千葉市美術館は、企画展「とある美術館の夏休み」を2022年7月16日(土)から9月4日(日)まで開催する。“日常と非日常のあわい”という視点から美術館を捉え直す誰にとってもいつもと少し違う時間に出会い、ささやかで特別な経験ができる「夏休み」。企画展「とある美術館の夏休み」は、まるで夏休みのような“日常と非日常のあわい”という視点から美術館そのものを捉え直していく展覧会だ。現代美術家の作品と所蔵作品を一緒に展示会場では、“美術館をときほぐす”“作品と出会い直す”“日常で表現する”という3つのテーマのもと、現代美術家やクリエイターなどの作品と、彼らが選んだ千葉市美術館の所蔵作品を展示。伊藤若冲、田中一村、河原温、杉本博司などの所蔵作品を、現代美術家、編集者、デザイナー、雑貨店などさまざまな表現者たちの目を通して紹介していく。中﨑透、ミヤケマイ、清水裕貴、津田道子も参加たとえば、中﨑透、ミヤケマイ、清水裕貴、津田道子の4名の現代美術家は、展示ケースや学芸員、監視員といった普段展覧会であまり意識されることのない存在を新作インスタレーションに組み込みつつ、千葉市美術館の所蔵作品と一緒に展示。作品そのものだけでなく、美術館をとりまく要素に着目し、美術館という場所を捉え直す。小川信治や目[mé]の新作インスタレーションまた、2017年と2019年に千葉市美術館で個展を開いた小川信治と現代アートチーム目[mé]は、その際に美術館に所蔵された自身の作品と再び対面。自身の作品と向き合いながら、新たなインスタレーションを制作する。日常生活の中で生まれる表現にも注目さらに、企画展「とある美術館の夏休み」では、日常生活の中でも多様な表現が生まれていることに注目して作品を紹介。日々の生活や感覚を日記で表現するきぐう編集室や、毎日決まった時間にコピー機に自分の顔や手を押し付けてプリントする井口直人、場所・時間・記憶を匂いという切り口で捉えて表現する井上尚子、長谷川義太郎が手掛ける雑貨店・文化屋雑貨店が参加し、日常の表現を見つめ直すことに繋がるような展示を実施する。展覧会概要企画展「とある美術館の夏休み」会期:2022年7月16日(土)~9月4日(日)休館日:8月1日(月)※休室日は7月25日(月)、8月15日(月)開館時間:10:00~18:00(金・土曜日は20:00まで)※入場受付は閉館の30分前まで会場:千葉市美術館住所:千葉県千葉市中央区中央3-10-8観覧料:一般 1,200円(960円)、大学生 700円(560円)、小・中学生、高校生無料※障害者手帳所持者とその介護者1名は無料※( )内は前売り、市内在住65歳以上の料金※ナイトミュージアム割引:金・土曜日の18:00以降は観覧料半額※本展チケットで5階常設展示室「千葉市美術館コレクション選」も鑑賞できる【問い合わせ先】千葉市美術館TEL:043-221-2311 (代表)
2022年08月01日東京・竹橋にある東京国立近代美術館で『ゲルハルト・リヒター展』が開かれています。ゲルハルト・リヒター(1932~)はドイツ出身のアーティスト。世界で高く評価され、オークションでも作品が高額で取り引きされている現代アートの巨匠です。リヒター作品はなぜ人気があり、何がスゴいのでしょう?プレス内見会で取材してきました。どんな展覧会?© Gerhard Richter 2022 (07062022)【女子的アートナビ】vol. 252『ゲルハルト・リヒター展』では、2022年に90歳を迎えたアーティスト、ゲルハルト・リヒターの初期作から最新のドローイングまでの作品122点を展示。60年にわたる画業のなかで手がけた油彩画や写真、ドローイング、ガラスや鏡などを用いた作品などが一堂に集まっています。本展の注目ポイントは、作家本人にとって大切な作品が揃っている点です。リヒター自身が手放さず、手元に残してきた本人所蔵の作品と、ゲルハルト・リヒター財団コレクションを中心に、かなり見ごたえある作品が展示されています。また、会場構成についても作家本人の希望を反映。リヒターにとって大事な作品を、本人の希望するスタイルで展示した、なんとも贅沢な展覧会です。スゴい経歴リヒターは、ドイツ東部のドレスデン生まれ。芸術系の大学を出たあと壁画制作などを手がけていましたが、1961年、ベルリンの壁ができる直前に西ドイツへ移住。東独でのキャリアを捨て、デュッセルドルフ芸術アカデミーで再び学びはじめます。1964年には初個展を開催。さらに、1971年にはデュッセルドルフ芸術アカデミーの教授に就任し、その後はパリやアメリカなどの名だたる美術館で個展を開催していきます。1997年にはヴェネチア・ビエンナーレで金獅子賞を受賞。その後も数々の賞をとり、紹介しきれないほどの実績があります。スゴい値段経歴もスゴいですが、作品のお値段も飛びぬけています。2012年に開かれたオークションでは、存命作家の最高落札額(当時/2132万ポンド=約27億円)を更新。近年でも、さまざまなオークションで30億、40億など高額の落札額が報道され、世界のアート界で常に注目を集めています。スゴい作品――経歴も作品価値もスゴいことがわかりました。でも、リヒターの作品は、抽象的な絵もあれば具象的な絵もあって、作品としてどこがスゴいのか、素人にはわかりづらい作家です。東京国立近代美術館・主任研究員の桝田倫広さんは、リヒター作品について次のように説明しています。桝田さんリヒターはどうスゴいのか、わかりやすく言ってください、という質問を何度かいただきます。いつも、このような問いにどうしようかと困るのです。一言では言い表せない多様な問題を含んでいることこそ、彼の作品の特徴と言えるからです。――実際、リヒターについての本や論文なども数多くあり、本展の図録にもさまざまな解説が載っています。リヒター作品は、“一言で説明できないほどスゴい”ことがわかります。必見!“最後の絵画”では、ここからは作品について見てみます。リヒター作品には、いくつかジャンルがあります。例えば、「フォト・ペインティング」は、新聞や雑誌に載った写真などを正確にうつしとるように描いたシリーズ。「グレイ・ペインティング」は、灰色の絵具でキャンバスを塗り込めるシリーズ。このグレイのシリーズからつながってできたのが「アブストラクト・ペインティング」(抽象絵画)シリーズです。リヒターは、自作の大きなヘラをつかってキャンバス上で絵具を引きずるようにのばしたり削ったりしながら、独自の「アブストラクト・ペインティング」を生み出しました。この抽象絵画シリーズで、今回もっとも注目されているのが、2017年に制作された作品《アブストラクト・ペインティング》。本記事一枚目の画像です。本作は、作家本人が「これを最後にもう絵画は描かない」と宣言したメモリアル的な作品。ぜひ、じっくりご覧になってみてください。ガラス作品はどう見る?――リヒター作品のなかで、「ガラスと鏡」をつかったシリーズがあります。このような作品は、単にガラスを見ればいいのか、ガラスに映っている自分の姿を見るものなのか、ちょっと迷うかもしれません。桝田研究員は、次のように解説しています。桝田さんリヒター作品の根本的な原理は、「見るとはどういうことか。イメージが表れるとはどういうことか。それらの条件自体を問うもの」と言えます。そのことが端的に表れているのが、ガラスや鏡の作品です。この作品の前に立つと、ガラス越しに壁が見え、自分たちの姿も、ガラスそのものも見えます。ガラスに映し出されたものに何を見いだすかは、私たちが“見る”ということの複雑な営み次第。その営みは、私たちの経験や慣習、何を見たいと欲しているか、によって大きく左右されます。――ガラス作品の鑑賞方法、かなり奥が深いですね。ぼんやり見ているとただのガラスですが、「何を見たいと欲しているか」と考えると、とたんにハードルが上がります。ぜひ、ガラスや鏡の作品の前で、いろいろ感じてみてください。アウシュヴィッツの写真をもとに制作…本展で最大の見どころは、2014年に制作された《ビルケナウ》という4点組の絵画です。一見すると、シンプルな抽象絵画ですが、この絵の下層にはアウシュヴィッツ・ビルケナウ強制収容所で隠し撮りされた4枚の残酷な記録写真(死体などが写っています)のイメージが描かれています。しかも、その写真は絵画のすぐ隣に展示されているのです。鑑賞者は、絵画の下に隠された残酷なイメージを想像しながら、リヒターの作品と向き合うことになります。この作品の前に立つと、桝田研究員が教えてくれた「見るとはどういうことか。自分は何を見たいと欲しているのか」という問いを突き付けられる気がします。二度とないかも!何が描いてあるのかわからない抽象絵画や、ただガラスだけが並んでいるようなリヒターの作品は、ぼんやり見ていると「わからない・つまらない・難しい」と感じてしまうかもしれません。ただ、リヒター本人も、「優れた絵画は理解できない」と述べているので、理解できなくてもいいようです。「見るとはどういうことか」と思いながら作品と向き合ってみる。それだけで、自分のなかに何かが残るような気がします。これほど充実したリヒターの大規模展覧会を日本で見られる機会は、もう二度とないかもしれません。かけがえのない鑑賞体験を、ぜひ美術館で味わってみてください。Information会期:~10月2日(日)※休館日は月曜日(ただし9月19日は開館)、9月20日(火)会場:東京国立近代美術館1F企画展ギャラリー開館時間:10:00-17:00(金曜・土曜は10:00-20:00)*入館は閉館30分前まで※最新情報などの詳細は展覧会特設サイトをご覧ください。お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
2022年07月31日東京国立博物館「博物館でアジアの旅」は、今年で9回目を迎える秋の恒例企画です。東洋の美術・工芸・考古遺物が集う「東洋館」を舞台に、毎年独自のテーマを掲げ、それにちなんださまざまな作品を館内随所に展示します。博物館でアジアの旅今年のテーマは「発見」です。19世紀末から20世紀初頭の、ヨーロッパや日本の学術探検隊による発見とその物語、作品にまつわる知られざる発見のエピソード、改めて資料を見つめることで明らかになった新知見など、東洋館に集まったコレクションの伝来をたどりながら、さまざまな「発見」をご紹介します。小冊子(*1)と「博物館でアジアの旅2022 調査ノート」(*2)を手に、東洋館の魅力を再発見する旅へお出かけください。*1 ミュージアムショップにて販売予定。*2 会期中、東洋館インフォメーションで無料配布予定(数に限りがございます)。当館ウェブサイトからもダウンロードできます。●主な展示作品● ※すべて東京国立博物館蔵。展示期間の記載が無い作品は、通期でご覧いただけます。東洋館の各展示室では、「発見」にまつわる作品のそばに「博物館でアジアの旅 アジア大発見!」の札を添えています。ご観覧の目印としてお役立てください。【東洋館3室】二菩薩立像(にぼさつりゅうぞう)中国、敦煌莫高窟蔵経洞(とんこうばっこうくつぞうきょうどう)五代十国~北宋時代・10世紀ペリオ探検隊将来品 ギメ東洋美術館交換品敦煌莫高窟(とんこうばっこうくつ)は中国西北部の甘粛省(かんしゅくしょう)に位置する中国最大の石窟寺院です。1900年に蔵経洞(ぞうきょうどう)が発見され、1908年にフランス人の探検家ペリオがこの地に赴き、この絵を収集しました。2枚の麻布を継いで菩薩像2尊を描き、その下に男女の供養者坐像各3体、銘文を書くための欄、そして短冊形があります。また上辺には羂(わな)と呼ばれるパーツが残っており、のれんのように棒を通してこの絵を掛けたことがわかります。二菩薩立像【東洋館8室】重要文化財 五龍図巻(ごりゅうずかん)中国、伝陳容(ちんよう)筆 南宋時代・13世紀激しく波立つ水面、雲や岩の間にからみあって見え隠れする5匹の龍、水量を増して流れ落ちる滝を描きます。歴史に名高い龍の図の名手、陳容筆と伝えられました。近年の調査研究により、本作品の兄弟ともいえる作品数点が、アメリカのいくつかの美術館に所蔵されていることが明らかになりました。五龍図巻【東洋館4室】緑釉龍文軒丸瓦(りょくゆうりゅうもんのきまるがわら)中国 明時代・14~17世紀 高橋由一(たかはし ゆいち)氏寄贈日本における洋画の先駆者として知られる高橋由一は、慶應2年(1865)の冬から翌年の夏にかけて、遣清貿易使節団の一員として清朝の地を歴訪しました。本作品はその際に南京で得たものです。裏面には自らの目でアジアを発見した興奮が綴られています。緑釉龍文軒丸瓦【東洋館3室】如来像頭部(にょらいぞうとうぶ)中国、ホータン 3~4世紀 大谷探検隊将来品第一次大谷探検隊が、かつて仏教王国として栄えたホータンで発見したものです。溶けた青銅を型に流し込み、金メッキを施した金銅仏で、西域における最古の作例とされる貴重な作品です。如来像頭部【東洋館10室】獣面装飾付鉄剣(じゅうめんそうしょくつきてっけん)推定朝鮮 1世紀獣面の両脇に龍を従えた意匠は発見例が少なく、その起源をめぐって今なお研究者を悩ませ続けています。獣面装飾付鉄剣【東洋館5室】垂飾 平絹綾夾纈羅裂縫い合わせ(すいしょく へいけんあやきょうけちらきれぬいあわせ)中国、敦煌莫高窟曹氏帰義軍期敦煌・9~10世紀大谷探検隊将来品1912年に大谷探検隊により発見された祭壇の掛布です。吊るための輪が上部に縫い付けられ、幅は270cmを超えます。色は褪せてしまっていますが、1000年を超えてなお、当初の壮麗さを感じ取ることができます。異なる紋織(もんおり)や染めが施された22種類もの染織品を使用しており、敦煌の仏教荘厳(しょうごん)を伝える貴重な作例です。垂飾 平絹綾夾纈羅裂縫い合わせ【東洋館5室】幡 淡茶地花文夾纈平絹・淡茶地平絹縫い合わせ(ばん うすちゃじかもんきょうけちへいけん・うすちゃじへいけんぬいあわせ)中国、敦煌莫高窟 吐蕃~曹氏帰義軍期敦煌・8~10世紀大谷探検隊将来品敦煌莫高窟で発見された、幡と呼ばれる仏教荘厳に用いられた旗の断片です。かつては、上部に三角形の幡頭(ばんとう)、下部に細長い裂(きれ)を数枚重ねた幡足(ばんそく)をともなっていたようです。夾纈(きょうけち)とは、文様を彫った1組の板で裂を挟み、染料を注ぐ染色技法で、少しぼやけた輪郭がその特徴です。幡 淡茶地花文夾纈平絹・淡茶地平絹縫い合わせ【東洋館9室】松竹梅填漆合子(しょうちくばいてんしつごうす)「大明宣徳年製」銘中国 明時代・宣徳年間(1426~35)(10月2日<日>まで展示)器体に厚く漆を塗って文様を彫り、そこへ色漆を塗り込める填漆(てんしつ)という技法によって、蓋面には松竹梅が表されています。明時代の漆芸を再認識させる貴重な作品です。松竹梅填漆合子【東洋館5室】越窯址採集陶片(えつようしさいしゅうとうへん)中国・越窯 五代~北宋時代・10~11世紀 百瀬治氏・富美子氏寄贈(10月2日<日>まで展示)呉越国(ごえつこく)が北宋(ほくそう)王朝に納めるためにつくらせた越窯青磁の破片。その窯址は日本人によって発見されました。毛彫りの美しい装飾が見どころです。越窯址採集陶片【東洋館8室】行書王史二氏墓誌銘稿巻(ぎょうしょおうしにしぼしめいこうかん)中国、黄庭堅(こうていけん)筆 北宋時代・11世紀北宋の能書、黄庭堅の平生の字姿を伝える墓誌銘の草稿です。所狭しと捺(お)された印は、珍重されてきた証。中国書法の名品を鑑賞した近代の日本人も、巻末に眼福の喜びを認(したた)めています。行書王史二氏墓誌銘稿巻【東洋館12室】重要美術品 紅安南唐草文茶碗(べにあんなんからくさもんちゃわん)ベトナム 16世紀 岡野繁蔵氏旧蔵ベトナムで焼かれた「安南焼(あんなんやき)」のなかでも、赤を基調に緑や金の上絵具で細やかな文様を施したものは日本で「紅(べに)安南」と呼ばれ、茶陶としての魅力が新たに見出されました。紅安南唐草文茶碗■博物館でアジアの旅 アジア大発見!会期 : 2022年9月21日(水)~10月16日(日)会場 : 東京国立博物館 東洋館開館時間 : 9時30分~17時 ※入館は閉館の30分前まで休館日 : 月曜日、10月11日(火) ※10月10日(月・祝)は開館観覧料 : 一般 1,000円/大学生 500円※総合文化展観覧料でご覧いただけます。※高校生以下および満18歳未満、満70歳以上の方は無料。入館の際に年齢のわかるものをご提示ください。※障がい者とその介護者1名は無料。入館の際に障がい者手帳などをご提示ください。※会期・開館日・開館時間・展示作品・展示期間等については、今後の諸事情により変更する場合がありますので、東京国立博物館ウェブサイト等でご確認ください。お問合せ : 050-5541-8600(ハローダイヤル)ウェブサイト: 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年07月29日2022に開館15周年を迎えた国立新美術館。これを記念して、8月10日(水)より「もの派」を代表する美術家、李禹煥(リ・ウファン)の東京では初めてとなる大規模な回顧展が開催される。李禹煥は、1936年、韓国の慶尚南道に生まれ、ソウル大学校美術大学入学後1956年に来日。その後、日本大学文学部で哲学を学び、1960年代末から始まった戦後日本美術におけるもっとも重要な動向のひとつ、「もの派」を牽引した作家として広く知られている。李は、「すべては相互関係のもとにある」という世界観を、自然や人工のニュートラルな素材を組み合わせた作品を通して提示し、ものともの、ものと人との関係を問いかけてきた。またその世界観は、視覚芸術だけでなく著述においても展開され、1969 年、美術出版社芸術評論に入選した「事物から存在へ」などに示された深い思考は、「もの派」の理論的支柱にもなっている。近年ではグッゲンハイム美術館(ニューヨーク、アメリカ合衆国、2011年)、ヴェルサイユ宮殿(ヴェルサイユ、フランス、2014年)、ポンピドゥー・センター・メッス(メッス、フランス、2019年)などで個展を開催。2010年には香川県直島町に安藤忠雄設計の「李禹煥美術館」を開館するなど、50年以上にわたって精力的な活動を続けている。日本国内では、2005年の『李禹煥余白の芸術展』(横浜美術館)以来の大規模個展となる同展では、キャンバスにピンクの蛍光塗料で描いた初期の三連作《風景I》、《風景II》、《風景III》(すべて1968年)や、石、鉄、ガラスを組み合わせた<関係項>シリーズなど最初期の作品から最新作までを網羅。彫刻と絵画とふたつのセクションに分け、それぞれの作品が時系列で展示される。また、野外展示場には石とステンレスを用いた大型作品が設営される予定だ。なお、同展の音声ガイドでナビゲーターを務めるのは俳優の中谷美紀。中谷は、世界各地で李禹煥の作品を鑑賞しており「最も敬愛する美術家」とのこと。音声ガイドは自身のスマートフォンから無料で利用することができる。《関係項ー鏡の道》2021年作家蔵展示風景:「李禹煥レクイエム」展、アリスカン、アルル、フランス、2021年(c) Claire Dorn, Courtesy Lee Ufan and Lisson Gallery《線より》1977年東京国立近代美術館《風景I, II, III》1968/2015年個人蔵(群馬県立近代美術館寄託)Photo: Nobutada Omote《関係項―ヴェルサイユのアーチ》2014年作家蔵 Photo: Archives kamel mennour,Courtesy the artist, kamel mennour, Paris, Pace, New York李禹煥、フランス、アングレームでの《関係項ー星の影》設置作業、2021年Photo(c) Lee Ufan【開催概要】『国立新美術館開館15周年記念李禹煥』会期:2022年8月10日(水)~11月7日(月)会場:国立新美術館 企画展示室1E時間:10:00~18:00、金土は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)休館日:火曜料金:一般1,700円、大学1,200円、高校800円※10月8日(土)~10日(月・祝)は高校生無料観覧日(学生証の提示が必要)展覧会ホームページ:
2022年07月27日東京都美術館で7月23日(金)より『ボストン美術館展芸術×力』が開幕、10月2日(日)まで開催されている。芸術を自らの力を示すため利用してきた、古今東西の権力者たち。「力」とともにあった芸術の歴史を約60点で振り返る。新型コロナウイルス感染拡大の影響により2020年に中止となっていた展覧会だが、このたびようやく開催の運びとなった。第1章展示風景より左:アンソニー・ヴァン・ダイク《メアリー王女、チャールズ1世の娘》1637年頃右:ロベール・ルフェーヴェルと工房による《戴冠式の正装をしたナポレオン1世の肖像》1812年第1章展示風景より、左:長船長光《太刀 銘長光》13-14世紀右:来国俊《短刀 銘来国俊》13世紀後半第5章展示風景より狩野山雪《老子・西王母図屏風》17世紀前半ボストン美術館は50万点以上もの作品を有する世界有数の美術館。同展では、約10万点と膨大なコレクション数をほこる日本美術のほか、エジプトやヨーロッパ、インド、中国など世界各地の作品から「芸術と力」をテーマに約60点をセレクトし展示。その半数以上が日本初公開の作品となる。ロベール・ルフェーヴェルと工房 《戴冠式の正装をしたナポレオン1世の肖像》1812年ボストン美術館蔵展覧会は5章構成。第1章「姿を見せる、力を示す」では、権力者の力を誇示するために制作された作品が展示される。《戴冠式の正装をしたナポレオン1世の肖像》は、マントを羽織い、月桂樹の冠をかぶるナポレオンを描いた肖像画。その身にまとった服やポーズ、周囲に描かれた調度品など、すべてが権威を示す物だ。《ホルス神のレリーフ》 紀元前1971-紀元前1926年ボストン美術館蔵権威を示す手法は地域や時代によって大きく異る。ホルス神はエジプトの最も重要な神のひとりで、ハヤブサやハヤブサの頭部を持った男性の姿で表される。そして、現世に生きるエジプト王はホルスの化身とされていた。《ホルス神のレリーフ》はカイロから50キロほどはなれた場所にあるピラミッド複合体で見つかったものだ。《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》部分 13世紀後半ボストン美術館蔵《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》部分 13世紀後半ボストン美術館蔵同展のハイライトともいえる二大絵巻のひとつが《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》。平安時代末期、上皇と天皇の対立から巻き起こった「平治の乱」を描いた本作は、日本に残されていれば国宝に指定されていただろうと考えられている。注目点は、この動乱で重要な役割を担う後白河院が画面には一切登場せず、牛車でその存在を暗示するにとどまっていることだ。権力者の姿を威風堂々と描くヨーロッパとは異なり、天皇を描かない日本ならではの慣習によるものといえる。地上の統治者たちは、しばしば「神の代理人」としての役割を果たした。また、宗教的な儀式を行うことや、その地の宗教の支援を行う事もあった。第2章の「聖なる世界」では、権力者たちと宗教美術とのかかわりを扱う。ブオナッコルソの《玉座の聖母子と聖司教、洗礼者聖ヨハネ、四天使》は、金箔をふんだんに使い、照度を落とした展示室でも光り輝く祭壇画だ。ニッコロ・ディ・ブオナッコルソ《玉座の聖母子と聖司教、洗礼者聖ヨハネ、四天使》1380年頃ボストン美術館蔵エル・グレコの《祈る聖ドミニクス》はドミニコ会を創設した修道士聖ドミニクスを描いた作品。聖ドミニクスの敬虔さがドラマティックな構図で描かれている。エル・グレコ《祈る聖ドミニクス》1605年頃ボストン美術館蔵《大日如来坐像》は平安時代に制作されたもの。当時、権力者たちに広く受け入れられていた仏師、定朝の様式を踏襲して作られている。様式は、権威を表す機能も果たしていたのだ。《大日如来坐像》1105年ボストン美術館蔵続く第3章「宮廷の暮らし」では、統治者たちの暮らしぶりが垣間見える絵画や宝飾品などを紹介する。《灰色の枢機卿》は、現在もパレ=ロワイヤルとして現存するパリの宮殿の大階段が舞台の作品。カラフルな服を身にまとい、うやうやしくお辞儀をする貴族たちを、修道士は気にもとめず読書をしている様子が描かれている。修道士は、当時フランスの大権力者であったリシュリュー枢機卿のブレーンの一人。フランス王国の力関係がドラマティックな構図で描かれている。ジャン=レオン・ジェローム《灰色の枢機卿》1873年 ボストン美術館蔵《モンスーンを楽しむマハーラージャ、サングラーム・シング》は、統治者であるサングラーム・シングが郊外の宮殿を訪れたときの様子が描かれている。サングラーム・シングは画面上部と下部に描かれており、上部の屋上から妻とともに広大な領土を眺める様子や、下部の侍女を従えながら宮殿に入っていく描写から、その絶大な権威を見てとることができる。《モンスーンを楽しむマハーラージャ、サングラーム・シング》1720-1725年頃ボストン美術館蔵第4章「「貢ぐ、与える」、第5章「たしなむ、はぐくむ」へ統治者は、ときに他の統治者や家臣に贈り物をすることもある。第4章「貢ぐ、与える」では、権力者たちによる贈答品、あるいは権力者への貢物などを紹介していく。狩野永徳によるものと伝わる《韃靼人朝貢図屏風》は、韃靼人(モンゴル系騎馬民族)の一行が、位の高い人物に謁見するために、貢物を持って向かう様子が描かれている。この画題は中国の皇帝に謁見するために様々な民族が貢物を持って向かう「王会図」という画題に傚ったものだ。伝狩野永徳《韃靼人朝貢図屏風》16世紀後半 ボストン美術館蔵《銀の水差しと水盤》はイングランドの女王、エリザベス1世への贈り物、あるいは女王からの贈り物であったと考えられている。水差しと水盤の両方に歴代国王の略系図が彫り込まれ、水差しにはさら旧約聖書の物語も表されている。《銀の水差しと水盤》1567−68年ボストン美術館蔵そして、クライマックスとなる第5章「たしなむ、はぐくむ」では、芸術家のパトロンとしての権力者に焦点を当てる。同展で里帰りを果たした二大絵巻のひとつ、《吉備大臣入唐絵巻》は、全期を通して4巻揃って展示。奈良時代を代表する学者で官僚、遣唐使だった吉備真備と、唐で亡くなり、鬼となって現れた阿倍仲麻呂との物語が描かれる。現代の感覚ではかわいらしくユーモラスにも感じる内容だ。《吉備大臣入唐絵巻》展示風景《吉備大臣入唐絵巻》(部分)12世紀末ボストン美術館蔵《吉備大臣入唐絵巻》(部分)12世紀末ボストン美術館蔵展覧会の最後を飾るのは、同展のために修復が施され初の里帰りを果たした増山雪斎の《孔雀図》。雪斎は江戸時代に伊勢長島藩を治めた大名でありながら、画技にも秀でた文人大名だった。修復を経て色鮮やかに蘇った精緻な表現をじっくりと鑑賞して欲しい。増山雪斎《孔雀図》1801年ボストン美術館蔵はるか昔から密接に関わり合ってきた「芸術」と「力」。時代や国によって異なるさまざまな「力」の表現に注目しながら、権力とは何か、ということについて改めて考える機会ともなりそうだ。構成・文:浦島茂世【開催情報】『ボストン美術館展芸術×力』7月23日(土)~10月2日(日)、東京都美術館にて開催※日時指定予約制
2022年07月26日上野の国立西洋美術館で、リニューアルオープン記念となる展覧会『自然と人のダイアローグフリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで』が開催中です。本展では、自然と向き合った芸術家たちのさまざまな作品を展示。プレス内覧会で取材したおもな見どころや展示風景をご紹介します!どんな展覧会?【女子的アートナビ】vol. 251『自然と人のダイアローグ』では、ドイツ・ルール地方の都市エッセンにあるフォルクヴァング美術館と国立西洋美術館のコレクションから、印象派とポスト印象派を軸にした作品100点超を展示。ドイツロマン主義の画家フリードリヒをはじめ、モネ、セザンヌ、ゴッホや20世紀絵画、そして現代ドイツを代表する画家リヒターの作品まで見ることができます。二人のコレクターが受けた苦難…フォルクヴァング美術館と国立西洋美術館は、いくつか共通点があります。まずは、設立者の熱い思い。両美術館とも、同時代を生きたコレクターのカール・エルンスト・オストハウス(1874-1921)と松方幸次郎(1866-1950)の個人コレクションをもとに設立されました。オストハウスは、地元の人々に美を提供するため美術館を建設したいと願い、松方も日本の画学生たちに本物の西洋画を見せてあげたいという熱い思いから作品を収集していました。また、第二次世界大戦により苦難を受けた点も似ています。フォルクヴァング美術館は、ナチス政権時代、「退廃芸術キャンペーン」により1,400点以上の近代美術作品が押収されました。いっぽう、松方のコレクションも戦争末期、フランス政府に多くの作品を接収され、1951年にそれらはフランスの国有財産となってしまいました。しかしその後、フランス政府は多くの作品を日本に返還することを決定。寄贈返還された松方コレクションを基礎に誕生したのが、国立西洋美術館です。1959年に完成した国立西洋美術館・本館の建物はル・コルビュジエの設計によるもので、2016年には国立西洋美術館を含む「ル・コルビュジエの建築作品―近代建築運動への顕著な貢献 ―」が世界文化遺産に登録されました。リヒターとモネ、夢のコラボでは、本展の見どころ作品をいくつかご紹介します。まずは、現代ドイツを代表するアーティスト、ゲルハルト・リヒターの《雲》と、印象派の巨匠クロード・モネ《舟遊び》のコラボ。リヒターの作品は写真をもとに描いたもので、一見するとリアルなのですが、じっと見つめていると写真とは違う独特の空気が漂っているように感じられます。一緒に展示されているモネの絵にも空が描かれていますが、こちらは水面に反射した空と雲です。同じ空でも、画家によって表現の仕方はさまざま。この二人の作品を隣り合わせで見られる機会はほとんどないと思いますので、かなり貴重な鑑賞体験ができます。ゴッホ初来日の代表作も!本展では、ゴッホが最晩年に取り組んだ風景画の代表作、《刈り入れ(刈り入れをする人のいるサン=ポール病院裏の麦畑)》が初来日。こちらは、展覧会のメインビジュアルにもなっている注目作品です。ゴッホは、麦を刈る人物に「死」を、刈り取られる麦のなかに「人間」のイメージを見たといわれています。本作品が描かれたのは、1889年。当時サン=レミの精神療養院に入院していたゴッホは、その翌年の1890年に麦畑で自分の腹をピストルで撃ち、亡くなりました。リニューアルした美術館にも注目!本展で美術館を訪れたら、ぜひリニューアルした国立西洋美術館もご覧ください。同館は1年半の休館中に、創建した当時の姿に近づける工事を行っていました。前庭にある目地や西門の位置、囲障など、デザイン上も大きな意味をもつ部分が変化しています。世界遺産の美術館に足を運んで、ぜひ巨匠たちの名画を楽しんでみてください。Information会期:~9月11日(日)※休館日は毎週月曜日 (ただし、8月15日(月)は開館)会場:国立西洋美術館開館時間:9:30〜17:30毎週金・土曜日:9:30〜20:00※入館は閉館の30分前まで※日時指定制※最新情報などの詳細は展覧会特設サイトをご覧ください。お問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
2022年07月24日19世紀末ウィーンを代表する画家、エゴン・シーレ(1890-1918)と同時代に活動した画家たちの作品を展観する『レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才』 が2023年1月26日(木)より東京都美術館にて開催される。1890年、オーストリアのトゥルンで生まれたシーレは、1906年 16歳でウィーンの美術学校に入学。グスタフ・クリムトと出会い、才能を認められるも、保守的な教育に満足せず退学。若い仲間たちと新たな芸術集団を立ち上げる。その後、1913~14年、ドイツで初の個展を開催すると、ローマ、ブリュッセル、パリなど欧州各地の展覧会でも作品が紹介されるなど注目を集めた。1918年、第49回分離派展のメインの画家として紹介され、多くの作品が購入されるなど大きな成功を収めたが、スペイン風邪を患い28歳という若さでこの世を去った。当時の常識にとらわれない創作活動により逮捕されるなど、波乱に満ちた生涯を送ったシーレ。孤独と苦悩の中で、自らを深く洞察し、ときには暴力的ともいえる表現で人間の内面や性を生々しく描いた作品を多く残している。同展では、「エゴン・シーレの殿堂」と称されるほど世界有数のシーレ・コレクションで知られるウィーンのレオポルド美術館の所蔵作品を中心に、シーレの油彩画、ドローイング40点以上を展観。その生涯と作品を振り返るとともに、クリムト、ココシュカ、ゲルストルをはじめとする同時代作家たちの作品もあわせた約120 点の作品を公開する。シーレの大規模展覧会が東京で開催されるのは実に 30 年ぶり。28年という短い生涯を駆け抜けたシーレの世界を体感したい。《母と子》 1912年 レオポルド美術館蔵 Leopold Museum, Vienna《エゴン・シーレの肖像写真》 アントン・ヨーゼフ・トルチカ撮影 1914 年 レオポルド家コレクション Leopold Museum, Viennaレオポルド美術館外観写真 (C)Leopold Museum, Vienna, Ouriel Morgensztern【開催概要】『レオポルド美術館 エゴン・シーレ展 ウィーンが生んだ若き天才』会期:2023年1月26日(木)~4月9日(日)会場:東京都美術館公式サイト:
2022年07月22日スイス・ジュネーヴに位置するプチ・パレ美術館より、19世紀後半から20世紀前半にかけて、パリが最も華やかだった時代のフランス近代絵画が来日。『スイス プチ・パレ美術館展 印象派からエコール・ド・パリへ』として、東京・SOMPO美術館で10月10日(月・祝)まで開催されている。プチ・パレ美術館は、実業家オスカー・ゲーズ氏のコレクションを展示するため、1968年に開設された私設の美術館(1998年より休館中)。その特徴は、ルノワールら著名な画家だけでなく、エコール・ド・パリ時代に活躍した画家のほか、才能がありながらもあまり当時知られていなかった画家、また女性画家の作品も収集し、世に送り出そうとしていたことである。本展では美術運動やグループごとに6章に分け、38名の画家による65点を紹介する。第1章は「印象派」。明るい色彩と鮮やかなタッチにより、自然の光や空気感を捉えようとしたその作品群は、日本でも非常に人気が高い。日常に根づいた情景が題材になっていることが多く、ルノワールやカイユボットらの秀作が並ぶ。第2章の「新印象派」は、印象派の流れを汲みながらも、より科学的理論を踏まえた光の表現を探求。スーラに代表される点描が魅力で、特に本展では、アンリ=エドモン・クロスやシャルル・アングラン、アシール・ロージェなど、画家ごとの表現、色彩の違いを楽しむことが出来る。第3章は「ナビ派とポン=タヴァン派」。ポン=タヴァンとはフランス・ブルターニュ地方にある小さな村で、ここに滞在したゴーギャンとその周りにいた若い画家たちのことを指す。さらにその影響を受けたボナールやモーリス・ドニらをナビ派と呼び、共に印象派とは一線を画する活動を進めた。だがナビ派を代表するドニは、日常生活を題材にした作品も多く、自身の別荘や近くの海岸で遊ぶ家族の姿なども描いている。第4章は「新印象派からフォーヴィズムまで」。“野獣(フォーヴ)”からフォーヴィズムと言われるようになったこれらの作品群は、大胆なタッチや鮮やかな色彩が特徴。モーリス・ド・ヴラマンクらの作品を展示する。さらに第5章「フォーヴィズムからキュビスムまで」では、複数の視点から対象を捉えたキュビスムの名品が並ぶ。そして第6章「ポスト印象派とエコール・ド・パリ」では、特定の芸術運動に属さなかったエコール・ド・パリの作家陣を紹介。モーリス・ユトリロの母であるシュザンヌ・ヴァラドンや藤田嗣治など、当時のパリの多様な芸術に触れることが出来る。取材・文:野上瑠美子
2022年07月21日諸橋近代美術館では、2022年7月25日(月)から11月13日(日)まで、展覧会「コレクションをめぐる6つの部屋 ルームス」を開催いたします。7/25からルームス展開幕!1999年の開館以来、20世紀を代表するサルバドール・ダリの絵画・彫刻を中心に、ルノワールやゴッホなど20世紀の西洋近代絵画やイギリスの現代アーティスト PJ クルックの絵画作品を蒐集し、特色のあるコレクションの形成を継続してきました。今回はこれらを当館6人のキュレーターが6つの部屋の住人となり、ROOM1 コレクター/ROOM2 ダリ/ROOM3 語らい/ROOM4 材質/ROOM5 プロセス/ROOM6 スキャンダラス、という個性的なテーマを通してご紹介いたします。美術館周辺を取り囲む自然の中で、ダリをはじめ西洋近代絵画の秀作をめぐりながら、作品鑑賞の楽しさをご体験ください。【ルームスの見どころ】point1:6人のキュレーターによる「コレクター/ダリ/語らい/材質/プロセス/スキャンダラス」という個性的なテーマを通して作品を多角的に鑑賞!point2:ルノワールやゴッホetc..西洋近代作品のコレクションも久々に登場!point3:サルバドール・ダリの絵画や彫刻作品も堪能できる!【展覧会概要】コレクションをめぐる6つの部屋 ルームス会期 : 2022年7月25日(月)~11月13日(日) ※会期中無休時間 : 9:30~17:00(最終入館は閉館30分前まで)会場 : 諸橋近代美術館(福島県耶麻郡北塩原村桧原剣ヶ峯1093-23)観覧料: 一般 1,300円/高校・大学生 500円/中学生以下 無料 <常設展示も含む>※身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保険福祉手帳のご提示で所有者と付添者(1名のみ)は無料です。URL : 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年07月14日2022年に創立150年という大きな節目を迎えた東京国立博物館。これを記念して、7 月20日(水)から5日間にわたり総合文化展を無料で観覧できる「無料観覧日」を設定。さらに、最終日の7月24日(日)には、親子で楽しめるイベント盛りだくさんの「グランドキッズデー」が開催される。総合文化展では、展示替えを行いながら同館の収蔵品・寄託品を常時約 3,000 件展示。同館研究員がイチオシの作品を紹介する特集展示「未来の国宝―東京国立博物館 書画の逸品―」(本館12室)では、エキセントリックな画風で知られる雪村(せっそん)の真骨頂的作品《蝦蟇鉄拐図(がまてっかいず)》を7月31日(日)まで展示中。また、主に明治期前後につくられ、博物館草創期にコレクションに加わったガラスコレクションを紹介する「東博のガラスコレクションー明治期ガラス工芸の諸相」(本館14室、9月4日(日)まで)などの特集展示も無料期間中に楽しむことができる。また、親子で心置きなく博物館を満喫できるよう毎月第4日曜日には「月イチ!トーハクキッズデー」が開催されているが、7月24日(日)はいつもよりもイベント数を増やし「グランドキッズデー」と題して展開。展示中の作品に関連した昔話紙芝居『ぶんぶくちゃがま』の読み聞かせや、犬の埴輪の立体パズルを通して埴輪の作り方を学んだり、レプリカの小判で昔のお金の重さを感じたりできるコーナー「さわってみよう!考古ハンズオン」が登場するほか、みんなでつくる記念チケット・お絵描きコーナー、うるし体験ペーパークラフトプリントサービスなど、夏休みにぴったりの催しが用意される。リピーターはもちろんのこと、博物館に行ったことがないという人も、無料で入館できるこの機会に、時間をたっぷりとって足を運んでみてほしい。紙芝居読み聞かせの様子雪村周継筆《蝦蟇鉄拐図》室町時代・16世紀東京国立博物館蔵宮垣秀次郎作《切子銅赤色被せガラス鉢》明治14年(1881)頃第二回内国勧業博覧会出品 東京国立博物館蔵【開催概要】東京国立博物館「無料観覧日」総合文化展無料観覧期間:7月20日(水)~24日(日)※有料展示、有料イベントは、別途料金が必要時間:9:30~17:00(入館は16:30まで)休館日:月曜日(祝・休日の場合は翌平日休館)東京国立博物館ウェブサイト: 東京国立博物館創立 150 年記念特設サイト:
2022年07月14日新型コロナウイルス感染拡大防止のため、2020年に中止となった『ボストン美術館展 芸術×力(げいじゅつとちから)』が7月23日(土)より東京都美術館にて開催される。古代エジプト、アジア、ヨーロッパ、アメリカの美術をはじめ、古代から現代までの作品約50万点を所蔵。そのコレクションの質の高さと百科事典的な幅の広さで知られているボストン美術館。同展では、世界有数のコレクションのなかから「芸術と力」をテーマに約60点を紹介。エジプトのファラオやヨーロッパの王侯貴族など大きな「力」をもった古今東西の権力者たちが自らの権力を誇示するためにつくらせた彫刻や肖像画、世界各国の宮廷を彩った装飾美術、日本の大名が自ら描いた花鳥図などを通し、芸術作品が古来から担ってきた役割について紐解いていく。なかでも注目すべきは、奈良時代に活躍した学者・政治家である吉備真備の活躍を描いた《吉備大臣入唐絵巻》と、平安時代末期の上皇派と天皇派の対立を背景に起こった平治の乱を描いた、合戦絵巻の最高傑作のひとつに数えられる《平治物語絵巻三条殿夜討巻》。いずれも「日本にあれば国宝」とも言われる二大絵巻が揃って里帰り。《吉備大臣入唐絵巻》は全期を通して、4巻揃って公開される。また、同展のために修復された、増山雪斎(ましやま・せっさい)の《孔雀図》も初めての里帰りを果たす。伊勢長島藩主であった増山雪斎は、書・画・囲碁・煎茶などに秀でた文人で大名だった。《孔雀図》は雪斎が数多く取り組んだ画題で、代表作と言える質の高さを誇る名品だ。さらに、世界で最も裕福な女性のひとりとされたマージョリー・メリウェザー・ポスト(1887-1973)が所蔵していた大粒のエメラルドが施されたブローチや、元ファーストレディのアクセサリー、ナポレオンの最初の妻ジョセフィーヌ所縁の磁器など、女性たちに愛された作品も出品される。大きな力をもった人々が、時に政治や外交に利用し、時には自らたしなみ、集め、育んだ芸術作品。権力とともにあった芸術の歴史を、半数以上が日本初公開となる作品群で振り返る。《平治物語絵巻三条殿夜討巻》(部分) 鎌倉時代、13世紀後半 Fenollosa-Weld Collection《ホルス神のレリーフ》 エジプト(エル・リシュト、センウセレト1世埋葬殿出土)、中王国、第12王朝、センウセレト1世治世時 紀元前1971-紀元前1926年Received from the Metropolitan Museum of Art,by exchangeアンソニー・ヴァン・ダイク 《メアリー王女、チャールズ1世の娘》1637年頃Given in memory of Governor Alvan T. Fuller by the Fuller Foundationオスカー・ハイマン社 、マーカス社のために製作《マージョリー・メリウェザー・ポストのブローチ》アメリカ、1929年William Francis Warden Fund, Marshall H. Gould Fund, Frank B. Bemis Fund, Mary S. and Edward Jackson Holmes Fund, John H. and Ernestine A. Payne Fund, Otis Norcross Fund, Helen and Alice Colburn Fund, William E. Nickerson Fund, Arthur Tracy Cabot Fund, Edwin E. Jack Fund, Frederick Brown Fund, Elizabeth Marie Paramino Fund in memory of John F. Paramino, Boston Sculptor, Morris and Louise Rosenthal Fund, Harriet Otis Cruft Fund, H.E. Bolles Fund, Seth K. Sweetser Fund, Helen B. Sweeney Fund, Ernest Kahn Fund, Arthur Mason Knapp Fund, John Wheelock Elliot and John Morse Elliot Fund, Susan Cornelia Warren Fund, Mary L. Smith Fund, Samuel Putnam Avery Fund, Alice M. Bartlett Fund, Benjamin Pierce Cheney Donation, Frank M. and Mary T.B. Ferrin Fund, and Joyce Arnold Rusoff FundReproduced with permission.《大日如来坐像》 平安時代、長治2年(1105)William Sturgis Bigelow Collectionすべてボストン美術館蔵All photographs (c)Museum of Fine Arts, Boston【開催概要】『ボストン美術館展芸術×力』会期:2022年7月23日(土)〜2022年10月2日(日)会場:東京都美術館時間:9:30~17:30、金曜は20:00まで(入室は閉室30分前まで)休室日:月曜(8月22・29日、9月12日・19日・26日は開室)、9月20日(火)料金:一般2,000円、大学1,300円、65歳以上1,400円展覧会公式HP: ※日時指定予約制
2022年07月07日株式会社designshop(本社:東京都港区南麻布、代表取締役:森 博)は、東京都美術館の企画展「フィン・ユールとデンマークの椅子」〔会期:2022年7月23日(土)~10月9日(日)〕の開催に合わせて、東京都港区のdesignshop azabuにて、フィン・ユールがデザインしたプロダクトとデンマークの日用品デザインを紹介する展覧会を開催いたします。「フィン・ユールとデンマークの日用品デザイン」-ARCHITECTMADEのプロダクトから-FINN JUHL AND DANISH DESIGN -Classics from ARCHITECTMADE-展覧会公式サイト: 《Teak Bowl(Salad Bowl / Fruit Bowl)》フィン・ユール(1951)デンマークを代表するデザイナー、フィン・ユールは、家具職人ニールス・ヴォッダーとの協力関係のもと、1940年代に《イージーチェア No.45》、《チーフテンチェア》など、代表作となる椅子をデザインします。1950年代はアメリカへと活動の場を広げ、国連本部ビルの信託統治理事会議場のインテリアと家具デザインを手掛けるなど、世界を舞台に活躍しました。家具、インテリアデザイナーとして幅広く活躍したフィン・ユールですが、日用品のデザインも手がけているのはあまり知られていないかもしれません。本展では、デンマークの名作プロダクトの復刻を数多く手掛けるアーキテクトメイド社の製品より、フィン・ユールがデザインした日用品と、彼が活躍した時代と同時期のデンマークのデザインを紹介します。カイボイスンカトラリーの金型や、製作途中の《PK-Bowl 620》(1963年)などをご覧いただき、各メーカーの技術力の高さを実感していただける機会となるでしょう。フィン・ユール会場では、アーキテクトメイド社が復刻した《チークボール》(1951年)を中心に、フィン・ユールのデザイン美学を体現した日用品を展示し、ご予約にて販売いたします。《チークボール》は、オーダーを受けてから木材をカットし、ひとつひとつが職人の手によって削り出され、磨き上げられて完成します。フィン・ユールの椅子のアームにも通じる有機的な曲線を持ち、名作家具と並ぶ代表作といわれています。フィン・ユールがデザインした《ターニング・トレイ》(1956年)、《ウォールクロック》(1950年)のほか、同時代に活躍したデンマークデザイナーの木製オブジェ等、会場内で展示するプロダクト、家具はいずれもご購入可能です。また、インテリアデザイン・プランニングを手掛けるFILE( )によるポップアップ販売も同時開催し、フィン・ユール家具の予約販売を承ります。今回は《NV-46 アームチェア》(1946年)を展示し、《108 チェア》(1946年)には実際にお座りいただくことも可能です。コーヒーマシンブランド「JURA」で淹れたコーヒーをご試飲頂きながらフィン・ユールに関する書籍をご覧いただけるコーナーもございますので、フィン・ユールの世界をゆっくりとご堪能ください。《Teak Bowl(Salad Bowl / Fruit Bowl)》フィン・ユール(1951) 2■開催概要展覧会名:「フィン・ユールとデンマークの日用品デザイン」-ARCHITECTMADEのプロダクトから-FINN JUHL AND DANISH DESIGN -Classics from ARCHITECTMADE-会期 :2022年7月23日(土)~10月9日(日) 11:00-19:00店休日 :営業日カレンダーはHPでご確認ください。(詳細は展覧会公式サイトをご参照ください。また会期が延長となる可能性があります。)観覧料 :無料主催 :株式会社designshop後援 :デンマーク王国大使館協力 :アイ・ネクストジーイー株式会社、株式会社大泉物産、ジェーエストレーディング株式会社、有限会社庄司林業、株式会社ジョージジェンセンジャパン、スカンジナビアンリビング、株式会社スキャンデックス、株式会社ロイヤルファニチャーコレクション(敬称略、五十音順)展覧会公式サイト: 【同時期開催 展覧会情報】■東京都美術館(台東区)にて、「フィン・ユールとデンマークの椅子」展(7月23日~10月9日)が開催されます。ぜひ、あわせてご報道ください。 ■東京都現代美術館(江東区)にて、「ジャン・プルーヴェ展 椅子から建築まで」(7月16日~10月16日)が開催されます。ぜひ、あわせてご報道ください。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年07月06日芝浦工業大学(東京都港区/学長:山田 純)は、2022年4月7日より開始した協定校キーウ国立工科大学(Igor Sikorsky Kyiv Polytechnic Institute)への緊急人道支援募金活動において、皆様から寄せられた支援金4,784,314円を6月29日に同大学へ寄付させていただきましたことをお知らせいたします。寄付金は、同大学の組織運営を支援するために設立された基金(The KPI Support Foundation)を通し、大学の活動維持、人々の安全や食料・医療の確保などの人道援助に使用されます。今回の寄付にあたり、同大学のSergii Sydorenko 副学長からは支援への御礼とともに、学生受け入れに対する感謝のコメントを頂戴いたしました。キーウ国立工科大学への緊急人道支援■ウクライナへの人道支援について連日ニュース等で報道がなされている通り、ロシアによる軍事侵攻によりウクライナ全土で戦争被害が拡大しています。そうした中、本学では協定校であるキーウ国立工科大学や非協定校の学生に対して、留学生の受け入れや寮の提供など、支援を続けてまいります。このたびの危機で被害に遭われたウクライナの方々へ心よりお見舞いを申し上げるとともに、一日も早くウクライナとその周辺諸国に平穏な日々が戻ることを、心よりお祈り申し上げます。■キーウ国立工科大学(協定校)へのその他の支援状況・英語によるオンライン授業の提供英語による開講科目(250科目以上)を同大学学生に公開し、希望者全員にオンライン(ライブ)授業を提供。履修要件を満たした学生には単位を認定。現在6名が受講中。 ■その他、ウクライナ人学生(非協定校)への支援状況・大学院生の留学生受け入れ(予定)入学金や授業料など2年間で総額281万円(/1名)を支給。・学部生の留学生受け入れ(予定)入学金や授業料など4年間で総額637万円(/1名)を支給。・国際寮・東大宮寮費の支援【芝浦工業大学とは】工学部/システム理工学部/デザイン工学部/建築学部/大学院理工学研究科 日本屈指の海外学生派遣数を誇るグローバル教育と、多くの学生が参画する産学連携の研究活動が特長の理工系大学です。東京都とさいたま市に3つのキャンパス(芝浦、豊洲、大宮)、4学部1研究科を有し、約9千人の学生と約300人の専任教員が所属。創立100周年を迎える2027年にはアジア工科系大学トップ10を目指し、教育・研究・社会貢献に取り組んでいます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年06月29日東京都写真美術館で『TOPコレクション メメント・モリと写真死は何を照らし出すのか』が6月17日(金)より開催されている。「メメント・モリ」をテーマに、死や生について考える収蔵品展だ。9月25日(日)まで。「TOPコレクション」は、東京都写真美術館の収蔵品から珠玉の名品を紹介する展覧会シリーズ。これまでにもさまざまなテーマで展覧会を開催している。同展は、ラテン語で「死を想え」という意味の「メメント・モリ」をテーマに、人々が死とどのように対峙し、生きてきたかを写真作品を通して探っていくものだ。「メメント・モリ」という言葉は、戦争や病気など、現在よりも死が身近にあった時代に、人々の日常がいつも死と隣りあわせであることを示す警句として生まれたもの。ペストの数回に及ぶ大流行により、人口が激減した14~17世紀の中世キリスト教世界で「メメント・モリ」という言葉は、骸骨と人間が踊る「死の舞踏」のイメージと結びつき、さまざまな芸術作品のモチーフとなっていく。そして、近代になり生まれた写真芸術にもその影響を強く与えているのだ。同展では、3章構成でこの「メメント・モリ」と写真との関係性を見つめ直していく。序章は、ハンス・ホルバイン(子)による『死の像』から、死のイメージや表現について考えていく。ハンス・ホルバイン(子)『死の像』より、左から《教皇》(試し刷り)、《国王》(試し刷り)、《枢機卿》(試し刷り)1523〜26年頃国立西洋美術館蔵第1章「メメント・モリと写真」では、死を連想させる写真と無常との結びつきを考える作品を展示する。ロバート・キャパやW.ユージン・スミス、澤田教一による戦場の写真や、セバスチャン・サルガドによる過酷な環境で生きる人々、マリオ・ジャコメッリによるホスピスで過ごす人々の写真からは、生物が決して逃れることができない死の存在が突きつけられている。右:W.ユージン・スミス 〈第二次世界大戦〉より1944年 東京都写真美術館蔵左:澤田教一《泥まみれの死》1966年右:澤田教一《安全への逃避》1965年ともに東京都写真美術館蔵第2章「メメント・モリと孤独、そしてユーモア」は、人々の心のなかに潜んでいる隣り合わせの感情、孤独とユーモアについて取り上げる。人々は孤独を抱えながらも、決してユーモアを絶やすことなく、生や死について絶えず問いかけ続けている。ロバート・フランクや荒木経惟の作品からは、深刻さとおかしみが複雑に入り組んだ状況や感情をつぶさに感じ取る事ができる。荒木経惟〈センチメンタルな旅〉より 1971年東京都写真美術館蔵ロバート・フランク《ミシシッピ川、バトン・ルージュ、ルイジアナ》〈アメリカンズ〉より1955年東京都写真美術館蔵そして、第3章「メメント・モリと幸福」では、死や死にまつわるものごとを徹底的に見つめることを通して、生について想起させる作品を紹介する。藤原新也はアジア各国を旅するなかで、「日本人に決定的に欠けているものは死であり、生の輝きを取り戻すために死が必要である」と考えた。ウジェーヌ・アジェが失われゆくパリの街並みを捉えた作品は、生のはかなさ、無常さを思い起こさせる。ここでは、「死を想う」きっかけとなりうる写真作品を紹介することで、鑑賞者が「生」や「幸福」を捉え直すことをうながしていく。藤原新也〈メメント・モリ〉より東京都写真美術館蔵藤原新也〈メメント・モリ〉より東京都写真美術館蔵左:ウジェーヌ・アジェ《サン・ジェルヴェ=サン・プロテ境界の内部、フランソワ=ミラン通り》1904年中:《ヴォージュ広場》1899年右:《ノートルダム寺院の広場》1904年いずれも東京都写真美術館蔵中世のペストが大流行した時のように、新型コロナウイルスの大流行や世界情勢により「死」を身近に感じる機会が増えている昨今。死にまつわるイメージとそこから照らし出されたものについて、さまざまな角度から考えることができるコンパクトながらも非常に示唆に飛んだ展覧会だ。取材・文:浦島茂世【開催情報】『TOPコレクション メメント・モリと写真死は何を照らし出すのか』6月17日(金)~9月25日(日)、東京都写真美術館にて開催
2022年06月27日音楽・マーケット・食が楽しめる都市型フェス「インスパイア東京(INSPIRE TOKYO)」が、東京の国立代々木競技場 第一体育館、第二体育館、外周エリアにて開催される。日程は2022年9月17日(土)、9月18日(日)、9月19日(月・祝)の3日間。音楽・マーケット・食を楽しむ都市型フェスラジオ局J-WAVEが主催する「インスパイア東京」は、東京のど真ん中で、音楽・マーケット・食が楽しめる都市型フェス。2000年より毎年開催してきたJ-WAVE夏の大型ライブイベント「J-WAVE LIVE」を進化させたもので、2022年が第1回開催となる。フェスのテーマは、「TOKYO CULTURE TO THE WORLD」。ここに来れば“いまの東京のカルチャーがわかる”ようなイベントを目指す。音楽ライブは3ステージ制目玉となる音楽ライブは、国立代々木競技場第一体育館の前半(1st STAGE)と後半(2nd STAGE)に、国立代々木競技場第二体育館での公演を加えた計3ステージ。代々木第一体育館には、2つの巨大なステージを設置。代々木第二体育館では、日程ごとにテーマを設定し、この日しか観られない特別なステージを展開する。注目の出演者、Creepy Nutsやマカロニえんぴつ注目の出演アーティストは、アニメ『よふかしのうた』の主題歌を務めることも話題のCreepy Nuts(クリーピーナッツ)や、最新EP『たましいの居場所』をリリースしたばかりのマカロニえんぴつなど。劇場版『ONE PIECE FILM RED』でAdo(アド)が歌う劇中歌として「逆光」を提供したVaundy(バウンディ)や、永野芽郁主演ドラマ「ユニコーンに乗って」の主題歌を担当するDISH//(ディッシュ)なども名を連ねる。出演アーティスト一覧【代々木第一体育館】■9月17日(土)出演アーティスト【1st】go!go!vanillas、クリープハイプ、DISH//【2nd】Creepy Nuts、KICK THE CAN CREW、レキシ■9月18日(日)出演アーティスト【1st】サンボマスター、ALI、MAN WITH A MISSION【2nd】KANDYTOWN、Awich、(sic)boy■9月19日(月・祝)出演アーティスト【1st】Vaundy、Nulbarich 、Kroi【2nd】OKAMOTO’S、秦 基博、マカロニえんぴつ【代々木第二体育館】■9月17日(土)出演アーティスト未発表■9月18日(日)出演アーティスト未発表■9月19日(月・祝)出演アーティスト未発表※代々木第一体育館は全ラインナップ発表済。※代々木第二体育館の各日、テーマ・出演アーティストは後日発表。入場エリアのマーケットエリアも会場には、フードコートを含むマーケットエリアも登場。小宮山雄飛プロデュースのもと「ユニークなカレー」を集結させ“渋谷のお土産”にする「渋谷のお土産プロジェクト」や、有名ベーカリーやラーメン店、世界大会受賞ピザなどが並ぶ国内唯一の小麦フェスティバル「麦フェス」とのコラボレーション企画など、ユニークなコンテンツを楽しむことができる。マーケットエリアは入場無料のため、ライブのチケットを購入していない人でも、自由に出入りが可能だ。開催概要「J-WAVE presents INSPIRE TOKYO ~Best Music & Market」開催日時:2022年9月17日(土)、9月18日(日)、9月19日(月・祝)会場:国立代々木競技場 第一体育館、第二体育館、外周エリア時間:代々木第一体育館1st STAGE OPEN11:00/START12:00(END 15:00予定)2nd STAGE OPEN17:00/START18:00(END 21:00予定)代々木第二体育館 OPEN12:00/START13:00(END 20:00予定)MARKET AREA OPEN10:30/CLOSE20:00予定チケット情報チケット全券種先行受付:6月21日(火)8:00~6月27日(月)23:59までJ-WAVEのリスナーズ・コミュニティ【J-me】会員または新規入会者限定受付。(抽選式)チケット料金:・ONE DAY/アリーナ・スタンディング 16,500円(代々木第一体育館1st&2ndステージ、代々木第二体育館観覧可能)・ONE DAY・グッズ付き/アリーナ・スタンディング 17,600円(オリジナルグッズ付き*当日会場引換え/グッズは後日発表)・1st STAGE/指定席 8,900円(代々木第一体育館1stステージのみ観覧可能)・1st STAGE・グッズ付き/指定席 10,000円(オリジナルグッズ付き*当日会場引換え/グッズは後日発表)・2nd STAGE/指定席 8,900円(代々木第一体育館2ndステージのみ観覧可能)・2nd STAGE・グッズ付き/指定席 10,000円(オリジナルグッズ付き*当日会場引換え/グッズは後日発表)・第二体育館/指定席 5,500円(代々木第二体育館のみ観覧可能)・第二体育館・グッズ付き/指定席・スタンド 6,600円(オリジナルグッズ付き*当日会場引換え/グッズは後日発表)・VIP1日通し券 110,000円特典内容:貴賓席(第一体育館/前室あり)、VIP専用エリア(第二体育館)での観覧J-WAVEナビゲーターがご案内するバックステージツアー※出演アーティストとの面会は無し。開演前にステージ上で個別に記念撮影(集合時間あり)※出演アーティストとの撮影は無し。貴賓席(第一体育館)の前室には飲料の用意有り(フリードリンク)特製オリジナル・フード付き(軽食予定)専用エントランス/アテンド付きオフィシャルグッズ詰め合わせ・3日通し券/アリーナ・スタンディング 33,000円(代々木第一体育館1st&2ndステージ、第二体育館、3日間観覧可能)※通し券を購入の場合でも、1stステージ公演終了後、一度場内より退出する場合がある。【問い合わせ先】DISK GARAGETEL:050-5533-0888(平日12:00~15:00)
2022年06月25日アクティビティサービス提供を行っているsoobox~想箱~(所在地:秋田県鹿角市、代表:川又 伸文)は、「十和田国立公園、八幡平国立公園での体験型観光拠点づくり事業」をクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」にて2022年6月11日(土)より開始しています。「CAMPFIRE」クラウドファンディングサイト 十和田湖でSUP(サップ)■開発背景私が起業をしたきっかけの一つが、地元での新しい仕事のカタチづくりと地方観光地の課題解決です。バブル期に避暑地として人気があり賑わっていた十和田国立公園と八幡平国立公園でしたが、現在では以前の賑わいには程遠いのが現状です。そんな賑わいがなくなった十和田八幡平国立公園を地元の個人事業ではありますが、アクティビティ事業を中心としたコンテンツや予約システム体制を整え「体験する観光」の拠点を創り、新しい観光のかたちとして、地元の新しい働き方として地域のために事業を通じて、貢献したいと日々奮闘しています。■特徴*大型観光バスなどの観光客ではなくマイカーやレンタカー、トレッキング、サイクリング個人観光客をターゲットとしたお手軽にアクティビティ体験を提供*国立公園の十和田湖、八幡平の四季折々の景色と大自然を体感できる体験プログラム*地元生まれ地元育ちのスタッフが、個人事業での地元初アクティビティ事業チャレンジ*昨年のプレオープンから徐々にお客様やお問い合わせが増え、7月~9月まで北東北三県大型観光キャンペーンに事業提供■リターンについて・10,000円:soobox ECサイトで掲載予定のコーヒー豆セット!sooboxのアクティビティ事業の拠点になっている十和田ふるさとセンター内にあるcafe「kotoriusagi(コトリウサギ)」で販売しているエチオピア産豆のセットになります。・25,000円:カヤック体験(1名分)十和田ふるさとセンター桟橋をスタートにして十和田湖の大自然を感じながらのカヤック体験になります。サポートスタッフ付きで体験時間は90分。・1,000,000円:アクティビティ(カヤック、サップ、トレッキング)5年間ペア体験提供。十和田湖西湖岸の大自然をアクティビティを通して体感してください。(サポート、ガイドスタッフ付)■プロジェクト概要プロジェクト名: 「十和田国立公園、八幡平国立公園での体験型観光拠点づくり事業」期間 : 2022年6月11日(土)~8月25日(木)23:59URL : ■会社概要商号 : soobox~想箱~(ソウボックス)代表者 : 代表 川又 伸文所在地 : 〒018-5334 秋田県鹿角市十和田毛馬内字中陣場117-3設立 : 2022年5月事業内容: アクティビティ提供事業サービス、ふるさと納税自治体サポートサービス、ECセレクトショップ(準備中)資本金 : 10万円【本件に関するお客様からのお問い合わせ先】soobox~想箱~(ソウボックス) お客様相談窓口TEL:090-6627-7231 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年06月25日スイスのジュネーヴにあるプチ・パレ美術館が収蔵する19世紀後半から20世紀前半にかけてのフランス近代絵画を紹介する『スイス プチ・パレ美術館展 印象派からエコール・ド・パリへ』が、7月13日(水)よりSOMPO美術館にて開催される。1968年、熱心な美術蒐集家だった実業家、オスカー・ゲーズが自身のコレクションを公開するために設立したプチ・パレ美術館。そのコレクションはフランス近代絵画を中核としているが、自分の審美眼に自信をもっていたゲーズは、不当に過小評価されてきた画家たちを世に出すことに使命感を抱き、認知度の低い画家たちや、歴史の中で見過ごされてきた女性の画家たちの作品も積極的に蒐集していたという。ゲーズが逝去した1998年より現在まで、美術館は休館しているが、ゲーズの掲げた「平和に奉仕する芸術」というモットーのもと、国内外の展覧会にそのコレクションが出品されている。同展では、「印象派」「新印象派」「ナビ派とポン=タヴァン派」「新印象派からフォーヴィスムまで」「フォーヴィスムからキュビスムまで」「ポスト印象派とエコール・ド・パリ」の6章にわけ、フランス近代絵画の動向をわかりやすく展観。ルノワール、ドニ、デュフィ、藤田嗣治らのほか、新しい絵画様式の先駆者や、枠に収まらない個性的な画家など、あまり知られていない画家たちも含め38名による油彩画65点を紹介する。プチ・パレ美術館の収蔵品展が日本で開催されるのは、約30年ぶりのこと。現地でも観ることのできない、その充実したラインナップを鑑賞できる貴重な機会となっている。アンリ=エドモン・クロス《糸杉のノクチューン》1896年 ASSOCIATION DES AMIS DU PETIT PALAIS, GENEVEモーリス・ドニ《休暇中の宿題》1906年ASSOCIATION DES AMIS DU PETIT PALAIS, GENEVEジャン・メッツァンジェ《スフィンクス》1920年 ASSOCIATION DES AMIS DU PETIT PALAIS, GENEVEテオフィル=アレクサンドル・スタンラン《猫と一緒の母と子》1885年 ASSOCIATION DES AMIS DU PETIT PALAIS, GENEVE【開催概要】『スイス プチ・パレ美術館展 印象派からエコール・ド・パリへ』会期:2022年7月13日(水)~10月10日(月・祝)会場:SOMPO美術館時間:10:00~18:00(最終入館は17:30まで)休館日:月曜日(7月18日、9月19日、10月10日は開館)観覧料:一般:1,600 円、 大学生:1,100 円、 高校生以下無料美術館公式サイト:
2022年06月23日国立能楽堂7月特別企画公演『賀茂物狂』が2022年7月28日(木)・30日(土)に国立能楽堂(東京都渋谷区)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて6月15日(水)10:00より発売開始です。カンフェティにて6月15日(水)10:00よりチケット発売開始 公式ホームページ 《月間特集狂乱の系譜》◎能を再発見するおはなし :天野 文雄(京都芸術大学舞台芸術研究センター特別教授)復曲『賀茂物狂』 (かもものぐるい):観世 清和*字幕あり(日本語・英語)◎能を再発見する作品の魅力を新たな視点で捉えなおす「再発見する」シリーズ。今回は、現行諸流では後場のみが上演されている「賀茂物狂」を前場を復曲してお届けします。賀茂物狂東国へ行ったまま戻らない夫への想いを断ち切ろうと妻は上賀茂社を訪れますが、賀茂の神職は「逢瀬を祈るべし」との神勅を渡します。やがて帰洛した夫は妻が行方知れずとなったことを嘆きつつ、祭礼で賑わう上賀茂社へと赴きます。するとそこには物狂となった妻の姿がありました。公演概要7月特別企画公演『賀茂物狂』公演期間:2022年7月28日(木)・30日(土)午後1時開演(午後4時頃終演予定)会場:国立能楽堂(東京都渋谷区千駄ヶ谷4-18-1)■チケット料金正面:6,800円脇正面:5,700円(学生4,000円)中正面:4,700円(学生3,300円)(税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年06月18日国立演芸場「国立演芸場 令和4年7月上席公演」が2022年7月2日 (土) ~2022年7月10日 (日)に国立演芸場(東京都千代田区隼町4-1)にて開催されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 公式ホームページ 7月上席「落語芸術協会真打昇進披露公演」2日(土)落語春風亭昇羊落語春風亭昇々音曲桂 小すみ落語桂 米助―仲入り―真打昇進披露口上落語雷門小助六落語春風亭柳好曲芸鏡味味千代落語春風亭昇也3日(日)落語瀧川鯉丸落語柳亭小痴楽音曲桂 小すみ落語桂 文治―仲入り―真打昇進披露口上落語雷門小助六落語瀧川鯉昇曲芸鏡味 正二郎落語春風亭柳若 改メ 春風亭柳雀4日(月)落語春風亭昇吾落語桂 宮治音曲桂 小すみ落語三遊亭笑遊―仲入り―真打昇進披露口上落語桂 小南落語春風亭昇太曲芸鏡味味千代落語春風亭昇也5日(火)落語瀧川鯉津落語桂 伸衛門音曲桂 小すみ落語桂 小文治―仲入り―真打昇進披露口上落語桂 米福落語瀧川鯉昇曲芸鏡味 正二郎落語春風亭柳若 改メ 春風亭柳雀6日(水)落語春風亭昇羊落語笑福亭羽光奇術北見伸&スティファニー落語春風亭昇太―仲入り―真打昇進披露口上落語三笑亭夢丸落語三遊亭遊雀曲芸鏡味味千代落語春風亭昇也7日(木)落語瀧川鯉白落語瀧川鯉八奇術北見伸&スティファニー落語柳家蝠丸―仲入り―真打昇進披露口上落語三遊亭遊雀落語瀧川鯉昇曲芸鏡味味千代落語春風亭柳若 改メ 春風亭柳雀8日(金)落語春風亭昇吾落語三遊亭小笑奇術北見伸&スティファニー落語三遊亭遊吉―仲入り―真打昇進披露口上浪曲玉川太福落語桂 小文治曲芸鏡味味千代落語春風亭昇也9日(土)落語瀧川鯉三郎講談神田伯山奇術北見伸&スティファニー落語立川談幸―仲入り―真打昇進披露口上落語瀧川鯉朝落語瀧川鯉昇曲芸鏡味味千代落語春風亭柳若 改メ 春風亭柳雀10日(日)落語瀧川鯉舟落語昔昔亭 A 太郎奇術北見伸&スティファニー落語春風亭柳橋―仲入り―真打昇進披露口上落語春風亭昇也落語瀧川鯉昇曲芸鏡味味千代落語春風亭柳若 改メ 春風亭柳雀※番組・出演者に一部変更があることがございます。予めご了承ください。なお、最新の情報は備考欄記載の国立劇場チケットセンターへお問い合わせください。開催概要『国立演芸場 令和4年7月上席公演』開催期間:2022年7月2日 (土) ~2022年7月10日 (日)会場:国立演芸場(東京都千代田区隼町4-1)開場予定:12時15分前座:12時45分開演:午後1時(午後4時頃終演予定)■チケット料金全席指定:2,200円(学生:1,500円)シルバー(満65歳~)=1,600円※要年齢証明(全席指定・税込)【カンフェティ限定】220円割引!全席指定:2,200円→ 1,980円!(全席指定・税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年06月15日展覧会「マティス展Henri Matisse: The Path to Color」が、東京都美術館にて、2023年4月27日(木)から8月20日(日)まで開催される。日本では約20年ぶり、マティスの大規模回顧展が開催へ20世紀美術を代表するフランスの美術家、アンリ・マティス。1869年に生まれ、20世紀初頭の絵画運動であるフォーヴィスムの中心的な存在として活動したマティスは、1954年にこの世を去るまで、感覚に直接訴えかけるような鮮やかな色彩と形を探求し続けた。日本では約20年ぶりとなるマティスの大規模回顧展「マティス展Henri Matisse: The Path to Color」では、世界最大規模のマティス・コレクションを有するパリのポンピドゥー・センターの協力のもと、絵画から彫刻、素描、版画、切り紙絵、そして晩年の傑作とされるヴァンスのロザリオ礼拝堂にまつわる資料まで、その仕事を多角的に紹介。マティスの造形の冒険をたどってゆく。展覧会概要展覧会「マティス展Henri Matisse: The Path to Color」会期:2023年4月27日(木)〜8月20日(日)会場:東京都美術館 企画展示室住所:東京都台東区上野公園8-36※詳細については追って告知【問い合わせ先】TEL:050-5541-8600 (ハローダイヤル)
2022年06月10日東京・上野の国立西洋美術館のリニューアルオープンを記念して先日より「自然と人のダイアローグフリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで」がスタートした。国立西洋美術館とドイツ・エッセンのフォルクヴァング美術館の共同企画によるもので、ゴッホ、モネ、セザンヌ、ゴーガン、フリードリヒといった19世紀から20世紀にかけて活躍した西洋美術の巨匠たちが、自然と対話(ダイアローグ)しながら生み出した100点以上に及ぶ傑作が展示されている。4つの章で構成されており「I章 空を流れる時間」は“空の王者”と称されたブーダンの「トルーヴィルの浜」、「引き潮のドーヴィルの浜」、「海浜」という海辺と空を捉えた3点で始まり、彼に影響を受けたモネ(「雲の習作」、「波立つプールヴィルの海」、「雪のアルジャントゥイユ」、「セーヌ河の朝」ほか)、さらにマネ(「嵐の海」、「ブラン氏の肖像」)、ルノワール、マティスなど印象派の画家たちの作品を中心に展開する。リヒターの「雲」(1970年制作)とモネの「舟遊び」(1887年)が並んで展示されているのがひときわ目を引く。「II章 〈彼方〉への旅」では自然に自らの感情を託した作家たちの作品が並ぶ。フリードリヒの「夕日の前に立つ女性」、生涯に100点以上の波の絵を描いたクールベの「波」、ゴーガンの「海辺に立つブルターニュの少女たち」、「扇を持つ娘」、「『ノア・ノア』より マナオ・トゥパパウ(死霊が見ている)」などが目を引く。「Ⅲ章 光の建築」では自然を観察・分析し、独自の絵画空間を生み出した画家たちの作品――セザンヌの「ベルヴュの館と鳩小屋」、シニャックの「サン=トロペの港」、カンディンスキーの「小さな世界」、ミロの「絵画」、クレーの「月の出(サン=ジェルマン界隈)」、ル・コルビュジエの「三人の人物(モデュロール)」などが展示されている。そして「IV章 天と地のあいだ、循環する時間」と銘打たれた最後の章では、そのタイトル通り、自然の中での循環する時間と人生を重ね合わせて表現された作品の数々が並ぶ。ゴッホの「刈り入れ(刈り入れをする人のいるサン・ポール病院の麦畑)」の来日はこれが初めて。同じくゴッホの「ばら」、モネの「睡蓮」、ミレーの「春(ダフニスとクロエ)」、ムンクの「雪の中の労働者たち」、「アルファとオメガ」、「眼鏡を掛けた自画像」などの名画が連なる。声優の駒田航がナビゲーターを務めている音声ガイドもオススメ。ピアニストの福間洸太朗の選曲および演奏によるBGM(バッハ、ベートーヴェン、ラヴェルなど6曲を収録)とあわせて、それぞれの作品の背景や画家に関する解説がやさしく、心地よくに染み入ってくる。ドイツ・ロマン主義から印象派、ポスト印象派に20世紀絵画まで、西洋絵画の巨匠たちの“競演”を楽しめる貴重な展示となっている。
2022年06月10日リニューアルのため休館していた国立西洋美術館が1年半振りに企画展を開催している。6月4日(土)より9月11日(日)までの会期で行われる『国立西洋美術館リニューアルオープン記念自然と人のダイアローグフリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで』は、自然と人をテーマに近代の絵画の変遷をたどる展覧会だ。開館当初の佇まいに近づける工事のため、2022年4月まで約1年半のあいだ休館していた国立西洋美術館。リニューアル後、初となる企画展は、ドイツはエッセンにあるフォルクヴァング美術館の協力を得て開催される。フォルクヴァング美術館は、実業家のカール・エルンスト・オストハウスの個人コレクションを核とした美術館。オストハウスと同時代を生きた実業家、松方幸次郎のコレクションを元に誕生した国立西洋美術館との共通点も多い。同展では2つの美術館のコレクションから、「自然との対話」を画家たちがどのように行い、作品として作り上げていったのかについて4章構成で取り上げる。印象派やポスト印象派を軸に、20世紀絵画まで100点以上の作品が展示されている。左:ウジェーヌ・ブーダン《トルーヴィルの浜》1867年国立西洋美術館蔵右:エドゥアール・マネ《嵐の海》1873年国立西洋美術館蔵第1章は「空を流れる時間」。技術革新が進み、携行できる絵の具が普及した19世紀、画家たちは盛んに戸外に出て、変化する光の姿を捉えようとした。モネの師匠でもあり、海辺の風景を描き続けたブーダンの作品をスタートに自然をさまざまな形で捉えようとする画家たちを取り上げる。左:マックス・リーバーマン《ラーレンの通学路》1898年 フォルクヴァング美術館蔵 右:エドゥアール・マネ《ブラン氏の肖像》1879年頃 国立西洋美術館蔵ドイツの画家マックス・リーバーマンやマネは、木漏れ日と人々をモチーフに、光のきらめきを描いた。それぞれ画家ごとに個性が出ているのが興味深い。この章で一番の盛り上がりを見せるのは印象派の巨匠として知られるクロード・モネと現在、世界でもっとも人気のある画家のひとり、ゲルハルト・リヒターの共演だ。小舟にのって川で遊ぶ少女たちと、きらめく水面のコントラストが美しいモネの作品とソフトフォーカスで撮影された写真にも見える、青空と雲を描いたリヒターの作品が隣り合う。二つの作品の間には110年の年月が流れているが、光のあり方を追求しようとする画家たちの姿勢は変わらない。左:クロード・モネ《舟遊び》1887年国立西洋美術館蔵右:ゲルハルト・リヒター《雲》1970年 《雲》フォルクヴァング美術館蔵第2章は「〈彼方〉への旅」と題し、自分の心象や観念を自然の風景と結びつけた画家たちの作品を紹介する。ロマン派を代表するドイツの画家、カスパー・ダーヴィト・フリードリヒは夕日を見つめる後ろ姿の女性像を描くことで、ヨハン・クリスティアン・クラウゼン・ダールは窓とその向こうの神秘的な風景を描くことで、人間の理想を追求することを試みた。左:カスパー・ダーヴィト・フリードリヒ《夕日の前に立つ女性》1818年 フォルクヴァング美術館蔵 右:ヨハン・クリスティアン・クラウゼン・ダール《ビルニッツ城の眺め》1823年 フォルクヴァング美術館蔵ゴーガンはブルターニュ地方にあるポン=タヴェンやタヒチなど、あえて都会から離れて制作することで、自らの芸術を追求していた。左:ポール・ゴーガン《扇を持つ娘》1902年 フォルクヴァング美術館蔵 右:ポール・ゴーガン《海辺に立つブルターニュの少女たち》1889年 国立西洋美術館蔵第3章「光の建築」は、自然のなかに普遍的な秩序や法則、本質的な構造を見出し、表現のなかに織り込もうと試みた画家たちの作品を紹介する。スーラの点描技法に強く影響を受けたベルギーの画家、レイセルベルへは水面と月の光を丹念に点描で描き、フィンランドの国民的画家、ガッレン=カッレラは、静かな湖面にさざなみが立つ場面を装飾的に描いている。点描技法をスーラとともに実践し、後の画家たちに大きな影響を与えたシニャックは、パリや南仏などさまざまな場所の風景を描いた。左:テオ・ファン・レイセルベルへ《ブローニュ=シュル=メールの月光》1900年 フォルクヴァング美術館蔵 右:アクセリ・ガッレン=カッレラ《ケイテレ湖》1906年 国立西洋美術館蔵左:ポール・シニャック《ポン・デ・ザール橋》1912/1913年右:ポール・シニャック《サン=トロペの港》1901〜1902年 国立西洋美術館蔵最終章となる「天と地のあいだ、循環する時間」では、めぐる季節や生と死など自然のなかにおける「循環」を描いた作品を展示する。ゴッホの《刈り入れ(刈り入れをする人のいるサン=ポール病院裏の麦畑)》は、ドイツから初来日。ゴッホの死の12年後にオストハウスが購入し、フォルクヴァング美術館の開館を飾った記念碑的な作品だ。左:カミーユ・ピサロ《収穫》1882年 国立西洋美術館蔵 右:フィンセント・ファン・ゴッホ《刈り入れ(刈り入れをする人のいるサン=ポール病院裏の麦畑)》1889年フォルクヴァング美術館蔵ドニとモネの作品は、どちらも縦に伸びる木々が画面を分断する印象的な作品。ドニの作品が制作されたのは、モネの作品が描かれてからわずか15年後。その当時の芸術のあり方、価値観が大きく変化していたことも伺える。左:モーリス・ドニ《踊る女たち》1905年 国立西洋美術館蔵 右:クロード・モネ《陽を浴びるポプラ並木》1891年 国立西洋美術館蔵そして、展覧会は国立西洋美術館の所蔵するモネの2点、《睡蓮、柳の反映》《睡蓮》を中心にノルデやゴッホの絵画作品、ドイツの写真家、エンネ・ビアマン写真など、花の作品で締めくくられる。クロード・モネ左:《睡蓮、柳の反映》右:《睡蓮》 いずれも1916年国立西洋美術館蔵国立西洋美術館、フォルクヴァング美術館の珠玉の作品を通して、芸術家と自然との関わり方とを知ることができる展覧会。リニューアルしてまもない国立西洋美術館でぜひ鑑賞してみよう。取材・文:浦島茂世【開催情報】国立西洋美術館リニューアルオープン記念『自然と人のダイアローグ フリードリヒ、モネ、ゴッホからリヒターまで』6月4日(土)~9月11日(日)、国立西洋美術館にて開催()
2022年06月08日近代麻雀水着祭運営事務局は、撮影イベント&ファッションショーが融合したアイドルイベントを6月25日(土)6月26日(日)7月2日(土)7月3日(日)の4日間、埼玉県越谷市のしらこばと水上公園にて開催します。大人気撮影イベント「近代麻雀水着祭」今回人気水着メーカーPEAK&PINEのファッションショーも同時開催で更なる注目を集める事間違いなし!近代麻雀水着祭2022今回も関東最大級屋外プール!埼玉県越谷市の「しらこばと水上公園」を丸ごと貸し切り。ライブ出演者200名強の大規模アイドルイベントです。昨年5月、6月、9月に開催した「近代麻雀水着祭」は、総勢400名以上のアイドル、グラビアアイドルが出演。計10日でTwitterにてトレンド入り!今年のGW開催でも計4日でTwitterにてトレンド入り!【撮影イベント出演者】★SPゲスト深田えいみ/長澤茉里奈/七沢みあ★6月25日出演者(順不同)百川晴香/茅野りお/愛成来来/カン・ニャン/春さりな/南いるか/あやか/まりあ/橋本れな/清水美来/高坂琴水/葉月琴葉/宮田樹/橋本紬希/竹内花/桜井もも/本間のゆり/東條明日華/ゆうかりん/みつき/ミナト・ミライ/倉澤雪乃/藤本南/今田希/後藤ひなの/稲森美優/推野なこ/達家真姫宝/橘すず/やまだなみ/結城千晴/山下百合菜/平松いのり/雪平菜奈/椛はるか/茜紬うた/羽根琴美/蜜月帆菜/雪村花鈴/梶谷唯/美音咲月/美里朱音/寿春歌/涼川しおり/櫻木あいな★6月26日出演者(順不同)渡辺陽菜/立花繭子*/立花みりか/本田夕歩/大河もも/紗愛/小日向ゆか/花宮いのり/茅野りお/拍羽想/兎ゐまりん/鈴音ひとみ/かれしちゃん/ぱぴこ/奥愛梨/並木彩名/つづく/狐々ちーりん/蒼井花/水上さきな/菅谷夏子/あやの/本木瞳/城木玲亜/熊本美和/小泉椎香/三葉みやび/北野ゆか/楠こはな/篠崎ここ/まえのめり/まゆたゆま/後藤まつり/松井ゆきな/世良あかり/寺田すず/ないる/広山楓/ゆい/あおい/冨十みと/牧野みなた/九十九ぱて/田乃むぎ/颯乃/田村メリジェイセル/鈴本りん/桐谷ひとみ/黒沢あかり/柚木美桜★7月2日出演者(順不同)ゴゴノコトコ/東堂とも/仁藤りさ/橋本りりあ/山口ゆあ/美東澪/奥寺テーラ/鹿乃ばんび/茅野りお/白石りりか/弓川いち華/水那しおね/早川みゆき/鈴川侑奈/松尾美侑/まほ/夢咲はるか/立花実香/七瀬アリス/石川澪/月野のあ/愛渚叶らむ/柊希れん/小坂田純奈/KURUMi/善家巳琴/葉月美羽/宮坂杏/小那海あや/何凸守ありか/倉澤雪乃/こはる/宮花もも/ゆうかりん/みつき/紫月はう/小鳥遊彩花/愛白かなた/益田アンナ/璃乃/一色春凛/陽葉陽菜/もも/りの/エマ/ゆう/ぱんな/神谷泉水/颯乃/田村メリジェイセル/月詩陽葵/神代月/夢咲空/山崎遥菜/那波茉奈/椿ことね/福田沙織/風愛ことり/橘れおな/咲舞那/岡田彩花/廣島みずき/林あやの/山岸奈津美★7月3日出演者(順不同)倉沢しえり/三田のえ/鳥海かう/柳丸/白烏しろ/桃里れあ/金子明日香/NI-NA/茅野りお/立花憂衣/なぎさりん/夏井さら/水谷彩咲/ららいろは!/桜田華奈/双葉ひなた/JILL/月野もも/高坂琴水/葉月琴葉/羽生ゆか/明暗りあ/みあねあみ/葉月みな/有沢美矢/結野優姫/佐藤愛菜/桜井ひとみ/今野梨奈/結城小春/猫宮あすか/孫田ちひろ/松永りお/のらねこ/信野樹奈/ななりん/堀内玲/望月るな/鈴木優愛/藍原亜希/白石凛/山内ゆあ/田乃むぎ/西ひより/月守ゆら/双葉ありす/一ノ瀬なな/いぬいぬの/小丸ゆに/ゆり/拍羽想/兎ゐまりん/山本栞/三葉みる/朝日りか/のん/岩田ゆら/須羽こころまだまだ追加出演者あり!■近代麻雀水着祭2022×THE SHOWTIME PEAK&PINE COLLECTION開催概要期間 : 6月25日(土)6月26日(日)7月2日(土)7月3日(日)の4日間場所 : しらこばと水上公園(〒343-0802 埼玉県越谷市小曽川985)公式Web : 公式Twitter: 運営 : 株式会社KARINTOW(東京都台東区、代表取締役:立川 博一)THE SHOWTIME PEAK&PINE COLLECTION 1★タレント個人アー写6月25日 6月26日 7月2日 7月3日 まとめ ダウンロード期限:2022年6月14日まで★出演者一覧(各日程共通) 詳細はこちら プレスリリース提供元:@Press
2022年06月08日展覧会「コレクションをめぐる6つの部屋 ルームス」が、福島の諸橋近代美術館にて、2022年7月25日(月)から11月13日(日)まで開催される。"6つの部屋"にてコレクションを再構築諸橋近代美術館は、スペインが生んだ20世紀を代表する画家、サルバドール・ダリの作品を中心に、19世紀から20世紀の西洋近代絵画、イギリスの現代アーティスト・PJクルックの絵画など、個性輝く作品を収集・所蔵している美術館だ。「コレクションをめぐる6つの部屋 ルームス」展では、これらのコレクションをテーマ別に「6つの部屋」に分けて紹介。各部屋にて、様々な視点でコレクションを読み解き、作品の新たな楽しみ方を提案する。例えば、ルーム1「コレクター」では、創立者である諸橋廷蔵が収集してきた美術品に着目。1980年代後半から約25年に渡り収集してきたピエール=オーギュスト・ルノワールなどの作品に対する思いや、コレクション生成の経緯、作品が辿ってきた軌跡などを紹介していく。ルーム2「ダリ」は、当館のコレクションの中で最も数を占める、サルバドール・ダリの作品群を通して、ダリを形成した要素を探る。彼を象徴する「超現実」の世界を描いた”シュルレアリスム”から、ダリの変遷と人格を知る上で欠かせない初期や晩年の作品まで、エピソードを交えて展示する。ルーム6「スキャンダラス」は、偉大な画家の知られざる苦悩や葛藤、衝撃などに迫る。オランダの画家、フィンセント・ファン・ゴッホなどの作品と共に、彼らが抱える秘密や、スキャンダラスな経歴を紐解いていく。そのほか、ルーム3「語らい」では、参加型の鑑賞展示を実施。作品を通して「時間」や「場」をも越えた”人々の繋がり”を築く。ルーム4「材質」では、作品を構成する”材質”にフォーカス。物理的な側面から作品の取り扱い方や保存方法などを見つめ直す。ルーム5「プロセス」は、サルバドール・ダリによる展示の度に組み立て直すブロンズ作品に注目し、実物作品と共にその制作過程を動画で紹介する。【詳細】展覧会「コレクションをめぐる6つの部屋 ルームス」会期:2022年7月25日(月)~11月13日(日)会場:諸橋近代美術館住所:福島県耶麻郡北塩原村桧原剣ケ峯1093番23開館時間:9:30~17:00(入館は閉館30分前まで)観覧料:一般 1,300円(1,000円)、高校・大学生 500円(300円)、中学生以下 無料※( )は20名以上の団体料金(団体受け入れを見合せている場合があるため、事前に問い合わせ)※身体障がい者手帳、療育手帳、精神障がい者保健福祉手帳の提示により、所有者と付添者1名は無料※会期・日程・内容などは変更となる場合あり(最新情報は美術館ホームページなどにて確認)【問い合わせ先】諸橋近代美術館TEL:0241-37-1088
2022年05月31日国立能楽堂主催、『第28回青翔会(能楽研修発表会)』が2022年6月14日(火)に国立能楽堂(東京都渋⾕区千駄ヶ⾕4-18-1)にて上演されます。チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて5月16日(月)19:00より発売開始です。カンフェティにて5月16日(月)19:00よりチケット発売開始 公式ホームページ 青翔会は、国立能楽堂(三役)研修生をはじめとする若手能楽師の技能研鑽のための公演です。次代を担う若手能楽師たちが、日頃の稽古の成果をご披露するため、懸命に舞台を勤めます。皆様のあたたかいご声援をお待ち申し上げております。【番組】舞囃子『花月』(かげつ) 狩野 祐一(喜多流)舞囃子 『胡蝶』(こちょう) 武田 祥照(観世流)舞囃子 『巴』(ともえ) 柏崎 真由子(金春流)狂言 『茶壺』(ちゃつぼ) 野村 万之丞(和泉流)能 『春日龍神』(かすがりゅうじん) 今井 基(宝生流)*字幕表示はございません公演概要『第28回青翔会(能楽研修発表会)』公演日時:2022年6月14日(火)12:00開場/13:00開演会場:国立能楽堂(東京都渋⾕区千駄ヶ⾕4-18-1)■チケット料金正面:1800円脇正面:1200円(学生800円)中正面:900円(学生600円)(全席指定・税込) 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年05月17日国立能楽堂主催6月公演、「6月定例公演鎌腹・兼平」など4公演が国立能楽堂(東京都渋谷区千駄ヶ谷4-18-1)にて下記の通り上演されます。6月定例公演『鎌腹・兼平』2022年6月8日 (水)12:00開場/13:00開演6月普及公演『船渡聟・養老』2022年6月11日(土)12:00開場/13:00開演6月定例公演『長光・梅枝』2022年6月17日(金)16:30開場/17:30開演6月特別公演『曙・羅生門・東北・呼声・土蜘蛛』2022年6月30日(木)17:00開場/18:00開演チケットはカンフェティ(運営:ロングランプランニング株式会社、東京都新宿区、代表取締役:榑松 大剛)にて発売中です。カンフェティにてチケット発売中 <国立能楽堂令和四年六月公演>6月定例公演鎌腹・兼平 6月普及公演船渡聟・養老 6月定例公演長光・梅枝 6月特別公演曙・羅生門・東北・呼声・土蜘蛛 6月定例公演鎌腹・兼平公演日時:2022年6月8日 (水)12:00開場/13:00開演狂言『鎌腹』 (かまばら)野村 万作(和泉流)能『兼平』 (かねひら)髙橋 忍(金春流)*字幕あり(日本語・英語)【鎌腹】日頃の怠け癖を妻にこっぴどく責め立てられた太郎は、妻に打ち殺されるよりはと自ら鎌で腹を切って死のうとしますが…。【兼平】近江粟津の合戦で主君・木曽義仲の戦死を知った今井兼平は、太刀をくわえ馬から真っ逆様に落ち果てます。兼平の壮絶な奮闘ぶりを描く修羅能です。■チケット料金正面:5,000円脇正面:3,300円(学生2,300円)中正面:3,000円(学生2,100円)(全席指定・税込)6月普及公演船渡聟・養老公演日時:2022年6月11日(土)12:00開場/13:00開演解説・能楽あんない 「長寿と関わる能」表きよし(国士舘大学教授)狂言『船渡聟』 (ふなわたしむこ)茂山 宗彦(大蔵流)能『養老』 (ようろう)金森 秀祥(宝生流)*字幕あり(日本語・英語)【船渡聟】聟入りの日、酒を持って船に乗った聟は酒好きの船頭と一緒に酒を飲んでしまいます。空っぽになった酒樽を持って舅の家にやって来た聟は…。【養老】不思議な水が湧くという美濃の養老の滝を勅使が訪れます。地元の父子が勅使に滝水の霊力を語ると、山神が現れ天下泰平を祝福します。■チケット料金正面:5,000円脇正面:3,300円(学生2,300円)中正面:3,000円(学生2,100円)(全席指定・税込)6月定例公演長光・梅枝公演日時:2022年6月17日(金)16:30開場/17:30開演狂言『長光』 (ながみつ)三宅 近成(和泉流)能『梅枝』 (うめがえ)香川 靖嗣(喜多流)*字幕あり(日本語・英語)【長光】長光作の名刀を持つ田舎者と、それを横取りしようとするすっぱ。目代の前で真の所有者を証明することになりますが…。【梅枝】楽人同士の役争いの末に殺された夫を想い、妻の霊が夫の形見の装束を身にまとい切々と舞を舞います。雅楽の太鼓を模した作リ物も美しい夢幻能です。■チケット料金正面:5,000円脇正面:3,300円(学生2,300円)中正面:3,000円(学生2,100円)(全席指定・税込)6月特別公演曙・羅生門・東北・呼声・土蜘蛛公演日時:2022年6月30日(木)17:00開場/18:00開演◎祈りのかたち一調『曙』(あけぼの) 金春 安明・大倉 源次郎脇仕舞『羅生門』(らしょうもん) 宝生 欣哉(下掛宝生流)舞囃子『東北』(とうぼく) 金剛 永謹(金剛流)狂言『呼声』(よびこえ)山本東次郎(大蔵流)能『土蜘蛛』(つちぐも) 入違之伝・白頭・眷属出之伝・ササガニ (いれちがいのでん・はくとう・けんぞくだしのでん・ささがに)観世銕之丞 ・ 梅若 実コト桜雪(観世流)*字幕あり(日本語・英語)「祈りのかたち」昨年三月に三日間にわたり皇居外苑で開催された特別公演「祈りのかたち」のうち、荒天のため中止となった二日目の演目を中心にお届けします。【呼声】無断で旅に出た太郎冠者の元を訪ねた主人は、居留守を決め込む太郎冠者を呼び出そうと…。平家節や小歌節など、狂言の謡の持つ魅力を味わえる作品です。【土蜘蛛】病に伏せる源頼光を襲った謎の僧の正体は土蜘蛛の精でした。蜘蛛の糸が舞台一面に広がり、激しい戦いが繰り広げられます。今回は土蜘蛛の眷属が登場する新演出でご覧いただきます。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年05月17日東京都美術館で『スコットランド国立美術館THE GREATS美の巨匠たち』が開催中です。本展では、世界最高峰の美術館のひとつ、スコットランド国立美術館から上質な西洋絵画が集結。展示の様子や学芸員さんの解説、おすすめ作品をご紹介します!巨匠たちの作品に会える!【女子的アートナビ】vol. 244『スコットランド国立美術館THE GREATS美の巨匠たち』では、スコットランドが誇る美術品のなかから、ラファエロやレンブラント、ルノワールなど、巨匠たちの作品や、ターナーやミレイなどイングランド出身の画家たちの作品なども含め、約90点が集結。西洋美術の流れを名画とともに楽しめます。スコットランド国立美術館が開館したのは、1859年。ヨーロッパの他国のように、王室コレクションからスタートした美術館ではなく、購入や地元の名士たちによる寄贈や寄託などによってコレクションを増やしていき、世界有数の美術館となりました。本展では、コレクションのエピソードを楽しめる作品も見ることができます。あだ名が有名!では、おすすめ作品を数点ピックアップしていきます。まずは、第1章「ルネサンス」から、巨匠エル・グレコの《祝福するキリスト(「世界の救い主)」》にフォーカス。イタリアやスペインで活躍したエル・グレコは、ギリシャ出身の画家。本名は、ドメニコス・テオトコプーロスですが、あだ名のエル・グレコ(ギリシャ人)として知られています。故郷のクレタ島で美術の修業をし、その後ヴェネツィアに移住、さらにローマでも働き、最後はスペインに永住しました。本作は、表現力豊かな筆遣いと、赤と青のコントラストが目を引く美しい作品です。学芸員さんのおすすめは…?続いて、第2章「バロック」では、スペインの画家、ディエゴ・ベラスケスの描いた《卵を料理する老婆》をご紹介。ベラスケスは、国王フェリペ4世付きの画家に任命され、「画家の中の画家」と呼ばれた巨匠。国王に信頼され、王室の肖像画を数多く描いたほか、王宮配室長も任されるほど出世した人です。本展担当の東京都美術館学芸員・髙城靖之さんによると、この作品は、ベラスケスがまだ若いころに、自分の力量を知らしめるために描いた野心作。本作の注目ポイントについて、次のように語っています。髙城さん作品の手前には静物を描いている部分があり、金属などの質感をたくみに描き分けています。なかでも一番の注目ポイントは、調理中の卵。素揚げにしているところですが、白身が固まっている最中のものと、すでに固まっている状態のものとがきちんと描き分けられています。卵が固まっていく様子を絵画で見事に表現しているので、ぜひご覧になってみてください。7度も夫を殺された…!?もう一点、バロック絵画で筆者のおすすめ作品をご紹介。オランダ絵画の黄金期に活躍した巨匠、レンブラント・ファン・レインの《ベッドの中の女性》です。一見すると、ふつうに美しい絵画ですが、解説を読んで作品の背景を知ると、あまりに残酷なストーリーに驚愕します。本作品の女性は、聖書の登場人物であるサラと考えられています。彼女は、過去7度も結婚初夜に夫を悪魔に殺されており、この絵は、8人目の夫が悪魔を追い払うところをサラが見守っている場面。この絵を見て、聖書の物語を読み解ける教養や見識が鑑賞者に求められているそうです。絵の背景にあるストーリーを知ると、作品の見え方ががらりと変わります。絵は表面的な美しさだけを見ても十分満足できますが、解説を読むとさらに別の楽しみ方もできます。スコットランド人の故郷愛が伝わる…!最後は、スコットランド国立美術館のステキなエピソードがある絵画をご紹介。本作品は、アメリカの風景画家フレデリック・エドウィン・チャーチの作品です。なぜ、アメリカ絵画が最後に展示されているのでしょう?髙城さんによると、この絵は、スコットランドの貧しい家庭に生まれた人がアメリカに移住し、実業家として成功したあと故郷に寄贈した作品。スコットランド国立美術館は、市民らの寄付などによりコレクションを増やしていった美術館なので、その象徴として最後にこの作品を展示したそうです。巨匠たちの競演を楽しんで!巨匠たちの名画、いかがでしたか?本展は7月3日まで開催。幅広い西洋美術の名品を、まとめて見られる貴重なチャンスです。ぜひ美術館で楽しんでみてくださいね!Information会期:~7月3日(日)※休室日は月曜日会場:東京都美術館企画展示室開室時間:9:30~17:30(入室は閉室の30分前まで)※金曜日は9:30~20:00(入室は閉室の30分前まで)※夜間開室については、展覧会公式サイトでご確認ください。観覧料:※本展は日時指定予約制一般¥1,900、大学生・専門学校生¥1,300、65歳以上¥1,400高校生以下無料(日時指定予約必要)※最新情報は展覧会公式サイトでご確認ください問い合わせ:050-5541-8600(ハローダイヤル)
2022年05月14日ポンピドゥー・センター(パリ、1977年)、ニューヨーク近代美術館(2002年)、テート・モダン(ロンドン、2011年)といった世界の名だたる美術館で個展を開催。現代で最も重要な画家のひとりであるドイツ生まれの巨匠、ゲルハルト・リヒター。日本の美術館では実に16年振り、東京の美術館では初となる大規模個展が6月7日(火)より東京国立近代美術館で開催される。これまで、油彩画、写真、デジタルプリント、ガラス、鏡など多岐にわたる素材を用い、具象表現と抽象表現を行き来しながら、人がものを見て認識するという原理に一貫して取り組み続けてきたリヒター。2012年のオークションで存命作家の最高落札額(当時/2132万ポンド=約27億円)を更新するなど、世界のアートシーンで常に注目を集めてきた。同展では、ホロコーストを主題とした、リヒター自身にとっても重要な位置を占める近年の大作《ビルケナウ》が日本初公開されるほか、初期のフォト・ペインティングからカラーチャート、グレイペインティング、アブストラクト・ペインティング、オイル・オン・フォト、そして最新作のドローイングまで、リヒターがこれまで取り組んできた多種多様な作品を紹介。リヒターが手放さず、大切に手元に置いてきた財団コレクションおよび本人所蔵作品を中心に、約110点を展観する。展覧会場では、特定の鑑賞順に縛られず、来場者が自由にそれぞれのシリーズを行き来しながら、リヒターの作品と対峙することができる空間が創出されるという。2022年に90歳を迎えたリヒター。60年にわたる画業において、一貫したテーマのなかで多様な作品を生み出し続けてきたリヒターの作品世界と静かに向き合ってみたい。ゲルハルト・リヒター《モーターボート(第1ヴァージョン)(79a)》1965年ゲルハルト・リヒター財団蔵(c)Gerhard Richter 2022 (07062022)ゲルハルト・リヒター《頭蓋骨(548-1)》1983年ゲルハルト・リヒター財団蔵(c)Gerhard Richter 2022 (07062022)ゲルハルト・リヒター《2021年6月1日》2021年ゲルハルト・リヒター財団蔵(c)Gerhard Richter 2022 (07062022)Photo: Dietmar Elger, courtesy of the Gerhard Richter Archive Dresden(c) Gerhard Richter 2022 (07062022)【開催概要】『ゲルハルト・リヒター展』会期:2022年6月7日(火)~ 2022年10月2日(日)会場:東京国立近代美術館開館時間:10:00~17:00、金土は20:00まで(入館は閉館30分前まで)※ただし、9月25日(日)~10月1日(土)は20:00まで開館休館日:月曜日(9月19日、9月26日は開館)、9月27日(火)※9月13日開館情報修正料金:一般2,200円、大学1,200円、高校700円展覧会公式サイト:
2022年05月11日日時:2022年5月11日(水)10時受付開始リアル脱出ゲームを企画運営する株式会社SCRAPは、2022年5月12日(木)より東京国立博物館にて初開催となるリアル脱出ゲーム『東京国立博物館からの脱出』を開催いたします。そこで開催に先駆け、公演開始前日である5月11日(水)に、開催を記念したセレモニーと、皆さまに先行してご体験いただける機会を設けさせていただきました。東京国立博物館からの脱出リアル脱出ゲームは、閉じ込められたある特定の空間から、仲間と協力して謎を解き明かすことで脱出を目指す体験型ゲーム・イベントです。今回舞台となるのは、日本で最も長い歴史を持つ博物館である東京国立博物館。東京国立博物館創立150年記念事業の一環として開催され、プレイヤーは東京国立博物館を歩きながら、会場に仕掛けられた謎を解き明かすことを目指します。館内でリアル脱出ゲームが開催されるのは本作が初めてとなります。本作は、謎解きキットと専用アプリを使いながら、館内を周遊して謎を解く形式のリアル脱出ゲーム。時間制限/人数制限がないため、謎解き初心者の方にもオススメです。『東京国立博物館からの脱出』では、プレイヤーは探偵事務所に入所したばかりの新人として、博物館で起きた奇妙な出来事の解明に挑みます。事件を紐解くためのキーになるのは、東京国立博物館で展示されている”作品の声”。作品の声を聞くことができる調査アプリを使い物語を進行します。「東京国立博物館の作品に聞き込みしながら真実へ辿り着く」という、ここでしかできない体験にどうぞご期待ください。当日会場では、『東京国立博物館からの脱出』の開催を記念した関係者の挨拶や、東京国立博物館のキャラクターである「トーハクくん」も登場するフォトセッションなどのセレモニーを開催。また、その場で実際に公演にご参加いただける先行体験会も行います。ご参加いただける場合は、お手数ですが下記のフォームよりご応募くださいませ。5月10日(火)12:00 までにご連絡いただきますよう、何卒よろしくお願いいたします。▼セレモニー&先行体験会お申込みフォーム ※当日のご案内を5月10日(火)23:59までにご指定のアドレスにお送りします。▼『東京国立博物館からの脱出』特設サイト プレイイメージプレイイメージ開催記念セレモニー&先行体験会概要■受付時間先行体験会開催日:2022年5月11日(水)<スケジュール>10:00受付開始(東京国立博物館正門特別受付)11:10本館エントランス集合11:15セレモニー開始11:25フォトセッション11:30セレモニー終了※セレモニーでは、『東京国立博物館からの脱出』の開催を記念した関係者の挨拶や、東京国立博物館のキャラクターである「トーハクくん」も登場するフォトセッションなどを予定しております。※セレモニー終了後、ご希望の方には実際に『東京国立博物館からの脱出』をご体験頂けます。体験は30分ごとに随時受付となり、各回最大20名様までのご案内となります。■先行体験会会場会場:東京国立博物館所在地:東京都台東区上野公園13-9アクセス:JR上野駅公園口、または鶯谷駅南口下車徒歩10分東京メトロ銀座線・日比谷線上野駅、千代田線根津駅下車徒歩15分京成電鉄京成上野駅下車徒歩15分公演概要■ストーリー2022年に創立150年を迎えた東京国立博物館。あなたはそんな博物館の近くの小さな探偵事務所に入所したばかりの新人。ある日、事務所に一本の電話が鳴り響く。「トーハクの創設の起源となった博覧会関係者の1人が集合写真から消えてしまったんです! そして、不思議なことにその人物のことを誰一人として思い出せないんです! どうか、この奇妙な出来事を解明してくれないでしょうか?」依頼人は博物館の職員。手がかりの少ない依頼内容に頭を抱えていたあなたに探偵事務所の所長がある助言をする。「人に聞くことができないなら、〝作品〟から話を聞けばいいんだ」人々を見守り続けてきた仏像。美しいルビーで彩られた双子のザクロの置物。古代エジプトからやってきた沈黙するミイラ。あなたは調査アプリを駆使し、博物館に展示されている作品たちへ聞き込みに向かう。果たして、博物館で起こった謎の出来事の真実にたどり着くことができるのか?■開催日程2022年5月12日(木)〜■プレイ形式制限時間:なし参加人数:制限なし開始タイミング:随時スタート場所:屋内※東京国立博物館の建物間の移動のため、一部外に出るシーンがございます。■謎解きキット情報販売価格:2,200円(税込)※前売り、学生一律金額※別途東京国立博物館入館料が必要補足情報■「リアル脱出ゲーム」とは2004年に発表された「クリムゾンルーム」というネットの無料ゲームを発端に、爆発的に盛り上がった「脱出ゲーム」です。そのフォーマットをそのままに現実世界に移し替えた大胆な遊びが「リアル脱出ゲーム」。マンションの1室や廃校、廃病院、そして東京ドームや六本木ヒルズなど、様々な場所で開催されています。07年に初開催して以降、現在までで累計820万人以上を動員しています。日本のみならず上海、台湾、シンガポールやサンフランシスコなど全世界で参加者を興奮の渦に巻き込み、男女問わずあらゆる世代を取り込む、今大注目の体験型エンターテインメントです。リアル脱出ゲーム公式サイト: リアル脱出ゲームTwitterアカウント: ※「リアル脱出ゲーム」は株式会社SCRAPの登録商標です。■「東京国立博物館」とは東京国立博物館(トーハク)は、明治5年(1872)に湯島聖堂の大成殿で開催された博覧会から始まる、日本で最も長い歴史をもつ博物館です。日本を中心にした東洋のさまざまな国や文化の美術作品、歴史資料、考古遺物などを集めて大切に保管しています。収蔵品は約12万件におよび、総合文化展と呼ばれる常設展示では約3,000件を常時公開しています。教科書でみた名品の本物を見られる博物館です。 詳細はこちら プレスリリース提供元:NEWSCAST
2022年05月06日『スコットランド国立美術館THE GREATS美の巨匠たち』が東京都美術館(台東区)で開催中だ。1859年に開館したスコットランド国立美術館は、世界でも指折りの西洋絵画コレクションを有する。本展は、そのコレクションの中から、ラファエロ、エル・グレコ、ベラスケス、レンブラント、ブーシェ、スーラ、ルノワールなど、ルネサンス期から19世紀後半までの西洋絵画史を彩る巨匠たちの作品を展示。そのほか、ゲインズバラ、レノルズ、ブレイク、コンスタブル、ターナー、ミレイといったイングランド出身の画家に加え、日本ではなかなか見ることのできないレイバーン、ラムジー、ウィルキー、ダイスなどスコットランド出身の代表的な画家たちの名品も。油彩画・水彩画・素描約90点を通じ、西洋美術の流れとともに、ヨーロッパ大陸と英国との文化交流から、英国美術がはぐくまれた様子を紹介している。展示構成は、スコットランド国立美術館の建物や館内の様子を描いた作品を紹介する「プロローグ」から始まり、アンドレア・デル・ヴェロッキオ(帰属)《幼児キリストを礼拝する聖母(「ラスキンの聖母」)》やエル・グレコ《祝福するキリスト(「世界の救い主」)》などが並ぶ「ルネサンス」、ディエゴ・ベラスケス《卵を料理する老婆》、レンブラント・ファン・レイン《ベッドの中の女性》といった「バロック」と続く。英国のコレクターたちが美術品の購入や文化的教養を深めるために大規模なヨーロッパ旅行をした「グランド・ツアーの時代」では、フランソワ・ブーシェの晩年の作である《田園の情景》やジョシュア・レノルズ《ウォルドグレイヴ家の貴婦人たち》などが見られる。「19世紀の開拓者たち」では、フランシス・グラント《アン・エミリー・ソフィア・グラント(“デイジー”・グラント)、ウィリアム・マーカム夫人(1836-1880)》、クロード・モネ《エプト川沿いのポプラ並木》などを紹介。「エピローグ」では、フレデリック・エドウィン・チャーチ《アメリカ側から見たナイアガラの滝》という圧巻の作品で締め括られる。本展は7月3日(日)まで(休室日は月曜日)。開室時間は午前9時30分〜午後5時30分※金曜日は午前9時30分~午後8時(入室は閉室の30分前まで)。展示室の混雑を避けるため、日時指定予約制。一般1900円、大学生・専門学校生1300円、65歳以上1400円。天海祐希がナビゲーターを務める音声ガイドとのセット券は2400円(5月8日入場分までの期間限定)。なお、7月16日(土)〜9月25日(日)は神戸市立博物館、10月4日(火)〜11月20日(日)は北九州市立美術館 本館でも開催される予定だ。取材・文・撮影:五月女菜穂
2022年05月06日