京都市西京区に鎮座する松尾大社(まつのおたいしゃ)は、渡来系氏族である秦(はた)氏が創建に関わった神社。平安京遷都以後は、都の守護神のひとつとして崇められると同時に、酒・醸造の神として全国の酒造会社の崇敬も集めてきた。その松尾大社の神宝を紹介する展覧会が、4月27日(土)から6月23日(日)まで、京都市の京都文化博物館で開催される。同展の見どころは、日本最古級の神像彫刻として国の重要文化財に指定されている御神像をはじめ、松尾大社の神宝の数々が初めて大規模に公開されること。初公開となる源頼朝や織田信長などの朱印状をはじめ、歴代の権力者が発した中世の古文書を一挙に公開すると同時に、同大社の歴史や酒造りについての史資料なども展観する。出品作品108件のうち、なんと約9割が初公開となる。源頼朝書状 6月17日 松尾大社蔵とりわけ注目されるのは、平安時代前期の作と考えられる三神像がそろって登場し、御神宝とともに紹介されることだろう。厳しいお顔の老年の男神像は、同社の祭神の1柱である大山咋神(おおやまくいのかみ)に、また壮年の男神像はその御子神に、そして女神像は祭神のもう1柱である市杵島姫命 (いちきしまひめのみこと)に、それぞれ比定されている。重要文化財《女神像》平安時代 9世紀 松尾大社蔵同展では、こうした神々の系譜や縁起を紐解き、長い歴史のなかでどのような神がどのように信仰されてきたのか、また神事がどのように営まれてきたのかなど、様々な面から松尾大社に対する人々の信仰のありかたをたどっていく。大山咋神が醸造の神でもあることから、お酒をはじめ、味噌や醤油など醸造に関わる人々から篤い信仰を受けてきた松尾大社はまた、武家からは武神として敬われ、歴代の将軍家や天下人からも篤い崇敬を受けてきたという。そうした信仰の広がりが、作品や史資料を通じて目の当たりにできるのも興味深いところだ。今回はまた、境内をデータ測量して制作した松尾大社の3D映像も初公開されるほか、小説家・浅葉なつによる注目のシリーズ小説『神様の御用人』とのコラボ企画も予定されており、色々なかたちで松尾大社の魅力にふれられる展覧会となっている。<開催概要>『松尾大社展みやこの西の守護神』会期:2024年4月27日(土)~6月23日(日)会場:京都文化博物館4・3階展示室時間:10:00~18:00、金曜は19:30まで(入場は閉室30分前まで)休館日:月曜(4月29日、5月6日は開館)、5月7日(火)料金:一般1,600円、大高1,000円、中小500円公式サイト:チケット情報:()
2024年04月19日シアターコクーンの芸術監督である松尾スズキが、就任時から構想していた若手のための学び場COCOON PRODUCTION『コクーン アクターズ スタジオ』がいよいよ始動!新しい年度が始まった4月1日、オーディションを勝ち抜いた18歳から28歳の総勢24名が揃い、第1期生の開講式が行われた。地方から夢を抱いて上京してきた者、小劇場の劇団員、元市役所職員などなど、受講生のバックグラウンドはさまざま。中には三代続く家業の跡取りだった……という男性もいて、人生いろいろ、各々の思いを胸に、全員が初々しく晴れがましい表情を見せていた。これから1年間、シアターコクーンとゆかりの深い演劇人を講師とし、基礎と創作と発表を組み合わせたレッスンに励む。開講式では常任講師一人ひとりから歓迎の温かい言葉が送られ、受講生たちが真剣に聞き入る場面も見られた。講師のコメントは以下。■松尾スズキ(主任/演技基礎)僕がシアターコクーンの芸術監督に就任する条件のひとつとして、「スクールをやらせてほしい」という約束がありました。ただ初年にコロナ禍が始まり、ようやく収まってきたところで劇場自体が休館となり……結果こんなタイミングになりましたが、やっとスタートできます。一言お伝えしておきたいのは、決して劇場が休み中の穴埋め企画ではありません!何年も準備、構想していた企画に一流の講師の方が集まってくださり、1年間通して学べる機会は、とても刺激的で恵まれたことです。皆さんもったいないので、どうぞ休まないでください。■杉原邦生(演技基礎)僕は大学で演劇を始めました。そこには個性の強い演劇人の皆さんが揃っていて、一見全く統一感のない授業を受けて……当時はすごく頭がぐちゃぐちゃになったんです(笑)。でもそうした選択肢の幅が広い環境だったからこそ、自分がやりたいこと、表現したいことを見つけられた気がしています。ですから皆さんもぐちゃぐちゃになりながら、何かを見つける1年にしてください。年度末の卒業公演では演出も手掛けます。なんと松尾スズキさんの書き下ろし新作。僕自身が興奮しています。みんなで頑張りましょう。■オクイシュージ(演技基礎)僕は皆さんに、演劇で使える身体のキレを叩き込みたいと思っています。あと重要なのが、演劇における笑い。ここを正面から教える俳優養成所ってなかなかないんです。自分もかつては養成所に通っていましたが、50人程いた同期で、今も活躍しているのは平田敦子さんぐらい。そのくらい狭い門なんです。俳優は声がかからなかったら無職状態。どうぞ皆さん、たくさんの演出家、制作陣から信頼される、声がかかる俳優になってください。■ノゾエ征爾(演技基礎)僕は大学を卒業後にENBUゼミ第1期「松尾スズキクラス」を受け、松尾さんのもとで1年間学びました。その卒業公演の稽古で松尾さんがボソッと「君たちよりも俺は演劇を愛している」と仰った一言にズンときたんですね。そこから26年を経て、松尾さんが当時仰っていた「愛している」に僕は到達できているんだろうか?こうしてそばにいると、「まだ到底追いつけていないんじゃないか?」と考えたりもします。まだまだ僕も「これから次世代を担いたい」と思っていますので、一緒に頑張りましょう。■藤間貴雅(日本舞踊・所作指導)皆さんと同じ年頃、大学1年の時に下北沢ザ・スズナリで松尾さんの『ふくすけ』と出会い、それ以降大学の先輩たちの芝居が全部つまらなく感じるほどの衝撃を受けました。それから何十年も経て仕事でご一緒した際、松尾さんが「所作って大事だよね」と仰ってくださった嬉しさ!こうしてクラスに組み込んでくださったことを、古典芸能の人間として感謝しております。光を当てていただく貴重な機会をいただくわけですから、その効果を皆さんに実感いただけるアドバイスができればと思っております。■振付稼業air:man(ダンス指導)皆さんみたいに上手にお喋りできないので、一言だけ。こうして皆さんは、チャンスを掴みました。これを生かすも殺すも皆さん次第です。さまざまな講師の皆様がいらっしゃいますし、われわれ「振付稼業air:man」のメンバーもたくさんいます。レッスンのたびに講師が変わります。しかも、あらゆるジャンルの踊りを学んでもらいたいと考えています。どうぞ心して準備しておいてください。■蔵田みどり(発声・歌唱指導)料理の「さしすせそ」のように、皆さんには表現力を豊かにするための「ほかほか」という言葉を心に留めていただきたいです。「ほ=褒める(自分ができたことを褒める)」「か=書く(習ったこと、感じたことを日記のように日々記す)」「ほ=ほかす(こだわり、頑なさ、プライドを捨て、次のステップに進みやすくする)」「か=可愛がる(いい音を聞く、美味しいものを味わうなど五感を可愛がってエネルギーチャージし、直感を得やすくする)」……こうしたことを実践しながら、たくさんの楽しい経験をし、成長したと実感できる1年を過ごしましょう。なお上記の常任講師に加え、ゲスト講師として、井上芳雄(俳優論)、岩崎う大(コメディ)、鵜山仁(演技メソッド)、大根仁(映像演技)、黒田育世(身体表現)、茂山逸平(狂言)、友枝雄人(能)、ジャパンアクションエンタープライズ(殺陣、アクション)といった、演劇界の第一線で活躍する豪華な面々も迎え、各ジャンルの特別ワークショップも開催予定。その他、受講生はコクーンプロデュース公演の制作現場を見学、さらには出演するチャンスが与えられる。1年間の総決算である発表公演(有観客)は2025年3月。松尾が書き下ろす最新作を、杉原邦生が演出。松尾が若者の集団にどんな作品を書くのか、その内容にも注目だ。演劇界の未来を担う新たなスター誕生に、早くも期待が膨らんでいる。文:川添史子撮影:宮川舞子<企画概要>COCOON PRODUCTION『コクーン アクターズ スタジオ』【常任講師】松尾スズキ(主任/演技基礎)杉原邦生(演技基礎)、オクイシュージ(演技基礎)、ノゾエ征爾(演技基礎)藤間貴雅(日本舞踊・所作)、振付稼業air:man(ダンス)、蔵田みどり(発声・歌唱)【ゲスト講師】(五十音順)井上芳雄(俳優論)、岩崎う大(コメディ)、鵜山仁(演劇メソッド)、大根仁(映像演技)、黒田育世(身体表現)、茂山逸平(狂言)、友枝雄人(能)、ジャパンアクションエンタープライズ(殺陣・アクション)【第1期生 活動期間】2024年4月1日~2025年3月31日【発表公演】(タイトル・詳細未定)脚本:松尾スズキ演出:杉原邦生出演:コクーン アクターズ スタジオ第1期生日程:2025年3月中下旬(予定)場所:Bunkamuraシアターコクーン公式サイト:
2024年04月11日●さまざまな問題で大きく揺れたエンタメ業界に危機感エンターテインメントや政治・社会問題などについて自身の考えを述べ、その発言がたびたび注目を集めている音楽プロデューサー・松尾潔氏。2023年、旧ジャニーズ事務所や宝塚歌劇団の問題などで大きく揺れたエンタメ業界に危機感を抱き、クリーンな世界に変えていくために今、膿を全部出しきるべきだと考えている。「大好きな音楽の仕事を続けていくためにも、クリーンな世界にしていきたい」。松尾氏に今の思いを聞いた。昨年、旧ジャニーズ事務所(現SMILE-UP.)の創業者・故ジャニー喜多川氏による性加害問題について、疑惑を放置するべきではないと、いち早く声を上げた松尾氏。今年1月には、日刊ゲンダイでの連載「メロウな木曜日」、RKBラジオ『田畑竜介Grooooow Up』での発言に加え、今の自身の思いを書き下ろした著書『おれの歌を止めるなジャニーズ問題とエンターテインメントの未来』を出版。「1冊の本にして世の中に対して提言とか問題提起ができたら」と思いを明かす。昨年はエンタメ業界のさまざまな問題が明るみに。松尾氏は「エンターテインメントの未来を考えるにあたって、2023年はのちのち大きな節目と言われるんじゃないかという実感がありました」と語る。「ジャニーズ、宝塚、歌舞伎など、エンターテインメントの老舗が抱えていた非常に根の深い問題……セクシャルハラスメントやパワーハラスメントといったハラスメントが顕在化し、表に出たときにはかなり根腐れを起こしていた。似たようなことがいろんなところで起こっているのではないかと想像するのは自然なことですよね」そして、「ジャニーズも宝塚も歌舞伎も別の話なのでそれぞれ検証しなきゃいけない」とするも、「問題の構図はどこか似ているところがある」と感じているという。「エンターテインメントは文化ですがビジネスでもある。利潤追求を優先するあまり、モラルやマナーをないがしろにしたのではないかなというのが、すべての問題に共通しているように思います。さらにもっと言うと、その根本にあるこの国の在り方……政治や経済にも目を向けて正すべきところは正していかないといけないと思います」○誰もが自由に意見を言える社会に変わらなければいけないまた、何か疑問を感じたときに誰もが意見を言える社会に変わらなければいけないと、その必要性を強調する。「おかしいと思っても口に出せない空気があるからこそ、何か問題があっても表に出なかったり、なかなか問題が解決できないのではないかなと。我々は今、そういう反省をしなければいけないと思っています」自身も、ゆるくではあるが同調圧力のようなものを感じることがあったという。「『いいエンタメとは、いいショービジネスとはこういうものである』『こういうときはこうするべき。空気を読めよ』というような同調圧力が、ギュッと締め付けるのではなくふわっとした感じで、そういった空気が蔓延している気がします」日本を代表するアーティストの楽曲を手掛けてきた松尾氏だからこそ、関わってきたアーティストへの影響も考えざるを得ない。「2015年の安保法制のときに、デモに参加したミュージシャンの方もいました。僕は日本のエンタメのど真ん中にいる人たちと仕事をしているので、例えば僕がそういったデモに参加したり、業界や社会に関して何かアクションを起こすと、その人たちに迷惑がかかるのではないかと。そういう思いをずっと抱えていました」だが、ジャニー喜多川氏の性加害問題が明るみに出て、「これは声を上げなければいけない」という思いに。「この問題の本質は人権蹂躙であり、被害を受けているのが子供、もしくは、かつて子供だった大人たち。僕は特別正義感が強いわけでもないですが、これはあり得ないと思ったんです」そして、音楽を愛しているからこそ、クリーンな業界にしていきたいという思いがある。「おかしいと思うことを放置し、視界が曇ってしまうのが嫌なので、最初は手動のワイパーかもしれませんが、一生懸命、視界をクリアにしていきたいなと。ハラスメントのない労働環境であるべきだし、人権が尊重されるべき。せっかく楽しいと思える音楽の仕事ができているので、長く続けるためにも健全化させていきたいという思いです」だが一連の発言がきっかけとなって、スマイルカンパニーとの業務委託契約が終了となり、昨年7月に公式Xで「私がメディアでジャニーズ事務所と藤島ジュリー景子社長に言及したのが理由です」と報告した松尾氏。契約終了は全くの想定外だったと振り返る。「ジャニーズ事務所とスマイルカンパニーの関係が近いとはいえ、まさかこの件で契約終了になるとは思ってなかったので本当にびっくりしました。むしろ賛同してくれると思っていて、山下達郎さん(スマイルカンパニー所属)も『よく言った』と言ってくれるかなと。おめでたいんでしょうね、僕は……」●僕の声の上げ方が間違っていたのかなと自問自答することも2023年をきっかけに声を上げやすい社会に変わっていくことに期待を寄せる松尾氏だが、そう簡単には変わらないということも痛感。「ジャニーズ問題に関して僕は、ジャーナリストという立場ではなく、エンタメ業界の内部から最初に声を上げた人になると思っていました。でも続けて発言される方があまりいなくて」と語る。続けて、「僕の声の上げ方が間違っていたのかなと自問自答するときもあります」と吐露する松尾氏。「松尾みたいに声を上げるといろんな不利益を被ると感じてしまって、僕が声を上げたばかりに逆にみんなの警戒心を高めることになってしまったのだとしたら、それは全く僕の意図するところではないので。みんなで声を上げようよと言いたいですが、なかなか……。この本を『読みましたよ』と言ってくれる方は業界の内外問わず多いのですが、『僕もSNSで発言します』とおっしゃる方は少なくとも業界内からは出てこないですね。僕のペンの力が弱いのかな」さらに、「皆さん『生活もあるし』と言いますが、本質的な意味での豊かな生活を考えたら発言したほうがいいと思うんです。僕はこの数年、特にこの1年、すごく心豊かに過ごせているので」と力説。想定外の展開にはなったものの、言うべきことを言ったことで「心の豊かさを失わずに済んでいる」と語る。「僕はもともとメロウなR&Bが好きで、柔らかなラブソングをたくさん作ってきました。その柔らかさを守るためにも、言うべきところではハードエッジなことも言わなきゃいけないんだなと感じています」目指すは、純粋に音楽が好きな人たちが、権力などによって嫌な思いをすることなく、好きな音楽を届けられる世界。そして、音楽を生み出す人自身の人権意識も十分でなければ、その音楽も台無しになってしまうと松尾氏は言う。「もちろん、聖人君子であれとまで求めるつもりはありません。ただ、せっかく弱者への眼差しを音楽などで表現しても、その人自身がそういうことを大切にしていなかったら、表現は著しく説得力を欠いてしまう。どんなに生み出しているものが素晴らしくても、その人がそうでなければ響かないというシビアさはあると思います」○「ラブソングを作り続けたい」 音楽プロデューサーのやりがいも語る音楽業界、そしてエンタメの未来を思って行動を起こした松尾氏。「この半年ぐらい『松尾さん出馬するんですか?』とよく聞かれますが、全くそんなこと考えていませんよ」と笑う。「政治や社会について話すと、すぐそういう風に思う方がいますが、皆さん政治や社会というものを神棚に置きすぎだと思います。全部地続きの発言ですよ。エンタメのことも政治のことも同じ口で言っていいじゃないですか」ちなみに、子供の頃から好奇心旺盛だったそうで、「何でも分解したい子供で、父親の腕時計をバラバラにして大目玉を食らったことも(笑)。好奇心や探求心はあるほうだと思うので、いろんなことが気になるというのが根底にあるのかもしれません」と自己分析する。今後について尋ねると「ラブソングを作り続けたい」と願う。「ポップミュージックを大きく2つに分けるならば、ラブソングかライフミュージックだと思っていて、人生の素晴らしさや人の優しさを歌ったものがライフミュージックだとすると、さまざまな恋愛について歌ったものがラブソング。ですが、恋愛はポップミュージックの尺だと2人ないしは3人ぐらいの中での人間関係を濃密に描いたものであり、優れたラブソングはそれ自体がライフミュージックにもなると思っているので、僕はラブソングという多機能性を備えた形態を好んでいるのだと思います」そして、「自分で歌うことに強い興味はなく、優れた歌唱力を持っている歌手、魅力的な声の持ち主に、僕がデッサンした絵を色付けしてもらうという作業が大好きなんです。作ったものがいろんな人の手に渡って価値が高まっていくのもうれしいですし、物語の起点に立って展開を見守ることを楽しんできました」と音楽プロデューサーのやりがいを語る。さらに、「僕には子供がいますが、父親が変な仕事をしていると思われたくないという気持ちもあるんです」と思いを告白。「子供がエンターテインメントの世界を目指したいと言ったときに、『それだけはやめておけ』とは言いたくない。素晴らしいことを仕事に選んでいるのだと、胸を張っていられる世界にしたいと思っているので、そのためにできることをやっていきたいと思います」と力を込めた。■松尾潔1968年1月4日生まれ、福岡県福岡市出身の音楽プロデューサー、作詞家、作曲家。早稲田大学卒業。SPEED、MISIA、宇多田ヒカルのデビューにブレーンとして参加。その後、プロデューサー、ソングライターとして、平井堅、CHEMISTRY、東方神起、三代目J SOUL BROTHERS、JUJU等を成功に導く。これまで提供した楽曲の累計セールス枚数は3000万枚を超す。日本レコード大賞「大賞」(EXILE「Ti Amo」)など受賞歴多数。
2024年03月31日歌手の赤西仁が24日、自身のInstagramを更新し、SixTONES・京本大我との2ショットを披露した。「Lunch with Taiga」とコメントを添えて、京本との2ショット写真を投稿した赤西。ソファ席で並んで座った2人はピースサインを決めており、とてもリラックスした雰囲気だ。一方の京本も同日、自身のX(Twitter)で「今日は仁くんとランチ~」「実は数年前から仲良くさせてもらってます」と明かし、赤西との仲睦まじい2ショットを公開。赤西は2006年にKAT-TUNのメンバーとして鮮烈なデビューを果たし、破竹の勢いでブレイクするも、2010年に同グループを脱退。その後はソロ活動に専念し、海外に移住するなどしていたが、数年前から両者の間で交流があったようだ。こうした投稿にファンからは、「仁×きょも!? マジで!?!?」「大好きな2人が一緒にいる奇跡です」「最高すぎて発狂した」「どうやって2人が繋がったのか知りたい」「ほんまに声出たって」「もうこれコラボ曲出してほしい」「なんだこの世界は!!」「青春と青春」「とんでもない2ショットが世に放たれた」「この2人が並ぶことがあるなんて」「びっくりし過ぎて息止まるかと思いました」「やっとこの日が…最高すぎる」「やばい生きてて良かった」「じんきょもなんて最強すぎない?」「いいねを1回しか押せないのを初めて悔やんでる」「嘘みたいな2ショット」「驚きすぎてむせた笑」「夢?? これ夢??」「推し×推しが…画面が割れる」「これは新時代だ」など驚きと歓喜の声が寄せられている。
2024年03月27日お笑いコンビ・チョコレートプラネット(長田庄平、松尾駿)が13日、神奈川・KOSE新横浜スケートセンターで行われた映画『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』(3月29日公開)の極寒レッドカーペットイベントに出席した。『ゴーストバスターズ』シリーズ最新作となる本作の舞台は、太陽が降り注ぐ真夏のニューヨーク。すべてを一瞬で凍らせる史上最強ゴースト“ガラッカ”の襲来で、ニューヨークに史上最大の危機が訪れる。本作の世界観を再現するために、アイススケートリンクという異例の会場でイベントを開催。日本では初の試みとなるスケートリンク上のレッドカーペットが出現し、吹き替え声優を務めた上白石萌歌、チョコレートプラネット(長田庄平、松尾駿)、本田真凜が出席した。長田はゴーストバスターズ仕様のつなぎ衣装を着用。松尾は『ゴーストバスターズ』シリーズの象徴である“ノーゴースト”マークのコスプレで登場した。松尾は2022年に行われた前作『ゴーストバスターズ/アフターライフ』のイベントでも“ノーゴースト”マークのコスプレを披露しており、「まさかもう1回できると思わなかったです。うれしいです」と喜び、「今回は、ばってんのところが凍っています。特別仕様です」と本作バージョンになっていることをアピールした。長田は、ゴースト研究所で働くエリート研究員役を担当。松尾が演じたキャラクターは、劇場公開までシークレットということで、「何の役かはまだ言えないんです。見てからのお楽しみということで」と話していた。
2024年03月13日2024年4月に開講する、Bunkamura主催の演劇の学び場『コクーン アクターズ スタジオ』。Bunkamuraシアターコクーン芸術監督の松尾スズキをはじめとした7名の常任講師によるレッスンの他に、豪華なゲスト講師を迎えた多彩なジャンルの〈特別ワークショップ〉が行われる。演劇に関わる各ジャンルのエキスパートを講師として迎え、発声や身体表現、台本の読み解き方などを学ぶ基礎授業と創作・発表の実践を組み合わせたカリキュラムで多種多様なスキルを磨く場を創出する本企画では、1年間の成長を発揮する場として、2025年3月に有観客の発表公演を予定されているほか、受講生には、コクーンプロデュース公演の制作現場を見学、さらには出演するチャンスが待っている。昨年12月のゲスト講師第一弾発表では、井上芳雄、鵜山仁、黒田育世、茂山逸平、友枝雄人(五十音順)の5名が名を連ねたが、この度、岩崎う大(かもめんたる)、大根仁、JAE(ジャパンアクションエンタープライズ)が追加講師として発表された。岩崎う大は、キングオブコント2013のチャンピオンであり、芸人の枠にとらわれず舞台の作・演出や漫画家としても活躍中の劇団かもめんたる主宰。岩崎う大大根仁は、映画監督デビュー作である『モテキ』にて日本アカデミー賞を受賞、シアターコクーンでは『マシーン日記』(2021年/作・松尾スズキ)の演出を務めるなど、映像・舞台など多くの話題作を手掛けてきた。大根仁JAEからは、数々の映画・テレビ・舞台などで殺陣やアクションの指導を行ってきた、現役で活躍中のアクションディレクターが参加する。総勢8名のバラエティ豊かなゲスト講師により、俳優として様々な現場で役立つスキルを学ぶ。JAE常任講師およびゲスト講師による授業レポートなども随時公開予定となっており、2025年3月には第1期生による有観客の発表公演をシアターコクーンにて実施予定。今後の『コクーン アクターズ スタジオ』の動向にぜひ注目したい。■第一弾発表のゲスト講師(五十音順)ミュージカルのみならずストレートプレイや映像作品などで俳優として数多くの作品に出演する井上芳雄井上芳雄芸術選奨文部科学大臣賞、読売演劇大賞最優秀演出家賞などの数々の賞を受賞、舞台芸術学院学長を務める演出家の鵜山仁鵜山仁アターコクーンで2023年3月に上演した再演譚vol.2『波と暮らして』『ラストパイ』が記憶に新しい、日本のコンテンポラリーダンス界を代表する黒田育世黒田育世古典はもちろん映画やテレビドラマなど現代劇でも活躍しながら、狂言と他ジャンルの数々のコラボレーションを手掛ける能楽師狂言方大蔵流の茂山逸平茂山逸平次世代の若手能楽師にスポットをあてた『渋谷能』に立ち上げ時から携わる、能楽師シテ方喜多流の友枝雄人友枝雄人<開催情報>COCOON PRODUCTION『コクーン アクターズ スタジオ』【常任講師】主任:松尾スズキ演技基礎:杉原邦生、オクイシュージ、ノゾエ征爾日本舞踊・所作:藤間貴雅ダンス:振付稼業air:man発声・歌唱:蔵田みどり【特別ワークショップ ゲスト講師】(50音順)井上芳雄、岩崎う大、鵜山仁、大根仁、黒田育世、JAE、茂山逸平、友枝雄人詳細はこちら:
2024年03月08日ゲームは、子供が大好きな娯楽の1つ。寝食を忘れて熱中した思い出がある人は少なくないでしょう。とはいえ、親からすれば子供がゲームに没頭しすぎていると心配なもの。昨今では、子供のゲーム時間を親が管理できるよう、制限を設けることが可能な場合があります。片桐仁の息子がサンタに叶えてほしい『願い事』2児の父親である、俳優の片桐仁さんが2023年12月24日にX(Twitter)を更新。子供がサンタクロースに向けて書いた、お願いを公開しました。ホワイトボードに貼られた紙に、つづられていた言葉にご注目ください!サンタさんへ原神とSWITCHの制限解除お願いします。@JinKatagiri_nowーより引用サンタさんに頼むことかよ #クリスマス pic.twitter.com/CtAv6TK6TG — 片桐仁なう (@JinKatagiri_now) December 24, 2023 片桐さん宅では、ロールプレイングゲーム『原神』と、ゲーム機『Nintendo Switch』に時間制限を設定しているのでしょう。「ゲームを思う存分やりたい」という想いから、子供は制限解除をお願いしたのです!サンタクロースなら、なんでも叶えられると信じている…と見せかけて、本当は『正体』に気付いてのお願いかもしれません。プレゼントとして、何かしらの物を欲しがるのとは違ったお願いに、多くの人が吹き出しました。・大変だ!『正体』がバレているじゃないですか!・これは、すべてを理解した上でのお願いですね。・クリスマスだけ解除してあげて!・笑った。我が家も子供が小6の時に頼まれました!・ゲームが好きな人の切実なお願いだ。はたして、片桐家を訪れたサンタクロースは願いを叶えてくれたのでしょうか。どちらであったにせよ、クリスマス当日は笑顔があふれているといいですね![文・構成/grape編集部]
2023年12月25日アイドルグループ・乃木坂46の阪口珠美、佐藤楓、松尾美佑が、発売中のマンガ誌『週刊ヤングマガジン』(講談社)第2号のグラビアに登場している。阪口は2001年11月10日生まれ、東京都出身。佐藤は1998年3月23日生まれ、愛知県出身。松尾は2004年1月3日生まれ、千葉県出身。阪口と佐藤は乃木坂46の3期生、松尾は4期生として活躍している。グラビアでは、初の組み合わせの3人が姉妹感溢れる仲良しな空気で登場。キュートな撮り下ろしでタンクトップ+ショートパンツなど、ラフな姿も見せた。
2023年12月15日12月13日、お笑いコンビ「チョコレートプラネット」が自身のYouTubeチャンネルに動画を投稿した。そこで、松尾駿(41)が大腸の病気である、大腸憩室炎になったと明かし、話題となっている。冒頭で「いや、ちょっと……。憩室炎っていう、聞いたことないやつになりまして」と切り出した松尾。「何か腹痛くってさ。下っ腹みたいなところが。で、『何だろう』と思って病院に行ったんだけど。近所の。『何かよくわかんないですね。尿管結石ではないです』みたいな。それで家帰って、まだ痛くて。ちょっと大きい病院行ってみようと思って、夜行ってみたら、憩室炎って……」と診断されるまでの経緯を明かした。憩室炎について松尾は「大腸に穴があるんだって。部屋みたいな。で、便とかが詰まったりして、細菌とかが入って、炎症を起こして『イタタタタ』っていう……」と説明。そして、痛み止めの点滴を打ったと語った。すると相方の長田庄平(43)は「40過ぎたらさ、本当に明確な病気が出てくるよね、やっぱり」とコメント。松尾は「本当に言われた。『これは40超えたら急に出てくるやつです』って。それになって。で、今何にも食えない」と嘆くと、長田は笑った。「40過ぎると明確に病気になる」と繰り返す長田に、松尾は「これを機にちゃんとしようと思っている」と宣言。しかし、長田は「って思うじゃん?でも、結局できないんだよ。俺も40を分岐で、やっぱり『ちゃんとしないとな』って思ったけど、結局堕落していっちゃうんだよ。だるいから。しんどいから」と念を押すと、松尾は「けど、俺は今回ちゃんとする」と返答。そして「お菓子とかをなるべく食べないようにする」というと、長田やスタッフから笑い声が漏れた。また松尾が「あと運動不足もあるって言われた。だから、なるべく動く」「本当に何かをちゃんとしないと」と話すと、2人は“食べすぎに注意する”という結論に至った。しかし、「美味しいものが増えるよ、年末」「無理です、この仕事している限りは」と長田が言うと、松尾は「この間、ウンチ漏らしそうになるくらい食っちゃったんだよなぁ」と明かした。動画のコメント欄では《お2人とも身体大事にして下さいね…》《お二人ともお忙しいし、身体にだけは気をつけて!》《チョコプラには元気に長生きしてもらわないと困るよ!!》との声が相次ぐことに。ファンは2人の“健康第一”を願っている。
2023年12月14日松尾スズキ初の個展、生誕60周年記念 art show「松尾スズキの芸術ぽぽぽい」が開幕し、特別内覧会に宮藤官九郎、阿部サダヲ、皆川猿時、荒川良々、宮崎吐夢、平岩紙らが来場した。演劇、文筆、俳優業など、様々な分野で多くの作品を世に送り出してきた松尾スズキが、生誕60年の節目に初の個展を開催する。若いころ絵を学んでいた松尾が、そもそもの原点に立ち返り、“アート”という分野だからこそ見えてくるアクロバティックな世界、ここでしか出会えない松尾の「マンガとアートの間の揺らぎ」を堪能できる。会場内の音声ガイドは、松尾スズキと吉田羊がナビゲートする。また、個展に合わせて豪華イベントも開催。12月11日(月)・12(火) には10年前、50歳で挑戦した伝説のひとり芝居『生きちゃってどうすんだ』上映+スペシャルトークを開催。日替わりトークゲストには、宮藤官九郎、江口のりこが参加する。12月13日(水)~15日(金) の3日間は「松尾スズキトークセッション〜生きちゃってどうしよう60〜」と題して、松尾スズキと同い年の片桐はいり、ケラリーノ・サンドロヴィッチを迎えて、お互いの歴史について語り、歌も披露する。ラスト15日(金) は、司会・皆川猿時、立会人・池津祥子、伊勢志摩と共に、劇団員が選ぶ今まで松尾の身にふりかかった10大事件を振り返る。<ご挨拶>■松尾スズキコロナ禍で描いた作品の個展を開催することになりました。正直死にそうです。大人計画でイベントをやると大概死にそうになるんですが、なぜ同じ轍を踏みたがるのか……大人計画はバカなんだなと思います。(笑)みなさんどうぞ楽しんでください。<コメント>■宮藤官九郎「あきらかに」最初に見た時に気持ち悪くて、こんな絵ばっかりかと思ったら、意外とこれが一番気持ち悪かったので選びました。(個展を見て)松尾さんの作るお芝居の原型というか、今日見た絵のような演技は実際にはできないから松尾さんは絵で表現するんだろうなと。松尾さんの頭の中で思い描いているお芝居の理想型がこれだとしたら俺らは無理だなと思いました。(笑)■阿部サダヲ「矢印小僧」本格的な個展でびっくりしました!ホワイエにある『ツダマンの世界』の時の屏風の絵がけっこう好きで、松尾さんの絵っておもしろいな、と思っていたんです。お気に入りの一枚は「矢印小僧」。赤い矢印のイヤリングと「矢印良品」(笑)センスが流石です。松尾さん、ぜひ原画売って下さい!!■皆川猿時「エイジ」まさか菅原永二だと思わなくてびっくりしました。(笑)外国の俳優みたいで、単純に絵がかっこよくて、松尾さんの詩も面白かったです。松尾さんのことを知っているからか、余計に松尾さんの頭の中がわからなくなってきました。底知れない人だな、自分の中で松尾スズキっていう人は「わからない」で認識されました。■荒川良々「赤ちゃん雲」ちっちゃくてイイなと思って選びました。松尾さんの個展は好きな絵がたくさんあって、すごい才能の塊でした。■宮崎吐夢「あめのりょう」個展を通して、どの絵も素晴らしかったですが、わたしが選んだのはロンドンブーツの亮さんが雨に打たれて土砂降りになっている「あめのりょう」という作品です。自分もいつ何があるかわかりません。土砂降りの雨に降られたりするようなことがあっても、いつか晴れる日をゆめみて生きていかなければなという気持ちになりました。■平岩紙「あきらかに」もし松尾さんに出会わずにこの個展に来ていたら「わたしの好きな芸術家を見つけた!」と思うだろうなと感じました。好きな作品がたくさん出てきたのですが、最終的に私が好きな作品は「あきらかに」です。タイトルと一緒に書かれている詩もすてきですし、作品を見ながら、唇が真っ青というのが自分が小学校の時にプール入っていたときを思い出しました(笑)。<開催情報>個展「松尾スズキの芸術ぽぽぽい」「松尾スズキの芸術ぽぽぽい」ビジュアル12月8日(金)〜15日(金) 東京・スパイラルホール(スパイラル3F)開催時間:11:00〜17:00※12月8日(金) は13:00〜20:00※12月9日(土)・10日(日) は11:00〜20:00【チケット料金】■前売入場券:1,900円音声ガイド付入場券:2,500円未就学児童:無料(日時指定予約必要)■当日入場券:2,000円■音声ガイド松尾スズキ自身がナビゲートいたします。会場料金:700円チケットはこちら:松尾スズキ50歳、伝説のひとり芝居「生きちゃってどうすんだ」上映+スペシャルトーク12月11日(月)・12日(火) 東京・スパイラルホール(スパイラル3F)18:30 開場 / 19:00 開演【チケット料金】価格:3,800円(全席指定)【トーク出演】松尾スズキ(両日共)司会:上田智子■トークゲスト12月11日(月):江口のりこ12月12日(火):宮藤官九郎【上映作品】「生きちゃってどうすんだ」(2012年 ザ・スズナリ)作・演出:松尾スズキ、天久聖一出演:松尾スズキ映像出演:宮藤官九郎、池津祥子、伊勢志摩、宍戸美和公、阿部サダヲ、宮崎吐夢、猫背椿、皆川猿時、村杉蝉之介、田村たがめ、荒川良々、近藤公園、平岩紙、少路勇介、新井亜樹声の出演:顔田顔彦、宮崎吐夢、星野源「松尾スズキトークセッション〜生きちゃってどうしよう60〜」12月13日(水)〜15日(金) 東京・スパイラルホール(スパイラル3F)18:30 開場 / 19:00 開演【チケット料金】価格:7,500円(全席指定)【12月13日(水)】『松尾✕はいり 彼女はもぎり続けた。男はそれをただ見ていた』出演:松尾スズキ、片桐はいり司会:皆川猿時、猫背椿演奏:門司肇(Pf)、河村博司(G)【12月14日(木)】『松尾✕KERA 電気ロッカーは、スピーカーに足を乗せる夢を見る』出演:松尾スズキ、ケラリーノ・サンドロヴィッチ司会:皆川猿時、猫背椿演奏:門司肇(Pf)、河村博司(G)【12月15日(金)】『「告白、ハンパしちゃってごめん!」劇団員が選ぶ、松尾スズキの10大事件簿』出演:松尾スズキ、池津祥子、伊勢志摩 ほか司会:皆川猿時演奏:門司肇(Pf)、河村博司(G)特設HP:
2023年12月08日舞台や映画、小説、コントなど、あらゆる分野で独自の世界観を生み出している松尾スズキさん。還暦を機に人生初の個展を開く。その名も「生誕60周年記念art show『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』」。わかりやすいものを描いたら負け(笑)。ポエムも添えました。「コロナ禍で時間が空いてしまった時に、部屋に飾る絵が欲しいなとキャンバスに描き始めたんです」小さい頃から絵が好きで漫画家を目指した時期もあり、美大のデザイン科に進学した。表現のスタートは絵なのだが、演劇の道に進んでから、仕事を離れ、純粋に作品を描いたのは久々の体験だった。「数年前からiPadで描くことを覚えて、連載しているメールマガジンにイラストを発表したりしていました。そして、自分は絵を描くのが好きだったと思い出したんです。ただ、アクリル絵の具で描きだしてからは、デジタルで描こうという気にならなくなってしまって」iPadと、紙やキャンバスに描くのでは肉体的な感覚が全く異なる。「紙の上にペンを走らせる時のカリカリカリというASMR的な気持ちよさ(笑)。はみ出さずに色を塗れた快感や、パレットと紙の上に載せた色が変わって見える驚き。アナログの『失敗できない』という緊張感は、舞台と似ているところがあるのかもしれません」還暦のイベントとして展示するのはどうか、とスタッフの発案で本展の開催が決まった。2年間ひたすら描き続け、大小合わせて約250点以上の作品が展示される。描く中で気づいたのは、背景よりもキャラクターを描きたいということだった。「『シン・ヒョットコ』のフォルムを見つけた時は興奮しました」花瓶のような輪郭の「シン・ヒョットコ」や、ぶ厚い唇の怪獣(?)「トゲくちびる」など、独自のキャラクターがたびたび登場する。「モンスターのモチーフは多いですね。勝手に頭の中で、松尾の中のアベンジャーズがポーズを決めている感じ(笑)。僕自身、俳優としても動いていたいタイプなので、絵の中でも普通には立たせたくないんです」横尾忠則さんや岡本太郎さんの作品に惹かれるという松尾さん。「描かずにいられなかったんだろうと思わせる、己が出ている作品が好きですね。わかりやすいものを描いたら負けだなと思って(笑)」ただ、意識しているのは「どこか可愛げのある絵」。ポップな色調の自画像や屏風のようなものなど、作品もバラエティに富んでいる。また、本展では作品ごとにポエムのような小さな文章を添えるらしい。「読み物としても楽しんでもらえたらと、図録にも全て収録します。めちゃくちゃ大変でしたが、自分はやっぱり言葉の人間でもあるのだなと思いました」豪華ゲストを迎えたトークセッションのほかに、映像や立体作品なども展示する。自ら台本を書き、吉田羊さんとのかけ合いで構成する本人による音声ガイドは必聴だ。タイミングが合えば、会場で松尾さん本人に会えるかも?人を楽しませることにこだわってきた松尾さんらしいart showになる予感。「花とおじさん」アクリル/キャンバスボード 横240mm×縦300mm「トゲくちびる・発射」アクリル/画用紙横242mm×縦350mmまつお・すずき1962年、福岡県生まれ。作家、演出家、俳優。’88年に大人計画を旗揚げ。2020年よりBunkamuraシアターコクーン芸術監督、’23年より京都芸術大学舞台芸術研究センター教授に就任。著書に『人生の謎について』『矢印』『ツダマンの世界』など。「生誕60周年記念art show『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』」絵と作品に添えた文章、音声ガイドの情報から想像を膨らませて、立体的に楽しんでほしい、と松尾さん。作家の脳内探索ができるような展示を目指している。作品の複製画(ジグレー)、銅版画(エッチング)をサイン入りで販売するほか、Tシャツやクリアファイル、豆皿などグッズ展開もある。スパイラルホール(スパイラル3F)東京都港区南青山5‐6‐2312月8日(金)~15日(金)11時~17時(8日は13時~20時、9・10日は11時~20時)。日時指定予約制。前売り1900円ほか。松尾スズキさん本人による音声ガイド付き入場券も。当日券あり。大人計画 TEL:03・3327・4312(平日11時~19時)※『anan』2023年12月6日号より。写真・小笠原真紀インタビュー、文・黒瀬朋子(by anan編集部)
2023年12月03日東京・六本木の21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3で、吉岡徳仁の4年ぶりとなる展覧会「吉岡徳仁 FLAME − ガラスのトーチとモニュメント」を開催しています。Photo: Masaru Furuyaデザインや建築、アートの領域で国際的に活動する吉岡徳仁。形の概念を超える「光」を素材とし、透明感のある独自の表現で作品を生み出してきました。TOKYO 2020オリンピックでは、桜をモチーフにした「聖火リレートーチ」のデザインが大きな話題となりました。本展では、炎から放たれる「光」に着目し、新作「ガラスのトーチ」と「炎のモニュメント−ガラスの炬火台」を発表。世界でも類を見ない、透明なガラスの造形から生み出された、このトーチとモニュメントは、2024年に開催される、国民スポーツ大会(旧国体)SAGA2024のセレモニーに向けて制作されたものです。また、吉岡の代表作であるガラスのベンチ「Water Block」をはじめ、MIYAKE DESIGN STUDIOが炎を灯すセレモニーのために手がけた衣服が展示されるほか、会期中には、屋外に設置された「炎のモニュメント−ガラスの炬火台」に火を灯す特別なイベントが開催されます。Photo: Masaru Furuya■展覧会情報展覧会:吉岡徳仁 FLAME − ガラスのトーチとモニュメント会期:2023年9月14日(木)〜11月5日(日)会場:21_21 DESIGN SIGHTギャラリー3開館時間:10:00 - 19:00(最終入場18:50) 休館日:火曜日 入場料:無料お問い合わせ:TOKUJIN YOSHIOKA + TYD 03-6455-3576 www.tokujin.com主催: TOKUJIN YOSHIOKA + TYD特別協力: 株式会社 三宅デザイン事務所、株式会社 イッセイミヤケ後援: SAGA2024実行委員会協力: 東京ミッドタウン、株式会社 遠藤照明、株式会社 ヤマハミュージックジャパン■特別イベント吉岡徳仁により、「炎のモニュメント−ガラスの炬火台」に火が灯されます。● 2023年10月7日(土)17:00〜18:00 *終了● 2023年10月28日(土)16:30〜17:30(17:00頃 点火)● 2023年11月3日(金・祝)16:30~17:30(17:00頃 点火)※雨天・強風など、悪天候が想定される場合には中止となります。※イベントの開催については、変更される可能性がございますので、事前に下記のサイトにてご確認をお願いします。■アクセス東京ミッドタウン ミッドタウン・ガーデン東京都港区赤坂 9-7-6Tel. 03-3475-2121都営地下鉄大江戸線「六本木」駅、東京メトロ日比谷線「六本木」駅、東京メトロ千代田線「乃木坂駅」より徒歩5分■ウェブサイト展覧会ウェブサイト:主催者ウェブサイト:※10/28更新(イベント開催 追加)
2023年10月28日作家、演出家、俳優、映画監督など、数々の作品でその異才ぶりを存分に発揮してきた松尾スズキ。そんな松尾が、“画家”として初の個展『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』を開催する。かつては漫画家をめざし、イラストレーターとしての顔も持つ松尾が、還暦を迎えて本気で挑むアートの世界。その気になる内容とは? 松尾に話を訊いた。一瞬で「わっ、カオス!」と感じるような物量を「松尾スズキの芸術ぽぽぽい」ビジュアル――初の個展開催を前にした正直なお気持ちは?正直な気持ちを言うと、(会場の)スパイラルホールのあの空間を埋めるにはまだ作品数が足りず、どんどんどんどん追い込まれていっている状態です(笑)。――(取材時点で)個展初日まで2か月半ほどですが、まだ制作中ということですか?まだまだ描きますね。小さいものを含めるとすでに100点くらいにはなっていますが、やっぱりクオリティが……(苦笑)。プロの画家に比べて若干自信がないので、物量で勝負しようと思っています。もともと自分の作風は“カオス”ってものをどう表現するか、みたいなところにあると思っていて、お客さんが会場に入った瞬間、「わっ、カオス!」と感じるような物量が欲しいなと。つまり全体を通して見るものだと思っているので、一枚一枚じっくりは見て欲しくないです(笑)。――スパイラルホールと言えば、2018年に開催した『30祭(SANJUSSAI)』の会場でもあります。あれは松尾さんと大人計画の30年を振り返る企画展でした。あの時も物量で勝負しましたけど(笑)、今回は単独行動ですからね。本当に戦々恐々っていうのが正直な気持ち。でもひとりの世界でやっていることなので、比較的ストレスは少ないですし、なにより絵を描くこと自体は好きなんです。――もともと漫画家をめざされていた松尾さんですが、改めてキャンバスに絵を描き始めたのはコロナ禍がきっかけだそうですね。濃厚接触者になってしまい、部屋からも出られないような日々が続いたんです。その時に、「自分のリビングはなんて殺風景なんだ」と思って。絵のひとつも飾りたいけれど、その絵を選びに行くことも出来ない。じゃあ自分で描こうと、昔買ってあったキャンバスを引きずり出してきて。そこには別の絵が描いてあったんですが、上から塗りつぶしちゃいました。リビングに飾るにはあまりにも稚拙な絵だったので(笑)。やっぱり自分のリビングに飾ると思うと、自然とハードルは上がりますよね。それで2枚、3枚と描くうちに、まとめて個展をやるのはどうだ? みたいな話になったんです。松尾さんがコロナ禍に最初に描いたという作品――絵の題材はどんなものが多いですか?描きたいのは一貫して“キャラクター”です。背景とか風景にはまったく興味がなくて、自分が書いた物語にまだ登場していないキャラクター、というイメージで描いています。日ごろ俳優を相手にしながら、どういうキャラクターを演じてもらったら面白くなるかってことばかり考えていますからね。もともと漫画家をめざしていたこともあり、僕の書く物語や演劇というのも、キャラクター重視なのだと思います。――1枚描くのにどれくらい時間がかかるものですか?それは作品の複雑さによるとしか言えませんが、最初のころに比べると、だいぶ時間をかけられなくなってきちゃいました。でもこの間、「横尾忠則 寒山百得」展を見に行ったら、横尾さん、2年で102枚描いたそうなんです。しかも100号。87歳でですよ。あれを見ると、僕がこんなことで音を上げている場合じゃないなと思います(苦笑)。濾(こ)しても濾しても残ってしまう部分に、“アート”はある――これまで描いてこられた漫画やイラストと、今回のような“アート”との違いはどんなところにあると思われますか?違いというか、自分が考えるアート的なものと、今まで自分が描いてきた漫画なり、イラストなり、エンターテインメント色の強いもの。その中間くらいにフワッとあるようなものにしたくて、今回『芸術ぽぽぽい』というタイトルをつけました。芸術“っぽい”だけだとちょっと寂しいので、もうふたつ「ぽ」をつけて(笑)。まぁ自分が今まで書いてきた芝居なり、小説なりというのも、完全にエンターテインメントになりきっていない部分があると思うんです。濾(こ)しても濾してもなんか残ってしまう部分に、“アート”っていうのはあるんじゃないかと。だから自分の芝居って、いわゆる明治座とかで観るような芝居に比べたら、分からない分アート系なんじゃないかと思ったりもするんです。それこそギャグはいっぱい入っていますけど。だから小説もギャグを抜いていたら芥川賞もとれたんじゃないか、ギャグが自分の行く手を邪魔しているんじゃないか。そんな自家中毒的な部分もあります(笑)。――ただギャグを抜いてしまったら、松尾さん作品ではなくなってしまいます。そうなんですよね。取ればいいものを足さずにはいられない部分が、アートなのかなって。自分の絵にしたって、やっぱりどこか笑わせようとしていますよね。ただ横尾さんの絵を見ても、結構ふざけているなと思うところはあって、そこがやっぱり素晴らしいと思います。――そういうところに人は惹きつけられるのかもしれませんね。ええ。特に僕の場合、かわいいものも嫌いではないですが、なんかちょっとグロテスクな部分も欲しくて。きっと自分がそういうふうに世の中を見ているんでしょうね。だから技術的にはちょっと足りない部分もあるかもしれませんが、「どういう眼差しで物事を見ているか」というところでは勝負出来るんじゃないかと思っています。やれることに限りが出てくる、切実な年代に入って――会場の音声ガイドも松尾さん自ら担当されます。それは見る人を戸惑わせようと思っていて……。――音声ガイドで、見る人を戸惑わせる……?(笑)だって解説するようなことないですもん。見る人の邪魔をすることしか考えていないですし、なんの手助けにもならないと思います(笑)。――それはそれで楽しみですが……。他にも個展をより楽しめるイベントが盛りだくさんですね。初の個展という特別感に、“還暦”というのをつけ足してもいいかなと思って。トークセッションのゲストのおふたり(片桐はいり、ケラリーノ・サンドロヴィッチ※以下KERA)は、ともに還暦。同じ年代を生きている人たちなので、これまでやってきたことを振り返ったり、これからどうしたい?みたいなことを話せたらいいなと思っています。やれることに限りが出てくる、切実な年代だと思うので。昔みたいに作品を乱発することも出来ないし、自ずとやりたいことに限りが出てくる。つまり年を重ねるって、方向性がどんどん定まっていくってことなんじゃないかと思います。――KERAさんは同じ作・演出家でもあり、まさに同志のような存在でもあるのでしょうか?それはありますよね。ふたりとも“異端”って物腰で演劇界に入ってきたわけですから。――そんなKERAさんも、2018年には紫綬褒章まで授章されて……。紫綬褒章(笑)。僕がもらえていないってことは、まだ僕は異端なのかもしれません(笑)。――「告白、ハンパしちゃってごめん!」では、皆川猿時さんを司会、池津祥子さん、伊勢志摩さんを立会人に、「劇団員が選ぶ、松尾スズキの10大事件簿」を発表されます。それも戦々恐々なんですよ。本当に空気を読まない人たちなんで(苦笑)。たぶんずーっと僕がフォローする側に回るんじゃないかと思います。若いころのこととかあまり僕は覚えていないんですが、あの人たちはものすごく覚えていて。……とにかく怖いです。――幅広く活躍されている松尾さんですが、還暦で迎えるこの個展を機に、「画家」という肩書が加わることになりそうですね。肩書が増えれば増えるほど、人間として薄まっていくような感じがしますけどね(笑)。でも僕の場合、このまま薄めていく方向でいいんじゃないかと思っています。取材・文:野上瑠美子撮影:You Ishii<公演情報>生誕60周年art show『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』2023年12月8日(金)〜12月15日(金)会場:東京・スパイラルホール(スパイラル3F)開催時間:11:00〜17:00※12月8日(金)は13:00〜20:00、12月9日(土)・10日(日)は11:00〜20:00※『松尾スズキトークセッション〜生きちゃってどうしよう60〜』同時開催。詳細は公式サイトにてご確認ください。チケット情報公式サイト
2023年10月06日12月8日(金) から15日(金) に東京・スパイラルホールで開催される松尾スズキの生誕60周年を記念した個展『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』の詳細が発表された。演劇、文筆、俳優業など、様々な分野で才能あふれる多くの作品を世に送り出してきた松尾。初の個展となる今回は、若いころに絵を学んでいた彼がそもそもの原点に立ち返り、“アート”という分野だからこそ見えてくるアクロバティックな世界を堪能することができる。また会場内の音声ガイドは、松尾自身がナビゲートする。さらに、個展に合わせたイベントの開催も決定。12月11日(月)、12日(火)には、10年前、50歳で挑戦した伝説のひとり芝居『生きちゃってどうすんだ』の上映とスペシャルトークを実施。日替わりトークゲストには、宮藤官九郎、江口のりこが参加する。12月13日(水) から15日(金)の3日間は、『松尾スズキトークセッション〜生きちゃってどうしよう60〜』と題して、松尾と同い年の片桐はいり(13日(水))、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(14日(木))を迎え、お互いの歴史について語るほか、歌唱を含むトークセッションを繰り広げる。そして15日(金) は、司会・皆川猿時、立会人・池津祥子、伊勢志摩とともに、劇団員が選ぶ今まで松尾の身にふりかかった10大事件を振り返る企画が実施される予定だ。■松尾スズキ コメントコロナ禍になって暇を持て余していたとき、20年ほど前にキャンバスに描いた中途半端な絵を部屋の隅に見つけ、暇つぶしにそれを完成させようと、ひさしぶりにアクリル絵の具を手にしたら、なぜだろう、止まらなくなって、次から次に絵を描き始めていました。まだ物語を持たない登場人物たちが、躍り出てはポーズを決めるのです。それを筆でなぞっている感覚です。最初は自宅に飾るつもりだったけど、もう、リビングに収まりきりません。だから、いっそ下手なりに、どこか小さなところで展示でもしようかなと思っていたら、なにかの拍子で気を失っている隙に、スパイラルホールでやることになっていました。びびりはしますが、せっかく作ったんだから見せたいという欲望。結局そこに立ち返っていくのだなと、痛感している松尾です。芸術と商売のはざまでのたうち回ってきた松尾の絵は、マンガと美術のはざまで謎のポーズを決めまくっています。<開催情報>個展『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』12月8日(金)~15日(金) 東京・スパイラルホール開催時間:11:00〜17:00※12月8日(金) は13:00〜20:00※12月9日(土)・10日(日) は11:00〜20:00前売チケット発売日:10月7日(土) 10:00~<イベント情報>松尾スズキ50歳、伝説のひとり芝居『生きちゃってどうすんだ』上映+スペシャルトーク12月11日(月)・12日(火) 東京・スパイラルホール開場18:30 / 開演19:00【トーク出演】松尾スズキ(両日共)【トークゲスト】12月11日(月):江口のりこ12月12日(火):宮藤官九郎【司会】上田智子前売チケット発売日:10月7日(土) 10:00~松尾スズキトークセッション〜生きちゃってどうしよう60〜12月13日(水)~15日(金) 東京・スパイラルホール開場18:30 / 開演19:00■12月13日(水) 『松尾✕はいり彼女はもぎり続けた。男はそれをただ見ていた』出演:松尾スズキ、片桐はいり司会:皆川猿時、猫背椿演奏:門司肇(Pf)、河村博司(Gt)■12月14日(木) 『松尾✕KERA電気ロッカーは、スピーカーに足を乗せる夢を見る』出演:松尾スズキ、ケラリーノ・サンドロヴィッチ司会:皆川猿時、猫背椿演奏:門司肇(Pf)、河村博司(Gt)■12月15日(金) 『「告白、ハンパしちゃってごめん!」劇団員が選ぶ、松尾スズキの10大事件簿』立会人:池津祥子、伊勢志摩出演:松尾スズキ、池津祥子、伊勢志摩 ほか司会:皆川猿時演奏:門司肇(Pf)、河村博司(Gt)前売チケット発売日:10月7日(土) 10:00~特設サイト:
2023年07月27日お笑いコンビ・チョコレートプラネット(松尾駿、長田庄平)が15日、全国7都市をめぐる単独ライブ「CHOCOLATE PLANET LIVE TOUR 2023『PLANET TRAIN』」を、東京・博品館劇場からスタートさせた。本ライブは、人気劇団・ヨーロッパ企画の諏訪雅を演出に迎えたコント劇。満員の客席から大きな拍手が起こる中、サラリーマン姿で登場した長田。コント「開かずの踏切」が始まると、仙人のような格好の松尾が登場し「20年踏切が開くのを待っている」と発言する。そこから言葉と動きで魅せるテンポの良いやり取りに、会場は大いに沸く。コントが終わるとアニメーション映像に。「PLANET TRAIN」というツアータイトルにちなんで、未来都市を走る列車の座席に隣同士で座る長田と松尾が、漫才のような掛け合いで次の駅(コント)へと誘導する映像はとてもスタイリッシュだ。お次のコントは「偏食」。長田の家に遊びに来た松尾が「お腹が空いた」ということで、長田が料理を振る舞うことになるが……。続くコントは「ラスボス」。そして「爆弾処理」。どちらも一筋縄ではいかないストーリーラインと、長田、松尾の絶妙な掛け合いと間によって、会場は大盛り上がり。特に30秒で爆弾を処理しなければならないというシチュエーションのなか、タイムリミットをネタにしたストーリーに、大きな笑い声が響き渡った。また松尾が町中華の店主、長田がお笑い芸人の客となったコント「赤字覚悟でやってます」は、テンポの良い会話のやり取りが行われるなか、ラストはまさかの展開。客席からは悲鳴に近いような笑い声が上がっていた。コント「新曲」では、熱血ボーカリストの長田がステージ上でマイクパフォーマンスを見せ、会場を盛り上げる長田に松尾がツッコミ。客席もこの日一番の盛り上がりを見せていた。そして列車が最終駅に向かうなか、ラストはまさに人気劇団・ヨーロッパ企画とタッグを組んだことにふさわしいような、まったく予期せぬ、圧倒的な展開が待ち受ける。ストレートな笑いから、大いなる変化球の笑い、さらには「PLANET TRAIN」というツアータイトルにふさわしい壮大な世界観まで、さまざまなエンターテインメントが詰まったライブ。カーテンコールに登場した長田は「これはかなりしんどい」と苦笑いを浮かべ、松尾も「あっちにいったり、こっちにいったり、かなり大変ですね」と縦横無尽にステージを駆け巡る展開に充実感をにじませ、全国7都市、17公演に渡るツアーへの意気込みを語っていた。同ツアーは今後、8月5日に大阪、8月12日に宮城、8月16日に札幌、9月1日・2日に京都、9月23日に愛知、10月9日に福岡にて開催(京都公演はまだ余裕があり、札幌・宮城公演は残りわずか、ほか地方は完売)。
2023年07月17日松尾スズキが、生誕60周年記念art show『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』を12月8日(金) から15日(金) に東京・スパイラルホールで開催することが決定した。1988年に「大人計画」を旗揚げして以降、舞台をはじめ、映画、小説、エッセイ、コントドラマなど数多くのエンターテイメント作品を世に送り出し続ける松尾。少年期は赤塚不二夫の影響を受け漫画家を志し、ギャグ漫画を描き続けた日々。大学時代はデザインを専攻し、さまざまなポップアートに触れ、アート作品制作に没頭するなど、松尾の創作活動は演劇よりも先にアートがあったという。初の個展となる今回は、これまでに松尾が描きためた絵画やイラストのほか、自身が手がけた舞台美術作品を展示。また過去の舞台作品の上映や、ゲストを招いて歌とトークのイベントも開催される予定だ。<イベント情報>生誕60周年記念art show『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』12月8日(金)~15日(金) 東京・スパイラルホール(スパイラル3F)生誕60周年記念art show『松尾スズキの芸術ぽぽぽい』ビジュアルお問い合わせ:大人計画TEL:03-3327-4312(平日11:00〜19:00)
2023年03月30日一昨年、コロナ禍の中、渋谷・シアターコクーンの芸術監督である松尾スズキさんの総合演出により開催された『シブヤデアイマショウ』。“大人の歌謡祭”と称し、演劇のみならず、歌に踊り、笑いと、さまざまな企画を詰め込んだエンターテインメントショーの第2弾が、長期休館を目前にした同劇場で開催される。歌にダンスに笑いと盛りだくさん。渋谷の劇場で松尾式レビューが開催。「そもそも芸術監督を引き受けるにあたってやりたいと思っていた柱のひとつに、ストーリーを排して純粋に楽しむためのショーができないかというのがありました。以前、公演でパリに行った時に向こうでいくつかのショーを観たんですが、既成の曲にダンスやプロジェクションマッピングと演出だけで魅せていて、こういうものって日本にないなと思ったんですね。すごく洗練されていて、ゴージャス感もあるし。舞台上につねに音楽が鳴っていて、ダンスがあってっていうのは、もともと僕の好みの世界観ではあるんです。今より小さい劇場でやっていた頃から僕の芝居には、急に歌とダンスが始まってレビューみたいになるところがなぜかあって。それは赤塚不二夫さんの漫画を読んで育った、というのがあるのかもしれないんですが。そういう好きな部分だけを抽出して、全部並べてみたらどうか、という実験的な意味合いもあったと思います」「バラエティに富んだものに」とコーナー演出には、歌舞伎を題材とした現代劇の演出を手がけている杉原邦生さんの名前も。また、日替わりゲストには、新妻聖子さんのような本格ミュージカルで活躍する俳優陣がこぞって参加。普段の松尾作品からは異色とも思える顔ぶれが並ぶ。「要素のひとつに“和”を取り入れようと思ったのが杉原くんにお願いした理由です。ミュージカルの方々とはあまりお付き合いがなかったのですが、歌やダンスのスキルというか、クオリティの高さは認めざるをえないんです。これまで、そういうものにわりと反逆的というか、素人の肉体をぶつけることであえて違和感を作り出してきた劇団なわけです。でも続けていると、結局俳優にスキルがないと、100%こちらが思い描いたようにはやれないということが、30年くらいかけてじんわりわかり始めてきた感じです」2年前の公演を経て、アンサンブルと呼ばれるキャストへの信頼が増し、役割の比重が大きくなったとも。「アンサンブルもそれぞれに個性があって、得意分野が違う。今回は、それを生かしたものを作りたいというか、アンサンブルが結構前面に立って頑張っていますから、彼らの公演でもあるといえますね」ただ、詳しい内容は「言いたくても言えない部分が多い」とのこと。「なんで言えないかも言えないんですが(笑)、日頃めったに見られない生のダンスや歌で綴る、面白いショーになるはず。この公演後、劇場が長期休館に入ることもあり、最後を飾るお祭り騒ぎにしたいと思っています。地方出身で30年以上東京に住んでも都会の祭りへの参加の仕方がわからない。なら自分で祭りを作る、みたいなところもあります」ところで、休館中の芸術監督は?「芸術監督を受ける際、演劇の場で活躍できる新人を育てたいという要望も出していました。つまり養成所です。最近、演劇で演出家の名前が入ってくることはあっても、『面白い俳優が出てきた』という話をあまり聞かなくて。それが僕は本当に悔しいんです。今から僕がやってできるかわからないけれど、育てる努力はしたい。なので、その活動をやっていこうと思っています」いまや映像でも活躍し、映画監督も務めたり、作家としても評価されているが、「演劇で認められて演劇に育てられましたから、恩返しのひとつもしたくなります」と話す。「どんな舞台に出ても、作品の世界観や演出を自分の体や声と融合させながら、この人だってわかる痕跡を残せる人。そういう身体性への美学が自分の中にはあるし、結局、そういう俳優が好きなんですよね」第二の阿部サダヲさんや荒川良々さんが見つかる日も近いかも!?COCOON PRODUCTION 2023『シブヤデマタアイマショウ』3月30日(木)~4月9日(日)渋谷・Bunkamuraシアターコクーン総合演出/松尾スズキ構成台本/松尾スズキ、天久聖一コーナー演出/杉原邦生、康本雅子、天久聖一出演/松尾スズキ、多部未華子、猫背椿、村杉蝉之介、近藤公園、後東ようこ、康本雅子、秋山菜津子ほか(日替わりゲストあり)S席1万2500円A席9000円コクーンシート5500円Bunkamura TEL:03・3477・3244(10:00~18:00)まつお・すずき1962年12月15日生まれ、福岡県出身。WOWOWにて3月25日放送・配信のオリジナルコントドラマ『松尾スズキと30分強の女優』では脚本、演出、出演を務めるほか、出演映画『シン・仮面ライダー』が公開中。スーツ¥127,600(BEAMS F)シャツ¥26,400(GUY ROVER)ネクタイ¥18,700(Holliday&Brown)チーフ¥7,480(PAOLO ALBIZZATI)シューズ¥143,000(Enzo Bonafe) 以上BEAMS TEL:03・3470・9393※『anan』2023年3月29日号より。写真・土佐麻理子スタイリスト・安野ともこヘア&メイク・趙 英インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2023年03月23日2023年3月18日、俳優の片桐仁さんが自身のTwitterを更新。次男が小学校を卒業したことを報告しました。片桐さんは、次男の卒業式のために、とある衣装を用意してもらったそうです。その写真がこちら。次男春太、小学校卒業。エレ片の衣装でお世話になっている、柳さんにお願いして作ってもらいました。保護者代表挨拶もした…。 #ウェンズデー pic.twitter.com/9kGqHlPtdB — 片桐仁なう (@JinKatagiri_now) March 18, 2023 次男が着ているのは、動画配信サービス『Netflix』で配信されたドラマ『ウェンズデー』に登場する、主人公・ウェンズデーが着用していた制服!『ウェンズデー』とは、1930年代に『ザ・ニューヨーカー』に掲載され、その後テレビドラマ、アニメ、映画化され愛されてきた『アダムス・ファミリー』のスピンオフドラマです。2022年11月23日に『ウェンズデー』の配信がスタートすると、3週連続で『Netflix』ランキング1位をキープするなど、世界中の視聴者が魅了されました。片桐さんや次男も、『ウェンズデー』に大ハマりしたファンの1人なのでしょう。完璧ともいえる、ウェンズデーの再現度で卒業式に挑んだのでした。卒業式での次男の素敵な姿に、さまざまな声が寄せられています。・すごい!めちゃくちゃかっこいい!スカートをこんなに着こなせる男の子は、なかなかいないよ!・卒業式に『ウェンズデー』の格好をするなんておしゃれだなー!型にはまらず、自由に表現してほしい。・クオリティがすごいな。っていうか、片桐さんの次男、つい数年前に誕生したような気がする…。時の流れは早いですね。・次男くんのことがうらやましくなりました…!卒業式とか入学式とか、次男くんみたいに、自由に楽しめたらいいよね。2023年3月18日現在、この投稿には9万件以上の『いいね』が寄せられています。片桐さん一家を応援している人だけでなく、『ウェンズデー』のファンも、次男の卒業式での素敵な姿に魅了されたようです![文・構成/grape編集部]
2023年03月19日1986年から放送されているバラエティ番組『世界ふしぎ発見!』(TBS系)。各国の歴史や文化にまつわる不思議なことを、旅先案内人である『ミステリーハンター』がクイズ形式で紹介する番組です。サンケイスポーツによると、2023年で放送開始から38年目を迎える同番組は、本格リニューアルを行います。長寿番組『世界ふしぎ発見!』草野仁の後任は…?リニューアルの目玉として行われるのが、MCの交代です。これまでの37年間、MCを務めたのはフリーアナウンサーの草野仁さんは、司会を勇退。ただし、草野さんは同番組を卒業するわけではなく、今後は『クイズマスター』として、解答者にヒントを授ける役として出演するそうです。そして、気になる草野さんの後任MCは、フリーアナウンサーの石井亮次さん。石井さんはこれまで、お昼の情報番組『ゴゴスマ~GOGO!Smile!~』(TBS系)でMCを務め、2020年の『好きなアナウンサーランキング』では、初のトップ10入りを果たしていました。草野さんの勇退について、ネットからはさまざまな声が上がっています。・草野さんの、司会者ながら決して前に出すぎないところが好き。MC勇退はさびしいけれど、まだ出演し続けると知って安心した。・ついにこの日が来たか…。いつかは交代するんだろうと思っていた。それにしても、後任が石井アナだと知ってびっくり!楽しみです。・草野仁さん、79歳なのですね。番組を観ていても、まったく老いを感じさせないところがすごい。リニューアル後も楽しみです!本格リニューアルされた『世界ふしぎ発見!』の初回放送は、2023年4月15日。新たな司会者である石井アナウンサーと、新たな役割を得た草野さんが、どのような番組にしていくのか、見逃せませんね。[文・構成/grape編集部]
2023年03月08日松たか子、長澤まさみが出演する「松尾スズキと30分強の女優」の放送・配信日が3月25日(土)に決定、番組ビジュアルも公開された。本作は、松尾スズキが女優と組んで繰り広げる至極のコント番組の第3弾。「バラエティ番組のコントじゃない、作品としてのコントが作りたい」という思いから、松尾さんが脚本・演出・出演を務める、各話30分のオムニバスコントドラマ「松尾スズキと30分の女優」。今回は“強”となってさらにパワーアップ。「松たか子の乱」初回は「松たか子の乱」、続いて「長澤まさみの乱」を放送・配信。なお、吉田羊、多部未華子、松雪泰子、天海祐希らが出演する過去シリーズ(第1・2弾)は、WOWOWオンデマンドにて配信中だ。「長澤まさみの乱」「松尾スズキと30分強の女優」は3月25日(土)WOWOWプライム&WOWOWオンデマンドにて放送・配信(「松たか子の乱」21時30分~/「長澤まさみの乱」22時15分~)。(cinemacafe.net)
2023年02月15日松尾スズキが女優と組んで繰り広げる至極のコントドラマ第3弾「松尾スズキと30分強の女優」の放送が決定。今回は、松たか子と長澤まさみが出演する。松尾さんが「バラエティ番組のコントじゃない、作品としてのコントが作りたい」という思いから、脚本・演出・出演を務める、各話30分のオムニバスコントドラマとしてこれまで、吉田羊、多部未華子、麻生久美子、黒木華、生田絵梨花、松本穂香、松雪泰子、天海祐希が出演し、第2弾まで放送してきた「松尾スズキと30分の女優」。今回の第3弾では、そんな「30分の女優」から「30分“強”の女優」と変え、これまでよりも各話を長めにスケールアップ。これまでと同様に、本作の脚本家として松尾さんのほかに、「バカドリル」の著者・天久聖一と、劇団「地蔵中毒」主宰の大谷皿屋敷が参加する。放送決定に松尾さんは「この歳でコントの番組をやらせてもらえるとは、そして、松たか子、長澤まさみという、旬の時間が止まらない、日本を代表する女優とタッグが組めるとは、幸せ以外のなんでもないので、がんばるという言葉は、あまり好きじゃありませんが、楽しくがんばる次第です」と心境を明かし、「今回も、見てる人みな頭が変になれ、と、祈りつつ台本製作中であります。乞うご期待!」とコメントしている。「松尾スズキと30分強の女優」は2023年3月、WOWOWにて放送・配信予定。(cinemacafe.net)
2022年11月23日さまざまなドラマや映画で活躍する名バイプレイヤー。…だと思っていたら、その半生が『拾われた男』としてドラマ化され、今や国内外で配信されている松尾諭さん。「日常のクスッとしたおかしみを作りたいと言われています」「周りから『見たよ』とか言われるとすごく恥ずかしいんです。一気に毛穴が開く感じがする(笑)。でも、今の稽古場には見てる人、あんまりいないんじゃないかな。みんなそこまで僕に興味がないと思うので」と控えめ。ただ、コメディしかりサスペンスしかり、出演作への期待値を上げてくれる俳優なのは間違いない。その松尾さんが今取り組んでいるのは、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(以下、KERA)さん作・演出の舞台『しびれ雲』。小津安二郎や岸田國士をイメージした世界観で書き上げるささやかで静かな芝居。「KERAさんからは、何が起こるわけではないけれど、日常で人が話している中に生まれるクスッとしたおかしみみたいなものを作りたいと言われています。学生時代に小津映画をレンタルして観ることはあったけれど、当時はどこか義務的に観ている感じでした。でも今回、稽古場で参考にみんなで観たんですけれど、こんなに面白かったんやって思ったんです。ようやく面白さに気づける年齢になったのかもしれないです。僕の役で言うと、佐分利信(さぶり・しん)みたいな感じでと言われています。まだ探りながらですけれど、KERAさんは演出が的確で、ここをどう見せたいのかがわかりやすいし、どう言えば僕たちに伝わるかをすごく考えてしゃべってくれるので、いちいち全部、なるほどって思えて楽しいです」物語の舞台は、架空の地方の島。それゆえ登場人物たちはKERAさん考案の創作方言をしゃべることに。「“~だり”とか“~がっさ”って語尾があるんです。実在していない方言なので結構適当なのかと思って、楽なのかなって思っていたけれど、間違えると言い直させられるし、ナメてました(笑)。ただ方言でしゃべる芝居自体は好きなんですよ。方言があるだけでキャラクターが一個できるし、これは僕の実感ですが、セリフ回しが方言になっていることで、小津作品のあの独特の空気感が自然と醸し出されている気がして、あれは発見だなと思います」活動の場は映像が多いが、舞台は「毎回やるたびに発見があって、息遣いが変わるだけで何かが変わるライブ感が楽しい」と話す。「セリフを体で表現するので肉体派の僕の性には合っています。…肉体派かはわからないですけど(笑)」KERA・MAP #010『しびれ雲』昭和初期、海に囲まれた孤島・梟島。海に浮かぶ舟の上に、頭から血を流した謎の男(井上芳雄)が見つかった。男はフジオと呼ばれ、島で暮らし始めるが…。11月6日(日)~12月4日(日)下北沢・本多劇場作・演出/ケラリーノ・サンドロヴィッチ出演/井上芳雄、緒川たまき、ともさかりえ、松尾諭、安澤千草、菅原永二、清水葉月、富田望生、尾方宣久、森準人、石住昭彦、三宅弘城、三上市朗、萩原聖人全席指定8500円ほかキューブ TEL:03・5485・2252(平日12:00~17:00)兵庫、北九州、新潟公演あり。まつお・さとる1975年12月7日生まれ、兵庫県出身。2007年のドラマ『SP 警視庁警備部警護課第四係』で注目される。放送中のNHK連続テレビ小説『舞いあがれ!』に出演。※『anan』2022年11月2日号より。写真・土佐麻理子インタビュー、文・望月リサ(by anan編集部)
2022年11月01日シアターコクーン芸術監督の松尾スズキが、2年ぶりの新作『ツダマンの世界』を自身の演出で上演。昭和初期から戦後を舞台に、ひとりの小説家と、周囲の人々を巡る愛憎劇が展開される。そこで主人公のツダマンを演じるのが、松尾作品には欠かせない存在の阿部サダヲ。自身初となる小説家役、さらにはある新たな挑戦も控える阿部に、本作に寄せる想いを語ってもらった。あの時代の小説家を代表するような男――松尾スズキさんの2年ぶりの新作ですが、脚本を読まれた感想は?正直、まだ半分ぐらいはよくわかっていません。なぜここでこんなことを言うんだろう?とか、なぜここで奇声を発するんだろう?とか(笑)。でもやっぱりさすがだな、と毎回思います。松尾さんの台詞って、本当に面白いですもんね。詩的な感じもありますし、人間の嫌な部分とか、弱い部分がどんどん露わになっていく。しかもそれを笑いに変換しているのが、松尾さんのすごいところで。いわゆるわかりやすい「あるある」ではない、すごく小っちゃいところの「あるある」を突いてくる。その視点が僕は好きですし、面白いなと思います。――昭和の初期を舞台に、今回阿部さんは小説家の“ツダマン”こと津田万治を演じられます。昔の小説家ってちょっと変わっているイメージがあるんですけど、ツダマンはその代表、みたいな人物だと思います。弱くて、女々しくて、すぐに心中をしたがって、あとは愛人がいる。しかもそれがツダマンだけではなく、周りの人たちも大体そんな感じなんですよね。人間関係が今よりもすごく密というか。中でもツダマンにとってキーになる、振り回されることになるのが、間宮(祥太朗)さん演じる葉蔵。で、この人がまた面倒くさいんですよ(笑)。弟子であるにも関わらず、自分の育ちの良さと、文学賞の受賞歴のないことから、ツダマンのことを下に見ている。で、この人にも小説家に対する偏見があるせいか、すぐ死にたがるし、でも死なないし。現代だったらコンプライアンス的にNGなこういう人たちを今やるっていうのが、また面白いなと思います。演劇人・松尾スズキはどんどん面白く――松尾さんはツダマンについて、“不気味な空洞のような人物”と言い表していらっしゃいますね。ちょっと変わった育ちをしていることもあり、なにを考えているのかわからない人だから、かもしれないですね。それで言うと、吉田羊さん演じる数との関係性も空洞な気がして。ツダマンと結婚することになるんですけど、繋がってそうで繋がってない、みたいな印象がありますし、愛情があるのか、ないのか、ちょっと微妙なところ。かといってツダマンって、愛人に対しても愛情があるようには思えなくて。なんか愛情のかたちが見えにくい人というか……。そういうところも空洞っぽいなと感じます。――今年は再々演となった『ドライブイン カリフォルニア』に続き、二度目の松尾さん作品への参加となります。改めて松尾さんとのモノ作りの魅力とは?松尾さんご自身は出演せず、演出に徹することが増えてきたので、舞台を作る、ということに重点を置かれているのかなと思います。『ドライブイン~』の時も、3度目にしてまたいろいろと演出を変えていらっしゃいましたし、キャストも大人計画じゃない役者も増えていましたし、すごく面白いなって。僕が言うのもあれですけど、松尾さん、より演劇が好きになっているんじゃないのかなと思います。昔はそんな、演劇用語とか全然使ってなかったですから(笑)。――シアターコクーンの芸術監督ですからね。そっか、そうですよね!芸術監督だ……。もちろん昔からそうなんですけど、より最近、松尾さんって演劇の人なんだなって感じるんです。もともと美術的には長けた方でしたけど、近年特に舞台空間の使い方とか、すごくいろいろ考えていらっしゃるんだなって。今回も、これ劇場3つぐらい使うつもりなのかな?っていうぐらい(笑)、舞台をどう使おうとしているのか、今のところまったく見えてこない。これから稽古が始まって、その謎が解けていくのが楽しみだなと。演出に関しても、年を重ねる中でどんどん面白くなっているなと感じます。僕自身、ある挑戦をする予定なのですが、今までに開けたことのない扉を開けることになるのではないかと。そこでもきっと新しい見せ方をされると思うので、本番がどうなるのか今から楽しみです。いつかは空を飛べるようになりたい――松尾さんも新たな挑戦として、初めて全編の作曲を手がけられますね。松尾さんが!?すごい、それは初めて知りました。ほら、やっぱりどんどんすごくなっているんですよ!えっ、でも松尾さんって楽器出来るんでしたっけ?どうやって作曲するんだろう……。――鼻歌で音楽家に伝えるようですね。(DREAMS COME TRUEの)吉田美和さんみたいじゃないですか!(笑)すごいな、カッコいい。松尾さん独特の音階ってあるので、きっとすごく面白いことになると思います。――これから稽古に臨むに当たり、心がけていきたいこと、意識したいことはありますか?松尾さんの理想に近づけるよう、努力するってことでしょうか。僕、いつか空を飛べるようになりたいと思っていて。というのも松尾さん、「そこで飛んで」とか当たり前のように言うんですよね(笑)。「天井駆け上がってみて」とか、「下からまぶた閉じて」とか。もちろん無理なんですよ。でもそうなれたらいいなと思いますし、その時自分はもっと面白くなれるんじゃないかなと思うんです。取材・文:野上瑠美子撮影:藤田亜弓ヘアメイク:中山知美スタイリスト:チヨ(コラソン)
2022年10月22日お笑いコンビ・チョコレートプラネット(長田庄平、松尾駿)が17日、日本最大級のお笑いフェス「LIVE STAND 22-23 OSAKA」(大阪城ホール、COOL JAPAN PARK OSAKA)に出演し、報道陣の取材に応じた。大阪公演の初日、大阪城ホールのオープニングステージ「LIVE STAND ネタ OSAKA DAY-ONE」でオープニングアクトを務めたチョコプラ。長田は氷室京介に扮して「ライブハウス大阪城ホールへようこそ! 今日は盛り上がっていこうぜ!」と声を張り上げ、松尾はIKKOに扮して「どんだけ~」「まぼろし~」「背負い投げ~」とモノマネを連発した。囲み取材で、長田は「大阪城ホールはレッチリ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)とかがやっている。レッチリと同じ景色を眺めているって感慨深いですよね」と述べ、「オープニングアクトをやらせてもらったので、氷室さんで『大阪城ホールへようこそ!』っていうのは、気持ちよかったです」と嬉しそうに話した。松尾は「最初の一発目の『どんだけ~』って言ったときに、今まで体験したことないんですけど、喉がキュッとなって、今日しゃべれなくなるんじゃないかなって、めっちゃ怖かったです」とヒヤッとしたと明かしつつ、「気持ちよかったです」と話した。2007年から2010年まで行われた大型お笑いフェス「LIVE STAND」が、今年12年ぶりに開催。8月19日~21日に幕張メッセで東京公演が行われ、9月17日・18日に大阪、来年1月14日・15日には福岡で開催し、総勢1000人を超える吉本芸人が出演予定となっている。
2022年09月17日日本代表に選ばれ世界大会に出場するなど、日本の女子バスケットボールで活躍するオコエ桃仁花(オコエ・モニカ)選手。2022年9月7日、オコエ選手はTwitterを更新し、実際に寄せられたという差別的な誹謗中傷メッセージを公開しました。オコエ選手の投稿によると、アイコンが未設定で誰もフォローをしていない、いわゆる『捨てアカウント』からダイレクトメールが送られてきたといいます。黒人の癖にまじできもいね。1日中考えたんだけど、なにがあったらアフリカの黒人と結婚する日本人女性がいるのか理解できないんだわ。@okoyemoniーより引用ナイジェリア人の父親と日本人の母親の間に生まれた、オコエ選手。ダイレクトメールにつづられていたのは、オコエ選手の外見や生まれ、親を酷い言葉で中傷する内容でした。オコエ選手の「もう心がマヒするくらい、慣れたよ」という投稿文を読むに、きっとこれまでも同様の誹謗中傷を受けていたのでしょう。オコエ桃仁花、差別を受けて投稿した文章に称賛の声インターネットを通した誹謗中傷は、安全圏から他人を攻撃し、他者の心を深く傷付ける卑怯な行為。オコエ選手の受けた誹謗中傷に対し、ネットからは差別行為に怒りをあらわにする声や、オコエ選手を元気付ける声が多数寄せられました。そういった声を受け、翌8日にオコエ選手はTwitterで自身の想いをこのように明かします。お母さんとお父さんが出会い、今私はここにいる。誰に何を言われようとも、どんな肌の色をしていても、私は愛される価値がある。目の前のあなたも、横のあなたも、誰かの大切な人。言葉を大切に。心を大切に。皆様からの温かいメッセージに、日本人であることに誇りをかんじます。ありがとう pic.twitter.com/I0w1HKEtp2 — オコエ桃仁花 Monica Okoye (@okoyemoni) September 8, 2022 どれだけ「誹謗中傷に慣れた」といっていても、自身や親のことを悪くいわれ、オコエ選手は傷付いたはず。しかし、オコエ選手は両親の出会いに感謝し、「何をいわれようと、私には愛される価値がある」と前向きなメッセージを投稿したのです。オコエ選手の投稿からは、時には言葉が人を救い、時には他人を傷付けるナイフとなることが伝わってきます。一連の出来事は拡散され、多くの人が人種差別や誹謗中傷について、改めて考えるきっかけとなったようです。・とてもいい文章で、朝から涙が出た。今後も応援します!・誹謗中傷の内容には怒りを感じたけど、オコエ選手の対応に感動した。本当にかっこいい!・国籍に肌の色は関係ないし、オコエ選手はオコエ選手だ。そして、素晴らしいスポーツ選手だと思う。自らに誇りを持ち、愛しながら生きることの大切さをたくさんの人に教えてくれた、オコエ選手。この言葉が広まり、言葉のナイフで傷付けられる人が減ることを祈るばかりです。[文・構成/grape編集部]
2022年09月09日日頃から、ニュースなどで目にする機会の多い著名人。注目が集まることが多いぶん、残念ながら時には心ない言葉をかけられることがあります。2022年9月7日、プロバスケットボール選手のオコエ桃仁花さんは、自身のもとに寄せられた、人種差別につながる言葉を公開しました。オコエさんは、父親がナイジェリア人で、母親が日本人。誹謗中傷をしてきた人は、オコエさんの両親が結婚したことを否定する言葉を寄せていました。※見た人が不快に思われる表現があります。ご注意ください。もう心が麻痺するくらい、慣れたよ。 pic.twitter.com/cksJZUoZMp — オコエ桃仁花 Monica Okoye (@okoyemoni) September 7, 2022 送られてきたメッセージに対して「もう心が麻痺するくらい、慣れたよ」とつづるオコエさん。人種差別の言葉は、これまでにも何度か送られてきたことがあるようです。そのたびに、心を痛めたことでしょう。オコエさんのもとに寄せられた言葉に、さまざまな反応が上がりました。・こうした言葉をかける人の何倍も、何十倍もの人々がオコエさんのことを応援していますよ!・許されないメッセージ。大切なのは、肌の色より心の色ではないでしょうか。・誹謗中傷や人種差別をする理由が、1日中考えても分かりません。2022年7月、ネット上での誹謗中傷に適用される『侮辱罪』の法定刑が引き上げられ、悪質な行為に重い刑罰が科されるようになりました。それでもなお、心ない言葉を寄せる人はいるようです。厳罰化に伴い、少しでも自分の過ちに気付く人が増えることを願うばかりです。[文・構成/grape編集部]
2022年09月08日お笑いコンビ・チョコレートプラネット(長田庄平、松尾駿)が19日、千葉・幕張メッセで開催中の日本最大級のお笑いフェス「LIVE STAND 22-23 TOKYO」に出演後、報道陣の取材に応じた。テレビ東京presents「ネクストブレイク芸人ガチャ LIVE STAND SP」で、ニューヨークとともにMCを務めたチョコプラ。長田は「12年ぶりの『LIVE STAND』ということで、大きい会場でやるというのはお客さんの圧も普段の劇場とは全然違いますから、芸人のテンションも上がりますよね。やっぱり楽しいです、フェス的なものは」と話し、「一番デカいステージでネタをやらせてもらうというのはめちゃくちゃうれしいですね」と喜んだ。松尾は「MCをやらせてもらえるなんて、12年前は全然そんなのもなかったですし、明日はメインステージに出られるのでやったなと思っていたんですけど、さっきパスつけるのを忘れて1回外に出ちゃったらめちゃくちゃ止められました。顔パス無理でした」と告白。「マスクも何もしてないで普通に『すみません』って言ったら、『パスは? ちょっとないと……』って。立ち合いの人が『出演者です』と言って入れた。警備の仕事もしているし、ちょっとまだまだだなと思いました」と話して笑いを誘った。「LIVE STAND」は2007年から2010年まで行われた大型お笑いフェスで、今年12年ぶりに開催。8月19日~21日の幕張メッセでの東京公演を皮切りに、9月は大阪、来年1月には福岡で開催し、総勢1000人を超える吉本芸人が出演予定となっている。
2022年08月19日お笑いコンビ・チョコレートプラネットの松尾駿が31日、都内で行われた映画『DC がんばれ!スーパーペット』(8月26日公開)の夏休みファミリー試写会&吹替キャスト登壇イベントに出席した。本作は、突然スーパーパワーを手に入れた可愛いペットたちの大冒険を描く物語。急にはパワーを操れないちょっとドジなペットの犬、ブタ、カメ、リスたちが、世界征服を狙うあざとかわいい子猫とモルモットたちにさらわれたご主人様を救い出すため、最強の敵に立ち向かう。松尾が演じたのは、話し方がゆっくりでのんびり癒し系だけど、目にも留まらぬ超高速で移動する“おばあちゃんカメ”のマートン。「お話をいただいたときに、おばあちゃんだと聞いてびっくりして、年齢も性別も超える……あぁなるほどと思いながらやっていました」と話した。IKKOのものまねで知られる松尾は、「女性っぽい声を出そうとすると、癖で全部IKKOさんになっちゃう。『すみません松尾さん、IKKOさんになってます』っていうのもありながら、なんとかマートンをやり遂げました」と打ち明け、「やったことない声の感じだったので、苦労しましたが楽しくできました」と語った。イベントには、体が伸縮自在で乙女なブタ・PB(ピービー)を演じた松岡茉優、あざとかわいい子猫のウィスカーズを演じた市川ぼたんも出席した。
2022年07月31日筑波大学附属高等学校に悠仁さまが入学されて2カ月が過ぎた。同校は、2021年度の入試では42人が東京大学に合格した都内屈指の進学校。悠仁さまを東大に合格させるという目標があるといわれる秋篠宮ご夫妻にとっては、“期待できる”教育環境が整ったのだ。そんななか、ひっそりと秋篠宮家を去った女性職員がいたーー。「皇嗣職宮務官のAさんが、4月30日付で依願退職したのです」こう話すのは、秋篠宮家に近い宮内庁関係者だ。「Aさんは、2019年5月に皇嗣職宮務官として着任していますが、前職はお茶の水女子大学の職員で、広報などの責任者でした。ちょうどこの前月に、悠仁さまがお茶の水女子大附属中学校に進学されていました。Aさんは、秋篠宮家と学校側との連絡調整を担当するとともに、東大を目指す悠仁さまの“教育係”の役割も、秋篠宮ご夫妻に求められてやってきたそうです」(前出・宮内庁関係者)皇嗣家である秋篠宮家を支える宮内庁の内部部局は皇嗣職と呼ばれる。その職員である皇嗣職宮務官は、どんな役割を担うのか。元宮内庁職員で、皇室ジャーナリストの山下晋司さんはこう話す。「宮務官は、宮家の公務に関する調整や報道対応、身の回りの品のことから私的な交際に至るまで幅広く対応することが求められます。皇嗣職は、東宮職と同等の組織ですが、東宮侍従や東宮女官といった男女別の職種をやめ、皇嗣職宮務官という形で統一されています。東宮女官には他省庁からの出向組はおらず、公務員試験も経ない選考のみで採用していました。長期間務める方が多かったですね」悠仁さまの筑附高ご進学、Aさんの退職の少し前に、海外でも報じられた騒動が起こっている。昨年、悠仁さまが中学2年生のときに書かれた作文が、北九州市が主催する「第12回子どもノンフィクション文学賞」の中学生の部で佳作に選ばれたのだがーー。「今年2月になって、作文の参考文献として記載されていない書籍からの引用が指摘されたのです。当初宮内庁は、『悠仁さまはご指摘に感謝している』と説明しただけでした。しかし、“盗用ではないか”といった批判が高まり、結局2カ月後に参考文献を追記して提出し直すことになりました。この騒動については、海外のメディアのほうが厳しい論調で、紀子さまも相当ショックを受けられたそうです」(皇室担当記者)■“ご難場”と呼ばれる職場環境未来の天皇の経歴が汚されてしまったーー。騒動の余波に慄いたのは、秋篠宮家に仕える職員たちだった。「紀子さまは高い観察力をお持ちで、ふだんから細かいことにお気づきになり、責任感もお強いです。“次の皇后”“将来の天皇の母”という自負ゆえに、時に職員に対して、高いレベルで仕事を仕上げることをお求めになります。厳しい口調で職員に注意していたと報じられることもありました。盗用騒動のときも、作文を提出する前の確認に怠りがあったとして、Aさんをはじめとする秋篠宮家の職員ばかりでなく、文学賞への応募の窓口になった中学校の関係者にも激しく憤られていたと聞きます」(前出・皇室担当記者)以前から秋篠宮家の職場環境は、宮内庁内で“ご難場”として知られているという。「これまでも、紀子さまがお示しになる高い要求水準や、そのプレッシャーに耐え切れずに辞める職員は後を絶ちませんでした。宮内庁内でも、秋篠宮家への異動に後ろ向きな職員が多い気がします。大手航空会社から秋篠宮家の職員に転じた方もいましたが、すぐに辞めてしまいました」(前出・宮内庁関係者)秋篠宮家が皇嗣家となってから、職員の定数は20人前後から51人まで増えた。秋篠宮家が担われるご公務も多くなっている。「一方で、紀子さまは細かい事務作業へのチェックは変わらず厳格に行われています。結局、短期間で職員が入れ替わる環境もそのままで、なかなか人材が定着しない状態なのです」(別の皇室ジャーナリスト)Aさんの退職直後、国際協力機構(JICA)の職員だった女性が、後任の皇嗣職宮務官に就いた。「宮内庁内では、悠仁さまが筑附高に進まれ、お茶の水女子大側との“パイプ役”だったAさんが当面の役割を終えただけでなく、“盗用騒動で信頼を失って更迭されたのでは”などと囁かれています。秋篠宮ご夫妻は令和になり、JICAの海外協力隊員との接見というお務めを天皇皇后両陛下から引き継がれています。皇室と同団体との関わりは深く、過去にもJICAの元職員が、皇嗣職宮務官に就いたことがあります。秋篠宮ご夫妻からすれば、より役に立つ人材を登用したということなのでしょう。ですが、過酷な環境のせいで職員が定着しないままでは、将来の天皇家となる秋篠宮家を必死に支える人材がいなくなってしまいます」(前出・皇室担当記者)こうした現状を憂えているのは、学生時代からの紀子さまの知人だ。「紀子さまが学習院大学で学ばれていたころ、弟の川嶋舟さんも通われた中等科の後輩たちが授業時間にキャンパスにいるのを見かけ、優しく『サボっちゃだめだよ』と声をかけられたと伺いました。お若いころからまじめで、こまやかな気配りができるお優しい方なのです。皇嗣家の妃殿下として、“両陛下や上皇ご夫妻にご迷惑をかけたくない”というお気持ちが強すぎて、ご心労が大きくなられているのかもしれません……」紀子さまの職員を慈しむお気持ちこそが、ひたむきに秋篠宮家を支える人材を集めることにつながるはずなのだがーー。
2022年06月09日俳優・松尾諭が自らの波瀾万丈なサクセスストーリーを描いたエッセイをドラマ化した『拾われた男』が、6月26日よりDisney+(ディズニープラス)「スター」で見放題独占配信される。このたび“本人役”で出演する追加キャスト6人が発表された。持ち前の人を惹きつける魅力と強運で、他人に“拾われる”ことで人生を切り開く主人公・松戸諭を演じるのは仲野太賀。その兄・武志を草なぎ剛、諭の運命の女性である比嘉ユイを伊藤沙莉が演じる。監督は、NHK連続ドラマ小説『あまちゃん』、NHK大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』の井上剛氏が務め、脚本は、映画『百円の恋』『喜劇・愛妻物語』の足立紳氏が務める。今回解禁となったのは、最強の“運”と“縁”に恵まれている主人公・松戸諭の物語を彩る“本人役”追加キャストたち。役者を目指して上京した松戸諭を拾った芸能事務所FMC一番の売れっ子“癒し系”女優として、井川遥が出演。ひょんなことから諭は彼女の運転手になり、意外な本心を吐露されるほど頼られる。井川は「もちろん、まわりのキャストの方の中で浮くだろうなぁ、無理があるだろうなあと思いました。でもこれは原作と違って〝ドラマはフィクションです!”と乗せられて笑。自分であって、ある意味破茶滅茶でいいんだな、と受け取って(笑)演じようと思いました。実際のところかなり寄せているところとフィクションが入り混ざり…仕上がりはどんなことになっているのか怖いような楽しみのような気持ちです」とコメント。そして、松戸諭の“物語”の原作者である松尾諭本人も、劇中内で物語を書いていく〝転がし役“として出演。夏帆演じる、敏腕編集者・芥川マリと共に自身の過去を振り返りながら、“松戸諭”の物語を“書き”進めていく。その他、松戸諭が上京して初めて受けた劇団・東京乾電池のオーディションで、劇団の結成メンバーである柄本明、ベンガル、綾田俊樹の3人が審査員として出演し、実際のオーディション並みの迫力を見せる。柄本明は「松尾諭さんとは近所に英会話できる空間があって、そこで挨拶をして、ちょこっとお会いしたことあります」と、原作者・松尾諭との“意外な縁”を明かし、本人役を演じることについては「特に何も考えず演じています」と、“本人役”だからこそ自然体で挑めたことを伝え、「楽しく観ていただければ幸いです」とコメントを寄せた。また、松戸諭がアルバイトをしているビデオレンタルショップTATSUYA渋谷店の客として、塚本晋也監督が登場。要潤演じる、映画監督志望“塚本”との接点にも注目だ。(C)2022 Disney & NHK Enterprises, Inc.
2022年06月07日