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Amazonオーディブル(以下、Audible)は、湊かなえ著「落日」を俳優・北川景子の朗読で本日11月13日(水)配信を開始した。わたしがまだ時折、自殺願望に取り付かれていたころ、サラちゃんは殺された。新人脚本家・甲斐千尋は、新進気鋭の映画監督・長谷部香から新作の相談を受けた。十五年前、引きこもりの男性が高校生の妹を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた「笹塚町一家殺害事件」。笹塚町は千尋の生まれ故郷でもあった。香はこの事件を何故撮りたいのか。千尋はどう向き合うのか。そこには隠された驚愕の真実が――。2019年に刊行された本作は、令和最高の衝撃&感動の長篇ミステリー。様々な場所で気軽に音声でコンテンツを楽しむことができるオーディオエンターテインメントサービス・Audible。今回本作を朗読するのは、「連続ドラマW 湊かなえ『落日』」で主人公・長谷部香を演じた北川。「登場人物に感情移入しすぎず、冷静さを保ち朗読することを意識しました。湊かなえ先生の作品には、ほんの少しの希望や未来が垣間見え、『希望がそこにある』ということが聴いている人にも伝われば嬉しく思います」と収録をふり返ってコメントしている。Audible「落日」(著者:湊かなえ)は配信中。(シネマカフェ編集部)
2024年11月13日文:八木 奈々写真:後藤 祐樹デビュー作『告白』をはじめ、数々のヒット作を生み出している作家・湊かなえ。多くの小説がドラマ、映画化もされているため、名前や作品をご存じの方も多いのではないでしょうか……。私が思う湊かなえ氏の最大の魅力は、なんといっても最後まで読ませる構成力。人間の内にある心理描写に長けており、誰にでも起こり得るような出来事を題材としているからか、物語に入り込みやすいのも特徴的です。だからこそ、映像作品だけではなく、ぜひ、小説で読んでいただきたいのです。ヒット作の傾向から「イヤミスの女王」としても有名な湊かなえ氏ですが、読後に残る、なんともいえない不快感に魅力を感じる人がいる一方、「不快な気持ちにはなりたくない……」と読むことを避ける人がいることもまた事実です。そこでここでは、湊かなえ作品の中でも強い不快感なしで楽しめる物語や、しっかりとテーマを打ち出している名作も織り交ぜてご紹介させていただきます。ジャンルに縛られず、読後の感情が大きく異なる3作品をセレクトしたので、ぜひお楽しみください。1.『豆の上で眠る』“お姉ちゃん、あなたは本物なの?”というセリフが衝撃的な、姉妹を題材にしたこの作品。物語は姉の失踪事件から始まります。二年の失踪期間を経て姉は戻ってくるのですが……。妹“だけ”が感じるたしかな違和感。家族とは。“本物”とは。冒頭から不穏な空気が満載で、読み進めていくあいだも心が重く苦しい。“イヤミス”の定義を、仮に、読後の居心地の悪さが続く物語とするならば、この作品は「THE・イヤミス」。誰も死なない代わりに、誰も救われることがなく、途中で結末が分かったとしても、なお、騙されていく。真実にたどり着いたとき、足元からくずれ落ちたのもつかの間、読後一瞬だけ芽生えた妙な高揚感が恐ろしくなり、軽い自己嫌悪に陥りました。でも、あの高揚感が忘れられません……。血のつながりに思い出の共有、相手への信頼、そして愛情。それらのどれかひとつにでも疑問を感じるだけで、こんなにも脆く崩れ去ってしまうものなのだろうか。私は、全てに納得の行く答えが見つからなかったとしても、本当の、本物の家族にはなれると信じたい。私だけは、信じていてあげたい。2.『贖罪』本作は、本屋大賞受賞後、第1作目の連作ミステリー小説。物語は、穏やかな田舎町でひとりの少女が殺害されるところから始まります。事件の直前まで彼女と一緒に遊んでいた4人の女の子は、容疑者と言葉を交わしていましたが、誰も犯人の顔を思い出せず事件は迷宮入りに。そして、被害者少女の母親が幼い4人に投げつけた激情の言葉は、彼女たちの運命を大きく狂わせていくのです……。十字架を背負ったまま成長した4人に降りかかる、悲劇の連鎖。15年間もの呪縛と、衝撃の真相。一度放ってしまった“言葉”は、もう取り消すことはできない。それがその人の一生を狂わせることになっていても……。ひとつの殺人事件が章ごとに異なる視点からモノローグ形式で綴られているため、読者は物語に置き去りにされることなく読み進めることができます。湊かなえ氏が描く重圧かつどうしようもない絶望の積み重ねは、なぜか色鮮やか。まるで、真っ赤な彼岸花がびっしりと咲いている中で息が出来なくなっていくみたい……。暗い物語ではありますが、最後には暗く長いトンネルの終わりが私にも見えたような気がしました。……まあ、見えただけ、なんですけどね。3.『山女日記』本作は、8篇それぞれの登場人物が少しずつリンクしていく連作長篇集。さまざまな事情や鬱々とした気持ちを抱えた女性たちが“登山”を通して自己対峙していきます。頂上に着いたころ、問題が解決していなくても、自分の足元にある小さな花や目の前に広がる美しい景色のもつ力に否応なしに前を向いている女性たちが清々しく、まるで自身の体験かのように物語の中へと引き込まれていきます。もうお気づきの方もいるかもしれませんが、ザックの水に毒は入っていませんし、登山靴に仕掛けもありません。もちろん登山中に殺人も起こりません。……そう、この作品に“ミステリー要素はありません”。でも、これは紛れもなく湊かなえ作品。女性の心理描写の生々しさはさすがとしか言いようがないですし、鬱屈としたものを抱えて周りに不快なエネルギーを撒き散らす人間と、そんな人間から見た絶妙にイラつくフィルターを通した世界を描くのが最高に上手すぎます。イヤミス系の作品は苦手だけれど、湊かなえの作品に興味のある方は、ぜひ読んでいただきたい。読後、ダナーの登山靴を調べたのは私だけじゃないはず。■“湊かなえワールド”へ足を踏み入れてみませんか?この他にも、魅力的な作品はたくさんあります。一度、湊かなえワールドにハマってしまったら抜け出せないといっても過言ではありません。また、作者と物語にギャップがあるのも個人的に好きな点なので、サイン会などに足を運んでみるのもおすすめです!! みなさんの読書が捗りますように。■「TheBookNook」についてこの連載は、書評でもあり、“作者”とその周辺についてお話をする隔週の連載となります。書店とも図書館とも違う、ただの本好きの素人目線でお届けする今連載。「あまり本は買わない」「最近本はご無沙汰だなあ」という人にこそぜひ覗いていただきたいと私は考えています。一冊の本から始まる「新しい物語」。「TheBookNook」は“本と人との出会いの場”であり、そんな空間と時間を提供する連載でありたいと思っています。次回からはさらに多くの本を深く紹介していきますのでお楽しみに。
2024年07月12日2024年8月に東京の恵比寿・エコー劇場にて、湊かなえの青春小説『ブロードキャスト』が初舞台化される。『告白』や『母性』で知られる湊かなえが初めて挑んだ青春小説を、元吉庸泰を演出に迎えて舞台化する本作。陸上の夢を諦めた主人公がまさかの放送部へ入部。そこで彼は居場所が作れるのか。主人公・町田圭祐役には、16歳での舞台デビュー以来、主に舞台を中心に活動している新正俊。圭祐とは中学時代からの友人で、圭祐が放送部に入部することになるきっかけを作る脚本家志望の宮本正也役に、ジュニア期待の新星で、かねてより舞台出演を待望していた木村来士。内向的な性格だったものの、正也に“声”の良さを見初められて放送部に入部することになる久米咲楽役に深尾あむほか、2.5次元ミュージカルから本格派ストレートプレイでも幅広く活躍する若手実力派俳優陣が結集する。<スタッフ&キャスト コメント>■湊かなえ(原作)舞台の良さは、客席との距離が近く、観客が物語の熱量をダイレクトに受け取ることができるところだと思います。私の初となる青春小説『ブロードキャスト』は、中学時代に陸上部で駅伝に打ち込んだ主人公・町田圭祐が、高校では放送部に入り、放送コンテストの全国大会を目指して、テレビやラジオのドラマ制作をしながら成長していく物語です。挫折を乗り越えるとは。仲間との絆とは。作品を通じて伝えたいこととは。伝えるためにはどうすればよいのか。フィクションに現実の思いを重ねることができるのか。奮闘する放送部員たちの熱い思いが劇場にあふれ、観客が明日への元気を抱くことができる。そんな舞台になることを期待しています。■三浦香(脚本)この度、元吉さんと脚本を担当いたします三浦香です。湊かなえ先生が書く青春作品、とても新鮮で、しかしどこか懐かしく胸が締め付けられる想いでした。運動部、文化部、帰宅部、どの青春を過ごしていても、どこか懐かしい記憶が蘇り、あの時の匂いを感じることができる作品になっていると思います。フレッシュな若手たちと演出の元吉さんが紡ぐ物語、ぜひ劇場でご覧いただければ嬉しいです。■元吉庸泰(脚本・演出)何に燃やすか、何に燃えるのか。限られた時間の中で僕らはいつも迷います。そして結局選ばないなんてことばかり。でも、何かに気付けたら、誰かが気付かせてくれたら。そんなお芝居を立ち上げていきたいと思います。オーデションを経て素敵な俳優たちと出会えました。この夏に、このカンパニーが燃やせる何かを、お客様の目の前に出現させされたら幸せです。■新正俊(町田圭祐 役)町田圭祐を演じさせていただきます新正俊です。湊かなえさんの初めての学園青春小説の舞台化に、主演でお話を頂いた時からとても身の引き締まる思いを感じております。湊かなえさんの作品が大好きで、何作品も読んでいたため、こうして『ブロードキャスト』の舞台化に携われることがとても幸せです。24歳!まだまだ、青い風を吹かせていきたいと思っておりますので、2024年の夏は、恵比寿・エコー劇場にてお待ちしております。■木村来士(宮本正也 役)宮本正也を演じさせていだくことになりました、木村来士です。原作をしっかり読み込んで、正也はどんな人物なのか細かなところまで理解し"木村来士"らしさを捨て"宮本正也"になれるよう精いっぱい準備しようと思います。小説が原作の作品に出演させていただくことは初めてなので、作者の湊かなえさんはもちろんのこと『ブロードキャスト』を愛読されている方たちに満足してもらえるよう全力で演じさせて頂きます。出演者の中で最年少になりますが、誰よりも作品に花を添えれるよう全身全霊で頑張ります。是非、2024年の僕との夏の思い出を作りに来てくださったら嬉しいです。劇場でお待ちしております。■深尾あむ(久米咲楽 役)ずっと挑戦したかった舞台への出演が決まり、身が引き締まる思いです。私が演じる久米咲楽は周りに気を遣い誤解され、いじめに遭ったりもしますが、自分のやりたいことには正直に真摯に向き合う子です。そんな咲楽を体当たりでフレッシュに演じていきたいです。是非劇場でご覧いただきたいです!【ストーリー】中学時代、陸上部に所属していた町田圭祐。駅伝で全国大会を目指していたが、3年生最後の大会ではわずかの差で2位となり、大会への出場は逃してしまった。その後、スポーツ強豪校の青海学院高校に合格したが、ある理由で陸上を諦めることに。そんなときに同じ中学校出身の同級生・宮本正也に声をかけられた圭祐。放送部志望の正也に熱心に誘われ、なりゆきで圭祐自身も放送部へと入部することになる。陸上への未練は感じながらも、正也や同級生の咲楽、さらに先輩たちの熱意に触れ、徐々に放送部への想いを高めていく圭祐は、部員たちと共に高校放送コンテストのラジオドラマ部門で改めて全国を目指すことになる。陸上を続けようと入学したはずの高校で、圭祐は新たな夢や居場所を作ることができるのか……。<公演情報>舞台『ブロードキャスト』原作:湊かなえ『ブロードキャスト』(角川文庫)脚本:三浦香元吉庸泰演出:元吉庸泰音楽:桑原あい【出演】新正俊木村来士深尾あむ奥村等士山本咲希富樫萌々香庄司ゆらの新條月渚星波坂本けこ美/稲垣成弥スウィング:風間涼香茶谷優太演奏:ピアノ 能勢朝也音チケット料金:8,800円(全席指定・税込)一般発売:2024年7月7日(日)2024年8月10日(土)~25日(日)会場:東京・恵比寿・エコー劇場公式サイト:
2024年06月17日Amazonオーディブル(以下、Audible)は、湊かなえの短編集「サファイア」を永作博美の朗読で配信開始。永作さんは、同作に収められた「ムーンストーン」を映像化した2016年のオムニバスドラマで主人公を演じている。プロのナレーターや俳優、声優が読み上げる豊富なオーディオブックや、ニュースからお笑いまでバラエティあふれるプレミアムなポッドキャストなどを扱っているAudible。今回配信がスタートしたのは、2012年に刊行された湊さんの短編集「サファイア」。表題作ほか「真珠」「ルビー」「ダイヤモンド」「猫目石」「ムーンストーン」「ガーネット」全七篇を収録している。永作さんは「心理描写が非常に繊細なので、感覚的なものを大切に伝えるということに注意して朗読しました」とコメントしている。永作博美さんコメントこの作品は心理描写が非常に繊細なので、感覚的なものを大切に伝えるということに注意して朗読しました。物語を自分自身で読むのと違って、私が読んだ感覚で聴く方に伝わるので、湊先生が描かれた、「すごく繊細で、すごくやさしいのに、すごく怖い」というゾワっとした感覚を朗読で伝えたいと思いました。オーディオブックは、本当は存在しない異空間の世界を自分の耳で聴いて楽しむことができます。子供の頃に、親に毎日本を読んでほしいと思った時のように、自分の中にはなかった風景や感情が生まれる面白い体験です。ぜひAudibleでお楽しみください。「サファイア」あらすじあなたに、いつか「恩返し」をしたかった──「二十歳の誕生日プレゼントには、指輪が欲しいな」わたしは恋人に人生初のおねだりをした。「やっと、自分から欲しいものを言ってくれた」と喜んでくれた彼は、誕生日の前日、待ち合わせ場所に現れなかった……。(シネマカフェ編集部)
2024年04月28日Amazon オーディブルでは、湊かなえによるミステリー小説「母性」が、俳優・戸田恵梨香の朗読で12月13日(水)より配信が開始した。2012年に刊行、2015年に文庫化されたベストセラー作品「母性」。圧倒的に新しい、母と娘を巡る物語(ミステリー)だ。昨年、映画化された際、母・ルミ子を演じた戸田さんが、今回オーディオブックの朗読を担当。戸田さんは「お芝居を意識して朗読してみました」と話し、「お芝居で演じる時は共感したり、否定することなくその人物を見てしまうので違和感を感じていなかったのですが、ルミ子から離れて客観的に見ると私には理解しきれない女性なんだと改めて感じました」と語る。そして「ルミ子の感情に支配されてしまう気がするので、夜よりも昼間に軽やかに聴いていただければと思います」とメッセージも寄せた。▼あらすじ女子高生が自宅の中庭で倒れているのが発見された。母親は言葉を詰まらせる。「愛能う限り、大切に育ててきた娘がこんなことになるなんて」。世間は騒ぐ。これは事故か、自殺か。遡ること十一年前の台風の日、彼女たちを包んだ幸福は、突如奪い去られていた。母の手記と娘の回想が交錯し、浮かび上がる真相。これは事故か、それとも――。(シネマカフェ編集部)
2023年12月16日オーディオブックおよび音声コンテンツ制作・配信サービス、Amazon オーディブルでは、4つの湊かなえ作品を配信した。いつでもどこでも気軽に音声でコンテンツを楽しむことができる、オーディオエンターテインメントサービスAudibleは、プロのナレーターや俳優、声優が読み上げる豊富なオーディオブックや、ニュースからお笑いまでバラエティあふれるプレミアムなポッドキャストなどを取り揃えている。日本向けの会員プランでは、会員特典として12万以上の対象作品を聴き放題で楽しむことができる。「少女」×稲垣吾郎2人の高校2年生の女の子が、「人が死ぬ瞬間」を見たいという欲望と願望を胸に過ごす衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー「少女」を、映画版で高雄孝夫を演じた稲垣吾郎の朗読でAudible化。親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら、死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。ふたりとも相手には告げずに、それぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く――死の瞬間に立ち合うために。【稲垣吾郎コメント】映画『少女』では高雄孝夫役を演じましたが、今回は主人公の「少女」も私が朗読するという新たな経験で、自分が関わった作品の中で異なる役柄を演じることがとても面白かったです。録音ブースの中で作品を朗読することでその世界に完全に没入できる素晴らしい経験でした。湊かなえ作品は毎回、ぞくぞくするような展開や予測不可能なラストシーン、そして人間の本質を巧みに捉えた心理描写に驚かされます。ぜひAudibleでお楽しみください。「境遇」×松雪泰子同じ境遇を抱えた2人の女性の運命が絡み合うストーリー「境遇」を、ドラマ化で高倉陽子を演じた松雪泰子の朗読でAudible化。デビュー作の絵本「あおぞらリボン」がベストセラーとなった陽子と、新聞記者の晴美は親友同士。共に幼いころ親に捨てられ児童養護施設で育った過去を持つ。ある日、「真実を公表しなければ、息子の命はない」という脅迫状とともに、陽子の息子が誘拐された。「真実」とは一体何なのか。そして犯人は…。【松雪泰子コメント】今回の朗読で改めて作品が単なるサスペンスではなく「赦し」の物語であるということに感銘を受けました。Audibleの魅力は音声だけで広がるイマジネーションにあります。俳優の感性を通じて物語を聴くことでは自分で読むのとは異なる新たな魅力を見つけることができると思います。ぜひ俳優の表現も一緒に楽しんでください。「リバース」×藤原竜也湊さんの長編小説で初めて男性が主人公となるミステリー「リバース」が、ドラマ化された際に主人公を演じた藤原竜也の朗読でAudible化。平凡なサラリーマンの深瀬和久に、人殺しだと糾弾する告発文が送られてきて物語は始まる。深瀬和久は平凡なサラリーマン。唯一の趣味は、美味しいコーヒーを淹れることだ。そんな深瀬が自宅以外でリラックスできる場所といえば、自宅近所にあるクローバーコーヒーだった。ある日、深瀬はそこで、越智美穂子という女性と出会う。その後何度か店で会ううちに、付き合うようになる。淡々とした日々が急に華やぎはじめ、未来のことも考え始めた矢先、美穂子にある告発文が届く。そこには「深瀬和久は人殺しだ」と書かれていた――。何のことかと詰め寄る美穂子。深瀬には、人には隠していたある“闇”があった。それをついに明かさねばならない時が来てしまったのかと、懊悩する。【藤原竜也コメント】また、この『リバース』、そして湊かなえ先生に一緒に関われるというのが嬉しかったです。一言一句間違えることなく、皆さんに伝えなくてはならない作業というのはここまで大変なんだという感じで、難しい挑戦でした。小説になじみのない方も、寝る前や通勤通学するときに聴いてみると、毎日の新しい楽しみが1つ増えるんじゃないかと思います。「未来」×のんデビュー作「告白」から10年の2021年に刊行された湊ワールドの集大成「未来」。ある日突然、少女に届いた一通の手紙の送り主は、未来の自分――。万感胸に迫るラスト、渾身の長編ミステリーをのんの朗読でAudible化。「こんにちは、章子。私は20年後のあなた、30歳の章子です。あなたはきっと、これはだれかのイタズラではないかと思っているはず。だけど、これは本物の未来からの手紙なのです」ある日突然、少女に届いた一通の手紙。送り主は未来の自分だという。家にも学校にも居場所のない、追い詰められた子どもたちを待つ未来とは――!?【のんコメント】湊先生の10周年の作品であり、初めてあとがきを書いた作品だと知りました。そのあとがきを読んだ時に私はこの作品を伝えるという使命を果たさなければならないんだ、と衝撃を受けました。作品の中にある問題や希望について、たくさんの人に知ってもらいたいと思いましたし、すでに読んだことのある人にとっても、この朗読がいいものとなるようにしなければならないと思いました。手を差し伸べてくれる人、自分自身が声を上げなきゃいけない事。この物語に浸れば、見えてくる。たくさんの方の未来に、この物語が交わりますように。(シネマカフェ編集部)
2023年11月18日Amazon オーディブルは、11月14日(火)本日より、湊かなえの作品を4日連続で配信スタートした。第1弾は、高校2年の少女たちが、「人が死ぬ瞬間」を見たいという欲望と願望を胸に過ごす衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー「少女」。「告白」に次ぐ第2作目にして書き下ろし作品となった本作は、2016年には映画化もされた。Audibleでは、映画で高雄孝夫を演じた稲垣吾郎が朗読を担当。稲垣さんは「今回は主人公の『少女』も私が朗読するという新たな経験で、自分が関わった作品の中で異なる役柄を演じることがとても面白かったです。録音ブースの中で作品を朗読することでその世界に完全に没入できる素晴らしい経験でした」とふり返る。なお、続く第2弾は、11月15日(水)に松雪泰子朗読で「境遇」、第3弾は11月16日(木)に藤原竜也朗読で「リバース」、11月17日(金)にのん朗読で「未来」を配信する。湊かなえ「少女」親友の自殺を目撃したことがあるという転校生の告白を、ある種の自慢のように感じた由紀は、自分なら死体ではなく、人が死ぬ瞬間を見てみたいと思った。自殺を考えたことのある敦子は、死体を見たら、死を悟ることができ、強い自分になれるのではないかと考える。ふたりとも相手には告げずに、それぞれ老人ホームと小児科病棟へボランティアに行く――死の瞬間に立ち合うために。(シネマカフェ編集部)
2023年11月14日世界最大級のオーディオブックおよび音声コンテンツ制作・配信サービスであるAmazon オーディブル(以下、Audible)では、11月14日から湊かなえ氏の作品を4日連続配信スタート。第1弾として、稲垣吾郎が朗読した『少女』が配信される。『少女』(双葉社)は『告白』(双葉社)に次ぐ著者の第2作にして書き下ろし作品。2人の高校2年生の女の子が、「人が死ぬ瞬間」を見たいという欲望と願望を胸に過ごす衝撃的な夏休みを描く長編ミステリー。2016年には映画化され、映画で高雄孝夫を演じた稲垣吾郎がAudibleでは朗読を担当した。○■稲垣吾郎コメント映画『少女』では高雄孝夫役を演じましたが、今回は主人公の「少女」も私が朗読するという新たな経験で、自分が関わった作品の中で異なる役柄を演じることがとても面白かったです。録音ブースの中で作品を朗読することでその世界に完全に没入できる素晴らしい経験でした。湊かなえ作品は毎回、ぞくぞくするような展開や予測不可能なラストシーン、そして人間の本質を巧みに捉えた心理描写に驚かされます。ぜひAudibleでお楽しみください。【編集部MEMO】稲垣吾郎は1973年12月8日生まれ、東京都出身。1991年CDデビュー。2017年9月に草なぎ剛、香取慎吾と「新しい地図」を立ち上げた。映画『十三人の刺客』(10)の演技で第23回日刊スポーツ映画大賞・助演男優賞、第65回毎日映画コンクール男優助演賞、映画『半世界』(19)と映画『窓辺にて』(22)で東京国際映画祭の観客賞を受賞した。そのほか近年は、映画『ばるぼら』(20)、ドラマ『きれいのくに』(21)、『風よ あらしよ』(22)、舞台『No.9─不滅の旋律─』(15・18・20~21)、『サンソン─ルイ16世の首を刎ねた男─』(21・23)、『恋のすべて』(22)、『多重露光』(23)などに出演。また、『7.2新しい別の窓』(ABEMA)、『ワルイコあつまれ』(NHK Eテレ)などにレギュラー出演中。
2023年11月14日湊かなえが作家生活10周年の節目に書き下ろしたミステリー⻑編『落日』が連続ドラマ化され、WOWOWにて放送・配信中だ。この度、原作者の湊が撮影現場を訪問。ここではそのレポートをお届けする。新進気鋭の映画監督と新人脚本家の2人が、映画作りのために15年前に起きた一家殺害事件の真相を探る中、それぞれが抱える“ある過去”と向き合っていく姿を描く本作。映画監督・⻑谷部香役を北川景子、脚本家・甲斐真尋役を吉岡里帆が演じ、さらに事件の犯人として死刑囚となった立石力輝斗役を竹内涼真、力輝斗に殺害された妹・沙良役を久保史緒里(乃木坂46)、そして、真尋の師である大物脚本家の大畠凜子役を黑木瞳が熱演している。訪問したのは、⻑谷部と甲斐の2人がそれぞれ抱える過去や本心が語られる重要なシーンの撮影現場。湊は、「今まで自分たちを取り繕いながら接していた二人が本音で、自分たちの過去も交えて打ち明け合う場面でしたので、一番重く、大切な場面に立ち会わせていただきました。お二人から⻤気迫る雰囲気を感じながら、撮影現場を拝見させていただき、合間にはお話も伺いさせていただきました。北川さんも吉岡さんも本当にこの作品を読み込んで、自分のものにしてくださって、どう表現しようかとすごく模索されて、そして、答えを出された演技をされているなと思いました」と述懐する。さらには現場では内田監督とも話をし、「いろいろと大作も撮られておりますけれども、ミステリーは今回が初めてだということで、撮り方について工夫をされていたり、監督御自身も色々と考えて、考えて、どう見せるかというのを模索してくださったお話を伺わせていただきました。色使いや雰囲気、流れであったり、それら全てが作品の中に、観ている方を引っ張り込むような作り方をしてくださって本当に感動しましたし、感謝の気持ちでいっぱいです」と、撮影現場の訪問は興奮の連続だったようだ。ドラマは既に2話までが放送されているが、本編の出来栄えについても手ごたえを感じたようで、「本当に映画の大作を観たくらいの感動がありました。1話ずつが1本の完成作品のようであり、だけど次はどうなるんだろうと、次を待たずにはいられない気持ちになるくらい、ドラマの世界に入り込めるような作品になっています。また、オープニングシーンとなるアパートのベランダでは、自分もそこに入り込んだような気持ちになり、最終話のついにクライマックスでは、小説ではこういう続きがあったらいいな、と思っていた場面を映像ではしっかり撮っていただいていて、こういう表情でこういう場面で撮ってくださったんだと、感動がありました。『落日』というタイトルの通り、文章でこの美しい夕陽の描写を重ねても、“バンッ”と見せられるものに心をつかまれたまま泣きっぱなしで終わりました。本当に感動しました!」と、絶賛し、太鼓判を押した。なお、『連続ドラマW 湊かなえ「落日」』は次回9月24日(日) 22時から第3話が放送される。第2話ラストの「私、人を殺したの」という香(北川景子)の告白後に、去ってしまう真尋(吉岡里帆)……。二人は再び映画の脚本を進められるのか?さらに、真尋の姉・千穂が残した日記から15年前の事件の真相にも関わる衝撃の事実が発覚する。WOWOW YouTube公式チャンネルでは第1話が無料配信中。『連続ドラマW 湊かなえ「落日」』【第1話まるごと無料配信】<番組情報>『連続ドラマW 湊かなえ「落日」』WOWOWにて毎週日曜22:00より放送・配信中(全4話)第1話無料放送【WOWOWプライム/WOWOW 4K】無料トライアル実施中【WOWOWオンデマンド】番組公式サイト:
2023年09月19日『告白』、『贖罪』など数々の人気ミステリーを世に送り出してきた湊かなえが作家生活10周年の節目の作品として書き下ろした長編『落日』がWOWOW 連続ドラマWにて映像化される。第44回日本アカデミー賞で最優秀作品賞に輝いた『ミッドナイトスワン』の内田英治が監督を務め、15年前のクリスマスイブに起きた一家殺害事件に隠された“真実”を軸に展開する本作。主人公である新進気鋭の映画監督・長谷部香を演じるのは、今年でデビュー20周年を迎える北川景子。吉岡里帆演じる駆け出しの脚本家・甲斐真尋とのコンビで、事件に向き合い、真実を追いかける。――もともと、湊かなえさんのファンで、今回の『落日』も読まれていたそうですが、北川さんが感じる湊作品の魅力について教えてください。北川みなさん、よく“イヤミス”(※読後にイヤな気持ちになるミステリー)という言い方をされるんですけど、私はそんなにイヤだなと思わなくて、人間って絶対に誰しも完璧じゃないし、他人に言えないような部分を持っていたりするもので、みんな切っても切れない問題を抱えて生きてるものだと思います。湊先生の作品は、そういう部分がリアルに手に取るように描かれていて、私はそれを読んでもイヤな感じはしなくて、「こんなに大変でもこの人は生きてるんだから、私も大丈夫かな」とか、小説ではあるんですけど「実際にこういう人もたくさんいるんだろうな」と考えると、ひとりじゃないんだと頑張って前を向けるきっかけになることもあると思うんです。――その湊さんの作品に主演されることになり、現場で撮影しながら「湊作品の世界にいる!」と感じた瞬間はありましたか?北川湊先生が一度現場にいらして、ご挨拶をさせていただいたとき、「本物の湊先生だ」と思ってそこで実感しました。この作品に出てくるキャラクターは全員何かを抱えていたり、過去を消化できずに、折り合いをつけられず、時が止まったまま生きているんですよね。彼らの物語が複雑に絡み合っていくんですけど、その全てが実はひとつのことがきっかけだったというのが、すごく湊さんならではの見どころだなと思いましたし、そういうシーンを撮影するときも「湊さんの素晴らしさ」を感じていました。例えば、吉岡さんが演じる真尋ちゃんが、宮川一朗太さんが演じるお父さんと、お姉ちゃんについて会話するのを見ていて、(そこに隠された秘密に)「おぉっ!」と思ってちょっと鳥肌が立ちました。ここは原作でもびっくりしたところだったなと、小説を読んだときの気持ちがよみがえってきましたね。――現場で湊さんにお会いになって、印象はいかがでしたか?北川柔らかい穏やかな方で、こんなに有名な作家さんだけど、本当に普通でいらっしゃるというか、優しくておおらかで明るい方でした。香は知らなければ前に進めない人私もグレーのままにはしておけない――香という役作りについてお聞きします。彼女のパーソナリティ、そして“映画監督”という職業の部分に関して、どのように作り上げていったのでしょうか?北川衣装合わせで監督と少しお話したんですが、香はいろんなことを抱えていて、ツンと触れたらガラガラっと壊れるような危うさはあるんだけど、それを周りの人には見せずに社会の中で生きている人間なので、見るからに「この人、なんかあるな」というふうには演じないでほしいと言われました。人間誰しもそうですよね。悩みごとがあっても、いったん出社したら仕事しないといけないのと同じで、香という人が一見して「問題あるな」と見えないようにしてほしい、社会的に問題のある人ではないので、等身大の女性として演じてほしいと。ただ、ひとりでアトリエにこもったときに発作が起きるというシーンがあって、それは現場で生まれたんですけど、外では努めて普通を装っている――それが危うく見えたらいいと言われました。映画監督としては「女性の映画監督にある感じにしてほしい」と言われて、「え? どういう感じ?」と思ったんですけど(笑)。女性同士だからこそ、グイグイ質問できることもあると。例えば、男性がガンガンいき過ぎると相手が身構えてしまうようなときでも、女性同士だと相手も話しやすかったりして、知りたいことに対して直球でいけるところがあるので、ガンガンいく感じは見せたいということは言われました。もうちょっとで真実がつかめそうなときの攻めていく感じとか、撮りたいものに対して燃やす情熱の異常さみたいなものは激しめに持っていてほしいと。取材でも聞いていくうちにのめり込んで、距離が近くなったり、早口になったり、仕事になると加熱してしまうところが出るといいよねって話をして、シーンごとに相談しながら作っていきました。――香は、自身が抱えている葛藤や過去を作品に昇華させようとします。異常なほどの執念とも言えますが、それは映画監督としての欲求なのか?それとも彼女のパーソナルな部分から来るものなのか?何が彼女をそこまで駆り立てるのだと思いますか?北川まず、この人は「映画監督になりたい」という思いが最初にあったわけじゃなく、自分の幼い頃の記憶――つらい自分を救ってくれた掌(てのひら)が誰だったんだろう?という、自分が抱えている謎を知りたいというところから始まっていて、知らなければ前に進めないタイプの人なんじゃないかという気がしました。「知らない方がいい」というタイプの人もいると思います。(真実は)期待していた答えじゃないかもしれないし、知ってさらに傷つくこともあるので、あえてフタをするという人もいると思いますが、長谷部香という人は性格上、何でそうなったのか?というのを知らないことにはスッキリしないし、納得できない。真実を知ることで傷つくとしても、その覚悟がある、知らないことが一番怖いんじゃないかと思いました。あの手は誰?何で自分はこうなってる?なんで(一家殺害事件の犯人である)力輝斗にあんなにシンパシーを感じているのか?自分のことなのに自分が分からないというのがスッキリしない。とにかく「知りたい」と思って取材をして、画家であればそれを絵にするけど、彼女は映像にして物語に落とし込むことでしか落としどころを見つけられない人なんだなと思いました。「良い映画を作りたい」というより、これで自分が抱えている問題が解決したら、映画監督をやめてもいいという気持ちもあるのかなって思います。自分のため、自分と向き合うために映画を撮っているし、「終わらせたい」という気持ちがあるんじゃないか?納得することができれば、もしかしたら、この映画で終わりなのかなと思っていました。――そんな香の気持ちを北川さんは理解できましたか?北川分かる方かもしれません。たまに「知らない方がいいよ」とか「知ってもつらい思いをするかもしれないけど本当に聞く?」みたいなことを言われることってあるじゃないですか。私は絶対に知りたいタイプなんですよね。そこまで言ったなら言って!って(笑)。真実を知って「最悪!そうだったんだ……」となるかもしれないけど、グレーのままにはしておけないです。知って落ち込んで、まあしょうがないよねってなる方が、まだスッキリするタイプなので。傷つくかもしれないけど、知らないことが怖いんですよね。なんなら聞く前に度合いも知りたいですね(笑)。「それはどれくらい酷い話なの?」って。初めてお会いして思った「吉岡さんとならいいドラマになる」――真尋役の吉岡里帆さんと共演されてみての感想を教えてください。北川私よりも年下ですけど、年下の方と話してる感じが全然しないです。まだ10年しかこの芸能の世界にいないって聞いたのも驚きだったんですけど、何十年もやってきたような、いろんな経験をして、貫禄すら感じさせる方でした。年下の子と話してるって感じではなく、同じ目線で会話ができる方でした。本当にストイックな方で、芝居もそうですけど、きっと家でも「こう演じよう」とか、たくさん考えて、組み立てて、壊して……ということをされてるんじゃないかと思いました。食べ物にも気を遣っていらして、おそらく長くこの仕事を続けていくために、健康はもちろん、体型とか美容のことも考えているんでしょうし、私にも「どうしたらスタイルを保てるんですか?」と質問してきてくれて、すごく真面目という印象です。私はそんな全部きっちりはできないので(苦笑)、「食べたいものを食べて、ストレスを溜めない方がいいんじゃない?ただでさえストレスの溜まりやすい世界だし、まだ若いんだからそんなに考えなくても?」みたいなことばっかり言ってまして……(笑)。若いのによくこんなにたくさんのことを考えられるなとびっくりしました。(本作の)芝居の話は特にしなかったんですが、舞台がお好きで、面白かった舞台の話をしてくださったり、私が舞台をいつかやってみたいという話をしたら、演出家の方についていろいろ教えてくださったりして、年下というよりも先輩みたいでした(笑)。――本作は香と真尋というふたりの女性が互いを認め合い、協力しながら、事件の真相を追っていく作品ですが、そうした部分の魅力に関してどのようなことを感じられましたか?北川この作品の中で、真尋さんがもうひとりの主人公のように、香を動かし、引っ張っていってくれた部分がすごく大きくて、香は途中で「もう無理!」となったりすることもあるんですけど、真尋さんが背中を押してくれたからこそ、できたこと、香ひとりだったらできなかったことがたくさんあったと思います。ひとりじゃできないことでも、信じられる相手がもうひとりいることで、突き進み、乗り越えられたりできるんだということは感じました。真尋さんがいなかったらいまだに香は混沌の中にいたと思うし、真尋さんも、香が一緒にいることで能動的になった部分もあるし、自分の姉のことにも向き合うことになり、荒療治だったけど前に進めたのかなと思います。ひとりで悩んでも解決しないことはあるけど、誰かに話して一緒に考えてみることって、シンプルだけどすごく大事なんだなと感じました。その相手というのは、フィーリング――なんとなく気が合うとか、とにかく「あ、いいな」と思えたらそれで十分で、香にとって真尋さんは「この人ならいい」、「この人に賭けてみたい」と思える相手だったと思います。まあ、真尋さんは(グイグイ来る香に)最初は引いたと思うけど、でも無視もできないし、なんか気になる……。そういう目に見えない引き合わせみたいな感じで、運命的に出会ったふたりで行動を共にするというのは楽しかったし、探検しているような気分というか、今なら何でもできそうと感じられました。それは、相手役が吉岡さんじゃなかったら、そういう気持ちになれなかったと思います。初めてお会いしたときから「吉岡さんとならいいドラマになるだろうな」と思ったし、もしかしたら、香も真尋さんを見て、そう思ったのかなと気持ちが重なりました。それは、相手が男性だったらなかなかそうはならない部分もあるだろうし、女性同士だからという美しさみたいなものはあったかと思います。子どもを授かったことで親の気持ちに自分を重ねるようになった――タイトルにもある、終盤の落日を見るシーンの撮影の思い出についても聞かせてください。北川『落日』がちゃんと落日じゃなかったらどうしよう?というのは、ずっと現場のみんなの心配事でした(笑)。ロケハンのときはいつも曇っていたらしくて、雨というわけじゃないけど、霧がすごくて落日は見えなくて……という感じで、そのまま一度も落日を見れないまま、撮影本番を迎えたんです。でも、その日だけ本当にきれいな夕日が見れたんですよ。本当にまん丸で「あぁ太陽って本当に丸いんだな……」と思うくらい。カメラマンさんがいろいろとアングルを変えながら撮影してくださって、私と吉岡さんは夕日が沈むのをずっと見ていました。私は今まで、朝日や夕日を見に行くという経験がなくて、まじまじと落日の瞬間を見たのは人生で初めてのことで。地平線にちょっとずつ吸い込まれていくのが本当に神秘的できれいだったし、人生で真剣に落日を初めて見たのがこの『落日』という作品のラストシーンで本当に良かったなと思いましたし、心から感動しました。吉岡さんも「感動しましたね」「いっぱい、いろんなシーンを撮ってきたけど、これがここまできれいに撮れるなら、それで十分というか、全てはこのためのフリでしたね」とおっしゃっていて、まさに同じ気持ちでしたし、逆にこれが撮れなかったら今までの苦労は……というくらい美しい夕日でした。なんか頑張ろうって思えるんですよね、落日を見ると。「生きていたらいいことあるな」とか、自然とそういう気持ちになりました。いろいろあったことも一緒に洗い流されていくような感覚、全部許されるような感覚でした。本当に終盤での撮影で、達成感と、これを見るためにここまで4話頑張ってきたんだなという気持ちでした。――人間のいろんな部分が描かれているのが、湊さんの作品の魅力だとおっしゃっていましたが、北川さんご自身、年齢を重ねたり、ライフステージが変化する中で、登場人物の気持ちがより深く、実感をもって理解できるようになったりした部分はありますか?北川自分が子どもを授かったことで、子どもと親が出てくる作品は身近に感じるようになって、つい泣いちゃうことが多いですね。子どもが出てくると泣いちゃいます(笑)。今回も、宮川一朗太さんが演じられた真尋のお父さんの心情はすごく分かるというか、ああすることでしか自分を保てなかったんだろうなと思いました。もし自分に同じことが起きたら、どういう気持ちになってしまうのか?とすごく考えてしまったり、自分と重ねてしまうようになりましたね。子を持つ親の気持ちを考えるようになったというのはすごく大きな変化だと思います。――今後、母親役を演じることになったら、これまでとはアプローチや表現が変わってくる部分もあるかもしれませんね。北川無意識にどこかで、分かるからこそ演じやすくなっている部分もあるだろうし、私自身が子どもを授かったことで、今後巡り合わせでそういう役が来るようになるんじゃないかと想像しています。これまで、あんまり子どもを育てる役というのは私のイメージになかったと思うんですよね。お仕事を頑張っている役とかが多かったので。これから、そういう役が巡ってきたら、準備ができていると思います。子を持つまで分からなかったことがいっぱいあって「あぁ、子どもがいるとこんな気持ちになるんだ!」というのをリアルに感じながら子育てをしているところなので、今なら分かることがたくさんあると思います。これまで自分と演じる役を重ねること自体、あまりなかったんですけど、子どもの話になると、自分を重ねてしまうのかもしれないなと思うし、そういう意味でお芝居のやり方、脚本の読み込み方も変わってくるんじゃないかと思います。そういう役が来るのが楽しみです!取材・文:黒豆直樹撮影:稲澤朝博ヘアメイク:板倉タクマ(ヌーデ)スタイリスト:細見佳代(ZEN creative)<番組情報>WOWOW『連続ドラマW 湊かなえ「落日」』9月10日(日)スタート(全4話)毎週日曜午後10時放送・配信【WOWOWプライム】【WOWOW4K】第1話無料放送【WOWOWオンデマンド】無料トライアル実施中出演:北川景子吉岡里帆久保史緒里(乃木坂46)高橋光臣宮川一朗太真飛聖/竹内涼真原作:湊かなえ『落日』(ハルキ文庫刊)監督:内田英治脚本:篠﨑絵里子音楽:小林洋平チーフプロデューサー:青木泰憲プロデューサー:村松亜樹八巻薫木曽貴美子協力プロデューサー:遠田孝一制作協力:MMJ製作著作:WOWOWぴあアプリ限定!アプリで応募プレゼント北川景子さんのサイン入りチェキを1名様にプレゼント!【応募方法】1. 「ぴあアプリ」をダウンロードする。こちら() からもダウンロードできます2. 「ぴあアプリ」をインストールしたら早速応募!
2023年09月08日WOWOWで9月10日(日) より放送・配信される『連続ドラマW 湊かなえ「落日」』の完成披露試写会が8月28日(月) に開催。主演の北川景子、吉岡里帆、竹内涼真、黒木瞳、内田英治監督が登壇した。本作は、湊かなえが2019年に作家生活10周年の節目として書き下ろしたミステリー長編『落日』を原作とした連続ドラマ。新進気鋭の映画監督と新人脚本家の2人が、映画作りのために15年前に起きた一家殺害事件の真相を探る中、それぞれが抱える“ある過去”と向き合っていく姿が描かれる。物語の主人公となる映画監督・長谷部香役を演じた北川は、心の中に抱えているものがあるものの普段はそれを出さないように振舞っている香のキャラクターについて「さじ加減が難しかった」とコメント。内田監督からも「もっと抑えて」と言われる場面が多く「どれだけそぎ落とせるかという闘いだった」と振り返った。北川景子香から事件の映画化の話をもちかけられる新人脚本家・甲斐真尋役を演じた吉岡は、真尋のキャラクターを「脚本家としてプロになりたいんだけど、自分の夢を追いかけて良いのかもわからない人物」と説明。脚本家として活躍したい想いはあるものの、なかなか芽が出ない真尋だが、徐々に成長していく姿を表現するために「真実を知っていくことのつらさを乗り越えた先の成長を見せられたらいいなと思って演じました」と語った。吉岡里帆また、今回北川と吉岡は初共演となり、お互いの印象についてもコメント。北川は吉岡とは「話していて楽しかった」と言い、年下にも関わらず「同い年の友だちができた感じ」と笑顔を見せ、美容や食べ物の話などで盛り上がっていたことを明かす。一方、そのコメントを聞いた吉岡は、北川からの「友だち」との言葉に感激。「美しい」「カッコいい」「オーラがある」など、北川の印象を並べつつ、そんな北川が「目線を合わせて気さくに話しかけてくれた」と振り返る。北川とは「この人はもしかしたら運命的な出会いかもしれない」と思うほどに分かり合えたとも述べ、2人はこの関係をこれからも「育んでいきたい」と声を揃えた。香と真尋が調べる一家殺害事件の犯人とされ、死刑囚の身になった立石力輝斗役の竹内は、演じることは「きつかった」と告白。だが「大好き(笑)」と明言する内田組の現場が自身が30歳を迎えて最初の現場でもあり、「手応えはあった」と自信も見せた。竹内涼真真尋の師であり、著名な脚本家の大畠凜子役を演じた黒木は、真尋という存在に自分の経験の中で得たスキルを受け継ぐ役どころで、普段はしないものの役に自分自身を重ねることがあったと回顧。凜子の姿に「まだまだ私も未熟」「もっと頑張らないと」と気持ちを動かされたことを語った。黒木瞳本作の演出を務めた内田監督は、北川、吉岡とは初タッグだったため「クランクインする前はビビってた(笑)」と言うものの、現場に入ってみると「とてもやりやすかった」と述べ、2人からの豊富なアイディアや、お互いに共鳴しながら変わっていく姿を「見ていて楽しかった」と頬を緩めた。また竹内と内田監督は、3年前に放送されたWOWOWオリジナルドラマ『竹内涼真の撮休』以来のタッグとなったことを司会者から触れられると、まずは竹内が「嬉しかった。こういう役ができるって思ってもらえて」とにっこり。ただその「期待に応えないと」と意気込んで現場に臨んでいたことも明かす。それに対して内田は「3年前とは違う彼が現場にいてびっくりした」と竹内の成長に驚かされたことを伝え「素晴らしい俳優にどんどんなっていく」と褒めた。内田英治監督他にも、内田は北川とは現場で音楽談義に花が咲いたことや、吉岡の声が好きで、それによって吉岡の「しゃべり方がうつった」というエピソードなどを披露し、笑いの起きる和やかな雰囲気を作り出していた。そんな中、原作者の湊が大きな花束を持ってサプライズ登場。盛大な拍手と驚きの歓声で迎えられると、8月22日に誕生日を迎えた北川へ花束を渡して祝福。湊の登壇は知っていたものの、自分が祝われると思っていなかった北川は「まさか自分への花だとは思ってなかった(笑)」と驚きつつ、「(デビュー)20周年という節目に素晴らしい場所で原作者の湊先生にお花を頂けて嬉しい」と喜んだ。湊はドラマ化への大きな期待を伝えつつ、実は撮影現場を訪問して、香と真尋が互いの本音をぶつけ合う重要なシーンを見学していたことを報告。その日、北川は肝となるシーンの撮影にいつもよりは緊張して現場に入ったというが、湊の纏うほがらかな雰囲気のおかげで「現場が明るくなった」と感謝。吉岡は現場に原作者が来るということに緊張し、思わず湊に自分の演技が「合ってますか?」と「答え合わせがしたくなった(笑)」という衝動があったことも白状しつつ、北川と同様、湊の雰囲気のおかげで現場全体が和んだと伝えた。湊かなえイベントの最後に北川は「人間ってそれぞれみんな大なり小なり問題というか、人に言いたくないこととか、つらいこととか、過去とか悔いとか罪とかそういうものを背負いながら、蓋をして何とかやり過ごしながら折り合いをつけて日々を生きている生き物なんじゃないかなと思いました」と作品を通して得た想いを吐露。その上で「人はそれぞれみんな違うけれども、生きているだけで価値がある存在なんだよ、それでもいいんだよという許しというか、救いというか、そういう優しい一筋の光が差すような作品」とアピールし、「一人でも多くの方にこの作品が届いてくれることを心から願っています」とメッセージを送った。<番組情報>『連続ドラマW 湊かなえ「落日」』9月10日(日) スタート(全4話)放送:毎週日曜午後10:00[第1話無料放送]【WOWOWプライム】【WOWOW4K】配信:各月の初回放送終了後、同月放送分を一挙配信[無料トライアル実施中]【WOWOW オンデマンド】番組公式サイト:
2023年08月29日Amazonオーディブルにて湊かなえの著書「Nのために」が配信スタートした。Amazonオーディブルは、音声でコンテンツを楽しむことができる、世界最大級のオーディオエンターテインメントサービス。プロのナレーターや俳優、声優が読み上げる豊富なオーディオブックや、ニュースからお笑いまで、バラエティあふれるプレミアムなポッドキャストなどを扱う。本日配信がスタートしたのは、湊さんによる4作目の連作長編小説「Nのために」。タワーマンションで起きた悲劇的な殺人事件――その真実を、モノローグ形式で抒情的に解き明かす、湊さん初の純愛ミステリーだ。Nのために (双葉文庫)画像:amazon.co.jp朗読するのは、ドラマ版で杉下希美を演じた榮倉奈々。「湊さんの『Nのために』に向き合うことは私にとって神聖な行為であり、良い緊張をしました。本を耳からというのはかなり新しい感覚だと思います。それ以外の五感を使わない分、想像力がよりかきたてられるのではないでしょうか。ドラマを観た方がどういうふうに聴いてくださったのか感想を聞いてみたいです」とコメントしている。「Nのために」あらすじ超高層マンション「スカイローズガーデン」の一室で、そこに住む野口夫妻の変死体が発見された。現場に居合わせたのは、20代の4人の男女。それぞれの証言は、驚くべき真実を明らかにしていく。なぜ夫妻は死んだのか?それぞれが想いを寄せるNとは誰なのか――?「Nのために」はAudibleにて配信中。(シネマカフェ編集部)
2023年08月20日9月10日(日) 午後10時よりWOWOWで放送・配信される『連続ドラマW 湊かなえ「落日」』の本予告映像が公開された。『落日』は、湊かなえが2019年に作家生活10周年の節目の作品として書き下ろしたミステリー長編作品。本作のキーワードは“裁判”と“映画”で、新進気鋭の映画監督・長谷部香役を北川景子、新人脚本家・甲斐真尋役を吉岡里帆が演じ、ふたりが映画作りのために15年前に起きた“笹塚町一家殺害事件”の真相を探っていく。さらに、事件の犯人として死刑囚となった立石力輝斗役を竹内涼真、力輝斗に殺害された妹・沙良役を久保史緒里(乃木坂46)、そして真尋の師である大物脚本家の大畠凜子役を黒木瞳が演じる。公開された予告映像は、長谷部と甲斐の出会いから始まる。笹塚町一家殺害事件の犯人である力輝斗とその被害者となった高校三年生の妹・沙良の刺殺シーンや、放火された自宅が映し出されるなど、凄惨たる事件の一端を垣間見ることができる。さらに、本作の新たな場面写真も公開となった。『連続ドラマW 湊かなえ「落日」』本予告映像<番組情報>『連続ドラマW 湊かなえ「落日」』9月10日(日) スタート(全4話)放送:毎週日曜午後10:00[第1話無料放送]【WOWOWプライム】【WOWOW4K】配信:各月の初回放送終了後、同月放送分を一挙配信[無料トライアル実施中]【WOWOW オンデマンド】番組公式サイト:
2023年08月19日9月10日(日) 午後10時よりWOWOWで放送・配信される『連続ドラマW 湊かなえ「落日」』の新キャストが発表された。『落日』は、湊かなえが2019年に作家生活10周年の節目の作品として書き下ろしたミステリー長編作品で、監督は『ミッドナイトスワン』『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』の内田英治。新進気鋭の映画監督で、他人に迎合することなく自分の信念で行動する主人公・長谷部香を北川景子、香と同じ町出身の脚本家で運命の輪に巻き込まれていく甲斐真尋を吉岡里帆が演じる。今回新キャストとして発表されたのは、黒木瞳、竹内涼真、久保史緒里(乃木坂46)の3名。黒木は真尋の師である大物脚本家の大畠凜子、竹内は妹の沙良を刺殺して自宅を放火し、さらに両親をも死に追いやったとして死刑囚の身になった立石力輝斗、久保は力輝斗の妹で、人気アイドルグループのオーディションに合格したと噂されるほど華があった高校生の立石沙良を演じる。併せて、本作のポスタービジュアルと特報映像が公開された。映像では、実際に起きた一家殺害事件の映画化を持ち掛けた香と、相談を受けた真尋が軸となって展開する物語の一端を垣間見ることができる。■大畠凜子役:黒木瞳 コメント・出演が決まったとき原作は出版されたときに読んでいました。からみ合った糸が次第にほどけていくラストに心が洗われました。奥深い作品に参加させて頂けることをとても嬉しく思いました。・役作りで心がけたこと、撮影現場の印象脚本家という役柄は初めてですので、衣裳やヘアをスタッフと考える時間はとても楽しかったです。内田英治監督とは2度目でしたので、安心して現場に入れたことに感謝しています。ふところの深い監督ですので、撮影はとても有意義でした。・視聴者へのメッセージ水平線に落ちていく陽は、どこかで朝の陽としてのぼっている。そんな詩的な作品がミステリーというジャンルで楽しめる作品です。初めてご一緒した北川景子さん、吉岡里帆さんとは、撮影の合い間、ずっと女子トークで盛り上がっていました。すてきな方々と共演出来た大切な作品、ぜひ多くの方にご覧頂きたいです。■立石力輝斗役:竹内涼真 コメント・出演が決まったときまずは挑戦したことのない役柄だったので、純粋に嬉しかったし、好奇心が掻き立てられました。脚本が凄く魅力的で、読み終わった時に心の奥底にある何かをがっしり掴まれたような感覚になりました。・役作りで心がけたこと、撮影現場の印象死刑囚の力輝斗を演じる上でどのような感情を伝えたいのか、そして彼が1番欲しかったものについて、繊細に演じたいと現場に臨みました。内田監督とは今回2度目、そして僕がとても信頼している監督のおひとりです。30歳を迎えたタイミングで立石力輝斗を現場で一緒に創り上げる作業はとても楽しかったです。・視聴者へのメッセージ是非たくさんの方にこの『落日』をいろんな角度から楽しんで頂きたいです。特に久保史緒里さんとの兄妹のシーンは、生々しく人間味溢れるシーンになっています!是非ご期待ください。『連続ドラマW 湊かなえ「落日」』特報映像<番組情報>『連続ドラマW 湊かなえ「落日」』9月10日(日) スタート(全4話)放送:毎週日曜午後10:00[第1話無料放送]【WOWOWプライム】【WOWOW4K】配信:各月の初回放送終了後、同月放送分を一挙配信[無料トライアル実施中]【WOWOW オンデマンド】番組公式サイト:
2023年07月28日湊かなえが2019年に作家生活10周年の節目の作品として書き下ろしたミステリー長編をWOWOWで連続ドラマ化する「落日」の主演に北川景子が決定。吉岡里帆と初共演を果たす。新進気鋭の映画監督・長谷部香(北川景子)は、新人脚本家・甲斐真尋(吉岡里帆)に映画の脚本の相談を持ちかける。その元となるのは、15年前、引きこもりの男性が高校生の妹を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた「笹塚町一家殺害事件」。事件が起きた小さな町、笹塚町は真尋の生まれ故郷でもあった。判決も確定しているこの事件を、香はなぜ撮りたいのか。真尋はどう向き合うのか。事件を調べていくうちに、衝撃の真実にたどりつく…。北川さんは、WOWOWでの主演は連続ドラマW「ヒポクラテスの誓い」以来、約7年ぶり。新進気鋭の映画監督で、他人に迎合することなく自分の信念で行動する主人公・長谷部香役を演じる。北川景子また、香が幼い頃に住んでいた笹塚町出身の脚本家ということで運命の輪に巻き込まれていく甲斐真尋役には吉岡里帆。2人が演じる香と真尋は、映画を作るために15年前に起きた「笹塚町一家殺害事件」の真相を探っていくが、実はお互いにそれぞれ過去に身近な人を失ったことで、深いトラウマを抱えていた。やがて明らかになる、大切な人々の死の真相の先にあるものとは――。吉岡里帆原作は、2008年のデビュー作「告白」がミリオンセラーとなり、その後も「贖罪」「Nのために」「リバース」など途切れなくヒット作を生み、エンターテインメント小説界をけん引する湊かなえ。湊さん原作小説のWOWOWでのドラマ化は、連鎖する悲劇と登場人物たちの心の闇を描き国内外で喝采を浴びた連続ドラマW「贖罪」(2012年)、“母と娘”をテーマに毒を抱えた6人の主演女優たちが織り成す連続ドラマW「湊かなえポイズンドーター・ホーリーマザー」(2019年)に続き3作品目となる。脚本には、「宮部みゆき『ソロモンの偽証』」「インフルエンス」「坂の途中の家」などWOWOW連続ドラマWの数々のヒット作や、ドラマ「クロサギ」などを手掛けてきた篠崎絵里子。監督は、『ミッドナイトスワン』の内田英治。本格ミステリー原作の映像化を手掛けるのは初めてとなる。主演:北川景子(長谷部香役)・共演:吉岡里帆(甲斐真尋役)「湊かなえさんの作品が大好き」で原作も読んでおり、「湊さんの作品に携われることがとても嬉しかった」という北川さんは、脚本に対しても「原作のテーマが落とし込まれた脚本で惹き込まれました。タイトルの通り、落日が度々物語に出てきます」と明かす。演じるのは、新鋭映画監督というかつてない役柄。「香は“知ること”が“救い”だと言い、『なぜそうなってしまったのかが、知りたい』と言い続けます。真実を知ることで傷つくことや、かえって苦しむことになったとしても、真実に近づこうとする執念を持つ人です」とキャラクターについて語り、「香という人物は過去も含め自分という存在を赦すために知ろうとしていて、知ることでしか本当に前に進めないのだとわかりました」と理解を示した。また、吉岡さんは「北川景子さん主演作、湊かなえさん原作ということで、世に残る作品を一緒に作っていける喜びでいっぱいになりました」とオファーの喜びを語りつつ、「真尋は脚本家としての自分に自信が無く、ひねくれていてうだつが上がらない臆病な人間です。過去のトラウマから後ろ向きな性格になってしまった姿を、苦しみながらも何とか前に進んでいく主人公の香さんと対比になるよう気をつけながら演じました」と明かす。そして「どんな過去を背負っていても向き合っていこうとする映画監督の香と、現実をまだ直視出来ない脚本家の真尋が邂逅していく姿がスリリングに、かつ柔らかさも持って描かれているように思いました」と脚本についてコメントした。原作の湊さんは、「日が沈まなければ明日が来ないように、真実を知るからこそ訪れる明るい未来もあると思うのです。それを、映像で感じることができることに大きな希望を抱いています」とドラマ化にコメント。北川さん、吉岡さんには「言葉にしなくても、表情や些細な動作にそれがにじみ出る演技をしてくださるお二人だと確信し、期待が膨らみ、ドキドキしています」と信頼を寄せる。そして「この作品のスタートは『映画』と『裁判』というワードです。ここに注目して見てくださると、新しい発見があるかもしれません」と見どころを明かした。連続ドラマW「湊かなえ『落日』」は9月、WOWOWにて放送・配信(全4話/※第1話無料放送)。(text:cinemacafe.net)
2023年05月31日9月にWOWOWにて放送されるドラマ『連続ドラマW 湊かなえ「落日」』の主演が北川景子に決定し、併せて共演者として吉岡里帆が出演することが発表された。本作は、湊かなえが2019年に作家生活10周年の節目の作品として書き下ろしたミステリー長編作品。湊の原作小説をWOWOWでドラマ化するのは、『連続ドラマW 贖罪』(2012年)、『連続ドラマW 湊かなえ ポイズンドーター・ホーリーマザー』(2019年)に続き3作目となる。北川が演じるのは、新進気鋭の映画監督で、他人に迎合することなく自分の信念で行動する主人公・長谷部香。北川がWOWOWで主演を務めるのは『連続ドラマW ヒポクラテスの誓い』以来、約7年ぶりとなる。吉岡は、香が幼い頃に住んでいた笹塚町出身の脚本家ということで、運命の輪に巻き込まれる甲斐真尋を演じる。北川と吉岡は本作が初共演となる。本作のキーワードとなるのは「裁判」と「映画」。香と真尋は、映画を作るために15年前に起きた「笹塚町一家殺害事件」の真相を探っていく。二人はお互いに秘密にしていたが、それぞれ過去に身近な人を失ったことで、深いトラウマを抱えていた。やがて明らかになる、大切な人々の死の真相の先にあるものとは――。脚本は、『連続ドラマW 宮部みゆき「ソロモンの偽証」』『連続ドラマW インフルエンス』などWOWOWのヒット作を手掛けた篠﨑絵里子。監督は、第44回日本アカデミー賞で最優秀作品賞に輝いた『ミッドナイトスワン』の内田英治監督が務める。内田監督が本格ミステリー原作の映像化を手掛けるのは初でもあり、作り上げられる世界観にも期待が高まる。<キャスト・原作者・監督 コメント>●北川景子(長谷部香 役)本作のオファーを受けた際の気持ち湊かなえさんの作品が大好きで、元々たくさん読ませて頂いていた中に『落日』もありました。香と真尋が一つの事件を調査していく過程で、自分の過去や生い立ち、家族についてさまざまな真実に辿り着いていき、2人の人生がじわじわと交わっていくストーリー展開に感動した作品でした。オファーをいただいた時は驚きましたし、湊さんの作品に携われることがとても嬉しかったです。■脚本を読まれた際の感想一見接点のない登場人物たちが過去に深く関わりがあり、その真実が明らかになるにつれ、それぞれが心にしまっていた悲しみやトラウマを昇華していく展開が、原作同様、ライブ感がありました。真実とは、事実とは、そしてそれを受け入れることとは何なのか。知ることに果たして救いはあるのか。原作のテーマが落とし込まれた脚本で惹き込まれました。タイトルの通り、落日が度々物語に出てきます。日が沈むまでの短い時間に、それぞれが同じ夕日に思いを馳せていたと思うと切なかったのですが、一歩ずつ前に進んで欲しいと思いましたし、とにかく天候に恵まれ、この夕日のシーンの撮影がうまくいきますようにと願いました(笑)。■今回演じられた新鋭映画監督・長谷部香という役について役作りで心がけたことや、撮影現場の印象香は′′知ること′′が′′救い′′だと言い、「なぜそうなってしまったのかが、知りたい」と言い続けます。真実を知ることで傷つくことや、かえって苦しむことになったとしても、真実に近づこうとする執念を持つ人です。役を作るにあたり、この人は何故そんなに知りたがるのか沢山考えたのですが、香という人物は過去も含め自分という存在を赦すために知ろうとしていて、知ることでしか本当に前に進めないのだとわかりました。真実に近づくためには手段を選ばなかったり突き進んでしまうところがあり、それ故に周りを傷つけてしまい、またそのことにも傷ついてしまう香の繊細さを表現したいと思い撮影に臨んでいました。撮影現場は大変和やかで、内田監督や内田組の皆様がとても温かく迎え入れてくださり、皆様とコミュニケーションをとるのが楽しかったです。作品の真剣なムードとはまた違って、和やかで楽しい日々でした。■視聴者へのメッセージ心に悲しみや傷を抱えたまま蓋をして生きていた登場人物たちが、それぞれの救いを見つけ前に進んでいく姿に私は勇気をもらいました。日常生活を送る中で、時として私たちは普通を装い、悲しみやトラウマ、知られたくない感情が表層に浮かび上がらないよう取り繕って生きていますが、実はそれぞれに何かを抱えていて、皆救いを求めているのだと思います。この『落日』という作品が、皆様にとって一瞬でも、何かの救いや励ましになったら幸いです。●吉岡里帆(甲斐真尋 役)■本作のオファーを受けた際の気持ち北川景子さん主演作、湊かなえさん原作ということで、世に残る作品を一緒に作っていける喜びでいっぱいになりました。仲良しのヘアメイクさんがいらっしゃったり、いつか仕事をしたかった内田英治監督にカメラマンの伊藤麻樹さんも一緒で座組としても心強いなと感じました。■脚本を読まれた際の感想湊さん原作の『落日』のテーマである、苦しみからの成長・希望を忘れない精神の美しさに感動していたので読みながら大事なポイントを探りました。どんな過去を背負っていても向き合っていこうとする映画監督の香と、現実をまだ直視出来ない脚本家の真尋が邂逅していく姿がスリリングに、かつ柔らかさも持って描かれているように思いました。■今回演じられた新人脚本家・甲斐真尋という役について役作りで心がけたことや、撮影現場の印象真尋は脚本家としての自分に自信が無く、ひねくれていてうだつが上がらない臆病な人間です。過去のトラウマから後ろ向きな性格になってしまった姿を、苦しみながらも何とか前に進んでいく主人公の香さんと対比になるよう気をつけながら演じました。■視聴者へのメッセージドラマ『落日』は繊細で痛みのある切ない物語であると共に、優しいメッセージの詰まった希望を描いた作品でもあります。最後のエンディングがとても素敵なので、ぜひ4話続けて見て頂きたいです。●原作・湊かなえ■『落日』がWOWOWでドラマ化されることについての気持ち自分の都合のいいものだけを見て生きる。しかし、日が沈まなければ明日が来ないように、真実を知るからこそ訪れる明るい未来もあると思うのです。それを、映像で感じることができることに大きな希望を抱いています。文章では表現の限界のある『落日』を突き付けられ、心地よい敗北感を抱けたら、最高に幸せです。■主演の北川景子さん、共演の吉岡里帆さんについての印象や期待したいポイント、脚本を読んでドラマに期待すること北川さん、吉岡さん、どちらも大きな問題を内に抱えた役柄ですが、言葉にしなくても、表情や些細な動作にそれがにじみ出る演技をしてくださるお二人だと確信し、期待が膨らみ、ドキドキしています。脚本も作品の意図を丁寧にくみ取っていただいており、監督を中心に、皆のパワーがこもった作品になるのではないかと思います。■視聴者へのメッセージ自分と重なる人物、または、寄り添いたい人物が作中にいると思いますので、物語を楽しんだ後は、ご自分の胸の内に目を向け、明日への希望となるヒントを見出していただけるのではないでしょうか。また、この作品のスタートは「映画」と「裁判」というワードです。ここに注目して見てくださると、新しい発見があるかもしれません。どうぞよろしくお願いします。●監督・内田英治■本作をWOWOWでドラマ化するにあたっての意気込みじつは私、ミステリー小説ファンなのですが。このような形で本格ミステリーの原作をはじめてやらせていただくわけで、とても緊張し、とても意気込んでおります。原作者の湊かなえさんが描いた、繊細な登場人物たちを撮影で甦らせようと四苦八苦した作品でございます。その結果をぜひ見ていただきたいと思います。■主演の北川景子さん、共演の吉岡里帆さんについての印象おふたりとも初めてご一緒させていただきましたが、おふたりともによい意味で想像ととても違っておりました。北川さんは内に秘めたものが爆発するかしないかという境界線を演じるのがとてもお上手だと感じました。吉岡さんは明るい役のイメージがあったのですが、逆に繊細で感情がふつふつと煮込まれゆく演技などをもっと見たいと現場で思いました。■視聴者へのメッセージ二人の女性が自らの歴史をたどりながら謎を解明してゆく。北川景子さん、吉岡里帆さんがそれぞれ演じるわけですが、とても刺激的な撮影の日々でした。きっとそれが画面に現れている作品だと思います。皆様ぜひ見てください!<作品情報>『連続ドラマW 湊かなえ「落日」』WOWOWにて9月放送・配信スタート(全4話)第1話無料放送【WOWOWプライム/WOWOW 4K】無料トライアル実施中【WOWOWオンデマンド】【スタッフ】原作:湊かなえ『落日』(ハルキ文庫)監督:内田英治脚本:篠﨑絵里子音楽:小林洋平【キャスト】北川景子、吉岡里帆 ほか【ストーリー】新進気鋭の映画監督・長谷部香(北川景子)は、新人脚本家・甲斐真尋(吉岡里帆)に映画の脚本の相談を持ち掛ける。その元となるのは、15年前、引きこもりの男性が高校生の妹を自宅で刺殺後、放火して両親も死に至らしめた「笹塚町一家殺害事件」。そして事件が起きた小さな町、笹塚町は真尋の生まれ故郷でもあった。判決も確定しているこの事件を、香はなぜ撮りたいのか。真尋はどう向き合うのか。事件を調べていくうちに、衝撃の真実にたどりつく......。詳細はこちら:
2023年05月31日湊かなえの小説「告白」が、3月22日(水)よりAmazon オーディブルにて配信される。オーディオブックや音声コンテンツを制作 ・配信するAudible。今回配信が控える「告白」は、2008年に発売され、衝撃的なラストを巡り物議を醸し、話題となった湊さんのデビュー作。2022年には文庫版の部数が300万部突破を記録し、2010年には松たか子主演で映画化。また今月、限定特装版の発売が控えている。今回のオーディオブック化では、映画で北原美月を演じた橋本愛が朗読を担当。湊さんとの特別対談も収録している。「ただ読み上げるのではなく、橋本愛さんの解釈はちゃんと感じられるのに、演じるのともまた少し違う、朗読にしか表現できない世界がそこには広がっていました」と今作の印象を語った湊さんは、「橋本さんに新しい表現の扉を開いていただけてとても嬉しいです」と喜ぶ。一方、橋本さんは「物語をそれぞれの解釈で聴いていただきたいため、今回は自分の中で『演じない』というルールを設けて朗読していました」と明かし、「このオーディオブックによって、新たな『告白』が発見されることを楽しみにしています」とコメントしている。「告白」は3月22日(水)よりAmazon オーディブルにて配信。(cinemacafe.net)■関連作品:告白 2010年6月5日より全国東宝系にて公開© 映画「告白」フィルムパートナーズ
2023年03月19日ベストセラー作家・湊かなえが、作家を辞す覚悟で執筆し、累計発行部数120万部を突破した小説を、戸田恵梨香と永野芽郁共演で映画化した『母性』が、2月22日(水)より先行ダウンロード販売がスタートする。母性を持てず、娘を愛せない母・ルミ子を戸田さん。母性を求め、母に愛されたい娘・清佳を永野さんと、「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」で先輩・後輩の息の合った掛け合いが話題となった2人が、初の母娘役に挑戦することで注目された本作。今回、先行ダウンロード販売開始後、4月7日(金)よりデジタルレンタル、Blu-ray&DVDもリリースされる。Blu-ray&DVD豪華版には、メイキング、戸田さんと湊さんのスペシャル対談の完全版などが収録された特典DISCもセットとなっている。『母性』は2月22日(水)先行ダウンロード販売開始、 4月7日(金)Blu-ray&DVD発売、デジタルレンタル開始。(cinemacafe.net)■関連作品:母性 2022年11月23日より全国にて公開©2022映画「母性」製作委員会
2023年01月13日女優の戸田恵梨香が主演を務める、映画『母性』(11月23日公開)のスペシャル対談映像が2日、公開された。同作は湊かなえによる同名小説の実写化作。女子高生が自ら命を絶った事件をきっかけに回想される、愛せない母(戸田)と愛されたい娘(永野芽郁)の物語で、同じ時・同じ出来事を回想しているはずなのに、2人の話は次第に食い違う。母と娘がそれぞれ語るおそるべき「秘密」が明らかになっていく。この度、娘を愛せない母ルミ子を演じた主演の戸田と、原作者・湊かなえによる対談が実現。湊作品への出演はドラマ『花の鎖』(13年)、『リバース』(17年)に続いて3度目となる戸田について、湊“ファミリー”と呼ぶほど激賞。本作『母性』における戸田の演技を観た湊は「完成した映画で戸田さんを一目見て、この人は今まで何を背負ってきたのだろう? という表情に、ガシっと心を掴まれて鳥肌が立ちました」と話し、また「あの表情ひとつですごいものを背負ってきたことがわかりました。セリフも何もいらないんだ、もうルミ子だ! と思い、本当にゾクゾクしました」と太鼓判を押す。そんな湊の言葉に胸を撫でおろした様子の戸田は「ルミ子の人生が壮絶過ぎて、私自身の人生にはとてもかなわない重さと経験なんですよね。その説得力を持たせられるかは不安でしたし、未知の世界でした。それを成立させるにはどのようにすればいいのだろうかと、ものすごく理論と理屈を考え抜いてやっていました」と語り、また「今回は感情だけでは成立させられない。ましてや自分の目線だけではなくて、娘からの目線もあって、その娘からの目線ではどのように見えているのかという客観視も必要でした。本当に頭を鍛えられた現場でした」と難役に挑んだ現場での様子を回顧。本作を象徴する、同じ出来事でも母・ルミ子の視点と娘・清佳の視点による証言の違いが交錯してまったく違う真実が浮かび上がるという構造についても、湊は戸田の絶妙な演じ分けに感動したそうで「一つ一つの表情やセリフの言い方などから、正解はこれだったのだと、逆に私が教えてもらった気がしました」と熱く語る。「特に今回のルミ子は今までに見たことのない戸田さんを見せていただけたと思っています。戸田さんの可能性、新しい扉をまた一つ見せてもらったからこそ、もっといろいろな扉を見せていただきたいと思いますし、その違う扉でまた自分の書いたものを演じてもらえたらいいなと思います」と次のオファーともいえる湊の言葉に、戸田は「嬉しいです!最高です!」と感激の表情を見せていた。
2022年12月02日※編集部注:本記事はネタバレも一部含んでいます。知らない状態で映画をご覧になりたい方はご注意下さい。映画『母性』(11月23日公開)のTRIBEの舞台挨拶が23日に都内で行われ、戸田恵梨香、永野芽郁、廣木隆一監督、湊かなえ(原作)が登場した。同作は湊かなえによる同名小説の実写化作。女子高生が自ら命を絶った事件をきっかけに回想される、愛せない母と愛されたい娘の物語で、同じ時・同じ出来事を回想しているはずなのに、2人の話は次第に食い違う。母と娘がそれぞれ語るおそるべき「秘密」が明らかになっていく。原作者の湊は今作について「書いているときも映像が浮かんでいて、ルミ子(戸田)の最後の表情などが頭の中にあるんですけど、映画を見たら『あ、この台詞はこんな表情で言ってたんだ。清佳(永野)、こんな顔で聞いてたんだ』というのを2人に教えてもらったような感じがしました」と絶賛し、「全部上書きされました」という。戸田は「恐縮です」と言いつつ、「最後に『愛してる』と言いながら(清佳を)抱きしめているシーンがありましたけど、あそこの表情、間違えたなと気づいたんです」と明かし、会場を驚かせる。「湊さんがどういう意図であのシーンを書かれたのかわからないんですけど、あの時、大地真央さん演じる母を自分に投影すべきだったって気づいて。本当は笑顔で清佳を愛してるって抱きしめるべきだったんじゃないかなって思ったんです。いかがですか?」とその場で原作者に尋ねた。湊は「今それを聞いて『あ、そうか』と教えてもらってる感じなんですけど、いつもルミ子の中にある『これが正しいことなんだろうか』とか『今、最善の行動はどういうことなんだろう』というのは、全部自分の母親がいてのことで、『母だったらどうするだろう』『こうしたら母は喜んでくれるんじゃないか』というところから来ている。大地さんの笑顔をルミ子が思い浮かべて『愛してる』というのも、『あ、そうか』と思ったり」と戸田の見解を認める。さらに「でも、ルミ子はやっと『あそうだ。今はこれ愛してるなんだ』にたどり着いた感じが、映画の時の表情になったんだろうなって」と、湊が今回の戸田の表情についての見解を述べると、戸田は「そうなんですよ!」と頷く。湊が「でも私は、その『愛してる』の奥に大地さんが見えました」と太鼓判を押すと、戸田は「ありがとうございます」とほっとしていた。
2022年11月24日映画『母性』(11月23日公開)のTRIBEの舞台挨拶が23日に都内で行われ、戸田恵梨香、永野芽郁、廣木隆一監督、湊かなえ(原作)が登場した。同作は湊かなえによる同名小説の実写化作。女子高生が自ら命を絶った事件をきっかけに回想される、愛せない母と愛されたい娘の物語で、同じ時・同じ出来事を回想しているはずなのに、2人の話は次第に食い違う。母と娘がそれぞれ語るおそるべき「秘密」が明らかになっていく。ドラマ『ハコヅメ〜たたかう!交番女子〜』でも共演し、息ぴったりの2人。「初日を迎えちゃったので、戸田さんと過ごす時間もだんだん終わりに近づいているということなので、皆さんを置き去りにして楽しみたいと思います」と言っていた永野だが、印象に残っているシーンを聞かれると「私がルミ子さんに『ママ、手伝うよ』と言ってバケツを取る時に『触らないで!』と言われるところ」と明かす。永野はさらに「まだ戸田さんとの撮影日数を重ねていなくて、けっこう初めでまだちゃんと会話もできていない状況だったので、ちゃんと距離もあってのあのシーンだった。本気でグサッてきたのを覚えてますね。『触らないでって言われた!』みたいな感じで」と語る。「そこからちょっとずつ戸田さんとお話ししよう、戸田さんの懐に入りたい、と思って挑んだ日々だったと思います」と振り返った。
2022年11月23日映画『母性』(11月23日公開)のTRIBEの舞台挨拶が23日に都内で行われ、戸田恵梨香、永野芽郁、廣木隆一監督、湊かなえ(原作)が登場した。同作は湊かなえによる同名小説の実写化作。女子高生が自ら命を絶った事件をきっかけに回想される、愛せない母と愛されたい娘の物語で、同じ時・同じ出来事を回想しているはずなのに、2人の話は次第に食い違う。母と娘がそれぞれ語るおそるべき「秘密」が明らかになっていく。作品にちなみ、どんな母親になりたいかという問いに、戸田は「(母親役の)大地(真央)さんを通した母を見ていて、いつでも笑顔でいるお母さんってやっぱり素敵だなと思ったんです。なので自分も笑顔で過ごせるために心のゆとりを持てるようになりたいし、穏やかな家庭を築きたいなと思いました」と語る。一方永野は「自分が母親になるイメージがまだまったくできないんですけど」と悩みつつ、「自分が母と仲良いいので、その日の出来事だったりいいことも悪いこともなんでも共有できる母になりたいなとは思います」と答える。司会から「本当に仲が良いんですね」と声をかけられると、「仲良しなんです。えへへ」と照れ笑いを浮かべていた。
2022年11月23日累計発行部数360万部を超え、2010年に映画興行収入38.5億円を記録した『告白』から12年。数々の傑作を生み出し日本中を震撼させてきたベストセラー小説家・湊かなえの渾身作を映画化した『母性』が、11月23日より公開される。本作で、ある未解決事件の語り手となる母娘を演じるのは、戸田恵梨香と永野芽郁。これまでも湊かなえ作品の映画化、ドラマ化には、日本を代表する各世代の俳優たちがこぞって主演を務めてきた。本作の原作者・湊かなえといえば、人間の愚直さと醜さをえぐるように描き出す作風が心に刺さって離さないことから“イヤミスの女王”とも称され、特に女性を中心に熱烈な支持を集めている大人気作家。映画・ドラマなど著作が映像化されるたびに世間がうねるような話題を呼び、松たか子主演で日本列島を席捲した衝撃作『告白』(2010)を筆頭に、吉永小百合主演『北のカナリアたち』(2012/「往復書簡」収録、原作「二十年後の宿題」)、井上真央主演『白ゆき姫殺人事件』(2014)など映画化作品多数。また連続ドラマでも、小泉今日子主演「贖罪」(2012・WOWOW)や鈴木京香主演・石田ゆり子共演「夜行観覧車」(2013・TBS)、榮倉奈々主演「Nのために」(2014・TBS)、藤原竜也主演で戸田さんも共演した「リバース」(2017・TBS)など、いまや当たり前の光景ともなった考察合戦の先駆けともいえるような、鮮烈な印象を刻んだサスペンス・ミステリーがずらりと並ぶ。そしてどの作品の主演も、大河ドラマ、朝ドラ、社会現象化した映画などで主人公を演じてきた、日本を代表する錚々たる俳優陣が顔を揃えている。本作『母性』もまさに湊作品の真価を存分に見せつける1本。湊さんが「これが書けたら、作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた小説」と特別な想い入れを持ち書き上げた『母性』は、ファンからも兼ねてより実写化を熱望されていた作品。愛せない母と愛されたい娘、ゆがんだ愛情が引き起こす事件の真相に迫る1本だが、“家族”や“ミステリー”といった要素は湊作品の核となることが多く、その関係性が鋭く描写されるのも大きな魅力の一つ。完成した作品を鑑賞した湊さんは、「完成度の高さに喜びしかありません。戸田さんの鬼気迫る演技に鳥肌が立ちました。永野さんの表情での演技もすばらしかったです。大地さん、高畑さんはじめ、女優の方々おひとりずつの演技がすばらしく、またそれらが化学反応を起こすかのように、作品全体に深みや広がりを与えている。エンターテインメント作品のおもしろさと、芸術作品の感動が融合した作品になっていると思います」と、その仕上がりはもちろん、豪華俳優陣が魅せる迫真の演技にも感激のコメントを寄せた。ある一つの事件をきっかけに語られる、愛せない母・ルミ子(戸田恵梨香)と愛されたい娘・清佳(永野芽郁)、2人による食い違う証言。そこから徐々に明らかとなる真実とは?そして“母性”とは一体何なのか。湊さんの未映像化作品としては最高となる累計発行部数120万部を突破、湊さん自身が深い想い入れを明かしている渾身の1作の映画化とあって、原作ファンはもちろんのこと映画ファンからも期待を集めている。そこで今回は、映像化され話題を呼んだ湊かなえ原作作品を改めてふり返ってみた。『告白』(2010年公開)湊かなえの鮮烈なデビュー作にして、2008年の「このミステリーがすごい!」第4位、2009年の本屋大賞を受賞するなど、一躍その名を世に知らしめたミステリー小説を映画化。愛する娘を生徒によって殺害された中学校教師・森口悠子(松たか子)が真実に迫るべく犯人へおぞましい復讐を誓う。いじめや、未成年による犯罪など過激な内容を含みつつも作品は大ヒットとなり、第34回日本アカデミー賞では4冠を制するなど高い評価を得た。『北のカナリアたち』(2012年公開)湊かなえの短編集「往復書簡」に収録されている「二十年後の宿題」を原案とし、東映創立60周年を記念して製作された作品。北海道最北端の離島で小学校教師を務めるはる(吉永小百合)は、教え子たちと仲睦まじく日々を過ごしていたが、ある事件をきっかけに平穏な日々は終わりを告げ、はるは北海道を離れることに。それから数年後、成人した教え子の1人が事件を起こしたことから、はるは再び北海道の地へ戻り、かつての教え子たちと再会していくが…。壮大な北海道のロケーションを背景に織りなす重厚な人間ドラマが評価され、第36回日本アカデミー賞では最多となる12部門で優秀賞を受賞した。「夜行観覧車」(2013年・TBS)高級住宅街に念願のマイホームを建てた家族を中心に、街の婦人会によるしきたりや近所付き合い、お受験問題など様々なトラブルによって地域との関わりに綻びができ、不穏な方向へと向かい疲弊していく様が描かれる。家族を題材としたミステリー小説である本作は、主演の鈴木京香をはじめ、石田ゆり子、中川大志、杉咲花など豪華キャストが揃い、徐々に崩れていく家族模様の先にどんな予測不能の運命が待ち受けるのか、毎話視聴者をザワつかせ続け高視聴率を記録した。「Nのために」(2014年・TBS)Nのイニシャルが付く登場人物たちそれぞれが抱える過去や思惑が、ある1つの殺人事件をきっかけに複雑に絡み合っていく作品。主観が様々な形で入れ替わっていく複雑な展開ながらも、榮倉奈々、窪田正孝、賀来賢人ら、人気俳優陣が体現するキャラクターの心情や、観る者の感情をえぐる細かな演出が評判を呼び、第83回ザテレビジョン ドラマアカデミー賞で第1位に輝くなど圧倒的支持を集めた。『白ゆき姫殺人事件』(2014年公開)OLの三木典子(菜々緒)が惨殺されるという不可解な殺人事件が発生し、その事件に目を付けたTVディレクター赤星雄治(綾野剛)は事件の日を境に失踪している三木の同僚、城野美姫(井上真央)の存在を知る。事件をきっかけに広がる白熱するワイドショー取材や、根も葉もない噂、炎上するネット…果たして噂と真実の境界はどこにあるのか。現代にはびこる要素をテーマにした本格ミステリーを映画化した極上の“ゴシップエンターテインメント”。『母性』は11月23日(水・祝)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:告白 2010年6月5日より全国東宝系にて公開© 映画「告白」フィルムパートナーズ北のカナリアたち 2012年11月3日より全国にて公開© 2012『北のカナリアたち』製作委員会白ゆき姫殺人事件 2014年3月29日より全国公開© 2014「白ゆき姫殺人事件」製作委員会© 湊かなえ/集英社母性 2022年11月23日より全国にて公開©2022映画「母性」製作委員会
2022年11月04日川口春奈と「Snow Man」目黒蓮が共演する「silent」の4話が10月27日放送。湊斗が紬に切り出した“言葉”に視聴者から「切なすぎる」「想も辛すぎよ」など様々な反応が寄せられている。主人公が、本気で愛するも別れることになってしまった高校時代の恋人と8年の時を経て偶然再会する。だがかつての恋人は徐々に耳が聞こえにくくなる“若年発症型両側性感音難聴”を患っていた…主人公が現実と向き合いながらも寄り添い、乗り越えていこうとする姿を丁寧に描いていくラブストーリーとなる本作。大型CDショップで働く主人公の青羽紬に川口さん。“若年発症型両側性感音難聴”で耳が聞こえなくなった佐倉想に目黒さん。かつて紬と想をつなげた存在で今は紬の恋人の戸川湊斗に鈴鹿央士。想に寄り添うろう者の桃野奈々に夏帆。紬が通う手話教室の講師・春尾正輝に風間俊介。想の妹・萌に桜田ひより。紬と一緒に暮らしている弟・青羽光に板垣李光人。想を心配する母親・佐倉律子に篠原涼子といったキャストが出演。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。紬の部屋を飛び出した湊斗は追いかけてきた紬に、自分の代わりに想に謝っておいてと告げる。「自分で話した方がいい、自分でちゃんと伝えたほうがいい」と応える紬に、湊斗は手話ができない自分では何も伝わらないから、紬が話した方がいいと返すが、紬は「私が話したんじゃ意味ない。伝わんない」と言って、湊斗を自分の部屋に連れ帰ると、光を連れファミレスへ。紬の部屋で2人きりになった想と湊斗。湊斗が「ごめん、紬機嫌悪くて」と伝えると、想は笑顔を見せる。その後湊斗が話しながら冷蔵庫に向かうと、想は「湊斗…」と再会してから初めて自分の声で語りかける…。再会してお互いをわかり合っていく想と湊斗の姿に「今回は開始10分で号泣でした」「開始10分。すでに涙が止まりません」「しょっぱなから号泣なんですけど!!!!想と湊斗の友情がきれいすぎて泣ける」「恋愛だけじゃなくて友情も見せてくれるこのドラマ最高」といった声が殺到。しかし終盤では湊斗が紬に「別れよう」と切り出す展開に。かつて想が紬と別れる時に伝えた「好きな人がいるから」という言葉で紬に別れを伝えると、想に「想のためとかじゃなくて、どっちかというと紬のためで、本音を言えば自分のため、俺がしんどいだけ」と今の自分の気持ちを伝える…。そんな湊斗の行動には「好きな人を悲しませたくない、幸せになってほしいと思う気持ちが切なすぎる」「自分のせいで親友と好きな人が別れそうになってるなんて想も辛すぎよ」「想といい湊斗といい相手が望んでもないのに好きな人の為に別れを選ぶ。そんなの傲慢でしか無い」など様々な声が送られている。【第5話あらすじ】湊斗から突然の別れを告げられた紬は、なかなか気持ちの整理がつかないでいた。想もまた2人の関係が崩れたのが自分のせいではないかと古賀良彦(山崎樹範)に相談する。紬は正輝に湊斗の話をする中で、自分が彼のことを大切に思い、本当に好きだったことを実感するとともに、聞こえる聞こえないに関係なく相手に思いを伝えることの難しさを痛感する…。「silent」は毎週木曜22時~フジテレビ系にて放送中。(笠緒)
2022年10月28日戸田恵梨香、永野芽郁が母娘役で共演する映画『母性』が、第41回バンクーバー国際映画祭に正式招待作品され、廣木隆一監督と原作者の湊かなえが現地での舞台挨拶に登場した。本作は『あちらにいる鬼』『月の満ち欠け』の公開も控える人間ドラマの名手・廣木隆一監督が、『告白』など数々のベストセラーを生み出してきた湊かなえの同名小説を映画化したエンタテインメント作品。繊細かつ大胆な演技で新境地を切り開いた戸田、永野をはじめ、大地真央、高畑淳子、中村ゆり、山下リオら実力派キャスト陣が集結し、ひと際キャラの濃い母娘たちを熱演している。先日、北米最大級の映画祭のひとつ、第41回バンクーバー国際映画祭にて、正式招待作品として華々しくワールドプレミアが行われ、湊かなえと共に、廣木隆一監督が現地での舞台挨拶に登場。2018年『ここは退屈迎えに来て』以来4年ぶりのバンクーバー登場とあって、新作を心待ちにしていた現地の観客から拍手喝采で出迎えられた。左から)廣木隆一監督、湊かなえ廣木監督といえば下積み時代、世界最大のインディペンデント映画祭として有名なサンダンス映画祭に見出されアメリカに留学後、2003年の『ヴァイブレータ』で国内外40以上の映画祭で大きな注目を浴びた。今ではヴェネチア、トロント、ロッテルダム、上海、釜山、香港など、世界各地の映画祭でその名を轟かせており、世界が新作を待ちわびる監督のひとりだ。今回バンクーバー国際映画祭では、観客の心に強く響くような優れた作品に焦点を当てることを目的に今年から新設され、最優秀賞を争う対象となる「ショーケース」部門からの出品となった。映画祭のプログラミングチームは「今回の最新作は、これまでの廣木監督の多くの作品と同様に、女性の心理とその複雑な感情の網目を、思いやりと細やかな感性で探っています。ワイドスクリーンで撮影され、ドールハウスのような美しさを持つこの作品は、類まれなふたりの女性の心理を分析し、母性に対する規範的な前提を覆す意欲作です」と選出理由を語っている。さらに「監督はまた、私たちが登場人物の行動を理解するのに苦しみながらも、どこかで深い共感を呼び起こさせるような、俳優の素晴らしい演技を引き出しています。勇敢で美しく、魅力的なこの作品は、悲しい物語ではありますがその中に優しさと思いやりの余地を残していると感じました」と、女性の繊細な心情を描くことに定評のある廣木監督の手腕を絶賛した。「戸田恵梨香の狂気がすごかった」第41回バンクーバー国際映画祭の様子満員御礼となった上映会場では、ところどころで笑いが起きたかと思えば、終盤にはすすり泣きが響くなど、目の肥えた観客たちからもリアクションは上々だったようで、「とても深いストーリーで心が揺さぶられた」「視点の描き方が面白かった。視点の違いで声や表情が違うのがすごかった」「主演女優さん(戸田恵梨香)の狂気がすごかった」との声が寄せられた。『母性』の制作について廣木監督は「ナレーションで全てを説明するようなことはしたくなかったので、役者さんのリアルな芝居を引き出すことに注力しました。戸田さんも永野さんも、それぞれのキャラクターの感情とリアルな芝居というものを一生懸命に追求してくれて、脚本に書かれていることを基に、毎回素晴らしいものを組み立てて撮影に臨んでくれたので、それを見るのが楽しみでした」と振り返った。また観客から「海外のことを頭に入れて映画を作るのか?」と問われた際は「海外の人たちというより、日本の人たちがどう考えて、どう行動するかを念頭に置いて作っています。それを海外の方たちがどう思うかだと思います。それが映画の個性になると思います」と自身の信念を明かした。その言葉に頷くように、湊かなえも「廣木監督はひとつの物語の中に複数の視点が存在する物語を撮るのがとてもお上手なんです。同じ出来事をルミ子・清佳の視点で見るとこんなに表情も違うんだと見て分かる、廣木監督だから撮れた奇跡の映画だと思います」と太鼓判を押した。なお『母性』は、10月24日に開幕した第35回東京国際映画祭でも、特別招待作品(ガラ・セレクション部門)としてジャパンプレミアが決定している。廣木監督の新たな代表作として、日本国内でも話題を集めそうだ。『母性』11月23日(水・祝)公開(C)2022映画「母性」製作委員会
2022年10月28日川口春奈&目黒蓮共演「silent」第3話が10月20日オンエア。鈴鹿央士演じる湊斗の“真意”に「嫉妬じゃなかったんだね」「想のことが大切だというのがひしひしと伝わってきた」などの声が殺到、作品タグ“#silent”は3週連続世界トレンド1位を獲得している。突然別れを告げられた高校時代の恋人と8年ぶりに再会を果たすが、その恋人は耳が聞こえなくなっていた…という、切なく温かいラブストーリーが展開する本作。耳が聞こえなくなった想のために手話を学ぶようになるが、2人で会っているところを今の恋人・湊斗に目撃されてしまった青羽紬を川口春奈が演じ、紬の高校時代の恋人だったが18歳の時に「若年発症型両側性感音難聴」を発症、紬と別れ連絡も絶っていた佐倉想に目黒蓮(Snow Man)。紬と想が付き合うきっかけを作ったが実は紬のことが好きで、その後同窓会で再会した紬と付き合うようになった戸川湊斗に鈴鹿さん。湊斗のことを慕う紬の弟・青羽光に板垣李光人。湊斗に想の連絡先を教えた妹の佐倉萌に桜田ひより。想と親しい関係のろう者・桃野奈々に夏帆。紬に手話を教える春尾正輝に風間俊介。想のことを憂う母親・佐倉律子に篠原涼子といった俳優陣が共演する。※以下ネタバレを含む表現があります。ご注意ください。8年を経て再び目の前に想が現れ、不安に駆られる湊斗。そんななか想が紬のもとを訪ねてくる。紬の自宅にいた湊斗は想を招き入れる。想の背中に声をかける湊斗だが、高校時代のように振り返ってくれるかも…というかすかな期待もむなしく、耳が聞こえない想が振り返ることはない。そんな想に湊斗は涙を流しながら、耳が聞こえなくなったことで、心配かけたくなくて自分たちの前から姿を消したのかと詰め寄り、「紬に迷惑かけたくないとか、わかるけどさ…なんで俺に言ってくれなかったの!?」と感情を爆発させる…。「親友なのに話してもらえなかった寂しさと、受け入れたくない気持ちが爆発した湊斗くん。嫉妬じゃなかったんだね」「湊斗の「好き」が彼女親友のラベリングに関係なく平等に万遍なく好きなのが痛いほど分かる」「あの頃の想との友情が途切れてしまったのが、想が抱えたものを一緒に背負えなかった自分の不甲斐なさのせいとか、そういう色んな気持ちがぐちゃぐちゃになって辛いんだよね…」「湊斗が想に嫉妬してるのかと思ってたら、それ以上に想のことが大切だというのがひしひしと伝わってきた」など、湊斗の真意に視聴者からも様々な声が送られる。また1話、2話と号泣する視聴者が続出している本作だが、「今のところ3話が一番泣いてる」「第三話、またまた切なく泣けました」「最後の、想と湊斗の回想シーンが今までで一番泣いた」など、今回も“泣いた”という投稿がタイムラインにあふれ、公式アカウントによれば、3週連続でTwitterの世界トレンド1位を獲得している。【第4話あらすじ】湊斗に紬は、想とちゃんと2人で話した方がいいと諭す。湊斗は想と向き合う中で想が8年前と何も変わっていないと感じ、高校仲間のフットサルに参加してみないかと誘う。そんな湊斗に対し同級生たちは紬と想の復縁を懸念するが、真子(藤間爽子)は紬が今は湊斗のことを本当に大切に思っていることを理解する…。「silent」は毎週木曜22時~フジテレビ系にて放送中。(笠緒)
2022年10月21日戸田恵梨香と永野芽郁が、ある未解決事件の語り手となる母娘を演じる湊かなえ原作の映画『母性』。2021年7月から放送され人気を獲得したドラマ「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」では先輩・後輩役として息の合った掛け合いを見せた戸田さんと永野さんが、本作では母・娘役として残酷なほどに毒を含んだセリフを浴びせ、これまでのイメージを覆す役どころに注目が集まっている。実は本作は、「ハコヅメ」で“愛され最強コンビ”を演じる以前の共演だったという。先日、証言が180度異なりすれ違う、戸田さん演じる娘を愛せない母・ルミ子と永野さん演じる母に愛されたい娘・清佳の様子を収めた予告編が解禁となり、お互いに投げかける「気持ち悪いのよ」「頭おかしいんじゃない」といったセリフが衝撃を与えた本作。2人が、本作で娘を演じることが発表された際にもSNS上では「ハコヅメと役柄はガラッと変わりますが、演技がとっても上手なおふたりなので、すごくすごくワクワク」「戸田&永野ペアあんなガチ可愛かったのに母性ぜんぜん違う人みたい…スゴ…」「湊かなえ原作、戸田恵梨香×永野芽郁というハコヅメ以来大好きなWキャスト、この世でいちばん胸焼けしそうな二字熟語『母性』がタイトルってなトリプルパンチで興味のど真ん中ぶち抜かれた」という声が上がるほど。本作の撮影は「ハコヅメ」撮影開始前に終了しており、実は撮影時初共演だった2人。戸田さんは「永野さんの透き通る肌や目、心には『支えてあげたい』『守ってあげたい』と思わせる力があり、私個人の母性が邪魔をしてとても苦労しました(笑)」と当時をふり返り、「真っ直ぐな目からは、清佳を彷彿させる強さと説得力があり、私を勇気づけてくれました。本当に頼れるペアです」と永野さんを称賛。戸田さん自身、“理解し難く共感の難しい女性”とルミ子を表すほどの難役に挑む中で、永野さんの存在が心の支えとなったことを明かしている。一方、「戸田さんがルミ子を演じている時の雰囲気は、普段のお人柄とは全く違い、間近で見て圧倒されました」と語る永野さん。“戸田さんと共演できること”がオファーを受けた決め手とも明言しており、「私が疑問に思うことまでも一緒に解消してくれる心強すぎる方で、戸田さんが役に向き合う姿に私自身とても影響を受けました。共演させて頂けてとても嬉しかったです」と喜びのコメントを寄せている。お互いにそれぞれのキャラクターの感情が複雑に絡み合う役を追求していく中で、役柄とは正反対に支え合っていた信頼関係。最強のコンビネーションによる、新たな化学反応には期待が高まっている。本作は北米最大級の映画祭のひとつ、カナダ・第41回バンクーバー国際映画祭正式招待作品としてワールドプレミアが行われ、さらに第35回東京国際映画祭特別招待作品(ガラ・セレクション部門)としてジャパンプレミアが決定。戸田さん、永野さんの迫真の演技には早くも海外映画祭から絶賛の声が上がっている。『母性』は11月23日(水・祝)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:母性 2022年11月23日より全国にて公開©2022映画「母性」製作委員会
2022年10月04日戸田恵梨香と永野芽郁が、ある未解決事件の語り手となる母娘を演じる湊かなえ原作の『母性』。その主題歌がJUJUの新曲「花」に決定した。愛せない母と愛されたい娘、2人ぞれぞれの視点で1つの事件が語られる本作。その主題歌としてJUJUさんが鮮やかに歌い上げる新曲「花」は、穏やかなバラード調のメロディの中に、劇中で戸田さん演じる母・ルミ子、永野さん演じる娘・清佳の“一緒に歩んできた出来事を回想しているはずなのに、次第に食い違っていく2人の語り”や“母に懸命に愛されたいと願う娘の心情”を綴る歌詞が力強く歌いあげられ、愛憎渦巻く親子の物語をドラマティックに彩る珠玉の1曲として完成した。JUJUさんは「人の数だけものの見方があるだろうし、考えることも感じ方も違うだろうということは何となくわかっていた筈なのに、この映画を観ながらずっと私の中にあった感情は『どきりとする』でした。観終わってからもずっと続いている『どきり』と共に、これから先ずっと大切に『花』を歌っていきたいと思います。素晴らしい映画に携わることができ、本当に光栄です!!」と語る。本作の製作陣は、JUJUへの起用オファーへの決め手について、「誰の人生にもままならないことが多かれ少なかれあると思う。それを受け入れ、人生を誰かの意志に委ねることなく、自分自身で心の居場所を見つけることが幸せになるきっかけであって欲しい。そういう願いを込めて、自然体で自分らしく生きることを体現されているJUJUさんにオファーしました」と明かしている。また、この主題歌「花」について、主演の戸田さんは「清佳の応援ソングのようでルミ子の母の歌のようにも聴こえ慈愛と美しさを感じます。また、JUJUさんの強さと包み込むような歌声からこの曲を聴き終わってようやく『母性』という作品が完成するのだと実感しました」とコメント。永野さんも「『母性』という作品の登場人物それぞれの気持ちを代弁し、背中を一押ししてくれる強さを感じました。本編を見終わった後に『花』という主題歌で全ての人の心が救われるはずです。劇場の、良い音響でJUJUさんの歌声に涙してください!笑」と語っている。『母性』は11月23日(水・祝)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:母性 2022年11月23日より全国にて公開©2022映画「母性」製作委員会
2022年08月17日湊かなえ原作で、11月23日(水)より公開される映画『母性』。このたび、<母・戸田恵梨香>と<娘・永野芽郁>、ふたりの場面写真が公開。さらに、湊かなえからの激賞コメントも到着した。累計発行部数360万部を超え、2010年に映画興行収入38.5億円を記録した超ヒット作『告白』から12年。数々の傑作を生み出し日本中を震撼させてきたベストセラー小説家の湊かなえが「これが書けたら、作家を辞めてもいい。そう思いながら書いた小説」とまで語った渾身の作品で、累計発行部数100万部を突破した『母性』(新潮文庫刊)が映画化される。ある未解決事件の語り手となる母娘を演じるのは、戸田恵梨香と永野芽郁。人気実力トップクラスのふたりの女優が、繊細かつ大胆な演技で新境地を切り開く。いまや国民的女優としての地位を不動のものとした戸田恵梨香が、娘を愛せない母親・ルミ子役。映画・ドラマの主演作が続く若手女優の筆頭・永野芽郁が、母に愛されたい娘・清佳役。配役が発表された時は、TVやSNSで大きな話題を集めた。ドラマ『ハコヅメ~たたかう!交番女子~』で先輩・後輩役として息の合ったユーモラスな掛け合いを見せた戸田と永野が、本作では一転、”母性”に翻弄される母娘に挑戦するとあって、今回ふたりがどんな演技を見せるのか期待が高まっている。ドラマの時とはまた違った迫真の演技を披露する戸田&永野の熱演は勿論のこと、母と娘の不穏な関係性が、事件にまつわるふたりの視点の違いとともに描かれるのも映画の大きな見どころのひとつ。母の証言では「娘を強く抱きしめた」というシーンがある一方で、その同じ場面を娘は「母に首を絞められた」と証言をする。このたび公開されたのは、そんな180度真逆の証言に終始惑わされるであろうことを予想させる場面写真たち。”母性”を巡る〈ひとつの事件〉と、母と娘〈ふたりの食い違う証言〉によって浮かび上がる衝撃の物語の全貌とは?さらに、物語に登場するひと際キャラの濃い母娘たちを、大地真央、高畑淳子、中村ゆり、山下リオが熱演している。監督を務めるのは人間ドラマの名手、廣木隆一。完成した作品を鑑賞した原作者・湊かなえによると、「完成度の高さに喜びしかありません。戸田さんの鬼気迫る演技に鳥肌が立ちました。永野さんの表情での演技もすばらしかったです」「大地さん、高畑さんはじめ、女優の方々おひとりずつの演技がすばらしく、またそれらが化学反応を起こすかのように、作品全体に深みや広がりを与えている。エンタテインメント作品のおもしろさと、芸術作品の感動が融合した作品になっていると思います」と、その仕上がりはもちろん、豪華俳優陣が魅せる迫真の演技にも感激し絶賛している。そして公開に先駆け、本作のムビチケ前売券が、全国の劇場・オンラインにて8月11日(木・祝)より発売開始となる。ぜひムビチケを手に取り、この物語の行く末を目撃する瞬間へ備えていただきたい。原作者・湊かなえコメント全文・多くの企画者が映像化を熱望した「母性」。今回、映画化を許諾された決め手について娘(母親から愛される立場)であり続けたいまま子どもを産んだ母親と、その母親から愛されたい娘。そのふたりの物語であることをきちんと汲み取った内容の脚本だったので、ぜひお願いしたいと思いました。女性は子どもを産めば必ずしも母性が芽生えるわけではない、といったことなど、「母性」について年齢や性別を問わず多くの方が考えてくださる作品になってほしいと思いました。・完成した映画を観て俳優の方々の演技がすばらしい。背景が美しい。母と娘の思い違いの場面が、観客に自然に伝わる構成になっている。音楽もよい。と、完成度の高さに喜びしかありません。戸田さんの鬼気迫る演技に鳥肌が立ちました。永野さんの表情での演技もすばらしかったです。大地さん、高畑さんはじめ、女優の方々おひとりずつの演技がすばらしく、またそれらが化学反応を起こすかのように、作品全体に深みや広がりを与えている。エンターテインメント作品のおもしろさと、芸術作品の感動が融合した作品になっていると思います。自分の中にこんな感情があったのかと気づくように、心の奥底にある感情が素手でえぐりだされるような作品を、どうか体感してみてください。見ないと、損、損。『母性』11月23日(水)より公開
2022年08月05日戸田恵梨香と永野芽郁が母娘を演じ、ベストセラー小説家・湊かなえの同名小説の映画化『母性』。この度、娘を愛せない母を演じた戸田さんと母に愛されたい娘を演じた永野さんの場面写真が解禁、さらに、原作者・湊さんから激賞コメントも到着した。ドラマ「ハコヅメ~たたかう!交番女子~」で先輩・後輩役として息の合ったユーモラスな掛け合いを見せた戸田さんと永野さんが、本作では一転、“母性”に翻弄される母娘に挑戦。ドラマとはまた違った迫真の演技を披露する2人の熱演はもちろんのこと、母と娘の不穏な関係性が、事件にまつわる2人の視点の違いととも描かれるのも映画の大きな見どころのひとつ。母の証言では「娘を強く抱きしめた」というシーンがある一方で、その同じ場面を娘は「母に首を絞められた」と証言をする。このたび解禁となったのは、そんな180度真逆の証言に終始惑わされるであろうことを予想させる場面写真。“母性”を巡る〈1つの事件〉と、母と娘〈2人の食い違う証言〉によって浮かび上がる物語の全貌が気になるものとなっている。すでに完成した作品を鑑賞した湊さんは、「完成度の高さに喜びしかありません。戸田さんの鬼気迫る演技に鳥肌が立ちました。永野さんの表情での演技もすばらしかったです。大地(真央)さん、高畑(淳子)さんはじめ、女優の方々おひとりずつの演技がすばらしく、またそれらが化学反応を起こすかのように、作品全体に深みや広がりを与えている。エンターテインメント作品のおもしろさと、芸術作品の感動が融合した作品になっていると思います」と、その仕上がりはもちろん、豪華俳優陣が魅せる迫真の演技にも感激した様子だ。湊かなえ(原作者)コメント全文・多くの企画者が映像化を熱望した「母性」。今回、映画化を許諾された決め手について娘(母親から愛される立場)であり続けたいまま子どもを産んだ母親と、その母親から愛されたい娘。その二人の物語であることをきちんと汲み取った内容の脚本だったので、ぜひお願いしたいと思いました。女性は子どもを産めば必ずしも母性が芽生えるわけではない、といったことなど、「母性」について年齢や性別を問わず多くの方が考えてくださる作品になってほしいと思いました。・完成した映画を見て俳優の方々の演技がすばらしい。背景が美しい。母と娘の思い違いの場面が、観客に自然に伝わる構成になっている。音楽もよい。と、完成度の高さに喜びしかありません。戸田さんの鬼気迫る演技に鳥肌が立ちました。永野さんの表情での演技もすばらしかったです。大地さん、高畑さんはじめ、女優の方々おひとりずつの演技がすばらしく、またそれらが化学反応を起こすかのように、作品全体に深みや広がりを与えている。エンターテインメント作品のおもしろさと、芸術作品の感動が融合した作品になっていると思います。自分の中にこんな感情があったのかと気づくように、心の奥底にある感情が素手でえぐりだされるような作品を、どうか体感してみてください。見ないと、損、損。『母性』は11月23日(水・祝)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:母性 2022年11月23日より全国にて公開©2022映画「母性」製作委員会
2022年08月05日