2014年に“写真界のノーベル賞”と言われるハッセルブラッド国際写真賞を受賞した写真家、石内都の個展「Frida is」が、6月28日から8月21日まで、東京・銀座の資生堂ギャラリーで開催される。1979年に、街の空気、気配、記憶を捉えた写真集『APARTMENT』で、第4回木村伊兵衛写真賞を受賞した石内都。2005年には、母の遺品を撮影した『Mother’s 2000-2005 未来の刻印』で、第51回ヴェネチア・ビエンナーレの日本代表に選出され、世界的に注目を集めるようになった。2007年より現在まで続く、原爆で亡くなった人々の遺品を撮影した『ひろしま』シリーズも国際的に高く評価され、近年は国内外で数多くの個展を開催。これまでに、大正、昭和に流行した着物、銘仙を撮影した『絹の夢』を発表したほか、子供の着物を撮り下ろした『幼き衣へ』を発表し、布や記憶にまつわる作品に精力的に取り組んでいる。また、2012年には、メキシコを代表する女性画家フリーダ・カーロの遺品を、フリーダの生家でもあるフリーダ・カーロ博物館で3週間にわたって撮影。その撮影の模様を捉えたドキュメンタリー映画『フリーダ・カーロの遺品 -石内都、織るように』が昨年公開され、話題を集めた。今回開催される石内都展「Frida is」では、フリーダが身に着けていたコルセットや衣服、靴、指輪などの装飾品に加え、櫛や化粧品、薬品など、彼女の死後50年となる2004年に封印を解かれた遺品を撮影した石内の写真集『Frida by Ishiuchi』、『Frida 愛と痛み』シリーズから、31点の作品を公開。会場では、苦しい状況の中でも常に美を意識し、情熱的な生涯を過ごしたフリーダの遺品を、“青い家”と呼ばれるフリーダ・カーロ博物館で、フリーダと対話をするように自然光の中で撮影した石内の作品が展示される。なお、石内の作品は、同展の期間中に資生堂銀座ビル、SHISEIDO THE GINZA、東京銀座資生堂ビルでも展示される。また、会期中の7月2日には、石内とmameのデザイナー黒河内真衣子による対談が行われる。申し込み方法は、資生堂ギャラリーのオフィシャルサイトで確認出来る。さらに、同展に合わせて未発表の写真を中心とした写真集『フリーダ 愛と痛み』と石内のエッセイ集『写真関係』が刊行されるほか、ドキュメンタリー映画『フリーダ・カーロの遺品 ―石内都、織るように』が、7月23日より大阪のシアターセブン、7月30日より東京のアップリンクで再上映される予定だ。【イベント情報】石内都展「Frida is」会場:資生堂ギャラリー住所:東京都中央区銀座8-8-3 東京銀座資生堂ビル地下1階会期:6月28日から年8月21日時間:平日11:00~19:00、日曜・祝日11:00~18:00料金:無料休館日:月曜日(月曜日が祝日にあたる7月18日も休館)【関連企画】対談:石内都 × 黒河内真衣子(mameデザイナー)会場:花椿ホール住所:東京都中央区銀座7-5-5資生堂銀座ビル3階日時:7月2日時間:14:00~16:00料金:無料(申し込み多数の場合は抽選)定員:200名【書籍情報】『フリーダ 愛と痛み』編著:石内都発刊:岩波書店A4判/上製発売:2016年6月17日【書籍情報】『写真関係』編著:石内都発刊:筑摩書房A5判/上製/カバー装発売:2016年6月上旬
2016年06月06日蜷川実花による写真展「IN MY ROOM」が、6月18日から7月4日まで渋谷パルコパート1・3階のパルコミュージアムで開催される。同展は、8月7日に一時休業をするパルコミュージアムの締めくくりに、渋谷パルコと縁の深いアーティストたちによる3つの展覧会を行う企画「SHIBUYA PARCO MUSEUM FINAL EXHIBITIONS」の第1弾となるもの。会場では、6月30日に発刊される蜷川の写真集『IN MY ROOM』から収録作品を展示する。『IN MY ROOM』は雑誌『EYESCREAM』の人気連載「蜷川実花のプライベートモード」が書籍化したもので、今最も旬な“オトコたち”を、プライベートモードに捉えた写真作品が綴られている。選ばれた“オトコたち”は、窪塚洋介、永瀬正敏、綾野剛、斎藤工、村上淳、渋谷慶一郎、妻夫木聡、金子ノブアキ、松山ケンイチ、早乙女太一、大森南朋、玉木宏、猪子寿之、堂珍嘉邦、伊勢谷友介、浅野忠信、坂口健太郎、東出昌大など。蜷川実花は、2001年「第26回木村伊兵衛写真賞」受賞発表の後に新作写真展「まろやかな毒景色」をパルコギャラリーで開催。以降、2003年「Liquid Dreams」、2008年「蜷川妄想劇場」、2012年「へルタースケルター」と継続的にパルコで個展を発表してきた。2007年には初監督作品となる映画『さくらん』の展覧会「さくらん極彩色絢爛展」をパルコミュージアムで開催、監督2作目となる映画『へルタースケルター』ではパルコの広告に起用されるなどした、パルコゆかりのアーティストである。【イベント情報】「IN MY ROOM」会場:パルコミュージアム(渋谷パルコパート1、3階)住所:渋谷区宇田川町15-1会期:6月18日~7月4日時間:10:00~21:00(7月4日は18:00まで、入場は閉場の30分前まで)入場料:一般500円、学生400円、小学生以下無料
2016年06月04日伊勢丹新宿店では、5月25日から31日まで、写真家・ホンマタカシの作品を展示、紹介するゾーンを同店本館1階ザ・ステージ内にオープンする。この展示は、同店で同会期に開催されるニューヨークウイークの一環で行われるもので、写真家ホンマタカシのピンホールシリーズからニューヨークを被写体にした作品を展示、販売する。今回紹介される作品は、同氏が街の一角にあるホテルや高層建築物などの一室をピンホールカメラ化し、「都市によって都市を撮影する」という試みのもとで撮影されたもの。撮影方法は暗い部屋で小さな穴を通して壁に映し出すという、カメラ・オブスキュラ(camera obscura)という手法が採用されている。展示作品は、給水塔のようなアイコン的存在や、数字や文字などのデザイン性の強い要素をクローズアップし、意図的に写真の記録性や受動性から遠ざかろうとしているかのように思えるコンセプチュアルなもの。会場では上記作品をプリントしたニードルデザイン(NEEDLE DESIGN)とコラボレーションしたTシャツやiPhoneケースも限定発売される。ホンマタカシは、1962年、東京都生まれ。1999年写真集『東京郊外』で第24回木村伊兵衛賞を受賞。2016年4月には出版社のMACKより、カメラオブスキュラシリーズの作品集『THE NARCISSISTIC CITY』を刊行した。
2016年05月24日写真家・川内倫子の写真展「The rain of blessing」が、5月20日から9月25日まで東京・港区のギャラリー916(Gallery 916)で開催される。同展では、川内倫子が2016年に熊本市現代美術館で発表した「川が私を受け入れてくれた」や、昨年ウィーンのKUNST HAUS WIENでの個展のために撮り下ろした国内未発表作品「Search for the sun」、さらに未発表の最新作までの近作を初期作品とあわせて展覧。川内の軌跡をたどる100点余りの写真作品を一度に見ることができる貴重な機会となっている。また、併設のスペースのGallery 916 smallでは新作の映像作品も上映される。川内倫子は、02年に「うたたね」「花火」で第27回木村伊兵衛写真賞を受賞した写真家。09年にはICP(International Center of Photography)主催の第25回インフィニティ賞芸術部門受賞を、13年には平成24年度(第63回)芸術選奨文部科学新人賞、第29回写真の町東川賞国内作家賞を受賞しており、これまでにパリやイエテボリ、スウェーデン、サンパウロ、ウィーンなど世界中で個展を開催している。【イベント情報】川内倫子写真展「The rain of blessing」会場:ギャラリー916(Gallery 916)住所:東京都港区海岸1-14-24 鈴江第3ビル6階会期:5月20日~9月25日時間:11:00~20:00(土・日・祝日は18:30まで)料金:一般800円、大学生/シニア500円、高校生300円、中学生以下無料休館日:月曜日(祝日を除く)
2016年05月09日国内外のアートシーンの第一線で活躍する写真家の田附勝と間部百合、画家の五木田智央の3人による展覧会「田附勝・五木田智央・間部百合」展が、5月5日から7月15日まで東京・吉祥寺にオープンするギャラリー・アマラ(amala)にて開催される。五木田智央は、ポップカルチャーやプロレス、ホラー映画、幾何学模様など多様なイメージを即興的に描いたドローイングなどを手掛ける画家。海外のギャラリーではモノクロで描かれた抽象的なペインティング作品を発表している五木田だが、今回は実験的なカラー作品を展示する。田附勝は、写真集『東北』で2011年度木村伊兵衛写真賞を受賞した写真家。同展では、同作品と並ぶ代表作で、長年に渡り全国でアート・トラックおよびドライバーを撮り続けてきた『DECOTORA』から作品を出展。また、日本の戦後70年の節目を過ぎた今、東京から離れた山村における民族行事を撮った新作『終戦70年の日の太陽 杉並 東京』の作品も展示される。間部百合は、アメリカ・ポートランドやドイツなど国内外を行き交う中で出会った被写体を撮影した作品を発表している写真家。被写体の表情の捉え方やその写真のクオリティの高さで注目を集めている。今回は、ゴツゴツとした氷の塊がゆっくりと溶けていく時間のうちに淡い光が氷に反射した一瞬の輝きの美しさを捉えた作品『ice』や、それに続く新作を展示する。また同展に合わせて、作品集やアーティストTシャツ、青森ひばを使用したオーガニックなプロダクツを生産するプロジェクト・カルデサック-ジャポン(Cul de Sac - JAPON)と五木田がコラボレートした限定オブジェ3種(各50個サイン入り)などのアイテムを販売。雑誌『スタジオ・ヴォイス(STUDIO VOICE)』のADを務める鈴木聖がセレクトするアート古書なども取り扱われ、同時代のアーティストによるエッジの効いた世界観が体感できる機会となっている。【イベント情報】「田附勝・五木田智央・間部百合」展会場:アマラ住所:東京都武蔵野市吉祥寺本町1-36-8会期:5月5日~7月15日不定休
2016年05月04日お酒を片手に楽しめる写真集が中心のアートブックフェア「PND写真集飲み会」が、5月14日、15日に大阪・中央区のドゥラポ(drapeau)にて開催される。同イベントでは、40以上の出版社、書店、ギャラリーなどがテーブルを並べて写真集やZineを販売する。また会場内にはこだわりのお酒などの出展ブースがあり、お酒を片手に気軽に出展者と会話を楽しむことができる。“写真集飲み会”というタイトルは、もともとはと数人が居酒屋の片隅で写真集を回し見るような飲み会だったことからつけられたもので、参加人数が増えるにつれ会場を大きくしていった結果、ブックフェアという形になった。昨年には東京・原宿のヴァカント(VACANT)で2度開催されている。今回の大阪会場は、東京でのイベントの3倍以上の広さに出展ブースを大幅に増加。関西で開催される本格的なアートブックフェアとしては最大規模、写真集イベントとしては日本最大のブックフェアとなる。出展は、宇多田ヒカルを撮影したことで話題の木村伊兵衛賞受賞作家の石川竜一の写真集を出版している赤々舎、荒木経惟・アラーキーの原点である『センチメンタルな旅』の復刻のデザインを手がけた町口覚が運営するマッチアンドカンパニー、『未来ちゃん』で大ヒットのナナロク社など。その他、2手舎、Art beat publishers、book of days、Caravan book、CITYRAT press、CONTACT HIGH ZINE、flotsam books、GRAF publishers、ハモニカ古書店、IDEA BOOKS、街道、lemon books、リブロアルテ、Luketh、LVDB BOOKS、大隅書店、PGI、PHaTPHOTO、Place M books、POST、螺旋、RED Photo Gallery、roshin books、satellite、沢田マンションギャラリー、青幻舎、shashasha、蒼穹舎、ソラリス、Studio Journal knock、スーパーラボ、T&M Projects、TAP gallery、The Third Gallery Aya、東京綜合写真専門学校、twelvebooks、梅田蔦屋書店、VACUUM PRESS、VERO、ビジュアルアーツ大阪、womb-magazine、zen photo galleryなどが登場。飲食ブースでは、山中酒の店/日本酒、Campofrio、箕面ビール、吉備土手下麦酒醸造所、TAKAMURA Wine & Coffee Roastersが出店する。また、イベントのイメージ写真には、アルゼンチン在住の写真家・ヘンリック・マルムストロム(Henrik Malmstrom)がドイツのハンブルクのバーに通いつめ撮影した愛しい酔いどれの写真を起用。写真家アンダース・ペーターセン(Anders Petersen)の作品集『Cafe Lehmitz』の現代版ともいえるこの作品を収録した『Life is One Live it Well』は昨年刊行された写真集の中でも大きな話題を呼び、世界的に評価された。その他、特別写真展として、『パンといっぴき』などの著書も発売する料理研究家の桑原奈津子による展覧会も開催される。【イベント情報】「PND写真集飲み会」会場:ドゥラポ住所:大阪府大阪市中央区博労町4-6-14 ラポビル会期:5月14日、15日時間:14日が13:00~21:00、15日が12:00~20:00料金:500円
2016年05月02日約5年半ぶりに音楽活動を再始動させる宇多田ヒカル。その新曲となるNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」の主題歌「花束を君に」、日本テレビ「NEWS ZERO」のテーマ曲「真夏の通り雨」の2曲が、本日4月4日(月)にそれぞれ初オンエア、15日(金)から音楽配信されることになった。先の“月9”ドラマやCMでも話題の高畑充希がヒロインを務め、第1話では西島秀俊の丸メガネ&スーツ&敬語の“とと”(父)ぶりが早速注目を集めている「とと姉ちゃん」。そのオープニングを毎朝飾ることになるのが、いっそう表現力を増した伸びやかな歌声の宇多田さんの「花束を君に」。これまで、宇多田さんは「みんなのうた」に「ぼくはくま」を提供したことがあるが、NHKドラマの主題歌を担当するのは今回が初めて。また、夜には日本テレビ系「NEW ZERO」のエンディングにて、同番組テーマ曲「真夏の通り雨」が初オンエアされる。ピアノと歌だけで静かに幕を開けるこの曲は、丁寧に紡がれた歌詞が、新たな宇多田さんの世界へと誘うかのよう。「デモを聴いたとき、鳥肌が立ちました」と語る「NEWS ZERO」の佐藤圭一チーフプロデューサーは、「以前と変わらない伸びやかな声と、また深みを増した宇多田さんの言葉の一つ一つ。『NEWS ZERO』が伝えるのは素敵な話ばかりではなく、誰か大切な人を失ってしまう事件や事故も毎日のように起きます。それでも明日を前向きに生きていく、少しでも良い社会を作っていく。宇多田さんの曲を聴きながらZEROを見終える人が、そんな気持ちで1日を終えてくれたら、と思っています」と期待を寄せる。どちらも今年レコーディングが行われた楽曲で、ミックスエンジニアには、昨年度グラミー賞4部門、今年度アカデミー賞「歌曲賞」を受賞したサム・スミスを手掛けたことで知られるスティーブン・フィッツモーリスを迎えて初タッグ。まさに“完全復帰”と呼ぶに相応しい2曲に仕上がっている。さらに、宇多田さんのオフィシャルサイト「HIKKI’S WEB SITE」が更新、新しいアーティスト写真も公開された。今回のアーティスト写真を撮影したのは、石川竜一氏。沖縄県生まれで、第40回木村伊兵衛写真賞など数々の賞を受賞するなど、いま最も注目されている新進気鋭の写真家のひとり。その石川氏が2月に撮り下ろした宇多田さんの最新写真は、石川氏のインタビューとともに本日4月4日発売の「ぴあMUSIC COMPLEX」でも特集されている。「花束を君に」「真夏の通り雨」は4月15日(金)よりiTunes、レコチョク、Moraなど主要配信サイトにて配信開始。連続テレビ小説「とと姉ちゃん」は8時~NHK総合ほかにて放送中。「NEW ZERO」は毎週月~木曜23時~、毎週金曜23時30分~日本テレビ系にて放送。(text:cinemacafe.net)
2016年04月04日写真家・木村伊兵衛の写真展「木村伊兵衛 パリ残像」が4月1日から24日まで、美術館「えき」KYOTOで開催される。日本写真家協会初代会長でもある木村は、日本人写真家として戦後初めてヨーロッパを取材した写真家。1954年に初めて念願の渡仏が叶うと、フランスの写真家アンリ・カルティエ=ブレッソンに刺激を受けて自身もパリを撮影して回った。同展では、木村によるパリの町並みや下町の庶民のドラマを写した作品を展示。約130点のカラー作品から、過ぎ去ったパリの魅力を垣間見ることができる。4月1日の11時と14時からは写真家の田沼武能が、4月9日の同時刻からは写真家の今森光彦がギャラリートークを行う。【イベント情報】「木村伊兵衛 パリ残像」会場:美術館「えき」KYOTO住所:京都府京都市下京区東塩小路街657会期:4月1日~24日時間:10:00~20:00(受付は19:30まで)料金:一般900円、高・大学生700円、小・中学生500円
2016年02月17日ノエビアは、写真家・三好和義氏の作品展『-土門拳に捧ぐ - 三好和義写真展「室生寺 十二神将」』を開催する。会場は、東京都・銀座のノエビア銀座ギャラリー。会期は1月12日~3月25日。開催時間は10:00~18:00(土・日・祝日は17時まで)。入場は無料。タヒチやモルディブなど南の島々や、屋久島など日本の世界遺産を写した作品で知られる写真家・三好和義氏は、彼が中学生の頃から写真家・土門拳に憧れ、写真家を志すきっかけにもなったという。同展では、土門氏が通い詰めた奈良県北東部・室生山の山懐にある「室生寺」をテーマとした撮影に三好氏が挑み、その中から薬師如来を守護する12体の武神「十二神将」が中心に展示されるということだ。なお、三好和義氏は1958年、徳島市生まれ。1986年、写真集「RAKUEN」で木村伊兵衛写真賞受賞。「楽園」を求めてタヒチ、モルディブなど南の島々をはじめ世界各地を巡り、近年は日本の世界遺産、京都御所、桂離宮、仏像、陶磁器、富士山、伊勢神宮など日本の伝統文化や日本人の精神性をテーマに撮影を続けている。ちなみに、同展のタイトルにも含まれる「土門拳」は、1909年山形県酒田市生まれの写真家(1990年没)。戦前から報道写真家として活躍し、日本の伝統文化から社会性の高いテーマまで、日本の写真史に大きな足跡を残す。室生寺には1939年以来通いつめ、1954年に写真集「室生寺」を刊行、車椅子生活になって以後も写真集「女人高野室生寺」(1978年)を完成させた。
2016年01月07日キヤノンマーケティングジャパン(キヤノンMJ)は、写真家・本城直季氏による写真展「東京」を開催する。会期は2016年2月12日~3月28日(日曜・祝日休館)。開場時間は10:00~17:30。会場は東京都・品川のキヤノンギャラリーS(キヤノンSタワー1F)。入場無料。同展では、写真家・本城直季氏が建造物の乱立する東京の街を上空から俯瞰して空撮し、新しい高層ビルや工事中の建物などがまるでミニチュアのように見える作品約50点が展示される。また、2月13日 13時からは、本城氏が展示作品を紹介しながら撮影時のエピソードなどを語るトークセッションが開催される。ゲストは、写真評論家・飯沢耕太郎氏。参加費は無料で、事前申し込み制となる。申し込みはイベントのWebページにて1月5日 10:00より受け付ける。定員は先着300名。本城氏は、「久しぶりに展望台に登って東京の街を俯瞰するとまた知らない高層ビルが建っていた。 工事中の建物もいくつか見えた。 もう経済は10年以上も停滞していると言われ続け、 人口もこれからさらに減少すると言うのに東京の景色はそんなことは意に介さず変わっていく。 展望台から東京の街を俯瞰して見ていると、 どこまでも果てしなく続く密集した建造物の景色に圧倒され、 まるで模型の世界のような仮想空間にいる錯覚に落ち入る。 自分たちが日常として住んでいる場所は、 紛れもない実世界だが、 半分は人工的に作られた仮想空間のようなところに住んでいるのだと改めて実感する。」とコメントしている。なお、本城氏は1978年、東京都出身。東京工芸大学芸術学部写真学科卒業、同大学院芸術研究科メディアアート修了。実在の風景を独特のジオラマ写真のように撮影した写真集「small planet」で2006年度「木村伊兵衛賞」を受賞。メトロポリタン美術館やヒューストン美術館に作品が所蔵されているだけでなく、雑誌や広告など幅広い分野で活躍している。
2015年12月24日東京都・新宿の伊勢丹新宿店は、こだわりの“プロのおもてなし”を紹介する「イセタン百貨事店」を開催する。開催期間は9月9日~9月22日。営業時間は10:30~20:00。同催事は、日常生活に彩りを添え、お気に入りのモノをより愛せるようにというコンセプトで、婦人服、婦人雑貨、婦人靴、ベビー子供用品、リビング用品、食品など、生活に関わるさまざまな分野から合計50企画にわたる、こだわりの"プロのおもてなし"を紹介するもの。催事内では、「世界にひとつのウエルカムボードが欲しい」、「とっておきの卒業式がしたい」など、クリエイターに叶えてほしい夢と出資額を書いてDREAM BOXへ投函すると、期間中に応募された「夢」の中から、実現可能な夢を有料にてクリエイターが形にしてくれるプロジェクト「TOKYO DREAM CLOUD」が開催されている(本館2階TOKYOクローゼット/リ・スタイルTOKYO)。開催期間は9月9日~9月22日。参加クリエイターは、とんだ林蘭・hip BORN twin・KUTANI SEALほか。また、2006年「small planet」で第32回木村伊兵衛写真賞を受賞した世界的な写真家・本城直季による写真・ポートレート撮影の予約受付が行われる。申込者の自宅を対象に、本城氏によるミニチュアのように見える写真撮影と、申込者の家族のポートレート撮影を行う企画となっている。予約受付期間は9月9日~(本館5階IDSもしくは電話にて予約)。料金は108万円~。また、本城氏の写真展も開催される(本館5階センターパーク)。会期は9月9日~9月15日。さらに、横浜市・中区の光る茶室SHUHALLY「文彩庵」にて、裏千家茶道准教授で庵主の松村宗亮が現代のお茶の楽しみ方と心得を話す「変わる表現と変わらない心SHUHALLYで学ぶ日本のおもてなし」が開催される。開催日時は9月22日10:30~12:00と、13:30~15:00の2回。予約開始日時は9月9日10:30~(新宿店本館6階時の場もしくは電話にて予約)。参加費は6,480円、定員は各回8名となっている。また、レストランやカフェのプロデュースも手がけているモデルのノーマ氏による、ビーガン素材だけを使った茶菓子のワークショップも行われるということだ。そのほか、「パティスリー・サダハル・アオキ・パリの青木シェフによるお菓子教室」や「快眠コンサルタント友野なお氏の眠活体験@ウェスティンホテル東京」、4カ月間・計4回のカウンセリング型セミナーを通して心と身体と肌の関係を学ぶ「伊勢丹ホリスティックビューティ塾」、子供の描いた絵をデザイナーのトヨクラタケルがフェルトのアップリケにし、来場者がレッスンバッグに仕立てるワークショップなども開催される。また、そのほかの企画に関しては、同催事Webサイトにて9月29日まで見ることができるということだ。
2015年09月07日台湾映画『共犯』が7月25日(土)に公開を迎え、物語のカギを握る少女・シャーを演じたヤオ・アイニンが来日。初回上映後に舞台挨拶に登壇した。通学途中に同じ学校の女子高生・シャーが変死しているのを発見した3人の学生たちが、事件の真相を追う姿を描きつつ若者たちの複雑な青春模様を映し出していく本作。少女・シャーを演じたヤオは本作でスクリーンデビューを飾った。日本人写真家で木村伊兵衛賞受賞の川島小鳥が最新作「明星」にヤオを被写体として登場させ、その名が一躍知られるようになったが、今回が6回目の来日で日本語も勉強中。この日も開口一番「私はヤオ・アイニンです。今日はありがとうございます」と日本語で挨拶し、通訳を介しつつも、途中の質疑応答でも日本語の質問に自ら「はい、そうです!」と日本語で返していた。シャーという少女は内に閉じこもったタイプの少女だが、ヤオは「私はシャーにとっても似てるんです。プライベートでは一人で部屋でじっとして過ごすのが好きです。監督は普段の雰囲気がシャーと合うと思って私を抜擢してくださったんだと思います」と語る。現場では「私が役に入っていけるようにと監督はあまり口をきいてくれず、一人きりにして『音楽聴いてなさい』と言われました…(苦笑)」と述懐。「役の雰囲気作りは難しくなかったですが、ワイヤーで飛び降りたり、水の中のシーンは怖くて大変。タバコも元々、吸えないので吸うのは緊張しました」と明かした。映画の中では長い黒髪姿だが、これは地毛だという。「撮影の後、暑くてバッサリ切ってしまったんですが、その後に追加シーンの撮影が入ってしまい、そこだけウィッグをつけてるんです(笑)」と秘密を明かしてくれた。元々、日本が大好きということで「こうして日本に来れて嬉しいし、日本語はまだまだ難しいですけど、日本でもモデルや映画、TVの仕事をしてみなさんにお目にかかることができれば」と日本での活動にも意欲を見せる。司会者から、台湾でAKB48グループのメンバー募集があるけど興味は…?と尋ねられると「私はもう25歳なのでダメでしょうね(笑)。そして問題は、歌を歌えないということです」と苦笑を浮かべていた。最後に日本語で「『共犯』の物語は誰もが体験することを描いています。この映画を見ると周りの人にやさしくなれると思います。ありがとうございました」と挨拶し会場は温かい拍手に包まれた。『共犯』は公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:共犯 2015年7月25日より新宿武蔵野館ほか全国にて公開Double Edge Entertainment (C) 2014 All rights reserved.
2015年07月25日写真家・鈴木理策の個展「鈴木理策写真展 意識の流れ」が、東京オペラシティ アートギャラリーにて、7月18日より開催される。9月23日まで。1963年和歌山に生まれた鈴木理策は、1980年代半ばから写真を媒体に創作活動をはじめた。故郷の熊野をテーマとした初の写真集『KUMANO』(1998年)など、連続性のある写真手法や物語性のある表現が評価され、2000 年に第25回木村伊兵衛写真賞を受賞。熊野での撮影をライフワークとしながら、南仏のサント・ヴィクトワール山やセザンヌのアトリエ、桜や雪など、様々な対象を異なるアプローチからとらえ続けてきた。2006年にニューヨークで、2011年にチューリッヒで個展を開催するなど、国際的に活動の場を広げている。本展のタイトル「意識の流れ」は、「見るという行為に身をゆだねると、とりとめのない記憶やさまざまな意識が浮かんできて、やがてひとつのうねりのような感情をもたらすことがある」という鈴木自身の経験に基づいてつけられたものだという。「『見るということ』そのものを提示したい」と語る彼の言葉の通り、説明的ではなく抽象的で、感覚と視覚により訴える作風が鈴木の写真の特徴だ。それを観る者は、写真を見る時間の流れの中で鈴木のまなざしを追体験し、さらに純粋に「見ること」へと導かれていくだろう。2007年以来、約8年ぶりの大規模個展となる本展は、新作および未発表作品を中心に写真作品約100点と映像作品3点を展示する。なお映像作品3点は、鈴木が近年関心を寄せるデジタルカメラで撮影されたもの。“スティル写真”、“動画”、“動画の静止画”による構成からは「見ること」と「見ている時間」をめぐる鈴木の実験精神がうかがえる。【イベント情報】「鈴木理策写真展意識の流れ」会 場:東京オペラシティ アートギャラリー会 期:7月18日~9月23日時 間:11:00~19:00(金・土は20:00まで、最終入場は閉館の30分前まで)休館日:月曜日(祝休日の場合は翌火曜日、ただし9月22日は開館)、8月2日入場料:一般1,200円、大・高生800円、中学生以下無料
2015年07月10日昨年10月に開催された第27回東京国際映画祭<ワールド・フォカス部門>に出品され、正式公開が切望されていた台湾の青春映画『共犯』。このたび、本作でヒロイン役のシャー・ウェイチャオを演じたヤオ・アイニンの緊急来日が決定した。3人の男子高校生が、偶然同じ高校の女生徒の死に遭遇し、彼女の死の真相を探ろうとする本作。謎の死を遂げた美少女シャー・ウェイチャオを演じたのが、モデル出身で、本作が映画デビュー作となる新人女優、ヤオ・アイニン。アイニンがまだモデルになる前、素人だった頃の彼女を発見し、撮影していたのが、なんと日本人の写真家・川島小鳥。佐渡島に住む3歳の女の子を被写体にした写真集「未来ちゃん」で講談社出版文化賞写真賞を受賞した川島さんは、最新刊「明星」では舞台を台湾に選び、「写真界の芥川賞」とも言われる木村伊兵衛写真賞を受賞した。その「明星」で被写体として数多く写っているのが、モデル活動を始める前のアイニン。『共犯』での陰りを帯びた雰囲気とは正反対に、こちらも思わず微笑んでしまうようなキュートな表情を見せつけている。川島さんの出会いを機にファッション・ブランド「ネ・ネット(Ne-net)」のムック本カバーガールに抜擢されたり、台湾のカルピスCMに出演するなど着実に活躍の場を大きく広げているアイニン。さらに「明星」にも掲載されている写真が、銀杏BOYZの最新アルバム「光の中に立っていてね」のジャケット写真に使用されるなど、日本でもその活躍を目にすることができる。本作の監督はチャン・ロンジーは「シャー役のキャスティングがいちばん苦労した。物語は彼女を中心に展開していく。しゃべらずとも、表情と佇まいだけで全てを語れる存在感を放っていなければならない。半年間オーディションを繰り返しても見つからなかった。どうしようかと頭を抱えていたときに、モデル活動を始めたばかりのヤオ・アイニンに出会った。一目見た瞬間、彼女しかいないと思ったよ」と、彼女の圧倒的な存在感が起用の理由であると語っている。そんなアイニンの緊急来日がこのたび決定!公開を直前に控えた7月23日(木)に開催される映画解説者・中井圭氏主催イベント「映活」第三弾のトークショーに写真家・川島さん、映画評論化・松崎健夫氏と共にゲストとして登場予定だ。片や新進気鋭の台湾の映画監督、片や日本の同じく新進気鋭の写真家という、これからのアジアカルチャーを担っていくふたりの才能に見初められたヤオ・アイニン。今後スターダムに登っていくであろう彼女の初々しい演技は要注目だ。映画『共犯』は7月25日(土)より新宿武蔵野館ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2015年07月08日日本語は豊かで奥深い!それを知っている達人の一人、写真家の長島有里枝さんに「美しい日本語」論を聞いてみました。***日本語は遠回りの言語だと思います。一つのことを伝えるのに、多くの修辞語を必要とするというか。例えば、「なにとぞよろしくお願い申し上げます」とか、「○○していただけませんでしょうか?」など、外国の人が聞いたら肯定文なのか否定文なのかもわからなくなりそうな表現だと思います。単刀直入な物言いそのものが嫌われることも多いと思います。そのせいか、相手にはっきり要望を伝えたい時や、自分の考えをまとめる時には、英語で思考するほうがやりやすく感じることがあります。一方で、すごく些細な感情などを表現したいと思った時、英語だと言葉が見当たらなくてもどかしく感じることがあります。もちろん、母国語が日本語だから英語での表現が難しいという面もあると思いますが、それだけではない気がするんです。日本語のように「ひらがな」「カタカナ」「漢字」と3種類もの文字を使い分けるような言葉は、世界でも珍しいんじゃないでしょうか。一つにまとめて簡略化しようとしなかったどころか、文字そのものを美しく綴る「習字」という学問があったり、より多くの漢字を習得するための「漢字検定」があったり、言語そのものの機能から逸脱した、ある意味「無駄」ともいえる行為が、日本語まわりにはたくさん存在します。フォーマルな手紙が、過剰なほどの修辞句で飾られているように、この「無駄」こそが日本語の醍醐味というか、面白さではないでしょうか。無駄を愛でることはひとつの美学であり、日本人の美意識なのかもしれません。ふと立ち止まって「だから何?」と自問するようなことを真剣に大事にしている日本語は、豊かな言葉だと思います。◇ながしま・ゆりえ写真家。写真集『PASTIME PARADISE』で第26回木村伊兵衛賞、エッセイ集『背中の記憶』で講談社エッセイ賞を受賞する。※『anan』2015年7月1日号より。取材、文・仲野聡子(C)penfold
2015年06月25日“写真界の芥川賞”といわれる「木村伊兵衛写真賞」の受賞作品を集めた写真展「木村伊兵衛写真賞40周年記念展」が、7月18日から9月23日まで川崎市市民ミュージアムで開催される。「木村伊兵衛写真賞」は、日本写真界の発展に寄与した昭和を代表する写真家、故・木村伊兵衛の功績を記念して、朝日新聞社が1975年に創設した写真賞。毎年、時代を切り開く優れた成果をあげた若い写真家に贈られるものだ。これまでに、藤原新也、都築響一、ホンマタカシ、蜷川実花、HIROMIX、梅佳代などが受賞している。同展では、第1回から第40回までの全受賞作品に加え、木村伊兵衛による作品も展示。日本を代表する写真家たちが撮った風景や人物、大自然や社会問題など、現代写真の40年間の歩みを見ることが出来る。また関連イベントとして、8月5日には第34回受賞作家の浅田政志によるトークイベント「木村伊兵衛もびっくり!楽しい家族写真を撮ろう」を開催。8月19日にはカメラ・写真の雑誌『アサヒカメラ』編集長の佐々木広人を聞き手に迎え、第5回受賞作家の岩合光昭によるトークイベントを実施する。その他、写真初心者向けの入門講座「いい写真撮ろう 初めてのデジタルカメラ」や、カメラの仕組みを体験する「ワークショップ 巨大カメラをつくろう!」、レビュアーによる写真の講評会など様々なイベントが開催される。【イベント情報】「木村伊兵衛写真賞40周年記念展」会場:川崎市市民ミュージアム住所:神奈川県川崎市中原区等々力1-2会期:7月18日~9月23日料金:一般700円、学生・65歳以上600円、中学生以下無料
2015年06月17日『百万円と苦虫女』以来、7年ぶりにオリジナル作品を手がけるタナダユキがメガホンを取り、「AKB48」卒業後初の主演となる大島優子が“車内販売のアテンダント”を演じる映画『ロマンス』のポスタービジュアルが解禁となった。大島さん演じる北條鉢子は、ロマンスカーで車内販売を行うアテンダント。減少傾向にある車内販売だが、仕事の成績は常にトップの鉢子。いつものように小田急電鉄新宿駅を出発し業務をこなしていたが、ひょんなことから大倉孝二扮する“怪しい映画プロデューサー”と出会い、箱根珍道中へと巻き込まれていく…たった1日の出会いと別れを描いたほんわかトリップムービーとなっている。ポスタービジュアルの写真を手がけたのは2015年に写真集「明星」で木村伊兵衛写真賞を受賞した人気写真家・川島小鳥氏。イラストを手がけたのは映画『小さいおうち』でイラストを担当した、いとう瞳。絵本風のレトロな作風で、ヒロイン鉢子の子ども時代を去来する物語を感じさせ、温かみが滲み出すビジュアルとなっている。怪しい中年プロデューサー”桜庭”役を演じるのは、『ピンポン』アクマ役でヒットした個性派俳優・大倉さん。大島さんは『紙の月』で日本アカデミー賞優秀助演女優賞をはじめとする数々の賞を獲得し、本作ではさらに女優としての魅力を見せてくれそう。『ロマンス』は、8月29日(土)より新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2015年05月26日第40回木村伊兵衛写真賞の受賞者が発表された。75年の創設より、優れた作品を発表した新人写真家を表彰してきた同賞。写真関係者がアンケートにより候補者を推薦し、その中から選考委員会が受賞者を決定してきた。今年の選考委員は、岩合光昭、瀬戸正人、鷹野隆大、長島有里枝の4人の写真家に加え、『アサヒカメラ』編集長の佐々木広人を加えた計5人。今年の受賞者に選ばれたのは、『絶景のポリフォニー』『okinawan portraits 2010-2012』を発表した石川竜一。石川は沖縄県出身の写真家で、大学時代に写真と出合い、10年に写真家の勇崎哲史に師事。翌年には東松照明デジタル写真ワークショップに参加し、12年には『okinawan portraits』で第35回写真新世紀佳作を受賞している。また、もう1人の受賞者に選ばれた川島小鳥は、『明星』などを発表している東京都出身の写真家。大学を卒業後は沼田元氣に弟子入り。06年に1人の少女を4年間に渡り撮り続けた作品で、第10回新風舎平間至写真大賞を獲得。11年には佐渡の友人の娘をモデルにした『未来ちゃん』で、第42回講談社出版文化写真賞を受賞している。4月27日には東京・丸の内の銀行倶楽部で授賞式が行われ、受賞者に賞状、賞牌、及び賞金50万円を贈呈。また、東京・新宿のコニカミノルタプラザでは、4月11日から20日まで受賞作品の展覧会も開催される。
2015年03月18日朝日新聞社と朝日新聞出版は3月17日、第40回(2014年度)「木村伊兵衛写真賞」の受賞者に、石川竜一氏と川島小鳥氏の2名が選ばれたことを発表した。木村伊兵衛写真賞は1975年に創設され、各年ごとにすぐれた新人写真家を表彰する写真賞だ。石川竜一氏は「絶景のポリフォニー」「okinawan portraits 2010-2012」(赤々舎刊)が評価されての受賞となった。石川氏は1984年沖縄県生まれ。沖縄国際大学社会文化学科卒業。2010年、写真家 勇崎哲史に師事。2011年、東松照明デジタル写真ワークショップに参加。2012年『okinawan portraits』で第35回写真新世紀佳作受賞。川島小鳥氏は「明星」(ナナロク社刊)が評価されての受賞となった。川島氏は1980年東京都生まれ。早稲田大学第一文学部仏文科卒業後、沼田元氣氏に師事。2006年、ひとりの少女を4年間撮り続けた作品で第10回新風舎平間至写真賞大賞受賞、2007年写真集『BABYBABY』を発売。11年『未来ちゃん』(ナナロク社)で第42回講談社出版文化賞写真賞を受賞。木村伊兵衛写真賞は、写真関係者へのアンケートにより候補者が推薦され、選考委員会で受賞者が決定される。今回の選考委員は写真家の岩合光昭氏、瀬戸正人氏、鷹野隆大氏、長島有里枝氏、アサヒカメラ編集長の佐々木広人が務めた。受賞賞金は50万円。また、受賞作品展が4月11日~20日、東京・新宿のコニカミノルタプラザ(ギャラリーC)で開催される。
2015年03月17日渋谷ヒカリエの「8/ ART GALLERY」で、蜷川実花による写真展「noir」が開催される。期間は2月4日から23日まで。蜷川実花は木村伊兵衛写真賞や大原美術館賞など、数々の写真賞で受賞経験を持つ写真家。14年大晦日の紅白歌合戦の審査員を務めたことも記憶に新しい。07年には映画『さくらん』で監督デビューを果たしており、昨年ファッションブランド「M / mika ninagawa」を立ち上げるするなど、現在では多方面に活躍している。そんな彼女が撮る鮮烈な色合いは「蜷川カラー」と呼ばれ高く評価されており、近年では豊かな黒の表現によって死や闇を描いた作品でも人気を集めている。この展覧会は15年春に都内4ヶ所で開催される、蜷川実花による個展の一つ。生と死を表裏一体にとらえた「noir」シリーズの中から、様々な作品が出展される。その他、原美術館では「蜷川実花:Self-image」が、池尻のギャラリー「CAPSULE」と「SUNDAY」では「Portraits & Flowers」が開催されており、様々な側面を持つ蜷川作品のすべてを目の当たりにすることが出来そうだ。【イベント情報】蜷川実花 展「noir」会場:8/ ART GALLERY / Tomio Koyama Gallery住所:東京都渋谷区渋谷2-21-1渋谷ヒカリエ8階会期:2月4日から23日時間:11:00から20:00料金:無料
2015年01月06日クレヴィスは、動物写真家・岩合光昭の写真展「『どうぶつ家族』 ~野生動物の営みから、人の暮らしとともにあるいぬ、ねこまで~」を開催している。会期は2015年1月14日まで(1月1日は休業)。開場時間は10:00~20:00(12月31日は18:00閉場、1月2日は20:00閉場、最終入場は閉場30分前まで)。会場は渋谷ヒカリエ9階 ヒカリエホールA。入場料は一般800円、学生700円、中・高生/65歳以上600円、小学生以下無料。同展では、野生動物を撮り続ける写真家・岩合光昭が、ライオン・シロクマ・パンダといった世界中で生きるさまざまな動物の家族をはじめ、ねこ、いぬといった身近な動物たちの姿など、「生命の循環・つながり」をテーマにした約250点の作品を展示する。また、12月26日と1月10日(それぞれ11:00~、14:00~の2回)の両日は、岩合氏の「ギャラリートーク&サイン会」が実施されるほか、会期中に自慢のペットや旅先で撮った野生動物の写真を渋谷ヒカリエ9階のどうぶつ家族チケット販売カウンターまで持参すると、それを同展に展示してくれる企画「自慢のどうぶつ家族(ペット)写真大募集!」も実施しているということだ。なお、岩合光昭は、1950年東京生まれの動物写真家。19歳のとき訪れたガラパゴス諸島の自然の驚異に圧倒されて動物写真家としての道を歩み始めて以来、世界各地で大自然と野生動物を撮り続けている。その一方で、イヌやネコなどの身近な動物の写真も撮影し、多くの人々を魅了している。1979年、「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。
2014年12月26日写真家の木村伊兵衛は1901年12月12日生まれ。東京都下谷出身。1974年5月31日逝去。台湾への在住中に撮影の技術を学ぶと、帰国後は日暮里で写真館を開業。木村といえばライカの達人として知られているが、その出合いは29年のことだった。霞ヶ浦に飛行船グラーフ・ツェッペリンが着陸した際、船長のフーゴー・エッケナーが首から下げているのを見て、ライカを購入することを決意したという。30年に花王石鹸の広告部に入ると、それ以降、木村は数多くの広告写真を手掛けるようになる。中でも、高い評価を受けたのが、女性のポートレート撮影だった。ライカの機動力を生かして、被写体の一瞬の表情を捉えると、意図的に浅くしたフォーカスが女性の魅力をこの上なく引き出している。また、街頭スナップも数多く手掛けており、そのシャッターチャンスを逃さない素早い所作は、居合術に例えられるほどだった。33年には写真エージェンシー「日本工房」を組織し、以降は報道写真へと活動の幅を広げている。やがて、第2次世界大戦がはじまると、内閣情報部の傘下にあった写真協会へと所属。終戦後は日本写真家協会の初代会長に就任し、アマチュア写真家の指導に当たった。その一方で、52年に秋田県で行われた写真展に審査員として参加すると、そこに暮らす人々や自然を気に入った木村は、撮影旅行としてたびたびこの地を訪れている。この時に撮られた写真の1枚が、後に木村の代表作となる「おばこ」だ。これは、写真集『秋田』の表紙に使用されたもので、農村で働く女性の端正な顔立ち、上品な表情が木村ならではの構図で巧みに切り取られている。その後、木村は昭和を代表する写真家として、日中文化交流協会の常任理事や、日本リアリズム写真集団の顧問などを歴任。74年に逝去すると、その功績を称えて「木村伊兵衛賞」が創設された。これは新人を対象とした作品賞であり、ここから数多くの著名な写真家が世に送り出されている。03年には、朝日新聞出版社より代表作59点を収録したエッセイ集『僕とライカ』が出版された。
2014年12月12日富士フイルムは、写真家・蜷川実花の個展「フジフイルムスクエア企画写真展 蜷川実花写真展」を開催する。会期は11月14日~12月3日、開館時間は10:00~19:00(入館は18:50まで)。会場は東京都・六本木 東京ミッドタウン内のフジフイルムスクエア。入場無料。同展は、主に広告やファッションの分野で活躍し、モデル・アイドル・アーティストなどを幅広く撮影する一方、自身の作品制作も行っている写真家・蜷川実花の個展。今回は、国内外の旅先で出会った花々を中心に、風景などを織り交ぜ、大胆な構図と鮮やかな色彩感覚を持つ同氏の「進化形」を表現した未発表作品が展示されるとのこと。なお、蜷川実花は東京都生まれの写真家・映画監督。活動開始から毎年写真集を発表し、現在までに80冊近くを出版。2007年公開『さくらん』は第57回ベルリン国際映画祭および第31回香港国際映画祭の正式出品特別招待作品となった。木村伊兵衛写真賞、大原美術館賞(VOCA展)、ひとつぼ展グランプリなど数々の賞を受賞。2014年には、2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会理事に就任。
2014年10月16日最近、猫のある「不思議な行動」が注目を浴びています。それがテレビにくぎ付けになっている、猫の行動。そんなに夢中になって、猫が何を見ているのかというと岩合光昭さんの「世界ネコ歩き」という番組を見ているのだそうです。それは一体なぜ?■猫も楽しめるNHKの猫番組「世界ネコ歩き」NHKの番組を紹介するHP上で、実際に「ネコも楽しめるネコ番組」というお触れ書きまでついている、岩合光昭の「世界ネコ歩き」。このお触れ書き通り、実際に夢中になっている猫が、各家庭で続出しているとか。今までゆっくり寝ていたであろう、洗濯かごの中できちんとお座りして見ていたり。中にはテレビにしがみつくようにして、マジマジと「世界ネコ歩き」を眺める猫ちゃんもいます。■岩合光昭の「世界ネコ歩き」って、どんな番組?岩合光昭さんは、ナショナルジオグラフィック誌の表紙を飾ったことがあるほどの、有名な動物写真家です。写真界の芥川賞とも呼ばれる、木村伊兵衛写真賞を受賞する等、立派な経歴を持っています。もしや猫もそのすばらしい腕前を知って…?と思いきや、猫が人間の肩書になんて興味を持つはずもありません。「世界のネコ歩き」には、猫も夢中になってしまう、ある岩合さんのこだわりが隠されているのです。■猫目線で猫を撮る、それが「世界ネコ歩き」「世界ネコ歩き」の番組においては、岩合さんは2つの鉄則を持っているそうです。その1つが「猫目線で、猫を撮る」ということ。2つめは人の生活感と美しい背景を撮ることです。そうすることによって、そこでしか見られない世界の猫の暮らしと、そこで暮らす人間の雰囲気とがよりあらわになるのだそうです。そして、なぜ猫が夢中になるかというと、やっぱり一番の秘密は「猫目線カメラ」にありそうです。猫目線のカメラで街を撮ったり、猫を撮ったりしているため、猫自身がちょっとした小旅行気分を味わえる作りになっているのでしょう。そしてネコが「世界ネコ歩き」に夢中になってしまうのは、岩合さんが作り出す猫目線が、猫から見て、かなりリアルなのだという証でもあるのかもしれません。岩合さんが作り上げる猫目線から見た猫の世界は、人間だけでなく、猫にとってもこの上なくおもしろい世界なようです。ぜひご自宅の猫ちゃんと一緒に、一度楽しんでみてくださいね。(画像提供元:うだま)
2014年09月29日朝日新聞社、朝日新聞出版は、第39回木村伊兵衛写真賞を受賞した森栄喜の作品展「intimacy」を開催する。開催期間は4月15日~24日、会場は東京都・新宿区のコニカミノルタプラザ・ギャラリーC。開館時間は10:30~19:00(最終日のみ15:00まで)。入場無料。同展は、第39回木村伊兵衛写真賞を受賞した森栄喜の個展で、受賞の対象となった写真集「intimacy」から約30点を展示する。「intimacy」は、作者の1年間のプライベートな時間を、特殊な技法は用いずにスナップ写真のように表現しているシリーズ。作者と恋人とのありのままの時間を、時に鋭く、既成概念にとらわれない視点で切り取ってつづられている。なお、森栄喜は1976年石川県金沢市生まれの写真家。2001年、米国・パーソンズ美術大学写真学科卒業。2011年、「tokyo boy alone」を台湾で刊行し、現地では異例の1万部以上を売り上げる。同年、男についてのフォトジン「OSSU」を刊行するとともに、受賞作品「intimacy」の撮影をスタート。2013年、同性婚をテーマに写真で訴えるプロジェクト「Wedding Politics」を恋人とともに開始。オリジナルの服を毎回制作し、街中で2人のセルフポートレートを撮影するというもので、日本で同性婚が法的に整うまで続ける。現在は、エディトリアルを中心に活動中。
2014年03月25日東京工芸大学 写大ギャラリーは11月17日~12月25日、写真展「よそおい」を開催する。○「よそおい」として写真に表象されている時代や文化を考察人物を撮影した写真には、被写体となった人々の服装の趣味や嗜好だけでなく、職業や身分、さらには、その時代の流行やその地域の生活や風俗など、多くの情報が「よそおい」として象徴化され記録されている。また同時に、人物が撮影された写真には、シャッターを切る瞬間に、その被写体となった人物がカメラを意識することによって、その写真を見る他者を意識した無意識の演技(=よそおい)が記録されているとも言えるという。同展は、写大ギャラリーが所蔵する1万点以上のオリジナルプリント・コレクションの中から、人々の「よそおい」に着目して作品をセレクションし、展示するもの。肖像写真やファッション写真、スナップ写真、集合写真、セルフポートレートなど、いくつかのパートに分けて作品を選び、「よそおい」として写真に表象されている時代や文化、あるいは被写体と撮影者との「見る/見られる」関係についても考えていく、という。展示作品は、白黒・カラー写真オリジナルプリント約40点。主な作品として、ニコラ・ペルシャイト「少女像」、ニール・スレイブン「Welcome Twins」(1979年)、近藤福雄「佐渡万華鏡」(1923年)、エドワード・スタイケン「Marion Morehouse」(1927年)、木村伊兵衛「パリ、マヌカン」(1954年)、須田一政「みちのくの秋」(1976年)などを展示する。開催日時は、11月17日~12月25日 10時~20時。会期中無休・入場無料。会場は、東京工芸大学・中野キャンパス内 写大ギャラリー(東京都中野区本町2-4-7 芸術情報館2F)。その他、詳細は同大Webサイトを参照のこと。
2013年10月29日「渋谷ヒカリエ 8/ ART GALLERY/ Tomio Koyama Gallery」では、写真家、映画監督として活動しているアーティスト・蜷川実花(にながわみか)氏の作品展「蜷川実花展」を開催している。期間は2013年1月14日まで。同氏は、多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン科卒業後、第26回木村伊兵衛写真賞などを受けた。これまでに、国内外で80以上の個展を開催し、2010年、「Rizzoli N.Y.」から写真集「MIKA NINAGAWA」を出版した。同展では、2003年制作「Acid Bloom」「Liquid Dreams」シリーズ、2004年制作「floating yesterday」シリーズ、2010年制作「noir」シリーズから作品を展示する。花、動物、金魚、風景などの一瞬の輝きを捉えたもので、光、色の深度を強めることによって表れる独特の華やかな色彩が表現されている。なお、同ギャラリーは入場無料で、11時から20時までオープン(1月1日は休み)。詳細は同ギャラリー公式ホームページにて。蜷川実花「noir」2010(c)mika ninagawa【拡大画像を含む完全版はこちら】
2012年12月21日