材や器を見るたびに、無限にインスピレーションが湧いてくるといいます。日本の四季を感じる、自由なフランス料理心地よい空気が流れているオープンキッチン加えてオリヴィエさんが日本で刺激を受けたのは、はっきりとした日本の四季。それぞれの食材が持つ、短くおいしい“ピーク”の旬の味わいを、自由自在に組み合わせ、料理に仕立てていきます。取材をしたのは4月も終わりのころ。この時につくってくれた「グリンピース」の料理には、いろんな生命が輝く海山の春を感じることができます。メインの食材はフレッシュで丸々としたグリンピースと、北海道で獲れる北海アサリでした。大粒のアサリはたっぷりとした食感を活かし、白ワインとエシャロットでサッとゆでたあとに備長炭で炙って香ばしく。グリンピースは皮を剥いて、シンプルに甘みを引き出しています。奥田誠二さんの信楽焼きに守られた『プチポワ・北海アサリ・発酵ビーツのピュレ』。土っぽい質感の和食器が、畑の土を連想させ、盛り付けられた料理のエネルギーを際立たせていますソースは、アサリをゆでたジュースに発酵ビーツのピュレを合わせて、旨みの奥行きを出したもの。そこにグリンピースと、アサリを盛り付け、豆苗をあしらい、グリンピースの鞘から作った泡をトッピング。豆苗の青い香りと、アサリの海の香り、そして炭火のスモーキーな香りが混じり合って、プチッとグリンピースを噛めば、春の甘みが口に広がります。わざわざアサリを炭火で炙ったのは、オリヴィエさんの春の思い出から。春になって温かくなると、親しい人と一緒に外でバーベキューをした記憶を、料理に写したかったのだそう。彼の料理は、真っ白な譜面に、自分の中から生まれる音符を紡いでいく曲のよう。オリヴィエさんは季節の食材を組み合わせながら、その時に生まれる感覚で新しい料理をつくっていくのです。『サクラマス・桜・白アスパラガス』コースの中盤に登場する魚料理は、季節の移ろいをそのまま現したような一皿でした。桜のチップで燻製をかけ、香りを移したオイルでコンフィにしたサクラマスがメイン食材。付け合わせの白アスパラガスは、さくらの葉の塩漬けを巻いて蒸し、添えています。ソースはブール・ブランですが、刻んだ桜の葉の塩漬けを入れてひと工夫。飾りのさくらんぼのピクルスとエディブルフラワーの下にはジュレが敷いてあります。これだけ桜の要素が一皿に盛り込まれているのに、料理から感じる桜の香りはほんのりと優しい。それはまるで散った花びらをそっと舞上げる春風のよう。そんな香りをまとい、しっとりと火が入ったサクラマスを、ソースの塩味と酸味が支え、ワインが合うフランス料理らしい骨格を作っています。この一皿から、オリヴィエさんが日本で初めて見た、はかない桜への思いを感じました。豊富なクラフトワインのラインナップも魅力『枝豆のミルフィーユ』デザートに登場したのは、この時期おいしくなる枝豆。こうした日本独特の食材を料理するのも楽しみの一つだとか。フランスでは冷凍のものは手に入るけれど、フレッシュないいものはないとのこと。この時期に手に入るぷっくりとした枝豆は、フレッシュな香りと、まるい甘みを活かし、可愛らしいミルフィーユになって登場します。とある日の、ペアリングのラインナップまた、ソムリエ・常盤 努氏が選ぶクラフトナチュラルワインのラインナップも見逃せません。欧州のワイナリーが中心ですが、少量しか生産していない希少なワインも多数あり。ペアリングは、最初はシャンパンまたはジントニックのチョイス。途中には貴醸酒の日本酒なども登場する幅の広いラインナップです。料理同様、従来の型にとらわれない自由な発想から生まれるペアリングの提案は、とても魅力的。オリヴィエさんのつくる、心地よい料理と、いいワイン。上質なのに、心が解けるような柔らかな空気が流れている【OLINA】は、大切な人といい時間を過ごしたいときに訪れたくなる場所です。OLINA【エリア】麻布十番【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】15000円【ディナー平均予算】18000円【アクセス】麻布十番駅 徒歩3分
2024年05月22日上質と心地よさを兼ね備えた大人の一軒新たな挑戦、その想いと出会い創作中華と逆ペアリング上質と心地よさを兼ね備えた大人の一軒優しい灯りに誘われる、和モダンな一軒広尾駅から徒歩3分。ふいに現れる、瓦屋根の和モダンな一軒。街の中に静かに佇むその場所が、2024年3月にオープンした【ワイノログ】です。引き戸を開けて中へ足を踏み入れると、そこには艶やかに黒く光るカウンター席をはじめ、上品な設えが至る所に施された大人空間が広がっています。カウンター席。そっと灯りをともした金のテーブルライトが寄り添い、落ち着いた雰囲気にホッと一息つきたくなりますその中、快活な声で出迎えてくださったのは、同店のオーナーシェフ皆川浩正さん。気付けば店内には勢いよく鍋を振る音が響き始め、食欲をそそる香りが辺りを包み、楽しく話す人々の声が絶えません。外から見た時の静寂そうなイメージとは一変、上質でありながら肩肘張らずに会話を楽しみ、リラックスした状態で食事を楽しむことができるその空間に、いつまでも居続けたくなるような居心地の良さを感じます。グループとの利用にも使いやすいテーブル席“円卓”へのオマージュを思わせるテーブル席も新たな挑戦、その想いと出会い皆川さんは弱冠23歳の時より料理人の道へと進み、ザ・ペニンシュラ香港など、約10年に渡り本場の地で広東料理を極めていらした実力派。帰国後は【赤坂櫻花亭】で総料理長としてご自身の料理と更に向き合い、巷でも本格的な広東料理が味わえるお店として人気を博していらっしゃいました。香港のホテルやや国内レストランの総料理長として、約30年間中華料理を作り続けてきた皆川浩正さんそうした30年以上にわたるプロとしてのご経験を持ちながら、新店という“新たな挑戦”を始められることになったきっかけには、ある2人との出会いがあったと言います。それが、まさに【ワイノログ】の構想を練っていた2人のオーナー。経済誌Forbesの「アジアを代表する30歳未満の30人」にも選ばれた起業家・エンジニアの塩浜龍志さんと、海外でのご経験も長く海外投資ファンドで数々の企業に投資をされてきた仲田真さんです。学生時代より仲を深め、ワインも大好きと語るこのお2人がお店を実現させようとする中、巡り合った皆川さんのお料理は「本当においしい」と思われたそう。ベテラン料理人でありながらも、若手の知識や新しいものを柔軟に取り入れていくことに「全く抵抗が無いんです」と笑顔で、むしろワクワクと話す皆川さん。その持ち前の探求心と、伝統の技法を守りながらも新しいものを作り出し、これまでにないお店を作りたいという気持ちがオーナー2人の想いとも重なったご様子です。創作中華と逆ペアリングワインのおいしさを引き出すのに“ぴったり”な、アレンジの効いた創作中華の数々新たなペアリング体験ができるとしても話題になりつつある、同店の“逆ペアリング”。通常、ペアリングと言えばお料理に合わせワインをセレクトしていくものですが、ここで行っているのは選び抜かれたワインに合わせて料理を提供するというもの。そして特筆すべきポイントは、単にワインに味を合わせていくような方法ではなく、皆川シェフの「中華料理の伝統と革新を融合させたワインにピッタリと合う料理をお出しする」という、熟練の技から成るアレンジの効いたお料理が並んでいくところにあります。小籠包や水餃子など名前こそ中華の定番的なお料理であっても、出てくる上品な見た目のそれは、口にすると繊細な味わいと細やかな手仕事に驚くものばかり。ソムリエによるワインとの相性を聞く時間も楽しみながら、ゆったりとマリアージュを堪能します。~この日の11品の広東料理とペアリングコース、一部をご紹介~『叉焼、皮蛋』2日かけて焼いた豚叉焼と、青島皮蛋。特に皮蛋は、そのクセのある定番の味わいを想像しながら口にすると……衝撃です。表面を天ぷらのように揚げて衣をまとわせるなどアレンジを加えていることで、驚くほどにマイルドな仕上がりに。ツンと尖った感覚はなくむしろミルキーな味わいに変化しており、中にはここに来たことをきっかけに皮蛋が好きになった、という方もいる程だそうです。あえてにごりをいれた、酸味と相性の良い微発砲ロゼと共に。『魚の小籠包』小籠包の中身としては珍しく、鯛を使用しているという一品。ワインとの相性を考え、チーズとバターでソテーし、酸味や魚独特の臭みを飛ばすことでマイルドに食べやすく仕上げられています。『蒸ホタテ』香港の代表的なホタテ料理を基にアレンジをしたもの。ホタテをただ蒸すのではなく、間に海老のすり身や擦ったリンゴを入れることでふわっとした食感に。上から乗せた白髪ねぎは、事前に白ワインにつけるなどの工程を踏むことで味が馴染みやすくされており、伝統的な手法に皆川さんならではの工夫が詰まっています。ガーリックがアクセントのこちらの一品は、樽感のある甘いワインとともに。『鶏の水餃子』お店の代表メニューでもあるトムヤム坦々スープの水餃子。トマトが添えられたこちらのスープと、みずみずしいオレンジワインの相性は抜群で、長く続く余韵とともに楽しみます。『春巻きと蜂蜜』皮にチーズを加えることでホワっと香り立つ春巻き。中には鱈が入っていることで重くならずに食べやすく、パリパリと軽やかな食感の上から好みで蜂蜜をかけていただきます。『牛肉と黒胡椒』とても柔らかく焼かれた、黒胡椒と赤ワインのソースをかけた盛り付けも美しい牛のフィレ肉です。肉まんの生地にあたる部分でつくられた甘みのあるパンが添えられ、最後の一滴まで一緒に食べたくなります。なおお肉にかかっている黒胡椒のアクセントは、ブラックチェリーを思わせる赤ワインとの相性もピッタリ。また時間が経ちワインが開いてくると合わせるソースや黒胡椒との印象も変わり、食べ進める中でよりわかりやすく変化するマリアージュを楽しむことができる一皿です。『おこげ』先ほどの赤ワインから変化を付けて軽やかなワインを、という流れに乗って楽しむ料理が、こちらの香ばしい『おこげ』です。1組ずつ、石焼きの器で出していただけるのも嬉しいところ。グツグツと音のする焼き立ての餡には、9種の具材が入っています。メニューを考案していた当初、チャーハンにすることも考えられたそうですが、コースの〆として重くならないようにとおこげにすることに辿りついたのだそう。なおワインは、ダージリンのような香りのフルーティで華やかな白ワイン。おこげの熱さとワインの冷たさが絶妙です。中華という言葉から連想される“こってり”という言葉からは真逆の位置にあるような、皆川さんの繊細な味わいと細やかな創作から成る中華料理。伝統的な調理方に、日本のだしや素材、漢方の知識などを盛り込んだお料理は、自然体ながら印象に残る存在感があるものばかりです。希望によってはオプションで、優しい味わいの玉子に甘みのあるネギが乗った香港式中華そば「ミニ葱そば」(+800円)を付けることも可能。ラストのデザートにはドバイでパティシエをされているというオーナーの妹さん監修の、クリームブリュレの製法で仕上げた濃厚な杏仁豆腐にティーペアリングが付き、最後まで味の楽しみが尽きません。ワイン+ログ(記録する)が店名【ワイノログ】の由来となっており、今後は飲んだワインを記録するシステムを開発し、より良い提案ができるようにすることも考えているそう。3人の見据える先は、まだまだ進化し続けています思わず“相思相愛”という言葉が浮かんでしまう3人、1チームが主軸となった、おいしさに満ち溢れた【ワイノログ】。繊細で余韻を感じる旨みの口福がフワッと続き、お店をあとにしてからも幸せな気持ちで包んでくれます。ワイノログ【エリア】恵比寿【ジャンル】中華料理【ランチ平均予算】1,000円 ~ 1,999円【ディナー平均予算】8,000円 ~ 9,999円
2024年05月14日【タワシタ】、【Äta(アタ)】で腕をふるった実力派シェフ食材への敬意によって突き動かされた、“コンポスト”への取り組み生産者と食べ手を優しく繋ぐ“ひと手間”【タワシタ】、【Äta(アタ)】で腕をふるった実力派シェフ白金高輪駅から徒歩3分。スタイリッシュながら温かみのある店内は、カウンターでシェフとの会話を楽しむもよし、半個室に仕切られたアンティークのテーブルで集うもよし。「基本はワンオペなので、テーブル席で4名の予約が入ったらカウンター席は2名まで」と、あくまで松野さんの目と手の届く範囲で、丁寧に向き合います。シックなオープンキッチンと、6席のカウンター松野さんが料理の世界を目指したきっかけは、中学生の頃に訪れた地元・山梨の町中華。中華鍋を勢いよく振る料理人の姿を見て、「自分もやってみたい」と憧れを抱いたといいます。「母親の料理の手伝いから始まり、中学校時代からずっと料理人になりたいと考えていました。高校には行かず、京都へ修業に出ようと思っていましたが、両親がともに地方公務員だったこともあり、当時は反対され(笑)、折り合いをつけるためにも高校・大学は卒業しました。大学3、4年も日本料理店で働いていましたし、一度は就職してみたものの、勤務帰りもその日本料理店でアルバイトをしていて、どうしても諦めきれず、1年で退社して料理の道へ進みました」オーナーシェフの松野 敦(マツノ アツシ)さん。1984年、山梨県生まれ。大学卒業後、25歳から料理人の道へ進み、2023年11月10日、【atti(アティ)】をオープンその後、「大好きなデザートづくりも学びたい」という好奇心から、フランス料理へ転向。フィリップ・バットンさんがオーナーを務める麻布十番の【ル・プティ・トノー】など人気フレンチレストランを経て、28歳から赤羽橋【タワシタ】でスーシェフに就任します。「【タワシタ】は、食材に対する考え方や、農家さんをはじめ生産者さんと“一緒に作る”という感覚を身をもって体験した場所。自分の今の料理のベースができたと思ってます」適度に仕切りを持たせた半個室仕様のテーブル席。インテリアを手掛けたのは、都内を中心に【Kabi】などの人気レストランを手掛ける長田 篤氏食材との出合いは、紹介はもちろん、全国の道の駅や八百屋を松野さんが自ら巡り、おいしいと思ったら記載されている生産者の方へ連絡をとり、「伺っていいですか」と開拓を重ねているといいます。「料理人がもつ知識だけでなく、農家さんに「これはどういう風に料理するとおいしいですか」と直接聞いてみると、思いもよらなかった調理法があったり、やはり生産者の方が一番おいしい食べ方を知っていることが多いんですよね。だから、一緒に食材のお話を聞いて、一緒に作らせてもらっているという感覚なんです」【atti】のカウンターもオープンキッチンを採用。ひとりでの食事も気負いなく楽しめる居心地のよさその後、2020年まで2年ほど勤めた【Äta(アタ)】では、シェフとして腕を振るった松野さん。人気店のカウンターキッチンを通して、お客さまの声や表情からダイレクトに感想が伝わってきたといいます。食材への敬意によって突き動かされた、“コンポスト”への取り組み松野さんが「“顔の見えるもの”しか使いたくない」と話すように、食材への敬意によって突き動かされたのが、生ゴミを堆肥化する“コンポスト”への取り組みです。野菜の皮やだしガラ、使い切った端材は、まとめて乾燥させ、ミミズや微生物などの働きを活用してコンポストに。自身が手掛ける家庭菜園の土に撒いたりと還元するそう。「自己満だと思うんですが、手間が少しかかっても、生ゴミを出すより、こうしてコンポストにすることで、自分も気持ちよくなるんです」と松野さん端材は野菜のだし取りに混ぜたり、最終的に乾燥させて野菜パウダーとしてパンに混ぜ込むことも。写真は、松野さんが国内外の約30種の小麦粉を取り寄せて、配合を研究して行き着いたという自家製カンパーニュ。表面はハード系、中はふわふわの食感「函館の農家さんを訪ねたときに、コンポストを行っている土の中に手を入れさせてもらったところ、土がめちゃくちゃ熱くて! 自然の力を実際に体感したのが大きいきっかけになりましたね。大人になって知ったのですが、実家でもお米を作りながらコンポストをやっており、一気に身近に感じて、もうちょっとその先も知りたいし、やってみたいと自然と思ったんです。おかげで、うちのお店では野菜のゴミは一切出ないんです」コース料理の前菜『桜鱒(サクラマス)と紅芯大根のジュレ』は、アクセントにした緑のソースが、カブや紅芯大根の皮、大根の葉など端材をミキサーでおろしたもの。函館で獲れた桜鱒(サクラマス)は軽く燻製し、紅芯大根のジュレと、紅芯大根のシャーベットでいただきます。春らしい一皿は、シャーベットの口どけと、スライスしたカブや大根の食感が、爽やかなコントラストまた、岐阜の橋場農園さんから卸してもらっている「天恵菇(テンケイコウ)」 という、ステーキしいたけと菌床しいたけ、干ししいたけを使った一皿は、それぞれの石づき部分や軸までソーセージに混ぜたり、煮出してソースにしたりと、余すことなく使用。ソーセージに混ぜた菌床椎茸は、あえて荒くミンチにすることで、香り・味わい・食感の全てでしいたけを感じられる仕上がりです。「天恵菇」は日本酒で水分を補いながらじっくりロースト。ぎゅうと肉質が詰まり、アワビのような食感はまさにステーキ凝縮したしいたけの旨みを、洗練された味わいに昇華しているのが、山梨の契約農家が無農薬で育てる柚子を使った「塩柚子」。塩に漬けて発酵させた「塩柚子」は、柔らかな塩みと香りが特徴で、まろやかな味わいに一役買います。「たくさんの要素を重ねた一皿も好きなんですが、何を食べてるか分からない料理にはしたくない。例えば「ここのしいたけがすごくおいしいから、しいたけのおいしさをきちんと味わってもらえる料理を作りたい」という想いが強くなってきて、食材を邪魔するパーツはできるだけ削っています」主役に引けをとらない新たまねぎは、以前旅した淡路島で出合ったという「浅田農園」のもの。一層一層の厚みもさることながら、甘みや瑞々しさも格別3品目は、北海道・十勝から仕入れている銘柄豚「蝦夷(えぞ)豚」。赤身メインの珍しい豚肉は、牛脂と豚脂で1ヶ月ほどコーティングして熟成をかけることで、しっかりとした旨みを蓄えています。ソースはフォンドボーベースに、白ワインとトマト、ペッパーとタイムを合わせた爽やかな味わい。オマール海老、ハマグリ、イカ、ムール貝からそれぞれだしをとり、絶妙なバランスで合わせた後に、煮詰めてソースに最後は、102週間熟成させ、プリッと弾力を増したサメカレイと、4種類の魚介のだしを使ったソースに、バニラの泡を合わせた魚料理。メニューは、夜は9品で12,000円(サービス料別)のコース1本。ランチにはそれに加えて、5,500円と6,600円のショートコースもあります。生産者と食べ手を優しく繋ぐ“ひと手間”また、昼夜ともにコースのみで展開される【atti】では、ワインペアリングにも注目。「ナチュールだからで選ぶのではなく、おいしさ重視で選んでいます」というこだわりに加え、希少なラインナップも、松野さんが意識している部分だといいます。「流行りのお店に行くと、だいたい同じ銘柄のワインを紹介されることが多いなと感じていて……。もちろん流行りはあると思うんですが、お客さまの立場になって考え、飲んだことがないワインや、なかなか置いてなさそうなワインのなかで、おいしいものを選ぶようにしています。固有品種が多く、ジョージアワインに替わり世界最古のワイン産地として注目を集めている、アルメニアのワインなどもオススメです」ワインペアリングは、6杯で7,700円(サービス料別※一皿目のシャンパンを除く)。写真左から2番目が、世界のワイン関係者が注目するアルメニア最高峰の造り手・ゾラ・ワインズの「カラシィ 2018」最後に、コース一本で勝負する松野さんにとってのこだわりを伺うと、その答えは「塩分」だといいます。「もちろんお酒は飲んでもらえたらありがたいですけど、今は飲めないお客さまも多いですし、うちではお酒を飲ませるために塩分を強くしたりしません。どんな方にも気持ちよく食事していただけるように、例えば「天恵菇」のステーキとソーセージに使用した「塩柚子」や、発酵させた梅干しなどで、コース全体で使用する塩分量を調整したり、乳酸菌の発酵ドリンク「コンブチャ」で柔らかな酸味を引き出して、ビネガーの代わりに使用するなど、ひと手間かけることで、塩みや酸味をバランスよく調整しています」生産者と食べ手を優しく繋ぐ、松野さんならではの料理。穏やかな味わいながら、食べ手に強烈なインパクトを残してくれるはずです。atti【エリア】白金/白金台【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】7000円【ディナー平均予算】15000円【アクセス】白金高輪駅 徒歩3分
2024年05月13日「麻布時代に比べて店は倍以上の広さになり、席数も2つ増えて8席とお客様にゆったり過ごして頂ける空間になりました。でも、コースの内容自体は、あえてあまり変えてはいないんですよ。」炉窯に薪を焚べながら、こう語るのは田代秀人料理長、37歳。その言葉通り、先附からデザートまで全13品ほどが登場するお任せコースには、『椎茸薪焼き』や『黒毛和牛ヒレ肉飯蒸し』など同店ならではのシグネチャーメニューも健在だ。それも「これが食べたかったんだよね。」と頬を緩ませるお客様が多いゆえ。旬の食材を積極的に取り入れるコース内容は月々で変わるものの、この2品だけは永久不滅。【鈴田式】の顔とも言える自信作だ。炉窯でゆらめく薪火の見える、カウンター席とりわけ、『椎茸の薪焼き』は【鈴田式】の料理のコンセプトを象徴する逸品といってもいいだろう。同店の薪焼きの大きな特徴の一つは、熾火ではなく炎に翳して焼くところにある。それというのも「薪の香りをいかにして素材に纏わせるか」に注力してのことだ。そう、【鈴田式】の薪火料理は、全てそこから始まっている。『椎茸の薪焼き』。傘に詰めているのは、椎茸と塩のみを真空にして1週間ほど寝かし、発酵させたものそれゆえ、香りが纏わりやすい食材を選び抜き、時には油脂を塗ることで纏わりやすくするなど様々な試行錯誤の上に完成させたものばかりだ。例えば、先の椎茸にしても各地方の原木椎茸で試作を重ね、その上で最も香りの乗った岩手県の“ふくよ香”を使用。更にはそのまま焼くだけなく、より薫香を纏わせ旨みも凝縮するよう一工夫。椎茸の旨みを抽出した米油を塗って焼いているのだ。ステーキドームを被せて煙を滞留させるのもそのため。“香り”がこの料理の要となっている。が、新店ではそれをよりバージョンアップ!発酵させた椎茸をペースト状にして傘の内側に詰め、蘇を削りかけて提供している。この“蘇”とは、古代日本で作られていた乳製品の一つ。牛乳を煮詰めて固めたものだ。ご主人の田代秀人さん。充電期間中はイギリスなどヨーロッパに赴き知見を高めてきたとかなるほど、メニューの構成自体はほぼ以前と変わりはないが、実は田代料理長、細かなところで少しずつブラッシュアップさせていた。それは『黒毛和牛ヒレ肉飯蒸し』も然り。A4ランクの雌牛を基準にサシのなるべく少ない赤身寄りのヒレ肉を選ぶ方向性は以前と変わりはないが、味付けに一捻り。従来の割り醤油に、ひしおと玉ねぎを合わせて作った発酵玉ねぎを加えてコクを深めているのだ。これを目当てに訪れる常連客も多い『黒毛和牛ヒレ肉の飯蒸し』。下に敷いた餅米には山菜を混ぜている「炉窯も一台増えて2台になり、その分、火の調整がしやすくなりました。」とは田代料理長。現在は、野菜と肉とにそれぞれ使い分けているが、今後は炭も取り入れて、片や炭火用、もう一方を薪焼き用と分けて使うことも視野に入れているという。また、この3月からは、ヒレ肉を焼く時のみ、希少なリンゴの木を焚べているそうで、このリンゴの木、火力の持続力が強くフルーティーな香りが特徴だとか。肉の焼き方にも年季が入った。味付けを更に一工夫した、シルキーな口当たりのシグネチャーメニュー『黒毛和牛ヒレ肉の飯蒸し』薪火と付き合って6年、炎の調節も以前に増して自在になった。最初は直火の強火で肉の中心温度をあげ、次に近火にして表面に焼き目をつける。こうして外側を焼き固めたら、少し休ませ、裏目を遠火の強火で焼きあげると共に、高さも変えつつ中心までじんわりと火を入れている。狐色の焼き色も香ばしく、口にすればしっとりとシルキーな舌触りの中、じわりと滲み出る肉汁がしみじみと旨い。餅米に混ぜた山菜の春の香りがよく似合う。大きなザルで豪快に炙り焼くほぐした蟹の身とモリーユ茸。田代さん曰く、ヨーロッパの茸はとりわけ薫香を纏いやすいそうこの後、蛤と芹、筍のお椀や真鯛のお造りなど季節の味が続いた後、いよいよクライマックス。〆の土鍋ご飯のお目見えとなる。取材日は、『蟹とモリーユ茸の薪焼きご飯』。田代料理長によれば、甲殻類や茸類は薪との相性がいいそうで、今回はまさにベストカップル。甲殻類の殻を煮出したオイルを塗った蟹身とホタルイカを炙る度、豪快に炎があがり香りが立ちこめる。その臨場感も美味しさの一つだ。米は秋田の“さきほこれ”。粒感のあるふっくらとした食感と噛みしめるほどに広がる深い甘みが持ち味の米は、薫香溢れる具とのバランスも上々。まずはそのまま一杯。二杯目は、卵かけご飯にしてどうぞ。薪を入れて、出汁で炊いた米にも香り付け。土鍋ご飯は毎月かわるデザートの燻製アイスや焼きたての台湾カステラが登場する頃には、心もお腹も満たされているに違いない。ちなみにワインセラーにはクリュツグを始め銘醸ワインも揃っている。鈴田式【エリア】西麻布【ジャンル】日本料理・懐石・会席【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】45000円【アクセス】六本木駅 徒歩6分
2024年05月03日神田から清澄白河の昭和レトロなビルへ移転シンプル・イズ・ベストの料理生産者の人柄や人生を感じられるワイン神田から清澄白河へ。昭和レトロなビルで再スタート【the Blind Donkey】のオーナー、ジェローム・ワーグさんは、アメリカを代表するオーガニックレストラン【シェ・パニーズ】で20年以上シェフを務めた人物です。「100% Organic Japan」を標榜し、レストランを開く前に、自然に寄り添い地球の世話役のような思いで食材の生産に向き合う全国の小規模農家、酪農家、漁師などを1年半かけて訪ね歩いたそうです。移転したのは、昭和レトロな面影を残す清澄白河の年季の入った建物料理人、生産者などレストラン経営に関わる人々のハブとなり、「おいしい、楽しい、そして食べる人も、その食べ物が育つ自然環境も健康」という世界観を繋げ、広げていく場として2017年に【the Blind Donkey】がオープンし、瞬く間に話題店となりました。都会のコンクリートのビルではありますが、目の前には銭湯もあり生活感や懐かしさを感じさせる雰囲気が【the Blind Donkey】のイメージにぴったりです入口ドアの丸窓から覗き見える店内に、入る前からワクワクさせられます店内の真ん中に据えられた大きなダイニングテーブルが、「人を繋ぐ」というイメージの象徴になっています店内は、壁もテーブルも木の板とアイアンのシンプルな造作ですが、ナチュラルな食材を使った料理が映える演出に違いありません。大きく開かれた窓からは下町風情の風景も広がり、初めて訪れた人でも、ホッとできる空気感。友人宅を訪れたような親しみやすさを感じ、リラックスして食事を楽しめる空間になっています。素朴なのにお洒落感満載。何気ないテーブルセッティングもフォトジェニックです空間に相乗する「シンプル イズベスト」な料理2017年にオープンしてから、5年半シェフを務めていたオーナーのジェローム・ワーグさんは、移転を機に、徳島で新しいコミュニティ作りに専念することになり、新しいこの店舗では、’20年からジェロームさんと一緒に仕事をしてきた、曽根浩貴さんが料理長として厨房に立っています。ジェローム氏の料理を引き継ぐシェフの曽根浩貴さん「食べること、飲むことが大好き」という思いが高じて、29歳から料理人の道に入った曽根さん。特にオーガニックな食を意識していたわけではなかったそうですが、客として食事をした神田の【the Blind Donkey】で、「食材がおいしいとこんなシンプルな調理でいいんだ」と心を打たれたそうです。自然の形を生かして盛り付ける曽根さんそこで、【the Blind Donkey】に入社し、ジェロームさんの元で食材を生かす「シンプル イズベスト」の料理を追求するようになった曽根さん。「切り方など食材そのままの形を残したまま盛り付けるといいよ」とジェロームさんに教えられ、自然の色や形をできるだけ生かすよう心掛けているそうです。色とりどりの柑橘を楽しめる『愛媛 西予 無茶々園 柑橘とトレビスのサラダwith ビーツのピクルス』1,650円「飾りなどは考えず、その季節の食材だけで構成しているので映えないでしょう?」と曽根さんは言いますが、自然の色や形に、香りをダイレクトに感じることができ、例えば「トレビスってこんなにアートな形をしているんだ」とか、「柑橘にもいろいろな形と香りがあるんだ」と、まさにナチュラル・ビューティの魅力にハッとさせられるのです。不動の定番人気メニュー、『季節のじゃがいものフライドポテトwithアイオリソース』950円丸ごとローストしてから手で不均一に割って油で揚げる、2度火入れのフライドポテト。ゴツゴツと無骨な形がかえって食欲をそそります。ほぼ1年中ある定番の人気メニューですが、じゃがいもの味わいは、収穫したての新物から、1年ほど寝かせた熟成じゃがいもまで、季節によって味わいは様々です。「ぜひ、クラフトビールやスパークリングワインと一緒に楽しんでください」と曽根さん。『山梨 富士種菌 原木椎茸とじゃがいものニョッキ』2,100円里山の環境を守りながら、国産原木と清純な水のみで栽培されている、肉質の緻密な原木椎茸を使っています。合わせたじゃがいものニョッキは、千葉・八街市のイマフン(今村太一さん)が栽培するイタリア硬質小麦を、石臼引きにしてブレンド。力強い味わいが印象的です。『長崎 五島列島 林鮮魚店 ヒラメのクルド with 柚子ピクルスとハーブサラダ』1,650円魚介も、持続可能な漁を意識して、海を守りながら漁をしている日本各地の漁師さんや、そういった魚を扱う魚屋さんと直接取引をしています。その日届いた魚介の特性を生かした調理法で、生のまま塩、オリーブオイルでクルドに仕立て、季節のハーブやピクルスと合わせたり、だしの旨みを効かせたスープに仕立てたり、グリルにしたり、丁寧な下ごしらえ、シンプルな調理法で食材の個性を楽しませてくれます。信頼する猟師さんから届く『宮城牡鹿半島 小野寺さん 本州鹿のローストwithポワブラードソース』3,400円ジビエは、料理人からの絶大な信頼を誇る牡鹿半島の猟師・小野寺望さんから届きます。人間と共存しながら、命をいただくという思いで個体を見極め、できるだけ苦しまないように仕留めて臭みが回らないよう解体しているので、臭みがなく清らかな味わい。鹿肉ならではの赤身の旨みとしっとりやわらかな食感を堪能することができます。また、仕留めた鹿を無駄にしないようボロネーゼを作り、缶詰にして販売もしています。『広島 瀬戸田 たてみち屋レモンタルト』750円生産者の人柄や人生を感じられるワインナチュラルな造りのワインのセレクトも、【the Blind Donkey】が人気の理由になっています。「お酒は好きで以前からワインは飲んでいたけれど、初めてナチュラルなワインを飲んだとき、会ったことがないのに、生産者の人柄が見えてくるのをとても魅力的に感じました。この人の生き方、きっと格好いいんだろうなと思えるようなワインが好きです」と話すシェフの曽根さん。日本、フランスを中心に「できるだけ多くの造り手に出合ってほしいですし、お客様の様々な好みに応じられるよう、軽やかなものから重厚感のあるものまで多様な味わいを揃えています」とのことです。ゲストの好みを聞いて、セラーでワインをセレクトする曽根さん自然と共生しながら葡萄を栽培し、ワインを造っている余市「じき」、宮城の「ファットリア アル フィオーレ」など、直接取引をしているからこそ入手できる日本ワインも揃っています。曽根さんおすすめの生産者。左からジェローム・ソリニ、フロリアン エ マチルド、クロード・クルトワと、日本のワイナリー「ファットリア アル フィオーレ」、「じき」お店を出たあとも「心地良さ」「リフレッシュ」「軽やかな食後感」そんな余韻が長く続く【the Blind Donkey】。「もちろんオーガニック食材ありきですが、先に“おいしい”があって、それがオーガニックだったら嬉しい、くらいの気持ちでいたいなと思っているんです。レストランですから「こうじゃなきゃダメ」と限定するのではではなく、純粋に「おいしい、楽しい」でいいのではないかと」と曽根さん。あまり難しく考えず、「結果として、ナチュラルなものっていいね」と感じてもらい、それがいつの間にか当たり前になってくれたらという自然体なスタンスも居心地よさの理由かもしれません。そんな曽根さんの思いを直接聞けるような、ほどよい距離感も魅力のひとつ「おいしい、楽しい」のあとに、なんでだろうと思い返せば、作り手の方々の気持ちに知らず知らず共感していたのではないかと気づいたり、普段はさほどオーガニックを意識していなかった人も、「地球に寄り添うってこういうこと?」と感じたり、自分の中で大切にしたいことが増える、そんな素敵なレストランです。the Blind Donkey【エリア】清澄白河【ジャンル】イタリアン【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】9000円【アクセス】清澄白河駅 徒歩3分
2024年04月26日「イタリア料理×肉」をテーマに“炭焼き”を堪能モダンな店内は広々と使えるテーブル席が中心。木を基調とした温かみのある印象素材本来の味を生かせる食材を厳選、その食材で感動するおいしさを追求する料理人、記憶に残る時間を演出する上質なサービスの3本柱を大切に、大阪に6店舗を展開する同社の7店舗目となるのが【Braceria Buffa】、東京初出店となります。部屋続きの4名がけの個室は4部屋完備。仕切りを外して大人数で使用することもできます同店ではイタリアンをベースに、炭焼き料理“ブラーチェ”をさまざまな料理に生かしています。メインのお肉には以前から「能登牛」を採用しており、もちろん震災後も変わらず提供。少しでも生産者の力になりたいとの強い思いがあります。石川県外に出回ることが少ない希少な「能登牛」。大阪府内では同社だけが取り扱っているとのこと料理は、オーナーの西出シェフを中心に、本場イタリアのトスカーナやエミリア・ロマーニャで修行した坂本シェフを含めた若手チームが、日々メニュー開発に精を出します。大阪の店舗でも提供しているスペシャリテの『アリオーネ』を含むパスタは、全て手打ちにこだわっています。オススメのコースは「Cena Special」基本的にはコースメニューを中心に構成し、ランチは4,500円0、ディナーは8,000円0。またランチでは平日限定で『ステーキプレート』(2,000円)も用意しています。中でもオススメのコースは「Cena Special」(10,000円)で、ランチ・ディナーともに提供。今回は、同コースの代表的なメニューを含む特別メニューを試食してきました。Inizio『生ハム トルタフリッタ』コースの始まりは、削りたての生ハム。スタッフの方がワゴンで生ハムの塊を運び、その場でサーブ。その日のチーズとフルーツを添えていただきます。坂本シェフが修行したイタリアの地方、エミリア・ロマーニャ州の郷土料理でもあります。Antipasto Freddo『炭で炙った烏賊と旬野菜のインサラータ』さっそく炭焼き料理がお目見え。炭焼きのイカにそら豆、上にはイカ墨チップが添えられています。炭のふくよかな香りが鼻を抜け、イカの濃厚な味わいや食感とそら豆の甘みも感じられる一皿Carne『石川県 黒毛和牛 能登牛』メインのお肉は能登牛のイチボのグリルです。能登牛は他の黒毛和牛と比較してオレイン酸の割合が多いため脂の口溶けがよく、濃厚な味わいと脂と赤味のバランスがいいことが特徴。付け合わせのお野菜も炭で火入れされ、野菜本来の旨みや甘みが引き出されています。手前には生のコショウ、バジルのソース、赤ワイン塩。10,000円のコースでは、能登牛の3種の部位を食べ比べできますPasta『シェフのスペシャリテ ~アリオーネ~』にんにくの食欲をそそるいい香りと共に、スペシャリテの登場です。麺は自家製の手打ち麺で、もう1種類と合わせて使い分けているそう。太めでありながらソースとしっかり絡み、ぷりっと歯切れのいい食感も病みつきです。奥には味変でイタリア・カラブリア産唐辛子のソース、オイル、パルミジャーノが用意され、酸味や辛味で自分好みに味わうことができますDolce『本日のデザート』今回のデザートはアマゾンカカオを使用したドルチェで、スープ、ジェラート、最後にはアマゾンカカオをそのまま削りかけるパフォーマンスで仕上げ。華やかな香りが最後まで印象に残りますどのお料理も記憶に残る体験でしたが、それを東京の中心・六本木で、この価格で実現させるのはすごいことだと感じました。大阪のグルマンたちの人気を集めているのも納得です。今後、東京で注目を集め続けていくであろうレストランの誕生に胸が躍る、そんなひとときでした。Braceria Buffa【エリア】六本木【ジャンル】イタリアン【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-【アクセス】六本木駅
2024年04月22日2024年4月17日(水)、東京・神宮前交差点に、新たな商業施設「東急プラザ原宿「ハラカド」」(以下「ハラカド」)がオープンしました。これまで様々なカルチャーを生み出してきた原宿・神宮前エリアが持つヒストリーや、SNSを通じて誰もが発信や自分なりの表現を行う現在の時代背景を踏まえて、「多様な人々の感性を刺激する、新たな原宿カルチャーの創造・体験の場」として開業した「ハラカド」。新たな原宿カルチャーの創造・体験の場を実現するため、感度の高いヒト・モノ・コトと「出会う」「つながる」「体験する」「楽しむ」を掛け合わせた仕掛けと、チャレンジマインドあふれる個性的な75店舗が地下1階から屋上テラスまでの全フロアに揃います。新しい「原宿のまちの食堂」5~7階一体に広がる「HARAJUKU KITCHEN&TERRACE」多様な食文化やアートを体感し、感性と出会い・集う、新しい「原宿のまちの食堂」。5~7階まとめて一体を「HARAJUKU KITCHEN&TERRACE」と呼び、全23店舗の様々な料理を楽しむことができます。5階はクリエイティブマインドを刺激するような内装の店舗が横丁のように軒を連ね、アートも点在するフロア。原宿・神宮前エリアに少なかった、日常的に通いたくなる飲食店や路地裏のような雰囲気のある居酒屋など、個性的で多様性のある食の要素が集積されています。【東京肉しゃぶ家】がプロデュースする、150種以上の豚肉から選びぬかれた銘柄豚をしゃぶしゃぶやサムギョプサル、とんかつで味わえる【PRETTY PORK FACTORY & KATSU プリポー】、鮮度感抜群のスタイルで、店内仕込みの織人(ショクニン)がいる【まぐろ問屋 恵み】など、個性的な11店舗が軒を連ねます。また昭和41年創業の原宿の老舗町中華【紫金飯店】や、吉祥寺ハモニカ横丁を手掛ける株式会社ビデオインフォメーションセンターが隈研吾氏デザインのスタンディング業態【トーキングゴリラ】で出店するなど、愛される名店も揃います。5階のHARAJUKU KITCHEN & TERRACE、内観6階は緑豊かな芝生ゾーンと開放的な屋上テラスとがシームレスにつながったフロア。「神宮前の交差点でゆったりしよう」をテーマに、最先端のものが集まる神宮前だからこそ、のんびり過ごせる神宮前交差点の‟たまり場”が作られています。開放的な屋上テラスとシームレスにつながり、全11店舗の個性的な飲食店から、多人数でシェアできる料理やお酒などのドリンクをテイクアウトして、思い思いの時間をひとりでも、仲間とでも自由にゆったりと過ごすことができます。店主自ら狩猟した食材を使ったカレーやジビエのコースが話題の【beet eat】や、TikTokを中心としたSNSでのファンづくりやファンコミュニティ形成に強みを持つ株式会社Leading Communicationが初めて手掛けるカジュアル中華ダイニング【ハオハオチー (好好吃)】の他、本場ナポリピッツァ、アボカドを使ったメキシカングリル、ファラフェル、バインミー、イタリアンジェラートなど個性的で多様な食が揃います。6階のHARAJUKU KITCHEN & TERRACE、内観6階の屋上テラス7階の屋上テラスは、神宮前交差点を見下ろせ、都市の喧騒を感じながらも、美しい景色と緑豊かなリラックスした雰囲気を楽しめるフロア。街の緑と調和する生命感あふれる植栽に囲まれ、心地よい滞在をすることができます。7階の屋上テラス「HARAJUKU KITCHEN & TERRACE」から、注目のお店をピックアップFAMiRES、5Fコンセプトは新時代のファミリーレストラン。さまざまなカルチャーをクリエーターとコラボレーションしながら「新しいコトが起こる場所」を創ります。料理は『ミシュランガイド東京2020』から5年連続掲載のレストラン【sio】が考えるファミレスの定番メニューを自分たちの考える「おいしい」で表現。新しい「感動体験」をお届けします。居酒屋スタンド ジャンプ、5F焼き鳥、ハムカツ、もつ煮、レバニラといった居酒屋の定番商品に加え、天ぷら、ドンペリ、ジョッキクリームソーダ、自家焙煎の珈琲を使ったメニュー等も扱う「楽しくて美味しければ何でもアリ!」な、カオスな酒場。紫金飯店、5F昭和41年創業。.年、原宿の街に支えられてきた紫金飯店が、70席以上のスペースで気軽に行ける新たな町中華食堂をオープン。サクッと、ゆったり、わいわい、食べるもよし、飲むもよし、話すもよし!PRETTY PORK FACTORY & KATSU プリポー、5F東京肉しゃぶ家プロデュース店。【新宿PRETTY PORK FACTORY、KATSU プリポー】の2号店。素材選びからレストランは始まる。店主自ら150種以上の豚肉を厳正に審査。選び抜かれた銘柄豚の味は別格。自分好みの銘柄豚がきっと見つかるはずです。TOKYO MEAT 酒場、5F【TOKYO MEAT 酒場】はイタリアの「21番目の州」をイメージし、イタリア料理とTOKYO の文化や技術を兼ね備えた、独自のTOKYOイタリアンという新しいジャンルの創造をめざしています。名物は「お箸で崩れる旨トロ角煮」「牛ハツのカルパッチョ」など。TOKYOならではのイタリアンをお楽しみください。da pai dang 105、5F人気観光地でもある台湾の夜市に出かけたような店内の雰囲気と本場の味を楽お楽しみいただけます。自慢の自家製焼小籠包は、モチモチした厚めの生地を底面はカリっと焼き上げ、上部は蒸し焼きにし2種類の食感が楽しめるのが特徴です。お箸で上部に穴をあけ、まずは肉汁たっぷりの絶品スープからお召し上がりいただきます。その後、残った皮と餡を1つ目は是非何もつけずにそのままお召し上がりください。2つ目からはお好みで中国醤油や香酢、豆鼓辣油を付けて自分だけの焼小籠包をお楽しみください。ランチやディナー、軽食、テイクアウト、仕事帰りのチョイ飲みなど様々なシーンでご利用いただけます。トーキングゴリラ、5Fカルク立ち寄れる。アートイッパイのお店。ローストチキンとヤキトリのスタンディングバル。知ってる人にアツマッテモライタイ。隈研吾デザイン。ピッツェリア チーロ、6F東京・東中野、桜新町に店舗を持つ【ピッツェリアチーロ】は、本場ナポリで修行を積んだ職人の知識と技術を全て注ぎこみ「真のナポリピッツァ協会」認定店として「正真正銘のナポリピッツァ」を提供する本格的なピッツェリア。「ハラカド」では新たな試みとして「ターヴォラ・カルダ」と呼ばれるナポリの下町の様なテイクアウト専門店を展開。FALAFEL BROTHERS HARAJUKU、6Fヘルシーだけどジャンクにボリューム満点!揚げたてのファラフェルをさまざまなスタイルでお楽しみいただけます。「ハラカド」でも他店舗同様に全てがVEGAN。インターナショナルな雰囲気も見所です。加えて、当店ではクラフトビール、種類豊富なソフトドリンクをご用意。お食事とのペアリングをお楽しみください。THE MOR WORLD BURGER、6F特徴的な渦巻き状のバンズが魅力的な「クリスピーバーガー」。なんでもはさめて、どんな食材とも相性がよく、何通りもの組み合わせが自由自在に楽しめる、無数の可能性を秘めたバーガー。世界中の美味しいものを手軽に多くの人に届けたい!という思いを込め、“ワールドバーガー”を実現。普段食べる機会が少ない高級食材も使用した上品なファストフード店。Giolitti、6F100年以上ローマでしか食べることができなかった伝統の味が2021年に日本に上陸しました。世界中でローマと東京でしか食べれないジェラートを是非お召し上がりください。ローマ本店はローマのスペイン階段の近くにあり、映画「ローマの休日」でオードリー・ヘプバーン演じる「アン王女」が頬張っていたジェラートはジョリッティのものでした。「ハラカド」の階段で、頬張ってみてください。ハオハオチー、6F集客ツールとしてTikTokをフルに導入した、気軽に香港チキンと火鍋串を食べられるカジュアル中華ダイニングです。今話題のTikTok×飲食店がどのような化学反応を起こすのか、【ハオハオチー】にしか出来ない店舗体験をお届けします。ABC canteen、6F新宿と池袋に2店舗展開してる【ABCcanteen(エービーシーキャンティーン)】の3店舗目。 衣に米粉を使用した「自家製チキンタツタ」をメインに、 毎日店内で仕込む「手作り」にこだわり、スイーツだけでなくお食事もしていただけるスイーツカフェ。 季節によって変わるフェアメニューや、 フォトジェニックなドリンクやスイーツなど、“かわいい”要素がつまっています。「ハラカド」ではフードコートスタイルで提供。 色んなお店の料理を楽しめるようミニサイズも用意されています。銭湯からハイブランドまで揃う、「楽しむ」が詰まった店舗ハラカドB1Fにオープンした「小杉湯原宿」。飲食店だけではなく、他にも「ハラカド」で新しいチャレンジをする店舗が多数揃い、「ハラカド」らしい「楽しむ」が詰まった個性的なラインナップで訪れる人々の感性を刺激します。例えばクリエイティブマインドを持つ多様な人々や企業が出会い、共創することで新しい文化を生み出し、世界に向けて発信できる機能を実装した3階の「クリエイターズプラットフォーム」や、地下1階では高円寺の老舗銭湯の「小杉湯」が神宮前交差点前で銭湯を中心としたくらしを提案する「小杉湯原宿」をオープン。「ハラカド」は新たな原宿カルチャーの創造・体験の場となっています。施設情報東急プラザ原宿「ハラカド」開業日:2024年4月17日所在地:東京都渋谷区神宮前6-31-21
2024年04月19日“街場のレストランで当たり前の食体験”を再現今の感覚を大切にしながらフランスの古典料理を伝えるナチュールワインを幅広くセレクト“街場のレストランで当たり前の食体験”を再現麻布台ヒルズ タワープラザ3階のザ・コンランショップ 東京店に併設される形で誕生した【Orby Restaurant】。店名は創業者のテレンス・コンラン氏のミドルネームに由来。かつてのロンドン本店にレストランを設けるなど、食に対しても情熱を捧げていたサー・テレンス・コンランの想いを東京店に繋いだということだ。「モダンクラフトダイニング」を提唱する【Orby Restaurant】。自然光が降り注ぐ店内には、都会的で洗練された雰囲気が漂っているヘッドシェフとして白羽の矢が立ったのは、東京・三軒茶屋【uguisu】と西荻窪【organ】を営む紺野真さん。カジュアルなフレンチをベースに、ザ・コンランショップの本店がある英国のエレメントを加えた料理を提供するというのだが、仕込みはけして“カジュアル”ではない。例えば、フォン・ド・ヴォーやフォン・ブランなど、フランス料理の基本となる出汁は、一から作る。食材の仕入れについても、同様。ほぼ毎日、シェフが自ら豊洲に足を運ぶ。思わぬ食材との出会いがあれば、メニューに積極的に反映するそうだ。紺野真さん。1969年生まれ。ナチュールワインへの造詣も深い「僕が今までやってきた、街場のレストランのやり方を持ち込みたい」と、紺野さん。街場のレストランのやり方とは、つまり、マニュアル化されていないサービスのことである。46席の【Orby Restaurant】でそれを実践するのは並大抵ではないはずだが、「“人対人で料理とサービスを行う”街場の店のあり方に魅力を感じているからこそ、此処でも同じようにやってみたい。実現に向けて挑戦したい」と語る。いつかは、コースの利用が2回目以降のゲストには前回のお料理とかぶらないものを出すといったことにも対応したいそうだ。店内には左官仕上げのカウンターなど手仕事が光る今の感覚を大切にしながらフランスの古典料理を伝えるこの日のディナーコースのメニューには、「Chaud-Froid(ショーフロア)」という料理名がプリントされていた。ショーフロアとは、加熱した肉や魚をいったん冷ましてソースで表面を固めた冷たい料理のことだ。主に鶏の胸肉が使われるが、紺野さんは旬のホワイトアスパラガスを用い、それをイカ墨のソースでコーティングする。古典料理を愛し、今に伝えたいという紺野さんの熱い思いとクリエイティビティが発揮された一品だ。13,200円のディナーコースの料理の一例、『ホワイトアスパラガス ヤリイカ 卵 カラスミ』。器は陶芸家・伊藤環さんが紺野さんのリクエストに基づいて益子焼のプロダクトとして特別に作ったもの【Orby Restaurant】のシグネチャーメニュー『ヴェニソン・ウェリントン』にも、“古典料理を再構築して伝える”という姿勢が端的に表れている。『ヴェニソン・ウェリントン』、4,620円(税込)。メニューに載っていない場合もあるので、予約の際に確認するのが賢明英国の伝統料理“ビーフ・ウェリントン”をフレンチの技で洗練させた一品で、エゾ鹿のモモ肉をキノコのデュクセル、生ハム、パセリ風味のクレープで巻き、彩り豊かなパイ包みに仕立てている。また、フランスの古典菓子のひとつ『クレープ・シュゼット』も、バターの使用量を控えめにすることで軽やかな仕上がりを実現。くちどけのいいトンカ豆のアイスがすっきりとした後味を助長する。13,200円のコースのデザートの一例。『オレンジ クレープ トンカ豆』ナチュールワインを幅広くセレクトさて、紺野さんといえば、ナチュールワインの火付け役的存在としても有名だが、【Orby Restaurant】では【uguisu】や【organ】とはひと味違ったセレクトが楽しめる。フランス産に加え、オーストラリア産や日本産などニューワールドのワインも充実させているのだ。【Orby Restaurant】で味わえるナチュールワインの一例料理と同様に、ワインも顔ぶれがどんどん入れ替わる。バーカウンターもあり、スタンディングで気軽にドリンクと軽食を楽しむことも可能。開店して数ヶ月だが、リピーターが多いのも納得だ。紺野ワールドのファンの方はもちろん、はじめて体験する方も好奇心を刺激されて、再訪を望むに違いない。Orby Restaurant【エリア】麻布十番【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】5500円【ディナー平均予算】15000円【アクセス】神谷町駅
2024年04月19日かつて、俳優であり歌手である美輪明宏さんをして「宇宙一おいしい」と言わしめ、作家の川端康成や三島由紀夫を足しげく通わせたチキンバスケットがある。今や伝説にもなっている洋食店【銀座キャンドル】のものだ。2014年、惜しまれつつも64年の歴史に幕を下ろしてしまったが、創業者の孫であり3代目の岩本 忠さんがその味を引き継ぎ、現在【TARO Azabujuban】で堪能することができる。カウンター席をメインにした、コンクリートが基調のスタイリッシュな空間。奥には遊び心あふれる個室も用意されている「時代に合わせて少し変わったところはあります。でも、基本的なところは変えていません」というチキンバスケット……銘柄を問わず肉質、旨みにこだわり、現在は鹿児島県産の若鳥を使用。その厳選された胸肉に軽く塩を振り微細なパン粉をふんわりとまとわせ、低温の油でじっくりと揚げている。シンプルな調理だが、歯触りがサクサクで軽快な衣の下には、ジューシーでふんわりとした弾力のある胸肉。塩で引き立てられた鶏の旨みや香りが、噛むほどに口の中に広がっていくのだ。少しレモンを搾っても美味。シンプル イズ ベスト。“宇宙一”の言葉どおりの味わいだ。よく冷えたビールを合わせれば、食べて飲んで食べて飲ん……しばし無言になること間違いなし。『元祖! 世の中で一番美味しいと言われるチキンバスケット』(2ピース) 3.520円。頬張るとわかる、美輪明宏さんのコピー能力。サクサクの衣とジューシーでふっくらした胸肉の異なる食感の絶妙さ、うまさに唸る。アラカルトでは1個100gだが、コース時は50gにカットして提供岩本さんが手がける『エビマカロニグラタン』や『アップルパイ』もかつての味だ。前者のグラタンにはエビがゴロゴロと入り、柔らかめに茹でられたマカロニとともにベシャメルにしっかりと絡めて頬張れば……ハフハフ、焼きたてで熱いぞ。火傷しないようにフゥフゥと少し冷ましあらためて頬張る。「しっかりと水分を抜くように丁寧に行なっています」と下処理されたエビは噛めばパツンと弾けるかのようにプリプリで甘く、対してマカロニはもっちりという異なる食感が楽しい。それらにしっかり絡んだベシャメルはとろりと濃厚で、その心地よい塩加減がエビの甘みをさらに引き出している。シンプルな構成ながら、やさしくリッチな味わいなのだ。パンにつけてもおいしそう。冷えた白ワインを合わせればもっとおいしそうだ。『1950年の海老マカロニグラタン エシレバターver』3,520円。エビの旨み、エシレバターの芳醇な香りが溶け込んだベシャメルは濃厚で、このソースのみでも十分にお酒が進むおいしさ。プリプリ(エビ)、もっちり(マカロニ)、とろん(ベシャメル)の見事な融合にうっとり。食べてにっこり1950年、【銀座キャンドル】創業時のメニューに載っていた『パイ・ア・ラ・モード』。それをシンプルにパイ&バニラアイストッピングのみにして提供しているのが『アップルパイ』だ。香ばしくカリッと焼かれた生地の中にはほんのり甘いリンゴがたっぷり。リンゴは時期により色々使っているそうだが、香ばしさと酸味、リンゴとバニラの異なる甘み。さらにカリッとした生地、柔らかなリンゴ、パイの熱で溶けていくバニラの様々な食感。いくつもの主張が口の中でひとつになり、「あぁおいしい」という言葉を導き出す。戦後すぐの創業ながら、なんて完成度の高い味。「3代目という意識はそんなにないんですよ」と言いつつも、それらを受け継ぎ、進化させた岩本さんの熱意と技術、アイデアに脱帽である。『伝統のアップルパイアラモード』2,420円。香ばしく焼かれたパイ生地の中に、ほのかにシャクッとした歯応えを残すリンゴが鎮座。パイ生地の熱で溶けたバニラアイスを絡めながらいただけば、甘み、苦味、酸味が口の中で一つになる。素朴ながら優雅な味わいところで、ここ【TARO Azabujyuban】はかつての味だけの店ではない。料理人・岩本さんの哲学が凝縮された店でもあるのだ。ヒントは店名にある。TAROはタロウであり、漢字では太郎だ。「僕が手がける料理は日本の洋食をベースにしたもの。じゃあ、その日本の洋食とは何かというと、ご飯に馴染む味わいのものだと思うんです。なのでフレンチやイタリアンなら赤ワインを使うところを日本酒にしたり、ご飯に合わせにくいハーブやスパイスを使わないで仕上げているんです」。日本=ご飯を意識した洋食的な料理が多いが、お酒は日本酒、ワイン、ビールと幅広く揃えている。少量ずつ提供される料理に合わせてお酒を変えながら楽しんでみたい。日本酒(グラス・1000円0)、ワイン(グラス1300円0、ボトル7500円0)、ビール(瓶・900円)など小さなバインミーから始まるこの日のコースには『北海道産帆立と蟹味噌のグラタン』『豆乳と野菜だしのエスプレッソ』『黒毛和牛の柔らか煮 日本酒とココアのソース』などが並ぶ。どれも日本酒を合わせてみたくなる。骨太な味わいの燗酒もいけそうだ。そればかりか、これらの料理にご飯を合わせたくなったら臆することなく「ご飯ください!」と頼むべし。笑顔でご飯の提供もしてくれるのだ。とはいえ、ご飯の食べ過ぎには注意。コースには『ドウシンニカエル』なる一品も。これは子供の頃の心をときめかせた、卵でデミグラスソース味のライスを包んだオムライスなのだ。店の奥には5名くらいまで入れる個室。とあるメーカーのライトのカバーや、とあるものを加工した入り口のドアなどに岩本さんのアイデアが活かされている。ぜひ一度足を運んで確かめてみてその日のおすすめが書かれた黒板メニューにも、『紋甲イカのレアフリット』や『北海道産白子カリトロエシレバターと煮切醤油』なんて、ご飯に馴染むこと請け合い、お酒を呼ぶこと必至な料理。更に〆にはランチタイムに供している『麻布昊』のラーメンもズラリと揃っている。創業以来の味と日本の洋食をブラッシュアップさせた逸品たちを堪能させてくれる店。麻布十番の路地裏に佇む【TARO Azabujyuban】にぜひ出かけてみてほしい。1975年、東京都出身。【銀座キャンドル】三代目当主、【TARO Azabujuban】店主。幼い頃から料理に親しみ、焼肉店での修業からプロの道へ。一時期、建築デザインや飲食店運営に携ったのち、実家の店で研鑽を積む。その後、豊富な経験をもとに海外で飲食店を立ち上げ、活躍。帰国後、閉店した実家の洋食店を麻布十番のバーで間借り営業し、評判を呼ぶ。それをさらに進化させた今の店を2023年秋に創業。新趣向の洋食を探求する日々。TARO Azabujuban【エリア】麻布十番【ジャンル】ビストロ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】10000円【アクセス】麻布十番駅 徒歩5分
2024年04月16日~Message from Chef Kei Kobayashi~「私が今、日常的に通いたいのはどのような場所かを考え“大人の遊び場”をコンセプトに【KEI Collection PARIS】を創りました。気の置けない友人と未来を語らったり、同じ感性を持つ仲間と出会ったり、新たなインスピレーションがわくような場所を目指しています。【KEI Collection PARIS】は日々変わる素晴らしい素材と向き合い、インスピレーションを受け、その素材をどこまで美味しくできるのかを追求する店です。【Restaurant KEI】とはまた違ったスタイルで、厳選した素材から日々メニューを創りあげるお品書きをご用意し、お客様は自分に合ったスタイルでお食事をお愉しみいただけます。“KEI”の新しいかたちを、ここから世界に発信していきます」【KEI Collection PARIS】(ケイ・コレクション・パリ)住所:東京都港区虎ノ門2丁目6番2号 虎ノ門ヒルズ ステーションタワーTOKYO NODE 49F最寄り駅:東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」直結、東京メトロ銀座線「虎ノ門駅」B2出口営業時間:17:30~23:00 ※4月19日(金)からバー営業(~26:00)開始。定休日:火曜日・水曜日※貸切利用等で変更となる場合がございます。詳細はHPをご確認ください。KEI Collection PARIS【エリア】虎ノ門【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-
2024年04月15日銀座の星付きフレンチ【ドミニク・ブシェ】の元料理長として腕を揮っていた吉田能シェフ。コロナ禍中に料理動画の配信をスタートし、今では絶大な人気を誇るYouTuber「George ジョージ」としても知られています。その活躍の中、視聴者から届く「食べてみたい」という声から次第に大きくなった「食べてもらってこそ料理人」という思い。2022年11月、満を持して白金台に8席のみのカウンターフレンチ【CIRPAS】をオープンさせ、ミシュランガイド東京2024「セレクテッドレストラン」に選出されました。「George ジョージ」の名でも知られる、【SPICA】を監修した吉田能シェフそのフランス料理界で注目を集めてきた吉田シェフが、この度新たに監修することになったお店は“イタリアンダイニング”。一瞬、全く違う世界へと飛び込んだかのように思われるかもしれないこの試みですが、実は、彼が発信を続けていた料理動画に大きく通じるものがありました。表参道ヒルズ本館3階にある、開放的でスタイリッシュな印象の店内明るく輝く星“スピカ”。ラテン語で穀物の穂先の意味を持ち、古代ローマ時代から穀類が人々の食を支えてきたことに由来し店名にYouTube登録者数100万/突破、SNS総フォロワー数約190万人というメガコンテンツを抱えるシェフの動画で配信しているのは、「フランス料理で培った技術をもとにジャンルにとらわれず家庭でも簡単に再現出来る料理から、プロ目線の本格的な料理まで」の幅広いコンテンツ。そこで【SPICA】では、動画で見た“あの料理”をさらに進化させた一皿や、【SPICA】のために開発したここでしか食べられない料理の数々を楽しむことができる、カジュアルイタリアンを中心とするジャンルレスな料理がラインナップされていると言います。シグネチャー料理となる『シェフが辿り着いた圧巻の仔羊ハンバーグ』をはじめとする多様なアラカルトに加え、シェフズコースでのみ味わえる『〆の濃厚ビスクリゾット』は、蟹の濃厚な旨みと香味野菜にトマトが混然一体となる【SPICA】の象徴的な一皿。ワインセレクトは【CIRPAS】ソムリエであり、吉田シェフの右腕としても活躍する古内将道氏が担当。厳選したワインがさらに料理の完成度を高めます。(お料理の一部をご紹介)『シェフが辿り着いた圧巻の仔羊ハンバーグ』『ブラータチーズとフルーツの一番おいしい食べ方』『限界を超えた反則のガーリックシュリンプ』『普通にはもどれないミントのジェノベーゼ』『記憶に残る〆の一皿 〆の濃厚ビスクリゾット』+700円(2p~)お米はイタリア産を使用。※ディナーコースのみこの新店【SPICA】でも、「吉田シェフのあの料理を食べてみたい」という思いがよりカジュアルな居心地の良い空間で叶えられるという、元々シェフのファンだった方にとっても嬉しいメニューが満載。吉田シェフ独自の視点で料理の本質を追求する料理動画のメニューが、洗練されたひと皿へ昇華する【SPICA】をお見逃しなく。SPICA【エリア】原宿/明治神宮前【ジャンル】イタリアン【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-
2024年04月06日わざわざ訪れる、という特別感ある立地妥協なきソースを使った秀逸なフランス料理ゲストとの距離の近さを大切にもてなすわざわざ訪れる、という特別感ある立地「淡島」の交差点からすぐのビルの1階にある【DAN】昨秋誕生したフランス料理店【DAN】が店を構えるのは、世田谷区の淡島通りと梅ヶ丘通りが交差する場所。最寄り駅の池ノ上から徒歩で約10分、下北沢、三軒茶屋、池尻大橋の3つの駅のおおよそ中心に位置します。公共交通機関で近くまで行く場合、渋谷からのバスが便利です。周囲には飲食店も少なく、わざわざ訪れる立地は到着までに期待が高まります。控えめな看板を目印に、扉を開けてくださいレストランを構える場所は、決して便利な場所ではありませんが、オーナーシェフの髙田氏はこう語ります。「自分にとっては馴染のあるエリアだったのですが、あえて都心から離れた落ち着いた場所を選びました。駅からのアクセスは不便ですが、地域に根付いたお店になればという考えがありましたので、迷いなくこの物件を決めました」。カウンターには季節の花が飾られています扉を開けると、小さな店内が広がります。カウンターが半円のD型に8席並び、そのすぐ内側には厨房があるというコンパクトな造り。どの席からも、シェフたちが鮮やかに調理する様子を楽しむことができます。白を基調にした内装デザインですが、壁や天井など、わずかな赤色を混ぜた白なので、自然とあたたかみを感じる空間です。妥協なきソースを使った秀逸なフランス料理色彩の優美さも印象的な『富士山サーモン 金柑』料理は1ヶ月半ごとに替わるおまかせコース1本で、アミューズ、冷前菜、温前菜、リゾット、魚料理、肉料理、デザート、フィナンシェ、食後のお茶という流れです。富士山サーモンに合わせるのは『ドクター コンスタンティン フランク サーモン ラン』『富士山サーモン 金柑』は、コース2皿目に登場する冷前菜です。静岡県産の上品な脂が特徴の富士山サーモンを、マリネして炙っています。サーモンの下の人参とオレンジのソース、上に添えているのは金柑のソースとスライス、ラペのように仕立てた人参。サワークリームやアルドイノというイタリア産のオリーブオイル、エディブルフラワーをトッピングして完成です。柑橘と人参の2種のソースがサーモンの旨みを引き立てています。食感の良さを存分に感じる『カリフラワー セトワーズ』温前菜として提供される『カリフラワー セトワーズ』は、シンプルながら後を引く、お酒も進む味わいです。食感のよさを大切にしたカリフラワーは、フライパンで焼き目を付け、オーブンで火入れ。そこに合わせるソースは、南仏の港町セートのイカを使った、トマトの煮込みの郷土料理をソースに仕立てたもの。細かく刻んだイカの歯応えも良く、イベリコベジョータのスライスがアクセントになっています。髙田氏曰く「若い頃に【レストランひらまつ 広尾】で感動したソースの素晴らしさは、今でも忘れられません。【DAN】はカジュアルなレストランですが、ソースをカジュアルにすることはなく、材料にも技法にも妥協なく作っています」。柚子胡椒の泡と青さ海苔のチップを添えた『蛤米』メインディッシュの前に登場する『蛤米』は、国産の白米に玄米を3割混ぜることで、口当たりのいいアルデンテに仕上げたリゾット。旨みたっぷりの蛤のだしと、あおさ海苔の磯の香りをたっぷりとまとったお米が身体に染み渡ります。今回は蛤ですが、これまで蟹や白子を主役にしたものも。チーズを使用せず、和のテイストが漂う軽やかな仕上がりで、ほっと和むような箸休めのような存在です。『蛤米』の器は、金井春樹氏による笠間焼「器は、若手の現代作家を主軸にセレクトしています。例えば、『蛤米』の器は笠間焼なのですが、まだ23歳という若さの金井春樹氏の作品です。そういった若手の作家さんを発掘して、【DAN】から広まっていったら嬉しいです」と髙田氏。他に、佐野元春氏やkei condo氏、鷲沢ワシ子氏などの器を使用しています。オレンジのコンフィチュールを添えた『フィナンシェ』デザートの後に続く『フィナンシェ』は、共に料理を担当する杉山徹氏によるものです。「少し山型になったシャンティーヌ型で焼き上げているので、表面はカリッと、中はふっくらとした口当たりをお楽しみいただけます。最後の一品まであたたまる料理をお楽しみいただきたいという思いで、提供時間を逆算して、焼きたてで手で持つのが大変なくらい熱々で提供しています」(杉山氏)。ワインは多彩な国をラインアップワインは、ソムリエの資格を持つ髙田氏が厳選。「高級過ぎる銘柄は避け、フランスのほか、日本、ジョージア、ニューヨーク、ポルトガルなど、面白みのあるものをセレクトしています」。グラスワインやボトルワインでのオーダーの他、ペアリングメニューも用意。シャンパーニュ、ワイン4種で5,900円。プラス800円でデザートワインを付けることもできます。ノンアルコールでは、クロモジやヒノキなどのフレーバーが楽しめる『FOREST SODA:森の香り』がおすすめです。ゲストとの距離の近さを大切にもてなす座り心地のいい椅子が心地よい距離感で並びます「店内の狭さを長所にしたいと考えています」と語る通り、【DAN】はその小さなな空間を活かしたもてなしが特徴です。カウンター席に座ると、料理を仕上げる厨房の台との距離の近さに驚くかもしれません。次々と機敏な動きで料理が完成していく様子を、ライブ感溢れる状況でじっくりと楽しむことができるのもこちらならでは。ひとりで訪れた際にも手持無沙汰になる心配もありません。オーナーシェフの髙田氏(左)と共に働くシェフの杉山氏(右)代官山の【メゾン ポール・ボキューズ】や【レストランひらまつ 広尾】、大阪の【ラ・フェット ひらまつ】など、日本屈指のフランス料理店である、ひらまつの系列店でおよそ10年にわたり腕を磨いた髙田氏。その後、カジュアルなレストランでの経験も積みたいという思いで、表参道の【L’AS(ラス)】で副料理長として3年半勤務しました。その際に出会ったのが杉山氏です。杉山氏は、【L’AS】で6年にわたり研鑽を積みました。そのため、息のぴったりと合ったコンビネーションでおもてなし。料理はふたりで考案しています。ワインについてもゲストの好みに合わせて丁寧に説明ゲストと料理人の距離の近さによって、自然と会話が生まれることも【DAN】の醍醐味です。すぐ目の前にシェフがいるので、気軽に話しかけることができます。「お客様との距離感こそ、最も大切にしたいものです。レストランで料理が美味しいことは当然。それ以上にたくさん会話をできたらと考えています。ぜひ一度訪れていただき、この空気感を味わっていただけたら嬉しいです」(髙田氏)。カジュアルで肩肘張らない雰囲気に加え、コースを9,350円に設定したのもこだわったところ。1万円を超えない設定にしたかったといいます。コースを終え、店を出る時には心も身体も満たされ、あたたかな気持ちに満たされていることでしょう。DAN【エリア】下北沢【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】12000円【アクセス】下北沢駅 徒歩17分
2024年04月03日帝国ホテルのシェフだった祖父に憧れてフレンチの世界へひと皿ごとにメインの食材を決め、一番おいしい食べ方を表現夫婦で試食を行い、コースをブラッシュアップ帝国ホテルのシェフだった祖父に憧れてフレンチの世界へ実は元バスケ青年で、高校時代は都選抜になるほどの選手だった池田邦彦さん。そのままバスケを続けることも可能だったが、「幼い時から料理人を志していました」と、高校卒業後は服部栄養専門学校へ。道標となったのは祖父だった。シェフの池田さん。1988年、東京都の生まれ「母方の祖父が帝国ホテルでフレンチの料理長をやっていたので、料理人は身近な職業で憧れがありました。家族でホテルへ食べに行った時、長いコック帽を被った祖父が奥から出てきて挨拶をする様子がすごく格好よかった。母も料理にはかなりこだわりがあり、和食より洋食がスタンダードという環境で育ったこともあって、自然と料理人になるなら洋食と思うようになりました。ジャンルに迷うことも少しありましたが、やっぱりフレンチは格好よくて、お皿の上が華やかで、一番憧れました」シンプルで強い動機をいまも忘れていない雰囲気の池田さん。家庭料理が調理工程や食材にこだわるものだったから、必然的に素材の細かな違いも分かるようになっていった。いまも週に一回はバスケをするという池田さん。学生時代のポジションはシューティングガードだった専門学校在学中の2008年に東京でミシュランが始まると、アルバイト代で星付き店を食べ歩き、「一番ビビっときたのがトロワグロ」と魅了された。「当時のシェフがリオネル・ベカ氏(現エスキス)で、その料理に衝撃を受けたんです。働く前に4回食事に行き、“やっぱりこのお店で働きたい”と思いました。いつかはフランスにとも考えていたので、本店がフランスの三つ星というのも大きかったです」とはいえ新卒を直にとらない【キュイジーヌ[s]ミッシェル・トロワグロ】。ホテル内のレストランだったため、ホテル入社か経験者が採用の前提となり、池田さんは配属も確約できないなかホテルの入社試験を受けることに。少しでも配属の確率を上げるため在学中に研修も申し込み、なんとかトロワグロでキャリアをスタートさせた。入ってみると周りは辻調グループフランス校を首席で卒業するようなエリートばかりで、シェフとの会話はフランス語。言葉の壁でつまずいたものの食らいつき、リオネル氏の後にはギヨーム・ブラカヴァル氏(現エスト)にも師事した。在職中にフランス本店での修業も叶い、28歳までの6年間、個性豊かなシェフのもとでグランメゾンの技術と美学を学んだ。カウンター席はもちろん、テーブル席からも調理風景がよく見える店内独立すると、2021年に経堂で【キャトル ヴァン ドゥーズ】を開業した。店名は自身の名(邦彦)にちなみ、フランス語で「92」を指す。2023年11月には千歳船橋に移転し、経堂の時と同じくカウンターを大切にした店を造った。くもりガラスの扉がついた個室も1室用意。扉を開けて、店内の活気を感じながら食事するのも一興調理がよく見えるのはもちろん、こだわったのは、座る人と料理人の目線を同じ高さにすることによる話しやすさ。淡いブルーグレーの壁とネイビーに塗った椅子や床の色合わせがお洒落で、テーブル席はゆっくり話したい日にも合う心地よさだ。ひと皿ごとにメインの食材を決め、一番おいしい食べ方を表現芽キャベツの春の香りと、ウズラの旨みが重なる温前菜昼は6,000円、夜は8,000円からコースを提供。8割が常連ということもあり、「飽きさせない」ことを意識して毎月内容を変える。「スペシャリテがあると前後の組み合わせが狭まる」とあえてスペシャリテをつくらず、毎回の構成が新鮮だ。同じ料理を出したことは一度もない。「ひと皿ごとにメインの食材を決めて、一番おいしい食べ方を表現しています」と話し、例えば春の温前菜にはウズラが乗るが、実は芽キャベツが主役。野菜のほとんどは福島県郡山市にある鈴木農場から。シェフが「野菜に対しての考え方が変わった」と話す若手生産者の野菜はすべてが滋味深い「福島の鈴木農場さんの芽キャベツを食べて本当にびっくりしたことがきっかけ。この芽キャベツの甘さを感じてほしくて、合わせる食材を考えました。鈴なりの状態で届き、葉が詰まりすぎずふわっとしていて、甘みが強い芽キャベツです。ここに肉本来の旨みを足したいけれど強すぎてもいけない。ウズラは味が強くない肉でサイズ感も小さめで合うと思いました。芽キャベツは焦げると香りが出る野菜でもあるのでローストして、ウズラもローストにしています」粒マスタードとアンチョビのソースも相まって、芽キャベツとウズラを一緒に食べると春の香りが追いかけるように出てくる。豊かな土壌でつくられた野菜に合わせるのは、ミネラル豊富な土の味がするピノ・グリージョだ。夫婦で試食を行い、コースをブラッシュアップ『フォアグラのポワレ ビーツ 西洋かりん』リオネル・ベカ氏の影響で、果実やハーブ、スパイスを効果的に使う。フォアグラのポワレには西洋かりんのソースや、カルダモンや八角を効かせたりんごのコンポートを合わせ、クラシックの技術に遊び心や甘美さを感じさせる。メインの肉は、池田さんが「気に入って使っている」という北海道白糠町の蝦夷鹿はハンターさんから仕入れたり、和牛であれば月に5頭しか出荷されない島根県のかつべ牛を使用。かつべ牛は、サーロインであっても脂がさらりと軽やかで、そんな肉に柑橘のソースを合わせて前述の鈴木農場の野菜を添える。さっくりとした歯応えに焼き上げられた、島根県産かつべ牛のサーロイン小麦粉は極力使わず、ソースの濃度は野菜で補填し、バターの使用量も一般的なフレンチの十分の一。焦がしバターにしても、上ずみを捨てて焦がした旨みだけをピューレに使うなど、最後まで心地よく食べてもらうための工夫が多いのも特徴だ。食感の異なる素材が並び、飽きずに完食できるチョコレートのデザートまた、夫婦で営むフレンチということも店の個性。妻の亜弓さんは【ミシェル・トロワグロ】出身で、パティシエとして有名店を渡り歩き、いまは接客とデザートを担当。メインの肉までの流れを考えたうえで、シェフがデザートの食材をリクエストしているので全体が上手く締まる。かつべ牛がメインの場合なら、「軽いチョコレートのデザート」がよいという話し合いがあったとか。そこで亜弓さんは、フルーツのピューレを加えたガナッシュクリームやいちごのアイスクリーム等を添えた軽やかなチョコレートケーキを完成させた。今回の魚料理は『長崎県産ホウボウのポワレ』デザートに限らず、コース内容が固まってきたら二人で試食会を304回は行い、話し合ってコースを決定するというから、亜弓さんは心強い存在だ。ちなみに、「いつも料理のことを考えていて、料理しない日はほとんどないです」と、家庭での食事も池田さんが作る。和食も中華も作り、鮨も握る。さまざまなジャンルの料理をつくるのが好きななかでも、「自分にとって一番難しいのは、やっぱりフレンチ」と、理想を求めて奮闘する日々。客によって味つけを変える心配りまでするから仕事は尽きない。ワインは池田さんのフランス料理に合うものを、人気の銘柄から希少なものまで幅広く取り揃える「お客さまの反応を聞くのが一番楽しいですし、何回も来ていただけるのが一番嬉しい。この規模のお店で一番いい瞬間は、そこなのかなと思います」グランメゾンを知りつつも“通えるフレンチ”を貫き、「フレンチはもうここでいい」と声をかけ、20回以上通う常連もいる。なじみのフレンチで季節の移り変わりを感じたい人におすすめだ。Quatre-vingt-douze【エリア】千歳船橋/成城学園前【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】8000円【ディナー平均予算】12000円【アクセス】千歳船橋駅 徒歩1分
2024年04月02日花街の名残りを残す荒木町の一角。2023年9月オープン以前【多仁本】のあった場所といえば、思いあたるフーディもきっと多いことだろう。「数年前から独立を考え、準備もしていたのですが、コロナ禍ということもあり、なかなか良い物件が見つからなかったんです。そんな時にちょうどお声がけ頂き、ここに決めました。」こう語るのは、ご主人の峯村翔平さん、34歳だ。カウンター6席のみの小ぢんまりとした店内ながら、静かに食を楽しむには格好の空間幼少期から台所仕事をよく手伝っていたそうで「母親といる時間はたいてい一緒に台所に立ち、料理を手伝っていましたね。お菓子などもよく作りましたよ。」と笑う。高校生になり、将来の進路を真面目に考えた時、大学進学よりも、同年代の人間より経験値の高い料理の世界に進もうという思いが生まれたのも、自然の成り行きだったかもしれない。1990年生まれ、北海道札幌市出身。母親の料理を手伝ううち、自然に料理の世界へと進んだ峯村さん地元の料理学校を出て、上京したのは20歳の時。銀座【矢部】に弟子入りを果たし、ここで3年半修業を積んだ後、【矢部】の先輩であり、新人時代の峯村さんを何くれとなく面倒を見てくれた同郷の佐藤一太さんに誘われ、青山【いち太】に。オープンの立ち上げから携わって7年間研鑽を積み、煮方も任されるまでになったところで、そろそろ独立を……と動き始めたタイミングでコロナ禍に見舞われる。思案に暮れていたにいた峯村さんに、思わぬところから声がかかった。2022年、表参道でリスタートした増田砺氏にラブコールを送られたのだ。「炭台を入れたりと、つまみを充実させたいということでお声をかけて頂きました。」とは峯村さん。同店でも炭台を入れる。「炭を直接皮目にあてることで、香りと香ばしさが更に増すと共に、皮自体もより一層パリパリに仕上がります」増田氏とは【いち太】時代から面識があり、時には一諸に呑みに行ったりすることもある仲だったそうで、これも何かの縁と快諾。握りの前に出すつまみの類を峯村さんが担当することとなった。和食と鮨。似ているジャンルのようだが、鮨店ではまず卸し方がスムーズなことに驚かされた。しかも、魚を卸す数が和食屋のそれとは格段に違った。一つ一つをいかに綺麗に手早く卸すかが問われ、数が多い分、必然的に無駄のない卸し方となる。数をこなすこと、繰り返し行うことの大切を改めて思い知ったという。和食と鮨では、「仕込みの仕方が全く違っていました。塩のあて方から魚の捌き方まで、とにかく魚の扱いにかけては学ぶことが多かったですね」とは峯村さんそれまでと異なるジャンルで学んだ1年半は、峯村さんのレパートリーの幅を確実に広げたに違いない。そして、ようやく見つけた荒木町のこの店で新たな一歩を踏み出したわけだ。おまかせのコースは28,875円。席数は6席と少ないが、ワンオペでやるには充分だろう。取材日、海老芋と雲丹の先付けの次に登場したのは、飯蒸し代わりの『あん肝の蒸寿司』。『あん肝の蒸寿司』は、まさに鮨屋での成果を生かした一品だ木の芽を散らした鮨飯の上に鎮座する堂々のあん肝、これがワザあり一本! 鰹だしに酒、砂糖、濃口醤油と味付けの基本は常套通りだが、共に加えた有馬山椒が実にいい仕事をしているのだ。爽やかな香りと軽い痺れが、ともすればくどくなりがちなあん肝の濃厚さを緩和し、木の芽をまぶした鮨飯とも相まって、インパクトはありつつもあっさりとした後口で、次のお椀へとスムーズに繋げてくれる。ふぐは食感を楽しめるよう厚めにカットし、あん肝と和えてぽん酢ジュレをかけてあるお椀の後は、『ふぐぶつ』に『メジマグロの炙り』と2種のお造りがお目見え。メジマグロは軽く火を入れることで、メジマグロの風味が薫香を纏ってより高まると共に、身の脂をやや溶かすことで、舌にしっとりフィットするおいしさを演出している。それも、和食店ならではの、何かひと手間かけた造りを出したいという峯村さんの想いゆえ。呑兵衛ならずとも、つい杯が進むこと請け合いだ。皮目を藁で炙り薫香をつけ、肉厚にカットした身のしっとり感とのコントラストが食欲を促進させる。付けあわせは自家製海苔の佃煮で和えた花山葵炭火焼きは太刀魚。そして口直しのズワイガニと菜の花の酢の物に、強肴のふぐと茨城の原木椎茸の鍋、と緩急つけた料理が続いた後、いよいよ蕎麦の登場となる。コース最後のお楽しみ、『もり蕎麦』。修業先の【いち太】で培った蕎麦打ちの技術をここでも如何なく発揮「しっかりと角を立てたいので、水分を少なめにし、やや硬めに打つています。」とは峯村さん。なるほど、ピンと角のたった蕎麦は歯切れ良くコシも上々。甘さ控えめのもり汁とよく絡む。鰹だしを効かせた風味に和食職人の手練が除く。蕎麦はもちろんつなぎなしの十割蕎麦。蕎麦粉は現在、茨城の常陸秋蕎麦を使用〆は雑炊で、取材日は『ふぐの白子雑炊』。この雑炊を始め、蕎麦以外はその時々の旬の食材を取り入れつつ、月々で変わっていくのも日本料理店なればこその楽しみだ。「夜、店のカウンター席はいわばステージ、(自分の料理の)発表の場です。だからしっかり準備をしてお客様を迎え入れる。お客様の喜ぶ笑顔を思い浮かべながら、淡々と仕込みをしている時に充実感を感じますね。そして、おいしいの一言が聞けた時が最高です。」とは峯村さん。幅広い年代にいらしてもらいたいと意欲を燃やす。アルコールは日本酒がおすすめ。「爾今」、「新政火の鳥」など10種以上を常備。グラス一杯800円から四ツ谷みね村【エリア】四谷【ジャンル】和食【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】35000円【アクセス】四谷三丁目駅 徒歩4分
2024年04月01日渋谷に誕生した「manoma」とは?記憶に残る瞬間を演出する【STEREO】繊細で意表をつく、特別感たっぷりの【FUSOU】渋谷に誕生した「manoma」とは?エレベーターからフロントへ続く通路SHIBUYAタワーの高層階に位置する「manoma」。こちらは、クリエイティブ産業に関わる企業や人、スタートアップの交流促進の場を目指す、渋谷の街との一体感を感じるパノラマ眺望や開放的で洗練されたデザインが特徴の空間です。エレベーターで38階まで上ると、贅沢な空間とその美しいデザインに期待が高まります。次々と開発が進む渋谷の街を一望できる大きな窓「manoma」は、フロント、グリルダイニング、ミュージックバー、プライベートレストランの4つのエリアで構成されています。光と影のグラデーションを活かした幻想的な空間デザインで、フロア全体がゆるやかにつながっているのが印象的。イベント開催の機能として180インチスクリーンや音響設備を充実させる他、併設するグリルダイニング、ミュージックバーと連携することで、カンファレンスやパーティー、トークイベント、展示会などの幅広いシーンで利用することができる施設です。渋谷駅からすぐという便利なアクセスでありながら、喧噪を忘れ、上質な時間を過ごすことができます。記憶に残る瞬間を演出する【STEREO】ゆったりとした間隔で席が配された【STEREO】の店内バーカウンター内に設置された特注のTAGUCHIのスピーカー「manoma」の飲食機能の中核を担う、グリルダイニング&ミュージックバー【STEREO】。渋谷の街を見渡せるパノラマ眺望が特徴で、約120席の開放的でクリエイティブなスペースが広がります。居心地の良いサウンドづくりに定評のあるTAGUCHIのスピーカーを採用し、眺望とシンクロする高品質でクリアな音響を実現しました。伍堂英太氏によるハイブリッドな選曲をお楽しみいただけます。『アスコラーナ ~オリーブフライ~』『シーフードプラッター』【STEREO】で提供するメニューは、スパイスやハーブによる個性豊かなタパス、素材の風味を存分に引きだしたグリル料理、大人数で盛り上がるシェアスタイルなど、フレンチのフィルターを通して枠にとらわれない自由な発想と遊び心が生み出す、多国籍な料理が特徴です。『アスコラーナ ~オリーブフライ~』は、オリーブに牛挽き肉、アンチョビをそれぞれ詰めた一口サイズの熱々フライ。乾杯と共にまずオーダーしたい1品です。存在感ある『シーフードプラッター』は、季節の魚介を豪快に盛り付けたひと皿。オリジナルスイートチリソースと山椒マヨネーズにたっぷりディップしていただきます。他に、『フルーツトマトとトレビスのサラダ/ブラータチーズ』や『スパイスフライドチキン』など、テーブルに並べば盛り上がること間違いなしのメニューが揃います。食後には、専属パティシエによるデザートをどうぞ。繊細で意表をつく、特別感たっぷりの【FUSOU】期待が高まる、プライベートレストラン【FUSOU】の扉もうひとつのレストラン【FUSOU】は、フロントから【STEREO】へと向かう途中にひっそりと入口が佇みます。シェフを務めるのは、代官山の【ASO】で研鑽を積み、南青山【NARISAWA】のカクテルバー【Bees Bar by NARISAWA】の立ち上げに携わり、虎ノ門ヒルズの8席限定のアニバーサリーレストラン【unis(ユニ)】のスーシェフを務めた内田悟氏です。8席のカウンターの他、4名まで利用できる個室を完備内装デザインは、内田氏の出身地でもある栃木県の大谷石や、富山の樹齢約300年のもみの木のカウンター、廃棄竹材など、自然由来の素材を多用しています。「食事をしながらもぬくもりを感じてほしい」という内田氏の想いを反映。圧倒的な空間で、カウンター席に座るとまさにステージのように調理風景を楽しむことができます。器は、有田焼・清水焼・唐津・常滑・秋田杉の木工など、工藝作家や窯元に直接お願いしたものを使用。料理と共に工藝品の魅力も発信していきたいと考えられています。四季の移ろいを感じるおまかせコースコースは全10皿で構成「季節の旬を楽しむ」をコンセプトに掲げる【FUSOU】。内田氏が全国各地の生産地を訪れる旅で出会った選りすぐりの食材が、これまで培った経験と感覚で組み合わさり、フレンチの技法によって、繊細で意表をつくようなひと皿となります。ここでしか体験できないクリエイションをご堪能いただけることでしょう。「生産者とのコミュニケーションを大切に、旬のものを盛り込んだ【FUSOU】ならではのおまかせコースに仕立てています。こういう料理がしたいからこの食材が欲しい、というより『今畑にこんなものがあるよ!』というようなお話をお伺いしてから料理を考えます。信頼のおける生産者の皆様からいただく大切に育てられた素材などに真摯に向き合い、その魅力をお皿の上で最大限引き出してお客様に届けられるように日々心がけています」(内田氏)。溶岩石で焼き上げる『熟成牛 筍 山椒 コンテ』【FUSOU】のシグネチャーは溶岩石で焼き上げる熟成肉、コースのメイン料理です。「信頼のおけるお肉屋さんにお願いしている牛肉をお店にある熟成庫で自ら仕立てています。牛肉は黒毛和牛以外の和牛(日本短角種・褐色和種・無角和種)やジャージーなど赤身の美味しい日本の牛肉を熟成してご提供。生産者がこだわって育て上げた牛たちを、個体差などを見極めながら熟成を調理工程のひとつと捉えてベストな状態でお届けしていきます」と内田氏。『熟成牛 筍 山椒 コンテ』は、力強い岩手県産短角牛のロース肉を1ヶ月半熟成させ、溶岩石で焼き上げ、季節を感じていただける筍はローストし、コンテチーズと山椒の爽やかさを閉じ込めた泡を添えています。アルコールペアリングは、ワインを主軸に日本酒やカクテルなども提供。ノンアルコールペアリングでは、お茶やハーブ、野菜、果実を使用したモクテルなどもあります。圧倒的な景色と贅沢な空間、そして【STEREO】と【FUSOU】ならでは料理の数々。シーンに合わせ、ぜひ大切な方と訪れてみてはいかがでしょうか。STEREO【エリア】道玄坂/神泉【ジャンル】ダイニングバー【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-FUSOU【エリア】道玄坂/神泉【ジャンル】フレンチ【ランチ平均予算】-【ディナー平均予算】-
2024年03月29日