漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第39回アクマの辞典ラ行【レ】「(セックス)レス」(れす)今回のテーマはラ行より「レス」だ。何がレスかというと「セックス」に決まっているだろう、言わせるな。セックスレスとは、単に個人がセックスしていないという意味ではなく、配偶者や恋人など、セックスしてしかるべき相手がいるはずなのに、長期間セックスしていない状態のことを指す。よって「セックスレス歴=年齢」みたいな使い方は正しくない。一般的に「セックスレス」とは、あまり良くない意味で使われている。「仲が悪いからセックスレスなのだ」もしくは「セックスレスが原因でこれから悪くなる」といったイメージがあるからだ。しかし「円満離婚」などの言葉がまかり通るなら「仲良しセックスレス」も十分通るはずだ。どこを、と言われたら困るが、お互いが「セックスするより犬に顔を舐められていたほうが良い」と思っていれば、それは「円満セックスレス」である。何事も「する」「しない」が問題ではない、そこで意見が割れてしまうのが問題なのだ。よって「深刻なセックスレス問題」とか「セックスレスは不和の原因」などというのは、顔を犬のツバだらけにして仲良くやっているレスカップルを「脅迫している」とも言える。そういうカップルが無理してセックスしても、多分良いことにはならない。セックスだろうが綱引きだろうが、やりたくないことを無理にやっていたら、仲良くなるどころか、悪くなるに決まっているのだ。パートナー間だけではなく、女性誌などの「セックス特集」は評価される一方で、「セックスしないとあっという間に更年期ヒスババアになっちゃうぞ」と、セックスしない女を脅す内容であるといった批判もある。娯楽やコミュニケーションが多岐に渡る現代において、セックスとは、人生をより良くするための選択肢の一つでしかなく、魅力を感じなければ無理に選ぶ必要はない。クリスマスイブはセックスしている人間が一番偉く、1人で明石家サンタを見ているヤツはかわいそう、という発想はすでに前時代的なのだ。人によっては、セックスより優れた明石家サンタがそこにあるのである。だが、片方は猛烈にセックスしたいが、もう片方は痛烈にしたくないといった「セックスレス」は確かに深刻な問題だろう、折衷案が見いだせない場合は「別れ」もやむなしかもしれない。性の不一致で離婚、などと言うと、カップルならともかく、セックスで離婚までするなよ、と言われてしまうかもしれないが「とにかくセックスが一番大事なんだ」というのも個人の大事な価値観である。負けないこと、投げ出さないこと、逃げ出さないこと、そしてセックス、相手が何を「それが一番大事」と考えているか、せめて結婚する前に確認しておくべきかもしれない。【ラ】➤「(一緒にいて)楽な人」(らくなひと)…好きなところは一つもないが、この一点だけで別れられないことがある【リ】➤「リバウンド」(りばうんど)…むしろダイエットはリバウンドするための「助走」【ル】➤「ルマンド」(るまんど)…「ブルボン界のセンター」というと、多数の中年から反論の声が上がる【レ】➤「(セックス)レス」(れす)…パートナーに「よそでしてきてよ」と言われても真に受けてはいけない【ロ】➤「ロリータ」(ろりーた)…高齢化社会、90歳で60歳とつきあうのはロリコンになるのだろうかプロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2019年08月05日グラビアアイドルの安位薫(やすい かおる)が28日、東京・秋葉原のソフマップで最新イメージDVD『花様年華』(発売中 4,104円税込 販売元:スパイスビジュアル)の発売記念イベントを行った。黒髪のショートカットに92cmのHカップバストで大人気の安位薫。2018年に雑誌でグラビアデビューを飾ると、リリースしたDVDがどれも好セールスを記録するなど人気も急上昇中で、次世代のグラビア界を担う逸材として注目を集めている。そんな彼女の通算4枚目となる同DVDは、今年4月に海外ロケとなる台湾で撮影。貧乏の家出少女役を演じた安位がお金持ちの男性に拾われて成長していくというストーリー仕立てだが、自身曰く「今までのDVDの中で一番セクシーな仕上がりです」と語るように、19歳とは思えない大人の雰囲気を漂わせたセクシーシーンのオンパレードだ。自らチョイスしたという紫のマイクロビキニで報道陣の取材に応じた安位は「今回は私が貧乏で家出をした少女役という設定で、お金持ちの男性に拾われて大人になっていくというストーリーになっています。一番最初のシーンが雨に打たれて拾われるんですが、本当に雨が降っていてめちゃくちゃ寒かったんですよ。頑張って撮影したのでぜひ見て欲しいですね」と最新作を紹介した。今回の作品は全編セクシーなシーンが満載だといい、特にオススメなのが「黒いセクシーな下着風水着を着たシーンでは女王様的なSっぽい感じになっています」とあげて、「鞭を持って軽く叩いています。何かに目覚めることはなかったんですが、意外と楽めました。ハマりそうかもしれません(笑)」と振り返った。また、安位の売りである92cmのHカップバストについても「ハプニングは普通にありました。その都度メイクさんが直しに入り、10回以上はポロリしちゃいました。DVDに入っているかは見てのお楽しみです(笑)」とエピソードを明かした。雑誌『週刊プレイボーイ』の企画「次世代グラドル恵体番付」で東の横綱に選ばれるなど、ファンのみならず業界関係者からも熱い視線を浴びている安位。「グラビアを始めた時と比べたら全然お仕事ももらえるようになりました。最初の頃はガチガチで緊張していましたが、今はちょっとずつ慣れてきましたしファンの方も増えてきています」と成長を実感している様子で、「正直に言って、雑誌に載っていることがいまだに信じられません。本当にありがたいことだと思っています」と語った。さらに、目標としているの人については「忍野さらさん」とで、その理由は「プライベートで一緒にご飯を食べることもありますが、本当に大好きなんです。目指しているというか憧れていますね」と羨望の眼差しを向けていた。
2019年07月29日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第38回アクマの辞典ヤ行今回のテーマはヤ行から「余計な一言」だ。余計な一言とは「逆画竜点睛」。バトル漫画としては最高なのに、作者がサービスのつもりで入れているパンチラシーンが邪魔すぎる、という「それのおかげで全部台無し」というヤツである。「余計な一言」は文字通り、一言でなければいけない。ベラベラと余計なことしか言わないヤツというのは逆に印象に残らないものだ。「立てば菜々緒、座ればガッキー、投げる姿は吉田沙保里」と途中までパーフェクトに褒めておいて、最後に一言「なのになんで嫁にいけないのかな~」でキメるのが正しい余計な一言である。こうすることにより、途中の褒めまで最後の落としを引き立てる「前フリ」でしかなくなり、相手に「すごく嫌なヤツ」と、より強い印象を与えることができるのだ。もちろん恋愛関係でも、余計な一言が発射されて空気がヒリつくことはよくあるが、その場合の余計な一言は「照れ隠し」のつもりで言われているケースもある。今は大分違ってきていると思うが、昔から日本人、特に男は欧米諸国に比べて、パートナーの女性のことを素直に褒めない傾向にあると言われていた。それどころか、人前で自分の妻を褒めるなんて恥ずべきこと、という風潮すらあり、その結果「うちの愚妻がお恥ずかしい」などという、悪い日本語が生まれてしまったのだ。ちなみに良い日本語は「小生の愚息も昇天」などである。その名残なのか「今日カワイイじゃん」と褒めた後でも照れ隠しかなんなのか「服が(笑)」というギャグとしても全く面白くない余計な一言を口にして「おっとやんのか?」という空気にしてしまうのである。ここで注目したいのが「ツンデレ」だ。既に消費し尽くされた古の萌えキャラという印象があるかもしれないが、これこそが「余計な一言」の逆の存在なのだ。ツンと言うのはいわば「嫌な態度」だ、これだけだと当然悪い印象を与えたままになる。だが、ツンを積み重ねた最後に「デレ」を繰り出すことにより、今までのツン全てがデレを輝かす布石となる。もちろんツンデレは二次元のみで許される存在であり、現実でやるとツンの時点で周りから人がいなくなるのだが、「最後はデレ(褒め)で締めるよう心がける」というのは現実でも使える。前述の会話で言うなら「今日服じゃん」からの「カワイイ(笑)」だ。このように全く意味不明なのだが、最後「カワイイ」という褒め言葉で締めるだけで、相手は少なくとも嫌な気にはならないはずである。照れ隠しというのは、相手が「照れ隠しだな」と気づいてくれるケースは稀で、大体は「余計な一言」なのだ。それを言わずにいられないなら「なにも言わない」という良い手段があるので試してみると良いだろう。【ヤ】➤「ヤフー知恵袋」(やふーちえぶくろ)…発言小町が胃にもたれてきたら、こっちを見る【ヰ】➤「ゐろは」(ゐろは)…ほへと、以外言うことが思いつかない【ユ】➤「百合」(ゆり)…「間に入りたい」と言った瞬間殺害されるジャンル【ヱ】➤「ヱロチック」(えろちっく)…自分をこう表現する女はエロいかもしれないが、面倒くさそう【ヨ】➤「余計な一言」(よけいなひとこと)…言葉をちょうどいいところで止められず必ず溢れさせるタイプ、無口のほうがマシプロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2019年07月21日栗本薫名義で主に小説を、中島梓名義では評論やエッセイなどを手がけ、生涯で400冊以上の著作を発表した。2019年はそんな彼女の没後10年、彼女の代表作にして世界最長の物語『グイン・サーガ』(正篇130巻、外伝22巻、著者の逝去により未完)誕生から40年という節目に当たる。その偉業や素顔を知れる2冊『世界でいちばん不幸で、いちばん幸福な少女』と『栗本薫と中島梓世界最長の物語を書いた人』が立て続けに刊行された。夫であり、元担当編集者で、天狼プロダクション代表。彼女の最大の理解者だった今岡清さんは、「ほかに類がないといえば、中島梓という人ほど類のない人はいないと思います」と振り返る。「1時間に400字詰め20枚の原稿を書き、ときには長編1冊を1週間足らずで仕上げました。それもSF、ファンタジー、ミステリー、時代小説、ハードボイルド、評論などジャンルも多岐にわたります。音楽に手を染めてからは、ミュージカルの挿入歌を含めれば恐らく400曲は作曲もしていたと思います。それだけを見れば希有な才能に恵まれた成功者に見えることでしょう。ところが、日常生活は精神的な葛藤にさいなまれ続けて、それから脱するために苦闘しているという人でもありました。成功者の評伝ではなく、私の奥さん、中島梓/栗本薫がこんな人であったという思い出を綴った本です」尽きない泉のような才能を持ちながら、日常生活では繊細すぎ、また摂食障害などに苦しんだ女性を、心から愛していたことが伝わってくる。里中高志さんは大学1年で『グイン・サーガ』に出合い、傾倒したそう。熱意で出版許可にこぎつけ、3年の月日をかけて取材、執筆した。「家族、同級生、元恋人、編集者、舞台関係者……各人の知る彼女の姿は、みな少しずつ違っています。その証言の数々と、膨大な著作からの引用を積み重ねるのは、広大な浜辺の砂から神殿を作っていくような、果てのない作業でした」なかでも、常に自分の居場所探しをしていたような孤独感を持ち続けたことに触れていたのは印象的だ。「これだけの時間を費やしても、まだまだ私が迫れなかった彼女の内なる宇宙があったかもしれませんが、それでも、いまの私にできた精一杯です。アンアンを読む若い女性たちにも、自らの夢を全力で追い求め、こんなにも濃密な人生を送った人がいたことを知ってほしいと思います。現実よりも美しい世界が、人々の想像の中に存在するのでは……。彼女はいつまでも、そんな夢見がちなすべての人たちの味方なのですから」ファンはもちろん、彼女を知らなかった人も、きっと夢中になるはず。敬愛する妻を見守り続けた夫からの長いラブレター。『世界でいちばん不幸で、いちばん幸福な少女』今岡 清共に暮らし始めたころから死別するまで、主に結婚生活について綴ったエッセイ。彼女の心の中の赤ちゃんを拾い上げ、ふたりで育てたような結婚だったと綴っている。早川書房1500円著者の生涯を知りたいならまずはこちらがおすすめ。『栗本薫と中島梓世界最長の物語を書いた人』里中高志幼少期から最晩年までを、時代の変遷とともに追う。母親に対する複雑な思いが創作や人生にどう影響したかなど知られざる一面に驚き、作品を読む目も変わるかも。早川書房1900円くりもと・かおる/なかじま・あずさ本名は今岡純代。1953年生まれ、東京都出身。早稲田大学卒業後、執筆活動に入る。他の代表作に『魔界水滸伝』(正伝20巻、外伝4巻)、ミステリー作品「伊集院大介」シリーズなど。2009年死去。※『anan』2019年6月12日号より。写真・中島慶子取材、文・三浦天紗子(by anan編集部)
2019年06月11日六月花形新派公演『夜の蝶』が6月6日より三越劇場で開幕した。昭和30年代、銀座で人気を二分していた実在のクラブのマダムをモデルに描いた本作。新派の女方・河合雪之丞に対し、現代演劇の女方である篠井英介が新派に初参加して、華やかな世界の裏にある意地の張り合いを舞台上で繰り広げる。出演する雪之丞と篠井に公演の見どころや意気込みを聞いた。【チケット情報はこちら】原作は1957年に発表された川口松太郎の小説で、同年7月映画化。同年10月には花柳章太郎と初代水谷八重子により舞台化され、さらに坂東玉三郎と当代水谷八重子によって再演された。今回の公演では、銀座随一の高級クラブ“リスボン”のマダムである葉子を雪之丞が、京都で舞妓あがりのお菊を篠井がそれぞれ演じ、ふたりの女方対決が見どころとなっている。雪之丞は「せっかく女方同士でやるのだから、女同士のバトルをしっかりご覧いただきたい。これまでの『夜の蝶』とは少しニュアンスが違う作品に仕上がったと思う」と話す。一方の篠井は、今回が新派初参加。「100年以上の歴史があり、日本の郷愁を誘う芝居を作り続けてきた新派。若い頃から憧れを持って観てきたので、本公演に呼ばれた時は、ちょっと怖かった。歴史と格式ある劇団に飛び込むというのはなかなか勇気のいることなので」と思いを語りつつ、「雪之丞さんや(喜多村)緑郎さんとご一緒なら助けてもらえるかなと甘えた気持ちがあった」とも。本作の見どころについては「女の戦いといっても殴り合うわけではなく、独特の皮肉や嫌味から火花が見えるところが面白い。ネタバレになるので詳しくは言えないが、映画とはまた違う、素敵なエンディングを迎える」と教えてくれた。篠井の女方としての魅力について、雪之丞は「花組芝居や翻訳劇で女方をされていることは存じ上げていた。実は公演前から、篠井さんは新派に向いているのではないかなと思っていた。日本舞踊の基礎もあるし、現代的な要素もお持ちなので。一緒に稽古をして、私の目に狂いはなかったなと思う」と話した。それに対して篠井は「そういう風にご覧になってくださっていたなら、本当に幸せ。うれしい理解者であられてくださったなと思う」と照れ、「雪之丞さんは粋で洒落ていて格好いい。葉子というこれぞ新派の女方が演じるべきお役を演じられる姿を、自分が出ていないところでは見惚れています」と返していた。ほかに喜多村緑郎、瀬戸摩純、山村紅葉らが出演する。公演は28日(金)まで。10日(月)と18日(火)の公演終了後にアフタートークあり。チケット発売中。文・取材:五月女菜穂
2019年06月07日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第34回アクマの辞典ナ行【ノ】➤「残り物」(のこりもの)…人も物も表示をよく見ないで食うのは良くない今回のテーマはナ行から「残り物」だ。「残り物には福がある」と言うが、我が家の冷蔵庫の残り物は大体腐っているし、腐っているとわかった上で捨てないから残り続けるという、ただの増殖する凶でしかない。しかし、時間を置くと腐る、劣化するというのはあくまで物の話である。人間は死ぬかボーイズラブに目覚めない限りは腐らない。それにも係わらず我々は、ある程度の年齢になって独身でいると「残り物」などと、経年で劣化した「物」扱いされてしまう風潮が未だに残っている。また、これは女のほうが言われる率が高い。つまり、令和になった今でも、女は売り物として選ばれるほうで、男はそれを選んで買うほうという考えが残っているのである。二次元ならば、ヒト×モノというカップリングもありだ。拙者も無機物をイケメンに擬人化したゲームとか大好物でござる。しかし、リアルの結婚というのはあくまで「ヒト×ヒト」のカップリング固定である。相手にモノと思われてした結婚など、幸せになれるはずがない。まだゴリラと思われて結婚したほうがリスペクトを感じる。だからと言って「残り物」という言葉を使わなかったら「人間として人間に選ばれなかった人」というもっと深刻な感じになってしまうので、もしかしたらキツいようで「残り物」というのはオブラートに包んだ優しい言い方なのかもしれない。だがここでも誤解がある。選ばれなかったとか以前に「そもそも陳列棚に並んだ覚えがない人」も、そこには含まれているのだ。誰もが結婚や恋愛、パートナーを求めているわけではない。そういう人は「選んでください」と棚に並ぶこともない、非売品なのである。そういう非売品の人の年齢だけを見て「売れ残りだ!」とスーパー玉出の割引シールを貼ろうとするのは、失礼以外の何ものでもない。逆に言えば、結婚する気がなかった魅力ある非売品の人が、考えを変えて婚活市場に入って来ることだってあるのである。それを年齢だけで「ワケアリの残り物」と判断するのは早計だし、もったいない。ひと昔前なら「この年で結婚していないのは、何かあるに違いない」と思われていたようだが、今だと「むしろ何もなかった(機会が)から独身」という人のほうが多いように思える。だがもちろん「何か問題があって独身」の人もゼロではない。つまり「残り物」が福か凶かというのは「よく見ろ」としか言いようがないのである。【ナ】➤「ナルシスト」(なるしすと)…本物は、他人ごときに認めてもらう必要がないので自撮りはしない【ニ】➤「匂わせ」(におわせ)…相手を一切写さず、デート、ケンカ、仲直りの過程を見せる表現のプロ【ヌ】➤「脱いだらすごい」(ヌイダラスゴイ)…冬から春の変わり目に女を突然脱がせるとすごいときがある【ネ】➤「寝言」(ねごと)…「推しと猫がいれば良い」的な発言は、起きて正気で言っていることなので目を覚まさせようとすると殴られます【ノ】➤「残り物」(のこりもの)…人も物も表示をよく見ないで食うのは良くないプロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2019年06月07日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第33回アクマの辞典サ行【シ】➤「失恋」(しつれん)…失えるところまでいけるのは恋愛エリート今回のテーマはサ行から「失恋」だ。この世の中には、カップ焼きそばの麺を三角コーナーに全部ボッシュートしたり、湯切りには成功したがかやくを入れ忘れていたり、逆に後から入れるソースを先に入れていたりと、様々な悲しみがある。カップ焼きそば一つでこれだけ悲しめるのだから、その数は計り知れない。その中でも失恋の悲しみは別格と言われている。しかし私自身は、失恋らしい失恋をしたことがない。勘の良い読者はすでに気づいてショウ・タッカーに殺されていると思うが「失恋したことがない」=「モテる」ではない。逆に真にモテず、恋愛に縁がない奴というのは失恋するところにまでいけないのだ。ない袖が振れないように、したことない恋を失うことはできないのである。モテない自信がある人間というのは、「成就確率0%」と気象庁に発表されている自分が恋をしたところで、失恋して無駄にダメージ負うだけと思っているので、恋自体を徹底的に避け、老人のように、ときめきは全部不整脈だと思って生きている。モテない人間だけではなく、人間は年を取るにつれ「失恋を恐れて恋をしなくなる」傾向にあるという。年を取ると身体的に傷の治りが遅くなり、かさぶたが剥げた後にかさぶたができるという無限かさぶた製造機となり、一向に傷が癒えない。心の傷の治りに年齢が関係あるかどうかは不明だが、大人になると「そうそう心を負傷するわけにはいかなくなる」のは確かだ。中高生なら失恋しても勉強が手につかなくなるぐらいで済むかもしれないが、大人が失恋して仕事や家事ができなくなったら生活が破綻する。恋などという決して不可欠でないものに、生活を狂わされるわけにはいかない、という思いが人を恋から遠ざけるのだ。婚活サイトやマッチングアプリが流行っているのもそのせいかもしれない。出会いを求めている人間が集まるところなら成功率も高いし、そういう媒体を挟めば上手くいかなくても「失恋」とは言わず「ご縁がなかっただけ」として、ダメージを減らすことができる。恋愛からできるだけ恋部分を省略しようとしているのが、現代の大人の恋愛なのかもしれない。最近は中高生でも、直接「好きだ」などと面と向かって告白することは少なく、LINEやメールなどで済ますほうが多いのではないだろうか。対面ではないため、告白のハードルが下がるし、断られたら「ナンチャッテσ(^_^;)」と突然おじさんになって、冗談でした、と逃げることもできる。しかし、LINEやメールでの告白のほうが実はリスクが高い。昔ラブレターが回し読みされたように、おもしろLINE告白は即スクショを取られて回されるだろうし、最悪SNSで全世界に晒される。一番そういうリスクがないのは「対面口頭」なのである。最近は24時間で投稿が消えるインスタグラムのストーリーが人気だそうだが、それよりも早く消えて、データも残らないのが口頭なのだ。何でも保存されて拡散される世の中においてはこのアナログ方法が一番頭の良い告白とも言える。ただ相手がボイレコで録音している可能性もあるので、告白の際には相手のボディチェックも忘れないようにしよう。【サ】➤「財布」(さいふ)…スムーズに奢られるために「払う意志はある」を演出するアクセサリー【シ】➤「失恋」(しつれん)…失えるところまでいけるのは恋愛エリート【ス】➤「好き避け」(すきさけ)…推しに会うと推しの目の前で発狂してしまうのであえて会いにいかない人のこと【セ】➤「セロトニン」(せろとにん)…太陽の光を浴びると出て幸せになるらしい、美白至上主義国家日本の女が不幸なのは自然の流れ【ソ】➤「尊敬できる人」(そんけいできるひと)…「理想の結婚相手は?」と聞いて、これが返ってきたら「お前にそんなこと答えるつもりはない」の意プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2019年05月07日ニット帽にサングラス姿で、猫との“会話”を楽しんでいたのは女優・八千草薫(88)。東京都内で1人暮らしをしている彼女は犬と猫を1匹ずつ飼っているが、彼らと過ごす時間は何よりの“やすらぎの刻”なのだろう。路上での語らいが終わり自宅に戻る八千草の後ろ姿を猫は名残惜しそうにじっと見つめていたが、その視線に気づいた八千草が手を振る姿もなんとも可愛らしかった。4月8日からドラマ『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日系)がスタートした。’17年放送の『やすらぎの郷』の続編であり、来年3月まで続く大作だが、すでに八千草の撮影は終了しているという。「『やすらぎの刻』で八千草さんは2つの役に出演予定でしたが、今年に入り肝臓がんが発見されたためヒロイン役は降板することになったのです。前作でも登場した九条摂子としてのシーンは、脚本家・倉本聰さんが大幅に台本を書き換えることで対処し撮影済みです」(テレビ局関係者)現在、八千草はどういった治療生活を送っているのだろうか?八千草のマネージャーに聞いた。「おかげさまで治療は順調で病状も良い方向に向かっております。『やすらぎの刻』撮影終了後にいったん入院しましたが、ちょうど自宅に戻ってきたところです」ドラマスタートにあわせて帰宅したということのようだ。「また入院する予定ですが、あくまでも治療のためで体調が悪化したためではありません。『やすらぎの刻』ですか?毎日放映時間にテレビの前にいるのは難しいので、テレビ局から送ってもらったDVDで視ているようですね。禁じられている食べ物などもなく、ふだんどおり生活しているのですが……」実は困ったことがあるという。「本人は出かけてみたいところもたくさんあるのですが、外出を控えざるをえない状態なのです。皆さんが八千草の闘病のことをご存じで、ずっと入院していると思い込んでいらっしゃるのです。だからデパートなどで買い物をしていても、『八千草さん、なんでこんなところを歩いているんですか!?大丈夫ですか!?』という感じになってしまうんですよ」いまの楽しみは治療スケジュールが終わった後の旅行先を考えることだという。旅行計画と愛犬・愛猫たちとの“やすらぎの刻”が、闘病の励みになっているようだ。
2019年04月19日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!第31回アクマの辞典ア行【ウ】➤「受け身」(うけみ)…全部受けとめるのも、受け流すのも疲れるのでこれからは「避け身の女」がくる今回のテーマはあ行より「受け身(の女)」だ。このサイトは見ての通り、占いコンテンツが充実している。むしろ何故「占い」をテーマに選ばなかったんだと言うぐらいだ。吉牛に行こうと提案しておいてカレーを頼む奴ぐらい不可解である。しかし、全く無関係というわけでもない。占い好きな女は「受け身」の傾向があると言われているそうだ。「受け身」とは決して、現代的な女の生き方とは言えなくなってきている。自活し、結婚するも出産するも自分で決めるのが今の時代の女であり、「受け身」などという、うすらボンヤリした生き方では、自称「グイグイ引っ張って行くタイプ」の男が運転する軽トラの荷台にしがみついて生きる羽目になる、というわけだ。しかし「受け身」な態度が全て従属的かというと、必ずしもそうではない。私は数年前、家を建てた。注文住宅なので、敷地面積と予算の許す限り自由にすることができた。なんでも自分の思い通り、と言えば聞こえは良いが「なんでも」の中には便所のドアノブの色とかも含まれているのだ、正直どれでもよい。しかし施工主は、どうでもいいことまで全部決める義務があるため非常に疲れた。「なんでも自分で考えて決める」というのは、意外と面倒くさいのだ。それよりもっと楽なのは「誰かに決めさせ、気に入らなかったら文句をつける」ことだ。夕飯はなんでもいいと言いながら「そうめん」と言ったら「え~」と言うポジションである。「あなたに任せる」と、一見受け身な態度で面倒くさいことは下々にやらせ、最終決定権は自分が持つと言う「従属的」どころか完全に「貴族の思想」だ。時には他人に決断を委ねたほうが効率的なこともあるし、「乗るしかない、このビッグウェーブに!」という名言があるように世の中の流れに身を任せたほうが良い結果になることもある。受け身な女は現代的ではないかもしれないが、だからと言って「総攻め」という同人誌でしか見ないような、攻め一方の女も柔軟性がないし、何より疲れてしまう。戦況によって受けと攻めを変えられるバランス型ファイターが現代的な女と言えるのではないだろうか。恋愛に関しては「受け身」のほうがモテるらしい。何故なら、モテというのはまず相手に「イケそう」と思わせるのが大事だからだ。つまり、いくらイイ女でも、難攻不落の要塞の如く攻め入る相手全員を大砲で撃ち落としてそうだと「ムリめ」と思われて挑戦者自体がそうそう現れない、つまりモテない。逆に「受け身の女」は門が半開きで「来るものは拒まず」「押しに弱い」雰囲気である。そこに「イケるのでは」と思った男が寄って来るのだ。しかし、このモテは、毎度おなじみ「雑魚モテ」である。鍵をかけてない家に泥棒が入って来るのと同じ原理だ。よって恋愛においては、意中の男は「受けとめ」、そうでない男は「受け流す」二種類の「受け」を使いわけるのが、デキる受け身の女である。【ア】➤「頭ポンポン」(あたまぽんぽん)…漫画やドラマで使うときは「これで喜ぶ女はフィクションです」と明記したほうがよい【イ】➤「インフルエンサー」(いんふるえんさー)…インフルエンザのインフルエンサーと言うのを我慢するのに骨が折れる存在【ウ】➤「受け身」(うけみ)…全部受けとめるのも、受け流すのも疲れるのでこれからは「避け身の女」がくる【エ】➤「遠距離恋愛」(えんきょりれんあい)…同居していても浮気する奴はするので距離は関係ない【オ】➤「押しに弱い」(おしによわい)…自分の押しで倒れた相手は、他の奴の押しにも倒れると思ったほうがいいプロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2019年04月07日舞台『トリッパー遊園地』の初日公演後会見が15日に東京・新橋演舞場で行われ、河合郁人(A.B.C-Z)、辰巳雄大(ふぉ~ゆ~)、榎木孝明、渋谷天笑、純名里沙、いしのようこ、惣田紗莉渚(SKE48)が登場した。同舞台は、河合郁人の単独としては初めての主演舞台。廃れた遊園地の経営改革の乗り出そうとする山ノ内遊園地の社長・山ノ内マサヒロ役に河合が扮し、戦時中の1944年にタイムスリップして遊園地のあるべき姿や人々が楽しめる場所の大切さに気づき始める、というストーリーとなっている。新橋演舞場での初単独主演に、河合は「最初にステージに立った時に、10年前に滝沢(秀明)くんが立っていたので、どうしてもどっかに滝沢君がいるんじゃないかと錯覚を起こしながら。稽古をするうちに、自分がこのステージで立つんだ、しっかりしないといけないと思って、初日を迎えました」と感慨深い様子。緊張しすぎて本番前は、辰巳の楽屋何回も行き来していたというが、辰巳が「今回タッキーがいないので、"タッツー"の楽屋に来てました」と言うと、「ちょっと弱いなあ」と苦笑していた。約20年ぶりの共演という2人だが「安心感がすごい」(河合)、「何をしてもフォローし合える仲」(辰巳)と、息はピッタリ。これまで、プライベートのカラオケでは「愛のかたまり」などをハモっていたというが、辰巳は「初めてデュエット曲があるので、『修二と彰』のように、『マサヒロとショウヘイ』で舞台を飛び出してどこかでお届けできたら」と意気込んだ。さらに、前日に行われたゲネプロのカーテンコールで2人が握手し、河合が何事か辰巳に囁いていた場面について聞かれると、河合は「引き寄せて、『好きだよ』っていってました。恋愛感情とかじゃなくて、友情として」と明かし、レポーターは「すごい……」と驚いた様子に。辰巳は「そういうこと言うと、(昔)同居してた情報とかおかしくなるから!」とつっこんでいた。また、惣田は「その場のみんなの話とかを聞いて、お芝居するのって本当に楽しいんだなと思って、こういう機会をいただけて幸せだなとも思います」とフレッシュな魅力を見せ、いしだは「頼もしいんですよ、2人が。今日も初日で急にセリフ増やされても、全然微動だにせずにペロッといってしまうから」と感心。榎木も「物怖じしない世代。芝居を忘れて見入っちゃいますね」と2人のパフォーマンスを称讃する。今回、"マサヒロ"と"正彦"の2役を演じる河合は「一度にジャニーズの先輩2人の名前をできるのが、ジャニーズ大好きジャニーズとしては嬉しいですね」と喜び、「マッチさん、"マサヒコ"という名前お借りしてるので、もしよかったら来てください」と、近藤真彦メッセージを送る一幕も。メンバーの来場予定について聞かれると、河合は「戸塚(祥太)が何年か前に演舞場で主演をやってるので、戸塚に見てもらって、どういう感想くれるか楽しみですよね」と期待。辰巳は「全員来てくれると思います。『(Endless) SHOCK』をやってるんですけど、合間を縫っていくわとは言ってくれますね」とふぉ〜ゆ〜のメンバーについて予想し、「これだけ髪を短くしたのは、一緒にいた中で初めて。顔が小さくて、"豆"ってあだ名だったんですけど、今度は"米"って呼ばれるんじゃないかと心配です」と語ると、河合は「発芽玄米」と表現していた。
2019年03月15日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第29回アクマの辞典バ行【ビ】➤「美人だけどモテない」(びじんだけどもてない)…美人のくせに男に興味がないのは許せないという圧も感じる我々は時々実体不明の敵と戦ってしまう時がある。実際見たわけでもないのに「いるよね、こういう奴」と言って、いるかどうかわからない生き物に対し延々悪口を言ったり腹を立て続けたりしてしまうのだ。一日中ネッシーにムカついているのと同じで、極めて無益である。こういった「いそうだが実際見たことはない未確認生物」の話で、便利づかいされがちなのが「ブス」だ。ブスの見た目がUMAっぽいからではない、例えば「好きな映画は『セックス・アンド・ザ・シティ』という女」を「好きな映画は『セックス・アンド・ザ・シティ』とかいうブス」と、ちょい足しアレンジするだけで「いるいる、そういうブス~!」とその場に失笑混じりの共感の嵐が吹き荒れてしまうのである。もちろん、全員そういうブスを見たわけでもなく、いたとしてもブスが『SATC』を好きで何が悪いという話なのだが、世間は頻繁に「とかいうブス」という架空の生物を作り出し、袋叩きにしたがるのである。どうせ幻と戦うなら、刃牙のように巨大カマキリと戦ったほうがまだ有益だ。そして今回のテーマも、ひょっとして架空の生き物では、という存在である。遅くなったが今回のテーマはバ行から「美人だけどモテない」だ。「モテない美人」いそうだし、いるんだろうけど、イマイチ「いる」と断言しにくい存在である。己の美人を妬む心が生み出した幻なのではないかとさえ思える。美人を妬む心が見せる幻覚には他にも「性格の悪い美人」「幸の薄い美人」「悲報!あの美人が劣化!」などが挙げられる。まず、美人が劣化するなら、同じ時を経た自分はもっと腐っているし、そちらのほうがリアルだ。このように美人もブスと同じぐらい「架空の生き物」を作られがちな存在なのだが、ブスとの違いは、実在していてもその存在を認めてもらえないことが多い、ということである。例えば本当にモテない美人が「私モテないの」と言っても「うそつけ、モテない美人などいない」と悩みも存在も否定されてしまうのである。モテるモテないだけでなく、この世には「幽霊否定派」と同じように「不遇な美人否定派」がいる。そういう人間に美人がどんな苦悩や苦労を語っても「でもあなた美人じゃないですか」「美人なんですからそんなことないでしょ」と言って全く取り合わない。このように美人にとっては「美人は性格が悪い」などネガティブな美人像を作り出す人間より「無敵の生物・美人」という架空の生き物がいると信じて疑っていない人間のほうが厄介なのである。「美人は色仕掛けで仕事を取っている」などと言う人間は、美人を妬んでいる人間より、むしろこの「美人無敵説」を信じている者だったりする。美人もブスも美醜以前にまず人間である、「適当なイメージで語られたら傷つく」というのは覚えておいたほうが良いだろう。【バ】➤「爆弾発言」(ばくだんはつげん)…「爆弾発言していい?」という奴の発言は大体不発【ビ】➤「美人だけどモテない」(びじんだけどもてない)…美人のくせに男に興味がないのは許せないという圧も感じる【ブ】➤「VIO脱毛」(ぶいあいおーだつもう)…介護する側もされる側も楽になるらしいので、腕毛すね毛よりマストかも【ベ】➤「ベスト体重」(べすとたいじゅう)…ダイエットを成功させるより必要なのは「俺のベスト体重は俺が決める」という強い意志【ボ】➤「母性」(ぼせい)…カビのように自然発生するものではないプロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2019年03月07日冷え込みが厳しい朝7時、東京都内の自宅から姿を現したのは女優・八千草薫(88)だった。彼女は数日前の2月9日に事務所のHPを通じてがん闘病と仕事の休止を公表したばかり。《一昨年の年末にすい臓に癌が見つかりまして、昨年1月に手術致しました。術後は順調で去年は連続ドラマと舞台に出演させて頂きました。ところが今年に入りまして肝臓にも見つかり……》’47年に宝塚歌劇団に入団してからすでに72年。ほとんど仕事を休んだことがないという八千草の休養宣言は世間を驚かせた。しかし本誌が目撃した彼女の足取りはしっかりしており、元気そうだった。右手には小さな食品保存容器を持っている。近年は自宅に出入りする猫にエサをあげるのも朝の日課になっているそうだが、その日課もきちんと続けているようだ。八千草の夫・谷口千吉氏は’07年に逝去し、彼女は1人暮らしを続けている。知人男性は言う。「八千草さんは動物が大好きで、いまは犬と猫を飼っています。がんの治療についてはよくわかりませんが、88歳なのに本人はいたって元気ですよ。今年になって車も買い替えたばかり。車高が高いので、『眺めがいいのよ』なんて喜んでいました」肝臓がん闘病中という八千草だが、続けているのは猫のエサやりばかりではない。4月スタートの連続ドラマ『執事西園寺の名推理2』(テレビ東京系)は降板したものの、なんと同じく4月スタートの『やすらぎの刻~道』(テレビ朝日系)には出演していくというのだ。八千草のマネージャーは言う。「『やすらぎの刻~道』は(’17年放映のドラマ)『やすらぎの郷』の続編にあたります。今作では八千草はもともと2つの役に出演予定でした。そのうちヒロイン・しの役は降板しましたが、前作でも登場した九条節子役としては出演します」1月に肝臓へのがん転移が発覚した後、倉本聰さんは台本を大幅に書き換えたのだという。「昨年すでに撮影したシーンもありますし、今後は体調と相談しながら、無理をしない程度に撮影を続けていきたいと考えています。本人は仕事がとても好きですので、(九条節子役以外の)降板も苦渋の選択でした。しかし体調が悪化して共演者やスタッフの皆さんにご迷惑をかけるのも申し訳ありませんので、この度のような選択となったのです」「ちょっとゆるやかに、でも少し無理をして」を信条としている八千草はインタビューなどでも“できる限り仕事は続けていきたい”と語っており、さらにHPでも次のようにつづっている。《また番組を楽しみにして頂いておりましたファンの皆様には体調を整えまして、より一層楽しんで頂ける作品に参加できるように帰って参ります》文面からは“女優として、もっといろいろな役を演じてみたい”という、強い意志が伝わってくる。今年買ったばかりだという新車のこともマネージャーに聞いた。「そうなんです。実は車を買い替えるほど、『やすらぎの刻』には意欲を燃やしていたんですよ。山梨県などでのロケも多いので、“もっと乗り心地の良い車にしましょう”と本人がパンフレットも取り寄せて色とか座席とかを選んでいたんです。車高の高いミニバンにしたのも、ロケ先で景色を楽しむためでした。しかし車が届いた矢先に、転移が発見されてしまって、いまはもっぱら病院に通うときに使っています」すい臓がんの際は数時間もの摘出手術に臨んだというが、今後の治療計画はまだ検討中だという。「いまは調子が良いので、しばらくは自宅療養を続けます。しかし、がんのステージによっては入院しての療養に切り替えることになると思います。手術ですか?やっぱり手術は痛みも感じますし、なるべく避けてあげたいですね」八千草の自宅には愛犬や愛猫がいるだけではなく、大切なものも置いてある。彼女の一日は、イーゼルに飾られた亡き夫の大きな写真に挨拶をすることから始まるのだ。2度目のがん闘病でもゆるがない不屈の女優魂を支えているのは、天国の夫の優しいまなざしなのだろう。
2019年02月22日“スーパーリアリズムの巨匠”上田薫の個展「-画集刊行記念-上田薫展」が、2019年3月20日(水)から26日(火)まで東京・日本橋高島屋S.C. 本館 6階美術画廊にて開催される。上田薫は“スーパーリアリズムの巨匠”として親しまれているアーティスト。東京藝術大学絵画科油画専攻を卒業後、アンフォルメル絵画の影響をうけた作品を制作するも、1970年頃より本格的に写実絵画を描き始めるように。90歳も今なお現役で作品を描き続け、本物そっくりなスーパーリアリズム作品を展開している。2018年夏には、自身初となる集大成としての画集を刊行。その画集刊行を記念して行われる本展では、とろ~ととろけた卵が印象的な「サラダD」や滴り落ちる白身をリアルに描いた「なま玉子」など、ユニークな作品が勢ぞろいする。ぜひ足を運んで、上田作品を鑑賞してみて。【詳細】上田薫展開催期間:2019年3月20日(水)~26日(火)※最終日は16:00閉場会場:日本橋高島屋S.C. 本館 6階美術画廊住所:東京都中央区日本橋2丁目4-1【問い合わせ先】日本橋高島屋S.C.本館TEL:03-3211-4111(代表)
2019年02月21日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第23回アクマの辞典ラ行【リ】▶「理想が高い」(りそうがたかい)…顔によって言っていい条件の数が変動する、ブスは1個でも「高い」と言われる今回のテーマはラ行から「理想が高い」だ。日本は「理想の相手は?」と聞かれて二項目以上答えると「ブスのくせに理想高い」「だから結婚できないんだよ」と口を極めて罵倒される国なので、多くの女が「優しい人」という薄らぼんやりした返答をすることを余儀なくされている。特に相手に「年収いくら以上」を求める女は嫌われがちだが、ここを完全に不問にしろと言われたら、結婚生活以前に人間生活が破綻してしまう。相手に「結婚生活をやっていける年収」を求めるのは当然だろう。では「やっていける年収」「毎日見ても健康を害さない顔」程度の相手ならそこで妥協すべきでありそれ以上を求めるのは贅沢で、理想が高い身の程知らずということになってしまうのだろうか。そんなことはない。何故なら、交際も結婚も妥協してまでしなければいけないことではないからだ。「とにかく日本国籍が欲しい」「何がなんでも姓を変える必要がある」という特殊事情があるなら妥協もやむなしだが、そうでないなら理想を下げてまでするほどのことではないだろう。むしろこの「妥協」のせいで「しないほうがマシだった」な結果になることもままある。しかし世の中には「女は30までに結婚しないと」などという脅迫が満ち溢れており「結婚はしなくてはいけない」→「結婚するためには妥協が必要」→「妥協できない理想が高い女は結婚できない」→「そういう女は地獄の業火に焼かれて死ぬ」ということにしたい人間が多いため、妥協は必要で理想が高いのは悪という考えが蔓延してしまっている。ともかく「結婚」の称号を得ることが最重要で、その内容に関しては細かく問い過ぎるな、ということである。そんな世の中において、それでも「理想が高い」人間はそう言った脅迫や一般論に屈しなかった鋼のメンタルと確固たる自分を持っている人間と言える。脅迫に屈し、妥協に妥協を重ねた相手と結婚し野垂れ死ぬより「年収1000万以下の男と結婚するぐらいなら野垂れ死んだほうがマシ」という高潔な精神の持ち主である。同じ野垂れ死にでも後者のほうがその死に顔は安らかだろう。「結婚すれば安泰」というのがもはや都市伝説であると判明している昨今、むしろ理想は高く持ち結婚に対しては「結婚?まあ俺のお眼鏡にかなう相手が見つかったらしてやってもいいけどな?」と乙女ゲーに出てくる俺様野郎みたいなスタンスを取ることが、妥協づくめの結婚をするより幸せになれるのではないだろうか。【ラ】▶「ラブホテル」(らぶほてる)…女子会や外国人旅行客の宿泊先として活躍、カップルはヤれればどこでもいいだろうから譲るべき【リ】▶「理想が高い」(りそうがたかい)…顔によって言っていい条件の数が変動する、ブスは1個でも「高い」と言われる【ル】▶「ルックス重視」(るっくすじゅうし)…毎日見るなら形が良いものが良いだろう。【レ】▶「連絡を待つ女」(れんらくをまつおんな)…連絡が来たら来たで「すぐに返信しないほうが良い」というしゃらくさいテクを使おうとする【ロ】▶「ろくな男がいない」(ろくなおとこがいない)…自分ですらわからない自分の魅力をわかってくれる男がいないことプロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2018年12月21日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■アクマの辞典ハ行【ハ】▶「腹黒女」(はらぐろおんな)…女から見て気に入らない女は全部「腹黒」ということになる今回のテーマはハ行から「腹黒女」だ。腹黒とは、表面上は白を装いながら、その振る舞いは全て自分の利益のためという、腹の中は真っ黒のイカみたいな奴のことである 。しかし、デキ婚のことを本人たちや新婦の親が「授かり婚」と言い変えたりするように、腹黒女たちは自分たちのことを「腹黒」などと言ったりはしない。何と言うのか?「あざとかわいい」だ。これは「なんでもヤバいと言っておけばいいと思ってるだろ」と怒られるの承知で「ヤバい」と言うに等しいパワーワードだ。ちなみに「パワーワード」も最近、多用されすぎの思考停止用語としてよく怒られる。つまり二倍怒られてでも使いたい「ヤバいパワーワード」=「あざとかわいい」なのだ。読んで字の如く、計算しつくされた、あざといファッション、メイク、しぐさをしつつも、男にはそのあざとさを勘づかれてない、もしくは「もう、あざといんだから!」と言われながら飯を奢られている女のことである。昔からよくいるブリっ子じゃねえかと思うかもしれないが、本物のあざとかわいい女はバカを装ったりしない。なぜなら、それが何の得にもならないとわかっているからだ。「バカを装え」は女の鉄板モテテクであり、合コン「さしすせそ」などその代表だろう。確かにそれがヤリコンだというなら、前戯から後戯まで「すごーい」だけでよく「さしせそ」すら不要なのだが、真面目な結婚をしたい女に対して、婚活コンサルタントが「バカを装え」とアドバイスしているところもあるというから驚きである。そこがペットショップなら「バカそうだけどクソカワイイ」で決めても良いと思うが、結婚相手として「バカ」かどうかで女を選ぶ男はそれ以上のバカか「バカだから操りやすい」と思っているかのどちらかだ。もちろんホンモノのバカの方でいらっしゃるなら、そのようなお相手と結婚しても「ベストマッチング」かもしれないが、コンサルのアドバイスに盲従し「バカを装って」結婚した場合、その相手はちょっと口答えしたり自分の意見を言ったりしただけで怒りだす可能性が非常に高い。「バカ(自分より下)と思って結婚した」のだから当然だ。それも、カワイイだけのバカ女が1人、2人肩に乗っていても余裕で歩ける、むしろちょうどいいハンデという、手足に重りをつけて生活しているサイヤ人のような真の高スペック男ならまだ良いかもしれないが、そこまでの甲斐性もなく「バカな女(共働き必須)希望」の男はもはや結婚相手を探しているとも言い難く、素直に「お母さん希望」と言ってくれたほうが助かる。よってモテるために「バカを装う」というのは、そういう男を寄せ付ける「雑魚モテ」をするだけである。本当に「あざとかわいい」女はそんなことはせず、むしろ平素は「しっかりした女」、ともすれば「1人で生きていける女」のようにふるまうという。それでは男を寄せ付けないと思われるかもしれないが、もちろんツッパリ倒した女ではなく、弱みやバカさも見せる、ただその弱みやバカさを見せる相手を「厳選」するのだ。そうすれば相手は「俺にだけ本当の自分を見せてくれている」「頼られている」思うのである。あざとかわいい女は「一本釣り」なのだ。いらぬ雑魚に時間をかけないのが、その「あざとさ(頭の良さ)」の所以である。【ハ】▶「腹黒女」(はらぐろおんな)…女から見て気に入らない女は全部「腹黒」ということになる【ヒ】▶「姫扱い」(ひめあつかい)…王族に生まれなくても高いシャンパンを入れればなれる、良い世の中【フ】▶「不意打ちキス」(ふいうちきす)…性犯罪【ヘ】▶「平成」(へいせい)…自分が平成だったら二十代のうちに終わらせてほしかったと思う【モ】▶「モラハラ男」(もらはらおとこ)…「間違ってるお前」を正しにやってきた間違ってる男プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2018年11月07日漫画家として活躍するカレー沢薫さんの連載コラム「アクマの辞典」このコラムは、ア行からワ行まで、女や恋愛に関する様々なワードをカレー沢さん独自の視点で解釈していきます。女の本性をあぶりだす新しい言葉の定義をとくとご覧あれ!■第17回アクマの辞典カ行【カ】▶「格差婚」(かくさこん)…した瞬間に「上手くいきっこない」の呪いをかけられる今回のテーマは「カ行」から「格差婚」である。みなさんは「格差婚」と聞いて何を思い浮かべるだろう、『永遠にともに』だろうか。このように「格差婚」というのは、女の収入が男のダブルスコア以上だったり、女はハリウッド女優のようで豹を飼っているが、男はネルシャツをパンツインしてヤモリとルームシェアしている場合だったりと「女のレベルが男より遥かに高い」時に使われているような気がする。それも「ハイスペックな女」と結婚したのだから「ハイスペック婚」と呼ばれても良いようなものだが、何故かそうは言われない。おそらくこれは「男の収入は女より上で当たり前」なる考えが残っているからだろう、よって「女がハイスペック」という部分に焦点を当てず「男が女より格下」という部分をフィーチャーした「格差」などという厳しい言葉が使われている気がする。割と女に対しても男に対しても失礼な言葉であるしかし、世間の「なんか気に入らねえと思われてる度」からすると、ハイスペック婚も、格差婚も大差はない。「ハイスペック婚」は「上手いことやりやがって地獄に落ちろ」と思われているし、格差婚は「女の下でヘラヘラしやがって恥知らず地獄に落ちろ」と思われている。つまり両方、ゴートゥーヘルを願って止まれない関係である、この辺は男女平等なので安心できる。このように、男が上だろうが女が上だろうが、お互いに差がありすぎる結婚は、妬みの対象であり好奇の目にさらされる関係である。そして決まってこう言われる「どうせ長続きしない」と。もちろん全ての格差婚が上手くいかないわけではないが、“永遠にとも”にいなかった例も多いので格差が別れを招く可能性はある。しかし「部屋が暗い時、諭吉に火をつけて灯り代わりにする」など、第一次世界大戦中の成金みたいな金銭感覚と価値観についていけねえ、という場合もあるが、格差離婚の原因は、その格差に対し「俺の嫁は稼いでいてすごい」と認められるか「こいつは稼いでいることを鼻にかけて俺を見下している」と卑屈になるかの違いだという。また稼いでいるほうも「自分がこれだけ働けるのは夫のおかげ」と感謝するか「こいつは私が食わせてやっている」と見下すかでは大きな違いがある。つまり、どっちのスペックが上だろうが下だろうが、リスペクトがなければ上手くいかないということである。また、どこを買うかも人によって違う「こいつは無職のヒモ野郎だが、野菜にすら“さん”づけするところが推せる」ということもある。それを、たかだか収入や社会的地位、容姿の差だけでお他人様の結婚を「格差」呼ばわりするのは良くない。そんな言葉で自分の妬みをオブラートに包むぐらいならドストレートに「なんか気にいらねえ婚」と言ってしまったほうがいい。【カ】▶「格差婚」(かくさこん)…した瞬間に「上手くいきっこない」の呪いをかけられる【キ】▶「聞き上手」(ききじょうず)…聞いているフリが上手い人【ク】▶「黒歴史」(くろれきし)…自分の歴史のみならず「あいつとつきあったのは黒歴史」と他人の歴史の一部になっている場合がある【ケ】▶「ケチ」(けち)…そいつはケチな男じゃない、君に金を使いたくないだけだ【コ】▶「小室哲哉」(こむろてつや)…彼の人生に文句を言うより、曲を聞いたほうがとても有意義プロフィールカレー沢薫漫画家、コラムニスト。1982年生まれ。2009年に『クレムリン』(講談社)で漫画家デビューを飾る。秀逸な言語感覚で繰り広げられる切れ味鋭い世界観が人気。こよなく猫を愛し、猫が登場する作品も多数。著書『ブスのたしなみ』(太田出版)も発売中。
2018年09月06日8月10日(金)に東京・紀伊國屋ホールで、八千草薫主演で3度目の上演初日を迎える舞台『黄昏』。今作は、1979年にブロードウェイで初演後、1981年に映画化されアカデミー賞を受賞するなど話題となった名作だ。本番まであと1週間という稽古場にお邪魔した。【チケット情報はコチラ】八千草薫はこれまで2003年と2006年の2度『黄昏』に老夫婦の妻エセル役で主演している。初演では夫のノーマンを杉浦直樹が演じ、ほか浅野温子、成宮寛貴らが出演。再演ではノーマンを長塚京三が演じた。今回12年ぶりにエセルとなる八千草の相手を務めるのは、村井國夫。共演は、朝海ひかる、松村雄基、若山耀人、伊藤裕一。舞台はアメリカのとある美しい湖。夫婦が夏を過ごすため別荘にやってきた。80歳近い夫のノーマンは偏屈な性格で、最近老いを感じ始め、自虐的に「俺は化石だ!」などと太い声で言い放つ。扱いづらいが魅力的な人物を、村井は、ユーモアたっぷりに演じる。しかしノーマンは、妻のエセルにだけはとても優しい。八千草が出てからは村井の声が柔らかくなり、視線に愛しさがこもる。エセルは気品をたたえた少女のような愛らしさでつねに微笑む。かと思えば、いじけて「俺に死んで欲しいのか?」と悪態をつくノーマンに「そう思ったことはありますよ」とピシャリと返す。夫婦のウィットに富んだやり取りが楽しい。八千草と村井、役者人生を積み重ねてきたふたりのひと言ひと言には深みがある。共に時間を過ごしてきた老夫婦の優しさが、稽古場に漂っている。ふたりの元に、娘のチェルシー(朝海)が訪ねてくる。舞台出演を重ねるごとにしなやかさが増す朝海。父への煩わしさを感じながらも、自分なりに愛している柔らかさも伝わる。またチェルシーの恋人ビル・レイ(松村)や、チェルシーの幼馴染チャーリー(伊藤)は40歳を越え、ノーマンの約半分の年齢だ。さらに少年ビリー・レイ(若山)の存在が、新鮮な勢いを大人たちの会話に差し込む。10代、40代、70代の3世代の男たちが、時の流れを何層にも重ね、物語に深みが増す。すべてをゆったりと見つめる八千草の視線が優しい。真剣な雰囲気の稽古場だが、ひとたび演技が始まれば、そこは黄金色の光が差し込む美しい湖畔だ。不器用なやり取りの合間からは、人生の輝きのかけらが溢れてくる。名作も、人生も、言葉で語られずとも実感するものなのだろう。公演は8月27日(月)まで。9月1日(土)には埼玉県志木にて上演。取材・文:河野桃子
2018年08月09日アイドルグループ・A.B.C-Zの橋本良亮と河合郁人が10日、東京・TBS赤坂ACTシアターで行われた音楽劇『コインロッカー・ベイビーズ』の公開フォトコール&囲み取材に、山下リオ、シルビア・クラブ、ROLLYらとともに出席した。同舞台は、村上龍原作の同名小説を音楽劇にしたもので、コインロッカーに置き去りにされたハシとキクの葛藤や屈服、反抗、逃走などの姿で今日の若者を表す、激しくも切ない物語となっている。2016年の初演時は橋本がハシ、河合がキクを演じたが、「お互いの役に挑んでみたい」という2人の強い思いから、今回は公演日によってお互いの役を入れ替わって演じるというWキャスト制となった。再演されることについての心境を聞かれると、河合は「うれしいですね。前回やったときにものすごい達成感というか、自分たちの力になったなと感じたので、またやりたいって終わってすぐにはっしー(橋本)と言っていました」と回顧。橋本は「役を交換したいって言ったんですけど、やっちまったなって思ったんです」と吐露して笑いを誘いつつも、「でも楽しいですよ。本当にキク役をやりたかったので」と声を弾ませた。さらに、役の入れ替えに挑戦することについて橋本は「やるにあたって" A.B.C-Zはすごいな"って思われたいんです。このグループに2人もこんな芝居ができて、全部終わって2人すごいなって思われて、A.B.C-Zすごいなって思われたいんです。そこは今回の目的ですね」と目を輝かせ、河合は「(メンバーが)見に来なかったらぶん殴ります(笑)。どっちのパターンも見てほしいですね」と呼びかけた。また、見どころについて河合は「世界観が前回よりもわかりやすくなっていて、エンディングが僕の中で残酷なんですけど明るく終わるところが『コインロッカー・ベイビーズ』っぽくていいなと思います」とオススメし、橋本は「再演と聞くと、前に見に来てくださったお客さんは構えると思うんですけど、まったく別のものなので、そこは期待して来てください。自信しかないです」とアピール。そして、今回初参加の山下は、キクとのキスシーンもあるが、2人に違いがあるか尋ねられると「すごく違うと思います。女の子の扱い方は真逆ですね」と答え、具体的に説明を求められると「そこは劇場で確認してください(笑)」と笑顔で交わしていた。舞台『コインロッカー・ベイビーズ』は東京・TBS赤坂ACTシアターにて7月11日~29日、大阪・豊中市立文化芸術センターにて8月11日~12日、富山・オーバードホールにて8月18日~19日に上演される。
2018年07月11日大勢の学生や仕事を終えた会社員たちが、ひっきりなしに行きかう東京・渋谷の繁華街を、ゆったりと歩いていたのは女優・八千草薫(87)だった。 彼女が入っていったのは、いまはやりの“肉バル”。おいしい肉をおしゃれに、かつ豪快に食べられるのがセールスポイントのレストランだ。87歳という年齢と肉バルは、ややミスマッチにも思えるが、あるテレビ局関係者は言う。 「連続ドラマ『執事西園寺の名推理』(テレビ東京系)の打ち上げが行われたのです。『執事〜』では、上川隆也(53)が演じる“完璧すぎる執事”と、彼が仕える優雅で上品な“奥様”が、殺人事件に直面していきます。2人の絆も効果的に描かれていて、視聴率も好評です」 本誌が八千草を目撃したのは5月21日だったが、彼女が入店した直後、主演の上川が、個人事務所の社長を務める19歳年下の妻を伴って打ち上げ現場に到着した。ドラマ収録の様子について、制作関係者は次のように語る。 「八千草さんが収録現場に入ったとたん、その場にいい意味での緊張感が生まれるんです。場が締まるという感じでしょうか。八千草さん自身は、ゆったりとした雰囲気をまとっているのに、進行は流れるようにスムーズになるのが不思議でした」 出演者たちにとって八千草はアイドル的存在でもあったという。出演者の1人であり佐藤二朗(49)は、こんなツイートを。 《最初のご挨拶で「初めてご一緒させて頂けるのに最初の僕の台詞、“おばあちゃん、なぁおばあちゃん”で申し訳ないです」と言ったら、「だっておばあちゃんだもの」と満面の笑みを返された時、完全に胸を射抜かれた》(5月11日付) 大ベテランにも関わらず、気さくに打ち上げにも参加していた八千草の姿にも新鮮な驚きを感じたが、所属事務所の担当者は次のように語った。 「『作品は、仲間みんなでつくるもの』というのが、八千草のスタンスです。彼女は『最後まで、仲間たちと時間を共有したい』と、常に考えているのです。だから映画やドラマの打ち上げにも、いつも参加させていただいています。もちろん若い方たちのように3次会で朝まで、といったことまでは難しいのですが」 打ち上げは皆勤を目指すというのが、八千草の女優哲学なのだという。 この日、1次会終了後に帰路についた彼女だったが、顔には満足そうな笑顔が浮かんでいた。“仲間たちと過ごすひととき”も、彼女が壮健であり続ける理由なのかもしれない。
2018年05月31日「平野薫―記憶と歴史」展が、箱根・ポーラ美術館で開催。会期は、2018年7月22日(日)から9月24日(月)まで。「平野薫―記憶と歴史」展を手掛ける平野薫は、古着や布製小物などを糸の一本一本にまで解き、それを展示空間の中で再構成する繊細なインスタレーションを制作するアーティスト。ドレスや下着、傘、シューズといった身の回りのモチーフは、元々の素材であった"糸"に戻ることで、ヨレや色褪せをより一層顕在化させ、かつてその糸を纏っていた者の気配や記憶までをも強く感じさせる。本展では、新作3点を含む全4点を展示。繊細な作品に潜む個人の記憶や経験を扱いながらも、それを歴史の中に還元していくことをテーマとした作品を発表する。例えば、3点の傘を組み合わせたインスタレーションでは、平野薫が留学時代に暮らしていたドイツ(旧東ドイツ)の傘や、故郷の長崎、現住地の広島で入手した傘を使用。異なる3都市で出会った傘のインスタレーションが重なることで、作者を形成した歴史的に深い意味のある場所であることを連想させる。また、工業用のミシンや糸を使用した新作インスタレーションも見どころのひとつ。戦時中の重機製造にルーツを持つメーカーのミシンを使用することで、戦後日本の高度経済成長を支えた工業機器と、人々が日々消費する衣服や繊維との関係性、そして近代日本の歴史の流れを暗示するかのような作品に仕上げている。【詳細】ポーラ美術館「平野薫―記憶と歴史」展会期:2018年7月22日(日)~9月24日(月)開館時間:9:00~17:00(入館は16:30まで)休館日:無休※展示替えのための臨時休館あり会場:ポーラ美術館住所:神奈川県足柄下群箱根町仙石原小塚山1285【問い合わせ先】ポーラ美術館TEL:0460-84-2111
2018年05月20日テレビ東京ほかにて4月よりスタートするドラマ「執事 西園寺の名推理」この度、主演の上川隆也演じる“パーフェクトな執事”が仕える奥様役を、八千草薫が演じることが決定。八千草さんがテレビ東京の連続ドラマに出演するのは、1998年放送の主演作「魚心あれば嫁心」以来20年ぶりとなる。八千草さんが演じる優雅で上品な奥様の伊集院百合子は、好奇心旺盛で少しだけ天然キャラで、守ってあげたいオーラいっぱいの人物。しかしそれでいて実は芯が強く、人や物事の本質を見抜く直観力も持ち合わせているという。百合子は夫が亡くなる前から仕えている西園寺と、深くて厚い信頼関係で結びついており、2人は言わば阿吽の呼吸で通じ合う関係。百合子が用件を言わずとも、西園寺はその意図を汲み取り、たちどころに望みを叶えてしまうのだ。そんな2人が殺人事件に出くわすことで物語が展開。事件に疑問を感じた百合子の意思を汲み、西園寺は独自の捜査を開始。有能な執事とはいえ、事件捜査は素人のはず…ところが、その知識と能力で鮮やかに事件の謎を解き明かしていく。2人のコンビネーションも見どころのひとつとなっていく本作だが、共演は今回が初めて。八千草さんは、「主演の上川さんは、ずっと以前から素敵な方だな、素敵な俳優さんだな、と思っていましたので、今度ご一緒させていただくのは、とってもうれしいです」と話し、一方上川さんは「西園寺がその全能力を尽くして仕える伊集院家の“奥様”として、八千草薫さんというこの上ない方が名を連ねてくださいました。八千草さん演じる奥様に仕えるにふさわしい執事になれるよう、全力で努めたいと思います。西園寺一と奥様とのやり取りや、伊集院家に関わる人々との間に描かれていく空気が、ご覧になる方にとって癒やしとなるような時間になればと思います」と意気込み。そして、本作がミステリーの連続ドラマ初出演となった八千草さん。「ミステリーって私、あまり出たことがなくて、連続モノはこれが初めてなんですね。単発では出たことあるんですけれど…」と言い、「ミステリーだけど、生々しさとかそういうのではなくて、なんかちょっと変わったドラマだな、と思っていまして、どんな風になるのかなといまから楽しみです」とコメントしている。「執事 西園寺の名推理」は4月13日より毎週金曜日20時~テレビ東京ほかにて放送。(cinemacafe.net)
2018年03月07日アイドルグループ・A.B.C-Zの橋本良亮と河合郁人が主演を務める、音楽劇『コインロッカー・ベイビーズ』の再演が行われることが27日、わかった。同舞台は、村上龍原作の同名ベストセラー小説を音楽劇にし、コインロッカーに捨てられたハシとキクの葛藤や破壊衝動を描いていく。2016年に初舞台化され話題を呼んだ。初演時は橋本がハシ、河合がキクを演じたが、今回は公演日によって橋本がキク、河合がハシと、互いの役を入れ替わって演じるというWキャスト制となる。初演当時から、「お互いの役に挑んでみたい」という2人の強い想いが実現した。ハシのパートナーとなるニヴァ役のシルビア・グラブ、ハシを歌手として育てる猥雑なプロデューサーD役のROLLYらは続投、さらにキクに多大なる影響を与えるワニを飼う不思議な少女アネモネ役で山下リオが新たに加わる。脚本・演出は木村信司が務める。東京公演はTBS赤坂ACTシアターにて7月11日~29日。大阪公演は豊中市立文化芸術センター・大ホールにて8月11日〜12日、富山公演はオーバード・ホールにて8月18日〜19日。○橋本良亮コメント◆2016年初演時の思い出は?初演をご覧頂いた方からは「(原作に登場する)ハシは橋本君だったんだね」と、「それほどハシ役に入り込んでたね」と言って頂き、自分の中でも手ごたえがありました。公演初日から「この役は他の人にやってほしくない」と思っていましたし、「ハシができるのは僕だ」と自信を持っていました。それこそ、後輩がやっているのなんて絶対に観たくないです(笑)。初演で演じたハシは、すごくネガティブで常に落ち込んでいる役だったので、ハッピーなシーンがなくて演じていても本当につらく、いい意味で楽しかったシーンはなかったです。稽古場でも、演出の木村信司さんを筆頭に皆さん熱い方ばかりだったので、ケンカしたり意見がぶつかったりしながらも、刺激をいっぱい受けて、最終的にいい作品に仕上がったと思います。◆再演が決定した時の感想は?最初に再演の話を聞いた時は、生意気かもしれませんが「やっぱりそうだよな。再演もするし、演じるのはこの二人だよな」と思いました。それほど自信がありましたが、一方で「またできるんだ」とホッとしました。今回はハシだけでなく、キクも出来るのが本当に楽しみです。キクはハシとは全く逆のキャラクターなので気持ちの入れ替えが大変だと思います。セリフも歌のハモリも二人分覚えないといけないので怖い部分もありますが、お客様に「橋本はキクも出来るんだぞ!」とアピールできるように頑張ります。◆本作への意気込み今回は、ハシだけでなくキクも演じるので、「(河合君から)絶対にキク役を奪うぞ!」という気持ちで挑みます。前回を越えるような芝居とパワーアップした歌で皆様に届けたいと思います。○河合郁人コメント◆2016年初演時の思い出は?『コインロッカー・ベイビーズ』は、初めて「お芝居って面白いな」と思えた作品で、観に来て下さった方からも「今まで見たことのない河合君だったね」と言って頂きました。ファンの方たちもキクのような役の河合郁人が好きなようで、以降、色んな役を演じていてもキクと比べられるほどに影響力がありました。劇中、ハシが刑務所に入って頭がおかしくなったのを見たキク自身の感情を歌うシーンは、歌に感情を乗せるのが凄く難しく大変でしたが、キクが答えを見つける瞬間の歌で、とても大事な歌だったで、去年のA.B.C-Zのライブでも歌いたいと思うくらいに大好きな曲になりました。演出の木村信司さんはかなり熱い方で、本読みの段階から軍隊のような熱い稽古でした(笑)。一緒に悩んでくれる方で、ご自身で先に演じてみて危険がないかを確認してから演出してくださるので、余計に頑張らないといけない気持ちになりました。◆今回、再演が決定した時の感想は?あの『コインロッカー・ベイビーズ』の世界にまた入れると聞いた時は、緊張よりワクワクの方が強かったです。初演の時は20代だったのですが、今は30代になりました。最初は10代の役をやるのは大丈夫かなと思いましたが、まだまだ若いので大丈夫だと思います。前回の大成功以上のものを見せないと、というプレッシャーもありますが、自信を持って再演ができるなという思いが強いです。さらに、今回はハシもキクも演じます。一つの作品で二つの役を入れ替わって演じるのは初めての経験ですが、それによってお芝居の幅が広がったらいいなと思います。何よりも話題性がありますし、真逆なキャラをそれぞれ違うバージョンで見られるので、原作ファンの方にも楽しんで頂けるのではと思います。◆本作への意気込み再演ということで、前回よりもパワーアップした『コインロッカー・ベイビーズ』を見せつつ、「河合郁人とはこんなにも色んな事ができるんだ」という発見も見られるような作品にしていきたいと思いますので、チーム一丸となって頑張ります。
2018年02月27日「河合神社は、手鏡の形をした絵馬に自分の化粧品を使ってお化粧をして奉納する美人祈願がユニーク。自分自身のなりたい顔を絵馬に描いて、厄を落として美人になるというわけです」 そう話すのは、スピリチュアリストで古神道研究家の暁玲華さん。最近、女性に注目されているという“美人になれる神社”。祭られている女神さまにあやかって美肌になったり、お参りで浄化され、内面から輝くオーラあふれる美人になれたり……と、全国には美の御利益がある神社が数多くあるそう。 なかでも、最近とくに人気急上昇で、多くの女性が訪れているのが京都市にある河合神社。ご祭神は、女性の守護神として知られる玉依姫命だ。 そこで、美人願望あふれる記者が、暁さんイチオシの河合神社に行ってみた。 河合神社は、世界遺産にも指定されている由緒正しい下鴨神社の摂社で、下鴨神社境内に鎮座している。京阪「出町柳」駅から徒歩8分。正面の入口から境内に入って左手に河合神社があるが、表参道をそのまま北に進み、まずは下鴨神社本殿へ。 「表参道沿いには清らかな小川が流れ、原生林の姿が残る『糺の森』が広がります。本殿でのお参りの前に、ここを通ると心身が浄化されますよ」(暁さん) 確かに林の中を歩いていると、冬のキリッと冷えた空気が気持ちよく、心の中も澄んでいくよう。本殿でのお参りを済ませたら、来た道を戻り、目的の河合神社へ。朱色の鳥居をくぐると、シンプルな白木の門に「女性守護日本第一美麗神河合神社」との看板が。“日本第一”との文字に、期待が高まってくる。 まずは入口左手の奉納品・授与品の受付で「鏡絵馬」を授与いただく。一見どれも同じに見えるが、木目の出方がそれぞれ異なるので、美肌を目指す記者はなるべく木目が薄く、白っぽい絵馬を厳選。美人祈願は、すでにここから始まっているのだ! そしていよいよ絵馬に“なりたい顔”を描いていく。受付の正面に「鏡絵馬御化粧室」なる専用の建物があるので、そこへ移動。机と椅子が用意されており、納得いくまでじっくり“お化粧”できる。 御化粧室にはサインペンや色鉛筆もそろっているが、ふだん使っている化粧品を使うとより御利益があると聞き、愛用のアイシャドーやアイライナー、口紅も使って、絵馬にバッチリメークをほどこす。 目を大きく、印象的にしたい記者。まずは黒目をアイライナーで拡大し、まつげはバチバチに。仕上げに、小顔に見えるよう髪も書き込んでできあがり。描きあがった鏡絵馬を手に本殿へお参りして、美人祈願。 「どうか小顔&パッチリお目目の美人になれますように!!」といつもの5倍くらいの時間をかけ、神様に願かけ。ちなみに、本殿の脇には「御白石」という白いツヤツヤした石も祭られており、触ると色白の美肌になれるそう。「御白石様、どうかツルツル美肌を授けてください!!」と、気合を入れて10回ほどなでさせていただく。 最後に、本殿横に願いをこめて鏡絵馬を奉納。それにしても、ずらりと並んだ鏡絵馬は圧巻。1つとして同じ顔なく、「みんなどんな顔になりたいのかな」と想像しながら、眺めるのもちょっと楽しい。 受付には、鏡絵馬のほかに美人になれるお守りやご神水を使った石けんなど、美にまつわるさまざまな授与品が並んでいる。記者は、お財布の中などに忍ばせて持ち歩けるお守り「美志守」と、ふだん使っている鏡に貼れるシール状のお守り「御鏡守」をチョイス。「御鏡守」は和美人のかわいらしいイラスト入りで、おススメだ。 玉のように美しいといわれる美麗神・玉依姫命のご加護が得られますように!
2018年01月01日『音楽喜劇「のど自慢」~上を向いて歩こう~』の公開ゲネプロが29日に東京・東京国際フォーラム ホールCで行われ、森昌子、河合郁人(A.B.C-Z)、監修・演出の井筒和幸が取材に応じた。同作は1999年に公開された映画『のど自慢』をベースに音楽喜劇として舞台化。売れない演歌歌手・赤城麗子(森)とそのマネージャー・須谷保(河合)が人気歌番組「のど自慢」に出るために奮闘する。32年ぶりの舞台に、「緊張が拭えない」という森が「みなさんが親切に介護してくださるから……」と恐縮すると、河合は「エスコートです、エスコート!」と慌てて訂正した。森の役名の”レイコ”が「母親と同じ名前」だという河合は、「『麗子さん』っていうたびに母親の顔が出てきたんですけど、だんだんうちのレイコ(母)を超えましたね」と頷く。さらに河合が「(森が)甘えてくるシーン、本当に申し訳ないんですけど、ものすごくかわいいんですよ」と心境を吐露すると、森は驚いた様子で「ちょっと待ってください! ドキドキしちゃった!」と少女のように恥じらい、井筒も「かわいいんだよなあ」と納得。河合は「あの瞬間すっごいかわいくて、キュンキュンしてて。キュンポイントです」と明かした。一方森も、河合について「頼りになるマネージャーなんですよ」と絶賛。「暗転して真っ暗になると、さっと肩を抱いてすっと連れて行ってくれて、どきっとしちゃいますね」と照れたように語ると、河合はすかさず「ここ、使ってください!」と訴える。森と相思相愛の様子に、河合も「こっちの麗子さんとうちのレイコさん(母)が同時に頼ってきたら、こっちの麗子さんをとります」と宣言した。また、舞台で「越冬つばめ」を披露する森に、河合は「歌ってすごいなと思いました」としみじみ。河合が「稽古場でも毎回本気で歌っていただくんですけど、歌を聞いただけで涙が出る、体にしみる。自分たちの曲で一切ないんですよ」と自虐すると、周囲から一斉につっこまれていた。東京公演は東京国際フォーラム ホールCにて6月29日~7月4日、神戸公演は新神戸オリエンタル劇場にて7月22日~24日、名古屋公演は中日劇場にて8月12日~18日。
2017年06月29日アイドルグループ・A.B.C-Zの河合郁人が19日、都内で行われた『音楽喜劇「のど自慢」~上を向いて歩こう~』の制作発表に、森昌子、湖月わたる、上原多香子、寺西拓人(ジャニーズJr.)、小川菜摘、前田吟、監修・演出の井筒和幸、司会の生島ヒロシとともに登場した。同作は1999年に公開された映画『のど自慢』をベースに音楽喜劇として舞台化。売れない演歌歌手・赤城麗子とそのマネージャー・須谷保(河合)が人気歌番組「のど自慢」に出るために奮闘する。単独での外部舞台出演は初めてという河合は「もともとすごい人見知りなんですけど、最近それがなくなってきたので、今そこまで人に見知ってはいないです。楽しみですね」と絶好調の様子。「後輩の寺西も今回出るので、ちゃんとしないといけないなという気持ちもある。今はそこまで不安はないです」と言い切った。ふだんはA.B.C-Zの5人で活動しているが「グループでいるとツッコミを僕がやっていて、ツッコミどころ満載の方たちが多いので。そういう方たちがいない分、この期間は楽だなと思います」とニヤリ。しかし「ライブで5人そろった時に、帰る場所があると、安心して外部の舞台に出られる」と、グループへの愛を語った。また、ジャニー喜多川社長には舞台出演を報告できていないという河合。「2日前くらいに会ったんですけど、話そうと思ったら帰りました」とエピソードを披露した。「Jr.を連れてきてて、『ああ、ジャニーさん』と話そうと思ったら帰りました。『じゃあね、おじさん』と言われました」と明かし、周囲を笑わせていた。後輩の寺西は初の会見出演となったが、河合は「『何かあったらフォローしてください』と言われたけど、そのつもりはないです」と愛の鞭。しかし「本当に緊張して、今も緊張してます」という寺西に対し「けっこう、声のトーンも一定じゃないですか。でも実はテンション上がってるんです」と解説するなど気にかけていた。さらにマネージャー役への挑戦に「ジャニーズ事務所のマネージャーさんは素晴らしい方ですから。個性的な方が多いので、面白い人もいれば、よく喋る人、パキパキ動く人もいる。そういうのを見ると勉強になりますね」と語った。東京公演は東京国際フォーラム ホールCにて6月29日~7月4日、神戸公演は新神戸オリエンタル劇場にて7月22日~24日、名古屋公演は中日劇場にて8月12日~18日。
2017年05月19日『音楽喜劇「のど自慢」~上を向いて歩こう~』の制作発表が19日に都内で行われ、森昌子、河合郁人(A.B.C-Z)、湖月わたる、上原多香子、寺西拓人(ジャニーズJr.)、小川菜摘、前田吟、監修・演出の井筒和幸、司会の生島ヒロシが登場した。同作は1999年に公開された映画『のど自慢』をベースに音楽喜劇として舞台化。売れない演歌歌手・赤城麗子とそのマネージャー・須谷保(河合)が人気歌番組「のど自慢」に出るために奮闘する。32年ぶりの舞台という森は「平静を装ってるけど、緊張している」と明かし、「皆さんに助けていただきながら、楽しい舞台にしていただけたらなと思っています」と語った。グループを離れ単独での舞台出演は初という河合は「歌も、もしかしたら歌うのかなという感じなんですけど、うまいんだけど歌手としてはそこまでうまくないみたいな役だったので」と説明し、「僕もグループの中で、歌はうまいんだけど、そこまでインパクトがあるわけではない」と笑わせた。また初の会見となった寺西について、生島は「記者会見前にストレッチをしていた」と明かす。寺西は「森昌子さんの舞台に出るんだよと言ったら、おばあちゃんがとても喜んでくれて。一生懸命頑張らなければ」「僕も大学を卒業したばかりで歳も近いので、自分に近いものを演じられたらいいなと思います」と意気込んだ。寺西の母親役の小川は「いや、こんな綺麗な顔の息子がいたらね。うちは夫(浜田雅功)のDNAが強いから」と嘆いていた。出演者陣がのど自慢に出るなら? という質問には、河合が「僕ジャニーズが大好きなので。あ、僕ジャニーズなんですよ」と、SMAPの「夜空ノムコウ」を選曲。マイクのハウリングに邪魔され「キーンってなっちゃった!」と恥ずかしがりながらも「Bメロをアレンジしすぎた木村拓哉さんの歌い方」を披露した。また、寺西は「小学校の時にバンドを組んでいて、その時はスピッツさんをやっていた」と、「チェリー」をピックアップ。河合から「歌ってごらん、すっげー恥ずかしいから」と促され、「愛してるのひ……」まで歌ったところで耐えきれずに「すいません」と謝っていた。さらに湖月が振り付きで松田聖子「夏の扉」を歌うなど、カラオケのようにヒートアップ。最後には森昌子が「デビュー当時のひばりさんの『悲しき口笛』」とモノマネを披露し、盛り上がりを見せた。会見終了後の囲み取材では、森がポスター撮影時のエピソードを披露。「(河合と)ツーショットの時『僕がお守りします』って。もうなんて素敵な言葉を言ってくれたんだろうと思って。息子と同じような年頃なのにドキドキしちゃって、すごい頼らせてもらおうと」と河合を見つめた。河合が「マネージャー役なので、タレントを守る」と言うと、森は「それだけ!?」と驚いたが、河合は改めて「ちゃんと森さんを守ろうと思って言いました」ときっぱり。森は「久々の男性からの告白だった」と喜んでいた。東京公演は東京国際フォーラム ホールCにて6月29日~7月4日、神戸公演は新神戸オリエンタル劇場にて7月22日~24日、名古屋公演は中日劇場にて8月12日~18日。
2017年05月19日直木賞受賞作家、北村薫原作の小説を舞台化した『スキップ』が、13年の時を経て、今春、サンシャイン劇場での上演が決定した。高校2年の主人公、一ノ瀬真理子がある日、うたた寝から目を覚ますと25年後の夫と娘がいる高校教師になっていたという設定で、大人になった真理子役を霧矢大夢が演じることは既に発表されていたが、今回、17歳の真理子役に、元乃木坂46の深川麻衣が決定したと発表された。なお、深川は舞台初主演で霧矢とのダブル主演となる。舞台『スキップ』チケット情報その他のキャストは、真理子の娘・美也子役をキャラメルボックスの木村玲衣、密かに真理子に思いを寄せる新田役を碓井将大のほか、柿喰う客の深谷由梨香、長濱慎、範宙遊泳の熊川ふみ、キャラメルボックスの原田樹里らの出演が決定している。全キャスト発表に伴い、メインヴィジュアルの公開と原作の北村薫、主演の霧矢大夢、深川麻衣よりコメントが寄せられた。■北村薫(原作者)コメント前回の公演は新聞の劇評でも絶賛されました。しかし、世評以上に、観客の方々が舞台にぐいぐいと引き込まれ心をふるわせていたことが記憶にあざやかです。もう一度観たいと願っていました。夢がかなって本当にうれしいです。■霧矢大夢コメントこの作品は、ある日、高校生だった真理子が、目覚めると突然大人になっている。しかも高校教師という立場になっている、というストーリーです。気が付くと夫がいて、娘もいる。見た目は大人なんだけど、中身は17歳。その現実を自分なりに受け入れて、健気に、ピュアに、その状況に立ち向かっていく。そんな一生懸命な真理子を表現したいなと思っています。演出の成井豊さんとも初めてですし、キャラメルボックスのエネルギッシュなお芝居に刺激を受けて、自分なりの真理子像を作っていきたいと思います。■深川麻衣コメント今回の舞台『スキップ』では、主人公の一ノ瀬真理子役を、霧矢大夢さんと一人二役ではなく、二人一役で演じさせて頂くということで、どんな風になるのかとても楽しみにしています。稽古はこれからですが、脚本を読ませて頂いて、面白くなること間違いないと確信しています。大きな役で、個人的にはもの凄く緊張しているのですが、みなさんと力を合わせて、毎日の稽古を励んでいきたいと思います。ぜひぜひ観に来てください。■NAPPOS PRODUCE『スキップ』原作:北村薫『スキップ』(新潮文庫刊)脚本・演出:成井豊(キャラメルボックス)2017年4月26日(水)~5月5日(金・祝)サンシャイン劇場(東京・池袋)出演:霧矢大夢深川麻衣岡田達也粟根まこと木村玲衣碓井将大深谷由梨香長濱慎熊川ふみ原田樹里関根翔太石森美咲大滝真実山崎雄也元木諒チケット一般発売:2月25日(土)
2017年01月23日2004年、キャラメルボックスの成井豊により、舞台化された北村薫原作の『スキップ』が13年の時を経て、来春、サンシャイン劇場で上演される。物語の主人公・一ノ瀬真理子は高校2年の17歳。ある日、うたた寝から目を覚ますと25年後、夫と娘がいる高校教師になっていた……。直木賞受賞作家、北村薫の名作を舞台化した本作では、大人になった真理子と高校生の真理子がダブル主演となり、ひとりの人物を二人の女優が演じる趣向もみどころのひとつ。その「大人の真理子役」を霧矢大夢が演じる。公演は4月27日(水)から東京・サンシャイン劇場にて上演。高校生の真理子役ほか、詳細は公式サイト等で順次発表予定。■NAPPOS PRODUCE『スキップ』2017年4月27日(水)~5月5日(金・祝)サンシャイン劇場(東京都)原作:北村薫『スキップ』(新潮文庫刊)脚本・演出:成井豊(キャラメルボックス)出演:霧矢大夢、ほか
2016年12月28日アジア各国でも旋風を巻き起こす「深夜食堂」の劇場版第2弾『続・深夜食堂』の公開記念舞台挨拶が11月24日(木)、都内で行われ、主演の小林薫をはじめ、安藤玉恵、宇野祥平、金子清文、須藤理彩、小林麻子、吉本菜穂子、オダギリジョー、松岡錠司監督が登壇した。安倍夜郎の人気漫画を原作に、ドラマ、動画配信、映画と世界観を広げる人気シリーズ。新宿ゴールデン街を思わせる繁華街の路地裏で、経歴も年齢も不詳なマスター(小林さん)が佇む深夜営業の食堂「めしや」を舞台に、夜な夜な集まる個性豊かな客たちが、悲喜こもごもの人生を交錯させる。この日はステージ上に、撮影で使われた「めしや」の実物のれんが設置されたり、写真撮影時に登壇者全員がビールピッチャーを手にしたりと、映画のヒットを祝う演出が施された。公開3週目も好調をキープしており、主演の小林さんは「トランプさんが大統領になったり、重大な事件もあるなかで、自分の息子や彼女の話、過去のあやまちが棘のように刺さった市井の人たちのドラマこそ、共感してもらえるのだと思う」とヒットの理由を分析。ステージ端に立つ松岡監督に視線を送り、「第2作目というプレッシャーのなかで、細やかな部分にも気を配っていた。松岡監督は良くも悪くも、評判が良いといい気になるから、立ち振る舞いを心配するところもあるんですけど(笑)。でも、今回に限っては調子に乗るのもいいんじゃないかなと」を苦言(?)をこめて、労をねぎらった。当の松岡監督は「そういうの、いいから」と照れ笑いを浮かべ、「日本独自の話を作っているつもりですけど、言語も食文化も違うアジア圏で評価が高いのはうれしいですね」と手応えは十分。「映画が始まって割と早めから、お腹が鳴ると思いますが、皆さん同じ現象だと思うので、気になさらないで」と“飯テロ”を警告していた。「実は今日、二日酔いなんです」と告白したのは、オダギリさん。今週末には松岡監督とともに、台湾キャンペーンに出かけることになっており、主演の小林さんは「いま、初めて聞いた」とうらやましそうに話していた。『続・深夜食堂』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)■関連作品:続・深夜食堂 2016年11月5日より全国にて公開(C) 2016 安倍夜郎・小学館/「続・深夜食堂」製作委員会
2016年11月25日アイドルグループ・A.B.C-Zの河合郁人と戸塚祥太が、17日放送の日本テレビ系バラエティ番組『ダウンタウンDXDX』2時間スペシャル(21:00~22:54/レギュラーは毎週木曜22:00~23:00)に出演し、日頃の怒りを表明する。河合は「これってイラッとしませんか?芸能人怒りの主張!」コーナーで日頃“イラッ”ときた事を発表。「エレベーターのボタン前に立っているのに何もしない人!」への怒りを訴える。河合は「最初に乗ってボタン前にいて、開く、閉めるボタンを押さない人がいるじゃないですか。階数ボタンも押してくれないから自分で押す時に『すみません』って言いますけど、何のすみませんなのか……。腹が立ちますね」と怒りを表す。河合の話を受け、NON STYLEの石田明も、エレベーターで感じた”怒り”を独自の着眼点から披露した。また、ヒロミが怒っているのは「まとめて買いたいのにお釣りがすぐに出てきてしまう自動販売機!」。「自動販売機は1本限定で買うと思ったら困る。1,000円札を入れたら何本も買いたいじゃない?」と不満を述べると、河合も「まとめ買いボタンが欲しいですよね」と同調する展開に。番組にはほかに堺正章、三遊亭好楽、ヒロミ、勝俣州和、泰葉、篠原信一、山本美憂、長谷川穂積、NON STYLE、滝沢沙織、平成ノブシコブシ、西山茉希、あばれる君、GENKING、菊地亜美、橋本環奈、祥子、宮本エリアナ、平野ノラ、ぺえが出演する。
2016年11月16日