伊坂幸太郎の人気小説を映画化した『ゴールデンスランバー』で、斉藤和義が自身初の映画音楽監督を務め、主題歌であり物語の鍵を握るビートルズの名曲「Golden Slumbers」を自らカバーすることが発表された。原作は2007年に発表され、翌年の「本屋大賞」および「山本周五郎賞」を受賞したサスペンス。堺雅人、竹内結子をキャストに迎え、首相暗殺の濡れ衣を着せられた一般市民の男の逃亡劇を描く。斉藤さんは音楽監督という立場で、主題歌、エンディングテーマだけでなく劇中の全ての音楽を担当しているが、エンディングテーマの「幸福な朝食、退屈な夕食」を巡っては、伊坂さんとの“奇縁”が明らかに。伊坂さんはこの曲を聴いて、会社勤めを辞めて作家一本でやっていく決意を固めたということで、斉藤さんのファンであることを公言している。ちなみに、斉藤さんは、本作と同じく伊坂さん×中村義洋監督のコンビによる『フィッシュストーリー』でも、劇中のパンクバンドが演奏する楽曲をプロデュースしており、伊坂作品で音楽に携わるのはこれが2度目。斉藤さんは今回の音楽監督という仕事について「映画の規模も大きいと聞いてたし、出演者のみなさんも豪華だし、責任重大だって感じましたね。サントラってずっとやってみたいと思ってたことだから、声を掛けてもらったときは『いいんですか!?』って思ったけど、ぜひぜひってことでやらせていただきました。まだラフの段階の映像を見ながら、監督とイメージのすり合わせをしてスタジオに入り、一人でやってみたりバンドを集めてジャムってみたり。監督もレコーディングに立ち会ってくれて、その場でどんどん決まっていく感じですごくやりやすかったですね。なんせ、映像を見ながら演奏するってのも初めてだったので、おもしろかったっす」とコメント。主演の堺さんは「ビートルズの原盤『アビー・ロード』では、メドレーのなかの橋わたしのようなつかわれ方をしているこの曲ですが、斉藤さんの歌をきいて、独立した曲として人を感動させる力をもっているのだなとおもいました」と“斉藤版”「Golden Slumbers」の感想を語ってくれた。「黄金のまどろみ」と直訳されるこの「Golden Slumbers」、原作小説の中で描かれるスリルや郷愁といった様々な要素を見事に彩り、重要な役割を果たしているが、映画では、観客の心にどのように響きわたるのか?『ゴールデンスランバー』は1月30日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ゴールデンスランバー 2010年1月30日より全国東宝系にて公開© 2010「ゴールデンスランバー」製作委員会■関連記事:堺雅人&竹内結子、『ジェネラル・ルージュ』の次は伊坂作品で恋人役!
2009年11月11日名だたる映画監督たちに愛され、数々の名作が誕生してきた夢の舞台、ニューヨーク。世界各国の監督とハリウッド・スターが集結し、それぞれのこの街への想いを映画にした、オムニバス・ラブストーリー『ニューヨーク、アイ ラブ ユー』(原題)の待望の日本公開が、2010年2月に決定!さらに、迫る10月16日(金)の全米公開に先駆けて、本作のキービジュアルが解禁となった。文化や流行の発信地であり、人種のるつぼのニューヨークを舞台に、出会いや別れ、様々な「愛」の物語を紡ぎだす本作は、パリの街を舞台に映画化され2007年に日本でも公開された『パリ、ジュテーム』にインスパイアされる形で製作された。ニューヨークと言えば、これまで夢や栄光、成功を追い求める映画の舞台として描かれてきたが、9・11以降は、人と人との繋がりが叫ばれる風潮の中で、人間味あふれる人々が出会う新たな町として描かれてきた。今回、監督それぞれの目に映る街の景色が、どんな映像や物語に反映されているのか楽しみなところ。ナタリー・ポートマンの初映画監督&脚本でも話題を集める本作だが、日本からも岩井俊二、ほかにイヴァン・アタル(『フレンチなしあわせのみつけ方』)、アレン・ヒューズ(『フロム・ヘル』)、ブレット・ラトナー(「プリズン・ブレイク」製作総指揮)など多彩な顔ぶれが世界各国から集結。キャスト陣には、岩井監督作にオーランド・ブルームとクリスティーナ・リッチが、そのほかヘイデン・クリステンセン、シャイア・ラブーフ、アンディ・ガルシアなど錚々たる俳優陣がそろった。10篇にわたるオムニバス形式で、初恋や痛みを伴う愛、つかの間の愛、忘れられない愛、拒まれる愛、そして永遠に続く愛まで、様々な形の愛が描かれる。『ニューヨーク、アイ ラブ ユー』(原題)は2010年2月、TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開。■関連作品:ニューヨーク、アイ ラブ ユー (原題) 2010年2月、TOHOシネマズ シャンテ、Bunkamuraル・シネマほか全国にて公開■関連記事:オーランド・ブルームがユニセフ親善大使に。水の大切さを訴えるオーランド・ブルームのハリウッドの自宅に空き巣!被害額は50万ドル?スカーレット・ヨハンソン、ドルチェ&ガッバーナの顔でミラノ・コレクションに登場
2009年10月15日昨年『おくりびと』がグランプリを制し、アカデミー賞に向けた前哨戦としても注目を浴びるようになった、国際映画祭の最高峰のひとつ、モントリオール世界映画祭。8月27日(現地時間)より開催されていた、今年で第33回目を迎える本映画祭にて、ワールド・コンペティション部門に出品されていた、根岸吉太郎監督作『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』が最優秀監督賞を獲得した。日本文学史の代表的作家・太宰治の遺した数々の作品の中でも、異彩を放つ恋愛小説を原作に、松たか子と浅野忠信を主演に迎えて夫婦の愛を綴った本作。ほかにも広末涼子、妻夫木聡、堤真一といった豪華俳優陣が根岸監督の下、華麗な競演を遂げている。授賞式の壇上に立った根岸監督は、フランス語で「メルシー・ボク(=ありがとうございます)、メルシー・ボク、メルシー・ボク、メルシー・ボク、メルシー・ボク。何度お礼を言っていいかわかりません。モントリオールと言う映画が大好きな人々の映画祭でこの映画の第一歩を歩むことができました。本当にありがとうございます」と興奮を隠しきれない様子で感謝のコメント。さらに、「個人で撮った賞ですが、日本映画全体の名誉だと思っています。自分の名前が呼ばれたときは、自分の名前ってフランス語っぽいなぁ(笑)と感じていました。地味な演出の作品なので、賞を獲れるなんて思っていませんでした。この映画の東洋的なニュアンスをきちんと読みとってもらえて大変嬉しく思います」と並々ならぬ喜びを表した。今後の賞レース、さらに日本への凱旋も楽しみな『ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜』は10月10日(土)より全国東宝系にて公開。■関連作品:ヴィヨンの妻〜桜桃とタンポポ〜 2009年10月10日より全国東宝系にて公開© 2009 フジテレビジョンパパドゥ新潮社日本衛星放送■関連記事:『ヴィヨンの妻』モントリオール監督賞受賞で浅野忠信、松たか子からも喜びの声が到着ファッション小噺vol.112日本女優の美肌のヒミツはこれだった!松たか子×浅野忠信『ヴィヨンの妻』がモントリオール出品で、太宰イヤーを飾る!
2009年09月08日2日から開催中の第66回ヴェネチア国際映画祭。7日夜にスティーヴン・ソダーバーグ監督の最新作『The Informant!』(原題)が上映され、主演のマット・デイモンが監督やプロデューサーらとともにレッド・カーペットに登場した。『The Informant!』は、90年代にアメリカの穀物商社の不正を内部告発し、FBIに協力した同社重役、マーク・ウィタカーの実話を基にした作品で、マットは30ポンド(約14キロ)増量して撮影に臨んだ。ソダーバーグのオスカー受賞作『トラフィック』やプロデューサーとして参加した『シリアナ』のようにシリアスな作風かと思いきや、本作はブラック・コメディ。FBIのおとり捜査に協力するウィタカーをマットは楽しそうに演じている。今年の映画祭コンペティション部門には日本の塚本晋也監督の『TETSUO THE BULLET MAN』も出品されているが、『The Informant!』はコンペ外での上映。前日はルチアナ夫人と一緒にゴンドラに乗ってロマンティックな夜を過ごすなど、マットはバカンスも兼ねたヴェネチア滞在を満喫しているようだ。(text:Yuki Tominaga)6日、妻のルシアナと一緒にヴェネチアでの夜を過ごしたマット・デイモン。© AFLO■関連作品:TETSUO THE BULLET MAN 2010年、全国にて公開第66回ヴェネチア国際映画祭 [映画祭]■関連記事:塚本晋也、深夜のヴェネチアを興奮の渦に「レッドカーペット歩けるのはすごいこと」ニコラス・ケイジ&エヴァ・メンデス、波紋を呼ぶ一作を引っさげヴェネチア入りM・ムーア、ヴェネチアに殴りこみ!ドキュメンタリー作品初のコンペ部門出品塚本晋也最新作、ヴェネチア国際映画祭出品決定初コンペ出品の快挙!世界のツカモト、全篇英語で挑んだ21世紀版『鉄男』で“全世界同時”会見
2009年09月08日“青い海”をコンセプトに、絶大な人気を誇るアーティストの3人、AI、土屋アンナ、元DefTechのMicroが、映画監督に初挑戦し、それぞれの個性で作り上げたオムニバス映画『BLUE PACIFIC STORIES』。8月1日(土)より全国公開される本作だが、これに先駆けて、7月6日(月)、本作の完成披露試写会が行われ、上映前に3人が揃って登場、息の合ったトークで会場を盛り上げた。生まれ故郷のL.A.でオールロケを敢行したAIさんは、「やるからには自分にしか出来ないものをやりたかったので、ダンスも絡めて面白い映画にしたいと思いました」と力強いコメント。初監督への挑戦については「(北野)武さんとかに『何だよ、あのAIってやつは』て言われてるかもしれないけど、そう言われないように間違いない作品にしたいと思った」と語った。一番大変だったのはキャスティングと言うAIさん。「いろんな人を辿って辿って、電話で口説き落として、普段はそこまで電話しないのにすごいしつこい奴でしたね」と笑ってふり返った。いきなりAIさんの独壇場と化したが、これに対して「喋ると止まんないんだもん(笑)」とツッコミを入れるのは土屋さん。土屋さんは、今回アニメを通して環境破壊へのメッセージを込めたが、「自分が、『あーほんとにこの場所が好きなんだ』ということを伝えたくて、海にはこういう生き物がいるんだよというのをアニメにしました。子供にはちょっと内容は分かりづらいですけど、絵はバッチリ。うちの息子も、内容はよく分かってなかったけど反応してました」と明かした。Microさんは、成宮寛貴を主演に自身も得意のサーフィンをテーマに据えた。きっかけは、13年間寝たきりの子供を自宅介護する母親との出会いだったそうで、「残酷かもしれないけど、彼がもし目を覚ましたら、恋愛やサーフィンなどいろんな楽しいことが出来るということを、ギフトとしてお母さんに贈れないかなと思って作りました」と強い思い入れを感じさせた。また今回、映画の音楽を自らプロデュースし、エンディングテーマも自身で歌い上げる3人。映画公開日の8月1日(土)と翌2日(日)には、赤坂ブリッツとACTシアターにて、映画と3人が登場するライヴを融合した業界初の試み「ブルパシライブ2009」が開催、ライヴの模様は全国のシネコンで生中継される。しかしAIさんとMicroさんがアーティストとしての意気込みを語るのに対し、土屋さんだけがいまになってやっと内容を把握したらしく「え、全国で見れるの?ほほー、やりますね」ともらし、会場を沸かせた。最後に、3人それぞれから見どころが語られた。まず、AIさんは「自分で言うのもなんですが、私たち天才なんじゃないかというほど、3人が合体してパワーアップしています。また観てから、道端で会ったら話しますので。では土屋アンナちゃんからどうぞ」とちゃっかりMCも入れながらアピール。土屋さんは、改めて後世の子供に贈る映画として「うちらは海が青いというのを知ってるけど、後々の子供たちは海は黒いと思うかもしれない。そのときに、うちらが出来ることがちょびっとあるかもしれないと感じてもらえたらいいと思います」と訴えかけた。そして、最後にバトンを渡されたMicroさんが、「3つの作品が作られたものでなく、自分自身に起こりえるものだと、映画の主役だと思って観ていただけたらと思います」としっかりと観客に呼びかけると、会場からは温かい拍手が沸き起こった。『BLUE PACIFIC STORIES』は8月1日(土)より新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:BLUE PACIFIC STORIES 2009年8月1日より新宿バルト9ほか全国にて公開©Blue Pacific Stories Film Partners
2009年07月08日日本映画界を牽引する是枝裕和監督が、韓国の実力派女優、ぺ・ドゥナを主演に迎えて贈る、心を持ってしまった“空気人形”と人間のラブストーリー『空気人形』。先月開催されたカンヌ国際映画祭「ある視点」部門への正式出品で喝采を浴びた本作が、これに続き、9月10日(現地時間)から開催されるトロント国際映画祭の「マスターズ」部門に正式出品されることが決定した。1995年、初監督作にしてヴェネチア国際映画祭オゼッラ賞を獲得した『幻の光』以来、全作品が国際映画祭に出品されている是枝監督。トロント映画祭への参加はこれで4度目となるが、今回は実績のある巨匠とされる監督の作品のみが出品される「マスターズ」部門への出品ということで、世界からの高い注目がうかがえる。また現時点では、同映画祭への日本映画の出品は本作のみ、先陣を切っての出品となる。この快挙について是枝監督は、「5月のカンヌでのワールド・プレミアに続き、北米でのプレミアをトロントという素晴らしい国際映画祭で迎えられることを、たいへん光栄に思います。“マスターズ”という世界中の巨匠たちが集う部門への出品は、まだまだ時期尚早とも感じつつも、この市民に支えられた映画祭で『空気人形』が観客からどのように受け入れられるのか、いまから心地よい緊張感を感じています」と喜びのコメント。既に10以上の世界各国の映画祭から出品のオファーを受けている本作だが、トロント映画祭はアカデミー賞レースの前哨戦とも言われるだけにその評価が注目される。『空気人形』は今秋、シネマライズ、新宿バルト9ほか全国にて公開。■関連作品:空気人形 2009年秋、シネマライズ、新宿バルト9ほか全国にて公開© 業田良家/小学館/2009『空気人形』製作委員会/写真:瀧本幹也■関連記事:ペ・ドゥナ、駆け込みセーフに日本語で「遅れて申し訳…」ARATAも板尾もホッ…【カンヌ現地レポ 02】是枝監督、観客の反応に「安心した」『空気人形』初披露【カンヌ国際映画祭】日本から唯一、是枝裕和監督『空気人形』「ある視点」に正式出品是枝裕和、次に描くのは“空気人形”の恋ヒロインには韓国女優ぺ・ドゥナを抜擢!
2009年06月26日