少年に膝枕しながら、大人の女性が<わたしはあれから息をしているあいだずっとこの子ばかりを思ってしまう>と秘めた思いを持て余している場面から幕を開ける。高野ひと深さんの『私の少年』が話題だ。「美しい存在をずっと見つめて愛でていたいという願望があり、そういう構図やシチュエーションを存分に描いてみたいなと。『美しいものが描けるのが高野さんの強みです』という編集さんの言葉に励まされ、今回の企画につながっていきました」スポーツメーカー勤務の30歳・多和田聡子は、夜の公園で12歳の美少年・真修(ましゅう)と知り合う。サッカーを教えたり、交流が深まる中で聡子は名状しがたい感情を抱いていく。年の差こそあれど、どちらもとらえどころのない寂しさを抱えた者同士。いつの間にか心は共鳴していく。「なので、ふたりの距離感をどれくらい近づけるかには悩みました。一般の女性の感覚では、恋愛感情をあんな年ごろの少年に抱くのは違和感がありますよね。少年の方は、成長していけば起こりうるかもしれないけれど、まだ先のことですし…」波乱の予感はすでにある。聡子の現在の上司で元カレの椎川はなぜか聡子に絡むし、真修のクラスメイトの菜緒は、クラスで浮いていた真修の本当の優しさに気づく。これは、ねじれた四角関係?「少年少女の成長によって、関係性にどんな変化があるのかを見つめていくのは最初からの狙いです。でもまだしばらくは、聡子と真修とが互いに必要な存在として求め合う、その部分を大切に描いていこうと思っています」ちなみに、聡子のふとした言葉に共感スイッチを押されている読者も多いそう。「私とへその緒がつながっているような感情を、聡子に託している部分もあります。読者に『この気持ち、わかる』と言ってもらうと、恥ずかしいけれどすごくうれしいですね」まだ第1巻ゆえ、謎に包まれたままの部分も多い。聡子がなぜか気にする基礎体温や8年という歳月。真修の複雑そうな家庭事情。どんな秘密が明かされ、物語はどうドリフトしていくのか。続きが待ち遠しい。◇ショタコンでなくてものめり込める、新たな絆を描く作品。高野さんの秀逸な画力により、いたいけな真修の繊細な喜怒哀楽をご堪能あれ。双葉社620円◇たかの・ひとみ本作品は月刊アクションで連載中。他の著作に、『「す」のつく言葉で言ってくれ』(リブレ出版)がある。(C)高野ひと深/双葉社※『anan』2016年8月31日号より。写真・森山祐子インタビュー、文・三浦天紗子
2016年08月28日驚異の映像美と主人公の感動的な成長ストーリー、そして動物たちのモフモフ感が話題の映画『ジャングル・ブック』、もうご覧になりましたか?ジャングルで育った少年モーグリ役のニール・セディくんの演技力もさることながら、“人間味”あふれる個性的な動物たちのキャラクターにも注目が集まっています。見どころいっぱいの『ジャングル・ブック』まずは、壮大なジャングルや表情豊かな動物たちが全てCGで表現されているという事実にびっくり。実写としか思えないリアルさに「自分もジャングルの一員になった感覚で、すっかり入り込んでしまった」などの声が上がっています。モーグリと動物たちの触れ合いには心癒されること間違いなし。他にも、様々な出会いや冒険を通してモーグリが成長していく姿に心打たれたり、子どもの頃の冒険心を呼び起こされたり…と、とにかく見どころいっぱい。監督が「トトロをモチーフにした」と語るクマのバルーとのやりとりも見逃せません。一方で、人間への復讐心に燃える残忍なトラ、シア・カーンの登場シーンにはハラハラ、ドキドキしっぱなし。ジャングルに愛され育ったモーグリを人間の子というだけで憎み、命を狙うシア・カーン。彼との対峙はサバイバル競争を強いられ、力のある者しか這い上がることを許されない現代社会を比喩しているようにも感じられます。でも、彼の存在があったからこそモーグリは成長し、己が何をなすべきかを知ることができたわけで…ライバルや乗り越えるべき障壁というのは、自分を変えるうえで必要不可欠なもの?と改めて考えさせられるかも。ピンチに陥ったあなたを助けるのは誰?今回はこの作品にちなんで、主人公モーグリをあなたに、ジャングルの動物たちを周囲の人間関係に見立てた星占いをお届けします。わかりやすい例として“恋”をテーマに、ピンチに陥ったときに助けてくれる存在、宿敵となる存在などを星座エレメントごとに発表。あなたへのサバイバルメッセージと共にお送りしましょう。その前に『ジャングル・ブック』の主要キャラをご紹介。【あなた】[主人公]モーグリ…ジャングルを追われ真の居場所を探す冒険に出る(人間の子)【あなたを取り巻く人々】[守護者]バギーラ…理性的で厳しくも優しい師匠・見守る存在(黒ヒョウ)[友達]バルー…個性を尊重する・自分らしさ・強い絆で結ばれる存在(クマ)[母親]ラクシャ…惜しみない愛を注いでくれる存在(オオカミ)[宿敵]シア・カーン…過去の傷が癒えない・支配しようとする存在(トラ)次に、西洋占星術のエレメントについてご説明します。あなたの星座エレメントは?エレメントとは、12星座を自然界にある“火・地・風・水”の4つの元素に区分けしたもので、以下のように3星座ごとに分けられます。【火】牡羊座・獅子座・射手座【地】牡牛座・乙女座・山羊座【風】双子座・天秤座・水瓶座【水】蟹座・蠍座・魚座それぞれのエレメントには、相性の良いエレメント、ライバルになりやすいエレメントが存在します。ご自身のエレメントはわかりましたか?それでは、あなたと周囲の人たちの関係性をチェックしていきましょう。【火のエレメント】のあなた牡羊座・獅子座・射手座のあなたにとっての人間関係は…[守護者]バギーラ→【水】蟹座・蠍座・魚座[友達]バルー→【火】牡羊座・獅子座・射手座[母親]ラクシャ→【風】双子座・天秤座・水瓶座[宿敵]シア・カーン→【地】牡牛座・乙女座・山羊座☆ここぞというとき【火】のあなたが恋に行き詰ったとき、アドバイスをくれるのは[宿敵]シア・カーン。「もうどうしたらいいかわからない」なんてときほど、シア・カーンの狡猾さが役立ちます。相談するだけでモヤモヤもスッキリ。そして、あまりピンと来なくても[守護者]バギーラと会ったら見習うべきことがありそう。衝突もあるけれど、バギーラの深イイ話からは、恋や仕事で生き残るヒントを得られます。☆あなたへのサバイバルメッセージ「未来の扉を開けるのは、他でもないあなたです。人生の情熱を忘れないで」【地のエレメント】のあなた牡牛座・乙女座・山羊座のあなたにとっての人間関係は…[守護者]バギーラ→【火】牡羊座・獅子座・射手座[友達]バルー→【地】牡牛座・乙女座・山羊座[母親]ラクシャ→【水】蟹座・蠍座・魚座[宿敵]シア・カーン→【風】双子座・天秤座・水瓶座☆ここぞというとき【地】のあなたが微妙な関係に疲れて「そろそろ…ほっとしたい」と感じたときは、思いきって[友達]バルーの背中に寄りかかってみて。バルーは気持ちを察して優しく包んでくれるはず。恋を後押しするのは[宿敵]シア・カーン。何か裏でもあるの?と警戒したくなるかもしれませんが、意外にも冷静にあなたを観察しているだけ。あと一歩の勇気を奮い立たせてくれます。☆あなたへのサバイバルメッセージ「あなたの人生経験は、後悔するものではなく、未来に進むためのものです」【風のエレメント】のあなた双子座・天秤座・水瓶座のあなたにとっての人間関係は…[守護者]バギーラ→【地】牡牛座・乙女座・山羊座[友達]バルー→【風】双子座・天秤座・水瓶座[母親]ラクシャ→【火】牡羊座・獅子座・射手座[宿敵]シア・カーン→【水】蟹座・蠍座・魚座☆ここぞというとき【風】のあなたにとっては自然すぎてわかりづらいことですが、ピンチのときに迷わずに駆けつけてくれるのは[母親]ラクシャ。ただしラクシャは、あなたに威厳と誇りを求めるので、感謝の気持ちを表すのが大切です。そうしなければゴネて二度と助けてくれないかも。もし結婚の決断に迷ったなら、[守護者]バギーラに相談を。バギーラは静かに向かうべき道を囁きます。たとえ価値観が違うと感じても、きちんと耳を傾けてみて。☆あなたへのサバイバルメッセージ「あなたの人生の答えはシンプルでしょう。直感に従ってください」【水のエレメント】のあなた蟹座・蠍座・魚座のあなたにとっての人間関係は…[守護者]バギーラ→【風】双子座・天秤座・水瓶座[友達]バルー→【水】蟹座・蠍座・魚座[母親]ラクシャ→【地】牡牛座・乙女座・山羊座[宿敵]シア・カーン→【火】牡羊座・獅子座・射手座☆ここぞというとき【水】のあなたが恋に破れて傷ついたとき、状況を好転させたいなら、[守護者]バギーラに会いましょう。気持ちを切り替えるのが苦手なあなたにとって、バギーラと過ごす時間は絶好の気分転換タイム。バギーラはあなたが考え付かない人生の楽しみ方を知っています。前進するしかないと教えられ、すぐに元気になれるはず。そして、あなたのことなら全てお見通しなのが[母親]ラクシャ。言葉や態度には出さなくても、いつもあなたを信頼し応援してくれています。☆あなたへのサバイバルメッセージ「深く見つめ、さらに掘り下げることで人生をリベンジしましょう」終わりにいかがでしたか?ピンチのときに相談する相手を間違えないためにも、周りの人の星座エレメントをチェックしてみることをオススメします。ところで、最後になってしまいましたが、『ジャングル・ブック』は声優陣も超豪華!黒ヒョウのバギーラを名優ベン・キングズレー(日本語は松本幸四郎)、クマのバルーを初代ゴースト・バスターズのビル・マーレイ(日本語は西田敏行)が演じるなど、字幕版と吹き替え版、両方観たくなってしまうようなキャスティング。オオカミのラクシャを熱演する宮沢りえや、トラのシア・カーン役の伊勢谷友介の声にも要注目です。最近なんだか疲れ気味。恋も仕事も上手くいかないし、生きるのってなかなか大変…そんなときは“生きる力”があふれ出す奇跡のエンターテイメント巨編『ジャングル・ブック』を観に、映画館の暗闇に出かけてみましょう。愛や喜び、憎しみと悲しみ、様々な出会いや冒険、そして希望…ありとあらゆる要素が詰まったこの作品は、きっとあなたに前を向く勇気や迷いを解決するヒントを与えてくれるはず!ライタープロフィールはゆき咲くら土と陽の独自メソッドで占い。新宿、町田、東京タワーの占い処に不定期で出没中略歴:相性研究家・プロ占い師。メディア&雑誌多数連載。昭和レトロな商店街生まれ。お風呂から見上げる宙とタロットと猫と格安ランチが大好き【STORY】ジャングルに取り残された赤ん坊のモーグリは、黒ヒョウのバギーラによって母オオカミのラクシャに預けられ、ジャングルの子となった。バギーラからは自然の厳しさと生き抜くための知恵を教わり、ラクシャからは惜しみない愛を注がれ、幸せな生活を送るモーグリの前にある日、人間への復讐心に燃える恐ろしいトラのシア・カーンが現れる…。果たしてシア・カーンの言うように、人間であるモーグリはジャングルの“脅威”なのか?それとも、ジャングルに光をもたらす“希望”なのか?いまを生きるすべての人々に捧げる奇跡のエンターテイメント。『ジャングル・ブック』大ヒット公開中監督:ジョン・ファヴロー配給:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン(C)2016 Disney Enterprises, Inc. All Rights Reserved.▼予告編オフィシャルYouTube
2016年08月27日少年と家族の12年間を描いた『6才のボクが、大人になるまで。』で、2014年の映画賞レースを席巻したリチャード・リンクレイター監督。その最新作として、“大人になったボク”の大学入学直前の3日間を追った『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』から予告編が解禁となった。『6才のボクが、大人になるまで。』で描かれた12年間に続くような形で、80年代、ある少年の大学入学直前の3日間を描く本作。誰も感じる新生活が始まる前のワクワク感、家族と離れ、何にも縛られない自由を満喫しつつも、大人としての責任にも同時に気づき始める微妙な心情を、眩しいくらいに清々しく描き出していく。『ビフォア』シリーズを始めとする、これまでのリンクレイター作品同様、永遠には続かないが、決して色あせることのない青春の断片を見事に切り取った監督の集大成でもありながら、『アメリカン・グラフィティ』『スタンド・バイ・ミー』『ブレックファスト・クラブ』などに連なる、新しい青春グラフィティ・ムービーの誕生ともいえる。また、本作のもう1つの主役といえるのが、豪華な音楽のラインナップ。舞台となる80年代にヒットしたロック、パンク、ディスコ、ニューウェーブ、ヒップホップの名曲がふんだんに散りばめられている。解禁となった予告編では、まず、「ザ・ナック」のメガヒット曲「マイ・シャローナ」からスタート。野球推薦で大学に入学することになった本作の主人公ジェイク(ブレイク・ジェナー)は、カーステレオでこの曲を聞きながら、新生活が始まる野球部の寮に向かう。出迎えるのは、野球部の個性豊かで騒々しいチームメイトたち。ジェイクは野球はもちろん、女の子、お気に入りの曲、パーティ、お下劣なジョークなど、あらゆることに全力で打ち込み、新たな出会いと恋を経験しながら、先輩たちからの“洗礼”を受けつつ、少しづつ大人になる様子が描かれていく。「死ぬときに後悔するのはやったことじゃない。やり残したことさ」「いまを楽しめ。永くは続かないんだ」という印象的なセリフ、そしてヒロイン・ビバリー(ゾーイ・ドゥイッチ)との恋の始まり…。そして映像のラストでは、音楽が本作のタイトルにもなった「ヴァン・ヘイレン」の「エブリバディ・ウォンツ・サム!!」に。「恋も友情も、すべての青春がここにある!」「あれかこれかより、あれもこれもの人生を選びたい!!」というフレーズとともに、まばゆいばかりの“青春グラフィティ”を予感させている。『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』は11月、新宿武蔵野館、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月25日今年もきっと9月の下旬くらいまで、しっかりと暑いと思います。今回は、めちゃ暑い日のデートで、彼にやってあげるとすごく喜ばれることについて見ていこうと思います。さっそくご紹介しましょう!■1.冷たいお水を買ってあげる「真夏のデートで彼にやってあげると喜ばれること?そんなの超簡単です!冷たいお水を買ってあげるといいんです!」(24歳/モデル)定番といえば定番ネタですが、これって愛にかかわる問題というより、生命にかかわる問題ですよね。少々小銭がもったいなくても、こまめに冷たいお水を彼に買ってあげるといいでしょう。以下は男子の証言です。■2.「コンビニに入る?」「彼女はわりとせっかちな性格で、目的地までまっすぐ行くような人なんですが、さすがに真夏は、ぼくを気づかってか、こまめに『コンビニに入る?』と聞いてくれます。うれしい気づかいです」(25歳/IT)こちらも定番といえば定番ネタですよね。暑い夏は、休み休みデートをして、ゆっくりと愛を育んでいくといいんです。どんなデートだって、きっと急ぐ旅ではないでしょう。■3.日傘をささない「彼女がぼくの隣で日傘をさしたら、日傘のとんがっているところがぼくの目に刺さりそうになって怖いんですよね。その点、ぼくの彼女は、ぼくとデートをするとき日傘をささないので、そういう気づかいがありがたいです」(26歳/飲食)たしかにカップルの身長差によっては、彼女がさした日傘のとんがっているところが、彼の目の高さにきたりしますよね。どうしても日傘をさしたい女子は、彼の隣ではなく、前を歩くといいのかもしれません。ですが、日傘をさして前を歩く彼女が、急に立ち止まったとき、彼の目に日傘が刺さらないように気をつけたいところです。■4.タオルハンカチを持っていく「ぼくは年中、デートのときは手ぶらなので、タオルハンカチを貸してくれる彼女にすごく感謝しています」(24歳/建築)男子で手ぶらで街を歩きたい人ってわりといます。中にはズボンのポケットにタオルハンカチを入れたら、ポケットがゴワついてイヤだと思っている人もいます。だから最近では、タオルハンカチの片面だけをガーゼの生地にしている少し薄いタオルハンカチが売られていますよね。デートのときは、女子は、年中ハンカチとティッシュ持参・・・・・・これって定番にして鉄板の愛されテクでしょう。■おわりにいかがでしたか?番外編として1つ・・・・・・彼が街ゆく女子の露出部分を目で追いかけても、そういう彼を見て見ぬふりをしてあげる・・・・・・こういう彼女の気づかいに感謝している男子もいます。女子としてイヤかもしれませんが、彼だってきっと悪気があって目で追いかけているわけではないのです。つい目がいってしまう・・・・・・というだけなんです。こうも暑いと、なんでもないことであってもイラっとしがちかもしれませんが、そういうエマージェンシーなときこそ、彼を気づかってあげると、彼も彼女のことを気づかってくれて、真夏にラブラブのデートを楽しめるのではないでしょうか。(ひとみしょう/ライター)(ハウコレ編集部)(吉木千沙都/モデル)(柳内良仁/カメラマン)
2016年08月19日ジャングルの動物たちに育てられた人間の少年モーグリを主人公に、リアルで圧倒的な映像美が話題を呼んでいる『ジャングル・ブック』。現在、全世界興行収入10億ドルに迫る勢いの本作の大ヒットの秘密が、ジャングルの“家族”の物語にあることが判明した。途方もないリサーチをもとに最先端の映像技術を駆使した、ジャングルや動物たちのCG映像のみならず、主人公モーグリが運命に抗いながら、自らの生きる道を必死で見つけようとするドラマが称賛を集めている本作。そこにもう一つ、“家族”のテーマが隠されていることを、ジョン・ファヴロー監督と動物たちの声を務めたキャスト陣が明かしている。「ひとりぼっちのモーグリが、苦難を乗り越えて自分の周囲の人たちの中に家族を見出すというのが、ジョン・ファヴロー監督版の本作ではより強く訴えられていると思う」と語るのは、黒ヒョウのバギーラを演じたベン・キングズレー。さらに、母親オオカミのラクシャを演じたルピタ・ニョンゴも、「ラクシャとモーグリの関係性が特別であるのは、2人が全く違う種族でありながら、親子の絆で結ばれている。彼らは家族というまとまりを作り上げたのです」と言う。監督はさらに深く、ジャングルの“家族”構成についても触れる。モーグリが冒険の途中で出会い、一緒に旅することになるクマのバルーに関して「彼は反体制的な思考を持っています。ですから、このジャングルの社会に適応できるタイプとは言いがたいところがあります。彼は自らのルールでプレイして、モーグリにもそうするよう勧めます」と話す。このビル・マーレイ扮するバルーの存在は、“家族”を語る上で欠かせないという。「厳しい先生のようなバギーラと、バルーのような自由な精神を持つ、この2人の父親像のバランスが、彼を大人へと成長させ、最終的な彼自身の判断に大きく作用します」と監督。ジャングルで生き抜く術を教える、厳しい父親代わりのバギーラ、人間のモーグリに我が子同然の愛情を注ぎ、慈しむ母親代わりのオオカミのラクシャ。そしてモーグリに、ジャングルの“掟”に縛られることなく、自分なりの生き方を見つけるように勧める、もう1人の父親代わりのバルー。そして、そのほかの多くのジャングルの仲間たちがいたからこそ、モーグリは種族を超えた“家族”を見出すことができ、立派な大人へと成長してゆくのだ。この“家族”のテーマがあったからこそ、本作のドラマは世界中で受け入れられたといえる。ライフスタイルが多様になった現代社会において、家族・親子の形も実にさまざま。だからこそ、本作のモーグリと動物たちが織り成すジャングルの“疑似家族”の物語は、オリジナルアニメが誕生してから50年を経たいま、あえて光を放つ。監督は「この作品は、1人の親として、うちの子どもたちが楽しめる映画でありながら、子ども用に作られた映画ではありません。ウォルト・ディズニーの夢は家族全員が一緒に楽しめるようにすることでした。私はそこに敬意を表したかったのです」と、本作の真のテーマを明かしている。『ジャングル・ブック』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年08月12日6名の日本人写真家の日常を16ミリフィルムで追ったドキュメント映画『TRACES OF A DIARY-日記をたどる』の再上映を記念して、同作にも登場したふたりの写真家のドキュメンタリー映画の特別上映が、8月15日、16日に東京・原宿のヴァカント(VACANT)にて行われる。『TRACES OF A DIARY-日記をたどる』は、ポルトガル人アーティストのアンドレ・プリンシペ(Andre Principe)とマルコ・マルティンス(Marco Martins)が、6名の日本人写真家の日常を追ったドキュメント映画。約1年半かけて行われた撮影を通じて、日本人写真家たちのイメージの制作プロセスやストーリーテリング、日記式表現の本質を追求。シナリオを設けずに偶発性を取り込みながら写真家たちの日常を記録した映像作品となっている。6月29日から7月1日の3日間限定で行われた特別上映会が好評を得て、今回の再上映が決定した。今回は再上映会を記念し、同作に登場する中平卓馬と森山大道、それぞれのドキュメント映画の特別上映を開催。中平卓馬は、1960年代から70年代にかけて先鋭的な写真と言葉で“政治の季節”を牽引したものの、写真家としてはスランプに陥り、77年には病に倒れた。病により記憶と言葉の大部分を失うこととなったが、それ以降は写真を撮ることが生活のすべてとなった。今回上映されるドキュメンタリー『カメラになった男-写真家 中平卓馬』では、そんな中平卓馬に3年間密着し、横浜の自宅周辺を日々撮影する姿や失われた記憶をなぞるようにかつて訪れた沖縄へと向かう姿を追った。一方、森山大道の『森山大道 記録 | MOVIE IN LONDON』は、12年秋にロンドンのテート・モダンにて開催されたウィリアム・クラインとの展覧会から半年間、長期密着取材を敢行し、森山大道の伝説的な個人写真誌『記録』の軌跡を追ったドキュメンタリー。ロンドンの街でのスナップの現場、ウィリアム・クラインとの劇的な出会い、『記録』シリーズが生まれたきっかけとその制作過程などの映像から森山大道の辿った半世紀を振り返る。なお、当日は12時から14時の第1部、15時から17時の第2部、18時から20時の第3部に分けて上映され、15日の第1部と16日の第2部には『カメラになった男-写真家 中平卓馬』が、15日の第2部と16日の第1部には『森山大道 記録 | MOVIE IN LONDON』が、両日第3部には『TRACES OF A DIARY-日記をたどる』が上映される。また、『森山大道 記録 | MOVIE IN LONDON』の上映回では同作の上映に加え、今年の2月から6月にパリのカルティエ財団現代美術館で開催された森山大道展「DAIDO TOKYO」のキュレーターによる作家解説映像や森山大道へのインタビューなどの映像も合わせて上映される予定だ。【イベント情報】「TRACES OF A DIARY-日記をたどる」再上映記念「カメラになった男-写真家中平卓馬」「森山大道記録 | MOVIE IN LONDON」特別上映会会場:VACANT住所:東京都渋谷区神宮前3-20-13 2階会期:8月15日、16日時間:第1部・12:00~14:00、第2部・15:00~17:00、第3部・18:00~20:00(各回30分前開場)料金:当日1,500円、前売り1,300円(※1ドリンク付き)45
2016年08月07日ジャングルで育てられた人間の少年モーグリと、彼を取りまく動物たちとの絆や葛藤を描いた心揺さぶるドラマを、『アイアンマン』シリーズのジョン・ファヴロー監督が、実写とCGが融合した最先端の映像テクノロジーで描き出した『ジャングル・ブック』。このほど、その驚異のメイキング映像が解禁となった。壮大なジャングルや表情豊かな動物たちがすべてCGで表現された本作は、その驚異の映像美と主人公の少年モーグリの成長ストーリーが話題となり、全世界興収10億ドル(約1,000億円)に迫る大ヒットを記録中。今回解禁となったメイキング映像は、世界中で話題を呼んでいるその驚異の映像美の裏側に迫るもので、本編からはまるで想像もつかない、ブルーバックでの撮影の様子や、キャスト、スタッフのインタビューが収められている。美しく伸び盛る草木や、ゆったりと流れる川が印象的なジャングルが舞台の本作は、なんとすべてロサンゼルスのスタジオで撮影された。スタジオに組まれたブルーバックと必要最低限のシンプルなセットという状況のなか、2,000人から選ばれた新星ニール・セディは、想像力とフレッシュな感性を存分に発揮し、主人公モーグリ役を見事に演じてみせた。メイキング映像には、セットでの撮影風景と本編映像が併せて収録されており、まっさらなスタジオが美しいジャングルへと変貌を遂げる魔法のような製作過程を確認できる。ニールは、「ただ、そこを歩いてみて。後から画を足すから」とスタッフから指示されたというが、思わず「どうやって?」と思ったと明かしている。また、彼が演技をしやすいよう、各シーンにさまざまな“奥の手”が施されていることにも注目だ。この驚異の変貌について解説する映像の最後で、ファヴロー監督はこう締めくくる。「ゴールは、何が現実か分からない状態を作り出すことなんだ。映画は感情的な体験であるべきだ。そのために良いストーリーを作る」と。あくまでVFXは、観客にストレスなく物語に没入してもらうための舞台装置であり、そのためにも全く違和感のない完璧なVFXを最新技術を持って実現させたというわけだ。本作をスクリーンで目撃することは、現在のハリウッドの最先端を体感することにほかならない。『ジャングル・ブック』は8月11日(木・祝)より全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年08月03日(Photo by TED)父親が失業し、貧困のあまり中学を「中退」した。 生きるだけでも精一杯のはずであったのに、たった14歳のその少年は、「村の未来」のために「電気」をつくることを決心した。もちろん、そんな「学」はない。 貧困の村を苦しめた「干ばつ」(Photo by ILRI)南アフリカのマラウイ共和国にあるマシタラ村。ここに、これからこの村の未来を変える少年が誕生した。 彼の名はウィリアム。ここマシラタ村は決して裕福とは言えないながらも、それなりに人々が生活できるほどの仕事や食料は備わっていた。 しかし、2002年。ウィリアムが14歳になったとき、この街を一変する事態が起こってしまったのだ。――干ばつだ。 それも、過去50年で最悪と言われる干ばつである。人々は仕事を失い村人は飢餓に苦しむ日々を過ごすこととなった。もちろん、子どもも学校に通える状況ではなくなり事実上閉鎖状態に。事態が良くなることを願い、ただひたすら耐えるという状況が続いた。もちろん、ウィリアムの父も失業。ウィリアムも中学校を「中退」した。 「誰か」ができたのだから、「誰だって」できる(Photo by Mike Lee)がしかし、ウィリアムは「耐え」なかった。彼は立ち止まるのではなく、少しでも前に進もうと動いたのだ。学校に行けなくなった今、彼がとった手段は図書館に通うことである。 無料で本を読むことができる図書館に毎日通い、とにかく本を読んだそうだ。そして彼は、そこで1冊の本に出合うことになる。その本のタイトルは『Using Energy』。風力発電に関して書かれた本である。 彼はその本のページをめくった瞬間に絶句した。書かれている言語は英語。英語の勉強をしていない彼はもちろん内容は分からない。が、なんだかこの大きな物体が人々を救えるような気がしたのだ。 そして、彼は決心した。「この機械(風力発電)を作って村を救おう」と。念のため言っておくが、彼は英語が読めないのはもちろんのこと、科学的知識や数学の知識も持ち合わせていない。しかし、彼は当時を振り返ってこう語る。 「本に写真が載っているということは、誰かがこの機械を作ったということ。それなら自分にもできるはずだと思ったんだ」この日から彼の果敢なチャレンジが始まった。 「できる」はずだから「諦めない」(Photo by Rocky Mountain Land Library)(Photo by YouTube)(Photo by World Camp)彼にとっての手掛かりは本の「写真」と簡単に書かれた「挿絵」のみ。必要な材料さえも分からない。そもそも、貧困で苦しんでいる村に有効な材料などあるわけがない。 しかし、彼は写真を頼りまずはにゴミ捨て場から使えそうなものを拾ってみた。プラスチックのパイプ、プロペラ、車のバッテリー……。これが使えるか分からない。が、使えないかも分からない。進めてはやめ、考えては続け、決して諦めることなく、写真と挿絵のみを頼りに見ようみまねで風力発電の作業を黙々と進めていった。 そして3ヶ月後。なんと第1基目となる風車を完成させてみせたのだ。当時、この行動を起こした彼は、村人たちからの笑いものであったそうだ。来る日も来る日も無謀とも思える風力発電作りに取り掛かる彼に、「あいつは頭がおかしくなった」とあざ笑う人や、「マリファナをやっているのか」と冷ややかな目で見る人もいたそうだ。大勢の大人がたった14歳の少年に対して……。それでも彼は諦めなかった。 彼の中に「できない」という選択肢は全くもってなかったのだ。 いつか「彼の言葉」に出会う人のために(Photo by TED Conference)その後、2006年には2基目の風力発電が、2007年には3基目の風力発電が完成し、現在までに完成した計7基の風力発電が村の暮らしを支えているという。 電力を得ることができたマシタラ村は、貧困を立て直すことができたのはもちろんのこと、なにより夜に灯る灯りが人々の心を癒していったそうだ。今では当時、彼をあざ笑っていた村人たちが電気を求めて列をなすこともあるという。 現在28歳になった彼はTEDのプレゼンテーションの中でこう語っている。 「夢を追いたくても私のように貧困の最中で苦しんでいる、貧しいすべての人に向けて言いたいことがあります。神のご加護がありますように。そして、彼らがいつかこのスピーチをインターネットで見たときのために。私はただ、『自分を信じて下さい』と言いたいです。何が起ころうとも決して諦めないで下さい」 あなたの「夢」はなんであろうか。 それは無謀だとしても、それに大きなリスクが伴うとしても、一歩踏み出せばその夢は叶う気はしないだろうか。ここに、たった1冊の本の挿絵から「電力」を生み出した「少年」がいるのだから。 この記事を読んでいる人はこの記事も読んでいます!体温?海水?重力?「0円エネルギー」が11億人の不電生活者を救う。 このユニクロのCMでご存知かもしれないが、電池いらずの懐中電灯を発明したカナダのスーパー女子大生が今話題となっている。カナダ出身のアン・マコシンスキー氏。2... ーBe inspired!
2016年07月22日『トイ・ストーリー』から『ファインディング・ドリー』まで、世界中に親しまれるピクサー・アニメーション・スタジオの創立30周年に贈る、恐竜と少年の心温まる友情と冒険を描いた『アーロと少年』。今回、MovieNEXに収録されている貴重なボーナス映像から、言葉を持たない少年スポットの描き方と心の成長を明かすアニメーターたちの声がシネマカフェに到着した。本作は、“もしも地球に隕石が衝突しなかったら”という世界が舞台。主人公は、甘えん坊で父親がいないと何もできない臆病な恐竜、アーロ。激しい嵐で大切な父親を亡くし、自身も川に流されてしまったときに救ってくれたのが、人間の少年スポットだった。ふたりは力を合わせて困難を乗り越えていくうち、言葉を超えた心で通じ合う、人生初の友だちになっていく。今回届いた映像で、本作の生き生きとしたキャラクターを手掛けたアニメーターのジェシカ・トレスは、少年スポットについて「人間なのに人間らしくないところが面白い」と語る。トレスは、スポットを“人間らしくない“少年にするために、頭と視線を一緒に動かしたり、わざと無表情にしてみたりと、かなりの工夫を凝らしている。その一方で、アニメーターのクラウディオ・デ・オリヴェイラは、アーロと出会うことによって、スポットが人間らしく成長していく様子が素晴らしいと見どころを明かす。確かに映像を見ると、最初は乱暴で野性味あふれる動きをしていたスポットは、アーロとの友情が芽生えていくことにより、表情が豊かになっていくのがわかる。アーロとスポットの絆が深まっていく分、やがて訪れるラストシーンはさらに感動的だ。冒険を経た後のスポットは、動物のような四足歩行ではなく、いつしか人間らしく二本足で立ち、歩くようになっている。アーロとは別々の道を歩くことになったスポットの、旅立つ際にアーロを見る表情とその姿が、この冒険でのスポットの成長を物語っているといえそうだ。『アーロと少年』MovieNEXは発売中、デジタル配信中。(text:cinemacafe.net)
2016年07月10日マンモスパーティ「sagami original presents 真夏のSABISHINBO NIGHT 2016」が、2016年7月29日(金)東京・新木場のageHa(アゲハ)で開催される。“サビシンボ”を救済する最大級のクリスマス・パーティー「SABISHINBO NIGHT」のDNAを受け継ぐ本イベントのターゲットは、‟夏を一緒に過ごす恋人がいない人”。そして、そうでない人も盛り上がれる様々な企画を用意。会場は、4フロアに分かれており、それぞれに異なるパーティーを実施。メインフロアとなる「アリーナ(ARENA)」では、巨大なLEDとレーザーによる華やかな空間を舞台に、ZeebraのライブやDJ KAORIのDJプレイ、CYBERJAPAN DANCERSによるダンスパフォーマンスが行われる。そして、野外のプールサイドフロア「ウォーター(WATER)」では、レゲエミュージックとともに泡パーティーを開催。さらに、テント型フロアの「ボックス(BOX)」では、異性を誘惑する‟口説き”MCバトルがフリースタイルで展開される。女性は、この夏ももちろん入場無料。男性限定の前売りチケットや、渋谷から会場まで無料のシャトルバスなど、多くの人が楽しめるようサービスも充実。ぜひ足を運んで、ひと夏の思い出を作ってみて。【詳細】sagami original presents 真夏のSABISHINBO NIGHT 2016開催日時:2016年7月29日 (金) オープン 23:00会場:ageHa@STUDIO COAST住所:東京都江東区新木場2-2-10チケット:前売(男性限定前売チケット) 3,500円※女性は入場無料。URL:出演者 :■アリーナ(ARENA)Zeebra、SHINGO☆西成、TAK-Z、寿君、DJ KAORI、DJ KANGO、DJ KOMORI, DJ TOSHIYA、VJ CANSER graphix、CYBERJAPAN DANCERS■ウォーター(WATER)SPICY CHOCOLATE、MASTERPIECE SOUND、BLACK GOLD SOUND、BAD GYAL MARIE、■アイランド(ISLAND)DJやついいちろう(エレキコミック)、 DJ IZOH、西村ひよこちゃん、大門弥生■ボックス(BOX)Abema TV presents 口説きMCバトルTBA【問い合わせ先】ageHa@STUDIO COASTTEL:03-5534-2525
2016年07月10日地球に隕石が衝突せず、恐竜が絶滅しなかった架空の世界を舞台に、ひとりぼっちの恐竜アーロと人間の少年スポットが人生初めての友だちになっていく『アーロと少年』。このほど、本日7月6日(水)発売のMovieNEXにだけ収録されている、アーロとスポットのキュートな“かくれんぼ”の映像が初公開となった。圧倒的な大自然の中で育まれるアーロとスポットの“初めて”の友情と勇気、そして、アーロを想う父や家族の愛情が心に響くアドベンチャー・ファンタジーとなる本作。“ありえない2人”から生まれる、種族や言葉を超えた友情を描く物語は、まさにピクサーならでは。今回初公開となった映像は、枝を投げて遊ぶことに飽きたアーロとスポットが、次にかくれんぼをするところから始まる。体の大きいアーロはどこに隠れてもすぐにスポットに見つかってしまい、小さなスポットが隠れるとアーロはなかなか見つけられない。不器用なアーロと、おちゃめなスポットとのやりとりがとてもキュート!やっとの思いでアーロがスポットを見つけたかと思えば、現れたあのキャラクターに2人ともびっくり!誰がやってきたのかは、映像を見てのお楽しみ。言葉を話せる恐竜アーロと、言葉を知らない少年スポットという組み合わせの2人には、言葉が通じなくても楽しめるかくれんぼはぴったりだ。言葉ではなく心で繋がる友情を描く本作の特徴は、セリフの少なさ。セリフが少ないにも関わらず、観る人の共感を呼ぶ作品となっている理由は、映像の美しさにある。キャラクターの表情や外見の変化はもちろんのこと、描かれている大自然の風景は限りなくリアルでありながら、実写を凌ぐほどで「CGアニメーション史上もっとも美しい風景」(LAタイムズ紙)、「ピクサーがさらなる視覚的進化を遂げた」(Mashable)と絶賛されている。この美しいアニメーションを作り上げるまでに、アニメーターたちは植物や自然を徹底的にリサーチし、さまざまな角度から観察したという。製作総指揮のジョン・ラセターも、美しい自然とアーロとスポットの独創的な絆が描かれている本作は、これまでのピクサー作品のなかでも屈指の感動作であり、「特別な映画だ」と語っている。『アーロと少年』MovieNEXは7月6日(水)より発売(Blu-ray/DVD同時レンタル開始)、デジタル配信中。(text:cinemacafe.net)
2016年07月06日ディズニー/ピクサーのヒット作『アーロと少年』のブルーレイやDVDが収録されたMovieNEXが本日リリースされたのを記念して、MovieNEXだけに収録されているボーナス映像が公開になった。公開されたボーナス映像本作は、不慮の事故で父を失い、さらには激しい川に流されて自分も迷子になってしまった弱虫の恐竜アーロと、ひとりぼっちの少年スポットが大冒険を繰り広げる物語で、このほど公開になったのは、ふたりがかくれんぼをして遊ぶ場面だ。ふたりは言葉が通じないが、共に遊び、旅を続ける中で、お互いの境遇を知り、絆を深めていく。映像には、少し臆病でドジなアーロと、俊敏で愛らしいスポットの魅力が感じられる場面がたっぷりと収録されている。MovieNEX『アーロと少年』発売中デジタルも配信中発売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
2016年07月06日ディズニー/ピクサーのヒット作『アーロと少年』のブルーレイやDVDが収録されたMovieNEXが今月6日(水)にリリースされる前に、本作を手がけたピーター・ソーン監督のインタビュー映像が公開になった。インタビュー映像ソーン監督はピクサーで、ストーリー、アート、アニメーションのすべての部門で働いた経験を持ち、声優まで務める実力派で、満を持して新作の監督に就任したが、映像では「監督の話が来た時は本当に不安で怖かった」と振り返る。しかし、ソーン監督は停滞していたプロジェクトを見直して、ムダな部分を的確に指摘し、ストーリーやキャラクターを整理。観客の心に響くドラマに注力して、映画を完成させた。本作は、巨大な隕石が地球に衝突することなく、恐竜と人間が共存している世界が舞台。不慮の事故で父を失い、さらには激しい川に流されて自分も迷子になってしまった弱虫の恐竜アーロは、ひとりぼっちの少年スポットに出会い。友情を深めながら故郷を目指して冒険に出かける。劇中に登場する大自然の描写は、入念にリサーチを重ねた上でアニメーションが制作され、アーロの感情の揺れ動きに重なるように姿を変えていく。本作では極力、セリフに頼らずに、キャラクターの表情や動き、背景にある自然の変化でドラマが描かれており、監督がもっとも気に入っているシーンも、映画の終盤に登場するセリフのないシーンだという。MovieNEXでは、映画館では1度しか観ることができなかったシーンも、何度も観賞することが可能になるため、映画館では気づかなかったアーロとスポットの感情の変化や細やかなドラマを発見し、さらに深く楽しむことができるのではないだろうか。ちなみにMovieNEXには本編だけでなく、製作の舞台裏やキャラクターの魅力を紹介するドキュメンタリーや、音声解説も収録される。MovieNEX『アーロと少年』デジタル先行配信中7月6日(水) 発売発売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
2016年07月05日ピクサー・アニメーション・スタジオ創立30周年という記念の年に誕生した、恐竜と少年の心温まる友情と冒険を描いた長編アニメーション映画『アーロと少年』。このたび、MovieNEX発売を目前に控えた本作から、貴重なコンセプト・アートがシネマカフェに先行で到着した。“もしも、地球に隕石が衝突しなかったら…?”そんな架空の世界を舞台にした物語の主人公は、甘えん坊で父親がいないと何もできない臆病な恐竜、アーロ。激しい嵐で大切な父親を亡くし、自身も川に流され遠い地にひとりぼっちになってしまう。そんなときに救ってくれた人間の少年スポットと出会ったアーロは、2人で力を合わせて困難を乗り越えていくうち、言葉を超えた心で通じ合う、人生初の友だちになっていくーー。圧倒的な映像美と、キュートでどこかリアルな恐竜たちのキャラクター造形が大きな注目を集めた本作。今回届いたコンセプト・アート1枚目は、主人公アーロの幼いころのもの。誕生のときからすでに不器用だったアーロ。頭でっかちで、いかにも子どもらしいバランスがとてもかわいらしい。兄弟の中でいちばん小さく生まれたアーロは、怖がりな甘えん坊の末っ子。しかし、冒険の途中で少年スポットやほかの恐竜たちと出会い、たくましく成長していくのだ。そんなアーロは、冒険の最中は10歳の少年の心を持つ恐竜という設定で、実は大人のゾウと同じぐらいの大きさを想定された。実際にアニメーターたちは、まずゾウの調査映像を研究し、何度も協議を重ねながら、動きを理解できたところでようやく少年らしい性格や動作を足していくことができたという。ピクサーのアニメーター、ケヴィン・オハラは、「4本足の動物は動くパーツが多いため、アニメーターとしてはとても手ごわい相手です。まさに困難の連続でした」と、アーロを作り上げるまでの苦労を告白している。続いて2枚目は、たくさんの小動物を連れている不思議なキャラクター、スティラコサウルスのコンセプト・アート。彼は“ペット・コレクター”という名前で、本作で長編監督デビューを果たしたピーター・ソーンがボイス・キャストを務めている。当初、ソーン監督は全く乗り気ではなかったそうだが、製作総指揮のジョン・ラセターが「君が声をやるべきだ」と背中を後押しし、引き受けることになったという。そんな監督の声は、見事にペット・コレクターにぴったりだ。最後は、感動の“あのシーン”を描いたコンセプト・アート。涙ぐむアーロとスポットが触れ合うという名シーンは、ポスターやMovieNEXのジャケット写真などに使われているが、もともとはこのシンプルなアートから始まっている。本作では、出会いや別れのシーンがいくつも散りばめられているが、中でもこの名シーンは、恐竜と少年という“ありえないふたり”が冒険を通して築いた友情を表す感動的で象徴的なシーンとなっている。ちなみに、本作に携わったアニメーターは、なんと総勢78人。スタッフそれぞれが恐竜について入念なリサーチをし、さらにゾウ、鳥、馬などの動物や、ときにはカウボーイなど人間の動きも参考にして、生き生きとしたキャラクターを作り上げていった。“もしも“から始まるユニークな発想で生まれた本作は、まさにピクサー・アニメーション・スタジオらしい1本といえそうだ。『アーロと少年』MovieNEXは7月6日(水)より発売(Blu-ray/DVD同時レンタル開始)、デジタル先行配信中。(text:cinemacafe.net)
2016年07月03日第二次世界大戦下のアメリカを舞台に、戦場に向かった父を呼び戻そうとする8歳の少年が、奇跡を信じて奮闘し成長していく姿を描く『リトル・ボーイ 小さなボクと戦争』。このほど本作から、画家ノーマン・ロックウェルのエッセンスを盛り込んだ、おとぎ話のような世界観を表すポスタービジュアルがシネマカフェに到着した。8歳の少年ペッパーは、町の誰よりも背が低く“リトル・ボーイ”とからかわれていた。数少ない楽しみは、唯一の“相棒”である父親との空想ごっこと、父親の大好きな奇術を一緒に見ること。兄のロンドンが徴兵されることを除いて、平穏な日々は続くと思っていた。だが、ロンドンは徴兵検査に引っかかり、代わりに父親が戦場に駆り出されることに。心の支えである父親の不在に絶望するペッパーだったが、何とかして戦場から父親を呼び戻そうと司祭に助けを求め、“すべて達成すれば願いが叶う”というリストを授けられる。そのリストで一番の難題は、街のはずれ者の日本人と仲よくなることだった――。『ライフ・イズ・ビューティフル』や『リトル・ダンサー』に続く、父と息子の絆の物語として大きな感動をもたらした本作。ノーマン・ロックウェルが描き出した古き良きアメリカの世界に影響を受けたという監督のアレハンドロ・モンテヴェルデは、そのエッセンスをふんだんに盛り込み、壮大なおとぎ話ともいえる物語を紡ぎ出した。「第二次大戦中のアメリカの物語をメキシコで撮影したんだ。アメリカじゃないとは想像もつかないだろう。まるでロックウェルの絵から抜け出てきたように見えたよ。セットを作ったスタッフは本当に優秀だ」と、監督は明かす。そんな懐かしさや温かみと、可愛らしさがあふれる世界観が凝縮され、さらに少年ペッパーの表情がなんとも微笑ましく、ほっこりさせられるポスタービジュアルが完成。父親を戦場から取り戻したい少年と、“敵”である日本人との人種や年齢を超えた友情と、人を許すことが世界に平和をもたらすのだというメッセージを贈る本作を見事に表現している。『リトル・ボーイ小さなボクと戦争』は8月27日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開。(text:cinemacafe.net)
2016年06月22日ひとりぼっち同士の小さな恐竜と人間の少年が出会い、壮大な冒険を繰り広げるディズニー/ピクサーの長編アニメーション映画『アーロと少年』がついにMovieNEXで登場する。このほど、本作の監督ピーター・ソーンが、主人公の恐竜アーロの“人物”像について語る、MovieNEX収録のボーナス映像の一部が解禁となった。“もしも地球に隕石が衝突しなかったら…?”そんな“もしも”の世界を舞台にした本作の主人公は、甘えん坊で父親がいないと何もできない臆病な恐竜、アーロ。やがて、激しい嵐で大切な父親を亡くし、自身も川に流されたときに救ってくれた人間の少年スポットと出会い、力を合わせて困難を乗り越えていくうち、2人は言葉を超えた心で通じ合う、人生初の友だちになっていく。『カールじいさんの空飛ぶ家』のラッセル少年のモデルにもなった、本作で長編監督デビューを果たしたソーン監督。届いた映像では、彼は「キャラクターをどう描くかがやはり大切だ」と語る。観客が知りたいのは、恐竜アーロと少年スポットがいったいどういう“人物”なのか、ということだと明かす。そのため、アーロがいつでもビクビクしている様子をアニメーションとして取り入れ、怖がりで臆病者の小さな恐竜だということを表現したという。また、アニメーション監修マイケル・ヴェンチュリーニは、彼の姿勢や体つきからそれを表現したという。物語の最初のうちは、アーロは弱々しくて、首を曲げ、肩も丸め、ひざも曲がっていて、いかにも自信のなさげ。ところが、やんちゃで強気な少年スポットと出会い、大冒険を繰り広げていくなかで、アーロは少しずつ心身共々たくましくなっていく。冒険を終えるころには、真っすぐな姿勢でキリッと立ち、自信いっぱいに歩くたくましい恐竜として描くことで、観客はアーロが臆病者から強い恐竜へ成長したことを実感することになる。まさに、キャラクターの内面までも自然にかつ見事に表現する、卓越した3DCGアニメーションによるものだ。ストーリー・スーパーバイザーのケルシー・マンも、アーロが成長するには、ひとりで冒険の旅に出る必要があったと話している。家族の元を離れてしまったアーロは、さまざまな困難をスポットとともに乗り越えることで、一人前になるために必要な勇気と自信を得ることができた。同じようにスポットも、最初は四本足で歩く獣のようだったが、アーロと共に冒険を繰り広げるなかで、豊かな喜怒哀楽を示すようになり、気がつけば二本足で歩く少年へと成長していることが分かる。恐竜と人間の少年が出会い、共に過ごしていくうちに互いの孤独感や優しさ、強さに気づいていく本作。やがて彼らの間で、種を超えた真の友情が芽生える本作は、新しい世界に足を踏み出そうとするすべての人に、勇気とエールを贈る1本となっている。『アーロと少年』は6月29日(水)より先行デジタル配信開始、7月6日(水)よりMovieNEX発売。(text:cinemacafe.net)
2016年06月14日60年代のノルウェーを舞台に、「ビートルズ」に憧れる少年たちを描いた青春映画『Beatles』の邦題が『イエスタデイ』に決定し、10月1日(土)より日本公開されることになった。ビートルズ旋風が世界を駆け抜け、ノルウェーにも押し寄せていた1960年代半ばの、オスロ。いつも一緒の高校生4人組は、屋根裏で「ビートルズ」の「サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド」のレコードを初めて聴く。彼ら4人は“スネイファス”というバンドを結成し、自分たちも「ビートルズ」のように有名になりたいと夢を見ていた。ある日、ポールに心酔し、髪型も真似ているキムは、見ず知らずの女の子・ニーナと映画館で出会い、帰り道に突然キスをされる。どこの誰か分からないまま、彼女への想いだけを募らせ、渡しようのないラブレターを書くことに熱中するキム。一方、学校では、ヘビに襲われかけた転校生の美少女・セシリアを助けたことをきっかけに、別の恋が芽生えるのだった…。本作は、ノルウェーを代表する作家ラーシュ・ソービエ・クリステンセンが1984年に発表し、世界20カ国以上で翻訳されたベストセラー小説を元に映画化。劇中で流れる「シー・ラヴズ・ユー」「レット・イット・ビー」といった誰もが知るビートルズの名曲は、いずれもオフィシャルで許諾されたものが使用されている。さらに、本作の音楽監督を務めたのは、「テイク・オン・ミー」などの世界的なヒットで知られ、2015 年に再結成したノルウェーのポップバンド「a-ha」の “マグス”の愛称をもつマグネ・フルホルメン。また、『コン・ティキ』や、『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズの最新作『Pirates of the Caribbean: Dead Men Tell No Tales』(原題)でメガホンをとるノルウェー出身のヨアヒム・ローニング&エスペン・サンドベリが製作総指揮、北欧を中心に活躍する新鋭ペーテル・フリントが監督を務める。全編を彩るビートルズ楽曲とまぶしい青春の融合に期待していて。『イエスタデイ』は10月1日(土)より新宿シネマカリテほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年06月14日『オマールの壁』が日本でもスマッシュヒットとなっているハニ・アブ・アサド監督が描く、実話の映画化『歌声にのった少年』。このほど、心揺さぶる予告編映像が解禁となった。紛争の絶えないパレスチナ・ガザ地区で暮らす少年、ムハンマド。彼の夢は、“スター歌手になって世界を変える”こと。仲良しの姉ヌールと2人の友だちとバンドを組み、拾ったガラクタで楽器を作っては、街中で歌っていた。ムハンマドの声が“最高”だと信じるヌール。だが、その計画は予想もしない形で終わりを告げる。ヌールが重い腎臓病に倒れ、両親が治療費を用意できないまま亡くなってしまったのだ。姉との約束を守るため、ムハンマドはガザの壁を越えて、オーディション番組「アラブ・アイドル」に出場することを決意する──。全米で人気のオーディション番組「アメリカン・アイドル」のエジプト版「アラブ・アイドル」に出場することを目指し、優勝を勝ち取った歌手ムハンマド・アッサーフの実話を基に映画化した本作。現在も歌手を続けながら、国連パレスチナ難民救済事業機関青年大使を務めるなど平和への活動を続けるムハンマドの、亡き姉との約束を描き出す。予告編映像では、「スターになって世界を変える」と、姉ヌールの前で高らかに宣言するムハンマド少年の姿から始まる。だが、やがて分かる姉の病いと悲しい別れ。彼が暮らすのは、いまだ紛争絶えないパレスチナ・ガザ地区。がれきだらけのこの地に、ムハンマドの歌声が響いていく。しかし、亡き姉との約束を守るため、ついに決心したムハンマド。エジプトで行われる「アラブ・アイドル」出演のため、危険な“壁”を超えていくが…。現在では、アラブで知らない人はいないスーパースターとなったムハンマド。亡き姉や家族、故郷の人々の希望と夢を乗せた彼の歌声を、まずはこちらから確かめてみて。『歌声にのった少年』は9月24日(土)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年05月31日今年3月に公開され、好評を博したディズニー/ピクサーの最新作『アーロと少年』のブルーレイやDVDが収録されたMovieNEXが7月にリリースされるのを記念して、映画の本編映像の一部が公開になった。共に旅を続ける弱虫の恐竜アーロと、ひとりぼっちの少年スポットが、ティラノ一家に出会う愉快な場面だ。特別映像本作は巨大な隕石が地球に衝突することなく、恐竜と人間が共存している世界が舞台で、主人公の恐竜アーロは大好きな父親と優しい母親、兄弟たちと暮らしていたが、不慮の事故で父を失い、さらには激しい川に流されて自分も迷子になってしまう。やがて、アーロは言葉が通じない人間の少年スポットに出会い、ふたりで友情を深めながら故郷を目指して冒険に出かける。このほど公開になったのは、旅を続けるアーロとスポットがティラノ一家に出会う場面。ティラノサウルスの姉ラムジーと弟のナッシュは、見た目こそは凶暴だが、子どもをいじめる動物が許せない心優しい姉弟で、スポットはラムジーのことがすぐに好きになってしまう。映像の後半にはふたりの父親で、顔に大きな傷のある父のティラノサウルスのブッチも登場。映画でアーロたちはこの一家と行動を共にしながら、さらに成長を遂げていく。通常の映画では肉食恐竜のティラノサウルスは単に凶暴だったり、悪役として描かれることが多いが、ピクサーは観客の先入観や定型的な展開にとらわれることなく映画づくりを行っており、本作でも意外な見た目のキャラクターが、観客の思い込みや予想を心地よく裏切る行動をとり、アーロとスポットの大冒険を盛り上げていく。MovieNEXには本編だけでなく、製作の舞台裏やキャラクターの魅力を紹介するドキュメンタリーや、その名も『ティラノ一家の原点』と題した特典映像も収録。映像だけでなく、音声解説も楽しめる仕様になっており、様々な角度から『アーロと少年』を楽しめるようになっている。MovieNEX『アーロと少年』6月29日(水) 先行デジタル配信開始7月6日(水) 発売発売元:ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
2016年05月31日作詞家・阿久悠の自伝的同名小説を基に映画化した『瀬戸内少年野球団』。夏目雅子がヒロインを演じ遺作となった作品だが、この度その夏目さんが演じた役を、いまを輝く若手女優・武井咲が演じ、今秋、スペシャルドラマとして放送されることが明らかとなった。昭和19年、春。駒子(武井咲)は数日後に出征を控えた網元の長男とささやかな結婚式を挙げる。駒子の願いは、婚約者ではなく妻として夫の帰りを待つこと。甲子園球児だった夫は、駒子から生きて帰るためのお守りにするようにと言われた野球のボールを手に、戦地へと旅立っていく。駒子が務める江坂町国民学校の校庭はイモ畑へと変わっていた。子どもたちは常に空腹を抱えていたが、それでもまだ笑顔でふざけ合う元気を蓄えていた。そんな中、足柄竜太(坂田湧唯)に父の戦死が伝えられる。届いた骨箱には、父が使っていたとされる歯ブラシだけがぽつんと入っていた。「お父ちゃんは名誉の戦死して、歯ブラシになってもうたんか?」。子どもらしい疑問を抱く竜太。時をおかず、駒子には紙切れ一枚で夫の戦死が伝えられる。そして、戦争が終わる。その夏、海軍提督の娘、波多野武女(本田望結)が江坂町国民学校に転校してくる。終戦を機に学校の教育方針は一変。男女が同じ教室で勉強することになり、竜太と武女は席を隣同士にする。大人びた雰囲気のある武女に竜太はドギマギしながらも、駒子の指導のもと教科書に掲載された軍事色の強い内容を墨で塗りつぶしていく。その従順な姿に、駒子は胸を痛める。夫の弟、鉄夫(栗山航)は駒子の胸中を深く理解。長男亡きいま、両親の銀造(大杉漣)と豊乃(高橋惠子)は、そんな鉄夫の嫁に駒子を改めて迎えたいと思い始める。そんな中、淡路島には進駐軍が上陸し、島はたちまちアメリカ文化に感化。竜太と同級生の三郎(山下真人)の兄、二郎(えなりかずき)は大阪で一発当てると島を出て行く。半ベソの三郎と一緒に二郎を見送る竜太。その前に、謎の3本足の男が現れる。それは、戦地で片足を失い松葉杖をついた駒子の夫だった。約束通り野球のボールとともに戻ってきた夫は、大人の都合に左右されない確かなルールのある野球を子どもたちにやらせてはどうかと提案。駒子は監督となり教え子たちと少年野球団を結成する――!『瀬戸内少年野球団』は、生涯手がけた作詞は5,000曲以上という昭和を代表する作詞家、阿久悠の自伝的小説として1979年に誕生。主演は夏目さん、そして篠田正浩監督で映画化されたのが1984年。原作の上梓から37年、映画化から32年の時を経て今年蘇る。今回のスペシャルドラマでは、直木賞候補ともなった原作をより忠実に再現。舞台となる兵庫県淡路島で敗戦を迎えた少年少女たちの目を通して、絶望感、喪失感、無力感から、野球をすることで生きる力を取り戻していく人々の姿を生き生きと描いていく。主演の武井さんが演じるのは、小学校教諭・中井駒子。駒子は、子どもたちの憧れの美人先生であり、戦後すさんでいく子どもたちの心を危惧し、子どもたちと日々真剣に向き合う、心優しい先生。子どもたちに夢と希望を持つ力を与えようと、明確なルールにのっとり、チームが一丸となって1つの白球を追う真剣勝負のできる野球を教えていくという役どころだ。また、劇中で荒廃する少年たちのヒロイン的存在となる海軍提督の娘・波多野武女役には、人気子役・本田望結が扮する。武井さんは「子どもたちの頑張りに引っ張られて最後までやり通すことができました」と語り、「特に感動したのは、子どもたちが頑張って野球の試合をしている姿。役を通り越して胸を打たれました。最後は、ありがとうという思いで子どもたち全員に手紙を書かせていただきました」と撮影をふり返った。また、演じるにあたり映画も鑑賞したという武井さんは「いまでは難しいような衝撃的な表現があって、今回のドラマではどうなるのかな?と思ったのと、ただただ夏目さんが美しくて…。この方が演じられた役を私がやるという緊張感はものすごいものでした」とプレッシャーも感じていたようだ。さらに今回初共演となる本田さんについては「子どもの形をした大人なのかな(笑)と思わせるしっかり者。芝居ではスッと集中していて、望結ちゃんからも勉強することがありました」とも。一方、本田さんは「撮影、楽しかったです!」と元気な答え。そして「武女ちゃんはひとりっ子で、お父さんが職業軍人という、周りの男の子たちから憧れられるような人気者。はじめは男の子の中に女の子ひとりですごくドキドキしましたが、演じられて本当に幸せでした」と感想を語った。また、武井さんについては「すごく優しくしてくださり、たくさん勉強させていただきました。今回が咲さんにとって初の先生役ということでしたが、どこからどう見ても先生!咲さんがいたからこそできた作品だと思います」と話し、「たくさん練習した野球のシーンでは、咲さんがとても面白いことをされるので、ぜひ見てください!」とアピールしていた。共演者には、商魂たくましい島の名物“オバハン”役に友近。そんな彼女が入れあげる旅芸人役に、映画版で阿久悠の分身とも言える少年の竜太を演じた山内圭哉、駒子の夫の両親役に大杉漣と高橋恵子、そのほか、えなりかずき、平泉成といった彩り豊かなキャストが出演している。「瀬戸内少年野球団」は2016年秋、テレビ朝日にて放送予定。(cinemacafe.net)
2016年05月31日こんにちは、ママライターの広瀬まおです。5月を過ぎると、急に日差しが強くなってきましたね。昔の5月はもっと涼しかったような気がします。ニュースでも「今日は真夏日でした」という言葉を聞くこともしばしば。でも、「真夏日」ってなんでしょう?言葉のイメージから、「夏みたいに暑いのだろう」とぼんやりわかるような……?今回は「真夏日」にまつわるあれこれを調べてみました。●実はきちんと決められている「真夏日」の定義気象庁のホームページでは、このように定義されています。夏日…日最高気温が25度以上の日真夏日…日最高気温が30度以上 の日猛暑日…日最高気温が35度以上の日5度刻み で結構細かく設定されていますね。気象庁のホームページでは、各観測地ごとに気温が記されています。2016年5月では、すでに真夏日を迎えた地域も多く、5月3日には29か所の地点で30度越が確認されました。●日焼けとあせもに注意!「まだ夏じゃないから日焼け止めなんていらない」なんて油断していませんか?すでに真夏日を迎えた以上、日差しは夏と同等。このままでは夏を迎える前にこんがり……なんてことにもなりかねません。室内にも紫外線は入り込みます 。今からでもスキンケアを始めたほうがいいでしょう。小さなお子さんの場合は、熱中症も心配ですね。こまめな水分補給と、日陰での休憩をとりましょう。帽子も忘れずに。そして、水分をとるということは、汗をかくということ。着替えをしたりシャワーで流したりして、あせもを防止しましょう。●昼と夜の気温差も激しい?日中にはさんさんと照る太陽、しかし夜になれば一転、涼しい風が吹くのもこの季節の特徴です。髪を乾かさないまま寝たり、お腹を出したままで寝てしまい、冷えてしまった……なんて経験はありませんか?昼が暑かったからといって、油断は禁物です 。----------からっと晴れて気持ちの良い真夏日。日傘や帽子を使って、うまくお付き合いしていきたいものですね。【参考リンク】・予報用語気温、湿度 | 気象庁()・最新の気象データ 真夏日などの地点数(昨日まで) | 気象庁()●ライター/広瀬まお(コピーライター)
2016年05月30日『パラダイス・ナウ』、続く『オマールの壁』で高い評価を集めるハニ・アブ・アサド監督の最新作『The Idol』が邦題『歌声にのった少年』として、9月24日(土)より公開されることが決定、ポスタービジュアルが到着した。紛争の絶えないパレスチナ・ガザ地区で暮らす少年、ムハンマド。彼の夢は“スター歌手になって世界を変える”こと。仲良しの姉ヌールと2人の友だちとバンドを組み、拾ったガラクタで楽器を作っては、街中で歌っていた。ムハンマドの声が“最高”だと信じるヌールは、「カイロのオペラハウスに出る」というとんでもない目標を立てる。資金稼ぎと練習を兼ねて結婚パーティで歌い、美しい声で人々を魅了していくムハンマド。だが、その計画は予想もしない形で終わりを告げる。ヌールが重い病に倒れ、両親が治療費を用意できないまま亡くなってしまったのだ。姉との約束を守るため、ムハンマドはガザの壁を越えて、オーディション番組「アラブ・アイドル」に出場することを決意する──。紛争絶えないパレスチナ・ガザ地区で暮らす少年が、亡き姉との約束を果たすため、命がけで国境を越え、全米の人気オーディション番組「アメリカン・アイドル」のエジプト版「アラブ・アイドル」に出場、優勝を勝ち取るというムハンマド・アッサーフの実話を映画化。紛争の地から脱出し、勝ち抜くたびにパレスチナ国民の期待を一身に背負う存在となり、アラブで知らない人はいないスーパースターとなったムハンマド。“アラブ・アイドル”になる夢を叶えた少年は、現在も歌手を続けながら、国連パレスチナ難民救済事業機関青年大使を務めるなど平和への活動を続けている。この物語に感銘を受けたのは、『パラダイス・ナウ』(’05)が「第78回アカデミー賞」外国語映画賞にノミネートされたほか、「ゴールデン・グローブ賞」外国語映画賞、「ベルリン国際映画祭」ヨーロピアンフィルム賞を受賞し、現在日本でも公開中の『オマールの壁』(’13)でも再び「第86回アカデミー賞」外国語映画賞にノミネート、「第66回カンヌ映画祭」ある視点部門審査員賞を受賞した、イスラエル出身のハニ・アブ・アサド監督。これまでは、“自爆行為”に向かう青年や分離壁を命がけで往き来する若者などを主人公に、シリアスな政治や国際問題に真正面から迫る社会派ドラマを手掛けてきたアサド監督は、ムハンマドの生き方に感銘を受け、「美しく感動的な物語が作りたい」と本作で新境地に挑んでいる。『歌声にのった少年』は9月24日(土)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて順次公開。(text:cinemacafe.net)
2016年05月20日2016年は、ピクサー・アニメーション・スタジオ創立30周年。その記念すべき年に放たれた『アーロと少年』が、6月29日(水)よりデジタル先行配信、続く7月6日(水)には「MovieNEX」を発売し、Blu-ray/DVDレンタルも同日開始することが決定した。今から6500万年前、地球に巨大な隕石が接近。しかし、隕石はわずかにそれて、地球に衝突しなかった。ある日、山のふもとで農場を営むアパトサウルスの夫婦に子供が生まれた。最初に卵の空を破って出てきたのは元気な女の子・リビー。続いてやんちゃな男の子・バック、最後に残ったとびきり大きな卵から出てきたのは、小さくて臆病なアーロ。弱虫で、父親に甘えてばかりだったアーロは、激しい嵐で最愛の父親を亡くし川に流されて見知らぬ土地で目覚める。 迷子のアーロを救ってくれたのは、食糧を盗んでいた“生き物”=人間の少年・スポットだった。言葉も通じないのに、小さい体で一所懸命にアーロを守ってくれるスポット。最初は反発しながらも、やがてアーロはスポットに少しずつ心を開いてゆく。そうしてふたりは、アーロの家族が待つ家を目指し冒険の旅を始めるが、彼らの行く手には大自然の脅威や敵が待ち受けていた。力を合わせて困難を乗り越えていくうち、2人は言葉を超えた心で通じ合う人生初の友だちになっていく。だが、運命は2人を引き裂こうとしていた。果たしてアーロとスポットは、このままずっと一緒にいられるのか――。世界初の長編フルCGアニメーション『トイ・ストーリー』以来、世界的なヒットを生み続けてきたディズニー/ピクサー。製作総指揮を務めたジョン・ラセターは、本作と『トイ・ストーリー』シリーズとの共通点について「本作で描かれるアーロとスポットの関係は『トイ・ストーリー』のウッディとバズの友情を思い出させる」と明かすと共に、本作を「ピクサーが今まで作ってきた中でも最も感動的」と語り、自信を見せている。全米公開されるやいなや話題となったのは、物語の重要なパートを担う壮大で美しい映像。 心に深く語りかけてくるファンタジックな大自然の風景は限りなくリアルでありながら、実写をはるかに超え、「CGアニメーション史上最も美しい風景」(LA タイムズ紙)などと絶賛されている。監督は『カールじいさんの空飛ぶ家』と同時上映された短編『晴れ ときどき くもり』で監督デビューを果たしたピーター・ソーンが、本作でピクサー史上最年少の監督として抜擢された。脚本は、大ヒットが記憶に新しい『インサイド・ヘッド』で共同脚本をつとめたメグ・レフォーヴ。そしてジョン、リー・アンクリッチ、アンドリュー・スタントンと、いずれもアカデミー賞に輝くピクサーのトップ・クリエイター陣が製作総指揮を務めている。日本では3月12日(土)より公開され、安田成美、松重豊、八嶋智人、片桐はいりらが吹き替え声優を担当したことでも話題を集めた。さらに、日本版エンドソング、「Kiroro」の「Best Friend ~Mother Earth Version~」も物語のテーマにぴったりと合い、作品を彩っている。今回解禁された映像は、「もしも隕石が地球に…衝突しなかったら?」というナレーションから始まる予告編。恐竜・アーロと少年・スポットの出会いから、2人の冒険がぎゅっと詰まった映像となっている。一人ぼっち同士の2人が見つけた大切なものとは…?いつでも気軽に楽しめる「MovieNEX」やデジタル配信で、家族や友人、大切な人とぜひ本作を楽しんでみて。観終わったら、きっと勇気を与えてくれるはず。『アーロと少年』MovieNEXは7月6日(水)より発売(Blu-ray/DVD同時レンタル開始)。6月29日(水)先行デジタル配信開始。(cinemacafe.net)
2016年05月10日少年愛やSFを題材とする名作で少女マンガに革命を起こした、竹宮惠子さん。『少年の名はジルベール』は、竹宮さんがマンガ家を志して上京、『風と木の詩』(以下、『風木』)を発表して社会に衝撃を与えるまでのほんの5~6年間を綴った自伝であり、青春記だ。’70年に、竹宮さんと萩尾望都さんが、盟友の増山法恵さんによって出会い、東京都練馬区大泉の古い木造アパートで同居生活を送る。竹宮さんたちは、のちに<大泉サロン>と呼ばれるようになるその場所で、「24年組」「ポスト24年組」に名を連ねるマンガ家の山岸凉子さん、ささやななえこさん、佐藤史生さんらと、創作論やマンガ談議に花を咲かせた。「私の一生の中でもいちばんドラマティックな部分ですね。’72年の秋には、萩尾さん、増山さん、山岸さんの4人で45日間の欧州取材旅行にも行きました。とにかく本物を見て、たとえばドアノブの遊びの部分はどんなふうになっているのかなど、リアリティを込めたいという一心で」実は、<大泉サロン>があったのは、わずか2年ほど。才能がせめぎ合うからこその、萩尾さんへの複雑な思いは、読んでいるだけで胸がキリキリしてくる。また、『風木』誕生を巡ってバトルを繰り広げたYさん、布石を打ってくれたMさん、ふたりの編集者とのドラマも熱い。「若かったんですね。感情をうまくコントロールしたりできずに、苦しんだ時期もありました。ただ、私としてはもう終わったことなので、学生たちにも率直に話すんです。若いと、目の前の苦難がいつまで続くのか見えないのがつらいけれど、私の体験を知ると、少し楽になるようです。困難が砂漠に突然現れた壁だとしたら、突破するのに、私は壊すでもなく、乗り越えるでもなく、ずっと壁に沿って歩くタイプなんです。きっとどこかに、ひょいと抜けられる穴があるように思うので(笑)。そういう道もあるのだと、教えたい」また「創作(クリエイション)」の本質に触れている名文もたくさんある。マンガファンでなくても感動必至の一冊だ。◇たけみや・けいこマンガ家、京都精華大学学長。1950年、徳島県生まれ。’68年にデビュー。『ファラオの墓』『風と木の詩』『地球(テラ)へ…』で人気を不動のものに。2014年、紫綬褒章を受章。◇カラーの口絵ページや大泉サロン内部を描いたイラストなども収録。『風木』のジルベール誕生の瞬間など少女マンガの歴史的事件が目白押し。小学館1400円※『anan』2016年4月20日号より。写真・岡本あゆみ(竹宮さん)森山祐子(本)インタビュー、文・三浦天紗子
2016年04月19日2016年4月よりTBS、BS-TBSほかにて放送開始となるTVアニメ『少年メイド』より、第1話「働かざるもの食うべからず!」のあらすじと先行場面カットが公開された。○TVアニメ『少年メイド』第1話 - あらすじ&先行場面カット■第1話「働かざるもの食うべからず!」あらすじ家事が大好きな小学生の男の子・小宮千尋は母を亡くし天蓋孤独の身に。そんな彼に叔父の美青年・鷹取円が手を差し伸べるが、助けは要らないと千尋はその申し出を断ってしまう。しかし、千尋は連れてこられた汚い屋敷の惨状に我慢爆発し、ついつい大掃除!! そんな千尋の姿を見てに円はある取引を持ちかける――!?(脚本:中村能子、絵コンテ:山本裕介、演出:鈴木孝聡、作画監督:玉木李枝・福永智子)○TVアニメ『少年メイド』ニコ生情報そして、TBS、CBCにて放送開始となる4月7日(木)の21時からは、ニコニコ生放送にて『TVアニメ「少年メイド」放送開始直前ニコ生』が配信される。メインキャスト陣から、小宮千尋役の藤原夏海、鷹取円役の島﨑信長、篠崎桂一郎役の前野智昭が出演。作品やキャクターの紹介、第1話の見どころなど、放送開始直前の「少年メイド」についてのトークが繰り広げられる。また、4月11日(月)には、TVアニメ「少年メイド」のスピンオフ企画として放送される、「有頂天BOYS」のメンバーによるニコニコ生放送「有頂天☆ニコ生」の第1回が放送される。第1回放送では、「有頂天BOYS」から八代拓(隼人役)と山本和臣(伊吹役)の2人が出演。主人公・小宮千尋役の藤原夏海をゲストに招いての放送となるので、こちらも注目しておきたい。TVアニメ『少年メイド』は、TBSにて4月7日(木)より放送開始となるのを皮切りに、CBC、サンテレビ、BS-TBSほかにて放送開始予定。放送スケジュールなどの詳細については、アニメ公式サイトなどをチェックしてほしい。(C)乙橘・KADOKAWA/少年メイド製作委員会
2016年04月06日●批判受ける覚悟の「本音メディア」1956年に創刊され、今年で60周年を迎えた週刊誌『週刊新潮』。酒井逸史編集長の直撃インタビュー前編では「3つの伝統」を中心に話を聞いたが、後編では同誌が社会に問い続けている「少年法と実名報道」にスポットを当てる。「少年法に罰則規定がない」というグレーゾーンになぜ挑み続けるのか。そして、「実名報道に踏み切るか否か」の基準、経緯とは。○メディアに問う「思考停止」――最近では、川崎市中1男子生徒殺害事件を実名で報じていました。あらためて、こだわり、思いをお聞かせください。まず、少年法をどのように認識しているかということだと思います。私が編集長になってから名前を載せたケースはいくつかありますが、少年法の趣旨に真っ向から批判を加えているわけではありません(過去に実名で報じた少年犯罪…1999年光市母子殺害事件/2013年吉祥寺女性刺殺事件/2014年名古屋の女子大生による殺人事件/2015年川崎市中1男子生徒殺害事件※2009年から編集長に就任)。「少年の実名をさらしてしまうと更生の妨げになるのではないか」という趣旨はむろん理解できます。一方で、少年法に罰則規定がないということもある。だからといって、それをむやみに破っていいというわけではないことも分かっている。ただ、「少年だから名前を書かない」ということだけをひたすら守るのは、メディアとしての思考停止ではないでしょうか。世の中、どんなことにでも「程度」というものがあるわけです。それから事件報道の基本は、「誰」が「何」をやったかということ。そこでの固有名詞はとても大事な要素です。法律の趣旨に鑑みて許容できる範囲であれば、それを認めるのもやぶさかではない。ただ、名前を載せるか否かを毎回考えないといけないんじゃないの? と私は問いたい。従って、すべての少年事件で名前を載せようなんて、全く考えていません。繰り返しになりますが、通常は名前を報じることが更生の妨げになることもよく分かります。ただ、私たちが名前を載せた少年事件のケースは、非常に大きな影響を社会に与えた事件です。例えばこういうことではないでしょうか。私たちが名前を載せたことによって更生ができなくなるような、そんな程度の反省では「更生失敗」であるといえるような、そのぐらい深い反省を求められるような案件……、極めて重大な事件ばかりなのです。時折、少年法で規定されていた少年犯罪の範囲を超えているような事件が起きるわけです。世の中に与えた衝撃度、犯罪のありさま、本人の供述など、総合的に考えてみたとき、「名前を載せない」という判断に必ずしもならないケースもあるのではないかと思うわけです。そのケースに至ることが、時々、ごくごく稀にある。これが私のスタンスなのです。メディアというものは、第四の権力としていろいろなものを批判するものですよね。それを私たちは私たちのやり方で少年法に疑義を呈しているわけです。その意味では、高市早苗総務相が「停波」発言をして、テレビ局が騒いでいるのと変わらないと思います。高市総務相にはみんな一斉に噛みつくのに、なぜ少年法という法律になると、全メディアが右へならえで、かたくなに「名前を報じてはいけない」の一辺倒になるのでしょうか。少年の更生が全てに優先するという理想主義なのか、あるいは、単に杓子定規に「法律に書いてあるからだめ」ということなのか。「少年は更生すべき」というのはもちろんです。でも、あまりにも杓子(しゃくし)定規にすぎませんか? われわれ『週刊新潮』は「本音のメディア」でありたい。だからこそ、私たちは名前を載せることがあり、その点でもちろんご批判も受けます。ですので、重大な少年事件が起きた際、毎回丁寧に考えた上で、「載せない」という決断であれば、そこに問題はないと思います。しかし、毎度、同じ判子をつくように「載せない」と、考える前に判断するような風潮に疑問を抱いているわけです。だからこそ、私たちはその都度、呻吟(しんぎん)して載せるかどうかを判断しているつもりです。二十歳未満の犯人であると、機械的に実名を報じないというのは、やはりメディアの思考停止なのではないでしょうか。●実名の判断は会議にかけない○独自で考えてこそのメディア――どのような流れで「名前を載せる」と判断しているのでしょうか。最終的にはすべて私の判断です。編集部に少年法ガイドラインがあって、それを頼りに決めているわけではありません。その点、恣意的ではないか、というご批判もあるでしょう。一企業が決めていいのか、一編集者が法律にそむくことをやっていいのかという批判も、当然、生じるでしょう。でも考えてみてください。すべての報道が完全なガイドラインの統制化にあって、それでよいのでしょうか。何を面白いと感じて、何を報じるか、どこまで報じるか、そもそもジャーナリストの主観から始まります。極論すれば恣意的なものなのですよ。また、一私人が決められないとなると、メディアは国が決めたことで動かないといけないという逆説になる。でも、メディアは一番そこから遠いところにいなくてはなりません。だからこそ、一企業が決めたことでいいんです。週刊新潮は「国から決められたことだけをやってればいい」というメディアではありません。メディアは自分で考えなければいけない、と思っています。さらに申し上げれば、売らんかなという批判もありますね。商業ジャーナリズムだというわけです。しかし、日本ではNHKを除けば、ほぼ全てが商業ジャーナリズムではないですか。○週刊新潮が突き進む「メディアの方向性」――賛否両論がある問題だからこそ、会議を重ねて決めているものだと思い込んでいました。編集作業において必要な良い会議もあると思いますが、一方で、会議は「結論が平均点」になる危険性もあります。少年法の問題に限らず、われわれは尖ったものを作ろうとしているわけですから、平均的な結論はありがたくないのです。トゲの部分にヤスリがかかって落ちていってしまうわけですね。角のとれた丸まったものを世に出しても仕方がない。一方で、単にセンセーショナルなものをひたすら追いかけまわすつもりもありません。しかし、提案したり、提言したりするときには、やはり波紋が起きるようなものを投げなければならない。ですので、実名報道に関して、編集会議で多数決をとるようなことはしませんでした。一点、偽善的だなと感じたのは、川崎の事件を実名で報じたことで、弁護士会から抗議文を何通かいただいたことです。彼らの「更生の妨げになる」というご意見は承ります。ですが、一方で疑問に思うのは、ネットに氾濫している実名情報を彼らがどのように捉えているんだろうということです。私たちが書く前から、ネット上には犯人の名前、そして顔写真も出ていた。それについて彼らは、彼らなりの手を打ったのだろうか。掲載元を探って、抗議文を送ったり、足を運んだりして、デジタル空間に漂い続けることを阻止しようとしたのだろうか。もし、弁護士会がそのような煩雑で報われることの少ない業務に本腰を入れていないのであるとすれば、それはどういうことなのでしょうか。手紙を書いて簡単に、そして必ず到達する相手が、われわれ『週刊新潮』です。手間がかかることはやらないが、手間がかからないことは形式的にやる。それは本当に「少年の更生」を考えているといえるのか。そういう仕事はプロフェッショナルじゃない、というのが私の言い分です。――少年Aが『絶歌』を出版して、物議を醸しました。これについては、どのように受けとめましたか。とんでもない話だと思いました。ご遺族が「2度殺された」とおっしゃっていましたね……。やはり、犯罪を赤裸々に暴露することによってお金儲けをすること自体については、大きな疑問を持ちます。太田出版がいくら出版することの意義を訴えても、そのことについては否定的です。出版する自由があると言われればその通りなんだけれども……。ただ、どうかとは思いますね。
2016年04月01日ディズニー/ピクサーの最新作<a href="">『アーロと少年』</a>が、興行収入が10億円、動員88万人を突破する大ヒットを記録。SNSやレビューサイト上で感動の声が多数上がっている。もしも隕石が地球にぶつからず、恐竜たちが絶滅どころか進化を続け、恐竜だけが文明と言葉を持つようになったとしたら…?そんな“もしも”の世界を舞台に、大きいけれど弱虫で怖がりの恐竜アーロと、小さいけれど怖いもの知らずの少年スポットの友情の絆を描く。『トイ・ストーリー』以来、その斬新かつ感動的な物語で世界中の老若男女を魅了し続けてきたディズニー/ピクサーの最新作として公開中の本作。3月12日(土)の公開から3週目を迎え、3月28日(月)時点での動員は880,493人、興行収入は10億5,268万3,200円を突破する大ヒットを記録している。製作総指揮を務めたジョン・ラセターが、「ピクサーがいままで作ってきた中でも最も感動的」と語る本作は、実写と見紛うほどの圧巻の映像で、“アニメーションの映像革命”とも言われるほどの好評を得ており、公開前から「予告編だけで泣ける!」「映像がまるで実写のよう」「早く観たい!」など、恐竜ファンの少年からファミリー、大人まで幅広い層から注目を集めていた。公開後のTwitter上には、「驚くほど泣いた」「感動した」「友だちってイイね!」といった好意的なコメントが占めており、「子どもが初めて映画で感動して泣いていた。感受性の成長を感じてまた涙」「心が洗われた…」「台詞がないシーンでやばいくらい泣いた」といった、シンプルながらもストレートに心に響くメッセージの力強さへの驚きの声が多いことに加え、「また見てきた」というリピーターや、「誰か一緒に観に行こう」という声も多く、引き続き春休みを通した動員が見込まれる。また、現在東京都現代美術館にて開催中の「スタジオ設立30周年記念ピクサー展」も、休日は入場列が120分待ちに達するなどの盛況ぶりを見せ、「恐竜博2016」(国立科学博物館)や、体験型展覧会「ピクサーアドベンチャー『もしも』から始まる、冒険の世界」(名古屋・テレビピアホール)も開催されている中、相互作用によるさらなる盛上がりが期待できそうだ。『アーロと少年』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年03月29日8歳の少年が交通事故で死んだ。事故加害者の夫と不倫中の派遣社員・千恵子、パン工場で働きながら少年を育てていたシングルマザーの吉乃、加害者の夫で編集者の健二、加害者で人気スタイリストの美里。事故によって、それぞれが抱えることになった喪失とかすかな光を描いた連作短編集『一瞬の雲の切れ間に』。ドキュメンタリー映画の俊英、砂田麻美さんが初めて挑戦した完全なるフィクションだ。「最初に決めたのはタイトルでした。たまたま仕事で長崎の原爆資料館に行ったとき、原爆投下の状況を説明した文章の中に<一瞬の雲の切れ間に>という言葉があって、それがすごく印象に残ったんです。ほんの一瞬の出来事で、一生背負わなければいけない罪を犯してしまったり、運命がまるきり変わってしまうような事柄に遭遇したりするんだ、と。それを軸に据えたら、語り手としてどんな人を据えたらいいのかのイメージが一気に湧いてきました」事故から数えて2年ほどの年月。その間に起きたことや、それ以前の過去を、語り手それぞれが回想する形で物語が進む。そのときに浮かび上がるのは、人間というものの善悪入り交じる複雑な多面性だ。「映像は人物に確たるキャラクターを持たせないと伝わりにくいので、多くを語らせずに観客にゆだねる表現をします。だからよけいに、“書く”ことでしかできない表現を意識しました。できるだけ裏の裏までえぐって、その人のいいところも悪いところも余すところなく書こうと」執筆は主にスタバで。1日10枚とノルマを決めてコツコツ書いた。「5枚しか書けなかったら、翌日巻き返して15枚書く。スイッチが入れば周りが見えないほど集中できる方なので、そこまでいくと、脳裏に浮かんでいるイメージを文章に変換させることができるのですが」ちなみに本作には、5人の語り手がいるのだが、そのラストに登場するのは、意外な人物だ。「事件をめぐる人間関係の枠から、少し距離がある人物を1人出そうというのは最初に決めていて、その人物が、この物語を束ねる存在になるだろうという予感はありました」サスペンスフルに展開するエンディングと、その先に見える一条の光。その完成度を、ぜひご覧あれ。◇少年の死亡事故に直接的、間接的に関わった人々の胸の内が語られる連作短編形式。後悔、懺悔、赦し、希望など千々に心乱れる人々を描く。ポプラ社1400円◇すなだ・まみ映画監督。1978年生まれ。是枝裕和監督らの監督助手を務め、初監督作品『エンディングノート』で日本映画監督協会新人賞等を受賞。それをもとに小説『音のない花火』を発表。※『anan』2016年3月23日号より。写真・岡本あゆみ(砂田さん)森山祐子(本)インタビュー、文・三浦天紗子
2016年03月22日『トイ・ストーリー』『モンスターズ・インク』など、数々の世界的ヒット作を生み続けてきたディズニー/ピクサーが贈る最新作『アーロと少年』。臆病でひとりぼっちの恐竜・アーロと怖いもの知らずの勇敢な少年・スポットの友情を描くこの物語には、早くも観た人々からは「泣けた」「感動した」といった声に続き「アーロがかわいい!」という声も。そこで、シネマカフェのロゴにもあるアーロ&スポットを描いてくれたピクサーのケルシー・マンに、1分でマスターできるアーロを描き方を伝授してもらった。“もしも、巨大隕石が地球に衝突していなかったら?恐竜は絶滅せず、文明と言葉を持っていたかもしれない…”。そんな世界を舞台に、弱虫で怖がりな恐竜の子どもアーロと怖いもの知らずで勇敢な人間の少年スポットの友情と冒険を圧倒的な映像美で描く本作。昨年公開された『ジュラシック・ワールド』以降、恐竜好き女子が増えている中、恐竜アーロもかわいい! と話題を呼んでいる。本作でストーリー作りに携わったケルシーは「誰でも簡単にアーロを描けるよ」と、1分でかわいいアーロを描く方法を直伝してくれた。(1)まず、小さめの丸を隣同士に2つ書きましょう。(2)その丸の中にそれぞれ1つずつ黒丸を書いてください。これがアーロの目です。(3)左目の下から左に向かって短い線を引き、線の端から右目の端まで、下からぐるっと半円で結ぶと左向きのアーロの輪郭ができます。(4)輪郭の中に1本の線で口を書いて、小さな鼻の穴を2つと首を書いたら、かわいいアーロのできあがり!実は、このかわいいアーロの見た目には、怖がりな性格が反映されているのだという。アーロは大きな体を持つ恐竜でありながら、臆病で何をするにも怖がってしまう。そしてあるとき、川に流されてしまい、家族と離れ離れになり、大自然の中ひとりぼっちになってしまうのだ。ピクサーの製作陣は、アーロが怖がりなことを見た目からも分かるよう工夫を施した。アニメーターのマイク・ヴェンチュリーニは、「アーロの姿勢を見れば、彼が自信がないことが分かると思う。アーロの背筋はいつも曲がっていて、少しかかとに体重を乗せている。それからいつも大きく目を見開き、眉を上げているんだ」と解説する。そんなとても怖がりなアーロが、正反対の性格の少年スポットと出会い、家に帰るために旅に出る。その中で初めての友情を知り、どんどん強く、たくましくなっていくアーロ。いままで怖くてできなかったことも友情の力で乗り越えていくアーロの姿に、いつのまにか勇気をもらえるはずだ。『アーロと少年』は全国にて公開中。(text:cinemacafe.net)
2016年03月20日2016年4月5日(火)よりNHK Eテレ 天てれアニメで放送開始予定の『少年アシベ GO!GO! ゴマちゃん』だが、そのキャスト&オープニングテーマが発表された。主人公・芦屋アシベ役は初主演となる河村梨恵、ゴマちゃん役は東山奈央が担当。そのほか、アシベの父ちゃん役を津田健次郎、アシベの母ちゃん役を赤﨑千夏、天堂先生役を遊佐浩二、ゆうまくん役を佐倉綾音がそれぞれ務める。ここでは各キャストからのメッセージを紹介しよう。■河村梨恵(アシベ役)小さい頃に観ていた「少年アシベ」で自分がアシべを演じる日がくるとは夢のようです。楽しみながら精一杯演じさせていただきます!!■東山奈央(ゴマちゃん役)ゴマちゃんの愛らしさに私自身とても癒されております。素敵な作品に関わらせていただき胸がいっぱいです。よろしくお願い致します!■津田健次郎(アシベの父ちゃん役)「少年アシベ」の可愛く面白い世界が好きなのでとても嬉しいです。楽しみにしていて下さい!■赤﨑千夏(アシベの母ちゃん役)まさか自分が「少年アシベ」に関われるとは思っておらず、とても光栄です。賑やかな家族の母ちゃんを演じるのが楽しみです!■遊佐浩二(天堂先生役)僕も観ていた作品ですので、正直プレッシャーもありますが僕なりの役作りで取り組みたいと思っております。■佐倉綾音(ゆうまくん役)小学生の時に読み込んだ少年アシベに関われる日が来るとは…人生捨てたものではないなと思っています。そこをゴールにすることなく、皆様に楽しんで頂ける作品作りに勤しんでまいります!また、オープニングテーマはニコニコ動画で人気の"ろん"が歌う「ハロートゥモロー」となる。■ろんからのコメント初めまして、 オープニングテーマを歌わせて頂きましたろんと申します。まずファンとして、 再びゴマちゃんがテレビの中で「キュー!」と言いながら動く可愛い姿を観れることが、とても嬉しいです!私が小さい頃、 ゴマちゃんのぬいぐるみ2匹と一緒に眠っていたことを思いだします。その時は考えもしなかった「歌」という形で、 今回ゴマちゃんにお近づきになれて本当に幸せです。これからゴマちゃんに出会う子供たちや、 懐かしさに心躍る大人も一緒に歌ってもらえたら嬉しいです。よろしくお願い致します!TVアニメ『少年アシベ GO!GO! ゴマちゃん』は、2016年4月5日(火)より毎週火曜日 午後6時45分~54分にNHK Eテレ(天てれアニメ枠)にて放送予定。(C)森下裕美・OOP/Team Goma
2016年03月19日