1月7日(木)からスタートするTVアニメ『僕だけがいない街』で主人公・藤沼悟の声を俳優の満島真之介が演じている。満島は舞台と映像の両方で着実にキャリアを積み、観客から高い評価を集めているが、初めてアニメの声を演じるにあたって「この原作とスタッフ、声優の方がいるだけで他には何も言うことはないです。僕はそこに吸い込まれていけばいいだけです」と笑みを見せる。その他の画像原作は三部けいの人気コミックで、自分だけ時間が巻き戻る現象“リバイバル(再上映)”に悩まされる悟が、自らの過去と向き合おうともがく姿と、彼の少年期のドラマが平行して描かれる。満島がアニメの声を演じるのは本作が初めてだが「映画と違って、話数を重ねながら演じられるので、役と共に成長していける時間があることは魅力的ですし、うれしかったです」という。満島は「僕の見た目と悟の見た目が真逆なので、キャスティングの方が大きな挑戦をしない限りは実写では絶対に演じることはできないと思った」と分析するが、だからこそ演じる上では、自身の“ありのままの声”にこだわったという。「最初は『キャラクターに寄せた声でやらないといけないのかな』とも思ったんですけど、それではキャラクターの幅が広がらない気がしたんです。今まで生きてきた僕の声と、あの風貌と身体で生きてきた悟の動きが、同じ想いで重なると、実写では見えてこない幅が見えてくる気がしています」ちなみに、本作では青年の悟の声を満島が演じ、少年時代の悟の声を土屋太鳳が演じる。「実写では男の子の役は、本当に男の子が演じることが多いので難しいキャスティングですよね。でも、太鳳ちゃんと演じてみて、人として根本的なところが少し似ていると思ったんです。年齢も離れているし、育った環境も性別も違うのだけど、持っているパワーや、受ける印象が似ているなと思って『この人とだったら、さらに役が魅力的になる』と思えたんです。だから、すごく演じやすいですし、ふたりの声が重なるシーンでは、テストをしなくても呼吸が合う。今回は一緒に演じるチャンスがたくさんあるので、お互い成長していくだろうし、作品も深まっていくと思います」原作に惚れ込み、共演する声優陣に尊敬の念をみせる満島は「この体験は大切にしたいですし、おもいっきり楽しみたい。素晴らしい原作、スタッフ、キャストの力を借りて誠実に声を届けたいです」。彼は、作品のもつメッセージはしっかりと表現したいと考えているようだ。「過去への想いは色々ありますが、その時は全力でやっていたんですよね。だからこそ“いま”何ができるのか、どう生きていくのかを観ている人に感じてほしいです。そして、観ている人にキャラクターの“過去”をどこまで感じてもらえるのか。それが作品の核だと思うので、ひとつひとつ言葉を大切にしながら演じていきたいです」『僕だけがいない街』1月7日(木)より、毎週木曜24:55からフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送開始
2016年01月05日映像化権争奪戦となった話題のコミック「僕だけがいない街」。藤原竜也や有村架純ら豪華キャストで映画化されることでも話題の本作だが、この度アニメ版に土屋太鳳と満島真之介が2人1役で声優に初挑戦することが決定した。主人公・藤沼悟は漫画家としてデビューするもいまひとつ結果を出せずに毎日を過ごす青年。自身の意図とは無関係に【時空移動=タイムリープ】する謎の特殊現象“再上映(リバイバル)”に巻き込まれる。何か悪い事が起こる直前まで時が巻き起こる現象、再上映。それは、その原因が取り除かれるまで何度も繰り返される。まるで誰かに「お前が防げ」と強制されているかのように…。しかし、ある日起きた事件をきっかけに、その現象に大きな変化が訪れる――。原作は、2012年より「ヤングエース」(KADOKAWA)にて絶賛連載中の三部けいの同名コミック。「マンガ大賞」や「このマンガがすごい!」に昨年、今年と2年連続ランクインし、コミックス累計発行部数は167万部を突破、書店員や各界著名人から絶賛のコメントが多数寄せられ、一度読み出したら止められない、息もつかせぬ展開でファンの心を惹きつけた。今回放送に先駆け、主人公・悟役に2人1役で土屋さんと満島さんが初のアニメ声優することが決定。10歳の悟役を演じるのは、『図書館戦争』、「下町ロケット」(TBS)や『orange』の公開も控える土屋さん。そんな彼女は「原作を読み終わったとき、私は立ち直れませんでした。この物語で描かれるたくさんのことは、残酷で哀しく、許されることではありません。だからこそ真摯に向き合い、誠実に演じたいと思います」と原作について語り、「嬉しいと同時にとても緊張しています。いまは二次元の世界で生きる悟を追いかけようと必死ですが、背中はあまりにも遠く、焦るばかりです。悟のように全力で、あきらめず食らいついていきたいと思います」と本作の意気込みも語っている。また29歳の悟を演じるのは、NHK連続テレビ小説「梅ちゃん先生」などに出演する満島さん。今回が土屋さんと同じく初のアニメ声優挑戦となる満島さんは「オファーを頂いたときは、率直にうれしかったです。声だけで表現する世界にとても興味があるので、ワクワクしています」と喜びを表し、「原作を読ませて頂き、何の変哲もないどこにでもいるような青年を主人公に、ここまで繊細な愛情溢れるサスペンス作品を造る三部先生に驚かされました。『あのとき違う選択をしていたら、自分の人生どうなっていたんだろう』という誰もが感じたことのあるであろう感覚が、彼を大きく動かすことになります。日常の中で、ふと舞い降りる記憶の糸を、現在の自分が新たに紡いでいくような作品です」と作品についてもコメントしている。そんな2人について「銀の匙 Silver Spoon」第1期など若くしてヒット作を連発する監督・伊藤智彦は「藤沼悟という役は、ヒーローではなく、抜けたところのある役なんですね。そういう演技が出来る方を探して、お二人の名前に辿り着いたんです。土屋さんは、声を張っても怒りを感じさせないというところが、悟らしいなと。他の子供たちとのバランス的にもよかったと思います。満島さんは、実写映画などで見せる芸幅の広さに加えて、ナレーションをCMでやっているのも大きかった。悟はモノローグがとにかく多いキャラですからね」と二人の起用について語っている。またそのほかキャストには、雛月加代役に悠木碧、赤崎千夏、大地葉、鬼頭明里、七瀬彩夏、高山みなみなど声優陣が脇を固めている。計算し尽くした緻密な演出、リアリティをもたらす美術、物語を彩る音楽、そのなかで動き出す息を吹き込まれたキャラクターたち。そんなアニメーションで新たな「僕街」を目撃してみて。「僕だけがいない街」は2016年1月7日(木)よりフジテレビ・ノイタミナにて放送開始。(cinemacafe.net)
2015年12月03日来年1月からフジテレビ“ノイタミナ”ほか各局で放送されるTVアニメーション『僕だけがいない街』のメインキャストが発表された。主人公・藤沼悟役は、土屋太鳳と満島真之介が2人1役で演じ、声優初挑戦となるふたりがコメントを寄せた。その他の画像原作は、“時間逆行”サスペンスとして実写映画化も決定している三部けいの人気コミック。自分だけの時間が巻き戻る現象“再上映(リバイバル)”に悩まされる青年が、自らの過去と向き合おうともがく姿が描かれる。ふたりはオーディションで選ばれ、「少年らしさを感じる」という理由から土屋が10歳の主人公を、「落ち着きながらもどこか影を感じさせる」という理由から満島が29歳の主人公を演じる。原作について土屋は「原作を読み終わった時、私は立ち直れませんでした。人の心に巣食う闇があまりにも深くて重い。でもその闇の中に、懐かしい体温のある優しい光が、必死に瞬いてるようにも感じました。この物語で描かれるたくさんのことは、残酷で哀しく、許されることではありません。だからこそ真摯に向き合い、誠実に演じたいと思います」とコメント。満島は「何の変哲もないどこにでもいるような青年を主人公に、ここまで繊細な愛情溢れるサスペンス作品を造る三部先生に驚かされました。『あのとき違う選択をしていたら、自分の人生どうなっていたんだろう』という誰もが感じたことのあるであろう感覚が、彼を大きく動かすことになります。日常の中で、ふと舞い降りる記憶の糸を、現在の自分が新たに紡いでいくような作品です」と語っている。初めて挑むアフレコについて土屋は「今は二次元の世界で生きる悟を追いかけようと必死ですが、背中はあまりにも遠く、焦るばかりです。ですが必要なテクニックなどを教えていただきながら、悟のように全力で、あきらめず食らいついていきたいと思います」。満島は「オファーを頂いたときは、率直にうれしかったです。声だけで表現する世界にとても興味があるので、ワクワクしています」と意気込んでいる。本作を手がけるのは『ソードアート・オンライン』シリーズなど多くのヒット作を手がけてきた伊藤智彦監督。監督は「おふたりがアフレコをされていく中で得られるものが、悟の成長感と結びついていけば大成功かなと思っています。僕もその時を楽しみにしています」と期待を寄せている。土屋と満島のほか、悠木碧(雛月加代役)、赤崎千夏(片桐愛梨役)、大地葉(ケンヤ役)、鬼頭明里(ヒロミ役)、七瀬彩夏(オサム役)、菊池幸利(カズ役)、水島大宙(白鳥潤役)、高山みなみ(藤沼佐知子役)、宮本充(八代学役)が参加することも発表された。『僕だけがいない街』2016年1月7日(木)よりフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送開始
2015年12月03日1936年にノーベル文学賞を受賞したアメリカの巨匠劇作家ユージン・オニール。その最高傑作『夜への長い旅路』には、麻実れい、田中圭、満島真之介、益岡徹のきらびやかな実力派が結集し、この4人を、濃密でドラマティックな舞台作りで注目を集める演出家・熊林弘高が束ねる。家族の悲劇を生々しく描くこの舞台の初日をレポートしよう。「夜への長い旅路」チケット情報うす暗い照明の下、濃い茶色の板の間が舞台中央に横たわる。その左右両脇に広がる灰色の砂。タイロン一家の別荘である。客席通路の階段を、満島真之介演じるエドマンドが無言で降りてきて、舞台は始まる。4人家族の壮絶ないさかいの記録。たった1日の物語。麻実れいが演じる妻のメアリーは、全身が一本の美しい線。知的でもの静かな女性だが、次男の結核を認められず、また、深刻な麻薬中毒に陥っていて、その言動は不安定だ。感情と視線と手の動きが、絶え間なく漂っている。静謐で、気高い狂気。田中圭の長男ジェイミーは、恐らく、この一家で一番、残酷な真実から目をそらさずにいる男だ。母の麻薬中毒についても、弟の結核についても、躊躇なく直言。田中圭が、まっすぐ俊敏なセリフと動作でこの男を描く。その言葉の刃は、家族も自分も傷つける。次男エドマンドの満島真之介。母メアリーと深い情愛でつながる。繰り返される母親との強いスキンシップ。へらず口は叩くが、家族全員に対して愛情を隠さない末っ子は、小さな咳が止まらない。死への恐怖か、時として、ふっと暗い表情で目を伏せる。多弁でエネルギッシュ、怒りっぽいのが益岡徹の父ジェイムズ。妻の麻薬中毒を心配し、次男の結核に心を痛め、長男の怠惰な生活を叱る。大きな声、まくしたてる口調、威圧的な物言い。複雑な人物を、ベテランが振れ幅の大きい演技で描く。言葉の応酬だけでなく、身体の接触を最大限に使う。熊林弘高の演出にはおなじみの光景だ。鼻が接触する距離で怒鳴りあう。つかみ合い、相手を床にねじふせる。胸に飛び込み、すがりついて甘え、頬に唇を寄せる。ラストの暗闇に消えていく、妻メアリーの長く哀しいモノローグが語るもの。それは、この家族の本当の崩壊か、それとも、再生の予感か。客席のひとりひとりが、大切な人のことを考えながら帰り道につく、そんな舞台だった。公演は9月23日(水)まで東京・シアタートラムにて。大阪公演は、9月26日(土)から29日(火)まで、梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて。チケットは発売中。
2015年09月08日人気俳優の田中圭が、アメリカを代表する劇作家ユージン・オニールの自伝劇『夜への長い旅路』に挑む。オニールが自身の崩壊寸前の家族を赤裸々に描き、自分の死後25年は発表することを禁じていたという衝撃作について、話を聞いた。「夜への長い旅路」チケット情報1912年のアメリカが舞台。モルヒネ中毒で幻覚を起こす母親(麻実れい)をきっかけに、落ちぶれた俳優の父(益岡徹)、田中が扮する長男、次男(満島真之介)の4人が、それぞれの思いを吐露し、家族の内幕が明かされていく。「母親は薬物中毒で、弟は結核。僕が演じるジェイミーはアル中なんですが、それぞれが抱えている問題を意識し過ぎずにお芝居をしている。演出家の熊林弘高さんが、そういう見方だけをされるのはもったいないと。ふとした瞬間にアル中であるということが垣間見えるバランスの取れた演技をしたいです」いつも役を「演じる」のではなく、「生きる」ようにしているという。「でも、今回は難しくてジェイミーという人が掴めそうで掴めない(笑)。ただ、4人の中で唯一真実を見ているのは彼だけ。ほかの3人は、愛している家族を守るためにごまかしたり、逃げたり、嘘をつく。彼が真実を語っているというところは伝えたい」さらに、オニール自身でもある満島真之介演じる弟のエドマンドとの応酬は見どころだ。両親の愛や、才能に対する嫉妬を弟に直球でぶつけていく。「嫉妬は激しいけれど、弟をとても愛している。愛すれば愛するほど自分が惨めになっていくんです。人を愛するということは自分自身も血を流している。愛しているからこそ、身を引いたり、痛みを伴ったりするんですよね」ノーベル文学賞を受賞したオニールが、今作で4度目のピュリツアー賞を獲得した傑作。満島は「神秘的な美しさがあり作品を悲劇だとは捉えていない」と語っていたが、田中も同感だ。「簡単に言えば家族喧嘩の話。でも根本には愛がある。喧嘩ばかりでそこまで文句を言うなら、別々に暮らせばいい。それでも一緒にいる理由、家族の持つ意味は何だろうと考えます。オニールもこの戯曲を書いたからこそ救われた。それがなければ救われていなかったと思う。だから悲劇とは思えないんです」かつて同作が上演された際は、笑いも起きていた。「シリアスなものをシリアスだけで演じてもつまらない。ちょっとぬける場面もあり、見方を変えれば笑えるようにもしたい」と意気込む。「僕ら4人が家族となって生きた後、改めてどんな感情が生まれるのか。何かを掴んで、観客に田中の演技がすごく変わったなと思ってもらいたいですね」公演は、9月7日(月)から23日(水・祝)まで東京・シアタートラム、9月26日(土)から29日(火)まで大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演。チケットは発売中。取材・文:米満ゆうこ
2015年09月08日ドラマに映画にと引っ張りだこの俳優・田中圭。というのも、実直な青年からチャラい若者、一筋縄ではいかない悪い男など、とにかく役の振り幅が広い。しかも作品の中で、居てほしいと思うところにぴたっとハマる人なのだ。「たしかに、台本をいただいて真っ先に考えるのは、作品の中での自分の役の居方なんですよね。主役に輝いてほしい作品ならば主役をどう引き立てられるかを考えるし、登場人 物たちの繊細な心情を描きたい作品ならば、どれだけそこを表現できるかを考える。自分の芝居がどうこうよりも、出演した作品がよかったと褒められたいんですよね」そんな田中圭さんだから、あちこちからオファーが絶えないのも頷ける。なんと、今回出演する舞台『夜への長い旅路』では、演出の熊林弘高さんと共演の満島真之介さんのふたりから直々に口説かれたのだとか。「完全に、断れないような包囲網を敷かれた感じ(笑)。ただ、熊林さんは一緒に『Tribes』という舞台をやっていた時から、“家族モノの集大成にしたい”とこの作品の話をしていたんですよね。尊敬している演出家が、そこまで言う作品なら、組んでみたいと思うじゃないですか。まあ、いま思えば、あの会話もこの布石だったのかもですが」その舞台とは、アメリカの劇作家、ユージン・オニールの自伝的戯曲。土地に強く執着する俳優の父と麻薬中毒の母、酒浸りの兄と肺結核の弟という、いびつな家族の切なく激し い一日が描かれる。「難しい作品ですよね。この家族は普通じゃないけれど、描かれるのは彼らにとっては、これといった事件もない日常。ただ、表面では何も起こらないけれど、それぞれの心の中は激しく動いていたりもする。面白くなるかならないかは僕ら次第、みたいなところがあるんです」田中さんは兄を、母役を麻実れいさん、父役を益岡徹さん、弟役を満島さんと、芝居巧者たちが演じる。「このメンバーならば、稽古していくうちに、台本に描かれていない家族の過去やこの物語の後の未来が少しずつ見えてくるんじゃないかと思うんです。熊林さんは、登場人物の 心情ひとつひとつを丁寧に表現しようとする演出家だし、それに賛同する役者たちが演じるわけだから、この4人ならではの何かが生まれてきたらいいなと思っています」取材の最後、「どう言ったら本当に観てもらえるんだろう」とぼそり。「重いし暗い作品かもしれないけど、こういう重厚な作品に触れられるのが舞台の面白さでもあると思うんだけど、どう言ったら伝わるかなぁ」◇たなか・けい1984年生まれ、東京都出身。出演ドラマ『HEAT』(CX系)が放送中。11月にはドラマに続き主演を務める『劇場版 びったれ!!!』の公開も決定している。◇information 一度はやめたはずの麻薬に再び手を出したメアリー(麻実)。幻覚に囚われる彼女の口から、夫(益岡)への不満や過去の後悔が語られ、家族の間の深い溝が露呈していく。9月7日(月)~23日(水)三軒茶屋・シアタートラム 原作/ユージン・オニール 翻訳・台本/木内宏昌 演出/熊林弘高 出演 /麻実れい、田中圭、満島真之介、益岡徹 全席指定8500円(税込み) 梅田芸術劇場 TEL:0570・077・039 9月26日~29日に大阪公演あり。※『anan』2015年9月9日号より。写真・小笠原真紀ヘア&メイク・大橋 覚インタビュー、文・望月リサ
2015年09月08日20世紀のアメリカ現代演劇を代表する作家、ユージン・オニールが自身の家族を描いた『夜への長い旅路』が上演される。ユージンを重ねた次男のエドマンドを演じるのは満島真之介。今年はじめの『ハムレット』など、舞台での活躍も目覚しい注目の役者に、ピュリッツァー賞を受賞し、演劇史上最高の自伝劇といわれる作品に臨む思いを聞いた。『夜への長い旅路』のチケット情報この自伝劇で描かれるのは、実にすさまじい家族の関係である。かつては有名なシェイクスピア俳優だった父。過去のつらい出来事から抜け出せずモルヒネ中毒に冒された母。酒に溺れて自堕落な生活をしている兄。そして、肺病を患い引きこもっているエドマンド。この行き場のない4人が、ある日、夜までの長い時間を不協と対立のなかで過ごすことになる。「台本を読んだだけでもキツかったです。これを演じたら現実世界に戻れないんじゃないかと思うぐらい。でも、たぶんこの家族は、愛ゆえにこうなってしまったところがあると思うんです。僕自身も結婚して新しい家族ができたので、家族の愛とは何なのかということを、演じながら考えさせられるんじゃないかなと思っています」。ユージン・オニールは、この戯曲があまりにも赤裸々な内容のため、死後25年間は発表することを禁じていた。それほど強い思いを持って書いた作品に、作者自身の役として登場するとなればプレッシャーも半端ないだろう。しかし、「プレッシャーよりも、素晴らしい場を与えられたという喜びのほうが大きい」と、満島はきっぱり言う。今回の出演は、彼のデビュー作である『おそるべき親たち』の演出を手がけた熊林弘高から、「当然やるよねという感じで声をかけられて(笑)」決まったものでもある。「デビューから5年。心も体もいろんなものを乗り越えてきた自分として、新たなステージに立てるのが楽しみ」と頼もしい。母親役にそのデビュー作で親子役を演じた麻実れい、父親役に益岡徹、兄役に田中圭が扮する。この4人で何が生まれてくるのか。「痛いけど、やさしく、きれいな、愛に包まれた空気になるんじゃないかなと思うんです。根本には絶対的な愛情があるから。それに熊林さんが、“こんなことできないって思うようなことも気づいたらやっちゃってる”という演出をなさるので(笑)。きっと本当に家族として生きている感覚になると思います」。その生々しさは、きっと客席をも侵食するに違いない。舞台だからこそ得られる快感である。東京公演は9月7日(月) ~ 23日(水・祝)までシアタートラム。また大阪公演は9月26日(土) ~ 29日(火)まで梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティにて上演。ともにチケットは発売中。取材・文:大内弓子撮影:福井麻衣子スタイリスト/伊藤省吾ヘアメイク/戸田和樹
2015年06月16日スターバックスの毎年恒例の夏の新作発表会が「Starbucks Summer Party 2015」と銘打って4月14日(火)にファッションショー形式で行われ、女優の水原希子の妹でモデルの水原佑果、同じく女優の満島ひかりの妹でモデルの満島みなみがステージ上で競演した。スタバの今年の新作は「フルーツ-オン-トップ-ヨーグルト-フラペチーノ with クラッシュ ナッツ」。スタバで初めてのヨーグルトをベースに使用したフラペチーノとなっており、アーモンドに、オレンジ、ストロベリー、白桃、黄桃の4種類のフルーツジェリー、ホイップクリームがトッピングされる。会場は本物の緑を配置して都会の公園をイメージ。ステージでは、満島さんを始め、入夏、真間玲奈、麻宮彩希の4人モデルがそれぞれフルーツジェリー、ヨーグルト、アーモンド、ホイップクリームをイメージした衣裳で登場する。そこにフラペチーノをイメージした水原さんが登場し、4人が自身の衣裳についたアイテムをくっつけて「フルーツ-オン-トップ-ヨーグルト-フラペチーノ with クラッシュ ナッツ」を完成させるという構成になっていた。会場では、ミュージシャンの蓮沼執太がこの日のイベントのために書き下ろした音楽が生で演奏され、モデルが一人登場するごとに音が厚みを増していくようになっている。また衣裳はアントワープ王立美術アカデミーを首席で卒業し、自らのブランド「TARO HORIUCHI」を創設した堀内太郎が担当した。水原さんは「VOGUE JAPAN」、「ELLE girl」といった雑誌を始め広告などにも出演し活躍中。「アディダス(adidas)」と「ステラ マッカートニー(Stella McCartney)」のコラボレーションによる「ステラスポーツ(StellaSport)」のアンバサダーにも就任している。満島さんは、満島ひかりを姉に、満島真之介を兄に持ち、雑誌「GINZA」や「装苑」、「Ku:nel」などでモデルとして活躍しているほか「ラゾーナ川崎」「メルシャン」などの広告にも出演。期せずして、人気女優を姉に持つ2人のモデルが同じステージで競演することになった。第2部のトークには、女性の支持が高くファッションアイコンとしても人気を誇るYOUが登場。このフルーツ-オン-トップ-ヨーグルト-フラペチーノ with クラッシュ ナッツ」について「“食べている”感に近い!変なスイーツ食べるよりもおいしい」と称賛する。これから少しずつ熱さと湿気を増して、夏が近づいてくるが、同商品が夏にぴったりだとアピールしていた。「フルーツ-オン-トップ-ヨーグルト-フラペチーノ with クラッシュ ナッツ」は4月15日(水)より発売開始。(text:cinemacafe.net)
2015年04月14日3組に1組の夫婦が離婚し、生涯未婚率は上昇の一途をたどる昨今--このほど比嘉愛未と満島真之介を迎え、そんな現代の夫婦の“結婚”と“離婚”を考える大人のドラマ「恋愛時代」が、今春より読売テレビ・日本テレビ系にて放送されることが決定した。「青い鳥」(’97)や「眠れる森」(’98)などで知られる脚本家で小説家の野沢尚の同名小説を映像化する本作。比嘉さんと満島さんは初共演となるが、そんな2人が演じるのは、離婚した相手のために結婚相手を紹介することになった、ちょっとおかしな元夫婦の衛藤はると早勢理一郎。運命的な出会いを経て結婚したものの、ある悲しい出来事をきっかけに、離婚という道を選ぶ…結婚期間は1年半、離婚して2年だ。別れてからも結婚記念日は2人でディナーやカラオケを楽しみ、「別れても好きな人」をデュエットするこのちょっと変わった元夫婦はささいな口論がきっかけで、「お前の結婚相手を見つけてやる!」「とっとと幸せになれ!」と宣言し合うことに。御曹司にシングルマザー、妻と別居中の大学准教授、再会した初恋の相手…「この人ならアイツを幸せにしてくれるはず!」とお互いの恋を横目に見ながら、それぞれ再婚へと突き進むのだが…。比嘉さんが演じるのは、スポーツジムに勤務しヨガと水泳を教える体育会系女子・はる。一方、満島さん扮するは本屋勤務で文学を愛する男・理一郎。どんな生き物も自分に足りない部分を持った相手を愛するが、男と女、体育会系と文化系…性質の違うモノ同士が一つ屋根の下で暮らし続ければ、齟齬が生まれるのは必然とも言える。恋愛のように甘酸っぱく、切な楽しいだけでは終われない“結婚”という関係。本作への出演について2人からはコメントが寄せられている。■比嘉愛未「今は幸せな気持ちでいっぱいです。今までにチャレンジした事がない恋愛物ということもあり、楽しみで仕方ありません。この作品に全身全霊でぶつかっていきますので、私の奮闘を是非たくさんの方に見守って頂けたら嬉しいです」■満島真之介「野沢尚さん原作、まさか私が『恋愛時代』。だからこそ、張り切って男を磨こうと決めました。スタッフ、キャスト力を合わせて直球勝負、挑みます」ドラマ「恋愛時代」は4月2日(木)スタート/毎週木曜日23:59~読売テレビ・日本テレビ系全国ネットにて放送予定。(text:cinemacafe.net)
2015年02月04日女優の満島ひかりと石原さとみが10月23日(木)に開催された「東京ドラマアウォード2014」において、それぞれ「主演女優賞」「助演女優賞」に輝いた。昨年7月から今年6月の1年に放送されたTVドラマを対象に、優れた作品、個人を表彰するもので、満島さんは夫を亡くし、2人の子どもを抱えたシングルマザーとして生きる女性を力強く演じたドラマ「Woman」、石原さんは魔性のヒロインを演じた月9ドラマ「失恋ショコラティエ」における演技が評価されての受賞となった。満島さんと共に、娘役を演じた鈴木梨央、息子役を演じた高橋來も登場し「おめでとうございます」と満島さんを祝福。満島さんは満面の笑みを浮かべ、子どもたちと手をつなぎ「1年ちょっとぶりに会ったけど、すぐに(母子の関係に)戻れました」と語った。初の母親役に関しても「2人の母親になれるのか?最初は不安でしたが監督が『あの2人が“お母さん”と呼んだり、甘えてきたりすることで母親にさせてもらえるから大丈夫』とおっしゃって下さって、本当に2人のおかげで母親になれたと思います」とふり返る。また、母親役を経験したことでの変化を問われると「誰かのために生きるってすごくいいことだなと改めて実感しました。2人が現場にいてくれてすごく楽しかったです」と愛情たっぷりの表情で語っていた。石原さんは「失恋ショコラティエ」で人妻でありながら松本潤演じる主人公を魅了し、惑わすヒロインを演じ、大きな話題を呼んだ。「オンエアのとき、オンタイムで見てくれる友達が多くてリアクションも大きかったです」と当時から手応えや反響を感じていたよう。小悪魔的な役柄に関しては「そういう役をやったことがなくて新鮮でした。事前に勉強で女性誌を読んだり、活躍しているかわいらしい女性タレントの方はアナウンサーの方のメイクや仕種、ファッションを観察しました」と明かす。撮影に入って「最初は難しくて『もっとブリッコで!』『もっとキャピキャピと!』『もっと声を高く』と言われ続けていました」とふり返るが、演じながら「楽しめるようになりました」と充実した表情を見せていた。(text:cinemacafe.net)
2014年10月23日女優の満島ひかりが11月27日(水)、主演作『ハロー!純一』(石井克人監督)の完成報告会見に出席。主演ドラマ「Woman」が高く評価された満島さんは、本作で教育実習生役に。「子どもとの共演は楽しい」と語る満島さんに、「ご自身のお子さんは?」と質問が飛ぶと…。東京・世田谷ものづくり学校で行われた会見には満島さんを始め、共演する森下能幸と森岡龍、そして約200人のオーディションから選ばれた加部亜門くん、大嶋康太くん、椙杜翔馬くん、堀田燿平くん、西田光貴くん、佐々木りおちゃん、芽奈ちゃんが勢揃い。2012年春に行われたロケ以降も、「メールをしたり、お互いの舞台を見に行ったりしている」(満島さん)と子どもたちとの交流が続いているのだとか。そんな満島さんも、自身の子どもについて質問されると「まあ、考えていますけど。授かりものですし。もう、こういうことニュースにしないでくださいね…」と苦笑しきり。石井監督とは『スマグラーおまえの未来を運べ』以来の再タッグで、「私のことより、ぜひ映画のことを盛り上げてください!石井組が大好きだし、今回は自主映画という厳しい環境で、みんな一丸となって頑張ったので」と本作への思い入れは格別だ。映画は初恋に揺れる主人公・純一と、個性豊かな仲良しグループが織りなすにぎやかな日常と、突然彼らの前に現れた教育実習生・アンナ(満島さん)との交流を爽やかに描いた“子どもたちによる、子どもたちのための、青春ラブコメディ”に仕上がった。メガホンをとるのは石井監督に加えて、そして石井監督が主宰したワークショップの卒業生で、俳優としても活躍する川口花乃子と吉岡篤史。3人は共同監督と共に、脚本も手がけている。会見では、映画業界初の試みとして、小学生以下の劇場料金が0円になることも明らかになった(※成人以上の保護者同伴が必要)。満島さんは単位取得だけを目的に、小学校にやって来る“イケイケ”な教育実習生を演じている。とても教師とは思えない劇中衣装に、「石井監督の作品に出ると、いつも巻き髪にミニスカ、それにピンヒールなんですけど(笑)」と満島さん。ド派手な外見とは裏腹に、人情味あふれるナチュラルな性格という設定で、満島さんの新たな魅力が発揮されそうだ。『ハロー!純一』は2014年2月15日(土)からイオンシネマ幕張新都心、新宿バルト9など全国のイオンシネマ、ティ・ジョイ系列で全国にて公開。(内田涼(cinema名義))
2013年11月27日NHKドラマ10にて放送される角田光代・原作の「紙の月」の会見が11月22日(金)に行われ、主演の原田知世を始め、西田尚美、脚本の篠崎絵里子らが出席した。過去に映画化もされた鈴木京香主演の「セカンドバージン」や江國香織原作の「カレ、夫、男友達」など話題の作品を送り出してきたドラマ10枠の最新作。平凡な主婦だった梨花が銀行の渉外係としてパートで働き始め、若い男との出会いをきっかけに運命を狂わせ、やがて1億円を横領し海外に逃亡をするまでを描き出す。原田さんは梨花という役、その行動について「理解できないし想像もつかなかった」と語り、「毎日、悩んで監督に相談しながら演じました。ギリギリまでどう演じるのか分からないことも多かった」と明かす。もしも、自身の目の前に若い男が現れたら…?という問いにも原田さんは「私は(梨花のようになることは)ないですね」とピシャリ。一方で「彼女が光太(満島真之介)を実際にどこまで愛していたかも分からない。彼女自身の問題という気がします」と若い男性の存在は彼女にとって単なる一つの“きっかけ”に過ぎなかったとも。「30代、40代と悩みやいろんなものを抱えていますが、誰かに解決してもらうのではなく、自分で解答を見つけ、乗り越えなくてはいけない」と語った。西田さんは「憧れの原田知世さんと共演することができました」と喜びを語る。「角川映画で育った世代ですから(原田さん主演の)『時をかける少女』などはズバリ!私にとっては『原田知世さん』ではなく『原田知世ちゃん』なんです(笑)。雑誌見てなんてかわいいんだろうと思ってたし、大人になってもそのまま。お会いした時は感激しました!」と興奮気味に語った。作品について、西田さんは「見ていて切なくなりました。『この人は何を探しているんだろう?』と」と語る。主人公を始め、女たちが人生を狂わせていくのと同じく、男たちの無神経さがいかに女性を傷つけているかというのも垣間見えてくるが、夫婦で鑑賞したという西田さんは「夫は『苦しい。見ててつらい』と言ってました。これを見たらいいダンナに変わるかもしれないので(笑)、また一緒に見たいです」とニヤリ。まさにこの点、女性(妻)は男(夫)にどうしてほしいのか?という報道陣からの直球の質問に脚本の篠崎さんは「対等に認めてもらうこと。女性は男性に守ってほしいとも庇護の下で生きたいとも思ってないので。決めつけずに聞く耳を持ってほしい」と語り、さらに「梨花は決して特殊でなく、一歩間違えば誰もがそうなると思います」と“警告”。原田さんも篠崎さんの言葉に頷き、「男性に対して女性は、そんなに『強くあってほしい』なんて思ってないんです。ちゃんと一個人として見て、同じ人間として向き合って話すことが大事。男と女は違うものですが、違うという前提を持って互いを理解することが必要」と訴えた。「紙の月」はNHK総合にて2014年1月7日(火)より放送開始(全5回/22:00~)。(黒豆直樹(cinema名義))
2013年11月22日ここのところ、佐川男子や書店男子といった特定の職業の男性が注目を集めていますね。その一方で長年変わらぬ人気を誇っているのが、知的な男性の代表格ともいえる白衣男子。男性が白衣の天使・ナースに萌えるのと同じように、白衣姿のお医者さんにときめく女性は少なくないようです。例えば、先日、知り合いのアラサー女性から聞いたのはこんなお話。・「病院で検査を受けてたら、白衣のお兄さんが絶えず笑顔で優しく接してくれたから、ちょっとキュンとしちゃった。白衣の男の人っていいですよね!」(31歳デザイナー)筆者は病院と名のつくものが全て苦手なため、いまひとつ共感できなかったのですが、たまにお世話になる整体師さんの優しさにほろっとなりそうになることがあるので、それに似た感覚なのかな、なんて想像してみました。他の女性にも「白衣の男性にときめいたことってある?」と聞いたところ、・「かかりつけのお医者さんの、質問するとじっと目を見て丁寧に説明してくれるところがステキ」(35歳企画営業)・「近所のお医者さんは一見冷たそうなんだけど、実はめっちゃ優しくて親身になってくれるタイプ。しかも眼鏡をはずすとかなりのイケメンということがわかり、会うたびにキュンキュンしちゃう」(27歳販売)・「何年か前、足を怪我してリハビリしてた時、担当してくれた理学療法士さんのことを好きになりました。リハビリが終わる日、手紙を渡そうかどうしようか迷ったけど、結局渡せませんでした」(30歳保育士)なんてエピソードが。中には・「いつも行く病院の先生を見るたびにドキドキするんだけど、一度私服を見たら、なんかフツーって思ってしまった。でも白衣だとやっぱり萌えます。顔は特に好みじゃないんですけどね。一種の制服マジック?」(33歳マスコミ)という人も。女性たちが白衣のお医者さんにときめくのは、肉体的にも精神的にも弱っている時に「大丈夫ですよ」と言ってくれるから、というのが大きいようです。が、インテリなイメージや手先が器用そうなところ、テキパキ仕事をする姿に憧れるというのもあるのかもしれませんね。とはいえ、一般の女性が個人的に医療関係者と親しくなる機会はそうそうないもの。ときどき、男性参加者はお医者さんや歯医者さんオンリーのお見合いパーティーなんかも開催されているようではありますが。そういえば『医龍 -Team Medical Dragon-』や『救命病棟24時』(共にフジテレビ系)など医療現場を描くドラマは、その多くが高視聴率。生身の白衣男子とは滅多に知り合えないから、映像の中のお医者さんを見て、“白衣萌え”気分を満喫する女性が多いのかも?今クールだと『海の上の診療所』(フジテレビ系)の松田翔太さんとか、『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)の藤木直人さん、満島真之介さんなどにキュンキュンしている人もいるのではないでしょうか。ちなみに筆者は、古い友人にイケメンのお医者さんがいるのですが、大学を出るぐらいまでは恋愛に疎い爽やかなサッカー少年だったのに、良くない先輩の影響でも受けたのか、気づいたらオッパブ好きの残念なアラサー医師になっていました…。でもそんな彼も、担当する女性の患者さんには、きっと「先生かっこいい!」ってときめかれているんだろうなぁ。(文=Kawauso)
2013年11月18日満島真之介、佐々木希が出演する映画『風俗行ったら人生変わったwww』が間もなく公開になる。タイトルは刺激的だが、とてもユニークなラブストーリーに仕上がっている。そこで満島と佐々木に本作の観賞ポイントを語ってもらった。その他の画像本作は心優しい風俗嬢に恋した童貞青年の胸中をユーモラスに綴ったラブストーリー。満島が主人公の遼太郎を、佐々木が風俗嬢のかよを演じている。繰り返すが本作のタイトルは刺激的だ。しかし、満島は完成した脚本を読んで「驚きしかなかった」と振り返る。「一般の人が思っている童貞や風俗嬢、吃音を持っている人のイメージを完全に覆していて驚きましたし、男女の成長を描いた脚本になっていたので、読み終わった後にはすごく腑に落ちましたね」。脚本と監督を手がけたのは飯塚健。映像だけでなく演劇も手がけており、キャラクターをしっかりと掘り下げる監督だ。佐々木は「原作には描かれていなかった“かよの過去”が脚本にはちゃんと描かれていたので演じる上でもとても想像しやすかったですし、何よりうれしかった」と笑顔を見せる。現場でも監督と俳優が密に話し合って撮影が進められたようだ。「監督はすごく波長の合う人だから、自分が素直でいられるんですよね。撮影中はキャスト・スタッフのひらめきがカタチになっていったので、“ひらめき”にフタをしないでいることができた現場でした」(満島)。「過去と現在のシーンを一連の流れの中で撮ったり、監督の空間の捉え方はとても独特なんです。だから撮影に行く前も、撮影中もずっとかよのことを考えてましたね。でも最後の方は監督の目を見るだけで『あ、これは違うんだな』ってわかるようになった。本当に大きいものを得たな、という気がします」(佐々木)。本作で遼太郎とかよは“店”を通じて出会うが、多くの恋人たちと同じように一緒に食事をして、お互いを理解しようと試み、不要な想像で気をもみながら、様々な局面を乗り越えて、自身の感情を表に出していく。満島は「遼太郎は吃音に悩んでいてゆっくり喋ることしか出来ないけど、そのことが、かよを安心させる。自分がコンプレックスだと思っていることが相手にとってはプラスかもしれない。そんな瞬間がこの映画にはたくさん描かれています」と言い、佐々木は「タイトルで少し引いてしまう人もいるかもしれないけど、観るときっと考え方も変わると思う」と語る。ふたりが「とても純粋なラブストーリー」だと分析する本作。少し風変わりな出会いをしたふたりの普遍的な恋のドラマを観客はどう楽しむのか? 公開が楽しみだ。『風俗行ったら人生変わったwww』ネット先行配信中11月9日(土)より109シネマズほか全国ロードショー
2013年11月08日インターネット掲示板「2ちゃんねる」で2,000万アクセスを突破したネット小説『風俗行ったら人生変わったwww』。その後単行本化され、新しい純愛ストーリーとして注目されている。すでに映画化が発表されており、監督とキャストが明らかとなった。チャレンジする前に「自分は無理だ」とあきらめてしてしまう自己完結型童貞男・遼太郎。初めて風俗に行くが緊張のあまり過呼吸になってしい、人のために役立ちたい風俗嬢・かよに介抱される。かよに魅了されていく遼太郎は、なぜ彼女がこの仕事をしているのか疑問を持つ。そして多くの男を相手にしているという事実と嫉妬。遼太郎は男としての決心を行動に移そうとする。遼太郎はネットで知り合った仲間の応援により、かよの人生を救出すべく作戦を決行する。人生が変わるくらいの感動を刺激的なタイトルで表現した『風俗行ったら人生変わったwww』、今までのラブストーリーには無い結末が待っている。人は心に不安や闇を持つ。しかし、自分次第でいつでも成長できる。主人公・遼太郎を演じるのは、若手実力派の満島真之介。NHKテレビ小説『梅ちゃん先生』で注目を集め、蜷川幸雄の舞台にも出演する。ワケあり風俗嬢には、雑誌のモデルをはじめ、CM・バラエティなどで活躍する佐々木希が抜擢された。物語を左右するキーマンには、8月に主演最新作『ガッチャマン』の公開を控える松坂桃李。メガホンを取るのは、映画『荒川アンダー ザ ブリッジ』ほか、脚本・監督をこなすことで独自の世界観を持つ飯塚健だ。映画初主演となる満島さんは、オファーを聞いて「とてつもなく驚きました。役柄、タイトル含めて。新しい挑戦の中に、今まで見えなかった自分を見つけられそうなワクワク感でいっぱいです」と語った。佐々木さんは「今まで想像したこともない役柄なのでどうなるか分かりませんが、楽しんで演じたいと思っています。女の子としては口に出しにくいタイトルですが、中身は感動純愛ドラマなので、ぜひ女の子にも観てほしいです」とコメント。飯塚監督は「最初にオファーされたときの、“すげえ熱い想いがある作品!!”と思った自分の直感を信じて引き受けました。“ヤバいタイトル。やるしかないでしょ、そりゃあ”と思った。跳ねた作品をスクリーンに届けたい」と意気込みを語った。映画『風俗行ったら人生変わったwww』は7月にクランクインを迎え、11月9日(土)より109シネマズほか全国ロードショーとなる。(text:cinemacafe.net)
2013年07月11日1983年に社会現象を巻き起こしたNHK朝の連続テレビ小説を映画化する『おしん』(10月公開)のキャスト発表会見が5日、都内で行われ、女優の上戸彩(おしんの母親・ふじ)、泉ピン子(奉公先の大奥様・くに)らの出演が明らかになった。また、注目されていた主人公・おしん役にはオーディションで2471人の候補者から抜てきされた子役・濱田ここねの起用が決まり、世代を超えた女優3人が意気込みを語った。その他の情報放送から30年目の節目を迎えた今年、日本のみならず世界で感動を巻き起こしたドラマが、装いも新たにスクリーンによみがえる。今回の映画化では主人公・おしんの少女時代にスポットを当て、2月中旬から庄内映画村ほか山形県内でオールロケーションを敢行。メガホンを執る冨樫森監督は「平成の新しい『おしん』を観ていただこうと思っている。エピソード集にはせず、母と娘の関係性を軸に、映画として芯を通すつもり。こんな時代ですから、泣いて泣いて元気になるような映画になれば」と抱負を語った。母親役に挑む上戸は「世界的にも知られる作品なので、ものすごくプレッシャーを感じています。『まだ早い』『母親に見えない』と言われるのは目に見えていますし…」と不安をのぞかせながらも、「家族の絆や生きていく力強さといった『おしん』のテーマを、新しい形で表現できれば」と決意のコメント。ドラマ版で母親役を演じた泉は「私も(母親役を)上戸さんが引き継いでくれると聞いて、感無量。命をかければ大丈夫よ」と上戸を勇気づけた。主人公のおしんを演じるここねちゃんにとっては、本作が本格的なデビュー作で「一生懸命、頑張ります」と少々緊張気味。そんなここねちゃんについて、冨樫監督は「こんなリンゴのほっぺをした野生児は、今の時代なかなかいない。生命力があふれている」と起用の理由を説明し、最終選考に立ち会った泉も「今の子役さんは、みんな上手過ぎるの。綾子(ドラマ版でおしんを演じた小林綾子)も最初は上手じゃなかったもの。それよりも存在感が大切」と太鼓判。原作者の橋田壽賀子氏も「思いきり演じればいい。変に演技するのは、おしんらしくない」とエールをおくった。会見では以下のキャストが正式に発表されている。濱田ここね…谷村おしん上戸彩…谷村ふじ・おしんの母岸本加代子…つね・中川材木店の奉公人小林綾子…みの・加賀屋の若奥様乃木涼介…清太郎・加賀屋の主人吉村実子…谷村なか・おしんの祖母満島真之介…俊作・脱走兵ガッツ石松…松造・炭焼き老人泉ピン子…加賀屋の大奥様・くに『おしん』10月公開
2013年02月05日橋田壽賀子が原作を手掛け、社会現象を巻き起こしたNHK朝ドラ「おしん」の映画化作品『おしん』。その出演者が2月5日(火)に都内で行われた記者会見で明らかになった。女優の上戸彩が主人公・おしんの母親を演じるほか、ドラマ版の母親役だった泉ピン子が奉公先の加賀屋の大奥様役を務めることに。また、主人公のおしん役には候補者2,471人から選ばれた子役・濱田ここねちゃんの起用も決定した。会見にはこの3人に加えて、冨樫森監督、原作者の橋田壽賀子が出席し、今月中旬から山形県で始まるロケを前に、意気込みを語った。1983年に放送された「おしん」は今から約100年前を舞台に、山形県の寒村に生まれ、苦難を強いられても決して負けることなく生きる女性・おしんが歩んだ激動の半生を描き、日本のみならず世界86の国と地域で大きな感動を巻き起こした。放送開始から30年。記念すべき今年、おしんの少女時代に焦点をあてた内容で、スクリーンに新たな感動が映し出される。「ファンの皆さんの期待を裏切らないよう、平成の新しいおしんを観ていただこうと思っている。こんな時代ですから、泣いて泣いて元気になる…、そんな映画を目指します」(冨樫監督)。母親役に挑むことになった上戸さんは「ものすごくプレッシャーを感じています。きっと『まだ早い』とか『母親に見えない』と言われるのが目に見えていますし…」と不安な胸中を告白。それでも、大先輩の泉から「命をかければ大丈夫」とアドバイスされたそうで「新しい形で、家族の絆や生きていく力強さを表現できれば」と語った。泉さんも「上戸さんが引き継いでくれるなんて、感無量」と世代を超えたバトンタッチに、感慨ひとしおだ。そしてこの日の主役である、ここねちゃんは劇中衣装で登場し「一生懸命頑張ります」と緊張気味に挨拶。「衣装合わせで初めて会った。ずっとそばで、笑顔でいてくれた」(上戸さん)、「とにかく思いきりやればいいの。変に演技すると、おしんらしくないから」(橋田氏)、「いい演技を引っ張り出すんで、頑張ろう」(冨樫監督)とエールを送られ、満面の笑みを浮かべた。ちなみに起用理由は「こんなリンゴのほっぺをした野生児は、いまの時代なかなかいない。それに生命力の強さが決め手」(冨樫監督)なんだとか。そんなここねちゃんを始め、映画の新キャスト&ドラマ版のオリジナルキャストが紡ぎだす“生命のドラマ”が日本を元気にしてくれることを期待したい。会見で発表されたキャスト陣は以下の通り。濱田ここね(谷村おしん役)上戸彩(谷村ふじ・おしんの母)岸本加代子(つね・中川材木店の奉公人)小林綾子(みの・加賀屋の若奥様)乃木涼介(清太郎・加賀屋の主人)吉村実子(谷村なか・おしんの祖母)満島真之介(俊作・脱走兵)ガッツ石松(松造・炭焼き老人)泉ピン子(加賀屋の大奥様・くに)『おしん』は2013年10月、全国にて公開。(text:cinemacafe.net)■関連作品:おしん 2013年10月、全国にて公開
2013年02月05日森山未來と満島ひかりが共演するミュージカル『100万回生きたねこ』の制作発表会見が8月14日行われ、森山と満島と共に、演出・振付・美術を手がけるインバル・ピントとアブシャロム・ポラックが登壇した。『100万回生きたねこ』チケット情報佐野洋子のベストセラー絵本『100万回生きたねこ』を基に、2013年1月にミュージカルとして上演する本作。1996年に『DORA~100万回生きたねこ』のタイトルで上演されたものをリメイクする。今回は、イスラエルでの活動をベースに世界で活躍しているインバル・ピントとアブシャロム・ポラックが、原作絵本の圧倒的な美しさに共鳴し、演出・振付・美術を担当。また、戯曲は演劇界で注目を集めている若き劇作家、FUKAIPRODUCE羽衣の糸井幸之介、鉄割アルバトロスケットの戌井昭人、柿喰う客の中屋敷法仁の3名が執筆し、これを東京芸術劇場の芸術監督・野田秀樹の監修により1本の戯曲にまとめる。森山はタイトルロールの100万回生き返るトラ猫を、満島はトラ猫が初めて愛する白猫を演じる。会見で森山は「みなさんがイメージするミュージカルではないかもしれませんが、間違いなく楽しんでもらえる作品になると思う」と自信を見せる。ミュージカル初挑戦の満島は「小さいころからこの絵本が大好きで、何度も読んだ記憶があります。(出演者として)こういう形でこの絵本にまた出会えたのは嬉しいです」と本作に参加できる喜びを語った。既に4度目の共演となるふたり。お互いの印象を訊かれると森山は「映画、ドラマ、ストレートの芝居、ミュージカルを一緒にやる人は初めて!すごく信頼している人です」と話し、「本の中では“100万回生きた”とは言わない“死んだんだ”と言うんですよ。最後に、白猫と一緒にやっと死ぬことができる。どういう風に満島に殺してもらえるのか楽しみ」と期待を寄せる。これを受けて満島は「最近森山さんの顔が変わったなって思うんですよ。最初に出会った頃と違うんですね。久しぶりに会ったら素敵な男性になられていて。舞台は大先輩なので頼っていきたい。最終的には白猫になってこうできる感じになれればいいな」と抱きかかえるゼスチャーを交えつつ抱負を語った。既にワークショップを行っているアブシャロム・ポラックは「とても大きなチャレンジになると思っています。インバルと私は科学者がとても難しい実験を試みるような立場にあると思います。作品を創るレシピはまだ決まっていませんが、素晴らしい俳優とダンサー、ミュージシャンたちと一緒に創った作品をご覧いただいて、(観客を)あっと驚かせたい」とコメント。インバル・ピントは「原作を初めて読んだ時、感銘を受けました。この絵本の中には人生の中で非常に重要なメッセージが書いてあります。愛が何よりも大切であり、愛にたどり着くことが大切であると。直感を大事にして創っていきたい」と語った。公演は2013年1月8日(火)から27日(日)まで東京芸術劇場・プレイハウスにて上演。その後、大阪、北九州、広島で巡演する。チケットは9月1日(土)より一般発売開始。
2012年08月15日日本映画が少なかった今年のカンヌだが、「ある視点」部門で、若松孝二監督の『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』が上映され、若松監督と井浦新、満島真之介が喝采を浴びた。作家・三島由紀夫を演じた井浦さんは、同部門で上映された『空気人形』以来、4年ぶりのカンヌとなる。「とても感慨深いです。4年前は、僕を役者の世界に引っ張ってくださった是枝監督に、そして今回は若松監督に連れてきていただいた。若松監督は『お前は役者の道に突き進め』と背中を押してくれた監督です。特別な思いがします。いわば役者として生みの親と、育ての親のおふたりの映画で、カンヌに来ることができるなんて」と、カンヌへの特別な思いを語った。若松監督は海外プレスから、多くのインタビューを受けた。「海外の記者のほとんどから『なぜいま、三島由紀夫か?』と聞かれた。連合赤軍の映画(『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』)をやったら、三島さんも描かなければならない。左翼も右翼もあまり関係なくて、あの頃の若者はみんな声をあげていた。両方とも日本を憂いていて、体を張って何かを変えたいという思いがあったと思うんです。腹を切ろうなんて、現代では絶対出来ないこと。僕には出来ないことだから、映画にしたかった。自分でやれるなら、映画なんて撮ってないですよ」と語った。満島真之介さんは、満島ひかりさんの実弟。仲がとても良いというお姉さんへどう伝えるかという質問に「レッドカーペットは気持ち良かったよ、と言いたいです(笑)。芝居というより、どういう風に生きて、死んでいくのかを常に考えているような姉弟なので、帰ったらゆっくり報告したい」と答えた。上映後にはフランス人女性が若松監督に駆け寄り、「美しい映画をありがとう」と涙ながらに感激を伝える姿も。若松監督の描く三島と若者たちの姿は、カンヌに強い印象を残した。『11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち』は6月2日(土)より全国にて公開。(text:Ayako Ishizu)特集:第65回カンヌ国際映画祭■関連作品:第65回カンヌ国際映画祭 [映画祭]11.25自決の日 三島由紀夫と若者たち 2012年6月2日より全国にて公開■関連記事:【カンヌレポート】ミヒャエル・ハネケ、2本連続でパルム・ドール受賞!【カンヌレポート】ロバート・パティンソン、ホテルにこもりきりの撮影裏話明かす【カンヌレポート】ザック・エフロン、ニコールとの恋に「全く年の差感じなかった」【カンヌレポート】クリステン・スチュワート、15歳の妻を演じた難しさ明かす【カンヌレポート】『愛と誠』の和製“愛”、海を越えスタンディング・オベーション!
2012年05月29日映画『一命』が10月15日(土)に公開を迎え、三池崇史監督と瑛太、満島ひかりが都内劇場で舞台挨拶に登壇。この日は欠席となった主演の市川海老蔵からは登壇陣に手紙が届けられ、それぞれ“海老蔵談義”に花を咲かせた。滝口康彦の「一命」(講談社文庫刊)の一篇「異聞浪人記」を原作に、武家屋敷での切腹を申し出たひとりの浪人の姿から、武家社会の不条理や残酷さを描き出す。海老蔵さんは名古屋での歌舞伎公演のため、残念ながら初日舞台挨拶は欠席となったが、初日に劇場に足を運んだ観客に感謝を伝えると共に、監督、瑛太さん、満島さんそれぞれに宛てた手紙をしたためた。三池監督は晴れの日の主演不在について「名古屋で暴れて来れないというわけではないんですよね(笑)?」と軽口で客席の笑いを誘う。海老蔵さんからの手紙には「愛と刺激を与えて下さりありがとうございます」とあり、これには「出来過ぎだね。いないくせにいいとこ持ってきますよね」と嬉しそうな笑みがこぼれた。瑛太さんは「瑛太くんの熱さにはやけどしそうでした。次は敵役とかで競演したいですね」と書かれた手紙を受け取り「嬉しいですね」とニッコリ。現場での海老蔵さんについて「少しずつ距離を縮めるのではなく、いきなり目の前1センチまで来てくれる感じで、この人には全て見せてもいいという“父性”を感じさせた」とふり返った。海老蔵さん演じる半四郎の娘の美穂を演じた満島さんは艶やかな着物姿で登場。「美穂、本当にふがいない父親で申し訳ない」という“父”の詫び状に「どう取ったらいいんでしょうか(笑)?いろんな意味にとれますね」と困惑した様子を見せた。海老蔵さんとの現場での初対面を「海老蔵さんが半四郎の衣裳のまま自転車に乗って、京の街に繰り出していくところで『初めまして』と挨拶しました」と明かし、「見ていて爽快で、いろんな意味で楽しい方でした。やんちゃなところもありますが、心の中に縮こまって座っている寂しん坊の少年が見えて、人間味のある人だなと思いました」とその魅力を語った。現場では「ちょうど家族を持ったばかりのときで、海老蔵さんもそうだったので一緒にそういう話をしました」と互いに新婚生活について話をしたことも明かした。本作はフランス、ドイツを始め41か国での公開も決定。三池監督は世界中の観客の目に触れることへの喜びを語ると共に「日本人にしか作れない作品」と胸を張った。『一命』は全国にて公開中。■関連作品:一命 2011年10月15日より全国にて公開© 2011映画「一命」製作委員会■関連記事:『一命』市川海老蔵×三池崇史監督映画×歌舞伎の才が生み出した「侍」三池監督&満島ひかりが赤ちゃんを前にしての海老蔵の素顔を暴露!海老蔵、ファンに謝罪「新たな気持ちでの精進」誓うと共に家族への思い語るキャスト&監督登壇『一命』舞台挨拶付き完成披露試写会に10組20名様ご招待満島ひかりの“初”母親姿が解禁!泣く赤ん坊のために海老蔵が歌舞伎を披露!
2011年10月17日映画『ラビット・ホラー3D』が9月17日(土)に公開。都内劇場にて主演の満島ひかりと澁谷武尊が舞台挨拶を行った。ジャパニーズホラーの旗手・清水崇が送り出す本作。ある姉弟が3D映画を鑑賞中にスクリーンから飛び出してきたぬいぐるみを受け取ったことから、奇妙な異世界へといざなわれていく。観終わったばかりの観客を前に満島さんは「とてもいい気持ちで初日を迎えることができました」とニッコリ。みなさんの童心に届いたら嬉しいです」と語りかけた。元々、ホラー映画は大の苦手だったという満島さんだが「ホラーでしか描けないファンタジー要素があったし、(カメラマンの)クリストファー・ドイルに撮ってほしかった」と語る。さらに、弟役を演じた澁谷くんを絶賛。「この人は本当にすごい!めげそうになったら武尊くんの顔を見てました。気が付いてないと思うけど、清水監督が『よーい』と言うと武尊くんの口から吐息が漏れるんです。それが『ダメかもしれないけどやる、おれ…』って感じで大好き」と“弟”への愛を語った。その澁谷くんは「撮ってるときは怖いと思わなかったけど、(完成した作品を)観たら、自分が出てるのに怖かった」と述懐。またホラー映画に出たいか?と尋ねられると、2人とも顔を見合わせ「うーん」と思案顔。澁谷くんが「こんな感じの映画ならまたやりたい」と言うと、満島さんは笑いつつ「私は…難しい。武尊くんと一緒なら」と語っていた。ちなみにこの日は清水監督は欠席。現在、ハリウッドで新作を撮影中ということだが、満島さんは「ロサンゼルスに行っちゃおうか?出ちゃう?」と澁谷くんを焚きつけてハリウッドデビューの機会をうかがっていた。『ラビット・ホラー3D』は全国にて公開中。特集「“涼む”映画でこの暑さ、乗り切る?」■関連作品:ラビット・ホラー3D 2011年9月17日より全国にて公開© 「ラビット・ホラー」製作委員会2011■関連記事:満島ひかりインタビュー 恐怖と涙のホラー初挑戦でたどり着いた境地【シネマモード】『ラビット・ホラー3D』クリストファー・ドイル インタビュー渡辺直美、バニー姿で1分半踊り狂う!紳助関連の質問はスタッフがシャットアウトヴェネチア、モントリオールにトロント…世界の映画祭での邦画の奮闘に期待!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第17回)あなたのベスト“ホラー”映画は?
2011年09月18日25歳の女優を指すのに適切かどうか分からないが、満島ひかりには“怪演”という言葉がしっくりくる。コミカルなヒロインから観る者の共感を得難いアクの強い役柄まで、人格ごと入れ替わったかのような変身を遂げ、その全てで強烈な感情をさらけ出す。そんな彼女が清水崇監督の『ラビット・ホラー3D』でホラー映画に初挑戦!いったいどんな“恐怖”を見せてくれるのか?といやがうえにも期待が高まるが、実は本人曰く「ホラーは苦手」。そのくせ「私って血しぶきが、似合いますよね?」と嬉しそうに笑みを浮かべるなど“ホラー適性”をしっかりと自覚している。失声症のヒロインとしての恐怖体験を通じて彼女は何を感じ、何を表現したのか――?「怖いけど見たくなる」不思議な物語本作の撮影中、清水監督を前に「『呪怨』とか信じられない!何であんなの観るの?」と言っていたほどホラーが苦手という満島さんだが、ならばなぜ怖いと分かりきっている清水監督の最新作に出演するに至ったのか?「脚本を読んで、グッとくるものがあった」とは本人の弁。「特に日本のホラー映画は、じめじめした感じが怖くて苦手なんですが(苦笑)、この作品には、子供の頃に読んだ奇妙な絵本や熱が高いときに見た夢のような、そんな不思議な物語が描かれていて、白昼夢のような映画になるのなら面白そうだなと思ったんです。お化けはダメなんですけど、人間の想像で起こりうる、もしかしたら想像ではないかもしれないと思えるような不思議なことには、心惹かれるんです。怖くても見たくなるんです(笑)。それから、登場人物が少ないのも面白いなあと思いました。ほとんどが『恐怖の国』に迷い込んだ姉と弟の話で。その分、感覚的な場面でも集中して観てもらえるかな、と」。そして撮影のさなか、ひとりのスタッフとの出会いが満島さんに強い刺激を与えることになる。今回、撮影監督を担当したのは『恋する惑星』などウォン・カーウァイ作品でおなじみの世界的カメラマン、クリストファー・ドイル。彼との仕事の“衝撃”を満島さんはこう語る。「映画のラスト近くでらせん階段を上る場面があるんですが、上を見上げたキリコ(満島さん)の口からよだれが垂れているのがきれいで、とても印象に残っています。クリスの映す画はとにかく美しい。人間には血が通っていて、体内には水が流れているんだってことに気づかされます。本番中もライティングが面白いんです。『何でこんなことするの?』、『どうしてこんなに時間かけるの?』って思うんですけど、光をあてられてみるとこれまで経験したものと全然違うんです。らせん階段の場面では、点滅する光が鼓動を打っているように見える。光で“生き物”を表現しているんですよ、きっと。ライティングやそれが生み出す影に、感情を揺さぶられました」。声が出せないことで「研ぎ澄まされた」翻って彼女自身について。“満島ひかり+ホラー”と聞いて、彼女の大絶叫シーンを思い浮かべる人も多いかもしれないが、本作で彼女が演じたキリコは、失声症で声が出せない。これまで強く感情を露わにする役柄が多かったが、今回は感情を相手にぶつけられずに内面に恐怖を貯めていくような演技を見せている。「これまでの作品でも、感情をぶつけているものだけだとは思っていないですが、確かに開放するというのは多かったです。ためて、ためて、解放する。“皮”をむかなくちゃいけないような役柄が多かったのは、ありますね。この物語のキリコは言葉を発しないから、ほかの部分がぐんと研ぎ澄まされていく感覚があって、それがとても心地よくって。ただ私自身よく『感覚、感覚』と口にするんですが、この映画の話の流れや撮影はシンプルではなかったので、頭の中で細かくきちんと整理することが必要でした。本番中はすごく研ぎ澄まされているんですけど、それ以外のときは考えて、考えて、と変な感じで」。まさに、毎回全く違う人格を表現する女優ならではの“感覚”といったところだが、「研ぎ澄まされる」ということを彼女はこんな言葉で表現してくれた。「以前舞台をやったとき、のどがつぶれて声が出なくなったことがあったんです。小さな劇場だったのですが、本番ではどうにか空気みたいな声でセリフを届けたんです、そのときに『お芝居ってこんなに心が動くんだ』、お芝居なのに『こんなに自分の心が痛くなったり悲しくなったりするものなんだ』ってはじめて感じて。声が出なくなったことでほかのところが、感覚がいつもより動くのを感じられたんです。今作でも、自分で『研ぎ澄まそう』とはしていなくても、声を発しないのを補うように、ほかの感覚が長けてくることを日々感じていました。例えば目をつむって歩いてみると、真っくらで何も見えなくてものすごく音がおおきく聞こえてきたり――そういう感覚です」。「そんな感じってどんな感じだよ(笑)!」と自らにツッコミを入れつつも、ひたすらに考え、そして感覚で本番に臨むという彼女の表現の神髄がそこにあるのかもしれない。さて、冒頭「血しぶきが似合う」という彼女自身の言葉を紹介したが、決してホラー映画を“許容”したわけではなさそう。「はじめは『ウサギじゃーん』って感じでただのかわいい着ぐるみだと思っていましたが、最終的には『ウサギ、怖い』って…。ある場面でウサギの新生児を持たなきゃいけなくて、何かもう泣きそうになって…我慢できずに泣きました。美しい作品ですがやりたくない場面は結構ありましたよね(苦笑)」。絶叫なき恐怖を体感してほしい。(photo/text:Naoki Kurozu)特集「“涼む”映画でこの暑さ、乗り切る?」■関連作品:ラビット・ホラー3D 2011年9月17日より全国にて公開© 「ラビット・ホラー」製作委員会2011■関連記事:【シネマモード】『ラビット・ホラー3D』クリストファー・ドイル インタビュー渡辺直美、バニー姿で1分半踊り狂う!紳助関連の質問はスタッフがシャットアウトヴェネチア、モントリオールにトロント…世界の映画祭での邦画の奮闘に期待!シネマカフェ読者ゴコロなんでもベスト5(第17回)あなたのベスト“ホラー”映画は?『呪怨』の真っ白な少年が舞台に乱入満島ひかりは怖くて「あんなの観られない!」
2011年09月14日市川海老蔵主演の映画『一命』で、初めて“母親”の役に挑戦した満島ひかりが劇中、赤ん坊を抱っこしている写真がシネマカフェ独占で到着した。滝口康彦による「異聞浪人記」を三池崇史監督が3Dで映画化。主家の断絶で食い詰めた浪人の姿を通じて、メンツにこだわって生きる武士という階級の虚しさを描き出す。満島さんが演じたのは、海老蔵さん演じる津雲半四郎の娘で、瑛太扮する千々岩求女の妻である美穂。本作が初の時代劇出演であり、出演決定後に能を学び、自身の祖母の下で裁縫を習うなど準備に時間を費やした。かつて同じ原作小説が『切腹』という名で仲代達也主演で映画化されているが、このとき半四郎の娘を演じた岩下志麻を満島さんは以前から尊敬していたという。『切腹』も撮影前に観て研究したとのことだが、憧れの女優と同じ役柄を演じ、満島さんにとっても忘れ難い一作となった。今回、解禁となったのは美穂が息子の金吾を抱いている写真。初の母親役ということで、赤ちゃんを相手にさぞや苦労があったかと思いきや、聞くところによると現場で赤ちゃんの扱いが一番上手だったのは、意外にも(?)三池監督。また、赤ちゃんが泣いてしまった際には、海老蔵さんが歌舞伎を舞ってあやそうとする一幕もあったとか。写真からは満島さんの母性がしっかりと伝わってくる。満島さんの母親っぷりに加え、息子の誕生を喜ぶ“父親”瑛太さん、さらに孫を溺愛する海老蔵さんという、赤ちゃんにメロメロの男2人にも注目!『一命』は10月15日(土)より全国にて公開。■関連作品:一命 2011年10月15日より全国にて公開© 2011映画「一命」製作委員会■関連記事:【カンヌレポート番外編】カンヌに華をそえる!スターたちのファッションチェック【カンヌレポート7】瑛太、初カンヌに緊張監督は時代劇に3D起用理由を説明海老蔵&瑛太出演の『一命』カンヌ出品!ブラピ主演作ほか強敵とコンペで激突海老蔵、「七月大歌舞伎」で復帰!三池監督作の主演映画『一命』も10月公開決定
2011年08月22日映画『ラビット・ホラー3D』の完成披露試写会が7月20日(水)、都内劇場で開催され、主演の満島ひかりに共演の子役・澁谷武尊、清水崇監督が舞台挨拶に登壇した。清水監督が3Dで新たなホラーの限界に挑んだ本作。失踪した弟を探して、“恐怖の国”に足を踏み入れたキリコ(満島さん)を衝撃の真実が待ち受ける。パナソニックが開発した3Dカメラを駆使し、魅惑の映像世界が展開。ウォン・カーウァイ作品などで知られる世界的カメラマン、クリストファー・ドイルが撮影監督として参加している。元々、怖い映画は苦手という満島さん。本作で初のホラー作品出演となったが「台本を読んですぐに『やろう』と思いました。私が苦手としている部類のホラーではなかったので…。中学生の頃、ホラー映画を観て、夢に出てきて1週間くらい眠れない夜が続いたことがあったんですが、この作品は心に来るものがありました。“恐怖の国のアリス”と銘打たれてますが、子供の頃に見た夢や、奇妙な絵本を読んだような感じで『うわぁー、キャーッ』というよりもポーッと夢を見ているような心地で観られる映画です」とアピールした。キリコの弟を演じた武尊くんは、満島さんとの共演について「最初は話すこともあんまりなかったんですが、やってるうちに話すようになって、(撮影の)合間に満島さんの昔の話とかも聞かせてもらって楽しく過ごせました」とニッコリ。今回、ホラー初出演となる満島さんの起用について清水監督は「いつも僕はホラーが多いですが、そのたびにホラーのイメージのない方が脚本を読んでOKしてくれるのが良いな、と思ってます」と説明。実際の現場での満島さんについては「ホラーが苦手と聞いてましたが、現場でも『「呪怨」とか信じられない』とか『何であんなの観るの?』とか言ってて、どういうつもりでそういう話を僕に振ってくるのかと思ってました(笑)」と少し複雑そう。また、撮影監督のクリストファー・ドイルの映像が話題を呼んでいるが、監督は「彼にしか取れない感性の画です。いままでの僕の映画にはなかった」と称賛を送りつつ「人間的にはすごく面倒くさくて、天敵と言ってもいいくらいだった」と苦笑を浮かべていた。日本はおろか、世界中を恐怖に陥れた『呪怨』を世に送り出して10年。いまなお「清水監督と言えば『呪怨』」というファンも多いが、本作ではかわいらしいウサギが新たな恐怖のシンボルに!ということで、この日は『呪怨』でおなじみの真っ白い肌とブリーフがトレードマークの少年・俊雄くんと本作のウサギが揃って舞台に登場!恐怖のバトンタッチということで、俊雄くんからウサギに花束が贈呈された。貴重なツーショットに会場からは大きな拍手が。『呪怨』を自らの“壁”と語る清水監督は「(本作を)また新たな代表作にできればと思います!」と決意を語った。『ラビット・ホラー3D』は9月17日(土)より全国にて公開。■関連作品:ラビット・ホラー3D 2011年9月17日より全国にて公開© 「ラビット・ホラー」製作委員会2011■関連記事:満島ひかりほか登壇『ラビット・ホラー3D』完成披露試写会に10組20名様ご招待清水崇がウサギの被り物でヴェネチア参上!3D映画部門は『アバター』&『ヒック』『ラビット・ホラー3D』撮影終了!「怖いのは苦手」な満島ひかり、リアル恐怖体現清水崇が満島ひかり×香川照之×大森南朋で3Dホラー再挑戦!ヴェネチアで一部を上映
2011年07月20日先日発表された第34回日本アカデミー賞で優秀助演女優賞(『悪人』)を受賞した満島ひかりが12月19日(日)、東京・タワーレコード新宿店で行われた「モテキ」DVDボックスの発売イベントに、脚本と演出を手掛けた大根仁監督と共に出席した。満島さんは今年10月、主演作『川の底からこんにちは』のメガホンをとった石井裕也監督との結婚を発表したばかり。結婚後、公の場に登場するのはこれが初めてで、会場もどこか祝福ムード。さらに、実弟で俳優の満島真之介がサプライズ登場し、ファンを沸かせた。金なし夢なし彼女なし…そんな29歳派遣社員の藤本(森山未來)が突然訪れた“モテ期”に浮かれ、やがて現実の厳しさと向き合う姿を描いた本ドラマ。原作は販売部数150万部を突破する久保ミツロウの同名コミックで、野波麻帆、松本莉緒、リリー・フランキー、菊地凛子ら共演陣も豪華な作品だ。満島さんが演じるのは、恋愛にあきらめを覚え始めているサブカル系女子の中柴いつか。ドラマの中では人気バンド「神聖かまってちゃん」の楽曲をカラオケで熱唱するシーンがあり、ファンの間では語り草になっている。「あのシーンは本当に大変だった。4〜5回は撮り直して、声が出なくなった」と満島さん。その熱い姿に、現場で見守っていたリリーさんは「若い子の本気っていいねぇ」と号泣していたんだとか。一方、大根監督にとってもこのシーンはかなり重要だったといい、「あの熱唱シーンを狂ったように歌える人がいいなと思って、満島さんにお願いした」。初めて向き合った“女優・満島ひかり”に「もう動物なんですよ。点取り屋のフォワードみたいに、いい意味で現場をかき回してくれた。おかげで、いつかちゃんは原作を超えたキャラになった」と最敬礼だった。会場の男性ファンからは「男は結婚してもモテたいと思う。女性はどうなんですか?」と質問が。満島さんは「あんまりモテようとしない方がいいですよ。好きな人に愛された方が幸せだと思います。私?私は一人で十分」と満面の笑みで幸せのおすそ分け。そして、タワーレコードでお買い物中(?)だった弟の真之介さんをステージに呼び寄せ、自己紹介させると「うちの弟です。ぜひよろしくお願いします」と深々と頭を下げながら、ちゃっかり弟をPRしていた。「モテキ」DVDボックスは発売中。<レンタル>Vol.1〜Vol.4レンタル中<セル>「モテキ」DVD-BOX発売元・販売元:東宝価格:15,960円(税込)発売中■関連作品:川の底からこんにちは 2010年5月1日よりユーロスペースほか全国にて順次公開悪人 2010年9月11日より全国東宝系にて公開© 2010「悪人」製作委員会■関連記事:釜山の観客の熱烈歓迎に深津絵里「クセになりそう!」『悪人』凱旋初日深津「妻夫木さんの賞でもある」妻夫木は感涙深津絵里、モントリオール映画祭で最優秀女優賞!「全てのスタッフにいただいた賞」『悪人』にモントリオール喝采!妻夫木聡&深津絵里も現地の反応に感激『悪人』の李相日監督がハンディカムCMを演出!真夏の大騎馬戦を珠玉のドラマに
2010年12月20日女優・満島ひかりを突き動かすものは何なのか――?一条ゆかりの漫画を原作にした『プライド』では、のし上がるために手段を選ばない音大生を見事に演じきり“少女漫画”に映像作品としての息吹を与え、園子温監督の『愛のむきだし』ではタイトルそのままに、愛憎をむき出しにしたヒロインを体現。スクリーンから、凄まじいまでのエネルギーを発散させている。最新主演作『川の底からこんにちは』では「しょうがない」を口癖に生きていたものの、どうしようもない状況に追い込まれた末に、見事に“ケツをまくり”、生きる道を切り拓く主人公・佐和子を演じている。「本来の私自身に一番近い役」とは演じた満島さんの佐和子評。詳しく話を聞いた。“個性的”などという言葉では括れない、濃厚な役柄を演じ続けているが、毎回、どのように役柄に向き合い、キャラクターを生み出すのか?「苦しいですよ…毎回(笑)。論理的に物事を考えたり、説明したりするのがすごく苦手で、唯一、他人よりも優れているかもしれないと思えるのが何かを“感じ取る”ということなんです。台本から感じた空気や匂い、監督の話やスタッフの顔、共演者の方々から感じるモノ…目に見えない“何か”を感じながら役と向き合っています」。サエないOL生活に区切りをつけ、子連れの婚約者(元上司)と共に田舎に帰り、父のシジミ工場を継ぐが会社は倒産寸前。婚約者は連れ子を残して別の女と逃亡…。そこから“開き直り”を見せる佐和子という主人公を満島さんは「憧れの女性像に近い」とまで言う。「自分をちゃんと見て、自分をちゃんと解って『だから、こうやって生きていく』という答えを出せる女性って同世代であまり見たことがなくて、素敵だと思いました。母や祖母の持っている強さ…守るものがあって、何があっても生きていかなくちゃいけない、佐和子もきっと、母性のような強さにあふれているんです」。だが、演じる上では今回も当然、一筋縄ではいかなかった。「プライドや、これまで生きていく上で身につけてきたズル賢い智恵なんかを捨てなきゃできない役でしたね。“作る”のではなくダメなところも含めて自分を“壊して”全てでぶつからないと…。だから、最初に監督にお会いしたときも、私の人生にこの役が、この作品が必要で、どうしてもやりたい、という思いを、何の計算もなくぶつけたんです。『私を選ばなきゃ損しますよ』って感じで、言いたい放題に(笑)。まず、私自身が開き直らなきゃいけなかった」。だからこそ、と言うべきか、満島さん自身の人格、人柄について、演技と知りつつ映画の中のキャラクターと重ねて『役柄そのままの人なのでは?』と考えてしまう人も多いのでは?と言うと「かなり、そう言われます」と苦笑を浮かべた。「身近な人ですらそう言うんですよ。『台本あるから!』って毎回きちんと答えています。でも、それって嬉しいことだと思っています。“生っぽい”モノを目指しているので。『この人、本当にいるだろうな。でも身近にいたら嫌だな』なんて思えるような(笑)佐和子はなんだか自分に近いということもありましたが、現場もまるで実家にいるような雰囲気だったんです。監督が何か言っていても、親に何かを言われているような、そんな…。そのままの自分で向き合える空気を周りが自然に作ってくれましたね」。冒頭の質問に戻ろう。時に全てをさらけ出し、目を背けたくなる苦しみや痛みと向き合い役に臨む。満島さんが“女優”としてそこまでできるのはなぜなのか?「そう。最近考えるんですよ、何でいま、自分はこういう仕事してるのか?って。子供の頃から、大人や周囲の人間に自分の気持ちが伝わらないことがいっぱいあって。多分、昔から感じていたそういう『誰かに何かを伝えたい、誰かに何かを解ってほしい』という気持ちからだと…そう思っています。11歳の頃に映画『モスラ2 海底の大決戦』に出演して、相当ワガママな子役で、いまだにそのときのスタッフには『お前、ちゃんと仕事してるか?』とか言われますが、はは(笑)。その撮影の半年後に完成した作品を、スクリーンに映った自分を初めて観ました。私、自分の姿に感動しちゃったんです。セリフはなく、ただジッとスクリーンに映った自分の姿に。まだまだクソガキだったので深く考えてはいなかったですが、『あ、ここだ、私』って。その感動が原点で、己の姿と深く向き合いだしたきっかけです」。では最後に、いま、やってみたい役は?そう尋ねるとこのインタビューを通して幾度となく出てきた“生っぽさ”というキーワードを挙げ、こんな答えが…。「きれいなヒロイン役、やりたいですね(笑)。生きていくために本来持っている生っぽさを一生懸命隠しているような。昔の日本映画(白黒の時代)の奥ゆかしいマドンナのような役がやってみたいです、ふふ」。■関連作品:川の底からこんにちは 2010年5月1日よりユーロスペースほか全国にて順次公開■関連記事:満島ひかりが白ずくめ防菌服で“中の下の人生”を歌い上げる特別映像が到着
2010年05月12日国内映画賞の新人賞を次々と獲得し、注目を集める満島ひかり主演の『川の底からこんにちは』の劇中に登場するしじみ加工工場の“社歌”を満島さん演じる“社長”佐和子と社員たちがヤケ気味に熱唱するシーンを収めた特別映像が到着した。本作で満島さんが演じているのは、“中の下”に位置することを自認し、「しょうがない」が口癖のサエない主人公・佐和子。父親が病で倒れ、数年前に飛び出したまま連絡を取っていなかった実家に戻り、父親のしじみ加工工場を継ぐのだが、彼女の人生さながらに工場もまた倒産寸前…。様々な困難が彼女を襲うが、そこで佐和子は開き直り、もう一度人生を切り拓くことを決意する。その“決意表明”の証とも言えるのが彼女が新たに作ったこちらの社歌。ちょっと長いが歌詞(一番)を全文ご紹介!上がる上がるよ消費税金持ちの友達ひとりもいない来るなら来てみろ大不況その時ゃ政府を倒すまで倒せ倒せ政府シジミのパック詰めシジミのパック詰め川の底からこんにちはちなみに、劇中では佐和子のソロパートもあるが、そこでは「中の下中の下どうせみんな大した人生じゃないしはなっから期待してませーん」というセリフが…。歌詞を読んだだけでも思わず笑ってしまうが、満島さんを始め、従業員たちの服装&表情にもぜひ注目!『川の底からこんにちは』は5月1日(土)よりユーロスペースほか全国にて順次公開。※こちらの特別映像はMOVIE GALLERYにてご覧いただけます。MOVIE GALLERY■関連作品:川の底からこんにちは 2010年5月1日よりユーロスペースほか全国にて順次公開
2010年03月26日