お祭りや芸能でおなじみのお囃子のうち、歌舞伎や日本舞踊などの舞台で演奏されるのが、“邦楽囃子”だ。望月秀幸と望月左太寿郎が主宰する「お囃子プロジェクト」(通称オハプロ)は、この“邦楽囃子”の魅力を広く伝えたいと始まったライブユニット。2010年の始動以来、洋楽やアジア、演歌とさまざまなジャンルを取り入れ、好評を博してきた。今回のコラボは「民謡」。初めて歌が入る、そのステージに注目だ。お囃子と民謡。海外の音楽に比べれば、だいぶ“距離”は近いように思えるが……。「曲をただ演奏するのではなく、毎回、幅広い世代のお客様に楽しんでもらえるようにアレンジを施しているので、今回も苦労はたくさんあります」と笑う秀幸。今回予定されているのは、クイーンの「We will rock you」と民謡の黒田節をミックスした「黒田節ロックユー」や、美空ひばりの「お祭りマンボ」と民謡の「おてもやん」を混ぜ合わせた「お祭りマンボやん」、さらにプロレス選手の入場曲を民謡で歌うものまで、どれも気になるラインナップ。確かにどんな音になるのか予想がつかないが、公式YouTube「お囃子プロジェクトチャンネル」で公開されている映像を観ると、過去のコラボは意外なほどにスピード感とライブ感にあふれた仕上がりだ。「本当に、一度観ていただけたらイメージが変わるかもしれないです(笑)。邦楽囃子は締太鼓や大鼓、小鼓、笛の4つがメインなのですが、音の出し方がとても繊細なので、演奏方法が細かく決まっているんですね。そこは守りつつ、毎回コラボする音楽も大切にするのがオハプロ。今回も民謡ならではの“縛り”がありますので、細かく工夫を重ねてお送りしたいです」と左太寿郎。「ゲストは民謡三味線や歌手の方はもちろん、パーカッションやギター、チェロの方をお呼びしています。僕はバンド経験があるのでアレンジを担当しているんですが、邦楽と洋楽の2種類の楽譜を用意しなくちゃいけないんです。どちらも読めて幅広いジャンルに対応できるパーカッションのジャイアン谷口さんにはいつも助けていただいています!」と秀幸も語る。東京藝術大学で同級生だったふたり。20代後半となって邦楽の未来を考える中で、オハプロをスタートしてから12年。「普段は歌舞伎や日本舞踊の舞台がよりよい作品になるようにと演奏するのですが、オハプロでは、客席のお客様に満足してもらうことが目標」と秀幸が話せば、左太寿郎も「これからも新しいことにどんどん挑戦していって、お客様にはお囃子だけでなく、他の邦楽の面白さも発見してもらえたら」と話す。今回もオハプロならではの、肩の力を抜いて楽しめる演目が満載。歌舞伎や邦楽好きの人も、そうでない人も、気軽に楽しめるライブになりそうだ。取材・文/藤野さくら
2022年08月04日歌舞伎や日本舞踊などの舞台で演奏される“邦楽囃子”。締太鼓や大鼓、小鼓、笛のメイン4種の演奏のほか、さらに山奥のこだまや雷の音、亡霊が登場するときの曲など、50種類近くの楽器を使い分けるのが“囃子方”だ。「佐幸会」は、その邦楽囃子演奏家・田中佐幸を代表として、“邦楽囃子”の伝承と普及を目指して活動。田中佐幸の息子で、「お囃子プロジェクト」主宰としても活躍中の望月秀幸は、今回の特別公演について「古典邦楽の貴重な演目を選んでいます」と意気込む。演目は3つ。まず「長唄 翁千歳(おきなせんざい)」は、五穀豊穣・国土安穏を祈る儀式的祝言曲として知られ、その格式の高さから上演されること自体が希少だという。続く「素囃子 三番叟(さんばそう)」は、足踏みによって土を耕し、大地を目覚めさせる存在の“三番叟”を表した演目。邦楽囃子のみで演奏することはこちらもまれだそうだ。「もともと、長唄『翁千歳三番叟』というひとつの楽曲なのですが、今回は冒頭から翁送りまでを『翁千歳』、揉みの段・鈴の段を『三番叟』としてお送りします。どちらも古典奏法を重視した演目で、演奏する側からするととても難しくて、今からプレッシャーで胃が痛いくらいなんですよ(笑)」という秀幸。「演奏は僕も含めて若手メンバーですが、そこは大先輩の梅屋福太郎先生にご指導いただいて、必死にお稽古をしているところ。大元である能楽の『翁』を勉強して、それから邦楽囃子としての演奏を稽古して、と時間はかかりますが、大きなチャレンジなのでぜひ成果を残したいですね」と表情を引き締める。3つめの「日本舞踊 七福神」は、イザナギやイザナミ、恵比寿などが登場し、華やかに展開する人気の演目だ。「田中佐幸は中村勘三郎(十八代目)さんの公演で演奏することが多かったのですが、『七福神』は、特にその勘三郎さんとご一緒させていただく機会が多かった演目。舞踊と共に送る明るい曲なので、最後は肩の力を抜いて楽しんでいただければ」と秀幸は話す。さらに当日は、歌舞伎座イヤホンガイドを担当している鈴木裕里子氏が演目解説をした冊子を、無料で配布する予定だ。「邦楽に興味を持っている方が“もう一歩”を踏み出す手助けになればうれしい」(秀幸)と、こんなところにも工夫をこらしている。「芸歴55年の父・田中佐幸の世代と、いま40歳の僕の世代では、邦楽が置かれている状況はかなり変わりました。父ともよく話すのですが、この状況下だからこそ、僕らの世代が積極的に活動をしていかなければ(邦楽が)無くなってしまうよ、と。この特別公演もそんなところから始まったので、ぜひ幅広いお客様に観ていただきたいです」と秀幸。本作は“邦楽囃子”の奥深さを見て、聴ける、貴重な機会になりそうだ。取材・文/藤野さくら
2022年08月03日カンテレ企画・主催のお笑いライブ『TOKYO GEININ COLLECTION』が9月17日(土)、18日(日)に大阪工業大学 常翔ホール(大阪市北区)にて開催される。東京を代表する人気芸人が集結するこのイベントのMCをナイツとともに務めるモグライダーの芝大輔とともしげが、大阪市内で開かれた取材会で意気込みを語った。「TOKYO GEININ COLLECTION」チケット情報出演は、モグライダーのほか、所属するマセキ芸能から“東京の劇場番長”ナイツをはじめ、三四郎、かが屋、さらに人力舎からは、数々の賞レースで結果を残している実力派ピン芸人、吉住も出演する。芝は、「超豪華なメンツだと思います。お祭り感もありますし。そういうときは僕らも調子があがります。期待してください」とネタの仕上がりにも自信を見せ、「今年、僕らの母校がどちらも甲子園に出場することになったんです。このイベントは夏の甲子園のイメージ。高校球児に負けないように頑張りたい」と、ともしげも闘志を燃やしている様子。昨年のM-1グランプリ決勝からブレイクし、売れっ子芸人の仲間入りを果たしたモグライダーだが、大阪の舞台には苦手意識があるという。芝は、「初めて大阪でネタをしたときはまったくウケなくて。毎回来るたびに緊張してます。去年のM-1でキャラを知ってもらえたと思うので、いい思い出に塗り替えたい」とコメント。テレビ局主催ながら“地上波放送ではできない尺とネタ内容”を楽しんでもらうおうと企画されたこのイベント。モグライダーの“本気ネタ”について芝は、「その日その時だけ飛び出す動きやハプニングを楽しんでほしいです。出番後、自分たちが何を言ったか覚えてないときが一番出来がいいとき。その感じを思いっきり出せたら」と語った。大阪ではあまり見ることができないモグライダーのMCにも注目。ともしげは、「東京のライブシーンでは芝くんはMC王ですが、いつも僕はマスコット的に動くだけ…。ゆくゆくは冠番組をやりたいので、ギャラ泥棒と言われないように頑張ります!」と目標を掲げ、MC力の向上に気合十分。9月17日(土)の13時からは、本公演に先駆けたスピンオフ公演「モグライダーと仲間たち」も開催。M-1グランプリのファイナリスト経験もあるウエストランド、真空ジェシカに加え、同じ事務所の後輩であるカナメストーン、赤もみじ、ひつじねいりなどモグライダーと親交の深い芸人5組が出演する。ともしげは「友達ばかりです。東京でいつも楽しくやっている感じをそのままやれたら。これだけの人がいたらみなさんがなんとかしてくれると思うので、僕は健康管理をしっかりして美味しいもの食べて頑張ります!」とマイペースに挑むことを宣言した。本公演は、9月17日(土)、18日(日)それぞれ2回、計4公演を開催。チケットは発売中。取材・文:岡田あさみ
2022年08月01日江戸時代から400年以上続く京都・大蔵流 茂山千五郎家。Cutting Edge KYOGEN(カッテイング・エッジ・キョウゲン)とは、千五郎家の中で心は若手な(実際は中堅どころの)千五郎、宗彦、茂、逸平、千之丞5名による狂言ユニットだ。1976年発足の「花形狂言会」(花形とは若手の意味)から、2006年に現メンバーで「HANAGATA」と改称、2020年に“最先端”を意味するCutting Edge KYOGENに改名して新スタートした。茂山千五郎家の狂言は、お豆腐のように親しみやすく気軽に味わえる“お豆腐狂言”がモットー。その“最先端”の公演『真夏の狂言大作戦2022』を兵庫県立芸術文化センターで観劇した。この公演を皮切りに、兵庫県の小野、高知、倉敷、岸和田、春日井、松本とツアーに出る。「Cutting Edge KYOGEN 真夏の狂言大作戦2022」チケット情報何度も上演してきた劇場は、京都同様のホームグラウンド。「さぁ、笑わせてもらおか」と前のめりな観客で満席。幕開きはポップな音楽に乗って5人の素踊りから。解説に登場した逸平は「狂言ポラリーダンスです。いや、大した意味はありません、舞ってみただけ(笑)」。お豆腐のようにどんな型にもはまる柔軟で自由な芸風が持ち味の彼らは、敷居が高いと思われがちな古典芸能の枠を軽々と越える。普段はこの会で上演しない古典作品も、今回はツアーでの狂言初心者向けにポピュラーな『棒縛』を上演。「ちゃんとした狂言はこれだけ(笑)」(逸平)。留守の間に酒を飲まないよう、主人が太郎冠者と次郎冠者を縛って出かけるが、何としてでも酒を飲みたいふたりは…というお話。古典の中に今どきな味わいもある楽しい茂山狂言だ。15分休憩の後に3プログラム。「一応、狂言のルールに従って作っていますが、怒る人もいると思う(笑)。ツッコミどころ満載です」(逸平)。人気演目の第2弾『全力で小舞を作ってみた~カルチャーセンター編パート2~』は、宗彦と逸平兄弟が宗家と家元に扮して謡い舞う“MHK和の講座 小舞への誘い”。次の『IB争い』は、観光地の精や和食の精らが登場し、インバウンドに向けてPR合戦する新作狂言。かなりぶっ飛んでいて笑える。『呼声・改』(よびこえ・かい)は、居留守を使う太郎冠者の家を主人と次郎冠者が訪れる古典『呼声』を現代風にアレンジ。一人暮らしの男の家に夜中に次々と訪問者が現れて…という人気新作狂言を、メンバー5名に助っ人2名の計7名でにぎやかに。「年1回、おっさんたちが遊んでる会です。ただ2時間、精一杯笑っていただけるように」(逸平)。まさに“きょうげんであそぼ”な2時間。狂言初心者も通も楽しめる舞台だ。8月は高知、岡山、大阪、愛知、長野を巡演。チケット発売中。取材・文:高橋晴代撮影:飯島隆提供:兵庫県立芸術文化センター
2022年08月01日8月末にかけて3チーム制で上演される二人芝居のミュージカル『ダブル・トラブル』が、7月28日に開幕した。同日昼に公開されたゲネプロと、3チームのキャスト全員が揃った取材会の模様をレポートする。『ダブル・トラブル』は、ボブ・ウォルトン&ジム・ウォルトン兄弟が脚本・作詞・作曲を手がけたコメディ。たった数時間でハリウッド映画の楽曲を完成させることになった作詞・作曲家兄弟の奮闘がおもしろおかしく描かれる。次々と舞い込むトラブルを乗り越え、彼らは仕事と恋を成就させることができるのか──。今回の上演版も昨年同様に、翻訳・訳詞を高橋亜子、演出をウォーリー木下が続投する。ゲネプロには「2022夏 Season A」チームから、浜中文一(作詞家の弟ボビー)×相葉裕樹(作曲家の兄ジミー)ペアが出演した。彼らは自身の役だけでなく社長秘書、兄弟のアシスタント、音響エンジニア、振付師といった10種のキャラクターを代わる代わる務め上げる。出ハケや衣裳替えの手数が圧倒的に多く舞台裏の奮闘がイメージされる中、二人が共通で演じる艶っぽいスター女優の存在感がことさら笑いを誘った。常に真顔でガニ股気味の浜中、セクシーを意識しすぎるあまりトゥーマッチな言動に陥ってしまう相葉の対比が何ともおかしい。取材会には浜中・相葉のほか、「2022夏 Season A」の回替わりWキャストでもある日野真一郎(LE VELVETS)に横山賀三、「2022夏 Season B」の林翔太×寺西拓人ペア、「2022夏 Season C」の原田優一×太田基裕ペアも燕尾服姿で登壇した。浜中は「記者の皆さん必死に撮影しているから客席が静まり返っていて……コメディなのに笑ってもらえず心が折れました」と冗談を交えながらゲネプロを振り返り、相葉も「自信を持てる点・改善すべき点が明確になりましたよね」と続く。日野の「歌も芝居もごまかしがきかない、役者が丸裸にされる作品」というコメントに反応したのは、昨年も本作に登板した原田×太田ペア。原田が「スタッフから本当に“丸裸”にされます」と舞台裏を語ると、太田が「帽子が被れていなかったりボロが漏れ出てしまう僕たちの悪戦苦闘ぶりもどうか笑っていただけたら」と呼びかける。そんな二人を作品の“師匠”と呼ぶ林は「やっとお会いできました!」と笑顔を見せ、寺西も「師匠やSeasonAキャストの奮闘を引き継いで走り抜けたい」と決意を語っていた。上演時間は約150分(20分休憩を含む2幕)。「2022夏 Season A」は8月14日(日)まで、東京・オルタナティブシアターにて。「2022夏 Season B」は8月16日(火)~30日(火)に東京・よみうりホール、「2022夏 Season C」は東京・自由劇場で上演される。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2022年07月29日大ヒットミュージカル映画『ラ・ラ・ランド』の世界を体験できる『ハリウッド版 ラ・ラ・ランド ザ・ステージ 初来日公演』が8月18日(木)から21日(日)まで東京国際フォーラムホールAにて開催される。既存のフィルム・コンサートにはなかった、ダンサーたちのライブ・パフォーマンスをはじめ、華やかな花火や特殊効果、60名の大合唱団、88名編成のフルオーケストラとジャズ・バンドの生演奏、そして映画本編の映像。すべてが融合し、スケールアップした規格外の究極のステージ・エンターテイメントだ。公演のオフィシャルPRアンバサダーを務めるのは「3時のヒロイン」だ。メンバーのかなでは「映画がすごく好き。映画館で観た後も、何回も家で観ましたし、サウンドトラックも何度も聞いています」と語り、特に楽曲の「Someone In The Crowd」が好きで「洗濯物を干しながらよく聞いている」という。さらにハリウッドで上演された本ステージを資料映像で観たそうで「遠くからの映像だったんですけど、それでも音がすごくて!これを生で観たら大変なことになると思いました」。同じく福田麻貴も公開時からの『ラ・ラ・ランド』好きを公言。その理由を「主人公ふたりは夢を追いかける役。当時はまだ私も芸人として全然食べれていない時期で。夢を追うのか、生活を大事にするのか。すごく現実的な物語なんですけど、演出はファンタジーで、夢の世界に誘ってくれるような演出だった。そこまで傷つけずロマンチックに夢を見させてくれるバランスが好きでした」と話す。本ステージについても「『ラ・ラ・ランド』の世界観を、肌で感じられるし、なんなら心臓にまで響いてくるはず。普段イヤホンで音楽を聞いているよりも、何十倍もその世界観を体験できる空間だと思うので、とても楽しみ」と期待を寄せる。作曲者のジャスティン・ハーウィッツが1985年生まれと告げると、福田は「そんな若いの!だからあんなセンスいいんや」と一言。「ちょっと普通のミュージカルと質が違うし、全体的に洗練された空気感が漂っている。それは音楽によるところが大きいと思うので、どんなセンスで生きてきたのか聞いてみたいですね」(福田)。また公演について福田は「コロナ禍になったからこそ余計に思うのが、生ほど突き動かされるものないなと。生でしか体験できないことってあるし、生の舞台を観にいくと、次の日から何かが変わるんですね。絶対に自分を変える体験があると信じて、行ってみてほしいです」とコメント。かなでも「こんなに大ヒットしている映画のステージが過去に1回だけハリウッドで上演されて、それがここ東京に来てくれるということがすごい。本当に今しかないと思うんですよね。この夏絶対に観た方がいいと思います!」とPRした。取材・文:五月女菜穂
2022年07月29日株式会社ネルケプランニングによる関西発の演劇プロジェクト「ネルケWESTプロジェクト」が始動することが発表された。「ネルケWESTプロジェクト」は、新神戸駅直結『AiiA 2.5 Theater Kobe』を中心とし、2.5次元ミュージカル・演劇・劇場をベースとした、関西発・関西ならではの新しいエンターテインメントを発信していく。その発足を記念して、これまでネルケプランニングが手がけてきた数々の2.5次元ミュージカル・舞台映像を上映する「2.5次元大上映祭 2022」が8月にAiiA 2.5 Theater Kobeで開催される。第1弾は『RICE on STAGE「ラブ米」』シリーズ4作品、第2弾は『ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」』シリーズ12作品で、併せて第1弾ではトークショー、第2弾では衣裳などの展示が実施される。また地元ショップとコラボして、さまざまな「推し活」を応援する企画や、ネルケプランニングの舞台作品と地元・近隣ブランドとのコラボ企画も進行中。さらに公式ツイッターではプロジェクトリリースを記念したプレゼントキャンペーンや、マスコットキャラクターとなる子ネコの名前の募集が、7月31日まで行われている。■「ネルケWESTプロジェクト」公式Twitter:■子ネコの名前 応募フォーム:<イベント情報>「2.5次元大上映祭 2022」~RICE on STAGE「ラブ米」~8月6日(土)~14日(日) AiiA 2.5 Theater KobeRICE on STAGE「ラブ米」シリーズ一覧 (C)RICE on STAGE「ラブ米」 (C)腹8分目製作委員会【チケット料金】・1日鑑賞券(3作品鑑賞可能)1,800円(全席自由 / 税込)※日にち指定※ご購入頂いた日にちに上映される作品は全て鑑賞可能です。・トークショー付き1作品鑑賞券:4,000円(全席指定 / 税込)※日時指定※ご購入頂いた日時に上映される作品のみ鑑賞可能です。■最速先行発売:7月21日(木) 18:00~7月24日(日) 23:59※1日鑑賞券は先着販売、トークショー付き1作品鑑賞券は抽選販売となります。■一般販売:7月30日(土) 10:00〜「2.5次元大上映祭 2022」~ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」~8月18日(木)~AiiA 2.5 Theater Kobe(予定)ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」シリーズ一覧 (C)古舘春一/集英社・ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」製作委員会※衣裳など展示も実施予定。スケジュール・チケット情報など詳細は追って発表。「ネルケWESTプロジェクト」公式サイト:
2022年07月21日新国立劇場による、夏休み恒例の「こどものためのバレエ劇場」がまもなく開幕する。今年の演目は、2010年から2014年まで同劇場の舞踊芸術監督を務めた世界的振付家、デヴィッド・ビントレーの人気作『ペンギン・カフェ』だ。舞台を牽引するペンギン役を日替わりで踊る、新国立劇場バレエ団ファースト・ソリストの池田理沙子、ファースト・アーティストの広瀬碧に話を聞いた。今回、初めてこの役に取り組む池田は、「その在り方次第で、作品の重みが左右される重要な役。しっかりメッセージを伝えられるよう、舞台をつくっていきたい」と意欲的。今年1月に続いて二度目の挑戦となる広瀬も「この役を踊るうえで大事にしていることをしっかりやりたい」と前向きだ。本作は1988年、ペンギン・カフェ・オーケストラの音楽に触発されたビントリーが、英国ロイヤル・バレエ団で創作。新国立劇場では2010年にレパートリー入りし、大人の観客たちを楽しませてきた。作品のシンボルともいえる可愛らしいペンギンがいざなうのは、ユニークな被りものやメイクの動物たちが繰り広げる、色とりどりのダンスの世界。皆、絶滅危惧種の動物たちだ。「私たちは絶滅危惧種や環境問題について目を背けがち。この作品には、そのことをちゃんと見て、変えていこうよというメッセージがこめられている」と話す広瀬。伝わるかどうか──ペンギンが担う役割は大きい。「最初のシーンで、愛されるキャラクターになれるかどうかが重要だと思っています」。二人が演じるのは、動物園や水族館にいるペンギンではなく、19世紀半ば、人間の乱獲により絶滅した原初のペンギン、オオウミガラス。ラストシーンでは、嵐の中、箱舟に乗り込んだ動物たちを寂しげに見送る姿が胸を打つ。が、ビントリーの語り口に重々しさはない。「後半のカーニバルの場面は、ペンギン以外の動物が全員集合して、最高潮に盛り上がります。こどもたちもきっと喜んでくれるはず!」(池田)、「40分間のほとんどすべてが楽しい気持ちに!」(広瀬)と語り合う二人も実に楽しげだ。「それでいて、心に響くものがある」と広瀬。池田も「人間による環境破壊はむしろ加速している。この舞台が、意識を変えて、行動に繋げていくきっかけの一つになってくれたらと思います」と思いを明かした。公演は7月27日(水)から31日(日)まで、新国立劇場オペラパレスにて。チケットは発売中。文:加藤智子
2022年07月20日第1部の芝居『ケイト・シモンの舞踏会~時間旅行でボンジュール~』と第2部の『氷川きよしコンサート2022in博多座』2部構成で、『氷川きよし特別公演』が上演される。堤泰之が作・演出を手がける第1部は、氷川演じる歌手志望の子門慧音(しもんけいと)が18世紀のフランスにタイムスリッブするという、笑ってワクワクして気がつけば物語の世界に引き込まれてしまう作品。そして第2部は劇場版特別セットリストで氷川の魅力が余すところなく披露されるコンサート。満を持して、故郷の博多座初座長として本公演にかける想いを聞いた。「第1部のお芝居は、喜劇もありながら現代的。ひとりで何役も演じますし、ワクワクしています。演じるうえでは、私がこれまで出会ってきたさばさばしていて結構きつめにものを言う、けどすごく私のことを考えてくれていた心の温かい人たちのニュアンスも活かしたい。のびのびと楽しく表現できるのではないかと、自分自身に期待しています。第2部のコンサートもこれまでの自分をつくってきた曲、これからの自分を表現する曲、衣裳も曲目もどんどん変えて、新鮮な気持ちで楽しめるものにしたいと思っています」開□一番、本公演の見どころを笑顔で語ってくれた氷川。今回は、東京、大阪、愛知の他、ついに故郷福岡・博多座での座長公演が公演間近とあり、大きな話題となっている。「18歳で上京して、今年45歳。福岡よりも東京での生活の方が長くなリましたが、やっぱり故郷は大切な原点。自分が東京で一旗揚げて親を守らないと、という思いが上京のエネルギーになりました。去年行なった劇場コンサートは、コロナ禍でしたが、ほぼ満員のお客様にお越しいただきました。故郷で歌うと涙が出ますね。『無法松の一生』など、演歌の名曲を皆さんすごく喜ばれて。本当にあリがたいと思いました」そんな熱い想いも込めてはいるが、お客様にはとにかく楽しんで欲しいと続ける。「テーマパークに来るようなワクワク感をもって劇場に来てもらえれば嬉しいですね。生身の人間たちが創りあげる華やかで夢のある時間を満喫していただきたいし、エンターテインメントで心の栄養をプレゼントできたらと思っています」福岡・博多座公演は8月15日(月)~27日(土)にて上演。チケットは好評発売中。そのほか、大阪・新歌舞伎座7月23日(土)~8月5日(金)、愛知・御園座9月5日(月)~15日(木)にて上演。
2022年07月11日新国立劇場演劇研修所が、7月から11月までの毎月1回オンラインにてオープンスクールを開催することを発表した。新国立劇場演劇研修所では次代の演劇を担う舞台俳優の育成を目的とした講座を実施。基礎訓練やシーンスタディ、朗読劇、試演会など3年間の実践的なカリキュラムが組まれており、修了生は新国立劇場主催公演をはじめ、他劇場での数多くの作品に出演するなど幅広く活躍している。カリキュラムの様子オープンスクールでは入所を検討している、あるいは演劇を学んでみたいという人のために、本研修所の講師陣を揃えた授業の一部を公開。オンラインで自宅など好きな場所で体験することができ、1日で終了するプログラムとなっている。また、各回最後には現役研修生たちが質問に直接答える座談会も組まれる。新国立劇場演劇研修所のご紹介<オープンスクール情報>【開催日】2022年7月23日(土)、8月27日(土)、9月25日(日)、10月29日(土)、11月26日(土) ※各回13:25~17:20※レッスン内容は各回によって異なります。複数回の受講も可能。※定員20名【参加費】各日1,000円(税込)※銀行振込【スケジュール】13:25~13:30 事前説明13:30~14:20 クラス114:30~15:20 クラス215:30~15:50 宮田慶子演劇研修所長による説明映像15:50~16:10 研修所概要 / 選考試験の説明16:20~17:20 現役研修生との質疑応答【クラス内容&講師】7月23日(土)クラス1:「声とことば」講師 飯原道代クラス2:「マイズナー・テクニック」講師 ボビー中西8月27日(土)クラス1:「戯曲を読んでみる」講師 田中麻衣子クラス2:「トレーニング」 講師 柴田彰彦9月25日(日)クラス1:「声」 講師 竹田まどかクラス2:「特別ワークショップ」 講師 小林七緒10月29日(土)クラス1:「歌唱」 講師 伊藤和美クラス2:「マイズナーテクニック」講師 ボビー中西11月26日(土)クラス1:「声」 講師 窪田壮史クラス2:「トレーニング」 講師 柴田彰彦【参加条件】・演劇研修所への入所をお考えの、17歳以上・30歳以下の方。俳優の経験は問いません。・全時間帯参加できる方・Wi-fi等の回線が整いオンラインでの参加ができる方・声を出したり、軽く動いたりできる環境がある方【受付期間】7月23日(土) の回:7月4日(月) ~13日(水)8月27日(土) の回:8月8日(月) ~17日(水)9月25日(日) の回:9月5日(月) ~14日(水)10月29日(土) の回:10月11日(火) ~19日(水)11月26日(土) の回:11月7日(月) ~16日(水)【注意事項】1日で終了するオープンスクールです。日程によって一部内容が異なりますので、お申し込みの際は十分ご注意ください。応募多数の場合は抽選となります。結果はメールにてお知らせいたします。参加費の支払い方法につきましては、当選後、別途ご連絡いたします。詳細・お申込みはこちら:
2022年07月08日サングラスに黒スーツ姿、モヒカン刈りの髪をトレードマークに、独自のパントマイム・パフォーマンスで世界的に活躍した2人組“が~まるちょば”。20年の活動に終止符を打ち、赤モヒカンのケッチは再びソロに転向、ヨーロッパを拠点に即興演劇やクラウニングを学び直した。日本でソロ活動を本格スタートさせた2021年11月、第1弾としてフィジカルコメディと銘打った舞台『ケッチスケッチ』を兵庫県立芸術文化センターで上演。今回は再演とは言え、コロナ規制も少し緩み、ブラッシュアップした本領発揮の舞台となる。ソロ初の海外ツアーから戻って来阪、今回の舞台へ意気込みを語った。フィジカルコメディ舞台「ケッチスケッチ」チケット情報前回の舞台では終演後に拍手が鳴りやまず、緞帳が再び上がって観客に言葉で思いを伝えた。「その暖かい拍手に、受け入れていただけたんだと、とてもうれしかった。自信にもなりました」。演目は“が~まるちょば”時代から有名な、空中で固定するカバンやエスカレーターのパントマイムに、ジャグリングやマジック、またケッチとペットの日常をパントマイムやクラウニングの技術を盛り込んで描く笑いと感動の物語も。セリフはないが、優しい暖かさに包まれるような舞台だった。が、実は前回はコロナ規制で観客と絡むことができず、「両手両足を縛られてやるぐらいのもどかしさがありました」とケッチ。“が~まるちょば”の前は「大道芸で身を立てていたので、お客さんと絡むのは大得意。今回はお客さんとかけがえのないアドリブの時間を散りばめられるし、ソロ初の海外ツアーでも発見があったので、再演ですが前回とは違った印象でさらにおもしろくなると思います」と話す。舞台上ではマスク、手指消毒、距離を取るなどのコロナ・マナーを守って観客と絡む。この劇場では独自に全ホールの舞台や客席、楽屋などで気流実験を行う感染対策を実施、安心安全な鑑賞への意識が高い。『ケッチスケッチ』は4歳から観劇可能で、上演時間も約85分。親子連れが行きやすい。「でも、子ども向けにはしていないです。あわよくば大人の中にある子どもの部分を少し刺激して、思い出してもらえれば。子どもが喜ぶ姿を見て親はうれしいし、笑っている親を見て子どももうれしい。親子三世代で観られるものはなかなかないですからね」。また、17時半の公演終了後にはパントマイムのミニ講座をロビーで開催、パントマイム講座付チケットも発売中だ。人気ネタの“空中で動かなくなるカバン”をメインに約20分。「お客さんの反応を得て僕も変わっていく。僕と一緒に遊ぼ! みたいな感じで来ていただけたらと思います」。公演は7月16日(土)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて。チケット発売中。取材・文:高橋晴代
2022年07月05日山口悟のライトノベルを原作に、アニメ化もされ話題を呼んだ「乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった…」、通称「はめふら」が初の舞台化、6月30日(木)に東京・サンシャイン劇場にて初日を迎えた。「はめふら」は公爵令嬢、カタリナ・クラエスが、頭を石にぶつけた拍子に前世の記憶を取り戻す。それは前世で夢中になっていた乙女ゲーム『FORTUNE LOVER』の世界であり、自分がゲームの主人公の恋路を邪魔する悪役令嬢であり、ゲームでカタリナに用意されている結末は、ハッピーエンドでも国外追放、バッドエンドならば殺されてしまうということ。そんな破滅フラグはなんとしても回避して、幸せな未来を掴み取ってみせる!とカタリナが決意し、様々な人物を巻き込んでいく勘違い?人たらしラブコメディだ。カタリナを演じるのは2.5次元舞台に初出演となる太田夢莉。明るく元気なキャラクターを生き生きと演じている。またカタリナの婚約者ジオルド・スティアート役はTAKA(CUBERS)、義弟のキース・クラエス役は三浦海里、ジオルドの双子の弟であるアラン・スティアート役は安里勇哉、魔性の魅力の持ち主であるニコル・アスカルト役は市川慶一郎(9bic)。さらに小泉萌香、高橋果鈴、本西彩希帆、椎名鯛造、中西彩加、春咲暖らが出演する。舞台ではTVアニメの第1期をもとにしたストーリーを展開。さらに、全10公演中、各2公演ずつ、ジオルド、キース、アラン、ニコル、シリウスと乙女ゲームさながらにルートが分かれており、ルートによって本編途中のエピソードとエンディングが異なる他、カタリナといえばの「脳内会議」も「議長」「弱気」「強気」「真面目」「ハッピー」の5人のカタリナが登場し再現されるなど、見どころが満載。また、angelaが歌う大人気のオープニング曲「乙女のルートはひとつじゃない!」に合わせてキャスト全員が踊るシーンと、原作、アニメファンにもたまらない演出になっている。公演は7月5日(火)まで東京・サンシャイン劇場にて。本編途中のエピソード、及びエンディングが公演回替わりとなるため、各ルートの詳細は公演公式ホームページにて。チケットぴあでは開演前まで購入が可能な当日引換券を販売中。(C)山口悟・一迅社/はめふら製作委員会
2022年06月30日7月3日(日)に初日を迎える関西・歌舞伎を愛する会 第三十回『七月大歌舞伎』。6月29日には、開催に先駆けて3年ぶりに「船乗り込み」が行われ、中村鴈治郎、中村扇雀、片岡孝太郎、松本幸四郎、中村勘九郎、中村七之助をはじめ、東西の人気俳優が船上より笑顔で手を振り、『七月大歌舞伎』の開催をPRした。「七月大歌舞伎」チケット情報「船乗り込み」は、江戸時代より続く歌舞伎行事で、1979(昭和54)年に55年ぶりに復活。以来、夏の大歌舞伎の始まりを告げる行事として毎年、賑々しく行われていたが、近年はコロナ禍の影響で開催が叶わずにいた。今年は感染予防対策の徹底のため、一部形式を変更し「乗船時~戎橋口上まで」と「舞台での式典」がオンラインでも生配信された。真っ青な空の下、俳優たちを乗せた二艘の船が戎橋に到着すると、居合わせたギャラリーから温かな拍手が送られた。口上で配役と出演者が発表されると船上の俳優たちが立ち上がって会釈をしたり、手を振ったりしてご挨拶を。そのたびに大きな拍手が沸き起った。最後には真っ白の紙吹雪が勢いよく空に舞い、華々しく『七月大歌舞伎』と夏の始まりを告げた。大阪松竹座では式典も行われ、「船乗り込み」を行った13人の俳優が開幕前の心境を語った。そのトップを飾った中村鴈治郎は「「関西・歌舞伎を愛する会」の公演は今年で30回でございます。朝日座で「関西・歌舞伎を育てる会」が始まり、私は会場が中座になってから出させていただきました。「育てる会」「愛する会」は私の役者人生の上で切っても切れないご縁がある公演です。『七月大歌舞伎』では『浮かれ心中』(昼の部)、『祇園恋づくし』(夜の部)に出させていただきますが、それぞれ、一緒に出させていただいた中村勘三郎のお兄さん、坂東三津五郎のお兄さんらとの思い出にあふれる公演です。その作品を持って記念すべき公演に出演できて大変嬉しく思います。その思いを一緒に皆様に伝えていきたいと思います。外は暑いですが、舞台の中、劇場の中も熱い熱い公演にしていきたいと思います」。先日、体調不良のため休演が発表された片岡仁左衛門。鴈治郎は「本来でしたらここに片岡仁左衛門のお兄さんがいらっしゃって、初めにご挨拶されるのですが、今日はいらっしゃいませんけれども、必ず公演中に復帰してくださると信じております」と思いを語った。なお、休演中の仁左衛門に代わって『堀川波の鼓』の小倉彦九郎役を中村勘九郎が勤め、勘九郎が演じる予定だった宮地源右衛門役を中村隼人が勤める。関西・歌舞伎を愛する会 第三十回『七月大歌舞伎』は7月3日(日)から24日(日)まで、大阪松竹座にて開催。チケット発売中。取材・文:岩本
2022年06月30日登場の瞬間に舞台の空気を変えるほどの鮮烈な存在感、磨き抜かれた肉体から放たれる圧巻のムーヴメント――。これまで、各国のバレエ団でプリンシパルとして活躍し、世界中の観客を魅了してきた中村祥子。そんな彼女の、新たなる挑戦ともいえる舞台が「BALLET TheNewClassic」だ。フォトグラファーの井上ユミコが企画し、Kバレエ カンパニープリンシパルの堀内將平が舞踊監修を務める本公演のオファーを受けた際、「堀内君“らしい”」コンセプトに共感し、出演を快諾したという。「彼の“お客様に楽しんでいただきたい”という真っ直ぐな想いと、その発想力・実行力に触発されました。今回は、ヘア&メイク、衣裳、演出に至るまでを、トップクリエイターの皆さんに手掛けていただきますが、このような機会はなかなかありませんし、彼らとコラボレーションすることで、自分の表現方法も変化してくると思います。また新たな一面をお見せできればと、今からわくわくしています」自身は、東京での一般公開された舞台で初めて『瀕死の白鳥』を披露する。「ある程度の年齢やキャリアを重ねて、今まさに『瀕死』を踊る時期が来たのだと実感しています。あれほどシンプルな動きの中でドラマ性を見せなければならない上に、舞台で自然に放出されるアドレナリンの完全抑制も必要とされる本当に難しい作品ですが、単なるポジションやポーズの美しさを越えた深い表現の境地に到達できるよう、自分の中の課題と日々向き合っているところです」また、出演者全員、総勢11名による『ライモンダ』でも主軸を担うが、「これだけのメンバーが揃うと、とてもいい刺激を受けますね。リハーサルでのコミュニケーションの中でいろんな情報交換をしたり、自分に足りない部分も気づかせてもらえたり……。『ライモンダ』は、それぞれの個性が存分に発揮される構成になっていますので、素晴らしいダンサーたちとこうして共演できることを嬉しく思います」2020年にはKバレエ カンパニーの名誉プリンシパルとなり、現在はフリーランスとして、さまざまな振付家の作品に挑んでいる。「一度カンパニーという環境を離れてみると、大変なこともたくさんありますが、それもまた自分に必要な経験だと覚悟を持って乗り越えるようにしています。ダンサーはやはり踊り続けていないといけない。だからこそこの先も、心惹かれる作品に魂を捧げ、私なりのバレエ人生を最後まで突き進んでいきたいです」撮影協力:スタジオアーキタンツ取材:吉野美山
2022年06月22日榛名由梨の舞台生活60周年記念公演が10月12日(水)から16日(日)まで大阪・サンケイホールブリーゼにて開催、ミュージカル『永遠物語』~岩下俊作・作『無法松の一生』より~を上演する。「ミュージカル 永遠物語」チケット情報本作は、榛名由梨が宝塚歌劇団に在団中の1982年に宝塚バウホールで初演し、大好評を博した作品。初演以降も再演を重ね、今回は50周年記念公演での上演から10年ぶりとなる。岩下俊作の小説『無法松の一生』をもとにミュージカル化した本作は、「無法松」と呼ばれる荒くれ者の人力車夫・富島松五郎の純愛を描いた物語。今作では、松五郎を榛名が演じるほか、吉岡夫人に麻乃佳世、吉岡敏雄に燁明、結城豊造に寿ひずる、富島よねに若葉ひろみを迎えるなど、宝塚OGを中心とする豪華共演でお届けする。チケットは7月30日(土)10:00より一般発売開始。
2022年06月17日2022年4月、松竹芸能所属の落語家5名で結成された落語家ユニット「五楽笑人(ゴラクショウニン)」。この記念すべき第一回公演が、7月3日(日)大阪・心斎橋パルコ SPACE14にて開催される。「五楽笑人~始動~」 チケット情報メンバーは、テレビ・ラジオでも活躍、昨年、自ら題材を見つけて取材を行い落語を創作する新ジャンル「ノンフィクション落語」を確立し注目を集めた笑福亭鉄瓶。「令和2年度 文化庁芸術祭」新人賞受賞など、数多くのタイトルを獲得している笑福亭喬介。「2021年 NHK新人落語大賞」準優勝で、今年芸歴15周年を迎える笑福亭生寿。同じく今年芸歴15周年を迎え、高座写真家としても活躍するなどマルチな才能を開花させている桂咲之輔。そして、「2018年 NHK新人落語大賞」ファイナリストである笑福亭呂好の気鋭の5名!この個性豊かな5名が、それぞれ落語初心者から落語愛好家まで楽しめる古典落語、新作落語を1席づつ披露。誰をピックアップしても受賞歴のあるもの、賞レースファイナリストの実力者揃いなので見ごたえ間違いなし!また、古典落語のその後のストーリーを五楽笑人全員で創作し、“音+映像+五人のリレー落語”で創り上げる新ジャンルの落語「ラクゴノソノゴ」を初披露する。第1弾は、誰しも一度は耳にしたことのある演目「寿限無」。古典落語では小学生時代で終わっており、その後の彼がどんな人生を歩んだのか…!?落語ファンの方はもちろん、初心者の方も十分楽しめる内容になっている。チケットは発売中。
2022年06月15日感情豊かでのびやかな美声と卓越したダンス力でミュージカル界の注目を集める小野田龍之介が、日本初演30周年記念公演のミュージカル『ミス・サイゴン』に出演する。一見、狂言回しのエンジニアやベトナムの少女キムに目が向く作品だが、小野田が海宝直人、チョ・サンウンと交互キャストで演じる米兵クリスもキーパーソンだ。小野田がその思いを熱く語ってくれた。ミュージカル「ミス・サイゴン」 チケット情報1970年代のベトナム戦争末期、戦争孤児のキムと米兵のクリスは恋に落ちる。しかし、陥落寸前のサイゴン混乱の中、キムと離ればなれになったクリスは、母国に戻り、後に米国人女性エレンと結婚する…。6年前にもクリスを演じた小野田は「演じる前から、クリスは世の女性やお客さまから、本当に嫌われる役だなという印象が強かったんです(笑)」と明かす。「“君だけだよ”と言っているのにアメリカに戻ったら別の女性と結婚し、今の時代なら非難を浴びそうですけど(笑)、演じてみるとあの時代だからこそ選択した道というのがある。僕は毎回、クリスの役の価値を上げたい、真意を伝えたいと思っています」と力を込める。『ミス・サイゴン』を作る過程で、キャストは様々な戦争映画やドキュメンタリーを見て参考にするそうだ。「軍人たちは戦争の目的とは別に、破壊行為に走ることがあります。クリスも自分でコントロールできなかった瞬間がたくさんあり、子どもや女性を間違えて撃ってしまい、深い自責の念を抱く中で、キムと出会ったことが自分の贖罪になった。背負った罪を彼女で浄化することができるかもしれない。キムを守り抜くのが使命だと思っていたんです」。『レ・ミゼラブル』のクリエイティブ・チームによる、心に染み入る楽曲も特徴だ。「クリスとキムが歌うシーンは、特にロマンティックですが、ふたりに課せられているのは、絶対に離れないという狂おしいほどのエネルギー。歌っていてこんなにも汗がこぼれる大変なシーンだとは思っていなくて。エネルギーが違った方向へ向くと、チャラチャラした男に見えてしまうので、互いを求める強い力を大切に歌いたいです」。クリスと結婚するエレンについてはどうだろう?「クリスは戦争のすべてを忘れたいと思っている。心にトラウマや傷を負った兵士や市民がたくさんいて、彼も例外ではない。クリスは聖母のような存在のエレンに心を救われた男なんですよね」。自身も年を重ねた今回は、「3人の愛の形」をより大切に演じたいという。2020年の再演はコロナ禍のため中止。世界では新たな戦争も勃発した。「改めて世界に対する祈り、生きるための祈りを深く描いた作品だと痛感しました。今まで以上の覚悟を持って、その祈りを届けたいです」。公演は7月24日(日)から8月31日(水)まで東京・帝国劇場(7月24日(日)から28日(木)はプレビュー公演)、9月9日(金)から19日(月・祝)まで梅田芸術劇場メインホール、その後、愛知、長野、北海道、富山、福岡、静岡、埼玉を巡演。大阪公演のチケットは6月19日(日)一般発売。取材・文:米満ゆう子
2022年06月13日2020年にコロナ禍で中止になり、今年再演されるミュージカル『ミス・サイゴン』は、奇しくも日本初演から30周年を迎える。エンジニア役の伊礼彼方と、キム役の昆夏美が大阪市内で開かれた取材会で思いを語った。ミュージカル「ミス・サイゴン」 チケット情報ベトナム戦争末期、エンジニア(伊礼のほか、市村正親、駒田一、東山義久の交互出演)が経営するキャバレーで働くベトナム人の少女キム(昆のほか、高畑充希、屋比久知奈の交互出演)は、アメリカ兵クリスと恋に落ちるが、サイゴン陥落の中、二人は引き離されてしまう…。社会の底辺から這い上がってきたエンジニアは、アメリカン・ドリームを夢見る貪欲なキャラクターだ。今回、初出演となる伊礼は、「オーディションのとき、今の僕は狼で、求めているのはハイエナだと言われた。この2年間で演じる引き出しも増え、ハイエナになる準備ができています」と語る。「エンジニアはフランス系ベトナム人で、僕はハーフ。僕も日本にきた時は、見た目や言語、文化が違い、自分だけが世界から取り残された気分で孤独を感じていた。その孤独を埋めるために悪ガキだった時期があり、エンジニアには同じような部分を感じる。彼は女の子を道具にし、人をモノとしか思わない。そういう接し方をしないと自分が保てないんじゃないかと僕は捉えていて、哀れな悲しい男だなと。その感情を隠し持った上で演じたいですね」と意欲的だ。一方、キムに扮するのは今回が3回目になる昆。「キムという役に出会ったころ私は20代で、パワーや前に向かっていく気持ちが強く、演じるにあたってそれがいい作用を及ぼしていた」と振り返る。若くして母親になるキムだが、「私に子どもはいませんが、友達に子どもが生まれたりして、年齢を重ねてきたぶん、変化が出てきました。少女が必死に生きてきただけではなく、母の面もプラスして見せられたらと思います」と話す。伊礼が、「昆さんが息子タムをどう抱くのか楽しみ。子どもの抱き方で愛情や役者がどこまで役を掘り下げているかが伝わってくるので」と言い、彼女を見つめると、昆は「顔を向けて言われたら怖い(笑)。頑張ります…」とうろたえ気味に応じ、会場は笑いに包まれた。また、お互いの役の印象については、「伊礼さんのエンジニアは本当にカッコよくて、華と色気がある」と昆が語れば、伊礼も「昆さんはキムを演じるのが3回目ですが、今もピュアさがあって素晴らしい」と昆を絶賛。本番でぜひ、確かめてほしい。7月24日(日)から28日(木)までプレビュー公演、7月29日(金)から8月31日(水)まで東京・帝国劇場、9月9日(金)から19日(月)まで大阪・梅田芸術劇場メインホールにて。その後、愛知、長野、北海道、富山、福岡、静岡、埼玉を巡演。チケットは順次発売。6月11日(土)10:00より大阪公演のチケット先行先着プリセールを実施。取材・文:米満ゆう子
2022年06月10日ブロードウェイミュージカル『ピピン』が2022年8月30日(火)から東急シアターオーブで開幕する。もともとミュージカル『シカゴ』や映画版『キャバレー』で知られる鬼才ボブ・フォッシーによる演出と振付で1972年に初演された本作は、2013年に新演出版がブロードウェイで上演され、同年のトニー賞でミュージカル部門・最優秀リバイバル作品賞を含む4部門を受賞。日本では2019年に城田優主演で新演出版が上演されているが、今回は主演のピピン役に森崎ウィン、キャサリン役に愛加あゆを迎えての上演となる。19年に引き続き、ピピン の祖母・バーサ役を演じる前田美波里に話を聞いた(※中尾ミエとのWキャスト)。「(再演を)待ちに待っていました」と語る前田。前回の公演をご覧になった方は鮮明に覚えていらっしゃる方も多いだろう。前田は作品の中で、空中ブランコのアクロバットに挑戦したり、美脚を大胆に露出したりと、観客にとにかく強烈なインパクトと感動を与える役を熱演。「見せ場はたった1つ。『No Time At All』という曲だけ。でもそれがこの作品のテーマの中でどれだけ大切か。良い仕事をさせていただけて、本当に幸せです」と振り返る。前田は1948年8月生まれ、現在73歳。「人間、年齢が来ると身体が言うことを聞かなくなったりしますが、なるべくそうならないように自分を鍛えて鍛えて、きょうまでやってきました」とプロの意地を見せるが、実際、前回は初めてのアクロバット経験で、稽古はなかなかに苦労した様子。「最後の3、4回ぐらいですけど、ようやく本番中のパフォーマンスで、相手に自然と身体を委ねることができたんです。すごく気持ちよかった。今回の公演では開幕からそういう風になれるように努力したいです。年齢も年齢だから怖いけれど、頑張ります」と意気込む。コロナ禍で公演中止も経験。「舞台がないと、何のために生きているか分からない。それぐらい舞台が好きなんだと再認識しました。舞台というまな板の上に立って、演出家にお料理されて、それをおいしそうにお客様が食べてくださる、観てくださる。それが何より幸せですね」。幼少の頃から励んでいたクラシックバレエや、ひょんなことで数年間習っていたという日舞、出演していたレビューといった経験が、回り回って今の俳優人生に活きていると感じている。「人間って、結局、損することはないの。この作品のテーマでもありますが、人生、待っていても仕方がないんです。こんな落ち込む時代だからこそ、明るくなれる『ピピン』を観て、ぜひピピンのように自分の人生を切り開いていってほしいですね」と話していた。今回はどんな驚きと感動を見せてくれるのか。心待ちにしていたい。公演は9月19日(月)まで。取材・文:五月女菜穂ヘア&メイク/矢野トシコ〈SASHU〉スタイリング/松田綾子〈オフィス・ドゥーエ〉赤ワンピース/DUEdeux ピアス、リング/ともにウノアエレ(ウノアエレ ジャパン)
2022年06月06日音楽劇の名作『三文オペラ』を、戦後の大阪へと舞台を置き換え、鄭義信が書き下ろした意欲作『てなもんや三文オペラ』。そこで演出も務める鄭と、ポール役のウエンツ瑛士に話を訊いた。逆境に生きる人々のたくましさを、時に切なく、時にユーモアたっぷりに描き出す鄭。その手腕は、古典的名作を題材にしたオールメール作品『泣くロミオと怒るジュリエット』(19年)でもいかんなく発揮された。本作はオールメールではないが、もともとポールはポリーという女性の役。その狙いを鄭はこう語る。「主人公のマックは、人たらしというか、男も女も魅了する人物。そういった意味で、ポリーが男性であってもいいんじゃないかなと。かといってLGBTQ問題をやろうというわけではなく、ただ原作よりも愛と希望のある作品にしたいとは思っています」生田斗真演じるマックは、大阪砲兵工廠跡地に残された屑鉄を売りさばく“アパッチ族”の親分。そのマックとウエンツ演じるポールが、結婚式を挙げるところから物語は幕を開ける。ポールについてウエンツは、「愛されるってことがそれまでほとんどなかったキャラクターだと思っていて」と切り出し、「そんな自分がマックに愛されて、しかも結婚出来る。それって時代背景も含めて、ポールにとっては一瞬も思い描くことが出来なかった、夢のようなことが起きているのかもしれないなと。その喜びの大きさを感じながら、今、役を作っている感じです」さらに自らの役どころから、こんなことも考えるそう。「ポールは親となかなか意見が相容れないわけですが、相容れない人と意見を交わすって、改めて大事なことだと思うんです。今って気が合わない人とは簡単に切れますが、その出会いに理由は絶対あるし、そういう人たちとのコミュニケーションこそ大事なんじゃないかと思わされていて。観た方がそんなことも感じてくれたら、とても嬉しいですね」生田、ウエンツのほか、笑いも熟知した手練れが多くキャスティングされており、コメディ要素もたっぷり。だが「戦争が深く影を落としている作品」と鄭が語るように、悲しくも“今”との共通点を痛感する舞台でもある。最後に鄭はこう語る。「僕たちのささやかな日常というのは、実はとてももろく、危ういものの上に成り立っています。だからこそ“愛”や“平和”というものが、生きていく上ではとても大切で。そういったことがビビットに感じられる作品になるといいなと思っています」公演日程は6月8日(水)~6月30日(木)に東京・PARCO劇場にて上演(※6月8日(水)18時~11日(土)13時公演は中止)。その後、福岡・大阪・新潟・長野と各地を巡る。チケットは発売中。取材・文:野上瑠美子
2022年06月03日氷川きよしが東京・大阪・福岡・愛知の4都市を巡る大規模な『氷川きよし特別公演』。その第一部で展開される芝居『ケイト・シモンの舞踏会 ~時間旅行でボンジュール~』に出演する彩輝なおが、公演や氷川に向けた想いを語った。堤泰之が作・演出を手がける本作は、氷川演じる歌手志望の子門慧音(しもん・けいと)を中心とする物語が繰り広げられる。病気の母に代わってアルバイトで家計を支える慧音のもとに、母の容体が悪化したという連絡が入る。駆けつけた慧音を前に、天国へ旅立つ母。落ち込んだ慧音が「時を戻せたら」と思いながら形見の砂時計をひっくり返すと時空が歪み、18世紀のフランスにタイムスリップしていて──。彩輝が扮するのは、慧音がタイムスリップ先で出会うブルボン公爵の娘・ショコラ。「この年齢でまさか“ご令嬢”の役を頂戴するとは」と笑顔を見せ、ビジュアル撮影で身につけ横に大きく張り出したボリュームあるドレスについて言及する。何でも宝塚歌劇に在団していた頃、トップスター就任前の『薔薇の封印~ヴァンパイア・レクイエム~』(2003〜04年)で一瞬だけ同じ種類のドレスを着用したことがあるらしいが、彩輝いわく「優雅に立ち居振る舞うのは初めて」──。(共演者で)トップ娘役だった「後輩の愛原実花ちゃんにノウハウを教えてもらおう」と背筋を伸ばす。自身のInstagramで「変装します」と予告している通り、ご令嬢の他にどんな姿でステージに現れるかにも注目だ。氷川とは、宝塚時代に参加したトークイベント以来の共演だそう。近年、アニメソングにロックナンバーと幅広い楽曲をのびのびと歌い上げる氷川の姿に「新しいことに挑戦しながら音域や声量もパワーアップされていて、ご活躍を楽しみに拝見していました」「よくぞこれまで大きなケガや病気もなく走り続け、私たちに素敵な歌声や姿を届けてくださいましたよね」と目を細める。「そんな氷川さんとご一緒できる日々が尊いですし、座長と過ごす空間を大切にしたいと思います」と語ってインタビューを結んだ。公演は、6月3日(金)~7月4日(月)に東京・明治座にて。その後、7月23日(土)~8月5日(金)に大阪・新歌舞伎座、8月15日(月)~27日(土)に福岡・博多座、9月5日(月)~15日(木)に愛知・御園座と巡演する。チケット販売中。取材・文:岡山朋代
2022年05月31日漫画雑誌『週刊少年ジャンプ』で2017年に連載開始し、2022年3月に完結を迎えた大人気漫画『Dr.STONE』。電子版を含めたコミックス累計発行部数は2022年4月時点で1300万部を突破し、幅広い世代から高い人気を博しています。そんな『Dr.STONE』の初の舞台『「Dr.STONE」THE STAGE 〜SCIENCE WORLD〜』の全キャストが発表されました!『「Dr.STONE」THE STAGE 〜SCIENCE WORLD〜』キャストが発表本作の主人公である石神千空(いしがみ・せんくう)役には、舞台『刀剣乱舞』や『あんさんぶるスターズ!』などで活躍する木津つばささん。また、大木大樹(おおき・たいじゅ)役はミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンなどに登場する岩城直弥さんが演じます。小川 杠(おがわ・ゆずりは)役には西葉瑞希さん。コハク役に永利優妃さん、頭が良いクロム役は田村升吾さんが担当。石神村の門番である金狼(キンロー)役に長塚拓海さん、その弟、銀狼(ギンロー)役に田口 司さんが。スイカの被り物が特徴的なスイカ役は、石田結彩さんと三浦あかりさんがWキャストで出演します。続いて、マジシャン兼メンタリストのあさぎりゲン役に大隅勇太さん。霊長類最強の高校生、獅子王 司(ししおう・つかさ)役に宇野結也さん。そして、舞台オリジナルキャラクターであるドクタロー役には石田隼さんが出演します。文明が滅んだ石の世界(ストーンワールド)で、主人公の千空ら魅力的なキャラクターが大活躍する『Dr.STONE』。舞台は2022年7月に、東京公演と兵庫公演が行われます。親子で楽しめる科学実験もステージ上で披露されるということで、今から公演が楽しみですね。【Dr.STONE」THE STAGE 〜SCIENCE WORLD〜】東京公演:2022年7月9日~18日サンシャイン劇場兵庫公演:2022年7月21日~24日AiiA 2.5 Theater Kobe[文・構成/grape編集部]
2022年05月30日今年2月に東京・東京建物 Brillia HALLで上演され好評を博した稲垣吾郎が主演を務めるミュージカル・コメディ「恋のすべて」。この度6月9日(木)~6月19日(日)まで京都・京都劇場にて上演する。舞台は1930年代のアメリカ。稲垣演じる探偵のニック・テイラーは、事件に巻き込まれて亡くなった友人の妻に送金するような人のいい男。そんな彼のもとに「娘を恋に落としてくれ」という奇妙な依頼が届いたことから物語ははじまる。依頼主は手広く事業を展開する経営者のクラーク(羽場裕一)。クラークは娘・コニー(花乃まりあ)の周りをうろつく若者・テディ(松田凌)を追い払いたいが、実はその裏でテディの母・カミラ(北村岳子)の投資を当てにしているため、大っぴらにテディを邪険にすることができない。クラークから提示された高額なギャランティに、依頼を引き受けるニックだが、コニーと過ごすうちにロマンティックな雰囲気となっていく。しかしクラークはさらに自身の愛人ザラ(石田ニコル)をテディ誘惑に仕向けたことで更なる展開を迎える…。初演では歌、ダンスはもちろん、そのコメディセンスでショーマンぶりを発揮した稲垣。自身と同年代の役柄でもあり、今だからこそ演じられるとも感じられる役。少し間をあけての再演となるが、また新しい面を見せてくれるだろう、稲垣のニックに期待したい。作・演出には、稲垣主演で18年・19年と上演された『FREE TIME,SHOW TIME~君の輝く夜に』の記憶も新しい、劇団ラッパ屋主宰の鈴木聡。稲垣とは多くタッグを組んできたからこそ生まれた物語を、スウィングジャズの生バンドの演奏が彩る。稲垣にとっても久々となるという京都公演。豪華キャストで送る、笑い溢れた華やかな物語をぜひ劇場で体験してほしい。ミュージカル・コメディ「恋のすべて」は2022年6月9日(木)~6月19日(日)まで京都・京都劇場にて。プレイガイドでのチケット一般発売は5月28日(土)10時より。
2022年05月27日毎月定例で落語会の配信を手掛けている文春落語オンラインが、2月から5月まで全5回にわたり「文春落語柳家さん喬オンライン一門会」を開催し好評を博した。これは柳家喬太郎、柳亭左龍、柳家喬之助が出演する生配信を皮切りに、一門の落語家が月替わりで総出演し、大師匠の柳家さん喬が最終回にトリをつとめる形で開催されたスペシャル企画。MC役の人気者の喬太郎はフル出演した。高座では古典、新作ともバラエティ豊かな一門の個性を存分に味わえる。また毎回人気のトークコーナーは、ふだん聞けない爆笑ものの裏話も無編集で楽しめ、見どころ満載の5公演となっている。特に最終回のさん喬・喬太郎の親子回は、落語ファンならずとも見逃せない深い話が話題にもなった。現在その5公演分を1コンテンツにまとめた動画を期間限定でオンデマンド配信中。1公演平均90分ほどで、配信期間中は繰り返し視聴ができる。柳家さん喬一門の実力派の落語をじっくり堪能する絶好の機会だ。【公演概要】文春落語柳家さん喬オンライン一門会全5回イッキ見<第1回>2月26日生配信柳家喬之助「三人無筆」柳亭左龍「棒鱈」柳家喬太郎「蒟蒻問答」トークコーナー<第2回>3月9日生配信柳家喜三郎「あたま山」柳家小志ん「黄金の大黒」柳家小平太「二階ぞめき」柳家喬太郎「花見小僧」トークコーナー<第3回>4月3日生配信柳家やなぎ「タイトル未定」柳家さん花「あくび指南」ダーク広和(マジック)柳家喬太郎「刀屋」トークコーナー<第4回>5月3日生配信柳家さん助「夏の医者」柳家小傳次「いもりの黒焼」柳家喬志郎「その名はおてふ」柳家喬太郎「華やかな憂鬱」トークコーナー<最終回>5月4日生配信柳家喬太郎「路地裏の伝説」柳家さん喬「幾代餅」トークコーナー【チケット】発売中~5月30日(月)23:59まで料金:7,000円(税込)【視聴期間】5月17日 (火) 10:00~5月31日 (火) 23:55
2022年05月26日2009年、2011年に上演され、好評を博したDIMOND☆DOGS「SAMBA NIGHT 2022」が、東京・博品館劇場にて開幕、初日に先駆けてゲネプロが行われた。本作は3度目の再演となる人気演目。SHOW1、2の二部からなり、第一部は2つの盗賊団が「運命の宝石」を狙いカーニバルの一夜に起きる争奪戦を描く芝居仕立てのダンスショー。宇月颯率いる「サファイアムーン」と、中塚皓平率いる「サニールビー」、それぞれ性格の違うチームが、ダンスで物語を進行していく。さらに第二部はサンバ、ラテン、タンゴ、ジャズと様々なジャンルで魅せるショー。こちらもゲスト含めた全メンバーが踊り、歌う、気分が盛り上がるステージだ。DIAMOND☆DOGS中塚、咲山類が中心となり創り上げていく今作は、まさに「ダンス・ダンス・ ダンス、&ソング・ショー」。ゲストには宝塚歌劇団で屈指のダンサーと謳われた宇月颯、沙月愛奈が出演。宇月は男役時代を思わせるスタイリッシュな衣装で、ダンサーとしての魅力を遺憾なく発揮。咲山、小寺利光と披露するパワフルな歌声も見どころ。宝塚退団後、初の舞台出演となる沙月も、SHOW1では2チームから取り合われる可憐な魅力をもった宝石を、SHOW2ではキレのあるかっこいいパフォーマンスをみせた。さらにD☆D作品には常連となる、米原幸佑、木戸邑弥、小寺、常川藍里、穴沢裕介も出演。木戸、穴沢は、Homer、廣瀬真平と共に、第一部では宇月率いるチームで、よりスタイリッシュに揃ったダンスをみせる。米原は、和田泰右、新開理雄とともに中塚率いるチームに。コミカルなシーンもあるナンバーは、D☆D常連だからこそのチームワークにも注目だ。小寺、常川藍里は咲山とともに、ステージでの歌唱パートを担当。第1部では沙月とともに「人ではない」役となり、舞台をミステリアスに演出。第2部は打って変わってシンガーとしてステージを盛り上げた。難しいことを考えず、ダンサー、シンガーたちのパワフルなパフォーマンスを楽しむことができる「SAMBA NIGHT 2022」。DIAMOND☆DOGS流のカーニバルはぜひ劇場で体験してほしい。公演は5月29日(日)まで、東京・博品館劇場にて。5月25日(水)18:30、26日(木)18:30、27日(金)14:00公演はアフタートークも開催予定。詳しくは公式ホームページにて。
2022年05月26日熊川哲也が芸術監督を務めるKバレエ カンパニー「カルメン」のリハーサルの模様が公開され、カルメンとホセを演じる4組のうち日高世菜&石橋奨也、成田紗弥&山本雅也、小林美奈&堀内將平の3組が、2幕2場(闘牛場の前)のシーンを披露。さらに4年ぶりの舞台出演となる浅川紫織はアリア「ハバネラ」のシーンのダンスを披露し、その存在感を見せつけた。2幕2場の闘牛場前のシーンは、ホセが闘牛場からカルメンを連れ出すも、もはやカルメンの心は彼にはなく、何を言っても彼女の心には響かず、嫉妬に駆られたホセはカルメンの首に手をかけ、最後は逃げるカルメンを銃で撃つというシーン。演出・振付を手掛けた熊川だが、基本的に演出を押し付けることなく、それぞれのダンサーの解釈に委ねているとのこと。最初に登場したのは日高と石橋のペア。昨年、カンパニー史上初のプリンシパル入団を果たし、新時代を背負う存在と期待を集める日高はカルメンの自由奔放な魅力に重きを置き「歌うように踊れたら」と語り、石橋はホセを「真面目で一途」と評し、最後の感情は「怒りが強い。プロローグから(覚悟を)決めている感じ」と語る。その言葉を体現するかのように、石橋のホセは激しくカルメンを求め、すがりくつも、日高のカルメンはするりと彼の束縛を振りほどき、感情のまま奔放に踊り、最後は激情をそのまま込めたようなホセの弾丸を受けて倒れる。続いて、成田&山本ペアが登場。山本はホセの根底にあるのは「怒り」と「哀しみ」であり「なんで伝わらないんだ?」という思いが彼に引き金を引かせることになると分析。一方の成田は、そもそもカルメンにとってホセはあくまで「一晩限りの相手」であったのにも関わらず、激しく迫ってくるホセを「煙たがっている」と語っており、まさに2人の温度差の違いを巧みに表現。怒りと悲しみを激しくぶつける山本のホセを、成田のカルメンは冷たい怒りさえ感じさせるほど決然と拒否するさまが感じられる。3組目の小林と堀内のパフォーマンスからは、とにかく豊かな感情のぶつかり合いが伝わってくる。「真面目に生きてきた青年が全てを捨てて来たのに、捨てられてしまう。傷ついて、愛を伝えようとするけど、伝わらずに混乱してしまう」と語るように、堀内のホセからは戸惑いと混乱が、そして「ストレートに生きてきた自由な女。周りを巻き込んでいきたい」という小林のカルメンからは天衣無縫の彼女の魅力が情感豊かに伝わってくる。最後に浅川が「ハバネラ」を披露。「今日はわからない。明日かもしれないし、一生ないかも。私に惚れるのは自由だけどお気をつけなさい」という劇中の歌詞を心に宿し、カルメンを演じていると語る浅川。群がる男たちに挑発的な笑みを振りまきつつ、女王然とした強さと誰にも縛られない奔放さを備えた魔性の女を見事に体現する圧巻のパフォーマンスを見せつけた。本公演は6月1日から5日までオーチャードホールで上演。取材・文:黒豆直樹
2022年05月25日2017年の発足以来、オリジナル作品や、国内外のオペラ・文学作品を題材とし多彩な作品に取り組む、日本舞踊未来座=SAI=。「=SAI=」は継承と革新を意味する「Succession And Innovation」の頭文字。現代に息づく、新しい日本舞踊の創造に取り組む公演を毎年上演し、日本舞踊の伝統をつむぎながら、「いま」輝き、「未来」へと光を放つ、そんな願いが込められている。毎年テーマとなる「SAI」には異なる漢字が当てられており、今年は「才」となった。上演作品は誰もが知る普遍的名作『銀河鉄道999』と、5周年にふさわしいテーマ、演目が揃った。脚本は、劇場版『銀河鉄道999』、『さよなら銀河鉄道999』を元に構成。作品のテーマである「受け継がれる想い」に、舞踊家たちが背負う使命ともいえる「芸と思いを受け継ぐ」ことを重ね、オリジナルで書き下ろされた。アニメやミュージカルと、様々な手法で発表されてきた『銀河鉄道999』。今公演では、着物をベースにアレンジされた目に新しい衣装、洋楽・邦楽を取り入れた音楽で舞台を彩り、日本舞踊ならではの表現を駆使した振り付けで、「受け継がれる想い」の大切さを、日本舞踊でしかできない技術と表現で伝える。主演となる星野鉄郎役には、12年に第69回東京新聞主催全国舞踊コンクール邦舞第1部1位、15年には(公社)日本舞踊協会主催各流派合同新春舞踊大会にて大会賞を受賞する他、多数の舞台に出演、振り付け・演出も行う藤間直三。同主演となるメーテル役には、古典演目はもちろん創作舞踊劇場『火の鳥』、『陰陽師』にて主要キャストを勤め、優れた技術と豊かな表現力を持つ、花柳笹公。さらに第4回公演では構成、演出、出演すべてを務め、本作でもプロジェクトメンバーの一人として制作にかかわる松本幸四郎が、星野鉄郎、キャプテン・ハーロックなどの声で出演し、作品にさらなる厚みを持たせる。若手からベテランまで、総勢64名の個性豊かな舞踊家たちが磨き続ける「才」を、ぜひ劇場で体験してほしい。公演は2022年6月3日(金)から6月5日(日)まで、東京・国立劇場 小劇場にて。チケットぴあでは、チケット発売中。
2022年05月24日世界的な童話『オズの魔法使い』が、新たな物語と音楽で新作ミュージカル『DOROTHY~オズの魔法使い~』として上演される。ドロシーを演じるのは、本作が単独初主演となる桜井玲香。「カンパニーを引っ張っていけるように自信を持って頑張りたい」という桜井に話を聞いた。ミュージカル「DOROTHY~オズの魔法使い~」チケット情報『オズの魔法使い』はライマン・フランク・ボームが1900年に児童書で出版。1939年にはハリウッドで映画化され、ジュディ・ガーランドが演じた少女ドロシーは世界的なアイコンとなった。桜井は「大人でも楽しめる世界。まさか、この年でドロシーを演じることができるなんて」と微笑む。原作はアメリカ、カンザス州で暮らすドロシーが、臆病なライオンや心を持たないブリキ男らと共にオズの国を旅する物語だ。今作では、オペラから演劇、映像作品など幅広く手掛ける田尾下哲が演出・脚本を担当し、とある都会の大学オーケストラ部を舞台に展開。オケのコンサートマスターのドロシーは、学生最後の定期演奏会を前に他の楽団員たちと意見がすれ違う。ショックを受けたドロシーは、自らヴァイオリンを封印しようとすると音楽の都「OZの王国」に飛ばされる…。桜井演じるドロシーは気の強いお嬢様で、“バリバリ”のプロ志向だという。「バリキャリ志向でも意外とドジで、決して完璧ではない子だろうなと。今までのドロシーのイメージが変わると思います」。宮川彬良が手掛ける音楽にも注目で、桜井は「私やキャストの歌声を聴いてから曲を作られるとのことで、実際にお会いして歌わせていただきました。どうなるのかすごく楽しみです」と期待を膨らませる。2019年に乃木坂46を卒業後、数々のミュージカルに出演。「今思えば、知らないことは強いなと思うぐらい最初は突っ走れたんです。でも、ある作品で帝国劇場に立たせていただいて、帝劇のレベルの高さを肌で感じ、自分の無知や至らなさを痛感してトラウマになるぐらいにへこみました。それでも続けさせてもらえているのは、何か意味があるから。これからもしっかりと舞台に向き合っていきたいです」と熱を込める。『オズの魔法使い』の登場人物たちは、知識や勇気など、自分にはないと思い込んでいたものが、実はあったことに気づいていく。桜井がないと思っていて発見したことについて聞いてみると、「舞台でのハプニング対応力ですね。“出落ち”の逆をやってしまったんです。俳優さんがセリフを言っている最中に、私の出番でもないのに舞台に出て行ってしまって。皆、びっくりしていました(笑)。何事もなかったように笑顔ではけましたが、よくあんな大失敗をして、同じテンションでまた演じられたなと(笑)」。余裕とまではいかないが、今は、開き直ってハプニングも楽しめるようになったという。本作で、頼もしいドロシーを見せてくれそうだ。公演は8月20日(土)~28日(日)東京・日本青年館ホールを皮切りに、全国10都市を巡演。関西公演は、9月16日(金)~19日(月・祝)兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホールにて。取材・文:米満ゆう子
2022年05月23日「ブロードウェイミュージカル『RENT』25周年記念Farewellツアー来日公演」が、5月18日に東京・東急シアターオーブで開幕した。『RENT』は20世紀末の米ニューヨークを舞台に、HIV感染症や友人の死、ドラッグや同性愛といった社会的困難に直面しながらも懸命に生きる若き芸術家たちの姿を描いたミュージカル。オフ・ブロードウェイでの初演(1996年)を経て、ブロードウェイ進出後に約12年ものロングランを記録し、世界で上演されている青春群像劇だ。オリジナル演出版の来日公演はコロナ禍を超えた4年ぶりで、初演20周年を記念して立ち上がった全米ツアーの集大成となる。演出には、初演のマイケル・グライフ版が採用されている。固定セットかつ映像効果の活用は最低限で、それだけにキャストの肉体や歌声が際立った。2幕冒頭の名バラード「Seasons of Love」をはじめ、疾走感あふれるロックチューン「Rent」、自由を求める芸術家の大騒ぎ「La Vie Boehme」ではカンパニーの一体感を目の当たりに。中でも作品に通底する“No Day But Today(大切なのは今この瞬間)”のメッセージに集約されていく「Another Day」が聴かせる。ミミがロジャーにモーションをかける「Out Tonight」では、振り乱した髪からラメが舞う迫力のパフォーマンス。奔放なモーリーンの元カレ・マークと今カノ・ジョアンが不本意ながらも意気投合する「Tango: Maureen」では二人の踏むタンゴのステップが楽しい。エンジェルとコリンズが愛を誓う「I’ll Cover You」は悲しいリプライズに注目だ。一曲一曲が各キャラクターの抱える葛藤やドラマに満ちており、目と耳が離せない。キャストの躍動感で魅了するステージには、ドキュメンタリー作家を目指すマークが撮影した映像がリアルタイムでうつし出され、キャストを乗せた美術セットが動くなど劇効果にあふれた新演出版には見られない素朴なシンプルさがある。本作の作詞・作曲・脚本を手がけたジョナサン・ラーソンの半生を映画化した『tick, tick...BOOM!』(2021年)で彼が覗かせた初期衝動が形になっているようにも見受けられ、感じ入った。開幕に際して、ロジャー役のコールマン・カミングスは「コロナ禍でも劇場で待ってくれている皆さんの存在が自分の支えになりました」とコメント。2018年の来日公演にアンサンブルで出演したマーク役のJ.T.ウッドは「生きることの大切さを謳う『レント』で劇場に戻って来ることができて幸せです」と観客にメッセージを送った。オリジナル演出と本カンパニーにFarewell(お別れ)すべく、今この瞬間しかないラストチャンスを見届けてみては。上演時間は約155分(20分休憩を含む2幕)。公演は5月29日(日)まで。取材・文:岡山朋代
2022年05月20日前進座が恒例にしている国立劇場での歌舞伎公演が間もなく開幕する。鶴屋南北作の古典歌舞伎『杜若艶色紫』(かきつばたいろもえどぞめ)は、「悪婆もの」と呼ばれるジャンルの歌舞伎で、主人公のお六は、今風で言うところの「ダークヒロイン」。破戒坊主の相棒とグルになって悪事に手を染めていたが、その悪事をきっかけに実の妹・八ツ橋が殺されてしまい、そこから改心してゆくという物語だ。主人公の悪婆・お六と、花魁・八ツ橋の二役を演じるのは六代目河原崎國太郎。祖父の五世国太郎は「悪婆ものの国太郎」と呼ばれるほど、晩年近くにこのジャンルの役々で名演を残したことで知られる。その三十三回忌の追善公演で、お六、八ツ橋ともに初役でつとめる。「お六は、ただの悪役ではなく、信念を持って行動する女性。頼りない夫の伝兵衛を食わせ、その弟の金五郎のかけ落ちを助けたりする。夫や身内を守るために相棒だった男をばっさり裏切る。自立していて、ある意味、現代的な女性像だと思います。そういう姿が痛快だから、江戸のご見物衆に大いに受けたのではないでしょうか。」文化12年(1815)の初演は、五世岩井半四郎が二役を演じて大ヒットだったという。タイトルにある「杜若」は、上演月の季節の花と半四郎の俳名「とじゃく」にかけたものだそう。南北劇には定評がある前進座が、全員初役で臨む41年ぶりの上演。願哲役の藤川矢之輔の愛嬌ある敵役や、佐野次郎左衛門を演じる嵐芳三郎の二枚目ぶりも楽しみだ。また、公演期間中には、五世国太郎の舞台衣装や写真などのロビー展示や、國太郎も出演するアフタートーク(5/21の15時開演の部)など、先代を偲ぶイベントが企画されている。
2022年05月16日