自身の私生活を深く見つめる作風で、1960年代以降の日本の写真表現に独自のポジションを築いていった写真家・深瀬昌久。彼の作風は’70 年代には「私写真」と呼ばれ、後の写真家たちの主要な表現のひとつとして広まってゆく。「私写真」のパイオニア深瀬昌久の日本初、大回顧展。1934年、北海道の写真館の長男として生まれた深瀬。3代目になることを期待され、6歳の頃から暗室でプリントの水洗仕事を手伝わされるなど、幼少期から写真と縁深い生活を送る。日本大学藝術学部写真学科を卒業後は、日本デザインセンターや河出書房新社などの勤務と並行し、カメラ雑誌を中心に写真作品を多数発表。’68年に独立すると、妻や家族、飼い猫など、身近な存在にカメラを向け、自分の内面へと意識を向けてゆく。彼の作品は、被写体に対する愛ある眼差しと、ユーモラスな軽やかさが混在しているのが特徴。明るさの中にも、どこか不気味な雰囲気をたたえた作品は、不思議といつまでも見る人の記憶に残る。本展は、深瀬昌久の全貌を紹介する日本初の大回顧展。初期作品「遊戯」から、家族を撮影した「家族」、晩年に手がけた「私景」や「ブクブク」など、主要な作品を一堂に集め、活動の足跡を時系列に辿ってゆく。なかでも注目は妻・洋子を被写体に、約10年の歳月をかけて撮影されたシリーズ「洋子」だ。深瀬は、’60年代には二人が暮らした埼玉の草加松原団地を舞台に、’70年代には旅先の北海道や金沢、伊豆などで洋子を撮影。本展では《無題(窓から)》など15点を本邦初公開。そこには被写体への愛ばかりでなく、どこか過剰な演出も入り交じっている。深瀬がプライベートを晒しながら表現したかったものは何だったのか。彼は猫と過ごす日々を振り返り、「私はみめうるわしい可愛い猫でなく、猫の瞳に私を映しながら、その愛しさを撮りたかった。だからこの写真は、サスケとモモエに姿を借りた私の『自写像』といえるのかもしれない」と書き残している。’92年6月、深瀬は行きつけのバーの階段から転落。重度の後遺症を抱え、以降は特別養護老人ホームで介護を受けながら過ごし、二度とカメラのシャッターを切ることなくこの世を去った。本展は、彼の活動の全貌とともに、「不遇の作家」とも呼ばれた彼の生き様から、写真の原点についても考える機会になりそうだ。《無題(窓から)》〈洋子〉より1973年勤め先の画廊に出勤する洋子の姿を毎朝4階の自室から望遠レンズを使って撮り続け、「洋子」と題して1973年に誌上で発表。夫婦は’76年に離婚した。©深瀬昌久アーカイブス《無題》〈サスケ〉より1997‐1998年個人蔵’77年に友人の紹介で譲り受けた深瀬の猫・サスケ。©深瀬昌久アーカイブス《屠、芝浦》〈遊戯〉より1963年東京都写真美術館蔵解体される家畜と当時は恋人だった洋子。©深瀬昌久アーカイブス《91.11.10 November 10th 1991》〈ブクブク〉より1991年東京都写真美術館蔵’91年、深瀬は自宅の湯船に潜った自分の姿を約1か月間写し続けた。©深瀬昌久アーカイブス《昌久と父・助造》〈家族〉より1972年東京都写真美術館蔵’71年、帰省した際に撮影した父との写真。©深瀬昌久アーカイブス深瀬昌久 1961‐1991 レトロスペクティブ東京都写真美術館東京都目黒区三田1‐13‐3恵比寿ガーデンプレイス内開催中~6月4日(日)10時~18時(木・金曜は~20時。入館は閉館の30分前まで)月曜(5/1は開館)休一般700円ほかTEL:03・3280・0099※『anan』2023年3月15日号より。文・山田貴美子(by anan編集部)
2023年03月13日1934年に北海道で生まれ、1960年代以降の日本の写真界に独自の地位を築いた写真家・深瀬昌久(1934-2012)の全貌に迫る回顧展が、恵比寿の東京都写真美術館で、 3月3日(金)から6月4日(日)まで開催される。日本大学芸術学部写真学科を卒業後、1960 年代初期からカメラ雑誌を中心に発表していた深瀬昌久は、1968年に写真家として独立。妻や家族といった身近な存在にカメラを向け、自身の私生活を深く見つめる視点で撮影した作品群は、1970年代に「私写真」と呼ばれ、写真家たちの主要な表現のひとつの潮流として展開することになった。1974年には、ニューヨーク近代美術館で開催された企画展「New Japanese Photography」に出品し、以後、世界各国の展覧会にも多数参加している。同展は、「私写真」の先駆者として、1960年代から70年代の日本写真界を切り拓いた深瀬の初期作〈遊戯〉から後期作〈ブクブク〉まで、その足跡を時系列に沿って紹介する国内初の大回顧展だ。とりわけ、写真家としての深瀬を探究するうえで欠かせない、妻・洋子を被写体としたシリーズ〈洋子〉の15点は、今回が初出品。様々な衣装に身を包んだ洋子の表情豊かな写真は、ユーモラスな軽やかさと被写体への愛を感じさせると同時に、どこか過剰な演出が一抹の不穏さも想起させる印象深い作品だ。また、深瀬作品には、現在の私たちがスマートフォンを使って撮影する「セルフィ」に通ずる身体感覚が見いだせるという点も興味深い。生涯を通してカメラを自己探求の手がかりとした深瀬は、その独特のカメラアイで、何気ない日常を題材にしながら、ときに狂気とユーモアが表裏一体をなすような作品を生み出した。写真表現の奥深い可能性を示す、こうした深瀬の視座にも注目したい。なお、同館には、写真専門図書室が併設されており、こちらでは、深瀬の写真集をはじめ関連図書が紹介されている。展示室でオリジナルプリントを堪能した後には、出版当時の写真家の想いが込められた写真集を閲覧してみてはいかがだろうか。<開催情報>『深瀬昌久 1961-1991 レトロスペクティブ』会場:東京都写真美術館会期: 2023年3月3日(金)~6月4日(日)時間:10:00~18:00、木金は 20:00 まで(入館は閉館 30 分前まで)休館日:月曜(5月1日は開館)料金:一般 700円、大学 560円、高中・65歳以上 350円※日時指定予約推奨美術館公式サイト:
2023年02月24日洗練された「野趣と文化」を表現する京都を代表する老舗料亭京丹後の食材の豊かさを物語る逸品ぞろい京料理に合わせるワインから、希少な日本酒まで充実のお酒リスト洗練された「野趣と文化」を表現する京都を代表する老舗料亭明治3年に誕生した、京丹後の料理旅館に端を発する京都を代表する老舗料亭が【和久傳】です。【室町和久傳】は、中村外二工務店が手掛けた京都の風情を残しつつモダンシックにデザインされた一軒。凛とした趣のある佇まいは都会の喧騒を忘れ、非日常の世界へと誘います。凛とした趣のある空間客席は2つの開放的なカウンターや中庭を望むテーブル席、大きさの異なる4つの個室があるので、様々なシーンで利用できます。特に、料理人を囲むように作られたカウンターは、どのお席からも料理人のきめ細やかな所作を目の前で見ることができます。今なお京丹後から取り寄せる野趣あふれる魚介、野菜は農家直送と、市場を通さず届けられる素材が多く、その時季の旬の恵みが贅沢に表現されます。時に大胆に素材を押し出し、味わえばその味は繊細な京料理。そんな、直球の味わいが訪れるゲストに口福を運んでくれます。京丹後から届く四季の恵みを、贅沢に調理京丹後の食材の豊かさを物語る逸品ぞろいそれでは海と山に囲まれた、京丹後の食材の豊かさを物語る【室町和久傳】の逸品の中から、今回は3品ご紹介しましょう。『鬼海老おかき揚げ 鯛白子 うに醤油』丹後で捕れた鬼海老をおかきをまぶし素揚げに。さらに炭焼きの鯛白子と合わせ贅沢なうに醤油で。香ばしさに加え、鯛白子やうにの旨みが得も言われぬ口福を運びます。味わうたび旨みが広がる『黒あわび 筍 菜の花のそうす 木ノ芽』間人から取り寄せた最上級の黒あわびを柔らかく煮て、旬の筍と共に菜の花のペーストで味わう一品。柔らかな食感とともに、豊かな風味が口いっぱいに広がります。『焼霜あなご 湯葉春菜なべ 地クレソン 芹 春菊 花山葵 わらび』皮目を炙ったあなごをメインに、春の野菜をたっぷり盛り込み鍋仕立てに。葛餡を使い味わうほどに温まります。焼き目の香ばしい穴子をたっぷりの野菜と共に。京料理に合わせるワインから、希少な日本酒まで充実のお酒リスト京料理の味を壊さない繊細なワインを中心に、グランヴァンなども取りそろえる充実のワインリスト。さらに、日本酒は獺祭や玉川など人気の銘柄から希少酒までをラインアップしています。料理の味に寄り添い、美味しさを引き立てます。季節感を大切に、野趣と繊細さを両立させた同店の料理。上質な空間で、京丹後から届く四季の恵みを表現した味わいを心行くまで堪能してみてはいかがでしょうか。室町和久傳【エリア】四条烏丸/烏丸御池【ジャンル】日本料理・懐石・会席【ランチ平均予算】11000円【ディナー平均予算】22000円【アクセス】烏丸御池駅 徒歩5分※店舗情報は取材当時の情報です。最新の情報や営業時間は店舗にご確認ください
2021年09月09日各ブックストアがFASHION HEADLINE読者に向けて「今読むべき1冊」をコンシェルジュ。毎週土曜日は、洋書を専門に扱う原宿のブックショップ「シェルフ(Shelf)」(東京都渋谷区神宮前3-7-4)が選ぶ書籍をご紹介します。■『Masahisa Fukase』深瀬昌久深瀬昌久、待望の集大成。私性と遊戯を追い求めた40年。1960年代から日本写真の第一線で活躍した写真家・深瀬昌久。だが、1992年の不慮の事故により、その活動は閉ざされた。「鴉」が不朽の名作として語り継がれる一方、そのほか大半の作品が紹介される機会は失われた。本書は、そんな謎多き写真家・深瀬の40年間に及ぶキャリアを俯瞰し、その写真表現の全貌を初めて浮き彫りにする決定版。全26章。深瀬は、北海道の写真館の家系に生まれ、「私性」と「遊戯」の視座に根差した写真表現を多岐にわたる手法で探求した。その人生の中心には常に写真が腰を据え、内なるリビドーは周囲を巻き込み、己の人生をも破滅へ向かわせた。本書は、作品一つひとつを時系列で整理し、深瀬が雑誌に残した撮影後記や手記等から、その制作意図や背景を丹念に探る。これまで断片的にしか見えてこなかった深瀬の作品が、軌跡となって立ち現れ、生涯をかけてカメラの先で何を見つめようとしていたのかを本質的に探ろうとする。写真表現の豊かさと凄みを湛え、未来に手渡す大冊。【書籍情報】『Masahisa Fukase』写真:深瀬昌久出版社:赤々舎監修・本文:トモ・コスガ(深瀬昌久アーカイブス ディレクター)序文:サイモン・ベーカー(ヨーロッパ写真美術館館長)言語:日本語ハードカバー/416ページ/260×200mm発刊:2018年価格:8,000円■Shelfオフィシャルサイトで『Masahisa Fukase』を購入する<目次>北海道/東京/ 1952–1954 /豚を殺せ/カラー・アプローチ/松原団地と新宿 /遊戯–A PLAY–/家族・I/組立暗箱を担いで/烏1976/サスケ/鴉1979/烏・夢遊飛行/烏・東京篇/歩く眼・I/歩く眼・II/遊戯–A GAME–/総天然色的街景/烏景/家族・II/父の記憶/私景/ヒビ/ベロベロ/ブクブク/烏1992/オートマティズム
2018年09月15日TBSで4月14日から始まる金曜ドラマ「リバース」の第1話プレミア試写会・トークイベントが4月5日(水)、代官山T-SITEにて行われ、出演する藤原竜也、戸田恵梨香、原作者の湊かなえが登壇した。玉森裕太(Kis-My-Ft2)、小池徹平、三浦貴大、市原隼人など若手実力派俳優が集結した現場では、男同士でかなり楽しみながらやっていると話した藤原さん。中でも、「市原くんがやはり熱い男なので、ひとりでしゃべっているかな(笑)」と暴露し、戸田さんらを笑わせていた。「リバース」は、“イヤミスの女王”湊さんの同名小説のドラマ化で、「夜行観覧車」、「Nのために」を手掛けてきたチームが送る渾身のヒューマンミステリー。平凡で地味な32歳の深瀬和久(藤原さん)が、大事な人を守るため、10年前の冬に亡くなった親友(小池徹平)の真相と向き合うことを決意する。久しぶりの共演となった藤原さんと戸田さん。話を最初に聞いたとき、戸田さんは「このタイミングで、またご一緒できるとは思っていなかったのでびっくりしましたけど、本当にうれしかったです。当時、藤原さんとお会いしていたのが10代だったので、なんか恥ずかしくもありました」と照れ笑いを浮かべた。ニコニコと戸田さんの話を聞いていた藤原さんは、「違和感もなく、すごく知っているからなのか、スムーズに現場に入れたのはありがたかったです。変に気を遣わないというか、非常にやりやすい空気を作ってくれたので、僕も楽しんでやらせてもらっています」と、順調な撮影現場を報告していた。原作では夏山が背景だが、ドラマ版では舞台が冬山へと変わり、2月から長野でロケをしていたという。藤原さんは、「湊さんの作品に出演できる喜びがあったんですが、蓋を開けたらマイナス21度の極寒でロケでした。すごくきつくて(笑)」と本音をポロリ。冬山について湊さんは、「大変なロケだったと聞いていますが、雪深いところがさらにミステリーの期待を増してくれると思います」と、ニヤリ。現場にも行ったという湊さんは、藤原さんが冴えない男を演じるという点について言及し、「冴えないといっても、どうせ格好いい深瀬なんだろうなと思っていたのですが、『ああ!えええ?』というくらい服のセンスも悪いし、背中もなんか丸いし、本当に藤原さんではなく深瀬がそこにいました」と、丸っきり別人だったと藤原さんの役作りについて称賛していた。「リバース」はTBSにて4月14日(金)22時より放送開始(初回15分拡大)。(cinamacafe.net)
2017年04月07日木曜日連載、アート・ブックショップ「NADiff(ナディッフ)」各店による今読むべき1冊。今週は、深瀬昌久の『Afterword』。東京・恵比寿の本店、ナディッフ アパート(東京都渋谷区恵比寿1-18-4NADiff A/P/A/R/T1階)によるご紹介です。■『Afterword』深瀬昌久写真を通して自己を見つめ続けた写真家・深瀬昌久。本書は、1978年に青年書館より出版された『サスケ!!いとしき猫よ』の巻末にあるあとがき「サスケ日誌」に使用されている写真によって構成されている。2012年に没した深瀬昌久にとって2015年にroshin booksより刊行された「Wonderful Days」に続いて2作目となる猫の写真集である。「サスケ」は、友人のカメラマン、高梨豊によって紹介されて飼うことになったちいさな猫。自宅でぴょんぴょん飛び跳ねる姿から連想された忍者、猿飛佐助にちなんで「サスケ」と名付けられた。しかしこの初代サスケは10日ほどで失踪。その後、家の周辺に貼った捜索願のポスターを見た女性が、似た猫を連れてくるも、それはやはり別の猫でがっかりしてしまう。ところが、猫に弱い深瀬はその猫を引き取ることに決める。こうして、「二代目サスケ」が誕生した。どこへ行くにも連れてまわり、溺愛していたサスケの愛らしい姿が写る写真を通して、深瀬のサスケに対する愛情の深さがしみるようにこちらへ伝わってくる。猫のフカフカした毛並みを感じさせるカバーにサスケ型のエンボスが効いている上品な装丁は、サスケを抱くように抱きしめたくなるあたたかな一冊。写真集のマスターピースとして自分のためにはもちろん、大切な人への贈り物にも最適。【書籍情報】『Afterword』写真:深瀬昌久デザイン:加藤勝也出版社:roshin books仕様:上製本/104ページ/モノクロ図版80点サイズ:210×231×18mm部数:初版900部言語:日本語、英語発売日:2016年11月15日価格:4,500円
2016年11月24日写真家の深瀬昌久による愛猫“サスケ”を題材とした新作写真集『Afterword』が、roshin booksより11月15日に出版される。愛猫家として知られ、生前に『ビバ!サスケ』『サスケ!!いとしき猫よ』『猫の麦わら帽子』といった3冊の猫を題材とする写真集を出版していた深瀬。今回は、そのうちの『サスケ!!いとしき猫よ』の巻末に収録されていた“サスケ日誌”に添えられていた作品で製作された写真集を発売する。深瀬が妻との離婚後に溺愛し、3冊もの写真集を出版することになったサスケは、アラーキーのチロちゃんと並ぶほど写真界では有名な題材。しかし、実はこのサスケは2代目で、最初に写真家の高梨豊から譲りうけた初代サスケは、当時住んでいた家の大家さんの意地悪のせいか深瀬の留守中にこつ然と消えてしまったという。そこで深瀬が捜索願いの張り紙を四方八方に張り巡らしたところ「これはサスケではないか」という連絡があり、深瀬はお礼のウイスキーを用意してサスケを待ち受けていた。しかし、深瀬の前に表れたのは初代より少し不細工な違う子猫だった。しかし、深瀬はそれをサスケと呼び、どこへ行くにも連れ回すようになったそうだ。今回は、そんなサスケを題材にした“サスケ日誌”のための写真原稿であるL伴サイズの小さな写真とそこに添えられていた深瀬の手書きのテキストをもとにした写真集を製作した。デザイナーには加藤勝也、プリンティングディレクターには熊倉桂三を起用。装丁は猫の毛並みを意識した手触りで、小口にはまるで猫の爪研ぎのごとくざくっとした裁断が施された。プレオーダー開始2週間時点で900部のうち700部は、既に世界中の書店と、個人への直売で売約済み。日本での取り扱いは、roshin booksオフィシャルサイト()をはじめ、shashasha、代官山蔦屋書店、青山ブックセンター、ブラインドブッ クス、ホホホ座など。
2016年10月30日日本橋三越本店は、5月10日まで、日本の暮らし美、暮らし文化を深堀りする同店5階リビングフロアのギャラリー ライフ マイニングで、京都の料亭、和久傳(わくでん)のもてなしの心を紹介する期間限定イベント「和久傳のしごとと遊び」を開催している。会場では和久傳がこれまで料亭として培ってきた「しごと」や、郷土への想いを通じて和久傳の顧客と共に共有してきた「遊び」が、和久傳が提供する料理のほか、和雑貨、陶磁器等を通じて表現される。和久傳の「しごと」を表現するスペースでは、和久傳の「日本料理を通し、受け継いで来た食と文化のすばらしさを伝えていきたい」という同店の想いの下、今回初めて披露される紫野和久傳の新商品料亭のだし「和醤」や、おもたせとして同店で人気を誇る、れんこん菓子「西湖」、京都の炊きもの「和煮(なごみに)」、季節の羊羹「笹ほたる」などが紹介されている。「遊び」のスペースでは、元首相で陶芸家としても知られる細川護煕による箸置きや花入れが展示、販売されているほか、染織史家で「染司よしおか」五代目当主の吉岡幸雄は、和久傳の夏の室礼を演出するテーブルファブリックやストールを提案。また、京都に店を構える「てっさい堂」からは豆皿や猪口、「門出和紙」は手書き季節絵入りの葉書、レターセット、「土楽」(「土」の字には「、」が入る)からは土鍋や器などが紹介される。尚、4月22日(午後2時から午後4時まで)には、吉岡幸雄による「日本の色」についてのトークショーが同店新館9階カルチャーサロンで開催される。(先着30名、会費無料、予約問い合わせ:三越日本橋本店ギャラリー ライフ マイニング 03-3274-8935)
2016年04月20日日本橋三越本店は、5月10日まで、日本の暮らし美、暮らし文化を深堀りする同店5階リビングフロアのギャラリー ライフ マイニングで、京都の料亭、和久傳(わくでん)のもてなしの心を紹介する期間限定イベント「和久傳のしごとと遊び」を開催している。会場では和久傳がこれまで料亭として培ってきた「しごと」や、郷土への想いを通じて和久傳の顧客と共に共有してきた「遊び」が、和久傳が提供する料理のほか、和雑貨、陶磁器等を通じて表現される。和久傳の「しごと」を表現するスペースでは、和久傳の「日本料理を通し、受け継いで来た食と文化のすばらしさを伝えていきたい」という同店の想いの下、今回初めて披露される紫野和久傳の新商品料亭のだし「和醤」や、おもたせとして同店で人気を誇る、れんこん菓子「西湖」、京都の炊きもの「和煮(なごみに)」、季節の羊羹「笹ほたる」などが紹介されている。「遊び」のスペースでは、元首相で陶芸家としても知られる細川護煕による箸置きや花入れが展示、販売されているほか、染織史家で「染司よしおか」五代目当主の吉岡幸雄は、和久傳の夏の室礼を演出するテーブルファブリックやストールを提案。また、京都に店を構える「てっさい堂」からは豆皿や猪口、「門出和紙」は手書き季節絵入りの葉書、レターセット、「土楽」(「土」の字には「、」が入る)からは土鍋や器などが紹介される。尚、4月22日(午後2時から午後4時まで)には、吉岡幸雄による「日本の色」についてのトークショーが同店新館9階カルチャーサロンで開催される。(先着30名、会費無料、予約問い合わせ:三越日本橋本店ギャラリー ライフ マイニング 03-3274-8935)
2016年04月18日東京都・渋谷区のディーゼルアートギャラリーは、2012年に逝去した写真家・深瀬昌久の写真展「救いようのないエゴイスト」を開催する。会期は8月14日まで。入場料は無料。本展は、日本の写真界に影響を及ぼした写真家・深瀬昌久の7年ぶりとなる写真展で、代表作はもちろん、数十年の沈黙を続けてきた貴重な未発表作品までも公開する。1974年、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で開催された写真展「New Japanese Photography」では、土門拳や東松照明、奈良原一高、森山大道らと並んで世界に紹介された深瀬昌久。彼の写真は、妻や家族、あるいはカラス、猫など、常に身近なモチーフにレンズを向けながらも、「自分とは何者か?」という問いを追い求めるものだったといい、元妻・洋子も1973年発刊のカメラ誌に寄稿した原稿の中で「彼の写した私は、まごうことない彼自身でしかなかった」と語ったという。本展タイトルは、この原稿の題名『救いようのないエゴイスト』から付けられたとのこと。会期中は、展示作品に加え、今回が半世紀ぶりの公開となるという1963年の作品『屠』をまとめた写真集(3,780円)などを部数限定で販売するほか、展示作品からピックアップしたポストカードも4種用意される(各216円)。なお、本展キュレーターは、深瀬が遺した写真作品の普及管理活動にも携わるアートプロデューサー、トモ・コスガが務める。
2015年06月02日日本の写真界に大きな影響を与えた写真家・深瀬昌久の個展「救いようのないエゴイスト」が、5月29日~8月14日まで東京都・渋谷の「ディーゼルアートギャラリー(DIESEL ART GALLERY)」で開催される。深瀬昌久は妻や家族、あるいはカラス、猫など、身近なモチーフを被写体とする写真作品を発表していた写真家。身近なものにレンズを向けながらも、常に“自分とは何か?”という問いを追い求めていた。74年にニューヨーク近代美術館で開催された日本の写真家を世界に初めて紹介した写真展「New Japanese Photography」で、近代日本写真の第一人者らが一堂に会するなか、妻の洋子の写真を展示したことで話題を呼んだ。85年にはオックスフォード近代美術館において、写真家の東松照明、細江英公、森山大道らとともに四人展「Black Sun: The Eyes of Four」を開催。その他、ヴィクトリア&アルバート美術館やカルティエ現代美術館などの世界の名だたる美術館での展覧会に参加してきた。92年に行きつけのバーの階段から転落。脳に重度の障害を負い、作家人生を閉ざすと、12年に他界した。今回の個展のタイトルとなった「救いようのないエゴイスト」は、元妻である洋子が、73年に発刊されたカメラ雑誌『カメラ毎日』の別冊に寄稿した原稿の題名。同誌の中で洋子が深瀬昌久について語った、「彼の写した私は、まごうことない彼自身でしかなかった」という言葉を拠り所に、数十年の沈黙を続けた深瀬昌久の代表作を始め、貴重な未発表作品などを展示する。【イベント情報】写真集「救いようのないエゴイスト」会場:ディーゼルアートギャラリー住所:東京都渋谷区渋谷1-23-16 cocoti 地下1階会期:5月29日~8月14日まで時間:11:30~21:00まで休館日:不定休入場無料
2015年05月24日大人気刑事ドラマ『相棒』の劇場版最新作、『相棒シリーズ X DAY』で“新”相棒を演じた田中圭と川原和久が、“新”相棒として最高のシナジーを発揮したことを報告するとともに、足かけ10年以上に渡って国民的な支持を集めている同シリーズの魅力について分析をした。その他の写真劇場版第4弾の今作では、特命係と衝突する捜査一課のリーダー的存在の伊丹憲一と、シリーズ初登場のサイバー犯罪対策課捜査官の岩月彬が“新”相棒に!1人のエリート銀行マンの不審死と、その背後にチラつく金融封鎖計画“X DAY”の真相を暴くため、異色“相棒”が奔走するストーリーだ。「伊丹と所轄の刑事が協力したことは過去にもありましたが、ここまでガッツリ一緒に捜査することは初めてだったので楽しかったですね」と語る伊丹役の川原。『相棒』シリーズ初参戦の岩月役の田中も「ここまで地味なキャッチボールをする俳優同士もめずらしいですが(笑)、楽しい現場でした」と満足そうに回想する。2000年の誕生以来、ドラマは国民的シリーズと称され、劇場版、スピンオフ作品も高評化の『相棒』。まさしくモンスター・コンテンツだが、ひとりのファンとして『相棒』を楽しみ、そして新たに参戦した田中は「水谷豊さんを中心に、全員の一体感が僕には魅力的でした」と『相棒』の世界を分析する。長年『相棒』で伊丹刑事を演じている川原は、相棒の魅力を「正直よく分かってないんです(笑)」と謙遜気味に受け止めた上で、「全体のバランスがとてもいいですね。主演のおふたりとゲストの方々を主軸にし、それを囲むレギュラー陣が出過ぎず、引っ込み過ぎず存在する」とバランスの良さを指摘する。日本経済の危機や金融封鎖計画“X DAY”など、今作でも社会派のメッセージが強烈で、「ブレない脚本がとにかく面白いですよね。すごくリアル!」と田中も緻密な脚本を絶賛。そして、「あと一番強い要因は仲間意識ですかね」とも。「それに、いつも前作を超えていく覚悟みたいな。時事ネタを毎回入れて勝負していく姿勢――これも、モンスター・コンテンツになっている理由じゃないでしょうか(笑)」と人気にあぐらをかかず、挑戦を続けている姿勢が国民的支持を集めている理由でもあると分析する田中。“新”相棒が立ち向かう超絶リアルな“X DAY”。その顛末を映画館で確かめよう!『相棒シリーズ X DAY』公開中取材・文・写真:鴇田 崇
2013年03月29日人気ドラマ『相棒』のスピンオフ映画『相棒 X DAY』主演の川原和久が16日にオフィシャルフォトブック『相棒捜査一課・伊丹憲一』の発売を記念して、福屋書店新宿サブナード店で行われた握手会に出席した。その他の写真川原が演じる人気キャラクター・捜査一課の伊丹刑事と田中圭が演じるサイバー犯罪対策課の岩月のコンビを主人公にした映画『相棒 X DAY』。サイバー犯罪対策課がマークしてきた男が死体で発見される事件が発生し、伊丹と岩月が時にいがみ合いつつも課の違いを超えて真相を追いかける。フォトブックではこれまでの作品を通じて伊丹憲一という存在を徹底的に分析。20ページにわたる撮り下ろしショットにロングインタビュー、さらには水谷豊が伊丹について語るなど盛りだくさんの内容となっている。この日は事前に予約した100名のファンが来場し割れんばかりの大歓声で川原を迎えた。川原はひとりひとりにフォトブックを手渡し、握手を交わしたが、ファンからは映画での活躍についてのみならず「結婚おめでとうございます!」と歌舞伎役者・松本幸四郎の長女で女優の松本紀保との結婚を祝福する声も。女性が多くを占める100名ものファンの熱気に川原はやや硬い表情で緊張気味かと思いきや、本人は「だいぶ、(ほおを)緩めてるつもりでしたよ」とのこと。最初にの発売の話があったときは「『イヤイヤイヤ、勘弁して!』って感じだった(苦笑)」そうだが、自身や伊丹という役について「誤った情報やウワサが広まっているところもあるので、自分から発信することで修正されれば」と語る。ちなみにこのフォトブックについて捜査一課の仲間をはじめとする『相棒』ファミリーの面々の反応は「嘲笑です。相当バカにされました。アンケートなどもあったので『昨日は1日中、川原さんのこと考えてたよ』なんて言われました」と苦笑いを浮かべていた。映画の公開に向けての心境を尋ねると「宿題が多すぎて公開のことを考えてる暇がないです。原稿のチェックやキャンペーンで行く仙台での舞台挨拶のスケジュールを渡されたり、その日その日を片付けていく感じ。(初日に)コメントを用意してなくて慌てることになりそう」と飄々とした様子で語っていた。『相棒シリーズ X DAY』3月23日(土)全国ロードショー
2013年03月18日